遊技店の管理システム
【課題】 最終的なメダル補充指示を出す最終段階よりも前に、最終段階に近づいていることを中央管理装置に伝達し、これを受け、中央管理装置がメダル切れを事前に回避する策を講じることが可能な手段の提供。
【解決手段】 メダル貸出装置は、メダルホッパー内の残存メダル量が第一の量以下又は未満となる第一段階に到達したか否かと、第一の量よりも少ない第二の量以下又は未満となる第二段階に到達したか否かを少なくとも検知可能なニアエンプティ検知手段と、ニアエンプティ検知手段が第一段階及び第二段階に到達したことを検知した場合、当該段階到達検知情報を中央管理装置に段階的に送信する残存メダル情報送信手段とを更に有しており、中央管理装置は、段階到達検知情報に基づき、当該段階到達検知情報に係るメダル貸出装置にメダル補充をする旨の指示を前記無線インカムに出力することを特徴とする管理システム。
【解決手段】 メダル貸出装置は、メダルホッパー内の残存メダル量が第一の量以下又は未満となる第一段階に到達したか否かと、第一の量よりも少ない第二の量以下又は未満となる第二段階に到達したか否かを少なくとも検知可能なニアエンプティ検知手段と、ニアエンプティ検知手段が第一段階及び第二段階に到達したことを検知した場合、当該段階到達検知情報を中央管理装置に段階的に送信する残存メダル情報送信手段とを更に有しており、中央管理装置は、段階到達検知情報に基づき、当該段階到達検知情報に係るメダル貸出装置にメダル補充をする旨の指示を前記無線インカムに出力することを特徴とする管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技媒体であるメダルの貸出を行うメダル貸出装置の管理システムであって、特に、好適なタイミングでホールスタッフに対してメダル補充指示を与えることにより、メダル貸出装置のメダル切れを事前に防止する管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
パチスロ遊技機に代表される、遊技媒体としてメダルを使用して遊技を行なう遊技機を設置したパチンコ(パチスロ)ホールでは、通常、サンドといわれるメダル貸出装置が当該遊技機の隣に設置されている。ここで、遊技者によるメダル貸出に伴い、メダル貸出装置のメダルホッパー内に貯留されているメダル量が減少するので、当該メダルが無くなった場合等には、自動補給装置によるメダル補給か、ホールスタッフによる手作業でのメダル補給が行なわれる。ここで、ホールスタッフが手作業でメダル補給を行う場合には、通常、(1)メダルが所定量以下となった場合に、メダル貸出装置から中央管理装置(ホールコンピュータ)に対して補充要求信号が送信され、これを受けて中央管理装置がホールスタッフに対して補充指示を出し、ホールスタッフがメダル補給を行なう、(2)メダル貸出装置の表示部に残存メダル量が僅かである旨の情報(コード表示)が報知され、当該報知情報を発見したホールスタッフがメダル補給を行なう、(3)メダル貸出装置がエラー状態になった場合に、遊技者が遊技機上のランプを点灯させる等してホールスタッフをコールして、ホールスタッフにメダル補給してもらう、といった対処法が講じられている。
【特許文献1】特開平2−302287号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、前記(2)の場合には、ホールスタッフが前記コード表示に気がつかないことが間々あり、前記(3)の場合には、遊技者が遊技を中断してランプ点灯等を行なう面倒さがある等のため、遊技者の立場に立てば、前記(1)の場合が好適である。しかしながら、前記(1)の場合であっても、中央管理装置は、メダル貸出装置からの補充要求信号を受けてホールスタッフに指示を出すため、例えば、当該遊技島を管轄とするホールスタッフが他の遊技島に行っていたり休憩に入っていたりして不在である場合には、至急メダル補充しなくてはいけない状況であるにもかかわらず、当該メダル貸出装置にメダル補充されない結果、遊技者をイライラさせたり、当該メダル貸出装置に隣接する遊技機の稼働率を低下させるという事態を招いていた。
【0004】
そこで、本発明は、最終的なメダル補充指示を出す最終段階よりも前に、最終段階に近づいていることを中央管理装置に伝達し、これを受け、中央管理装置が前記事態を事前に回避する策を講じることが可能な手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明(1)は、遊技店内に配置される複数の遊技機(遊技機510);前記複数の遊技機(遊技機510)に並設されると共に、メダルを貯留可能なメダルホッパー(メダルホッパー450)を備えた、付加価値媒体(紙幣)に相当する枚数のメダルを貸し出し可能なメダル貸出装置(メダル貸出機400);前記複数の遊技機(遊技機510)が稼動するに伴って発生する遊技情報を遊技機別に収集して管理する中央管理装置(管理装置900);ホールスタッフが所持する無線インカム(無線インカムシステム子機320);前記複数の遊技機(遊技機510)、前記メダル貸出装置(メダル貸出機400)及び前記無線インカム(無線インカムシステム子機320)と前記中央管理装置(管理装置900)とを繋ぐ通信網を備えた管理システム(メダル貸出管理システム1000)において、
前記メダル貸出装置(メダル貸出機400)は、前記メダルホッパー(メダルホッパー450)内の残存メダル量が第一の量以下又は未満となる第一段階に到達したか否かと、前記第一の量よりも少ない第二の量以下又は未満となる第二段階に到達したか否かを少なくとも検知可能なニアエンプティ検知手段(ニアエンプティ検知手段460)と、前記ニアエンプティ検知手段(ニアエンプティ検知手段460)が前記第一段階及び前記第二段階に到達したことを検知した場合、当該段階到達検知情報を前記中央管理装置(管理装置900)に段階的に送信する残存メダル情報送信手段(動作状態情報送信手段481)とを更に有しており、
前記中央管理装置(管理装置900)は、前記段階到達検知情報に基づき、当該段階到達検知情報に係るメダル貸出装置(メダル貸出機400)にメダル補充をする旨の指示を前記無線インカム(無線インカムシステム子機320)に出力する
ことを特徴とする管理システム(メダル貸出管理システム1000)である。
【0006】
本発明(2)は、前記中央管理装置(管理装置900)は、前記段階到達検知情報に係るメダル貸出装置(メダル貸出機400)付近に配置された又は当該メダル貸出装置(メダル貸出機400)担当のホールスタッフの無線インカム(無線インカムシステム子機320)に対して前記指示を出力する、前記発明(1)の管理システム(メダル貸出管理システム1000)である。
【0007】
本発明(3)は、前記中央管理装置(管理装置900)は、前記段階到達検知情報に係るメダル貸出装置(メダル貸出機400)付近に配置された又は当該メダル貸出装置(メダル貸出機400)担当のホールスタッフの無線インカム(無線インカムシステム子機320)に対して前記指示を出力した後、所定時間内に当該メダル貸出装置(メダル貸出機400)にメダル補充がなされなかった場合、又は、所定時間内に当該ホールスタッフから当該指示の確認がなされなかった場合、当該ホールスタッフの無線インカム(無線インカムシステム子機320)に対して再度の前記指示を出力する、前記発明(2)の管理システム(メダル貸出管理システム1000)である。
【0008】
本発明(4)は、前記中央管理装置(管理装置900)は、前記段階到達検知情報に係るメダル貸出装置(メダル貸出機400)付近に配置された又は当該メダル貸出装置(メダル貸出機400)担当のホールスタッフの無線インカム(無線インカムシステム子機320)に対して前記指示を出力した後、所定時間内に当該メダル貸出装置(メダル貸出機400)にメダル補充がなされなかった場合、又は、所定時間内に当該ホールスタッフから当該指示の確認がなされなかった場合、他のホールスタッフ又は全員のホールスタッフの無線インカム(無線インカムシステム子機320)に対して前記指示を出力する、前記発明(2)の管理システム(メダル貸出管理システム1000)である。
【0009】
本発明(5)は、前記中央管理装置(管理装置900)は、前記遊技店内に配置される複数の遊技機の稼働率に基づき、前記第一段階及び前記第二段階のいずれで前記指示を出力するかを決定する、前記発明(1)〜(4)のいずれか一つの管理システム(メダル貸出管理システム1000)である。
【発明の効果】
【0010】
本発明(1)によれば、最終的なメダル補充指示を出す第二段階よりも前に、第二段階に近づいていることが中央管理装置に伝達されるように構成されているので、中央管理装置が状況に応じて適切なタイミングでホールスタッフに対してメダル補充指示を出すことが可能になるという効果を奏する。
【0011】
本発明(2)によれば、前記効果に加え、段階到達検知情報に係るメダル貸出装置付近に配置された又は当該メダル貸出装置を担当するホールスタッフの無線インカムに対して前記指示を出力するように構成されているので、より迅速なメダル補充が可能になるという効果を奏する。
【0012】
本発明(3)によれば、前記効果に加え、所定状況下で、メダル補充が指示されたホールスタッフに対して再度の指示を行なうように構成されているので、前回の指示の際に当該ホールスタッフが気が付かなかった場合や、気が付いていたとしても、当該指示の際に遊技機のエラー処理を行なっていたりして、当該指示を失念していた場合にも、いつまでもメダル補充がなされないという事態を回避できるという効果を奏する。
【0013】
本発明(4)によれば、前記効果に加え、所定状況下で、メダル補充が指示されたホールスタッフ以外のスタッフ又は全員に対して指示を行なうように構成されているので、前回の指示に係るホールスタッフが休憩中で不在の場合等でも、いつまでもメダル補充がなされないという事態を回避できるという効果を奏する。
【0014】
本発明(5)によれば、遊技店内に配置される複数の遊技機の稼働率に基づき好適なタイミングで指示を出すように構成されている。したがって、例えば、非常に混雑している場合には、メダル補充指示をホールスタッフに出しても即座に対応できないことが想定されるので、中央管理装置は、第一段階に達した時点でホールスタッフに対してメダル補充指示を出し、他方、比較的空いている場合には、中央管理装置は、第二段階に達した時点でホールスタッフに対してメダル補充指示を出すよう構成することが可能になる。その結果、遊技者をイライラさせたり、当該メダル貸出装置に隣接する遊技機の稼働率を低下させるという事態を確実に回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
はじめに、図1の概略構成ブロック図を参照しながら、本最良形態に係るメダル貸出管理システム1000の概要を説明する。メダル貸出管理システム1000は、遊技島(又は島)500と呼ばれるグループ毎に複数設置される遊技機510及びメダル貸出機400と、遊技機510、メダル貸出機400及び後述する島ユニット530と接続され、自己に接続される設備機器(遊技機510及びメダル貸出機400)の遊技情報と動作状態情報を検出し、検出した当該遊技情報と当該動作状態情報を一時的又は継続的に蓄積すると共に、後述する島ユニット530に当該遊技情報と当該動作状態情報を送信するための台ユニット520と、遊技島500に係るすべての台ユニット520及び後述する管理装置900の本体部100と接続され、当該すべての台ユニット520から送信される遊技情報と動作状態情報を一時的又は継続的に蓄積すると共に、後述する管理装置900の本体部100に当該遊技情報と当該動作状態情報を送信するための島ユニット530と、遊技島500毎に設置される島ユニット530のすべてと接続され、当該すべての島ユニット530から送信される遊技情報と動作状態情報を一元管理すると共に、各設備機器等を制御するための管理装置900の本体部100と、管理装置900の本体部100と接続され、全遊技機510と全メダル貸出機400の遊技情報と動作状態情報を表示するための表示部200と、管理装置900の本体部100と接続され、メダル補給の指示を行うための無線インカムシステム300とから構成されている。尚、上記「遊技情報」としては、ボーナス間回数、ビックボーナス回数、レギュラーボーナス回数、差枚数に関する情報等を挙げることができる。また、上記「動作状態情報」としては、メダル貯留量情報・入金情報等を挙げることができる。
【0016】
尚、遊技機510、メダル貸出機400、台ユニット520、島ユニット530、管理装置900及び無線インカムシステム300は、夫々通信回線(例えば、光LAN及び無線LAN等)を介して双方向又は単方向に通信可能に接続されている。
【0017】
また、無線インカムシステム300は、無線インカムシステム親機310と無線インカムシステム子機320から構成され、無線インカムシステム親機310は、例えば管理装置900が設置されている管理室等に設置され、無線インカムシステム子機320は、ホールスタッフが適宜保持している。尚、無線インカムシステム子機320の数は、例えば、遊技島を管轄するホールスタッフの人数に相当する。
【0018】
尚、台ユニット520は、本最良形態では、1台の遊技機510及び1台のメダル貸出機400と接続されているが、その組合せは任意であり、1台又は複数台の遊技機510及び1台又は複数台のメダル貸出機400と接続してもよい。
【0019】
次に、本最良形態に係るメダル貸出管理システム1000の各構成要素について詳述する。尚、メダル貸出機400については後述する。
【0020】
まず、遊技機510は、いわゆる「スロットマシン」又は「パチスロ機」と称される、メダル貸出機400により貸し出された遊技媒体としてのメダル等を用いて遊技を実行する装置である。尚、遊技機の動作の仕組みは公知である(例えば、特開2003−10380)ため、ここでは説明を省略することとする。
【0021】
次に、台ユニット520は、特に詳細は図示しないが、制御プログラムに基づき種々のデータ処理等を行うための制御部と、自己に接続される各設備機器(例えば、遊技機510及びメダル貸出機400等)からリアルタイム(又は所定時間毎)に送信される遊技情報と動作状態情報を受信すると共に、当該遊技情報と当該動作状態情報を島ユニット530へリアルタイム(又は所定時間毎)に送信するための通信部と、通信部が受信した当該遊技情報と当該動作状態情報を設備機器(例えば、遊技機510及びメダル貸出機400等)毎に一時的又は継続的に蓄積したり、前記制御プログラムを記憶するための記憶部等を備えている。
【0022】
次に、島ユニット530は、特に詳細は図示しないが、制御プログラムに基づき種々のデータ処理等を行うための制御部と、自己に接続される設備機器(自己に接続される各台ユニット520に接続される遊技機510及びメダル貸出機400等)からリアルタイム(又は所定時間毎)に送信される遊技情報と動作状態情報を受信すると共に、当該遊技情報と当該動作状態情報を管理装置900へリアルタイム(又は所定時間毎)に送信するための通信部と、通信部が受信した当該遊技情報と当該動作状態情報を設備機器(例えば、遊技機510及びメダル貸出機400等)毎に一時的又は継続的に蓄積したり、前記制御プログラムを記憶するための記憶部等を備えている。
【0023】
次に、管理装置900は、いわゆる「ホールコンピュータ」と称される管理手段であり、例えば、全遊技機510の遊技情報(例えば、ボーナス間回数、ビックボーナス回数、レギュラーボーナス回数、差枚数に関する情報等)を遊技機毎に管理する機能に加え、全メダル貸出機400の動作状態情報(例えばメダル貯留量情報)をメダル貸出機毎に管理する機能を持つ。そして、後述するように、管理装置900は、メダルが不足状態となっているメダル貸出機400の番号及び当該メダル貸出機が属する島番号を、無線インカムシステム親機310を介して無線インカムシステム子機320(例えば、当該メダル貸出機400が属する遊技島を担当しているホールスタッフ等)に送信させるよう制御する。
