遊技機
【課題】 釘調整を容易円滑に行え且つ釘調整表の管理の煩わしさを無くし且つ釘全体の配置構成が同一で性能が異なる遊技機の釘調整の混同を防止する。
【解決手段】 釘8を有する遊技領域のその背面側に透光性部材14を介して視認可能と表示領域に、釘調整情報に基づく画像92a〜92j等を表示し、この釘調整情報に基づく画像92a〜92j等をその釘と重なるように又はその釘の近傍に位置するように表示し、携帯端末や釘調整用マニュアルを用いること無く遊技盤を見ながら釘調整を行えると共にこの釘調整情報に基づく画像92a〜92j等を目安として釘調整を行えるようにする。また、釘調整情報を釘全体の配置構成が同一で遊技機の性能を示す性能情報ごとに複数情報記憶し、この複数情報の中からその遊技機の性能に対応する釘調整情報を決定し上記の如く表示し、人手による釘調整表の管理を不要とし且つ性能に応じた釘調整情報に基づく画像を提供する。
【解決手段】 釘8を有する遊技領域のその背面側に透光性部材14を介して視認可能と表示領域に、釘調整情報に基づく画像92a〜92j等を表示し、この釘調整情報に基づく画像92a〜92j等をその釘と重なるように又はその釘の近傍に位置するように表示し、携帯端末や釘調整用マニュアルを用いること無く遊技盤を見ながら釘調整を行えると共にこの釘調整情報に基づく画像92a〜92j等を目安として釘調整を行えるようにする。また、釘調整情報を釘全体の配置構成が同一で遊技機の性能を示す性能情報ごとに複数情報記憶し、この複数情報の中からその遊技機の性能に対応する釘調整情報を決定し上記の如く表示し、人手による釘調整表の管理を不要とし且つ性能に応じた釘調整情報に基づく画像を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機を始めとしたアレンジボール遊技機、雀球遊技機等の画像を表示する表示装置及び遊技釘を有する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技機には遊技盤に設けられた複数の遊技釘があり、パチンコ遊技機の発射装置から発射された遊技球は、遊技盤上に設けられたこれらの遊技釘に衝突しながら進行方向、速度をランダムに変化させて流下(落下)する。この遊技釘は、遊技球の動きに意外性、面白味を付与するものであると共に、遊技球の入賞の成否に関わる重要な要素でもある。遊技者は、より有利な遊技釘を有するパチンコ遊技機を選択することで、少しでも遊技の結果を有利にしようと図り、一方、遊技場側は、遊技釘を調整することで、遊技場全体の出玉率をコントロールし遊技場の収支の適正化を図る必要がある。従って、遊技場は、各パチンコ遊技機の稼動情報等を収集しこれらを考慮して遊技釘の調整を行っているが、経験豊かな釘師の減少等により、この種の調整に未経験な者でも遊技釘状態の判定、調整を行える技術が求められている。
【0003】
ここで、この種の遊技釘調整を、未経験な者でも行えるようにする技術として、携帯端末装置の画面に遊技釘調整情報を提供することにより、遊技釘調整を支援する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−272931号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記公報に記載の従来技術では、別途携帯端末が必要で、当該携帯端末を持ちながら遊技釘調整を行わなければならないため、両手が自由に使えなくなり遊技釘調整が円滑に行えないという問題があった。また、遊技釘調整情報が表示される画面と実際の遊技盤との対応付けが必ずしも容易では無く、特に多数の遊技釘が配置されている場合には、この種の遊技釘調整作業の経験が乏しい者にとっては、対象となる遊技釘を特定することが難しかった。
【0005】
また、パチンコ遊技機にあっては、遊技釘全体の配置構成(所謂ゲージ構成)と、遊技機の回転率や入賞口への入賞率等を左右する、基準となる遊技釘の開け閉め量及び遊技釘調整方向とが示された遊技釘調整表(所謂ゲージ表)が、例えば営業割数((売上金額−差玉×4)/売上金額)に応じて4、5枚の紙に印刷されて遊技機製造元から供されるが、この遊技釘調整表の管理が非常に煩わしいという問題がある。加えて、遊技釘全体の配置構成が同一で性能(所謂スペック)が相違するパチンコ遊技機の遊技釘調整を行う場合には、見た目が同じであるため、遊技釘調整の混同を招いていた。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、経験が乏しい者であっても遊技釘調整が容易且つ円滑に行えると共に、遊技釘調整表の管理の煩わしさから解放され、さらに、遊技釘全体の配置構成が同一で性能が相違する遊技機の遊技釘調整の混同を防止することが可能なパチンコ遊技機を始めとした遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による遊技機は、表示装置による表示領域に所定の情報を表示させる表示制御手段と、遊技球が流下可能な遊技領域を有する遊技盤と、遊技領域に設けられ、遊技球の流下方向を変更可能とする複数の遊技釘と、を具備し、遊技盤の全部又は一部は透光性部材で形成され当該透光性部材に対して遊技釘が設けられ、表示領域の全部又は一部は透光性部材を通して視認可能とされた遊技機であって、調整すべき複数の遊技釘の各々に対してその遊技釘に関する情報である遊技釘調整情報を記憶すると共に、これらの遊技釘調整情報を、遊技釘全体の配置構成が同一で遊技機の性能を示す性能情報ごとに複数情報記憶した遊技釘調整情報記憶手段と、遊技釘調整情報記憶手段に記憶された複数の遊技釘調整情報の中から、その遊技機の性能に対応する遊技釘調整情報を決定する遊技釘調整情報決定手段と、を備え、表示制御手段は、遊技釘調整情報決定手段で決定した遊技釘調整情報をその遊技釘と重なるように又はその遊技釘の近傍に位置するように表示領域に表示させることを特徴としている。
【0008】
このような遊技機によれば、遊技釘が設けられた遊技領域のその背面側に透光性部材を介して視認可能とされている表示領域に、遊技釘調整情報(例えば遊技釘の開け閉め量や遊技釘調整方向等の情報)に基づく画像が表示され、この遊技釘調整情報に基づく画像が、その遊技釘と重なるように又はその遊技釘の近傍に位置するように表示されるため、携帯端末や遊技釘調整用のマニュアルを用いること無く遊技盤を見ながら遊技釘調整を行えると共に、この遊技釘調整情報に基づく画像が遊技釘調整の目安となり、経験が乏しい者であっても遊技釘調整を容易且つ円滑に行うことが可能となる。また、上記遊技釘調整情報は遊技釘全体の配置構成が同一で遊技機の性能を示す性能情報ごとに複数情報記憶され、この複数情報の中から、その遊技機の性能に対応する遊技釘調整情報が決定されて上記のように表示されるため、人手による遊技釘調整表の管理が不要とされ、遊技釘調整表の管理の煩わしさから解放されると共に、性能に応じた遊技釘調整情報に基づく画像が提供されるようになり、遊技釘調整の混同を防止することが可能となる。
【0009】
ここで、操作者の所定の操作により、遊技機の性能情報を入力可能な性能情報入力操作手段を備え、遊技釘調整情報決定手段は、性能情報入力操作手段により入力された性能情報に基づいて、遊技釘調整情報記憶手段に記憶された複数の遊技釘調整情報の中から、性能情報に対応する遊技釘調整情報を決定する構成であると、操作者の好みのタイミングで遊技機の性能情報の入力が可能とされるため、機能性及び利便性が向上される。
【0010】
また、遊技機の性能に応じて遊技の動作を制御する主制御手段を備え、この主制御手段は、当該主制御手段を有する遊技機の性能情報を性能情報コマンドとして送信し、遊技釘調整情報決定手段は、主制御手段により送信された性能情報コマンドを受信し当該受信した性能情報コマンドに基づいて、遊技釘調整情報記憶手段に記憶された複数の遊技釘調整情報の中から、受信した性能情報コマンドに対応する遊技釘調整情報を決定する構成であると、操作者による所定の操作等が無くても、性能に応じた遊技釘調整情報が自動的に決定されるため、機能性及び利便性が向上される。
【発明の効果】
【0011】
本発明の遊技機によれば、携帯端末や遊技釘調整用のマニュアルを用いることなく遊技盤を見ながら遊技釘調整を行えると共に、遊技釘調整情報に基づき表示領域に表示される画像が遊技釘調整の目安となるため、経験が乏しい者であっても遊技釘調整を容易且つ円滑に行うことが可能となる。また、人手による遊技釘調整表の管理が不要とされるため、遊技釘調整表の管理の煩わしさから解放される。さらに、遊技釘全体の配置構成が同一で性能が相違する遊技機のその性能に応じた遊技釘調整情報に基づく画像が提供されるため、遊技釘調整の混同を防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において、同一または相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図1は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機を正面側から示す斜視図、図2は、図1に示すパチンコ遊技機の分解斜視図、図3は、図1に示すパチンコ遊技機を背面側から示す斜視図、図4は、図2に示す遊技盤の正面図、図5は、図1に示すパチンコ遊技機の部分断面図であり、本実施形態では遊技機を、デジタルパチンコ遊技機(デジパチ、第1種パチンコ遊技機と称される)とした場合について説明する。
【0013】
(遊技機の構成)
図1に示すパチンコ遊技機1は、遊技場(ホール)の所定の設置枠に収容されて設置される外枠2と、この外枠2の正面側に回動可能に設けられたベースドア(内枠)3と、このベースドア3に組み込まれた遊技盤4(図2参照)と、この遊技盤4の正面を覆うと共にベースドア3の正面側に開閉可能に設置されたフロント扉5とを具備している。
【0014】
また、パチンコ遊技機1には、プリペイドカードなどが挿入されると、当該プリペイドカードの残高に応じて、遊技球が貸し出されるように構成されたカードユニット84が隣接して併設される。
【0015】
フロント扉5は、その中央の略全域にガラス板5aを備え、その内側の遊技盤4が視認可能な構成とされている。フロント扉5の下部には、カードユニット84のカード返却操作や遊技球の貸し出し(玉貸し)操作等を行う玉貸し操作関連ボタンを有する玉貸し操作パネル28が設けられている。また、この玉貸し操作パネル28には、後述する所定の操作を行う遊技釘調整情報変更操作手段及び遊技設定情報入力操作手段としての決定ボタン20a及び選択ボタン20b,20cが設けられている。
【0016】
また、フロント扉5の下側には、外枠2に対して開閉可能な皿パネル6が設置されている。この皿パネル6の正面側には、カードユニット84により貸し出された遊技球及び後述する入賞口に入球した場合に払い出される遊技球を受け止める上皿6aと、この上皿6aの満杯時に球出口6dの内方で溢れた遊技球を受け止める下皿6bと、この下皿6bの右側に設けられた発射ハンドル6cと、が配置されている。
【0017】
発射ハンドル6cは、上皿6aに受け止められている遊技球を発射するためのもので、皿パネル6に対して回動自在に設けられ、遊技者は発射ハンドル6cを操作することによりパチンコ遊技を進めることができる。この発射ハンドル6cが遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときに、その回動角度に応じて、発射ハンドル6cの背面側に設けられた発射モータに電力が供給され、遊技球が遊技盤4に順次発射される。
【0018】
発射された遊技球は、図4に示すように、遊技盤4の左側に設けられたガイドレール7により案内され、遊技盤4の上部に移動し、その後、後述する遊技釘等との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤4の下方に向かって流下する。
【0019】
遊技盤4は、遊技状態において遊技球が流下する領域が、遊技領域4aとされ、この遊技領域4a内に、遊技球の流下方向を変更させる遊技釘8が多数設けられている。また、遊技領域4aは、所定の位置に始動入賞口9、普通図柄作動ゲート10、大入賞口11、一般入賞口12a〜12d及びアウト口13をそれぞれ有している。
【0020】
始動入賞口9は、この始動入賞口9に具備されている始動領域を遊技球が通過したことを条件として、遊技状態を遊技者に有利な特別遊技状態、所謂大当たり状態に移行するか否かを判定するための大当たり判定用乱数値を抽出する入賞口とされている。また、始動入賞口9は、遊技球が入球(入賞)すると、所定数の遊技球(例えば4個)が賞球として払出されるトリガーとなる入賞口とされている。
【0021】
普通図柄作動ゲート10は、この普通図柄作動ゲート10を遊技球が通過したことを条件として普通図柄当たり判定用乱数値を抽出するトリガーとなる通過ゲートとされている。この普通図柄当たり判定用乱数値の抽出により遊技状態が普通図柄当たり状態となったときに、始動入賞口9に具備されている1対の羽根(普通電動役物、チューリップ)9aが所定秒数開閉し、入賞がしやすくなる。
【0022】
大入賞口11は、上述した大当たり判定用乱数値の抽出により遊技状態が大当たり状態となったときに、閉じているシャッタが所定に開閉し、遊技球が入球(入賞)すると、所定数の遊技球(例えば15個)が賞球として払出されるトリガーとなる入賞口とされている。
【0023】
一般入賞口12a〜12dは、遊技球が入球(入賞)すると、所定数の遊技球(例えば10個)が賞球として払出されるトリガーとなる入賞口とされている。
【0024】
アウト口13は、始動入賞口9、大入賞口11、一般入賞口12a〜12dなどの何れにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。
【0025】
また、遊技盤4は、図5に示すように、透光性基板14から成り、この透光性基板14は、例えばポリカーボネートなどの合成樹脂あるいはその他の透明な部材(透光性部材)で形成された透明部を有している。ここで、「透明な部材」とは、光透過率が100%又はその部材を通して対象を視認可能な程度に光透過率が高いものをいう。以下、遊技領域4a中の透明部によって形成された領域を「透明遊技領域」と呼ぶ。本実施形態の遊技領域4aはその大半が透明遊技領域となっている。この透光性基板14には、上述した遊技釘8が少なくともその先端部を埋設されて固定され、この透光性基板14と上述したフロント扉5のガラス板5aにより形成された領域が遊技領域4aとされている。そして、この透光性基板14の背面側には、図2及び図5に示すように、各種画像情報を表示する大画面の表示領域15aを有する画像表示手段としての液晶表示装置15が配置されている。すなわち、この液晶表示装置15に表示された画像は、透光性基板14の略中央の遊技釘8が設けられていない部分と、その周辺の遊技釘8が設けられている部分を通して、遊技者がパチンコ遊技機1の正面側から視認することができる。
【0026】
また、透光性基板14の下部側の背面側には、図5に示すように、入賞口に入賞した遊技球を入賞球センサに案内する入賞球集合アッセンブリ16等の部材が配設されている。この入賞球集合アッセンブリ16等の部材を遊技者から視認不可能とすべく、透光性基板14の背面に例えばCAB(セルロースアセトブチレート)から成るセルシート19を張り、不透明領域としている。
【0027】
このように、透光性基板14は、その全部を透明部とする必要はなく、光透過率が低い部分や光透過率が0の領域を部分的に有していてもよい。光透過率を低くしたり0にする手段としては、上記背面のセルシート19の他に、表面に塗装、もしくは物理的蒸着法、化学的蒸着法等を施して模様層、色彩層を形成したり、あるいは、基材となる合成樹脂に染料や顔料を含浸させて、光透過率を低下させたものであってもよい。
【0028】
液晶表示装置15は、図2に示すように、その表示領域15aに、後述のようにして、装飾用の図柄である飾り図柄や、判定用図柄、キャラクタ等を可変表示する。この飾り図柄は、大当たりか否かを判定する特別図柄ゲームで用いられるもので、数字や記号等が用いられ、本実施形態においては、「0」から「9」までの数字が用いられている。なお、特別図柄ゲーム及び飾り図柄の詳細については後述する。
【0029】
また、ここで言う「可変表示」とは、変動可能に表示される概念であり、例えば、実際に変動して表示される「変動表示」、実際に停止して表示される「停止表示」等を可能とするものである。また、これらの他に、単に飾り図柄や判定用図柄が出現するように仮に停止表示される「出現表示」、特別図柄ゲームの結果として飾り図柄等が確定して停止表示される「導出表示」等を可能とするものである。
【0030】
また、表示領域15aには、複数列(本実施形態においては3列)の飾り図柄が可変表示され、判定用図柄の可変表示も行われる。この複数列の飾り図柄の導出表示と共に、判定用図柄の導出表示が行われ、その導出表示された判定用図柄の表示態様に基づいて、遊技状態を大当たり状態に移行することとなる。また、これらの判定用図柄や飾り図柄の他にも、背景画像、キャラクタ画像、普通図柄画像等が表示される。
【0031】
さらに、パチンコ遊技機1は、図2に示すように、液晶表示装置15の上方に、所定の遊技状態となったことを遊技者に報知する効果音や音声などを出力するスピーカ17L,17R、図4に示すように、遊技盤4の下部に、所定の遊技状態となったことを所定のパターンで点灯・消灯することによって報知する装飾ランプ18L,18R、上述したカードユニット84により貸し出された遊技球及び始動入賞口9、大入賞口11、一般入賞口12により賞球された遊技球を上皿6aに払い出す払出装置81等を具備している。
【0032】
また、パチンコ遊技機1の背面側には、図3に示すように、このパチンコ遊技機1の遊技の動作を制御すると共に遊技者に有利な遊技状態に移行するか否かを判定する主制御回路(主制御手段)30を備える主制御基板21、上述した表示領域15aに映像及び音声等の演出を展開させる副制御回路40を備える副制御基板22、遊技球の払出・発射を制御する払出・発射制御回路80を備える払出・発射制御基板23、電源を供給する電源供給ユニット24、電源スイッチ25、バックアップクリアスイッチ26、モード切換スイッチ(遊技釘調整情報変更操作制限手段)27、ホールコンピュータ等と接続する接続端子29が、それぞれ配置されている。
【0033】
なお、ここで言うホールコンピュータとは、遊技場(ホール)の管理室に設置され、遊技機1から各種遊技情報データを受信し、売上げ管理等に利用されるものである。
【0034】
図6は、図1〜図5に示すパチンコ遊技機1の内部の構成を中心に示すブロック構成図である。パチンコ遊技機1は、上述した主制御回路30、副制御回路40、払出・発射制御回路80、電源供給ユニット24を中心に複数の構成要素を有し、この電源供給ユニット24は、主制御回路30、副制御回路40及び払出・発射制御回路80にそれぞれ接続され各々への電力供給が可能とされている。主制御回路30は、メインCPU(Central Processing Unit)31、メインROM(Read Only Memory)32およびメインRAM(Random Access Memory)33を有し、他に初期リセット回路34とコマンド出力ポート35を有している。また、主制御回路30は、接続端子29を介してホールコンピュータと接続され、パチンコ遊技機1の各種遊技情報データを適宜送信する。
【0035】
メインCPU31は、後述するVカウントスイッチ11Sなどから遊技球の検出信号を入力する一方、メインROM32に記憶されている制御プログラムにしたがい作動して、パチンコ遊技機1における大当たり抽選や、賞球排出といったパチンコ遊技機1全体の動作制御を司り、コマンド出力ポート35を介して副制御回路40に各種のコマンドを送信する。また、メインCPU31は、パチンコ遊技機1の性能(所謂スペック)を示す性能情報を性能情報コマンドとして適宜送信する。メインROM32はメインCPU31が実行する制御プログラムと、恒久的なデータが記憶されている。メインRAM33はメインCPU31が作動する際に用いるデータやプログラムが一時的に記憶されるようになっている。なお、メインRAM33は電源が断たれた電断時においてもバックアップ用電源から電力が供給されて記憶内容が保持可能になっている。初期リセット回路34は、リセット信号をメインCPU31に定期的に出力する。このリセット信号により、メインCPU31は制御プログラムの先頭から処理を実行する。
【0036】
また、主制御回路30には、Vカウントスイッチ11Sをはじめとする各スイッチ等が接続されている。Vカウントスイッチ11Sは大入賞口11内に設けられたVゾーンを通過した遊技球の個数を計測し、計測結果を示す検出信号を主制御回路30に出力する。カウントスイッチ11CSは大入賞口11に入賞した遊技球の個数を計測し、計測結果を示す検出信号を主制御回路30に出力する。一般入賞口スイッチ12Sは各一般入賞口12a〜12dに入賞した遊技球の検出信号を主制御回路30に出力する。作動ゲートスイッチ10Sは普通図柄作動ゲート10を通過する遊技球の検出信号を主制御回路30に出力する。始動入賞口スイッチ9Sは始動入賞口9に入賞した遊技球の検出信号を主制御回路30に出力する。
【0037】
始動口ソレノイド9Lは始動入賞口9に設けられた一対の羽根9a,9aを開閉させ、大入賞口ソレノイド11Lは大入賞口11に設けられたシャッタを開閉させる。シーソーソレノイド11Mは大入賞口11に設けられた図示しないシーソーを駆動する。バックアップクリアスイッチ26は、電断時等におけるバックアップデータを操作者の操作に応じてクリアする。
【0038】
パチンコ遊技機1では、始動入賞口スイッチ9Sが遊技球の入賞を検出して検出信号を出力したときに主制御回路30から副制御回路40に図柄指定コマンドを出力して、副制御回路40において、乱数抽出および抽出した乱数値を用いて液晶表示装置15における飾り図柄の表示態様を決定している。また、判定用図柄は主制御回路30からの図柄指定コマンドにしたがった表示態様で導出表示される。
【0039】
