説明

通訳システム、通訳方法、移動通信端末およびサーバ装置

【課題】特殊な再生装置を用いることなく、利用者の理解を補助するための音声/テキストを提供する。
【解決手段】非接触ICデバイスを搭載すると共に利用者が使用する言語の情報を予め記憶している利用者の携帯電話装置101を用いて、利用者の理解を補助するコンテンツを提供する通訳システムは、利用者が施設内に入場する際に、携帯電話装置101の非接触ICデバイスから情報を読み出す書込/読取装置105と、施設内で使用される主音声に対して副音声のコンテンツを予め記憶し、書込/読取装置105によって読み出された言語情報に適した副音声コンテンツが存在する場合に、この副音声コンテンツを携帯電話装置101に配信するコンテンツ配信サーバ装置106とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば劇場等の施設内で使用される言語を母国語としない利用者に、利用者が所持する携帯電話装置を用いて利用者の理解を補助するための音声/テキストを提供する通訳システム、通訳方法、移動通信端末およびサーバ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
劇場で上映される映画は、その映画を制作した国の言葉が主音声となるのが一般的である。したがって、主音声と異なる言語の国で上映される場合には、上映する国の言語で字幕が表示されるか、もしくは上映する国の言語で吹き替えたものが上映される。このため、劇場で上映される映画で使用される言語は、二カ国語もしくは上映される国の言語に限定されることになる。また、美術館、博物館等における作品や展示物の説明においても、使用される言語は、例えば日本語と英語といったように二カ国語程度に限定されているのが一般的である。
【0003】
このように、現在の劇場、美術館、博物館等では、二カ国語程度が使用されており、これらの言語を母国語としない利用者にとっては作品や展示物に対する理解が不十分になる。そこで、利用者の理解を補助するためのシステムとして、演劇通訳システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。図8は、特許文献1に開示された演劇通訳システムの構成を示すブロック図である。
【0004】
この演劇通訳システムは、翻訳された演劇の台詞を音声のディジタルデータに変換し、識別番号を付して再生装置703の記録媒体に記録する音声記録装置701と、演劇の進行に応じた識別番号を選択し、識別番号を送信するタイミング管理装置702と、識別番号を受信して、識別番号に対応したディジタルデータを内部の記録媒体から検索し、再生する再生装置703とから構成される。
【0005】
なお、出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
【特許文献1】特開2004−229706号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図8に示した演劇通訳システムによれば、演劇の台詞を母国語としない観客が、演劇を違和感なく理解できるとしている。しかしながら、図8に示した演劇通訳システムでは、翻訳された演劇の台詞を再生するために特殊な再生装置が必要になるという問題点があった。その結果、この演劇通訳システムでは、劇場に入場する利用者に対して再生装置を貸し出す必要があり、また利用者が退場する際には、再生装置を回収しなければならないという問題点があった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、特殊な再生装置を用いることなく、利用者の理解を補助するための音声/テキストを提供することができる通訳システム、通訳方法、移動通信端末およびサーバ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、非接触ICデバイスを搭載すると共に利用者が使用する言語の情報を予め記憶している利用者の移動通信端末を用いて、利用者の理解を補助するコンテンツを提供する通訳システムであって、利用者が施設内に入場する際に、前記移動通信端末の非接触ICデバイスから情報を読み出す読取装置と、前記施設内で使用される主音声に対して副音声のコンテンツを予め記憶するデータベースと、前記読取装置によって読み出された言語情報に適した副音声コンテンツが存在する場合に、この副音声コンテンツを前記移動通信端末に配信する副音声コンテンツ配信処理手段とを備えるものである。
また、本発明の通訳システムの1構成例は、さらに、前記言語情報に適した副音声コンテンツを配信する前に、この副音声コンテンツを再生するためのアプリケーションプログラムを前記移動通信端末に配信するアプリケーション配信処理手段を備えるものである。
また、本発明の通訳システムの1構成例は、さらに、前記アプリケーションプログラムの格納先を示すダウンロードアプリケーション情報を前記読取装置を介して前記移動通信端末に送信する通知処理手段を備え、前記アプリケーション配信処理手段は、前記ダウンロードアプリケーション情報に基づく前記移動通信端末からのダウンロード要求に応じて、前記アプリケーションプログラムを前記移動通信端末に配信するものである。
また、本発明の通訳システムの1構成例において、前記副音声コンテンツは、前記施設内で使用される主音声に対する副音声の音声データ又はテキストデータである。
また、本発明の通訳システムの1構成例において、前記アプリケーション配信処理手段と前記副音声コンテンツ配信処理手段とは、前記読取装置によって前記移動通信端末の非接触ICデバイスから読み出された機器アドレス情報に基づいて、前記アプリケーションプログラムと前記副音声コンテンツとを前記移動通信端末に配信するものである。
また、本発明の通訳システムの1構成例において、前記アプリケーション配信処理手段と前記副音声コンテンツ配信処理手段とは、前記アプリケーションプログラムと前記副音声コンテンツとを無線LAN経由で前記移動通信端末に配信するものである。
また、本発明の通訳システムの1構成例は、さらに、前記読取手段によって前記移動通信端末の非接触ICデバイスから読み出されたチケット情報に基づいて、利用者の前記施設内への入場を管理する入場管理サーバ装置を備えるものである。
【0009】
