説明

遊技システムに用いる不正遊技判定報知装置、遊技システム、不正遊技判定報知プログラム及び情報記録媒体

【課題】防犯対策を施していない既成の遊技機に対しても、その遊技機を改造することなく、遊技媒体貸出し機から貸し出された遊技媒体によらない不正遊技が行われたことを判定して報知できるようにする。
【解決手段】貸し出される遊技媒体の貸出し数を検出する貸出し数検出センサを遊技媒体貸出し機に配設しておき、その貸出し数検出センサで検出した遊技媒体の貸出し数情報と、遊技機から出力される遊技媒体の差数情報とに基づいて、遊技媒体貸出し機から貸し出された遊技媒体によらない不正遊技が上記遊技機において行われているか否かを判定するも不正遊技判定手段80aと、この不正遊技判定手段80aにより、不正遊技が上記遊技機において行われていると判定したときには、当該不正遊技が行われていることを報知する不正遊技報知手段80bとを有することを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば回胴式遊技機や弾球式遊技機で行われる遊技が不正なものであるか否かを判定し、その遊技が不正なものであればその旨を報知する遊技システムに用いる不正遊技判定報知装置、遊技システム、不正遊技判定報知プログラム及び情報記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技システムとして、回胴式遊技機と、遊技媒体貸出機とをホールコンピュータに接続した構成のものが知られている。
すなわち、回胴式遊技機が多数台設置されている遊技場にあっては、各回胴式遊技機に内蔵されている外部集中端子基板等と呼称されている所謂インターフェースユニットに、ホールコンピュータと呼ばれる管理用コンピュータを接続し、その管理用コンピュータが各回胴式遊技機から提供される所定の情報に基づいて営業上の管理を行っている。
【0003】
すなわち、各回胴式遊技機に内蔵されている外部集中端子基板は管理用コンピュータのみを接続するために設けられ、かつ、遊技場を運用している事業者等にとって営業上有用な複数のサービス情報のみを回胴式遊技機から管理用コンピュータへ送出するために設けられているため、事業者等に対し、管理用コンピュータによる営業上の管理を行うことが可能な環境が提供されている。
【0004】
具体的には、遊技者がゲーム開始の指示行い、それに対応して回胴式遊技機がビッグボーナス(BB)やレギュラーボーナス(RB)と呼称される遊技者にとって有利な遊技状態に移行した場合、上述した営業上有用なサービス情報として、遊技者にとって有利な遊技状態に移行したことを示す信号を、外部集中端子基板を介してホールコンピュータに送出している。
【0005】
そして、遊技者にとって有利な遊技状態に移行したことを示す信号をホールコンピュータが受信して検知することによって、遊技者に対して滞りのないゲーム環境を提供しているかどうかの営業上の管理を行い、また、当該遊技状態に移行する度に回胴式遊技機から送出される信号を集計できるようになっている。
【0006】
このように、従来の回胴式遊技機は、外部集中端子基板を備えることによってホールコンピュータのみの接続を可能とし、営業上有用なサービス情報のみを外部集中端子基板を介してホールコンピュータに送出することによって、遊技者に対する適正なゲーム環境を担保しつつ事業者等への情報提供のサービスを行っている。
【0007】
ところで、近年、回胴式遊技機等の遊技機に対し不正な行為を働く不正行為者が問題となっている。一例を示すと、遊技機の筐体を開けて内部システムを不正に操作することによって、実際にはメダルを投入していないにも拘わらず遊技を行い、あるいは筐体内に針金等の持具を挿入して内部システムを不正に操作することにより、大量のメダルの払い出しを受けられるように改変する等の行為である。
こうした不正行為及び不正行為者を発見すべく、遊技場側の事業者等が遊技場内を巡回することによって不正防止対策を講じているものの、巡回者の目を盗んで巧妙に不正行為が行われているため、必ずしも十分な効果が得られていない。
【0008】
上記した不正遊技を防止すべく、特開2005−304837公報(特許文献1)に開示された構成の回胴式遊技機がある。
この回胴式遊技機は、論理演算回路が、主制御基板から出力される、例えば施錠機構が開錠操作された際に出力される開錠信号(ドアセンサ信号)と、出玉率の設定を変更する設定ボタンが操作された際に出力される設定信号との論理和演算を行い、外部集中端子基板に送信し、また、共用される通信ポートに割当てられる不正防止信号毎にLEDがそれぞれの状態を保持し、解除されるまでの間、その状態を表示するようにした構成になっている。
この構成によれば、論理演算回路が、主制御基板から出力される、例えば回胴式遊技機に設けられている施錠機構が開錠操作された際に出力される開錠信号と、出玉率の設定を変更する設定ボタンが操作された際に出力される設定信号の論理和演算を行い、外部集中端子基板へ送信することで、通信ポートの拡張を容易に図ることができ、より実効性のある不正防止対策を講じることが可能な情報提供サービスを行うことができるとしている。
【0009】
【特許文献1】特開2005−304837公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、引用文献1に記載された回胴式遊技機によれば、通信ポートの拡張を容易に図ることができるとは考えられるものの、回胴式遊技機の主にメダル投入口からセル状にした「クレ満くん」というゴト器具を挿入する行為を、メダルを購入することなく、カウントセンサ付近で赤外線の送出と停止を繰り返すことにより、例えば連続的に遊技を行うことを内容とする俗に「クレマンゴト」と称されている不正遊技を見つけ出すことができないという問題がある。
