遊技機
【課題】メイン制御基板により実現しようとする演出と演出表示基板により実際に実現されている演出表示とを一致させる遊技機を提供する。
【解決手段】第1コマンド、各構成コマンド及びチェックサムコマンドの全てのコマンドを演出表示基板172で受信終了するまでに要するチェックサム判定時間を第1タイマ120Dで決定されるタイミングに加算しチェックサム判定時間を加算したタイミングに基づいて主制御基板120から第2コマンドが送信される。これにより、演出表示基板172における比較処理(チェックサムが一致するか否かを判定する処理)に無駄時間を要した場合でも、その無駄時間だけ主制御基板120から演出表示基板172に送信される第2コマンドの送信を遅らせることができる。このため、演出表示基板172で実行されている演出表示の変動が終了する前に演出表示基板172に第2コマンドが送信されることがない。
【解決手段】第1コマンド、各構成コマンド及びチェックサムコマンドの全てのコマンドを演出表示基板172で受信終了するまでに要するチェックサム判定時間を第1タイマ120Dで決定されるタイミングに加算しチェックサム判定時間を加算したタイミングに基づいて主制御基板120から第2コマンドが送信される。これにより、演出表示基板172における比較処理(チェックサムが一致するか否かを判定する処理)に無駄時間を要した場合でも、その無駄時間だけ主制御基板120から演出表示基板172に送信される第2コマンドの送信を遅らせることができる。このため、演出表示基板172で実行されている演出表示の変動が終了する前に演出表示基板172に第2コマンドが送信されることがない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技を司り当否判定などの遊技状態を判断するメイン制御基板と、メイン制御基板からのコマンドを受けて遊技状態に沿った演出を実現させるように演出表示基板を制御するサブ制御基板と、メイン制御基板及びサブ制御基板からのコマンドを受けて遊技状態に沿った演出表示を実現させる演出表示基板と、を備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機としてのパチンコ機では、独自のCPUを備え遊技を司り当否判定などの遊技状態を判断するメイン制御基板と、メイン制御基板からのコマンドを受けて遊技状態に沿った演出を実現させるように演出表示基板を制御するサブ制御基板と、独自のCPUを備えメイン制御基板及びサブ制御基板からのコマンドを受けて遊技状態に沿った演出表示を実現させる演出表示基板と、を有するものが主流となっている。
【0003】
このパチンコ機によれば、演出表示基板に対して送信されるコマンドの中には、メイン制御基板が決定したコマンドがメイン制御基板からサブ制御基板を介して演出表示基板に送信されるものと、サブ制御基板が決定したコマンドがサブ制御基板から演出表示基板に送信されるものとがある。これらのコマンドが演出表示基板に送信されると、これらのコマンドに基づいて演出表示基板により所定の演出(例えば、液晶表示部における図柄表示に関する演出など)が実現される。
【0004】
ここで、メイン制御基板のCPUは独自のタイマを備えており、所定の時間が経過すると演出表示基板に対して演出を停止(例えば、液晶表示部に変動表示された図柄の停止など)させる演出停止コマンドがメイン制御基板から送信される。また、演出表示基板のCPUも独自のタイマを備えており、このタイマにより演出の変動(例えば、液晶表示部における図柄の変動など)を開始するタイミングがとられている。
【特許文献1】特許第3549797号公報
【特許文献2】特許第3509673号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、演出表示基板では、サブ制御基板からの各構成コマンドの送信が終了しチェックサムコマンドの送信が実行されて、このサブ制御基板からのチェックサムコマンドと演出表示基板のCPUによるチェックサムコマンドとが一致しするか否かを比較するが、これらを比較するまでにある程度の時間(無駄時間)が経過してしまう。この無駄時間が生じると、メイン制御基板のタイマと演出表示基板のタイマとがずれてしまい、メイン制御基板によるコマンドに基づいて実現されようとする演出の内容と、演出表示基板で実際に実現されている演出の内容とがずれてしまう。
【0006】
具体的には、演出表示基板により図柄の変動が実行されているとき(演出表示基板のCPUのタイマがゼロになる前)に、メイン制御基板から図柄停止コマンドが送信されて、図柄変動の途中で図柄が停止されることになる。このことは、単に遊技性が低下するばかりではなく、遊技者に対して遊技に関する不信感を与えてしまい、遊技者の心理面に対しても悪影響を及ぼす結果になる。
【0007】
なお、これらの問題点を解決する方法は、上記した各特許文献にも記載がなく、本業界の発展にとっても上記問題点を解決することが待ち望まれている。
【0008】
そこで、本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、メイン制御基板により実現しようとする演出と、演出表示基板により実際に実現されている演出表示とを一致させることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、遊技を司り当否判定などの遊技状態を判断する主制御手段と、前記主制御手段からのコマンドを受けて遊技状態に沿った演出を実現させる第1副制御手段と、前記主制御手段及び前記第1副制御手段からのコマンドを受けて遊技状態に沿った演出表示を実現させる第2副制御手段と、を有する遊技機であって、前記主制御手段は、前記第2副制御手段で実行される演出表示の内容を示す第1コマンドと前記第2副制御手段で実行される演出表示の変動を停止させる第2コマンドを前記第1副制御手段を介して前記第2副制御手段に対してそれぞれ送信するコマンド送信部と、変動表示される本図柄の変動を終了させるタイミングを決定するとともに前記第2コマンドを前記第1副制御手段を介して前記第2副制御手段に送信するタイミングを決定する第1計測部と、を有し、前記第2副制御手段は、前記第1コマンドを受けて前記第1副制御手段から送信される演出表示に関する各構成コマンドと前記各構成コマンドの受信を確認要求するチェックサムコマンドをそれぞれ受信するコマンド受信部と、前記チェックサムコマンドの結果と前記各構成コマンドの受信結果とを比較する比較処理部と、前記チェックサムコマンドの結果と前記各構成コマンドの受信結果とが一致している場合に前記各構成コマンドに基づいて演出表示の変動を開始させるタイミングを決定する第2計測部と、前記第2計測部により決定されたタイミングに基づいて演出表示の変動を開始させる変動開始部と、を有し、前記第1コマンド、前記各構成コマンド及び前記チェックサムコマンドの全てのコマンドを前記第2副制御手段で受信終了するまでに要するチェックサム判定時間を前記第1計測部で決定されるタイミングに加算し、前記チェックサム判定時間を加算したタイミングに基づいて前記主制御手段から前記第2コマンドが送信されることを特徴とする。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、主制御手段のコマンド送信部から第1コマンドが第1副制御手段を介して第2副制御手段に送信される。このとき、第1副制御手段は、主制御手段からの第1コマンドを受けて各構成コマンドと各構成コマンドの受信を確認要求するチェックサムコマンドを第2副制御手段に対して送信する。第2副制御手段のコマンド受信部により各構成コマンドとチェックサムコマンドを受信されると、比較処理部によりチェックサムコマンドの結果と各構成コマンドの受信結果とが比較される。このとき、チェックサムコマンドの結果と各構成コマンドの受信結果とが一致している場合には、各構成コマンドに基づいて演出表示の変動を開始させるタイミングが第2計測部により決定され、この決定されたタイミングで演出表示の変動が変動開始部により開始される。主制御手段において、変動表示される本図柄の変動が第1計測部により決定されたタイミングにより停止され、第1計測部により決定されたタイミングにより第2コマンドが第1副制御手段を介して第2副制御手段に送信される。第2コマンドが第2副制御手段のコマンド受信部で受信されると、変動されている演出表示の変動が停止される。
【0011】
ここで、第1コマンド、各構成コマンド及びチェックサムコマンドの全てのコマンドを第2副制御手段で受信終了するまでに要するチェックサム判定時間を第1計測部で決定されるタイミングに加算し、チェックサム判定時間を加算したタイミングに基づいて主制御手段から第2コマンドが送信される。これにより、第2副制御手段の比較処理部における比較処理に時間(無駄時間)を要した場合でも、その分の無駄時間だけ主制御手段から第2副制御手段に送信される第2コマンドの送信を遅らせることができる。このため、第2副制御手段で実行されている演出表示の変動が終了する前に、主制御手段から第2副制御手段に第2コマンドが送信されることがない。この結果、第2副制御手段で実行されている演出表示の変動の途中でその変動が停止されてしまうことを防止でき、主制御手段により実現しようとする演出と、第2副制御手段により実際に実現されている演出表示とを一致させることができる。
【0012】
なお、本明細書において、「第1副制御手段」とは、例えば、主制御手段からのコマンドを受けてこのコマンドに基づく演出を実現させるために、第2副制御手段を制御するサブ制御基板を意味する。
【0013】
また、「第2副制御手段」とは、サブ制御基板からのコマンドを受けて主として演出図柄表示装置に変動表示される特別図柄(擬似図柄)の態様及びその変動パターンを制御する演出表示基板を意味する。
【0014】
請求項2に記載の発明は、遊技を司り当否判定などの遊技状態を判断する主制御手段と、前記主制御手段からのコマンドを受けて遊技状態に沿った演出を実現させる第1副制御手段と、前記主制御手段及び前記第1副制御手段からのコマンドを受けて遊技状態に沿った演出表示を実現させる第2副制御手段と、を有する遊技機であって、前記主制御手段は、前記第2副制御手段で実行される演出表示の内容を示す第1コマンドと前記第2副制御手段で実行される演出表示の変動を停止させる第2コマンドを前記第1副制御手段を介して前記第2副制御手段に対してそれぞれ送信するコマンド送信部と、変動表示される本図柄の変動を終了させるタイミングを決定するとともに前記第2コマンドを前記第1副制御手段を介して前記第2副制御手段に送信するタイミングを決定する第1計測部と、を有し、前記第1副制御手段は、前記第2コマンドの前記第2副制御手段への送信を一時的に遅延させる送信遅延部を有し、前記第2副制御手段は、前記第1コマンドを受けて前記第1副制御手段から送信される演出表示に関する各構成コマンドと前記各構成コマンドの受信を確認要求するチェックサムコマンドをそれぞれ受信するコマンド受信部と、前記チェックサムコマンドの結果と前記各構成コマンドの受信結果とを比較する比較処理部と、前記チェックサムコマンドの結果と前記各構成コマンドの受信結果とが一致している場合に前記各構成コマンドに基づいて演出表示の変動を開始させるタイミングを決定する第2計測部と、前記第2計測部により決定されたタイミングに基づいて演出表示の変動を開始させる変動開始部と、を有し、前記第1副制御手段は、前記主制御手段から送信された前記第2コマンドを、前記第1コマンド、前記各構成コマンド及び前記チェックサムコマンドの全てのコマンドを前記第2副制御手段で受信終了するまでに要するチェックサム判定時間だけ、前記送信遅延部により遅延させることを特徴とする。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、主制御手段のコマンド送信部から第1コマンドが第1副制御手段を介して第2副制御手段に送信される。このとき、第1副制御手段は、主制御手段からの第1コマンドを受けて各構成コマンドと各構成コマンドの受信を確認要求するチェックサムコマンドを第2副制御手段に対して送信する。第2副制御手段のコマンド受信部により各構成コマンドとチェックサムコマンドを受信されると、比較処理部によりチェックサムコマンドの結果と各構成コマンドの受信結果とが比較される。このとき、チェックサムコマンドの結果と各構成コマンドの受信結果とが一致している場合には、各構成コマンドに基づいて演出表示の変動を開始させるタイミングが第2計測部により決定され、この決定されたタイミングで演出表示の変動が変動開始部により開始される。主制御手段において、変動表示される本図柄の変動が第1計測部により決定されたタイミングにより停止され、第1計測部により決定されたタイミングにより第2コマンドが第1副制御手段を介して第2副制御手段に送信される。第2コマンドが第2副制御手段のコマンド受信部で受信されると、変動されている演出表示の変動が停止される。
【0016】
ここで、主制御手段から送信された第2コマンドが、第1コマンド、各構成コマンド及びチェックサムコマンドの全てのコマンドを第2副制御手段で受信終了するまでに要するチェックサム判定時間だけ、送信遅延部により第1副制御手段において停止される。これにより、主制御手段から第2コマンドが送信された場合でも、その第2コマンドがチェックサム判定時間だけ遅れて第2副制御手段に送信される。このため、第2副制御手段で実行されている演出表示の変動が終了する前に、主制御手段から第2副制御手段に第2コマンドが送信されることがない。この結果、第2副制御手段で実行されている演出表示の変動の途中でその変動が停止されてしまうことを防止でき、主制御手段により実現しようとする演出と、第2副制御手段により実際に実現されている演出表示とを一致させることができる。
【0017】
請求項3に記載の発明は、遊技を司り当否判定などの遊技状態を判断する主制御手段と、前記主制御手段からのコマンドを受けて遊技状態に沿った演出を実現させる第1副制御手段と、前記主制御手段及び前記第1副制御手段からのコマンドを受けて遊技状態に沿った演出表示を実現させる第2副制御手段と、を有する遊技機であって、前記主制御手段は、前記第2副制御手段で実行される演出表示の内容を示す第1コマンドと前記第2副制御手段で実行される演出表示の変動を停止させる第2コマンドを前記第1副制御手段を介して前記第2副制御手段に対してそれぞれ送信するコマンド送信部と、変動表示される本図柄の変動を終了させるタイミングを決定するとともに前記第2コマンドを前記第1副制御手段を介して前記第2副制御手段に送信するタイミングを決定する第1計測部と、を有し、前記第2副制御手段は、前記第1コマンドを受けて前記第1副制御手段から送信される演出表示に関する各構成コマンドと前記各構成コマンドの受信を確認要求するチェックサムコマンドをそれぞれ受信するコマンド受信部と、前記チェックサムコマンドの結果と前記各構成コマンドの受信結果とを比較する比較処理部と、前記チェックサムコマンドの結果と前記各構成コマンドの受信結果とが一致している場合に前記各構成コマンドに基づいて演出表示の変動を開始させるタイミングを決定する第2計測部と、前記第2計測部により決定されたタイミングに基づいて演出表示の変動を開始させる変動開始部と、前記第2コマンドの実行を一時的に遅延させる実行遅延部と、を有し、前記第2副制御手段は、前記第2副制御手段に前記第2コマンドが送信された場合には、前記第1コマンド、前記各構成コマンド及び前記チェックサムコマンドの全てのコマンドを前記第2副制御手段で受信終了するまでに要するチェックサム判定時間だけ、前記第2副制御手段における前記第2コマンドの実行を前記実行遅延部により遅延させることを特徴とする。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、主制御手段のコマンド送信部から第1コマンドが第1副制御手段を介して第2副制御手段に送信される。このとき、第1副制御手段は、主制御手段からの第1コマンドを受けて各構成コマンドと各構成コマンドの受信を確認要求するチェックサムコマンドを第2副制御手段に対して送信する。第2副制御手段のコマンド受信部により各構成コマンドとチェックサムコマンドを受信されると、比較処理部によりチェックサムコマンドの結果と各構成コマンドの受信結果とが比較される。このとき、チェックサムコマンドの結果と各構成コマンドの受信結果とが一致している場合には、各構成コマンドに基づいて演出表示の変動を開始させるタイミングが第2計測部により決定され、この決定されたタイミングで演出表示の変動が変動開始部により開始される。主制御手段において、変動表示される本図柄の変動が第1計測部により決定されたタイミングにより停止され、第1計測部により決定されたタイミングにより第2コマンドが第1副制御手段を介して第2副制御手段に送信される。第2コマンドが第2副制御手段のコマンド受信部で受信されると、変動されている演出表示の変動が停止される。
【0019】
ここで、第2副制御手段に第2コマンドが送信された場合には、第1コマンド、各構成コマンド及びチェックサムコマンドの全てのコマンドを第2副制御手段で受信終了するまでに要するチェックサム判定時間だけ、第2副制御手段における第2コマンドの実行が実行遅延部により遅延される。これにより、第2副制御手段で実行されている演出表示の変動の途中でその変動が停止されてしまうことを防止でき、主制御手段により実現しようとする演出と、第2副制御手段により実際に実現されている演出表示とを一致させることができる。
【0020】
請求項4に記載の発明は、遊技を司り当否判定などの遊技状態を判断する主制御手段と、前記主制御手段からのコマンドを受けて遊技状態に沿った演出を実現させる第1副制御手段と、前記主制御手段及び前記第1副制御手段からのコマンドを受けて遊技状態に沿った演出表示を実現させる第2副制御手段と、を有する遊技機であって、前記主制御手段は、前記第2副制御手段で実行される演出表示の内容を示す第1コマンドと前記第2副制御手段で実行される演出表示の変動を停止させる第2コマンドを前記第1副制御手段を介して前記第2副制御手段に対してそれぞれ送信するコマンド送信部と、前記第2コマンドを前記第1副制御手段を介して前記第2副制御手段に送信するタイミングを決定する第1計測部と、変動表示される本図柄の変動を終了させるタイミングを決定するサブ計測部と、を有し、前記第2副制御手段は、前記第1コマンドを受けて前記第1副制御手段から送信される演出表示に関する各構成コマンドと前記各構成コマンドの受信を確認要求するチェックサムコマンドをそれぞれ受信するコマンド受信部と、前記チェックサムコマンドの結果と前記各構成コマンドの受信結果とを比較する比較処理部と、前記チェックサムコマンドの結果と前記各構成コマンドの受信結果とが一致している場合に前記各構成コマンドに基づいて演出表示の変動を開始させるタイミングを決定する第2計測部と、前記第2計測部により決定されたタイミングに基づいて演出表示の変動を開始させる変動開始部と、を有し、前記第1コマンド、前記各構成コマンド及び前記チェックサムコマンドの全てのコマンドを前記第2副制御手段で受信終了するまでに要するチェックサム判定時間を前記第1計測部で決定されるタイミングに加算し、前記チェックサム判定時間を加算したタイミングに基づいて前記主制御手段から前記第2コマンドが送信されることを特徴とする。
【0021】
請求項4に記載の発明によれば、主制御手段のコマンド送信部から第1コマンドが第1副制御手段を介して第2副制御手段に送信される。このとき、第1副制御手段は、主制御手段からの第1コマンドを受けて各構成コマンドと各構成コマンドの受信を確認要求するチェックサムコマンドを第2副制御手段に対して送信する。第2副制御手段のコマンド受信部により各構成コマンドとチェックサムコマンドを受信されると、比較処理部によりチェックサムコマンドの結果と各構成コマンドの受信結果とが比較される。このとき、チェックサムコマンドの結果と各構成コマンドの受信結果とが一致している場合には、各構成コマンドに基づいて演出表示の変動を開始させるタイミングが第2計測部により決定され、この決定されたタイミングで演出表示の変動が変動開始部により開始される。主制御手段において、変動表示される本図柄の変動がサブ計測部により決定されたタイミングにより停止され、第1計測部により決定されたタイミングにより第2コマンドが第1副制御手段を介して第2副制御手段に送信される。第2コマンドが第2副制御手段のコマンド受信部で受信されると、変動されている演出表示の変動が停止される。
【0022】
