説明

遊技機及び災害発生時の自動精算方法

【課題】 ホールで地震などの災害発生時に自動的に精算する機能を持たせることにより、災害発生時に遊技者に遊技を中断させて速やかに避難させる。
【解決手段】 遊技媒体の投入を受けて遊技を行う制御部を備える遊技機において、地震による揺れを検知する地震センサーを含む災害発生を検知するセンサーを備え、前記制御部は、前記センサーの出力に基づき災害発生を検知したとき、遊技媒体を返却する精算処理を自動的に開始する。災害発生時に遊技が自動的に中断されるとともに、遊技媒体が自動的に払い出されるので、遊技者は速やかに避難することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、スロットマシン等の遊技機に関し、特に地震などの災害時において精算を自動的に行うための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシン等の遊技機において、遊技者が所定の枚数のメダルや遊技球等の遊技媒体を遊技機に投入してゲームを楽しむことができる。遊技に必要な遊技媒体は、遊技ホール内に設けられた遊技媒体貸機等で借りることができ、所望の遊技機の遊技媒体投入口に投入することによりゲームを開始することができる。
【0003】
スロットマシンは、基本的に図柄が揃ったときに賞品としてメダルを払い出すものであるが、図柄が揃うかどうかは内部のコンピュータ(CPU)による抽選の結果に従う。また、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、小役などのさまざまな賞も内部のコンピュータによる抽選の結果に従う。
【0004】
遊技者がメダルを投入すると、それが判別されてメダルの投入枚数がクレジットとして表示される。その後、遊技者がスタートスイッチを操作すると、三個の回転リールが回転を開始する。そして、ストップスイッチの一個を操作すると、当該対応する回転リールの回転が停止する。ストップスイッチを三個全て操作すると、三個の回転リールの回転が全て停止する。このとき、表示窓の有効入賞ライン上に、予め設定された図柄が停止すると入賞と判定され、ホッパーユニットを介して所定枚数のメダルが払い出される。なお、メダルを払い出す代わりに、クレジットの表示を増加させることもある。
【0005】
【特許文献1】特開2005−273176「電子ロック制御システム、及びプログラム」 特許文献1記載の発明は、地震が発生した際に、電子ロックを解錠する電子ロックを提供することを目的とする。地震の震動を感知することができる感震器から得られる地震情報によって、電子ロック端末装置を解錠する電子ロック制御システムである。これによって、仮に地震が起きた際、もし内部側に電子ロックがかかっていた場合でも、即座に解錠することができ、宅外へ逃げ遅れることのないようにすることができる。
【特許文献2】特開2005−213955「耐震ラッチ」 特許文献2記載の発明は、家具の扉が地震時に対して、その衝撃で急激に開いてしまうことを防止し、小さな地震では作動することがなく、地震がおさまると扉のロックを直ぐに解除することができる耐震ラッチを提供することを目的とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
遊技者が遊技するスロットマシン(遊技機)を替わるときにクレジット(未使用の貯留メダル)が残っている場合は、精算スイッチを押してクレジットとして残っているメダルを払い戻し、払い戻されたメダルをもって他のスロットマシンへ移動することになる。
【0007】
通常であれば上記のような操作及び払い戻し動作で問題はない。しかし、地震などの災害発生時に、一刻も速く避難すべき状況で精算スイッチを操作することができなかったり、忘れてしまうことが予想される。そのような状況を考えると、災害発生時においては、遊技者自らが精算スイッチを操作することなく自動的にメダルを払い戻すことができるとよい。
【0008】
この発明は、上記課題を解決するためになされたもので、地震などの災害発生時に自動的に精算を行うことのできる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、遊技媒体の投入を受けて遊技を行う制御部を備える遊技機において、地震による揺れを検知する地震センサーを含む災害発生を検知するセンサーを備え、前記制御部は、前記センサーの出力に基づき災害発生を検知したとき、遊技媒体を返却する精算処理を自動的に開始することを特徴とするものである。
【0010】
