遊技媒体貸出処理機および管理システム
【課題】表示器を備える構成において使い勝手の良い遊技媒体貸出処理機、およびこれを含む管理システムを提供すること。
【解決手段】貸出機3(遊技媒体貸出処理機)では、カード処理部29や制御部40といった受付手段が、遊技客の操作を受け付けることができ、受付手段が受け付けた操作に基づいて、制御部40が、表示操作部25(表示器)の表示設定を特定する。貸出機3では、制御部40が、特定した表示設定に基づいて、表示操作部25における表示態様を切り替える。そのため、遊技客は、いずれの貸出機3においても、所定の操作をするだけで、表示操作部25における表示態様を自分好みの表示態様に自動的に切り替えることができることから、使い勝手が良い。
【解決手段】貸出機3(遊技媒体貸出処理機)では、カード処理部29や制御部40といった受付手段が、遊技客の操作を受け付けることができ、受付手段が受け付けた操作に基づいて、制御部40が、表示操作部25(表示器)の表示設定を特定する。貸出機3では、制御部40が、特定した表示設定に基づいて、表示操作部25における表示態様を切り替える。そのため、遊技客は、いずれの貸出機3においても、所定の操作をするだけで、表示操作部25における表示態様を自分好みの表示態様に自動的に切り替えることができることから、使い勝手が良い。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技店において遊技台と1対1の関係で設けられ、対応する遊技台に対して遊技媒体の貸出処理を行うための遊技媒体貸出処理機、およびこれを含む管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技店には、遊技媒体貸出処理機が設けられている。遊技媒体貸出処理機は、遊技店において各遊技台と1対1の関係で設けられ、対応する遊技台に対して遊技媒体の貸出処理を行う。
特許文献1では、遊技媒体貸出処理機として、台間装置(CRユニット)が、現金またはプリペイドカードによる遊技媒体の貸出を行う。たとえば、台間装置に対して現金が入金されると、この台間装置は、対応する遊技台(パチンコ台)に対して、入金された現金に相当する数を上限とする遊技媒体を客に投出するように指令を下す。
【0003】
また、この台間装置には、客向けの情報を目視可能に表示する表示操作部が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−200960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の台間装置は、隣り合う遊技台の間に配置されていることから、比較的幅が狭い(一般には4cm程度)。そのため、このような幅狭の台間装置に設けられた表示操作部は、比較的小さくなっている。このような小さい表示操作部に各種情報を表示しても、高齢者や視力の弱い者や、遊技店に通い詰めていない初心者にとっては、表示操作部に表示された情報が見づらく、使い勝手が悪い場合がある。
【0006】
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、表示器を備える構成において使い勝手の良い遊技媒体貸出処理機、およびこれを含む管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、遊技店において遊技台と1対1の関係で設けられ、対応する遊技台に対して遊技媒体の貸出処理を行うための遊技媒体貸出処理機であって、目視可能な情報を表示するための表示器と、遊技客の操作を受け付ける受付手段と、前記受付手段が受け付けた操作に基づいて、前記表示器の表示設定を特定する特定手段と、前記特定手段によって特定された前記表示設定に基づいて、前記表示器における表示態様を切り替える切替手段と、を有することを特徴とする、遊技媒体貸出処理機である。
【0008】
請求項2記載の発明は、前記受付手段は、遊技客の所持する記録媒体を読み取る読取手段を含み、前記特定手段は、前記読取手段が前記記録媒体を読み取ったのに応答して、前記記録媒体に関連付けて登録された前記表示器の表示設定を取得する取得手段を含み、前記切替手段は、前記取得手段が取得した前記表示設定に基づいて、前記表示器における表示態様を切り替えることを特徴とする、請求項1記載の遊技媒体貸出処理機である。
【0009】
請求項3記載の発明は、前記切替手段は、前記表示器に表示される文字のサイズを切り替えることで表示態様を切り替えることを特徴とする、請求項2記載の遊技媒体貸出処理機である。
請求項4記載の発明は、前記切替手段は、前記表示器に表示される情報の種類を切り替えることで表示態様を切り替えることを特徴とする、請求項2記載の遊技媒体貸出処理機である。
【0010】
請求項5記載の発明は、前記遊技媒体貸出処理機には、上位装置が通信可能に接続されており、前記表示設定は、前記上位装置に登録されていることを特徴とする、請求項2〜4のいずれかに記載の遊技媒体貸出処理機である。
請求項6記載の発明は、前記表示設定は、前記記録媒体に登録されていることを特徴とする、請求項2〜4のいずれかに記載の遊技媒体貸出処理機である。
【0011】
請求項7記載の発明は、請求項2〜6のいずれかに記載の遊技媒体貸出処理機を含む管理システムであって、前記遊技媒体貸出処理機は、前記表示器における表示態様を切り替えるために操作される切替操作部を有し、前記切替手段は、前記切替操作部が操作されるのに応じて、前記表示器における表示態様を切り替えることができ、前記遊技媒体貸出処理機の対応する遊技台での遊技終了を検出する検出手段と、前記検出手段が遊技終了を検出した時点における前記遊技媒体貸出処理機の表示器の表示態様がデフォルトの表示態様となるように前記表示設定を更新する設定更新手段と、を有することを特徴とする、管理システムである。
【0012】
請求項8記載の発明は、前記設定更新手段は、前記検出手段が遊技終了を検出した時点における前記表示器の表示態様が、前記検出手段が遊技終了を所定回数検出したいずれの場合においても同じであることを条件として、前記表示設定を更新することを特徴とする、請求項7記載の管理システムである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の発明によれば、遊技台と1対1の関係で設けられ、対応する遊技台に対して遊技媒体の貸出処理を行うための遊技媒体貸出処理機には、目視可能な情報を表示するための表示器が設けられている。遊技媒体貸出処理機では、受付手段が、遊技客の操作を受け付けることができ、受付手段が受け付けた操作に基づいて、特定手段が、表示器の表示設定を特定する。遊技媒体貸出処理機では、特定手段が特定した表示設定に基づいて、切替手段が、表示器における表示態様を切り替える。
【0014】
そのため、遊技客は、いずれの遊技媒体貸出処理機においても、所定の操作をするだけで、表示器における表示態様を自分好みの表示態様に自動的に切り替えることができることから、使い勝手が良い。
請求項2記載の発明によれば、受付手段は、読取手段を含み、特定手段は、取得手段を含んでいる。遊技媒体貸出処理機では、読取手段が、遊技客の所持する記録媒体を読み取ることができ、読取手段が記録媒体を読み取ったのに応答して、取得手段が、記録媒体に関連付けて登録された表示器の表示設定を取得する。遊技媒体貸出処理機では、取得手段が取得した表示設定に基づいて、切替手段が、表示器における表示態様を切り替える。
【0015】
そのため、それぞれの客に応じて、表示器における表示態様が客好みとなるように、当該客の記録媒体に関連付けて表示設定を事前に登録しておけば、その後は、客が自分の記録媒体を遊技媒体貸出処理機の読取手段に読み取らせるだけで、いずれの遊技媒体貸出処理機においても、表示器における表示態様を当該客好みの表示態様に自動的に切り替えることができることから、客に手間をかけさせずに済むので、使い勝手が良い。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、切替手段は、表示器に表示される文字のサイズを切り替えることで表示態様を切り替える。そのため、いずれの遊技媒体貸出処理機においても、表示器に表示される文字のサイズが客好みのサイズに自動的に切り替えられることから、客が改めて文字のサイズを自分好みに設定し直さずに済むので、使い勝手が良い。
請求項4記載の発明によれば、切替手段は、表示器に表示される情報の種類を切り替えることで表示態様を切り替える。そのため、いずれの遊技媒体貸出処理機においても、表示器に表示される情報の種類(情報量)が客好みの種類に自動的に切り替えられることから、客が改めて当該種類を自分好みに設定し直さずに済むので、使い勝手が良い。
【0017】
表示設定は、請求項5記載の発明のように、遊技媒体貸出処理機に通信可能に接続された上位装置に登録されていてもよく、請求項6記載の発明のように、記録媒体に登録されていてもよい。
請求項7記載の発明によれば、遊技媒体貸出処理機では、切替操作部が操作されるのに応じて、切替手段が、表示器における表示態様を切り替える。これにより、客は、切替操作部を操作することによって、表示器における表示態様を自分好みの表示態様になるように切り替えることができる。
【0018】
そして、遊技媒体貸出処理機を含む管理システムでは、遊技台での遊技終了を検出手段が検出し、その検出時点における当該遊技台に対応する遊技媒体貸出処理機の表示器の表示態様がデフォルトの表示態様となるように、設定更新手段が、表示設定を更新する。
そのため、客が切り替えた後の好みの表示態様が、その客に対するデフォルトの表示態様となるように表示設定が更新されるので、その後、この客がいずれの遊技媒体貸出処理機の読取手段に記録媒体を読み取らせても、更新後の表示設定に基づいて、当該遊技媒体貸出処理機の表示器における表示態様が、その客の好みの(デフォルトの)表示態様になる。そのため、客は、遊技をする度に切替操作部を操作して表示器における表示態様を自分好みの表示態様になるように切り替えずに済むので、使い勝手が良い。
【0019】
請求項8記載の発明によれば、設定更新手段は、検出手段が遊技終了を検出した時点における表示器の表示態様が、検出手段が遊技終了を所定回数検出したいずれの場合においても同じであることを条件として、表示設定を更新する。そのため、客が切替操作部を間違って操作したときの好みでない表示態様がデフォルトの表示態様となるように表示設定が更新されるといった不具合を防止して、客が本当に望む表示態様が確実にデフォルトの表示態様となるように表示設定を更新することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る管理システム1の構成を示す図である。
【図2】図2は、1組の遊技台2および貸出機3を示す正面図である。
【図3】図3は、管理システム1の要部の電気的構成を示すブロック図である。
【図4A】図4Aは、管理装置5のメモリ部52に記憶されるカード管理テーブル55を示す図である。
【図4B】図4Bは、会員サーバ6のメモリ部62に記憶される会員テーブル65を示す図である。
【図5】図5は、貸出機3の表示操作部25を示す図であり、(a)は、第1表示態様(標準表示態様)における表示操作部25を示し、(b)は、第2表示態様(拡大表示態様)における表示操作部25を示している。
【図6】図6は、貸出機3によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は、貸出機3によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、管理装置5や会員サーバ6によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【図9A】図9Aは、管理システム1で実施される第1パターンの処理を説明するための模式図である。
【図9B】図9Bは、管理システム1で実施される第2パターンの処理を説明するための模式図である。
【図9C】図9Cは、管理システム1で実施される第3パターンの処理を説明するための模式図である。
【図9D】図9Dは、管理システム1で実施される第4パターンの処理を説明するための模式図である。
【図10】図10は、貸出機3の表示操作部25における表示内容を示す図である。
【図11】図11(a)は、1組の遊技台2および貸出機3を示す模式的な正面図であり、図11(b)は、図11(a)に示す貸出機3の模式的な左側断面図である。
【図12A】図12Aは、貸出機3によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【図12B】図12Bは、貸出機3によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る管理システム1の構成を示す図である。
図1を参照して、たとえばパチンコ店等の遊技店には、管理システム1が設けられている。管理システム1は、パチンコ台等の遊技台2と、貸出機3(遊技媒体貸出処理機)と、島コントローラ4と、ターミナルコントローラ(略して「T/C」)5と、会員サーバ6と、景品管理機7と、景品払出機8とを主に含んでいる。
【0022】
遊技台2は、遊技店において複数配置されている。これらの遊技台2は、所定台数毎にまとまって配置されていて、遊技台2の1つのまとまりは、遊技島と呼ばれる。遊技客(以下では、単に「客」ということがある)は、パチンコ玉などの遊技媒体を遊技店から貸し出してもらい、貸し出された遊技媒体を用いて遊技台2で遊技する。そして、客が遊技に勝つと、客に対して遊技台2から遊技媒体が払い出される。このように客が遊技によって獲得した遊技媒体の呼び方を、状況に応じて変えることがある。遊技媒体がパチンコ玉である場合、具体的には、遊技で勝って遊技台2から排出された直後の遊技媒体を出玉(「でだま」)といい、貸出機3の計数部21(各台計数機とも呼ばれ、詳しくは後述する)計数された出玉を持玉(「もちだま」)といい、遊技店に預け入れられた持玉を貯玉(「ちょだま」)ということにする。
【0023】
貸出機3は、図1においてドットで塗り潰した部分であり、遊技台2と1対1の関係で設けられている。つまり、貸出機3は、遊技台2と同じ数だけ存在し、各貸出機3は、いずれかの遊技台2に対する専用機であり、図1では、対応する遊技台2の左隣に配置されている。遊技島において、各貸出機3は、遊技島の端にあるものを除き、隣り合う遊技台2の間に配置されている。貸出機3は、現金が入金されること等に応じて、対応する遊技台2で遊技をするための遊技媒体を客に貸し出す装置である。つまり、貸出機3は、対応する遊技台2に対して遊技媒体の貸出処理を行う。具体的には、貸出機3は、対応する遊技台2に対して、客に貸し出す遊技媒体を遊技台2の上皿9に払い出すよう指令を下す。
【0024】
貸出機3に関連して、遊技店には、客に配られるカードC(記録媒体)がある。各カードCには、個別の識別情報(「ID」ということにする)が割り当てられている。カードCは、たとえば、ICチップを内蔵するICカードであって、ICチップにIDが記録されている。なお、カードCとして、このようなICカード以外に、磁気カードが挙げられる。そして、カードCには、会員カードと一般カードとがある。会員カードは、遊技店において事前に会員登録した客(会員客)だけに所持が許される会員客専用のカードである。これに対し、一般カードは、会員登録を必要としないカードであり、会員客以外の客(一般客)に所持される。貸出機3には、新規の(特定の客のものではない)一般カードCが複数枚(たとえば最大で10枚)ストックされている。
【0025】
なお、客個人の携帯電話(図示せず)がカードCの役割を果たしてもよい。この場合、携帯電話に内蔵されたICチップの製造番号(IDm)が前述したIDと同じ役割を果たす。
島コントローラ4は、遊技島1つにつき、1〜2台設けられていて、対応する遊技島内の貸出機3に対して電気的に接続されている。
【0026】
T/C5および会員サーバ6は、管理システム1における上位装置であり、遊技店内において、事務所等に配置されている。T/C5および会員サーバ6は、ともに、遊技店内における遊技に関する情報を管理する。具体的には、T/C5は、主に、前述したカードCのIDに関連付けてプリペイド価値や持玉の数(持玉数)をデータとして管理し、会員サーバ6は、主に、前記IDに関連付けて会員情報や貯玉の数(貯玉数)をデータとして管理する(詳しくは後述する)。T/C5および会員サーバ6は、通信可能に接続されている。各遊技島の貸出機3は、島コントローラ4を介して、T/C5および会員サーバ6と通信可能に接続されている。なお、T/C5および会員サーバ6は、一体であってもよい。
【0027】
景品管理機7は、遊技店で取り扱われる景品の管理を行う装置である。ここで、景品には、菓子やタバコ等の一般景品と、特殊景品とがある。特殊景品は、所定の金銭価値を有する物体が内蔵された景品であり、たとえばカード状である。特殊景品には、200円、1000円、5000円等といった金銭価値に応じた複数の種類が存在する。景品払出機8は、景品管理機7からの指令を受けて特殊景品を払い出す装置である。景品管理機7および景品払出機8は、遊技店内において、遊技媒体を景品に交換するための景品カウンタに配置されていて、T/C5および会員サーバ6に対して通信可能に接続されている。
【0028】
図1を参照して、遊技店内における管理システム1による処理の概要を説明する。
まず、遊技店に入店した客は、好みの遊技台2の前に着き、一例として、その遊技台2に対応する貸出機3に現金を入金する。すると、入金額相当を上限とする数の遊技媒体が当該遊技台2の上皿9に払い出されることで客に貸し出される。客は、貸し出された遊技媒体を用いて遊技台2で遊技をする。客が遊技に勝つと、それに応じた数の遊技媒体(出玉)が遊技台2の下皿12に払い出される。入金額の残り分は、プリペイド価値としてT/C5で管理される(後述する図4A参照)。
【0029】
ここで、遊技媒体の貸出レート(貸し出すときの遊技媒体の価値)には、複数の種類(この実施形態では2種類)が設定されている。一例として、この実施形態では、遊技媒体がパチンコ玉の場合、通常の貸出レート(「通常レート」ということにする)は、4円/玉であり、通常レートより低い貸出レート(「低レート」ということにする)は、1円/玉となっている。そのため、客は、いずれかの貸出レートで、遊技媒体の貸し出しを受ける。
【0030】
なお、客が会員客であり、貯玉を有している場合には、自分の会員カードCを貸出機3のカード出入口10(後述する)に挿入し、暗証番号の入力および照会を行う。これにより、挿入された会員カードCのIDに関連付けられた貯玉を会員サーバ6から引き落とし、貯玉を用いて遊技台2で遊技をすることができる。
ここで、貯玉や持玉にも、貸出レートに応じた複数の種類が存在する。つまり、貯玉の場合、通常レートで貸し出された遊技媒体についての貯玉と、低レートで貸し出された遊技媒体についての貯玉とが存在し、持玉の場合、通常レートで貸し出された遊技媒体についての持玉と、低レートで貸し出された遊技媒体についての持玉とが存在する。T/C5は、持玉を、対応する貸出レートに関連付けて管理しており、会員サーバ6は、貯玉を、対応する貸出レートに関連付けて管理している。
【0031】
遊技中において、貸出機3は、対応する遊技台2での遊技で客によって獲得された(下皿12に払い出された)遊技媒体を計数することができる。下皿12に払い出された遊技媒体は、貸出機3に取り込まれ、計数された後に回収される。計数によって、当該客の持玉の数が増える。
客が遊技を終了したい場合、遊技台2の上皿9等に設けられたカード返却ボタン11を押す。すると、貸出機3に現金を入金して遊技を開始した場合には、貸出機3内にストックされた一般カードCが1枚選択され、今回の遊技で獲得されて貸出機3によって計数された遊技媒体(持玉)の数およびプリペイド価値が、当該一般カードCのIDに関連付けてT/C5に記録されるとともに、当該一般カードCが貸出機3のカード出入口10から排出される。カード出入口10に会員カードCを挿入して遊技を開始した場合には、今回の遊技で獲得されて貸出機3によって計数された遊技媒体(持玉)の数およびプリペイド価値が、当該会員カードCのIDに関連付けてT/C5に記録されるとともに、当該会員カードCがカード出入口10から排出(返却)される。
【0032】
なお、持玉数は、カードC自身に記録されてもよい。また、客は、カードCが排出された後に別の遊技台2で遊技したい場合には、先程排出されたカードCを、新しく遊技したい遊技台2に対応する貸出機3のカード出入口10に挿入する。すると、客は、挿入されたカードCのIDに関連付けられてT/C5で記録されているプリペイド価値や対応する貸出レートの持玉を使って、当該別の遊技台2で遊技をすることができる。
【0033】
そして、遊技終了後にカードCを受け取った客は、自分が獲得した遊技媒体を景品に交換してもらうために、景品カウンタに向う。
客は、景品カウンタの店員にカードCを手渡す。店員は、受け取ったカードCのIDを景品管理機7に読み取らせる。なお、IDの読み取りの作業は、客自身が行っても構わない。景品管理機7は、IDを読み取ると、このIDに関連付けてT/C5や会員サーバ6で管理されている持玉数や貯玉数を呼び出す。店員は、客からの希望に沿って、景品と交換する遊技媒体の貸出レートを景品管理機7で指定する。そして、店員は、客から、交換を希望する景品の種類および個数を聞き取る。
【0034】
客が交換を希望する景品が一般景品である場合には、店員は、客から聞き取った一般景品の種類および個数を景品管理機7に入力する。これに応じて、T/C5や会員サーバ6で管理されている対応する貸出レートの持玉数や貯玉数が、当該景品と交換される遊技媒体の数に応じて減算(更新)される。また、景品管理機7において、当該一般景品の在庫が減算(更新)される。そして、店員は、該当する一般景品を必要個数分だけ客に手渡しする。
