説明

遊技媒体判別装置、及び遊技機

【課題】投入される遊技媒体の真偽を判別するに際して、簡単な構成で正確に判別を可能にする遊技媒体判別装置を提供する。
【解決手段】メダル判別装置は、投入口から投入されるメダルを案内する案内路3aと、案内路3aにおいて、メダルの外径及び厚さが所定値以上のものを保持し、それより小さいものは通過させるように選別する一対の当接部材16A,16Bを備えた選別機構10と、選別機構10により選別されたメダルを、所定の排出経路又は所定の処理経路に振り分ける振分機構とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬貨やメダルなど、遊技に際して用いられる遊技媒体を判別する遊技媒体判別装置に関する。また、本発明は、そのような遊技媒体判別装置を組み込んだ遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、遊技場に設置されている遊技機は、硬貨やメダル等に代表される遊技媒体を投入することで、遊技が行なえるよう構成されている。通常、前者の硬貨については、特定金額の硬貨が利用できるようになっており、後者のメダルについては、遊技者が利用する遊技場内において、硬貨の代替として用いるべく、遊技者は、予め、遊技場内に設置されているメダル貸出機に紙幣や貨幣を投入し、その価値に応じたメダルの払出しを受けるようになっている。
【0003】
また、最近では、複数枚の遊技価値を有するメダルを、単一のメダルとして貸出す手法が行われるようになっている。例えば、プラスチック製のメダルにICチップのような情報記録素子を埋め込んでおき、この情報記録素子に、所定枚数分のメダルの価値があるメダル価値情報(50枚分のメダルの価値がある等)や、メダルの認証に関する認証情報(店舗ID、パスワード等)を書き込んでおくことで、1枚のメダルでありながら、多数枚のメダルを所有するのと同様な効果を与えることを可能としている(このようにメダルに記録されている情報を遊技関連情報と称する)。このような手法によれば、遊技者は、多数枚のメダルを所有する必要がなくなり、遊技においても投入操作が簡略化され、簡便に遊技を行なうことが可能となる。また、遊技場でも、多数枚のメダルを扱うことが無くなり、遊技装置や遊技システムを簡略化することが可能となる。
【0004】
ところで、上記したような遊技媒体については、偽造された遊技媒体を投入する等、不正に遊技を行なうケースがある。このような不正な行為を防止するために、例えば、特許文献1に開示されているような遊技媒体判別装置(コインセレクタ)によって、投入された遊技媒体の真偽を判別することが行なわれている。
【0005】
この特許文献1に開示されている遊技媒体判別装置は、投入された遊技媒体(コイン)の複数の箇所の厚みを測定したり、周縁部の材質や直径のパラメータ等を測定して、コインの真偽を判別するようにしている。
【特許文献1】特開2003−263666号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記したように、投入される遊技媒体の真偽を判別する精度を高めようとすると、検知手段を複数箇所配設する等、機構が大型化するという問題が生じる。すなわち、遊技媒体の真偽を判別するに当たっては、できるだけ簡易な構成で、しかも不正な遊技媒体を正確に判別できるように構成されることが望ましい。
【0007】
本発明は、上記した問題に基づいてなされたものであり、投入される遊技媒体の真偽を判別するに際して、簡単な構成で正確に判別を可能にする遊技媒体判別装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、そのような遊技媒体判別装置を組み込んだ遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した目的を達成するために、本発明に係る遊技媒体判別装置は、請求項1に記載されているように、投入口から投入される遊技媒体を案内する案内路と、前記案内路において、遊技媒体の外径及び厚さが所定値以上のものを保持し、それより小さいものは通過させるように選別する一対の当接部材を備えた選別機構と、前記選別機構により選別された遊技媒体を、所定の排出経路又は所定の処理経路に振り分ける振分機構とを有することを特徴とする。
【0009】
上記した構成の遊技媒体判別装置によれば、遊技者が投入口に投入した遊技媒体は、案内路を介して選別機構の一対の当接部材に案内される。この当接部材では、遊技媒体の外径及び厚さが所定値以上のものを保持し、外径が所定値よりも小さい遊技媒体、或いは、厚さが所定値よりも小さい(薄い)遊技媒体は、そのまま保持することなく通過させ、振分機構を介して所定の排出経路に排出する。このように、選別機構に一対の当接部材を配置することで、外径及び厚さが所定値よりも小さいものを通過させて排出するようにしたことから、簡易な構成でありながら選別精度の向上が図れるようになる。
【0010】
また、請求項2に係る遊技媒体判別装置においては、前記一対の当接部材は、選別位置と非選別位置との間で移動可能な支持部材に支持されており、前記支持部材が選別位置にあるとき、前記一対の当接部材は、前記所定値以上の外径の遊技媒体を保持するように離間していると共に、前記案内路の表面との間で前記所定値以上の厚さの遊技媒体を保持するように前記支持部材に支持されていることを特徴とする。
【0011】
上記した構成によれば、支持部材が選別位置にあるときに上記した選別処理を行ない、非選別位置にあるときには、選別を行なわないことから、一対の当接部材で選別されて保持された遊技媒体に対して、例えば、更に別のパラメータ(材質等)を測定したり、或いは、遊技媒体に何らかの情報が記録されている場合、その情報の読み取り等を行なう等、各種の処理を行なうことが可能となる。