副制御回路40は、主制御回路30からコマンドを入力し、その入力したコマンドにしたがい、液晶表示装置15による判定用図柄や飾り図柄の可変表示、リーチ演出、予告演出といった演出に必要な制御を行う一方、所定の画像を液晶表示装置15に表示させる。また、副制御回路40は、スピーカ17L、17Rを用いた音声出力による演出や装飾ランプ18L、18Rを用いた点滅表示による演出を行うのに必要な制御も行う。
【0040】
この副制御回路40は、サブCPU41を中心に構成され、サブROM42と、サブRAM43およびコマンド入力ポート48を有し、画像制御回路50と、音声制御回路60、及びランプ制御回路70を有している。また、副制御回路40には、決定ボタン20a、選択ボタン20b,20c及びモード切換スイッチ27が接続されている。
【0041】
サブCPU41は、主制御回路30から入力したコマンドにしたがいサブROM42に記憶されているプログラムに沿った処理を実行し、画像制御回路50、音声制御回路60およびランプ制御回路70を作動させる。また、このサブCPU41は、操作者により所定に操作されたモード切換スイッチ27、選択ボタン20b,20c、決定ボタン20aからの信号を検知する操作検知手段を構成している。サブROM42にはサブCPU41が実行するプログラムと、恒久的なデータが記憶され、サブRAM43はサブCPU41が作動する際に用いるデータやプログラムが記憶されている。
【0042】
画像制御回路50は、VDP(Video Display Processor)51と、D/Aコンバータ52と、初期リセット回路53と、画像データROM54aと、画像データRAM(遊技釘調整情報記憶手段)54bとを有している。VDP51は、サブCPU41で決定された液晶表示装置15に表示させる内容に応じた画像を形成し、その形成された画像をD/Aコンバータ52に出力する。D/Aコンバータ52はVDP51から出力される画像データをD/A変換して、変換により得られたアナログ信号を液晶表示装置15に出力し、画像を表示させる。初期リセット回路53はサブCPU41からのリセット命令を受けて、VDP51を初期状態に戻す処理を実行する。画像データROM54aには、判定用図柄、飾り図柄、キャラクタ、背景などを示す画像のデータ(画像データ)を記憶し、画像データRAM54bには、遊技釘調整情報に基づく画像、遊技釘調整中情報に基づく画像、遊技釘調整済情報に基づく画像、終了情報に基づく画像及び選択画像等を液晶表示装置15に表示させるための各種画像データを記憶している。これらの画像の詳細については後述する。
【0043】
ここで言う「遊技釘調整情報」とは、調整すべき複数の遊技釘8の各々に対するその遊技釘に関する情報であり、例えば遊技釘8の開け閉め量や遊技釘8の調整方向等の情報である。この「遊技釘調整情報」を目安として、遊技釘調整作業を行うことにより、パチンコ遊技機1の回転率や入賞口への入賞率を始めとした、ホールコンピュータへ送信される遊技情報データが変動する。すなわち、これらの遊技情報データを基に算出される「単位始動数」、「大当り出玉」、「ベース」、「出玉率」等が変動する。これらの「単位始動数」、「大当り出玉」、「ベース」、「出玉率」は、パチンコ遊技機に対して遊技場側が所定に管理するものであり、これらの管理値(目標値)が遊技設定情報とされている。そして、これらの遊技設定情報ごとに「遊技釘調整情報」がパチンコ遊技機製造元により基本情報として設定されている。従って、複数の遊技設定情報(「単位始動数」、「大当り出玉」、「ベース」、「出玉率」等)の各々に対応して、各「遊技釘調整情報」が、画像データRAM54bに記憶されていると共に、一つの遊技設定情報に対応して、複数の「遊技釘調整情報」が画像データRAM54bに記憶されている。
【0044】
なお、パチンコ遊技機の遊技釘8全体の配置構成が同一であっても、パチンコ遊技機の性能(スペック;大当り確率等)が異なれば、「遊技釘調整情報」は異なる。従って本実施形態の画像データRAM54bには、パチンコ遊技機の性能の違いに対応すべく、さらに機種名(例えば、「花火X」、「花火E」等)に対応して、上記遊技設定情報に対応する複数の「遊技釘調整情報」が記憶されている。
【0045】
ここで、サブCPU41は、本実施形態の遊技釘調整情報決定手段を構成している。この遊技釘調整情報決定手段は、メインCPU31により送信された性能情報コマンドを受信しこの受信した性能情報コマンドに基づいて、画像データRAM54bに記憶されている複数の遊技釘調整情報の中から、受信した性能情報コマンドに対応する遊技釘調整情報を決定すると共に、画像データRAM54bに記憶されている複数の遊技釘調整情報の中から、決定ボタン20a及び選択ボタン20b,20cにより入力された所定の遊技設定情報に対応する遊技釘調整情報を決定する。従って、この決定ボタン20a及び選択ボタン20b,20cは、操作者の所定の操作により、所定の遊技設定情報を入力可能な本実施形態の遊技設定情報入力操作手段を構成している。
【0046】
また、サブCPU41は、本実施形態の遊技釘調整情報変更手段を構成している。この遊技釘調整情報変更手段は、決定ボタン20a及び選択ボタン20b,20cの操作者による所定の操作に基づいて「遊技釘調整情報」を変更する。従って、この決定ボタン20a及び選択ボタン20b,20cは、画像データRAM54bに記憶された「遊技釘調整情報」を変更するために所定に操作される本実施形態の遊技釘調整情報変更操作手段を構成する。
【0047】
また、上述したサブCPU41及びVDP51は、本実施形態の表示制御手段を構成している。この表示制御手段は、画像データROM54a、画像データRAM54bから読み出した画像データに基づく図柄等の画像や遊技釘調整情報に基づく画像を液晶表示装置15に表示させる。また、表示制御手段は、本実施形態の遊技釘調整中表示手段及び遊技釘調整済表示手段を含む構成とされている。遊技釘調整中表示手段は、調整すべき複数の遊技釘8のうちの少なくとも1本に対して、画像データRAM54bに記憶された遊技釘調整中情報に基づく画像を液晶表示装置15に表示させ、遊技釘調整済表示手段は、サブCPU41(操作検知手段)により検知された操作者による所定の操作に基づいて、遊技釘調整中表示手段により遊技釘調整中であると表示されている遊技釘8に対して、画像データRAM54bに記憶された遊技釘調整済情報に基づく画像を液晶表示装置15に表示させる。
【0048】
また、サブCPU41は、本実施形態の調整済判定手段及び終了判定手段を構成している。調整済判定手段は、遊技釘8に対して、遊技釘調整済情報に基づく画像が表示されたか否かを判定し、終了判定手段は、調整すべき複数の遊技釘8全てに対して、遊技釘調整済情報に基づく画像が表示されたか否かを判定する。
【0049】
また、表示制御手段は、遊技釘8に対して遊技釘調整済情報に基づく画像が表示されたと、釘調整済判定手段により判定されると、調整すべき複数の遊技釘8の中から、調整済の遊技釘8を除く少なくとも一本の遊技釘8を選択し、この選択した遊技釘8に対して、遊技釘調整中情報に基づく画像を液晶表示装置15に表示させる。さらに、表示制御手段は、調整すべき複数の遊技釘8全てに対して、遊技釘調整済情報に基づく画像が表示されたと、終了判定手段により判定されると、画像データRAM54bに記憶された終了情報に基づく画像を液晶表示装置15に表示させる。
【0050】
音声制御回路60は、音源IC61と、アンプ(以下AMPという)62と、音声データROM63とを有している。音源IC61は、サブCPU41からの指示にしたがい、音声データROM63に記憶されている音声データを用いて音声信号を生成する。AMP62は、音源IC61により生成された音声信号を適切なレベルに増幅し、増幅した音声信号をスピーカ17L、17Rに供給して音声を出力させる。音声データROM63は予告演出、リーチ演出、大当たり演出などに用いられる音楽、音声、効果音などのデータ(音声データ)を記憶している。
【0051】
ランプ制御回路70は、装飾ランプ18L、18Rの点滅パターンを示す装飾データを記憶した装飾データROM71と、サブCPU41からの指示にしたがい、装飾データROM71に記憶されている装飾データを用いて装飾ランプ18L、18Rを点滅させるドライブ回路72とを有している。
【0052】
払出発射制御回路80は、主制御回路30の制御にしたがい払出装置81と前述した発射ハンドル6c及び発射モータを有する発射装置82を作動させて、所定数の遊技球を賞球として払出させるとともに、遊技球を遊技盤4上の遊技領域4aに向けて発射させる。
【0053】
(パチンコ機の動作内容)
次に、パチンコ遊技機1の動作内容のうち、主制御回路30および副制御回路40による制御処理の手順について、図7〜図15までのフローチャートを参照して説明する。図7はパチンコ遊技機1において、電源を投入したあとに主制御回路30により繰返し実行されるメイン制御処理の動作手順を示すフローチャート(メインフローチャート)である。なお、図7および後述する図8〜図15では、ステップをSと略記している。
【0054】
(メイン制御処理の動作手順)
図7に示すように、パチンコ遊技機1は、電源投入に伴い主制御回路30のメインCPU31がメイン制御処理を開始してステップ1に進み、初期設定処理を行う。続いて、ステップ2の特別図柄制御処理、ステップ3の普通図柄制御処理およびステップ4の乱数更新処理を順次実行する繰返ルーチンに進む。なお、繰返ルーチンはパチンコ遊技機1の電源が投入されている間、繰返し行われるようになっている(詳しくは後述する)。
【0055】
そして、ステップ1の初期設定を開始すると、図8に示すように、ステップ5に進み、電源投入後、初期リセット回路34から供給されるシステムリセットがあった場合にメインRAM33にアクセスを許可するRAMアクセス許可処理を実行する。続くステップ6では、バックアップクリアスイッチ26の入力検出結果や、電断検知フラグ、作業領域の損傷等からバックアップ条件の成否を判定することによってバックアップ復帰可能か否かを判定し、復帰可能な場合はステップ7に進み、そうでなければステップ17に進む。
【0056】
ステップ7に進むと、メインCPU31は作業領域に記憶されたデータにしたがって正常に動作復帰するためのバックアップ復帰処理を行い、続くステップ8ではメインRAM33に位置づけられている変数やフラグを更新することにより、割込み設定等の動作設定処理を行う。
【0057】
そして、メインCPU31はステップ9に進むと遊技状態フラグを読み出し、後続のステップ10では読み出した遊技状態フラグに対応した電断復帰コマンドを副制御回路40に送信する。また、ステップ11では、副制御回路40に送信すべき送信コマンドの有無を判定し、それがあればステップ12に進んで電断前にコマンド出力ポート35にセットされているコマンドを送信するが、なければステップ12を実行することなくステップ13に進む。ステップ13では、電断発生前の割込状態を割込状態フラグをみてチェックする処理を行い、続くステップ14では、ステップ13の結果から、電断発生前が割込禁止状態であったか否かを判定する。ここで、割込禁止状態であったと判定された場合はステップ16に進み、そうでなければステップ15に進む。そして、ステップ15に進むと、メインCPU31がメインRAM33に位置づけられている変数やフラグを更新して割込許可を実行する。また、ステップ16では、電断時にメインRAM33に退避させたレジスタの値を再度格納して、レジスタ復帰処理を行うと初期設定処理が終了し、電断発生前のアドレスに復帰する。
【0058】
そして、ステップ17では作業領域の初期化を行い、続くステップ18ではデモ表示フラグのセットを行う。後続のステップ19では、メインRAM33などに位置づけられている変数やフラグを更新することにより、割込み設定等の動作設定処理を行う。また、ステップ20で初期化コマンドを副制御回路40に送信すると、初期設定処理が終了する。
【0059】
(繰返ルーチンの動作手順)
繰返ルーチンでは、まずステップ2の特別図柄制御処理を行う。これは図9に示すフローチャートにしたがって行う。処理開始後ステップ71に進み、メインCPU31は制御状態フラグを読み取る。この制御状態フラグは、液晶表示装置15における図柄の可変表示画像を用いた特別図柄ゲームの状態を示すフラグであって、メインCPU31が後続の各ステップ72〜80までの何れを実行するかを判定するためのデータが設定されている。
【0060】
そして、ステップ71に続いてステップ72に進み、ここでは、特別図柄記憶チェック処理を行う。この特別図柄記憶チェック処理を開始すると、メインCPU31は図11に示すステップ111に進み、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示すデータ“00”か否かを判断し、“00”ならステップ112に進み、“00”でなければ処理を終了する。続くステップ112では、保留個数が“0”か否かを判定し、“0”であればステップ113に進んでデモ表示処理を行い処理を終了するが、そうでなければステップ114に進み、制御状態フラグに特別図柄変動時間管理を示すデータ“01”をセットする。続いてステップ115に進んで大当たり判定用前処理を行う。このとき、メインCPU31は後述する高確率フラグを読み出して大当たり判定テーブルを選択し、大当たり判定用乱数値を用いて選択された大当たり判定テーブルをサーチする。
【0061】
続いてステップ116に進み、ステップ115のサーチ結果から、大当たりか否かを判定する大当たり判定処理を行い、大当たりの場合はステップ117、そうでない場合はステップ118に進む。ステップ117に進むと、大当たり図柄用乱数カウンタから大当たり図柄用乱数値を抽出し、その大当たり図柄用乱数値に基づいて、サブCPU41において、左、中、右の3つのそれぞれにおける飾り図柄になる大当たり図柄の種類を決定するための判定に用いられる判定用図柄の決定(大当たり図柄の決定)を行い、その判定用図柄を示すデータをメインRAM33に記憶させる。また、この判定用図柄を示すデータは図10に示す後述するコマンド出力処理により、メインCPU31により、上述した図柄指定コマンドとしてサブCPU41に送信される。この図柄指定コマンドを用いて、サブCPU41が後述するサブ制御処理で液晶表示装置15に停止表示させる飾り図柄の表示態様を決定する。
【0062】
また、ステップ118に進むと、サブCPU41において、飾り図柄によるはずれ図柄を決定するための判定に用いられる判定用図柄の決定(はずれの図柄決定)を行い、その判定用図柄を示すデータをメインRAM33に記憶させる。また、この判定用図柄を示すデータは図10に示すコマンド出力処理により、メインCPU31により、図柄指定コマンドとしてサブCPU41に送信され、サブCPU41が液晶表示装置15における飾り図柄の表示態様を決定する。これにより、変動時間を経過したのち、ステップ73の処理を行うようにしている。
【0063】
次に、メインCPU31はステップ119に進むと可変パターンの決定を行い、決定された可変パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットして処理を終了する。
【0064】
ステップ73では、特別図柄変動時間管理処理を行う。このステップは、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示すデータ“01”のときに以下の処理を行い、“01”でなければ行わないようになっている。すなわち、メインCPU31は待ち時間タイマが0となったときに、制御状態フラグに特別図柄表示時間管理を示すデータ“02”をセットし、確定後待ち時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。これにより、確定後待ち時間を経過したのち、ステップ74の処理を行うようにしている。
【0065】
続くステップ74では、特別図柄表示時間管理処理を行う。このステップでは、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示すデータ“02”のときに以下の処理を行い、“02”でなければ行わないようになっている。すなわち、メインCPU31は待ち時間タイマが0となり、大当たりのときには制御状態フラグに大当たり開始インターバル管理を示すデータ“03”をセットした上で、大当たり開始インターバルに対応する時間(例えば10秒、以下「大当たり開始対応時間」という)を待ち時間をセットし、大当たりでないときは制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了を示す値“03”をセットして処理を終了する。
【0066】
さらに、続くステップ75では、大当たり開始インターバル管理処理を行う。このステップでは、制御状態フラグが大当たり開始インターバル管理を示すデータ“03”であるときは、ステップ73でセットされた大当たり開始対応時間だけ待機し、大当たり開始対応時間が経過したのち、大入賞口の開放させるため、メインROM32から読み出されたデータに基づいてメインRAM33に位置づけられた変数を更新する。さらに、メインCPU31は大入賞口開放中を示すデータ“04”を制御状態フラグにセットし、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口時間タイマにセットする。つまり、ステップ77の処理を行うようにする。
【0067】
ステップ76に進むと、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を行う。このステップでは、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理を示すデータ“06”であるときは、ラウンド間インターバルに対応する時間だけ待機する。メインCPU31はラウンド間インターバルに対応する時間を経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを“1”加算して更新し、大入賞口開放中を示すデータ“04”を制御状態フラグにセットし、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口時間タイマにセットする。
【0068】
ステップ77では、大入賞口開放中処理を行う。このステップでは、制御状態フラグが大入賞口開放中を示すデータ“04”であるときに以下の処理を行い、“04”でなければ行わないようになっている。すなわち、メインCPU31は、大入賞口入賞カウンタが10以上であるか、開放上限時間を経過した(大入賞口時間タイマが“0”)の何れかを満たすときに、大入賞口を閉鎖させるためメインRAM33に位置づけられた変数を更新する。また、メインCPU31は制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示すデータ“05”をセットして、大入賞口内残留監視時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットし、大入賞口内残留監視時間を経過したのち、ステップ78を実行するように設定する。何れかも満たしたと判定されないときは、上述の処理を実行することなくステップ78に進む。
【0069】
ステップ78では、大入賞口内残留球監視処理を行う。このステップでは制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示すデータ“05”であるときに以下の処理を行い、“05”でなければ行わないようになっている。メインCPU31は、大入賞口内残留球監視時間が経過したときに、大入賞口における特定領域を遊技球が通過しなかったこと、または大入賞口開放回数カウンタが15以上であるか(最終ラウンドか)否かの条件の何れかを満たしたかどうかを判定し、何れかを満たしているときは大当たり終了インターバルを示すデータ“07”を制御状態フラグにセットして大当たり終了インターバルに対応する時間(以下「大当たり終了対応時間」という)を待ち時間タイマにセットする。これにより、大当たり終了対応時間を経過したのち、ステップ79を実行するように設定する。いすれも満たされない場合は大入賞口再開放待ち時間管理を示すデータ“06”を制御状態フラグにセットする。また、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットし、その待ち時間を経過したのち、ステップ76を実行するように設定する。
【0070】
ステップ79では、大当たり終了インターバルを行う。このステップでは制御状態フラグが大当たり終了インターバルを示すデータ“07”であるときに以下の処理を行い、“07”でなければ行わないようになっている。メインCPU31は、大当たり終了インターバルに対応する時間だけ待機して、特別図柄ゲーム終了を示すデータ“08”を制御状態フラグにセットする。メインCPU31は所定の確率変動条件を満たした場合(大当たり図柄が確変大当たり図柄になったとき)に、大当たり確率を変動させるため、高確率フラグに所定のデータをセットする。
【0071】
ステップ80では、特別図柄ゲーム終了処理を行う。このステップでは制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示すデータ“08”であるときに以下の処理を行い、“08”でなければ行わないようになっている。メインCPU31は、保留個数を示すデータを“1”減らすように更新し、大当たり判定用乱数カウンタ、大当たり停止態様選択用乱数カウンタの各カウント値を順次シフトさせる。ステップ80が終了すると、ステップ2の特別図柄制御処理が終了し、ステップ3に進む。
【0072】
ステップ3では、液晶表示装置15に表示される普通図柄に関する制御を行う普通図柄制御処理を行う。処理を開始すると、普通図柄制御状態フラグを読出し、そのフラグに応じて普通図柄の変動時間、停止表示された普通図柄の態様を監視する。そして、その普通図柄の態様が所定の態様であるときは普通電動役物の開放、閉鎖を示す変数をメインRAM70に記憶して、普通図柄制御処理が終了する。
【0073】
