説明

遊技機

【課題】操作を複雑にすることなく、遊技者が好む曲を作成できるようにする。
【解決手段】遊技者が遊技を進行する上で操作する操作手段(ベットスイッチ40等)と、画像を表示可能な画像表示装置23と、曲を構成するリズム、コードその他の曲要素を記憶した曲要素記憶手段72aと、曲要素を画像表示装置23によって画像表示するとともに、遊技者に操作手段の操作によっていずれかの曲要素を選択させる曲要素選択手段72bと、楽譜を作成するためのデータを記憶した楽譜作成データ記憶手段72cと、曲要素選択手段72bで選択された曲要素に基づいて、楽譜作成データ記憶手段72cに記憶されたデータを用いて、楽譜を作成する楽譜作成手段72dと、楽譜作成手段72dで作成した楽譜に従って、曲を出力する曲出力手段72eとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作曲機能を搭載した遊技機(例えばスロットマシン)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技機、例えばスロットマシンにおいて、BB遊技(BB遊技中の一般遊技)中に出力するBGM(サウンド)として、サウンドA又はサウンドBのいずれを出力するかを抽選によって決定し、その決定されたサウンドをBB遊技中に出力する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−74062号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、前述の特許文献1の技術では、遊技者の意図(希望)とは無関係にBGMが選択されてしまう(予め用意されたBGMからいずれか1つが選択されるにとどまる)ので、その選択されたBGMが必ずしも遊技者の好みのBGMであるとはいえなかった。
【0004】
一方、遊技者がBGMを作成できるようにした場合には、ある程度のレベルの音楽の知識が必要となるので、全ての遊技者に、BGMを円滑に作成させることは困難である。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、遊技機において、操作を複雑にすることなく、遊技者が好むBGM(曲)を作成できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の解決手段によって、上述の課題を解決する。
請求項1の発明は、遊技者が遊技を進行する上で操作する操作手段と、画像を表示可能な画像表示手段と、曲を構成するリズム、コードその他の曲要素を記憶した曲要素記憶手段と、曲要素を前記画像表示手段によって画像表示するとともに、遊技者に前記操作手段の操作によっていずれかの曲要素を選択させる曲要素選択手段と、楽譜を作成するためのデータを記憶した楽譜作成データ記憶手段と、前記曲要素選択手段で選択された曲要素に基づいて、前記楽譜作成データ記憶手段に記憶されたデータを用いて、楽譜を作成する楽譜作成手段と、前記楽譜作成手段で作成した楽譜に従って、曲を出力する曲出力手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記遊技機は、スロットマシンであり、前記操作手段として、貯留された遊技媒体を投入するためのベットスイッチ、リールを回転させるためのスタートスイッチ、及びリールの回転を停止させるためのストップスイッチを有し、前記曲要素選択手段は、前記ベットスイッチ、前記スタートスイッチ、及び前記ストップスイッチのうちの少なくとも1つによって、曲要素を選択させることを特徴とする。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の遊技機において、前記曲出力手段は、遊技中に所定の条件を満たしたときに、曲を出力することを特徴とする。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1又は請求項2に記載の遊技機において、特別役を含めて役の抽選を行う役抽選手段を備え、前記役抽選手段で特別役に当選し、特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときに、遊技者にとって有利となる特別遊技に移行させ、前記曲出力手段は、前記特別遊技中において、曲を出力することを特徴とする。
【0009】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の遊技機において、前記曲要素選択手段は、前記画像表示手段により複数種類の曲要素を画像表示するとともに、各曲要素間をカーソルが移動するようにし、前記操作手段が操作されたときのカーソルの位置する曲要素を選択させることを特徴とする。
【0010】
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の遊技機において、前記曲要素選択手段は、ジャンルを選択するステップ、リズムを選択するステップ、コードを選択するステップ、及びメロディを選択するステップを有することを特徴とする。
【0011】
(作用)
上記発明においては、遊技者は、操作手段によって好みの曲要素を選択することができる。曲要素が遊技者によって選択されると、その曲要素に基づいて楽譜が作成される。そして、その楽譜に従って、作成された曲が出力される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、曲要素を遊技者に選択させるとともに、選択された曲要素に従って楽譜が作成され、その楽譜に従って曲が出力されるので、音楽の初心者であっても、自分の好む曲要素を取り入れた曲を作成することができる。そして、遊技者自身が作成した曲が流れつつ遊技をすることで、遊技者に対して効果音をより良く提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面等を参照して、本発明の一実施形態について説明する。図1は、本実施形態におけるスロットマシン10、携帯情報端末80、及びサーバー90の各制御の概略を示すブロック図である。スロットマシン10、携帯情報端末80、及びサーバー90によって、遊技システム1を形成している。
【0014】
(スロットマシン、遊技制御手段)
スロットマシン10は、本発明における遊技機に相当するものであり、メイン制御手段60a及びサブ制御手段60bを備える。
メイン制御手段60aは、役の抽選、リール31の駆動制御、及び入賞時の払出し等の遊技の進行を制御するものであり、メイン制御基板(図示せず)上に実装されているCPU、ROM及びRAM等から構成されたものである。
また、サブ制御手段60bは、演出の出力を制御するものであり、サブ制御基板(図示せず)上に実装されているCPU、ROM及びRAM等から構成されたものである。
メイン制御基板60aとサブ制御基板60bとは、電気的に接続されている。これにより、メイン制御手段60aからサブ制御手段60bに対して演出実行指令等を送信するように形成されている。
【0015】
