説明

連結構造

【課題】固定強度の向上を図れる連結構造を提供することを課題とする。
【解決手段】連結部材20は、被連結部材10の中空部11にそれぞれ挿入される一対の挿入部21と、各挿入部21の間に位置する中間部26とを備え、挿入部21の各挿入方向の両方に直交する方向を押出方向とする中空押出形材にて一体的に構成され、中空部26は、一対の第一対向面と一対の第二対向面を有する表皮12にて区画され、第一対向面は、押出方向に沿って設置される第一締付手段31によって互いに内側に押圧され、第二対向面は、押出方向と直交する方向に設置される第二締付手段32によって互いに内側に押圧され、挿入部21は、第一対向面で挟まれて固定されるとともに、第二対向面で挟まれて固定され、挿入部21には、第一締付手段31の締付軸力を受ける筒状ガイド部23と、第二締付手段32の締付軸力を受けるリブ24が設けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連結側端に開口する中空部を有する一対の被連結部材を連結する連結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
連結側端に開口する中空部を有する一対の被連結部材を連結する構造としては、例えば、特許文献1,2に開示されるものがあった。特許文献1,2の連結構造は、共にL字に形成された連結部材(コーナー接合部材または型材L字継ぎ中子)の両端を、連結する非連結部材である中空押出形材の端部にそれぞれ挿入して、中空押出形材の外表面から、止めビスやタッピングビスをねじ込んで、連結部材の表皮と被連結部材の表皮とを固定するようになっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3010372号公報
【特許文献2】特開平5−86772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記の連結構造の場合、連結部材の表皮と被連結部材の表皮同士をビスによって固定しているので、固定強度はそれほど強くなく、例えば、振動が加わる使用条件下では、固定強度が不足してしまう場合があった。
【0005】
このような観点から、本発明は、固定強度の向上を図れる連結構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題を解決するための請求項1に係る発明は、少なくとも連結側端に開口する中空部を有する一対の被連結部材を、連結部材を介して連結する連結構造であって、前記連結部材は、前記一対の被連結部材の前記中空部にそれぞれ挿入される一対の挿入部と、前記一対の挿入部の間に位置する中間部とを備えるとともに、前記一対の挿入部の各挿入方向の両方に直交する方向を押出方向とする中空押出形材にて一体的に構成されており、前記中空部は、一対の第一対向面と一対の第二対向面を有する表皮にて区画されており、一対の前記第一対向面は、前記押出方向に沿って設置される第一締付手段によって互いに内側に押圧され、一対の前記第二対向面は、前記押出方向と直交する方向に設置される第二締付手段によって互いに内側に押圧され、前記挿入部は、一対の前記第一対向面で挟まれて固定されるとともに、一対の前記第二対向面で挟まれて固定され、前記挿入部には、前記第一締付手段を囲んでその締付軸力を受ける筒状ガイド部が前記押出方向に延在して設けられるとともに、前記第二締付手段の挿通位置に沿って設けられ前記第二締付手段の締付軸力を受けるリブが設けられていることを特徴とする連結構造である。
【0007】
このような構成によれば、挿入部が、互いに直交する二つの締付手段によって被連結部材の表面外側から挟まれて締付固定されているので、連結部材と被連結部材を強固に固定することができるとともに、二方向で固定されるので、部材間のガタを抑えることができる。また、筒状ガイド部とリブを設けたことによって、強い締付軸力を受けることができる。さらに、筒状ガイド部とリブで補強しているので、表皮を構成する面材を薄くでき、各部材の軽量化を図れる。また、中空押出形材で連結部材を構成しているので、加工精度の高い連結部材を提供できる。さらに、挿入部と中間部との形成角度を変えれば、被連結部材を種々の角度で連結することができる。
【0008】
また、本発明においては、前記筒状ガイド部は、前記挿入部の先端部に形成され、前記リブは、前記筒状ガイド部よりも前記挿入部の基端側に形成されていることが好ましい。
【0009】
このような構成によれば、第一締付手段が先端部に位置して、第二締付手段が基端側に位置するので、第一締固手段と第二締付手段とが干渉することはない。
【0010】
さらに、本発明においては、前記一対の被連結部材は、断面矩形を呈したアルミニウムまたはアルミニウム合金製の中空押出形材にて構成されていることが好ましい。
【0011】
