説明

遊技機

【課題】 1つの遊技盤上に複数の遊技構成ユニットを配し、それぞれ独立して遊技が進行すると共に、互いの遊技の進行が互いに影響しあうように制御するいことで、それぞれの遊技構成ユニットの遊技性の総和以上の遊技性を見出す。
【解決手段】 第1の始動口46Aの入賞を契機として抽選が実行される遊技構成ユニット、第2の始動口46Bの入賞を契機として抽選が実行される遊技構成ユニットに対して、特典として確変や時短、或いは確変と時短を複合させると共に、普通図柄抽選による電動チューリップ47の開放時間を変更することで、複数のゲームは適度に関与し合い、単純に複数の遊技構成ユニットを単一の遊技盤32上に配置した以上の遊技性を得ることができ、単調になりやすい遊技の進行を変化に富んだ遊技とすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技媒体が通過又は入賞することで所定の確率の下での主抽選を実行する契機となる主始動口、当該主抽選の結果を図柄変動パターン演出を表示することによって報知する主表示報知部、並びに前記主抽選の結果が当たりの場合にのみ開放する特定の入賞口、で構成された主遊技構成ユニットが、遊技盤上に複数ユニット配置された遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技機、特にパチンコ機において、通常遊技状態で、始動口(特別図柄始動入賞口)に入賞したパチンコ球を検出することで抽選がなされ、この抽選の結果、当たりとなると、前記通常遊技状態では閉止状態とされている大入賞口が所定期間、所定回数開放され(1回の開閉を1ラウンドとし、一般に10〜16ラウンド継続する。)、遊技球の入賞率を高める、遊技者に有利な状態とする特別遊技状態(以下、大当り処理という)を持つパチンコ機がある。
【0003】
この種のパチンコ機では、遊技盤面(一般には中央にあるセンター役物等)に液晶表示装置等の画像表示制御による表示部、或いはリールや球体等の機械動作制御による可動装置(以下、総称して図柄変動表示装置という)を配置し、この図柄変動表示装置に、例えば複数の図柄列をスクロール変動させ、当該変動が停止したときの各列の図柄の状態(図柄配列状態)で、前記抽選の結果を報知することがなされている(以下、図柄変動パターン演出という)。
【0004】
ところで、従来のパチンコ機では、一般的に前述の始動口、表示部、大入賞口で構成される遊技構成ユニットは単一である。このため、遊技が単調になってきており、これを解消するために、表示部における図柄変動パターン演出に趣向を凝らして、遊技者の興味を高めるようにしているが、この図柄変動パターン演出に趣向を凝らせば凝らすほど、演出時間が冗長となり、かえって遊技進行の迅速化を抑止してしまう結果となっている。
【0005】
また、前記抽選の結果が当たりの場合、さらに遊技者への特典として、確率変動、或いは時間短縮等を付与することもなされている。
【0006】
確率変動(以下、必要に応じて「確変」という)とは、抽選の結果が当たりとなり大当たり処理が終了して通常遊技に戻ったときの抽選確率を高めるものであり、次の当たりまでの遊技回数を短縮することができる。
【0007】
一方、時間短縮(以下、必要に応じて「時短」という)とは、抽選の結果が当たりとなり大当たり処理が終了した通常遊技に戻ったとき、その後の図柄変動パターン演出時間を短くし、単位時間当たりの抽選数を増やすことで、実質的に抽選確率を高めるものであり、次の当たりまでの遊技時間を短縮することができる。
【0008】
ところが、上記確変や時短では、1つの当たりの中での特典であるため、遊技のバリエーションが増えるものではなく、遊技が単調であることに変わりはない。
【0009】
このため、特許文献1では、低確率(通常確率)時において普通電動役物(始動口への入賞率を高めるための電動チューリップの抽選による開閉機能)の入賞形態によっては高確率で抽選することが提案されている。
【0010】
また、特許文献2及び特許文献3では、所謂1種の遊技と3種の遊技とを同一の遊技盤上で同時に進行させることが開示されている。
【0011】
特許文献2では、所謂1種の特別図柄表示装置と、3種の普通図柄表示装置の調和を図り、それぞれの遊技内容と遊技盤上で展開させていくことが開示されている。
【0012】
さらに、特許文献3では、所謂1種の遊技内容に必要な部品と、3種の遊技内容に必要な部品との兼用化を図ることが開示されている。
【特許文献1】特許第3495684号公報
【特許文献2】特願2001−79185公報
【特許文献3】特願2001−79193公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、上記特許文献1においては、抽選確率の変更の手段の1つとして、普通電動役物を用いたに過ぎず、従来の1種の遊技形態、遊技の進行に変わりがなく、遊技が単調になることを回避するには至っていない。
【0014】
また、特許文献2及び特許文献3では、2種類の遊技を同一の遊技盤上で遊技することで、遊技の趣向性が向上するが、一方の遊技進行状況が他方の遊技進行状況に大きく影響を及ぼすようなことはなく、経時的、経験的に飽きがくれば、結果として、遊技が単調になることにな変わりはない。
【0015】
本発明は上記事実を考慮し、1つの遊技盤上に複数の遊技構成ユニットを配し、それぞれ独立して遊技が進行すると共に、互いの遊技の進行が互いに影響しあうように制御することで、それぞれの遊技構成ユニットの遊技性の総和以上の遊技性を見出すことができる遊技機を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
請求項1に記載の発明は、遊技媒体が通過又は入賞することで所定の確率の下での主抽選を実行する契機となる主始動口、当該主抽選の結果を図柄変動パターン演出を表示することによって報知する主表示報知部、並びに前記主抽選の結果が当たりの場合にのみ開放する特定の入賞口、で構成された主遊技構成ユニットが、遊技盤上に複数ユニット配置された遊技機であって、それぞれの主遊技構成ユニットが独立して機能し、かつ一方の主遊技構成ユニットの主抽選の結果で、他方の主遊技構成ユニットの遊技形態の変更を可能とすることを特徴としている。
