説明

通話システム

【課題】複数の通話用端末に対して発話者の発話音声を配信する。
【解決手段】通話用端末200とサーバー300とを備えた通話システム100で、通話用端末200は、発話音声の送信先を発話者が指定した少なくとも1台の通話用端末(以下、「指定端末」と呼ぶ)とするか、あらかじめ設定された少なくとも1台の通話用端末(以下、「事前登録端末」と呼ぶ)とするかを切り替える切替手段と、切替手段によって、発話音声の送信先が指定端末に設定された場合には、指定端末を送信先として発話音声を配信装置へ送信し、切替手段によって、発話音声の送信先が事前登録端末に設定された場合には、事前登録端末を送信先として発話音声を配信装置へ送信する送信手段とを備え、サーバー300は、通話用端末200から発話音声を受信する受信手段と、受信手段が受信した発話音声を通話用端末側で送信先として設定された通話用端末に対して配信する配信手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通話システムに関する。
【背景技術】
【0002】
次のような電話によるグループ通話方法が知られている。この電話によるグループ通話方法は、コールセンタが、送信者の電話番号と送信者が選択した通話先受信者の電話番号に対して一斉発呼することにより、送信者と複数の通話先受信者とが同時に通話することができる(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−298751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のグループ通話方法では、送信者が指定した通話先受信者に対して一斉発呼するものであるため、発話者は自身が指定した通話先受信者にしか発呼することができず、利便性に問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による通話システムは、複数の発話者がそれぞれ所持し、発話者による発話音声を送信する通話用端末と、通話用端末のいずれかから発話音声を受信し、発話者が指定した他の通話用端末に発話音声を配信する配信装置とを備えた通話システムであって、通話用端末は、発話音声の送信先を発話者が指定した少なくとも1台の通話用端末(以下、「指定端末」と呼ぶ)とするか、あらかじめ設定された少なくとも1台の通話用端末(以下、「事前登録端末」と呼ぶ)とするかを切り替える切替手段と、切替手段によって、発話音声の送信先が指定端末に設定された場合には、指定端末を送信先として発話音声を配信装置へ送信し、切替手段によって、発話音声の送信先が事前登録端末に設定された場合には、事前登録端末を送信先として発話音声を配信装置へ送信する送信手段とを備え、配信装置は、通話用端末から発話音声を受信する受信手段と、受信手段が受信した発話音声を通話用端末側で送信先として設定された通話用端末(以下、「配信先端末」と呼ぶ)に対して配信する配信手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、発話者が指定した通話用端末以外に、あらかじめ設定された通話用端末に対しても発話音声を送信することができるため、簡易な操作で複数の通話用端末に対して発話音声を配信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】通話システム100の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】通話用端末200の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図3】通話アプリケーションの画面の一例を示す図である。
【図4】通話用端末200で実行される処理の流れを示すフローチャート図である。
【図5】サーバー300の一実施の形態における構成を示すブロック図である。
【図6】サーバー300で実行される処理の流れを示す第1のフローチャート図である。
【図7】サーバー300で実行される処理の流れを示す第2のフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本実施の形態における通話システムの一実施の形態の構成を示すブロック図である。通話システム100は、複数の通話用端末200と、サーバー300とで構成され、サーバー300と各通話用端末200とは、例えばインターネット等の通信回線を介して接続される。なお、図1では、1台のサーバー300と2台の通話用端末200とで構成される例を示しているが通話システム100の構成はこれに限定されない。例えば、複数のサーバー300で処理を分散させるようにしてもよい。また、通話用端末200の数は特に限定されるものではない。
【0009】
本実施の形態における通話システム100では、ある通話用端末200を所持する発話元ユーザー(以下、「発話者」と呼ぶ)が通話用端末200を操作して少なくとも一人の発話先ユーザー(以下、「受話者」と呼ぶ)を選択して発話すると、その受話者が所持する通話用端末200に発話音声を送信することができる。その際、発話者が所持する通話用端末200から送信された発話音声のデータは、インターネット等の通信回線を介してサーバー300へ送信され、サーバー300から受話者の通話用端末200に配信される。以下、本実施の形態の発話システムにおける処理の詳細について説明する。
【0010】
図2は、本実施の形態における通話用端末200の一実施の形態の構成を示すブロック図である。通話用端末200は、複数の発話者がそれぞれ所持する端末であって、例えばスマートフォン、タブレット、PDA等の携帯情報端末が用いられ、これらの携帯情報端末に通話用アプリケーションをインストールすることにより、通話用端末200として動作する。通話用端末200は、タッチパネル201と、通信モジュール202と、制御装置203と、メモリスロット204と、マイク205と、スピーカー206とを備えている。
【0011】
タッチパネル201は、液晶パネル等の表示装置とタッチパッドのような位置入力装置を組み合わせた電子部品であり、画面上の表示を押すことで機器を操作することができる入力装置である。例えば、発話者や受話者といった通話用端末200の使用者は、液晶パネル上に表示されたボタンやメニュー等の表示項目を指やタッチペンを用いてタッチまたはスライドさせることにより、通話用端末200を操作することができる。タッチパネル201は、使用者によるタッチやスライドといった操作を検出して、その検出信号を制御装置203へ出力する。
【0012】
通信モジュール202は、無線LANのアクセスポイントを介してインターネットに接続するためのモジュールや携帯電話通信網を介してインターネットに接続するためのモジュールが用いられる。通話用端末200は、この無線モジュール202によりインターネット経由でサーバー300と通信を行う。
【0013】