このような構成によれば、被連結部材の寸法精度を高めることができるとともに、連結構造のさらなる軽量化を図ることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る連結構造によれば、固定強度の向上を図ることができるといった優れた作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る連結構造を採用して形成したフレーム体を示した斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る連結構造を示した分解斜視図である。
【図3】連結部材を示した斜視図である。
【図4】被連結部材を示した図であって、(a)は仕切板の切断加工工程を示した断面図、(b)は内部を透視した斜視図である。
【図5】連結部材の変形例を示した斜視図である。
【図6】連結部材の他の変形例を示した斜視図である。
【図7】連結部材のさらに他の変形例を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態では、図1に示すように、連結構造1を採用して、長尺の被連結部材10同士を連結することで形成されるフレーム体2を例に挙げて説明する。このフレーム体2では、被連結部材10同士は種々の連結角度で連結されている。なお、フレーム体2の形状は一例であって、図1の形状に限定する趣旨ではない。
【0015】
図2に示すように、連結構造1は、少なくとも連結側端に開口する中空部11を有する一対の被連結部材10,10を、連結部材20を介して連結する構造である。
【0016】
本実施形態では、図2および図4の(b)に示すように、被連結部材10の中空部11は、一対の第一対向面と一対の第二対向面を有する表皮12にて区画されている。被連結部材10は、断面矩形を呈したアルミニウムまたはアルミニウム合金製の中空押出形材にて構成されている。この中空押出形材は、被連結部材10の長手方向を押出方向として形成されている。被連結部材10は、断面形状が縦長の長方形を呈しており、天板12a、側板12b,12cおよび底板12dを備えている。前記した表皮12は、天板12a、側板12b,12cおよび底板12dにて構成されている。そして、天板12aと底板12dの内面が、「一対の第一対向面」を成し、各側板12b,12cの内面が、「一対の第二対向面」を成す。
【0017】
被連結部材10の内側には、高さ方向中間部に仕切板13が設けられている。仕切板13は、表皮12を補強するものであって、各側板12b,12cを繋ぐように形成されており、被連結部材10の中空部11を上下に分割している。被連結部材10の連結側端部は、仕切板13が切除されて、中空部11の端部が、天板12aから底板12dまで広がって一体で形成されている。なお、仕切板13は一枚に限定されるものではなく、複数枚あってもよい。さらに、表皮12だけで充分な強度を得られる場合は、仕切板を設けなくてもよい。
【0018】
天板12aと底板12dには、後記する第一締付手段31が挿通される貫通孔14が形成されている。また、側板12b,12cには、後記する第二締付手段32が挿通される貫通孔15が形成されている。
【0019】
図2に示すように、連結部材20は、隣り合う一対の被連結部材10,10の中空部11,11にそれぞれ挿入される一対の挿入部21,21と、一対の挿入部21,21の間に位置する中間部26とを備えている。連結部材20は、一対の挿入部21,21と中間部26とを一体形成した中空押出形材にて構成されている。この中空押出形材は、アルミニウムまたはアルミニウム合金にて構成され、一対の挿入部21,21の各挿入方向の両方に直交する方向(図2の上下方向)を押出方向として形成されている。連結部材20は、上端から下端にかけて同一の断面形状を呈している(後記する貫通孔25部分は除く)。なお、挿入部21の挿入方向は、当該挿入部21が挿入される被連結部材10の押出方向と同じである。
【0020】
挿入部21は、被連結部材10の中空部11に挿入されて、第一締付手段31と第二締付手段32を介して、被連結部材10に固定される(図3参照)。第一締付手段31は、ボルト31aおよびナット31bにて構成され、第二締付手段32は、ボルト32aおよびナット32bにて構成されている。ボルト31aは、連結部材20の押出方向(図2の上下方向)に沿って配置される部材で、被連結部材10を上下方向に貫通可能な長さを有している。ボルト32aは、連結部材20の押出方向と直交する方向(横方向)に沿って配置される部材で、被連結部材10を横方向に貫通可能な長さを有している。挿入部21は、第一締付手段31によって互いに内側に押圧される被連結部材10の第一対向面(天板12aと底板12dの内面)で上下両側から挟まれて固定される。これと同時に、挿入部21は、第二締付手段32によって互いに内側に押圧される被連結部材10の第二対向面(各側板12b,12cの内面)で横方向両側から挟まれて固定される。
