説明

通話制御システム及び通話制御方法

【課題】セキュリティを高めることができるとともに、呼び出される通話先ユーザーの利便性をも向上させる。
【解決手段】会議室に固有の発呼用電話番号と、会議室に属する通話先ユーザーの電話番号とを関連づけて記憶保持するユーザーデータベース300と、通話先ユーザーへの接続要求を、通話元ユーザーから受信するWeb機能部110と、発呼用電話番号を発信元として通話先ユーザーとの間に通話先音声通話セッションを確立させる通話先発呼部222と、通話先音声通話セッションが確立した後に、発呼用電話番号を発信元として通話元ユーザーとの間に通話元音声通話セッションを確立させる通話元発呼部221と、通話先音声通話セッションと通話元音声通話セッションとをブリッジすることにより、通話元ユーザーと通話先ユーザーとの間の音声通話を確立させるブリッジ処理部223とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通話元ユーザーの操作に応じて、電話会議やカスタマーサービスなど、複数のユーザーで構成されるグループへの接続を行う通話制御システム及び通話制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、IP網を経由したいわゆるインターネット電話が普及しつつあり、例えば、複数のユーザーで構成されるグループ複数のユーザーをグループとし、このグループのメンバーに対して一斉に発呼を行ったり、同時通話のための通信路を接続したりするなど、種々の通話制御サービスが提供されている。この通話制御サービスの1つとして、複数のユーザーからなるグループが同時に通話することにより電話会議を行うサービスも提供されている(特許文献1)。
【0003】
この特許文献1に開示されたサービスでは、電話会議の招集人である要求側ユーザーの電話番号に、電話会議の参加者である他のユーザーの電話番号を対応付けて記憶させておき、要求側の電話端末からの発呼に対して、他のユーザーが応答して通信路が複数設定され、電話会議が成立される。
【特許文献1】特許第3950379号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したサービスでは、招集者である要求側の電話番号に基づいて各参加者への通信路が設定されるため、招集者の電話番号が参加者に通知されることとなり、個人情報の保護などのセキュリティ上問題がある。また、招集者が複数の会議室を登録しているような場合、全ての会議室について共通の電話番号で招集されることとなり、呼び出される参加者は、いずれの会議室についての招集なのかが判別できず、混乱を招くという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、通話元ユーザーの操作に応じて、電話会議やカスタマーサービスなど、複数のユーザーで構成されるグループへの接続を行う際に、通話元ユーザーの個人情報の保護などのセキュリティを高めることができるとともに、呼び出される通話先ユーザーの利便性をも向上させることのできる通話制御システム及び通話制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、通話元ユーザーの操作に応じて、複数のユーザーによって構成されるグループへ接続を行う通話制御システムであって、グループに固有の発呼用電話番号と、グループに属するユーザーである通話先ユーザーの電話端末の電話番号とを関連づけて記憶保持するユーザーデータベースと、通話先ユーザーへの接続要求であって、発呼用電話番号と通話先ユーザーの電話端末の電話番号とが含まれる接続要求を、通話元ユーザーの情報端末装置から受信する接続要求受信部と、発呼用電話番号を発信元として通話先ユーザーの電話端末に発呼し、通話先ユーザーの電話端末との間に通話先音声通話セッションを1つ又は複数確立させる通話先発呼部と、通話先音声通話セッションが少なくとも1つ確立した後に、発呼用電話番号を発信元として通話元ユーザーの電話端末に発呼し、通話元ユーザーの電話端末との間に通話元音声通話セッションを確立させる通話元発呼部と、1つ又は複数の通話先音声通話セッションと通話元音声通話セッションとをブリッジすることにより、通話元ユーザーの電話端末と通話先ユーザーの電話端末との間の音声通話を確立させるブリッジ処理部とを備える。
【0007】
また、他の発明は、通話元ユーザーの操作に応じて、複数のユーザーによって構成されるグループへ接続を行う通話制御方法であって、
(1)予め、グループに固有の発呼用電話番号と、グループに属するユーザーである通話先ユーザーの電話端末の電話番号とを関連づけてユーザーデータベースに記憶保持させるステップと、
(2)通話先ユーザーへの接続要求であって、発呼用電話番号と通話先ユーザーの電話端末の電話番号とが含まれる接続要求を、通話元ユーザーの情報端末装置から受信する接続要求受信ステップと、
(3)発呼用電話番号を発信元として通話先ユーザーの電話端末に発呼し、通話先ユーザーの電話端末との間に通話先音声通話セッションを1つ又は複数確立させる通話先発呼ステップと、
(4)通話先音声通話セッションが少なくとも1つ確立した後に、発呼用電話番号を発信元として通話元ユーザーの電話端末に発呼し、通話元ユーザーの電話端末との間に通話元音声通話セッションを確立させる通話元発呼ステップと、
(5)1つ又は複数の通話先音声通話セッションと通話元音声通話セッションとをブリッジすることにより、通話元ユーザーの電話端末と通話先ユーザーの電話端末との間の音声通話を確立させるブリッジ処理ステップと
を備える。
【0008】
これらの発明によれば、例えば、電話会議の参加者をグループとした場合に、その会議の招集者(通話元ユーザー)が通話要求を行うと、会議室に呼び出されて参加者(通話先ユーザー)との通話先音声通話セッションが確立した後に、通話元ユーザーとの通話元音声通話セッションを確立して、両音声通話セッションをブリッジするようにしている。
