説明

連続成膜装置

【課題】 両サイド解放タイプの連続成膜装置において、成膜ロールの下方に成膜源を設けた場合でもそのメンテナンス性に優れた連続成膜装置を提供する。
【解決手段】 真空チャンバ1を備え、真空チャンバ1の口字形外枠部25を固定チャンバ部15とし、前記外枠部25の側方開口を閉塞する側面壁26L,26Rを移動チャンバ部16L,16Rとし、前記固定チャンバ部15に対して移動チャンバ部をヒンジ機構18により開閉自在に設ける。前記固定チャンバ部15に成膜ロール2を回転自在に設け、その側方に配置される側方成膜源7L,7Rを前記移動チャンバ部16L,16Rに着脱自在に設け、その下方に配置される下方成膜源8L,8Rを前記固定チャンバ部15内に設けられたヒンジ機構19によって前記固定チャンバ部15の内外に出退自在に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は帯状の被成膜基材を搬送しつつ、その表面に機能性薄膜を連続的に成膜する連続成膜装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチックや無機質などで形成された長尺のフィルムやシートからなる被成膜基材を、真空チャンバ内で連続的に走行搬送し、その表面に種々の機能性薄膜をスパッタリングや蒸着によって成膜する連続成膜装置がある。この種の連続成膜装置は、バッチ処理毎にスパッタ源の交換、マスクの交換や清掃、被成膜基材の交換や通紙というようなメンテナンスや段取り作業を行う必要がある。近年、このような作業性に優れ、設置スペースも少なくて済む連続成膜装置が提案されている。このような連続成膜装置の一例を図4及び図5に示す。
【0003】
この連続成膜装置は、真空チャンバ1を有し、その内部にフィルム基材(被成膜基材)が巻き掛けられた成膜ロール2が設けられる。前記真空チャンバ1には、その内部を上下に区画する遮蔽板11が設けられており、真空チャンバ1の上部には巻出しロール3、巻取りロール4、フリーロール5、ロードセルロール6が、下部には成膜ロール2の側方向(横方向)の左右にカソードボックス(成膜源)7L,7Rが設けられている。また、真空チャンバ1の上部背面には真空排気ポンプ10が付設されている。前記成膜ロール2は、定速モータで駆動されてフィルム基材を定速搬送し、巻出しロール3、巻取りロール4はロードセルロール6で検出した張力をフィードバックしてトルク回転制御が行われ、所定の張力にて成膜処理が行われる。
【0004】
前記巻出しロール3には、フィルム基材をコイル状に巻いたボビンが装着され、ボビンに巻かれたフィルム基材は、フリーロール5、ロードセルロール6を介して成膜ロール2に連続的に供給される。真空チャンバ1の内部を真空に減圧した後、成膜ロール2に供給されたフィルム基材は成膜ロール2の外周面上でスパッタ成膜された後、再びロードセルロール6、フリーロール5を介して巻取りロール4に装着されたボビンに巻き取られる。
【0005】
前記真空チャンバ1は、背面壁21とこれに対向配置された正面壁22とを上面壁23及び下面壁24によって連結した口字形の外枠部25とその左右の開口を閉塞する側面壁26L,26Rとで構成された箱形をなしており、下部フレーム13の上に設置されている。そして前記外枠部25は固定チャンバ部15とされ、前記側面壁26L,26Rは移動チャンバ部16L,16Rとされ、左右の移動チャンバ部16L,16Rは、固定チャンバ部15の背面壁21の側端部に設けたヒンジ機構18により、固定チャンバ部15に対して気密に開閉自在とされている。前記成膜ロール2、巻出しロール3、巻取りロール4などのロール郡は前記記背面壁21と正面壁22とによって回転自在に支持されており、また前記カソードボックス7L,7Rは前記側面壁26L,26Rに着脱自在に取り付けられている。
【0006】
このため、フィルム基材を成膜した後、左右の移動チャンバ部16L,16Rを固定チャンバ部15から大きく開くだけで、固定チャンバ部15内のロール郡を取り外すことなく、容易にメンテナンスや段取り作業を行うことができる。また、カソードボックス7L,7Rも側面壁26L,26Rに付設されているので、交換やメンテナンスを容易に行うことができる。これらの作業は、移動チャンバ部を開くだけで行うことができるため、設置スペースやメンテナンススペースを小さくすることができる。
