説明

連続炊飯装置

【課題】丸型炊飯釜用連続炊飯装置に丸型3重リングバーナーの使用を可能にし炊飯工程における加熱効率向上、省エネルギー化、安定した連続炊飯作業が可能な連続炊飯装置を提供する。
【解決手段】連続炊飯装置1は、加熱発生源を有する炊飯釜が載置される加熱台を一方向に複数個上部に設置したフレームと、このフレームに設置された前記加熱台の始端にあたる炊飯釜を載置させ、その炊飯釜を一定時間後に隣りの加熱台へ終端方向に水平移動する炊飯釜を挟み込むチャック装置を有する横移動装置とを備え、加熱台には丸型3重リングバーナー7aを使用し、その丸型3重リングバーナーに隣接する種火点火装置11を備え、その丸型3重リングバーナー7aは煙突状金物6で覆われている連続炊飯装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安定した炊飯作業が連続して行えると共に、丸型炊飯釜を効率良く加熱できる炊飯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば細長いトンネル状の加熱室内の両側側部にチエンコンベヤーローラー用走行レールを設置し、その上部に予めチエンコンベヤーローラーを特殊バーにて接続しているバーチエンコンベヤーの上部に丸型炊飯釜を置き搬送する手段と角型ブンゼンバーナー群の加熱部とを備えた連続的に炊飯する装置が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の連続炊飯機では、丸型炊飯釜を使用しているのに対し角型ブンゼンバーナーを使用している為、丸型炊飯バーナーが加熱部に投入された際丸型炊飯釜側面上部の淵部同士が互いに接近した状態である為接近部両端に空間スペースが有り加熱効率が悪いという問題と、前記バーチエンコンベヤーにて搬送している為バーナーと炊飯釜下部の間にバーがある上、間隔も必要とするため加熱効率が悪いという問題がある。
【0004】
本発明は、このような点を改善されたもので、安定した連続炊飯作業が行えると共に加熱室部の丸型炊飯釜を効率良く加熱することができる連続炊飯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の連続炊飯装置は、一定の加熱発生源を有する加熱部を複数個設置し、丸型炊飯釜2を隣の加熱部に一定時間停止後、水平方向に移動する手段を備え、丸型炊飯釜2は、側面部の上端側から外方向に突出した淵部を有し、前記加熱部では、複数の丸型炊飯釜2は、前記搬送方向に隣り合う丸型炊飯釜2の淵部同士が互いに接近した状態で、前記搬送方向に移動するものである。
【0006】
請求項1記載の連続炊飯装置は、加熱部が丸型3重リングバーナー7aを備えているものである。
【0007】
請求項1記載の連続炊飯装置は、丸型3重リングバーナー7aへの着火方式に種火点火装置11を備えているものである。
【0008】
請求項1記載の連続炊飯装置は、丸型3重リングバーナー7a周囲に煙突状金物6の囲いを形成されているものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明によれば、加熱部に丸型炊飯釜2を設置し炊飯することで加熱時は停止状態での炊飯工程が可能なため、一定した加熱状態が確保できるため、ムラなく効率良く加熱することができる。
【0010】
請求項2に係る発明によれば、加熱部である丸型3重リングバーナー7aによって加熱部に設置された丸型炊飯釜2を適切に加熱することができる。
【0011】
請求項3に係る発明によれば、種火点火装置11を有することで一層、効率良く炊飯作業が行えることができる。
【0012】
請求項4に係る発明によれば、丸型3重リングバーナー7a周囲を煙突状金物6で囲うことで、外部への放熱を抑え丸型炊飯釜2をより効率良く加熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の連続炊飯装置の一実施の形態を示す側面図である。
【図2】同上連続炊飯装置の平面図である。
【図3】同上連続炊飯装置の加熱部分の正面視断面詳細図である。
【図4】同上連続炊飯装置の加熱部分の平面詳細図である。
【図5】同上連続炊飯装置の加熱部分の側面詳細図である。
【図6】同上連続炊飯装置の搬送手段にて搬送前の炊飯釜を示す平面図である。
【図7】同上連続炊飯装置の搬送手段にて搬送前の炊飯釜を示す平面図である。
【図8】同上連続炊飯装置の搬送手段にて搬送前の炊飯釜を示す断面図である。
【図9】同上連続炊飯装置の搬送手段にて搬送前の炊飯釜を示す断面図である。
