説明

遊技媒体貸出システム及び記録媒体補充回収報知方法

【課題】遊技機に併設された貸出処理機に対するプリペイドカードやICコイン等の記録媒体の補充又は回収を効率良く行うことを課題とする。
【解決手段】カード処理機400は、カード残枚数を取得してT/C100に送信し、T/C100は、各カード処理機400から送信されたカード残枚数に応じて、カードの補充対象又は回収対象となるカード処理機400を特定し、特定したカード処理機400に対してカードのカード補充ランプ点灯信号又はカード回収ランプ点灯信号を送信し、カード処理機400は、このカード補充ランプ点灯信号又はカード回収ランプ点灯信号に応じてカード補充ランプ402又はカード回収ランプ403を点灯制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置内部に複数枚の記録媒体を収納可能に形成され、該記録媒体の一つに貨幣による有価価値を関連付け可能とされるとともに、該記録媒体に関連付けられた有価価値に基づいて遊技媒体の貸出処理を行う貸出処理機を有する遊技媒体貸出システム及び記録媒体補充回収報知方法に関し、特に、遊技機に併設された貸出処理機に対する記録媒体の補充又は回収を効率良く行うことができる遊技媒体貸出システム及び記録媒体補充回収報知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ機等の遊技台にカード処理機と呼ばれる装置を併設し、このカード処理機が残度数が関連付けられたプリペイドカードを受け入れた状態で玉貸し操作を受け付けた際に、パチンコ玉等の遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出システムが知られている。
【0003】
この種の遊技媒体貸出システムの中には、カード発行機から発行したプリペイドカードに関連付けられた残度数の範囲内で遊技媒体を貸し出すものだけではなく、カード処理機における現金入金により残度数を関連付けることが可能なものもある。後者の遊技媒体貸出システムでは、カード処理機内部にあらかじめ度数が関連付けられていないプリペイドカードを収納しておき、遊技客が現金をカード処理機に挿入したならば、この現金分に相当する度数がプリペイドカードに関連付けられることになる。
【0004】
したがって、遊技客は、カード発行機でプリペイドカードを購入しなくともカード処理機に直接入金を行うことで遊技媒体を借り受けることが可能になるが、遊技客が現遊技台での遊技を中止して台移動を行う場合には、カード返却ボタンを押下してカード処理機内部のプリペイドカードを排出させることになる。かかる状況に備えて、カード処理機内部には、度数が関連付けられていない複数枚のプリペイドカードがあらかじめ収納されているのが通常である。
【0005】
このため、遊技客が残度数のあるプリペイドカードを排出する場合にはカード処理機内部のプリペイドカード枚数が減少し、遊技客が他の遊技台からプリペイドカードを持ち込んで挿入した場合にはカード処理機内部のプリペイドカード枚数が増加することになる。そして、カード処理機内部のプリペイドカード残数が0になった場合や、プリペイドカード残数が許容量の上限に達した場合には、遊技店の従業員によりカード処理機内部のプリペイドカードの補充若しくは回収がなされることになる。具体的には、従業員のリモコン操作によりカード処理機の表示部にカード残枚数を表示し、この表示内容に従って従業員がプリペイドカードの不足分を補充したり、余分な枚数分のプリペイドカードを回収する作業を行なっている。
【0006】
このため、かかるカード処理機からのプリペイドカードの回収やカード処理機へのプリペイドカードの補充を効率良く行うことが重要となるため、この回収及び補充に関する従来技術が知られている。
【0007】
例えば、特許文献1には、カード自販機(上記カード処理ユニットに対応する)のカード残枚数が予め設定したカード残枚数に達した時、通報手段により管理装置に対して警報信号を送信するよう構成したプリペイドカード自動販売機の管理装置が開示されている。この特許文献1によれば、プリペイドカード自販機内に収納されているカード残枚数が所定の枚数に到達したことを自動的に管理装置に通報することができ、もって管理装置側でプリペイドカード自販機内のカード残枚数を容易に把握することが可能となる。
【0008】
【特許文献1】特開平9−115037号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1を用いた場合には、管理装置側でカード残枚数を把握することはできるが、プリペイドカード自販機側では、自販機内部に収納されているカード残数を把握することはできない。このため、この特許文献1を用いた場合には、管理装置の管理結果を印刷した印刷物を持参して従業員が現場でプリペイドカードの補充又は回収を行ったり、管理装置を管理する管理者からの無線連絡を受けつつ従業員が現場でプリペイドカードの補充又は回収を行う必要が生ずる。
【0010】
前者の対応を採った場合には、プリペイドカードの補充又は回収のリアルタイム性に欠け、補充・回収に向かった時点で状況が一変している可能性がある。また、後者の対応を採った場合には、管理者と従業員の間のやり取りが必要となるので、補充・回収作業に係る人的労力が大きくなるという問題が生ずる。
【0011】
これらのことから、管理者と従業員による連携したリモコン操作を伴うことなく、各カード処理機内部のプリペイドカードの補充枚数又は回収枚数を従業者に対して効率良く把握させることができるプリペイドカードシステムをいかにして実現するかが重要な課題となっている。
【0012】
特に、大型の遊技店では、大量の遊技機が店内に配設されているため、遊技店の開店後や閉店時にプリペイドカードの補充や回収を行う際に管理者との連携、印刷物の参照又はリモコン操作を要することとしたのでは、その人的労力が極めて大きくなってしまう。なお、かかる課題はプリペイドカードのみに生ずるものではなく、遊技媒体を貸し出すための度数が関連付けられたICコイン等の記録媒体にも同様に生ずる課題である。
【0013】
本発明は、上述した従来技術の課題(問題点)を解消するためになされたものであり、
