説明

連続接合によってエナメル塗装容器の内壁からある距離をおいて固定される整流装置

本整流装置(14)はエナメル塗装される予定の容器(1)、例えば化学タンクまたは容器、の面する内壁(12)からある距離に固定されるとともに、少なくとも1ヶ所の連続接合部(15)によってこの内壁(12)から距離をおいて維持される。本整流装置は充実または中空にできるとともに、後者の場合には容器の外壁(11)と内壁(12)との間の閉合空間(13)に、その連続接合部により流体連絡通路を設けることができる。
本発明はまたひとつ以上の本タイプの整流装置を含む容器に関する。
本発明は化学及び薬品工業、そして特に整流装置のメーカーとユーザーの興味を引くものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は連続接合によってエナメル塗装されるか、あるいは、ガラス化される容器の壁に好ましくは溶接によって固定される整流装置に関する。
【背景技術】
【0002】
化学工業では、スチール壁が襲われて破壊され、従来の容器あるいはタンクの使用が不可能にする、特に酸性の試薬あるいは生成物あるいは腐食剤を使用するかまたは貯蔵しなくてはならないことがしばしばある。
【0003】
この場合の解決法のひとつには、反応タンクまたは容器、またはその内壁が保護用のエナメル塗膜で覆われる別の容器を用いることがある。この不活性で非常に抵抗力のある塗膜によりタンクまたは容器に含まれる材料の侵略的攻撃に対する保護が確保される。
【0004】
しかしながら、容器の劣化のあらゆるリスクと人間に危険な材料の漏れのあらゆるリスクを避けるためには、このエナメル保護塗膜の、材料と環境、完全性が常時確保されねばならない。
【0005】
このエナメル保護塗膜の完全性は容器の内部幾何形状とその内部要素に密接に依存する。従って、あらゆる角張ったゾーン、つまり、エナメルを塗るのが非常に困難であるゾーンをすべて避けなくてはならない。反対に、滑らかでカーブのついた表面が好まれる。
【0006】
エナメルを塗った側またはスチールの側のどちらかの温度の急な変化は熱衝撃によってエナメル塗膜の破壊につながる可能性がある。最も危険な温度衝撃は熱いエナメルが塗られる表面上に冷たい材料を放出することによって引き起こされる。
【0007】
さらに、エナメルの塗装工程の間、取扱い面は一般的に、700℃から850℃の温度まで熱する必要のある熱処理を受け、この処理がかなりの温度膨張を誘発する。このような温度膨張は、今度は保護上のエナメル塗膜を損傷させ、あるいは劣化させる引張力を引き起こす。
【0008】
さらに、化学工業では、容器内の材料のかき混ぜを行うこともしばしば必要である。このかき混ぜは羽根車によって一般的に行われ、これはひとつ以上の整流装置と連動できる。
【0009】
従来の方法では、羽根車がタンクまたは容器の開口部を通じて挿入される羽根車を備えたタンクまたは容器はひとつ以上の整流装置を含む。
【0010】
よりまれには、整流装置をタンクまたは容器の内側表面上でそれらの全長にわたり固定することができる。
【0011】
整流装置は、特に、かき混ぜ媒体に乱流を追加して生み出すことによって、かつ渦巻きまたは渦の形成を防ぐことによってより良いかき混ぜを可能にする装置である。
【0012】
エナメルを塗装するよう予定されたタンクまたは容器の内部が溶接される装置の場合には、もし、これらの装置が臨界長さまたはタンクまたは容器の内壁とのそれらの縁部の全長に沿って溶接されると、応力の程度はエナメルの膨張のため増加する。
【0013】
本発明の目的は、エナメルの塗装段階が容易で効率的で信頼の置ける方法で行われることのできるよう、加えて塗膜層が均一で丈夫で長持ちする性質であるように、エナメルが塗装される容器またはタンクの内部表面に固定される整流装置を提供する点にある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
例えばロバート・H・シュワイグの名による米国特許7,172,877号によって詳細説明されている従来技術によると、深さの浅い整流装置は容器の内壁にエンボス模様を付けることによって、あるいは、この内壁に当って戻る部分を溶接することによって実現できる。この整流装置は中空にできるとともに、例えば、整流装置本体中の加熱または冷却液体の循環を可能にするために、容器として可能な二重壁構造に接合できることが望まれる。
エンボスを付けることによる整流装置の形成は容易で信頼のおけるエナメル塗膜を確保するのを難しくするとともに、整流装置について複雑な形状の形成を許さない。しかも、この製造工程では、限界的な方法で、変形部分をさらに薄くして弱めるとともに、その剛性を減らさずに重要な表面を有する整流装置を製造することが許されない。
【0015】
