説明

通風型ブレーキディスク

本発明に係るブレーキディスク(1)は、車両のホイールハブに接続されることが意図されている支持キャップ(2)と、該ブレーキディスクのキャリパと協働することが意図されているブレーキバンド(3)とを備えている。ブレーキバンド(3)は、通気ダクト(34)を形成する複数の接続部材(33)によって接続された2つのプレート(31、32)を有する。ブレーキディスク(1)は、異なる形状及び/又は寸法を有する上記複数の接続部材(33)は、ブレーキバンド(3)に沿って整数回数繰り返すモジュール(M)に従って配置されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用のブレーキディスク、とくに自動車用のブレーキディスクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般にブレーキ、とくにディスクブレーキは、ディスクとパッドとの間における摩擦現象でもって車両の運動エネルギを熱エネルギに変換することにより、車両の減速及び/又は停止を行うことができるようになっている。このような理由により、この種のブレーキの有効性を維持するためには、ディスク及びパッドが過熱されないようにすることが重要である。それゆえ、周囲への熱の有効な放散を実現することが重要である。
【0003】
これに関して、ブレーキディスクとしては、互いに隣り合う位置関係で配置された1対のプレートを備えたものが知られている。これらのプレートは、それぞれ、外側の摩擦表面と内側の摩擦表面とを備えている。
【0004】
これらのプレートは、典型的には、柱状部材又は舌状部材などといった接続部材によって互いに結合されている。このような接続部材の形状は、ディスクの通風ダクトの形状を決定づける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなディスクが欠点を有しない訳ではないということは、広く認識されている。
【0006】
実際、既知の形式の通風ダクトでもって実現されるディスクの通風は最適なものではなく、このため熱の放散が全体的に効果的なものとなっていないということが注目されている。
【0007】
本発明の目的は、上記従来技術における上記欠点を少なくとも部分的に除去することを可能にするブレーキディスクを考案して提供することである。
【0008】
とくに、本発明の技術課題は、最適な通風と最大限に効果的な熱の放散とを可能にする通風ダクトを備えているブレーキディスクを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的及び技術課題は、添付の特許請求の範囲中の独立形式の請求項に係るブレーキディスクによって達成又は解決される。
【0010】
本発明に係るブレーキディスクのさらなる特徴及び利点は、添付の図面を参照しつつ本明細書の以下の部分で説明する、非限定的な具体例としての好ましい典型的な実施形態により理解することができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係るブレーキディスクをその軸方向に投影した全体図である。
【図2】図1に示すブレーキディスクを図1中のII−II線に沿って切断した断面図である。
【図3】図2に示すブレーキディスクを図2中のIII−III線に沿って切断した詳細な断面図である。
【図4】図3と同様のブレーキディスクの詳細な断面図である。
【図5】図4に示すブレーキディスクの斜視図である。
【図6】本発明のもう1つの実施形態に係るブレーキディスクの図3と同様の詳細な断面図である。
【図7】本発明のさらにもう1つの実施形態に係るブレーキディスクの図3と同様の詳細な断面図である。
【図8】本発明の最後の実施形態に係るブレーキディスクの図3と同様の詳細な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1〜図8において、本発明に係るブレーキディスクには、包括的に参照番号1が付されている。
【0013】
本発明に係るブレーキディスク1は、回転軸Xを共有する2つの部分(parts)を備えている。第1の部分、すなわち支持キャップ2(support cap)は、車両のホイールハブ(wheel hub)に接続することが意図されている(intended)。他方、ブレーキディスク1の周縁部に位置する残りの部分、すなわちブレーキバンド3(braking band)は、車両にブレーキ作用を及ぼすために、ディスクブレーキキャリパ(brake disc calipers)と協働することが意図されている。
【0014】
ブレーキバンド3は、基本的には既知の形態の通風型(ventilated type)のものである。通風されたブレーキバンド3は、複数の接続部材33によって接続された2つのプレート31、32(plates)を備えている。接続部材33は、冷却用の空気のための通風ダクト34を形成している。
【0015】
本発明に係るディスクブレーキにおいては、異なる形状(shape)及び/又は寸法(dimension)を有する複数の接続部材33が、ブレーキバンド3に沿って、整数回数繰り返すモジュールM(module)に従って配置されている。ブレーキディスク1及びその回転軸Xに関して、下記の事項に注目すべきである。
「軸方向(axial)」は、上記回転軸Xと平行なあらゆる方向を意味する。
「半径方向(radial)」は、回転軸Xと垂直であり、かつ回転軸Xに入射する(incident)あらゆる方向を意味する。
