連続モニター色度計測システム
【課題】水道水の色度計測で精度の高い連続モニター色度計測値が必要な場合には、水道水の色度計測では、その色度計測範囲で精度の高い連続モニター色度計測システムとすることが必要である。
【解決手段】色度計4の色度出力信号4sを色度校正機能部5により所定の関数で校正し、色度手分析値との誤差を校正した校正色度を出力5sする連続モニター色度計測システムにおいて、前記色度校正機能部5が、前記色度出力信号に対する前記校正色度の出力の変化の仕方を、濃度領域によって変えることを特徴とする連続モニター色度計測システム。
【解決手段】色度計4の色度出力信号4sを色度校正機能部5により所定の関数で校正し、色度手分析値との誤差を校正した校正色度を出力5sする連続モニター色度計測システムにおいて、前記色度校正機能部5が、前記色度出力信号に対する前記校正色度の出力の変化の仕方を、濃度領域によって変えることを特徴とする連続モニター色度計測システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は連続モニター色度計測システム、特に水道水の連続モニター色度計測に適した連続モニター色度計測システムに関するものである。
この発明は、水道水用色度計で低濃度領域の色度手分析値の相関を良好とするため、相関曲線やリニアライザ等を用い、色度手分析値との相関を良好にする連続モニター色度計及び連続モニター色度計測システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の水道水用色度計は、水道水の色度計測は濁度の影響を受けるため、濁度の影響を除去してその採水の色度を求めるのが一般的である(例えば特開平4-9746号公報参照)。
【0003】
以下、従来の水道水用色度計測システムについて、その概要を図9および図10によって説明する。従来の水道水用色度計測システムのシステム構成は図9に示すように、一般的に、色度検出器1の出力色度を、濁度検出器2の出力で補正した色度出力信号4sを色度計(連続モニター色度計)4が出力し、この色度出力信号4sを、色度校正機能部5で色度校正する。この色度校正は、従来においては、スパン50%(色度10度)、あるいはスパン100%(色度20度)で行われている。つまり、連続モニター色度計測システムの校正色度の出力5sが、スパン50%で、あるいはスパン100%で、手分析値と等しい値となるように連続モニター色度計測システムの出力は構成される。従って、連続モニター色度計測システムの出力特性は、図10に示すように、スパン50%で、或はスパン100%で、手分析値と等しくなる一次関数Y=aXとなり、色度計(連続モニター色度計)4の色度出力信号X(図9の色度出力信号4s)に対し、システム出力である校正色度出力Y(図9の校正色度の出力5s)は、スパン0%〜スパン100%に亘って直線状に変化する。なお、スパンとは、連続モニター色度計測システムにおける色度表示範囲(色度計測範囲)のことである。
【0004】
【特許文献1】特開平4−9746号公報(第1図〜第3図、及びその説明)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
水道水色度計測の場合、一般には20度をフルスケールとするスパン20度(スパン100%)(10度をスパン100%とする場合もある)に対して実際の計測範囲が2度以下であるケースが一般的であり、定量下限値(手分析で識別可能な限界値)が0.2度以内、長期安定性(長期に安定的に計測できること)も0.5度以下である。
【0006】
一方、従来の水道水用の連続モニター色度計測システムは、前述のように、連続モニター色度計測システムの校正色度の出力5sが、スパン50%で、或はスパン100%で、手分析値と等しい値となるように連続モニター色度計測システムの出力は構成される。従って、連続モニター色度計測システムの出力特性は、図10に示すように、スパン50%で、或はスパン100%で、手分析値と等しくなる一次関数Y=aXとなり、色度計(連続モニター色度計)4の色度出力信号X(図9の色度出力信号4s)に対し、システム出力である校正色度出力Y(図9の校正色度の出力5s)は、スパン0%〜スパン100%に亘って直線状に変化するように構成されている。
【0007】
従って、図11に示すように、一般的な水道水の色度領域であるスパン2度(スパン10%)以下の領域においては、手分析値X,X,・・・の近似曲線(図示一点鎖線)と、システム出力である一次関数の校正色度出力Y(図9の校正色度の出力5s)とは、等しくならず、ずれた状態となる。つまり、従来の連続モニター色度計測システムを、水道水用の連続モニター色度計測システムとして使用した場合、実用上で常時計測したい範囲では、手分析値との誤差が大きく、水道水の色度計測で精度の高い連続モニター色度計測値が必要な場合には、従来の連続モニター色度計測システムは適切ではない。
【0008】
従って、水道水の色度計測で精度の高い連続モニター色度計測値が必要な場合には、水道水の色度計測では、その色度計測範囲で精度の高い連続モニター色度計測システムとすることが必要である。
【0009】
この発明は、前述のような実情に鑑みてなされたもので、通常の水道水用色度計測の領域である低濃度域での校正色度の出力と手分析値との誤差を少なくし、通常の水道水用色度計測における実用色度領域での精度向上を図ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係る連続モニター色度計測システムは、色度計の色度出力信号を色度校正機能部により所定の関数で校正し、色度手分析値との誤差を校正した校正色度を出力する連続モニター色度計測システムにおいて、前記色度校正機能部が、前記色度出力信号に対する前記校正色度の出力の変化の仕方を、色度濃度領域によって変えるものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明は、色度計の色度出力信号を色度校正機能部により所定の関数で校正し、色度手分析値との誤差を校正した校正色度を出力する連続モニター色度計測システムにおいて、前記色度校正機能部が、前記色度出力信号に対する前記校正色度の出力の変化の仕方を、色度濃度領域によって変えるので、水道水の色度計測で精度の高い連続モニター色度計測値が必要な場合には、その色度計測範囲で手分析値との誤差の少ない精度の高い連続モニター色度計測システムとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
実施の形態1.