シュワイグの特許の整流装置の実施例の第2の方法によると、整流装置はその先端が折りたたまれるとともに、容器の内壁にぶつかる整流装置の周囲あるいは高さ全体に溶接される金属プレートからできている。
しかしながら、当該発明者らは、その周囲または高さに沿って伸びるそのような溶接は長さが相当長くなるために、エナメルを効率的に塗装することは困難であると言及した。
【0016】
実に、整流装置の熱膨張によって引き起こされる機械的引張り力がこの実施例のかなりな長さにより大きくなると同時に、エナメル塗装の効率性の深刻な低下をきたす可能性がある。
【0017】
さらに、その周囲および高さ全体に沿って溶接される整流装置について、工業的な生産工程の管理が極めて困難である。結果が一定せずしかも工業的な製造速度での量産ができない。
【0018】
これら様々な理由のために、米国特許7,172,877号に公開された解決策は満足できるものではない。
【0019】
従って、本発明の目標はユニットが単純で効率的で信頼できてしかも長持ちする方法でエナメル塗装ができるように、容器内表面に固定できる多くのサイズまたは形の出整流装置を提供することにある。本発明によれば、何よりも整流装置は中が充実したものまたは中空のものにできるとともに、容器の二重壁との間に作られることの可能な空間と往来ができる。
器、タンク、または容器、水槽、円柱、乾燥器、交換器、またはその他のような整流装置とともに装備されることができるタンクあるいは容器は、液体、ガス、固体、ペースト、粘性あるいは粉体材料またはこれらの混合物を収容できるような何らかの器を含むことが必要とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の枠組みの範囲内で、エナメル塗装容器だけについて詳細に記述する。
【0021】
最も頻度の高い整流装置の使用は様々なタンク及び容器の形の範囲内であり、この後者の容器という用語は、たとえそれが容器のその他のタイプのすべてのものに適用できるとしても、容器を指すものとして使用される。
【0022】
製造の技術的問題を解決するために、この発明の目的は容器の内側隣接壁からある距離の点に固定されるとともに、連続接合によってこの壁に固定される整流装置を考えることにある。
【0023】
本整流装置はまた、整流装置及び壁の別々の拡張は許されるので、容器の残り部分のどんな拡張にも殆ど反応しないままとなる。
【0024】
従って、本発明では、容器の内壁にその全長に渡り整流装置を固定する代わりに、1ヶ所または数ヶ所の接合によって局部的にのみこれを確保することが好まれる。より好ましくは、整流装置は単一の接合によって連続して固定される。
【0025】
連続接合によって、これは範囲が限定される接合、すなわち、整流装置の全高にわたっていない接合であるとともに、その幅はそれ故、整流装置の長さより小さいと理解されなくてはならない。
【0026】
このように、整流装置の大部分は、自由なままを維持するとともに、変形することができ、特に、エナメル塗装中に遭遇する温度変化の繰り返し中に容器のその他の部分によって影響されることも、影響することもなく自由に伸びることができる。
【0027】
さらに、製作が溶接によって行われる場合の好ましい事例では、溶接のビードの長さが減ることにより上述の先行技術の不利な点を避ける。
最後に、本発明によると、整流装置は中が充実していても、中空であっても良い。
【0028】
整流装置が中空である場合には、その内部空間は、容器用の加熱あるいは冷却の機能を提供する流体に関する循環システム、例えば、二重壁構造、らせん状、方貝殻免状またはその他のような形状で構成されるシステムと一緒に、流体の通路をその連続接合により接合することを含めるように設計できる。整流装置の流体循環用にある手段を設けることができる。
【発明の効果】
【0029】
これらの多くの理由で、この発明の装置は、何ら欠点を呈することなく上述の目的のすべてを満足させることができる。従って、これは本ユニット用に単純で、効率的、信頼可能でかつ長持ちする方法でエナメル塗装の提供を確保しつつ、エナメル塗装容器のひとつ以上の整流装置の提供を可能にする完全に新しい理想的な装置について詳細に説明するものである。
この設計によると、その連続接合部を除き、整流装置本体とこれが溶接される容器の内壁との間に位置する空間がある。この空間が、整流装置の連続接合の部分を除く整流装置と容器の内壁との間の容器に存在する材料についての動きの自由を可能にする。本空間はまた後に引き続く容器の清掃のしやすさを相当促進する。
【0030】
この空間はまた、整流装置の側面と溶接される容器の内部表面との間に形成される角に物の堆積が生じる米国特許7,172,877号のそれのような整流装置で装備される容器に通常見いだされる欠点を取り除く。通常、かき混ぜの流れと反対方向側に形成されるこの堆積が、容器内壁と整流装置との間に許される常時流によって本発明では避けられる。
