説明

遅延性のエキセンディン−4化合物

新規の遅延性のエキセンディン-4化合物およびその治療上の使用。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、治療的なペプチド、すなわち新規の遅延性エキセンディン-4化合物の分野に関する。
【発明の背景】
【0002】
インビボにおいてより長い作用持続時間を提供する目的で、グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)およびエキセンディン-4化合物のようなインスリン分泌性ペプチドの構造を修飾するために、ある一定の範囲の異なるアプローチが用いられてきた。
【0003】
WO 96/29342は、C末端アミノ酸残基またはN末端アミノ酸残基に新油性の置換基を導入することにより親ペプチドホルモンが修飾された、ペプチドホルモン誘導体について開示している。
【0004】
WO 99/43708は、少なくとも1のアミノ酸残基に新油性の置換基が結合したエキセンディン誘導体について開示している。
【0005】
WO 00/69911は、患者に注射される活性化インスリン分泌性ペプチドについて開示しており、それらは血液成分と反応して複合体を形成することが予想されるため、インビボにおいてより長い作用持続時間を提供する。
【0006】
WO 02/46227は、インビトロ半減期を延長させるためにヒト血清アルブミンと融合した、GLP-1およびエキセンディン-4のアナログについて開示している。
【0007】
特に2型糖尿病に属する多くの糖尿病患者は、いわゆる「針恐怖症」、すなわち自分自身に注射をすることに対する相当な恐怖にさらされる。2型糖尿病において、ほとんどの患者が経口の血糖降下剤で治療され、インスリン分泌性ペプチドは、これらの患者が投与される最初の注射用の製品となることが予想されるため、注射の恐怖は、エキセンディン-4化合物の広範な使用に対する深刻な障壁となり得る。それ故、例えば2日または3日に1回、好ましくは1週間に1回のように、1日1回よりも少ない投与でよいが許容可能な臨床プロファイルを保持した新規のエキセンディン-4化合物を開発する必要がある。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、二価酸でアシル化されたリジン残基により1つのアミノ酸残基が置換された、エキセンディン-4化合物を提供する。
【0009】
本発明は、二価酸でアシル化されたリジン残基により20位のアミノ酸残基が置換された、エキセンディン-4化合物も提供する。
【0010】
本発明は、二価酸でアシル化されたリジン残基により38位のアミノ酸残基が置換された、エキセンディン-4化合物も提供する。
【0011】
本発明は、直鎖または分子鎖状のアルカンα,ω-ジカルボン酸でアシル化されたリジン残基により1つのアミノ酸残基が置換された、エキセンディン-4化合物も提供する。
【0012】
本発明は、エキセンディン-4アナログの患者における作用時間を延長するための方法も提供し、1つのアミノ酸残基が、二価酸でアシル化されたリジン残基で置換されることにより特徴付けられる。
【0013】
本発明は、本発明による化合物を含んでなる医薬組成物および疾患を治療する薬剤を調製するための本発明による化合物の使用も提供する。
【定義】
【0014】
本明細書において、以下の用語は示された意味を有する。
「ポリペプチド」および「ペプチド」という用語は、ここで用いられる場合、ペプチド結合で結合された少なくとも5要素のアミノ酸で構成される化合物を意味する。構成物であるアミノ酸は、遺伝コードでコードされたアミノ酸の群に由来してよく、それらは遺伝コードでコードされていない天然アミノ酸ならびに合成アミノ酸であってよい。遺伝コードでコードされていない天然アミノ酸は、例えば、ヒドロキシプロリン、γ-カルボキシグルタメート、オルニチン、ホスホセリン、D-アラニン、およびD-グルタミンである。合成アミノ酸は化学的合成により製造されたアミノ酸、すなわち、D-アラニンおよびD-ロイシンのように、遺伝コードでコードされたアミノ酸のD-異性体、Aib(α-アミノイソブチル酸)、Abu(α-アミノブチル酸)、Tle(tert-ブチルグリシン)、β-アラニン、3-アミノメチル安息香酸、アントラニル酸を含んでなる。
【0015】
ポリペプチドについて用いる「アナログ」という用語は、ここで用いられる場合、修飾されたペプチドを意味し、ここで、前記ポリペプチドの1以上のアミノ酸残基は他のアミノ酸残基で置換され、および/または前記ポリペプチドから1以上のアミノ酸残基が欠失し、および/または1以上のアミノ酸残基が前記ポリペプチドに付加される。そのようなアミノ酸残基の付加または欠失は、前記ペプチドのN末端および/またはC末端で起こり得る。
【0016】
「誘導体」という用語は、ペプチドに関してここで用いられる場合、化学的に修飾されたペプチドまたはそのアナログを意味し、修飾されていないペプチドまたはそのアナログには存在しない少なくとも1の置換基を有し、すなわち、共有結合性に修飾されたペプチドである。典型的な修飾は、アミド、糖、アルキル基、アシル基、エステル等である。「エキセンディン-4化合物」という用語は、ここで用いられる場合、エキセンディン-4(1-39)アミド(配列番号1)、エキセンディン-4(1-39)アミドのアナログ、エキセンディン-4(1-39)アミド誘導体、エキセンディン-4(1-39)アミドアナログの誘導体、あるいはエキセンディン-4(1-39)またはエキセンディン-4(1-39)のアナログもしくは誘導体を含んでなる融合タンパク質を意味する。1つの実施形態において、エキセンディン-4化合物はインスリン分泌性の薬剤である。
【0017】
「インスリン分泌性の薬剤」という用語は、ここで用いられる場合、ヒトGLP-1受容体のアゴニストである化合物、すなわち、ヒトGLP-1受容体を含有する適切な培地においてcAMPの形成を誘導する化合物を意味する。インスリン分泌性薬剤の効力は、以下で述べるように用量-反応曲線からEC50値を計算することにより決定される。
【0018】
ヒトGLP-1受容体を発現している安定な形質移入された細胞株、BHK467-12A (tk-ts13)に由来する精製した形質膜は、GLP-1およびペプチドアナログで刺激され、cAMP生成の能力は、パーキンエルマーライフサイエンス社製のアルファスクリーン(登録商標)cAMPアッセイキットを用いて測定された。
【0019】
安定な形質移入された細胞株が調製され、高い発現のクローンがスクリーニングのために選択された。前記細胞は、5% CO2 で、DMEM、5% FCS、1% Pen/Strep、および0.5 mg/ml G418中において培養された。
【0020】
約80%の集密度の細胞をPBSで2回洗浄し、Verseneで収集し、1000rpmで5分間遠心分離し、上清を除去した。付加的なステップは、全て氷上でなされた。細胞ペレットをUltrathuraxにより20〜30秒間、10mlの緩衝液1(20 mM Na-HEPES, 10 mM EDTA, pH=7.4)中で均質化し、20,000rpmで15分間遠心分離し、前記ペレットを10mlの緩衝液2 (20 mM Na-HEPES, 0.1 mM EDTA, pH=7.4)に再懸濁した。前記懸濁液を20〜30秒間均質化し、20,000rpmで15分間遠心分離した。緩衝液2への懸濁、均質化、および遠心分離を一度繰り返し、膜を緩衝液2に再懸濁し、さらなる試験のために準備するか、または−80℃で保管した。
【0021】
機能的な受容体アッセイは、アルファスクリーンテクノロジーにより、ペプチドに誘導されたcAMPを測定することにより行った。アルファスクリーンテクノロジーの基本的な原理は、内因性のcAMPと外因的に付加されたビオチン-cAMPとの比較である。cAMPの捕捉は、受容体ビーズに結合した特異的な抗体を用いることにより達成される。形成されたcAMPを、アルファフュージョンマイクロプレートアナライザーでカウントおよび測定した。EC50値を、グラフ-パッドプリズム(Prisme)ソフトウェアを用いて計算した。
【0022】
「DPP-IV保護」という用語は、ポリペプチドに関してここで用いられる場合、化学的に修飾されていないペプチドよりも血漿ペプチダーゼであるジペプチジルアミノペプチダーゼ-4(DPP-IV)に対する耐性を前記化合物に与えるために、化学的に修飾されたポリペプチドを意味する。血漿中のDPP-IV酵素は、いくつかのペプチドホルモン、例えば、GLP-1、GLP-2、エキセンディン-4等の分解に関与していることが既知である。
【0023】
ジペプチジルアミノペプチダーゼIVによる分解に対するペプチドの耐性は、以下の分解試験により測定されてよい:
ペプチドの一定分量を、pH7〜8の適切な緩衝液(アルブミンを含まない緩衝液)中で4〜22時間、精製した一定分量のアミノペプチダーゼIVと共に37℃でインキュベートする。酵素反応を、トリフルオロ酢酸の添加により停止し、ペプチド分解産物をHPLCまたはLC-MS分析を用いて分離および定量する。この分析を行うための1つの方法を以下に示す:混合物をZorbax 300SB-C18 (30 nm 細孔, 5 μm 粒子) 150 x 2.1 mmカラムに適用し、0.1%トリフルオロ酢酸中におけるアセトニトリルの直線勾配(30分にわたって0%〜100%のアセトニトリル)を用いて0.5 ml/分の流速で溶出する。ペプチドおよびその分解産物は、214nm(ペプチド結合)または280nm(芳香族アミノ酸)における吸収によりモニターすることができ、それらのピーク面積の積分により定量される。分解パターンは、LC-MSを用いることにより測定することができ、分離したピークのMSスペクトルが決定される。ある一定の時間における完全な/分解したペプチドの割合は、ペプチドDPP-IVの安定性の評価のために用いられる。
【0024】
1つの実施形態において、ある一定の時間における完全なペプチドの割合に基づいて天然のペプチドの10倍の安定性がある場合、DPPIV安定化されていると定義される。それ故、DPPIV安定化されたエキセンディン-4化合物は、エキセンディン-4(1-39)と比較して少なくとも10倍の安定性がある。
【発明の詳細な説明】
【0025】
本発明の1つの側面において、二価酸でアシル化されたリジン残基により1つのアミノ酸残基が置換された、エキセンディン-4化合物に関する。
【0026】
本発明の1つの実施形態において、前記エキセンディン-4化合物は、20位にアシル化されたリジン残基を含んでなる。
本発明のもう1つの実施形態において、前記エキセンディン-4化合物は、38位にアシル化されたリジン残基を含んでなる。
【0027】
本発明のさらにもう1つの実施形態において、前記二価酸はジカルボン酸である。
本発明のさらにもう1つの実施形態において、前記アシル化基は、直鎖または分子鎖状アルカンα,ω-ジカルボン酸である。
本発明のさらにもう1つの実施形態において、前記アシル化基はHOOC-(CH2)nCO-の構造であり、ここでのnは12〜20である。
本発明のさらにもう1つの実施形態において、前記アシル化基は、HOOC-(CH2)14CO-、HOOC-(CH2)15CO-、HOOC-(CH2)16CO-、HOOC-(CH2)17CO-、およびHOOC-(CH2)18CO-から選択される構造を有する。
本発明のさらにもう1つの実施形態において、前記アシル化基はHOOC-(CH2)16CO-の構造を有する。
本発明のさらにもう1つの実施形態において、前記エキセンディン-4化合物は、エキセンディン-4(1-39)(配列番号1)と比較して置換され、付加され、もしくは欠失した15以下のアミノ酸残基を含んでなるアシル化されたエキセンディン-4アナログ、またはエキセンディン-4(1-39)(配列番号1)と比較して置換され、付加され、もしくは欠失した10以下のアミノ酸残基を含んでなるアシル化されたエキセンディン-4アナログである。
本発明のさらにもう1つの実施形態において、前記エキセンディン-4化合物は、エキセンディン-4(1-39)(配列番号1)と比較して置換され、付加され、もしくは欠失した6以下のアミノ酸残基を含んでなるアシル化されたエキセンディン-4アナログである。
【0028】
本発明のさらにもう1つの実施形態において、前記エキセンディン-4化合物は、遺伝コードでコードされていない6以下のアミノ酸残基を含んでなる、アシル化されたエキセンディン-4アナログである。
本発明のさらにもう1つの実施形態において、前記エキセンディン-4化合物は、遺伝コードでコードされていない5以下のアミノ酸残基を含んでなる、アシル化されたエキセンディン-4アナログである。
本発明のさらにもう1つの実施形態において、前記エキセンディン-4化合物は、遺伝コードでコードされていない4以下のアミノ酸残基を含んでなる、アシル化されたエキセンディン-4アナログである。
【0029】
本発明のさらにもう1つの実施形態において、前記エキセンディン-4化合物は、遺伝コードでコードされていない3以下のアミノ酸残基を含んでなる、アシル化されたエキセンディン-4アナログである。
本発明のさらにもう1つの実施形態において、前記エキセンディン-4化合物は、遺伝コードでコードされていない2以下のアミノ酸残基を含んでなる、アシル化されたエキセンディン-4アナログである。
本発明のさらにもう1つの実施形態において、前記エキセンディン-4化合物は、遺伝コードでコードされていない1以下のアミノ酸残基を含んでなる、アシル化されたエキセンディン-4アナログである。
【0030】
本発明のさらにもう1つの実施形態において、前記エキセンディン-4化合物は、リジン残基を1つだけ含んでなるアシル化されたエキセンディン-4アナログである。
【0031】
本発明のさらにもう1つの実施形態において、二価酸でアシル化されたリジン残基により1つのアミノ酸残基が置換されたエキセンディン-4化合物は、以下に示す化合物である:
【化10】