【0024】
次に、図2及び図3を参照しながら、本最良形態に係るメダル貸出機400を詳述する。ここで、図2は、メダル貸出機400の外観を示した正面図(概略図)、図3は、メダル貸出機400の内部構成の概念図を夫々示している。概略、本発明に係るメダル貸出機400は、自身のメダル貯留量を段階的に検知可能であると共に、当該メダル貯留量を管理装置900に段階的に送信可能に構成されている。尚、本最良形態に係るメダル貸出機400の基本構成は、例えば、特開2005−102990、特開2004−248766、特開2005−80879及び特開2004−141252に開示されている。
【0025】
そこで、まず図2を参照しながら、メダル貸出機400の外観構成を説明する。まず、メダル貸出機400は、縦長の直方体型に構成されている。そして、メダル貸出機400は、紙幣を投入するための紙幣投入口421、表示パネル(メダル枚数/エラー表示部)422、紙幣回収扉401、メダル補給扉402、ホッパー扉403、後述するメダル投出装置470から投出されたメダルを取り出すためのメダル取出口423が夫々設けられている。以下、各構成要素について詳述する。
【0026】
まず、紙幣投入口421は、紙幣を受け入れてこれを後述の紙幣識別装置430に取り込むための開口部である。この紙幣投入口421には、例えば、1000円札や10000円札等の紙幣を投入することができる。尚、紙幣の代わりにプリペイドカード等の金額情報が記憶されたカードやコインを挿入可能に構成してもよい。
【0027】
次に、表示パネル422(メダル枚数/エラー表示部)は、紙幣の投入時、後述するメダル投出装置470から投出されるメダル投出枚数の表示、メダル投出の可否(エラー情報)及び残金情報等を表示する機能を備えている。
【0028】
次に、紙幣回収扉401は、開閉自在に構成された紙幣回収用のドアであり、通常は鍵により閉鎖されているが、紙幣を回収する場合には、ホールスタッフ(管理者等)により開放される。
【0029】
次に、メダル補給扉402は、開閉自在に構成されたメダル補給用のドアであり、通常は鍵により閉鎖されているが、メダルを補給する場合には、ホールスタッフ(一般従業員等)により開放される。
【0030】
次に、ホッパー扉403は、開閉自在に構成されたメダル投出装置470のメダル詰まりを解消する等のためのメンテナンス用のドアであり、通常は鍵により閉鎖されているが、メンテナンスの場合には、一般従業員等により開放される。
【0031】
尚、紙幣回収扉401、メダル補給扉402及びホッパー扉403は、夫々、紙幣回収扉錠411、メダル補給扉錠412及びホッパー扉錠413により施錠されている。各錠は、メダルの補給やメンテナンス(修理)を行うホールスタッフ(一般従業員)が取り扱う鍵と、紙幣を回収するホールスタッフ(管理者等)が取り扱う鍵とに区別することが、セキュリティ効果(不正防止効果)の面で効果があり好適である。例えば、一般従業員用鍵は、メダル補給扉錠412及びホッパー扉錠413を開錠することができ、管理者用鍵は、紙幣回収錠411、メダル補給扉錠412及びホッパー扉錠413のすべてを開錠できるようにして、一般従業員用鍵では紙幣を取り扱えないようにする。
【0032】
次に、図3を参照しながら、メダル貸出機400の内部構造を説明する。まず、メダル貸出機400の内部には、紙幣投入口421から投入された紙幣が真券(正常な紙幣)であるかを識別する紙幣識別装置430、メダル貸出機400のあらゆる制御を行うと共に、当該制御を行うためのプログラムの記憶部を備えた貸出制御部441、メダル貸出機400に対して電源を供給するための電源部443、所定量のメダルを貯留するためのメダルホッパー450、メダルホッパー450内に貯留されているメダルを投出するためのメダル投出装置470、一時的に紙幣の金額情報やメダルの投出情報(投出したメダル枚数)等の貸出機に関する一切の情報を記憶するための貸出機情報一時記憶部444、管理装置900との間で(台ユニット520及び島ユニット530を介して)相互にデータの送受信を行うための通信部442、メダル貸出機400の動作停止(例えば、メダル投出中のメダル切れ等によるメダル投出装置470の駆動停止等)状態を解除するためのリスタートボタン445が夫々設けられている。以下、各要素について順に詳述する。
【0033】
まず、紙幣識別装置430は、前記のように、紙幣投入口421から投入された紙幣が真券であるか(正常であるか)を識別する機能を備えている。ここで、紙幣識別装置430により真券(正常)と判定された紙幣は、内部に設置された紙幣格納庫431に格納されると共に、紙幣識別装置430は、貸出制御部441に紙幣検出信号を送出し、これを受けて、貸出機情報一時記憶部444に紙幣の金額情報が記憶される。他方、紙幣識別装置430により真券ではないと判定された紙幣又は識別不能な紙幣は、紙幣投入口421から返却される。
【0034】
次に、貸出制御部441は、前記のように、メダル貸出機400の各処理部(例えば、紙幣識別装置430、後述のニアエンプティ検知手段460、メダル投出装置470等)の動作を制御する機能を備えている。以下、具体的に説明する。まず、この貸出制御部441は、前記紙幣識別装置430からの紙幣検出信号を受けて、メダル投出装置470に対してメダル投出要求(メダル投出信号)を出力する機能を有する。更に、貸出制御部441は、台ユニット520へリアルタイム(又は所定時間毎)にメダルホッパー450内のメダル貯留量を送信する機能を有する。また、貸出制御部441は、メダル投出装置470の駆動開始からの経過時間Tを計時するための計時装置(図示しない)を備えている。ここで、当該計時装置は、具体的には、メダル投出装置470が駆動状態にあるにも係らず、メダル非投出状態が所定時間継続しているか否かを計測する(エラー感知用として機能)。
【0035】
次に、メダルホッパー450は、内部に貯留されたメダル量を検出するニアエンプティ検知手段460を備えている。そして、当該ニアエンプティ検知手段460は、メダル貯留量検出信号をリアルタイム(又は所定時間毎)に貸出制御部441に出力する。具体的には、ニアエンプティ検知手段460は、メダル貯留量が満タン状態を基準として2/3、1/2及び1/3となる箇所に夫々設置されている、メダル貯留量検出センサ461、462及び463から構成されている。即ち、ニアエンプティ検知手段460は、メダルホッパー450内に貯留されているメダル残量を段階的(例えば、2/3、1/2及び1/3等)に検出可能に構成されている。
【0036】
尚、メダル貯留量検出センサ461、462及び463がメダル残量を検出する原理は、慣用されているメダルの導電性を利用したものであるが、これに限定されるものではなく、メダルの存在によって状態変化を検出可能である限り、どのようなものでも利用可能である(透過型センサ、反射型センサ、磁気センサ等)。
【0037】
次に、メダル投出装置470は、電源により駆動されるメダル投出用のモータ(図示せず)が内部に設置されており、当該モータが回転駆動することによりメダルの投出が実行される。
【0038】
次に、貸出機情報一時記憶部444は、前記ニアエンプティ検知手段460からの段階的なメダル貯留量情報をはじめとする動作状態情報を一時記憶するための動作情報一時記憶手段483と、メダル貸出機400に関連する情報(例えば、メダル貸出機400自身の識別番号、入金情報、エラー情報等)を(一時)記憶するためのメダル貸出機関連情報(一時)記憶手段482とを更に有している。
【0039】
次に、通信部442は、当該貸出機の動作状態情報(例えばメダル貯留量情報)を送信するための動作状態情報送信手段481を更に有している。
【0040】
次に、リスタートボタン445は、メダル貸出機400の動作停止(例えば、メダル投出中のメダル切れ等によるメダル投出装置470の駆動停止等)状態に係る原因を解消(例えば、メダル補給等)した後に押圧されることにより、メダル貸出機400の動作停止状態を解除(例えば、メダル投出装置470の再駆動)する機能を有する。尚、正常に動作されている場合にリスタートボタン445が押圧されたときには無効となる。
【0041】
次に、図4を参照しながら、本最良形態に係るメダル貸出管理システム1000に係る管理装置900の本体部100を詳述する。ここで、図4は、本体部100の機能構成を示したブロック図(概略構成ブロック図)である。尚、本最良形態に係る管理装置900の基本構成(特徴部分を除く)は、例えば、特開2004−24335に開示されているので、以下では特徴に係る機能のみ説明する。
【0042】
本最良形態に係る管理装置900の本体部100は、メダル貸出機400から送信される段階的なメダル貯留量をメダル貸出機400毎に管理可能であると共に、当該メダル貯留量と他のファクタ(例えば稼働率)に基づき、無線インカムシステム300等を介してホールスタッフ(無線インカムシステム子機320を所持している)に対してメダル補給指示を適切なタイミングで行うことが可能に構成されている。以下、各構成要素について詳述する。
【0043】
まず、管理装置900の本体部100は、自己に接続される設備機器(例えば、遊技機510及びメダル貸出機400等)からリアルタイム(又は所定時間毎)に送信される遊技情報(例えば、ボーナス間回数、ビックボーナス回数、レギュラーボーナス回数、差枚数に関する情報等)や動作状態情報(例えばメダル貯留量情報)を受信するための設備機器情報受信手段110と、設備機器(例えば、遊技機510及びメダル貸出機400)毎に整理した形で、設備機器情報受信手段110が受信した遊技情報、や動作状態情報を一時的又は継続的に蓄積するための管理情報記憶手段120(データベース)と、管理情報記憶手段120(データベース)を参照し、メダル貯留量が所定値(例えば、1/2、1/3)未満であるメダル貸出機400に対してメダルを補給する指示コマンド(メダル補給指示情報)を所定条件下で無線インカムシステム親機310に送信するためのメダル補給指示情報送信手段130と、設備機器(例えば、遊技機510及びメダル貸出機400等)毎に遊技情報や動作状態情報を表示部200上で表示する制御を司る表示制御手段140とを有している。以下、各手段について、特に本発明と関連する部分を中心に詳述する。
【0044】
まず、設備機器情報受信手段110は、遊技機510からの遊技情報やメダル貸出機400からの動作状態情報をバッファとして一時記憶するための、設備機器情報一時記憶手段111を更に有している。
【0045】
次に、管理情報記憶手段120は、メダル貸出機400の動作状態情報を時系列的に、一時的又は継続的に蓄積(記憶)するためのメダル貸出機管理テーブル121と、メダル貸出機400と遊技島500との対応関係を管理するためのメダル貸出機・遊技島対応テーブル122と、遊技島500と無線インカムシステム子機320との対応関係を管理するための遊技島・無線インカムシステム子機対応テーブル123とを更に有している。更に、他のテーブル、例えば、全ホールスタッフの勤務状況管理テーブルを備えていてもよい。
【0046】
ここで、図5〜図7に、メダル貸出機管理テーブル121、メダル貸出機・遊技島対応テーブル122及び遊技島・無線インカムシステム子機対応テーブル123の一例を示す。
【0047】
まず、図5を参照しながら、メダル貸出機管理テーブル121の一例を説明する。まず、「メダル貸出機番号」フィールドは、メダル貸出機に付与された固有の識別番号である。「メダル貯留量情報」フィールドは、メダル貸出機400内のメダル貯留量を段階的に示すものである。ここで、「FULL」はメダル貯留量が2/3以上であり、「2/3」はメダル貯留量が1/2以上2/3未満であり、「1/2」はメダル貯留量が1/3以上1/2未満であり、「1/3」はメダル貯留量が1/3未満であることを意味する。「状態」フィールドは、無線インカムシステム300に対してメダル補給指示情報が送信されたか否かを示すものである。
【0048】
次に、図6を参照しながら、メダル貸出機・遊技島対応テーブル122の一例を説明する。まず、「メダル貸出機番号」フィールドは、図5で述べたように、メダル貸出機400に付与された固有の識別番号である。「島番号」フィールドは、遊技島500に付与された固有の識別番号である。例えば、メダル貸出機番号が「4」であるメダル貸出機は、島番号が「1」である遊技島に属していることを意味する。
【0049】
次に、図7を参照しながら、遊技島・無線インカムシステム子機対応テーブル123の一例を説明する。「島番号」フィールドは、図6で述べたように、遊技島500に付与された固有の識別番号である。「インカム番号」フィールドは、無線インカムシステム子機320に付与された固有の識別番号である。例えば、島番号が「1」である遊技島は、インカム番号が「1」であるホールスタッフにより管理(担当)されていることを意味する。
【0050】
再び図4のブロック図(概略構成ブロック図)に戻ると、管理装置900の本体部100は、無線インカムシステム親機310と接続され、当該無線インカムシステム親機310は、無線インカムシステム子機320と情報伝達可能(無線)に接続されている。
【0051】
次に、図8のフローチャートを参照しながら本最良形態に係るメダル貸出機400で行われるメダル貯留量情報検出処理100について説明する。まず、ステップ102で、ニアエンプティ検知手段460は、メダルホッパー450内のメダル貯留量が1/3未満であるか否か、具体的には、メダル貯留量検出センサ463からエンプティ信号を受信したか否かを判定する。ステップ102でYesの場合、ステップ104で、貸出制御部441は、動作情報一時記憶手段483中に、メダル貯留量情報として「1/3未満」と記憶し、ステップ116に移行する。他方、ステップ102でNoの場合、ステップ106で、ニアエンプティ検知手段460は、メダルホッパー450内のメダル貯留量が1/2未満であるか否か、具体的には、メダル貯留量検出センサ462からエンプティ信号を受信したか否かを判定する。ステップ106でYesの場合、ステップ108で、貸出制御部441は、動作情報一時記憶手段483中に、メダル貯留量情報として「1/2未満」と記憶し、ステップ116に移行する。他方、ステップ106でNoの場合、ステップ110で、ニアエンプティ検知手段460は、メダルホッパー450内のメダル貯留量が2/3未満であるか否か、具体的には、メダル貯留量検出センサ461からエンプティ信号を受信したか否かを判定する。ステップ110でYesの場合、ステップ112で、貸出制御部441は、動作情報一時記憶手段483中に、メダル貯留量情報として「2/3未満」と記憶し、ステップ116に移行する。他方、ステップ110でNoの場合、ステップ114で、貸出制御部441は、動作情報一時記憶手段483中に、メダル貯留量情報として「FULL」と記憶し、ステップ116に移行する。次に、ステップ116で、動作状態情報送信手段481は、メダル貸出機関連情報(一時)記憶手段482に記憶されている当該メダル貸出機400の識別番号と動作情報一時記憶手段483に記憶されているメダル貯留量情報とをセットにして、管理装置900側に送信し、次の処理に移行する。
【0052】
次に、図9のフローチャートを参照しながら、本最良形態に係る管理装置900で行われるメダル補給指示制御処理200について説明する。まず、ステップ202で、本体部100は、メダル貸出機400から新たな動作状態情報を受信したか否か、具体的には、設備機器情報受信手段110中の設備機器情報一時記憶手段111中に新たなメダル貯留量情報が一時記憶されているか否かを判定する。ステップ202でYesの場合、ステップ204で、本体部100は、設備機器情報一時記憶手段111に記憶されている新たなメダル貯留量情報に基づき、管理情報記憶手段120中のメダル貸出機管理テーブル121を更新し、ステップ206に移行する。他方、ステップ202でNoの場合にも、ステップ206に移行する。
【0053】
