説明

遊技機用回路基板

【課題】ハードウェアの共通化によって、製造に必要なハードウェアの種類の低減が充分図れ、部品の在庫管理が煩雑となることが未然に防止される遊技機用回路基板の提供。
【解決手段】主制御基板15にパターン識別コード94が記載されているとともに、制御用ソフトウェアを記憶したROM91が未実装の状態で、主制御基板15の保管を行うようにしたので、同一のパターン識別コード94が記された主制御基板15は、完全に同一のハードウェアからなるものとなり、部品の種類が低減され、部品の在庫管理が容易に行える。そして、前述のROM91を主制御基板15に取り付けた後に、遊技機識別コード95を主制御基板15に刻印すれば、遊技機識別コード95によって、主制御基板15は、ソフトウェアの種類毎に適切に取り扱われるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に設けられている装置の動作を制御する制御回路を構成する電子部品と、電気的に絶縁性を有し、且つ、前記電子部品が固定されている平板状の平板部と、前記電子部品の電気的な接続を行うために、前記平板部の表面を覆う金属膜を部分的にエッチングすることで形成された配線パターンとを備えた遊技機用回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、スロットマシンの遊技機は、遊技を行うのに必要な遊技装置、遊技装置の動作を制御する制御回路を有する制御装置、及び、遊技装置及び制御基板に電力を供給する電源装置等を備えたものとなっている。
このうち、制御装置は、遊技動作を制御するプログラムを記憶したROM、及び、高速演算機能を有するLSI等からなるCPU等のハードウェアを備え、ROMに記憶されたプログラム等のソフトウェアをCPUで実行することで制御を行うものとなっている。
このような制御装置によれば、同一のハードウェアであっても、異なるソフトウェアでCPUを実行させれば、全く異なる制御動作を実行することができ、同じハードウェア構成の遊技機でも、異なるソフトウェアを搭載することで、それぞれ異なる遊技を行う複数種類の遊技機を実現することができる。
【0003】
また、前述の制御装置は、遊技機に設けられている装置の動作を制御する制御回路を構成する複数種類の電子部品と、これらの電子部品が取り付けられている固定されている遊技機用回路基板とを備えている。
制御装置に設けられている電子部品としては、前述のROMやCPUとななるICやLSI等の能動素子だけでなく、コンデンサ、インダクタ及び直流抵抗等の受動素子も採用されている。
また、制御装置に設けられている遊技機用回路基板は、電気的に絶縁性を有するとともに、前述した複数種類の電子部品が固定される平板状の平板部と、前述の電子部品の電気的な接続を行うために、平板部の表面を覆う金属膜を部分的にエッチングすることで形成された配線パターンとを備えたものとなっている。
【0004】
このような遊技機用回路基板には、当該遊技機用回路基板の識別情報を示すために、その製造者名又はブランド名、及び、当該遊技機又は当該遊技機用回路基板の型式名等の識別コードが、その表面に記されている。
ここで、識別コードを遊技機用回路基板の表面に記するにあたり、遊技機用回路基板の表面にエッチングで配線パターンを形成するのと同時に、遊技機用回路基板にエッチングで製造者名や型式名等を遊技機用回路基板に記するエッチング手法、あるいは、遊技機用回路基板の表面にエッチングで配線パターンを形成するのと前後して、シルク印刷等のスクリーン印刷で、識別コードをインキで遊技機用回路基板に記する印刷手法を採用することができる。
【0005】
以上の手法によって、遊技機用回路基板の表面に識別コードを記しておけば、製造時における組立作業を行う際だけでなく、遊技場への納品後における保守作業を行う際に、当該遊技機用回路基板の回路構成や、設置対称となる遊技機の機種を認識することができ、組立作業や保守作業の便宜を図ることができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−282502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述のような遊技機用回路基板では、同一のハードウェアからなる制御回路が形成されることから、全く同一の配線パターンを有するものでも、記憶されるソフトウェアが相違していれば、当該遊技機用回路基板が搭載される遊技機の機種も異なるので、全く同一の配線パターンが形成されたものでも、記憶されるソフトウェア毎に異なる識別コードを記する必要があり、製造すべき遊技機用回路基板の種類が増えてしまう。
このため、複数種類の遊技機を製造するにあたり、ハードウェアの共通化により、製造に必要なハードウェアの種類の低減を図ろうとしているにもかかわらず、必要となる部品の種類が増えてしまう。
従って、ハードウェアの種類の低減を充分に図ることができない、という問題があり、この問題によって、部品の在庫管理が煩雑となる、という問題が生じることとなる。
【0008】
そこで、各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ハードウェアの共通化によって、製造に必要なハードウェアの種類の低減が充分図れ、部品の在庫管理が煩雑となることが未然に防止される遊技機用回路基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
各請求項にそれぞれ記載された各発明は、前述の目的を達成するためになされたものである。以下に、各発明の特徴点を、図面に示した発明の実施の形態を用いて説明する。
なお、符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0010】
(請求項1)
(特徴点)
