説明

遅延素子及び集積遅延素子

【課題】発振周波数に依らずに出力信号の電圧振幅を確保することができる遅延素子を提供すること。
【解決手段】本発明は、遅延回路1aと電流源回路2aとを備える。遅延回路2aは、NchトランジスタMN1〜8からなる。NchトランジスタMN1にはNchトランジスタMN3及びMN5が、NchトランジスタMN2にはNchトランジスタMN4及びMN7が接続される。NchトランジスタMN5とMN7とには、それぞれNchトランジスタMN6とMN8とが接続される。NchトランジスタMN3及び4は制御電圧VCにより制御される。NchトランジスタMN5のゲートは、出力ノードOUTBと接続される。NchトランジスタNM7のゲートは、出力ノードOUTと接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遅延素子及び集積遅延素子に関し、特に広範な周波数帯に対応可能な遅延素子及び集積遅延素子に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路に組み込まれているリングオシレータには、一般に、差動増幅回路構成を有する遅延素子が用いられている。そのような遅延素子として、特許文献1及び2に開示されている素子が挙げられる。
【0003】
図4は、上述のリングオシレータの構成の一例を模式的に示すブロック図である。このリングオシレータは、図4に示すように、3段の遅延素子4a〜4cを有する。遅延素子4a〜4cには、差動入力信号IN+と、その反転信号である差動入力信号IN−が入力される。そして、次段の遅延素子に差動出力信号OUT+及びOUT−を出力する。最終段である遅延素子4cの出力は、遅延素子4aに帰還して、反転論理にて入力される。
【0004】
このようなリングオシレータでは、例えば、特許文献1に開示されている遅延素子が用いられる。図5は、特許文献1に開示されている遅延素子の構成を示す回路図である。特許文献1にかかる遅延素子は、Pchトランジスタ11a、11b、12a及び12bのソースが電源電圧VDDに接続されている。Pchトランジスタ11aのゲートには差動入力信号IN+が、Pchトランジスタ11bのゲートには差動入力信号IN+の反転信号である差動入力信号IN−が入力される。Pchトランジスタ11a及び12aのドレインは、出力ノードOUT−を介して、Pchトランジスタ12bのゲート及びNchトランジスタ13aのドレインと接続されている。Pchトランジスタ11b及び12bのドレインは、出力ノードOUT+を介して、Pchトランジスタ12aのゲート及びNchトランジスタ13bのドレインと接続されている。Nchトランジスタ13a及び13bのソースはそれぞれグランド電位と接続されている。Nchトランジスタ13a及び13bは、ゲートに入力されるバイアス電圧Vbiasにより制御される電流源として動作する。
【0005】
この遅延素子では、出力ノードOUT−にはNchトランジスタ13aが、出力ノードOUT+にはNchトランジスタ13bが直接接続されている。そのため、出力ノードOUT+及びOUT−は、電流源となるトランジスタの接合容量の影響を直接受けることとなり、高周波数での発振に適さない。高周波数での発振を目的として、Nchトランジスタ13a及び13bの接合容量を低減するためにチャネル幅Wを小さくすると、それに伴いチャネル長Lも小さくなる。すると、電流源のインピーダンスが低下し、PSRR(Power Supply Rejection Ratio)が悪化する。よって、電流ばらつきが大きくなり、差動出力信号のスキューが悪化する。
【0006】
この問題に対処するべく、特許文献2に開示されているような遅延素子が提案されている。図6は、特許文献2に開示されている遅延素子の構成を示す回路図である。特許文献2にかかる遅延素子は、Pchトランジスタ21a、21b、22a、22b、23a及び23bのソースが電源電圧Vpsに接続されている。Pchトランジスタ21aのゲートには差動入力信号IN+が、Pchトランジスタ21bのゲートには差動入力信号IN+の反転信号である差動入力信号IN−が入力される。
【0007】
Pchトランジスタ21a、22a及び23aのドレインは、出力ノードOUT−を介して、Pchトランジスタ22a及び23bのゲートと、Nchトランジスタ24aのドレインとに接続されている。Pchトランジスタ21b、22b及び23bのドレインは、出力ノードOUT+を介して、Pchトランジスタ22b及び23aのゲートと、Nchトランジスタ24bのドレインとに接続されている。
【0008】
Nchトランジスタ24aのソースはNchトランジスタ25aのドレインと接続され、Nchトランジスタ25aのソースはグランド電圧と接続されている。Nchトランジスタ24bのソースはNchトランジスタ25bのドレインと接続され、Nchトランジスタ25bのソースはグランド電圧と接続されている。また、Nchトランジスタ24a及び24bのゲートにはバイアス電圧Vbiasが入力され、Nchトランジスタ25a及び25bのゲートには制御電圧VC2が入力されている。