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、それぞれの主遊技構成ユニットは独立して機能しているため、遊技者は複数の遊技を同時に楽しむことができる。また、一方の遊技構成ユニットの主抽選の結果で、他方の主遊技構成ユニットの遊技形態が変更されるため、一方の主遊技構成ユニットの遊技が単独で実行されていても、複数の主遊技構成ユニットの遊技が同時に進行されていても、常に全ての主遊技構成ユニットの遊技状態を認識している必要があり、適性に遊技を複雑化することができ、単調な遊技から脱却することができる。
【0018】
請求項2に記載の発明は、遊技媒体が通過又は入賞することで所定の確率の下での主抽選を実行する契機となる主始動口、当該主抽選の結果を図柄変動パターン演出を表示することによって報知する主表示報知部、並びに前記主抽選の結果が当たりの場合にのみ開放する特定の入賞口、で構成された主遊技構成ユニットが、遊技盤上に複数ユニット配置された遊技機であって、前記複数の主遊技構成ユニットが、主抽選の結果が当たりのときに、さらに所定の確率で特典が付与される機能を備え、前記一方の主遊技構成ユニットが常時実行される遊技であり、他方の主遊技構成ユニットに基づく遊技が前記一方の主遊技構成ユニットに基づく遊技結果に依存して実行頻度が変化する遊技であり、それぞれの主遊技構成ユニットが独立して機能し、かつ一方の主遊技構成ユニットの主抽選の結果で、他方の主遊技構成ユニットの遊技形態の変更を可能とすることを特徴している。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、一方の主遊技構成ユニットは常に実行されており、この一方の主遊技構成ユニットでの遊技において、所定の契機で他方の主遊技構成ユニットの遊技の実行の頻度が変更される。すなわち、他方の遊技構成ユニットは、一方の遊技構成ユニットの遊技状態に依存することになる。
【0020】
また、一方の主遊技構成ユニットの主抽選の結果で、他方の主遊技構成ユニットの遊技形態が変更されるため、一方の主遊技構成ユニットの遊技が単独で実行されているとき、或いは複数の主遊技構成ユニットの遊技が同時に進行されているときでも、常に全ての主遊技構成ユニットの遊技状態を認識している必要があり、適度に遊技を複雑化することができ、単調な遊技から脱却することができる。
【0021】
さらに、それぞれの主遊技構成ユニットには、それぞれ特典が付与される可能性があり、それぞれの主遊技構成ユニットでの遊技性も高いのに加え、互いにリンクしあっているため、相乗効果を味わえることができる。
【0022】
請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の発明において、前記遊技形態の変更を可能とする契機が、前記特典を逸したときであることを特徴としている。
【0023】
請求項3に記載の発明によれば、特典を逸したときは、遊技者は不快感を覚えることになるが、この特典を逸したときに、遊技形態の変更を可能とすることで、遊技者に新たな期待感を持たせることができる。
【0024】
請求項4に記載の発明は、前記請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の発明において、前記遊技形態の変更の内容が、前記他方の主遊技構成ユニットの主始動口への入賞頻度であることを特徴としている。
【0025】
請求項4に記載の発明によれば、他方の主遊技構成ユニットの主始動口に対して、相対的に入り易さ、入り難さの差を持つ、例えば2種類の状態を設定しておき、遊技形態の変更の内容としてこの他方の主遊技構成ユニットの主始動口の入賞頻度(入り易さ、入り難さ)とすることで、遊技の状態に損得の優劣をつけることができる。
【0026】
請求項5に記載の発明は、前記請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の発明において、前記一方の主遊技構成ユニットで主抽選される当たり、かつ当たり図柄の中の特定図柄での報知で、前記他方の主遊技構成ユニットの主始動口への入賞頻度を高めることを特徴としている。
【0027】
請求項5に記載の発明によれば、他方の主遊技構成ユニットの主始動口への入賞頻度を高めるためのきっかけを、一方の主遊技構成ユニットで主抽選される当たり、かつ当たり図柄の中の特定図柄での報知とすることで、複数の主遊技構成ユニットによる遊技を関連付けることができる。
【0028】
請求項6に記載の発明は、前記請求項1乃至請求項5の何れか1項記載の発明において、前記遊技盤上に設けられ通過又は入賞することで所定の確率の下での副抽選を実行する契機となる副始動口、前記副抽選の結果を図柄変動パターン演出を表示することによって報知する副表示報知部、並びに前記他方の主遊技構成ユニットの主始動口に配置され前記副抽選結果が当たりの場合に所定時間開放する電動チューリップ、で構成された副遊技構成ユニットをさらに有することを特徴としている。
【0029】
請求項6に記載の発明によれば、前記主遊技構成ユニットは、所謂特別図柄役物装置と賞される1種等のメインとなる役物であるのに対し、副抽選を行い、その結果を図柄変動パターン演出表示し、当たりの場合に、他方の主遊技構成ユニットの主始動口に配設された電動チューリップを所定時間開放する、所謂普通図柄役物装置を併設することで、遊技のバリエーションをさらに拡大することができる。
【0030】
請求項7に記載の発明は、前記請求項6に記載の発明において、前記入賞頻度を高める手段が、前記電動チューリップの開放時間の延長であることを特徴としている。
【0031】