次に、ステップ206で、メダル補給指示情報送信手段130は、所定時間(例えば1分)に到達したか否かを判定する。ここで、所定時間到達を処理条件としている理由は、常時当該処理を行うことによる通信負担を軽減するためである。ステップ206でYesの場合、ステップ208で、メダル補給指示情報送信手段130は、当該手段中の処理用カウンタに一時記憶されているカウンタ値n(n=現在処理中のメダル貸出機番号)として1をセットする。次に、ステップ210で、メダル補給指示情報送信手段130は、前記処理用カウンタを参照して、n>N(N=メダル貸出機の全台数)であるか否かを判定する。ステップ210でYesの場合、ステップ212で、メダル補給指示情報送信手段130は、メダル貸出機管理テーブル121内におけるn番台の「メダル貯留量情報」フィールドを参照し、「1/3未満」であるか否かを判定する。ステップ212でYesの場合、ステップ214で、メダル補給指示情報送信手段130は、メダル貸出機管理テーブル121内におけるn番台の「時刻」フィールド及び「状態」フィールドを参照し、補給指示送信タイミングに到達したか否かを判定する。具体的には、前回の時刻では「1/2未満」であり今回の時刻で「1/3未満」となったか否か(第一タイミング)、或いは、今回の時刻以前に「1/3未満」となり補給指示を既に送信しているにもかかわらず所定時間(例えば10分)以上「1/3未満」が継続しているか否か(第二タイミング)を判定する。
【0054】
ここで、図5を参照しながらより具体的に説明すると、例えば、3番台のメダル貯留情報は、9時16分に「1/2未満」であり9時18分に「1/3未満」となっている。これが上記の「第一タイミング」である。次に、9時18分に補給指示コマンドを送信したにもかかわらず、それから10分経過した9時28分まで「1/3未満」が継続している。これが上記の「第二タイミング」である。
【0055】
尚、後述する事前報知条件を充足している場合は、前回の時刻では「2/3未満」であり今回の時刻で「1/2未満」となったときが「第一タイミング」、今回の時刻以前に「1/2未満」となり補給指示を既に送信しているにもかかわらず所定時間(例えば10分)以上「1/2未満」が継続しているときが「第二タイミング」となる。
【0056】
再び図9のフローチャートに戻ると、ステップ214でYesの場合、ステップ216で、メダル補給指示情報送信手段130は、メダル貸出機管理テーブル121内におけるn番台の「状態」フィールドに「送信」をセットし、更新処理を行う。次に、ステップ218で、メダル補給指示情報送信手段130は、無線インカムシステム親機310に、メダル補給指示情報を送信し、ステップ220に移行する。尚、ここで送信するメダル補給指示情報は、メダル補給対象となっているメダル貸出機番号と、それが所属する島番号と、当該島を管理するスタッフが所持する無線インカムシステム子機320の番号である。具体的には、メダル補給指示情報送信手段130は、当該nに基づき、メダル貸出機・遊技島対応テーブル122を参照して、当該メダル貸出機400が属する遊技島(島番号)を算出する。そして、メダル補給指示情報送信手段130は、算出した当該島番号に基づき、遊技島・無線インカムシステム子機対応テーブル123を参照して、当該遊技島を担当する無線インカムシステム子機320のインカム番号を更に算出する。そして、当該情報を受信した無線インカムシステム親機310は、当該情報に基づき、対応する無線インカムシステム子機320に補給指示を出力する。次に、ステップ220で、メダル補給指示情報送信手段130は、処理用カウンタ中のnに1を加算し、ステップ210に移行する。
【0057】
他方、ステップ212でNoの場合、即ち、「状態」が1/3未満でない場合、ステップ222で、メダル補給指示情報送信手段130は、メダル貸出機管理テーブル121内におけるn番台の「メダル貯留量情報」フィールドを参照し、「1/2未満」であるか否かを判定する。ステップ222でYesの場合、ステップ224で、メダル補給指示情報送信手段130は、事前報知条件を充足しているか否かを判定する。ここで、「事前報知条件」とは、例えば、稼働率が90%以上で非常に混雑しているとか、当該遊技機を管轄(担当)するホールスタッフがまもなく休憩に入る等、「1/3未満」となる前にホールスタッフに事前に報知すべき場合を指す。そして、ステップ224でYesの場合には、ステップ214に移行する。
【0058】
尚、ステップ206及びステップ210でNoの場合に、次の処理に移行し、ステップ214、ステップ222及びステップ224でNoの場合には、ステップ220に移行する。
【0059】
次に、本最良形態におけるメダル貸出管理システム1000の作用について説明する。はじめに、本発明の特徴である、メダル貸出機400へのメダル補給指示に関する作用を説明する前に、紙幣を投入してからメダルが払い出されるまでの一連の作用について説明する。まず、紙幣投入口421に紙幣(例えば1000円)が投入されると、当該紙幣は紙幣識別装置430内部に搬送され、紙幣識別装置430内部に設置された各種センサ(図示せず)より識別情報を検出し、その検出結果に基づき、投入された紙幣が真券(正常)であるか否かが識別される。
【0060】
ここで、真券(正常)と識別されない紙幣又は識別不能な紙幣は、紙幣投入口421から返却される。一方、紙幣識別装置430で真券(正常)であると識別された紙幣は、紙幣格納庫431に収納される。尚、紙幣識別装置430による紙幣の識別の技術は、周知の技術であるため説明を省略する。
【0061】
また、この際、紙幣識別装置430から、貸出制御部441に対して紙幣検出信号が送出され、貸出制御部441は、この紙幣検出信号の受信を受けて、所定枚数のメダルの投出を指示するメダル投出信号をメダル投出装置470に対して出力する。そして、メダル投出装置470は、貸出制御部441から出力されたメダル投出信号に基づいて、メダル投出用のモータ(図示せず)を駆動して、メダルホッパー450内に貯留されたメダルの投出を行う。
【0062】
このメダル投出装置470から搬出されたメダルは、メダル取出口423に投出されると共に、表示パネル(メダル枚数/エラー表示部)422にメダルの数量等が表示される。ここで、メダルの投出枚数は、計数部(図示せず)によりカウントされているため、所定枚数(例えば、1000円で50枚)のメダルの投出が終了すると、メダル投出用のモータ(図示せず)の駆動を停止し、投出が終了する。
【0063】
次に、図5〜図7を参照しながら、本発明の特徴である、メダル貸出機400へのメダル補給指示に関する作用を説明する。前記のように、各メダル貸出機400は、メダル貯留量情報を逐次管理装置900側に送信している。そして、管理装置900側では、メダル貸出機管理テーブル121が、メダル貸出機400毎に、所定時間毎に更新したメダル貯留量情報を記憶している。
【0064】
そこで、図5を参照しながら具体的に説明すると、まず、1番台は、「9:00」から「9:30」まで、メダル貯留量が所定数以下(「2/3未満」)にならなかったことを示している。
【0065】
次に、2番台は、「9:12」にメダル貯留量が「2/3未満」になり、「9:20」に所定数以上(「2/3以上」)になったことを示している。即ち、ホールスタッフが、管理装置900から補充指示を受けていない状況で、「9:18」から「9:20」の間に自主的にメダルを補充したことを意味する。
【0066】
次に、3番台は、「9:04」にメダル貯留量が「2/3未満」となり、「9:12」に「1/2未満」となり、「9:18」に「1/3未満」となり、「9:30」に「2/3以上」になったことを示している。ここで、本最良形態においては、第一タイミング(メダル貯留量が前回の時刻では「1/2未満」であり今回の時刻で「1/3未満」となった場合)及び第二タイミング{今回の時刻以前に「1/3未満」となり補給指示を既に送信しているにもかかわらず所定時間(例えば10分間)以上「1/3未満」が継続している場合}で、対応する無線インカムシステム子機320にメダル補給指示を送信するよう構成されている。本例では、前記「9:18」が第一タイミングに該当し、前記「9:28」が第二タイミングに該当するので、当該タイミングで、メダル貸出機管理テーブル121の「状態」フィールドに「送信」がセットされている。これを受けて、当該タイミングで、3番台を管理するスタッフの無線インカムシステム子機320に対して、3番台のメダル貸出機400にメダルを補給する旨の指示情報が送信されている。即ち、「9:18」にメダル補給指示が出され、「9:28」に再度メダル補給指示が出されていることを意味する。
【0067】
最後に、4番台は、「9:14」にメダル貯留量が「2/3未満」となり、「9:22」に「1/2未満」となったことを示している。そして、「9:26」時点では、「1/3未満」の状態には至っていない「1/2未満」であるにもかかわらず、当該タイミングで、メダル貸出機管理テーブル121の「状態」フィールドに「送信」がセットされる。これは、管理装置900が、例えば現在混雑している(例えば稼働率90%以上)等の理由から、このタイミングでメダルを補充した方がよいと(第一タイミングに相当する)判断したからである。そして、メダル補充の結果、「9:28」には再び「2/3以上」となったことを示している。
【0068】
本最良形態によれば、最終的なメダル補充指示を出す第二段階よりも前に、第二段階に近づいていることが中央管理装置に伝達されるように構成されているので、中央管理装置が状況に応じて適切なタイミングでホールスタッフに対してメダル補充指示を出すことが可能になるという効果を奏する。
【0069】
更に、前記効果に加え、段階到達検知情報に係るメダル貸出装置付近に配置された又は当該メダル貸出装置を担当するホールスタッフの無線インカムに対して前記指示を出力するように構成されているので、より迅速なメダル補充が可能になるという効果を奏する。
【0070】
更に、所定状況下で、メダル補充が指示されたホールスタッフに対して再度の指示を行なうように構成されているので、前回の指示の際に当該ホールスタッフが気が付かなかった場合や、気が付いていたとしても、当該指示の際に遊技機のエラー処理を行なっていたりして、当該指示を失念していた場合にも、いつまでもメダル補充がなされないという事態を回避できるという効果を奏する。
【0071】
更に、遊技店内に配置される複数の遊技機の稼働率に基づき好適なタイミングで指示を出すように構成されている。したがって、例えば、非常に混雑している場合には、メダル補充指示をホールスタッフに出しても即座に対応できないことが想定されるので、中央管理装置は、第一段階に達した時点でホールスタッフに対してメダル補充指示を出し、他方、比較的空いている場合には、中央管理装置は、第二段階に達した時点でホールスタッフに対してメダル補充指示を出すよう構成することが可能になる。その結果、遊技者をイライラさせたり、当該メダル貸出装置に隣接する遊技機の稼働率を低下させるという事態を確実に回避することができる。
【0072】
次に、図10を参照しながら、本最良形態の第一変更例を説明する。本変更例に係るメダル貸出管理システム1000(2)は、遊技機510(2)と台ユニット520(2)との間に表示装置540(2)を介在させたタイプである。尚、表示装置540(2)以外の構成要素については、基本的に本最良形態と同一である。そこで、当該表示装置540(2)を説明すると、当該表示装置540(2)は、前記のように、遊技機510(2)及び台ユニット520(2)に接続されており、当該遊技機510(2)の各種遊技情報(例えば、ボーナス間回数、ビックボーナス回数、レギュラーボーナス回数、差枚数に関する情報等)を表示することを基本機能とする。
【0073】
ここで、表示装置540(2)は、遊技機510(2)の遊技情報を表示するための遊技情報表示部と、表示装置が接続される遊技機510(2)の台番号を示すための遊技台番号表示部に加えて、当該遊技機510(2)や当該遊技機510(2)に隣接するメダル貸出機400(2)等に不具合が生じた際に、ホールスタッフを呼び出すための呼出ボタンと、呼出ボタンが押圧されることにより発光状態となる表示ランプとを備えている。そして、本変更例の特徴は、メダル量が所定量(例えば、1/2、1/3)未満になった場合に、自動的に前記表示ランプが点灯することである。尚、この表示ランプの点灯に際しては、管理装置900(2)からの指示又はメダル量情報に基づくものであっても、当該メダル貸出機400(2)のメダル量を把握している台ユニット520(2)又は島ユニット530(2)からの指示又はメダル量情報に基づくものであってもよい。
【0074】
次に、本最良形態の第二変更例を説明する。ここで、本変更例は、メダル補充が要求されているメダル貸出装置付近に配置されたホールスタッフの無線インカムに対して補充指示を出力した後、所定時間内に当該メダル貸出装置にメダル補充がなされなかった場合、全員のホールスタッフの無線インカムに対して前記指示を出力することを特徴とする。以下、前記最良形態との相違点を中心に説明する。
【0075】
次に、図11のフローチャートを参照しながら、本変更例に係る管理装置のメダル補給指示制御処理200(3)について説明する。尚、各構成要素の後には「(3)」が付されているが、特に説明なき限り、当該構成要素は、「(3)」が付されていない上記最良形態のそれと同一機能を有する。
【0076】
次に、図11のフローチャートを参照しながら、本変更例に係る管理装置900で行われるメダル補給指示制御処理200(3)について説明する。まず、ステップ202(3)で、本体部100(3)は、メダル貸出機400(3)から新たな動作状態情報を受信したか否か、具体的には、設備機器情報受信手段110(3)中の設備機器情報一時記憶手段111(3)中に新たなメダル貯留量情報が一時記憶されているか否かを判定する。ステップ202(3)でYesの場合、ステップ204(3)で、本体部100(3)は、設備機器情報一時記憶手段111(3)に記憶されている新たなメダル貯留量情報に基づき、管理情報記憶手段120(3)中のメダル貸出機管理テーブル121(3)を更新し、ステップ206(3)に移行する。他方、ステップ202(3)でNoの場合にも、ステップ206(3)に移行する。
【0077】
次に、ステップ206(3)で、設備機器情報受信手段110(3)は、無線インカムシステム子機320(3)から応答信号を受信したか否かを判定する。尚、「応答信号」とは、補給指示情報に対する確認を示す信号である。ステップ206(3)でYesの場合、ステップ208(3)で、本体部100(3)は、前記ステップ206(3)の応答信号に基づき、管理情報記憶手段120(3)中のメダル貸出機管理テーブル121(3)を更新し、ステップ210(3)に移行する。他方、ステップ206(3)でNoの場合にも、ステップ210(3)に移行する。
【0078】
次に、ステップ210(3)で、メダル補給指示情報送信手段130(3)は、所定時間(例えば2分)に到達したか否かを判定する。ここで、所定時間到達を処理条件としている理由は、常時当該処理を行うことによる通信負担を軽減するためである。ステップ210(3)でYesの場合、ステップ212(3)で、メダル補給指示情報送信手段130(3)は、当該手段中の処理用カウンタに一時記憶されているカウンタ値n(n=現在処理中のメダル貸出機番号)として1をセットする。次に、ステップ214(3)で、メダル補給指示情報送信手段130(3)は、前記処理用カウンタを参照して、n>N(N=メダル貸出機の全台数)であるか否かを判定する。ステップ214(3)でYesの場合、ステップ216(3)で、メダル補給指示情報送信手段130(3)は、メダル貸出機管理テーブル121(3)内におけるn番台の「メダル貯留量情報」フィールドを参照し、「1/3未満」であるか否かを判定する。ステップ216(3)でYesの場合、ステップ218(3)で、メダル補給指示情報送信手段130(3)は、メダル貸出機管理テーブル121(3)内におけるn番台の「時刻」フィールド及び「状態」フィールドを参照し、「第一タイミング」に到達したか否かを判定する。具体的には、前回の時刻では「1/2未満」であり今回の時刻で「1/3未満」となったか否かを判定する。