(操作手段(スタートスイッチ、ストップスイッチ、ベットスイッチ))
図1に示すように、メイン制御手段60aの入力側(図1中、左側)には、ベットスイッチ40、スタートスイッチ41、及びストップスイッチ42からなる操作手段が電気的に接続されている。
ベットスイッチ40は、遊技者が貯留メダルを投入するときに操作するスイッチであって、その操作によって有効ラインを設定するスイッチである。なお、図1では、メダル投入口を図示していないが、メダル投入口は、ベットスイッチ40と同様に、有効ラインを設定するために実際のメダルを投入する部分であり、メダル投入口からのメダルの投入は、ベットスイッチ40の操作に含まれるものである。
【0016】
また、スタートスイッチ41は、リール31を始動させるときに遊技者が操作するスイッチである。
さらにまた、ストップスイッチ42は、3つのリール31に対応して3つ設けられ、対応するリール31を停止させるときに遊技者が操作するスイッチである。
【0017】
(モータ、リール)
メイン制御手段60aの出力側(図1中、右側)には、モータ32が電気的に接続されている。
モータ32は、リール31を回転させるためのものであり、リール31の回転中心部に連結されている。
リール31は、リング状のものであって、その外周面には複数種類の図柄(役を構成する図柄等)を印刷したリールテープを貼付したものである。
【0018】
リール31は、本実施形態では並列に3つ設けられている。また、各リール31は、スロットマシン10のフロントパネルに設けられた表示窓(図示せず)から、上下に連続する3図柄が見えるように配置されている。よって、スロットマシン10の表示窓から、合計9個の図柄が見えるように配置されている。
【0019】
そして、スタートスイッチ41が操作されると、そのときに発生する信号がメイン制御手段60aに入力される。メイン制御手段60a(具体的には、後述するリール制御手段64)は、この信号を受信すると、全てのモータ32を駆動制御して、全てのリール31を回転させるように制御する。このようにしてリール31がモータ32によって回転されることで、リール31上の図柄は、所定の速度で表示窓内で上下方向に移動表示される。
【0020】
また、ストップスイッチ42が操作されると、そのときに発生する信号がメイン制御手段60aに入力される。メイン制御手段60a(具体的には、後述するリール制御手段64)は、この信号を受信すると、そのストップスイッチ42に対応するモータ32を駆動制御して、そのモータ32に係るリール31の停止制御を行う。
【0021】
(マイク、ICメモリ着脱部)
さらにまた、サブ制御手段60bの入力側には、以下に示すマイク51及びICメモリ着脱部52が接続されている。
マイク51は、詳細は後述するが、遊技者が作曲を行う場合に、音声を入力するためのものであり、音声が入力しやすいように、スロットマシン10の前面側に設けられている。
さらに、ICメモリ着脱部52は、遊技者が所有しているICメモリ(後述する携帯情報端末80に装着されているICメモリ)を抜き差しする部分であり、ICメモリ(集積回路)に記録(保存)されている情報を読み取る手段と、ICメモリに情報を記録する(書き込む)記録手段とを備えている。
【0022】
(演出出力手段(ランプ、スピーカ、画像表示装置))
また、サブ制御手段60bの出力側(図1中、右側)には、ランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23からなる演出出力手段が電気的に接続されている。
ランプ21は、スロットマシン10の演出用のランプであり、所定の条件を満たしたときに、それぞれ所定のパターンで点灯する。なお、ランプ21には、各リール31の内周側に固定されたバックランプ(図示せず)や、スロットマシン10の筐体前面に配置され、役の入賞時等に点滅する上部ランプ及びサイドランプ(図示せず)等が含まれる。
【0023】
さらにまた、スピーカ22は、遊技中に各種の演出を行うべく、所定の条件を満たしたときに、所定のサウンドを出力するものである。
さらに、画像表示装置(画像表示手段)23は、液晶画像表示装置やドットディスプレイ等からなるものであり、遊技中に各種の演出画像や所定の情報等を表示するものである。
【0024】
遊技の開始時には、遊技者は、ベットスイッチ40を操作してメダルを投入し、スタートスイッチ41をオンする。スタートスイッチ41がオンされることで有効ライン数が確定するとともに、全リール31が始動(回転が開始)される。
【0025】
そして、遊技者は各ストップスイッチ42を押すことで各リール31の回転を停止させる。全てのリール31の停止時に、有効ライン上にいずれかの役に対応する図柄の組合せが停止してその役の入賞となったときは、入賞した役に対応するメダルの払出し等が行われる。
【0026】
(図柄組合せライン、有効ライン)
図示しないが、スロットマシン10の表示窓を含む部分には、図柄組合せライン(有効ライン)が設けられている。
ここで、「図柄組合せライン」とは、リール31の停止時における図柄の並びラインであって図柄の組合せを形成させるラインである。本実施形態では、水平方向の中段、上段及び下段にそれぞれ設けられたラインと、右下がり及び左下がりの斜め方向の各ラインの合計5本から構成されている。そして、各リール31の上下に連続する3図柄は、それぞれ1以上の図柄組合せライン上に位置している。
【0027】
さらに、5本の図柄組合せラインのうち、遊技者によって投入されたメダル枚数に応じて、図柄組合せラインの中から、有効ラインと無効ラインとが設定される。
ここで、「有効ライン」とは、本実施形態では、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止したときに、その役の入賞となるラインである。
【0028】
一方、「無効ライン」とは、メダル投入枚数が3枚以外の場合に生じ、図柄組合せラインのうち、有効ラインとして設定されないラインであって、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止した場合であっても、その役に応じた利益の付与(メダルの払出し等)を行わないラインである。すなわち、無効ラインは、そもそも図柄の組合せの成立対象となっていないラインである。
【0029】
本実施形態では、1遊技でのメダル投入枚数は、1枚、2枚又は3枚である。そして、メダル投入枚数が1枚であるときには、水平方向中段の図柄組合せライン(1本)が有効ラインに設定されるとともに残りの4本の図柄組合せラインが無効ラインに設定される。また、メダル投入枚数が2枚であるときは、水平方向中段、上段及び下段の図柄組合せライン(合計3本)が有効ラインに設定されるとともに他の2本の図柄組合せラインが無効ラインに設定される。さらにまた、メダル投入枚数が3枚であるときには、全ての図柄組合せライン(合計5本)が有効ラインに設定され、無効ラインは存在しない。
【0030】
(役)
本実施形態では、役として、特別役(BB及びRB)、小役、及びリプレイが設けられている。
【0031】