【0007】
上記連続成膜装置は、真空チャンバ1の外枠部25を固定チャンバ部15とし、左右の側面壁26L,26Rを左右の移動チャンバ部16L,16Rとしたが、固定チャンバ部、移動チャンバ部の設け方はこれに限らず、例えば特開2006−77284号公報に記載された分割構造の真空チャンバ1Aの各分割部とすることができる。すなわち、図6に示すように、真空チャンバ1Aの背面壁21の一方の側端部と正面壁22の一方の側部と上面壁23及び下面壁24を通る第1分割面31と、前記背面壁21の他方の側端部と前記正面壁22の他方の側部と前記上面壁23及び下面壁24を通る第2分割面32とによって、真空チャンバ1Aを左分割部34L、中央分割部33及び右分割部34Rに3分割し、前記中央分割部33を固定チャンバ部15とし、前記左分割部34L及び右分割部34Rを左右の移動チャンバ部16L,16Rとしてもよい。このタイプは、移動チャンバ部16L,16Rが開いた際の開口領域がより広くなり、メンテナンス等の作業性をより向上させたものである。図4及び図5に示した連続成膜装置を含めて、これらを両サイド解放タイプの連続成膜装置と呼ぶ。
【特許文献1】特開2006−77284号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記両サイド解放タイプの連続成膜装置は、図例のように、スパッタ源などの成膜源7L,7Rが成膜ロール2の側方に配置される場合、これを移動チャンバ部を構成する側面壁26L,26Rに取り付けることにより、移動チャンバ部を固定チャンバ部から開けば、固定チャンバ部内のロール郡及び成膜源へ容易にアクセスすることができ、清掃やターゲットの交換などのメンテナンス、段取り作業を容易に実施することができる。しかし、成膜の種類によっては成膜ロールの下方にも成膜源を設けることが必要になる場合がある。
【0009】
この場合、正面壁22に大きな開口を設け、この開口を通して下方の成膜源を引き抜き、また取り付けるようにすることで、下方の成膜源のメンテナンスを行うことができるが、成膜源の着脱作業が面倒で、引き抜き代を考慮するとメンテナンススペースも大きくなる上、正面壁22に成膜源を着脱するための大きな開口を開設する必要があるため、正面壁22の剛性が低下し、その変形によって成膜精度が低下するおそれがある。
【0010】
本発明はかかる問題に鑑みなされたもので、両サイド解放タイプの連続成膜装置において、成膜ロールの下方に成膜源を設けた場合でも下方成膜源のメンテナンス性に優れた連続成膜装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、被成膜基材を搬送しながら成膜する連続成膜装置であって、背面壁とこれに対向配置された正面壁とを上面壁及び下面壁によって連結した外枠部と、この外枠部の左右の開口を閉塞する左右の側面壁を有する真空チャンバと、前記真空チャンバ内に収容されて回転自在に設けられた成膜ロールと、前記成膜ロールに巻き掛けられた被成膜基材に側方から成膜する側方成膜源及び下方から成膜する下方成膜源と、前記被成膜基材を前記成膜ロールに供給する巻出しロール及び成膜後の被成膜基材を巻き取る巻取りロールとを備え、前記真空チャンバの前記背面壁の一方の側端部と前記正面壁の一方の側端部あるいは側部を通る第1分割面と、前記背面壁の他方の側端部と前記正面壁の他方の側端部あるいは側部を通る第2分割面とによって、前記真空チャンバを左分割部、中央分割部及び右分割部に3分割し、前記中央分割部を固定チャンバ部とし、前記左分割部及び右分割部をそれぞれ左右の移動チャンバ部とし、前記固定チャンバ部に対して前記左右の移動チャンバ部を開閉機構により開閉自在に設け、前記成膜ロール、巻出しロール及び巻取りロールを前記固定チャンバ部の背面壁及び正面壁に回転自在に支持し、前記側方成膜源を前記移動チャンバ部に着脱自在に設け、前記下方成膜源を前記固定チャンバ部内に設けられた出退機構によって前記固定チャンバ部の内外に出退自在に設けたものである。
【0012】