【0031】
最後に、その特に有利な形により、この発明による整流装置は整流装置の液圧性能を増すとともに、混合時間及び均一化の短縮となり、これが時間の節約を可能にするとともに、工業上のコストをかなり削減する。
本発明のその他の特徴や利点は以下に詳述する付録の図面類を参照してなされる説明を読めば明らかとなろう。
すなわち、
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明によるひとつの羽根車と互いに反対向きの2つの中が充実の整流装置が設けられた二重封のタンクあるいは容器の垂直横断面図である。
【図2】本発明によるタンクまたは容器の二重封への流体通路の接合部が設けられるひとつの羽根車と互いに反対向きの2つの中が充実の整流装置が設けられる二重封のタンクあるいは容器の垂直横断面図である。
【図3】本発明の代替案による外部らせん状管部が設けられるとともに、ひとつの羽根車と互いに反対向きの2つの整流装置が設けられるタンクあるいは容器の垂直横断面図である。
【図4】本発明のもうひとつの代替案によるひとつの羽根車と互いに反対向きの2組の整流装置が設けられる二重壁構造の設けられたタンクあるいは容器の垂直横断面図である。
【図5】本発明のもうひとつの代替案による低い位置で連続固定されたひとつの羽根車と互いに反対向きの2組の整流装置が設けられる二重壁構造の設けられたタンクあるいは容器の垂直横断面図である。
【図6】本発明のもうひとつの代替案によるおよそ中央の位置で固定されたひとつの羽根車と互いに反対向きの2組の整流装置が設けられた二重壁構造のタンクあるいは容器の垂直横断面図である。
【図7】本発明による整流装置の断面がとることのできる様々な形状を示す整流装置の付いたタンクまたは容器の部分水平横断面図である。
【図8】本発明による整流装置の断面がとることのできる様々な形状を示す整流装置の付いたタンクまたは容器の部分水平横断面図である。
【図9】本発明による整流装置の断面がとることのできる様々な形状を示す整流装置の付いたタンクまたは容器の部分水平横断面図である。
【図10】本発明による整流装置の断面がとることのできる様々な形状を示す整流装置の付いたタンクまたは容器の部分水平横断面図である。
【図11】本発明による整流装置の断面がとることのできる様々な形状を示す整流装置の付いたタンクまたは容器の部分水平横断面図である。
【図12】本発明による整流装置の断面がとることのできる様々な形状を示す整流装置の付いたタンクまたは容器の部分水平横断面図である。
【図13】本発明による整流装置の断面がとることのできる様々な形状を示す整流装置の付いたタンクまたは容器の部分水平横断面図である。
【図14】本発明による整流装置の断面がとることのできる様々な形状を示す整流装置の付いたタンクまたは容器の部分水平横断面図である。
【図15】本発明による整流装置の断面がとることのできる様々な形状を示す整流装置の付いたタンクまたは容器の部分水平横断面図である。
【図16】本発明のある代替案による6台の整流装置が設けられたタンクまたは容器の水平横断面図である。
【図17】本発明のある代替案による2台の整流装置が設けられたタンクまたは容器の垂直横断面図である。
【図18】米国特許7,172,877号の従来技術による整流装置を通過したその付近の流体の流れの図式的水平横断面図である。
【図19】本発明による整流装置を通過したその付近の流体の流れの図式的水平横断面図である。
【0033】
図1はこれらを通ってタンクまたは容器1の中に通す様々な試薬、溶剤及び触媒を導入し、あるいは様々な道具あるいは付属品(羽根車、探知棒、管或いは装置類等々)に関するアクセスを可能にするのに用いることのできる全体で3つの上部開口部2,3,及び4が設けられた化学反応タンクまたは容器1を示す。
タンクまたは容器1にはその根元部6が中央開口部3を突き抜ける羽根車機械が設けられ、タンクまたは容器の下部部分の方に伸びる。根元部6は、根元部6がタンクまたは容器の外側に位置する駆動機構10によって回転する時、タンクまたは容器1の内容物8をかき混ぜるよう、例えば、3枚の傾斜刃7の設けられる中心部で終わる。
【0034】
内部に導入されるかあるいは発生した、任意の極めて腐食性のあるまたは酸性の試薬の侵略的性質に抵抗できる能力を手助けするとともに、タンクまたは容器1の内容物8を形成するために、タンクまたは容器の内側表面はガラス化とも云われるエナメル保護塗膜9で完全に被覆できる。同様に、内容物8と接触するようになる可能性のあるすべての表面もまたエナメル塗装されなくてはならない。根元部6及び羽根車5の刃7に関しても明らかに同様である。
【0035】