特別役とは、通常遊技から特別遊技(通常遊技とは異なる役の抽選が行われる遊技であって、通常遊技以上にメダルの獲得が期待できる、遊技者にとって有利となる遊技)に移行される役である。本実施形態では、特別役として、BB(ビックボーナス)、及びRB(レギュラーボーナス)が設けられている。
ここで、BBは、特別遊技の1つであるBB遊技に移行させる役であり、RBは、特別遊技のさらに他の1つであるRB遊技に移行させる役である。
【0032】
また、小役とは、予め定められた枚数のメダルが払い出される役であり、本実施形態では、通常遊技中の小役として、複数種類が設けられており、BB遊技中及びRB遊技中の小役として、さらに別の小役が設けられている。そして、小役の種類に応じて、その役に対応する図柄の組合せ及びメダルの払出し枚数が異なるように設定されている。
さらにまた、リプレイとは、再遊技役であって、当該遊技で投入したメダル枚数を維持した再遊技が行えるようにした役である。
【0033】
また、図示しないが、以上の各種の役に対応する、リール31の図柄の組合せが予め定められている。例えば、BBに対応する図柄の組合せは、「7」−「7」−「7」と定められている。そして、全てのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止し、その役の入賞となったときは、その役に対応する枚数のメダルが払い出される。
【0034】
(役抽選手段)
役抽選手段61は、上記した役の抽選を行うものであり、例えば、役抽選用の乱数発生手段(ハードウェア乱数等)と、この乱数発生手段が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段と、乱数抽出手段が抽出した乱数値に基づいて、役の当選の有無及び当選役を判定する判定手段とを備えている。
【0035】
乱数発生手段は、所定の領域(例えば10進法で0〜65535)の乱数を発生させる。乱数は、例えば200n(ナノ)secで1カウントを行うカウンターが0〜65535の範囲を1サイクルとしてカウントし続ける乱数であり、スロットマシン10の電源が投入されている間は、乱数をカウントし続ける。
【0036】
乱数抽出手段は、乱数発生手段によって発生した乱数を、所定の時、本実施形態では遊技者によりスタートスイッチ41がオンされた時に抽出する。判定手段は、乱数抽出手段により抽出された乱数値を、後述する役抽選テーブル62と照合することにより、その乱数値が属する領域に対応する役を決定する。例えば、抽出した乱数値がBB当選領域に属する場合は、BBの当選と判定し、非当選領域に属する場合は、非当選と判定する。
【0037】
(役抽選テーブル)
役抽選テーブル62は、抽選される役の種類と、各役の当選確率とを定めたものである。また、役抽選テーブル62は、遊技状態(通常遊技中(非内部中/内部中)、BB遊技中及びRB遊技中)ごとに、特有の役抽選テーブル62を備えている。
【0038】
先ず、通常遊技中の非内部中(後述)に用いられる役抽選テーブル62は、特別役(BB及びRB)、小役、リプレイ及び非当選の各領域を有し、その領域が、予め設定された当選確率となるように所定の割合に設定されている。
また、通常遊技中の内部中(後述)の役抽選テーブル62は、通常遊技中の非内部中の役抽選テーブル62に対し、特別役の当選領域が非当選領域に設定されたものである。
さらにまた、BB遊技中及びRB遊技中の役抽選テーブル62は、リプレイの当選領域が存在しないとともに、小役が抽選されるように設定されたものである。
【0039】
(特別役当選持越し手段)
特別役当選持越し手段63は、上述した特別役(BB、及びRB)に当選したときに、その特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止するまで(その特別役が入賞するまで)の遊技において、特別役の当選を次遊技以降に持ち越すように制御するものである。
【0040】
各役において、役に当選した遊技でその役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しなかったときは、次遊技以降に持ち越される役と、持ち越されない役とが定められている。
持ち越される役としては、特別役(BB及びRB)が挙げられる。特別役に当選したときは、リール31の停止時に、特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止するまでの遊技において、特別役の当選を次遊技以降に持ち越すように制御される。
【0041】
なお、特別役に当選していない遊技中(特別役の当選が持ち越されていない遊技中)を、「非内部中」という。また、当該遊技又はそれ以前の遊技において特別役に当選しているが、当選した特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止していない(入賞していない)遊技中(特別役の当選が持ち越されている遊技中)を「内部中」という。
【0042】
以上のように特別役の当選は持ち越されるのに対し、特別役以外の役は、持ち越されない。役の抽選において、特別役以外の役に当選したときは、当該遊技でのみその当選役が有効となり、その当選は次遊技以降に持ち越されない。すなわち、これらの役に当選した遊技では、その当選した役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止(入賞)可能なようにリール31が停止制御されるが、その当選役の入賞の有無にかかわらず、その遊技の終了時に、その当選役に係る権利は消滅する。
【0043】
また、本実施形態では、特別役に当選したときは、その特別役の当選を記憶しておくため、特別役の種類ごとに、特別役フラグ(BBフラグ、及びRBフラグ)を備える。そして、例えばBBに当選したときは、BBフラグが(オフから)オンにされ、RBに当選したときは、RBフラグがオンにされる。また、各フラグのオンの状態は、それぞれその特別役が入賞するまで維持され、その特別役が入賞した時点で、オンからオフに戻される。
【0044】
(リール制御手段)
リール制御手段64は、先ず、スタートスイッチ41が操作されたときに、全て(3つ)のリール31の回転を開始するように制御するものである。さらに、リール制御手段64は、ストップスイッチ42が操作されたときに、役抽選手段61による役の抽選結果と、ストップスイッチ42が操作されたときのタイミング等とに基づいて、後述の停止位置決定テーブル65を参照してそのストップスイッチ42に対応するリール31の停止位置を決定するとともに、モータ32を駆動制御して、その決定した位置にそのリール31が停止するように制御するものである。
【0045】
例えば、リール制御手段64は、役に当選した遊技では、リール31の停止制御の範囲内において、当選役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるようにリール31を停止制御するとともに、当選役以外の役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないようにリール31を停止制御する。