【0012】
また、請求項3に係る遊技媒体判別装置は、前記一対の当接部材は、先端領域が先端に移行するに従って細径化されており、かつ一方の当接部材と案内路の表面との間で、前記所定値より厚さが薄い遊技媒体を通過させるように隙間を規定することを特徴とする。
【0013】
上記した構成によれば、上記した所定値よりも厚さが薄い遊技媒体が投入された際、先端領域が次第に細径化された部分に遊技媒体が当接し、そのまま一方の当接部材と案内路の表面との間に形成された隙間に案内されて、隙間を介して通過するようになる。このように、細径化した部分を形成することで、遊技媒体を隙間部分に誘導し易くなって選別機能の向上が図れると共に、支持部材を回動駆動して当接部材を持ち上げるような場合、遊技媒体をそのまま持ち上げるようなことが無くなって、遊技媒体が選別機構部分で詰まり難くすることが可能となる。
【0014】
また、請求項4に係る遊技媒体判別装置は、前記案内路は垂直方向に延在して、前記遊技媒体を落下方向に案内することを特徴とする。
【0015】
このような構成によれば、単に、遊技媒体がその自重によって落下するだけで上記したような処理動作が実行されるため、処理速度が速くなると共に、遊技媒体を別途搬送するような搬送機構などを配置する必要もなく、構成が更に簡素化されコストも低減される。
【0016】
また、請求項5に係る遊技媒体判別装置は、前記選別機構で遊技媒体が保持されている間、次に投入された遊技媒体の進入を抑止する抑止機構を設けたことを特徴とする。
【0017】
このように抑止機構を設けたことにより、1つの所定規格の遊技媒体が選別機構で保持されて所定の処理が行なわれている間は、次に投入された遊技媒体が案内されないことから、選別機構部分で遊技媒体が詰まる等のトラブルを回避することが可能となる。
【0018】
また、請求項6に係る遊技媒体判別装置は、予め遊技関連情報を記録した遊技媒体を処理することが可能であり、前記案内路に、前記選別機構で遊技媒体が保持されている間、保持されている遊技媒体に記録されている遊技関連情報の読み取りを可能にする情報処理部を配置したことを特徴とする。
【0019】
このように、遊技媒体に記録されている遊技関連情報の読み取りが行なえる遊技媒体判別装置において、選別機構を設けたことで、全ての遊技媒体に対して読取動作を実行するのではなく、選別された所定規格の遊技媒体のみを保持して読み取りを実行させ、所定規格以外の遊技媒体は、保持することなくそのまま通過させるので、情報処理部での負荷を軽減することが可能となり、情報処理部に配置される部品や素子の消耗、劣化を抑制することが可能になる。また、投入される全ての遊技媒体について読取処理を行なわないため、不正が生じる可能性を減らすこともでき、かつ誤作動が生じる可能性も軽減することが可能となる。
【0020】
また、請求項7に係る遊技媒体判別装置は、投入口から投入される遊技媒体を案内する案内路と、前記案内路において、遊技媒体の形状に基づき、所定規格の遊技媒体は保持し、所定規格以外の遊技媒体は通過させるように選別する一対の当接部材を備えた選別機構と、前記選別機構により選別された遊技媒体を、所定の排出経路又は所定の処理経路に振り分ける振分機構とを有することを特徴とする。
【0021】
上記した構成の遊技媒体判別装置によれば、遊技者が投入口に投入した遊技媒体は、案内路を介して選別機構の一対の当接部材に案内される。この当接部材では、遊技媒体の形状に基づき、所定規格のものを保持し、所定規格以外のものは、そのまま保持することなく通過させ、振分機構を介して所定の排出経路に排出する。このように、選別機構に一対の当接部材を配置することで、所定規格以外の遊技媒体を通過させて排出するようにしたことから、簡易な構成でありながら選別精度の向上が図れるようになる。なお、ここでの選別の対象となる遊技媒体のパラメータについては、一対の当接部材に当て付いた際に、その外形状の相違に基づいて選別が行なえるものであれば良く、例えば、厚さ又は径、或いはその両者等であれば良い。
【0022】
また、本発明は、請求項8に記載されているように、遊技装置を設置した筐体を備えた遊技機において、前記筐体の内部に、前記筐体に設けられた投入口から投入される遊技媒体を案内する案内路と、前記案内路において、遊技媒体の形状に基づき、所定規格の遊技媒体は保持し、所定規格以外の遊技媒体は通過させるように選別する一対の当接部材を備えた選別機構と、前記選別機構により選別された遊技媒体を、所定の排出経路又は所定の処理経路に振り分ける振分機構とを有する遊技媒体判別装置を組み込んだことを特徴とする。
【0023】
このように、上述したような機能を有する遊技媒体判別装置は、例えば、スロットマシンやカードゲーム機など、各種の遊技機内に組み込んでおくことも可能であり、これにより、遊技媒体判別装置を外付けする際の手間が軽減される。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る遊技媒体判別装置、及び遊技機によれば、一対の当接部材を有する選別機構によって、投入される遊技媒体に対し、例えば、外径及び厚さが所定規格以外のものをそのまま排出するようにしたことから、簡易な構成でありながら選別精度を向上することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明に係る遊技媒体判別装置の実施形態について説明する。
本実施形態に係る遊技媒体判別装置は、各種遊技機の内部に予め組み込まれたり、或いは、各種の遊技機に対して外付けされるようになっている。図1は、遊技媒体判別装置を遊技機に対して外付けするタイプの一構成例を示す図である。この構成例においては、遊技媒体は円板状に形成されたもの(以下、メダルと称する)が用いられ、また、その内部に、予め遊技関連情報が書き込まれたICタグが埋め込まれたものが用いられる。遊技者は、所定の受付けカウンターや自動メダル発行装置などにおいて、貨幣と引き換えに、そのようなメダルを取得する。