請求項7に記載の発明によれば、前記入賞頻度を高めるため、上記電動チューリップ電動チューリップの開放時間が長ければ長いほど、他方の主遊技構成ユニットの主始動口への入賞頻度が高くなることを利用する。
【0032】
請求項8に記載の発明は、前記請求項2乃至請求項7の何れか1項記載の発明において、前記他方の主遊技構成ユニットの特典付与の確率が、前記一方の主遊技構成ユニットの特典付与の確率よりも高いことを特徴としている。
【0033】
請求項8に記載の発明によれば、遊技全般としては、一方の主遊技構成ユニットによる遊技がメインとなっているため、逆に他方の主遊技構成ユニットの特典付与の確率を高めることで、互いの遊技の趣向性のバランスを維持することができる。
【0034】
請求項9に記載の発明は、前記請求項2乃至請求項8の何れか1項記載の発明において、前記一方の主遊技構成ユニットの特典と、他方の主遊技構成ユニットの特典とを異なるものとし、一方の特典が前記当たりの確率を前記所定の確率よりも高める確率変動であり、他方の特典が前記主表示報知部での図柄変動パターン演出時間を短くする時間短縮であることを特徴としている。
【0035】
請求項9に記載の発明によれば、例えば、一方の主遊技構成ユニットの特典の確率変動、他方の主遊技構成ユニットの特典を時間短縮等、それぞれ異なる特典とすることで、遊技のバリエーションを拡大することができる。
【0036】
請求項10に記載の発明は、前記請求項1乃至請求項9の何れか1項記載の発明において、前記複数の主遊技構成ユニットの表示報知部とは別に、本来の主抽選の結果を表示する表示領域を設けたことを特徴としている。
【0037】
請求項10に記載の発明によれば、主遊技構成ユニットの表示報知部では、その大部分の表示領域には、本来の主抽選の結果に基づく様々な演出を加味しており、表示報知部のわずかな表示領域に本来の主抽選の結果を表示するのが一般的である。これに対して、請求項10では、本来の主抽選の結果を表示する領域を表示報知部とは別の場所に設けた。これにより、本来の主抽選の結果の表示が見易くなる。
【発明の効果】
【0038】
以上説明した如く本発明では、1つの遊技盤上に複数の遊技構成ユニットを配し、それぞれ独立して遊技が進行すると共に、互いの遊技の進行が互いに影響しあうように制御することで、それぞれの遊技構成ユニットの遊技性の総和以上の遊技性を見出すことができるという優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
図1には、本実施の形態に係るパチンコ機10が示されている。パチンコ機10は外枠12を備え、外枠12の前面には、窓部を有する額縁状の内枠14の一側部(図1の左辺部)が開閉可能に取付けられている。
【0040】
内枠14には、複数の表示灯62やスピーカ64が設けられている。また、内枠14の中央には、窓部となっており、この窓部には紙面奥行き方向に所定の間隔で互いに平行とされた一対のガラス16(二重構造)が装着されたガラス枠20が設けられている。また、内枠14の図1の右辺部には施錠装置(シリンダ)22が設けられている。
【0041】
ガラス枠20の下方位置には、球皿部24を備えた一体皿26が配設されている。この一体皿の球皿部24には、貯球タンク(図示省略)と連通し、この貯球タンク内のパチンコ球を球皿部24へ流出させる連通口23が設けられている。
【0042】
一体皿26は、その一側部(図1の左辺部)が内枠14に対して開閉可能に取付けられている。一体皿26の前面には、左側下部に灰皿28が配置され、右側下部には発射装置164(図3参照)から発射する打球の飛距離を調整するための発射ハンドル30が設けられている。
【0043】
また内枠14の窓部には、遊技盤載置台に載せて交換可能とされた遊技盤32が窓部に対応して設置されている。
【0044】
図2に示される如く、遊技盤32は、外バンド36及び内バンド38によって囲まれた略円形状の遊技領域40が形成されている。
【0045】
本実施の形態の遊技領域40には、異なる2種類の遊技構成ユニットが点在している。この遊技構成ユニットでは、それぞれ独立して遊技を進行するように制御されているが、主従の関係を持っている。
【0046】
以下、同一構成、或いは同一機能の構成部材に対して、主となる遊技構成ユニットには「第1の」という接頭語(数値接頭)を付け、従となる遊技構成ユニットには「第2の」という接頭語を付けて、区別する。
【0047】
遊技領域40には、図示しない釘や風車の他、センター役物42、当該センター役物42に相対的に下側に設けられた第1の表示部43A、上側に設けられた第2の表示部43B、並びに相対的に下側に設けられた第1の大入賞口44A、上側に設けられた第2の大入賞口44B等の役物、相対的に上側に設けられた第1の始動口46A、下側に設けられた第2の始動口46B、普通図柄始動通過装置48、一対の入賞装置49等の遊技部品が取り付けられており、最下位置にアウト口54が配置されている。なお、センター役物42の左右端部には第1の特別図柄表示装置45A、第2の特別図柄表示装置45B、上端部には普通図柄表示装置42Aが設けられている。
【0048】
第1の特別図柄表示装置45A、第2の特別図柄表示装置45Bは、抽選の結果をそのまま表示するものであり、第1の表示部43A、第2の表示部43Bは、抽選の結果に対して遊技者に興味をひきつけるよう演出用の表示をあわせた報知を行うものである。
【0049】
普通図柄始動通過装置48は、前記普通図柄抽選の始動トリガとなっており、普通図柄通過装置48をパチンコ球が通過すると普通図柄抽選が実行され、当たりの場合、普通図柄表示装置42Aの表示が当りを表示し、第2の始動口46Bに設けられた電動チューリップ47が開放し、第2の始動口46Bへの入賞が可能となる。言い換えれば、電動チューリップ47が閉止状態では、第2の始動口46Bへの入賞が不可能となっている。
【0050】
