説明

遊技機及び遊技システム

【課題】 簡易迅速にゲームが進行するようにしてリアルタイムに進行する遊技に適したものとし、しかも遊技用物品を用いることで遊技に対する遊技者の操作に多様性をもたせ、遊技性の向上を図る。
【解決手段】 ゲームマシン1は、読取ユニット19と、検出手段と、指示出力手段とを備える。読取ユニット19は、遊技用カード40を個別に載置可能で、載置された遊技用カード40から遊技用情報を読取る読取スキャナを有する。検出手段は、読取ユニット19に載置されている遊技用カード40の載置面の変更を、読取スキャナによって読取られた遊技用情報を用いて検出する。指示出力手段は、検出手段によって載置面の変更が検出されたときに、載置中幻魔キャラクタを隠すように指示する変更指示データをゲームサーバに出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技用物品に記録されている遊技用情報を用いて遊技が行える遊技機及び遊技システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、カードやフィギア等の遊技用物品に記録されているデータを用いてゲームが行える遊技機が知られている。この種の遊技機として、サッカーや野球といったスポーツの選手が印刷されたカード(トレーディングカードともいう)を用いたゲームを行える遊技機がある。例えば、特許文献1,2,3には、プレイフィールド上に並べられた複数のカードの組合せに応じたゲーム画像を表示させてサッカーのチームプレーをシミュレーションでき、相手チームとの対戦を行えるカードゲーム装置が開示されている。
【特許文献1】特開2005−46649号公報
【特許文献2】特開2004−41740号公報
【特許文献3】特開2002−301264号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1,2,3に開示されているカードゲーム装置によれば、複数枚のカードを用いて対戦型のサッカーゲームを行える。
【0004】
しかし、このカードゲーム装置では、何枚ものカードをそれらの組合せを考慮しながら1つのプレイフィールド上に並べなければならないという煩わしさがあり、しかも、プレイフィールドの大きさがカードの何倍にもなるため、操作しようとするカードを遊技者が探し出すのに時間がかかり、カードを探すだけで無駄な時間を浪費し、遊技者の操作がゲームの進行に遅れをとってしまうおそれもある。その上、カードが配置されている箇所だけでなく配置されていない箇所も含め、プレイフィールドの全面に光を照射する読取処理等を行い、プレイフィールドの全面にカードを配置できるようにしているため、処理に負担を要し、ゲームの進行に支障をきたすという問題もあった。したがって、このカードゲーム装置は、ゲームを簡易迅速に進める上での妨げとなる問題が多いため、リアルタイムに進行するゲームには適さないという欠点があった。
【0005】
また、カードに記憶されているデータとしてはゲームに登場するオブジェクト及びそのオブジェクトの能力を示す1種類のデータ(IDコード)のみであり、オブジェクトの動作もカードの組合せに依存していた。そのため、カードの操作に応じてオブジェクトの動作を変化させることができず、カードを用いていることによる遊技性が十分でないという欠点があった。
【0006】
このように、従来のゲーム装置等には、カード等の遊技用物品を複数用いていることにより、カード等の配置や探索の点での煩わしさがあり、また、遊技の際にはカードをプレイフィールドに置くだけでゲームが進行するので、ゲームに対する遊技者の操作が限られ、遊技者に対してカードを使用することによるゲームの面白みを与えることが困難であるという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は上記課題を解決するためになされたもので、遊技用物品に記録されている遊技用情報を用いた遊技が行える遊技機及び遊技システムにおいて、簡易迅速にゲームが進行するようにしてリアルタイムに進行する遊技に適したものとし、しかも遊技用物品を用いることで遊技に対する遊技者の操作に多様性をもたせ、遊技性の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係る遊技機は、遊技用物品に記録されている遊技用情報を用いて遊技が行える遊技機であって、遊技用物品を個別に載置可能で、載置された遊技用物品から遊技用情報を読取る読取手段を有する読取ユニットと、その読取ユニットに載置されている載置中遊技用物品の読取ユニットに載置されている載置面の変更を読取手段によって読取られた遊技用情報を用いて検出する検出手段と、その検出手段によって載置面の変更が検出されたときに、載置中遊技用物品に対応する対応オブジェクトに関する指示を外部に出力させる指示出力手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る遊技機では、1つの読取ユニットに1つの遊技用物品を載置可能な構成を有している。このため、複数の遊技用物品を広い1つのフィールドに並べる必要がなく、操作しようとする遊技用物品が容易に認識できるものとなっている。その結果、遊技を簡易迅速に進めることができ、リアルタイムに進行するゲームに適合した遊技機とすることができる。また、本発明に係る遊技機では、読取手段が遊技用物品に記録されている遊技用情報を読取り、検出手段が遊技用物品の載置面の変更を検出し、その指示出力手段が検出された載置面の変更に応じて対応オブジェクトに関する指示を外部に出力するようになっている。このため、遊技者は、遊技状況に応じて遊技用物品の載置面を変更しながら、擬似的に対応オブジェクトに対して指示を行うことで、対戦相手の遊技者よりも有利となるように遊技を行うこととなる。その結果、遊技用物品を用いることで遊技に対する遊技者の操作に多様性をもたせることができると共に、遊技性の向上を図ることができる。
【0010】
また、指示出力手段は、対応オブジェクトを示す対応オブジェクト画像を変更するための変更指示を出力させることが好ましい。このようにすると、対戦相手の遊技者が遊技を行っている遊技機における対応オブジェクト画像が変化するようになる。このため、遊技者は、遊技状況に応じて対応オブジェクト画像を変更して対戦相手の遊技者よりも有利となるように遊技を行うこととなり、遊技性の向上をより図ることができる。
【0011】
また、指示出力手段は、対応オブジェクトを認識できないような態様で対応オブジェクト画像を変更するための変更指示を出力することが好ましい。このようにすると、対戦相手の遊技者に対して自らの操作している対応オブジェクトの種類や属性等を隠すことができるため、遊技の戦略性を高めることができる。
【0012】
また、対応オブジェクト画像を表示する画像表示手段と、対応オブジェクト画像を変更するためのオブジェクト画像変更指示を外部から入力する変更指示入力手段と、その変更指示入力手段によって入力されたオブジェクト画像変更指示に従い、画像表示手段における対応オブジェクト画像を変更させる画像表示制御手段とを更に有することが好ましい。この遊技機は、対応オブジェクトに関する指示を外部に出力するだけでなく、遊技用物品の載置面の変更によるオブジェクト画像変更指示を外部から入力することで、オブジェクト画像表示手段に表示されている対戦相手の遊技者が操作する対応オブジェクトの対応オブジェクト画像が変わるので、遊技性の向上を更に図ることができる。
【0013】
また、画像表示制御手段は、対応オブジェクトを認識できないような態様で対応オブジェクト画像の表示を変更させることが好ましい。このようにすると、対戦相手の遊技者が操作している対応オブジェクトの種類や属性等がオブジェクト画像表示手段により隠されるので、遊技者は対戦相手の遊技者の操作を想定しながら遊技を行うこととなり、遊技の戦略性をより高めることができる。
【0014】
また、本発明に係る遊技機は、遊技用物品に記録されている遊技用情報を用いて遊技が行える遊技機であって、遊技用物品を個別に載置可能で、載置された遊技用物品から遊技用情報を読取る読取手段を有する読取ユニットと、その読取ユニットに載置されている載置中遊技用物品の読取ユニットに載置されている載置面の変更を読取手段によって読取られた遊技用情報を用いて検出する検出手段と、その検出手段によって載置面の変更が検出されたときに、載置中遊技用物品に対応する対応オブジェクトに関する変更を行う変更手段とを有することを特徴とする。
【0015】
本発明に係る遊技機では、読取手段が遊技用物品に記録されている遊技用情報を読取り、検出手段が遊技用物品の載置面の変更を検出し、変更手段が検出された載置面の変更に応じて対応オブジェクトに関する変更を行うようになっている。このため、遊技者は、遊技状況に応じて遊技用物品の載置面を変更しながら、擬似的に対応オブジェクトに対して指示を行うことで、対戦相手の遊技者よりも有利となるように遊技を行うこととなる。その結果、遊技用物品を用いることで遊技に対する遊技者の操作に多様性をもたせることができると共に、遊技性の向上を図ることができる。
【0016】
また、変更手段は、対応オブジェクトの遊技における行動形態を変更することが好ましい。このようにすると、遊技用物品の載置面を変更することで、対応オブジェクトの行動形態を変更することができることとなる。
【0017】
