説明

遊技機管理システム

【課題】遊技機において生じた異常に関する情報を、遊技機が設置されたホールの外部において取得可能にする。
【解決手段】ぱちんこ遊技機10において、異常判定手段は、メイン基板が交換されたか否かを判定する。情報記憶手段は、管理サーバ320のURLと共にぱちんこ遊技機10に異常が検出されたことを示す異常情報を格納する。情報出力手段は、管理サーバ320のURLと異常情報が符号化された二次元コードを生成する。演出表示制御手段は、特殊演出パターンが選択された場合に、携帯電話310を使って演出表示装置に表示された二次元コードを撮像することを遊技者に促す演出内容を演出表示装置に表示すると共に、管理サーバ320のURLと異常情報が符号化された二次元コードを演出表示装置に表示させる。管理サーバ320は、異常情報を受信した場合、異常情報をディスプレイ322に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機管理システムに関し、特にぱちんこ遊技機等の弾球遊技機を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種の弾球遊技機のうち、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機と呼ばれていた遊技機は、遊技盤の略中央に設けられた液晶ディスプレイなどの表示領域に複数の図柄を変動させながら表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。この遊技機は、複数列の図柄変動を停止させたときの図柄の組合せが特定の態様となった場合に、通常遊技より多くの賞球が得られる、いわゆる大当たりと呼ばれる特別遊技へと移行するものとして知られている(例えば、特許文献1参照)。表示領域における図柄の変動表示は、単に複数の図柄が変動表示されるだけでなく、いわゆるリーチ画面と呼ばれる状態のように、あと一つ図柄が揃えば大当たりとなる状態で変動表示の時間を通常よりも長くする等、遊技者の期待感を高めるための演出が図られている。また、図柄等の画像にキャラクタを用いて変動表示にストーリーを持たせる演出を施したり、特別遊技への移行確率を変動させる確率変動等の特定遊技の制御によっても遊技者の期待感を高めている。一方、使用する演出用データのチェックサムの値を利用して、ROMチェックによるデータ誤りの検出を効率的に実行するぱちんこ遊技機が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003−230714号公報
【特許文献2】特開2006−81790号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
例えば上述の特許文献2に記載された技術では、データ誤りが検出された場合であってもぱちんこ遊技機にて画像出力や音声出力がなされるだけであり、ホールから離れた場所にいながらそのデータ誤りを確認することは困難である。また、例えば特定のぱちんこ遊技機の機種やロットにある不具合が発生する頻度が高いなどの傾向がある場合においても、そのような情報を取得するためにはホールの管理者がホールに設置されたぱちんこ遊技機の異常の状態を自身で解析する必要がある。しかしこのような作業は極めて煩雑であり、ホールの管理者がぱちんこ遊技機の不具合の状況を把握することは容易ではない。このため、ぱちんこ遊技機に生じる不具合の傾向に応じた対応が困難なものとなっている。
【0004】
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技機において生じた異常に関する情報を、遊技機が設置されたホールの外部において取得可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の遊技機管理システムは、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球が入球可能な始動口と、始動口への遊技球の入球を契機として当否を決定するための抽選を実行する抽選手段と、抽選の結果が当たりを示す結果に該当したときに、通常遊技状態よりも遊技者に有利となる遊技である特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、を有する弾球遊技機と、情報を無線で送信する無線通信装置によって送信された情報を受信する管理サーバと、を備える。弾球遊技機は、抽選の結果を示す図柄の変動表示を含む演出内容が表示される演出表示装置と、演出表示装置に表示される演出内容が定められた複数種類の演出パターンを保持するパターン記憶手段と、保持された複数種類の演出パターンの中から演出パターンを選択する演出決定手段と、選択された演出パターンにしたがって演出表示装置に演出内容を表示させる演出表示制御手段と、弾球遊技機を構成する所定の機器の動作を監視することにより当該所定の機器の異常を検出する異常検出手段と、管理サーバを特定する送信先情報を保持すると共に、所定の機器に異常が検出されたことを示す異常情報をその検出がなされたときに格納する情報記憶手段と、情報記憶手段に格納された異常情報および送信先情報を所定の出力態様で出力することにより、遊技者が所持する無線通信装置に遊技者によって所定の操作がなされたときにその無線通信装置に異常情報および送信先情報を取得させ、取得した送信先情報によって特定される管理サーバに取得した異常情報を送信することをその無線通信装置に促す情報出力手段と、をさらに有する。演出表示制御手段は、所定の演出パターンが選択された場合に、遊技者が所持する無線通信装置への所定の操作を遊技者に促す演出内容を演出表示装置に表示させ、情報出力手段は、遊技者が所持する無線通信装置への所定の操作を遊技者に促す演出内容が表示されるとき、情報記憶手段に格納された異常情報および送信先情報を所定の出力態様で出力し、管理サーバは、異常情報を受信した場合、所定の機器に異常が検出されたことを外部に報知する。
【0006】
この態様によれば、遊技機において生じた異常に関する情報を、遊技機が設置されたホールの外部において取得可能にすることができ、ホールの従業員以外の者も弾球遊技機の異常を知ることができる。このため、例えば弾球遊技機の製造者やメンテナンスを実施する者などが遊技機にどのような異常が発生しているかを容易に確認することができ、弾球遊技機の設計やメンテナンスに役立てるなど異常の発生に対して容易に対応することが可能となる。さらに、異常情報を遊技者に気づかれることなくサーバに送信することができる。このため、例えば別の情報をサーバに送信する機会に一緒に異常情報を送信することができ、異常情報を効率よくサーバに送信することが可能となる。
【0007】
ここで、「送信先情報」とは、例えばサーバのURL(Uniform Resource Locator)であってもよく、電子メールアドレスであってもよい。また、「無線通信装置」は、所定の無線通信方法を使ってネットワークを介してサーバにデータやプログラムを送受信可能な装置をいう。無線通信装置は、例えば携帯電話であってもよく、ネットワークによって外部と無線でデータの送受信が可能なPDA(Personal Digital Assistant)または携帯可能なPC(Personal Computer)であってもよい。所定の無線通信方法は、赤外線通信を含む短距離無線通信であってもよく、無線LAN(Local Area Network)であってもよい。
【0008】
演出表示制御手段は、所定の演出パターンが選択された場合に、遊技者が所持する無線通信装置に所定の操作をすることで、その無線通信装置が管理サーバに通信し、特典としての情報である特典情報が管理サーバからその無線通信装置に返送されることを示唆することにより、遊技者が所持する無線通信装置への所定の操作を遊技者に促す演出内容を演出表示装置に表示させ、情報出力手段は、所定の条件を満たす場合、遊技者が所持する無線通信装置への所定の操作を遊技者に促す演出内容が表示されるときに、情報記憶手段に保持された異常情報を、送信先情報と共に所定の出力態様で出力し、管理サーバは、特典情報を保持する特典情報記憶手段を有し、無線通信装置から通信されたとき、その無線通信装置に特典情報を返送してもよい。
【0009】
この態様によれば、特典情報を取得できるという動機付けがない場合に比べ、自身が所持する無線通信装置への所定の操作を遊技者に強く促すことができる。このため、異常情報がサーバに送信される可能性を高めることができる。
【0010】