【0032】
または
N-ε32-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイル)[Lys32]エキセンディン-4(1-39)アミド
【化11】

【0033】
または
[デスアミノHis1], N-ε20-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイル)[Lys20]エキセンディン-4(1-39)アミド
【化12】

【0034】
または
N-ε32-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイル)[Lys32]エキセンディン-4(1-39)アミド
【化13】

【0035】
または
Arg12,27 NLe14, lys32 N-ε32-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイル)[Lys32]エキセンディン-4(1-39)アミド
【化14】

【0036】
または
N-ε20-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)[Lys20] エキセンディン-4 (1-39)-アミド
【化15】

【0037】
または
N-ε20-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)[Lys20] エキセンディン-4 (1-39)-アミド
【化16】

【0038】
または
N-ε20-(13-カルボキシトリデカノイルアミノ)[Lys20] エキセンディン-4 (1-39)-アミド
【化17】

【0039】
または
N-ε20-(11-カルボキシウンデカノイルアミノ)[Lys20] エキセンディン-4 (1-39)-アミド
【化18】

【0040】
本発明のもう1つの側面において、エキセンディン-4アナログの患者における作用時間を延長するための方法に関し、二価酸でアシル化されたリジン残基によりアミノ酸残基が置換されることにおいて特徴付けられる。
本発明のもう1つの側面において、エキセンディン-4アナログの患者における作用時間を約40時間より長くするための方法に関し、二価酸でアシル化されたリジン残基によりアミノ酸残基が置換されることにおいて特徴付けられる。
【0041】
前記エキセンディン-4アナログは、古典的なペプチド合成により産生することができ、例えば、t-BocもしくはF-Moc化学を用いた固相ペプチド合成または他のよく確立された技術であり、実施例および例えばGreen and Wuts, “Protecting Groups in Organic Synthesis”, Jogn Wiley & Sons, 1999を参照されたい。
【0042】
エキセンディン-4アナログは、エキセンディン-4アナログをコードするDNA配列を含有し、ペプチドの発現が可能な条件下、適切な栄養培地においてエキセンディン-4を発現することができる宿主細胞を培養することを含んでなる方法によっても産生することができ、その後、結果として得られるペプチドは培地から回収される。組み換え発現によるエキセンディン-4アナログの産生は、主に、遺伝コードによりコードされたアミノ酸のみを含んでなるエキセンディン-4アナログを産生するために用いられる(とはいえ、アミノ酸残基の発現後修飾は、ある程度まで可能である)。
【0043】
細胞を培養するために用いられる培地は、適切な補充を含む最少培地または複合培地のように、宿主細胞を培養するのに適した通常の培地であってよい。適切な培地は、商業的な供給業者から入手可能であるか、または確立された方法により調製されてよい(例えば、アメリカンタイプカルチャーコレクションのカタログ)。細胞により産生されたペプチドは、その後、遠心分離またはろ過により培地から宿主細胞を分離することを含む通常の方法により、培地から回収されてよい。細胞外生成物について、上清のタンパク質成分は、ろ過、カラムクロマトグラフィー、または沈殿、例えば、微細ろ過、超ろ過、等電沈殿、例えば、イオン交換クロマトグラフィー、疎水的相互作用クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー等の種々のクロマトグラフィー手法による精製により分離され、問題とするポリペプチドの型に依存する。細胞内または周辺質の生成物について、培地から分離された細胞は、分解または透過化処理され、生成物のポリペプチドまたはその前駆体を回収するために抽出される。
【0044】
エキセンディン-4アナログをコードしているDNA配列は、適切に、ゲノムまたはcDNA起源であってよく、例えば、ゲノムまたはcDNAのライブラリを準備すること、および標準的な技術に従って、合成オリゴヌクレオチドプローブを用いたハイブリダイゼーションにより、全てもしくは一部のペプチドをコードしているDNA配列をスクリーニングすることにより得られる(例えば、Sambrook, J, Fritsch, EF and Maniatis, T, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York, 1989を参照されたい)。エキセンディン-4アナログをコードしているDNA配列は、確立された標準方法により合成的に調製されてもよく、例えばBeaucage and Caruthers, Tetrahedron Letters 22 (1981), 1859 - 1869, or the method described by Matthes et al., EMBO Journal 3 (1984), 801 - 805で述べられているホスホアミド法である。前記DNA配列は、例えば米国特許第 4,683,202号またはSaiki et al., Science 239 (1988), 487 - 491において述べられているように、特異的なプライマーを用いたポリメラーゼ連鎖反応により調製されてもよい。
【0045】
前記DNA配列は、都合よく組み換えDNA手法に供するベクター中に挿入されてよく、ベクターの選択は、しばしば、それが導入される宿主細胞に依存する。それ故、前記ベクターは、例えばプラスミドのような自己複製ベクター、すなわち染色体外の実体として存在するベクターであってよく、その複製は染色体の複製から独立している。あるいは、前記ベクターは、宿主細胞に導入された場合、宿主細胞ゲノムに組み込まれ、それが組み込まれた染色体と一緒に複製されてよい。
【0046】
前記ベクターは、好ましくは発現ベクターであり、エキセンディン-4アナログをコードしているDNA配列は、プロモーターのようなDNAの転写に必要な付加的セグメントに動作可能に結合している。前記プロモーターは、選択された宿主細胞中で転写活性を示すDNA配列であってよく、宿主細胞に対して相同性または異種性のタンパク質をコードする遺伝子に由来してよい。種々の宿主細胞中で本発明のペプチドをコードするDNAの転写を指示するための適切なプロモーターの例は、例えば上記のSambrook et al.,のように当該分野において周知である。
【0047】
エキセンディン-4アナログをコードしているDNA配列は、必要な場合、適切なターミネーター、ポリアデニル化シグナル、転写のエンハンサー配列、および翻訳のエンハンサー配列と動作可能に結合してもよい。本発明の組み換えベクターは、問題とする宿主細胞中でベクターを複製することができるDNA配列をさらに含んでよい。
【0048】
前記ベクターは、選択可能なマーカーを含んでもよく、例えば、その産物が宿主細胞中において欠損を補完する遺伝子、または、例えばアンピシリン、カナマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、ネオマイシン、ハイグロマイシン、もしくはメトトレキサートのような薬剤に対する耐性を与える遺伝子である。大規模な製造において、前記選択可能なマーカーは、好ましくは抗生物質抵抗性ではなく、例えば、ベクター中の抗生物質抵抗性の遺伝子は、該ベクターが大規模な製造に用いられる場合に好ましくは除去される。ベクターから抗生物質抵抗性の遺伝子を除去するための方法は、当該分野において既知であり、例えば、本明細書の一部として援用される米国特許第6,358,705号を参照されたい。
【0049】
本発明の親ペプチドを宿主細胞の分泌経路に方向付けるために、分泌シグナル配列(リーダー配列、プレプロ配列、またはプレ配列としても既知である)が、組み換えベクター中に提供されてよい。前記分泌シグナル配列は、正しい読み取り枠でペプチドをコードしているDNA配列に結合する。分泌シグナル配列は、通常、ペプチドをコードしているDNA配列の5’に位置する。前記分泌シグナル配列は、正常にペプチドに付随するものであってよく、または他の分泌タンパク質をコードしている遺伝子に由来してもよい。
【0050】
本発明のペプチドをコードしているDNA配列、プロモーターおよび任意にターミネーター、および/または分泌シグナル配列をそれぞれライゲートするため、ならびにそれらを複製に必要な情報を含む適切なベクターに挿入するために用いられる方法は、当業者に既知である(例えば、上記Sambrook et al., を参照されたい)。
【0051】
DNA配列または組み換えベクターが挿入される宿主細胞は、本発明のペプチドを産生することができ、細菌、酵母、真菌、および高等真核生物の細胞が含まれる細胞であってよい。適切な宿主細胞の例は、当該分野において周知であり且つ用いられ、限定するものではないが、大腸菌、酵母、または哺乳類のBHKもしくはCHO細胞株である。
【0052】
本発明による化合物を含んでなる医薬組成物は、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences, 1985 または in Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th edition, 1995に記載されているような通常の方法により調製されてよい。
【0053】
本発明の1つの目的は、約0.1mg/ml〜約25mg/mlの濃度で存在する本発明による化合物を含んでなる医薬製剤を提供することであり、前記製剤は、2.0〜10.0のpHを有する。前記製剤は、緩衝系、保存剤、等張化剤、キレート剤、安定化剤、および界面活性剤をさらに含んでよい。本発明の1つの実施形態において、前記医薬製剤は水性製剤、すなわち水を含んでなる製剤である。そのような製剤は、典型的に、溶液または懸濁液である。本発明のさらなる実施形態において、前記医薬製剤は水溶液である。「水性製剤」という用語は、少なくとも50%w/wの水を含んでなる製剤と定義される。同様に、「水溶液」という用語は、少なくとも50%w/wの水を含んでなる溶液と定義され、「水性懸濁液」という用語は、少なくとも50%w/wの水を含んでなる懸濁液と定義される。
【0054】
もう1つの実施形態において、前記医薬製剤は凍結乾燥製剤であり、使用前に医師または患者が溶媒および/または希釈液を加える。
