連袋式包装材の滅菌用電子線照射装置
【課題】連袋式包装材を、搬送移動中に良好に滅菌処理でき、製品の製造ライン中にも組み込める連袋式包装材の滅菌用電子線照射装置を提供する。
【解決手段】ロール状にした連袋式包装材１０を一方側の供給ロール１１から他方側の巻取ロール１２に搬送する際、搬送路の途中に中空箱状に形成した照射滅菌室１を配置している。照射滅菌室１には、配管３や排気ポンプ５等を含む減圧手段を設けて内部を１／１００から１／５気圧に減圧しており、搬送移動する連袋式包装材１０に対して電子線を照射する電子線照射手段２を取付けている。この装置は、密封袋に流体状或いは固体状の対象物を充填して製品を製造する製造ラインを包囲する清浄区画室内に組み込むことができる。
【解決手段】ロール状にした連袋式包装材１０を一方側の供給ロール１１から他方側の巻取ロール１２に搬送する際、搬送路の途中に中空箱状に形成した照射滅菌室１を配置している。照射滅菌室１には、配管３や排気ポンプ５等を含む減圧手段を設けて内部を１／１００から１／５気圧に減圧しており、搬送移動する連袋式包装材１０に対して電子線を照射する電子線照射手段２を取付けている。この装置は、密封袋に流体状或いは固体状の対象物を充填して製品を製造する製造ラインを包囲する清浄区画室内に組み込むことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は連袋式包装材の滅菌用電子線照射装置に係り、特に流動性のある食品等の充填容器として用いる密封袋となる連袋式包装材を、電子線により殺菌処理するのに好適な連袋式包装材の滅菌用電子線照射装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
一般に、飲料や食品等の流体状或いは固体状の対象物は、自動無菌充填装置を使用して包装材である密封袋に無菌充填包装を行い、製品として出荷される。一般に、密封袋は合成樹脂製の透明なフィルムを加熱シールして袋状に形成し、必要に応じて紙やアルミニュウム箔を組み合せたものが用いられている。
【０００３】
通常、製品の製造ラインでは、フィルムで形成した密封袋は、連なった状態の連袋式包装材が使用され、この連袋式包装材をそのまま充填工程側に移送する。この連袋式包装材は、充填工程に入る前に切断し、充填側に開口を有する独立した密封袋に分割してから、個々の密封袋は開口を開いて内部に流体状或いは固体状の対象物を充填した後、開口部分を加熱シール等で密封して完成させ、製造ライン外に搬出することが行われている。
【０００４】
連袋式包装材は、分割した各密封袋に飲料や食品等の流体状或いは固体状の対象物を充填することから、滅菌処理を施して雑菌付着のない無菌状態にし、充填工程側に供給する必要がある。連袋式包装材を滅菌製造ライン中で滅菌処理するため、薬剤やγ線或いは電子線を使用することが知られている（例えば特許文献１及び２参照）。
【０００５】
しかし、薬剤による滅菌処理は、処理設備が大掛かりとなる上に、密封袋の薬剤を完全に除去する装置を必要とし、またγ線照射による処理作業は、γ線を遮蔽するために装置が大型となって経済的でなく、しかもγ線の取り扱いに資格が必要なことから、多くの製造ラインでは使用できないでいる。
【０００６】
このため、最近では取り扱い資格が不要で、小型化できる低エネルギーの電子線を発生する電子線照射手段を用いた滅菌用電子線照射装置が注目されてきており、高速で搬送されるシート状等の材料を、電子線照射手段からの電子線により効果的に滅菌処理することが提案されている（例えば特許文献３及び４参照）。
【０００７】
【特許文献１】特開平１−３０８７２６号公報
【特許文献２】特開平７−１０１１１号公報
【特許文献３】特開表２００４−５２４８９５号公報
【特許文献４】特開２００７−１１３９３６号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
しかしながら、従来の特許文献３及び４で提案されている滅菌用電子線照射装置では、製品の製造ラインの途中に配置して、高速で搬送する連袋式包装材に使用するとなると、一体に組み込んでも製造ライン全体を小型化できるように、その構造を考慮しなければならなくなる。