ステップ3に続いてステップ4に進み、乱数更新処理を行う。ここでは、はずれ図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値、演出条件選択用乱数値などを所定の演算方法により更新する乱数更新処理を行って処理を終了する。そして、ステップ2に戻り繰返しルーチンが繰り返し行われる。
【0074】
(システムタイマ割込処理の動作手順)
主制御回路30では、上述したメイン制御処理とともに、割込許可フラグが設定されていることを条件に、主として、メイン制御処理で用いられる乱数を更新するため、定期的(例えば2msごと)にメイン制御処理に割込むシステムタイマ割込み処理を図10に示すフローチャートに沿って実行している。以下、システムタイマ割込処理の動作手順を図10に示すフローチャートを参照して説明する。
【0075】
図10に示すように、パチンコ遊技機1は、システムタイマ割込処理を開始すると、ステップ91で、メモリ内の記憶領域(レジスタ)に記憶された、メイン制御処理における実行中のプログラムを一旦退避させてステップ92に進む。ステップ92ではメインCPU31が、大当たりの判定や飾り図柄の可変パターンに用いる乱数の更新処理を行い、続くステップ93ではスイッチ入力検出処理を行う。
【0076】
スイッチ入力検出処理では、賞球関連スイッチの入力チェック、特別図柄ゲーム関連のスイッチ入力チェック、普通図柄関連のスイッチ入力チェックを行う。特別図柄ゲーム関連のスイッチ入力チェックでは、Vカウントスイッチ11S、カウントスイッチ11CS、始動入賞口スイッチ9Sそれぞれの検出信号の出力チェックを行い、始動入賞口スイッチ9Sからの出力があると、始動記憶数カウンタが4未満のときに以下の処理を行い、4以上の場合は以下の処理を行わない(可変表示中や大当たり中に始動入賞口9に遊技球が入賞した場合は最大4つまで始動記憶として乱数を記憶するため)。
【0077】
そして、大当たり判定用乱数カウンタから大当たり判定用乱数値を抽出し、大当たり停止態様選択用乱数カウンタから大当たり図柄用乱数値を抽出する。また、抽出した大当たり判定用乱数および大当たり図柄用乱数をメインRAM33に記憶させ、これらの乱数がステップ115〜ステップ117における大当たり判定用前処理、大当たり判定処理および大当たり図柄の決定に用いられる。これをもってスイッチ入力検出処理を終了する。
【0078】
次にステップ94に進み、タイマ更新処理によって、主制御回路30と副制御回路40の同期をとるタイマなどを更新し、続くステップ95では、遊技情報データ生成処理を行い、パチンコ遊技機1から図示しないホールコンピュータへの出力信号を生成する。続いてステップ96に進み、メインRAM33に記憶されているデータに基づき各ソレノイド、モータのON,OFFを制御するなどして出力処理を行い、続くステップ97で各種コマンドを出力するコマンド出力を行い、各種のコマンドを副制御回路40に出力する。また、ステップ98,99と続いて、ランプ制御処理(ランプ点滅コマンドを副制御回路40に出力する処理)および払出処理(賞球数を示すデータを含む賞球コマンドを払出装置81に出力する処理)を順次実行する。なお、払出装置81は賞球コマンドに対応する賞球の払出しを行う。また、ステップ100では退避させたメイン制御処理のプログラムのレジスタを復帰させ、メイン制御処理を中断した(退避させた)時点から再開する。さらに、ステップ101に進んで、メインRAM33の変数、フラグ等を更新して割込許可を行うと、システムタイマ割込処理が終了する。
【0079】
(副制御回路の動作手順)
本実施形態のパチンコ遊技機1にあっては、遊技者が遊技する遊技状態又は所定時間遊技が行われないデモ状態である第1モードと、遊技釘を調整可能な状態又は遊技釘調整情報を変更可能な状態である第2モードと、を有し、この第1モードにおける映像や音声等の演出に必要な制御及び第2モードにおけるパチンコ遊技機1の制御は副制御回路40で行われている。以下、図12〜図21を参照して、副制御回路40における制御及び第2モードについて説明する。
【0080】
図12はサブ制御処理の動作手順を示すフローチャートである。サブ制御処理では、先ず、ステップ121で、初期化処理を行う。次に、ステップ122では、判定用図柄及び飾り図柄を決定する乱数値を更新する。続くステップ123では、主制御回路30から送られてくる可変パターン、画像表示要求、音声発生要求、ランプ点滅要求等のコマンドの解析を行う。そして、ステップ124では、上記コマンドに基づいて表示領域15aに表示させる画像に関する表示制御処理(詳しくは後述)を行う。
【0081】
また、ステップ125では、主制御回路30からのコマンドに基づいてスピーカ17L,17Rから発生させる音声に関する音声制御処理を行う。この音声制御処理では、音源IC61は、音声データROM63から音声データを読み出し、音声データを所定の音声信号に変換して、その音声信号をAMP62に供給する。このAMP62は、音声信号を増幅して、スピーカ17L,17Rから音声を発生させる。
【0082】
さらに、ステップ126では、主制御回路30からのコマンドに基づいて装飾ランプ18L,18Rの点滅に関するランプ制御処理を実行する。このランプ制御処理では、サブCPU41は、装飾データROM71からランプ装飾パターンを読み出し、ドライブ回路72を介して、装飾ランプ18L,18Rを点滅させる。以降ステップ122〜ステップ126を繰り返し実行する。
【0083】
(コマンド受信割込処理)
副制御回路40は、上記サブ制御処理中に、主制御回路30からの可変パターンや表示要求コマンド及びモード切換スイッチ27からのON/OFF信号を受信するため、コマンド受信割込処理を行う。図13は、コマンド受信割込処理の動作手順を示すフローチャートである。
【0084】
主制御回路30から送信されてくる各種コマンド及びモード切換スイッチ27から送信されてくるON/OFF信号は、副制御回路40がサブ制御処理実行中にコマンド受信割込処理を実行して受信される。このコマンド受信割込処理は以下のようなステップで構成されている。先ず、ステップ131で、副制御回路40は、保護レジスタを退避し、次に、ステップ132では、送信されてきたコマンド等をサブRAM43に記憶させ、ステップ133において、保護レジスタを復帰して、ステップ134で、割込みを許可して、処理を復帰する。
【0085】
(表示制御処理)
上記のコマンド受信割込処理によって受信された可変パターンなどのコマンドに基づいて、サブ制御処理(図12参照)のステップ124で、飾り図柄などを表示させる表示制御処理を実行する。以下、表示制御処理について、図14を参照しながら説明する。
【0086】
図14は、表示制御処理の動作手順を示すフローチャートである。先ず、ステップ141では、サブCPU41からの指令に基づいて、VDP51は、画像データROM54aから図柄等の画像データを読み出し、この画像データをD/Aコンバータ52で所定の画像信号に変換して、表示領域15aに図柄を表示させる。
【0087】
次に、ステップ142では、サブCPU41からの指令に基づいて、VDP51は、画像データROM54aからキャラクタ等の画像データを読み出し、この画像データをD/Aコンバータ52で所定の画像信号に変換して、表示領域15aにキャラクタを表示させる。
【0088】
続くステップ143では、副制御回路40は、上記のコマンド受信割込処理によって受信されたモード切換スイッチ27からのON/OFF信号に基づいて、モード切換スイッチ27がONであるかOFFであるかを判定し、OFFである場合には、表示制御処理を終了して、図12に示すサブ制御処理に復帰する。モード切換スイッチ27がONである場合には、第1モードから図15に示す第2モードに関する処理を開始する。このように、パチンコ遊技機1の背面側に設けられたモード切換スイッチ27の操作に基づいて、第2モードへの移行が行われるため、遊技者による第2モードへの勝手な移行が防止されている。
【0089】
(第2モードに関する処理)
以下、第2モードに関する処理について、図15を参照しながら説明する。図15は、第2モードに関する処理の動作手順を示すフローチャートである。操作者は、遊技釘8を調整、遊技釘調整情報を変更する際には、前述したモード切換スイッチ27をONにしパチンコ遊技機1を第2モードに切り換える。この第2モードは、遊技釘調整情報に基づく画像を液晶表示装置15に表示する「遊技釘調整画像表示モード」と、遊技釘調整情報として記憶されているデータを変更する「遊技釘調整情報変更モード」とがある。
【0090】
先ず、ステップ151では、パチンコ遊技機1を第2モードへ移行させる。この第2モードでは、サブCPU41は、画像データRAM54bに記憶されている図16に示すモード選択画像(メニュー画面)の画像情報を読み出し、このモード選択画像を表示するように液晶表示装置15に指令を送り、表示領域15aにモード選択画像を表示させる。このとき、表示領域15aに、「遊技釘調整画像表示モード」、「遊技釘調整情報変更モード」、「終了」という文字を上から順に表示させると共に、これらの各項目が選択されていることを指示するための項目選択カーソル20dを表示させる。操作者は、遊技釘8の調整を行う場合には、項目選択カーソル20dを選択ボタン20b,20cで移動させ、「遊技釘調整画像表示モード」を選択して決定ボタン20aを押す。また、操作者は、遊技釘調整情報を変更したい場合には、「遊技釘調整情報変更モード」を、第2モードに関する処理を終了させたい場合には、「終了」をそれぞれ選択する。
【0091】
次に、ステップ152では、副制御回路40は、「遊技釘調整画像表示モード」が選択されているか否かを判定し、「遊技釘調整画像表示モード」が選択されている場合には、ステップ153へ移行し、選択されていない場合には、ステップ164へ進む。
【0092】
ステップ164では、副制御回路40は、「遊技釘調整情報変更モード」が選択されているか否かを判定し、「遊技釘調整情報変更モード」が選択されている場合には、ステップ165へ移行し、選択されていない場合には、第2モードに関する処理を終了させる。この「遊技釘調整情報変更モード」については後述する。
【0093】
上述したように、「遊技釘調整画像表示モード」が選択された場合には、ステップ153で、機種確認処理を行う。ここでは、サブCPU41は、主制御回路30から送信された性能情報コマンドを受信し、この性能情報コマンドに基づいてパチンコ遊技機1の機種を認識し、画像データRAM54bに記憶されている遊技釘調整情報の中からパチンコ遊技機1の性能に対応する複数情報の遊技釘調整情報を特定する。
【0094】
続くステップ154では、サブCPU41は、画像データRAM54bに記憶されている画像情報を読み出し、表示領域15aに、図17に示す遊技設定情報入力画像を表示させる。この遊技設定情報入力画像には、その上部に作業名称として「データ入力中」と表示され、その下側には、複数種類の遊技設定情報、「終了」という文字及び項目選択カーソル20dが表示される。具体的には遊技設定情報として、左側に、「機種名」、「単位始動数」、「大当り出玉」、「ベース」、「出玉率」等の各項目が上から下へ順に表示され、その右側に、対応するデータが順に表示される。なお、「機種名」以外の項目(「単位始動数」、「大当り出玉」、「ベース」、「出玉率」)に対応するデータを釘調整目標値と呼ぶこととする。次に、遊技設定情報の項目について説明する。
【0095】
「機種名」とは、パチンコ遊技機1の性能(スペック)を示すものである。例えば「花火X」と「花火E」とでは、遊技釘8全体の配置構成が同一であっても、性能が異なる。この「花火X」に対して各「単位始動数」、「大当り出玉」、「ベース」、「出玉率」に対応する遊技釘調整情報が設定されている。また「花火E」に対しても同様である。因みに、本実施形態では、機種名は、「花火X」とされ、表示領域15aには、ステップ153で受信した性能情報コマンドに基づいて、「機種名:花火X」と表示する。
【0096】
「単位始動数」とは、1分間当たりに表示領域15aに表示される図柄の変動する回転数であり、例えば、単位始動数が6.0の場合には、1分間当たり6回の図柄変動が行われ、始動入賞口9にこれに相当する遊技球が入球することを想定している。すなわち、始動入賞口9の上方に対向して配置された命釘8a,8bの調整により「単位始動数」が変動する。本実施形態では、単位始動数は、6.0とされ、表示領域15aには、「単位始動数:6.0」と表示される。なお、釘調整目標値は、上記及び以下に述べる数値に限定されない。
【0097】
「大当たり出玉」とは、1回の大当たりにおいて払出装置81により払い出される遊技球の個数である。本実施形態では、大当り出玉は、2250とされ、表示領域15aには、「大当り出玉:2250個」と表示される。
【0098】
「出玉率」とは、1日の営業中に遊技客に還元された遊技球の数量を示す比率であり、パチンコ遊技機1に補給された遊技球の総数(以下、「セーフ」という)を発射装置80により発射された遊技球の総数(以下、「アウト」という)で割ったものを百分率で表したものである。例えば、セーフが60,000で、アウトが50,000である場合、出玉率は、120%となる。本実施形態では、出玉率は、120%とされ、表示領域15aには、「出玉率:120%」と表示される。
【0099】
「ベース」とは、大当たり中以外での出玉率を示すものであり、「大当たり中を除くセーフ」を「大当たり中を除くアウト」で割ったものである。すなわち、大当たりに至るまでに、遊技客が費やした遊技球の数量を示す比率である。例えば、セーフが60,000、アウトが50,000、大当たり中のセーフが57,000、大当たり中のアウトが40,000である場合、ベースは、30%となる。本実施形態では、ベースは、30%とされ、表示領域15aには、「ベース:30%」と表示される。
【0100】
そして、この状態で操作者は、図17に示す遊技設定情報入力画像を見ながら釘調整目標値の入力を行う。具体的には、操作者は、遊技設定情報入力画像に表示された釘調整目標値を変更する場合には、項目選択カーソル20dを選択ボタン20b,20cで移動させ、所望の項目、例えば「単位始動数」を選択して決定ボタン20aを押し、再び選択ボタン20b,20cを操作して、釘調整目標値を変更し所望の値を選択し決定ボタン20aを押して入力する。また、操作者は、遊技設定情報入力画像に表示された釘調整目標値の入力を行わない場合には、項目選択カーソル20dを選択ボタン20b,20cで移動させ「終了」を選択して決定ボタン20aを押す。
【0101】
従って、ステップ155では、副制御回路40は、決定ボタン20a及び選択ボタン20b,20cからの信号に基づいて、選択された項目を判定し、その項目に対応する釘調整目標値を変更可能状態と設定する。このとき、副制御回路40は、対応する釘調整目標値に対して「下線」、「?」等を表示する。例えば、「単位始動数:6.0?」と表示させる。これにより、操作者は、どの釘調整目標値が変更可能な状態か容易に認識することができる。
【0102】
次に、副制御回路40は、選択ボタン20b,20cからの信号に基づいて、対応する釘調整目標値の表示を増減させる。例えば、選択ボタン20bが押された場合には釘調整目標値を減少させ、選択ボタン20cが押された場合には釘調整目標値を増加させる。そして、決定ボタン20aからの信号を待ち、信号を受信したら、表示されている釘調整目標値を入力された釘調整目標値と判定する。
【0103】
次いで、サブCPU41は、釘調整目標値が入力されたか否かを判定し、入力されていない場合には、ステップ157に移行し、入力されている場合には、ステップ156に進む。
【0104】
ステップ156では、遊技設定情報入力処理を行う。ここでは、サブCPU41は、画像データRAM54bに記憶されている、「花火X」に対応し「単位始動数」、「大当り出玉」、「ベース」、「出玉率」に対応して記憶されている複数の遊技釘調整情報の中からステップ155で設定された遊技設定情報(例えば、「単位始動数:6.0」、「大当り出玉:2250個」、「ベース:30%」、「出玉率:120%」)に対応する遊技釘調整情報を決定する。
【0105】
次に、ステップ157では、副制御回路40は、「終了」が選択された状態で、決定ボタン20aが押されたか否かを判定し、決定ボタン20aが押されていない場合には、釘調整目標値入力中と判断して、上述したステップ155〜ステップS157を繰り返し、決定ボタン20aが押された場合には、釘調整目標値入力終了と判断して、ステップ158に進む。
【0106】
続くステップ158では、サブCPU41は、ステップ156で決定された遊技設定情報に対応する遊技釘調整情報を読み出し、表示領域15aに図18に示すように遊技釘調整情報に基づく画像を、調整すべき複数の遊技釘8a〜8jの近傍に表示させる。具体的には、サブCPU41は、矢印92a〜92jを、その矢印92a〜92jの根元が遊技釘8a〜8jの根元に対応するように表示させる。これらの矢印92a〜92jの方向は、対応する遊技釘8a〜8jの調整方向をそれぞれ示している。さらに、遊技釘8a〜8jの近傍には、対応する遊技釘8a〜8jの開け閉め量がmm単位で表示されている。なお、命釘となる遊技釘8a,8bの開け閉め量は、遊技釘8aの先端と遊技釘8bの先端との距離を示している。ここでは、遊技釘調整情報である遊技釘8a〜8jの開け閉め量及び矢印92a〜92jを、調整すべき複数の遊技釘8a〜8jの近傍に表示しているが、遊技釘8a〜8jに重なるように表示してもよい。また、図が煩雑になるのを避けるため、図18〜図21においては遊技釘8以外の入賞口等は省略されている。
【0107】
さらに、サブCPU41は、調整すべき複数の遊技釘8a〜8jのうちの少なくとも1本(例えば図18では遊技釘8a)を自動的に選定し、画像データRAM54bから遊技釘調整中情報を読み出し、遊技釘調整中情報に基づく画像を、選定された遊技釘8aに重なるように表示させる。すなわち、遊技釘8aの根元に対応する位置に、カーソル20eを表示させる。このカーソル20eは、二重丸形状「◎」を成し、その中に遊技釘8aが重なって位置するように表示する。このカーソル20eが本実施形態の遊技釘調整中情報に基づく画像とされている。そして、操作者は、この状態で、カーソル20eにより指し示された遊技釘8aに対して、遊技釘調整作業を行う。このように、次に遊技釘調整を行う遊技釘8が自動的に選択表示されるため、機能性及び利便性が向上されると共に、遊技釘調整を効率良く行うことが可能である。なお、後述するステップ163からの戻り処理の場合には、まだ遊技釘調整作業が終了していない遊技釘8の中から少なくとも1本の遊技釘8を自動的に選定する。この遊技釘8の選定の順序は、近隣の遊技釘8から順に選定してもよく、重要度の高い遊技釘8から順に選定してもよい。
【0108】
また、遊技釘調整中情報に基づく画像であるカーソル20eの形状は、「◎」に限定されず、例えば円形「○、●」、矩形「□、◇」、多角形「△」及びその他の形状「☆」等であってもよい。また、カーソル20eを表示する位置は、遊技釘8aに重なるように見える位置に限定されず、遊技釘8aの近傍であっても良く、この場合には、遊技釘8aを指し示す矢印等であっても良く、要は、カーソル20eの表示により、操作者が遊技釘調整作業を行う遊技釘8を認識できればよい。
【0109】
この状態において表示領域15aには、遊技釘8が設けられていない略中央の部分に、作業名称として「釘調整中」と表示され、その下側には、上述した複数の遊技設定情報が各々表示されている。
【0110】
ここで、操作者は、カーソル20eにより指示された遊技釘8aの調整作業が終了したら、決定ボタン20aを押すこととする。
【0111】
次に、ステップ159では、副制御回路40は、決定ボタン20aからの信号に基づいて、カーソル20eにより指示された遊技釘8aの調整作業が終了したか否かを判定する。決定ボタン20aからの信号を検知しない場合には、その遊技釘調整作業が終了していないと判定し、ステップ163に進み、決定ボタン20aからの信号を検知した場合には、その遊技釘調整作業が終了したと判定し、ステップ160に進む。
【0112】
続くステップ160では、遊技釘調整済表示処理を行う。ここでは、サブCPU41は、画像データRAM54bに記憶されている遊技釘調整済情報を読み出し、表示領域15aに、図19に示すように遊技釘調整済情報に基づく画像を、調整作業が終了した遊技釘8aに重なるように表示させる。すなわち、遊技釘調整中情報に基づくであるカーソル20eに代えて、遊技釘調整済情報に基づく画像であるカーソル20fを表示させる。また、遊技釘調整作業が済んだ遊技釘8aに対して表示されていた矢印92及びこれに対する遊技釘8の開け閉め量の表示を消去させる。
【0113】
遊技釘調整済情報に基づく画像であるカーソル20fの表示として、ここでは円形状「○」を採用し、このカーソル20fは、その中に遊技釘8aが重なって位置するように表示される。これにより、操作者は、カーソル20fにより指示された遊技釘8aが釘調整作業終了したものと、容易に認識することができる。なお、カーソル20eの形状は、「○」に限定されず、その他の形状であってもよい。ただし、上述した遊技釘調整中情報に基づく画像であるカーソル20eとの違いを容易に認識できるものであることが要求される。また、遊技釘調整済情報に基づく画像であるカーソル20fを表示する位置は、遊技釘8に重なるように見える位置に限定されず、遊技釘8の近傍であってもよく、この場合には、遊技釘8を指し示す矢印等であっても良く、要は、カーソル20fの表示により、操作者が遊技釘調整作業が終了した遊技釘8を認識できれば良い。また、命釘8a,8bに対する開け閉め量の表示は、命釘8a,8bの両方の遊技釘調整作業が終了した後に消去する。
【0114】
ステップ161では、調整すべき複数の遊技釘8a〜8jの全てについて、遊技釘調整作業が終了したか否かを判定する。サブCPU41は、遊技釘8a〜8jの全てに対して技釘調整済情報に基づく画像であるカーソル20fが表示されている場合には、遊技釘調整作業が終了したと判定して、ステップ162に移行し、遊技釘調整中情報に基づく画像であるカーソル20eの表示が残っている場合には、遊技釘調整作業が終了していないと判定して、ステップ163に進む。
【0115】