【図10】同上連続炊飯装置の搬送手段にて搬送前の炊飯釜を示す平面図である。
【図11】同上連続炊飯装置の搬送手段にて搬送中の炊飯釜を示す平面図である。
【図12】同上連続炊飯装置の搬送手段にて搬送中の炊飯釜を示す断面図である。
【図13】同上連続炊飯装置の搬送手段にて搬送中の炊飯釜を示す断面図である。
【図14】同上連続炊飯装置の搬送手段にて搬送中の炊飯釜を示す平面図である。
【図15】同上連続炊飯装置の搬送手段にて搬送中の炊飯釜を示す平面図である。
【図16】同上連続炊飯装置の搬送手段にて搬送完了を示す平面図である。
【図17】同上連続炊飯装置の搬送手段にて搬送完了を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の連続炊飯装置の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0015】
この連続炊飯機は、図3及び図4に示されるように側面及び下面からなるフレーム16を有し、そのフレーム16上に丸型3重リングバーナー7aと煙突状金物6からなる加熱部を備えた連続炊飯装置である。
【0016】
図1において、搬送の入口側設置の計量装置3は、上部に搬送コンベヤーを設置し丸型炊飯釜2を機器中央部まで搬送後、丸型炊飯釜2内に製品(浸漬米)が入っているかを重量判別する装置である。
【0017】
図1において、計量装置3の進行方向隣りに炊飯待機コンベヤー4を設置し、図2に示すストッパー4aまで丸型炊飯釜2の側面が接触するまで搬送後、連続炊飯工程へ丸釜炊飯釜2を一定間隔時間供給する準備を行う。
【0018】
この連続炊飯装置は、図3及び図4に示されるように側面にチャック装置5を備え丸型炊飯釜2を挟み込む役目をしている。
【0019】
図4において、チャック装置5は丸型炊飯釜2の側面形状に合わせた形状をしており、搬送時の前後左右へ少々のズレが発生した場合でも横移動工程を行う際チャック装置5が修正する役目をしている。
【0020】
この連続炊飯装置は、図3及び図4に示されるように丸型炊飯釜2下部煙突状金物6を備え丸型炊飯釜2を下支えする役目をしている。
【0021】
この連続炊飯装置は、図3及び図4に示されるように側面に横移動装置7を備え丸型炊飯釜2を隣りの加熱部へ水平方向へ搬送する役目をしている。
【0022】
この連続炊飯装置は、図3及び図4に示されるように丸型炊飯釜2下部に丸型3重リングバーナー7aを備え丸型炊飯釜2を加熱する役目をしている。
【0023】
丸型3重リングバーナー7aは、図2に示すように3種類の大きさの異なる丸型バーナーが同心円状に配置されており、図3に示す通り、混合管8、レギュレター9が各3つの丸型バーナー毎に設置されている。ガス供給パイプ10から供給されたガスと空気を混合管8によって混合し、その混合されたガスを丸型3重リングバーナー7a表面で燃焼するようになっている。また、図5に示す各3つの丸型バーナー設置のガスコック14にて加熱状態を調整することができる。
【0024】
また、丸型3重リングバーナー7aの調整は図2に示すようにガスデジタル流量計15の数値を目安に加熱状況管理が容易にできる。
【0025】
また、加熱源である丸型3重リングバーナー7aの設置本数は、1時間あたりの生産可能炊飯釜数に合わせた設定にされている。
【0026】
この連続炊飯装置の、図3および図4に示されるチャック装置5の丸型炊飯釜2を両側面から挟み込む動作と開放する動作、煙突状金物6の炊飯釜を下支えする押し上げ動作と押し下げ動作及び横移動装置7にて丸型炊飯釜2を横移動する動作と空状態で戻す動作はすべてエアーシリンダー駆動にて行われている。
【0027】
この連続炊飯装置の、図3および図4に示されるように丸型炊飯釜2下部設置の丸型3重リングバーナー7aへの点火方式として種火点火装置11を備え、連続炊飯装置運転中は種火を点け、丸型3重リングバーナー7aへの点火を図5に示すガスツイン電磁弁13の開閉により点火、消火動作を行う役目をしている。
【0028】
また丸型3重リングバーナー7aの設置高さは、図1に示すように丸型炊飯釜2との間隔を70mmに設定し、丸型炊飯釜2底部を直接加熱する上で最も安定加熱で高効率に行える高さに備え付けてある。
【0029】
また種火点火装置11に点火されていない場合、図4に示される点火確認センサー12にて点火状態を確認し、万が一点火状態にも関わらず消火している場合、即座に警報発令を行う役目をしている。
【0030】
次に、上記一実施の形態の作用等を説明する。
【0031】