遊技機に併設された貸出処理機に対するプリペイドカードやICコイン等の記録媒体の補充又は回収を効率良く行うことができる遊技媒体貸出システム及び記録媒体補充回収報知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、装置内部に複数枚の記録媒体を収納可能に形成され、該記録媒体の一つに貨幣による有価価値を関連付け可能とされるとともに、該記録媒体に関連付けられた有価価値に基づいて遊技媒体の貸出処理を行う貸出処理機を有する遊技媒体貸出システムであって、前記貸出処理機は、装置内部に収納された有価価値が関連付けられていない記録媒体数を管理する記録媒体数管理手段と、前記記録媒体数管理手段により管理された記録媒体数を所定の管理装置に通知する通知手段と、前記管理装置から記録媒体の補充報知指示若しくは回収報知指示を受け付けた場合に、指示内容に応答する報知を行う報知手段とを備え、前記管理装置は、各貸出処理機から通知された記録媒体数に基づいて、各貸出処理機に記録媒体の補充又は回収を要するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により記録媒体の補充を要すると判定された場合には該当する貸出処理機に対して補充報知指示を指示し、前記判定手段により記録媒体の回収を要すると判定された場合には該当する貸出処理機に対して回収報知指示を指示する補充回収指示手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記発明において、前記貸出処理機は、記録媒体の補充回収作業を行う遊技店の従業員に対して当該貸出処理機への記録媒体の補充を要する旨を報知する補充ランプと、前記従業員に対して当該貸出処理機からの記録媒体の回収を要する旨を報知する回収ランプとをさらに備え、前記報知手段は、前記管理装置から記録媒体の補充報知指示を受け付けた場合には前記補充ランプを点灯制御し、前記管理装置から記録媒体の回収報知指示を受け付けた場合には前記回収ランプを点灯制御することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記発明において、前記判定手段は、各貸出処理機から通知された記録媒体数、遊技店の運営状況並びに遊技店に配設される遊技機の機種特性に基づいて、各貸出処理機に記録媒体の補充又は回収を要するか否かを判定することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、上記発明において、前記判定手段は、各貸出処理機から通知された記録媒体数が所定のニアエンプティ値以下である場合には記録媒体の補充を要すると判定し、各貸出処理機から通知された記録媒体数が所定のニアフル値以上である場合には記録媒体の回収を要すると判定することを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、上記発明において、前記判定手段は、各貸出処理機から通知された記録媒体数の平均値を算定する平均値算定手段を備え、各貸出処理機から通知された記録媒体数が前記平均値算定手段により算定された平均値よりも所定数少ない場合には記録媒体の補充を要すると判定し、各貸出処理機から通知された記録媒体数が前記平均値算定手段により算定された平均値よりも所定数多い場合には記録媒体の回収を要すると判定することを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、装置内部に複数枚の記録媒体を収納可能に形成され、該記録媒体の一つに貨幣による有価価値を関連付け可能とされるとともに、該記録媒体に関連付けられた有価価値に基づいて遊技媒体の貸出処理を行う貸出処理機への記録媒体補充回収報知方法であって、前記貸出処理機が、装置内部に収納された有価価値が関連付けられていない記録媒体数を管理する記録媒体数管理工程と、前記記録媒体数管理工程により管理された記録媒体数を所定の管理装置に通知する通知工程と、前記管理装置が、各貸出処理機から通知された記録媒体数に基づいて、各貸出処理機に記録媒体の補充又は回収を要するか否かを判定する判定工程と、前記判定工程により記録媒体の補充を要すると判定された場合には該当する貸出処理機に対して補充報知指示を指示し、前記判定手段により記録媒体の回収を要すると判定された場合には該当する貸出処理機に対して回収報知指示を指示する補充回収指示工程と、前記貸出処理機が、前記管理装置から記録媒体の補充報知指示若しくは回収報知指示を受け付けた場合に、指示内容に応答する報知を行う報知工程とを含んだことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、貸出処理機が、装置内部に収納された有価価値が関連付けられていない記録媒体数を管理するとともにこの記録媒体数を所定の管理装置に通知し、管理装置が、各貸出処理機から通知された記録媒体数に基づいて、各貸出処理機に記録媒体の補充又は回収を要するか否かを判定し、記録媒体の補充を要すると判定された場合には該当する貸出処理機に対して補充報知指示を指示し、記録媒体の回収を要すると判定された場合には該当する貸出処理機に対して回収報知指示を指示し、貸出処理機は、管理装置から記録媒体の補充報知指示若しくは回収報知指示を受け付けた場合に、指示内容に応答する報知を行うよう構成したので、管理装置側で各貸出処理機の記録媒体数の過不足を判定し、この判定結果を各貸出処理機上で報知することができるため、記録媒体の補充解消作業を行う従業員は、管理者と連絡を取り合ったり、各貸出処理機への過不足確認のためのリモコン操作を行わなくとも、効率良く記録媒体の過不足を確認することができる。
【0021】
また、本発明によれば、貸出処理機に記録媒体の補充回収作業を行う遊技店の従業員に対して当該貸出処理機への記録媒体の補充を要する旨を報知する補充ランプと、前記従業員に対して当該貸出処理機からの記録媒体の回収を要する旨を報知する回収ランプとを設けておき、管理装置から記録媒体の補充報知指示を受け付けた場合には補充ランプを点灯制御し、管理装置から記録媒体の回収報知指示を受け付けた場合には回収ランプを点灯制御するよう構成したので、従業員は各貸出処理機に設けられた補充ランプ及び回収ランプを一見するだけで、記録媒体の補充対象であるか回収対象であるかを判断することができる。
【0022】
また、本発明によれば、各貸出処理機から通知された記録媒体数、遊技店の運営状況並びに遊技店に配設される遊技機の機種特性に基づいて、各貸出処理機に記録媒体の補充又は回収を要するか否かを判定するよう構成したので、遊技機の釘状況や遊技機の機種特性を踏まえて補充回収要否を判定し、もって記録媒体の補充回収回数を低減することができる。
【0023】
また、本発明によれば、各貸出処理機から通知された記録媒体数が所定のニアエンプティ値以下である場合には記録媒体の補充を要すると判定し、各貸出処理機から通知された記録媒体数が所定のニアフル値以上である場合には記録媒体の回収を要すると判定するよう構成したので、ニアエンプティ及びニアフルという従来から用いられている指標を活用しつつ効率良く補充回収に係る報知を行うことができる。
【0024】
また、本発明によれば、各貸出処理機から通知された記録媒体数の平均値を算定し、各貸出処理機から通知された記録媒体数が平均値よりも所定数少ない場合には記録媒体の補充を要すると判定し、各貸出処理機から通知された記録媒体数が平均値よりも所定数多い場合には記録媒体の回収を要すると判定するよう構成したので、遊技店全体の記録媒体数を考慮しつつ適正な枚数を各貸出処理機に収納することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る遊技媒体貸出システム及び記録媒体補充回収方法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下に示す実施例では、本発明に係る遊技媒体貸出システムをプリペイドカードを用いてパチンコ玉の玉貸し処理を行なうカード管理システムに適用した場合について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、メダルのメダル貸出し処理を行なう場合やICコインを用いたパチンコ玉の貸出し処理を行なう場合にも同様に適用することができる。