制御装置203は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、通話用端末200の全体を制御する。なお、制御装置203を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリやフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリを含む。揮発性のメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。また、不揮発性のメモリには、通話用端末200を動作させるためのファームウェアや種々のアプリケーションを動作させるためのソフトウェアのプログラムデータが記録される。本実施の形態では、この不揮発性のメモリに、ダウンロード等によって入手された通話用アプリケーションがインストールされている。
【0014】
メモリスロット204は、メモリカード等の外部メモリを挿入するためのスロットである。使用者は、このメモリスロット204にメモリカードを挿入して、通話用端末200の記憶容量を増加させることができる。例えば、通話用端末200がカメラ機能を備えている場合には、撮影によって得られた画像データをメモリカードに記録することにより、画像データが制御装置203を構成するフラッシュメモリの容量を圧迫することを防ぐことができる。また、通話用アプリケーション等のアプリケーションのプログラムデータもメモリスロット204に挿入されたメモリカード内に記録できるようにしてもよい。
【0015】
マイク205は、発話者による発話音声を入力するための集音装置であって、マイク205から入力された音声データは、制御装置204でデジタル信号に変換される。また、スピーカー206は、音声を出力するための出力装置である。他の通話用端末200から受信した発話音声は、制御装置203でアナログ信号に変換された後、スピーカー206から出力される。
【0016】
通話用端末200の使用者が通話用端末200上で通話用アプリケーションを起動すると、通話用端末200とサーバー300との間で通信が確立される。これにより、通話用アプリケーションが起動されてサーバー300と接続されている他の通話用端末200に対して発話音声を送信することができる。本実施の形態では、各通話用端末200は、一意に設定されているアドレスにより特定され、発話者は、自身の声を送信したい相手が所持する通話用端末200のアドレスを指定して発話することにより、送信先を特定して発話を行うことができる。なお、各通話用端末200のアドレスとしては、各通話用端末200に一意に割り当てられている端末ID、IPアドレス、電話番号、メールアドレス等の既存の情報を用いてもよい。あるいは、通話システム100用に設定した専用のアドレスを用いてもよい。
【0017】
図3は、通話用端末200上で通話用アプリケーションを起動した場合にタッチパネル201上に表示される画面の一例を示す図である。図3に示すように、タッチパネル201上の画面内には、プライベート・パブリック切替ボタン3aと、フレンドアドレスボタン3bと、フレンド履歴ボタン3cと、チームアドレスボタン3dと、チーム履歴ボタン3eと、検索ボタン3fと、その他機能ボタン3gと、ボイスボタン3hと、更新ボタン3iと、表示エリア3jと、戻るボタン3kと、オンライン・オフライン切替ボタン3lとが表示されている。
【0018】
発話者は、タッチパネル201上でプライベート・パブリック切替ボタン3aにタッチすることにより、通話のチャンネルをプライベートチャンネルとパブリックチャンネルとの間で切り替えることができる。具体的には、制御装置203は、発話者がプライベート・パブリック切替ボタン3aに1回タッチする毎に、プライベートチャンネルとパブリックチャンネルとを切り替える。
【0019】
まずプライベートチャンネルに切り替えられた場合の処理について説明する。プライベートチャンネルとは、発話者が自身の発話音声を送信したい相手を指定できるモードをいう。制御装置203は、プライベートチャンネルに設定された場合には、発話音声の送信先を発話者が指定した少なくとも1台の通話用端末とする。発話者が自身の発話音声の送信先を指定するための方法としては、以下の方法がある。
【0020】
まず、発話者は、フレンドアドレスボタン3bにタッチして、表示エリア3jにあらかじめ登録しておいたフレンドのアドレスを一覧表示させ、その中から送信先のアドレスをタッチして選択することができる。このために、発話者はあらかじめフレンドのアドレスを登録しておく必要がある。フレンドのアドレスは、お互いに認証キー等を発行して認証が完了した場合のみ登録可能とする。これによって、勝手にフレンドの登録をして一方的に発話音声を送りつける等といった迷惑行為を防止することができる。なお、フレンドのアドレスを登録する手順については説明を省略するが、例えば、発話者がその他機能ボタン3gにタッチするとフレンド登録用のメニューを呼び出すためのボタンが表示されるようにすればよい。また、フレンドのアドレスを記録したアドレス帳は、制御装置203が備えるフラッシュメモリ、またはメモリスロット204に挿入されたメモリカードに記録される。
【0021】
制御装置203は、発話者によってフレンドアドレスボタン3bがタッチされたことを検出した場合には、あらかじめ登録されたフレンドのアドレス帳をメモリから読み出して表示エリア3j内に表示する。制御装置203は、発話者によって表示エリア3j内で少なくとも1つのアドレスがタッチされたことを検出した場合には、タッチにより選択されたアドレスを送信先のアドレスに設定する。
【0022】
また、発話者は、フレンド履歴ボタン3cにタッチして表示エリア3jに過去に発話音声を送信したフレンドのアドレスの履歴を一覧表示させ、その中から送信先をタッチして選択することもできる。このために、制御装置203は、過去に発話音声を送信したフレンドのアドレスの履歴をフラッシュメモリ、またはメモリスロット204に挿入されたメモリカードに記録しておく。そして、制御装置203は、発話者によってフレンド履歴ボタン3cがタッチされたことを検出した場合には、記録しておいたフレンドのアドレスの履歴をメモリから読み出して表示エリア3j内に表示する。制御装置203は、発話者によって表示エリア3j内で少なくとも1つのアドレスがタッチされたことを検出した場合には、タッチにより選択されたアドレスを送信先のアドレスに設定する。
【0023】
また、発話者は、チームアドレスボタン3dにタッチして、表示エリア3jにあらかじめ登録しておいたチームを一覧表示させ、その中から送信先のチームを指定することにより、該チームに所属するメンバーを送信先として選択することができる。このために、発話者はあらかじめチームとして、少なくとも1人のメンバーが所持する通話用端末200のアドレスを登録したグループを登録しておく必要がある。1つの通話用端末200に登録できるチーム数は特に限定されず、発話者が目的に応じて複数のチームを登録することができる。発話者は、各チームに複数のメンバーのアドレスを登録しておけば、1つのチームを選択するだけで複数のメンバーを送信先として指定することができ、全メンバーに同じ発話音声を送信することができる。
