説明

通話装置および通話装置の呼毎の受話音量制御方法

【課題】通話相手に対応した受話音量を自動的に設定して、スムーズに会話を開始する。
【解決手段】表示手段26と、相手電話番号と受話音量を対応付けた相手電話番号−受話音量対応テーブル2032と、回線ボタン22−3,4と相手電話番号を対応付けた回線ボタン情報テーブル2033と、相手の電話番号を認識する相手電話番号認識手段2011と、共通受話音量登録部2031に登録された共通受話音量又は相手電話番号−受話音量対応テーブル2032に登録された個別受話音量を読み出す受話音量読出手段2012と、通話時の受話音量を共通受話音量または個別受話音量に設定する受話音量設定手段2014と、通話中に受話音量を変更する受話音量変更入力手段24−1,2と、通話中に変更した受話音量を相手電話番号−受話音量対応テーブル2032に受話音量変更登録手段2013と、を備えたディーリング通話端末装置2。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通話装置であって、例えば、銀行や証券会社などにおいて為替、証券などの先物・金融商品取引をおこなう際などに使用するディーリング通話システムを構成するディーリング通話端末装置、または、多機能電話機、および通話装置の呼毎の受話音量制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
回線間の接続を行う回線制御装置(通話装置)においては、通常の電話機と同じくダイヤルボタンを押下することにより発信し通話を行う方式と、ワンタッチ操作で発信処理を行い通話相手を呼び出す登録式のボタンを多数備え、登録式のボタンのいずれかを選んで押下することにより登録された通話相手を呼び出し通話することができる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、従来のディーリング通話システムを構成するディーリング通話端末装置(通話装置)は、1台あたり2個の通話用ハンドセットが実装されており、このハンドセットを用いて同時に別々の相手と通話を行うことができる。
【0004】
また、ディーリング通話端末装置は、手動で操作するダイヤルボタンとアナログまたはデジタル公衆回線や専用線の電話番号を登録した登録式のボタンを備えており、通常の多機能電話機と同じく手動にてダイヤルボタンを押下することにより発信し通話する方式と、登録式のボタンを選択して押下することによりワンタッチ操作で発信し通話する方式の双方の方式により発信を行うことができる。
【0005】
しかし、従来のディーリング通話端末装置にあっては、通話時の受話音量設定は、ハンドセット毎に設定できるものの通話時に使用する回線や通話相手によらず一設定しか保持できなかった。このため、通話開始直後に、通話相手に合わせて受話音量の設定を変更することが必要となる場合がある。
【0006】
また、特定多数の通話相手に対し頻繁に通話を行うディーリング通話端末装置の使用者にとっては、通話の度に受話音量設定を変更せねばならないことが負担となっている。
【0007】
このディーリング通話システムのディーリング通話端末装置にあっては、通話時の受話音量の設定が、ハンドセット毎に設定できるものの通話時に使用する回線や通話相手にかかわらず1つの受話音量を設定することしかできなかった。しかしながら、必ずしも通話相手からの受話音量が最適とは限らないため受話音量設定が1通りしかないと、特定多数の通話相手に対し頻繁に通話を行うディーリング通話端末装置の使用者は、通話相手の状況に合わせて通話開始直後に、受話音量設定を変更しなければならないという問題がある。
【0008】
このような問題は、ディーリング通話端末装置に限らず、多機能電話機などの通話装置においても同様なことが問題となる。