【0011】
そこで本発明は、防犯対策を施していない既成の遊技機に対しても、その遊技機を改造することなく、遊技媒体貸出し機から貸し出された遊技媒体によらない不正遊技が行われたことを判定して報知することができる遊技システムに用いる不正遊技判定報知装置、遊技システム、不正遊技判定報知プログラム及び情報記録媒体の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するための本発明の構成は、次のとおりである。
請求項1に記載した遊技システムに用いる不正遊技判定報知装置は、遊技媒体の差数情報を出力する遊技機と、この遊技機に対応する遊技媒体貸出し機とを有している遊技システムに用いるものであり、貸し出される遊技媒体の貸出し数を検出する貸出し数検出センサを遊技媒体貸出し機に配設しておき、その貸出し数検出センサで検出した遊技媒体の貸出し数情報と、遊技機から出力される遊技媒体の差数情報とに基づいて、遊技媒体貸出し機から貸し出された遊技媒体によらない不正遊技が上記遊技機において行われているか否かを判定するも不正遊技判定手段と、この不正遊技判定手段により、不正遊技が上記遊技機において行われていると判定したときには、当該不正遊技が行われていることを報知する不正遊技報知手段とを有することを特徴としている。
【0013】
請求項2に記載した遊技システムに用いる不正遊技判定報知装置は、任意の数をγ、購入した遊技媒体の数をXn、ゲームをn回行ったときの座標をPnとし、ゲームをn回行った後にさらにゲームをα回行った場合において、不正遊技判定手段は、Pn+α(n+α,Xn+α)<Pn+α(n+α,−(Xn+γ))を満たすか否かを判別することにより、不正遊技が上記遊技機において行われているか否かを判定することを特徴としている。
【0014】
請求項3に記載した遊技システムは、遊技媒体の差数情報を出力する遊技機と、この遊技機に対応する遊技媒体貸出し機とにホールコンピュータが接続されているとともに、遊技媒体貸出し機に、貸し出される遊技媒体の貸出し数を検出する貸出し数検出センサを配設した構成のものであり、上記ホールコンピュータに、貸出し数検出センサで検出した遊技媒体の貸出し数情報と、遊技機から出力される遊技媒体の差数情報とに基づいて、遊技媒体貸出し機から貸し出された遊技媒体によらない不正遊技が上記遊技機において行われているか否かを判定する不正遊技判定手段と、この不正遊技判定手段により、不正遊技が上記遊技機において行われていると判定したときには、当該不正遊技が行われていることを報知する不正遊技報知手段とを配していることを特徴としている。
【0015】
請求項4に記載の遊技システムは、請求項3に記載した構成において、遊技媒体の差数情報を出力する遊技機と、この遊技機に対応する遊技媒体貸出し機とを一組としたとき、一又は二以上の組毎に接続された中間コンピュータを介してホールコンピュータが接続されており、上記中間コンピュータに、不正遊技判定手段、及び不正遊技報知手段とを配していることを特徴としている。
【0016】
請求項5に記載した遊技システムに用いる不正遊技判定報知プログラムは、遊技媒体の差数情報を出力する遊技機と、この遊技機に対応する遊技媒体貸出し機とに、電気通信回線を介してホールコンピュータが接続されているとともに、遊技媒体貸出し機に貸し出される遊技媒体の貸出し数を検出する貸出し数検出センサを配設している遊技システムに用いるものであり、貸出し数検出センサで検出した遊技媒体の貸出し数情報と、遊技機から出力される遊技媒体の差数情報とに基づいて、遊技媒体貸出し機から貸し出された遊技媒体によらない不正遊技が上記遊技機において行われているか否かを判定する不正遊技判定機能と、この取得した遊技媒体の差数情報と遊技媒体の貸出し数情報とに基づいて、遊技媒体貸出し機から貸し出された遊技媒体によらない不正遊技が上記遊技機において行われているか否かを判定する不正遊技判定機能と、この不正遊技判定機能により、不正遊技が上記遊技機において行われていると判定したときには、当該不正遊技が行われていることを報知する不正遊技放置機能とをホールコンピュータに実現することを特徴としている。
【0017】
請求項6に記載した情報記録媒体は、請求項5に記載した不正遊技判定報知プログラムを記録していることを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
請求項1〜6に記載した発明によれば、防犯対策を施していない既成の遊技機に対しても、その遊技機を改造することなく、遊技媒体貸出し機から貸し出された遊技媒体によらない不正遊技が行われたことを判定して報知することができる。
【0019】
請求項1〜6に記載の発明で得られる上記共通の効果に加え、各請求項に記載した発明によれば次の各効果を得ることができる。
請求項2に記載した発明によれば、Pn+α(n+α,Xn+α)<Pn+α(n+α,−(Xn+γ))を満たすか否かを判別しているので、不正遊技の判定を的確に行うことができる。
【0020】
請求項3に記載した発明によれば、不正遊技判定手段と、不正遊技報知手段とをホールコンピュータに設けているので、不正遊技判定報知装置を遊技機及びこれに対応する遊技媒体貸出し機毎に別に設ける必要がない。
【0021】
請求項4に記載した発明によれば、一又は二以上の組毎に接続された中間コンピュータを介してホールコンピュータが接続されており、上記中間コンピュータに、不正遊技判定手段、及び不正遊技報知手段とを配しているので、不正遊技の判定とその報知とを一又は二以上の組ごとに行うことができ、これにより、迅速な対応をすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る遊技システムの一部をなす一例に係る回胴式遊技機及びこれに併設した遊技媒体貸出し機の外観を示す正面図、図2は、その回胴式遊技機の内部構造を示すようにフロントドアを開いた状態を示す正面図、図3は、回胴式遊技機の回路構成を示すブロック図、図4は、遊技媒体貸出し機の構成を示す斜視図、図5は、遊技媒体貸出し機の回路構成を示すブロック図、図6は、本発明の一実施形態に係る遊技システムの全体構成を簡略化して示すブロック図である。
