説明

遊技機

【課題】遊技者の遊技球の発射操作によって大役動作の保留や保留からの開始を行うことを可能とする。
【解決手段】圧力センサ1600は遊技球が当てられたことを検出してこれに対応する信号を生成し、主制御部200はこの圧力センサ1600による信号の生成態様が所定態様の場合(時間T内に3個生成)には大役動作を保留する。したがって遊技者は信号の生成態様が所定態様となるように圧力センサ1600に遊技球を当てることによって大役動作が保留されるので、遊技者の遊技球の発射操作によって大役動作の保留を行うことができ遊技性も向上する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定遊技状態が生起されると入賞可能に開閉制御される入賞装置を備え、継続条件が満足される限り初回から最大開放回数を限度とした開閉制御を継続する大役動作が行われるように構成された遊技機の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば特開平9−276500号公報によれば、遊技の中断や中断からの遊技の再開を行うようにした遊技機が提案されている。この遊技機にあっては、操作パネルを設けたこの遊技の中断や再開を指示する操作部を操作することによって遊技の中断や再開を行うようにしていた。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種の遊技機にあっては、操作パネルを設けた構成になっているため、設計上遊技盤面が小さくなったりコスト高を招いたりする問題があった。さらに、遊技者の操作によって遊技の中断や再開を行うようにしているため、何ら遊技とは関係ない操作によって遊技動作制御が行われることから、遊技性を向上しながら遊技中断等を行うようにした遊技機の出現が望まれたいた。さらに好みのタイミングで大役動作を保留、開始することを望む遊技者は多かったものの遊技性を向上させつつこれに対する対処を行うための術がなかった。
【0003】本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技球の発射操作によって大役動作の保留や保留からの開始を行うことを可能とした遊技機を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、特定遊技状態が生起されると入賞可能に開閉制御される入賞装置を備え、開閉制御継続条件が満足される限り、初回から最大回数までを限度として開閉制御を継続する大役動作を行うように構成された遊技機において、遊技盤内に設けられて遊技球が当てられたことを検出してこれに対応する信号を生成する検出手段と、この検出手段による信号の生成態様が所定態様の場合には大役動作を保留する保留制御手段と、を備えたことを特徴とするようにした。
【0005】この発明によれば、検出手段は遊技球が当てられたことを検出してこれに対応する信号を生成し、保留制御手段はこの検出手段による信号の生成態様が所定態様の場合には大役動作を保留する。したがって遊技者は信号の生成態様が所定態様となるように検出手段に遊技球を当てることによって大役動作が保留されるので、遊技者の遊技球の発射操作によって大役動作の保留を行うことができ遊技性も向上する。
【0006】前記保留制御手段は、図柄表示装置に大当り抽選結果が当りであることを示す表示が行われてから大役動作が開始されるまでの期間内に前記信号が所定数回生成されたと判定した場合に大役動作を保留する手段を備えるようにすることができる。
【0007】また、前記期間内にあることを通知する通知手段を更に備えた構成としたり、さらに、前記保留制御手段による大役動作の保留数を表示する保留数表示手段を更に備えた構成とすることができる。
【0008】そして、前記検出手段による信号の生成態様が第2の所定態様である場合に、保留されている大役動作を開始する開始制御手段を更に備えた構成とすることもできる。また、前記検出手段は、遊技球が発射され外レールに沿って案内され最も外側の軌跡を描くと想定した場合のこの軌跡上に設けられていることを特徴とすることができる。
【0009】なお、このような動作制御はコンピュータ読み取り可能な記録媒体に制御プログラムを記録しておき、コンピュータがこの記録媒体に記録した制御プログラムを読み取って実行することによって実現することができる。このような記録媒体としては、ROM、半導体IC等の半導体記録媒体、DVDROM、CDROM等の光記録媒体、フレキシブルディスク等の磁気記録媒体、MO等の光磁気記録媒体が挙げられる。また、この制御プログラムを通信網を介して情報処理装置からダウンロードするようにしても良い。
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。先ずこの種の遊技機の一般的な構成や動作を説明してから、本発明の主要な動作を説明することによって本発明の理解の容易化を図る。