もう1つの実施形態において、前記医薬製剤は乾燥製剤(例えば凍結乾燥またはスプレードライ)であり、予め溶解することなく使用することが可能である。
【0055】
さらなる側面において、本発明は本発明による化合物の水溶液、および緩衝液を含んでなる医薬製剤に関し、前記化合物は0.1mg/ml以上の濃度で存在し、前記製剤は約2.0〜約10.0のpHを有する。
【0056】
本発明のもう1つの実施形態において、前記製剤のpHは以下からなる群より選択される:2.0, 2.1, 2.2, 2.3, 2.4, 2.5, 2.6, 2.7, 2.8, 2.9, 3.0, 3.1, 3.2, 3.3, 3.4, 3.5, 3.6, 3.7, 3.8, 3.9, 4.0, 4.1, 4.2, 4.3, 4.4, 4.5, 4.6, 4.7, 4.8, 4.9, 5.0, 5.1, 5.2, 5.3, 5.4, 5.5, 5.6, 5.7, 5.8, 5.9, 6.0, 6.1, 6.2, 6.3, 6.4, 6.5, 6.6, 6.7, 6.8, 6.9, 7.0, 7.1, 7.2, 7.3, 7.4, 7.5, 7.6, 7.7, 7.8, 7.9, 8.0, 8.1, 8.2, 8.3, 8.4, 8.5, 8.6, 8.7, 8.8, 8.9, 9.0, 9.1, 9.2, 9.3, 9.4, 9.5, 9.6, 9.7, 9.8, 9.9, および10.0。
【0057】
本発明のさらなる実施形態において、前記緩衝液は、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸塩、グリシルグリシン、ヒスチジン、グリシン、リジン、アルギニン、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナトリウム、およびトリス (ヒドロキシメチル)-アミノメタン、ビシン、トリシン、リンゴ酸、コハク酸塩、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、アスパラギン酸、またはそれらの混合物からなる群より選択される。これらの特異的な緩衝液のそれぞれが、本発明の代替の実施形態を構成する。
【0058】
本発明のさらなる実施形態において、前記製剤は、薬学的に許容可能な保存剤をさらに含んでなる。本発明のさらなる実施形態において、前記保存剤は、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、メチルp-ヒドロキシベンゾエート、プロピルp-ヒドロキシベンゾエート、2-フェノキシエタノール、ブチルp-ヒドロキシベンゾエート、2-フェニルエタノール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、およびチオメロサール、ブロノポール、安息香酸、イミドウレア、クロルヘキシジン、デヒドロ酢酸ナトリウム、クロロクレゾール、エチルp-ヒドロキシベンゾエート、塩化ベンゼトニウム、クロルフェネシン(3p-クロロフェノキシプロパン-1,2-ジオール)、またはそれらの混合物からなる群より選択される。本発明のさらなる実施形態において、前記保存剤は0.1 mg/ml〜20 mg/mlの濃度で存在する。本発明のさらなる実施形態において、前記保存剤は0.1 mg/ml〜5 mg/mlの濃度で存在する。本発明のさらなる実施形態において、前記保存剤は5 mg/ml〜10 mg/mlの濃度で存在する。本発明のさらなる実施形態において、前記保存剤は10 mg/ml〜20 mg/mlの濃度で存在する。これらの特異的な保存剤のそれぞれが、本発明の代替の実施形態を構成する。医薬組成物中における保存剤の使用は、当業者に周知である。好都合な参考文献はRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th edition, 1995である。
【0059】
本発明のさらなる実施形態において、前記製剤は、等張化剤をさらに含んでなる。本発明のさらなる実施形態において、前記等張化剤は、塩(例えば塩化ナトリウム)、糖もしくは糖アルコール、アミノ酸(例えば、L-グリシン、L-ヒスチジン、アルギニン、リジン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン、スレオニン)、アルジトール(例えば、グリセロール(グリセリン)、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール)、ポリエチレングリコール(例えばPEG400)、またはそれらの混合物からなる群より選択される。例えばフルクトース、グルコース、マンノース、ソルボース、キシロース、マルトース、ラクトース、ショ糖、トレハロース、デキストラン、プルラン、デキストリン、シクロデキストリン、可溶性デンプン、ヒドロキシエチルデンプン、およびカルボキシメチルセルロース-Na等が含まれる単糖類、二糖類、もしくは多糖類、または水溶性グルカンのような糖が使用されてよい。1つの実施形態において、糖添加物はショ糖である。糖アルコールは、少なくとも1の-OH基を有するC4〜C8炭化水素として定義され、例えば、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、ガラシチトール、ダルシトール、キシリトール、およびアラビトールが含まれる。1つの実施形態において、糖アルコール添加物はマンニトールである。上述した糖または糖アルコールは、個々にまたは組み合わせて使用されてよい。糖または糖アルコールが液体製剤に溶解し、且つ本発明の方法を用いることにより達成される安定化効果に不利な影響を与えない限り、使用量に対する固定された制限はない。1つの実施形態において、糖または糖アルコールの濃度は約1 mg/ml〜150 mg/mlの間である。本発明のさらなる実施形態において、前記等張化剤は約1 mg/ml〜50 mg/mlの濃度で存在する。本発明のさらなる実施形態において、前記等張化剤は約1 mg/ml〜7 mg/mlの濃度で存在する。本発明のさらなる実施形態において、前記等張化剤は約8 mg/ml〜24 mg/mlの濃度で存在する。本発明のさらなる実施形態において、前記等張化剤は約25 mg/ml〜50 mg/mlの濃度で存在する。これらの特異的な等張化剤のそれぞれが、本発明の代替の実施形態を構成する。医薬組成物中における等張化剤の使用は、当業者に周知である。好都合な参考文献は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th edition, 1995である。
【0060】
本発明のさらなる実施形態において、前記製剤は、キレート剤をさらに含んでなる。本発明のさらなる実施形態において、前記キレート剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸、およびアスパラギン酸の塩、ならびにそれらの混合物から選択される。本発明のさらなる実施形態において、前記キレート剤は0.1 mg/ml〜5 mg/mlの濃度で存在する。本発明のさらなる実施形態において、前記キレート剤は0.1 mg/ml〜2 mg/mlの濃度で存在する。本発明のさらなる実施形態において、前記キレート剤は2 mg/ml〜5 mg/mlの濃度で存在する。これらの特異的なキレート剤のそれぞれが、本発明の代替の実施形態を構成する。医薬組成物中におけるキレート剤の使用は、当業者に周知である。好都合な参考文献は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th edition, 1995である。
【0061】
本発明のさらなる実施形態において、前記製剤は安定化剤をさらに含んでなる。医薬組成物中における安定化剤の使用は、当業者に周知である。好都合な参考文献は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th edition, 1995である。
【0062】
特に、本発明の組成物は、安定化された液体医薬組成物であり、それらの治療的な活性成分には、保存の間に液体医薬製剤中で凝集体形成を示す可能性があるポリペプチドが含まれる。「凝集体形成」は、ポリペプチド分子間の物理的相互作用を示すものであり、結果として溶解性を残していてよいオリゴマーの形成を生じるか、または溶液から沈殿する大きな可視の凝集体を生じる。「保存の間」は、一度調製された液体医薬組成物または製剤であり、患者にすぐに投与しないものを意図している。むしろ、調製の後で、液体の形態、凍結状態、または患者に対する投与に適した液体の形態もしくは他の形態に後で再構成される乾燥形態で保存するために包装される。「乾燥形態」は、凍結乾燥(すなわちリョフィリゼーション;例えば、Williams and Polli (1984) J. Parenteral Sci. Technol. 38:48-59を参照されたい)、噴霧乾燥(Masters (1991) in Spray-Drying Handbook (5th ed; Longman Scientific and Technical, Essez, U.K.), pp. 491-676; Broadhead et al. (1992) Drug Devel. Ind. Pharm. 18:1169-1206; and Mumenthaler et al. (1994) Pharm. Res. 11:12-20を参照されたい)、または風乾(Carpenter and Crowe (1988) Cryobiology 25:459-470; および Roser (1991) Biopharm. 4:47-53)により乾燥した液体医薬組成物または製剤を意図するものである。液体医薬組成物の保存の間のポリペプチドによる凝集体形成は、ポリペプチドの生物活性に不利な影響を及ぼす可能性があり、結果として医薬組成物の治療上の有効性の減少を生じる。さらに、凝集体形成は、注入システムを用いてポリペプチド含有医薬組成物を投与した場合に、チューブ、膜、またはポンプの詰まりのような他の問題も引き起こし得る。
【0063】