【0046】
ここで、「リール31の停止制御の範囲内」とは、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31が実際に停止するまでのリール31の回転量(図柄の移動数)の範囲内を意味し、本実施形態では、ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄を含めて5図柄以内に設定されている。いいかえれば、リール31の停止制御時間の範囲内、すなわちストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31が実際に停止するまでの時間を意味し、本実施形態では、ストップスイッチ42が操作された瞬間から190ms以内に設定されている。
【0047】
これにより、ストップスイッチ42の操作を検知した瞬間の図柄から数えてリール31の停止制御の範囲内にある図柄数(5図柄)先までの図柄のいずれかが有効ラインに停止させるべき図柄であるときは、ストップスイッチ42が操作されたときに、その図柄が有効ラインに停止するように制御されることとなる。
【0048】
いいかえれば、役の当選時にストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選した役に係るその図柄が有効ラインに停止しないときには、リール31の停止時に、「リール31の停止制御の範囲内」においてリール31を回転移動制御することで、当選した役に係る図柄ができる限り有効ラインに停止させるように制御するものである。
【0049】
また逆に、役の非当選時に、ストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選していない役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止してしまうときは、リール31の停止時に、「リール31の停止制御の範囲内」においてリール31を回転移動制御することで、当選していない役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しないように制御する。
【0050】
(停止位置決定テーブル65)
停止位置決定テーブル65は、役抽選手段61による役の抽選結果と、ストップスイッチ42が操作された瞬間のリール31の位置とから、リール31の図柄の停止位置を定めたものである。
停止位置決定テーブル65としては、BBテーブル、RBテーブル、小役テーブル、リプレイテーブル、及び非当選テーブルを備える。
【0051】
BBテーブルは、当該遊技でBBに当選したこと、又は当該遊技以前の遊技でBBに当選し、かつ当該遊技では非当選であることを条件として用いられ、リール31の停止制御の範囲内においてBBに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、BB以外の役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
RBテーブルについても上記と同様である。
【0052】
また、小役テーブルは、当該遊技で小役に当選したことを条件として用いられ、リール31の停止制御の範囲内において小役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、小役以外の役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
リプレイテーブルも同様である。
【0053】
さらにまた、非当選テーブルは、特別役の当選を持ち越していない非当選時の遊技で用いられ、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
以上の停止位置決定テーブル65を用いて、リール制御手段64は、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を停止制御する。
【0054】
(停止図柄判断手段)
停止図柄判断手段66は、リール31の停止時に、有効ラインに停止したリール31の図柄の組合せが、いずれかの役に対応する図柄の組合せと一致するか否かを判断するものである。停止図柄判断手段66は、例えばモータ32の停止時の角度やステップ数等を検知することにより、有効ライン上の図柄を判断する。
【0055】
なお、停止図柄判断手段66は、リール31が実際に停止してから図柄の組合せを判断するのではなく、ストップスイッチ42が操作された瞬間のリール31の位置から、停止位置決定テーブル65によってリール31の停止位置が定められた時点で、有効ライン上の図柄の組合せを判断することも可能である。
【0056】
(払出し手段)
払出し手段67は、停止図柄判断手段66により、リール31の停止時に有効ラインに停止した図柄の組合せがいずれかの役に対応する図柄の組合せと一致すると判別され、その役の入賞となったときに、その入賞役に応じて所定枚数のメダルを遊技者に対して払い出すか、又はクレジットの加算等の処理を行うものである。また、リプレイの入賞時は、メダルを払い出すことなく、当該遊技で投入されたメダル枚数を自動投入するように制御する。
【0057】
(特別遊技制御手段)
特別遊技制御手段68は、特別遊技(BB遊技及びRB遊技)の開始(通常遊技から特別遊技への移行)、特別遊技中の遊技の進行、及び特別遊技の終了(特別遊技から通常遊技への移行)等を制御するものである。
【0058】
特別遊技制御手段68は、BBに対応する特定の図柄の組合せが有効ラインに停止したときには、通常遊技からBB遊技に移行させる。また、RBに対応する特定の図柄の組合せが有効ラインに停止したときには、通常遊技からRB遊技に移行させる。
先ず、通常遊技中に、BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、BBの入賞となり、次遊技からBB遊技が開始される。
【0059】
BB遊技では、小役等の抽選が行われるとともに、払い出されたメダル枚数をカウントする。また、本実施形態では、BB遊技の終了条件として、BB遊技中に払い出されたメダル枚数が上限値を超えたことに設定されている。ここで、本実施形態の上限値は、465枚に設定されている。
そこで、本実施形態では、特別遊技制御手段68は、BB遊技中に払い出されたメダル枚数をカウントし、毎遊技、払い出された枚数を更新し続ける。
そして、特別遊技制御手段68は、カウントされた払出し枚数が上限値(465枚)を超えたと判別したときは、BB遊技の終了条件を満たすと判別し、次遊技以降、通常遊技に戻るように制御する。
【0060】
さらにまた、特別遊技制御手段68は、RBに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したこと、すなわちRBが入賞したことを条件として、RB遊技に移行するように制御する。RB遊技は、役の入賞回数が8回に到達するまで、又は遊技回数が12回に到達するまで、実行される遊技である。特別遊技制御手段68は、RB遊技中は、役の入賞回数及び遊技回数をカウントし、いずれか一方が満たされた場合は、RB遊技を終了し、通常遊技に移行する。