また、本発明は、非接触ICデバイスを搭載すると共に利用者が使用する言語の情報を予め記憶している利用者の移動通信端末を用いて、利用者の理解を補助するコンテンツを提供する通訳方法であって、利用者が施設内に入場する際に、前記移動通信端末の非接触ICデバイスから情報を読み出す読取手順と、前記読取手順によって読み出された言語情報に適した副音声コンテンツがデータベースに存在する場合に、この副音声コンテンツを前記移動通信端末に配信する副音声コンテンツ配信処理手順とを備えるものである。
また、本発明の通訳方法の1構成例は、さらに、前記副音声コンテンツ配信処理手順の前に、前記言語情報に適した副音声コンテンツを再生するためのアプリケーションプログラムを前記移動通信端末に配信するアプリケーション配信処理手順を備えるものである。
また、本発明の通訳方法の1構成例は、さらに、前記アプリケーション配信処理手順の前に、前記アプリケーションプログラムの格納先を示すダウンロードアプリケーション情報を前記移動通信端末に送信する通知処理手順を備え、前記アプリケーション配信処理手順は、前記ダウンロードアプリケーション情報に基づく前記移動通信端末からのダウンロード要求に応じて、前記アプリケーションプログラムを前記移動通信端末に配信するようにしたものである。
また、本発明の通訳方法の1構成例において、前記副音声コンテンツは、前記施設内で使用される主音声に対する副音声の音声データ又はテキストデータである。
また、本発明の通訳方法の1構成例において、前記アプリケーション配信処理手順と前記副音声コンテンツ配信処理手順とは、前記読取手順によって前記移動通信端末の非接触ICデバイスから読み出された機器アドレス情報に基づいて、前記アプリケーションプログラムと前記副音声コンテンツとを前記移動通信端末に配信するようにしたものである。
また、本発明の通訳方法の1構成例において、前記アプリケーション配信処理手順と前記副音声コンテンツ配信処理手順とは、前記アプリケーションプログラムと前記副音声コンテンツとを無線LAN経由で前記移動通信端末に配信するようにしたものである。
また、本発明の通訳方法の1構成例は、さらに、前記読取手順によって前記移動通信端末の非接触ICデバイスから読み出されたチケット情報に基づいて、利用者の前記施設内への入場を管理する入場管理手順を備えるものである。
【0010】
また、本発明は、施設内に入場する利用者に対して、利用者の理解を補助するコンテンツを提供する通訳システムで使用される移動通信端末であって、非接触ICデバイスと、利用者が使用する言語の情報を予め記憶している記憶装置と、利用者が施設内に入場する際に、前記非接触ICデバイスを介して読み出された前記言語情報に応じてコンテンツ配信サーバ装置から配信された副音声コンテンツを再生する制御手段とを備えるものである。
また、本発明の移動通信端末の1構成例において、前記制御手段は、前記副音声コンテンツを受信する前に、前記副音声コンテンツを再生するためのアプリケーションプログラムを前記コンテンツ配信サーバ装置から受信して、このアプリケーションプログラムに従って前記副音声コンテンツを再生するものである。
また、本発明の移動通信端末の1構成例は、さらに、前記アプリケーションプログラムの格納先を示すダウンロードアプリケーション情報を前記非接触ICデバイスを介して受信して、このダウンロードアプリケーション情報に基づいて前記コンテンツ配信サーバ装置にダウンロード要求を送信するダウンロード要求手段を備えるものである。
また、本発明の移動通信端末の1構成例は、さらに、前記非接触ICデバイスを介して前記コンテンツ配信サーバ装置に、自装置に固有の機器アドレス情報を送信する機器アドレス情報送信手段を備えるものである。
また、本発明の移動通信端末の1構成例は、さらに、利用者が施設内に入場する際に、自装置の接続先を公衆網から施設内の無線LANに切り替える切替手段を備え、前記制御手段は、前記アプリケーションプログラムと前記副音声コンテンツとを無線LAN経由で受信するものである。
【0011】
また、本発明は、施設内に入場する利用者に対して、利用者の理解を補助するコンテンツを提供する通訳システムで使用されるサーバ装置であって、前記施設内で使用される主音声に対して副音声のコンテンツを予め記憶するデータベースと、利用者の移動通信端末に搭載された非接触ICデバイスから読取装置を介して読み出された言語情報に基づいて、この言語情報に適した副音声コンテンツを前記データベース上で検索し、前記言語情報に適した副音声コンテンツが存在する場合に、この副音声コンテンツを前記移動通信端末に配信する副音声コンテンツ配信処理手段とを備えるものである。
また、本発明のサーバ装置の1構成例は、さらに、前記言語情報に適した副音声コンテンツを配信する前に、この副音声コンテンツを再生するためのアプリケーションプログラムを前記移動通信端末に配信するアプリケーション配信処理手段を備えるものである。
また、本発明のサーバ装置の1構成例は、さらに、前記アプリケーションプログラムの格納先を示すダウンロードアプリケーション情報を前記読取装置を介して前記移動通信端末に送信する通知処理手段を備え、前記アプリケーション配信処理手段は、前記ダウンロードアプリケーション情報に基づく前記移動通信端末からのダウンロード要求に応じて、前記アプリケーションプログラムを前記移動通信端末に配信するものである。
また、本発明のサーバ装置の1構成例において、前記アプリケーション配信処理手段と前記副音声コンテンツ配信処理手段とは、前記読取装置によって前記移動通信端末の非接触ICデバイスから読み出された機器アドレス情報に基づいて、前記アプリケーションプログラムと前記副音声コンテンツとを前記移動通信端末に配信するものである。
また、本発明のサーバ装置の1構成例において、前記アプリケーション配信処理手段と前記副音声コンテンツ配信処理手段とは、前記アプリケーションプログラムと前記副音声コンテンツとを無線LAN経由で前記移動通信端末に配信するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、施設内で使用される主音声とは別に、利用者の言語情報に適した副音声コンテンツ(音声データ又はテキストデータ)を利用者に提供することができる。この副音声コンテンツの提供は、利用者が所持している携帯電話装置等の移動通信端末に対して行われるので、従来の演劇通訳システムのような特殊な再生装置を用意する必要がなく、再生装置を貸与したり、回収したりする必要もない。また、本発明では、移動通信端末に設定された利用者の言語情報を、移動通信端末に搭載された非接触ICデバイスを通じて読み出すため、非接触ICデバイス付きの移動通信端末を入場管理に利用している入場管理システムに容易に適用することができ、大規模な設備の追加を行うことなく、通訳システムを実現することができる。
