説明

遊技機

【課題】 球切れ検出器のメンテナンスを容易に行うことが可能な球抜き装置を備える遊
技機の提供を課題とする。
【解決手段】 筐体21にカバー部材24を回動可能に取り付け、同カバー部材24が回
動することにより、球切れ検出器28が装着される収容凹部Dを開放/閉鎖させることが
できる。かかる構成により、ネジ止め等を解除することなく簡単に球切れ検出器28のメ
ンテナンスを行うことができる。収容凹部Dにおいて球切れ検出器28は係止爪23eに
よって固定されているため、簡単に球切れ検出器28を取り外してメンテナンスすること
ができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、球切れ検出機能を有する球抜き装置を備える遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機として、遮光性を有するカバー部材によって球切れ検出用の光電
式スイッチが覆われた球抜き装置を備えた遊技機が知られている。(例えば、特許文献1
、参照。)。
【0003】
かかる構成によれば、球切れ検出用の光電式スイッチ(球切れ検出器)が遮光性を有す
るカバー部材によって覆われるため、球切れ検出のノイズとなる外部光線が光電式スイッ
チに入射することを防止することができる。また、球切れ検出器をカバー部材によって覆
うことにより、ほこり等が球切れ検出器に付着することも防止することができる。従って
、球切れ検出器が誤動作することを防止し、正確に球切れを検出することが可能であった
。さらに、球切れ検出器をカバー部材で覆うことにより、球切れ検出器に外部から不正が
加えられることも防止できた。
【特許文献1】特開2003−164631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した遊技機において、球切れ検出器を覆うカバー部材が、球切れ検出器のメンテナ
ンスの邪魔となる課題があった。特に、球切れ検出器を球抜き装置から取り外して修理や
交換を行う場合には、各所のネジ止めを解除して球抜き装置を分解しなければならないと
いう問題があった。
【0005】
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、球切れ検出器のメンテナンスを容易
に行うことが可能な球抜き装置を備える遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明では、所定の厚みを有する第一の筐体
部材と第二の筐体部材とを厚み方向に重ね合わせることにより形成される筐体内部に、遊
技球の本線経路と、切換機構によって同本線経路と連通可能な球抜き経路とを有する球抜
き装置を備える遊技機において、
上記球抜き装置は、少なくとも互いに平行な一対の固定面、および、これらを連結する
閉鎖面とから断面略コの字状に形成され、同一対の固定面によって上記筐体を厚み方向外
側から挟み込むカバー部材と、上記第一の筐体部材と、同第一の筐体部材に厚み方向外側
から接触する上記固定面とを回動可能に軸着する第一の軸受け機構と、上記第二の筐体部
材と、同第二の筐体部材に厚み方向外側から接触する上記固定面とを回動可能に軸着し、
上記第一の軸受け機構と軸位置が一致する第二の軸受け機構と、上記第一の軸受け機構と
上記第二の軸受け機構において上記一対の固定面を所定の回動位置としたとき、上記カバ
ー部材によって覆われる位置において上記筐体に着脱可能に収容されるとともに、上記本
線経路を流通する遊技球を検知することにより球切れを検出する球切れ検出器とを具備す
る構成としてある。
【0007】
上記のように構成した請求項1の発明は、球抜き装置の筐体は、所定の厚みを有する第
一の筐体部材と第二の筐体部材とを厚み方向に重ね合わせることにより形成される。その
筐体内部には、遊技球の本線経路と、この本線経路と球抜き経路とが形成される。本線経
路は通常遊技球が通過する経路であり、球抜き経路は球抜き装置よりも上流にある遊技球
を遊技機の外部に排出するために使用される経路である。上記本線経路と上記球抜き経路
とは切換機構によって連通可能とされる。そして、上記切換機構により上記本線経路と上
記球抜き経路とを連通させることにより、同本線経路を流通する遊技球を同球抜き通路へ
案内することができる。
【0008】
カバー部材は断面略コの字状の部材であり、少なくとも互いに平行な一対の固定面と、
これらを連結する閉鎖面で構成される。そして、互いに平行な上記一対の固定面によって
上記筐体が厚み方向外側から挟み込まれる。従って、上記第一の筐体部材と上記第二の筐
体部材とを、両者が厚み方向に重ね合わされた状態で互いに拘束することが可能となる。
上記一対の固定面が上記第一の筐体部材と上記第二の筐体部材とを厚み方向に重ね合わせ
て形成された上記筐体を厚み方向に挟み込むため、一方の上記固定面が上記第一の筐体部
材に対して厚み方向外側から接触し、他方の上記固定面が上記第二の筐体部材に対して厚
み方向外側から接触することとなる。
【0009】
上記第一の筐体部材と、上記第一の筐体部材に厚み方向外側から接触する上記固定面と
が第一の軸受け機構によって回動可能に軸着される。同様に、上記第二の筐体部材と、同
第二の筐体部材に厚み方向外側から接触する上記固定面とが第二の軸受け機構によって回
動可能に軸着される。上記第一の軸受け機構と上記第二の軸受け機構の回転軸は、互いに
平行な上記一対の固定面に対してそれぞれ軸方向を直交させるとともに、双方の軸位置を
一致させる。
【0010】
かかる構成により、上記第一の軸受け機構と上記第二の軸受け機構によって上記カバー
部材が上記筐体に対して連結されるとともに、単一の回転軸によって上記カバー部材が上
記筐体に対して回転可能となる。一方、上記本線経路を流通する遊技球を検知することに
より球切れを検出する球切れ検出器が上記筐体に備えられる。そして、上記第一の軸受け
機構と上記第二の軸受け機構において上記一対の固定面を所定の回動位置としたとき、す
なわち上記筐体に対して上記カバー部材を予定の回動位置としたとき、上記球切れ検出器
が上記カバー部材によって覆われる。
【0011】
すなわち、上記カバー部材を所定の回動位置とすることにより、上記筐体に着脱可能に
備えられた上記球切れ検出器を同カバー部材によって覆うことができる。このとき、上記
球切れ検出器を上記カバー部材によって保護することができる。一方、上記球切れ検出器
が上記カバー部材によって覆われない位置に同カバー部材を回動させることにより、同カ
バー部材に阻害されることなく上記球切れ検出器を上記筐体に着脱することができる。
【0012】
本発明は、上記の構成に限られるものではなく、以下の手段も含むものである。
【0013】
手段1
手段1にかかる発明は、請求項1に記載した発明において、
上記切換機構は、
上記本線経路と上記球抜き経路とが区画される第一位置と、同両経路が連通する第二
位置のそれぞれに移動可能な可動壁面と、
上記筐体および上記カバー部材の外側に突出するように備えられ、上記可動壁面に作
用して同可動壁面を上記第一位置および上記第二位置に移動させる切換レバーとから構成
されることを特徴とする遊技機。
【0014】
すなわち、可動壁面が第一位置にあるとき上記本線経路と上記球抜き経路とが同可動壁
