説明

通信販売用申込端末、通信販売システム及び通信販売処理方法

【課題】 顧客が容易に通信販売サービスを利用できる利便性の高い通信販売用申込端末、通信販売システム及び通信販売処理方法を提供する。
【解決手段】 MFP10は、通信販売サービスの種別を識別するためのバーコードが予め印刷され、通信販売サービス(通信販売会社)が販売する商品の注文に関する注文情報を記入する記入欄が設けられた申込書の画像を読み取り、該読取り結果からバーコード及び注文情報を認識し、該認識されたバーコードに対応する通信販売サービスを提供する通販管理サーバ60に、上記認識された注文情報を通信ネットワーク80を介して送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信販売サービスの申込に関する処理を行う通信販売用申込端末、通信販売システム及び通信販売処理方法に関し、特に、インターネット等の通信ネットワークを介して通信販売サービスの申込に関する処理を行う通信販売用申込端末、通信販売システム及び通信販売処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、利便性の高さから、多種多様な商品を通信販売会社が提供する通信販売サービスによって購入する消費者が増加している。また、インターネットが普及してきたことにより、インターネット上のWebサイトで注文を受け、注文された商品を配送するインターネット通販サービスを提供する通信販売会社も急増している。
【0003】
インターネット通販サービスを実現するためのシステムとしては、例えば、商品販売元の販売元サーバと商品販売店の販売店サーバとユーザ端末とがネットワークを介して接続され、ユーザ端末から商品を指定し、販売店サーバ及び販売元サーバで、注文を受けた商品の発送処理、及び該商品の代金の決済処理等を行う通信販売システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、このような通信販売システムにおいて、商品映像情報等のような通信回線に与える負荷が大きい情報を予めCD−ROM等のような媒体でカスタマに提供し、価格情報のように所定の規格毎に更新されるようなデータは、電子メールにより配送し、在庫情報のようなリアルタイムに更新される情報はオンラインによりリアルタイムに配送するシステムが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2001−184390号公報
【特許文献2】特開2001−332430号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のインターネットを利用しない一般的な通信販売システムでは、郵便、電話、FAX等により商品を注文するため、消費者は正しく注文できたか否かを容易に確認することができない、という問題がある。
【0005】
一方、従来のネット通販サービスを実現するためのシステムでは、購入予定の商品映像情報を確認することはできるが、実際に注文した商品の映像情報を確認することはできず、更に、消費者が該システムで商品を購入するためには、インターネットに接続するための端末が必要となり、気軽にネット通販サービスを利用することができない、という問題がある。端末を所持しない消費者が気軽にネット通販サービスを利用できるように、通信販売会社のサーバに接続できる端末を例えばコンビニエンス・ストア等の店頭に設置しておく方法も考えられるが、商品を注文するために該設置された端末を操作する時間が必要であり、特にコンピュータの操作に不慣れな利用者が該端末を利用すると、他の利用者の待ち時間が長くなる。また、消費者が個人的に端末を所持している場合であっても、コンピュータの操作に不慣れな消費者にとっては、利便性が悪い。
【0006】
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、顧客が利便性の高い通信販売サービスを容易に利用できる通信販売用申込端末、通信販売システム及び通信販売処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の通信販売用申込端末は、通信販売サービスの種別を識別するための識別情報が付与されると共に、通信販売サービスで販売する商品の注文に関する注文情報を記入する記入欄が設けられた申込書の画像を読み取り、読取り結果を画像データとして出力する読取手段と、前記読取手段から出力された画像データに基づいて、前記識別情報及び前記注文情報を認識する認識手段と、前記認識手段により認識された識別情報に対応する通信販売サービスを提供するサーバに、前記認識手段により認識された注文情報を通信ネットワークを介して送信する送信手段と、を含んで構成されている。
【0008】