以下この発明の実施の形態1を図1〜図3により説明する。図1は連続モニター色度計測システムの全体構成の事例を示すブロック図、図2は水道水の連続モニター色度計測における手分析データ収集の事例を示す図、図3は水道水用の低濃度領域での関数発生機能の事例について説明する図である。なお、各図中、同一符合は同一部分を示す。
【0013】
図1において、色度検出器1の出力色度を、濁度検出器2の出力で補正した色度出力信号4sを色度計(連続モニター色度計)4が出力し、この色度出力信号4sを、色度校正機能部5で色度校正し、この色度校正機能部5は色度校正した校正色度の出力5を、連続モニター色度計測システムの出力として出力する。
【0014】
前記色度校正機能部5は、前記色度出力信号4sに対する前記校正色度の出力5sの変化の仕方を、濃度領域によって変えるものであり、第1の関数発生機能(第1の関数発生器)51と、第2の関数発生機能(第2の関数発生器)52と、加算機能(加算器)53とを備えている。
【0015】
前記第1の関数発生機能(第1の関数発生器)51は、計測対象水の色度の低濃度領域、例えば通常の水道水の実用色度領域である濃度2度(スパン20度の場合はスパン10%)以下の濃度領域の色度校正が行われる機能であり、前記色度計(連続モニター色度計)4からの色度出力信号4sの入力により、その色度出力信号4sを前記低濃度領域での色度手分析値に近づける(手分析値との誤差を少なくする)校正をして、当該校正をした出力を前記低濃度領域内だけで出す(前記低濃度領域外では出力しない)。この第1の関数発生機能(第1の関数発生器)51での校正については、詳しくは後述する。
【0016】
前記第2の関数発生機能(第1の関数発生器)52は、計測対象水の色度の低濃度領域外、例えば通常の水道水の実用色度領域外であるスパン10%〜スパン100%の濃度領域の色度校正(前述の従来の色度校正)が行われる機能であり、前記色度計(連続モニター色度計)4からの色度出力信号4sの入力により、その色度出力信号4sを前記低濃度領域外でのスパン100%、あるいはスパン50%で色度手分析値に近づける(手分析値との誤差を少なくする)校正をして、当該校正をした出力を前記低濃度領域外だけで出す(前記低濃度領域内では出力しない)。
【0017】
前記加算機能(加算器)53は、前記第1の関数発生機能(第1の関数発生器)51の出力と前記第2の関数発生機能(第2の関数発生器)52の出力とを加算し、この加算した結果を連続モニター色度計測システムの出力5sとして出力する。
【0018】
この発明の実施の形態1においては、図2にX,X,・・・で示すように、計測対象水の色度の低濃度領域、例えば通常の水道水の実用色度領域である濃度2度(20度をスパンのフルスケールとする場合はスパン10%)以下の濃度領域において、複数の異なる濃度の標準液をつかって複数の異なる濃度の色度手分析値(以下「手分析値」と略記する)を収集する。
【0019】
そして、この複数の異なる濃度の手分析値をパラメータとして使い、図3に示してあるように、通常の水道水の実用色度領域である濃度2度(20度をスパンのフルスケールとする場合はスパン10%)以下の濃度領域において、色度濃度の異なる複数の濃度領域(図3では、5つの濃度領域を例示してある)の各々において、前記連続モニター色度計測システムの出力5sを各々の濃度領域における手分析値に近づける(前記手分析値との誤差を僅少にする)複数の性質の異なる一次関数(図3では勾配が異なる複数の一次関数)Y=aX、Y=bX+b´、Y=cX+c´、Y=dX+d´、Y=nX+n´を求め、前記第1の関数発生機能(第1の関数発生器)51から、入力される色度計4の色度出力信号4sの色度濃度に応じて、対応する性質の(勾配の)一次関数(前記一次関数Y=aX、Y=bX+b´、Y=cX+c´、Y=dX+d´、Y=nX+n´の何れか)の特性により、通常の水道水の実用色度領域である低濃度領域において精度の高い連続モニター色度計測システムを実現できる。
【0020】
なお、この発明の実施の形態1では、図3に示すように、前記第1の関数発生機能(第1の関数発生器)51では、(X0,Y0)(XL1,YL1)の範囲内で前記一次関数Y=aXが使用され、同様に、(XL1,YL1)(XL2,YL2)の範囲内で前記一次関数Y=bXが、(XL2,YL2)(XL3,YL3)の範囲内で前記一次関数Y=cXが、(XL3,YL3)(XLn,YLn)の範囲内で前記一次関数Y=dXが、(XLn,YLn)(XLS,YLS)の範囲内で前記一次関数Y=nXが、それぞれ使用される。これらの各範囲内の性質の異なる各一次関数は、各々に個別に対応した複数の関数発生機能で求めても良い。
【0021】
前記第2の関数発生機能(第1の関数発生器)52では、一次関数Y=xXにより、上限値を(X100,Y100)とし、下限値を(XLS,YLS)として設定され、(X100,Y100)(XLS,YLS)の範囲内で前述の従来の場合と同様の色度校正が行われるが、この範囲は、通常の水道水の実用色度領域では殆ど使用されることはないが、通常の水道水以外の水道水、その他の被計測水、被計測液では使用される場合もある。
【0022】
因みに、前述の従来の連続モニター色度計測システムにおいて前述の低濃度領域(スパン10%以下(濃度2以下))で一の手分析濃度値に校正した場合は、図12に示すように、スパン100%における連続モニター色度計測システムの校正色度の出力5sが、正しい出力Y100から大きくずれてYS1やYS2となり、前記低濃度領域外での精度が極端に低下する場合が発生しやすい。これに対し、前述のこの発明の実施の形態1によれば、前記低濃度領域外での精度は、前記第2の関数発生機能(第1の関数発生器)52により確保できる。
【0023】
なお、前述のこの発明の実施の形態1において、前記色度校正機能をソフトウェアで実現する場合は、前記色度校正機能部5の各機能である前記第1の関数発生機能51、前記第2の関数発生機能52、前記加算機能53は、例えば記憶装置に記憶された前記各一次関数に基づきCPUで色度校正を実行し、前記色度校正機能をハードウェア機器で実現する場合には、前記第1の関数発生機能51を第1の関数発生器、前記第2の関数発生機能52を第2の関数発生器、前記加算機能53を加算器として、実現する。
【0024】
実施の形態2.