【0009】
制御電圧VC2は、遅延素子を発振させる周波数に応じて生成されるフィルタ電圧、またはそのフィルタ電圧に応じて生成される電流に応じて変化する。すなわち、高周波数側では制御電圧VC2は大きくなり、低周波数側では制御電圧VC2は小さくなる。
【0010】
この遅延素子では、Nchトランジスタ24a及び24bをオン抵抗として用いる。そのため、電流源であるNchトランジスタ25a及び25bのドレイン電圧を小さくして、実質的にNchトランジスタ25a及び25bの接合容量の影響を軽減し、高周波数側での動作を改善している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2005−160093号公報
【特許文献2】米国特許第6043719号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところが、この遅延素子を低周波数側で発振させる場合、すなわち制御電圧VC2が小さい場合には、Nchトランジスタ25a及び25bに流れる電流は小さくなる。そのため、差動出力信号の電圧振幅を確保することができないので、この遅延素子を低周波数側にて発振させることは困難である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様である遅延素子は、第1の基準電圧に接続され、第1の差動入力信号を遅延させた第1の差動出力信号を第2の出力ノードに出力し、第2の差動入力信号を遅延させた第2の差動出力信号を第1の出力ノードに出力する第1の回路と、第2の基準電圧に接続され、前記第1及び第2の差動出力信号の電圧振幅を決定する第2の回路とを備え、前記第2の回路は、前記第1の出力ノードと前記第2の基準電圧との間に接続され、発振周波数に応じて電流が決定される第1の電流源と、前記第2の出力ノードと前記第2の基準電圧との間に接続され、発振周波数に応じて電流が決定される第2の電流源と、前記第1の電流源に対して並列に接続され、前記第2の差動出力信号に応じて電流が決定される第3の電流源と、前記第2の電流源に対して並列に接続され、前記第1の差動出力信号に応じて電流が決定される第4の電流源と、前記第1の出力ノードと前記第1の電流源との間に接続された第1の可変抵抗器と、前記第2の出力ノードと前記第2の電流源との間に接続された第2の可変抵抗器とを少なくとも備えるものである。
【0014】
本発明の別の態様である遅延素子は、第1の基準電圧に接続され、第1の差動入力信号を遅延させた第1の差動出力信号を第2の出力ノードに出力し、第2の差動入力信号を遅延させた第2の差動出力信号を第1の出力ノードに出力する第1の回路と、第2の基準電圧に接続され、前記第1及び第2の差動出力信号の電圧振幅を決定する第2の回路とを備え、前記第1の回路は、前記第1の基準電圧と前記第1の出力ノードとの間に並列に接続された第2チャネル型の第9及び第10のトランジスタと、前記第1の基準電圧と前記第2の出力ノードとの間に並列に接続された第2チャネル型の第11及び第12のトランジスタとを備え、前記第9のトランジスタのゲートには前記第1の差動入力信号が入力され、前記第10のトランジスタは前記第2の差動出力信号により制御され、前記第11のトランジスタのゲートには前記第2の差動入力信号が入力され、前記第12のトランジスタは前記第1の差動出力信号により制御され、前記第2の回路は、第1のバイアス電圧により制御される、前記第1の出力ノードと接続された第1チャネル型の第1のトランジスタ、及び、前記第2の出力ノードと接続された第1チャネル型の第2のトランジスタと、発振周波数に応じてゲート電圧が変化する、前記第1のトランジスタと前記第2の基準電位との間に接続された第1チャネル型の第3のトランジスタ、及び、前記第2のトランジスタと前記第2の基準電位との間に接続された第1チャネル型の第4のトランジスタと、前記第3のトランジスタと接続され、前記第2の差動出力信号により制御される第1チャネル型の第5のトランジスタと、前記第4のトランジスタと接続され、前記第1の差動出力信号により制御される第1チャネル型の第7のトランジスタと、第2のバイアス電圧により制御される、前記第5のトランジスタと前記第2の基準電圧との間に接続された第1チャネル型の第6のトランジスタ、及び、前記第7のトランジスタと前記第2の基準電圧との間に接続された第1チャネル型の第8のトランジスタとを備えるものである。
【0015】