【0010】図1は遊技盤10の模式的な説明図である。遊技盤10の略中央部には、3つ(左、中、右)の表示エリアを有していて、各表示エリアにおいて、独立して数字やキャラクタによる図柄で構成される識別情報が変動表示可能である特別図柄表示装置100が配設されており、その真下には特別図柄始動口104が配設されていて、この特別図柄始動口104の両側には普通図柄作動ゲート102、102が配設されている。また、一対の開閉部材120、120が特別図柄始動口104を形成するように離間して開閉可能に設けられている。
【0011】さらに、特別図柄始動口104の下方には、大入賞口106、普通図柄表示装置108、アウト口114がこの順で配設されており、さらに、特別図柄始動口104の両斜め上方にはランプ表示装置110、110が配設されていると共に、遊技盤10の両側端部近傍にもランプ表示装置(より具体的にはLED装置)112、112が配設されている。
【0012】そして、特別図柄始動口104に遊技玉が入賞されて乱数抽選が行われ、この抽選された乱数が大当り値である時には、各表示エリアにおいて少なくとも1つの識別情報の変動表示が開始されその後、当り有効ライン上に所定表示パターン(例えば「7、7、7」)の表示が特別図柄表示装置100によって行われ、大入賞口106が所定パターンで開閉制御されて遊技者にとって有利な大当り遊技状態となる。
【0013】また、普通図柄作動ゲート102が遊技玉の通過を検出すると、乱数抽選が行われこの抽選された乱数が小当り値である時には、普通図柄表示装置108の表示部を所定パターン(例えば「7」や「3」)に表示させ、その後に、開閉部材120が開状態となって遊技玉が特別図柄始動口104に入賞した場合にも、同様に乱数抽選が行われこの抽選された乱数が大当り値である時には、各表示エリアにおける変動表示が開始されその後、当り有効ライン上に所定表示パターン(例えば「7、7、7」)の表示が特別図柄表示装置100によって行われ、大入賞口106が所定パターンで開閉制御されて遊技者にとって有利な大当り状態となる。一方、入賞されない打玉はアウト口114を介して排出される。
【0014】図2はこのような遊技の進行状況に応じた遊技機制御が行われる遊技機の主要部のみを示した制御ブロック図である。遊技制御動作を統括する主制御部200は、CPUを内蔵したマイクロプロセッサを搭載していて、後に説明する、特別図柄表示装置100を制御するための各種のコマンドを、少なくとも含む多種多様な制御コマンドを格納するコマンドデータテーブル領域202および一連の遊技機制御手順を記述した制御プログラムや制御データ等の遊技制御プログラムを格納するROM201とワークエリアが形成されるRAM203とが設けられていて、一体型のワンチップマイコンとなっている。主制御部200が所定周期でこの遊技制御プログラムを繰り返して実行することによって遊技動作が行われることになる。
【0015】主制御部200には、入力ポート210を介して、特別図柄始動口104内部に設けられ遊技玉の特別図柄始動口104への入賞を検出する特別図柄始動スイッチ304、普通図柄作動ゲート102の内部に設けられ遊技玉のゲート通過を検出する普通図柄作動スイッチ306、および、大入賞口106の内部に設けられ遊技玉の大入賞口106への入賞を検出する大入賞口スイッチ308が接続さされ、主制御部200は各検出信号を受信可能となっている。
【0016】また、主制御部200には、出力ポート215を介して、特別図柄やキャラクタを表示する表示部を3つ有して夫々を独立して可変表示可能でLCD等で実現される特別図柄表示装置100、ランプを点灯制御するランプ表示装置110、112、効果音を発生する効果音発生装置116、例えば7セグメント表示デバイスで実現される普通図柄表示装置108、始動口の開閉部材120を開閉制御するための始動口作動ソレノイド300、および、大入賞口106の幅広な開閉部材を開閉制御するための大入賞口作動ソレノイド302等の各種の周辺装置群が接続され、主制御部200は各装置を制御するための制御信号を送信可能となっている。
【0017】そして、主制御部200は、特に特別図柄表示装置100に対しては所定数個の表示制御用のコマンドを所定のタイミングで送信可能となっていて、特別図柄表示装置100は受け取ったコマンドに基いて、主制御部200に頼らずに自身内のCPUが細かな表示制御を行うようになっている。さらに主制御部200から特別図柄表示装置100へコマンドを送信するのみの一方向通信による通信形態を採っている。
【0018】また、主制御部200には、電源供給を行うための電源回路212と所定時間毎にリセット信号を出力するリセット回路213とが接続されていて、さらに、リセット回路213には、主制御部200から周期的タイマカウンタによって生成されたパルス信号が入力されると共に、電源回路212からの電流供給状況を監視するためのモニタ信号が入力される。
