説明

遊技機

【課題】特別遊技状態における遊技進行が変化に富んだものとして遊技者の興趣を効果的に高める遊技機を提供する。
【解決手段】補助遊技において、可動部材4a,4aを比較的短時間だけ開状態に変換する変動入賞装置4内の振分待機領域16から、入賞球は振分回転体17の周面に設けた第1〜第3振分凹部17a〜17cの何れかに受け入れられ、第1〜第3振分領域19a〜19cの何れかに振り分けられて残存球排出センサA19a,残存球排出センサB19b,残存球排出センサC19cの何れかに検出され、その検出信号に応じた回数が検出毎に取得され、それら回数の合計に基づいて最高サイクル数を決定し最高サイクル数表示器12に表示し、この補助遊技で特別入賞センサ14がオンとなって発生した特別遊技状態においては、決定された最高サイクル数までサイクル遊技を更新可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、閉状態と開状態とに変換可能な可動部材と、特定領域と一般入賞領域とを有する変動入賞装置と、始動条件の成立により前記可動部材を所定時間開状態に変換する補助遊技を行い、該補助遊技において前記変動入賞装置内に受け入れられた遊技球が前記特定領域に入賞することにより前記補助遊技よりも遊技者に有利なサイクル遊技を所定の上限回数まで実行可能な特別遊技状態を発生させる遊技制御手段と、を備えた遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多様な遊技性が求められる遊技機においては、遊技中に所定条件が達成されることでゲームが行われ、そのゲーム結果に応じて更に別のゲームが行われるような、多段階的に遊技状態が変化するものが知られている。
【0003】
例えば、閉状態と開状態とに変換可能な可動部材と、特定領域と一般入賞領域とを有する変動入賞装置と、始動条件の成立により前記可動部材を所定時間開状態に変換する補助遊技を行い、該補助遊技において前記変動入賞装置内に受け入れられた遊技球が前記特定領域に入賞することにより前記可動部材を前記補助遊技より長時間開状態にするサイクル遊技を所定の上限回数まで実行可能な特別遊技状態を発生させる遊技制御手段と、を備えた遊技機(いわゆる第2種パチンコ機)では、通常遊技状態から補助遊技が行われて、特別遊技状態へと変化するのである。
【0004】
上記のような遊技機においては、特別遊技状態が発生したときに、サイクル遊技の実行回数が多いか少ないかで遊技者の獲得利益量が変化することから、サイクル遊技の実行回数は遊技者にとって大きな関心事である。
【0005】
そこで、サイクル遊技の最低実行回数から最高実行回数まで可変表示可能な継続回数決定表示器を遊技領域内適所(例えば、変動入賞装置と一体的)に設けておき、補助遊技において変動入賞装置内の特定領域に遊技球が入賞して特別遊技状態発生条件が達成されると、特別遊技の継続回数を決定する可変表示ゲームが継続回数決定表示器を用いて行われ、継続回数決定表示器の停止表示であるゲーム結果に基づいて決定した継続回数により、当該特別遊技状態におけるサイクル遊技の継続更新を行う遊技機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特開平1−249082号公報
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に記載の遊技機では、補助遊技において、最初に特定領域へ入賞した遊技球に基づいて行われる可変表示ゲームにより継続回数が決定されることから、せっかく発生した特別遊技状態であっても、少ない継続回数に決定されてしまった場合には、サイクル遊技の実行回数が少ないことから多くの利益獲得は望めず、遊技者は非常に落胆し、興趣が薄らいでしまう。
【0008】
加えて、上記特許文献1に記載の遊技機では、補助遊技において複数の遊技球が変動入賞装置内に入賞して特別遊技が発生しても、一つの遊技球が変動入賞装置に入賞して特別遊技が発生しても、可変表示ゲームによる継続回数の決定に関しては、遊技者に有利になることはなく、継続回数の決定に関して、遊技者の技術介入ができないため面白みにかけるという問題がある。
【0009】
一方、閉状態と開状態とに変換可能な可動部材と、特定領域と一般入賞領域とを有する変動入賞装置と、始動条件の成立により前記可動部材を所定時間開状態に変換する補助遊技を行い、該補助遊技において前記変動入賞装置内に受け入れられた遊技球が前記特定領域に入賞することにより前記可動部材を前記補助遊技より長時間開状態にするサイクル遊技を上限回数まで実行可能な特別遊技状態を発生させるとともに、前記サイクル遊技において受け入れた遊技球が前記特定領域に入賞したことを条件として次のサイクル遊技に移行させ、前記サイクル遊技において受け入れた遊技球が前記特定領域に入賞しなかった場合は前記特別遊技状態を終了させる遊技制御手段と、を備えた遊技機では、特別遊技状態における各サイクル遊技でサイクル更新条件となる特定領域への入賞が、遊技者にとっての大きな関心事となる。
【0010】
そこで、変動入賞装置内に誘導部材を設けて、この誘導部材の動作制御によって特定領域への入賞確率を高められるようにしておき、補助遊技において変動入賞装置内の特定領域に遊技球が入賞して特別遊技状態発生条件が達成されると、乱数によって誘導部材の駆動開始条件を変化させる境界値としてのサイクル数を決め、そのサイクル数までは高い確率でサイクル遊技が継続更新されるような誘導部材の動作制御を行い、そのサイクル数を超えると、誘導部材の作動タイミングを変化させてサイクル遊技の更新確率を低くするようにした遊技機が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0011】
【特許文献2】特開平4−96776号公報
【0012】
しかしながら、上記特許文献2に記載の遊技機では、補助遊技において、最初に特定領域へ入賞した遊技球に基づいて抽出される乱数によりサイクル数が決定されることから、せっかく発生した特別遊技状態であっても、少ないサイクル数に決定されてしまった場合には、そのサイクル数を超えてサイクル遊技が継続更新される可能性が低いことから多くの利益獲得は望めず、遊技者は非常に落胆し、興趣が薄らいでしまう。
【0013】
加えて、上記特許文献1に記載の遊技機では、補助遊技において複数の遊技球が変動入賞装置内に入賞して特別遊技が発生しても、一つの遊技球が変動入賞装置に入賞して特別遊技が発生しても、乱数抽出によるサイクル数の決定に関しては、遊技者に有利になることはなく、サイクル数の決定に関して、遊技者の技術介入ができないため面白みにかけるという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、特別遊技状態における遊技進行が変化に富んだものとして遊技者の興趣を効果的に高めると共に、特別遊技状態における遊技進行条件の決定に際して遊技者の技術介入を可能ならしめ得る遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、閉状態と開状態とに変換可能な可動部材と、特定領域と一般入賞領域とを有する変動入賞装置と、始動条件の成立により前記可動部材を所定時間開状態に変換する補助遊技を行い、該補助遊技において前記変動入賞装置内に受け入れられた遊技球が前記特定領域に入賞することにより前記補助遊技よりも遊技者に有利なサイクル遊技を所定の上限回数まで実行可能な特別遊技状態を発生させる遊技制御手段と、を備えた遊技機において、前記変動入賞装置には、前記可動部材の変換により受け入れた遊技球を検出する入賞検出手段を設け、前記遊技制御手段は、補助遊技において前記入賞検出手段が遊技球を検出したことに基づき、前記特別遊技状態におけるサイクル遊技の上限回数を決定する上限回数決定手段を備え、前記上限回数決定手段は、前記入賞検出手段で遊技球が検出される毎に所定のサイクル遊技回数を取得するサイクル遊技回数取得手段と、前記補助遊技において複数の遊技球が変動入賞装置内に受け入れられることで、前記サイクル遊技回数取得手段により取得したサイクル遊技回数が複数ある場合、各サイクル遊技回数を加算した合計サイクル遊技回数を算出する加算手段と、を備え、前記補助遊技で前記特定領域に遊技球が入賞することで発生した特別遊技状態におけるサイクル遊技の上限回数を、前記加算手段により算出された合計サイクル遊技回数を用いて決定するようにしたことを特徴とする。
【0016】
また、請求項2に係る発明は、上記請求項1に記載の遊技機において、前記上限回数決定手段は、特別遊技状態におけるサイクル遊技の実行可能回数の上限を制限するべく予め定めた制限回数と前記加算手段により算出された合計サイクル遊技回数とを比較し、合計サイクル遊技回数が制限回数を超えていた場合には、制限回数をサイクル遊技の上限回数に決定するようにしたことを特徴とする。
【0017】
また、請求項3に係る発明は、上記請求項1又は請求項2に記載の遊技機において、前記入賞検出手段は、特定領域および一般入賞領域よりも下流側に設けることを特徴とする。
【0018】
また、請求項4に係る発明は、上記請求項1又は請求項2に記載の遊技機において、前記入賞検出手段は、特定領域および一般入賞領域よりも上流側に設けることを特徴とする。
【0019】
また、請求項5に係る発明は、上記請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の遊技機において、前記変動入賞装置は、前記特定領域および一般入賞領域よりも上流側に設けられ、当該変動入賞装置内へ流入する遊技球を検出する流入球検出手段と、前記特定領域もしくは一般入賞領域への入賞結果が確定した遊技球を検出する結果確定球検出手段と、を備え、前記遊技制御手段は、前記流入球検出手段および前記結果確定球検出手段からの検出信号に基づいて、前記変動入賞装置内の遊技球の残存の有無を監視する残存球監視手段を備えるものとし、前記補助遊技において可動部材が閉状態になり、且つ、前記残存球監視手段により変動入賞装置内に遊技球が残存しないことが確認されると、前記上限回数決定手段がサイクル遊技の上限回数を決定するようにしたことを特徴とする。
【0020】
また、請求項6に係る発明は、上記請求項5に記載の遊技機において、前記流入球検出手段もしくは前記結果確定球検出手段の何れか一方を入賞検出手段として用いるようにしたことを特徴とする。
【0021】
また、請求項7に係る発明は、上記請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の遊技機において、前記変動入賞装置は、内部に受け入れられた遊技球が必ず流下してくる流下領域に設けられ、上流側から流下してきた遊技球を下流側に設けた複数の振分領域の何れかに振り分けて流下させる振分手段を備え、前記振分手段により振り分けられた遊技球が流下する複数の振分領域に各々入賞検出手段を設けるものとし、前記サイクル遊技回数取得手段は、遊技球を検出した入賞検出手段が配された振分領域に応じて予め定められた数をサイクル遊技回数として取得するようにしたことを特徴とする。
【0022】
また、請求項8に係る発明は、上記請求項7に記載の遊技機において、前記振分手段は、遊技球を1個だけ受け入れ可能な球受け凹部を外周に複数設けた振分回転体を備えるものとし、前記振分回転体の回転に伴って、上流から遊技球が流下してくる受入位置に球受け凹部が到達すると、流下領域を流下してきた遊技球が当該球受け凹部に受け入れ可能となり、前記振分回転体の回転に伴って、各球受け凹部毎にそれぞれ対応させて各別に形成した球放出部に到達すると、各球受け凹部に受け入れられていた遊技球は各球放出部へ放出され、各放出部が連通する振分領域へ流下して行くようにしたことを特徴とする。
【0023】
また、請求項9に係る発明は、上記請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の遊技機において、前記サイクル遊技回数取得手段は、前記入賞検出手段で遊技球が検出された場合に乱数を抽出し、抽出された乱数値に基づいてサイクル遊技回数を取得するようにしたことを特徴とする。
【0024】
上記の課題を解決するために、請求項10に係る発明は、閉状態と開状態とに変換可能な可動部材と、特定領域と一般入賞領域とを有する変動入賞装置と、始動条件の成立により前記可動部材を所定時間開状態に変換する補助遊技を行い、該補助遊技において前記変動入賞装置内に受け入れられた遊技球が前記特定領域に入賞することにより前記補助遊技よりも遊技者に有利なサイクル遊技を上限回数まで実行可能な特別遊技状態を発生させるとともに、前記サイクル遊技において受け入れた遊技球が前記特定領域に入賞したことを条件として次のサイクル遊技に移行させ、前記サイクル遊技において受け入れた遊技球が前記特定領域に入賞しなかった場合は前記特別遊技状態を終了させる遊技制御手段と、を備えた遊技機において、前記変動入賞装置は、前記可動部材の変換により受け入れた遊技球を検出する入賞検出手段と、前記受け入れた遊技球を前記特定領域へ誘導する誘導状態と、前記受け入れた遊技球を前記特定領域へ誘導しない非誘導状態とに変換可能な誘導手段と、を備え、前記遊技制御手段は、前記誘導手段の状態変換を制御することにより、遊技球を特定領域に入賞させる確率が高い高確率サイクル遊技と、該高確率サイクル遊技に比べて遊技球を特定領域に入賞させる確率が低い低確率サイクル遊技と、を生ぜしめる誘導制御手段と、補助遊技において前記入賞検出手段が遊技球を検出したことに基づき、前記特別遊技状態中に前記誘導制御手段が高確率サイクル遊技を生ぜしめるよう誘導手段の状態変換を制御する高確率サイクル遊技回数を決定する高確率サイクル遊技回数決定手段と、を備え、前記高確率サイクル遊技回数決定手段は、前記入賞検出手段で遊技球が検出される毎に所定の高確率サイクル遊技回数を取得する高確率サイクル遊技回数取得手段と、前記補助遊技において複数の遊技球が変動入賞装置内に受け入れられることで、前記高確率サイクル遊技回数取得手段により取得した高確率サイクル遊技回数が複数ある場合、各高確率サイクル遊技回数を加算した合計高確率サイクル遊技回数を算出する加算手段と、を備え、前記補助遊技で前記特定領域に遊技球が入賞することで発生した特別遊技状態における高確率サイクル遊技回数を、前記加算手段により算出された合計高確率サイクル遊技回数を用いて決定するようにしたことを特徴とする。