【０００９】
また、電子線照射手段を大気中で使用すると、ある程度の大きなエネルギーを持つ電子線での滅菌処理となる。この場合、電子線照射手段には、電子線発生源から放出されるＸ線を遮蔽する放射線遮蔽材を取付けねばならないし、電子線発生時のプラズマで生成されるオゾンが滅菌処理した連袋式包装材に付着し、オゾン臭がするのを防ぐ対策を施さなければならない問題がある。
【００１０】
本発明の目的は、搬送移動する連袋式包装材を良好に滅菌処理でき、製品の製造ライン中にも組み込みが容易な連袋式包装材の滅菌用電子線照射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
本発明の連袋式包装材の滅菌用電子線照射装置は、ロール状にした連袋式包装材を一方側から他方側に搬送し、搬送路の途中に備える電子線照射手段の電子線によって滅菌処理する際に、前記連袋式包装材を一方側から他方側に搬送する前記搬送路に中空箱状に形成した照射滅菌室を配置し、前記照射滅菌室には、この内部を１／１００から１／５気圧に減圧する減圧手段を設けると共に、前記電子線照射手段を取付けて構成したことを特徴としている。
【００１２】
また、本発明の連袋式包装材の滅菌用電子線照射装置は、ロール状にした連袋式包装材を連続して供給して独立した密封袋に分離し、前記密封袋に流体状或いは固体状の対象物を充填した製品を製造する製造ラインを、清浄状態を維持する清浄区画室にて包囲し、前記清浄区画室内の搬送路の途中に備える電子線照射手段からの電子線により連袋式包装材を滅菌処理する際に、前記清浄区画室内には連袋式包装材の供給側に近い搬送路中に、内部を１／１００から１／５気圧に減圧する減圧手段及び中空箱状に電子線照射手段を備えた照射滅菌室を配置して構成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【００１３】
本発明のように連袋式包装材の滅菌用電子線照射装置を構成すれば、搬送移動する連袋式包装材を、搬送中に良好に滅菌処理することができる。また、本発明の連袋式包装材の滅菌用電子線照射装置は、通常使用している製品の製造ライン中に容易に組み込んで使用できるから、製造ラインを大型化することなく経済的に製作することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
本発明の連袋式包装材の滅菌用電子線照射装置は、ロール状にした連袋式包装材を一方側から他方側に搬送し、搬送路の途中に備える電子線照射手段の電子線により、滅菌処理する。中空箱状に形成した照射滅菌室を搬送路の一部に配置し、この照射滅菌室に内部を減圧する減圧手段及び電子線照射手段を設けている。
【実施例１】
【００１５】
本発明の図１に示す連袋式包装材の滅菌用電子線照射装置は、連袋式包装材１０を一方側から他方側に搬送する搬送路の一部に、中空箱状に形成した照射滅菌室１を配置している。照射滅菌室１には、電子線発生源を有して電子線照射する電子線照射手段２を取付けている。また、照射滅菌室１には、圧力調整弁４を介在させた配管３や排気ポンプ５等を含む減圧手段を備えている。これらの減圧手段で、照射滅菌室１の内部を１／１００から１／５気圧の減圧状態を維持している。
【００１６】
被照射物となる連袋式包装材１０は、図２に示すものは２枚の透明なフィルムの両端部及び中央部に加熱シール１３を施し、両側に袋を形成して連続した状態に作成される例であり、最終的には製造ラインの工程中で両側が分離されて独立した密封袋となる。
【００１７】
供給ロール１１殻供給される連袋式包装材１０は、照射滅菌室１内を搬送ローラー６によって一方側から他方側に向けて搬送され、巻取ロール１２に巻き取られるが、照射滅菌室１内を搬送中に電子線照射手段２から電子線の照射を受ける。したがって、連袋式包装材１０は減圧された照射滅菌室１内で電子線の照射を受けるから、電子線による滅菌処理がより効果的に行われるようになる。図２に示す連袋式包装材１０の場合、電子線照射手段２を通過した後、袋外面は外気にさらされるが、袋内部はシール部分によって滅菌状態が維持される。