【0026】
なお、本実施形態で用いられるメダルには、遊技関連情報として、メダルの認証に関する認証情報(店舗ID、パスワード等)のみが記録されており、後述する情報処理部に設置されたリーダライタが、記録されている認証情報を読み取り、それが正常であれば、遊技機本体側に、遊技回数を特定する所定のクレジット(例えば、50クレジット等)を増加しても良い旨の許可信号を送信するようになっている。もちろん、遊技関連情報は、上記したような認証情報に限定されるものではなく、例えば、そのメダルについての具体的な価値情報を記録しておいても良い。また、読み取った認証情報や価値情報を、そのまま遊技機本体側に送信するような構成であっても良い。
【0027】
遊技媒体判別装置(以下、メダル判別装置)1は、略直方体状で、遊技機の筐体に対して外付けされる収容体100内に収容されており、収容体100の上面部に設けられたメダル投入口101から遊技者によって投入されるメダルを処理する。このメダル判別装置1は、図示されていない遊技機本体側の制御基板と電気的に接続されており、後述するように、メダル判別装置1に設けられた情報処理部を構成するリーダライタがメダルの認証情報を読み取り、それが適正なものであった場合、予め設定されたクレジット数を増加しても良い旨の許可信号を遊技機本体側の制御基板に送信し、遊技者は、増加したクレジットの範囲内で遊技を行なうことが可能となっている。
【0028】
なお、前記収容体100の前面には、返却口105が設けられており、メダル投入口101から後述するように所定規格以外のメダルが投入された場合、或いは、認証情報が正式のものでないようなメダルが投入された場合など、そのまま返却されるようになっている。また、本実施形態の収容体100の上面には、前記メダル投入口101に連続的にメダルが投入できるように、メダルを起立方向に重ねた状態で積層可能にする湾曲状のメダル載置部110、及び投入されたメダルの認証情報を表示する表示部115が設けられている。
【0029】
図2から図5は、上記した収容体100の内部に収容されるメダル判別装置の構成を示しており、図2は斜視図、図3はメダル投入口側から見た正面図、図4は側面図、図5はメダルの案内経路を示す側面図、そして、図6はメダルの案内経路の裏側を示す側面図である。
【0030】
これらの図に示すように、メダル判別装置1は、前記収容体100の内部に設置される基台2を備えており、この基台2には、図5に示すように、左右一対のメダルガイド部材3A,3Bが設けられている。メダルガイド部材3A,3Bは、前記メダル投入口101から投入されるメダルMを案内すべく、メダル1枚分程度の肉厚を有しており、略ストレートに延出してメダルMを後述する情報処理部に案内する案内路3aと、案内路3aからメダルの進行方向に沿って次第に幅広になる処理路3bを形成している。
【0031】
この場合、本実施形態のメダル判別装置1は、前記案内路3a及び処理路3bが、略垂直方向に延在するように、収容体100に対して取り付けられている。すなわち、メダルMは、その自重によって単に落下することで、前記案内路3a及び処理路3bに案内されるようになっている。
【0032】
前記メダルガイド部材3A,3Bは、両面側が樹脂等によって構成されるベースプレート5,6によって挟持された状態となっており、メダルMは、ベースプレート5,6の間の空間で、前記メダルガイド部材3A,3B間によって規定される案内路3aと処理路3bに沿って落下する。
【0033】
前記ベースプレート5の表面側には、一方のメダルガイド部材3A側にメダルの選別を行なう選別機構10が配置されており、他方のメダルガイド部材3B側にメダルの落下(情報処理部へのメダルの落下)を抑止する抑止機構30が配置されている。また、前記処理路3bには、図5に示すように、選別されたメダルを振り分ける振分機構50が配置されている。
【0034】
前記選別機構10は、前記案内路3aに案内されたメダルMについて、その形状に基づき、正規なものとそうでないものを選別するよう構成されており、投入されたメダルの径と厚さについて、選別を行なうようにしている。具体的には、本実施形態に係る遊技機では、径が31φで、厚さが4mmのメダルが使用されるようになっており、径が31φ未満、又は厚さが4mm未満のメダルが投入された場合は、選別機構10の領域で停止させることなく、そのまま通過させるようにしている。
【0035】
上記した機能を有する選別機構10は、メダルガイド部材3Aに固定されるベース11と、このベース11に保持される第1駆動源であるソレノイド(以下、第1ソレノイドとする)12と、この第1ソレノイド12を励磁することで駆動されるレバー部材(支持部材)13とを備えている。レバー部材13は、図4に示すように、平面視でL字型に形成されており、第1ソレノイド12の上方側でメダルの落下方向に沿って延出する作動部13aと、その先端側で直角に屈曲形成された屈曲部13bとを備えている。レバー部材13は、作動部13aの第1ソレノイド12の後方側の基端部で支持されており(支持部を符合13cで示す)、さらに、その後方側に延出部を形成して、前記ガイド部材3A(ベースプレート5やベース11であっても良い)との間に引張バネ13dが設けられている。
【0036】