面によって区画され、同可動壁面が第二位置にあるとき同球抜き経路と同球抜き経路とが
連通する。すなわち、上記球抜き装置は上記可動壁面が上記第一位置にあるときに球抜き
不可能な状態となり、同可動壁面が上記第二位置にあるとき球抜き可能な状態となる。切
換レバーは上記筐体の外側に突設される。そして、上記切換レバーに所定の操作を行うな
うことにより、上記可動壁面を上記第一位置および上記第二位置に移動させることができ
る。すなわち、上記筐体の外部に突設された上記切換レバーを操作することにより、上記
球抜き装置を球抜き可能な状態と球抜き不可能な状態とに切り換えることができる。
【0015】
手段2
手段2にかかる発明は、手段1に記載した発明において、上記切換レバーは上記筐体に
対して回転可能に備えられた回転レバーであるとともに、その回転位置に応じて上記可動
壁面が移動させられる構成としてある。
【0016】
すなわち、上記筐体の外部に突設された上記切換レバーを回動させることにより、上記
球抜き装置を球抜き可能な状態と球抜き不可能な状態とに切り換えることができる。
【0017】
手段3
手段3にかかる発明は、手段2に記載した発明において、上記可動壁面が上記第一位置
となる上記切換レバーの回動位置において、同切換レバーと上記カバー部材とを係合させ
る第一の規制機構が備えられる構成としてある。
【0018】
すなわち、上記可動壁面が上記第一位置にあるとき、つまり上記球抜き装置が球抜き不
可能な状態とされ、通常の遊技が行われるとき、上記切換レバーと上記カバー部材とが係
合する。これにより、上記球抜き装置にて球抜きを行わない状態においては、上記切換レ
バーと上記カバー部材とを係合させ、同切換レバーと同カバー部材とを互いに拘束するこ
とができる。すなわち、上記球抜き装置にて球抜きを行わない状態においては、上記カバ
ー部材が回動することを防止することができる。反対に、上記切換レバーが回動すること
も防止されるため、球抜きがされない状態を安定して維持することができる。
【0019】
手段4
手段4にかかる発明は、手段3に記載した発明において、上記第一の規制機構は、上記
カバー部材の上記固定面または上記切換レバーのいずれか一方から厚み方向に突設された
凸部と、同凸部が形成されない上記カバー部材または上記切換レバーのいずれか一方に形
成され同凸部が侵入可能な凹部とからなる構成としてある。
【0020】
すなわち、凸部と、同凸部が侵入可能な凹部とによって、上記切換レバーと上記カバー
部材とを係合させることができる。このようにすることにより、通常の遊技が行われると
きにおいては、上記カバー部材の上記固定面と上記切換レバーとを厚み方向に離反させな
い限り、上記カバー部材を回動させることを不可能とすることができる。
【0021】
手段5
手段5にかかる発明は、手段4に記載した発明において、同カバー部材の上記固定面ま
たは上記筐体のいずれか一方から厚み方向に突設された凸状部と、同凸状部が形成されな
い上記固定面または上記筐体のいずれか一方に形成され同凸状部が侵入可能な凹状部とか
らなる第二の規制機構が備えられるとともに、
上記閉鎖面により上記球切れ検出器が覆われることとなる上記カバー部材の回動位置に
おいて、上記凹状部と上記凸状部とが嵌合する構成としてある。
【0022】
すなわち、上記第二の規制機構を設けることにより、上記閉鎖面によって上記球切れ検
出器が覆われる状態において、上記固定面と上記筐体とを厚み方向に離反させない限り、
上記カバー部材を回動させることを不可能とすることができる。ここで、上記カバー部材
を回動させるために、上記固定面を上記筐体から厚み方向に離反させようとすると、上記
固定面の外側に突設された上記切換レバーと上記固定面とが接近する。すると、上記第一
の規制機構を構成する上記凸部と上記凹部とが厚み方向に接近し嵌合状態が強化されるこ
ととなり、同第一の規制機構によって上記カバー部材が回動することが妨げられることと
なる。すなわち、上記第二の規制機構を解除しようとすると、上記第一の規制機構の嵌合
が強化され上記カバー部材が回動することを防止することができる。
【0023】
逆に、上記カバー部材を回動させるために、上記固定面を上記切換レバーから厚み方向
に離反させようとすると、上記固定面の内側の上記筐体と上記固定面とが接近する。する
と、上記第二の規制機構を構成する上記凸状部と上記凹状部とが厚み方向に接近し嵌合状
態が強化されることとなり、同第二の規制機構によって上記カバー部材が回動することが
妨げられることとなる。すなわち、上記第一の規制機構を解除しようとすると、上記第二
の規制機構の嵌合が強化され上記カバー部材が回動することを防止することができる。
【0024】
かかる構成により、上記可動壁面が上記第一位置にあるとき、つまり上記球抜き装置が
球抜き不可能な状態とされ、通常の遊技が行われるときに、上記閉鎖面によって上記球切
れ検出器を覆う状態から上記カバー部材が回動させられることを防止することができる。
従って、通常の遊技が行われるときに、上記カバー部材を不正に回動させて、上記球切れ
検出器に不正が加えられることを防止することができる。また、上記カバー部材を上記球
切れ検出器を覆う状態から回動させるためには、予め上記切換レバーを上記可動壁面が上
記第一位置となる位置から回動させておくことが必要となる。これにより、上記カバー部
材を上記球切れ検出器を覆う状態から回動させて同球切れ検出器のメンテナンス等を行お
うとする場合には、予め球抜きを行っておくことが必要となる。従って、球抜きを行わな
いままメンテナンス等が行われることが防止でき、上記球切れ検出器等が破損することが
防止できる。
【0025】
手段6
手段6にかかる発明は、請求項1または手段1から手段5のいずれかに記載した発明に
おいて、上記筐体には上記球切れ検出器を外部から挿入可能な収容凹部が形成されるとと
もに、同筐体に対して所定の回動位置となる上記カバー部材によって同収容凹部の開口が
覆われる構成としてある。
【0026】
すなわち、上記筐体に上記球切れ検出器を外部から挿入可能な収容凹部が形成すること
により、同収容凹部に同球切れ検出器を抜き挿しすることができるため、同筐体に対して
同球切れ検出器を着脱可能とすることができる。ただし、上記収容凹部の開口が同筐体に
対して所定の回動位置となる上記カバー部材によって覆われるため、同カバー部材が上記
球切れ検出器の着脱を阻害することとなる。上記カバー部材は上記筐体に対して回動可能
であるため、上記球切れ検出器の着脱を阻害しないようにすることもでできる。
【0027】
手段7
手段7にかかる発明は、手段6に記載した発明において、上記収容凹部の開口は上記カ
バー部材の上記閉鎖面によって覆われる構成としてある。
【0028】
すなわち、上記収容凹部の開口を上記カバー部材における上記閉鎖面によって覆うよう
にしても良い。むろん、上記固定面によって上記収容凹部の開口を覆うことも可能である

【0029】
手段8
手段8にかかる発明は、手段6または手段7のいずれかに記載した発明において、上記
収容凹部には同収容凹部に挿入された上記球切れ検出器を係止可能な係止爪が形成される
構成としてある。
【0030】
