遊技場用システム
【課題】新機種を導入したことによる効果をより正確に測定する。
【解決手段】管理装置3は、複数日に渡って遊技者毎の遊技頻度を判定し、その判定した遊技頻度に応じて遊技者を区分し、予め設定された判定期間において、その区分した区分毎に特定の機種を遊技した遊技者の人数や割合を算出して出力する。新機種を導入した後の遊技データに常連客数(特定の機種を遊技した遊技者の人数)や割合を加味してその後の傾向を予測でき、新機種を導入した後の客層を調査することで、その客層構成がその後の稼動にどのように影響するのかを把握でき、新機種を導入したことによる効果をより正確に測定できる。
【解決手段】管理装置3は、複数日に渡って遊技者毎の遊技頻度を判定し、その判定した遊技頻度に応じて遊技者を区分し、予め設定された判定期間において、その区分した区分毎に特定の機種を遊技した遊技者の人数や割合を算出して出力する。新機種を導入した後の遊技データに常連客数(特定の機種を遊技した遊技者の人数)や割合を加味してその後の傾向を予測でき、新機種を導入した後の客層を調査することで、その客層構成がその後の稼動にどのように影響するのかを把握でき、新機種を導入したことによる効果をより正確に測定できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の機種からなる複数の遊技機が設置される遊技場において、当該複数の遊技機の遊技データを管理するための遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場では、機種毎の稼動データを算出して出力しており、その稼動データは遊技場の管理者が機種毎の傾向、特性、人気等を把握するのに活用されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭59−069783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遊技場の管理者は、例えば新機種を導入した場合には、遊技場全体の稼動時間が増加したかを調査したり、遊技場全体の稼動時間が増加した場合であれば導入前と比較してどの程度増加したかを調査したりすることで、新機種を導入したことによる効果を測定することが行われている。しかしながら、新機種を導入したことで稼動時間が増加した場合であっても、その原因が一見客の増加にあるのか、又は常連客の支持によるものなのかにより、その後の稼動状況に異なる影響が生じるところ、従来のシステムではその違いを区別することができないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、新機種を導入したことによる効果をより正確に測定することを可能とする遊技場用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した遊技場用システムは、複数の機種からなる複数の遊技機が設置される遊技場において、当該複数の遊技機の遊技データを管理するための遊技場用システムであって、遊技者が遊技機にて遊技する場合に、当該遊技者の識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記識別情報取得手段が取得した前記遊技者の識別情報を記憶する識別情報記憶手段と、遊技機から出力される遊技信号の入力に基づいて遊技機毎の遊技データを算出する遊技データ算出手段と、前記遊技データ算出手段が算出した遊技データに前記遊技者の識別情報を対応付けて記憶する遊技データ記憶手段と、前記識別情報取得手段が取得した2以上の識別情報が同一人物の識別情報であるか否かを判定する同一人物判定手段と、前記同一人物判定手段の判定結果に基づいて、複数日に渡って遊技者毎の遊技頻度を判定する遊技頻度判定手段と、前記遊技頻度判定手段が判定した遊技頻度に応じて遊技者を区分する遊技頻度区分手段と、予め設定された判定期間において、前記遊技頻度区分手段が区分した区分毎に特定の機種を遊技した遊技者の人数及び/又は割合を算出する遊技者算出手段と、前記遊技者算出手段の算出結果を出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載した遊技場用システムは、前記遊技者算出手段の算出結果の差が所定範囲内である機種を特定する特定手段を備え、前記出力手段は、前記遊技者算出手段の算出結果に加え、当該算出結果との差が所定範囲内である機種の遊技情報を出力することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載した遊技場用システムは、前記識別情報取得手段は、カメラであり、前記識別情報は、前記カメラが撮像した遊技者の画像であることを特徴とする。
請求項4に記載した遊技場用システムは、複数の機種からなる複数の遊技機が設置される遊技場において、当該複数の遊技機の遊技データを管理するための遊技場用システムであって、遊技者を識別可能な識別情報を記録する識別情報記録媒体と、各遊技機に対応して設けられ、前記識別情報記録媒体が記録する識別情報を読出す識別情報読出手段と、遊技機から出力される遊技信号の入力に基づいて遊技機毎の遊技データを算出する遊技データ算出手段と、前記遊技データ算出手段が算出した遊技データに前記遊技者の識別情報を対応付けて記憶する遊技データ記憶手段と、前記識別情報読出手段が読出した2以上の識別情報が同一人物の識別情報であるか否かを判定する同一人物判定手段と、前記同一人物判定手段の判定結果に基づいて、複数日に渡って遊技者毎の遊技頻度を判定する遊技頻度判定手段と、前記遊技頻度判定手段が判定した遊技頻度に応じて遊技者を区分する遊技頻度区分手段と、予め設定された判定期間において、前記遊技頻度区分手段が区分した区分毎に特定の機種を遊技した遊技者の人数及び/又は割合を算出する遊技者算出手段と、前記遊技者算出手段の算出結果を出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載した遊技場用システムによれば、複数日に渡って遊技者毎の遊技頻度を判定し、その判定した遊技頻度に応じて遊技者を区分し、予め設定された判定期間において、その区分した区分毎に特定の機種を遊技した遊技者の人数及び/又は割合を算出して出力するようにしたので、新機種を導入した後の遊技データに常連客数(特定の機種を遊技した遊技者の人数)や割合を加味してその後の傾向を予測することができ、新機種を導入した後の客層を調査することで、その客層構成がその後の稼動にどのように影響するのかを把握することができ、新機種を導入したことによる効果をより正確に測定することができる。
【0010】
請求項2に記載した遊技場用システムによれば、特定の機種を遊技した遊技者の人数及び/又は割合を算出して出力することに加え、その算出結果との差が所定範囲内である機種の遊技情報を出力するようにしたので、客層構成が近似した機種を抽出して出力することができ、その近似した機種の稼動状況を参考とすることで、その後の稼動状況を容易に予測することができる。
【0011】
請求項3に記載した遊技場用システムによれば、遊技者を撮像した画像に基づいて遊技者を識別するようにしたので、例えば指紋や静脈に基づいて遊技者を識別する場合とは異なり、遊技者の意図とは関係なく遊技者を識別することができる。又、識別情報取得手段であるカメラを遊技者から隠蔽する構成であれば、遊技場側にて遊技者を識別していることを遊技者に意識させなくすることもでき、遊技者を不快にさせることなく、遊技者を識別することができる。
【0012】
請求項4に記載した遊技場用システムによれば、上記した請求項1に記載したものと同様に、複数日に渡って遊技者毎の遊技頻度を判定し、その判定した遊技頻度に応じて遊技者を区分し、予め設定された判定期間において、その区分した区分毎に特定の機種を遊技した遊技者の人数及び/又は割合を算出して出力するようにしたので、新機種を導入した後の遊技データに常連客数(特定の機種を遊技した遊技者の人数)や割合を加味してその後の傾向を予測することができ、新機種を導入した後の客層を調査することで、その客層構成がその後の稼動にどのように影響するのかを把握することができ、新機種を導入したことによる効果をより正確に測定することができる。又、この場合は、遊技者を識別可能な識別情報を記録する識別情報記録媒体から識別情報を読出し、その読出した2以上の識別情報に基づいて同一人物であるか否かを判定するようにしたので、上記した請求項3に記載したような識別情報取得手段であるカメラを設ける必要がなく、しかも、複雑な画像処理を行う必要もなく、安価な構成で且つ簡単な処理で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態を示す全体構成図
【図2】顔認証処理を示すフローチャート
【図3】遊技履歴作成処理を示すフローチャート
【図4】当日辞書を示す図
【図5】総合辞書を示す図
【図6】機種別遊技者数データを示す図