パターン記憶手段は、演出パターンとして、撮像し且つ所定の復号処理を実施することで復元可能な形式で異常情報および送信先情報を符号化した符号化画像が表示される特殊演出パターンを保持し、演出表示制御手段は、特殊演出パターンが選択された場合に、遊技者が所持する無線通信装置で演出表示装置に表示された符号化画像を撮像することを遊技者に促す撮像促進演出を演出表示装置に表示させ、情報出力手段は、符号化画像を生成し、撮像促進演出が表示されるときに、生成した符号化画像を演出表示装置に表示させてもよい。
【0011】
例えば、現在多くの種類の携帯電話は、送信先情報が符号化された符号化画像を自身が有するカメラ機能を用いて撮像することにより、例えば送信先情報によって特定されるサーバにネットワークを通じてアクセスしたり、送信先情報に含まれるメールアドレスに電子メールを送信する機能を有する。このように多くの遊技者が所持していると考えられる携帯電話によって撮像可能な符号化画像を表示させることにより、異常情報がサーバに送信される可能性を高めることができる。
【0012】
情報記憶手段は、所定の機器に異常が検出された時期を特定する異常情報をその検出がなされたときに格納し、管理サーバは、異常情報を受信した場合、所定の機器に異常が検出された時期を外部に報知してもよい。
【0013】
弾球遊技機に生じる異常の頻度は、弾球遊技機に組み込まれる部品の種類やプログラムのバージョンなどによって異なる場合がある。このため、異常が検出された時期を特定することはその異常の原因を解明するために非常に重要である。この態様によれば、いつどのような異常が弾球遊技機に生じたかをサーバにおいて把握することが可能となる。このため、弾球遊技機に生じた異常の原因の究明を容易なものとすることができる。なお、「報知」には、ディスプレイに画像出力することによりその旨を表示させるほか、スピーカから音声出力することも含まれ、また、他の端末に異常情報を送信することも含まれる。
【0014】
情報記憶手段は、弾球遊技機を特定する遊技機特定情報をさらに保持し、情報出力手段は、遊技者が所持する無線通信装置への所定の操作を遊技者に促す演出内容が表示されるとき、情報記憶手段に保持された遊技機特定情報を、異常情報および送信先情報と共に所定の出力態様で出力することにより、遊技者が所持する無線通信装置に遊技者によって所定の操作がなされたときにその無線通信装置に異常情報、送信先情報、および遊技機特定情報を取得させ、取得した送信先情報によって特定される管理サーバに取得した異常情報および遊技機特定情報を送信することをその無線通信装置に促し、管理サーバは、異常情報および遊技機特定情報を受信した場合、遊技機特定情報によって特定される弾球遊技機において所定の機器に異常が検出されたことを外部に報知してもよい。
【0015】
この態様によれば、どの弾球遊技機においてどのような異常が生じたかを特定することができる。これにより、弾球遊技機に生じた異常の原因の究明を容易なものとすることができる。「遊技機特定情報」とは、例えば弾球遊技機を識別するための識別番号を示すデータでもよく、また、製造時期や製造番号を示すデータなどであってもよい。また、弾球遊技機の機種を示す機種情報データであってもよい。「遊技機特定情報」は、これらのいずれかであってもよく、またこれらの複数の組合せであってもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、遊技機において生じた異常に関する情報を、遊技機が設置されたホールの外部において取得することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、本実施例に係る遊技機管理システム300を模式的に示す全体構成図である。遊技機管理システム300は、ぱちんこ遊技機10および管理サーバ320を有する。管理サーバ320にはディスプレイ322が接続されている。管理サーバ320はインターネット314を介して基地局312に接続されている。携帯電話310から管理サーバ320を特定するURLなどの送信先情報と共に管理サーバ320に送信したいデータが基地局312に無線で送信されることによって、管理サーバ320は携帯電話310からデータを受信することができる。なお、送信先情報は例えば電子メールアドレスなどであってもよい。このように携帯電話からサーバにデータを送信する技術は公知であることから、その送信方法の詳細な説明は省略する。本実施例に係るぱちんこ遊技機10は、二次元コードを表示することにより、所定の情報を携帯電話310を介して管理サーバ320に送信する。
【0018】
図2は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。以下、弾球遊技機として従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
【0019】
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
【0020】
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、始動入賞口(以下、「始動口」という)62、センター飾り64、大入賞口66、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。始動口62は、遊技球の入球を検出するための始動入賞検出装置74と、始動口62の拡開機構を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動口62の拡開機構が拡開されたとき、始動口62の開口幅が拡がって入球容易性が向上する。始動入賞検出装置74は、始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す始動入賞情報を生成する。一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口66を拡開させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、大入賞口66への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。
【0021】
大入賞口66は、特別図柄192が所定の態様にて停止したときに「大当たり」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口66はアウト口58の上方等の位置に設けられる。大入賞口66の入賞検出装置78は、遊技球の通過を検出するセンサを備えて構成される。
【0022】
遊技領域52の左方に設けられた特別図柄表示装置61および遊技領域52の略中央に設けられた演出表示装置60は、それぞれの画面に特別図柄192の変動と、特別図柄192に連動する装飾図柄190を含む演出画像の変動を表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。ここで、特別図柄192は、始動口62への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が停止されたときの図柄態様が当たりと定められた図柄であった場合、その停止図柄が表示されたタイミングが大当たり発生タイミングとなる。特別図柄表示装置61は、例えば7セグメントLEDで構成される表示手段である。演出表示装置60は、特別図柄192の変動表示と連動する形で装飾図柄190を変動表示する液晶ディスプレイである。装飾図柄190は、特別図柄192で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を画面の中央領域に表示する。演出表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、ドラムなどの機械式回転装置やLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、特別図柄192は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の特別図柄表示装置61にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は始動口62の拡開機構を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、開放抽選の結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右下方に設けられる。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が停止すると、通常、50%から80%程度の確率で始動口62が所定時間拡開する。
【0023】