【0025】
また、請求項11に係る発明は、上記請求項10に記載の遊技機において、前記高確率サイクル遊技回数決定手段は、特別遊技状態におけるサイクル遊技の上限回数と前記加算手段により算出された合計高確率サイクル遊技回数とを比較し、合計高確率サイクル遊技回数が上限回数を超えていた場合には、上限回数を高確率サイクル遊技回数に決定するようにしたことを特徴とする。
【0026】
また、請求項12に係る発明は、上記請求項10又は請求項11に記載の遊技機において、前記入賞検出手段は、特定領域および一般入賞領域よりも下流側に設けることを特徴とする。
【0027】
また、請求項13に係る発明は、上記請求項10又は請求項11に記載の遊技機において、前記入賞検出手段は、特定領域および一般入賞領域よりも上流側に設けることを特徴とする。
【0028】
また、請求項14に係る発明は、上記請求項10〜請求項13の何れか1項に記載の遊技機において、前記変動入賞装置は、前記特定領域および一般入賞領域よりも上流側に設けられ、当該変動入賞装置内へ流入する遊技球を検出する流入球検出手段と、前記特定領域もしくは一般入賞領域への入賞結果が確定した遊技球を検出する結果確定球検出手段と、を備え、前記遊技制御手段は、前記流入球検出手段および前記結果確定球検出手段からの検出信号に基づいて、前記変動入賞装置内の遊技球の残存の有無を監視する残存球監視手段を備えるものとし、前記補助遊技において可動部材が閉状態になり、且つ、前記残存球監視手段により変動入賞装置内に遊技球が残存しないことが確認されると、前記高確率サイクル遊技回数決定手段が高確率サイクル遊技回数を決定するようにしたことを特徴とする。
【0029】
また、請求項15に係る発明は、上記請求項14に記載の遊技機において、前記流入球検出手段もしくは前記結果確定球検出手段の何れか一方を入賞検出手段として用いるようにしたことを特徴とする。
【0030】
また、請求項16に係る発明は、上記請求項10〜請求項15の何れか1項に記載の遊技機において、前記変動入賞装置は、内部に受け入れられた遊技球が必ず流下してくる流下領域に設けられ、上流側から流下してきた遊技球を下流側に設けた複数の振分領域の何れかに振り分けて流下させる振分手段を備え、前記振分手段により振り分けられた遊技球が流下する複数の振分領域に各々入賞検出手段を設けるものとし、前記高確率サイクル遊技回数取得手段は、遊技球を検出した入賞検出手段が配された振分領域に応じて予め定められた数を高確率サイクル遊技回数として取得するようにしたことを特徴とする。
【0031】
また、請求項17に係る発明は、上記請求項16に記載の遊技機において、前記振分手段は、遊技球を1個だけ受け入れ可能な球受け凹部を外周に複数設けた振分回転体を備えるものとし、前記振分回転体の回転に伴って、上流から遊技球が流下してくる受入位置に球受け凹部が到達すると、流下領域を流下してきた遊技球が当該球受け凹部に受け入れ可能となり、前記振分回転体の回転に伴って、各球受け凹部毎にそれぞれ対応させて各別に形成した球放出部に到達すると、各球受け凹部に受け入れられていた遊技球は各球放出部へ放出され、各放出部が連通する振分領域へ流下して行くようにしたことを特徴とする。
【0032】
また、請求項18に係る発明は、上記請求項10〜請求項15の何れか1項に記載の遊技機において、前記高確率サイクル遊技回数取得手段は、前記入賞検出手段で遊技球が検出された場合に乱数を抽出し、抽出された乱数値に基づいて高確率サイクル遊技回数を取得するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0033】
請求項1に係る遊技機によれば、変動入賞装置には、可動部材の変換により受け入れた遊技球を検出する入賞検出手段を設け、遊技制御手段は、補助遊技において入賞検出手段が遊技球を検出したことに基づき、特別遊技状態におけるサイクル遊技の上限回数を決定する上限回数決定手段を備え、上限回数決定手段は、入賞検出手段で遊技球が検出される毎に所定のサイクル遊技回数を取得するサイクル遊技回数取得手段と、補助遊技において複数の遊技球が変動入賞装置内に受け入れられることで、サイクル遊技回数取得手段により取得したサイクル遊技回数が複数ある場合、各サイクル遊技回数を加算した合計サイクル遊技回数を算出する加算手段と、を備え、補助遊技で特定領域に遊技球が入賞することで発生した特別遊技状態におけるサイクル遊技の上限回数を、加算手段により算出された合計サイクル遊技回数を用いて決定するようにしたので、特別遊技状態の発生毎に、サイクル遊技の上限回数が異なる遊技進行となり、遊技者の興趣を効果的に高めることができる。
【0034】
加えて、複数の遊技球が変動入賞装置内に受け入れられた補助遊技から特別遊技状態が発生した場合には、サイクル遊技回数取得手段により取得された複数のサイクル遊技回数の合計である合計サイクル遊技回数を用いてサイクル遊技の上限回数を決定するので、補助遊技で複数の遊技球が変動入賞装置内に入るように、遊技者が遊技技量を発揮すれば、それだけ合計サイクル遊技回数が多くなる可能性が高まり、延いては、より多くの上限回数に決定される可能性が高まる。よって、上限回数に関して遊技者の技術介入が可能となり、一層興趣の高い遊技機となる。
【0035】
また、請求項2に係る遊技機によれば、上限回数決定手段は、特別遊技状態におけるサイクル遊技の実行可能回数の上限を制限するべく予め定めた制限回数と加算手段により算出された合計サイクル遊技回数とを比較し、合計サイクル遊技回数が制限回数を超えていた場合には、制限回数をサイクル遊技の上限回数に決定するようにしたので、サイクル遊技の上限回数は制限回数以下に抑えられることとなり、遊技者と遊技店との利益バランスを好適に保持することができる。
【0036】
また、請求項3に係る遊技機によれば、入賞検出手段は、特定領域および一般入賞領域よりも下流側に設けるので、特別遊技状態の発生が確定した後に、サイクル遊技の上限回数が決定されることとなり、発生した特別遊技状態における遊技進行に対する期待感が増す。
【0037】
また、請求項4に係る遊技機によれば、入賞検出手段は、特定領域および一般入賞領域よりも上流側に設けるので、特別遊技状態の発生が確定する前にサイクル遊技の上限回数を予想でき、上限回数が大きい場合には、特定領域への球入賞による特別遊技状態の発生に対する遊技者の期待感を一層高めることができ、補助遊技の興趣が高まる。
【0038】
また、請求項5に係る遊技機によれば、変動入賞装置は、特定領域および一般入賞領域よりも上流側に設けられ、当該変動入賞装置内へ流入する遊技球を検出する流入球検出手段と、特定領域もしくは一般入賞領域への入賞結果が確定した遊技球を検出する結果確定球検出手段と、を備え、遊技制御手段は、流入球検出手段および結果確定球検出手段からの検出信号に基づいて、変動入賞装置内の遊技球の残存の有無を監視する残存球監視手段を備えるものとし、補助遊技において可動部材が閉状態になり、且つ、残存球監視手段により変動入賞装置内に遊技球が残存しないことが確認されると、上限回数決定手段がサイクル遊技の上限回数を決定するようにしたので、サイクル遊技回数取得手段によるサイクル遊技回数の取得の契機となっていない遊技球が変動入賞装置内に残存しているにも拘わらず、サイクル遊技の上限回数が決定されてしまうような遊技者の不利益を効果的に回避できる。
【0039】
また、請求項6に係る遊技機によれば、流入球検出手段もしくは結果確定球検出手段の何れか一方を入賞検出手段として用いるようにしたので、流入球検出手段を入賞検出手段として用いた場合は、特別遊技状態の発生が確定する前にサイクル遊技の上限回数を予想でき、上限回数が大きい場合には、特定領域への球入賞による特別遊技状態の発生に対する遊技者の期待感を一層高めることができ、結果確定球検出手段を入賞検出手段として用いた場合は、特別遊技状態の発生が確定した後に、サイクル遊技の上限回数が決定されることとなり、発生した特別遊技状態における遊技進行に対する期待感が増す。
【0040】
また、請求項7に係る遊技機によれば、変動入賞装置は、内部に受け入れられた遊技球が必ず流下してくる流下領域に設けられ、上流側から流下してきた遊技球を下流側に設けた複数の振分領域の何れかに振り分けて流下させる振分手段を備え、振分手段により振り分けられた遊技球が流下する複数の振分領域に各々入賞検出手段を設けるものとし、サイクル遊技回数取得手段は、遊技球を検出した入賞検出手段が配された振分領域に応じて予め定められた数をサイクル遊技回数として取得するようにしたので、補助遊技において、特定領域に入賞して特別遊技状態が発生するか否かとは別に、振分手段によってどの振分領域に振り分けられるか、すなわち、サイクル遊技回数取得手段により取得されるサイクル遊技回数が何回になるか、を楽しむことができ、補助遊技の興趣が高まる。
【0041】
また、請求項8に係る遊技機によれば、振分手段は、遊技球を1個だけ受け入れ可能な球受け凹部を外周に複数設けた振分回転体を備えるものとし、振分回転体の回転に伴って、上流から遊技球が流下してくる受入位置に球受け凹部が到達すると、流下領域を流下してきた遊技球が当該球受け凹部に受け入れ可能となり、振分回転体の回転に伴って、各球受け凹部毎にそれぞれ対応させて各別に形成した球放出部に到達すると、各球受け凹部に受け入れられていた遊技球は各球放出部へ放出され、各放出部が連通する振分領域へ流下して行くようにしたので、受入位置に複数の遊技球が連続して到達した場合でも、振分回転体の球受け凹部に1個宛て順次受け入れられて、各球受け凹部に対応する球放出部から放出されて、対応する振分領域を流下し、各振分領域の入賞検出手段により検出されることから、高い上限回数の設定された振分領域、もしくは低い上限回数の設定された振分領域に偏って遊技球が振り分けられることを防止でき、著しく上限回数が高くなったり、逆に著しく上限回数が低くなったりすることを無くし、遊技者と遊技店との利益バランスを好適に保持することが可能となる。
【0042】
また、請求項9に係る遊技機によれば、サイクル遊技回数取得手段は、入賞検出手段で遊技球が検出された場合に乱数を抽出し、抽出された乱数値に基づいてサイクル遊技回数を取得するようにしたので、入賞検出手段が遊技球を検出する毎にランダムなサイクル遊技回数が取得されることとなり、遊技者の期待感を効果的に高めることができる。
【0043】
請求項10に係る遊技機によれば、前記変動入賞装置は、前記可動部材の変換により受け入れた遊技球を検出する入賞検出手段と、前記受け入れた遊技球を前記特定領域へ誘導する誘導状態と、前記受け入れた遊技球を前記特定領域へ誘導しない非誘導状態とに変換可能な誘導手段と、を備え、前記遊技制御手段は、前記誘導手段の状態変換を制御することにより、遊技球を特定領域に入賞させる確率が高い高確率サイクル遊技と、該高確率サイクル遊技に比べて遊技球を特定領域に入賞させる確率が低い低確率サイクル遊技と、を生ぜしめる誘導制御手段と、補助遊技において前記入賞検出手段が遊技球を検出したことに基づき、前記特別遊技状態中に前記誘導制御手段が高確率サイクル遊技を生ぜしめるよう誘導手段の状態変換を制御する高確率サイクル遊技回数を決定する高確率サイクル遊技回数決定手段と、を備え、前記高確率サイクル遊技回数決定手段は、前記入賞検出手段で遊技球が検出される毎に所定の高確率サイクル遊技回数を取得する高確率サイクル遊技回数取得手段と、前記補助遊技において複数の遊技球が変動入賞装置内に受け入れられることで、前記高確率サイクル遊技回数取得手段により取得した高確率サイクル遊技回数が複数ある場合、各高確率サイクル遊技回数を加算した合計高確率サイクル遊技回数を算出する加算手段と、を備え、前記補助遊技で前記特定領域に遊技球が入賞することで発生した特別遊技状態における高確率サイクル遊技回数を、前記加算手段により算出された合計高確率サイクル遊技回数を用いて決定するようにしたので、特別遊技状態の発生毎に、高確率サイクル遊技回数が異なる遊技進行となり、遊技者の興趣を効果的に高めることができる。
【0044】
加えて、複数の遊技球が変動入賞装置内に受け入れられた補助遊技から特別遊技状態が発生した場合には、高確率サイクル遊技回数取得手段により取得された複数の高確率サイクル遊技回数の合計である合計高確率サイクル遊技回数を用いて高確率サイクル遊技回数を決定するので、補助遊技で複数の遊技球が変動入賞装置内に入るように、遊技者が遊技技量を発揮すれば、それだけ合計高確率サイクル遊技回数が多くなる可能性が高まり、延いては、より多くの高確率サイクル遊技回数に決定される可能性が高まる。よって、高確率サイクル遊技回数に関して遊技者の技術介入が可能となり、一層興趣の高い遊技機となる。
【0045】
また、請求項11に係る遊技機によれば、高確率サイクル遊技回数決定手段は、特別遊技状態におけるサイクル遊技の上限回数と加算手段により算出された合計高確率サイクル遊技回数とを比較し、合計高確率サイクル遊技回数が上限回数を超えていた場合には、上限回数を高確率サイクル遊技回数に決定するようにしたので、高確率サイクル遊技回数は上限回数以下に抑えられることとなり、遊技者と遊技店との利益バランスを好適に保持することができる。
【0046】
また、請求項12に係る遊技機によれば、入賞検出手段は、特定領域および一般入賞領域よりも下流側に設けるので、特別遊技状態の発生が確定した後に、高確率サイクル遊技回数が決定されることとなり、発生した特別遊技状態における遊技進行に対する期待感が増す。
【0047】
また、請求項13に係る遊技機によれば、入賞検出手段は、特定領域および一般入賞領域よりも上流側に設けるので、特別遊技状態の発生が確定する前に高確率サイクル遊技回数を予想でき、高確率サイクル遊技回数が大きい場合には、特定領域への球入賞による特別遊技状態の発生に対する遊技者の期待感を一層高めることができ、補助遊技の興趣が高まる。
【0048】
