遊技機の配線検査装置
【課題】遊技機の制御装置同士を接続する信号線が的確に接続されていることを容易にかつ短時間に検査することができるとともに、不適切な装置が遊技機に組み込まれたり接続されたりした場合であっても的確に検出することができ、不正行為を許容する装置が接続されたりした場合であっても的確かつ容易にそのことを検出することができる遊技機の配線検査装置を提供する。
【解決手段】2n本の信号線の各々を識別することができる互いに異なる2n個の識別信号であり低レベルの信号と高レベルの信号とからなる識別信号が、低レベルの信号又は高レベルの信号のいずれかからなる信号がn回まで出力され、出力された信号を検査する。また、2n+m本の信号線の各々を識別することができる互いに異なる2n+m個の識別信号であり低レベルの信号と高レベルの信号とからなる識別信号が、低レベルの信号又は高レベルの信号のいずれかからなる信号がn+1回まで生成されて信号線に供給され、供給された信号を検査する。
【解決手段】2n本の信号線の各々を識別することができる互いに異なる2n個の識別信号であり低レベルの信号と高レベルの信号とからなる識別信号が、低レベルの信号又は高レベルの信号のいずれかからなる信号がn回まで出力され、出力された信号を検査する。また、2n+m本の信号線の各々を識別することができる互いに異なる2n+m個の識別信号であり低レベルの信号と高レベルの信号とからなる識別信号が、低レベルの信号又は高レベルの信号のいずれかからなる信号がn+1回まで生成されて信号線に供給され、供給された信号を検査する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機における第1装置と第2装置とを互いに電気的に接続する信号線を介して受信した受信信号から信号線の接続状態を検査する遊技機の配線検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
弾球遊技機等の遊技機においては、複数の装置、例えば主制御装置と副制御装置とが互いに信号線によって電気的に接続されている。この信号線を介して種々の情報のやりとりが行われている。これらの情報に基づいて遊技球の払出数が定められたりするが故に、これらの複数の装置は信号線によって互いに適切に接続されている必要がある。また、遊技結果を有利なものにせんとする不正行為を行うべく、遊技機に本来接続されることのない装置が入れ替えられて接続されたようなときには、そのことを的確に検出する必要もある。
【0003】
このため、遊技機における装置が適切に接続されているか否か、又は適切な装置が接続されているか否かを検査する装置が考え出されており、例えば、特許第3078505号公報に開示されている如き遊技機が知られている。
【0004】
この従来の遊技機において装置同士を接続する信号線の本数が4本であるときに、第1の信号線には、「1」−「0」−「0」−「0」を示す2値化信号を供給し、第2の信号線には、「0」−「1」−「0」−「0」を示す2値化信号を供給し、第3の信号線には、「0」−「0」−「1」−「0」を示す2値化信号を供給し、第4の信号線には、「0」−「0」−「0」−「1」を示す2値化信号を供給する。
【0005】
このように信号線の各々に異なる信号を供給し、信号線を介して受信した信号の内容が適切なものであるか否かを判断することにより、信号線の接続状態を検査する。例えば、第2の信号線について検査するときには、第2の信号線を介して受信した信号の内容が、「0」−「1」−「0」−「0」であれば、第2の信号線は、適切な接続状態であると判別し、受信した信号の内容が、これ以外のものであったときには、第2の信号線は、適切な接続状態ではないと判別するのである。従って、受信信号が供給された信号と同じ信号であるか否かを判断することにより、信号線の接続状態が適切なものであるか否かを判断することができるのである。
【0006】
このように従来の遊技機においては、4本の信号線が接続されているときには、「0」又は「1」に相当する信号を少なくとも4回信号線に供給する必要があった。即ち、信号線の数に比例した回数だけ「0」又は「1」に相当する信号を送受信しなければ、信号線の接続状態を検査したり、接続されている装置が適切なものであるか否かを検査することができないものであった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した如く、従来の装置において信号線の接続状態や、接続されている装置が適切なものであるか否かを判断するには、信号線の本数以上の回数だけ「0」又は「1」に相当する信号を供給する必要があった。
【0008】
また、遊技機を提供する目的は、遊技者の興趣を高めて遊技者を遊技に引き付けることにより、気軽に楽しむことができる娯楽の1つとして少しでも多くの大衆に遊技機による遊技を浸透させていくことにある。このような目的を達成するためには、斬新で面白みのある遊技機を遊技者に常に提供していく必要がある。
【0009】
このため、これまでの遊技に新たな遊技を追加したり、遊技の進行に伴う演出に工夫を凝らしたりする必要がある。このようなことを実現していくためには、遊技機をより複雑に制御せざるを得なかったり、速やかな処理をせざるを得なかったりする。複雑な制御をしたり、処理を速めたりするときには、遊技機の制御装置同士を接続する信号線の本数を増やさざるを得ない場合がある。このような傾向は、今後も続いていくものと十分に予想される。特に画像による演出をするような場合には、演出効果を高めるために、膨大なデータを高速に処理する必要が生じ、信号線の種類や数も増やさざるを得ないものとなる。信号線の種類や数が増えていくに従って、信号線が的確に接続されているか否かの検査は煩雑なものになるとともに、誤配線される可能性も高くなり得る。このため、信号線の検査を容易なものにする必要が生ずる。
【0010】
更にまた、不正行為を許容する装置が遊技機に組み込まれていたことが発覚したときには、遊技機に対する疑惑や不信感により直ちに遊技者の遊技に対する熱意が冷め、上述した如き目的を達成し得ないことは明らかである。
【0011】
本発明は、上述した如き課題に鑑みてなされたものであり、遊技機の制御装置同士を接続する信号線が的確に接続されていることを容易にかつ短時間に検査することができるとともに、接続されている制御装置が適切なものであることを検出することができる遊技機の配線検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
以上のような目的を達成するために、本発明においては、2n本の信号線の各々を識別することができる互いに異なる2n個の識別信号であり低レベルの信号と高レベルの信号とからなる識別信号が、低レベルの信号又は高レベルの信号のいずれかからなる信号がn回まで出力され、出力された信号を検査することを特徴とする。
【0013】
従って、2n本の信号線を検査する装置であって、低レベルの信号又は高レベルの信号のいずれかからなる信号がn回まで出力されるとともに、出力された信号が2n本の信号線の各々に対して全て異なるものである遊技機の配線検査装置は、本発明の概念に含まれるものとなる。
【0014】
また、2n+m本の信号線の各々を識別することができる互いに異なる2n+m個の識別信号であり低レベルの信号と高レベルの信号とからなる識別信号が、低レベルの信号又は高レベルの信号のいずれかからなる信号がn+1回まで生成されて信号線に出力され、出力された信号を検査することを特徴とする。
【0015】
従って、2n+m本の信号線を検査する装置であって、低レベルの信号又は高レベルの信号のいずれかからなる信号がn+1回まで出力されるとともに、出力された信号が2n+m本の信号線の各々に対して全て異なるものである遊技機の配線検査装置は、本発明の概念に含まれるものとなる。
【0016】
より具体的には、本発明は以下の如き遊技機の配線検査装置を提供する。
(1) 遊技機における第1装置と第2装置とを互いに電気的に接続する2n本の信号線(nは正の整数値)の各々を識別することができる互いに異なる2n個の識別信号であって低レベルの信号と高レベルの信号とからなる識別信号を、前記第1装置又は前記第2装置のいずれか一方の装置から他方の装置へ前記信号線を介して供給する識別信号供給手段を含み、かつ、前記他方の装置において前記信号線を介して受信した受信信号から前記信号線の接続状態を検査する遊技機の配線検査装置であって、前記他方の装置は、前記受信信号に含まれる高レベルの信号及び/又は低レベルの信号と予め記憶されているチェックデータとを比較して信号線の接続状態を判断する信号線受信手段を含み、前記識別信号供給手段は、前記信号線の各々について、前記低レベルの信号又は前記高レベルの信号のいずれかの信号を順次生成し、これをn回まで行って生成した信号を前記識別信号として前記信号線に発する識別信号生成手段を有し、かつ、前記識別信号生成手段は、各回毎の信号生成に際して、2n/2本の信号線には低レベルの信号を割り当て、残りの信号線には高レベルの信号を割り当てた信号線割当パターンで信号を生成すると共に、各回毎の信号線割当パターンの全てを異ならしめて前記識別信号を生成する信号線割当手段を有し、前記識別信号生成手段は、前記遊技機における遊技の態様によって定まる前記第1装置及び前記第2装置の機能に基づいて異ならしめて記憶された信号線割当パターンに応じて識別信号を生成することを特徴とする遊技機の配線検査装置。
【0017】
(2) 遊技機における第1装置と第2装置とを互いに電気的に接続する2n+m本の信号線(nは正の整数値で、mは1以上で(2n+1−2n)未満の正の整数値)の各々を識別することができる互いに異なる2n+m個の識別信号であって低レベルの信号と高レベルの信号とからなる識別信号を、前記第1装置又は前記第2装置のいずれか一方の装置から他方の装置へ前記信号線を介して供給する識別信号供給手段を含み、かつ、前記他方の装置において前記信号線を介して受信した受信信号から前記信号線の接続状態を検査する遊技機の配線検査装置であって、前記他方の装置は、前記受信信号に含まれる高レベルの信号及び/又は低レベルの信号と予め記憶されているチェックデータとを比較して信号線の接続状態を判断する信号線受信手段を含み、前記識別信号供給手段は、前記信号線の各々について、前記低レベルの信号又は前記高レベルの信号のいずれかの信号を順次生成し、これをn+1回まで行って生成した信号を前記識別信号として前記信号線に発する識別信号生成手段を有し、かつ、前記識別信号生成手段は、前記信号線が2n+1本あるとして、各回毎の信号生成に際して、2n+1/2本の信号線には低レベルの信号を割り当て、残りの信号線には高レベルの信号を割り当てた信号線割当パターンで信号を生成すると共に、各回毎の信号線割当パターンの全てを異ならしめて2n+1個の識別信号を生成するとしたときにおける前記2n+1個の識別信号のうちの2n+m個の識別信号を、前記2n+m本の信号線の各々に供給し、かつ、前記識別信号生成手段は、前記遊技機における遊技の態様によって定まる前記第1装置及び前記第2装置の機能に基づいて異ならしめて記憶された信号線割当パターンに応じて識別信号を生成することを特徴とする遊技機の配線検査装置。
【0018】
上述した(1)の発明によれば、2n本の信号線についての識別信号として、低レベルの信号又は高レベルの信号のいずれかの信号をn回だけ生成した信号を用い、(2)の発明によれば、2n+m本の信号線についての識別信号として、低レベルの信号又は高レベルの信号のいずれかの信号をn+1回だけ生成した信号を用いているので、2n回又は2n+m回生成する必要があった従来の装置に比して、極めて短い時間で信号線の状態、例えば、配線が所望とする配列で接続されているか否か、又は信号線に断線や短絡等の障害が発生しているか否かを判断することができる識別信号を生成することができることとなる。また、信号線の状態を短時間で検査できるので、頻繁に検査を行うことができ、遊技の進行中においても検査することができ、遊技を妨げることなく信号線の状態を的確に判断することができる。
【0019】
尚、上述した(1)又は(2)の発明において、「遊技機における第1装置と第2装置」とは、遊技機内に予め内臓されている装置である場合のみならず、第1装置と第2装置のいずれか一方の装置が、遊技機の外部から遊技機に接続される外部装置をも含む意味であり、例えば、遊技機のメンテナンスの際に接続される装置をも含むものである。
【0020】
このようにすることにより、外部装置が適切に遊技機に接続されているかを検査することができるとともに、遊技機に接続された外部装置が適切なものであるか否かを検査することもできるのである。
【0021】
また、「信号線割当パターンで信号を生成する」とは、遊技機の制御装置の記憶手段、例えばROM等に予め信号線割当パターンを記憶させておき、信号を出力する際に、記憶手段から信号線割当パターンを読み出し、読み出した信号線割当パターンに応じて識別信号として信号を生成する場合のみならず、信号を生成する際にその度ごとに信号線割当パターンを演算処理により定め、演算処理により得られた信号線割当パターンに応じて識別信号として信号を生成する場合をも含むものである。
【0022】
このようにすることにより、常に同じ順序の信号線割当パターンで信号を生成することができるとともに、ある規則に基づく演算処理により信号線割当パターンを得ることとして、信号線割当パターンの順序が適宜変更するように信号を生成することもできるのである。信号線割当パターンの順序を適宜変更されて信号を生成することとした場合には、不正行為をより的確に発見することができるとともに、不正行為を未然に防止する契機とすることもできるのである。
【0023】
更に、「前記遊技機における遊技の態様」とは、遊技の種類、例えば弾球遊技機であるか回胴式遊技機であるか、さらに、遊技の進行に従ってなされる遊技の演出、例えば遊技機に設けられている画像表示装置やランプ等においてなされる演出も含むものである。また、遊技の開始を可能状態する形式、例えばいわゆる現金機かCR機(カードリーダ機)かをも含む概念である。
【0024】
このように、「前記識別信号生成手段は、前記遊技機における遊技の態様によって定まる前記第1装置及び前記第2装置の機能に基づいて異なる識別信号を生成する」ので、本来接続されることのない装置が接続された場合であっても、そのことを的確に検出することができる。
【0025】
例えば、装置の製造時や修理時において、装置を組立てたり装置同士を接続したりするときに、不適切な装置が遊技機に組み込まれたり接続されたりした場合であっても的確に検出することができるのである。
【0026】
また、本来回胴式遊技機に組み込まれるべき装置が、弾球遊技機に組み込まれたような場合や、その逆の場合であっても、そのことを的確に検出することができる。
【0027】
更に、遊技の進行に従ってなされる遊技の演出をするための装置が、不適切なものである場合、例えば、画像制御装置と画像表示装置とが不適切な組合せとなって、解像度や表示可能な色の数等の表示条件や表示環境が整合しない装置同士が接続された場合や、ランプ等の電気的に制御される演出装置とその制御装置とが不適切な組合せとなった場合も、そのことを的確に検出することができる。
【0028】
更にまた、不正行為を許容する行為が行われたり、不正行為を許容する装置が接続されたりした場合であっても的確にそのことを検出することができる。例えば、弾球遊技機が、遊技店に設置された後に、本来現金機に接続されるべき装置が、CR機に接続されたときや、またその逆のことが行われたときであっても、そのことを的確に検出することができる。
【0029】
(3) 前記識別信号供給手段は、前記n回までの各回の全てについて低レベルの信号を発した信号線については、高レベルの信号を、かつ前記n回までの各回の全てについて高レベルの信号を発した信号線については、低レベルの信号を、n+1回目に生成することを特徴とする上記(1)記載の遊技機の配線検査装置。
【0030】
(4) 前記識別信号供給手段は、前記n+1回までの各回の全てについて低レベルの信号を発した信号線については、高レベルの信号を、かつ前記n+1回までの各回の全てについて高レベルの信号を発した信号線については、低レベルの信号を、n+2回目に生成することを特徴とする上記(2)記載の遊技機の配線検査装置。
【0031】
上述した(3)又は(4)の発明によれば、2n本の信号線又は2n+m本の全ての信号線について信号線の接続状態、例えば、配線が所望とする配列で接続されているか否か、及び信号線に断線や短絡等の障害が発生しているか否かを検査することができる識別信号を生成することができる。
【0032】
(5) 前記他方の装置は、前記受信信号に含まれる高レベルの信号及び/又は低レベルの信号から、前記信号線の接続状態を判断する信号線判断手段を含むことを特徴とする上記(1)〜(4)記載の遊技機の配線検査装置。
上述した(5)の発明によれば、遊技機の制御装置同士を接続する信号線が的確に接続されていることを判別することができるとともに、接続されている制御装置が適切なものであることを判別することができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、遊技機の制御装置同士を接続する信号線が的確に接続されていることを容易にかつ短時間に検査することができるとともに、不適切な装置が遊技機に組み込まれたり接続されたりした場合であっても的確に検出することができ、不正行為を許容する装置が接続されたりした場合であっても的確かつ容易にそのことを検出することができるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下に、本発明の実施例について図面に基づいて説明する。
本発明に係る遊技機の一例である弾球遊技機の概観を示す図を図1に示す。
【0035】
この弾球遊技機10には、遊技機の外郭保持枠をなす外枠12と、この外枠12に開閉自在に軸支される前枠14とが設けられており、前枠14には、ガラス扉16や、遊技球を受けるための上皿18及び下皿20や、打球ハンドル22や、遊技盤24を収容する収容部等の各種の部材が設けられている。
【0036】
遊技盤24には、レール26により区画された遊技領域28が設けられており、遊技領域28の略中央部には、図柄の画像等の種々の画像を表示する画像表示装置30が設けられている。さらに、遊技領域28には、図柄の変動開始の条件を定める特定入賞口32や、遊技が大当たりとなったときに開閉する大入賞口34や、その他複数の一般入賞口36及び38や、遊技球の落下に影響を及ぼす風車40及び42や、多数の遊技釘(図示せず)や、アウト口44も設けられている。
【0037】
上述した打球ハンドル22を遊技者が回動操作したときには、上皿18から打球発射部(図示せず)へ遊技球が1個ずつ供給され、遊技球は、打球ハンドル22の回動操作に応じた強度で、打球発射装置(後述する図2において示す160)によって遊技領域28に打球として発射される。
【0038】
遊技領域28に発射された打球は、上述した風車や遊技釘との接触を繰り返して移動方向を変えながら落下し、上述した各種の入賞口32〜38やアウト口44に流入することとなる。打球が、いずれかの入賞口32〜38に入賞したときには、所定数の遊技球が賞球として上皿18又は下皿20に払い出される。
【0039】
また、入賞口のうちの特定入賞口32に打球が入賞したときには、画像表示装置30に表示された図柄は変動を開始し、所定の動画像や図柄の変動態様が所定時間だけ表示された後、図柄の変動を停止する。図柄の変動を停止したときに、画像表示装置30に表示された図柄の停止態様が特定のものとなった場合、例えば、図柄が示す数値が1〜9のいわゆるぞろ目となった場合には、遊技は大当たりとなる。遊技が大当たりとなったときには、画像表示装置30において所定のデモ画像が表示された後、上述した大入賞口34が開放状態となり、打球が大入賞口34に流入可能となる。
【0040】
