通信装置
【課題】夜中等においては、検知された人以外の人への影響を極力防止すると共に、検知された人には確実に報知することが可能となる通信装置を提供する。
【解決手段】親機10のCPU21は、静穏モードに設定され、且つ、焦電センサ16によって、親機10の周囲に人を検知した場合には、設定可能な4段階の音量のうち、親機10の近くで聞き取り可能な「極小」レベルの音量でメッセージやダイヤル送出音等を再生する(S111〜S115)。
【解決手段】親機10のCPU21は、静穏モードに設定され、且つ、焦電センサ16によって、親機10の周囲に人を検知した場合には、設定可能な4段階の音量のうち、親機10の近くで聞き取り可能な「極小」レベルの音量でメッセージやダイヤル送出音等を再生する(S111〜S115)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体を検知する人体検出センサを備えた通信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、人体を検知する人体検出センサを備えた通信装置が種々提案されている。
例えば、所定値の音圧サンプルデータと、所定値の振動サンプルデータを保持し、装置の周囲の音圧や、装置の振動を検出する。そして、着信通知を行った後、着信音を鳴動し、検出された音圧と保持される音圧サンプルデータを比較し、また、検出された振動と保持される振動サンプルデータを比較する。その後、検出された音圧が保持された音圧サンプルデータよりも小さく、且つ、検出された振動が保持された振動サンプルデータよりも小さい場合には、近くに人がいないと判断し、着信通知があった際、着信音量を小の状態から大の状態に徐々に着信音の鳴動を行うようにした通信装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2006−325041号公報(段落(0017)〜(0030)、図1〜図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した特許文献1に記載される構成では、夜中等においても着信音量が大きくなってしまい、利用者以外の人が不愉快な思いをする可能性があるという問題が有る。
【0004】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、夜中等においては、検知された人以外の人への影響を極力防止すると共に、検知された人には確実に報知することが可能となる通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため請求項1に係る通信装置は、静穏モードを設定可能なモード設定手段と、人体を検知する人体検出センサと、報知情報を音で報知する音報知手段と、前記モード設定手段によって静穏モードに設定され、且つ、静穏モード中に前記人体検出センサによって人体を検知した場合には、前記音報知手段が本体の近くで聞き取り可能な小さな音量で報知するように制御する小音制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に係る通信装置は、請求項1に記載の通信装置において、前記人体検出センサによって人体を検知したことを発光によって報知する光報知手段と、前記モード設定手段によって静穏モードに設定され、且つ、静穏モード中に前記人体検出センサによって人体を検知した場合には、前記光報知手段が発光するように制御する発光制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項3に係る通信装置は、請求項1又は請求項2に記載の通信装置において、表示手段と、前記モード設定手段によって静穏モードに設定され、且つ、静穏モード中に前記人体検出センサによって人体を検知した場合には、前記表示手段を介してメッセージを表示するように制御する表示制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項4に係る通信装置は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の通信装置において、前記小音制御手段は、前記報知情報がメッセージを含む場合には、前記音報知手段が該メッセージの最初に喚起音を付加して報知するように制御することを特徴とする。
【0009】
また、請求項5に係る通信装置は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の通信装置において、子機と、前記子機からの着信を検出する着信検出手段と、を備え、前記モード設定手段によって静穏モードに設定され、且つ、子機からの着信を検出した場合には、前記小音制御手段は、前記音報知手段を介して着信音を本体の近くで聞き取り可能な小さな音量で報知するように制御することを特徴とする。
【0010】
また、請求項6に係る通信装置は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の通信装置において、前記音報知手段の音量を小の状態から大の状態へ複数段階の音量に設定可能な音量設定手段を備え、前記小音制御手段は、前記音報知手段の音量を前記音量設定手段で設定可能な最も小の状態の音量に設定することを特徴とする。
【0011】
更に、請求項7に係る通信装置は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の通信装置において、前記人体検出センサは、焦電型赤外線センサであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
前記構成を有する請求項1に係る通信装置では、静穏モード動作中において、人体検出センサによって人を検知した場合には、本体の近くで聞き取り可能な小さな音量で報知情報を報知するため、検知された人は、報知情報を認識することが可能となる。また同時に、本体の近くで聞き取り可能な小さな音量であるため、当該検知された人以外の人で、本体から離れた所にいる人への報知情報の報知による影響を極力防止して、夜中等における不愉快な思いを防止することが可能となる。
尚、静穏モードとは、就寝時間中等の予め設定した開始時刻から終了時刻までにおいて(例えば、午後11:00から午前7:00までの間である。)、外線からの着信音や留守録の回線モニター音等を出力する機能が停止されるモードをいう。
【0013】
また、請求項2に係る通信装置では、静穏モード動作中において、人体検出センサによって人を検知した場合には、光報知手段が発光するため、当該検知された人は、夜中等の暗い場合でも本体の位置や報知情報があることを容易に認識することが可能となる。
【0014】
また、請求項3に係る通信装置では、静穏モード動作中において、人体検出センサによって人を検知した場合には、メッセージが表示される。このため、当該検知された人は、表示されたメッセージによって、ファックシミリの着信、留守番録音、着信エラー等があった旨等のお知らせメッセージや、伝言メッセージ等が音報知手段により再生されていることを容易に認識することが可能となる。
【0015】
また、請求項4に係る通信装置では、本体の近くで聞き取り可能な小さな音量でメッセージを報知する場合には、最初に喚起音が報知されるため、検知された人は、喚起音を聞くことによって、メッセージの再生があることを容易に認識できる。そして、検知された人は、当該メッセージを注意深く聞くことが可能となり、伝達事項等を確実に聞き取ることが可能となる。
【0016】
また、請求項5に係る通信装置では、静穏モード動作中において、子機からの着信を検出した場合には、着信音を本体の近くで聞き取り可能な小さな音量で報知するため、検知された人は、子機からの着信を認識することが可能となる。また同時に、着信音は本体の近くで聞き取り可能な小さな音量であるため、当該検知された人以外の人で、本体から離れた所にいる人への報知情報の報知による影響を極力防止して、夜中等における不愉快な思いを防止することが可能となる。
【0017】
また、請求項6に係る通信装置では、静穏モード動作中において、人体検出センサによって人を検知した場合には、小の状態から大の状態へ複数段階の設定可能な音量のうち最も小の状態の音量で報知情報を報知する。このため、ユーザは音報知手段の音量を予め認識でき、報知情報を本体の近くで確実に聞き取ることが可能となる。
【0018】
更に、請求項7に係る通信装置では、人体検出センサは、焦電型赤外線センサであるため、人の動きを確実に検知することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係る通信装置をファクシミリ装置について具体化した実施例に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【実施例】
【0020】
[ファクシミリ装置の全体構成]
先ず、本実施例に係るファクシミリ装置1の概略構成について図1に基づき説明する。
図1は本実施例に係るファクシミリ装置1の概略構成を示す斜視図である。
図1に示すように、ファクシミリ装置1は、電話回線網100(図2参照)を介して音声通話を実現する機能(電話通話機能)や電話回線網100を介して画像データの送受信を行う機能(ファクシミリ機能)等を有しており、図1に示すように、電話回線網100に接続される親機10と、その親機10との間で無線回線を介して接続される子機50と、図示しない外部電源に接続され、子機50を着脱可能に載置し、載置された子機50を所定の電圧で充電するための充電台80とから構成されている。
【0021】
親機10は、その親機本体ケース11の側部に、親機10本体から取り外した状態で使用される送受話器であるハンドセット12が載置される受話器台12Aが設けられている。更に、親機本体ケース11の上面には、各種機能に関連する情報を表示するための液晶ディスプレイ(LCD)13と、相手先の電話番号やFAX番号、各種コマンド等を入力するためのダイヤルボタン14A、液晶ディスプレイ13に表示されるメニュー画面等で選択するときに操作される選択ボタン14B等の各種操作ボタン14が備えられている。