この通信販売申込端末によれば、通信販売サービスの種別を識別するための識別情報が付与されると共に、通信販売サービス(例えば通信販売会社)が販売する商品の注文に関する注文情報を記入する記入欄が設けられた申込書の画像を読み取り、該読取り結果から識別情報及び注文情報を認識し、該認識された識別情報に対応する通信販売サービスを提供するサーバに、上記認識した注文情報を通信ネットワークを介して送信することができるため、顧客は手書き等により記入した申込書で通信ネットワークを介して通信販売サービスを利用することができ、コンピュータの操作に不慣れな顧客であっても、容易に利便性の高い通信販売サービスを利用できる。
【0009】
なお、認識手段は、OCR、OMR、バーコードリーダ、及び2次元コードリーダ等により構成することができる。また、これらのうち複数により構成されていてもよい。また、認識手段は、ハードウェアにより構成されていてもよいし、ソフトウェアにより実現されるものであってもよい。
【0010】
また、この通信販売用申込端末は、前記注文情報を受信したサーバから送信された、前記申込書により注文された商品の名称及び商品の代金の決済に関する情報を通信ネットワークを介して受信する受信手段と、前記受信手段により受信された商品の名称及び商品の代金の決済に関する情報に基づいて、前記申込書による商品の注文結果を出力する出力手段と、を更に含んで構成することもできる。
【0011】
これにより、顧客は容易に注文結果を知ることができ、また、注文した商品の代金を決済を容易に行うことができる。
【0012】
また、前記受信手段は、前記注文情報を受信したサーバから送信された、前記申込書により注文された商品のイメージ情報を更に受信し、前記出力手段は、前記受信手段により受信された商品のイメージ情報を前記商品の注文結果に含めて出力することができる。
【0013】
このように商品イメージ情報を注文結果に含めて出力することにより、顧客は、注文した商品を容易かつ確実に確認することができる。
【0014】
また、この通信販売用申込端末は、前記読取手段から出力された画像データから予め定められたドロップアウトカラーを除去した除去画像データを出力する除去手段を更に含み、前記認識手段は、前記除去画像データに基づいて前記識別情報及び前記注文情報を認識することができる。
【0015】
このようにドロップアウトカラーを除去する除去手段を設けることにより、認識手段で、上記識別情報及び注文情報を容易に認識することができるようになる。
【0016】
また、この通信販売用申込端末は、前記読取手段から出力された画像データから互いに異なるドロップアウトカラーを除去した複数の除去画像データを出力する除去手段を更に含み、前記認識手段は、前記複数の除去画像データの少なくとも1つに基づいて前記識別情報を認識すると共に、前記複数の除去画像データのうち前記認識した識別情報が示す通信販売サービスに対応したドロップアウトカラーが除去された除去画像データに基づいて前記注文情報を認識することもできる。
【0017】
このように、互いに異なるドロップアウトカラーを除去した除去画像データを複数出力する除去手段を設け、該除去画像データのうち、申込書の通信販売サービスに対応したドロップアウトカラーを除去した除去画像データに基づいて注文情報を認識するようにすれば、ドロップアウトカラーの異なる複数種の申込書に対応できると共に、通信販売サービス種別に応じたドロップアウトカラーを除去した除去画像データで適切に注文情報を認識することができる。
【0018】
更に、本発明の通信販売システムは、前記通信販売用申込端末と、前記通信販売用申込端末にネットワークを介して接続され、前記通信販売用申込端末から送信された前記商品の注文に関する注文情報に基づいて前記申込書により注文された商品の名称及び商品の決済に関する情報を生成して前記通信販売用申込端末に送信するサーバと、を含んで構成されている。
【0019】
この通信販売システムによって、顧客は利便性の高い通信販売サービスを容易に利用できる。
【0020】
なお、前記サーバは、更に、前記通信販売用申込端末から送信された前記商品の注文に関する注文情報に基づいて前記申込書により注文された商品のイメージ情報を生成して送信することができる。
【0021】
このように、サーバが商品イメージ情報を通信販売用申込端末に送信することにより、通信販売用申込端末では、例えば、該受信した商品イメージ情報を顧客に表示することができ、顧客は、注文した商品を容易かつ確実に確認することができる。
【0022】
本発明の通信販売処理方法は、通信販売サービスの種別を識別するための識別情報が付与されると共に、通信販売サービスで販売する商品の注文に関する注文情報を記入する記入欄が設けられた申込書の画像を読み取り、読取り結果を画像データとして出力し、前記出力された画像データに基づいて、前記識別情報及び前記注文情報を認識し、前記認識された識別情報に対応する通信販売サービスを提供するサーバに、前記認識された注文情報を通信ネットワークを介して送信する。