以下、この発明の実施の形態2を、従来と比較してこの発明の実施の形態2の機能の事例を説明する図4により説明する。
【0025】
この発明の実施の形態2では、前述のこの発明の実施の形態1における前記第2の関数発生機能52としてハードウェア機器であるローセレクタ(変換器等)を色度計4の外部に設置し、同様に前記第1の関数発生機能51として、ハードウェア機器であるリニアライザ(関数発生器)を色度計4の外部に設置し、同様に加算機能53としてハードウェア機器である加算器を設置し、前記ローセレクタの出力と前記リニアライザとを前記加算器で加算して当該加算器が校正色度の出力を出す場合のシステム機能を例示してあり、図4(b)に示す出力特性のローセレクタの校正色度出力と、図4(c)に示す出力特性のリニアライザの校正色度出力とを、加算器によって+(出力信号加算)することにより、加算器の出力端に、図4(d)に示す出力特性の出力が得られる。
【0026】
この図4(d)に示されているように、この発明の実施の形態2においても、前述のこの発明の実施の形態1における前記校正色度出力(図3)と同様な校正色度出力が得られる。
【0027】
また、この発明の実施の形態2における図4(d)の校正色度出力特性と、図4(a)に示してある従来の連続モニター色度計測システムの校正色度出力特性とを比較すれば明らかなように、従来の連続モニター色度計測システムに比べ、この発明の実施の形態2における連続モニター色度計測システムの校正色度出力は、特に、前記低濃度領域において手分析値に近い、つまり実際の色度に近い精度が得られる。また、この発明の実施の形態2によれば、色度計4の外部に、前記ローセレクタ(変換器等)、リニアライザ(関数発生器)、加算器等を設置し、これら各機器の機能を組み合わせて前記低濃度領域での高精度な色度校正が機能を実現することができ、従って、通常の色度計に前記各機器を外部機器(外部回路)として付加することにより、連続モニター色度計4の色度検出器1、色度の濁度補正部3を改修することなく、色度低濃度領域での色度手分析値と連続モニター色度計測システムの校正色度出力値との誤差を縮小できる機能を実現することが可能となる。
【0028】
実施の形態3.
以下、この発明の実施の形態3を、その機能の事例を説明する図5により説明する。
【0029】
前述のこの発明の実施の形態1では、一定の低濃度領域で関数発生機能を用いて当該低濃度領域での高精度な色度校正を実現したが、この発明の実施の形態3では、図5に示す通り、性質の異なる一次関数の複数の色度校正直線Y=AX、Y=BX+B´、Y=CX+C´等を組合せることにより、従来の連続モニター色度計測システムより広範囲に高精度な色度校正機能を実現する場合を例示してある。
【0030】
スパン100%での校正では100%校正液でスパン色度信号を設定するが、スパン50%での校正やスパン25%での校正でも同様に設定し、複数の校正曲線Y=AX、Y=BX+B´、Y=CX+C´等で校正色度出力を実現する。100%校正曲線Y=CX+C´では50%以上100%まで、50%校正曲線Y=BX+B´では25%以上50%まで、25%校正曲線Y=AXでは0〜25%までをカバーする方式とする。
【0031】
この発明の実施の形態3では、複数の色度の校正曲線での校正曲線を採用し、この特性に従った色度連続モニター出力を出力できる連続モニター色度計測システムを構成することにより、色度を低濃度校正液で校正した場合に、校正色度出力が低濃度では手分析値によく合致するが高濃度では合わないといった色度高濃度部分での不具合が防止出来、従来の連続モニター色度計測システムより広範囲に亘って校正色度出力が手分析値によく合致する連続モニター色度計測システムを実現できる。
【0032】
実施の形態4.
以下、この発明の実施の形態4を、その機能の事例を説明する図6により説明する。
【0033】
前述のこの発明の実施の形態1では、一定の低濃度領域で関数発生機能を用いて当該低濃度領域での高精度な色度校正を実現したが、この発明の実施の形態4では、図2で示してある異なる濃度での複数の手分析値X,X・・・と当該各手分析値に対応する校正色度の出力とを信号解析し、その相関曲線(Y=aX+b)を求め、前記低濃度領域については連続モニタ色度計4の計測値4sにこの相関曲線(Y=aX+b)の式による関数で色度校正機能部5において連続モニター色度出力値である校正色度を算出する方式が図6に示す方式であり、色度手分析値と校正色度出力との相関を収集する事により、手分析と相関のよい連続モニター校正色度出力値が得られる効果が有る。
【0034】
なお、図6では、低濃度領域において、手分析値(XL1,YL1),(XL2,YL2),(XL3,YL3),・・・(XLn,YLn)の各々を入力完了してから最も誤差が小さくなる相関曲線(Y=aX+b)を演算により求めた場合を例示してある。
【0035】
実施の形態5.