【0024】
なお、チームの登録手順、およびチームへのメンバーの登録手順については説明を省略するが、例えば、発話者がその他機能ボタン3gにタッチするとチーム登録用のメニューを呼び出すためのボタンが表示されるようにすればよい。また、チームのアドレスを記録したアドレス帳は、制御装置203が備えるフラッシュメモリ、またはメモリスロット204に挿入されたメモリカードに記録される。
【0025】
制御装置203は、発話者によってチームアドレスボタン3dがタッチされたことを検出した場合には、あらかじめ登録されたチームの一覧をメモリから読み出して表示エリア3j内に表示する。制御装置203は、発話者によって表示エリア3j内で少なくとも1つのチームがタッチされたことを検出した場合には、タッチにより選択されたチームに属するメンバーのアドレスを送信先のアドレスに設定する。
【0026】
また、発話者は、チーム履歴ボタン3eにタッチして表示エリア3jに過去に発話音声を送信したチームの履歴を一覧表示させ、その中から送信先とするチームを選択することもできる。このために、制御装置203は、過去に発話音声を送信したチームの履歴をフラッシュメモリ、またはメモリスロット204に挿入されたメモリカードに記録しておく。そして、制御装置203は、発話者によってチーム履歴ボタン3eがタッチされたことを検出した場合には、記録しておいたチームの履歴をメモリから読み出して表示エリア3j内に表示する。制御装置203は、発話者によって表示エリア3j内で少なくとも1つのチームがタッチされたことを検出した場合には、タッチにより選択されたチームに属するメンバーのアドレスを送信先のアドレスに設定する。
【0027】
また、発話者は、検索ボタン3fにタッチして、表示エリア3jに検索画面を表示させ、名前やアドレス等を検索キーとして、送信先を検索することもできる。制御装置203は、発話者によって検索ボタン3fがタッチされたことを検出した場合には、表示エリア3jに検索画面を表示する。検索画面上には、検索文字列を入力するための入力エリアと検索ボタンとが配置されており、発話者は、入力エリアに検索文字列を入力して検索ボタンにタッチすることにより検索の開始を指示する。制御装置203は、発話者によって検索ボタンがタッチされたことを検出した場合には、制御装置203が備えるフラッシュメモリ、またはメモリスロット204に挿入されたメモリカードに記録されたフレンドのアドレス帳やチームのアドレス帳を対象として検索を行い、入力エリアに入力された検索文字列にマッチするフレンドやチームを抽出して、抽出結果を表示エリア3jに表示する。制御装置203は、発話者によって表示エリア3j内で少なくとも1つの抽出結果がタッチされたことを検出した場合には、タッチにより選択された抽出結果に基づいて送信先のアドレスを特定する。
【0028】
発話者は、以上の方法により送信先を指定した後に、ボイスボタン3hにタッチすることで、マイク205を介した音声入力が可能となる。本実施の形態では、発話者は、ボイスボタン3hをタッチしている間、発話を行うことができる。制御装置203は、発話者によってボイスボタン3hがタッチされたことを検出した場合には、マイク205からの音声入力の待ち受けを開始し、この待ち受けをボイスボタン3hのタッチが終了するまで継続する。制御装置203は、マイク205からの音声入力が開始されたことを検出した場合には、入力された音声信号をデジタル信号に変換し、変換後の音声データをバッファメモリに一時的に記録する。そして、制御装置203は、音声データをバッファメモリから読み出し、自身の通話用端末200のアドレスとともに、通信モジュール202を介してサーバー300へ送信する。
【0029】
制御装置203は、サーバー300へ音声データを送信するに当たっては、音声データと上述した処理で指定された送信先のアドレスとを関連付けて送信する。これにより、サーバー300は、配信先の通話用端末200を特定することができる。
【0030】
サーバー300は、通話用端末200から受信した音声データを、配信先としてアドレスを特定した通話用端末200へ配信する。これによって、発話者である通話用端末200の使用者は、送信先に対して発話音声を送信することが可能となる。なお、サーバー300による音声データの配信処理については後述する。
【0031】
次に、パブリックチャンネルに切り替えられた場合の処理について説明する。パブリックチャンネルとは、この発話者からの発話音声を受信したいと考える受話希望者があらかじめサーバー300上で登録を行っておき、発話者は、あらかじめ登録されている受話希望者の通話用端末200に対して自身の発話音声を送信することができるモードをいう。制御装置203は、パブリックチャンネルに設定された場合には、発話音声の送信先をサーバー300上であらかじめ設定された少なくとも1台の通話用端末とする。
【0032】
パブリックチャンネルを用いた発話を希望する発話者は、あらかじめサーバー300上に情報を公開して、発話音声の配信を希望する受話希望者を募る。例えば、通話用端末200上では、その他機能ボタン3gをタッチすると受話希望者を募集中の発話者に関する情報を閲覧するためのメニューを呼び出すためのボタンが表示される。各受話希望者はそこから登録を募集している発話者に関する情報を確認することができる。
【0033】
受話希望者は、その中に発話音声を受信したい発話者がいる場合には、その発話者の発話音声を受信できるように登録を行う。制御装置203は、受話希望者によって登録が指示された場合には、サーバー300に対して、登録に必要な情報、例えば、その通話用端末200のアドレスを送信する。これにより、サーバー300側では、募集を行っている発話者の通話用端末200のアドレスに関連付けて、受話希望者の通話用端末200のアドレスが登録される。
【0034】
制御装置203は、発話者によってプライベート・パブリック切替ボタン3aがタッチされてパブリックチャンネルに切り替えられた後に、ボイスボタン3hがタッチされたことを検出した場合には、上述したように、ボイスボタン3hのタッチが終了するまでマイク205からの音声入力の待ち受けを行う。制御装置203は、マイク205からの音声入力が開始されたことを検出した場合には、入力された音声信号をデジタル信号に変換し、変換後の音声データをバッファメモリに一時的に記録する。そして、制御装置203は、音声データをバッファメモリから読み出し、自身の通話用端末200のアドレスとともに、通信モジュール202を介してサーバー300へ送信する。
【0035】
制御装置203は、サーバー300へ音声データを送信するに当たっては、音声データとともに発話がパブリックチャンネルで行われたものであることを示す情報も送信する。これにより、サーバー300は、発話がパブリックチャンネルで行われたものであることを特定することができる。
【0036】