【0079】
ここで、図13を参照しながらより具体的に説明すると、例えば、3番台のメダル貯留情報は、9時16分に「1/2未満」であり9時18分に「1/3未満」となっている。これが前記の「第一タイミング」である。尚、後述する事前報知条件を充足している場合は、前回の時刻では「2/3未満」であり今回の時刻で「1/2未満」となったときが「第一タイミング」となる。
【0080】
再び図11のフローチャートに戻ると、ステップ218(3)でYesの場合、ステップ220(3)で、メダル補給指示情報送信手段130(3)は、メダル貸出機管理テーブル121(3)内におけるn番台の「状態」フィールドに「送信」をセットし、更新処理を行う。次に、ステップ222(3)で、メダル補給指示情報送信手段130(3)は、無線インカムシステム親機310(3)に、メダル補給指示情報を送信し、ステップ224(3)に移行する。尚、ここで送信するメダル補給指示情報は、メダル補給対象となっているメダル貸出機番号と、それが所属する島番号と、当該島を管理するスタッフが所持する無線インカムシステム子機320(3)の番号である。具体的には、メダル補給指示情報送信手段130(3)は、当該nに基づき、メダル貸出機・遊技島対応テーブル122(3)を参照して、当該メダル貸出機400(3)が属する遊技島(島番号)を算出する。そして、メダル補給指示情報送信手段130(3)は、算出した当該島番号に基づき、遊技島・無線インカムシステム子機対応テーブル123(3)を参照して、当該遊技島を担当する無線インカムシステム子機320(3)のインカム番号を更に算出する。そして、当該情報を受信した無線インカムシステム親機310(3)は、当該情報に基づき、対応する無線インカムシステム子機320(3)に補給指示を出力する。
【0081】
他方、ステップ218(3)でNoの場合、ステップ230(3)で、メダル補給指示情報送信手段130(3)は、メダル貸出機管理テーブル121(3)内におけるn番台の「時刻」フィールド及び「状態」フィールドを参照し、「第二タイミング」に到達したか否かを判定する。具体的には、「第一タイミング」で補給指示を既に送信しているのにもかかわらず、所定時間(例えば2分)以上応答信号が送信されなかったか否かを判定する。
【0082】
ここで、図13を参照しながらより具体的に説明すると、例えば、4番台のメダル貯留情報は、9時18分に補給指示を送信しているにもかかわらず9時20分に応答信号を受信していない。これが、前記の「第二タイミング」である。
【0083】
再び図11のフローチャートに戻ると、ステップ230(3)でYesの場合、ステップ232(3)で、メダル補給指示情報送信手段130(3)は、メダル貸出機管理テーブル121(3)内におけるn番台の「状態」フィールドに「全送信」をセットし、更新処理を行う。次に、ステップ234(3)で、メダル補給指示情報送信手段130(3)は、無線インカムシステム親機310(3)に、全ての無線インカムシステム子機320(3)に対するメダル補給指示情報を送信し、ステップ224(3)に移行する。尚、ここで送信する「全ての無線インカムシステム子機320(3)に対するメダル補給指示情報」とは、メダル補給対象となっているメダル貸出機番号及び全ての無線インカムシステム子機320(3)への送信指示情報である。そして、当該情報{全ての無線インカムシステム子機320(3)に対するメダル補給指示情報}を受信した無線インカムシステム親機310(3)は、当該情報に基づき、全ての無線インカムシステム子機320(3)に補給指示を出力する。
【0084】
次に、ステップ224(3)で、メダル補給指示情報送信手段130(3)は、処理用カウンタ中のnに1を加算し、ステップ214(3)に移行する。
【0085】
他方、ステップ216(3)でNoの場合、即ち、「状態」が「1/3未満」でない場合、ステップ226(3)で、メダル補給指示情報送信手段130(3)は、メダル貸出機管理テーブル121(3)内におけるn番台の「メダル貯留量情報」フィールドを参照し、「1/2未満」であるか否かを判定する。ステップ226(3)でYesの場合、ステップ228(3)で、メダル補給指示情報送信手段130(3)は、事前報知条件を充足しているか否かを判定する。ここで、「事前報知条件」とは、例えば、稼働率が90%以上で非常に混雑しているとか、当該遊技機を管轄(担当)するホールスタッフがまもなく休憩に入る等、「1/3未満」となる前にホールスタッフに事前に報知すべき場合を指す。そして、ステップ228(3)でYesの場合には、ステップ218(3)に移行する。
【0086】
尚、ステップ210(3)及びステップ214(3)でNoの場合は、次の処理に移行し、ステップ226(3)、ステップ228(3)及びステップ230(3)でNoの場合には、ステップ224(3)に移行する。
【0087】
次に、図12のフローチャートを参照しながら、本変更例に係る無線インカムシステム子機320(3)側で実行されるメダル補給指示応答処理300(3)について説明する。まず、ステップ302(3)で、無線インカムシステム子機320(3)は、無線インカムシステム親機310(3)からメダル補給指示情報を受信したか否かを判定する。ステップ302(3)でYesの場合、ステップ304(3)で、無線インカムシステム子機320(3)は、当該インカムを管理するホールスタッフにより応答ボタンが操作されたか否かを判定する。ステップ304(3)でYesの場合、ステップ306(3)で、無線インカムシステム子機320(3)は、無線インカムシステム親機310(3)に対して応答信号を送信し、本処理を終了する。尚、ステップ320(3)及びステップ304(3)でNoの場合にも、本処理を終了する。
【0088】
次に、図13の管理装置900(3)のメダル貸出機管理テーブルを参照しながら、本変更例の作用を説明する。尚、図中の1番台と2番台に関しては、本最良形態で述べた事項と同一であるので説明を省略する。
【0089】
まず、3番台は、「9:04」にメダル貯留量が「2/3未満」となり、「9:12」に「1/2未満」となり、「9:18」に「1/3未満」となったことを示している。ここで、本変更例においては、まず、第一タイミング(メダル貯留量が前回の時刻では「1/2未満」であり今回の時刻で「1/3未満」となった場合)で、対応する無線インカムシステム子機320(3)にメダル補給指示を送信するよう構成されている。本例では、前記「9:18」が第一タイミングに該当するので、当該タイミングで、メダル貸出機管理テーブル121(3)の「状態」フィールドに「送信」がセットされる。これを受けて、当該タイミングで、3番台を管理するスタッフの無線インカムシステム子機320(3)に対して、3番台のメダル貸出機400(3)にメダルを補給する旨の指示情報が送信される。そして、当該指示情報を受信した無線インカムシステム子機320(3)側では、当該子機を所有するホールスタッフが、当該受信に気付き、ただちに応答信号を管理装置900(3)側に送信している。これを受け、「9:20」に、メダル貸出機管理テーブル121(3)の「状態」フィールドに「受信」がセットされる。そして、メダル補充の結果、「9:20」には再び「2/3以上」となったことを示している。
【0090】
次に、4番台は、「9:04」にメダル貯留量が「2/3未満」となり、「9:12」に「1/2未満」となり、「9:18」に「1/3未満」となったことを示している。ここで、前記「9:18」が第一タイミングに該当するので、当該タイミングで、メダル貸出機管理テーブル121(3)の「状態」フィールドに「送信」がセットされる。これを受けて、当該タイミングで、4番台を管理するスタッフの無線インカムシステム子機320(3)に対して、4番台のメダル貸出機400(3)にメダルを補給する旨の指示情報が送信される。しかしながら、3番台の場合と異なり、当該指示情報を受信した無線インカムシステム子機320(3)側では、当該子機を所有するホールスタッフが、当該受信に気付かなかったため、所定時間(例えば2分)以内に応答信号を管理装置900(3)側に送信しなかった。本例では、管理装置900(3)が前記所定時間以内に応答信号を受信しないことが「第二タイミング」に該当するよう構成されている。したがって、当該状況を踏まえ、「9:20」に、メダル貸出機管理テーブル121(3)の「状態」フィールドに「全送信」がセットされる。これを受けて、当該タイミングで、全スタッフの無線インカムシステム子機320(3)に対して、4番台のメダル貸出機400(3)にメダルを補給する旨の指示情報が送信される。そして、当該指示情報を受信した無線インカムシステム子機320(3)の一子機では、当該子機を所有するホールスタッフが、当該受信に気付き、ただちに応答信号を管理装置900(3)側に送信している。これを受け、「9:22」に、メダル貸出機管理テーブル121(3)の「状態」フィールドに「受信」がセットされる。そして、メダル補充の結果、「9:22」には再び「2/3以上」となったことを示している。
【0091】
最後に、5番台は、「9:14」にメダル貯留量が「2/3未満」となり、「9:22」に「1/2未満」となったことを示している。そして、「9:26」時点では、「1/3未満」の状態には至っていない「1/2未満」であるにもかかわらず、当該タイミングで、メダル貸出機管理テーブル121(3)の「状態」フィールドに「送信」がセットされる。これは、管理装置900(3)が、例えば現在混雑している(例えば稼働率90%以上)等の理由から、このタイミングでメダルを補充した方がよい(第一タイミングに相当する)と判断したからである。そして、当該指示情報を受信した無線インカムシステム子機320(3)側では、当該子機を所有するホールスタッフが、当該受信に気付き、ただちに応答信号を管理装置900(3)側に送信している。これを受け、「9:28」に、メダル貸出機管理テーブル121(3)の「状態」フィールドに「受信」がセットされる。そして、メダル補充の結果、「9:28」には再び「2/3以上」となったことを示している。
【0092】
本変更例によれば、所定状況下で、メダル補充が前回指示されたホールスタッフではなく、スタッフ全員に対して再指示を行なうように構成されているので、前回の指示に係るホールスタッフが休憩中で不在の場合等でも、いつまでもメダル補充がなされないという事態を回避できるという効果を奏する。
【0093】
更に、上記最良形態では、メダル貸出機から自発的に管理装置に対してメダル貯留量情報を送信するよう構成されているが、管理装置からメダル貸出機に対してメダル貯留量情報の送信を要求するように構成してもよい。
【0094】
更に、メダル貸出管理システムを構成する通信回線に関しては、特に「有線」、「無線」のいずれかに限定されるものではなく、必要に応じてこれらの組み合わせ又は更にインターネット等を組み合わせた通信回線とすることも可能である。
【0095】
更に、上記最良形態では、メダル貸出機からの情報は中継装置(台ユニット及び島ユニット)を介して送信されるよう構成したが、中継装置(台ユニット・島ユニット等)を介さずにメダル貸出機を管理装置と直接接続するよう構成してもよい。
【0096】
更に、上記最良形態では、管理装置は各設備機器の遊技情報と動作状態情報を表示可能であるディスプレーを備えるように構成したが、ディスプレーの代わりに又はディスプレーと共にプリンタを設置するように構成してもよい。
【0097】
更に、上記最良形態では、メダル貸出機自身に識別番号を記憶させることによりメダル貸出機を個々に識別するように構成したが、これに限定されることなく公知の技術(例えば、特開2004−261281、特開2004−41545、特開2005−7146)により構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】図1は、本発明の最良形態に係るメダル貸出管理システムを示すブロック図である(概略構成)。
【図2】図2は、本発明の最良形態に係るメダル貸出機の正面図である(概略図)。
【図3】図3は、本発明の最良形態に係るメダル貸出機の内部構成の概念図である(概略図)。
【図4】図4は、本発明の最良形態に係るメダル貸出管理システムにおける管理装置の機能ブロック図である。
【図5】図5は、本発明の最良形態に係る管理装置のメダル貸出機管理テーブルの一例である。
【図6】図6は、本発明の最良形態に係る管理装置のメダル貸出機・遊技島対応テーブルの一例である。
【図7】図7は、本発明の最良形態に係る管理装置の遊技島・無線インカムシステム子機対応テーブルの一例である。
【図8】図8は、本発明の最良形態に係るメダル貸出機のメダル貯留量情報検出処理のフローチャートである。
【図9】図9は、本発明の最良形態に係る管理装置のメダル補給指示制御処理のフローチャートである。
【図10】図10は、本発明の最良形態の第一変更例に係るメダル貸出管理システムを示すブロック図である(概略構成)。
【図11】図11は、本発明の最良形態の第二変更例に係る管理装置のメダル補給指示制御処理のフローチャートである。
【図12】図12は、本発明の最良形態の第二変更例に係る管理装置のメダル補給指示応答処理のフローチャートである。
【図13】図13は、本発明の最良形態の第二変更例に係る管理装置のメダル貸出機管理テーブルの一例である。
【符号の説明】
【0099】
320 無線インカムシステム子機
400 メダル貸出機
450 メダルホッパー
460 ニアエンプティ検知手段
481 動作状態情報送信手段
510 遊技機
900 管理装置
1000 メダル貸出管理システム
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技媒体であるメダルの貸出を行うメダル貸出装置の管理システムであって、特に、好適なタイミングでホールスタッフに対してメダル補充指示を与えることにより、メダル貸出装置のメダル切れを事前に防止する管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
パチスロ遊技機に代表される、遊技媒体としてメダルを使用して遊技を行なう遊技機を設置したパチンコ(パチスロ)ホールでは、通常、サンドといわれるメダル貸出装置が当該遊技機の隣に設置されている。ここで、遊技者によるメダル貸出に伴い、メダル貸出装置のメダルホッパー内に貯留されているメダル量が減少するので、当該メダルが無くなった場合等には、自動補給装置によるメダル補給か、ホールスタッフによる手作業でのメダル補給が行なわれる。ここで、ホールスタッフが手作業でメダル補給を行う場合には、通常、(1)メダルが所定量以下となった場合に、メダル貸出装置から中央管理装置(ホールコンピュータ)に対して補充要求信号が送信され、これを受けて中央管理装置がホールスタッフに対して補充指示を出し、ホールスタッフがメダル補給を行なう、(2)メダル貸出装置の表示部に残存メダル量が僅かである旨の情報(コード表示)が報知され、当該報知情報を発見したホールスタッフがメダル補給を行なう、(3)メダル貸出装置がエラー状態になった場合に、遊技者が遊技機上のランプを点灯させる等してホールスタッフをコールして、ホールスタッフにメダル補給してもらう、といった対処法が講じられている。
【特許文献1】特開平2−302287号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、前記(2)の場合には、ホールスタッフが前記コード表示に気がつかないことが間々あり、前記(3)の場合には、遊技者が遊技を中断してランプ点灯等を行なう面倒さがある等のため、遊技者の立場に立てば、前記(1)の場合が好適である。しかしながら、前記(1)の場合であっても、中央管理装置は、メダル貸出装置からの補充要求信号を受けてホールスタッフに指示を出すため、例えば、当該遊技島を管轄とするホールスタッフが他の遊技島に行っていたり休憩に入っていたりして不在である場合には、至急メダル補充しなくてはいけない状況であるにもかかわらず、当該メダル貸出装置にメダル補充されない結果、遊技者をイライラさせたり、当該メダル貸出装置に隣接する遊技機の稼働率を低下させるという事態を招いていた。