本発明の医薬組成物は、組成物の保存の間におけるポリペプチドによる凝集体形成を減少させるのに十分な、ある一定量のアミノ酸塩基をさらに含んでよい。「アミノ酸塩基」は、1つのアミノ酸またはアミノ酸の組み合わせを意図し、ここで与えられたアミノ酸は、その遊離塩基の形態またはその塩の形態で存在する。アミノ酸の組み合わせが用いられる場合、全てのアミノ酸が遊離塩基の形態で存在するか、全てのアミノ酸がそれらの塩の形態で存在するか、またはいくらかはそれらの遊離塩基の形態で存在し、残りがそれらの塩の形態で存在してよい。1つの実施形態において、本発明の組成物の調製において使用されるアミノ酸は、アルギン、リジン、アスパラギン酸、およびグルタミン酸のように荷電した側鎖を有する。特定のアミノ酸(例えば、メチオニン、ヒスチジン、イミダゾール、アルギニン、リジン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン、スレオニン、およびそれらの混合物)の立体異性体(すなわちLもしくはD)またはそれらの立体異性体の組み合わせは、前記特定のアミノ酸がその遊離塩基の形態またはその塩の形態で存在する限り、本発明の医薬組成物中に存在してよい。1つの実施形態において、L-異性体が用いられる。本発明の組成物は、これらのアミノ酸のアナログを用いて製剤化されてもよい。「アミノ酸アナログ」は、本発明の液体医薬組成物の保存の間において、ポリペプチドによる凝集体形成を減少させる望ましい効果をもたらす、天然アミノ酸の誘導体を意図する。適切なアルギニンアナログには、例えばアミノグアニジン、オルニチン、およびN-モノエチル L-アルギニンが含まれ、適切なメチオニンアナログには、S-エチルホモシステインおよびS-ブチルホモシステインが含まれ、適切なシステインアナログには、S-メチル-L-システインが含まれる。他のアミノ酸を用いる場合、前記アミノ酸アナログは、それらの遊離塩基の形態またはそれらの塩の形態で組成物中に組み込まれる。本発明のさらなる実施形態において、アミノ酸またはアミノ酸アナログは、タンパク質の凝集を妨げるまたは遅延させるのに十分な濃度で使用される。
【0064】
本発明のさらなる実施形態において、治療薬として作用するポリペプチドが、そのような酸化に対して感受性の高い少なくとも1のメチオニン残基を含んでなるポリペプチドである場合、メチオニン(または他の含硫アミノ酸もしくはアミノ酸アナログ)は、メチオニン残基からメチオニンスルホキシドへの酸化を阻害するために加えられてよい。「阻害する」は、長時間にわたって、メチオニンの酸化種の蓄積が最小限であることを意図する。メチオニンの酸化を阻害することは、ポリペプチドのそれらの適切な分子形態でのより長い保持を結果として生じる。メチオニンの立体異性体(L、D、またはそれらの混合物)を用いることができる。加えるべき量は、メチオニンスルホキシドの量が規定する作用に対して許容可能になるように、メチオニン残基の酸化を阻害するのに十分な量であるべきである。典型的に、これは、組成物が約10%〜約30%以下のメチオニンスルホキシドを含有することを意味する。一般的に、これは、加えたメチオニンとメチオニン残基の割合が約10:1〜約100:1のように、約1:1〜約1000:1の範囲になるように、メチオニンを加えることにより達成することができる。
【0065】
本発明のさらなる実施形態において、前記製剤は、高分子量ポリマーまたは低分子化合物の群から選択される安定化剤をさらに含んでなる。本発明のさらなる実施形態において、前記安定化剤は、ポリエチレングリコール(例えばPEG 3350)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、カルボキシ-/ヒドロキシセルロースまたはそれらの誘導体(例えば、HPC、HPC-SL、HPC-L、およびHPMC)、シクロデキストリン、モノチオグリセロール、チオグリコール酸、および2-メチルチオエタノールのような硫黄含有物質、ならびに異なる塩(例えば塩化ナトリウム)から選択される。
【0066】
前記医薬組成物は、治療的に活性を有するポリペプチドの安定性をさらに増強する付加的な安定化剤をさらに含んでもよい。本発明に特に関係する安定化剤には、限定するものではないが、ポリペプチドをメチオニン酸化に対して保護するメチオニンおよびEDTA、ポリペプチドを凍結-解凍または機械的なせん断に付随する凝集に対して保護する非イオン性界面活性剤が含まれる。
【0067】
本発明のさらなる実施形態において、前記製剤は界面活性剤をさらに含んでなる。本発明のさらなる実施形態において、前記界面活性剤は以下から選択される:洗剤、エトキシル化ヒマシ油、ポリグリコール化グリセリド、アセチル化モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレンブロック共重合体(例えば、プルロニク(Pluronic:登録商標)F68、ポロキサマー188および407のようなポロキサマー、トリトンX-100)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキル化およびアルコキシル化誘導体のようなポリオキシエチレンおよびポリエチレン誘導体(例えばツイーン-20、ツイーン-40、もしくはツイーン-80のようなツイーンおよびBrij-35)、モノグリセリドもしくはそれらのエトキシル化誘導体、ジグリセリドもしくはそれらのポリオキシエチレン誘導体、アルコール、グリセロール、レシチン、およびリン脂質(例えば、ホスファチジルセリン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ジホスファチジルグリセロール、およびスフィンゴミエリン)、リン脂質の誘導体(例えばジパルミトイルホスファチジン酸)およびリゾリン脂質(例えばパルミトイルリゾホスファチジル-L-セリンおよびエタノールアミン、コリン、セリン、もしくはスレオニンの1-アシル-sn-グリセロ-3-リン酸エステル)、例えばリゾホスファチジルコリンのラウロイルおよびミリストイル誘導体、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ならびに極性の頭部基であるコリン、エタノールアミン、ホスファチジン酸、セリン、スレオニン、グリセロール、イノシトール、および正に荷電したDODAC、DOTMA、DCP、BISHOP、リゾホスファチジルセリンおよびリゾホスファチジルスレオニンの修飾体のようなリゾホスファチジルおよびホスファチジルコリンのアルキル、アルコキシル(アルキルエステル)、アルコキシ(アルキルエーテル)-誘導体、グリセロリン脂質(例えばケファリン)、グリセロ糖脂質(例えばガラクトピラノシド)、スフィンゴ糖脂質(例えばセラミド、ガングリオシド)、ドデシルホスホコリン、雌鳥卵のリゾレシチン、フシジン酸誘導体(例えばタウロジヒドロフシジン酸ナトリウム等)、長鎖脂肪酸およびそれらのC6〜C12塩(例えばオレイン酸およびカプリル酸)、アシルカルニチンおよび誘導体、リジン、アルギニン、もしくはヒスチジンのNα-アシル化誘導体、またはリジンもしくはアルギニンの側鎖アシル化誘導体、リジン、アルギニン、もしくはヒスチジンと中性もしくは酸性アミノ酸との任意の組み合わせを含んでなるジペプチドのNα-アシル化誘導体、1つの中性アミノ酸と2つの荷電アミノ酸との任意の組み合わせを含んでなるトリペプチドのNα-アシル化誘導体、DSS (ドキュセートナトリウム, CAS登録番号[577-11-7])、ドキュセートカルシウム, CAS登録番号[128-49-4])、ドキュセートカリウム, CAS登録番号[7491-09-0])、SDS (ドデシル硫酸ナトリウムまたはラウリル硫酸ナトリウム)、カプリル酸ナトリウム、コール酸もしくはその誘導体、胆汁酸およびその塩ならびにグリシンもしくはタウリン抱合体、ウルソデオキシコール酸、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、グリココール酸ナトリウム、N-ヘキサデシル-N,N-ジメチル-3-アンモニオ-1-プロパンスルホネート、陰イオン性(アルキル-アリール-スルホネート)一価界面活性剤、両性イオン性界面活性剤(例えば、N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニオ-1-プロパンスルホネート、3-コールアミド-1-プロピルジメチルアンモニオ-1-プロパンスルホネート)、陽イオン性界面活性剤(4級アンモニウム塩基)(例えば、セチル-トリメチルアンモニウムブロミド、セチルピリジニウムクロリド)、非イオン性界面活性剤(例えば、ドデシルβ-D-グルコピラノシド)、ポロキサミン(例えばテトロニクス(Tetronic’s))、プロピレンオキシドおよびエチレンオキシドのエチレンジアミンへの逐次付加に由来する四官能価ブロック共重合体、またはイミダゾリン誘導体の群より選択されてよい界面活性剤、もしくはそれらの混合物。これらの特異的な界面活性剤のそれぞれは、本発明の代替の実施形態を構成する。
【0068】
医薬組成物中における界面活性剤の使用は、当業者に周知である。好都合な参考文献は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th edition, 1995である。
【0069】
他の成分が本発明のペプチド医薬組成物中に存在してもよい。そのような付加的な成分には、湿潤剤、乳化剤、酸化防止剤、増量剤、張度調節因子、キレート剤、金属イオン、油性溶媒、タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン、ゼラチン、またはタンパク質)および双性イオン(例えば、ベタイン、タウリン、アルギニン、グリシン、リジン、およびヒスチジンのようなアミノ酸)が含まれてよい。そのような付加的な成分は、もちろん、本発明の医薬製剤の全体的な安定性に不利に影響すべきではない。
【0070】
本発明による化合物を含有する医薬組成物は、治療を必要とする患者にいくつかの部位に投与されてよく、例えば、皮膚および粘膜のような局所的な部位、例えば動脈、静脈、心臓への投与のような吸収をバイパスする部位、例えば皮内、皮下、筋肉、または腹部における投与のような吸収に関与する部位である。
【0071】
本発明による医薬組成物の投与は、例えば、舌、舌下、頬、口内、経口、胃および腸内、鼻、例えば細気管支および肺胞もしくはそれらの組み合わせを通して肺に、上皮、真皮、経皮、膣、直腸、例えば結膜を通して眼球に、尿管、および非経口的に等のいくつかの投与経路を介して、そのような治療を必要とする患者に投与されてよい。
【0072】
本発明の組成物は、例えば、溶液、懸濁液、エマルジョン、ミクロエマルジョン、複合エマルジョン、気泡、軟膏(salve)、ペースト、硬膏、軟膏(ointments)、錠剤、コーティング錠、リンス、例えば硬ゼラチンカプセルおよび軟ゼラチンカプセル等のカプセル剤、坐剤、直腸カプセル、点滴薬、ゲル、スプレー、散剤、エアロゾル、吸入剤、点眼剤、眼軟膏、目のすすぎ液、膣坐剤、膣リング、膣軟膏、注射溶液、例えばインサイツゲル化、インサイツ硬化、インサイツ沈殿、インサイツ結晶化のようなインサイツの形質変換溶液、注入溶液、およびインプラントとして、いくつかの剤形で投与されてよい。
【0073】