【0023】
本発明の通信販売処理方法も、上記通信販売用申込端末と同様に作用するため、顧客は利便性の高い通信販売サービスを容易に利用できる。
【0024】
また、上記通信販売処理方法において、前記注文情報を受信したサーバから送信された、前記申込書により注文された商品の名称及び商品の代金の決済に関する情報を通信ネットワークを介して受信し、前記受信された商品の名称及び商品の代金の決済に関する情報に基づいて、前記申込書による商品の注文結果を出力することができる。
【0025】
また、前記注文情報を受信したサーバから送信された、前記申込書により注文された商品のイメージ情報を更に受信し、前記受信された商品のイメージ情報を前記商品の注文結果に含めて出力することができる。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように本発明によれば、顧客は容易に利便性の高い通信販売サービスを利用できる、という効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0028】
図1は、本実施の形態に係る通信販売システムの概略構成を示した図である。この通信販売システム1は、通信ネットワーク80を介して、通信販売会社のカタログ等に掲載された商品を通信ネットワークを介して注文するためのシステムである。この通信販売システム1は、コンビニエンスストアの店舗(コンビニ店舗)に設置された本発明の通信販売用申込端末に相当するマルチファンクションプリンタ(MFP)10と、通信販売会社の通信販売サービスを提供する通販管理サーバ60と、MFP10を管理、運用するMFP管理会社のMFP管理サーバ70とを含んで構成され、互いに通信ネットワーク80を介して接続されている。なお、この通信販売システム1では、通信販売サービスを行う複数の通信販売会社の通販管理サーバ60が通信ネットワーク80に接続されているが、図1では、1台のみを代表して図示している。
【0029】
MFP10は、スキャン機能や、文字・マーク認識機能、通信機能、プリント機能、コピー機能等、様々な機能を備えている。図2は、MFP10の詳細な構成を示したブロック図である。
【0030】
MFP10は、CPU12、DRAM14、2つのフラッシュROM16、18、DMA(Direct Memory Access)コントローラ20、光源22、カラーCCD24、4つのルックアップテーブル(LUT)26c、26m、26y、26k、該4つのLUT26c、26m、26y、26kに対応して設けられた4つの2値化回路28c、28m、28y、28k、スキャンイン・インタフェース(IF)30、プリントアウトIF32、プリントエンジン34、及びネットワークIF36、ユーザインタフェース(UI)コントローラ38を備え、これらはBUSにより接続されている。
【0031】
なお、以下では、4つのLUT26c、26m、26y、26kを特に区別しないで説明する場合は、符号末尾の添字を省略し、LUT26と呼称する。同様に、2値化回路28c、28m、28y、28kを特に区別しないで説明する場合は、符号末尾の添字を省略し、2値化回路28と呼称する。
【0032】
CPU12は、このMFP10全体を制御する。DRAM14は、ワークメモリである。
【0033】
2つのフラッシュROM16、18のうち、一方のフラッシュROM16には、通常行われるカラーコピー機能あるいはプリント機能を実行するために使用されるLUTのパラメータ(以下、標準LUTパラメータと呼称)が記憶されている。標準LUTパラメータは、R(レッド)G(グリーン)B(ブルー)からなる画像データと、プリントエンジン34でY(イエロー)M(マジェンダ)C(シアン)K(ブラック)の各色の印刷材(トナー等)で印刷するための印刷用の画像データとの対応関係を定めたパラメータであり、このパラメータがLUT26に各々設定されることにより、LUT26でRGB画像データをCMYK各色の画像データに変換することができる。具体的には、標準LUTパラメータとして、RGB画像データをCMYK表色系のY色の画像データに変換するためのY色変換用LUTパラメータ、M色の画像データに変換するためのM色変換用LUTパラメータ、C色の画像データに変換するためのC色変換用LUTパラメータ、及びK色の画像データに変換するためのK色変換用LUTパラメータの各々がフラッシュROM16に記録されている。これらパラメータは、MFP10の起動時等に、上記LUT26c、26m、26y、26kの各々に設定される。
【0034】