ステップ162では、サブCPU41は、遊技釘調整作業終了表示処理を実行する。ここでは、サブCPU41は、画像データRAM54bに記憶されている終了情報に基づく画像を読み出し、表示領域15aに、図20に示すように終了情報に基づく画像を表示させる。この終了情報に基づく画像では、「釘調整作業完了」という文字を表示させる。これにより、操作者は、調整すべき複数の遊技釘8a〜8j全ての調整が終了したことを容易に認識することができる。なお、終了情報に基づく画像は、「釘調整作業完了」という文字が表示されているものに限定されず、その他の文字、記号及び図等であっても良く、要は、操作者が、調整すべき複数の遊技釘8a〜8j全ての調整が終了したことを認識できれば良い。
【0116】
次いで、ステップ163では、副制御回路40は、操作者により操作されるモード切換スイッチ27からのON/OFF信号に基づいて、遊技釘調整画像表示モード終了条件が成立しているか否かを判定する。副制御回路40がON信号を受信した場合には、遊技釘調整画像表示モード終了条件が成立していないと判定し、ステップ158〜ステップ163を繰り返し、OFF信号を受信した場合には、終了条件が成立したと判定し、第2モードに関する処理を終了して、第1モードへと切り換え、図12に示すサブ制御処理のステップ124の表示制御処理に戻る。
【0117】
次に、遊技釘調整情報変更モードについて説明する。操作者は、例えば、遊技機製造元が当初定めた遊技釘調整情報通りに各遊技場が遊技釘調整を行っても遊技場に設置される遊技機の傾き等により設定通りの稼動とならない場合や、遊技機製造元が当初定めた遊技釘調整情報に誤りがあった場合などに、遊技釘調整情報の変更を行うことができる。以下、この遊技釘調整情報変更モードについて説明する。上述したように、ステップ164で、「遊技釘調整情報変更モード」が選択されている場合には、ステップ165で、機種確認処理を行う。ここでは、サブCPU41は、主制御回路30から送信された性能情報コマンドを受信し、この性能情報コマンドに基づいてパチンコ遊技機1の機種(「花火X」)を認識し、画像データRAM54bに記憶されている複数の遊技釘調整情報の中からパチンコ遊技機1の機種(「花火X」)に対応する複数の遊技釘調整情報を特定する。
【0118】
続くステップ166では、サブCPU41は、画像データRAM54bに記憶されている画像情報を読み出し、表示領域15aに、図21に示す遊技釘調整情報変更画像を表示させる。具体的には、遊技釘8が設けられていない略中央の部分に、作業名称として「データ変更中」と表示し、その下側には、上述した遊技設定情報、遊技釘調整情報、「終了」という文字を上から順に表示させると共に、これらの各項目が選択されていることを指示するための項目選択カーソル20dを表示させる。また、調整すべき複数の遊技釘8a〜8jの近傍には、矢印92a〜92jを、その矢印92a〜92jの根元が遊技釘8a〜8jの根元に対応するように表示させる。これらの矢印92a〜92jの方向は、対応する遊技釘8a〜8jの調整方向をそれぞれ示している。さらに、遊技釘8a〜8jの近傍には、対応する遊技釘8a〜8jの開け閉め量が表示される。そして、調整すべき複数の遊技釘8a〜8jの何れか1本には、その遊技釘8が選択されていることを指示するための遊技釘選択カーソル20gが表示される。ここでは、遊技釘選択カーソル20gとして「○」を採用することとするが、上述した遊技釘調整中情報に基づく画像であるカーソル20eや遊技釘調整済情報に基づく画像であるカーソル20fと同一の形状でも良く、異なる形状でも良い。
【0119】
そして、この状態で操作者は遊技釘調整情報の変更作業を行う。まず、操作者は、選択ボタン20b,20cを押して、遊技釘選択カーソル20gを移動させ、遊技釘調整情報(遊技釘の開け閉め量や遊技釘調整方向)の変更を行う遊技釘8(例えば、遊技釘8d)を選択し、決定ボタン20aを押す。次に操作者は、選択ボタン20b,20cを押して、項目選択カーソル20dを移動させ、遊技釘8の開け閉め量を変更する場合には「距離」を選択し、遊技釘調整方向を変更する場合には「角度」を選択し、決定ボタン20aを押す。次いで操作者は、選択ボタン20b,20cを押して、数値を増減させ、所望の値を選択して、決定ボタン20aを押して、データを変更する。
【0120】
従って、ステップ167では、副制御回路40は、決定ボタン20a及び選択ボタン20b,20cからの信号に基づいて、選択された遊技釘8を判定し、この遊技釘8に関する遊技釘調整情報を画像データRAM54bから読み出し、表示領域15aの中央部に表示させる。この場合、例えば「距離:2.0mm→2.0mm」、「角度:4時→4時」と表示する。次に、副制御回路40は、決定ボタン20a及び選択ボタン20b,20cからの信号に基づいて、選択された項目(例えば、距離)を判定し、その項目に対応するデータを変更可能状態と設定する。このとき、副制御回路40は、対応するデータに対して「下線」、「?」等を表示する。表示領域15aの中央部には、「距離:2.0mm→2.0mm?」と表示されている。
【0121】
次いで、副制御回路40は、選択ボタン20b,20cからの信号に基づいて、対応するデータの表示を増減させる。そして、決定ボタン20aからの信号を待ち、信号を受信したら、表示されているデータを入力されたデータと判定する。副制御回路40は、データ入力の有無を判定し、データ入力がない場合には、ステップ169に移行し、データ入力がある場合には、ステップ168に進む。
【0122】
ステップ168では、遊技釘調整情報変更処理を行う。ここでは、サブCPU41は、画像データRAM54bに変更された遊技釘調整情報を記憶させる。
【0123】
次に、ステップ169では、副制御回路40は、「終了」が選択された状態で、決定ボタン20aが押されたか否かを判定し、決定ボタン20aが押されていない場合には、データ変更作業中と判断して、ステップ170に進み、決定ボタン20aが押された場合には、データ変更作業終了と判断して、第2モードに関する処理を終了させる。
【0124】
ステップ170では、副制御回路40は、操作者により操作されるモード切換スイッチ27からのON/OFF信号に基づいて、遊技釘調整画像表示モード終了条件が成立しているか否かを判定する。副制御回路40がON信号を受信した場合には、遊技釘調整画像表示モード終了条件が成立していないと判定し、ステップ166〜ステップ170を繰り返し、OFF信号を受信した場合には、終了条件が成立したと判定し、第2モードに関する処理を終了させる。
【0125】
このように、本実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技釘8が設けられた遊技領域4aのその背面側に透光性部材14を介して視認可能に配置されている表示領域15aに、遊技釘調整情報に基づく画像が表示され、この遊技釘調整情報に基づく画像が、その遊技釘8と重なるように又はその遊技釘8の近傍に位置するように表示されるため、携帯端末や遊技釘調整用のマニュアルを用いること無く遊技盤4を見ながら遊技釘調整を行えると共に、この遊技釘調整情報に基づく画像が遊技釘調整の目安となる。その結果、経験が乏しい者であっても遊技釘調整を容易且つ円滑に行うことができる。また、遊技釘調整情報は遊技釘8全体の配置構成が同一でパチンコ遊技機1の性能を示す性能情報ごとに複数情報記憶され、この複数情報の中から、そのパチンコ遊技機1の性能(例えば「花火X」、「花火E」等)に対応する遊技釘調整情報が決定されて遊技釘8と重なるように又はその遊技釘8の近傍に位置するように表示されるため、人手による遊技釘調整表の管理が不要とされると共に、性能に応じた遊技釘調整情報に基づく画像が提供される。その結果、遊技釘調整表の管理の煩わしさから解放されると共に、遊技釘8の全体の配置構成(ゲージ構成)が同一で性能(スペック)が異なるパチンコ遊技機の遊技釘調整の混同を防止することができる。
【0126】
また、パチンコ遊技機1の性能に応じて遊技の動作を制御する主制御回路30を備え、この主制御回路30は、主制御回路30を有するパチンコ遊技機1の性能情報を性能情報コマンドとして送信し、サブCPU41は、主制御回路30により送信された性能情報コマンドを受信し当該受信した性能情報コマンドに基づいて、画像データRAM54bに記憶された複数の遊技釘調整情報の中から、受信した性能情報コマンドに対応する遊技釘調整情報を決定する構成であるため、操作者による所定の操作等が無くても、性能に応じた遊技釘調整情報が自動的に決定される。その結果、機能性及び利便性が向上されている。
【0127】
なお、本実施形態では、ステップ153でパチンコ遊技機1の機種確認を主制御回路30からの信号に基づいて自動的に行っているが、ホールコンピュータからの信号に基づいて行っても良く、また、ステップ153を省略してステップ155で決定ボタン20a及び選択ボタン20b,20c(性能情報入力操作手段)の操作者による所定の操作により機種の入力を行っても良い。このように、操作者の所定の操作により入力を行うと、操作者の好みのタイミングでパチンコ遊技機1の性能情報の入力が可能とされるため、機能性及び利便性が向上される。
【0128】
また、遊技釘調整情報が変更可能であるため、この遊技釘調整情報を個々の遊技機1に応じて最適化すること、遊技釘調整情報の誤りを修正して当該遊技釘調整情報を最新化すること等が可能となる。その結果、より正確な遊技釘調整情報を有することができる。
【0129】
また、操作者により所定に操作される決定ボタン20a及び選択ボタン20b,20cと、この決定ボタン20a及び選択ボタン20b,20cの操作者による所定の操作に基づいて画像データRAM54bに記憶された遊技釘調整情報を変更するサブCPU41と、を備えているため、操作者の好みのタイミングで遊技釘調整情報の変更が可能とされている。その結果、機能性及び利便性が向上されている。
【0130】
また、遊技者が決定ボタン20a及び選択ボタン20b,20cを操作して画像データRAM54bに記憶された遊技釘調整情報を変更することを制限するモード切換スイッチ27を備えているため、遊技釘調整情報の変更を遊技場側に限定することが可能とされている。その結果、遊技者による勝手な変更が防止される。また、遊技機製造元が当初定めた遊技釘調整情報通りに各遊技場が遊技釘調整を行っても、遊技場に設置される遊技機の傾き等により設定通りの稼動とならない場合があるが、上記のように遊技場側による遊技釘調整情報の変更が可能とされているため、その遊技場の個々の遊技機に応じて遊技釘調整情報を最適化することが可能である。また、遊技機製造元が当初定めた遊技釘調整情報に誤りがあっても、上記のように遊技場側による遊技釘調整情報の変更が可能とされているため、遊技場側で遊技釘調整情報の誤りを修正して最新化することが可能である。
【0131】
なお、パチンコ遊技機1の背面側に設けられたモード切換スイッチ27を、遊技釘調整情報変更操作制限手段としているが、例えばパチンコ遊技機1の正面側に設けられたボタン20a〜20c等を用いて、パスワード入力等の操作後に入力操作可能とする遊技釘調整情報変更操作制限手段としても良い。さらに、ホールコンピュータ等の指令を行う手段を技釘調整情報変更操作制限手段としても良い。さらに、また、タイマー等を用いて、時間設定を行い、営業時間以外に操作を可能とする遊技釘調整情報変更操作制限手段としても良い。
【0132】
また、遊技釘8の開け閉め量や遊技釘調整方向等の遊技釘調整情報は遊技設定情報(例えば単位始動数等のパチンコ遊技機に対して遊技場側が所定に管理する管理値)に応じて複数情報記憶され、決定ボタン20a及び選択ボタン20b,20cにより所定の遊技設定情報(例えば「単位始動数:6.0」等)が入力されると、複数の遊技釘調整情報の中から所定の遊技設定情報に対応する遊技釘調整情報が決定されて遊技釘8と重なるように又はその遊技釘8の近傍に位置するように表示されるため、人手による遊技釘調整表の管理が不要とされる。その結果、遊技釘調整表の管理の煩わしさから解放される。
【0133】
また、調整すべき複数の遊技釘8a〜8jの少なくとも一本の遊技釘に対して、遊技釘8を調整中であることを示す遊技釘調整中情報に基づく画像がその遊技釘8と重なるように又はその遊技釘8の近傍に位置するように表示される一方で、該当する遊技釘8の調整終了を示す操作である操作者による所定の操作が検知されると、当該遊技釘8に対して、遊技釘8を調整済であることを示す遊技釘調整済情報に基づく画像がその遊技釘8と重なるように又はその遊技釘8の近傍に位置するように表示されるため、未調整の遊技釘8と調整済の遊技釘8との識別が可能とされている。その結果、遊技釘調整を効率良く行うことが可能である。
【0134】
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態にあっては、遊技設定情報として、「単位始動数」、「大当り出玉」、「ベース」、「出玉率」を挙げているが、例えば、「営業割数」、「大当たり中アウト」、「大当たり中の寄り」、「ベース中アウト」、「ベース中差玉」を始めとしたその他の遊技情報データを遊技設定情報としても良い。ここでいう、「営業割数」とは、パチンコ遊技機1の売上げ金額における遊技客に還元された金額の割合を示すものであり、「大当たり中アウト」とは、大当たり(特賞)中に発射装置80により発射された遊技球の個数の平均値であり、「大当たり中の寄り」とは、大当たり中に遊技客が実際に獲得する遊技球の個数であり、「ベース中アウト」とは、大当たり終了から次の大当たりまでのアウトの平均値を示すものであり、「ベース中差玉」とは、大当たり終了から次の大当たり開始までの間の差玉(アウト−セーフ)の平均値を示すものである。
【0135】
また、上記実施形態にあっては、遊技釘調整情報変更操作手段として、ボタン20a〜20cを採用しているが、例えば十字キーやタッチパネル等を備え、これらの十字キーやタッチパネルを用いて、所定の操作を行うようにしても良い。さらに、所定の通信手段からの所定の信号の受信に基づいて、画像データRAM54bに記憶された遊技釘調整情報をサブCPU41を遊技釘調整情報通信変更手段として変更する構成としても良い。これにより、遊技釘調整情報を変更する際に操作者が操作手段を一々操作する必要が無く、所定の通信手段からの所定の信号を受信すれば良いため、機能性及び利便性が向上される。このような通信手段による遊技釘調整情報の変更は、特に、遊技機製造元が当初定めた遊技釘調整情報の誤りを修正して最新化する場合に有効である。この通信手段としては、例えば、ホールコンピュータと接続する有線通信や無線通信等が挙げられる。
【0136】
また、上記実施形態にあっては、画像データROM54aと、画像データRAM54bと、を備える構成としているが、画像データRAM54bに代えて、画像データROMを備える構成として良く、この場合、変更されたデータは、サブRAM43に記憶させれば良い。また、画像データROMは一つでもよく、その個数は限定されない。さらに、保存する画像データは、その他の記憶手段に保存しても良い。また、画像データRAM54bを副制御基板22に着脱可能な記憶媒体としても良く、このようにすれば、遊技釘調整情報を変更する際に操作者が操作手段を一々操作する必要が無く、変更した遊技釘調整情報を有する記録媒体を副制御基板22に装着すれば良いため、機能性及び利便性が向上される。このような記録媒体の脱着による遊技釘調整情報の変更は、特に、遊技機製造元が当初定めた遊技釘調整情報の誤りを修正し最新化する場合に有効である。記録媒体としては、例えばROMカートリッジ、CD−ROM、DVD−ROM等が挙げられる。
【0137】
また、上記実施形態にあっては、釘調整する遊技釘8の順序を自動的に選択する構成としているが、サブCPU41が、このサブCPU41により検知された操作者による所定の操作に基づいて、調整すべき複数の遊技釘8a〜8jの中から、調整済の遊技釘を除く遊技釘に対して、画像データRAM54bに記憶された遊技釘調整中情報の表示を選択する構成としても良い。このようにすると、操作者の好きな順序で遊技釘調整を行えるようになり、機能性及び利便性が向上される。
【0138】
また、上記実施形態にあっては、表示装置として液晶表示装置15を備える構成としているが、液晶表示装置15に代えて、投影機(プロジェクター)を備える構成としても良い。具体的には、例えば遊技盤4下方の収容空間に配置される投影機と、透光性基板14の背面側に配置されたスクリーンとを備え、投影機は、表示制御手段からの指令に基づいて、画像に関係する複数種類の光を発生可能な装置であり、発生した光の進路がスクリーンに向かう角度で配置されている。スクリーンは、投影機からの複数種類の光に対応する画像を映し出す幕であって投影機による表示領域を構成し、映し出された画像が、透光性基板14を通して視認可能な角度で配置されている。このスクリーンには、上述した、画像データROM54a、画像データRAM54bから読み出した画像データに基づく図柄等の画像、遊技釘調整情報に基づく画像、遊技釘調整中情報に基づく画像、遊技釘調整済情報に基づく画像、終了情報に基づく画像及び選択画像等が映し出され、遊技釘調整情報に基づく画像、遊技釘調整中情報に基づく画像及び遊技釘調整済情報に基づく画像は、パチンコ遊技機1の正面側から見て、遊技釘8と重なるように又は遊技釘8の近傍に位置するように表示される。このような投影機のように、表示装置は、透光性基板14の背面側になくても良い。
【0139】
また、上記実施形態にあっては、パチンコ遊技機1に対する適用を述べているが、例えば、アレンジボール遊技機、雀球遊技機等の遊技機に対して適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機を正面側から示す斜視図である。
【図2】図1に示すパチンコ遊技機の分解斜視図である。
【図3】図1に示すパチンコ遊技機を背面側から示す斜視図である。
【図4】図2中の遊技盤の正面図である。
【図5】図1に示すパチンコ遊技機の部分断面図である。
【図6】図1〜図5に示すパチンコ遊技機の内部の構成を中心に示すブロック構成図である。
【図7】電源を投入したあとに主制御回路により繰返し実行されるメイン制御処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図8】初期設定処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図9】特別図柄制御処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図10】システムタイマ割込処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図11】特別図柄記憶チェック処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図12】サブ制御処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図13】コマンド受信割込処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図14】表示制御処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図15】第2モードに関する処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図16】モード選択画像が表示された遊技盤の正面図である。
【図17】遊技設定情報入力画像が表示された遊技盤の正面図である。
【図18】遊技釘調整情報に基づく画像及び遊技釘調整中情報に基づく画像が表示された遊技盤の正面図である。
【図19】遊技釘調整情報に基づく画像及び遊技釘調整中情報に基づく画像並びに遊技釘調整済情報に基づく画像が表示された遊技盤の正面図である。
【図20】終了情報に基づく画像が表示された遊技盤の正面図である。
【図21】遊技釘調整情報変更画像が表示された遊技盤の正面図である。
【符号の説明】
【0141】
1…パチンコ遊技機、4…遊技盤、4a…遊技領域、8…遊技釘、14…透光性基板(透光性部材)、15…液晶表示装置(表示装置)、15a…表示領域、30…主制御回路(主制御手段)、41…サブCPU(表示制御手段、遊技釘調整情報決定手段)、51…VDP(表示制御手段)、54b…画像データRAM(遊技釘調整情報記憶手段)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機を始めとしたアレンジボール遊技機、雀球遊技機等の画像を表示する表示装置及び遊技釘を有する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技機には遊技盤に設けられた複数の遊技釘があり、パチンコ遊技機の発射装置から発射された遊技球は、遊技盤上に設けられたこれらの遊技釘に衝突しながら進行方向、速度をランダムに変化させて流下(落下)する。この遊技釘は、遊技球の動きに意外性、面白味を付与するものであると共に、遊技球の入賞の成否に関わる重要な要素でもある。遊技者は、より有利な遊技釘を有するパチンコ遊技機を選択することで、少しでも遊技の結果を有利にしようと図り、一方、遊技場側は、遊技釘を調整することで、遊技場全体の出玉率をコントロールし遊技場の収支の適正化を図る必要がある。従って、遊技場は、各パチンコ遊技機の稼動情報等を収集しこれらを考慮して遊技釘の調整を行っているが、経験豊かな釘師の減少等により、この種の調整に未経験な者でも遊技釘状態の判定、調整を行える技術が求められている。
【0003】
ここで、この種の遊技釘調整を、未経験な者でも行えるようにする技術として、携帯端末装置の画面に遊技釘調整情報を提供することにより、遊技釘調整を支援する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−272931号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記公報に記載の従来技術では、別途携帯端末が必要で、当該携帯端末を持ちながら遊技釘調整を行わなければならないため、両手が自由に使えなくなり遊技釘調整が円滑に行えないという問題があった。また、遊技釘調整情報が表示される画面と実際の遊技盤との対応付けが必ずしも容易では無く、特に多数の遊技釘が配置されている場合には、この種の遊技釘調整作業の経験が乏しい者にとっては、対象となる遊技釘を特定することが難しかった。