【0021】
なお、各締付手段31,32は、ボルトナットに限定されるものではない。例えば、被連結部材10の貫通孔14,15に雌ねじを形成し、ボルトを直接螺合させる構成としてもよい。
【0022】
挿入部21は、外殻部22と筒状ガイド部23とリブ24とを備えて構成されている。外殻部22は、被連結部材10の中空部11の幅寸法および高さ寸法と同等の幅および高さ有した縦長の部位であって、先端板22aと側板22b,22cから構成されている。外殻部22は、中間部26から挿入方向前方に突出しており、先端板22aと側板22b,22cとで断面コ字形状を呈している。外殻部22は、上下端がそれぞれ開口している。
【0023】
筒状ガイド部23は、外殻部22の先端板22aに、挿入方向前方に突出して設けられている。筒状ガイド部23は、ボルト31aの軸部を囲んで、第一締付手段31の締付軸力を受ける部分であって、挿入部21の押出方向に沿って延在している。筒状ガイド部23は、外殻部22と同じ高さに形成されている。筒状ガイド部23は、略円筒形状を呈しており、外殻部22の先端板22aに一体形成されている。筒状ガイド部23は、ボルト31aの外周面より僅かに大径の内周面を有している。
【0024】
リブ24は、第二締付手段32の締付軸力を受ける部分である。リブ24は、筒状ガイド部23よりも基端側となる外殻部22の内側に設けられている。リブ24は、挿入部21を被連結部材10の中空部11に挿入した状態で、中空部11の幅方向に延在する方向に設けられている。リブ24は、ボルト32aの挿通位置に沿って近接して設けられている。ボルト32aは、外殻部22の内側で先端側に配置されており、外殻部22の先端板22aとリブ24との間に水平方向に延びて配置される。先端板22aとリブ24との距離は、ボルト32aの外径よりも僅かに長い寸法になっている。
【0025】
外殻部22の側板22b,22cには、ボルト32a用の貫通孔25がそれぞれ形成されている。貫通孔25は、上下二箇所にそれぞれ形成されており、ボルト32aが上下に二本設けられる。貫通孔25は、中空押出形材を形成した後に穴あけ加工によって形成される。
【0026】
中間部26は、挿入部21,21を所定の角度を成して連結する部分であって、図2に示す連結部材20では、直角に連結している。中間部26の外周断面は、中心角が90度の扇形の筒形状を呈しており、円弧部分を構成する曲面板26aと、半径部分を構成する一対の平板26b,26bとを備えている。平板26b,26b同士の接続部には板状の面取部26cが形成されて、斜めに接続されている。中間部26の平板26bから、挿入部21の外殻部22の各側板22b,22cが張り出している。つまり、平板26bと側板22b,22cと先端板22aとで外周断面が長方形の筒形状を呈している。なお、挿入部21の外殻部22の側板22b,22cは、中間部26の平板26bの幅方向両端から内側にオフセットして形成されている。オフセット寸法は、被連結部材10の側板12b,12cの厚さ寸法と同等になっている。被連結部材10に挿入部21を挿入した際に、中間部26の外表面(面取部26cの表面および曲面板26aの表面)と、被連結部材10の側板12b,12cの外表面がそれぞれ段差なく接続されるように構成されている。
【0027】
仕切板13の連結側端部の切除は、図4の(a)に示すようなプレス加工機50によって加工される。プレス加工機50は、仕切板13を下側から支持するダイ51と、仕切板13を上側から押圧して切断するパンチ52とを備えている。ダイ51は、中空部11の幅と同等の幅寸法を有しており、ホルダ53上に配置されている。ホルダ53上には、プレス加工時に底板12dが位置する段部53aが形成されている。ダイ51は、先端がL字状に立ち上がっており、その上端面で仕切板13を支持する。ダイ51上には、パンチ52を傾動可能に支持する支持部54が設けられている。パンチ52は、中空部11の幅と同等の幅寸法を有しており、先端で仕切板13を幅方向に切断するとともに、側端で仕切板13と側板12b,12cとをそれぞれ切断する。パンチ52は、下面が先端に向かうに連れて下側に傾斜しており、仕切板13を奥側から順次切断するようになっている。
【0028】
図2および図3の連結部材20は、被連結部材10,10を直角に連結するように構成されているが、連結角度(被連結部材10,10の開き角度)は直角に限定されるものではない。例えば、図5に示す連結部材20’や図6に示す連結部材20”のように、種々の角度で被連結部材10,10を接続することが可能である。この場合、挿入部21,21の形状は変えずに、中間部26’,26”を変える。
【0029】