【0061】
また、サブ制御手段60bでは、以下の演出制御手段71等を備える。
(演出制御手段)
演出制御手段71は、上述した演出出力手段(ランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23)からの演出の出力を制御するものである。
演出制御手段71は、遊技ごとに、役抽選手段61による役の抽選結果に基づいて、演出パターンを選択する。特に本実施形態では、複数種類の演出パターンが予め設けられている。そして、演出制御手段71は、遊技の開始時等に、役抽選手段61による役の抽選が行われた後、ソフトウェア乱数を用いた抽選によっていずれか1つの演出パターンを選択する。
【0062】
また、演出パターンは、当選役に応じて、それぞれ複数種類が設けられている。例えば、BB当選時、RB当選時、小役当選時、非当選時、非内部中又は内部中ごとに、それぞれ複数種類の演出パターンが設けられている。
【0063】
演出パターンは、遊技の進行に伴って、どのようなタイミングで(スタートスイッチ41の操作時や各ストップスイッチ42の操作時等)、どのような演出を出力するか(ランプ21をどのように点灯、点滅又は消灯させるか、スピーカ22からどのようなサウンドを出力するか、及び画像表示装置23にどのような画像を表示させるか等)を定めたものである。
そして、演出制御手段71は、選択した演出パターンに従い、所定のタイミングで演出出力機器から演出を出力するように制御する。
【0064】
(曲制御手段)
曲制御手段72は、遊技者に作曲させるとともに、作成した曲をスピーカ22から出力するように制御する手段である。曲制御手段72としては、曲要素記憶手段72a、曲要素選択手段72b、楽譜作成データ記憶手段72c、楽譜作成手段72d、曲出力手段72e、ICメモリ制御手段72f、二次元コード生成手段72gを備える。
なお、作曲は、BB遊技中に行われる。BB遊技に移行すると、例えば第1遊技目ではモードを選択し、第2遊技目ではジャンルを選択する等、複数遊技で曲要素を選択していき、曲を完成させる。そして、完成した曲は、そのBB遊技中でのサウンド(BGM)として出力される。
【0065】
図2(a)は、BB遊技中における作曲の流れを概略で示すフローチャートである。
先ず、ステップS1でBB遊技が開始されると、BB遊技の最初の遊技(第1遊技目)で、作曲に係るモードを遊技者に選択させる。本実施形態のモードとしては、主として遊技者が曲を作成する「自作モード」と、主としてスロットマシン10側で曲を作成する「自動モード」とが設けられている。そして、画像表示装置23に、「自作モード」と「自動モード」とを画像表示するとともに、カーソルが「自作モード」及び「自動モード」上を交互に移動するとともに、スタートスイッチ41を遊技者に操作させる。そして、スタートスイッチ41の操作によりモードを選択させるようにする。すなわち、スタートスイッチ41が操作されたときにカーソルが位置するモードを選択されたモードとする。
【0066】
以上のようにして、曲制御手段72は、図2(a)のフローチャート中、ステップS2で自作モードが選択されたか否かを判別し、自作モードが選択されたと判別したときはステップS3に進み、自作モードの作曲処理を行う。そして、ステップS5に進み、作成された曲を出力する。一方、ステップS2で、自作モードが選択されなかったと判別したときは、ステップS4に進み、自動モードでの作曲処理を行う。そして、上記と同様にステップS5に進み、作成した曲を出力する。
【0067】
図2(b)は、自作モードでの処理の流れを示すフローチャートであり、曲要素選択手段72b及び楽譜作成手段72dでの処理を示すものである。図2(b)に示すように、ステップS11の自作モードに進むと、ステップS12〜ステップS16までの各処理を行う。
【0068】
(曲要素記憶手段)
曲要素記憶手段72aは、曲を構成する曲要素、特に本実施形態ではジャンル、リズム、コード、メロディの各曲要素を、データとして記憶しているものであり、例えばROMが用いられる。
なお、本発明では、「曲を構成するリズム、コードその他の曲要素」と表現しているが、ここでの「リズム」や「コード」は、単なる例示であって、あとに続く一層意味内容の広い「曲要素」(楽曲を構成する要素)の例に過ぎないものである。したがって、「リズム」や「コード」により、「曲要素」の意味が制約されることはなく、「曲要素」に「リズム」や「コード」を含むことが条件になるものではない。また、「リズム」や「コード」は勿論のこと、本実施形態で示した「ジャンル」や「メロディ」等も「曲要素」に該当する。さらには、「調子(例えば音調、音律、長調、短調等)」、「音階(例えば長音階、短音階、全音階、半音階等)、「拍子(例えば三拍子、四拍子等)」、「旋律(例えば音調、階調、曲調、音律等)」、「声域(例えばバス、ソプラノ、アルト等)」も、本発明における「曲要素」に含まれるものである。
【0069】
(曲要素選択手段)
曲要素選択手段72bは、ジャンル、リズム、コード、メロディからなる各曲要素の種類を画像表示装置23によって画像表示するとともに、遊技者に、操作手段(ベットスイッチ40、スタートスイッチ41、及びストップスイッチ42のうち、少なくとも1つ)の操作によっていずれかの曲要素を選択させるものである。曲要素選択手段72bは、ジャンルを選択するステップ(ステップS12)、リズムを選択するステップ(ステップS13)、コードを選択するステップ(ステップS14)、及びメロディを選択するステップ(ステップS15及びステップS16)を有する。
【0070】
曲要素選択手段72bは、例えばジャンルの曲要素を選択させるとき(BB遊技の第2遊技目)は、画像表示装置23により複数種類のジャンルを画像表示するとともに、各ジャンル間をカーソルが移動するようにし、スタートスイッチ41が操作されたときのカーソルの位置するジャンルを選択させるように制御する。
【0071】
本実施形態では、作成する曲は、8小節からなり、8小節をループさせた曲を出力する。先ず、ステップS12でのジャンル決定は、ロック、ポップス、テクノ、サンバ、ジャズの5つの中から遊技者に選択させる。選択方法としては、モードの選択と同様に、5つのジャンル全てを画像表示するとともに、各ジャンル間をカーソルが移動するように制御する。そして、スタートスイッチ41によってジャンルを選択する。すなわち、スタートスイッチ41が操作されたときのカーソルが位置するジャンルを、遊技者が選択したジャンルとする。
【0072】
次のステップS13(第3遊技目)では、リズムを決定する。本実施形態では、各ジャンルごとに複数種類のリズムデータをROM等に記憶しており、例えばAからEまでの5種類のリズムデータを記憶している。
