説明

遊技機の監視装置

【課題】ボーナス信号および当り信号を用いた制御結果を表示部に示す遊技機の監視装置を提供する。
【解決手段】通常遊技状態の時に前記ボーナス信号を受取っている間に当り信号を受取った時は、この当り信号が所定時間以上の場合は表示部のART表示に1をプラスするとともに、ART状態の監視状態とし、また当り信号が前記所定時間よりも長い所定時間以上の時は表示部のART表示に1をプラスするとともに、無限ART状態の監視状態とする。また、ART状態の監視状態において遊技機からメダル投入信号を受取ったのち連続して3ゲーム間メダル払出し信号を受取らなかった時は通常遊技状態の監視状態とし、無限ART状態の監視状態において遊技機からメダル投入信号を受取らなかった時は通常遊技状態の監視状態にするとともに、メダル投入信号を受取った場合でも当り信号が無ければ通常遊技状態の監視状態にする遊技機の監視装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はスロットルマシーンである遊技機に使用する監視装置に関し、特にスロットルマシーンの信号を利用して当日や前日、前々日の大当たりの回数などを表示するようにした遊技機の監視装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在使用されているスロットルマシーンにあっては3つのドラムに表示された図柄や文字に応じて所定の枚数のコインが払い出されたり、あるいは、例えば7・7・7というように3つのドラムが揃って大量のコインが払い出されるボーナス状態に突入したりするように構成されている。
【0003】
さらに、上記以外の当たり状態としては2種類のものがあり、一方はART(アシスト リプレイ タイム)であり他方は無限ART(アシスト リプレイ タイム)と呼ばれる状態がある。そして、ART状態においては、コイン投入−レバーを叩く−ドラムの回転−停止からなる1ゲームを最大50回数行えるようになり、また無限ART状態においては上記の動作を継続的に行えるようになっている。
【0004】
しかしながら、上記のように動作する一般的なスロットルマシーンである遊技機にあってはARTの当日、前日、前々日の回数は全く知らされていないのでどの遊技機がどの程度ARTになったか知ることができず遊技者が遊びたい遊技機を見つけることができなかった。さらに、現在動作しているARTが通常のARTなのかあるいは無限ARTなのかを区別する表示が無く、ARTと無限ARTとでは大きくチャンスが異なるので遊技者にとっては何れかの状態を知りたいという要望があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は上記のような一般的なスロットルマシーンである遊技機において本日、前日、前々日のARTの回数を知ることができる様にするとともに、現在動作しているARTが通常のARTなのかあるいは無限ARTなのかを知ることができる様にした遊技機の監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した遊技機の監視装置は、少なくともボーナス信号、メダル投入信号、メダル払出し信号および当り信号を出力する遊技機の前記各信号を受取って表示部に制御部の制御結果を表示するようにした監視装置であって、該監視装置の制御部は、通常遊技状態、ART状態および無限ART状態を監視しているとともに、通常遊技状態の監視時において前記ボーナス信号を受取っている間に当り信号を受取った時は、この当り信号のON信号が所定時間以上の場合は表示部のART表示に1をプラスするとともに、ART状態の監視状態とし、また、前記当り信号が前記所定時間よりも長い所定時間以上の時は表示部のART表示に1をプラスするとともに、無限ART状態の監視状態とし、ART状態の監視状態において遊技機からメダル投入信号を受取ったのち連続して3ゲーム間メダル払出し信号を受取らなかった時は通常遊技状態の監視状態とし、さらに無限ART状態の監視状態において遊技機からメダル投入信号を受取らなかった時は通常遊技状態の監視状態にするとともに、メダル投入信号を受取った場合でも当り信号が無ければ通常遊技状態の監視状態にすることを特徴とする。
【0007】