「周方向(circumferential)」及び「接線方向(tangential)」は、回転軸Xと中心を同じくし、かつ回転軸Xに垂直な平面上にあるすべての円もしくは円周(circumference)の周方向、又は、上記円周の接線方向を意味する。
【0016】
図3中に模式的に示されているブレーキバンド3は、半径方向に関して内側の円周Cと半径方向に関して外側の円周Cとによって形成される円形の王冠部材(circular crown)である。
【0017】
図3〜図7に示す実施形態によれば、ブレーキディスク1の接続部材33は舌状部材40(tongues)を備えている。
【0018】
本明細書においては、「舌状部材(tongue)」との語は、薄くかつ拡張された横断面(thin and enlarged cross-section)を有する構造物(structure)を意味する。
【0019】
例えば図3にその一例が示されているように、ブレーキディスク1の中面(median plane)に設けられた舌状部材40の断面(section)に対して中線L(median line)を定義する(define)ことができる。このような中線Lは、例えば、舌状部材40の輪郭面(profile)内に描かれた(inscribed)円周の中心の軌跡(locus)として定義することができる。図3においては、図を簡明にするため、中線Lに沿ったこのような多数の円周のうちの1つの円周のみを記載している。
【0020】
その他のいくつかの実施形態によれば、舌状部材40の中線Lは湾曲している。湾曲した中線Lは、ディスクの好ましい回転の方向Rに向かってへこむように形成された凹部(concavity)を有していてもよい(例えば、図3〜図6参照)。あるいは、湾曲した中線Lは、ディスクの好ましい回転の方向Rと反対方向に向かってへこむ凹部(例えば、図7参照)を有していてもよい。
【0021】
舌状部材40の断面(section)に対して弦C(chord)を定義することも可能である。このような弦Cは、例えば、2つの舌状部材40の端部の輪郭面内に描かれた円周の中心をつなぐ直線状の線分(line segment)として定義することができる。このような円周は、図3中においては、弦Cに沿って記載されている。
【0022】
複数の舌状部材40は、とくに要求があれば、異なる長さを有していてもよい。いずれの場合においても、これらの舌状部材40は中線Lに沿って伸び、舌状部材40が中線に対して横向きに(transversally)伸びている長さ寸法に比べて、大幅に大きい長さ寸法を有している。換言すれば、舌状部材40の輪郭面に描かれた円周の平均直径と中線Lの長さとの間には大きな差があるということである。
【0023】
中線Lは、半径方向に伸びるのが好ましく、また接線方向にはより少ない程度で伸びるが好ましい。換言すれば、舌状部材40の弦Cは、舌状部材40を通り抜けるあらゆる半径方向に対して所定の角度をなす(傾斜する)のが好ましい。
【0024】
舌状部材40は、2つのプレート31、32の各々に連続するように接続されている。図5に明らかに示すように、舌状部材40と両プレート31、32の間の接続は放射状体(radius)により行われる。
【0025】
舌状部材40は、ブレーキバンド3の円形の王冠状のブレーキディスク3に沿った配列の形態で配置するのが好ましい。
【0026】
当業者であれば、基本的には舌状部材40が遠心式ターボ機(centrifugal turbo machine)の羽根(vane)の舌状部材と同様に形成され、配置されるということが分かるであろう。なお、遠心式ターボ機においては、流体の流れは、局所的には基本的に羽根の中線Lと平行な方向を向く。
【0027】
図3に示す実施形態によれば、舌状部材40は、単一の配列で配置され、かつモジュールMで繰り返して配置されている。このモジュールMは、異なる長さを有する2つの舌状部材、すなわち長い舌状部材401及び短い舌状部材402を備えている。
【0028】
この実施形態及び以下で説明する実施形態では、モジュールMは任意に設定されるが、舌状部材及びその配置についての説明を促進するために、このようなモジュールを説明する。当業者であれば、各モジュールMを異なる形態で任意に設定することはできるものの、これは舌状部材40及びその配置の特徴をどのように変えてもよいという訳ではないということが分かるであろう。
【0029】
長い舌状部材401は、外側の円周Cの近傍から内側の円周Cの近傍へ伸びている。他方、短い舌状部材402は、外側の円周Cの近傍から中間の円周Cへ伸びている。
【0030】
図3によれば、この中間の円周Cは、ブレーキバンド3の半径方向に関して半分の部分(radial half)の近傍、好ましくは半径方向に関して半分の部分(radial half)よりやや内側に配置されるということに注目すべきである。
【0031】
モジュールMの両舌状部材401、402は湾曲し、ディスクの好ましい回転の方向Rに向かってへこむように形成された互いに共通の方向を向く凹部(concavity)を有している。
【0032】
図3に示す実施形態に係るモジュールMは、12°の周方向の幅を有している。その結果、モジュールMは、ブレーキバンド3の全体に沿って周方向に30回繰り返している。
【0033】