そして、リズムA、リズムB、・・の順にスピーカ22からリズムを出力するとともに、画像表示装置23には、リズムAからリズムEまでを画像表示し、リズムAを出力しているときは、リズムA上にカーソルが位置するように画像表示装置23によって画像表示する。このように、カーソルの移動とスピーカ22から出力されるサウンドは、リンクしている。つまり、リズムAのサウンドを終了し、次のリズムBのサウンドの出力となったときは、カーソルは、リズムB上に位置するようにする。
そして、スタートスイッチ41が操作されたときの画像表示かつスピーカ22から出力されているリズムが、遊技者によって選択されたリズムとする。
【0073】
次のステップS14(第4遊技目)では、コードを決定する。コードとしては、本実施形態では、8小節で最大16個(1小節あたりコード2個)設定可能であり、遊技者が決定する。図3は、8小節で16個のコードを示す図である。なお、図3において、1小節で1つのコードのみを示しているものは、1小節で同一コードが割り与えられていることを意味する。
【0074】
また、本実施形態では、コードは、全部で108種類(コード群12種類×コード9種類)有し、1つのコードを、コード群(種別)及びコードの2段階で選択する。先ず、コード群を選択し、次にコードを決定する。これらの選択は、操作手段(ベットスイッチ40、スタートスイッチ41及びストップスイッチ42)を用いて行われる。例えば、上述したジャンルの選択と同様に、画像表示装置23に、コード群及びコードを画像表示するとともに、カーソルを移動表示し、操作スイッチを操作することで選択させる。
【0075】
ここで、コード群及びコードについて説明する。図4は、コード群と音階の関係を説明する図である。また、図5は、Cコード群における9種類のコードを示す図である。
図4において、コード群としては、ルート音が「ト゛」、「ド♯レ♭」、「レ」、「レ♯ミ♭」、「ミ」、「ファ」、「ファ♯ソ♭」、「ソ」、「ソ♯ラ♭」、「ラ」、「ラ♯シ♭」、及び「シ」の各音階で始まる12種類を有している(Cコード群、Dコード群、・・)。
【0076】
まず、これらの12種類のいずれかのコード群を選択する。
次に、いずれかのコード群が決定したら、そのコード群でのコードを決定する。図5は、Cコード群に属する9種類のコードを示す図である。なお、図5では、Cコード群の9種類のコードのみを示しているが、Dコード群、Eコード群、・・についても同様に、それぞれ9種類のコードが設けられている。
【0077】
図5中、(1)は、「ドミソ」の和音の1つであるメジャーコードC(シーメジャー)である。図4に示すように、コードの元となるC(ド)をルート音とすると、このルート音から全音2つ分離れた音がE(ミ)で、3音半離れた音がG(ソ)である。そして、これら3つの音により、メジャーコードCが形成されている。なお、他のメジャーコードも同じであり、ルート音+2音目の音+3度半目の音という関係は変わらない。図4に示すように、例えばD(Dメジャー)コードは、1度はD(レ)、3度はF♯(ファ♯ソ♭)、5度はA(ラ)となる。
【0078】
図5(2)は、マイナーコード(短三和音)のCm(シーマイナー)コードであり、メジャーコードの3度を半音下げた、1度・短3度・5度という構成となるコードである。ここで、短3度とは、3度に半音満たないという意味である。なお、Dm(Dマイナー)コードであれば、1度はD(レ)、短3度はF(ファ)、5度はA(ラ)となる。
【0079】
また、図5(3)〜(5)は、4ボイスコード(四和音)である。
先ず、図5(3)は、シーセブンスコードである。C7は、Cコードに7度のB(シ)を半音下げた音(短7音)を足したコードである。
図5(4)は、シーメジャーセブンスコードであり、メジャーコードの7度の音(C7ならBの音)を半音下げないでそのまま足したコードである。
図5(5)は、シックススコードであり、メジャー又はマイナーコードの3和音に6度(Cコードの場合はA)を足したコードである。
【0080】
図5(6)は、サスフォーコードであり、メジャーコードの3度の音の代わりに半音上の4度を使用したコードである。
図5(7)は、オーギュメントコードであり、1度・3度・増5度という構成で、メジャーコードの5度が半音上がったコードである。
図5(8)は、ディミニッシュるコードであり、1度・短3度・減5度・減7度(実質的に6度)という構成で、マイナーコードの5度が半音下がったコードに減7度(6度)を加えたコードである。
図5(9)は、マイナーセブンス・フラットファイブ/ハーフディミニッシュというコードであり、m7の5度が半音下がった(減5度)コードである。
【0081】
以上のようにして、ステップS14でのコードを決定すると、次のステップS15に進み(第5遊技目で)、メロディを決定する。なお、ステップS15でのメロディの決定は、第1段階のメロディの決定であり、楽器を選択するステップである。楽器の種類としては、例えばトランペット、ギター、エレキギター、ピアノ、ドラム等からなり、この中から、例えば3種類以内を選択する。なお、楽器の選択は、ジャンルによって選択可能な楽器が異なる。また、楽器の選択は、上述したジャンルの選択と同様に、画像表示装置23に楽器を画像表示するとともに、カーソルを移動表示し、スタートスイッチ41を操作することで選択させる。
【0082】
(楽譜作成データ記憶手段、楽譜作成手段)
以上のようにして曲要素が設定されたら、次のステップS16(第6遊技目以降)に進み、楽譜作成手段72dは、曲要素選択手段72bで選択された各曲要素に基づくとともに、楽譜データ記憶手段72cに記憶されたデータを用いて、楽譜(音符を配列した楽譜であって、コンピュータによって記憶媒体に読取り及び書込み等の処理が可能な楽譜データ)を作成する。
ここで、楽譜作成データ記憶手段72cは、楽譜を作成するときに必要なデータ、例えば音符データを記憶するものであり、ROM等が用いられる。
【0083】
また、楽譜を作成する方法としては、以下の2通りから遊技者が選択できるようになっている。
先ず、第1の方法としては、選択されている「ジャンル」、「リズム」、「コード」、「楽器」に基づき、画像表示装置23によって音符を画像表示するとともに、カーソルを移動表示し、遊技者にベットスイッチ40、スタートスイッチ41及びストップスイッチ42を操作させることで、音符を選択していく。選択回数は、選択されている「ジャンル」、「リズム」、「コード」、「楽器」により変化する。
また、第2の方法としては、遊技者がマイク51から音声(又は歌)を入力することで、その周波数から楽譜(音符)を作成する(楽譜(音符)作成手段)。マイク51から音声を入力することで足りるので、遊技者は、操作手段を操作することを要せず、効率良くメロディを決定することができる。
【0084】
さらにまた、楽譜作成手段72dは、楽譜の少なくとも一部を自動で作成する場合がある。
上述した曲要素選択手段72bは、曲要素の一部を遊技者に選択させるとともに、残りの一部を自動で選択する選択肢を設けている。例えば、本実施形態では、図2(a)中、ステップS2で自動モードが選択されると、ステップS4に進み、図2(c)に示すフローチャートに移行する。
【0085】