また、読取ユニットが複数横並びに配置されていることが好ましい。このようにすると、遊技者が複数の遊技用物品を配置するときの煩わしさがなく、配置した遊技用物品を簡単に探し出すことができる。
【0018】
一方、本発明に係る遊技システムは、遊技用物品に記録されている遊技用情報を用いて遊技が行える第1及び第2の遊技機を備える遊技システムであって、第1の遊技機は、遊技用物品を個別に載置可能で、載置された遊技用物品から遊技用情報を読取る読取手段を有する読取ユニットと、その読取ユニットに載置されている載置中遊技用物品の読取ユニットに載置されている載置面の変更を読取手段によって読取られた遊技用情報を用いて検出する検出手段と、検出手段によって載置面の変更が検出されたときに、載置中遊技用物品に対応する対応オブジェクトを示す対応オブジェクト画像を第2の遊技機が変更するための変更指示を出力させる変更指示出力手段とを備えることを特徴とする。
【0019】
本発明に係る遊技システムでは、遊技機が、1つの読取ユニットに1つの遊技用物品を載置可能な構成を有している。このため、複数の遊技用物品を広い1つのフィールドに並べる必要がなく、操作しようとする遊技用物品が容易に認識できるものとなっている。その結果、ゲームを簡易迅速に進めることができ、リアルタイムに進行するゲームに適合した遊技機とすることができる。また、本発明に係る遊技システムでは、第1の遊技機に備えられた読取手段が遊技用物品に記録されている遊技用情報を読取り、検出手段が遊技用物品の載置面の変更を検出し、変更指示出力手段が検出された載置面の変更に応じて対応オブジェクト画像の変更指示を第1の遊技機から外部に出力する。そして、第1の遊技機から出力された変更指示に基づいて、第2の遊技機における対応オブジェクト画像が変更されるようになっている。このため、第1の遊技機の遊技者は、遊技状況に応じて遊技用物品の載置面を変更しながら、擬似的に対応オブジェクトに対して指示を行うことで、対戦相手である第2の遊技機の遊技者よりも有利となるように遊技を行うこととなる。その結果、遊技用物品を用いることで遊技に対する遊技者の操作に多様性をもたせることができると共に、遊技性の向上を図ることができる。
【0020】
また、第2の遊技機は、遊技用物品を個別に載置可能で、載置された遊技用物品から遊技用情報を読取る読取手段を有する読取ユニットと、その読取ユニットに載置されている載置中遊技用物品の読取ユニットに載置されている載置面の変更を読取手段によって読取られた遊技用情報を用いて検出する検出手段と、その検出手段によって載置面の変更が検出されたときに、載置中遊技用物品に対応する対応オブジェクトを示す対応オブジェクト画像を第1の遊技機が変更するための変更指示を外部に出力する変更指示出力手段とを有することが好ましい。このようにすると、第2の遊技機においても第1の遊技機と同じく、第2の遊技機に備えられた読取手段が遊技用物品に記録されている遊技用情報を読取り、検出手段が遊技用物品の載置面の変更を検出し、変更指示出力手段が検出された載置面の変更に応じて対応オブジェクト画像の変更指示を第2の遊技機から外部に出力する。そして、第2の遊技機から出力された変更指示に基づいて、第1の遊技機における対応オブジェクト画像が変更されることとなる。このため、第2の遊技機の遊技者は、遊技状況に応じて遊技用物品の載置面を変更しながら、対応オブジェクトに対して指示を行うことで、対戦相手である第1の遊技機の遊技者よりも有利となるように遊技を行うこととなる。その結果、遊技用物品を用いることで遊技に対する遊技者の操作に多様性をもたせることができると共に、遊技性の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、遊技用物品に記録されている遊技用情報を用いた遊技が行える遊技機及び遊技システムにおいて、簡易迅速にゲームが進行するようにしてリアルタイムに進行する遊技に適したものとし、しかも遊技用物品を用いることで遊技に対する遊技者の操作に多様性をもたせ、遊技性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0023】
(ゲームシステムの全体構成)
図1及び図2を参照して、本実施形態に係るゲームシステム100の構成について説明する。図1は、本実施形態に係るゲームマシンを複数備えたゲームシステムのシステム構成図である。図2は、複数のゲームマシンとカード販売機を示す斜視図である。
【0024】
ゲームシステム100は、2つの遊技店舗A,Bにそれぞれ1台及び2台設置された合計3台の店舗サーバ2と、専用回線3を介して通信可能に接続された複数(本実施形態では8台)のゲームマシン1及びカード販売機6と、遊技店舗A,Bに設置された店舗内ルータ7と、店舗内ルータ7、通信回線4a及びインターネット4を介して接続されたセンターサーバ群5とを有している。また、ゲームシステム100には、基地局110を介してインターネット4に無線回線により接続可能な携帯電話機111と、インターネット4に接続可能な家庭用ゲーム装置112とが備えられている。
【0025】
各遊技店舗A,Bでは、店舗サーバ2と、ゲームマシン1及びカード販売機6とが専用回線3により接続されて店舗内LAN(Local Area Network)が形成されており、この店舗内LANが店舗内ルータ7を介してインターネット4に接続されている。
【0026】
(ゲームマシンの構成)
ゲームマシン1は、本実施形態に係る遊技機の構成を有するものであって、遊技者に対応する主人公キャラクタ(プレイヤーキャラクタ、後述する幻魔キャラクタを操るという意味で幻魔使いともいう)及び後述する遊技用カード40に描かれている幻魔図柄aを模した幻魔キャラクタを示す画像を表示する画像表示手段を有し、遊技者の操作(主に遊技用カード40に対するカード操作と、後述するタッチパネル11aのタッチ操作)に応じた動作を各キャラクタに行わせるキャラクタ遊技を行えるように構成されている。
【0027】
本実施形態におけるゲームマシン1では、他のゲームマシン1、携帯電話機111及び家庭用ゲーム機112を使用する遊技者と共に、複数遊技者(例えば4人)の参加による幻魔対戦ゲームが行える。この幻魔対戦ゲームは、遊技用カード40を用いて行われるものであり、各遊技者に対応する主人公キャラクタがそれぞれの幻魔キャラクタを操りながら互いに対戦し、倒した主人公キャラクタの数、幻魔キャラクタの数、画像表示される遊技マップ上に点在する魔晶石の占拠数等を競い合い、各遊技者が共通する画像を参照しながらリアルタイムに進行するようになっている。また、幻魔対戦ゲームは、遊技用カード40を用いて行われるカード遊技となっている。
【0028】
なお、幻魔キャラクタとは、主人公キャラクタのいわば分身として、対戦相手(敵)と対戦するキャラクタであって、ゲームマシン1では、地殻幻魔、水霊幻魔、火焔幻魔及び天象幻魔の4つの属性が用意されている。
【0029】
ゲームマシン1は、図3に示されるように、筐体10の正面に、液晶表示装置を備えたメインディスプレイ11を有している。また、ゲームマシン1は、メインディスプレイ11の上側部分に液晶表示装置を備えたサブディスプレイ12を有しており、その左右両側に遊技の演出に用いられる音声を出力するスピーカ13L,13Rが配置されている。
【0030】
メインディスプレイ11は、本発明における画像表示手段であって、遊技の各段階に応じた遊技画像(例えば、幻魔召喚出現画像91等)が表示されるようになっている(詳しくは後述する)。サブディスプレイ12は、現在召喚して出現している幻魔の一覧や、遊技の特定の段階における画像(例えば、後述する戦闘開始演出画像92a,92b)が表示されるようになっている。
【0031】
また、ゲームマシン1は、メインディスプレイ11の下側に操作パネル14を有している。この操作パネル14には、左から横並びに配置された4つの玉石ボタン15(15a〜15d)と、ゲームを実行するときに必要なコイン(硬貨、遊技用メダル等の遊技媒体)を投入するコイン投入口16と、IDカード17を挿入するためのカードスロット18とを有している。玉石ボタン15は、特定の条件が成立した時点で押下されたときに、口述する超幻魔召喚指示データを出力する操作ボタンである。この玉石ボタン15は、幻魔キャラクタが超幻魔キャラクタを召喚し得る力を獲得するための魔晶石を主人公キャラクタが占拠して、特定の数値(秘術数)が加算される度に明るくなるように点灯する。そして、特定の数値(秘術数)が完全に獲得されると超幻魔キャラクタが視認可能に表示され、その時点で玉石ボタン15が押下されると、超幻魔召喚指示データを出力する。なお、後述するように、超幻魔召喚指示データが出力されると超幻魔の召喚条件が成立し、超幻魔キャラクタが召喚される。
【0032】
また、ゲームマシン1は、操作パネル14の手前側に複数(本実施形態では6つ)の読取ユニット19が横並び一列で配置されたカードパネル20を有している。各読取ユニット19は、カードパネル20の本体部20aに組み込まれていて、遊技用カード40を1枚ずつ個別に載置可能な大きさを有し、載置されている遊技用カード40(本発明における載置中遊技用物品に相当する)から、記録されているバーコードを読取るようになっている。なお、各読取ユニット19のうちの左側から5つは、後述する幻魔カードを遊技者が載置して幻魔を召喚させ、幻魔カードを動かす等して召喚させた幻魔を操作するための幻魔用ユニットとなっており、最も右側に配置されている残りの1つは遊技者が後述する符術カードを載置して術を使用し、幻魔対戦ゲームを優位に進めるための符術用ユニットとなっている。