【特許文献1】特開2002−44262号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、ディーリング通話端末装置の受話音量設定に関する問題点を解決することにあり、通話相手ごとに受話音量のレベルを自動的に増大または減少させて、通話開始直後に受話音量設定を変更操作することなく通話相手に対応した受話音量を設定して、スムーズに会話を開始できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、ワンタッチ操作で発信を行い通話相手を呼び出す登録式のキー(オートダイヤルキー:回線ボタン)に、相手電話番号(ダイヤル番号)と合わせて特定の通話相手に対する受話音量を記憶させておくことにより、オートダイヤル発信時に呼び出す相手の回線または回線キーに着信時の相手の回線の線路状況に合わせて自動的に受話音量を個別に設定し、通話開始直後に受話音量を変更することなくスムーズに会話を開始する。
【発明の効果】
【0011】
上記のように個別の呼ごとに受話音量を制御することにより、通話開始直後からスムーズに会話を開始でき、通話の度に受話音量を変更する操作の負担が軽減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、例えば、ハンドセットが2つ接続され2回線同時通話が可能な、一つまたは複数のディーリング通話端末装置と、これらディーリング通話端末装置と局線や専用線などの回線を収容し交換動作を行う、主に金融取引などで使用されるディーリング通話システムのディーリング通話端末装置において、上記ディーリング通話端末装置に多数備えた回線キーそれぞれに、ダイヤル番号と受話音量情報を関連付けて記憶しておき、ワンタッチ操作によって発信を行い通話相手を呼び出すと共に、記憶されている受話音量情報を用いて通話環境を自動的に整える。
【0013】
本発明は、ディーリング通話端末装置において、オートダイヤルキーの情報として通話相手の電話番号と受話音量の設定を対応付けて保持させておき、発信または着信の際にその情報を引き出し、当該通話(呼)の受話音量とする。
【0014】
すなわち、本発明は、表示手段を有し受話時に受話音量を変更することができる通話装置であって、相手電話番号と受話音量を対応付けて記述する相手電話番号−受話音量対応テーブルと、回線ボタンと相手電話番号を対応付けて記述する回線ボタン情報テーブルと、発信時または着信時に相手の電話番号を認識する相手電話番号認識手段と、受話音量記憶部に予め登録された共通受話音量または相手電話番号−受話音量対応テーブルに予め登録された相手電話番号に対応した個別の受話音量を読み出す受話音量読出手段と、通話時の受話音量を読み出した前記共通受話音量または個別受話音量に設定する受話音量設定手段と、通話中に当該通話の受話音量を変更する受話音量変更入力手段と、通話中に変更した受話音量を相手電話番号−受話音量対応テーブルに相手電話番号に対応付けて登録する受話音量変更登録手段と、を備えた。
【0015】
本発明は、上記通話装置であって、前記相手電話番号−受話音量対応テーブルに記述される受話音量が、通話中に受話音量変更処理されたことを示すフラグによって設定される。
【0016】
本発明は、上記通話装置であって、通話装置が、ページ送りボタンを備え、2つのハンドセットが接続されて2回線同時通話が可能とされたディーリング通話端末装置であり、前記回線ボタン情報テーブルが回線ボタン情報と相手電話番号情報とを複数記述したブロックを複数個有するとともにページ送りボタンの押下によりいずれかのブロックを前記表示手段に表示する。また、本発明は、上記通話装置であって、通話装置が、多機能電話機である。
【0017】
本発明は、通話中に受話音量の変更がなされたかを監視し、受話音量の変更処理があった場合に通話終了時に受話音量の変更を相手電話番号−受話音量対応テーブルに登録する処理を行う通話装置における受話音量制御方法において、発信時に、相手電話番号−受話音量対応テーブルを参照して通話相手の電話番号に対応した受話音量を取得し、取得した受話音量を設定する。
【0018】
本発明は、通話中に受話音量の変更がなされたかを監視し、受話音量の変更処理があった場合に通話終了時に受話音量の変更を相手電話番号−受話音量対応テーブルに登録する処理を行う通話装置における受話音量制御方法において、
着信時に、相手電話番号を認識し、相手電話番号−受話音量対応テーブルを参照して通話相手の電話番号に対応した受話音量を取得し、取得した受話音量を設定する。
【0019】