他方のフラッシュROM18には、MFP10を制御するための制御プログラムや、通信販売用の申込書を処理する処理ルーチンのプログラム、OCRやOMR処理を行うためのアプリケーションプログラム等が記憶されている。CPU12は、これらプログラムをフラッシュROM18から読み出して実行する。またフラッシュROM18には、申込書に予め印刷されている文字認識に不要な罫線等を形成する色(ドロップアウトカラー)を除去するためのドロップアウト用LUTパラメータや、カラー画像データから白黒画像データに変換するための白黒変換用LUTパラメータ等が記録されている。
【0035】
DMAコントローラ20は、CPU12を介さずに直接メモリ(ここでは、DRAM14,フラッシュROM16、フラッシュROM18)にアクセスするためのコントローラである。例えば、フラッシュROM16に記憶されているパラメータを、各LUT26c、26m、26y、26kにDMA転送したり、フラッシュROM18に記憶されているドロップアウト用LUTパラメータをLUT26にDMA転送したりする。
【0036】
光源22は、このMFP10でコピー機能あるいはスキャナ機能を使用する際に発光し、コピーまたはスキャンする原稿を照明する。
【0037】
カラーCCD24は、光源22により照明された原稿からの反射光を受光して、RGB色空間における3原色RGBの各色成分に分解し、該分解して得られたRGB各色の画像データ(多値画像データ)を出力する。
【0038】
各LUT26は、SDRAMにより構成される。各LUT26には、MFP10の起動時に、フラッシュROM16に記憶されている標準LUTパラメータが設定され、通常動作時(通常のコピー機能あるいはプリント機能を実行する場合)には、この設定のまま使用される。この設定状態で各LUT26にカラーCCD24から出力されたR色の画像データ、G色の画像データ、及びB色の画像データの3色の画像データが入力されると、各LUT26は、該入力された3色の画像データをCMYK色空間におけるC色、M色、Y色、K色の画像データに各々変換して出力する。
【0039】
また、後述するように、申込書をスキャン処理するときには、起動時に各LUT26に設定されている標準LUTパラメータが、フラッシュROM18に記憶されているドロップアウト用LUTパラメータに変更される。変更されたLUT26により、24ビットのRGBの画像データを、該RGB画像データからドロップアウトカラーを除去した白黒多値画像データに変換することができる。
【0040】
2値化回路28は、LUT26で変換されて出力された8ビットの多値画像データに周知の誤差拡散処理あるいは単純2値化処理(ディザ・スレッショルド処理)を施して2値化(1ビット化)し、2値画像データを出力する。
【0041】
スキャンインIF30は、MFP10でカラースキャン機能を実行する場合には、カラーCCD24から出力されLUT26及び2値化回路28をスルーしたRGB各画像データを、RGB点順次データに変換して出力する。また、他の機能(コピー機能、プリント機能等)を実行する場合には、入力された画像データをDRAM14に一端格納する。
【0042】
プリントアウトIF32には、DRAM14からCMYK各色の画像データが入力される。プリントアウトIF32は、該入力された画像データをプリントエンジン34に出力して印刷させる。
【0043】
プリントエンジン34は、プリントアウトIF32から入力されたCMYK各色の画像データに基づき、CMYK各色成分の印刷材を用いて印刷する。
【0044】
ネットワークIF36は、通信ネットワーク80に接続され、通販管理サーバ60、及びMFP管理サーバ70との間で通信を行うためのインタフェースである。
【0045】
UIコントローラ38は、MFP10に設けられたUI40の操作及び表示を制御する。UI40は、表示機能と操作機能とが一体化されたタッチパネルを含んで構成されている。UI40は、UIコントローラ38の制御により、MFP10の作動に関する各種設定や指示入力を可能にすると共に、各種画像データやMFP10の設定・動作状態の表示を可能にする。
【0046】
次に、本実施の形態の通信販売システム1の処理の流れについて詳細に説明する。
【0047】
まず、通信販売システム1の動作の概要を図1を参照しながら説明する。本実施の形態の通信販売システム1では、まず、顧客がカタログに掲載された商品を注文するための申込書(例えば、図5参照)に商品を注文するための注文情報を記入してコンビニ店舗まで持参し、コンビニ店舗に設置されたMFP10に読み取らせる(図1(1))。MFP10では、該読取り結果に基づいて通販管理サーバ60及びMFP管理サーバ70と通信しながら通信販売の申込に関する処理を行い(図1(2))、通販管理サーバ60から受信した課金情報等に基づいて商品の申込書控えや商品の代金を振り込むための振込用紙等(例えば、図6参照)をプリントする(図1(3))。顧客は、プリントされた振込用紙を用いてコンビニのレジで振り込み処理を行い注文した商品の代金の振り込み処理を行うことができる(図1(4))。なお、申込書は各通信販売会社毎(通信販売サービス種別毎)に定められており、申込書の所定のエリアに印刷されたバーコードによりこの通信販売サービス種別が識別され、該通信販売サービス種別に応じて処理される(後述)。
