説明

通信装置

【課題】携帯電話機の標準画面上にユーザの好みに応じた形態でメモを貼り付けることを可能とし、なおかつ標準画面に表示される画像の確認を容易に行うことが出来る通信装置を提供することにある。
【解決手段】複数のキーを有する操作部15と、標準画面(いわゆる待受画面)を表示でき、所定時間操作部15の操作が無ければ節電モードに移行する表示部14と、任意にユーザが選択したメモリ内のテキストデータに対応づけたデータ表示領域を並列的に表示させることができ、データ表示領域が選択されると対応するテキストデータを表示するように制御する制御回路17を設け、データ表示領域を標準画面上に表示させる第1の状態と、表示させない第2の状態とが切り替え可能であって、表示部14が節電モードとなっても第1の状態での表示を行うようにしたため、メモの存在の確認を確実にすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば携帯電話機のように、無線通信を行い、テキストデータを表示装置に表示して利用することが可能な通信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の携帯電話機の高機能化に伴い、携帯電話機を使った電子メール送受信やWebページの閲覧等を通して、多くのデータを携帯電話機が記憶し、管理を行っている。そして、そのような処理を通して、携帯電話機は大量のテキストデータを扱っている。
【0003】
たとえば、携帯電話機から無線で基地局(BS:Base Station)に接続し、基地局からパケット制御装置およびIPアドレスと携帯電話番号に変換を行うパケット用ゲートウェイ等を経て、インターネット上のWWW(World Wide Web)サーバへのアクセス、電子メール利用等のデータ通信により、大量のテキストデータが携帯電話機の中に取り込まれる。
また、上述した無線通信を行わない場合でも、ユーザから携帯電話機への入力により、電話番号等の相手先属性データやテキストによるメモの形で、大量のテキストデータが携帯電話機の中に取り込まれる。
【0004】
このように、日々携帯電話機の中に取り込まれる大量のデータの中から、ユーザが必要な情報だけを抽出し、その抽出した必要な情報をユーザが忘れないようにする機能は、多機能化され大量の情報を扱う近年の携帯電話機にとって、非常に重要になっている。
【0005】
このような機能を有する携帯電話機については種々の提案がなされている(たとえば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−101098号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来の携帯電話機において、ユーザに情報を忘れさせないようにテキストが記載されたメモを標準画面(携帯電話機の電源を立ち上げたときの非通話時画面、いわゆる待受画面)に貼り付けることは可能であったが、そのメモを表示させる領域は単一であった。したがって、携帯電話機の標準画面上にユーザがお気に入りの画像を貼り付けている場合等は、標準画面上のメモの存在によって画像の視認性が損なわれるという問題があった。
また、従来の携帯電話機においては、携帯電話機上のキー操作により、標準画面と異なる画面上でメモを表示することは可能であったが、これではメモの存在をユーザに認識させるという機能を果たせないという問題がある。
【0007】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、携帯電話機の標準画面上にユーザの好みに応じた形態でメモを貼り付けることを可能とし、なおかつ標準画面に表示される画像の確認を確実に行うことが出来る通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本願発明の第1の観点にかかる通信装置は、無線通信を行う通信装置であって、複数のキーを含む入力手段と、待受画面を表示可能であり、前記複数のキーの何れもが操作されない状態が所定時間継続すると節電モードに移行される表示手段と、複数のテキストデータを格納する記憶手段と、前記複数のテキストデータのうち、前記入力手段により予め選択されたテキストデータに対応付けたデータ表示領域を前記待受画面上に並列的に配置して表示可能であり、前記待受画面上に表示されたデータ表示領域の一つが前記入力手段により選択されると対応するテキストデータを前記表示手段に表示させるよう制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記データ表示領域を前記待受画面上に表示させる第1の状態と、表示させない第2の状態とを切り替え可能であって、前記表示手段が前記節電モードであっても、前記表示手段の表示状態を前記第1の状態とすることを特徴とする。