【0023】
本発明の一実施形態に係る遊技システムAは、図6に示すように、回胴式遊技機B、遊技媒体貸出し機C、不正遊技判定報知装置D、及びホールコンピュータEを有して構成されており、それらのうち回胴式遊技機Bと遊技媒体貸出し機Cとは、図1に示すように互いに隣接して並設されている。
【0024】
回胴式遊技機Bは、略縦長の直方体形にした筐体10(図2参照)の正面に、フロントドア11を開閉可能に取り付けた外観構成になっている。
フロントドア11は、硬質プラスチック等で成形された上部パネル部12、中部パネル部13及び下部パネル部14から構成されている。
【0025】
上部パネル部12には、上部ランプと呼称される演出用ランプ12a、図示しないスピーカが取り付けられた放音部12b,12b、及び液晶ディスプレイ等で形成された演出表示装置12cが配設されている。
【0026】
中部パネル部13には、透明な硬質プラスチック等で形成された略長方形の透過窓14の両側に演出用ランプ15,16を、また、その透過窓14の下側に、遊技者が操作するための操作部18が配設されている。
透過窓14は、上記した筐体10に内蔵したリール装置17の3つの回胴リール17a,17b,17cを遊技者が視認できる位置に形成されている。
【0027】
操作部18は、遊技を行うために必要なメダルを投入するためのメダル投入部19、1ゲーム当たりのメダル数を提示するためのベットボタン20〜22、1ゲームの開始を指示するためのスタートレバー23と、回転中の回胴リール17a,17b,17cを個別に停止させるためのストップボタン24〜26、遊技者が獲得したメダルの払い出しを指示するための精算ボタン27が配設されている。
【0028】
下部パネル部14には、回胴式遊技機(以下「スロットマシン」という)Bのゲーム内容を紹介等するための画像(図示していない)が上半部側に描画されており、また、下半部側に、遊技者の獲得した枚数のメダルを払い出すための排出口28,受皿29及びスピーカが取り付けられた放音部30が配設されている。
【0029】
次に、フロントドア11の裏面構造と、筐体10の内部構造について、主に図2を参照して説明する。
フロントドア11の裏面上部には、上述の放音部12b,12bを構成する演出用スピーカ31,32が設けられており、それらの演出用スピーカ31,32の間に演出表示装置33が設けられているとともに、その演出表示装置33の裏面側には、絶縁性樹脂基板上に集積回路装置(IC)等を搭載して配線接続したサブ制御基板34が取り付けられている。
【0030】
演出表示装置33とサブ制御基板34の下方には、上述した透過窓14と中部パネル13のパネル面とが形成された略長方形の枠体35が取り付けられている。
枠体35の下方には、前記したメダル投入部19から投入される投入物が、正規のメダルか否かを判別して振り分けるセレクト機構36と、このセレクト機構36で振り分けられたメダルを筐体10側に設けられているホッパ装置37に案内するガイド部材38と、セレクト機構36で振り分けられた正規のメダル以外の異物を排出口28に案内するガイド部材39と、ホッパ装置37から出力される払い出し用のメダルを排出口28へ案内するガイド部材40が設けられとおり、また、排出口28の近傍にし、放音部30を構成する演出用スピーカ41が取り付けられている。
【0031】
上述した枠体35とセレクト機構36との間には、横長の中央表示基板42が取り付けられており、この中央表示基板42の一端に、セグメント表示を行うための設定表示素子43と、設定ボタン44とが設けられている。
すなわち、中央表示基板42もサブ制御基板34と同様に絶縁性樹脂基板上に集積回路装置(IC)等を搭載しているとともに、上記した設定表示素子43と設定ボタン44とを搭載して配線接続されている。
【0032】
前記した筐体10内には、電源装置基板47を前面に取り付けた電源装置45、ホッパ装置37から溢れたメダルを収容するための補助貯留部46が設けられる他、上記した透過窓14に対向させた回胴リール17a,17b,17cを回転駆動するための電動モータ(図示していない)とを備えたリール装置17が設けられている。
リール装置17の上側には回胴装置基板48と主制御基板49とが配置されているとともに、その主制御基板49の一側方には外部集中端子基板50を筐体10の内壁面に取り付けている。
【0033】
すなわち、電源装置基板47と、回胴装置基板48、主制御基板49、外部集中端子基板50も、上述したサブ制御基板34及び中央表示基板42と同様に、絶縁性樹脂基板上に集積回路装置(IC)等を搭載したものである。なお、サブ制御基板34と主制御基板49は、それぞれ硬質プラスチックの収納ケース内に収納されたユニット構造となっている。
【0034】
次に、図3を参照して回路構成について説明する。図3は、回路構成を示すブロック図である。
上記した主制御基板49は、本スロットマシンBを制御中枢となるものであり、この主制御基板49を中心としてサブ制御基板34、中央表示基板42、電源装置基板47、回胴装置基板48、外部集中端子基板50がそれぞれ所定の配線ケーブル(図示しない)を介して接続されている。
【0035】