【0048】
次に、図3及び図4を参照しながら通信販売システム1の動作の詳細を説明する。図3は、通信販売システム1全体の動作の概要を示したシーケンス図である。なお、このシーケンス図では、文字認識処理が正常に行われた場合のみが示されている。また、図4は、MFP10で実行される通信販売申込処理の流れを示したフローチャートである。
【0049】
まず、顧客が、自宅等で通信販売会社が提供するカタログに掲載された商品を注文するために、カタログ等に添付されている申込書に記入し、記入した申込書をコンビニ店舗に持参する(図3のステップ100)。
【0050】
記入済の申込書の一例を図5に示す。図5に示されるように、申込書は、ドロップアウトカラーで罫線や文字列が印刷されており、この罫線や文字列を参考にしながら、顧客は商品を注文するための注文情報を記入することができる。申込書のA1のエリアには、申込書がどの通信販売会社の申込書であるか(すなわち、通信販売サービス種別)を識別するため識別情報としてのバーコードが予め印刷されている。このバーコードにより、通信販売サービス種別を識別することができる。また、A2のエリアには、通信販売会社に登録済の顧客を識別するための識別番号を示す2次元コードを印刷したラベルを添付することができる。A3のエリアは、カタログの商品番号と数量と、合計金額を記入することができる注文情報の記入欄である。A4のエリアは、マークシート形式で商品の配送方法及び商品の代金の支払い方法を指定することができるエリアである。
【0051】
顧客は、記入した申込書をコンビニ店舗に設置されたMFP10で処理させるため、申込書を不図示の申込書載置台に載置し、MFP10のUIから指示して、通販申込処理をスタートさせる。これにより、MFP10で図4に示されるような通販申込処理が開始される。
【0052】
ステップ200では、申込書をスキャンするための設定を行う。具体的には、フラッシュROM18に記憶されているドロップアウト用LUTパラメータ及び白黒変換用LUTパラメータをDMAコントローラ20により読み出し、LUT26にDMA転送して、予め書込まれている標準LUTパラメータの記憶領域に上書きする。ここでは、4つのLUT26の中の3つのLUT26に3色分のドロップアウト用LUTパラメータを書込み、残りの1つのLUT26に、白黒変換用LUTパラメータを書込む。
【0053】
また、ここで、各通信販売サービスの申込書のドロップアウトカラーは、ここで設定された3色のドロップアウトカラーのいずれかに対応しているものとする。
【0054】
続いて、ステップ202で、申込書をスキャン処理する(図3のステップ102も参照)。具体的には、まず、申込書を光源22により照明し、該照明による反射光をカラーCCD24が受光する。そして、各LUT26に、カラーCCD24から出力されたR色の画像データ、G色の画像データ、及びB色の画像データの3色の画像データが入力される。ドロップアウト用LUTパラメータが書込まれたLUT26では、該ドロップアウト用LUTパラメータに基づいて、該入力されたRGB3色の画像データを、所定のドロップアウトカラーが除去された白黒多値画像データに変換して出力する。変換された多値画像データは2値化回路28で単純2値化処理が施されて2値化され出力される。なお、ここでは、後にOCRソフトやOMRソフトにより文字・マーク認識処理が施されるため、2値化された画像データが白と黒が明確に分かれた画像データとなるように、誤差拡散処理ではなく単純2値化処理で2値化を行う。
【0055】
また、白黒変換用ドロップアウト用LUTパラメータが書込まれたLUT26では、入力されたRGB3色の画像データを、白黒多値画像データに変換して出力する。変換された白黒多値画像データは、2値化回路28で誤差拡散処理が施されて2値化され出力される。
【0056】
このようにスキャン処理されて2値化され出力された2値画像データ(スキャンデータ)は、ステップ204で、一端DRAM14に格納される。ここで、ドロップアウト用LUTパラメータが設定されたLUT26で処理され2値化されたスキャンデータは、文字・マーク認識用の申込書画像データとして格納され、白黒変換用ドロップアウト用LUTパラメータが設定されたLUT26で処理され2値化されたスキャンデータは、通販管理サーバ60側で印刷表示するなどして確認のために使用される確認用の申込書画像データとして格納される。
【0057】