ここで、第1コマンド、各構成コマンド及びチェックサムコマンドの全てのコマンドを第2副制御手段で受信終了するまでに要するチェックサム判定時間を第1計測部で決定されるタイミングに加算し、チェックサム判定時間を加算したタイミングに基づいて主制御手段から第2コマンドが送信される。これにより、第2副制御手段の比較処理部における比較処理に時間(無駄時間)を要した場合でも、その分の無駄時間だけ主制御手段から第2副制御手段に送信される第2コマンドの送信を遅らせることができる。このため、第2副制御手段で実行されている演出表示の変動が終了する前に、主制御手段から第2副制御手段に第2コマンドが送信されることがない。この結果、第2副制御手段で実行されている演出表示の変動の途中でその変動が停止されてしまうことを防止でき、主制御手段により実現しようとする演出と、第2副制御手段により実際に実現されている演出表示とを一致させることができる。
【0023】
加えて、本図柄の変動表示を停止させるタイミングと、第2副制御手段に第2コマンドを送信するタイミングと、を別々の計測部により決定することにより、本図柄の変動表示を停止させるタイミングを従来のタイミングと変える必要がないため、第1計測部によるタイミングの決定処理に伴う負担を軽減できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、メイン制御基板により実現しようとする演出と、演出表示基板により実際に実現されている演出表示とを一致させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
次に、本発明の第1実施形態に係る遊技機について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では本発明を弾球遊技機の一例であるパチンコ機に適用した構成を説明する。
【0026】
図1に示すように、第1実施形態に係る遊技機であるパチンコ機10の前面部は、主として外枠12と、中枠14と、前面枠16と、上皿部18と、下皿部20と、施錠装置22と、から構成されている。
【0027】
外枠12は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものである。中枠14は、全体がプラスチック製で、外枠12に対して開閉可能に軸支されている。中枠14の右端中央には施錠装置22が設けられている。この施錠装置22は、前面枠16を閉鎖した場合に施錠するためのものである。
【0028】
前面枠16は全体がプラスチック製であり、前面枠16には遊技盤24(図2参照)を前方から視認するべく、遊技盤24に形成された遊技領域26(図2参照)の形状に対応して略円形に形成された開口部28が形成されている。また、前面枠16の裏面には、ガラス板30がガラス枠(図示省略)によって取り付けられている。そして、遊技者を基準とすれば、遊技盤24に形成された遊技領域26はガラス板30の後方に位置するようになっている。なお、本実施形態では、ガラス板30を前面枠16の裏面側に取り付けた構成を例にとり説明したが、例えば、前面枠16の前面側にガラス枠により取り付けてもよい。また、ガラス板30に替えて、透明な樹脂板を前面枠16に取り付けることができる。
【0029】
また、この前面枠16は、パチンコ機(遊技機)10の前面部全体の約2/3のサイズを占め、中枠14の左端に開閉可能となるように軸支されている。また、前面枠16の上端部中央には、2個の第1枠用LED32A、32Bがそれぞれ取り付けられている。この第1枠用LED32A、32Bの内側(間)には、2個のエラーLED34A、34Bがそれぞれ取り付けられている。また、前面枠16の上方右側には、枠用右LED36が取り付けられている。また、前面枠16の上方左側には、枠用左LED38が取り付けられている。さらに、開口部28の周囲には、複数の第2枠用LED40がそれぞれ取り付けられている。
【0030】
また、上皿部18は、前面枠16の下側で、かつ中枠14の左端に開閉可能となるように軸支されている。上皿部18の表面中央部には、所定の効果音を出力するスピーカ52が設けられている。また、上皿部18の表面左側方部には、後述の演出図柄表示装置(演出表示装置)82に表示される擬似特別図柄、各LED32A、32B、36、38、40の発光パターン及びスピーカ52から出力される効果音をそれぞれ変化させるためのスイッチ操作ボタン(αスイッチ、βスイッチ)54が設けられている。
【0031】
また、上皿部18の下側には、下皿部20が設けられている。この下皿部20の略中央には、パチンコ機10の内部から遊技球を排出するための排出口56が形成されている。また、下皿部20の左表面及び右表面には、スピーカ58がそれぞれ設けられている。また、下皿部20の右側には、発射装置ユニット(図示省略)を操作するための発射ハンドル60が設けられている。この発射ハンドル60には、発射レバー62と、遊技球の発射停止を一時的に指令する発射停止スイッチ64が設けられている。さらに、下皿部20の左側には、灰皿66が設けられている。
【0032】
次に、遊技盤24の表面構造について図2を参照して説明する。
【0033】
遊技盤24は、中枠14に保持されるとともに、裏機構盤(図示省略)よりその背面側が覆われている。遊技盤24には、遊技盤24の表面に設けられた外レール70と内レール72とにより略円形状の遊技領域26が形成されている。遊技領域26の内部には、中央装置74と、始動口(普通電動役物)76と、ワープ入球口78と、多数の障害釘80と、風車83等と、がそれぞれ配設されている。
【0034】
中央装置74は、遊技領域26の略中央部に配置されており、演出図柄表示装置82と、センター役物84と、ランプ装置86と、を備えている。
【0035】
演出図柄表示装置82は、後述の主制御基板(主制御手段、以下同様)120やサブ制御基板(第1副制御手段、以下同様)124からの制御コマンドに基づいて表示制御されており、略長方形状の映像画面を有している。この映像画面上には、特別図柄の擬似図柄である擬似特別図柄(擬似図柄)が表示される。具体的には、演出図柄表示装置82の映像画面上には、1又は複数の擬似特別図柄を所定の方向に次々と変動させながら表示した後、停止表示する擬似特別図柄表示領域が形成されている。すなわち、左擬似特別図柄(左擬似図柄)を表示する左擬似特別図柄表示領域、中央擬似特別図柄(中央擬似図柄)を表示する中央擬似特別図柄表示領域、及び右擬似特別図柄(右擬似図柄)を表示する右擬似特別図柄表示領域が、略横一列となる配置方向に沿って並んで形成されている(それぞれ図示省略)。各擬似特別図柄表示領域は、これらの表示領域の配置方向と略直交する方向(上下方向)に図柄変動方向が設定されており、その方向に複数の擬似特別図柄が順次表示されていく。
【0036】
演出図柄表示装置82は、遊技球が始動口76に入球することにより、その映像画面の表示領域に表示される各擬似特別図柄をそれぞれ変動させて停止表示させるものである。そして、例えば、擬似特別図柄(擬似図柄)が「7、7、7」の3桁同一図柄で揃って停止表示(確定表示)すると、後述の変動入賞装置102に配設された後述の大入賞装置(特別電動役物)106の大入賞口108が開放される。本実施形態のパチンコ機10では始動口76に遊技球が入球すると、各擬似特別図柄がそれぞれ変動され、擬似特別図柄が3桁同一図柄で揃うことにより、「大当り」という特定価値を付与するものである。
【0037】
ここで、本実施形態のパチンコ機10では、大当りとして5種類のものが予め設定されている。具体的には、「7、7、7」などの同一の奇数数字の擬似特別図柄が3桁揃うことにより成立する確変大当りがある。また、「8、8、8」などの同一の偶数数字の擬似特別図柄が3桁揃うことにより成立する通常大当りがある。また、「1、3、5」、「3、5、7」、「5、7、9」、「7、9、1」、「9、1、3」などの予め定められた奇数数字の組合せの擬似特別図柄が3桁揃うことにより成立する短ラウンド確変大当りがある。また、「0、2、4」、「2、4、6」、「4、6、8」、「6、8、2」、「8、2、4」などの予め定められた偶数数字の組合せの擬似特別図柄が3桁揃うことにより成立する短ラウンド時短大当りがある。さらに、「1、2、3」、「2、3、4」などの予め定められた順番の組合せの擬似特別図柄が、3桁揃うことにより成立する短ラウンド通常大当りがある。
【0038】
確変大当り及び通常大当りは、比較的多くのラウンド数(例えば15ラウンド)を有し、大入賞口108の開放時間が約26秒間である大当りである。このため、賞球数が比較的多くなる。また、短ラウンド確変大当り、短ラウンド時短大当り及び短ラウンド通常大当りは、確変大当り及び通常大当りよりも少ないラウンド数(例えば2ラウンド)を有し、大入賞口108の開放時間が約0.2秒間である大当りである。このため、賞球数はほとんど発生しない。
【0039】
また、上記各大当り以外の遊技状態である確率変動状態は、大当り(確変大当り、通常大当り、短ラウンド確変大当り、短ラウンド時短大当り、短ラウンド通常大当りの5種類の大当り意味する)に移行する確率が予め定められた高確率となる状態である。また、上記各大当り以外の遊技状態である開放時間延長状態は、始動口(普通電動役物)の開放時間が通常よりも延長される状態である。例えば、通常の開放時間は、約0.1秒間であるのに対して、開放時間延長状態では、約4秒間に延長される。
【0040】
また、確変大当り及び短ラウンド確変大当りの後は、大当りに移行する確率が、通常遊技状態と比べ予め定められた高確率となるとともに、規定回数(例えば、10000回)の特別図柄の変動表示が行われるまでの間、特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、かつ普通電動役物の開放延長機能が作動する確率変動状態になる。また、通常大当り及び短ラウンド時短大当りの後は、大当りに移行する確率が通常遊技状態と同一の予め定められた低確率状態となるとともに、規定回数(例えば、100回)だけ特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、かつ普通電動役物の開放延長機能が作動する時短遊技状態となる。また、短ラウンド通常大当りの後は、大当りに移行する確率が予め定められた低確率状態となる。
【0041】
センター役物84は、演出図柄表示装置82の前面周辺部に突設して装着されている。センター役物84は、可動する一対の翼片部84Aを有している。この翼片部84Aの可動によりワープ入球口78の開口面積が変化する。
【0042】
また、遊技領域の左下方側には、主制御基板120からの制御コマンドに基づいて本図柄(特別図柄の本図柄及び普通図柄の本図柄)を表示制御する7セグ表示基板(図柄表示装置)88が配置されている。この7セグ表示基板88は、特別図柄の本図柄を表示する7セグメント表示器90と、4個の普通図柄保留表示LED92と、4個の特別図柄保留表示LED94と、普通図柄の本図柄を表示する2個の普通図柄表示LED96と、を有している。
【0043】
また、演出図柄表示装置82の左側には、普通図柄作動ゲート(遊技球通過ゲート)100が配置されている。この普通図柄作動ゲート100の内部には、ゲートスイッチ134(図3参照)が配設されている。これにより、遊技球がゲートスイッチ134を通過すると、7セグ表示基板88の普通図柄表示LED96が変動表示される。
【0044】
各普通図柄保留表示LED92及び各特別図柄保留表示LED94は、4個の丸形の赤色LEDで構成されており、7セグメント表示器90の左右両側に近接して配置されている。これは、普通図柄作動ゲート100を通過した遊技球の数を4個まで普通図柄の保留とし、通過ごとに順次点灯しシフト表示するものである。また、始動口76に入球した遊技球の数も4個まで特別図柄の保留とし、入球ごとに順次点灯しシフト表示するものである。7セグメント表示器90の変動表示が開始するたびに、未始動回数が消化され、1個の特別図柄保留表示LED94は消灯される。また、普通図柄も普通図柄表示LED96の変動表示が開始するたびに、未始動回数が消化され、1個の普通図柄保留表示LED92が消灯される。そして、7セグメント表示器90に予め定められた大当り図柄が停止表示されると大当りが発生し、後述の大入賞口108が開放状態となる。また、2個の普通図柄表示LED96が予め定められた表示態様(当り図柄)で停止表示されると、普通図柄当りが発生し、始動口76が開放状態となる。なお、7セグメント表示器90にて表示される特別図柄の本図柄と、演出図柄表示装置82にて表示される特別図柄の擬似図柄とは、同一の遊技結果(抽選結果)を示すものである。
【0045】
始動口76は、演出図柄表示装置82の下方に離れて配置されているものであり、いわゆるチューリップ式で一対の翼片部76Aが開閉するように形成されている。その内部には、遊技球の通過を検知する始動口スイッチ130(図3参照)と、翼片部76Aを作動させるための普通電動役物ソレノイド140(図3参照)と、がそれぞれ備えられている。この一対の翼片部76Aが左右に開くと遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が閉じその離間距離が小さくなると遊技球の入球の可能性が小さくなる通常状態となる。
【0046】
変動入賞装置102は、上記始動口76の下方に配置されており、基板104と、大入賞装置106と、を備えている。ここで、大入賞装置106は、略中央に配置されており、帯状に開口された大入賞口108と、この大入賞口108を開放又は閉鎖する開閉板110と、この開閉板110を開閉するための大入賞口ソレノイド142(図3参照)と、入賞球を検知するカウントスイッチ136(図3参照)と、を備えている。
【0047】
また、中央装置74の左側下方部には、風車83が配置されている。さらに、遊技領域の左側下方部及び右側下方には、一対のサイドランプ112A、112Bがそれぞれ配置されている。
【0048】
また、遊技盤24の下方にはアウト口114が設けられており、このアウト口114の下部にはバック球防止部材116が設けられている。このバック球防止部材116は、遊技領域26に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。また、内レール72の先端部には、ファール球防止部材118が取り付けられている。
【0049】
次に、パチンコ機10を構成する電子制御装置118について説明する。
【0050】
図3乃至図5に示すように、電子制御装置118は、主制御基板120と、払出制御基板122と、サブ制御基板124と、発射制御基板126と、を備えている。また、サブ制御基板124には、演出表示基板(第2副制御手段、以下同様)172と、アンプ基板174と、装飾駆動基板176と、演出ボタン基板178と、がそれぞれ電気的に接続されている。
【0051】
主制御基板120は、CPU120Aと、ROM120B(CPU内蔵ROM)と、コマンド送信部120Cと、第1タイマ(第1計測部、以下同様)120Dと、を備えている。また、主制御基板120は、中継端子板128を介して、始動口スイッチ130と、大入賞口スイッチ132と、ゲートスイッチ134と、カウントスイッチ136と、にそれぞれ電気的に接続されている。
【0052】
また、主制御基板120のCPU120Aは、ROM120Bに記憶されたデータに基づいて、後述の普通電動役物ソレノイド140、後述の大入賞口ソレノイド142、後述の図柄表示装置144及びサブ制御基板124をそれぞれ制御する。また、主制御基板120のCPU120Aは、遊技全体を司り主として当否判定などの遊技状態を判断するものであり、この判断した遊技状態に沿った遊技環境(演出態様)を実現させるように制御するサブ制御基板124及び払出制御基板122を直接的に制御する。また、主制御基板120のCPU120Aは、演出表示基板172、アンプ基板174、装飾駆動基板176及び演出ボタン基板178をサブ制御基板124を介して間接的に制御する。
【0053】
また、主制御基板120のコマンド送信部120Cは、CPU120Aにより決定され演出表示基板172で実行させる演出の内容を示す第1コマンドと、演出表示基板172で実行される演出表示の変動を停止させる第2コマンドをサブ制御基板124を介して演出表示基板172に対してそれぞれ送信する。
【0054】
具体的には、図6及び図7に示すように、第1コマンドとして、擬似特別図柄などの演出パターン(変動パターン)を指定する演出パターン指定コマンド(M1コマンド)と、パチンコ機を識別する遊技機指定コマンド(識別コマンド、M2コマンド)と、特別図柄を指定する特別図柄指定コマンド(特図コマンド、M3コマンド)と、が一例として挙げられる。また、第2コマンドとして、変動表示される擬似特別図柄の変動を停止させる特別図柄停止コマンド(M4コマンド)が一例として挙げられる。これらの各コマンドは、主制御基板120からサブ制御基板124を介して演出表示基板172に送信され、演出表示基板172において各コマンドに基づいて演出が制御される。
【0055】
ここで、本実施形態では、例えば、演出パターン指定コマンド(M1コマンド)が送信された後、4m秒後に遊技機指定コマンド(識別コマンド、M2コマンド)が送信され、さらに遊技機指定コマンド(識別コマンド、M2コマンド)が送信された後、4m秒後に特別図柄指定コマンド(M3コマンド)が送信されるように設定されている。
【0056】
また、主制御基板120の第1タイマ120Dは、変動表示される特別図柄の本図柄の変動を終了させるタイミングを決定するとともに上記第2コマンドをサブ制御基板124を介して演出表示基板172に送信するタイミングを決定する。
【0057】
具体的には、第1タイマ120Dには所定の時間が設定されており、この時間が経過するまでは特別図柄の本図柄が変動させられ、この時間が経過すると特別図柄の本図柄の変動表示が停止される。また、第1タイマ120Dに設定された所定の時間が経過した時点で上記第2コマンドがサブ制御基板124を介して演出表示基板172に送信される。第2コマンドがサブ制御基板124を介して演出表示基板172に送信されると、演出表示基板172により擬似特別図柄の変動表示が停止される。
【0058】
また、主制御基板120のROM120Bには、第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)、後述のサブ制御基板124で生成される各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)及びチェックサムコマンド(S23コマンド)の全てのコマンドを演出表示基板172で受信終了するまでに要するチェックサム判定時間を第1タイマ120Dで決定されるタイミングに加算し、チェックサム判定時間を加算したタイミングに基づいて主制御基板120から第2コマンド(M4コマンド)を送信するためのプログラムが記憶されている。
【0059】
特に、本実施形態では、チェックサム判定時間は、第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)、後述のサブ制御基板124で生成される各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)及びチェックサムコマンド(S23コマンド)の全てのコマンドを演出表示基板172で受信するまでに要する実質受信時間と、所定の遊び時間と、で構成されている。
【0060】
具体的には、図7に示すように、実質受信時間としては、第1コマンドである演出パターン指定コマンド(M1コマンド)からチェックサムコマンドである振分け指定送信完了サムコマンド(S23コマンド)を受信するまでに経過する77m秒である。また、遊び時間としては、23m秒である。これにより、第1タイマ120Dで決定されるタイミングに加算されるチェックサム判定時間は、100m秒(0.1秒、77m秒+23m秒=100m秒)となる。この結果、第1タイマ120Dでは、演出される擬似特別図柄の変動パターンの時間を12.0秒とすると、12.1秒(12.0秒+0.1秒)が設定される。
【0061】
このように、本実施形態では、主制御基板120から第1コマンドである演出パターン指定コマンド(M1コマンド)が送信されてから、12.1秒後に、第2コマンドである特別図柄停止コマンド(M4コマンド)が演出表示基板172に送信されることになる。
【0062】
また、主制御基板120は、中継端子板138を介して、普通電動役物ソレノイド140と、大入賞口ソレノイド142と、図柄表示装置144と、にそれぞれ電気的に接続されている。
【0063】