図5に示す連結部材20’は、被連結部材10,10を150度の開き角度で連結するもので、中間部26’の曲面板26a’の中心角が150度となっている。さらに、面取部26c’も、曲面板26a’と同心で内側に湾曲しており、曲面板26a’と同じ中心角の円弧となっている。つまり、中間部26’が一定幅の円弧形状を呈している。なお、その他の構成については、図2の連結構造1と同様であるので、同じ符号を付して説明を省略する。
【0030】
図6に示す連結部材20”は、被連結部材10,10を120度の開き角度で連結するもので、中間部26”の曲面板26a”の中心角が120度となっている。さらに、面取部26c”も、曲面板26a”と同心で内側に湾曲しており、曲面板26a”と同じ中心角の円弧となっている。つまり、中間部26”が一定幅の円弧形状を呈している。なお、その他の構成については、図2の連結構造1と同様であるので、同じ符号を付して説明を省略する。
【0031】
なお、図5および図6では、被連結部材10,10を鈍角で連結する構成を説明したが、鋭角で連結することも可能である。
【0032】
以上のような構成の連結構造1によれば、挿入部21,21が互いに直交する二つの締付手段31,32によって被連結部材10の表面外側から挟まれて締付固定されているので、連結部材20と被連結部材10を強固に固定することができる。また、第一締付手段31は、筒状ガイド部23によって締付軸力が支持され、第二締付手段32は、先端板22aとリブ24によって締付軸力が支持されるので、各締付手段31,32において、強い締付軸力を発生させることができる。これによって、より一層強い締付力で締め付けることが可能となるので、固定強度を大幅に高くできる。さらに、第一締付手段31の締付軸力を受ける部位が、ボルト31aの外周面を覆う筒状に形成されているので強度が高く、大きい締付軸力を受けることができる。
【0033】
さらには、中空部11と略同形の挿入部21を中空部11に挿入して、締付手段31,32によって、二方向から締め付けているので、部材間(被連結部材10と連結部材20間)のガタを抑えることができる。
【0034】
また、筒状ガイド部23とリブ24で補強したことによって、挿入部21の表皮を構成する面材(先端板22a、側板22b,22cおよび基端板22d)および被連結部材10の表皮を構成する面材(天板12a、側板12b,12cおよび底板12d)を薄くできるので、各部材の軽量化およびコストダウンを図れる。
【0035】
さらに、中空押出形材で連結部材20を構成しているので、加工精度の高い連結構造1を提供できる。被連結部材10も中空押出形材で構成しているので、フレーム体2の平坦度を高めることができる。例えば、長辺1600mm、短辺800mmのフレーム体を平坦な面に載置した際に、載置面からの浮きを1〜2mm以下に抑えることができる。
【0036】
また、連結部材20の押出方向が、挿入部21の挿入方向と直交する方向になっているので、連結部材20の水平断面の設計自由度が高く、被連結部材10,10を自由な角度で連結することができる。また、中空押出形材の切断長さを変えるだけで、被連結部材10の高さ寸法に応じた縦長の挿入部21を容易に形成できる。
【0037】
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。例えば、本実施形態では、被連結部材10,10同士が交差するように連結されているが、これに限定されるものではない。図7に示すように、互いに平行になるように配置した被連結部材10,10を連結することもできる。この場合、連結部材60は、挿入部21,21の形状は前記実施形態と同等で、中間部66の形状が異なる。中間部66は、各挿入部21,21がそれぞれ接続される一対の平板66a,66aと、平板66a,66a同士を繋ぐ一対の側板66b,66bとを備えている。側板66b,66bは、平板66a,66aの幅方向端部にそれぞれ繋がっており、中間部66全体で、筒形状を呈している。平板66a,66aは互いに平行でかつオフセットした位置に形成されている。一方の平板66aの、他方の平板66aから離間した側の幅方向端部に繋がる側板66bは、所定長さ挿入方向に沿って延在する延在部67と延在部67の端部から他方の平板66aに延びる傾斜部68とを備えてなる。延在部67を備えることで、中間部66は、一定幅以上に形成され、強度を確保できる。図2の連結構造1と同様であるので、同じ符号を付して説明を省略する。
【0038】
このような構成によれば、前記実施形態と同様の作用効果を得られるとともに、被連結部材10,10を平行で且つ偏心させて連結できるので、フレーム体の幅を途中で変更することも可能である。
【0039】