また、第1の表示部43Aの上部には、保留ランプ100が設けられており、本実施の形態では、それぞれの遊技構成ユニットにおける遊技での始動入賞を最大4個分保留することが可能となっており、この数に対応した4個×2セット(=8個)の保留ランプ100A、100Bが設けられている。
【0051】
保留とは、前記第1の表示部43A、第2の表示部43Bにおいて、図柄変動パターン演出を実行中に新たに第1の始動口46A、第2の始動口46Bに入賞した場合に、この入賞により実行された抽選の結果の報知を待機することを言う。なお、大当たり処理中に第1の始動口46A、第2の始動口46Bに入賞した場合も、第1の表示部43A、第2の表示部43Bが大当たり処理演出の動画パターンを再生しているため、保留の対象となる。但し、保留する数には限度があり(本実施の形態では、それぞれ4個)、これ以上の第1の始動口46A、第2の始動口46Bへの入賞は抽選の対象とはならない。
【0052】
図3には、パチンコ機10を制御するための制御系の概略が示されている。制御系は、主制御部150を中心として構成されている。主制御部150には、遊技に関する基本的なプログラムが記憶されており、この主制御部150からの命令信号に基づいて、各部の動作が制御されるようになっている。
【0053】
この主制御部150には、第1の始動口46Aに設けられた第1の始動入賞センサ168A、第2の始動口46Bに設けられた第2の始動入賞センサ168B、普通図柄始動通過装置48Aに設けられた普通図柄始動入賞センサ171、入賞装置49に設けられた入賞センサ172、第1の大入賞口44Aに入賞したパチンコ球を検出する第1の大入賞口センサ173A、第2の大入賞口44Bに入賞したパチンコ球を検出する第2の大入賞口センサ173B、が接続されている。なお、第1の大入賞口44A、第2の大入賞口44Bの内部には、開閉動作を継続するためのVゾーンが設けられており、このVゾーンにもそれぞれVゾーンセンサ177が設けられており、主制御部150に接続されている。なお、Vゾーンセンサ177を省略し、大入賞口センサ173A、173Bのみにする構成でもよい。
【0054】
さらに、主制御部150には、第2の始動入賞口46Bに設けられた電動チューリップ47(図2参照)を開閉させるためのソレノイド174、第1の大入賞口44A、第2の大入賞口44Bを開閉させるためのソレノイド175A、175Bが接続されると共に、第1の特別図柄表示装置45A、第2の特別図柄表示装置45B、普通図柄表示装置42A、並びに保留ランプ100A、100B(それぞれの4個のランプ構成)が接続されている。
【0055】
また、主制御部150からは盤用外部端子190を介してホールコンピュータへ遊技の進行状態を示す情報が出力されるようになっている。
【0056】
ここで、パチンコ球が第1の始動口46Aに入賞すると、これを第1の始動入賞センサ168Aで検出することで第1の抽選が実行されるようになっており、当たりの場合は、通常遊技状態から特別遊技状態へ遊技状態が移行されるようになっている。
【0057】
同様に、パチンコ球が第2の始動口46Bに入賞すると、これを第2の始動入賞センサ168Bで検出することで第2の抽選が実行されるようになっており、当たりの場合は、通常遊技状態から特別遊技状態へ遊技状態が移行されるようになっている。
【0058】
一方、この主制御部150には、演出制御部152と、払出制御部154とが接続されている。
【0059】
演出制御部152には、図柄・音声制御部156を介してスピーカ64、センター役物42の第1の表示部43A、第2の表示部43Bが接続されている。また、演出制御部152は、パチンコ機10のガラス枠20に取り付けられた複数の表示灯62の点灯・消灯を制御する。なお、第1の表示部43A、第2の表示部43Bでは、前記抽選(第1の抽選、第2の抽選)の結果を報知するための図柄変動パターン演出画像を表示すると共に、スピーカ64からは当該図柄変動パターン演出時のBGMが出力されるようになっている。すなわち、遊技者は、視覚及び聴覚を通じて、抽選の結果を含む演出を楽しむことができる。
【0060】
次に、前記主制御部150に接続された払出制御部154には、パチンコ球の払出しを実行する払出装置192が接続されている。
【0061】
また、払出制御部154には、発射制御部158が接続されており、発射制御部158は、発射装置164を制御して、遊技者によるハンドル30の操作に応じてパチンコ球を打ち出す。
【0062】
さらに、払出制御部154では、枠用外部端子194を介して払出情報をホールに設置されたホールコンピュータへ送出するようになっている。
【0063】
ここで、第1の始動口46Aへの入賞を契機とする前記第1の抽選の結果が当たりとなり、第1の特別図柄表示装置45Aにて図柄を変動・停止させると共に、第1の表示部43Aにおける図柄変動パターン演出並びにスピーカ64からのBGM出力によって、当該当選を報知し終えると、特別遊技状態である大当たり処理(第1の大入賞口44Aの所定回数、所定時間の開放)が実行される。
【0064】
この大当たり処理は、前記第1の大入賞口44Aが所定回数(ラウンド)開放するものである。1ラウンドの開放時間は約30秒とされ、この間に最大10個のパチンコ球が入賞可能となる。すなわち、時間制限である30秒、或いは数制限である10個の何れか一方が先に満足されると、そのラウンドの権利は消滅し、当該大当たり処理中に大入賞口44A内のVゾーンへの入賞があった場合に、次のラウンドへ移行することが約束される。なお、Vゾーンを省略し、単に所定個数のカウントをし、それを基に、次に継続するものでもよい。
【0065】
また、第2の始動口46Bへの入賞を契機とする前記第2の抽選の結果が当たりとなり、第2の特別図柄表示装置45Bにて図柄を変動・停止さえると共に、第2の表示部43Bにおける図柄変動パターン演出並びにスピーカ64からのBGM出力によって、当該当選を報知し終えると、特別遊技状態である大当たり処理(第2の大入賞口44Bの所定回数、所定時間の開放)が実行される。
【0066】