【0009】
さらに本発明は、前記入力手段は、前記第1の状態と第2の状態とを切り替える入力を行う所定のキーを含み、前記制御手段は、前記表示手段の表示状態が前記第1の状態かつ前記節電モードにあるときに前記所定のキーが操作されると、前記表示手段の表示状態を前記第2の状態に切り替えることなく前記節電モードを解除するよう制御することが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、本発明によれば、極力標準画面の視認性に影響を及ぼさないようにして、メモの存在をユーザに認識させることができる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態を添付図面に関連付けて説明する。
【0012】
図1は、本実施形態に係る携帯電話機本体の外観図の1例であり、図2は、本実施形態に係る携帯電話機の主要な回路構成を示すブロック図の1例である。
【0013】
携帯電話機1は、図1および図2に示すように、本体ケース11、通信部12、音声部13、表示部14、入力手段としての操作部15、記憶手段としてのメモリ16、および制御回路17を有している。
なお、本発明に係る表示手段は、本実施形態における表示部14に相当する。
本発明に係る入力手段は、本実施形態における操作部15に相当する。
本発明に係る制御手段は、本実施形態における制御回路17に相当する。
【0014】
通信部12は、送受信アンテナ121、および無線回路122により構成されている。
送受信アンテナ121は、図1に示すように、本体ケース11の上端部に引き出し可能に設けられている。
無線回路122は、電波を利用した無線通信で行うために、制御回路17で処理された音声情報、ID、Webページデータの閲覧要求情報等を変調してアンテナ121により図示しない基地局に送信する。
また、無線回路122は、基地局から無線により送信され、アンテナ121で受信したページデータや音声情報等の各種情報を復調して制御回路17に出力する。
【0015】
音声処理部13は、音声処理回路131を有し、通話機能のために音声入力を行うマイクロフォン132と音声出力を行うスピーカ133が接続されている。
音声処理回路131は、マイクロフォン132により入力した音声に対して所定の処理を行って制御回路17に供給する。
また、音声処理回路131は、制御回路17により供給された音声情報に対して所定の処理を行ってスピーカ133から出力させる。
図1に示すように、マイクロフォン132は、ケース本体11の操作部15の下部に配置され、スピーカ133は表示部14の上部に配置されている。
【0016】
表示部14は、図1に示すように、ケース本体11の上部側に配置された液晶表示装置(LCD)等の表示デバイスを有し、通話機能のために入力した電話番号や各種メッセージ、テキストデータを含むメモ等を表示する。
また、表示部14は、たとえば最上段の1行分は、モードの種類、電波の強さ、電池残量等を表示するガイド表示行として用いられる。
【0017】
特に、本実施形態における表示部14は、制御回路17の制御に基づいて、標準画面上に貼り付けメモと呼ぶ所定の大きさのウィンドウ(データ表示領域)を複数個表示させることが可能である。
本実施形態においては、ウィンドウは2種類設定しており、記号のみを表示する小さなウィンドウと、記号とテキストデータ若しくはその一部を表示する大きなウィンドウである。
これらのウィンドウは標準画面上に表示部14に表示されるため、メモの存在をユーザに効果的に認識させることができる。
【0018】
操作部15は、図1に示すように、ケース本体11の下部側に配置され、終了(終話)/電源キー15a、開始(発呼)キー15b、閲覧モードキー15c、上下左右キー15d、ファンクションキー15e、数字0〜9やア(あ)行〜ワ(わ)行文字に対応した複数(10個)のテンキー15f、*キー15g、#キー15h、文字キー15i、クリアキー15j等を有する。
【0019】
記憶手段としてのメモリ16は、たとえばEEPROMを含んで構成され、通話やメールの送受信のための制御プログラム、インターネットブラウザ、メッセージデータ、名前および電話番号が登録されたアドレス帳等が記憶される。