すなわち、上記収容凹部において上記球切れ検出器を係止しておくことにより、同球切
れ検出器を安定して固定しておくことができる。従って、不用意に同球切れ検出器が脱落
するようなことを防止できる。
【0031】
手段9
手段9にかかる発明は、手段8に記載した発明において、上記係止爪は上記カバー部に
覆われる位置、かつ、同カバー部材が所定の位置に回動するとき外側に露出される位置に
形成される構成としてある。
【0032】
すなわち、上記カバー部材の回動位置を変えることにより上記係止爪を外側に露出させ
ることができる。上記係止爪が露出した状態においては、同係止爪に手を加えることがで
きるため、上記球切れ検出器に対する係止を解除することができる。すなわち、上記カバ
ー部材を所定の位置に回動させることにより、上記球切れ検出器を取り外すことが可能と
なる。
【0033】
手段10
手段10にかかる発明は、手段9に記載した発明において、上記係止爪は上記カバー部
における上記固定板に覆われる位置に形成される構成としてある。
【0034】
すなわち、上記係止爪を上記カバー部材における上記固定面によって覆うようにしても
良い。むろん、上記閉鎖面によって上記係止爪を覆うことも可能である。
【0035】
手段11
手段11にかかる発明は、請求項1または手段1から手段10のいずれかに記載した発
明において、上記球切れ検出器は光電式スイッチを有するとともに、上記カバー部材は遮
光性を有する構成としてある。
【0036】
すなわち、光電式スイッチによって球切れを検出する場合において、上記カバー部材に
遮光性を持たせることにより、同光電式スイッチに外部から光線が入射することを防止す
ることができる。従って、上記球切れ検出器の誤動作を防止することができる。
【0037】
手段12
手段12にかかる発明は、請求項1または手段1から手段11のいずれかに記載した発
明において、上記球抜き装置は、上記遊技機に対し上記カバー部材が外側に露出するよう
に取り付けられる構成としてある。
【0038】
すなわち、上記球抜き装置を上記遊技機に対して取り付けた状態において、上記カバー
部材を同遊技機の外側に露出させることができるため、同球抜き装置を取り外すことなく
同カバー部材を上記筐体に対して回動させることができる。すなわち、上記球抜き装置を
上記遊技機から取り外すことなく、上記筐体から上記球切れ検出器を着脱させることがで
きる。
【0039】
手段13
手段13にかかる発明は、請求項1または手段1から手段12のいずれかに記載した発
明において、上記第一の軸受け機構と上記第二の軸受け機構は、上記筐体から小量突出す
る略円柱状の軸突起と、同固定面に形成された軸穴とからなる構成としてある。
【0040】
すなわち、上記第一の軸受け機構と上記第二の軸受け機構は、上記筐体から突設される
軸突起と上記固定面に形成される軸穴とから構成される。すなわち、上記軸突起が上記軸
穴に挿入されることにより軸受けされる。これにより、上記カバー部材は上記軸穴を軸と
して回動することができる。上記軸突起の突出量は小量とされているため、上記固定面を
同軸突起が突設される上記筐体から小量離反させることにより軸受けを解除することがで
きる。従って、上記第一の軸受け機構と上記第二の軸受け機構における軸受けを解除して
、上記カバー部材を上記筐体から取り外すことができる。例えば、上記軸突起の突出量を
上記固定面の厚みと同程度としておくことにより、容易に軸受けを解除することができる

【0041】
手段14
手段14にかかる発明は、請求項1または手段1から手段13のいずれかに記載の発明
において、上記遊技機はパチロットであり、同パチロットの背面側に上記球抜き装置が備
えられる構成としてある。
【0042】
すなわち、パチロットに対しても本発明を同様に適用することができる。
【0043】
なお、パチロットは、メダルの代わりに一定数のパチンコ球を使用して絵合わせを行う
パチンコ機とスロットマシンの両方の特徴を備えた遊技機である。パチロットにおいても
遊技球が流通されるため、本発明を適用することが可能である。
【発明の効果】
【0044】
以上説明したように、請求項1にかかる発明によれば、球切れ検出器のメンテナンスを
容易に行うことが可能な球抜き装置を備える遊技機を提供することができる。
【0045】
手段1にかかる発明によれば、筐体の外側に備えられた切換レバーを操作することによ
り球抜きを行うことができる。
【0046】
手段2にかかる発明によれば、切換レバーを回動させることにより球抜きを行うことが
できる。
【0047】
手段3にかかる発明によれば、球抜きを行う前に球切れ検出器のメンテナンスがされる
ことを防止できる。
【0048】
手段4にかかる発明によれば、簡易な構成によりカバー部材の回動を阻止することがで
きる。
【0049】
手段5にかかる発明によれば、遊技機の稼働時における不正を防止するとともに、メン
テナンス時には確実に球抜きを行わせることができる。
【0050】
手段6にかかる発明によれば、球切れ検出器を着脱可能とするとともに、球切れ検出器
が不用意に取り外されることが防止できる。
【0051】
手段7にかかる発明によれば、閉鎖面にて球切れ検出器を保護することができる。
【0052】
手段8にかかる発明によれば、球切れ検出器が不用意に取り外されることが防止できる

【0053】
手段9にかかる発明によれば、カバー部材を回動することにより球切れ検出器を取り外
し可能とすることができる。
【0054】
手段10にかかる発明によれば、固定面にて係止爪を保護することができる。
【0055】
手段11にかかる発明によれば、誤動作の少ない球切れ検出を行うことができる。
【0056】
手段12にかかる発明によれば、球抜き装置を遊技機から取り外すことなく球切れ検出
器のメンテナンスをすることができる。
【0057】
手段13にかかる発明によれば、カバー部材を簡単に取り外すことができる。
【0058】
手段14にかかる発明によれば、本発明をパチロットにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】第一の実施形態にかかるパチンコ遊技機の背面図である。
【図2】第一の実施形態にかかる球抜き装置の正面図である。
【図3】第一の実施形態にかかる第一の筐体部材の正面図である。
【図4】第一の実施形態にかかる第二の筐体部材の正面図である。
【図5】第一の実施形態にかかる仕切板の正面図である。
【図6】第一の実施形態にかかるカバー部材の斜視図である。
【図7】第一の実施形態にかかる切換レバーの斜視図である。
【図8】第一の実施形態にかかる可動壁面の斜視図である。
【図9】第一の実施形態にかかる球抜き装置の組み立て図である。
【図10】第一の実施形態にかかる球抜き装置の側面図である。
【図11】第一の実施形態にかかる球抜き装置の正面図である。
【図12】第一の実施形態にかかる球抜き装置の側面図である。
【図13】第一の実施形態にかかる球抜き装置の側面図である。
【図14】第一の実施形態にかかる球抜き装置の正面図である。
【図15】第一の実施形態にかかる球切れ検出器の斜視図である。
【図16】第一の実施形態にかかる球抜き装置の底面図である。
【図17】第一の実施形態にかかる球抜き装置の動作説明図である。
【図18】第一の実施形態にかかる球抜き装置の動作説明図である。