【図7】導入後データ(導入した新機種が機種Aの場合)を示す図
【図8】導入後データ(導入した新機種が機種Bの場合)を示す図
【図9】導入週の遊技者別来店日数(機種A)を示す図
【図10】過去遊技機種(機種A)を示す図
【図11】イベント実施日(平日)を示す図
【図12】イベント非実施日(平日)を示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、遊技場用システムの全体構成を概略的に示している。遊技場には遊技機(パチンコ機)1に対応して貸出装置2(本発明でいう識別情報読出手段に相当)が設置され、遊技場内の管理室には管理装置3(本発明でいう識別情報記憶手段、遊技データ算出手段、遊技データ記憶手段、同一人物判定手段、遊技頻度判定手段、遊技頻度区分手段、遊技者算出手段、出力手段、特定手段に相当)が設置されている。中継装置4は、2台の遊技機1、2台の貸出装置2及び管理装置3とLAN5を介して接続されている。管理装置3は、遊技機1側(遊技機1及び貸出装置2等)から出力される遊技信号を中継装置4を介して入力して遊技機1毎の遊技データを管理する。尚、中継装置4は、計数機(図示せず)や景品交換装置(図示せず)ともLAN5を介して接続されている。
【0015】
管理対象となる遊技機1は、発射装置を構成する操作ハンドル6に対する操作により盤面7に発射した玉が始動口8に入賞(始動入賞)するのに応じて大当たり抽選を行い、抽選結果を表示部9において行う図柄変動にて報知し、その変動結果に応じて大当たり状態となる。大当たりが発生すると15ラウンド(R)分だけ大入賞口10を開放する。入賞により払出された玉は上部受皿11にて受けられ、上部受皿11が満杯状態となって溢れた玉は下部受皿12にて受けられる。尚、1Rの上限入賞数は10個であり、上限開放時間は30秒であり、上限入賞数又は上限開放時間の何れかが満たされた場合に1Rを終了する。
【0016】
遊技機1側からは、次の遊技信号が出力される。
「アウト信号」:使用玉(使用媒体)を回収するアウトBOXから出力される使用玉数(アウト)を特定可能な信号である。回収(使用、打込)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定する。尚、遊技機1から出力される信号であっても良い。
「セーフ信号」:遊技機1から出力される払出玉数(セーフ、払出媒体数)を特定可能な信号である。遊技機1での遊技(入賞)に応じた払出10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。尚、補給装置から出力される補給信号をセーフ信号としても良い。
【0017】
「スタート信号」:遊技機1から出力される図柄変動数(役物作動数、スタート)を特定可能な信号である。始動口8への入賞により変動(作動)する表示部9における図柄変動(役物作動、スタート処理)1回につき1パルスが出力されるので、「スタート信号数×1」をスタートとして特定する。尚、始動口8への入賞に応じて出力される始動入賞信号をスタート信号としても良い。
【0018】
「大当たり信号」:遊技機1から出力される大当たりを特定可能な信号である。大当たり中にレベル出力される状態信号なので、大当たり信号入力中を大当たり中として特定する。
「特別状態信号」:遊技機1から出力される特別状態を特定可能な信号である。大当たり確率が向上する確変中等の大当たりを通常状態よりも発生させ易い状態である特別状態中にレベル出力される状態信号(確変信号)なので、特別状態信号入力中を特別状態中(甘中又は甘モード)として特定する。尚、確変中だけでなく、始動口8への入賞率が向上する時短中にもレベル出力される。
【0019】
「売上信号」:貸出装置2から出力される売上情報(売上玉数、売上額)を特定可能な信号である。遊技者に対する有価価値を対価とした貸出玉25玉毎に1パルスが出力されるので、「売上信号数×25」を売上玉数として特定し、「売上玉数×貸単価」を売上額として特定する。
「再プレイ信号」:貸出装置2から出力される再プレイ玉(再遊技媒体)数を特定可能な信号である。遊技者に対する貯玉を対価とした再プレイ玉25玉毎に1パルスが出力されるので、「再プレイ信号数×25」を再プレイ玉数として特定する。
【0020】
貸出装置2は所謂CRサンドとして構成されており、以下の機能を有する。
(1)遊技者を特定可能な固有の遊技者ID(遊技者を識別可能な識別情報)が記録された会員カード13(本発明でいう識別情報記録媒体に相当)をカード挿入口14にて受付可能である。会員カード13の他にビジターカード(IC持玉券)をもカード挿入口14にて受付可能である。
(2)会員カード13等のカードの挿入状態により貯玉が特定可能な状態で払出釦15が押下されると、その貯玉に基づいて貸玉を玉排出用ノズル16から払出して売上信号を出力する。
(3)カードを受付けた状態で返却釦17が押下されると、受付中のカードをカード挿入口14から排出する。
(4)遊技機1の遊技領域である盤面7の中心、即ち、遊技者の顔面位置の高さと同程度の高さ位置で水平方向に回動可能に情報表示部18が設けられており、貸出情報や対応する遊技機1に関する各種の遊技情報等を情報表示部18にて表示する。
(5)玉排出用ノズル16の上方にCCDカメラ19(本発明でいう識別情報取得手段に相当、以下、単にカメラと称する)が内蔵されている。カメラ19は、対応する遊技者の顔を中心とした上半身を斜め前方から撮像して顔データを作成する。カメラ19の水平方向の視野はレンズの光軸を中心として120度であるが、実際の視野は周囲壁面により遊技者方向に対して80度となるように規制されている。又、カメラ19の前面にはスモークプレート(図示せず)が設けられており、遊技者からカメラ19が隠蔽されている。
【0021】
さて、本実施形態では、貸出装置2は、カメラ19により遊技者の顔を認証して顔データを作成する顔認証処理を行う。以下、貸出装置2が行う顔認証処理について、図2を参照して説明する。
【0022】
貸出装置2は、顔認証処理を開始すると、カメラ19の電源がオンであるか否かを判定する(A1)。貸出装置2は、カメラ19の電源がオンであると判定すると(A1:YES)、タイマ(本実施形態では4秒のタイマ時間)の作動を開始し(A2)、遊技者の顔を検出したか否かを判定する(A3)。
【0023】
ここで、遊技者が遊技機1の正面に配置されている椅子に着座すると、カメラ19の撮像範囲に遊技者の上半身が位置することで、カメラ19は遊技者の顔を検出する。貸出装置2は、カメラ19が遊技者の顔を検出したと判定すると(A3:YES)、遊技者の顔を検出した(未検出でない)ことを示すべく未検出カウンタをクリアし(A4)、その時点で顔認証フラグに「0」を設定しているか否か、即ち、それまでに遊技者の顔を検出していなかったか否かを判定する(A5)。
【0024】
貸出装置2は、顔認証フラグに「0」を設定している、即ち、それまでに遊技者の顔を検出していなかったと判定すると(A5:YES)、遊技者の顔を撮像し(A6)、その撮像した画像の信頼度が規定値以上であるか否かを判定する(A7)。ここでいう信頼度とは遊技者を撮像した画像に基づいて顔データを作成可能であるか否かを数値化したものであり、貸出装置2は、信頼度が規定値未満である、即ち、遊技者の顔データを作成可能でないと判定すると(A7:NO)、タイマがタイムアップしたか否かを判定する(A13)。
【0025】
一方、貸出装置2は、信頼度が規定値以上である、即ち、遊技者の顔データを作成可能であると判定すると(A7:YES)、遊技者の顔を検出したことを示すべく顔認証フラグに「1」を設定し(A8)、遊技者の顔データを作成する(A9)。遊技者の顔データとは、遊技者の上半身の特徴、特に顔の特徴点である顔の目、眉毛、鼻、口等を抽出し、それら特徴点の互いの位置関係に基づいて遊技者の外観を特定する情報である。
【0026】
次いで、貸出装置2は、既に記録した顔データが無いか否かを判定する(A10)。貸出装置2は、対応する遊技機1で当日に遊技する最初の遊技者であり、既に記録した顔データが無いと判定すると(A10:YES)、今回の作成した遊技者の顔データを記録し(A11)、今回の作成した遊技者の顔データを管理装置3へ出力する(A12)。貸出装置2は、以上の動作を行うことにより、遊技者が着座すると、遊技者の顔データを作成して管理装置3へ出力する。
【0027】
貸出装置2は、遊技者の顔データを管理装置3へ出力した後に、タイマがタイムアップした(タイマの作動を開始してから4秒が経過した)と判定すると(A13:YES)、上記したステップA2へ戻り、次の撮像を行うが、顔認証フラグに「0」を設定していない(「1」を設定している)と判定すると(A5:NO)、ステップA13へと移行し、タイマがタイムアップする毎に上記した処理を繰返して行う。即ち、貸出装置2は、遊技者が着席したままであったり(離席しなかったり)遊技者の姿勢が大きく変化しなかったりすることで遊技者の顔を検出している限りは、管理装置3へと一旦出力した顔データを管理装置3へ再度出力しない。