【0020】
メモリ16には、さらに貼り付けメモのデータ(貼り付けメモデータ)が格納される。貼り付けメモのデータは、テキストデータと記号データと表示フラグとウィンドウ表示位置データとがセットとなったテーブルデータである。
ここで、テキストデータは、メモリ16内に格納した様々なテキストデータ、またはその一部をユーザが操作部15を通して選択する。
記号データは、貼り付けメモが表示部14に表示されるときにユーザにメモの属性を識別が容易となるように設定される識別記号であり、記号データと別に格納される画像データやアイコン(ICON)等の記号が関連付けられている。
また、表示フラグとは、貼り付けメモの表示部14への表示モードを示している。
この表示フラグにより、たとえば表示フラグ1のときは、記号のみを表示部14に表示し、表示フラグが0のときは、記号とテキストデータ(またはその一部)を表示部14に表示するように、制御回路17が表示部14を制御することができる。
さらに、ウィンドウ表示位置データにより、表示部14のどこにテキストデータ(またはその一部)や記号をウィンドウとして表示させるのかを特定することができる。表示部14には、標準画面上にウィンドウを例えば縦並びに複数表示させることが可能に構成されており、標準画面の背景表示部(時計表示など)に重複しない位置などを優先して選択するといった用い方ができる。
【0021】
制御回路17は、マイクロコンピュータを主体して構成されて携帯電話機1の全体の制御を行う。たとえば、制御回路17は、通信部12における各種情報の無線による送受信の制御、音声処理部13に対する音声情報の処理、表示部14への情報の表示制御、操作部15の入力情報に応じた処理、およびメモリ16への処理に応じたアクセス制御等を行う。
また、メモリ16に格納された上述した貼り付けメモデータのテーブルデータに基づいて、表示部14を制御して、貼り付けメモを標準画面上に並列的に表示(貼り付け)する。
【0022】
次に、図3および図4を用いて、本実施形態における携帯電話機1の動作について説明する。
図3は、携帯電話機1が有する貼り付けメモの登録処理のフローチャートである。図4は、携帯電話機1の貼り付けメモ登録処理における表示部14の表示内容を示す図である。
【0023】
図3において、まずユーザによりテキストデータの選択が行われる(ST10)。
【0024】
テキストデータの選択においては、様々なテキストデータを選択することができる。たとえば、選択するテキストデータはメモ帳のデータでもよいし、受信したメールのテキストデータの一部でもよい。
このような様々なテキストデータを、ユーザは操作部15を通して選択し、選択されたテキストデータが図示しないバッファに取り込まれる。
【0025】
図4に示す例では、メモ帳のデータの中から識別番号「0:」のデータが選択されており(画面SC10)、選択されたデータに0459436134(電話番号)が入力されている(画面SC11)。そして、入力されたデータはメモ帳画面上で表示可能になり(画面SC12)、所定のキーを押下(操作)することでサブメニューを呼び出し「貼付メモ登録」を選択することにより(画面SC13)、表示部14はアイコン(記号)選択画面を表示する(画面SC14)。
【0026】
この時点では、テキストデータと記号データと表示フラグとから構成される貼り付けメモデータであるテーブルデータが、メモリ16上に作成され、選択されたテキストデータ(0459436134)がテーブルデータに格納される(ST11)。
さらに、図4に示すとおり、アイコン選択画面が表示されるので(ST12及び画面SC14)、ユーザが所望のアイコン(記号)を選択すると(ST13)、対応するアイコンを特定する記号データが貼り付けメモデータであるテーブルデータに格納される(ST14)。
【0027】
次に、ウィンドウ選択画面が表示される(ST15)。
ウィンドウ選択は2種類からなり、記号(アイコン)のみを表示する小さなウィンドウと、記号(アイコン)とテキストデータ若しくはその一部を表示する大きなウィンドウから選択できる(画面SC15)。
ユーザがウィンドウを選択し、画面SC16aに示すように、ウィンドウ表示領域を縦並びにいずれかの位置を指定した後、所定キーを押下(操作)すると(ST16)、選択したウィンドウに応じた表示フラグおよびウィンドウ表示位置データが貼り付けメモデータであるテーブルデータに格納される(ST17)。