図1を用いて本発明のディーリング通話端末を用いたディーリング通話システムのシステム構成例を説明する。ディーリング通話システムは、回線制御装置1に複数のディーリング通話端末装置2とシステム管理端末装置3とを収容して構成される。回線制御装置1は、通話路スイッチ11と、中央制御装置(CC)12と、記憶装置(MM)13と、制御系バス14と、回線のインターフェースをとる局線トランク15と、マグネットトランクなど複数の専用線にインターフェースをとる専用線トランク16と、複数のディーリング通話端末装置2とインターフェースをとるデジタルライン回路17と、会議トランク18を有して構成される。また、デジタルライン回路17は、システム管理端末装置3とのインターフェースをとっている。システム管理端末装置3は、ディーリング通話端末装置2の回線ボタン登録データや個別識別情報、使用状況等を管理している。通話路スイッチ11は、局線トランク15と専用線トランク16とデジタルライン回路17との間、または会議トランク18を介して接続切替えを行う働きを有する。中央制御装置(CC)12、はディーリング通話システム全体を制御し、記憶装置(MM)13は、中央制御装置12がディーリング通話システムを制御する為のプログラム、局データ、その他テーブルを記憶している。
【0020】
(実施例1)以下、本発明の第1の実施例にかかるディーリング通話端末を、図面を参照して詳細に説明する。まず、図2および図3を用いてディーリング通話端末装置2の構成を説明する。図2はディーリング通話端末装置2の盤面図であり、図3はその機能構成を示すブロック図である。ディーリング通話端末装置2は、盤面に、左右一対のハンドセット21L,21Rと、回線キー(回線ボタン)22と、プログラマブルファンクションキー23と、固定ファンクションキー24と、テンキー(ダイヤルキー)25と、LCD表示装置26と、スピーカ27と、スピーカ音声調節ボリューム28を有して構成される。
【0021】
回線キー22は、例えば1行7列のキーが5行配列されており、内線、外線、ホットラインなどを登録し、押下することで発着信することができるオートダイヤルキーとして働く。各回線キーにはそれぞれランプが設けられており、着信や通話状態によって回線キーのランプ表示が切り替わり回線状態を確認することができる。表示ランプを有する例えば7個のプログラマブルファンクションキー23には、着信画面切替、話中画面切替などの機能キーが登録される。固定ファンクションキー24は、受話音量調整キー(△)24−1,(▽)24−2、画面切替キー(NEXT)24−3,(BACK)24−4、通話切断キー(CLR)24−5などの機能が固定された機能キーである。テンキー25はダイヤル発信する際に使用するダイヤルボタンである。LCD表示装置26はダイヤル番号や相手先名称を表示する表示手段である。LCD26は、回線キー22のそれぞれに対応して、通話相手の名称や機能キーの内容を表示する。切断時に押下する固定ファンクションキー24のCLRキー24−5のランプは通話中点灯し、CLRキー24−5を押下し通話切断され待機状態になるとランプは滅火する。スピーカ27には着信音やハンズフリー通話時に相手先の音声が出力され、スピーカ音声調整ボリューム28にてハンズフリー通話の受話出力を調整できる。
【0022】
図3を用いて、ディーリング通話端末装置2の機能の構成を説明する。ディーリング通話端末装置2は、少なくとも、ハンドセット21L,21Rと、回線キー22,プログラマブルファンクションキー23,固定ファンクションキー24,テンキー25などのボタン操作部221と、LCD表示装置26と、呼制御プロセッサ(MPU)201と、固定記憶装置(ROM)202と、一時記憶装置(RAM)203と、制御バス204と、音声コーデック(CODEC)211L、211Rと、呼制御メッセージ送受信バッファ205と、音声用のBチャンネル212L,212Rと、データ用のDチャンネル207と、キースキャンインターフェース222と、ランプ制御部223と、LCD画面コントローラ261と、受信バッファ206−1と、送信バッファ206−2を有している。
【0023】
呼制御プロセッサ202は、通常の呼制御などのほかに、図5−1、図5−2に示される受話音量設定処理などの本発明に特有の処理を行う。