払出制御基板122は、中継端子板146を介して、ガラス枠スイッチ148と、外部タンクスイッチ150と、タンクスイッチ152と、にそれぞれ電気的に接続されている。また、払出制御基板122は、中継端子板154を介して、エラーLED34A、34Bに電気的に接続されている。また、払出制御基板122は、下皿満タンスイッチ156に電気的に接続されている。また、払出制御基板122は、中継端子板157を介して、球貸表示基板158と、球貸装置160と、にそれぞれ電気的に接続されている。なお、球貸表示基板158には、球貸スイッチ162と、返却スイッチ164とがそれぞれ電気的に接続されている。また、払出制御基板122は、中継端子板166を介して、払出モータ168と払出スイッチ170とにそれぞれ電気的に接続されている。さらに、払出制御基板122は、主制御基板120と発射制御基板126とにそれぞれ電気的に接続されている。
【0064】
図4に示すように、サブ制御基板124は、演出表示基板172と、アンプ基板174と、装飾駆動基板176と、演出ボタン基板178と、にそれぞれ電気的に接続されている。
【0065】
また、図3及び図4に示すように、サブ制御基板124は、主制御基板120からのコマンドを受けて演出表示基板172、アンプ基板174、装飾駆動基板176及び演出ボタン基板178などの各基板を制御し特に第2コマンド(M4コマンド)の演出表示基板172への送信を一時的に遅延させるCPU(送信遅延部、以下同様)124Aと、各基板の制御に必要なデータを記憶するROM124Bと、主制御基板120から送信されてきた第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)及び第2コマンド(M4コマンド)と、後述の各構成コマンド及びチェックサムコマンドを演出表示基板172にそれぞれ送信するコマンド送信部124Cと、を備えている。
【0066】
特に、サブ制御基板124のCPU124Aは主制御基板120からの第1コマンドを受けて演出の内容を示す各構成コマンドを生成し、コマンド送信部124Cから各構成コマンドを演出表示基板172に送信する。
【0067】
具体的には、図6及び図7に示すように、各構成コマンドとして、変動表示される擬似特別図柄を指定する擬似図柄指定コマンド(S1コマンド)、左側の擬似特別図柄を指定する擬似図柄指定コマンド左(S2コマンド)、中央の擬似特別図柄を指定する擬似図柄指定コマンド中(S3コマンド)、右側の擬似特別図柄を指定する擬似図柄指定コマンド右(S4コマンド)の他に、スベリ前図柄指定コマンド(S5コマンド)、スーパーリーチ1停止前コマンド(S6コマンド)、通常変動図柄左コマンド(S7コマンド)、通常変動図柄中コマンド(S8コマンド)、通常変動図柄右コマンド(S9コマンド)、ノーマルリーチ停止指定コマンド(S10コマンド)、スーパーリーチ1停止コマンド(S11コマンド)、スーパーリーチ2停止コマンド(S12コマンド)、通常背景指定コマンド(S13コマンド)、リーチ番号(上位)コマンド(S14コマンド)、リーチ番号(下位)コマンド(S15コマンド)、一攫千金継続回数コマンド(S16コマンド)、モード指定コマンド(S17コマンド)、コクピット変動信頼度コマンド(S18コマンド)、コクピット右表示コマンド(S19コマンド)、モード移行条件コマンド(S20コマンド)、デバッグ用予備1コマンド(S21コマンド)、デバッグ用予備2コマンド(S22コマンド)などが挙げられる。
【0068】
また、図7に示すように、コマンド送信部124Cから擬似図柄指定コマンド(S1コマンド)が送信された後、3m秒後に次の擬似図柄指定コマンド左(S2コマンド)が送信され、その後、同様に、3m秒間隔で各構成コマンド(S22コマンドまで)が順次送信されるように設定されている。なお、3m秒間隔は一例であり、例えば、各構成コマンドを、2m秒間隔で送信するようにしてもよい。
【0069】
また、図4に示すように、サブ制御基板124のコマンド送信部124Cは、各構成コマンドを送信した後、各構成コマンドの受信を確認要求するチェックサムコマンドである振分け指定送信完了サムコマンド(S23コマンド)を演出表示基板172に送信する。
【0070】
図7に示すように、この振分け指定送信完了サムコマンド(S23コマンド)は、デバッグ用予備2コマンド(S22コマンド)が送信された後、3m秒後に送信される。なお、3m秒は一例であり、例えば、振分け指定送信完了サムコマンド(S23コマンド)を、デバッグ用予備2コマンド(S22コマンド)の送信後、2m秒経過した後に送信するようにしてもよい。
【0071】
なお、サブ制御基板124のコマンド送信部124Cは、上記各構成コマンドとチェックサムコマンドの他に、主制御基板120から送信されてきた第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)及び第2コマンド(M4コマンド)を演出表示基板172に送信する。
【0072】
また、図4に示すように、演出表示基板172には、演出表示装置180(82)と、演出表示ROM182と、がそれぞれ電気的に接続されている。この演出表示ROM182には、演出図柄表示装置82に変動表示される擬似特別図柄のデータが記憶されている。
【0073】
ここで、演出表示基板172は、主制御基板120及びサブ制御基板124からの各コマンドに基づいて演出表示装置180を制御し特に第2コマンド(M4コマンド)の実行を一時的に遅延させるCPU(実行遅延部、以下同様)172Aと、主制御基板120から送信される第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)及び第2コマンド(M4コマンド)とサブ制御基板124から送信される各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)とチェックサムコマンド(S23コマンド)をそれぞれ受信するコマンド受信部172Bと、各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)の受信結果によりチェックサムした内容と受信したチェックサムコマンド(S23コマンド)の内容とを比較する比較処理部172Cと、各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)の受信結果によりチェックサムした内容と受信したチェックサムコマンド(S23コマンド)の内容とが一致している場合に各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)に基づいて演出表示の変動を開始させるタイミングを決定する第2タイマ(第2計測部、以下同様)172Dと、第2タイマ172Dにより決定されたタイミングに基づいて演出表示の変動を開始させる変動開始部172Eと、を備えている。
【0074】
本実施形態では、図7に示すように、主制御基板120から第1コマンドである演出パターン指定コマンド(M1コマンド)が送信されてから、チェックサムコマンドである振分け指定送信完了サムコマンド(S23コマンド)を演出表示基板172のコマンド受信部172Bで受信するまでに77m秒が経過する。
【0075】
また、第2タイマ172Dは、演出される擬似特別図柄の変動パターンの時間が12.0秒であるため、12.0秒に設定されている。このため、演出図柄表示装置82には、演出表示基板172が第1コマンドである演出パターン指定コマンド(M1コマンド)を受信してから、12.0秒間だけ、擬似特別図柄が変動表示される。
【0076】
また、図4に示すように、アンプ基板174には、所定の効果音を出力する各種スピーカ184(52)、がそれぞれ電気的に接続されている。
【0077】
また、装飾駆動基板176には、各種LED・ランプ188が電気的に接続されている。また、演出ボタン基板178には、操作スイッチ190(54)が電気的に接続されている。
【0078】
また、図5に示すように、発射制御基板126には、発射駆動基板192を介して、発射モータ194と、発射停止スイッチ196(64)と、タッチスイッチ198とがそれぞれ電気的に接続されている。また、発射制御基板126には、球送りソレノイド200が電気的に接続されている。
【0079】
次に、本実施形態の遊技機の作用について説明する。
【0080】
図8に示すように、主制御基板120のコマンド送信部120Cから第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)がサブ制御基板124を介して演出表示基板172に送信される(ST01)。第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)がサブ制御基板124を介して演出表示基板172に送信されると、サブ制御基板124のCPU124Aは、主制御基板120からの第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)を受けて各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)を生成する(ST02)。そして、各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)とその受信を確認要求するチェックサムコマンド(S23コマンド)が演出表示基板172に送信される(ST03)。
【0081】
各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)とその受信を確認要求するチェックサムコマンド(S23コマンド)が演出表示基板172に送信されると、演出表示基板172のコマンド受信部172Bにより各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)とチェックサムコマンド(S23コマンド)が受信され、比較処理部172Cにより各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)の受信結果によりチェックサムした内容と受信したチェックサムコマンド(S23コマンド)の内容とが比較される(ST04)。
【0082】
各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)の受信結果によりチェックサムした内容と受信したチェックサムコマンド(S23コマンド)の内容とが一致していると判断された場合(ST04:YES)には、各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)に基づいて演出表示の変動を開始させるタイミングが第2タイマ172Dにより決定され(ST05)、この決定されたタイミングで演出表示の変動が変動開始部172Eにより開始される(ST06)。本実施形態では、演出図柄表示装置82において擬似特別図柄が12.0秒間だけ変動表示される。
【0083】
なお、各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)の受信結果によりチェックサムした内容と受信したチェックサムコマンド(S23コマンド)の内容とが一致していないと判断された場合(ST04:NO)には、演出図柄表示装置82において擬似特別図柄の変動表示内容が見えないように高速変動される(ST11)。なお、この場合でも、特別図柄停止コマンド(M4コマンド)を受信すれば、擬似特別図柄は停止する。
【0084】
主制御基板120の第1タイマ120Dで予め設定されていた時間(本実施形態では12.1秒)が経過すると(ST07:YES)、7セグメント表示器90における特別図柄の本図柄の変動表示が停止される(ST08)。また、同時に、主制御基板120のコマンド送信部120Cから第2コマンド(M4コマンド)がサブ制御基板124を介して演出表示基板172に送信される(ST09)。
【0085】
主制御基板120から送信された第2コマンド(M4コマンド)が演出表示基板172のコマンド受信部172Bに受信されると、演出図柄表示装置82において変動表示されていた擬似特別図柄の変動が停止される(ST10)。すなわち、主制御基板120のCPU120Aにより制御されていた特別図柄の本図柄の変動が停止されるのと略同時にして、特別図柄の擬似図柄の変動が停止される。
【0086】
以上のように、本実施形態のパチンコ機10によれば、第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)、各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)及びチェックサムコマンド(S23コマンド)の全てのコマンドを演出表示基板172で受信終了するまでに要するチェックサム判定時間を第1タイマ120Dで決定されるタイミングに加算し、チェックサム判定時間を加算したタイミングに基づいて主制御基板120から第2コマンドが演出表示基板172に送信される。これにより、演出表示基板172の比較処理部172Cにおける比較処理(例えば、チェックサムが一致するか否かを判定する処理)に無駄時間を要した場合でも、その分の無駄時間だけ主制御基板120から演出表示基板172に送信される第2コマンドの送信を遅らせることができる。このため、演出表示基板172で実行されている演出表示の変動が終了する前に、主制御基板120から演出表示基板172に第2コマンド(M4コマンド)が送信されることがない。この結果、演出表示基板172で実行されている演出表示の変動の途中でその変動が停止されてしまうことを防止でき、主制御基板120により実現しようとする演出と、演出表示基板172により実際に実現されている演出表示とを一致させることができる。
【0087】
次に、本発明の第2実施形態に係る遊技機について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、第1実施形態に係る遊技機と同様の構成については説明を省略する。
【0088】
本実施形態のパチンコ機では、サブ制御基板124のROM124Bには、第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)、各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)及びチェックサムコマンド(S23コマンド)の全てのコマンドを演出表示基板172で受信終了するまでに要するチェックサム判定時間だけ、主制御基板120から送信されてきた第2コマンド(M4コマンド)をサブ制御基板124において停止させるためのプログラムが記憶されている。
【0089】
特に、本実施形態では、チェックサム判定時間は、第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)、後述のサブ制御基板124で生成される各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)及びチェックサムコマンド(S23コマンド)の全てのコマンドを演出表示基板172で受信するまでに要する実質受信時間と、所定の遊び時間と、で構成されている。
【0090】
具体的には、図7に示すように、実質受信時間としては、第1コマンドである演出パターン指定コマンド(M1コマンド)からチェックサムコマンドである振分け指定送信完了サムコマンド(S23コマンド)を受信するまでに経過する77m秒である。また、遊び時間としては、23m秒である。これにより、サブ制御基板124で停止させておくチェックサム判定時間は、100m秒(0.1秒、77m秒+23m秒=100m秒)となる。この結果、主制御基板120の第1タイマ120Dで設定される特別図柄の本図柄の変動パターンの時間を12.0秒とし、かつ演出表示基板172の第2タイマ172Dで設定される擬似特別図柄の変動パターンの時間を12.0秒とすると、第2コマンド(M4コマンド)は12.1秒(12.0秒+0.1秒)経過後に、演出表示基板172に送信される。
【0091】
このように、本実施形態では、主制御基板120から第1コマンドである演出パターン指定コマンド(M1コマンド)が送信されてから、12.1秒後に、第2コマンドである特別図柄停止コマンド(M4コマンド)が演出表示基板172に送信されることになる。
【0092】
次に、本実施形態のパチンコ機の作用について説明する。
【0093】
図9に示すように、主制御基板120のコマンド送信部120Cから第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)がサブ制御基板124を介して演出表示基板172に送信される(ST20)。第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)がサブ制御基板124を介して演出表示基板172に送信されると、サブ制御基板124のCPU124Aは、主制御基板120からの第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)を受けて各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)を生成する(ST21)。そして、各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)とその受信を確認要求するチェックサムコマンド(S23コマンド)が演出表示基板172に送信される(ST22)。
【0094】
各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)とその受信を確認要求するチェックサムコマンド(S23コマンド)が演出表示基板172に送信される。そして、演出表示基板172のコマンド受信部172Bにより各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)とチェックサムコマンド(S23コマンド)が受信され、比較処理部172Cにより各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)の受信結果によりチェックサムした内容と受信したチェックサムコマンド(S23コマンド)の内容とが比較される(ST23)。
【0095】
各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)の受信結果によりチェックサムした内容と受信したチェックサムコマンド(S23コマンド)の内容とが一致していると判断された場合(ST23:YES)には、各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)に基づいて演出表示の変動を開始させるタイミングが第2タイマ172Dにより決定され(ST24)、この決定されたタイミングで演出表示の変動が変動開始部172Eにより開始される(ST25)。本実施形態では、演出図柄表示装置82において擬似特別図柄が12.0秒間だけ変動表示される。
【0096】
なお、各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)の受信結果によりチェックサムした内容と受信したチェックサムコマンド(S23コマンド)の内容とが一致していないと判断された場合(ST23:NO)には、演出図柄表示装置82において擬似特別図柄の変動表示内容が見えないように高速変動される(ST32)。なお、この場合でも、特別図柄停止コマンド(M4コマンド)を受信すれば、擬似特別図柄は停止する。
【0097】
主制御基板120の第1タイマ120Dで予め設定されていた時間(本実施形態では12.0秒)が経過すると(ST26:YES)、7セグメント表示器90における特別図柄の本図柄の変動表示が停止される(ST27)。また、同時に、主制御基板120のコマンド送信部120Cから第2コマンド(M4コマンド)がサブ制御基板124に送信される(ST28)。そして、主制御基板120のコマンド送信部120Cから送信された第2コマンド(M4コマンド)は、チェックサム判定時間である0.1秒間だけサブ制御基板124で停止される(ST29)。その後、第2コマンド(M4コマンド)がサブ制御基板124のコマンド送信部124Cから演出表示基板172に送信される(ST30)。
【0098】
主制御基板120から送信された第2コマンド(M4コマンド)が演出表示基板172のコマンド受信部172Bに受信されると、演出図柄表示装置82において変動表示されていた擬似特別図柄の変動が停止される(ST31)。すなわち、主制御基板120のCPU120Aにより制御されていた特別図柄の本図柄の変動が停止されるのと略同時にして、特別図柄の擬似図柄の変動が停止される。
【0099】