【0028】
以後、選択されたウィンドウ表示に従って、貼り付けメモが貼り付けられた標準画面を表示部14は表示する(ST18)。
図4においては、画面SC16a〜SC20aが大きなウィンドウ表示を選択した場合であり、画面SC16b〜SC17bが小さなウィンドウ表示を選択した場合である。
【0029】
ここで、標準画面上の1の貼り付けメモが選択され(画面SC18a)、所定のキーが押下されると、表示部14にはメモ帳画面が表示され、選択された貼り付けメモに含まれるテキストデータが表示される(SC19a)。
【0030】
図4から明らかなように、大きなウィンドウ表示には、テキストデータの一部が視認できるので、メモの内容が容易に想起できるという利点があり、また、小さなウィンドウ表示には、メモの存在を標準画面上に確保しつつ、背景画面の視認性が大きなウィンドウと比較して向上するので、たとえば背景画面にユーザが気に入っている画像等を貼り付けている場合には、その画像を極力隠さないようにメモを表示させることができるという利点がある。
【0031】
以上のようにして、順次貼り付けメモの登録を行うことにより、制御回路17は、複数のウィンドウを順次並列的に表示部14に配置させる(画面SC16aおよびSC16b)。
【0032】
また、標準画面上に貼り付けメモが貼り付けられた状態で、ユーザは上下左右キー15dを操作する等により、複数の貼り付けメモのウィンドウの中から1のウィンドウを選択できる。
このように貼り付けメモのウィンドウを選択し、図4の画面SC17aから所定のキーを押下(操作)することにより得られる画面SC18aにおいて、貼り付け位置を変更することができる。
すなわち、ユーザの貼り付けメモのウィンドウ位置変更指令に基づいて、制御回路17は貼り付け位置に関するデータを更新し、表示部14に新しい貼り付け位置により表示させる。
【0033】
また、画面SC18aでは、所定のキーを押下(操作)することでサブメニューを呼び出し、貼り付けメモの登録削除(メモリ16から消去)をすることも可能である。
【0034】
すでに説明したように、貼り付けメモに登録するテキストデータは、携帯電話機1のメモリ16に格納された様々なテキストデータ、またはその一部を抜き出して登録することができる。
【0035】
図5および図6は、受信メール中のテキストデータが貼り付けメモに登録される場合の表示部14の表示動作を例示する図である。
図5の画面SC20〜SC23においては、携帯電話機1が受信した受信メールの一部のテキストデータを貼り付けメモに登録する場合の表示部14の表示動作を示している。
図5では、受信メールの一部である電話番号「0459436134」が、上下左右キー15d等により選択され、所定のキーを操作することにより、貼り付けメモ登録画面に移行するように、制御回路17が動作する。
【0036】
図6の画面SC30〜SC36においては、携帯電話機1が受信した受信メールの一部のテキストデータを貼り付けメモに登録する場合の表示部14の表示動作を示している。
図6では、受信メールの一部のメッセージが、上下左右キー15d等により選択され、所定のキーを操作することにより、貼り付けメモ登録画面に移行するように、制御回路17が動作する。
【0037】
いずれの場合も、テキストデータが選択されて、メモリ16内の貼り付けメモのテーブルデータに格納され、順に、記号データおよび表示フラグがテーブルデータに格納されていく動作は、図3および図4を用いて上述した動作と同様である。
【0038】
以上説明したように、本実施形態における携帯電話機1によれば、標準画面を表示する表示部14と、複数のキーを含む操作部15と、任意にユーザがメモリから抽出したテキストデータに対応した貼り付けメモを一定の表示領域を有するウィンドウにして並列的に表示させることができ、テキストデータの少なくとも一部をそのウィンドウ上に表示するように表示部14を制御する制御回路17を設けたので、ユーザは操作部15のキー操作によりメモ内容を表示させる必要がなく、常にメモ内容が標準画面上に表示されているので、メモ要件を容易に想起することができる。
また、ユーザの貼り付け位置の変更、不要になった貼り付けメモの削除により、表示部の背景画像等に極力影響を及ぼさないように貼り付けメモを調整することができる。
また、ウィンドウのサイズを大小の2種類を設定され、ユーザ入力により格納された貼り付けメモのテーブルデータの表示フラグに基づいて、制御回路17は表示部14を制御するので、ユーザは嗜好に応じて、貼り付けメモの表示態様を選択できる。