【００１８】
図３は、供給ロール１１を含む供給手段から連袋式包装材１０を供給し、分離して独立した密封袋を用いて製品を製造する製造ライン２０中に、本発明の連袋式包装材の滅菌用電子線照射装置を、組み込んだ例を示している。
【００１９】
連袋式包装材１０を供給する製造ライン２０は、供給手段の一部を除いて、その殆どが清浄区画室２１により包囲され、内部に配置されており、清浄区画室２１の近傍に清浄空気ユニット２２を設置し、清浄区画室２１の内部を予め定めた清浄状態に維持する。そして、この製造ライン２０は、連袋式包装材１０の供給ロール１１等の供給手段に近い清浄区画室２１内の位置に、図１に示す本発明の連袋式包装材の滅菌用電子線照射装置を配置している。
【００２０】
製造ライン２０は、清浄区画室２１内にカッター等の分離部２３を設け、分離部２３において連袋式包装材１０を独立した密封袋１０Ａに分離する。分離部２３に続くロータリ式の充填側手段には、順次密封袋１０Ａを開口させる吸引ノズル等の開口操作部２４、搬送されてくる各密封袋１０Ａに流体状或いは固体状の対象物を充填する充填部２５、密封袋１０Ａの開口を閉鎖する加熱シール部２６、加熱された密封袋１０Ａの開口部分を冷やすための冷却シ−ル部２７を有し、清浄区画室２１外にコンベア２９上に完成品を送り出す搬出部２８を備えている。
【００２１】
上記した製造ラインでは、清浄区画室２１内に供給手段から供給され、連続して搬送移動する連袋式包装材１０は、照射滅菌室１を通過する途中で、電子線照射手段２から照射する電子線で滅菌処理されるから、清浄区画室２１内で滅菌状態を良好に維持したまま、充填工程側を経て完成品を搬出させることができる。
【実施例２】
【００２２】
図４に示す連袋式包装材の滅菌用電子線照射装置は、上記した実施例１と同様の照射滅菌室１を用い、この照射滅菌室１内に供給ロール１１及び巻取ロール１２を含めて配置したものである。
【００２３】
連袋式包装材１０は、一方側の供給ロール１１から供給され、搬送移動中に電子線照射手段２から電子線の照射を受けて滅菌処理され、他方側の巻取ロール１２に全て巻き取られてロール状にしたとき、処理作業が終了し、新たな供給ロールに交換する。滅菌処理した連袋式包装材１０は、処理終了する度に袋内部が滅菌処理された状態でロール状のまま近傍の製造ライン１０で使用、或いは製造ライン１０の予備用として一時保管することができる。
【図面の簡単な説明】
【００２４】
【図１】本発明の一実施例である連袋式包装材の滅菌用電子線照射装置を示す概略縦断面図である。
【図２】包装シート材を示す平面図である。
【図３】本発明の連袋式包装材の滅菌用電子線照射装置を組み込んだ無菌充填包装装置の例を示す概略図である。
【図４】本発明の他の一実施例である連袋式包装材の滅菌用電子線照射装置を示す概略縦断面図である。
【符号の説明】
【００２５】
１…照射滅菌室、２…電子線照射手段、３…配管、４…圧力調整弁、５…排気ポンプ、６…搬送ローラー、１０…連袋式包装材、１０Ａ…密封袋、１１…供給ロール、１２…巻取ロール、２０…製造ライン。
【技術分野】
【０００１】
本発明は連袋式包装材の滅菌用電子線照射装置に係り、特に流動性のある食品等の充填容器として用いる密封袋となる連袋式包装材を、電子線により殺菌処理するのに好適な連袋式包装材の滅菌用電子線照射装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
一般に、飲料や食品等の流体状或いは固体状の対象物は、自動無菌充填装置を使用して包装材である密封袋に無菌充填包装を行い、製品として出荷される。一般に、密封袋は合成樹脂製の透明なフィルムを加熱シールして袋状に形成し、必要に応じて紙やアルミニュウム箔を組み合せたものが用いられている。
【０００３】
通常、製品の製造ラインでは、フィルムで形成した密封袋は、連なった状態の連袋式包装材が使用され、この連袋式包装材をそのまま充填工程側に移送する。この連袋式包装材は、充填工程に入る前に切断し、充填側に開口を有する独立した密封袋に分割してから、個々の密封袋は開口を開いて内部に流体状或いは固体状の対象物を充填した後、開口部分を加熱シール等で密封して完成させ、製造ライン外に搬出することが行われている。