主制御基板49には、半導体メモリ(ROM)と、マイクロプロセッサ(MPU)が搭載されており、そのマイクロプロセッサが、半導体メモリに予め記憶されているシステムプログラムとスロットマシンゲーム用のプログラムを実行することにより、各基板34,42,47,48,50を制御することによって、本スロットマシンBの動作状況とゲームの進行を統括管理している。
【0036】
サブ制御基板34には、演出用スピーカ31,32,41と演出用ランプ12a,15,16と演出表示装置33がそれぞれ所定の配線ケーブル(図示しない)を介して配線接続されており、主制御基板49から出力される指示に従って演出用スピーカ31,32,41、演出用ランプ12a,15,16及び演出表示装置33を駆動することにより、遊技者の視覚や聴覚に訴える演出を行うようになっている。
【0037】
回胴装置基板48は、回胴リール装置17が接続されており、主制御基板49から出力されるモータ駆動指示信号MTSの指令に従って電動モータへの駆動電力と駆動タイミングを制御することにより、上記した回胴リール17a,17b,17cの回転,制動及び停止の制御を行うようになっている。
すなわち、主制御基板49中のマイクロプロセッサ(MPU)は、遊技者がベットボタン20〜22の何れかをオン操作して1ゲーム当たりのメダル数を提示した後、スタートレバー23をオン操作すると、役抽選を行って回胴リール17a,17b,17cを所定速度で回転させ、次に遊技者がストップボタン24〜26を適宜の順番でオン操作すると、そのオン操作された順番に従って回胴リール17a,17b,17cを順次に制動して最終的に停止させる。
【0038】
そして、回胴リール17a,17b,17cに描かれている絵柄が上述の役抽選した役に相当する組み合わせで揃うと入賞、揃わないと外れと判断して1ゲーム当たりの処理を完了する。こうした遊技者の一連のオン操作を主制御基板49中のマイクロプロセッサ(MPU)が検知し、回胴リール17a,17b,17cの回転開始から最終的な停止までの制御を行うためにモータ駆動指示信号MTSを回胴装置基板48に出力する。
一方、供給されたモータ駆動指示信号MTSに従って回胴装置基板48が電動モータを駆動制御することにより、回胴リール17a,17b,17cの回転,制動及び停止の制御を行うようになっている。
【0039】
また、回胴装置基板48は、モータ駆動指示信号MTSが供給されると、回胴リール17a,17b,17cが回転を開始し最終的に停止するまでの期間、換言すると電動モータに駆動電力を供給している期間を示すモータ駆動信号MTDを主制御基板49中のマイクロプロセッサ(MPU)へ返信する。
【0040】
中央表示基板42には、前記した設定表示素子43と設定ボタン44が接続されており、また、セレクト機構36と、ベットボタン20〜22、スタートレバー23、ストップボタン24〜26、精算ボタン27が所定の配線ケーブル(図示していない)を介して配線接続されている。
【0041】
そして、中央表示基板42は、ベットボタンB1,B2,B3とスタートレバー23とストップボタン20〜22がそれぞれオン又はオフ操作されたことを示す操作信号SGを主制御基板49中のマイクロプロセッサ(MPU)に転送し、ゲームの進行を制御させる。
また、精算ボタン27がオン操作されると、中央表示基板42は、そのオン操作されたことを示す精算信号MRSを主制御基板49中のマイクロプロセッサ(MPU)に転送する。そして、マイクロプロセッサ(MPU)は、精算信号MRSを入力すると、電源装置基板47を通じてホッパ装置37に指令信号を出力して、遊技者の獲得した枚数のメダルを払い出させる。
【0042】
さらに、セレクト機構36には、メダル投入部19から投入された投入物をメダルか否かを検知するための光学センサ,機械センサ若しくは磁気センサが設けられており、これらのセンサから出力される投入物検出信号SLGを中央表示基板42が主制御基板49中のマイクロプロセッサ(MPU)へ転送する。
【0043】
そして、マイクロプロセッサ(MPU)にメダルが投入されたことを示す投入物検出信号SLGが入力されると、メダルの投入枚数を集計する。一方、メダル以外の異物が投入されたことを示す投入物検出信号SLGが入力されると、異常が発生したと判断し、上述のサブ制御基板34に指令して、演出用スピーカ31,32,41に警報音を発生させたり、演出用ランプ12a,15,16によって警報表示を行わせる。
【0044】
設定ボタン44は、事業者や管理者等が出玉率を設定変更するために設けられており、設定表示素子43は、1〜6の何れかの数字をセグメント表示することにより、設定ボタン44によって設定変更された出玉率を段階表示する。
【0045】
すなわち、設定ボタン44がオン操作されると、中央表示基板42は、そのオン操作される度に設定信号CSSを主制御基板49中のマイクロプロセッサ(MPU)へ転送し、マイクロプロセッサ(MPU)は設定信号CSSを入力する毎に、予め6段階に決められている出玉率を順繰りに変化させ、更に変化させた出玉率に相当する数字を示す設定表示信号CTSを中央表示基板42へ返送する。そして、中央表示基板42が設定表示信号CTSに基づいて設定表示素子43に数字をセグメント表示させることにより、事業者や管理者等に設定変更された出玉率の情報を知らせるようになっている。
【0046】
電源装置基板47には、図2にも示しているように、主電源スイッチ51と、システム電源スイッチ52、設定スイッチ53、システムリセットスイッチ54が配設されている。また、電源装置基板47には、電源装置45で発生される各種電源電圧をホッパ装置37その他の各所に配電する配電回路が形成されており、かかる配電回路からスロットマシンBの動作に必要なシステム電源が供給されている。
【0047】