ステップ206では、文字・マーク認識用の申込書画像データのいずれか1つの画像データの、バーコードが印刷されたA1のエリアの画像データを、バーコード認識ソフトを用いてバーコード認識し、申込書の通信販売サービス種別を識別する(図3のステップ104も参照)。例えば、予め、MFP10のフラッシュROM18等の記憶手段に、バーコードが示す番号と通信販売サービス種別とを対応付けて記憶しておき、これに基づいて認識されたバーコードから通信販売サービス種別を識別するようにしてもよい。
【0058】
ステップ208では、上記記憶した複数の文字・マーク認識用申込書画像データから、バーコード認識により識別された通信販売サービス種別に応じたドロップアウトカラーが除去された文字・マーク認識用申込書画像データを選択する。
【0059】
ステップ210では、2次元コード認識ソフト、OMRソフト及びOCRソフトを用いて、上記選択した文字・マーク認識用申込書画像データから注文情報を認識する。図5に示される申込書の場合には、2次元コード認識ソフトを用いてA2のエリアから顧客情報を認識し、OCRソフトを用いてA3のエリアから注文された商品番号、数量、合計金額の情報を認識し、OMRソフトを用いてA4のエリアの商品の配送方法及び商品の代金の支払い方法の情報を認識する。これにより、申込書に記入された各注文情報を取得する(図3のステップ104も参照。)。なお、通信販売サービス種別に応じて申込書の形式が異なる場合には、申込書の形式と通信販売サービスとを対応付けて記憶しておき、該記憶された情報に基づいて、注文情報を取得することもできる。
【0060】
ステップ212で、上記認識された注文情報を、確認用申込書画像データと共に、上記で識別された通信販売サービス種別に対応した通販管理サーバ60に送信する(図3のステップ106も参照。)。
【0061】
注文情報及び確認用申込書画像データを受信した通販会社のサーバでは、注文確認処理を行う(図3のステップ108参照。)。例えば、通販管理サーバ60のオペレータは、上記注文情報と共に送信された確認用申込画像データを印刷または表示して受信した注文情報の確認を行った後、受信した注文情報に基づいて不図示のデータベースを検索し、顧客の住所や、注文された商品の名称の情報、商品説明の情報、商品単価、商品のイメージデータを読み出す。更に、注文された商品の配送の手配に関する情報を生成する。なお、実際の配送の手配は代金の振り込みされた後に実行される。また、注文された商品の代金の総額を、代金の決済に関する情報として生成すると共に、注文情報に含まれる代金の支払い方法の情報に応じた処理を行う。例えば、「振込み」であった場合には、振込用紙を印刷するための印刷情報を上記代金の決済に関する情報に含め、「着払い」であった場合には、商品の配送業者に代引き処理を手配するための情報を、上記配送の手配に関する情報に含める。なお、以下では、代金の支払い方法として「振込み」が指定された場合を例に挙げて説明する。
【0062】
続いて、通販管理サーバ60は、注文確認処理の処理結果をMFP10に送信する。処理結果には、注文を受け付けた商品の名称、該商品の単価、該商品の個数、該商品説明の情報、該商品の代金の決済に関する情報、及び該商品のイメージデータが含まれている(図3のステップ110参照。)。
【0063】
MFP10では、ステップ214で、通販管理サーバ60から処理結果の受信待ちを行い、受信したと判断した場合には、ステップ216で、申込書控え兼振込用紙を印刷するための画像データを生成する(図3のステップ112も参照。)。この画像データは、予め定められた形式(レイアウト)となるように生成するが、申込書の通信販売サービス種別に応じて形式を異ならせることもできる。
【0064】
ステップ218では、上記生成した注文書兼振込用紙の画像データの画像をUI40に表示する。申込書控え兼振込用紙の一例を図6に示す。図示されるように、上半分が、申込書控えとなっており、下半分が振込用紙となっている。申込書控えのB1のエリアには注文された商品番号・数量、B2のエリアには注文された商品イメージ、B3のエリアには注文された商品の商品説明、B4のエリアには商品単価、B5のエリアには商品の代金の合計が示されている。また、振込用紙には、顧客がコンビニ店舗のレジ等で振り込み処理ができるように、商品の代金と振り込み用紙の番号とが示され、領収印が押下できるような欄が設けられている。
【0065】
顧客はこの画像を確認し、商品のイメージデータや商品説明から、注文した商品を確認し、確認した結果をUI40を介して指示することができる。MFP10では、ステップ220で、確認OKが入力されたか否かを判断する。ここで、UI40から確認OKが入力されたと判断したときには、ステップ222で、上記申込書控え兼振込用紙の画像データに基づいて、申込書控え兼振込用紙を印刷する(図3のステップ114も参照。)。具体的には、4つのLUT26のLUTパラメータを、フラッシュROM16に記憶された標準LUTパラメータに設定変更し、該標準LUTパラメータにより該画像データをCMYKの印刷用の画像データに変換する。変換された画像データは2値化回路28で誤差拡散処理により2値化し、該2値化された画像データをプリントアウトIF32を介してプリントエンジン34に出力して印刷する。