【0019】さて、図12に示すように、主制御部200から特別図柄表示装置100に送られる表示制御用のコマンドは、コマンドの分類を識別するための識別子で1バイト長のデジタル情報であるモード(MODE)と、実行されるコマンドの内容(機能)を示す1バイト長のデジタル情報であるイベント(EVENT)とでなっており、図6乃至図9は、ROM201に格納されたコマンドデータテーブル領域202上の表示制御用コマンドデータの一部を示している。
【0020】図6乃至図9に示すように、表示制御用のコマンドには、「特別図柄を変動させるとともに、変動パターンを指定するためのコマンド(第1のコマンド)」、「特別図柄左の停止図柄を指定するコマンド(第2のコマンド)」、「特別図柄中の停止図柄を指定するコマンド(第2のコマンド)」、「特別図柄右の停止図柄を指定するコマンド(第2のコマンド)」、「特別図柄を停止させるためのコマンド(第3のコマンド)」がある。なお、第1のコマンドには図柄をどのようなパターンで変動表示させるか、キャラクタをどのようなパターンで表示演出させるか等の変動パターンを指定する情報を含んだコマンドとなっている。主制御部200は、図柄変動表示を開始させるような遊技状況となったときこれらの5つのコマンドを1回の変動表示制御において所定のタイミングで特別図柄表示装置100に送信する。
【0021】図3は特別図柄表示装置100のブロック構成図である。特別図柄表示装置100は、主制御部200からのストローブ信号やコマンドを受信するためのデータ受信回路1140(データレベルを変換する電圧変換回路を含む)と、この電圧変換回路等に電源供給を行う電源回路1160と、受信したコマンドに基づいて表示制御を行うために必要な制御データを生成して画像処理用LSI(VDP)1060に出力するCPU1020(表示制御手段)と、CPU1020の動作手順を記述したプログラムを内蔵するプログラムROM1040と、ワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM1090と、画像展開処理を行う画像処理用LSI(VDP)1060と、画像処理用LSI(VDP)1060が展開した画像データを一時的に記憶するビデオRAM1080と、画像処理用LSI(VDP)1060が画像展開するために必要なデータを格納したキャラクタROM1180と、ビデオRAM1080に一時的に記憶された画像データを受け取って送出するLCDパネル用インターフェイス回路1100と、このLCDパネル用インターフェイス回路1100から送出された画像データを用いて表示画像を出力するLCDパネル1120とを有している。
【0022】図4(a)に示すように、キャラクタROM1180は、ROMタイトル領域、ROM管理情報領域、実際のキャラクタデータを格納したキャラクタイメージデータ領域、キャラクタの色彩データを格納したパレットデータ領域、および、キャラクタの動きを定義した情報を格納したシナリオデータ領域を有していて、キャラクタデータは、特定の圧縮方法で圧縮された状態でキャラクタイメージデータ領域に格納されており、さらに、図4(b)に示すように、パレットデータ領域は、色番号とカラーコードとが対となったものが複数種類格納されている。
【0023】そして、特別図柄表示装置100のCPU1020は、データ受信回路1140が受信したコマンドに応じて生成した制御データを画像処理用LSI(VDP)1060に与えると、画像処理用LSI(VDP)1060は、キャラクタイメージデータ領域から獲得したキャラクタデータを解凍してパレットデータ領域から獲得した色彩データで色付けして、シナリオデータ領域から獲得した情報で指定されたビデオRAM1080上の位置に画像展開したデータを一時的に格納し、一時的に格納したデータをLCDパネル用インターフェイス回路1100に送ることによって、LCDパネル1120によって、変動表示速度変化等を含む様々な画像表示が細かに行われる。
【0024】また、図5は、コマンド送受信タイミングを示したタイミングチャートである。前述したように、コマンドは1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなっていて、この例では、主制御部200は、コマンド変化時に自身が生成するストローブ信号(DUSTB)の1つ目の立ち上がりを契機として、モード(MODE)情報を送信し、次いでストローブ信号(DUSTB)の2つ目の立ち上がりを契機として、イベント(EVENT)情報を送信する。すると、これに対応して、特別図柄表示装置のCPU1020は、ストローブ信号(DUSTB)が送信されてくると割り込みを発生させ、この割り込み処理によってコマンドを受信してRAM1090に格納する。