【実施例】
【0026】
(カード管理システムの構成)
まず、本実施例に係るカード管理システムのシステム構成について説明する。図1は、本実施例に係るカード管理システムの全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、遊技店内には、それぞれ「島」と呼ばれるグループごとに複数のパチンコ機300が設けられており、これらパチンコ機300にはそれぞれ1台ずつペアとなるようにカード処理機400が設置されている。各カード処理機400は、島コントローラ200を介してT/C100に接続されている。また、この遊技店内には、カード発行機500及びカード精算機600が数台設置され、これらカード発行機500及びカード精算機600は直接T/C100に接続されている。
【0027】
T/C100は、各カード処理機400で利用されるプリペイドカードのカードIDと残度数等とを対応付けて管理する管理装置である。遊技客がカード処理機400に現金を挿入すると、この現金分の度数がカード処理機400内のプリペイドカードのカードIDに対応付けて管理される。そして、遊技機300上でパチンコ玉の貸出操作がなされたならば、残度数の範囲内でカード処理機400に対して貸出指示を行う。
【0028】
また、このT/C100は、各カード処理機400内に収納されるプリペイドカードの残枚数を管理するとともに、プリペイドカードの補充対象又は回収対象となるカード処理機400を特定し、該特定したカード処理機400に対してランプ点灯指示を行うよう構成されている。従業員がリモコン操作を行ったり管理者と連携しなくとも、プリペイドカードの補充回収対象となるカード処理機400を特定可能にし、もってプリペイドカードの補充回収作業を効率的にしたものである。
【0029】
島コントローラ200は、各島に配設されたカード処理機400とT/C100の間に介在し、カード処理機400とT/C100との間でデータ中継を行なう装置である。パチンコ機300は、パチンコ玉を遊技領域に発射して遊技を行なう装置である。このパチンコ機300上に設けられた玉貸しボタンが操作された場合に該信号がカード処理機400に通知され、T/C100を介してカード処理機400から玉貸し許可信号を受信した後にパチンコ玉の投出処理を行うことになる。
【0030】
カード処理機400は、遊技客により投入された現金分の度数を装置内部に貯留したプリペイドカードに関連付ける処理や、パチンコ台300から玉貸し要求を受け付けた場合に、プリペイドカードの残度数の範囲内でパチンコ台300に玉貸し許可信号を送出する処理等を行う装置である。また、このカード処理機400に残度数のあるプリペイドカードが挿入されると、このプリペイドカードのカードIDに対応する残度数をT/C100から取得して、残度数の範囲内で玉貸し許可信号を送出することになる。
【0031】
また、このカード処理機400は、残度数が0のプリペイドカードを複数枚貯留しており、遊技客が現金を投入すると、内部に貯留したプリペイドカードの一枚に現金分の度数を関連付ける。このため、遊技客が台移動するために現金で度数を関連付けた残度数の残っているプリペイドカードの排出操作を行うと、カード処理機400内部に貯留するプリペイドカードが一枚少なくなる。その一方で、遊技客が残度数の残っているプリペイドカードをカード処理機400に挿入して玉貸し操作を行い、該プリペイドカードの残度数が0になると、このプリペイドカードはカード処理機400内部に貯留され、貯留するプリペイドカードが一枚多くなる。
【0032】
このように、かかるカード処理機400では、その内部に貯留するプリペイドカードの枚数が遊技客による台移動に伴って変動するため、プリペイドカードの枚数が過度に少なくなると従業員によってプリペイドカードを補充し、プリペイドカードの枚数が過度に多くなると従業員によってプリペイドカードを回収する必要が生じる。このため、このカード処理機400では、T/C100の指示に応じて補充ランプ又は回収ランプを点灯させる機能を有している。その都度、従業員に管理者と通信を行わせたり各カード処理機400に対するリモコン操作を行わせるのは効率的ではなくその人的労力が大きいからである。なお、かかるランプ点灯の詳細についてはその説明を後述することとする。
【0033】
カード発行機500は、遊技客が現金を投入して所望の金額のカードボタンを押し下げることにより、該金額分の度数を関連付けたプリペイドカードを発行する装置である。ただし、本実施例では、カード処理機400において現金により度数を関連付けたプリペイドカードを発行することができるため、このカード発行機500がなくとも遊技客は遊技することができる。
【0034】
カード精算機600は、プリペイドカードに関連付けられた度数を現金に精算して払い出す装置である。遊技客が高額紙幣分の度数を関連付けた後にその途中で遊技を中断する場合に返金を可能にしたものである。
【0035】
(カード管理システムの概念)
次に、図1に示したカード管理システムについての概念について説明する。図2は、図1に示したカード処理機400とT/C100によるカードの管理概念を説明するための説明図である。ここでは、カード処理機400の収納部(後述する図6に示すカード収納部430)には、複数枚のプリペイドカードがあらかじめ収納されているものとする。
【0036】
同図に示すように、カード処理機400には、プリペイドカードを挿入及び返却するカード挿入/返却口406と、紙幣を挿入する紙幣挿入口404とが設けられており、またパチンコ機300にはカード返却ボタン300が設けられている。このため、遊技客が、カード発行機500で発行したプリペイドカードや他のカード処理機400から返却したプリペイドカードをカード挿入/返却口406に挿入して所定の貸出操作を行うと、該プリペイドカードの残度数の範囲内でパチンコ玉を借り受けることができる。
【0037】
また、かかるプリペイドカードをカード挿入/返却口406に挿入した状態で紙幣挿入口404に紙幣が挿入されると、挿入された紙幣分の度数が該プリペイドカードに関連付けされる。さらに、カード返却ボタン300が押下されると、カード挿入/返却口406からプリペイドカードが返却される。
【0038】
また、遊技客は、カード発行機500で発行したプリペイドカードをカード挿入/返却口406に挿入しなくとも、紙幣を紙幣挿入口404に挿入すれば該紙幣分の度数を収納部に収納したプリペイドカードに関連付けることができ、カード返却ボタン300を押下することにより該プリペイドカードをカード挿入/返却口406から排出することもできる。
【0039】
このように、このカード管理システムでは、カード処理機400の収納部に収納したプリペイドカードの残枚数が、カード挿入/返却口406へのプリペイドカードの挿入又はカード挿入/返却口406からのプリペイドカードの排出により変動するため、各カード処理機400におけるプリペイドカードのカード残枚数をT/C100上のカード枚数管理テーブル132において管理している。
【0040】
