説明

遊技機

【課題】基板ボックスに対する不正行為を好適に抑制することが可能な遊技機を提供すること。
【解決手段】主制御装置92の基板ボックス102は、表側構成体111と裏側構成体112とを備えている。表側構成体111と裏側構成体112とが組み合わされることによって筒部110が形成される。筒部110が主側取付台92の差込軸部109に差し込まれる。筒部110が差込軸部109に差し込まれた状態にて、破断ネジ180が筒部110及び差込軸部109に差し込まれ、差込軸部109と筒部110とが固定される。筒部110は、表側構成体111の表側筒形成部と、裏側構成体112の裏側筒形成部とが組み合わされることによって形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機としては、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機は、CPU(中央演算装置)や遊技に関わる制御プログラムが記憶されたROM等の電子部品が実装された制御基板を備えており、その制御基板によって一連の遊技が制御されている。なお、近年においては、CPUやROMが1チップ化されて制御基板に実装されたものもある。
【0003】
この種の遊技機においては、不正な利益を得ることを目的として、例えば、制御基板を不正に取り外して当該基板内のROM(CPUやROMが1チップ化されている場合は当該チップ)を交換して遊技内容を変更したり、リード線等により外部から不正な電気信号を制御基板に入力させたりする等の不正行為が数多く報告されている。
【0004】
このため、各種の不正対策が検討されている。不正対策の一例を示すと、基板ボックスを構成する複数のボックス構成体を透明に構成して制御基板の状態を外部から容易に視認できるようにする、基板ボックスに封印構造を持たせて基板ボックスの開封時には破壊等による開封履歴を残すようにする、又は、ボックス構成体の接合部に再貼付不可能な封印シールを貼付する等の不正対策が採用されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−180917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような不正対策が施されていても、未だに不正行為が行われているのが実状であり、前記封印構造や封印シール等を採用した制御基板装置であっても、不正の形跡が残らないようにして巧妙に基板ボックスを開封し、内部の制御基板に対して不正を施すといったことが行われている。したがって、基板ボックスに対する不正行為を抑制する上で未だ改善の余地がある。
【0007】
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、基板ボックスに対する不正行為を好適に抑制することが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、遊技に関する制御を行う制御基板と、内部空間が形成されており、その内部空間に前記制御基板が収容されている基板ボックスと、前記基板ボックスが取り付けられる取付部と、前記基板ボックスに設けられた第1係合部と、前記取付部に設けられ、前記第1係合部と係合される第2係合部と、を備え、前記基板ボックスは、第1ボックス構成体と第2ボックス構成体とを有し、前記第1係合部は、各係合部が係合されている状況において前記第1ボックス構成体と前記第2ボックス構成体との組み合わせ状態が解除されることがないように、前記第1ボックス構成体と前記第2ボックス構成体とが組み合わされることによって形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、基板ボックスに対する不正行為を好適に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】一実施の形態におけるパチンコ機の構成を示す前方から見た斜視図。
【図2】パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図。
【図3】パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図。
【図4】遊技盤の構成を示す正面図。
【図5】内枠の構成を示す背面図。
【図6】主制御装置の構成を示す斜視図。
【図7】主制御装置の構成を示す分解斜視図。
【図8】主制御装置の構成を示す分解斜視図。
【図9】(a)は表側構成体の正面図及び底面図、(b)は裏側構成体の正面図及び底面図。
【図10】表側構成体を裏側構成体に取り付ける場合の説明図。
【図11】表側構成体と裏側構成体とが組み合わせされた状態における部分断面図。
【図12】(a)は破断ネジの側面図、(b)は破断ネジの斜視図、(c)は表側結合部の平面図、(d)は表側結合部及び裏側結合部の断面図であり、破断部が破断する前の状態を示す説明図、(e)は図12(d)において破断部が破断した後の状態を示す説明図。
【図13】(a)は表側構成体の裏面図、(b)は表側構成体の底面図、(c)は裏側構成体の正面図。
【図14】(a)は基板ボックスを分解した状態の底面図、(b)及び(c)は筒部周辺の拡大図。
【図15】差込軸部に筒部を差し込む場合の説明図。
【図16】(a)は図15におけるA−A線部分断面図、(b)は基板ボックスにおける筒部を底面から視認した場合の説明図。
【図17】(a)は主側取付台の側面図、(b)は裏側構成体の正面図。
【図18】(a)は図17(a)において筒部が差し込まれた場合を示す断面図、(b)〜(d)は基板ボックスが回転する場合を示す説明図。
【図19】主制御装置が回動する場合の説明図。
【図20】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10を前方から見た斜視図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。
【0012】