本発明の組成物は、化合物の安定性のさらなる向上、バイオアベイラビリティーの増大、溶解性の増大、副作用の減少、当業者に周知の時間治療の達成、および患者のコンプライアンスの向上、もしくはそれらの組み合わせのために、例えば、共有結合、疎水性および静電気的な相互作用、薬物キャリア、ドラッグデリバリーシステムおよび進化したドラッグデリバリーシステムを介して配合され、または加えられてよい。キャリア、ドラッグデリバリーシステム、進化したドラッグデリバリーシステムの例には、限定するものではないが、例えばセルロースおよび誘導体、デキストランおよび誘導体のようなポリサッカライド、デンプンおよび誘導体、ポリ(ビニルアルコール)、アクリル酸およびメタクリル酸ポリマー、ポリ乳酸およびポリグリコール酸ならびにそれらのブロック共重合体、ポリエチレングリコール等のポリマー、例えばアルブミンのようなキャリアタンパク質、例えば熱ゲル化システムのようなゲル、例えば当業者に周知のブロック共重合システム、ミセル、リポソーム、ミクロスフェア、ナノ粒子、液晶およびその分散、当業者に周知の脂質-水系における相挙動であるL2相およびその分散、重合体ミセル、複合エマルジョン、自己乳化、自己ミクロ乳化(self-microemulsifying)、シクロデキストリンおよびその誘導体、ならびにデントリマーが含まれる。
【0074】
本発明の組成物は、化合物の肺投与のために、例えば計量吸入器、乾燥粉末吸入器、およびネブライザーのようなすべて当業者に周知の装置を用いて、固体、半固体、粉末、および溶液の製剤として有用である。
【0075】
本発明の組成物は、徐放の、持効性の、延長した、遅延性の、および緩徐な放出のドラッグデリバリーシステムの製剤として特に有用である。特に、限定するものではないが、組成物は、非経口的な徐放性および持効性のシステム(両方のシステムは、投与の回数を何倍も減少させる)の製剤において有用であり、当業者に周知である。さらに好ましくは、皮下投与される徐放性および持効性のシステムである。本発明の範囲を限定することなく、有用な徐放性システムおよび組成物の例は、ヒドロゲル、油性ゲル、液晶、重合体ミセル、ミクロスフェア、ナノ粒子である。
【0076】
本発明の組成物に対して有用な徐放性システムを作り出す方法には、限定するものではないが、結晶化、縮合、共結晶化、沈殿、共沈殿、乳化、分散、高圧均質化、カプセル化、噴霧乾燥、マイクロカプセル化、コアセルベーション、相分離、ミクロスフェアを作るための溶媒蒸発、押し出し、および超臨界流体処理が含まれる。一般的な参考文献は、Handbook of Pharmaceutical Controlled Release (Wise, D.L., ed. Marcel Dekker, New York, 2000) および Drug and the Pharmaceutical Sciences vol. 99: Protein Formulation and Delivery (MacNally, E.J., ed. Marcel Dekker, New York, 2000)である。
【0077】
非経口的な投与は、シリンジ、任意にペン様シリンジを用いて、皮下、筋肉内、腹腔内、または静脈内注射により行われてよい。あるいは、非経口的な投与は、注入ポンプによって行うこともできる。さらなる選択肢は、本発明による化合物を鼻腔または肺のスプレーの形態で投与するために液体または懸濁液であってよい組成物である。さらなる選択肢として、本発明の化合物を含有する医薬組成物は、例えば針なしの注射またはパッチ、任意にイオン泳動的なパッチにより経皮投与されるか、または例えば頬への投与のように粘膜投与されることも可能である。
【0078】
「安定化した製剤」という用語は、増大した物理的安定性、増大した化学的安定性、または増大した物理的および化学的安定性を有する製剤を意味する。
【0079】
ここで用いられる場合、タンパク質製剤の「物理的安定性」という用語は、タンパク質が熱化学的なストレスおよび/または疎水性の表面および界面のような不安定化する界面および表面との相互作用に曝された結果として、生物学的に不活性および/または不溶性のタンパク質の凝集体を形成する傾向を意味する。水性タンパク質製剤の物理的安定性は、適切な容器(例えばカートリッジまたはバイアル)に充填された製剤を異なる温度、種々の時間において機械的/物理的ストレス(例えば撹拌)に曝した後に、視覚的な観察および/または濁度測定法により評価される。前記製剤の視覚的な観察は、暗い背景を用いて、鋭く焦点を合わせた光において行われる。製剤の濁度は、例えば0〜3の規模の濁り度(濁りを示さない製剤は視覚的スコア0に対応し、明所において視覚的濁りを示す製剤は視覚的スコア3に対応)を格付けする視覚的なスコアにより特徴付けられる。製剤は、明所において視覚的濁りを示す場合、タンパク質凝集に関して物理的に不安定であると分類される。あるいは、前記製剤の濁度は、当業者に周知の単純濁度測定により評価することができる。前記水性タンパク質製剤の物理的安定性は、タンパク質の高次構造的な状態のプローブまたは分光学的な薬剤を用いることにより評価することもできる。前記プローブは、好ましくは、タンパク質の本来的でない配座異性体と優先的に結合する小分子である。タンパク質構造の小分子分光学的プローブの1つの例は、チオフラビンTである。チオフラビンTは、アミロイド原線維の検出に広く用いられる蛍光色素である。原繊維の存在下において、およびもしかすると他のタンパク質の立体配置も同様に、チオフラビンTは、原繊維タンパク質型に結合した場合、約450nmにおいて新しい励起極大を生じ、約482nmにおいて増強された発光を生じる。非結合のチオフラビンTは、前記波長において本質的に非蛍光性である。
【0080】
他の小分子は、タンパク質の構造における天然の状態から天然でない状態への変化のプローブとして用いることができる。例えば、「疎水性パッチ」プローブは、タンパク質のむき出しの疎水性パッチに優先的に結合する。前記疎水性パッチは、一般的に、未変性の状態におけるタンパク質の三次構造内に埋め込まれるが、タンパク質がほどかれ、または変性し始める時に曝される。これらの小分子、分光学的プローブの例は、アントラセン、アクリジン、フェナントロリン等のような芳香族、疎水性色素である。他の分光学的プローブは、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、およびバリン等の疎水性アミノ酸のコバルト金属錯体のような金属-アミノ酸錯体である。
【0081】
ここで用いられる場合、タンパク質製剤の「化学的安定性」という用語は、タンパク質構造における化学的な共有結合性の変化を指し、天然のタンパク質構造と比較して潜在的に少ない生物学的な効力および/または潜在的に増大した免疫原生の性質を有する化学分解生成物の形成を導く。種々の化学的分解生成物は、天然タンパク質の型および性質ならびにそのタンパク質が曝される環境に依存して形成され得る。化学分解の除去は、完全に避けることはおそらく不可能であり、化学分解生成物の量の増加は、当業者に周知の通り、保存の間およびタンパク質製剤の使用の間によく見られる。ほとんどのタンパク質は、グルタミニルまたはアスパラギニル残基における側鎖アミノ基が加水分解され、遊離カルボン酸を生じるプロセスである脱アミドを引き起こしやすい。他の分解経路には、高分子量変換生成物の形成が含まれ、2以上のタンパク質分子が、脱アミドおよび/またはジスルフィド相互作用を介してそれぞれ共有結合性に結合し、共有結合性のダイマー、オリゴマー、およびポリマー分解生成物に導く(Stability of Protein Pharmaceuticals, Ahern. T.J. & Manning M.C., Plenum Press, New York 1992)。酸化(例えばメチオニン残基)は、他の種々の化学的分解として述べることができる。前記タンパク質製剤の化学的安定性は、異なる環境条件に曝した後、種々の時点において、化学的分解生成物の量を測定することにより評価できる(分解生成物の形成は、例えば、温度上昇によりしばしば促進され得る)。それぞれの個々の分解生成物の量は、種々のクロマトグラフィー技術(例えば、SEC-HPLCおよび/またはRP-HPLC)を用いて、分子サイズおよび/または電荷に依存して分解生成物を分離することによりしばしば決定される。
【0082】
それ故、上記で概要を述べたように、「安定化した製剤」は、増大した物理的安定性、増大した化学的安定性、または増大した物理的および化学的安定性を有する製剤を指す。一般的に、製剤は、使用期限に達するまで、使用および保存(推奨される使用および保存条件に従う)の間に安定でなければならない。
【0083】
本発明の1つの実施形態において、本発明による化合物を含んでなる医薬製剤は、使用について6週間より長い期間、且つ保存については3年より長い期間安定である。
本発明のもう1つの実施形態において、本発明による化合物を含んでなる医薬製剤は、使用について4週間より長い期間、且つ保存については3年より長い期間安定である。
本発明のさらなる実施形態において、本発明による化合物を含んでなる医薬製剤は、使用について4週間より長い期間、且つ保存については2年より長い期間安定である。
本発明のさらなる実施形態において、前記化合物を含んでなる医薬製剤は、使用について2週間より長い期間、且つ保存については2年より長い期間安定である。
【0084】
もう1つの側面において、本発明は、薬剤の調製のための本発明による化合物の使用に関する。
本発明の1つの実施形態において、本発明による化合物は、高血糖、2型糖尿病、耐糖能異常、1型糖尿病、肥満、高血圧、シンドロームX、異脂肪血症、認知障害、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、冠血管心疾患および他の循環器病、脳卒中、炎症性腸症候群、消化不良、ならびに胃潰瘍の治療または予防のための薬剤の調製に使用される。
【0085】
本発明のもう1つの実施形態において、本発明による化合物は、2型糖尿病における疾患の進行を遅延または予防するための薬剤の調製に用いられる。
本発明のもう1つの実施形態において、本発明による化合物は、食物摂取の減少、β細胞のアポトーシスの減少、β細胞機能の増加、およびβ細胞質量の増加のため、および/またはβ細胞に対するグルコース感受性を回復させるための薬剤の調製に用いられる。
【0086】
