説明

造形スナックに調味料を付けるための方法及びキット

造形スナックに調味料を付けるための方法及びキット(10)が提示される。造形スナックに調味料を付けるための方法は、次のステップ、すなわち、外装包装体(20)を提供することと、外装包装体内に封入されたトレー(22)を提供することと、トレー内に整列された複数の造形スナック(24)を提供することと、調味料(28)を中に有する調味料包装体(26)を提供することと、外装包装体を開封することと、外装包装体からトレーを取り出すことと、調味料包装体を開封することと、造形スナックがトレー内にある間に、調味料包装体から造形スナックに調味料を加えることと、造形スナックがトレー内にある間に、外装包装体の中にトレーを再挿入することと、調味料を分配するために外装包装体を撹拌することとを含む。調味料包装体は、造形スナックに調味料を加える前の任意の時点で開封されてよい。造形スナックに調味料を付けるためのキットは、外装包装体(20)と、外装包装体内に整列された複数の造形スナック(24)と、調味料(28)を中に収容した調味料包装体(26)と、説明書一式(40)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスナックに関する。具体的には、本発明はスナックに調味料を付けるための方法及びキットに関する。
【背景技術】
【0002】
スナックは、特にクッキー、クラッカー、ポテトチップス、チップスなどの乾燥スナックは、様々な形状及び包装で提供されている。ゆとりを持たせて袋に入れられるものもあれば、缶に入れられるものもある。そのようなスナックが一様な形状のものであるいくつかの例において、それらのスナックは造形スナック、あるいは時として成形スナックと呼ばれる。その形状が実質的に同じでありかつ/又は相補的であるそのような例において、付加的なトレーを備えることによって破砕が低減され得る。そのようなトレーは、袋又は缶などの外装容器内に備えられ得る。
【0003】
消費者は時には、調味料及び/又は付加的な調味料をスナックに加えることによって、自身のスナックを特製することを望む。実際に、袋の中のスナックに調味料を加えることは、数十年前から袋入りのポテトチップスに塩が最初に添加されたことに始まる。フレンチフライなどの他のバラ詰めスナックは、別の調味料包装体と共に袋に入れて販売されており、その調味料包装体は、袋に加えられ、調味料を分配させるために揺り動かされる。多くの場合、袋の中及びスナックの周りに余分な空間が存在し、また、調味料が周りに比較的均等に拡散するように、スナックを揺り動かし、撹拌し、旋回するのに十分な場所が存在するので、そのような方法は、比較的簡潔でかつ効果的である。
【0004】
しかしながら、本質的に造形スナックは互いの形状と相補的であるので、複数の造形スナックに調味料を均等に加えることは、更に困難であることが判明している。したがって、それに応じて、造形スナック同士の間の空間はより小さくなる。このようにして、造形スナックは、調味料、通常は粒子状の調味料が、穏やかな撹拌の間に各造形スナックを均等に被覆することを物理的に妨げる。より激しい撹拌が用いられる場合、缶内の造形スナックは通常、破砕の著しい増加を受けることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それ故に、造形スナックをより均等に被覆する、複数の造形スナックにおける味付けを特製するためのキット及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、造形スナックに調味料を付けるための方法に関し、その方法は、外装包装体を提供するステップと、外装包装体内に封入されたトレーを提供するステップと、トレー内に整列された複数の造形スナックを提供するステップと、調味料を中に有する調味料の包装体を提供するステップと、を有する。この方法はまた、外装包装体を開封するステップと、外装包装体からトレーを取り出すステップと、調味料包装体を開封するステップと、トレー内に造形スナックがある間に調味料包装体から造形スナックに調味料を加えるステップと、トレー内に造形スナックがある間に外装包装体の中にトレーを再挿入するステップと、調味料を分配するために外装包装体を撹拌するステップと、を更に含む。調味料包装体は、造形スナックに調味料を加える前の任意の時点で開封されてよい。
【0007】
本発明はまた、造形スナックに調味料を付けるためのキットに関し、そのキットは、外装包装体と、外装包装体内の複数の造形スナックと、調味料を中に収容した調味料包装体と、説明書一式とを備える。その説明書一式は、外装包装体を開封し、調味料包装体を開封し、調味料包装体から造形スナックに調味料を加え、調味料を分配するために外装包装体を撹拌するようにするための指示を含む。調味料包装体は、造形スナックに調味料を加える前の任意の時点で開封されてよい。