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能(開閉可能)に取り付けられた遊技機本体12とを有している。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
【0013】
外枠11は、木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技場に設置される。なお、外枠11を合成樹脂やアルミニウム等の金属によって形成することも可能である。
【0014】
外枠11の一側部に遊技機本体12が回動可能に支持されている。具体的には、図1に示すように、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具21が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具22が設けられている。これら上側支持用金具21及び下側支持用金具22により支持機構が構成され、当該支持機構によって外枠11に対して遊技機本体12が回動可能に支持されている。
【0015】
遊技機本体12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能(開閉可能)に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として内枠13が前方へ回動可能とされている。
【0016】
内枠13には、前扉枠14が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には裏パックユニット15が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている。
【0017】
なお、遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことによりそれぞれ解除される。
【0018】
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
【0019】
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース31を主体に構成されている。樹脂ベース31の中央部には略楕円形状の窓孔32が形成されている。樹脂ベース31には遊技盤33が着脱可能に取り付けられている。遊技盤33は合板よりなり、遊技盤33の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース31の窓孔32を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
【0020】
ここで、遊技盤33の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤33には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口34、可変入賞装置35、作動口36、スルーゲート37及び可変表示ユニット38等がそれぞれ設けられている。一般入賞口34、可変入賞装置35及び作動口36に遊技球が入ると、それが図示しない検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤33の最下部にはアウト口39が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口39を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤33には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘40が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
【0021】
可変表示ユニット38には、作動口36への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット38には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。センターフレーム42の上部には、第1特定ランプ部43及び第2特定ランプ部44が設けられている。また、センターフレーム42の下部及び上部にはそれぞれ保留ランプ部45,46が設けられている。下側の保留ランプ部45は図柄表示装置41及び第1特定ランプ部43に対応しており、遊技球が作動口36を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部46は第2特定ランプ部44に対応しており、遊技球がスルーゲート37を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
【0022】
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
【0023】
遊技結果表示部(又は抽選結果表示部)として設けられた第1特定ランプ部43では、作動口36への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部44では、遊技球のスルーゲート37の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には作動口36に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となる。なお、これら第1特定ランプ部43及び第2特定ランプ部44の制御は、後述する主制御装置により行われる。
【0024】
可変入賞装置35は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置35の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置35が繰り返し開放されるものが一般的である。なお、可変入賞装置35の駆動制御は、後述する主制御装置により行われる。
【0025】