【0035】
客が交換を希望する景品が特殊景品である場合には、店員は、特殊景品が選択されたことを景品管理機7に入力する。これに応じて、景品管理機7は、交換可能な特殊景品の種類および個数を自動算出し、店員からの払い出し指示の入力があると、算出結果に基づく特殊景品の払い出しを行うように景品払出機8に指令を下す。景品払出機8は、当該指令に従って、選択された種類および個数の特殊景品を払い出す。景品管理機7は、景品払出機8に指令を下したのに応じて、当該特殊景品の在庫を減算(更新)する。また、T/C5や会員サーバ6で管理されている対応する貸出レートの持玉数や貯玉数が、当該特殊景品と交換される遊技媒体の数に応じて減算(更新)される。そして、店員は、景品払出機8から払い出された特殊景品を客に渡す。
【0036】
いずれの景品にも交換されない持玉が存在する場合、当該持玉は、一般客のものであれば、持玉が発生した日における遊技店の営業時間が終了したのに応じて消滅する。一方、会員客の持玉は、持玉が発生した日における遊技店の営業時間が終了したのに応じて、同じ貸出レートにおける貯玉となる。これに応じて、T/C5で管理されている該当する持玉数が零となるとともに、会員サーバ6で管理されている該当する貯玉数が加算(更新)される。
【0037】
次に、貸出機3について詳説する。
図2は、1組の遊技台2および貸出機3を示す正面図である。
図2を参照して、貸出機3は、対応する遊技台2の左側において当該遊技台2の左側面に沿って配置された縦長かつ幅狭の本体部20と、本体部20の下端部に設けられた計数部21とを含んでいる。
【0038】
本体部20の幅は、たとえば4cm程度と狭く、このように幅狭の本体部20の前面(図2における手前の面)には、状態表示部22、紙幣挿入口23、リモコン受信部24、表示操作部25(表示器)、払出ノズル26、および、前述したカード出入口10が上からこの順番で設けられている。
状態表示部22は、所定の点灯パターンで点灯したり、所定の発光色で発光したりすることによって、貸出機3の運転状態を表示する。
【0039】
紙幣挿入口23は、縦長のスリット状であり、貸出機3に入金される紙幣を受け入れることができる。
リモコン受信部24は、店員が携帯するリモコン90(後述する図11参照)から発せられた無線信号を受信する部分である。店員は、リモコン90を操作することによって、貸出機3の動作を遠隔で制御することができる。
【0040】
表示操作部25は、タッチパネルを備えた液晶表示器であり、本体部20より幅狭の縦長矩形状をなしている。表示操作部25には、客向けの情報が目視可能に表示されたり、客が押下することができるタッチキーが表示されたりする。前述したように本体部20の幅が狭いことから、表示操作部25の幅も比較的狭いので、表示操作部25に一度に表示できる情報の量や表示サイズには限界がある。
【0041】
払出ノズル26は、遊技台2の上皿9の真上の位置まで右側へ延びていて、上皿9を真上から臨む位置において下向きに開口している。遊技中に、客が、計数を終えた持玉の払い出しを受けて遊技を続行したい場合には、必要な数の玉が払出ノズル26から上皿9に払い出される。
カード出入口10は、前述したカードCが出し入れされる縦長のスリット状である。なお、カードCはプリペイドカードを兼ねている。そのため、客は、カードCをカード出入口10に挿入することによって、カードCのIDに関連付けられた(または、カードC自身に記録された)プリペイド価値の範囲内で遊技媒体の貸し出しを受けることができる。
【0042】
また、本体部20には、紙幣処理部27と、玉供給部28と、カード処理部29(受付手段、読取手段)とが内蔵されている。
紙幣処理部27は、紙幣挿入口23に挿入(入金)された紙幣の真偽および金額を識別することができる。
玉供給部28は、払出ノズル26から払い出される玉を払出ノズル26に供給することができる。
【0043】
カード処理部29は、カード出入口10にカードCが挿入されたことを認識したり、カードCが一般カードか会員カードかを識別したり、カード出入口10に挿入されたこれらのカードの記録内容を読み取ったり、これらのカードの記録内容を書き換えたり、これらのカードをカード出入口10から排出したりすることができる。また、カード処理部29では、複数枚(最大で10枚程度)のカードCをスタックできる。
【0044】
計数部21は、受皿30と、搬送ノズル31、計数本体32とを含んでいる。
受皿30は、遊技台2の下皿12の真下に配置されている。ここで、下皿12では、底を開放することができ、これにより、下皿12に溜まった遊技媒体(出玉)は、落下して受皿30に受け止められる。受皿30には、払出ボタン34が設けられている。払出ボタン34を押すと、所定数の持玉が払出ノズル26から遊技台2の上皿9に払い出される。
【0045】
搬送ノズル31は、受皿30につながっていて受皿30から左側へ延びている。
計数本体32は、本体部20の下端部に取り付けられていて、計数機構33を内蔵している。搬送ノズル31の左端部は計数本体32につながっている。下皿12から落下して受皿30に受け止められた出玉は、搬送ノズル31を経由して計数本体32に送り込まれ、計数機構33によって計数される。
【0046】
また、遊技台2には、払出機構35が内蔵されている。前述したように、貸出機3が遊技台2に対して、客に貸し出す遊技媒体を払い出すよう指令を下すと、遊技台2では、払出機構35が、客に貸し出す遊技媒体を遊技台2の上皿9に払い出す。なお、客に貸し出す遊技媒体が払出ノズル26から上皿9に払い出されてもよい。上皿9には、カード出入口10からのカードCの排出を貸出機3に指示するために押下されるカード返却ボタン11と、遊技媒体の貸し出しを貸出機3に指示するために押下される貸出ボタン14とが設けられている。
【0047】
図3は、管理システム1の要部の電気的構成を示すブロック図である。
図3を参照して、各貸出機3は、制御部40(受付手段、特定手段、取得手段、切替手段、検出手段)を備えている。制御部40は、CPUおよびそのプログラム等を記憶したROM、RAM等で構成されており、プログラムに従って演算処理等の所定の処理を実行する。
【0048】
各貸出機3では、制御部40に対して、主に、前述したカード処理部29、紙幣処理部27および表示操作部25と、通信I/F(インタフェース)部41と、メモリ部42とが電気的に接続されている。
各貸出機3は、通信I/F部41を介して、対応する遊技台2と通信できるとともに、T/C5や会員サーバ6と通信することもできる。たとえば、対応する遊技台2のカード返却ボタン11(図2参照)が押されると、制御部40は、カード返却ボタン11が押されたことを、通信I/F部41を介して把握し、これによって、対応する遊技台2での遊技終了を検出する。
【0049】
メモリ部42には、各種設定情報等の必要な情報が記録されている。
T/C5は、制御部50(設定更新手段)を備えている。制御部50は、CPUおよびそのプログラム等を記憶したROM、RAM等で構成されており、プログラムに従って演算処理等の所定の処理を実行する。T/C5では、制御部50に対して、通信I/F部51と、メモリ部52とが電気的に接続されている。
【0050】
T/C5は、通信I/F部51を介して、各貸出機3や会員サーバ6と通信することができる。メモリ部52には、各種設定情報等の必要な情報が記録されている。
会員サーバ6は、制御部60(設定更新手段)を備えている。制御部60は、CPUおよびそのプログラム等を記憶したROM、RAM等で構成されており、プログラムに従って演算処理等の所定の処理を実行する。会員サーバ6では、制御部60に対して、通信I/F部61と、メモリ部62とが電気的に接続されている。
【0051】
会員サーバ6は、通信I/F部61を介して、各貸出機3やT/C5と通信することができる。メモリ部62には、各種設定情報等の必要な情報が記録されている。
図4Aは、T/C5のメモリ部52に記憶されるカード管理テーブル55を示す図である。図4Bは、会員サーバ6のメモリ部62に記憶される会員テーブル65を示す図である。図5は、貸出機3の表示操作部25を示す図であり、(a)は、第1表示態様(標準表示態様)における表示操作部25を示し、(b)は、第2表示態様(拡大表示態様)における表示操作部25を示している。
【0052】
図4Aを参照して、T/C5のメモリ部52には、カード管理テーブル55が記憶されている。カード管理テーブル55には、カードC(図1参照)のID、客が会員客および一般客のどちらかというステータス、客が有する貸出レート毎の持玉数、プリペイド価値、および、貸出機3の表示操作部25の表示設定が記録(登録)されている。ここで、表示設定とは、各IDの客について個別に選択された表示操作部25の表示態様が何かということであり、表示態様とは、図5に示すように、表示操作部25において表示される情報の種類(情報量)や、当該情報の表示サイズのことである。図5(a)は、第1表示態様(標準表示態様)における表示操作部25を示しており、図5(b)は、第2表示態様(拡大表示態様)における表示操作部25を示している。
【0053】
図5(a)に示す第1表示態様では、一例として、表示操作部25において、上端左側に、貸出機3が貸し出す遊技媒体の貸出レートの種類(図5(a)では「通常レート」)が表示され、上端右側に、貸出機3のカード出入口10に挿入されたカードCを所有する客のステータス(図5(a)では「会員客」)が表示されている。そして、第1表示態様の表示操作部25では、一例として、貸出レートの種類および客のステータスの表示の下に、貸出機3に入金された現金の残額(図5(a)では「5000円」)、現在の持玉数(図5(a)では「1000玉」)が上からこの順番で表示されている。そして、第1表示態様の表示操作部25では、一例として、持玉数の表示の下に、遊技店の広告メッセージ(図5(a)では「本日はイベントデー ○○が付く番号の(遊技)台は当たりかも?」)が表示され、広告メッセージの下には、「文字サイズ切替」と記載された切替キー70(切替操作部)が表示されている。切替キー70は、表示操作部25のタッチパネルに設けられたタッチキーであり、第1表示態様および第2表示態様のいずれの場合であっても、表示操作部25に表示される。
【0054】
図5(b)に示す第2表示態様では、一例として、表示操作部25において、貸出レートの種類(図5(b)では「通常レート」)が表示され、その下に、残額、持玉数および切替キー70が、上からこの順番で表示されている。
第1表示態様と第2表示態様とを見比べれば分かるように、第1表示態様では、各情報の文字サイズ(表示サイズ)が小さいものの、客のステータス情報や広告メッセージの分だけ、第2表示態様よりも多くの情報が表示されている。一方、第2表示態様では、第1表示態様よりも文字サイズが大きいものの、表示される情報が第1表示態様よりも少ない。つまり、第2表示態様では、必要最小限の情報を可能な限り大きく表示している。
【0055】
この実施形態では、各貸出機3において、カード出入口10に何もカードが挿入されておらず、紙幣挿入口23に現金が挿入されていない待機状態において、表示操作部25の表示態様が第1表示態様になるように事前にデフォルト設定されている(図2参照)。ただし、待機状態における第1表示態様では、図5(a)における広告メッセージよりも上の情報は表示されない。または、広告メッセージより上において、残額が0円であること、および、持玉数が0玉であることだけが表示される。
【0056】
客は、表示操作部25における表示態様を第1表示態様および第2表示態様のいずれにするのかを好みに応じて選択することができる。文字が小さくても情報量が多い第1表示態様を好む客もいれば、残額および持玉数だけが分かればよいから、その分だけ残額および持玉数の情報を大きく表示して欲しいと思って第2表示態様を好む客もいる。
そして、客が表示操作部25の表示態様として第1表示態様および第2表示態様のどちらを選択したのかということが、前述した表示設定として、当該客のIDに関連付けて、図4Aに示すカード管理テーブル55に記録(登録)されている。一例として、カード管理テーブル55では、IDが0001の客について、そのIDと、客のステータス(会員客)と、通常レートの持玉数(1000玉)と、低レートの持玉数(200玉)と、この客がデフォルトの表示態様として第1表示態様を選択していること(表示設定)とが記録されている。
【0057】
一方、図4Bを参照して、会員サーバ6のメモリ部62には、会員テーブル65が記憶されている。会員テーブル65には、会員客についての情報のみが記録されている。具体的には、会員テーブル65には、会員客毎に、会員客が所有する会員カードCのID、会員客が有する貸出レート毎の貯玉数、前述した表示設定、および、会員情報(氏名やメールアドレスや住所やポイント等)が記録(登録)されている。一例として、会員テーブル65では、IDが0001の客について、そのIDと、通常レートの貯玉数(2000玉)と、低レートの貯玉数(300玉)と、この会員客がデフォルトの表示態様として第1表示態様を選択していること(表示設定)とが記録されている。つまり、会員テーブル65でも、カード管理テーブル55と同様に、それぞれの客についての表示設定が、客のカードCのIDに関連付けて記録されている。
【0058】
ここで、IDが0001の会員客に注目すると、会員客の場合、当該会員客が持玉および貯玉の両方を持っていれば、持玉数は、カード管理テーブル55において管理され、貯玉数は、会員テーブル65で管理される一方で、この客の表示設定は、カード管理テーブル55および会員テーブル65の両方で管理(登録)される(図4Aおよび図4B参照)。
【0059】
客は、表示設定(表示態様の選択結果)を、カード管理テーブル55および会員テーブル65の少なくとも一方に事前に登録しておくことができる。なお、客が表示態様を選択していない場合には、当該客についての表示態様は第1表示態様であるとする表示設定が、カード管理テーブル55および会員テーブル65において暫定的に登録されている。
また、客は、表示操作部25に第1表示態様および第2表示態様のいずれかで情報が表示された状態において、表示操作部25に表示された切替キー70(図5参照)を押して操作することで、表示操作部25における現在の表示態様を、第1表示態様および第2表示態様の一方から他方へと切り替えることができる。切替キー70が操作されるのに応じて、当該表示操作部25を有する貸出機3の制御部40(図3参照)が、表示操作部25における表示態様を第1表示態様と第2表示態様との間で交互に切り替える。換言すれば、制御部40は、客による切替キー70の押下という操作を受け付けるとともに、当該操作に基づいて、客の望む表示態様がどれかということ(表示設定)を特定し、当該表示設定に基づいて表示操作部25における表示態様を切り替える。
【0060】
これにより、客は、いずれの貸出機3においても、切替キー70を操作するといった所定の操作をするだけで、表示操作部25における表示態様を自分好みの表示態様になるように自動的に切り替えることができることから、使い勝手が良い。
なお、客による切替キー70の操作によって表示操作部25における表示態様が切り替わった場合に、当該客のカードのIDに関連付けてカード管理テーブル55や会員テーブル65において記録されている表示設定がどうなるのかについては、以降で説明する。
【0061】
次に、表示操作部25における表示態様の切り替えに関し、貸出機3やT/C5や会員サーバ6によって実行される処理の手順を説明する。
図6は、貸出機3によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。図7は、貸出機3によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。図8は、T/C5や会員サーバ6によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【0062】
図6の処理は、客が遊技を開始するために好みの遊技台2の前に着いて、当該遊技台2に対応する貸出機3のカード出入口10に自分のカードCを挿入したときを想定している(図2参照)。
客が、カードCをカード出入口10に挿入すると、貸出機3のカード処理部29(図3参照)が、カード出入口10にカードCが挿入されたことを認識するとともに、このカードCに記録された内容(ID等)を読み取る。このとき、カード処理部29は、客によるカードC挿入という操作を受け付ける。カードCの読み取りがあると、この貸出機3の制御部40(図3参照)は、カード挿入および読み取りがあったと判断する(ステップS1でYES)。
【0063】
次いで、制御部40は、ステップS1で挿入されたカードCのIDに関連付けられた表示設定を、上位装置であるT/C5や会員サーバ6に問い合わせ、当該表示設定を取得する(ステップS2)。換言すれば、制御部40は、カード処理部29が受け付けた客による操作(カードC挿入)に基づいて、表示設定を特定する。
このカードCが会員カードであって、このカードCの持ち主である会員客が持玉および貯玉の両方を持っていれば、T/C5のカード管理テーブル55および会員サーバ6の会員テーブル65の両方に、表示設定が当該カードCのIDに関連付けて登録されている(図4Aおよび図4Bにおける0001,0002のIDについてのデータを参照)。また、当該会員客が持玉を持っていなくても、少なくとも会員テーブル65には、表示設定がIDに関連付けて登録されている(図4B参照)。一方、このカードCが一般カードであって、このカードCのIDに関連付けられた持玉が既に存在する場合には、T/C5のカード管理テーブル55には、表示設定が、この一般カードCのIDに関連付けて登録されている(図4Aにおける0003のIDについてのデータを参照)。
【0064】
そこで、制御部40は、ステップS2での問い合わせとして、カードCが挿入されたこと(厳密には、当該カードCのID)をT/C5や会員サーバ6に通知する。T/C5の制御部50(図3参照)は、カード管理テーブル55(図4A参照)を参照して、当該IDに関連付けて登録された表示設定を確認する。会員サーバ6の制御部60(図3参照)は、会員テーブル65(図4B参照)を参照して、当該IDに関連付けて登録された表示設定を確認する。T/C5の制御部50および会員サーバ6の制御部60のそれぞれは、該当する表示設定を自身のテーブルから見つけた場合に、この表示設定を、IDを通知してきた貸出機3に通知する。このようにして、カード処理部29がカードCを読み取ったのに応答して、貸出機3の制御部40は、ステップS2において、このカードCのIDに関連付けてカード管理テーブル55や会員テーブル65に登録された表示設定を取得する。また、制御部40は、表示設定と合わせて、持玉数やプリペイド価値に関する情報も取得する。
【0065】
次いで、制御部40は、ステップS2で取得(特定)した表示設定に沿った表示態様で、表示操作部25に情報を表示する(ステップS3)。そのため、ステップS1で挿入されたカードCのIDが0001である場合には(図4Aおよび図4B参照)、第1表示態様で表示操作部25に情報が表示されることになる(図5(a)参照)。前述したように、カードCが挿入される前の待機状態における表示操作部25の表示態様は、第1表示態様なので、IDが0001の場合には、カードCを挿入した前後で、表示操作部25の表示態様に変化はない。ただし、挿入されたカードCのIDに関連する固有の情報(具体的な持玉数等)があれば、これらの情報は、第1表示態様の文字サイズで表示操作部25に追加で表示される(図5(a)参照)。また、紙幣が紙幣挿入口23(図2参照)に挿入されると、挿入された紙幣の額に応じた残額が第1表示態様の文字サイズで表示操作部25に追加で表示される(図5(a)参照)。
【0066】
一方、ステップS1で挿入されたカードCのIDが0002である場合には(図4Aおよび図4B参照)、制御部40は、0002のIDについて関連付けられた表示設定を会員サーバ6から取得して(ステップS2)、表示設定に沿った表示態様で、表示操作部25に情報を表示する(ステップS3)。そのため、IDが0002の場合には、第2表示態様で表示操作部25に情報が表示されることになる(図5(b)参照)。このカードCが挿入される前の待機状態における表示操作部25の表示態様は、第1表示態様なので、IDが0002の場合には、ステップS1でカードCを挿入されると、制御部40は、ステップS3において、ステップS2で取得した表示設定に基づいて、表示操作部25の表示態様を第1表示態様から第2表示態様に切り替え、挿入されたカードCのIDに関連する固有の情報(具体的な持玉数等)を第2表示態様の文字サイズで表示操作部25に表示する。また、紙幣が紙幣挿入口23(図2参照)に挿入されると、挿入された紙幣の額に応じた残額が第2表示態様の文字サイズで表示操作部25に追加で表示される(図5(b)参照)。
【0067】
このように、貸出機3では、制御部40が、取得した表示設定に基づいて、表示操作部25における表示態様を切り替える。そのため、それぞれの客に応じて、表示操作部25における表示態様が客好みとなるように、当該客のカードCに関連付けて表示設定を事前に登録しておけば、その後は、客が自分のカードCを貸出機3のカード処理部29に読み取らせるといった所定の操作をするだけで、いずれの貸出機3においても、表示操作部25における表示態様を当該客好みの表示態様に自動的に切り替えることができることから、客に手間をかけさせずに済むので、使い勝手が良い。なお、表示態様の切り替えは、カードCが挿入された直後であってもよいし、カードC挿入後に遊技台2での遊技が開始されたときであってもよい。