【0004】
そこで、本発明は、最終的なメダル補充指示を出す最終段階よりも前に、最終段階に近づいていることを中央管理装置に伝達し、これを受け、中央管理装置が前記事態を事前に回避する策を講じることが可能な手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明(1)は、遊技店内に配置される複数の遊技機(遊技機510);前記複数の遊技機(遊技機510)に並設されると共に、メダルを貯留可能なメダルホッパー(メダルホッパー450)を備えた、付加価値媒体(紙幣)に相当する枚数のメダルを貸し出し可能なメダル貸出装置(メダル貸出機400);前記複数の遊技機(遊技機510)が稼動するに伴って発生する遊技情報を遊技機別に収集して管理する中央管理装置(管理装置900);ホールスタッフが所持する無線インカム(無線インカムシステム子機320);前記複数の遊技機(遊技機510)、前記メダル貸出装置(メダル貸出機400)及び前記無線インカム(無線インカムシステム子機320)と前記中央管理装置(管理装置900)とを繋ぐ通信網を備えた管理システム(メダル貸出管理システム1000)において、
前記メダル貸出装置(メダル貸出機400)は、前記メダルホッパー(メダルホッパー450)内の残存メダル量が第一の量以下又は未満となる第一段階に到達したか否かと、前記第一の量よりも少ない第二の量以下又は未満となる第二段階に到達したか否かを少なくとも検知可能なニアエンプティ検知手段(ニアエンプティ検知手段460)と、前記ニアエンプティ検知手段(ニアエンプティ検知手段460)が前記第一段階及び前記第二段階に到達したことを検知した場合、当該段階到達検知情報を前記中央管理装置(管理装置900)に段階的に送信する残存メダル情報送信手段(動作状態情報送信手段481)とを更に有しており、
前記中央管理装置(管理装置900)は、前記段階到達検知情報に基づき、当該段階到達検知情報に係るメダル貸出装置(メダル貸出機400)にメダル補充をする旨の指示を前記無線インカム(無線インカムシステム子機320)に出力する
ことを特徴とする管理システム(メダル貸出管理システム1000)である。
【0006】
本発明(2)は、前記中央管理装置(管理装置900)は、前記段階到達検知情報に係るメダル貸出装置(メダル貸出機400)付近に配置された又は当該メダル貸出装置(メダル貸出機400)担当のホールスタッフの無線インカム(無線インカムシステム子機320)に対して前記指示を出力する、前記発明(1)の管理システム(メダル貸出管理システム1000)である。
【0007】
本発明(3)は、前記中央管理装置(管理装置900)は、前記段階到達検知情報に係るメダル貸出装置(メダル貸出機400)付近に配置された又は当該メダル貸出装置(メダル貸出機400)担当のホールスタッフの無線インカム(無線インカムシステム子機320)に対して前記指示を出力した後、所定時間内に当該メダル貸出装置(メダル貸出機400)にメダル補充がなされなかった場合、又は、所定時間内に当該ホールスタッフから当該指示の確認がなされなかった場合、当該ホールスタッフの無線インカム(無線インカムシステム子機320)に対して再度の前記指示を出力する、前記発明(2)の管理システム(メダル貸出管理システム1000)である。
【0008】
本発明(4)は、前記中央管理装置(管理装置900)は、前記段階到達検知情報に係るメダル貸出装置(メダル貸出機400)付近に配置された又は当該メダル貸出装置(メダル貸出機400)担当のホールスタッフの無線インカム(無線インカムシステム子機320)に対して前記指示を出力した後、所定時間内に当該メダル貸出装置(メダル貸出機400)にメダル補充がなされなかった場合、又は、所定時間内に当該ホールスタッフから当該指示の確認がなされなかった場合、他のホールスタッフ又は全員のホールスタッフの無線インカム(無線インカムシステム子機320)に対して前記指示を出力する、前記発明(2)の管理システム(メダル貸出管理システム1000)である。
【0009】
本発明(5)は、前記中央管理装置(管理装置900)は、前記遊技店内に配置される複数の遊技機の稼働率に基づき、前記第一段階及び前記第二段階のいずれで前記指示を出力するかを決定する、前記発明(1)〜(4)のいずれか一つの管理システム(メダル貸出管理システム1000)である。
【発明の効果】
【0010】
本発明(1)によれば、最終的なメダル補充指示を出す第二段階よりも前に、第二段階に近づいていることが中央管理装置に伝達されるように構成されているので、中央管理装置が状況に応じて適切なタイミングでホールスタッフに対してメダル補充指示を出すことが可能になるという効果を奏する。
【0011】
本発明(2)によれば、前記効果に加え、段階到達検知情報に係るメダル貸出装置付近に配置された又は当該メダル貸出装置を担当するホールスタッフの無線インカムに対して前記指示を出力するように構成されているので、より迅速なメダル補充が可能になるという効果を奏する。
【0012】
本発明(3)によれば、前記効果に加え、所定状況下で、メダル補充が指示されたホールスタッフに対して再度の指示を行なうように構成されているので、前回の指示の際に当該ホールスタッフが気が付かなかった場合や、気が付いていたとしても、当該指示の際に遊技機のエラー処理を行なっていたりして、当該指示を失念していた場合にも、いつまでもメダル補充がなされないという事態を回避できるという効果を奏する。
【0013】
本発明(4)によれば、前記効果に加え、所定状況下で、メダル補充が指示されたホールスタッフ以外のスタッフ又は全員に対して指示を行なうように構成されているので、前回の指示に係るホールスタッフが休憩中で不在の場合等でも、いつまでもメダル補充がなされないという事態を回避できるという効果を奏する。
【0014】
本発明(5)によれば、遊技店内に配置される複数の遊技機の稼働率に基づき好適なタイミングで指示を出すように構成されている。したがって、例えば、非常に混雑している場合には、メダル補充指示をホールスタッフに出しても即座に対応できないことが想定されるので、中央管理装置は、第一段階に達した時点でホールスタッフに対してメダル補充指示を出し、他方、比較的空いている場合には、中央管理装置は、第二段階に達した時点でホールスタッフに対してメダル補充指示を出すよう構成することが可能になる。その結果、遊技者をイライラさせたり、当該メダル貸出装置に隣接する遊技機の稼働率を低下させるという事態を確実に回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
はじめに、図1の概略構成ブロック図を参照しながら、本最良形態に係るメダル貸出管理システム1000の概要を説明する。メダル貸出管理システム1000は、遊技島(又は島)500と呼ばれるグループ毎に複数設置される遊技機510及びメダル貸出機400と、遊技機510、メダル貸出機400及び後述する島ユニット530と接続され、自己に接続される設備機器(遊技機510及びメダル貸出機400)の遊技情報と動作状態情報を検出し、検出した当該遊技情報と当該動作状態情報を一時的又は継続的に蓄積すると共に、後述する島ユニット530に当該遊技情報と当該動作状態情報を送信するための台ユニット520と、遊技島500に係るすべての台ユニット520及び後述する管理装置900の本体部100と接続され、当該すべての台ユニット520から送信される遊技情報と動作状態情報を一時的又は継続的に蓄積すると共に、後述する管理装置900の本体部100に当該遊技情報と当該動作状態情報を送信するための島ユニット530と、遊技島500毎に設置される島ユニット530のすべてと接続され、当該すべての島ユニット530から送信される遊技情報と動作状態情報を一元管理すると共に、各設備機器等を制御するための管理装置900の本体部100と、管理装置900の本体部100と接続され、全遊技機510と全メダル貸出機400の遊技情報と動作状態情報を表示するための表示部200と、管理装置900の本体部100と接続され、メダル補給の指示を行うための無線インカムシステム300とから構成されている。尚、上記「遊技情報」としては、ボーナス間回数、ビックボーナス回数、レギュラーボーナス回数、差枚数に関する情報等を挙げることができる。また、上記「動作状態情報」としては、メダル貯留量情報・入金情報等を挙げることができる。
【0016】
尚、遊技機510、メダル貸出機400、台ユニット520、島ユニット530、管理装置900及び無線インカムシステム300は、夫々通信回線(例えば、光LAN及び無線LAN等)を介して双方向又は単方向に通信可能に接続されている。
【0017】
また、無線インカムシステム300は、無線インカムシステム親機310と無線インカムシステム子機320から構成され、無線インカムシステム親機310は、例えば管理装置900が設置されている管理室等に設置され、無線インカムシステム子機320は、ホールスタッフが適宜保持している。尚、無線インカムシステム子機320の数は、例えば、遊技島を管轄するホールスタッフの人数に相当する。
【0018】
尚、台ユニット520は、本最良形態では、1台の遊技機510及び1台のメダル貸出機400と接続されているが、その組合せは任意であり、1台又は複数台の遊技機510及び1台又は複数台のメダル貸出機400と接続してもよい。
【0019】
次に、本最良形態に係るメダル貸出管理システム1000の各構成要素について詳述する。尚、メダル貸出機400については後述する。
【0020】
まず、遊技機510は、いわゆる「スロットマシン」又は「パチスロ機」と称される、メダル貸出機400により貸し出された遊技媒体としてのメダル等を用いて遊技を実行する装置である。尚、遊技機の動作の仕組みは公知である(例えば、特開2003−10380)ため、ここでは説明を省略することとする。
【0021】
次に、台ユニット520は、特に詳細は図示しないが、制御プログラムに基づき種々のデータ処理等を行うための制御部と、自己に接続される各設備機器(例えば、遊技機510及びメダル貸出機400等)からリアルタイム(又は所定時間毎)に送信される遊技情報と動作状態情報を受信すると共に、当該遊技情報と当該動作状態情報を島ユニット530へリアルタイム(又は所定時間毎)に送信するための通信部と、通信部が受信した当該遊技情報と当該動作状態情報を設備機器(例えば、遊技機510及びメダル貸出機400等)毎に一時的又は継続的に蓄積したり、前記制御プログラムを記憶するための記憶部等を備えている。
【0022】
次に、島ユニット530は、特に詳細は図示しないが、制御プログラムに基づき種々のデータ処理等を行うための制御部と、自己に接続される設備機器(自己に接続される各台ユニット520に接続される遊技機510及びメダル貸出機400等)からリアルタイム(又は所定時間毎)に送信される遊技情報と動作状態情報を受信すると共に、当該遊技情報と当該動作状態情報を管理装置900へリアルタイム(又は所定時間毎)に送信するための通信部と、通信部が受信した当該遊技情報と当該動作状態情報を設備機器(例えば、遊技機510及びメダル貸出機400等)毎に一時的又は継続的に蓄積したり、前記制御プログラムを記憶するための記憶部等を備えている。
【0023】
次に、管理装置900は、いわゆる「ホールコンピュータ」と称される管理手段であり、例えば、全遊技機510の遊技情報(例えば、ボーナス間回数、ビックボーナス回数、レギュラーボーナス回数、差枚数に関する情報等)を遊技機毎に管理する機能に加え、全メダル貸出機400の動作状態情報(例えばメダル貯留量情報)をメダル貸出機毎に管理する機能を持つ。そして、後述するように、管理装置900は、メダルが不足状態となっているメダル貸出機400の番号及び当該メダル貸出機が属する島番号を、無線インカムシステム親機310を介して無線インカムシステム子機320(例えば、当該メダル貸出機400が属する遊技島を担当しているホールスタッフ等)に送信させるよう制御する。
【0024】
次に、図2及び図3を参照しながら、本最良形態に係るメダル貸出機400を詳述する。ここで、図2は、メダル貸出機400の外観を示した正面図(概略図)、図3は、メダル貸出機400の内部構成の概念図を夫々示している。概略、本発明に係るメダル貸出機400は、自身のメダル貯留量を段階的に検知可能であると共に、当該メダル貯留量を管理装置900に段階的に送信可能に構成されている。尚、本最良形態に係るメダル貸出機400の基本構成は、例えば、特開2005−102990、特開2004−248766、特開2005−80879及び特開2004−141252に開示されている。
【0025】
そこで、まず図2を参照しながら、メダル貸出機400の外観構成を説明する。まず、メダル貸出機400は、縦長の直方体型に構成されている。そして、メダル貸出機400は、紙幣を投入するための紙幣投入口421、表示パネル(メダル枚数/エラー表示部)422、紙幣回収扉401、メダル補給扉402、ホッパー扉403、後述するメダル投出装置470から投出されたメダルを取り出すためのメダル取出口423が夫々設けられている。以下、各構成要素について詳述する。
【0026】
まず、紙幣投入口421は、紙幣を受け入れてこれを後述の紙幣識別装置430に取り込むための開口部である。この紙幣投入口421には、例えば、1000円札や10000円札等の紙幣を投入することができる。尚、紙幣の代わりにプリペイドカード等の金額情報が記憶されたカードやコインを挿入可能に構成してもよい。
【0027】
次に、表示パネル422(メダル枚数/エラー表示部)は、紙幣の投入時、後述するメダル投出装置470から投出されるメダル投出枚数の表示、メダル投出の可否(エラー情報)及び残金情報等を表示する機能を備えている。
【0028】
次に、紙幣回収扉401は、開閉自在に構成された紙幣回収用のドアであり、通常は鍵により閉鎖されているが、紙幣を回収する場合には、ホールスタッフ(管理者等)により開放される。
【0029】
次に、メダル補給扉402は、開閉自在に構成されたメダル補給用のドアであり、通常は鍵により閉鎖されているが、メダルを補給する場合には、ホールスタッフ(一般従業員等)により開放される。
【0030】
次に、ホッパー扉403は、開閉自在に構成されたメダル投出装置470のメダル詰まりを解消する等のためのメンテナンス用のドアであり、通常は鍵により閉鎖されているが、メンテナンスの場合には、一般従業員等により開放される。
【0031】
尚、紙幣回収扉401、メダル補給扉402及びホッパー扉403は、夫々、紙幣回収扉錠411、メダル補給扉錠412及びホッパー扉錠413により施錠されている。各錠は、メダルの補給やメンテナンス(修理)を行うホールスタッフ(一般従業員)が取り扱う鍵と、紙幣を回収するホールスタッフ(管理者等)が取り扱う鍵とに区別することが、セキュリティ効果(不正防止効果)の面で効果があり好適である。例えば、一般従業員用鍵は、メダル補給扉錠412及びホッパー扉錠413を開錠することができ、管理者用鍵は、紙幣回収錠411、メダル補給扉錠412及びホッパー扉錠413のすべてを開錠できるようにして、一般従業員用鍵では紙幣を取り扱えないようにする。
【0032】