さらに、本発明の別の態様である遅延素子は、第1の基準電圧に接続され、第1の差動入力信号を遅延させた第1の差動出力信号を第2の出力ノードに出力し、第2の差動入力信号を遅延させた第2の差動出力信号を第1の出力ノードに出力する第1の回路と、第2の基準電圧に接続され、前記第1及び第2の差動出力信号の電圧振幅を決定する第2の回路とを備え、前記第1の回路は、前記第1の基準電圧と前記第1の出力ノードとの間に並列に接続された第2チャネル型の第9及び第10のトランジスタと、前記第1の基準電圧と前記第2の出力ノードとの間に並列に接続された第2チャネル型の第11及び第12のトランジスタとを備え、前記第9のトランジスタのゲートには前記第1の差動入力信号が入力され、前記第10のトランジスタは前記第2の差動出力信号により制御され、前記第11のトランジスタのゲートには前記第2の差動入力信号が入力され、前記第12のトランジスタは前記第1の差動出力信号により制御され、前記第2の回路は、第1のバイアス電圧により制御される、前記第1の出力ノードと接続された第1チャネル型の第1のトランジスタ、及び、前記第2の出力ノードと接続された第1チャネル型の第2のトランジスタと、発振周波数に応じてゲート電圧が変化する、前記第1のトランジスタと前記第2の基準電位との間に接続された第1チャネル型の第3のトランジスタ、及び、前記第2のトランジスタと前記第2の基準電位との間に接続された第1チャネル型の第4のトランジスタと、前記第1の出力ノードと接続され、前記第2の差動出力信号により制御される第1チャネル型の第5のトランジスタと、前記第2の出力ノードと接続され、前記第1の差動出力信号により制御される第1チャネル型の第7のトランジスタと、第2のバイアス電圧により制御される、前記第5のトランジスタと前記第2の基準電圧との間に接続された第1チャネル型の第6のトランジスタ、及び、前記第7のトランジスタと前記第2の基準電圧との間に接続された第1チャネル型の第8のトランジスタとを備えるものである。
【0016】
本発明にかかる遅延素子によれば、発振周波数の変動にかかわらず、遅延素子に流れる電流を確保することができる。よって、遅延素子に流れる電流により、出力信号の電圧振幅を確保することができる。すなわち、発振周波数に依らずに、出力信号の電圧振幅を確保することができる遅延素子を実現することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、発振周波数に依らずに出力信号の電圧振幅を確保することができる遅延素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施の形態1にかかる遅延素子の構成を示す回路図である。
【図2】実施の形態2にかかる遅延素子の構成を示す回路図である。
【図3】実施の形態3にかかる集積遅延素子の構成を示す回路図である。
【図4】通常のリングオシレータの構成を模式的に示すブロック図である。
【図5】特許文献1に開示されている遅延素子の構成を示す回路図である。
【図6】特許文献2に開示されている遅延素子の構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
実施の形態1
まず、実施の形態1にかかる遅延素子の構成について説明する。図1は、本実施の形態にかかる遅延素子の構成を示す回路図である。この遅延素子は、図1に示すように、電源電圧VDDとグランド電圧GNDとの間に接続される遅延回路1a及び電流源回路2aにより構成される。遅延回路1aと電流源回路2aとは、出力ノードOUT及びOUTBを介して接続されている。
【0020】
遅延回路1aでは、PchトランジスタMP1〜4のソースが電源電圧VDDと接続されている。PchトランジスタMP1及びMP2のドレインは、出力ノードOUTBを介して、PchトランジスタMP4のゲートと接続されている。PchトランジスタMP3及びMP4のドレインは、出力ノードOUTを介して、PchトランジスタMP2のゲートと接続されている。つまり、PchトランジスタMP2とMP4とは、ラッチ回路を構成している。また、PchトランジスタMP1のゲートには差動入力信号INが、PchトランジスタMP3のゲートには差動入力信号INBが入力される。尚、差動入力信号INBは、差動入力信号INの反転信号である。
【0021】
電流源回路2aでは、NchトランジスタMN1のドレインは、出力ノードOUTBを介して遅延回路1aと接続されている。NchトランジスタMN2のドレインは、出力ノードOUTを介して遅延回路1aと接続されている。NchトランジスタMN1及びMN2のゲートには、バイアス電圧BIAS1が入力される。
【0022】
NchトランジスタMN1のソースは、NchトランジスタMN3及びMN5のドレインと接続されている。NchトランジスタMN2のソースは、NchトランジスタMN4及びMN7のドレインと接続されている。NchトランジスタMN3及びMN4のゲートには制御電圧VCが入力される。NchトランジスタMN5のゲートは出力ノードOUTと接続され、NchトランジスタMN7のゲートは出力ノードOUTBと接続されている。
【0023】
NchトランジスタMN5のソースは、NchトランジスタMN6のドレインと接続されている。また、NchトランジスタMN7のソースは、NchトランジスタMN8のドレインと接続されている。NchトランジスタMN6及びMN8のゲートには、バイアス電圧BIAS2が入力される。
【0024】
そして、NchトランジスタMN3、MN4、MN6及びMN8のソースは、グランド電圧GNDと接続されている。