【0033】
読取ユニット19は、詳しくは図8および図9に示されるように、遊技用カード40が載置され、表面が平坦で、長手部19dと短手部19eとを備えた矩形状載置ボード19aと、読取スキャナ19bとを有している。読取スキャナ19bは、本体部20a内における載置ボード19aの中央部19cの下側に配置されている。この読取スキャナ19bは、本発明における読取手段であって、遊技用カード40の表面及び裏面にそれぞれ記録されているバーコード(詳しくは後述する)の読取機能を備えた超小型カメラを搭載しており、その超小型カメラによってバーコードを読取り、読取ったバーコードのコード情報(バーコード情報)を出力するようになっている。この超小型カメラは、例えばeスキャナ(例えば、グリッドマーク株式会社、ジョボーズ株式会社や中島洋紙株式会社の製品)と呼ばれるもので構成することができる。この場合、読取スキャナ19bは、図22に示すように、遊技用カード40の表面(図22では、表(おもて)面側を示している)に印刷して記録されているドットパターン41の読取機能を有している。
【0034】
ゲームシステム100を構成している各ゲームマシン1には、自機固有のマシンIDが付与されている。このマシンIDは、各店舗サーバ2に固有のサーバIDと、各ゲームマシン1に固有のIDとを有し、例えば、店舗Aに設置されている各ゲームマシン1の場合、A01,A02,A03・・・のようになっている。
【0035】
図4は、内部の構成を中心に示すゲームマシンのブロック図である。ゲームマシン1は、マイクロコンピュータ31を中心に複数の構成要素を有している。
【0036】
マイクロコンピュータ31は、メインCPU(Central Processing Unit)32と、RAM(Random Access Memory)33と、ROM(ReadOnly Memory)34とを有している。メインCPU32は、ROM34に記憶されているプログラムに従って作動し、I/Oポート39を介して、操作パネル14に設けられた各構成要素と、各読取ユニット19から信号を入力する一方、他の構成要素との信号の入出力を行い、ゲームマシン1全体の動作制御を行う。RAM33は、メインCPU32が作動する際に用いるデータやプログラム(本実施形態では、後述するアプリケーションデータ及びゲームデータ)が記憶されている。ROM34には、メインCPU32が実行する制御プログラムと、恒久的なデータが記憶されている。
【0037】
また、ゲームマシン1は、乱数発生器35と、サンプリング回路36と、クロックパルス発生回路37と、分周器38とを有している。乱数発生器35は、メインCPU32の指示に従い作動して、一定範囲の乱数を発生させる。サンプリング回路36は、メインCPU32の指示に従い、乱数発生器35が発生させた乱数の中から任意の乱数を抽出し、その抽出した乱数をメインCPU32に入力する。クロックパルス発生回路37は、メインCPU32を作動させるための基準クロックを発生させる。分周器38は、その基準クロックを一定周期で分周させた信号をメインCPU32に入力する。
【0038】
さらに、ゲームマシン1は、タッチパネル11aと、コインセンサ16aと、カードリーダ18aと、通信制御部21及び通信処理部22とを有し、さらに画像制御回路71と、音制御回路72とを有している。
【0039】
タッチパネル11aは、メインディスプレイ11の表示画面を覆うように設けられていて、遊技者の指が触れた箇所の位置を検出し、その検出した位置に対応した位置信号をメインCPU32に入力する。遊技者は、このタッチパネル11aを用いて主に幻魔キャラクタに命令を与える(例えば、敵キャラクタの存在する地点まで移動させる等)ための操作入力を行う。タッチパネル11aは、例えば、長方形の透明板表面に導電物質が塗布されて形成されており、その透明板の四角に配置された電極から電圧がかけられた状態で、遊技者の指が触れることによる微弱な電流変化を電極で検知して、遊技者の指が触れた箇所の位置を検出する。
【0040】
コインセンサ16aは、コイン投入口16から投入されたコインを検出し、その検出に対応する検出信号をメインCPU32に出力する。カードリーダ18aは、カードスロット18に挿入されたIDカード17に記憶されている遊技者ID等のカード情報を読取り、その読取ったカード情報をメインCPU32に入力する。
【0041】
通信制御部21は、メインCPU32の指示に従い作動して、店舗サーバ2と通信を行うための回線の接続及び切断を制御する。通信処理部22は、通信制御部21の指示に従い作動して、専用回線3を介して行われるデータの送受信を実行する。
【0042】
画像制御回路71は、メインディスプレイ11、サブディスプレイ12のそれぞれにおける画像表示を制御して、メインディスプレイ11に主人公キャラクタや幻魔キャラクタを示す画像を表示させ、サブディスプレイ12にメインディスプレイ11の対戦マップ上に出現している幻魔の一覧を示す画像や演出用の画像を表示させる。
【0043】
この画像制御回路71は、図5に示されるように、画像制御CPU71a、ワークRAM71b、プログラムROM71c、画像ROM71d、ビデオRAM71e及びVDP(Video Display Processor)71fを有している。画像制御CPU71aは、マイクロコンピュータ31で設定されたパラメータに基づき、プログラムROM71cに予め記憶されている(メインディスプレイ11、サブディスプレイ12での表示に関する)画像制御プログラムに従い、メインディスプレイ11、サブディスプレイ12に表示する画像を決定する。ワークRAM71bは、画像制御CPU71aが画像制御プログラムを実行するときの一時記憶手段として構成されている。
【0044】
プログラムROM71cは、画像制御プログラムや各種選択テーブル等を記憶している。画像ROM71dは、画像を形成するためのドットデータを記憶している。ビデオRAM71eは、VDP71fが画像を形成するときの一時記憶手段として構成されている。VDP71fは、制御RAM71gを有し、画像制御CPU71aで決定されたメインディスプレイ11、サブディスプレイ12の表示内容に応じた画像を形成し、その形成された各画像をメインディスプレイ11、サブディスプレイ12に出力する。
【0045】
音制御回路72は、スピーカ13L,13Rから音声を出力するための音声信号をスピーカ13L,13Rに入力する。スピーカ13L,13Rからは、例えば、ゲーム開始後、適当な時期にゲームを盛り上げるための音声が出力される。
【0046】
(店舗サーバ、カード販売機、店舗内ルータの構成)
店舗サーバ2は、図6に示されるように、CPU201、ROM202、RAM203、通信処理部204、通信制御部205及びアプリケーションデータを記憶しているデータ記憶部206を有している。店舗サーバ2では、CPU201がROM202に記憶されているプログラムに従いRAM203にデータを読み書きしながら作動し、一方、通信制御部205がCPU201の指示に従い通信処理部204を作動させる。そして、店舗サーバ2は、各遊技店舗A,Bに設置されている各ゲームマシン1と専用回線3を介してデータの送受信を行い、各ゲームマシン1へのアプリケーションデータの送信(ダウンロード)や、各ゲームマシン1同士及びセンターサーバ群5とにおけるデータ送受信の中継を行う。アプリケーションデータは、ゲームマシン1で行われる幻魔対戦ゲームの実行に用いられる各種データ(ゲーム用の画像データ等)が含まれている。
【0047】
カード販売機6は、遊技者が個人情報の入力操作を行う操作部と、カード発行手段とを有している。カード販売機6では、遊技者による操作部を用いた所定の入力操作によって、カード発行手段が各遊技者固有の遊技者IDを含むカード情報を記憶させてIDカード17を発行する。
【0048】
店舗内ルータ7は、各遊技店舗A,Bに形成されている店舗内LANと、通信回線4a及びインターネット4を介してセンターサーバ群5に形成されているLANとを接続している。
【0049】
(センターサーバ群の構成)
センターサーバ群5は、ゲーム毎に対応して設置された複数のゲームサーバ(図1では、2台のゲームサーバ101,102)と、データベースサーバ103とを有し、各ゲームサーバが専用回線104を介して接続されてLANを形成し、そのLANが図示しないルータを介してインターネット4に接続されている。
【0050】
ゲームサーバ101は、幻魔対戦ゲームを実行するために設置されていて、図7に示されるように、CPU301、ROM302、RAM303、通信処理部304、通信制御部305及びデータ記憶部306を有している。そして、ゲームサーバ101では、CPU301がROM302に記憶されているプログラムに従いRAM303にデータを読み書きしながら作動し、通信制御部305がCPU301の指示に従い通信処理部304を作動させる。
【0051】
ゲームサーバ101は、各店舗サーバ2とインターネット4を介してデータの送受信を行う。そして、各ゲームマシン1、携帯電話機111、家庭用ゲーム機112から送信されるエントリーデータを受信して遊技者の幻魔対戦ゲームへの参加(エントリー)受付及び遊技者の参加情報の更新を行い、対戦相手となる遊技者を決定し、対戦相手決定の結果をデータベースサーバ103に送信する。
【0052】