【図19】第一の実施形態にかかる球抜き装置の側面図である。
【図20】第一の実施形態にかかる球抜き装置の動作説明図である。
【図21】第二の実施形態にかかるパチロットの背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施形態について説明する。
(1)第一の実施形態:
(2)第二の実施形態:
(3)まとめ:
(1)第一の実施形態:
図1は、本実施形態にかかるパチンコ遊技機を背面側から見て示している。同図におい
て、略矩形枠状に形成された外枠11の内側に本体枠12が嵌め込まれており、本体枠1
2と外枠11とは回動可能とされている。本体枠12の上方部位には略矩形状の開口が設
けられており、同開口に矩形板状の遊技盤13が嵌め込まれている。遊技盤13は木材で
形成されており、前面側に遊技領域が形成される。具体的には、遊技盤13の前面側に流
下する遊技球の流通方向をガイドする案内板や釘や入賞口等が取り付けられ、入賞口にて
捕捉された遊技球を遊技盤13の背面側に誘導するための穴が遊技盤13を貫通するよう
に形成されている。
【0061】
一方、遊技盤13の背面側には入賞口等から遊技盤13の背面側に誘導された遊技球を
案内するための流路や各種基板等が備えられている。また、遊技盤13全体を背面側から
覆う機構板18が回動可能に枢支されている。この機構板18には各種基板が取り付けら
れるとともに、パチンコ遊技機10における高い位置に遊技球を貯留しておくタンク14
も備えられている。タンク14に貯留された遊技球は下方に流下させられ、最終的に遊技
球の発射装置に案内される。発射装置に案内されるまでの経路に、払い出し装置15が備
えられることにより、遊技球の計数を行いつつ意図した数だけ遊技球を供給することが可
能となっている。払い出し装置15の上流にはタンク14とタンクレール14aを介して
接続する球抜き装置20が備えられている。
【0062】
球抜き装置20は、払い出し装置15につながる本線経路と、遊技球をパチンコ遊技機
10の外部に導出する球抜き経路とを有している。そして、球抜き装置20に所定の操作
を加えることによって、遊技球を本線経路に案内するか、球抜き経路に案内するかを切り
換えることが可能となっている。このようにすることにより、払い出し装置15等が故障
した場合に、同払い出し装置15等の修理点検作業の邪魔となる遊技球を上記球抜き経路
を介してパチンコ遊技機10の外部に排出することができる。以下、球抜き装置20の詳
細について説明する。
【0063】
図2は、球抜き装置20を遊技機に取り付けたときの背面側から見て示している。同図
において、球抜き装置20は略箱状に形成されており、その内部に上記球抜き経路と上記
本線経路とを有している。球抜き装置20は、略箱状の筐体21と、同筐体21の一部を
外側から覆うように取り付けられたカバー部材24と、外側に突出する切換レバー25と
、図示されない可動壁面および仕切板とから構成されている。筐体21は透明な合成樹脂
で形成されており、内部に形成された上記球抜き経路と上記本線経路における遊技球の様
子が視認可能となっている。カバー部材24は非透光の合成樹脂で形成されている。
【0064】
図3から図8は、球抜き装置20を分解し、その構成部材をそれぞれ詳細に示している
。図3は筐体21の一部を構成する第一の筐体部材22を示している。同図において、第
一の筐体部材22は概略矩形状に形成された板状底面22aに、所定形状の壁面22bを
立設させることにより形成されている。壁面22bの高さは遊技球の直径よりも少し大き
く形成されている。板状底面22aにおける紙面右側部分には実線で示すように遊技球を
流下させる本線経路A(22)が壁面22bを所定形状とすることにより形成されている
。遊技球は板状底面22aの上方部分に形成された本線経路Aの入口A1(22)から導
入され、蛇行するように形成された壁面22bに案内される。そして、板状底面22aの
下端に形成された本線経路A(22)の出口A2から球抜き装置20の外部に排出される

【0065】
球抜き装置20をパチンコ遊技機10に装着すると、入口A1はタンクレール14aと
接続し、出口A2(22)は払い出し装置15と接続する。本線経路A(22)は互いに
平行な壁面22bによって区画することにより形成されるが、この壁面22bの一部を開
口させることにより、本線経路A(22)が外部に連通している。すなわち、第一の筐体
部材22には壁面22bを所定形状とすることにより球抜き経路B(22)も形成されて
おり、本線経路A(22)を構成する壁面22bの一部を開口させることにより、本線経
路A(22)と球抜き経路B(22)とが連通している。球抜き経路B(22)は、板状
底面22aにおける紙面左側部分にて破線で示すように遊技球を流下させる経路であり、
開口C(22)にて本線経路A(22)と接続している。すなわち、本線経路A(22)
は、開口C(22)が形成された部位において、本線経路A(22)の下流部分と、球抜
き経路B(22)とに分岐させられている。
【0066】
また、球抜き経路B(22)は、板状底面22aの下端に出口B1(22)を有してお
り、同出口B1(22)を介して遊技球をパチンコ遊技機10の外側に排出することが可
能となっている。球抜き経路Bは略鉛直方向に遊技球を流下させることが可能であり、同
球抜き経路B(22)を流下する遊技球はほぼ自由落下することとなる。従って、球抜き
経路B(22)に遊技球を案内することにより、スムーズに球抜きを行うことが可能とな
っている。一方、本線経路A(22)における開口C(22)が形成された部位のやや上
流には略矩形状の空間D(22)が形成されており、空間D(22)によって本線経路A
(22)と外部とが連通している。
【0067】
本線経路A(22)に球抜き経路B(22)が接続する開口C(22)の付近には、円
形凹状の軸受け22cが形成されている。軸受け22cは板状底面22aの厚み方向に凹
みを形成することにより設けられている。さらに、軸受け22cから所定量外側の部位に
も軸受け22dが形成されており、軸受け22dは軸受け22cとほぼ同じ構成とされて
いる。軸受け22dを中心として12時の位置および3時の位置には板状底面22aから
矩形状に突出するストッパー22g,22gが形成されている。
【0068】
図4は筐体21の一部を構成する第二の筐体部材23を示している。同図において、第
二の筐体部材23も、概略矩形状に形成された板状底面23aに所定形状の壁面23bを
立設させることにより形成されている。第二の筐体部材23にも第一の筐体部材22と同
様に本線経路A(23)と球抜き経路B(23)と開口C(23)と空間D(23)と軸
受け23cとが形成されている。ただし、本線経路A(23)と球抜き経路B(23)と
開口C(23)と空間D(23)と軸受け23cおよび板状底面23aは第一の筐体部材
22を紙面上において左右反転させた形状となっている。
【0069】
なお、第二の筐体部材23には、軸受け22dに対応する軸受けが形成されていない。
その代わりに、軸受け22dを左右反転させた位置には、略半円状の切り欠き23dが板
状底面23aを外縁から内側に向かって切り欠くことにより形成されている。また、第二