本発明による化合物を用いた治療は、第2のまたはさらなる薬理学的に活性を有する物質と組み合わせてもよく、例えば、抗糖尿病薬、抗肥満薬、食欲調節薬、降圧剤、糖尿病の結果として生じるまたは糖尿病に付随する合併症の治療および/または予防のための薬剤、肥満の結果として生じるまたは肥満に付随する合併症および障害の治療および/または予防のための薬剤である。これらの薬理学的に活性を有する物質の例は、インスリン、GLP-1アゴニスト、スルホニルウレア、ビグアナイド、メグリチニド、グルコシダーゼ阻害剤、グルカゴンアンタゴニスト、DPP-IV (ジペプチジルペプチダーゼ-IV)阻害剤、ガストリン、糖新生および/またはグリコーゲン分解の刺激に関与する肝臓酵素の阻害剤、グルコース取り込み調節因子、HMG CoA阻害剤(スタチン)等の抗高脂血症薬のような脂質代謝を調節する化合物、食物摂取を低下させる化合物、RXRアゴニスト、およびβ細胞のATP依存性カリウムチャネルで作用する薬剤;コレスチラミン、コレスチポール、クロフィブラート、ゲムフィブロジル、ロバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、プロブコール、デキストロチロキシン、ナテグリニド、レパグリニド;アルプレノロール、アテノロール、チモロール、ピンドロール、プロプラノロール、およびメトプロロールのようなβ遮断薬、ベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、フォシノプリル、リシノプリル、アラトリオプリル、キナプリル、およびラミプリルのようなACE(アンギオテンシン変換酵素)阻害薬、ニフェジピン、フェロジピン、ニカルジピン、イスラジピン、ニモジピン、ジルチアゼム、およびベラパミルのようなカルシウムチャネル遮断薬、ドキサゾシン、ウラピジル、プラゾシン、およびテトラゾシンのようなα遮断薬;CART (コカインアンフェタミン調節転写産物)アゴニスト、NPY (神経ペプチドY)アンタゴニスト、MC4 (メラノコルチン4)アゴニスト、オレキシンアンタゴニスト、TNF (腫瘍壊死因子)アゴニスト、CRF (コルチコトロピン放出因子)アゴニスト、CRF BP (コルチコトロピン放出因子結合タンパク質)アンタゴニスト、ウロコルチンアゴニスト、β3アゴニスト、MSH (メラニン細胞刺激ホルモン)アゴニスト、MCH (メラニン細胞凝集ホルモン)アンタゴニスト、CCK (コレシストキニン)アゴニスト、セロトニン再取り込み阻害剤、セロトニンおよびノルアドレナリン再取り込み阻害剤、混合されたセロトニンおよびノルアドレナリン作動性化合物、5HT (セロトニン)アゴニスト、ボンベシンアゴニスト、ガラニンアンタゴニスト、成長ホルモン、成長ホルモン放出化合物、TRH (甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)アゴニスト、UCP 2もしくは3 (脱共役タンパク質2 もしくは3)修飾因子、レプチンアゴニスト、DAアゴニスト(ブロモクリプチン、ドプレキシン)、リパーゼ/アミラーゼ阻害剤、RXR (レチノイドX受容体)修飾因子、TRβアゴニスト;ヒスタミンH3アンタゴニストである。
【0087】
本発明による化合物と、1以上の上述した化合物および任意に1以上のさらなる薬理学的に活性を有する物質との適切な組み合わせは、本発明の範囲内であると解されるべきである。
【0088】
本発明はさらに、以下の実施例により説明されるが、保護範囲を限定するものと解釈されるべきではない。上述の説明および以下の実施例において開示されている特徴は、単独で且つそれらを組み合わせて、多様な形態で本発明を認識するための材料であってよい。
【実施例】
【0089】
使用される略語:
r.t 室温
DIEA ジイソプロピルエチルアミン
H2O 水
CH3CN アセトニトリル
DMF NN ジメチルホルムアミド
HBTU 2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル-)-1,1,3,3 テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩
Fmoc 9 H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニル
Boc tert ブチルオキシカルボニル
OtBu tert ブチルエステル
tBu tert ブチル
Trt トリフェニルメチル
Pmc 2,2,5,7,8-ペンタメチル-クロマン-6-スルホニル
Dde 1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロへキシリデン)エチル
DCM ジクロロメタン
TIS トリイソプロピルシラン
TFA トリフルオロ酢酸
Et2O ジエチルエーテル
NMP 1-メチル-ピロリジン-2-オン
前記ペプチドは、Fmoc法を用いて、0.25mmol規模のアプライドバイオシステム433Aペプチド合成機で、HBTU (2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル-)-1,1,3,3 テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロリン酸塩)に媒介されるN-メチルピロリドン(N-メチルピロリドン)におけるカップリングおよびFmoc保護基の脱保護のUVモニタリングを用いて、製造業者が提供したFastMoc UVプロトコルによりFmoc保護Rinkアミド樹脂(ノババイオケム)またはクロロトリチル樹脂上で合成した。使用した保護されたアミノ酸誘導体は、ABI433A合成機に適した予め質量を測定したカートリッジ中に提供された標準的なFmoc-アミノ酸 (Anaspec)であり、Fmoc-Aib-OH (Fmoc-アミノイソブチル酸)のような本来のものとは異なるアミノ酸は除外された。
【0090】
保護されたペプチドが結合した粗製の樹脂上の特異的なリジン残基に対する側鎖およびリンカーの付加は、自動化された合成の間に、Fmoc-Lys(Dde)-OHの組み込みによりある特定の位置で行われ、続いてヒドラジンを用いた選択的な脱保護を行った。
【0091】
Dde-保護を除去するための方法
樹脂(0.25 mmol)を手動の振とう器/ろ過装置中に入れ、DDE基を除去するためにN-メチルピロリドン(20 ml, 2x12 min)中における2%ヒドラジンで処理し、N-メチルピロリドン(4x20 ml)で洗浄した。
【0092】
リジン残基に対して側鎖を付加するための方法
アミノ酸(樹脂に対して4モル当量)をN-メチルピロリドン/メチレンクロリド(1:1, 10 ml)中に溶解した。ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt) (樹脂に対して4モル当量)およびジイソプロピルカルボジイミド(樹脂に対して4モル当量)を加え、その溶液を15分間撹拌した。溶液を樹脂に加え、ジイソプロピルエチルアミン(樹脂に対して4モル当量)を加えた。樹脂を室温で24時間振とうした。N-メチルピロリドン(2x20 ml)、N-メチルピロリドン/メチレンクロリド(1:1) (2x20ml)、およびメチレンクロリド(2x20 ml)で樹脂を洗浄した。
【0093】
Fmoc-保護を除去するための方法
樹脂(0.25 mmol)を手動の振とう装置中の吸引びん中に入れ、N-メチルピロリドン/メチレンクロリド(1:1) (2x20 ml)およびN-メチルピロリドン(1x20 ml)、N-メチルピロリドン中における20%ピペリジン溶液(3x20 ml, 各10分)で処理した。樹脂をN-メチルピロリドン(2x20 ml)、N-メチルピロリドン/メチレンクロリド(1:1) (2x20ml)、およびメチレンクロリド(2x20 ml)で洗浄した。
【0094】
樹脂からペプチドを切断する方法
トリフルオロ酢酸、水、およびトリイソプロピルシラン(95:2.5:2.5)の混合物を用いて、室温で180分間撹拌することにより、樹脂からペプチドを切断した。切断混合物をろ過し、ろ液を窒素気流により油状になるまで濃縮した。45mlのジエチルエーテルを用いて粗製ペプチドをこの油から沈殿させ、45 mlジエチルエーテルを用いて3回洗浄した。
【0095】
精製
7μC-18シリカを充填した20 mm x 250 mmカラムを用いて、半分取HPLCにより粗製ペプチドを精製した。ペプチドに依存して、1または2の精製システムを用いた。
【0096】
TFA:乾燥した後、粗製ペプチドを5 ml 50% 酢酸H2Oに溶解し、H2Oを用いて20 mlまで希釈し、カラムに注入し、40℃で50分間、0.1% TFA中における40〜60% CH3CNの勾配を用いて溶出した。ペプチド含有画分を集めた。水を用いて溶出液を希釈した後、精製されたペプチドを凍結乾燥した。
【0097】
硫酸アンモニウム:0.05M (NH4)2SO4中における40% CH3CNを用いてカラムを平衡化し、濃H2SO4を用いてpHを2.5に調節した。乾燥後、粗製ペプチドを5 ml 50%酢酸H2O中に溶解し、H2Oを用いて20 mlまで希釈し、カラムに注入し、0.05M (NH4)2SO4, pH 2.5中における40%〜60% CH3CNの勾配を用いて、40℃で50分間、10 ml/minで溶出した。ペプチド含有画分を回収し、3倍のH2Oで希釈し、0.1% TFAで平衡化したSep-Pak(登録商標)C18カートリッジ(Waters part. #:51910 )を通した。その後、70% CH3CNを含有する0.1% TFAで溶出し、溶出液を水で希釈した後、精製したペプチドを凍結乾燥により単離した。
【0098】
得られた最終生成物を、分析RP-HPLC(保持時間)およびLCMSにより特徴付けた。
RP-HPLC分析は、214 nmにおけるUV検出およびVydac 218TP54 4.6mm x 250mm 5 C-18 シリカカラム(セパレーションズグループ, ヘスペリア(Hesperia), USA)を用いて行い、42℃、1 ml/minで溶出した。2つの異なる溶出条件を用いた:
A1: 0.1M (NH4)2SO4からなる緩衝液でカラムを平衡化し、濃H2SO4を用いてpHを2.5に調節し、同じ緩衝液中における0%〜60%CH3CNの勾配により、50分間溶出した。
【0099】
B1: 0.1% TFA / H2Oを用いてカラムを平衡化し、0% CH3CN / 0.1% TFA / H2O 〜60% CH3CN / 0.1% TFA / H2Oの勾配により、50分間溶出した。
【0100】
B6: 0.1% TFA / H2Oを用いてカラムを平衡化し、0% CH3CN / 0.1% TFA / H2O 〜90% CH3CN / 0.1% TFA / H2Oの勾配により、50分間溶出した。
【0101】
LCMSは、ヒューレットパッカードシリーズ1100 G1312A ビンポンプ(Bin Pump)、ヒューレットパッカードシリーズ1100カラムコンパートメント、ヒューレットパッカードシリーズ1100 G1315A DADダイオードアレイ検出器、ヒューレットパッカードシリーズ1100 MSD、およびHPケムステーションソフトウェアにより制御されたSedere 75蒸発光散乱検出器からなる機構を用いて行った。HPLCポンプを、以下の2つの溶出液の水槽につないだ:
A:水中における10mM NH4OH
B:90%アセトニトリル中における10mM NH4OH
分析は、AおよびBの勾配を用いて溶出したカラムに適切な量の試料(好ましくは20μl)を注入することにより、23℃で行った。
【0102】
使用したHPLC条件、検出器の設定、および質量分析計の設定を以下の表に示す:
カラム Waters Xterra MS C-18 X 3 mm id 5 m
勾配 6.5分間、1.5ml/minで、5%〜100%アセトニトリルの直線的な勾配
検出 210 nm (DADからのアナログ出力)
ELS (ELSからのアナログ出力)
MSイオン化モードAPI-ES. スキャン 100-1000 amu ステップ 0.1 amu。
【0103】
例1
[N-ε(17-カルボキシヘプタデカン酸)[Lys20]エキセンディン-4(1-39)-アミド
【化19】