以下、この発明の実施の形態5を、その機能の事例を説明する図7により説明する。
【0036】
前述のこの発明の実施の形態1では、一定の低濃度領域で関数発生機能を用いて当該低濃度領域での高精度な色度校正を実現したが、この発明の実施の形態5では、図7に示すように、連続モニター色度計測システムにおける全計測領域(スパン0〜100%)でスパン校正値も含め、複数の関数発生機能を設け、全計測領域に亘って高精度な色度校正を実現ように設定できる方式にすることで、フレキシブルに種々の水質の変化状況、実手分析値に柔軟に対応できるメリットが有る。
【0037】
実施の形態6.
以下、この発明の実施の形態6を、その機能の事例を説明する図8により説明する。
前述のこの発明の実施の形態1では、一定の低濃度領域で関数発生機能を用いて当該低濃度領域での高精度な色度校正を実現し、前述のこの発明の実施の形態4では前記低濃度領域の範囲内において相関曲線(Y=aX+b)を求め前記低濃度領域の範囲内において連続モニタ色度計4の計測値4sに当該相関曲線(Y=aX+b)の式による関数で色度校正機能部5において連続モニター色度出力値である校正色度を算出することにより従来より高精度な色度校正を実現したが、この発明の実施の形態6は、図8に示す通り、連続モニター色度計測システムにおける全計測領域(スパン0〜100%)に亘る相関曲線(Y=aX+b)を求め、全計測領域(スパン0〜100%)に亘って連続モニタ色度計4の計測値4sに当該相関曲線(Y=aX+b)の式による関数で色度校正機能部5において連続モニター色度出力値である校正色度を算出することにより従来より高精度な色度校正を実現する方式であり、手分析値が多く、前記低濃度領域だけでなく前記低濃度領域外の高濃度領域でも連続モニター校正色度出力の出力特性を手分析値に合わせたい場合に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】この発明の実施の形態1を示す図で、連続モニター色度計測システムの全体構成の事例を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1を示す図で、水道水の連続モニター色度計測における手分析データ収集の事例を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1を示す図で、水道水用の低濃度領域での関数発生機能の事例について説明する図である。
【図4】この発明の実施の形態2を示す図で、従来と比較してこの発明の実施の形態2の機能の事例を説明する図である。
【図5】この発明の実施の形態3を示す図で、その機能の事例を説明する図である。
【図6】この発明の実施の形態4を示す図で、その機能の事例を説明する図である。
【図7】この発明の実施の形態5を示す図で、その機能の事例を説明する図である。
【図8】この発明の実施の形態6を示す図で、その機能の事例を説明する図である。
【図9】従来例を示す図で、連続モニター色度計測システムの全体構成を示すブロック図である。
【図10】従来の一般的な校正の機能を説明する図である。
【図11】従来の一般的な校正の機能と水道水の場合の手分析色度との関係を説明する図である。
【図12】従来の連続モニター色度計測システムにおいて低濃度領域で色度校正した場合の不具合事例を示す図である。
【符号の説明】
【0039】
1 色度検出器、
2 濁度検出器、
3 色度の濁度補正部、
4 色度計、
4s 色度計の色度出力信号、
5 色度校正機能部、
5s 校正色度の出力、
51 第1の関数発生機能(第1の関数発生器)、
52 第2の関数発生機能(第2の関数発生器)、
53 加算機能(加算器)。
【技術分野】
【0001】
この発明は連続モニター色度計測システム、特に水道水の連続モニター色度計測に適した連続モニター色度計測システムに関するものである。
この発明は、水道水用色度計で低濃度領域の色度手分析値の相関を良好とするため、相関曲線やリニアライザ等を用い、色度手分析値との相関を良好にする連続モニター色度計及び連続モニター色度計測システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の水道水用色度計は、水道水の色度計測は濁度の影響を受けるため、濁度の影響を除去してその採水の色度を求めるのが一般的である(例えば特開平4-9746号公報参照)。
【0003】
以下、従来の水道水用色度計測システムについて、その概要を図9および図10によって説明する。従来の水道水用色度計測システムのシステム構成は図9に示すように、一般的に、色度検出器1の出力色度を、濁度検出器2の出力で補正した色度出力信号4sを色度計(連続モニター色度計)4が出力し、この色度出力信号4sを、色度校正機能部5で色度校正する。この色度校正は、従来においては、スパン50%(色度10度)、あるいはスパン100%(色度20度)で行われている。つまり、連続モニター色度計測システムの校正色度の出力5sが、スパン50%で、あるいはスパン100%で、手分析値と等しい値となるように連続モニター色度計測システムの出力は構成される。従って、連続モニター色度計測システムの出力特性は、図10に示すように、スパン50%で、或はスパン100%で、手分析値と等しくなる一次関数Y=aXとなり、色度計(連続モニター色度計)4の色度出力信号X(図9の色度出力信号4s)に対し、システム出力である校正色度出力Y(図9の校正色度の出力5s)は、スパン0%〜スパン100%に亘って直線状に変化する。なお、スパンとは、連続モニター色度計測システムにおける色度表示範囲(色度計測範囲)のことである。
【0004】
【特許文献1】特開平4−9746号公報(第1図〜第3図、及びその説明)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