サーバー300は、その発話者に関連付けて登録されている受話希望者の通話用端末200のアドレスを特定し、特定したアドレス宛に発話者の通話用端末200から受信した音声データを配信する。これによって、パブリックチャンネルで発話された発話音声を受話希望者に配信することが可能となる。なお、サーバー300による音声データの配信処理については後述する。
【0037】
以上の処理によってサーバー300から発話者からの発話音声を受信した通話用端末200では、制御装置203は、受信した音声データをバッファメモリに記録した後、デジタル信号からアナログ信号への変換を行う。その後、アナログ音声信号をスピーカー206から出力する。これによって、受話者は、発話者による発話音声を聞くことができる。
【0038】
制御装置203は、使用者によって更新ボタン3iがタッチされたことを検出した場合には、表示エリア3j内の表示内容を最新の情報に更新する。制御装置203は、使用者によって戻るボタン3kがタッチされたことを検出した場合には、表示エリア3j内の表示内容を直前に表示されていた情報に戻す。
【0039】
制御装置203は、使用者によってオンライン・オフライン切替ボタン3lがタッチされたことを検出した場合には、通話用端末200のオンラインとオフラインとを切り替える。通話用端末200は、オンライン状態では、サーバー300と通信を行うことが許可され、発話音声を送信したり、他の通話用端末200から発話音声を受信したりすることができる。一方で、通話用端末200は、オフライン状態では、サーバー300へ発話音声を送信したり、他の通話用端末200から発話音声を受信したりすることができなくなる。すなわち、使用者は、オンライン・オフライン切替ボタン3lをタッチすることにより、サーバー300による発話音声の配信可否を設定することができる。
【0040】
具体的には、制御装置203は、通話用端末200がオンラインに切り替えられた場合には、サーバー300にその旨を通知し、サーバー300との間の通信を確立して発話音声の配信を許可する。一方で、通話用端末200がオフラインに切り替えられた場合には、サーバー300にその旨を通知し、サーバー300との間の通信を切断して発話音声の配信を拒否する。これにより、例えば、受話者は、会議中や授業中に送信者からの発話音声がスピーカー206から発せられてしまうことを防ぐことができる。
【0041】
図4は、本実施の形態において通話用端末200で実行される処理の流れを示すフローチャートである。図4に示す処理は、使用者によって通話用アプリケーションの実行が指示されると起動するプログラムとして、制御装置203によって実行される。
【0042】
ステップS10において、制御装置203は、タッチパネル201上に図3に示したアプリケーション画面を表示して、ステップS20へ進む。
【0043】
ステップS20では、制御装置203は、上述した通話用端末200のオンライン、オフラインの状況がオンラインであるか否かを判断する。ステップS20で否定判断した場合には、後述するステップS100へ進む。これに対して、ステップS20で肯定判断した場合には、ステップS30へ進む。
【0044】
ステップS30では、制御装置203は、サーバー300から他の通話用端末200からの音声データを受信したか否かを判断する。ステップS30で否定判断した場合には、後述するステップS50へ進む。これに対して、ステップS30で肯定判断した場合には、ステップS40へ進む。
【0045】
ステップS40では、制御装置203は、サーバー300から受信した音声データをバッファメモリに記録した後、デジタル信号からアナログ信号への変換を行う。その後、アナログ音声信号をスピーカー206から出力する。これによって、受話者は、発話者による発話音声を聞くことができる。その後、ステップS50へ進む。
【0046】
ステップS50では、制御装置203は、発話者によって上述した方法により発話音声の送信先が指定されたか否かを判断する。ステップS50で否定判断した場合には、後述するステップS100へ進む。これに対して、ステップS50で肯定判断した場合には、ステップS60へ進む。
【0047】
ステップS60では、制御装置203は、発話者によってボイスボタン3hがタッチされて発話音声の入力が開始されたか否かを判断する。ステップS60で肯定判断した場合には、ステップS70へ進む。
【0048】
ステップS70では、制御装置203は、上述したチャンネルがプライベートチャンネルとパブリックチャンネルのどちらに設定されているかを判断する。ステップS70でプライベートチャンネルと判断した場合には、ステップS80へ進む。ステップS80では、制御装置203は、入力された発話音声の音声データと送信先のアドレスを通信モジュール201を介してサーバー300へ送信する。一方、ステップS70でパブリックチャンネルと判断した場合には、ステップS90へ進む。ステップS90では、制御装置203は、入力された発話音声の音声データと発話がパブリックチャンネルで行われたものであることを示すパブリック情報を通信モジュール201を介してサーバー300へ送信する。その後、ステップS100へ進む。
【0049】
ステップS100では、制御装置203は、使用者によって通話アプリケーションの終了が指示されたか否かを判断する。ステップS100で否定判断した場合には、ステップS20へ戻る。これに対して、ステップS100で肯定判断した場合には、制御装置203は、タッチパネル201上に表示中のアプリケーション画面を閉じた後、処理を終了する。
【0050】
次にサーバー300における処理について説明する。図5は、本実施の形態におけるサーバー300の一実施の形態における構成を示すブロック図である。サーバー300は、操作部材301と、接続IF(インターフェース)302と、制御装置303と、HDD(ハードディスクドライブ)304と、モニタ305とを備えている。
【0051】
操作部材301は、サーバー300の管理者等によって操作される種々の装置、例えばキーボードやマウスを含む。接続IF302は、サーバー300を通信網と接続するためのインターフェースである。本実施の形態では、サーバー300は、この接続IF302により、通話用端末200とインターネット等の通信網を介して接続される。なお、接続IF302としては、サーバー300を通信網に有線接続するためのインターフェースや、無線接続するためのインターフェースなどが用いられる。
【0052】
制御装置303は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、サーバー300の全体を制御する。なお、制御装置303を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリである。このメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。
【0053】