また、請求項14に係る遊技機によれば、変動入賞装置は、特定領域および一般入賞領域よりも上流側に設けられ、当該変動入賞装置内へ流入する遊技球を検出する流入球検出手段と、特定領域もしくは一般入賞領域への入賞結果が確定した遊技球を検出する結果確定球検出手段と、を備え、遊技制御手段は、流入球検出手段および結果確定球検出手段からの検出信号に基づいて、変動入賞装置内の遊技球の残存の有無を監視する残存球監視手段を備えるものとし、補助遊技において可動部材が閉状態になり、且つ、残存球監視手段により変動入賞装置内に遊技球が残存しないことが確認されると、高確率サイクル遊技回数決定手段が高確率サイクル遊技回数を決定するようにしたので、高確率サイクル遊技回数取得手段による高確率サイクル遊技回数の取得の契機となっていない遊技球が変動入賞装置内に残存しているにも拘わらず、高確率サイクル遊技回数が決定されてしまうような遊技者の不利益を効果的に回避できる。
【0049】
また、請求項15に係る遊技機によれば、流入球検出手段もしくは結果確定球検出手段の何れか一方を入賞検出手段として用いるようにしたので、流入球検出手段を入賞検出手段として用いた場合は、特別遊技状態の発生が確定する前に高確率サイクル遊技回数を予想でき、高確率サイクル遊技回数が大きい場合には、特定領域への球入賞による特別遊技状態の発生に対する遊技者の期待感を一層高めることができ、結果確定球検出手段を入賞検出手段として用いた場合は、特別遊技状態の発生が確定した後に、高確率サイクル遊技回数が決定されることとなり、発生した特別遊技状態における遊技進行に対する期待感が増す。
【0050】
また、請求項16に係る遊技機によれば、変動入賞装置は、内部に受け入れられた遊技球が必ず流下してくる流下領域に設けられ、上流側から流下してきた遊技球を下流側に設けた複数の振分領域の何れかに振り分けて流下させる振分手段を備え、振分手段により振り分けられた遊技球が流下する複数の振分領域に各々入賞検出手段を設けるものとし、高確率サイクル遊技回数取得手段は、遊技球を検出した入賞検出手段が配された振分領域に応じて予め定められた数を高確率サイクル遊技回数として取得するようにしたので、補助遊技において、特定領域に入賞して特別遊技状態が発生するか否かとは別に、振分手段によってどの振分領域に振り分けられるか、すなわち、サイクル遊技回数取得手段により取得される高確率サイクル遊技回数が何回になるか、を楽しむことができ、補助遊技の興趣が高まる。
【0051】
また、請求項17に係る遊技機によれば、振分手段は、遊技球を1個だけ受け入れ可能な球受け凹部を外周に複数設けた振分回転体を備えるものとし、振分回転体の回転に伴って、上流から遊技球が流下してくる受入位置に球受け凹部が到達すると、流下領域を流下してきた遊技球が当該球受け凹部に受け入れ可能となり、振分回転体の回転に伴って、各球受け凹部毎にそれぞれ対応させて各別に形成した球放出部に到達すると、各球受け凹部に受け入れられていた遊技球は各球放出部へ放出され、各放出部が連通する振分領域へ流下して行くようにしたので、受入位置に複数の遊技球が連続して到達した場合でも、振分回転体の球受け凹部に1個宛て順次受け入れられて、各球受け凹部に対応する球放出部から放出されて、対応する振分領域を流下し、各振分領域の入賞検出手段により検出されることから、高い高確率サイクル遊技回数の設定された振分領域、もしくは低い高確率サイクル遊技回数の設定された振分領域に偏って遊技球が振り分けられることを防止でき、著しく高確率サイクル遊技回数が高くなったり、逆に著しく高確率サイクル遊技回数が低くなったりすることを無くし、遊技者と遊技店との利益バランスを好適に保持することが可能となる。
【0052】
また、請求項18に係る遊技機によれば、高確率サイクル遊技回数取得手段は、入賞検出手段で遊技球が検出された場合に乱数を抽出し、抽出された乱数値に基づいて高確率サイクル遊技回数を取得するようにしたので、入賞検出手段が遊技球を検出する毎にランダムな高確率サイクル遊技回数が取得されることとなり、遊技者の期待感を効果的に高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
次に、本発明に係る遊技機の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
【0054】
図1に示すのは、パチンコ遊技を行える遊技機が備える遊技盤1の正面図で、透明なガラス面を介して前面に臨む部分である。
【0055】
遊技盤1は、打球発射機構(図示省略)により弾発された遊技球をガイドするガイドレール2により概ね区画される遊技領域3を備える。この遊技領域3の中央付近には、閉状態と開状態とに変換可能な左右一対の可動部材4a,4aを有する比較的大型の変動入賞装置4を設け、その若干下方に第1始動入賞口5a,第2始動入賞口5b,第3始動入賞口5cを設けてある。上記第1〜第3始動入賞口5a〜5cには、それぞれ第1始動センサ6a,第2始動センサ6b,第3始動センサ6cを設け、第1〜第3始動入賞口5a〜5cへの球入賞を個別に検出できるものとしてある。
【0056】
また、遊技領域3には、一般の入賞口7…や、図示を省略した風車や障害釘等が適宜に配置され、遊技球の流下状態に影響を与え、上述したる変動入賞装置4、第1〜第3始動入賞口5a〜5c、入賞口7…の何れにも入賞しなかった遊技領域は、遊技領域3の最下部に設けたアウト口(図示を省略)から遊技盤1の裏面側へ回収される。
【0057】
本実施形態に係る遊技機は、第1〜第3始動入賞口5a〜5cの何れかに遊技球が入賞して始動条件が成立すると、変動入賞装置4の可動部材4a,4aを所定時間(例えば、0.8秒)開状態に変換する補助遊技を行い、この補助遊技において変動入賞装置4内に受け入れられた遊技球が特定領域(後に詳述)に入賞すると、可動部材4a,4aを補助遊技より長時間(例えば、30秒、もしくは開放1秒と閉鎖1秒の交互変換動作を18回行う期間)開状態にするサイクル遊技(補助遊技よりも遊技者に有利な遊技)を所定の上限回数(例えば、16回)まで実行可能な特別遊技状態を発生させるものである。
【0058】
なお、本実施形態に係る遊技機では、特別遊技状態におけるサイクル遊技は、上記所定時間が経過する第1終了条件か、所定数(例えば、10個)の遊技球が変動入賞装置4へ入賞する第2終了条件の何れかが達成されることで終了し、このサイクル終了条件が達成される前もしくは終了条件達成後の所定猶予期間内に、特定領域への球入賞(特別入賞センサ14による球検出)であるサイクル更新条件が達成されると、次のサイクル遊技が実行され、サイクル更新条件が達成されないと、サイクル遊技の上限回数に達していなくても、そのサイクル遊技の終了を以て特別遊技状態の終了とする遊技制御を採用したが、これに限らず、サイクル遊技の上限回数まで無条件でサイクル更新されるようにしても良い。また、サイクル更新条件が達成されると直ちに当該サイクル遊技を終了させても良いし、当該サイクル遊技の終了条件達成されるまで待って次のサイクル遊技を開始させるようにしても良い。
【0059】
図2は、上記変動入賞装置4の詳細を示すもので、遊技盤1に装着するセンターケース10の上部には、可動部材4a,4aが起立状態にある閉状態から左右方向へ離隔するように傾動した開状態に変換することで遊技球が流入可能となる上部入賞室10aを設け、該上部入賞室10aの下方に主凹室10bを設け、上部入賞室10aに入った遊技球が自然流下して主凹室10bに至るように、上部入賞室10aと主凹室10bとを連通路を介して接続してある。なお、この連通路にはカウントセンサ11を配し、上部入賞室10aに受け入れられて主凹室10bへ流下して行く遊技球を1個宛て順次検出できるようにしてある。また、上部入賞室10aには、最高サイクル数表示器12(後に詳述)を設けてある。
【0060】
上記主凹室10bの下方部適所には球受けステージ13を設け、上部入賞室10aから流下してきた遊技球をこの球受けステージ上で一旦受ける。また、球受けステージ13は後方から前方へ向って緩やかな下り傾斜となるように構成してあり、主凹室10b内に入った遊技球は全て球受けステージ13の前端縁から落下する。しかして、球受けステージ13前端の略中央部には、遊技球が通過可能な特別入賞検出孔14aを有する特別入賞センサ14を突設してあり、運良く球受けステージ13の中央前端から落下した遊技球は、特別入賞センサ14に検出されて特別入賞球となり、それ以外の遊技球(特別入賞検出孔14aを通過しなかった遊技球)は一般入賞球となる。すなわち、本構成例の変動入賞装置4においては、球受けステージ13の前端中央に特定領域を、その左右両側方に一般入賞領域4b,4bを備えるものとした。
【0061】
また、球受けステージ13上には、装飾部材として人形15を配置してある。この人形15が存在することによって、球受けステージ13上での遊技球の転動状態が予測困難となり、興趣あるものとなる。なお、適宜な駆動機構を設けて人形15を動作させることにより、主凹室10b内の遊技球が特定用域へ至る確率を高めるように誘導したり、或いは逆に低くするように球流下を阻害したりする構成としても良い。
【0062】
上記のようにして、一般入賞球もしくは特別入賞球の何れかに定まった遊技球は、主凹室10bの最下部中央に形成された振分待機領域16へ至る。振分待機領域16は、下部開放としてあり、この開放空部を下方から閉塞するように短筒状の振分回転体17の周面が臨む。そして、振分回転体17は定方向に定速度(例えば、1回/秒)で回転しており、振分待機領域16に至った遊技球は、振分回転体17の周面に設けた第1球受け凹部17a,第2球受け凹部17b,第3球受け凹部17cの何れかに受け入れられることとなる。
【0063】
上記振分回転体17の下方には、振分回転体17により振り分けられた遊技球が流下する複数の振分領域として、第1振分領域18a,第2振分領域18b,第3振分領域18cを各々形成し、第1振分領域18aに振り分けられた遊技球の流下を残存球排出センサA19aにより検出し、第2振分領域18bに振り分けられた遊技球の流下を残存球排出センサB19bにより検出し、第3振分領域18cに振り分けられた遊技球の流下を残存球排出センサC19cにより検出する。
【0064】
なお、残存球排出センサA19aにはサイクル遊技回数として「10」が、残存球排出センサB19bにはサイクル遊技回数として「5」が、残存球排出センサCにはサイクル遊技回数として「1」が各々割り振られており、この割り振られたサイクル遊技回数は、後に詳述する遊技制御で用いる。また、第1〜第3振分領域18a〜18cに振り分けられた遊技球は、排出口10cから遊技盤1裏面側へ導かれて処理される。
【0065】
ここで、振分回転体17による遊技球の振分手法を詳述する。振分回転体17は、第1〜第3振分凹部17a〜17cが、振分待機領域16の流下端に臨む受入位置から、第3振分領域18c、第2振分領域18b、第1振分領域18aの順で通過して再び受入位置へ戻る方向(図2中の矢印方向)へ常時回転しており、この回転に伴って、第1球受け凹部17aに受け入れられた遊技球は第1振分領域18aへ、第2球受け凹部17bに受け入れられた遊技球は第2振分領域18bへ、第3球受け凹部17cに受け入れられた遊技球は第3振分領域18cへ夫々振り分けられる。
【0066】
第1振分凹部17aは、後壁を形成していないと共に、受入位置で振分待機領域16から受け入れた遊技球が後方へ流下するような傾斜を軸心側曲面部に形成してあり、振分回転体17の回転に伴って、ワープ通路20のワープ入口20aの前面側に第1振分凹部17aが至ると、第1振分凹部17aに受け入れられていた遊技球は自然流下してワープ入口20aに入り、ワープ通路20を経て、ワープ出口20bから第1振分領域18aに至る。
【0067】
また、第3振分凹部17cは後壁を有しており、ワープ通路20のワープ入口20aへ遊技球が流下することはなく、受入位置から概ね135゜程度回転したところで第3振分領域18cの上端流入部へ至る。このとき、振分凹部17cに受け入れられていた遊技球は、振分凹部17cから脱して第3振分領域18cへ至る。
【0068】
また、第2振分凹部17bも後壁を有しており、ワープ通路20のワープ入口20aへ遊技球が流下することはなく、受入位置から概ね135゜程度回転したところで第3振分領域18cの上端流入部へ至る。しかして、第2振分凹部17bは、回転方向へ窪む球止め凹部を軸心側奥部に有しており、第2振分凹部17bが第3振分領域18cの上端流入部へ至ったとき、遊技球は上記球止め凹部に嵌まり込んでいるため、第2振分凹部17bから脱することはない。そして、振分回転体17が更に回転して、受入位置から概ね180゜程度回転したとき、第2振分凹部17bが第2振分領域18bの上端流入部に達し、振分凹部17bに受け入れられていた遊技球は、球止め凹部から脱して第2振分領域18bへ至る。
【0069】
上述したように、本構成例の変動入賞装置4においては、振分待機領域16と第1〜第3振分領域18a〜18cの間に配した振分回転体17とワープ通路20とによって、「上流側から流下してきた遊技球を下流側に設けた複数の振分領域の何れかに振り分けて流下させる振分手段」としての機能を実現するものとした。本構成例の振分手段によれば、受入位置となる振分待機領域16に複数の遊技球が連続して到達した場合でも、振分回転体17の第1〜第3球受け凹部17a〜17cに1個宛て順次受け入れられて、第1〜第3球受け凹部17a〜17cに対応する球放出部から放出されて、対応する第1〜第3振分領域18a〜18cを流下することとなるので、特定の振分領域に偏りが生ずることを防止できる。
【0070】
次に、遊技機における各種制御を行う遊技機制御部の概略構成について、図3に基づき説明する。
【0071】
遊技機制御部は、主として遊技盤1に設けられた各種遊技装置(変動入賞装置4等)の制御を行う遊技制御装置として機能するメイン制御装置21,排出発射制御装置として機能する第1サブ制御装置22(排出装置22aや発射装置22bに対する動作制御を発射停止スイッチ22cやタッチセンサ22dからの入力に応じて行う装置),演出制御装置として機能する第2サブ制御装置23(各所に設けた装飾用のランプやLED等からなる装飾ランプ23aの点灯制御、スピーカ23bからの演出音出力制御、変動入賞装置4に設けた最高サイクル数表示器12への表示制御などを行う装置)からなる。