かかるT/C100は、カード残枚数が不足しているカード処理機400及びカード残枚数が過剰なカード処理機400を特定し、特定したカード処理機400に対してプリペイドカードの補充を指示するカード補充ランプ点灯信号又はプリペイドカードの回収を指示するカード回収ランプ点灯信号を送信することとしている。
【0041】
具体的には、同図に示すカード処理機400は、予め設定された所定の時刻に、T/C100に対してカード残枚数を通知するよう設定されており、この時刻になると内部に収納されたプリペイドカードの残枚数を取得して、取得したカード残枚数をT/C100に通知する。そして、この通知を受けたT/C100では、各カード処理機400のカード残枚数に応じて、カードの補充対象又は回収対象となるカード処理機400を特定し、特定したカード処理機400に対してカード補充ランプ点灯信号若しくはカード回収ランプ点灯信号を送信する。
【0042】
なお、このカード処理機400には、あらかじめ複数枚のプリペイドカードが収納されているので、開店時にはこのプリペイドカードの枚数がカード残枚数となるが、遊技客が台移動するためにカード処理機400からプリペイドカードを排出した場合にはカード残枚数がその分だけ減少し、遊技客が他の台若しくはカード発行機500から取得したプリペイドカードをカード処理機400に挿入した場合にはその分だけ増加することになる。
【0043】
また、T/C100では、各カード処理機400のカード残枚数を予め設定したNE値(ニアエンプティ値)及びNF値(ニアフル値)と比較して、プリペイドカードを補充又は回収すべきか否かを判定する。そして、この判定の結果、収納しているプリペイドカードが不足状態にあるカード処理機400に対してはカード補充ランプ点灯信号を送信し、収納しているプリペイドカードが過剰状態にあるカード処理機400に対してはカード回収ランプ点灯信号を送信する。
【0044】
なお、ここで言うNE値とは、収納するプリペイドカードが0すなわちエンプティとなりカード処理を行えない状態に近い状態のことであり、例えば2枚が該当する。つまり、NE値は現時点でカード処理を行えているが、プリペイドカードの補充を行わないとカード不足に陥ってしまう状態を意味する。同様に、NF値とは、収納するプリペイドカードが上限すなわちフルとなり遊技客が新たにプリペイドカードを挿入できない状態に近い状態のことであり、例えば10枚収納可能な場合には8枚が該当する。つまり、NF値は現時点で新たなプリペイドカードを受け付けることができるが、プリペイドカードの回収を行わないとカード満杯に陥ってしまう状態を意味する。
【0045】
一方、T/C100からカード補充ランプ点灯信号を受信したカード処理機400は、プリペイドカードを補充及び回収する従業員に対して補充が必要な旨を報知するカード補充ランプ402を点灯制御し、T/C100からカード回収ランプ点灯信号を受信したカード処理機400は、プリペイドカードを補充及び回収する従業員に対して回収が必要な旨を報知するカード回収ランプ403を点灯制御することになる。
【0046】
したがって、本実施例のカード管理システムは、T/C100において各カード処理機400内のカード残枚数を一括して管理するとともにプリペイドカードの補充対象及び回収対象となるカード処理機400を特定し、特定したカード処理機400に対してカード補充ランプ点灯信号又はカード回収ランプ点灯信号を送信し、これらの信号を受信したカード処理機400が、カード補充ランプ402又はカード回収ランプ403を点灯制御するよう構成したので、プリペイドカードを補充回収する役割を担う従業員は、管理者と連携したりリモコン操作を行わなくともプリペイドカードが不足状態にあるカード処理機400とプリペイドカードが過剰状態にあるカード処理機400を把握することができ、もって従業員による効率的かつ円滑な補充回収行為が可能となる。
【0047】
(T/C100の構成)
次に、図1に示したターミナルコントローラ(T/C)100の内部構成について説明する。図3は、図1に示したターミナルコントローラ(T/C)100の内部構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、このT/C100は、表示部110、表示制御部111、制御部120、記憶部130、入力部140、出力部150、通信I/F部160を有する。
【0048】
表示部110は、CRTや液晶ディスプレイ等の表示デバイスであり、この表示部110には、メニュー画面や各種管理データ等を一覧として表示することができる。なお、この表示部230は、タッチパネルとして後述する入力部150の機能をも実現するようにしてもよい。また、表示制御部111は、表示部110による表示を制御する処理部である。
【0049】
制御部120は、T/C100を全体制御する制御部であり、カード枚数管理部121と、補充/回収通知処理部122とを有する。なお、実際には、かかるカード枚数管理部121及び補充/回収通知処理部122に相当するプログラムをCPU上にロードして実行することになる。
【0050】
カード枚数管理部121は、記憶部130に記憶したカード枚数管理テーブル132を用いて遊技店内に設置された各カード処理機400のカード残枚数を管理する管理部である。定期的に各カード処理機400からカード残枚数を受信したならば、受信したカード残枚数に基づいてカード枚数管理テーブル132を更新する処理を行う。
【0051】
補充/回収通知処理部122は、プリペイドカードの補充対象及び回収対象となるカード処理機400を特定し、特定したカード処理機400に対してカード補充ランプ点灯信号又はカード回収ランプ点灯信号を送信してランプ点灯指示を行う処理部である。
【0052】
具体的には、この補充/回収通知処理部122は、カード処理機400のカード残枚数が、NE値/NF値記憶部131に記憶されたNE値以下若しくはNF値以上であるか否かを判定する。そして、カード残枚数がNE値以下である場合には、プリペイドカードの補充が必要であるのでカードの補充ランプ点灯信号を送信し、カード残枚数がNF値以上である場合には、カードの回収が必要であるのでカード回収ランプ点灯信号を送信する。
【0053】
なお、本実施例では、NE値及びNF値に基づいてプリペイドカードの補充対象及び回収対象となるか否かを判定することとしたが、プリペイドカードの平均収納枚数との差に基づいて判定を行うこともできる。この場合には、あるカード処理機400の残枚数が平均収納枚数よりも所定量以上多い場合には回収対象とし、所定量以上少ない場合には補充対象とすることになる。
【0054】
記憶部130は、ハードディスク等の二次記憶媒体であり、NE値/NF値記憶部131と、カード枚数管理テーブル132とを有する。NE値/NF値記憶部131は、遊技店の管理者等により予め設定されたNE値及びNF値とを記憶する。例えば、カード処理機400の最大収納枚数が10枚である場合には、通常、プリペイドカードの標準収納枚数(適正な収納枚数)は5枚であり、NE値が2枚であり、NF値が8枚となる。このため、NE値=3枚、NF値=8枚としてNE値/NF値記憶部131に記憶される。なお、このNE値/NF値記憶部131に記憶されるNE値及びNF値は、遊技店の管理者により適宜変更することができる。