【0025】次に、先ず、主制御部200や特別図柄表示装置100のCPU1020が行う通常の制御動作を図10(遊技制御のゼネラルフローチャート)や図11を参照して説明し、その後、本発明の特徴的な動作制御について説明して本発明の理解の容易化に努める。なお、図10に示す一連の処理は主制御部200がROM201に格納されている図示しない遊技制御プログラムを実行することによって行われる。より具体的には、リセット回路213から所定時間(例えば4msec)毎に供給されるリセット信号をトリガとして先頭のステップから実行され、この一連の処理が繰り返し実行されるようになっている。
【0026】先ず、図示しない電源スイッチによって電源回路212を起動状態とすると主制御部200が起動状態となるが、この電源投入が行われてから初めての処理が実行されたか否かを判定する(ステップS110)。電源投入後、初めての処理の場合には(Yes)ステップS200に移行する一方、これ以外の場合には(No)ステップS120に移行する。
【0027】ステップS200では、RAM203の初期化処理として記憶エリアのクリア処理を実行し、次いで、ステップS210では、初期制御処理を行うためのデータをRAM203の所定の領域にセットする。一方、ステップS120では、RAM203内に形成される図示しない、大当り判定用、小当り判定用等の各種の乱数生成用ループカウンタのカウント値をインクリメントし、ステップS130では、遊技機制御に用いる各種のタイマのタイマ値を更新する。したがって、電源初期投入時にはRAMクリア、初期データセット処理等のイニシャライズが行われて、主制御部200のスタック領域に所定スタック値がスタックされる一方、電源初期投入時ではない場合にも各種乱数更新等のイニシャライズが行われ、これに対応する第2の所定スタック値が、主制御部200のスタック領域にスタックされる。
【0028】次に、ステップS140において、特別図柄始動スイッチ304、普通図柄作動スイッチ306、大入賞口スイッチ308が出力した検出信号を入力ポート210を介して図示しない自身内のレジスタに読み込み格納する入力ポート処理を実行し、次いで、ステップS150に移行してポート入力処理で読み込み格納したデータを把握するためのスイッチチェック処理を実行する。
【0029】次に、ステップS160にて各スイッチ304、306、308等の断線や短絡の有無のチェックを行い、これらの障害が発生している場合には(Yes)ステップS220に移行する一方、これ以外の場合には(No)ステップS180に移行する(ステップS170)。
【0030】そして、ステップS180において、普通図柄表示装置108の表示制御に必要なデータをRAM203の所定領域に格納すると共に、特別図柄表示装置100の表示制御に必要なコマンド(先に図6乃至図9にて説明したコマンドを含む)をRAM203の所定領域に格納して、前記各種のタイマのタイマ値を減じる(ステップS190)。なお、ステップS180において、主制御部200は、遊技制御に応じて必要なモード、イベントのコマンドをコマンドデータテーブル領域202を参照して決定し、決定したモード、イベントを示すデジタル情報をRAM203の所定エリアに格納する。
【0031】次に、ステップS195において、大入賞口106と特別図柄始動口104の開閉部材120とを所定パターンで開閉制御するために、始動口作動ソレノイド300と大入賞口作動ソレノイド302とを駆動制御し、次いで、ステップS220において、図示しない賞球払出装置に払出し動作を行わせるための制御情報を出力するための賞球セット処理を実行し、さらにステップS230、240、250において、図示しない遊技機管理装置に各種の遊技データを出力する外部情報処理、ランプ表示装置110、112を遊技状態に対応させて点灯制御するためのコマンドをRAM203の所定エリアに格納する表示灯制御処理、効果音発生装置116を遊技状態に対応させて効果音発生制御するためのコマンドをRAM203の所定エリアに格納する効果音処理を実行する。
【0032】次に、ステップS260では、各処理でRAM203に格納したデータを出力ポート215を介して対応する装置に出力し(ポート出力処理)、これを受け取った装置側はこれに基づいた制御動作を行う。そして、特別図柄表示装置100に対して、先ず、ストローブ信号を出力し、ステップS180にてRAM203に格納されたモード、イベントのデータを先に図5に示したようにして送信する。これによって、特別図柄表示装置100には、例えば図6乃至図9にて示したコマンドが主制御部200から送信され受信することになる。
【0033】ステップS270では、リセット回路213からリセット信号が入力されるまでリセット待機処理を実行すると共に、リセット信号が入力された場合にはステップS110に移行して遊技機制御を継続する。なお、このリセット待機処理としては、先に述べた各種の乱数生成用のカウンタや後述する規定入賞数選択用乱数カウンタ1700の更新等が挙げられる。