次に、図3を参照しながら、メダル貸出機400の内部構造を説明する。まず、メダル貸出機400の内部には、紙幣投入口421から投入された紙幣が真券(正常な紙幣)であるかを識別する紙幣識別装置430、メダル貸出機400のあらゆる制御を行うと共に、当該制御を行うためのプログラムの記憶部を備えた貸出制御部441、メダル貸出機400に対して電源を供給するための電源部443、所定量のメダルを貯留するためのメダルホッパー450、メダルホッパー450内に貯留されているメダルを投出するためのメダル投出装置470、一時的に紙幣の金額情報やメダルの投出情報(投出したメダル枚数)等の貸出機に関する一切の情報を記憶するための貸出機情報一時記憶部444、管理装置900との間で(台ユニット520及び島ユニット530を介して)相互にデータの送受信を行うための通信部442、メダル貸出機400の動作停止(例えば、メダル投出中のメダル切れ等によるメダル投出装置470の駆動停止等)状態を解除するためのリスタートボタン445が夫々設けられている。以下、各要素について順に詳述する。
【0033】
まず、紙幣識別装置430は、前記のように、紙幣投入口421から投入された紙幣が真券であるか(正常であるか)を識別する機能を備えている。ここで、紙幣識別装置430により真券(正常)と判定された紙幣は、内部に設置された紙幣格納庫431に格納されると共に、紙幣識別装置430は、貸出制御部441に紙幣検出信号を送出し、これを受けて、貸出機情報一時記憶部444に紙幣の金額情報が記憶される。他方、紙幣識別装置430により真券ではないと判定された紙幣又は識別不能な紙幣は、紙幣投入口421から返却される。
【0034】
次に、貸出制御部441は、前記のように、メダル貸出機400の各処理部(例えば、紙幣識別装置430、後述のニアエンプティ検知手段460、メダル投出装置470等)の動作を制御する機能を備えている。以下、具体的に説明する。まず、この貸出制御部441は、前記紙幣識別装置430からの紙幣検出信号を受けて、メダル投出装置470に対してメダル投出要求(メダル投出信号)を出力する機能を有する。更に、貸出制御部441は、台ユニット520へリアルタイム(又は所定時間毎)にメダルホッパー450内のメダル貯留量を送信する機能を有する。また、貸出制御部441は、メダル投出装置470の駆動開始からの経過時間Tを計時するための計時装置(図示しない)を備えている。ここで、当該計時装置は、具体的には、メダル投出装置470が駆動状態にあるにも係らず、メダル非投出状態が所定時間継続しているか否かを計測する(エラー感知用として機能)。
【0035】
次に、メダルホッパー450は、内部に貯留されたメダル量を検出するニアエンプティ検知手段460を備えている。そして、当該ニアエンプティ検知手段460は、メダル貯留量検出信号をリアルタイム(又は所定時間毎)に貸出制御部441に出力する。具体的には、ニアエンプティ検知手段460は、メダル貯留量が満タン状態を基準として2/3、1/2及び1/3となる箇所に夫々設置されている、メダル貯留量検出センサ461、462及び463から構成されている。即ち、ニアエンプティ検知手段460は、メダルホッパー450内に貯留されているメダル残量を段階的(例えば、2/3、1/2及び1/3等)に検出可能に構成されている。
【0036】
尚、メダル貯留量検出センサ461、462及び463がメダル残量を検出する原理は、慣用されているメダルの導電性を利用したものであるが、これに限定されるものではなく、メダルの存在によって状態変化を検出可能である限り、どのようなものでも利用可能である(透過型センサ、反射型センサ、磁気センサ等)。
【0037】
次に、メダル投出装置470は、電源により駆動されるメダル投出用のモータ(図示せず)が内部に設置されており、当該モータが回転駆動することによりメダルの投出が実行される。
【0038】
次に、貸出機情報一時記憶部444は、前記ニアエンプティ検知手段460からの段階的なメダル貯留量情報をはじめとする動作状態情報を一時記憶するための動作情報一時記憶手段483と、メダル貸出機400に関連する情報(例えば、メダル貸出機400自身の識別番号、入金情報、エラー情報等)を(一時)記憶するためのメダル貸出機関連情報(一時)記憶手段482とを更に有している。
【0039】
次に、通信部442は、当該貸出機の動作状態情報(例えばメダル貯留量情報)を送信するための動作状態情報送信手段481を更に有している。
【0040】
次に、リスタートボタン445は、メダル貸出機400の動作停止(例えば、メダル投出中のメダル切れ等によるメダル投出装置470の駆動停止等)状態に係る原因を解消(例えば、メダル補給等)した後に押圧されることにより、メダル貸出機400の動作停止状態を解除(例えば、メダル投出装置470の再駆動)する機能を有する。尚、正常に動作されている場合にリスタートボタン445が押圧されたときには無効となる。
【0041】
次に、図4を参照しながら、本最良形態に係るメダル貸出管理システム1000に係る管理装置900の本体部100を詳述する。ここで、図4は、本体部100の機能構成を示したブロック図(概略構成ブロック図)である。尚、本最良形態に係る管理装置900の基本構成(特徴部分を除く)は、例えば、特開2004−24335に開示されているので、以下では特徴に係る機能のみ説明する。
【0042】
本最良形態に係る管理装置900の本体部100は、メダル貸出機400から送信される段階的なメダル貯留量をメダル貸出機400毎に管理可能であると共に、当該メダル貯留量と他のファクタ(例えば稼働率)に基づき、無線インカムシステム300等を介してホールスタッフ(無線インカムシステム子機320を所持している)に対してメダル補給指示を適切なタイミングで行うことが可能に構成されている。以下、各構成要素について詳述する。
【0043】
まず、管理装置900の本体部100は、自己に接続される設備機器(例えば、遊技機510及びメダル貸出機400等)からリアルタイム(又は所定時間毎)に送信される遊技情報(例えば、ボーナス間回数、ビックボーナス回数、レギュラーボーナス回数、差枚数に関する情報等)や動作状態情報(例えばメダル貯留量情報)を受信するための設備機器情報受信手段110と、設備機器(例えば、遊技機510及びメダル貸出機400)毎に整理した形で、設備機器情報受信手段110が受信した遊技情報、や動作状態情報を一時的又は継続的に蓄積するための管理情報記憶手段120(データベース)と、管理情報記憶手段120(データベース)を参照し、メダル貯留量が所定値(例えば、1/2、1/3)未満であるメダル貸出機400に対してメダルを補給する指示コマンド(メダル補給指示情報)を所定条件下で無線インカムシステム親機310に送信するためのメダル補給指示情報送信手段130と、設備機器(例えば、遊技機510及びメダル貸出機400等)毎に遊技情報や動作状態情報を表示部200上で表示する制御を司る表示制御手段140とを有している。以下、各手段について、特に本発明と関連する部分を中心に詳述する。
【0044】
まず、設備機器情報受信手段110は、遊技機510からの遊技情報やメダル貸出機400からの動作状態情報をバッファとして一時記憶するための、設備機器情報一時記憶手段111を更に有している。
【0045】
次に、管理情報記憶手段120は、メダル貸出機400の動作状態情報を時系列的に、一時的又は継続的に蓄積(記憶)するためのメダル貸出機管理テーブル121と、メダル貸出機400と遊技島500との対応関係を管理するためのメダル貸出機・遊技島対応テーブル122と、遊技島500と無線インカムシステム子機320との対応関係を管理するための遊技島・無線インカムシステム子機対応テーブル123とを更に有している。更に、他のテーブル、例えば、全ホールスタッフの勤務状況管理テーブルを備えていてもよい。
【0046】
ここで、図5〜図7に、メダル貸出機管理テーブル121、メダル貸出機・遊技島対応テーブル122及び遊技島・無線インカムシステム子機対応テーブル123の一例を示す。
【0047】
まず、図5を参照しながら、メダル貸出機管理テーブル121の一例を説明する。まず、「メダル貸出機番号」フィールドは、メダル貸出機に付与された固有の識別番号である。「メダル貯留量情報」フィールドは、メダル貸出機400内のメダル貯留量を段階的に示すものである。ここで、「FULL」はメダル貯留量が2/3以上であり、「2/3」はメダル貯留量が1/2以上2/3未満であり、「1/2」はメダル貯留量が1/3以上1/2未満であり、「1/3」はメダル貯留量が1/3未満であることを意味する。「状態」フィールドは、無線インカムシステム300に対してメダル補給指示情報が送信されたか否かを示すものである。
【0048】
次に、図6を参照しながら、メダル貸出機・遊技島対応テーブル122の一例を説明する。まず、「メダル貸出機番号」フィールドは、図5で述べたように、メダル貸出機400に付与された固有の識別番号である。「島番号」フィールドは、遊技島500に付与された固有の識別番号である。例えば、メダル貸出機番号が「4」であるメダル貸出機は、島番号が「1」である遊技島に属していることを意味する。
【0049】
次に、図7を参照しながら、遊技島・無線インカムシステム子機対応テーブル123の一例を説明する。「島番号」フィールドは、図6で述べたように、遊技島500に付与された固有の識別番号である。「インカム番号」フィールドは、無線インカムシステム子機320に付与された固有の識別番号である。例えば、島番号が「1」である遊技島は、インカム番号が「1」であるホールスタッフにより管理(担当)されていることを意味する。
【0050】
再び図4のブロック図(概略構成ブロック図)に戻ると、管理装置900の本体部100は、無線インカムシステム親機310と接続され、当該無線インカムシステム親機310は、無線インカムシステム子機320と情報伝達可能(無線)に接続されている。
【0051】
次に、図8のフローチャートを参照しながら本最良形態に係るメダル貸出機400で行われるメダル貯留量情報検出処理100について説明する。まず、ステップ102で、ニアエンプティ検知手段460は、メダルホッパー450内のメダル貯留量が1/3未満であるか否か、具体的には、メダル貯留量検出センサ463からエンプティ信号を受信したか否かを判定する。ステップ102でYesの場合、ステップ104で、貸出制御部441は、動作情報一時記憶手段483中に、メダル貯留量情報として「1/3未満」と記憶し、ステップ116に移行する。他方、ステップ102でNoの場合、ステップ106で、ニアエンプティ検知手段460は、メダルホッパー450内のメダル貯留量が1/2未満であるか否か、具体的には、メダル貯留量検出センサ462からエンプティ信号を受信したか否かを判定する。ステップ106でYesの場合、ステップ108で、貸出制御部441は、動作情報一時記憶手段483中に、メダル貯留量情報として「1/2未満」と記憶し、ステップ116に移行する。他方、ステップ106でNoの場合、ステップ110で、ニアエンプティ検知手段460は、メダルホッパー450内のメダル貯留量が2/3未満であるか否か、具体的には、メダル貯留量検出センサ461からエンプティ信号を受信したか否かを判定する。ステップ110でYesの場合、ステップ112で、貸出制御部441は、動作情報一時記憶手段483中に、メダル貯留量情報として「2/3未満」と記憶し、ステップ116に移行する。他方、ステップ110でNoの場合、ステップ114で、貸出制御部441は、動作情報一時記憶手段483中に、メダル貯留量情報として「FULL」と記憶し、ステップ116に移行する。次に、ステップ116で、動作状態情報送信手段481は、メダル貸出機関連情報(一時)記憶手段482に記憶されている当該メダル貸出機400の識別番号と動作情報一時記憶手段483に記憶されているメダル貯留量情報とをセットにして、管理装置900側に送信し、次の処理に移行する。
【0052】
次に、図9のフローチャートを参照しながら、本最良形態に係る管理装置900で行われるメダル補給指示制御処理200について説明する。まず、ステップ202で、本体部100は、メダル貸出機400から新たな動作状態情報を受信したか否か、具体的には、設備機器情報受信手段110中の設備機器情報一時記憶手段111中に新たなメダル貯留量情報が一時記憶されているか否かを判定する。ステップ202でYesの場合、ステップ204で、本体部100は、設備機器情報一時記憶手段111に記憶されている新たなメダル貯留量情報に基づき、管理情報記憶手段120中のメダル貸出機管理テーブル121を更新し、ステップ206に移行する。他方、ステップ202でNoの場合にも、ステップ206に移行する。
【0053】
次に、ステップ206で、メダル補給指示情報送信手段130は、所定時間(例えば1分)に到達したか否かを判定する。ここで、所定時間到達を処理条件としている理由は、常時当該処理を行うことによる通信負担を軽減するためである。ステップ206でYesの場合、ステップ208で、メダル補給指示情報送信手段130は、当該手段中の処理用カウンタに一時記憶されているカウンタ値n(n=現在処理中のメダル貸出機番号)として1をセットする。次に、ステップ210で、メダル補給指示情報送信手段130は、前記処理用カウンタを参照して、n>N(N=メダル貸出機の全台数)であるか否かを判定する。ステップ210でYesの場合、ステップ212で、メダル補給指示情報送信手段130は、メダル貸出機管理テーブル121内におけるn番台の「メダル貯留量情報」フィールドを参照し、「1/3未満」であるか否かを判定する。ステップ212でYesの場合、ステップ214で、メダル補給指示情報送信手段130は、メダル貸出機管理テーブル121内におけるn番台の「時刻」フィールド及び「状態」フィールドを参照し、補給指示送信タイミングに到達したか否かを判定する。具体的には、前回の時刻では「1/2未満」であり今回の時刻で「1/3未満」となったか否か(第一タイミング)、或いは、今回の時刻以前に「1/3未満」となり補給指示を既に送信しているにもかかわらず所定時間(例えば10分)以上「1/3未満」が継続しているか否か(第二タイミング)を判定する。
【0054】
ここで、図5を参照しながらより具体的に説明すると、例えば、3番台のメダル貯留情報は、9時16分に「1/2未満」であり9時18分に「1/3未満」となっている。これが上記の「第一タイミング」である。次に、9時18分に補給指示コマンドを送信したにもかかわらず、それから10分経過した9時28分まで「1/3未満」が継続している。これが上記の「第二タイミング」である。
【0055】
尚、後述する事前報知条件を充足している場合は、前回の時刻では「2/3未満」であり今回の時刻で「1/2未満」となったときが「第一タイミング」、今回の時刻以前に「1/2未満」となり補給指示を既に送信しているにもかかわらず所定時間(例えば10分)以上「1/2未満」が継続しているときが「第二タイミング」となる。
【0056】
再び図9のフローチャートに戻ると、ステップ214でYesの場合、ステップ216で、メダル補給指示情報送信手段130は、メダル貸出機管理テーブル121内におけるn番台の「状態」フィールドに「送信」をセットし、更新処理を行う。次に、ステップ218で、メダル補給指示情報送信手段130は、無線インカムシステム親機310に、メダル補給指示情報を送信し、ステップ220に移行する。尚、ここで送信するメダル補給指示情報は、メダル補給対象となっているメダル貸出機番号と、それが所属する島番号と、当該島を管理するスタッフが所持する無線インカムシステム子機320の番号である。具体的には、メダル補給指示情報送信手段130は、当該nに基づき、メダル貸出機・遊技島対応テーブル122を参照して、当該メダル貸出機400が属する遊技島(島番号)を算出する。そして、メダル補給指示情報送信手段130は、算出した当該島番号に基づき、遊技島・無線インカムシステム子機対応テーブル123を参照して、当該遊技島を担当する無線インカムシステム子機320のインカム番号を更に算出する。そして、当該情報を受信した無線インカムシステム親機310は、当該情報に基づき、対応する無線インカムシステム子機320に補給指示を出力する。次に、ステップ220で、メダル補給指示情報送信手段130は、処理用カウンタ中のnに1を加算し、ステップ210に移行する。
【0057】