前記レバー部材13は、前記支持部13cを中心に回動可能に支持されており、第1ソレノイド12が励磁されることによって、引張バネ13dの付勢力に抗して引き付けられ、選別位置と、非選別位置との間で所定の角度、回動駆動される(作動部13aは、屈曲部13bが案内路3a側に向けて下がるように回動駆動される)。また、前記メダルガイド部材3A,3B間には、連結プレート15が架設されており、連結プレート15の一端の裏面側に設けられた調整ビス15aに前記作動部13aが当て付くことで、レバー部材13の回動範囲が規制されるようになっている(図3参照)。なお、この調整ビス15aの突出量を調整することで、レバー部材13の回動範囲を規制することが可能となっている。
【0037】
前記レバー部材13には、メダルが当て付くことで、メダルを選別可能にする部材(当接部材)が設けられている。本実施形態の当接部材は、図7の各図に示すように、前記屈曲部13bに装着された一対の円柱状の角部材16A,16Bによって構成されている。この角部材16A,16Bの先端側は、前記ベースプレート5を貫いて案内路3aに突出可能となっており、両者の先端領域には、先端に移行するに従い先細りするテーパ部16a,16bが形成されている。
【0038】
ここで、図7を参照して、レバー部材13、及び角部材16A,16Bの具体的な構成及びメダルの選別機能について説明する。
【0039】
レバー部材13は、図7(a)に示すように、その屈曲部13bが、水平方向Pに対して、予め下方に傾斜する状態で支持されており、この傾斜した屈曲部13bに同一長さの角部材16A,16Bが取り付けられている。両角部材16A,16Bは、レバー部材13が上記した第1ソレノイド12によって選別位置に回動駆動された際、図7(b)に示すように、31φ以上のメダルはテーパ部16a,16bの外周に当て付いて通過できないように離間して屈曲部13bに取り付けられている。従って、規格外となる31φ未満のメダル(点線で示す)は、両角部材16A,16Bの間を通過してしまい、両角部材16A,16B部分で停止(保持)されることはない。
【0040】
また、上記したレバー部材13の傾斜角度、及び両角部材16A,16Bの長さは、レバー部材13が上記した第1ソレノイド12によって選別位置に回動駆動された際、図7(c)に示すように、角部材16bの下端面とベースプレート6の表面(案内路の表面)との間の隙間で、厚さ4mm以上のメダルはテーパ部16bの外周に当て付いて通過できないように設定されている。従って、規格外となる厚さ4mm未満のメダル(点線で示す)は、角部材16Bとベースプレート6の表面との間の隙間を通過してしまい、ここで停止(保持)されることはない。
【0041】
この場合、実際に厚さ4mm未満の規格外メダルが投入されると、その殆どは、メダルの縁部が角部材16Aのテーパ部16aに当て付き、そのまま角部材16B側に移行して、角部材16bの下端面とベースプレート6の表面との間の隙間を通過するようになる。すなわち、テーパ部16aに当て付くことで、メダルが滑り易くなって、一方の隙間側にスムーズに案内される。
【0042】
なお、上記した構成では、支持部材となっている屈曲部13bを、水平面Pに対して傾斜するように配置したが、屈曲部を水平面Pに一致させて支持し、ここに長さが異なる一対の角部材を配置しても良い。
【0043】
次に、上記メダルガイド部材3B側に配置されるメダルの落下を抑止する抑止機構30の構成について説明する。
【0044】
この抑止機構30は、必ずしも設置する必要は無いが、本実施形態のように、メダルが落下して選別機構10に案内されるような構成では、メダルの連続投入によって、順次連続的に落下してくることがあり、選別機構の部分で詰まり等が生じることが考えられる。このため、抑止機構30を設置することによって、そのような詰まり等を効果的に防止することが可能となる。
【0045】
上記した機能を有する抑止機構30は、図2から図4に示すように、メダルガイド部材3Bに固定されるベース31と、このベース31に保持される第2駆動源であるソレノイド(第2ソレノイドと称する)32と、この第2ソレノイド32を励磁することで駆動されるレバー部材33とを備えている。レバー部材33は、図4に示すように、平面視でL字型に形成されており、第2ソレノイド32の上方側でメダルの落下方向に沿って延出する作動部33aと、その先端側で直角下方に屈曲すると共に、更に前記案内路3a側に向けて屈曲形成された屈曲部33bとを備えている。屈曲部33bの先端部には、抑止片33cが形成されており、上記した第2ソレノイド32が励磁されてレバー部材33が回動駆動された際、抑止片33cが下方に移動して、前記案内路3aの入口部分を閉塞する。
【0046】
前記レバー部材33は、作動部33aの第2ソレノイド32の後方側の基端部で支持されており(支持部を符合33cで示す)、さらに、その後方側に延出部を形成して、前記ガイド部材3B(ベースプレート5やベース31であっても良い)との間に引張バネ33dが設けられている。すなわち、前記レバー部材33は、前記支持部33cを中心に回動可能に支持されており、第2ソレノイド32が励磁されることによって引張バネ33dの付勢力に抗して引き付けられ、所定の角度、回動駆動される(作動部33aは、屈曲部33b及び抑止片33cが案内路3a側に向けて下がるように回動駆動される)。この場合、前記連結プレート15の他端の裏面側に設けられた調整ビス15bに前記作動部33aが当て付くことで、レバー部材33の回動範囲が規制されるようになっている。なお、この調整ビス15bの突出量を調整することで、レバー部材33の回動範囲を規制することが可能となっている(図3参照)。
【0047】
次に、前記処理路3bに配置され、選別されたメダルを振り分ける振分機構50の構成について説明する。
【0048】