HDD304は、種々の情報を記録するための記録装置である。このHDD304には、例えば、接続IF302を介して通話用端末200から受信した音声データやサーバー300上で後述する処理を実行するためのプログラムのデータ等が記録される。なお、HDD304に記録されるプログラムのデータは、CD−ROMやDVD−ROMなどの記憶媒体に記録されて提供され、サーバー300の管理者等が当該記憶媒体を用いてプログラムのデータをHDD304にインストールすることによって、制御装置303がプログラムを実行できるようになる。
【0054】
モニタ305は、例えば液晶モニタであって、制御装置303から出力される種々の表示用データが表示される。
【0055】
以下、図6に示すフローチャートを用いて、本実施の形態におけるサーバー300の処理について説明する。この図6に示す処理は、通話用端末200から音声データを受信すると起動するプログラムとして、制御装置303によって実行される。なお、ここでは、上述したパブリックチャンネル時の配信先を決定するための登録はあらかじめ行われているものとする。すなわち、パブリックチャンネル時の発話者と受話希望者のアドレスの関連付けは既に完了しており、この関連付けデータはHDD304に記録されているものとする。
【0056】
ステップS110において、制御装置303は、通話用端末200から受信した音声データをHDD304に記録することにより録音する。その後、ステップS120へ進む。
【0057】
ステップS120では、制御装置303は、通話用端末200から受信した情報に基づいて、配信先の通話用端末200のアドレスを特定する。具体的には、以下のように特定する。まず、プライベートチャンネルに設定されて発話が行われた場合には、上述したように、通話用端末200から送信先のアドレス情報が送られてくる。よって、制御装置303は、通話用端末200から受信した送信先のアドレス情報に基づいて、配信先の通話用端末200のアドレスを特定する。一方、パブリックチャンネルに設定されて発話が行われた場合には、上述したように、通話用端末200から発話がパブリックチャンネルを用いてされたものであることを示すパブリック情報が送られてくる。この場合には、制御装置303は、HDD304に記録されている発話者と受話希望者のアドレスの関連付け情報を参照して、発話者の通話用端末200のアドレスに関連付けられている受話希望者の通話用端末200のアドレスを配信先として特定する。
【0058】
その後、ステップS130へ進み、制御装置303は、ステップS120で特定した配信先のアドレスについて、通話用端末200がオンラインであるか否かを判断する。ステップS130で肯定判断した場合には、ステップS140へ進み、オンラインである通話用端末200に対して、HDD304に録音しておいた音声データを再生し、再生した音声データを配信することにより、発話者の発話音声を配信する。これによって、発話者が指定した送信先に対して、発話者の発話音声を配信することができる。
【0059】
一方、ステップS130で否定判断した場合には、ステップS150へ進み、オフラインである通話用端末200に対して、未配信の発話音声があることを通知するための文字データを例えば、メール等により送信する。この文字データは、通話用端末200がオンラインになったタイミングで通話用端末200に配信されるようにしてもよいし、オフライン中もメールの受信は許可するようにしてもよい。通話用端末200では、受信した文字データは表示エリア3jに表示され、受話者が確認できるようになっている。この文字データには、例えば、発話音声を再生するためのリンクがはられており、受話者はこのリンクにタッチすることによって音声データの配信をサーバー300に対して要求することができる。受話者によってリンクがタッチされた場合の処理については後述する。
【0060】
その後、ステップS160へ進み、制御装置303は、発話者が送信先として指定した全ての通話用端末200を対処として、ステップS130〜S150の処理が完了したか否かを判断する。ステップS160で否定判断した場合には、ステップS130へ戻る。これに対して、ステップS160で肯定判断した場合には、処理を終了する。
【0061】
次に、ステップS150で送信した文字データ内のリンクが受話者によってタッチされた場合の処理について説明する。この場合、通話用端末200の制御装置203は、再生を要求するための信号をサーバー300へ送信する。これにより、通話用端末200からサーバー300に対して音声データの再生が指示される。音声データの再生が指示されたサーバー300では、図7に示す処理を実行する。すなわち、ステップS210において、制御装置303は、通話用端末200からの要求に基づいてHDD304に録音しておいた音声データを再生することにより、発話者の発話音声を配信する。その後、処理を終了する。これによって、当初の配信時にはオフラインであった通話用端末200に対しても発話者の発話音声を配信することができる。
【0062】
以上説明した本実施の形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)通話用端末200の制御装置203は、発話者による発話音声の送信先の指定を受け付け、発話音声をサーバー300へ送信するようにした。サーバー300は、通話用端末200から発話音声を受信し、受信した発話音声を通話用端末200側で送信先として指定された通話用端末200に対して配信するようにした。これによって、発話者による発話音声は、サーバー300を介して送信先に配信されるので、通話用端末200同士を相互に同時接続することなしに通話用端末200の所有者はそれぞれ発話を行うことができ、同時接続による回線品質の低下を防ぐことができる。
【0063】
(2)制御装置203は、発話者によるプライベート・パブリック切替ボタン3aの操作結果に基づいて、発話音声の送信先を発話者が指定した少なくとも1台の通話用端末200とするか(プライベートチャンネル)、あらかじめ設定された少なくとも1台の通話用端末200とするか(パブリックチャンネル)を切り替え、プライベートチャンネルに切り替えた場合には、発話者によって指定された通話用端末200を送信先として発話音声の音声データをサーバー300へ送信し、パブリックチャンネルに切り替えた場合には、サーバー300側であらかじめ登録されている通話用端末200を送信先として発話音声の音声データをサーバー300へ送信するようにした。そして、サーバー300の制御装置303は、通話用端末200から発話音声の音声データを受信した場合には、通話用端末200側で送信先として設定された通話用端末200に対して発話音声を配信するようにした。これによって、発話者は、発話音声の送信先を自身が指定した相手とするか、あらかじめ登録されている受話希望者とするかを任意に設定することができるため、利便性を向上させることができる。
【0064】
(3)制御装置203が備えるフラッシュメモリ、またはメモリスロット204に挿入されたメモリカードにフレンドのアドレス帳を記録しておき、制御装置203は、プライベートチャンネル時には、発話者によって選択されたフレンドのアドレスを送信先に設定するようにした。これによって、発話者は、登録しておいたフレンドのアドレス帳からフレンドのアドレスを選択するだけで送信先を指定できるため、簡易な操作で送信先を指定することが可能となる。