【0008】
本発明により消費者は、不快感のより少ない方式で造形スナックを個人的に特製し得ることが判明した。驚くべきことに、そのようなキット及び方法により、造形スナックを著しく破砕させるまで撹拌する必要なく、造形スナックの全体に調味料がより均一に分配され得ることが判明した。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本明細書は、本発明について具体的に示し、明確に主張する特許請求の範囲で完結するが、本発明は添付の図の以下の説明から更に理解されると考えられる。添付の図において、同様の参照符号は同様の要素を識別するものである。
【図1】使用中の本明細書におけるキットの実施形態の斜視図。
【図2】トレー内にある造形スナックの頂面斜視図。
【図3】被覆率の評価尺度の図。
【0010】
本明細書の図面は必ずしも一定の縮尺で描写されていない。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書におけるすべての温度は、別段の指定がない限り、摂氏(℃)を単位とする。本明細書で用いられるとき、「備える(comprising)」という用語は、最終結果に悪影響を及ぼすことのない他のステップ、成分、要素などが加えられ得ることを意味する。この用語は、「〜からなる(consisting of)」及び「本質的に〜からなる(consisting essentially of)」という用語を包含する。本明細書におけるすべての条件は、別段の指定がない限り、20℃及び大気圧におけるものである。別段の指定がない限り、すべての比率、百分率などは、最終的なスナック製品の重量によるものである。別段の指定がない限り、本明細書における材料及び/又は機器は、各国の複数の供給業者及び供給源から広く入手可能であると考えられる。
【0012】
本明細書で用いられるとき、「造形スナック」という用語は、予め定められた形状を有する人造のスナックを示しており、通常、これらの複数の造形スナックが、規則的でかつ一様な3次元(3D)形状を有することになる。これらのスナックは、部分的にあるいは完全に金型に入れて作製され得るものであり、したがって、成形スナックと呼ばれてもよい。そのようなスナックの例には、規則的な予め定められた形状を有する特定のクッキー、クラッカー、ポテト及びクリスプなどが挙げられる。そのようなスナックは通常、外装包装体内にトレーを用いるか用いないかにかかわらず、詰め込むかあるいは他の方法で整列する形式で、配置して販売される。
【0013】
本明細書で用いるとき、「xを主材とするスナック」という用語は、スナックが、原料xから得られた50重量%超の成分、特にスターチを含有することを意味する。したがって、例えば、「ポテトを主材とするスナック」は、ポテトから得られた成分が少なくとも50重量%であるスナックである。基本成分の組合わせは有用であるが、いかなる個々のスナック片も、単一の成分のみを「主材」とし得る。いくつかの例において、特定の成分/原材料がスナックの50重量%超に達することはないので、スナックが1つの成分を「主材」とし得ないことを、本発明者らは認識している。
【0014】
スナック、典型的には造形スナックに調味料を付けるためのキットが、外装包装体と、外装包装体内に封入された任意選択によるトレーと、トレー内に整列された複数の造形スナックと、調味料を中に収容した調味料包装体と、説明書一式とを備えている。説明書一式は、外装包装体を開封し、トレーが存在する場合はそのトレーを、通常は造形スナックをトレーから取り出すことなく、外装包装体から取り出し、外装包装体から任意選択によるトレーを取り出す前又は取り出した後に、調味料包装体を開封し、造形スナックが存在する場合はその造形スナックがトレー内に残存する間に、造形スナックに調味料包装体を加えるようにユーザーに勧める指示を含んでいる。トレーが存在する場合、次いでこの説明書は、外装包装体の中にトレーを再挿入し、通常は少なくとも部分的に外装包装体を閉鎖し、次いで外装包装体を撹拌して造形スナックに調味料を分配するように勧める。トレーが存在しない場合、外装包装体は通常、少なくとも部分的に閉鎖され、次いで撹拌されてもよい。撹拌は通常、一般には破砕すること又は他の形で造形スナックに損傷を与えることを回避するように穏やかな方式で、外装包装体とその中の内容物を揺り動かすか又は揺さぶることによるものである。外装包装体は通常、次いで開封され、トレーが再び取り出され、造形スナックが消費される。
【0015】
驚くべきことに、そのようなキット及び方法により、造形スナックの全体に調味料をより一様に分配し得ることが判明した。理論に束縛されることを意図するものではないが、説明する粒径と、任意選択によるトレーと、本明細書の方法との組合わせは、調味料を分配するための撹拌を可能にするシステムをなす一方で、撹拌の間における造形スナックの破砕を低減する緩衝効果をももたらすと考えられる。本明細書におけるシステムはまた、造形スナックの破砕が増加するまで撹拌する必要なく、造形スナックの全体に調味料を適度に分配する。