【0009】
特に、各会議室に固有の発呼用電話番号を用いて、参加者の招集を行うことから、招集者の電話番号が参加者に知られることがない。また、発呼用電話番号は、各会議室に固有のものであるため、招集の際に、発呼用電話番号を通知することにより、参加者は、いずれの会議室の招集なのかを予め知ることができる。
【0010】
上記発明において、接続要求には、通話先ユーザーに対する発呼処理を開始する通話予約時刻が含まれ、通話先発呼の際、通話予約時刻に、通話先ユーザーの電話端末に対して発呼を実行する予約通話処理を行うことが好ましい。この場合には、招集者である通話元ユーザーが日時を指定した通話予約による通話要求を行うと、予約日時に会議室の招集のために通話元ユーザーと通話先ユーザーとに個別に発呼される。したがって、招集者が将来的に会議を予定しているときに、その招集を忘れずに行えることができる。
【0011】
上記発明において、通話先発呼に際し、グループに属する複数の通話先ユーザーの電話端末に対して一斉に発呼処理を行い、最先に応答した通話先ユーザーの電話端末に対してのみ通話先音声通話セッションを確立させることが好ましい。この場合、例えば、カスタマーサービスセンターにおけるサポートの種別毎に発呼用電話番号を設定することにより、通話元のユーザーは、要求するサポートの種別に従った発呼用電話番号へ電話をすることによって、オペレーターの応答を待ち続けることを防ぐことができる。すなわち、この発明によれば、通話先となるオペレーターに対して一斉に発呼がなされ、最先に応答したオペレーターとの通話先音声通話セッションが確立した後に、通話元ユーザーとの通話元音声通話セッションを確立して、ブリッジ処理部が両音声通話セッションをブリッジするため、通話元のユーザーは、一旦、任意のサポートの電話番号に発信すれば、オペレーターが応答するまで、発呼し続ける必要はなく、オペレーターが応答したときのコールバックを待てばよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、通話元ユーザーの操作に応じて、電話会議やカスタマーサービスなど、複数のユーザーで構成されるグループへの接続を行う際に、通話元の個人情報の保護などのセキュリティを高めることができるとともに、呼び出される通話先ユーザーの利便性をも向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[第1実施形態]
本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明を適用したコールサービスシステム10を含むネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
【0014】
本図に示すように、コールサービスシステム10は、通話元ユーザーxの操作に応じて、複数のユーザーa〜cによって構成されるグループへ接続を行う通話制御システムであり、本実施形態では、かかるグループを電話会議の参加メンバーで構成している。具体的に、コールサービスシステム10は、アプリケーションサーバ100と、コールサービスサーバ200と、ユーザーデータベース300とを備え、IP網70と接続されるとともに、ゲートウェイ90を介して一般公衆回線・移動体通信網80に接続されている。
【0015】
ここで、IP網70は、インターネットプロトコルにより情報伝送を行うネットワークであり、代表的にはインターネットとすることができる。一般公衆回線・移動体通信網80は、固定電話、移動体通信等の音声通話を行う電話回線の総称である。ゲートウェイ90は、IP網70と一般公衆回線・移動体通信網80との相互の通信を可能とするために、データ形式、プロトコル等を相互変換する処理を行う。
【0016】
本図の例では、電話会議の招集者である通話元ユーザーxが、コールサービスシステム10が提供するサービスを利用して電話会議の参加者である通話先ユーザーa〜cを招集する場合を示している。通話元ユーザーxは、IP網接続機能及びWebブラウザ機能を有する端末装置20bと、一般公衆回線・移動体通信網接続機能を有する電話機20aを用いるが、本例では、端末装置20bと電話機20aの双方の機能を併せ持つ携帯電話20を用いるものとする。すなわち、携帯電話20は、移動体通信の電話機能に加え、ブラウザ機能などのIP網70を介してWebページにアクセスする機能を備えている。通話先ユーザーa〜cは、一般公衆回線・移動体通信網接続機能を有する電話機30a〜30cを用いる。これら電話機30a〜30cは固定電話機、移動体電話機を問わない。
【0017】
図2(a)は、コールサービスシステム10が備えるアプリケーションサーバ100及びコールサービスサーバ200の機能構成を示すブロック図であり、同図(b)は、ユーザーデータベース300のデータ構造を模式的に示す説明図である。
【0018】
図2(a)に示すようにアプリケーションサーバ100は、IP網70に接続されたWeb機能部110、Web機能部110のバックエンドとして機能するアプリケーション部120を備えている。また、これらアプリケーションサーバ100及びコールサービスサーバ200には、ユーザーデータベース300が接続されており、ユーザーデータベース300のデータを共有できるようになっている。
【0019】
ユーザーデータベース300は、グループに固有の発呼用電話番号(050−xxxx−xxxx)と、グループに属するユーザーである通話元ユーザーx、及び通話先ユーザーa〜cの電話端末の電話番号とを関連づけて記憶保持するデータベース装置である。具体的にユーザーデータベース300は、不揮発性の記憶装置上に構成されるデータベースであり、コールサービスシステム10が提供するサービスを受けることができるユーザーに関する情報を記憶する。本実施形態では、例えば、図2(b)に示すように、グループである会議室毎の名称、各会議室に固有の発呼用電話番号を保持し、各会議室に関連づけて、当該会議室のメンバーである通話元ユーザーxの識別情報、通話元ユーザーxの電話機20aの電話番号、通話元ユーザーxの携帯電話20の識別情報、通話元ユーザーxに招集される側の参加者(通話先)として指定できるユーザーのリストを記憶する。通話先として指定できるユーザーのリストには、通話先ユーザーa〜cが含まれており、さらに、通話先ユーザーa〜cの電話機30a〜cの電話番号が関連づけられている。