【0028】
一方、貸出装置2は、遊技者が離席したり遊技者の姿勢が大きく変化したりして遊技者の顔を検出しなくなったと判定すると(A3:NO)、顔認証フラグに「1」を設定しているか否かを判定する(A16)。この場合、貸出装置2は、顔認証フラグに「1」を設定していると判定すると(A16:YES)、未検出カウンタをインクリメントし(A17)、更に未検出カウンタが「2」でないと判定すると(A18:NO)、ステップA13へと移行し、タイマがタイムアップする毎に上記した処理を繰返して行う。
【0029】
貸出装置2は、上記した処理を繰返して行うことで、未検出カウンタが「2」であると判定すると(A18:YES)、顔認証フラグに「0」を設定し(A19)、離席信号を管理装置3へ出力し(A20)、ステップA13へと移行する。即ち、貸出装置2は、遊技者の顔を検出しない期間が8秒継続すると、遊技者が離席したことを示すべく離席信号を管理装置3へ出力する。
【0030】
又、貸出装置2は、当日に同一の遊技者又は次の遊技者が椅子に着座し、既に記録した顔データが有ると判定すると(A10:NO)、今回の作成した顔データと既に記録した顔データとの誤差が規定値の範囲内であるか否かを判定する(A14)。ここでいう規定値とは2つの顔データに基づいて同一人物であると見做し得るか否かを数値化したものであり、貸出装置2は、今回の作成した顔データと既に記録した顔データとの誤差が規定値の範囲内でない(範囲外である)、即ち、同一人物であると見做し得ないと判定すると(A14:NO)、今回の作成した顔データへと書換え(A15)、今回の作成した顔データ(同一人物でない新たな顔データ)を管理装置3へ出力する(A12)。一方、貸出装置2は、今回の作成した顔データと既に記録した顔データとの誤差が規定値の範囲内である、即ち、同一人物であると見做し得ると判定すると(A14:YES)、今回の作成した顔データへと書換えないが、今回の作成した顔データ(同一人物である新たな顔データ)を管理装置3へ出力する(A12)。
【0031】
管理装置3は、CPU、ROM、RAM、I/Oを有する制御部、各種信号を入出力する入出力部、モニタ及びプリンタ等からなる出力部等を備えて構成されている。管理装置3は、貸出装置2が上記した顔認証処理を行うことで出力した顔データを中継装置4を介して入力し、その入力した顔データをjpegデータとして記憶し、図4に示す当日辞書を作成する。管理装置3は、当日辞書には、遊技履歴作成中に当日初めて検出した遊技者の顔データを順に当日遊技者ID(tn(nは正数))を割当てて記憶する。但し、その遊技履歴作成中において既に別の顔データを入力していた場合には、その顔データと同一の当日遊技者IDと対応付けて記憶する。
【0032】
又、管理装置3は、閉店後のバッチ処理にて当日辞書のデータに基づいて図5に示す総合辞書を作成する。具体的には、管理装置3は、当日辞書の顔データ(1人の遊技者に対して複数の顔データがある場合には当日の最初に記憶した顔データ)の中に総合辞書に無い顔データがあれば、総合遊技者ID(sn(nは正数))を割当てて記憶する。この場合、管理装置3は、総合辞書を作成するに際しては、処理負担軽減及び他人を同一人物と判定してしまう誤判定防止のために、当日辞書を作成する際のように1人の遊技者に対して複数の顔データを対応付けて記憶することはしない。又、管理装置3は、総合辞書において、前月の来店日数が所定日数(例えば5日)以上の遊技者を常連客とし、それ以外の遊技者をライト客として区分する。
【0033】
又、管理装置3は、遊技機1側から出力される遊技信号を中継装置4を介して入力し、遊技機1毎の遊技履歴(アウト、セーフ、差玉、図柄変動回数、特賞回数等の遊技データ)を作成する。管理装置3は、遊技機1側から出力されるアウト信号、セーフ信号、スタート信号の何れかの信号を入力してから何れの信号を入力しなくなった後に20秒が経過するまでのデータを1回の遊技データとして作成する。以下、管理装置3が行う遊技履歴作成処理について、図3を参照して説明する。
【0034】
管理装置3は、遊技履歴作成処理を開始すると、遊技機1側から遊技信号を入力したか否かを判定し(B1)、貸出装置2から顔データを入力したか否かを判定する(B2)。管理装置3は、遊技機1側から遊技信号を入力したと判定すると(B1:YES)、その入力した遊技信号に基づいて遊技履歴を更新する(B3)。又、管理装置3は、貸出装置2から顔データを入力したと判定すると(B2:YES)、遊技履歴を作成中であるか否かを判定し(B4)、遊技履歴を作成中であると判定すると(B4:YES)、当日辞書を更新し(B5)、その顔データの遊技者の当日遊技者IDを遊技履歴に対応付け、遊技履歴を更新する(B3)。
【0035】
さて、管理装置3は、上記したように遊技機1毎の遊技履歴を作成すると共に、総合辞書を作成することで、遊技機1毎の遊技履歴と総合遊技者IDとを対応付けて記憶し、複数日に渡って遊技者毎の遊技頻度を判定し、その判定した遊技頻度に応じて遊技者を常連客とライト客とに区分し、図6に示すように、機種毎に日毎の常連客数と遊技者数とを機種別遊技者数データとして算出して出力する。又、管理装置3は、図7及び図8に示すように、新規に導入した機種の常連割合やアウト等を導入後データとして算出して出力すると共に、過去に導入した機種のうち導入後の常連割合が近似する機種を近似データとして抽出して出力する。導入後データ及び近似データにおける各項目は次の通りである。
【0036】
「常連割合」:その週にその機種で遊技した遊技者数に対するその週にその機種で遊技した常連客数の割合であり、「(その週にその機種で遊技した常連客数)/(その週にその機種で遊技した遊技者数)」の演算式により求める。
「アウト」:1日あたりのアウトである。
【0037】
この場合、管理装置3は、新規に導入した機種である「機種A」については、図6に示した機種別遊技者数データにより、1週目の常連割合を「13%」と算出し、その算出した「13%」に類似する機種として、図7に示すように、1週目の常連割合が「13%」であった「機種Z」、1週目の常連割合が「10%」であった「機種Y」を近似データとして抽出する。又、管理装置3は、新規に導入した機種である「機種B」については、図6に示した機種別遊技者数データにより、1週目の常連割合を「31%」と算出し、その算出した「31%」に類似する機種として、図8に示すように、1週目の常連割合が「31%」であった「機種X」、1週目の常連割合が「29%」であった「機種W」を近似データとして抽出する。
【0038】
管理装置3は、近似データとして抽出した各機種について、週毎に1日あたりのアウトが貢献判定アウト以上であるか未満であるかを判定し、1日あたりのアウトが貢献判定アウト以上であれば、貢献中であると特定し、1日あたりのアウトが貢献判定アウト未満であれば、その週で貢献終了であると特定する。ここで貢献判定アウトとは、複数の遊技場から送られる遊技データに基づいてデータ集計を行う第三者機関が算出する値であり、前週の遊技機1台1日あたりの平均アウトをいう。図7及び図8では、貢献判定アウトが「2万」とすると、「機種Z」では導入から5週目でアウトが「2万」未満になった(5週貢献終了)ことを示し、「機種Y」では導入から6週目でアウトが「2万」未満になった(6週貢献終了)ことを示し、「機種X」及び「機種W」では導入から14週目でもアウトが「2万」以上である(14週貢献中)ことを示している。
【0039】
又、管理装置3は、図9に示すように、機種毎に導入週におけるその機種を遊技した各遊技者の来店日数を集計し、来店日数分布を作成する。又、管理装置3は、導入週のリピート率を機種毎に算出して出力する。この場合、リピート率は、「(各遊技者の来店日数−1)の合計値÷各遊技者の来店日数の合計値」の演算式により求める。リピート率が高いほどその機種の寿命が長いと把握することができる。
【0040】
又、管理装置3は、図10に示すように、新機種を遊技した遊技者が以前好んで遊技していた機種を判定し、機種毎に人数や割合を算出して出力する。特定の機種についての前月の累計アウトが所定値(例えば10万)以上である場合に、その遊技者が好む機種と判定し、その人数が多い順に表示する。図10は、新機種である「機種A」を遊技した遊技者が以前好んで遊技していた機種が「機種C」及び「機種E」である場合を示している。この場合、例えば機種Cを好む遊技者の割合は、「機種Cを好む遊技者数÷何れかの機種を好む遊技者数(重複除く)」の演算式により求める。特にシリーズ物の遊技機1を導入した場合に、どのくらいの遊技者が新機種に流れたのかを把握することができる。
【0041】