【0034】次に、コマンドを受け取った特別図柄表示装置100のCPU1020の動作について、図11を参照しつつ説明する。まず、ステップS1100において、CPU1020は自身のスタックポインタの設定、RAM1090の初期化、レジスタクリア等の自身の初期化等を行いステップS1102において、新しいコマンドが入力されたか否かを判断する。新たな表示制御のためのコマンドが入力されたと判断された場合には(Yes)ステップS1104に移行する一方、これ以外の場合には(No)ステップS1110に移行する。
【0035】ステップS1104では、図5において説明した割り込み処理において、データ受信回路1140が受信したコマンドをRAM1090にコピーし、コマンドが正常か否かのチェック等を行う。次に、CPU1020は、主制御部200とは独立して細かな表示制御を行うための必要なコマンドを得るべく、処理テーブル(図示せず)の先頭アドレスを決定し、次いでステップS1108において、画像処理用LSI1060へ出力するためにRAM1090の必要なエリアのデータを更新する。
【0036】次に、ステップS1110において、RAM1090にセットされている図柄制御用データに基づいて、画像処理用LSI1060へ出力するためのスクロールデータを求めてRAM1090にセットし、図柄表示位置を設定し、次いで、ステップS1112において、図柄速度制御に必要なデータを、プログラムROM1040に内蔵されている速度テーブル(図示せず)から取得してRAM1090にセットし、次にステップS1114において、速度データに基づいて図柄オフセット値を更新し、設定された速度で図柄変動を行うための準備を行う。
【0037】次に、ステップS1116において、RAM1090にセットされているアニメーション処理用データが格納されているアニメーション処理用テーブル(図示せず)からアニメーションデータを取得し背景画像の表示のための準備を行い、RAM1090内のVDP出力用バッファにセットし、出力許可フラグが「1」か否かを判断する(ステップS1118)。
【0038】そして、出力許可フラグが「1」でない場合(No)にはステップS1102に戻って一連の処理を繰り返す一方、出力許可フラグが「1」の場合(Yes)にはステップS1120にて、VDP出力用バッファにセットされているデータを画像処理用LSI1060に出力する。画像処理用LSI1060はこれに応じてキャラクタROM1180のデータを獲得して画像展開し、画像展開されたデータはビデオRAM1080に一時的に記憶された後、LCDパネル用インターフェイス回路1100に送られLCDパネル1120による画像表示が行われる。このようにして、特別図柄表示装置100における設定された表示位置において、設定された速度での図柄変動表示や背景画像の表示等が行われる。
【0039】図13、図14は主制御部200から特別図柄表示装置100へ送信するコマンドの送信タイミングの一例、送信コマンドの説明図である。これらの図を参照すれば分かるように、主制御部200は、特別図柄始動口104に遊技球が入賞した等の所定の条件が満足されると、先ず図柄変動を開始させるとともに変動パターンを指定するためのコマンドを送信し(■)、これからT1時間経過後に左停止図柄を指定するためのコマンドを送信し(■)、これからT2時間経過後に中停止図柄を指定するためのコマンドを送信し(■)、これからT3時間経過後に右停止図柄を指定するためのコマンドを送信し(■)、そして、変動開始からT時間経過後に全図柄を停止させるためのコマンド(■)を送信する。
【0040】そして、特別図柄表示装置100のCPU1020は、第1のコマンド■の受信を契機として図柄変動表示を開始させ変動速度変化等の細かな表示制御を行って一連の変動表示制御を行い、その後、第3のコマンドの受信を契機として第2のコマンドで指定された停止図柄での停止図柄表示を行う。
【0041】(本発明の特徴部)
(構成)図15は本発明の実施形態の遊技機の遊技盤10の模式的説明図である。遊技盤10には楕円状に形成された内レール1520とこれを包囲するように形成された外レール1530とが設けられている。内レール1520の先端にはファール球(発射威力の小さな球)を図15では不図示のアウト口114から排出させるためのファール止め1540が設けられている。
【0042】不図示の操作ハンドルの操作によって発射された遊技球Pは外レール1530に沿って案内されてファール止め1540の若干の抵抗力に抗して遊技領域内に侵入されるように構成されている。そして発射強度を強くしていくことによって、遊技球Pが外レール1520に沿って案内され最も外側の軌跡(符号A)を描くとしてその軌跡A上に圧力センサ1600が設けられている。図15の例では遊技盤10における遊技領域の右側上方に設けられた構成となっている。また、遊技盤10の右側上方の外レール1530よりも外側にはLED1620、表示部1630が設けられている。また、圧力センサ1600は遊技球が当るとこれを検出してこれに対応する信号を生成して主制御部200に出力するようにされている。