【０００４】
連袋式包装材は、分割した各密封袋に飲料や食品等の流体状或いは固体状の対象物を充填することから、滅菌処理を施して雑菌付着のない無菌状態にし、充填工程側に供給する必要がある。連袋式包装材を滅菌製造ライン中で滅菌処理するため、薬剤やγ線或いは電子線を使用することが知られている（例えば特許文献１及び２参照）。
【０００５】
しかし、薬剤による滅菌処理は、処理設備が大掛かりとなる上に、密封袋の薬剤を完全に除去する装置を必要とし、またγ線照射による処理作業は、γ線を遮蔽するために装置が大型となって経済的でなく、しかもγ線の取り扱いに資格が必要なことから、多くの製造ラインでは使用できないでいる。
【０００６】
このため、最近では取り扱い資格が不要で、小型化できる低エネルギーの電子線を発生する電子線照射手段を用いた滅菌用電子線照射装置が注目されてきており、高速で搬送されるシート状等の材料を、電子線照射手段からの電子線により効果的に滅菌処理することが提案されている（例えば特許文献３及び４参照）。
【０００７】
【特許文献１】特開平１−３０８７２６号公報
【特許文献２】特開平７−１０１１１号公報
【特許文献３】特開表２００４−５２４８９５号公報
【特許文献４】特開２００７−１１３９３６号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
しかしながら、従来の特許文献３及び４で提案されている滅菌用電子線照射装置では、製品の製造ラインの途中に配置して、高速で搬送する連袋式包装材に使用するとなると、一体に組み込んでも製造ライン全体を小型化できるように、その構造を考慮しなければならなくなる。
【０００９】
また、電子線照射手段を大気中で使用すると、ある程度の大きなエネルギーを持つ電子線での滅菌処理となる。この場合、電子線照射手段には、電子線発生源から放出されるＸ線を遮蔽する放射線遮蔽材を取付けねばならないし、電子線発生時のプラズマで生成されるオゾンが滅菌処理した連袋式包装材に付着し、オゾン臭がするのを防ぐ対策を施さなければならない問題がある。
【００１０】
本発明の目的は、搬送移動する連袋式包装材を良好に滅菌処理でき、製品の製造ライン中にも組み込みが容易な連袋式包装材の滅菌用電子線照射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
本発明の連袋式包装材の滅菌用電子線照射装置は、ロール状にした連袋式包装材を一方側から他方側に搬送し、搬送路の途中に備える電子線照射手段の電子線によって滅菌処理する際に、前記連袋式包装材を一方側から他方側に搬送する前記搬送路に中空箱状に形成した照射滅菌室を配置し、前記照射滅菌室には、この内部を１／１００から１／５気圧に減圧する減圧手段を設けると共に、前記電子線照射手段を取付けて構成したことを特徴としている。
【００１２】
また、本発明の連袋式包装材の滅菌用電子線照射装置は、ロール状にした連袋式包装材を連続して供給して独立した密封袋に分離し、前記密封袋に流体状或いは固体状の対象物を充填した製品を製造する製造ラインを、清浄状態を維持する清浄区画室にて包囲し、前記清浄区画室内の搬送路の途中に備える電子線照射手段からの電子線により連袋式包装材を滅菌処理する際に、前記清浄区画室内には連袋式包装材の供給側に近い搬送路中に、内部を１／１００から１／５気圧に減圧する減圧手段及び中空箱状に電子線照射手段を備えた照射滅菌室を配置して構成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【００１３】
本発明のように連袋式包装材の滅菌用電子線照射装置を構成すれば、搬送移動する連袋式包装材を、搬送中に良好に滅菌処理することができる。また、本発明の連袋式包装材の滅菌用電子線照射装置は、通常使用している製品の製造ライン中に容易に組み込んで使用できるから、製造ラインを大型化することなく経済的に製作することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