ゲームサーバ102は、別のゲームを実行するために設置されたもので、記憶しているデータやプログラムがゲームサーバ101と異なるが、同じ構成を有している。
【0053】
データベースサーバ103は、CPU401、ROM402、RAM403、通信処理部404、通信制御部405及びデータ記憶部406を有している。そして、データベースサーバ103では、CPU401がROM402に記憶されているプログラムに従いRAM403にデータを読み書きしながら作動し、一方、通信制御部405がCPU401の指示に従い通信処理部404を作動させ、各店舗サーバ2とインターネット4を介してデータの送受信を行う。データ記憶部406には、遊技者ID、遊技者の認証に用いられるパスワード、ゲームの種別及びゲームデータが記憶されている。遊技者IDは、ゲームマシン1により、IDカード17から読取って送信されたものである。
【0054】
ゲームデータは、幻魔対戦ゲームに登場する複数の主人公キャラクタ、幻魔キャラクタについて、各キャラクタを特徴づけるキャラクタ固有のデータ(各キャラクタの防御パラメータ、攻撃パラメータ、生命力パラメータ、攻撃範囲、特殊能力等の各キャラクタの能力を示す能力パラメータ(能力情報))と、各遊技者による幻魔対戦ゲームの履歴を示すデータ及び後述するカードテーブル90を示すデータが含まれている。このゲームデータは、データベースサーバ103からゲームマシン1に送信され、幻魔対戦ゲームで用いられる。
【0055】
(遊技用カードの構成)
図10は、遊技用カードの表面を示す平面図であり、(a)が遊技用カードの表面を示す図であり、(b)が遊技用カードの裏面を示す図である。図11は、遊技用カードのバーコードの配置区画を示す平面図であり、(a)が遊技用カードのうち後述する幻魔カードの裏面を示し、(b)が幻魔カードの表面を示し、(c)が遊技用カードのうち後述する符術カードを示す図である。この遊技用カード40は、本発明における遊技用物品であって、幻魔の召喚(詳しくは後述する)に用いられる幻魔カードと、幻魔の術に関して使用される符術カードとからなっていて、いずれも長手部40aと、短手部40bとを有する矩形状に形成され、表面及び裏面の大きさと比較して側面の大きさが小さく、厚さが薄く(1mm程度)なっている。なお、遊技用カード40は、幻魔対戦ゲームで対戦する遊技者がそれぞれ複数枚保有していて、幻魔対戦ゲームの進行中に読取ユニット19に載置されることによって使用される。
【0056】
幻魔カードは、幻魔キャラクタを幻魔対戦ゲームに登場させるための幻魔キャラクタの召喚を行うものであり、召喚した幻魔キャラクタを敵の幻魔キャラクタと対戦させるときに用いられる遊技用カードであって、召喚の対象となる幻魔キャラクタを示す幻魔図柄aが表(おもて)面側に描かれている。そして、幻魔カードは、表(おもて)面及び裏面のそれぞれに透明インクで印刷されたバーコード(極小ドットの組み合わせによるドットパターンで、本発明における遊技用情報に相当する)が記録されている。このバーコードは、透明インクで印刷されているため、肉眼では視認できないようになっている。このバーコードは、例えば読取スキャナ19bが上述のeスキャナの場合、そのeスキャナによって読取可能なドットパターン41で構成することができる。ドットパターン41としては、例えばGridOnput(法政大学情報科学部教授 吉田健治氏が開発した見えない2次元コード、商願2004−82588)がある。GridOnputは、2ミリ角にコード番号、座標情報を含む情報を印刷可能であり、eスキャナを用いて様々な情報が読み取られるようになっている。なお、遊技用カード40に肉眼では視認できないバーコードなどを記録する技術(電子透かし)に関しては後に詳述する。
【0057】
また、幻魔カードは、図11(a)に示されるように、中央を含む長手方向所定幅に配置されたコードエリア40Aと、その両側に配置されたコードエリア40B,40Cとの3つに区画され、これらのコードエリア40A,40B,40Cには、それぞれ別々のバーコードが記録されている。また、幻魔カードの表(おもて)面には、図11(b)に示されるように、コードエリア40Dだけが配置されている。コードエリア40Dには、表面のコードエリア40A,40B,40Cとは別のバーコードが記録されている。
【0058】
上述の通り、遊技用カード40に記録されているバーコードは、ドットパターンによるバーコードであるから、遊技用カード40を読取ユニット19に載置すると、遊技用カード40が読取ユニット19の載置ボード19aと対向する面(以下、載置面という)と、載置したときの位置関係(遊技用カード40のうちの中央部19cに載置された部分と、載置されたときの向き)とに応じたバーコードが読取られ、対応するバーコード情報(読取ユニット19がeスキャナの場合、方向も認識するので、最大24種類の情報が出力可能)が出力される。表面の幻魔図柄aを視認し得るように幻魔カードを読取ユニット19に載置すると、裏面が読取ユニット19と対向する載置面となるので、裏面に記録された3つのコードエリア40A,40B,40Cのいずれかのバーコードが読取可能となる。一方、裏面を視認できるように読取ユニット19に載置すると、表面が読取ユニット19と対向する載置面となるので、表面に記録されたバーコードが読取可能になる。また、表面の幻魔図柄aが視認し得るように幻魔カードを載置しても、3つのコードエリア40A,40B,40Cに記録されたバーコードのうち、載置の仕方に応じたバーコードが読み取られる。さらに、コードエリア40Aに記録されているバーコードが読み取られる場合でも、載置している向きが変わるとその向きに応じて異なるバーコードが読み取られる。
【0059】
符術カードは、遊技用カード40のうち幻魔キャラクタの対戦中における術を使用した攻撃などに用いられるカードであって、表(おもて)面側及び裏面側で共通のバーコードが記録されている。
【0060】
(ゲームマシンの動作内容)
次に、以上の構成を有するゲームマシン1の動作内容について、図13〜図18に示されるフローチャートを参照して説明する。なお、以下の説明では、遊技店舗Aに設置されている8台のゲームマシン1のうちの4台のゲームマシン1をそれぞれの遊技者が操作して、同じ幻魔対戦ゲームを行う場合を例にとって説明する。
【0061】
図13は、各ゲームマシンにおけるゲームの開始から終了までのゲーム処理の動作手順を示すフローチャートである。なお、図13及び後述する図14〜図18では、ステップをSと略記している。以下の説明では、4人の遊技者が操作するうちの1台のゲームマシン1を例にとって説明する。
【0062】
ゲームマシン1は、電源投入時に店舗サーバ2に対してアプリケーションデータのダウンロード要求を送信し、一方、店舗サーバ2がダウンロード要求を受信すると、ダウンロード要求を送信してきたゲームマシン1にアプリケーションデータを送信する。
【0063】
ゲームマシン1は、アプリケーションデータを受信すると、そのアプリケーションデータをRAM33に記憶させる。そして、ゲームマシン1では、メインCPU32がアプリケーションデータを読み込むと、遊技進行制御手段として作動して、遊技者の操作入力に応じて幻魔対戦ゲームを進行させる。各ゲームマシン1は、店舗サーバ2及びセンターサーバ群5を介して互いに同期をとりながら、メインディスプレイ11に遊技画像を表示するようになっている。
【0064】
このとき、各ゲームマシン1は、ゲーム処理を開始すると、ステップ1に進んでコイン投入、IDカードの挿入、パスワードの入力及びゲームサーバ101による対戦相手決定結果の受信処理等を含む後述のゲーム開始処理を行う。ステップ2では、図15に示されるフローチャートに沿って、ゲーム開始処理によって決まった遊技者が互いに手持ちの遊技用カード40(幻魔カード)を読取ユニット19に載置して幻魔キャラクタを召喚し、その召喚した幻魔キャラクタを操りながら対戦する幻魔召喚対戦処理を行う。幻魔召喚対戦処理が終了すると、ゲーム終了条件(対戦マップ上に点在している魔晶石が全て占拠されたか、敵の幻魔使いを全て倒したか)が成立したか否かを判定し、ゲーム終了条件が成立しているときはステップ4に進むが、そうでなければステップ2に戻って、再び幻魔召喚対戦処理を実行する。ステップ3からステップ4に進むと、それまでに行われた幻魔召喚対戦処理の結果から、幻魔対戦ゲームに参加した各遊技者の順位を決める順位決定処理を行う。続くステップ5では、幻魔召喚対戦処理の結果に基づいて、幻魔キャラクタのパラメータを変更するためのパラメータ変更処理を行う。また、ステップ6に進むと、対戦成績等の幻魔対戦ゲームの結果の表示を行う一方、データベースサーバ103のゲームデータを更新するため、店舗サーバ2を経由してデータベースサーバ103に幻魔対戦ゲーム結果を示すデータを送信する後処理を行う。続くステップ7でカード返却処理を行い、各遊技者が挿入したIDカード17をカードスロット18から返却すると、ゲーム処理が終了する。
【0065】