【0104】
製造者のガイドラインに従い、樹脂(リンクアミド, 0.68 mmol/g ノババイオケム(Novabiochem) 0.25 mmole)を用いて、ABI433A機上に第一の配列を産生した。全ての保護基は、37位に用いた残基(FmocLys(ivDde)-OH, ノババイオケム)を除いて酸に不安定であり、他のどのリジンよりもこのリジンの特異的な脱保護を可能にした。
【0105】
方法
樹脂(0.25 mmole)を手動の振とう器/ろ過装置中に入れ、N-メチルピロリドン中における2%ヒドラジンで処理し(2x12 min. 2x20 ml)、Dde基を除去した。樹脂をN-メチルピロリドン(4x20 ml)で洗浄した。Fmoc-8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸(ネオシステム FA03202) (樹脂に対して4モル当量)をN-メチルピロリドン/メチレンクロリド(1:1, 20 ml)に溶解した。ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt) (樹脂に対して4モル当量)およびジイソプロピルカルボジイミド(樹脂に対して4モル当量)を加え、溶液を15分間撹拌した。前記溶液を樹脂に加え、ジイソプロピルエチルアミン(樹脂に対して4モル当量)を加えた。樹脂を室温で24時間振とうした。樹脂をN-メチルピロリドン(4x20 ml)で洗浄した。N-メチルピロリドン中における20%ピペリジン溶液(3x20 ml, 各10 min )を、振とうの間に樹脂に加えた。樹脂をN-メチルピロリドンで洗浄した(4x20 ml)。ドデカン酸(樹脂に対して4モル当量)をN-メチルピロリドン/メチレンクロリド(1:1, 20 ml)中に溶解した。ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBt; H2O) (樹脂に対して4モル当量)およびジイソプロピルカルボジイミド(樹脂に対して4モル当量)を加え、溶液を15分間撹拌した。溶液を樹脂に加え、ジイソプロピルエチルアミン(樹脂に対して4モル当量)を加えた。樹脂を室温で24時間振とうした。樹脂をN-メチルピロリドン(2x20 ml)、N-メチルピロリドン/メチレンクロリド(1:1) (2x20ml)、およびメチレンクロリド(2x20 ml)で洗浄した。トリフルオロ酢酸、水、およびトリイソプロピルシラン(95:2.5:2.5 15 ml)の混合物を用いて、室温で180分振とうすることにより、樹脂からペプチドを切断した。切断混合物をろ過し、ろ液を減圧下で油状になるまで濃縮した。粗製ペプチドを、ジエチルエーテル45mlを用いてこの油から沈殿させ、45mlジエチルエーテルで3回洗浄した。7μ C-18 シリカを充填した20 mm x 250 mmカラムを用いた分取HPLCにより、粗製ペプチドを精製した。粗製ペプチドを水中における50%酢酸5 mlに溶解し、H
2Oを用いて20mlまで希釈し、カラムに注入し、40〜60% (0.1% TFA を含む水中におけるCH3CN)を用いて、40℃、10 ml/minで50分間溶出した。ペプチド含有画分を回収した。溶出液を水で希釈した後、精製したペプチドを凍結乾燥した。
【0106】
HPLC (方法A1): RT=41.325 min (84%)
LCMS: m/z = 1486.4 (M+3H)3+ 算出した (M+H)+ = 4455.1。
【0107】
例2
N-ε32-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイル)[Lys32]エキセンディン-4(1-39)アミド
【化20】