先ず、ステップS22では、ジャンルを遊技者に選択させる。ジャンルの選択は、上述した自作モードと同じである。次に、ステップS23に進み、選択されたジャンルについて、楽曲を(自動で)決定する。すなわち、自動モードでは、図2(b)中、ステップS13のリズムの決定、ステップS14のコードの決定、ステップS15及びステップS16のメロディの決定を、CPUが自動で行う。以上のようにして、少なくとも一部を自動化することで、遊技者は必要最小限の曲要素を決定させれば良く、遊技者の負担を減らすことができる。
【0086】
図6は、以上のようにして作成された楽譜を示す図である。図6に示すように、8小節にそれぞれ音符が配列されている。また、図6では、「メロディ」、「コード」、「ベース」及び「ドラム」に対してそれぞれ音符が配列された例を示している。なお、ステップS13でのリズムが決定されると、図6中、ドラムが決定し、ステップS14でのコードが決定されると、図6中、コードが決定する。また、リズムとコードとから、図6中、ベースが決まる。そして、ステップS16の処理によって、図6中、メロディ(音符配列)が決定する。
【0087】
(曲出力手段)
曲出力手段72eは、楽譜作成手段72dで作成した曲を出力するものであって、例えば音源ICとパワーアンプとから構成されるものである。
音源ICは、楽器に応じて実際に出力する音を合成(生成)するものであり、音声信号をパワーアンプに出力するものである。例えば、本実施形態では、楽器を選択可能であるが、全ての楽器(トランペット、ギター、エレキギター、ピアノ、ドラム)の音を合成可能に形成されている。
そして、出力すべき音データをパワーアンプに送信し、そのパワーアンプを介してスピーカ22から音が出力される。
なお、本実施形態では、上述したように、曲出力手段72eは、BB遊技中において、曲を出力するように制御する。
【0088】
(ICメモリ制御手段)
ICメモリ制御手段72fは、ICメモリ着脱部52に装着されたICメモリに、楽譜作成手段72dにより作成された楽譜を保存可能であるとともに、装着されたICメモリから保存された楽譜を読取り可能なものである。
そして、曲出力手段72eは、読み取られた楽譜に従って曲を出力することができる。
【0089】
特に本実施形態では、遊技者が有する携帯情報端末80に装着可能なICメモリを(携帯情報端末80から取り外して)用いる。
そして、自作モード又は自動モードで曲が作成されると、その楽譜をICメモリに保存して(書き込んで)、ICメモリ着脱部52からそのICメモリを排出することができる。これにより、遊技者は、作成した曲を保有することができる。
【0090】
遊技者は、楽譜が保存されたICメモリをICメモリ着脱部52に挿入すれば、ICメモリ制御手段72fにより楽譜が読み取られ、そのスロットマシン10のスピーカ22からその曲を出力可能になっている。これにより、遊技者は、一旦曲を作成してしまえば、別のスロットマシン10に移った場合でも、そのICメモリを挿入することで、作成した曲を(別のスロットマシン10で)出力可能である。
【0091】
(二次元コード生成手段)
二次元コード生成手段72gは、曲要素選択手段72bで選択された曲要素(自動で曲が決定された場合にあっては、自動で選択された曲要素を含む)を特定するための情報を記述した二次元コードを生成するものである。そして、生成した二次元コードを画像表示装置23によって画像表示する。
【0092】
(携帯情報端末(撮像手段、二次元コード情報送信手段、曲出力手段、スピーカ及びICメモリ着脱部))
携帯情報端末80は、撮像手段81、二次元コード情報送信手段82、楽譜受信手段83、曲出力手段84、スピーカ85及びICメモリ着脱部86を備える。
撮像手段81は、二次元コード生成手段72fによって生成され、画像表示装置23によって画像表示された二次元コードを読み取るためのものであり、例えばCCDセンサーからなるものである。
【0093】
また、二次元コード情報送信手段82は、撮像手段81で読み取った二次元コードの情報を、サーバー90に送信するものである。
さらにまた、楽譜受信手段83は、後述するサーバー90の楽譜送信手段94によって送信されてきた楽譜(データ)を受信し、後述するICメモリ着脱部86に装着されたICメモリに記憶するものである。
さらに、曲出力手段84は、受信した楽譜に従って、曲を出力(再生)可能なものである。曲出力手段84は、上述した曲出力手段72eと同様に、音源ICとパワーアンプとから構成されている。そして、音を、スピーカ85から出力する。
スピーカ85は、携帯情報端末80に実装されているものであり、その機能としては、スピーカ22と同様である。
また、ICメモリ着脱部86は、上述したICメモリ着脱部52と同様のものであり、携帯情報端末80側に設けられたものである。したがって、ICメモリに音楽(曲)が記録されている場合には、そのICメモリをICメモリ着脱部86に装着すれば、スピーカ85から出力可能となっている。
【0094】
(サーバー(二次元コード情報受信手段、楽譜作成データ記憶手段、楽譜作成手段、楽譜送信手段94))
また、サーバー90は、二次元コード情報受信手段91、楽譜作成データ記憶手段92、楽譜作成手段93、及び楽譜送信手段94とを備える。
二次元コード情報受信手段91は、携帯情報端末80から送信されてきた二次元コードの情報を受信するものであり、例えばRAM等が用いられる。
【0095】
楽譜作成データ記憶手段92は、上述した楽譜作成データ記憶手段72cと同様に、楽譜を作成するときに必要なデータを記憶するものであり、ROM等が用いられる。
また、楽譜作成手段93は、二次元コード情報受信手段91で受信した二次元コードの情報に基づいて、携帯情報端末80で曲を出力するための楽譜を作成するものである。上述したように、二次元コードは、曲要素を特定可能な情報である。したがって、二次元コードの情報を受信すれば、楽譜を作成するために必要な曲要素を特定できる。そして、受信した二次元コードから曲要素を特定し、その曲要素に従って、楽譜を作成する。なお、楽譜の作成は、上述した楽譜作成手段72dと同様である。
【0096】
楽譜送信手段94は、作成した楽譜(データ)を、携帯情報端末80に送信するものである。
そして、携帯情報端末80では、楽譜受信手段83がその楽譜(データ)を受信するとともに、曲出力手段84は、受信した楽譜に従ってスピーカ85から曲を出力する。
【0097】
以上のようなスロットマシン10においては、遊技者は、曲要素を指定することで、曲が作成されるので、遊技者に負担をかけることなく曲を作成することができる。
また、遊技システム1によって、スロットマシン10で作成した曲を、携帯情報端末80で再生可能となる。
【0098】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、例えば、以下のような種々の変形が可能である。
(1)本実施形態では遊技媒体としてメダルを用いたが、例えば遊技球を用いたスロットマシン(パロット)等、メダル以外の遊技媒体を用いるスロットマシンであっても本発明を適用することができる。