【0005】
また、パチンコ遊技機にあっては、遊技釘全体の配置構成(所謂ゲージ構成)と、遊技機の回転率や入賞口への入賞率等を左右する、基準となる遊技釘の開け閉め量及び遊技釘調整方向とが示された遊技釘調整表(所謂ゲージ表)が、例えば営業割数((売上金額−差玉×4)/売上金額)に応じて4、5枚の紙に印刷されて遊技機製造元から供されるが、この遊技釘調整表の管理が非常に煩わしいという問題がある。加えて、遊技釘全体の配置構成が同一で性能(所謂スペック)が相違するパチンコ遊技機の遊技釘調整を行う場合には、見た目が同じであるため、遊技釘調整の混同を招いていた。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、経験が乏しい者であっても遊技釘調整が容易且つ円滑に行えると共に、遊技釘調整表の管理の煩わしさから解放され、さらに、遊技釘全体の配置構成が同一で性能が相違する遊技機の遊技釘調整の混同を防止することが可能なパチンコ遊技機を始めとした遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による遊技機は、表示装置による表示領域に所定の情報を表示させる表示制御手段と、遊技球が流下可能な遊技領域を有する遊技盤と、遊技領域に設けられ、遊技球の流下方向を変更可能とする複数の遊技釘と、を具備し、遊技盤の全部又は一部は透光性部材で形成され当該透光性部材に対して遊技釘が設けられ、表示領域の全部又は一部は透光性部材を通して視認可能とされた遊技機であって、調整すべき複数の遊技釘の各々に対してその遊技釘に関する情報である遊技釘調整情報を記憶すると共に、これらの遊技釘調整情報を、遊技釘全体の配置構成が同一で遊技機の性能を示す性能情報ごとに複数情報記憶した遊技釘調整情報記憶手段と、遊技釘調整情報記憶手段に記憶された複数の遊技釘調整情報の中から、その遊技機の性能に対応する遊技釘調整情報を決定する遊技釘調整情報決定手段と、を備え、表示制御手段は、遊技釘調整情報決定手段で決定した遊技釘調整情報をその遊技釘と重なるように又はその遊技釘の近傍に位置するように表示領域に表示させることを特徴としている。
【0008】
このような遊技機によれば、遊技釘が設けられた遊技領域のその背面側に透光性部材を介して視認可能とされている表示領域に、遊技釘調整情報(例えば遊技釘の開け閉め量や遊技釘調整方向等の情報)に基づく画像が表示され、この遊技釘調整情報に基づく画像が、その遊技釘と重なるように又はその遊技釘の近傍に位置するように表示されるため、携帯端末や遊技釘調整用のマニュアルを用いること無く遊技盤を見ながら遊技釘調整を行えると共に、この遊技釘調整情報に基づく画像が遊技釘調整の目安となり、経験が乏しい者であっても遊技釘調整を容易且つ円滑に行うことが可能となる。また、上記遊技釘調整情報は遊技釘全体の配置構成が同一で遊技機の性能を示す性能情報ごとに複数情報記憶され、この複数情報の中から、その遊技機の性能に対応する遊技釘調整情報が決定されて上記のように表示されるため、人手による遊技釘調整表の管理が不要とされ、遊技釘調整表の管理の煩わしさから解放されると共に、性能に応じた遊技釘調整情報に基づく画像が提供されるようになり、遊技釘調整の混同を防止することが可能となる。
【0009】
ここで、操作者の所定の操作により、遊技機の性能情報を入力可能な性能情報入力操作手段を備え、遊技釘調整情報決定手段は、性能情報入力操作手段により入力された性能情報に基づいて、遊技釘調整情報記憶手段に記憶された複数の遊技釘調整情報の中から、性能情報に対応する遊技釘調整情報を決定する構成であると、操作者の好みのタイミングで遊技機の性能情報の入力が可能とされるため、機能性及び利便性が向上される。
【0010】
また、遊技機の性能に応じて遊技の動作を制御する主制御手段を備え、この主制御手段は、当該主制御手段を有する遊技機の性能情報を性能情報コマンドとして送信し、遊技釘調整情報決定手段は、主制御手段により送信された性能情報コマンドを受信し当該受信した性能情報コマンドに基づいて、遊技釘調整情報記憶手段に記憶された複数の遊技釘調整情報の中から、受信した性能情報コマンドに対応する遊技釘調整情報を決定する構成であると、操作者による所定の操作等が無くても、性能に応じた遊技釘調整情報が自動的に決定されるため、機能性及び利便性が向上される。
【発明の効果】
【0011】
本発明の遊技機によれば、携帯端末や遊技釘調整用のマニュアルを用いることなく遊技盤を見ながら遊技釘調整を行えると共に、遊技釘調整情報に基づき表示領域に表示される画像が遊技釘調整の目安となるため、経験が乏しい者であっても遊技釘調整を容易且つ円滑に行うことが可能となる。また、人手による遊技釘調整表の管理が不要とされるため、遊技釘調整表の管理の煩わしさから解放される。さらに、遊技釘全体の配置構成が同一で性能が相違する遊技機のその性能に応じた遊技釘調整情報に基づく画像が提供されるため、遊技釘調整の混同を防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において、同一または相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図1は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機を正面側から示す斜視図、図2は、図1に示すパチンコ遊技機の分解斜視図、図3は、図1に示すパチンコ遊技機を背面側から示す斜視図、図4は、図2に示す遊技盤の正面図、図5は、図1に示すパチンコ遊技機の部分断面図であり、本実施形態では遊技機を、デジタルパチンコ遊技機(デジパチ、第1種パチンコ遊技機と称される)とした場合について説明する。
【0013】
(遊技機の構成)
図1に示すパチンコ遊技機1は、遊技場(ホール)の所定の設置枠に収容されて設置される外枠2と、この外枠2の正面側に回動可能に設けられたベースドア(内枠)3と、このベースドア3に組み込まれた遊技盤4(図2参照)と、この遊技盤4の正面を覆うと共にベースドア3の正面側に開閉可能に設置されたフロント扉5とを具備している。
【0014】
また、パチンコ遊技機1には、プリペイドカードなどが挿入されると、当該プリペイドカードの残高に応じて、遊技球が貸し出されるように構成されたカードユニット84が隣接して併設される。
【0015】
フロント扉5は、その中央の略全域にガラス板5aを備え、その内側の遊技盤4が視認可能な構成とされている。フロント扉5の下部には、カードユニット84のカード返却操作や遊技球の貸し出し(玉貸し)操作等を行う玉貸し操作関連ボタンを有する玉貸し操作パネル28が設けられている。また、この玉貸し操作パネル28には、後述する所定の操作を行う遊技釘調整情報変更操作手段及び遊技設定情報入力操作手段としての決定ボタン20a及び選択ボタン20b,20cが設けられている。
【0016】
また、フロント扉5の下側には、外枠2に対して開閉可能な皿パネル6が設置されている。この皿パネル6の正面側には、カードユニット84により貸し出された遊技球及び後述する入賞口に入球した場合に払い出される遊技球を受け止める上皿6aと、この上皿6aの満杯時に球出口6dの内方で溢れた遊技球を受け止める下皿6bと、この下皿6bの右側に設けられた発射ハンドル6cと、が配置されている。
【0017】
発射ハンドル6cは、上皿6aに受け止められている遊技球を発射するためのもので、皿パネル6に対して回動自在に設けられ、遊技者は発射ハンドル6cを操作することによりパチンコ遊技を進めることができる。この発射ハンドル6cが遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときに、その回動角度に応じて、発射ハンドル6cの背面側に設けられた発射モータに電力が供給され、遊技球が遊技盤4に順次発射される。
【0018】
発射された遊技球は、図4に示すように、遊技盤4の左側に設けられたガイドレール7により案内され、遊技盤4の上部に移動し、その後、後述する遊技釘等との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤4の下方に向かって流下する。
【0019】
遊技盤4は、遊技状態において遊技球が流下する領域が、遊技領域4aとされ、この遊技領域4a内に、遊技球の流下方向を変更させる遊技釘8が多数設けられている。また、遊技領域4aは、所定の位置に始動入賞口9、普通図柄作動ゲート10、大入賞口11、一般入賞口12a〜12d及びアウト口13をそれぞれ有している。
【0020】
始動入賞口9は、この始動入賞口9に具備されている始動領域を遊技球が通過したことを条件として、遊技状態を遊技者に有利な特別遊技状態、所謂大当たり状態に移行するか否かを判定するための大当たり判定用乱数値を抽出する入賞口とされている。また、始動入賞口9は、遊技球が入球(入賞)すると、所定数の遊技球(例えば4個)が賞球として払出されるトリガーとなる入賞口とされている。
【0021】
普通図柄作動ゲート10は、この普通図柄作動ゲート10を遊技球が通過したことを条件として普通図柄当たり判定用乱数値を抽出するトリガーとなる通過ゲートとされている。この普通図柄当たり判定用乱数値の抽出により遊技状態が普通図柄当たり状態となったときに、始動入賞口9に具備されている1対の羽根(普通電動役物、チューリップ)9aが所定秒数開閉し、入賞がしやすくなる。
【0022】
大入賞口11は、上述した大当たり判定用乱数値の抽出により遊技状態が大当たり状態となったときに、閉じているシャッタが所定に開閉し、遊技球が入球(入賞)すると、所定数の遊技球(例えば15個)が賞球として払出されるトリガーとなる入賞口とされている。
【0023】
一般入賞口12a〜12dは、遊技球が入球(入賞)すると、所定数の遊技球(例えば10個)が賞球として払出されるトリガーとなる入賞口とされている。
【0024】
アウト口13は、始動入賞口9、大入賞口11、一般入賞口12a〜12dなどの何れにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。
【0025】
また、遊技盤4は、図5に示すように、透光性基板14から成り、この透光性基板14は、例えばポリカーボネートなどの合成樹脂あるいはその他の透明な部材(透光性部材)で形成された透明部を有している。ここで、「透明な部材」とは、光透過率が100%又はその部材を通して対象を視認可能な程度に光透過率が高いものをいう。以下、遊技領域4a中の透明部によって形成された領域を「透明遊技領域」と呼ぶ。本実施形態の遊技領域4aはその大半が透明遊技領域となっている。この透光性基板14には、上述した遊技釘8が少なくともその先端部を埋設されて固定され、この透光性基板14と上述したフロント扉5のガラス板5aにより形成された領域が遊技領域4aとされている。そして、この透光性基板14の背面側には、図2及び図5に示すように、各種画像情報を表示する大画面の表示領域15aを有する画像表示手段としての液晶表示装置15が配置されている。すなわち、この液晶表示装置15に表示された画像は、透光性基板14の略中央の遊技釘8が設けられていない部分と、その周辺の遊技釘8が設けられている部分を通して、遊技者がパチンコ遊技機1の正面側から視認することができる。
【0026】
また、透光性基板14の下部側の背面側には、図5に示すように、入賞口に入賞した遊技球を入賞球センサに案内する入賞球集合アッセンブリ16等の部材が配設されている。この入賞球集合アッセンブリ16等の部材を遊技者から視認不可能とすべく、透光性基板14の背面に例えばCAB(セルロースアセトブチレート)から成るセルシート19を張り、不透明領域としている。
【0027】
このように、透光性基板14は、その全部を透明部とする必要はなく、光透過率が低い部分や光透過率が0の領域を部分的に有していてもよい。光透過率を低くしたり0にする手段としては、上記背面のセルシート19の他に、表面に塗装、もしくは物理的蒸着法、化学的蒸着法等を施して模様層、色彩層を形成したり、あるいは、基材となる合成樹脂に染料や顔料を含浸させて、光透過率を低下させたものであってもよい。
【0028】
液晶表示装置15は、図2に示すように、その表示領域15aに、後述のようにして、装飾用の図柄である飾り図柄や、判定用図柄、キャラクタ等を可変表示する。この飾り図柄は、大当たりか否かを判定する特別図柄ゲームで用いられるもので、数字や記号等が用いられ、本実施形態においては、「0」から「9」までの数字が用いられている。なお、特別図柄ゲーム及び飾り図柄の詳細については後述する。
【0029】
また、ここで言う「可変表示」とは、変動可能に表示される概念であり、例えば、実際に変動して表示される「変動表示」、実際に停止して表示される「停止表示」等を可能とするものである。また、これらの他に、単に飾り図柄や判定用図柄が出現するように仮に停止表示される「出現表示」、特別図柄ゲームの結果として飾り図柄等が確定して停止表示される「導出表示」等を可能とするものである。
【0030】
また、表示領域15aには、複数列(本実施形態においては3列)の飾り図柄が可変表示され、判定用図柄の可変表示も行われる。この複数列の飾り図柄の導出表示と共に、判定用図柄の導出表示が行われ、その導出表示された判定用図柄の表示態様に基づいて、遊技状態を大当たり状態に移行することとなる。また、これらの判定用図柄や飾り図柄の他にも、背景画像、キャラクタ画像、普通図柄画像等が表示される。
【0031】
さらに、パチンコ遊技機1は、図2に示すように、液晶表示装置15の上方に、所定の遊技状態となったことを遊技者に報知する効果音や音声などを出力するスピーカ17L,17R、図4に示すように、遊技盤4の下部に、所定の遊技状態となったことを所定のパターンで点灯・消灯することによって報知する装飾ランプ18L,18R、上述したカードユニット84により貸し出された遊技球及び始動入賞口9、大入賞口11、一般入賞口12により賞球された遊技球を上皿6aに払い出す払出装置81等を具備している。
【0032】
また、パチンコ遊技機1の背面側には、図3に示すように、このパチンコ遊技機1の遊技の動作を制御すると共に遊技者に有利な遊技状態に移行するか否かを判定する主制御回路(主制御手段)30を備える主制御基板21、上述した表示領域15aに映像及び音声等の演出を展開させる副制御回路40を備える副制御基板22、遊技球の払出・発射を制御する払出・発射制御回路80を備える払出・発射制御基板23、電源を供給する電源供給ユニット24、電源スイッチ25、バックアップクリアスイッチ26、モード切換スイッチ(遊技釘調整情報変更操作制限手段)27、ホールコンピュータ等と接続する接続端子29が、それぞれ配置されている。
【0033】
なお、ここで言うホールコンピュータとは、遊技場(ホール)の管理室に設置され、遊技機1から各種遊技情報データを受信し、売上げ管理等に利用されるものである。
【0034】
図6は、図1〜図5に示すパチンコ遊技機1の内部の構成を中心に示すブロック構成図である。パチンコ遊技機1は、上述した主制御回路30、副制御回路40、払出・発射制御回路80、電源供給ユニット24を中心に複数の構成要素を有し、この電源供給ユニット24は、主制御回路30、副制御回路40及び払出・発射制御回路80にそれぞれ接続され各々への電力供給が可能とされている。主制御回路30は、メインCPU(Central Processing Unit)31、メインROM(Read Only Memory)32およびメインRAM(Random Access Memory)33を有し、他に初期リセット回路34とコマンド出力ポート35を有している。また、主制御回路30は、接続端子29を介してホールコンピュータと接続され、パチンコ遊技機1の各種遊技情報データを適宜送信する。
【0035】
メインCPU31は、後述するVカウントスイッチ11Sなどから遊技球の検出信号を入力する一方、メインROM32に記憶されている制御プログラムにしたがい作動して、パチンコ遊技機1における大当たり抽選や、賞球排出といったパチンコ遊技機1全体の動作制御を司り、コマンド出力ポート35を介して副制御回路40に各種のコマンドを送信する。また、メインCPU31は、パチンコ遊技機1の性能(所謂スペック)を示す性能情報を性能情報コマンドとして適宜送信する。メインROM32はメインCPU31が実行する制御プログラムと、恒久的なデータが記憶されている。メインRAM33はメインCPU31が作動する際に用いるデータやプログラムが一時的に記憶されるようになっている。なお、メインRAM33は電源が断たれた電断時においてもバックアップ用電源から電力が供給されて記憶内容が保持可能になっている。初期リセット回路34は、リセット信号をメインCPU31に定期的に出力する。このリセット信号により、メインCPU31は制御プログラムの先頭から処理を実行する。
【0036】
また、主制御回路30には、Vカウントスイッチ11Sをはじめとする各スイッチ等が接続されている。Vカウントスイッチ11Sは大入賞口11内に設けられたVゾーンを通過した遊技球の個数を計測し、計測結果を示す検出信号を主制御回路30に出力する。カウントスイッチ11CSは大入賞口11に入賞した遊技球の個数を計測し、計測結果を示す検出信号を主制御回路30に出力する。一般入賞口スイッチ12Sは各一般入賞口12a〜12dに入賞した遊技球の検出信号を主制御回路30に出力する。作動ゲートスイッチ10Sは普通図柄作動ゲート10を通過する遊技球の検出信号を主制御回路30に出力する。始動入賞口スイッチ9Sは始動入賞口9に入賞した遊技球の検出信号を主制御回路30に出力する。
【0037】
始動口ソレノイド9Lは始動入賞口9に設けられた一対の羽根9a,9aを開閉させ、大入賞口ソレノイド11Lは大入賞口11に設けられたシャッタを開閉させる。シーソーソレノイド11Mは大入賞口11に設けられた図示しないシーソーを駆動する。バックアップクリアスイッチ26は、電断時等におけるバックアップデータを操作者の操作に応じてクリアする。
【0038】
パチンコ遊技機1では、始動入賞口スイッチ9Sが遊技球の入賞を検出して検出信号を出力したときに主制御回路30から副制御回路40に図柄指定コマンドを出力して、副制御回路40において、乱数抽出および抽出した乱数値を用いて液晶表示装置15における飾り図柄の表示態様を決定している。また、判定用図柄は主制御回路30からの図柄指定コマンドにしたがった表示態様で導出表示される。
【0039】
副制御回路40は、主制御回路30からコマンドを入力し、その入力したコマンドにしたがい、液晶表示装置15による判定用図柄や飾り図柄の可変表示、リーチ演出、予告演出といった演出に必要な制御を行う一方、所定の画像を液晶表示装置15に表示させる。また、副制御回路40は、スピーカ17L、17Rを用いた音声出力による演出や装飾ランプ18L、18Rを用いた点滅表示による演出を行うのに必要な制御も行う。
【0040】
この副制御回路40は、サブCPU41を中心に構成され、サブROM42と、サブRAM43およびコマンド入力ポート48を有し、画像制御回路50と、音声制御回路60、及びランプ制御回路70を有している。また、副制御回路40には、決定ボタン20a、選択ボタン20b,20c及びモード切換スイッチ27が接続されている。
【0041】
サブCPU41は、主制御回路30から入力したコマンドにしたがいサブROM42に記憶されているプログラムに沿った処理を実行し、画像制御回路50、音声制御回路60およびランプ制御回路70を作動させる。また、このサブCPU41は、操作者により所定に操作されたモード切換スイッチ27、選択ボタン20b,20c、決定ボタン20aからの信号を検知する操作検知手段を構成している。サブROM42にはサブCPU41が実行するプログラムと、恒久的なデータが記憶され、サブRAM43はサブCPU41が作動する際に用いるデータやプログラムが記憶されている。
【0042】
画像制御回路50は、VDP(Video Display Processor)51と、D/Aコンバータ52と、初期リセット回路53と、画像データROM54aと、画像データRAM(遊技釘調整情報記憶手段)54bとを有している。VDP51は、サブCPU41で決定された液晶表示装置15に表示させる内容に応じた画像を形成し、その形成された画像をD/Aコンバータ52に出力する。D/Aコンバータ52はVDP51から出力される画像データをD/A変換して、変換により得られたアナログ信号を液晶表示装置15に出力し、画像を表示させる。初期リセット回路53はサブCPU41からのリセット命令を受けて、VDP51を初期状態に戻す処理を実行する。画像データROM54aには、判定用図柄、飾り図柄、キャラクタ、背景などを示す画像のデータ(画像データ)を記憶し、画像データRAM54bには、遊技釘調整情報に基づく画像、遊技釘調整中情報に基づく画像、遊技釘調整済情報に基づく画像、終了情報に基づく画像及び選択画像等を液晶表示装置15に表示させるための各種画像データを記憶している。これらの画像の詳細については後述する。
【0043】
ここで言う「遊技釘調整情報」とは、調整すべき複数の遊技釘8の各々に対するその遊技釘に関する情報であり、例えば遊技釘8の開け閉め量や遊技釘8の調整方向等の情報である。この「遊技釘調整情報」を目安として、遊技釘調整作業を行うことにより、パチンコ遊技機1の回転率や入賞口への入賞率を始めとした、ホールコンピュータへ送信される遊技情報データが変動する。すなわち、これらの遊技情報データを基に算出される「単位始動数」、「大当り出玉」、「ベース」、「出玉率」等が変動する。これらの「単位始動数」、「大当り出玉」、「ベース」、「出玉率」は、パチンコ遊技機に対して遊技場側が所定に管理するものであり、これらの管理値(目標値)が遊技設定情報とされている。そして、これらの遊技設定情報ごとに「遊技釘調整情報」がパチンコ遊技機製造元により基本情報として設定されている。従って、複数の遊技設定情報(「単位始動数」、「大当り出玉」、「ベース」、「出玉率」等)の各々に対応して、各「遊技釘調整情報」が、画像データRAM54bに記憶されていると共に、一つの遊技設定情報に対応して、複数の「遊技釘調整情報」が画像データRAM54bに記憶されている。