の筐体部材23にも第一の筐体部材22と同様に空間D(23)が形成されるが、板状底
面23aにおける空間D(23)に対応する部位には、係止爪23eが形成されている。
係止爪23eは板状底面23aの外縁から内側に向かって二本の平行線状の切り込みを形
成することにより、同切り込みに挟まれた略板状の可撓部位を形成し、同可撓部位の先端
に爪を設けることにより形成されている。
【0070】
図5は、球抜き装置20を構成する仕切板を示している。同図において、仕切板26は
板状に形成されている。そして、仕切板26は、同図に示す方向で図3に示す第一の筐体
部材22に重ね合わせることにより、第一の筐体部材22の本線経路A(22)に蓋をす
ることが可能な形状となっている。さらに、仕切板26は、図5から左右反転させた方向
で図4に示す第二の筐体部材23に重ね合わせることにより、第二の筐体部材23の本線
経路A(23)に蓋をすることが可能であるといえる。また、上記のように仕切板26を
第一の筐体部材22および第二の筐体部材23に重ね合わせたときに、空間D(22),
D(23)に対応する部位には略矩形状の切り欠き26aが形成されている。
【0071】
図6は、球抜き装置20を構成するカバー部材24を斜めから見て示している。同図に
おいて、カバー部材24は、平面状で互いに平行となる一対の固定面24b1,24b2
と、平面状の閉鎖面24aとで構成されており、これらが直交することにより断面略コの
字状に形成されている。固定面24b1,24b2はそれぞれ紙面奥方に延設されており
、同延設部にそれぞれ略円形の軸穴24e1,24e2が形成されている。軸穴24e1
,24e2は、それぞれ固定面24b1,24b2の厚み方向に穿設されており、それぞ
れの中心が同厚み方向の同一軸上に位置するように形成されている。一方の固定面24b
1には略半円状の切り欠き24cが形成されており、同切り欠き24cの近くに半球ドー
ム状の凸部24dが形成されている。
【0072】
図7は、球抜き装置20を構成する切換レバー25を斜めから見て示している。同図に
おいて、切換レバー25は略円柱状に形成されたレバー軸部25aを有しており、同レバ
ー軸部25aから翼部25cと挿入部25bとレバー25dとが延設されている。翼部2
5cはレバー軸部25aの径方向外側に略矩形板状に突設されており、同径方向の先端は
曲面状に形成されている。レバー25dはレバー軸部25aの上端付近から同レバー軸部
25aの径方向外側に向かって略棒状に突設されており、幅方向の中央部の厚みが薄く形
成されている。翼部25cとレバー25dの突出方向は互いに直角となるように形成され
ている。挿入部25bは、レバー軸部25aよりも小径な略円柱状に形成されており、レ
バー軸部25aの下端から同レバー軸部25aの軸方向外側に突設されている。また、挿
入部25bの径は、第一の筐体部材22の軸受け22dの径よりわずかに小径とされてい
る。レバー軸部25aの下端には、矩形状の突起25eがレバー25dの突設方向と反対
方向に突設されている。
【0073】
図8は、球抜き装置20を構成する可動壁面を斜めから見て示している。同図において
、可動壁面27は略円柱状に形成された可動軸部27aを有しており、同可動軸部27a
から壁部27cと一対の挿入部27b1,27b2と被押圧部27dとが延設されている
。壁部27cは可動軸部27aの径方向外側に略板状に突設されており、所定の曲率で湾
曲させられている。被押圧部27dは、壁部27cにおける可動軸部27aとの接続部位
の厚みを厚くするように形成されており、略矩形柱状となっている。被押圧部27dにお
ける壁部27cと反対側の側面27d1は、曲面状に形成されており、なだらかに凹んだ
形状となっている。一対の挿入部27b1,27b2はそれぞれ可動軸部27aよりも小
径な略円柱状に形成されており、可動軸部27aの軸方向量端からそれぞれ向外側に突設
されている。また、挿入部27b1,27b2の径は、それぞれ第一および第二の筐体部
材22,23の軸受け22c,23cの径よりわずかに小径とされている。
【0074】
図9は、球抜き装置20を組み立てる様子を示している。同図において、第一および第
二の筐体部材22,23が互いの板状底面22a,23aが外側となるようにして向かい
合わせられている。このようにすることにより、第一および第二の筐体部材22,23に
おいて反転形状となるように形成された本線経路A(22),A(23)や球抜き経路B
(22),B(23)が互いに向かい合うこととなる。従って、図のように第一および第
二の筐体部材22,23を厚み方向に重ね合わせることにより、双方の球抜き経路B(2
2),B(23)を合体させ、経路幅の大きい単一の経路を形成することができる。これ
により、スムーズに球抜きを行うことができる。以下、合体後の球抜き経路B(22),
B(23)を球抜き経路Bと表すものとする。
【0075】
また、第一および第二の筐体部材22,23によって仕切板26が厚み方向に挟み込ま
れる。また、仕切板26は本線経路A(22),A(23)に蓋をする形状とされている
ため、第一および第二の筐体部材22,23を厚み方向に重ね合わせても本線経路A(2
2),A(23)は仕切板26によって仕切られることとなる。すなわち、球抜き装置2
0の組み付け後においても本線経路A(22),A(23)は独立した経路となっており
、遊技球を整然と流通させることが可能となっている。このようにすることにより、下流
にて接続する払い出し装置15にて正確な払い出しを行うことができる。一方、空間D(
22),D(23)は仕切板26によって仕切られることなく、合体することができる。
【0076】
また、第一および第二の筐体部材22,23を厚み方向に重ね合わせることにより、双
方に形成された軸受け22c,23cとが厚み方向の同一軸上に位置させられる。そして
、第一および第二の筐体部材22,23を厚み方向に重ね合わせる際に、可動壁面27も
厚み方向に挟み込んで保持させている。このとき、可動軸部27aの軸方向は厚み方向に
配向させられるとともに、一対の挿入部27b1,27b2がそれぞれ軸受け22c,2
3cに挿入させられる。これにより、第一および第二の筐体部材22,23を厚み方向に
重ね合わせて形成される筐体21において可動壁面27を回動可能に保持することができ
る。
【0077】
さらに、第一および第二の筐体部材22,23を厚み方向に重ね合わせることにより、
双方に形成された軸受け22dと切り欠き23dとが厚み方向の同一軸上に位置させられ
る。そして、第一および第二の筐体部材22,23を厚み方向に重ね合わせる際に、切換
レバー25も厚み方向に挟み込んで保持させている。このとき、レバー軸部25aの軸方
向は厚み方向に配向させられるとともに、挿入部25bが軸受け22dに挿入させられる
。レバー軸部25aの軸方向の長さは、第一および第二の筐体部材22,23を厚みの総
和よりも長く形成されており、レバー軸部25aは筐体21から切り欠き23dを介して
厚み方向外側に突出することとなる。
【0078】
このとき、翼部25cは第一および第二の筐体部材22,23の板状底面22a,23
aによって厚み方向外側から挟み込まれるように形成されており、切換レバー25がレバ