請求項1記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項1に記載された発明は、遊技機(1)に設けられている装置の動作を制御する制御回路を構成する電子部品(91)と、電気的に絶縁性を有するとともに、前記電子部品(91)が固定されている平板状の平板部(90)と、前記電子部品(91)の電気的な接続を行うために、前記平板部(90)の表面を覆う金属膜を部分的にエッチングすることで形成された配線パターンとを備えた遊技機用回路基板(15)であって、前記配線パターンの形態を特定するパターン識別コード(94)と、当該遊技機用回路基板(15)が組み込まれる遊技機(1)を特定する遊技機識別コード(95)とが、その表面(90A) に記され、前記パターン識別コード(94)は、前記金属膜をエッチングすることで前記配線パターンを形成する際に、当該エッチングにより前記配線パターンと同時に形成された金属膜のパターンからなるものであり、前記遊技機識別コード(95)は、前記電子部品(91)が固定された状態の前記平板部(90)の表面(90A) に照射されたレーザー光線によって刻まれた刻印からなるものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
(請求項1の効果)
以上のように構成されている本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
すなわち、請求項1記載の発明によれば、平板部の表面を覆う金属膜を部分的にエッチングすることで配線パターンを形成するのと同時に、当該エッチングにより金属膜をエッチングし、これにより、パターン識別コードを形成するので、パターン識別コードと、当該遊技機用回路基板に形成された配線パターンとを一対一で対応させることができ、従って、パターン識別コードで配線パターンの形態を確実に特定することができる。
一方、遊技機識別コードは、電子部品が固定された後に、平板部の表面に照射されたレーザー光線によって刻印することができるので、遊技機用回路基板にソフトウェアが記憶された記憶媒体を設置した後に、遊技機識別コードの刻印を行うことができ、これにより、遊技機識別コードと、当該遊技機用回路基板に記憶されたソフトウェアとを一対一で対応させることができ、従って、遊技機識別コードで当該遊技機用回路基板に記憶されたソフトウェアを確実に特定することができる。
【0012】
ここで、遊技機用回路基板の保管及び在庫管理は、遊技機用回路基板の単体としての製作は完成しているが、少なくとも、ソフトウェアを記憶した電子部品が未実装の状態で行うようにすれば、同一のパターン識別コードが記された遊技機用回路基板は、同一の配線パターンと、完全に同一のハードウェアからなる制御回路とを備えたものとなるので、遊技機用回路基板の保管及び在庫管理が行う上で、一種類の部品として取り扱うことができ、保管及び在庫管理の上、部品の種類が増えることがなく、部品の在庫管理が何ら煩雑となることがない。
そして、ソフトウェアを記憶した記憶媒体を遊技機用回路基板に取り付けた後に、レーザー光線で遊技機識別コードを遊技機用回路基板に刻印すれば、記憶されたソフトウェアの種類の応じて異なる遊技機識別コードが遊技機用回路基板に記され、遊技機識別コードによって、遊技機用回路基板は、ソフトウェアの種類毎に適切に取り扱われるようになる。そのうえ、遊技機識別コードが刻印された後の遊技機用回路基板は、速やかに、基板ケース等に収納することができるうえ、基板ケース等に収納された状態で、遊技機に速やかに組み付けることができ、これによって、ソフトウェアが記憶された遊技機用回路基板は、部品として保管及び在庫管理を行う必要がなくなるので、この点から、その在庫管理が何ら煩雑となることがない。
従って、本発明によれば、複数種類の遊技機を製造するにあたり、ハードウェアの共通化によって、製造に必要なハードウェアの種類の低減を充分に図ることができ、しかも、部品の種類が何ら増えることがないので、部品の在庫管理が煩雑となることを未然に防止することができ、以上により、前記目的が達成される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態の全体を示す正面図である。
【図2】前記実施形態に係る筐体内部を示す正面図である。
【図3】前記実施形態に係る基板ケースを示す斜視図である。
【図4】図3のIV−IV線における断面図である。
【図5】前記実施形態に係る基板ケースの蓋部を示す斜視図である。
【図6】前記実施形態に係る基板ケースの要部を示す拡大断面図である。
【図7】前記実施形態に係る管理プレートを示す斜視図である。
【図8】前記実施形態に係る封止キャップを示す斜視図である。
【図9】前記実施形態に係る封止キャップを示す断面図である。
【図10】前記実施形態の封止キャップを笠状蓋部側から示す分解斜視図である。
【図11】前記実施形態に係る封止キャップを筒部側から示す分解斜視図である。
【図12】前記実施形態に係る封止キャップを示す分解状態の断面図である。
【図13】前記実施形態に係る関連付けマーキング群を示す斜視図である。
【図14】前記実施形態に係る遊技機用回路基板を示す斜視図である。
【図15】前記実施形態に係る遊技機識別コード及びパターン識別コードを示す正面図である。
【図16】前記実施形態に係る捨て板がついた状態の遊技機用回路基板を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明を実施するための形態である一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(スロットマシン1の概要)
図1には、本発明の第1実施形態に係る遊技機としてのスロットマシン1が示されている。図1において、スロットマシン1は、三個の回転リール11の各々に記された複数種類の図柄が所定の組み合わせとなるように、回転している回転リール11を停止させる遊技を行うものである。このスロットマシン1には、図1に示すように、当該スロットマシン1の各種装置を収納するとともに、正面形状が長方形となった筐体2が備えられている。