請求項2において、前記当り信号は遊技機の盤面に設けられて点灯するランプによって信号を発する光センサーの信号である。請求項3において、前記表示部は数字表示の他に、本日、ARTおよび回数が点灯、点滅するようになっており、前記ARTの時は数字表示が1プラスされるとともに、ARTが点滅、本日および回数が点灯し、また前記無限ARTの時は数字表示が1プラスARTか無限ARTかを判別できるように構成した。また、請求項4において、前記表示部は前日のART回数の固定回数表示、前々日のART固定回数表示を行えるようになっており、さらに前々日のART固定回数表示は、前々日と最高ART固定回数表示とを交互切り替え表示や、最高ART固定回数表示に切り替えることができるように構成した。そして、請求項5において、前記表示部の前日のART回数、前々日のART回数および前々日の最高ART回数は予め入力するように構成した。
【発明の効果】
【0008】
この発明による遊技機の監視装置において遊技者は監視装置の表示部に表示された数値や点灯、点滅状態によって遊技機が通常状態か、ART状態かあるいは無限ART状態かを知ることができ、さらに本日のARTの回数や前日のARTの回数や前々日のARTの回数および前々日の最高回数が表示されるので遊技者はどの遊技機で遊技したら勝ち易いかを容易に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の制御部のフローチャートである。
【図2】この発明の制御部のタイミングチャートである。
【図3】この発明の表示部である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、監視装置のフローチャート、タイミングチャート、表示部に基づいてこの発明を説明する。
この監視装置は制御部と表示部30とから構成されている。そして、図1にはこの発明の制御部のフローチャート、図2には制御部のタイミングチャート、図3にはこの監視装置の表示部30が示されている。この監視装置には遊技機からボーナス時に出力されるボーナス信号1、メダルの投入時に出力されるメダル投入信号2、メダルの払出時に出力されるメダル払出信号3が入力され、さらにボーナス時の残りが数ゲームのときに出力される可能性がある当り信号4が入力されるようになっている。
【0011】
図1に示すフローチャートにおいてこの発明による遊技機の監視装置はボーナス信号1が入力されるかを常時監視しており、例えば遊技機の3つのドラムが7・7・7と表示されたときに発するボーナス信号1が入力された時は表示部30がART表示状態となっている時には表示状態を終了5する。
そして、ボーナス信号1が無いときは常時現在の遊技状態が通常遊技状態6、ART状態7、あるいは無限ART状態8のうちのどの状態であるかを確認12している。また、図2に示すように通常遊技状態の時にボーナス信号1が発している間に遊技機からあるタイミングで発せられる当り信号4は所定の時間のパルス信号9と、このパルス信号9に連続するON信号10とから構成されていて、ボーナス信号1が停止したのちもパルス信号9が発せられ、このパルス信号9に続いてON信号10が発せられるようになっている。
【0012】
すなわち、ボーナス信号1を受取った後も発せられる当り信号4のうちのON信号10が所定時間以上であってある時間以下であるか、言い換えれば当り信号のうちのON信号10の時間が所定の時間(1.7秒)か否かを判別11し、さらにこの時間10が所定の時間(3.1秒)以上か否かも判別12する。
【0013】
そしてON信号10が所定の時間(1.7秒)か否かを判別11した結果、該時間以下であれば通常遊技状態6にセットした後に監視動作になる。また、ON信号が両所定時間の間(1.7〜3.1秒)と判別12されたら表示部30の当日のART回数を1アップ31するとともに、遊技状態をART状態にセットした後に監視動作になる。さらに、前記当り信号4の点灯時間10が所定の時間(3.1秒)よりも長い時は表示部30の当日のART回数を1アップ31するとともに、遊技状態を無限ART8にセットした後に監視動作になる。
【0014】
ART動作になったときは既述の一連の動作からなる1ゲームを50ゲームである1セット行えるようになっている。そして、このART中においては遊技者によって遊技機にメダルが投入されるか否か、すなわちメダル投入信号を常時検知していてメダル投入信号2が入力されるとゲーム数を1ずつ積算14する。