【0068】
前述したように、第1表示態様と第2表示態様では、文字のサイズが異なる(図5参照)。そのため、制御部40は、表示操作部25に表示される文字のサイズを切り替えることで表示態様を切り替える。そのため、客が自分のカードCを貸出機3のカード処理部29に読み取らせるだけで、いずれの貸出機3においても、表示操作部25に表示される文字のサイズが当該客好みのサイズに自動的に切り替えられることから、客が切替キー70(図5参照)を押すことで改めて文字のサイズを自分好みに設定し直さずに済むので、使い勝手が良い。
【0069】
そして、遊技中には、前述したように切替キー70を押すことで、表示操作部25における現在の表示態様を、第1表示態様および第2表示態様の一方から他方へと切り替えることができる(図5参照)。
図7の処理は、客が遊技を終了するときを想定している。
客が遊技を終了するために遊技台2の(カード)返却ボタン11(図2参照)を押すと(ステップS11でYES)、この遊技台2に対応する貸出機3の制御部40は、客がカード返却ボタン11を押した時点における表示操作部25の表示態様が第1表示態様および第2表示態様のいずれであるかをいうこと(つまり、前述した表示設定)を、この客のカードCのIDに関連付けて上位装置(T/C5や会員サーバ6)に通知する(ステップS12)。通知を受けた上位装置は、当該表示設定を、この表示設定と一緒に通知されたIDに関連付けてカード管理テーブル55(図4A参照)や会員テーブル65(図4B参照)に登録する。具体的には、上位装置は、自身のテーブルにおいて今までの表示設定として登録していた表示態様から、今回通知された表示設定の表示態様に変わるように表示設定を更新する。更新が完了すると、上位装置は、今回表示設定を通知してきた貸出機3に対して、更新が完了した旨の通知(更新通知)を送信する。
【0070】
ステップS12において表示設定を通知した貸出機3の制御部40は、上位装置からの更新通知を受け取ると(ステップS13でYES)、現在カード出入口10に挿入されているカードCが会員カードであるか否か、換言すれば、現在会員カードCを受け付けているか否かを、カード処理部29の識別結果に基づいて確認する(ステップS14)。
会員カードCを受け付けているのであれば(ステップS14でYES)、制御部40は、カード処理部29(図3参照)に指令を下して、当該会員カードCをカード出入口10から排出させることで客に返却する(ステップS15)。
【0071】
会員カードCを受け付けていないのであれば(ステップS14でNO)、制御部40は、今回遊技を終了した客についての持玉またはプリペイド価値の残り(まとめて「価値」という)が存在するか否かを確認する(ステップS16)。価値があれば(ステップS16でYES)、制御部40は、カード処理部29(図3参照)に指令を下して、当該価値が関連付けられた一般カードCをカード出入口10から排出させることで客に返却する(ステップS17)。ここで、カード返却ボタン11を押した客が、今回の遊技開始前から所有していた一般カードCをカード出入口10に挿入して遊技を開始していた場合には、ステップS17では、当該一般カードCが返却される。当該価値がなければ(ステップS16でNO)、一般カードCは回収され、客に返却されない。
【0072】
一方、遊技客がカードC(会員カードおよび一般カードの両方を含む)をカード出入口10に挿入することなく、現金やプリペイドカードから遊技媒体を借りて遊技を開始していた場合において、前記価値があれば、ステップS17では、前述したように貸出機3内にストックされた中から選択された一般カードC(前記価値が関連付けられている)が客に排出される。この場合、ステップS12では、表示設定とともに、当該選択された一般カードCのIDが上位装置に通知され、上位装置では、自身のテーブル(図4Aおよび図4B参照)において、このIDに関連付けて、当該表示設定を新たに登録する。
【0073】
なお、カードCが返却(または排出)されると(ステップS15、S17)、カードCを返却した貸出機3の制御部40は、待機状態に戻り、表示操作部25の表示態様を第1表示態様とする。
そして、会員カードCや一般カードCの返却を受けた客は、別の遊技台2で遊技したい場合には、当該別の遊技台2に対応する貸出機3のカード出入口10(図2参照)に自身のカードCを挿入する。すると、当該貸出機3の制御部40が、図6の処理を実施するので、当該貸出機3の表示操作部25の表示態様が、このカードCのIDに関連付けてカード管理テーブル55(図4A参照)や会員テーブル65(図4B参照)に登録された表示設定に沿って切り替えられ、客好みの表示態様となる。
【0074】
図8は、上位装置がステップS12(図7参照)で貸出機3から表示設定の通知を受けた場合を想定している。ここでは、上位装置として、会員サーバ6に着目して説明する。
会員サーバ6の制御部60(図3参照)は、貸出機3から通知された表示設定(カードCのIDに関連付けられた表示設定)を受信すると(ステップS21でYES)、会員テーブル65(図4B参照)を参照して、今回受信した表示設定は、会員テーブル65に登録済の表示設定と異なるか否かを確認する(ステップS22)。たとえば、IDが0001の会員客について、遊技終了時(カード返却ボタン11の押下時)の表示態様が第2表示態様であるという表示設定を、制御部60が貸出機3から受信したとする。すると、制御部60は、ステップS22において、受信した表示設定と、0001のIDについて会員テーブル65に登録済の表示設定とを比べる。
【0075】
ここで、制御部60は、会員テーブル65における各IDについて変数nを設定している。変数nは、当初は0(零)である。
0001のIDの場合には、受信した表示設定(第2表示態様であるという表示設定)と、登録済の表示設定(第1表示態様であるという表示設定であり、図4B参照)とが異なるので(ステップS22でYES)、制御部60は、変数nをインクリメント(+1)する(ステップS23)。そのため、0001のIDの場合において、貸出機3から受信した表示設定と、会員テーブル65に登録済の表示設定とが異なることが初めて生じた場合には、ステップS23において変数nが0から1に変わる。次回の処理において、今回と同一または別の貸出機3から表示設定を受信したときに(ステップS21でYES)、同様のことが再び生じると(ステップS22でYES)、その都度、ステップS23において変数nがインクリメント(+1)されて、変数nが1つずつ増加する(ステップS23)。変数nとは、貸出機3から受信した表示設定と、会員テーブル65に登録済の表示設定とが異なることが生じた回数を意味している。
【0076】
次いで、制御部60は、現時点の変数nが所定数以上であるか否かを確認する(ステップS24)。当該所定数は、遊技店側で任意に設定することができ、ここでは、3回とする。
現時点の変数nが所定数以上であれば、制御部60は、この変数nを0(零)にリセットするとともに、登録済の表示設定(表示態様)を、今回ステップS21で受信した表示設定(表示態様)に入れ替わるように更新する(ステップS25)。
【0077】
つまり、制御部60は、同一のIDについて、貸出機3から受信した表示設定と、会員テーブル65に登録済の表示設定とが異なることが所定回数だけ繰り返されると、登録済の表示設定を更新する。
このように、カード返却ボタン11の押下による遊技終了を貸出機3の制御部40が検出した時点(ステップS11でYES)における当該貸出機3の表示操作部25の表示態様が、制御部40(どの貸出機3の制御部40でも構わない)が遊技終了を前記所定数(所定回数)検出したいずれの場合においても同じであることを条件として、制御部60は、当該IDについて、当該表示態様がデフォルトの表示態様となるように、会員テーブル65における表示設定を更新する。
【0078】
そのため、客が切り替えた後の好みの表示態様が、その客に対するデフォルトの表示態様となるように、会員テーブル65における該当する表示設定が更新される。これにより、更新後、この客がいずれの貸出機3のカード処理部29にカードCを読み取らせても(図6のステップS1でYES)、更新後の表示設定に基づいて、当該貸出機3の表示操作部25における表示態様が、その客の好みの(デフォルトの)表示態様になる(図6のステップS3)。そのため、客は、遊技をする度に切替キー70(図5参照)を操作して表示操作部25における表示態様を自分好みの表示態様になるように切り替えずに済むので、使い勝手が良い。
【0079】
また、前述したように、貸出機3の制御部40が遊技終了を検出した時点における表示操作部25の表示態様が、制御部40が遊技終了を所定回数検出したいずれの場合においても同じであることを条件として、会員サーバ6の制御部60は、表示設定を更新する。そのため、客が切替キー70を間違って操作したときの好みでない表示態様がデフォルトの表示態様となるように表示設定が更新されるといった不具合を防止して、客が本当に望む表示態様が確実にデフォルトの表示態様となるように表示設定を更新することができる。ただし、表示態様を一度でも切り替えると即時に表示設定を更新したいというニーズがある場合には、表示設定が即時に更新されるようにしてもよい(この場合、ステップS24の前記所定数は1回となる)。
【0080】
ここで、貸出機3から受信した表示設定と、会員テーブル65に登録済の表示設定とが異なることが生じた回数(前述した変数n)でなく、会員テーブル65に登録済の表示設定と異なる表示設定における表示態様での表示時間を、会員テーブル65の表示設定を更新する前記条件として用いてもよい。つまり、会員テーブル65に登録済の表示設定における表示態様と異なる表示態様で表示操作部25に情報が表示された時間の累積値が所定時間に達すれば、制御部60は、表示設定を更新する。このようにすれば、誤操作によって一時的に表示態様が切り替えられた場合であっても、表示設定が変更されたままになることはなくなる。
【0081】
なお、ここでは、上位装置として会員サーバ6に注目して説明したが、上位装置としてT/C5に注目した場合には、T/C5の制御部50が、カード管理テーブル55に登録済の表示設定に基づいてステップS21〜S25の処理を実行する(図3および図4A参照)。
このような図6〜図8での処理に基づいて、管理システム1全体では、たとえば、第1〜第4パターンという4つの処理が行われる。
【0082】
以下では、各パターンについて説明する。なお、以下のパターンにおいて、T/C5および会員サーバ6の両方が出てくる場合には、会員サーバ6と各貸出機3とは、T/C5を介して通信することにしているが、会員サーバ6と各貸出機3とは、直接通信できてもよい。なお、以下の説明では、表示操作部25における表示態様の設定・変更に関する通信内容のみを説明しており、持玉数やプリペイド価値等に関するやりとりは省略されている。
<1>第1パターン
図9Aは、管理システム1で実施される第1パターンの処理を説明するための模式図である。
【0083】
第1パターンは、会員客を想定している。たとえば、会員カードのIDが0002の会員にとって、表示操作部25の好みの表示態様が第2表示態様であるとする。この場合、会員登録時や任意のタイミングで会員客が店員に表示態様の選択を伝えたとき等に、このIDについて、第2表示態様がデフォルトの表示態様であるという初期の表示設定が会員テーブル65に登録される(図4B参照)。…(1)
そして、この会員客が好みの遊技台2の前に着いて、当該遊技台2に対応する貸出機3のカード出入口10にカードCを挿入する(図6のステップS1でYES)。…(2)
すると、この貸出機3の制御部40は、カードCが挿入されたことと、このカードCのIDとをT/C5に通知する(図6のステップS2)。…(3)
通知を受けたT/C5は、当該通知の内容(カードCが挿入されたこと、および、このカードCのID)を会員サーバ6に通知する。…(4)
すると、会員サーバ6の制御部60は、会員テーブル65を参照して、通知されたIDに関連付けられた表示設定があるか否かを確認する。…(5)
該当する表示設定があると、会員サーバ6の制御部60は、当該表示設定をT/C5に通知する。…(6)
表示設定の通知を受けたT/C5は、当該表示設定を、先程IDを通知してきた(ID0002の会員カードCが挿入された)貸出機3に通知する。…(7)
表示設定の通知を受けた貸出機3では、制御部40が、当該表示設定を取得し(図6のステップS2)、当該表示設定に沿った表示態様で表示操作部25に情報を表示する(図6のステップS3)。…(8)
これにより、IDが0002の会員客に対しては、表示操作部25では、表示態様が、待機状態の第1表示態様から、この会員客が事前に選択した第2表示態様に切り替わり、第2表示態様で情報が表示される(図5(b)参照)。
【0084】
また、前記(5)において、対応する表示設定がなされていない(存在しない)場合には、その旨が会員サーバ6からT/C5を介して貸出機3に通知され、この貸出機3の表示操作部25では、デフォルト(待機状態)の第1表示態様で情報が表示される(第1表示態様での情報の表示が維持される)。
<2>第2パターン
図9Bは、管理システム1で実施される第2パターンの処理を説明するための模式図である。
【0085】
第2パターンも会員客を想定している。ただし、第1パターンとは異なり、会員客の表示操作部25についての好みの表示態様が何かということは、会員テーブル65に事前に登録されておらず、会員客のそれぞれの初期の表示設定では、暫定的に第1表示態様(図5(a)参照)が選択されているものとする。
この状態で、IDが0002の会員客(図4Aおよび図4B参照)が、持玉を持っていない状態で、好みの遊技台2の前に着いて、当該遊技台2に対応する貸出機3のカード出入口10に会員カードCを挿入したとする。…(1)
このとき、貸出機3の表示操作部25では、待機状態における第1表示態様で情報が表示されている。ここで、第1パターンの処理により、会員テーブル65の表示設定で第1表示態様が選択されていることが確認されると、この貸出機3は、引き続き、表示操作部25に第1表示態様で情報を表示し、この状態で遊技台2での遊技が開始される。
【0086】
客は、遊技中、表示操作部25における表示態様を別の表示態様(第2表示態様)に変えたい場合には、表示操作部25に表示された切替キー70(図5(a)参照)を押すことによって表示態様を手動で切り替える。…(2)
そして、この客が遊技を終えてカード返却ボタン11を押す(図7のステップS11でYES)。…(3)
すると、カード返却ボタン11の押下時点における表示操作部25の表示態様が第1表示態様および第2表示態様のいずれか(ここでは、第2表示態様であるとする)ということ(表示設定)が、返却通知として、T/C5に通知される(図7のステップS12)。…(4)
T/C5の制御部50は、受信した返却通知における表示設定(第2表示態様であること)を、この会員客のIDや、今回の遊技で客が獲得した持玉数に関連付けてカード管理テーブル55(図4A参照)に登録する。…(5)
そして、制御部50は、自分が受信した返却通知を、今度は、会員サーバ6に送信する。…(6)
会員サーバ6の制御部60は、受信した返却通知における表示設定を、この会員客のIDに関連付けて会員テーブル65(図4B参照)に登録する。…(7)
詳しくは、会員テーブル65において、このIDに関連付けて既に登録されている初期の表示設定では、前述したように第1表示態様が選択されているので、会員サーバ6の制御部60は、第1表示態様から第2表示態様へ入れ替わるように、会員テーブル65における当該IDについての表示設定を更新する。
【0087】
表示設定の登録(更新)の完了後、制御部60は、その旨の通知(更新通知)をT/C5に送信する。…(8)
当該T/C5は、受信した更新通知を、先程返却通知を送信してきた貸出機3に送信する。…(9)
当該貸出機3の制御部40は、更新通知を受けて(図7のステップS13でYES)、今まで挿入されていた会員カードCを持ち主(会員客)に返却する(ステップS15)。…(10)
そして、この会員客(ID:0002)が別の遊技台2の前に着いて、当該遊技台2に対応する貸出機3のカード出入口10にカードCを挿入する(図6のステップS1でYES)。…(11)
すると、この貸出機3の制御部40は、カードCが挿入されたことと、このカードCのIDとをT/C5に通知する(図6のステップS2)。…(12)
通知を受けたT/C5の制御部50は、カード管理テーブル55を参照して、通知されたID(0002)に関連付けられた表示設定があるか否かを確認する。…(13)
そして、制御部50は、貸出機3から受けた通知の内容(カードCが挿入されたこと、および、このカードCのID)を会員サーバ6に通知する。…(14)
すると、会員サーバ6の制御部60は、会員テーブル65を参照して、通知されたIDに関連付けられた表示設定があるか否かを確認する。…(15)
該当する表示設定があると、会員サーバ6の制御部60は、当該表示設定をT/C5に通知する。…(16)
表示設定の通知を受けたT/C5の制御部50は、自身がカード管理テーブル55から見つけた表示設定と、会員サーバ6から通知された表示設定とが同じである場合に、この表示設定を、先程IDを通知してきた(IDが0002の会員カードCが挿入された)貸出機3に通知する。…(17)
表示設定の通知を受けた貸出機3では、制御部40が、当該表示設定を取得し(図6のステップS2)、当該表示設定に沿った表示態様(ここでは、第2表示態様であり、図5(b)参照)で表示操作部25に情報を表示する(図6のステップS3)。…(18)
これにより、IDが0002の会員客に対しては、新しくカードCを挿入した別の貸出機3の表示操作部25において、表示態様が待機状態の第1表示態様から第2表示態様に切り替えられ、この会員客が前回の遊技で選択した第2表示態様で情報が表示される(図5(b)参照)。
<3>第3パターン
図9Cは、管理システム1で実施される第3パターンの処理を説明するための模式図である。
【0088】
第3パターンは、既に一般カードCを持っている一般客を想定している。そのため、この一般客の表示操作部25についての好みの表示態様は、カード管理テーブル55に事前に登録されており、そうでない場合には、カード管理テーブル55おける当該一般客の表示設定では、暫定的に第1表示態様(図5(a)参照)が選択されている。
この状態で、IDが0003の一般客が、好みの遊技台2の前に着いて、当該遊技台2に対応する貸出機3のカード出入口10に一般カードCを挿入したとする。…(1)
このとき、この貸出機3は、T/C5に問い合わせて、当該一般カードCのIDに関連付けられた表示設定を取得し、この表示設定に沿った表示態様で表示操作部25に情報を表示する。
【0089】
客は、遊技中において、表示操作部25における現在の表示態様を別の表示態様に変えたい場合には、表示操作部25に表示された切替キー70(図5参照)を押すことによって表示態様を手動で切り替える。…(2)
そして、この客が遊技を終えてカード返却ボタン11を押す(図7のステップS11でYES)。…(3)
すると、カード返却ボタン11の押下時点における表示操作部25の表示態様がなにか(ここでは、第2表示態様であるとする)ということ(表示設定)が、返却通知として、T/C5に通知される(図7のステップS12)。…(4)
T/C5の制御部50は、受信した返却通知における表示設定(第2表示態様であること)を、この一般客のIDや、今回の遊技で獲得した持玉数に関連付けてカード管理テーブル55(図4A参照)に登録する。…(5)
なお、このIDに関連付けられた表示設定がカード管理テーブル55に既に登録されていれば、制御部50は、カード管理テーブル55において、既に登録されていた表示設定における表示態様から切り替え後の表示態様(ここでは、第2表示態様)へ入れ替わるように、表示設定を更新する。
【0090】
表示設定の登録(更新)の完了後、制御部50は、その旨の通知(更新通知)を、先程返却通知を送信してきた貸出機3に送信する。…(6)
当該貸出機3の制御部40は、更新通知を受けて(図7のステップS13でYES)、今まで挿入されていた一般カードCを持ち主(一般客)に返却する(ステップS17)。…(7)
そして、この一般客(ID:0003)が別の遊技台2の前に着いて、当該遊技台2に対応する貸出機3のカード出入口10に一般カードCを挿入する(図6のステップS1でYES)。…(8)
すると、この貸出機3の制御部40は、カードCが挿入されたことと、このカードCのIDとをT/C5に通知する(図6のステップS2)。…(9)
通知を受けたT/C5の制御部50は、カード管理テーブル55を参照して、通知されたID(0003)に関連付けられた表示設定があるか否かを確認する。…(10)
該当する表示設定があると、制御部50は、当該表示設定を、先程IDを通知してきた(IDが0003の一般カードCが挿入された)貸出機3に通知する。…(11)
表示設定の通知を受けた貸出機3では、制御部40が、当該表示設定を取得し(図6のステップS2)、当該表示設定に沿った表示態様(ここでは、第2表示態様)で表示操作部25に情報を表示する(図6のステップS3)。…(12)
これにより、IDが0003の一般客に対しては、新しくカードCを挿入した別の貸出機3の表示操作部25において、表示態様が待機状態の第1表示態様から第2表示態様に切り替えられ、この一般客が前回の遊技で選択した第2表示態様で情報が表示される(図5(b)参照)。
<4>第4パターン
図9Dは、管理システム1で実施される第4パターンの処理を説明するための模式図である。
【0091】
第4パターンの処置は、図8で説明した処理を具体的に説明するものである。