上記連続成膜装置によれば、左右の移動チャンバ部を固定チャンバ部から開くことによって、固定チャンバ部内のロール郡並びに左右の移動チャンバ部に設けた側方成膜源のメンテナンスや段取り作業を容易に行うことができ、しかも下方成膜源は出退機構によって、解放された固定チャンバ部から外側に容易に取り出すことができるため、そのメンテナンスを容易に行うことができる。また、装置の設置スペースやメンテナンススペースが少なくてすみ、さらに固定チャンバ部の正面壁に下方成膜源を着脱するための開口が不要なため、正面壁の剛性を低下させるおそれがなく、各ロールの平行度が損なわれず、精度の高い成膜を行うことができる。
【0013】
前記連続成膜装置において、前記左右の移動チャンバ部を前記真空チャンバの左右の側面壁によって構成することができる。この真空チャンバでは、外枠部の側端面すなわち側面壁の外枠部側表面が分割面となり、これによりシンプルな箱形構造の外枠部からなる固定チャンバ部に、平板状の側面壁を移動チャンバ部とすることができる。このため、構造が簡単で、そのため製作が容易となり、製作コストを低減することができる。
【0014】
上記連続成膜装置において、前記左右の移動チャンバ部を開閉させる開閉機構及び前記下方成膜源を出退させる出退機構としてヒンジ機構を用いることができる。ヒンジ機構を用いることにより、簡単な機構によって、移動チャンバ部の開閉や下方成膜源の固定チャンバ部の内外への出退を容易に行うことができる。
【0015】
この場合、前記左右の移動チャンバ部を開閉させるヒンジ機構が前記固定チャンバ部の背面壁側あるいは正面壁側のいずれか一方に設け、前記下方成膜源を出退させるヒンジ機構がその他方に設けることが好ましい。これにより、側方成膜源が付設された移動チャンバ部と下方成膜源とを反対側に回動させて開くことができ、側方成膜源及び下方成膜源のメンテナンス領域が重複しないようにすることができる。このためメンテナンス性をより向上させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の連続成膜装置によれば、左右の移動チャンバ部を固定チャンバ部から開くことによって、固定チャンバ部内のロール郡並びに左右の移動チャンバ部に設けた側方成膜源のメンテナンスや段取り作業を容易に行うことができ、しかも下方成膜源を解放された固定チャンバ部から外側に容易に取り出すことができるので、そのメンテナンスを容易に行うことができる。また、設置スペースやメンテナンススペースが少なくてすみ、さらに固定チャンバ部の正面壁に下方成膜源を着脱するための開口を設ける必要がないため、正面壁の剛性が低下せず、各ロールの平行度が損なわれないため、精度の高い成膜を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の連続成膜装置の実施形態を図1〜図3を参照して説明する。なお、図4及び図5に示した従来の連続成膜装置と同部材は同符号を付して説明を省略あるいは簡略することとし、相違点を中心に説明する。
【0018】
この実施形態に係る連続成膜装置は、背面壁21とこれと対向配置された正面壁22とを上面壁23及び下面壁24によって連結した、口字形の外枠部25及びその左右の開口を閉塞する左右の側面壁26L,26Rとで構成された真空チャンバ1を備える。前記外枠部25が固定チャンバ部15とされ、前記側面壁26L,26Rがそれぞれ左右の移動チャンバ部16L,16Rとされ、これらが固定チャンバ部15の背面壁21の側端部に設けたヒンジ機構18によって固定チャンバ部15に開閉自在に設けられている。前記外枠部25は、同部の各壁を構成する厚板を溶接して一体化したものである。また、外枠部25からなる固定チャンバ部15と側面壁26L,26Rからなる移動チャンバ部16L,16Rとの合わせ面にはシール部材が設けられており、移動チャンバ部16L,16Rが閉じた状態では固定チャンバ部15と気密に一体化する。
【0019】
前記固定チャンバ部15は、背面壁21及び正面壁22に架設された遮蔽板11A,11Bによってその内部が上下方向に上部、中部、下部に区画されている。前記上部には巻出しロール3、巻取りロール4、フリーロール5、ロードセルロール6が背面壁21及び正面壁22に回転自在に支持されている。また、前記中部には、成膜ロール2が回転自在に支持され、この成膜ロール2に対して横方向の左右に、マスク12を介して、スパッタ源となる左右のカソードボックス7L,7Rが配置され、これらは側面壁26L,26Rに着脱自在に取り付けられている。また、前記下部にも左右一対の下方カソードボックス8L,8Rがマスク12を介して前記成膜ロール2に対向するように設けられている。前記マスク12は、成形ロール2の所定領域を成膜するためのものである。前記遮蔽板11A,11Bは、スパッタ膜の相互汚染を防止するためのものである。また、真空チャンバ1をコンパクトにするため、真空排気ポンプ10は固定チャンバ部15の上面壁23にゲート弁を介して付設されている。