本発明の連袋式包装材の滅菌用電子線照射装置は、ロール状にした連袋式包装材を一方側から他方側に搬送し、搬送路の途中に備える電子線照射手段の電子線により、滅菌処理する。中空箱状に形成した照射滅菌室を搬送路の一部に配置し、この照射滅菌室に内部を減圧する減圧手段及び電子線照射手段を設けている。
【実施例１】
【００１５】
本発明の図１に示す連袋式包装材の滅菌用電子線照射装置は、連袋式包装材１０を一方側から他方側に搬送する搬送路の一部に、中空箱状に形成した照射滅菌室１を配置している。照射滅菌室１には、電子線発生源を有して電子線照射する電子線照射手段２を取付けている。また、照射滅菌室１には、圧力調整弁４を介在させた配管３や排気ポンプ５等を含む減圧手段を備えている。これらの減圧手段で、照射滅菌室１の内部を１／１００から１／５気圧の減圧状態を維持している。
【００１６】
被照射物となる連袋式包装材１０は、図２に示すものは２枚の透明なフィルムの両端部及び中央部に加熱シール１３を施し、両側に袋を形成して連続した状態に作成される例であり、最終的には製造ラインの工程中で両側が分離されて独立した密封袋となる。
【００１７】
供給ロール１１殻供給される連袋式包装材１０は、照射滅菌室１内を搬送ローラー６によって一方側から他方側に向けて搬送され、巻取ロール１２に巻き取られるが、照射滅菌室１内を搬送中に電子線照射手段２から電子線の照射を受ける。したがって、連袋式包装材１０は減圧された照射滅菌室１内で電子線の照射を受けるから、電子線による滅菌処理がより効果的に行われるようになる。図２に示す連袋式包装材１０の場合、電子線照射手段２を通過した後、袋外面は外気にさらされるが、袋内部はシール部分によって滅菌状態が維持される。
【００１８】
図３は、供給ロール１１を含む供給手段から連袋式包装材１０を供給し、分離して独立した密封袋を用いて製品を製造する製造ライン２０中に、本発明の連袋式包装材の滅菌用電子線照射装置を、組み込んだ例を示している。
【００１９】
連袋式包装材１０を供給する製造ライン２０は、供給手段の一部を除いて、その殆どが清浄区画室２１により包囲され、内部に配置されており、清浄区画室２１の近傍に清浄空気ユニット２２を設置し、清浄区画室２１の内部を予め定めた清浄状態に維持する。そして、この製造ライン２０は、連袋式包装材１０の供給ロール１１等の供給手段に近い清浄区画室２１内の位置に、図１に示す本発明の連袋式包装材の滅菌用電子線照射装置を配置している。
【００２０】
製造ライン２０は、清浄区画室２１内にカッター等の分離部２３を設け、分離部２３において連袋式包装材１０を独立した密封袋１０Ａに分離する。分離部２３に続くロータリ式の充填側手段には、順次密封袋１０Ａを開口させる吸引ノズル等の開口操作部２４、搬送されてくる各密封袋１０Ａに流体状或いは固体状の対象物を充填する充填部２５、密封袋１０Ａの開口を閉鎖する加熱シール部２６、加熱された密封袋１０Ａの開口部分を冷やすための冷却シ−ル部２７を有し、清浄区画室２１外にコンベア２９上に完成品を送り出す搬出部２８を備えている。
【００２１】
上記した製造ラインでは、清浄区画室２１内に供給手段から供給され、連続して搬送移動する連袋式包装材１０は、照射滅菌室１を通過する途中で、電子線照射手段２から照射する電子線で滅菌処理されるから、清浄区画室２１内で滅菌状態を良好に維持したまま、充填工程側を経て完成品を搬出させることができる。
【実施例２】
【００２２】
図４に示す連袋式包装材の滅菌用電子線照射装置は、上記した実施例１と同様の照射滅菌室１を用い、この照射滅菌室１内に供給ロール１１及び巻取ロール１２を含めて配置したものである。
【００２３】
連袋式包装材１０は、一方側の供給ロール１１から供給され、搬送移動中に電子線照射手段２から電子線の照射を受けて滅菌処理され、他方側の巻取ロール１２に全て巻き取られてロール状にしたとき、処理作業が終了し、新たな供給ロールに交換する。滅菌処理した連袋式包装材１０は、処理終了する度に袋内部が滅菌処理された状態でロール状のまま近傍の製造ライン１０で使用、或いは製造ライン１０の予備用として一時保管することができる。
【図面の簡単な説明】
【００２４】