【0072】
上記メイン制御装置21は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を有する遊技用マイクロコンピュータ21a、入出力インターフェース21b、動作用クロック信号を生成して遊技用マイクロコンピュータ21aに供給する発振器21c、などを備えている。また、このメイン制御装置21には、バックアップ電源24aを備える電源供給装置24から停電時等にも電源供給され、RAMの記憶内容を保持できるようになっている。
【0073】
また、上記メイン制御装置21は、第1〜第3始動入賞口5a〜5cにに入賞した遊技球を各々検出する第1〜第3始動センサ6a〜6cからの検出信号,各入賞口7…に各々対応させて設けた第1〜第N入賞口センサ25a〜25nからの検出信号,変動入賞装置4へ入賞した遊技球を1個宛て検出するカウントセンサ11からの検出信号,特定領域への入賞球を検出する特別入賞センサ14からの検出信号,第1振分領域18aに振り分けられて流下する遊技球を検出する残存球排出センサA19aからの検出信号,第2振分領域18bに振り分けられて流下する遊技球を検出する残存球排出センサB19bからの検出信号,第3振分領域18aに振り分けられて流下する遊技球を検出する残存球排出センサC19cからの検出信号が入出力インターフェース21bを介して入力されると、これらの検出信号に基づいて遊技用マイクロコンピュータ21aが入出力インターフェース21bを介して、変動入賞装置4の可動部材4a,4aの駆動制御を行う開閉ソレノイド26,振分回転体17を定方向へ定速回転させる振分モータ27等へ駆動信号を送ると共に、第1,第2サブ制御装置22,23へ適宜な動作指令を行うことで、種々の条件に応じた遊技が行われるように制御する。更に、遊技機1において遊技者に払い出した賞球数や遊技結果(普通図柄変動表示ゲームや特別図柄変動表示ゲームや特別遊技の発生)等の情報は、外部出力端子28から遊技機外へ出力され、当該遊技店の管理コンピュータ等で収集・管理される。また、人形15を駆動させる場合には、その駆動源である人形ソレノイド29に対する駆動制御も上記メイン制御装置21が行う。
【0074】
上述したメイン制御装置21は、「始動条件の成立により前記可動部材を所定時間開状態に変換する補助遊技を行い、該補助遊技において前記変動入賞装置内に受け入れられた遊技球が前記特定領域に入賞することにより前記補助遊技よりも遊技者に有利なサイクル遊技を所定の上限回数まで実行可能な特別遊技状態を発生させる遊技制御手段」として機能する。ここで、サイクル遊技を補助遊技よりも遊技者にとって有利な遊技とする具体的制御は、変動入賞装置4の可動部材4a,4aの変換時間もしくは変換回数を増やすものに限らず、例えば、変動入賞装置4とは別の変動入賞装置(例えば、開閉扉が開くことで、短時間に多くの入賞球を発生可能な所謂アタッカタイプの変動入賞装置など)を用いることで、補助遊技よりも遊技者に有利なサイクル遊技が行われるようにしても良い。
【0075】
なお、特別遊技状態におけるサイクル遊技の更新条件として、サイクル遊技中における特定領域への球入賞(特別入賞センサ14による球検出)を採用し、サイクル更新条件が達成されないと、サイクル遊技の上限回数に達していなくても、そのサイクル遊技の終了を以て特別遊技状態の終了とする遊技制御を採用した場合、メイン制御装置21は、「始動条件の成立により前記可動部材を所定時間開状態に変換する補助遊技を行い、該補助遊技において前記変動入賞装置内に受け入れられた遊技球が前記特定領域に入賞することにより前記補助遊技よりも遊技者に有利なサイクル遊技を上限回数まで実行可能な特別遊技状態を発生させるとともに、前記サイクル遊技において受け入れた遊技球が前記特定領域に入賞したことを条件として次のサイクル遊技に移行させ、前記サイクル遊技において受け入れた遊技球が前記特定領域に入賞しなかった場合は前記特別遊技状態を終了させる遊技制御手段」として機能する。
【0076】
そして、本実施形態に係る遊技機では、特別遊技状態におけるサイクル遊技の上限回数を補助遊技において決定するものとした。すなわち、補助遊技において変動入賞装置4内に受け入れられた遊技球は、振分手段により第1〜第3振分領域18a〜18cの何れかに振り分けられ、第1〜第3振分領域18a〜18cに各々割り振られているサイクル遊技回数が定まり、補助遊技中に変動入賞装置4内に複数の遊技球が入っていれば、各遊技球の振分先に応じて定まったサイクル遊技回数を加算して合計サイクル遊技回数を算出し、この合計サイクル遊技回数を用いて特別遊技状態におけるサイクル遊技の上限回数を決定するのである。
【0077】
例えば、補助遊技中に変動入賞装置4内に入った遊技球が1個だけで、その遊技球が第3振分領域18cに振り分けられて残存球排出センサC19cに検出された場合には、残存球排出センサC19cによる球検出に割り振られたサイクル遊技回数「1」が合計サイクル遊技回数となる。また、補助遊技中に変動入賞装置4内に入った遊技球が3個で、3個の遊技球が夫々第1〜第3振分領域18a〜18cに振り分けられて、それぞれ残存球排出センサA19a,残存球排出センサB19b,残存球排出センサC19cに検出された場合には、各残存球排出センサに割り振られたサイクル遊技回数の加算値(10+5+1=16)が合計サイクル遊技回数となる。
【0078】
なお、このようにして算出した合計サイクル遊技回数をそのまま特別遊技状態におけるサイクル遊技の上限回数に決定しても良いが、本実施形態においては、合計サイクル遊技回数が予め定めた制限回数(16回)を超えていた場合には、制限回数をサイクル遊技の上限回数に決定するように調整し、遊技者と遊技店との利益バランスが損なわれることの無いようにした。また、合計サイクル遊技回数から上限回数を決定する際の調整手法はこれに限らず、例えば、合計サイクル遊技回数に所定数値を加算したり、或いは減算したりして上限回数を決定しても良い。
【0079】
そして、決定されたサイクル遊技の上限回数は、最高サイクル数表示器12に表示し、これを遊技者に報知する。なお、回数の多いサイクル遊技回数に決定された場合であっても、特別遊技状態の発生条件である特定領域への球入賞(特別入賞センサ14からの検出信号)が無ければ、その補助遊技で決定された回数の多いサイクル遊技回数での特別遊技状態が発生することはない。
【0080】
上述したように、本実施形態に係る遊技機では、補助遊技中の遊技進行(変動入賞装置4への入賞球数やその振分態様など)に応じて、特別遊技状態が発生した場合に行われるサイクル遊技の上限回数が決定されるので、遊技者にとって興趣の高いものとなる。かかる遊技制御を実現するために、本実施形態では、残存球排出センサA19a,残存球排出センサB19b,残存球排出センサC19cを「可動部材の変換により受け入れた遊技球を検出する入賞検出手段」として用い、メイン制御装置21により「入賞検出手段で遊技球が検出される毎に所定のサイクル遊技回数を取得するサイクル遊技回数取得手段と、補助遊技において複数の遊技球が変動入賞装置内に受け入れられることで、サイクル遊技回数取得手段により取得したサイクル遊技回数が複数ある場合、各サイクル遊技回数を加算した合計サイクル遊技回数を算出する加算手段と、を備え、補助遊技で特定領域に遊技球が入賞することで発生した特別遊技状態におけるサイクル遊技の上限回数を、加算手段により算出された合計サイクル遊技回数を用いて決定する上限回数決定手段」としての機能を実現するものとした。
【0081】
また、上限回数決定手段によりサイクル遊技の上限回数を決定するタイミングは特に限定されるものではなく、可動部材4a,4aが閉状態に戻ってから所定の猶予時間が経過した時点で上限回数を決定しても良いし、特別入賞センサ14が遊技球を検出することで特別遊技状態の発生条件が達成されてから所定の猶予時間が経過した時点で上限回数を決定する(特別遊技状態が達成されない場合には、サイクル遊技の上限回数を決定せず、最高サイクル数表示器12への表示も行わない)制御としても良いが、本実施形態では、補助遊技の開始に伴って変動入賞装置4の可動部材4a,4a開状態となってから可動部材4a,4aが閉状態となるまでの間に、上部入賞室10a内に入った全ての遊技球が第1〜第3振分領域18a〜18cの何れかに振り分けられたことが確認された時点(振分先の定まっていない残存球が無くなった時点)で上限回数を決定するものとした。
【0082】
斯くするために、本実施形態では、カウントセンサ11を「特定領域および一般入賞領域よりも上流側に設けられ、当該変動入賞装置内へ流入する遊技球を検出する流入球検出手段」として用い、残存球排出センサA19a,残存球排出センサB19b,残存球排出センサC19cを「特定領域もしくは一般入賞領域への入賞結果が確定した遊技球を検出する結果確定球検出手段」として用い、遊技制御手段たるメイン制御装置21により「流入球検出手段および結果確定球検出手段からの検出信号に基づいて、変動入賞装置内の遊技球の残存の有無を監視する残存球監視手段を備えるものとし、補助遊技において可動部材が閉状態になり、且つ、残存球監視手段により変動入賞装置内に遊技球が残存しないことが確認されると、上限回数決定手段がサイクル遊技の上限回数を決定する」機能を実現した。
【0083】
なお、残存球の監視のために、カウントセンサ11とは別に流入球検出手段を設ける場合、特別入賞球もしくは一般入賞球の何れかに定まる対象となる遊技球の総数を流入球として検出する必要があることから、少なくとも、特別入賞センサ14および一般入賞領域4b,4bよりも上流側に設けられていれば、カウントセンサ11より上流側に設けても下流側に設けても構わない。
【0084】
また、残存球の監視のために、残存球排出センサA19a,残存球排出センサB19b,残存球排出センサC19cとは別に結果確定球検出手段を設ける場合、特別入賞球もしくは一般入賞球の何れかに入賞結果が定まった後の遊技球を検出対象とする必要があると共に、特別入賞センサ14および一般入賞領域4b,4bよりも下流に振分手段を設けて振り分け先の検出情報をサイクル遊技回数の取得に用いている本実施形態では、残存球排出センサA19a,残存球排出センサB19b,残存球排出センサC19cよりも更に下流側に設ける必要があり、例えば、第1〜第3振分領域18a〜18cに振り分けられた全ての球が排出球として合流する排出口10cに設けても良い。なお、特別入賞センサ14および一般入賞領域4b,4bよりも上流側に振分手段を設けた場合には、流出球検出手段を特別入賞センサ14および一般入賞領域4b,4bよりも下流側のどこに設けても構わない。或いは、一般入賞領域4b,4bに通過球検出手段を設けて、一般入賞センサとして用い、これら特別入賞センサ14と一般入賞センサとを結果確定球検出手段として用いれば、特別入賞センサ14からの検出信号と一般入賞センサからの検出信号に基づいて、結果確定球の総数(変動入賞装置4からの流出球数)を取得できる。
【0085】
ここで、上述した本実施形態に係る遊技機における具体的な遊技制御の流れを図4〜図15に基づき詳述する。
【0086】
先ず、図4に示す起動処理においては、I/OポートやRAMの初期設定、ソフトタイマ(割込)の設定、振分モータ27を定方向へ定速度で回転させる振分回転体オン情報のセット、当該遊技機で行われる特別遊技状態での最高サイクル数である上限値「16」を最高サイクル数表示器12に表示させる表示情報のセット等を行う初期化処理(ステップS011)を行う。なお、起動処理中に破線で示した撹拌用乱数更新処理は、後述の第2実施形態において実行されるので、後に詳述する。
【0087】
図5に示すタイマ割込処理は、例えば1msec毎にソフト的な割込により実行される処理で、先ず、タイマ割込処理中の割込を禁止し、且つ、各レジスタの値をスタックポインタ等の待避領域に待避させてワーク領域を確保し(ステップS0201)、各種センサからの入力信号のチャタリング除去等の入力処理を行い(ステップS0202)、各種処理でセットされた出力データに基づいて開閉ソレノイド26等への駆動信号出力を行い(ステップS0203)、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを第1,第2サブ制御装置22,23へ送信するコマンド送信処理を行う(ステップS0204)。
【0088】
続いて、不正フラグの有無を判定し(ステップS0205)、不正フラグがセットされていなければ、スイッチ監視処理(ステップS0206)および遊技処理(ステップS0207)を行う。なお、不正フラグは、種々の不正監視条件に基づいてセットすれば良いが、本実施形態においては、後述するように、補助遊技もしくは特別遊技状態の各サイクル遊技において、残存球数が“0”にならない(カウントセンサ11により検出された遊技球の総数と、残存球排出センサA19a,残存球排出センサB19b,残存球排出センサC19cにより検出された遊技球の総数とが一致しない)場合に不正フラグがセットされるものとした。
【0089】
一方、上記ステップS0205で不正フラグ有りと判定された場合には、不正処理を行う(ステップS0208)。この不正処理においては、例えば、第1サブ制御装置22による排出装置22aおよび発射装置22bの動作を停止させて遊技の続行を不能にすると共に、第2サブ制御装置23が装飾ランプ23aやスピーカ23bを作動させて異常発生を報知し、最高サイクル数表示器12に残存球数を表示させる。このような不正処理動作を解除するためには、遊技機の電源を一旦切って再起動させるか、主凹室10b内等に滞留していた遊技球を残存球排出センサA19a,残存球排出センサB19b,残存球排出センサC19cに検出させる等して、残存球数を“0”にしてやれば良い。
【0090】