(2)また、スロットマシン10以外の遊技機、例えば弾球遊技機に対しても適用することができる。この場合、弾球遊技機には、本発明の操作手段を設ければ良い。
【0099】
(3)自動モードでは、ジャンルを遊技者に選択させたが、ジャンルについてもスロットマシン10側で決定するようにしても良い。あるいは、リズムのみ、コードのみ、又はジャンルとリズムのみ、等を遊技者に選択させることも可能である。すなわち、自動モードは、全てを自動で決定しても良いが、1又は2以上の曲要素を遊技者に選択させるもの(少なくとも1つを自動で決定するもの)であれば良い。
【0100】
(4)本実施形態では、二次元コードを携帯情報端末80で読み取り、それをサーバー90に送信し、サーバー90から楽譜が携帯情報端末80に送信されるようにした。しかし、これに限らず、(サーバー90を経由しないで)楽譜(データ)をICメモリ着脱部52に装着したICメモリに書込み、そのICメモリを携帯情報端末80のICメモリ着脱部86に装着することで、携帯情報端末80でその曲を出力できるようにしても良い。
【0101】
(5)本実施形態では、スタートスイッチ41により曲要素を選択させたが、それ以外の操作手段であるベットスイッチ40、又はストップスイッチ42を用いるようにしても良い。
【0102】
(6)本実施形態では、BB遊技中に曲を作成可能とし、かつ作成した曲を出力したが、これに限らず、遊技者が希望する場合には、無条件で、曲の作成や曲の出力を行うようにしても良い。また、所定の条件を満たしたとき(例えば遊技回数が所定回数以上となったとき)に、作曲やその曲を出力可能としても良い。
【0103】
(7)本実施形態では、各曲要素間をカーソルが移動するようにしたが、例えば1つの曲要素を3択とする場合には、左、中、及び右に選択対象となる曲要素を画像表示し、左ストップスイッチ42、中ストップスイッチ42及び、右ストップスイッチ42の操作によって、選択するようにしても良い。
【0104】
(8)本実施形態では、曲要素選択手段72bとして、ジャンルを選択するステップ、リズムを選択するステップ、コードを選択するステップ、及びメロディを選択するステップを設けた。しかし、これに限ることなく、これより少ない曲要素、又はこれより多い曲要素を選択させるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本実施形態における遊技システムの制御の概略を示すブロック図である。
【図2】(a)は、BB遊技中における作曲の流れを概略で示すフローチャートであり、(b)は、自作モードでの処理の流れを示すフローチャートであり、(c)は、自動作モードでの処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】8小節で16個のコードを示す図である。
【図4】コード群と音階の関係を説明する図である。
【図5】Cコード群における9種類のコードを示す図である。
【図6】作成された楽譜を示す図である。
【符号の説明】
【0106】
1 遊技システム
10 スロットマシン
21 ランプ
22 スピーカ
23 画像表示装置(画像表示手段)
31 リール
32 モータ
40 ベットスイッチ(操作手段)
41 スタートスイッチ(操作手段)
42 ストップスイッチ(操作手段)
51 マイク
52 ICメモリ着脱部
60a メイン制御手段
60b サブ制御手段
61 役抽選手段
62 役抽選テーブル
63 特別役当選持越し手段
64 リール制御手段
65 停止位置決定テーブル
66 停止図柄判断手段
67 払出し手段
68 特別遊技制御手段
71 演出制御手段
72 曲制御手段
72a 曲要素記憶手段
72b 曲要素選択手段
72c 楽譜作成データ記憶手段
72d 楽譜作成手段
72e 曲出力手段
72f ICメモリ制御手段
72g 二次元コード生成手段
80 携帯情報端末
81 撮像手段
82 二次元コード情報送信手段
83 楽譜受信手段
84 曲出力手段
85 スピーカ
90 サーバー
91 二次元コード情報受信手段
92 楽譜作成データ記憶手段
93 楽譜作成手段
94 楽譜送信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者が遊技を進行する上で操作する操作手段と、
画像を表示可能な画像表示手段と、
曲を構成するリズム、コードその他の曲要素を記憶した曲要素記憶手段と、
曲要素を前記画像表示手段によって画像表示するとともに、遊技者に前記操作手段の操作によっていずれかの曲要素を選択させる曲要素選択手段と、
楽譜を作成するためのデータを記憶した楽譜作成データ記憶手段と、
前記曲要素選択手段で選択された曲要素に基づいて、前記楽譜作成データ記憶手段に記憶されたデータを用いて、楽譜を作成する楽譜作成手段と、
前記楽譜作成手段で作成した楽譜に従って、曲を出力する曲出力手段と
を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機において、
前記遊技機は、スロットマシンであり、
前記操作手段として、貯留された遊技媒体を投入するためのベットスイッチ、リールを回転させるためのスタートスイッチ、及びリールの回転を停止させるためのストップスイッチを有し、
前記曲要素選択手段は、前記ベットスイッチ、前記スタートスイッチ、及び前記ストップスイッチのうちの少なくとも1つによって、曲要素を選択させる
ことを特徴とする遊技機。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の遊技機において、
前記曲出力手段は、遊技中に所定の条件を満たしたときに、曲を出力する
ことを特徴とする遊技機。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の遊技機において、
特別役を含めて役の抽選を行う役抽選手段を備え、
前記役抽選手段で特別役に当選し、特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときに、遊技者にとって有利となる特別遊技に移行させ、
前記曲出力手段は、前記特別遊技中において、曲を出力する
ことを特徴とする遊技機。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の遊技機において、
前記曲要素選択手段は、前記画像表示手段により複数種類の曲要素を画像表示するとともに、各曲要素間をカーソルが移動するようにし、前記操作手段が操作されたときのカーソルの位置する曲要素を選択させる
ことを特徴とする遊技機。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の遊技機において、
前記曲要素選択手段は、ジャンルを選択するステップ、リズムを選択するステップ、コードを選択するステップ、及びメロディを選択するステップを有する
ことを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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