遊技盤33には、内レール部47と外レール部48とが取り付けられており、これら内レール部47と外レール部48とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構50から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構50は、図2に示すように、樹脂ベース31における窓孔32の下方に取り付けられている。そして、内枠13にパチンコ機10前方から操作可能に設けられたハンドル装置59が操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。
【0026】
内枠13の前面側を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1等に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部55が形成されている。窓部55は、略楕円形状をなし、窓パネル56が嵌め込まれている。窓パネル56は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成してもよい。窓部55の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。また、左上及び右上の位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部が設けられている。
【0027】
前扉枠14における窓部55の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部57と下側膨出部58とが上下に並設されている。上側膨出部57内側には上方に開口した上皿57aが設けられており、下側膨出部58内側には同じく上方に開口した下皿58aが設けられている。上皿57aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿58aは、上皿57a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
【0028】
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。図5は、内枠13の背面図である。
【0029】
図5に示すように、内枠13(遊技盤33)の背面には、主制御装置ユニット61及び音声ランプ制御装置ユニット65が搭載されている。これらのうち主制御装置ユニット61の具体的な構成については、後に詳細に説明する。
【0030】
音声ランプ制御装置ユニット65は、音声ランプ制御装置66と、取付台67とを具備する構成となっており、取付台67上に音声ランプ制御装置66が装着されている。音声ランプ制御装置66は、主制御装置ユニット61に搭載された主制御装置92からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス68に収容されて構成されている。
【0031】
裏パックユニット15は、図3に示すように、裏パック71を備えており、当該裏パック71に対して、払出機構部72及び制御装置集合ユニット73が取り付けられている。なお、裏パック71は透明性を有する合成樹脂により形成されており、主制御装置ユニット61の一部や音声ランプ制御装置ユニット65などを後方から覆うように、後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部75を有している。
【0032】
払出機構部72は、保護カバー部75を迂回するようにして配設されており、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク77と、当該タンク77に貯留された遊技球を払い出すための払出装置78と、を備えている。払出装置78より払い出された遊技球は、当該払出装置78の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿57a又は下皿58aに排出される。また、払出機構部72には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
【0033】
制御装置集合ユニット73は、払出制御装置82と電源・発射制御装置83とを備えている。これら払出制御装置82と電源・発射制御装置83とは、払出制御装置82がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
【0034】
払出制御装置82は、払出装置78を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。電源・発射制御装置83は、電源・発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者によるハンドル装置59の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
【0035】
遊技盤33の裏面において主制御装置ユニット61の上方には、図5に示すように、音声ランプ制御装置ユニット65が設置されている。主制御装置ユニット61は、音声ランプ制御装置ユニット65と前後方向に重なることなく設置されている。
【0036】
主制御装置ユニット61は、裏パックユニット15が閉鎖位置に配置されている状態において、保護カバー部75によって一部が覆われている。主制御装置ユニット61は、裏パックユニット15が開放位置に配置されている状態において、当該主制御装置ユニット61の正面側が開放されている。なお、裏パックユニット15が閉鎖位置に配置されている状態では、主制御装置ユニット61の全体が保護カバー部75により覆われる構成としてもよく、主制御装置92の全体が保護カバー部75により覆われない構成としてもよい。
【0037】
主制御装置ユニット61の構成を、図6、図7及び図8を参照しながら説明する。図6は主制御装置ユニット61の斜視図、図7は主制御装置ユニット61を一方からみた場合の分解斜視図、図8は主制御装置ユニット61を他方からみた場合の分解斜視図である。