この大入賞口34の開放状態は、大入賞口34に打球が所定数入賞するまで、例えば10個入賞するまで、又は開放状態となってから所定時間経過するまで、例えば30秒経過するまで継続する。その後、大入賞口34は閉鎖状態となる。尚、大入賞口34が開放状態となっている間に、大入賞口34に設けられた特定領域(図示せず)を打球が通過していたときには、大入賞口34を一旦閉鎖状態とした後に再び開放状態とする。この大入賞口34の開放状態と閉鎖状態との動作は、複数回、例えば15回に至るまで繰り返され、その後、大入賞口34は閉鎖状態となる。
【0041】
図1に示した弾球遊技機の裏面の構造の一例を図2に示す。
弾球遊技機10の前枠14の裏側には、裏セット盤100が設けられており、裏セット盤100には、賞球用の予備タンク110や、賞球払出装置120や、賞球制御装置230や、賞球用の予備タンク110から賞球払出装置120へ貯留球を供給する賞球通路140や、弾球遊技機10を全体的に制御する主制御装置200や、打球発射装置160を制御する発射制御装置150が設けられている。
【0042】
上述した賞球制御装置230は、主制御装置200から発せられる制御信号に基づいて賞球に関する制御を行い、賞球払出装置120は、賞球制御装置230から発せられる制御信号に基づいて所定の個数の賞球を上皿18又は下皿20に払い出す。
【0043】
また、遊技盤24の裏面の略中央には、上述した画像表示装置30を制御する画像制御装置260も設けられている。
【0044】
上述した入賞口32〜38には、打球を案内する通路(図示せず)が接続されており、通路には、打球が通過したことを検出する入賞口センサ(後述する図3において示す170)が設けられている。この入賞口センサ170によって通過を検出された打球は、裏セット盤100の遊技済み球流路に流下し、弾球遊技機10の外部に排出される。
【0045】
一方、アウト口44に流入した打球は、入賞口センサ170に通過を検出されることなく、直ちに裏セット盤100の遊技済み球流路に流下し、弾球遊技機10の外部に排出される。
【0046】
上述した入賞口センサ170は、主制御装置200に電気的に接続されており、入賞口センサ170が、打球の通過を検出したときには、主制御装置200に検出信号を発する。主制御装置200は、賞球制御装置230に複数本の信号線(図示せず)を介して電気的に接続されており、主制御装置200は、入賞口センサ170から発せられた検出信号に基づいて、賞球制御装置230に賞球命令を発する。賞球制御装置230は、賞球払出装置120に電気的に接続されており、賞球制御装置230は、賞球払出装置120から所定数の賞球を払い出すべく、主制御装置200から発せられた賞球命令に従って賞球払出装置120を駆動し、賞球払出装置120は、所定の数の賞球を上皿18又は下皿20に払い出す。
【0047】
弾球遊技機10は、図3に示す如く、主制御装置200を中心に構成され、入賞口センサ170、画像制御装置260、賞球制御装置230、大入賞口駆動源180及び各種ランプ190の各々が電気的に接続されている。尚、大入賞口駆動源180は、上述した大入賞口34を開放状態又は閉鎖状態にするためのソレノイドであり、各種ランプ190は、遊技盤24上やその周囲に設けられ、遊技の進行状況に応じて点灯したり点滅したりするランプである。
【0048】
主制御装置200は、上述した画像表示装置30に表示する画像データの処理をするための画像制御装置260に複数の導電線からなる信号線(図示せず)により電気的に接続されている。また、画像制御装置260は、上述した画像表示装置30に電気的に接続されている。
【0049】
特定入賞口24の入賞口に遊技球が入賞したときには、上述した信号線を介して画像制御装置260に対して図柄の変動開始命令信号を発する。図柄の変動開始命令信号を受信した画像制御装置260は、画像制御装置260のリードオンリーメモリ等の記憶装置から所定の画像データ、例えば図柄の画像データを読み出し画像表示装置30に供給する。
【0050】
上述した弾球遊技機における主制御装置200と、賞球制御装置230や画像制御装置260との回路構成を示すブロック図を図4に示す。
【0051】
主制御装置200は、中央処理回路(以下、CPUと称する)202、リードオンリーメモリ(以下、ROMと称する)204、ランダムアクセスメモリ(以下、RAMと称する)206、クロック発生回路208、入出力インターフェイス回路210からなり、これらは入出力バス212に接続されており、入出力バス212は、データ信号又はアドレス信号が入出力されるようになされている。
【0052】
ROM204には、遊技を進行を制御するためのプログラムや、後述する図6図11、図14又は図19に示す如き識別信号を出力するためのサブルーチンのプログラムが記憶されている。これらのプログラムは、ROM204から適宜読み出されてCPU202により実行される。RAM206は、これらのプログラムが実行されるときに使用される変数の値やフラグの値を記憶する。
【0053】
ROM204には、後述する図7、図16、図17又は図18に示す如き信号線割当パターンも記憶されている。この信号線割当パターンは、図6に示すサブルーチンが実行されたときに、その値が読み出される。
【0054】
また、クロック発生回路208は、遊技の進行のタイミングを定めるためのクロック信号を所定の時間間隔で発する。
【0055】
尚、この主制御装置200には、上述した入賞検出センサ等のセンサ(図示せず)が接続されており、センサから発せられた信号に基づいて遊技の進行状況に応じた処理が実行される。
【0056】
賞球制御装置230や画像制御装置260の構成は、主制御装置200と同様の構成である。賞球制御装置230は、CPU232、ROM234、RAM236、クロック発生回路238、入出力インターフェイス回路240からなる。また、画像制御装置260は、CPU262、ROM264、RAM266、クロック発生回路268、入出力インターフェイス回路270からなる。
【0057】
賞球制御装置230のROM234には、賞球払出装置120を制御するためのプログラムや、主制御装置200から発せられた賞球命令に対応するデータ等の各種のデータが記憶されている。更に、賞球制御装置230のROM234には、後述する図9、図12又は図13に示す識別信号を受信するためのプログラムや、図10又は図15に示す信号線の状態を判断するためのプログラムが記憶されている。
【0058】
また、画像制御装置260のROM264には、画像表示装置30を制御するためのプログラムや、図柄の画像データ等の種々の画像データや表示すべきメッセージのデータが記憶されている。更に、画像制御装置260のROM264には、後述する図9、図12又は図13に示す識別信号を受信するためのプログラムや、図10又は図15に示す信号線の状態を判断するためのプログラムが記憶されている。
【0059】
上述した主制御装置200の入出力インターフェイス回路210は、信号線250を介して賞球制御装置230の入出力インターフェイス回路240に電気的に接続されている。また、主制御装置200の入出力インターフェイス回路210は、信号線280を介して画像制御装置260の入出力インターフェイス回路270にも電気的に接続されている。
【0060】
上述した主制御装置200から「遊技機における第1装置」が構成され、賞球制御装置230や画像制御装置260から「遊技機における第2装置」が構成される。尚、主制御装置200を「第2装置」として、賞球制御装置230や画像制御装置260を「第1装置」としてもよい。
【0061】
信号線250や280は、4本や8本等の2n本(nは正の整数値)の複数の導電線から構成されたり、7本や13本等の2n+m本(nは正の整数値、mは1以上で(2n+1−2n)未満の正の整数値)の複数の導電線から構成される。この信号線250や280から「遊技機における第1装置と第2装置とを互いに電気的に接続する2n本の信号線」や、「遊技機における第1装置と第2装置とを互いに電気的に接続する2n+m本の信号線」をなす。
【0062】
上述した主制御装置200と、賞球制御装置230や画像制御装置260との機能ブロック図を図5に示す。尚、この図5に示した機能ブロック図は、後述する如く、主制御装置200から発せられる識別信号を、賞球制御装置230や画像制御装置260で受信して、信号線250や280の接続状態を判断する機能に関するもののみを示す。上述した如く、主制御装置200と、賞球制御装置230や画像制御装置260とは、信号線250や280によって互いに電気的に接続されている。
【0063】
主制御装置200は、識別信号供給手段214を含み、識別信号供給手段214は、識別信号生成手段216と信号線割当手段218とからなる。信号線割当手段218は、信号線250又は280を構成する各々の信号線に対して如何なる識別信号を割り当てるかを定めるものである。また、識別信号生成手段216は、信号線割当手段218によって割り当てられた識別信号を生成するものである。このような構成とすることにより、識別信号供給手段214は、信号線250や280を構成する各々の信号線を識別し得る識別信号を賞球制御装置230や画像制御装置260に供給することができるのである。
【0064】
賞球制御装置230や画像制御装置260は、識別信号受信手段290を含み、識別信号受信手段290は、信号線判断手段292を含む。識別信号受信手段290は、信号線250や280に供給された信号を受信する。信号線判断手段292は、識別信号受信手段290により受信した信号が示す値に基づいて信号線250や280の接続状態を判断する。後述する如く、受信した信号が示す値とは、受信信号を2値化することにより得られるデータ値、例えば「0」又は「1」であり、信号線の接続状態の判断は、このデータ値から判断するものである。
【0065】
以下において、本発明の本質となる部分について、幾つかの実施形態を例示して説明する。尚、以下においては、弾球遊技機は起動されており、上述した如きCPU、ROM、RAM、入出力インターフェイス回路、入出力バス等は、定常動作しているものとする。
【0066】
〔第1実施例〕
上述した主制御装置200において実行される識別信号の送信処理のサブルーチンを図6に示す。
最初に、変数やフラグの値を初期化等を行う初期処理を実行し(ステップS11)、主制御装置200のROM204から信号線割当パターンを読み出す(ステップS12)。
この信号線割当パターンは、図7(a)に示す如きテーブルとしてROM204に記憶されている。図7(a)に示した例は、信号線250や280は、8本、即ち23本の信号線から構成されているときのものである。尚、便宜のために、8本の信号線を第1信号線〜第8信号線と称して区別することとする。また、信号が示す値については、2値化することにより得られるデータ値「0」又は「1」を用いて示す。
ステップS12が最初に実行されたときには、図7(a)に示したテーブルの第1回目の行が読み出される。即ち、第1信号線〜第4信号線に対しては「1」を、第5信号線〜第8信号線に対しては「0」となるパターンで信号線の各々に信号を割り当てることとなる。この図7(a)に示したテーブルの横方向の1つの行に示したパターンが1つの「信号線割当パターン」を示すものである。
ステップS12の処理を実行した後、信号を出力するタイミングであるか否かを判断する(ステップS13)。信号を出力するタイミングでないと判別したときには、信号を出力するタイミングまで待機する。一方、信号を出力するタイミングであると判別したときには、ステップS12で読み出した信号線割当パターンに応じた信号を生成して(ステップS14)、生成した信号を信号線250や280に出力する(ステップS15)。
ここで生成される信号は、例えば、データ値「0」については0ボルトの電圧信号として生成され、データ値「1」については5ボルトの電圧信号として生成される。尚、信号の電圧値は、ここで示した電圧値に限られず、例えば、データ値「0」については2.5ボルトの電圧信号として生成し、データ値「1」については4.6ボルトの電圧信号として生成することとしてもよい。このような信号を生成することとしたことにより、「低レベルの信号」や「高レベルの信号」をなすこととなる。
尚、上述した実施例においては、電圧の値により高低を区別する場合を示したが、信号線250や280を流れる信号を検出し得るなんらかの測定手段により高低を識別し得る信号であるならば、「低レベルの信号」や「高レベルの信号」に含まれることとなる。
【0067】
次に、全ての信号線割当パターンについて信号線250や280に信号を出力したか否かを判断する(ステップS16)。この判断は、後述する如く、信号線の本数が2n本であるときには、n回に至ったか否かを判断するものである。例えば、信号線の本数が8本であるときには、3回に至ったかを判断するのである。
全ての割当パターンを信号線250や280に出力していないと判別したときには、上述したステップS12に処理を戻す。2回目の処理を行うときには、ステップS12においては、図7(a)に示す第2回目の行の信号線割当パターンを読み出す。即ち、第1信号線、第2信号線、第5信号線及び第6信号線に対しては「1」を、第3信号線、第4信号線、第7信号線及び第8信号線に対しては「0」となる信号線割当パターンで信号線の各々に信号を割り当てる。
また、3回目のステップS12の処理が実行されたときには、図7(a)に示す第3回目の行の信号線割当パターンを読み出す。即ち、第1信号線、第3信号線、第5信号線及び第7信号線に対しては「1」を、第2信号線、第4信号線、第6信号線及び第8信号線に対しては「0」となる信号線割当パターンで信号線の各々に信号を割り当てるのである。
信号線の本数が8本のときには、上述した如く、ステップS12〜S16の処理を3回繰り返す。第1回目のときには、図7(a)に示したテーブルの第1回目の行を読み出して信号を生成し、第2回目のときには、図7(a)に示したテーブルの第2回目の行を読み出して信号を生成され、第3回目のときには、図7(a)に示したテーブルの第3回目の行を読み出して信号を生成するのである。ステップS12〜S16の処理が3回繰り返されると、上述したステップS16において、全ての信号線割当パターンについて信号線250や280に信号を出力したと判別して本サブルーチンを終了する。
このような処理をすることにより、信号線の本数が2n本のときには、n回までステップS12〜S16の処理を繰り返すこととなる。
上述したステップS12〜S16の処理を繰り返し実行することにより、2n本の信号線の各々を識別することができる識別信号、即ち、2n本の信号線の全てについて異なる信号を生成することができるのである。例えば、第1信号線について生成された信号は、「1」−「1」−「1」であり、これが第1信号線の識別信号である。また、第6信号線について生成された信号は、「0」−「1」−「0」であり、これが第6信号線の識別信号である。
また、信号線の本数が2n本のときには、n+1回までステップS12〜S16の処理を繰り返すこととしてもよい。例えば、信号線の本数が8本であるときには、4回までステップS12〜S16の処理を繰り返すのである。
【0068】
上述した実施例において、第4回目の信号を生成するときには、図7(a)に示す第4回目の行の信号線割当パターンを読み出して信号を生成する。即ち、第1信号線に対してはデータ値「0」を、第8信号線に対してはデータ値「1」となる信号線割当パターンで信号を割り当てる。尚、図7(a)の第4回目の行に示した「−」の記号は、任意のデータ値の信号を割り当ててよいことを示すものである。即ち、第4回目の行の信号線割当パターンにおいて、第2信号線〜第7信号線に対してはデータ値「0」を割り当ててもデータ値「1」を割り当ててもよいのである。
4回まで信号線を割当てることとした場合には、第1信号線の識別信号は、「1」−「1」−「1」−「0」となり、第8信号線の識別信号は、「0」−「0」−「0」−「1」となる。
このように4回まで信号線の割当てを行い識別信号を生成するとしたときには、後述する如く、2n本の信号線の全てについて、その接続状態を的確に判別することができるのである。
このような処理をすることにより、「前記n回までの各回の全てについて低レベルの信号を発した信号線については、高レベルの信号を、かつ前記n回までの各回の全てについて高レベルの信号を発した信号線については、低レベルの信号を、n+1回目に生成すること」をなす。
【0069】
図7(a)に示した信号線割当パターンで図6に示したフローチャートの処理を実行したときに生成される識別信号のタイムチャートを図8に示す。尚、この図8に示した例は、信号線の本数が8本のときで、4回まで信号線の割当てを行って信号を生成したときのものである。また、第4回目の信号線の割当てにおいて、第2信号線〜第7信号線についてはデータ値「0」を割り当てたものである。
第1信号線〜第8信号線について第1回目の信号の割当によって生成された信号は、SG11〜SG81である。このSG11〜SG81は、図7(a)の第1回目の行の信号線割当パターンに対応することとなる。また、第1信号線〜第8信号線について第2回目の信号の割当によって生成された信号SG12〜SG82は、図7(a)の第2回目の行の信号線割当パターンに対応する。更に、第1信号線〜第8信号線について第3回目の信号の割当によって生成された信号SG13〜SG83は、図7(a)の第3回目の行の信号線割当パターンに対応し、第4回目の信号の割当によって生成された信号SG14〜SG84は、図7(a)の第4回目の行の信号線割当パターンに対応する。
このようにして生成された信号は、第1信号線〜第8信号線の全てについて異なる信号となり、第1信号線〜第8信号線を識別することができる識別信号をなすこととなる。例えば、第2信号線については、SG21とSG22とSG23とSG24とから、「1」−「1」−「0」−「0」なる識別信号をなし、第7信号線については、SG71とSG72とSG73とSG74とから、「0」−「0」−「1」−「0」なる識別信号をなす。
上述した実施例においては、図7(a)に示した信号線割当パターンを用いて図6に示したフローチャートの処理を実行したときのものを示したが、図7(b)〜(d)に示した信号線割当パターンを用いて図6に示したフローチャートの処理を実行することとしてもよい。
【0070】
図7(b)に示した例においては、第1回目の割当てでは、第1信号線、第3信号線、第5信号線及び第7信号線に対しては「1」を、第2信号線、第4信号線、第6信号線及び第8信号線に対しては「0」を割当てる。第2回目には、第1信号線、第2信号線、第5信号線及び第6信号線に対しては「1」を、第3信号線、第4信号線、第7信号線及び第8信号線に対しては「0」を割当てる。更に、第3回目には、第1信号線、第2信号線、第3信号線及び第4信号線に対しては「1」を、第5信号線、第6信号線、第7信号線及び第8信号線に対しては「0」を割当てる。このように信号を生成することとしても、第1信号線〜第8信号線の全てについて異なる信号を生成することができ、この信号を第1信号線〜第8信号線を識別することができる識別信号とすることができる。
図7(c)や図7(d)に示した例においても、第1信号線〜第8信号線の全てについて異なる信号を生成することができ、この信号を第1信号線〜第8信号線を識別することができる識別信号とすることができる。
この図7(a)〜(d)に示した如く、割当の各回のパターンは全て異なるものであるが、常に、半分の信号線に対しては「1」を割当て、残りの半分の信号線に対しては「0」を割当てている。このような処理をすることにより、「各回ごとの信号生成に際して、2n/2本の信号線には低レベルの信号を割り当て、残りの信号線には高レベルの信号を割り当てた信号線割当パターンで信号を生成する」ことをなし得る。
また、図7(a)〜(d)に示した割当パターンに限られることはなく、信号線の各々に割り当てる各回の割当パターンの全てが異なるものであればよく、「各回ごとの信号線割当パターンの全てを異ならしめて前記識別信号を生成する」こともなし得るのである。
また、上述した如き構成で処理を実行することにより、「前記信号線の各々について、前記低レベルの信号又は前記高レベルの信号のいずれかの信号を順次生成し、これをn回まで行って生成した信号を前記識別信号として前記信号線に発する」ことをなし得る。
【0071】