そして、メインCPU32は、幻魔召喚対戦処理を開始すると、図15に示されるステップ21に進み、対戦マップの表示処理を行い、幻魔の対戦ゲームの舞台となる対戦マップをメインディスプレイ11に表示させる。続くステップ22では、6つの読取ユニット19のうち5つの幻魔用ユニットのいずれかに幻魔カード40が載置されているか否かを判定する。幻魔カードが幻魔用ユニットに載置されていると、読取スキャナ19bが幻魔カードの載置面(表面又は裏面)に記録されているバーコードを読取ってバーコード情報をメインCPU32に入力し、メインCPU32は入力したバーコード情報をRAM33に記憶させる(RAM33に記憶させたバーコード情報を「記憶済みバーコード情報」という)。メインCPU32は、ステップ22において、読取スキャナ19bからバーコード情報が入力される否かで幻魔カードが読取ユニット19に載置されたか否かを判定する。なお、本実施形態では、幻魔カードは最初に表向き(表面を視認可能に)に載置することを想定している。
【0066】
ここで、幻魔カードが読取ユニット19に載置されているときはステップ23に進み、そうでなければ幻魔召喚対戦処理を終了する。ステップ23では、入力されたバーコード情報をサーチキーに設定してカードテーブル90をサーチし、バーコード情報に対応する幻魔キャラクタ(本発明における対応オブジェクトに相当する)を特定した上で、その特定した幻魔キャラクタ(読取ユニット19に載置されている幻魔カードに対応する幻魔キャラクタ、以下「載置中幻魔キャラクタ」という)の召喚及び出現処理を行う。この幻魔キャラクタの召喚及び出現処理では、メインCPU32の指示に従い画像制御回路71が作動して、幻魔使いが幻魔キャラクタを召喚する動作を行うような画像をメインディスプレイ11に表示させた後、一定時間経過する度にその幻魔使いの周りに幻魔キャラクタが出現する画像(例えば、図19に示される幻魔召喚出現画像91)をメインディスプレイ11に表示させる。これ以降、遊技者は、出現した幻魔キャラクタを操りながら幻魔対戦ゲームを続行することができる。このとき、メインCPU32の指示に従い画像制御回路71が作動して、載置されている幻魔カードを示す画像(幻魔カード画像、本発明における対応オブジェクト画像に相当する)をサブディスプレイ12に表示させる。
【0067】
次に、ステップ24に進み、召還済み(出現している)幻魔キャラクタへの命令入力があるか否かをメインCPU32が判定し、命令入力があるときはステップ25に進むが、なければ幻魔召喚対戦処理を終了する。ここで、召還済み幻魔キャラクタへの命令入力は、遊技者が命令を与えようとするメインディスプレイ11上に表示されている幻魔キャラクタ(以下、「対象幻魔キャラクタ」という)を指等で触れることにより指定し、続いて対象幻魔キャラクタの移動先を指等で触れることにより指定することによって行われる。遊技者が対象幻魔キャラクタの表示箇所を指等で触れると、タッチパネル11aから触れた箇所に対応する指示データがメインCPU32に入力される。
【0068】
そして、ステップ25に進むと、図16に示されるフローチャートに沿って幻魔の移動戦闘処理が行われる。幻魔の移動戦闘処理が開始すると、ステップ31に進み、メインCPU32は、タッチパネル11aから入力される指示データに従って、対戦マップ上の敵キャラクタの存在する地点まで対象幻魔キャラクタを移動させる幻魔の移動処理を行い、対象幻魔キャラクタが移動する様子を示す画像を表示させる。続くステップ32では、遊技者が敵の幻魔キャラクタにタッチする(敵の幻魔キャラクタの表示箇所を指等で触れる)まで待機して、敵の幻魔キャラクタへのタッチがあるとステップ33に進み、対象幻魔キャラクタについてその対象幻魔キャラクタが攻撃範囲に敵を捉えたか否か(対象幻魔キャラクタの攻撃範囲に敵の幻魔キャラクタが存在するか否か)を判定し、攻撃範囲に敵の幻魔キャラクタを捉えたときはステップ34に進んで戦闘処理を行い、幻魔の移動戦闘処理が終了する。ステップ34の戦闘処理が開始すると、対象幻魔キャラクタが敵の幻魔キャラクタに攻撃を仕掛け、対象幻魔キャラクタと敵の幻魔キャラクタとの戦闘が行われる。なお、戦闘処理が開始されるときには、図20に示されるような開始演出画像92a,92bをサブディスプレイ12に表示して、戦闘開始演出が行われる。
【0069】
さらに、幻魔の戦闘処理が終了すると、図15に戻ってステップ26に進み、幻魔の移動戦闘処理の結果から、超幻魔キャラクタの召喚条件が成立したか否か(点灯している玉石ボタン15が押下されて、超幻魔召喚指示データが玉石ボタン15から出力された否か)を判定し、召喚条件が成立しているときはステップ27に進み、超幻魔キャラクタの召喚及び出現処理を行い、幻魔召喚対戦処理が終了するが、召喚条件が成立していなければステップ27を実行することなく幻魔召喚対戦処理が終了する。なお、超幻魔キャラクタは、通常の幻魔キャラクタと比べて圧倒的な力を有しており、主人公キャラクタが幻魔対戦ゲームを優位に進められるようになる特殊な幻魔キャラクタである。
【0070】
一方、メインCPU32は、図17に示されるフローチャートに沿って、所定時間(例えば1ms)毎に幻魔召喚対戦処理に割込む割込処理を実行している。メインCPU32は、割込処理を開始するとステップ111に進み、メモリ内の記憶領域(レジスタ)に記憶された実行中のプログラムを一旦待避させてステップ112に進む。ステップ112では、メインCPU32が遊技用カード40の位置関係の変更検出処理を行う。続くステップ113では、メインCPU32が本発明における検出手段として作動して載置済みカードの載置面の変更に基づく処理を行うカード面変更検出処理を行い、更に続くステップ114では、載置済みカードの指向性に関する処理を行う指向性検出処理を行う。そして、ステップ115で退避させたプログラムのレジスタを復帰させて、幻魔召喚対戦処理を中断した(退避させた)時点から再開する。
【0071】
そして、メインCPU32は、カード面変更検出処理を図18に示されるフローチャートに沿って実行する。メインCPU32は、カード面変更検出処理が開始されると、ステップ41に進み、読取ユニット19に載置されている遊技用カード40(幻魔カード)の載置面が変更されたか否かを判定する。具体的には、同じ種類の幻魔キャラクタが示されている幻魔カードについて、読取ユニット19に載置されている幻魔カードの載置面が、表面から裏面に変更されたか、又は裏面から表面に変更されたか否かを検出する。このとき、載置面の変更があると、読取スキャナ19bが幻魔カードから読取るバーコードが変わり、メインCPU32に入力されるバーコード情報が変わる。そのため、メインCPU32は、バーコード情報の変更の有無をRAM33に記憶されている記憶済みバーコード情報と、新たに入力されたバーコード情報との比較によって、載置面が変更されたか否かを判定する。
【0072】
ステップ41において載置面の変更が検出されたとき、すなわち、記憶済みバーコード情報と、新たに入力されたバーコード情報とに違いがあるときは、ステップ42に進むが、そうでなければカード面変更検出処理が終了する。ステップ42に進むと、新たに入力したバーコード情報を用いてカードテーブル90をサーチし、得られたカード読取面コード(表面コードX,裏面コードY)に基づいて、表面と裏面のどちらが幻魔カードの載置面になっているのかを判定し、表面が載置面になっているとき(このとき、幻魔カードは裏向き、すなわち幻魔カードの裏面が上側となるように読取ユニット19に載置されているので、図10(b)に示されている側が遊技者に対して視認可能となっている)はステップ43に進むが、そうでなければステップ45に進んで幻魔キャラクタの表示処理を行う(詳しくは後述する)。
【0073】
ステップ43では、載置中幻魔キャラクタが敵のキャラクタ(主人公キャラクタ及び幻魔キャラクタを含む)の支配領域(ゾーン・オブ・コントロール(ZOC:Zone of Control)ともいう)の外側に位置しているか否かを判定する。ここで、ZOCとは、各キャラクタの周囲に存在し、敵のキャラクタに対して影響を与える(例えば、敵のキャラクタが通り抜けることができないようにする)ことができる領域である。そして、ステップ43で、載置中幻魔キャラクタがZOCの外側に位置していると判定された場合には、ステップ44に進んで幻魔キャラクタの非表示処理を行うが、そうでなければステップ45に進んで幻魔キャラクタの表示処理を行う。
【0074】
ここで、ステップ44における幻魔キャラクタの非表示処理について説明する。ここでは、図21に示されるように、図2における8台のゲームマシン1のうちの特にインターネット4を介して接続された2台のゲームマシン1A,1Bについて、ゲームマシン1Aの読取ユニット19に載置されている幻魔カードが裏向きに載置された場合(幻魔カードの表面が上側となるように載置された場合)を想定し、ゲームマシン1Aを本発明における第1の遊技機とし、ゲームマシン1Bを本発明における第2の遊技機として説明する。ゲームマシン1AのメインCPU32は、ステップ44で幻魔キャラクタの非表示処理が行われると、本発明における指示出力手段として作動して、通信制御部21に指示し、載置中幻魔キャラクタを隠す(非表示とする)ように指示する変更指示データInA1を通信処理部22によってゲームサーバ101に向けて送信させる。ゲームサーバ101では、変更指示データInA1を受信すると、ゲームマシン1Aと同時(リアルタイム)に遊技を進行している他のゲームマシン1B(携帯電話機111や家庭用ゲーム機112も含む)に対して変更指示データInA1を送信する。
【0075】