図4に示す実施形態によれば、舌状部材40は、単一の配列で配置され、かつ前記のモジュールMと同様ないしは類似のモジュールMで繰り返して配置されている。このモジュールMは、異なる長さを有する2つの舌状部材、すなわち長い舌状部材411及び短い舌状部材412を備えている。
【0034】
長い舌状部材411は、基本的には、外側の円周Cから内側の円周Cへ伸びている。他方、短い舌状部材412は、基本的には、外側の円周Cから中間の円周Cへ伸びている。
【0035】
図4においては、この中間の円周Cは、ブレーキバンド3の半径方向に関して半分の部分(radial half)の近傍、好ましくは半径方向に関して半分の部分(radial half)よりやや内側に配置されているということに注目すべきである。
【0036】
長い舌状部材411は窓部511を備えている。本明細書においては、「窓部(window)」との語は、舌状部材40に設けられ、この舌状部材40の寸法よりも短い寸法、とくに軸方向の伸長(axial extension)を有する開口部を意味する。それゆえ、この実施形態では、図5から明らかなとおり、窓部511の全周囲は、舌状部材40からなるフレーム410(frame)によって囲まれている。
【0037】
窓部511は、短い舌状部材412と全面的に対向するように、長い舌状部材411に沿って配設されている。
【0038】
モジュールMの両舌状部材411、412は湾曲し、ディスクの好ましい回転の方向Rに向かってへこむように形成された互いに共通の方向を向く凹部を有している。
【0039】
図4に示す実施形態に係るモジュールMは、12°の周方向の幅を有している。その結果、モジュールMは、ブレーキバンド3の全体に沿って周方向に30回繰り返している。
【0040】
図6に示す実施形態によれば、舌状部材40は、単一の配列で配置され、かつモジュールMで繰り返して配置されている。このモジュールMは、4つの異なる長さを有する7つの舌状部材を備えている。図6に示す実施形態によれば、モジュールMは、下記の順に配置された、長い舌状部材421と、やや短い舌状部材422と、短い舌状部材423と、やや長い舌状部材424と、短い舌状部材425と、やや短い舌状部材426と、短い舌状部材427とを備えている。
【0041】
長い舌状部材421は、基本的には、外側の円周Cから内側の円周Cへ伸びている。後に続くこれより短い複数の舌状部材は、基本的には、外側の円周Cから他の中間の円周へ伸びている。とくに、やや長い舌状部材424は、内側の円周Cよりやや大きい円周Cまで伸びている。やや短い舌状部材422、426は、円周Cよりやや大きい円周Cまで伸びている。短い舌状部材423、425、427は、円周Cよりやや大きい円周Cまで伸びている
【0042】
図6においては、このような中間の円周C、C、Cは、ブレーキバンド3の半径方向に関して最も内側の半分の部分(radially innermost half)に配置されているということに注目すべきである。
【0043】
図6に示す実施形態によれば、モジュールMの舌状部材は、1つの短い舌状部材425を除いて、すべて窓部を備えている。とくに、モジュールMの第1の複数の舌状部材は、それぞれ半径方向に関して次第に内側となる位置に配置される窓を備えている。長い舌状部材421の窓部521は半径方向に関して最も外側に配置されている。他方、やや短い舌状部材422及び短い舌状部材423の窓部522、523は、半径方向に関して次第に内側となる位置に配置されている。このような窓は、周方向(circumferential direction)に互いに部分的に重なり合っている。
【0044】
やや長い舌状部材424の窓部524は、半径方向に関して最も内側に配置されている。すなわち、窓部524は円周Cの近傍に配置されている。したがって、窓部524は、この舌状部材の半径方向に関して最も内側の端部の近傍に配置されている。このような理由により、舌状部材424の窓部524は、3つの側部でのみフレーム420によって囲まれ、第4の側部では開かれている。
【0045】
連続する舌状部材に関して前記したとおり、短い舌状部材425は窓部を備えていない。やや短い舌状部材426は、短い舌状部材423の窓部523の位置と同様の位置に配置された窓部526を備えている。最後に、短い舌状部材427は、やや短い舌状部材422の窓部522の位置と同様の位置に配置された窓部527を備えている。
【0046】
モジュールMのすべての舌状部材は湾曲し、ディスクの好ましい回転の方向Rに向かってへこむように形成された互いに共通の方向を向く凹部(concavity)を有している。
【0047】
図6に示す実施形態に係るモジュールMは、36°の周方向の幅を有している。その結果、モジュールMは、ブレーキバンド3の全体に沿って周方向に10回繰り返している。
【0048】
図7に示す実施形態によれば、舌状部材40は、2つの配列で配置され、かつモジュールMで繰り返して配置されている。このモジュールMの各配列は、2つの異なる長さを有する5つの舌状部材を備えている。図7に示す実施形態によれば、モジュールMの半径方向に関して外側の配列は、下記の順に厳格に配置された、やや短い舌状部材431と、短い舌状部材432と、2つのやや短い舌状部材433、434と、短い舌状部材435とを備えている。
【0049】
また、図7に示す実施形態によれば、モジュールMの半径方向に関して内側の配列は、下記の順に厳格に配置された、長い舌状部材441と、4つのやや長い舌状部材442、443、444、445とを備えている。
【0050】