外部集中端子基板50は、図示していないホールコンピュータとの間で信号の出力又は入力を行うものであり、図上述の制御中に得られる「メダル投入信号」、「メダル払い出し信号」、「役物動作信号」、「役物連続作動装置動作信号」、「役物連続作動増加装置動作信号」、「高確率役物遊技信号」と呼ばれる6種の出力信号S1〜S6をホールコンピュータに出力し、また、「打ち止め解除信号」と呼ばれる入力信号INをホールコンピュータから入力する構成となっており、その詳細は以下のとおりである。
【0048】
外部集中端子基板50は、主制御基板49中の上記マイクロプロセッサから出力される信号S1〜S6を並列入力することが可能な複数個の入力端子P1〜P6と、当該信号S1〜S6をホールコンピュータ側に並列転送することが可能な複数個の出力端子Q1〜Q6とを有しているとともに、ホールコンピュータ側から出力される信号INを入力する入力端子P7及び上記マイクロプロセッサへ転送する出力端子Q7、信号S1〜S6及びINを一方向にのみ転送する信号転送回路(図示しない)が設けられている。
【0049】
すなわち、上述の出力端子Q1〜Q6及び入力端子P1と、ホールコンピュータに設けられている入出力インターフェースとの間を例えばフラットケーブル等の配線ケーブルで接続することによって、主制御基板49からホールコンピュータ側へ信号S1〜S6を転送し、また、ホールコンピュータから主制御基板49側に信号INを転送することが可能となっている。
【0050】
なお、信号S1は、メダル投入部19からホッパ装置37にメダルが1枚投入される毎に出力される「遊技メダル投入信号」、信号S2は、ホッパ装置37から排出口28へメダルが1枚払い出される毎に出力される「メダル払出信号」、信号S3は、レギュラーボーナス(RB)と呼ばれる特別役に入賞したときに出力される「役物連続作動装置本当たり信号」、信号S4は、ビッグボーナス(BB)と呼ばれるレギュラーボーナス(RB)よりも大きな特別役に入賞したときに出力される「役物連続作動増加装置本当たり信号」、信号S5は、いわゆる出玉率の設定操作がなされたときに出力される「設定操作信号」である。
また、ホールコンピュータ側から供給される信号INは、いわゆる打止め解除を主制御基板49中のマイクロコンピュータに対して指令するための「外部打止め解除信号」である。
【0051】
主電源スイッチ51は、スロットマシンBの動作に必要なシステム電源の供給又は遮断を行うために設けられており、電源装置45から出力されるシステム電源の制御システムへの供給をオン/オフ制御することにより、制御システムをパワーオンリセットするために設けられている。
【0052】
電源装置基板47は、主電源スイッチ51がオン/オフ操作されると、そのオン/オフ操作されたことを示すシステム電源操作信号BQSを主制御基板49中のマイクロプロセッサ(MPU)へ転送し、制御システム全体をパワーオンリセットさせるための処理を行わせる。
【0053】
電源装置基板47は、上述の精算ボタン27がオン操作されると、主制御基板49中のマイクロプロセッサ(MPU)からの指示に従ってホッパ装置37を制御することにより、メダルの払い出しを行わせる。
そして、ホッパ装置37のメダル出力部に設けられているメダル検知センサから出力されるメダル検出信号MRSSをマイクロプロセッサ(MPU)へ返送する。なお、メダル検知センサは、ホッパ装置37のメダル出力部から出力されるメダルを1枚ずつ検知したことを示すメダル検出信号MRSSを出力する。
【0054】
システムリセットスイッチ54は、スロットマシンBに何らかのシステムエラーが生じた場合に、スロットマシンBを元の正常動作に復帰させるために設けられている。
すなわち、事業者や管理者がシステムリセットスイッチ54をオン操作すると、電源装置基板47がシステムリセット信号ROSを主制御基板49中のマイクロプロセッサ(MPU)に供給し、所定のエラーチェックを行わせて元の正常動作に復帰させるようになっている。
【0055】
次に、遊技媒体貸出し機Cについて説明する。図4は、遊技媒体貸出し機の構造を示す斜視図、図5は、回路構成を示すブロック図である。
遊技媒体貸出し機Cは、上記したスロットマシンBと略同高の縦長にした方形枠形の機枠60の正面に、紙幣挿入口61、操作ボタン62…、ブザー63、表示部64、メダル補給用扉65、この扉65の錠66、ノズル機構67の順に上下にして配設されている。
ノズル機構67には、投出されるメダルを前記した受皿29に案内する案内部材68が水平面内で回転可能に支持されている。
【0056】
この遊技媒体貸出し機Cの内部には、紙幣挿入口61から挿入される紙幣を識別し、正規の紙幣であれば取り込んで収納する紙幣識別収納部69、制御部70、前記メダル補給用扉65の内側に設けられるメダルタンク部71、メダルホッパ72、メダルを繰り出しするメダル繰り出し機構73とを上下に配設した構成になっている。
このメダル繰り出し機構73から繰り出されるメダルはメダル供給通路(図示していない)を通じて前記ノズル機構67へ送られ、案内部材68を通じ回胴式遊技機Bの受皿29内へ投出される。
なお、メダル供給通路には、メダルの繰り出し枚数をカウントする計数センサが配設されている。
【0057】
メダル繰り出し機構73は、メダルホッパ72内のメダルMを1枚ずつメダル供給通路へ送り出す機能を有しており、これには、メダルホッパ72内のメダルの満杯を検知する満杯検知センサ73a、同エンプティを検知するエンプティ検知センサ73bが設けられている。なお、73cは駆動モータである。
【0058】
遊技媒体貸出し機Cの回路構成について、図5を参照して説明する。
70は本装置の制御中枢となる制御部であり、前記した紙幣識別収納部69から出力される入金信号、操作ボタン62を操作することによるメダル投出指示を受け、その内容を表示部64に表示する機能と、図示しないモータにより駆動されるメダル繰り出し機構73の制御を行う機能を有している。