第2壁11はタンクまたは容器1の内壁12を取り囲み、これらの壁11及び12はこれらの間に取り囲まれた空間13を生み出すためにお互いにある特定の一定距離にある。この空間13は二重壁タンクまたは容器の良く知られた原理に応じてタンクまたは容器の内部温度を制御するのを容易にするため加熱したあるいは冷却した流体媒体が予め用意される。
【0036】
この図では、タンクまたは容器1には、内壁12からある一定の距離に固定されるとともに、この壁12に本発明によるその幅が整流装置の長さより小さい連続接合部15で溶接されるタンクまたは容器1の内壁12とは関係無く別に、いくつかの整流装置14が含まれる。
【0037】
最後に、その最下部で、タンクまたは容器1は内容物8を排出させるための開口部として利用できる開口部17が設けられる。
この第1実施例で、整流装置14は中が充実である。これらの連続接合部15は各整流装置14の縦方向のおよそ中間点に位置する。整流装置はその縁部と角部がすべて丸くなっているタンク又は容器1の内壁12にほぼ鉛直で垂直な一枚の板に類似した単純で一般的な形状に形成される。
【0038】
図2に示す第2実施例では、図1のものに類似したタンク又は容器1にはタンク又は容器1の内壁12からのある距離に固定され、移行連続接合部15によってこの壁12に溶接される数個の整流装置14が設けられる。
【0039】
この実施例によると、本発明の整流装置14は中空であるとともに、タンクあるいは容器の二重壁構造の外壁11と内壁12間に、閉合空間13への連絡流体通路を提供するように、可能性としてかつ追加として準備できる内部中空空間16を定める。
【0040】
このように、加熱あるいは冷却機能を提供するための流体は、タンクまたは容器の二重壁構造の中を循環させることができるとともに、さらに整流装置14の中を循環でき、この点はユニットの熱交換特性をかなり改善できる。
流体の加熱または冷却のための内部中空空間16と等価な接合部はタンクまたは容器がらせん管状部、片貝殻面状部、またはその他任意の類似装置で装備される時、同様な方法で設けられる。
【0041】
図1及び図2に示される前述の2つの実施例で、詳細が示された整流装置は単純かつ従来の一般的な形状である。本発明による整流装置は、その有利なデザインによって、もっと複雑で様々な一般形状を採用できる点が有益である。従って、これは考慮される各実践的な状況において圧力や特定の設計上の特色に採用するとともに、さらなる利点を与えることができる。
【0042】
このように、本発明による整流装置は例えばその最下端の方にカーブできる。従って、これはタンクあるいは容器にらせん状部あるいは片貝殻面状部が設けられることが示されている図3に示すような「ホッケースティック」形状を採用できる。整流装置に関するこのような一般的形状は例えば、タンクあるいは容器の内容物に逆方向のかき混ぜを成立させることを可能にする。
【0043】
はっきりと図4に示されるように、本発明による整流装置はもうひとつの鉛直位置でカーブ状、凸状あるいはアーチ状に、かつ、例えば少しだけ高くできる。
さらに、連続接合部15は必ずしも整流装置の鉛直方向の中間に位置する必要はないが、具体的に指定はされない、ある高さに位置できる。つまり、例えば、図4の実施例では、これは整流装置14の下縁部近くに位置できる。
【0044】
さらに、この図4に示される代替方法の場合に、本発明による整流装置は傾斜して固定される、つまり、鉛直方向に関して特に指定はされない、ある角度を形成するタンクまたは容器の壁に相対的に位置することもできる点も特記される。
図5及び図6に示されるように、複数の整流装置を相当に長さの長いひとつの整流装置と等価なものを得るために、複数のペアに組合わせることも可能である。これらの図中で各ペアをなす整流装置は必ずしも同一であるとは限らないことが見てとれる。2を越える任意の数の整流装置を組合わせるよう計画できることが明らかである。
【0045】
複数のペア以上の数組の組合せ整流装置形状の利用は、例えば、様々なタンクまたは容器に適応するために一般的形状を柔軟な方法で利用することにより製造コストを削減することを可能にする。
【0046】
さらに、もし、整流装置類が様々な一般形状を採用できれば、これらはまた様々な高さ、幅および厚さを持つこともできて、任意のタンクまたは容器の要件への適応及び一致が容易となる。
【0047】
これらは、また含まれる流体に関して必要とされる機械的効果を作り出すために様々な断面形状を呈することもできる。
【0048】
図7から図15までに、整流装置14によって採用されることが可能なこれらの断面形状の例がいくつか示されている。これらの断面形状は中空整流装置と同様に充実整流装置に関しても利用できる。
【0049】
図7は、縁の丸いほぼ長方形のタイプの従来の断面形状を描く整流装置14を示す。
【0050】
図8は側面が凸形状した断面を有する整流装置14を示し、一方、図9上ではこれらの同一の凸形状側面が凹面形状をしている。
【0051】