【0055】
カード枚数管理テーブル132は、遊技店に設置された各カード処理機400に収納されたプリペイドカードのカード残枚数を記憶するテーブルである。具体的には、図4に示すように、各カード処理機400の台番号(「0001番」〜「000N番」)に対応付けて、カードの残枚数データと、カードのスタック状態とが記憶されている。NEフラグ及びNFフラグは、カード残枚数がNE値以下若しくはNF以上であるか否かを示すフラグ(「0」か「1」)である。
【0056】
ここで、図4に示したカード枚数管理テーブル132では、「0001番」のカード処理機400に3枚、「0002番」に10枚、「0003番」に8枚、「0004番」に5枚、「0005番」に0枚のカード残枚数が存在する状況を示している。したがって、「0005番」のカード処理機400がNE値以下(2枚以下)に該当し、「0002番」及び「0003番」のカード処理機400がNF値(8枚以上)となっている。
【0057】
また、このカード枚数管理テーブル132に記憶される各カード処理機400別のカード残枚数は、表示部110を利用して一覧表として表示することができ、この一覧表示により、遊技店の管理者は、各カード処理機400に収納されたカード残枚数(スタック状態)及びカード残枚数の変化を時系列的(所定の時間単位)に確認することができる。
【0058】
入力部140は、各種の情報を入力するキーボード、マウス及びトラックボールなどの入力デバイスであり、主として遊技店の管理者により使用される。この入力部140を用いた入力により、NE値及びNF値等を適時変更することができる。
【0059】
出力部150は、プリンタなどの印刷部であり、この出力部150により表示部110に表示される各カード処理機400内のカード残枚数(カード枚数管理テーブル132の内容)を一覧として印刷することができる。通信I/F部160は、島コントローラ200を介してカード処理機400とデータ通信するためのインターフェース部である。
【0060】
(パチンコ機300及びカード処理機400の構成)
次に、図5及び図6を参照してパチンコ機300及びカード処理機400の構成について説明する。図5は、図1に示したパチンコ機300及びカード処理機400の外観正面図であり、図6は、カード処理機400の内部構成を示すブロック図である。
【0061】
図5に示すように、カード処理機400は、外見上縦長に形成されており、このカード処理機400の本体部401の前面パネルには、カード補充ランプ402及びカード回収ランプ403と、紙幣挿入口404と、金額設定ボタン405aと、金額表示部405bと、カード挿入/返却口406とが設けられている。
【0062】
カード補充ランプ402及びカード回収ランプ403は、当該カード処理機400がプリペイドカードの補充対象又は回収対象であるか否かを遊技店の従業員に報知するために設けられたランプであり、表示制御部447からの制御信号に基づいて点灯及び消灯する。このカード補充ランプ402は、T/C100から「カード補充ランプ点灯信号」を受信した際に点灯し、カード回収ランプ403は、T/C100から「カード回収ランプ点灯信号」を受信した際に点灯する。
【0063】
遊技店の従業員は、カード処理機400に表示されるカード補充ランプ402とカード回収ランプ403を目視で確認するだけで、該カード処理機400がプリペイドカードの補充対象であるか回収対象であるかを把握できるため作業効率を高めることができる。なお、本実施例では、カード補充ランプ402とカード回収ランプ403を別個に設けた場合を示したが、これらを一つの表示ランプとしつつその表示態様を変えることにより補充対象であるか回収対象であるかを従業員に認識させることもできる。
【0064】
紙幣挿入口404は、遊技客が挿入する紙幣(例えば、10000円札)を受け入れて、この紙幣を図6に示した紙幣処理部450に取り込むための開口である。この紙幣挿入口404は、紙幣識別部460により挿入された紙幣が不良紙幣(識別不能な紙幣)である場合には、この不良紙幣を返却する返却口となる。
【0065】
金額設定ボタン405aは、遊技客によってパチンコ機300の玉貸出しボタン350を1回操作される度に貸し出す度数(貸し出されるパチンコ玉の金額)を遊技客自身で設定するためのボタンであり、通常はデフォルトで5度数(500円)に設定されている。また、金額表示部405bは、金額設定ボタン405aにより設定された貸し出し単位を表示するLEDである。
【0066】
カード挿入/返却口406は、プリペイドカードを受け入れてこれをカード読取部410に取り込むとともに、カード返却ボタン360が操作された場合にプリペイドカードを返却するための開口である。
【0067】
一方、図5に示すように、パチンコ機300の前面上部には、遊技者がパチンコ遊技を行う遊技領域310が設けられており、この遊技領域310の下部には上皿320と、玉の貸出などを行うための各種操作スイッチ(度数表示部340、玉貸出しボタン350、カード返却ボタン360)が設けられている。
【0068】
また、このパチンコ機300の内部には玉投出機構部330が設けられている。この玉投出機構部330は、玉貸しボタン35の押下操作に応答してカード処理機400から玉貸し許可信号を受信した場合に、貸出度数分のパチンコ玉を上皿320に投出するものである。なお、この玉投出機構部330は、パチンコ玉が入賞し賞玉を投出する場合にも利用される。
【0069】
度数表示部340は、プリペイドカードに関連付けられた残度数を表示するLEDからなる表示部である。例えば、遊技客が新たに10000円を投入した場合には、0度数のプリペイドカードに「100度数」が関連付けられるため、この度数表示部340には「100」が表示される。
【0070】
玉貸出しボタン350は、遊技客がプリペイドカードの残度数の範囲内でパチンコ玉の貸し出しを受ける際に押下操作されるボタンであり、カード返却ボタン360は、台移動等を行うためにプリペイドカードを返却する際に押下操作されるボタンである。例えば、カード処理機400に残度数「10」のプリペイドカードを挿入して、5度数分の遊技を行なった後にカード返却ボタン360を押下操作すると、カード挿入/返却口406から5度数が関連付けられたプリペイドカードが返却される。
【0071】
(カード処理機400の構成)
次に、カード処理機400の内部構成を説明する。図6は、カード処理機400の内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、カード処理機400は、カード読込部410と、カード通過検出センサ420と、カード収納部430と、制御部440と、紙幣処理部450と、紙幣識別部460と、紙幣搬送路465と、通信I/F部470とを有する。
【0072】
カード読込部410は、カード収納部430から繰り出された処理対象となるプリペイドカード若しくはカード挿入/返却口406から挿入されたプリペイドカードを保持するとともに、保持したプリペイドカードに記録されたカードID等を読み取るカードリーダである。すなわち、初期状態でカード収納部430に複数枚のプリペイドカードが収納されると、そのうちの一枚をカード読取部410の位置まで繰り出して該プリペイドカードを処理対象とし、カード挿入/返却口406からプリペイドカードが挿入されると、カード読取部410に所在するプリペイドカードはカード収納部430に搬送され、カード挿入/返却口406から挿入されたプリペイドカードがカード読取部410の位置まで搬送され処理対象となる。