【0024】
固定記憶装置(ROM)202には、呼制御プログラムや固定データが記憶され、一時記憶装置(RAM)203には、回線名称等の局データが記憶される。呼制御プロセッサ201には、回線制御装置1との間で呼制御メッセージの送受信を行う呼制御メッセージ送受信バッファ205が接続され、呼制御プログラムにて制御される。呼制御メッセージ送受信バッファ205には、回線制御装置1に収容される回線の状態を示すメッセージを受信する受信バッファ206−1と、回線制御装置1にディーリング通話端末装置2の操作・状態を示したメッセージを送信する送信バッファ206−2が接続されている。音声はハンドセット21L,21Rから音声コーデック211L,211Rでデジタルに変換され、回線制御装置1のデジタルライン回路17を介して通話路スイッチ11に接続される。
【0025】
一時記憶装置203には、全ての通話における共通受話音量を設定する受話音量設定領域が設けられる。さらに、一時記憶装置203には、オートダイヤルキー群のデータエリアが設けられる。オートダイヤルキー群のデータエリアに、オートダイヤルキーの相手電話番号に関連付けて受話音量変更フラグを登録する相手電話番号―受話音量対応テーブルが設けられる。
【0026】
図4を用いて、回線キー22とプログラマブルファンクションキー23の表示例を説明する。これらのキーはシステム管理端末装置3にて登録する。回線キー22には内線キー22−1、外線キー22−2、オートダイヤルキー22−3などが登録され、ボタン押下で発着信することができる。プログラマブルファンクションキー23には、ハンドセット切替キー23−1や話中画面切替キー23−2などが登録される。LCD表示装置26から構成される情報表示部26−1には待機状態には自端末装置の内線番号や日時が表示される。情報表示部26−1には、通話時に相手先の名称が表示される。さらに、情報表示部26aにはプログラマブルファンクションキーの機能名称や外線名称が、情報表示部26bにはオートダイヤルキーの通話相手の名称が、情報表示部26cには内線名称がそれぞれのキーに対応して表示される。情報表示部26bの表示内容は、固定機能キー24の“NEXT”キー24−3、“BACK”キー24−4の押下によりページ送りがなされ、複数のページを順次表示する。
【0027】
図5−1、図5−2を用いて、オートダイヤルキーを押下してから受話音量設定を行い通話が終了するまでのディーリング通話端末装置内の制御フローを説明する。使用者がオートダイヤルキー22−3を押下すると(S1)、呼制御プロセッサ(MPU)201は、押下されたオートダイヤルキーが受話音量を個別に保持する登録をされたキーであるか判断する(S2)。判断の結果、受話音量設定を個別に保持する登録をされたキーである場合は、呼制御プロセッサ201は、登録されているオートダイヤルキー群のデータエリアの相手電話番号―受話音量対応テーブルから押下されたオートダイヤルキーの受話音量設定値を取得し受話音量を設定する(S31)。また、ステップS2の判断の結果、受話音量設定を個別に保持する登録をされたキーでない場合は、呼制御プロセッサ201は、手動ダイヤル発信時などの場合に使用する従来機能の受話音量設定値である共通受話音量をデータエリアから取得し受話音量を設定する(S32)。呼制御プロセッサ201は、いずれの判断をされた場合でも受話音量設定後に回線に対してダイヤル情報を送出し(S41)、通話相手を呼び出し(S42)、相手が応答すると通話可能状態となり、発信者と受信者との間で通話を行う(S43)。最初に通話が開始された時点では、受話音量変更フラグが“0”に設定されている(S44)。呼制御プロセッサ201は、通話中は、通話の終了を監視(S5)しつつ、受話音量設定の変更の監視も行い(S6)、変更があった場合は、変更の有無をフラグ“1”として記憶する(S7)。通話終了後、呼制御プロセッサ201は、受話音量設定の変更の有無を確認し(S8)、変更があった場合は、さらに共通受話音量の設定が変更されたのか、または、オートダイヤルキーの個別の受話音量設定が変更されたのかを、判断し(S9)、それぞれのデータエリアの保存場所に上書きする(S10,11)。
【0028】