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、特別図柄表示装置61および演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。演出表示装置60の下方には、抽選保留ランプ20が設けられ、その対称的な位置である遊技領域52の右下部には、普通図柄表示装置59の下に作動保留ランプ22が設けられている。抽選保留ランプ20は、4個のランプからなり、その点灯個数によって当否抽選の保留数を表示する。当否抽選の保留数は、図柄変動中または特別遊技中に始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。作動保留ランプ22もまた4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。さらに演出表示装置60の上方および下方には、それぞれ遊技効果ランプ90が設けられている。操作ボタン82は、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力するために操作するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
【0024】
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、大入賞口66の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
【0025】
遊技球が始動口62に落入すると、特別図柄表示装置61および演出表示装置60において特別図柄192および装飾図柄190が変動表示される。特別図柄192および装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された表示時間の経過後に停止される。停止時の特別図柄192および装飾図柄190が大当たりを示す図柄である場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口66の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した装飾図柄190は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。特別遊技において、大入賞口66は、約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口66の開閉が所定回数、例えば15回繰り返される。
【0026】
特別遊技が終了した後の通常遊技においては特定遊技の一つである変動時間短縮遊技(以下、適宜「時短」という)が開始される。変動時間短縮遊技においては、特別図柄および装飾図柄の変動時間が通常より短縮される。特別図柄および装飾図柄の変動時間は、所定の変動回数の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻される。特別遊技が発生した場合であってそのときの当たり停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確率変動遊技(以下、適宜「確変」という)がさらに開始される。確率変動遊技においては、通常の確率状態より当たりの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。
【0027】
図3は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口62へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容や複数の可動役物140の動作、遊技効果ランプ90の点灯を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させ、その演出の進行に沿って可動役物140や遊技効果ランプ90の点灯を作動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。セット基盤39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
【0028】
図4は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口62、大入賞口66、一般入賞口72、作動口68、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90、可動役物140のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や可動役物140、電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
【0029】
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段112、図柄決定手段114、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124、メイン履歴記憶手段200、メイン履歴管理手段202を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、演出決定手段132、演出表示制御手段134、役物制御手段136、情報記憶手段204、サブ履歴管理手段206、異常判定手段208、情報管理手段210、情報出力手段212を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
【0030】
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口62に入賞したと判断し、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口66に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
【0031】
当否抽選手段112は、始動口62への遊技球の入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するために乱数の値を当否抽選値として取得する。たとえば、当否抽選値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。当否抽選手段112は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、当たりまたは外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当たりの範囲設定に応じて当否確率が定まる。当否抽選手段112は、通常時には通常確率による当否判定のための当否テーブルを参照し、確率変動時には通常確率より当たりの確率が高くなる当否テーブルを参照する。当否抽選手段112は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当たりであるか否かを判定する。当否抽選手段112による判定結果は、特別図柄表示装置61において特別図柄の形で変動表示される。また、当否抽選手段112による判定結果を演出的に示す装飾図柄が演出表示装置60において変動表示される。
【0032】
図柄決定手段114は、特別図柄表示装置61に表示させる特別図柄の停止図柄と変動パターンを、当否抽選手段112による抽選の結果に応じて決定する。また、図柄決定手段114は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を抽選により決定する。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。図柄決定手段114は、特別図柄や普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、変動パターンを決定するために参照すべきパターン決定テーブルを保持する。
【0033】
図柄決定手段114は、特別図柄を決定するための図柄決定抽選値を取得し、当否抽選手段112による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて特別図柄の停止図柄を決定する。図柄決定手段114は、当否抽選手段112による当否判定結果に応じて複数の変動パターンからいずれかのパターンを選択する。図柄決定手段114は、決定した停止図柄および変動パターンを特定する変動パターン番号を示すデータをメイン表示制御手段118および演出決定手段132へ送出する。
【0034】
図柄決定手段114は、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動態様が定められた複数種の変動パターンを記憶する。複数種の変動パターンは、長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。