更に、図7に示した如き信号線割当パターンを用いて識別信号を生成することにより、「今回の信号線の割り当てについて、前回の信号線の割り当ての際に低レベルの信号が割り当てられた信号線の半分の信号線については、低レベルの信号を割り当て、残りの信号線については、高レベルの信号を割り当て、かつ、前回の信号線の割り当ての際に高レベルの信号が割り当てられた信号線の半分の信号線については、高レベルの信号を割り当て、残りの半分の信号線については、低レベルの信号を割り当てる」こともなし得るのである。
更にまた、上述した主制御装置200のROM204に記憶させる信号線割当パターンを、遊技機の種類や、演出の種類や、遊技の開始を可能状態する形式等の遊技の態様に基づいて異ならしめて記憶させておくこととしてもよい。
例えば、遊技機が弾球遊技機である場合には、図7(a)に示した如き信号線割当パターンをROM204に記憶させ、遊技機が回胴式遊技機である場合には、図7(b)に示した如き信号線割当パターンをROM204に記憶させておく。このようにすることで、図6に示したフローチャートのステップS12が実行されたときに、遊技機が弾球遊技機である場合には、図7(a)に示した如き信号線割当パターンに応じて生成された信号が識別信号として発せられ、遊技機が回胴式遊技機である場合には、図7(b)に示した如き信号線割当パターンに応じて生成された信号が識別信号として発せられるのである。
このようにしたことにより、主制御装置200が、弾球遊技機で使用されるべきものか回胴式遊技機で使用されるべきものかを識別することができるとともに、本来接続されることのない装置が接続された場合であっても、そのことを的確に検出することができるのである。このような構成及び処理とすることにより、識別信号を遊技機の種類に基づいて異ならしめることができるのである。
【0072】
また、遊技機が弾球遊技機である場合において、遊技機がいわゆる現金機と称される遊技機のときには、図7(b)に示した如き信号線割当パターンをROM204に記憶させ、遊技機がいわゆるCR機(カードリーダ機)と称される遊技機のときには、図7(d)に示した如き信号線割当パターンをROM204に記憶させておくこととしてもよい。
この場合において図6に示した処理を実行することにより、現金機の場合には、図7(b)に対応する信号が識別信号として発せられ、CR機の場合には、図7(d)に対応する信号が識別信号として発せられるのである。
このようにしたことにより、主制御装置200が、現金機で使用されるべきものかCR機で使用されるべきものかを的確にかつ容易に識別することができるが故に、本来接続されることのない装置が遊技機に組み込まれた場合であっても、そのことを的確に検出することができる。例えば、不正行為を行うべく、CR機に組み込まれるべき主制御装置200が、現金機に組み込まれたような場合や、その逆の場合であっても、そのことを検出することができるのである。さらにまた、本来CR機に組み込まれるべき賞球制御装置が、現金機に組み込まれたような場合や、その逆の場合であっても、主制御装置200は、そのことを検出することができるのである。
このような構成及び処理とすることにより、識別信号を遊技の開始を可能状態する形式に基づいて異ならしめることができるのである。
【0073】
更に、画像表示装置30の解像度や表示可能色の数等の仕様の制限から、画像制御装置260を適切に組み込む必要が生ずる場合がある。例えば、ある仕様の場合には、図7(c)に示した如き信号線割当パターンをROM204に記憶させ、他の仕様の場合には、図7(b)に示した如き信号線割当パターンをROM204に記憶させておくのである。このような場合であっても、図6に示した処理を実行することにより、適切な仕様の画像制御装置260が組み込まれたか否かを的確に検出することができるのである。
【0074】
更にまた、適切な画像制御装置が接続されているか否かを検出することのみならず、ランプ190等の制御装置が適切な装置として接続されているか否かも同様に検出することができる。例えば、遊技の進行に伴って行う演出に要するランプ190の種類や数に応じた制御装置が接続されているか否かを検出することができるのである。このようにして、演出装置とその制御装置とが不適切な組合せとなった場合も、そのことを的確に検出することができる。このような構成及び処理とすることにより、信号線割当パターンを、演出の種類に基づいて異ならしめることができるのである。
このような構成としたことにより、「前記識別信号生成手段は、前記遊技機における遊技の態様によって定まる前記第1装置及び前記第2装置の機能に基づいて異なる識別信号を生成する」ことをなし得るのである。尚、ここで、「前記遊技機における遊技の態様」とは、遊技の種類、例えば弾球遊技機であるか回胴式遊技機であるか、さらに、遊技の進行に従ってなされる遊技の演出、例えば遊技機に設けられている画像表示装置やランプ等においてなされる演出も含むものである。また、遊技の開始を可能状態する形式、例えばいわゆる現金機かCR機かをも含む概念である。
【0075】
上述した如き構成をなし処理をすることにより、装置の製造時や修理時において、装置を組立てたり装置同士を接続したりするときに、不適切な装置が遊技機に組み込まれたり接続されたりした場合であっても的確に検出することができるのである。また、不正行為を許容する装置が接続されたりした場合であっても的確かつ容易にそのことを検出することができるのである。
賞球制御装置230や画像制御装置260において実行される識別信号の受信処理のサブルーチンを図9に示す。
【0076】
最初に、変数やフラグの値を初期化等を行う初期処理を実行する(ステップS21)。次いで、信号線250又は280を構成する信号線のうちのいずれかの信号線の信号が示す値が変化したか否かを判断する(ステップS22)。例えば、図8に示した如き信号が、信号線250や280に供給されたときには、識別信号の第1回目のものであるSG11〜SG81のうちのSG11〜SG41は、「0」から「1」へと信号の値が変化する。この信号の値が変化したときを検出することにより、信号線のいずれかの信号線の信号の値が変化したか否かを判断するのである。
次いで、受信した信号の値を2値化することによりデータ化して(ステップS23)、得られたデータの値をRAM236又は266に記憶する(ステップS24)。以下、この処理により得られたデータを受信データと称する。
次に、所定の回数だけ信号を受信したか否かを判断する(ステップS25)。この所定の回数は、上述したステップS16と同様に、信号線の本数が2n本であるときには、n回又はn+1回である。
信号線250や280に供給された信号を全て受信した後、後述する如き判断処理のサブルーチンを呼び出して実行した後(ステップS26)、本サブルーチンを終了する。
上述した図9のステップS26において呼び出されて実行される判断処理のサブルーチンを図10に示す。
最初に、変数iの値を初期化、例えば1に設定する(ステップS31)。この変数iの値は、信号線の番号を示すもので、上述した例においては、第1信号線〜第8信号線の1〜8に相当する。
次に、上述したRAM236又は266からi番目の信号線のデータを読み出す。例えば、上述した信号線が8本のときの例における第1信号線についての識別信号が、正常に受信されたならば、RAM236又は266から読み出した受信データは、「1」−「1」−「1」−「0」のはずである(ステップS32)。
次いで、上述したROM234又は264に予め記憶されているi番目の信号線についてのチェックデータを読み出す(ステップS33)。このチェックデータは、信号線250や280が適切に接続されているならば受信されることとなる識別信号を2値化してデータ化したものである。
この後、実際に受信したi番目の信号線についての受信データと、ROM234又は264から読み出したチェックデータと、を比較する(ステップS34)。受信データとチェックデータとが異ならないと判別したときには、受信した信号は、予定していた識別信号に一致したとして、後述するステップS40に処理を移す。
【0077】
一方、受信データとチェックデータとが異なると判別したときには、読み出した受信データの値が全て「1」であるか否かを判断する(ステップS35)。受信データの値が全て「1」であると判別したときには、i番目の信号線は、短絡状態にあると決定する(ステップS36)。受信データの値が全て「1」でないと判別したときには、受信データの値が全て「0」であるか否かを判断する(ステップS37)。受信データの値が全て「0」であると判別したときには、i番目の信号線は、断線状態にあると決定する(ステップS38)。受信データの値が全て「0」でないと判別したときには、i番目の信号線については、配線間違いがなされたと決定する(ステップS39)。
上述したステップS34、ステップS36、ステップS38又はステップS39の処理を実行した後、変数iの値を1だけ増加して(ステップS40)、全ての信号線について判断したか否かを判断する(ステップS81)。即ち、2n本の信号線の全てについて判断したかを判断するのである。全ての信号線について判断していないと判別したときには、上述したステップS32に処理を戻す。
また、ステップS81において、全ての信号線について判断したと判別したときには、本サブルーチンを直ちに終了する。
上述した如く、信号線の本数が8本のときには、信号線の割当の回数は、3回又は4回である。信号線の割当の回数を3回としたときには、第2信号線〜第7信号線については、上述した判断処理により、信号線の接続状態を判断することができる。しかしながら、信号線の割当の回数を3回としたときには、第1信号線は、「1」−「1」−「1」であり全て「1」であるが故に、上述した判断処理では、信号線の接続状態を判断することができない。また、信号線の割当の回数を3回としたときには、第8信号線は、「0」−「0」−「0」であり全て「0」であるが故に、上述した判断処理では、信号線の接続状態を判断することができない。
このようなことから、信号線の割当の回数を4回とし、第4回目の割当で、第1信号線には「0」を割り当て、第8信号線には「1」を割り当てるのである。このようにすることにより、上述した判断処理で、全ての信号線の接続状態を判断することができるのである。
このように信号線の本数が2n本であるときに、n+1回まで信号線の割当をすることにより、全ての信号線の接続状態を判断することができるのである。
【0078】
〔第2実施例〕
上述した第1実施例は、主制御装置200から賞球制御装置230や画像制御装置260へ識別信号を一方的に送信するものであった。これに対して賞球制御装置230や画像制御装置260から主制御装置200へ送信許可信号を送信し、送信許可信号を受信したときのみ、賞球制御装置230や画像制御装置260へ主制御装置200が識別信号を送信する構成、いわゆるアンサーバック方式を採用する構成としてもよい。以下にその例を示す。
この場合における主制御装置200において実行される識別信号の送信処理のサブルーチンを図11に示す。尚、このサブルーチンは、上述した図6のサブルーチンに対応するもので、同一の処理をするステップについては、同一の符号を付して示し、一部の処理の説明については省略することとする。
ステップS17においては、賞球制御装置230や画像制御装置260から送信許可信号が送信されたか否かを判断する。送信許可信号が送信されたと判別したときには、割当パターンに応じた信号を生成し(ステップS14)、生成した信号を識別信号として賞球制御装置230や画像制御装置260に送信するのである(ステップS15)。
一方、賞球制御装置230や画像制御装置260においては、図12に示す如きサブルーチンが実行される。尚、このサブルーチンは、上述した図9のサブルーチンに対応するもので、同一の処理をするステップについては、同一の符号を付して示し、一部の処理の説明については省略することとする。
ステップS21において初期処理を実行した後、送信許可信号を主制御装置200に送信するかを判断する(ステップS27)。この判断は、例えば、賞球制御装置230や画像制御装置260において、主制御装置200からの信号を受信して処理を実行する余裕があるか否か、又は主制御装置200からの信号を受信すべきタイミングであるか否かを判断することにより行われるものである。
送信許可信号を主制御装置200に送信しないと判別したときには、そのまま待機する。一方、送信許可信号を主制御装置200に送信すると判別したときには、送信許可信号を主制御装置200に送信し(ステップS28)、上述した如きステップS22以降の処理を実行する。
このように賞球制御装置230や画像制御装置260から送信許可信号を受信したときにのみ、主制御装置200から識別信号を賞球制御装置230や画像制御装置260に送信する構成にすることにより、余裕をもって信号を受信することができ、受信した信号を的確に判断することができるのである。
尚、この第3実施例においても、上述した第1実施例と同様に、主制御装置200のROM204に記憶させる信号線割当パターンを、遊技機の種類や、演出の種類や、遊技の開始を可能状態する形式等の遊技の態様に基づいて異ならしめて記憶させておくこととしてもよい。図11に示したフローチャートが実行されたときには、上述した第1実施例において説明した如く、遊技機の種類や、演出の種類や、遊技の開始を可能状態する形式等の遊技の態様に基づいて異なる識別信号を発することができるのである。
このような構成としたことにより、「前記識別信号生成手段は、前記遊技機における遊技の態様によって定まる前記第1装置及び前記第2装置の機能に基づいて異なる識別信号を生成する」ことをなし得るのである。このようにすることにより、装置の製造時や修理時において、装置を組立てたり装置同士を接続したりするときに、不適切な装置が遊技機に組み込まれたり接続されたりした場合であっても的確に検出することができるのである。また、不正行為を許容する装置が接続されたりした場合であっても的確かつ容易にそのことを検出することができるのである。
【0079】
〔第3実施例〕
更に、賞球制御装置230や画像制御装置260が受信した信号について判断し、その結果に基づいて上述した送信許可信号を発するか否かを定めることとしてもよい。
このような構成としたときにおける賞球制御装置230や画像制御装置260において実行される識別信号の受信処理のサブルーチンを図13に示す。尚、このサブルーチンは、上述した図9や図11のサブルーチンに対応するもので、同一の処理をするステップについては、同一の符号を付して示し、一部の処理の説明については省略することとする。
ステップS23において、受信した信号の値を2値化することによりデータ化した後、この受信データの値に基づいて受信した信号が予定していた信号と一致するか否かを判断する(ステップS29)。尚、このステップS29における処理は、上述した第1実施例において示した図10のステップS32〜S34と同様の処理をするもので、実際に受信した信号を2値化した受信データと、ROM234又は264から読み出したチェックデータと、を比較する処理を行うものである。
例えば、図7(a)に示した信号線割当パターンで主制御装置200が信号を出力すると定めた場合には、主制御装置200から識別信号として出力される第1回目の信号は、第1信号線〜第8信号線の全てについて、「1」−「1」−「1」−「1」−「0」−「0」−「0」−「0」であり、賞球制御装置230や画像制御装置260においては、この信号が受信されるはずである。従って、賞球制御装置230や画像制御装置260は、受信した信号が主制御装置200から出力された信号と一致するか否かをステップS29において判断するのである。
ステップS29において、受信した信号が予定していた信号と一致すると判別したときには、送信許可信号を主制御装置200に送信し、上述したステップS25の処理を実行する。一方、ステップS29において、受信した信号が予定していた信号と一致しないと判別したときには、直ちに本サブルーチンを終了する。
このような処理をすることとするにより、信号線の接続状態を迅速に判断することができるとともに、識別信号の送受信を的確に行うことができるのである。
【0080】
〔第4実施例〕
上述した第1実施例〜第3実施例は、主制御装置200において、ROM204に予め記憶されている信号線割当パターンに応じて信号を生成する場合を示したが、これに限られず、信号を生成する際にその度ごとに演算処理により信号線割当パターンを定めることとしてもよい。
このような処理をするサブルーチンを図14に示す。尚、このサブルーチンは、上述した図6のサブルーチンに対応するもので、同一の処理をするステップについては、同一の符号を付して示し、一部の処理の説明については省略することとする。
最初に、初期処理を行う(ステップS11)。尚、このサブルーチンにおける処理は、全ての信号線に対して「0」を割当てる処理、又は全ての信号線に対して「1」を割当てる処理、並びに図14に示したステップS41〜S15の処理を繰り返して実行する最大回数nの値を定める処理を含む。
次に、「1」が割当てられていた信号線の半分の信号線については、「0」を割当て(ステップS41)、「1」が割当てられていた信号線の残りの半分の信号線について、「1」を割当てる(ステップS42)。次いで、「0」が割当てられていた信号線の半分の信号線については、「0」を割当て(ステップS43)、「0」が割当てられていた信号線の残りの半分の信号線について、「1」を割当てる(ステップS44)。この後、上述したステップS13〜ステップS15の処理を実行した後、ステップS41〜S15の処理を実行した回数が、上述したステップS11において定めた最大回数nに至ったか否かを判断する(ステップS45)。処理回数が、最大回数nに至っていないと判別したときには、ステップS41に処理を戻す。一方、処理回数が、最大回数nに至ったと判別したときには、直ちに本サブルーチンを終了する。
上述した処理を実行することにより、例えば、信号線の本数が8本である場合に、上述したステップS41〜ステップS44の処理を最初に実行したときには、図7(a)の第1回目の信号線割当パターンと同一のものが得られる。また、2回目にステップS41〜ステップS44の処理を実行したときには、図7(a)の第2回目の信号線割当パターンと同一のものが得られる。更に、3回目にステップS41〜ステップS44の処理を実行したときには、図7(a)の第3回目の信号線割当パターンと同一のものが得られることとなる。
尚、上述したステップS45の処理を実行した後に、n回までの割当において、全て「0」が割当てられた信号線に対しては「1」を割当て、全て「1」が割当てられた信号線に対しては「0」を割当てて信号を出力することとしたときには、間違えて配線されたことや、配線が不正に入れ替えられたこと等の不具合を判別することもできるようになる。
このような処理を追加することにより、「前記識別信号供給手段は、前記n回までの各回の全てについて低レベルの信号を発した信号線については、高レベルの信号を、かつ前記n回までの各回の全てについて高レベルの信号を発した信号線については、低レベルの信号を、n+1回目に生成する」ことをなし得るのである。
上述した如き処理をすることによっても、「前記信号線の各々について、前記低レベルの信号又は前記高レベルの信号のいずれかの信号を順次生成し、これをn回まで行って生成した信号を前記識別信号として前記信号線に発する」ことと、「各回ごとの信号生成に際して、2n/2本の信号線には低レベルの信号を割り当て、残りの信号線には高レベルの信号を割り当てた信号線割当パターンで信号を生成するとともに、各回ごとの信号線割当パターンの全てを異ならしめて前記識別信号を生成する」ことをなし得るのである。
尚、上述したステップS41〜S44の処理を実行する際に、遊技機の種類や、演出の種類や、遊技の開始を可能状態する形式等の遊技の態様に基づいて異なるように、信号線を割り当てることとしてもよい。この処理は、ステップS41〜S44の処理の各々において、「0」や「1」を割り当てるべき信号線を遊技の態様に基づいて選択しておき、選択した信号線について「0」や「1」を割り当てることにより行うことができる。