図9Dを参照して、IDが0001の会員客が、好みの遊技台2の前に着いて、当該遊技台2に対応する貸出機3のカード出入口10に会員カードCを挿入したとする。…(1)
このとき、この貸出機3は、T/C5経由で会員サーバ6に問い合わせて、当該会員カードCのIDに関連付けられた表示設定を取得し、その表示設定に沿った表示態様(第1表示態様または第2表示態様)で表示操作部25に情報を表示する。
【0092】
客は、遊技中において、表示操作部25の表示態様を別の表示態様に変えたい場合には、この表示操作部25に表示された切替キー70を押すことによって表示態様を手動で切り替える。…(2)
そして、この客が遊技を終えてカード返却ボタン11を押す(図7のステップS11でYES)。…(3)
すると、カード返却ボタン11の押下時点における表示操作部25の表示態様が第1表示態様および第2表示態様のいずれか(ここでは、第2表示態様であるとする)ということ(表示設定)が、返却通知として、T/C5に通知される(図7のステップS12)。…(4)
T/C5の制御部50は、受信した返却通知を、今度は、会員サーバ6に送信する。…(5)
会員サーバ6の制御部60は、返却通知を受信し(図8のステップS21でYES)、今回受信した返却通知における表示設定(表示態様)が、会員テーブル65において当該IDに関連付けて既に登録されている表示設定(表示態様)と異なるか否かを確認する(図8のステップS22)。返却通知における表示設定が、会員テーブル65に既に登録されている表示設定と異なっていて(図8のステップS22でYES)、さらに、このこと(表示設定が異なること)が今回で3回目であれば(図8のステップS24でYES)、制御部60は、会員テーブル65の該当する表示設定を更新する(図8のステップS25)。…(6)
表示設定の更新の完了後、制御部60は、その旨の通知(更新通知)をT/C5に送信する。…(7)
カード管理テーブル55において該当する表示設定が既に登録されているのであれば、T/C5は、会員サーバ6から更新通知を受信するのに応じて、会員テーブル65における表示設定の更新と同様に、カード管理テーブル55において表示設定を更新する(図8のステップS25)。…(8)
そして、T/C5は、前述した更新通知を、先程返却通知を送信してきた貸出機3に送信する。…(9)
当該貸出機3の制御部40は、更新通知を受けて(図7のステップS13でYES)、今まで挿入されていた会員カードCを持ち主(会員客)に返却する(ステップS15)。…(10)
なお、以上の説明では、表示操作部25における表示態様が、第1表示態様(図5(a)参照)および第2表示態様(図5(b)参照)の2種類があるものとしたが、表示態様は3種類以上あってもよい。
【0093】
また、表示態様の違いは、文字の大きさを変えることに限らず、表示操作部25上に表示する情報の種類を増減したり、表示操作部25上の情報の中で強調表示する情報の種類を変更したりすることが含まれる。つまり、貸出機3の制御部40は、表示操作部25に表示される情報の種類を切り替えることで表示態様を切り替える。そのため、客が自分のカードCを貸出機3に読み取らせるだけで、または所定の切替ボタンを操作するだけで、いずれの貸出機3においても、表示操作部25に表示される情報の種類(情報量)が当該客好みの種類に自動的に切り替えられることから、客が改めて当該種類を自分好みに設定し直さずに済むので、使い勝手が良い。
【0094】
また、表示設定は、カードCのIDに関連付けて、T/C5のカード管理テーブル55(図4A参照)や、会員サーバ6の会員テーブル65(図4B参照)に登録されているが、カードC自体に登録されていてもよい。この場合、カードCが貸出機3のカード出入口10に挿入されると、当該貸出機3の制御部40が、このカードCから表示設定をカード処理部29(図3参照)で読み取って取得し、当該表示設定に基づいて、表示操作部25における表示態様を切り替える。そのため、カード管理テーブル55や会員テーブル65に表示設定を登録しておかなくてもよい。
【0095】
また、表示操作部25において客に対する情報の表示態様に、第1表示態様と第2表示態様といった複数の表示態様を設けて、いずれかの表示態様を選択できるようにしているが、表示操作部25の表示態様が、客と店員とに応じて異なっていてもよい。たとえば、客についての表示態様では、文字サイズが大きく、店員についての表示態様では、文字サイズが小さいものの情報量を多くすることが考えられる。
【0096】
次に、表示操作部25における表示の仕方についての変形例を説明する。
図10は、貸出機3の表示操作部25における表示内容を示す図である。
遊技中において、表示操作部25には、図10(a)に示すように、貸し出された遊技媒体の貸出レート(ここでは、通常レート)や、遊技中であることを示すメッセージ(ここでは、「持玉遊技中」)の他に、貸出機3に入金されている現金の残額(ここでは、5000円)や、現在の持玉数(ここでは、1500玉)が通常内容として表示される。
【0097】
ここで、表示操作部25は、液晶表示器(たとえば、フルカラー有機ELディスプレー)であることから、一般的に、表示操作部25で前記通常内容を示す同一静止画面を表示し続けると、液晶画面が焼きつく等の不具合が生じ得る。そこで、当該不具合を防止するために、貸出機3が操作されない状態が一定期間継続すると、表示操作部25の全域に、いわゆるスクリーンセーバーを強制的に表示することが考えられる。
【0098】
しかし、遊技中であるにもかかわらず、表示操作部25の全域にスクリーンセーバーが表示されると、遊技中の客が、自分の持玉や残額(プリペイド価値)がいくつなのかが分からなくなり、困ってしまう。また、対応する遊技台2で遊技している客が離席している間に、この遊技台2が空いていると思った別の客が、当該遊技台2に対応する貸出機3の紙幣挿入口23に現金を挿入して当該遊技台2で遊技を開始してしまう虞がある(図2参照)。さらに、席を外した客がこの遊技台2で獲得した持玉があった場合において、当該別の客がこの遊技台において遊技で勝つと、貸出機3では、元の客の持玉に対して、当該別の客の持玉が合算されてしまい、持玉の持ち主を特定できなくなるトラブルが生じ得る。
【0099】
一般的には、スクリーンセーバーが表示されている表示操作部25に触れると、スクリーンセーバーが表示される前の通常内容が表示操作部25に表示されるのだが、表示操作部25に触れて確認するのは面倒であるし、このような確認は忘れてしまいやすい。
そこで、残額や持玉がある場合、前述した一定期間経過後には、図10(b)に示すように、表示操作部25において、残額や持玉数の表示は残し、残額および持玉数以外の表示部分には、ドットで示すように、スクリーンセーバーを表示する。つまり、残額や持玉数といった必要な情報は、常時表示される。なお、前述した焼きつきの不具合を防止するために、表示操作部25において残額や持玉数が表示された部分では、通常よりも輝度を落としても良い。また、表示操作部25において、残額や持玉数の表示位置を移動させるようにしてもよい。
【0100】
これにより、客本人が自分の残額や持玉数がいくつなのかを把握できなくなることがなくなる。また、この残額や持玉を有する客が席を外しているところへ前記別の客が来ても、この別の客は、表示操作部25における残額や持玉数の表示を見ることによって、この表示操作部25の貸出機3の隣の遊技台2が空台でないことを把握できるので、前述したトラブルを防止できる。
【0101】
なお、表示操作部25において、通常内容が表示されているときと、スクリーンセーバーが表示されているときとで、表示操作部25に表示される文字のサイズが異なっていてもよい。
そして、図2を参照して、遊技台2で遊技していると、遊技で負けるのに応じて遊技媒体が遊技台2に取り込まれ、これに応じて遊技台2は、信号(「アウト信号」ということにする)を発生させる。アウト信号は、発生する都度、つまり、遊技媒体が遊技台2に取り込まれる都度、この遊技台2に対応する貸出機3に検出される。客が遊技台2で遊技しているのであれば、貸出機3は、所定時間内で必ずアウト信号を検出するが、客が遊技台2で遊技していないのであれば、この遊技台2は空台であり、貸出機3は、所定時間内でアウト信号を検出しない。
【0102】
遊技中において残額や持玉がない場合、貸出機3の制御部40(図3参照)は、対応する遊技台2においてアウト信号が検出されている間は、図10(c)に示すように、表示操作部25において、遊技中であることを示すメッセージを表示するとともに、当該メッセージ以外の表示部分には、ドットで示すようにスクリーンセーバーを表示する。なお、焼きつきの不具合が生じないのであれば、図10(a)に示す通常内容(ただし、残額および持玉数の表示値はいずれも零)が表示されてもよい。一方、貸出機3の制御部40は、対応する遊技台2においてアウト信号を所定時間内で検出しなかった場合には、図10(d)に示すように、表示操作部25において、当該遊技台2が空いている(空台)であることを示すメッセージを表示するとともに、当該メッセージ以外の表示部分には、ドットで示すようにスクリーンセーバーを表示する。
【0103】
また、残額や持玉の有無にかかわらず、表示操作部25の全域には、貸出機3が操作されない状態が一定時間継続すると強制的にスクリーンセーバーが表示されてもよく、この場合において、この表示操作部25を有する貸出機3に別の客が現金を紙幣挿入口23(図2参照)に挿入し始めることで入金しようとすると、紙幣の取り込みを停止した状態で、表示操作部25には、図10(e)に示す内容が表示されてもよい。図10(e)では、前の客の遊技が終わっていないことを示すメッセージ(ここでは、「残額があります。追加入金しますか?」というメッセージ)と、追加入金したい場合に押すことで紙幣が紙幣挿入口23に取り込まれるOKボタン71と、追加入金しない場合に押すことで紙幣が紙幣挿入口23から排出されるNGボタン72とが表示操作部25に表示される。これにより、当該別の客は、前の客の遊技が終わっていないことに気付く。
【0104】
一方、表示操作部25の全域にスクリーンセーバーが表示された状態で、当該別の客が自分の出玉(現物のパチンコ玉)を貸出機3の受皿30(図2参照)に注ぎ込み、当該出玉が貸出機3の計数部21で計数されてしまうと、表示操作部25には、図10(f)に示す内容が表示されるとよい。図10(f)では、前の客の遊技が終わっていないことを示すために、当該前の客の現在の持玉数(ここでは、1500玉)である前回持玉数と、今回計数した当該別の客の出玉の数を前回持玉数に足した値である今回持玉数(ここでは、2500玉)とが表示操作部25に表示される。また、前回持玉数と今回持玉数とは、表示操作部25上の表示として区別されるだけでなく、実際のデータとしても区別して管理されている。そのため、前回持玉数と今回持玉数とがデータ上、合算されてしまうことはない。その後、駆けつけた店員の操作により、貸出機3が元の状態に戻る。具体的には、前回持玉数と今回持玉数との差分(ここでは、1000玉)が、現物の遊技媒体、または、前述したカードCに関連付けられたデータとして、当該別の客に返却される。
【0105】
次に、貸出機3の本体部20および計数部21にエラーが発生したときの処理について説明する。
図11(a)は、1組の遊技台2および貸出機3を示す模式的な正面図であり、図11(b)は、図11(a)に示す貸出機3の模式的な左側断面図である。図12Aは、貸出機3によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。図12Bは、貸出機3によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【0106】
図11を参照して、貸出機3は、前述したように本体部20と計数部21とを含んでいて、本体部20と計数部21とは分離可能である。図11(b)に示すように、遊技店には、貸出機3を保持する枠体95が設けられており、枠体95には、端子96,97が設けられている。一方、本体部20において枠体95に臨む背面には、端子98が設けられ、計数部21において枠体95に臨む背面には、端子99が設けられている。
【0107】
貸出機3(本体部20および計数部21の両方)が枠体95に保持されている状態では、本体部20の端子98が、枠体95の端子96に接続されていて、計数部21の端子99が、枠体95の端子97に接続されている。これにより、枠体95から本体部20および計数部21に対して電力の供給が可能となるとともに、貸出機3が、外部機器(T/C5等)と通信することができる。
【0108】
そして、本体部20および計数部21のそれぞれでは、エラーが発生することが想定される。当該エラーとして、本体部20では、カード出入口10に挿入されたカードCの本体部20内部における搬送エラーや内部センサー(図示せず)のエラー等が想定され、計数部21では、搬送ノズル31(図2参照)等の計数路における出玉の詰まり等が想定される(図2参照)。
【0109】
通常、本体部20および計数部21のそれぞれでは、エラーが発生すると、そのエラーを解消するための自動復旧処理が行われる。しかし、自動復旧処理がなされてもエラーが解消しない場合があり、その場合には、店員が、本体部20および計数部21のうちエラーが生じた機器をリセットする処理が行われる。リセットされた機器は、リセットによって再起動されることで、エラーを解消することができる。
【0110】
このようなリセット処理として、図11を参照して、店員がリモコン90を操作することと、本体部20および計数部21のうちエラーが生じたものを枠体95に対して抜き差しすることとがある。本体部20を枠体95に対して抜き差しすると、本体部20の端子98と枠体95の端子96とが一旦切断された後に再び接続される。計数部21を枠体95に対して抜き差しすると、計数部21の端子99と枠体95の端子97とが一旦切断された後に再び接続される。
【0111】
リモコン90には、リセットボタン91が設けられたリモコン90Aと、本体部リセットボタン92および計数部リセットボタン93が設けられたリモコン90Bという2つの種類がある。
次に、エラーが発生したときにおける貸出機3の制御部40(図3参照)による処理を説明する。なお、この場合、制御部40は、本体部20および計数部21のどちらかに設けられていて、この状態で、本体部20および計数部21の両方の動作を制御できるものとする。
【0112】
図12Aを参照して、貸出機3の制御部40は、エラーが発生すると(ステップS31でYES)、本体部20および計数部21においてエラーが発生した機器に対して、前述した自動復旧処理を行い(ステップS32)、自動復旧処理を行ったにもかかわらずエラーが解消しなければ(ステップS33でNO)、エラーが解消していない機器は、リセット待ちの状態にあるとする(ステップS34)。
【0113】
ここで、店員が、リモコン90Aの場合にはリセットボタン91を押し、リモコン90Bの場合には、本体部20にエラーがあるのであれば本体部リセットボタン92を押し、計数部21にエラーがあるのであれば計数部リセットボタン93を押す(図11参照)。
このようにして、店員によるリモコン入力があると(ステップS35でYES)、制御部40は、本体部20および計数部21のうちリセット待ちの状態にある機器をリセットする(ステップS36)。図11を参照して、店員がリモコン90Aのリセットボタン91を押した場合には、制御部40は、リセット待ちの状態にある機器を検出して、この機器だけをリセットする。リセット待ち機器が本体部20である場合おいて、店員がリモコン90Bの本体部リセットボタン92を押した場合には、制御部40は、本体部20だけをリセットする。リセット待ち機器が計数部21である場合おいて、店員がリモコン90Bの計数部リセットボタン93を押した場合には、制御部40は、計数部21だけをリセットする。
【0114】
なお、リモコン90Aの場合において、リセットボタン91の押し方によって、リセットする機器を指定できても良い。たとえば、リセットボタン91を1回押しただけだと、本体部リセットボタン92を押したのと同じことになる一方で、リセットボタン91を連続して2回押すと、計数部リセットボタン93を押したのと同じことになってもよい。
以上の場合、本体部20および計数部21のそれぞれが別々にリセットできる。特に、リセットが必要な機器だけがリセットされ、リセットが不要な機器は、引き続き使用できるので使い勝手がよい。たとえば、本体部20だけにエラーが生じていれば、本体部20だけがリセットされるので、計数部21では引き続き出玉の計数が可能である。逆に、計数部21だけにエラーが生じていれば、計数部21だけがリセットされるので、本体部20では引き続き持玉の払い出しや現金の受け付け等が可能である。
【0115】
なお、リモコン90を用いなくてもよい。この場合、リセットボタン91や本体部リセットボタン92や計数部リセットボタン93が貸出機3に設けられているとよい。
一方、本体部20および計数部21のうちエラーが生じた機器を枠体95に対して抜き差しすることでリセットする場合には、図12Bに示す処理が行われる。
まず、貸出機3の制御部40は、エラーが発生すると(ステップS41でYES)、本体部20および計数部21においてエラーが発生した機器に対して、前述した自動復旧処理を行い(ステップS42)、自動復旧処理を行ったにもかかわらずエラーが解消しなければ(ステップS43でNO)、エラーが解消していない機器は、リセット待ちの状態にあるとする(ステップS44)。このとき、制御部40は、リセット待ち機器があることを店員に報知する。
【0116】
ここで、店員が、本体部20および計数部21のうちどちらかを枠体95に対して抜き差しする。本体部20の抜き差しがあると、端子96と端子98との接続が一旦途切れ、計数部21の抜き差しがあると、端子97と端子99との接続が一旦途切れるので(図11(b)参照)、このように接続が途切れることで、制御部40は、本体部20および計数部21のうちどちらかが枠体95に対して抜き差しされたのかを検出する。本体部20および計数部21のうちどちらかの機器が抜き差しされると(ステップS45でYES)、制御部40は、抜き差しのあった機器をリセットする(ステップS46)。
【0117】
そして、本体部20および計数部21のうち抜き差しのなかった機器がリセット待ちであれば(ステップS47でYES)、制御部40は、当該リセット待ち機器をリセットする(ステップS48)。そのため、抜き差しした機器がリセット待ちであれば、その機器だけをリセットすることができるので、リセット待ちでない機器は引き続き使用できる。また、抜き差しした機器がリセット待ちでなくても、リセット待ち機器が必ずリセットされるので、エラーを確実に解消できる。
【0118】
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、遊技媒体の計数機能を有さない貸出機3の表示操作部25(図2参照)の表示態様や、遊技島の島端に設けられた計数機(図示せず)の表示部の表示態様を、客や店員の好みに応じて切り替えることができてもよい。
【符号の説明】
【0119】
1 管理システム
2 遊技台
3 貸出機
5 ターミナルコントローラ(T/C)
6 会員サーバ
25 表示操作部
29 カード処理部
40 制御部
50 制御部
60 制御部
70 切替キー
C カード
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技店において遊技台と1対1の関係で設けられ、対応する遊技台に対して遊技媒体の貸出処理を行うための遊技媒体貸出処理機、およびこれを含む管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技店には、遊技媒体貸出処理機が設けられている。遊技媒体貸出処理機は、遊技店において各遊技台と1対1の関係で設けられ、対応する遊技台に対して遊技媒体の貸出処理を行う。
特許文献1では、遊技媒体貸出処理機として、台間装置(CRユニット)が、現金またはプリペイドカードによる遊技媒体の貸出を行う。たとえば、台間装置に対して現金が入金されると、この台間装置は、対応する遊技台(パチンコ台)に対して、入金された現金に相当する数を上限とする遊技媒体を客に投出するように指令を下す。
【0003】
また、この台間装置には、客向けの情報を目視可能に表示する表示操作部が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−200960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の台間装置は、隣り合う遊技台の間に配置されていることから、比較的幅が狭い(一般には4cm程度)。そのため、このような幅狭の台間装置に設けられた表示操作部は、比較的小さくなっている。このような小さい表示操作部に各種情報を表示しても、高齢者や視力の弱い者や、遊技店に通い詰めていない初心者にとっては、表示操作部に表示された情報が見づらく、使い勝手が悪い場合がある。
【0006】
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、表示器を備える構成において使い勝手の良い遊技媒体貸出処理機、およびこれを含む管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、遊技店において遊技台と1対1の関係で設けられ、対応する遊技台に対して遊技媒体の貸出処理を行うための遊技媒体貸出処理機であって、目視可能な情報を表示するための表示器と、遊技客の操作を受け付ける受付手段と、前記受付手段が受け付けた操作に基づいて、前記表示器の表示設定を特定する特定手段と、前記特定手段によって特定された前記表示設定に基づいて、前記表示器における表示態様を切り替える切替手段と、を有することを特徴とする、遊技媒体貸出処理機である。