水道水色度計測の場合、一般には20度をフルスケールとするスパン20度(スパン100%)(10度をスパン100%とする場合もある)に対して実際の計測範囲が2度以下であるケースが一般的であり、定量下限値(手分析で識別可能な限界値)が0.2度以内、長期安定性(長期に安定的に計測できること)も0.5度以下である。
【0006】
一方、従来の水道水用の連続モニター色度計測システムは、前述のように、連続モニター色度計測システムの校正色度の出力5sが、スパン50%で、或はスパン100%で、手分析値と等しい値となるように連続モニター色度計測システムの出力は構成される。従って、連続モニター色度計測システムの出力特性は、図10に示すように、スパン50%で、或はスパン100%で、手分析値と等しくなる一次関数Y=aXとなり、色度計(連続モニター色度計)4の色度出力信号X(図9の色度出力信号4s)に対し、システム出力である校正色度出力Y(図9の校正色度の出力5s)は、スパン0%〜スパン100%に亘って直線状に変化するように構成されている。
【0007】
従って、図11に示すように、一般的な水道水の色度領域であるスパン2度(スパン10%)以下の領域においては、手分析値X,X,・・・の近似曲線(図示一点鎖線)と、システム出力である一次関数の校正色度出力Y(図9の校正色度の出力5s)とは、等しくならず、ずれた状態となる。つまり、従来の連続モニター色度計測システムを、水道水用の連続モニター色度計測システムとして使用した場合、実用上で常時計測したい範囲では、手分析値との誤差が大きく、水道水の色度計測で精度の高い連続モニター色度計測値が必要な場合には、従来の連続モニター色度計測システムは適切ではない。
【0008】
従って、水道水の色度計測で精度の高い連続モニター色度計測値が必要な場合には、水道水の色度計測では、その色度計測範囲で精度の高い連続モニター色度計測システムとすることが必要である。
【0009】
この発明は、前述のような実情に鑑みてなされたもので、通常の水道水用色度計測の領域である低濃度域での校正色度の出力と手分析値との誤差を少なくし、通常の水道水用色度計測における実用色度領域での精度向上を図ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係る連続モニター色度計測システムは、色度計の色度出力信号を色度校正機能部により所定の関数で校正し、色度手分析値との誤差を校正した校正色度を出力する連続モニター色度計測システムにおいて、前記色度校正機能部が、前記色度出力信号に対する前記校正色度の出力の変化の仕方を、色度濃度領域によって変えるものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明は、色度計の色度出力信号を色度校正機能部により所定の関数で校正し、色度手分析値との誤差を校正した校正色度を出力する連続モニター色度計測システムにおいて、前記色度校正機能部が、前記色度出力信号に対する前記校正色度の出力の変化の仕方を、色度濃度領域によって変えるので、水道水の色度計測で精度の高い連続モニター色度計測値が必要な場合には、その色度計測範囲で手分析値との誤差の少ない精度の高い連続モニター色度計測システムとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
実施の形態1.
以下この発明の実施の形態1を図1〜図3により説明する。図1は連続モニター色度計測システムの全体構成の事例を示すブロック図、図2は水道水の連続モニター色度計測における手分析データ収集の事例を示す図、図3は水道水用の低濃度領域での関数発生機能の事例について説明する図である。なお、各図中、同一符合は同一部分を示す。
【0013】
図1において、色度検出器1の出力色度を、濁度検出器2の出力で補正した色度出力信号4sを色度計(連続モニター色度計)4が出力し、この色度出力信号4sを、色度校正機能部5で色度校正し、この色度校正機能部5は色度校正した校正色度の出力5を、連続モニター色度計測システムの出力として出力する。
【0014】
前記色度校正機能部5は、前記色度出力信号4sに対する前記校正色度の出力5sの変化の仕方を、濃度領域によって変えるものであり、第1の関数発生機能(第1の関数発生器)51と、第2の関数発生機能(第2の関数発生器)52と、加算機能(加算器)53とを備えている。
【0015】
前記第1の関数発生機能(第1の関数発生器)51は、計測対象水の色度の低濃度領域、例えば通常の水道水の実用色度領域である濃度2度(スパン20度の場合はスパン10%)以下の濃度領域の色度校正が行われる機能であり、前記色度計(連続モニター色度計)4からの色度出力信号4sの入力により、その色度出力信号4sを前記低濃度領域での色度手分析値に近づける(手分析値との誤差を少なくする)校正をして、当該校正をした出力を前記低濃度領域内だけで出す(前記低濃度領域外では出力しない)。この第1の関数発生機能(第1の関数発生器)51での校正については、詳しくは後述する。
【0016】
前記第2の関数発生機能(第1の関数発生器)52は、計測対象水の色度の低濃度領域外、例えば通常の水道水の実用色度領域外であるスパン10%〜スパン100%の濃度領域の色度校正(前述の従来の色度校正)が行われる機能であり、前記色度計(連続モニター色度計)4からの色度出力信号4sの入力により、その色度出力信号4sを前記低濃度領域外でのスパン100%、あるいはスパン50%で色度手分析値に近づける(手分析値との誤差を少なくする)校正をして、当該校正をした出力を前記低濃度領域外だけで出す(前記低濃度領域内では出力しない)。
【0017】
前記加算機能(加算器)53は、前記第1の関数発生機能(第1の関数発生器)51の出力と前記第2の関数発生機能(第2の関数発生器)52の出力とを加算し、この加算した結果を連続モニター色度計測システムの出力5sとして出力する。
【0018】