図1においては連続炊飯装置で、計量装置3にて重量チェック後、炊飯待機装置4へ計量量装置3、炊飯待機コンベヤー4付属のコンベヤーにて搬送される。この時、炊飯待機コンベヤー4機内付属のストッパー4aに丸型炊飯釜2の側面が接触するまで搬送される。この接触している状態を定位置とする。
【0032】
丸型3重リングバーナー7aへの着火指示は前記で述べた計量装置3による重量判別方式にて着火指示を行う。この時、重量にて製品(浸漬米)の投入の確認された丸型炊飯釜2が各加熱部に到着した場合のみ、図5が示すガスツイン電磁弁13を開放し予め点火してある種火を利用して丸型3重リングバーナー7aに着火される。
【0033】
前記炊飯待機コンベヤー4機内定位置に丸型炊飯釜2が待機状態である確認をした上で、連続炊飯装置内すべての丸型炊飯釜2を図6に示すチャック装置5の開放状態から図7に示す挟み込み状態へ動作し連続炊飯装置内すべての丸型炊飯釜2を側面より挟み込む。
【0034】
次いで、連続炊飯装置内すべての図8に示す煙突状金物6が図9に示す通り下降した後、図10に示す横移動装置7が連続炊飯装置内すべての丸型炊飯釜2を水平方向に進行方向隣りの加熱部まで図11に示すとおり丸型炊飯釜2を一括搬送する。
【0035】
この時、煙突状金物6を昇降動作する事で、丸釜炊飯釜2を搬送の際上下動作することなく搬送出来るため、短時間での加熱部から隣りの加熱部への搬送が可能で、丸型炊飯釜2の加熱していない時間を短縮することで搬送時の非加熱時間の短縮が可能になっている。
【0036】
次いで、一括搬送されたされた後、図12に示す煙突状金物6が図13で示す通り上昇し丸型炊飯釜2を下部より押し支える。その後、図14に示すチャック装置5が図15に示す開放状態になり、最後に図16に示す横移動装置7が図17に示す水平方向に元の位置へ移動させる。
【0037】
この連続炊飯装置は、上記作用を繰り返し行うものである。
【0038】
一方、加熱手段の丸型3重リングバーナー7aは煙突状金物6内部に設置されており丸型炊飯釜2がある場合上部より一切見えず、丸型炊飯釜2と丸型3重リングバーナー7a共に丸型のため外気環境に影響が出にくく、均等に丸型炊飯釜2を加熱することができる。
【0039】
炊飯待機コンベヤー4から第1加熱部に移動した丸型炊飯釜2はここから丸型3重リングバーナー7aにて「炊く」処理を第6加熱部まで同内容にて行う。
【0040】
続いて第7加熱部から第8加熱部において丸型3重リングバーナー7aのガス火の絞り調整をガスコック14で調整し、丸型炊飯釜2内の熱気と前記丸型リングバーナー7aよりの小加熱により丸型炊飯釜2内の米に対して「炊き上げ」処理が行われる。
【符号の説明】
【0041】
1 連続炊飯装置
2 丸型炊飯釜
3 計量装置
4 炊飯待機コンベヤー
4a ストッパー
5 チャック装置
6 煙突状金物
7 横移動装置
7a 丸型3重リングバーナー
8 混合管
9 レギュレター
10 ガス供給パイプ
11 種火点火装置
12 点火確認センサー
13 ガス用ツイン電磁弁
14 ガスコック
15 ガスデジタル流量計
16 フレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱発生源を有する炊飯釜が載置される加熱台を一方向に複数個上部に設置したフレームと、このフレームに設置された前記加熱台の始端にあたる炊飯釜を載置させ、その炊飯釜を一定時間後に隣りの加熱台へ終端方向に水平移動する炊飯釜を挟み込むチャック装置を有する横移動装置とを備えたことを特徴とする連続炊飯装置。
【請求項2】
前記加熱台は、丸型3重リングバーナーであることを特徴とする請求項1記載の連続炊飯装置。
【請求項3】
前記丸型3重リングバーナーに種火点火装置を隣接してあることを特徴とする請求項2記載の連続炊飯装置。
【請求項4】
前記丸型3重リングバーナー周辺は煙突状金物で覆われていることを特徴とする請求項2または3記載の連続炊飯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−183997(P2010−183997A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−29270(P2009−29270)
【出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【特許番号】特許第4415058号(P4415058)
【特許公報発行日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【出願人】(309002396)栄辰機工株式会社 (1)
【Fターム(参考)】