【0013】
また、本発明では、副音声コンテンツを配信する前に、副音声コンテンツを再生するためのアプリケーションプログラムを移動通信端末に配信するので、副音声コンテンツの再生に対応していない移動通信端末においても、副音声コンテンツを容易に再生させることができる。
【0014】
また、アプリケーションプログラムと副音声コンテンツとを無線LAN経由で移動通信端末に配信することにより、施設内の特定の移動通信端末に対してアプリケーションプログラムと副音声コンテンツを容易に配信することができる。
【0015】
また、利用者が施設内に入場する際に、移動通信端末の接続先を公衆網から施設内の無線LANに切り替える切替手段を移動通信端末に設けることにより、移動通信端末を操作することなく、その接続を切り替え、施設内での通話が禁止されることもある移動通信端末を施設の状況に合わせて有効利用して、利用者の言語情報に適した副音声コンテンツを利用者に提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、非接触ICデバイスを搭載する携帯電話装置や携帯情報端末などの移動通信端末を用いて、利用者の劇場などへの入場を管理するシステムにおいて、利用者が入場する際に、映画のチケット情報の他に移動通信端末に設定されている言語情報を非接触の読取装置で読み出す機能と、読み出した言語情報と上映する映画/会議で使用される言語とを比較し、使用される言語が入場時に取得した言語情報の言語と異なる場合に、言語情報に適した副音声コンテンツを選択する機能と、読み出した言語情報に従って、副音声コンテンツを再生するアプリケーションプログラムおよび副音声コンテンツを無線LAN経由で移動通信端末に配信する機能と、移動通信端末のネットワークの接続先を公衆網から入場した劇場内の無線LANに変更する機能とを有し、読取装置が設置された劇場のゲートを通過して劇場内に入場するだけで、その劇場で上映される映画/会議の副音声コンテンツを、移動通信端末で再生/表示させることを特徴とする。
【0017】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態では、劇場において映画を鑑賞するシステムとして説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態となる通訳システムの構成を示すブロック図である。本実施の形態の通訳システムは、劇場100内に構築されたネットワーク(有線LAN)102と、劇場100内に設置され、移動通信端末である携帯電話装置101と通信すると共にネットワーク102との接続を行う無線LANアクセスポイント(中継機)103と、ネットワーク102に接続され、劇場100への利用者の入場を管理する入場管理サーバ装置104と、入場管理サーバ装置104に接続され、携帯電話装置101内に搭載された非接触ICデバイスから情報を読み取ると共に、情報の書き込みを行う書込/読取装置105と、ネットワーク102に接続され、携帯電話装置101に対してコンテンツを提供するコンテンツ配信サーバ装置106とから構成される。図1において、107は携帯電話ネットワーク、108は携帯電話装置101と通信を行う無線基地局、109は劇場100のチケットの発行管理を行うチケット予約システムである。
【0018】
図2は、携帯電話装置101の構成を示すブロック図である。携帯電話装置101は、携帯電話ネットワーク107の無線基地局108と無線通信を行うための送受信部201と、無線基地局108に送信すべきデータを無線信号に変換して送受信部201に出力すると共に、送受信部201で受信された無線信号からデータを復調する変復調処理部202と、送受信部201及び変復調処理部202を制御すると共に、携帯電話装置全体の制御部210との調整を行う通信機能制御部203と、劇場100内の無線LAN(無線LANアクセスポイント103)と無線通信を行うための送受信部204と、無線LANアクセスポイント103に送信すべきデータを無線信号に変換して送受信部204に出力すると共に、送受信部204で受信された無線信号からデータを復調する変復調処理部205と、送受信部204及び変復調処理部205を制御すると共に、携帯電話装置全体の制御部210との調整を行う通信機能制御部206と、携帯電話装置同士の通信あるいは携帯電話装置101と図示しないPC(Personal Computer )との間で通信を行うための赤外線あるいはUSB(Universal Serial Bus)などの外部インタフェース207と、非接触で情報の記録再生が可能な非接触ICデバイス208と、利用者の入力した情報やメールなどを表示する表示部209と、携帯電話装置全体を制御する制御部210と、利用者が携帯電話装置101に対して文字列やダイヤルを入力するための操作部211と、メール、電話帳、スケジュールなどの情報あるいはソフトウェアプログラムを記憶するメモリ212と、通話時に使用する音声や、動画再生などの音声データを含む画像情報を処理するデータ処理部213と、携帯電話装置101の利用者の音声を集音するマイク214と、マイク214で集音されたアナログ音声信号をA/D変換して、音声データをデータ処理部213に出力するA/D変換器215と、携帯電話装置101の利用者に対して音声を出力するスピーカー216と、データ処理部213から出力された音声データをD/A変換して、アナログ音声信号をスピーカー216に出力するD/A変換器217とから構成される。
【0019】
携帯電話装置101のメモリ212には、利用者が使用する言語の情報と、携帯電話装置101に固有の機器アドレス情報とが予め登録されている。
非接触ICデバイス208としては、RFID(Radio Frequency Identification)を用いたものがあり、代表的なものとしてはソニー株式会社が提案しているFelica(登録商標)がある。
【0020】
図3は、入場管理サーバ装置104の構成を示すブロック図である。入場管理サーバ装置104は、非接触ICデバイスの書込/読取装置105との通信を行う通信処理部301と、劇場の鑑賞情報取得と入退場処理とを行う入場処理部302と、後述するデータベース上で上映作品の言語情報を検索する抽出処理部303と、アプリケーションプログラムの格納先を示すダウンロードアプリケーション情報を携帯電話装置101に送信する通知処理部304と、コンテンツ配信サーバ装置106との通信を行う通信処理部305と、劇場100での上映作品に関するデータを管理するデータベースシステム306とから構成される。