【0020】
前記下方カソードボックス8L,8Rは、図2に示すように、それぞれ旋回アーム9に取り付けられており、この旋回アーム9が固定チャンバ部15の正面壁22の内側端部に設けたヒンジ機構19に連結され、旋回アーム9をヒンジ機構19により旋回させることで、前記下方カソードボックス8L,8Rは固定チャンバ部15の内外に回転自在に出退するようになっている。
【0021】
前記固定チャンバ部15の内部には、下方カソードボックス8L,8Rを冷却するため冷却水管(図示省略)が下面壁24を通して設けられており、この冷却水管は下方カソードボックス8L,8Rに付設されたメタル配管(図示省略)とヒンジ機構19の回転中心付近で回動可能に連結されており、配管を取り付けたまま、下方カソードボックス8L,8Rを固定チャンバ部15の内外へ旋回移動させることができるようになっている。また、下方カソードボックス8L,8Rには、固定チャンバ部15の内部に設けられた電力供給用の絶縁被覆線がコネクタを介して着脱自在に連結されるようになっている。このため、下方カソードボックス8L,8Rを固定チャンバ部15の外へ旋回させる際には、前記絶縁被覆線を容易に取り外すことができる。もちろん、スペースに余裕があれば、絶縁被覆線を取り付けたまま、下方カソードボックス8L,8Rを固定チャンバ部15の外方へ旋回移動させるようにしてもよい。
【0022】
この連続成膜装置におけるフィルム基材に対する成膜動作については基本的に従来と同様であり、巻出しロール3から巻き出されたフィルム基材は、フリーロール5、ロードセルロール6を介して成膜ロール2に連続的に供給され、成膜ロール2の外周面上で右右の側方カソードボックス、下方カソードボックスに各々設けられたターゲットから放出された成膜原子によって成膜された後、再びロードセルロール6、フリーロール5を介して巻取りロール4に巻き取られる。
【0023】
成膜されたフィルム基材が巻取りロール4に巻き取られると、真空チャンバ1内を大気圧に戻し、図3に示すように、まず左右の移動チャンバ部16L,16Rを固定チャンバ部15から離反させて開き、固定チャンバ部15の両側を解放する。そして、左右の下方カソードボックス8L,8Rをヒンジ機構19を中心に固定チャンバ部15の内側から外側へ回転移動させる。このように移動チャンバ部16L,16R及び下方カソードボックス8L,8Rを固定チャンバ部15の外方へ開いた後、巻出しロール3、巻取りロール4のボビンの交換や通紙作業を行い、また必要に応じて、各カソードボックス7L,7R,8L,8Rのターゲットの交換を行った後、再び下方カソードボックス8L,8Rを固定チャンバ部15内に戻し、移動チャンバ部16L,16Rを固定チャンバ部15に気密に連結一体化し、真空チャンバ1内を真空排気した後、再び成膜を行う。このように、この連続成膜装置では、側方カソードボックス7L,7Rのみならず、下方カソードボックス8L,8Rについても特別なメンテナンススペースを設けることなく、容易にメンテナンスを行うことができ、また下方カソードボックス8L,8Rについては、その背面側(下側)に対しても容易にアクセスすることができる。
【0024】
上記実施形態では、移動チャンバ部16L,16Rのヒンジ機構18を背面壁21の両側端部に設けたが、固定チャンバ部15の正面壁21の両側端部に設けてもよい。もっとも、この場合、下方カソードボックス8L,8Rのヒンジ機構19は、前記移動チャンバ部16L,16Rのヒンジ機構18と対向するように固定チャンバ部15の背面壁21の内側の両側端部に設けることが好ましい。このように設けることで、下方カソードボックス8L,8Rのメンテナンススペースを十分広く取ることができる。また、上記実施形態では、下方カソードボックス8L,8Rは成膜ロール2の下方の左右に設けたが、いずれか一方だけでもよい。また、成膜源となるカソードボックスは、スパッタリングの方式に応じて、バランストマグネトロンスパッタリング、アンバランストスパッタリングなどのスパッタリング源、その他の成膜形式のCVD源やプラズマ処理源などの各種成膜源を用いることができる。