図10は整流装置14を示し、その断面は側面の一面上で波うち形状を呈する。同様に、整流装置14の断面はそのひとつ以上の側面上で特に指定されない数の波うち形状を呈することができる。
【0052】
図11はカーブした側面端部を伴う整流装置14の断面を示す。
【0053】
図12は「T」字形状の断面を有する整流装置14を示す。
【0054】
図13は断面が円の4分の1あるいは四分円の形状をしている整流装置14を示す。
【0055】
図14は「V」字形状の断面を呈する整流装置14を示す。
【0056】
最後に、整流装置14は図15に示されるようにタンクまたは容器の壁に直角ではないよう固定することもできる。
【0057】
図7から図15は断面形状の例によって与えられているにすぎず、技術に熟練した人々であれば、その寸法、その凹み具合または凸具合、その方向、その傾き、その位置そして固定の角度、等々を変えることによって整流断面に関するその他の形状を容易に考えることができよう。
【0058】
上で既に言及したように、容器には1または数個の整流装置14を設けることができる。本発明の何よりも優先的な実施例によると、容器には規則的に分布した、及び/又は、理論曲線、例えばタンクまたは容器の内壁12上に位置するらせん形状の曲線にほぼ沿って配置される数個の整流装置14を設けることができる。
【0059】
図16は縁の丸いほぼ長方形の形状をした従来の断面形状を有する6個の整流装置14が設けられるタンクまたは容器1を水平に切った水平横断面図を示し、整流装置14はタンクまたは容器の内壁12上に均等に、すなわち、かなり一定の間隔の相対角度で、例えばこの図に描かれる例ではおよそ60度で分布する。
【0060】
図17は異なる形状の2つの整流装置が設けられる水平タンクまたは容器19の横断方向の横断面図を示す。最初のものは四分円または円の四分の一の形状をしている一方で、第2のものは半円形状をしている。
【0061】
図18はタンクまたは容器1の内壁12に位置し、その高さ全体に沿ってこの壁に固定される従来技術による整流装置21の高さでの流体20の流れを示す図式的な水平切断横断面図を示す。このような整流装置21について、沈殿物の形での物質の蓄積が、流体の流れによって十分にかき混ぜられないデッドゾーン22で流体の流れがよどむせいで起きる可能性がある。
【0062】
比較して、図19は本発明による整流装置14の水準での流体20の流れを示す図式的な横断面図または水平切断を示し、ここでは整流装置14はタンクまたは容器の壁に固定されない。
【0063】
有利なことに、沈殿物の形での物質の蓄積は整流装置の両側の流体20の循環が十分にかき混ぜられるので避けられる。
【0064】
もうひとつの実施例によれば、図に示されていないが、タンクまたは容器1にタンクまたは容器の内壁12上にらせん形を形成するあるいはそれら自身がはっきりらせん形状を呈する理論的曲線に沿って配置される数個の整流装置14を設けることができる。
【0065】
この場合には、整流装置はらせん形の全体方向に追随できるか、あるいは、異なって別々に位置できる一方で、それらの相対的位置は連続するとともに、らせん形の基本形状に追随する。
【0066】
整流装置14は様々なタイプの理論的曲線にかなり沿ってあるいは数本の異なる曲線に沿って配置することを考えることもできる。
【0067】
最後に、これは、強度あるいはその他の理由で必要な場合に、容器の内壁に整流装置に固定する数種の連続接合部を利用するよう追加して計画することができる。
【0068】
本発明による整流装置は図に示されるように、タンク又は容器の内壁上に用いられるよう特にうまく適合させられる。しかしながら、その利用はこの応用に限られるものではないことを十分理解しなくてはならない。
【0069】
この整流装置はこうして、エナメル塗装の有無にかかわらず、一枚壁あるいは二重壁構造であれ、内壁を取り囲むらせん状部の有無にかかわらず、そしてかき混ぜの目的あるいは手段がどうであれ特に規定はされない数の開口を含めて、特に規定されない容器の壁に対して固定できる。
【0070】
同様に、本発明による整流装置は化学タンクまたは容器内に必ず据付けられるとは限らないが、デッドゾーンを無くして有効なかき混ぜを行うことが有益である任意のタイプに容器に利用できる。
【0071】
図に示される本発明による様々な整流装置の、数、一般形状、断面形状、傾斜、方向及び供給はここに純粋に説明上の根拠としてのみ与えられているとともに、決して限定的なものとして見なされてはならないことははっきりしている。
【0072】