筐体2は、前面全体が開口された箱状の部材である。そして、筐体2の前面開口は、当該筐体2に回動可能に取り付けられた前扉3で塞がれるようになっている。なお、前扉3は、閉じられると、自動的に施錠されるようになっている。
【0015】
前扉3は、その前面をほぼ二分する上部パネル部4及び下部パネル部5を備えたものとなっている。そして、下部パネル部5の下方には、入賞時に払い出されるメダルを貯留する受皿部6Aが一体成形された受皿ユニット6が設けられている。また、また、上部パネル部4と下部パネル部5との間には、遊技に係る操作を行うための操作卓7が遊技者側に突出するように形成されている。
ここで、上部パネル部4及び下部パネル部5は、意匠的に優れた外観を確保するために、合成樹脂製の化粧板が表面に張り付けられたものとなっている。
【0016】
(上部パネル部4)
上部パネル部4には、図1中、操作卓7の上方且つ幅方向の中央部分において長方形状に形成された表示窓4Aが設けられている。
ここで、筐体2内部に設けられた三個の回転リール11の各々は、その外周面に複数種類の図柄に記されている。そして、各回転リール11の図柄は、筐体2の外部から表示窓4Aを通して目視可能となっている。
【0017】
上部パネル部4の上端縁部分には、正面形状が逆台形状に形成された演出用照明装置4Bが設けられている。この演出用照明装置4Bは、上部パネル部4の上端縁部分のほぼ中央に配置されている。演出用照明装置4Bの両端部は、上部パネル部4の角隅部分まで達することなく、その手前の位置で途切れたものとなっている。
また、上部パネル部4の上側における両角近傍には、正面形状が湾曲した帯状に形成されるとともに、漢数字の「八」を描く一対の演出用照明装置4Cが設けられている。これらの演出用照明装置4Cの各々は、その上端部が演出用照明装置4Bの端部近傍に配置されるとともに、その下端側の部分が上部パネル部4の側縁へ向かって斜め下方に延びたものとなっている。
さらに、上部パネル部4の両方の側縁には、演出用照明装置4Cの下端に接続された別の演出用照明装置4Dがそれぞれ設けられている。これらの演出用照明装置4Dの各々は、演出用照明装置4Cと同様に、上下方向に細長い帯状に形成されたものであり、演出用照明装置4Cの下端から、上部パネル部4の側縁に沿って延び、操作卓7の直近まで達するものとなっている。
これらの演出用照明装置4B〜4Dの各々は、赤色のレンズの内部に配置された高輝度発光ダイオード等の光源を備え、遊技の進行に応じて、その光源の点灯又は点滅により、遊技における視覚的な演出効果を高めるものである。
【0018】
表示窓4A及び演出用照明装置4Bの間には、遊技の演出用画像を表示する液晶表示装置4Eが設けられている。この液晶表示装置4Eは、動画を含む様々な画像を、遊技の進行に応じて表示するものである。
液晶表示装置4Eの両側には、遊技に係る効果音を発生するスピーカを備えた音声出力部4Fがそれぞれ設けられている。
【0019】
(操作卓7)
操作卓7は、遊技における操作に必要な各種のスイッチ類が配置されたものである。
すなわち、操作卓7における図1中右端の部分には、前扉3の施錠を解除するための鍵が挿入される鍵穴7Aが設けられている。この鍵穴7Aの左斜め上方には、メダルを投入するためのメダル投入口7Bが開口されたメダル投入部7Cが設けられている。
メダル投入口7Bの左斜め下方には、三個の回転リール11のそれぞれを停止させる際に操作される三個のストップボタン7Dが設けられている。これら三個のストップボタン7Dのうち、左端に配置されているストップボタン7Dの左斜め上方には、一度の操作で最大枚数のメダルを賭けることができるマックスベットボタン7Eが設けられている。
また、左端のストップボタン7Dの左方であって、マックスベットボタン7Eの左斜め下方の位置には、三個の回転リール11を一斉に回転させる際に操作されるスタートレバー7Fが設けられている。このスタートレバー7Fの左斜め上方には、1回の操作で貯留されているメダルを1枚賭けることのできる、換言すると、メダルを1枚ずつ賭ける際に操作されるベットスイッチ7Gが設けられている。
さらに、ベットスイッチ7Gの左斜め下方には、精算時に貯留されているメダルを払い出させる精算ボタン7Hが設けられている。
【0020】
(下部パネル部5及び受皿ユニット6)
下部パネル部5には、スロットマシン1のモデルタイプを表す象徴するキャラクター等が描かれたパネル5Aが設けられている。
受皿ユニット6には、メダルを貯留する前述の受皿部6Aに加えて、入賞時に受皿部6Aへ向かって払い出されるメダルを排出させるメダル払出口6Bと、遊技に係る効果音を発生するスピーカを備えた音声出力部6Cとが設けられている。
【0021】
(筐体2に収納されている内部装置)
次いで、筐体2の内部に設けられている内部装置について簡単に説明する。
筐体2の内部には、図2に示すように、スロットマシン1の遊技動作を制御するマイクロコンピュータからなるCPUを備えた後述する主制御基板15を内蔵する基板ケース50、三個の回転リール11が回転自在に支持するとともに、これらの回転リール11のそれぞれを駆動する図示しないモータを備えたリールユニット10、内部に多数のメダルを貯留させる容器部12Aを備えるとともに受皿部6Aに向かってメダルを排出するホッパユニット12、及び、これらの装置に電力を供給する電源装置13等が設けられている。
このうち、リールユニット10は、それぞれが円筒状に形成された複数の回転リール11を有するものである。そして、これらの回転リール11の各外周面には、特に図示していないが、複数種類の図柄が記されている。
以上において、主制御基板15は、スロットマシン1の遊技動作を制御する制御回路が形成されている制御基板となっている。
【0022】
前扉3の裏側の面には、表側の面に配置された液晶表示装置4Eに対応して、液晶表示装置4E、演出用照明装置4B〜4D及び音声出力部4F, 6Cの動作を制御する副制御基板16を内蔵する基板ケース2Dが設けられている。
また、前扉3の裏側の面には、表側の面に開口されたメダル投入口7Bに対応して、投入されたメダルの適否を判定するメダルセレクタ14が設けられている。