半径方向に関して外側の配列の舌状部材は、外側の円周Cから中間の円周Cの近傍へ伸びている。半径方向に関して内側の配列の舌状部材は、中間の円周Cの近傍から半径方向に関して内側へ伸びている。とくに、長い舌状部材441は、中間の円周Cの近傍から内側の円周Cへ伸びている。
【0051】
図7においては、中間の円周Cは、ブレーキバンド3の半径方向に関して最も外側の半分の部分(radially outermost half)に配置されているということに注目すべきである。
【0052】
図7に示す実施形態によれば、モジュールMにおける半径方向に関して内側の配列の舌状部材と半径方向に関して外側の配列の舌状部材とは、互いに一列に並んでいない。換言すれば、半径方向に関して外側の配列に属する舌状部材の中線Lの内側への延長線(extension)は、半径方向に関して内側の配列に属する舌状部材のいずれの中線とも重なり合わないということである。
【0053】
モジュールMのすべての舌状部材は湾曲し、ディスクの好ましい回転の方向Rとは反対方向にへこむように形成された互いに共通の方向を向く凹部(concavity)を有している。
【0054】
図7に示す実施形態に係るモジュールMは、36°の周方向の幅を有している。その結果、モジュールMは、ブレーキバンド3の全体に沿って周方向に10回繰り返している。
【0055】
図8に示す実施形態によれば、接続部材33は複数の柱状部材60(pillars)を備えている。これらの柱状部材60は、しゃがんだ断面(squatter sections)を有するので、舌状部材40とは区別される。柱状部材60についても、舌状部材40について以前に定義したのと同様に中線Lを定義する(define)ことができる。中線Lに沿った柱状部材の伸長寸法(extension)とこれを横切る方向の伸長(extension)とを考慮すれば、2つの伸長寸法間の差は、舌状部材の場合に比べて大きくはない。
【0056】
さらに、図8に示す実施形態によれば、各柱状部材の中線Lは直線的(rectilinear)である。したがって、図8に示す柱状部材の場合は、中線Lは弦C(chord)と一致する。
【0057】
図8に示す実施形態によれば、柱状部材60は、3つの配列で配置され、かつモジュールMで繰り返して配置されている。
【0058】
図8に示す実施形態によれば、モジュールMの半径方向に関して内側の配列においては、1つの短いひし形の柱状部材631(short lozenge pillar)のみが存在する。
【0059】
モジュールMの半径方向に関して中間の配列においては、4つのひし形の柱状部材620が相互に並んでいる(follow)。図8に示すひし形の柱状部材620は、2つずつが等しく(two-by-two equal)、かつ互いに等間隔で離間されている。とくに、第1の中間のひし形の柱状部材621に続いて2つの長いひし形の柱状部材622、623が並び、これらの柱状部材に続いて中間のひし形の柱状部材624が並んでいる。
【0060】
また、モジュールMの半径方向に関して外側の配列においては、4つの涙滴状(teardrop)の柱状部材610が相互に並んでいる。図8に示す涙滴状の柱状部材610は、互いに等しく(identical)、かつ互いに等間隔で離間されている。
【0061】
半径方向に関して内側の短いひし形の柱状部材631は、内側の円周Cから円周Cの近傍まで外向きに伸びている。半径方向に関して外側の配列の柱状部材は、外側の円周Cから円周Cの近傍まで内向きに伸びている。中間の配列の中間のひし形の柱状部材621、624は、円周Cの近傍からCの近傍まで内向きに伸びている。中間の配列の長いひし形の柱状部材622、623は、円周Cの近傍から円周Cを超えたところまで内向きに伸びている。
【0062】
図8によれば、内側の円周Cと中間の円周Cとの間の半径方向の距離と、中間の円周Cと中間の円周Cとの間の半径方向の距離と、中間の円周Cと外側の円周Cとの間の半径方向の距離は、基本的には互いに等しいということに注目すべきである。
【0063】
図8に示す実施形態によれば、モジュールMの中間の配列のひし形の柱状部材及び半径方向に関して外側の配列の涙滴状の柱状部材とは、互いにオフセットしている(offset)。換言すれば、半径方向に関して外側の配列に属する涙滴状の柱状部材610の中線Lの内向きの延長線(extension)は、基本的には、上記中間の配列に属する2つのひし形の柱状部材620間の途中部(halfway)に入り込んでいる(insert)。
【0064】
さらに、半径方向に関して内側の配列の短いひし形の柱状部材は、上記中間の配列のひし形の柱状部材に対して相対的にオフセットし、かつ、半径方向に関して外側の配列の涙滴状の柱状部材に対して一列に並んでいる(aligned)。換言すれば、短いひし形の柱状部材631の中線Lの外向きの延長線は、半径方向に関して外側の配列に属する涙滴状の柱状部材610の中線と完全に重なり合うということである。
【0065】
図8に示す実施形態に係るモジュールMは、36°の周方向の幅を有している。その結果、モジュールMは、ブレーキバンド3の全体に沿って周方向に10回繰り返している。
【0066】
前記の接続部材33の特別な構造ないしは配置は、本発明に係るブレーキディスク1において、最適な通風(optimized venting)と最大限に効果的な熱の放散(dispersion)とを可能にする通風ダクト34(ventilation duct)を実現することを可能にする。
【0067】