ー軸部25aを軸として回動する際には、翼部25cの上端と下端がそれぞれ板状底面2
3a,22aに摺接することとなる。これにより、切換レバー25が回動する際の姿勢が
維持され、回動の軸がぶれることもない。このように、翼部25cを第一および第二の筐
体部材22,23の板状底面22a,23aによって厚み方向外側から挟み込ませること
により、ビス止め等をすることなく切換レバー25を筐体21に保持させることができる

【0079】
以上のようにして筐体21が組み立てられると、筐体21に対してカバー部材24が装
着される。カバー部材24を構成する一対の固定面24b1,24b2の間隔は筐体21
の厚みと同等に形成されているため、固定面24b1,24b2にて筐体21を厚み方向
内側に挟み込むようにカバー部材24を装着することができる。固定面24b1,24b
2にて筐体21を厚み方向内側に挟み込むにあたっては、固定面24b1,24b2の軸
穴24e1,24e2に、板状底面23a,22aからそれぞれ厚み方向外側に向かって
突設された略円柱状の軸突起23f,22fを挿通させている。
【0080】
図10は、筐体21を側方から見て示している。軸突起23f,22fの中心はそれぞ
れ厚み方向外側に向かって突設されており、厚み方向の同一軸上に位置させられている。
軸突起23f,22fの径は軸穴24e1,24e2の径よりもわずかに小さく形成され
ているため、軸突起23f,22fは軸穴24e1,24e2を挿通することが可能であ
る。、軸突起23f,22fの高さはそれぞれ固定面24b1,24b2の厚み程度とさ
れているため、固定面24b1,24b2の間隔を押し広げるようにカバー部材24を変
形させることにより軸突起23f,22fを軸穴24e1,24e2に挿通させることが
できる。
【0081】
以上のようにして、軸突起23f,22fを軸穴24e1,24e2に挿通させると、
カバー部材24は筐体21に対して回動可能に連結されたこととなる。軸突起23f,2
2fおよび軸穴24e1,24e2がカバー部材24が回動する際の回動軸を構成する。
すなわち、軸突起23f,22fおよび軸穴24e1,24e2の中心位置は全て厚み方
向の同一軸上に位置しているため、この同一軸を回動の中心として回動することが可能と
なっている。なお、軸突起23fと軸穴24e1が本発明にいう第一の軸受け機構に相当
し、軸突起22fおよび軸穴24e2が発明にいう第二の軸受け機構に相当する。また、
カバー部材24を筐体21に対して装着することにより、第一および第二の筐体部材22
,23を固定面24b1,24b2によって厚み方向に離反しないように固定することが
できる。
【0082】
図11は、カバー部材24が筐体21に対して回動している様子を示している。同図に
おいて、カバー部材24は図2に示した状態から90度回動している。図12は、このと
きの球抜き装置20を側方から見て示している。図11のようにカバー部材24が回動し
て跳ね上げらることにより、カバー部材24の閉鎖面24aは筐体21の側面から離反さ
せることができる。これにより側方外部と連通するように形成された空間D(22),D
(23)を外部に露出させることができる。なお、以下において空間D(22),D(2
3)が合体して形成される構造を収容凹部Dと表すものとする。これに対して、図2に示
した状態では図13のように閉鎖面24aが筐体21の側面に密着し、収容凹部Dの開口
が覆われることとなる。
【0083】
すなわち、カバー部材24を筐体21に対して回動させることより、収容凹部Dを側方
外部に対して閉鎖させたり、開放させたりすることができる。図14は、図11のように
収容凹部Dを開放させた状態において、収容凹部Dに球切れ検出器28を球抜き装置20
に装着する様子を示している。同図において、略矩形状に形成された球切れ検出器28を
側方から収容凹部Dに挿入させることにより、球切れ検出器28が球抜き装置20に装着
されている。なお、仕切板26における収容凹部Dに対応する部位には略矩形状の切り欠
き26aが形成されているため、仕切板26に妨げられることなく球切れ検出器28を挿
入することができる。
【0084】
図15は、球切れ検出器28を斜めから見て示している。同図において、球切れ検出器
28は収容凹部Dよりもわずかに小さい矩形状に形成されており、挿入方向奥方には上下
に貫通する二個の検出穴28a1,28a2が形成されている。検出穴28a1,28a
2は、球切れ検出器28を収容凹部Dに挿入したときに、それぞれ本線経路A(22),
A(23)まで到達する。これにより、本線経路A(22),A(23)を流下する遊技
球をそれぞれ検出穴28a1,28a2に通過させることができる。なお、検出穴28a
1,28a2の穴径は遊技球よりも大きく形成されている。
【0085】
検出穴28a1,28a2の内壁には通過する遊技球に接触可能なスイッチ片が設けら
れており、同スイッチ片は遊技球が接触する毎に揺動する。この揺動によりON/OFF
が切り換えられる検出スイッチが球切れ検出器28の内部に備えることにより、遊技球が
検出穴28a1,28a2を通過しているかどうかを検出することができる。正常に遊技
球が本線経路A(22),A(23)を連続的に流下しているのであれば、検出スイッチ
のON/OFFが断続的に切り換えられる。一方、本線経路A(22),A(23)に遊
技球が供給されない球切れや、本線経路A(22),A(23)に遊技球が滞留する球詰
まりが起きた場合には、検出スイッチが常時ONまたは常時OFFとなる。すなわち、検
出スイッチの状態を認識することにより、球切れや球詰まりを検出することができる。な
お、検出スイッチにて生成された電気信号はコネクタ28bを通じて、各種基板に伝達さ
れる。
【0086】
本実施形態においては、機械的な機構によって球切れを検出するものを例示したが、本
線経路A(22),A(23)を流下する遊技球を検出することができればよく、種々の
検出方式を採用することができる。例えば、フォトダイオード等を利用した光電式スイッ
チを使用して、光学的に遊技球を検出するようにしても良い。また、通過する遊技球毎に
検出スイッチが切り換えられるものに限られず、本線経路A(22),A(23)に遊技
球が供給されなくなったときにスイッチの状態が切り換えられるような機構であっても良
い。例えば、本線経路A(22),A(23)に遊技球の重みによって下降可能なスイッ
チ片を設けておくことにより、本線経路A(22),A(23)に遊技球が存在しなくな
ったときのみ、検出スイッチの状態が切り換えられるような構成としても良い。
【0087】
検出穴28a1,28a2がそれぞれ本線経路A(22),A(23)まで到達するま
で、球切れ検出器28を収容凹部Dに挿入すると、収容凹部Dに形成された係止爪23e
が球切れ検出器28における挿入方向の後方端部を係止する。これにより、球切れ検出器
28を収容凹部Dにて確実に保持しておくことができる。係止爪23eは厚み方向に撓む
ことが可能であるため、球切れ検出器28を挿入する際には外側に撓んで、同挿入を許容
することができる。
【0088】
図16は、カバー部材24を筐体21に対して回動させることより、収容凹部Dを側方
外部に対して閉鎖させる直前の様子を示している。同図において、カバー部材24を回動