【0023】
(基板ケース50)
次に、前述の主制御基板15を内蔵する基板ケース50について簡単に説明する。
基板ケース50は、図3及び図4に示すように、スロットマシン1の遊技動作を制御する制御回路が形成された主制御基板15を内部に収納するために、箱状に形成された本体部51を備えている。そして、本体部51は、外部から内部の視認が可能な透明合成樹脂製の部材であり、後述するベース部52と蓋部53とに分割可能となっている。なお、図3には、蓋部53のみが示され、ベース部52の図示は省略されている。
【0024】
ベース部52は、図4の如く、全体がほぼ平板状に形成されるとともに、表側及び裏側の両方の面に様々な形態の突起が形成された部品となっている。
蓋部53は、図3及び図4の如く、ベース部52の電子部品が取り付けられた面を覆うために、ベース部52側の面が開口された略箱状の部材である。
更に詳しく説明すると、蓋部53は、ベース部52の電子部品が取り付けられた面と対向する長方形状の正面部53A と、正面部53A の四つの側縁からベース部52へ向かって延びる四つの側壁部53B とを備えた箱状の部材である。
【0025】
ここで、蓋部53の正面部53A には、その上端縁近傍部分に形成されるとともに、円筒状に凹んだ一対の凹部53C が左右対称となるように設けられている。
この凹部53C の底部53D には、図4の如く、接合具であるネジ60を挿通させるネジ孔53E が形成されている。
また、凹部53C の内周面には、後述する封止キャップ70に形成されている楔形状の係止爪70A を係止させる係止凹部53F 形成されている。
また、蓋部53の四つの側壁部53B のうち、図4中、下方に配置された側壁部53G は、外壁部53H 及び内壁部53J からなる二重構造の側壁となっている。このうち、内壁部53J には、図4〜図6に示すように、ベース部52に形成された後述する係止フック部52A の先端を挿通させるフック挿通孔53K が複数形成されている。
【0026】
ベース部52における蓋部53に臨む面は、主制御基板15が取り付けられる基板取付面52B となっている。
この基板取付面52B には、図4の如く、蓋部53の凹部53C に対応する位置に形成されるとともに、当該面から蓋部53に向かって円柱状に突出するボス部52C が設けられている。このボス部52C は、蓋部53側のネジ孔53E に挿通されたネジ60の先端と螺合する部位となっている。
また、基板取付面52B における図4中下方の端縁近傍には、蓋部53側のフック挿通孔53K に対応して前述の係止フック部52A が複数設けられている。これらの係止フック部52A の各々は、基端部分が基板取付面52B から蓋部53へ向かって突出し、途中部分が下方へ湾曲し、先端部分が下方へ垂れ下がった部位となっている。
【0027】
以上において、基板ケース50は、ベース部52に形成された係止フック部52A の先端部分を、蓋部53側のフック挿通孔53K の挿通させた状態で、蓋部53に形成された凹部53C の底部53D をベース部52のボス部52C に当接させることによって閉鎖され、さらに、蓋部53の底部53D に形成されたネジ孔53E に挿通したネジ60をボス部52C に螺合することによって、ベース部52に蓋部53が接合され、閉鎖状態に固定されるものとなっている。
この際、蓋部53の凹部53C は、図3の如く、接合具としてのネジ60が内部に挿通される挿通孔となっている。
また、ベース部52に接合された蓋部53の凹部53C には、図3及び図4の如く、封止キャップ70が嵌合されるようになっている。これにより、図4の如く、ネジ60が内部に挿通された状態のネジ孔53E 及びネジ60の頭部が封止キャップ70に封止されるようになっている。封止キャップ70については、後で詳しく説明する。
【0028】
(管理プレート80)
このような基板ケース50には、図3〜図6に示すように、スロットマシン1のシリアル番号等の管理情報80A が記されるとともに、本体部51の内面に沿わせて取り付けられる平板状の管理プレート80が設けられている。
すなわち、蓋部53の正面部53A における本体部51の内側となる内側面53L には、図5に示すように、図5中上下方向に延びるとともに、断面がL字形となった一対の突条53M が所定の間隔を開けて設けられている。
これらの突条53M の各々は、基端部分が内側面53L から突出し、途中部分がほぼ直角に折れ曲がり、先端部分が互いに近づく方向に延びた部位となっている。そして、このような突条53M の各々は、蓋部53の内側面53L とともに断面「コ」字形状の溝形部54を形成している。これらの溝形部54は、互いに開口が対向するように設けられている。
また、一対の突条53M の各々は、二つの辺を有するL字の基端側の一辺の図5中上端近傍を貫通する係止孔53N を備えたものとなっている。
【0029】
さらに、一対の突条53M の間、換言すると、正面部53A における管理プレートが取り付けられる部位には、蓋部53の正面部53A を貫通し、本体部51の内部と外部とを連通する複数の第1通気口53P が設けられている。これらの第1通気口53P は、二列の第1通気口列53Q を形成している。これらの第1通気口列53Q は、それぞれ別の突条53M の近傍において当該突条53M に沿って延びるものとなっている。
【0030】
管理プレート80は、透明な合成樹脂を長方形の平板状に形成した透明部材である。管理プレート80を形成する透明な合成樹脂には、所定波長のレーザー光(例えば、YAGレーザー又はYVO4 レーザーの光)を吸収して周囲の合成樹脂を黒色(不透明)に変化させる添加剤が添加されている。これにより、管理プレート80の表面には、所定波長のレーザー光の照射で黒色のマーキングが可能となっている。
この管理プレート80の図5中上下方向に延びる辺は、突条53M に応じた長さに設定されている。また、管理プレート80の図5中上下方向に延びる辺は、一対の突条53M の間隔に応じた長さに設定されている。さらに、管理プレート80の厚さは、蓋部53の内側面53L と突条53M とが形成する溝形部54の幅寸法に応じて設定されている。