【0016】
記載したように、そのようなトレーは必要ではなく、非造形スナック及び/又は不規則な形状を有するスナックと共に用いられるときには、おそらくは無駄となるものである。特に、複数の不規則的な形状のスナックはトレー内に一様に整列されず、したがって、トレーは通常、破砕を低減しないので、トレーは不規則的な(すなわち非造形)スナックには不必要である。実際に、シップ(ships)又はクッキーの袋は通常、空気を過剰に充填され、その空気は、衝撃及び振動の影響を低減し、それによって破砕を低減するエアバッグとして働く。したがって、通常のポテトチップスなど、不規則的なスナックを収容した袋には、外装容器(トレーなし)内の個々のスナックの間に、単純に外装包装体を揺り動かして調味料を分配できる十分な空間が存在する。しかしながら、造形スナックでは、トレーが提供されない場合、調味料は容器の開口部に集中するに過ぎず、すべての造形スナックを外装包装体から乱雑な方式で放出しなければ、すべての造形スナックに均等に分配されないこともある。明らかに、これは推奨されないことであり、造形スナックの審美的効果が低減され、細菌及び/又は他の望ましくない混入物が造形スナックに導入されることがあり、攪乱したスナックは、もはや外装包装体の中に再び挿入することがおそらくは非常に困難となり、また、破砕を増加させることさえある。
【0017】
対照的に、トレーが備えられてスナックが整列した状態に保たれる場合、トレーは外装包装体から容易に取り出され、また外装包装体に再挿入され得る。更に、そのようなトレーにより、造形スナックは外装包装体から完全に取り出される。次に、これにより、調味料は、開口部付近のスナックのみならず、造形スナックのすべてに、より均等に拡散されることになる。トレーはまた、撹拌の間の破砕を低減することもできる。
【0018】
図を参照すると、図1は、使用中の、本明細書におけるキット10の実施形態を示している。外装包装体20はトレー22を収容しており、トレー22はそれ以前は、外装包装体20内に封入されていたものである。複数の造形スナック24がトレー22内に整列されている。調味料包装体26が備えられており、調味料28を中に収容している。図1において、トレー22は、外装容器20から部分的に取り出されている。調味料包装体26は開封されており、調味料28は、調味料28を造形スナック24の上に振りかけることによって、造形スナック24に加えられている。
【0019】
外装包装体は通常、袋、缶、箱及びそれらの混合物から選択されるか、あるいは袋又は缶である。軽量でかつ柔軟な外装包装体が望まれる場合、1種類以上のプラスチック若しくは金属フィルム、生分解性材料、及び/又は布で形成されたものなどの袋が好ましいものとなり得る。他の例において、衝撃及び破砕に対する強固な障壁がより望ましい場合、厚紙、プラスチック及び/又は樹脂の缶などの缶が使用されてもよい。そのような外装包装体及びトレーは、当該技術分野で広く知られており、各国の様々な包装体供給業者から入手可能である。本明細書の実施形態において、外装包装体は、ラミネート層を有する厚紙の缶である。本明細書の実施形態において、トレーは、ラミネート層を有する厚紙のトレーであり、このラミネート層は、造形スナックから油及び/又は水分を吸収することによる変色及び/又は審美的問題を低減し得るものである。本明細書の実施形態において、外装包装体及び/又はトレーは、スターチ、木材パルプ、紙などの生分解性材料、又はスターチ、又は埋め土内で容易に分解可能かつ/又は固形廃棄物を低減するように堆肥にすることが可能なコーンスターチを含有する。
【0020】
本明細書において有用な造形スナックは、人又は動物が摂取するための、通常は人が摂取するための、チップ、クラッカー、クリスプ、押出しスナック、ポップコーン、プレッツェルなどの塩味の(すなわち塩辛い)スナック、又はキャンディ、クッキー、ビスケット、加工果実製品などの甘いスナックであってもよい。本明細書で述べるように、そのような造形スナックは通常、規則的な均一の形状及び寸法を有し、それによって、トレー内で互いに並べて積み重ねることができる。そのような構成は破砕を低減し、スナックの審美的効果を改善するが、スナックの全体に調味料を均等に分配することをより困難としている。通常、本発明の以前には、そのような調味料は、外装包装体の端部かあるいはトレー内に整列されたスナックの上部のいずれかでのみ分配可能であった。
【0021】
