説明

遊技媒体計数システム、計数結果出力装置、及び処理忘れ防止方法

【課題】遊技に使用可能な残存する有価価値の遊技客による処理忘れを予防する。
【解決手段】遊技客が獲得した遊技媒体を計数し、計数結果を出力する遊技媒体計数システムであって、遊技媒体を受け入れて計数する計数部と、遊技に使用可能な有価価値を特定可能な記録情報が記録された記録媒体から前記記録情報を取得する記録情報取得部と、前記計数部による遊技媒体の計数時に、前記記録情報取得部により前記記録情報が取得された場合、当該記録情報に基づいて前記有価価値を特定する有価価値特定部と、前記有価価値特定部により特定された有価価値が残存するか否かを判定する判定部と、前記判定部による判定結果に関わる情報を報知する報知部とを有する遊技媒体計数システムとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技媒体計数システム、計数結果出力装置、及び処理忘れ方法に関するものであり、特に、遊技に使用可能な有価価値の遊技客による処理忘れを防止する遊技媒体計数システム、計数結果出力装置、及び有価価値の処理忘れ防止方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、パチンコ店等の遊技店において遊技客が獲得した遊技媒体を計数するシステムとして、各遊技台に対応して併設された各台装置(以下、「CRユニット」という。)により、対応する遊技台から払出された遊技媒体を各遊技台単位で計数する各台計数システムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この各台計数システムでは、遊技客が予め遊技店に会員登録して会員カードの発行を受けている場合、会員は、会員カードをCRユニットに挿入した状態で遊技を開始する。そして、会員が遊技を終了する際にカード返却操作を行うと、CRユニットは、対応する遊技台から払出された遊技媒体の計数結果を会員カードの識別情報に関連付けたうえで、会員カードを会員へ返却する。
【0004】
また、CRユニットは、会員が遊技媒体を借り受けるために支払った現金から実際に借り受けた遊技媒体数に相当する額を差引いた残高(以下、「プリペイド残高」という。)が残っていた場合、そのプリペイド残高も会員カードの識別情報に関連付けたうえで、会員カードを会員へ返却する。
【0005】
一方、遊技客が会員でない場合、その遊技客が遊技を終了する際にカード返却操作を行うと、CRユニットは、内部に装填されているカード(以下、会員カードと区別するため、「一般カード」という。)に記録されている識別情報に、遊技媒体の計数結果を関連付けて、一般カードを遊技客へ発行する。また、このときCRユニットは、プリペイド残高がある場合、一般カードの識別情報にプリペイド残高を関連付けて、一般カードを遊技客へ発行する。会員カード及び一般カードの識別情報に関連付けられた遊技媒体数やプリペイド残高は、所定の管理装置によって管理される。
【0006】
遊技客は、受取った会員カード又は一般カードを他の遊技台に併設されたCRユニットに挿入することによって、各カードの識別情報に関連付けられて管理されている遊技媒体数又はプリペイド残高を上限として、遊技媒体の払出を受けて遊技を再開することができる。また、遊技客は、会員カード又は一般カードの識別情報に関連付けられて管理されている遊技媒体数を上限として、その遊技媒体と所望する景品とを交換することもできる。
【0007】
会員カードや一般カードの一般的な運用では、遊技客が遊技で獲得した遊技媒体(例えば、持玉等。)の有効期限は当日限りとされ、翌日以降にその遊技媒体は遊技店に没収される。但し、会員カードを使用している場合、有効期限の過ぎた遊技媒体は、自動的にその会員の貯遊技媒体(例えば、貯玉等。)として遊技店に預け入れられることになる。
【0008】
なお、会員カード又は一般カードの識別情報にプリペイド残高が関連付けられている場合、会員は、その会員カード又は一般カードを所定の精算機へ挿入して所定の操作を行うことによりプリペイド残高を精算して、プリペイド残高に相当する額の現金を受取ることができる。
【0009】
このプリペイド残高の精算処理は、一般的には当日限り可能とされており、翌日以降は、精算することはできなくなるが、翌日以降であっても遊技媒体の借り受け(例えば、玉貸し等。)には使用が認められる。但し、別途設定される有効期限(例えば、1ヶ月等。)が過ぎれば遊技媒体の借り受けにも使用できなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−229112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記会員カード及び一般カードの各識別情報には、遊技客が獲得した遊技媒体とプリペイド残高という2種類の有価価値が関連付けられているため、遊技客の中には、識別情報に関連付けられて管理されている遊技媒体と景品との交換、又はプリペイド残高の精算のうち、いずれか一方を忘れる遊技客も少なくない。
【0012】
また、近年の遊技店には、上記した各台計数システムが導入されている遊技エリアと、各台計数システムが導入されていない遊技エリアとが混在する店舗がある。かかる店舗においては、各台計数機能を備えたCRユニットに併設された遊技台で遊技した遊技客が、その後、各台計数機能を備えていないCRユニットに併設された遊技台で遊技を行う場合がある。
【0013】
この場合、遊技客は、各台計数機能を備えていないCRユニットに併設された遊技台で獲得した遊技媒体については、遊技店内の所定位置に設置された計数機で計数し、計数機から出力される計数結果が印字されたレシートを店員に手渡して景品と交換し、各台計数機能を備えたCRユニットに併設された遊技台で獲得した遊技媒体については、別途会員カード又は一般カードを店員に手渡して景品交換する必要がある。さらに、プリペイド残高がある場合に、会員は所定の精算機でプリペイド残高の精算を行わなければならない。
【0014】
そのため、遊技客は、会員カードや一般カードの識別情報に関連付けられて管理されている遊技媒体と景品との交換、又はプリペイド残高の精算を忘れる可能性が高くなり、その結果、遊技店との間でトラブルが生じるおそれがある。
【0015】