【0035】
図柄決定手段114は、遊技球が作動口68を通過した場合に、普通図柄を決定するための抽選乱数を取得し、その抽選乱数に応じて普通図柄の停止図柄を決定する。普通図柄の停止図柄が特定の図柄であった場合、開閉制御手段124が始動口62の普通電動役物を所定時間拡開する。
【0036】
保留制御手段116は、当否抽選手段112により取得された当否抽選値を保留球として保持する。当否抽選値は、その保留数が所定の上限に達するまで蓄積される。保留数の上限は4である。
【0037】
メイン表示制御手段118は、当否抽選手段112による抽選の結果を、図柄決定手段114により決定された変動パターンにしたがって特別図柄の変動表示として特別図柄表示装置61に表示させる。メイン表示制御手段118は、特別図柄の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信することにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。メイン表示制御手段118は、普通図柄の変動を普通図柄表示装置59に表示させる。
【0038】
特別遊技制御手段120は、当否抽選手段112による当否抽選結果が当たりであった場合に、特別遊技の実行処理を制御する。特別遊技は、大入賞口66の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした1回または複数回の単位遊技で構成される。単位遊技は例えば15回を上限として繰り返され、1回の単位遊技において大入賞口66を約30秒間開放させる。特別遊技制御手段120は、単位遊技の継続回数が上限回数に達していなければ、現在の単位遊技の終了後に次の単位遊技を開始させる。単位遊技の上限回数を消化した場合には、特別遊技を終了させる。
【0039】
特定遊技実行手段122は、遊技状態を通常状態から特定遊技状態へ移行させる制御と、特定遊技状態から通常状態へ戻す制御を実行する。本実施例における特定遊技には、当否抽選の当選確率を通常確率の状態から高確率の状態へ切り替える確変と、図柄変動時間を通常時間より短時間へ切り替える時短とがある。
【0040】
特定遊技実行手段122は、当否抽選値が確変状態へ移行すべき値であった場合に、特別遊技後の遊技状態を確変状態へ移行させる。確変状態は原則として次の大当たりが発生するまで続行され、その間は当否抽選手段112による当たり判定の確率が高い値のまま維持される。また、特定遊技実行手段122は、当否抽選値の如何に関わらず、特別遊技後に遊技状態を時短の状態へ移行させる。時短は、特別遊技後の特別図柄の変動回数が所定回数、たとえば100回に至るまで継続される。
【0041】
開閉制御手段124は、始動口62の普通電動役物や大入賞口66の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の図柄で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、始動口62を開放させる。また、開閉制御手段124は、特別遊技中、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、大入賞口66を開放させる。
【0042】
メイン履歴記憶手段200は、電力の供給が停止しても記憶内容を保持する不揮発性のメモリにより構成される。メイン履歴管理手段202は、メイン基板102からサブ基板104に変動パターン番号を示すデータ(以下、「変動パターン情報」という)が送信されるときに、送信した変動パターン情報と同一の変動パターン情報を、格納した時を示す格納時データに対応付けてメイン履歴記憶手段200に格納する。こうしてメイン履歴管理手段202は、過去にサブ基板104に送信した変動パターン情報の履歴を構築する。本実施例では、メイン履歴管理手段202は、メイン履歴記憶手段200に格納された変動パターン情報が5つになった後は、格納された変動パターン情報に対応付けられた格納時データを参照して一番古い変動パターン情報を特定し、一番古いと特定した変動パターン情報に新たな変動パターン情報を上書きする。こうしてメイン履歴管理手段202は、一旦5つの変動パターン情報が格納された場合、常に最新の5つの変動パターンがメイン履歴記憶手段200に格納された状態を維持する。
【0043】
メイン履歴管理手段202は、メイン履歴記憶手段200に構築された変動パターン情報の履歴を利用して変動履歴情報を生成する。具体的には、メイン履歴管理手段202は、変動パターン情報に対応付けられた格納時データを利用して、まずメイン履歴記憶手段200に格納されたすべての変動パターン情報の格納順を特定する。次にメイン履歴管理手段202は、特定した格納順に変動パターン情報を並べて組み合わせた変動履歴情報を生成する。メイン基板102は、これから演出表示装置60に表示させるべき変動パターンを特定する変動パターン情報(以下、「今回の変動パターン情報」という)と共に、生成した変動履歴情報をサブ基板104に送信する。
【0044】
なお、メイン履歴管理手段202は、特定した格納順に変動パターン情報を並べて組み合わせたデータを所定の圧縮方法によって圧縮し変動履歴情報を生成してもよい。このようなデータの圧縮方法は公知であるためその詳細な説明は省略する。また、メイン履歴管理手段202は、特定した格納順に変動パターン情報を並べて組み合わせたデータを用いてチェックサムを算出し変動履歴情報を生成してもよい。
【0045】
パターン記憶手段130は、装飾図柄を含む演出画像の変動パターンとして変動表示における変動開始から停止までの変動過程が定められた複数の変動パターンデータを保持する。変動パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当たりとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当たり図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい演出画像の変動パターンを選択する。
【0046】
第1の実施例に係るぱちんこ遊技機10では、パターン記憶手段130は、撮像して所定の復号処理を実施することで復元可能な形式で符号化した符号化画像である二次元コードを演出表示装置60に表示させる特殊演出パターンを保持する。なお、パターン記憶手段130が二次元コード以外の符号化画像を表示する特殊演出パターンを保持していてもよいことは勿論である。これらの特殊演出パターンには、演出表示装置60に表示されるとき、例えば図5に示すように、「ケータイで撮って待ち受け画面をゲット!」など、遊技者が所持する携帯電話での二次元コードの撮像を促すメッセージの表示も含められている。演出決定手段132によって特殊演出パターンが選択された場合、演出表示制御手段134は、例えば図5に示すように、装飾図柄190の上方に、二次元コードを撮像し復号処理を実施可能な携帯電話などの撮像手段により撮像可能な態様で、二次元コードを演出表示装置60に表示させる。
【0047】
本実施例では、パターン記憶手段130は、特殊演出パターンとして第1特殊演出パターンおよび第2特殊演出パターンを保持する。第1特殊演出パターンが選択された場合、管理サーバ320のURLを含む送信先情報が符号化された二次元コードが演出表示装置60に表示される。また、第1特殊演出パターンが選択された場合、管理サーバ320を特定する送信先情報の他に、遊技機内部に異常が検出されたことを示す異常情報などが符号化された二次元コードが演出表示装置60に表示される。異常情報については後述する。
【0048】
演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄の組合せとその配置および変動パターンを、当否抽選手段112による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターンに応じて決定する。演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、変動パターンを決定するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
【0049】