同様の寸法と形状を有する複数の造形スナックを提供するために、造形スナックは、部分的にあるいは完全に、金型又は他の造形用の型空間を利用して作製されてよい。そのような製造プロセスは、クッキー、ポテトクリスプ、トルティーヤチップス、キャンディなどを作製するためのスナックの技術分野において周知である。本明細書において有用な造形スナックは更に、スターチ、小麦、砂糖、果実及び/又は果肉など、様々な原料を基本としてよい。本明細書の実施形態において、造形スナックは、ポテトを主材とする造形スナック、米を主材とする造形スナック、小麦を主材とする造形スナック、コーンを主材とする造形スナック、若しくは果実を主材とする造形スナック、又はポテトを主材とするスナック、又は米を主材とするスナック、又はコーンを主材とするスナック、小麦を主材とするスナック若しくは果実を主材とするスナックである。本明細書の実施形態において、造形スナックは、ポテトを主材とするクリスプ、米を主材とするクリスプ、小麦を主材とするクリスプ、又はコーンを主材とするクリスプ、又はポテトを主材とするクリスプ、又は米を主材とするクリスプなどのクリスプである。本明細書の実施形態において、造形スナックは同じ3D形状及び寸法を有するが、スターチなど種々様々な材料を主材とする。例えば、単一のトレー内にある個々の造形スナックを見ると、第1のスナックはコーンを主材とするスナックであってもよく、第2のスナックはポテトを主材とするスナックであってもよく、第3のスナックは米を主材とするスナックであってもよい、などである。
【0022】
本明細書における造形スナックは、既に1種類以上の調味料を含有していてもよく、あるいは、外装包装体に入れて提供される場合は、また外装包装体から取り出す前は、調味料のないものであってもよい。特に、外装包装体に入れて提供されるときに造形スナックが既に調味料を含んでいる場合、調味料包装体内の調味料は、現行の調味料を増量及び/又は補足するために使用されてもよい。対照的に、造形スナックが特定の調味料なしに外装包装体に入れて提供される場合、調味料包装体内の調味料は、造形スナックの実質的にすべて又はすべての調味料を与えるために使用されてもよい。
【0023】
本明細書における調味料包装体は、キットを使用する準備ができるまで、調味料をスナックから物理的に分離して保持する。調味料包装体は、外装包装体内に収容されても、外装包装体に貼り付けるなど、外装包装体の外側に収容されてもよい。調味料包装体は、プラスチック、紙、箔、及びそれらの混合物など、任意の通常の材料から作製されてよい。通常、調味料包装体は、紙又はフィルムの小包である。
【0024】
本明細書の実施形態において、調味料包装体は、外装包装体の一部として、外装包装体の中に入れて、かつ/又は外装包装体に貼り付けて、外装包装体と共に販売される。しかしながら、本明細書の方法は、調味料包装体が外装包装体とは別に販売又は提供される状況を明確に包含する。
【0025】
調味料包装体内の調味料は、所望により、甘い調味料、香ばしい調味料、苦い調味料、うまみの調味料、及び/又は塩味調味料であってよい。調味料は多くの場合、塩味のスナックのための塩辛いかつ/若しくはうまみの調味料、又は甘いスナックのための甘い調味料であってよい。調味料は、「味付けの強化」が望まれる場合など、造形スナックに既にある調味料と同じものであってよい。それに代わって、ユーザーが相補的な味付けを創作するために異なる調味料の混合物を求める場合などには、造形スナックの調味料は、調味料包装体内のものと異なっていてもよい。調味料は、液状の調味料であっても粒子状の調味料であってもよいが、通常は粒子状の調味料である。外装包装体の中に封入されるとき、スナック自体が既に、同じ風味を有しても異なる風味を有してもよく、あるいは場合により、相当な量の調味料を含まなくてもよいことを、本発明者らは明確に認識している。
【0026】
調味料は急速に酸化し、したがって通常の生産プロセス中に造形スナックに添加された場合は薬味を失う傾向があるので、本明細書の実施形態において、調味料は、通常は不活性ガスと共に気密性の調味料包装体に詰め込まれた、ワサビ、ワサビダイコン、唐辛子、ハラペニョ、ハバネロなどの薬味のきいた調味料である。更に、そのような香辛料は、産業的な生産プロセスにおいて加えることが困難となり得るが、小規模の手作業によるプロセスにおいては容易に加えられ得る。理論に束縛されることを意図するものではないが、本発明は、生産、出荷及び保管の間にそのような調味料を未酸化の状態に維持し、スナックの消費中に所望の薬味を与えることを明確に可能にすると考えられる。
【0027】
1つ以上の調味料包装体に入れられた1種類以上の調味料が、本明細書において有用である。本明細書の実施形態において、異なる造形スナック又は同じ造形スナックに相補的な風味を与えるために、種々の調味料を有する複数の調味料包装体が用いられる。例えば、トレーの一方の端部の近くにあるチップにはトマト味の調味料、トレーのもう一方の端部の近くにあるチップにはチーズ味の調味料が用いられる。別の実施形態において、トマト味の調味料とチーズ味の調味料が、同じトレー上にあるすべての造形スナックに別々に加えられる。