すなわち、会員カードや一般カードの識別情報に関連付けられて管理される遊技媒体やプリペイド残高には、一般的に有効期限が設定されており、かかる有効期限として当日限りこれら遊技媒体及びプリペイド残高を有効とする遊技店が多いため、遊技媒体と景品との交換やプリペイド残高の精算が行われないまま、その会員カードや一般カードが遊技客により持ち帰られ、翌日になった場合には、前日まで有効であった有価媒体やプリペイド残高が全て無効になってしまい、これが原因となって遊技店と遊技客との間でトラブルが生じてしまうこととなる。
【0016】
そこで、本発明は、上述した従来技術による課題(問題点)を解消するためになされたものであり、遊技に使用可能な残存する有価価値の遊技客による処理忘れを予防することができる遊技媒体計数システム、計数結果出力装置、及び処理忘れ防止方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明では、遊技客が獲得した遊技媒体を計数し、計数結果を出力する遊技媒体計数システムであって、遊技媒体を受け入れて計数する計数部と、遊技に使用可能な有価価値を特定可能な記録情報が記録された記録媒体から前記記録情報を取得する記録情報取得部と、前記計数部による遊技媒体の計数時に、前記記録情報取得部により前記記録情報が取得された場合、当該記録情報に基づいて前記有価価値を特定する有価価値特定部と、前記有価価値特定部により特定された有価価値が残存するか否かを判定する判定部と、前記判定部による判定結果に関わる情報を報知する報知部とを有する遊技媒体計数システムを提供することとした。
【0018】
また、本発明は、前記遊技媒体計数システムにおいて、前記判定部は、前記記録情報に基づいて、遊技客が支払った有価価値から遊技客が借り受けた遊技媒体数に相当する有価価値を差引いた残高があるか否かを判定し、前記報知部は、前記判定部により前記残高があると判定された場合に、判定結果に関わる情報を報知することを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、前記遊技媒体計数システムにおいて、前記判定部は、前記記録情報に基づいて、遊技客が獲得して保有している遊技媒体の残高があるか否かを判定し、前記判定部により前記残高があると判定された場合に、判定結果に関わる情報を報知することを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、前記遊技媒体計数システムにおいて、前記報知部は、前記判定結果に関わる情報として、前記残高、及び前記残高の精算を促す情報を報知することを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、前記遊技媒体計数システムにおいて、前記報知部は、前記判定結果に関わる情報として、前記残高、及び前記残高の景品への交換を促す情報を報知することを特徴とする。
【0022】
また、本発明は、前記遊技媒体計数システムにおいて、前記報知部は、前記判定結果に関わる情報を表示する表示部を有することを特徴とする。
【0023】
また、本発明は、前記遊技媒体計数システムにおいて、前記報知部は、前記判定結果に関わる情報を前記計数部による計数結果と共に印字出力する印字出力部を有することを特徴とする。
【0024】
また、本発明では、遊技客が獲得した遊技媒体を計数する計数装置と接続され、前記計数装置の計数結果を出力する計数結果出力装置であって、遊技に使用可能な有価価値を特定可能な記録情報が記録された記録媒体から前記記録情報を取得する記録情報取得部と、前記計数部による遊技媒体の計数時に、前記記録情報取得部により前記記録情報が取得された場合、前記記録情報に基づいて前記有価価値を特定する有価価値特定部と、前記有価価値特定部により特定された有価価値が残存するか否かを判定する判定部と、前記判定部による判定結果に関わる情報を報知する報知部とを有する計数結果出力装置を提供することとした。
【0025】
また、本発明では、遊技に使用可能な有価価値の遊技客による処理忘れを防止する処理忘れ防止方法であって、遊技媒体を受け入れて計数する計数ステップと、遊技に使用可能な有価価値を特定可能な記録情報が記録された記録媒体から前記記録情報を取得する記録情報取得ステップと、前記計数ステップによる遊技媒体の計数時に、前記記録情報取得ステップにより前記記録情報が取得された場合、当該記録情報に基づいて前記有価価値を特定する有価価値特定ステップと、前記有価価値特定ステップにより特定された有価価値が残存するか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップによる判定結果に関わる情報を報知する報知ステップとを有する処理忘れ防止方法を提供することとした。
【発明の効果】
【0026】
本発明では、遊技客が獲得した遊技媒体を計数し、計数結果を出力する遊技媒体計数システムであって、遊技媒体を受け入れて計数する計数部と、遊技に使用可能な有価価値を特定可能な記録情報が記録された記録媒体から前記記録情報を取得する記録情報取得部と、前記計数部による遊技媒体の計数時に、前記記録情報取得部により前記記録情報が取得された場合、当該記録情報に基づいて前記有価価値を特定する有価価値特定部と、前記有価価値特定部により特定された有価価値が残存するか否かを判定する判定部と、前記判定部による判定結果に関わる情報を報知する報知部とを有する遊技媒体計数システムを提供することとしたため、遊技客が遊技媒体を計数する際に、遊技に使用可能な有価価値が残存していた場合、その旨を報知することによって、遊技客に残高分の有価価値の処理を促すことができるので、遊技客による有価価値の処理忘れを予防することができる。
【0027】
また、本発明は、前記遊技媒体計数システムにおいて、前記判定部は、前記記録情報に基づいて、遊技客が支払った有価価値から遊技客が借り受けた遊技媒体数に相当する有価価値を差引いた残高があるか否かを判定し、前記報知部は、前記判定部により前記残高があると判定された場合に、判定結果に関わる情報を報知することを特徴とするため、有価価値に残高がある場合に、その残高分の有価価値の処理忘れを予防することができる。
【0028】
また、本発明は、前記遊技媒体計数システムにおいて、前記判定部は、前記記録情報に基づいて、遊技客が獲得して保有している遊技媒体の残高があるか否かを判定し、前記判定部により前記残高があると判定された場合に、判定結果に関わる情報を報知することを特徴とするため、遊技媒体に残高がある場合に、その残高分の遊技媒体の処理忘れを予防することができる。