74は通信部であり、ホールコンピュータEとの間で通信を行う機能を有している。
【0059】
次にメダル貸出し動作の一例について説明する。
貸出し待機状態において、紙幣挿入口61に紙幣が投入されるとメダルの貸し出しが開始される。
まず、紙幣が投入されたか否かがチェックされ、紙幣が投入されているときはその紙幣が適正紙幣であるか否かがチェックされる。
紙幣識別収納部69は、千円紙幣及び二千円紙幣を適正紙幣と判断し、それ以外の金種の紙幣、偽造紙幣、識別不能紙幣は適正紙幣でないと判断する。紙幣が投入されないでスタートがかけられたときは紙幣の投入を促す。
投入された紙幣が適正紙幣でないと判断されたときは、その紙幣を紙幣挿入口61から返却し、次の紙幣の投入を待つ。
【0060】
紙幣が投入されると、メダル繰り出し機構73が駆動され、メダルの繰り出しが行われる。
メダル繰り出し機構73から1枚ずつ繰り出されるメダルは、供給通路を通る際に図示ない計数センサにより通過枚数がカウントされる。ここでメダルが繰り出されてない場合には、通信部74及びホールコンピュータEを通じて係員に連絡され、係員によりチェックを促し、エラー処理がなされる。
【0061】
正常に繰り出されたメダルは、供給通路から案内部材68を経てスロットマシンBの受皿29内に投入されるとともに、メダルが繰り出されるたびに計数センサにより繰り出し枚数がカウントアップされる。次にメダルのカウント値が所定値(千円で50枚、2千円で100枚)に達したか否かがチェックされ、所定値に達したらメダル繰り出し機構73の駆動が停止されてメダルの繰り出しが止められ、1回の貸し出し動作が終了する。
また、カウント値が所定値に達しないときはメダルの詰まりやメダル切れ等がチェックされ、異常がないと判断されれば繰り出し動作を継続し、また、エラー発生時にはエラー内容に応じた処理がとられる。
【0062】
前述した1回の貸し出し動作が終了すると、メダルホッパ72内のエンプティチェックが行われる。エンプティが検知されたときは、図示しない呼出しランプが点滅するとともに対応するエラーコートが表示部64に表示され、係員に対しメダルの補給を促す。この場合はメダル補給用扉65を開けてメダルホッパ72内にメダルを補給する。
【0063】
次に、不正遊技判定報知装置Dについて説明する。図6は、不正遊技判定報知装置、回胴式遊技機及び遊技媒体貸出し機の接続関係を示すブロック図、図7は、不正遊技判定報知装置の回路構成を示すブロック図である。
【0064】
不正遊技判定報知装置Dは、本装置の制御中枢となる制御部80の入力側に、前述したスロットマシンBの外部集中端子基板50から出力される信号が入力されるようになっており、遊技媒体貸出し機Cのメダル繰り出し機構73の駆動モータ73cに通電される電流を検出する電流センサ81が接続されているとともに、出力側にホールコンピュータEが接続されている。
電流センサ81は、前記した駆動モータ73cに通電される電流を検出することにより、貸し出される遊技媒体の貸出し数を検出するものであり、この電流センサ81が貸出し数検出センサである。以下、電流センサ81を貸出し数検出センサ81ともいう。
【0065】
制御部80は、CPU,メモリ等(いずれも図示しない)により構成されており、そのメモリには、所要のプログラムの他、一実施形態に係る不正遊技判定報知プログラムが記録されている。
一実施形態に係る不正遊技判定報知プログラムは、貸出し数検出センサで検出した遊技媒体の貸出し数情報と、遊技機から出力される遊技媒体の差数情報とに基づいて、遊技媒体貸出し機から貸し出された遊技媒体によらない不正遊技が上記遊技機において行われているか否かを判定する不正遊技判定機能と、この取得した遊技媒体の差数情報と遊技媒体の貸出し数情報とに基づいて、遊技媒体貸出し機から貸し出された遊技媒体によらない不正遊技が上記遊技機において行われているか否かを判定する不正遊技判定機能と、この不正遊技判定機能により、不正遊技が上記遊技機において行われていると判定したときには、当該不正遊技が行われていることを報知する不正遊技報知機能とを不正遊技判定報知装置Dに実現する内容のものである。
このような不正遊技判定報知プログラムは、制御部80内の上記メモリに記録しておく他、例えば磁気ディスク,光磁気ディスク等の可搬型の情報記録媒体(図示しない)に記録しておき、必要に応じて不正遊技判定報知装置Dにインストールするようにしてもよい。
【0066】
(1)貸出し数検出センサ81で検出した遊技媒体の貸出し数情報と、遊技機から出力される遊技媒体の差数情報とに基づいて、遊技媒体貸出し機から貸し出された遊技媒体によらない不正遊技が上記遊技機において行われているか否かを判定する機能(不正遊技判定手段80a)。
「遊技機から出力される遊技媒体の差数情報」は、ホッパ装置37から排出口28へメダルが1枚払い出される毎に出力されるメダル払出信号S2であり、外部集中端子基板50から出力されるようになっている。
本実施形態においては、任意の数をγ、購入した遊技媒体の数をXn、ゲームをn回行ったときの座標をPnとし、ゲームをn回行った後にさらにゲームをα回行った場合において、不正遊技判定手段は、Pn+α(n+α,Xn+α)<Pn+α(n+α,−(Xn+γ))を満たすか否かを判別することにより、不正遊技が上記遊技機において行われているか否かを判定している。
「ゲームをn回行った」と以下に記述する「nゲーム消化する」とは同義であり、また、「ゲームをα回行った」と以下に記述する「αゲーム消化する」とは同義である。
【0067】
(2)不正遊技判定手段80aにより、不正遊技が上記遊技機において行われていると判定したときには、当該不正遊技が行われていることを報知する機能(不正遊技報知手段80b)。
【0068】