【0065】
(4)制御装置203が備えるフラッシュメモリ、またはメモリスロット204に挿入されたメモリカードにチームのアドレス帳を記録しておき、制御装置203は、プライベートチャンネル時には、発話者によって選択されたチームに属するメンバーのアドレスを送信先に設定するようにした。これによって、発話者は、チームに複数のメンバーのアドレスを登録しておけば、1つのチームを選択するだけで複数のメンバーを送信先として指定することができるため、簡易な操作で複数の送信先を指定することが可能となる。
【0066】
(5)制御装置203は、サーバー300へ音声データを送信するに当たっては、音声データと送信先のアドレスとを関連付けて送信するようにした。そして、サーバー300では、制御装置303は、携帯用端末200から受信した送信先のアドレスに基づいて配信先を特定し、配信先に対して発話音声を配信するようにした。これにより、サーバー300は、配信先の通話用端末200を特定して、発話音声を配信することができる。
【0067】
(6)サーバー300では、パブリックチャンネル時に特定の通話用端末200から送信される発話音声の受信を希望する受話希望者による配信希望の登録を受け付け、発話者と受話希望者のアドレスを関連付けてHDD304に記録しておき、制御装置303は、HDD304に記録されているパブリックチャンネル時の発話者と受話希望者のアドレスの関連付け情報を参照して、発話者の通話用端末200のアドレスに関連付けられている受話希望者の通話用端末200のアドレスを配信先として特定し、特定したアドレスに発話音声を配信するようにした。これによって、発話者がパブリックチャンネルに切り替えて行った発話の発話音声を受話希望者に配信することが可能となる。
【0068】
(7)制御装置303は、携帯用端末200から受信した発話音声の音声データを録音しておき、録音した発話音声の音声データを再生することによって、発話音声を配信先の通話用端末200に対して配信するようにした。これにより、録音データをサーバー300側に残して、後の再生を可能とすることができる。
【0069】
(8)制御装置303は、発話者の通話用端末200から発話音声を受信した場合に、配信先の通話用端末200がオンラインである場合には、発話音声の音声データの録音が完了したときに、発話音声の音声データを再生して配信先の通話用端末200に発話音声を配信するようにした。これによって、オンラインの通話用端末200に対しては、リアルタイム性を確保して発話音声を配信することができる。
【0070】
(9)制御装置303は、発話者の通話用端末200から発話音声を受信した場合に、配信先の通話用端末200がオフラインである場合には、配信先の通話用端末200に対して未配信の発話音声があることを通知するための文字データを送信し、配信先の通話用端末200から発話音声の配信が要求されたときに、発話音声の音声データを再生して配信先の通話用端末200に発話音声を配信するようにした。これによって、当初の配信時にはオフラインであった通話用端末200に対しても受話者からの要求に応じて発話者の発話音声を配信することができる。
【0071】
―変形例―
なお、上述した実施の形態の通話システムは、以下のように変形することもできる。
(1)上述した実施の形態では、制御装置303は、発話者の通話用端末200から発話音声を受信したときに、配信先の通話用端末200がオンラインであるかオフラインであるかを判定し、配信先の通話用端末200がオンラインである場合には、発話音声の音声データの録音が完了したときに、発話音声の音声データを再生して配信先の通話用端末200に発話音声を配信するようにした。一方、配信先の通話用端末200がオフラインである場合には、配信先の通話用端末200に対して未配信の発話音声があることを通知するための文字データを送信し、配信先の通話用端末200から発話音声の配信が要求されたときに、発話音声の音声データを再生して配信先の通話用端末200に発話音声を配信するようにした。しかしながら、制御装置303は、発話者の通話用端末200から発話音声を受信したときに、配信先の通話用端末200が発話音声を配信可能なエリア内に存在しているか否かを判定し、エリア内に存在している場合には、発話音声の音声データの録音が完了したときに、発話音声の音声データを再生して配信先の通話用端末200に発話音声を配信し、エリア内に存在していない場合には、配信先の通話用端末200に対して未配信の発話音声があることを通知するための文字データを送信し、配信先の通話用端末200から発話音声の配信が要求されたときに、発話音声の音声データを再生して配信先の通話用端末200に発話音声を配信するようにしてもよい。これによって、エリア内に存在している通話用端末200に対しては、リアルタイム性を確保して発話音声を配信することができるとともに、当初の配信時にはエリア内に存在していなかった通話用端末200に対しても受話者からの要求に応じて発話者の発話音声を配信することができる。
【0072】
また、既に発話音声の配信が完了している受話者も、サーバー300に対して発話音声の再配信を要求できるようにしてもよい。例えば、制御装置203は、受話者がその他機能ボタン3gにタッチすると、過去に配信された発話音声の履歴を表示エリア3jに表示させるためのボタンを表示し、受話者によって該ボタンがタッチされたことを検出した場合には、過去に配信された発話音声の履歴を表示エリア3jに表示する。受話者は、表示された配信履歴の中から再配信を希望する発話音声をタッチして選択することができる。制御装置203は、受話者によって再配信を希望する発話音声が選択された場合には、サーバー300に対してその発話音声を特定するための情報を送信し、発話音声の再配信を要求する。サーバー300側では、制御装置303は、通話用端末200から発話音声の再配信が要求された場合には、該当する発話音声の音声データを再生して配信先の通話用端末200に発話音声を再配信するようにすればよい。
【0073】
(2)上述した実施の形態では、配信先の通話用端末200の使用者、すなわち受話者は、サーバー300から受信した発話音声をスピーカー206を介して聞くことができる例について説明した。この場合、発話音声を聞いた受話者は、発話者に対して応答できるようにしてもよい。例えば、制御装置203は、サーバー300から受信した音声をスピーカー206を介して出力した後は、一定の時間、受話者による応答発話を待ち受けるようにしてもよい。制御装置203は、この一定時間内にボイスボタン3hがタッチされて発話がなされたことを検出した場合には、その発話は応答発話であると判定して、発話音声の送信先を、直前に発話音声を受信した発話者の通話用端末200に設定するようにしてもよい。あるいは、変形例(1)で上述したように、過去に配信された発話音声の履歴を表示エリア3jに表示させることができるようにし、受話者は、その中から応答したい発話音声を選択できるようにしてもよい。これによって、サーバー300を介して、最初の発話者に対して応答発話音声を送信することが可能となる。