【0029】
また、本発明は、前記遊技媒体計数システムにおいて、前記報知部は、前記判定結果に関わる情報として、前記残高、及び前記残高の精算を促す情報を報知することを特徴とするため、遊技客に対して、有価価値の残高分を精算するように促すことができる。
【0030】
また、本発明は、前記遊技媒体計数システムにおいて、前記報知部は、前記判定結果に関わる情報として、前記残高、及び前記残高の景品への交換を促す情報を報知することを特徴とするため、遊技客に対して、残存する遊技媒体を景品と交換するように促すことができる。
【0031】
また、本発明は、前記遊技媒体計数システムにおいて、前記報知部は、前記判定結果に関わる情報を表示する表示部を有することを特徴とするため、表示部に表示される情報を参照して、店員等が遊技客へ残高の処理を喚起することができる。
【0032】
また、本発明は、前記遊技媒体計数システムにおいて、前記報知部は、前記判定結果に関わる情報を前記計数部による計数結果と共に印字出力する印字出力部を有することを特徴とするため、遊技客は、計数結果を確認する際等に、印字出力された情報により有価価値に残高があることを再確認することができる。
【0033】
また、本発明では、遊技客が獲得した遊技媒体を計数する計数装置と接続され、前記計数装置の計数結果を出力する計数結果出力装置であって、遊技に使用可能な有価価値を特定可能な記録情報が記録された記録媒体から前記記録情報を取得する記録情報取得部と、前記計数部による遊技媒体の計数時に、前記記録情報取得部により前記記録情報が取得された場合、前記記録情報に基づいて前記有価価値を特定する有価価値特定部と、前記有価価値特定部により特定された有価価値が残存するか否かを判定する判定部と、前記判定部による判定結果に関わる情報を報知する報知部とを有する計数結果出力装置を提供することとしたため、遊技客が遊技媒体を計数する際に、遊技に使用可能な有価価値が残存していた場合、その旨を報知することによって、遊技客に残高分の有価価値の処理を促すことができるので、遊技客による有価価値の処理忘れを予防することができる。
【0034】
また、本発明では、遊技に使用可能な有価価値の遊技客による処理忘れを防止する処理忘れ防止方法であって、遊技媒体を受け入れて計数する計数ステップと、遊技に使用可能な有価価値を特定可能な記録情報が記録された記録媒体から前記記録情報を取得する記録情報取得ステップと、前記計数ステップによる遊技媒体の計数時に、前記記録情報取得ステップにより前記記録情報が取得された場合、当該記録情報に基づいて前記有価価値を特定する有価価値特定ステップと、前記有価価値特定ステップにより特定された有価価値が残存するか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップによる判定結果に関わる情報を報知する報知ステップとを有する処理忘れ防止方法を提供することとしたため、遊技客が遊技媒体を計数する際に、遊技に使用可能な有価価値が残存していた場合、その旨を報知することによって、遊技客に残高分の有価価値の処理を促すことができるので、遊技客による有価価値の処理忘れを予防することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1は、本実施形態に係る計数結果出力装置1が設置された遊技店における各装置の接続態様及び本発明の概要を示す説明図である。
【図2】図2は、本実施形態に係る計数結果出力装置1の構成を示す機能ブロック図である。
【図3】図3は、本実施形態に係る会員管理装置から送信される持玉情報・残高情報の一例を示す説明図である。
【図4】図4は、本実施形態に係る計数結果出力装置で実行される処理を示すフローチャートである。
【図5】図5は、本実施形態に係る計数結果出力装置で実行される処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明に係る遊技媒体計数システム、計数結果出力装置及び処理忘れ防止方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態では、遊技客がパチンコ台での遊技により獲得したパチンコ玉を計数する遊技媒体計数システム、計数結果出力装置及び処理忘れ防止方法に対して本発明を適用した場合について説明するが、本発明は、これに限定されるものではなく、所謂パチスロ機で用いられるメダル等、他の遊技媒体を計数する遊技媒体計数システム、計数結果出力装置及び処理忘れ防止方法に対して適用することができるものである。
【0037】
図1は、本実施形態に係る計数結果出力装置1が設置された遊技店における各装置の接続態様及び本発明の概要を示す説明図である。図1に示すように、この遊技店には、各台計数システムが導入された低レートコーナーAと、各台計数システムが導入されていない高レートコーナーBという2種類の遊技エリアが設けられている。
【0038】
低レートコーナーAは、遊技客が1個のパチンコ玉を1円で借りて遊技を行うことができる遊技エリアであり、高レートコーナーBは、遊技客が1個のパチンコ玉を4円で借りて遊技を行うことができる遊技エリアである。
【0039】
低レートコーナーAに設置されているパチンコ台Pには、それぞれ対応して各台計数機能を備えたCR(Card Reader)ユニット3が設けられている。図中の符号31は、対応するパチンコ台Pから賞球として払出されたパチンコ玉を下皿から受付けて、その個数を計数する各台計数部である。
【0040】
このCRユニット3は、遊技客がパチンコ玉を借り受けるために現金を投入する現金投入部32が設けられている。遊技客は、この現金投入部32に現金を投入して、CRユニット3又はパチンコ台Pを所定操作することによって、CRユニット3から所定個数のパチンコ玉を借り受けて遊技を行う。
【0041】
また、CRユニット3は、遊技客が会員カードC又は一般カードを挿入するカード挿入部33等を備えている。ここで、会員カードCとは、予め遊技店に会員登録した遊技客(以下、「会員」という。)に対して遊技店が発行したカードである。この会員カードCには、各会員に対して割当てられた識別情報(以下、「会員ID」という。)が記録されている。
【0042】