以上のように、本実施形態のパチンコ機によれば、主制御基板120から送信された第2コマンド(M4コマンド)が、第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)、各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)及びチェックサムコマンド(S23コマンド)の全てのコマンドを演出表示基板172で受信終了するまでに要するチェックサム判定時間(本実施形態では0.1秒間)だけ、サブ制御基板124において停止される。これにより、主制御基板120から第2コマンド(M4コマンド)が送信された場合でも、その第2コマンド(M4コマンド)がチェックサム判定時間(0.1秒間)だけ遅れて演出表示基板172に送信される。このため、演出表示基板172で実行されている演出表示の変動が終了する前に、主制御基板120から演出表示基板172に第2コマンド(M4コマンド)が送信されることがない。この結果、演出表示基板172で実行されている演出表示の変動の途中でその変動が停止されてしまうことを防止でき、主制御基板120により実現しようとする演出と、演出表示基板172により実際に実現されている演出表示とを一致させることができる。
【0100】
次に、本発明の第3実施形態に係る遊技機について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、第1実施形態に係る遊技機と同様の構成については説明を省略する。
【0101】
図10に示すように、本実施形態のパチンコ機では、演出表示ROM182には、演出表示基板172に第2コマンド(M4コマンド)が送信された場合には、第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)、各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)及びチェックサムコマンド(S23コマンド)の全てのコマンドを演出表示基板172で受信終了するまでに要するチェックサム判定時間だけ、演出表示基板172における第2コマンド(M4コマンド)の実行を遅延させるためのプログラムが記憶されている。
【0102】
特に、本実施形態では、チェックサム判定時間は、第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)、後述のサブ制御基板124で生成される各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)及びチェックサムコマンド(S23コマンド)の全てのコマンドを演出表示基板172で受信するまでに要する実質受信時間と、所定の遊び時間と、で構成されている。
【0103】
具体的には、図7に示すように、実質受信時間としては、第1コマンドである演出パターン指定コマンド(M1コマンド)からチェックサムコマンドである振分け指定送信完了サムコマンド(S23コマンド)を受信するまでに経過する77m秒である。また、遊び時間としては、23m秒である。これにより、演出表示基板172で第2コマンド(M4コマンド)の実行を遅延させておくためのチェックサム判定時間は、100m秒(0.1秒、77m秒+23m秒=100m秒)となる。この結果、主制御基板120の第1タイマ120Dで設定される特別図柄の本図柄の変動パターンの時間を12.0秒とし、かつ演出表示基板172の第2タイマ172Dで設定される擬似特別図柄の変動パターンの時間を12.0秒とすると、第2コマンド(M3コマンド)は12.1秒(12.0秒+0.1秒)経過後に、演出表示基板172において実行される。
【0104】
このように、本実施形態では、主制御基板120から第1コマンドである演出パターン指定コマンド(M1コマンド)が送信されてから、12.1秒後に、演出表示基板172において第2コマンド(M4コマンド)が実行されることになる。
【0105】
次に、本実施形態のパチンコ機の作用について説明する。
【0106】
図10に示すように、主制御基板120のコマンド送信部120Cから第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)がサブ制御基板124を介して演出表示基板172に送信される(ST40)。第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)がサブ制御基板124を介して演出表示基板172に送信されると、サブ制御基板124のCPU124Aは、主制御基板120からの第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)を受けて各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)を生成する(ST41)。そして、各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)とその受信を確認要求するチェックサムコマンド(S23コマンド)が演出表示基板172に送信される(ST42)。
【0107】
各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)とその受信を確認要求するチェックサムコマンド(S23コマンド)が演出表示基板172に送信されると、演出表示基板172のコマンド受信部172Bにより各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)とチェックサムコマンド(S23コマンド)が受信され、比較処理部172Cにより各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)の受信結果によりチェックサムした内容と受信したチェックサムコマンド(S23コマンド)の内容とが比較される(ST43)。
【0108】
各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)の受信結果とチェックサムコマンド(S23コマンド)の結果とが一致していると判断された場合(ST43:YES)には、各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)に基づいて演出表示の変動を開始させるタイミングが第2タイマ172Dにより決定され(ST44)、この決定されたタイミングで演出表示の変動が変動開始部172Eにより開始される(ST45)。本実施形態では、演出図柄表示装置82において擬似特別図柄が12.0秒間だけ変動表示される。
【0109】
なお、各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)の受信結果によりチェックサムした内容と受信したチェックサムコマンド(S23コマンド)の内容とが一致していないと判断された場合(ST43:NO)には、演出図柄表示装置82において擬似特別図柄の変動表示内容が見えないように高速変動される(ST52)。なお、この場合でも、特別図柄停止コマンド(M4コマンド)を受信すれば、擬似特別図柄は停止する。
【0110】
主制御基板120の第1タイマ120Dで予め設定されていた時間(本実施形態では12.0秒)が経過すると(ST46:YES)、7セグメント表示器90における特別図柄の本図柄の変動表示が停止される(ST47)。また、同時に、主制御基板120のコマンド送信部120Cから第2コマンド(M4コマンド)がサブ制御基板124を介して演出表示基板172に送信される(ST48)。そして、主制御基板120のコマンド送信部120Cから送信された第2コマンド(M4コマンド)は、チェックサム判定時間である0.1秒間だけ演出表示基板172でその実行が遅延される(ST49)。その後、すなわち第1コマンドであるM1コマンドが送信されてから12.1秒間が経過した後、第2コマンド(M4コマンド)が演出表示基板172のCPU172Aにおいて実行される(ST50)。
【0111】
第2コマンド(M4コマンド)が演出表示基板172のCPU172Aにおいて実行されると、演出図柄表示装置82において変動表示されていた擬似特別図柄の変動が停止される(ST51)。すなわち、主制御基板120のCPU120Aにより制御されていた特別図柄の本図柄の変動が停止されるのと略同時にして、特別図柄の擬似図柄の変動が停止される。
【0112】
以上のように、本発明によれば、演出表示基板172に第2コマンド(M4コマンド)が送信された場合には、第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)、各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)及びチェックサムコマンド(S23コマンド)の全てのコマンドを演出表示基板172で受信終了するまでに要するチェックサム判定時間だけ、演出表示基板172における第2コマンド(M4コマンド)の実行が遅延される。これにより、演出表示基板172で実行されている演出表示の変動の途中でその変動が停止されてしまうことを防止でき、主制御基板120により実現しようとする演出と、演出表示基板172により実際に実現されている演出表示とを一致させることができる。
【0113】
次に、本発明の第4実施形態に係る遊技機について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、第1実施形態に係る遊技機と同様の構成については説明を省略する。
【0114】
図11に示すように、本実施形態のパチンコ機では、主制御基板120には第1タイマ120Dの他に、サブタイマ(サブ計測部、以下同様)120Eが設けられている。そして、この第1タイマ120Dにおいて第2コマンド(M4コマンド)を演出表示基板172に送信するタイミングが決定され、サブタイマ120Eにおいて7セグメント表示器90で変動表示される特別図柄の本図柄の変動を終了させるタイミングが決定される。すなわち、本実施形態のパチンコ機では、主制御基板120において、第2コマンド(M4コマンド)を演出表示基板172に送信するタイミングを決定するタイマと、7セグメント表示器90で変動表示される特別図柄の本図柄の変動を終了させるタイミングを決定するタイマとを別々に設けたものである。
【0115】
なお、上記構成以外は、第1実施形態のパチンコ機10の構成と同様であるため説明を省略する。
【0116】
本実施形態のパチンコ機によれば、第1実施形態のパチンコ機10と同様にして、演出表示基板172の比較処理部172Cにおける比較処理に時間(無駄時間)を要した場合でも、その分の無駄時間だけ主制御基板120から演出表示基板172に送信される第2コマンド(M4コマンド)の送信を遅らせることができる。このため、演出表示基板172で実行されている演出表示の変動が終了する前に、主制御基板120から演出表示基板172に第2コマンド(M4コマンド)が送信されることがない。この結果、演出表示基板172で実行されている演出表示の変動の途中でその変動が停止されてしまうことを防止でき、主制御基板120により実現しようとする演出と、演出表示基板172により実際に実現されている演出表示とを一致させることができる。
【0117】
加えて、特別図柄の本図柄の変動表示を停止させるタイミングと、演出表示基板172に第2コマンド(M4コマンド)を送信するタイミングと、を別々のタイマにより決定することにより、特別図柄の本図柄の変動表示を停止させるタイミングを従来のタイミングと変える必要がないため、第1タイマ120Dによるタイミングの決定処理に伴う負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明の第1実施形態に係る遊技機の正面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る遊技機の遊技盤の正面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る遊技機の電子制御装置の一部の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る遊技機の電子制御装置を構成するサブ制御基板を説明するための説明図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る遊技機の電子制御装置を構成する発射制御基板を説明するための説明図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る遊技機を構成する主制御基板及びサブ制御基板からそれぞれ送信される各コマンドのタイミングチャートである。
【図7】本発明の第1実施形態に係る遊技機を構成する主制御基板及びサブ制御基板からそれぞれ送信される各コマンドの内容と送信間隔を示す表である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る遊技機の作用を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2実施形態に係る遊技機の作用を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第3実施形態に係る遊技機の作用を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第4実施形態に係る遊技機の電子制御装置の一部の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0119】
10 パチンコ機(遊技機)
120 主制御基板(主制御手段)
120C コマンド送信部
120D 第1タイマ(第1計測部)
120E サブタイマ(サブ計測部)
124 サブ制御基板(第1副制御手段)
124A CPU(送信遅延部)
172 演出表示基板(第2副制御手段)
172A CPU(実行遅延部)
172B コマンド受信部
172C 比較処理部
172D 第2タイマ(第2計測部)
172E 変動開始部
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技を司り当否判定などの遊技状態を判断するメイン制御基板と、メイン制御基板からのコマンドを受けて遊技状態に沿った演出を実現させるように演出表示基板を制御するサブ制御基板と、メイン制御基板及びサブ制御基板からのコマンドを受けて遊技状態に沿った演出表示を実現させる演出表示基板と、を備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機としてのパチンコ機では、独自のCPUを備え遊技を司り当否判定などの遊技状態を判断するメイン制御基板と、メイン制御基板からのコマンドを受けて遊技状態に沿った演出を実現させるように演出表示基板を制御するサブ制御基板と、独自のCPUを備えメイン制御基板及びサブ制御基板からのコマンドを受けて遊技状態に沿った演出表示を実現させる演出表示基板と、を有するものが主流となっている。
【0003】
このパチンコ機によれば、演出表示基板に対して送信されるコマンドの中には、メイン制御基板が決定したコマンドがメイン制御基板からサブ制御基板を介して演出表示基板に送信されるものと、サブ制御基板が決定したコマンドがサブ制御基板から演出表示基板に送信されるものとがある。これらのコマンドが演出表示基板に送信されると、これらのコマンドに基づいて演出表示基板により所定の演出(例えば、液晶表示部における図柄表示に関する演出など)が実現される。
【0004】
ここで、メイン制御基板のCPUは独自のタイマを備えており、所定の時間が経過すると演出表示基板に対して演出を停止(例えば、液晶表示部に変動表示された図柄の停止など)させる演出停止コマンドがメイン制御基板から送信される。また、演出表示基板のCPUも独自のタイマを備えており、このタイマにより演出の変動(例えば、液晶表示部における図柄の変動など)を開始するタイミングがとられている。
【特許文献1】特許第3549797号公報
【特許文献2】特許第3509673号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、演出表示基板では、サブ制御基板からの各構成コマンドの送信が終了しチェックサムコマンドの送信が実行されて、このサブ制御基板からのチェックサムコマンドと演出表示基板のCPUによるチェックサムコマンドとが一致しするか否かを比較するが、これらを比較するまでにある程度の時間(無駄時間)が経過してしまう。この無駄時間が生じると、メイン制御基板のタイマと演出表示基板のタイマとがずれてしまい、メイン制御基板によるコマンドに基づいて実現されようとする演出の内容と、演出表示基板で実際に実現されている演出の内容とがずれてしまう。
【0006】
具体的には、演出表示基板により図柄の変動が実行されているとき(演出表示基板のCPUのタイマがゼロになる前)に、メイン制御基板から図柄停止コマンドが送信されて、図柄変動の途中で図柄が停止されることになる。このことは、単に遊技性が低下するばかりではなく、遊技者に対して遊技に関する不信感を与えてしまい、遊技者の心理面に対しても悪影響を及ぼす結果になる。
【0007】
なお、これらの問題点を解決する方法は、上記した各特許文献にも記載がなく、本業界の発展にとっても上記問題点を解決することが待ち望まれている。
【0008】
そこで、本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、メイン制御基板により実現しようとする演出と、演出表示基板により実際に実現されている演出表示とを一致させることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、遊技を司り当否判定などの遊技状態を判断する主制御手段と、前記主制御手段からのコマンドを受けて遊技状態に沿った演出を実現させる第1副制御手段と、前記主制御手段及び前記第1副制御手段からのコマンドを受けて遊技状態に沿った演出表示を実現させる第2副制御手段と、を有する遊技機であって、前記主制御手段は、前記第2副制御手段で実行される演出表示の内容を示す第1コマンドと前記第2副制御手段で実行される演出表示の変動を停止させる第2コマンドを前記第1副制御手段を介して前記第2副制御手段に対してそれぞれ送信するコマンド送信部と、変動表示される本図柄の変動を終了させるタイミングを決定するとともに前記第2コマンドを前記第1副制御手段を介して前記第2副制御手段に送信するタイミングを決定する第1計測部と、を有し、前記第2副制御手段は、前記第1コマンドを受けて前記第1副制御手段から送信される演出表示に関する各構成コマンドと前記各構成コマンドの受信を確認要求するチェックサムコマンドをそれぞれ受信するコマンド受信部と、前記チェックサムコマンドの結果と前記各構成コマンドの受信結果とを比較する比較処理部と、前記チェックサムコマンドの結果と前記各構成コマンドの受信結果とが一致している場合に前記各構成コマンドに基づいて演出表示の変動を開始させるタイミングを決定する第2計測部と、前記第2計測部により決定されたタイミングに基づいて演出表示の変動を開始させる変動開始部と、を有し、前記第1コマンド、前記各構成コマンド及び前記チェックサムコマンドの全てのコマンドを前記第2副制御手段で受信終了するまでに要するチェックサム判定時間を前記第1計測部で決定されるタイミングに加算し、前記チェックサム判定時間を加算したタイミングに基づいて前記主制御手段から前記第2コマンドが送信されることを特徴とする。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、主制御手段のコマンド送信部から第1コマンドが第1副制御手段を介して第2副制御手段に送信される。このとき、第1副制御手段は、主制御手段からの第1コマンドを受けて各構成コマンドと各構成コマンドの受信を確認要求するチェックサムコマンドを第2副制御手段に対して送信する。第2副制御手段のコマンド受信部により各構成コマンドとチェックサムコマンドを受信されると、比較処理部によりチェックサムコマンドの結果と各構成コマンドの受信結果とが比較される。このとき、チェックサムコマンドの結果と各構成コマンドの受信結果とが一致している場合には、各構成コマンドに基づいて演出表示の変動を開始させるタイミングが第2計測部により決定され、この決定されたタイミングで演出表示の変動が変動開始部により開始される。主制御手段において、変動表示される本図柄の変動が第1計測部により決定されたタイミングにより停止され、第1計測部により決定されたタイミングにより第2コマンドが第1副制御手段を介して第2副制御手段に送信される。第2コマンドが第2副制御手段のコマンド受信部で受信されると、変動されている演出表示の変動が停止される。
【0011】