なお、変動入賞装置4内の第1〜第3振分領域18a〜18cに遊技球を直接入れるような不正行為が行われた場合には、カウントセンサ11の検出よりも前に、残存球排出センサA19a,残存球排出センサB19b,残存球排出センサC19cが遊技球を検出することとなるので、このような検出異常が発生したときに不正フラグをセットするようにしても良い。また、カウントセンサ11が変動入賞装置4への入賞球を検出した後に第1〜第3振分領域18a〜18cに遊技球を直接入れるような不正行為が行われたケースも想定し、「流入球数−流出球数」として求める残存球数が“0”になった後も所定の不正判定時間が経過するまで監視を続けるものとし、残存球数が“0”になった後に残存球排出センサA19a,残存球排出センサB19b,残存球排出センサC19cが遊技球を検出することで、残存球数が負の値となった場合にも不正フラグをセットするような制御を採用しても良い。
【0091】
上記ステップS0207の遊技処理を行った後、もしくはステップS0208の不正処理を行った後には、大当たり信号や変動表示ゲームの停止タイミングを外部(ホールの管理装置側)に知らせる信号等を編集し出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS0209)を行い、待避領域に待避させた値を各レジスタに復帰させて割込を許可し(ステップS0210)、タイマ割込処理を終了する。なお、図5中において破線で示す乱数更新処理は、本実施形態においては実行されず、後述の第2実施形態において実行されるので、後に詳述する。
【0092】
上記ステップS0206のスイッチ監視処理は、図6に示すように、第1乃至第3始動センサ6a〜6cの監視を行う始動口スイッチ監視(ステップS031)、カウントセンサ28の監視を行うカウントセンサ監視処理(ステップS032)、残存球排出センサA19a,残存球排出センサB19b,残存球排出センサC19cの監視を行う残存球排出センサ監視処理(ステップS033)を行う。
【0093】
上記始動口スイッチ監視処理の詳細は、図7に示すように、第1〜第3始動口5a〜5cに遊技球が入賞して第1〜第3始動センサ6a〜6cからの検出信号を受信したか否かを判定し(ステップS041)、始動入賞がなければそのまま処理を終了するが、始動入賞が有った場合には、補助遊技中であることを示す補助遊技フラがセットされているか否かを判定し(ステップS042)、補助遊技フラグが有ればそのまま処理を終了するが、補助遊技フラグが無かった場合には、特別遊技フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS043)、特別遊技フラグが有ればそのまま処理を終了するが、特別遊技フラグがなかった場合には、補助遊技フラグをセットする(ステップS044)。すなわち、補助遊技も特別遊技も行われていなかった場合に限って、始動入賞に基づく補助遊技を開始させるべく、補助遊技フラグをセットするのである。
【0094】
上記カウントセンサ監視処理の詳細は、図8に示すように、変動入賞装置4内のカウントセンサ11が遊技球を検出したか否かを判定し(ステップS051)、カウントセンサ11がオンになっていなければそのまま処理を終了するが、カウントセンサ11がオンになっていた場合には、残存球カウンタのカウント値に“1”を加算し(ステップS052)、続いて特別遊技フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS053)、特別遊技フラグが無ければそのまま処理を終了するが、特別遊技フラグが有った場合には、入賞カウンタのカウント値に“1”を加算する(ステップS054)。すなわち、カウントセンサ11が遊技球を検出した場合には、補助遊技か特別遊技かを問わず、残存球を監視するための残存球カウンタを「+1」更新し、特別遊技中であった場合には、サイクル遊技の終了条件の一つである変動入賞装置4への総入賞球数を監視するために入賞カウンタを「+1」更新するのである。
【0095】
上記残存球排出センサ監視処理の詳細は、図9に示すように、第1振分領域18aを流下する遊技球を残存球排出センサA19aが検出したか否かを判定し(ステップS0601)、残存球排出センサA19aがオンであった場合には、残存球カウンタのカウント値から“1”を減算し(ステップS0602)、補助遊技フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS0603)、補助遊技フラグが有れば最高サイクルカウンタのカウント値に“10”を加算する(ステップS0604)。すなわち、振分手段により振り分けられた遊技球が第1振分領域18aを流下して排出口10cから排出されることで、残存球カウンタを「−1」更新し、補助遊技中であった場合には、サイクル遊技の上限回数を決定するための最高サイクルカウンタに対して、残存球排出センサA19aによる検出球(第1振分領域18aに振り分けられた遊技球)に設定されたサイクル遊技回数として「+10」更新を行うのである。なお、上記のようにして適宜に更新される最高サイクルカウンタのカウント値が最高サイクル回数表示器12に表示される。
【0096】
続いて、第2振分領域18bを流下する遊技球を残存球排出センサB19bが検出したか否かを判定し(ステップS0605)、残存球排出センサB19bがオンであった場合には、残存球カウンタのカウント値から“1”を減算し(ステップS0606)、補助遊技フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS0607)、補助遊技フラグが有れば最高サイクルカウンタのカウント値に“5”を加算する(ステップS0608)。すなわち、振分手段により振り分けられた遊技球が第2振分領域18bを流下して排出口10cから排出されることで、残存球カウンタを「−1」更新し、補助遊技中であった場合には、サイクル遊技の上限回数を決定するための最高サイクルカウンタに対して、残存球排出センサB19bによる検出球(第2振分領域18bに振り分けられた遊技球)に設定されたサイクル遊技回数として「+5」更新を行うのである。
【0097】
更に、第3振分領域18cを流下する遊技球を残存球排出センサC19cが検出したか否かを判定し(ステップS0609)、残存球排出センサC19cがオンであった場合には、残存球カウンタのカウント値から“1”を減算し(ステップS0610)、補助遊技フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS0611)、補助遊技フラグが有れば最高サイクルカウンタのカウント値に“1”を加算する(ステップS0612)。すなわち、振分手段により振り分けられた遊技球が第3振分領域18cを流下して排出口10cから排出されることで、残存球カウンタを「−1」更新し、補助遊技中であった場合には、サイクル遊技の上限回数を決定するための最高サイクルカウンタに対して、残存球排出センサC19cによる検出球(第3振分領域18cに振り分けられた遊技球)に設定されたサイクル遊技回数として「+1」更新を行うのである。
【0098】
そして、最高サイクルカウンタのカウント値が15を超えているか否か(16以上であるか否か)を判定し(ステップS0613)、最高サイクルカウンタのカウント値が15を超えていた場合には、最高サイクルカウンタのカウント値を16に設定する(ステップS0614)。これにより、補助遊技において決定するサイクル遊技の上限回数を制限値である「16」以下に抑えることができる。
【0099】
上記タイマ割込処理におけるステップS0207の遊技処理は、図10に示すように、処理番号による分岐判定を行い(ステップS071)、処理番号が1であった場合には補助遊技処理(ステップS072)および特別遊技監視処理(ステップS073)を行い、処理番号が2であった場合には特別遊技処理を行う(ステップS074)。処理番号に応じた各処理を行った後には、残存球不正監視処理を行う(ステップS075)。なお、図10中において破線で示すサイクル数表示処理は、本実施形態においては実行されず、後述の第2実施形態において実行されるので、後に詳述する。
【0100】
上記遊技処理におけるステップS072の補助遊技処理は、図11に示すように、補助遊技フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS0801)、補助遊技フラグが有れば残存球監視フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS0802)、残存球フラグが無ければ補助遊技開放フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS0803)、補助遊技開放フラグが無ければ、補助遊技開放時間(例えば、0.8秒)のセット(ステップS0804)、開閉ソレノイド26に対するオン情報のセット(ステップS0805)、補助遊技開放フラグのセット(ステップS0806)を行う。すなわち、補助遊技が開始された直後には、上記のようにして、変動入賞装置4の可動部材4a、4aを開状態に変換させるのである。
【0101】
続いて、補助遊技開放時間が経過したか否かを判定し(ステップS0807)、補助遊技開放時間が経過していれば、開閉ソレノイド26に対するオフ情報のセット(ステップS0808)、補助遊技開放フラグのクリア(ステップS0809)、残存球監視フラグのセット(ステップS0810)を行う。すなわち、補助遊技の開始から所定時間が経過すると、上記のようにして、変動入賞装置4の可動部材4a,4aを閉状態に変換させるのである。
【0102】
上記ステップS0810において残存球監視フラグがセットされた後には、残存球カウンタのカウント値が“0”より大(1以上)であるか否かを判定し(ステップS0811)、残存球カウンタのカウント値が“0”より大であればそのまま処理を終了するが、残存球カウンタのカウント値が“0”になった場合には、補助遊技フラグのクリア(ステップS0812)、残存球監視フラグのクリア(ステップS0813)を行い、特別遊技フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS0814)、特別遊技フラグがセットされていなければ、最高サイクルカウンタのカウント値を帰零させて処理を終了する。すなわち、補助遊技中に変動入賞装置4内に入ってカウントセンサに検出された遊技球の全てが第1〜第3振分領域8a〜18cの何れかに至り、残存球排出センサA19a,残存球排出センサB19b,残存球排出センサC19cの何れかに検出されれば、変動入賞装置4内の残存球は無いこととなり、この時点で特別入賞センサ14による球検出に基づいて特別遊技フラグがセットされていなければ特別遊技状態への移行条件は達成されず、処理番号は1のままとなり、特別遊技状態には移行しないので、サイクル遊技の上限回数としてカウントしていた最高サイクルカウンタのカウント値もクリアするのである。
【0103】
一方、上記ステップS0814において特別遊技フラグ有りと判定された場合には、処理番号を2に設定する(ステップS0816)。これにより、上記遊技処理において特別遊技処理が実行されることなり、この特別遊技処理において最高サイクルカウンタのカウント値がサイクル遊技の上限回数として用いられるのである。なお、図11中において破線で示す通過サイクル数表示オフ情報のセットとサイクル表示フラグのクリアは、本実施形態においては実行されず、後述の第2実施形態において実行されるので、後に詳述する。
【0104】
上記遊技処理におけるステップS073の特別遊技監視処理は、図12に示すように、特定領域への入賞球を検出する特別入賞センサ14がオンになったか否かを判定し(ステップS091)、特別入賞センサ14がオンであった場合には残存球カウンタのカウント値が“0”より大(1以上)であるか否かを判定し(ステップS092)、残存球カウンタのカウント値が“0”より大であった場合には、特別遊技フラグをセットする(ステップS093)。このようにして特別遊技がセットされた後に行われる補助遊技処理において処理番号が2に設定されると、特別遊技状態が発生する。
【0105】
一方、上記ステップS092で残存球カウンタのカウント値が0以下であった場合には、不正フラグをセットする(ステップS094)。すなわち、本実施形態に係る遊技機が備える変動入賞装置4においては、特別入賞センサ14の配設位置よりも下流側に第1〜第3振分領域18a〜18cを設ける構造を採用したので、特別入賞センサ14に検出された直後の特別入賞球は、未だ第1〜第3振分領域18a〜18cの何れにも到達していない残存球であり、残存球排出センサA19a,残存球排出センサB19b,残存球排出センサC19cの何れかに検出されて残存球カウンタに対する「−1」処理は行われていない筈であるが、それにも拘わらず残存球カウンタのカウント値が0もしくは負の値であった場合、不正行為によって特別入賞センサ14をオンさせた蓋然性が高いので、不正フラグをセットし、上記タイマ割り込み処理で不正処理を実行させるのである。
【0106】
上記遊技処理におけるステップS074の特別遊技処理は、図13に示すように、特賞開放フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS1001)、未だ特賞開放フラグがセットされていなければ、特賞開放フラグのセット(ステップS1002)、特賞開放時間(例えば、変動入賞装置4の可動部材4a,4aの開閉動作を18回行える時間)のセット(ステップS1003)、入賞カウンタの帰零(ステップS1004)、閉鎖フラグのセット(ステップS1005)、閉鎖時間のセット(ステップS1006)を行う。
【0107】
上記のようにして特賞開放フラグがセットされた後は、変動入賞装置4の可動部材4a,4aの開閉動作を制御する開閉ソレノイド開閉処理を行う(ステップS1007)。この開閉ソレノイド開閉処理の詳細を図14に示す。
【0108】