また、この会員IDには、各会員に関する会員情報として、会員の氏名、住所、電話番号、その会員が当日に獲得したパチンコ玉(以下、「持玉」という。)数、当日にパチンコ玉を借り受けるために支払った現金から実際に借り受けたパチンコ玉に相当する分の金額を差引いた残額(以下、「プリペイド残高」という。)、その会員が遊技店に預けているパチンコ玉(以下、「貯玉」という。)数等の情報が関連付けられている。この会員情報は、後述の会員管理装置6によって管理される。
【0043】
そして、遊技客は、持玉数、貯玉数、プリペイド残高がある場合、会員カードCをCRユニット3のカード挿入部33に挿入して、CRユニット3を所定操作することにより、CRユニット3から持玉数、貯玉数、プリペイド残高を上限としてパチンコ玉の払出しを受けて遊技を行う。
【0044】
また、一般カードとは、予めCRユニット3に装填されているカードであり、内部に各一般カードを一意に特定するための識別情報(以下、「カードID」という。)が記録されている。この一般カードは、遊技客が遊技を終了する際に、CRユニット3を所定操作すると、その時の遊技客の持玉数とプリペイド残高とがカードIDに関連付けられたうえで、カード挿入部33から遊技客へ発行される。カードIDに関連付けられた持玉数やプリペイド残高は、後述の一般管理装置5によって管理される。
【0045】
そして、会員以外の遊技客は、パチンコ台Pを移動して遊技を再開する場合、カードIDに持玉数又はプリペイド残高が関連付けられている一般カードをCRユニット3のカード挿入部33に挿入して、CRユニット3を所定操作することにより、CRユニット3から持玉数、プリペイド残高を上限としてパチンコ玉の払出しを受けて遊技を行う。
【0046】
本実施形態では、上記会員ID及びカードIDが、本発明における遊技に使用可能な有価価値を特定可能な記録情報に相当する。
【0047】
本実施形態における遊技店では、一般的な遊技店と同様に、遊技客が保有している持玉及びプリペイド残高に当日限り有効という有効期限を設けている。すなわち、遊技客は、持玉を保有している場合、当日中に持玉を所定の景品交換装置によって景品と交換しなければ、翌日にその持玉は無効となる。なお、会員カードを使用している場合、有効期限の過ぎた持玉は自動的に貯玉に加算される。
【0048】
また、遊技客は、プリペイド残高を保有している場合、当日中にプリペイド残高を所定の精算機で精算しなければ、翌日以降にそのプリペイド残高を精算できなくなる。なお、このプリペイド残高は、翌日以降であっても、玉貸しについては使用できる。但し、別途設定される有効期限(例えば、1ヶ月等)が過ぎれば玉貸しにも使用できなくなる。
【0049】
高レートコーナーBに設置されているパチンコ台Pには、それぞれに対応して各台計数機能を備えていないCRユニット4が設けられている。このCRユニット4にも、低レートコーナーAに設けられているCRユニット3と同様に、現金投入部42とカード挿入部43とが設けられている。
【0050】
各CRユニット3、4は、それぞれ一般管理装置5と通信可能に接続されている。一般管理装置5は、各CRユニット3、4がカードIDに持玉数やプリペイド残高を関連付けて一般カードを発行した際に、その一般カードのカードIDと持玉数やプリペイド残高を示す情報をCRユニット3、4から受信して、所定の記憶部に記憶して管理する。
【0051】
また、この一般管理装置5は、会員管理装置6と通信可能に接続されている。そして、一般管理装置5は、各CRユニット3、4が会員IDに持玉数やプリペイド残高を関連付けて会員カードCを会員へ返却した場合に、返却した会員カードCの会員IDと、持玉数やプリペイド残高を示す情報をCRユニット3、4から受信して、会員管理装置6へ送信する。
【0052】
会員管理装置6は、一般管理装置5から受信した会員ID、持玉数、プリペイド残高を所定の記憶部に記憶して管理する。また、この会員管理装置6は、計数結果出力装置1と通信可能に接続されている。
【0053】
そして、この会員管理装置6は、店員が計数結果出力装置1を操作して、会員が計数機2で計数したパチンコ玉に関して貯玉を選択した場合に、計数結果出力装置1から会員IDと計数結果とを受信して、その会員IDに関連付けて計数結果に相当する分のパチンコ玉数を貯玉として記憶して管理する。
【0054】
計数機2は、遊技店内の数箇所に設けられ、遊技客が各台計数システムが投入されていない高レートコーナーBで獲得した現物のパチンコ玉を計数する装置であり、通常、遊技店の店員が顧客の依頼を受けて操作する装置である。この計数機2は、計数結果出力装置1と通信可能に接続されており、パチンコ玉の計数が完了すると、その計数結果を示す計数結果信号を計数結果出力装置1へ送信する。さらに、本実施形態において、この計数機2は、パチンコ玉の計数を開始した際に、その旨を示す計数開始信号を計数結果出力装置1へ送信する。
【0055】
計数結果出力装置1は、会員カードC又は一般カードを受付けて、その会員カードC又は一般カードから識別情報である会員ID又はカードIDを読取って取得する識別情報取得部11、計数機2による計数結果等の各種情報を表示する表示部131、計数機2による計数結果が印字されたレシートRを出力する印字出力部132、当該計数結果出力装置1を動作させるために遊技店の店員が操作する操作部12とを備えている。なお、この計数結果出力装置1の詳細な構成については後述する。
【0056】
この計数結果出力装置1は、遊技店の店員が遊技客の依頼を受けて操作して、計数機2から受信したパチンコ玉の計数結果を印字したレシートRを出力する装置である。また、この計数結果出力装置1は、会員が計数結果に相当する分のパチンコ玉を貯玉として遊技店に預けることを所望した場合、店員の操作に基づいて、識別情報取得部11により取得した会員IDと計数機2から受信した計数結果とを会員管理装置6へ送信することにより、そのときの計数結果に相当する分のパチンコ玉を貯玉として会員管理装置6に管理させる。
【0057】
特に、この計数結果出力装置1は、会員カードCの会員IDや一般カードのカードIDに関連付けられている持玉、プリペイド残高等の有価価値に残高がある場合に、その残高分の有価価値について、景品交換や精算等の処理忘れを遊技客に注意喚起することによって、遊技客による有価価値の処理忘れを予防することができるように構成している。
【0058】