【0044】
なお、パチンコ遊技機の遊技釘8全体の配置構成が同一であっても、パチンコ遊技機の性能(スペック;大当り確率等)が異なれば、「遊技釘調整情報」は異なる。従って本実施形態の画像データRAM54bには、パチンコ遊技機の性能の違いに対応すべく、さらに機種名(例えば、「花火X」、「花火E」等)に対応して、上記遊技設定情報に対応する複数の「遊技釘調整情報」が記憶されている。
【0045】
ここで、サブCPU41は、本実施形態の遊技釘調整情報決定手段を構成している。この遊技釘調整情報決定手段は、メインCPU31により送信された性能情報コマンドを受信しこの受信した性能情報コマンドに基づいて、画像データRAM54bに記憶されている複数の遊技釘調整情報の中から、受信した性能情報コマンドに対応する遊技釘調整情報を決定すると共に、画像データRAM54bに記憶されている複数の遊技釘調整情報の中から、決定ボタン20a及び選択ボタン20b,20cにより入力された所定の遊技設定情報に対応する遊技釘調整情報を決定する。従って、この決定ボタン20a及び選択ボタン20b,20cは、操作者の所定の操作により、所定の遊技設定情報を入力可能な本実施形態の遊技設定情報入力操作手段を構成している。
【0046】
また、サブCPU41は、本実施形態の遊技釘調整情報変更手段を構成している。この遊技釘調整情報変更手段は、決定ボタン20a及び選択ボタン20b,20cの操作者による所定の操作に基づいて「遊技釘調整情報」を変更する。従って、この決定ボタン20a及び選択ボタン20b,20cは、画像データRAM54bに記憶された「遊技釘調整情報」を変更するために所定に操作される本実施形態の遊技釘調整情報変更操作手段を構成する。
【0047】
また、上述したサブCPU41及びVDP51は、本実施形態の表示制御手段を構成している。この表示制御手段は、画像データROM54a、画像データRAM54bから読み出した画像データに基づく図柄等の画像や遊技釘調整情報に基づく画像を液晶表示装置15に表示させる。また、表示制御手段は、本実施形態の遊技釘調整中表示手段及び遊技釘調整済表示手段を含む構成とされている。遊技釘調整中表示手段は、調整すべき複数の遊技釘8のうちの少なくとも1本に対して、画像データRAM54bに記憶された遊技釘調整中情報に基づく画像を液晶表示装置15に表示させ、遊技釘調整済表示手段は、サブCPU41(操作検知手段)により検知された操作者による所定の操作に基づいて、遊技釘調整中表示手段により遊技釘調整中であると表示されている遊技釘8に対して、画像データRAM54bに記憶された遊技釘調整済情報に基づく画像を液晶表示装置15に表示させる。
【0048】
また、サブCPU41は、本実施形態の調整済判定手段及び終了判定手段を構成している。調整済判定手段は、遊技釘8に対して、遊技釘調整済情報に基づく画像が表示されたか否かを判定し、終了判定手段は、調整すべき複数の遊技釘8全てに対して、遊技釘調整済情報に基づく画像が表示されたか否かを判定する。
【0049】
また、表示制御手段は、遊技釘8に対して遊技釘調整済情報に基づく画像が表示されたと、釘調整済判定手段により判定されると、調整すべき複数の遊技釘8の中から、調整済の遊技釘8を除く少なくとも一本の遊技釘8を選択し、この選択した遊技釘8に対して、遊技釘調整中情報に基づく画像を液晶表示装置15に表示させる。さらに、表示制御手段は、調整すべき複数の遊技釘8全てに対して、遊技釘調整済情報に基づく画像が表示されたと、終了判定手段により判定されると、画像データRAM54bに記憶された終了情報に基づく画像を液晶表示装置15に表示させる。
【0050】
音声制御回路60は、音源IC61と、アンプ(以下AMPという)62と、音声データROM63とを有している。音源IC61は、サブCPU41からの指示にしたがい、音声データROM63に記憶されている音声データを用いて音声信号を生成する。AMP62は、音源IC61により生成された音声信号を適切なレベルに増幅し、増幅した音声信号をスピーカ17L、17Rに供給して音声を出力させる。音声データROM63は予告演出、リーチ演出、大当たり演出などに用いられる音楽、音声、効果音などのデータ(音声データ)を記憶している。
【0051】
ランプ制御回路70は、装飾ランプ18L、18Rの点滅パターンを示す装飾データを記憶した装飾データROM71と、サブCPU41からの指示にしたがい、装飾データROM71に記憶されている装飾データを用いて装飾ランプ18L、18Rを点滅させるドライブ回路72とを有している。
【0052】
払出発射制御回路80は、主制御回路30の制御にしたがい払出装置81と前述した発射ハンドル6c及び発射モータを有する発射装置82を作動させて、所定数の遊技球を賞球として払出させるとともに、遊技球を遊技盤4上の遊技領域4aに向けて発射させる。
【0053】
(パチンコ機の動作内容)
次に、パチンコ遊技機1の動作内容のうち、主制御回路30および副制御回路40による制御処理の手順について、図7〜図15までのフローチャートを参照して説明する。図7はパチンコ遊技機1において、電源を投入したあとに主制御回路30により繰返し実行されるメイン制御処理の動作手順を示すフローチャート(メインフローチャート)である。なお、図7および後述する図8〜図15では、ステップをSと略記している。
【0054】
(メイン制御処理の動作手順)
図7に示すように、パチンコ遊技機1は、電源投入に伴い主制御回路30のメインCPU31がメイン制御処理を開始してステップ1に進み、初期設定処理を行う。続いて、ステップ2の特別図柄制御処理、ステップ3の普通図柄制御処理およびステップ4の乱数更新処理を順次実行する繰返ルーチンに進む。なお、繰返ルーチンはパチンコ遊技機1の電源が投入されている間、繰返し行われるようになっている(詳しくは後述する)。
【0055】
そして、ステップ1の初期設定を開始すると、図8に示すように、ステップ5に進み、電源投入後、初期リセット回路34から供給されるシステムリセットがあった場合にメインRAM33にアクセスを許可するRAMアクセス許可処理を実行する。続くステップ6では、バックアップクリアスイッチ26の入力検出結果や、電断検知フラグ、作業領域の損傷等からバックアップ条件の成否を判定することによってバックアップ復帰可能か否かを判定し、復帰可能な場合はステップ7に進み、そうでなければステップ17に進む。
【0056】
ステップ7に進むと、メインCPU31は作業領域に記憶されたデータにしたがって正常に動作復帰するためのバックアップ復帰処理を行い、続くステップ8ではメインRAM33に位置づけられている変数やフラグを更新することにより、割込み設定等の動作設定処理を行う。
【0057】
そして、メインCPU31はステップ9に進むと遊技状態フラグを読み出し、後続のステップ10では読み出した遊技状態フラグに対応した電断復帰コマンドを副制御回路40に送信する。また、ステップ11では、副制御回路40に送信すべき送信コマンドの有無を判定し、それがあればステップ12に進んで電断前にコマンド出力ポート35にセットされているコマンドを送信するが、なければステップ12を実行することなくステップ13に進む。ステップ13では、電断発生前の割込状態を割込状態フラグをみてチェックする処理を行い、続くステップ14では、ステップ13の結果から、電断発生前が割込禁止状態であったか否かを判定する。ここで、割込禁止状態であったと判定された場合はステップ16に進み、そうでなければステップ15に進む。そして、ステップ15に進むと、メインCPU31がメインRAM33に位置づけられている変数やフラグを更新して割込許可を実行する。また、ステップ16では、電断時にメインRAM33に退避させたレジスタの値を再度格納して、レジスタ復帰処理を行うと初期設定処理が終了し、電断発生前のアドレスに復帰する。
【0058】
そして、ステップ17では作業領域の初期化を行い、続くステップ18ではデモ表示フラグのセットを行う。後続のステップ19では、メインRAM33などに位置づけられている変数やフラグを更新することにより、割込み設定等の動作設定処理を行う。また、ステップ20で初期化コマンドを副制御回路40に送信すると、初期設定処理が終了する。
【0059】
(繰返ルーチンの動作手順)
繰返ルーチンでは、まずステップ2の特別図柄制御処理を行う。これは図9に示すフローチャートにしたがって行う。処理開始後ステップ71に進み、メインCPU31は制御状態フラグを読み取る。この制御状態フラグは、液晶表示装置15における図柄の可変表示画像を用いた特別図柄ゲームの状態を示すフラグであって、メインCPU31が後続の各ステップ72〜80までの何れを実行するかを判定するためのデータが設定されている。
【0060】
そして、ステップ71に続いてステップ72に進み、ここでは、特別図柄記憶チェック処理を行う。この特別図柄記憶チェック処理を開始すると、メインCPU31は図11に示すステップ111に進み、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示すデータ“00”か否かを判断し、“00”ならステップ112に進み、“00”でなければ処理を終了する。続くステップ112では、保留個数が“0”か否かを判定し、“0”であればステップ113に進んでデモ表示処理を行い処理を終了するが、そうでなければステップ114に進み、制御状態フラグに特別図柄変動時間管理を示すデータ“01”をセットする。続いてステップ115に進んで大当たり判定用前処理を行う。このとき、メインCPU31は後述する高確率フラグを読み出して大当たり判定テーブルを選択し、大当たり判定用乱数値を用いて選択された大当たり判定テーブルをサーチする。
【0061】
続いてステップ116に進み、ステップ115のサーチ結果から、大当たりか否かを判定する大当たり判定処理を行い、大当たりの場合はステップ117、そうでない場合はステップ118に進む。ステップ117に進むと、大当たり図柄用乱数カウンタから大当たり図柄用乱数値を抽出し、その大当たり図柄用乱数値に基づいて、サブCPU41において、左、中、右の3つのそれぞれにおける飾り図柄になる大当たり図柄の種類を決定するための判定に用いられる判定用図柄の決定(大当たり図柄の決定)を行い、その判定用図柄を示すデータをメインRAM33に記憶させる。また、この判定用図柄を示すデータは図10に示す後述するコマンド出力処理により、メインCPU31により、上述した図柄指定コマンドとしてサブCPU41に送信される。この図柄指定コマンドを用いて、サブCPU41が後述するサブ制御処理で液晶表示装置15に停止表示させる飾り図柄の表示態様を決定する。
【0062】
また、ステップ118に進むと、サブCPU41において、飾り図柄によるはずれ図柄を決定するための判定に用いられる判定用図柄の決定(はずれの図柄決定)を行い、その判定用図柄を示すデータをメインRAM33に記憶させる。また、この判定用図柄を示すデータは図10に示すコマンド出力処理により、メインCPU31により、図柄指定コマンドとしてサブCPU41に送信され、サブCPU41が液晶表示装置15における飾り図柄の表示態様を決定する。これにより、変動時間を経過したのち、ステップ73の処理を行うようにしている。
【0063】
次に、メインCPU31はステップ119に進むと可変パターンの決定を行い、決定された可変パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットして処理を終了する。
【0064】
ステップ73では、特別図柄変動時間管理処理を行う。このステップは、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示すデータ“01”のときに以下の処理を行い、“01”でなければ行わないようになっている。すなわち、メインCPU31は待ち時間タイマが0となったときに、制御状態フラグに特別図柄表示時間管理を示すデータ“02”をセットし、確定後待ち時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。これにより、確定後待ち時間を経過したのち、ステップ74の処理を行うようにしている。
【0065】
続くステップ74では、特別図柄表示時間管理処理を行う。このステップでは、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示すデータ“02”のときに以下の処理を行い、“02”でなければ行わないようになっている。すなわち、メインCPU31は待ち時間タイマが0となり、大当たりのときには制御状態フラグに大当たり開始インターバル管理を示すデータ“03”をセットした上で、大当たり開始インターバルに対応する時間(例えば10秒、以下「大当たり開始対応時間」という)を待ち時間をセットし、大当たりでないときは制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了を示す値“03”をセットして処理を終了する。
【0066】
さらに、続くステップ75では、大当たり開始インターバル管理処理を行う。このステップでは、制御状態フラグが大当たり開始インターバル管理を示すデータ“03”であるときは、ステップ73でセットされた大当たり開始対応時間だけ待機し、大当たり開始対応時間が経過したのち、大入賞口の開放させるため、メインROM32から読み出されたデータに基づいてメインRAM33に位置づけられた変数を更新する。さらに、メインCPU31は大入賞口開放中を示すデータ“04”を制御状態フラグにセットし、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口時間タイマにセットする。つまり、ステップ77の処理を行うようにする。
【0067】
ステップ76に進むと、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を行う。このステップでは、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理を示すデータ“06”であるときは、ラウンド間インターバルに対応する時間だけ待機する。メインCPU31はラウンド間インターバルに対応する時間を経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを“1”加算して更新し、大入賞口開放中を示すデータ“04”を制御状態フラグにセットし、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口時間タイマにセットする。
【0068】
ステップ77では、大入賞口開放中処理を行う。このステップでは、制御状態フラグが大入賞口開放中を示すデータ“04”であるときに以下の処理を行い、“04”でなければ行わないようになっている。すなわち、メインCPU31は、大入賞口入賞カウンタが10以上であるか、開放上限時間を経過した(大入賞口時間タイマが“0”)の何れかを満たすときに、大入賞口を閉鎖させるためメインRAM33に位置づけられた変数を更新する。また、メインCPU31は制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示すデータ“05”をセットして、大入賞口内残留監視時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットし、大入賞口内残留監視時間を経過したのち、ステップ78を実行するように設定する。何れかも満たしたと判定されないときは、上述の処理を実行することなくステップ78に進む。
【0069】
ステップ78では、大入賞口内残留球監視処理を行う。このステップでは制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示すデータ“05”であるときに以下の処理を行い、“05”でなければ行わないようになっている。メインCPU31は、大入賞口内残留球監視時間が経過したときに、大入賞口における特定領域を遊技球が通過しなかったこと、または大入賞口開放回数カウンタが15以上であるか(最終ラウンドか)否かの条件の何れかを満たしたかどうかを判定し、何れかを満たしているときは大当たり終了インターバルを示すデータ“07”を制御状態フラグにセットして大当たり終了インターバルに対応する時間(以下「大当たり終了対応時間」という)を待ち時間タイマにセットする。これにより、大当たり終了対応時間を経過したのち、ステップ79を実行するように設定する。いすれも満たされない場合は大入賞口再開放待ち時間管理を示すデータ“06”を制御状態フラグにセットする。また、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットし、その待ち時間を経過したのち、ステップ76を実行するように設定する。
【0070】
ステップ79では、大当たり終了インターバルを行う。このステップでは制御状態フラグが大当たり終了インターバルを示すデータ“07”であるときに以下の処理を行い、“07”でなければ行わないようになっている。メインCPU31は、大当たり終了インターバルに対応する時間だけ待機して、特別図柄ゲーム終了を示すデータ“08”を制御状態フラグにセットする。メインCPU31は所定の確率変動条件を満たした場合(大当たり図柄が確変大当たり図柄になったとき)に、大当たり確率を変動させるため、高確率フラグに所定のデータをセットする。
【0071】
ステップ80では、特別図柄ゲーム終了処理を行う。このステップでは制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示すデータ“08”であるときに以下の処理を行い、“08”でなければ行わないようになっている。メインCPU31は、保留個数を示すデータを“1”減らすように更新し、大当たり判定用乱数カウンタ、大当たり停止態様選択用乱数カウンタの各カウント値を順次シフトさせる。ステップ80が終了すると、ステップ2の特別図柄制御処理が終了し、ステップ3に進む。
【0072】
ステップ3では、液晶表示装置15に表示される普通図柄に関する制御を行う普通図柄制御処理を行う。処理を開始すると、普通図柄制御状態フラグを読出し、そのフラグに応じて普通図柄の変動時間、停止表示された普通図柄の態様を監視する。そして、その普通図柄の態様が所定の態様であるときは普通電動役物の開放、閉鎖を示す変数をメインRAM70に記憶して、普通図柄制御処理が終了する。
【0073】
ステップ3に続いてステップ4に進み、乱数更新処理を行う。ここでは、はずれ図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値、演出条件選択用乱数値などを所定の演算方法により更新する乱数更新処理を行って処理を終了する。そして、ステップ2に戻り繰返しルーチンが繰り返し行われる。
【0074】
(システムタイマ割込処理の動作手順)
主制御回路30では、上述したメイン制御処理とともに、割込許可フラグが設定されていることを条件に、主として、メイン制御処理で用いられる乱数を更新するため、定期的(例えば2msごと)にメイン制御処理に割込むシステムタイマ割込み処理を図10に示すフローチャートに沿って実行している。以下、システムタイマ割込処理の動作手順を図10に示すフローチャートを参照して説明する。
【0075】
図10に示すように、パチンコ遊技機1は、システムタイマ割込処理を開始すると、ステップ91で、メモリ内の記憶領域(レジスタ)に記憶された、メイン制御処理における実行中のプログラムを一旦退避させてステップ92に進む。ステップ92ではメインCPU31が、大当たりの判定や飾り図柄の可変パターンに用いる乱数の更新処理を行い、続くステップ93ではスイッチ入力検出処理を行う。
【0076】
スイッチ入力検出処理では、賞球関連スイッチの入力チェック、特別図柄ゲーム関連のスイッチ入力チェック、普通図柄関連のスイッチ入力チェックを行う。特別図柄ゲーム関連のスイッチ入力チェックでは、Vカウントスイッチ11S、カウントスイッチ11CS、始動入賞口スイッチ9Sそれぞれの検出信号の出力チェックを行い、始動入賞口スイッチ9Sからの出力があると、始動記憶数カウンタが4未満のときに以下の処理を行い、4以上の場合は以下の処理を行わない(可変表示中や大当たり中に始動入賞口9に遊技球が入賞した場合は最大4つまで始動記憶として乱数を記憶するため)。
【0077】
そして、大当たり判定用乱数カウンタから大当たり判定用乱数値を抽出し、大当たり停止態様選択用乱数カウンタから大当たり図柄用乱数値を抽出する。また、抽出した大当たり判定用乱数および大当たり図柄用乱数をメインRAM33に記憶させ、これらの乱数がステップ115〜ステップ117における大当たり判定用前処理、大当たり判定処理および大当たり図柄の決定に用いられる。これをもってスイッチ入力検出処理を終了する。
【0078】
次にステップ94に進み、タイマ更新処理によって、主制御回路30と副制御回路40の同期をとるタイマなどを更新し、続くステップ95では、遊技情報データ生成処理を行い、パチンコ遊技機1から図示しないホールコンピュータへの出力信号を生成する。続いてステップ96に進み、メインRAM33に記憶されているデータに基づき各ソレノイド、モータのON,OFFを制御するなどして出力処理を行い、続くステップ97で各種コマンドを出力するコマンド出力を行い、各種のコマンドを副制御回路40に出力する。また、ステップ98,99と続いて、ランプ制御処理(ランプ点滅コマンドを副制御回路40に出力する処理)および払出処理(賞球数を示すデータを含む賞球コマンドを払出装置81に出力する処理)を順次実行する。なお、払出装置81は賞球コマンドに対応する賞球の払出しを行う。また、ステップ100では退避させたメイン制御処理のプログラムのレジスタを復帰させ、メイン制御処理を中断した(退避させた)時点から再開する。さらに、ステップ101に進んで、メインRAM33の変数、フラグ等を更新して割込許可を行うと、システムタイマ割込処理が終了する。
【0079】
(副制御回路の動作手順)