開閉ソレノイド開閉処理においては、先ず可動部材4a,4aが開状態に制御されていることを示す開放フラグの有無を判定し(ステップS1101)、開放フラグがセットされていなければ、可動部材4a,4aが閉状態に制御されていることを示す閉鎖フラグの有無を判定する(ステップS1102)。上述したように、特別遊技処理のステップS1005で閉鎖フラグがセットされていれば、上記ステップS1102で閉鎖フラグ有りと判定され、閉鎖時間がタイムアップしたか否かを判定し(ステップS1103)、閉鎖時間が経過してなければそのまま処理を終了するが、閉鎖時間が経過してれば、開放フラグのセット(ステップS1104)、開放時間のセット(ステップS1105)、開閉ソレノイドオン情報のセット(ステップS1106)、閉鎖フラグのクリア(ステップS1107)を行う。
【0109】
上記ステップS1104で開放フラグがセットされると、上記ステップS1101で開放フラグ有りと判定され、開放時間がタイムアップしたか否かを判定し(ステップS1108、開放時間が経過していなければそのまま処理を終了するが、開放時間が経過していれば、閉鎖フラグのセット(ステップS1109)、閉鎖時間のセット(ステップS1110)、開閉ソレノイドオフ情報のセット(ステップS1111)、開放フラグのクリア(ステップS1112)を行う。このように、開閉ソレノイド開閉処理においては、開閉時間と閉鎖時間で交互に開閉部材4a,4aの開閉動作が繰り返されることとなる。
【0110】
ここで、再び特別遊技処理の説明に戻ると、ステップS1007の開閉ソレノイド開閉処理の終了後には、特別入賞センサ14がオンになったか否かを判定し(ステップS1008)、サイクル遊技の更新条件である特別入賞センサ14による球検出がなければ、特賞開放時間がタイムアップしたか否かを判定し(ステップS1009)、サイクル遊技終了条件の一つである特賞開放時間の経過が達成されていなければ、入賞カウンタのカウント値が10未満(9以下)であるか否かを判定し(ステップS1010)、サイクル遊技終了条件の一つである入賞カウンタのカウント値が10に達していなければ、そのまま処理を終了する。
【0111】
上記ステップS1009において特賞開放時間の経過、ステップS1010において入賞カウンタのカウント値が10以上の何れか一方のサイクル遊技終了条件が達成された場合、もしくは、ステップS1008で特別入賞センサ14が特別入賞球を検出してサイクル遊技の更新条件が達成され、特別入賞フラグのセット(ステップS1011)が行われた場合には、開閉ソレノイドオフ情報のセット(ステップS1012)、開放フラグのクリア(ステップS1013)、閉鎖フラグのクリア(ステップS1014)を行い、一旦サイクル遊技を終了させる。
【0112】
次いで、残存球カウンタのカウント値が0より大(1以上)であるか否かを判定し、残存球カウンタのカウント値が1以上の場合、すなわち、変動入賞装置4内において第1〜第3振分領域18a〜18cの何れかに振り分け先が定まっていない遊技球が残存している可能性のある場合には、そのまま処理を終了する。
【0113】
一方、上記ステップS1015で残存球カウンタのカウント値が0以下と判定された場合には、特別入賞フラグの有無を判定し(ステップS1016)、特別入賞フラグがセットされていた場合には、サイクルカウンタのカウント値(当該特別遊技状態において実行されたサイクル遊技の実行回数)が最高サイクルカウンタのカウント値(当該特別遊技状態発生の契機となった補助遊技で第1〜第3振分領域18a〜18cに振り分けられた遊技球が検出される毎に取得されたサイクル遊技回数を加算して決定したサイクル遊技の上限回数)未満であるか否かを判定し(ステップS1017)、既に実行したサイクル遊技回数が上限回数未満であると判定された場合には、サイクル遊技カウンタのカウント値に“1”を加算してサイクル遊技回数を更新し(ステップS1018)、特別入賞フラグをクリアし(ステップS1019)、特賞開放フラグをクリアする(ステップS1020)。これにより、サイクル遊技が再び実行されるのである。
【0114】
上記ステップS1016で特別入賞フラグ無しと判定された場合(サイクル更新条件である特定領域への球入賞が無かった場合)、および上記ステップS1017でサイクルカウンタのカウント値が最高サイクルカウンタのカウント値以上と判定された場合(サイクル遊技が既に上限回数まで実行されていた場合)には、最高サイクルカウンタのカウント値を帰零させ(ステップS1021)、サイクルカウンタのカウント値を帰零させ(ステップS1022)、特賞開放フラグをクリアし(ステップS1023)、特別入賞フラグをクリアし(ステップS1024)、特別遊技フラグをクリアし(ステップS1025)、処理番号を1に設定する。これにより、特別遊技状態が終了するのである。
【0115】
上記遊技処理におけるステップS075の残存球不正監視処理は、図15に示すように、補助遊技開放フラグの有無を判定し(ステップS1201)、補助遊技開放フラグがセットされていなければ、開放フラグの有無を判定し(ステップS1202)、開放フラグもセットされていなければ、閉鎖フラグの有無を判定し(ステップS1203)、閉鎖フラグもセットされていなければ、残存球カウンタのカウント値が0より大(1以上)であるか否かを判定する。すなわち、補助遊技もサイクル遊技も実行されていないときに、上記ステップS1204の判定処理を行うのである。
【0116】
そして、上記ステップS1204において、残存球カウンタのカウント値が0以下と判定された場合(変動入賞装置4内に入ってカウントセンサ11に検出された遊技球の中に、未だ残存球排出センサA19a,残存球排出センサB19b,残存球排出センサC19cの何れにも検出されることなく、変動入賞装置4内に残存している遊技球があると考えられる場合)には、残存球不正監視フラグの有無を判定し(ステップS1205)、残存球不正フラグがセットされていなければ、残存球監視時間(例えば、8秒)のセット(ステップS1206)、残存球不正監視フラグのセット(ステップS1207)を行う。
【0117】
上記ステップS1207で残存球不正監視フラグがセットされた後、もしくは上記ステップS1205で残存球不正監視フラグ有りと判定された場合には、残存球監視時間がタイムアップしたか否かを判定し(ステップS1208)、未だ残存球監視時間が経過していないと判定された場合には、そのまま処理を終了するが、残存球監視時間が経過したと判定された場合には、不正フラグをセットする(ステップS1209)。すなわち、補助遊技の終了後もしくは特別遊技状態における各サイクル遊技の終了後に、残存球不正監視時間が経過しても、変動入賞装置4への流入球数と変動入賞装置4からの流出球数(結果確定球数)とが一致しない場合には、特別入賞センサ14をオン動作させるような不正が行われたり、変動入賞装置4内で球噛みや球止まりが発生した可能性があるので、不正フラグをセットして不正処理(上記タイマ割り込み処理のステップS0208)を行わせるのである。
【0118】
上記のように不正フラグがセットされた後、もしくは上記ステップS1204で残存球カウンタのカウント値が0より大ではないと判定された場合には、残存球不正監視フラグのクリア(ステップS1210)を行って、処理を終了する。なお、本実施形態の如く、残存球監視時間内に残存球がゼロにならない場合を残存球不正と判定するものに限らず、残存球監視による不正判定手法は適宜に設定して構わない。
【0119】
また、変動入賞装置内に設ける振分手段も、振分回転体を用いたものに限定されず、複数の振分領域の何れかに振り分けることができれば、どのような構造の振分手段を採用しても構わない。例えば、図16に示す変動入賞装置4′においては、球受けステージ13の前端縁から特別入賞センサ14の特別入賞検出孔14aもしくは一般入賞領域4b,4bを経た遊技球が至る振分流下領域31を、鉛直面もしくはそれに近い傾斜面とし、振分流下領域31に突棒状の障害突起32…を複数も受けたものである。
【0120】
この第2構成例に係る変動入賞装置4′においては、振分流下領域31を遊技球が流下する際に、障害突起32…に衝接して流下方向が左右に変化させられ、振分流下領域31の下部で連通する第1〜第3振分領域18a〜18cの何れかに至り、残存球排出センサA19a,残存球排出センサB19b,残存球排出センサC19cの何れかに検出されることとなる。本構成例の変動入賞装置4′においては、障害突起32…の配列に応じて、第1〜第3振分領域18a〜18cへの振分頻度を調整することができるので、サイクル遊技回数として「10」が割り振られている第1振分領域18aへの入賞頻度を高めて、相対的に最高サイクル数が多くなるような遊技機とすることもできる。
【0121】
また、図17に示す第3構成例の変動入賞装置4″は、特定領域たる特別入賞センサ14よりも上流側に設ける振分手段として、第1振分入賞検出孔13aを有する第1カウントセンサ33と、第2振分検出孔14aを有する第2カウントセンサ34とを、上部入賞室10a内に設けたものである。従って、変動入賞装置4″に受け入れられた遊技球は、これら第1,第2カウントセンサ33,34の何れかに検出されて主凹室10bへ流下して行くこととなり、第1カウントセンサ33が検出した遊技球数と第2カウントセンサ34が検出した遊技球数との加算値が、変動入賞装置4″への総入賞球数となる。
【0122】
更に、第1カウントセンサ33による検出球にはサイクル遊技回数として「5」を、第2カウントセンサ34による検出球にはサイクル遊技回数として「10」を各々割り振っておき、補助遊技中に第1,第2カウントセンサ33,34により遊技球が検出される毎に、サイクル遊技回数を取得し、サイクル遊技回数の加算値である合計サイクル遊技回数から特別遊技状態におけるサイクル遊技の上限回数を決定する。すなわち、本構成例の振分手段を備える変動入賞装置4″においても、上述した変動入賞装置4,4′と同様に、補助遊技における球入賞状況に応じて、特別遊技状態におけるサイクル遊技の上限回数を決定することができるので、特別遊技状態の発生が確定する前にサイクル遊技の上限回数を予想でき、上限回数が大きい場合には、特定領域への球入賞による特別遊技状態の発生に対する遊技者の期待感を一層高めることができ、補助遊技の興趣が高まる。
【0123】
なお、第3構成例の変動入賞装置4″においては、球受けステージ13の前端縁から特別入賞センサ14の特別入賞検出孔14aもしくは一般入賞領域4b,4bを経た遊技球が至る排出球流下領域35は、残存球排出センサ36へ遊技球を集合させるもので、残存球排出センサ36を経た排出球は、排出口10cから遊技盤1の裏面側へ導かれて適宜に処理される。従って、本構成例の変動入賞装置4″を備える遊技機においては、第1,第2カウントセンサ33,34を流入球検出手段として用い、残存球排出センサ36を結果確定球検出手段として用いれば、上述したのと同様の手法により残存球不正監視を行うことができる。
【0124】
以上説明した第1実施形態に係る遊技機においては、変動入賞装置4,4′,4″が振分手段を備えることから、この振分手段による遊技球の振分状況からサイクル遊技の上限回数を決定するものとしたが、上限回数の決定は、振分手段を用いるものに限定されない。例えば、図18に示す変動入賞装置40を備える第2実施形態の遊技機においては、上部入賞室10aからカウントセンサ11を通過して主凹室10bへ至り、該主凹室10bの球受けステージ13の前端縁から特別入賞センサ14の特別入賞検出孔14aもしくは一般入賞領域4b,4bを経た遊技球は、排出球流下領域35で残存球排出センサ36に導かれ、残存球排出センサ36に検出された後に、排出口10cから遊技盤1の裏面側へ導かれて適宜に処理される。
【0125】
而して、本第2実施形態に係る遊技機においては、補助遊技において、変動入賞装置40の残存球排出センサ36を遊技球が通過する毎に、乱数を用いて通過サイクル数をランダムに決定し、この決定された通過サイクル数の合計値を用いて最高サイクル数を決定するのである。なお、残存球排出センサ36を遊技球が通過する毎に決定された通過サイクル数は、センターケース10′の下部一側方(図18においては右側下部)に設けた通過サイクル数表示器41(通過サイクル数「10」を表す第1通過サイクル数表示器41a,通過サイクル数「5」を表す第2通過サイクル数表示器41b,通過サイクル数「1」を表す第3通過サイクル数表示器41cから成る表示器)に表示され、決定した通過サイクル数の加算値となる最高サイクル数は、センターケース10′の下部他側方(図18においては左側下部)に設けた最高サイクル数表示器12に表示されるものとした。
【0126】
第2実施形態に係る遊技機の制御を行う遊技機制御部の概略構成を図19に示す。本実施形態においては、変動入賞装置40の残存球排出センサ36から検出信号がメイン制御装置21′に入力され、変動入賞装置40に設けた第1〜第3通過サイクル数表示器41a〜41cに対する表示制御をメイン制御装置21′が行う点で、上記第1実施形態の遊技機における遊技機制御部と相違する。これに加えて、変動入賞装置40の残存球排出センサ36を「可動部材の変換により受け入れた遊技球を検出する入賞検出手段」として用い、「入賞検出手段で遊技球が検出された場合に乱数を抽出し、抽出された乱数値に基づいてサイクル遊技回数を取得するサイクル遊技回数取得手段」としての機能をメイン制御装置21′により実現する。
【0127】
斯く構成した第2実施形態に係る遊技機においては、残存球排出センサ36が遊技球を検出する毎にランダムな通過サイクル数が取得されることとなり、遊技者の期待感を効果的に高めることができる。なお、第1〜第3通過サイクル数表示器41a〜41cに対する表示制御は、第2サブ制御装置23が行うようにしても良い。また、通過サイクル数の取得契機となる入賞検出手段として、特定領域よりも上流側に位置するカウントセンサ11を用いても良い。更に、カウントセンサ11を流入球検出手段として用い、残存球排出センサ36を結果確定球検出手段として用いれば、上述したのと同様の手法により残存球不正監視を行うことができる。
【0128】
ここで、本第2実施形態に係る遊技機における具体的な遊技制御の流れを説明する。本実施形態の遊技制御も、基本的には、図4〜図15のフローチャートに基づき説明した第1実施形態と同様であるから、その相違点について、以下説明する。
【0129】