すなわち、大きなウィンドウ表示では、テキストデータの一部の視認により、メモの内容が容易に想起できるという利点があり、また、小さなウィンドウ表示では、メモの存在を標準画面上に確保しつつ、背景画面の視認性が大きなウィンドウと比較して向上するので、たとえば背景画面にユーザが気に入っている画像等を貼り付けている場合には、その画像を極力隠さないようにメモを表示させることができるという利点があり、ユーザは、嗜好に応じてウィンドウのサイズを選択することができる。しかも、テキストデータ毎にその内容を考慮したアイコンを対応付けておけば、ユーザは小さなウィンドウ表示であってもアイコンを見るだけで、そのテキスト内容を連想できる。
【0039】
なお、本実施形態では、ウィンドウの大きさとして2種類設定された場合の例を説明したが、仕様に応じて複数の大きさのウィンドウを設定することが可能であることはいうまでもない。
【0040】
<第2の実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態を添付図面に関連付けて説明する。
なお、本実施形態での携帯電話機の構成は、第1の実施形態における携帯電話機1と同様であり、さらに、制御回路17において、貼り付けメモのウィンドウの表示部14への表示/非表示選択機能を有する。
【0041】
図7は、貼り付けメモの標準画面上での表示/非表示についての状態遷移図である。
図7において、状態1は、通常モードであって、貼り付けメモを表示する表示部14の状態である。通常モードは、節電モードと異なり、バックライトが動作しているモードである。
状態2は、通常モードであって、貼り付けメモを表示しない表示部14の状態である。
状態3は、節電モードであって、貼り付けメモを表示する表示部14の状態である。
【0042】
貼り付けメモは、ユーザにメモの存在を認識させることに重要な機能価値があるため、極力標準画面に貼り付けて、容易に視認可能な状態に設定しておくことが望ましい。
【0043】
しかし、複数の貼り付けメモがすでに登録され、標準画面上に複数のウィンドウが表示されている場合であっても、標準画面上に表示されている内容を確認したい場合がある。
【0044】
すなわち、たとえば標準画面上に日時が表示されており、その一部が貼り付けメモのウィンドウにより隠れているときに、ユーザがその隠れている一部を確認したい場合や、ユーザがお気に入りの画像を標準画面に貼り付けているときにその画像を見たい場合等である。
【0045】
そこで、所定のキーを押下する等により、貼り付けメモのウィンドウの表示/非表示を切り替えることができれば、上述したユーザの希望に対処することが可能である。
図7においては、例えば「終話キー」15aをユーザが押下することにより、貼り付けメモのウィンドウの表示/非表示を切り替えるように、制御回路17が表示部14を制御している。すなわち、状態1と状態2を順次切り替える制御を行っている。
【0046】
また、図7においては、状態1から状態2へ移行した後、所定時間、たとえば30秒間経過した場合は状態1に表示が戻るように、制御回路17は表示部14を制御している。
これは、上述したように、貼り付けメモは、ユーザにメモの存在を認識させることに重要な機能価値があり、極力標準画面に貼り付けた状態にしておくことが望ましいため、ユーザが戻し忘れることがないように、所定時間後は再度貼り付けメモを表示させるようにしたものである。
【0047】
また、所定時間の後、通常モードから節電モードに自動的に移行することに伴い、状態1から状態3へ移行する。
状態1と状態3の間においても、上述した観点から、貼り付けメモは表示されたままである。
【0048】
図8は、図7の状態遷移図を用いて説明した制御回路17による表示部14の制御を、具体的な表示画面により例示した図である。
図8において、背景画面のうち貼り付けメモのウィンドウにより隠れた日付部分(画面SC40)を、ユーザが確認したい場合に、「終話キー」15aを押下することにより、貼り付けメモのウィンドウが非表示となり、日付が確認できる(画面SC41)。
【0049】
以上説明したように、本実施形態によれば、第1の実施形態で説明した効果に加え、制御回路17において、貼り付けメモのウィンドウの表示部14への表示/非表示選択機能を付加したので、ユーザの要望に応じて、貼り付けメモのウィンドウを非表示として、標準画面を確認することが可能である。