又、管理装置3は、図11及び図12に示すように、イベント実施日とイベント非実施日における客層構成(常連客であるかライト客であるか)を機種別に算出して出力する。図11及び図12は、前週の火曜日のみイベントを実施した場合の機種毎の常連客数と遊技者数を示しており、図11は、イベントを実施した火曜日の機種毎の常連客数と遊技者数であり、図12は、イベントを実施した火曜日を除く平日の機種毎の常連客数と遊技者数である。常連客率は、「その機種を遊技した常連客数÷その機種を遊技した遊技者数」の演算式により求める。イベント実施日の遊技者数がイベント非実施日の遊技者数よりも多かったりイベント実施日の常連客率がイベント非実施日の常連客率よりも低かったりすれば、その機種にてイベント効果があったと把握することができる。即ち、機種Aではイベント非実施日に対してイベント実施日の遊技者数が多く且つ常連客率が低いので、イベント効果が大きいと把握することができ、機種Bではイベント非実施日に対してイベント実施日の遊技者数が多いが常連客率が低くないので、イベント効果があったものの小さいと把握することができる。
【0042】
ところで、以上は、貸出装置2に設けられたカメラ19を利用することで、カメラ19が撮像した画像に基づいて遊技者を識別するようにしたが、会員カード13等の識別情報記録媒体に基づいて遊技者を識別するようにしても良い。即ち、遊技者が遊技機1で遊技する際に会員カード13を貸出装置2のカード挿入口14に挿入したことで、会員カード13が貸出装置2に受付けられると、貸出装置2は、その受付けた会員カード13から当該遊技者を特定可能な遊技者IDを読取って管理装置3へ出力し、管理装置3は、貸出装置2から入力した遊技者IDに基づいて遊技者を識別し、遊技機1毎の遊技履歴と遊技者IDとを対応付けて記憶し、複数日に渡って機種毎に遊技者毎の遊技頻度を判定し、その判定した遊技頻度に応じて機種毎に遊技者を区分して集計することで、上記した図6に示した機種別遊技者数データ等を算出して出力しても良い。即ち、会員カード13等の識別情報記録媒体に基づいても遊技者を識別することが可能である。又、カメラ19が撮像した画像に基づいて遊技者を識別する処理と、会員カード13等の識別情報記録媒体に基づいて遊技者を識別する処理とを併用することも可能である。
【0043】
以上に説明したように本実施形態によれば、管理装置3において、複数日に渡って遊技者毎の遊技頻度を判定し、その判定した遊技頻度に応じて遊技者を区分し、予め設定された判定期間において、その区分した区分毎に特定の機種を遊技した遊技者の人数や割合を算出して出力するようにしたので、新機種を導入した後の遊技データに常連客数(特定の機種を遊技した遊技者の人数)や割合を加味してその後の傾向を予測することができ、新機種を導入した後の客層を調査することで、その客層構成がその後の稼動にどのように影響するのかを把握することができ、新機種を導入したことによる効果をより正確に測定することができる。
【0044】
又、特定の機種を遊技した遊技者の人数や割合を算出して出力することに加え、その算出した人数や割合と近似する機種の遊技情報を出力するようにしたので、客層構成が近似した機種を抽出して出力することができ、その近似した機種の稼動状況を参考とすることで、その後の稼動状況を容易に予測することができる。
【0045】
又、貸出装置2にカメラ19を設け、カメラ19が遊技者を撮像した画像に基づいて遊技者を識別するようにしたので、例えば会員カード13等の識別情報記録媒体を所有しない遊技者をも識別対象とすることができると共に、例えば指紋や静脈に基づいて遊技者を識別する場合とは異なり、遊技者の意図とは関係なく遊技者を識別することができる。又、カメラ19を遊技者から隠蔽するようにしたので、遊技場側にて遊技者を識別していることを遊技者に意識させなくすることもでき、遊技者を不快にさせることなく、遊技者を識別することができる。一方、会員カード13等の識別情報記録媒体から遊技者IDを読出して遊技者を識別するようにすれば、上記したカメラ19を設ける必要がなく、しかも、複雑な画像処理を行う必要もなく、安価な構成で且つ簡単な処理で実現することができる。
【0046】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張することができる。
対象となる遊技機としてはパチンコ機に限らずスロットマシン等であっても良い。
遊技者を識別する方法としては、遊技者を撮像した画像や会員カード13に基づいて識別することに限らず、会員カード13以外の記録媒体として会員コインやフェリカ機能を有する携帯電話機等に基づいて識別しても良く、どのような記録媒体を用いても良い。又、記録媒体から遊技者を特定可能なIDを読出す方式として接触式に限らず、非接触式(Bluetooth(登録商標)通信や赤外線通信等)であっても良い。更に、IDとしては指紋や虹彩等の生体認証を採用しても良い。
【0047】
近似データとして抽出した各機種について、週毎に1日あたりのアウトが貢献判定アウト以上であるか未満であるかを判定することで貢献中であるか否かを判定することに限らず、例えば1週間あたりの累計売上や累計遊技時間や累計遊技日数等の他の指標を用いて貢献中であるか否かを判定しても良い。
【0048】
管理装置3が行う情報処理の一部を貸出装置2や中継装置4が行う構成としても良いし、貸出装置2が行う情報処理の一部を管理装置3や中継装置4が行う構成としても良い。
遊技機1は、遊技媒体そのものを遊技者に払出すパチンコ遊技機が含まれるだけでなく、クレジット等のようにデータとして使用可能な遊技媒体を記憶するパチンコ遊技機も含まれる。即ち、遊技者が使用可能な遊技媒体を仮想遊技媒体として貯留記憶するパチンコ遊技機であっても良く、例えば所定数のパチンコ玉(封入玉)を封入しておき、操作ハンドル6が操作されたことにより盤面7に発射された封入玉を再び回収して発射装置に導くことで、封入玉を循環使用して遊技を行う構成の所謂封入式遊技機であっても良い。
【符号の説明】
【0049】
図面中、1は遊技機、2は貸出装置(識別情報読出手段)、3は管理装置(識別情報記憶手段、遊技データ算出手段、遊技データ記憶手段、同一人物判定手段、遊技頻度判定手段、遊技頻度区分手段、遊技者算出手段、出力手段、特定手段)、13は会員カード(識別情報記録媒体)、19はCCDカメラ(識別情報取得手段)である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の機種からなる複数の遊技機が設置される遊技場において、当該複数の遊技機の遊技データを管理するための遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場では、機種毎の稼動データを算出して出力しており、その稼動データは遊技場の管理者が機種毎の傾向、特性、人気等を把握するのに活用されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭59−069783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遊技場の管理者は、例えば新機種を導入した場合には、遊技場全体の稼動時間が増加したかを調査したり、遊技場全体の稼動時間が増加した場合であれば導入前と比較してどの程度増加したかを調査したりすることで、新機種を導入したことによる効果を測定することが行われている。しかしながら、新機種を導入したことで稼動時間が増加した場合であっても、その原因が一見客の増加にあるのか、又は常連客の支持によるものなのかにより、その後の稼動状況に異なる影響が生じるところ、従来のシステムではその違いを区別することができないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、新機種を導入したことによる効果をより正確に測定することを可能とする遊技場用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した遊技場用システムは、複数の機種からなる複数の遊技機が設置される遊技場において、当該複数の遊技機の遊技データを管理するための遊技場用システムであって、遊技者が遊技機にて遊技する場合に、当該遊技者の識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記識別情報取得手段が取得した前記遊技者の識別情報を記憶する識別情報記憶手段と、遊技機から出力される遊技信号の入力に基づいて遊技機毎の遊技データを算出する遊技データ算出手段と、前記遊技データ算出手段が算出した遊技データに前記遊技者の識別情報を対応付けて記憶する遊技データ記憶手段と、前記識別情報取得手段が取得した2以上の識別情報が同一人物の識別情報であるか否かを判定する同一人物判定手段と、前記同一人物判定手段の判定結果に基づいて、複数日に渡って遊技者毎の遊技頻度を判定する遊技頻度判定手段と、前記遊技頻度判定手段が判定した遊技頻度に応じて遊技者を区分する遊技頻度区分手段と、予め設定された判定期間において、前記遊技頻度区分手段が区分した区分毎に特定の機種を遊技した遊技者の人数及び/又は割合を算出する遊技者算出手段と、前記遊技者算出手段の算出結果を出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載した遊技場用システムは、前記遊技者算出手段の算出結果の差が所定範囲内である機種を特定する特定手段を備え、前記出力手段は、前記遊技者算出手段の算出結果に加え、当該算出結果との差が所定範囲内である機種の遊技情報を出力することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載した遊技場用システムは、前記識別情報取得手段は、カメラであり、前記識別情報は、前記カメラが撮像した遊技者の画像であることを特徴とする。