本発明にかかる通話装置であるディーリング通話端末装置の機能構成を、図6を用いて説明する。本発明は、通話中に当該通話の受話音量を変更する受話音量変更入力手段(受話音量調整ボタン)24−1,24−2と、表示手段26と、発信時または着信時に相手の電話番号を認識する相手電話番号認識手段2011と、共通受話音量を登録する共通受話音量登録部2031と、相手電話番号−受話音量対応テーブル2032と、回線ボタン情報と相手電話番号情報とを対応付けて記述する回線ボタン情報テーブル2033と、共通受話音量または相手電話番号に対応した受話音量を読み出す受話音量読出手段2012と、通話時の受話音量を読み出した前記受話音量に設定する受話音量設定手段2014と、通話中に変更した受話音量を相手電話番号−受話音量対応テーブルに相手電話番号に対応付けて登録する受話音量変更登録手段2013と、を備えている。さらに、本発明は、通話中に受話音量が変更されたか否かを監視する図示を省略した受話音量変更監視手段を備えている。
【0029】
さらに、本発明の第1の実施例にかかるディーリング通話端末装置2は、前記相手電話番号−受話音量対応テーブル2032に記述される個別の受話音量が、通話中に受話音量変更処理がなされたことを示すフラグによって設定される。変更された受話音量は、直接受話音量のレベルとして記述されても良い。
【0030】
また、本発明にかかるディーリング通話端末装置2は、ページ送りボタン24−3,24−4を備え、2つのハンドセット22L,22Rが接続されて2回線同時通話が可能とされており、前記回線ボタン情報テーブル2033が回線ボタン情報と相手電話番号情報とを複数記述したブロックを複数個有するとともにページ送りボタン24−3,24−4によりいずれかのブロックを、ページ情報として前記表示手段26に表示する。
【0031】
上記相手電話番号認識手段2011、受話音量読出手段2012、受話音量変更登録手段2013、受話音量設定手段2014は、呼制御プロセッサ201の機能として構成される。さらに、共通受話音量登録部2031、相手電話番号−受話音量対応テーブル2032、回線ボタン情報テーブル2033は、一時記憶装置203内に構成される。
【0032】
本発明の受話音量制御方法は、通話中に受話音量の変更がなされたかを受話音量変更監視手段によって監視し、受話音量の変更処理があった場合に通話終了時に受話音量の変更を相手電話番号−受話音量対応テーブルに登録する処理を行う通話装置における受話音量制御方法において、発信時に、受話音量読み出し手段が相手電話番号−受話音量対応テーブル2032を参照して通話相手の電話番号に対応した受話音量を取得し、この受話音量データにより受話音量設定手段2014が取得した受話音量を設定して通話を開始する。
【0033】
(実施例2)第1の実施例では、ディーリング通話端末装置に本発明を適用した例を説明したが、以下、本発明を多機能電話機に適用して、回線ボタンごとに受話音量を設定かつ保存可能とした、第2の実施例について説明する。図7に本発明が適用される多機能電話機の盤面の構成を説明する。
【0034】
多機能電話機2Mは、盤面に、少なくとも、ハンドセット21と、回線ボタン(回線キー:多機能ボタン)と、受話音量調整キー24−1,24−2と、ダイヤルボタン(テンキー)25と、LCD表示装置26と、を有して構成される。
【0035】
回線ボタン22は、外線を登録し、押下することで発着信することができるオートダイヤルキーとして働く。さらに、本発明においては回線ボタン22ごとに受話音量を登録している。受話音量調整キー(△)24−1,(▽)24−2は、通話中に受話音量を変更する機能を有するキーである。テンキー25は、ダイヤル発信する際に使用するダイヤルボタンである。LCD表示装置26はダイヤルや相手先名称を表示する表示手段である。
【0036】
この多機能電話機2Mにおいても、第1の実施例のディーリング通話端末装置2と同様に、少なくとも、ハンドセット21、回線ボタン22と,受話音量調整キー24−1,24−2、テンキー25などのボタン操作部と、通話相手などを表示するLCDと、呼制御などの処理を行う呼制御プロセッサと、呼制御プログラムなどを記憶する固定記憶装置と、キー群データベースなどを格納する一時記憶装置と、制御バスと、音声コーデックと、呼制御メッセージ送受信バッファと、音声用のBチャンネルと、データ用のDチャンネルと、キースキャンインターフェースと、ランプ制御部と、LCD画面コントローラと、受信バッファと、送信バッファを有している。