本実施形態のパチンコ遊技機1にあっては、遊技者が遊技する遊技状態又は所定時間遊技が行われないデモ状態である第1モードと、遊技釘を調整可能な状態又は遊技釘調整情報を変更可能な状態である第2モードと、を有し、この第1モードにおける映像や音声等の演出に必要な制御及び第2モードにおけるパチンコ遊技機1の制御は副制御回路40で行われている。以下、図12〜図21を参照して、副制御回路40における制御及び第2モードについて説明する。
【0080】
図12はサブ制御処理の動作手順を示すフローチャートである。サブ制御処理では、先ず、ステップ121で、初期化処理を行う。次に、ステップ122では、判定用図柄及び飾り図柄を決定する乱数値を更新する。続くステップ123では、主制御回路30から送られてくる可変パターン、画像表示要求、音声発生要求、ランプ点滅要求等のコマンドの解析を行う。そして、ステップ124では、上記コマンドに基づいて表示領域15aに表示させる画像に関する表示制御処理(詳しくは後述)を行う。
【0081】
また、ステップ125では、主制御回路30からのコマンドに基づいてスピーカ17L,17Rから発生させる音声に関する音声制御処理を行う。この音声制御処理では、音源IC61は、音声データROM63から音声データを読み出し、音声データを所定の音声信号に変換して、その音声信号をAMP62に供給する。このAMP62は、音声信号を増幅して、スピーカ17L,17Rから音声を発生させる。
【0082】
さらに、ステップ126では、主制御回路30からのコマンドに基づいて装飾ランプ18L,18Rの点滅に関するランプ制御処理を実行する。このランプ制御処理では、サブCPU41は、装飾データROM71からランプ装飾パターンを読み出し、ドライブ回路72を介して、装飾ランプ18L,18Rを点滅させる。以降ステップ122〜ステップ126を繰り返し実行する。
【0083】
(コマンド受信割込処理)
副制御回路40は、上記サブ制御処理中に、主制御回路30からの可変パターンや表示要求コマンド及びモード切換スイッチ27からのON/OFF信号を受信するため、コマンド受信割込処理を行う。図13は、コマンド受信割込処理の動作手順を示すフローチャートである。
【0084】
主制御回路30から送信されてくる各種コマンド及びモード切換スイッチ27から送信されてくるON/OFF信号は、副制御回路40がサブ制御処理実行中にコマンド受信割込処理を実行して受信される。このコマンド受信割込処理は以下のようなステップで構成されている。先ず、ステップ131で、副制御回路40は、保護レジスタを退避し、次に、ステップ132では、送信されてきたコマンド等をサブRAM43に記憶させ、ステップ133において、保護レジスタを復帰して、ステップ134で、割込みを許可して、処理を復帰する。
【0085】
(表示制御処理)
上記のコマンド受信割込処理によって受信された可変パターンなどのコマンドに基づいて、サブ制御処理(図12参照)のステップ124で、飾り図柄などを表示させる表示制御処理を実行する。以下、表示制御処理について、図14を参照しながら説明する。
【0086】
図14は、表示制御処理の動作手順を示すフローチャートである。先ず、ステップ141では、サブCPU41からの指令に基づいて、VDP51は、画像データROM54aから図柄等の画像データを読み出し、この画像データをD/Aコンバータ52で所定の画像信号に変換して、表示領域15aに図柄を表示させる。
【0087】
次に、ステップ142では、サブCPU41からの指令に基づいて、VDP51は、画像データROM54aからキャラクタ等の画像データを読み出し、この画像データをD/Aコンバータ52で所定の画像信号に変換して、表示領域15aにキャラクタを表示させる。
【0088】
続くステップ143では、副制御回路40は、上記のコマンド受信割込処理によって受信されたモード切換スイッチ27からのON/OFF信号に基づいて、モード切換スイッチ27がONであるかOFFであるかを判定し、OFFである場合には、表示制御処理を終了して、図12に示すサブ制御処理に復帰する。モード切換スイッチ27がONである場合には、第1モードから図15に示す第2モードに関する処理を開始する。このように、パチンコ遊技機1の背面側に設けられたモード切換スイッチ27の操作に基づいて、第2モードへの移行が行われるため、遊技者による第2モードへの勝手な移行が防止されている。
【0089】
(第2モードに関する処理)
以下、第2モードに関する処理について、図15を参照しながら説明する。図15は、第2モードに関する処理の動作手順を示すフローチャートである。操作者は、遊技釘8を調整、遊技釘調整情報を変更する際には、前述したモード切換スイッチ27をONにしパチンコ遊技機1を第2モードに切り換える。この第2モードは、遊技釘調整情報に基づく画像を液晶表示装置15に表示する「遊技釘調整画像表示モード」と、遊技釘調整情報として記憶されているデータを変更する「遊技釘調整情報変更モード」とがある。
【0090】
先ず、ステップ151では、パチンコ遊技機1を第2モードへ移行させる。この第2モードでは、サブCPU41は、画像データRAM54bに記憶されている図16に示すモード選択画像(メニュー画面)の画像情報を読み出し、このモード選択画像を表示するように液晶表示装置15に指令を送り、表示領域15aにモード選択画像を表示させる。このとき、表示領域15aに、「遊技釘調整画像表示モード」、「遊技釘調整情報変更モード」、「終了」という文字を上から順に表示させると共に、これらの各項目が選択されていることを指示するための項目選択カーソル20dを表示させる。操作者は、遊技釘8の調整を行う場合には、項目選択カーソル20dを選択ボタン20b,20cで移動させ、「遊技釘調整画像表示モード」を選択して決定ボタン20aを押す。また、操作者は、遊技釘調整情報を変更したい場合には、「遊技釘調整情報変更モード」を、第2モードに関する処理を終了させたい場合には、「終了」をそれぞれ選択する。
【0091】
次に、ステップ152では、副制御回路40は、「遊技釘調整画像表示モード」が選択されているか否かを判定し、「遊技釘調整画像表示モード」が選択されている場合には、ステップ153へ移行し、選択されていない場合には、ステップ164へ進む。
【0092】
ステップ164では、副制御回路40は、「遊技釘調整情報変更モード」が選択されているか否かを判定し、「遊技釘調整情報変更モード」が選択されている場合には、ステップ165へ移行し、選択されていない場合には、第2モードに関する処理を終了させる。この「遊技釘調整情報変更モード」については後述する。
【0093】
上述したように、「遊技釘調整画像表示モード」が選択された場合には、ステップ153で、機種確認処理を行う。ここでは、サブCPU41は、主制御回路30から送信された性能情報コマンドを受信し、この性能情報コマンドに基づいてパチンコ遊技機1の機種を認識し、画像データRAM54bに記憶されている遊技釘調整情報の中からパチンコ遊技機1の性能に対応する複数情報の遊技釘調整情報を特定する。
【0094】
続くステップ154では、サブCPU41は、画像データRAM54bに記憶されている画像情報を読み出し、表示領域15aに、図17に示す遊技設定情報入力画像を表示させる。この遊技設定情報入力画像には、その上部に作業名称として「データ入力中」と表示され、その下側には、複数種類の遊技設定情報、「終了」という文字及び項目選択カーソル20dが表示される。具体的には遊技設定情報として、左側に、「機種名」、「単位始動数」、「大当り出玉」、「ベース」、「出玉率」等の各項目が上から下へ順に表示され、その右側に、対応するデータが順に表示される。なお、「機種名」以外の項目(「単位始動数」、「大当り出玉」、「ベース」、「出玉率」)に対応するデータを釘調整目標値と呼ぶこととする。次に、遊技設定情報の項目について説明する。
【0095】
「機種名」とは、パチンコ遊技機1の性能(スペック)を示すものである。例えば「花火X」と「花火E」とでは、遊技釘8全体の配置構成が同一であっても、性能が異なる。この「花火X」に対して各「単位始動数」、「大当り出玉」、「ベース」、「出玉率」に対応する遊技釘調整情報が設定されている。また「花火E」に対しても同様である。因みに、本実施形態では、機種名は、「花火X」とされ、表示領域15aには、ステップ153で受信した性能情報コマンドに基づいて、「機種名:花火X」と表示する。
【0096】
「単位始動数」とは、1分間当たりに表示領域15aに表示される図柄の変動する回転数であり、例えば、単位始動数が6.0の場合には、1分間当たり6回の図柄変動が行われ、始動入賞口9にこれに相当する遊技球が入球することを想定している。すなわち、始動入賞口9の上方に対向して配置された命釘8a,8bの調整により「単位始動数」が変動する。本実施形態では、単位始動数は、6.0とされ、表示領域15aには、「単位始動数:6.0」と表示される。なお、釘調整目標値は、上記及び以下に述べる数値に限定されない。
【0097】
「大当たり出玉」とは、1回の大当たりにおいて払出装置81により払い出される遊技球の個数である。本実施形態では、大当り出玉は、2250とされ、表示領域15aには、「大当り出玉:2250個」と表示される。
【0098】
「出玉率」とは、1日の営業中に遊技客に還元された遊技球の数量を示す比率であり、パチンコ遊技機1に補給された遊技球の総数(以下、「セーフ」という)を発射装置80により発射された遊技球の総数(以下、「アウト」という)で割ったものを百分率で表したものである。例えば、セーフが60,000で、アウトが50,000である場合、出玉率は、120%となる。本実施形態では、出玉率は、120%とされ、表示領域15aには、「出玉率:120%」と表示される。
【0099】
「ベース」とは、大当たり中以外での出玉率を示すものであり、「大当たり中を除くセーフ」を「大当たり中を除くアウト」で割ったものである。すなわち、大当たりに至るまでに、遊技客が費やした遊技球の数量を示す比率である。例えば、セーフが60,000、アウトが50,000、大当たり中のセーフが57,000、大当たり中のアウトが40,000である場合、ベースは、30%となる。本実施形態では、ベースは、30%とされ、表示領域15aには、「ベース:30%」と表示される。
【0100】
そして、この状態で操作者は、図17に示す遊技設定情報入力画像を見ながら釘調整目標値の入力を行う。具体的には、操作者は、遊技設定情報入力画像に表示された釘調整目標値を変更する場合には、項目選択カーソル20dを選択ボタン20b,20cで移動させ、所望の項目、例えば「単位始動数」を選択して決定ボタン20aを押し、再び選択ボタン20b,20cを操作して、釘調整目標値を変更し所望の値を選択し決定ボタン20aを押して入力する。また、操作者は、遊技設定情報入力画像に表示された釘調整目標値の入力を行わない場合には、項目選択カーソル20dを選択ボタン20b,20cで移動させ「終了」を選択して決定ボタン20aを押す。
【0101】
従って、ステップ155では、副制御回路40は、決定ボタン20a及び選択ボタン20b,20cからの信号に基づいて、選択された項目を判定し、その項目に対応する釘調整目標値を変更可能状態と設定する。このとき、副制御回路40は、対応する釘調整目標値に対して「下線」、「?」等を表示する。例えば、「単位始動数:6.0?」と表示させる。これにより、操作者は、どの釘調整目標値が変更可能な状態か容易に認識することができる。
【0102】
次に、副制御回路40は、選択ボタン20b,20cからの信号に基づいて、対応する釘調整目標値の表示を増減させる。例えば、選択ボタン20bが押された場合には釘調整目標値を減少させ、選択ボタン20cが押された場合には釘調整目標値を増加させる。そして、決定ボタン20aからの信号を待ち、信号を受信したら、表示されている釘調整目標値を入力された釘調整目標値と判定する。
【0103】
次いで、サブCPU41は、釘調整目標値が入力されたか否かを判定し、入力されていない場合には、ステップ157に移行し、入力されている場合には、ステップ156に進む。
【0104】
ステップ156では、遊技設定情報入力処理を行う。ここでは、サブCPU41は、画像データRAM54bに記憶されている、「花火X」に対応し「単位始動数」、「大当り出玉」、「ベース」、「出玉率」に対応して記憶されている複数の遊技釘調整情報の中からステップ155で設定された遊技設定情報(例えば、「単位始動数:6.0」、「大当り出玉:2250個」、「ベース:30%」、「出玉率:120%」)に対応する遊技釘調整情報を決定する。
【0105】
次に、ステップ157では、副制御回路40は、「終了」が選択された状態で、決定ボタン20aが押されたか否かを判定し、決定ボタン20aが押されていない場合には、釘調整目標値入力中と判断して、上述したステップ155〜ステップS157を繰り返し、決定ボタン20aが押された場合には、釘調整目標値入力終了と判断して、ステップ158に進む。
【0106】
続くステップ158では、サブCPU41は、ステップ156で決定された遊技設定情報に対応する遊技釘調整情報を読み出し、表示領域15aに図18に示すように遊技釘調整情報に基づく画像を、調整すべき複数の遊技釘8a〜8jの近傍に表示させる。具体的には、サブCPU41は、矢印92a〜92jを、その矢印92a〜92jの根元が遊技釘8a〜8jの根元に対応するように表示させる。これらの矢印92a〜92jの方向は、対応する遊技釘8a〜8jの調整方向をそれぞれ示している。さらに、遊技釘8a〜8jの近傍には、対応する遊技釘8a〜8jの開け閉め量がmm単位で表示されている。なお、命釘となる遊技釘8a,8bの開け閉め量は、遊技釘8aの先端と遊技釘8bの先端との距離を示している。ここでは、遊技釘調整情報である遊技釘8a〜8jの開け閉め量及び矢印92a〜92jを、調整すべき複数の遊技釘8a〜8jの近傍に表示しているが、遊技釘8a〜8jに重なるように表示してもよい。また、図が煩雑になるのを避けるため、図18〜図21においては遊技釘8以外の入賞口等は省略されている。
【0107】
さらに、サブCPU41は、調整すべき複数の遊技釘8a〜8jのうちの少なくとも1本(例えば図18では遊技釘8a)を自動的に選定し、画像データRAM54bから遊技釘調整中情報を読み出し、遊技釘調整中情報に基づく画像を、選定された遊技釘8aに重なるように表示させる。すなわち、遊技釘8aの根元に対応する位置に、カーソル20eを表示させる。このカーソル20eは、二重丸形状「◎」を成し、その中に遊技釘8aが重なって位置するように表示する。このカーソル20eが本実施形態の遊技釘調整中情報に基づく画像とされている。そして、操作者は、この状態で、カーソル20eにより指し示された遊技釘8aに対して、遊技釘調整作業を行う。このように、次に遊技釘調整を行う遊技釘8が自動的に選択表示されるため、機能性及び利便性が向上されると共に、遊技釘調整を効率良く行うことが可能である。なお、後述するステップ163からの戻り処理の場合には、まだ遊技釘調整作業が終了していない遊技釘8の中から少なくとも1本の遊技釘8を自動的に選定する。この遊技釘8の選定の順序は、近隣の遊技釘8から順に選定してもよく、重要度の高い遊技釘8から順に選定してもよい。
【0108】
また、遊技釘調整中情報に基づく画像であるカーソル20eの形状は、「◎」に限定されず、例えば円形「○、●」、矩形「□、◇」、多角形「△」及びその他の形状「☆」等であってもよい。また、カーソル20eを表示する位置は、遊技釘8aに重なるように見える位置に限定されず、遊技釘8aの近傍であっても良く、この場合には、遊技釘8aを指し示す矢印等であっても良く、要は、カーソル20eの表示により、操作者が遊技釘調整作業を行う遊技釘8を認識できればよい。
【0109】
この状態において表示領域15aには、遊技釘8が設けられていない略中央の部分に、作業名称として「釘調整中」と表示され、その下側には、上述した複数の遊技設定情報が各々表示されている。
【0110】
ここで、操作者は、カーソル20eにより指示された遊技釘8aの調整作業が終了したら、決定ボタン20aを押すこととする。
【0111】
次に、ステップ159では、副制御回路40は、決定ボタン20aからの信号に基づいて、カーソル20eにより指示された遊技釘8aの調整作業が終了したか否かを判定する。決定ボタン20aからの信号を検知しない場合には、その遊技釘調整作業が終了していないと判定し、ステップ163に進み、決定ボタン20aからの信号を検知した場合には、その遊技釘調整作業が終了したと判定し、ステップ160に進む。
【0112】
続くステップ160では、遊技釘調整済表示処理を行う。ここでは、サブCPU41は、画像データRAM54bに記憶されている遊技釘調整済情報を読み出し、表示領域15aに、図19に示すように遊技釘調整済情報に基づく画像を、調整作業が終了した遊技釘8aに重なるように表示させる。すなわち、遊技釘調整中情報に基づくであるカーソル20eに代えて、遊技釘調整済情報に基づく画像であるカーソル20fを表示させる。また、遊技釘調整作業が済んだ遊技釘8aに対して表示されていた矢印92及びこれに対する遊技釘8の開け閉め量の表示を消去させる。
【0113】
遊技釘調整済情報に基づく画像であるカーソル20fの表示として、ここでは円形状「○」を採用し、このカーソル20fは、その中に遊技釘8aが重なって位置するように表示される。これにより、操作者は、カーソル20fにより指示された遊技釘8aが釘調整作業終了したものと、容易に認識することができる。なお、カーソル20eの形状は、「○」に限定されず、その他の形状であってもよい。ただし、上述した遊技釘調整中情報に基づく画像であるカーソル20eとの違いを容易に認識できるものであることが要求される。また、遊技釘調整済情報に基づく画像であるカーソル20fを表示する位置は、遊技釘8に重なるように見える位置に限定されず、遊技釘8の近傍であってもよく、この場合には、遊技釘8を指し示す矢印等であっても良く、要は、カーソル20fの表示により、操作者が遊技釘調整作業が終了した遊技釘8を認識できれば良い。また、命釘8a,8bに対する開け閉め量の表示は、命釘8a,8bの両方の遊技釘調整作業が終了した後に消去する。
【0114】
ステップ161では、調整すべき複数の遊技釘8a〜8jの全てについて、遊技釘調整作業が終了したか否かを判定する。サブCPU41は、遊技釘8a〜8jの全てに対して技釘調整済情報に基づく画像であるカーソル20fが表示されている場合には、遊技釘調整作業が終了したと判定して、ステップ162に移行し、遊技釘調整中情報に基づく画像であるカーソル20eの表示が残っている場合には、遊技釘調整作業が終了していないと判定して、ステップ163に進む。
【0115】
ステップ162では、サブCPU41は、遊技釘調整作業終了表示処理を実行する。ここでは、サブCPU41は、画像データRAM54bに記憶されている終了情報に基づく画像を読み出し、表示領域15aに、図20に示すように終了情報に基づく画像を表示させる。この終了情報に基づく画像では、「釘調整作業完了」という文字を表示させる。これにより、操作者は、調整すべき複数の遊技釘8a〜8j全ての調整が終了したことを容易に認識することができる。なお、終了情報に基づく画像は、「釘調整作業完了」という文字が表示されているものに限定されず、その他の文字、記号及び図等であっても良く、要は、操作者が、調整すべき複数の遊技釘8a〜8j全ての調整が終了したことを認識できれば良い。
【0116】
次いで、ステップ163では、副制御回路40は、操作者により操作されるモード切換スイッチ27からのON/OFF信号に基づいて、遊技釘調整画像表示モード終了条件が成立しているか否かを判定する。副制御回路40がON信号を受信した場合には、遊技釘調整画像表示モード終了条件が成立していないと判定し、ステップ158〜ステップ163を繰り返し、OFF信号を受信した場合には、終了条件が成立したと判定し、第2モードに関する処理を終了して、第1モードへと切り換え、図12に示すサブ制御処理のステップ124の表示制御処理に戻る。
【0117】
次に、遊技釘調整情報変更モードについて説明する。操作者は、例えば、遊技機製造元が当初定めた遊技釘調整情報通りに各遊技場が遊技釘調整を行っても遊技場に設置される遊技機の傾き等により設定通りの稼動とならない場合や、遊技機製造元が当初定めた遊技釘調整情報に誤りがあった場合などに、遊技釘調整情報の変更を行うことができる。以下、この遊技釘調整情報変更モードについて説明する。上述したように、ステップ164で、「遊技釘調整情報変更モード」が選択されている場合には、ステップ165で、機種確認処理を行う。ここでは、サブCPU41は、主制御回路30から送信された性能情報コマンドを受信し、この性能情報コマンドに基づいてパチンコ遊技機1の機種(「花火X」)を認識し、画像データRAM54bに記憶されている複数の遊技釘調整情報の中からパチンコ遊技機1の機種(「花火X」)に対応する複数の遊技釘調整情報を特定する。
【0118】
続くステップ166では、サブCPU41は、画像データRAM54bに記憶されている画像情報を読み出し、表示領域15aに、図21に示す遊技釘調整情報変更画像を表示させる。具体的には、遊技釘8が設けられていない略中央の部分に、作業名称として「データ変更中」と表示し、その下側には、上述した遊技設定情報、遊技釘調整情報、「終了」という文字を上から順に表示させると共に、これらの各項目が選択されていることを指示するための項目選択カーソル20dを表示させる。また、調整すべき複数の遊技釘8a〜8jの近傍には、矢印92a〜92jを、その矢印92a〜92jの根元が遊技釘8a〜8jの根元に対応するように表示させる。これらの矢印92a〜92jの方向は、対応する遊技釘8a〜8jの調整方向をそれぞれ示している。さらに、遊技釘8a〜8jの近傍には、対応する遊技釘8a〜8jの開け閉め量が表示される。そして、調整すべき複数の遊技釘8a〜8jの何れか1本には、その遊技釘8が選択されていることを指示するための遊技釘選択カーソル20gが表示される。ここでは、遊技釘選択カーソル20gとして「○」を採用することとするが、上述した遊技釘調整中情報に基づく画像であるカーソル20eや遊技釘調整済情報に基づく画像であるカーソル20fと同一の形状でも良く、異なる形状でも良い。