他方、ステップ212でNoの場合、即ち、「状態」が1/3未満でない場合、ステップ222で、メダル補給指示情報送信手段130は、メダル貸出機管理テーブル121内におけるn番台の「メダル貯留量情報」フィールドを参照し、「1/2未満」であるか否かを判定する。ステップ222でYesの場合、ステップ224で、メダル補給指示情報送信手段130は、事前報知条件を充足しているか否かを判定する。ここで、「事前報知条件」とは、例えば、稼働率が90%以上で非常に混雑しているとか、当該遊技機を管轄(担当)するホールスタッフがまもなく休憩に入る等、「1/3未満」となる前にホールスタッフに事前に報知すべき場合を指す。そして、ステップ224でYesの場合には、ステップ214に移行する。
【0058】
尚、ステップ206及びステップ210でNoの場合に、次の処理に移行し、ステップ214、ステップ222及びステップ224でNoの場合には、ステップ220に移行する。
【0059】
次に、本最良形態におけるメダル貸出管理システム1000の作用について説明する。はじめに、本発明の特徴である、メダル貸出機400へのメダル補給指示に関する作用を説明する前に、紙幣を投入してからメダルが払い出されるまでの一連の作用について説明する。まず、紙幣投入口421に紙幣(例えば1000円)が投入されると、当該紙幣は紙幣識別装置430内部に搬送され、紙幣識別装置430内部に設置された各種センサ(図示せず)より識別情報を検出し、その検出結果に基づき、投入された紙幣が真券(正常)であるか否かが識別される。
【0060】
ここで、真券(正常)と識別されない紙幣又は識別不能な紙幣は、紙幣投入口421から返却される。一方、紙幣識別装置430で真券(正常)であると識別された紙幣は、紙幣格納庫431に収納される。尚、紙幣識別装置430による紙幣の識別の技術は、周知の技術であるため説明を省略する。
【0061】
また、この際、紙幣識別装置430から、貸出制御部441に対して紙幣検出信号が送出され、貸出制御部441は、この紙幣検出信号の受信を受けて、所定枚数のメダルの投出を指示するメダル投出信号をメダル投出装置470に対して出力する。そして、メダル投出装置470は、貸出制御部441から出力されたメダル投出信号に基づいて、メダル投出用のモータ(図示せず)を駆動して、メダルホッパー450内に貯留されたメダルの投出を行う。
【0062】
このメダル投出装置470から搬出されたメダルは、メダル取出口423に投出されると共に、表示パネル(メダル枚数/エラー表示部)422にメダルの数量等が表示される。ここで、メダルの投出枚数は、計数部(図示せず)によりカウントされているため、所定枚数(例えば、1000円で50枚)のメダルの投出が終了すると、メダル投出用のモータ(図示せず)の駆動を停止し、投出が終了する。
【0063】
次に、図5〜図7を参照しながら、本発明の特徴である、メダル貸出機400へのメダル補給指示に関する作用を説明する。前記のように、各メダル貸出機400は、メダル貯留量情報を逐次管理装置900側に送信している。そして、管理装置900側では、メダル貸出機管理テーブル121が、メダル貸出機400毎に、所定時間毎に更新したメダル貯留量情報を記憶している。
【0064】
そこで、図5を参照しながら具体的に説明すると、まず、1番台は、「9:00」から「9:30」まで、メダル貯留量が所定数以下(「2/3未満」)にならなかったことを示している。
【0065】
次に、2番台は、「9:12」にメダル貯留量が「2/3未満」になり、「9:20」に所定数以上(「2/3以上」)になったことを示している。即ち、ホールスタッフが、管理装置900から補充指示を受けていない状況で、「9:18」から「9:20」の間に自主的にメダルを補充したことを意味する。
【0066】
次に、3番台は、「9:04」にメダル貯留量が「2/3未満」となり、「9:12」に「1/2未満」となり、「9:18」に「1/3未満」となり、「9:30」に「2/3以上」になったことを示している。ここで、本最良形態においては、第一タイミング(メダル貯留量が前回の時刻では「1/2未満」であり今回の時刻で「1/3未満」となった場合)及び第二タイミング{今回の時刻以前に「1/3未満」となり補給指示を既に送信しているにもかかわらず所定時間(例えば10分間)以上「1/3未満」が継続している場合}で、対応する無線インカムシステム子機320にメダル補給指示を送信するよう構成されている。本例では、前記「9:18」が第一タイミングに該当し、前記「9:28」が第二タイミングに該当するので、当該タイミングで、メダル貸出機管理テーブル121の「状態」フィールドに「送信」がセットされている。これを受けて、当該タイミングで、3番台を管理するスタッフの無線インカムシステム子機320に対して、3番台のメダル貸出機400にメダルを補給する旨の指示情報が送信されている。即ち、「9:18」にメダル補給指示が出され、「9:28」に再度メダル補給指示が出されていることを意味する。
【0067】
最後に、4番台は、「9:14」にメダル貯留量が「2/3未満」となり、「9:22」に「1/2未満」となったことを示している。そして、「9:26」時点では、「1/3未満」の状態には至っていない「1/2未満」であるにもかかわらず、当該タイミングで、メダル貸出機管理テーブル121の「状態」フィールドに「送信」がセットされる。これは、管理装置900が、例えば現在混雑している(例えば稼働率90%以上)等の理由から、このタイミングでメダルを補充した方がよいと(第一タイミングに相当する)判断したからである。そして、メダル補充の結果、「9:28」には再び「2/3以上」となったことを示している。
【0068】
本最良形態によれば、最終的なメダル補充指示を出す第二段階よりも前に、第二段階に近づいていることが中央管理装置に伝達されるように構成されているので、中央管理装置が状況に応じて適切なタイミングでホールスタッフに対してメダル補充指示を出すことが可能になるという効果を奏する。
【0069】
更に、前記効果に加え、段階到達検知情報に係るメダル貸出装置付近に配置された又は当該メダル貸出装置を担当するホールスタッフの無線インカムに対して前記指示を出力するように構成されているので、より迅速なメダル補充が可能になるという効果を奏する。
【0070】
更に、所定状況下で、メダル補充が指示されたホールスタッフに対して再度の指示を行なうように構成されているので、前回の指示の際に当該ホールスタッフが気が付かなかった場合や、気が付いていたとしても、当該指示の際に遊技機のエラー処理を行なっていたりして、当該指示を失念していた場合にも、いつまでもメダル補充がなされないという事態を回避できるという効果を奏する。
【0071】
更に、遊技店内に配置される複数の遊技機の稼働率に基づき好適なタイミングで指示を出すように構成されている。したがって、例えば、非常に混雑している場合には、メダル補充指示をホールスタッフに出しても即座に対応できないことが想定されるので、中央管理装置は、第一段階に達した時点でホールスタッフに対してメダル補充指示を出し、他方、比較的空いている場合には、中央管理装置は、第二段階に達した時点でホールスタッフに対してメダル補充指示を出すよう構成することが可能になる。その結果、遊技者をイライラさせたり、当該メダル貸出装置に隣接する遊技機の稼働率を低下させるという事態を確実に回避することができる。
【0072】
次に、図10を参照しながら、本最良形態の第一変更例を説明する。本変更例に係るメダル貸出管理システム1000(2)は、遊技機510(2)と台ユニット520(2)との間に表示装置540(2)を介在させたタイプである。尚、表示装置540(2)以外の構成要素については、基本的に本最良形態と同一である。そこで、当該表示装置540(2)を説明すると、当該表示装置540(2)は、前記のように、遊技機510(2)及び台ユニット520(2)に接続されており、当該遊技機510(2)の各種遊技情報(例えば、ボーナス間回数、ビックボーナス回数、レギュラーボーナス回数、差枚数に関する情報等)を表示することを基本機能とする。
【0073】
ここで、表示装置540(2)は、遊技機510(2)の遊技情報を表示するための遊技情報表示部と、表示装置が接続される遊技機510(2)の台番号を示すための遊技台番号表示部に加えて、当該遊技機510(2)や当該遊技機510(2)に隣接するメダル貸出機400(2)等に不具合が生じた際に、ホールスタッフを呼び出すための呼出ボタンと、呼出ボタンが押圧されることにより発光状態となる表示ランプとを備えている。そして、本変更例の特徴は、メダル量が所定量(例えば、1/2、1/3)未満になった場合に、自動的に前記表示ランプが点灯することである。尚、この表示ランプの点灯に際しては、管理装置900(2)からの指示又はメダル量情報に基づくものであっても、当該メダル貸出機400(2)のメダル量を把握している台ユニット520(2)又は島ユニット530(2)からの指示又はメダル量情報に基づくものであってもよい。
【0074】
次に、本最良形態の第二変更例を説明する。ここで、本変更例は、メダル補充が要求されているメダル貸出装置付近に配置されたホールスタッフの無線インカムに対して補充指示を出力した後、所定時間内に当該メダル貸出装置にメダル補充がなされなかった場合、全員のホールスタッフの無線インカムに対して前記指示を出力することを特徴とする。以下、前記最良形態との相違点を中心に説明する。
【0075】
次に、図11のフローチャートを参照しながら、本変更例に係る管理装置のメダル補給指示制御処理200(3)について説明する。尚、各構成要素の後には「(3)」が付されているが、特に説明なき限り、当該構成要素は、「(3)」が付されていない上記最良形態のそれと同一機能を有する。
【0076】
次に、図11のフローチャートを参照しながら、本変更例に係る管理装置900で行われるメダル補給指示制御処理200(3)について説明する。まず、ステップ202(3)で、本体部100(3)は、メダル貸出機400(3)から新たな動作状態情報を受信したか否か、具体的には、設備機器情報受信手段110(3)中の設備機器情報一時記憶手段111(3)中に新たなメダル貯留量情報が一時記憶されているか否かを判定する。ステップ202(3)でYesの場合、ステップ204(3)で、本体部100(3)は、設備機器情報一時記憶手段111(3)に記憶されている新たなメダル貯留量情報に基づき、管理情報記憶手段120(3)中のメダル貸出機管理テーブル121(3)を更新し、ステップ206(3)に移行する。他方、ステップ202(3)でNoの場合にも、ステップ206(3)に移行する。
【0077】
次に、ステップ206(3)で、設備機器情報受信手段110(3)は、無線インカムシステム子機320(3)から応答信号を受信したか否かを判定する。尚、「応答信号」とは、補給指示情報に対する確認を示す信号である。ステップ206(3)でYesの場合、ステップ208(3)で、本体部100(3)は、前記ステップ206(3)の応答信号に基づき、管理情報記憶手段120(3)中のメダル貸出機管理テーブル121(3)を更新し、ステップ210(3)に移行する。他方、ステップ206(3)でNoの場合にも、ステップ210(3)に移行する。
【0078】
次に、ステップ210(3)で、メダル補給指示情報送信手段130(3)は、所定時間(例えば2分)に到達したか否かを判定する。ここで、所定時間到達を処理条件としている理由は、常時当該処理を行うことによる通信負担を軽減するためである。ステップ210(3)でYesの場合、ステップ212(3)で、メダル補給指示情報送信手段130(3)は、当該手段中の処理用カウンタに一時記憶されているカウンタ値n(n=現在処理中のメダル貸出機番号)として1をセットする。次に、ステップ214(3)で、メダル補給指示情報送信手段130(3)は、前記処理用カウンタを参照して、n>N(N=メダル貸出機の全台数)であるか否かを判定する。ステップ214(3)でYesの場合、ステップ216(3)で、メダル補給指示情報送信手段130(3)は、メダル貸出機管理テーブル121(3)内におけるn番台の「メダル貯留量情報」フィールドを参照し、「1/3未満」であるか否かを判定する。ステップ216(3)でYesの場合、ステップ218(3)で、メダル補給指示情報送信手段130(3)は、メダル貸出機管理テーブル121(3)内におけるn番台の「時刻」フィールド及び「状態」フィールドを参照し、「第一タイミング」に到達したか否かを判定する。具体的には、前回の時刻では「1/2未満」であり今回の時刻で「1/3未満」となったか否かを判定する。
【0079】
ここで、図13を参照しながらより具体的に説明すると、例えば、3番台のメダル貯留情報は、9時16分に「1/2未満」であり9時18分に「1/3未満」となっている。これが前記の「第一タイミング」である。尚、後述する事前報知条件を充足している場合は、前回の時刻では「2/3未満」であり今回の時刻で「1/2未満」となったときが「第一タイミング」となる。
【0080】
再び図11のフローチャートに戻ると、ステップ218(3)でYesの場合、ステップ220(3)で、メダル補給指示情報送信手段130(3)は、メダル貸出機管理テーブル121(3)内におけるn番台の「状態」フィールドに「送信」をセットし、更新処理を行う。次に、ステップ222(3)で、メダル補給指示情報送信手段130(3)は、無線インカムシステム親機310(3)に、メダル補給指示情報を送信し、ステップ224(3)に移行する。尚、ここで送信するメダル補給指示情報は、メダル補給対象となっているメダル貸出機番号と、それが所属する島番号と、当該島を管理するスタッフが所持する無線インカムシステム子機320(3)の番号である。具体的には、メダル補給指示情報送信手段130(3)は、当該nに基づき、メダル貸出機・遊技島対応テーブル122(3)を参照して、当該メダル貸出機400(3)が属する遊技島(島番号)を算出する。そして、メダル補給指示情報送信手段130(3)は、算出した当該島番号に基づき、遊技島・無線インカムシステム子機対応テーブル123(3)を参照して、当該遊技島を担当する無線インカムシステム子機320(3)のインカム番号を更に算出する。そして、当該情報を受信した無線インカムシステム親機310(3)は、当該情報に基づき、対応する無線インカムシステム子機320(3)に補給指示を出力する。
【0081】
他方、ステップ218(3)でNoの場合、ステップ230(3)で、メダル補給指示情報送信手段130(3)は、メダル貸出機管理テーブル121(3)内におけるn番台の「時刻」フィールド及び「状態」フィールドを参照し、「第二タイミング」に到達したか否かを判定する。具体的には、「第一タイミング」で補給指示を既に送信しているのにもかかわらず、所定時間(例えば2分)以上応答信号が送信されなかったか否かを判定する。
【0082】
ここで、図13を参照しながらより具体的に説明すると、例えば、4番台のメダル貯留情報は、9時18分に補給指示を送信しているにもかかわらず9時20分に応答信号を受信していない。これが、前記の「第二タイミング」である。
【0083】
再び図11のフローチャートに戻ると、ステップ230(3)でYesの場合、ステップ232(3)で、メダル補給指示情報送信手段130(3)は、メダル貸出機管理テーブル121(3)内におけるn番台の「状態」フィールドに「全送信」をセットし、更新処理を行う。次に、ステップ234(3)で、メダル補給指示情報送信手段130(3)は、無線インカムシステム親機310(3)に、全ての無線インカムシステム子機320(3)に対するメダル補給指示情報を送信し、ステップ224(3)に移行する。尚、ここで送信する「全ての無線インカムシステム子機320(3)に対するメダル補給指示情報」とは、メダル補給対象となっているメダル貸出機番号及び全ての無線インカムシステム子機320(3)への送信指示情報である。そして、当該情報{全ての無線インカムシステム子機320(3)に対するメダル補給指示情報}を受信した無線インカムシステム親機310(3)は、当該情報に基づき、全ての無線インカムシステム子機320(3)に補給指示を出力する。