請求項4に記載した遊技場用システムは、複数の機種からなる複数の遊技機が設置される遊技場において、当該複数の遊技機の遊技データを管理するための遊技場用システムであって、遊技者を識別可能な識別情報を記録する識別情報記録媒体と、各遊技機に対応して設けられ、前記識別情報記録媒体が記録する識別情報を読出す識別情報読出手段と、遊技機から出力される遊技信号の入力に基づいて遊技機毎の遊技データを算出する遊技データ算出手段と、前記遊技データ算出手段が算出した遊技データに前記遊技者の識別情報を対応付けて記憶する遊技データ記憶手段と、前記識別情報読出手段が読出した2以上の識別情報が同一人物の識別情報であるか否かを判定する同一人物判定手段と、前記同一人物判定手段の判定結果に基づいて、複数日に渡って遊技者毎の遊技頻度を判定する遊技頻度判定手段と、前記遊技頻度判定手段が判定した遊技頻度に応じて遊技者を区分する遊技頻度区分手段と、予め設定された判定期間において、前記遊技頻度区分手段が区分した区分毎に特定の機種を遊技した遊技者の人数及び/又は割合を算出する遊技者算出手段と、前記遊技者算出手段の算出結果を出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載した遊技場用システムによれば、複数日に渡って遊技者毎の遊技頻度を判定し、その判定した遊技頻度に応じて遊技者を区分し、予め設定された判定期間において、その区分した区分毎に特定の機種を遊技した遊技者の人数及び/又は割合を算出して出力するようにしたので、新機種を導入した後の遊技データに常連客数(特定の機種を遊技した遊技者の人数)や割合を加味してその後の傾向を予測することができ、新機種を導入した後の客層を調査することで、その客層構成がその後の稼動にどのように影響するのかを把握することができ、新機種を導入したことによる効果をより正確に測定することができる。
【0010】
請求項2に記載した遊技場用システムによれば、特定の機種を遊技した遊技者の人数及び/又は割合を算出して出力することに加え、その算出結果との差が所定範囲内である機種の遊技情報を出力するようにしたので、客層構成が近似した機種を抽出して出力することができ、その近似した機種の稼動状況を参考とすることで、その後の稼動状況を容易に予測することができる。
【0011】
請求項3に記載した遊技場用システムによれば、遊技者を撮像した画像に基づいて遊技者を識別するようにしたので、例えば指紋や静脈に基づいて遊技者を識別する場合とは異なり、遊技者の意図とは関係なく遊技者を識別することができる。又、識別情報取得手段であるカメラを遊技者から隠蔽する構成であれば、遊技場側にて遊技者を識別していることを遊技者に意識させなくすることもでき、遊技者を不快にさせることなく、遊技者を識別することができる。
【0012】
請求項4に記載した遊技場用システムによれば、上記した請求項1に記載したものと同様に、複数日に渡って遊技者毎の遊技頻度を判定し、その判定した遊技頻度に応じて遊技者を区分し、予め設定された判定期間において、その区分した区分毎に特定の機種を遊技した遊技者の人数及び/又は割合を算出して出力するようにしたので、新機種を導入した後の遊技データに常連客数(特定の機種を遊技した遊技者の人数)や割合を加味してその後の傾向を予測することができ、新機種を導入した後の客層を調査することで、その客層構成がその後の稼動にどのように影響するのかを把握することができ、新機種を導入したことによる効果をより正確に測定することができる。又、この場合は、遊技者を識別可能な識別情報を記録する識別情報記録媒体から識別情報を読出し、その読出した2以上の識別情報に基づいて同一人物であるか否かを判定するようにしたので、上記した請求項3に記載したような識別情報取得手段であるカメラを設ける必要がなく、しかも、複雑な画像処理を行う必要もなく、安価な構成で且つ簡単な処理で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態を示す全体構成図
【図2】顔認証処理を示すフローチャート
【図3】遊技履歴作成処理を示すフローチャート
【図4】当日辞書を示す図
【図5】総合辞書を示す図
【図6】機種別遊技者数データを示す図
【図7】導入後データ(導入した新機種が機種Aの場合)を示す図
【図8】導入後データ(導入した新機種が機種Bの場合)を示す図
【図9】導入週の遊技者別来店日数(機種A)を示す図
【図10】過去遊技機種(機種A)を示す図
【図11】イベント実施日(平日)を示す図
【図12】イベント非実施日(平日)を示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、遊技場用システムの全体構成を概略的に示している。遊技場には遊技機(パチンコ機)1に対応して貸出装置2(本発明でいう識別情報読出手段に相当)が設置され、遊技場内の管理室には管理装置3(本発明でいう識別情報記憶手段、遊技データ算出手段、遊技データ記憶手段、同一人物判定手段、遊技頻度判定手段、遊技頻度区分手段、遊技者算出手段、出力手段、特定手段に相当)が設置されている。中継装置4は、2台の遊技機1、2台の貸出装置2及び管理装置3とLAN5を介して接続されている。管理装置3は、遊技機1側(遊技機1及び貸出装置2等)から出力される遊技信号を中継装置4を介して入力して遊技機1毎の遊技データを管理する。尚、中継装置4は、計数機(図示せず)や景品交換装置(図示せず)ともLAN5を介して接続されている。
【0015】
管理対象となる遊技機1は、発射装置を構成する操作ハンドル6に対する操作により盤面7に発射した玉が始動口8に入賞(始動入賞)するのに応じて大当たり抽選を行い、抽選結果を表示部9において行う図柄変動にて報知し、その変動結果に応じて大当たり状態となる。大当たりが発生すると15ラウンド(R)分だけ大入賞口10を開放する。入賞により払出された玉は上部受皿11にて受けられ、上部受皿11が満杯状態となって溢れた玉は下部受皿12にて受けられる。尚、1Rの上限入賞数は10個であり、上限開放時間は30秒であり、上限入賞数又は上限開放時間の何れかが満たされた場合に1Rを終了する。
【0016】
遊技機1側からは、次の遊技信号が出力される。
「アウト信号」:使用玉(使用媒体)を回収するアウトBOXから出力される使用玉数(アウト)を特定可能な信号である。回収(使用、打込)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定する。尚、遊技機1から出力される信号であっても良い。
「セーフ信号」:遊技機1から出力される払出玉数(セーフ、払出媒体数)を特定可能な信号である。遊技機1での遊技(入賞)に応じた払出10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。尚、補給装置から出力される補給信号をセーフ信号としても良い。
【0017】
「スタート信号」:遊技機1から出力される図柄変動数(役物作動数、スタート)を特定可能な信号である。始動口8への入賞により変動(作動)する表示部9における図柄変動(役物作動、スタート処理)1回につき1パルスが出力されるので、「スタート信号数×1」をスタートとして特定する。尚、始動口8への入賞に応じて出力される始動入賞信号をスタート信号としても良い。
【0018】
「大当たり信号」:遊技機1から出力される大当たりを特定可能な信号である。大当たり中にレベル出力される状態信号なので、大当たり信号入力中を大当たり中として特定する。
「特別状態信号」:遊技機1から出力される特別状態を特定可能な信号である。大当たり確率が向上する確変中等の大当たりを通常状態よりも発生させ易い状態である特別状態中にレベル出力される状態信号(確変信号)なので、特別状態信号入力中を特別状態中(甘中又は甘モード)として特定する。尚、確変中だけでなく、始動口8への入賞率が向上する時短中にもレベル出力される。
【0019】
「売上信号」:貸出装置2から出力される売上情報(売上玉数、売上額)を特定可能な信号である。遊技者に対する有価価値を対価とした貸出玉25玉毎に1パルスが出力されるので、「売上信号数×25」を売上玉数として特定し、「売上玉数×貸単価」を売上額として特定する。