【0025】
つまり、本遅延素子は、差動入力信号INと差動入力信号INBとの差電圧を増幅する、全差動型増幅回路を構成している。
【0026】
次に、本実施の形態に係る遅延素子の動作について説明する。本遅延素子は、差動入力信号INと差動入力信号INBとの差電圧を増幅する全差動型増幅回路として動作する。遅延回路1aは、差動入力信号IN及びINBが遅延された差動出力信号VOUT及びVOUTBを、出力ノードOUT及びOUTBより出力する。
【0027】
NchトランジスタMN3及びMN4は、制御電圧VCに応じて動作する可変電流源として動作する。制御電圧VCは、遅延素子の発振周波数に応じて生成されるフィルタ電圧、またはそのフィルタ電圧に応じて生成される電流に応じて変化する。すなわち、高周波数側では制御電圧VCは大きくなり、低周波数側では制御電圧VCは小さくなる。
【0028】
ここで、差動出力信号VOUT及びVOUTBの発振振幅は、(電源電圧VDD−可変電流源のドレイン電圧VDS)により決定される。つまり、差動出力信号VOUT及びVOUTBの発振振幅を大きくとるためには、NchトランジスタMN3及びMN4のドレイン電圧VDSを小さくする必要がある。そのため、Lをトランジスタのチャネル長、Wをトランジスタのチャネル幅とすると、NchトランジスタMN3及びMN4における(W/L)をあまり小さくすることはできない。さらに、電流精度を保ちつつ、差動出力信号の発振振幅を確保するためには、チャネル長Lの大きなトランジスタを用いなければならない。従って、(W/L)の値を維持するため、チャネル幅Wも大きくなる。
【0029】
その結果、チャネル幅Wが大きいことにより、NchトランジスタMN3及びMN4の接合容量による影響が大きくなる。これは、遅延素子における発振可能な周波数が低下することに繋がる。
【0030】
そこで、本遅延素子では、発振可能な周波数の低下を防止するため、NchトランジスタMN1及びMN2をカスケードに配置している。このNchトランジスタMN1及びMN2は、ゲート電圧に応じてその抵抗値が変化する可変抵抗器として動作する。ここで、例えば、バイアス電圧BIAS1として電源電圧VDDを入力し、ゲート−ソース間電圧VGSを大きくすることで、NchトランジスタMN1及びMN2のチャネル幅Wを、NchトランジスタMN3及びMN4のチャネル幅Wに比べて小さくできる。そのため、NchトランジスタMN1及びMN2の接合容量を小さく抑えることができる。
【0031】
ここで、出力ノードOUTに影響する容量について考察する。出力ノードOUTに影響する容量は、PchトランジスタMP2のゲート容量、PchトランジスタMP3の接合容量、PchトランジスタMP4の接合容量、NchトランジスタMN2の接合容量、NchトランジスタMN4の接合容量、NchトランジスタMN5のゲート容量、NchトランジスタMN7及びMN8の接合容量である。
【0032】
ここで、NchトランジスタMN2の接合容量は上述のように小さいため、その影響も小さい。また、NchトランジスタMN2のオン抵抗により、NchトランジスタMN4及びMN7のドレイン電圧の変動は、差動出力信号VOUTの電圧振幅よりも小さい値である、Vtailとなる。
【0033】
そのため、最も大きいNchトランジスタMN4の接合容量の影響は、Vtail/VOUTに軽減される。なお、本遅延素子は、対称な構成であるため、出力ノードOUTBから見た場合の容量についても同様に、NchトランジスタMN3の接合容量の影響は、Vtail/VOUTBに軽減される。結果として、本遅延素子の発振動作の際の実効的な総付加容量値は小さくなったように取り扱うことができるので、より小さい電流で発振動作をすることが可能となる。
【0034】
また、遅延素子においては、広い発振周波数レンジを確保できることが望ましい。そのためには、制御電流についても広いレンジの確保が必要となる。しかし、例えば、PchトランジスタMP1〜4及びNchトランジスタMN1〜4において、高周波数側での発振振幅を確保するために好適な(W/L)とすると、低周波数側での発振振幅は低下する傾向となる。
【0035】
そのため、本遅延素子では、NchトランジスタMN3と並列にNchトランジスタMN5及びMN6からなるトランジスタ対が接続されている。また、NchトランジスタMN4と並列にNchトランジスタMN7及びMN8からなるトランジスタ対が接続されている。ここで、NchトランジスタMN5及びMN7の(W/L)を、NchトランジスタMN3及びMN4よりも小さくすることで、その容量を低減することができる。これらのトランジスタ対は、低周波数側での動作の際に流れる電流を大きくし、出力信号の発振振幅を確保するための電流源として動作する。
【0036】
なお、バイアス電圧BIAS1とBIAS2とは、同一の電圧でもよいし、別個の電圧でもよい。
【0037】
従って、本構成によれば、広い発振周波数帯を確保できる遅延素子を実現することができる。
【0038】
実施の形態2