【0066】
ステップ224では、MFP10は申込書控え兼振込用紙の印刷通知をMFP管理サーバ70に送信する(図3のステップ130も参照。)。
【0067】
一方、ステップ220で、UI40からキャンセルの指示が入力されたと判断したときには、ステップ224で、通販管理サーバ60にキャンセルの指示を送信する(図3では図示省略。)。
【0068】
上記印刷された申込書控え兼振込用紙を受け取った顧客は(図3のステップ116参照。)、申込書控え兼振込用紙から振込用紙部分のみを切り離し、コンビニのレジに持参する(図3のステップ118参照。)。顧客は、該振込用紙を用いてコンビニのレジで、注文した商品の代金を振り込むことができる(図3のステップ120参照。)。
【0069】
続いて、コンビニのレジで代金が振り込まれると振込み処理通知がオンラインで通販管理サーバ60に送信される(図3のステップ122参照。)。通販管理サーバ60では、オンラインでコンビニ店舗に対して代行手数料を支払う(図3のステップ124参照。)。
【0070】
通販会社は、代金が支払われると、配送業者に商品の配送に関する情報を送信して(図3のステップ126参照。)、配送先まで商品を配送させる(図3のステップ128参照。)。
【0071】
一方、MFP10から申込書控え兼振込用紙の印刷通知を受信したMFP管理サーバ70では、MFP10でのプリント枚数を集計し、課金情報を計算する(図3のステップ132参照。)。MFP管理サーバ70は、計算された課金情報をプリント課金請求として通販管理サーバ60に送信する(図3のステップ134参照)。通販管理サーバ60は、課金情報を受信すると、該課金情報に応じてプリント料金を支払う(図3のステップ136参照。)。
【0072】
以上説明したように、顧客が記入した通販の申込書の画像を読取り、該読取り結果から申込書の通信販売サービス種別と申込書に記入された注文情報とを認識し、該通信販売サービス種別を提供する通販管理サーバ60に、該認識された注文情報を通信ネットワークを介して送信するようにしたため、コンピュータの操作に不慣れな顧客であっても、容易に通信ネットワークを介した通信販売サービスを利用できる。
【0073】
また、上記説明したように、顧客が注文した商品のイメージデータを表示・印刷するようにしたため、顧客は確実に自分が注文した商品を確認することができる。
【0074】
なお、顧客が申込書に記入した注文情報が全て正しく認識されることを前提にして説明したが、例えば、該注文情報が全て正しく認識できなかった場合には、MFP10のUI40に注文エラーメッセージを表示して、上記通信販売システム1での処理を中断するようにしてもよい。
【0075】
また、上記実施の形態では、振込用紙を用いた振込処理により商品の代金を決済する例について説明したが、これに限定されず、例えば、MFP10にコインキットやクレジットカードリーダ等の決済手段を接続し、該接続した決済手段により商品の代金を決済させるようにしてもよい。
【0076】
また、上記実施の形態では、予め複数のドロップアウト用LUTパラメータをLUT26に書込んで設定し、複数の文字・マーク認識用の申込書画像データを生成して、その中から申込書の通信販売サービスに対応する画像データを選択する例について説明したが、これに限定されず、複数種の申込書が1色のドロップアウトカラーにより印刷されていた場合には、予め定められたドロップアウトカラーを除去するための1つのドロップアウト用LUTパラメータのみを設定すればよい。また、ドロップアウトカラーを除去する前の画像で通信販売サービスを識別し、識別した通信販売サービスに対応するドロップアウト用LUTパラメータを選択してLUT28に設定するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本実施の形態に係る通信販売システムの概略構成を示した図である。
【図2】MFPの詳細な構成を示したブロック図である。
【図3】通信販売システム全体の動作の概要を示したシーケンス図である。
【図4】MFPで実行される通信販売申込処理の流れを示したフローチャートである。
【図5】記入済の申込書の一例である。
【図6】申込書控え兼振込用紙の一例に示す。
【符号の説明】
【0078】
1 通信販売システム
10 マルチファンクションプリンタ(MFP)
12 CPU
22 光源
26 ルックアップテーブル(LUT)
24 カラーCCD
28 2値化回路
34 プリントエンジン
40 ユーザインタフェース(UI)
60 通販管理サーバ
70 MFP管理サーバ