【0031】
このような管理プレート80には、図7に示すように、図7中左右に配置された端面のそれぞれから突出した半球形状の係止突起81が設けられている。これの係止突起81は、突条53M に設けられた係止孔53N に応じた位置に形成されている。
また、管理プレート80には、蓋部53側の複数の第1通気口53P に応じて、当該管理プレートを貫通する複数の第2通気口82が設けられている。
そして、複数の第2通気口82は、蓋部53側に形成された二列の第2通気口列53Q に対応する位置に配列されて、二列の第2換気口列82A を形成している。
【0032】
以上において、管理プレート80は、図5の如く、図5中上方から、蓋部53の内側面53L と突条53M とが形成する溝形部54の内部に差し込まれることで、本体部51の内面に固定されるようになっている。
すなわち、管理プレート80は、左右の端面に設けられた半球形状の係止突起81が突条53M 側の係止孔53N の位置まで到達するまで、溝形部54の内部に差し込まれると、係止突起81が係止孔53N に嵌合して係止され、これにより、蓋部53の内側面53L 、すなわち、本体部51の内面への固定がなされるようになっている。
【0033】
また、管理プレート80の第2通気口82は、本体部51の内面に管理プレート80が固定された状態、換言すると、管理プレート80が本体部51に取り付けられた状態では、第1通気口53P からずれた位置に配置されるように形成されている。
そして、本体部51には、図6に示すように、内側面53L を凹ませるとともに、第1通気口53P と連通するように形成された第1通気凹部53R が形成されている。
一方、管理プレート80には、図6の如く、蓋部53の内側面53L に密着する密着面83を凹ませるとともに、第2通気口82と連通するように形成された第2通気凹部84が形成されている。
【0034】
この際、管理プレート80の第2通気口82は、管理プレート80が本体部51の内面に固定されると、本体部51側の第1通気口53P とは位置がずれているが、図6の如く、管理プレート80の第2通気凹部84と本体部51側の第1通気凹部53R とが互いに連通し、第1通気口53P と連通するようになっている。
これにより、本体部51には、管理プレート80が本体部51の内面に固定されると、本体部51の内部と外部とを連通するとともに、クランク状に折れ曲がった通気路85が形成されてるようになっている。
以上において、本体部51及び管理プレート80のそれぞれには、本体部51に取り付けられた管理プレート80の第2通気口82と本体部51側の第1通気口53P とを接続する通気凹部として第1通気凹部53R 及び第2通気凹部84が形成されている。
【0035】
図3に戻って、管理プレート80の管理情報80A (図3では「AKC47」)は、管理プレート80が本体部51の内部に取り付けられ、且つ、ベース部52及び蓋部53が相互に接合された状態で、本体部51の外部から照射された所定波長のレーザー光によって、管理プレート80の密着面83にマーキングされたものとなっている。
【0036】
(封止キャップ70)
次に、ネジ60が内部に挿通された凹部53C を封止する封止キャップ70について詳しく説明する。
封止キャップ70は、透明な合成樹脂から形成されたものであり、図8及び図9に示すように、本体部51に形成された凹部53C の内部に挿入される筒状の筒部71と、凹部53C を塞ぐ蓋として筒部71に一体的に形成された笠状蓋部72とを備えたものとなっている。
【0037】
筒部71は、三角形の頂部を面取りした六角形状の断面を有する筒状の部位である。この筒部71には、図8の如く、三角形の面取りされた三つの部位にそれぞれ相当する幅の狭い三つの挟幅側面71A と、三角形の三つの辺にそれぞれ相当する幅の広い三つの広幅側面71B とが設けられている。
これらのうち、三つの挟幅側面71A のそれぞれには、楔形状に形成された前述の係止爪70A が形成されている。封止キャップ70は、本体部51側の凹部53C の内部に嵌合すると、凹部53C の内周面に形成された係止凹部53F に係止爪70A が嵌合し、係止凹部53F によって係止爪70A が係止され、凹部53C から抜けないようになっている。
【0038】
笠状蓋部72は、筒部71の六角形状の断面よりも大きな平たい円形の断面を有する平たい円柱状の部位である。この笠状蓋部72の周縁部分は、筒部71の挟幅側面71A 及び広幅側面71B よりも径方向外側へ突出した鍔状となっている。
円柱状に形成された笠状蓋部72の周縁部分及び中央部分は、図9に示されるように、肉厚が相違し、中央部分の肉厚が周縁部分よりも著しく薄くなっている。これにより、笠状蓋部72は、中央部が孔開けの容易なパンチアウト部73とされ、周縁部、すなわち、パンチアウト部73の周囲部分が、孔開けの困難な非パンチアウト部74となっている。
【0039】
パンチアウト部73は、封止キャップ70で封止されたネジ60を緩める際に、容易に押し破ることが可能となっている。これにより、ネジ60を緩めるドライバの先端を挿通させるための孔である図示しないドライバ挿通孔が容易に形成可能となっている。
このようなパンチアウト部73によって、基板ケース50は、主制御基板15を内部に収納し、且つ、封止キャップ70で封印された後開放するにあたり、封止キャップ70の笠状蓋部72にドライバ挿通孔が容易に形成されるので、ネジ60を緩める作業が迅速に行え、当該基板ケース50を開放する作業も迅速且つ容易に行えるようになっている。
【0040】
以上のような封止キャップ70は、二色射出成形法によって二種類の異なる合成樹脂のそれぞれからなる第1樹脂部75及び第2樹脂部76を備えている。
図10〜図12には、実際には分解不可能であるが、封止キャップ70が第1樹脂部75と第2樹脂部76とに分解して示されている。