「再プレイ信号」:貸出装置2から出力される再プレイ玉(再遊技媒体)数を特定可能な信号である。遊技者に対する貯玉を対価とした再プレイ玉25玉毎に1パルスが出力されるので、「再プレイ信号数×25」を再プレイ玉数として特定する。
【0020】
貸出装置2は所謂CRサンドとして構成されており、以下の機能を有する。
(1)遊技者を特定可能な固有の遊技者ID(遊技者を識別可能な識別情報)が記録された会員カード13(本発明でいう識別情報記録媒体に相当)をカード挿入口14にて受付可能である。会員カード13の他にビジターカード(IC持玉券)をもカード挿入口14にて受付可能である。
(2)会員カード13等のカードの挿入状態により貯玉が特定可能な状態で払出釦15が押下されると、その貯玉に基づいて貸玉を玉排出用ノズル16から払出して売上信号を出力する。
(3)カードを受付けた状態で返却釦17が押下されると、受付中のカードをカード挿入口14から排出する。
(4)遊技機1の遊技領域である盤面7の中心、即ち、遊技者の顔面位置の高さと同程度の高さ位置で水平方向に回動可能に情報表示部18が設けられており、貸出情報や対応する遊技機1に関する各種の遊技情報等を情報表示部18にて表示する。
(5)玉排出用ノズル16の上方にCCDカメラ19(本発明でいう識別情報取得手段に相当、以下、単にカメラと称する)が内蔵されている。カメラ19は、対応する遊技者の顔を中心とした上半身を斜め前方から撮像して顔データを作成する。カメラ19の水平方向の視野はレンズの光軸を中心として120度であるが、実際の視野は周囲壁面により遊技者方向に対して80度となるように規制されている。又、カメラ19の前面にはスモークプレート(図示せず)が設けられており、遊技者からカメラ19が隠蔽されている。
【0021】
さて、本実施形態では、貸出装置2は、カメラ19により遊技者の顔を認証して顔データを作成する顔認証処理を行う。以下、貸出装置2が行う顔認証処理について、図2を参照して説明する。
【0022】
貸出装置2は、顔認証処理を開始すると、カメラ19の電源がオンであるか否かを判定する(A1)。貸出装置2は、カメラ19の電源がオンであると判定すると(A1:YES)、タイマ(本実施形態では4秒のタイマ時間)の作動を開始し(A2)、遊技者の顔を検出したか否かを判定する(A3)。
【0023】
ここで、遊技者が遊技機1の正面に配置されている椅子に着座すると、カメラ19の撮像範囲に遊技者の上半身が位置することで、カメラ19は遊技者の顔を検出する。貸出装置2は、カメラ19が遊技者の顔を検出したと判定すると(A3:YES)、遊技者の顔を検出した(未検出でない)ことを示すべく未検出カウンタをクリアし(A4)、その時点で顔認証フラグに「0」を設定しているか否か、即ち、それまでに遊技者の顔を検出していなかったか否かを判定する(A5)。
【0024】
貸出装置2は、顔認証フラグに「0」を設定している、即ち、それまでに遊技者の顔を検出していなかったと判定すると(A5:YES)、遊技者の顔を撮像し(A6)、その撮像した画像の信頼度が規定値以上であるか否かを判定する(A7)。ここでいう信頼度とは遊技者を撮像した画像に基づいて顔データを作成可能であるか否かを数値化したものであり、貸出装置2は、信頼度が規定値未満である、即ち、遊技者の顔データを作成可能でないと判定すると(A7:NO)、タイマがタイムアップしたか否かを判定する(A13)。
【0025】
一方、貸出装置2は、信頼度が規定値以上である、即ち、遊技者の顔データを作成可能であると判定すると(A7:YES)、遊技者の顔を検出したことを示すべく顔認証フラグに「1」を設定し(A8)、遊技者の顔データを作成する(A9)。遊技者の顔データとは、遊技者の上半身の特徴、特に顔の特徴点である顔の目、眉毛、鼻、口等を抽出し、それら特徴点の互いの位置関係に基づいて遊技者の外観を特定する情報である。
【0026】
次いで、貸出装置2は、既に記録した顔データが無いか否かを判定する(A10)。貸出装置2は、対応する遊技機1で当日に遊技する最初の遊技者であり、既に記録した顔データが無いと判定すると(A10:YES)、今回の作成した遊技者の顔データを記録し(A11)、今回の作成した遊技者の顔データを管理装置3へ出力する(A12)。貸出装置2は、以上の動作を行うことにより、遊技者が着座すると、遊技者の顔データを作成して管理装置3へ出力する。
【0027】
貸出装置2は、遊技者の顔データを管理装置3へ出力した後に、タイマがタイムアップした(タイマの作動を開始してから4秒が経過した)と判定すると(A13:YES)、上記したステップA2へ戻り、次の撮像を行うが、顔認証フラグに「0」を設定していない(「1」を設定している)と判定すると(A5:NO)、ステップA13へと移行し、タイマがタイムアップする毎に上記した処理を繰返して行う。即ち、貸出装置2は、遊技者が着席したままであったり(離席しなかったり)遊技者の姿勢が大きく変化しなかったりすることで遊技者の顔を検出している限りは、管理装置3へと一旦出力した顔データを管理装置3へ再度出力しない。
【0028】
一方、貸出装置2は、遊技者が離席したり遊技者の姿勢が大きく変化したりして遊技者の顔を検出しなくなったと判定すると(A3:NO)、顔認証フラグに「1」を設定しているか否かを判定する(A16)。この場合、貸出装置2は、顔認証フラグに「1」を設定していると判定すると(A16:YES)、未検出カウンタをインクリメントし(A17)、更に未検出カウンタが「2」でないと判定すると(A18:NO)、ステップA13へと移行し、タイマがタイムアップする毎に上記した処理を繰返して行う。
【0029】
貸出装置2は、上記した処理を繰返して行うことで、未検出カウンタが「2」であると判定すると(A18:YES)、顔認証フラグに「0」を設定し(A19)、離席信号を管理装置3へ出力し(A20)、ステップA13へと移行する。即ち、貸出装置2は、遊技者の顔を検出しない期間が8秒継続すると、遊技者が離席したことを示すべく離席信号を管理装置3へ出力する。
【0030】
又、貸出装置2は、当日に同一の遊技者又は次の遊技者が椅子に着座し、既に記録した顔データが有ると判定すると(A10:NO)、今回の作成した顔データと既に記録した顔データとの誤差が規定値の範囲内であるか否かを判定する(A14)。ここでいう規定値とは2つの顔データに基づいて同一人物であると見做し得るか否かを数値化したものであり、貸出装置2は、今回の作成した顔データと既に記録した顔データとの誤差が規定値の範囲内でない(範囲外である)、即ち、同一人物であると見做し得ないと判定すると(A14:NO)、今回の作成した顔データへと書換え(A15)、今回の作成した顔データ(同一人物でない新たな顔データ)を管理装置3へ出力する(A12)。一方、貸出装置2は、今回の作成した顔データと既に記録した顔データとの誤差が規定値の範囲内である、即ち、同一人物であると見做し得ると判定すると(A14:YES)、今回の作成した顔データへと書換えないが、今回の作成した顔データ(同一人物である新たな顔データ)を管理装置3へ出力する(A12)。
【0031】
管理装置3は、CPU、ROM、RAM、I/Oを有する制御部、各種信号を入出力する入出力部、モニタ及びプリンタ等からなる出力部等を備えて構成されている。管理装置3は、貸出装置2が上記した顔認証処理を行うことで出力した顔データを中継装置4を介して入力し、その入力した顔データをjpegデータとして記憶し、図4に示す当日辞書を作成する。管理装置3は、当日辞書には、遊技履歴作成中に当日初めて検出した遊技者の顔データを順に当日遊技者ID(tn(nは正数))を割当てて記憶する。但し、その遊技履歴作成中において既に別の顔データを入力していた場合には、その顔データと同一の当日遊技者IDと対応付けて記憶する。
【0032】
又、管理装置3は、閉店後のバッチ処理にて当日辞書のデータに基づいて図5に示す総合辞書を作成する。具体的には、管理装置3は、当日辞書の顔データ(1人の遊技者に対して複数の顔データがある場合には当日の最初に記憶した顔データ)の中に総合辞書に無い顔データがあれば、総合遊技者ID(sn(nは正数))を割当てて記憶する。この場合、管理装置3は、総合辞書を作成するに際しては、処理負担軽減及び他人を同一人物と判定してしまう誤判定防止のために、当日辞書を作成する際のように1人の遊技者に対して複数の顔データを対応付けて記憶することはしない。又、管理装置3は、総合辞書において、前月の来店日数が所定日数(例えば5日)以上の遊技者を常連客とし、それ以外の遊技者をライト客として区分する。
【0033】
又、管理装置3は、遊技機1側から出力される遊技信号を中継装置4を介して入力し、遊技機1毎の遊技履歴(アウト、セーフ、差玉、図柄変動回数、特賞回数等の遊技データ)を作成する。管理装置3は、遊技機1側から出力されるアウト信号、セーフ信号、スタート信号の何れかの信号を入力してから何れの信号を入力しなくなった後に20秒が経過するまでのデータを1回の遊技データとして作成する。以下、管理装置3が行う遊技履歴作成処理について、図3を参照して説明する。