【0073】
カード通過検出センサ420は、カード読取部410とカード収納部430の間のカード搬送路上に設けられ、このカード搬送路上のプリペイドカードの通過を検出する。具体的には、カード読取部410からカード収納部430向けのプリペイドカードの通過を検知した場合には、IN信号をカード枚数管理部442に出力し、カード収納部430からカード読取部410向けのプリペイドカードの通過を検知した場合には、IN信号をカード枚数管理部442に出力する。つまり、このカード通過検出センサ420は、カード収納部430からのプリペイドカードの出入りを検知しているのである。
【0074】
カード収納部430は、度数が関連付けられていない(0度数)複数枚のプリペイドカードを収納する収納部である。遊技客がプリペイドカードを持参していなくとも現金により遊技可能にするため、事前に複数枚のプリペイドカードを収納したものである。遊技店の従業者が、このカード収納部430に複数枚のプリペイドカードを収納すると、そのうちの一枚がカード読取部410の位置に繰り出され、現金による度数関連付けの対象とされる。
【0075】
なお、本実施例では、遊技店の従業員がプリペイドカードを補充する場合には、リモコン操作によりカード補充モードとした後に、カード挿入/返却口406から残度数が0のプリペイドカードを挿入し、また遊技店の従業員がプリペイドカードを回収する場合には、リモコン操作によりカード回収モードとした後に、カード挿入/返却口406から残度数が0のプリペイドカードを回収することとする。つまり、補充又は回収するプリペイドカードは常にカード通過検出センサ420付近を通過することとしている。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、カード収納部430にプリペイドカードの枚数を計数するカウンタを設け、このカウンタで直接残枚数を計数することもできる。
【0076】
制御部440は、カード処理機400を全体制御する制御部であり、玉貸処理部441と、カード返却処理部442と、カード枚数管理部443と、メモリ444と、カード枚数通知部445と、タイマ446と、通信I/F部470とを有する。
【0077】
玉貸し処理部441は、パチンコ機300の玉貸出しボタン350の押下操作がなされた際に、T/C100にプリペイドカードの残度数を問い合わせ、貸出度数以上の残度数があるならばパチンコ機300に対してパチンコ玉の投出指示を行う処理部である。この投出指示を受け取ったパチンコ機300は、貸出度数分のパチンコ玉をパチンコ台300の上皿又は下皿に投出する。
【0078】
カード返却処理部442は、パチンコ機300のカード返却ボタン360の押下操作がなされた際に、カード読取部410の位置に保持したプリペイドカードをカード挿入/返却口406から排出する処理部である。ただし、残度数が0のプリペイドカードについては通常モードでは返却を行わず、従業員のリモコン操作によるカード回収モードの場合にのみ返却を行う。
【0079】
カード枚数管理部443は、カード通過検出センサ420で検知した検出値に基づいてカード処理機400のカード収納部430内に収納されたプリペイドカードのカード残枚数を管理する管理部である。具体的には、従業員がリモコン操作でカード処理機400をカード補充モードにし、この状態でカード挿入/返却口406に残度数が0のプリペイドカードを挿入すると、該プリペイドカードがカード収納部430に収納されるとともに、カード通過検出センサ420がIN信号をカード枚数管理部443に通知するため、カード枚数管理部443は、プリペイドカードの残枚数が1枚増えたことを把握できる。
【0080】
同様に、従業員がリモコン操作でカード処理機400をカード回収モードにして回収操作を行うと、カード収納部430に収納されたプリペイドカードがカード挿入/返却口406に搬送されるとともに、カード通過検出センサ420がOUT信号をカード枚数管理部443に通知するため、カード枚数管理部443は、プリペイドカードの残枚数が1枚減ったことを把握できる。
【0081】
また、遊技客が残度数のあるプリペイドカードをカード挿入/返却口406に挿入すると、カード読取部410に所在するプリペイドカードがカード収納部430に収納されるとともに、挿入されたプリペイドカードがカード読取部410の位置に保持され処理対象となる。ここで、カード通過検出センサ420は、IN信号をカード枚数管理部443に通知することとなるので、カード枚数管理部443は、プリペイドカードの残枚数が1枚増えたことを把握できる。
【0082】
同様に、遊技客がカード返却ボタン360を押下操作した場合には、カード読取部410に所在するプリペイドカードがカード挿入/返却口406に搬送されるとともに、カード収納部430に収納されたプリペイドカードが一枚繰り出され、カード読取部410の位置に保持され処理対象となる。ここで、カード通過検出センサ420は、OUT信号をカード枚数管理部443に通知することとなるので、カード枚数管理部443は、プリペイドカードの残枚数が1枚減ったことを把握できる。
【0083】
このように、本実施例では、従業員及び遊技客のいずれの場合であっても、カード通過検出センサ420でプリペイドカードの出入りを検出しているため、カード収納部430に所在するプリペイドカードのカード残枚数を把握することができる。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、カード通過検出センサ420の代わりにカード収納部430に収納したプリペイドカードのカード残枚数をカードの厚み等により直接算定する場合に適用することもできる。
【0084】
メモリ444は、カード枚数管理部443により管理されているカード処理機400内のプリペイドカードのカード残枚数を一時的に記憶する記憶部である。カード枚数通知部445は、カード枚数管理部443により管理されているプリペイドカードのカード残枚数をT/C100に対して通知する処理部であり、この通知タイミングは、タイマ446により設定された送信設定時間に基づいて行なわれる。タイマ446は、カード処理機400からT/C100に対してプリペイドカードのカード残枚数を通知する送信設定時間を計時するタイマであり、常に計時する計時値が所定の値となった時点でカード枚数通知部445に対して通知指示を行う。
【0085】
表示制御部447は、カード処理機400(図5)の本体部401に設けられたカード補充ランプ402及びカード回収ランプ403並びに金額表示部405bの点灯を制御する処理部である。具体的には、T/C100からカード補充ランプ点灯信号を受信した場合にはカード補充ランプ402を点灯させ、カード回収ランプ点灯信号を受信送信した場合にはカード回収ランプ403を点灯制御する。また、金額表示指示信号を受信した場合には金額表示部405bに該当する数値をLED表示する。