【0038】
主制御装置ユニット61は、主制御装置92を備えている。主制御装置92は、主制御基板101と基板ボックス102とを備えており、当該基板ボックス102内に主制御基板101が収容されて構成されている。
【0039】
主制御基板101は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM等を備えている。本実施の形態では、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されている。なお、詳細な説明は省略するが、主制御基板101は、入出力ドライバ用ICチップ及びラッチ用ICチップを備えている。また、主制御基板101は、コンデンサや抵抗などの各種素子や複数のコネクタを備えている。
【0040】
主制御基板101は、CPUチップなどの各種素子やコネクタを全て同一の板面上に備えている。CPUなどの各種素子やコネクタは、その逆側の板面にて半田付けされている。つまり、主制御基板101は、一方の板面が素子搭載面103となっており、他方の板面が半田面104となっている。なお、半田面104とは、素子搭載面103に搭載される各種素子の半田付け部分が設けられる面であるが、当該半田面104に対して回路パターンが形成されていてもよい。また、両板面が素子搭載面として構成されていてもよい。
【0041】
主制御装置ユニット61は、主側取付台105を備えている。主側取付台105は、合成樹脂製であり全体に無色透明となっている。主側取付台105は、図7に示すように、主制御装置92が設置される搭載領域106が形成されたベース部107を備えている。
【0042】
ベース部107には、左右方向の一端側に張り出すようにして設けられた上張出部107aと、上張出部107aの下方に位置する下張出部107bと、が設けられている。各張出部107a,107bにはそれぞれ下側に向けて突出した上側支軸107c及び下側支軸107dがそれぞれ形成されている。各支軸107c,107dは、それぞれ同一軸線上に位置するように設けられている。
【0043】
内枠13の背面には、各支軸107c,107dが差し込まれる上軸受部33aと下軸受部33bとが設けられている(図5参照)。主側取付台105を取り付ける場合、ベース部107における各支軸107c,107dを各軸受部33a,33bに差し込む。この状態にて主側取付台105は、各支軸107c,107dが各軸受部33a,33bに軸支された状態にて回動可能となっている。
【0044】
なお、下側支軸107dには、係止爪が設けられている(図示略)。その係止爪が下軸受部33bに引っ掛かることにより、下側支軸107dが下軸受部33bから抜けることが抑制されている。具体的には、下軸受部33bの下側支軸107dを収容する箇所には、上円孔部と、上円孔部よりも拡径された下円孔部と、が形成されている(図示略)。下円孔部は、上孔部に連続するようにして、上孔部の下方に設けられている。下側支軸107dの係止爪は、下側支軸107dが下軸受部33bに差し込まれた場合に、差込方向と交差する方向に突出し、その突出した状態にて下円孔部に入り込む。このため、係止爪と、各孔部の径が異なることにより形成される段差部とが、下側支軸107dが抜ける方向に係止される。これにより、下側支軸107dの抜けが防止されている。この結果、内枠13から主側取付台105が取り外されることを防止できる。主側取付台105が回動する場合、係止爪は、下孔部内にて移動する。これにより、係止爪により主側取付台105の回動が阻害されることがなくなる。
【0045】
ベース部107には、内枠13に主側取付台105を取り付けるための取付孔108が複数箇所に設けられている。取付孔108には、ベース部107の搭載領域106と反対側の面が内枠13に沿うように主側取付台105を回動させた状態にて、ネジ部材等の着脱可能な固定具が通される。取付孔108に固定具が通されることにより、主側取付台105が、回動することがないように内枠13に取り付けられている。この結果、主制御装置92は、搭載領域106に取り付けられた状態にて内枠13とは反対側を向いている。主側取付台105をパチンコ機10に軸支させた後に、当該主側取付台105を固定することは、主制御装置ユニット61の荷重が過度に上記固定具にかかることを抑制するための工夫である。
【0046】
なお、主側取付台105を内枠13から着脱可能としてもよい。この場合、各支軸105c,107dが、各軸受部33a,33bから抜けるようにしておけばよい。
【0047】
また、主側取付台105は、固定具を取り外すことにより、内枠13に対して回動させることが可能となるが、主側取付台105を内枠13に回動不可な状態にて取り付けるようにしてもよい。この場合、主側取付台105の固定具として、その固定状態の解除を不可とするものを用いればよい。
【0048】
下張出部107bには、差込軸部109が設けられている。差込軸部109は、下張出部107bから上方に突出するようにして当該下張出部107bに一体形成されている。主制御装置92には、筒部110が設けられている。筒部110は、その下方が開放されている。筒部110の下方から差込軸部109が差し込まれることにより、主側取付台105に対して主制御装置92が回動可能な状態で支持される。
【0049】
筒部110は、主制御装置92の左右方向の一端側(左側)に張り出した位置にて、上下方向に延びている。筒部110を主制御装置92から張り出して設けたことにより、筒部110を形成するために、基板ボックス102内における主制御基板101を収容するスペースが制限されることを抑制している。
【0050】
差込軸部109は、下側支軸107dよりも内枠13の背面から離間して設けられているとともに、下側支軸107dよりも左右方向にみて内枠13の中央側にずれて設けられている。これは、筒部110が差込軸部109に差し込まれた場合に、主制御装置92の荷重が過度に差込軸部109及び筒部110にかかることを抑制するための工夫である。つまり、主制御装置92の荷重を、各支軸107c,107d及び各軸受部33a,33bと、差込軸部109及び筒部110と、に分散する効果が期待される。差込軸部109が、下側支軸107dよりも内枠13の背面から離間している構成とした。これは、各支軸107c,107d及び各軸受部33a,33bによって主制御装置92の回動が阻害されることを防止するための工夫である。