【0037】
回線ボタン22は、多機能電話機の親機から登録する。回線ボタン(オートダイヤルキー)22のボタンを選択して押下することで発着信することができる。LCD表示装置26には、待機状態では自端末装置の内線番号や日時が表示され、通話時は相手先の名称が表示される。
【0038】
一時記憶装置には、全ての通話における共通受話音量を設定する受話音量設定領域が設けられる。さらに、一時記憶装置には、オートダイヤルキー群のデータエリアが設けられる。オートダイヤルキー群のデータエリアに、オートダイヤルキーの相手電話番号に関連付けて受話音量変更フラグを登録する相手電話番号−受話音量対応テーブルが設けられる。
【0039】
以下、第2の実施例における、多機能電話機において、回線ボタン22を押下してから共通受話音量または個別受話音量を設定し、通話が終了するまでの多機能電話機内の制御フローは、図5に示した第1の実施例におけるディーリング通話端末装置における処理と同様である。
【0040】
以上、本発明においては、まず、各回線ボタン22に、オートダイヤルする相手の電話番号を設定する。
【0041】
その後、発信時または着信時に相手電話番号を認識し、通話中に受話音量の変更があるかを監視し、通話終了時に相手電話番号と対応させて受話音量の変更の有無を相手電話番号−受話音量対応テーブルに登録する。この登録以降に発信または着信があったときに、呼制御プロセッサが相手電話番号を認識し、認識した相手電話番号を用いて相手電話番号−受話音量対応テーブルを参照して、受話音量の変更の有無を認識し、受話音量の変更があるときには変更された受話音量を設定して通話に移行する。
【0042】
このように、多機能電話機においても、ディーリング通話端末装置と同様に、ワンタッチ発信または着信による通話時に、受話音量の変更を登録することにより、次回以降のワンタッチ発信または着信において、自動的に受話音量を登録された値にして通話を行うことができる。
【0043】
本実施例は、通話装置として、多機能電話機を対象としている。さらに、本実施例は、通話中に受話音量の変更がなされたかを監視し、受話音量の変更があった場合に通話終了時に受話音量の変更を相手電話番号−受話音量対応テーブルに登録する処理を行う多機能電話機における受話音量制御方法において、ワンタッチ発信時もしくはワンタッチ着信時に、相手電話番号を認識し、相手電話番号−受話音量対応テーブルを参照して通話相手の電話番号に対応した受話音量を取得し、取得した受話音量を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1の実施例にかかるディーリング通話システムの構成例を説明する図。
【図2】本発明にかかるディーリング通話端末装置の盤面を説明する図。
【図3】本発明にかかるディーリング通話端末装置のブロック構成を説明する図。
【図4】本発明にかかるディーリング通話端末装置のLCD表示例を説明する図。
【図5−1】本発明にかかるディーリング通話端末装置の処理を説明する流れ図(その1)。
【図5−2】本発明にかかるディーリング通話端末装置の処理を説明する流れ図(その2)。
【図6】本発明にかかるディーリング端末装置の機能構成を説明するブロック図。
【図7】本発明の第2の実施例にかかる多機能電話機の構成例を説明する図。
【符号の説明】
【0045】
1…回線制御装置、
2…ディーリング通話端末装置、
2M…多機能電話機、
3…システム管理端末装置、
11…通話路スイッチ、
12…中央制御装置、
13…記憶装置、
14…制御系バス、
15…局線トランク、
16…専用線トランク、
17…デジタルライン回路、
18…会議トランク、
21…ハンドセット、
22…回線キー(回線ボタン)、
22−1…内線キー(内線ボタン)、
22−3…オートダイヤルキー、
23…プログラマブルファンクションキー、
23−1…ハンドセット切替キー、
23−2…話中画面・切替キー、
24…固定ファンクションキー、