一方、ゲームマシン1Bでは、メインCPU32が変更指示入力手段として作動して通信処理部22によって受信した変更指示データInA1を入力し、その変更指示データInA1に従ってメインCPU32が本発明における画像表示制御手段として作動して画像制御回路71に指示する。すると、ゲームマシン1Bでは、画像制御回路71が載置中幻魔キャラクタの表示を隠す(非表示)ようにしてメインディスプレイ11における画像表示を制御することとなる。なお、この変更指示データInA1による載置中幻魔キャラクタを隠す態様としては、他のゲームマシン1等で遊技を行っている遊技者がその載置中幻魔キャラクタ(幻魔キャラクタの属性を含む)を認識できないような態様であればよく、例えば、載置中幻魔キャラクタ画像を透明にしたり、モザイク状にしたり又は黒塗り表示にする等で実現することができる。また、ゲームマシン1Aでは、幻魔カードが裏向きに載置されたことにより非表示とされる載置中幻魔キャラクタの行動パターンが隠れパターン(伏兵モードともいう)に変更されて、その載置中幻魔キャラクタの移動が制限されると共に、その載置中幻魔キャラクタの防御パラメータが小さくなるように設定される。
【0076】
一方、ゲームマシン1Aでステップ45の幻魔キャラクタの表示処理が行われる場合(裏向きに載置されていた幻魔カードが表向きに載置された場合)、メインCPU32が通信制御部21に指示し、非表示とされていた載置中幻魔キャラクタを表示するように指示する変更指示データInA2を通信処理部22によってゲームサーバ101に向けて送信させる。また、ゲームサーバ101がゲームマシン1Bに変更指示データInA2を送信する。すると、ゲームマシン1Bでは、非表示とされていた載置中幻魔キャラクタを遊技者が認識できるようにする画像表示の制御が行われる。このとき、ゲームマシン1Aでは、載置中幻魔キャラクタの行動パターンが通常パターン等に変更される。
【0077】
なお、ゲームマシン1Aとゲームマシン1Bとは同じ機能が備えられているので、ゲームマシン1Bにおいて幻魔カードが裏向きに載置されると、ゲームマシン1Bから変更指示データInB1,InB2がゲームマシン1Aに送信され、ゲームマシン1Aが上述したゲームマシン1Bと同等の処理を実行する。具体的には、幻魔キャラクタの非表示処理において、ゲームマシン1BのメインCPU32が本発明における指示出力手段として作動して、通信制御部21に指示し、載置中幻魔キャラクタを隠すように指示する変更指示データInB1を通信処理部22によってゲームサーバ101に向けて送信させる。そして、ゲームマシン1Aでは、メインCPU32が変更指示入力手段として作動して通信処理部22によって受信した変更指示データInB1を入力し、その変更指示データInB1に従ってメインCPU32が本発明における画像表示制御手段として作動して画像制御回路71に指示する。すると、ゲームマシン1Aでは、画像制御回路71が載置中幻魔キャラクタの表示を隠す(非表示)ようにしてメインディスプレイ11における画像表示を制御することとなる。このとき、ゲームマシン1Bでは、幻魔カードが裏向きに載置されたことにより非表示とされる載置中幻魔キャラクタの行動パターンが隠れパターン(伏兵モードともいう)に変更される。一方、ゲームマシン1Bでステップ45の幻魔キャラクタの表示処理が行われる場合(裏向きに載置されていた幻魔カードが表向きに載置された場合)、メインCPU32が通信制御部21に指示し、非表示とされていた載置中幻魔キャラクタを表示するように指示する変更指示データInB2を通信処理部22によってゲームサーバ101に向けて送信させる。また、ゲームサーバ101がゲームマシン1Aに変更指示データInB2を送信する。すると、ゲームマシン1Aでは、非表示とされていた載置中幻魔キャラクタを遊技者が認識できるようにする画像表示の制御が行われる。このとき、ゲームマシン1Bでは、載置中幻魔キャラクタの行動パターンが通常パターン等に変更される。このように、ゲームマシン1Aも、ゲームマシン1Bと同様に本発明における第2の遊技機としての機能を備え、ゲームマシン1Bも、ゲームマシン1Aと同様に本発明における第1の遊技機としての機能を備えている。
【0078】
そして、カードテーブル90は、図12に示されるように、バーコードエリア90a、キャラクタエリア90b、カード読取面エリア90c、カード載置位置エリア90d、カード載置角度エリア90e及び行動パターンエリア90fを有している。バーコードエリア90aにはバーコード情報が記憶され、キャラクタエリア90bには幻魔キャラクタを特定するためのキャラクタコードが記憶されている。また、カード読取面エリア90cには遊技用カード40の読取ユニット19に載置されて読取られた面を示すカード読取面コードが記憶され、カード載置位置エリア90dには遊技用カード40の読取ユニット19に載置された位置(中央部19cに載置された部分)を示すカード載置位置コードが記憶されている。さらに、カード載置角度エリア90eには遊技用カード40が読取ユニット19に載置されたときの角度(読取ユニット19を構成する載置ボードの長手部19dと、遊技用カード40の長手部40aの時計回り方向のなす角度)を示すカード載置角度コードが記憶されている。行動パターンエリア90fには、幻魔キャラクタの行動パターンが記憶されている。なお、後述する第1及び第2変形例に係るカードテーブル93,94も、カード載置位置エリア90d及びカード載置角度エリア90eがない点を除いて、カードテーブル90と同じ構成を有している。
【0079】
カードテーブル90は、このような構成を有するので、入力されるバーコード情報をサーチキーに設定してバーコードエリア90aをサーチすることにより、該当するバーコード情報に対応して、読取ユニット19に載置されている幻魔カードに示され、召喚し得る幻魔キャラクタの種類、幻魔カードの載置面(表面は“X”、裏面は“Y”)、幻魔カードの中央部19cに載置された部分(コードエリア40A,40B,40C,40Dのいずれか)、及び読取ユニット19に載置されたときの角度が特定される。すなわち、どの幻魔カードが載置され、その幻魔カードは、表裏のどちらの面が載置されているのか、中央に載置されているのはどの部分か、載置されている方向はどの方向かといった読取ユニット19に対する幻魔カードの位置関係が特定される。また、位置関係に変更があったか否かは、新たに入力したバーコード情報と、RAM33に記憶されていた記憶済みバーコード情報とを用い、双方に違いがあるか否かによって検出することができる。
【0080】
(ゲーム開始処理)
ステップ1のゲーム開始処理は、図14に示されるフローチャートに沿って行われる。図14は、ゲーム開始処理の動作手順を示すフローチャートである。
【0081】
ゲーム開始処理を開始するとステップ11に進み、メインCPU32はメッセージ出力処理を行い、画像制御回路71に指示してメインディスプレイ11に所定のメッセージ(コイン投入要求、IDカードの挿入要求及びパスワードの入力要求)を表示させる。続いて、ステップ12,13と処理を実行する。
【0082】
遊技者は、ゲームを開始するために、コインをコイン投入口6から投入すると共にIDカード17をカードスロット18に挿入し、タッチパネル11a等を用いてパスワードを入力する。すると、投入されたコインの検出信号がコインセンサ16aからメインCPU32に入力され、IDカード17に記憶されているカード情報がカードリーダ18aからメインCPU32に入力される。さらに、これらすべての入力があるとステップ13に進み、メインCPU32が通信制御部21に指示して通信処理部22を作動させ、読取ったカード情報及び入力されたパスワードを店舗サーバ2に送信する。
【0083】
続くステップ14では、遊技者が登録されている遊技者であることの認証結果を示す応答信号をセンターサーバ群5から受信するまで待機して、その応答信号を受信するとステップ15に進む。ステップ15では、ゲームサーバ101による対戦相手決定の結果を示す対戦相手決定データを受信するまで待機して、対戦相手決定データを受信するとステップ16に進む。この対戦相手決定データを受信待機中、ゲームマシン1では、待機中を示す画像をメインディスプレイ11に表示させている。
【0084】
次に、ステップ16に進むと、受信した対戦相手決定データから、対戦相手としての遊技者が4人集まっているか否かを判定し、遊技者が4人集まっているときはゲーム開始処理が終了する。一方、4人集まっていなければステップ17に進み、所定の待ち時間を経過するまで待機して、待ち時間を経過するとステップ18に進み、メインCPU32が定員(4人)に不足している遊技者(これはメインCPU32の処理によって決定される遊技者であり、CPUプレイヤーともいう)を追加すると、ゲーム開始処理が終了する。
【0085】
以上のように、本実施形態に係るゲームマシン1では、遊技用カード40を1枚ずつ個別に載置可能な大きさを有する読取ユニット19を備えている。そのため、複数の遊技用カード40を広い1つのフィールドに並べる必要がなく、遊技者にとって操作しようとする遊技用カード40が容易に認識できるものとなっている。その結果、幻魔対戦ゲームを簡易迅速に進めることができ、リアルタイムで進行するゲームに適合した遊技機とすることができる。
【0086】
また、本実施形態に係るゲームマシン1Aでは、読取スキャナ19bによって遊技用カード40に記録されているバーコードを読取り、その対応するバーコード情報を用いて幻魔カードの載置面の変更が検出されたときに、ゲームマシン1Bのメインディスプレイ11上から幻魔キャラクタを隠すように指示する変更指示データを送信するようになっている。そのため、ゲームマシン1Aの遊技者は、幻魔カードの載置面を変更しながら、幻魔キャラクタを隠したり出現させたりすることで、ゲームマシン1Bの遊技者よりも有利となるように遊技を行うこととなる。その結果、遊技用カード40(幻魔カード)を用いることで遊技に多様性をもたせることができ、遊技性の向上を図ることができると共に、遊技の戦略性を高めることができる。