装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、たとえば当否抽選手段112による判定結果が特別遊技への移行を示す場合は「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄として揃える数字には、特別図柄と同じ数字が選ばれるのが好ましい。たとえば、特別図柄が「3」の場合は装飾図柄が「333」となる。当否抽選手段112による判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せが選択される。ただし、当否判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合であって、リーチ付きの外れを示す特別図柄の変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄と演出画像の変動パターンの情報を演出表示制御手段134へ送る。
【0050】
演出表示制御手段134は、当否抽選手段112による当否抽選の結果として、選択された変動パターンデータにしたがって演出表示装置60へ演出画像を変動表示させる。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
【0051】
役物制御手段136は、演出表示制御手段134から受け取る指示にしたがい、演出表示装置60における演出内容や遊技効果ランプ90の点滅過程に沿って、可動役物140を演出的に動作させる。
【0052】
情報記憶手段204もまたメイン履歴記憶手段200と同様に不揮発性のメモリにより構成される。メイン履歴管理手段202は、サブ基板104がメイン基板102から変動パターン情報を受信したときに、受信した変動パターン情報と同一の変動パターン情報を、格納した時を示す格納時データに対応付けて情報記憶手段204に格納する。こうして情報記憶手段204は、過去にメイン基板102から受信した変動パターン情報の履歴を構築する。本実施例では、サブ履歴管理手段206は、情報記憶手段204に格納された変動パターン情報が5つになったあとは、一番古い変動パターン情報に新たな変動パターン情報を上書きする。こうしてサブ履歴管理手段206は、一旦5つの変動パターン情報が格納された場合、常に最新の5つの変動パターンが情報記憶手段204に格納された状態を維持する。
【0053】
異常判定手段208は、受信した変動履歴情報が示す、メイン基板102に構築された変動パターン情報の履歴と、サブ基板104に構築された変動パターン情報の履歴とを比較する履歴判定を実施する。具体的には、異常判定手段208は、対応付けられた格納時データを参照し、情報記憶手段204に格納された変動パターン情報の格納順を特定する。次に異常判定手段208は、受信した変動履歴情報に含まれる格納順が1の変動パターン情報と、情報記憶手段204に格納される格納順が1の変動パターン情報とが同一か否かを判定する。異常判定手段208は、格納順が2から5の変動パターン情報についても同様の判定を実施する。異常判定手段208は、すべての格納順において、受信した変動履歴情報に含まれる変動パターン情報と情報記憶手段204に格納された変動パターン情報とが同一の場合、メイン基板102に構築された変動パターン情報の履歴と、サブ基板104に構築された変動パターン情報の履歴が一致すると判定する。逆に、異常判定手段208は、受信した変動履歴情報に含まれる変動パターン情報と情報記憶手段204に格納された変動パターン情報とが同じ格納順同士で一つでも異なる場合、メイン基板102に構築された変動パターン情報の履歴とサブ基板104に構築された変動パターン情報の履歴とが一致しないと判定する。
【0054】
ぱちんこ遊技機10には、役物を動作させる機構や、賞球を上球皿15に放出する機構が設けられている。これらの機構には、役物が正常に動作したか、または定められた数の賞球が正しく放出されたかなどを検知するセンサ(図示せず)が設けられている。情報管理手段210は、このようなセンサによってぱちんこ遊技機10に設けられた機構のいずれかに異常が検知された場合、どのような異常が生じたかを示す異常情報を情報記憶手段204に格納する。また、ぱちんこ遊技機10には、例えば演出内容を演出表示装置60に表示させるためのソフトウェアが組み込まれている。情報管理手段210は、このソフトウェアが正常に動作しなかった場合にその旨を示す異常情報を情報記憶手段204に格納する。この異常情報は、図6に示すように、異常を検出した異常検出時を示すデータと異常種別を示すデータとを含む。情報管理手段210は、ぱちんこ遊技機10において異常が検出されるたびに異常情報を情報記憶手段204に格納することにより、このように異常情報データベースを構築する。
【0055】
情報出力手段212は、管理サーバ320の送信先情報と共に、情報記憶手段204に格納された異常情報を符号化し、二次元コードを生成する。このように生成した二次元コードを演出表示装置60に表示させ、遊技者にその二次元コードを撮像して管理サーバ320に通信することを促すことにより、遊技者が所持する携帯電話310を介して異常情報を管理サーバ320に送信することが可能となる。なお、情報出力手段212は、異常情報の他に、ぱちんこ遊技機10の機種を特定する機種情報、およびぱちんこ遊技機10のロット番号など、ぱちんこ遊技機10を特定するためのデータである遊技機特定情報も共に符号化する。遊技機特定情報は、工場出荷時から情報記憶手段204に予め格納されている。
【0056】
図7は、管理サーバ320の構成を示す機能ブロック図である。なお、図7において管理サーバ320は、各種演算処理を実行するCPU、各種制御プログラムを格納するROM、データ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAMなどのハードウェア、およびソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックが描かれている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェアおよびソフトウェアの組合せによって様々な形で実現することができる。
【0057】
管理サーバ320は、特典管理手段324、情報管理手段326、表示制御手段328、および記憶手段330を有する。特典管理手段324は、携帯電話310からの通信を受けると、待ち受け画面の画像データなどの特典情報をその携帯電話310に返送する。待ち受け画面の画像データは記憶手段330に格納されている。
【0058】
情報管理手段326は、携帯電話310から送信された情報を記憶手段330に格納する。携帯電話310からぱちんこ遊技機10の異常情報を受信した場合、情報管理手段326は、受信した異常情報を記憶手段330に順次格納し、管理サーバ320内において異常情報データベースを構築する。情報出力手段212は、構築した異常情報データベースを利用して、例えばどの機種のどのロット番号でどのような異常が発生したかを解析する。情報出力手段212は、解析して得られた解析情報を、インターネットを通じて外部の端末から閲覧可能に記憶手段330に格納する。これによって、例えばぱちんこ遊技機10が設置されたホールの管理者などは、インターネットを通じて管理サーバ320にアクセスすることで、ぱちんこ遊技機10の異常の発生状況を簡易に把握することができる。情報管理手段326はディスプレイ322に画像を表示させる。
【0059】
図8は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が始動口62、一般入賞口72、大入賞口66などへ入賞した場合や、遊技球が作動口68を通過した場合の処理を実行し(S10)、特別遊技中でなければ(S12のN)、当否抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、特別遊技中であれば(S12のY)、特別遊技の制御処理を実行し(S16)、S10からS16までの処理における各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
【0060】
図9は、図8におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。通常遊技制御処理において、当否抽選値の保留がなされている場合であって(S30のY)、図柄変動が表示中でなければ(S32のN)、当否抽選手段112が当否判定処理を実行する(S34)。その判定結果に応じてメイン表示制御手段118が変動表示を開始するとともに、変動開始コマンドを演出表示制御手段134へ送信し、これを受信した演出表示制御手段134が変動パターンデータにしたがって演出画像の変動表示を開始する(S36)。S30において当否抽選値が保留されていなかった場合は(S30のN)、S32からS36までの処理がスキップされ、S32において図柄変動が表示中であった場合は(S32のY)、S34およびS36の処理がスキップされる。続いて、図柄変動表示がすでに開始されていれば(S38のY)、図柄変動表示処理を実行し(S40)、図柄変動表示が開始されていないときは(S38のN)、S40をスキップする。