【0043】図15に示すように主制御部200には、不図示の制御プログラム等が記録されているROM201、ワークエリアとなるRAM203、Vゾーン入賞検出部1610、圧力センサ1600、LED1620、表示部1630、および、図2に示した大入口作動ソレノイド302が動作制御可能に接続されている。そして、主制御部200がROM201に記録されている制御プログラムを実行することによって以下の動作が実現される。
【0044】主制御部200は大役動作の保留回数を表示部1630に表示し、また、後に説明するようにこの期間に圧力センサ1600に遊技球を例えば3個当てると大役動作が保留されるというこの期間中であることをLED1620を点灯して遊技者に通知する。表示部1630は小型液晶表示デバイス、ELデバイス等の表示デバイス、7セグメントLED等の小型表示デバイスで遊技者が把握容易に専用に設けているが、これを特別図柄表示装置100が兼用するようにしても良い、。
【0045】Vゾーン入賞検出部1610は、大入賞口106内の図示しない特定領域(Vゾーンとも称する)に遊技球が入賞した場合にハイレベルの信号を出力するように構成されている。図17はこの出力信号の出力例を示した説明図であり、この場合では遊技球2個のVゾーン入賞に応じて2回ハイレベルの信号を出力している様子を示している。したがって、主制御部200はVゾーン入賞検出部1610の出力信号がハイレベルになった数を計数することによって特定領域への入賞数を把握することができるようになっている。
【0046】そして、主制御部200は、大当り時には大入賞口作動ソレノイド320を駆動制御して大入賞口106を開状態にして入賞球を捨球動作可能とし、先に説明した大入賞口スイッチ308の出力信号を参照して計数された入賞球数が規定入賞数(例えば10個)に到達するか又は開放時間が30秒経過したと判定すると大入口106を閉状態として入賞不能とする。その反面、開放制御時に、規定入賞数に応じて設定された必要入賞数以上の入賞が特定領域に対して行われた場合には継続条件が満たされたとして次回開閉制御動作を継続する。なお、この継続は大当り生起に応答して最大16回行われるように制御される。即ち、図18に示すように大役動作が開始されて初回(第1ラウンド)の開閉制御が行われ、この第1ランウンドにおいて継続条件が成立されると、2回目(第2ラウンド)の開閉制御に開閉制御点が移行され、…、というように開閉制御を行い、継続条件が成立されている限り最終回(第16ラウンド)まで開閉制御点が順次移行して大役動作が終了される。
【0047】(動作)次に動作を説明する。図19は本発明の実施形態における動作の概要の説明図である。図1919(a)に示すように特別図柄表示装置100によって特別図柄の変動表示が開始されてから、大当りを示す図柄組合せ(例えば「777」)で特別図柄が停止表示される。そして、通常、図19(b)に示すようにこの大当り図柄停止表示から所定時間Tを経過した時点で大役動作が開始される。この時間T内において主制御部200が圧力センサ1600から3回信号を得た場合には大役動作を保留して大役動作の開始を回避する。なお、本実施形態においては時間T内において3回信号を得た場合に大役動作を保留するとしているが信号を得る回数は3回に限られない。
【0048】図20を参照して大役動作保留動作について説明する。先ず、ステップS2000において、主制御部200は特別図柄表示装置100によって大当り表示が行われたか否かを判定する。大当り表示が行われたと判定した場合(Yes)にはステップS2010に移行し、一方大当り表示が行われなかったと判定した場合(No)には以下の動作をスキップする。次いでステップS2010は先に説明した時間T内にあることを遊技者に通知するためにLED1620を点灯制御する。
【0049】そして、ステップS2020において時間T内に圧力センサ1600から3回信号を得たか否か、即ち、時間T内に3個の遊技球が圧力センサ1600に当ったか否かを判定する。時間T内に3個の遊技球が圧力センサ1600に当ったと判定した場合(Yes)には不図示の内部フラグを立ててステップS2030に移行し、これ以外の場合(No)にはステップS2040に移行して主制御部200はLED1620を消灯して大役動作保留のチャンスがなくなったことを通知する。
【0050】一方、ステップS2030において、主制御部200は時間Tが経過したか否かを判定し、時間Tが経過したと判定した場合(Yes)にはステップS2040に移行してLED11620を消灯して時間Tが経過したことを通知し、これ以外の場合(No)にはステップS2020に戻って動作を繰り返す。