24−1,24−2…音量調節ボタン、
25…テンキー(ダイヤルキー)、
26…LCD表示装置、
26−1…情報表示部、
26a…外線名表示部、
26b…オートダイヤル相手先表示部、
26c…内線名表示部、
27…スピーカ、
28…音声調整ボリューム、
201…呼制御プロセッサ、
2011…相手電話番号認識手段、
2012…受話音量読出手段、
2013…受話音量変更登録手段、
2014…受話音量設定手段、
202…固定記憶装置、
203…一時記憶装置、
2031…共通受話音量登録部、
2032…相手電話番号−受話音量対応テーブル、
2033…回線ボタン情報テーブル、
204…制御バス、
205…呼制御メッセージ送受信バッファ、
206−1…受信バッファ、
206−2…送信バッファ、
206…データ用Dチャンネル、
211…音声コーデック、
212…音声用Bチャンネル、
221…ボタン操作部、
222…キースキャンインターフェース、
223…ランプ制御部、
261…LCD画面コントローラ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段を有し受話時に受話音量を変更することができる通話装置であって、
相手電話番号と受話音量を対応付けて記述する相手電話番号−受話音量対応テーブルと、
回線ボタンと相手電話番号を対応付けて記述する回線ボタン情報テーブルと、
発信時または着信時に相手の電話番号を認識する相手電話番号認識手段と、
受話音量記憶部に予め登録された共通受話音量または相手電話番号−受話音量対応テーブルに予め登録された相手電話番号に対応した個別の受話音量を読み出す受話音量読出手段と、
通話時の受話音量を読み出した前記共通受話音量または個別受話音量に設定する受話音量設定手段と、
通話中に当該通話の受話音量を変更する受話音量変更入力手段と、
通話中に変更した受話音量を相手電話番号−受話音量対応テーブルに相手電話番号に対応付けて登録する受話音量変更登録手段と、を備えた
ことを特徴とする通話装置。
【請求項2】
請求項1記載の通話装置であって、
前記相手電話番号−受話音量対応テーブルに記述される受話音量が、通話中に受話音量変更処理されたことを示すフラグによって設定される
ことを特徴とする通話装置。
【請求項3】
請求項1に記載の通話装置であって、
通話装置が、ページ送りボタンを備え、2つのハンドセットが接続されて2回線同時通話が可能とされたディーリング通話端末装置であり、
前記回線ボタン情報テーブルが回線ボタン情報と相手電話番号情報とを複数記述したブロックを複数個有するとともにページ送りボタンの押下によりいずれかのブロックを前記表示手段に表示する
ことを特徴とする通話装置。
【請求項4】
請求項1に記載の通話装置であって、
通話装置が、多機能電話機である
ことを特徴とする通話装置。
【請求項5】
通話中に受話音量の変更がなされたかを監視し、受話音量の変更処理があった場合に通話終了時に受話音量の変更を相手電話番号−受話音量対応テーブルに登録する処理を行う通話装置における受話音量制御方法において、
発信時に、相手電話番号−受話音量対応テーブルを参照して通話相手の電話番号に対応した受話音量を取得し、取得した受話音量を設定する
ことを特徴とする受話音量制御方法。
【請求項6】
通話中に受話音量の変更がなされたかを監視し、受話音量の変更処理があった場合に通話終了時に受話音量の変更を相手電話番号−受話音量対応テーブルに登録する処理を行う通話装置における受話音量制御方法において、
着信時に、相手電話番号を認識し、相手電話番号−受話音量対応テーブルを参照して通話相手の電話番号に対応した受話音量を取得し、取得した受話音量を設定する
ことを特徴とする受話音量制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−135978(P2010−135978A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−308459(P2008−308459)
【出願日】平成20年12月3日(2008.12.3)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】