【0022】
尚、液晶ディスプレイ13は、表示画面を背面から照明するバックライト付の液晶ディスプレイ(LCD)である。
また、親機本体ケース11の受話器台12Aと反対側の側面部には、コードレス子機50との間で無線通信を行うためのアンテナ15が設けられている。また、親機本体ケース11の前面部には、人体を検知する人体検出センサの一例としての焦電型赤外線センサ(以下、「焦電センサ」という。)16が配置されている。
【0023】
この親機10は、受話器台12Aに載置されるハンドセット12を用いた電話(音声通話)機能を有する他、ファクシミリ装置としての基本的な機能である、原稿読み取り機能及び画像記録機能を備えている。
【0024】
また、子機50は、ハンドセットの形状をした子機本体ケース51の表面上に、各種機能に関連する情報を表示するための液晶ディスプレイ(LCD)53と、相手側の電話番号を入力するためのダイヤルボタン54A、表示パネル53に表示されるメニュー画面等で選択するときに操作される選択ボタン54B等の各種操作ボタン54と、トーン信号や通話相手の音声などが出力されるスピーカ部67等を備えている。また、子機50は、当該子機50全体に電源を供給する二次電池71(図2参照)を充電台80から充電するための充電用端子55(図2参照)が備えられている。
【0025】
また、充電器80は、子機50が載置されると当該子機50の充電用端子55に接触する充電用端子82(図2参照)を備えている。
そして、子機50は、二次電池71(図2参照)から電源供給を受けて動作するため、二次電池71を充電する際は、図示のように充電台80に子機50を載置して充電を行う。つまり、子機50がこの充電台80に載置されているときに、この充電台80から電力の供給を受けて二次電池71が充電される。
【0026】
次に、ファクシミリ装置1の電気的構成について図2に基づいて説明する。
図2はファクシミリ装置1の電気的構成を示すブロック図である。
図2に示すように、親機10は、親機10全体の動作を制御する制御部20、ハンドセット12、液晶ディスプレイ13および操作ボタン14からなるユーザインターフェース部(以降、ユーザI/Fとする)17、音声信号を入力および出力する音声入出力部23、予め記憶された各種音声信号に基づく音声を再生する再生部25、子機50との間で音声信号を含めた各種信号を無線通信により送受信する無線通信部27、電話回線網100経由で伝送される音声信号を入出力するNCU(network control unit)29、親機10内部における音声信号の伝送経路を切り換える経路切換部31等を備えている。
【0027】
これらの内、制御部20は、当該親機10に搭載された各種デバイスを統括して制御するCPU21と、種々のデータを格納するRAM21Aと、電力が供給されない状態でも記憶されたデータを保持可能なEEPROM21Bと、当該CPU21にて実行すべき各種処理のプログラムを記憶するROM21C、時間の計測を行うタイマ(図示せず)等を備えている。
また、音声入出力部23は、スピーカ23A、マイク23Bおよびこれらを駆動する駆動回路23Cを備え、スピーカ23Aから音声信号に基づく音声を出力する以外に、スピーカ23Aおよびマイク23Bを送受話器として、いわゆるハンズフリー通話を行えるように構成されている。
【0028】
また、再生部25は、着信を受けた際に利用される呼出音、音声通話を保留する際に利用される保留音などの音声信号を記憶し、CPU21からの指令を受けて、記憶されている音声信号を再生する。再生された音声信号はスピーカ23Aから出力される。
【0029】
また、無線通信部27は、子機50との間で音声信号を含めた各種信号をアンテナ15を介して無線通信により送受信する。
また、経路切換部31は、通話を開始するための操作が行われた場合に、親機10外部との音声信号の入出力に利用する伝送経路をハンドセット12、音声入出力部23、無線通信部27のいずれかに切り換える。具体的には、ハンドセット12が親機10本体から取り外された場合は、伝送経路をハンドセット12に切り換え、ユーザI/F17の操作ボタン14によりハンズフリー通話を開始するための操作が行われた場合は、伝送経路を音声入出力部23に切り換え、子機50により通話を開始するための操作(例えば、後述の操作ボタン54によって、外線通話又は親機10や他の子機50との内線通話の通信設定操作である。)が行われた場合には、伝送経路を無線通信部27に切り換える。
【0030】
一方、子機50は、子機50全体の動作を制御する制御部60と、スピーカとマイクおよびこれらを駆動する駆動回路からなる送受話部63と、液晶ディスプレイ(LCD)53および操作ボタン54からなるユーザI/F57と、予め記憶された各種音声信号に基づく音声を再生する再生部65と、再生部65により再生された音声を出力するスピーカおよびスピーカを駆動する駆動回路からなるスピーカ部67と、親機10の無線通信部27との間で音声信号を含めた各種信号を無線通信により送受信する無線通信部69と、子機50全体に電源を供給する二次電池71と、充電台80の充電用端子82と電気的に接続するための充電用端子55と、充電用端子55への電圧印加を検出するとともに、充電用端子55を介して充電台80から供給される電源電圧により二次電池71を充電する充電回路75と備えている。
【0031】
これらの内、制御部60は、当該子機50に搭載された各種デバイスを統括して制御するCPU61と、種々のデータを格納するRAM62Aと、電力が供給されない状態でも記憶されたデータを保持可能なEEPROM62Bとを備えている。
また、再生部65は、着信を受けた際に利用される呼出音、音声通話を保留する際に利用される保留音などの音声信号が記憶されている。
【0032】
さらに、充電台80は、上述の充電用端子82を備え、外部電源(例えば、AC100Vである。)に接続される。
このように構成されたファクシミリ装置1において、親機10は、電話回線網100を介して外部の相手側通信端末との間で外線通話が可能で、子機50との間で内線通話が可能となっている。また、子機50は、親機10経由で電話回線網100を介して外部の相手側通信端末との間で外線通話が可能となっている。
【0033】
さらに、子機50は、最大4台まで増設可能で、複数の子機50が存在する場合には、子機50同士でも内線通話が可能となっている。本実施例において、子機50同士での内線通話を行う場合、各子機50は親機10と通信を行い、親機10経由で子機50同士が内線通話を行うようになっている。
【0034】
[報知処理]
次に、上記のように構成された親機10のCPU21が実行する焦電センサ16を介して人を検知した場合に、メッセージ等を報知する「報知処理」について図3に基づいて説明する。
図3は親機10のCPU21が実行する人を検知した場合に、メッセージ等を報知する「報知処理」を示すメインフローチャートである。
【0035】
図3に示すように、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)11において、CPU21は、焦電センサ16を介して親機10の周囲に人が現れるのを待つ、例えば、ユーザが帰宅するのを待つ(S11:NO)。
【0036】
続いて、焦電センサを介して親機10の周囲に人を検知した場合には、例えば、帰宅したユーザを検知した場合には(S11:YES)、CPU21は、S12の処理に移行する。S12において、CPU21は、検知した人に伝達するメッセージをRAM21Aに記憶しているか否か、又は、所定メッセージを送信する相手先のダイヤル番号をEEPROM21Bに記憶しているか否かを判定する判定処理を実行する。
【0037】
そして、検知した人に伝達するメッセージをRAM21Aに記憶せず、また、所定メッセージを送信する相手先のダイヤル番号をEEPROM21Bに記憶していない場合には(S12:NO)、CPU21は、再度S11以降の処理を実行する。
一方、検知した人に伝達するメッセージをRAM21Aに記憶している場合、又は、所定メッセージを送信する相手先のダイヤル番号をEEPROM21Bに記憶している場合には(S12:YES)、CPU21は、S13の処理に移行する。S13において、CPU21は、静穏モードに設定されているか否か、即ち、現在時刻が静穏モードの開始時刻から終了時刻までの間の時刻か否かを判定する判定処理を実行する。
【0038】
尚、静穏モードは、操作ボタン14を介して就寝時間中等の予め設定した開始時刻から終了時刻までにおいて(例えば、午後11:00から午前7:00までの間である。)、親機10及び子機50共に、外線からの着信音や留守番録音中の録音内容をスピーカ23Aやスピーカ部67からメッセージ再生(回線モニター)等の出力をする機能が停止されるモードをいう。そして、静穏モードに設定された場合には、当該静穏モードが解除設定されない限り、予め設定された開始時刻から終了時刻まで(例えば、午後11:00から午前7:00までの間である。)静穏モードに自動的に繰り返し設定される。また、CPU21は、静穏モードの設定された開始時刻及び終了時刻を、EEPROM21Bに記憶している。
【0039】
そして、静穏モードに設定されている場合、即ち、現在時刻が静穏モードの開始時刻から終了時刻までの間の時刻である場合には(S13:YES)、CPU21は、S14の処理に移行する。S14において、CPU21は、音声入出力部23を介してスピーカ23Aの音量を静穏モードでの音量、即ち、「極小」レベルの音量に設定する。
続いて、S15において、CPU21は、後述の「静穏モード報知処理」のサブ処理(図4参照)を実行後、再度S11以降の処理を実行する。
【0040】