さらに、貼り付けメモのウィンドウを非表示とした場合であっても、所定時間経過後に自動的に表示させるため、ユーザの貼り付けメモ表示画面への戻し忘れを防止することができる。
【0050】
なお、本実施形態では、貼り付けメモの表示/非表示の切替えを操作部15の「終話キー」15aにより実現しているが、操作部15の任意のキーにより設定することが可能であることはいうまでもない。
【0051】
<第3の実施形態>
以下、本発明の第3の実施形態を添付図面に関連付けて説明する。
なお、本実施形態での携帯電話機の構成は、第1の実施形態において説明した携帯電話機1と同一である。
また、本発明に係る無線通信手段は、本実施形態における通信部12に相当する。
【0052】
本実施形態における携帯電話機1の制御回路17は、電話番号やメールアドレス、URL等の通信情報に関する文字列が貼り付けメモのテキストデータに含まれている場合には、ユーザの操作により貼り付けメモが開かれたとき(メモ帳画面になったとき)に、その通信情報に関する文字列を該文字列以外のテキストデータと異なる外観で、表示部14に表示させる。
たとえば、制御回路17は、上述した通信情報に関する文字列だけを表示部14に青色にして表示させる。
【0053】
貼り付けメモのウィンドウを開かれて、メモ帳画面上に表示されたテキストデータの中で、上述したように、通信情報に関する文字列だけが異なる外観で表示された状態においては、ユーザの上下左右キー15d等の操作により1の通信情報が選択され、所定のキーが押下されると、制御回路17は、選択された通信情報に基づいて、通信部12に通信の開始を指示する。
【0054】
通信部12において、無線回路122では、電波を利用した無線通信で行うために、制御回路17で処理された電話番号やメールアドレス、URL等の通信情報に基づいて、たとえばWebページデータの閲覧要求情報等を変調してアンテナ121により図示しない基地局に送信する。
【0055】
図9は、本実施形態における携帯電話機の動作を説明するためのフローチャートである。
図9において、まず貼り付けメモが標準画面上で選択され、所定のキーが押下されると(ST20)、制御回路17は、選択された貼り付けメモに対応するメモリ16内のテーブルデータを参照し、テキストデータを表示部14に表示させる(ST21)。
その際、制御回路17は、メモリ16に格納されたテーブルデータのテキストデータに電話番号やメールアドレス、URL等の通信情報に関連する文字列が含まれている場合には、それらの文字列をこれらの情報の宛て先として発呼、メール送信、インターネット接続を行えると判別し、該文字列以外のテキストデータと外観を変更(アンダーライン付加や白抜き文字表示や点滅などで)して、表示部14に表示させる。
【0056】
さらに、上述した1の文字列がユーザにより選択され、所定のキーが押下されると(ST22)、制御回路17は、無線回路122を制御することにより、ユーザ所望の通信が開始される(ST23)。
【0057】
図10および図11は、本実施形態における携帯電話機における表示部14の表示動作を説明するための図である。
図10は、たとえばメモリ16に格納された着信履歴データを貼り付けメモとして登録するときの表示部14の表示動作を示している(画面SC60〜63)。
図11は、図10に示すとおり登録された貼り付けメモの内容をワンアクションで実行する場合の表示部14の表示動作を示している(画面SC70〜72a,72b)。
【0058】
図10のとおり、着信履歴データの1つである電話番号が貼り付けメモとして登録された場合、その電話番号が着信履歴データにおいて相手先等を示すテキストデータと関連付けられているときは、図11の画面SC70において、貼り付けメモのウィンドウ上においては、「テキストデータ 電話番号(通信情報)」のフォーマットで表示するように、制御回路17は表示部14を制御する。
これにより、ユーザへのメモの認識度が向上する。
図11の画面SC71において、図10で登録した貼り付けメモが選択され、ファンクションキー15e等の所定のキーが押下されると、メモ帳画面において、電話番号を示す「098765432 」が他のテキストデータと異なる外観で表示される(画面SC72a)。
この状態で、さらにファンクションキー15e等の所定のキーが押下されると、上述したように、無線通信が開始される。具体的には、上記電話番号が発信される。
【0059】
