説明

通信装置

【課題】操作者の直感的な1の操作によりデータの送受信を行うことができる通信装置を提供する。
【解決手段】画像を表示する表示部18と操作者による前記表示部に対する接触操作を検出する検出部20とを有するタッチパネル22と、前記画像に関するデータを記憶する記憶部16と、前記画像に関するデータを送信する送信部26と、前記タッチパネルの前記表示部に対する前記操作者による1の接触操作により、前記画像に関するデータを送信する送信先装置の特定及び前記画像に関するデータの送信を行う送信制御部4とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、USBケーブルで接続された端末に対してデータの送信を行う多目的携帯型情報端末が存在する(例えば、特許文献1参照)。この多目的携帯型情報端末においては、ジョグダイヤルまたは機能選択ボタンの操作により、端末に送信するデータの選択及び選択されたデータの送信が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−209039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の多目的携帯型情報端末においては、端末に対してデータの送信を行う際に、送信に関する操作をジョグダイヤルまたは機能選択ボタンで行わなければならず煩雑な操作が必要であった。
【0005】
本発明の目的は、操作者の直感的な1の操作によりデータの送受信を行うことができる通信装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の通信装置は、画像を表示する表示部と操作者による前記表示部に対する接触操作を検出する検出部とを有するタッチパネルと、前記画像に関するデータを記憶する記憶部と、前記画像に関するデータを送信する送信部と、前記タッチパネルの前記表示部に対する前記操作者による1の接触操作により、前記画像に関するデータを送信する送信先装置の特定及び前記画像に関するデータの送信を行う送信制御部とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の通信装置は、画像を表示する表示部と操作者による前記表示部に対する接触操作を検出する検出部とを有するタッチパネルと、データを受信する受信部と、前記タッチパネルの前記表示部に対する前記操作者による1の接触操作により、前記データの送信を要求する送信元装置の特定及び前記データの受信を行う受信制御部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、操作者の直感的な1の操作によりデータの送受信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施の形態に係る通信装置のシステム構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態に係る通信装置のデータ送信処理を示すフローチャートである。
【図3】第1の実施の形態に係る画像データの送信を示す図である。
【図4】第2の実施の形態に係る通信装置のデータ送信処理を示すフローチャートである。
【図5】第2の実施の形態に係る通信装置の周辺に存在する端末を示す図である。
【図6】第2の実施の形態に係るLCD表示部における表示状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態に係る通信装置について説明する。図1は、第1の実施の形態に係る通信装置のシステム構成を示すブロック図である。図1に示すように、通信装置2は、通信装置2の各部を統括的に制御するCPU4を備えている。CPU4は、通信装置2の各部間で制御信号を送受信するためのバス6に接続されており、バス6には、CPU4が実行するプログラムを記憶するROM10、送受信されるデータ等が一時的に記憶されるバッファメモリ14、画像、音楽及び予め登録される装置に関する情報である装置情報等のデータが記憶されるメモリカード16、画像や時刻等の情報を表示するLCD表示部18と操作者によるLCD表示部18に対する接触操作を検出する検出部20を有するタッチパネル22、無線通信を行う無線通信部26が接続されている。
【0011】
次に、図2に示すフローチャートを参照して、本発明の実施の形態に係る通信装置2のデータ送信処理について説明する。操作者が図示しない電源スイッチを操作して、通信装置2の電源をオンにすると(ステップS10)、CPU4は、メモリカード16に記憶されている画像データを読出し、読出した画像データに基づくサムネイル画像をLCD表示部18に表示する(ステップS11)。この状態において、操作者がタッチパネル22のLCD表示部18に表示されているサムネイル画像をタッチすると、検出部20によりタッチされた位置が検出され送信される画像が選択される。選択されたサムネイル画像はLCD表示部18において識別表示される。また、操作者がタッチパネル22の所定の領域をタッチすることにより、LCD表示部18の表示がメニュー画面に切り替えられ、操作者がメニュー画面に表示される「送信モード」ボタンをタッチするとデータ送信モードに移行する(ステップS12)。