【0061】
S40において、演出表示制御手段134は、特殊演出パターンが選択されている場合、選択された特殊演出パターンにしたがって二次元コードを演出表示装置60に所定時間表示させると共に、遊技者に自身が所持する携帯電話を用いて二次元コードを撮像することを促すメッセージを表示させる。
【0062】
図10は、図9におけるS34の当否判定処理を詳細に示すフローチャートである。まず、当否抽選手段112が当否抽選値を読み出して(S42)、その当否抽選値に基づいて当否を判定する(S44)。図柄決定手段114は、当否判定結果に基づいて特別図柄の停止図柄を決定し(S46)、特別図柄の変動パターンを選択する(S48)。特別図柄の停止図柄が決定され、また変動パターンが選択されると、メイン基板102およびサブ基板104は、選択した変動パターンを示す変動パターン情報などをメイン基板102がサブ基板104に送信し、サブ基板104がそれを受信する変動パターン送受信処理を実施する(S50)。演出決定手段132は、メイン基板102から受信した停止図柄を示すデータに基づいて装飾図柄の停止図柄組合せを決定し(S52)、同じくメイン基板102から受信した変動パターン情報に基づいて装飾図柄の変動パターンを選択する(S54)。装飾図柄の変動パターンが選択されると、演出決定手段132は、特殊演出パターン決定処理を実行する(S56)。
【0063】
図11は、図10におけるS50の変動パターン送受信処理を詳細に示すフローチャートである。メイン基板102は、今回の変動パターン情報と共に、変動履歴情報をサブ基板104に送信する(S100)。一方、メイン履歴管理手段202は、サブ基板104に送信した今回の変動パターン情報と同一の変動パターン情報をメイン履歴記憶手段200に格納する。このときすでに5つの変動パターン情報が格納されている場合は、一番古い変動パターン情報に新たな変動パターン情報を上書きする(S102)。
【0064】
サブ基板104が、メイン基板102から送信された今回の変動パターン情報と変動履歴情報を受信すると(S104)、異常判定手段208は、情報記憶手段204に変動パターン情報の履歴が構築されているか否かを判定する(S106)。なお、異常判定手段208は、情報記憶手段204に変動パターン情報が格納されているか否かを判定する代わりに、ぱちんこ遊技機10の電源投入時に、予め情報記憶手段204に複数格納しておいた同一の保持確認データを参照してもよい。このとき互いに同一の保持確認データが情報記憶手段204に保持されているか否かを判定し、互いに同一であれば情報記憶手段204に格納されたデータは消失していないと判定し、双方または片方のデータがなければ情報記憶手段204に格納されたデータが消失したと判定してもよい。
【0065】
例えば工場出荷時では、情報記憶手段204に変動パターン情報が何も格納されていない可能性がある。また、情報記憶手段204は不揮発性メモリによって構成されているが、例えばぱちんこ遊技機10の電源スイッチがオンにされない状態で長い期間が経過した場合にメイン履歴記憶手段200に格納されたデータが消失する場合がある。このような場合、図12(a)に示すように、メイン基板102およびサブ基板104の双方において、変動パターン情報の履歴が構築されていない状態となる。また、メンテナンスなどによってサブ基板104を交換する場合がある。このときは、図12(b)に示すように、メイン基板102には変動パターン情報の履歴が構築されているが、サブ基板104には変動パターン情報の履歴が構築されていない状態となる。なお、図12(b)におけるA〜Eの文字は変動パターン番号を示す。
【0066】
図11に戻る。情報記憶手段204に変動パターン情報が何も格納されておらず、変動パターン情報の履歴が構築されていない場合、比較する対象のデータが存在しないことから、上述の履歴判定を実施することは困難である。このため、まず、メイン履歴記憶手段200に変動パターン情報が1つも格納されていない場合、メイン履歴管理手段202は、その旨を示す変動履歴情報を生成する。異常判定手段208は、動履歴情報がメイン履歴記憶手段200に変動パターン情報が1つも格納されていないことを示すものであった場合、情報記憶手段204に変動パターン情報の履歴が構築されていないとして(S106のN)、履歴判定の実施を回避し、S108およびS110をスキップする。一方、サブ履歴管理手段206は、今回の変動パターン情報を情報記憶手段204に格納する。このときすでに5つの変動パターン情報が格納されている場合は、一番古い変動パターン情報に新たな変動パターン情報を上書きする(S112)。
【0067】
情報記憶手段204に変動パターン情報の履歴が構築されている場合(S106のY)、異常判定手段208は、受信した変動履歴情報が示すメイン基板102に構築された変動パターン情報の履歴と、サブ基板104に構築された変動パターン情報の履歴とが一致するか否かを判定する履歴判定を実施する(S108)。
【0068】
例えば、特別図柄192が5回以上変動すると、図13(a)に示すように、1〜5のすべての格納順において、メイン基板102に格納された変動パターン情報とサブ基板104に格納された変動パターン情報とが一致する。このような場合、異常判定手段208は、メイン基板102に構築される変動パターン情報の履歴とサブ基板104に構築される変動パターン情報の履歴とが一致すると判定する。
【0069】
また、特別図柄192の変動回数が5回に満たない場合であっても、例えばぱちんこ遊技機10の電源投入時から5回未満しか特別図柄192が変動していない場合、図13(b)に示すように、格納順が1から変動回数分だけ、メイン基板102に格納された変動パターン情報とサブ基板104に格納された変動パターン情報とが一致する。この場合も、異常判定手段208は、メイン基板102に構築される変動パターン情報の履歴とサブ基板104に構築される変動パターン情報の履歴とが一致すると判定する。
【0070】
具体的には、図13(b)に示す態様を考慮して、メイン履歴記憶手段200に5つに満たない変動パターン情報が格納されている場合においても、メイン履歴管理手段202は、メイン履歴記憶手段200に格納されたすべての変動パターン情報を格納順に並べて変動履歴情報を生成する。異常判定手段208は、5つに満たない分の変動パターン情報はデータがないものとして情報記憶手段204に格納された同一の格納順の変動パターン情報と比較する。このとき、例えば図13(b)に示すように格納順が4および5において、メイン基板102およびサブ基板104の双方において変動パターン情報が格納されていない場合、どちらもデータがないことから、異常判定手段208は両者の履歴が一致すると判定する。なお、いずれかの格納順において、メイン基板102およびサブ基板104の一方に変動パターン情報が格納されているが他方には格納されていない場合、異常判定手段208は両者の履歴が一致しないと判定する。
【0071】
図11に戻る。両者の履歴がこのように一致すると判定された場合(S108のY)、サブ履歴管理手段206は、今回の変動パターン情報を情報記憶手段204に格納する(S112)。このときすでに5つの変動パターン情報が格納されている場合は、一番古い変動パターン情報に新たな変動パターン情報を上書きする。
【0072】
また、例えば、特別図柄192が複数回変動してメイン基板102およびサブ基板104の各々に変動パターン情報の履歴が構築された後に新しいメイン基板102が交換された場合、図14(a)に示すように、メイン基板102に変動パターン情報の履歴が構築されていない状態になる。また、特別図柄192が複数回変動してメイン基板102およびサブ基板104の各々に変動パターン情報の履歴が構築された後に、別のぱちんこ遊技機で特別図柄192の複数回の変動を経てから取り外されたメイン基板102がもとのメイン基板102に代えて取り付けられた場合、図14(b)に示すように、メイン基板102に構築された変動パターン情報の履歴とサブ基板104に構築された変動パターン情報の履歴とは互いに異なるものとなる可能性が高い。なお、図14(b)に示すF〜Jの文字は変動パターン番号を示す。
【0073】
図11に戻る。両者の履歴がこのように一致しないと判定された場合(S108のN)、サブ履歴管理手段206は、メイン基板102が交換された可能性がある旨を示すメイン基板交換情報を、異常情報として情報記憶手段204に格納すると共に(S110)、今回の変動パターン情報を情報記憶手段204に格納する(S112)。
【0074】