【0021】
データベースシステム306には、劇場100における映画の上映スケジュールデータ307と、上映作品で使用される言語を示す上映作品言語情報308とが予め登録されている。
【0022】
図4は、コンテンツ配信サーバ装置106の構成を示すブロック図である。コンテンツ配信サーバ装置106は、入場管理サーバ装置104との通信を行う通信処理部309と、携帯電話装置101で副音声コンテンツを再生するためのアプリケーションプログラムを携帯電話装置101に配信するアプリケーション配信処理部310と、入場管理サーバ装置104から送信された利用者の言語情報から言語情報に適した副音声コンテンツを検索する検索処理部311と、携帯電話装置101に副音声コンテンツを配信する副音声コンテンツ配信処理部312と、上映作品の副音声コンテンツを管理するデータベースシステム313とから構成される。
【0023】
上映作品の副音声コンテンツとしては、音声データとテキストデータがある。データベースシステム313には、上映作品の副音声データ314−1〜314−nと、上映作品の字幕データ315−1〜315−nとが作品ごとに予め登録されている。
【0024】
以下、本実施の形態の通訳システムの動作を説明する。図5は、利用者が劇場100内に入場するときの通訳システムの動作を示すシーケンス図である。
まず、利用者は、劇場100内に入る前に、所望の上映作品の鑑賞チケット(電子チケット)を予め購入しておく。すなわち、利用者は、携帯電話装置101から携帯電話ネットワーク107を介してチケット予約システム109に接続し、所望の上映作品の鑑賞チケットを予約・購入する。チケット予約、決済などの所定の処理が終了すると、利用者は、ダウンロード用の端末装置から携帯電話装置101の非接触ICデバイス208に鑑賞チケット情報をダウンロードする。こうして、非接触ICデバイス208に鑑賞チケット情報が記録される。
【0025】
次に、利用者は、劇場100に入場する際、携帯電話装置101の非接触ICデバイス208に記録されている鑑賞チケット情報を劇場100に設置されている書込/読取装置105に読み取らせる。このときの通信処理では、以下の情報の交換が行われる。
【0026】
最初に、入場管理サーバ装置104は、鑑賞チケット情報要求を書込/読取装置105へ送信する(図5ステップ401)。書込/読取装置105は、受信した鑑賞チケット情報要求を携帯電話装置101内の非接触ICデバイス208へ送信する(ステップ402)。鑑賞チケット情報要求を受信した携帯電話装置101の非接触ICデバイス208は、言語情報及び機器アドレス情報を携帯電話装置101の制御部210に要求する(ステップ403)。
【0027】
言語情報要求及び機器アドレス情報要求を受信した携帯電話装置101の制御部210は、メモリ212に予め格納されている言語情報と機器アドレス情報とを取り出して、これらを非接触ICデバイス208へ送信する(ステップ404)。非接触ICデバイス208は、自身が記憶している鑑賞チケット情報と受信した言語情報と機器アドレス情報とを書込/読取装置105へ送信する(ステップ405)。
【0028】
書込/読取装置105は、受信した鑑賞チケット情報と言語情報と機器アドレス情報とを入場管理サーバ装置104へ送信する(ステップ406)。入場管理サーバ装置104は、受信した言語情報と機器アドレス情報とをコンテンツ配信サーバ装置106へ送信する(ステップ407)。
【0029】
コンテンツ配信サーバ装置106は、携帯電話装置101から受信した言語情報で指定される言語の副音声コンテンツがデータベースシステム313に存在するかどうかを検索して、その検索結果を入場管理サーバ装置104へ送信する(ステップ408)。入場管理サーバ装置104は、入場許可を示す入場許可情報とダウンロードアプリケーション情報とを書込/読取装置105へ送信する(ステップ409)。
【0030】
書込/読取装置105は、受信した入場許可情報とダウンロードアプリケーション情報とを携帯電話装置101内の非接触ICデバイス208へ送信する(ステップ410)。非接触ICデバイス208は、受信した入場許可情報とダウンロードアプリケーション情報とを携帯電話装置101の制御部210へ送信する(ステップ411)。
ここまでが携帯電話装置101内の非接触ICデバイス208と書込/読取装置105との間で利用者の入場時に行われる通信処理である。
【0031】
続いて、ダウンロード要求手段となる携帯電話装置101の制御部210は、コンテンツ配信サーバ装置106に対してアプリケーションプログラムのダウンロード要求を送信する(ステップ412)。コンテンツ配信サーバ装置106は、ダウンロード要求に応じてアプリケーションプログラムを携帯電話装置101へ配信する(ステップ413)。そして、携帯電話装置101の制御部210は、コンテンツ配信サーバ装置106に対してコンテンツ再生要求を送信し(ステップ414)、コンテンツ配信サーバ装置106は、コンテンツ再生要求に応じて副音声コンテンツを携帯電話装置101へ配信する(ステップ415)。
【0032】
次に、携帯電話装置101、入場管理サーバ装置104及びコンテンツ配信サーバ装置106の動作についてより詳細に説明する。図6は携帯電話装置101の動作を示すフローチャート、図7は入場管理サーバ装置104及びコンテンツ配信サーバ装置106の動作を示すフローチャートである。
【0033】
まず、入場管理サーバ装置104の入場処理部302は、鑑賞チケット情報要求を通信処理部301を介して書込/読取装置105へ送信する(図5ステップ401、図7ステップ601)。
携帯電話装置101内の非接触ICデバイス208は、図5のステップ402の処理により書込/読取装置105から鑑賞チケット情報要求を受信すると(図6ステップ501)、言語情報及び機器アドレス情報を携帯電話装置101の制御部210に要求する(図5ステップ403)。この要求を受信した携帯電話装置101の制御部210は、メモリ212に予め格納されている言語情報と機器アドレス情報とを取り出して、これらを非接触ICデバイス208へ送信する(図5ステップ404、図6ステップ502)。
【0034】
非接触ICデバイス208は、自身が記憶している鑑賞チケット情報と受信した言語情報と機器アドレス情報とを書込/読取装置105へ送信する(図5ステップ405、図6ステップ503)。
入場管理サーバ装置104の入場処理部302は、図5のステップ406の処理により書込/読取装置105から鑑賞チケット情報と言語情報と機器アドレス情報とを受信する(図7ステップ602)。