【0015】
さらに、上記メダル投入信号2が入力されている間にゲーム数が50ゲームあるいはそれ以上かを判別13し、50ゲームあるいはそれ以上であればARTが終了したものとして通常遊技状態6にして監視を継続し、また、50ゲームになる以前に3ゲーム間連続してメダル払出し信号3が無いとき、すなわち、連続して3ゲーム間メダルが払い出されなかった場合も通常遊技状態6にして監視を継続する。
【0016】
また、既述のように前記当り信号4の点灯時間が所定の時間(3.1秒)よりも長い時は無限ART状態8としてメダル投入信号2の有無を判別する。そして、無限ART状態のときにメダル投入信号2を受取ったときは、表示部30の本日のARTゲーム数を1アップ14し、以後ARTゲーム数が50ゲーム毎にARTゲーム数表示を1アップ15する。
【0017】
すなわち、メダル投入信号2を受取っている限りは50ゲームを1セットとして連続して作動するものである。
また、メダル信号2が無い場合や当り信号4が無くなったときは遊技状態を通常遊技状態6にして監視を継続する。
【0018】
図2のART、無限ARTのタイミングチャートにおいて示すように、まずARTにおいては遊技機のドラム表示が例えば7・7・7となったときにボーナス信号1が発せられ、このボーナス信号1が発している間に当り信号4が入力されたときは待機時間となって通常遊技状態となり、この通常遊技状態を経過したときの時間を判断する。
【0019】
すなわち、まず当り信号4としてパルス信号9およびこのパルス信号9に続いて数秒間のON信号10が入力される。この数秒間のON信号10が所定時間、例えば、1.7秒以上であれば50ゲームで1セットとなるARTに突入する。このとき、表示部30の7セグメントからなる3桁のART表示34の数値が1アップし、以後ARTが継続している限りは1アップして積算し、1セット、すなわち50ゲームに達するまで積算する。したがって、3桁のART表示34の回数は現在のゲーム数を表示し、1セットが終了したら通常遊技状態となる。
【0020】
また、無限ARTの場合は前記ON信号10が例えば3.1秒以上であれば無限ARTに突入する。このとき、表示部の7セグメントからなる3桁のART表示34の回数が1アップし、以後ARTが継続している限りは50ゲーム毎に1アップして積算し、次回のボーナス信号1が入力されるまで積算される。したがって、3桁のART表示の回数は現在の50ゲーム毎の数を示し、当り信号4が無い場合には通常遊技状態となる。
【0021】
図3には監視装置の表示部30が示されていてこの表示部は、ART32および本日33のランプ点灯または点滅表示と、7セグメントからなる3桁のART表示34と、前日35の固定文字表示と、7セグメントからなる3桁の数字表示と、最高または前々日の切り替えランプ点灯表示および7セグメントからなる3桁の数字表示とから構成されている。
【0022】
そして、図3に示す表示部30のART32、本日33および7セグメントからなる回数表示34が点灯する。そして、ARTに突入したときはART32を点滅、、本日33および7セグメントからなるART表示34を点灯する。
【0023】
したがって、ART、本日およびART表示のランプの点灯、点滅によって現在遊技機がART状態にあるのを知ることができるものであり、本日33およびART表示34の表示数が点灯、ART32が点滅することによって現在遊技機が通常ART状態になっているのを知ることができる。また、ART表示34の表示数と、本日33およびART32の文字とが点滅することによって現在遊技機が無限ART状態になっていることを知ることができる。
【0024】
また、表示部30の前日35の部分の7セグメントの表示36は予め記録されている前日のART数を入力するとともに、前々日37および7セグメントの表示38も予め記録されている数を入力する。この場合、前々日37の表示は最高に変えることができ、したがって、前々日と最高とは交互に表示でき7セグメントはそれに応じた数を表示するようにでき、また、前々日と最高とを交互に表示することなく前々日に固定したり最高に固定することもできる。この固定のときにあっても固定内容に応じた数値を7セグメントに表示することができるものであり、これらの数値は予め記録されている。また、前日35、表示36や、前々日37、表示38を入力するには設定リモコン等を用いてリモコン受光部39を介して行うものである。