また、本実施例では、今回の変動パターン情報と共に変動履歴情報をメイン基板102からサブ基板104に送信したが、ぱちんこ遊技機10の電源投入時に変動パターン情報をメイン基板102からサブ基板104に送信してもよい。この場合、異常判定手段208は、変動履歴情報を受信したとき、受信した変動履歴情報が示すメイン基板102に構築された変動パターン情報の履歴と、サブ基板104に構築された変動パターン情報の履歴とが一致するか否かを判定する。
【0075】
図15は、図10におけるS56を詳細に示すフローチャートである。演出決定手段132は、新たに抽選を実施することにより、携帯電話の待ち受け画面の画像データを取得する機会を遊技者に与える二次元コードを演出表示装置60に表示するか否かを判定する(S130)。二次元コードを表示しない場合(S130のN)、S132〜S138の処理をすべてスキップして本フローチャートにおける処理を終了する。
【0076】
二次元コードを表示する場合(S130のY)、情報出力手段212は、まだ符号化処理をしたことのない未出力の異常情報があるか否かを判定する(S132)。このとき、情報出力手段212は、異常情報に出力済みであるデータが対応付けられて格納されていないとき、その異常情報は未出力と判定する。未出力の異常情報がある場合(S132のY)、情報出力手段212は、送信先情報と共に異常情報および遊技機特定情報を符号化する(S134)。情報出力手段212は、出力済みであるデータを、符号化した元の異常情報に対応付けて格納する。
【0077】
なお、たとえ異常情報を符号化して二次元コードとして演出表示装置60に表示しても、遊技者によって携帯電話で撮像されるとは限らない。このため、情報出力手段212は、例えば図6に示す異常情報データベースにおいて、最近に検出された順に所定数の行の異常情報を符号化してもよい。この場合、送信先情報と共に常に異常情報および遊技機特定情報を符号化することになるため、演出決定手段132は第1特殊演出パターンを選択しない。
【0078】
また、情報出力手段212は、異常情報および遊技機特定情報の他に、例えば情報記憶手段204に構築された変動パターン情報の履歴を送信先情報と共に符号化してもよい。このように変動パターン情報の履歴を管理サーバ320に送信することで、例えば複数の変動パターンの各々が設計通りの確率で選択されているかなどを検証することができる。また、受信した変動パターンの履歴を解析することにより不正を検出することが可能となる。例えば、変動パターンの履歴を利用することにより、メイン基板102が交換されたか否かの判定や、役物を電波発信機で開かせたり玉の通過センサを誤作動させる、いわゆる電波ゴトが行われたか否かの判定が可能となる。
【0079】
符号化処理の終了後、演出決定手段132は、符号化した情報が演出表示装置60に表示される第2特殊演出パターンを選択する(S136)。未出力の異常情報がない場合(S132のN)、演出決定手段132は、管理サーバ320のURLを送信先情報として符号化した二次元コードが表示される第1特殊演出パターンを選択する(S138)。このように、待ち受け画面の画像データなどの特典情報を取得できることを示唆する演出内容と共に二次元コードを演出表示装置60に表示させることにより、表示された二次元コードを携帯電話を用いて撮像することを遊技者に強く促すことができる。
【0080】
なお、情報出力手段212は、二次元コードを演出表示装置60に表示させる代わりに、例えば赤外線通信を含む短距離無線通信や無線LANなど、無線によるデータ送信方法により、ぱちんこ遊技機10に設けられた送信機(図示せず)から送信先情報や異常情報、遊技機特定情報を送信してもよい。この場合、特殊演出パターンが選択されることにより、例えば「PDAで受信して待ち受け画面をゲット!」など、無線によってデータを送受信する機能を有する携帯端末によるデータ受信のための操作を遊技者に促す演出内容が演出表示装置60に表示される。情報出力手段212は、特殊演出パターンにしたがってこのような演出内容が演出表示装置60に表示されている間、送信機から送信先情報、異常情報、および遊技機特定情報を送信する。このとき情報出力手段212は、ぱちんこ遊技機10から受信した情報を管理サーバ320に送信させるための送信プログラムをこれらの情報と共に遊技者が所持する携帯端末に送信してもよい。このような態様によっても、ぱちんこ遊技機10から遊技者の携帯端末を介して管理サーバ320に異常情報を送信することができる。また、携帯端末はPCであってもよく、携帯電話であってもよい。
【0081】
図16は、管理サーバ320における特典情報の送信手順などを示すフローチャートである。本フローチャートにおける処理は、管理サーバ320の電源が投入され所定の特典情報送信プログラムが実行されている間、所定時間毎に繰り返し実行される。まず特典管理手段324は、携帯電話からインターネット314を介して通信を受けたか否かを判定する(S150)。携帯電話から通信を受けていない場合(S150のN)、本フローチャートにおける処理を一旦終了する。携帯電話から通信を受けた場合(S150のY)、特典管理手段324は、待ち受け画面の画像データを通信元の携帯電話に返送する(S152)。このように通信元の携帯電話にデータやプログラムを返送する技術は公知であるため説明を省略する。なお、特典管理手段324は、待ち受け画面の画像データに代えて、例えばゲームなどのプログラムを特典情報として返送してもよい。
【0082】
次に情報管理手段326は、管理サーバ320が携帯電話からアクセスされたときに、同時に異常情報を受信したか否かを判定する(S154)。異常情報を受信しなかった場合(S154のN)、本フローチャートにおける処理を一旦終了する。異常情報があると判定された場合(S154のY)、情報管理手段326は、受信した異常情報を、その異常情報に対応付けられられて受信した遊技機特定情報に対応付けて記憶手段330に格納する(S156)。
【0083】
さらに、情報管理手段326は、受信した異常情報や遊技機特定情報を利用して異常情報を解析する(S158)。具体的には、例えば同一の機種で、同一の異常が生じた回数や同一の異常が生じた時期などを集計する。異常情報に製造時期またはロット番号が含まれている場合は、例えばどの製造時期またはロット番号において同一の異常が頻繁に生じるかなどを解析する。情報管理手段326は、このように解析した結果を外部から閲覧可能に記憶手段330に格納する(S160)。
【0084】
管理サーバ320の管理者によって所定の操作がなされると、表示制御手段328は、記憶手段330に格納された異常情報の解析結果を表やグラフなどの型式でディスプレイ322に表示する。このようにぱちんこ遊技機10に生じた異常に関する情報をディスプレイ322に表示することにより、管理サーバ320の管理者はどの機種にどのような異常が生じているかを的確に把握することができる。このため、例えば異常の頻度が高い部品の交換やプログラムのアップデートなど、異常の発生に対する迅速な対応が可能となる。
【0085】
また、インターネット314を介して管理サーバ320に他の端末からアクセスされ、ぱちんこ遊技機10の異常情報の閲覧が要求する要求情報を管理サーバ320が受信した場合、管理サーバ320は、格納された異常情報の解析結果を要求情報の送信元の端末に送信する。異常情報の閲覧を要求した者は、こうして自身が所持するPCのディスプレイなどに、ぱちんこ遊技機10の異常情報を解析結果を表示させることができる。このようにぱちんこ遊技機10に生じた異常に関する情報を外部から閲覧可能な状態とすることで、例えばホールの管理者はどのような機種にどのような異常が生じているかを的確に把握することができる。これにより、ぱちんこ遊技機10に異常が生じた場合に適切かつ迅速な処置を施すことが可能となる。
【0086】
図17は、図8におけるS16を詳細に示すフローチャートである。まず、大入賞口66が開放済でなければ(S70のN)、演出表示制御手段134が特別遊技の演出処理を開始し(S72)、開閉制御手段124が大入賞口66を開放する(S74)。大入賞口66が開放済であればS72およびS74をスキップする(S70のY)。大入賞口66が開放されてから所定の開放時間が経過した場合(S76のY)、または、開放時間が経過していないものの(S76のN)、大入賞口66へ遊技球が9球以上入球した場合(S78のY)、開閉制御手段124が大入賞口66を閉鎖させる(S80)。開放時間が経過しておらず(S76のN)、大入賞口66への入球数も9球以上に達していない場合は(S78のN)、S80以降の処理をスキップしてS16のフローを終了する。
【0087】