以上説明したように、本実施形態に係る携帯電話機によれば、電話番号やメールアドレス、URL等の通信情報に関する文字列が貼り付けメモのテキストデータに含まれている場合には、ユーザがその貼り付けメモを開いたときに、その通信情報に関する文字列を該文字列以外のテキストデータと異なる外観で、表示部14に表示させ、さらに、ユーザにより1の通信情報が選択され、所定のキーが押下されると、制御回路17は、選択された通信情報に基づいて、通信部12に通信の開始を指示するように、制御回路17を構成したので、メモ内容に通信情報が含まれている場合には、その通信情報に基づいてワンアクションで通信内容を実行させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】第1の実施形態に係る携帯電話機の外観図である。
【図2】第1の実施形態に係る携帯電話機本体の主要な回路構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態における貼り付けメモの登録時の処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】第1の実施形態における貼り付けメモの登録時の表示部の動作を説明するための図である。
【図5】第1の実施形態における貼り付けメモの登録時の表示部の動作を説明するための図である。
【図6】第1の実施形態における貼り付けメモの登録時の表示部の動作を説明するための図である。
【図7】第2の実施形態における表示部の動作の状態遷移図である。
【図8】第2の実施形態における貼り付けメモの表示/非表示の表示部の動作を説明するための図である。
【図9】第3の実施形態における貼り付けメモ内容に基づく通信開始処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】第3の実施形態における貼り付けメモの登録時の表示部の動作を説明するための図である。
【図11】第3の実施形態における貼り付けメモ内容実行時の表示部の動作を説明するための図である。
【符号の説明】
【0061】
1…携帯電話機
11…本体ケース
12…通信部
121…送受信アンテナ
122…無線回路
13…音声処理部
131…音声処理回路
132…マイクロフォン
133…スピーカ
14…表示部
15…操作部
16…メモリ
17…制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信を行う通信装置であって、
複数のキーを含む入力手段と、
待受画面を表示可能であり、前記複数のキーの何れもが操作されない状態が所定時間継続すると節電モードに移行される表示手段と、
複数のテキストデータを格納する記憶手段と、
前記複数のテキストデータのうち、前記入力手段により予め選択されたテキストデータに対応付けたデータ表示領域を前記待受画面上に並列的に配置して表示可能であり、前記待受画面上に表示されたデータ表示領域の一つが前記入力手段により選択されると対応するテキストデータを前記表示手段に表示させるよう制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、
前記データ表示領域を前記待受画面上に表示させる第1の状態と、表示させない第2の状態とを切り替え可能であって、前記表示手段が前記節電モードであっても、前記表示手段の表示状態を前記第1の状態とする
ことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記入力手段は、前記第1の状態と第2の状態とを切り替える入力を行う所定のキーを含み、
前記制御手段は、
前記表示手段の表示状態が前記第1の状態かつ前記節電モードにあるときに前記所定のキーが操作されると、前記表示手段の表示状態を前記第2の状態に切り替えることなく前記節電モードを解除するよう制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−29022(P2008−29022A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−221271(P2007−221271)
【出願日】平成19年8月28日(2007.8.28)
【分割の表示】特願2003−203130(P2003−203130)の分割
【原出願日】平成15年7月29日(2003.7.29)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】