ここで、ある会員がパチンコ台Pを移動しながら遊技を行って、遊技終了後に計数機2でパチンコ玉の計数を行う場合に、その会員に対して有価価値の処理忘れを注意喚起する場合の一例について、図1を用いて説明する。
【0059】
まず、ある会員が低レートコーナーAで遊技を行う(1)。ここで、その会員が持玉2000個を獲得し、プリペイド残高として8000円を保有している状態で台移動を行う(2)。このとき、会員IDに持玉2000個と、プリペイド残高8000円が関連付けられた会員カードCが会員へ返却される。
【0060】
次に、その会員が高レートコーナーBで遊技を行う(3)。このとき、会員は、低レートコーナーAで使用した会員カードCを使用して遊技を行う。そして、会員は、高レートコーナーBでプリペイド残高のうち6000円を使い、玉箱2箱分のパチンコ玉を獲得して遊技を終了する(4)。
【0061】
このとき、会員は、会員カードCの会員IDに関連付けられている2000個の持玉(低レート)と、2000円分のプリペイド残高と、2箱分の実物のパチンコ玉(高レート)とを保有している。その後、会員の依頼により店員が計数機2で2箱分のパチンコ玉(高レート)の計数を行う(5)。
【0062】
そして、会員が会員カードCを計数結果出力装置1の識別情報取得部11に挿入すると(6)、計数結果出力装置1は、会員カードCから会員IDを取得し、その会員IDに関連付けられて管理されている持玉とプリペイド残高に関する情報を会員管理装置6から取得する。ここでは、会員IDに2000個(低レート)の持玉と2000円のプリペイド残高が関連付けられているため、計数結果出力装置1は、「プリペイド残高あり・・精算して下さい。」、「持玉あり・・景品交換してください。」という喚起表示を表示部131に表示させる(7)。店員は、この喚起表示により、その会員が現物のパチンコ玉(高レート)以外に、低レートの持玉とプリペイド残高を保有していることを確認して、その会員に対して、口頭で低レートの持玉及びプリペイド残高の処理忘れを注意喚起する(8)。
【0063】
このように、本実施形態の計数結果出力装置1では、遊技客が計数機2で現物のパチンコ玉(高レート)の計数を行ってもらう際に、会員カードCや一般カードの識別情報(会員ID又はカードID)に関連付けられた持玉(低レート)又はプリペイド残高があった場合、その旨を会員に報知して、それら持玉やプリペイド残高等の有価価値の処理を注意喚起することができるので、遊技客による有価価値の処理忘れを予防することができる。
【0064】
また、ここでは、店員が遊技客に対して口頭で有価価値の処理忘れを注意喚起しているが、計数結果出力装置1では、表示部131に喚起表示を表示させるので、遊技客は、この喚起表示を確認することによって自身で処理が必要な持玉やプリペイド残高を保有していることを再認識することができる。
【0065】
また、この計数結果出力装置1は、計数機2による計数結果を印字出力する印字出力部132を備えているため、喚起表示だけにとどまらず、喚起表示した内容を計数結果と共にレシートRに印字して出力することもできる。このように、レシートRに喚起表示した内容を計数結果と共に印字して出力させることにより、遊技客は、計数機2を離れた後も、計数結果を確認する際等に、印字出力された情報により会員カードC又は一般カードの識別情報(会員ID又はカードID)に関連付けられた持玉やプリペイド残高があることを再確認することができる。
【0066】
次に、計数結果出力装置1の構成について説明する。図2は、本実施形態に係る計数結果出力装置1の構成を示す機能ブロック図である。同図には、計数結果出力装置1の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。図2に示すように、計数結果出力装置1は、識別情報取得部11と、操作部12と、報知部13と、通信部14と、制御部15とを備えている。
【0067】
識別情報取得部11は、会員ID取得部111とカードID取得部112とを備えている。会員ID取得部111は、会員カードCを受付けて、その会員カードCの磁気記録領域に記録された会員IDを読取って取得し、その会員IDを制御部15へ出力する処理部である。カードID取得部112は、一般カードを受付けて、その一般カードに内蔵されている非接触型ICチップからカードIDを受信して取得し、そのカードIDを制御部15へ出力する処理部である。
【0068】
操作部12は、複数の操作ボタンにより構成しており、具体的には、計数機2により計数されたパチンコ玉を貯玉として会員管理装置6に管理させるために操作する貯玉ボタン、表示部131に表示中の喚起表示を停止させるために操作する喚起表示解除ボタン等を備えている。貯玉ボタンは、店員等に操作されると、その旨を示す操作信号を制御部15へ出力する。また、喚起表示解除ボタンは、店員等により操作されると、その旨を示す操作信号を制御部15を経由して表示部131へ出力する。
【0069】
報知部13は、計数機2によるパチンコ玉の計数結果、及び制御部15が備える後述の判定部152による判定結果に関わる情報を報知する処理部であり、表示部131と印字出力部132とを備えている。
【0070】
表示部131は、液晶表示装置により構成しており、制御部15の制御により動作して、計数機2によるパチンコ玉の計数結果を表示する。また、この表示部131は、識別情報取得部11により取得された識別情報(会員ID又はカードID)に関連付けられて管理されている持玉(低レート)又はプリペイド残高がある場合に、その持玉やプリペイド残高に関する情報を表示する。
【0071】
このとき、表示部131は、持玉(低レート)がある場合、その持玉の景品との交換を遊技客に促す情報を表示し、プリペイド残高がある場合、そのプリペイド残高の精算を遊技客に促す情報を表示する。
【0072】
印字出力部132は、表示部131に表示した内容を含む情報を印刷したレシートRを出力する印刷装置により構成している。この印字出力部132は、制御部15による制御に従って動作してレシートRを出力する。
【0073】
通常、この印字出力部132は、計数結果(計数値)や計数日時、計数機番号(号機)等を印字した計数レシートを発行(出力)する。また、印字出力部132は、設定に応じて、プリペイド価値や持玉が残存している場合に、遊技客に対して精算処理等を忘れないように注意を喚起する注意喚起レシートを発行(出力)する。
【0074】