【0028】
理論によって限定されることを意図するものではないが、材料の中には、油とあまり融和し得ないもの、又は食品中の油に長期間さらされると劣化し得るものもあると考えられる。本発明はまた、造形スナックの油から分離された調味料を加えることを可能にし、したがって、保存期間を長期化し、味わいを良好にし、広範な材料及び調味料を配合する柔軟性を高めることなどを可能にし得る。
【0029】
特に、ポテトを主材とする造形クリスプ、典型的には塩味の造形スナックの場合、驚くべきことに、特に好ましい造形スナックの被覆率は、調味料粒子のうち、調味料包装体内の調味料の少なくとも約35重量%、又は約35重量%〜約100重量%、又は約37重量%〜約90重量%、又は約40重量%〜約85重量%が約46μ〜約106μの粒径を有する粒径分布を調味料が有するときに達成され得ることが判明した。理論によって限定されることを意図するものではないが、この粒径は特に、造形スナック、特にポテトを主材とする造形クリスプ全体に調味料を、他の粒径と比較して、より均等に分配すると考えられる。粒径が大きすぎる場合、過剰な調味料はトレーの底部に落ち、造形スナックに付着せず、かつ/又は、個々の造形スナック同士の間の空間に入り込まないことを本発明者らは見出した。粒径が小さすぎる場合、調味料は過度に細かい粉末となり、ここでもまた、造形スナックの上に定着する代わりに、外装包装体の空気中に漂流し得る。調味料粒径が小さすぎるいくつかの例において、調味料は、実際にスナックを過度に被覆し、許容できない多量の調味料が造形スナック上に存在することを消費者に示すことになる。いくつかの例において、これにより、調味料及びスナックの性質に応じて、スナックが過度に塩辛くかつ/又は過度に甘いことが消費者に示唆され得る。
【0030】
特に造形スナックがポテトを主材とする造形スナックである、本明細書の実施形態において、驚くべきことに、造形スナックの重量に対して特定の粒径分布を調味料が有するとき(調味料の添加前)、本明細書のキット及び方法は特に効果的であることが判明した。特に、本明細書の実施形態において、調味料は、約46μ〜約106μの粒径、約1:120〜約1:10、又は約1:100〜約1:15、又は約1:80〜約1:20の造形スナックの重量を有する粒子の重量比を有する。造形スナックの重量は、調味料包装体に調味料を加える前に決定される。しかしながら、この重量は、本明細書の方法に従って、スナックが最初に外装包装体から取り出されるときに造形スナック上に既に存在する調味料を含んでいる。理論によって限定されることを意図するものではないが、そのような調味料と造形スナックとの比により、過度に塩辛くあるいは過度に甘く見えることなく、被覆率と味付けとの釣り合いが良好となると考えられる。更に、そのような比により、本明細書のキット及び方法で、ポテトを主材とする造形スナックの被覆率が最適になると考えられる。
【0031】
本明細書の実施形態において、調味料は、約25%未満、又は約0%〜約25%、又は約3%〜約23%、又は約5%〜約20%の塩(NaCl)を含有する。塩は塩味のスナックにおいて望ましいものとなり得るが、過剰な塩を有する調味料は、消費者の好み及び健康の観点から、あまり好ましくないと考えられる。
【0032】
本明細書において有用な調味料は、米国ニューヨーク州ニューヨークのインターナショナル・フレバー・アンド・フレグランス社(International Flavors & Fragrances,Inc.)、アイルランド国ケリー(Kerry)のケリー・グループ社(Kerry Group,plc)トラリー(Tralee)、米国イリノイ州オールシップ(Alsip)のグリフィス・ラボラトリーズ社(Griffith Laboratories)など、様々な供給源から要請に応じてかつ/又は注文により入手可能である。
【0033】
図1において、外装包装体20は、開放端部30と閉鎖端部32とを有する缶である。また、蓋34が存在し、蓋34は、出荷、撹拌、及び保管の間に、外装包装体20の開放端部30にスナップ嵌めされ、開放端部30を繰り返し封止し得る。蓋34が取り外され、任意選択による付加的なシールが破られるかあるいは取り外されると、トレー22はスライドされて外装包装体20から部分的にあるいは完全に引き出される。トレー22は、把持部38を有する任意選択のタブ36を備え、タブ36によりユーザーは外装包装体20からトレー22を容易に引き出すことができる。
【0034】
蓋34は通常、取外し可能かつ再取付け可能であり、そのため、筒は撹拌、保管などのために再び封止され得る。蓋は、プラスチック又は樹脂など、適合する任意の材料から作製されてよい。蓋は多くの場合、再び取り付けられるときに固定され、そのため、蓋の取外しには、特別な労力が要求される。これにより、本明細書の方法の撹拌ステップ中における偶発的な取外しが防止される。本明細書の実施形態において、蓋は、トレーを外装包装体の中に再挿入した後に、また外装包装体を撹拌して調味料を分配する前に、外装包装体を再び封止するために使用される。