以下、図6、図7及び図8を参照しつつ、支持キャップ2、8に対してブレーキバンド3を拘束する(constrain)ことが意図されている引きずり部材70(dragging member)を説明する。かかる引きずり部材70は、ブレーキバンド3と一体的な形態の単一物として、製造される。
【0068】
とくに、図6は、鋳型から取り出された状態の未加工の(raw)引きずり部材70を示している。図8は、図6に示すものと同様ないしは類似のものではあるが、工作機械(tool machine)で処理された後の次の段階における引きずり部材70を示している。最後に、図7は、図6及び図8に示すものと同様ないしは類似のものではあるが、最終の形態である引きずり部材70を示している。この形態においては、引きずり部材70は、支持キャップ2の半径方向の外周に形成される(obtained)特別な座部27(seat)に受け入れられる。
【0069】
図6、図7及び図8においては、引きずり部材70は、根元部71(root)及び突出部72(projection)を備えているということに注目すべきである。突出部72は、支持キャップ2に形成される(obtained)特別の座部27にぴったりはまる(fit)ことが意図されている。本発明の実施形態によれば、突出部72は、接線方向及び軸方向には拘束されるが、半径方向には自由に滑動する(slide)といった形態で座部27の内に受け入れられる。突出部72は、それぞれの座部27の壁部で終端する(abut against)ことにより、ブレーキの対(braking pair)をバンド3からキャップ2に移す(transmit)ことができる。
【0070】
根元部71は、引きずり部材70をブレーキバンドに固定する(anchor)のに役立ち、かつ摩擦により生じる制動力を2つのプレート31、32に伝達するのに役立つ。根元部71は、制動力を突出部72に伝達し(bring)、さらに制動力をキャップ2に移す(transmit)。
【0071】
本発明に係る引きずり部材の根元部71は、以下で詳しく説明するように、特定の形状のもの、例えば「Y」字形又は「T」字形に形成されたものである。
【0072】
図6、図7及び図8においては、引きずり部材70は、それらがブレーキバンド3にぴったりはまる(fit)ところに、根元部71の近傍における断面(section)の周方向への広がり部(widening)を備えているということに注目すべきである。このような広がり部は、とくに効果的な態様でブレーキバンド3に加えられる種々の力を合成する(combine)ことを可能にする。
【0073】
本発明の1つの実施形態によれば、引きずり部材70は、それらがブレーキバンド3にぴったりはまる(fit)ところに、根元部71近傍における断面の軸方向への広がり部を備えている。このような広がり部は、引きずり部材を両プレート31、32にぴったりはめることを可能にする。
【0074】
両プレート31、32にぴったりはまる引きずり部材70は、その他の既知の課題解決手段に比べて大幅な構造上の利点を生じさせる(afford)。なお、この場合、引きずり部材70は、一方のプレートのみにぴったりはまる。実際には、両プレートにぴったりはまることにより、引きずり部材がブレーキ動作により個々のプレートに生成された応力(stress)を合成することが可能となる。この場合、このような応力を、接続部材33を介して、一方のプレートから他方のプレートへ伝達する必要はない。このようにして、接続部材33、例えば舌状部材40又は柱状部材60は、ブレーキ動作時にキャリパ(caliper)によって及ぼされる押圧力(compressive force)に対してのみ抵抗するように、構造上の観点から寸法を設定することができる。構造上の観点から、本発明に係るブレーキディスク1においては、接続部材33へのその他の力の伝達は必要とされない。
【0075】
舌状部材40であるか柱状部材60であるかにかかわらず、接続部材33の仕様を決定する上におけるもう1つの基準(criterion)は、ブレーキディスク1の通風ダクト34の定義(definition)である。
【0076】
流体力学の観点からは、引きずり部材70の特別な構成ないしは形態が、どのようにしてすべての通風ダクト34の内部の空気の循環に自由に接触させることができるかを理解すべきである。とくに、Y字形又はT字形の傾向(trend)の根元部71は、軸方向についてもまた接線方向についても、引きずり部材70を、構造的に堅固でかつ効果的な態様で、ブレーキバンドに固定することを可能にする一方、冷却用の空気のための通風ダクト34への自由な接触を可能にする。
【0077】
このような課題解決手段は、個々の引きずり部材70が、その同一の根元部が1つの接続部材(柱状部材又は突出部)となるまで伸びる他の既知の課題解決手段よりも好ましい。実際、このような形態の既知の課題解決手段は、構造上の要請と流体力学上の要請とが対立する(conflict)。
【0078】
とくに、このような既知の課題解決手段においては、引きずり部材70の根元部を広げることは、同一の引きずり部材70と半径方向に関して一列に並ぶ通風ダクトとの空気の接触を危うくする(compromise)。また逆に、上記既知の課題解決手段において、根元部への広がり部を設けない引きずり部材70では、ブレーキバンド3と引きずり部材70との間の力の有効な伝達を危うくする。
【0079】
これに対して、本発明に係る課題解決手段は、引きずり部材70に関しては、構造上の機能を流体力学上の機能と分離しているので、有利である。