尚、スピーカ23Aの音量は、「極小」、「小」、「中」、「大」の4レベルに設定可能に構成されている。この「極小」レベルの音量は、親機10の近くで聞き取り可能な音量である。また、この「大」レベルの音量は、静かな室内で親機10から約3m〜10m離れても聞き取り可能な音量である。
【0041】
一方、静穏モードに設定されていない場合、即ち、現在時刻が静穏モードの開始時刻前又は静穏モードの終了時刻以降の時刻である場合には(S13:NO)、CPU21は、S16の処理に移行する。S16において、CPU21は、音声入出力部23を介してスピーカ23Aの音量を予め設定されてる通常音量(例えば、「中」レベルの音量である。)に設定する。
【0042】
そして、S17において、CPU21は、「通常報知処理」のサブ処理を実行後、再度S11以降の処理を実行する。
例えば、CPU21は、スピーカ23Aを介して「中」レベルの音量で、RAM21Aに記憶している伝達メッセージを再生する。また、所定メッセージを送信する相手先のダイヤル番号をEEPROM21Bに記憶している場合には、CPU21は、相手先のダイヤル番号にダイヤルしている間は、「中」レベルの音量で、ダイヤル送出音を再生する。また、CPU21は、所定メッセージを送出している間は、「中」レベルの音量で、スピーカ23Aによる所定メッセージの再生(回線モニター)を行い、その後、回線を開放する。
【0043】
[静穏モード報知処理]
次に、「静穏モード報知処理」のサブ処理について図4に基づいて説明する。
図4は図3の「静穏モード報知処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。
図4に示すように、S111において、CPU21は、スピーカ23Aを介して、上記S14で設定された「極小」レベルの音量で「ピーッ」等の喚起音を鳴らすと共に、液晶ディスプレ13のバックライトを光らせて、焦電センサ16で検知した人の注意を引いて、報知内容がある旨を知らせる。
【0044】
尚、焦電センサ16を介して検知した人に伝達するメッセージがRAM21Aに記憶されている場合には、CPU21は、「極小」レベルの音量で、「メッセージがあります。」等の音声案内を行ってもよい。また、液晶ディスプレ13のバックライトを所定時間(例えば、5秒〜10秒間である。)点滅発光させてもよい。
【0045】
続いて、S112において、CPU21は、焦電センサ16を介して検知した人に伝達するメッセージがRAM21Aに記憶されているか否かを判定する判定処理を実行する。
そして、焦電センサ16を介して検知した人に伝達するメッセージがRAM21Aに記憶されている場合には(S112:YES)、CPU21は、S113の処理に移行する。
S113において、CPU21は、後述の「メッセージ再生処理」のサブ処理(図5参照)を実行後、S114の処理に移行する。
【0046】
一方、焦電センサ16を介して検知した人に伝達するメッセージがRAM21Aに記憶されていない場合には(S112:NO)、CPU21は、S114の処理に移行する。S114において、CPU21は、所定メッセージを送信する相手先のダイヤル番号をEEPROM21Bに記憶しているか否かを判定する判定処理を実行する。
そして、所定メッセージを送信する相手先のダイヤル番号をEEPROM21Bに記憶していない場合には(S114:NO)、CPU21は、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻る。
【0047】
一方、所定メッセージを送信する相手先のダイヤル番号をEEPROM21Bに記憶している場合には(S114:YES)、CPU21は、S115の処理に移行する。S115において、CPU21は、後述の「帰宅お知らせ処理」のサブ処理(図9参照)を実行後、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻る。
【0048】
[メッセージ再生処理]
次に、「メッセージ再生処理」のサブ処理について図5乃至図8に基づいて説明する。
図5は図4の「メッセージ再生処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。図6はステップ211における液晶ディスプレイ13の表示の一例を示す図である。図7はメッセージ再生後における液晶ディスプレイ13の表示の一例を示す図である。図8は「メッセージ再生処理」のサブ処理終了後における液晶ディスプレイ13の表示の一例を示す図である。
【0049】
図5に示すように、S211において、CPU21は、スピーカ23Aを介して、上記S14で設定された「極小」レベルの音量で、最初に「ピーッ」等の喚起音を鳴らした後、RAM21Aから検知した人へ伝達するメッセージを読み出して、再生する。
【0050】
例えば、図6に示すように、CPU21は、液晶ディスプレイ13に「メッセージ再生中です」と表示する。また、CPU21は、スピーカ23Aを介して、「極小」レベルの音量で「ピーッ!」と鳴らした後、「パパおかえり・・・」とメッセージを再生する。その後、図7に示すように、液晶ディスプレイ13に「もういちど ききますか?」と表示すると共に、液晶ディスプレイ13の左下隅に「はい」、右下隅に「いいえ」と表示する。
【0051】
これにより、親機10の近くで検知された人(例えば、父親である。)は、夜遅く帰宅しても、「極小」レベルの音量で再生された喚起音及びメッセージを聞くことが可能となる。また、当該喚起音及びメッセージの再生音は、親機10の近くで聞き取り可能な「極小」レベルの音量であるため、寝室等で寝ている家族には聞こえないため、当該家族の安眠が妨げられる等の不愉快な思いを防止することが可能となる。
【0052】
続いて、S212において、CPU21は、操作ボタン14のうちのメッセージ再生を指示する再生ボタンが押下されたか否かを判定する判定処理を実行する。
例えば、図1及び図7に示すように、液晶ディスプレイ13の手前側の左端のボタンが「再生ボタン」である。
そして、再生ボタンが押下された場合には(S212:YES)、CPU21は、再度S211以降の処理を実行する。
【0053】
一方、再生ボタンが押下されなかった場合には(S212:NO)、CPU21は、S213の処理に移行する。S213において、CPU21は、操作ボタンのうちメッセージ再生の終了を指示する終了ボタンが押下されたか否かを判定する判定処理を実行する。
例えば、図1及び図7に示すように、液晶ディスプレイ13の手前側の右端のボタンが「終了ボタン」である。
【0054】
そして、終了ボタンが押下された場合には(S213:YES)、CPU21は、当該サブ処理を終了して、「静穏モード報知処理」のサブ処理に戻る。また、例えば、図8に示すように、CPU21は、液晶ディスプレイ13に待機中の表示を行う。
一方、終了ボタンが押下されなかった場合には(S213:NO)、CPU21は、S214の処理に移行する。S214において、CPU21は、メッセージを再生してから所定時間(例えば、約3分間である。)経過したか否かを判定する判定処理を実行する。
【0055】
そして、メッセージを再生してから所定時間(例えば、約3分間である。)経過していない場合には(S214:NO)、CPU21は、再度S212以降の処理を実行する。
一方、メッセージを再生してから所定時間(例えば、約3分間である。)経過した場合には(S214:YES)、CPU21は、当該サブ処理を終了して、「静穏モード報知処理」のサブ処理に戻る。また、例えば、図8に示すように、CPU21は、液晶ディスプレイ13に待機中の表示を行う。
【0056】
[帰宅お知らせ処理]
次に、「帰宅お知らせ処理」のサブ処理について図9乃至図12に基づいて説明する。
図9は図4の「帰宅お知らせ処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。図10はステップ311における液晶ディスプレイ13の表示の一例を示す図である。図11はステップ313における液晶ディスプレイ13の表示の一例を示す図である。図12は「帰宅お知らせ処理」のサブ処理終了後における液晶ディスプレイ13の表示の一例を示す図である。
【0057】
図9に示すように、S311において、CPU21は、所定メッセージを送信する相手先のダイヤル番号をEEPROM21Bから読み出し、当該ダイヤル番号に発呼を行う。また、CPU21は、上記S14で設定された「極小」レベルの音量で、ダイヤル送出音を再生する。また、例えば、図10に示すように、CPU21は、液晶ディスプレイ13に「ダイヤル中です」と表示すると共に、当該ダイヤル番号「09012345678」を表示する。
【0058】
これにより、親機10の近くで検知された人(例えば、父親である。)は、夜遅く帰宅した場合に、親機10が相手先に帰宅を知らせる電話をかけていることを認識することが可能となる。また、当該ダイヤル送出音は親機10の近くで聞き取り可能な音量であるため、寝室等で寝ている家族には聞こえないため、当該家族の安眠がを妨げられる等の不愉快な思いを防止することが可能となる。
【0059】
続いて、S312において、CPU21は、相手先が応答したか否か、即ち、相手先電話装置との間で外線通話が可能な状態になったか否かを判定する判定処理を実行する。そして、相手先が応答しない場合には(S212:NO)、CPU21は、S314の処理に移行する。
【0060】
一方、相手先が応答して、相手先電話装置との間で外線通話が可能な状態になった場合には(S312:YES)、CPU21は、S313の処理に移行する。S313において、CPU21は、ROM21Cに予め登録されている帰宅を知らせる所定メッセージを読み出し、相手先電話装置へ送出する。また、同時に、CPU21は、この所定メッセージをスピーカ23Aを介して、上記S14で設定された「極小」レベルの音量で再生する。また、例えば、図11に示すように、CPU21は、液晶ディスプレイ13に「帰宅おしらせ中です」と表示する。