この大当たり処理は、前記第2の大入賞口44Bが所定回数(ラウンド)開放するものである。1ラウンドの開放時間は約30秒とされ、この間に最大10個のパチンコ球が入賞可能となる。すなわち、時間制限である30秒、或いは数制限である10個の何れか一方が先に満足されると、そのラウンドの権利は消滅し、当該大当たり処理中に大入賞口44B内のVゾーンへの入賞があった場合に、次のラウンドへ移行することが約束される。なお、Vゾーンを省略し、単に所定個数のカウントをし、それを基に、次に継続するものでもよい。
【0067】
このため、それぞれの特別遊技状態では、通常遊技状態よりも短期間で多くの入賞が期待され、遊技者にとって有利な遊技状態とすることができる。
【0068】
ここで、前述したように、前記第1の表示部43Aにおいて、図柄変動パターン演出を実行中に新たに第1の始動口46Aに入賞した場合、並びに大当たり処理中に第1の始動口46Aに入賞した場合、保留ランプ100Aの表示がその分、点灯数が増えていく(最大4個)。一方、前回の図柄変動パターン演出が終了する、或いは大当たり処理が終了すると、第1の表示部43Aでは、保留分の第1の抽選結果の報知を行うべく、新たな図柄変動パターン演出が開始される。これに伴い、保留ランプ100Aが1個消灯し、保留分の消化を遊技者に報知する。
【0069】
また、前記第2の表示部43Bにおいて、図柄変動パターン演出を実行中に新たに第2の始動口46Bに入賞した場合、並びに大当たり処理中に第2の始動口46Bに入賞した場合、保留ランプ100Bの表示がその分、点灯数が増えていく(最大4個)。一方、前回の図柄変動パターン演出が終了する、或いは大当たり処理が終了すると、第2の表示部43Bでは、保留分の第2の抽選結果の報知を行うべく、新たな図柄変動パターン演出が開始される。これに伴い、保留ランプ100Bが1個消灯し、保留分の消化を遊技者に報知する。
【0070】
ここで、本実施の形態では、単一の遊技盤面上に2種類の遊技構成ユニットを配設し、それぞれ独立して機能させると共に、互いの遊技状態がそれぞれ関与しあうような遊技仕様を設定することが可能となる。
【0071】
最適な遊技仕様を以下に示す。
【0072】
(1) 電動チューリップ47を普通図柄始動通過装置48を通過することを契機とする普通図柄抽選(普通図柄表示装置42Aによる当たり報知)によって所定時間開放する。
【0073】
(2) 電動チューリップ47の開放時間を第1の抽選の結果に基づいて設定する。
【0074】
(3) それぞれの遊技構成ユニットにおける当たりに特典を付与し、第2の始動口46Bへの入賞を契機とする遊技構成ユニット側での第2の抽選の確率を、第1の始動口46Aへの入賞を契機とする遊技構成ユニット側での第1の抽選の確率よりも高くする。
【0075】
すなわち、第1の始動口46Aの入賞に伴う遊技構成ユニットは、常時入賞可能としているため、所定条件成立で可能になる第2の始動口46Bの入賞に伴う遊技構成ユニットとのバランスをとるために、そのような確率構成とするものである。
【0076】
(4) 第1の始動口46Aへの入賞を契機とする遊技構成ユニット側での特典を確変とする。
【0077】
(5) 第2の始動口46Bへの入賞を契機とする遊技構成ユニット側での特典を時短とする。
【0078】
より具体的に言えば、第1の抽選によって適用されて第1の表示部43Aに表示される図柄(図柄1)を「0」、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、「7」、「8」、「9」、「10」、「11」、「12」、「13」、「14」、「15」、「16」、「17」、「18」、「19」、とし、確変図柄を奇数、非確変図柄を偶数とする。すなわち、確変確率は1/2となる。
【0079】
また、非確変図柄の内、「10」、「18」等の特別の図柄を第2の始動口46Bへの入賞を契機とする第2の抽選に基づく第2の表示部43Bでの図柄変動パターン演出の時短図柄とする(時短は100回を1単位とする)。
【0080】
第2の抽選によって適用されて第2の表示部43Bに表示される図柄(図柄2)を「a」、「b」「c」、「d」、「e」、「f」、「g」、「h」、「i」、「j」とし、「j」を非時短図柄、それ以外を時短図柄とする。すなわち、時短確率は9/10となる。
【0081】
図4は、上記遊技仕様に基づいて実行される、主制御部150における制御ブロックを機能的に示したものである。
【0082】
(第1の始動口46Aへの入賞を契機とする遊技構成ユニットの制御)
第1の始動入賞センサ168Aは、第1の抽選部200に接続され、第1の始動口46Aに有効始動があると、すなわち、パチンコ球が入賞して抽選の対象と判断されると、第1の抽選が実行される。
【0083】
抽選の結果は、抽選結果判定部202によって判定され、その当/外情報は、変動パターン抽選部204、遊技実行制御部209へ送出される。また、抽選の結果が当たりの場合には、確変/非確変情報が確変/非確変判定部208へ送出されるようになっている。
【0084】
前記変動パターン抽選部204では、抽選結果に基づいて第1の特別図柄表示装置45Aにて実行する図柄変動パターン(実動時間)を決定すると共に、遊技者に興味をひきつけるような演出を行う第1の表示部43Aにおいて実行する図柄変動パターン種を抽選で決め、決定した図柄変動パターン種情報を図柄認識部206を介してコマンド生成部210へ送出するようになっている。
【0085】
また、抽選結果が当たりの場合、前記確変/非確変判定部208から非確変情報が図柄認識部206へ送出される。このとき、図柄認識部206では、変動パターン抽選部204から、前記決定した図柄変動パターン種における最終停止図柄列を認識する。
【0086】
この図柄認識部206は、電動チューリップ開時間制御部212に接続されており、前記最終停止図柄列の認識結果に基づいて、電動チューリップ47の開時間を「長」又は「短」の何れかに制御する。当然、電動チューリップ47は、開時間が長い方が第2の始動口46Bへの入賞率が高くなる。