実施の形態2にかかる遅延素子は、低周波数側における出力信号の発振振幅を確保する効果を重視している。まず、この遅延素子の構成について説明する。図2は、本実施の形態にかかる遅延素子の構成を示す回路図である。この遅延素子の電流源回路2bでは、NchトランジスタMN1及びMN5のドレインが、出力ノードOUTBを介して遅延回路1aと接続されている。また、NchトランジスタMN2及びMN7のドレインが、出力ノードOUTを介して遅延回路1aと接続されている。
【0039】
NchトランジスタMN1のソースはNchトランジスタMN3のドレインと、NchトランジスタMN2のソースはNchトランジスタMN4のドレインと接続されている。NchトランジスタMN5のソースはNchトランジスタMN6のドレインと、NchトランジスタMN7のソースはNchトランジスタMN8のドレインと接続されている。
【0040】
ここで、NchトランジスタMN5及びMN7は、NchトランジスタMN3及びMN4に比べて相対的にそのサイズが小さい。そのため、その接合容量も、NchトランジスタMN3及びMN4に比べて十分に小さい。従って、NchトランジスタMN1を介さずに、NchトランジスタMN5を出力ノードOUTBに接続しても、その接合容量の影響は小さい。NchトランジスタMN2を介さずに、出力ノードOUTと接続されたNchトランジスタMN7についても同様である。その他の構成は図1と同様であるので、説明を省略する。
【0041】
本遅延素子が、低周波数側で発振する際、すなわち、NchトランジスタMN3及びMN4に流れる電流が小さい場合に、NchトランジスタMN6及びMN8は、NchトランジスタMN3及びMN4と比べて、相対的に大きな電流を流すことができる。従って、本実施の形態にかかる遅延素子によれば、低周波数側においても、出力信号の電圧振幅を確保することが可能である。
【0042】
実施の形態3
実施の形態3は、2つの周波数帯に対応することができる集積遅延素子である。この集積遅延素子は、図1または図2に示す遅延素子と同様の構成を有する2個の遅延部が集積され、一方の遅延部は高周波数側において動作し、もう一方の遅延部は低周波数側で動作する。また、この2個の遅延部は、可変電流源となるトランジスタを共有している。ここでは、例として、図2に示す遅延素子と同様の構成の遅延部を有する集積遅延素子について説明する。図3は、本実施の形態にかかる集積遅延素子の構成を示す回路図である。この集積遅延素子は、図3に示すように、高周波数側で動作する第1の遅延部3aと、低周波数側で動作する第2の遅延部3bからなる。
【0043】
まず、第1の遅延部3aの構成について説明する。第1の遅延部3aは、遅延回路1a及び電流源回路2cにより構成される。遅延回路1aと電流源回路2cとは、図2に示す遅延素子と同様に、出力ノードOUT及びOUTBを介して接続されている。
【0044】
遅延回路1aは、図2に示す遅延回路1aと同様の構成であるので、説明を省略する。
【0045】
電流源回路2cは、図2に示す電流源回路2bと比較すると、NchトランジスタMN1及びMN3に代えて、NchトランジスタMN11a及び13aと、Nchトランジスタ11b及び13bとが並列に接続されている。また、NchトランジスタMN2及びMN4に代えて、NchトランジスタMN12a及び14aと、Nchトランジスタ12b及び14bとが並列に接続されている。ここで、NchトランジスタMN11a及び11bは、図2に示すNchトランジスタMN1が分割されたものである。同様に、NchトランジスタMN12a及び12b、NchトランジスタMN13a及び13b並びにNchトランジスタMN14a及び14bは、NchトランジスタMN2〜4がそれぞれ分割されたものである。さらに、NchトランジスタMN11bのソース及びNchトランジスタ13bのドレインと、NchトランジスタMN12bのソース及びNchトランジスタMN14bのドレインとは、第2の遅延部3bに接続されている。その他の構成は、図2に示す電流源回路2bと同様であるので、説明を省略する。
【0046】
なお、遅延部3aでは、PchトランジスタMP1〜4及びNchトランジスタMN5〜8は、高周波動作側での動作に好適な(W/L)を有する。
【0047】
次に、第2の遅延部3bの構成について説明する。第2の遅延部3bは、遅延回路1b及び電流源回路2dにより構成される。遅延回路1bと電流源回路2dとは、出力ノードOUT2及びOUTB2を介して接続されている。
【0048】
遅延回路1bは、図2に示す遅延回路1aと比較すると、PchトランジスタMP1〜4がPchトランジスタMP21〜24に、差動入力信号IN及びINBがIN2及びINB2に置き換わっている。その他の構成は、図2に示す遅延回路1aと同様の構成であるので、説明を省略する。
【0049】