振分機構50は、ベースプレート6(基台2でも良い)に回動可能に支持された振分レバー51と、この振分レバー51を回動駆動する第3の駆動源である駆動モータ53とを備えて構成されている。振分レバー51は、図5に示すように、基端部が支持部材51aによって回動可能に支持されており、前記処理路3bを、2つの経路のいずれかを選択して振り分けるようにしている。すなわち、処理路3bは、振分レバー51が回動駆動されることで、図5に示す処理経路55、又は排出経路56のいずれかが開口され、案内路3aから落下するメダルをいずれかの経路に振り分けるように機能する。この場合、処理経路55は、所定の蓄積部(図示せず)に正規のメダルを案内するための経路であり、排出経路56は、図1に示した返却口105にメダルを案内するための経路となっている。
【0049】
前記案内路3aを規定するメダルガイド部材3Aの開口領域には、図2及び図3に示すように、メダルの通過を検知する第1センサ60が設置されている。また、前記処理経路55及び排出経路56の下流側にも、図5に示すように、それぞれメダルの通過を検知する第2センサ61及び第3センサ62が設置されている。なお、これらのセンサは、本実施形態では、透過型のフォトセンサによって構成されており、メダルが通過した際の光量変化を検知して検知信号を発生するようになっている。もちろん、センサは、メダルの通過が検知できるものであれば良く、反射型のセンサを用いたり、機械式のセンサを用いても良い。
【0050】
前記案内路3aは、そのメダル進行方向の長さが、略メダルの径に対応しており、ここに、メダルに埋め込まれているICタグに記録されている認証情報の読み取りが行なえる情報処理部65が設置されている。この情報処理部65は、メダルが上記した選別機構10によって保持された際に、認証情報の読み取り動作が行なわれる部分であり、図6に示すように、前記ベースプレート6の裏面側に取着され、メダルに埋め込まれたICタグに記録されている認証情報の読み取り、及び消去処理が行なえるリーダライタ(非接触型のアンテナ)66等の構成部品を備えている。
【0051】
また、ベースプレート6の裏面側には、前記各センサ60,61,62からの検知信号が入力されて、上記した第1〜第3駆動源12,32,53の駆動制御、及びリーダライタ66による読み取り処理や消去処理動作等を制御する制御回路基板70が取着されており、このメダル判別装置1の全体の動作を制御するようになっている。
【0052】
図8は、上記した制御回路基板(制御手段)70の一構成例を示すブロック図である。
制御回路基板70は、上述した第1ソレノイド12、第2ソレノイド32、駆動モータ53、及びリーダライタ66等、メダル判別装置内の各駆動部の制御機能を有するCPU72、上記した各駆動部の作動プログラムを格納したプログラムROM73、及び制御RAM74等を備えて構成されている。
【0053】
前記CPU72には、I/Oポート75を介して、上記した各駆動部を駆動するための第1ソレノイド駆動回路82、第2ソレノイド駆動回路83、駆動モータ駆動回路85、及びリーダライタ駆動制御回路86が接続されており、各駆動部は、プログラムROM73に格納された作動プログラムに従って、CPU72からの制御信号により動作が制御される。また、CPU72には、I/Oポート75を介して上述した第1〜第3センサ60,61,62が接続されており、各センサからの検知信号に基づいて、各駆動部の駆動を制御する。さらに、CPU72は、I/Oポート75を介して、遊技機側に配設された遊技処理を実行する遊技機側制御基板200と接続されており、遊技機側制御基板200に対して、リーダライタ66で読み取った認証情報を送信して遊技を実行させることが可能となっている。
【0054】
次に、上記したメダル判別装置1における制御処理動作について、図9のフローチャートを参照しながら具体的に説明する。
【0055】
最初に、メダル判別装置1は、初期状態に設定される(ST1)。この初期状態とは、第1ソレノイド12が励磁されて、選別機構10のレバー部材13に設けられた一対の角部材16A,16Bが、図7(b)及び図7(c)に示す状態(選別位置)にあり、振分機構50の振分レバー51が図5に示す点線位置(処理経路55を閉塞して排出経路56を開口する)にあり、かつ第2ソレノイド32が非励磁状態(消勢状態)で、抑止片33cが案内路3aを開口している状態である。
【0056】
そして、遊技者が、メダルを図1に示す収容体100のメダル投入口101から投入すると、そのメダルは、開いた状態にある抑止片33cを介して案内路3aに案内される。このとき、規格外のメダル(ここでは、径が31φ未満のメダル、或いは厚さが4mm未満のメダル)が投入されると、上記した選別機構10は、図7(b)及び図7(c)の点線で示すように、そのメダルを角部16A,16Bで保持することなく、そのまま通過させ、振分レバー51によって、開口状態にある排出経路56に案内する。
【0057】
この動作において、第1センサ60及び第3センサ62は、連続的にメダルの通過を検知することになるが、何等特別な処理が実行されることはなく、初期状態のまま、次のメダルの処理を行なう(ST2、Yes)。すなわち、規格外のメダルが投入された場合、情報処理部65において、リーダライタ66は、何等、読み取り操作等を行なうことはなく、メダルはそのまま通過して、メダル返却口105に返却される。
【0058】
また、第3センサ62が、第1センサ60がメダルの通過を検知した後、所定時間後にメダルの通過を検知しなかった場合(このときメダルは所定規格のものとして選別機構の角部16A,16Bに保持されている)、第2ソレノイド32を励磁してレバー部材33を回動駆動し、抑止片33cによって案内路3aを閉塞する(ST2、No,ST3)。すなわち、次に投入されて落下するメダルを、抑止片33cによって停止させ、選別機構の部分(情報処理部65)において詰まり等を生じさせないようにする。
【0059】