多くの代替案がその範囲を越えずに、本発明による整流装置に関して考案することができる。これらの代替案は、請求項の範囲を逸脱しない限り、整流装置に関するその他の数、全体形状、断面形状、傾斜、方向、及び/又は、供給を考えることが特にできる当技術に熟練した人達にとって明らかなことである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器(1)に関して隣接する内壁(12)から一定のある距離に、その最大寸法が当該整流装置の長さより短い少なくともひとつの接合部(15)によってこの壁(12)に局所的に固定されること、並びに、当該整流装置の外部表面及びその接合部がエナメル塗装されることを特徴とする容器のエナメル塗装された内壁に固定されるとともに冷媒の循環装置を備えることができる整流装置。
【請求項2】
組立が溶接によって行われることを特徴とする請求項1による整流装置。
【請求項3】
当該整流装置が充実体であることを特徴とする請求項1及び請求項2のいずれかによる整流装置。
【請求項4】
当該整流装置が中空体ことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかによる整流装置。
【請求項5】
当該整流装置(14)の中空内部空間(16)が流体循環によって容器の加熱または冷却装置の流体とその連続接合部(15)を経由して流体連絡通路を有することを特徴とする請求項4による整流装置。
【請求項6】
少なくとも1ヶ所の連続接合部(15)が当該整流装置(14)の鉛直方向中間部に原則的に位置することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかによる整流装置。
【請求項7】
少なくとも1ヶ所の連続接合部(15)が当該整流装置(14)の下縁の近くに位置することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかによる整流装置。
【請求項8】
当該整流装置の本体が縁部及び角部の丸い容器(1)の内壁(12)に対して主として鉛直で垂直な板に類似した全体に平たい形状を呈することを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかによる整流装置。
【請求項9】
当該本体が「ホッケースティック」の全体形状をとることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかによる整流装置。
【請求項10】
当該本体がその鉛直方向の高部または低部、及び/又は、その側面の縁部でカーブしていることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかによる整流装置。
【請求項11】
当該本体の横断面の形状が主として長方形であるとともに、丸い縁部を有することを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれかによる整流装置。
【請求項12】
当該本体が凸面となった側面を呈することを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれかによる整流装置。
【請求項13】
当該本体が凹面または凸面の側面を呈することを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれかによる整流装置。
【請求項14】
当該断面形状がその片側の側面に少なくともひとつの波うち形状を呈することを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれかによる整流装置。
【請求項15】
当該本体が容器の長さ方向軸に比較してはっきりと傾斜した形で隣接壁に固定されることを特徴とする請求項1から請求項14までのいずれかによる整流装置。
【請求項16】
容器(1)の内壁(12)に関して斜めに固定されることを特徴とする請求項1から請求項15までのいずれかによる整流装置。
【請求項17】
当該本体の端部が隣接する側壁に近いこと、並びにその反対側の端部が隣接する側壁からさらに離れていることを特徴とする請求項1から請求項16までのいずれかによる整流装置。
【請求項18】
請求項1から請求項17までのいずれかによるエナメル塗装された少なくともひとつの整流装置を含むことを特徴とするエナメル塗装されるよう予定される容器。
【請求項19】
規則的に分布される数個の整流装置(14)が含まれることを特徴とする請求項18による容器。
【請求項20】
容器(1)の内壁(12)に関して理論曲線にかなり沿って配置される数個の整流装置(14)が含まれることを特徴とする請求項17または請求項18のいずれかによる容器。
【請求項21】
理論曲線がらせん形であることを特徴とする請求項20による容器。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器(1)の内壁(12)から一定のある距離に、その最大寸法が当該整流装置の長さより短い少なくともひとつの接合部(15)によってこの壁(12)に局所的に固定され、保持されること、並びに、当該整流装置の外部表面及びその接合部が固定の後に壁(12)をエナメル塗装する際にエナメル塗装されることを特徴とする容器のエナメル塗装された内壁に固定されるとともに冷媒の循環装置を備えることができる整流装置。