させることにより、固定面24b1,24b2は板状底面23a,22a上を摺動する。
レバー25dが突出する側の板状底面23aには半球ドーム状の凸状部23a1が厚み方
向に突設されている。一方、固定面24b1の内壁に凸状部23a1とほぼ同形状の凹み
を設けることにより、凹状部24b3が形成されている。そして、図2のように収容凹部
Dの開口が閉鎖面24aによって覆われるようにカバー部材24が回動すると、凸状部2
3a1と凹状部24b3とが厚み方向に重なって嵌合する。これにより、収容凹部Dの開
口が閉鎖面24aによって覆われる状態からカバー部材24が不用意に回動することを防
止することができる。
【0089】
凸状部23a1と凹状部24b3は本発明にいう第二の規制機構を構成し、凸状部23
a1と凹状部24b3との嵌合を解除してカバー部材24を回動させるためには固定面2
4b1と筐体21の板状底面23aとを厚み方向に離反させなければならない。カバー部
材24は合成樹脂で形成され可撓性を有しているため、固定面24b1は筐体21からわ
ずかに離反することが可能となっている。なお、レバー25dは固定面24b1よりも厚
み方向外側に突設されているため、レバー25dと固定面24b1とを干渉させることな
くカバー部材24を回動させることができる。また、カバー部材24の固定面24b1に
は切り欠き24cが形成されているため、切換レバー25のレバー軸部25aと固定面2
4b1とを干渉させることなくカバー部材24を回動させることができる。固定面24b
1における凹状部24b3が形成された部位の付近において、半球ドーム状の凸部24d
が厚み方向外側に向かって突設されている。
【0090】
図17は、切換レバー25と可動壁面27の動作を説明している。同図において、説明
のため第二の筐体部材23の図示は省略している。切換レバー25は突起25eが3時の
位置に形成されたストッパー22gに当接する位置に回動されており、このとき翼部25
cは12時の方向に配向し、レバー25dは9時の方向に配向している。一方、回動可能
に保持された可動壁面27は壁部27cの重みによって、壁部27cが下方に位置するよ
うに回動している。このとき、本線経路A(22),A(23)と球抜き経路Bとが開口
C(23),C(22)を介して接続し、上方から落下する遊技球は球抜き経路Bに導入
されることとなる。すなわち、レバー25dを9時の方向に回動させることにより、可動
壁面27は自重により第二の位置に移動し、球抜きを行うことが可能となる。
【0091】
これに対して、図18はレバー25dが6時の方向に配向する状態を示している。同図
において、突起25eが12時の位置に形成されたストッパー22gに当接している。す
なわち、突起25eの移動は12時および3時の位置に形成されたストッパー22g,2
2gによって制限されるため、切換レバー25はレバー25dが6時の方向から9時の方
向の間となる範囲においてのみ回動可能なっている。翼部25cは9時の方向に配向し、
同翼部25cの曲面状の先端が被押圧部27dの側面27d1に当接している。レバー2
5dが6時の方向から9時の方向となるように切換レバー25を回動させることにより、
翼部25cの先端と被押圧部27dの側面27d1とが摺接し、次第に9時の方向に配向
される翼部25cの先端によって、被押圧部27dの側面27d1が9時の方向の外側に
押し出され、可動壁面27に回転力が及ぼされることとなる。
【0092】
すると、可動壁面27は壁部27cの重みに抗して、壁部27cを上方に持ち上げるよ
うに回動させられる。そして、壁部27cの先端が本線経路A(22),A(23)を構
成する壁面に到達することにより、開口C(23),C(22)が壁部27cによって塞
がれる。このようにすることにより、上方から落下する遊技球を壁部27cによって本線
経路A(22),A(23)の下流部分に案内することができる。すなわち、レバー25
dを6時の方向に回動させることにより、可動壁面27は切換レバー25の作用により第
一の位置に移動し、本線経路A(22),A(23)にて遊技球を流通させることができ
る。従って、通常、パチンコ遊技機10を稼働させるときには、切換レバー25はレバー
25dが6時の方向に配向するように回動させられている。
【0093】
図19は、球抜きを行わない状態の球抜き装置20を側方から見て示している。同図に
おいて、切換レバー25はレバー25dが6時の方向に配向するように回動させられてい
る。このとき、固定面24b1から厚み方向外側に向かって突設された半球ドーム状の凸
部24dとレバー25dとが厚み方向に重なるように、凸部24dが形成されている。な
お、カバー部材24は閉鎖面24aによって収容凹部Dの開口を覆う位置に回動されてい
る。
【0094】
図20は、図19の状態におけるレバー25dと固定面24b1と筐体21との関係を
模式的に示している。同図において、レバー25dの幅方向中央部の厚みを薄く形成する
ことにより下面に凹部25d1を形成している。切換レバー25を回動することによりレ
バー25dは固定面24b1に対して平行に移動し、レバー25dが6時の方向に配向す
るとき、レバー25dと固定面24b1に形成された凸部24dとが厚み方向に重なって
いる。このとき、レバー25dはやや上方に撓みながら凹部25d1に凸部24dを侵入
させる。これにより、レバー25dと固定面24b1が係合し、レバー25dは回動位置
を安定して維持することができる。なお、凹部25d1と凸部24dとは本発明にいう第
一の規制機構に相当する。
【0095】
上述のとおり閉鎖面24aが収容凹部Dの開口を覆う位置にカバー部材24を回動させ
たとき、第二の規制機構としての凸状部23a1と凹状部24b3とが厚み方向に重なり
係合している。ここで、レバー25dが6時の方向に配向したままカバー部材24を回動
させようとしても第一の規制機構と第二の規制機構とが係合することにより、カバー部材
24を回動させることができない。第二の規制機構の係合を解除するように固定面24b
1を板状底面23aから離反させると、固定面24b1がレバー25dに接近し、凹部2
5d1と凸部24dによる第一の規制機構の係合が強化されることとなる。反対に、第一
の規制機構の係合を解除するように固定面24b1をレバー25dから離反させると、固
定面24b1が板状底面23aに接近し、凸状部23a1と凹状部24b3による第二の
規制機構の係合が強化されることとなる。
【0096】
このように、いずれの規制機構における係合を解除しようとすると、他方の係合が強化
される。従って、レバー25dが6時の方向に配向する状態、すなわち球抜きを行わない
パチンコ遊技機10の稼働時において、閉鎖面24aが収容凹部Dの開口を覆う位置から
カバー部材24が回動されることを防止することができる。従って、パチンコ遊技機10
の稼働時において不正に収容凹部Dの開口が開放され、球切れ検出器28に不正が加えら
れることを防止することができる。
【0097】
一方、レバー25dが6時の方向に配向しない状態、すなわち球抜き装置20にて球抜
きを行う状態において、第二の規制機構の係合を解除するように固定面24b1を板状底
面23aから離反することがレバー25dによって妨げられないため、カバー部材24を