ここで、第1コマンド、各構成コマンド及びチェックサムコマンドの全てのコマンドを第2副制御手段で受信終了するまでに要するチェックサム判定時間を第1計測部で決定されるタイミングに加算し、チェックサム判定時間を加算したタイミングに基づいて主制御手段から第2コマンドが送信される。これにより、第2副制御手段の比較処理部における比較処理に時間(無駄時間)を要した場合でも、その分の無駄時間だけ主制御手段から第2副制御手段に送信される第2コマンドの送信を遅らせることができる。このため、第2副制御手段で実行されている演出表示の変動が終了する前に、主制御手段から第2副制御手段に第2コマンドが送信されることがない。この結果、第2副制御手段で実行されている演出表示の変動の途中でその変動が停止されてしまうことを防止でき、主制御手段により実現しようとする演出と、第2副制御手段により実際に実現されている演出表示とを一致させることができる。
【0012】
なお、本明細書において、「第1副制御手段」とは、例えば、主制御手段からのコマンドを受けてこのコマンドに基づく演出を実現させるために、第2副制御手段を制御するサブ制御基板を意味する。
【0013】
また、「第2副制御手段」とは、サブ制御基板からのコマンドを受けて主として演出図柄表示装置に変動表示される特別図柄(擬似図柄)の態様及びその変動パターンを制御する演出表示基板を意味する。
【0014】
請求項2に記載の発明は、遊技を司り当否判定などの遊技状態を判断する主制御手段と、前記主制御手段からのコマンドを受けて遊技状態に沿った演出を実現させる第1副制御手段と、前記主制御手段及び前記第1副制御手段からのコマンドを受けて遊技状態に沿った演出表示を実現させる第2副制御手段と、を有する遊技機であって、前記主制御手段は、前記第2副制御手段で実行される演出表示の内容を示す第1コマンドと前記第2副制御手段で実行される演出表示の変動を停止させる第2コマンドを前記第1副制御手段を介して前記第2副制御手段に対してそれぞれ送信するコマンド送信部と、変動表示される本図柄の変動を終了させるタイミングを決定するとともに前記第2コマンドを前記第1副制御手段を介して前記第2副制御手段に送信するタイミングを決定する第1計測部と、を有し、前記第1副制御手段は、前記第2コマンドの前記第2副制御手段への送信を一時的に遅延させる送信遅延部を有し、前記第2副制御手段は、前記第1コマンドを受けて前記第1副制御手段から送信される演出表示に関する各構成コマンドと前記各構成コマンドの受信を確認要求するチェックサムコマンドをそれぞれ受信するコマンド受信部と、前記チェックサムコマンドの結果と前記各構成コマンドの受信結果とを比較する比較処理部と、前記チェックサムコマンドの結果と前記各構成コマンドの受信結果とが一致している場合に前記各構成コマンドに基づいて演出表示の変動を開始させるタイミングを決定する第2計測部と、前記第2計測部により決定されたタイミングに基づいて演出表示の変動を開始させる変動開始部と、を有し、前記第1副制御手段は、前記主制御手段から送信された前記第2コマンドを、前記第1コマンド、前記各構成コマンド及び前記チェックサムコマンドの全てのコマンドを前記第2副制御手段で受信終了するまでに要するチェックサム判定時間だけ、前記送信遅延部により遅延させることを特徴とする。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、主制御手段のコマンド送信部から第1コマンドが第1副制御手段を介して第2副制御手段に送信される。このとき、第1副制御手段は、主制御手段からの第1コマンドを受けて各構成コマンドと各構成コマンドの受信を確認要求するチェックサムコマンドを第2副制御手段に対して送信する。第2副制御手段のコマンド受信部により各構成コマンドとチェックサムコマンドを受信されると、比較処理部によりチェックサムコマンドの結果と各構成コマンドの受信結果とが比較される。このとき、チェックサムコマンドの結果と各構成コマンドの受信結果とが一致している場合には、各構成コマンドに基づいて演出表示の変動を開始させるタイミングが第2計測部により決定され、この決定されたタイミングで演出表示の変動が変動開始部により開始される。主制御手段において、変動表示される本図柄の変動が第1計測部により決定されたタイミングにより停止され、第1計測部により決定されたタイミングにより第2コマンドが第1副制御手段を介して第2副制御手段に送信される。第2コマンドが第2副制御手段のコマンド受信部で受信されると、変動されている演出表示の変動が停止される。
【0016】
ここで、主制御手段から送信された第2コマンドが、第1コマンド、各構成コマンド及びチェックサムコマンドの全てのコマンドを第2副制御手段で受信終了するまでに要するチェックサム判定時間だけ、送信遅延部により第1副制御手段において停止される。これにより、主制御手段から第2コマンドが送信された場合でも、その第2コマンドがチェックサム判定時間だけ遅れて第2副制御手段に送信される。このため、第2副制御手段で実行されている演出表示の変動が終了する前に、主制御手段から第2副制御手段に第2コマンドが送信されることがない。この結果、第2副制御手段で実行されている演出表示の変動の途中でその変動が停止されてしまうことを防止でき、主制御手段により実現しようとする演出と、第2副制御手段により実際に実現されている演出表示とを一致させることができる。
【0017】
請求項3に記載の発明は、遊技を司り当否判定などの遊技状態を判断する主制御手段と、前記主制御手段からのコマンドを受けて遊技状態に沿った演出を実現させる第1副制御手段と、前記主制御手段及び前記第1副制御手段からのコマンドを受けて遊技状態に沿った演出表示を実現させる第2副制御手段と、を有する遊技機であって、前記主制御手段は、前記第2副制御手段で実行される演出表示の内容を示す第1コマンドと前記第2副制御手段で実行される演出表示の変動を停止させる第2コマンドを前記第1副制御手段を介して前記第2副制御手段に対してそれぞれ送信するコマンド送信部と、変動表示される本図柄の変動を終了させるタイミングを決定するとともに前記第2コマンドを前記第1副制御手段を介して前記第2副制御手段に送信するタイミングを決定する第1計測部と、を有し、前記第2副制御手段は、前記第1コマンドを受けて前記第1副制御手段から送信される演出表示に関する各構成コマンドと前記各構成コマンドの受信を確認要求するチェックサムコマンドをそれぞれ受信するコマンド受信部と、前記チェックサムコマンドの結果と前記各構成コマンドの受信結果とを比較する比較処理部と、前記チェックサムコマンドの結果と前記各構成コマンドの受信結果とが一致している場合に前記各構成コマンドに基づいて演出表示の変動を開始させるタイミングを決定する第2計測部と、前記第2計測部により決定されたタイミングに基づいて演出表示の変動を開始させる変動開始部と、前記第2コマンドの実行を一時的に遅延させる実行遅延部と、を有し、前記第2副制御手段は、前記第2副制御手段に前記第2コマンドが送信された場合には、前記第1コマンド、前記各構成コマンド及び前記チェックサムコマンドの全てのコマンドを前記第2副制御手段で受信終了するまでに要するチェックサム判定時間だけ、前記第2副制御手段における前記第2コマンドの実行を前記実行遅延部により遅延させることを特徴とする。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、主制御手段のコマンド送信部から第1コマンドが第1副制御手段を介して第2副制御手段に送信される。このとき、第1副制御手段は、主制御手段からの第1コマンドを受けて各構成コマンドと各構成コマンドの受信を確認要求するチェックサムコマンドを第2副制御手段に対して送信する。第2副制御手段のコマンド受信部により各構成コマンドとチェックサムコマンドを受信されると、比較処理部によりチェックサムコマンドの結果と各構成コマンドの受信結果とが比較される。このとき、チェックサムコマンドの結果と各構成コマンドの受信結果とが一致している場合には、各構成コマンドに基づいて演出表示の変動を開始させるタイミングが第2計測部により決定され、この決定されたタイミングで演出表示の変動が変動開始部により開始される。主制御手段において、変動表示される本図柄の変動が第1計測部により決定されたタイミングにより停止され、第1計測部により決定されたタイミングにより第2コマンドが第1副制御手段を介して第2副制御手段に送信される。第2コマンドが第2副制御手段のコマンド受信部で受信されると、変動されている演出表示の変動が停止される。
【0019】
ここで、第2副制御手段に第2コマンドが送信された場合には、第1コマンド、各構成コマンド及びチェックサムコマンドの全てのコマンドを第2副制御手段で受信終了するまでに要するチェックサム判定時間だけ、第2副制御手段における第2コマンドの実行が実行遅延部により遅延される。これにより、第2副制御手段で実行されている演出表示の変動の途中でその変動が停止されてしまうことを防止でき、主制御手段により実現しようとする演出と、第2副制御手段により実際に実現されている演出表示とを一致させることができる。
【0020】
請求項4に記載の発明は、遊技を司り当否判定などの遊技状態を判断する主制御手段と、前記主制御手段からのコマンドを受けて遊技状態に沿った演出を実現させる第1副制御手段と、前記主制御手段及び前記第1副制御手段からのコマンドを受けて遊技状態に沿った演出表示を実現させる第2副制御手段と、を有する遊技機であって、前記主制御手段は、前記第2副制御手段で実行される演出表示の内容を示す第1コマンドと前記第2副制御手段で実行される演出表示の変動を停止させる第2コマンドを前記第1副制御手段を介して前記第2副制御手段に対してそれぞれ送信するコマンド送信部と、前記第2コマンドを前記第1副制御手段を介して前記第2副制御手段に送信するタイミングを決定する第1計測部と、変動表示される本図柄の変動を終了させるタイミングを決定するサブ計測部と、を有し、前記第2副制御手段は、前記第1コマンドを受けて前記第1副制御手段から送信される演出表示に関する各構成コマンドと前記各構成コマンドの受信を確認要求するチェックサムコマンドをそれぞれ受信するコマンド受信部と、前記チェックサムコマンドの結果と前記各構成コマンドの受信結果とを比較する比較処理部と、前記チェックサムコマンドの結果と前記各構成コマンドの受信結果とが一致している場合に前記各構成コマンドに基づいて演出表示の変動を開始させるタイミングを決定する第2計測部と、前記第2計測部により決定されたタイミングに基づいて演出表示の変動を開始させる変動開始部と、を有し、前記第1コマンド、前記各構成コマンド及び前記チェックサムコマンドの全てのコマンドを前記第2副制御手段で受信終了するまでに要するチェックサム判定時間を前記第1計測部で決定されるタイミングに加算し、前記チェックサム判定時間を加算したタイミングに基づいて前記主制御手段から前記第2コマンドが送信されることを特徴とする。
【0021】
請求項4に記載の発明によれば、主制御手段のコマンド送信部から第1コマンドが第1副制御手段を介して第2副制御手段に送信される。このとき、第1副制御手段は、主制御手段からの第1コマンドを受けて各構成コマンドと各構成コマンドの受信を確認要求するチェックサムコマンドを第2副制御手段に対して送信する。第2副制御手段のコマンド受信部により各構成コマンドとチェックサムコマンドを受信されると、比較処理部によりチェックサムコマンドの結果と各構成コマンドの受信結果とが比較される。このとき、チェックサムコマンドの結果と各構成コマンドの受信結果とが一致している場合には、各構成コマンドに基づいて演出表示の変動を開始させるタイミングが第2計測部により決定され、この決定されたタイミングで演出表示の変動が変動開始部により開始される。主制御手段において、変動表示される本図柄の変動がサブ計測部により決定されたタイミングにより停止され、第1計測部により決定されたタイミングにより第2コマンドが第1副制御手段を介して第2副制御手段に送信される。第2コマンドが第2副制御手段のコマンド受信部で受信されると、変動されている演出表示の変動が停止される。
【0022】
ここで、第1コマンド、各構成コマンド及びチェックサムコマンドの全てのコマンドを第2副制御手段で受信終了するまでに要するチェックサム判定時間を第1計測部で決定されるタイミングに加算し、チェックサム判定時間を加算したタイミングに基づいて主制御手段から第2コマンドが送信される。これにより、第2副制御手段の比較処理部における比較処理に時間(無駄時間)を要した場合でも、その分の無駄時間だけ主制御手段から第2副制御手段に送信される第2コマンドの送信を遅らせることができる。このため、第2副制御手段で実行されている演出表示の変動が終了する前に、主制御手段から第2副制御手段に第2コマンドが送信されることがない。この結果、第2副制御手段で実行されている演出表示の変動の途中でその変動が停止されてしまうことを防止でき、主制御手段により実現しようとする演出と、第2副制御手段により実際に実現されている演出表示とを一致させることができる。
【0023】
加えて、本図柄の変動表示を停止させるタイミングと、第2副制御手段に第2コマンドを送信するタイミングと、を別々の計測部により決定することにより、本図柄の変動表示を停止させるタイミングを従来のタイミングと変える必要がないため、第1計測部によるタイミングの決定処理に伴う負担を軽減できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、メイン制御基板により実現しようとする演出と、演出表示基板により実際に実現されている演出表示とを一致させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
次に、本発明の第1実施形態に係る遊技機について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では本発明を弾球遊技機の一例であるパチンコ機に適用した構成を説明する。
【0026】
図1に示すように、第1実施形態に係る遊技機であるパチンコ機10の前面部は、主として外枠12と、中枠14と、前面枠16と、上皿部18と、下皿部20と、施錠装置22と、から構成されている。
【0027】
外枠12は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものである。中枠14は、全体がプラスチック製で、外枠12に対して開閉可能に軸支されている。中枠14の右端中央には施錠装置22が設けられている。この施錠装置22は、前面枠16を閉鎖した場合に施錠するためのものである。
【0028】
前面枠16は全体がプラスチック製であり、前面枠16には遊技盤24(図2参照)を前方から視認するべく、遊技盤24に形成された遊技領域26(図2参照)の形状に対応して略円形に形成された開口部28が形成されている。また、前面枠16の裏面には、ガラス板30がガラス枠(図示省略)によって取り付けられている。そして、遊技者を基準とすれば、遊技盤24に形成された遊技領域26はガラス板30の後方に位置するようになっている。なお、本実施形態では、ガラス板30を前面枠16の裏面側に取り付けた構成を例にとり説明したが、例えば、前面枠16の前面側にガラス枠により取り付けてもよい。また、ガラス板30に替えて、透明な樹脂板を前面枠16に取り付けることができる。
【0029】
また、この前面枠16は、パチンコ機(遊技機)10の前面部全体の約2/3のサイズを占め、中枠14の左端に開閉可能となるように軸支されている。また、前面枠16の上端部中央には、2個の第1枠用LED32A、32Bがそれぞれ取り付けられている。この第1枠用LED32A、32Bの内側(間)には、2個のエラーLED34A、34Bがそれぞれ取り付けられている。また、前面枠16の上方右側には、枠用右LED36が取り付けられている。また、前面枠16の上方左側には、枠用左LED38が取り付けられている。さらに、開口部28の周囲には、複数の第2枠用LED40がそれぞれ取り付けられている。
【0030】
また、上皿部18は、前面枠16の下側で、かつ中枠14の左端に開閉可能となるように軸支されている。上皿部18の表面中央部には、所定の効果音を出力するスピーカ52が設けられている。また、上皿部18の表面左側方部には、後述の演出図柄表示装置(演出表示装置)82に表示される擬似特別図柄、各LED32A、32B、36、38、40の発光パターン及びスピーカ52から出力される効果音をそれぞれ変化させるためのスイッチ操作ボタン(αスイッチ、βスイッチ)54が設けられている。
【0031】
また、上皿部18の下側には、下皿部20が設けられている。この下皿部20の略中央には、パチンコ機10の内部から遊技球を排出するための排出口56が形成されている。また、下皿部20の左表面及び右表面には、スピーカ58がそれぞれ設けられている。また、下皿部20の右側には、発射装置ユニット(図示省略)を操作するための発射ハンドル60が設けられている。この発射ハンドル60には、発射レバー62と、遊技球の発射停止を一時的に指令する発射停止スイッチ64が設けられている。さらに、下皿部20の左側には、灰皿66が設けられている。
【0032】
次に、遊技盤24の表面構造について図2を参照して説明する。
【0033】
遊技盤24は、中枠14に保持されるとともに、裏機構盤(図示省略)よりその背面側が覆われている。遊技盤24には、遊技盤24の表面に設けられた外レール70と内レール72とにより略円形状の遊技領域26が形成されている。遊技領域26の内部には、中央装置74と、始動口(普通電動役物)76と、ワープ入球口78と、多数の障害釘80と、風車83等と、がそれぞれ配設されている。
【0034】
中央装置74は、遊技領域26の略中央部に配置されており、演出図柄表示装置82と、センター役物84と、ランプ装置86と、を備えている。
【0035】
演出図柄表示装置82は、後述の主制御基板(主制御手段、以下同様)120やサブ制御基板(第1副制御手段、以下同様)124からの制御コマンドに基づいて表示制御されており、略長方形状の映像画面を有している。この映像画面上には、特別図柄の擬似図柄である擬似特別図柄(擬似図柄)が表示される。具体的には、演出図柄表示装置82の映像画面上には、1又は複数の擬似特別図柄を所定の方向に次々と変動させながら表示した後、停止表示する擬似特別図柄表示領域が形成されている。すなわち、左擬似特別図柄(左擬似図柄)を表示する左擬似特別図柄表示領域、中央擬似特別図柄(中央擬似図柄)を表示する中央擬似特別図柄表示領域、及び右擬似特別図柄(右擬似図柄)を表示する右擬似特別図柄表示領域が、略横一列となる配置方向に沿って並んで形成されている(それぞれ図示省略)。各擬似特別図柄表示領域は、これらの表示領域の配置方向と略直交する方向(上下方向)に図柄変動方向が設定されており、その方向に複数の擬似特別図柄が順次表示されていく。
【0036】
演出図柄表示装置82は、遊技球が始動口76に入球することにより、その映像画面の表示領域に表示される各擬似特別図柄をそれぞれ変動させて停止表示させるものである。そして、例えば、擬似特別図柄(擬似図柄)が「7、7、7」の3桁同一図柄で揃って停止表示(確定表示)すると、後述の変動入賞装置102に配設された後述の大入賞装置(特別電動役物)106の大入賞口108が開放される。本実施形態のパチンコ機10では始動口76に遊技球が入球すると、各擬似特別図柄がそれぞれ変動され、擬似特別図柄が3桁同一図柄で揃うことにより、「大当り」という特定価値を付与するものである。
【0037】
ここで、本実施形態のパチンコ機10では、大当りとして5種類のものが予め設定されている。具体的には、「7、7、7」などの同一の奇数数字の擬似特別図柄が3桁揃うことにより成立する確変大当りがある。また、「8、8、8」などの同一の偶数数字の擬似特別図柄が3桁揃うことにより成立する通常大当りがある。また、「1、3、5」、「3、5、7」、「5、7、9」、「7、9、1」、「9、1、3」などの予め定められた奇数数字の組合せの擬似特別図柄が3桁揃うことにより成立する短ラウンド確変大当りがある。また、「0、2、4」、「2、4、6」、「4、6、8」、「6、8、2」、「8、2、4」などの予め定められた偶数数字の組合せの擬似特別図柄が3桁揃うことにより成立する短ラウンド時短大当りがある。さらに、「1、2、3」、「2、3、4」などの予め定められた順番の組合せの擬似特別図柄が、3桁揃うことにより成立する短ラウンド通常大当りがある。
【0038】
確変大当り及び通常大当りは、比較的多くのラウンド数(例えば15ラウンド)を有し、大入賞口108の開放時間が約26秒間である大当りである。このため、賞球数が比較的多くなる。また、短ラウンド確変大当り、短ラウンド時短大当り及び短ラウンド通常大当りは、確変大当り及び通常大当りよりも少ないラウンド数(例えば2ラウンド)を有し、大入賞口108の開放時間が約0.2秒間である大当りである。このため、賞球数はほとんど発生しない。
【0039】