【図１】本発明の一実施例である連袋式包装材の滅菌用電子線照射装置を示す概略縦断面図である。
【図２】包装シート材を示す平面図である。
【図３】本発明の連袋式包装材の滅菌用電子線照射装置を組み込んだ無菌充填包装装置の例を示す概略図である。
【図４】本発明の他の一実施例である連袋式包装材の滅菌用電子線照射装置を示す概略縦断面図である。
【符号の説明】
【００２５】
１…照射滅菌室、２…電子線照射手段、３…配管、４…圧力調整弁、５…排気ポンプ、６…搬送ローラー、１０…連袋式包装材、１０Ａ…密封袋、１１…供給ロール、１２…巻取ロール、２０…製造ライン。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
ロール状にした連袋式包装材を一方側から他方側に搬送し、搬送路の途中に備える電子線照射手段の電子線により滅菌処理する連袋式包装材の滅菌用電子線照射装置において、前記連袋式包装材を一方側から他方側に搬送する前記搬送路に中空箱状に形成した照射滅菌室を配置し、前記照射滅菌室には、この内部を１／１００から１／５気圧に減圧する減圧手段を設けると共に、前記電子線照射手段を取付けて構成したことを特徴とする連袋式包装材の滅菌用電子線照射装置。
【請求項２】
ロール状にした連袋式包装材を連続して供給して独立した密封袋に分離し、前記密封袋に流体状或いは固体状の対象物を充填した製品を製造する製造ラインを、清浄状態を維持する清浄区画室にて包囲し、前記清浄区画室内の搬送路の途中に備える電子線照射手段からの電子線により連袋式包装材を滅菌処理する連袋式包装材の滅菌用電子線照射装置であって、前記清浄区画室内には連袋式包装材の供給側に近い搬送路中に、内部を１／１００から１／５気圧に減圧する減圧手段及び中空箱状に電子線照射手段を備えた照射滅菌室を配置して構成したことを特徴とする連袋式包装材の滅菌用電子線照射装置。
【請求項１】
ロール状にした連袋式包装材を一方側から他方側に搬送し、搬送路の途中に備える電子線照射手段の電子線により滅菌処理する連袋式包装材の滅菌用電子線照射装置において、前記連袋式包装材を一方側から他方側に搬送する前記搬送路に中空箱状に形成した照射滅菌室を配置し、前記照射滅菌室には、この内部を１／１００から１／５気圧に減圧する減圧手段を設けると共に、前記電子線照射手段を取付けて構成したことを特徴とする連袋式包装材の滅菌用電子線照射装置。
【請求項２】
ロール状にした連袋式包装材を連続して供給して独立した密封袋に分離し、前記密封袋に流体状或いは固体状の対象物を充填した製品を製造する製造ラインを、清浄状態を維持する清浄区画室にて包囲し、前記清浄区画室内の搬送路の途中に備える電子線照射手段からの電子線により連袋式包装材を滅菌処理する連袋式包装材の滅菌用電子線照射装置であって、前記清浄区画室内には連袋式包装材の供給側に近い搬送路中に、内部を１／１００から１／５気圧に減圧する減圧手段及び中空箱状に電子線照射手段を備えた照射滅菌室を配置して構成したことを特徴とする連袋式包装材の滅菌用電子線照射装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２００９−１７９３４１（Ｐ２００９−１７９３４１Ａ）
【公開日】平成２１年８月１３日（２００９．８．１３）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−１８８４３（Ｐ２００８−１８８４３）
【出願日】平成２０年１月３０日（２００８．１．３０）
【出願人】（５０１３８３６３５）株式会社日本ＡＥパワーシステムズ (168)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２１年８月１３日（２００９．８．１３）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年１月３０日（２００８．１．３０）
【出願人】（５０１３８３６３５）株式会社日本ＡＥパワーシステムズ (168)
【Ｆターム（参考）】
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