電流源回路2dは、図2に示す電流源回路2bと比較すると、NchトランジスタMN1、2及び5〜8が、NchトランジスタMN21、22及び25〜28に置き換わっている。また、バイアス電圧BIAS1及びBIAS2がバイアス電圧BIAS3及びBIAS4に置き換わっている。さらに、NchトランジスタMN3は除去され、NchトランジスタMN21のソースは、第1の遅延部3aのNchトランジスタMN11bのソース及びNchトランジスタ13bのドレインと接続されている。また、NchトランジスタMN4は除去され、NchトランジスタMN22のソースは、第1の遅延部3aのNchトランジスタMN12bのソース及びNchトランジスタ14bのドレインと接続されている。その他の構成は、図2に示す電流源回路2bと同様であるので、説明を省略する。
【0050】
なお、遅延部3bでは、PchトランジスタMP21〜24及びNchトランジスタMN25〜28は、低周波動作側での動作に好適な(W/L)を有する。
【0051】
続いて、この集積遅延素子の動作について説明する。この集積遅延素子は、高周波数側で動作する場合には、バイアス電圧BIAS1及びBIAS2をHIGH電圧にする。すると、NchトランジスタMN6、8、11a、11b、12a及び12bがオンになり、遅延部3aに電流が流れ、遅延部3aはオンとなる。また、バイアス電圧BIAS3及びBIAS4をLOW電圧にする。すると、NchトランジスタMN21、22、26、28がオフになり、遅延部3bにおける電流は遮断され、遅延部3bはオフとなる。よって、高周波数側では、高周波数側での動作に好適な構成を有する遅延部3aが動作する。
【0052】
一方、低周波数側で動作する場合には、バイアス電圧BIAS1及びBIAS2をLOW電圧にする。すると、NchトランジスタMN6、8、11a、11b、12a及び12bがオフになり、遅延部3aの電流は遮断され、遅延部3aはオフとなる。また、バイアス電圧BIAS3及びBIAS4をHIGH電圧にする。すると、NchトランジスタMN21、22、26、28がオンになり、遅延部3bに電流が流れ、遅延部3bはオンとなる。よって、低周波数側では、低周波数側での動作に好適な構成を有する遅延部3bが動作する。
【0053】
すなわち、高周波数側で動作する場合には、Nchトランジスタ13a及び13bと、Nchトランジスタ14a及び14bとが電流源として動作する。一方、低周波数側で動作する場合には、Nchトランジスタ13bとNchトランジスタ14bとが、電流源として動作する。ここで、高周波数側における制御電圧VCと低周波数側における制御電圧VCのいずれにおいても、出力信号の電圧振幅を確保するのに好適な電流を流すことができるように、Nchトランジスタ11aとNchトランジスタ11bとの(W/L)の比、及びNchトランジスタ13aとNchトランジスタ13bとの(W/L)の比を決定することが望ましい。また、Nchトランジスタ12a、12b、14a及び14bにつても同様である。
【0054】
ここで、本構成にかかる集積遅延素子の有利な効果について説明する。通常、PLL(Phase Locked Loop)回路において、広範な周波数帯に対応するには、出力信号を分周する。例えば、PLLの発振器の発振周波数範囲が400〜800MHzである場合に、200MHzの出力を得たい場合には、発振器で400MHzの出力を生成し、これを2分周することで得られる。
【0055】
しかし、この方法では、発振器自体は100MHzでの動作に応じた電力を消費するため、電力の消費が大きい。このため、必要とされる出力周波数に応じて消費電力を最小化するには、複数の遅延素子を使い分けなければならない。例えば、図2に示す遅延素子を2個独立に使用する場合を考慮すると、電流源として動作する、寸法の大きなNchトランジスタMN3及び4を2個ずつ回路に組み込む必要があり、実装コストが増加してしまう。
【0056】
ところが、図3に示す集積遅延素子によれば、遅延部3aと遅延部3bとは、Nchトランジスタ11b及び12bを共有している。よって、電流源として動作するトランジスタの実装コストの増加を抑制することができる。
【0057】
なお、図3に示す集積遅延素子の構成はあくまで一例であり、例えば、2つの遅延部はそれぞれ図1に示す遅延素子と同様の構成としてしてもよい。また、2つの遅延部の一方を図1に示す遅延素子と同様の構成とし、もう一方の遅延部を図2に示す遅延素子と同様の構成としてもよい。
【0058】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、トランジスタのチャネル型を入れ替えてもよいし、電源電圧VDDとグランド電圧GNDを入れ替えても、同様の機能を有する遅延素子を得られることは言うまでもない。
【0059】
また、各トランジスタ間には、必要に応じて他の抵抗器などの素子を接続することも可能である。
【符号の説明】
【0060】
1a、1b 遅延回路
2a、2b、2c、2d 電流源回路
3a 第1の遅延部
3b 第2の遅延部
4a〜c 遅延素子
11a、11b、12a、12b Pchトランジスタ
13a、13b Nchトランジスタ
21a、21b、22a、22b、23a、23b Pchトランジスタ
24a、24b、25a、25b Nchトランジスタ