また、上記各大当り以外の遊技状態である確率変動状態は、大当り(確変大当り、通常大当り、短ラウンド確変大当り、短ラウンド時短大当り、短ラウンド通常大当りの5種類の大当り意味する)に移行する確率が予め定められた高確率となる状態である。また、上記各大当り以外の遊技状態である開放時間延長状態は、始動口(普通電動役物)の開放時間が通常よりも延長される状態である。例えば、通常の開放時間は、約0.1秒間であるのに対して、開放時間延長状態では、約4秒間に延長される。
【0040】
また、確変大当り及び短ラウンド確変大当りの後は、大当りに移行する確率が、通常遊技状態と比べ予め定められた高確率となるとともに、規定回数(例えば、10000回)の特別図柄の変動表示が行われるまでの間、特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、かつ普通電動役物の開放延長機能が作動する確率変動状態になる。また、通常大当り及び短ラウンド時短大当りの後は、大当りに移行する確率が通常遊技状態と同一の予め定められた低確率状態となるとともに、規定回数(例えば、100回)だけ特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、かつ普通電動役物の開放延長機能が作動する時短遊技状態となる。また、短ラウンド通常大当りの後は、大当りに移行する確率が予め定められた低確率状態となる。
【0041】
センター役物84は、演出図柄表示装置82の前面周辺部に突設して装着されている。センター役物84は、可動する一対の翼片部84Aを有している。この翼片部84Aの可動によりワープ入球口78の開口面積が変化する。
【0042】
また、遊技領域の左下方側には、主制御基板120からの制御コマンドに基づいて本図柄(特別図柄の本図柄及び普通図柄の本図柄)を表示制御する7セグ表示基板(図柄表示装置)88が配置されている。この7セグ表示基板88は、特別図柄の本図柄を表示する7セグメント表示器90と、4個の普通図柄保留表示LED92と、4個の特別図柄保留表示LED94と、普通図柄の本図柄を表示する2個の普通図柄表示LED96と、を有している。
【0043】
また、演出図柄表示装置82の左側には、普通図柄作動ゲート(遊技球通過ゲート)100が配置されている。この普通図柄作動ゲート100の内部には、ゲートスイッチ134(図3参照)が配設されている。これにより、遊技球がゲートスイッチ134を通過すると、7セグ表示基板88の普通図柄表示LED96が変動表示される。
【0044】
各普通図柄保留表示LED92及び各特別図柄保留表示LED94は、4個の丸形の赤色LEDで構成されており、7セグメント表示器90の左右両側に近接して配置されている。これは、普通図柄作動ゲート100を通過した遊技球の数を4個まで普通図柄の保留とし、通過ごとに順次点灯しシフト表示するものである。また、始動口76に入球した遊技球の数も4個まで特別図柄の保留とし、入球ごとに順次点灯しシフト表示するものである。7セグメント表示器90の変動表示が開始するたびに、未始動回数が消化され、1個の特別図柄保留表示LED94は消灯される。また、普通図柄も普通図柄表示LED96の変動表示が開始するたびに、未始動回数が消化され、1個の普通図柄保留表示LED92が消灯される。そして、7セグメント表示器90に予め定められた大当り図柄が停止表示されると大当りが発生し、後述の大入賞口108が開放状態となる。また、2個の普通図柄表示LED96が予め定められた表示態様(当り図柄)で停止表示されると、普通図柄当りが発生し、始動口76が開放状態となる。なお、7セグメント表示器90にて表示される特別図柄の本図柄と、演出図柄表示装置82にて表示される特別図柄の擬似図柄とは、同一の遊技結果(抽選結果)を示すものである。
【0045】
始動口76は、演出図柄表示装置82の下方に離れて配置されているものであり、いわゆるチューリップ式で一対の翼片部76Aが開閉するように形成されている。その内部には、遊技球の通過を検知する始動口スイッチ130(図3参照)と、翼片部76Aを作動させるための普通電動役物ソレノイド140(図3参照)と、がそれぞれ備えられている。この一対の翼片部76Aが左右に開くと遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が閉じその離間距離が小さくなると遊技球の入球の可能性が小さくなる通常状態となる。
【0046】
変動入賞装置102は、上記始動口76の下方に配置されており、基板104と、大入賞装置106と、を備えている。ここで、大入賞装置106は、略中央に配置されており、帯状に開口された大入賞口108と、この大入賞口108を開放又は閉鎖する開閉板110と、この開閉板110を開閉するための大入賞口ソレノイド142(図3参照)と、入賞球を検知するカウントスイッチ136(図3参照)と、を備えている。
【0047】
また、中央装置74の左側下方部には、風車83が配置されている。さらに、遊技領域の左側下方部及び右側下方には、一対のサイドランプ112A、112Bがそれぞれ配置されている。
【0048】
また、遊技盤24の下方にはアウト口114が設けられており、このアウト口114の下部にはバック球防止部材116が設けられている。このバック球防止部材116は、遊技領域26に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。また、内レール72の先端部には、ファール球防止部材118が取り付けられている。
【0049】
次に、パチンコ機10を構成する電子制御装置118について説明する。
【0050】
図3乃至図5に示すように、電子制御装置118は、主制御基板120と、払出制御基板122と、サブ制御基板124と、発射制御基板126と、を備えている。また、サブ制御基板124には、演出表示基板(第2副制御手段、以下同様)172と、アンプ基板174と、装飾駆動基板176と、演出ボタン基板178と、がそれぞれ電気的に接続されている。
【0051】
主制御基板120は、CPU120Aと、ROM120B(CPU内蔵ROM)と、コマンド送信部120Cと、第1タイマ(第1計測部、以下同様)120Dと、を備えている。また、主制御基板120は、中継端子板128を介して、始動口スイッチ130と、大入賞口スイッチ132と、ゲートスイッチ134と、カウントスイッチ136と、にそれぞれ電気的に接続されている。
【0052】
また、主制御基板120のCPU120Aは、ROM120Bに記憶されたデータに基づいて、後述の普通電動役物ソレノイド140、後述の大入賞口ソレノイド142、後述の図柄表示装置144及びサブ制御基板124をそれぞれ制御する。また、主制御基板120のCPU120Aは、遊技全体を司り主として当否判定などの遊技状態を判断するものであり、この判断した遊技状態に沿った遊技環境(演出態様)を実現させるように制御するサブ制御基板124及び払出制御基板122を直接的に制御する。また、主制御基板120のCPU120Aは、演出表示基板172、アンプ基板174、装飾駆動基板176及び演出ボタン基板178をサブ制御基板124を介して間接的に制御する。
【0053】
また、主制御基板120のコマンド送信部120Cは、CPU120Aにより決定され演出表示基板172で実行させる演出の内容を示す第1コマンドと、演出表示基板172で実行される演出表示の変動を停止させる第2コマンドをサブ制御基板124を介して演出表示基板172に対してそれぞれ送信する。
【0054】
具体的には、図6及び図7に示すように、第1コマンドとして、擬似特別図柄などの演出パターン(変動パターン)を指定する演出パターン指定コマンド(M1コマンド)と、パチンコ機を識別する遊技機指定コマンド(識別コマンド、M2コマンド)と、特別図柄を指定する特別図柄指定コマンド(特図コマンド、M3コマンド)と、が一例として挙げられる。また、第2コマンドとして、変動表示される擬似特別図柄の変動を停止させる特別図柄停止コマンド(M4コマンド)が一例として挙げられる。これらの各コマンドは、主制御基板120からサブ制御基板124を介して演出表示基板172に送信され、演出表示基板172において各コマンドに基づいて演出が制御される。
【0055】
ここで、本実施形態では、例えば、演出パターン指定コマンド(M1コマンド)が送信された後、4m秒後に遊技機指定コマンド(識別コマンド、M2コマンド)が送信され、さらに遊技機指定コマンド(識別コマンド、M2コマンド)が送信された後、4m秒後に特別図柄指定コマンド(M3コマンド)が送信されるように設定されている。
【0056】
また、主制御基板120の第1タイマ120Dは、変動表示される特別図柄の本図柄の変動を終了させるタイミングを決定するとともに上記第2コマンドをサブ制御基板124を介して演出表示基板172に送信するタイミングを決定する。
【0057】
具体的には、第1タイマ120Dには所定の時間が設定されており、この時間が経過するまでは特別図柄の本図柄が変動させられ、この時間が経過すると特別図柄の本図柄の変動表示が停止される。また、第1タイマ120Dに設定された所定の時間が経過した時点で上記第2コマンドがサブ制御基板124を介して演出表示基板172に送信される。第2コマンドがサブ制御基板124を介して演出表示基板172に送信されると、演出表示基板172により擬似特別図柄の変動表示が停止される。
【0058】
また、主制御基板120のROM120Bには、第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)、後述のサブ制御基板124で生成される各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)及びチェックサムコマンド(S23コマンド)の全てのコマンドを演出表示基板172で受信終了するまでに要するチェックサム判定時間を第1タイマ120Dで決定されるタイミングに加算し、チェックサム判定時間を加算したタイミングに基づいて主制御基板120から第2コマンド(M4コマンド)を送信するためのプログラムが記憶されている。
【0059】
特に、本実施形態では、チェックサム判定時間は、第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)、後述のサブ制御基板124で生成される各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)及びチェックサムコマンド(S23コマンド)の全てのコマンドを演出表示基板172で受信するまでに要する実質受信時間と、所定の遊び時間と、で構成されている。
【0060】
具体的には、図7に示すように、実質受信時間としては、第1コマンドである演出パターン指定コマンド(M1コマンド)からチェックサムコマンドである振分け指定送信完了サムコマンド(S23コマンド)を受信するまでに経過する77m秒である。また、遊び時間としては、23m秒である。これにより、第1タイマ120Dで決定されるタイミングに加算されるチェックサム判定時間は、100m秒(0.1秒、77m秒+23m秒=100m秒)となる。この結果、第1タイマ120Dでは、演出される擬似特別図柄の変動パターンの時間を12.0秒とすると、12.1秒(12.0秒+0.1秒)が設定される。
【0061】
このように、本実施形態では、主制御基板120から第1コマンドである演出パターン指定コマンド(M1コマンド)が送信されてから、12.1秒後に、第2コマンドである特別図柄停止コマンド(M4コマンド)が演出表示基板172に送信されることになる。
【0062】
また、主制御基板120は、中継端子板138を介して、普通電動役物ソレノイド140と、大入賞口ソレノイド142と、図柄表示装置144と、にそれぞれ電気的に接続されている。
【0063】
払出制御基板122は、中継端子板146を介して、ガラス枠スイッチ148と、外部タンクスイッチ150と、タンクスイッチ152と、にそれぞれ電気的に接続されている。また、払出制御基板122は、中継端子板154を介して、エラーLED34A、34Bに電気的に接続されている。また、払出制御基板122は、下皿満タンスイッチ156に電気的に接続されている。また、払出制御基板122は、中継端子板157を介して、球貸表示基板158と、球貸装置160と、にそれぞれ電気的に接続されている。なお、球貸表示基板158には、球貸スイッチ162と、返却スイッチ164とがそれぞれ電気的に接続されている。また、払出制御基板122は、中継端子板166を介して、払出モータ168と払出スイッチ170とにそれぞれ電気的に接続されている。さらに、払出制御基板122は、主制御基板120と発射制御基板126とにそれぞれ電気的に接続されている。
【0064】
図4に示すように、サブ制御基板124は、演出表示基板172と、アンプ基板174と、装飾駆動基板176と、演出ボタン基板178と、にそれぞれ電気的に接続されている。
【0065】
また、図3及び図4に示すように、サブ制御基板124は、主制御基板120からのコマンドを受けて演出表示基板172、アンプ基板174、装飾駆動基板176及び演出ボタン基板178などの各基板を制御し特に第2コマンド(M4コマンド)の演出表示基板172への送信を一時的に遅延させるCPU(送信遅延部、以下同様)124Aと、各基板の制御に必要なデータを記憶するROM124Bと、主制御基板120から送信されてきた第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)及び第2コマンド(M4コマンド)と、後述の各構成コマンド及びチェックサムコマンドを演出表示基板172にそれぞれ送信するコマンド送信部124Cと、を備えている。
【0066】
特に、サブ制御基板124のCPU124Aは主制御基板120からの第1コマンドを受けて演出の内容を示す各構成コマンドを生成し、コマンド送信部124Cから各構成コマンドを演出表示基板172に送信する。
【0067】
具体的には、図6及び図7に示すように、各構成コマンドとして、変動表示される擬似特別図柄を指定する擬似図柄指定コマンド(S1コマンド)、左側の擬似特別図柄を指定する擬似図柄指定コマンド左(S2コマンド)、中央の擬似特別図柄を指定する擬似図柄指定コマンド中(S3コマンド)、右側の擬似特別図柄を指定する擬似図柄指定コマンド右(S4コマンド)の他に、スベリ前図柄指定コマンド(S5コマンド)、スーパーリーチ1停止前コマンド(S6コマンド)、通常変動図柄左コマンド(S7コマンド)、通常変動図柄中コマンド(S8コマンド)、通常変動図柄右コマンド(S9コマンド)、ノーマルリーチ停止指定コマンド(S10コマンド)、スーパーリーチ1停止コマンド(S11コマンド)、スーパーリーチ2停止コマンド(S12コマンド)、通常背景指定コマンド(S13コマンド)、リーチ番号(上位)コマンド(S14コマンド)、リーチ番号(下位)コマンド(S15コマンド)、一攫千金継続回数コマンド(S16コマンド)、モード指定コマンド(S17コマンド)、コクピット変動信頼度コマンド(S18コマンド)、コクピット右表示コマンド(S19コマンド)、モード移行条件コマンド(S20コマンド)、デバッグ用予備1コマンド(S21コマンド)、デバッグ用予備2コマンド(S22コマンド)などが挙げられる。
【0068】
また、図7に示すように、コマンド送信部124Cから擬似図柄指定コマンド(S1コマンド)が送信された後、3m秒後に次の擬似図柄指定コマンド左(S2コマンド)が送信され、その後、同様に、3m秒間隔で各構成コマンド(S22コマンドまで)が順次送信されるように設定されている。なお、3m秒間隔は一例であり、例えば、各構成コマンドを、2m秒間隔で送信するようにしてもよい。
【0069】
また、図4に示すように、サブ制御基板124のコマンド送信部124Cは、各構成コマンドを送信した後、各構成コマンドの受信を確認要求するチェックサムコマンドである振分け指定送信完了サムコマンド(S23コマンド)を演出表示基板172に送信する。
【0070】
図7に示すように、この振分け指定送信完了サムコマンド(S23コマンド)は、デバッグ用予備2コマンド(S22コマンド)が送信された後、3m秒後に送信される。なお、3m秒は一例であり、例えば、振分け指定送信完了サムコマンド(S23コマンド)を、デバッグ用予備2コマンド(S22コマンド)の送信後、2m秒経過した後に送信するようにしてもよい。
【0071】
なお、サブ制御基板124のコマンド送信部124Cは、上記各構成コマンドとチェックサムコマンドの他に、主制御基板120から送信されてきた第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)及び第2コマンド(M4コマンド)を演出表示基板172に送信する。
【0072】
また、図4に示すように、演出表示基板172には、演出表示装置180(82)と、演出表示ROM182と、がそれぞれ電気的に接続されている。この演出表示ROM182には、演出図柄表示装置82に変動表示される擬似特別図柄のデータが記憶されている。
【0073】
ここで、演出表示基板172は、主制御基板120及びサブ制御基板124からの各コマンドに基づいて演出表示装置180を制御し特に第2コマンド(M4コマンド)の実行を一時的に遅延させるCPU(実行遅延部、以下同様)172Aと、主制御基板120から送信される第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)及び第2コマンド(M4コマンド)とサブ制御基板124から送信される各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)とチェックサムコマンド(S23コマンド)をそれぞれ受信するコマンド受信部172Bと、各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)の受信結果によりチェックサムした内容と受信したチェックサムコマンド(S23コマンド)の内容とを比較する比較処理部172Cと、各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)の受信結果によりチェックサムした内容と受信したチェックサムコマンド(S23コマンド)の内容とが一致している場合に各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)に基づいて演出表示の変動を開始させるタイミングを決定する第2タイマ(第2計測部、以下同様)172Dと、第2タイマ172Dにより決定されたタイミングに基づいて演出表示の変動を開始させる変動開始部172Eと、を備えている。
【0074】
本実施形態では、図7に示すように、主制御基板120から第1コマンドである演出パターン指定コマンド(M1コマンド)が送信されてから、チェックサムコマンドである振分け指定送信完了サムコマンド(S23コマンド)を演出表示基板172のコマンド受信部172Bで受信するまでに77m秒が経過する。
【0075】
また、第2タイマ172Dは、演出される擬似特別図柄の変動パターンの時間が12.0秒であるため、12.0秒に設定されている。このため、演出図柄表示装置82には、演出表示基板172が第1コマンドである演出パターン指定コマンド(M1コマンド)を受信してから、12.0秒間だけ、擬似特別図柄が変動表示される。
【0076】
また、図4に示すように、アンプ基板174には、所定の効果音を出力する各種スピーカ184(52)、がそれぞれ電気的に接続されている。
【0077】
また、装飾駆動基板176には、各種LED・ランプ188が電気的に接続されている。また、演出ボタン基板178には、操作スイッチ190(54)が電気的に接続されている。
【0078】
また、図5に示すように、発射制御基板126には、発射駆動基板192を介して、発射モータ194と、発射停止スイッチ196(64)と、タッチスイッチ198とがそれぞれ電気的に接続されている。また、発射制御基板126には、球送りソレノイド200が電気的に接続されている。
【0079】
次に、本実施形態の遊技機の作用について説明する。
【0080】
図8に示すように、主制御基板120のコマンド送信部120Cから第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)がサブ制御基板124を介して演出表示基板172に送信される(ST01)。第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)がサブ制御基板124を介して演出表示基板172に送信されると、サブ制御基板124のCPU124Aは、主制御基板120からの第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)を受けて各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)を生成する(ST02)。そして、各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)とその受信を確認要求するチェックサムコマンド(S23コマンド)が演出表示基板172に送信される(ST03)。