【0035】
そして、入場処理部302は、データベースシステム306の上映スケジュールデータ307を検索して、受信した鑑賞チケット情報と上映スケジュールデータ307とを照合し、受信した鑑賞チケット情報が正しいかどうかを確認する(図7ステップ603)。ここでは、例えばチケット番号などが正しいかどうかを確認する。入場処理部302は、鑑賞チケット情報に問題がある場合、劇場100内のゲート(不図示)を閉じて利用者の入場を拒否し、入場処理を終了する。なお、携帯電話装置101から鑑賞チケット情報を受信できない場合は、利用者の入場を拒否することは言うまでもない。
【0036】
入場処理部302は、ステップ603において鑑賞チケット情報が正しいと判断した場合、鑑賞チケット情報が指定する上映時間がこれから上映される作品の上映時間と一致するかどうかを上映スケジュールデータ307に基づいて確認する(図7ステップ604)。入場処理部302は、上映時間が異なる場合は、利用者の入場を拒否し、入場処理を終了する。
【0037】
次に、入場管理サーバ装置104の抽出処理部303は、入場処理部302で上映時間に問題なしと判断された場合、データベースシステム306の上映作品言語情報308を検索して、上映作品の主音声の言語を確認し、上映作品の主音声の言語と携帯電話装置101から受信した言語情報で指定される言語とが同一かどうかを確認する(図7ステップ605)。
【0038】
入場管理サーバ装置104の通知処理部304は、上映作品の主音声の言語と携帯電話装置101から受信した言語情報で指定される言語とが同一と判断された場合、携帯電話装置101に送るダウンロードアプリケーション情報に、アプリケーションプログラムの格納先が存在しないことを示す情報を設定する(図7ステップ606)。
【0039】
一方、入場管理サーバ装置104の抽出処理部303は、ステップ605において上映作品の主音声の言語と携帯電話装置101から受信した言語情報で指定される言語とが一致しない場合、通信処理部305を介してコンテンツ配信サーバ装置106に副音声コンテンツの検索を依頼する。
通信処理部309を介して入場管理サーバ装置104からの依頼を受けたコンテンツ配信サーバ装置106の検索処理部311は、これから上映される上映作品に関して、携帯電話装置101から受信した言語情報で指定される言語の副音声コンテンツがデータベースシステム313に存在するかどうかを検索する(図7ステップ607,608)。
【0040】
検索処理部311は、データベースシステム313を検索した結果、データベースシステム313に副音声コンテンツが存在しない場合、副音声コンテンツが存在しないことを示す検索結果を通信処理部309を介して入場管理サーバ装置104に送信する。この検索結果を受けた入場管理サーバ装置104の通知処理部304は、ダウンロードアプリケーション情報に、アプリケーションプログラムの格納先が存在しないことを示す情報を設定する(図7ステップ606)。
【0041】
また、検索処理部311は、データベースシステム313を検索した結果、データベースシステム313に副音声コンテンツが存在する場合、副音声コンテンツが存在することを示す検索結果を通信処理部309を介して入場管理サーバ装置104に送信する。この検索結果を受けた入場管理サーバ装置104の入場処理部302は、携帯電話装置101から受信した機器アドレス情報をコンテンツ配信サーバ装置106へ送信し、携帯電話装置101の劇場内ネットワークへの接続を許可する(図7ステップ609)。
【0042】
そして、入場管理サーバ装置104の通知処理部304は、ダウンロードアプリケーション情報に、アプリケーションプログラムの格納先を示す情報を設定する(図7ステップ610)。
ステップ606又は610の終了後、通知処理部304は、ダウンロードアプリケーション情報を入場処理部302に渡し、入場処理部302は、利用者の入場を許可する入場許可情報とダウンロードアプリケーション情報とを通信処理部301を介して書込/読取装置105に送信する(図5ステップ409、図7ステップ611)。
【0043】
書込/読取装置105は、受信した入場許可情報とダウンロードアプリケーション情報とを携帯電話装置101内の非接触ICデバイス208へ送信する(図5ステップ410)。
携帯電話装置101内の非接触ICデバイス208は、書込/読取装置105から入場許可情報とダウンロードアプリケーション情報とを受信すると、これらを携帯電話装置101の制御部210へ送信する(図5ステップ411、図6ステップ504)。制御部210は、受信した入場許可情報とダウンロードアプリケーション情報とをメモリ212に格納する。
【0044】
切替手段となる制御部210は、入場許可情報の受信を契機として、携帯電話ネットワーク107に接続するためのデバイスの電源、すなわち送受信部201と変復調処理部202と通信機能制御部203の電源をオフして、送受信部201と変復調処理部202と通信機能制御部203の機能を停止させる(図6ステップ505)。こうして、携帯電話装置101と携帯電話ネットワーク107との接続が切断される。
【0045】
携帯電話ネットワーク107との接続の切断後、制御部210は、通信機能制御部206を通じて変復調処理部205及び送受信部204を使用し、劇場100内に有効な無線LANが存在するかどうかを確認する(図6ステップ506)。制御部210は、劇場100内に有効な無線LANが存在すると判断した場合、通信機能制御部206を通じて変復調処理部205及び送受信部204を使用し、無線LANアクセスポイント103との接続処理を行い、携帯電話装置101で使用できるネットワークを劇場100内の無線LANに切り替える(図6ステップ507)。
【0046】
無線LANとの接続後、制御部210は、メモリ212に格納したダウンロードアプリケーション情報に基づき、アプリケーションプログラムのダウンロード要求を無線LANアクセスポイント103に送信する(図5ステップ412)。このダウンロード要求には、ダウンロードアプリケーション情報で指定されたアプリケーションプログラムの格納先が設定されている。
【0047】