本実施形態においては、次のようなアルゴリズムに基づいて不正遊技が行われているか否かを判定している。図8,9は、不正遊技を検出して報知するアルゴリズムを示すフローチャートである。
ステップ1(図中「S1」と略記する):遊技媒体貸出し機のメダル繰り出し機構73の駆動モータ73cの駆動信号を検出したとき、新規の遊技者がゲームを開始したことを意味している。
ステップ2:座標P0=(0,50)とする。なお、50は、遊技媒体(メダル)を50枚購入したことを意味している。
ステップ3:nゲーム消化する。
ステップ4:座標はPn=(n,Xn)となる。Xnは購入した上記遊技媒体の数を示している。
ステップ5:さらにαゲーム消化する。
ステップ6:Pn=(n,Xn)+Pα(α,Xn)となる。この座標は、遊技者が投入したメダルの枚数のみで発生する。
ステップ7:αゲーム中にメダルの払い出しが生じた場合、この払出し枚数をβとする。
ステップ8:αゲーム中にメダルの投入と払い出しとが生じると、座標はPn+α(n+α,Xn−3α+β)=Pn+α(n+α,Xn+α)に移動する。
ステップ9:座標は、Pn+α(n+α,Xn+α)に移動する。
ステップ10:ここで、Pn+α(n+α,Xn+α)<Pn+α(n+α,−55)を満たすか否かを判定し、満たす場合にはステップ11に進み、また、満たさない場合にはステップ12に進む。このステップ10において、不正遊技の判定をしている。
なお、「−55」は、遊技媒体(メダル)を50枚購入した場合には、これに任意の数γ=5を加算した値である。本実施形態においては、購入した遊技媒体の数「50」に、任意の数γ=5を加算しているが、これに限るものではなく、不正遊技の判定を行う上で有効な数に設定すればよい。
【0069】
ステップ11:メダルを購入することなく不正遊技を行っているので、不正遊技を行っていることを示す不正遊技信号を、ホールコンピュータEに向けて出力し、ステップ13に進んで座標をリセットするとともに、(n+α)の値も「0」にセットしてステップ1に戻る。
ステップ12:ゲームを中止するか否かを判定し、終了する場合にはステップ14に進んでゲームを終了し、また、ゲームを継続するときにはステップ4に戻る。
ステップ14:ゲーム終了処理をしてゲームを終了する。
【0070】
図9は、他の遊技機で獲得した遊技者が、メダルを所持したまま該当台に移動した場合を示すフローチャートである。
該当遊技機が空き台となったときの座標をPn=(n,Xn)とする。
ステップ15:リセットボタンが押下されているか否かを判断し、押下されていればステップ16に進み、押下されていなければステップ17に進む。
ステップ16:遊技者が所持しているメダルの枚数を「A」、使用枚数を「B」として、ステップ18に進む。
ステップ18:ステップB>55であるか否かを判断し、B>55であればステップ20に進み、そうでなければステップ21に進んでゲーム終了処理を行ってステップ1に戻る。
【0071】
ステップ20:メダルを購入することなく不正遊技を行っているので、不正遊技を行っていることを示す不正遊技信号を、ホールコンピュータEに向けて出力し、ステップ22に進んで座標をリセットして、ステップ23に進む。
ステップ23:遊技者が所持しているメダルの枚数から使用枚数を引き算(A−B)して、該当遊技機の獲得総メダル枚数を設定し、ゲームを継続するときにはステップ4に戻る。なお、設定に誤りがあればリセットする。
【0072】
ステップ19:遊技者が所持しているメダルの枚数を「A」、使用枚数を「B」として、B>Xn+55であるか否かを判断し、B>Xn+55であればステップ20に進み、そうでなければステップ15に進む。
なお、新規の遊技者が該当台で遊技する場合、メダルの所持枚数が「0」であるのでリセットボタンの押下の有無に関わらず、ステップ1に戻る。
【0073】
本発明は前記した実施形態に限るものではなく、次のような変形実施が可能である。
・上記においては、不正遊技を行っていることを示す不正遊技信号を、ホールコンピュータに向けて出力する例について説明したが、ホールコンピュータに、貸出し数検出センサで検出した遊技媒体の貸出し数情報と、遊技機から出力される遊技媒体の差数情報とに基づいて、遊技媒体貸出し機から貸し出された遊技媒体によらない不正遊技が上記遊技機において行われているか否かを判定する不正遊技判定手段と、この不正遊技判定手段により、不正遊技が上記遊技機において行われていると判定したときには、当該不正遊技が行われていることを報知する不正遊技報知手段とを配した構成にしてもよい。
【0074】
・遊技媒体の差数情報を出力する遊技機と、この遊技機に対応する遊技媒体貸出し機とに接続されたホールコンピュータとの間に中間コンピュータを接続しておき、その中間コンピュータに、前述した不正遊技判定手段、及び不正遊技報知手段を配した構成にしてもよい。
【0075】
具体的には、遊技媒体の差数情報を出力する遊技機と、この遊技機に対応する遊技媒体貸出し機とを一組としたとき、一又は二以上の組毎に共通に接続された中間コンピュータを介してホールコンピュータを接続した構成にし、上記中間コンピュータに、前述した不正遊技判定手段、及び不正遊技報知手段とを配した構成にすることができる。このような中間コンピュータを設けることにより、不正遊技の判定とその報知とを一又は二以上の組ごとに行うことができ、これにより、不正遊技に対して迅速な対応をすることができる。このような中間コンピュータは、例えば所謂「島」毎に配することができる。
なお、上記した中間コンピュータには、必ずしもホールコンピュータを接続しなくともよい。
【0076】