【0025】
また、上記実施形態では、下方カソードボックス8L,8Rをヒンジ機構19で固定チャンバ部15の内外に回転移動により出退させるようにしたが、固定チャンバ部15の下面壁24にスライド機構を設け、これにより固定チャンバ部15の開口より外側へカソードボックス8L,8Rをスライドさせるようにしてもよい。また、移動チャンバ部16L,16Rについても、ヒンジ機構18による開閉に限らず、例えば適宜の搬送機構により移動チャンバ部16L,16Rを固定チャンバ部15に対して近接離反するように移動させて開閉するようにしてもよい。
【0026】
さらに、上記実施形態では、外枠部25を固定チャンバ部15とし、左右の側面壁26L,26Rを移動チャンバ部16L,16Rとしたが、固定チャンバ部、移動チャンバ部の設け方はこれに限らず、図6に示した3分割構造の左分割部及び右分割部をそれぞれ移動チャンバ部とし、中央分割部を固定チャンバ部としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】実施形態の連続成膜装置の切り欠き正面図である。
【図2】実施形態の連続成膜装置の要部断面平面図(図1のA−A線断面図)である。
【図3】図2において、固定チャンバ部から移動チャンバ部を開くと共に下方カソードボックスを固定チャンバ部の外方に開いた状態を示す。
【図4】従来の連続成膜装置の切り欠き正面図である。
【図5】従来の連続成膜装置の平面図である。
【図6】他の従来の連続成膜装置の平面図である。
【符号の説明】
【0028】
1 真空チャンバ、 2 成膜ロール、
3 巻出しロール、 4 巻取りロール、
7L,7R 側方カソードボックス、8L,8R 下方カソードボックス、
15 固定チャンバ部、 16L,16R 移動チャンバ部、
18,19 ヒンジ機構、 21 背面壁、
22 正面壁、 23 上面壁、
24 下面壁、 25 外枠部、
26L,26R 側面壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被成膜基材を搬送しながら成膜する連続成膜装置であって、
背面壁とこれに対向配置された正面壁とを上面壁及び下面壁によって連結した外枠部と、この外枠部の左右の開口を閉塞する左右の側面壁を有する真空チャンバと、前記真空チャンバ内に収容されて回転自在に設けられた成膜ロールと、前記成膜ロールに巻き掛けられた被成膜基材に側方から成膜する側方成膜源及び下方から成膜する下方成膜源と、前記被成膜基材を前記成膜ロールに供給する巻出しロール及び成膜後の被成膜基材を巻き取る巻取りロールとを備え、
前記真空チャンバの前記背面壁の一方の側端部と前記正面壁の一方の側端部あるいは側部を通る第1分割面と、前記背面壁の他方の側端部と前記正面壁の他方の側端部あるいは側部を通る第2分割面とによって、前記真空チャンバを左分割部、中央分割部及び右分割部に3分割し、前記中央分割部を固定チャンバ部とし、前記左分割部及び右分割部をそれぞれ左右の移動チャンバ部とし、前記固定チャンバ部に対して前記左右の移動チャンバ部を開閉機構により開閉自在に設け、
前記成膜ロール、巻出しロール及び巻取りロールを前記固定チャンバ部の背面壁及び正面壁に回転自在に支持し、
前記側方成膜源を前記移動チャンバ部に着脱自在に設け、
前記下方成膜源を前記固定チャンバ部内に設けられた出退機構によって前記固定チャンバ部の内外に出退自在に設けた、連続成膜装置。
【請求項2】
前記左右の移動チャンバ部が前記真空チャンバの左右の側面壁によって構成された、請求項1に記載した連続成膜装置。
【請求項3】
前記左右の移動チャンバ部を開閉させる開閉機構及び前記下方成膜源を出退させる出退機構はヒンジ機構である、請求項1又は2に記載した連続成膜装置。
【請求項4】
前記左右の移動チャンバ部を開閉させるヒンジ機構が前記固定チャンバ部の背面壁側あるいは正面壁側のいずれか一方に設けられ、前記下方成形ユニットを出退させるヒンジ機構がその他方に設けられた、請求項3に記載した連続成膜装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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