【0012】
CPU4は、データ送信モードに移行すると、操作者にステップ11において選択された画像の画像データを送信する装置が存在する方向を入力させるための表示、例えば「データを送信する装置の方向をタッチパネル上において入力してください。」のメッセージをLCD表示部18に表示する。ここで、図3に示すように、操作者がタッチパネル22に対して1の接触操作(タッチ入力)30を行うことにより、画像データを送信する装置が存在する方向を入力すると(ステップS13)、CPU4は、無線通信部26により接触操作により指定された方向に存在する装置をサーチする(ステップS14)。即ち、接触操作により指定された方向に向けて無線通信を確立するための信号の送信を行い、接触操作により指定された方向に存在する装置から返信される信号を無線通信部26により受信すると、その装置との間で無線通信が確立する。これにより、例えば端末34を画像データを送信する送信先の端末として特定する(ステップS15)。そして、ステップS11で選択された画像データ36を端末34に送信する(ステップS16)。
【0013】
この第1の実施の形態に係る通信装置によれば、タッチパネルに対する操作者の1の接触操作により、画像データを送信する送信先の装置の特定及び画像データの送信を行うことができる。従って、操作者の直感的な1の操作により画像データの送信を行うことができる。また、接触操作により指定された方向に存在する装置と無線通信するため、有線ケーブルを用いた場合の煩雑な接続の作業を行わずに、その装置に画像データを送信することができる。
【0014】
なお、上述の第1の実施の形態において、接触操作により指示した方向に複数の装置が存在する場合には、各装置から返信される信号の強度が最も大きい装置を、画像データを送信する送信先の装置として特定する。
【0015】
また、上述の第1の実施の形態においては、画像データを送信する送信先の装置として端末34を特定し画像データ36の送信を行っているが、画像データの送信を要求する送信元の装置として端末34を特定して、端末34から画像データを受信するようにしてもよい。この場合には、先ず操作者はタッチパネル22のLCD表示部18に表示されるメニュー画面の「受信モード」ボタンをタッチすることにより、通信装置2をデータ受信モードに移行させる。データ受信モードに移行すると、CPU4は、操作者に画像データの送信を要求する装置が存在する方向を入力させるための情報、例えば「データの送信を要求する装置の方向をタッチパネル上において入力してください。」のメッセージをLCD表示部18に表示する。ここで、操作者がタッチパネル22に対して1の接触操作を行うことにより、画像データの送信を要求する装置が存在する方向を入力すると、CPU4は、ステップS14と同様に、接触操作により指定した方向に存在する装置をサーチする。そして、ステップS15と同様にして、画像データを送信する送信元の装置として端末34を特定すると、端末34に対して画像データの送信を要求する信号の送信を行い、無線通信部26により端末34から送信される画像データを受信し、受信された画像データをメモリカード16に記憶する。これにより、タッチパネルに対する操作者の1の接触操作により、画像データを送信する送信元の装置の特定及び画像データの受信を行うことができる。従って、操作者の直感的な1の操作により画像データの受信を行うことができる。
【0016】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る通信装置について説明する。なお、第2の実施の形態に係る通信装置の構成は、図1に示す通信装置2と同様であるため、第2の実施の形態に係る通信装置の説明においては、第1の実施の形態に係る通信装置の構成に付したのと同一の符号を用いる。
【0017】
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る通信装置2のデータ送信処理について説明するフローチャートである。操作者が図示しない電源スイッチを操作して、通信装置2の電源をオンにすると、CPU4は、LCD表示部18にメニュー画面を表示する。操作者がメニュー画面で表示される「送信モード」ボタンをタッチすると、データ送信モードに移行する(ステップS20)。次に、無線通信部26により通信装置2の周辺に存在する装置をサーチする(ステップS21)。即ち、通信装置2の周辺に存在する装置との間で無線通信を確立するための信号の送信を行い、通信装置2の周辺に存在する装置から返信される信号を無線通信部26により受信すると、その装置との間で無線通信が確立する。これにより、通信装置2の周辺に存在する装置の有無を判定する(ステップS22)。CPU4は、通信装置2の周辺に装置が存在すると判定した場合には(ステップS22、Yes)、操作者に装置情報が登録済みの装置に画像データを送信するか否かを入力させるための表示、例えば「登録済みの装置に送信しますか?」のメッセージ並びに「はい」及び「いいえ」のボタンをLCD表示部18に表示する。ここで、操作者の選択により登録済みの装置に送信するか否かを決定する(ステップS23)。