第1樹脂部75は、ABS等の靱性に優れた透明な合成樹脂に、所定波長のレーザー光が照射さると、当該レーザー光を吸収して周囲の合成樹脂を不透明に変化させる添加剤が添加されたものを射出成形することで形成された部位である。
第2樹脂部76は、アクリル等の比較的脆い透明な合成樹脂を射出成形することで形成された部位であり、前述の添加剤は添加されておらず、よって、所定波長のレーザー光の照射でマーキングされることのないように形成されている。
【0041】
図6に戻って、第1樹脂部75及び第2樹脂部76の境界70B は、図6の如く、笠状蓋部72の内部に形成されている。
これにより、笠状蓋部72には、照射された所定波長のレーザー光を吸収して周囲の合成樹脂を不透明に変化させる添加剤が添加され、所定波長のレーザー光の照射でマーキングが可能となった添加剤添加層72A と、この添加剤添加層72A と重なり合う層として形成され、且つ、前述の添加剤が添加されておらず、所定波長のレーザー光の照射でマーキングされることのない添加剤非添加層72B とが設けられている。
そして、第2樹脂部76に接している第1樹脂部75の境界面75A 換言すると、添加剤非添加層72B に接している添加剤添加層72A の境界面75A には、添加剤非添加層72B を通り抜けてきた所定波長のレーザー光の照射により、予め設定された識別マークがマーキングされるようになっている。
【0042】
第1樹脂部75は、図10〜図12に示すように、略六角筒状の筒部71と、円盤状に形成された添加剤非添加層72B とを含んだ部位である。
この際、第1樹脂部75の境界面75A は、図10及び図12の如く、その中央部分に第2樹脂部76側へ膨出した膨出部75B が設けられたものとなっている。また、境界面75A の周縁部分には、波形の凹凸が形成されている波形部75C が設けられている。
【0043】
第2樹脂部76は、図10〜図12の如く、円盤状に形成された添加剤非添加層72B のみからなる部位である。
この第2樹脂部76の図12中左側の面は、図12に示すように、中央部分が図中左側、すなわち、外側へ膨出したドーム状面76A となっている。
また、第2樹脂部76における第1樹脂部75側に臨んだ面には、第1樹脂部75側の添加剤添加層72A を内部に収納可能な凹部76B が形成されている。
第2樹脂部76に形成された凹部76B の底面76C は、第1樹脂部75の境界面75A に対応した形態となっている。
すなわち、第2樹脂部76の底面76C は、図11及び図12の如く、その中央部分に第1樹脂部75の膨出部75B に対応して凹んだ窪み部76D が設けられている。また、窪み部76D の周縁部分には、第1樹脂部75側の波形部75C に対応した波形の凹凸が形成されている波形部76E が設けられている。
【0044】
ここで、封止キャップ70は、第1樹脂部75及び第2樹脂部76の境界面(境界面75A 及び底面76C )が平面でなく、互いに対応した凹凸面となっており、これらの境界面を互いに密着させて、第1樹脂部75及び第2樹脂部76が一体化されている。
これにより、カッター等の鋭利な刃物を巧みに操っても、第1樹脂部75及び第2樹脂部76を綺麗に分離できず、ひいては、添加剤添加層72A を添加剤非添加層72B から綺麗に剥離するも不可能となっている。
【0045】
また、図8に戻って、封止キャップ70は、図8の如く、添加剤非添加層72B に接している添加剤添加層72A の境界面75A に、添加剤非添加層72B を通り抜けてきた所定波長のレーザービームL(レーザー光)が照射されることで、予め設定された識別マーク77(図8では「AKC47」)が境界面75A にマーキングされるものである。そして、マーキングされた識別マーク77は、パンチアウト部73及び非パンチアウト部74の両方にまたがって形成されている。
なお、図8において、識別マーク77は、作図の都合上、平面に記された形態で表現されているが、実際には、三次元曲面に記されることから、歪んだ形態でマーキングされるようになっている。
【0046】
以上において、基板ケース50は、内部に主制御基板15を収納した状態で、ベース部52に蓋部53がネジ60で接合され、且つ、このネジ60が内部に挿通された凹部53C が、識別マーク77がマーキングされた封止キャップ70で封止されるようになっている。
そして、基板ケース50は、凹部53C が封止キャップ70によって封止されると、図13に示すように、封止キャップ70の笠状蓋部72の表面であるドーム状面76A と、凹部53C の周囲を囲む本体部51の正面部53A の表面56とにまたがって、封止キャップ70及び本体部51を互いに関連付ける関連付マーキング群55(図13では「AKC47」)が形成されるようになっている。
【0047】
この際、関連付マーキング群55は、前述の所定波長のレーザー光(例えば、YAGレーザー又はYVO4 レーザーの光)とは異なる所定波長のレーザー光(例えば、CO2 レーザーの光)でレーザー刻印されることによってマーキングされたものである。
また、関連付マーキング群55は、文字、記号、図形若しくは模様又はこれらの組み合わせからなり、全体で一つの意味を持つものであり、別の基板ケース50とは異なる態様となるように、笠状蓋部72のドーム状面76A と、本体部51の表面56とにまたがって刻印されるものである。換言すると、関連付マーキング群55は、同一の基板ケース50に属する封止キャップ70と本体部51とを一対一で関連付けるものとなっている。
図13では、関連付マーキング群55として、スロットマシン1を特定するシリアル番号であって、アルファベットと数字とからなる「AKC47」が採用されている。
これにより、基板ケース50は、オリジナルの封止キャップ70が取り外され、別の基板ケース50から取り外された非オリジナルの封止キャップ70が当該凹部53C に嵌合されても、当該本体部51に刻印された関連付マーキング群55と、非オリジナルの封止キャップ70になされている関連付マーキング群55とが整合しないので、別の基板ケース50から取り外した封止キャップ70の使用が簡単且つ明瞭に判別可能となっている。