【0020】
Web機能部110は、Webフロント処理を行う機能部であり、例えばWebサーバにより構成することができる。このWebサーバとしては、WWW(World Wide Web)等のドキュメントシステムにおいて、HTML(HyperText Markup Language)ファイルや画像ファイル、音楽ファイルなどの情報送信を行うサーバコンピュータ或いはその機能を持ったソフトウェアを採用することができ、HTML文書や画像などの情報を蓄積しておき、Webブラウザなどのクライアントソフトウェアの要求に応じて、IP網70を通じて、これらの情報を送信する。
【0021】
また、このWeb機能部110は、本実施形態では、特に、通話元ユーザーxから通話先ユーザーa〜cへの接続要求であって、通話元ユーザーxの携帯電話20の電話番号を特定するための情報、会議室又は通話先ユーザーa〜cの電話番号を特定するための情報とが含まれる接続要求を、通話元ユーザーxの端末装置20bからIP網70を経由して受信する接続要求受信部としての機能も備えている。
【0022】
かかる接続要求は、例えば、Web機能部110が携帯電話20のブラウザ機能に表示させるWebページ上で行うことができる。本実施形態では、通話元ユーザーxの携帯電話20の電話番号と、通話先ユーザーa〜cの電話機30a〜cの電話番号とがユーザーDB300に記憶されており、通話元ユーザーxは、Webページ上で任意の通話先ユーザーa〜cを選択するだけで、通話先ユーザーa〜cの電話機30a〜cの電話番号を入力することなく通話先ユーザーa〜cへの接続要求を行うことができる。また、接続要求には、必要に応じて、通話予約時刻の情報を含めることができる。
【0023】
なお、本実施形態では、通話制御部220も、接続要求受信部としての機能を備えており、通話元ユーザーxからコールサービスサーバ200に対する発呼によっても通話先ユーザーa〜cへの接続要求を発信することができるようになっている。具体的には、通話元ユーザーxから通話制御部220に発呼することにより会議室の招集を開始するが、この発呼をする際のダイヤルを会議室に固有の電話番号にかける。この発呼を受けた通話制御部220は、発呼信号に含まれるユーザーxの電話番号により認証を行い、このユーザーxの電話番号と、発呼されたコールサービス側の電話番号、すなわち発呼用電話番号とを、接続要求としてアプリケーションサーバ100のアプリケーション部120に送出する。また、この通話制御部220にトーキーによる音声ガイダンス機能を設け、上述した予約時刻の設定など、付加的な情報入力を音声、或いはダイヤルプッシュ操作により行うようにしてもよい。
【0024】
アプリケーション部120は、Web機能部110又は通話制御部220から受け付けた通話元ユーザーxによる接続要求に応じて、コールサービスサーバ200に対し、グループのメンバーである通話先ユーザーa〜cの招集を行う。具体的にアプリケーション部120は、通話元ユーザーxと、複数の通話先ユーザーa〜cとの通話接続処理を依頼し、通話元ユーザーxからの接続要求に含まれる情報から、接続要求に応じてユーザーDB300を参照し、通話元ユーザーxの携帯電話20の電話番号と、通話先ユーザーa〜cの電話機30a〜cの電話番号とを特定して、コールサービスサーバ200に通知する。また、アプリケーション部120は、予約通話処理部121を備えている。
【0025】
コールサービスサーバ200は、インタフェース部210と、通話制御部220とを備えている。インタフェース部210は、アプリケーションサーバ100とのインタフェース処理を行い、通話元の電話機の電話番号と通話先の電話機の電話番号とを受信して、通話制御部220に通知する処理を行う。
【0026】
通話制御部220は、通話元発呼部221、通話先発呼部222、ブリッジ処理部223、セキュリティ管理部224を備えており、インタフェース部210から通知された通話元の電話機の電話番号と通話先の電話機の電話番号とにしたがって、通話元の電話機と通話先の電話機とでの音声通話を確立させる。通話制御部220は、例えば、ソフトウェアの処理により、通話制御を行うことができる。
【0027】
通話元発呼部221は、いずれかの発呼用電話番号に関連づけられた通信用端子から通話元のユーザーの電話機に発呼して、発呼用電話番号と通話元のユーザーの電話機との間に通話先音声通話セッションを確立させる処理を行う。
【0028】
通話先発呼部222は、いずれかの発呼用電話番号に関連づけられた通信用端子から通話元のユーザーの電話機に発呼して、発呼用電話番号と通話元のユーザーの電話機との間に通話先音声通話セッションを確立させる処理を行う。なお、本実施形態では、通話元のユーザーの電話機への発呼は、通話先音声通話セッションの確立後に行うようにする。
【0029】
ブリッジ処理部223は、別個に確立された通話先音声通話セッションと通話元音声通話セッションとをブリッジすることにより、通話元のユーザーの電話機と通話先のユーザーの電話機との間の音声通話を実現する処理を行う。
【0030】
セキュリティ管理部224は、主として実行中の会議室のセキュリティを管理するモジュールであり、会議に遅れて参加してきたユーザーの認証を行い、不正参加を防止する。会議に遅れて参加する場合とは、例えば、発呼用電話番号により招集をかけた際、通話先ユーザーが電話に出られない状態であるときであり、後に電話がかけられるようになってから通話先ユーザーから発呼を行うことで会議に参加することができる。このとき、セキュリティ管理部224は、通話先ユーザーからの発呼に対し、当該発呼に含まれる発呼元(通話先ユーザー)の電話番号通知に基づいてユーザーデータベース300を照合し、ユーザーデータベース300に登録していない番号からの発呼である場合には、接続を拒否し、登録されている番号からの発呼である場合には、接続を確立して会議室への参加を許可する。