80 通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信販売サービスの種別を識別するための識別情報が付与されると共に、通信販売サービスで販売する商品の注文に関する注文情報を記入する記入欄が設けられた申込書の画像を読み取り、読取り結果を画像データとして出力する読取手段と、
前記読取手段から出力された画像データに基づいて、前記識別情報及び前記注文情報を認識する認識手段と、
前記認識手段により認識された識別情報に対応する通信販売サービスを提供するサーバに、前記認識手段により認識された注文情報を通信ネットワークを介して送信する送信手段と、
を含む通信販売用申込端末。
【請求項2】
前記注文情報を受信したサーバから送信された、前記申込書により注文された商品の名称及び商品の代金の決済に関する情報を通信ネットワークを介して受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された商品の名称及び商品の代金の決済に関する情報に基づいて、前記申込書による商品の注文結果を出力する出力手段と、
を更に含む請求項1記載の通信販売用申込端末。
【請求項3】
前記受信手段は、前記注文情報を受信したサーバから送信された、前記申込書により注文された商品のイメージ情報を更に受信し、
前記出力手段は、前記受信手段により受信された商品のイメージ情報を前記商品の注文結果に含めて出力する
請求項2記載の通信販売用申込端末。
【請求項4】
前記読取手段から出力された画像データから予め定められたドロップアウトカラーを除去した除去画像データを出力する除去手段を更に含み、
前記認識手段は、前記除去画像データに基づいて前記識別情報及び前記注文情報を認識する請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の通信販売用申込端末。
【請求項5】
前記読取手段から出力された画像データから互いに異なるドロップアウトカラーを除去した複数の除去画像データを出力する除去手段を更に含み、
前記認識手段は、前記複数の除去画像データの少なくとも1つに基づいて前記識別情報を認識すると共に、前記複数の除去画像データのうち前記認識した識別情報が示す通信販売サービスに対応したドロップアウトカラーが除去された除去画像データに基づいて前記注文情報を認識する請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の通信販売用申込端末。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の通信販売用申込端末と、
前記通信販売用申込端末にネットワークを介して接続され、前記通信販売用申込端末から送信された前記商品の注文に関する注文情報に基づいて前記申込書により注文された商品の名称及び商品の決済に関する情報を生成して前記通信販売用申込端末に送信するサーバと、
を含む通信販売システム。
【請求項7】
前記サーバは、更に、前記通信販売用申込端末から送信された前記商品の注文に関する注文情報に基づいて前記申込書により注文された商品のイメージ情報を生成して送信する
請求項6記載の通信販売システム。
【請求項8】
通信販売サービスの種別を識別するための識別情報が付与されると共に、通信販売サービスで販売する商品の注文に関する注文情報を記入する記入欄が設けられた申込書の画像を読み取り、読取り結果を画像データとして出力し、
前記出力された画像データに基づいて、前記識別情報及び前記注文情報を認識し、
前記認識された識別情報に対応する通信販売サービスを提供するサーバに、前記認識された注文情報を通信ネットワークを介して送信する
通信販売処理方法。
【請求項9】
前記注文情報を受信したサーバから送信された、前記申込書により注文された商品の名称及び商品の代金の決済に関する情報を通信ネットワークを介して受信し、
前記受信された商品の名称及び商品の代金の決済に関する情報に基づいて、前記申込書による商品の注文結果を出力する請求項8記載の通信販売処理方法。
【請求項10】
前記注文情報を受信したサーバから送信された、前記申込書により注文された商品のイメージ情報を更に受信し、
前記受信された商品のイメージ情報を前記商品の注文結果に含めて出力する請求項9記載の通信販売処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−184958(P2006−184958A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−374747(P2004−374747)
【出願日】平成16年12月24日(2004.12.24)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】