【0080】
前記の種々の実施形態に係るブレーキディスクに対しては、当業者は、種々の不確定な要求に対処するために、本願の特許請求の範囲に記載された請求項の範囲から逸脱することなく、種々の修正を行い、翻案を行い、あるいはその構成要素を機能的に等価な他の要素と置き換えることができるであろう。ある1つの可能な実施形態に属するものとして説明された前記の種々の特徴は、他の種々の実施形態から独立して実施することができる。
【符号の説明】
【0081】
1 ブレーキディスク、2 支持キャップ、3 ブレーキバンド、31 プレート、32 プレート、33 接続部材、34 通風ダクト、40 舌状部材、401 長い舌状部材、402 短い舌状部材、411 長い舌状部材、412 短い舌状部材、420 フレーム、421 長い舌状部材、422 やや長い舌状部材、423 短い舌状部材、424 やや短い舌状部材、425 短い舌状部材、426 やや短い舌状部材、427 短い舌状部材、511 窓部、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレーキディスク(1)であって、
車両のホイールハブに接続されることが意図されている支持キャップ(2)と、
通風ダクト(34)を形成する複数の接続部材(33)によって接続された2つのプレート(31、32)を有する、該ブレーキディスクのキャリパと協働することが意図されているブレーキバンド(3)とを備えていて、
異なる形状及び/又は寸法を有する上記複数の接続部材(33)が、上記ブレーキバンド(3)に沿って整数回数繰り返すモジュール(M)に従って配置されていることを特徴とするブレーキディスク。
【請求項2】
上記ブレーキバンド(3)が、半径方向に関して内側の円周(C)と半径方向に関して外側の円周(C)とによって形成された円形の王冠状部材であることを特徴とする、請求項1に記載のブレーキディスク(1)。
【請求項3】
上記接続部材(33)が、薄肉で拡張された断面を有する舌状部材(40)を備えていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のブレーキディスク(1)。
【請求項4】
上記舌状部材(40)が、湾曲した中線(L)と直線状の弦(C)とを形成していることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1つに記載のブレーキディスク(1)。
【請求項5】
上記舌状部材(40)の中線(L)が、該ブレーキディスク(1)の好ましい回転の方向Rに向かってへこむように形成された凹部を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1つに記載のブレーキディスク(1)。
【請求項6】
上記舌状部材(40)の中線(L)が、該ブレーキディスク(1)の好ましい回転の方向Rに関して反対方向にへこむように形成された凹部を有することを特徴とする、請求項4に記載のブレーキディスク(1)。
【請求項7】
上記舌状部材が上記中線から横向きに伸びる長さよりも大幅に長い長さにわたって、上記舌状部材(40)が上記中線(L)に沿って伸びていることを特徴とする、請求項3〜6のいずれか1つに記載のブレーキディスク(1)。
【請求項8】
上記舌状部材(40)の中線(L)が半径方向に伸びていることを特徴とする、請求項4〜7のいずれか1つに記載のブレーキディスク(1)。
【請求項9】
上記舌状部材(40)の中線(L)が、半径方向及び接線方向に伸びていることを特徴とする、請求項4〜7のいずれか1つに記載のブレーキディスク(1)。
【請求項10】
上記舌状部材(40)の弦(C)が、上記舌状部材(40)を通り抜けるすべての半径方向に対して所定の角度をなすことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1つに記載のブレーキディスク(1)。
【請求項11】
上記接続部材(33)が、上記2つのプレート(31、32)の各々に、連続した形態で接続されていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1つに記載のブレーキディスク(1)。
【請求項12】
上記接続部材(33)と上記プレート(31、32)の間の接続が放射状構造体を備えていることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1つに記載のブレーキディスク(1)。
【請求項13】
上記接続部材(33)が、上記ブレーキバンド(3)の円形の王冠状部材に沿って並んで配置されていることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1つに記載のブレーキディスク(1)。
【請求項14】
上記舌状部材(40)が、遠心式ターボ機の羽根の舌状部材と基本的には同様となる形態に形成及び配置され、
上記遠心式ターボ機においては、流体の流れが、上記羽根中線(L)と局所的に基本的には平行である方向を向くことを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1つに記載のブレーキディスク(1)。
【請求項15】