【0031】
(通話制御方法)
以上の構成を有するコールサービスシステム10を動作させることによって、本発明の通話制御方法を実施することができる。図3は、コールサービスシステム10の通話制御を説明するフローチャートである。なお、本実施形態では、通話元ユーザーxが端末装置20bの機能と電話機20aの機能とを併せ持つ携帯電話20を用いてコールサービスシステム10に対して通話先ユーザーa〜cとの電話会議を招集する場合を例にコールサービスシステム10の通話制御を説明する。
【0032】
本処理は、コールサービスシステム10のWeb機能部110が、通話元ユーザーxの携帯電話20からアクセスを受け付けることで開始する(S101)。すなわち、通話元ユーザーxは、Web機能部110が提供するWebページのアドレスを予め知っているものとする。
【0033】
通話元ユーザーxの携帯電話20からのアクセスを受け付けると、アプリケーション部120は、通話元ユーザーxの特定を行う(S102)。通話元ユーザーxの特定は、例えば、アクセス時に受信した携帯電話20の識別情報を用いて、ユーザーデータベース300を参照することで行うことができる。或いは、Webページ上でユーザーIDやパスワードによる認証処理を行って、通話元ユーザーxから識別情報の入力を受け付けることで通話元ユーザーxの特定を行うようにしてもよい。通話元ユーザーxが特定されることにより、通話元ユーザーxの携帯電話20の電話番号も特定することができる。
【0034】
通話元ユーザーxが特定されると、アプリケーション部120は、ユーザーDB300を参照して、通話元ユーザーxが通話可能な通話先のリストを作成し、Web機能部110を介して、通話元ユーザーxの携帯電話20に表示させる(S103)。
【0035】
図4は、通話先リストを表示した通話先リスト表示画面25の一例を示している。通話先リスト表示画面25では、ユーザーデータベース300を参照して得られた招集可能な会議室である会議室A〜Dが選択可能な状態で通話先リスト表示欄25aに表示される。なお、各会議室A〜Dには、そのメンバーとして、例えばユーザーa〜cが含まれ、会議室を選択することにより、各会議室のメンバーに対して招集のための発呼が行われることとなる。なお、ここでは会議室Bが選択されたものとする。
【0036】
すなわち、通話元ユーザーxから、通話先として会議室Bの指定を受け付けると(S104)、アプリケーション部120は、ユーザーデータベース300を参照して、会議室Bの発呼用電話番号と、通話先ユーザーa〜cの電話機30a〜cの電話番号を取得する(S105)。そして、コールサービスサーバ200に対して、通話元情報として発呼用電話番号を通知し、通話先情報として通話先ユーザーa〜cの電話機30a〜cの電話番号を通知して、通話制御依頼を行う。
【0037】
通話制御依頼を受けたコールサービスサーバ200では、先ず、通話先発呼部222が、通話先情報として通知された通話先ユーザーa〜cの電話機30a〜cの電話番号に対して発呼する(S106)。この発呼に対して通話先ユーザーa〜cの電話機30a〜cが応答した場合は、発呼用電話番号の通話先用端子と通話先ユーザーa〜cの電話機30a〜cとの間で通話先音声通話セッションを確立する(S107)。
【0038】
そして、通話元発呼部221が、1つ又は複数の通話先音声通話セッションが確立したのを確認して、通話元情報として通知された通話元ユーザーxの携帯電話20の電話番号に対して、発呼用電話番号を用いて発呼する(S108)。この発呼に対して通話元ユーザーxの携帯電話20が応答すると、通話元用端子と通話元ユーザーxの携帯電話20との間で通話元音声通話セッションを確立する(S109)。次いで、通話元音声通話セッションを確立すると、ブリッジ処理部223が、通話先音声通話セッションと通話元音声通話セッションとをブリッジする(S110)。これにより、通話元ユーザーxの携帯電話20と通話先ユーザーa〜cの電話機30a〜cとの間で音声通話を行うことができるようになる。
【0039】
このように本実施形態では、通話元ユーザーxが通話要求すなわち会議の招集を行うと、通話先ユーザーa〜cとの通話先音声通話セッションが少なくとも1つ確立した後に、通話元ユーザーxとの通話元音声通話セッションを確立して、両音声通話セッションをブリッジし、会議が開始されるようにしている。したがって、コールサービスサーバ200からの着呼に応答した通話元ユーザーxがセッション確立状態のまま通話先ユーザーa〜cの応答を待ち続けることを防ぐことができるようになる。
【0040】
図5は、本実施形態に係る処理の流れを模式的に示した図である。本図に示すように、通話元ユーザーxの携帯電話20からIP網70を介してコールサービスシステム10に通話先ユーザーa〜cへの通話依頼が送られる。この通話依頼に応じてコールサービスシステム10は、先ず、通話先ユーザーa〜cの電話機30a〜cに対して、一般公衆回線・移動体通信網80を介して発呼を行う。そして、コールサービスシステム10と通話先ユーザーa〜cの電話機30a〜cとの間で通話先音声通話セッションが確立すると、通話元ユーザーxの携帯電話20に対して、一般公衆回線・移動体通信網80を介して発呼を行う。そして、コールサービスシステム10と通話元ユーザーxの携帯電話20との間で通話元音声通話セッションが確立すると、コールサービスシステム10が、通話先音声通話セッションと通話元音声通話セッションとをブリッジする。これにより、電話会議が開始され、通話元ユーザーxが通話元音声通話セッションの確立状態のまま待たされることなく、通話元ユーザーxの携帯電話20と通話先ユーザーa〜cの電話機30a〜cとの間で音声通話ができるようになる。