コンテンツ配信サーバ装置106のアプリケーション配信処理部310は、無線LANアクセスポイント103及びネットワーク102を介してダウンロード要求を受信すると(図7ステップ612)、このダウンロード要求で指定された格納先からアプリケーションプログラムを取り出して、取り出したアプリケーションプログラムをネットワーク102及び無線LANアクセスポイント103を介して要求元の携帯電話装置101へ配信する(図5ステップ413、図7ステップ613)。このときの配信は、入場管理サーバ装置104から受け取った機器アドレス情報を基に、携帯電話装置101を特定することで行われる。
【0048】
こうして、アプリケーションプログラムがダウンロードされる。携帯電話装置101の制御部210は、ダウンロードしたアプリケーションプログラムをメモリ212に格納する(図6ステップ508)。制御部210は、アプリケーションプログラムのダウンロードが完了すると、ダウンロードしたアプリケーションプログラムを起動する(図6ステップ509)。そして、制御部210は、起動したアプリケーションプログラムに従って、コンテンツ再生要求を無線LANアクセスポイント103へ送信する(図5ステップ414)。
【0049】
無線LANアクセスポイント103及びネットワーク102を介してコンテンツ再生要求を受信したコンテンツ配信サーバ装置106の副音声コンテンツ配信処理部312は、作品の上映を契機としてコンテンツ再生を開始する(図7ステップ614)。すなわち、副音声コンテンツ配信処理部312は、この上映作品の副音声コンテンツをデータベースシステム313から取り出して、要求元の携帯電話装置101へ配信する(図6ステップ415、図7ステップ615)。アプリケーションプログラムの場合と同様に、このときの配信は、入場管理サーバ装置104から受け取った機器アドレス情報を基に、携帯電話装置101を特定することで行われる。
【0050】
携帯電話装置101の制御部210は、受信した副音声コンテンツをアプリケーションプログラムに従って再生する(図6ステップ510)。副音声コンテンツには、上映作品の副音声データと字幕データとがある。コンテンツ配信サーバ装置106は、この両方を配信してもよいし、いずれか一方を配信してもよい。携帯電話装置101の制御部210は、副音声データを受信した場合、この副音声データをデータ処理部213に渡し、スピーカー216から再生させる。また、制御部210は、字幕データを受信した場合、この字幕データを表示部209に表示させる。
【0051】
なお、携帯電話装置101の制御部210は、ステップ506において劇場100内に有効な無線LANが存在しないと判断した場合、携帯電話ネットワーク107に接続するためのデバイスの電源、すなわち送受信部201と変復調処理部202と通信機能制御部203の電源をオンにして、送受信部201と変復調処理部202と通信機能制御部203の機能を再起動する(図6ステップ511)。再起動後、制御部210は、携帯電話装置101をマナーモードに設定する(図6ステップ512)。
【0052】
こうして、本実施の形態では、劇場100内で使用される主音声とは別に、利用者の言語情報に適した副音声コンテンツを利用者に提供することができる。本実施の形態では、携帯電話装置101に設定された利用者の言語情報を、携帯電話装置101に搭載された非接触ICデバイス208を通じて読み出すため、非接触ICデバイス付きの携帯電話装置を入場管理に利用している入場管理システムに容易に適用することができ、大規模な設備の追加を行うことなく、通訳システムを実現することができる。
【0053】
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態では、劇場において映画を鑑賞するシステムを例に挙げて説明しているが、これに限るものではなく、本発明を博物館や美術館の展示物の説明に応用してもよい。この場合、利用者が博物館や美術館へ入場した後、携帯電話装置の接続先を博物館/美術館内のネットワークに切り替えて、展示物や美術品などを説明する音声/テキストの副音声コンテンツを携帯電話装置に設定されている言語情報に従って送付し、利用者の携帯電話装置において音声/テキストの再生/表示を行うようにすればよい。
【0054】
[第3の実施の形態]
第1、第2の実施の形態では、利用者の入場のみ管理しているが、これに限るものではなく、利用者の退場も管理してよいことは言うまでもない。すなわち、利用者が劇場100を退場する際、劇場100のゲートに設置された書込/読取装置105は、携帯電話装置101の非接触ICデバイス208を通じて入場許可情報を読み取る。
【0055】
入場管理サーバ装置104の入場処理部302は、入場許可情報が得られた場合、退場したことを示す退場情報を書込/読取装置105に送信し、書込/読取装置105は、退場情報を携帯電話装置101内の非接触ICデバイス208へ送信する。退場情報を受信した携帯電話装置101の制御部210は、メモリ212内の入場許可情報を退場情報に書き換える。
【0056】
そして、制御部210は、退場情報の受信を契機として、無線LANに接続するためのデバイスの電源、すなわち送受信部204と変復調処理部205と通信機能制御部206の電源をオフして、送受信部204と変復調処理部205と通信機能制御部206の機能を停止させ、無線LANとの接続を切断する。さらに、制御部210は、携帯電話ネットワーク107に接続するためのデバイスの電源、すなわち送受信部201と変復調処理部202と通信機能制御部203の電源をオンにして、送受信部201と変復調処理部202と通信機能制御部203の機能を再起動し、携帯電話ネットワーク107との接続を行う。こうして、退場時の管理と無線LANから公衆網への切り替えとを実現することができる。
【0057】
第1、第2の実施の形態における携帯電話装置101、入場管理サーバ装置104、コンテンツ配信サーバ装置106は、それぞれCPU、記憶装置およびインタフェースを備えたコンピュータとこれらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。このようなコンピュータにおいて、本発明の通訳方法を実現させるためのプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM、メモリカードなどの記録媒体に記録された状態で提供される。CPUは、読み込んだプログラムを記憶装置に書き込み、このプログラムに従って第1、第2の実施の形態で説明した処理を実行する。
【0058】
なお、第1、第2の実施の形態では、移動通信端末の例として携帯電話装置を例に挙げて説明しているが、これに限るものではなく、PHS(Personal Handy-phone System )、通信機能を有するPDA(Personal Digital Assistant)など他の移動通信端末に本発明を適用してもよい。