この発明は、遊技媒体の投入を受けて遊技を行う制御部を備える遊技機において、地震による揺れを検知する地震センサーを含む災害発生を検知するセンサーと、印刷用のプリンタとを備え、前記制御部は、前記センサーの出力に基づき災害発生を検知したとき、前記プリンタで遊技媒体の貯留数を印字することを特徴とするものである。
【0011】
この発明は、遊技媒体の投入を受けて遊技を行う制御部を備える遊技機において、地震による揺れを検知する地震センサーを含む災害発生を検知するセンサーを備え、前記制御部は、前記センサーの出力に基づき災害発生を検知したとき、遊技者に返却すべき遊技媒体に関する情報を外部のホールコンピュータへ送信するとともに、遊技者に対してその旨のメッセージを送出することを特徴とするものである。
【0012】
前記制御部は、前記センサーの出力に災害発生を示す信号が予め定めた時間よりも長く現れているとき、災害発生と判定するようにしてもよい。
【0013】
この発明に係る災害発生時の自動精算方法は、
地震による揺れを検知する地震センサーを含む災害発生を検知するセンサーが設けられた遊技機において、前記センサーの出力に基づき災害が発生したかどうか判定するステップと、
前記遊技機において、災害が発生したと判定したとき、遊技者に返却すべき遊技媒体に関する情報をホールコンピュータへ送信するステップと、
前記遊技機において、遊技者に対してメッセージを送出するステップと、
前記ホールコンピュータで前記情報を受信するステップと、
前記ホールコンピュータで前記情報を保存するステップと、を備えるものである。
【0014】
この発明は、上記遊技機の制御部の動作又は上記方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
この発明に係るプログラムは、例えば、記録媒体に記録される。
媒体には、例えば、EPROMデバイス、フラッシュメモリデバイス、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、CD(CD−ROM、Video−CDを含む)、DVD(DVD−Video、DVD−ROM、DVD−RAMを含む)、ROMカートリッジ、バッテリバックアップ付きのRAMメモリカートリッジ、フラッシュメモリカートリッジ、不揮発性RAMカートリッジ等を含む。
【0015】
媒体とは、何等かの物理的手段により情報(主にデジタルデータ、プログラム)が記録されているものであって、コンピュータ、専用プロセッサ等の処理装置に所定の機能を行わせることができるものである。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、遊技機に地震センサーなどを設け、ホールで地震などの災害発生時に自動的に精算する機能又はクレジットを印刷・保存する機能を持たせることにより、災害発生時に遊技者は遊技を中断して速やかに避難することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
発明の実施の形態1.
この発明の実施の形態に係る遊技機(スロットマシン)について図面を参照して説明する。
【0018】
図1は前扉を閉めた状態を示すスロットマシンの正面図、図2は前扉を180度開いた状態を示すスロットマシンの正面図を示す。
【0019】
図1及び図2中、100はスロットマシンを示すもので、このスロットマシン100は、図1に示すように、スロットマシン本体120と、このスロットマシン本体120の前面片側にヒンジ等により開閉可能に取り付けられた前扉130とを備えている。前記前扉130の前面には、図1に示すように、ほぼ中央にゲーム表示部131を設け、ゲーム表示部131の右下隅部に、遊技者がメダルを投入するためのメダル投入口132を設け、メダル投入口132の下側には、メダル投入口132から投入され、詰まってしまったメダルをスロットマシン100外に強制的に排出するためのリジェクトボタン133が設けられている。
【0020】
また、前記ゲーム表示部131の左下方には、ゲームを開始するためのスタートスイッチ134を設けてあり、3つのリールのそれぞれに対応して3つのストップスイッチ140を設けてある。前扉の下端部中央には、メダルの払出し口135を設けてある。
【0021】
ベットスイッチ142は、ゲーム表示部131の左側下方に位置するスイッチであって、メダル投入口132に投入して貯留させた貯留メダル数を減じてメダル投入に代える。メダル投入口132に投入されたメダルはクレジットとして表示される。精算スイッチ141は、スタートスイッチ134の左斜め下方に位置するスイッチであって、貯留した投入メダルであって未使用のものを払い出すためのものである。