【0081】
各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)とその受信を確認要求するチェックサムコマンド(S23コマンド)が演出表示基板172に送信されると、演出表示基板172のコマンド受信部172Bにより各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)とチェックサムコマンド(S23コマンド)が受信され、比較処理部172Cにより各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)の受信結果によりチェックサムした内容と受信したチェックサムコマンド(S23コマンド)の内容とが比較される(ST04)。
【0082】
各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)の受信結果によりチェックサムした内容と受信したチェックサムコマンド(S23コマンド)の内容とが一致していると判断された場合(ST04:YES)には、各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)に基づいて演出表示の変動を開始させるタイミングが第2タイマ172Dにより決定され(ST05)、この決定されたタイミングで演出表示の変動が変動開始部172Eにより開始される(ST06)。本実施形態では、演出図柄表示装置82において擬似特別図柄が12.0秒間だけ変動表示される。
【0083】
なお、各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)の受信結果によりチェックサムした内容と受信したチェックサムコマンド(S23コマンド)の内容とが一致していないと判断された場合(ST04:NO)には、演出図柄表示装置82において擬似特別図柄の変動表示内容が見えないように高速変動される(ST11)。なお、この場合でも、特別図柄停止コマンド(M4コマンド)を受信すれば、擬似特別図柄は停止する。
【0084】
主制御基板120の第1タイマ120Dで予め設定されていた時間(本実施形態では12.1秒)が経過すると(ST07:YES)、7セグメント表示器90における特別図柄の本図柄の変動表示が停止される(ST08)。また、同時に、主制御基板120のコマンド送信部120Cから第2コマンド(M4コマンド)がサブ制御基板124を介して演出表示基板172に送信される(ST09)。
【0085】
主制御基板120から送信された第2コマンド(M4コマンド)が演出表示基板172のコマンド受信部172Bに受信されると、演出図柄表示装置82において変動表示されていた擬似特別図柄の変動が停止される(ST10)。すなわち、主制御基板120のCPU120Aにより制御されていた特別図柄の本図柄の変動が停止されるのと略同時にして、特別図柄の擬似図柄の変動が停止される。
【0086】
以上のように、本実施形態のパチンコ機10によれば、第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)、各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)及びチェックサムコマンド(S23コマンド)の全てのコマンドを演出表示基板172で受信終了するまでに要するチェックサム判定時間を第1タイマ120Dで決定されるタイミングに加算し、チェックサム判定時間を加算したタイミングに基づいて主制御基板120から第2コマンドが演出表示基板172に送信される。これにより、演出表示基板172の比較処理部172Cにおける比較処理(例えば、チェックサムが一致するか否かを判定する処理)に無駄時間を要した場合でも、その分の無駄時間だけ主制御基板120から演出表示基板172に送信される第2コマンドの送信を遅らせることができる。このため、演出表示基板172で実行されている演出表示の変動が終了する前に、主制御基板120から演出表示基板172に第2コマンド(M4コマンド)が送信されることがない。この結果、演出表示基板172で実行されている演出表示の変動の途中でその変動が停止されてしまうことを防止でき、主制御基板120により実現しようとする演出と、演出表示基板172により実際に実現されている演出表示とを一致させることができる。
【0087】
次に、本発明の第2実施形態に係る遊技機について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、第1実施形態に係る遊技機と同様の構成については説明を省略する。
【0088】
本実施形態のパチンコ機では、サブ制御基板124のROM124Bには、第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)、各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)及びチェックサムコマンド(S23コマンド)の全てのコマンドを演出表示基板172で受信終了するまでに要するチェックサム判定時間だけ、主制御基板120から送信されてきた第2コマンド(M4コマンド)をサブ制御基板124において停止させるためのプログラムが記憶されている。
【0089】
特に、本実施形態では、チェックサム判定時間は、第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)、後述のサブ制御基板124で生成される各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)及びチェックサムコマンド(S23コマンド)の全てのコマンドを演出表示基板172で受信するまでに要する実質受信時間と、所定の遊び時間と、で構成されている。
【0090】
具体的には、図7に示すように、実質受信時間としては、第1コマンドである演出パターン指定コマンド(M1コマンド)からチェックサムコマンドである振分け指定送信完了サムコマンド(S23コマンド)を受信するまでに経過する77m秒である。また、遊び時間としては、23m秒である。これにより、サブ制御基板124で停止させておくチェックサム判定時間は、100m秒(0.1秒、77m秒+23m秒=100m秒)となる。この結果、主制御基板120の第1タイマ120Dで設定される特別図柄の本図柄の変動パターンの時間を12.0秒とし、かつ演出表示基板172の第2タイマ172Dで設定される擬似特別図柄の変動パターンの時間を12.0秒とすると、第2コマンド(M4コマンド)は12.1秒(12.0秒+0.1秒)経過後に、演出表示基板172に送信される。
【0091】
このように、本実施形態では、主制御基板120から第1コマンドである演出パターン指定コマンド(M1コマンド)が送信されてから、12.1秒後に、第2コマンドである特別図柄停止コマンド(M4コマンド)が演出表示基板172に送信されることになる。
【0092】
次に、本実施形態のパチンコ機の作用について説明する。
【0093】
図9に示すように、主制御基板120のコマンド送信部120Cから第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)がサブ制御基板124を介して演出表示基板172に送信される(ST20)。第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)がサブ制御基板124を介して演出表示基板172に送信されると、サブ制御基板124のCPU124Aは、主制御基板120からの第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)を受けて各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)を生成する(ST21)。そして、各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)とその受信を確認要求するチェックサムコマンド(S23コマンド)が演出表示基板172に送信される(ST22)。
【0094】
各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)とその受信を確認要求するチェックサムコマンド(S23コマンド)が演出表示基板172に送信される。そして、演出表示基板172のコマンド受信部172Bにより各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)とチェックサムコマンド(S23コマンド)が受信され、比較処理部172Cにより各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)の受信結果によりチェックサムした内容と受信したチェックサムコマンド(S23コマンド)の内容とが比較される(ST23)。
【0095】
各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)の受信結果によりチェックサムした内容と受信したチェックサムコマンド(S23コマンド)の内容とが一致していると判断された場合(ST23:YES)には、各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)に基づいて演出表示の変動を開始させるタイミングが第2タイマ172Dにより決定され(ST24)、この決定されたタイミングで演出表示の変動が変動開始部172Eにより開始される(ST25)。本実施形態では、演出図柄表示装置82において擬似特別図柄が12.0秒間だけ変動表示される。
【0096】
なお、各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)の受信結果によりチェックサムした内容と受信したチェックサムコマンド(S23コマンド)の内容とが一致していないと判断された場合(ST23:NO)には、演出図柄表示装置82において擬似特別図柄の変動表示内容が見えないように高速変動される(ST32)。なお、この場合でも、特別図柄停止コマンド(M4コマンド)を受信すれば、擬似特別図柄は停止する。
【0097】
主制御基板120の第1タイマ120Dで予め設定されていた時間(本実施形態では12.0秒)が経過すると(ST26:YES)、7セグメント表示器90における特別図柄の本図柄の変動表示が停止される(ST27)。また、同時に、主制御基板120のコマンド送信部120Cから第2コマンド(M4コマンド)がサブ制御基板124に送信される(ST28)。そして、主制御基板120のコマンド送信部120Cから送信された第2コマンド(M4コマンド)は、チェックサム判定時間である0.1秒間だけサブ制御基板124で停止される(ST29)。その後、第2コマンド(M4コマンド)がサブ制御基板124のコマンド送信部124Cから演出表示基板172に送信される(ST30)。
【0098】
主制御基板120から送信された第2コマンド(M4コマンド)が演出表示基板172のコマンド受信部172Bに受信されると、演出図柄表示装置82において変動表示されていた擬似特別図柄の変動が停止される(ST31)。すなわち、主制御基板120のCPU120Aにより制御されていた特別図柄の本図柄の変動が停止されるのと略同時にして、特別図柄の擬似図柄の変動が停止される。
【0099】
以上のように、本実施形態のパチンコ機によれば、主制御基板120から送信された第2コマンド(M4コマンド)が、第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)、各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)及びチェックサムコマンド(S23コマンド)の全てのコマンドを演出表示基板172で受信終了するまでに要するチェックサム判定時間(本実施形態では0.1秒間)だけ、サブ制御基板124において停止される。これにより、主制御基板120から第2コマンド(M4コマンド)が送信された場合でも、その第2コマンド(M4コマンド)がチェックサム判定時間(0.1秒間)だけ遅れて演出表示基板172に送信される。このため、演出表示基板172で実行されている演出表示の変動が終了する前に、主制御基板120から演出表示基板172に第2コマンド(M4コマンド)が送信されることがない。この結果、演出表示基板172で実行されている演出表示の変動の途中でその変動が停止されてしまうことを防止でき、主制御基板120により実現しようとする演出と、演出表示基板172により実際に実現されている演出表示とを一致させることができる。
【0100】
次に、本発明の第3実施形態に係る遊技機について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、第1実施形態に係る遊技機と同様の構成については説明を省略する。
【0101】
図10に示すように、本実施形態のパチンコ機では、演出表示ROM182には、演出表示基板172に第2コマンド(M4コマンド)が送信された場合には、第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)、各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)及びチェックサムコマンド(S23コマンド)の全てのコマンドを演出表示基板172で受信終了するまでに要するチェックサム判定時間だけ、演出表示基板172における第2コマンド(M4コマンド)の実行を遅延させるためのプログラムが記憶されている。
【0102】
特に、本実施形態では、チェックサム判定時間は、第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)、後述のサブ制御基板124で生成される各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)及びチェックサムコマンド(S23コマンド)の全てのコマンドを演出表示基板172で受信するまでに要する実質受信時間と、所定の遊び時間と、で構成されている。
【0103】
具体的には、図7に示すように、実質受信時間としては、第1コマンドである演出パターン指定コマンド(M1コマンド)からチェックサムコマンドである振分け指定送信完了サムコマンド(S23コマンド)を受信するまでに経過する77m秒である。また、遊び時間としては、23m秒である。これにより、演出表示基板172で第2コマンド(M4コマンド)の実行を遅延させておくためのチェックサム判定時間は、100m秒(0.1秒、77m秒+23m秒=100m秒)となる。この結果、主制御基板120の第1タイマ120Dで設定される特別図柄の本図柄の変動パターンの時間を12.0秒とし、かつ演出表示基板172の第2タイマ172Dで設定される擬似特別図柄の変動パターンの時間を12.0秒とすると、第2コマンド(M3コマンド)は12.1秒(12.0秒+0.1秒)経過後に、演出表示基板172において実行される。
【0104】
このように、本実施形態では、主制御基板120から第1コマンドである演出パターン指定コマンド(M1コマンド)が送信されてから、12.1秒後に、演出表示基板172において第2コマンド(M4コマンド)が実行されることになる。
【0105】
次に、本実施形態のパチンコ機の作用について説明する。
【0106】
図10に示すように、主制御基板120のコマンド送信部120Cから第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)がサブ制御基板124を介して演出表示基板172に送信される(ST40)。第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)がサブ制御基板124を介して演出表示基板172に送信されると、サブ制御基板124のCPU124Aは、主制御基板120からの第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)を受けて各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)を生成する(ST41)。そして、各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)とその受信を確認要求するチェックサムコマンド(S23コマンド)が演出表示基板172に送信される(ST42)。
【0107】
各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)とその受信を確認要求するチェックサムコマンド(S23コマンド)が演出表示基板172に送信されると、演出表示基板172のコマンド受信部172Bにより各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)とチェックサムコマンド(S23コマンド)が受信され、比較処理部172Cにより各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)の受信結果によりチェックサムした内容と受信したチェックサムコマンド(S23コマンド)の内容とが比較される(ST43)。
【0108】
各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)の受信結果とチェックサムコマンド(S23コマンド)の結果とが一致していると判断された場合(ST43:YES)には、各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)に基づいて演出表示の変動を開始させるタイミングが第2タイマ172Dにより決定され(ST44)、この決定されたタイミングで演出表示の変動が変動開始部172Eにより開始される(ST45)。本実施形態では、演出図柄表示装置82において擬似特別図柄が12.0秒間だけ変動表示される。
【0109】
なお、各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)の受信結果によりチェックサムした内容と受信したチェックサムコマンド(S23コマンド)の内容とが一致していないと判断された場合(ST43:NO)には、演出図柄表示装置82において擬似特別図柄の変動表示内容が見えないように高速変動される(ST52)。なお、この場合でも、特別図柄停止コマンド(M4コマンド)を受信すれば、擬似特別図柄は停止する。
【0110】
主制御基板120の第1タイマ120Dで予め設定されていた時間(本実施形態では12.0秒)が経過すると(ST46:YES)、7セグメント表示器90における特別図柄の本図柄の変動表示が停止される(ST47)。また、同時に、主制御基板120のコマンド送信部120Cから第2コマンド(M4コマンド)がサブ制御基板124を介して演出表示基板172に送信される(ST48)。そして、主制御基板120のコマンド送信部120Cから送信された第2コマンド(M4コマンド)は、チェックサム判定時間である0.1秒間だけ演出表示基板172でその実行が遅延される(ST49)。その後、すなわち第1コマンドであるM1コマンドが送信されてから12.1秒間が経過した後、第2コマンド(M4コマンド)が演出表示基板172のCPU172Aにおいて実行される(ST50)。
【0111】
第2コマンド(M4コマンド)が演出表示基板172のCPU172Aにおいて実行されると、演出図柄表示装置82において変動表示されていた擬似特別図柄の変動が停止される(ST51)。すなわち、主制御基板120のCPU120Aにより制御されていた特別図柄の本図柄の変動が停止されるのと略同時にして、特別図柄の擬似図柄の変動が停止される。
【0112】
以上のように、本発明によれば、演出表示基板172に第2コマンド(M4コマンド)が送信された場合には、第1コマンド(M1コマンド、M2コマンド、M3コマンド)、各構成コマンド(S1コマンド〜S22コマンド)及びチェックサムコマンド(S23コマンド)の全てのコマンドを演出表示基板172で受信終了するまでに要するチェックサム判定時間だけ、演出表示基板172における第2コマンド(M4コマンド)の実行が遅延される。これにより、演出表示基板172で実行されている演出表示の変動の途中でその変動が停止されてしまうことを防止でき、主制御基板120により実現しようとする演出と、演出表示基板172により実際に実現されている演出表示とを一致させることができる。