通信部14は、計数機2、一般管理装置5、会員管理装置6との間で各種情報の送受信を行う処理部である。この通信部14は、計数機2からパチンコ玉の計数を開始したことを示す計数開始信号や計数結果を示す計数結果信号を受信すると、それら計数開始信号や計数結果信号を制御部15へ出力する。
【0075】
また、通信部14は、一般管理装置5又は会員管理装置6から持玉数を示す持玉情報、又はプリペイド残高を示す残高情報を受信すると、それら持玉情報や残高情報を制御部15へ出力する。
【0076】
制御部15は、当該計数結果出力装置1全体の動作を統括制御する処理部であり、価値情報取得部151と判定部152とを備えている。価値情報取得部151は、計数機2から送信された計数開始信号が入力され、且つ会員ID取得部111から会員IDが入力されると(会員カードCの場合)、その会員IDに関連付けられて会員管理装置6に管理されている持玉情報と残高情報の送信を要求する持玉情報・残高情報要求を会員管理装置6へ送信し、その応答として、会員管理装置6から持玉情報及び残高情報等の価値情報を受信して取得し、判定部152へ出力する処理部である。
【0077】
図3は、本実施形態に係る会員管理装置6から送信される持玉情報・残高情報の一例を示す説明図である。図3に示すように、たとえば、図1に示した一連の遊技の流れの場合、会員は、2000個の持玉と、2000円のプリペイド残高を保有しているため、持玉情報として低レート持玉:2000、残高情報としてプリペイド残高:2000という情報が会員管理装置6から当該計数結果出力装置1へ送信される。
【0078】
また、この価値情報取得部151は、計数機2から送信された計数開始信号が入力され、且つカードID取得部112からカードIDが入力されると(一般カードの場合)、そのカードIDに関連付けられて一般管理装置5に管理されている持玉情報と残高情報の送信を要求する持玉情報・残高情報要求を一般管理装置5へ送信し、その応答として、一般管理装置5から持玉情報及び残高情報等の価値情報を受信して取得し、判定部152へ出力する。
【0079】
判定部152は、価値情報取得部151から入力された価値情報(持玉情報・残高情報)に基づいて、識別情報取得部11から入力された識別情報(会員ID又はカードID)に関連付けられて管理されている持玉数及びプリペイド残高に残高があるか否かを判定する処理部である。
【0080】
そして、この判定部152は、識別情報(会員ID又はカードID)に関連付けられて管理されている持玉数及びプリペイド残高に残高があると判定した場合に、会員管理装置6又は一般管理装置5から送信された持玉情報・残高情報を表示部131に表示させる。また、この判定部152は、持玉がある場合、その持玉の景品への交換を遊技客に促す情報を表示部131に表示させ、プリペイド残高がある場合、そのプリペイド残高の精算を遊技客に促す情報を表示部131に表示させる。更に、判定部152は、表示部131に表示させた内容を含む情報を印字したレシートRを印字出力部132に出力させる。
【0081】
なお、図2には、計数結果出力装置1の機能的な構成を示したが、この計数結果出力装置1は、物理的にはCPU(Central Processing Unit)とROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)とを有する情報処理装置を備えており、CPUがROMから各種プログラムを読出し、RAMを作業領域として使用して実行することにより、識別情報取得部11、操作部12、報知部13、通信部14等の動作を統括制御する。次に、このCPUが実行する処理について説明する。
【0082】
図4及び図5は、本実施形態に係る計数結果出力装置1で実行される処理を示すフローチャートである。なお、ここでは、喚起表示に関する処理について説明することとし、それ以外の処理については説明を省略する。計数結果出力装置1のCPU(以下、単に「CPU」という。)は、計数結果出力装置1に電源が投入されると、図4に示す処理を開始し、一度、これら一連の処理を終了すると、再度ステップS101から処理を開始する。
【0083】
CPUは、計数結果出力装置1に電源が投入されると、図4に示すように、まず、計数機2から計数開始信号を受信したか否かの判定を行い(ステップS101)、計数開始信号を受信したと判定した場合に(ステップS101:Yes)、処理をステップS102へ移す。一方、CPUは、計数開始信号を受信していないと判定した場合(ステップS101:No)、計数開始信号を受信するまでステップS101の判定処理を繰り返す。
【0084】
ステップS102において、CPUは、識別情報取得部11への会員カードC又は一般カードの挿入を促すカード挿入要求表示を表示部131に表示させ、その後、識別情報取得部11により会員ID又はカードIDを取得したか否かの判定を行う(ステップS103)。
【0085】
そして、CPUは、会員ID又はカードIDを取得したと判定した場合に(ステップS103:Yes)、処理をステップS104へ移す。一方、CPUは、会員ID又はカードIDを受信していないと判定した場合(ステップS103:No)、スキップ操作があったか否かの判定を行う(ステップS113)。
【0086】
このとき、CPUは、操作部12からスキップ信号を受信した場合に、スキップ操作があったと判定する。このスキップ信号は、会員カードCも一般カードも持たずに、パチンコ玉だけを持ってきた遊技客のために操作部12に設けられたスキップボタンが遊技客に操作された場合に、操作部12から制御部15へ送信される信号である。
【0087】
そして、CPUは、スキップ操作があったと判定した場合に(ステップS113:Yes)、処理をステップS109へ移す。一方、CPUは、スキップ操作がなかったと判定した場合(ステップS113:No)、処理をステップS103へ移す。
【0088】
ステップS104において、CPUは、ステップS103で取得が確認された識別情報(会員ID又はカードID)を管理している管理装置(一般管理装置5又は会員管理装置6)へ向けて、持玉情報・残高情報要求を送信させ、その応答として持玉情報・残高情報を受信して取得したか否かの判定を行う(ステップS105)。
【0089】
そして、CPUは、持玉情報・残高情報を受信したと判定した場合に(ステップS105:Yes)、処理をステップS106へ移す。一方、CPUは、持玉情報・残高情報を取得していないと判定した場合(ステップS105:No)、持玉情報・残高情報を取得するまで、ステップS105の判定処理を繰り返す。