【0035】
図1の実施形態において、説明書一式40が、直接外装包装体20の上に印刷されており、キットを使用し、本明細書の調味料を付ける方法を実施する方法について述べる説明書を含んでいる。別の実施形態において、この説明書一式は、店舗のディスプレイ上、外装包装体の内部の別のシート上など、外装包装体とは別に提供される。そのような説明書一式は、言葉で、文書で、かつ/又は図形で説明を与えてよい。本明細書の実施形態において、説明書一式は、最小限の言葉と共に図形で与えられる。
【0036】
図2は、複数の造形スナック24を、ここでは特に造形ポテトチップスを収容したトレー22の頂面図を示している。また図2に、造形スナック24同士の間の空間42が示されている。調味料(図1の28を参照)がポテトチップスの上部に振りかけられると、調味料の一部が、チップの間の空間42の中に落下する。そのような空間は通常、約0.25mm〜約1mm幅であり、クリスプの束の全体に比較的均等に分配され得る。トレー22は、不快感を低減するために、空間42を通り抜けて落下する調味料を捕捉する。トレーは次いで、本明細書の撹拌ステップのために外装包装体(図1の20を参照)の中に再挿入される。
【0037】
造形スナック24を衝撃から更に保護するために、また破砕を低減するために、トレー22は通常、一方の端部46にクッション44を備えている。クッション44は、開放空間48がトレー22と造形スナック24との間に存在するように形成されている。これにより、クッション44はショック及び衝撃を吸収するように変形することができる。しかしながら、クッション44は、造形スナック24に触れる前に変形する空間を有するため、衝撃は、直接造形スナック24に衝撃力を伝達することなく、トレーによって吸収され得る。これにより、特に本発明による撹拌の間に造形スナック24の破砕が著しく低減される。本明細書の実施形態において、トレーは、底部及び/又は側部に、トレーの両側などに複数のクッションを備えてもよい。
【0038】
粒径の測定
本明細書における調味料の粒径は、所与の調味料を一連の網目に通して篩い分けし、各網目上に残存する調味料を収集することによって測定される。特に、米国カリフォルニア州ウィルミントン(Wilmington)のセポール社(Sepor,Inc.)によるTyler RO−TAP篩振盪機、モデル番号RX−29−10は、以下の特性を有する9号の(9-sieve)篩振盪機である。
【0039】
【表1】

【0040】
約46μ〜約106μの粒径を有する調味料の重量百分率を測定するために、予め秤量した量(例えば100g)の調味料を上記の篩に従って分離し、次いで200及び325番の篩上に残存するものを収集し混合する。したがって百分率は以下のようになる。
【0041】
【数1】

【0042】
200号及び325号の篩上に残存する調味料の重量はまた、約46μ〜約106μの粒径を有する調味料と造形スナックの重量との重量比を測定するために記録されてもよい。
【0043】
また驚くべきことに、様々な網目の上から採取したすべてのサンプルに対して色が比較的一様であるので、調味料中の着色顔料は種々の粒径を非常に一様にコーティングすると思われることが判明した。
【0044】
被覆率の等級分け
造形スナック、特に造形クリスプが調味料で被覆される表面積の大きさは、消費者による造形スナックの支持に直接関連付けられる。被覆された表面積が小さすぎることは、造形スナックの味が薄すぎることを消費者に示唆し、それに対して、表面積が大きすぎることは、味が濃すぎることを示唆する。したがって、本発明は、調味料による造形スナックの被覆率を最適にするための最適化された方法及びキットに関する。造形スナックは、本明細書の方法を適用され、次いで、造形スナックの外観が視覚的に等級分けされ、以下の図に示す標準対照と比較される。この標準対照は、第1行においては0%〜20%の被覆率、第2行においては20%〜40%の被覆率、第3行においては40%〜60%の被覆率、第4行においては60%〜80%の被覆率、第5行においては80%〜100%の被覆率を示している。
【0045】
第3行及び第4行の40%〜80%に対応する造形クリスプ、特に第4行に示す60%〜80%の被覆率が、他の行に対応する造形クリスプと比べて著しく好ましいことが、消費者調査によって示されている。
【0046】