【0108】
例1および「合成方法」に従って調製した。
【0109】
HPLC: (方法B6): RT=33,66 min (98%)
HPLC: (方法A1): RT=46,77 min
LCMS: m/z = 1132,2 (M+4H)4+, 1509,2 (M+3H)3+ 算出した(M+H)+ = 4524,2。
【0110】
例3
[デスアミノHis1], N-ε20-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイル)[Lys20]エキセンディン-4(1-39)アミド
【化21】

【0111】
例1および「合成方法」に従って調製した。
【0112】
HPLC (方法A1): RT= 33.7 min
LCMS: m/z = 1125.2 (M+3H)3+ 算出した(M+H)+ = 4496.1。
【0113】
例4
N-ε32-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイル)[Lys32]エキセンディン-4(1-39)アミド
【化22】

【0114】
例1および「合成方法」に従って調製した。
【0115】
HPLC (方法A1): RT= min
LCMS: m/z = (M+3H)3+ 算出した(M+H)+ = 4532.2。
【0116】
例5
Arg12,27 NLe14, lys32 N-ε32-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイル)[Lys32]エキセンディン-4(1-39)アミド
【化23】

【0117】
例1および「合成方法」に従って同様に調製した。
【0118】
HPLC (方法A1): RT= 35.26min
LCMS: m/z = 1521.8 (M+3H)3+ 算出した(M+H)+ = 4562.2。
【0119】
例6
N-ε20-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)[Lys20] エキセンディン-4 (1-39)-アミド
【化24】

【0120】
例1および「合成方法」に従って同様に調製した。
【0121】
HPLC (方法A1): RT= min
LCMS: m/z = 1495.4 (M+3H)3+ 算出された(M+H)+ = 4483.2。
【0122】
例7
N-ε20-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)[Lys20] エキセンディン-4 (1-39)-アミド
【化25】

【0123】
例1および「合成方法」に従って同様に調製した。
【0124】
HPLC (方法A1): RT= min
LCMS: m/z = 1476.7 (M+3H)3+ 算出した(M+H)+ = 4427.1。
【0125】
例8
N-ε20-(13-カルボキシトリデカノイルアミノ)[Lys20] エキセンディン-4 (1-39)-アミド
【化26】

【0126】
例1および「合成方法」に従って同様に調製した。
【0127】
HPLC (方法A1): RT= min
LCMS: m/z =1467.4 (M+3H)3+ 算出した(M+H)+ = 4399.0。
【0128】
例9
N-ε20-(11-カルボキシウンデカノイルアミノ)[Lys20] エキセンディン-4 (1-39)-アミド
【化27】

【0129】
例1および「合成方法」に従って同様に調製した。
【0130】
HPLC (方法A1): RT= min
LCMS: m/z =1458.2 (M+3H)3+ 算出した(M+H)+ = 4370.9。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二価酸でアシル化されたリジン残基により1つのアミノ酸残基が置換された、エキセンディン-4化合物。
【請求項2】
前記エキセンディン-4化合物の20位にアシル化されたリジン残基を含んでなる、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記エキセンディン-4化合物の32位にアシル化されたリジン残基を含んでなる、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
前記二価酸がジカルボン酸である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
アシル化基が直鎖または分枝鎖状のアルカンα,ω-ジカルボン酸である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
前記アシル化基がHOOC-(CH2)nCO-の構造を有し、ここでのnは12〜20である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
前記アシル化基がHOOC-(CH2)14CO-、HOOC-(CH2)15CO-、HOOC-(CH2)16CO-、HOOC-(CH2)17CO-、およびHOOC-(CH2)18CO-から選択される構造を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
前記アシル化基がHOOC-(CH2)16CO-の構造を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物であって、前記エキセンディン-4化合物はアシル化されたエキセンディン-4アナログであり、エキセンディン-4(1-39)(配列番号1)と比較して置換され、付加され、もしくは欠失した15以下のアミノ酸残基を含んでなるか、またはエキセンディン-4(1-39)(配列番号1)と比較して置換され、付加され、もしくは欠失した10以下のアミノ酸残基を含んでなる化合物。
【請求項10】
請求項9に記載の化合物であって、前記エキセンディン-4化合物はアシル化されたエキセンディン-4アナログであり、エキセンディン-4(1-39)(配列番号1)と比較して置換され、付加され、もしくは欠失した6以下のアミノ酸残基を含んでなる化合物。
【請求項11】
請求項9または10に記載の化合物であって、前記エキセンディン-4化合物はアシル化されたエキセンディン-4アナログであり、遺伝コードによりコードされていない4以下のアミノ酸残基を含んでなる化合物。
【請求項12】
前記エキセンディン-4化合物が、リジン残基を1つだけ含んでなるアシル化されたエキセンディン-4アナログである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
以下に示す、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物:
[N-ε(17-カルボキシヘプタデカン酸)20 エキセンディン-4(1-39)-アミド
【化1】

または
N-ε32-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイル)[Lys32]エキセンディン-4(1-39)アミド
【化2】

または
[デスアミノHis1], N-ε20-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイル)[Lys20]エキセンディン-4(1-39)アミド
【化3】

または
N-ε32-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイル)[Lys32]エキセンディン-4(1-39)アミド
【化4】

または
Arg12,27 NLe14, lys32 N-ε32-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイル)[Lys32]エキセンディン-4(1-39)アミド
【化5】

または
N-ε20-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)[Lys20] エキセンディン-4 (1-39)-アミド
【化6】

または
N-ε20-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)[Lys20] エキセンディン-4 (1-39)-アミド
【化7】

または
N-ε20-(13-カルボキシトリデカノイルアミノ)[Lys20] エキセンディン-4 (1-39)-アミド
【化8】

または
N-ε20-(11-カルボキシウンデカノイルアミノ)[Lys20] エキセンディン-4 (1-39)-アミド。
【化9】

【請求項14】
エキセンディン-4アナログの患者における作用時間を延長するための方法であって、アミノ酸残基を二価酸でアシル化されたリジン残基で置換することにより特徴付けられる方法。
【請求項15】
エキセンディン-4アナログの患者における作用時間を約40時間より長くするための方法であって、アミノ酸残基を二価酸でアシル化されたリジン残基で置換することにより特徴付けられる方法。
【請求項16】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物および薬学的に許容可能な賦形剤を含んでなる医薬組成物。
【請求項17】
非経口的な投与に適している、請求項16に記載の医薬組成物。
【請求項18】
薬剤を調製するための、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項19】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物の使用であって、高血糖、2型糖尿病、耐糖能異常、1型糖尿病、肥満、高血圧、シンドロームX、異脂肪血症、認知障害、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、冠血管心疾患および他の循環器病、脳卒中、炎症性腸症候群、消化不良、ならびに胃潰瘍を治療または予防する薬剤を調製するための使用。
【請求項20】
2型糖尿病における疾患の進行を遅延または予防する薬剤を調製するための、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項21】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物の使用であって、食物摂取の減少、β細胞のアポトーシスの減少、β細胞の機能およびβ細胞の質量の増加のため、および/またはβ細胞に対するグルコース感受性の回復のための薬剤を調製するための使用。

【公表番号】特表2008−515857(P2008−515857A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−535178(P2007−535178)
【出願日】平成17年10月7日(2005.10.7)
【国際出願番号】PCT/EP2005/055102
【国際公開番号】WO2006/037811
【国際公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(391032071)ノボ ノルディスク アクティーゼルスカブ (148)
【氏名又は名称原語表記】NOVO NORDISK AKTIE SELSXAB
【Fターム(参考)】