【0087】
電動チューリップ開時間制御部212は、開時間が設定されると、当該開時間情報をコマンド生成部210へ送出する。
【0088】
(第2の始動口46Bへの入賞を契機とする遊技構成ユニットの制御)
第2の始動入賞センサ168Bは、第2の抽選部214に接続され、第2の始動口46Bに有効始動があると、すなわち、パチンコ球が入賞して抽選の対象と判断されると、第2の抽選が実行される。
【0089】
抽選の結果は、抽選結果判定部216によって判定され、その当/外情報は、変動パターン抽選部218、遊技実行制御部209へ送出される。
【0090】
前記変動パターン抽選部218では、抽選結果に基づいて第2の特別図柄表示装置45Bにて実行する図柄変動パターン(実動時間)を決定すると共に、遊技者に興味をひきつけるような演出を行う第2の表示部43Bにおいて実行する図柄変動パターン種を抽選で決め、図柄認識部220を介して、決定した図柄変動パターン種情報をコマンド生成部210へ送出するようになっている。
【0091】
また、図柄認識部220は、時短管理部222に接続されている。
【0092】
時短管理部222では、第2の抽選の当/外に基づいて、時短の設定を管理すると共に、時短中の時短回数を管理する役目を有しており、遊技実行制御部209へ時短に関する情報を送出するようになっている。
【0093】
また、時短管理部222では、時短図柄(当たり図柄の中の9/10の図柄)で当選した場合、或いは時短回数が所定回数(100回)となった場合、前記電動チューリップ47の開時間を「短」に変更するべく、電動チューリップ開時間制御部212へ、開時間「短」信号を送出する。
【0094】
(普通図柄通過装置48の通過を契機とする遊技構成ユニットの制御)
普通図柄始動通過センサ171は、普通図柄抽選部224に接続され、普通図柄抽選が実行される。
【0095】
抽選の結果は、抽選結果判定部226によって判定され、その当/外情報は、変動パターン設定部228、電動チューリップ開時間制御部212へ送出される。すなわち、普通図柄抽選に当選すると、電動チューリップ47は所定時間(「長」又は「短」)開放するように制御される。
【0096】
また、前記変動パターン設定部228では、抽選結果に基づいて普通図柄表示装置42Aにおいて最終停止する図柄(数字)を決め、コマンド生成部210へ送出するようになっている。
【0097】
コマンド生成部210では、入力された情報に基づいてコマンドを送出し、コマンド出力部230を介して演出制御部152へコマンドを送出する。
【0098】
以下に、本実施の形態の作用を説明する。
【0099】
前述した(1)乃至(5)の遊技仕様、並びに、具体的な図柄の組合せに基づき、遊技の流れを説明する。
【0100】
ステップ300では、第1の始動口46Aに入賞(抽選に有効な入賞)があったか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ302へ移行して、第1の抽選が実行される。この第1の抽選は、通常(非確変)時は1/300程度の当選確率で実行され、確変時は1/50程度の当選確率で実行される。
【0101】
次のステップ304では、第1の表示部43A(及び第1の特別図柄表示装置45A)での図柄変動パターン種を抽選すると共に、抽選により設定された図柄変動パターン種による演出を指示し、ステップ306へ移行する。
【0102】
ステップ306では、第1の抽選結果が当たりか否かが判断され、否定判定の場合には、ステップ300へ戻る。
【0103】
また、ステップ306で肯定判定されると、ステップ308へ移行して、第1の大入賞口44Aによる大当たり処理を指示し、ステップ310へ移行する。
【0104】
大当たり処理の実行が指示されると、予め設定したラウンド数(例えば、15ラウンド)の大当たり処理が実行される。この大当たり処理中は、第1の大入賞口44Aがほとんど開放状態であるため、遊技者によって有利な状態とすることができる。所定ラウンドの大当たり処理が終了すると、通常の遊技に戻る。
【0105】
ステップ310では、当選図柄が確変図柄か否かが判断される。この確変図柄は1/2の確率となっており、肯定判定された場合には、ステップ312へ移行して当選確率を確変に設定し、ステップ300へ戻る。
【0106】
また、ステップ310で否定判定された場合には、ステップ314で当選確率を非確変に設定し、次いでステップ316へ移行して、電動チューリップ47の開時間(開放時間)を判断する。すなわち、非確変図柄(全10図柄)の内の9/10は電動チューリップ47の開放時間を「長」とする図柄(以下、電チュー「長」図柄という)であり、1/10は電動チューリップ47の開放時間を「短」とする図柄(以下、電チュー「短」図柄という)であり、当選した図柄(第1の表示部43Aで表示される最終停止図柄)に基づいて判断される。
【0107】
ステップ316で電チュー「長」図柄と判定された場合には、ステップ318へ移行して電動チューリップ47の開放時間を「長」に設定し、電チュー「短」図柄と判定された場合には、ステップ320へ移行して電動チューリップ47の開放時間を「短」に設定し、それぞれステップ322へ移行する。
【0108】
また、前記ステップ300で否定判定された場合には、このステップ322へ移行する。
【0109】
ステップ322では、普通図柄始動通過装置48をパチンコ球が通過したか否かが判断され、肯定判定されるとステップ324へ移行して、設定された開放時間で電動チューリップ47を開放し、ステップ326へ移行する。また、ステップ322で否定判定された場合には、ステップ326へ移行する。
【0110】
ステップ326では、第2の始動口46Bへの入賞(第2の抽選に有効な入賞)があったか否かが判断され、肯定判定されるとステップ328へ移行して、第2の抽選が実行される。また、ステップ326で否定判定の場合には、ステップ300へ戻る。