被覆率の試験を実施するために、ぴったりと中に封入されたトレーを収容する、厚紙の缶で形成された外装包装体を用意する。トレーは、ポテトを主材とする40gの造形クリスプを中に収容するものである。2.3gの調味料を収容した調味料の包装体を用意する。試験をより評価しやすいものにするために、赤色などの暗色の顔料を含有する調味料を使用すると、被覆率の等級をより容易に評価することができる。缶の蓋を開き、クリスプを収容したトレーを外装包装体から完全に取り出す。調味料包装体を開き、クリスプの上部に調味料を均等に注ぐ。調味料を上に有するクリスプを含んだトレーを缶の中に再挿入し、蓋を閉じる。次いで、筒を10秒間に6回転させ、更に10秒間で6回、転倒させる。次いで蓋を取り外し、次いでクリスプを収容したトレーを筒から取り出し、クリスプをその被覆率に関して標準対照と比較して評価し、それらの行番号(1〜5)を平均して、サンプルに対する平均被覆率の等級を得る。平均の等級が約2〜約4である場合、サンプルが許容可能な被覆率を有することが示唆され、あるいは、等級が約2.5〜約3.5であることは、好ましい造形スナックであることが示唆される。
【0047】
標準偏差(θn-1)が低いことは、調味料が造形スナックをより一定に被覆していることを示唆するものであり、したがって好ましいことである。対照的に、標準偏差が高いことは、被覆が一様ではなく、望ましくないことを示唆するものである。
【実施例】
【0048】
(実施例1)
46μ〜106μの40%の粒子を有する塩辛い粒子状調味料の2.3gの包装体を用意し、本明細書の本発明に従って、図2に示すように、ポテトを主材とする40gの造形スナックに使用する。図1に示す缶を更にまた用意する。トレーもまた図2に従って用意し、本明細書の方法の通りに使用する。この被覆率試験は、0.7の標準偏差で2.4の平均等級を示している(クリスプの被覆が比較的均等であることを示唆している)。重要なことに、端部側のクリスプと中央のクリスプの被覆率は比較的類似したものである。
【0049】
トレーが存在しない比較用のサンプルにおいて、同一の調味料を単純に缶の端部に入れ、蓋を交換する。撹拌も同じである。この被覆率試験は、1.8の平均等級及び1.2の標準偏差を示している(クリスプの被覆があまり均等でないことを示唆している)。加えて、調味料は缶の両側にあるクリスプに集中する一方で、中央にあるクリスプはごく少量の調味料しか有さないことが判明している。
【0050】
このことから、トレーを加えることで著しい利点がもたらされると結論される。
【0051】
(実施例2)
粒径の調査を実施したところ、46μ〜106μの範囲の調味料粒子が、それよりも大きなあるいは小さな粒径を有する調味料粒子と比較して、著しく良好な被覆率の等級である約3を示すことが明らかとなった。このデータは、種々様々な製造業者による種々様々な調味料に対して一貫している。
【0052】
本明細書で開示した寸法及び値は、列挙した厳密な数値に厳格に限定されるものとして解釈されるべきではない。その代わりに、別段の指定がない限り、そのような各寸法は、列挙した値と、その値を包含する機能的に等価な範囲との双方を意味することを意図したものである。例えば、「40mm」として開示した寸法は、「約40mm」を意味することを意図したものである。
【0053】
相互参照した又は関連する特許若しくは特許出願を含めて、本明細書で引用したすべての文書は、明示的に除外されるかあるいは限定されない限り、すべての内容が参照によって本明細書に組み込まれる。いかなる文書の引用も、それが、本明細書で開示又は特許請求する発明に対する先行技術であること、あるいは、それが単独で、若しくは他の参照文献と共に、そのような発明を教示、示唆又は開示することを認めるものではない。更に、本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照によって組み込まれる文書における同じ用語のいずれかの意味又は定義と対立する限りは、本書においてその用語に与えられた意味又は定義が優先されるものとする。
【0054】
本発明の特定の実施形態について図示し説明したが、種々の他の変更及び修正が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなくなされ得ることが、当業者には明らかとなろう。したがって、本発明の範囲に含まれるそのようなすべての変更及び修正は、添付の「特許請求の範囲」で網羅することとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
造形スナックに調味料を付けるための方法であって、次のステップ、
A.外装包装体を提供すること、
B.前記外装包装体の内部に封入されたトレーを提供すること、
C.前記トレー内に整列された複数の造形スナックを提供すること、
D.調味料を中に含んだ調味料包装体を提供すること、
E.前記外装包装体を開封すること、
F.前記外装包装体から前記トレーを取り出すこと、
G.前記調味料包装体を開封すること、