【0034】
管理装置3は、遊技履歴作成処理を開始すると、遊技機1側から遊技信号を入力したか否かを判定し(B1)、貸出装置2から顔データを入力したか否かを判定する(B2)。管理装置3は、遊技機1側から遊技信号を入力したと判定すると(B1:YES)、その入力した遊技信号に基づいて遊技履歴を更新する(B3)。又、管理装置3は、貸出装置2から顔データを入力したと判定すると(B2:YES)、遊技履歴を作成中であるか否かを判定し(B4)、遊技履歴を作成中であると判定すると(B4:YES)、当日辞書を更新し(B5)、その顔データの遊技者の当日遊技者IDを遊技履歴に対応付け、遊技履歴を更新する(B3)。
【0035】
さて、管理装置3は、上記したように遊技機1毎の遊技履歴を作成すると共に、総合辞書を作成することで、遊技機1毎の遊技履歴と総合遊技者IDとを対応付けて記憶し、複数日に渡って遊技者毎の遊技頻度を判定し、その判定した遊技頻度に応じて遊技者を常連客とライト客とに区分し、図6に示すように、機種毎に日毎の常連客数と遊技者数とを機種別遊技者数データとして算出して出力する。又、管理装置3は、図7及び図8に示すように、新規に導入した機種の常連割合やアウト等を導入後データとして算出して出力すると共に、過去に導入した機種のうち導入後の常連割合が近似する機種を近似データとして抽出して出力する。導入後データ及び近似データにおける各項目は次の通りである。
【0036】
「常連割合」:その週にその機種で遊技した遊技者数に対するその週にその機種で遊技した常連客数の割合であり、「(その週にその機種で遊技した常連客数)/(その週にその機種で遊技した遊技者数)」の演算式により求める。
「アウト」:1日あたりのアウトである。
【0037】
この場合、管理装置3は、新規に導入した機種である「機種A」については、図6に示した機種別遊技者数データにより、1週目の常連割合を「13%」と算出し、その算出した「13%」に類似する機種として、図7に示すように、1週目の常連割合が「13%」であった「機種Z」、1週目の常連割合が「10%」であった「機種Y」を近似データとして抽出する。又、管理装置3は、新規に導入した機種である「機種B」については、図6に示した機種別遊技者数データにより、1週目の常連割合を「31%」と算出し、その算出した「31%」に類似する機種として、図8に示すように、1週目の常連割合が「31%」であった「機種X」、1週目の常連割合が「29%」であった「機種W」を近似データとして抽出する。
【0038】
管理装置3は、近似データとして抽出した各機種について、週毎に1日あたりのアウトが貢献判定アウト以上であるか未満であるかを判定し、1日あたりのアウトが貢献判定アウト以上であれば、貢献中であると特定し、1日あたりのアウトが貢献判定アウト未満であれば、その週で貢献終了であると特定する。ここで貢献判定アウトとは、複数の遊技場から送られる遊技データに基づいてデータ集計を行う第三者機関が算出する値であり、前週の遊技機1台1日あたりの平均アウトをいう。図7及び図8では、貢献判定アウトが「2万」とすると、「機種Z」では導入から5週目でアウトが「2万」未満になった(5週貢献終了)ことを示し、「機種Y」では導入から6週目でアウトが「2万」未満になった(6週貢献終了)ことを示し、「機種X」及び「機種W」では導入から14週目でもアウトが「2万」以上である(14週貢献中)ことを示している。
【0039】
又、管理装置3は、図9に示すように、機種毎に導入週におけるその機種を遊技した各遊技者の来店日数を集計し、来店日数分布を作成する。又、管理装置3は、導入週のリピート率を機種毎に算出して出力する。この場合、リピート率は、「(各遊技者の来店日数−1)の合計値÷各遊技者の来店日数の合計値」の演算式により求める。リピート率が高いほどその機種の寿命が長いと把握することができる。
【0040】
又、管理装置3は、図10に示すように、新機種を遊技した遊技者が以前好んで遊技していた機種を判定し、機種毎に人数や割合を算出して出力する。特定の機種についての前月の累計アウトが所定値(例えば10万)以上である場合に、その遊技者が好む機種と判定し、その人数が多い順に表示する。図10は、新機種である「機種A」を遊技した遊技者が以前好んで遊技していた機種が「機種C」及び「機種E」である場合を示している。この場合、例えば機種Cを好む遊技者の割合は、「機種Cを好む遊技者数÷何れかの機種を好む遊技者数(重複除く)」の演算式により求める。特にシリーズ物の遊技機1を導入した場合に、どのくらいの遊技者が新機種に流れたのかを把握することができる。
【0041】
又、管理装置3は、図11及び図12に示すように、イベント実施日とイベント非実施日における客層構成(常連客であるかライト客であるか)を機種別に算出して出力する。図11及び図12は、前週の火曜日のみイベントを実施した場合の機種毎の常連客数と遊技者数を示しており、図11は、イベントを実施した火曜日の機種毎の常連客数と遊技者数であり、図12は、イベントを実施した火曜日を除く平日の機種毎の常連客数と遊技者数である。常連客率は、「その機種を遊技した常連客数÷その機種を遊技した遊技者数」の演算式により求める。イベント実施日の遊技者数がイベント非実施日の遊技者数よりも多かったりイベント実施日の常連客率がイベント非実施日の常連客率よりも低かったりすれば、その機種にてイベント効果があったと把握することができる。即ち、機種Aではイベント非実施日に対してイベント実施日の遊技者数が多く且つ常連客率が低いので、イベント効果が大きいと把握することができ、機種Bではイベント非実施日に対してイベント実施日の遊技者数が多いが常連客率が低くないので、イベント効果があったものの小さいと把握することができる。
【0042】
ところで、以上は、貸出装置2に設けられたカメラ19を利用することで、カメラ19が撮像した画像に基づいて遊技者を識別するようにしたが、会員カード13等の識別情報記録媒体に基づいて遊技者を識別するようにしても良い。即ち、遊技者が遊技機1で遊技する際に会員カード13を貸出装置2のカード挿入口14に挿入したことで、会員カード13が貸出装置2に受付けられると、貸出装置2は、その受付けた会員カード13から当該遊技者を特定可能な遊技者IDを読取って管理装置3へ出力し、管理装置3は、貸出装置2から入力した遊技者IDに基づいて遊技者を識別し、遊技機1毎の遊技履歴と遊技者IDとを対応付けて記憶し、複数日に渡って機種毎に遊技者毎の遊技頻度を判定し、その判定した遊技頻度に応じて機種毎に遊技者を区分して集計することで、上記した図6に示した機種別遊技者数データ等を算出して出力しても良い。即ち、会員カード13等の識別情報記録媒体に基づいても遊技者を識別することが可能である。又、カメラ19が撮像した画像に基づいて遊技者を識別する処理と、会員カード13等の識別情報記録媒体に基づいて遊技者を識別する処理とを併用することも可能である。
【0043】
以上に説明したように本実施形態によれば、管理装置3において、複数日に渡って遊技者毎の遊技頻度を判定し、その判定した遊技頻度に応じて遊技者を区分し、予め設定された判定期間において、その区分した区分毎に特定の機種を遊技した遊技者の人数や割合を算出して出力するようにしたので、新機種を導入した後の遊技データに常連客数(特定の機種を遊技した遊技者の人数)や割合を加味してその後の傾向を予測することができ、新機種を導入した後の客層を調査することで、その客層構成がその後の稼動にどのように影響するのかを把握することができ、新機種を導入したことによる効果をより正確に測定することができる。
【0044】
又、特定の機種を遊技した遊技者の人数や割合を算出して出力することに加え、その算出した人数や割合と近似する機種の遊技情報を出力するようにしたので、客層構成が近似した機種を抽出して出力することができ、その近似した機種の稼動状況を参考とすることで、その後の稼動状況を容易に予測することができる。
【0045】
又、貸出装置2にカメラ19を設け、カメラ19が遊技者を撮像した画像に基づいて遊技者を識別するようにしたので、例えば会員カード13等の識別情報記録媒体を所有しない遊技者をも識別対象とすることができると共に、例えば指紋や静脈に基づいて遊技者を識別する場合とは異なり、遊技者の意図とは関係なく遊技者を識別することができる。又、カメラ19を遊技者から隠蔽するようにしたので、遊技場側にて遊技者を識別していることを遊技者に意識させなくすることもでき、遊技者を不快にさせることなく、遊技者を識別することができる。一方、会員カード13等の識別情報記録媒体から遊技者IDを読出して遊技者を識別するようにすれば、上記したカメラ19を設ける必要がなく、しかも、複雑な画像処理を行う必要もなく、安価な構成で且つ簡単な処理で実現することができる。
【0046】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張することができる。