【0111】
ステップ328での第2の抽選は、当選確率が1/25程度で実行され、ステップ330へ移行する。
【0112】
ステップ330では、第2の表示部43B(及び第2の特別図柄表示装置45B)での図柄変動パターン種を抽選すると共に、抽選により設定された図柄変動パターン種による演出を指示し、ステップ332へ移行する。
【0113】
ステップ332では、第2の抽選の結果が当たりか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ334へ移行して第2の大入賞口44Bによる大当たり処理を指示し、次いでステップ336へ移行して、当選図柄が時短図柄か否かが判断される。
【0114】
大当たり処理の実行が指示されると、予め設定したラウンド数(例えば、2ラウンド)の大当たり処理が実行される。この大当たり処理中は、第2の大入賞口44Bがほとんど開放状態であるため、遊技者によって有利な状態とすることができる。所定ラウンドの大当たり処理が終了すると、通常の遊技に戻る。
【0115】
当選図柄は、その9/10の時短図柄であり、1/9が非時短図柄となっており、時短図柄と判定されると、ステップ338へ移行して第2の抽選に図柄変動パターン演出時間(報知時間)を時短(100回)に設定し、次いでステップ340へ移行して電動チューリップ47の開放時間を「長」に設定し、このルーチンは終了する。
【0116】
一方、ステップ336で否定判定された場合には、このルーチンは終了する。
【0117】
また、ステップ332で否定判定、すなわち第2の抽選が外れの場合は、ステップ342へ移行して時短が所定回数(100回)終了したか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ344で時短を終了させ、次いでステップ346へ移行して、電動チューリップ47の開放時間を「短」に設定し、このルーチンは終了する。また、ステップ342で否定判定された場合には、このルーチンは終了する。
【0118】
なお、上記遊技の流れは、特定の遊技仕様の下での遊技であり、本発明はこの遊技仕様に限定されるものではない。
【0119】
基本的に2種類の遊技構成ユニットを単一の遊技盤上に配設し、それぞれが独立して機能し、かつ互いに遊技状態が関与する、という条件を満足する遊技仕様であれば、他の遊技仕様に基づいて遊技を進行させるようにしてもよい。
【0120】
なお、それぞれ大当たりの抽選を行っているため、抽選の結果、第1の表示部と第2の表示部とで、遊技者からみてほぼ同時(又は片方が大当たり中に)に大当たりになる場合もあるが、その場合には、先に当たりの結果を得た方の制御を優先し、後に当たりの結果を得た方の各表示部の制御は、変動時間を延長して一方の制御(先に当たり処理を行っている間)が当たり制御の終了まで図柄の変動をしたままにする、或いは、一方が大当たり処理が始まった時点で、他方の図柄の変動処理を停止させ、終了した時点で停止解除して再開するようにする共に、該停止中には大当たり処理中の演出表示を各表示部で併せて行うように制御すればよい(変動中断信号、変動抽選終了信号等の制御をする)。
【0121】
以下に、上記条件を満足する遊技仕様の具体例を示す。
【0122】
(変形遊技仕様例1)
この変形遊技仕様例1では、第1の抽選、第2の抽選共に「時短(100回)」を特典としている。
【0123】
第1の抽選によって適用されて第1の表示部43Aに表示される図柄(図柄1)を「0」、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、「7」、「8」、「9」、「10」、「11」、「12」、「13」、「14」、「15」、「16」、「17」、「18」、「19」、とし、時短図柄を「1」、「3」、「5」、「7」、「9」、非時短図柄を「0」、「2」、「4」、「6」、「8」、「10」、「12」、「14」、「16」、「18」とする。すなわち、時短確率は1/4となる。
【0124】
第2の抽選によって適用されて第2の表示部43Bに表示される図柄(図柄2)を「a」、「b」「c」、「d」、「e」、「f」、「g」、「h」、「i」、「j」とし、「j」を非時短図柄、それ以外を時短図柄とする。すなわち、時短確率は9/10となる。
【0125】
(変形遊技仕様例2)
この変形遊技仕様例2では、第1の抽選、第2の抽選共に「時短(50回)」を特典としている。
【0126】
第1の抽選によって適用されて第1の表示部43Aに表示される図柄(図柄1)を「0」、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、「7」、「8」、「9」、「10」、「11」、「12」、「13」、「14」、「15」、「16」、「17」、「18」、「19」、とし、全図柄を時短(50回)図柄とする。すなわち、時短確率は1/1となる。
【0127】
第2の抽選によって適用されて第2の表示部43Bに表示される図柄(図柄2)を「a」、「b」「c」、「d」、「e」、「f」、「g」、「h」、「i」、「j」とし、全図柄を時短(50回)図柄とする。
【0128】
全図柄に時短がつくため、時短50回以内で第2の抽選(当選確率1/25)が当たりがくる限り,電動チューリップ47は開放時間が「長」のままとなる。その連続性の確率は87%(1−{1−(1/25)}50)となる。
【0129】
上記実施の形態、並びに変形遊技仕様1及び2では、第1の始動口46Aの入賞を契機として抽選が実行される遊技構成ユニット、第2の始動口46Bの入賞を契機として抽選が実行される遊技構成ユニットに対して、特典として確変や時短、或いは確変と時短を複合させると共に、普通図柄抽選による電動チューリップ47の開放時間を変更することで、複数のゲームは適度に関与し合い、単純に複数の遊技構成ユニットを単一の遊技盤32上に配置した以上の遊技性を得ることができ、単調になりやすい遊技の進行を変化に富んだ遊技とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】本実施の形態に係るパチンコ機の正面図である。