図4の起動処理においては、初期化処理の後に、撹拌要覧数更新処理(ステップS2001)を繰返し行う。この撹拌要覧数更新処理は、+1方式の乱数を生成する際に、乱数の一巡後に新たに使用する初期値を+1方式で生成するものである。
【0130】
図5のタイマ割り込み処理においては、ステップS0204のコマンド送信処理の後に乱数更新処理(ステップS2002)を行う。この乱数更新処理は、起動処理のステップS2001で更新された撹拌用乱数を初期値とする+1方式により乱数の生成を行うものである。
【0131】
本実施形態において行う残存球排出センサ監視処理は、図20に示すように、先ず、残存球排出センサ36がオンになったか否かを判定し、残存球排出センサ36により排出球が検出されていれば、残存球カウンタのカウント値から「1」を減算し(ステップS212)、補助遊技フラグの有無を判定する(ステップS213)。このステップS213で補助遊技フラグがセットされていないと判定された場合は、特別遊技状態であると判定できるので、そのまま処理を終了する。一方、ステップS213で補助遊技フラグがセットされていると判定された場合には、乱数を抽出して記憶領域に記憶し(ステップS214)、残存球通過フラグをセットする(ステップS215)。これにより、残存球排出センサ36への球通過に伴う通過サイクル数の取得が行われるのである。
【0132】
図10の遊技処理においては、最初にサイクル数表示処理を行う(ステップS2003)。このサイクル数表示処理の詳細は図21に示すように、先ず、サイクル表示フラグの有無を判定し(ステップS2201)、未だサイクル表示フラグがセットされていなければ、残存球通過フラグの有無を判定し(ステップS2202)、未だ残存球通過フラグもセットされていなければそのまま処理を終了する。
【0133】
一方、上記残存球排出センサ監視処理のステップS215において残存球通過フラグがセットされていた場合には、上記ステップS2202で残存球通過フラグ有りと判定されるので、残存球通過フラグのクリア(ステップS2203)、乱数値に対応する通過サイクル数表示オン情報のセット(ステップS2204)、サイクル数表示時間(例えば、0.5秒)のセット(ステップS2205)、サイクル表示フラグのセット(ステップS2206)、最高サイクルカウンタの更新(ステップS2270)を行う。
【0134】
なお、ステップS2207における最高サイクルカウンタの更新は、最高サイクルカウンタの更新前のカウント値に対して抽出乱数に対応する通過サイクル数を加算する処理である。但し、更新後の最高サイクルカウンタのカウント値が15を超えているか否かを判定し(ステップS2208)、上限値を超えていた場合には最高サイクルカウンタのカウント値を実行可能なサイクル遊技の上限回数として定めた制限値である「16」に設定変更する(ステップS2209)。
【0135】
また、上記ステップS2201でサイクル表示フラグ有りと判定された場合には、残存球通過フラグの有無を判定し(ステップS2210)、残存球通過フラグがセットされていれば、通過サイクル数表示オフ情報のセット(ステップS2211)を行い、通過サイクル数表示器41の表示を一旦オフにした後、上記ステップS2203〜2209の処理を行って、残存球排出センサ36への球通過に基づく通過サイクル数の表示更新と最高サイクルカウンタの更新処理を行う。
【0136】
上記ステップS2203〜ステップS2209で通過サイクル数の表示更新および最高サイクルカウンタの更新処理を行った後、もしくは上記ステップS2210で残存球通過フラグ無しと判定された場合には、サイクル数表示時間がタイムアップしたか否かを判定し(ステップS2212)、未だサイクル表示時間が経過していなければそのまま処理を終了する。一方、上記ステップS2212でサイクル数表示時間のタイムアップと判定された場合には、通過サイクル数表示オフ情報のセット(ステップS2212)とサイクル表示フラグのクリア(ステップS2214)を行う。これにより、遊技者が確認するのに必要十分な時間として設定したサイクル数表示時間が経過すると、通過サイクル数表示器41の表示がオフとなる。
【0137】
また、図11の補助遊技処理においては、ステップS0814で特別遊技フラグ無しと判定された場合(補助遊技において、特別遊技状態への移行条件が成立しなかった場合)に、通過サイクル数表示オフ情報のセット(ステップS2004)とサイクル表示フラグのクリア(ステップS2005)を行う。これにより、特別遊技状態への移行条件が達成されずに補助遊技が終了した場合には、上記サイクル数表示処理でサイクル数表示時間が経過するのを待つことなく、速やかに通過サイクル数表示器41の表示がオフとなる。
【0138】
上述した第1実施形態に係る遊技機と第2実施形態に係る遊技機においては、何れも、特別遊技状態において実行可能なサイクル遊技の上限回数を補助遊技の遊技進行に伴って決定するものであった。これに対して、以下に説明する第3実施形態に係る遊技機においては、特別遊技状態におけるサイクル遊技の更新に際して、変動入賞装置内の特定領域への球入賞を必須条件とし、変動入賞装置内に特定領域への誘導手段を設け、この誘導手段の機能によって高確率でサイクル遊技の更新条件を達成可能なサイクル遊技が行える高確率サイクル遊技の実行回数を、補助遊技における遊技進行に伴って決定するものである。
【0139】
斯くするために、第3実施形態に係る遊技機の変動入賞装置には、図22に示すような「変動入賞装置内に受け入れた遊技球を特定領域へ誘導する誘導状態と、変動入賞装置内に受け入れた遊技球を特定領域へ誘導しない非誘導状態とに変換可能な誘導手段」を設ける。すなわち、本構成例においては、人形15を遊技球誘導部材として用い、人形ソレノイド29が非励磁のときには、人形15が主凹室10a内の奥側に位置する非誘導状態となり(図22(a)参照)、人形ソレノイド29が励磁されたときには、人形15が主凹室10a内の前側にスライド移動した誘導状態となる(図22(b)参照)。
【0140】
非誘導状態においては、カウントセンサ11を通過して主凹室10a内に落下してきた遊技球は、人形15の前面側に突設した振分部材151(断面が△形状の突状体)に当たって左右方向へ弾かれて球受けステージ13上に落下し、球受けステージ13の前側端部へ至るため、中央の特別入賞センサ14に特別入賞球として検出される可能性は極めて低く、左右両側の一般入賞領域4b,4bを経て一般入賞球となる可能性が高い。
【0141】
一方、誘導状体においては、カウントセンサ11を通過して主凹室10a内に落下してきた遊技球が入るように、人形15の頂上部に開設した受入口152aが位置するので、人形15内の誘導路152を通って下部前面に開設した誘導排出口152bから球受けステージ13上に誘導排出された遊技球は、そのままの流下勢で球受けステージ13の前側端部中央に位置する特別入賞センサ14に至り、特別入賞検出孔14aを通過して特別入賞球となる可能性が極めて高い。
【0142】
すなわち、誘導手段として機能する人形15の状態変換を制御することで、特別入賞球の発生確率を高めたり、逆に低めたりすることができる。そこで、特別遊技状態になったときに、誘導手段を誘導状態としてサイクル更新条件の達成可能性を高めた高確率サイクル遊技を所定回まで行えば、その所定回まではサイクル遊技が順調に更新される可能性が高くなり、その所定回を超えるとサイクル遊技の更新確率は低くなる。更に、高確率サイクル遊技を行う所定回を補助遊技における遊技進行に基づいて決定すれば、特別遊技状態の発生毎に、高確率サイクル遊技回数が異なる遊技進行となり、遊技者の興趣を効果的に高めることができる。
【0143】
例えば、図2に示した変動入賞装置4を遊技機に適用した場合で説明すれば、補助遊技中に変動入賞装置4内に入った遊技球が1個だけで、その遊技球が第3振分領域18cに振り分けられて残存球排出センサC19cに検出された場合には、残存球排出センサC19cによる球検出に割り振られた高確率サイクル遊技回数「1」が合計高確率サイクル遊技回数となる。また、補助遊技中に変動入賞装置4内に入った遊技球が3個で、3個の遊技球が夫々第1〜第3振分領域18a〜18cに振り分けられて、それぞれ残存球排出センサA19a,残存球排出センサB19b,残存球排出センサC19cに検出された場合には、各残存球排出センサに割り振られた高確率サイクル遊技回数の加算値(10+5+1=16)が合計高確率サイクル遊技回数となる。
【0144】
なお、このようにして算出した合計高確率サイクル遊技回数をそのまま特別遊技状態における高確率サイクル遊技の上限回数に決定しても良いが、本実施形態においては、合計高確率サイクル遊技回数が予め定めたサイクル遊技の上限回数(16回)を超えていた場合には、サイクル遊技の上限回数が高確率サイクル遊技回数となるように調整する。また、合計高確率サイクル遊技回数から高確率サイクル遊技回数を決定する際の調整手法はこれに限らず、例えば、サイクル遊技の上限回数による制限を廃して、合計高確率サイクル遊技回数に所定数値を加算したり、或いは減算したりして高確率サイクル遊技回数を決定しても良い。
【0145】
そして、決定された高確率サイクル遊技回数を、例えば最高サイクル数表示器12に表示し、これを遊技者に報知する。なお、回数の多い高確率サイクル遊技回数に決定された場合であっても、特別遊技状態の発生条件である特定領域への球入賞(特別入賞センサ14からの検出信号)が無ければ、その補助遊技で決定された回数の多い高確率サイクル遊技回数での特別遊技状態が発生することはない。
【0146】
上述したように、本実施形態に係る遊技機では、補助遊技中の遊技進行(変動入賞装置4への入賞球数やその振分態様など)に応じて、特別遊技状態が発生した場合に行われる高確率サイクル遊技回数が決定されるので、遊技者にとって興趣の高いものとなる。かかる遊技制御を実現するために、本実施形態では、残存球排出センサA19a,残存球排出センサB19b,残存球排出センサC19cを「可動部材の変換により受け入れた遊技球を検出する入賞検出手段」として用い、遊技制御手段としてのメイン制御装置21により、「誘導手段の状態変換を制御することにより、遊技球を特定領域に入賞させる確率が高い高確率サイクル遊技と、該高確率サイクル遊技に比べて遊技球を特定領域に入賞させる確率が低い低確率サイクル遊技と、を生ぜしめる誘導制御手段」と、「補助遊技において入賞検出手段が遊技球を検出したことに基づき、特別遊技状態中に誘導制御手段が高確率サイクル遊技を生ぜしめるよう誘導手段の状態変換を制御する高確率サイクル遊技回数を決定する高確率サイクル遊技回数決定手段」としての機能を実現する。
【0147】
そして、上記高確率サイクル遊技回数決定手段は、「入賞検出手段で遊技球が検出される毎に所定の高確率サイクル遊技回数を取得する高確率サイクル遊技回数取得手段」と、「補助遊技において複数の遊技球が変動入賞装置内に受け入れられることで、高確率サイクル遊技回数取得手段により取得した高確率サイクル遊技回数が複数ある場合、各高確率サイクル遊技回数を加算した合計高確率サイクル遊技回数を算出する加算手段」とを備え、補助遊技で特定領域に遊技球が入賞することで発生した特別遊技状態における高確率サイクル遊技回数を、加算手段により算出された合計高確率サイクル遊技回数を用いて決定する。
【0148】
斯く構成した第3実施形態に係る遊技機においては、複数の遊技球が変動入賞装置内に受け入れられた補助遊技から特別遊技状態が発生した場合には、高確率サイクル遊技回数取得手段により取得された複数の高確率サイクル遊技回数の合計である合計高確率サイクル遊技回数を用いて高確率サイクル遊技回数を決定するので、補助遊技で複数の遊技球が変動入賞装置内に入るように、遊技者が遊技技量を発揮すれば、それだけ合計高確率サイクル遊技回数が多くなる可能性が高まり、延いては、より回数の多い高確率サイクル遊技回数に決定される可能性が高まる。よって、高確率サイクル遊技回数に関して遊技者の技術介入が可能となり、一層興趣の高い遊技機となる。
【0149】
なお、高確率サイクル遊技の実行に際して、人形15の状態変換制御タイミングは特に限定されるものではないが、例えば、サイクル更新条件が達成されると直ちに当該サイクルを終了し、所定のウェイトタイム経過後に次のサイクル遊技を開始する遊技制御を態様した場合、サイクル遊技の開始直後にサイクル更新条件が達成されてしまうと、十分な数の入賞球が発生しないうちにサイクル遊技が終了してしまい、遊技者が十分な賞球を獲得できないので、図23に示すタイミングチャートのように、変動入賞装置4の可動部材4a,4aに対する10回目の開放動作の終了(開閉ソレノイド26に対する10回目のオン動作終了)タイミングで、人形ソレノイド29をオンとし、人形15を誘導状態に変換させることで、変動入賞装置4への入賞球数ある程度確保しつつ、サイクル遊技の終了条件が達成される前にサイクル更新条件を達成できるようにした。
【0150】
また、本実施形態の遊技機では、可動部材4a,4aの18回動作する前に、変動入賞装置4への入賞球数が10個に達しても、サイクル遊技の終了条件が達成されてしまうので、速いペースで変動入賞装置4への入賞球数が増加した場合を考慮し、例えば、サイクル遊技の開始以降に変動入賞装置4のカウントセンサ11が7個の遊技球を検出した場合にも人形ソレノイド29をオンにして、人形15を誘導状態に変換させることで、変動入賞装置4への入賞球数ある程度確保しつつ、サイクル遊技の終了条件が達成される前にサイクル更新条件を達成できるようにしても良い。
【0151】
更に、図16に示した変動入賞装置4′を用いる場合には、複数の障害突起32…を突設した振分流下領域31を流下した遊技球が第1〜第3振分領域18a〜18cの何れかに至り、残存球排出センサA19a,残存球排出センサB19b,残存球排出センサC19cの何れかに検出されるので、補助遊技中に残存球排出センサA19a,残存球排出センサB19b,残存球排出センサC19cが遊技球を検出する毎に、第1〜第3振分領域18a〜18cに対して各々割り振っておいた高確率サイクル遊技回数が、高確率サイクル遊技回数取得手段により取得されるものとすれば、変動入賞装置4を用いた場合と同様に高確率サイクル遊技回数を決定することができる。