【0051】そして、ステップS2050において主制御部200は内部フラグが立っていることを参照して大役動作を保留状態として大役動作を開始しない。さらに主制御部200は初期値が0である保留回数を1だけ増加させてこの増加更新された保留回数を表示部1630に表示させる。かくして遊技者が時間T内に3個の遊技球を圧力センサ1600に当てるように遊技を行うと大役動作が保留される。
【0052】次に図21を参照して保留されている大役動作を開始する動作を説明する。主制御部200は時間T内以外において、圧力センサ1600から信号を2回受信したか否か、即ち、時間T内以外において2個の遊技球が圧力センサ1600に当ったか否かを判定する。当ったと判定した場合(Yes)にはステップS2110に移行し、これ以外の場合(No)には以下の動作をスキップして大役動作開始を行わない。
【0053】ステップS2110において、主制御部200は保留回数から1を減じた値を新たな保留回数として表示部1630に表示する。そしてステップS2120において保留されている大役動作を開始する。これによって先に図18を参照して説明したように大役動作が開始される。かくして、遊技者が時間T内以外において2個の遊技球を圧力センサ1600に当てるように遊技を行うと保留されている大役動作が開始される。
【0054】したがって本発明の実施形態によれば、圧力センサ1600は遊技球が当てられたことを検出してこれに対応する信号を生成し、主制御部200はこの圧力センサ1600による信号の生成態様が所定態様の場合(時間T内に3個生成)には大役動作を保留する。したがって遊技者は信号の生成態様が所定態様となるように圧力センサ1600に遊技球を当てることによって大役動作が保留されるので、遊技者の遊技球の発射操作によって大役動作の保留を行うことができ遊技性も向上する。
【0055】また、主制御部200は、特別図柄表示装置100に大当り抽選結果が当りであること示す表示が行われてから大役動作が開始される期間T内に圧力センサ1600が信号を所定数回例えば3回生成したと判定した場合にのみ大役動作を保留するので、無制限に保留可能とするのではないためスリルのある遊技を行うことが可能になる。
【0056】また、期間T内にあることをLED1620の点灯で通知することによって遊技者が保留のための操作を可能な期間であることを把握可能とすることができる。さらに、表示部1630に保留数を表示して遊技者が保留回数を把握容易にすることが可能になる。
【0057】そして、圧力センサ1600による信号の生成態様が第2の所定態様(時間T内以外に2個)となる場合に、保留されている大役動作を開始するので大役開始も遊技性を持たせて行うことげできる。そして、圧力センサ1600は遊技球が発射され外レール1530に沿って案内され最も外側の軌跡(符号A)を描くと想定した場合のこの軌跡上に設けられているので、特に発射強度を強くするような特別な発射操作を行うことによって圧力センサ1600に遊技球を当てるようにすることができる。
【0058】(他の実施形態)図22は他の実施形態の説明図である。上述した実施形態では時間T以内に3個の遊技球が圧力センサ1600に単に当れば大役動作を保留するものであった。しかし、この実施形態においては、主制御部200は時間T内であって且つ短い時間Δt内に3個の遊技球が圧力センサ1600に当った場合にのみ大役動作を保留する。
【0059】したがって極めてリズミカルに遊技球を圧力センサ1600に当てた場合にのみに大役動作を保留制御することによって、いたずらに保留制御を行えないようにすることができるとともに、遊技者はハンドル操作を行ってリズミカルに遊技球を圧力センサ1600に当てるという副次的な遊技も楽しむことができるようになる。
【0060】以上本発明の実施の形態について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で上記実施形態に種々の変形や変更を施すことが可能となる。例えば、保留制御条件と開始制御条件を同じものとすること、大役動作の開始時からではなく2ラウンド以降からの大役動作を保留、開始可能とすること、等が挙げられる。
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、遊技者の遊技球の発射操作によって大役動作の保留や保留からの開始を行うことができ遊技性も向上するという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】遊技盤10の模式的な説明図である。
【図2】遊技機の制御ブロック図である。
【図3】特別図柄表示装置100のブロック構成図である。
【図4】キャラクタROMメモリマップ、パレットデータの説明図である。