【0059】
また、第1、第2の実施の形態では、アプリケーションプログラム及び副音声コンテンツを配信する手段として、無線LANを用いているが、これに限るものではなく、無線LAN以外の例えばブルートゥース(Bluetooth )などの近距離無線通信手段を用いてもよいし、携帯電話ネットワーク107を通じて配信するようにしてもよい。したがって、機器アドレス情報も、無線LANに関するものでもよいし、その他、近距離無線通信手段に関するものでもよいし、あるいは電話番号、電子メールアドレスなど配信の際に移動通信端末を特定できるものであればよい。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、例えば映画館、博物館、美術館などの施設において、利用者の理解を補助するシステムに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の第1の実施の形態となる通訳システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における携帯電話装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における入場管理サーバ装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるコンテンツ配信サーバ装置の構成を示すブロック図である。
【図5】利用者が劇場内に入場するときの通訳システムの動作を示すシーケンス図である。
【図6】本発明の実施の形態における携帯電話装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態における入場管理サーバ装置及びコンテンツ配信サーバ装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】従来の演劇通訳システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0062】
100…劇場、101…携帯電話装置、102…ネットワーク、103…無線LANアクセスポイント、104…入場管理サーバ装置、105…書込/読取装置、106…コンテンツ配信サーバ装置、107…携帯電話ネットワーク、108…無線基地局、109…チケット予約システム、201、204…送受信部、202、205…変復調処理部、203、206…通信機能制御部、207…外部インタフェース、208…非接触ICデバイス、209…表示部、210…制御部、211…操作部、212…メモリ、213…データ処理部、214…マイク、215…A/D変換器、216…スピーカー、217…D/A変換器、301、309…通信処理部、302…入場処理部、303…抽出処理部、304…通知処理部、305…通信処理部、306、313…データベースシステム、307…上映スケジュールデータ、308…上映作品言語情報、310…アプリケーション配信処理部、311…検索処理部、312…副音声コンテンツ配信処理部、314…副音声データ、315…字幕データ。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触ICデバイスを搭載すると共に利用者が使用する言語の情報を予め記憶している利用者の移動通信端末を用いて、利用者の理解を補助するコンテンツを提供する通訳システムであって、
利用者が施設内に入場する際に、前記移動通信端末の非接触ICデバイスから情報を読み出す読取装置と、
前記施設内で使用される主音声に対して副音声のコンテンツを予め記憶するデータベースと、
前記読取装置によって読み出された言語情報に適した副音声コンテンツが存在する場合に、この副音声コンテンツを前記移動通信端末に配信する副音声コンテンツ配信処理手段とを備えることを特徴とする通訳システム。
【請求項2】
請求項1記載の通訳システムにおいて、
さらに、前記言語情報に適した副音声コンテンツを配信する前に、この副音声コンテンツを再生するためのアプリケーションプログラムを前記移動通信端末に配信するアプリケーション配信処理手段を備えることを特徴とする通訳システム。
【請求項3】
請求項2記載の通訳システムにおいて、
さらに、前記アプリケーションプログラムの格納先を示すダウンロードアプリケーション情報を前記読取装置を介して前記移動通信端末に送信する通知処理手段を備え、
前記アプリケーション配信処理手段は、前記ダウンロードアプリケーション情報に基づく前記移動通信端末からのダウンロード要求に応じて、前記アプリケーションプログラムを前記移動通信端末に配信することを特徴とする通訳システム。
【請求項4】
請求項1又は2記載の通訳システムにおいて、
前記副音声コンテンツは、前記施設内で使用される主音声に対する副音声の音声データ又はテキストデータであることを特徴とする通訳システム。
【請求項5】
請求項1又は2記載の通訳システムにおいて、
前記アプリケーション配信処理手段と前記副音声コンテンツ配信処理手段とは、前記読取装置によって前記移動通信端末の非接触ICデバイスから読み出された機器アドレス情報に基づいて、前記アプリケーションプログラムと前記副音声コンテンツとを前記移動通信端末に配信することを特徴とする通訳システム。
【請求項6】
請求項1又は2記載の通訳システムにおいて、
前記アプリケーション配信処理手段と前記副音声コンテンツ配信処理手段とは、前記アプリケーションプログラムと前記副音声コンテンツとを無線LAN経由で前記移動通信端末に配信することを特徴とする通訳システム。
【請求項7】
請求項1又は2記載の通訳システムにおいて、
さらに、前記読取手段によって前記移動通信端末の非接触ICデバイスから読み出されたチケット情報に基づいて、利用者の前記施設内への入場を管理する入場管理サーバ装置を備えることを特徴とする通訳システム。
【請求項8】
非接触ICデバイスを搭載すると共に利用者が使用する言語の情報を予め記憶している利用者の移動通信端末を用いて、利用者の理解を補助するコンテンツを提供する通訳方法であって、
利用者が施設内に入場する際に、前記移動通信端末の非接触ICデバイスから情報を読み出す読取手順と、
前記読取手順によって読み出された言語情報に適した副音声コンテンツがデータベースに存在する場合に、この副音声コンテンツを前記移動通信端末に配信する副音声コンテンツ配信処理手順とを備えることを特徴とする通訳方法。
【請求項9】
請求項8記載の通訳方法において、