上記モジュール(M、M)は、個々の配列において、2つの舌状部材、すなわちいずれも湾曲しかつ互いに共通方向を向く凹部を備えた長い舌状部材(401、411)及び短い舌状部材(402、412)を備えていることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1つに記載のブレーキディスク(1)。
【請求項16】
上記長い舌状部材(401、411)が、上記外側の円周(C)の近傍から上記内側の円周(C)の近傍に伸び、
上記短い舌状部材(402、412)が、上記外側の円周(C)の近傍から、上記ブレーキバンド(3)の半径方向の半部よりもやや内側に配置された中間の円周(C、C)に伸びていることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか1つに記載のブレーキディスク(1)。
【請求項17】
上記モジュール(M、M)が、12°の周縁方向の幅を有していることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1つに記載のブレーキディスク(1)。
【請求項18】
上記モジュール(M)の少なくとも1つの舌状部材(411)が窓部(511)を備えていることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1つに記載のブレーキディスク(1)。
【請求項19】
上記窓部(511)が、上記モジュール(M)の他方の舌状部材(412)と全体的に対向していることを特徴とする、請求項1〜18のいずれか1つに記載のブレーキディスク(1)。
【請求項20】
上記モジュール(M)が、個々の配列において7つの舌状部材を備えていて、
上記7つの舌状部材が、下記の順に並ぶ、長い舌状部材(421)と、やや短い舌状部材(422)と、短い舌状部材(423)と、やや長い舌状部材(424)と、短い舌状部材(425)と、やや短い舌状部材(426)と、短い舌状部材(427)とで構成され、
上記すべての舌状部材が湾曲し、かつ互いに共通方向の凹部を備えていることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1つに記載のブレーキディスク(1)。
【請求項21】
上記長い舌状部材(421)が、基本的には、上記外側の円周(C)から上記内側の円周(C)に伸び、
上記やや長い舌状部材(424)が、基本的には、上記外側の円周(C)から上記円周(C)に伸び、
上記やや短い舌状部材(422、426)が、基本的には、上記外側の円周(C)から上記円周(C)に伸び、
上記短い舌状部材(423、425、427)が、基本的には、上記外側の円周(C)から上記円周(C)に伸び、
上記円周(C、C、C)が、上記ブレーキバンド(3)の半径方向に関して最も内側の半部に配置されていることを特徴とする、請求項1〜20のいずれか1つに記載のブレーキディスク(1)。
【請求項22】
上記モジュール(M)の舌状部材は、1つの短い舌状部材(425)を除いてすべて窓部を備えていることを特徴とする、請求項20又は21に記載のブレーキディスク(1)。
【請求項23】
上記モジュール(M)の第1の舌状部材(421、422、423、424)は窓部を備えていて、
上記窓部は、半径方向に関して次第に内側の部位に位置し、これらの部位は周方向に互いに部分的に重なっていることを特徴とする、請求項1〜22のいずれか1つに記載のブレーキディスク(1)。
【請求項24】
上記モジュール(M)の1つの舌状部材が、3つの側部のみがフレーム(420)によって囲まれる一方、4つ目の側部が開かれた窓部(524)を備えていることを特徴とする、請求項1〜23のいずれか1つに記載のブレーキディスク(1)。
【請求項25】
上記モジュール(M、M、M)が、36°の周方向の幅を有することを特徴とする、請求項1〜16、18〜25のいずれか1つに記載のブレーキディスク(1)。
【請求項26】
上記モジュール(M)が、2つの配列で配置された舌状部材を備えていて、
各配列が、2つの異なる長さを有する5つの舌状部材(40)を備えていることを特徴とする、請求項1〜25のいずれか1つに記載のブレーキディスク(1)。
【請求項27】
上記モジュール(M)の半径方向に関して外側の配列が、下記の順に並ぶ、やや短い舌状部材(431)と、短い舌状部材(432)と、2つのやや短い舌状部材(433、434)と、短い舌状部材(435)とを備えていることを特徴とする、請求項1〜26のいずれか1つに記載のブレーキディスク(1)。
【請求項28】
上記モジュール(M)の半径方向に関して内側の配列が、下記の順に並ぶ、長い舌状部材(441)と、4つのやや長い舌状部材(442、443、444、445)とを備えていることを特徴とする、請求項26又は27に記載のブレーキディスク(1)。
【請求項29】
半径方向に関して外側の舌状部材が、上記外側の円周(C)から、上記ブレーキバンド(3)の半径方向に関して最も外側の半部に配置された円周(C)の近傍に伸び、
半径方向に関して内側の舌状部材が、上記円周(C)の近傍から、半径方向に関して内側の方向に伸びていることを特徴とする、請求項26〜28のいずれか1つに記載のブレーキディスク(1)。
【請求項30】
半径方向に関して外側の上記舌状部材と半径方向に関して内側の上記舌状部材とが、互いに一列に並ばない、すなわち半径方向に関して外側の配列に属する舌状部材の中線(L)の内側の延長線が、半径方向に関して内側の配列に属する舌状部材の複数の中線のうちのいずれとも重ならないことを特徴とする、請求項26〜29のいずれか1つに記載のブレーキディスク(1)。
【請求項31】