【0084】
次に、ステップ224(3)で、メダル補給指示情報送信手段130(3)は、処理用カウンタ中のnに1を加算し、ステップ214(3)に移行する。
【0085】
他方、ステップ216(3)でNoの場合、即ち、「状態」が「1/3未満」でない場合、ステップ226(3)で、メダル補給指示情報送信手段130(3)は、メダル貸出機管理テーブル121(3)内におけるn番台の「メダル貯留量情報」フィールドを参照し、「1/2未満」であるか否かを判定する。ステップ226(3)でYesの場合、ステップ228(3)で、メダル補給指示情報送信手段130(3)は、事前報知条件を充足しているか否かを判定する。ここで、「事前報知条件」とは、例えば、稼働率が90%以上で非常に混雑しているとか、当該遊技機を管轄(担当)するホールスタッフがまもなく休憩に入る等、「1/3未満」となる前にホールスタッフに事前に報知すべき場合を指す。そして、ステップ228(3)でYesの場合には、ステップ218(3)に移行する。
【0086】
尚、ステップ210(3)及びステップ214(3)でNoの場合は、次の処理に移行し、ステップ226(3)、ステップ228(3)及びステップ230(3)でNoの場合には、ステップ224(3)に移行する。
【0087】
次に、図12のフローチャートを参照しながら、本変更例に係る無線インカムシステム子機320(3)側で実行されるメダル補給指示応答処理300(3)について説明する。まず、ステップ302(3)で、無線インカムシステム子機320(3)は、無線インカムシステム親機310(3)からメダル補給指示情報を受信したか否かを判定する。ステップ302(3)でYesの場合、ステップ304(3)で、無線インカムシステム子機320(3)は、当該インカムを管理するホールスタッフにより応答ボタンが操作されたか否かを判定する。ステップ304(3)でYesの場合、ステップ306(3)で、無線インカムシステム子機320(3)は、無線インカムシステム親機310(3)に対して応答信号を送信し、本処理を終了する。尚、ステップ320(3)及びステップ304(3)でNoの場合にも、本処理を終了する。
【0088】
次に、図13の管理装置900(3)のメダル貸出機管理テーブルを参照しながら、本変更例の作用を説明する。尚、図中の1番台と2番台に関しては、本最良形態で述べた事項と同一であるので説明を省略する。
【0089】
まず、3番台は、「9:04」にメダル貯留量が「2/3未満」となり、「9:12」に「1/2未満」となり、「9:18」に「1/3未満」となったことを示している。ここで、本変更例においては、まず、第一タイミング(メダル貯留量が前回の時刻では「1/2未満」であり今回の時刻で「1/3未満」となった場合)で、対応する無線インカムシステム子機320(3)にメダル補給指示を送信するよう構成されている。本例では、前記「9:18」が第一タイミングに該当するので、当該タイミングで、メダル貸出機管理テーブル121(3)の「状態」フィールドに「送信」がセットされる。これを受けて、当該タイミングで、3番台を管理するスタッフの無線インカムシステム子機320(3)に対して、3番台のメダル貸出機400(3)にメダルを補給する旨の指示情報が送信される。そして、当該指示情報を受信した無線インカムシステム子機320(3)側では、当該子機を所有するホールスタッフが、当該受信に気付き、ただちに応答信号を管理装置900(3)側に送信している。これを受け、「9:20」に、メダル貸出機管理テーブル121(3)の「状態」フィールドに「受信」がセットされる。そして、メダル補充の結果、「9:20」には再び「2/3以上」となったことを示している。
【0090】
次に、4番台は、「9:04」にメダル貯留量が「2/3未満」となり、「9:12」に「1/2未満」となり、「9:18」に「1/3未満」となったことを示している。ここで、前記「9:18」が第一タイミングに該当するので、当該タイミングで、メダル貸出機管理テーブル121(3)の「状態」フィールドに「送信」がセットされる。これを受けて、当該タイミングで、4番台を管理するスタッフの無線インカムシステム子機320(3)に対して、4番台のメダル貸出機400(3)にメダルを補給する旨の指示情報が送信される。しかしながら、3番台の場合と異なり、当該指示情報を受信した無線インカムシステム子機320(3)側では、当該子機を所有するホールスタッフが、当該受信に気付かなかったため、所定時間(例えば2分)以内に応答信号を管理装置900(3)側に送信しなかった。本例では、管理装置900(3)が前記所定時間以内に応答信号を受信しないことが「第二タイミング」に該当するよう構成されている。したがって、当該状況を踏まえ、「9:20」に、メダル貸出機管理テーブル121(3)の「状態」フィールドに「全送信」がセットされる。これを受けて、当該タイミングで、全スタッフの無線インカムシステム子機320(3)に対して、4番台のメダル貸出機400(3)にメダルを補給する旨の指示情報が送信される。そして、当該指示情報を受信した無線インカムシステム子機320(3)の一子機では、当該子機を所有するホールスタッフが、当該受信に気付き、ただちに応答信号を管理装置900(3)側に送信している。これを受け、「9:22」に、メダル貸出機管理テーブル121(3)の「状態」フィールドに「受信」がセットされる。そして、メダル補充の結果、「9:22」には再び「2/3以上」となったことを示している。
【0091】
最後に、5番台は、「9:14」にメダル貯留量が「2/3未満」となり、「9:22」に「1/2未満」となったことを示している。そして、「9:26」時点では、「1/3未満」の状態には至っていない「1/2未満」であるにもかかわらず、当該タイミングで、メダル貸出機管理テーブル121(3)の「状態」フィールドに「送信」がセットされる。これは、管理装置900(3)が、例えば現在混雑している(例えば稼働率90%以上)等の理由から、このタイミングでメダルを補充した方がよい(第一タイミングに相当する)と判断したからである。そして、当該指示情報を受信した無線インカムシステム子機320(3)側では、当該子機を所有するホールスタッフが、当該受信に気付き、ただちに応答信号を管理装置900(3)側に送信している。これを受け、「9:28」に、メダル貸出機管理テーブル121(3)の「状態」フィールドに「受信」がセットされる。そして、メダル補充の結果、「9:28」には再び「2/3以上」となったことを示している。
【0092】
本変更例によれば、所定状況下で、メダル補充が前回指示されたホールスタッフではなく、スタッフ全員に対して再指示を行なうように構成されているので、前回の指示に係るホールスタッフが休憩中で不在の場合等でも、いつまでもメダル補充がなされないという事態を回避できるという効果を奏する。
【0093】
更に、上記最良形態では、メダル貸出機から自発的に管理装置に対してメダル貯留量情報を送信するよう構成されているが、管理装置からメダル貸出機に対してメダル貯留量情報の送信を要求するように構成してもよい。
【0094】
更に、メダル貸出管理システムを構成する通信回線に関しては、特に「有線」、「無線」のいずれかに限定されるものではなく、必要に応じてこれらの組み合わせ又は更にインターネット等を組み合わせた通信回線とすることも可能である。
【0095】
更に、上記最良形態では、メダル貸出機からの情報は中継装置(台ユニット及び島ユニット)を介して送信されるよう構成したが、中継装置(台ユニット・島ユニット等)を介さずにメダル貸出機を管理装置と直接接続するよう構成してもよい。
【0096】
更に、上記最良形態では、管理装置は各設備機器の遊技情報と動作状態情報を表示可能であるディスプレーを備えるように構成したが、ディスプレーの代わりに又はディスプレーと共にプリンタを設置するように構成してもよい。
【0097】
更に、上記最良形態では、メダル貸出機自身に識別番号を記憶させることによりメダル貸出機を個々に識別するように構成したが、これに限定されることなく公知の技術(例えば、特開2004−261281、特開2004−41545、特開2005−7146)により構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】図1は、本発明の最良形態に係るメダル貸出管理システムを示すブロック図である(概略構成)。
【図2】図2は、本発明の最良形態に係るメダル貸出機の正面図である(概略図)。
【図3】図3は、本発明の最良形態に係るメダル貸出機の内部構成の概念図である(概略図)。
【図4】図4は、本発明の最良形態に係るメダル貸出管理システムにおける管理装置の機能ブロック図である。
【図5】図5は、本発明の最良形態に係る管理装置のメダル貸出機管理テーブルの一例である。
【図6】図6は、本発明の最良形態に係る管理装置のメダル貸出機・遊技島対応テーブルの一例である。
【図7】図7は、本発明の最良形態に係る管理装置の遊技島・無線インカムシステム子機対応テーブルの一例である。
【図8】図8は、本発明の最良形態に係るメダル貸出機のメダル貯留量情報検出処理のフローチャートである。
【図9】図9は、本発明の最良形態に係る管理装置のメダル補給指示制御処理のフローチャートである。
【図10】図10は、本発明の最良形態の第一変更例に係るメダル貸出管理システムを示すブロック図である(概略構成)。
【図11】図11は、本発明の最良形態の第二変更例に係る管理装置のメダル補給指示制御処理のフローチャートである。
【図12】図12は、本発明の最良形態の第二変更例に係る管理装置のメダル補給指示応答処理のフローチャートである。
【図13】図13は、本発明の最良形態の第二変更例に係る管理装置のメダル貸出機管理テーブルの一例である。
【符号の説明】
【0099】
320 無線インカムシステム子機
400 メダル貸出機
450 メダルホッパー
460 ニアエンプティ検知手段
481 動作状態情報送信手段
510 遊技機
900 管理装置
1000 メダル貸出管理システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技店内に配置される複数の遊技機;前記複数の遊技機に並設されると共に、メダルを貯留可能なメダルホッパーを備えた、付加価値媒体に相当する枚数のメダルを貸し出し可能なメダル貸出装置;前記複数の遊技機が稼動するに伴って発生する遊技情報を遊技機別に収集して管理する中央管理装置;ホールスタッフが所持する無線インカム;前記複数の遊技機、前記メダル貸出装置及び前記無線インカムと前記中央管理装置とを繋ぐ通信網を備えた管理システムにおいて、
前記メダル貸出装置は、前記メダルホッパー内の残存メダル量が第一の量以下又は未満となる第一段階に到達したか否かと、前記第一の量よりも少ない第二の量以下又は未満となる第二段階に到達したか否かを少なくとも検知可能なニアエンプティ検知手段と、前記ニアエンプティ検知手段が前記第一段階及び前記第二段階に到達したことを検知した場合、当該段階到達検知情報を前記中央管理装置に段階的に送信する残存メダル情報送信手段とを更に有しており、
前記中央管理装置は、前記段階到達検知情報に基づき、当該段階到達検知情報に係るメダル貸出装置にメダル補充をする旨の指示を前記無線インカムに出力する
ことを特徴とする管理システム。
【請求項2】
前記中央管理装置は、前記段階到達検知情報に係るメダル貸出装置付近に配置された又は当該メダル貸出装置担当のホールスタッフの無線インカムに対して前記指示を出力する、請求項1記載の管理システム。
【請求項3】
前記中央管理装置は、前記段階到達検知情報に係るメダル貸出装置付近に配置された又は当該メダル貸出装置担当のホールスタッフの無線インカムに対して前記指示を出力した後、所定時間内に当該メダル貸出装置にメダル補充がなされなかった場合、又は、所定時間内に当該ホールスタッフから当該指示の確認がなされなかった場合、当該ホールスタッフの無線インカムに対して再度の前記指示を出力する、請求項2記載の管理システム。
【請求項4】
前記中央管理装置は、前記段階到達検知情報に係るメダル貸出装置付近に配置された又は当該メダル貸出装置担当のホールスタッフの無線インカムに対して前記指示を出力した後、所定時間内に当該メダル貸出装置にメダル補充がなされなかった場合、又は、所定時間内に当該ホールスタッフから当該指示の確認がなされなかった場合、他のホールスタッフ又は全員のホールスタッフの無線インカムに対して前記指示を出力する、請求項2記載の管理システム。
【請求項5】
前記中央管理装置は、前記遊技店内に配置される複数の遊技機の稼働率に基づき、前記第一段階及び前記第二段階のいずれで前記指示を出力するかを決定する、請求項1〜4のいずれか一項記載の管理システム。
【請求項1】
遊技店内に配置される複数の遊技機;前記複数の遊技機に並設されると共に、メダルを貯留可能なメダルホッパーを備えた、付加価値媒体に相当する枚数のメダルを貸し出し可能なメダル貸出装置;前記複数の遊技機が稼動するに伴って発生する遊技情報を遊技機別に収集して管理する中央管理装置;ホールスタッフが所持する無線インカム;前記複数の遊技機、前記メダル貸出装置及び前記無線インカムと前記中央管理装置とを繋ぐ通信網を備えた管理システムにおいて、
前記メダル貸出装置は、前記メダルホッパー内の残存メダル量が第一の量以下又は未満となる第一段階に到達したか否かと、前記第一の量よりも少ない第二の量以下又は未満となる第二段階に到達したか否かを少なくとも検知可能なニアエンプティ検知手段と、前記ニアエンプティ検知手段が前記第一段階及び前記第二段階に到達したことを検知した場合、当該段階到達検知情報を前記中央管理装置に段階的に送信する残存メダル情報送信手段とを更に有しており、
前記中央管理装置は、前記段階到達検知情報に基づき、当該段階到達検知情報に係るメダル貸出装置にメダル補充をする旨の指示を前記無線インカムに出力する
ことを特徴とする管理システム。
【請求項2】
前記中央管理装置は、前記段階到達検知情報に係るメダル貸出装置付近に配置された又は当該メダル貸出装置担当のホールスタッフの無線インカムに対して前記指示を出力する、請求項1記載の管理システム。
【請求項3】
前記中央管理装置は、前記段階到達検知情報に係るメダル貸出装置付近に配置された又は当該メダル貸出装置担当のホールスタッフの無線インカムに対して前記指示を出力した後、所定時間内に当該メダル貸出装置にメダル補充がなされなかった場合、又は、所定時間内に当該ホールスタッフから当該指示の確認がなされなかった場合、当該ホールスタッフの無線インカムに対して再度の前記指示を出力する、請求項2記載の管理システム。
【請求項4】
前記中央管理装置は、前記段階到達検知情報に係るメダル貸出装置付近に配置された又は当該メダル貸出装置担当のホールスタッフの無線インカムに対して前記指示を出力した後、所定時間内に当該メダル貸出装置にメダル補充がなされなかった場合、又は、所定時間内に当該ホールスタッフから当該指示の確認がなされなかった場合、他のホールスタッフ又は全員のホールスタッフの無線インカムに対して前記指示を出力する、請求項2記載の管理システム。
【請求項5】
前記中央管理装置は、前記遊技店内に配置される複数の遊技機の稼働率に基づき、前記第一段階及び前記第二段階のいずれで前記指示を出力するかを決定する、請求項1〜4のいずれか一項記載の管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−75357(P2007−75357A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−267239(P2005−267239)
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】
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