このような処理をすることによっても、上述した第1実施例における場合と同様に、遊技機の種類や、演出の種類や、遊技の開始を可能状態する形式等の遊技の態様に基づいて異なる識別信号を発することができるのである。
このような処理をすることにより、「前記識別信号生成手段は、前記遊技機における遊技の態様によって定まる前記第1装置及び前記第2装置の機能に基づいて異なる識別信号を生成する」ことをなし得るのである。このようにしたことによって、装置の製造時や修理時において、装置を組立てたり装置同士を接続したりするときに、不適切な装置が遊技機に組み込まれたり接続されたりした場合であっても的確に検出することができるのである。また、不正行為を許容する装置が接続されたりした場合であっても的確かつ容易にそのことを検出することができるのである。
【0081】
〔第5実施例〕
上述した図10に示した判断処理は、信号線の各々について各回に受信した信号の各々について判断するものであったが、受信した信号の全ての回数のものを一度に判断することとしてもよい。このように処理する例を図15に示す。
最初に、変数である検査データを初期化、例えば検査データに0を代入し(ステップS51)、変数iに2を格納する(ステップS52)。
次いで、第1回目の受信データと第i回目の受信データとのXOR演算を行い、その結果を変数Zに格納し(ステップS53)、Zと検査データとのOR演算を行い、その結果を検査データに格納する(ステップS54)。
次に、変数iの値を1だけ増加させ(ステップS55)、変数iの値が受信に要した全回数以下であるか否かを判断する(ステップS56)。この受信に要した全回数は、例えば、信号線の本数が8本であるときには、4回である。即ち、信号線の本数が2n本のときには、n+1回である。変数iの値が受信に要した全回数以下であると判別したときには、処理をステップS53に戻す。
実際に受信した信号が予定していた信号であるならば、上述したステップS53及びS54の処理を繰り返し実行する間に、受信データが「0」となるときと、「1」となるときとの双方の場合が必ず生ずる。このため、処理を繰り返す間に、ステップS53におけるXOR演算によって得られるZの値は必ず1となり、ステップS54におけるOR演算によって検査データの値は1となる。検査データの値が一旦「1」となったときは、その後、Zの値が「0」となったときにおいても、「1」となったときにおいても、検査データの値は常に「1」となるのである。このような処理を実行することにより、実際に受信した信号が予定していた信号であるときには、検査データの値は「1」となるのである。
上述したステップS56において、変数iの値が受信に要した全回数より大きいと判別したときには、変数kに1を代入し(ステップS57)、k番目の信号線の検査データの値が1であるか否かを判断する(ステップS58)。k番目の信号線の検査データの値が1であると判別したときには、後述するステップS62に処理を移す。k番目の信号線の検査データの値が1でないと判別したときには、k番目の信号線は、短絡状態にあると決定する(ステップS60)。受信データの値が全て「1」でないと判別したときには、k番目の信号線は、断線状態にあると決定する(ステップS61)。
上述したステップS58、S60又はS61の処理を実行した後、変数kの値を1だけ増加させ(ステップS62)、変数kの値が信号線の全本数以下であるか否かを判断する(ステップS62)。変数kの値が信号線の全本数以下であると判別したときには、処理をステップS58に戻し、変数kの値が信号線の全本数より大きいと判別したときには、本サブルーチンを終了する。
このような処理をすることとしたことにより、判断処理を簡略なものにすることができるのである。
【0082】
〔第6実施例〕
上述した実施例は、信号線の本数が2n本(nは正の整数)、例えば、8本や16本である場合のものを示したが、信号線の本数が2n+m本(nは正の整数値で、mは1以上で(2n+1−2n)未満の正の整数値)である場合の例を以下に示す。
信号線の本数が2n+m本であるときには、2n+1本の仮想的な信号線を想定して識別信号を生成することにより行うことができる。
例えば、信号線の本数が5本であるときには、n=2、m=1であるので、本数が22+1本=8本である仮想的な信号線を想定して識別信号を生成する。その例を図16(a)〜(d)に示す。この図16(a)〜(d)は、図7(a)に示した信号線割当パターンを仮想的な8本の信号線の信号線割当パターンとするものである。即ち、図7(a)に示した8本分の信号線割当パターンを仮想的な8本の信号線の信号線割当パターンとし、この8本分の信号線割当パターンから5本分の信号線割当パターンを選択し、その選択した信号線割当パターンを現実の5本の信号線の信号線割当パターンとして割り振るのである。
図16(a)に示した例においては、図7(a)に示した8本分の信号線割当パターンのうちの第1信号線〜第5信号線のものを、現実の5本の信号線の第1信号線〜第5信号線の信号線割当パターンとしたものである。
また、この図16(b)は、図7(a)に示した8本分の信号線割当パターンのうちの第2信号線〜第6信号線のものを、現実の5本の信号線の第1信号線〜第5信号線の信号線割当パターンとしたものである。同様に、図16(c)は、図7(a)に示した8本分の信号線割当パターンのうちの第3信号線〜第7信号線のものを、現実の5本の信号線の第1信号線〜第5信号線の信号線割当パターンとしたもので、図16(d)は、図7(a)に示した8本分の信号線割当パターンのうちの第4信号線〜第8信号線のものを、現実の5本の信号線の第1信号線〜第5信号線の信号線割当パターンとしたものである。
尚、図16(a)〜(d)に示した例は、図7(a)に示した8本の信号線の信号線割当パターンから連続した信号線を選択して、現実の5本の信号線に割り振る場合を示したが、これに限られず8本の信号線のうちから任意の5本の信号線を選択して現実の5本の信号線に割り振ることとしてもよい。例えば、図7(a)に示した8本の信号線のうちの第1信号線、第3信号線、第4信号線、第6信号線及び第8信号線を選択して、これらを現実の5本の信号線に割り振ることとしてもよい。
【0083】
また、信号線の順序を異なるものとしてもよい。例えば、現実の信号線の第1信号線に仮想的な信号線の第6信号線を割り振り、現実の信号線の第2信号線に仮想的な信号線の第3信号線を割り振り、現実の信号線の第3信号線に仮想的な信号線の第8信号線を割り振り、現実の信号線の第4信号線に仮想的な信号線の第3信号線を割り振り、現実の信号線の第5信号線に仮想的な信号線の第8信号線を割り振ることとしてもよい。
図17(a)〜(c)に示した例においては、図7(a)に示した8本分の信号線割当パターンのうちの6本分の信号線割当パターンを選択し、これを現実の6本の信号線の第1信号線〜第6信号線の信号線割当パターンとしたものである。
図18(a)及び(b)に示した例においては、図7(a)に示した8本分の信号線割当パターンのうちの7本分の信号線割当パターンを選択し、これを現実の7本の信号線の第1信号線〜第7信号線の信号線割当パターンとしたものである。
上述した図16〜図18に示した如き信号線割当パターンをROM204に予め記憶させておき、これを読み出すことにより識別信号を生成することができるのである。
即ち、仮想的な2n+1本分の信号線割当パターンから2n+m本分の信号線割当パターンを選択し、その選択した信号線割当パターンを現実の2n+m本の信号線の信号線割当パターンとして割り振ることにより、信号線の本数が2n+m本であるときにおける信号線割当パターンを得ることができる。このように得られた信号線割当パターンをROM204に予め記憶させておき、上述した図6に示したサブルーチンを実行することにより、信号線の本数が2n+m本であるときにも、信号線の接続状態を検査することができるのである。
上述した如き構成としたことにより、「前記信号線の各々について、前記低レベルの信号又は前記高レベルの信号のいずれかの信号を順次生成し、これをn+1回まで行って生成した信号を前記識別信号として前記信号線に発する」ことと、「前記信号線が2n+1本あるとして、各回ごとの信号生成に際して、2n+1/2本の信号線には低レベルの信号を割り当て、残りの信号線には高レベルの信号を割り当てた信号線割当パターンで信号を生成するとともに、各回ごとの信号線割当パターンの全てを異ならしめて2n+1個の識別信号を生成するとしたときにおける前記2n+1個の識別信号のうちの2n+m個の識別信号を、前記2n+m本の信号線の各々に供給すること」をなし得るのである。
【0084】
〔第7実施例〕
上述した第6実施例は、主制御装置200において、ROM204に予め記憶されている割当パターンに応じて信号を生成する場合を示したが、これに限られず、信号を生成する際にその度ごとに演算処理により信号線割当パターンを定めることとしてもよい。
このような処理をするサブルーチンを図19に示す。尚、このサブルーチンは、上述した図14のサブルーチンに対応するもので、同一の処理をするステップについては、同一の符号を付して示し、一部の処理の説明については省略することとする。
最初に、主制御装置200のRAM206内に、2n+1本分の仮想的な信号線の信号線割当パターンを記憶するための記憶領域を確保する(ステップS71)。次に、ステップS71で確保した記憶領域に同一のデータを記憶させることにより、2n+1本分の信号線割当パターンの全てに同一のデータを代入する(ステップS72)。例えば、2n+1本分の信号線割当パターンの全てに「0」を代入するか、又は「1」を代入する。次いで、現実の2n本分の信号線割当パターンを割り振るべく、2n+1本から2n本を選択して、選択したものを現実の2n本の信号線に対応付ける(ステップS73)。
次に、図14のステップS41〜S44の処理を実行する。尚、このステップS41〜S44の処理は、2n+1本分の仮想的な信号線の信号線割当パターンに対して行うもので、ステップS71で確保された記憶領域のデータを更新していくことにより行われる。
ステップS41〜S44の処理で2n+1本分の仮想的な信号線の信号線割当パターンが得られた後、現実の2n本の信号線について、信号を生成して出力するのである(ステップS14〜S16)。
このように処理することにより、信号生成の度に演算処理を行って信号線割当パターンを得ることができるのである。
このような処理をすることによっても、「前記信号線の各々について、前記低レベルの信号又は前記高レベルの信号のいずれかの信号を順次生成し、これをn+1回まで行って生成した信号を前記識別信号として前記信号線に発する」ことと、「前記信号線が2n+1本あるとして、各回ごとの信号生成に際して、2n+1/2本の信号線には低レベルの信号を割り当て、残りの信号線には高レベルの信号を割り当てた信号線割当パターンで信号を生成するとともに、各回ごとの信号線割当パターンの全てを異ならしめて2n+1個の識別信号を生成するとしたときにおける前記2n+1個の識別信号のうちの2n+m個の識別信号を、前記2n+m本の信号線の各々に供給すること」をなし得るのである。
また、上述した第6実施例や第7実施例においても、第1実施例と同様に、信号線の割当の回数を1回だけ増やすこととしてもよい。例えば、信号線の本数が5本であるときに、信号線の割当の回数を3回ではなく、4回まで行うこととしもよい。このようにすることにより、全ての信号線の接続状態を判断することができるのである。
このように処理することにより、「前記n+1回までの各回の全てについて低レベルの信号を発した信号線については、高レベルの信号を、かつ前記n+1回までの各回の全てについて高レベルの信号を発した信号線については、低レベルの信号を、n+2回目に生成すること」をなし得るのである。
尚、この第7実施例においても、上述した第4実施例と同様に、ステップS41〜S44の処理を実行する際に、遊技機の種類や、演出の種類や、遊技の開始を可能状態する形式等の遊技の態様に基づいて異なるように、信号線を割り当てることとしてもよい。第4実施例において説明した如く、ステップS41〜S44の処理の各々において、「0」や「1」を割り当てるべき信号線を遊技の態様に基づいて選択しておき、選択した信号線について「0」や「1」を割り当てることにより行うことができるのである。
このような処理をすることによっても、上述した第4実施例における場合と同様に、遊技機の種類や、演出の種類や、遊技の開始を可能状態する形式等の遊技の態様に基づいて異なる識別信号を発することができるのである。
このような処理をすることにより、「前記識別信号生成手段は、前記遊技機における遊技の態様によって定まる前記第1装置及び前記第2装置の機能に基づいて異なる識別信号を生成する」ことをなし得るのである。このようにしたことによって、装置の製造時や修理時において、装置を組立てたり装置同士を接続したりするときに、不適切な装置が遊技機に組み込まれたり接続されたりした場合であっても的確に検出することができるのである。また、不正行為を許容する装置が接続されたりした場合であっても的確かつ容易にそのことを検出することができるのである。
さらに尚、信号線の本数が、2n−2本であるときには、信号線の割当の回数をn回とすることにより、誤配線や不正な配線の入れ替えについての判別のみならず、断線や短絡の判別も行うことができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】弾球遊技機の概観を示す正面図である。
【図2】弾球遊技機の裏側の概略の構造を示す図である。
【図3】弾球遊技機の構成を示すブロック図である。
【図4】主制御装置200と、賞球制御装置230や画像制御装置260との回路構成を示すブロック図である。
【図5】主制御装置200と、賞球制御装置230や画像制御装置260との機能を示すブロック図である。
【図6】主制御装置200において実行される識別信号の送信処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図7】信号線の本数が8本であるときの信号線割当パターンの例を示す図である。
【図8】図6に示したフローチャートの処理を実行したときに生成される識別信号のタイムチャートである。
【図9】賞球制御装置230や画像制御装置260において実行される識別信号の受信処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図10】図9のステップS26において呼び出されて実行される判断処理のサブルーチンをフローチャートである。
【図11】主制御装置200において実行される識別信号の送信処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図12】賞球制御装置230や画像制御装置260において実行される識別信号の受信処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図13】賞球制御装置230や画像制御装置260において実行される識別信号の受信処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図14】信号を生成する際にその度ごとに演算処理により信号線割当パターンを定めるサブルーチンを示すフローチャートである。
【図15】賞球制御装置230や画像制御装置260において、受信した信号の全ての回数のものを一度に判断するサブルーチンを示すフローチャートである。
【図16】信号線の本数が5本であるときの信号線割当パターンの例を示す図である。
【図17】信号線の本数が6本であるときの信号線割当パターンの例を示す図である。
【図18】信号線の本数が7本であるときの信号線割当パターンの例を示す図である。
【図19】信号線の本数が2n+m本であるときに、信号を生成する際にその度ごとに演算処理により信号線割当パターンを定めるサブルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0086】
200 主制御装置(第1装置、第2装置)
214 識別信号供給手段
216 識別信号生成手段
218 信号線割当手段
230 賞球制御装置(第1装置、第2装置)
250 信号線
260 画像制御装置(第1装置、第2装置)
280 信号線
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機における第1装置と第2装置とを互いに電気的に接続する信号線を介して受信した受信信号から信号線の接続状態を検査する遊技機の配線検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
弾球遊技機等の遊技機においては、複数の装置、例えば主制御装置と副制御装置とが互いに信号線によって電気的に接続されている。この信号線を介して種々の情報のやりとりが行われている。これらの情報に基づいて遊技球の払出数が定められたりするが故に、これらの複数の装置は信号線によって互いに適切に接続されている必要がある。また、遊技結果を有利なものにせんとする不正行為を行うべく、遊技機に本来接続されることのない装置が入れ替えられて接続されたようなときには、そのことを的確に検出する必要もある。
【0003】
このため、遊技機における装置が適切に接続されているか否か、又は適切な装置が接続されているか否かを検査する装置が考え出されており、例えば、特許第3078505号公報に開示されている如き遊技機が知られている。
【0004】
この従来の遊技機において装置同士を接続する信号線の本数が4本であるときに、第1の信号線には、「1」−「0」−「0」−「0」を示す2値化信号を供給し、第2の信号線には、「0」−「1」−「0」−「0」を示す2値化信号を供給し、第3の信号線には、「0」−「0」−「1」−「0」を示す2値化信号を供給し、第4の信号線には、「0」−「0」−「0」−「1」を示す2値化信号を供給する。
【0005】
このように信号線の各々に異なる信号を供給し、信号線を介して受信した信号の内容が適切なものであるか否かを判断することにより、信号線の接続状態を検査する。例えば、第2の信号線について検査するときには、第2の信号線を介して受信した信号の内容が、「0」−「1」−「0」−「0」であれば、第2の信号線は、適切な接続状態であると判別し、受信した信号の内容が、これ以外のものであったときには、第2の信号線は、適切な接続状態ではないと判別するのである。従って、受信信号が供給された信号と同じ信号であるか否かを判断することにより、信号線の接続状態が適切なものであるか否かを判断することができるのである。
【0006】
このように従来の遊技機においては、4本の信号線が接続されているときには、「0」又は「1」に相当する信号を少なくとも4回信号線に供給する必要があった。即ち、信号線の数に比例した回数だけ「0」又は「1」に相当する信号を送受信しなければ、信号線の接続状態を検査したり、接続されている装置が適切なものであるか否かを検査することができないものであった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した如く、従来の装置において信号線の接続状態や、接続されている装置が適切なものであるか否かを判断するには、信号線の本数以上の回数だけ「0」又は「1」に相当する信号を供給する必要があった。
【0008】
また、遊技機を提供する目的は、遊技者の興趣を高めて遊技者を遊技に引き付けることにより、気軽に楽しむことができる娯楽の1つとして少しでも多くの大衆に遊技機による遊技を浸透させていくことにある。このような目的を達成するためには、斬新で面白みのある遊技機を遊技者に常に提供していく必要がある。
【0009】
このため、これまでの遊技に新たな遊技を追加したり、遊技の進行に伴う演出に工夫を凝らしたりする必要がある。このようなことを実現していくためには、遊技機をより複雑に制御せざるを得なかったり、速やかな処理をせざるを得なかったりする。複雑な制御をしたり、処理を速めたりするときには、遊技機の制御装置同士を接続する信号線の本数を増やさざるを得ない場合がある。このような傾向は、今後も続いていくものと十分に予想される。特に画像による演出をするような場合には、演出効果を高めるために、膨大なデータを高速に処理する必要が生じ、信号線の種類や数も増やさざるを得ないものとなる。信号線の種類や数が増えていくに従って、信号線が的確に接続されているか否かの検査は煩雑なものになるとともに、誤配線される可能性も高くなり得る。このため、信号線の検査を容易なものにする必要が生ずる。