【0061】
これにより、親機10の近くで検知された人(例えば、夜遅く帰宅した父親である。)は、親機10が相手先電話装置に送出している所定メッセージを認識することが可能となる。また、当該所定メッセージの再生音は親機10の近くで聞き取り可能な音量であるため、寝室等で寝ている家族には聞こえないため、当該家族の安眠が妨げられる等の不愉快な思いを防止することが可能となる。
【0062】
続いて、S314において、CPU21は、回線を開放後、当該サブ処理を終了して、「静穏モード報知処理」のサブ処理に戻る。また、例えば、図12に示すように、CPU21は、液晶ディスプレイ13に待機中の表示を行う。
【0063】
[本実施例の効果]
以上詳細に説明した通り、本実施例に係るファクシミリ装置1では、親機10のCPU21は、静穏モードに設定され、且つ、焦電センサ16によって、親機10の周囲に人を検知した場合には、設定可能な4段階の音量のうち、親機10の近くで聞き取り可能な「極小」レベルの音量でメッセージやダイヤル送出音等を再生する(S111〜S115)。
【0064】
これにより、ユーザは、静穏モードが設定されている夜遅い帰宅時等の場合には、スピーカ23Aの音量が「極小」レベルの音量に設定されていることを予め認識しているため、親機10から報知されるメッセージ等を本体の近くで、注意して聞き取ることが可能となる。また同時に、当該メッセージやダイヤル送出音は親機10の近くで聞き取り可能な音量であるため、寝室等で寝ている家族には聞こえないため、当該家族の安眠が妨げられる等の不愉快な思いを防止することが可能となる。
【0065】
また、親機10のCPU21は、静穏モードに設定され、且つ、焦電センサ16によって、親機10の周囲に人を検知した場合には、「極小」レベルの音量で「ピーッ」等の喚起音を鳴らすと共に、液晶ディスプレイ13のバックライトを光らせる(S111)。これにより、CPU21は、焦電センサ16で検知した人の注意を引いて、報知内容がある旨を確実に知らせることが可能となる。また、ユーザは、「極小」レベルの音量で再生された喚起音等を聞き逃しても、液晶ディスプレイ13のバックライトが光るため、「極小」レベルの音量で再生されたメッセージを再度、聞き直すことが可能となる。
【0066】
また、親機10のCPU21は、静穏モードに設定され、且つ、焦電センサ16によって、親機10の周囲に人を検知した場合には、メッセージ等を再生する際に、液晶ディスプレイ13に「メッセージ再生中です」と表示する(S211)。このため、当該検知された人は、液晶ディスプレイ13に表示されたメッセージによって、スピーカ23Aによって、「極小」レベルの音量でメッセージが再生されていることを容易に認識することが可能となる。また、ユーザは、「極小」レベルの音量で再生されたメッセージを聞き逃しても、再度、聞き直すことが可能となる。
【0067】
また、親機10のCPU21は、静穏モードに設定され、且つ、焦電センサ16によって、親機10の周囲に人を検知した場合には、メッセージ等を再生する際に、最初に「ピーッ」等の喚起音を鳴らした後、当該メッセージ等を再生する(S211)。これにより、検知された人は、喚起音を聞くことによって、メッセージ等の再生があることを容易に認識できる。そして、検知された人は、「極小」レベルの音量で再生される当該メッセージを注意深く聞くことが可能となり、伝達事項等を確実に聞き取ることが可能となる。
更に、焦電センサ16は、焦電型赤外線センサであるため、親機10の周囲に近づいた人を確実に検出することが可能となる。
【0068】
尚、本発明は前記実施例に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、以下のようにしてもよい。
【0069】
(A)静穏モードに設定されている場合には、親機10のCPU21は、画像データ等のファクシミリメッセージを受信した際には、無鳴動着信し、当該ファクシミリメッセージを印刷せず、RAM21Aに記憶するようにしてもよい。そして、静穏モード終了後に、当該ファクシミリメッセージを印刷するようにしてもよい。これにより、印刷音等によって就寝している人の安眠を妨げる等の不愉快な思いを防止することが可能となる。
【0070】
(B)また、静穏モードに設定されている場合には、外線から着信があった場合には、メッセージを留守番録音すると共に、当該留守番録音中は、スピーカ23Aによるメッセージの再生(回線モニター)を行わないようにしてもよい。
【0071】
(C)また、目覚まし機能を備えている場合には、静穏モードに設定されていても、目覚ましの設定時刻になった時は、CPU21は、スピーカ23Aの音量を「大」に設定して、目覚まし音を再生するようにしてもよい。これにより、ユーザは、静穏モードの設定時間内でも、目覚まし機能を使用することが可能となる。
【0072】
(D)また、静穏モードに設定されている場合には、親機10のCPU21は、子機50のCPU61から内線呼出コマンドを受信した場合には、スピーカ23Aを介して、当該親機10の近くで聞き取り可能な「極小」レベルの音量で呼び出し音を再生するようにしてもよい。これにより、既に就寝している他の人の安眠を妨げる等の不愉快な思いを防止すると共に、親機10の近くにいる人は、子機50の呼び出しに対して適切に応対することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本実施例に係るファクシミリ装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】ファクシミリ装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】親機のCPUが実行する人を検知した場合に、メッセージ等を報知する「報知処理」を示すメインフローチャートである。
【図4】図3の「静穏モード報知処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。
【図5】図4の「メッセージ再生処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。
【図6】ステップ211における液晶ディスプレイの表示の一例を示す図である。
【図7】メッセージ再生後における液晶ディスプレイの表示の一例を示す図である。
【図8】「メッセージ再生処理」のサブ処理終了後における液晶ディスプレイの表示の一例を示す図である。
【図9】図4の「帰宅お知らせ処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。
【図10】ステップ311における液晶ディスプレイの表示の一例を示す図である。
【図11】ステップ313における液晶ディスプレイの表示の一例を示す図である。
【図12】「帰宅お知らせ処理」のサブ処理終了後における液晶ディスプレイの表示の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0074】
1・・・ファクシミリ装置
10・・・親機
13・・・液晶ディスプレイ(LCD)
14・・・操作ボタン
16・・・焦電型赤外線センサ(焦電センサ)
20・・・制御部
21・・・CPU
21A・・・RAM
21B・・・EEPROM
21C・・・ROM
23A・・・スピーカ
50・・・子機
100・・・電話回線網
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体を検知する人体検出センサを備えた通信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、人体を検知する人体検出センサを備えた通信装置が種々提案されている。
例えば、所定値の音圧サンプルデータと、所定値の振動サンプルデータを保持し、装置の周囲の音圧や、装置の振動を検出する。そして、着信通知を行った後、着信音を鳴動し、検出された音圧と保持される音圧サンプルデータを比較し、また、検出された振動と保持される振動サンプルデータを比較する。その後、検出された音圧が保持された音圧サンプルデータよりも小さく、且つ、検出された振動が保持された振動サンプルデータよりも小さい場合には、近くに人がいないと判断し、着信通知があった際、着信音量を小の状態から大の状態に徐々に着信音の鳴動を行うようにした通信装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2006−325041号公報(段落(0017)〜(0030)、図1〜図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した特許文献1に記載される構成では、夜中等においても着信音量が大きくなってしまい、利用者以外の人が不愉快な思いをする可能性があるという問題が有る。
【0004】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、夜中等においては、検知された人以外の人への影響を極力防止すると共に、検知された人には確実に報知することが可能となる通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため請求項1に係る通信装置は、静穏モードを設定可能なモード設定手段と、人体を検知する人体検出センサと、報知情報を音で報知する音報知手段と、前記モード設定手段によって静穏モードに設定され、且つ、静穏モード中に前記人体検出センサによって人体を検知した場合には、前記音報知手段が本体の近くで聞き取り可能な小さな音量で報知するように制御する小音制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に係る通信装置は、請求項1に記載の通信装置において、前記人体検出センサによって人体を検知したことを発光によって報知する光報知手段と、前記モード設定手段によって静穏モードに設定され、且つ、静穏モード中に前記人体検出センサによって人体を検知した場合には、前記光報知手段が発光するように制御する発光制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項3に係る通信装置は、請求項1又は請求項2に記載の通信装置において、表示手段と、前記モード設定手段によって静穏モードに設定され、且つ、静穏モード中に前記人体検出センサによって人体を検知した場合には、前記表示手段を介してメッセージを表示するように制御する表示制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項4に係る通信装置は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の通信装置において、前記小音制御手段は、前記報知情報がメッセージを含む場合には、前記音報知手段が該メッセージの最初に喚起音を付加して報知するように制御することを特徴とする。