【0074】
また、この場合には、制御装置203は、応答発話の送信先を最初の発話者の通話用端末200だけでなく、最初の発話者から同じ発話音声を受信した他の通話用端末200に設定するようにしてもよい。これによって、発話者から同じ発話音声を受信した他の受話者に対しても応答発話音声を送信することが可能となる。
【0075】
(3)上述した実施の形態では、制御装置203は、発話者によって検索ボタン3fがタッチされたことを検出した場合には、表示エリア3jに検索画面を表示する例について説明した。しかしながら、制御装置203は、タッチパネル201上の表示を検索画面に切り替えて、発話者は、該検索画面上で送信先のアドレスを検索できるようにしてもよい。
【0076】
(4)上述した実施の形態では、通話用端末200はスピーカー206を備え、制御装置203は、他の通話用端末200から受信した発話音声をスピーカー206から出力する例について説明した。しかしながら、発話音声はスピーカー206以外の音声出力装置から出力するようにしてもよい。例えば、通話用端末200は、外部のヘッドホン、イヤホン、スピーカー等の音声出力装置を有線接続するための接続端子を備えるようにし、該接続端子を介して外部の音声出力装置から発話音声を出力するようにしてもよい。あるいは、通話用端末200は、Bluetooth(登録商標)やWi−Fi(登録商標)などの無線通信モジュールを備えるようにし、無線により接続された外部のヘッドホン、イヤホン、スピーカー等の音声出力装置から発話音声を出力するようにしてもよい。
【0077】
(5)上述した実施の形態では、発話者は、プライベート・パブリック切替ボタン3aにタッチすることによって、通話のチャンネルをプライベートチャンネルとパブリックチャンネルとの間で切り替えることができる例について説明した。しかしながら、通話用端末200は、上述したプライベートチャンネルとパブリックチャンネルのいずれかのチャンネルが固定で設定されていてもよい。すなわち、上述したプライベートチャンネル時の処理のみ、またはパブリックチャンネル時の処理のみを実行する通話用端末200を用いて、本発明における通話システムを構築してもよい。
【0078】
(6)上述した実施の形態では、使用者は、オンライン・オフライン切替ボタン3lをタッチすることにより、通話用端末200のオンラインとオフラインとを切り替えることができるようにし、制御装置203は、オフライン状態では、サーバー300への発話音声の送信、および他の通話用端末200からの発話音声を受信を禁止する例について説明した。しかしながら、制御装置203は、オフライン状態で発話者によってボイスボタン3hがタッチされた場合には、通話用端末200を自動的にオンラインへ切り替えて、発話音声の送信を許可するようにしてもよい。この場合、制御装置203は、ボイスボタン3hのタッチが解除された後、所定時間が経過した後に、通話用端末200を自動的にオフラインに戻すようにしてもよい。これによって、発話を希望する発話者は、オフライン中でもオフラインを解除することなく発話を行うことができるため、利便性を向上させることができる。
【0079】
(7)上述した実施の形態では、使用者は、オンライン・オフライン切替ボタン3lをタッチすることにより、通話用端末200のオンラインとオフラインとを切り替えることができるようにした。そして、制御装置203は、通話用端末200がオンラインに切り替えられた場合には、サーバー300にその旨を通知し、サーバー300との間の通信を確立して発話音声の配信を許可する。一方で、通話用端末200がオフラインに切り替えられた場合には、サーバー300にその旨を通知し、サーバー300との間の通信を切断して発話音声の配信を拒否するようにした。このとき、サーバー300の制御装置303は、ある通話用端末200からオンライン・オフラインの切替状況の通知を受けた場合には、他の通話用端末200に対して、その旨を通知するようにしてもよい。そして、各通話用端末200では、制御装置203は、発話者によってフレンドアドレスボタン3bがタッチされ、表示エリア3jにフレンドのアドレスを一覧表示した際に、各フレンドのアドレスに対応付けてそのフレンドの通話用端末200がオンラインであるかオフラインであるかを示す情報、例えばアイコン等を表示するようにしてもよい。これによって、各通話用端末200の使用者は、通話用端末200上でフレンドの通話用端末200がオンラインであるかオフラインであるかを把握することが可能となる。
【0080】
なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における構成に何ら限定されない。また、上述の実施の形態と複数の変形例を組み合わせた構成としてもよい。
【符号の説明】
【0081】
100 通話システム、200 通話用端末、201 タッチパネル、202 通信モジュール、203 制御装置、204 メモリスロット、205 マイク、206 スピーカー、300 サーバー、301 操作部材、302 接続IF、303 制御装置、304 HDD、305 モニタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発話者がそれぞれ所持し、前記発話者による発話音声を送信する通話用端末と、
前記通話用端末のいずれかから前記発話音声を受信し、前記発話者が指定した他の通話用端末に前記発話音声を配信する配信装置とを備えた通話システムであって、
前記通話用端末は、
前記発話音声の送信先を発話者が指定した少なくとも1台の通話用端末(以下、「指定端末」と呼ぶ)とするか、あらかじめ登録されている少なくとも1台の通話用端末(以下、「事前登録端末」と呼ぶ)とするかを切り替える切替手段と、
前記切替手段によって、前記発話音声の送信先を前記指定端末とするように切り替えられた場合には、送信先とする前記指定端末を指定して前記発話音声を前記配信装置へ送信し、前記切替手段によって、前記発話音声の送信先を前記事前登録端末とするように切り替えられた場合には、前記事前登録端末を送信先として指定して前記発話音声を前記配信装置へ送信する送信手段とを備え、
前記配信装置は、
前記通話用端末から前記発話音声を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記発話音声を前記通話用端末側で送信先として指定された通話用端末(以下、「配信先端末」と呼ぶ)に対して配信する配信手段とを備えることを特徴とする通話システム。
【請求項2】
請求項1に記載の通話システムにおいて、
前記通話用端末は、
送信先として指定可能な通話用端末を特定するためのアドレスを記録した記録手段をさらに備え、
前記送信手段は、発話者によって前記記録手段に記録されている前記アドレスの中から少なくとも1台の通話用端末に関する前記アドレスが選択された場合には、該選択されたアドレスに対応する前記通話用端末を前記指定端末として送信先に指定することを特徴とする通話システム。