【0113】
次に、本発明の第4実施形態に係る遊技機について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、第1実施形態に係る遊技機と同様の構成については説明を省略する。
【0114】
図11に示すように、本実施形態のパチンコ機では、主制御基板120には第1タイマ120Dの他に、サブタイマ(サブ計測部、以下同様)120Eが設けられている。そして、この第1タイマ120Dにおいて第2コマンド(M4コマンド)を演出表示基板172に送信するタイミングが決定され、サブタイマ120Eにおいて7セグメント表示器90で変動表示される特別図柄の本図柄の変動を終了させるタイミングが決定される。すなわち、本実施形態のパチンコ機では、主制御基板120において、第2コマンド(M4コマンド)を演出表示基板172に送信するタイミングを決定するタイマと、7セグメント表示器90で変動表示される特別図柄の本図柄の変動を終了させるタイミングを決定するタイマとを別々に設けたものである。
【0115】
なお、上記構成以外は、第1実施形態のパチンコ機10の構成と同様であるため説明を省略する。
【0116】
本実施形態のパチンコ機によれば、第1実施形態のパチンコ機10と同様にして、演出表示基板172の比較処理部172Cにおける比較処理に時間(無駄時間)を要した場合でも、その分の無駄時間だけ主制御基板120から演出表示基板172に送信される第2コマンド(M4コマンド)の送信を遅らせることができる。このため、演出表示基板172で実行されている演出表示の変動が終了する前に、主制御基板120から演出表示基板172に第2コマンド(M4コマンド)が送信されることがない。この結果、演出表示基板172で実行されている演出表示の変動の途中でその変動が停止されてしまうことを防止でき、主制御基板120により実現しようとする演出と、演出表示基板172により実際に実現されている演出表示とを一致させることができる。
【0117】
加えて、特別図柄の本図柄の変動表示を停止させるタイミングと、演出表示基板172に第2コマンド(M4コマンド)を送信するタイミングと、を別々のタイマにより決定することにより、特別図柄の本図柄の変動表示を停止させるタイミングを従来のタイミングと変える必要がないため、第1タイマ120Dによるタイミングの決定処理に伴う負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明の第1実施形態に係る遊技機の正面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る遊技機の遊技盤の正面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る遊技機の電子制御装置の一部の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る遊技機の電子制御装置を構成するサブ制御基板を説明するための説明図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る遊技機の電子制御装置を構成する発射制御基板を説明するための説明図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る遊技機を構成する主制御基板及びサブ制御基板からそれぞれ送信される各コマンドのタイミングチャートである。
【図7】本発明の第1実施形態に係る遊技機を構成する主制御基板及びサブ制御基板からそれぞれ送信される各コマンドの内容と送信間隔を示す表である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る遊技機の作用を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2実施形態に係る遊技機の作用を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第3実施形態に係る遊技機の作用を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第4実施形態に係る遊技機の電子制御装置の一部の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0119】
10 パチンコ機(遊技機)
120 主制御基板(主制御手段)
120C コマンド送信部
120D 第1タイマ(第1計測部)
120E サブタイマ(サブ計測部)
124 サブ制御基板(第1副制御手段)
124A CPU(送信遅延部)
172 演出表示基板(第2副制御手段)
172A CPU(実行遅延部)
172B コマンド受信部
172C 比較処理部
172D 第2タイマ(第2計測部)
172E 変動開始部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技を司り当否判定などの遊技状態を判断する主制御手段と、前記主制御手段からのコマンドを受けて遊技状態に沿った演出を実現させる第1副制御手段と、前記主制御手段及び前記第1副制御手段からのコマンドを受けて遊技状態に沿った演出表示を実現させる第2副制御手段と、を有する遊技機であって、
前記主制御手段は、前記第2副制御手段で実行される演出表示の内容を示す第1コマンドと前記第2副制御手段で実行される演出表示の変動を停止させる第2コマンドを前記第1副制御手段を介して前記第2副制御手段に対してそれぞれ送信するコマンド送信部と、変動表示される本図柄の変動を終了させるタイミングを決定するとともに前記第2コマンドを前記第1副制御手段を介して前記第2副制御手段に送信するタイミングを決定する第1計測部と、を有し、
前記第2副制御手段は、前記第1コマンドを受けて前記第1副制御手段から送信される演出表示に関する各構成コマンドと前記各構成コマンドの受信を確認要求するチェックサムコマンドをそれぞれ受信するコマンド受信部と、前記チェックサムコマンドの結果と前記各構成コマンドの受信結果とを比較する比較処理部と、前記チェックサムコマンドの結果と前記各構成コマンドの受信結果とが一致している場合に前記各構成コマンドに基づいて演出表示の変動を開始させるタイミングを決定する第2計測部と、前記第2計測部により決定されたタイミングに基づいて演出表示の変動を開始させる変動開始部と、を有し、
前記第1コマンド、前記各構成コマンド及び前記チェックサムコマンドの全てのコマンドを前記第2副制御手段で受信終了するまでに要するチェックサム判定時間を前記第1計測部で決定されるタイミングに加算し、前記チェックサム判定時間を加算したタイミングに基づいて前記主制御手段から前記第2コマンドが送信されることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技を司り当否判定などの遊技状態を判断する主制御手段と、前記主制御手段からのコマンドを受けて遊技状態に沿った演出を実現させる第1副制御手段と、前記主制御手段及び前記第1副制御手段からのコマンドを受けて遊技状態に沿った演出表示を実現させる第2副制御手段と、を有する遊技機であって、
前記主制御手段は、前記第2副制御手段で実行される演出表示の内容を示す第1コマンドと前記第2副制御手段で実行される演出表示の変動を停止させる第2コマンドを前記第1副制御手段を介して前記第2副制御手段に対してそれぞれ送信するコマンド送信部と、変動表示される本図柄の変動を終了させるタイミングを決定するとともに前記第2コマンドを前記第1副制御手段を介して前記第2副制御手段に送信するタイミングを決定する第1計測部と、を有し、
前記第1副制御手段は、前記第2コマンドの前記第2副制御手段への送信を一時的に遅延させる送信遅延部を有し、
前記第2副制御手段は、前記第1コマンドを受けて前記第1副制御手段から送信される演出表示に関する各構成コマンドと前記各構成コマンドの受信を確認要求するチェックサムコマンドをそれぞれ受信するコマンド受信部と、前記チェックサムコマンドの結果と前記各構成コマンドの受信結果とを比較する比較処理部と、前記チェックサムコマンドの結果と前記各構成コマンドの受信結果とが一致している場合に前記各構成コマンドに基づいて演出表示の変動を開始させるタイミングを決定する第2計測部と、前記第2計測部により決定されたタイミングに基づいて演出表示の変動を開始させる変動開始部と、を有し、
前記第1副制御手段は、前記主制御手段から送信された前記第2コマンドを、前記第1コマンド、前記各構成コマンド及び前記チェックサムコマンドの全てのコマンドを前記第2副制御手段で受信終了するまでに要するチェックサム判定時間だけ、前記送信遅延部により遅延させることを特徴とする遊技機。
【請求項3】
遊技を司り当否判定などの遊技状態を判断する主制御手段と、前記主制御手段からのコマンドを受けて遊技状態に沿った演出を実現させる第1副制御手段と、前記主制御手段及び前記第1副制御手段からのコマンドを受けて遊技状態に沿った演出表示を実現させる第2副制御手段と、を有する遊技機であって、
前記主制御手段は、前記第2副制御手段で実行される演出表示の内容を示す第1コマンドと前記第2副制御手段で実行される演出表示の変動を停止させる第2コマンドを前記第1副制御手段を介して前記第2副制御手段に対してそれぞれ送信するコマンド送信部と、変動表示される本図柄の変動を終了させるタイミングを決定するとともに前記第2コマンドを前記第1副制御手段を介して前記第2副制御手段に送信するタイミングを決定する第1計測部と、を有し、
前記第2副制御手段は、前記第1コマンドを受けて前記第1副制御手段から送信される演出表示に関する各構成コマンドと前記各構成コマンドの受信を確認要求するチェックサムコマンドをそれぞれ受信するコマンド受信部と、前記チェックサムコマンドの結果と前記各構成コマンドの受信結果とを比較する比較処理部と、前記チェックサムコマンドの結果と前記各構成コマンドの受信結果とが一致している場合に前記各構成コマンドに基づいて演出表示の変動を開始させるタイミングを決定する第2計測部と、前記第2計測部により決定されたタイミングに基づいて演出表示の変動を開始させる変動開始部と、前記第2コマンドの実行を一時的に遅延させる実行遅延部と、を有し、
前記第2副制御手段は、前記第2副制御手段に前記第2コマンドが送信された場合には、前記第1コマンド、前記各構成コマンド及び前記チェックサムコマンドの全てのコマンドを前記第2副制御手段で受信終了するまでに要するチェックサム判定時間だけ、前記第2副制御手段における前記第2コマンドの実行を前記実行遅延部により遅延させることを特徴とする遊技機。
【請求項4】
遊技を司り当否判定などの遊技状態を判断する主制御手段と、前記主制御手段からのコマンドを受けて遊技状態に沿った演出を実現させる第1副制御手段と、前記主制御手段及び前記第1副制御手段からのコマンドを受けて遊技状態に沿った演出表示を実現させる第2副制御手段と、を有する遊技機であって、
前記主制御手段は、前記第2副制御手段で実行される演出表示の内容を示す第1コマンドと前記第2副制御手段で実行される演出表示の変動を停止させる第2コマンドを前記第1副制御手段を介して前記第2副制御手段に対してそれぞれ送信するコマンド送信部と、前記第2コマンドを前記第1副制御手段を介して前記第2副制御手段に送信するタイミングを決定する第1計測部と、変動表示される本図柄の変動を終了させるタイミングを決定するサブ計測部と、を有し、
前記第2副制御手段は、前記第1コマンドを受けて前記第1副制御手段から送信される演出表示に関する各構成コマンドと前記各構成コマンドの受信を確認要求するチェックサムコマンドをそれぞれ受信するコマンド受信部と、前記チェックサムコマンドの結果と前記各構成コマンドの受信結果とを比較する比較処理部と、前記チェックサムコマンドの結果と前記各構成コマンドの受信結果とが一致している場合に前記各構成コマンドに基づいて演出表示の変動を開始させるタイミングを決定する第2計測部と、前記第2計測部により決定されたタイミングに基づいて演出表示の変動を開始させる変動開始部と、を有し、
前記第1コマンド、前記各構成コマンド及び前記チェックサムコマンドの全てのコマンドを前記第2副制御手段で受信終了するまでに要するチェックサム判定時間を前記第1計測部で決定されるタイミングに加算し、前記チェックサム判定時間を加算したタイミングに基づいて前記主制御手段から前記第2コマンドが送信されることを特徴とする遊技機。
【請求項1】
遊技を司り当否判定などの遊技状態を判断する主制御手段と、前記主制御手段からのコマンドを受けて遊技状態に沿った演出を実現させる第1副制御手段と、前記主制御手段及び前記第1副制御手段からのコマンドを受けて遊技状態に沿った演出表示を実現させる第2副制御手段と、を有する遊技機であって、
前記主制御手段は、前記第2副制御手段で実行される演出表示の内容を示す第1コマンドと前記第2副制御手段で実行される演出表示の変動を停止させる第2コマンドを前記第1副制御手段を介して前記第2副制御手段に対してそれぞれ送信するコマンド送信部と、変動表示される本図柄の変動を終了させるタイミングを決定するとともに前記第2コマンドを前記第1副制御手段を介して前記第2副制御手段に送信するタイミングを決定する第1計測部と、を有し、
前記第2副制御手段は、前記第1コマンドを受けて前記第1副制御手段から送信される演出表示に関する各構成コマンドと前記各構成コマンドの受信を確認要求するチェックサムコマンドをそれぞれ受信するコマンド受信部と、前記チェックサムコマンドの結果と前記各構成コマンドの受信結果とを比較する比較処理部と、前記チェックサムコマンドの結果と前記各構成コマンドの受信結果とが一致している場合に前記各構成コマンドに基づいて演出表示の変動を開始させるタイミングを決定する第2計測部と、前記第2計測部により決定されたタイミングに基づいて演出表示の変動を開始させる変動開始部と、を有し、
前記第1コマンド、前記各構成コマンド及び前記チェックサムコマンドの全てのコマンドを前記第2副制御手段で受信終了するまでに要するチェックサム判定時間を前記第1計測部で決定されるタイミングに加算し、前記チェックサム判定時間を加算したタイミングに基づいて前記主制御手段から前記第2コマンドが送信されることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技を司り当否判定などの遊技状態を判断する主制御手段と、前記主制御手段からのコマンドを受けて遊技状態に沿った演出を実現させる第1副制御手段と、前記主制御手段及び前記第1副制御手段からのコマンドを受けて遊技状態に沿った演出表示を実現させる第2副制御手段と、を有する遊技機であって、
前記主制御手段は、前記第2副制御手段で実行される演出表示の内容を示す第1コマンドと前記第2副制御手段で実行される演出表示の変動を停止させる第2コマンドを前記第1副制御手段を介して前記第2副制御手段に対してそれぞれ送信するコマンド送信部と、変動表示される本図柄の変動を終了させるタイミングを決定するとともに前記第2コマンドを前記第1副制御手段を介して前記第2副制御手段に送信するタイミングを決定する第1計測部と、を有し、
前記第1副制御手段は、前記第2コマンドの前記第2副制御手段への送信を一時的に遅延させる送信遅延部を有し、
前記第2副制御手段は、前記第1コマンドを受けて前記第1副制御手段から送信される演出表示に関する各構成コマンドと前記各構成コマンドの受信を確認要求するチェックサムコマンドをそれぞれ受信するコマンド受信部と、前記チェックサムコマンドの結果と前記各構成コマンドの受信結果とを比較する比較処理部と、前記チェックサムコマンドの結果と前記各構成コマンドの受信結果とが一致している場合に前記各構成コマンドに基づいて演出表示の変動を開始させるタイミングを決定する第2計測部と、前記第2計測部により決定されたタイミングに基づいて演出表示の変動を開始させる変動開始部と、を有し、
前記第1副制御手段は、前記主制御手段から送信された前記第2コマンドを、前記第1コマンド、前記各構成コマンド及び前記チェックサムコマンドの全てのコマンドを前記第2副制御手段で受信終了するまでに要するチェックサム判定時間だけ、前記送信遅延部により遅延させることを特徴とする遊技機。
【請求項3】
遊技を司り当否判定などの遊技状態を判断する主制御手段と、前記主制御手段からのコマンドを受けて遊技状態に沿った演出を実現させる第1副制御手段と、前記主制御手段及び前記第1副制御手段からのコマンドを受けて遊技状態に沿った演出表示を実現させる第2副制御手段と、を有する遊技機であって、
前記主制御手段は、前記第2副制御手段で実行される演出表示の内容を示す第1コマンドと前記第2副制御手段で実行される演出表示の変動を停止させる第2コマンドを前記第1副制御手段を介して前記第2副制御手段に対してそれぞれ送信するコマンド送信部と、変動表示される本図柄の変動を終了させるタイミングを決定するとともに前記第2コマンドを前記第1副制御手段を介して前記第2副制御手段に送信するタイミングを決定する第1計測部と、を有し、
前記第2副制御手段は、前記第1コマンドを受けて前記第1副制御手段から送信される演出表示に関する各構成コマンドと前記各構成コマンドの受信を確認要求するチェックサムコマンドをそれぞれ受信するコマンド受信部と、前記チェックサムコマンドの結果と前記各構成コマンドの受信結果とを比較する比較処理部と、前記チェックサムコマンドの結果と前記各構成コマンドの受信結果とが一致している場合に前記各構成コマンドに基づいて演出表示の変動を開始させるタイミングを決定する第2計測部と、前記第2計測部により決定されたタイミングに基づいて演出表示の変動を開始させる変動開始部と、前記第2コマンドの実行を一時的に遅延させる実行遅延部と、を有し、
前記第2副制御手段は、前記第2副制御手段に前記第2コマンドが送信された場合には、前記第1コマンド、前記各構成コマンド及び前記チェックサムコマンドの全てのコマンドを前記第2副制御手段で受信終了するまでに要するチェックサム判定時間だけ、前記第2副制御手段における前記第2コマンドの実行を前記実行遅延部により遅延させることを特徴とする遊技機。
【請求項4】
遊技を司り当否判定などの遊技状態を判断する主制御手段と、前記主制御手段からのコマンドを受けて遊技状態に沿った演出を実現させる第1副制御手段と、前記主制御手段及び前記第1副制御手段からのコマンドを受けて遊技状態に沿った演出表示を実現させる第2副制御手段と、を有する遊技機であって、
前記主制御手段は、前記第2副制御手段で実行される演出表示の内容を示す第1コマンドと前記第2副制御手段で実行される演出表示の変動を停止させる第2コマンドを前記第1副制御手段を介して前記第2副制御手段に対してそれぞれ送信するコマンド送信部と、前記第2コマンドを前記第1副制御手段を介して前記第2副制御手段に送信するタイミングを決定する第1計測部と、変動表示される本図柄の変動を終了させるタイミングを決定するサブ計測部と、を有し、
前記第2副制御手段は、前記第1コマンドを受けて前記第1副制御手段から送信される演出表示に関する各構成コマンドと前記各構成コマンドの受信を確認要求するチェックサムコマンドをそれぞれ受信するコマンド受信部と、前記チェックサムコマンドの結果と前記各構成コマンドの受信結果とを比較する比較処理部と、前記チェックサムコマンドの結果と前記各構成コマンドの受信結果とが一致している場合に前記各構成コマンドに基づいて演出表示の変動を開始させるタイミングを決定する第2計測部と、前記第2計測部により決定されたタイミングに基づいて演出表示の変動を開始させる変動開始部と、を有し、
前記第1コマンド、前記各構成コマンド及び前記チェックサムコマンドの全てのコマンドを前記第2副制御手段で受信終了するまでに要するチェックサム判定時間を前記第1計測部で決定されるタイミングに加算し、前記チェックサム判定時間を加算したタイミングに基づいて前記主制御手段から前記第2コマンドが送信されることを特徴とする遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−202824(P2007−202824A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−25695(P2006−25695)
【出願日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(000204262)タイヨーエレック株式会社 (1,095)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(000204262)タイヨーエレック株式会社 (1,095)
【Fターム(参考)】
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