【0009】
また、請求項5に係る通信装置は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の通信装置において、子機と、前記子機からの着信を検出する着信検出手段と、を備え、前記モード設定手段によって静穏モードに設定され、且つ、子機からの着信を検出した場合には、前記小音制御手段は、前記音報知手段を介して着信音を本体の近くで聞き取り可能な小さな音量で報知するように制御することを特徴とする。
【0010】
また、請求項6に係る通信装置は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の通信装置において、前記音報知手段の音量を小の状態から大の状態へ複数段階の音量に設定可能な音量設定手段を備え、前記小音制御手段は、前記音報知手段の音量を前記音量設定手段で設定可能な最も小の状態の音量に設定することを特徴とする。
【0011】
更に、請求項7に係る通信装置は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の通信装置において、前記人体検出センサは、焦電型赤外線センサであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
前記構成を有する請求項1に係る通信装置では、静穏モード動作中において、人体検出センサによって人を検知した場合には、本体の近くで聞き取り可能な小さな音量で報知情報を報知するため、検知された人は、報知情報を認識することが可能となる。また同時に、本体の近くで聞き取り可能な小さな音量であるため、当該検知された人以外の人で、本体から離れた所にいる人への報知情報の報知による影響を極力防止して、夜中等における不愉快な思いを防止することが可能となる。
尚、静穏モードとは、就寝時間中等の予め設定した開始時刻から終了時刻までにおいて(例えば、午後11:00から午前7:00までの間である。)、外線からの着信音や留守録の回線モニター音等を出力する機能が停止されるモードをいう。
【0013】
また、請求項2に係る通信装置では、静穏モード動作中において、人体検出センサによって人を検知した場合には、光報知手段が発光するため、当該検知された人は、夜中等の暗い場合でも本体の位置や報知情報があることを容易に認識することが可能となる。
【0014】
また、請求項3に係る通信装置では、静穏モード動作中において、人体検出センサによって人を検知した場合には、メッセージが表示される。このため、当該検知された人は、表示されたメッセージによって、ファックシミリの着信、留守番録音、着信エラー等があった旨等のお知らせメッセージや、伝言メッセージ等が音報知手段により再生されていることを容易に認識することが可能となる。
【0015】
また、請求項4に係る通信装置では、本体の近くで聞き取り可能な小さな音量でメッセージを報知する場合には、最初に喚起音が報知されるため、検知された人は、喚起音を聞くことによって、メッセージの再生があることを容易に認識できる。そして、検知された人は、当該メッセージを注意深く聞くことが可能となり、伝達事項等を確実に聞き取ることが可能となる。
【0016】
また、請求項5に係る通信装置では、静穏モード動作中において、子機からの着信を検出した場合には、着信音を本体の近くで聞き取り可能な小さな音量で報知するため、検知された人は、子機からの着信を認識することが可能となる。また同時に、着信音は本体の近くで聞き取り可能な小さな音量であるため、当該検知された人以外の人で、本体から離れた所にいる人への報知情報の報知による影響を極力防止して、夜中等における不愉快な思いを防止することが可能となる。
【0017】
また、請求項6に係る通信装置では、静穏モード動作中において、人体検出センサによって人を検知した場合には、小の状態から大の状態へ複数段階の設定可能な音量のうち最も小の状態の音量で報知情報を報知する。このため、ユーザは音報知手段の音量を予め認識でき、報知情報を本体の近くで確実に聞き取ることが可能となる。
【0018】
更に、請求項7に係る通信装置では、人体検出センサは、焦電型赤外線センサであるため、人の動きを確実に検知することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係る通信装置をファクシミリ装置について具体化した実施例に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【実施例】
【0020】
[ファクシミリ装置の全体構成]
先ず、本実施例に係るファクシミリ装置1の概略構成について図1に基づき説明する。
図1は本実施例に係るファクシミリ装置1の概略構成を示す斜視図である。
図1に示すように、ファクシミリ装置1は、電話回線網100(図2参照)を介して音声通話を実現する機能(電話通話機能)や電話回線網100を介して画像データの送受信を行う機能(ファクシミリ機能)等を有しており、図1に示すように、電話回線網100に接続される親機10と、その親機10との間で無線回線を介して接続される子機50と、図示しない外部電源に接続され、子機50を着脱可能に載置し、載置された子機50を所定の電圧で充電するための充電台80とから構成されている。
【0021】
親機10は、その親機本体ケース11の側部に、親機10本体から取り外した状態で使用される送受話器であるハンドセット12が載置される受話器台12Aが設けられている。更に、親機本体ケース11の上面には、各種機能に関連する情報を表示するための液晶ディスプレイ(LCD)13と、相手先の電話番号やFAX番号、各種コマンド等を入力するためのダイヤルボタン14A、液晶ディスプレイ13に表示されるメニュー画面等で選択するときに操作される選択ボタン14B等の各種操作ボタン14が備えられている。
【0022】
尚、液晶ディスプレイ13は、表示画面を背面から照明するバックライト付の液晶ディスプレイ(LCD)である。
また、親機本体ケース11の受話器台12Aと反対側の側面部には、コードレス子機50との間で無線通信を行うためのアンテナ15が設けられている。また、親機本体ケース11の前面部には、人体を検知する人体検出センサの一例としての焦電型赤外線センサ(以下、「焦電センサ」という。)16が配置されている。
【0023】
この親機10は、受話器台12Aに載置されるハンドセット12を用いた電話(音声通話)機能を有する他、ファクシミリ装置としての基本的な機能である、原稿読み取り機能及び画像記録機能を備えている。
【0024】
また、子機50は、ハンドセットの形状をした子機本体ケース51の表面上に、各種機能に関連する情報を表示するための液晶ディスプレイ(LCD)53と、相手側の電話番号を入力するためのダイヤルボタン54A、表示パネル53に表示されるメニュー画面等で選択するときに操作される選択ボタン54B等の各種操作ボタン54と、トーン信号や通話相手の音声などが出力されるスピーカ部67等を備えている。また、子機50は、当該子機50全体に電源を供給する二次電池71(図2参照)を充電台80から充電するための充電用端子55(図2参照)が備えられている。
【0025】
また、充電器80は、子機50が載置されると当該子機50の充電用端子55に接触する充電用端子82(図2参照)を備えている。
そして、子機50は、二次電池71(図2参照)から電源供給を受けて動作するため、二次電池71を充電する際は、図示のように充電台80に子機50を載置して充電を行う。つまり、子機50がこの充電台80に載置されているときに、この充電台80から電力の供給を受けて二次電池71が充電される。
【0026】
次に、ファクシミリ装置1の電気的構成について図2に基づいて説明する。
図2はファクシミリ装置1の電気的構成を示すブロック図である。
図2に示すように、親機10は、親機10全体の動作を制御する制御部20、ハンドセット12、液晶ディスプレイ13および操作ボタン14からなるユーザインターフェース部(以降、ユーザI/Fとする)17、音声信号を入力および出力する音声入出力部23、予め記憶された各種音声信号に基づく音声を再生する再生部25、子機50との間で音声信号を含めた各種信号を無線通信により送受信する無線通信部27、電話回線網100経由で伝送される音声信号を入出力するNCU(network control unit)29、親機10内部における音声信号の伝送経路を切り換える経路切換部31等を備えている。
【0027】
これらの内、制御部20は、当該親機10に搭載された各種デバイスを統括して制御するCPU21と、種々のデータを格納するRAM21Aと、電力が供給されない状態でも記憶されたデータを保持可能なEEPROM21Bと、当該CPU21にて実行すべき各種処理のプログラムを記憶するROM21C、時間の計測を行うタイマ(図示せず)等を備えている。