【0010】
更にまた、不正行為を許容する装置が遊技機に組み込まれていたことが発覚したときには、遊技機に対する疑惑や不信感により直ちに遊技者の遊技に対する熱意が冷め、上述した如き目的を達成し得ないことは明らかである。
【0011】
本発明は、上述した如き課題に鑑みてなされたものであり、遊技機の制御装置同士を接続する信号線が的確に接続されていることを容易にかつ短時間に検査することができるとともに、接続されている制御装置が適切なものであることを検出することができる遊技機の配線検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
以上のような目的を達成するために、本発明においては、2n本の信号線の各々を識別することができる互いに異なる2n個の識別信号であり低レベルの信号と高レベルの信号とからなる識別信号が、低レベルの信号又は高レベルの信号のいずれかからなる信号がn回まで出力され、出力された信号を検査することを特徴とする。
【0013】
従って、2n本の信号線を検査する装置であって、低レベルの信号又は高レベルの信号のいずれかからなる信号がn回まで出力されるとともに、出力された信号が2n本の信号線の各々に対して全て異なるものである遊技機の配線検査装置は、本発明の概念に含まれるものとなる。
【0014】
また、2n+m本の信号線の各々を識別することができる互いに異なる2n+m個の識別信号であり低レベルの信号と高レベルの信号とからなる識別信号が、低レベルの信号又は高レベルの信号のいずれかからなる信号がn+1回まで生成されて信号線に出力され、出力された信号を検査することを特徴とする。
【0015】
従って、2n+m本の信号線を検査する装置であって、低レベルの信号又は高レベルの信号のいずれかからなる信号がn+1回まで出力されるとともに、出力された信号が2n+m本の信号線の各々に対して全て異なるものである遊技機の配線検査装置は、本発明の概念に含まれるものとなる。
【0016】
より具体的には、本発明は以下の如き遊技機の配線検査装置を提供する。
(1) 遊技機における第1装置と第2装置とを互いに電気的に接続する2n本の信号線(nは正の整数値)の各々を識別することができる互いに異なる2n個の識別信号であって低レベルの信号と高レベルの信号とからなる識別信号を、前記第1装置又は前記第2装置のいずれか一方の装置から他方の装置へ前記信号線を介して供給する識別信号供給手段を含み、かつ、前記他方の装置において前記信号線を介して受信した受信信号から前記信号線の接続状態を検査する遊技機の配線検査装置であって、前記他方の装置は、前記受信信号に含まれる高レベルの信号及び/又は低レベルの信号と予め記憶されているチェックデータとを比較して信号線の接続状態を判断する信号線受信手段を含み、前記識別信号供給手段は、前記信号線の各々について、前記低レベルの信号又は前記高レベルの信号のいずれかの信号を順次生成し、これをn回まで行って生成した信号を前記識別信号として前記信号線に発する識別信号生成手段を有し、かつ、前記識別信号生成手段は、各回毎の信号生成に際して、2n/2本の信号線には低レベルの信号を割り当て、残りの信号線には高レベルの信号を割り当てた信号線割当パターンで信号を生成すると共に、各回毎の信号線割当パターンの全てを異ならしめて前記識別信号を生成する信号線割当手段を有し、前記識別信号生成手段は、前記遊技機における遊技の態様によって定まる前記第1装置及び前記第2装置の機能に基づいて異ならしめて記憶された信号線割当パターンに応じて識別信号を生成することを特徴とする遊技機の配線検査装置。
【0017】
(2) 遊技機における第1装置と第2装置とを互いに電気的に接続する2n+m本の信号線(nは正の整数値で、mは1以上で(2n+1−2n)未満の正の整数値)の各々を識別することができる互いに異なる2n+m個の識別信号であって低レベルの信号と高レベルの信号とからなる識別信号を、前記第1装置又は前記第2装置のいずれか一方の装置から他方の装置へ前記信号線を介して供給する識別信号供給手段を含み、かつ、前記他方の装置において前記信号線を介して受信した受信信号から前記信号線の接続状態を検査する遊技機の配線検査装置であって、前記他方の装置は、前記受信信号に含まれる高レベルの信号及び/又は低レベルの信号と予め記憶されているチェックデータとを比較して信号線の接続状態を判断する信号線受信手段を含み、前記識別信号供給手段は、前記信号線の各々について、前記低レベルの信号又は前記高レベルの信号のいずれかの信号を順次生成し、これをn+1回まで行って生成した信号を前記識別信号として前記信号線に発する識別信号生成手段を有し、かつ、前記識別信号生成手段は、前記信号線が2n+1本あるとして、各回毎の信号生成に際して、2n+1/2本の信号線には低レベルの信号を割り当て、残りの信号線には高レベルの信号を割り当てた信号線割当パターンで信号を生成すると共に、各回毎の信号線割当パターンの全てを異ならしめて2n+1個の識別信号を生成するとしたときにおける前記2n+1個の識別信号のうちの2n+m個の識別信号を、前記2n+m本の信号線の各々に供給し、かつ、前記識別信号生成手段は、前記遊技機における遊技の態様によって定まる前記第1装置及び前記第2装置の機能に基づいて異ならしめて記憶された信号線割当パターンに応じて識別信号を生成することを特徴とする遊技機の配線検査装置。
【0018】
上述した(1)の発明によれば、2n本の信号線についての識別信号として、低レベルの信号又は高レベルの信号のいずれかの信号をn回だけ生成した信号を用い、(2)の発明によれば、2n+m本の信号線についての識別信号として、低レベルの信号又は高レベルの信号のいずれかの信号をn+1回だけ生成した信号を用いているので、2n回又は2n+m回生成する必要があった従来の装置に比して、極めて短い時間で信号線の状態、例えば、配線が所望とする配列で接続されているか否か、又は信号線に断線や短絡等の障害が発生しているか否かを判断することができる識別信号を生成することができることとなる。また、信号線の状態を短時間で検査できるので、頻繁に検査を行うことができ、遊技の進行中においても検査することができ、遊技を妨げることなく信号線の状態を的確に判断することができる。
【0019】
尚、上述した(1)又は(2)の発明において、「遊技機における第1装置と第2装置」とは、遊技機内に予め内臓されている装置である場合のみならず、第1装置と第2装置のいずれか一方の装置が、遊技機の外部から遊技機に接続される外部装置をも含む意味であり、例えば、遊技機のメンテナンスの際に接続される装置をも含むものである。
【0020】
このようにすることにより、外部装置が適切に遊技機に接続されているかを検査することができるとともに、遊技機に接続された外部装置が適切なものであるか否かを検査することもできるのである。
【0021】
また、「信号線割当パターンで信号を生成する」とは、遊技機の制御装置の記憶手段、例えばROM等に予め信号線割当パターンを記憶させておき、信号を出力する際に、記憶手段から信号線割当パターンを読み出し、読み出した信号線割当パターンに応じて識別信号として信号を生成する場合のみならず、信号を生成する際にその度ごとに信号線割当パターンを演算処理により定め、演算処理により得られた信号線割当パターンに応じて識別信号として信号を生成する場合をも含むものである。
【0022】
このようにすることにより、常に同じ順序の信号線割当パターンで信号を生成することができるとともに、ある規則に基づく演算処理により信号線割当パターンを得ることとして、信号線割当パターンの順序が適宜変更するように信号を生成することもできるのである。信号線割当パターンの順序を適宜変更されて信号を生成することとした場合には、不正行為をより的確に発見することができるとともに、不正行為を未然に防止する契機とすることもできるのである。
【0023】
更に、「前記遊技機における遊技の態様」とは、遊技の種類、例えば弾球遊技機であるか回胴式遊技機であるか、さらに、遊技の進行に従ってなされる遊技の演出、例えば遊技機に設けられている画像表示装置やランプ等においてなされる演出も含むものである。また、遊技の開始を可能状態する形式、例えばいわゆる現金機かCR機(カードリーダ機)かをも含む概念である。
【0024】
このように、「前記識別信号生成手段は、前記遊技機における遊技の態様によって定まる前記第1装置及び前記第2装置の機能に基づいて異なる識別信号を生成する」ので、本来接続されることのない装置が接続された場合であっても、そのことを的確に検出することができる。
【0025】
例えば、装置の製造時や修理時において、装置を組立てたり装置同士を接続したりするときに、不適切な装置が遊技機に組み込まれたり接続されたりした場合であっても的確に検出することができるのである。
【0026】
また、本来回胴式遊技機に組み込まれるべき装置が、弾球遊技機に組み込まれたような場合や、その逆の場合であっても、そのことを的確に検出することができる。
【0027】
更に、遊技の進行に従ってなされる遊技の演出をするための装置が、不適切なものである場合、例えば、画像制御装置と画像表示装置とが不適切な組合せとなって、解像度や表示可能な色の数等の表示条件や表示環境が整合しない装置同士が接続された場合や、ランプ等の電気的に制御される演出装置とその制御装置とが不適切な組合せとなった場合も、そのことを的確に検出することができる。
【0028】
更にまた、不正行為を許容する行為が行われたり、不正行為を許容する装置が接続されたりした場合であっても的確にそのことを検出することができる。例えば、弾球遊技機が、遊技店に設置された後に、本来現金機に接続されるべき装置が、CR機に接続されたときや、またその逆のことが行われたときであっても、そのことを的確に検出することができる。
【0029】
(3) 前記識別信号供給手段は、前記n回までの各回の全てについて低レベルの信号を発した信号線については、高レベルの信号を、かつ前記n回までの各回の全てについて高レベルの信号を発した信号線については、低レベルの信号を、n+1回目に生成することを特徴とする上記(1)記載の遊技機の配線検査装置。
【0030】
(4) 前記識別信号供給手段は、前記n+1回までの各回の全てについて低レベルの信号を発した信号線については、高レベルの信号を、かつ前記n+1回までの各回の全てについて高レベルの信号を発した信号線については、低レベルの信号を、n+2回目に生成することを特徴とする上記(2)記載の遊技機の配線検査装置。
【0031】
上述した(3)又は(4)の発明によれば、2n本の信号線又は2n+m本の全ての信号線について信号線の接続状態、例えば、配線が所望とする配列で接続されているか否か、及び信号線に断線や短絡等の障害が発生しているか否かを検査することができる識別信号を生成することができる。
【0032】
(5) 前記他方の装置は、前記受信信号に含まれる高レベルの信号及び/又は低レベルの信号から、前記信号線の接続状態を判断する信号線判断手段を含むことを特徴とする上記(1)〜(4)記載の遊技機の配線検査装置。
上述した(5)の発明によれば、遊技機の制御装置同士を接続する信号線が的確に接続されていることを判別することができるとともに、接続されている制御装置が適切なものであることを判別することができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、遊技機の制御装置同士を接続する信号線が的確に接続されていることを容易にかつ短時間に検査することができるとともに、不適切な装置が遊技機に組み込まれたり接続されたりした場合であっても的確に検出することができ、不正行為を許容する装置が接続されたりした場合であっても的確かつ容易にそのことを検出することができるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下に、本発明の実施例について図面に基づいて説明する。
本発明に係る遊技機の一例である弾球遊技機の概観を示す図を図1に示す。
【0035】
この弾球遊技機10には、遊技機の外郭保持枠をなす外枠12と、この外枠12に開閉自在に軸支される前枠14とが設けられており、前枠14には、ガラス扉16や、遊技球を受けるための上皿18及び下皿20や、打球ハンドル22や、遊技盤24を収容する収容部等の各種の部材が設けられている。
【0036】
遊技盤24には、レール26により区画された遊技領域28が設けられており、遊技領域28の略中央部には、図柄の画像等の種々の画像を表示する画像表示装置30が設けられている。さらに、遊技領域28には、図柄の変動開始の条件を定める特定入賞口32や、遊技が大当たりとなったときに開閉する大入賞口34や、その他複数の一般入賞口36及び38や、遊技球の落下に影響を及ぼす風車40及び42や、多数の遊技釘(図示せず)や、アウト口44も設けられている。
【0037】
上述した打球ハンドル22を遊技者が回動操作したときには、上皿18から打球発射部(図示せず)へ遊技球が1個ずつ供給され、遊技球は、打球ハンドル22の回動操作に応じた強度で、打球発射装置(後述する図2において示す160)によって遊技領域28に打球として発射される。
【0038】
遊技領域28に発射された打球は、上述した風車や遊技釘との接触を繰り返して移動方向を変えながら落下し、上述した各種の入賞口32〜38やアウト口44に流入することとなる。打球が、いずれかの入賞口32〜38に入賞したときには、所定数の遊技球が賞球として上皿18又は下皿20に払い出される。
【0039】
また、入賞口のうちの特定入賞口32に打球が入賞したときには、画像表示装置30に表示された図柄は変動を開始し、所定の動画像や図柄の変動態様が所定時間だけ表示された後、図柄の変動を停止する。図柄の変動を停止したときに、画像表示装置30に表示された図柄の停止態様が特定のものとなった場合、例えば、図柄が示す数値が1〜9のいわゆるぞろ目となった場合には、遊技は大当たりとなる。遊技が大当たりとなったときには、画像表示装置30において所定のデモ画像が表示された後、上述した大入賞口34が開放状態となり、打球が大入賞口34に流入可能となる。
【0040】
この大入賞口34の開放状態は、大入賞口34に打球が所定数入賞するまで、例えば10個入賞するまで、又は開放状態となってから所定時間経過するまで、例えば30秒経過するまで継続する。その後、大入賞口34は閉鎖状態となる。尚、大入賞口34が開放状態となっている間に、大入賞口34に設けられた特定領域(図示せず)を打球が通過していたときには、大入賞口34を一旦閉鎖状態とした後に再び開放状態とする。この大入賞口34の開放状態と閉鎖状態との動作は、複数回、例えば15回に至るまで繰り返され、その後、大入賞口34は閉鎖状態となる。
【0041】
図1に示した弾球遊技機の裏面の構造の一例を図2に示す。
弾球遊技機10の前枠14の裏側には、裏セット盤100が設けられており、裏セット盤100には、賞球用の予備タンク110や、賞球払出装置120や、賞球制御装置230や、賞球用の予備タンク110から賞球払出装置120へ貯留球を供給する賞球通路140や、弾球遊技機10を全体的に制御する主制御装置200や、打球発射装置160を制御する発射制御装置150が設けられている。
【0042】
上述した賞球制御装置230は、主制御装置200から発せられる制御信号に基づいて賞球に関する制御を行い、賞球払出装置120は、賞球制御装置230から発せられる制御信号に基づいて所定の個数の賞球を上皿18又は下皿20に払い出す。
【0043】
また、遊技盤24の裏面の略中央には、上述した画像表示装置30を制御する画像制御装置260も設けられている。
【0044】
上述した入賞口32〜38には、打球を案内する通路(図示せず)が接続されており、通路には、打球が通過したことを検出する入賞口センサ(後述する図3において示す170)が設けられている。この入賞口センサ170によって通過を検出された打球は、裏セット盤100の遊技済み球流路に流下し、弾球遊技機10の外部に排出される。
【0045】
一方、アウト口44に流入した打球は、入賞口センサ170に通過を検出されることなく、直ちに裏セット盤100の遊技済み球流路に流下し、弾球遊技機10の外部に排出される。
【0046】
上述した入賞口センサ170は、主制御装置200に電気的に接続されており、入賞口センサ170が、打球の通過を検出したときには、主制御装置200に検出信号を発する。主制御装置200は、賞球制御装置230に複数本の信号線(図示せず)を介して電気的に接続されており、主制御装置200は、入賞口センサ170から発せられた検出信号に基づいて、賞球制御装置230に賞球命令を発する。賞球制御装置230は、賞球払出装置120に電気的に接続されており、賞球制御装置230は、賞球払出装置120から所定数の賞球を払い出すべく、主制御装置200から発せられた賞球命令に従って賞球払出装置120を駆動し、賞球払出装置120は、所定の数の賞球を上皿18又は下皿20に払い出す。
【0047】
弾球遊技機10は、図3に示す如く、主制御装置200を中心に構成され、入賞口センサ170、画像制御装置260、賞球制御装置230、大入賞口駆動源180及び各種ランプ190の各々が電気的に接続されている。尚、大入賞口駆動源180は、上述した大入賞口34を開放状態又は閉鎖状態にするためのソレノイドであり、各種ランプ190は、遊技盤24上やその周囲に設けられ、遊技の進行状況に応じて点灯したり点滅したりするランプである。
【0048】
主制御装置200は、上述した画像表示装置30に表示する画像データの処理をするための画像制御装置260に複数の導電線からなる信号線(図示せず)により電気的に接続されている。また、画像制御装置260は、上述した画像表示装置30に電気的に接続されている。
【0049】
特定入賞口24の入賞口に遊技球が入賞したときには、上述した信号線を介して画像制御装置260に対して図柄の変動開始命令信号を発する。図柄の変動開始命令信号を受信した画像制御装置260は、画像制御装置260のリードオンリーメモリ等の記憶装置から所定の画像データ、例えば図柄の画像データを読み出し画像表示装置30に供給する。
【0050】
上述した弾球遊技機における主制御装置200と、賞球制御装置230や画像制御装置260との回路構成を示すブロック図を図4に示す。
【0051】
主制御装置200は、中央処理回路(以下、CPUと称する)202、リードオンリーメモリ(以下、ROMと称する)204、ランダムアクセスメモリ(以下、RAMと称する)206、クロック発生回路208、入出力インターフェイス回路210からなり、これらは入出力バス212に接続されており、入出力バス212は、データ信号又はアドレス信号が入出力されるようになされている。
【0052】
ROM204には、遊技を進行を制御するためのプログラムや、後述する図6図11、図14又は図19に示す如き識別信号を出力するためのサブルーチンのプログラムが記憶されている。これらのプログラムは、ROM204から適宜読み出されてCPU202により実行される。RAM206は、これらのプログラムが実行されるときに使用される変数の値やフラグの値を記憶する。
【0053】
ROM204には、後述する図7、図16、図17又は図18に示す如き信号線割当パターンも記憶されている。この信号線割当パターンは、図6に示すサブルーチンが実行されたときに、その値が読み出される。
【0054】
また、クロック発生回路208は、遊技の進行のタイミングを定めるためのクロック信号を所定の時間間隔で発する。
【0055】
尚、この主制御装置200には、上述した入賞検出センサ等のセンサ(図示せず)が接続されており、センサから発せられた信号に基づいて遊技の進行状況に応じた処理が実行される。
【0056】
賞球制御装置230や画像制御装置260の構成は、主制御装置200と同様の構成である。賞球制御装置230は、CPU232、ROM234、RAM236、クロック発生回路238、入出力インターフェイス回路240からなる。また、画像制御装置260は、CPU262、ROM264、RAM266、クロック発生回路268、入出力インターフェイス回路270からなる。