対象となる遊技機としてはパチンコ機に限らずスロットマシン等であっても良い。
遊技者を識別する方法としては、遊技者を撮像した画像や会員カード13に基づいて識別することに限らず、会員カード13以外の記録媒体として会員コインやフェリカ機能を有する携帯電話機等に基づいて識別しても良く、どのような記録媒体を用いても良い。又、記録媒体から遊技者を特定可能なIDを読出す方式として接触式に限らず、非接触式(Bluetooth(登録商標)通信や赤外線通信等)であっても良い。更に、IDとしては指紋や虹彩等の生体認証を採用しても良い。
【0047】
近似データとして抽出した各機種について、週毎に1日あたりのアウトが貢献判定アウト以上であるか未満であるかを判定することで貢献中であるか否かを判定することに限らず、例えば1週間あたりの累計売上や累計遊技時間や累計遊技日数等の他の指標を用いて貢献中であるか否かを判定しても良い。
【0048】
管理装置3が行う情報処理の一部を貸出装置2や中継装置4が行う構成としても良いし、貸出装置2が行う情報処理の一部を管理装置3や中継装置4が行う構成としても良い。
遊技機1は、遊技媒体そのものを遊技者に払出すパチンコ遊技機が含まれるだけでなく、クレジット等のようにデータとして使用可能な遊技媒体を記憶するパチンコ遊技機も含まれる。即ち、遊技者が使用可能な遊技媒体を仮想遊技媒体として貯留記憶するパチンコ遊技機であっても良く、例えば所定数のパチンコ玉(封入玉)を封入しておき、操作ハンドル6が操作されたことにより盤面7に発射された封入玉を再び回収して発射装置に導くことで、封入玉を循環使用して遊技を行う構成の所謂封入式遊技機であっても良い。
【符号の説明】
【0049】
図面中、1は遊技機、2は貸出装置(識別情報読出手段)、3は管理装置(識別情報記憶手段、遊技データ算出手段、遊技データ記憶手段、同一人物判定手段、遊技頻度判定手段、遊技頻度区分手段、遊技者算出手段、出力手段、特定手段)、13は会員カード(識別情報記録媒体)、19はCCDカメラ(識別情報取得手段)である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機種からなる複数の遊技機が設置される遊技場において、当該複数の遊技機の遊技データを管理するための遊技場用システムであって、
遊技者が遊技機にて遊技する場合に、当該遊技者の識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記識別情報取得手段が取得した前記遊技者の識別情報を記憶する識別情報記憶手段と、
遊技機から出力される遊技信号の入力に基づいて遊技機毎の遊技データを算出する遊技データ算出手段と、
前記遊技データ算出手段が算出した遊技データに前記遊技者の識別情報を対応付けて記憶する遊技データ記憶手段と、
前記識別情報取得手段が取得した2以上の識別情報が同一人物の識別情報であるか否かを判定する同一人物判定手段と、
前記同一人物判定手段の判定結果に基づいて、複数日に渡って遊技者毎の遊技頻度を判定する遊技頻度判定手段と、
前記遊技頻度判定手段が判定した遊技頻度に応じて遊技者を区分する遊技頻度区分手段と、
予め設定された判定期間において、前記遊技頻度区分手段が区分した区分毎に特定の機種を遊技した遊技者の人数及び/又は割合を算出する遊技者算出手段と、
前記遊技者算出手段の算出結果を出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする遊技場用システム。
【請求項2】
前記遊技者算出手段の算出結果の差が所定範囲内である機種を特定する特定手段を備え、
前記出力手段は、前記遊技者算出手段の算出結果に加え、当該算出結果との差が所定範囲内である機種の遊技情報を出力することを特徴とする請求項1に記載した遊技場用システム。
【請求項3】
前記識別情報取得手段は、カメラであり、前記識別情報は、前記カメラが撮像した遊技者の画像であることを特徴とする請求項1又は2に記載した遊技場用システム。
【請求項4】
複数の機種からなる複数の遊技機が設置される遊技場において、当該複数の遊技機の遊技データを管理するための遊技場用システムであって、
遊技者を識別可能な識別情報を記録する識別情報記録媒体と、
各遊技機に対応して設けられ、前記識別情報記録媒体が記録する識別情報を読出す識別情報読出手段と、
遊技機から出力される遊技信号の入力に基づいて遊技機毎の遊技データを算出する遊技データ算出手段と、
前記遊技データ算出手段が算出した遊技データに前記遊技者の識別情報を対応付けて記憶する遊技データ記憶手段と、
前記識別情報読出手段が読出した2以上の識別情報が同一人物の識別情報であるか否かを判定する同一人物判定手段と、
前記同一人物判定手段の判定結果に基づいて、複数日に渡って遊技者毎の遊技頻度を判定する遊技頻度判定手段と、
前記遊技頻度判定手段が判定した遊技頻度に応じて遊技者を区分する遊技頻度区分手段と、
予め設定された判定期間において、前記遊技頻度区分手段が区分した区分毎に特定の機種を遊技した遊技者の人数及び/又は割合を算出する遊技者算出手段と、
前記遊技者算出手段の算出結果を出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする遊技場用システム。
【請求項1】
複数の機種からなる複数の遊技機が設置される遊技場において、当該複数の遊技機の遊技データを管理するための遊技場用システムであって、
遊技者が遊技機にて遊技する場合に、当該遊技者の識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記識別情報取得手段が取得した前記遊技者の識別情報を記憶する識別情報記憶手段と、
遊技機から出力される遊技信号の入力に基づいて遊技機毎の遊技データを算出する遊技データ算出手段と、
前記遊技データ算出手段が算出した遊技データに前記遊技者の識別情報を対応付けて記憶する遊技データ記憶手段と、
前記識別情報取得手段が取得した2以上の識別情報が同一人物の識別情報であるか否かを判定する同一人物判定手段と、
前記同一人物判定手段の判定結果に基づいて、複数日に渡って遊技者毎の遊技頻度を判定する遊技頻度判定手段と、
前記遊技頻度判定手段が判定した遊技頻度に応じて遊技者を区分する遊技頻度区分手段と、
予め設定された判定期間において、前記遊技頻度区分手段が区分した区分毎に特定の機種を遊技した遊技者の人数及び/又は割合を算出する遊技者算出手段と、
前記遊技者算出手段の算出結果を出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする遊技場用システム。
【請求項2】
前記遊技者算出手段の算出結果の差が所定範囲内である機種を特定する特定手段を備え、
前記出力手段は、前記遊技者算出手段の算出結果に加え、当該算出結果との差が所定範囲内である機種の遊技情報を出力することを特徴とする請求項1に記載した遊技場用システム。
【請求項3】
前記識別情報取得手段は、カメラであり、前記識別情報は、前記カメラが撮像した遊技者の画像であることを特徴とする請求項1又は2に記載した遊技場用システム。
【請求項4】
複数の機種からなる複数の遊技機が設置される遊技場において、当該複数の遊技機の遊技データを管理するための遊技場用システムであって、
遊技者を識別可能な識別情報を記録する識別情報記録媒体と、
各遊技機に対応して設けられ、前記識別情報記録媒体が記録する識別情報を読出す識別情報読出手段と、
遊技機から出力される遊技信号の入力に基づいて遊技機毎の遊技データを算出する遊技データ算出手段と、
前記遊技データ算出手段が算出した遊技データに前記遊技者の識別情報を対応付けて記憶する遊技データ記憶手段と、
前記識別情報読出手段が読出した2以上の識別情報が同一人物の識別情報であるか否かを判定する同一人物判定手段と、
前記同一人物判定手段の判定結果に基づいて、複数日に渡って遊技者毎の遊技頻度を判定する遊技頻度判定手段と、
前記遊技頻度判定手段が判定した遊技頻度に応じて遊技者を区分する遊技頻度区分手段と、
予め設定された判定期間において、前記遊技頻度区分手段が区分した区分毎に特定の機種を遊技した遊技者の人数及び/又は割合を算出する遊技者算出手段と、
前記遊技者算出手段の算出結果を出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする遊技場用システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−192085(P2012−192085A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−59395(P2011−59395)
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】
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