【0041】
なお、処理(S106)で通話先ユーザーa〜cの電話機30a〜cの電話番号に対して、いずれかの発呼用電話番号から発呼させた結果、通話先ユーザーa〜cの不応答等により通話先音声セッションが確立できなかった場合には、その旨を通話元ユーザーxの携帯電話20に通知することが望ましい。これにより、通話元ユーザーxが着呼を待ち続けることを防ぐことができる。
【0042】
また、アプリケーションサーバ100が備える機能の一部或いは全部をアプリケーション化して、携帯電話20にインストールしておくようにしてもよい。この場合、アプリケーションサーバ100が行う処理の一部或いは全部が携帯電話20上で行われ、コールサービスサーバ200が、処理結果を携帯電話20から受信することで、上記と同様の通話制御処理を行うことができる。
【0043】
次に、コールサービスシステム10の通話制御において、通話元ユーザーxが、通話を行う時刻を予約する場合について説明する。図6は、予約機能を利用したコールサービスシステム10の通話制御を説明するフローチャートである。
【0044】
図6に示すように、本処理は、コールサービスシステム10のWeb機能部110が、通話元ユーザーxの携帯電話20からアクセスを受け付けることで開始する(S201)。通話元ユーザーxの携帯電話20からのアクセスを受け付けると、アプリケーション部120は、通話元ユーザーxの特定を行う(S202)。通話元ユーザーxが特定されると、アプリケーション部120は、ユーザーデータベース300を参照して、通話元ユーザーxが通話可能な通話先のリストを作成し、Web機能部110を介して、通話元ユーザーxの携帯電話20に表示させる(S203)。
【0045】
図7は、通話先リストを表示した通話先リスト表示画面26の一例を示している。通話先リスト表示画面26では、ユーザーDB300を参照して得られた通話可能先である会議室A〜Dが選択可能な状態で通話先リスト表示欄26aに表示される。
【0046】
通話先リスト表示画面26には、さらに、通話予約指定領域26bが設けられており、即座に通話を実行する「通話実行」と、予約された時間に通話を実行する「通話予約」のいずれかを選択できるようになっている。通話元ユーザーxは、通話予約を行いたい場合は「通話予約」を選択し、通話予約指定領域26bに設けられた日時入力欄に通話を行いたい日時を入力する。
【0047】
アプリケーション部120は、通話元ユーザーxから、通話先としてユーザーBの指定を受け付けると(S204)、ユーザーデータベース300を参照して、通話先ユーザーa〜cの電話機30a〜cの電話番号を取得する(S205)。
【0048】
そして、通話予約の指定があるがどうかを判断する(S206)。通話予約の指定がない場合(S206:No)、つまり「通話実行」が選択されている場合には、即座に、コールサービスサーバ200に対して、通話元情報として通話元ユーザーxの携帯電話20の電話番号に通知し、通話先情報として通話先ユーザーa〜cの電話機30a〜cの電話番号を通知して、通話制御依頼を行う。
【0049】
一方、通話予約の指定がある場合(S206:Yes)、すなわち、「通話予約」が選択され、日時が入力されている場合には、予約通話処理部121が指定された予約日時を記憶し、予約日時になるまで待機する(S207)。つまり、予約通話処理部121は、時計、タイマ等を内蔵し、日時を管理する機能を有している。そして、予約日時になると(S207:Yes)、コールサービスサーバ200に対して、通話元情報として通話元ユーザーxの携帯電話20の電話番号を通知し、通話先情報として通話先ユーザーa〜cの電話機30a〜cの電話番号を通知して、通話制御依頼を行う。
【0050】
通話予約の指定がない場合(S205:No)、或いは、通話予約の指定があり(S205:Yes)、指定された予約日時になった場合(S206:Yes)には、通話元ユーザーxの携帯電話20との通話元音声セッション確立(S210〜S211)と、通話先ユーザーa〜cの電話機30a〜cとの通話先音声セッション確立(S208〜S209)とを行う。
【0051】
なお、これらの音声セッション確立処理は、どちらを先に行ってもかまわなく、並行させてもよい。すなわち、通話先ユーザーa〜cの電話機30a〜cとの通話先音声セッション確立を確認することなく通話元ユーザーxの携帯電話20に発呼することができる。
【0052】
通話元音声通話セッション及び通話先音声セッションが確立すると、ブリッジ処理部223が、通話先音声通話セッションと通話元音声通話セッションとをブリッジする(S212)。これにより、通話元ユーザーxの携帯電話20と通話先ユーザーa〜cの電話機30a〜cとの間で音声通話を行うことができるようになる。
【0053】
このように、通話元ユーザーxが日時を指定した会議室の予約による通話要求を行うと、予約日時に通話元ユーザーxの携帯電話20と通話先ユーザーa〜cの電話機30a〜cとに個別に発呼が行われる。そして、それぞれの音声通話セッションが確立すると、両音声通話セッションをブリッジするようにしている。したがって、通話元ユーザーxが将来的に通話先に電話をかける必要があるときに、その通話を忘れずに行えるようになる。これにより、通話元ユーザーxにとってコールサービスシステム10の利便性が向上することになる。
【0054】