この状態で、保持された状態にあるメダルに対し、リーダライタ66によって、埋め込まれたICチップに記憶されている認証情報の読み取りを実行する(ST4)。なお、ST3の処理とST4の処理は、同時であっても良いし、逆であっても良い。
【0060】
そして、読み取ったメダルの認証情報が適正なものでなかった場合、例えば、読み取った識別情報が不適正であったり、何らかの理由で読み取りができなかったような場合、第1ソレノイド12を消勢することで選別機構10のレバー部材13を回動して角部材16A,16Bを上昇させ(非選別位置にする)、そのメダルをそのまま返却口105に返却処理する(ST5、No,ST6)。その後、再びST1の処理に戻り(第1ソレノイド12を励磁し、第2ソレノイド32を消勢する)、次のメダルの投入を待つ。
【0061】
また、ST5において、読み取った認証情報が適正なものであった場合、読み取った認証情報を、一旦、制御RAM74に記憶する(ST7)。そして、その後、リーダライタ66によって、メダルに記憶されている認証情報を消去する(ST8)。このように、一旦読み取った認証情報を消去することによって、認証情報をそのまま残したことで生じる不正行為、例えば、メダルを所定の蓄積部から不正に持ち出すような行為があったとしても、既に、そのメダルは再使用することはできないため、不測の不利益を未然に防止することができるようになる。
【0062】
なお、消去される情報は、少なくとも上記した認証情報(例えば、店舗IDやパスワード)であれば良く、認証に関係ない情報(例えば、遊技価値情報)については、消去しても良いし、そのまま記録しておいても差し支えない。また、消去処理するのではなく、その情報を読み取らないように無効化する情報を付与するものであっても良い。
【0063】
上記ST8において、認証情報を消去した後、駆動モータ53を正転駆動し、振分機構50の振分レバー51を図5に示す実線位置(排出経路56を閉塞して処理経路55を開口する)に駆動して、読み取ったメダルを所定の蓄積部に向けて案内するように位置付ける(ST9)。そして、引き続き第1ソレノイド12を消勢することで、選別機構10のレバー部材13を回動して角部材16A,16Bを上昇させ(非選別位置にする)、読み取ったメダルをそのまま処理経路55に案内する(ST10)。
【0064】
そして、メダルが処理経路55に案内されて、第2センサ61がメダルの通過を検知した際(ST11)、上記した制御RAM74に認証情報が記憶されている場合、CPU72は、遊技機側の制御基板200に、遊技回数を特定する所定のクレジット(例えば、50クレジット等)を増加しても良い旨の許可信号を送信する(ST12)。そして、再び初期状態に設定、すなわち、駆動モータ53を逆転駆動して、振分機構50の振分レバー51を図5に示す点線位置(排出経路56を開口して処理経路55を閉塞する)に駆動し、第1ソレノイド12を励磁し、かつ第2ソレノイド32を消勢することで1枚のメダルに対する処理が終了する。
【0065】
上記したように、ST11において、認証情報が読み取られたメダルが第2センサ61を通過した後に、許可信号を遊技機側の制御基板200に送信処理することで、不正な行為を効果的に防止することが可能になる。すなわち、情報処理部65で認証情報を読み取った後、直ちに送信処理を行なうと、メダルに糸を付けるなど引き戻し操作して不正行為等を行なうことが考えられるが、第2センサ61を通過した後に送信処理を行なうようにすることで、そのような不正行為を防止することが可能になる。
【0066】
これは、再度送信処理を行なわせるためには、第2センサ61を再度通過させなければならないことから、情報処理部65で読み取り処理が終わった後の1回目のメダルの通過のみを有効化し、2回目のメダルの通過を無効化しておくことで、そのような不正行為を確実に防止することが可能となる。例えば、上記したCPU72において、情報処理部65での認証処理が適正であった場合、認証が適正である旨のフラグを成立させ、第2センサ61がメダルの通過を検知して許可信号を送信した際、成立したフラグをOFFにするように設定しておくことで、メダルを再度通過させようとしても、フラグが既にOFF状態であるため、再び許可信号を送信することはできず、不正な行為を防止することができる。
【0067】
さらには、上記した構成では、メダルが第2センサ61を通過した後に、許可信号を遊技機側の制御基板200に送信処理し、その後、初期状態に設定する(駆動モータ53を逆転駆動して処理経路55を閉塞すると共に、第1ソレノイド12を励磁して選別機構10のレバー部材13の角部材16A,16Bを図7(b)、(c)に示す状態に戻す)ことから、再びメダルを情報処理部65に引き戻すことは物理的に不可能となり、確実に不正行為を抑制することが可能になる。
【0068】
以上のように、本実施形態のメダル判別装置1によれば、遊技者が、メダルをメダル投入口101に投入すると、そのメダルは落下しながら案内路3aを介して情報処理部65に案内される。このとき、投入したメダルが所定の規格(ここでは、径が31φ、厚さが4mm)よりも小さいものが用いられると、選別機構10によって、情報処理部65で読み取り処理を行なうことなく、そのまま通過させて返却口105に返却する。
【0069】
すなわち、投入される全てのメダルに対して読取動作を実行するのではなく、選別機構10によって選別された所定規格のメダルのみを保持して読み取りを実行させることから、情報処理部65での負荷を軽減することが可能となり、情報処理部65を構成する部品や素子の消耗、劣化を抑制することが可能になる。また、投入される全てのメダルについて認証処理を行なわないため、不正が生じる可能性を減らすこともでき、かつ誤作動が生じる可能性も軽減することが可能となる。さらには、正規なメダルと不適正なメダルを連続的に投入操作した場合、不適正なメダルは、そのまま排出されるため、処理速度が低下するようなこともなくなる。