この発明の実施の形態1においては、図2にX,X,・・・で示すように、計測対象水の色度の低濃度領域、例えば通常の水道水の実用色度領域である濃度2度(20度をスパンのフルスケールとする場合はスパン10%)以下の濃度領域において、複数の異なる濃度の標準液をつかって複数の異なる濃度の色度手分析値(以下「手分析値」と略記する)を収集する。
【0019】
そして、この複数の異なる濃度の手分析値をパラメータとして使い、図3に示してあるように、通常の水道水の実用色度領域である濃度2度(20度をスパンのフルスケールとする場合はスパン10%)以下の濃度領域において、色度濃度の異なる複数の濃度領域(図3では、5つの濃度領域を例示してある)の各々において、前記連続モニター色度計測システムの出力5sを各々の濃度領域における手分析値に近づける(前記手分析値との誤差を僅少にする)複数の性質の異なる一次関数(図3では勾配が異なる複数の一次関数)Y=aX、Y=bX+b´、Y=cX+c´、Y=dX+d´、Y=nX+n´を求め、前記第1の関数発生機能(第1の関数発生器)51から、入力される色度計4の色度出力信号4sの色度濃度に応じて、対応する性質の(勾配の)一次関数(前記一次関数Y=aX、Y=bX+b´、Y=cX+c´、Y=dX+d´、Y=nX+n´の何れか)の特性により、通常の水道水の実用色度領域である低濃度領域において精度の高い連続モニター色度計測システムを実現できる。
【0020】
なお、この発明の実施の形態1では、図3に示すように、前記第1の関数発生機能(第1の関数発生器)51では、(X0,Y0)(XL1,YL1)の範囲内で前記一次関数Y=aXが使用され、同様に、(XL1,YL1)(XL2,YL2)の範囲内で前記一次関数Y=bXが、(XL2,YL2)(XL3,YL3)の範囲内で前記一次関数Y=cXが、(XL3,YL3)(XLn,YLn)の範囲内で前記一次関数Y=dXが、(XLn,YLn)(XLS,YLS)の範囲内で前記一次関数Y=nXが、それぞれ使用される。これらの各範囲内の性質の異なる各一次関数は、各々に個別に対応した複数の関数発生機能で求めても良い。
【0021】
前記第2の関数発生機能(第1の関数発生器)52では、一次関数Y=xXにより、上限値を(X100,Y100)とし、下限値を(XLS,YLS)として設定され、(X100,Y100)(XLS,YLS)の範囲内で前述の従来の場合と同様の色度校正が行われるが、この範囲は、通常の水道水の実用色度領域では殆ど使用されることはないが、通常の水道水以外の水道水、その他の被計測水、被計測液では使用される場合もある。
【0022】
因みに、前述の従来の連続モニター色度計測システムにおいて前述の低濃度領域(スパン10%以下(濃度2以下))で一の手分析濃度値に校正した場合は、図12に示すように、スパン100%における連続モニター色度計測システムの校正色度の出力5sが、正しい出力Y100から大きくずれてYS1やYS2となり、前記低濃度領域外での精度が極端に低下する場合が発生しやすい。これに対し、前述のこの発明の実施の形態1によれば、前記低濃度領域外での精度は、前記第2の関数発生機能(第1の関数発生器)52により確保できる。
【0023】
なお、前述のこの発明の実施の形態1において、前記色度校正機能をソフトウェアで実現する場合は、前記色度校正機能部5の各機能である前記第1の関数発生機能51、前記第2の関数発生機能52、前記加算機能53は、例えば記憶装置に記憶された前記各一次関数に基づきCPUで色度校正を実行し、前記色度校正機能をハードウェア機器で実現する場合には、前記第1の関数発生機能51を第1の関数発生器、前記第2の関数発生機能52を第2の関数発生器、前記加算機能53を加算器として、実現する。
【0024】
実施の形態2.
以下、この発明の実施の形態2を、従来と比較してこの発明の実施の形態2の機能の事例を説明する図4により説明する。
【0025】
この発明の実施の形態2では、前述のこの発明の実施の形態1における前記第2の関数発生機能52としてハードウェア機器であるローセレクタ(変換器等)を色度計4の外部に設置し、同様に前記第1の関数発生機能51として、ハードウェア機器であるリニアライザ(関数発生器)を色度計4の外部に設置し、同様に加算機能53としてハードウェア機器である加算器を設置し、前記ローセレクタの出力と前記リニアライザとを前記加算器で加算して当該加算器が校正色度の出力を出す場合のシステム機能を例示してあり、図4(b)に示す出力特性のローセレクタの校正色度出力と、図4(c)に示す出力特性のリニアライザの校正色度出力とを、加算器によって+(出力信号加算)することにより、加算器の出力端に、図4(d)に示す出力特性の出力が得られる。
【0026】
この図4(d)に示されているように、この発明の実施の形態2においても、前述のこの発明の実施の形態1における前記校正色度出力(図3)と同様な校正色度出力が得られる。
【0027】
また、この発明の実施の形態2における図4(d)の校正色度出力特性と、図4(a)に示してある従来の連続モニター色度計測システムの校正色度出力特性とを比較すれば明らかなように、従来の連続モニター色度計測システムに比べ、この発明の実施の形態2における連続モニター色度計測システムの校正色度出力は、特に、前記低濃度領域において手分析値に近い、つまり実際の色度に近い精度が得られる。また、この発明の実施の形態2によれば、色度計4の外部に、前記ローセレクタ(変換器等)、リニアライザ(関数発生器)、加算器等を設置し、これら各機器の機能を組み合わせて前記低濃度領域での高精度な色度校正が機能を実現することができ、従って、通常の色度計に前記各機器を外部機器(外部回路)として付加することにより、連続モニター色度計4の色度検出器1、色度の濁度補正部3を改修することなく、色度低濃度領域での色度手分析値と連続モニター色度計測システムの校正色度出力値との誤差を縮小できる機能を実現することが可能となる。
【0028】
実施の形態3.