【図2】本実施の形態に係る遊技盤の正面図である。
【図3】本実施の形態に係るパチンコ機の制御系の概略を示すブロック図である。
【図4】本実施の形態に係る主制御部における遊技実行制御のための機能ブロック図である。
【図5】本実施の形態に係る遊技の流れを説明する制御フローチャートである。
【符号の説明】
【0131】
10 パチンコ機(遊技機)
32 遊技盤
42A 普通図柄表示装置(副表示報知部)
43A 第1の表示部(主表示報知部)
43B 第2の表示部(主表示報知部)
44A 第1の大入賞口(特定の入賞口)
44B 第2の大入賞口(特定の入賞口)
45A 第1の特別図柄表示装置
45B 第2の特別図柄表示装置
46A 第1の始動口(主始動口)
46B 第2の始動口(主始動口)
47 電動チューリップ
48 普通図柄始動通過装置(副始動口)
150 主制御部
152 演出制御部
156 図柄・音声制御部
168A 第1の始動入賞センサ
168B 第2の始動入賞センサ
171 普通図柄始動通過センサ
173A 第1の大入賞センサ
173B 第2の大入賞センサ
174 ソレノイド(電動チューリップ)
175A ソレノイド(第1の大入賞口)
175B ソレノイド(第2の大入賞口)
200 第1の抽選部
202 抽選結果判定部
204 変動パターン抽選部
209 遊技実行制御部
208 確変/非確変判定部
206 図柄認識部
210 コマンド生成部
212 電動チューリップ開時間制御部
214 第2の抽選部
216 抽選結果判定部
218 変動パターン抽選部
220 図柄認識部
222 時短管理部
224 普通図柄抽選部
226 抽選結果判定部
228 変動パターン設定部
230 コマンド出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体が通過又は入賞することで所定の確率の下での主抽選を実行する契機となる主始動口、当該主抽選の結果を図柄変動パターン演出を表示することによって報知する主表示報知部、並びに前記主抽選の結果が当たりの場合にのみ開放する特定の入賞口、で構成された主遊技構成ユニットが、遊技盤上に複数ユニット配置された遊技機であって、
それぞれの主遊技構成ユニットが独立して機能し、かつ一方の主遊技構成ユニットの主抽選の結果で、他方の主遊技構成ユニットの遊技形態の変更を可能とすることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技媒体が通過又は入賞することで所定の確率の下での主抽選を実行する契機となる主始動口、当該主抽選の結果を図柄変動パターン演出を表示することによって報知する主表示報知部、並びに前記主抽選の結果が当たりの場合にのみ開放する特定の入賞口、で構成された主遊技構成ユニットが、遊技盤上に複数ユニット配置された遊技機であって、
前記複数の主遊技構成ユニットが、主抽選の結果が当たりのときに、さらに所定の確率で特典が付与される機能を備え、
前記一方の主遊技構成ユニットが常時実行される遊技であり、他方の主遊技構成ユニットに基づく遊技が前記一方の主遊技構成ユニットに基づく遊技結果に依存して実行頻度が変化する遊技であり、
それぞれの主遊技構成ユニットが独立して機能し、かつ一方の主遊技構成ユニットの主抽選の結果で、他方の主遊技構成ユニットの遊技形態の変更を可能とすることを特徴とする遊技機。
【請求項3】
前記遊技形態の変更を可能とする契機が、前記特典を逸したときであることを特徴とする請求項2記載の遊技機。
【請求項4】
前記遊技形態の変更の内容が、前記他方の主遊技構成ユニットの主始動口への入賞頻度であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の遊技機。
【請求項5】
前記一方の主遊技構成ユニットで主抽選される当たり、かつ当たり図柄の中の特定図柄での報知で、前記他方の主遊技構成ユニットの主始動口への入賞頻度を高めることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の遊技機。
【請求項6】
前記遊技盤上に設けられ通過又は入賞することで所定の確率の下での副抽選を実行する契機となる副始動口、前記副抽選の結果を図柄変動パターン演出を表示することによって報知する副表示報知部、並びに前記他方の主遊技構成ユニットの主始動口に配置され前記副抽選結果が当たりの場合に所定時間開放する電動チューリップ、で構成された副遊技構成ユニットをさらに有することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項記載の遊技機。
【請求項7】
前記入賞頻度を高める手段が、前記電動チューリップの開放時間の延長であることを特徴とする請求項6記載の遊技機。
【請求項8】
前記他方の主遊技構成ユニットの特典付与の確率が、前記一方の主遊技構成ユニットの特典付与の確率よりも高いことを特徴とする請求項2乃至請求項6の何れか1項記載の遊技機。
【請求項9】
前記一方の主遊技構成ユニットの特典と、他方の主遊技構成ユニットの特典とを異なるものとし、一方の特典が前記当たりの確率を前記所定の確率よりも高める確率変動であり、他方の特典が前記主表示報知部での図柄変動パターン演出時間を短くする時間短縮であることを特徴とする請求項2乃至請求項7の何れか1項記載の遊技機。
【請求項10】
前記複数の主遊技構成ユニットの表示報知部とは別に、本来の主抽選の結果を表示する表示領域を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか1項記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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