【0070】
また、上記した構成では、メダルの選別を行なう選別機構10を、一対の当接部材16A,16Bによって構成したことで、構造を複雑化することなく、簡単な構成で、精度良くメダルの選別を行なうことが可能になる。
【0071】
また、上記した構成では、振分機構50の振分レバー51についても、予め排出経路56を開口していることから、所定の規格以外のメダルが投入された場合、何等、構成部品等を駆動することなく、そのまま返却口105に排出されるようになり、上記したような部品や素子の消耗、劣化を可能な限り抑制することが可能になる。
【0072】
また、上記した構成では、案内路3a及び処理路3b(排出経路56及び処理経路55)は垂直方向に延在して、メダルを落下方向に案内するように配置したことから、メダルは、単に自重によって落下するだけで、上記したような処理動作が実行されるようになり、処理速度が速くなると共に、メダルを搬送するような搬送機構などを配置する必要もなく、構成が簡素化されコストも低減される。
【0073】
また、上記した構成では、情報処理部65でメダルの認証情報の読み取りが実行されている間、メダルが案内路3aから情報処理部65に移行することを抑止する抑止機構30を設けているため、1つの所定規格のメダルが処理されている間は、次に投入されるメダルが情報処理部65に案内されることはなく、情報処理部65において、メダルが詰まったり、読み取り動作に誤作動等が生じることを回避することが可能となる。
【0074】
また、上記した選別機構10を構成するレバー部材13は、水平方向Pに対して、予め下方に傾斜する状態で支持されており、かつ角部材16A,16Bの先端に、夫々先細りするテーパ部16a,16bを形成したことで、以下のような作用効果が得られる。
【0075】
所定の厚さ(4mm)未満のメダルを通過させるに当たって、角部材の下面とベースプレート6との間で4mmの隙間を空けるのが片方の角部材16B側だけで良いため、寸法管理が容易になる。また、図10(a)に示すように、レバー部材13が、メダルを処理路3bに案内すべく支点13cを介して上昇するように回動駆動された際、先細りのテーパ部16a,16bがあることによって、当接した状態にあるメダルを回動動作に伴って持ち上げるようなことが無くなり、情報処理部でのメダルの詰まり等を確実に防止することが可能となる。すなわち、図10(b)に示すように、角部材が円柱形状でテーパ部が形成されていないと、レバー部材13が支点13cを介して上昇するように回動駆動されると、当接した状態にあるメダルは、点線で示すように、角部材の回動動作によってそのまま持ち上げられるようになり、情報処理部においてメダルの詰まり等が生じる傾向になってしまう。
【0076】
更には、夫々の角部16A,16Bにテーパ部を形成し、片方の角部16A側でメダルを当て付け、他方の角部16B側で薄肉厚のメダルを通過させるようにしたことで、規格外のメダルをスムーズに隙間側に案内することが可能となり、円滑にメダルを通過させることが可能となる。
【0077】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。例えば、上記した選別機構を構成するレバー部材(支持部材)13は、回動するのではなく、単に上下動するような構成であっても良い。また、選別機構10を構成するレバー部材13に装着される一対の角部材(当接部材)は、落下、又は搬送、又は滑り降りてくるメダル(遊技媒体)が当接し、所定の外径及び厚さのものについては保持し、かつそれよりも小さいメダルについては、通過させるような形状、及び支持態様になっていれば良い。
【0078】
例えば、単に、所定距離だけ離間すると共に、ベースプレートとの間に所定の隙間を空けて配置されたものであっても良い。具体的には、図11に示すように、円柱状に構成して、所定間隔(31φ)離間させると共に、両角部材の各下面とベースプレート6の表面との間に所定の隙間(4mm)が形成されるように設定されたものであっても良い。また、上記した屈曲部13bは水平になるように設置し、長さの異なる角部材を設置しても良い。
【0079】
さらに、上記した実施形態では、選別機構10を構成する一対の角部材は、メダルの外径と厚さの両方について、選別機能を備えていたが、いずれか一方のみを選別対象子弟も良い。或いは、それ以外にも、外形状に基づいて選別ができれば、それ以外のパラメータを選別対象としても良い。
【0080】
また、上記した実施形態では、選別機構で停止したメダルに対して、認証情報の読み取り処理を行なうよう¥にしたが、認証情報が記録されていない通常のメダルを処理する場合、この位置で、さらに別のパラメータを測定するような構成であっても良い。
【0081】
また、上記した実施形態では、選別機構10、抑止機構30及び振分機構50は、夫々別の駆動源によって駆動制御されるように構成したが、単一の駆動源、或いは2つの駆動源で、上記したような作用が得られるようにリンク機構を設けたものであっても良い。この場合、駆動源については、ソレノイドの代わりにモータを用いる等、適宜変形することが可能である。
【0082】
さらに、上述したようなメダル判別装置は、例えば、図12に示すような遊技機200の内部に直接組み込まれるような構成であっても良い。すなわち、この遊技機200は、遊技装置である回転リール201等を内部に設置した筐体202を備えており、その筐体202の前面領域に設けられたメダル投入口205部分に対応して、上述したメダル判別装置1が組み込まれている。そして、このメダル判別装置1において、所定規格以外のメダルは、筐体の前面下部に設けられた排出皿207に排出されるようになっている。このように、メダル判別装置は、各種の遊技機内に予め組み込んでおくことも可能である。