以下、この発明の実施の形態3を、その機能の事例を説明する図5により説明する。
【0029】
前述のこの発明の実施の形態1では、一定の低濃度領域で関数発生機能を用いて当該低濃度領域での高精度な色度校正を実現したが、この発明の実施の形態3では、図5に示す通り、性質の異なる一次関数の複数の色度校正直線Y=AX、Y=BX+B´、Y=CX+C´等を組合せることにより、従来の連続モニター色度計測システムより広範囲に高精度な色度校正機能を実現する場合を例示してある。
【0030】
スパン100%での校正では100%校正液でスパン色度信号を設定するが、スパン50%での校正やスパン25%での校正でも同様に設定し、複数の校正曲線Y=AX、Y=BX+B´、Y=CX+C´等で校正色度出力を実現する。100%校正曲線Y=CX+C´では50%以上100%まで、50%校正曲線Y=BX+B´では25%以上50%まで、25%校正曲線Y=AXでは0〜25%までをカバーする方式とする。
【0031】
この発明の実施の形態3では、複数の色度の校正曲線での校正曲線を採用し、この特性に従った色度連続モニター出力を出力できる連続モニター色度計測システムを構成することにより、色度を低濃度校正液で校正した場合に、校正色度出力が低濃度では手分析値によく合致するが高濃度では合わないといった色度高濃度部分での不具合が防止出来、従来の連続モニター色度計測システムより広範囲に亘って校正色度出力が手分析値によく合致する連続モニター色度計測システムを実現できる。
【0032】
実施の形態4.
以下、この発明の実施の形態4を、その機能の事例を説明する図6により説明する。
【0033】
前述のこの発明の実施の形態1では、一定の低濃度領域で関数発生機能を用いて当該低濃度領域での高精度な色度校正を実現したが、この発明の実施の形態4では、図2で示してある異なる濃度での複数の手分析値X,X・・・と当該各手分析値に対応する校正色度の出力とを信号解析し、その相関曲線(Y=aX+b)を求め、前記低濃度領域については連続モニタ色度計4の計測値4sにこの相関曲線(Y=aX+b)の式による関数で色度校正機能部5において連続モニター色度出力値である校正色度を算出する方式が図6に示す方式であり、色度手分析値と校正色度出力との相関を収集する事により、手分析と相関のよい連続モニター校正色度出力値が得られる効果が有る。
【0034】
なお、図6では、低濃度領域において、手分析値(XL1,YL1),(XL2,YL2),(XL3,YL3),・・・(XLn,YLn)の各々を入力完了してから最も誤差が小さくなる相関曲線(Y=aX+b)を演算により求めた場合を例示してある。
【0035】
実施の形態5.
以下、この発明の実施の形態5を、その機能の事例を説明する図7により説明する。
【0036】
前述のこの発明の実施の形態1では、一定の低濃度領域で関数発生機能を用いて当該低濃度領域での高精度な色度校正を実現したが、この発明の実施の形態5では、図7に示すように、連続モニター色度計測システムにおける全計測領域(スパン0〜100%)でスパン校正値も含め、複数の関数発生機能を設け、全計測領域に亘って高精度な色度校正を実現ように設定できる方式にすることで、フレキシブルに種々の水質の変化状況、実手分析値に柔軟に対応できるメリットが有る。
【0037】
実施の形態6.
以下、この発明の実施の形態6を、その機能の事例を説明する図8により説明する。
前述のこの発明の実施の形態1では、一定の低濃度領域で関数発生機能を用いて当該低濃度領域での高精度な色度校正を実現し、前述のこの発明の実施の形態4では前記低濃度領域の範囲内において相関曲線(Y=aX+b)を求め前記低濃度領域の範囲内において連続モニタ色度計4の計測値4sに当該相関曲線(Y=aX+b)の式による関数で色度校正機能部5において連続モニター色度出力値である校正色度を算出することにより従来より高精度な色度校正を実現したが、この発明の実施の形態6は、図8に示す通り、連続モニター色度計測システムにおける全計測領域(スパン0〜100%)に亘る相関曲線(Y=aX+b)を求め、全計測領域(スパン0〜100%)に亘って連続モニタ色度計4の計測値4sに当該相関曲線(Y=aX+b)の式による関数で色度校正機能部5において連続モニター色度出力値である校正色度を算出することにより従来より高精度な色度校正を実現する方式であり、手分析値が多く、前記低濃度領域だけでなく前記低濃度領域外の高濃度領域でも連続モニター校正色度出力の出力特性を手分析値に合わせたい場合に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】この発明の実施の形態1を示す図で、連続モニター色度計測システムの全体構成の事例を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1を示す図で、水道水の連続モニター色度計測における手分析データ収集の事例を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1を示す図で、水道水用の低濃度領域での関数発生機能の事例について説明する図である。
【図4】この発明の実施の形態2を示す図で、従来と比較してこの発明の実施の形態2の機能の事例を説明する図である。
【図5】この発明の実施の形態3を示す図で、その機能の事例を説明する図である。
【図6】この発明の実施の形態4を示す図で、その機能の事例を説明する図である。
【図7】この発明の実施の形態5を示す図で、その機能の事例を説明する図である。
【図8】この発明の実施の形態6を示す図で、その機能の事例を説明する図である。
【図9】従来例を示す図で、連続モニター色度計測システムの全体構成を示すブロック図である。
【図10】従来の一般的な校正の機能を説明する図である。
【図11】従来の一般的な校正の機能と水道水の場合の手分析色度との関係を説明する図である。
【図12】従来の連続モニター色度計測システムにおいて低濃度領域で色度校正した場合の不具合事例を示す図である。
【符号の説明】
【0039】
1 色度検出器、
2 濁度検出器、
3 色度の濁度補正部、
4 色度計、
4s 色度計の色度出力信号、
5 色度校正機能部、
5s 校正色度の出力、
51 第1の関数発生機能(第1の関数発生器)、
52 第2の関数発生機能(第2の関数発生器)、
53 加算機能(加算器)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
色度計の色度出力信号を色度校正機能部により所定の関数で校正し、色度手分析値との誤差を校正した校正色度を出力する連続モニター色度計測システムにおいて、前記色度校正機能部が、前記色度出力信号に対する前記校正色度の出力の変化の仕方を、色度の濃度領域によって変えることを特徴とする連続モニター色度計測システム。