また、音声入出力部23は、スピーカ23A、マイク23Bおよびこれらを駆動する駆動回路23Cを備え、スピーカ23Aから音声信号に基づく音声を出力する以外に、スピーカ23Aおよびマイク23Bを送受話器として、いわゆるハンズフリー通話を行えるように構成されている。
【0028】
また、再生部25は、着信を受けた際に利用される呼出音、音声通話を保留する際に利用される保留音などの音声信号を記憶し、CPU21からの指令を受けて、記憶されている音声信号を再生する。再生された音声信号はスピーカ23Aから出力される。
【0029】
また、無線通信部27は、子機50との間で音声信号を含めた各種信号をアンテナ15を介して無線通信により送受信する。
また、経路切換部31は、通話を開始するための操作が行われた場合に、親機10外部との音声信号の入出力に利用する伝送経路をハンドセット12、音声入出力部23、無線通信部27のいずれかに切り換える。具体的には、ハンドセット12が親機10本体から取り外された場合は、伝送経路をハンドセット12に切り換え、ユーザI/F17の操作ボタン14によりハンズフリー通話を開始するための操作が行われた場合は、伝送経路を音声入出力部23に切り換え、子機50により通話を開始するための操作(例えば、後述の操作ボタン54によって、外線通話又は親機10や他の子機50との内線通話の通信設定操作である。)が行われた場合には、伝送経路を無線通信部27に切り換える。
【0030】
一方、子機50は、子機50全体の動作を制御する制御部60と、スピーカとマイクおよびこれらを駆動する駆動回路からなる送受話部63と、液晶ディスプレイ(LCD)53および操作ボタン54からなるユーザI/F57と、予め記憶された各種音声信号に基づく音声を再生する再生部65と、再生部65により再生された音声を出力するスピーカおよびスピーカを駆動する駆動回路からなるスピーカ部67と、親機10の無線通信部27との間で音声信号を含めた各種信号を無線通信により送受信する無線通信部69と、子機50全体に電源を供給する二次電池71と、充電台80の充電用端子82と電気的に接続するための充電用端子55と、充電用端子55への電圧印加を検出するとともに、充電用端子55を介して充電台80から供給される電源電圧により二次電池71を充電する充電回路75と備えている。
【0031】
これらの内、制御部60は、当該子機50に搭載された各種デバイスを統括して制御するCPU61と、種々のデータを格納するRAM62Aと、電力が供給されない状態でも記憶されたデータを保持可能なEEPROM62Bとを備えている。
また、再生部65は、着信を受けた際に利用される呼出音、音声通話を保留する際に利用される保留音などの音声信号が記憶されている。
【0032】
さらに、充電台80は、上述の充電用端子82を備え、外部電源(例えば、AC100Vである。)に接続される。
このように構成されたファクシミリ装置1において、親機10は、電話回線網100を介して外部の相手側通信端末との間で外線通話が可能で、子機50との間で内線通話が可能となっている。また、子機50は、親機10経由で電話回線網100を介して外部の相手側通信端末との間で外線通話が可能となっている。
【0033】
さらに、子機50は、最大4台まで増設可能で、複数の子機50が存在する場合には、子機50同士でも内線通話が可能となっている。本実施例において、子機50同士での内線通話を行う場合、各子機50は親機10と通信を行い、親機10経由で子機50同士が内線通話を行うようになっている。
【0034】
[報知処理]
次に、上記のように構成された親機10のCPU21が実行する焦電センサ16を介して人を検知した場合に、メッセージ等を報知する「報知処理」について図3に基づいて説明する。
図3は親機10のCPU21が実行する人を検知した場合に、メッセージ等を報知する「報知処理」を示すメインフローチャートである。
【0035】
図3に示すように、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)11において、CPU21は、焦電センサ16を介して親機10の周囲に人が現れるのを待つ、例えば、ユーザが帰宅するのを待つ(S11:NO)。
【0036】
続いて、焦電センサを介して親機10の周囲に人を検知した場合には、例えば、帰宅したユーザを検知した場合には(S11:YES)、CPU21は、S12の処理に移行する。S12において、CPU21は、検知した人に伝達するメッセージをRAM21Aに記憶しているか否か、又は、所定メッセージを送信する相手先のダイヤル番号をEEPROM21Bに記憶しているか否かを判定する判定処理を実行する。
【0037】
そして、検知した人に伝達するメッセージをRAM21Aに記憶せず、また、所定メッセージを送信する相手先のダイヤル番号をEEPROM21Bに記憶していない場合には(S12:NO)、CPU21は、再度S11以降の処理を実行する。
一方、検知した人に伝達するメッセージをRAM21Aに記憶している場合、又は、所定メッセージを送信する相手先のダイヤル番号をEEPROM21Bに記憶している場合には(S12:YES)、CPU21は、S13の処理に移行する。S13において、CPU21は、静穏モードに設定されているか否か、即ち、現在時刻が静穏モードの開始時刻から終了時刻までの間の時刻か否かを判定する判定処理を実行する。
【0038】
尚、静穏モードは、操作ボタン14を介して就寝時間中等の予め設定した開始時刻から終了時刻までにおいて(例えば、午後11:00から午前7:00までの間である。)、親機10及び子機50共に、外線からの着信音や留守番録音中の録音内容をスピーカ23Aやスピーカ部67からメッセージ再生(回線モニター)等の出力をする機能が停止されるモードをいう。そして、静穏モードに設定された場合には、当該静穏モードが解除設定されない限り、予め設定された開始時刻から終了時刻まで(例えば、午後11:00から午前7:00までの間である。)静穏モードに自動的に繰り返し設定される。また、CPU21は、静穏モードの設定された開始時刻及び終了時刻を、EEPROM21Bに記憶している。
【0039】
そして、静穏モードに設定されている場合、即ち、現在時刻が静穏モードの開始時刻から終了時刻までの間の時刻である場合には(S13:YES)、CPU21は、S14の処理に移行する。S14において、CPU21は、音声入出力部23を介してスピーカ23Aの音量を静穏モードでの音量、即ち、「極小」レベルの音量に設定する。
続いて、S15において、CPU21は、後述の「静穏モード報知処理」のサブ処理(図4参照)を実行後、再度S11以降の処理を実行する。
【0040】
尚、スピーカ23Aの音量は、「極小」、「小」、「中」、「大」の4レベルに設定可能に構成されている。この「極小」レベルの音量は、親機10の近くで聞き取り可能な音量である。また、この「大」レベルの音量は、静かな室内で親機10から約3m〜10m離れても聞き取り可能な音量である。
【0041】
一方、静穏モードに設定されていない場合、即ち、現在時刻が静穏モードの開始時刻前又は静穏モードの終了時刻以降の時刻である場合には(S13:NO)、CPU21は、S16の処理に移行する。S16において、CPU21は、音声入出力部23を介してスピーカ23Aの音量を予め設定されてる通常音量(例えば、「中」レベルの音量である。)に設定する。
【0042】
そして、S17において、CPU21は、「通常報知処理」のサブ処理を実行後、再度S11以降の処理を実行する。
例えば、CPU21は、スピーカ23Aを介して「中」レベルの音量で、RAM21Aに記憶している伝達メッセージを再生する。また、所定メッセージを送信する相手先のダイヤル番号をEEPROM21Bに記憶している場合には、CPU21は、相手先のダイヤル番号にダイヤルしている間は、「中」レベルの音量で、ダイヤル送出音を再生する。また、CPU21は、所定メッセージを送出している間は、「中」レベルの音量で、スピーカ23Aによる所定メッセージの再生(回線モニター)を行い、その後、回線を開放する。
【0043】
[静穏モード報知処理]
次に、「静穏モード報知処理」のサブ処理について図4に基づいて説明する。
図4は図3の「静穏モード報知処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。
図4に示すように、S111において、CPU21は、スピーカ23Aを介して、上記S14で設定された「極小」レベルの音量で「ピーッ」等の喚起音を鳴らすと共に、液晶ディスプレ13のバックライトを光らせて、焦電センサ16で検知した人の注意を引いて、報知内容がある旨を知らせる。
【0044】
尚、焦電センサ16を介して検知した人に伝達するメッセージがRAM21Aに記憶されている場合には、CPU21は、「極小」レベルの音量で、「メッセージがあります。」等の音声案内を行ってもよい。また、液晶ディスプレ13のバックライトを所定時間(例えば、5秒〜10秒間である。)点滅発光させてもよい。
【0045】
続いて、S112において、CPU21は、焦電センサ16を介して検知した人に伝達するメッセージがRAM21Aに記憶されているか否かを判定する判定処理を実行する。
そして、焦電センサ16を介して検知した人に伝達するメッセージがRAM21Aに記憶されている場合には(S112:YES)、CPU21は、S113の処理に移行する。
S113において、CPU21は、後述の「メッセージ再生処理」のサブ処理(図5参照)を実行後、S114の処理に移行する。
【0046】
一方、焦電センサ16を介して検知した人に伝達するメッセージがRAM21Aに記憶されていない場合には(S112:NO)、CPU21は、S114の処理に移行する。S114において、CPU21は、所定メッセージを送信する相手先のダイヤル番号をEEPROM21Bに記憶しているか否かを判定する判定処理を実行する。