さらに、前記副音声コンテンツ配信処理手順の前に、前記言語情報に適した副音声コンテンツを再生するためのアプリケーションプログラムを前記移動通信端末に配信するアプリケーション配信処理手順を備えることを特徴とする通訳方法。
【請求項10】
請求項8又は9記載の通訳方法において、
さらに、前記アプリケーション配信処理手順の前に、前記アプリケーションプログラムの格納先を示すダウンロードアプリケーション情報を前記移動通信端末に送信する通知処理手順を備え、
前記アプリケーション配信処理手順は、前記ダウンロードアプリケーション情報に基づく前記移動通信端末からのダウンロード要求に応じて、前記アプリケーションプログラムを前記移動通信端末に配信することを特徴とする通訳方法。
【請求項11】
請求項8又は9記載の通訳方法において、
前記副音声コンテンツは、前記施設内で使用される主音声に対する副音声の音声データ又はテキストデータであることを特徴とする通訳方法。
【請求項12】
請求項8又は9記載の通訳方法において、
前記アプリケーション配信処理手順と前記副音声コンテンツ配信処理手順とは、前記読取手順によって前記移動通信端末の非接触ICデバイスから読み出された機器アドレス情報に基づいて、前記アプリケーションプログラムと前記副音声コンテンツとを前記移動通信端末に配信することを特徴とする通訳方法。
【請求項13】
請求項8又は9記載の通訳方法において、
前記アプリケーション配信処理手順と前記副音声コンテンツ配信処理手順とは、前記アプリケーションプログラムと前記副音声コンテンツとを無線LAN経由で前記移動通信端末に配信することを特徴とする通訳方法。
【請求項14】
請求項8又は9記載の通訳方法において、
さらに、前記読取手順によって前記移動通信端末の非接触ICデバイスから読み出されたチケット情報に基づいて、利用者の前記施設内への入場を管理する入場管理手順を備えることを特徴とする通訳方法。
【請求項15】
施設内に入場する利用者に対して、利用者の理解を補助するコンテンツを提供する通訳システムで使用される移動通信端末であって、
非接触ICデバイスと、
利用者が使用する言語の情報を予め記憶している記憶装置と、
利用者が施設内に入場する際に、前記非接触ICデバイスを介して読み出された前記言語情報に応じてコンテンツ配信サーバ装置から配信された副音声コンテンツを再生する制御手段とを備えることを特徴とする移動通信端末。
【請求項16】
請求項15記載の移動通信端末において、
前記制御手段は、前記副音声コンテンツを受信する前に、前記副音声コンテンツを再生するためのアプリケーションプログラムを前記コンテンツ配信サーバ装置から受信して、このアプリケーションプログラムに従って前記副音声コンテンツを再生することを特徴とする移動通信端末。
【請求項17】
請求項16記載の移動通信端末において、
さらに、前記アプリケーションプログラムの格納先を示すダウンロードアプリケーション情報を前記非接触ICデバイスを介して受信して、このダウンロードアプリケーション情報に基づいて前記コンテンツ配信サーバ装置にダウンロード要求を送信するダウンロード要求手段を備えることを特徴とする移動通信端末。
【請求項18】
請求項15又は16記載の移動通信端末において、
さらに、前記非接触ICデバイスを介して前記コンテンツ配信サーバ装置に、自装置に固有の機器アドレス情報を送信する機器アドレス情報送信手段を備えることを特徴とする移動通信端末。
【請求項19】
請求項15又は16記載の移動通信端末において、
さらに、利用者が施設内に入場する際に、自装置の接続先を公衆網から施設内の無線LANに切り替える切替手段を備え、
前記制御手段は、前記アプリケーションプログラムと前記副音声コンテンツとを無線LAN経由で受信することを特徴とする移動通信端末。
【請求項20】
施設内に入場する利用者に対して、利用者の理解を補助するコンテンツを提供する通訳システムで使用されるサーバ装置であって、
前記施設内で使用される主音声に対して副音声のコンテンツを予め記憶するデータベースと、
利用者の移動通信端末に搭載された非接触ICデバイスから読取装置を介して読み出された言語情報に基づいて、この言語情報に適した副音声コンテンツを前記データベース上で検索し、前記言語情報に適した副音声コンテンツが存在する場合に、この副音声コンテンツを前記移動通信端末に配信する副音声コンテンツ配信処理手段とを備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項21】
請求項20記載のサーバ装置において、
さらに、前記言語情報に適した副音声コンテンツを配信する前に、この副音声コンテンツを再生するためのアプリケーションプログラムを前記移動通信端末に配信するアプリケーション配信処理手段を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項22】
請求項21記載のサーバ装置において、
さらに、前記アプリケーションプログラムの格納先を示すダウンロードアプリケーション情報を前記読取装置を介して前記移動通信端末に送信する通知処理手段を備え、
前記アプリケーション配信処理手段は、前記ダウンロードアプリケーション情報に基づく前記移動通信端末からのダウンロード要求に応じて、前記アプリケーションプログラムを前記移動通信端末に配信することを特徴とするサーバ装置。
【請求項23】
請求項20又は21記載のサーバ装置において、
前記アプリケーション配信処理手段と前記副音声コンテンツ配信処理手段とは、前記読取装置によって前記移動通信端末の非接触ICデバイスから読み出された機器アドレス情報に基づいて、前記アプリケーションプログラムと前記副音声コンテンツとを前記移動通信端末に配信することを特徴とするサーバ装置。
【請求項24】
請求項20又は21記載のサーバ装置において、
前記アプリケーション配信処理手段と前記副音声コンテンツ配信処理手段とは、前記アプリケーションプログラムと前記副音声コンテンツとを無線LAN経由で前記移動通信端末に配信することを特徴とするサーバ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−253894(P2006−253894A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−65377(P2005−65377)
【出願日】平成17年3月9日(2005.3.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】