【請求項2】
請求項1に記載の連続モニター色度計測システムにおいて、複数の関数発生器により、前記校正色度の出力の変化の仕方を色度の濃度領域によって変えることを特徴とする連続モニター色度計測システム。
【請求項3】
請求項1に記載の連続モニター色度計測システムにおいて、演算機能により、前記校正色度の出力の変化の仕方を色度濃度領域によって変えることを特徴とする連続モニター色度計測システム。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか一に記載の連続モニター色度計測システムにおいて、前記所定の関数が一次関数であり、その勾配が色度濃度領域によって異なることを特徴とする連続モニター色度計測システム。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか一に記載の連続モニター色度計測システムにおいて、校正機能部が第1の関数発生機能および第2の関数発生機能を有し、前記第1の関数発生機能で色度の低濃度領域の前記色度出力信号を校正し、前記第2の関数発生機能で前記低濃度領域より高い色度濃度の領域の前記色度出力信号を校正することを特徴とする連続モニター色度計測システム。
【請求項6】
請求項5に記載の連続モニター色度計測システムにおいて、前記第1の関数発生機能がその校正の機能をしている場合は前記第2の関数発生機能がその機能を停止し、前記第2の関数発生機能がその校正の機能している場合は前記第1の関数発生機能がその機能を停止し、前記第1の関数発生機能による校正と前記第2の関数発生機能による校正とで前記手分析値との誤差を校正した校正色度を出力することを特徴とする連続モニター色度計測システム。
【請求項7】
請求項6に記載の連続モニター色度計測システムにおいて、前記第1の関数発生機能が色度濃度の異なる複数の色度濃度領域における色度手分析値に対応した性質の異なる関数を発生することを特徴とする連続モニター色度計測システム。
【請求項8】
請求項1〜請求項4の何れか一に記載の連続モニター色度計測システムにおいて、所定の複数の色度濃度における各色度手分析値との誤差を校正する複数の性質の関数を持ち、前記所定の色度濃度毎に対応する性質の関数により、前記色度手分析値との誤差を校正した校正色度を出力することを特徴とする連続モニター色度計測システム。
【請求項9】
請求項1〜請求項4の何れか一に記載の連続モニター色度計測システムにおいて、全測定範囲に亘って、所定の複数の色度濃度における各色度手分析値との誤差を校正する複数の性質の関数を持ち、前記所定の色度濃度毎に対応する性質の関数により、前記色度手分析値との誤差を校正した校正色度を出力することを特徴とする連続モニター色度計測システム。
【請求項1】
色度計の色度出力信号を色度校正機能部により所定の関数で校正し、色度手分析値との誤差を校正した校正色度を出力する連続モニター色度計測システムにおいて、前記色度校正機能部が、前記色度出力信号に対する前記校正色度の出力の変化の仕方を、色度の濃度領域によって変えることを特徴とする連続モニター色度計測システム。
【請求項2】
請求項1に記載の連続モニター色度計測システムにおいて、複数の関数発生器により、前記校正色度の出力の変化の仕方を色度の濃度領域によって変えることを特徴とする連続モニター色度計測システム。
【請求項3】
請求項1に記載の連続モニター色度計測システムにおいて、演算機能により、前記校正色度の出力の変化の仕方を色度濃度領域によって変えることを特徴とする連続モニター色度計測システム。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか一に記載の連続モニター色度計測システムにおいて、前記所定の関数が一次関数であり、その勾配が色度濃度領域によって異なることを特徴とする連続モニター色度計測システム。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか一に記載の連続モニター色度計測システムにおいて、校正機能部が第1の関数発生機能および第2の関数発生機能を有し、前記第1の関数発生機能で色度の低濃度領域の前記色度出力信号を校正し、前記第2の関数発生機能で前記低濃度領域より高い色度濃度の領域の前記色度出力信号を校正することを特徴とする連続モニター色度計測システム。
【請求項6】
請求項5に記載の連続モニター色度計測システムにおいて、前記第1の関数発生機能がその校正の機能をしている場合は前記第2の関数発生機能がその機能を停止し、前記第2の関数発生機能がその校正の機能している場合は前記第1の関数発生機能がその機能を停止し、前記第1の関数発生機能による校正と前記第2の関数発生機能による校正とで前記手分析値との誤差を校正した校正色度を出力することを特徴とする連続モニター色度計測システム。
【請求項7】
請求項6に記載の連続モニター色度計測システムにおいて、前記第1の関数発生機能が色度濃度の異なる複数の色度濃度領域における色度手分析値に対応した性質の異なる関数を発生することを特徴とする連続モニター色度計測システム。
【請求項8】
請求項1〜請求項4の何れか一に記載の連続モニター色度計測システムにおいて、所定の複数の色度濃度における各色度手分析値との誤差を校正する複数の性質の関数を持ち、前記所定の色度濃度毎に対応する性質の関数により、前記色度手分析値との誤差を校正した校正色度を出力することを特徴とする連続モニター色度計測システム。
【請求項9】
請求項1〜請求項4の何れか一に記載の連続モニター色度計測システムにおいて、全測定範囲に亘って、所定の複数の色度濃度における各色度手分析値との誤差を校正する複数の性質の関数を持ち、前記所定の色度濃度毎に対応する性質の関数により、前記色度手分析値との誤差を校正した校正色度を出力することを特徴とする連続モニター色度計測システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−242843(P2006−242843A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−61003(P2005−61003)
【出願日】平成17年3月4日(2005.3.4)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月4日(2005.3.4)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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