そして、所定メッセージを送信する相手先のダイヤル番号をEEPROM21Bに記憶していない場合には(S114:NO)、CPU21は、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻る。
【0047】
一方、所定メッセージを送信する相手先のダイヤル番号をEEPROM21Bに記憶している場合には(S114:YES)、CPU21は、S115の処理に移行する。S115において、CPU21は、後述の「帰宅お知らせ処理」のサブ処理(図9参照)を実行後、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻る。
【0048】
[メッセージ再生処理]
次に、「メッセージ再生処理」のサブ処理について図5乃至図8に基づいて説明する。
図5は図4の「メッセージ再生処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。図6はステップ211における液晶ディスプレイ13の表示の一例を示す図である。図7はメッセージ再生後における液晶ディスプレイ13の表示の一例を示す図である。図8は「メッセージ再生処理」のサブ処理終了後における液晶ディスプレイ13の表示の一例を示す図である。
【0049】
図5に示すように、S211において、CPU21は、スピーカ23Aを介して、上記S14で設定された「極小」レベルの音量で、最初に「ピーッ」等の喚起音を鳴らした後、RAM21Aから検知した人へ伝達するメッセージを読み出して、再生する。
【0050】
例えば、図6に示すように、CPU21は、液晶ディスプレイ13に「メッセージ再生中です」と表示する。また、CPU21は、スピーカ23Aを介して、「極小」レベルの音量で「ピーッ!」と鳴らした後、「パパおかえり・・・」とメッセージを再生する。その後、図7に示すように、液晶ディスプレイ13に「もういちど ききますか?」と表示すると共に、液晶ディスプレイ13の左下隅に「はい」、右下隅に「いいえ」と表示する。
【0051】
これにより、親機10の近くで検知された人(例えば、父親である。)は、夜遅く帰宅しても、「極小」レベルの音量で再生された喚起音及びメッセージを聞くことが可能となる。また、当該喚起音及びメッセージの再生音は、親機10の近くで聞き取り可能な「極小」レベルの音量であるため、寝室等で寝ている家族には聞こえないため、当該家族の安眠が妨げられる等の不愉快な思いを防止することが可能となる。
【0052】
続いて、S212において、CPU21は、操作ボタン14のうちのメッセージ再生を指示する再生ボタンが押下されたか否かを判定する判定処理を実行する。
例えば、図1及び図7に示すように、液晶ディスプレイ13の手前側の左端のボタンが「再生ボタン」である。
そして、再生ボタンが押下された場合には(S212:YES)、CPU21は、再度S211以降の処理を実行する。
【0053】
一方、再生ボタンが押下されなかった場合には(S212:NO)、CPU21は、S213の処理に移行する。S213において、CPU21は、操作ボタンのうちメッセージ再生の終了を指示する終了ボタンが押下されたか否かを判定する判定処理を実行する。
例えば、図1及び図7に示すように、液晶ディスプレイ13の手前側の右端のボタンが「終了ボタン」である。
【0054】
そして、終了ボタンが押下された場合には(S213:YES)、CPU21は、当該サブ処理を終了して、「静穏モード報知処理」のサブ処理に戻る。また、例えば、図8に示すように、CPU21は、液晶ディスプレイ13に待機中の表示を行う。
一方、終了ボタンが押下されなかった場合には(S213:NO)、CPU21は、S214の処理に移行する。S214において、CPU21は、メッセージを再生してから所定時間(例えば、約3分間である。)経過したか否かを判定する判定処理を実行する。
【0055】
そして、メッセージを再生してから所定時間(例えば、約3分間である。)経過していない場合には(S214:NO)、CPU21は、再度S212以降の処理を実行する。
一方、メッセージを再生してから所定時間(例えば、約3分間である。)経過した場合には(S214:YES)、CPU21は、当該サブ処理を終了して、「静穏モード報知処理」のサブ処理に戻る。また、例えば、図8に示すように、CPU21は、液晶ディスプレイ13に待機中の表示を行う。
【0056】
[帰宅お知らせ処理]
次に、「帰宅お知らせ処理」のサブ処理について図9乃至図12に基づいて説明する。
図9は図4の「帰宅お知らせ処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。図10はステップ311における液晶ディスプレイ13の表示の一例を示す図である。図11はステップ313における液晶ディスプレイ13の表示の一例を示す図である。図12は「帰宅お知らせ処理」のサブ処理終了後における液晶ディスプレイ13の表示の一例を示す図である。
【0057】
図9に示すように、S311において、CPU21は、所定メッセージを送信する相手先のダイヤル番号をEEPROM21Bから読み出し、当該ダイヤル番号に発呼を行う。また、CPU21は、上記S14で設定された「極小」レベルの音量で、ダイヤル送出音を再生する。また、例えば、図10に示すように、CPU21は、液晶ディスプレイ13に「ダイヤル中です」と表示すると共に、当該ダイヤル番号「09012345678」を表示する。
【0058】
これにより、親機10の近くで検知された人(例えば、父親である。)は、夜遅く帰宅した場合に、親機10が相手先に帰宅を知らせる電話をかけていることを認識することが可能となる。また、当該ダイヤル送出音は親機10の近くで聞き取り可能な音量であるため、寝室等で寝ている家族には聞こえないため、当該家族の安眠がを妨げられる等の不愉快な思いを防止することが可能となる。
【0059】
続いて、S312において、CPU21は、相手先が応答したか否か、即ち、相手先電話装置との間で外線通話が可能な状態になったか否かを判定する判定処理を実行する。そして、相手先が応答しない場合には(S212:NO)、CPU21は、S314の処理に移行する。
【0060】
一方、相手先が応答して、相手先電話装置との間で外線通話が可能な状態になった場合には(S312:YES)、CPU21は、S313の処理に移行する。S313において、CPU21は、ROM21Cに予め登録されている帰宅を知らせる所定メッセージを読み出し、相手先電話装置へ送出する。また、同時に、CPU21は、この所定メッセージをスピーカ23Aを介して、上記S14で設定された「極小」レベルの音量で再生する。また、例えば、図11に示すように、CPU21は、液晶ディスプレイ13に「帰宅おしらせ中です」と表示する。
【0061】
これにより、親機10の近くで検知された人(例えば、夜遅く帰宅した父親である。)は、親機10が相手先電話装置に送出している所定メッセージを認識することが可能となる。また、当該所定メッセージの再生音は親機10の近くで聞き取り可能な音量であるため、寝室等で寝ている家族には聞こえないため、当該家族の安眠が妨げられる等の不愉快な思いを防止することが可能となる。
【0062】
続いて、S314において、CPU21は、回線を開放後、当該サブ処理を終了して、「静穏モード報知処理」のサブ処理に戻る。また、例えば、図12に示すように、CPU21は、液晶ディスプレイ13に待機中の表示を行う。
【0063】
[本実施例の効果]
以上詳細に説明した通り、本実施例に係るファクシミリ装置1では、親機10のCPU21は、静穏モードに設定され、且つ、焦電センサ16によって、親機10の周囲に人を検知した場合には、設定可能な4段階の音量のうち、親機10の近くで聞き取り可能な「極小」レベルの音量でメッセージやダイヤル送出音等を再生する(S111〜S115)。
【0064】
これにより、ユーザは、静穏モードが設定されている夜遅い帰宅時等の場合には、スピーカ23Aの音量が「極小」レベルの音量に設定されていることを予め認識しているため、親機10から報知されるメッセージ等を本体の近くで、注意して聞き取ることが可能となる。また同時に、当該メッセージやダイヤル送出音は親機10の近くで聞き取り可能な音量であるため、寝室等で寝ている家族には聞こえないため、当該家族の安眠が妨げられる等の不愉快な思いを防止することが可能となる。
【0065】
また、親機10のCPU21は、静穏モードに設定され、且つ、焦電センサ16によって、親機10の周囲に人を検知した場合には、「極小」レベルの音量で「ピーッ」等の喚起音を鳴らすと共に、液晶ディスプレイ13のバックライトを光らせる(S111)。これにより、CPU21は、焦電センサ16で検知した人の注意を引いて、報知内容がある旨を確実に知らせることが可能となる。また、ユーザは、「極小」レベルの音量で再生された喚起音等を聞き逃しても、液晶ディスプレイ13のバックライトが光るため、「極小」レベルの音量で再生されたメッセージを再度、聞き直すことが可能となる。
【0066】
また、親機10のCPU21は、静穏モードに設定され、且つ、焦電センサ16によって、親機10の周囲に人を検知した場合には、メッセージ等を再生する際に、液晶ディスプレイ13に「メッセージ再生中です」と表示する(S211)。このため、当該検知された人は、液晶ディスプレイ13に表示されたメッセージによって、スピーカ23Aによって、「極小」レベルの音量でメッセージが再生されていることを容易に認識することが可能となる。また、ユーザは、「極小」レベルの音量で再生されたメッセージを聞き逃しても、再度、聞き直すことが可能となる。
【0067】
また、親機10のCPU21は、静穏モードに設定され、且つ、焦電センサ16によって、親機10の周囲に人を検知した場合には、メッセージ等を再生する際に、最初に「ピーッ」等の喚起音を鳴らした後、当該メッセージ等を再生する(S211)。これにより、検知された人は、喚起音を聞くことによって、メッセージ等の再生があることを容易に認識できる。そして、検知された人は、「極小」レベルの音量で再生される当該メッセージを注意深く聞くことが可能となり、伝達事項等を確実に聞き取ることが可能となる。