【0090】
ステップS106において、ステップS105で取得が確認された持玉情報・残高情報に基づいて、持玉又はプリペイド残高があるか否かの判定を行い、持玉又はプリペイド残高があると判定した場合に(ステップS106:Yes)、処理をステップS107へ移す。一方、CPUは、持玉又はプリペイド残高がないと判定した場合(ステップS106:No)、処理をステップS109へ移す。
【0091】
ステップS107において、CPUは、持玉があった場合、持玉情報と持玉の景品への交換忘れを注意喚起する処理忘れ喚起表示を表示部131に表示させる。また、CPUは、プリペイド残高がある場合、残高情報と残高の精算忘れを注意喚起する処理忘れ喚起表示を表示部131に表示させる。
【0092】
続いて、CPUは、ステップS108において、喚起表示解除ボタンによる喚起表示解除操作があったか否かの判定を行い、喚起表示解除操作があったと判定した場合に(ステップS108:Yes)、処理をステップS109へ移す。一方、CPUは、喚起表示解除操作がないと判定した場合(ステップS108:No)、喚起表示解除操作があるまでステップS108の判定処理を繰り返す。
【0093】
ステップS109において、CPUは、計数機2から計数結果信号を受信したか否かの判定を行い、計数結果信号を受信したと判定した場合に(ステップS109:Yes)、処理をステップS110へ移す。一方、CPUは、計数結果信号を受信していないと判定した場合(ステップS109:No)、計数結果信号を受信するまでステップS109の判定処理を繰り返す。
【0094】
ステップS110において、CPUは、ステップS103で取得が確認された識別情報が会員IDであったか否かの判定を行い、会員IDであったと判定した場合に(ステップS110:Yes)、処理をステップS111へ移す。一方、CPUは、会員IDでなくカードIDであったと判定した場合(ステップS110:No)、処理をステップS113へ移す。
【0095】
ステップS111において、CPUは、貯玉ボタンによる貯玉操作があったか否かの判定を行い、貯玉操作があったと判定した場合に(ステップS111:Yes)、処理をステップS112へ移す。一方、CPUは、貯玉操作がなかったと判定した場合(ステップS111:No)、処理をステップS114へ移す。
【0096】
ステップS112において、CPUは、ステップS103で取得が確認された会員IDと、ステップS109で受信が確認された計数結果信号に基づく計数結果と、当該計数結果に相当するパチンコ玉を貯玉として管理させるための貯玉要求を会員管理装置6へ向けて送信させると共に、識別情報取得部11に挿入されている会員カードCを返却し、その後、処理を終了する。
【0097】
また、ステップS114において、CPUは、ステップS109で受信が確認された計数結果信号に基づく計数結果を印字したレシートRを出力させると共に、識別情報取得部11に挿入されているカード(会員カードC又は一般カード)を返却し、その後、処理を終了する。なお、持玉やプリペイド残高が残存している場合は、その価値の大きさや処理(持玉の場合は景品交換処理、プリペイド残高の場合は精算処理又は玉貸し処理)を行う旨の注意を喚起するメッセージが印字された注意喚起用のレシートRを合わせて出力する。カードが挿入されていない場合、当然、カードの返却は行わない。
【0098】
また、図4に示した処理では、計数機2によるパチンコ玉の計数が開始され、且つ識別情報取得部11により取得された会員ID又はカードIDに関連付けられて管理されている持玉又はプリペイド残高があった場合に、ステップS107において処理忘れ喚起表示を表示させる場合について説明したが、このステップS107の処理に代えて、図5に示す処理をCPUに実行させるように構成してもよい。
【0099】
かかる構成とする場合、図2に示した計数結果出力装置1の構成要件に、喚起表示を行った履歴情報を記憶する記憶部を更に設ける。この場合、記憶部には、過去に喚起表示を行った際に識別情報取得部11に挿入されていた会員カードの会員IDと、喚起表示を行った日時を示す情報とを関連付けて記憶させる。そして、制御部15は、この記憶部に記憶している履歴情報に基づいて、喚起表示を行うか否かを判定する。なお、図5に示す処理は、ステップS103で取得が確認された識別情報が会員IDであった場合にのみCPUが実行する処理である。
【0100】
すなわち、CPUは、図4に示すステップS106において、持玉又は残高があると判定した場合に(ステップS106:Yes)、処理を図5に示すステップS201へ移す。そして、CPUは、ステップS201において、記憶部に記憶している履歴情報を参照して、ステップS103(図4参照)で取得が確認された会員IDに対応する喚起表示の累積回数が予め設定した規定回数以下であるか否かの判定を行い、規定回数以下であると判定した場合に(ステップS201:Yes)、処理をステップS202へ移す。一方、CPUは、ステップS103(図4参照)で取得が確認された会員IDに対応する喚起表示の累積回数が予め設定した規定回数を超えていると判定した場合(ステップS201:No)、処理をステップS203へ移す。
【0101】
ステップS203において、CPUは、再度記憶部に記憶している履歴情報を参照して、ステップS103(図4参照)で取得が確認された会員IDに対応する喚起表示の表示頻度が予め設定した規定頻度以下であるか否かの判定を行い、規定頻度以下であると判定した場合に(ステップS203:Yes)、処理をステップS202へ移す。一方、CPUは、ステップS103(図4参照)で取得が確認された会員IDに対応する喚起表示の表示頻度が予め設定した規定頻度を超えていると判定した場合(ステップS203:No)、処理を図4に示すステップS109へ移す。また、ステップS202において、CPUは、処理忘れ喚起表示を表示部131に表示させ、その後、処理を図4に示すステップS108へ移す。
【0102】
このような処理をCPUに実行させることによって、過去に規定回数を超える喚起表示が行われた会員に対しては、あえて喚起表示を行わないので、遊技店の常連客等のように、持玉やプリペイド残高の処理を忘れる可能性の低い会員は、計数機2によるパチンコ玉の計数を行う度に、店員から処理忘れの注意喚起をうけることがなく、円滑に計数機2によるパチンコ玉の計数を行うことができる。