【0057】
賞球制御装置230のROM234には、賞球払出装置120を制御するためのプログラムや、主制御装置200から発せられた賞球命令に対応するデータ等の各種のデータが記憶されている。更に、賞球制御装置230のROM234には、後述する図9、図12又は図13に示す識別信号を受信するためのプログラムや、図10又は図15に示す信号線の状態を判断するためのプログラムが記憶されている。
【0058】
また、画像制御装置260のROM264には、画像表示装置30を制御するためのプログラムや、図柄の画像データ等の種々の画像データや表示すべきメッセージのデータが記憶されている。更に、画像制御装置260のROM264には、後述する図9、図12又は図13に示す識別信号を受信するためのプログラムや、図10又は図15に示す信号線の状態を判断するためのプログラムが記憶されている。
【0059】
上述した主制御装置200の入出力インターフェイス回路210は、信号線250を介して賞球制御装置230の入出力インターフェイス回路240に電気的に接続されている。また、主制御装置200の入出力インターフェイス回路210は、信号線280を介して画像制御装置260の入出力インターフェイス回路270にも電気的に接続されている。
【0060】
上述した主制御装置200から「遊技機における第1装置」が構成され、賞球制御装置230や画像制御装置260から「遊技機における第2装置」が構成される。尚、主制御装置200を「第2装置」として、賞球制御装置230や画像制御装置260を「第1装置」としてもよい。
【0061】
信号線250や280は、4本や8本等の2n本(nは正の整数値)の複数の導電線から構成されたり、7本や13本等の2n+m本(nは正の整数値、mは1以上で(2n+1−2n)未満の正の整数値)の複数の導電線から構成される。この信号線250や280から「遊技機における第1装置と第2装置とを互いに電気的に接続する2n本の信号線」や、「遊技機における第1装置と第2装置とを互いに電気的に接続する2n+m本の信号線」をなす。
【0062】
上述した主制御装置200と、賞球制御装置230や画像制御装置260との機能ブロック図を図5に示す。尚、この図5に示した機能ブロック図は、後述する如く、主制御装置200から発せられる識別信号を、賞球制御装置230や画像制御装置260で受信して、信号線250や280の接続状態を判断する機能に関するもののみを示す。上述した如く、主制御装置200と、賞球制御装置230や画像制御装置260とは、信号線250や280によって互いに電気的に接続されている。
【0063】
主制御装置200は、識別信号供給手段214を含み、識別信号供給手段214は、識別信号生成手段216と信号線割当手段218とからなる。信号線割当手段218は、信号線250又は280を構成する各々の信号線に対して如何なる識別信号を割り当てるかを定めるものである。また、識別信号生成手段216は、信号線割当手段218によって割り当てられた識別信号を生成するものである。このような構成とすることにより、識別信号供給手段214は、信号線250や280を構成する各々の信号線を識別し得る識別信号を賞球制御装置230や画像制御装置260に供給することができるのである。
【0064】
賞球制御装置230や画像制御装置260は、識別信号受信手段290を含み、識別信号受信手段290は、信号線判断手段292を含む。識別信号受信手段290は、信号線250や280に供給された信号を受信する。信号線判断手段292は、識別信号受信手段290により受信した信号が示す値に基づいて信号線250や280の接続状態を判断する。後述する如く、受信した信号が示す値とは、受信信号を2値化することにより得られるデータ値、例えば「0」又は「1」であり、信号線の接続状態の判断は、このデータ値から判断するものである。
【0065】
以下において、本発明の本質となる部分について、幾つかの実施形態を例示して説明する。尚、以下においては、弾球遊技機は起動されており、上述した如きCPU、ROM、RAM、入出力インターフェイス回路、入出力バス等は、定常動作しているものとする。
【0066】
〔第1実施例〕
上述した主制御装置200において実行される識別信号の送信処理のサブルーチンを図6に示す。
最初に、変数やフラグの値を初期化等を行う初期処理を実行し(ステップS11)、主制御装置200のROM204から信号線割当パターンを読み出す(ステップS12)。
この信号線割当パターンは、図7(a)に示す如きテーブルとしてROM204に記憶されている。図7(a)に示した例は、信号線250や280は、8本、即ち23本の信号線から構成されているときのものである。尚、便宜のために、8本の信号線を第1信号線〜第8信号線と称して区別することとする。また、信号が示す値については、2値化することにより得られるデータ値「0」又は「1」を用いて示す。
ステップS12が最初に実行されたときには、図7(a)に示したテーブルの第1回目の行が読み出される。即ち、第1信号線〜第4信号線に対しては「1」を、第5信号線〜第8信号線に対しては「0」となるパターンで信号線の各々に信号を割り当てることとなる。この図7(a)に示したテーブルの横方向の1つの行に示したパターンが1つの「信号線割当パターン」を示すものである。
ステップS12の処理を実行した後、信号を出力するタイミングであるか否かを判断する(ステップS13)。信号を出力するタイミングでないと判別したときには、信号を出力するタイミングまで待機する。一方、信号を出力するタイミングであると判別したときには、ステップS12で読み出した信号線割当パターンに応じた信号を生成して(ステップS14)、生成した信号を信号線250や280に出力する(ステップS15)。
ここで生成される信号は、例えば、データ値「0」については0ボルトの電圧信号として生成され、データ値「1」については5ボルトの電圧信号として生成される。尚、信号の電圧値は、ここで示した電圧値に限られず、例えば、データ値「0」については2.5ボルトの電圧信号として生成し、データ値「1」については4.6ボルトの電圧信号として生成することとしてもよい。このような信号を生成することとしたことにより、「低レベルの信号」や「高レベルの信号」をなすこととなる。
尚、上述した実施例においては、電圧の値により高低を区別する場合を示したが、信号線250や280を流れる信号を検出し得るなんらかの測定手段により高低を識別し得る信号であるならば、「低レベルの信号」や「高レベルの信号」に含まれることとなる。
【0067】
次に、全ての信号線割当パターンについて信号線250や280に信号を出力したか否かを判断する(ステップS16)。この判断は、後述する如く、信号線の本数が2n本であるときには、n回に至ったか否かを判断するものである。例えば、信号線の本数が8本であるときには、3回に至ったかを判断するのである。
全ての割当パターンを信号線250や280に出力していないと判別したときには、上述したステップS12に処理を戻す。2回目の処理を行うときには、ステップS12においては、図7(a)に示す第2回目の行の信号線割当パターンを読み出す。即ち、第1信号線、第2信号線、第5信号線及び第6信号線に対しては「1」を、第3信号線、第4信号線、第7信号線及び第8信号線に対しては「0」となる信号線割当パターンで信号線の各々に信号を割り当てる。
また、3回目のステップS12の処理が実行されたときには、図7(a)に示す第3回目の行の信号線割当パターンを読み出す。即ち、第1信号線、第3信号線、第5信号線及び第7信号線に対しては「1」を、第2信号線、第4信号線、第6信号線及び第8信号線に対しては「0」となる信号線割当パターンで信号線の各々に信号を割り当てるのである。
信号線の本数が8本のときには、上述した如く、ステップS12〜S16の処理を3回繰り返す。第1回目のときには、図7(a)に示したテーブルの第1回目の行を読み出して信号を生成し、第2回目のときには、図7(a)に示したテーブルの第2回目の行を読み出して信号を生成され、第3回目のときには、図7(a)に示したテーブルの第3回目の行を読み出して信号を生成するのである。ステップS12〜S16の処理が3回繰り返されると、上述したステップS16において、全ての信号線割当パターンについて信号線250や280に信号を出力したと判別して本サブルーチンを終了する。
このような処理をすることにより、信号線の本数が2n本のときには、n回までステップS12〜S16の処理を繰り返すこととなる。
上述したステップS12〜S16の処理を繰り返し実行することにより、2n本の信号線の各々を識別することができる識別信号、即ち、2n本の信号線の全てについて異なる信号を生成することができるのである。例えば、第1信号線について生成された信号は、「1」−「1」−「1」であり、これが第1信号線の識別信号である。また、第6信号線について生成された信号は、「0」−「1」−「0」であり、これが第6信号線の識別信号である。
また、信号線の本数が2n本のときには、n+1回までステップS12〜S16の処理を繰り返すこととしてもよい。例えば、信号線の本数が8本であるときには、4回までステップS12〜S16の処理を繰り返すのである。
【0068】
上述した実施例において、第4回目の信号を生成するときには、図7(a)に示す第4回目の行の信号線割当パターンを読み出して信号を生成する。即ち、第1信号線に対してはデータ値「0」を、第8信号線に対してはデータ値「1」となる信号線割当パターンで信号を割り当てる。尚、図7(a)の第4回目の行に示した「−」の記号は、任意のデータ値の信号を割り当ててよいことを示すものである。即ち、第4回目の行の信号線割当パターンにおいて、第2信号線〜第7信号線に対してはデータ値「0」を割り当ててもデータ値「1」を割り当ててもよいのである。
4回まで信号線を割当てることとした場合には、第1信号線の識別信号は、「1」−「1」−「1」−「0」となり、第8信号線の識別信号は、「0」−「0」−「0」−「1」となる。
このように4回まで信号線の割当てを行い識別信号を生成するとしたときには、後述する如く、2n本の信号線の全てについて、その接続状態を的確に判別することができるのである。
このような処理をすることにより、「前記n回までの各回の全てについて低レベルの信号を発した信号線については、高レベルの信号を、かつ前記n回までの各回の全てについて高レベルの信号を発した信号線については、低レベルの信号を、n+1回目に生成すること」をなす。
【0069】
図7(a)に示した信号線割当パターンで図6に示したフローチャートの処理を実行したときに生成される識別信号のタイムチャートを図8に示す。尚、この図8に示した例は、信号線の本数が8本のときで、4回まで信号線の割当てを行って信号を生成したときのものである。また、第4回目の信号線の割当てにおいて、第2信号線〜第7信号線についてはデータ値「0」を割り当てたものである。
第1信号線〜第8信号線について第1回目の信号の割当によって生成された信号は、SG11〜SG81である。このSG11〜SG81は、図7(a)の第1回目の行の信号線割当パターンに対応することとなる。また、第1信号線〜第8信号線について第2回目の信号の割当によって生成された信号SG12〜SG82は、図7(a)の第2回目の行の信号線割当パターンに対応する。更に、第1信号線〜第8信号線について第3回目の信号の割当によって生成された信号SG13〜SG83は、図7(a)の第3回目の行の信号線割当パターンに対応し、第4回目の信号の割当によって生成された信号SG14〜SG84は、図7(a)の第4回目の行の信号線割当パターンに対応する。
このようにして生成された信号は、第1信号線〜第8信号線の全てについて異なる信号となり、第1信号線〜第8信号線を識別することができる識別信号をなすこととなる。例えば、第2信号線については、SG21とSG22とSG23とSG24とから、「1」−「1」−「0」−「0」なる識別信号をなし、第7信号線については、SG71とSG72とSG73とSG74とから、「0」−「0」−「1」−「0」なる識別信号をなす。
上述した実施例においては、図7(a)に示した信号線割当パターンを用いて図6に示したフローチャートの処理を実行したときのものを示したが、図7(b)〜(d)に示した信号線割当パターンを用いて図6に示したフローチャートの処理を実行することとしてもよい。
【0070】
図7(b)に示した例においては、第1回目の割当てでは、第1信号線、第3信号線、第5信号線及び第7信号線に対しては「1」を、第2信号線、第4信号線、第6信号線及び第8信号線に対しては「0」を割当てる。第2回目には、第1信号線、第2信号線、第5信号線及び第6信号線に対しては「1」を、第3信号線、第4信号線、第7信号線及び第8信号線に対しては「0」を割当てる。更に、第3回目には、第1信号線、第2信号線、第3信号線及び第4信号線に対しては「1」を、第5信号線、第6信号線、第7信号線及び第8信号線に対しては「0」を割当てる。このように信号を生成することとしても、第1信号線〜第8信号線の全てについて異なる信号を生成することができ、この信号を第1信号線〜第8信号線を識別することができる識別信号とすることができる。
図7(c)や図7(d)に示した例においても、第1信号線〜第8信号線の全てについて異なる信号を生成することができ、この信号を第1信号線〜第8信号線を識別することができる識別信号とすることができる。
この図7(a)〜(d)に示した如く、割当の各回のパターンは全て異なるものであるが、常に、半分の信号線に対しては「1」を割当て、残りの半分の信号線に対しては「0」を割当てている。このような処理をすることにより、「各回ごとの信号生成に際して、2n/2本の信号線には低レベルの信号を割り当て、残りの信号線には高レベルの信号を割り当てた信号線割当パターンで信号を生成する」ことをなし得る。
また、図7(a)〜(d)に示した割当パターンに限られることはなく、信号線の各々に割り当てる各回の割当パターンの全てが異なるものであればよく、「各回ごとの信号線割当パターンの全てを異ならしめて前記識別信号を生成する」こともなし得るのである。
また、上述した如き構成で処理を実行することにより、「前記信号線の各々について、前記低レベルの信号又は前記高レベルの信号のいずれかの信号を順次生成し、これをn回まで行って生成した信号を前記識別信号として前記信号線に発する」ことをなし得る。
【0071】
更に、図7に示した如き信号線割当パターンを用いて識別信号を生成することにより、「今回の信号線の割り当てについて、前回の信号線の割り当ての際に低レベルの信号が割り当てられた信号線の半分の信号線については、低レベルの信号を割り当て、残りの信号線については、高レベルの信号を割り当て、かつ、前回の信号線の割り当ての際に高レベルの信号が割り当てられた信号線の半分の信号線については、高レベルの信号を割り当て、残りの半分の信号線については、低レベルの信号を割り当てる」こともなし得るのである。
更にまた、上述した主制御装置200のROM204に記憶させる信号線割当パターンを、遊技機の種類や、演出の種類や、遊技の開始を可能状態する形式等の遊技の態様に基づいて異ならしめて記憶させておくこととしてもよい。
例えば、遊技機が弾球遊技機である場合には、図7(a)に示した如き信号線割当パターンをROM204に記憶させ、遊技機が回胴式遊技機である場合には、図7(b)に示した如き信号線割当パターンをROM204に記憶させておく。このようにすることで、図6に示したフローチャートのステップS12が実行されたときに、遊技機が弾球遊技機である場合には、図7(a)に示した如き信号線割当パターンに応じて生成された信号が識別信号として発せられ、遊技機が回胴式遊技機である場合には、図7(b)に示した如き信号線割当パターンに応じて生成された信号が識別信号として発せられるのである。
このようにしたことにより、主制御装置200が、弾球遊技機で使用されるべきものか回胴式遊技機で使用されるべきものかを識別することができるとともに、本来接続されることのない装置が接続された場合であっても、そのことを的確に検出することができるのである。このような構成及び処理とすることにより、識別信号を遊技機の種類に基づいて異ならしめることができるのである。
【0072】
また、遊技機が弾球遊技機である場合において、遊技機がいわゆる現金機と称される遊技機のときには、図7(b)に示した如き信号線割当パターンをROM204に記憶させ、遊技機がいわゆるCR機(カードリーダ機)と称される遊技機のときには、図7(d)に示した如き信号線割当パターンをROM204に記憶させておくこととしてもよい。
この場合において図6に示した処理を実行することにより、現金機の場合には、図7(b)に対応する信号が識別信号として発せられ、CR機の場合には、図7(d)に対応する信号が識別信号として発せられるのである。
このようにしたことにより、主制御装置200が、現金機で使用されるべきものかCR機で使用されるべきものかを的確にかつ容易に識別することができるが故に、本来接続されることのない装置が遊技機に組み込まれた場合であっても、そのことを的確に検出することができる。例えば、不正行為を行うべく、CR機に組み込まれるべき主制御装置200が、現金機に組み込まれたような場合や、その逆の場合であっても、そのことを検出することができるのである。さらにまた、本来CR機に組み込まれるべき賞球制御装置が、現金機に組み込まれたような場合や、その逆の場合であっても、主制御装置200は、そのことを検出することができるのである。
このような構成及び処理とすることにより、識別信号を遊技の開始を可能状態する形式に基づいて異ならしめることができるのである。
【0073】
更に、画像表示装置30の解像度や表示可能色の数等の仕様の制限から、画像制御装置260を適切に組み込む必要が生ずる場合がある。例えば、ある仕様の場合には、図7(c)に示した如き信号線割当パターンをROM204に記憶させ、他の仕様の場合には、図7(b)に示した如き信号線割当パターンをROM204に記憶させておくのである。このような場合であっても、図6に示した処理を実行することにより、適切な仕様の画像制御装置260が組み込まれたか否かを的確に検出することができるのである。
【0074】
更にまた、適切な画像制御装置が接続されているか否かを検出することのみならず、ランプ190等の制御装置が適切な装置として接続されているか否かも同様に検出することができる。例えば、遊技の進行に伴って行う演出に要するランプ190の種類や数に応じた制御装置が接続されているか否かを検出することができるのである。このようにして、演出装置とその制御装置とが不適切な組合せとなった場合も、そのことを的確に検出することができる。このような構成及び処理とすることにより、信号線割当パターンを、演出の種類に基づいて異ならしめることができるのである。
このような構成としたことにより、「前記識別信号生成手段は、前記遊技機における遊技の態様によって定まる前記第1装置及び前記第2装置の機能に基づいて異なる識別信号を生成する」ことをなし得るのである。尚、ここで、「前記遊技機における遊技の態様」とは、遊技の種類、例えば弾球遊技機であるか回胴式遊技機であるか、さらに、遊技の進行に従ってなされる遊技の演出、例えば遊技機に設けられている画像表示装置やランプ等においてなされる演出も含むものである。また、遊技の開始を可能状態する形式、例えばいわゆる現金機かCR機かをも含む概念である。
【0075】
上述した如き構成をなし処理をすることにより、装置の製造時や修理時において、装置を組立てたり装置同士を接続したりするときに、不適切な装置が遊技機に組み込まれたり接続されたりした場合であっても的確に検出することができるのである。また、不正行為を許容する装置が接続されたりした場合であっても的確かつ容易にそのことを検出することができるのである。
賞球制御装置230や画像制御装置260において実行される識別信号の受信処理のサブルーチンを図9に示す。
【0076】