【0022】
スロットマシン本体120の内部には、図2に示すように、その内底面に固定され、内部に複数のメダルを貯留して、貯留したメダルを前扉130の前面に設けた払出し口135に1枚ずつ払い出すためのホッパ装置121が設置されている。このホッパ装置121の上部には、上方に向けて開口し、内部に複数のメダルを貯留するホッパタンク122を備えている。スロットマシン本体120の内部には、前扉130を閉めたときにゲーム表示部131が来る位置に三個の回転リールからなるリールユニット203が設置されている。ゲーム表示部131には開口部が設けられていて、それを通して遊技者が前記リールユニット203の各回転リールの図柄を見ることができるようになっている。ホッパ装置121の上側のリールユニット203との間には電源部205が設けられている。
【0023】
前記前扉130の裏面には、図2に示すように、メダル(コイン)セレクタ1が、前扉130の前面に設けられたメダル投入口132の裏側に取り付けられている。このメダルセレクタ1は、メダル投入口132から投入されたメダルの通過を検出しながら、当該メダルをホッパ装置121に向かって転動させ、外径が所定寸法と違う異径メダルや、鉄又は鉄合金で作製された不正メダルを選別して排除するとともに、1ゲームあたりに投入可能な所定枚数以上のメダルを選別して排除するための装置である。
【0024】
また、メダルセレクタ1の下側には、図2に示すように、その下部側を覆って前扉130の払出し口135に連通する導出路136が設けられている。メダルセレクタ1により振り分けられたメダルは、この導出路136を介して払出し口135から遊技者に返却される。
【0025】
図3は発明の実施の形態に係るスロットマシン100の機能ブロック図を示す。
この図において電源系統についての表示は省略されている。スロットマシン100は、その主要な処理装置としてメイン基板10とこれからコマンドを受けて動作するサブ基板20とを備える。なお、少なくともメイン基板10は、外部から接触不能となるようにケース内部に収容され、これら基板を取り外す際に痕跡が残るように封印処理が施されている。
【0026】
メイン基板(制御部)10は、遊技者の操作を受けて内部抽選を行ったり、リールの回転・停止やメダルの払い出しなどの処理を行うためのものである。メイン基板10は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。
【0027】
サブ基板20は、メイン基板10からコマンド信号を受けて内部抽選の結果を報知したり各種演出を行うためのものである。サブ基板20は、前記コマンド信号に応じた予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。コマンドの流れはメイン基板10からサブ基板20への一方のみであり、逆にサブ基板20からメイン基板10へコマンド等が出されることはない。
【0028】
メイン基板10にはスタートスイッチ134,ストップボタン140,リールユニット(リール駆動装置を含む)70,リール位置検出回路71、ホッパ駆動部80、ホッパ81及びホッパ81から払い出されたメダルの枚数を数えるためのメダル検出部82(ホッパ駆動部80〜メダル検出部82は前述のホッパ装置121を構成する)が接続されている。サブ基板20には液晶表示装置の制御基板200、スピーカ201、LED基板202などの周辺基板(ローカル基板)が接続されている。
【0029】
上述のように、メイン基板10及びサブ基板20は、CPUを中心に構成され、ROM、RAM、I/O等を備えている。そして、CPU(処理部)が遊技者の操作を受けてROM(記憶部)に記憶されたプログラムを読み込むことで所定の動作を行う。具体的には、スタートスイッチ134及びストップボタン140の操作に基づきリールユニット70に内蔵される3つの回転リールの回転及び停止を制御するとともに、ランプやスピーカ等の表示を制御する。CPUが動作する際に必要な一時的なデータなどはRAM(一般にRAMは揮発性メモリであり、その電源断によりデータは原則失われるが、本遊技機においてはその一部又は全部についてバッテリなどのバックアップ電源が用意されていることがあり、この場合は電源断でもデータは失われない)に記憶される。CPUはROMに記録されたプログラムに従って所定の動作を行うとともに、処理に必要な一時的なデータをRAMに記録するとともに記録されたデータを必要に応じて読み出して参照する。
【0030】