【図5】コマンド送受信のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図6】コマンドデータテーブル領域202に格納されるコマンドの説明図である。
【図7】コマンドデータテーブル領域202に格納されるコマンドの説明図である。
【図8】コマンドデータテーブル領域202に格納されるコマンドの説明図である。
【図9】コマンドデータテーブル領域202に格納されるコマンドの説明図である。
【図10】遊技機の遊技制御動作を説明するためのゼネラルフローチャートである。
【図11】特別図柄表示装置100のCPU1020の制御動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】コマンドのデータ構造の説明図である。
【図13】図柄表示のためのコマンド送信タイミングを示すタイミングチャートである。
【図14】コマンド送信を説明するための説明図である。
【図15】本発明の実施形態の遊技盤10の模式的構成図である。
【図16】本発明の実施形態の特徴部の構成図である。
【図17】Vゾーン入賞検出部1610からの出力信号の説明図である。
【図18】大役動作の説明図である。
【図19】動作概要の説明図である。
【図20】大役動作の保留制御動作を説明するフローチャートである。
【図21】大役動作の開始制御動作を説明するフローチャートである。
【図22】他の実施形態の説明図である。
【符号の説明】
10 遊技盤
100 特別図柄表示装置
104 特別図柄始動口
106 大入賞口
116 効果音発生装置
120 開閉部材
200 主制御部
201 ROM
202 コマンドデータテーブル領域
203 RAM
210 入力ポート
213 リセット回路
212 電源回路
215 出力ポート
302 大入賞口作動ソレノイド
308 大入賞口スイッチ
1020 CPU
1040 プログラムROM
1060 画像処理用LSI
1080 ビデオRAM
1090 RAM
1100 LCDパネル用インターフェイス回路
1120 LCDパネル
1140 データ受信回路
1160 電源回路
1180 キャラクタROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】 特定遊技状態が生起されると入賞可能に開閉制御される入賞装置を備え、開閉制御継続条件が満足される限り、初回から最大回数までを限度として開閉制御を継続する大役動作を行うように構成された遊技機において、遊技盤内に設けられて遊技球が当てられたことを検出してこれに対応する信号を生成する検出手段と、この検出手段による信号の生成態様が所定態様の場合には大役動作を保留する保留制御手段と、を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】 請求項1に記載の遊技機において、前記保留制御手段は、図柄表示装置に大当り抽選結果が当りであることを示す表示が行われてから大役動作が開始されるまでの期間内に前記信号が所定数回生成されたと判定した場合に大役動作を保留する手段を備えたことを特徴する遊技機。
【請求項3】 請求項2に記載の遊技機において、前記期間内にあることを通知する通知手段を更に備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項4】 請求項1、2および3の内のいずれか一項に記載の遊技機において、前記保留制御手段による大役動作の保留数を表示する保留数表示手段を更に備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項5】 請求項1、2、3および4の内のいずれか一項に記載の遊技機において、前記検出手段による信号の生成態様が第2の所定態様である場合に、保留されている大役動作を開始する開始制御手段を更に備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項6】 請求項1、2、3、4および5の内のいずれか一項に記載の遊技機において、前記検出手段は、遊技球が発射されて外レールに沿って案内され最も外側の軌跡を描くと想定した場合のこの軌跡上に設けられていることを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図3】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図12】
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【図17】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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