【0008】
請求項2記載の発明は、前記受付手段は、遊技客の所持する記録媒体を読み取る読取手段を含み、前記特定手段は、前記読取手段が前記記録媒体を読み取ったのに応答して、前記記録媒体に関連付けて登録された前記表示器の表示設定を取得する取得手段を含み、前記切替手段は、前記取得手段が取得した前記表示設定に基づいて、前記表示器における表示態様を切り替えることを特徴とする、請求項1記載の遊技媒体貸出処理機である。
【0009】
請求項3記載の発明は、前記切替手段は、前記表示器に表示される文字のサイズを切り替えることで表示態様を切り替えることを特徴とする、請求項2記載の遊技媒体貸出処理機である。
請求項4記載の発明は、前記切替手段は、前記表示器に表示される情報の種類を切り替えることで表示態様を切り替えることを特徴とする、請求項2記載の遊技媒体貸出処理機である。
【0010】
請求項5記載の発明は、前記遊技媒体貸出処理機には、上位装置が通信可能に接続されており、前記表示設定は、前記上位装置に登録されていることを特徴とする、請求項2〜4のいずれかに記載の遊技媒体貸出処理機である。
請求項6記載の発明は、前記表示設定は、前記記録媒体に登録されていることを特徴とする、請求項2〜4のいずれかに記載の遊技媒体貸出処理機である。
【0011】
請求項7記載の発明は、請求項2〜6のいずれかに記載の遊技媒体貸出処理機を含む管理システムであって、前記遊技媒体貸出処理機は、前記表示器における表示態様を切り替えるために操作される切替操作部を有し、前記切替手段は、前記切替操作部が操作されるのに応じて、前記表示器における表示態様を切り替えることができ、前記遊技媒体貸出処理機の対応する遊技台での遊技終了を検出する検出手段と、前記検出手段が遊技終了を検出した時点における前記遊技媒体貸出処理機の表示器の表示態様がデフォルトの表示態様となるように前記表示設定を更新する設定更新手段と、を有することを特徴とする、管理システムである。
【0012】
請求項8記載の発明は、前記設定更新手段は、前記検出手段が遊技終了を検出した時点における前記表示器の表示態様が、前記検出手段が遊技終了を所定回数検出したいずれの場合においても同じであることを条件として、前記表示設定を更新することを特徴とする、請求項7記載の管理システムである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の発明によれば、遊技台と1対1の関係で設けられ、対応する遊技台に対して遊技媒体の貸出処理を行うための遊技媒体貸出処理機には、目視可能な情報を表示するための表示器が設けられている。遊技媒体貸出処理機では、受付手段が、遊技客の操作を受け付けることができ、受付手段が受け付けた操作に基づいて、特定手段が、表示器の表示設定を特定する。遊技媒体貸出処理機では、特定手段が特定した表示設定に基づいて、切替手段が、表示器における表示態様を切り替える。
【0014】
そのため、遊技客は、いずれの遊技媒体貸出処理機においても、所定の操作をするだけで、表示器における表示態様を自分好みの表示態様に自動的に切り替えることができることから、使い勝手が良い。
請求項2記載の発明によれば、受付手段は、読取手段を含み、特定手段は、取得手段を含んでいる。遊技媒体貸出処理機では、読取手段が、遊技客の所持する記録媒体を読み取ることができ、読取手段が記録媒体を読み取ったのに応答して、取得手段が、記録媒体に関連付けて登録された表示器の表示設定を取得する。遊技媒体貸出処理機では、取得手段が取得した表示設定に基づいて、切替手段が、表示器における表示態様を切り替える。
【0015】
そのため、それぞれの客に応じて、表示器における表示態様が客好みとなるように、当該客の記録媒体に関連付けて表示設定を事前に登録しておけば、その後は、客が自分の記録媒体を遊技媒体貸出処理機の読取手段に読み取らせるだけで、いずれの遊技媒体貸出処理機においても、表示器における表示態様を当該客好みの表示態様に自動的に切り替えることができることから、客に手間をかけさせずに済むので、使い勝手が良い。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、切替手段は、表示器に表示される文字のサイズを切り替えることで表示態様を切り替える。そのため、いずれの遊技媒体貸出処理機においても、表示器に表示される文字のサイズが客好みのサイズに自動的に切り替えられることから、客が改めて文字のサイズを自分好みに設定し直さずに済むので、使い勝手が良い。
請求項4記載の発明によれば、切替手段は、表示器に表示される情報の種類を切り替えることで表示態様を切り替える。そのため、いずれの遊技媒体貸出処理機においても、表示器に表示される情報の種類(情報量)が客好みの種類に自動的に切り替えられることから、客が改めて当該種類を自分好みに設定し直さずに済むので、使い勝手が良い。
【0017】
表示設定は、請求項5記載の発明のように、遊技媒体貸出処理機に通信可能に接続された上位装置に登録されていてもよく、請求項6記載の発明のように、記録媒体に登録されていてもよい。
請求項7記載の発明によれば、遊技媒体貸出処理機では、切替操作部が操作されるのに応じて、切替手段が、表示器における表示態様を切り替える。これにより、客は、切替操作部を操作することによって、表示器における表示態様を自分好みの表示態様になるように切り替えることができる。
【0018】
そして、遊技媒体貸出処理機を含む管理システムでは、遊技台での遊技終了を検出手段が検出し、その検出時点における当該遊技台に対応する遊技媒体貸出処理機の表示器の表示態様がデフォルトの表示態様となるように、設定更新手段が、表示設定を更新する。
そのため、客が切り替えた後の好みの表示態様が、その客に対するデフォルトの表示態様となるように表示設定が更新されるので、その後、この客がいずれの遊技媒体貸出処理機の読取手段に記録媒体を読み取らせても、更新後の表示設定に基づいて、当該遊技媒体貸出処理機の表示器における表示態様が、その客の好みの(デフォルトの)表示態様になる。そのため、客は、遊技をする度に切替操作部を操作して表示器における表示態様を自分好みの表示態様になるように切り替えずに済むので、使い勝手が良い。
【0019】
請求項8記載の発明によれば、設定更新手段は、検出手段が遊技終了を検出した時点における表示器の表示態様が、検出手段が遊技終了を所定回数検出したいずれの場合においても同じであることを条件として、表示設定を更新する。そのため、客が切替操作部を間違って操作したときの好みでない表示態様がデフォルトの表示態様となるように表示設定が更新されるといった不具合を防止して、客が本当に望む表示態様が確実にデフォルトの表示態様となるように表示設定を更新することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る管理システム1の構成を示す図である。
【図2】図2は、1組の遊技台2および貸出機3を示す正面図である。
【図3】図3は、管理システム1の要部の電気的構成を示すブロック図である。
【図4A】図4Aは、管理装置5のメモリ部52に記憶されるカード管理テーブル55を示す図である。
【図4B】図4Bは、会員サーバ6のメモリ部62に記憶される会員テーブル65を示す図である。
【図5】図5は、貸出機3の表示操作部25を示す図であり、(a)は、第1表示態様(標準表示態様)における表示操作部25を示し、(b)は、第2表示態様(拡大表示態様)における表示操作部25を示している。
【図6】図6は、貸出機3によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は、貸出機3によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、管理装置5や会員サーバ6によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【図9A】図9Aは、管理システム1で実施される第1パターンの処理を説明するための模式図である。
【図9B】図9Bは、管理システム1で実施される第2パターンの処理を説明するための模式図である。
【図9C】図9Cは、管理システム1で実施される第3パターンの処理を説明するための模式図である。
【図9D】図9Dは、管理システム1で実施される第4パターンの処理を説明するための模式図である。
【図10】図10は、貸出機3の表示操作部25における表示内容を示す図である。
【図11】図11(a)は、1組の遊技台2および貸出機3を示す模式的な正面図であり、図11(b)は、図11(a)に示す貸出機3の模式的な左側断面図である。
【図12A】図12Aは、貸出機3によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【図12B】図12Bは、貸出機3によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る管理システム1の構成を示す図である。
図1を参照して、たとえばパチンコ店等の遊技店には、管理システム1が設けられている。管理システム1は、パチンコ台等の遊技台2と、貸出機3(遊技媒体貸出処理機)と、島コントローラ4と、ターミナルコントローラ(略して「T/C」)5と、会員サーバ6と、景品管理機7と、景品払出機8とを主に含んでいる。
【0022】
遊技台2は、遊技店において複数配置されている。これらの遊技台2は、所定台数毎にまとまって配置されていて、遊技台2の1つのまとまりは、遊技島と呼ばれる。遊技客(以下では、単に「客」ということがある)は、パチンコ玉などの遊技媒体を遊技店から貸し出してもらい、貸し出された遊技媒体を用いて遊技台2で遊技する。そして、客が遊技に勝つと、客に対して遊技台2から遊技媒体が払い出される。このように客が遊技によって獲得した遊技媒体の呼び方を、状況に応じて変えることがある。遊技媒体がパチンコ玉である場合、具体的には、遊技で勝って遊技台2から排出された直後の遊技媒体を出玉(「でだま」)といい、貸出機3の計数部21(各台計数機とも呼ばれ、詳しくは後述する)計数された出玉を持玉(「もちだま」)といい、遊技店に預け入れられた持玉を貯玉(「ちょだま」)ということにする。
【0023】
貸出機3は、図1においてドットで塗り潰した部分であり、遊技台2と1対1の関係で設けられている。つまり、貸出機3は、遊技台2と同じ数だけ存在し、各貸出機3は、いずれかの遊技台2に対する専用機であり、図1では、対応する遊技台2の左隣に配置されている。遊技島において、各貸出機3は、遊技島の端にあるものを除き、隣り合う遊技台2の間に配置されている。貸出機3は、現金が入金されること等に応じて、対応する遊技台2で遊技をするための遊技媒体を客に貸し出す装置である。つまり、貸出機3は、対応する遊技台2に対して遊技媒体の貸出処理を行う。具体的には、貸出機3は、対応する遊技台2に対して、客に貸し出す遊技媒体を遊技台2の上皿9に払い出すよう指令を下す。
【0024】
貸出機3に関連して、遊技店には、客に配られるカードC(記録媒体)がある。各カードCには、個別の識別情報(「ID」ということにする)が割り当てられている。カードCは、たとえば、ICチップを内蔵するICカードであって、ICチップにIDが記録されている。なお、カードCとして、このようなICカード以外に、磁気カードが挙げられる。そして、カードCには、会員カードと一般カードとがある。会員カードは、遊技店において事前に会員登録した客(会員客)だけに所持が許される会員客専用のカードである。これに対し、一般カードは、会員登録を必要としないカードであり、会員客以外の客(一般客)に所持される。貸出機3には、新規の(特定の客のものではない)一般カードCが複数枚(たとえば最大で10枚)ストックされている。
【0025】
なお、客個人の携帯電話(図示せず)がカードCの役割を果たしてもよい。この場合、携帯電話に内蔵されたICチップの製造番号(IDm)が前述したIDと同じ役割を果たす。
島コントローラ4は、遊技島1つにつき、1〜2台設けられていて、対応する遊技島内の貸出機3に対して電気的に接続されている。
【0026】
T/C5および会員サーバ6は、管理システム1における上位装置であり、遊技店内において、事務所等に配置されている。T/C5および会員サーバ6は、ともに、遊技店内における遊技に関する情報を管理する。具体的には、T/C5は、主に、前述したカードCのIDに関連付けてプリペイド価値や持玉の数(持玉数)をデータとして管理し、会員サーバ6は、主に、前記IDに関連付けて会員情報や貯玉の数(貯玉数)をデータとして管理する(詳しくは後述する)。T/C5および会員サーバ6は、通信可能に接続されている。各遊技島の貸出機3は、島コントローラ4を介して、T/C5および会員サーバ6と通信可能に接続されている。なお、T/C5および会員サーバ6は、一体であってもよい。
【0027】
景品管理機7は、遊技店で取り扱われる景品の管理を行う装置である。ここで、景品には、菓子やタバコ等の一般景品と、特殊景品とがある。特殊景品は、所定の金銭価値を有する物体が内蔵された景品であり、たとえばカード状である。特殊景品には、200円、1000円、5000円等といった金銭価値に応じた複数の種類が存在する。景品払出機8は、景品管理機7からの指令を受けて特殊景品を払い出す装置である。景品管理機7および景品払出機8は、遊技店内において、遊技媒体を景品に交換するための景品カウンタに配置されていて、T/C5および会員サーバ6に対して通信可能に接続されている。
【0028】
図1を参照して、遊技店内における管理システム1による処理の概要を説明する。
まず、遊技店に入店した客は、好みの遊技台2の前に着き、一例として、その遊技台2に対応する貸出機3に現金を入金する。すると、入金額相当を上限とする数の遊技媒体が当該遊技台2の上皿9に払い出されることで客に貸し出される。客は、貸し出された遊技媒体を用いて遊技台2で遊技をする。客が遊技に勝つと、それに応じた数の遊技媒体(出玉)が遊技台2の下皿12に払い出される。入金額の残り分は、プリペイド価値としてT/C5で管理される(後述する図4A参照)。
【0029】
ここで、遊技媒体の貸出レート(貸し出すときの遊技媒体の価値)には、複数の種類(この実施形態では2種類)が設定されている。一例として、この実施形態では、遊技媒体がパチンコ玉の場合、通常の貸出レート(「通常レート」ということにする)は、4円/玉であり、通常レートより低い貸出レート(「低レート」ということにする)は、1円/玉となっている。そのため、客は、いずれかの貸出レートで、遊技媒体の貸し出しを受ける。
【0030】
なお、客が会員客であり、貯玉を有している場合には、自分の会員カードCを貸出機3のカード出入口10(後述する)に挿入し、暗証番号の入力および照会を行う。これにより、挿入された会員カードCのIDに関連付けられた貯玉を会員サーバ6から引き落とし、貯玉を用いて遊技台2で遊技をすることができる。
ここで、貯玉や持玉にも、貸出レートに応じた複数の種類が存在する。つまり、貯玉の場合、通常レートで貸し出された遊技媒体についての貯玉と、低レートで貸し出された遊技媒体についての貯玉とが存在し、持玉の場合、通常レートで貸し出された遊技媒体についての持玉と、低レートで貸し出された遊技媒体についての持玉とが存在する。T/C5は、持玉を、対応する貸出レートに関連付けて管理しており、会員サーバ6は、貯玉を、対応する貸出レートに関連付けて管理している。
【0031】
遊技中において、貸出機3は、対応する遊技台2での遊技で客によって獲得された(下皿12に払い出された)遊技媒体を計数することができる。下皿12に払い出された遊技媒体は、貸出機3に取り込まれ、計数された後に回収される。計数によって、当該客の持玉の数が増える。
客が遊技を終了したい場合、遊技台2の上皿9等に設けられたカード返却ボタン11を押す。すると、貸出機3に現金を入金して遊技を開始した場合には、貸出機3内にストックされた一般カードCが1枚選択され、今回の遊技で獲得されて貸出機3によって計数された遊技媒体(持玉)の数およびプリペイド価値が、当該一般カードCのIDに関連付けてT/C5に記録されるとともに、当該一般カードCが貸出機3のカード出入口10から排出される。カード出入口10に会員カードCを挿入して遊技を開始した場合には、今回の遊技で獲得されて貸出機3によって計数された遊技媒体(持玉)の数およびプリペイド価値が、当該会員カードCのIDに関連付けてT/C5に記録されるとともに、当該会員カードCがカード出入口10から排出(返却)される。
【0032】
なお、持玉数は、カードC自身に記録されてもよい。また、客は、カードCが排出された後に別の遊技台2で遊技したい場合には、先程排出されたカードCを、新しく遊技したい遊技台2に対応する貸出機3のカード出入口10に挿入する。すると、客は、挿入されたカードCのIDに関連付けられてT/C5で記録されているプリペイド価値や対応する貸出レートの持玉を使って、当該別の遊技台2で遊技をすることができる。
【0033】
そして、遊技終了後にカードCを受け取った客は、自分が獲得した遊技媒体を景品に交換してもらうために、景品カウンタに向う。
客は、景品カウンタの店員にカードCを手渡す。店員は、受け取ったカードCのIDを景品管理機7に読み取らせる。なお、IDの読み取りの作業は、客自身が行っても構わない。景品管理機7は、IDを読み取ると、このIDに関連付けてT/C5や会員サーバ6で管理されている持玉数や貯玉数を呼び出す。店員は、客からの希望に沿って、景品と交換する遊技媒体の貸出レートを景品管理機7で指定する。そして、店員は、客から、交換を希望する景品の種類および個数を聞き取る。
【0034】
客が交換を希望する景品が一般景品である場合には、店員は、客から聞き取った一般景品の種類および個数を景品管理機7に入力する。これに応じて、T/C5や会員サーバ6で管理されている対応する貸出レートの持玉数や貯玉数が、当該景品と交換される遊技媒体の数に応じて減算(更新)される。また、景品管理機7において、当該一般景品の在庫が減算(更新)される。そして、店員は、該当する一般景品を必要個数分だけ客に手渡しする。
【0035】
客が交換を希望する景品が特殊景品である場合には、店員は、特殊景品が選択されたことを景品管理機7に入力する。これに応じて、景品管理機7は、交換可能な特殊景品の種類および個数を自動算出し、店員からの払い出し指示の入力があると、算出結果に基づく特殊景品の払い出しを行うように景品払出機8に指令を下す。景品払出機8は、当該指令に従って、選択された種類および個数の特殊景品を払い出す。景品管理機7は、景品払出機8に指令を下したのに応じて、当該特殊景品の在庫を減算(更新)する。また、T/C5や会員サーバ6で管理されている対応する貸出レートの持玉数や貯玉数が、当該特殊景品と交換される遊技媒体の数に応じて減算(更新)される。そして、店員は、景品払出機8から払い出された特殊景品を客に渡す。
【0036】
いずれの景品にも交換されない持玉が存在する場合、当該持玉は、一般客のものであれば、持玉が発生した日における遊技店の営業時間が終了したのに応じて消滅する。一方、会員客の持玉は、持玉が発生した日における遊技店の営業時間が終了したのに応じて、同じ貸出レートにおける貯玉となる。これに応じて、T/C5で管理されている該当する持玉数が零となるとともに、会員サーバ6で管理されている該当する貯玉数が加算(更新)される。
【0037】
次に、貸出機3について詳説する。
図2は、1組の遊技台2および貸出機3を示す正面図である。
図2を参照して、貸出機3は、対応する遊技台2の左側において当該遊技台2の左側面に沿って配置された縦長かつ幅狭の本体部20と、本体部20の下端部に設けられた計数部21とを含んでいる。
【0038】
本体部20の幅は、たとえば4cm程度と狭く、このように幅狭の本体部20の前面(図2における手前の面)には、状態表示部22、紙幣挿入口23、リモコン受信部24、表示操作部25(表示器)、払出ノズル26、および、前述したカード出入口10が上からこの順番で設けられている。
状態表示部22は、所定の点灯パターンで点灯したり、所定の発光色で発光したりすることによって、貸出機3の運転状態を表示する。
【0039】
紙幣挿入口23は、縦長のスリット状であり、貸出機3に入金される紙幣を受け入れることができる。
リモコン受信部24は、店員が携帯するリモコン90(後述する図11参照)から発せられた無線信号を受信する部分である。店員は、リモコン90を操作することによって、貸出機3の動作を遠隔で制御することができる。
【0040】
表示操作部25は、タッチパネルを備えた液晶表示器であり、本体部20より幅狭の縦長矩形状をなしている。表示操作部25には、客向けの情報が目視可能に表示されたり、客が押下することができるタッチキーが表示されたりする。前述したように本体部20の幅が狭いことから、表示操作部25の幅も比較的狭いので、表示操作部25に一度に表示できる情報の量や表示サイズには限界がある。
【0041】
払出ノズル26は、遊技台2の上皿9の真上の位置まで右側へ延びていて、上皿9を真上から臨む位置において下向きに開口している。遊技中に、客が、計数を終えた持玉の払い出しを受けて遊技を続行したい場合には、必要な数の玉が払出ノズル26から上皿9に払い出される。
カード出入口10は、前述したカードCが出し入れされる縦長のスリット状である。なお、カードCはプリペイドカードを兼ねている。そのため、客は、カードCをカード出入口10に挿入することによって、カードCのIDに関連付けられた(または、カードC自身に記録された)プリペイド価値の範囲内で遊技媒体の貸し出しを受けることができる。
【0042】