更に、焦電センサ16は、焦電型赤外線センサであるため、親機10の周囲に近づいた人を確実に検出することが可能となる。
【0068】
尚、本発明は前記実施例に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、以下のようにしてもよい。
【0069】
(A)静穏モードに設定されている場合には、親機10のCPU21は、画像データ等のファクシミリメッセージを受信した際には、無鳴動着信し、当該ファクシミリメッセージを印刷せず、RAM21Aに記憶するようにしてもよい。そして、静穏モード終了後に、当該ファクシミリメッセージを印刷するようにしてもよい。これにより、印刷音等によって就寝している人の安眠を妨げる等の不愉快な思いを防止することが可能となる。
【0070】
(B)また、静穏モードに設定されている場合には、外線から着信があった場合には、メッセージを留守番録音すると共に、当該留守番録音中は、スピーカ23Aによるメッセージの再生(回線モニター)を行わないようにしてもよい。
【0071】
(C)また、目覚まし機能を備えている場合には、静穏モードに設定されていても、目覚ましの設定時刻になった時は、CPU21は、スピーカ23Aの音量を「大」に設定して、目覚まし音を再生するようにしてもよい。これにより、ユーザは、静穏モードの設定時間内でも、目覚まし機能を使用することが可能となる。
【0072】
(D)また、静穏モードに設定されている場合には、親機10のCPU21は、子機50のCPU61から内線呼出コマンドを受信した場合には、スピーカ23Aを介して、当該親機10の近くで聞き取り可能な「極小」レベルの音量で呼び出し音を再生するようにしてもよい。これにより、既に就寝している他の人の安眠を妨げる等の不愉快な思いを防止すると共に、親機10の近くにいる人は、子機50の呼び出しに対して適切に応対することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本実施例に係るファクシミリ装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】ファクシミリ装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】親機のCPUが実行する人を検知した場合に、メッセージ等を報知する「報知処理」を示すメインフローチャートである。
【図4】図3の「静穏モード報知処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。
【図5】図4の「メッセージ再生処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。
【図6】ステップ211における液晶ディスプレイの表示の一例を示す図である。
【図7】メッセージ再生後における液晶ディスプレイの表示の一例を示す図である。
【図8】「メッセージ再生処理」のサブ処理終了後における液晶ディスプレイの表示の一例を示す図である。
【図9】図4の「帰宅お知らせ処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。
【図10】ステップ311における液晶ディスプレイの表示の一例を示す図である。
【図11】ステップ313における液晶ディスプレイの表示の一例を示す図である。
【図12】「帰宅お知らせ処理」のサブ処理終了後における液晶ディスプレイの表示の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0074】
1・・・ファクシミリ装置
10・・・親機
13・・・液晶ディスプレイ(LCD)
14・・・操作ボタン
16・・・焦電型赤外線センサ(焦電センサ)
20・・・制御部
21・・・CPU
21A・・・RAM
21B・・・EEPROM
21C・・・ROM
23A・・・スピーカ
50・・・子機
100・・・電話回線網
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静穏モードを設定可能なモード設定手段と、
人体を検知する人体検出センサと、
報知情報を音で報知する音報知手段と、
前記モード設定手段によって静穏モードに設定され、且つ、静穏モード中に前記人体検出センサによって人体を検知した場合には、前記音報知手段が本体の近くで聞き取り可能な小さな音量で報知するように制御する小音制御手段と、
を備えたことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記人体検出センサによって人体を検知したことを発光によって報知する光報知手段と、
前記モード設定手段によって静穏モードに設定され、且つ、静穏モード中に前記人体検出センサによって人体を検知した場合には、前記光報知手段が発光するように制御する発光制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
表示手段と、
前記モード設定手段によって静穏モードに設定され、且つ、静穏モード中に前記人体検出センサによって人体を検知した場合には、前記表示手段を介してメッセージを表示するように制御する表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記小音制御手段は、前記報知情報がメッセージを含む場合には、前記音報知手段が該メッセージの最初に喚起音を付加して報知するように制御することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の通信装置。
【請求項5】
子機と、
前記子機からの着信を検出する着信検出手段と、
を備え、
前記モード設定手段によって静穏モードに設定され、且つ、子機からの着信を検出した場合には、前記小音制御手段は、前記音報知手段を介して着信音を本体の近くで聞き取り可能な小さな音量で報知するように制御することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の通信装置。
【請求項6】
前記音報知手段の音量を小の状態から大の状態へ複数段階の音量に設定可能な音量設定手段を備え、
前記小音制御手段は、前記音報知手段の音量を前記音量設定手段で設定可能な最も小の状態の音量に設定することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の通信装置。
【請求項7】
前記人体検出センサは、焦電型赤外線センサであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の通信装置。
【請求項1】
静穏モードを設定可能なモード設定手段と、
人体を検知する人体検出センサと、
報知情報を音で報知する音報知手段と、
前記モード設定手段によって静穏モードに設定され、且つ、静穏モード中に前記人体検出センサによって人体を検知した場合には、前記音報知手段が本体の近くで聞き取り可能な小さな音量で報知するように制御する小音制御手段と、
を備えたことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記人体検出センサによって人体を検知したことを発光によって報知する光報知手段と、
前記モード設定手段によって静穏モードに設定され、且つ、静穏モード中に前記人体検出センサによって人体を検知した場合には、前記光報知手段が発光するように制御する発光制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
表示手段と、
前記モード設定手段によって静穏モードに設定され、且つ、静穏モード中に前記人体検出センサによって人体を検知した場合には、前記表示手段を介してメッセージを表示するように制御する表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記小音制御手段は、前記報知情報がメッセージを含む場合には、前記音報知手段が該メッセージの最初に喚起音を付加して報知するように制御することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の通信装置。
【請求項5】
子機と、
前記子機からの着信を検出する着信検出手段と、
を備え、
前記モード設定手段によって静穏モードに設定され、且つ、子機からの着信を検出した場合には、前記小音制御手段は、前記音報知手段を介して着信音を本体の近くで聞き取り可能な小さな音量で報知するように制御することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の通信装置。
【請求項6】
前記音報知手段の音量を小の状態から大の状態へ複数段階の音量に設定可能な音量設定手段を備え、
前記小音制御手段は、前記音報知手段の音量を前記音量設定手段で設定可能な最も小の状態の音量に設定することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の通信装置。
【請求項7】
前記人体検出センサは、焦電型赤外線センサであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の通信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−244881(P2008−244881A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−82957(P2007−82957)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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