【0086】
紙幣処理部450は、遊技客が紙幣投入口404に投入した紙幣を収納するとともに、紙幣識別部460により紙幣の真偽並びに金種を識別し、この識別結果を制御部440に通知する。そして、取り込まれた紙幣は紙幣搬送路465に導出され島端回収ボックスに搬出される。なお、紙幣識別部460により、紙幣投入口404から投入された紙幣が識別不能若しくは偽造紙幣であると判定された場合には、この紙幣は紙幣投入口404から返却される。通信I/F部470は、島コントローラ200を介してT/C100とデータ通信するためのインターフェース部である。
【0087】
(カード枚数管理手順)
次に、図1に示したカード処理機400のカード補充ランプ402又はカード回収ランプ403の点灯制御手順について説明する。図7は、図1に示したカード処理機400のカード補充ランプ402又はカード回収ランプ403の点灯制御手順を示すフローチャートである。なお、ここでは遊技店の従業員がプリペイドカードの補充回収作業を行う直前に最新の状況を取得してランプ表示する下記処理を行う場合を示している。
【0088】
同図に示すように、カード処理機400は、カード通過検出センサ420においてプリペイドカードの通過を検知したならば、カード枚数管理部443により管理されるカード枚数がその都度更新され、その更新結果がメモリ444に記憶されている。このため、プリペイドカードのカード残枚数をT/C100に送信すべきカード残枚数送信時刻になったならば(ステップS110肯定)、メモリ444からプリペイドカードのカード残枚数を読み出し(ステップS120)、読み出したカード残枚数がカード処理機400の台番号とともにT/C100に送信される(ステップS130)。
【0089】
一方、T/C100は、各カード処理機400から送信されたカード残枚数を受信すると(ステップS140肯定)、各カード処理機400から受信したカード残枚数に基づいてカード枚数管理テーブル312を更新する(ステップS150)。
【0090】
その後、このカード処理機400のプリペイドカードのカード残枚数がNE値以下であるか否かを判定し(ステップS160)、NE値以下である場合には(ステップS160肯定)、プリペイドカードの補充作業が必要となるのでカード補充ランプ点灯信号をカード処理機400に対して送信する(ステップS170)。
【0091】
これに対して、カード残枚数がNE値以下でないと判定された場合には(ステップS160否定)、カード残枚数がNF値以上であるか否かを判定する(ステップS180)。その結果、カード残枚数がNF値以上である場合には(ステップS180肯定)、カード回収ランプ点灯信号をカード処理機400に対して送信する(ステップS190)。
【0092】
また、この時点でカード処理機400は信号待ち状態にあり(ステップS200)、T/C100からカード補充ランプ点灯信号を受信した場合には、カード補充ランプ402を点灯制御し(ステップS210)、T/C100からカード回収ランプ点灯信号を受信した場合には、カード回収ランプ403を点灯制御する(ステップS210)。
【0093】
なお、上記一連の説明では、説明の便宜上一台のカード処理機400を対象として説明したが、実際には遊技店に配設された各カード処理機400について同様の処理を繰り返すことになる。この際、カード枚数管理テーブル312の更新までを各カード処理機400についてそれぞれ行い、その後このカード枚数管理テーブル312の記憶内容に基づいて補充対象又は回収対象となるカード処理機400を特定し、特定した各カード処理機400についてカード補充ランプ402及びカード回収ランプ403を点灯制御すれば良い。
【0094】
上述してきたように、本実施例では、カード処理機400は、カード残枚数を取得してT/C100に送信し、T/C100は、各カード処理機400から送信されたカード残枚数に応じて、カードの補充対象又は回収対象となるカード処理機400を特定し、特定したカード処理機400に対してカードのカード補充ランプ点灯信号又はカード回収ランプ点灯信号を送信し、カード処理機400は、このカード補充ランプ点灯信号又はカード回収ランプ点灯信号に応じてカード補充ランプ402又はカード回収ランプ403を点灯制御するよう構成としたので、補充回収作業を行う従業員が管理者と連携したりリモコン操作で一台一台過不足を点灯表示させなくともプリペイドカードの補充又は回収を行えるので、プリペイドカードの補充作業及び回収作業の効率化を高めることができる。
【0095】
なお、本実施例では、プリペイドカードのカード残枚数がNE値以下である場合にはカード補充ランプ点灯信号を送信し(図7のステップS160〜S170)、カード残枚数がNF値以上である場合にはカード回収ランプ点灯信号を送信する(図7のステップS180〜S190)こととしたが、かかるNE値及びNF値ではなく平均値を用いることもできる。例えば、図7のステップS160において、平均値−α(定数;例えば3枚)以下であるか否かを判定し、ステップS180において、平均値+α以上であるか否かを判定すれば同様の判定を行うことができる。このため、かかる場合には、各カード処理機400のカード残枚数の平均値を算出する平均値算定部をT/C100側に設ける必要がある。
【0096】
また、本実施例では、各カード処理機400にカード補充ランプ402及びカード回収ランプ403を設けることとしたが、これらのランプの下部にLEDを設け、このLEDに補充枚数又は回収枚数を表示するよう構成することもできる。この場合には、lT/C100から各カード処理機400に対してカード補充ランプ点灯信号又はカード回収ランプ点灯信号とともに補充枚数又は回収枚数を通知する必要がある。
【0097】
また、遊技店に配設されるパチンコ機の中には、釘が絞められている台と釘が開けられている台がある。そして、釘が絞められている台については、遊技客は遊技途中で台移動する可能性が大きくなるので装置内部により多くのプリペイドカードを収納する必要がある。その一方で、釘が開けられている台については、遊技客はプリペイドカードの残度数を使い切る可能性が高くなるし、他の台から遊技客が移動する可能性も高くなるので、装置内部に収納すべきプリペイドカードのカード残数は少なくすべきである。このように、カード処理機400に収納すべきプリペイドカードのカード残枚数は、パチンコ機の釘設定のようなパチンコ店の運営状況によって変動するため、かかるパチンコ店の運用状況を踏まえてT/C100で補充回収の要否を判定することもできる。
【0098】
同様に、パチンコ機の中には、大当たり確率が低く設定されるとともに継続確率(次回の大当たりに繋がる確率)が高く設定された機種と大当たり確率が高く設定されるとともに継続確率が低く設定された機種がある。前者の機種は、プリペイドカードの残度数が使い切られる可能性が高く、後者の機種は、プリペイドカードの残度数が使い切られる前に台移動される可能性が高い。このように、カード処理機400に収納すべきプリペイドカードのカード残枚数は、カード処理機400が併設されたパチンコ機の機種特性に応じて変動するため、かかるパチンコ機の機種特性を踏まえてT/C100で補充回収の要否を判定することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、装置内部に複数枚の記録媒体を収納可能に形成され、該記録媒体の一つに貨幣による有価価値を関連付け可能とされるとともに、該記録媒体に関連付けられた有価価値に基づいて遊技媒体の貸出処理を行う貸出処理機に対する記録媒体の補充又は回収を効率良く行う場合に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本実施例に係るカード管理システムの全体構成を示す図である。