【0087】
また、本実施形態に係るゲームマシン1Aでは、ゲームマシン1Bから変更指示データが送信されたときに、メインCPU32が画像制御回路71に指示して、ゲームマシン1Aのメインディスプレイ11上から幻魔キャラクタを隠すように制御を行うようになっている。そのため、ゲームマシン1Aの遊技者にとって対戦相手であるゲームマシン1Bの遊技者による幻魔カードの操作を想定しながら遊技を行うこととなり、遊技の戦略性を更に高めることができる。
【0088】
また、本実施形態に係るゲームマシン1では、複数(本実施形態では6つ)の読取ユニット19が操作パネル14の手前側に横並び一列で配置されている。そのため、遊技者が複数枚数の遊技用カード40を配置するときの煩わしさがない。また、配置した遊技用カード40を簡単に探し出すことができる。配置した幻魔カードを探し出すのも簡単に行え、遊技の進行中に無駄な時間を浪費するようなこともなく、カードの配置や操作に手間取ってゲームの進行に遅れを取るようなこともない。この点でも、ゲームマシン1は、リアルタイムに進行する遊技を実行するのに好適である。その上、各読取ユニット19は遊技用カード40を個別に載置可能な大きさを有しているから、読取ユニット19と遊技用カード40との位置関係の変更を検出する上で無駄となる部分がなく、しかも位置関係の変更は各読取ユニット19に遊技用カード40が載置されているときに行われる。そのため、位置関係の変更を検出するときの対象となる箇所が必要最小限の範囲になっており、処理の負担が軽減されている。この点でも、ゲームマシン1は、リアルタイムに進行する遊技を実行するのに好適となっている。
【0089】
次に、図23,24に基づいて、上述した実施形態に係るゲームマシン1の第1及び第2変形例について説明する。第1及び第2変形例に係るゲームマシン1では、カード面変更検出処理が上述した実施形態に係るゲームマシン1のカード面変更検出処理と相違する。以下では、その相違点を中心に説明し、共通点については説明を省略又は簡略化する。また、第1及び第2変形例においては、上述した実施形態と同じく、ゲームマシン1の読取ユニット19に載置されている幻魔カードが裏向きに載置された場合(幻魔カードの表面が上側となるように載置された場合)を想定して説明する。
【0090】
まず、図23を参照して、第1変形例に係るゲームマシン1の動作を説明する。図23は、第1変形例に係るカード面変更検出処理の動作手順を示すフローチャートである。
【0091】
第1変形例に係るゲームマシン1では、カード面変更検出処理を開始すると、ステップ51に進み、図18に示されるステップ41と同じく、メインCPU32が読取ユニット19に載置されている遊技用カード40(幻魔カード)の載置面が変更されたか否かを判定する。そして、ステップ51において載置面の変更が検出されたと判定されるとステップ52に進むが、そうでなければカード面変更検出処理が終了する。ステップ52に進むと、新たに入力したバーコード情報を用いて図25(a)に示されるカードテーブル93をサーチし、得られたカード読取面コード(表面コードX,裏面コードY)に基づいて、表面と裏面のどちらが幻魔カードの載置面になっているのかを判定し、表面が載置面になっているときはステップ53に進むが、そうでなければステップ54に進む。ステップ53では、メインCPU32が本発明における変更手段として作動して、新たに入力したバーコード情報に対応する行動パターン(「行動パターン」とは、幻魔キャラクタの幻魔対戦ゲームにおける行動の形態、タイプないし様式を意味し、本発明における行動形態に相当する)をカードテーブル93の行動パターンエリア93fから取得して、載置中幻魔キャラクタの行動パターンを守備パターンに設定し、通常パターンから守備パターンへの行動パターンの変更を行う。ステップ54では、ステップ53と同じく、新たに入力したバーコード情報に対応する行動パターンを行動パターンエリア93fから取得して、載置中幻魔キャラクタの行動パターンを通常パターンに設定する。
【0092】
次に、図24を参照して、第2変形例に係るゲームマシン1の動作を説明する。図24は、第2変形例に係るカード面変更検出処理の動作手順を示すフローチャートである。
【0093】
第2変形例に係るゲームマシン1では、カード面変更検出処理を開始すると、ステップ61に進み、図18に示されるステップ41と同じく、メインCPU32が読取ユニット19に載置されている遊技用カード40(幻魔カード)の載置面が変更されたか否かを判定する。そして、ステップ61において載置面の変更が検出されたと判定されるとステップ62に進むが、そうでなければカード面変更検出処理が終了する。ステップ62に進むと、新たに入力したバーコード情報を用いて図25(b)に示されるカードテーブル94をサーチし、得られたカード読取面コード(表面コードX,裏面コードY)に基づいて、表面と裏面のどちらが幻魔カードの載置面になっているのかを判定し、表面が載置面になっているときはステップ63に進むが、そうでなければステップ64に進む。ステップ63では、メインCPU32が本発明における変更手段として作動して、新たに入力したバーコード情報に対応する行動パターンをカードテーブル94の行動パターンエリア94fから取得して、載置中幻魔キャラクタの行動パターンを攻撃パターンに設定し、通常パターンから攻撃パターンへの行動パターンの変更を行う。ステップ54では、ステップ53と同じく、新たに入力したバーコード情報に対応する行動パターンを行動パターンエリア94fから取得して、載置中幻魔キャラクタの行動パターンを通常パターンに設定する。
【0094】
ここで、第1又は第2変形例に係るゲームマシン1は、上記したステップ53,54又はステップ63,64において載置中幻魔キャラクタの行動パターンを設定すると、その設定した行動パターンに対応した行動を載置中幻魔キャラクタに行わせる。具体的には、載置中幻魔キャラクタの行動パターンが守備パターンに設定されると(ステップ53)、幻魔キャラクタが幻魔使いの元(周囲)に集まってきて、幻魔使いを守ろうとする守備的動作を行うようになる。また、載置中幻魔キャラクタの行動パターンが攻撃パターンに設定されると(ステップ63)、幻魔キャラクタが攻撃的思考をもって(遊技者の操作なく自動的に)行動し、攻撃的動作を行うようになる。
【0095】
以上、本発明の好適な実施形態及び変形例について詳細に説明したが、本発明は上記した実施形態及び変形例に限定されることなく、種々の変形が可能である。例えば、本実施形態に係るゲームマシン1では、遊技用物品として遊技用カードを例にとって説明しているが、本発明は、遊技用カード40とは異なるカード状の遊技用物品(表面及び裏面の大きさに比較して側面の大きさは小さいものの、厚さが遊技用カード40よりも厚いカード状のもの、例えば表面及び裏面が矩形の場合には厚さが短手辺の長さよりも薄いが、遊技用カード40よりは厚いもの)及び、コインやメダル等を用いる場合にも適用がある。また、幻魔対戦ゲームを行えるゲームマシン1を例にとって説明しているが、カード状の遊技用物品を用いる他のカード遊技を行えるゲーム機についても適用がある。例えば、野球、サッカー等、複数の選手を登場させるゲーム機等である。また、その他にも、本発明における対応オブジェクトとしては、幻魔キャラクタの他に、映画、漫画、アニメーション、テレビジョンで視認可能な番組などに登場するキャラクタ等についても適用がある。さらに、本発明における対応オブジェクトとしては、幻魔キャラクタの他に、アイテム(例えば、剣等の武器や鎧等の防具)、術や魔法、乗り物(例えば、車や馬)等についても適用がある。
【0096】
また、ゲームマシン1では、メインディスプレイ11、サブディスプレイ12を備えていたが、メインディスプレイ11、サブディスプレイ12を別体としてもよい。
【0097】
また、本実施形態では遊技用カード40にバーコードを記録し、その記録されているバーコードを読取スキャナ19bが読み取るようになっているが、遊技用カード40にバーコード以外の情報を記録し、読取スキャナ19bによって、その情報を読み取るようにしてもよい。
【0098】
また、本実施形態ではメインCPU32が対応オブジェクトに関する指示を外部に出力させるにあたって、載置中幻魔キャラクタの非表示処理を行うように指示する変更指示データをゲームサーバ101宛に送信させているが、これに限られず、載置中幻魔キャラクタのコスチューム、表情、大きさ等の変更に関する指示を送信させてもよい。また、本第1及び第2変形例では対応オブジェクトに関する変更として、載置中幻魔キャラクタの行動パターンの変更を例にとって説明しているが、これに限られず、例えば載置中幻魔キャラクタの能力、攻撃範囲等のパラメータを変更するようにしてもよい。
【0099】
また、遊技用カード40の載置面を検出するには、次のようにすることもできる。例えば、遊技用カード40の図10(a)に示す表(おもて)面側の幻魔図柄aの画像認識を行うと遊技用カード40は裏向きに載置されているとし、図10(b)に示す裏面側の「カードゲーム」の文字列の画像認識を行うと遊技用カード40が表向きに載置されているとする場合である。