また、本体部20には、紙幣処理部27と、玉供給部28と、カード処理部29(受付手段、読取手段)とが内蔵されている。
紙幣処理部27は、紙幣挿入口23に挿入(入金)された紙幣の真偽および金額を識別することができる。
玉供給部28は、払出ノズル26から払い出される玉を払出ノズル26に供給することができる。
【0043】
カード処理部29は、カード出入口10にカードCが挿入されたことを認識したり、カードCが一般カードか会員カードかを識別したり、カード出入口10に挿入されたこれらのカードの記録内容を読み取ったり、これらのカードの記録内容を書き換えたり、これらのカードをカード出入口10から排出したりすることができる。また、カード処理部29では、複数枚(最大で10枚程度)のカードCをスタックできる。
【0044】
計数部21は、受皿30と、搬送ノズル31、計数本体32とを含んでいる。
受皿30は、遊技台2の下皿12の真下に配置されている。ここで、下皿12では、底を開放することができ、これにより、下皿12に溜まった遊技媒体(出玉)は、落下して受皿30に受け止められる。受皿30には、払出ボタン34が設けられている。払出ボタン34を押すと、所定数の持玉が払出ノズル26から遊技台2の上皿9に払い出される。
【0045】
搬送ノズル31は、受皿30につながっていて受皿30から左側へ延びている。
計数本体32は、本体部20の下端部に取り付けられていて、計数機構33を内蔵している。搬送ノズル31の左端部は計数本体32につながっている。下皿12から落下して受皿30に受け止められた出玉は、搬送ノズル31を経由して計数本体32に送り込まれ、計数機構33によって計数される。
【0046】
また、遊技台2には、払出機構35が内蔵されている。前述したように、貸出機3が遊技台2に対して、客に貸し出す遊技媒体を払い出すよう指令を下すと、遊技台2では、払出機構35が、客に貸し出す遊技媒体を遊技台2の上皿9に払い出す。なお、客に貸し出す遊技媒体が払出ノズル26から上皿9に払い出されてもよい。上皿9には、カード出入口10からのカードCの排出を貸出機3に指示するために押下されるカード返却ボタン11と、遊技媒体の貸し出しを貸出機3に指示するために押下される貸出ボタン14とが設けられている。
【0047】
図3は、管理システム1の要部の電気的構成を示すブロック図である。
図3を参照して、各貸出機3は、制御部40(受付手段、特定手段、取得手段、切替手段、検出手段)を備えている。制御部40は、CPUおよびそのプログラム等を記憶したROM、RAM等で構成されており、プログラムに従って演算処理等の所定の処理を実行する。
【0048】
各貸出機3では、制御部40に対して、主に、前述したカード処理部29、紙幣処理部27および表示操作部25と、通信I/F(インタフェース)部41と、メモリ部42とが電気的に接続されている。
各貸出機3は、通信I/F部41を介して、対応する遊技台2と通信できるとともに、T/C5や会員サーバ6と通信することもできる。たとえば、対応する遊技台2のカード返却ボタン11(図2参照)が押されると、制御部40は、カード返却ボタン11が押されたことを、通信I/F部41を介して把握し、これによって、対応する遊技台2での遊技終了を検出する。
【0049】
メモリ部42には、各種設定情報等の必要な情報が記録されている。
T/C5は、制御部50(設定更新手段)を備えている。制御部50は、CPUおよびそのプログラム等を記憶したROM、RAM等で構成されており、プログラムに従って演算処理等の所定の処理を実行する。T/C5では、制御部50に対して、通信I/F部51と、メモリ部52とが電気的に接続されている。
【0050】
T/C5は、通信I/F部51を介して、各貸出機3や会員サーバ6と通信することができる。メモリ部52には、各種設定情報等の必要な情報が記録されている。
会員サーバ6は、制御部60(設定更新手段)を備えている。制御部60は、CPUおよびそのプログラム等を記憶したROM、RAM等で構成されており、プログラムに従って演算処理等の所定の処理を実行する。会員サーバ6では、制御部60に対して、通信I/F部61と、メモリ部62とが電気的に接続されている。
【0051】
会員サーバ6は、通信I/F部61を介して、各貸出機3やT/C5と通信することができる。メモリ部62には、各種設定情報等の必要な情報が記録されている。
図4Aは、T/C5のメモリ部52に記憶されるカード管理テーブル55を示す図である。図4Bは、会員サーバ6のメモリ部62に記憶される会員テーブル65を示す図である。図5は、貸出機3の表示操作部25を示す図であり、(a)は、第1表示態様(標準表示態様)における表示操作部25を示し、(b)は、第2表示態様(拡大表示態様)における表示操作部25を示している。
【0052】
図4Aを参照して、T/C5のメモリ部52には、カード管理テーブル55が記憶されている。カード管理テーブル55には、カードC(図1参照)のID、客が会員客および一般客のどちらかというステータス、客が有する貸出レート毎の持玉数、プリペイド価値、および、貸出機3の表示操作部25の表示設定が記録(登録)されている。ここで、表示設定とは、各IDの客について個別に選択された表示操作部25の表示態様が何かということであり、表示態様とは、図5に示すように、表示操作部25において表示される情報の種類(情報量)や、当該情報の表示サイズのことである。図5(a)は、第1表示態様(標準表示態様)における表示操作部25を示しており、図5(b)は、第2表示態様(拡大表示態様)における表示操作部25を示している。
【0053】
図5(a)に示す第1表示態様では、一例として、表示操作部25において、上端左側に、貸出機3が貸し出す遊技媒体の貸出レートの種類(図5(a)では「通常レート」)が表示され、上端右側に、貸出機3のカード出入口10に挿入されたカードCを所有する客のステータス(図5(a)では「会員客」)が表示されている。そして、第1表示態様の表示操作部25では、一例として、貸出レートの種類および客のステータスの表示の下に、貸出機3に入金された現金の残額(図5(a)では「5000円」)、現在の持玉数(図5(a)では「1000玉」)が上からこの順番で表示されている。そして、第1表示態様の表示操作部25では、一例として、持玉数の表示の下に、遊技店の広告メッセージ(図5(a)では「本日はイベントデー ○○が付く番号の(遊技)台は当たりかも?」)が表示され、広告メッセージの下には、「文字サイズ切替」と記載された切替キー70(切替操作部)が表示されている。切替キー70は、表示操作部25のタッチパネルに設けられたタッチキーであり、第1表示態様および第2表示態様のいずれの場合であっても、表示操作部25に表示される。
【0054】
図5(b)に示す第2表示態様では、一例として、表示操作部25において、貸出レートの種類(図5(b)では「通常レート」)が表示され、その下に、残額、持玉数および切替キー70が、上からこの順番で表示されている。
第1表示態様と第2表示態様とを見比べれば分かるように、第1表示態様では、各情報の文字サイズ(表示サイズ)が小さいものの、客のステータス情報や広告メッセージの分だけ、第2表示態様よりも多くの情報が表示されている。一方、第2表示態様では、第1表示態様よりも文字サイズが大きいものの、表示される情報が第1表示態様よりも少ない。つまり、第2表示態様では、必要最小限の情報を可能な限り大きく表示している。
【0055】
この実施形態では、各貸出機3において、カード出入口10に何もカードが挿入されておらず、紙幣挿入口23に現金が挿入されていない待機状態において、表示操作部25の表示態様が第1表示態様になるように事前にデフォルト設定されている(図2参照)。ただし、待機状態における第1表示態様では、図5(a)における広告メッセージよりも上の情報は表示されない。または、広告メッセージより上において、残額が0円であること、および、持玉数が0玉であることだけが表示される。
【0056】
客は、表示操作部25における表示態様を第1表示態様および第2表示態様のいずれにするのかを好みに応じて選択することができる。文字が小さくても情報量が多い第1表示態様を好む客もいれば、残額および持玉数だけが分かればよいから、その分だけ残額および持玉数の情報を大きく表示して欲しいと思って第2表示態様を好む客もいる。
そして、客が表示操作部25の表示態様として第1表示態様および第2表示態様のどちらを選択したのかということが、前述した表示設定として、当該客のIDに関連付けて、図4Aに示すカード管理テーブル55に記録(登録)されている。一例として、カード管理テーブル55では、IDが0001の客について、そのIDと、客のステータス(会員客)と、通常レートの持玉数(1000玉)と、低レートの持玉数(200玉)と、この客がデフォルトの表示態様として第1表示態様を選択していること(表示設定)とが記録されている。
【0057】
一方、図4Bを参照して、会員サーバ6のメモリ部62には、会員テーブル65が記憶されている。会員テーブル65には、会員客についての情報のみが記録されている。具体的には、会員テーブル65には、会員客毎に、会員客が所有する会員カードCのID、会員客が有する貸出レート毎の貯玉数、前述した表示設定、および、会員情報(氏名やメールアドレスや住所やポイント等)が記録(登録)されている。一例として、会員テーブル65では、IDが0001の客について、そのIDと、通常レートの貯玉数(2000玉)と、低レートの貯玉数(300玉)と、この会員客がデフォルトの表示態様として第1表示態様を選択していること(表示設定)とが記録されている。つまり、会員テーブル65でも、カード管理テーブル55と同様に、それぞれの客についての表示設定が、客のカードCのIDに関連付けて記録されている。
【0058】
ここで、IDが0001の会員客に注目すると、会員客の場合、当該会員客が持玉および貯玉の両方を持っていれば、持玉数は、カード管理テーブル55において管理され、貯玉数は、会員テーブル65で管理される一方で、この客の表示設定は、カード管理テーブル55および会員テーブル65の両方で管理(登録)される(図4Aおよび図4B参照)。
【0059】
客は、表示設定(表示態様の選択結果)を、カード管理テーブル55および会員テーブル65の少なくとも一方に事前に登録しておくことができる。なお、客が表示態様を選択していない場合には、当該客についての表示態様は第1表示態様であるとする表示設定が、カード管理テーブル55および会員テーブル65において暫定的に登録されている。
また、客は、表示操作部25に第1表示態様および第2表示態様のいずれかで情報が表示された状態において、表示操作部25に表示された切替キー70(図5参照)を押して操作することで、表示操作部25における現在の表示態様を、第1表示態様および第2表示態様の一方から他方へと切り替えることができる。切替キー70が操作されるのに応じて、当該表示操作部25を有する貸出機3の制御部40(図3参照)が、表示操作部25における表示態様を第1表示態様と第2表示態様との間で交互に切り替える。換言すれば、制御部40は、客による切替キー70の押下という操作を受け付けるとともに、当該操作に基づいて、客の望む表示態様がどれかということ(表示設定)を特定し、当該表示設定に基づいて表示操作部25における表示態様を切り替える。
【0060】
これにより、客は、いずれの貸出機3においても、切替キー70を操作するといった所定の操作をするだけで、表示操作部25における表示態様を自分好みの表示態様になるように自動的に切り替えることができることから、使い勝手が良い。
なお、客による切替キー70の操作によって表示操作部25における表示態様が切り替わった場合に、当該客のカードのIDに関連付けてカード管理テーブル55や会員テーブル65において記録されている表示設定がどうなるのかについては、以降で説明する。
【0061】
次に、表示操作部25における表示態様の切り替えに関し、貸出機3やT/C5や会員サーバ6によって実行される処理の手順を説明する。
図6は、貸出機3によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。図7は、貸出機3によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。図8は、T/C5や会員サーバ6によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【0062】
図6の処理は、客が遊技を開始するために好みの遊技台2の前に着いて、当該遊技台2に対応する貸出機3のカード出入口10に自分のカードCを挿入したときを想定している(図2参照)。
客が、カードCをカード出入口10に挿入すると、貸出機3のカード処理部29(図3参照)が、カード出入口10にカードCが挿入されたことを認識するとともに、このカードCに記録された内容(ID等)を読み取る。このとき、カード処理部29は、客によるカードC挿入という操作を受け付ける。カードCの読み取りがあると、この貸出機3の制御部40(図3参照)は、カード挿入および読み取りがあったと判断する(ステップS1でYES)。
【0063】
次いで、制御部40は、ステップS1で挿入されたカードCのIDに関連付けられた表示設定を、上位装置であるT/C5や会員サーバ6に問い合わせ、当該表示設定を取得する(ステップS2)。換言すれば、制御部40は、カード処理部29が受け付けた客による操作(カードC挿入)に基づいて、表示設定を特定する。
このカードCが会員カードであって、このカードCの持ち主である会員客が持玉および貯玉の両方を持っていれば、T/C5のカード管理テーブル55および会員サーバ6の会員テーブル65の両方に、表示設定が当該カードCのIDに関連付けて登録されている(図4Aおよび図4Bにおける0001,0002のIDについてのデータを参照)。また、当該会員客が持玉を持っていなくても、少なくとも会員テーブル65には、表示設定がIDに関連付けて登録されている(図4B参照)。一方、このカードCが一般カードであって、このカードCのIDに関連付けられた持玉が既に存在する場合には、T/C5のカード管理テーブル55には、表示設定が、この一般カードCのIDに関連付けて登録されている(図4Aにおける0003のIDについてのデータを参照)。
【0064】
そこで、制御部40は、ステップS2での問い合わせとして、カードCが挿入されたこと(厳密には、当該カードCのID)をT/C5や会員サーバ6に通知する。T/C5の制御部50(図3参照)は、カード管理テーブル55(図4A参照)を参照して、当該IDに関連付けて登録された表示設定を確認する。会員サーバ6の制御部60(図3参照)は、会員テーブル65(図4B参照)を参照して、当該IDに関連付けて登録された表示設定を確認する。T/C5の制御部50および会員サーバ6の制御部60のそれぞれは、該当する表示設定を自身のテーブルから見つけた場合に、この表示設定を、IDを通知してきた貸出機3に通知する。このようにして、カード処理部29がカードCを読み取ったのに応答して、貸出機3の制御部40は、ステップS2において、このカードCのIDに関連付けてカード管理テーブル55や会員テーブル65に登録された表示設定を取得する。また、制御部40は、表示設定と合わせて、持玉数やプリペイド価値に関する情報も取得する。
【0065】
次いで、制御部40は、ステップS2で取得(特定)した表示設定に沿った表示態様で、表示操作部25に情報を表示する(ステップS3)。そのため、ステップS1で挿入されたカードCのIDが0001である場合には(図4Aおよび図4B参照)、第1表示態様で表示操作部25に情報が表示されることになる(図5(a)参照)。前述したように、カードCが挿入される前の待機状態における表示操作部25の表示態様は、第1表示態様なので、IDが0001の場合には、カードCを挿入した前後で、表示操作部25の表示態様に変化はない。ただし、挿入されたカードCのIDに関連する固有の情報(具体的な持玉数等)があれば、これらの情報は、第1表示態様の文字サイズで表示操作部25に追加で表示される(図5(a)参照)。また、紙幣が紙幣挿入口23(図2参照)に挿入されると、挿入された紙幣の額に応じた残額が第1表示態様の文字サイズで表示操作部25に追加で表示される(図5(a)参照)。
【0066】
一方、ステップS1で挿入されたカードCのIDが0002である場合には(図4Aおよび図4B参照)、制御部40は、0002のIDについて関連付けられた表示設定を会員サーバ6から取得して(ステップS2)、表示設定に沿った表示態様で、表示操作部25に情報を表示する(ステップS3)。そのため、IDが0002の場合には、第2表示態様で表示操作部25に情報が表示されることになる(図5(b)参照)。このカードCが挿入される前の待機状態における表示操作部25の表示態様は、第1表示態様なので、IDが0002の場合には、ステップS1でカードCを挿入されると、制御部40は、ステップS3において、ステップS2で取得した表示設定に基づいて、表示操作部25の表示態様を第1表示態様から第2表示態様に切り替え、挿入されたカードCのIDに関連する固有の情報(具体的な持玉数等)を第2表示態様の文字サイズで表示操作部25に表示する。また、紙幣が紙幣挿入口23(図2参照)に挿入されると、挿入された紙幣の額に応じた残額が第2表示態様の文字サイズで表示操作部25に追加で表示される(図5(b)参照)。
【0067】
このように、貸出機3では、制御部40が、取得した表示設定に基づいて、表示操作部25における表示態様を切り替える。そのため、それぞれの客に応じて、表示操作部25における表示態様が客好みとなるように、当該客のカードCに関連付けて表示設定を事前に登録しておけば、その後は、客が自分のカードCを貸出機3のカード処理部29に読み取らせるといった所定の操作をするだけで、いずれの貸出機3においても、表示操作部25における表示態様を当該客好みの表示態様に自動的に切り替えることができることから、客に手間をかけさせずに済むので、使い勝手が良い。なお、表示態様の切り替えは、カードCが挿入された直後であってもよいし、カードC挿入後に遊技台2での遊技が開始されたときであってもよい。
【0068】
前述したように、第1表示態様と第2表示態様では、文字のサイズが異なる(図5参照)。そのため、制御部40は、表示操作部25に表示される文字のサイズを切り替えることで表示態様を切り替える。そのため、客が自分のカードCを貸出機3のカード処理部29に読み取らせるだけで、いずれの貸出機3においても、表示操作部25に表示される文字のサイズが当該客好みのサイズに自動的に切り替えられることから、客が切替キー70(図5参照)を押すことで改めて文字のサイズを自分好みに設定し直さずに済むので、使い勝手が良い。
【0069】
そして、遊技中には、前述したように切替キー70を押すことで、表示操作部25における現在の表示態様を、第1表示態様および第2表示態様の一方から他方へと切り替えることができる(図5参照)。
図7の処理は、客が遊技を終了するときを想定している。
客が遊技を終了するために遊技台2の(カード)返却ボタン11(図2参照)を押すと(ステップS11でYES)、この遊技台2に対応する貸出機3の制御部40は、客がカード返却ボタン11を押した時点における表示操作部25の表示態様が第1表示態様および第2表示態様のいずれであるかをいうこと(つまり、前述した表示設定)を、この客のカードCのIDに関連付けて上位装置(T/C5や会員サーバ6)に通知する(ステップS12)。通知を受けた上位装置は、当該表示設定を、この表示設定と一緒に通知されたIDに関連付けてカード管理テーブル55(図4A参照)や会員テーブル65(図4B参照)に登録する。具体的には、上位装置は、自身のテーブルにおいて今までの表示設定として登録していた表示態様から、今回通知された表示設定の表示態様に変わるように表示設定を更新する。更新が完了すると、上位装置は、今回表示設定を通知してきた貸出機3に対して、更新が完了した旨の通知(更新通知)を送信する。
【0070】
ステップS12において表示設定を通知した貸出機3の制御部40は、上位装置からの更新通知を受け取ると(ステップS13でYES)、現在カード出入口10に挿入されているカードCが会員カードであるか否か、換言すれば、現在会員カードCを受け付けているか否かを、カード処理部29の識別結果に基づいて確認する(ステップS14)。
会員カードCを受け付けているのであれば(ステップS14でYES)、制御部40は、カード処理部29(図3参照)に指令を下して、当該会員カードCをカード出入口10から排出させることで客に返却する(ステップS15)。
【0071】
会員カードCを受け付けていないのであれば(ステップS14でNO)、制御部40は、今回遊技を終了した客についての持玉またはプリペイド価値の残り(まとめて「価値」という)が存在するか否かを確認する(ステップS16)。価値があれば(ステップS16でYES)、制御部40は、カード処理部29(図3参照)に指令を下して、当該価値が関連付けられた一般カードCをカード出入口10から排出させることで客に返却する(ステップS17)。ここで、カード返却ボタン11を押した客が、今回の遊技開始前から所有していた一般カードCをカード出入口10に挿入して遊技を開始していた場合には、ステップS17では、当該一般カードCが返却される。当該価値がなければ(ステップS16でNO)、一般カードCは回収され、客に返却されない。
【0072】
一方、遊技客がカードC(会員カードおよび一般カードの両方を含む)をカード出入口10に挿入することなく、現金やプリペイドカードから遊技媒体を借りて遊技を開始していた場合において、前記価値があれば、ステップS17では、前述したように貸出機3内にストックされた中から選択された一般カードC(前記価値が関連付けられている)が客に排出される。この場合、ステップS12では、表示設定とともに、当該選択された一般カードCのIDが上位装置に通知され、上位装置では、自身のテーブル(図4Aおよび図4B参照)において、このIDに関連付けて、当該表示設定を新たに登録する。