最初に、変数やフラグの値を初期化等を行う初期処理を実行する(ステップS21)。次いで、信号線250又は280を構成する信号線のうちのいずれかの信号線の信号が示す値が変化したか否かを判断する(ステップS22)。例えば、図8に示した如き信号が、信号線250や280に供給されたときには、識別信号の第1回目のものであるSG11〜SG81のうちのSG11〜SG41は、「0」から「1」へと信号の値が変化する。この信号の値が変化したときを検出することにより、信号線のいずれかの信号線の信号の値が変化したか否かを判断するのである。
次いで、受信した信号の値を2値化することによりデータ化して(ステップS23)、得られたデータの値をRAM236又は266に記憶する(ステップS24)。以下、この処理により得られたデータを受信データと称する。
次に、所定の回数だけ信号を受信したか否かを判断する(ステップS25)。この所定の回数は、上述したステップS16と同様に、信号線の本数が2n本であるときには、n回又はn+1回である。
信号線250や280に供給された信号を全て受信した後、後述する如き判断処理のサブルーチンを呼び出して実行した後(ステップS26)、本サブルーチンを終了する。
上述した図9のステップS26において呼び出されて実行される判断処理のサブルーチンを図10に示す。
最初に、変数iの値を初期化、例えば1に設定する(ステップS31)。この変数iの値は、信号線の番号を示すもので、上述した例においては、第1信号線〜第8信号線の1〜8に相当する。
次に、上述したRAM236又は266からi番目の信号線のデータを読み出す。例えば、上述した信号線が8本のときの例における第1信号線についての識別信号が、正常に受信されたならば、RAM236又は266から読み出した受信データは、「1」−「1」−「1」−「0」のはずである(ステップS32)。
次いで、上述したROM234又は264に予め記憶されているi番目の信号線についてのチェックデータを読み出す(ステップS33)。このチェックデータは、信号線250や280が適切に接続されているならば受信されることとなる識別信号を2値化してデータ化したものである。
この後、実際に受信したi番目の信号線についての受信データと、ROM234又は264から読み出したチェックデータと、を比較する(ステップS34)。受信データとチェックデータとが異ならないと判別したときには、受信した信号は、予定していた識別信号に一致したとして、後述するステップS40に処理を移す。
【0077】
一方、受信データとチェックデータとが異なると判別したときには、読み出した受信データの値が全て「1」であるか否かを判断する(ステップS35)。受信データの値が全て「1」であると判別したときには、i番目の信号線は、短絡状態にあると決定する(ステップS36)。受信データの値が全て「1」でないと判別したときには、受信データの値が全て「0」であるか否かを判断する(ステップS37)。受信データの値が全て「0」であると判別したときには、i番目の信号線は、断線状態にあると決定する(ステップS38)。受信データの値が全て「0」でないと判別したときには、i番目の信号線については、配線間違いがなされたと決定する(ステップS39)。
上述したステップS34、ステップS36、ステップS38又はステップS39の処理を実行した後、変数iの値を1だけ増加して(ステップS40)、全ての信号線について判断したか否かを判断する(ステップS81)。即ち、2n本の信号線の全てについて判断したかを判断するのである。全ての信号線について判断していないと判別したときには、上述したステップS32に処理を戻す。
また、ステップS81において、全ての信号線について判断したと判別したときには、本サブルーチンを直ちに終了する。
上述した如く、信号線の本数が8本のときには、信号線の割当の回数は、3回又は4回である。信号線の割当の回数を3回としたときには、第2信号線〜第7信号線については、上述した判断処理により、信号線の接続状態を判断することができる。しかしながら、信号線の割当の回数を3回としたときには、第1信号線は、「1」−「1」−「1」であり全て「1」であるが故に、上述した判断処理では、信号線の接続状態を判断することができない。また、信号線の割当の回数を3回としたときには、第8信号線は、「0」−「0」−「0」であり全て「0」であるが故に、上述した判断処理では、信号線の接続状態を判断することができない。
このようなことから、信号線の割当の回数を4回とし、第4回目の割当で、第1信号線には「0」を割り当て、第8信号線には「1」を割り当てるのである。このようにすることにより、上述した判断処理で、全ての信号線の接続状態を判断することができるのである。
このように信号線の本数が2n本であるときに、n+1回まで信号線の割当をすることにより、全ての信号線の接続状態を判断することができるのである。
【0078】
〔第2実施例〕
上述した第1実施例は、主制御装置200から賞球制御装置230や画像制御装置260へ識別信号を一方的に送信するものであった。これに対して賞球制御装置230や画像制御装置260から主制御装置200へ送信許可信号を送信し、送信許可信号を受信したときのみ、賞球制御装置230や画像制御装置260へ主制御装置200が識別信号を送信する構成、いわゆるアンサーバック方式を採用する構成としてもよい。以下にその例を示す。
この場合における主制御装置200において実行される識別信号の送信処理のサブルーチンを図11に示す。尚、このサブルーチンは、上述した図6のサブルーチンに対応するもので、同一の処理をするステップについては、同一の符号を付して示し、一部の処理の説明については省略することとする。
ステップS17においては、賞球制御装置230や画像制御装置260から送信許可信号が送信されたか否かを判断する。送信許可信号が送信されたと判別したときには、割当パターンに応じた信号を生成し(ステップS14)、生成した信号を識別信号として賞球制御装置230や画像制御装置260に送信するのである(ステップS15)。
一方、賞球制御装置230や画像制御装置260においては、図12に示す如きサブルーチンが実行される。尚、このサブルーチンは、上述した図9のサブルーチンに対応するもので、同一の処理をするステップについては、同一の符号を付して示し、一部の処理の説明については省略することとする。
ステップS21において初期処理を実行した後、送信許可信号を主制御装置200に送信するかを判断する(ステップS27)。この判断は、例えば、賞球制御装置230や画像制御装置260において、主制御装置200からの信号を受信して処理を実行する余裕があるか否か、又は主制御装置200からの信号を受信すべきタイミングであるか否かを判断することにより行われるものである。
送信許可信号を主制御装置200に送信しないと判別したときには、そのまま待機する。一方、送信許可信号を主制御装置200に送信すると判別したときには、送信許可信号を主制御装置200に送信し(ステップS28)、上述した如きステップS22以降の処理を実行する。
このように賞球制御装置230や画像制御装置260から送信許可信号を受信したときにのみ、主制御装置200から識別信号を賞球制御装置230や画像制御装置260に送信する構成にすることにより、余裕をもって信号を受信することができ、受信した信号を的確に判断することができるのである。
尚、この第3実施例においても、上述した第1実施例と同様に、主制御装置200のROM204に記憶させる信号線割当パターンを、遊技機の種類や、演出の種類や、遊技の開始を可能状態する形式等の遊技の態様に基づいて異ならしめて記憶させておくこととしてもよい。図11に示したフローチャートが実行されたときには、上述した第1実施例において説明した如く、遊技機の種類や、演出の種類や、遊技の開始を可能状態する形式等の遊技の態様に基づいて異なる識別信号を発することができるのである。
このような構成としたことにより、「前記識別信号生成手段は、前記遊技機における遊技の態様によって定まる前記第1装置及び前記第2装置の機能に基づいて異なる識別信号を生成する」ことをなし得るのである。このようにすることにより、装置の製造時や修理時において、装置を組立てたり装置同士を接続したりするときに、不適切な装置が遊技機に組み込まれたり接続されたりした場合であっても的確に検出することができるのである。また、不正行為を許容する装置が接続されたりした場合であっても的確かつ容易にそのことを検出することができるのである。
【0079】
〔第3実施例〕
更に、賞球制御装置230や画像制御装置260が受信した信号について判断し、その結果に基づいて上述した送信許可信号を発するか否かを定めることとしてもよい。
このような構成としたときにおける賞球制御装置230や画像制御装置260において実行される識別信号の受信処理のサブルーチンを図13に示す。尚、このサブルーチンは、上述した図9や図11のサブルーチンに対応するもので、同一の処理をするステップについては、同一の符号を付して示し、一部の処理の説明については省略することとする。
ステップS23において、受信した信号の値を2値化することによりデータ化した後、この受信データの値に基づいて受信した信号が予定していた信号と一致するか否かを判断する(ステップS29)。尚、このステップS29における処理は、上述した第1実施例において示した図10のステップS32〜S34と同様の処理をするもので、実際に受信した信号を2値化した受信データと、ROM234又は264から読み出したチェックデータと、を比較する処理を行うものである。
例えば、図7(a)に示した信号線割当パターンで主制御装置200が信号を出力すると定めた場合には、主制御装置200から識別信号として出力される第1回目の信号は、第1信号線〜第8信号線の全てについて、「1」−「1」−「1」−「1」−「0」−「0」−「0」−「0」であり、賞球制御装置230や画像制御装置260においては、この信号が受信されるはずである。従って、賞球制御装置230や画像制御装置260は、受信した信号が主制御装置200から出力された信号と一致するか否かをステップS29において判断するのである。
ステップS29において、受信した信号が予定していた信号と一致すると判別したときには、送信許可信号を主制御装置200に送信し、上述したステップS25の処理を実行する。一方、ステップS29において、受信した信号が予定していた信号と一致しないと判別したときには、直ちに本サブルーチンを終了する。
このような処理をすることとするにより、信号線の接続状態を迅速に判断することができるとともに、識別信号の送受信を的確に行うことができるのである。
【0080】
〔第4実施例〕
上述した第1実施例〜第3実施例は、主制御装置200において、ROM204に予め記憶されている信号線割当パターンに応じて信号を生成する場合を示したが、これに限られず、信号を生成する際にその度ごとに演算処理により信号線割当パターンを定めることとしてもよい。
このような処理をするサブルーチンを図14に示す。尚、このサブルーチンは、上述した図6のサブルーチンに対応するもので、同一の処理をするステップについては、同一の符号を付して示し、一部の処理の説明については省略することとする。
最初に、初期処理を行う(ステップS11)。尚、このサブルーチンにおける処理は、全ての信号線に対して「0」を割当てる処理、又は全ての信号線に対して「1」を割当てる処理、並びに図14に示したステップS41〜S15の処理を繰り返して実行する最大回数nの値を定める処理を含む。
次に、「1」が割当てられていた信号線の半分の信号線については、「0」を割当て(ステップS41)、「1」が割当てられていた信号線の残りの半分の信号線について、「1」を割当てる(ステップS42)。次いで、「0」が割当てられていた信号線の半分の信号線については、「0」を割当て(ステップS43)、「0」が割当てられていた信号線の残りの半分の信号線について、「1」を割当てる(ステップS44)。この後、上述したステップS13〜ステップS15の処理を実行した後、ステップS41〜S15の処理を実行した回数が、上述したステップS11において定めた最大回数nに至ったか否かを判断する(ステップS45)。処理回数が、最大回数nに至っていないと判別したときには、ステップS41に処理を戻す。一方、処理回数が、最大回数nに至ったと判別したときには、直ちに本サブルーチンを終了する。
上述した処理を実行することにより、例えば、信号線の本数が8本である場合に、上述したステップS41〜ステップS44の処理を最初に実行したときには、図7(a)の第1回目の信号線割当パターンと同一のものが得られる。また、2回目にステップS41〜ステップS44の処理を実行したときには、図7(a)の第2回目の信号線割当パターンと同一のものが得られる。更に、3回目にステップS41〜ステップS44の処理を実行したときには、図7(a)の第3回目の信号線割当パターンと同一のものが得られることとなる。
尚、上述したステップS45の処理を実行した後に、n回までの割当において、全て「0」が割当てられた信号線に対しては「1」を割当て、全て「1」が割当てられた信号線に対しては「0」を割当てて信号を出力することとしたときには、間違えて配線されたことや、配線が不正に入れ替えられたこと等の不具合を判別することもできるようになる。
このような処理を追加することにより、「前記識別信号供給手段は、前記n回までの各回の全てについて低レベルの信号を発した信号線については、高レベルの信号を、かつ前記n回までの各回の全てについて高レベルの信号を発した信号線については、低レベルの信号を、n+1回目に生成する」ことをなし得るのである。
上述した如き処理をすることによっても、「前記信号線の各々について、前記低レベルの信号又は前記高レベルの信号のいずれかの信号を順次生成し、これをn回まで行って生成した信号を前記識別信号として前記信号線に発する」ことと、「各回ごとの信号生成に際して、2n/2本の信号線には低レベルの信号を割り当て、残りの信号線には高レベルの信号を割り当てた信号線割当パターンで信号を生成するとともに、各回ごとの信号線割当パターンの全てを異ならしめて前記識別信号を生成する」ことをなし得るのである。
尚、上述したステップS41〜S44の処理を実行する際に、遊技機の種類や、演出の種類や、遊技の開始を可能状態する形式等の遊技の態様に基づいて異なるように、信号線を割り当てることとしてもよい。この処理は、ステップS41〜S44の処理の各々において、「0」や「1」を割り当てるべき信号線を遊技の態様に基づいて選択しておき、選択した信号線について「0」や「1」を割り当てることにより行うことができる。
このような処理をすることによっても、上述した第1実施例における場合と同様に、遊技機の種類や、演出の種類や、遊技の開始を可能状態する形式等の遊技の態様に基づいて異なる識別信号を発することができるのである。
このような処理をすることにより、「前記識別信号生成手段は、前記遊技機における遊技の態様によって定まる前記第1装置及び前記第2装置の機能に基づいて異なる識別信号を生成する」ことをなし得るのである。このようにしたことによって、装置の製造時や修理時において、装置を組立てたり装置同士を接続したりするときに、不適切な装置が遊技機に組み込まれたり接続されたりした場合であっても的確に検出することができるのである。また、不正行為を許容する装置が接続されたりした場合であっても的確かつ容易にそのことを検出することができるのである。
【0081】
〔第5実施例〕
上述した図10に示した判断処理は、信号線の各々について各回に受信した信号の各々について判断するものであったが、受信した信号の全ての回数のものを一度に判断することとしてもよい。このように処理する例を図15に示す。
最初に、変数である検査データを初期化、例えば検査データに0を代入し(ステップS51)、変数iに2を格納する(ステップS52)。
次いで、第1回目の受信データと第i回目の受信データとのXOR演算を行い、その結果を変数Zに格納し(ステップS53)、Zと検査データとのOR演算を行い、その結果を検査データに格納する(ステップS54)。
次に、変数iの値を1だけ増加させ(ステップS55)、変数iの値が受信に要した全回数以下であるか否かを判断する(ステップS56)。この受信に要した全回数は、例えば、信号線の本数が8本であるときには、4回である。即ち、信号線の本数が2n本のときには、n+1回である。変数iの値が受信に要した全回数以下であると判別したときには、処理をステップS53に戻す。
実際に受信した信号が予定していた信号であるならば、上述したステップS53及びS54の処理を繰り返し実行する間に、受信データが「0」となるときと、「1」となるときとの双方の場合が必ず生ずる。このため、処理を繰り返す間に、ステップS53におけるXOR演算によって得られるZの値は必ず1となり、ステップS54におけるOR演算によって検査データの値は1となる。検査データの値が一旦「1」となったときは、その後、Zの値が「0」となったときにおいても、「1」となったときにおいても、検査データの値は常に「1」となるのである。このような処理を実行することにより、実際に受信した信号が予定していた信号であるときには、検査データの値は「1」となるのである。
上述したステップS56において、変数iの値が受信に要した全回数より大きいと判別したときには、変数kに1を代入し(ステップS57)、k番目の信号線の検査データの値が1であるか否かを判断する(ステップS58)。k番目の信号線の検査データの値が1であると判別したときには、後述するステップS62に処理を移す。k番目の信号線の検査データの値が1でないと判別したときには、k番目の信号線は、短絡状態にあると決定する(ステップS60)。受信データの値が全て「1」でないと判別したときには、k番目の信号線は、断線状態にあると決定する(ステップS61)。
上述したステップS58、S60又はS61の処理を実行した後、変数kの値を1だけ増加させ(ステップS62)、変数kの値が信号線の全本数以下であるか否かを判断する(ステップS62)。変数kの値が信号線の全本数以下であると判別したときには、処理をステップS58に戻し、変数kの値が信号線の全本数より大きいと判別したときには、本サブルーチンを終了する。
このような処理をすることとしたことにより、判断処理を簡略なものにすることができるのである。
【0082】
〔第6実施例〕
上述した実施例は、信号線の本数が2n本(nは正の整数)、例えば、8本や16本である場合のものを示したが、信号線の本数が2n+m本(nは正の整数値で、mは1以上で(2n+1−2n)未満の正の整数値)である場合の例を以下に示す。
信号線の本数が2n+m本であるときには、2n+1本の仮想的な信号線を想定して識別信号を生成することにより行うことができる。
例えば、信号線の本数が5本であるときには、n=2、m=1であるので、本数が22+1本=8本である仮想的な信号線を想定して識別信号を生成する。その例を図16(a)〜(d)に示す。この図16(a)〜(d)は、図7(a)に示した信号線割当パターンを仮想的な8本の信号線の信号線割当パターンとするものである。即ち、図7(a)に示した8本分の信号線割当パターンを仮想的な8本の信号線の信号線割当パターンとし、この8本分の信号線割当パターンから5本分の信号線割当パターンを選択し、その選択した信号線割当パターンを現実の5本の信号線の信号線割当パターンとして割り振るのである。
図16(a)に示した例においては、図7(a)に示した8本分の信号線割当パターンのうちの第1信号線〜第5信号線のものを、現実の5本の信号線の第1信号線〜第5信号線の信号線割当パターンとしたものである。
また、この図16(b)は、図7(a)に示した8本分の信号線割当パターンのうちの第2信号線〜第6信号線のものを、現実の5本の信号線の第1信号線〜第5信号線の信号線割当パターンとしたものである。同様に、図16(c)は、図7(a)に示した8本分の信号線割当パターンのうちの第3信号線〜第7信号線のものを、現実の5本の信号線の第1信号線〜第5信号線の信号線割当パターンとしたもので、図16(d)は、図7(a)に示した8本分の信号線割当パターンのうちの第4信号線〜第8信号線のものを、現実の5本の信号線の第1信号線〜第5信号線の信号線割当パターンとしたものである。