【0100】
また、本実施形態では、ゲームマシン1が、読取ユニット、検出手段及び指示出力手段を有する場合を例にとって説明しているが、これら各手段は、ゲームマシン1又は店舗サーバ2のいずれかに設けるようにして、ゲームシステム(本発明における遊技システム)を構成してもよい。さらに、ゲームマシン1と、店舗サーバ2とは別に、上記各手段と同様の機能を有する装置を設けてゲームシステムを構成してもよい。
【0101】
また、本実施形態では、幻魔カードの裏面が上側となるように幻魔カードを読取ユニット19に載置しても、敵のキャラクタのZOC内であったときには非表示処理を行わないものとしているが、このような制限を設けず、幻魔カードの裏面が上側となるように幻魔カードを読取ユニット19に載置したとき常に非表示処理を行ってもよい。
【0102】
なお、電子透かしに関しては、例えば、特開2004−128845号公報に記載されている透かし情報埋込方法を用いることができる。特開2004−128845号公報には、次のような透かし情報の埋込方法が開示されている。すなわち、印刷文書に埋込むべき機密情報を符号化してビット列に変換し、数個のドット(黒画素)からなり、各ドットの相対的な位置関係によって定まる固有値が与えられたドットパターンを各符号に割り当て、符号化された機密情報のビット列に対応するドットパターンを透かし画像上に配置する方法である。その他、特開2003−101762号公報に記載の透かし情報埋め込み装置、特許第3269015号公報に記載の電子透かしシステム、特許第3565483号公報に記載のデータ表示システムを用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本実施形態に係るゲームマシンを複数備えたゲームシステムのシステム構成図である。
【図2】複数のゲームマシンとカード販売機を示す斜視図である。
【図3】ゲームマシンの全体構成を示す斜視図である。
【図4】内部の構成を中心に示すゲームマシンのブロック図である。
【図5】画像制御回路の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図6】店舗サーバを示すブロック図である。
【図7】ゲームサーバおよびデータベースサーバを示すブロック図である。
【図8】ゲームマシンにおける読取ユニット及び遊技用カードを示す斜視図である。
【図9】図8のIX−IX線断面図である。
【図10】遊技用カードの表面を示す平面図であり、(a)は遊技用カードの表面を示す図であり、(b)は遊技用カードの裏面を示す図である。
【図11】遊技用カードのバーコードの配置区画を示す平面図であり、(a)は遊技用カードのうち後述する幻魔カードの裏面を示し、(b)は幻魔カードの表面を示し、(c)は遊技用カードのうち後述する符術カードを示す図である。
【図12】カードテーブルを示す図である。
【図13】ゲームマシンにおけるゲームの開始から終了までのゲーム処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図14】ゲーム開始処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図15】幻魔召喚対戦処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図16】幻魔の移動戦闘処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図17】割込処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図18】カード面変更検出処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図19】幻魔召喚出現画像を示す図である。
【図20】開始演出画像を示す図である。
【図21】ゲームマシン1A,1Bにおける変更指示データの送受信を説明するためのブロック図である。
【図22】読取スキャナと、遊技用カードおよびそのドットパターンとの一例を示す図である。
【図23】第1変形例に係るカード面変更検出処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図24】第2変形例に係るカード面変更検出処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図25】(a)は第1変形例に係るカードテーブルを示す図であり、(b)は第2変形例に係るカードテーブルを示す図である。
【符号の説明】
【0104】
1…ゲームマシン、2…店舗サーバ、5…センターサーバ群、11…メインディスプレイ、11a…タッチパネル、12…サブディスプレイ、17…IDカード、19…読取ユニット、19b…読取スキャナ、31…マイクロコンピュータ、32…メインCPU、33…RAM、34…ROM、40…遊技用カード、100…ゲームシステム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技用物品に記録されている遊技用情報を用いて遊技が行える遊技機であって、
前記遊技用物品を個別に載置可能で、載置された前記遊技用物品から前記遊技用情報を読取る読取手段を有する読取ユニットと、
該読取ユニットに載置されている載置中遊技用物品の前記読取ユニットに載置されている載置面の変更を前記読取手段によって読取られた前記遊技用情報を用いて検出する検出手段と、
該検出手段によって前記載置面の変更が検出されたときに、前記載置中遊技用物品に対応する対応オブジェクトに関する指示を外部に出力させる指示出力手段とを備えることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記指示出力手段は、前記対応オブジェクトを示す対応オブジェクト画像を変更するための変更指示を出力させることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記指示出力手段は、前記対応オブジェクトを認識できないような態様で前記対応オブジェクト画像を変更するための前記変更指示を出力することを特徴とする請求項2記載の遊技機。
【請求項4】
前記対応オブジェクト画像を表示する画像表示手段と、
前記対応オブジェクト画像を変更するためのオブジェクト画像変更指示を外部から入力する変更指示入力手段と、
該変更指示入力手段によって入力された前記オブジェクト画像変更指示に従い、前記画像表示手段における前記対応オブジェクト画像を変更させる画像表示制御手段とを更に有することを特徴とする請求項2又は3記載の遊技機。
【請求項5】
前記画像表示制御手段は、前記対応オブジェクトを認識できないような態様で前記対応オブジェクト画像を変更させることを特徴とする請求項4記載の遊技機。
【請求項6】
遊技用物品に記録されている遊技用情報を用いて遊技が行える遊技機であって、
前記遊技用物品を個別に載置可能で、載置された前記遊技用物品から前記遊技用情報を読取る読取手段を有する読取ユニットと、
該読取ユニットに載置されている載置中遊技用物品の前記読取ユニットに載置されている載置面の変更を前記読取手段によって読取られた前記遊技用情報を用いて検出する検出手段と、
該検出手段によって前記載置面の変更が検出されたときに、前記載置中遊技用物品に対応する対応オブジェクトに関する変更を行う変更手段とを有することを特徴とする遊技機。
【請求項7】
前記変更手段は、前記対応オブジェクトの遊技における行動形態を変更することを特徴とする請求項6記載の遊技機。
【請求項8】
前記読取ユニットが複数横並びに配置されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項記載の遊技機。
【請求項9】
遊技用物品に記録されている遊技用情報を用いて遊技が行える第1及び第2の遊技機を備える遊技システムであって、
前記第1の遊技機は、前記遊技用物品を個別に載置可能で、載置された前記遊技用物品から前記遊技用情報を読取る読取手段を有する読取ユニットと、
該読取ユニットに載置されている載置中遊技用物品の前記読取ユニットに載置されている載置面の変更を前記読取手段によって読取られた前記遊技用情報を用いて検出する検出手段と、
該検出手段によって前記載置面の変更が検出されたときに、前記載置中遊技用物品に対応する対応オブジェクトを示す対応オブジェクト画像を前記第2の遊技機が変更するための変更指示を外部に出力させる指示出力手段とを有することを特徴とする遊技システム。
【請求項10】
前記第2の遊技機は、前記遊技用物品を個別に載置可能で、載置された前記遊技用物品から前記遊技用情報を読取る読取手段を有する読取ユニットと、
該読取ユニットに載置されている載置中遊技用物品の前記読取ユニットに載置されている載置面の変更を前記読取手段によって読取られた前記遊技用情報を用いて検出する検出手段と、
該検出手段によって前記載置面の変更が検出されたときに、前記載置中遊技用物品に対応する対応オブジェクトを示す対応オブジェクト画像を前記第1の遊技機が変更するための変更指示を外部に出力する指示出力手段とを有することを特徴とする請求項9記載の遊技システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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