上記接続部材(33)が、比較的しゃがんだ断面を有する柱状部材(60)を備えていることを特徴とする、請求項1〜30のいずれか1つに記載のブレーキディスク(1)。
【請求項32】
上記柱状部材が、直線状の中線(L)を形成していることを特徴とする、請求項1〜31のいずれか1つに記載のブレーキディスク(1)。
【請求項33】
上記モジュール(M)が、3つの配列で配置された柱状部材(60)を備えていることを特徴とする、請求項1〜32のいずれか1つに記載のブレーキディスク(1)。
【請求項34】
半径方向に関して内側の配列が、唯一の短いひし形の柱状部材(631)を備えていることを特徴とする、請求項1〜33のいずれか1つに記載のブレーキディスク(1)。
【請求項35】
半径方向に関して中間の配列が、4つの短いひし形の柱状部材(620)を備えていて、
これらの4つの柱状部材が、下記の順に並ぶ、中間のひし形の柱状部材(621)と、2つの長いひし形の柱状部材(622、623)と、中間のひし形の柱状部材(624)とを備えていることを特徴とする、請求項33又は34に記載のブレーキディスク(1)。
【請求項36】
半径方向に関して外側の配列が、互いに等しく、かつ互いに等しい間隔で離間された4つの涙滴状の柱状部材(610)を備えていることを特徴とする、請求項33〜35のいずれか1つに記載のブレーキディスク(1)。
【請求項37】
上記短いひし形の柱状部材(631)が、上記内側の円周(C)から外向きに円周(C)まで伸び、
上記涙滴状の柱状部材(610)が、上記外側の円周(C)から内向きに円周(C)まで伸び、
上記中間のひし形の柱状部材(621、624)が、上記円周(C)から内向きに円周(C)まで伸びていることを特徴とする、請求項33〜36のいずれか1つに記載のブレーキディスク(1)。
【請求項38】
内側の円周(C)と円周(C)との間の半径方向の距離と、円周(C)と円周(C)との間の半径方向の距離と、円周(C)と外側の円周(C)との間の半径方向の距離とが、基本的には互いに等しいことを特徴とする、請求項1〜37のいずれか1つに記載のブレーキディスク(1)。
【請求項39】
中間配列のひし形の柱状部材(620)と涙滴状の柱状部材(610)とが互いにオフセットしている、すなわち涙滴状の柱状部材(610)の中線(L)の内向きの伸長が、基本的には、上記中間の配列に属する2つのひし形の柱状部材(620)間の途中に挿入されていることを特徴とする、請求項33〜38のいずれか1つに記載のブレーキディスク(1)。
【請求項40】
上記短いひし形の柱状部材(631)が、上記中間の配列の上記ひし形の柱状部材(620)に対して相対的にオフセットし、かつ、半径方向に関して外側の上記配列の涙滴状の柱状部材(610)に対して一列に並んでいることを特徴とする、請求項33〜39のいずれか1つに記載のブレーキディスク(1)。
【請求項41】
上記ブレーキバンド(3)が、該ブレーキバンド(3)と一体的な形態の単一の部材として製造された引きずり部材(70)を備えていることを特徴とする、請求項1〜40のいずれか1つに記載のブレーキディスク(1)。
【請求項42】
上記引きずり部材(70)が、上記支持キャップ(2)内の特定の座部(27)内に受け入れられることが意図された突出部(72)と根元部(71)とを備えていることを特徴とする、請求項1〜41のいずれか1つに記載のブレーキディスク(1)。
【請求項43】
上記突出部(72)が、上記接線方向及び上記軸方向に拘束され、かつ半径方向には拘束されず滑動することができるような態様で、上記座部(27)内に受け入れられることが意図されていることを特徴とする、請求項1〜42のいずれか1つに記載のブレーキディスク(1)。
【請求項44】
上記引きずり部材(70)の根元部(71)が、Y字形又はT字形の形状を有することを特徴とする、請求項42又は43に記載のブレーキディスク(1)。
【請求項45】
上記引きずり部材(70)の根元部(71)が、周方向に広がる断面を備えていることを特徴とする、請求項42〜44のいずれか1つに記載のブレーキディスク(1)。
【請求項46】
上記引きずり部材(70)の根元部(71)が、上記軸方向に広がる断面を備えていることを特徴とする、請求項42〜45のいずれか1つに記載のブレーキディスク(1)。
【請求項47】
上記引きずり部材(70)が、上記プレート(31、32)の両方とぴったりはまることを特徴とする、請求項41〜46のいずれか1つに記載のブレーキディスク(1)。
【請求項48】
上記引きずり部材(70)が、上記のすべての通風ダクト(34)の内部の空気の循環に自由な接触を行うことを特徴とする、請求項41〜47のいずれか1つに記載のブレーキディスク(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−526259(P2010−526259A)
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−505019(P2010−505019)
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【国際出願番号】PCT/IT2008/000296
【国際公開番号】WO2008/136032
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(501016696)フレニ・ブレンボ エス・ピー・エー (18)
【Fターム(参考)】