【請求項3】
請求項2に記載の通話システムにおいて、
前記記録手段は、前記アドレスをグループ化して記録することができ、
前記送信手段は、発話者によって前記アドレスの少なくとも1つのグループが選択された場合には、該選択されたグループに含まれるアドレスに対応する前記通話用端末を前記指定端末として送信先に指定することを特徴とする通話システム。
【請求項4】
請求項2または3に記載の通話システムにおいて、
前記送信手段は、送信先として指定した前記指定端末の前記アドレスと前記発話音声とを関連付けて前記配信装置へ送信し、
前記配信手段は、前記通話用端末から受信した前記アドレスに基づいて前記配信先端末を特定し、特定した前記配信先端末に対して前記受信手段が受信した前記発話音声を配信することを特徴とする通話システム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の通話システムにおいて、
前記配信装置は、特定の通話用端末から送信される前記発話音声の受信を希望する受話希望者による配信希望の登録を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって配信希望の登録を受け付けた受話希望者が所持する通話用端末を特定するためのアドレスを前記特定の通話用端末のアドレスに関連付けて記録する関連付け手段とをさらに備え、
前記配信手段は、前記通話用端末から前記事前登録端末を送信先として前記発話音声を受信した場合には、前記発話音声の送信元の前記通話用端末のアドレスに関連付けられている前記アドレスに基づいて配信先の前記通話用端末を特定し、特定した前記通話用端末を前記配信先端末として、前記発話音声を配信することを特徴とする通話システム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の通話システムにおいて、
前記配信装置は、
前記受信手段が受信した前記発話音声の音声データを録音する録音手段をさらに備え、
前記配信手段は、前記録音手段によって録音された前記発話音声の音声データを再生することにより、前記発話音声を前記配信先端末に対して配信することを特徴とする通話システム。
【請求項7】
請求項6に記載の通話システムにおいて、
前記配信手段は、前記通話用端末から前記発話音声を受信した場合には、前記録音手段による前記発話音声の音声データの録音が完了したときに、前記発話音声の音声データを再生して前記配信先端末に前記発話音声を配信することを特徴とする通話システム。
【請求項8】
請求項6に記載の通話システムにおいて、
前記配信手段は、前記通話用端末から前記発話音声を受信したときには、前記配信先端末に対してその旨を通知し、
前記配信先端末から前記発話音声の配信が要求されたときに、前記発話音声の音声データを再生して前記配信先端末に前記発話音声を配信することを特徴とする通話システム。
【請求項9】
請求項6に記載の通話システムにおいて、
前記配信装置は、前記通話用端末から前記発話音声を受信したときに、前記配信先端末が前記発話音声を配信可能なエリア内に存在しているか否かを判定するエリア状況判定手段をさらに備え、
前記配信手段は、前記エリア状況判定手段によって前記エリア内に存在していると判定された前記配信先端末に対しては、前記録音手段による前記発話音声の音声データの録音が完了したときに、前記発話音声の音声データを再生して前記発話音声を配信し、前記エリア状況判定手段によって前記エリア内に存在していないと判定された前記配信先端末に対しては、未配信の前記発話音声がある旨を通知し、前記配信先端末から前記発話音声の配信が要求されたときに、前記発話音声の音声データを再生して前記発話音声を配信することを特徴とする通話システム。
【請求項10】
請求項6に記載の通話システムにおいて、
前記通話用端末は、使用者からの指示に基づいて前記発話音声の送受信の可否を設定するとともに、その設定内容を前記配信装置へ通知する送受信可否設定手段をさらに備え、
前記配信装置は、前記通話用端末から前記発話音声を受信したときに、前記配信先端末における前記発話音声の送受信可否の設定状況を判定する送受信可否状況判定手段をさらに備え、
前記配信手段は、前記送受信可否状況判定手段によって送受信が許可されていると判定された前記配信先端末に対しては、前記録音手段による前記発話音声の音声データの録音が完了したときに、前記発話音声の音声データを再生して前記発話音声を配信し、前記送受信可否状況判定手段によって送受信が禁止されていると判定された前記配信先端末に対しては、未配信の前記発話音声がある旨を通知し、前記配信先端末から前記発話音声の配信が要求されたときに、前記発話音声の音声データを再生して前記発話音声を配信することを特徴とする通話システム。
【請求項11】
請求項10に記載の通話システムにおいて、
前記送受信可否設定手段は、前記発話音声の送受信を禁止するように設定しているときに、前記発話者によって発話が行われたことを検出した場合には、一時的に前記発話音声の送信を許可することを特徴とする通話システム。
【請求項12】
請求項11に記載の通話システムにおいて、
前記送受信可否設定手段は、一時的に前記発話音声の送信を許可した場合には、前記発話者による発話が終了してから所定時間が経過した後に、再び前記発話音声の送信を禁止することを特徴とする通話システム。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の通話システムにおいて、
前記通話用端末は、前記配信装置から配信された前記発話音声の音声データを出力する音声出力手段をさらに備えることを特徴とする通話システム。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一項に記載の通話システムにおいて、
前記通話用端末は、前記配信装置から前記発話音声を受信したときに、受話者からの応答の発話を受け付けて、前記発話音声の送信元の通話用端末に対して、応答の発話音声を送信する応答手段をさらに備えることを特徴とする通話システム。
【請求項15】
請求項14に記載の通話システムにおいて、
前記応答手段は、前記応答の発話音声を、前記送信元の通話用端末とともに、該送信元の通話用端末から同じ発話音声が配信された他の通話用端末にも送信することを特徴とする通話システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−9131(P2013−9131A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140120(P2011−140120)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【特許番号】特許第5005103号(P5005103)
【特許公報発行日】平成24年8月22日(2012.8.22)
【出願人】(511155198)
【出願人】(511155202)
【Fターム(参考)】