【0073】
なお、カードCが返却(または排出)されると(ステップS15、S17)、カードCを返却した貸出機3の制御部40は、待機状態に戻り、表示操作部25の表示態様を第1表示態様とする。
そして、会員カードCや一般カードCの返却を受けた客は、別の遊技台2で遊技したい場合には、当該別の遊技台2に対応する貸出機3のカード出入口10(図2参照)に自身のカードCを挿入する。すると、当該貸出機3の制御部40が、図6の処理を実施するので、当該貸出機3の表示操作部25の表示態様が、このカードCのIDに関連付けてカード管理テーブル55(図4A参照)や会員テーブル65(図4B参照)に登録された表示設定に沿って切り替えられ、客好みの表示態様となる。
【0074】
図8は、上位装置がステップS12(図7参照)で貸出機3から表示設定の通知を受けた場合を想定している。ここでは、上位装置として、会員サーバ6に着目して説明する。
会員サーバ6の制御部60(図3参照)は、貸出機3から通知された表示設定(カードCのIDに関連付けられた表示設定)を受信すると(ステップS21でYES)、会員テーブル65(図4B参照)を参照して、今回受信した表示設定は、会員テーブル65に登録済の表示設定と異なるか否かを確認する(ステップS22)。たとえば、IDが0001の会員客について、遊技終了時(カード返却ボタン11の押下時)の表示態様が第2表示態様であるという表示設定を、制御部60が貸出機3から受信したとする。すると、制御部60は、ステップS22において、受信した表示設定と、0001のIDについて会員テーブル65に登録済の表示設定とを比べる。
【0075】
ここで、制御部60は、会員テーブル65における各IDについて変数nを設定している。変数nは、当初は0(零)である。
0001のIDの場合には、受信した表示設定(第2表示態様であるという表示設定)と、登録済の表示設定(第1表示態様であるという表示設定であり、図4B参照)とが異なるので(ステップS22でYES)、制御部60は、変数nをインクリメント(+1)する(ステップS23)。そのため、0001のIDの場合において、貸出機3から受信した表示設定と、会員テーブル65に登録済の表示設定とが異なることが初めて生じた場合には、ステップS23において変数nが0から1に変わる。次回の処理において、今回と同一または別の貸出機3から表示設定を受信したときに(ステップS21でYES)、同様のことが再び生じると(ステップS22でYES)、その都度、ステップS23において変数nがインクリメント(+1)されて、変数nが1つずつ増加する(ステップS23)。変数nとは、貸出機3から受信した表示設定と、会員テーブル65に登録済の表示設定とが異なることが生じた回数を意味している。
【0076】
次いで、制御部60は、現時点の変数nが所定数以上であるか否かを確認する(ステップS24)。当該所定数は、遊技店側で任意に設定することができ、ここでは、3回とする。
現時点の変数nが所定数以上であれば、制御部60は、この変数nを0(零)にリセットするとともに、登録済の表示設定(表示態様)を、今回ステップS21で受信した表示設定(表示態様)に入れ替わるように更新する(ステップS25)。
【0077】
つまり、制御部60は、同一のIDについて、貸出機3から受信した表示設定と、会員テーブル65に登録済の表示設定とが異なることが所定回数だけ繰り返されると、登録済の表示設定を更新する。
このように、カード返却ボタン11の押下による遊技終了を貸出機3の制御部40が検出した時点(ステップS11でYES)における当該貸出機3の表示操作部25の表示態様が、制御部40(どの貸出機3の制御部40でも構わない)が遊技終了を前記所定数(所定回数)検出したいずれの場合においても同じであることを条件として、制御部60は、当該IDについて、当該表示態様がデフォルトの表示態様となるように、会員テーブル65における表示設定を更新する。
【0078】
そのため、客が切り替えた後の好みの表示態様が、その客に対するデフォルトの表示態様となるように、会員テーブル65における該当する表示設定が更新される。これにより、更新後、この客がいずれの貸出機3のカード処理部29にカードCを読み取らせても(図6のステップS1でYES)、更新後の表示設定に基づいて、当該貸出機3の表示操作部25における表示態様が、その客の好みの(デフォルトの)表示態様になる(図6のステップS3)。そのため、客は、遊技をする度に切替キー70(図5参照)を操作して表示操作部25における表示態様を自分好みの表示態様になるように切り替えずに済むので、使い勝手が良い。
【0079】
また、前述したように、貸出機3の制御部40が遊技終了を検出した時点における表示操作部25の表示態様が、制御部40が遊技終了を所定回数検出したいずれの場合においても同じであることを条件として、会員サーバ6の制御部60は、表示設定を更新する。そのため、客が切替キー70を間違って操作したときの好みでない表示態様がデフォルトの表示態様となるように表示設定が更新されるといった不具合を防止して、客が本当に望む表示態様が確実にデフォルトの表示態様となるように表示設定を更新することができる。ただし、表示態様を一度でも切り替えると即時に表示設定を更新したいというニーズがある場合には、表示設定が即時に更新されるようにしてもよい(この場合、ステップS24の前記所定数は1回となる)。
【0080】
ここで、貸出機3から受信した表示設定と、会員テーブル65に登録済の表示設定とが異なることが生じた回数(前述した変数n)でなく、会員テーブル65に登録済の表示設定と異なる表示設定における表示態様での表示時間を、会員テーブル65の表示設定を更新する前記条件として用いてもよい。つまり、会員テーブル65に登録済の表示設定における表示態様と異なる表示態様で表示操作部25に情報が表示された時間の累積値が所定時間に達すれば、制御部60は、表示設定を更新する。このようにすれば、誤操作によって一時的に表示態様が切り替えられた場合であっても、表示設定が変更されたままになることはなくなる。
【0081】
なお、ここでは、上位装置として会員サーバ6に注目して説明したが、上位装置としてT/C5に注目した場合には、T/C5の制御部50が、カード管理テーブル55に登録済の表示設定に基づいてステップS21〜S25の処理を実行する(図3および図4A参照)。
このような図6〜図8での処理に基づいて、管理システム1全体では、たとえば、第1〜第4パターンという4つの処理が行われる。
【0082】
以下では、各パターンについて説明する。なお、以下のパターンにおいて、T/C5および会員サーバ6の両方が出てくる場合には、会員サーバ6と各貸出機3とは、T/C5を介して通信することにしているが、会員サーバ6と各貸出機3とは、直接通信できてもよい。なお、以下の説明では、表示操作部25における表示態様の設定・変更に関する通信内容のみを説明しており、持玉数やプリペイド価値等に関するやりとりは省略されている。
<1>第1パターン
図9Aは、管理システム1で実施される第1パターンの処理を説明するための模式図である。
【0083】
第1パターンは、会員客を想定している。たとえば、会員カードのIDが0002の会員にとって、表示操作部25の好みの表示態様が第2表示態様であるとする。この場合、会員登録時や任意のタイミングで会員客が店員に表示態様の選択を伝えたとき等に、このIDについて、第2表示態様がデフォルトの表示態様であるという初期の表示設定が会員テーブル65に登録される(図4B参照)。…(1)
そして、この会員客が好みの遊技台2の前に着いて、当該遊技台2に対応する貸出機3のカード出入口10にカードCを挿入する(図6のステップS1でYES)。…(2)
すると、この貸出機3の制御部40は、カードCが挿入されたことと、このカードCのIDとをT/C5に通知する(図6のステップS2)。…(3)
通知を受けたT/C5は、当該通知の内容(カードCが挿入されたこと、および、このカードCのID)を会員サーバ6に通知する。…(4)
すると、会員サーバ6の制御部60は、会員テーブル65を参照して、通知されたIDに関連付けられた表示設定があるか否かを確認する。…(5)
該当する表示設定があると、会員サーバ6の制御部60は、当該表示設定をT/C5に通知する。…(6)
表示設定の通知を受けたT/C5は、当該表示設定を、先程IDを通知してきた(ID0002の会員カードCが挿入された)貸出機3に通知する。…(7)
表示設定の通知を受けた貸出機3では、制御部40が、当該表示設定を取得し(図6のステップS2)、当該表示設定に沿った表示態様で表示操作部25に情報を表示する(図6のステップS3)。…(8)
これにより、IDが0002の会員客に対しては、表示操作部25では、表示態様が、待機状態の第1表示態様から、この会員客が事前に選択した第2表示態様に切り替わり、第2表示態様で情報が表示される(図5(b)参照)。
【0084】
また、前記(5)において、対応する表示設定がなされていない(存在しない)場合には、その旨が会員サーバ6からT/C5を介して貸出機3に通知され、この貸出機3の表示操作部25では、デフォルト(待機状態)の第1表示態様で情報が表示される(第1表示態様での情報の表示が維持される)。
<2>第2パターン
図9Bは、管理システム1で実施される第2パターンの処理を説明するための模式図である。
【0085】
第2パターンも会員客を想定している。ただし、第1パターンとは異なり、会員客の表示操作部25についての好みの表示態様が何かということは、会員テーブル65に事前に登録されておらず、会員客のそれぞれの初期の表示設定では、暫定的に第1表示態様(図5(a)参照)が選択されているものとする。
この状態で、IDが0002の会員客(図4Aおよび図4B参照)が、持玉を持っていない状態で、好みの遊技台2の前に着いて、当該遊技台2に対応する貸出機3のカード出入口10に会員カードCを挿入したとする。…(1)
このとき、貸出機3の表示操作部25では、待機状態における第1表示態様で情報が表示されている。ここで、第1パターンの処理により、会員テーブル65の表示設定で第1表示態様が選択されていることが確認されると、この貸出機3は、引き続き、表示操作部25に第1表示態様で情報を表示し、この状態で遊技台2での遊技が開始される。
【0086】
客は、遊技中、表示操作部25における表示態様を別の表示態様(第2表示態様)に変えたい場合には、表示操作部25に表示された切替キー70(図5(a)参照)を押すことによって表示態様を手動で切り替える。…(2)
そして、この客が遊技を終えてカード返却ボタン11を押す(図7のステップS11でYES)。…(3)
すると、カード返却ボタン11の押下時点における表示操作部25の表示態様が第1表示態様および第2表示態様のいずれか(ここでは、第2表示態様であるとする)ということ(表示設定)が、返却通知として、T/C5に通知される(図7のステップS12)。…(4)
T/C5の制御部50は、受信した返却通知における表示設定(第2表示態様であること)を、この会員客のIDや、今回の遊技で客が獲得した持玉数に関連付けてカード管理テーブル55(図4A参照)に登録する。…(5)
そして、制御部50は、自分が受信した返却通知を、今度は、会員サーバ6に送信する。…(6)
会員サーバ6の制御部60は、受信した返却通知における表示設定を、この会員客のIDに関連付けて会員テーブル65(図4B参照)に登録する。…(7)
詳しくは、会員テーブル65において、このIDに関連付けて既に登録されている初期の表示設定では、前述したように第1表示態様が選択されているので、会員サーバ6の制御部60は、第1表示態様から第2表示態様へ入れ替わるように、会員テーブル65における当該IDについての表示設定を更新する。
【0087】
表示設定の登録(更新)の完了後、制御部60は、その旨の通知(更新通知)をT/C5に送信する。…(8)
当該T/C5は、受信した更新通知を、先程返却通知を送信してきた貸出機3に送信する。…(9)
当該貸出機3の制御部40は、更新通知を受けて(図7のステップS13でYES)、今まで挿入されていた会員カードCを持ち主(会員客)に返却する(ステップS15)。…(10)
そして、この会員客(ID:0002)が別の遊技台2の前に着いて、当該遊技台2に対応する貸出機3のカード出入口10にカードCを挿入する(図6のステップS1でYES)。…(11)
すると、この貸出機3の制御部40は、カードCが挿入されたことと、このカードCのIDとをT/C5に通知する(図6のステップS2)。…(12)
通知を受けたT/C5の制御部50は、カード管理テーブル55を参照して、通知されたID(0002)に関連付けられた表示設定があるか否かを確認する。…(13)
そして、制御部50は、貸出機3から受けた通知の内容(カードCが挿入されたこと、および、このカードCのID)を会員サーバ6に通知する。…(14)
すると、会員サーバ6の制御部60は、会員テーブル65を参照して、通知されたIDに関連付けられた表示設定があるか否かを確認する。…(15)
該当する表示設定があると、会員サーバ6の制御部60は、当該表示設定をT/C5に通知する。…(16)
表示設定の通知を受けたT/C5の制御部50は、自身がカード管理テーブル55から見つけた表示設定と、会員サーバ6から通知された表示設定とが同じである場合に、この表示設定を、先程IDを通知してきた(IDが0002の会員カードCが挿入された)貸出機3に通知する。…(17)
表示設定の通知を受けた貸出機3では、制御部40が、当該表示設定を取得し(図6のステップS2)、当該表示設定に沿った表示態様(ここでは、第2表示態様であり、図5(b)参照)で表示操作部25に情報を表示する(図6のステップS3)。…(18)
これにより、IDが0002の会員客に対しては、新しくカードCを挿入した別の貸出機3の表示操作部25において、表示態様が待機状態の第1表示態様から第2表示態様に切り替えられ、この会員客が前回の遊技で選択した第2表示態様で情報が表示される(図5(b)参照)。
<3>第3パターン
図9Cは、管理システム1で実施される第3パターンの処理を説明するための模式図である。
【0088】
第3パターンは、既に一般カードCを持っている一般客を想定している。そのため、この一般客の表示操作部25についての好みの表示態様は、カード管理テーブル55に事前に登録されており、そうでない場合には、カード管理テーブル55おける当該一般客の表示設定では、暫定的に第1表示態様(図5(a)参照)が選択されている。
この状態で、IDが0003の一般客が、好みの遊技台2の前に着いて、当該遊技台2に対応する貸出機3のカード出入口10に一般カードCを挿入したとする。…(1)
このとき、この貸出機3は、T/C5に問い合わせて、当該一般カードCのIDに関連付けられた表示設定を取得し、この表示設定に沿った表示態様で表示操作部25に情報を表示する。
【0089】
客は、遊技中において、表示操作部25における現在の表示態様を別の表示態様に変えたい場合には、表示操作部25に表示された切替キー70(図5参照)を押すことによって表示態様を手動で切り替える。…(2)
そして、この客が遊技を終えてカード返却ボタン11を押す(図7のステップS11でYES)。…(3)
すると、カード返却ボタン11の押下時点における表示操作部25の表示態様がなにか(ここでは、第2表示態様であるとする)ということ(表示設定)が、返却通知として、T/C5に通知される(図7のステップS12)。…(4)
T/C5の制御部50は、受信した返却通知における表示設定(第2表示態様であること)を、この一般客のIDや、今回の遊技で獲得した持玉数に関連付けてカード管理テーブル55(図4A参照)に登録する。…(5)
なお、このIDに関連付けられた表示設定がカード管理テーブル55に既に登録されていれば、制御部50は、カード管理テーブル55において、既に登録されていた表示設定における表示態様から切り替え後の表示態様(ここでは、第2表示態様)へ入れ替わるように、表示設定を更新する。
【0090】
表示設定の登録(更新)の完了後、制御部50は、その旨の通知(更新通知)を、先程返却通知を送信してきた貸出機3に送信する。…(6)
当該貸出機3の制御部40は、更新通知を受けて(図7のステップS13でYES)、今まで挿入されていた一般カードCを持ち主(一般客)に返却する(ステップS17)。…(7)
そして、この一般客(ID:0003)が別の遊技台2の前に着いて、当該遊技台2に対応する貸出機3のカード出入口10に一般カードCを挿入する(図6のステップS1でYES)。…(8)
すると、この貸出機3の制御部40は、カードCが挿入されたことと、このカードCのIDとをT/C5に通知する(図6のステップS2)。…(9)
通知を受けたT/C5の制御部50は、カード管理テーブル55を参照して、通知されたID(0003)に関連付けられた表示設定があるか否かを確認する。…(10)
該当する表示設定があると、制御部50は、当該表示設定を、先程IDを通知してきた(IDが0003の一般カードCが挿入された)貸出機3に通知する。…(11)
表示設定の通知を受けた貸出機3では、制御部40が、当該表示設定を取得し(図6のステップS2)、当該表示設定に沿った表示態様(ここでは、第2表示態様)で表示操作部25に情報を表示する(図6のステップS3)。…(12)
これにより、IDが0003の一般客に対しては、新しくカードCを挿入した別の貸出機3の表示操作部25において、表示態様が待機状態の第1表示態様から第2表示態様に切り替えられ、この一般客が前回の遊技で選択した第2表示態様で情報が表示される(図5(b)参照)。
<4>第4パターン
図9Dは、管理システム1で実施される第4パターンの処理を説明するための模式図である。
【0091】
第4パターンの処置は、図8で説明した処理を具体的に説明するものである。
図9Dを参照して、IDが0001の会員客が、好みの遊技台2の前に着いて、当該遊技台2に対応する貸出機3のカード出入口10に会員カードCを挿入したとする。…(1)
このとき、この貸出機3は、T/C5経由で会員サーバ6に問い合わせて、当該会員カードCのIDに関連付けられた表示設定を取得し、その表示設定に沿った表示態様(第1表示態様または第2表示態様)で表示操作部25に情報を表示する。
【0092】
客は、遊技中において、表示操作部25の表示態様を別の表示態様に変えたい場合には、この表示操作部25に表示された切替キー70を押すことによって表示態様を手動で切り替える。…(2)
そして、この客が遊技を終えてカード返却ボタン11を押す(図7のステップS11でYES)。…(3)
すると、カード返却ボタン11の押下時点における表示操作部25の表示態様が第1表示態様および第2表示態様のいずれか(ここでは、第2表示態様であるとする)ということ(表示設定)が、返却通知として、T/C5に通知される(図7のステップS12)。…(4)
T/C5の制御部50は、受信した返却通知を、今度は、会員サーバ6に送信する。…(5)
会員サーバ6の制御部60は、返却通知を受信し(図8のステップS21でYES)、今回受信した返却通知における表示設定(表示態様)が、会員テーブル65において当該IDに関連付けて既に登録されている表示設定(表示態様)と異なるか否かを確認する(図8のステップS22)。返却通知における表示設定が、会員テーブル65に既に登録されている表示設定と異なっていて(図8のステップS22でYES)、さらに、このこと(表示設定が異なること)が今回で3回目であれば(図8のステップS24でYES)、制御部60は、会員テーブル65の該当する表示設定を更新する(図8のステップS25)。…(6)
表示設定の更新の完了後、制御部60は、その旨の通知(更新通知)をT/C5に送信する。…(7)
カード管理テーブル55において該当する表示設定が既に登録されているのであれば、T/C5は、会員サーバ6から更新通知を受信するのに応じて、会員テーブル65における表示設定の更新と同様に、カード管理テーブル55において表示設定を更新する(図8のステップS25)。…(8)
そして、T/C5は、前述した更新通知を、先程返却通知を送信してきた貸出機3に送信する。…(9)
当該貸出機3の制御部40は、更新通知を受けて(図7のステップS13でYES)、今まで挿入されていた会員カードCを持ち主(会員客)に返却する(ステップS15)。…(10)
なお、以上の説明では、表示操作部25における表示態様が、第1表示態様(図5(a)参照)および第2表示態様(図5(b)参照)の2種類があるものとしたが、表示態様は3種類以上あってもよい。
【0093】
また、表示態様の違いは、文字の大きさを変えることに限らず、表示操作部25上に表示する情報の種類を増減したり、表示操作部25上の情報の中で強調表示する情報の種類を変更したりすることが含まれる。つまり、貸出機3の制御部40は、表示操作部25に表示される情報の種類を切り替えることで表示態様を切り替える。そのため、客が自分のカードCを貸出機3に読み取らせるだけで、または所定の切替ボタンを操作するだけで、いずれの貸出機3においても、表示操作部25に表示される情報の種類(情報量)が当該客好みの種類に自動的に切り替えられることから、客が改めて当該種類を自分好みに設定し直さずに済むので、使い勝手が良い。
【0094】