スロットマシンで遊技を楽しもうとする遊技者は、まずメダル貸機(図示しない)等から遊技媒体であるメダルを借り、メダル投入装置のメダル投入口132に直接メダルを入れる。スタートスイッチ134は回転リールの斜め下方に位置するレバーであって、遊技メダルの投入を条件に、リールユニット70の駆動を開始させる。リールユニット70は、ストップボタン140によりその駆動が停止される。リールユニット70は、三個の回転リールから構成されている。そして、各回転リールは、合成樹脂からなる回転ドラムと、この回転ドラムの周囲に貼付されるテープ状のリールテープとを備えている。このリールテープの外周面には、複数個(例えば21個)の図柄が表示されている。
【0031】
発明の実施の形態1に係る遊技機は、さらに、地震を検知する地震センサーESを備える。地震センサーとは、主に加速度検知方式により地震による振動を検知するセンサーであり、例えば震度5以上(100〜250gal)を検知するものが市販されている。その具体的な構造の一例を挙げると、振り子を備え、加速度による振り子の位置のずれを高感度の位置検出器により検出し、そのずれを振動の大きさとするものである。ずれに応じた電気信号をサーボ増幅器から駆動回路に加えて、振り子を基準位置に戻し、そのときの駆動信号の大きさを振動の大きさに対応づけるものもある。この方式では、振り子が常に基準位置にあるため、振り子を支えるバネ部に加わる応力の影響が生じず、電気信号に比例している加速度を高精度に計測することができる。
【0032】
次に、図4のフローチャートを参照して発明の実施の形態1に係る遊技機の動作について説明を加える。
【0033】
メイン基板10が、通常の遊技処理を実行しているときに、地震センサーESから地震であることを示す信号を受けると、メイン基板10は図4の地震時の処理を実行する(S1)。すなわち、地震センサーESの出力を監視し、揺れすなわち地震センサーESの地震を示す信号が一定時間以上継続するかどうか判定する(S2)。閾値となる前記一定時間は予め決められている。
【0034】
揺れの継続時間が一定時間より短いとき(S2でNO)、遊技者による人為的な揺れと判断し(S5)、何もせずに図4の地震時の処理を終了し、通常の遊技処理に戻る。
【0035】
揺れの継続時間が一定時間以上であるとき(S2でYES)、地震による揺れと判断し(S3)、遊技処理を中止するとともに、貯留装置(ホッパ装置121)を用いて自動的に精算を開始する(S4)。すなわち、精算スイッチ141が操作された場合と同じく、クレジットされていたメダル枚数に対応する数のメダルをホッパ装置121を用いて、払出し口135へ戻す。
【0036】
発明の実施の形態1によれば、ホールで地震などの災害発生時に、内蔵したセンサーが「揺れ」などの災害の兆候を感知したことを受けて、遊技を中止し、自動的に精算する機能を遊技機に持たせることにより、災害発生時に遊技が自動的に中断されるとともに、遊技者は速やかに遊技媒体(メダル)を確保し、速やかに避難することができる。本発明の実施の形態1により、災害時のホール運営を円滑に行うことができるようになる。
【0037】
発明の実施の形態2.
遊技媒体(メダル)を実際に返却することに代えて、遊技機にプリンタを備え、これでメダルの預り証を発行するようにしてもよい。
【0038】
発明の実施の形態2に係る遊技機のブロック図を図5に、処理フローチャートを図6に示す。小型のプリンタPRNがメイン基板10に接続されている。プリンタPRNは遊技機の前扉130(例えば払出し口135の個所の内側)に取り付けられ、それで印字された紙が、例えば払出し口135に現れるようになっている。
【0039】
図6の地震発生時の処理は、図4のものとほぼ同じであるので相違点のみ説明する。図4のフローチャートのS4:貯留装置の自動精算に代えて、図6ではS4b:プリンタPRNでメダルの預り証(現在のクレジットの情報)を印刷させることに特徴がある。すなわち、メイン基板10からの制御により、プリンタPRNで、現在の日付時刻、地震が発生した旨、その時点でクレジットされていたメダルの枚数、この印刷はメダルの払い出しに代わるもので、後日メダルと引き換えることができる等を印字させるとともに、印字した紙を遊技者の方へ送り出す。遊技者は当該預かり賞を持って速やかに避難することができる。
【0040】
実際にメダルを払い出すには多少時間を要するが、印刷は高速に行うことができるので、速やかな避難を実現することができる。災害発生時においてメダルを持ちながら避難することが難しい(途中で落としたりすることもある)と思われるが、受領証であれば持ち運びやすく、この点でも有利である。
【0041】
発明の実施の形態3.