【0048】
(主制御基板15)
次に、スロットマシン1の遊技動作を制御する主制御基板15について説明する。
主制御基板15は、本発明に基づく遊技機用回路基板であり、スロットマシン1に設けられているリールユニット10やホッパユニット12等の装置の動作を制御する制御回路を備えたものとなっている。
【0049】
主制御基板15は、前述の制御回路を構成する電子部品の固定のために、電気的に絶縁性を有するとともに、図14に示すように、平板状に形成された平板部90を備えている。
平板部90は、長さの相違する長辺及び短辺を有する長方形状に形成されている。
この平板部90の図14中手前の実装面90A には、制御回路を構成する電子部品として、遊技用の装置を制御する制御プログラムが記憶されたROM91、図示しないCPUを構成する集積回路のチップ、図示しないコンデンサ及び直流抵抗素子等の能動素子、及び、図示しない外部接続用ケーブルが電気的に接続されるコネクタレ92等が設けられている。
【0050】
また、主制御基板15における実装面90A の裏側の面には、前述した複数種類の電子部品を電気的に接続するために、平板部90の表面全体を覆っていた金属膜を部分的にエッチングすることで形成された図示しない配線パターンが設けられている。
【0051】
さらに、実装面90A における図14中上方の端縁近傍部には、その中央から右方にかけて、シルク印刷等で長方形状に描かれた二つの枠部93A, 93Bが設けられている。
この枠部93A, 93Bには、前述の配線パターンの形態を特定する後述のパターン識別コード94と、当該主制御基板15が組み込まれるスロットマシン1を特定する後述の遊技機識別コード95とが記されるようになっている。
【0052】
パターン識別コード94は、前述の金属膜をエッチングすることで所定の配線パターンを形成するのと同時に、実装面90A を部分的に被覆していた金属膜をエッチングすることで形成されたパターンからなるものである。
また、パターン識別コード94は、数字及びアルファベットの少なくとも1種類の文字からなる文字コードを含んだものである。
【0053】
遊技機識別コード95は、前述の電子部品が固定された状態の平板部90の実装面90A に照射されたレーザー光線によって刻まれた刻印からなるものである。
また、遊技機識別コード95は、漢字、カタカナ、数字及びアルファベットの少なくとも1種類の文字を含んで表されるブランド名を含むブランド識別コード95A と、数字及びアルファベットの少なくとも1種類の文字からなる文字コードを含んだ機種識別コード95B とを有するものとなっている。
【0054】
図15(A)及び(B)には、互いに相違するブランドの互いに異なる機種ではあるが、2種類のスロットマシン1に設置されている主制御基板15の枠部93A, 93Bに記されたパターン識別コード94及び遊技機識別コード95の具体例が示されている。
ここで、これら2種類のスロットマシン1は、ハードウェアは共通であるが、当該ハードウェアの一つであるROM91に記憶されているソフトウェアは相違し、互いに異なる遊技動作がなされるように形成されたものである。
【0055】
図15(A)において、遊技機識別コード95は、図15(A)の如く、ブランド名「○○△□」を表すブランド識別コード95A と、数字及びアルファベットを組み合わせた文字コード「SM48」を示す機種識別コード95B とを有している。なお、図15(A)では、具体的なブランドの記載ができないので、図15(A)において、漢字、カタカナ、数字及びアルファベットのいずれかの文字を「○、△、□」で表している。
また、図15(A)において、パターン識別コード94は、図15(A)の如く、数字及びアルファベットを組み合わせた文字コード「BBC03」を示すものとなっている。
また、遊技機識別コード95のブランド識別コード95A は、枠部93A の内部に記され、遊技機識別コード95の機種識別コード95B は、枠部93B の内部に記されている。
一方、パターン識別コード94は、枠部93B の内部における機種識別コード95B の右側に記されている。
【0056】
図15(B)において、遊技機識別コード95は、図15(B)の如く、ブランド名「□○△△」を表すブランド識別コード95A と、数字及びアルファベットを組み合わせた文字コード「SM51」を示す機種識別コード95B とを有している。なお、図15(B)では、図15(A)と同様に、具体的なブランドの記載ができないので、図15(B)においても、漢字、カタカナ、数字及びアルファベットのいずれかの文字を「○、△、□」で表している。
また、図15(B)において、パターン識別コード94は、図15(A)の如く、数字及びアルファベットを組み合わせた文字コード「BBC03」、すなわち、図15(A)におけるパターン識別コード94と同じ文字コードを示すものとなっている。
この際、図15(A)及び(B)のそれぞれに示したパターン識別コード94が記された主制御基板15は、互いに異なる制御動作を行うものであるが、その配線パターンが設けられている。
また、遊技機識別コード95のブランド識別コード95A は、枠部93A の内部に記され、遊技機識別コード95の機種識別コード95B は、枠部93B の内部に記されている。
一方、パターン識別コード94は、枠部93B の内部における機種識別コード95B の右側に記されている。
【0057】
ここで、平板部90の両方の短辺には、その実装面90A にすべての部品を固定する作業が完了するまで、図16に示すように、短冊状に形成された捨て板96が接続されている。
また、平板部90及び捨て板96の境界部分には、当該境界線に沿って延びる切り取り溝97が設けられている。
捨て板96は、切り取り溝97を利用して折り曲げることにより、平板部90から容易に切り離すことができるようになっている。
また、捨て板96における一の角隅の近傍部分には、シルク印刷等で長方形状に描かれた枠部98が設けられている。
この枠部98には、平板部90側に設けられている枠部93B の内部に記されたものと同一のパターン識別コード94が記されている。