【0018】
操作者が、LCD表示部18に表示されている「はい」ボタンをタッチすると(ステップS23、Yes)、図5に示すように、通信装置2の周辺の通信可能領域40に登録済みの端末A及び端末Bが存在する場合には、CPU4は、図6に示すように、LCD表示部18の一部に通信装置2の位置を示す画像2´、端末Aの位置を示す画像42及び端末Bの位置を示す画像44を含む画像46を表示する(ステップS24)。ここで、端末A及び端末Bは装置情報が登録済みであるため、画像46に表示される位置を示す画像42,44には、装置情報に登録されているユーザの顔の画像、装置の名称及び登録番号が表示される。なお、この場合には装置情報が登録されていない装置は画像46に表示されない。
【0019】
ここで、画像46に表示される装置の位置を示す画像42に対して、操作者が1の接触操作(タッチ入力)を行うと、端末Aが画像データを送信する送信先の装置として選択される(ステップS25)。送信先の装置が選択されると、CPU4は、メモリカード16に記憶されている画像データの中から、端末Aの装置情報を参照して端末Aに関する画像データを選択し(ステップS26)、選択された画像データを端末Aに送信する(ステップS27)。
【0020】
一方、ステップS23において、操作者が、LCD表示部18に表示される「いいえ」ボタンをタッチすると(ステップS23、No)、CPU4は、メモリカード16に記憶されている画像データを読出し、読出した画像データに基づくサムネイル画像をLCD表示部18に表示する(ステップS28)。この状態において、操作者がタッチパネル22のLCD表示部18に表示されているサムネイル画像をタッチすると、送信する画像が選択され、選択されたサムネイル画像は識別表示される。また、操作者がLCD表示部18に表示される「選択終了」ボタンをタッチすると、CPU4は、操作者に選択された画像の画像データを送信する装置が存在する方向を入力させるための表示をLCD表示部18に表示する。操作者が、ステップS13と同様にタッチパネル22に対して1の接触操作(タッチ入力)を行い、画像データを送信する装置が存在する方向を入力すると(ステップS29)、CPU4は、ステップS14と同様に、接触操作により指定した方向に存在する装置をサーチする(ステップS30)。そして、ステップS15と同様にして、画像データを送信する送信先の装置として端末を特定すると、選択された画像データを特定された端末に送信する(ステップS31)。なお、ステップS22において、通信装置2の周辺に装置がないと判定された場合には、送信処理を終了する(ステップS22、No)。
【0021】
この第2の実施の形態に係る通信装置によれば、タッチパネルに対する操作者による1の接触操作により、画像データを送信する送信先の装置の選択、選択された送信先の装置に関する画像データの選択及び画像データの送信を行うことができる。従って、操作者の直感的な1の操作により画像データの送信を行うことができる。
【0022】
なお、上述の第2の実施の形態においては、操作者の選択により、画像データを送信する送信先の装置として端末Aを選択し画像データの送信を行っているが、画像データの送信を要求する送信元の装置として端末Aを選択して、端末Aから画像データを受信するようにしてもよい。この場合には、ステップS24において、操作者はタッチパネル22のLCD表示部18に表示されるメニュー画面の「受信モード」ボタンをタッチすることにより、通信装置2をデータ受信モードに移行させる。データ受信モードに移行すると、CPU4は、LCD表示部18の一部に画像46を表示する。ここで、画像46に表示される装置の位置を示す画像42に対して、操作者が1の接触操作(タッチ入力)を行うと、端末Aが画像データの送信を要求する送信元の装置として選択される。送信元の装置が選択されると、CPU4は、端末Aに対して画像データの送信を要求する信号の送信を行い、無線通信部26により端末Aから送信される画像データを受信し、受信された画像データをメモリカード16に記憶する。
【0023】
また、上述の第2の実施の形態において、画像データを送信する送信先の装置が選択された場合には、選択された装置から画像データの受信が可能か否かの情報を取得し、その情報をLCD表示部18に表示してもよい。即ち、ステップS25において、端末Aが画像データを送信する送信先の装置として選択された場合に、CPU4は、端末Aに対して画像データの受信が可能か否かの情報を要求する信号の送信を行う。そして、無線通信部26により端末Aから画像データの受信が可能である旨の情報を受信すると、画像46に表示される装置の位置を示す画像42には、ユーザの顔の画像、装置の名称及び登録番号に加えて、「OK」のメッセージを表示する。一方、無線通信部26により端末Aから画像データの受信が不可能である旨の情報を受信すると、画像42にはユーザの顔の画像、装置の名称及び登録番号に加えて「NG」のメッセージを表示する。
【0024】