BIAS1〜4 バイアス電圧
GND グランド電圧
IN+、IN−、IN、INB、IN2、INB2 差動入力信号
MP1〜4、MP21〜24 Pchトランジスタ
MN1〜8 Nchトランジスタ
MN11a、MN11b、MN12a、MN12b Nchトランジスタ
MN13a、MN13b、MN14a、MN14b Nchトランジスタ
MN21、MN22、MN25〜28 Nchトランジスタ
OUT+、OUT−、OUT、OUTB、OUT2、OUTB2 出力ノード
VC、VC2 制御電圧
VOUT、VOUTB 差動出力信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基準電圧に接続され、第1の差動入力信号を遅延させた第1の差動出力信号を第2の出力ノードに出力し、第2の差動入力信号を遅延させた第2の差動出力信号を第1の出力ノードに出力する第1の回路と、
第2の基準電圧に接続され、前記第1及び第2の差動出力信号の電圧振幅を決定する第2の回路とを備え、
前記第2の回路は、
前記第1の出力ノードと前記第2の基準電圧との間に接続され、発振周波数に応じて電流が決定される第1の電流源と、
前記第2の出力ノードと前記第2の基準電圧との間に接続され、発振周波数に応じて電流が決定される第2の電流源と、
前記第1の電流源に対して並列に接続され、前記第2の差動出力信号に応じて電流が決定される第3の電流源と、
前記第2の電流源に対して並列に接続され、前記第1の差動出力信号に応じて電流が決定される第4の電流源と、
前記第1の出力ノードと前記第1の電流源との間に接続された第1の可変抵抗器と、
前記第2の出力ノードと前記第2の電流源との間に接続された第2の可変抵抗器とを少なくとも備える遅延素子。
【請求項2】
前記第1の電流源と前記第3の電流源とは、前記第1の可変抵抗器と前記第2の基準電圧との間に並列に接続され、
前記第2の電流源と前記第4の電流源とは、前記第2の可変抵抗器と前記第2の基準電圧との間に並列に接続されていることを特徴とする、
請求項1に記載の遅延素子。
【請求項3】
前記第1の可変抵抗器と前記第3の電流源とは、前記第1の出力ノードと前記第2の基準電圧との間に並列に接続され、
前記第2の可変抵抗器と前記第4の電流源とは、前記第2の出力ノードと前記第2の基準電圧との間に並列に接続されていることを特徴とする、
請求項1に記載の遅延素子。
【請求項4】
前記第1の可変抵抗器は第1チャネル型の第1のトランジスタであり、
前記第2の可変抵抗器は第1チャネル型の第2のトランジスタであり、
前記第1及び第2のトランジスタは第1のバイアス電圧により制御されることを特徴とする、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の遅延素子。
【請求項5】
前記第1の電流源は第1チャネル型の第3のトランジスタであり、
前記第2の電流源は第1チャネル型の第4のトランジスタであり、
前記第3及び第4のトランジスタは、発振周波数に応じてゲート電圧が変化することを特徴とする、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の遅延素子。
【請求項6】
前記第1のトランジスタは前記第3のトランジスタよりもチャネル幅が小さく、
前記第2のトランジスタは前記第4のトランジスタよりもチャネル幅が小さいことを特徴とする、
請求項5に記載の遅延素子。
【請求項7】
前記第3の電流源は、
前記第2の差動出力信号により制御される第1チャネル型の第5のトランジスタと、
前記第5のトランジスタと接続された第1チャネル型の第6のトランジスタとを備え、
前記第4の電流源は、
前記第1の差動出力信号により制御される第1チャネル型の第7のトランジスタと、
前記第7のトランジスタと接続された第1チャネル型の第8のトランジスタとを備え、
前記第6及び第8のトランジスタは第2のバイアス電圧により制御され、
前記第5及び第6のトランジスタは、前記第3のトランジスタよりもチャネル幅が小さく、
前記第7及び第8のトランジスタは、前記第4のトランジスタよりもチャネル幅が小さいことを特徴とする、
請求項5又は6に記載の遅延素子。
【請求項8】
前記第1のバイアス電圧と前記第2のバイアス電圧とは等しい電圧であることを特徴とする、
請求項7に記載の遅延素子。
【請求項9】
前記第1の回路は、
前記第1の基準電圧と前記第1の出力ノードとの間に並列に接続された第2チャネル型の第9及び第10のトランジスタと、
前記第1の基準電圧と前記第2の出力ノードとの間に並列に接続された第2チャネル型の第11及び第12のトランジスタとを備え、
前記第9のトランジスタのゲートには前記第1の差動入力信号が入力され、
前記第10のトランジスタは前記第2の差動出力信号により制御され、
前記第11のトランジスタのゲートには前記第2の差動入力信号が入力され、
前記第12のトランジスタは前記第1の差動出力信号により制御されることを特徴とする、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の遅延素子。