【0083】
また、投入口から投入されるメダルについては、上述した実施形態のように、単にメダルを落下方向に案内するのではなく、搬送機構等を用いて搬送するような構成であっても良い。また、遊技媒体で判別される遊技媒体については、円板形状以外の形状のものを処理できるようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明に係る遊技媒体判別装置は、遊技機に限られず、一般の自動販売機や、各種のチケット等の発券装置等に適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明に係る遊技媒体判別装置を遊技機に対して外付けするタイプの一構成例を示す収容体の斜視図。
【図2】遊技媒体判別装置の一構成例を示す斜視図。
【図3】遊技媒体判別装置をメダル投入口側から見た正面図。
【図4】遊技媒体判別装置の側面図。
【図5】メダルの案内経路を示す遊技媒体判別装置の側面図。
【図6】メダルの案内経路の裏側を示す遊技媒体判別装置の側面図。
【図7】選別機構の動作を説明する概略図であり、(a)は選別を行わない状態を示す図、(b)はメダルの径を選別する状態を示す図、そして、(c)はメダルの厚さを選別する状態を示す図。
【図8】制御回路基板の構成を示すブロック図。
【図9】遊技媒体判別装置における制御処理動作の一例を示すフローチャート。
【図10】選別機構における角部材に形成されたテーパ部の作用を説明する図。
【図11】選別機構の一変形例を示す図。
【図12】遊技機の一実施形態を示す図。
【符号の説明】
【0086】
1 メダル判別装置(遊技媒体判別装置)
3a 案内路
10 選別機構
13 レバー部材(支持部材)
16A,16B 角部材(当接部材)
16a,16b テーパ部
30 抑止機構
33c 抑止片
50 振分機構
51 振分レバー
55 処理経路
56 排出経路
60,61,62 センサ
65 情報処理部
66 リーダライタ(非接触型のアンテナ)
70 制御回路基板
100 収容体
101 メダル投入口
105 返却口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入口から投入される遊技媒体を案内する案内路と、
前記案内路において、遊技媒体の外径及び厚さが所定値以上のものを保持し、それより小さいものは通過させるように選別する一対の当接部材を備えた選別機構と、
前記選別機構により選別された遊技媒体を、所定の排出経路又は所定の処理経路に振り分ける振分機構と、
を有することを特徴とする遊技媒体判別装置。
【請求項2】
前記一対の当接部材は、選別位置と非選別位置との間で移動可能な支持部材に支持されており、
前記支持部材が選別位置にあるとき、前記一対の当接部材は、前記所定値以上の外径の遊技媒体を保持するように離間していると共に、前記案内路の表面との間で前記所定値以上の厚さの遊技媒体を保持するように前記支持部材に支持されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技媒体判別装置。
【請求項3】
前記一対の当接部材は、先端領域が先端に移行するに従って細径化されており、かつ一方の当接部材と案内路の表面との間で、前記所定値より厚さが薄い遊技媒体を通過させるように隙間を規定することを特徴とする請求項2に記載の遊技媒体判別装置。
【請求項4】
前記案内路は垂直方向に延在して、前記遊技媒体を落下方向に案内することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の遊技媒体判別装置。
【請求項5】
前記選別機構で遊技媒体が保持されている間、次に投入された遊技媒体の進入を抑止する抑止機構を設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の遊技媒体判別装置。
【請求項6】
前記遊技媒体判別装置は、予め遊技関連情報を記録した遊技媒体を処理することが可能であり、
前記案内路に、前記選別機構で遊技媒体が保持されている間、保持されている遊技媒体に記録されている遊技関連情報の読み取りを可能にする情報処理部を配置したことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の遊技媒体判別装置。
【請求項7】
投入口から投入される遊技媒体を案内する案内路と、
前記案内路において、遊技媒体の形状に基づき、所定規格の遊技媒体は保持し、所定規格以外の遊技媒体は通過させるように選別する一対の当接部材を備えた選別機構と、
前記選別機構により選別された遊技媒体を、所定の排出経路又は所定の処理経路に振り分ける振分機構と、
を有することを特徴とする遊技媒体判別装置。
【請求項8】
遊技装置を設置した筐体を備えた遊技機において、
前記筐体の内部に、
前記筐体に設けられた投入口から投入される遊技媒体を案内する案内路と、
前記案内路において、遊技媒体の形状に基づき、所定規格の遊技媒体は保持し、所定規格以外の遊技媒体は通過させるように選別する一対の当接部材を備えた選別機構と、
前記選別機構により選別された遊技媒体を、所定の排出経路又は所定の処理経路に振り分ける振分機構とを有する遊技媒体判別装置を組み込んだことを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−72485(P2006−72485A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−252409(P2004−252409)
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】