また、上述の実施の形態において、端末Aから画像データを受信する場合に、端末Aから送信可能な画像データが有るか否かの情報を受信し、その情報をLCD表示部18に表示してもよい。即ち、端末Aが画像データの送信を要求する送信元の装置として選択された場合に、CPU4は、端末Aに対して、端末Aが送信可能な画像データを有しているか否かの情報の送信を要求する信号の送信を行う。そして、端末Aから送信可能な画像データを有している旨の情報を受信すると、画像46に表示される装置の位置を示す画像42には、ユーザの顔の画像、装置の名称及び登録番号に加えて、「データ有」のメッセージを表示する。一方、無線通信部26により端末A42から送信可能な画像データが無い旨の情報を受信すると、画像42にはユーザの顔の画像、装置の名称及び登録番号に加えて「データ無」のメッセージを表示する。
【0025】
また、上述の第2の実施の形態において、ステップS26で選択された画像データの中から、操作者が、端末Aへ送信する画像データを選択してもよい。この場合には、CPU4は、ステップS26で選択された画像データを読出し、読出した画像データに基づくサムネイル画像をLCD表示部18に表示する。この状態において、操作者がタッチパネル22のLCD表示部18に表示されているサムネイル画像をタッチすることにより、送信する画像を選択し、LCD表示部18に表示される「送信」ボタンをタッチすると、CPU4は選択された画像の画像データを端末Aに送信する。
【0026】
なお、上述の実施の形態においては、通信装置2を用いて画像データの送受信を行っているが、タッチパネル及び無線通信部を備えていれば通信装置2に限定されるものではなく、通信装置2に代えてタッチパネルを備える携帯電話を用いてもよい。
【符号の説明】
【0027】
2…通信装置、4…CPU、16…メモリカード、18…LCD表示部、22…タッチパネル、26…無線通信部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示部と操作者による前記表示部に対する接触操作を検出する検出部とを有するタッチパネルと、
前記画像に関するデータを記憶する記憶部と、
前記画像に関するデータを送信する送信部と、
前記タッチパネルの前記表示部に対する前記操作者による1の接触操作により、前記画像に関するデータを送信する送信先装置の特定及び前記画像に関するデータの送信を行う送信制御部と
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記送信先装置の特定は、前記表示部に対する前記接触操作の方向に基づき行なわれることを特徴とする請求項1記載の通信装置。
【請求項3】
前記送信先装置の特定は、前記表示部に対する前記接触操作による前記送信先装置の選択に基づき行なわれることを特徴とする請求項1記載の通信装置。
【請求項4】
前記送信制御部により前記送信先装置が特定された場合には、前記送信先装置から前記画像に関するデータの受信が可能か否かの情報を取得し、前記表示部に表示することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記送信先装置が予め登録されている場合には、前記表示部に前記送信先装置に関する情報を表示することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記送信先装置が特定された場合には、前記記憶部に記憶されている前記データの中から前記送信先装置に送信するデータを選択することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の通信装置。
【請求項7】
画像を表示する表示部と操作者による前記表示部に対する接触操作を検出する検出部とを有するタッチパネルと、
データを受信する受信部と、
前記タッチパネルの前記表示部に対する前記操作者による1の接触操作により、前記データの送信を要求する送信元装置の特定及び前記データの受信を行う受信制御部と
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項8】
前記送信元装置の特定は、前記表示部に対する前記接触操作の方向に基づき行われることを特徴とする請求項7記載の通信装置。
【請求項9】
前記送信元装置の特定は、前記表示部に対する前記接触操作による前記送信元装置の選択に基づき行われることを特徴とする請求項7または8記載の通信装置。
【請求項10】
前記受信制御部により前記送信元装置が特定された場合には、前記送信元装置から送信可能な前記データが有るか否かの情報を取得し、前記表示部に表示することを特徴とする請求項7〜9の何れか一項に記載の通信装置。
【請求項11】
前記送信元装置が予め登録されている場合には、前記表示部に前記送信元装置に関する情報を表示することを特徴とする請求項7〜10の何れか一項に記載の通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−228789(P2011−228789A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−94113(P2010−94113)
【出願日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】