H.前記造形スナックが前記トレー内にある間に、前記調味料包装体から前記造形スナックに前記調味料を加えること、
I.前記造形スナックが前記トレー内にあって、前記外装包装体の中に前記トレーを再挿入すること、
J.前記調味料を分配するために前記外装包装体を撹拌すること、
を含み、前記調味料包装体を開封するステップは、前記造形スナックに前記調味料を加えるステップの前の任意の時点で行われ得る方法。
【請求項2】
前記造形スナックは、チップ、クラッカー、クリスプ、プレッツェル、キャンディ、クッキー、ビスケット、加工果実製品及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記調味料は塩味調味料である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記再挿入するステップ(I)の後で、前記撹拌するステップ(J)の前に、前記外装包装体を再封止するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記調味料は粒子状調味料である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記造形スナックは、ポテトを主材とするクリスプ、米を主材とするクリスプ、又はコーンを主材とするクリスプからなる群から選択されたクリスプである、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記調味料は、粒子状の塩味調味料であり、該調味料は、約46μ〜106μの粒径を有し、前記調味料の少なくとも35重量%の粒子を有する、粒子状の塩味調味料である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記調味料は、粒子状の塩味調味料であり、約46μ〜106μの粒径を有する調味料と造形スナックの重量との重量比は約1:120〜約1:10である、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記調味料は約25%未満の塩を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
造形スナックに調味料を付けるためのキットであって、
A.外装包装体と、
B.前記外装包装体内に整列された複数の造形スナックと、
C.調味料を中に含んだ調味料包装体と、
D.説明書一式であって、
i.前記外装包装体を開封し、
ii.前記調味料包装体を開封し、
iii.前記調味料包装体から前記造形スナックに前記調味料を加え、
iv.前記調味料を分配するために前記外装包装体を撹拌する、
指示を含む説明書一式と、
を備え、
前記調味料包装体を開封することは、前記造形スナックに前記調味料を加える前の任意の時点で行われ得るキット。
【請求項11】
前記外装包装体内に封入されたトレーを更に備え、前記造形スナックは前記トレー内に整列され、前記説明書一式は、次の指示、
i.前記外装包装体を開封した後に前記外装包装体から前記トレーを取り出し、
ii.前記造形スナックが前記トレー内にあって、前記調味料包装体から前記造形スナックに前記調味料を加え、
iii.前記造形スナックが前記トレー内にあって、前記外装包装体の中に前記トレーを再挿入する、
を含む、請求項10に記載のキット。
【請求項12】
前記調味料は、粒子状の塩味調味料であり、該調味料は、約46μ〜106μの粒径を有し、前記調味料の少なくとも35重量%の粒子を有する、請求項10に記載のキット。
【請求項13】
前記調味料は、粒子状の塩味調味料であり、約46μ〜106μの粒径を有する調味料の造形スナックの重量に対する重量比は約1:120〜約1:10である、請求項10に記載のキット。
【請求項14】
前記外装包装体は、袋、缶、箱、及びそれらの組合わせからなる群から選択される、請求項10に記載のキット。
【請求項15】
前記外装包装体は缶である、請求項14に記載のキット。
【請求項16】
前記調味料は約25%未満の塩を含む、請求項10に記載のキット。
【請求項17】
複数の別の調味料包装体を備える、請求項10に記載のキット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2013−511961(P2013−511961A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−540247(P2012−540247)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【国際出願番号】PCT/CN2009/001313
【国際公開番号】WO2011/063545
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(512251862)
【Fターム(参考)】