尚、図16(a)〜(d)に示した例は、図7(a)に示した8本の信号線の信号線割当パターンから連続した信号線を選択して、現実の5本の信号線に割り振る場合を示したが、これに限られず8本の信号線のうちから任意の5本の信号線を選択して現実の5本の信号線に割り振ることとしてもよい。例えば、図7(a)に示した8本の信号線のうちの第1信号線、第3信号線、第4信号線、第6信号線及び第8信号線を選択して、これらを現実の5本の信号線に割り振ることとしてもよい。
【0083】
また、信号線の順序を異なるものとしてもよい。例えば、現実の信号線の第1信号線に仮想的な信号線の第6信号線を割り振り、現実の信号線の第2信号線に仮想的な信号線の第3信号線を割り振り、現実の信号線の第3信号線に仮想的な信号線の第8信号線を割り振り、現実の信号線の第4信号線に仮想的な信号線の第3信号線を割り振り、現実の信号線の第5信号線に仮想的な信号線の第8信号線を割り振ることとしてもよい。
図17(a)〜(c)に示した例においては、図7(a)に示した8本分の信号線割当パターンのうちの6本分の信号線割当パターンを選択し、これを現実の6本の信号線の第1信号線〜第6信号線の信号線割当パターンとしたものである。
図18(a)及び(b)に示した例においては、図7(a)に示した8本分の信号線割当パターンのうちの7本分の信号線割当パターンを選択し、これを現実の7本の信号線の第1信号線〜第7信号線の信号線割当パターンとしたものである。
上述した図16〜図18に示した如き信号線割当パターンをROM204に予め記憶させておき、これを読み出すことにより識別信号を生成することができるのである。
即ち、仮想的な2n+1本分の信号線割当パターンから2n+m本分の信号線割当パターンを選択し、その選択した信号線割当パターンを現実の2n+m本の信号線の信号線割当パターンとして割り振ることにより、信号線の本数が2n+m本であるときにおける信号線割当パターンを得ることができる。このように得られた信号線割当パターンをROM204に予め記憶させておき、上述した図6に示したサブルーチンを実行することにより、信号線の本数が2n+m本であるときにも、信号線の接続状態を検査することができるのである。
上述した如き構成としたことにより、「前記信号線の各々について、前記低レベルの信号又は前記高レベルの信号のいずれかの信号を順次生成し、これをn+1回まで行って生成した信号を前記識別信号として前記信号線に発する」ことと、「前記信号線が2n+1本あるとして、各回ごとの信号生成に際して、2n+1/2本の信号線には低レベルの信号を割り当て、残りの信号線には高レベルの信号を割り当てた信号線割当パターンで信号を生成するとともに、各回ごとの信号線割当パターンの全てを異ならしめて2n+1個の識別信号を生成するとしたときにおける前記2n+1個の識別信号のうちの2n+m個の識別信号を、前記2n+m本の信号線の各々に供給すること」をなし得るのである。
【0084】
〔第7実施例〕
上述した第6実施例は、主制御装置200において、ROM204に予め記憶されている割当パターンに応じて信号を生成する場合を示したが、これに限られず、信号を生成する際にその度ごとに演算処理により信号線割当パターンを定めることとしてもよい。
このような処理をするサブルーチンを図19に示す。尚、このサブルーチンは、上述した図14のサブルーチンに対応するもので、同一の処理をするステップについては、同一の符号を付して示し、一部の処理の説明については省略することとする。
最初に、主制御装置200のRAM206内に、2n+1本分の仮想的な信号線の信号線割当パターンを記憶するための記憶領域を確保する(ステップS71)。次に、ステップS71で確保した記憶領域に同一のデータを記憶させることにより、2n+1本分の信号線割当パターンの全てに同一のデータを代入する(ステップS72)。例えば、2n+1本分の信号線割当パターンの全てに「0」を代入するか、又は「1」を代入する。次いで、現実の2n本分の信号線割当パターンを割り振るべく、2n+1本から2n本を選択して、選択したものを現実の2n本の信号線に対応付ける(ステップS73)。
次に、図14のステップS41〜S44の処理を実行する。尚、このステップS41〜S44の処理は、2n+1本分の仮想的な信号線の信号線割当パターンに対して行うもので、ステップS71で確保された記憶領域のデータを更新していくことにより行われる。
ステップS41〜S44の処理で2n+1本分の仮想的な信号線の信号線割当パターンが得られた後、現実の2n本の信号線について、信号を生成して出力するのである(ステップS14〜S16)。
このように処理することにより、信号生成の度に演算処理を行って信号線割当パターンを得ることができるのである。
このような処理をすることによっても、「前記信号線の各々について、前記低レベルの信号又は前記高レベルの信号のいずれかの信号を順次生成し、これをn+1回まで行って生成した信号を前記識別信号として前記信号線に発する」ことと、「前記信号線が2n+1本あるとして、各回ごとの信号生成に際して、2n+1/2本の信号線には低レベルの信号を割り当て、残りの信号線には高レベルの信号を割り当てた信号線割当パターンで信号を生成するとともに、各回ごとの信号線割当パターンの全てを異ならしめて2n+1個の識別信号を生成するとしたときにおける前記2n+1個の識別信号のうちの2n+m個の識別信号を、前記2n+m本の信号線の各々に供給すること」をなし得るのである。
また、上述した第6実施例や第7実施例においても、第1実施例と同様に、信号線の割当の回数を1回だけ増やすこととしてもよい。例えば、信号線の本数が5本であるときに、信号線の割当の回数を3回ではなく、4回まで行うこととしもよい。このようにすることにより、全ての信号線の接続状態を判断することができるのである。
このように処理することにより、「前記n+1回までの各回の全てについて低レベルの信号を発した信号線については、高レベルの信号を、かつ前記n+1回までの各回の全てについて高レベルの信号を発した信号線については、低レベルの信号を、n+2回目に生成すること」をなし得るのである。
尚、この第7実施例においても、上述した第4実施例と同様に、ステップS41〜S44の処理を実行する際に、遊技機の種類や、演出の種類や、遊技の開始を可能状態する形式等の遊技の態様に基づいて異なるように、信号線を割り当てることとしてもよい。第4実施例において説明した如く、ステップS41〜S44の処理の各々において、「0」や「1」を割り当てるべき信号線を遊技の態様に基づいて選択しておき、選択した信号線について「0」や「1」を割り当てることにより行うことができるのである。
このような処理をすることによっても、上述した第4実施例における場合と同様に、遊技機の種類や、演出の種類や、遊技の開始を可能状態する形式等の遊技の態様に基づいて異なる識別信号を発することができるのである。
このような処理をすることにより、「前記識別信号生成手段は、前記遊技機における遊技の態様によって定まる前記第1装置及び前記第2装置の機能に基づいて異なる識別信号を生成する」ことをなし得るのである。このようにしたことによって、装置の製造時や修理時において、装置を組立てたり装置同士を接続したりするときに、不適切な装置が遊技機に組み込まれたり接続されたりした場合であっても的確に検出することができるのである。また、不正行為を許容する装置が接続されたりした場合であっても的確かつ容易にそのことを検出することができるのである。
さらに尚、信号線の本数が、2n−2本であるときには、信号線の割当の回数をn回とすることにより、誤配線や不正な配線の入れ替えについての判別のみならず、断線や短絡の判別も行うことができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】弾球遊技機の概観を示す正面図である。
【図2】弾球遊技機の裏側の概略の構造を示す図である。
【図3】弾球遊技機の構成を示すブロック図である。
【図4】主制御装置200と、賞球制御装置230や画像制御装置260との回路構成を示すブロック図である。
【図5】主制御装置200と、賞球制御装置230や画像制御装置260との機能を示すブロック図である。
【図6】主制御装置200において実行される識別信号の送信処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図7】信号線の本数が8本であるときの信号線割当パターンの例を示す図である。
【図8】図6に示したフローチャートの処理を実行したときに生成される識別信号のタイムチャートである。
【図9】賞球制御装置230や画像制御装置260において実行される識別信号の受信処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図10】図9のステップS26において呼び出されて実行される判断処理のサブルーチンをフローチャートである。
【図11】主制御装置200において実行される識別信号の送信処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図12】賞球制御装置230や画像制御装置260において実行される識別信号の受信処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図13】賞球制御装置230や画像制御装置260において実行される識別信号の受信処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図14】信号を生成する際にその度ごとに演算処理により信号線割当パターンを定めるサブルーチンを示すフローチャートである。
【図15】賞球制御装置230や画像制御装置260において、受信した信号の全ての回数のものを一度に判断するサブルーチンを示すフローチャートである。
【図16】信号線の本数が5本であるときの信号線割当パターンの例を示す図である。
【図17】信号線の本数が6本であるときの信号線割当パターンの例を示す図である。
【図18】信号線の本数が7本であるときの信号線割当パターンの例を示す図である。
【図19】信号線の本数が2n+m本であるときに、信号を生成する際にその度ごとに演算処理により信号線割当パターンを定めるサブルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0086】
200 主制御装置(第1装置、第2装置)
214 識別信号供給手段
216 識別信号生成手段
218 信号線割当手段
230 賞球制御装置(第1装置、第2装置)
250 信号線
260 画像制御装置(第1装置、第2装置)
280 信号線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機における第1装置と第2装置とを互いに電気的に接続する2n本の信号線(nは正の整数値)の各々を識別することができる互いに異なる2n個の識別信号であって低レベルの信号と高レベルの信号とからなる識別信号を、前記第1装置又は前記第2装置のいずれか一方の装置から他方の装置へ前記信号線を介して供給する識別信号供給手段を含み、かつ、前記他方の装置において前記信号線を介して受信した受信信号から前記信号線の接続状態を検査する遊技機の配線検査装置であって、
前記他方の装置は、前記受信信号に含まれる高レベルの信号及び/又は低レベルの信号と予め記憶されているチェックデータとを比較して信号線の接続状態を判断する信号線受信手段を含み、
前記識別信号供給手段は、前記信号線の各々について、前記低レベルの信号又は前記高レベルの信号のいずれかの信号を順次生成し、これをn回まで行って生成した信号を前記識別信号として前記信号線に発する識別信号生成手段を有し、かつ、前記識別信号生成手段は、各回毎の信号生成に際して、2n/2本の信号線には低レベルの信号を割り当て、残りの信号線には高レベルの信号を割り当てた信号線割当パターンで信号を生成すると共に、各回毎の信号線割当パターンの全てを異ならしめて前記識別信号を生成する信号線割当手段を有し、前記識別信号生成手段は、前記遊技機における遊技の態様によって定まる前記第1装置及び前記第2装置の機能に基づいて異ならしめて記憶された信号線割当パターンに応じて識別信号を生成することを特徴とする遊技機の配線検査装置。
【請求項2】
遊技機における第1装置と第2装置とを互いに電気的に接続する2n+m本の信号線(nは正の整数値で、mは1以上で(2n+1−2n)未満の正の整数値)の各々を識別することができる互いに異なる2n+m個の識別信号であって低レベルの信号と高レベルの信号とからなる識別信号を、前記第1装置又は前記第2装置のいずれか一方の装置から他方の装置へ前記信号線を介して供給する識別信号供給手段を含み、かつ、前記他方の装置において前記信号線を介して受信した受信信号から前記信号線の接続状態を検査する遊技機の配線検査装置であって、
前記他方の装置は、前記受信信号に含まれる高レベルの信号及び/又は低レベルの信号と予め記憶されているチェックデータとを比較して信号線の接続状態を判断する信号線受信手段を含み、
前記識別信号供給手段は、前記信号線の各々について、前記低レベルの信号又は前記高レベルの信号のいずれかの信号を順次生成し、これをn+1回まで行って生成した信号を前記識別信号として前記信号線に発する識別信号生成手段を有し、かつ、前記識別信号生成手段は、前記信号線が2n+1本あるとして、各回毎の信号生成に際して、2n+1/2本の信号線には低レベルの信号を割り当て、残りの信号線には高レベルの信号を割り当てた信号線割当パターンで信号を生成すると共に、各回毎の信号線割当パターンの全てを異ならしめて2n+1個の識別信号を生成するとしたときにおける前記2n+1個の識別信号のうちの2n+m個の識別信号を、前記2n+m本の信号線の各々に供給し、かつ、前記識別信号生成手段は、前記遊技機における遊技の態様によって定まる前記第1装置及び前記第2装置の機能に基づいて異ならしめて記憶された信号線割当パターンに応じて識別信号を生成することを特徴とする遊技機の配線検査装置。
【請求項3】
前記識別信号供給手段は、前記n回までの各回の全てについて低レベルの信号を発した信号線については、高レベルの信号を、かつ前記n回までの各回の全てについて高レベルの信号を発した信号線については、低レベルの信号を、n+1回目に生成することを特徴とする請求項1記載の遊技機の配線検査装置。
【請求項4】
前記識別信号供給手段は、前記n+1回までの各回の全てについて低レベルの信号を発した信号線については、高レベルの信号を、かつ前記n+1回までの各回の全てについて高レベルの信号を発した信号線については、低レベルの信号を、n+2回目に生成することを特徴とする請求項2記載の遊技機の配線検査装置。
【請求項5】
前記他方の装置は、前記受信信号に含まれる高レベルの信号及び/又は低レベルの信号から、前記信号線の接続状態を判断する信号線判断手段を含むことを特徴とする請求項1〜4記載の遊技機の配線検査装置。
【請求項1】
遊技機における第1装置と第2装置とを互いに電気的に接続する2n本の信号線(nは正の整数値)の各々を識別することができる互いに異なる2n個の識別信号であって低レベルの信号と高レベルの信号とからなる識別信号を、前記第1装置又は前記第2装置のいずれか一方の装置から他方の装置へ前記信号線を介して供給する識別信号供給手段を含み、かつ、前記他方の装置において前記信号線を介して受信した受信信号から前記信号線の接続状態を検査する遊技機の配線検査装置であって、
前記他方の装置は、前記受信信号に含まれる高レベルの信号及び/又は低レベルの信号と予め記憶されているチェックデータとを比較して信号線の接続状態を判断する信号線受信手段を含み、
前記識別信号供給手段は、前記信号線の各々について、前記低レベルの信号又は前記高レベルの信号のいずれかの信号を順次生成し、これをn回まで行って生成した信号を前記識別信号として前記信号線に発する識別信号生成手段を有し、かつ、前記識別信号生成手段は、各回毎の信号生成に際して、2n/2本の信号線には低レベルの信号を割り当て、残りの信号線には高レベルの信号を割り当てた信号線割当パターンで信号を生成すると共に、各回毎の信号線割当パターンの全てを異ならしめて前記識別信号を生成する信号線割当手段を有し、前記識別信号生成手段は、前記遊技機における遊技の態様によって定まる前記第1装置及び前記第2装置の機能に基づいて異ならしめて記憶された信号線割当パターンに応じて識別信号を生成することを特徴とする遊技機の配線検査装置。
【請求項2】
遊技機における第1装置と第2装置とを互いに電気的に接続する2n+m本の信号線(nは正の整数値で、mは1以上で(2n+1−2n)未満の正の整数値)の各々を識別することができる互いに異なる2n+m個の識別信号であって低レベルの信号と高レベルの信号とからなる識別信号を、前記第1装置又は前記第2装置のいずれか一方の装置から他方の装置へ前記信号線を介して供給する識別信号供給手段を含み、かつ、前記他方の装置において前記信号線を介して受信した受信信号から前記信号線の接続状態を検査する遊技機の配線検査装置であって、
前記他方の装置は、前記受信信号に含まれる高レベルの信号及び/又は低レベルの信号と予め記憶されているチェックデータとを比較して信号線の接続状態を判断する信号線受信手段を含み、
前記識別信号供給手段は、前記信号線の各々について、前記低レベルの信号又は前記高レベルの信号のいずれかの信号を順次生成し、これをn+1回まで行って生成した信号を前記識別信号として前記信号線に発する識別信号生成手段を有し、かつ、前記識別信号生成手段は、前記信号線が2n+1本あるとして、各回毎の信号生成に際して、2n+1/2本の信号線には低レベルの信号を割り当て、残りの信号線には高レベルの信号を割り当てた信号線割当パターンで信号を生成すると共に、各回毎の信号線割当パターンの全てを異ならしめて2n+1個の識別信号を生成するとしたときにおける前記2n+1個の識別信号のうちの2n+m個の識別信号を、前記2n+m本の信号線の各々に供給し、かつ、前記識別信号生成手段は、前記遊技機における遊技の態様によって定まる前記第1装置及び前記第2装置の機能に基づいて異ならしめて記憶された信号線割当パターンに応じて識別信号を生成することを特徴とする遊技機の配線検査装置。
【請求項3】
前記識別信号供給手段は、前記n回までの各回の全てについて低レベルの信号を発した信号線については、高レベルの信号を、かつ前記n回までの各回の全てについて高レベルの信号を発した信号線については、低レベルの信号を、n+1回目に生成することを特徴とする請求項1記載の遊技機の配線検査装置。
【請求項4】
前記識別信号供給手段は、前記n+1回までの各回の全てについて低レベルの信号を発した信号線については、高レベルの信号を、かつ前記n+1回までの各回の全てについて高レベルの信号を発した信号線については、低レベルの信号を、n+2回目に生成することを特徴とする請求項2記載の遊技機の配線検査装置。
【請求項5】
前記他方の装置は、前記受信信号に含まれる高レベルの信号及び/又は低レベルの信号から、前記信号線の接続状態を判断する信号線判断手段を含むことを特徴とする請求項1〜4記載の遊技機の配線検査装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2008−221007(P2008−221007A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−162345(P2008−162345)
【出願日】平成20年6月20日(2008.6.20)
【分割の表示】特願2002−133763(P2002−133763)の分割
【原出願日】平成14年5月9日(2002.5.9)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月20日(2008.6.20)
【分割の表示】特願2002−133763(P2002−133763)の分割
【原出願日】平成14年5月9日(2002.5.9)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】
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