遊技媒体(メダル)を実際に返却することに代えて、遊技機からホールコンピュータへクレジット情報を送信し、これをホールコンピュータで記憶し管理するようにしてもよい。図示しないホールコンピュータは、複数の遊技機を管理するためのものであり、各遊技機の遊技状態に係る情報を受けてこれを記憶している。発明の実施の形態3は、地震発生時の各遊技機のクレジット情報をホールコンピュータで受けてこれを記憶する点に特徴がある。
【0042】
発明の実施の形態3に係る処理フローチャートを図7に示す。
図7のフローチャートを参照して発明の実施の形態3に係る遊技機の動作について説明を加える。
【0043】
メイン基板10が、通常の遊技処理を実行しているときに、地震センサーESから地震であることを示す信号を受けると、メイン基板10は図7の地震時の処理を実行する(S1)。すなわち、地震センサーESの出力を監視し、揺れすなわち地震センサーESの地震を示す信号が一定時間以上継続するかどうか判定する(S2)。閾値となる前記一定時間は予め決められている。
【0044】
揺れの継続時間が一定時間より短いとき(S2でNO)、遊技者による人為的な揺れと判断し、何もせずに図7の地震時の処理を終了し、通常の遊技処理に戻る。
【0045】
揺れの継続時間が一定時間以上であるとき(S2でYES)、地震による揺れと判断し(S3)、遊技処理を中止するとともに、クレジット情報をホールコンピュータへ送信する(S6)。ホールコンピュータで受信した当該クレジット情報を、ホールコンピュータの記憶部に保存する(S8,S9)。図示しないホールコンピュータには非常用電源装置が設けられていて、地震発生時においても少なくともデータの保存はできるようになっている。
【0046】
S6の処理の後又はこれと同時に、遊技者へメッセージを送出する(S7)。すなわち、メイン基板10から地震発生を示す信号をサブ基板20へ送り、当該信号を受信するとサブ基板20は液晶制御基板200を制御して、予め定められたメッセージを液晶表示装置に表示させる。例えば、「地震が発生しました。速やかに避難してください。クレジットは記録したので未使用のメダルは後日お渡しします。安心して避難してください」といったメッセージを表示させる。スピーカから音声を流すようにしてもよい。
【0047】
発明の実施の形態3によれば、電子データの送信及びメッセージの表示のみで済むので、実際にメダルを払い出す場合に比べて極めて速やかな避難を実現することができる。しかも何も持たずに避難できるので、災害時に遊技者のクレジットを保証するやり方として最適である。
【0048】
なお、以上の説明において、災害発生を検知するセンサーとして地震センサーを例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、火災を検知するための煙センサー、温度センサーであってもよい。
【0049】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】前扉を閉めた状態を示すスロットマシンの正面図である。
【図2】前扉を180度開いた状態を示すスロットマシンの正面図である。
【図3】発明の実施の形態1に係る遊技機のブロック図である。
【図4】発明の実施の形態1に係る処理フローチャートである。
【図5】発明の実施の形態2に係る遊技機のブロック図である。
【図6】発明の実施の形態2に係る処理フローチャートである。
【図7】発明の実施の形態3に係る処理フローチャートである。
【符号の説明】
【0051】
1 メダルセレクタ
10 メイン基板(制御部)
20 サブ基板
100 スロットマシン
120 スロットマシン本体
121 ホッパ装置
122 ホッパタンク
130 前扉
131 ゲーム表示部
132 メダル投入口
133 リジェクトボタン
134 スタートスイッチ
135 払出し口
136 導出路
140 ストップボタン
141 精算スイッチ
142 ベットスイッチ
205 電源部
ES 地震センサー
PRN プリンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体の投入を受けて遊技を行う制御部を備える遊技機において、地震による揺れを検知する地震センサーを含む災害発生を検知するセンサーを備え、前記制御部は、前記センサーの出力に基づき災害発生を検知したとき、遊技媒体を返却する精算処理を自動的に開始することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技媒体の投入を受けて遊技を行う制御部を備える遊技機において、地震による揺れを検知する地震センサーを含む災害発生を検知するセンサーと、印刷用のプリンタとを備え、前記制御部は、前記センサーの出力に基づき災害発生を検知したとき、前記プリンタで遊技媒体の貯留数を印字することを特徴とする遊技機。
【請求項3】
遊技媒体の投入を受けて遊技を行う制御部を備える遊技機において、地震による揺れを検知する地震センサーを含む災害発生を検知するセンサーを備え、前記制御部は、前記センサーの出力に基づき災害発生を検知したとき、遊技者に返却すべき遊技媒体に関する情報を外部のホールコンピュータへ送信するとともに、遊技者に対してその旨のメッセージを送出することを特徴とする遊技機。
【請求項4】
前記制御部は、前記センサーの出力に災害発生を示す信号が予め定めた時間よりも長く現れているとき、災害発生と判定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の遊技機。
【請求項5】
地震による揺れを検知する地震センサーを含む災害発生を検知するセンサーが設けられた遊技機において、前記センサーの出力に基づき災害が発生したかどうか判定するステップと、
前記遊技機において、災害が発生したと判定したとき、遊技者に返却すべき遊技媒体に関する情報をホールコンピュータへ送信するステップと、
前記遊技機において、遊技者に対してメッセージを送出するステップと、
前記ホールコンピュータで前記情報を受信するステップと、
前記ホールコンピュータで前記情報を保存するステップと、を備える災害発生時の自動精算方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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