【請求項2】
当該整流装置が充実体であることを特徴とする請求項1による整流装置。
【請求項3】
当該整流装置が中空体ことを特徴とする請求項1による整流装置。
【請求項4】
当該整流装置(14)の中空内部空間(16)が流体循環によって容器の加熱または冷却装置の流体とその連続接合部(15)を経由して流体連絡通路を有することを特徴とする請求項3による整流装置。
【請求項5】
少なくとも1ヶ所の連続接合部(15)が当該整流装置(14)の鉛直方向中間部に原則的に位置することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかによる整流装置。
【請求項6】
少なくとも1ヶ所の連続接合部(15)が当該整流装置(14)の下縁の近くに位置することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかによる整流装置。
【請求項7】
当該整流装置の本体が縁部及び角部の丸い容器(1)の内壁(12)に対して主として鉛直で垂直な板に類似した全体に平たい形状を呈することを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかによる整流装置。
【請求項8】
当該本体が「ホッケースティック」の全体形状をとることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかによる整流装置。
【請求項9】
当該本体がその鉛直方向の高部または低部、及び/又は、その側面の縁部でカーブしていることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかによる整流装置。
【請求項10】
当該本体の横断面の形状が主として長方形であるとともに、丸い縁部を有することを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれかによる整流装置。
【請求項11】
当該本体が凸面となった側面を呈することを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれかによる整流装置。
【請求項12】
当該本体が凹面または凸面の側面を呈することを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれかによる整流装置。
【請求項13】
当該断面形状がその片側の側面に少なくともひとつの波うち形状を呈することを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれかによる整流装置。
【請求項14】
当該本体が容器の長さ方向軸に比較してはっきりと傾斜した形で隣接壁に固定されることを特徴とする請求項1から請求項13までのいずれかによる整流装置。
【請求項15】
容器(1)の内壁(12)に関して斜めに固定されることを特徴とする請求項1から請求項14までのいずれかによる整流装置。
【請求項16】
当該本体の端部が隣接する側壁に近いこと、並びにその反対側の端部が隣接する側壁からさらに離れていることを特徴とする請求項1から請求項15までのいずれかによる整流装置。
【請求項17】
請求項1から請求項18までのいずれかによるエナメル塗装された少なくともひとつの整流装置を含むことを特徴とするエナメル塗装されるよう予定される容器
【請求項18】
規則的に分布される数個の整流装置(14)が含まれることを特徴とする請求項17による容器。
【請求項19】
容器(1)の内壁(12)に関して理論曲線にかなり沿って配置される数個の整流装置(14)が含まれることを特徴とする請求項17または請求項18のいずれかによる容器。
【請求項20】
理論曲線がらせん形であることを特徴とする請求項19による容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公表番号】特表2006−513106(P2006−513106A)
【公表日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−568429(P2004−568429)
【出願日】平成15年12月17日(2003.12.17)
【国際出願番号】PCT/FR2003/003772
【国際公開番号】WO2004/073847
【国際公開日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(505171702)デ ディエトリッヒ プロセス システムズ (1)
【Fターム(参考)】