【図2】図1に示したカード処理機とターミナルコントローラ(T/C)によるカード管理概念を説明するための説明図である。
【図3】図1に示したターミナルコントローラ(T/C)の内部構成を示す機能ブロック図である。
【図4】カード管理テーブルの一例を示す構成図である。
【図5】図1に示したパチンコ機及びカード処理機の外観構成を示す正面図である。
【図6】図1に示したカード処理機の内部構成を示す機能ブロック図である。
【図7】図1に示したカード処理機のカード補充ランプ又はカード回収ランプの点灯制御手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0101】
100 ターミナルコントローラ(T/C)
110 表示部
111 表示制御部
120 制御部
121 カード枚数管理部
122 補充/回収通知部
130 記憶部
131 NF値/NE値記憶部
132 カード枚数管理テーブル
140 入力部
150 出力部
160、470 通信I/F部
200 島コントローラ
300 パチンコ機
310 遊技領域
320 上皿
330 玉投出機構部
340 度数表示部
350 玉貸出しボタン
360 カード返却ボタン
400 カード処理機
401 本体部
402 カード補充ランプ
403 カード回収ランプ
404 紙幣投入口
405a 金額設定ボタン
405b 金額表示部
406 カード挿入/返却口
410 カード読取部
420 カード通過検出センサ
430 カード収納部
440 制御部
441 玉貸処理部
442 カード返却処理部
443 カード枚数管理部
444 メモリ
445 カード枚数通知部
446 タイマ
450 紙幣処理部
460 紙幣識別部
465 紙幣搬送路
500 カード発行機
600 カード精算機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置内部に複数枚の記録媒体を収納可能に形成され、該記録媒体の一つに貨幣による有価価値を関連付け可能とされるとともに、該記録媒体に関連付けられた有価価値に基づいて遊技媒体の貸出処理を行う貸出処理機を有する遊技媒体貸出システムであって、
前記貸出処理機は、
装置内部に収納された有価価値が関連付けられていない記録媒体数を管理する記録媒体数管理手段と、前記記録媒体数管理手段により管理された記録媒体数を所定の管理装置に通知する通知手段と、前記管理装置から記録媒体の補充報知指示若しくは回収報知指示を受け付けた場合に、指示内容に応答する報知を行う報知手段とを備え、
前記管理装置は、
各貸出処理機から通知された記録媒体数に基づいて、各貸出処理機に記録媒体の補充又は回収を要するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により記録媒体の補充を要すると判定された場合には該当する貸出処理機に対して補充報知指示を指示し、前記判定手段により記録媒体の回収を要すると判定された場合には該当する貸出処理機に対して回収報知指示を指示する補充回収指示手段とを備えた
ことを特徴とする遊技媒体貸出システム。
【請求項2】
前記貸出処理機は、記録媒体の補充回収作業を行う遊技店の従業員に対して当該貸出処理機への記録媒体の補充を要する旨を報知する補充ランプと、前記従業員に対して当該貸出処理機からの記録媒体の回収を要する旨を報知する回収ランプとをさらに備え、
前記報知手段は、
前記管理装置から記録媒体の補充報知指示を受け付けた場合には前記補充ランプを点灯制御し、前記管理装置から記録媒体の回収報知指示を受け付けた場合には前記回収ランプを点灯制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技媒体貸出システム。
【請求項3】
前記判定手段は、各貸出処理機から通知された記録媒体数、遊技店の運営状況並びに遊技店に配設される遊技機の機種特性に基づいて、各貸出処理機に記録媒体の補充又は回収を要するか否かを判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技媒体貸出システム。
【請求項4】
前記判定手段は、各貸出処理機から通知された記録媒体数が所定のニアエンプティ値以下である場合には記録媒体の補充を要すると判定し、各貸出処理機から通知された記録媒体数が所定のニアフル値以上である場合には記録媒体の回収を要すると判定することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の遊技媒体貸出システム。
【請求項5】
前記判定手段は、各貸出処理機から通知された記録媒体数の平均値を算定する平均値算定手段を備え、各貸出処理機から通知された記録媒体数が前記平均値算定手段により算定された平均値よりも所定数少ない場合には記録媒体の補充を要すると判定し、各貸出処理機から通知された記録媒体数が前記平均値算定手段により算定された平均値よりも所定数多い場合には記録媒体の回収を要すると判定することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の遊技媒体貸出システム。
【請求項6】
装置内部に複数枚の記録媒体を収納可能に形成され、該記録媒体の一つに貨幣による有価価値を関連付け可能とされるとともに、該記録媒体に関連付けられた有価価値に基づいて遊技媒体の貸出処理を行う貸出処理機への記録媒体補充回収報知方法であって、
前記貸出処理機が、装置内部に収納された有価価値が関連付けられていない記録媒体数を管理する記録媒体数管理工程と、
前記記録媒体数管理工程により管理された記録媒体数を所定の管理装置に通知する通知工程と、
前記管理装置が、各貸出処理機から通知された記録媒体数に基づいて、各貸出処理機に記録媒体の補充又は回収を要するか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により記録媒体の補充を要すると判定された場合には該当する貸出処理機に対して補充報知指示を指示し、前記判定手段により記録媒体の回収を要すると判定された場合には該当する貸出処理機に対して回収報知指示を指示する補充回収指示工程と、
前記貸出処理機が、前記管理装置から記録媒体の補充報知指示若しくは回収報知指示を受け付けた場合に、指示内容に応答する報知を行う報知工程と
を含んだことを特徴とする記録媒体補充回収報知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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