また、表示設定は、カードCのIDに関連付けて、T/C5のカード管理テーブル55(図4A参照)や、会員サーバ6の会員テーブル65(図4B参照)に登録されているが、カードC自体に登録されていてもよい。この場合、カードCが貸出機3のカード出入口10に挿入されると、当該貸出機3の制御部40が、このカードCから表示設定をカード処理部29(図3参照)で読み取って取得し、当該表示設定に基づいて、表示操作部25における表示態様を切り替える。そのため、カード管理テーブル55や会員テーブル65に表示設定を登録しておかなくてもよい。
【0095】
また、表示操作部25において客に対する情報の表示態様に、第1表示態様と第2表示態様といった複数の表示態様を設けて、いずれかの表示態様を選択できるようにしているが、表示操作部25の表示態様が、客と店員とに応じて異なっていてもよい。たとえば、客についての表示態様では、文字サイズが大きく、店員についての表示態様では、文字サイズが小さいものの情報量を多くすることが考えられる。
【0096】
次に、表示操作部25における表示の仕方についての変形例を説明する。
図10は、貸出機3の表示操作部25における表示内容を示す図である。
遊技中において、表示操作部25には、図10(a)に示すように、貸し出された遊技媒体の貸出レート(ここでは、通常レート)や、遊技中であることを示すメッセージ(ここでは、「持玉遊技中」)の他に、貸出機3に入金されている現金の残額(ここでは、5000円)や、現在の持玉数(ここでは、1500玉)が通常内容として表示される。
【0097】
ここで、表示操作部25は、液晶表示器(たとえば、フルカラー有機ELディスプレー)であることから、一般的に、表示操作部25で前記通常内容を示す同一静止画面を表示し続けると、液晶画面が焼きつく等の不具合が生じ得る。そこで、当該不具合を防止するために、貸出機3が操作されない状態が一定期間継続すると、表示操作部25の全域に、いわゆるスクリーンセーバーを強制的に表示することが考えられる。
【0098】
しかし、遊技中であるにもかかわらず、表示操作部25の全域にスクリーンセーバーが表示されると、遊技中の客が、自分の持玉や残額(プリペイド価値)がいくつなのかが分からなくなり、困ってしまう。また、対応する遊技台2で遊技している客が離席している間に、この遊技台2が空いていると思った別の客が、当該遊技台2に対応する貸出機3の紙幣挿入口23に現金を挿入して当該遊技台2で遊技を開始してしまう虞がある(図2参照)。さらに、席を外した客がこの遊技台2で獲得した持玉があった場合において、当該別の客がこの遊技台において遊技で勝つと、貸出機3では、元の客の持玉に対して、当該別の客の持玉が合算されてしまい、持玉の持ち主を特定できなくなるトラブルが生じ得る。
【0099】
一般的には、スクリーンセーバーが表示されている表示操作部25に触れると、スクリーンセーバーが表示される前の通常内容が表示操作部25に表示されるのだが、表示操作部25に触れて確認するのは面倒であるし、このような確認は忘れてしまいやすい。
そこで、残額や持玉がある場合、前述した一定期間経過後には、図10(b)に示すように、表示操作部25において、残額や持玉数の表示は残し、残額および持玉数以外の表示部分には、ドットで示すように、スクリーンセーバーを表示する。つまり、残額や持玉数といった必要な情報は、常時表示される。なお、前述した焼きつきの不具合を防止するために、表示操作部25において残額や持玉数が表示された部分では、通常よりも輝度を落としても良い。また、表示操作部25において、残額や持玉数の表示位置を移動させるようにしてもよい。
【0100】
これにより、客本人が自分の残額や持玉数がいくつなのかを把握できなくなることがなくなる。また、この残額や持玉を有する客が席を外しているところへ前記別の客が来ても、この別の客は、表示操作部25における残額や持玉数の表示を見ることによって、この表示操作部25の貸出機3の隣の遊技台2が空台でないことを把握できるので、前述したトラブルを防止できる。
【0101】
なお、表示操作部25において、通常内容が表示されているときと、スクリーンセーバーが表示されているときとで、表示操作部25に表示される文字のサイズが異なっていてもよい。
そして、図2を参照して、遊技台2で遊技していると、遊技で負けるのに応じて遊技媒体が遊技台2に取り込まれ、これに応じて遊技台2は、信号(「アウト信号」ということにする)を発生させる。アウト信号は、発生する都度、つまり、遊技媒体が遊技台2に取り込まれる都度、この遊技台2に対応する貸出機3に検出される。客が遊技台2で遊技しているのであれば、貸出機3は、所定時間内で必ずアウト信号を検出するが、客が遊技台2で遊技していないのであれば、この遊技台2は空台であり、貸出機3は、所定時間内でアウト信号を検出しない。
【0102】
遊技中において残額や持玉がない場合、貸出機3の制御部40(図3参照)は、対応する遊技台2においてアウト信号が検出されている間は、図10(c)に示すように、表示操作部25において、遊技中であることを示すメッセージを表示するとともに、当該メッセージ以外の表示部分には、ドットで示すようにスクリーンセーバーを表示する。なお、焼きつきの不具合が生じないのであれば、図10(a)に示す通常内容(ただし、残額および持玉数の表示値はいずれも零)が表示されてもよい。一方、貸出機3の制御部40は、対応する遊技台2においてアウト信号を所定時間内で検出しなかった場合には、図10(d)に示すように、表示操作部25において、当該遊技台2が空いている(空台)であることを示すメッセージを表示するとともに、当該メッセージ以外の表示部分には、ドットで示すようにスクリーンセーバーを表示する。
【0103】
また、残額や持玉の有無にかかわらず、表示操作部25の全域には、貸出機3が操作されない状態が一定時間継続すると強制的にスクリーンセーバーが表示されてもよく、この場合において、この表示操作部25を有する貸出機3に別の客が現金を紙幣挿入口23(図2参照)に挿入し始めることで入金しようとすると、紙幣の取り込みを停止した状態で、表示操作部25には、図10(e)に示す内容が表示されてもよい。図10(e)では、前の客の遊技が終わっていないことを示すメッセージ(ここでは、「残額があります。追加入金しますか?」というメッセージ)と、追加入金したい場合に押すことで紙幣が紙幣挿入口23に取り込まれるOKボタン71と、追加入金しない場合に押すことで紙幣が紙幣挿入口23から排出されるNGボタン72とが表示操作部25に表示される。これにより、当該別の客は、前の客の遊技が終わっていないことに気付く。
【0104】
一方、表示操作部25の全域にスクリーンセーバーが表示された状態で、当該別の客が自分の出玉(現物のパチンコ玉)を貸出機3の受皿30(図2参照)に注ぎ込み、当該出玉が貸出機3の計数部21で計数されてしまうと、表示操作部25には、図10(f)に示す内容が表示されるとよい。図10(f)では、前の客の遊技が終わっていないことを示すために、当該前の客の現在の持玉数(ここでは、1500玉)である前回持玉数と、今回計数した当該別の客の出玉の数を前回持玉数に足した値である今回持玉数(ここでは、2500玉)とが表示操作部25に表示される。また、前回持玉数と今回持玉数とは、表示操作部25上の表示として区別されるだけでなく、実際のデータとしても区別して管理されている。そのため、前回持玉数と今回持玉数とがデータ上、合算されてしまうことはない。その後、駆けつけた店員の操作により、貸出機3が元の状態に戻る。具体的には、前回持玉数と今回持玉数との差分(ここでは、1000玉)が、現物の遊技媒体、または、前述したカードCに関連付けられたデータとして、当該別の客に返却される。
【0105】
次に、貸出機3の本体部20および計数部21にエラーが発生したときの処理について説明する。
図11(a)は、1組の遊技台2および貸出機3を示す模式的な正面図であり、図11(b)は、図11(a)に示す貸出機3の模式的な左側断面図である。図12Aは、貸出機3によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。図12Bは、貸出機3によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【0106】
図11を参照して、貸出機3は、前述したように本体部20と計数部21とを含んでいて、本体部20と計数部21とは分離可能である。図11(b)に示すように、遊技店には、貸出機3を保持する枠体95が設けられており、枠体95には、端子96,97が設けられている。一方、本体部20において枠体95に臨む背面には、端子98が設けられ、計数部21において枠体95に臨む背面には、端子99が設けられている。
【0107】
貸出機3(本体部20および計数部21の両方)が枠体95に保持されている状態では、本体部20の端子98が、枠体95の端子96に接続されていて、計数部21の端子99が、枠体95の端子97に接続されている。これにより、枠体95から本体部20および計数部21に対して電力の供給が可能となるとともに、貸出機3が、外部機器(T/C5等)と通信することができる。
【0108】
そして、本体部20および計数部21のそれぞれでは、エラーが発生することが想定される。当該エラーとして、本体部20では、カード出入口10に挿入されたカードCの本体部20内部における搬送エラーや内部センサー(図示せず)のエラー等が想定され、計数部21では、搬送ノズル31(図2参照)等の計数路における出玉の詰まり等が想定される(図2参照)。
【0109】
通常、本体部20および計数部21のそれぞれでは、エラーが発生すると、そのエラーを解消するための自動復旧処理が行われる。しかし、自動復旧処理がなされてもエラーが解消しない場合があり、その場合には、店員が、本体部20および計数部21のうちエラーが生じた機器をリセットする処理が行われる。リセットされた機器は、リセットによって再起動されることで、エラーを解消することができる。
【0110】
このようなリセット処理として、図11を参照して、店員がリモコン90を操作することと、本体部20および計数部21のうちエラーが生じたものを枠体95に対して抜き差しすることとがある。本体部20を枠体95に対して抜き差しすると、本体部20の端子98と枠体95の端子96とが一旦切断された後に再び接続される。計数部21を枠体95に対して抜き差しすると、計数部21の端子99と枠体95の端子97とが一旦切断された後に再び接続される。
【0111】
リモコン90には、リセットボタン91が設けられたリモコン90Aと、本体部リセットボタン92および計数部リセットボタン93が設けられたリモコン90Bという2つの種類がある。
次に、エラーが発生したときにおける貸出機3の制御部40(図3参照)による処理を説明する。なお、この場合、制御部40は、本体部20および計数部21のどちらかに設けられていて、この状態で、本体部20および計数部21の両方の動作を制御できるものとする。
【0112】
図12Aを参照して、貸出機3の制御部40は、エラーが発生すると(ステップS31でYES)、本体部20および計数部21においてエラーが発生した機器に対して、前述した自動復旧処理を行い(ステップS32)、自動復旧処理を行ったにもかかわらずエラーが解消しなければ(ステップS33でNO)、エラーが解消していない機器は、リセット待ちの状態にあるとする(ステップS34)。
【0113】
ここで、店員が、リモコン90Aの場合にはリセットボタン91を押し、リモコン90Bの場合には、本体部20にエラーがあるのであれば本体部リセットボタン92を押し、計数部21にエラーがあるのであれば計数部リセットボタン93を押す(図11参照)。
このようにして、店員によるリモコン入力があると(ステップS35でYES)、制御部40は、本体部20および計数部21のうちリセット待ちの状態にある機器をリセットする(ステップS36)。図11を参照して、店員がリモコン90Aのリセットボタン91を押した場合には、制御部40は、リセット待ちの状態にある機器を検出して、この機器だけをリセットする。リセット待ち機器が本体部20である場合おいて、店員がリモコン90Bの本体部リセットボタン92を押した場合には、制御部40は、本体部20だけをリセットする。リセット待ち機器が計数部21である場合おいて、店員がリモコン90Bの計数部リセットボタン93を押した場合には、制御部40は、計数部21だけをリセットする。
【0114】
なお、リモコン90Aの場合において、リセットボタン91の押し方によって、リセットする機器を指定できても良い。たとえば、リセットボタン91を1回押しただけだと、本体部リセットボタン92を押したのと同じことになる一方で、リセットボタン91を連続して2回押すと、計数部リセットボタン93を押したのと同じことになってもよい。
以上の場合、本体部20および計数部21のそれぞれが別々にリセットできる。特に、リセットが必要な機器だけがリセットされ、リセットが不要な機器は、引き続き使用できるので使い勝手がよい。たとえば、本体部20だけにエラーが生じていれば、本体部20だけがリセットされるので、計数部21では引き続き出玉の計数が可能である。逆に、計数部21だけにエラーが生じていれば、計数部21だけがリセットされるので、本体部20では引き続き持玉の払い出しや現金の受け付け等が可能である。
【0115】
なお、リモコン90を用いなくてもよい。この場合、リセットボタン91や本体部リセットボタン92や計数部リセットボタン93が貸出機3に設けられているとよい。
一方、本体部20および計数部21のうちエラーが生じた機器を枠体95に対して抜き差しすることでリセットする場合には、図12Bに示す処理が行われる。
まず、貸出機3の制御部40は、エラーが発生すると(ステップS41でYES)、本体部20および計数部21においてエラーが発生した機器に対して、前述した自動復旧処理を行い(ステップS42)、自動復旧処理を行ったにもかかわらずエラーが解消しなければ(ステップS43でNO)、エラーが解消していない機器は、リセット待ちの状態にあるとする(ステップS44)。このとき、制御部40は、リセット待ち機器があることを店員に報知する。
【0116】
ここで、店員が、本体部20および計数部21のうちどちらかを枠体95に対して抜き差しする。本体部20の抜き差しがあると、端子96と端子98との接続が一旦途切れ、計数部21の抜き差しがあると、端子97と端子99との接続が一旦途切れるので(図11(b)参照)、このように接続が途切れることで、制御部40は、本体部20および計数部21のうちどちらかが枠体95に対して抜き差しされたのかを検出する。本体部20および計数部21のうちどちらかの機器が抜き差しされると(ステップS45でYES)、制御部40は、抜き差しのあった機器をリセットする(ステップS46)。
【0117】
そして、本体部20および計数部21のうち抜き差しのなかった機器がリセット待ちであれば(ステップS47でYES)、制御部40は、当該リセット待ち機器をリセットする(ステップS48)。そのため、抜き差しした機器がリセット待ちであれば、その機器だけをリセットすることができるので、リセット待ちでない機器は引き続き使用できる。また、抜き差しした機器がリセット待ちでなくても、リセット待ち機器が必ずリセットされるので、エラーを確実に解消できる。
【0118】
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、遊技媒体の計数機能を有さない貸出機3の表示操作部25(図2参照)の表示態様や、遊技島の島端に設けられた計数機(図示せず)の表示部の表示態様を、客や店員の好みに応じて切り替えることができてもよい。
【符号の説明】
【0119】
1 管理システム
2 遊技台
3 貸出機
5 ターミナルコントローラ(T/C)
6 会員サーバ
25 表示操作部
29 カード処理部
40 制御部
50 制御部
60 制御部
70 切替キー
C カード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技店において遊技台と1対1の関係で設けられ、対応する遊技台に対して遊技媒体の貸出処理を行うための遊技媒体貸出処理機であって、
目視可能な情報を表示するための表示器と、
遊技客の操作を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けた操作に基づいて、前記表示器の表示設定を特定する特定手段と、
前記特定手段によって特定された前記表示設定に基づいて、前記表示器における表示態様を切り替える切替手段と、
を有することを特徴とする、遊技媒体貸出処理機。
【請求項2】
前記受付手段は、遊技客の所持する記録媒体を読み取る読取手段を含み、
前記特定手段は、前記読取手段が前記記録媒体を読み取ったのに応答して、前記記録媒体に関連付けて登録された前記表示器の表示設定を取得する取得手段を含み、
前記切替手段は、前記取得手段が取得した前記表示設定に基づいて、前記表示器における表示態様を切り替えることを特徴とする、請求項1記載の遊技媒体貸出処理機。
【請求項3】
前記切替手段は、前記表示器に表示される文字のサイズを切り替えることで表示態様を切り替えることを特徴とする、請求項2記載の遊技媒体貸出処理機。
【請求項4】
前記切替手段は、前記表示器に表示される情報の種類を切り替えることで表示態様を切り替えることを特徴とする、請求項2記載の遊技媒体貸出処理機。
【請求項5】
前記遊技媒体貸出処理機には、上位装置が通信可能に接続されており、
前記表示設定は、前記上位装置に登録されていることを特徴とする、請求項2〜4のいずれかに記載の遊技媒体貸出処理機。
【請求項6】
前記表示設定は、前記記録媒体に登録されていることを特徴とする、請求項2〜4のいずれかに記載の遊技媒体貸出処理機。
【請求項7】
請求項2〜6のいずれかに記載の遊技媒体貸出処理機を含む管理システムであって、
前記遊技媒体貸出処理機は、前記表示器における表示態様を切り替えるために操作される切替操作部を有し、前記切替手段は、前記切替操作部が操作されるのに応じて、前記表示器における表示態様を切り替えることができ、
前記遊技媒体貸出処理機の対応する遊技台での遊技終了を検出する検出手段と、
前記検出手段が遊技終了を検出した時点における前記遊技媒体貸出処理機の表示器の表示態様がデフォルトの表示態様となるように前記表示設定を更新する設定更新手段と、
を有することを特徴とする、管理システム。
【請求項8】
前記設定更新手段は、前記検出手段が遊技終了を検出した時点における前記表示器の表示態様が、前記検出手段が遊技終了を所定回数検出したいずれの場合においても同じであることを条件として、前記表示設定を更新することを特徴とする、請求項7記載の管理システム。
【請求項1】
遊技店において遊技台と1対1の関係で設けられ、対応する遊技台に対して遊技媒体の貸出処理を行うための遊技媒体貸出処理機であって、
目視可能な情報を表示するための表示器と、
遊技客の操作を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けた操作に基づいて、前記表示器の表示設定を特定する特定手段と、
前記特定手段によって特定された前記表示設定に基づいて、前記表示器における表示態様を切り替える切替手段と、
を有することを特徴とする、遊技媒体貸出処理機。
【請求項2】
前記受付手段は、遊技客の所持する記録媒体を読み取る読取手段を含み、
前記特定手段は、前記読取手段が前記記録媒体を読み取ったのに応答して、前記記録媒体に関連付けて登録された前記表示器の表示設定を取得する取得手段を含み、
前記切替手段は、前記取得手段が取得した前記表示設定に基づいて、前記表示器における表示態様を切り替えることを特徴とする、請求項1記載の遊技媒体貸出処理機。
【請求項3】
前記切替手段は、前記表示器に表示される文字のサイズを切り替えることで表示態様を切り替えることを特徴とする、請求項2記載の遊技媒体貸出処理機。
【請求項4】
前記切替手段は、前記表示器に表示される情報の種類を切り替えることで表示態様を切り替えることを特徴とする、請求項2記載の遊技媒体貸出処理機。
【請求項5】
前記遊技媒体貸出処理機には、上位装置が通信可能に接続されており、
前記表示設定は、前記上位装置に登録されていることを特徴とする、請求項2〜4のいずれかに記載の遊技媒体貸出処理機。
【請求項6】
前記表示設定は、前記記録媒体に登録されていることを特徴とする、請求項2〜4のいずれかに記載の遊技媒体貸出処理機。
【請求項7】
請求項2〜6のいずれかに記載の遊技媒体貸出処理機を含む管理システムであって、
前記遊技媒体貸出処理機は、前記表示器における表示態様を切り替えるために操作される切替操作部を有し、前記切替手段は、前記切替操作部が操作されるのに応じて、前記表示器における表示態様を切り替えることができ、
前記遊技媒体貸出処理機の対応する遊技台での遊技終了を検出する検出手段と、
前記検出手段が遊技終了を検出した時点における前記遊技媒体貸出処理機の表示器の表示態様がデフォルトの表示態様となるように前記表示設定を更新する設定更新手段と、
を有することを特徴とする、管理システム。
【請求項8】
前記設定更新手段は、前記検出手段が遊技終了を検出した時点における前記表示器の表示態様が、前記検出手段が遊技終了を所定回数検出したいずれの場合においても同じであることを条件として、前記表示設定を更新することを特徴とする、請求項7記載の管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【公開番号】特開2012−200341(P2012−200341A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−66075(P2011−66075)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】
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