【0119】
そして、この状態で操作者は遊技釘調整情報の変更作業を行う。まず、操作者は、選択ボタン20b,20cを押して、遊技釘選択カーソル20gを移動させ、遊技釘調整情報(遊技釘の開け閉め量や遊技釘調整方向)の変更を行う遊技釘8(例えば、遊技釘8d)を選択し、決定ボタン20aを押す。次に操作者は、選択ボタン20b,20cを押して、項目選択カーソル20dを移動させ、遊技釘8の開け閉め量を変更する場合には「距離」を選択し、遊技釘調整方向を変更する場合には「角度」を選択し、決定ボタン20aを押す。次いで操作者は、選択ボタン20b,20cを押して、数値を増減させ、所望の値を選択して、決定ボタン20aを押して、データを変更する。
【0120】
従って、ステップ167では、副制御回路40は、決定ボタン20a及び選択ボタン20b,20cからの信号に基づいて、選択された遊技釘8を判定し、この遊技釘8に関する遊技釘調整情報を画像データRAM54bから読み出し、表示領域15aの中央部に表示させる。この場合、例えば「距離:2.0mm→2.0mm」、「角度:4時→4時」と表示する。次に、副制御回路40は、決定ボタン20a及び選択ボタン20b,20cからの信号に基づいて、選択された項目(例えば、距離)を判定し、その項目に対応するデータを変更可能状態と設定する。このとき、副制御回路40は、対応するデータに対して「下線」、「?」等を表示する。表示領域15aの中央部には、「距離:2.0mm→2.0mm?」と表示されている。
【0121】
次いで、副制御回路40は、選択ボタン20b,20cからの信号に基づいて、対応するデータの表示を増減させる。そして、決定ボタン20aからの信号を待ち、信号を受信したら、表示されているデータを入力されたデータと判定する。副制御回路40は、データ入力の有無を判定し、データ入力がない場合には、ステップ169に移行し、データ入力がある場合には、ステップ168に進む。
【0122】
ステップ168では、遊技釘調整情報変更処理を行う。ここでは、サブCPU41は、画像データRAM54bに変更された遊技釘調整情報を記憶させる。
【0123】
次に、ステップ169では、副制御回路40は、「終了」が選択された状態で、決定ボタン20aが押されたか否かを判定し、決定ボタン20aが押されていない場合には、データ変更作業中と判断して、ステップ170に進み、決定ボタン20aが押された場合には、データ変更作業終了と判断して、第2モードに関する処理を終了させる。
【0124】
ステップ170では、副制御回路40は、操作者により操作されるモード切換スイッチ27からのON/OFF信号に基づいて、遊技釘調整画像表示モード終了条件が成立しているか否かを判定する。副制御回路40がON信号を受信した場合には、遊技釘調整画像表示モード終了条件が成立していないと判定し、ステップ166〜ステップ170を繰り返し、OFF信号を受信した場合には、終了条件が成立したと判定し、第2モードに関する処理を終了させる。
【0125】
このように、本実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技釘8が設けられた遊技領域4aのその背面側に透光性部材14を介して視認可能に配置されている表示領域15aに、遊技釘調整情報に基づく画像が表示され、この遊技釘調整情報に基づく画像が、その遊技釘8と重なるように又はその遊技釘8の近傍に位置するように表示されるため、携帯端末や遊技釘調整用のマニュアルを用いること無く遊技盤4を見ながら遊技釘調整を行えると共に、この遊技釘調整情報に基づく画像が遊技釘調整の目安となる。その結果、経験が乏しい者であっても遊技釘調整を容易且つ円滑に行うことができる。また、遊技釘調整情報は遊技釘8全体の配置構成が同一でパチンコ遊技機1の性能を示す性能情報ごとに複数情報記憶され、この複数情報の中から、そのパチンコ遊技機1の性能(例えば「花火X」、「花火E」等)に対応する遊技釘調整情報が決定されて遊技釘8と重なるように又はその遊技釘8の近傍に位置するように表示されるため、人手による遊技釘調整表の管理が不要とされると共に、性能に応じた遊技釘調整情報に基づく画像が提供される。その結果、遊技釘調整表の管理の煩わしさから解放されると共に、遊技釘8の全体の配置構成(ゲージ構成)が同一で性能(スペック)が異なるパチンコ遊技機の遊技釘調整の混同を防止することができる。
【0126】
また、パチンコ遊技機1の性能に応じて遊技の動作を制御する主制御回路30を備え、この主制御回路30は、主制御回路30を有するパチンコ遊技機1の性能情報を性能情報コマンドとして送信し、サブCPU41は、主制御回路30により送信された性能情報コマンドを受信し当該受信した性能情報コマンドに基づいて、画像データRAM54bに記憶された複数の遊技釘調整情報の中から、受信した性能情報コマンドに対応する遊技釘調整情報を決定する構成であるため、操作者による所定の操作等が無くても、性能に応じた遊技釘調整情報が自動的に決定される。その結果、機能性及び利便性が向上されている。
【0127】
なお、本実施形態では、ステップ153でパチンコ遊技機1の機種確認を主制御回路30からの信号に基づいて自動的に行っているが、ホールコンピュータからの信号に基づいて行っても良く、また、ステップ153を省略してステップ155で決定ボタン20a及び選択ボタン20b,20c(性能情報入力操作手段)の操作者による所定の操作により機種の入力を行っても良い。このように、操作者の所定の操作により入力を行うと、操作者の好みのタイミングでパチンコ遊技機1の性能情報の入力が可能とされるため、機能性及び利便性が向上される。
【0128】
また、遊技釘調整情報が変更可能であるため、この遊技釘調整情報を個々の遊技機1に応じて最適化すること、遊技釘調整情報の誤りを修正して当該遊技釘調整情報を最新化すること等が可能となる。その結果、より正確な遊技釘調整情報を有することができる。
【0129】
また、操作者により所定に操作される決定ボタン20a及び選択ボタン20b,20cと、この決定ボタン20a及び選択ボタン20b,20cの操作者による所定の操作に基づいて画像データRAM54bに記憶された遊技釘調整情報を変更するサブCPU41と、を備えているため、操作者の好みのタイミングで遊技釘調整情報の変更が可能とされている。その結果、機能性及び利便性が向上されている。
【0130】
また、遊技者が決定ボタン20a及び選択ボタン20b,20cを操作して画像データRAM54bに記憶された遊技釘調整情報を変更することを制限するモード切換スイッチ27を備えているため、遊技釘調整情報の変更を遊技場側に限定することが可能とされている。その結果、遊技者による勝手な変更が防止される。また、遊技機製造元が当初定めた遊技釘調整情報通りに各遊技場が遊技釘調整を行っても、遊技場に設置される遊技機の傾き等により設定通りの稼動とならない場合があるが、上記のように遊技場側による遊技釘調整情報の変更が可能とされているため、その遊技場の個々の遊技機に応じて遊技釘調整情報を最適化することが可能である。また、遊技機製造元が当初定めた遊技釘調整情報に誤りがあっても、上記のように遊技場側による遊技釘調整情報の変更が可能とされているため、遊技場側で遊技釘調整情報の誤りを修正して最新化することが可能である。
【0131】
なお、パチンコ遊技機1の背面側に設けられたモード切換スイッチ27を、遊技釘調整情報変更操作制限手段としているが、例えばパチンコ遊技機1の正面側に設けられたボタン20a〜20c等を用いて、パスワード入力等の操作後に入力操作可能とする遊技釘調整情報変更操作制限手段としても良い。さらに、ホールコンピュータ等の指令を行う手段を技釘調整情報変更操作制限手段としても良い。さらに、また、タイマー等を用いて、時間設定を行い、営業時間以外に操作を可能とする遊技釘調整情報変更操作制限手段としても良い。
【0132】
また、遊技釘8の開け閉め量や遊技釘調整方向等の遊技釘調整情報は遊技設定情報(例えば単位始動数等のパチンコ遊技機に対して遊技場側が所定に管理する管理値)に応じて複数情報記憶され、決定ボタン20a及び選択ボタン20b,20cにより所定の遊技設定情報(例えば「単位始動数:6.0」等)が入力されると、複数の遊技釘調整情報の中から所定の遊技設定情報に対応する遊技釘調整情報が決定されて遊技釘8と重なるように又はその遊技釘8の近傍に位置するように表示されるため、人手による遊技釘調整表の管理が不要とされる。その結果、遊技釘調整表の管理の煩わしさから解放される。
【0133】
また、調整すべき複数の遊技釘8a〜8jの少なくとも一本の遊技釘に対して、遊技釘8を調整中であることを示す遊技釘調整中情報に基づく画像がその遊技釘8と重なるように又はその遊技釘8の近傍に位置するように表示される一方で、該当する遊技釘8の調整終了を示す操作である操作者による所定の操作が検知されると、当該遊技釘8に対して、遊技釘8を調整済であることを示す遊技釘調整済情報に基づく画像がその遊技釘8と重なるように又はその遊技釘8の近傍に位置するように表示されるため、未調整の遊技釘8と調整済の遊技釘8との識別が可能とされている。その結果、遊技釘調整を効率良く行うことが可能である。
【0134】
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態にあっては、遊技設定情報として、「単位始動数」、「大当り出玉」、「ベース」、「出玉率」を挙げているが、例えば、「営業割数」、「大当たり中アウト」、「大当たり中の寄り」、「ベース中アウト」、「ベース中差玉」を始めとしたその他の遊技情報データを遊技設定情報としても良い。ここでいう、「営業割数」とは、パチンコ遊技機1の売上げ金額における遊技客に還元された金額の割合を示すものであり、「大当たり中アウト」とは、大当たり(特賞)中に発射装置80により発射された遊技球の個数の平均値であり、「大当たり中の寄り」とは、大当たり中に遊技客が実際に獲得する遊技球の個数であり、「ベース中アウト」とは、大当たり終了から次の大当たりまでのアウトの平均値を示すものであり、「ベース中差玉」とは、大当たり終了から次の大当たり開始までの間の差玉(アウト−セーフ)の平均値を示すものである。
【0135】
また、上記実施形態にあっては、遊技釘調整情報変更操作手段として、ボタン20a〜20cを採用しているが、例えば十字キーやタッチパネル等を備え、これらの十字キーやタッチパネルを用いて、所定の操作を行うようにしても良い。さらに、所定の通信手段からの所定の信号の受信に基づいて、画像データRAM54bに記憶された遊技釘調整情報をサブCPU41を遊技釘調整情報通信変更手段として変更する構成としても良い。これにより、遊技釘調整情報を変更する際に操作者が操作手段を一々操作する必要が無く、所定の通信手段からの所定の信号を受信すれば良いため、機能性及び利便性が向上される。このような通信手段による遊技釘調整情報の変更は、特に、遊技機製造元が当初定めた遊技釘調整情報の誤りを修正して最新化する場合に有効である。この通信手段としては、例えば、ホールコンピュータと接続する有線通信や無線通信等が挙げられる。
【0136】
また、上記実施形態にあっては、画像データROM54aと、画像データRAM54bと、を備える構成としているが、画像データRAM54bに代えて、画像データROMを備える構成として良く、この場合、変更されたデータは、サブRAM43に記憶させれば良い。また、画像データROMは一つでもよく、その個数は限定されない。さらに、保存する画像データは、その他の記憶手段に保存しても良い。また、画像データRAM54bを副制御基板22に着脱可能な記憶媒体としても良く、このようにすれば、遊技釘調整情報を変更する際に操作者が操作手段を一々操作する必要が無く、変更した遊技釘調整情報を有する記録媒体を副制御基板22に装着すれば良いため、機能性及び利便性が向上される。このような記録媒体の脱着による遊技釘調整情報の変更は、特に、遊技機製造元が当初定めた遊技釘調整情報の誤りを修正し最新化する場合に有効である。記録媒体としては、例えばROMカートリッジ、CD−ROM、DVD−ROM等が挙げられる。
【0137】
また、上記実施形態にあっては、釘調整する遊技釘8の順序を自動的に選択する構成としているが、サブCPU41が、このサブCPU41により検知された操作者による所定の操作に基づいて、調整すべき複数の遊技釘8a〜8jの中から、調整済の遊技釘を除く遊技釘に対して、画像データRAM54bに記憶された遊技釘調整中情報の表示を選択する構成としても良い。このようにすると、操作者の好きな順序で遊技釘調整を行えるようになり、機能性及び利便性が向上される。
【0138】
また、上記実施形態にあっては、表示装置として液晶表示装置15を備える構成としているが、液晶表示装置15に代えて、投影機(プロジェクター)を備える構成としても良い。具体的には、例えば遊技盤4下方の収容空間に配置される投影機と、透光性基板14の背面側に配置されたスクリーンとを備え、投影機は、表示制御手段からの指令に基づいて、画像に関係する複数種類の光を発生可能な装置であり、発生した光の進路がスクリーンに向かう角度で配置されている。スクリーンは、投影機からの複数種類の光に対応する画像を映し出す幕であって投影機による表示領域を構成し、映し出された画像が、透光性基板14を通して視認可能な角度で配置されている。このスクリーンには、上述した、画像データROM54a、画像データRAM54bから読み出した画像データに基づく図柄等の画像、遊技釘調整情報に基づく画像、遊技釘調整中情報に基づく画像、遊技釘調整済情報に基づく画像、終了情報に基づく画像及び選択画像等が映し出され、遊技釘調整情報に基づく画像、遊技釘調整中情報に基づく画像及び遊技釘調整済情報に基づく画像は、パチンコ遊技機1の正面側から見て、遊技釘8と重なるように又は遊技釘8の近傍に位置するように表示される。このような投影機のように、表示装置は、透光性基板14の背面側になくても良い。
【0139】
また、上記実施形態にあっては、パチンコ遊技機1に対する適用を述べているが、例えば、アレンジボール遊技機、雀球遊技機等の遊技機に対して適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機を正面側から示す斜視図である。
【図2】図1に示すパチンコ遊技機の分解斜視図である。
【図3】図1に示すパチンコ遊技機を背面側から示す斜視図である。
【図4】図2中の遊技盤の正面図である。
【図5】図1に示すパチンコ遊技機の部分断面図である。
【図6】図1〜図5に示すパチンコ遊技機の内部の構成を中心に示すブロック構成図である。
【図7】電源を投入したあとに主制御回路により繰返し実行されるメイン制御処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図8】初期設定処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図9】特別図柄制御処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図10】システムタイマ割込処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図11】特別図柄記憶チェック処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図12】サブ制御処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図13】コマンド受信割込処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図14】表示制御処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図15】第2モードに関する処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図16】モード選択画像が表示された遊技盤の正面図である。
【図17】遊技設定情報入力画像が表示された遊技盤の正面図である。
【図18】遊技釘調整情報に基づく画像及び遊技釘調整中情報に基づく画像が表示された遊技盤の正面図である。
【図19】遊技釘調整情報に基づく画像及び遊技釘調整中情報に基づく画像並びに遊技釘調整済情報に基づく画像が表示された遊技盤の正面図である。
【図20】終了情報に基づく画像が表示された遊技盤の正面図である。
【図21】遊技釘調整情報変更画像が表示された遊技盤の正面図である。
【符号の説明】
【0141】
1…パチンコ遊技機、4…遊技盤、4a…遊技領域、8…遊技釘、14…透光性基板(透光性部材)、15…液晶表示装置(表示装置)、15a…表示領域、30…主制御回路(主制御手段)、41…サブCPU(表示制御手段、遊技釘調整情報決定手段)、51…VDP(表示制御手段)、54b…画像データRAM(遊技釘調整情報記憶手段)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置による表示領域に所定の情報を表示させる表示制御手段と、
遊技球が流下可能な遊技領域を有する遊技盤と、
前記遊技領域に設けられ、前記遊技球の流下方向を変更可能とする複数の遊技釘と、を具備し、
前記遊技盤の全部又は一部は透光性部材で形成され当該透光性部材に対して前記遊技釘が設けられ、前記表示領域の全部又は一部は前記透光性部材を通して視認可能とされた遊技機であって、
調整すべき複数の遊技釘の各々に対してその遊技釘に関する情報である遊技釘調整情報を記憶すると共に、これらの遊技釘調整情報を、遊技釘全体の配置構成が同一で遊技機の性能を示す性能情報ごとに複数情報記憶した遊技釘調整情報記憶手段と、
前記遊技釘調整情報記憶手段に記憶された複数の遊技釘調整情報の中から、その遊技機の性能に対応する遊技釘調整情報を決定する遊技釘調整情報決定手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記遊技釘調整情報決定手段で決定した遊技釘調整情報をその遊技釘と重なるように又はその遊技釘の近傍に位置するように前記表示領域に表示させることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
操作者の所定の操作により、前記遊技機の性能情報を入力可能な性能情報入力操作手段を備え、
前記遊技釘調整情報決定手段は、前記性能情報入力操作手段により入力された性能情報に基づいて、前記遊技釘調整情報記憶手段に記憶された複数の遊技釘調整情報の中から、前記性能情報に対応する遊技釘調整情報を決定することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
遊技機の性能に応じて遊技の動作を制御する主制御手段を備え、
この主制御手段は、当該主制御手段を有する遊技機の性能情報を性能情報コマンドとして送信し、
前記遊技釘調整情報決定手段は、前記主制御手段により送信された性能情報コマンドを受信し当該受信した性能情報コマンドに基づいて、前記遊技釘調整情報記憶手段に記憶された複数の遊技釘調整情報の中から、前記受信した性能情報コマンドに対応する遊技釘調整情報を決定することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項1】
表示装置による表示領域に所定の情報を表示させる表示制御手段と、
遊技球が流下可能な遊技領域を有する遊技盤と、
前記遊技領域に設けられ、前記遊技球の流下方向を変更可能とする複数の遊技釘と、を具備し、
前記遊技盤の全部又は一部は透光性部材で形成され当該透光性部材に対して前記遊技釘が設けられ、前記表示領域の全部又は一部は前記透光性部材を通して視認可能とされた遊技機であって、
調整すべき複数の遊技釘の各々に対してその遊技釘に関する情報である遊技釘調整情報を記憶すると共に、これらの遊技釘調整情報を、遊技釘全体の配置構成が同一で遊技機の性能を示す性能情報ごとに複数情報記憶した遊技釘調整情報記憶手段と、
前記遊技釘調整情報記憶手段に記憶された複数の遊技釘調整情報の中から、その遊技機の性能に対応する遊技釘調整情報を決定する遊技釘調整情報決定手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記遊技釘調整情報決定手段で決定した遊技釘調整情報をその遊技釘と重なるように又はその遊技釘の近傍に位置するように前記表示領域に表示させることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
操作者の所定の操作により、前記遊技機の性能情報を入力可能な性能情報入力操作手段を備え、
前記遊技釘調整情報決定手段は、前記性能情報入力操作手段により入力された性能情報に基づいて、前記遊技釘調整情報記憶手段に記憶された複数の遊技釘調整情報の中から、前記性能情報に対応する遊技釘調整情報を決定することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
遊技機の性能に応じて遊技の動作を制御する主制御手段を備え、
この主制御手段は、当該主制御手段を有する遊技機の性能情報を性能情報コマンドとして送信し、
前記遊技釘調整情報決定手段は、前記主制御手段により送信された性能情報コマンドを受信し当該受信した性能情報コマンドに基づいて、前記遊技釘調整情報記憶手段に記憶された複数の遊技釘調整情報の中から、前記受信した性能情報コマンドに対応する遊技釘調整情報を決定することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2006−61607(P2006−61607A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−250828(P2004−250828)
【出願日】平成16年8月30日(2004.8.30)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月30日(2004.8.30)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】
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