図8は、予約機能を用いた処理の流れを模式的に示した図である。本図に示すように、通話元ユーザーxの携帯電話20からIP網70を介してコールサービスシステム10に通話先ユーザーa〜cへの日時を指定した予約通話依頼が送られる。この予約通話依頼に応じてコールサービスシステム10は、予約日時になると、通話元ユーザーxの携帯電話20及び通話先ユーザーa〜cの電話機30a〜cに対して、一般公衆回線・移動体通信網80を介して発呼を行う。そして、コールサービスシステム10と通話先ユーザーa〜cの電話機30a〜cとの間で通話先音声通話セッションが確立し、コールサービスシステム10と通話元ユーザーxの携帯電話20との間で通話元音声通話セッションが確立すると、コールサービスシステム10が、通話先音声通話セッションと通話元音声通話セッションとをブリッジする。これにより、通話元ユーザーxが予約した日時に通話元ユーザーxの携帯電話20と通話先ユーザーa〜cの電話機30a〜cとの間で音声通話ができるようになる。
【0055】
なお、アプリケーションサーバ100が備える機能の一部或いは全部をアプリケーション化して、携帯電話20にインストールしておくようにしてもよい。この場合、アプリケーションサーバ100が行う処理の一部或いは全部が携帯電話20上で行われ、コールサービスサーバ200が、処理結果を携帯電話20から受信することで、上記と同様の通話制御処理を行うことができる。
【0056】
(変形例)
上記の例では、通話元ユーザーxと通話先ユーザーa〜cとは、一般公衆回線・移動体通信網80に接続される電話機を用いて通話を行うようにしていたが、一方、或いは双方とも、インターネットプロトコルにより音声通話を行う、いわゆるIP電話機を用いて通話を行うようにしてもよい。図12は、通話元ユーザーxと通話先ユーザーa〜cとがIP電話機を使用した場合のネットワークを示すブロック図である。
【0057】
本図の例では、通話元ユーザーxが使用するIP電話機22がIP網70に接続され、通話先ユーザーa〜cが使用するIP電話機32がIP網70に接続されている。この場合、コールサービスサーバ200からの発呼はIP網70を介して通話元ユーザーxが使用するIP電話機22及び通話先ユーザーa〜cが使用するIP電話機32に送られることになるが、基本的な制御処理については上記の例と同様に行うことができる。
【0058】
(作用効果)
以上説明した本実施形態では、例えば、電話会議の参加者をグループとした場合に、その会議の招集者(通話元ユーザーx)が通話要求を行うと、会議室に呼び出されて参加者(通話先ユーザーa〜c)との通話先音声通話セッションが確立した後に、通話元ユーザーとの通話元音声通話セッションを確立して、両音声通話セッションをブリッジするようにしている。
【0059】
特に、各会議室に固有の発呼用電話番号を用いて、参加者の招集を行うことから、招集者の電話番号が参加者に知られることがない。また、発呼用電話番号は、各会議室に固有のものであるため、招集の際に、発呼用電話番号を通知することにより、参加者は、いずれの会議室の招集なのかを予め知ることができる。
【0060】
[第2実施形態]
次に、コールサービスシステム10の通話制御の第2実施形態について説明する。本実施形態では、本発明の通話制御システムをカスタマーセンター300におけるサポートサービスに適用した場合を例示する。なお、本実施形態において、上述した第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その機能等は特に言及しない限り同一であり、その説明は省略する。
【0061】
本実施形態においてユーザーデータベース300は、図9に示すように、当該カスタマーセンター310が提供しているサポートの種別をグループとして、各グループに固有の発呼用電話番号(050−xxxx−xxxx)と、各サポートサービスを提供するオペレーターである通話先ユーザーa〜dの電話端末の電話番号とを関連づけて記憶保持している。このサポートの種別としては、例えば、製品毎の問い合わせや、使い方や修理、アップグレードなどの種類に応じた区分が挙げられ、オペレーターは、各サポートの種別に応じた専門知識のある者が登録されている。また、オペレーターは、カスタマーセンターに所在している必要はなく、例えば、個人の携帯電話や自宅固定電話などの電話番号を登録しておくことにより、在宅等であっても本サービスに携わることができる。
【0062】
そして、本実施形態において上記通話先発呼部222は、サポートのグループに属する複数のオペレーター(通話先ユーザー)の電話端末に対して一斉に発呼処理を行い、最先に応答した通話先ユーザーの電話端末に対してのみ前記通話先音声通話セッションを確立させる。
【0063】
(通話制御方法)
以上の構成を有するコールサービスシステム10を動作させることによって、本発明の通話制御方法を実施することができる。図10は、コールサービスシステム10の通話制御を説明するフローチャートである。なお、本実施形態では、通話元ユーザーzが端末装置20bの機能と電話機20aの機能とを併せ持つ携帯電話20を用いて、カスタマーセンター310からサポートサービスを受ける場合を例に、コールサービスシステム10の通話制御を説明する。
【0064】
本処理は、コールサービスシステム10が、通話元ユーザーzの携帯電話20からカスタマーセンターにアクセスすることで開始する(S301)。このとき、ユーザーzは、予めサポート毎の電話番号が分かっているときは、そのサポート種別に固有の電話番号に発呼によりアクセスしてもよく、IP網70経由でWebページ上にアクセスしてもよい。
【0065】
次いで、通話元ユーザーzの携帯電話20からのアクセスを受け付けると、アプリケーション部120は、通話元ユーザーzの特定を行う(S302)。通話元ユーザーzの特定は、例えば、アクセス時に受信した携帯電話20の識別情報(電話番号)を用いて、ユーザーデータベース300を参照することで行うことができる。或いは、Webページ上でユーザーIDやパスワードによる認証処理を行って、通話元ユーザーzから識別情報の入力を受け付けることで通話元ユーザーzの特定を行うようにしてもよい。なお、通話元ユーザーzが特定されることにより、通話元ユーザーzの携帯電話20の電話番号も特定することができる。
【0066】