また、前記実施形態では、先端側に第一締付手段31の締付軸力を受ける筒状ガイド部23を設けて、その基端側に第二締付手段32の締付軸力を受けるリブ24を設けているが、これに限定されることなく、先端側にリブを設けて、その基端側に筒状ガイド部材を設けるようにしてもよい。この場合、例えば、リブの基端側面に筒状ガイド部を形成すればよい。このような構成にすれば、先端側に第二締付手段が位置し、基端側に第一締付手段が位置する。
【0040】
さらに、前記実施形態では、筒状ガイド部23は、先端板22aの外側面に形成されているが、内側面に形成するようにしてもよい。この場合、リブは、例えば、基端側で、筒状ガイド部の外周面との間に第二締付手段を設置可能なクリアランスをあけて形成するか、または、基端側で、第二締付手段を設置可能なクリアランスをあけて複数設けるようにする。
【0041】
さらには、前記実施形態では、筒状ガイド部23は、略円筒形状であるが、これに限定されるものではない。例えば、断面正方形形状としてもよいし、リブで区画してボルトを覆うようにしてもよい。断面正方形形状とする場合は、例えば、先端板の外側面に形成してもよいし、内側面に形成してもよい。筒状ガイド部を先端板の内側面に形成する場合、リブは、基端側で、筒状ガイド部の外側面との間に第二締付手段を設置可能なクリアランスをあけて形成するか、または、基端側で、第二締付手段を設置可能なクリアランスをあけて複数設けるようにする。さらに、筒状ガイド部を、リブの先端側面に形成してもよいし、リブの基端側面に形成してもよい。一方、リブで区画してボルトを覆う場合は、先端板よりも基端側に第一締付手段を設置可能なクリアランスをあけてリブを設け、さらにその基端側に第二締付手段を設置可能なクリアランスをあけて別途のリブを設ければよい。このとき、筒状ガイド部は、内周面が断面長方形形状となるが、筒状ガイド部に対応する側板部分を厚くして筒状ガイド部の内周面を断面正方形形状としてもよい。また、各締付手段31,32の設置本数は、前記実施形態の本数に限定されるものではない。
【0042】
また、前記実施形態では、被連結部材10は、中空押出形材にて構成されているが、これに限定されるものではない。連結側端部に、連結部材の挿入部が挿入される中空部が形成されていれば、他の部分が中実であってもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 連結構造
10 被連結部材
11 中空部
12 表皮
20 連結部材
21 挿入部
23 筒状ガイド部
24 リブ
26 中間部
31 第一締付手段
32 第二締付手段
20’ 連結部材
26’ 中間部
20” 連結部材
26” 中間部
60 連結部材
66 中間部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも連結側端に開口する中空部を有する一対の被連結部材を、連結部材を介して連結する連結構造であって、
前記連結部材は、前記一対の被連結部材の前記中空部にそれぞれ挿入される一対の挿入部と、前記一対の挿入部の間に位置する中間部とを備えるとともに、前記一対の挿入部の各挿入方向の両方に直交する方向を押出方向とする中空押出形材にて一体的に構成されており、
前記中空部は、一対の第一対向面と一対の第二対向面を有する表皮にて区画されており、
一対の前記第一対向面は、前記押出方向に沿って設置される第一締付手段によって互いに内側に押圧され、一対の前記第二対向面は、前記押出方向と直交する方向に設置される第二締付手段によって互いに内側に押圧され、
前記挿入部は、一対の前記第一対向面で挟まれて固定されるとともに、一対の前記第二対向面で挟まれて固定され、
前記挿入部には、前記第一締付手段を囲んでその締付軸力を受ける筒状ガイド部が前記押出方向に延在して設けられるとともに、前記第二締付手段の挿通位置に沿って設けられ前記第二締付手段の締付軸力を受けるリブが設けられている
ことを特徴とする連結構造。
【請求項2】
前記筒状ガイド部は、前記挿入部の先端部に形成され、
前記リブは、前記筒状ガイド部よりも前記挿入部の基端側に形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の連結構造。
【請求項3】
前記一対の被連結部材は、断面矩形を呈したアルミニウムまたはアルミニウム合金製の中空押出形材にて構成されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の連結構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−117632(P2012−117632A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−269392(P2010−269392)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(502444733)日軽金アクト株式会社 (107)
【Fターム(参考)】