・前述した実施形態においては、Pn+α(n+α,Xn+α)<Pn+α(n+α,−(Xn+γ))を満たすか否かを判別することにより、不正遊技が上記遊技機において行われているか否かを判定する例について説明したが、これに限るものではない。すなわち、不正遊技判定手段としては、貸出し数検出センサで検出した遊技媒体の貸出し数情報と、遊技機から出力される遊技媒体の差数情報とに基づいて、遊技媒体貸出し機から貸し出された遊技媒体によらない不正遊技が上記遊技機において行われているか否かを判定するものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明に係る遊技システムの一部をなす一例に係る回胴式遊技機及びこれに併設した遊技媒体貸出し機の外観を示す正面図である。
【図2】同上の回胴式遊技機の内部構造を示すようにフロントドアを開いた状態を示す正面図である。
【図3】回胴式遊技機の回路構成を示すブロック図である。
【図4】遊技媒体貸出し機の構成を示す斜視図である。
【図5】遊技媒体貸出し機の回路構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る遊技システムの全体構成を簡略化して示すブロック図である。
【図7】不正遊技判定報知装置の回路構成を示すブロック図である。
【図8】不正遊技を検出して報知するアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図9】不正遊技を検出して報知するアルゴリズムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0078】
80a 不正遊技判定手段
80b 不正遊技報知手段
81 貸出し数検出センサ
B 遊技機
C 遊技媒体貸出し機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体の差数情報を出力する遊技機と、この遊技機に対応する遊技媒体貸出し機とを有している遊技システムに用いる不正遊技判定報知装置であって、
貸し出される遊技媒体の貸出し数を検出する貸出し数検出センサを遊技媒体貸出し機に配設しておき、
その貸出し数検出センサで検出した遊技媒体の貸出し数情報と、遊技機から出力される遊技媒体の差数情報とに基づいて、遊技媒体貸出し機から貸し出された遊技媒体によらない不正遊技が上記遊技機において行われているか否かを判定する不正遊技判定手段と、
この不正遊技判定手段により、不正遊技が上記遊技機において行われていると判定したときには、当該不正遊技が行われていることを報知する不正遊技報知手段とを有することを特徴とする遊技システムに用いる不正遊技判定報知装置。
【請求項2】
任意の数をγ、購入した遊技媒体の数をXn、ゲームをn回行ったときの座標をPnとし、ゲームをn回行った後にさらにゲームをα回行った場合において、
不正遊技判定手段は、Pn+α(n+α,Xn+α)<Pn+α(n+α,−(Xn+γ))を満たすか否かを判別することにより、不正遊技が上記遊技機において行われているか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の不正遊技判定報知装置。
【請求項3】
遊技媒体の差数情報を出力する遊技機と、この遊技機に対応する遊技媒体貸出し機とにホールコンピュータが接続されているとともに、遊技媒体貸出し機に、貸し出される遊技媒体の貸出し数を検出する貸出し数検出センサを配設している遊技システムにおいて、
上記ホールコンピュータに、貸出し数検出センサで検出した遊技媒体の貸出し数情報と、遊技機から出力される遊技媒体の差数情報とに基づいて、遊技媒体貸出し機から貸し出された遊技媒体によらない不正遊技が上記遊技機において行われているか否かを判定する不正遊技判定手段と、
この不正遊技判定手段により、不正遊技が上記遊技機において行われていると判定したときには、当該不正遊技が行われていることを報知する不正遊技報知手段とを配していることを特徴とする遊技システム。
【請求項4】
遊技媒体の差数情報を出力する遊技機と、この遊技機に対応する遊技媒体貸出し機とを一組としたとき、一又は二以上の組毎に共通に接続された中間コンピュータを介してホールコンピュータが接続されており、
上記中間コンピュータに、不正遊技判定手段、及び不正遊技報知手段とを配していることを特徴とする請求項3に記載の遊技システム。
【請求項5】
遊技媒体の差数情報を出力する遊技機と、この遊技機に対応する遊技媒体貸出し機とに、電気通信回線を介してホールコンピュータが接続されているとともに、遊技媒体貸出し機に貸し出される遊技媒体の貸出し数を検出する貸出し数検出センサを配設している遊技システムに用いる不正遊技判定報知プログラムにおいて、
貸出し数検出センサで検出した遊技媒体の貸出し数情報と、遊技機から出力される遊技媒体の差数情報とに基づいて、遊技媒体貸出し機から貸し出された遊技媒体によらない不正遊技が上記遊技機において行われているか否かを判定する不正遊技判定機能と、
この取得した遊技媒体の差数情報と遊技媒体の貸出し数情報とに基づいて、遊技媒体貸出し機から貸し出された遊技媒体によらない不正遊技が上記遊技機において行われているか否かを判定する不正遊技判定機能と、
この不正遊技判定機能により、不正遊技が上記遊技機において行われていると判定したときには、当該不正遊技が行われていることを報知する不正遊技放置機能とをホールコンピュータに実現することを特徴とする遊技システムに用いる不正遊技判定報知プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載した不正遊技判定報知プログラムを記録していることを特徴とする情報記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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