このような主制御基板15の保管及び在庫管理は、平板部90に配線パターン及びパターン識別コード94が形成されているが、実装面90A にROM91が取り付けられておらず、且つ、平板部90に捨て板96が取り付けられた状態で行われる。
【0058】
このような捨て板96は、主制御基板15の実装面90A に電子部品を固定する際に、治具等の必要な作業用器具が取り付けられる取付部分である。
換言すると、電子部品を実装面90A に固定するにあたり、捨て板96に治具等の器具が取り付けられ、作業用器具が実装面90A に取り付けられることがないので、作業用器具によって実装面90A が覆われたり、作業用器具が実装面90A に干渉したりすることがなく、主制御基板15は、実装面90A 全体が有効利用可能となっている。
【0059】
(実施形態の効果)
前述のような本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、主制御基板15の平板部90の表面を覆う金属膜を部分的にエッチングすることで配線パターンを形成するのと同時に、当該エッチングにより金属膜をエッチングし、これにより、パターン識別コード94を形成するので、パターン識別コード94と、当該主制御基板15に形成された配線パターンとを一対一で対応させることができ、従って、パターン識別コード94で配線パターンの形態を確実に特定することができる。
一方、遊技機識別コード95は、電子部品が固定された後に、平板部の表面に照射されたレーザー光線によって刻印することができるので、遊技動作制御用のソフトウェアを記憶したROM91を主制御基板15に設置した後に、遊技機識別コード95の刻印を行うことができ、これにより、遊技機識別コード95と、当該主制御基板15のROM91に記憶されたソフトウェアとを一対一で対応させることができ、従って、遊技機識別コード95で当該主制御基板15に記憶されたソフトウェアを確実に特定することができる。
【0060】
ここで、主制御基板15の保管及び在庫管理を、主制御基板15の単体としての製作が完成しているが、制御用ソフトウェアを記憶したROM91が未実装の状態で行うようにしたので、同一のパターン識別コード94が記された主制御基板15は、同一の配線パターンと、完全に同一のハードウェアからなる制御回路とを備えたものとなるので、主制御基板15の保管及び在庫管理が行う上で、一種類の部品として取り扱うことができ、保管及び在庫管理の上、部品の種類が増えることがなく、部品の在庫管理が何ら煩雑とならない。
そして、ソフトウェアを記憶したROM91を主制御基板15に取り付けるにあたり、レーザー光線で遊技機識別コード95を主制御基板15に刻印すれば、記憶されたソフトウェアの種類の応じて異なる遊技機識別コード95が主制御基板15に記され、遊技機識別コード95によって、主制御基板15は、ソフトウェアの種類毎に適切に取り扱われるようになる。そのうえ、遊技機識別コード95が刻印された後の主制御基板15は、速やかに、基板ケース50に収納することができるうえ、基板ケース50に収納すれば、スロットマシン1に速やかに組み付けることができ、これによって、ソフトウェアが記憶された主制御基板15は、部品として保管及び在庫管理を行う必要がなくなるので、この点から、その在庫管理が何ら煩雑となることがない。
従って、複数種類のスロットマシン1を製造するにあたり、主制御基板15におけるROM91以外のハードウェアを共通化することによって、製造に必要なハードウェアの種類の低減を充分に図ることができ、しかも、部品の種類を減らすこともできるので、部品の在庫管理を容易にすることできる。
【0061】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲における変形及び改良などをも含むものである。
例えば、遊技機用回路基板としては、主制御基板15に限らず、液晶表示装置4Eの動作を制御する副制御基板16でもよく、要するに、遊技機に設けられている装置の動作を制御するための制御回路が形成されている回路基板であればよい。
また、遊技機としては、スロットマシンに限らず、パチンコ機等の弾球遊技機でもよく、要するに、本発明は、内蔵する装置の動作制御する制御回路が形成された回路基板を備えた遊技機全般に適用できる。
【符号の説明】
【0062】
1 遊技機であるスロットマシン 15 遊技機用回路基板である主制御基板
90 平板部 90A 表面
91 電子部品としてのROM 94 パターン識別コード
95 遊技機識別コード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機に設けられている装置の動作を制御する制御回路を構成する電子部品と、電気的に絶縁性を有するとともに、前記電子部品が固定されている平板状の平板部と、前記電子部品の電気的な接続を行うために、前記平板部の表面を覆う金属膜を部分的にエッチングすることで形成された配線パターンとを備えた遊技機用回路基板であって、
前記配線パターンの形態を特定するパターン識別コードと、
当該遊技機用回路基板が組み込まれる遊技機を特定する遊技機識別コードとが、その表面に記され、
前記パターン識別コードは、前記金属膜をエッチングすることで前記配線パターンを形成する際に、当該エッチングにより前記配線パターンと同時に形成された金属膜のパターンからなるものであり、
前記遊技機識別コードは、前記電子部品が固定された状態の前記平板部の表面に照射されたレーザー光線によって刻まれた刻印からなるものであることを特徴とする遊技機用回路基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−70938(P2013−70938A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214186(P2011−214186)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】