回動することができる。すなわち、球抜きを行った状態においてはカバー部材24を回動
させて、球切れ検出器28のメンテナンス等を行うことができる。その際に、切換レバー
25とカバー部材24とを回動させれば良く、ネジ止め等を解除する必要もない。従って
、球抜き装置20の分解等に手間取ることなく、球切れ検出器28のメンテナンス等を容
易に行うことができる。また、球切れ検出器28のメンテナンス等を行うときには、第一
の規制機構および第二の規制機構によって予め球抜きが行われていることが担保されてい
るため、確実に遊技球が取り除かれた状態で球切れ検出器28のメンテナンス等を行うこ
とができる。
【0098】
また、図1に示すようにカバー部材24がパチンコ遊技機10の背面において幅方向外
側に配向するように取り付けられている。従って、球抜き装置20をパチンコ遊技機10
から取り外すことなく、カバー部材24を回動させ球切れ検出器28のメンテナンスを行
うことができる。むろん、パチンコ遊技機10の稼働時においてカバー部材24が球切れ
検出器28を保護することにより、球切れ検出器28にほこり等が侵入することを防止し
、同球切れ検出器28の誤動作を防止することができる。また、光電式スイッチを利用し
た球切れ検出器28を適用した場合には、遮光性のカバー部材24とすることによりノイ
ズ光を遮断し、球切れ検出器28の誤動作を防止することができる。
【0099】
さらに、球切れ検出器28は、収容凹部Dにおいて係止爪23eによって固定されてい
るため、係止爪23eを撓ませることにより容易に球切れ検出器28を球抜き装置20か
ら取り外すことができる。従って、球切れ検出器28を取り外して詳細に解析したり、球
切れ検出器28を交換したりする作業も容易に行うことができる。さらに、係止爪23e
はカバー部材24によって覆われる位置に形成されているため、パチンコ遊技機10の稼
働時において不正に球切れ検出器28が取り外されるようなこともない。
【0100】
(2)第二の実施形態:
図21は、第二の実施形態にかかる遊技機としてのパチロットを背面から見て示してい
る。同図において、パチロット110の背面側にはパチンコ遊技機10と同様にタンク1
14とタンクレール114aが備えられており、これらの下流には球抜き装置120が備
えられている。すなわち、パチロット110においても第一の実施形態と同様な構成とし
た球抜き装置120を取り付けることにより、メンテナンスの容易なパチロット110を
形成することができる。
【0101】
パチロット110は、パチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであり、その基
本構成としては、複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定
表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識
別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因し
て、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止
時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技
状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として遊技球を使用するとと
もに、上記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の遊技球を必要とし、特別遊技状
態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている。このように遊技媒体
として遊技球が使用される遊技機であれば、パチンコ遊技機やパチロットに限られず、本
発明が適用可能である。
【0102】
(3)まとめ:
本発明において、筐体21にカバー部材24を回動可能に取り付け、同カバー部材24
が回動することにより、球切れ検出器28が装着される収容凹部Dを開放/閉鎖させるこ
とができる。かかる構成により、ネジ止め等を解除することなく簡単に球切れ検出器28
のメンテナンスを行うことができる。収容凹部Dにおいて球切れ検出器28は係止爪23
eによって固定されているため、簡単に球切れ検出器28を取り外してメンテナンスする
ことができる。
【符号の説明】
【0103】
10…パチンコ遊技機
11…外枠
12…本体枠
13…遊技盤
14,114…タンク
14a,114a…タンクレール
15…払い出し装置
18…機構板
20,120…球抜き装置
21…筐体
22…第一の筐体部材
22c,23c,22d…軸受け
22f23f…軸突起
23…第二の筐体部材
23a1…凸状部
23e…係止爪
24…カバー部材
24a…閉鎖面
24b1,24b2…固定面
24b3…凹状部
24d…凸部
24e1,24e2…軸穴
25…切換レバー
25c…翼部
25d1…凹部
26…仕切板
27…可動壁面
28…球切れ検出器
110…パチロット
A…本線経路
B…球抜き経路
C…開口
D…収容凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の厚みを有する第一の筐体部材と第二の筐体部材とを厚み方向に重ね合わせること
により形成される筐体内部に、遊技球の本線経路と、切換機構によって同本線経路と連通
可能な球抜き経路とを有する球抜き装置を備える遊技機において、
上記球抜き装置は、
少なくとも互いに平行な一対の固定面、および、これらを連結する閉鎖面とから断面略コの字状に形成され、同一対の固定面によって上記筐体を厚み方向外側から挟み込むカバー部材と、
上記第一の筐体部材と、同第一の筐体部材に厚み方向外側から接触する上記固定面とを軸方向が同固定面に直交する回転軸にて回動可能に軸着する第一の軸受け機構と、
上記第二の筐体部材と、同第二の筐体部材に厚み方向外側から接触する上記固定面とを軸方向が同固定面に直交する回転軸にて回動可能に軸着し、上記第一の軸受け機構と回転軸の軸位置が一致する第二の軸受け機構と、
上記第一の軸受け機構と上記第二の軸受け機構において上記一対の固定面を所定の回動位置としたとき、上記カバー部材によって覆われる位置において上記筐体に着脱可能に収容されるとともに、上記本線経路を流通する遊技球を検知することにより球切れを検出する球切れ検出器とを具備することを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2010−240495(P2010−240495A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−177366(P2010−177366)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【分割の表示】特願2007−175936(P2007−175936)の分割
【原出願日】平成16年7月16日(2004.7.16)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】