【0025】
なお、前記説明したスロットルマシーンである遊技機としては機種名「南国育ち」という株式会社オリンピア社製のものに使用した場合について説明した。したがって、この機種においてはARTは南国チャンス、無限ARTは無限南国チャンスとなる。また、この機種においては遊技機の盤面に設けた複数の蝶が順次点滅し、この蝶の一つを用いて光センサーで検知して光センサーの検知信号を当り信号としたが、蝶の一つに流れる電流を検知して電流信号を当り信号としても良いものである。
【符号の説明】
【0026】
1・・・ボーナス信号
2・・・メダル投入信号の判別
3・・・メダル払出し信号の判別
4・・・当り信号
5・・・ART表示中なら終了
6・・・通常遊技状態
7・・・ART状態
8・・・無限ART状態
9・・・当り信号のパルス信号部分
10・・・当り信号のON信号部分
11・・・当り信号のON信号部分が1.7秒以上か
12・・・当り信号のON信号部分が3.1秒以上か
13・・・ARTゲーム数が50より大きいか
14・・・ARTゲーム数+1
15・・・ARTゲーム数が50ゲーム毎にART回数表示+1
30・・・表示部
31・・・ART回数表示+1
32・・・ART
33・・・本日
34・・・ART表示
35・・・前日
36,38・・・表示
37・・・前々日
39・・・リモコン受光部39

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともボーナス信号、メダル投入信号、メダル払出し信号および当り信号を出力する遊技機の前記各信号を受取って表示部に制御部の制御結果を表示するようにした監視装置であって、該監視装置の制御部は、通常遊技状態、ART状態および無限ART状態を監視しているとともに、通常遊技状態の監視時において前記ボーナス信号を受取っている間に当り信号を受取った時は、この当り信号のON信号が所定時間以上の場合は表示部のART表示に1をプラスするとともに、ART状態の監視状態とし、また、前記当り信号が前記所定時間よりも長い所定時間以上の時は表示部のART表示に1をプラスするとともに、無限ART状態の監視状態とし、ART状態の監視状態において遊技機からメダル投入信号を受取ったのち連続して3ゲーム間メダル払出し信号を受取らなかった時は通常遊技状態の監視状態とし、さらに、無限ART状態の監視状態において遊技機からメダル投入信号を受取らなかった時は通常遊技状態の監視状態にするとともに、メダル投入信号を受取った場合でも当り信号が無ければ通常遊技状態の監視状態にすることを特徴とする遊技機の監視装置。
【請求項2】
前記当り信号は遊技機の盤面に設けられて点灯するランプによって信号を発する光センサーの信号である請求項1記載の遊技機の監視装置。
【請求項3】
前記表示部は数字表示の他に、本日、ARTおよび回数が点灯、点滅するようになっており、前記ARTの時は数字表示が1プラスされるとともに、ARTが点滅、本日および回数が点灯し、また、前記無限ARTの時は数字表示が1プラスARTか無限ARTかを判別できるようになっている請求項1記載の遊技機の監視装置。
【請求項4】
前記表示部は前日のART回数の固定回数表示、前々日のART固定回数表示を行えるようになっており、さらに前々日のART固定回数表示は、前々日と最高ART固定回数表示とを交互切り替え表示や、最高ART固定回数表示に切り替えることができる請求項1記載の遊技機の監視装置。
【請求項5】
前記表示部の前日のART回数、前々日のART回数および前々日の最高ART回数は予め入力される請求項1記載の遊技機の監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−178(P2011−178A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−143455(P2009−143455)
【出願日】平成21年6月16日(2009.6.16)
【出願人】(507168605)有限会社ピーマップス (4)
【Fターム(参考)】