S80における大入賞口66の閉鎖後、単位遊技のラウンド数が15に達していた場合(S82のY)、演出表示制御手段134は特別遊技の演出処理を終了させ(S84)、特別遊技制御手段120は特別遊技を終了させる(S86)。ラウンド数が15に達していなければ(S82のN)、ラウンド数に1を加算してS16のフローを終了する(S90)。
【0088】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本実施例に係る遊技管理システムを模式的に示す全体構成図である。
【図2】ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。
【図3】ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す図である。
【図4】本実施例におけるぱちんこ遊技機の機能ブロックを示す図である。
【図5】二次元コードの撮像を促すメッセージの表示態様の一例を示す図である。
【図6】情報記憶手段に構築された異常情報データベースの一例を示す図である。
【図7】管理サーバの構成を示す機能ブロック図である。
【図8】ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。
【図9】図8におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。
【図10】図9におけるS34の当否判定処理を詳細に示すフローチャートである。
【図11】図10におけるS50の変動パターン送受信処理を詳細に示すフローチャートである。
【図12】(a)は、履歴判定を実施しない変動パターン情報の履歴の組合せの一例を示す図であり、(b)は、その別の一例を示す図である。
【図13】(a)は、履歴が一致すると判定される変動パターン情報の履歴の組合せの一例を示す図であり、(b)は、その別の一例を示す図である。
【図14】(a)は、履歴が一致しないと判定される変動パターン情報の履歴の組合せの一例を示す図であり、(b)は、その別の一例を示す図である。
【図15】図10におけるS56を詳細に示すフローチャートである。
【図16】管理サーバにおける特典情報の送信手順などを示すフローチャートである。
【図17】図8におけるS16を詳細に示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0090】
1 ぱちんこ遊技機、 50 遊技盤、 52 遊技領域、 60 演出表示装置、 61 特別図柄表示装置、 62 始動口、 90 遊技効果ランプ、 100 遊技制御装置、 112 当否抽選手段、 114 図柄決定手段、 118 メイン表示制御手段、 130 パターン記憶手段、 132 演出決定手段、 134 演出表示制御手段、 200 メイン履歴記憶手段、 202 メイン履歴管理手段、 204 情報記憶手段、 206 サブ履歴管理手段、 208 異常判定手段、 210 情報管理手段、 212 情報出力手段、 300 遊技機管理システム、 320 管理サーバ、 324 特典管理手段、 326 情報管理手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域が形成された遊技盤と、前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球が入球可能な始動口と、前記始動口への遊技球の入球を契機として当否を決定するための抽選を実行する抽選手段と、前記抽選の結果が当たりを示す結果に該当したときに、通常遊技状態よりも遊技者に有利となる遊技である特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、を有する弾球遊技機と、
情報を無線で送信する無線通信装置によって送信された情報を受信する管理サーバと、
を備え、
前記弾球遊技機は、
前記抽選の結果を示す図柄の変動表示を含む演出内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示される演出内容が定められた複数種類の演出パターンを保持するパターン記憶手段と、
前記保持された複数種類の演出パターンの中から演出パターンを選択する演出決定手段と、
選択された演出パターンにしたがって前記演出表示装置に演出内容を表示させる演出表示制御手段と、
前記弾球遊技機を構成する所定の機器の動作を監視することにより当該所定の機器の異常を検出する異常検出手段と、
前記管理サーバを特定する送信先情報を保持すると共に、前記所定の機器に異常が検出されたことを示す異常情報をその検出がなされたときに格納する情報記憶手段と、
前記情報記憶手段に格納された異常情報および送信先情報を所定の出力態様で出力することにより、遊技者が所持する無線通信装置に遊技者によって所定の操作がなされたときにその無線通信装置に異常情報および送信先情報を取得させ、取得した送信先情報によって特定される前記管理サーバに取得した異常情報を送信することをその無線通信装置に促す情報出力手段と、をさらに有し、
前記演出表示制御手段は、所定の演出パターンが選択された場合に、遊技者が所持する無線通信装置への前記所定の操作を遊技者に促す演出内容を前記演出表示装置に表示させ、
前記情報出力手段は、遊技者が所持する無線通信装置への前記所定の操作を遊技者に促す演出内容が表示されるとき、前記情報記憶手段に格納された異常情報および送信先情報を前記所定の出力態様で出力し、
前記管理サーバは、異常情報を受信した場合、前記所定の機器に異常が検出されたことを外部に報知することを特徴とする遊技機管理システム。
【請求項2】
前記演出表示制御手段は、所定の演出パターンが選択された場合に、遊技者が所持する無線通信装置に前記所定の操作をすることで、その無線通信装置が前記管理サーバに通信し、特典としての情報である特典情報が前記管理サーバからその無線通信装置に返送されることを示唆することにより、遊技者が所持する無線通信装置への前記所定の操作を遊技者に促す演出内容を前記演出表示装置に表示させ、
前記情報出力手段は、所定の条件を満たす場合、遊技者が所持する無線通信装置への前記所定の操作を遊技者に促す演出内容が表示されるときに、前記情報記憶手段に保持された異常情報を、送信先情報と共に前記所定の出力態様で出力し、
前記管理サーバは、特典情報を保持する特典情報記憶手段を有し、無線通信装置から通信されたとき、その無線通信装置に特典情報を返送することを特徴とする請求項1に記載の遊技機管理システム。
【請求項3】
前記パターン記憶手段は、前記演出パターンとして、撮像し且つ所定の復号処理を実施することで復元可能な形式で異常情報および送信先情報を符号化した符号化画像が表示される特殊演出パターンを保持し、
前記演出表示制御手段は、特殊演出パターンが選択された場合に、遊技者が所持する無線通信装置で前記演出表示装置に表示された前記符号化画像を撮像することを遊技者に促す撮像促進演出を前記演出表示装置に表示させ、
前記情報出力手段は、前記符号化画像を生成し、前記撮像促進演出が表示されるときに、生成した前記符号化画像を前記演出表示装置に表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機管理システム。
【請求項4】
前記情報記憶手段は、前記所定の機器に異常が検出された時期を特定する異常情報をその検出がなされたときに格納し、
前記管理サーバは、異常情報を受信した場合、前記所定の機器に異常が検出された時期を外部に報知することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の遊技機管理システム。
【請求項5】
前記情報記憶手段は、前記弾球遊技機を特定する遊技機特定情報をさらに保持し、
前記情報出力手段は、遊技者が所持する無線通信装置への前記所定の操作を遊技者に促す演出内容が表示されるとき、前記情報記憶手段に保持された遊技機特定情報を、異常情報および送信先情報と共に前記所定の出力態様で出力することにより、遊技者が所持する無線通信装置に遊技者によって所定の操作がなされたときにその無線通信装置に異常情報、送信先情報、および遊技機特定情報を取得させ、取得した送信先情報によって特定される前記管理サーバに取得した異常情報および遊技機特定情報を送信することをその無線通信装置に促し、
前記管理サーバは、異常情報および遊技機特定情報を受信した場合、遊技機特定情報によって特定される弾球遊技機において前記所定の機器に異常が検出されたことを外部に報知することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の遊技機管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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