【0103】
しかも、過去に規定回数を超える喚起表示が行われた会員であっても、喚起表示の頻度が規定頻度以下となるような会員には喚起表示を行うので、久しぶりに遊技店を訪れた会員等のように、持玉やプリペイド残高の処理を忘れる可能性が後日高くなるおそれがある会員には、喚起表示が行われるので、その会員が持玉やプリペイド残高の処理を忘れることを予防することができる。
【0104】
本実施形態では、遊技客がパチンコ台Pでの遊技により獲得したパチンコ玉を計数する計数機2に接続され、計数機2によるパチンコ玉の計数結果を出力する計数結果出力装置1に対して本発明を適用した場合について説明したが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではない。
【0105】
例えば、本発明は、カード処理部やレシート発行部を計数機に内蔵し、計数結果出力装置と一体化された計数装置に適用してもよい。
【0106】
また、本実施形態では、一般カードに関する情報(プリペイド残高、持玉等)を一般管理装置、会員カードに関する情報(プリペイド残高、持玉、貯玉等)を会員管理装置において管理しているが、管理装置における管理項目の振分けを変えてもよく、1台の管理装置で一括管理してもよい。
【0107】
また、持玉やプリペイド価値(残高等)をカード(一般カード又は会員カードC)自体に記憶し、その情報に基づいて持玉や持玉返却、注意喚起のための残額有無判定を行うようにシステムを構成してもよい。
【0108】
かかる構成とすることにより、管理装置の負荷や、通信時間を低減することができる。また、管理装置や通信経路の故障時にも運用を継続することができる。
【符号の説明】
【0109】
1 計数結果出力装置
11 識別情報取得部
111 会員ID取得部
112 カードID取得部
12 操作部
13 報知部
131 表示部
132 印字出力部
14 通信部
15 制御部
151 価値情報取得部
152 判定部
2 計数機
3 CRユニット
4 CRユニット
5 一般管理装置
6 会員管理装置
A 低レートコーナー
B 高レートコーナー
P パチンコ台
R レシート
C 会員カード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技客が獲得した遊技媒体を計数し、計数結果を出力する遊技媒体計数システムであって、
遊技媒体を受け入れて計数する計数部と、
遊技に使用可能な有価価値を特定可能な記録情報が記録された記録媒体から前記記録情報を取得する記録情報取得部と、
前記計数部による遊技媒体の計数時に、前記記録情報取得部により前記記録情報が取得された場合、当該記録情報に基づいて前記有価価値を特定する有価価値特定部と、
前記有価価値特定部により特定された有価価値が残存するか否かを判定する判定部と、
前記判定部による判定結果に関わる情報を報知する報知部と
を有することを特徴とする遊技媒体計数システム。
【請求項2】
前記判定部は、
前記記録情報に基づいて、遊技客が支払った有価価値から遊技客が借り受けた遊技媒体数に相当する有価価値を差引いた残高があるか否かを判定し、
前記報知部は、
前記判定部により前記残高があると判定された場合に、判定結果に関わる情報を報知することを特徴とする請求項1に記載の遊技媒体計数システム。
【請求項3】
前記判定部は、
前記記録情報に基づいて、遊技客が獲得して保有している遊技媒体の残高があるか否かを判定し、
前記判定部により前記残高があると判定された場合に、判定結果に関わる情報を報知することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技媒体計数システム。
【請求項4】
前記報知部は、
前記判定結果に関わる情報として、前記残高、及び前記残高の精算を促す情報を報知することを特徴とする請求項2に記載の遊技媒体計数システム。
【請求項5】
前記報知部は、
前記判定結果に関わる情報として、前記残高、及び前記残高の景品への交換を促す情報を報知することを特徴とする請求項3に記載の遊技媒体計数システム。
【請求項6】
前記報知部は、
前記判定結果に関わる情報を表示する表示部を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の遊技媒体計数システム。
【請求項7】
前記報知部は、
前記判定結果に関わる情報を前記計数部による計数結果と共に印字出力する印字出力部を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の遊技媒体計数システム。
【請求項8】
遊技客が獲得した遊技媒体を計数する計数装置と接続され、前記計数装置の計数結果を出力する計数結果出力装置であって、
遊技に使用可能な有価価値を特定可能な記録情報が記録された記録媒体から前記記録情報を取得する記録情報取得部と、
前記計数部による遊技媒体の計数時に、前記記録情報取得部により前記記録情報が取得された場合、前記記録情報に基づいて前記有価価値を特定する有価価値特定部と、
前記有価価値特定部により特定された有価価値が残存するか否かを判定する判定部と、
前記判定部による判定結果に関わる情報を報知する報知部と
を有することを特徴とする計数結果出力装置。
【請求項9】
遊技に使用可能な有価価値の遊技客による処理忘れを防止する処理忘れ防止方法であって、
遊技媒体を受け入れて計数する計数ステップと、
遊技に使用可能な有価価値を特定可能な記録情報が記録された記録媒体から前記記録情報を取得する記録情報取得ステップと、
前記計数ステップによる遊技媒体の計数時に、前記記録情報取得ステップにより前記記録情報が取得された場合、当該記録情報に基づいて前記有価価値を特定する有価価値特定ステップと、
前記有価価値特定ステップにより特定された有価価値が残存するか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップによる判定結果に関わる情報を報知する報知ステップと
を有することを特徴とする処理忘れ防止方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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