通話元ユーザーzが特定されると、アプリケーション部120は、ユーザーデータベース300を参照して、通話元ユーザーzが利用可能なサポート(通話先)のリストを作成し、Web機能部110を介して、通話元ユーザーzに提示する(S303)。なお、このリストの提示は、ユーザーのアクセスが通話によるときは、音声ガイダンスによって行うことができる。
【0067】
そして、各サポート種別には、そのメンバーとして、例えばオペレーターa〜dが含まれ、サポート種別を選択することにより、各サポート種別のグループに属するオペレーターに対して一斉発呼が行われることとなる。すなわち、通話元ユーザーzから、通話先としてサポートの指定を受け付けると(S304)、アプリケーション部120は、ユーザーデータベース300を参照して、サポートの発呼用電話番号と、通話先ユーザーであるオペレーターa〜cの電話機30a〜cの電話番号を取得する(S305)。そして、コールサービスサーバ200に対して、通話元情報として発呼用電話番号を通知し、通話先情報としてオペレーターa〜cの電話機30a〜cの電話番号を通知して通話制御依頼を行う。
【0068】
通話制御依頼を受けたコールサービスサーバ200では、先ず、通話先発呼部222が、通話先情報として通知された通話先ユーザーa〜cの電話番号に対して一斉に発呼する(S306)。この発呼に対していずれかのオペレーターが応答した場合は、その最先のオペレーターと、発呼用電話番号との間で通話先音声通話セッションを確立する(S307)。
【0069】
そして、通話元発呼部221が、通話先音声通話セッションが確立したのを確認して、通話元情報として通知された通話元ユーザーzの携帯電話20の電話番号に対して、発呼用電話番号を用いて発呼する(S308)。この発呼に対して通話元ユーザーzの携帯電話20が応答すると、発呼用電話番号の通話元用端子と通話元ユーザーzの携帯電話20との間で通話元音声通話セッションを確立する(S309)。次いで、通話元音声通話セッションを確立すると、ブリッジ処理部223が、通話先音声通話セッションと通話元音声通話セッションとをブリッジする(S310)。これにより、通話元ユーザーzの携帯電話20とオペレーターとの間で音声通話を行うことができるようになる。
【0070】
このように本実施形態では、通話元ユーザーzがカスタマーセンターにアクセスを行うと、オペレーターとの通話先音声通話セッションが確立した後に、通話元ユーザーzとの通話元音声通話セッションを確立して、両音声通話セッションをブリッジし、サポートサービスが開始されるようにしている。したがって、サポートサービスを受けるに際して、通話元ユーザーzがセッション確立状態のままオペレーターの応答を待ち続けることを防ぐことができる。
【0071】
図11は、本実施形態に係る処理の流れを模式的に示した図である。本図に示すように、通話元ユーザーzの携帯電話20からIP網70を介してコールサービスシステム10にアクセスがなされ、サポートサービスのオペレーターa〜dへの通話依頼が送られる。この通話依頼に応じてコールサービスシステム10は、先ず、オペレーターa〜dの電話機30a〜dに対して、一般公衆回線・移動体通信網80を介して一斉発呼を行う。
【0072】
そして、いずれかのオペレーターが応答した場合、コールサービスシステム10とそのオペレーターとの間で通話先音声通話セッションが確立される。複数のオペレーターが応答した場合には、最先のオペレーターとの間で通話先音声通話セッションが確立される。
【0073】
次いで、このオペレーターとの通話セッションが確立された後、次いで、通話元ユーザーzの携帯電話20に対して、一般公衆回線・移動体通信網80を介して発呼を行う。その後、コールサービスシステム10と通話元ユーザーzの携帯電話20との間で通話元音声通話セッションが確立すると、コールサービスシステム10が、通話先音声通話セッションと通話元音声通話セッションとをブリッジする。これにより、サポートサービスの提供が開始され、通話元ユーザーzが通話元音声通話セッションの確立状態のまま待たされることなく、通話元ユーザーzの携帯電話20と通話先ユーザーa〜cの電話機30a〜cとの間で音声通話ができるようになる。
【0074】
なお、処理(S306)でオペレーターa〜dの電話機30a〜cの電話番号に対して、いずれかの通信用端子230から発呼させた結果、通話先ユーザーa〜cの不応答等により通話先音声セッションが確立できなかった場合には、その旨を通話元ユーザーzの携帯電話20に通知することが望ましい。これにより、通話元ユーザーzが着呼を待ち続けることを防ぐことができる。
【0075】
また、アプリケーションサーバ100が備える機能の一部或いは全部をアプリケーション化して、携帯電話20にインストールしておくようにしてもよい。この場合、アプリケーションサーバ100が行う処理の一部或いは全部が携帯電話20上で行われ、コールサービスサーバ200が、処理結果を携帯電話20から受信することで、上記と同様の通話制御処理を行うことができる。
【0076】
(作用効果)
以上説明した本実施形態によれば、カスタマーサービスセンターにおけるサポートの種別毎に発呼用電話番号を設定したことにより、サポートを受けようとする通話元ユーザーは、要求するサポートの種別に従った発呼用電話番号へ電話をすることによって、オペレーターに対して一斉に発呼がなされ、最先に応答したオペレーターとの通話先音声通話セッションが確立されるため、通話元のユーザーxは、一旦、任意のサポートの電話番号に発信すれば、オペレーターが応答するまで、発呼し続ける必要はなく、オペレーターが応答したときのコールバックを待てばよい。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】第1実施形態におけるコールサービスシステムを含むネットワークを示すブロック図である。
【図2】(a)は、第1実施形態におけるコールサービスシステムの機能構成を示すブロック図であり、(b)は、ユーザーデータベースのデータ構造を示す説明図である。