【請求項10】
前記第2の差動入力信号は、前記第1の差動入力信号の反転信号であることを特徴とする、
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の遅延素子。
【請求項11】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の前記遅延素子からなる第1の遅延部と、
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の前記遅延素子からなる第2の遅延部とを少なくとも備え、
前記第1の遅延部と前記第2の遅延部は、前記第1及び第3の電流源を共有していることを特徴とする集積遅延素子。
【請求項12】
第1の基準電圧に接続され、第1の差動入力信号を遅延させた第1の差動出力信号を第2の出力ノードに出力し、第2の差動入力信号を遅延させた第2の差動出力信号を第1の出力ノードに出力する第1の回路と、
第2の基準電圧に接続され、前記第1及び第2の差動出力信号の電圧振幅を決定する第2の回路とを備え、
前記第1の回路は、
前記第1の基準電圧と前記第1の出力ノードとの間に並列に接続された第2チャネル型の第9及び第10のトランジスタと、
前記第1の基準電圧と前記第2の出力ノードとの間に並列に接続された第2チャネル型の第11及び第12のトランジスタとを備え、
前記第9のトランジスタのゲートには前記第1の差動入力信号が入力され、
前記第10のトランジスタは前記第2の差動出力信号により制御され、
前記第11のトランジスタのゲートには前記第2の差動入力信号が入力され、
前記第12のトランジスタは前記第1の差動出力信号により制御され、
前記第2の回路は、
第1のバイアス電圧により制御される、前記第1の出力ノードと接続された第1チャネル型の第1のトランジスタ、及び、前記第2の出力ノードと接続された第1チャネル型の第2のトランジスタと、
発振周波数に応じてゲート電圧が変化する、前記第1のトランジスタと前記第2の基準電位との間に接続された第1チャネル型の第3のトランジスタ、及び、前記第2のトランジスタと前記第2の基準電位との間に接続された第1チャネル型の第4のトランジスタと、
前記第3のトランジスタと接続され、前記第2の差動出力信号により制御される第1チャネル型の第5のトランジスタと、
前記第4のトランジスタと接続され、前記第1の差動出力信号により制御される第1チャネル型の第7のトランジスタと、
第2のバイアス電圧により制御される、前記第5のトランジスタと前記第2の基準電圧との間に接続された第1チャネル型の第6のトランジスタ、及び、前記第7のトランジスタと前記第2の基準電圧との間に接続された第1チャネル型の第8のトランジスタとを備える遅延素子。
【請求項13】
第1の基準電圧に接続され、第1の差動入力信号を遅延させた第1の差動出力信号を第2の出力ノードに出力し、第2の差動入力信号を遅延させた第2の差動出力信号を第1の出力ノードに出力する第1の回路と、
第2の基準電圧に接続され、前記第1及び第2の差動出力信号の電圧振幅を決定する第2の回路とを備え、
前記第1の回路は、
前記第1の基準電圧と前記第1の出力ノードとの間に並列に接続された第2チャネル型の第9及び第10のトランジスタと、
前記第1の基準電圧と前記第2の出力ノードとの間に並列に接続された第2チャネル型の第11及び第12のトランジスタとを備え、
前記第9のトランジスタのゲートには前記第1の差動入力信号が入力され、
前記第10のトランジスタは前記第2の差動出力信号により制御され、
前記第11のトランジスタのゲートには前記第2の差動入力信号が入力され、
前記第12のトランジスタは前記第1の差動出力信号により制御され、
前記第2の回路は、
第1のバイアス電圧により制御される、前記第1の出力ノードと接続された第1チャネル型の第1のトランジスタ、及び、前記第2の出力ノードと接続された第1チャネル型の第2のトランジスタと、
発振周波数に応じてゲート電圧が変化する、前記第1のトランジスタと前記第2の基準電位との間に接続された第1チャネル型の第3のトランジスタ、及び、前記第2のトランジスタと前記第2の基準電位との間に接続された第1チャネル型の第4のトランジスタと、
前記第1の出力ノードと接続され、前記第2の差動出力信号により制御される第1チャネル型の第5のトランジスタと、
前記第2の出力ノードと接続され、前記第1の差動出力信号により制御される第1チャネル型の第7のトランジスタと、
第2のバイアス電圧により制御される、前記第5のトランジスタと前記第2の基準電圧との間に接続された第1チャネル型の第6のトランジスタ、及び、前記第7のトランジスタと前記第2の基準電圧との間に接続された第1チャネル型の第8のトランジスタとを備える遅延素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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