【0152】
また、特定領域たる特別入賞センサ14よりも上流側に振分手段を設けた変動入賞装置4″を用いる場合には、第1カウントセンサ33による検出球には高確率サイクル遊技回数として「5」を、第2カウントセンサ34による検出球には高確率サイクル遊技回数として「10」を各々割り振っておき、補助遊技中に第1,第2カウントセンサ33,34により遊技球が検出される毎に、高確率サイクル遊技回数取得手段により高確率サイクル遊技回数が取得されるものとすれば、変動入賞装置4を用いた場合と同様に高確率サイクル遊技回数を決定することができる。
【0153】
なお、変動入賞装置4,4′を備える場合には、カウントセンサ11を流入球検出手段として用い、残存球排出センサA19a,残存球排出センサB19b,残存球排出センサC19cを結果確定球検出手段として用いることで、残存球不正監視を行うことができ、変動入賞装置4″を備える場合には、第1,第2カウントセンサ33,34を流入球検出手段として用い、残存球排出センサ36を結果確定球検出手段として用いれば、残存球不正監視を行うことができる。
【0154】
以上説明した第3実施形態に係る遊技機においては、変動入賞装置4,4′,4″が振分手段を備えることから、この振分手段による遊技球の振分状況から高確率サイクル遊技回数を決定するものとしたが、高確率サイクル遊技回数の決定は、振分手段を用いるものに限定されない。
【0155】
第4実施形態に係る遊技機は、例えば、上述した第2実施形態の遊技機と同様の変動入賞装置40を備えるもので、補助遊技において、変動入賞装置40の残存球排出センサ36を遊技球が通過する毎に、乱数を用いて高確率サイクル遊技回数をランダムに決定し、この決定された高確率サイクル遊技回数の合計である合計高確率サイクル遊技回数を用いて高確率サイクル遊技回数を決定する。なお、残存球排出センサ36を遊技球が通過する毎に決定された高確率サイクル遊技回数は、センターケース10′の下部一側方(図18においては右側下部)に設けた通過サイクル数表示器41(通過サイクル数「10」を表す第1通過サイクル数表示器41a,通過サイクル数「5」を表す第2通過サイクル数表示器41b,通過サイクル数「1」を表す第3通過サイクル数表示器41cから成る表示器)に表示され、決定した通過サイクル数の加算値となる高確率サイクル遊技回数は、センターケース10′の下部他側方(図18においては左側下部)に設けた最高サイクル数表示器12に表示すれば良い。
【0156】
そして、第4実施形態に係る遊技機においては、変動入賞装置40の残存球排出センサ36を「可動部材の変換により受け入れた遊技球を検出する入賞検出手段」として用い、「入賞検出手段で遊技球が検出された場合に乱数を抽出し、抽出された乱数値に基づいて高確率サイクル遊技回数を取得する高確率サイクル遊技回数取得手段」としての機能をメイン制御装置21′により実現する。
【0157】
斯く構成した第4実施形態に係る遊技機においては、残存球排出センサ36が遊技球を検出する毎にランダムな通過サイクル数(高確率サイクル遊技回数)が取得されることとなり、遊技者の期待感を効果的に高めることができる。なお、第1〜第3通過サイクル数表示器41a〜41cに対する表示制御は、第2サブ制御装置23が行うようにしても良い。また、通過サイクル数の取得契機となる入賞検出手段として、特定領域よりも上流側に位置するカウントセンサ11を用いても良い。更に、カウントセンサ11を流入球検出手段として用い、残存球排出センサ36を結果確定球検出手段として用いれば、上述したのと同様の手法により残存球不正監視を行うことができる。
【0158】
以上本発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態は全て例示であって、開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、上記の実施形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものではなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈すべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲内での全ての変更が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0159】
【図1】本発明に係る遊技機が備える遊技盤の正面図である。
【図2】第1構成例の変動入賞装置の正面図である。
【図3】第1実施形態に係る遊技機における遊技機制御部の概略構成図である。
【図4】遊技機の起動処理を示すフローチャートである。
【図5】遊技機のタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図6】スイッチ監視処理を示すフローチャートである。
【図7】始動口スイッチ監視処理を示すフローチャートである。
【図8】カウントセンサ監視処理を示すフローチャートである。
【図9】残存球排出センサ監視処理を示すフローチャートである。
【図10】遊技処理を示すフローチャートである。
【図11】補助遊技処理を示すフローチャートである。
【図12】特別遊技監視処理を示すフローチャートである。
【図13】特別遊技処理を示すフローチャートである。
【図14】開閉ソレノイド開閉処理を示すフローチャートである。
【図15】残存球不正監視処理を示すフローチャートである。
【図16】第2構成例の変動入賞装置の正面図である。
【図17】第3構成例の変動入賞装置の正面図である。
【図18】第2実施形態に係る遊技機が備える変動入賞装置の正面図である。
【図19】第2実施形態に係る遊技機における遊技機制御部の概略構成図である。
【図20】第2実施形態に係る遊技機で行う残存球排出センサ監視処理を示すフローチャートである。
【図21】第2実施形態に係る遊技機で行うサイクル数表示処理を示すフローチャートである。
【図22】第3実施期待に係る遊技機の変動入賞装置に設ける誘導手段の動作説明図である。
【図23】誘導手段の動作タイミングを示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0160】
1 遊技盤
4 変動入賞装置
4a 可動部材
4b 一般入賞領域
11 カウントセンサ
14 特別入賞センサ
14a 特別入賞検出孔
17 振分回転体
18a 第1振分領域
18b 第2振分領域
18c 第3振分流域
19a 残存球排出センサA
19b 残存球排出センサB
19c 残存球排出センサC
21 メイン制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉状態と開状態とに変換可能な可動部材と、特定領域と一般入賞領域とを有する変動入賞装置と、
始動条件の成立により前記可動部材を所定時間開状態に変換する補助遊技を行い、該補助遊技において前記変動入賞装置内に受け入れられた遊技球が前記特定領域に入賞することにより前記補助遊技よりも遊技者に有利なサイクル遊技を所定の上限回数まで実行可能な特別遊技状態を発生させる遊技制御手段と、
を備えた遊技機において、
前記変動入賞装置には、前記可動部材の変換により受け入れた遊技球を検出する入賞検出手段を設け、
前記遊技制御手段は、補助遊技において前記入賞検出手段が遊技球を検出したことに基づき、前記特別遊技状態におけるサイクル遊技の上限回数を決定する上限回数決定手段を備え、
前記上限回数決定手段は、
前記入賞検出手段で遊技球が検出される毎に所定のサイクル遊技回数を取得するサイクル遊技回数取得手段と、
前記補助遊技において複数の遊技球が変動入賞装置内に受け入れられることで、前記サイクル遊技回数取得手段により取得したサイクル遊技回数が複数ある場合、各サイクル遊技回数を加算した合計サイクル遊技回数を算出する加算手段と、
を備え、
前記補助遊技で前記特定領域に遊技球が入賞することで発生した特別遊技状態におけるサイクル遊技の上限回数を、前記加算手段により算出された合計サイクル遊技回数を用いて決定するようにしたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記上限回数決定手段は、特別遊技状態におけるサイクル遊技の実行可能回数の上限を制限するべく予め定めた制限回数と前記加算手段により算出された合計サイクル遊技回数とを比較し、合計サイクル遊技回数が制限回数を超えていた場合には、制限回数をサイクル遊技の上限回数に決定するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記入賞検出手段は、特定領域および一般入賞領域よりも下流側に設けることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記入賞検出手段は、特定領域および一般入賞領域よりも上流側に設けることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【請求項5】
前記変動入賞装置は、
前記特定領域および一般入賞領域よりも上流側に設けられ、当該変動入賞装置内へ流入する遊技球を検出する流入球検出手段と、
前記特定領域もしくは一般入賞領域への入賞結果が確定した遊技球を検出する結果確定球検出手段と、
を備え、
前記遊技制御手段は、前記流入球検出手段および前記結果確定球検出手段からの検出信号に基づいて、前記変動入賞装置内の遊技球の残存の有無を監視する残存球監視手段を備えるものとし、前記補助遊技において可動部材が閉状態になり、且つ、前記残存球監視手段により変動入賞装置内に遊技球が残存しないことが確認されると、前記上限回数決定手段がサイクル遊技の上限回数を決定するようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の遊技機。
【請求項6】
前記流入球検出手段もしくは前記結果確定球検出手段の何れか一方を入賞検出手段として用いるようにしたことを特徴とする請求項5に記載の遊技機。
【請求項7】
前記変動入賞装置は、
内部に受け入れられた遊技球が必ず流下してくる流下領域に設けられ、上流側から流下してきた遊技球を下流側に設けた複数の振分領域の何れかに振り分けて流下させる振分手段を備え、
前記振分手段により振り分けられた遊技球が流下する複数の振分領域に各々入賞検出手段を設けるものとし、
前記サイクル遊技回数取得手段は、遊技球を検出した入賞検出手段が配された振分領域に応じて予め定められた数をサイクル遊技回数として取得するようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の遊技機。
【請求項8】
前記振分手段は、遊技球を1個だけ受け入れ可能な球受け凹部を外周に複数設けた振分回転体を備えるものとし、
前記振分回転体の回転に伴って、上流から遊技球が流下してくる受入位置に球受け凹部が到達すると、流下領域を流下してきた遊技球が当該球受け凹部に受け入れ可能となり、
前記振分回転体の回転に伴って、各球受け凹部毎にそれぞれ対応させて各別に形成した球放出部に到達すると、各球受け凹部に受け入れられていた遊技球は各球放出部へ放出され、各放出部が連通する振分領域へ流下して行くようにしたことを特徴とする請求項7に記載の遊技機。
【請求項9】
前記サイクル遊技回数取得手段は、前記入賞検出手段で遊技球が検出された場合に乱数を抽出し、抽出された乱数値に基づいてサイクル遊技回数を取得するようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の遊技機。
【請求項10】
閉状態と開状態とに変換可能な可動部材と、特定領域と一般入賞領域とを有する変動入賞装置と、
始動条件の成立により前記可動部材を所定時間開状態に変換する補助遊技を行い、該補助遊技において前記変動入賞装置内に受け入れられた遊技球が前記特定領域に入賞することにより前記補助遊技よりも遊技者に有利なサイクル遊技を上限回数まで実行可能な特別遊技状態を発生させるとともに、前記サイクル遊技において受け入れた遊技球が前記特定領域に入賞したことを条件として次のサイクル遊技に移行させ、前記サイクル遊技において受け入れた遊技球が前記特定領域に入賞しなかった場合は前記特別遊技状態を終了させる遊技制御手段と、
を備えた遊技機において、
前記変動入賞装置は、
前記可動部材の変換により受け入れた遊技球を検出する入賞検出手段と、
前記受け入れた遊技球を前記特定領域へ誘導する誘導状態と、前記受け入れた遊技球を前記特定領域へ誘導しない非誘導状態とに変換可能な誘導手段と、
を備え、
前記遊技制御手段は、
前記誘導手段の状態変換を制御することにより、遊技球を特定領域に入賞させる確率が高い高確率サイクル遊技と、該高確率サイクル遊技に比べて遊技球を特定領域に入賞させる確率が低い低確率サイクル遊技と、を生ぜしめる誘導制御手段と、
補助遊技において前記入賞検出手段が遊技球を検出したことに基づき、前記特別遊技状態中に前記誘導制御手段が高確率サイクル遊技を生ぜしめるよう誘導手段の状態変換を制御する高確率サイクル遊技回数を決定する高確率サイクル遊技回数決定手段と、
を備え、
前記高確率サイクル遊技回数決定手段は、
前記入賞検出手段で遊技球が検出される毎に所定の高確率サイクル遊技回数を取得する高確率サイクル遊技回数取得手段と、
前記補助遊技において複数の遊技球が変動入賞装置内に受け入れられることで、前記高確率サイクル遊技回数取得手段により取得した高確率サイクル遊技回数が複数ある場合、各高確率サイクル遊技回数を加算した合計高確率サイクル遊技回数を算出する加算手段と、
を備え、
前記補助遊技で前記特定領域に遊技球が入賞することで発生した特別遊技状態における高確率サイクル遊技回数を、前記加算手段により算出された合計高確率サイクル遊技回数を用いて決定するようにしたことを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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