【図3】第1実施形態におけるコールサービスシステムの通話制御を説明するフローチャートである。
【図4】第1実施形態における通話先リスト表示画面の一例を示す図である。
【図5】第1実施形態における処理の流れを模式的に示した図である。
【図6】第1実施形態におけるコールサービスシステムの予約通話制御を説明するフローチャートである。
【図7】第1実施形態における予約通話の通話先リスト表示画面の一例を示す図である。
【図8】第1実施形態における予約通話の処理の流れを模式的に示した図である。
【図9】第2実施形態におけるユーザーデータベースのデータ構造を示す説明図である。
【図10】第2実施形態におけるコールサービスシステムの通話制御を説明するフローチャートである。
【図11】第2実施例の処理の流れを模式的に示した図である。
【符号の説明】
【0078】
10…コールサービスシステム
20…携帯電話
20a…電話機
20b…端末装置
22…IP電話機
30a〜…電話機
32…IP電話機
70…IP網
80…一般公衆回線・移動体通信網
90…ゲートウェイ
100…アプリケーションサーバ
110…Web機能部
120…アプリケーション部
121…予約通話処理部
200…コールサービスサーバ
210…インタフェース部
220…通話制御部
221…通話元発呼部
222…通話先発呼部
223…ブリッジ処理部
224…セキュリティ管理部
300…ユーザーデータベース
310…カスタマーセンター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通話元ユーザーの操作に応じて、複数のユーザーによって構成されるグループへ接続を行う通話制御システムであって、
前記グループに固有の発呼用電話番号と、該グループに属するユーザーである通話先ユーザーの電話端末の電話番号とを関連づけて記憶保持するユーザーデータベースと、
前記通話先ユーザーへの接続要求であって、前記発呼用電話番号と前記通話先ユーザーの電話端末の電話番号とが含まれる接続要求を、前記通話元ユーザーの情報端末装置から受信する接続要求受信部と、
前記発呼用電話番号を発信元として前記通話先ユーザーの電話端末に発呼し、前記通話先ユーザーの電話端末との間に通話先音声通話セッションを1つ又は複数確立させる通話先発呼部と、
前記通話先音声通話セッションが少なくとも1つ確立した後に、前記発呼用電話番号を発信元として前記通話元ユーザーの電話端末に発呼し、前記通話元ユーザーの電話端末との間に通話元音声通話セッションを確立させる通話元発呼部と、
前記1つ又は複数の通話先音声通話セッションと前記通話元音声通話セッションとをブリッジすることにより、前記前記通話元ユーザーの電話端末と前記通話先ユーザーの電話端末との間の音声通話を確立させるブリッジ処理部と
を備えることを特徴とする通話制御システム。
【請求項2】
前記接続要求には、前記通話先ユーザーに対する発呼処理を開始する通話予約時刻が含まれ、
前記通話先発呼部には、前記通話予約時刻に、前記通話先ユーザーの電話端末に対して前記発呼を実行する予約通話処理部が接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の通話制御システム。
【請求項3】
前記通話先発呼部は、前記グループに属する複数の通話先ユーザーの電話端末に対して一斉に発呼処理を行い、最先に応答した通話先ユーザーの電話端末に対してのみ前記通話先音声通話セッションを確立させることを特徴とする請求項1に記載の通話制御システム。
【請求項4】
通話元ユーザーの操作に応じて、複数のユーザーによって構成されるグループへ接続を行う通話制御方法であって、
予め、前記グループに固有の発呼用電話番号と、該グループに属するユーザーである通話先ユーザーの電話端末の電話番号とを関連づけてユーザーデータベースに記憶保持させるステップと、
前記通話先ユーザーへの接続要求であって、前記発呼用電話番号と前記通話先ユーザーの電話端末の電話番号とが含まれる接続要求を、前記通話元ユーザーの情報端末装置から受信する接続要求受信ステップと、
前記発呼用電話番号を発信元として前記通話先ユーザーの電話端末に発呼し、前記通話先ユーザーの電話端末との間に通話先音声通話セッションを1つ又は複数確立させる通話先発呼ステップと、
前記通話先音声通話セッションが少なくとも1つ確立した後に、前記発呼用電話番号を発信元として前記通話元ユーザーの電話端末に発呼し、前記通話元ユーザーの電話端末との間に通話元音声通話セッションを確立させる通話元発呼ステップと、
前記1つ又は複数の通話先音声通話セッションと前記通話元音声通話セッションとをブリッジすることにより、前記前記通話元ユーザーの電話端末と前記通話先ユーザーの電話端末との間の音声通話を確立させるブリッジ処理ステップと
を備えることを特徴とする通話制御方法。
【請求項5】
前記接続要求には、前記通話先ユーザーに対する発呼処理を開始する通話予約時刻が含まれ、
前記通話先発呼ステップでは、前記通話予約時刻に、前記通話先ユーザーの電話端末に対して前記発呼を実行する予約通話処理ステップが含まれる
ことを特徴とする請求項4に記載の通話制御方法。
【請求項6】
前記通話先発呼ステップでは、前記グループに属する複数の通話先ユーザーの電話端末に対して一斉に発呼処理を行い、最先に応答した通話先ユーザーの電話端末に対してのみ前記通話先音声通話セッションを確立させる
ことを特徴とする請求項4に記載の通話制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−34902(P2010−34902A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−195497(P2008−195497)
【出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【出願人】(509266125)BizMobile株式会社 (3)
【Fターム(参考)】