【0051】
主側取付台105の各張出部107a,107bが設けられている端部の反対側には、主制御装置92を取り付ける台側取付部105aが設けられている。具体的には、主制御装置92には、台側取付部105aに取り付けられる装置側取付部92aが設けられている。本パチンコ機10では、装置側取付部92aとしてナイラッチ(登録商標)が使用されており、主制御装置92が台側取付部105aに着脱可能に取り付けられている。各取付部92a,105aを設けたことにより、パチンコ機10の輸送の際等に、意図せず主制御装置92が回動し、主制御装置92が破損することを防止している。
【0052】
台側取付部105aに装置側取付部92aが取り付けられた状態では、主側取付台105における取付孔108が主制御装置92に覆われている。つまり、主側取付台105の内枠13に対する固定箇所は、主制御装置92によって後方から覆われている。これは、主側取付台105の取付箇所に不正にアクセスされることを抑制するための工夫である。なお、主側取付台105の裏面側には、パチンコ機10に設置された状態にて取付孔108を形成している箇所を上下方向及び左右方向から隠す覆部が設けられている。これにより、主制御装置92によって取付孔108が覆われている状態にて主側取付台105の裏面側から取付孔108に直接アクセスされることを防止できる。
【0053】
次に、基板ボックス102の構成について説明する。基板ボックス102は、複数のケース体として、表側構成体(ボックスカバー)111と裏側構成体(ボックスベース)112とを備えている。これら表側構成体111及び裏側構成体112は、透明性を有する合成樹脂材料により形成されている。これにより、基板ボックス102内に収容された主制御基板101の素子搭載面103を基板ボックス102の外部から視認可能となっている。具体的には、各構成体111,112は、無色透明のポリカーボネート樹脂により形成されているが、これに限定されることはなく、アクリル樹脂等であってもよい。
【0054】
基板ボックス102は、各構成体111,112が組み合わされることにより、四角箱状(略直方体形状)に形成され、所定の内部空間を有している。詳細には、表側構成体111は、図7に示すように、当該表側構成体111の周縁を規定するように延びる表側周縁部113と、当該表側周縁部113から表側周縁部113を塞ぐようにして形成された表側壁部114とが一体形成されている。これら表側周縁部113と表側壁部114とにより、表側構成体111は表側周縁部113の延出側とは反対側に開放された略直方体形状をなしている。また、表側構成体111は正面視で略長方形状をなしている。
【0055】
なお、詳細な説明は省略するが、表側構成体111の表側壁部114には、主制御基板101に設けられたコネクタを基板ボックス102の外部に露出させるための開口部や、放熱用の開口部や、主制御装置92のRAMに記憶された情報を消去するためのRAM消去スイッチを操作するための開口部が形成されている。表側構成体111にはその背面側から主制御基板101がネジ固定されている(所定の工具を用いて着脱可能な状態で取り付けられている)。表側構成体111への主制御基板101のネジ固定は、主制御基板101の半田面104側から行われており、主制御基板101の素子搭載面103に搭載された各種素子は、主制御基板101と表側構成体111との間の領域内に収容されている。ちなみに、表側壁部114の裏面側には主制御基板101に向けて延びる囲み壁部が形成されており、表側構成体111と主制御基板101との間の空間において主制御基板101のCPUチップは囲み壁部により周囲が囲まれている。
【0056】
主制御基板101が一体化された表側構成体111に対して、裏側構成体112が取り付けられている。裏側構成体112は、平面状に形成された裏側壁部116と、当該裏側壁部116の周縁を囲むようにして形成された裏側周縁部117と、が一体形成されてなる。裏側構成体112は、正面視で四角形状、具体的には長方形状をなす略板状に形成されている。
【0057】
表側構成体111に対してその裏面側から裏側構成体112が取り付けられている。表側構成体111の表側周縁部113と裏側構成体112の裏側周縁部117とが重なっており、表側壁部114の裏面側への開放部分が裏側構成体112の裏側壁部116により閉塞される。つまり、表側壁部114と裏側壁部116とが対向している。
【0058】
主制御基板101は、対向する表側壁部114と裏側壁部116とに挟まれている。主制御基板101の半田面104は、表側構成体111が裏側構成体112に取り付けられた状態にて、裏側構成体112により覆われている。主制御基板101の素子搭載面103はその全体が表側壁部114と対向しており、主制御基板101の半田面104はその全体が裏側壁部116と対向している。
【0059】
上記構成の主制御装置92が、主側取付台105に取り付けられている。主制御装置92は、主側取付台105に取り付けられた状態にて裏側構成体112の裏面が主側取付台105側を向いている。
【0060】
ここで、表側構成体111と裏側構成体112とを組み付ける構成について図9及び図10を用いて説明する。図9(a)は表側構成体111の正面図及び底面図であり、図9(b)は裏側構成体112の正面図及び底面図である。図10は表側構成体111を裏側構成体112に取り付ける場合の説明図である。
【0061】
両構成体111,112の組付に係る構成としては、両構成体111,112の相対移動を特定の規制方向のみに規制する規制手段と、両構成体111,112を相互に固定する固定手段と、を備えている。
【0062】
先ず、規制手段について詳細に説明する。裏側周縁部117には、レール119が設けられている。レール119は、裏側周縁部117の長辺に沿うように、各長辺のそれぞれに設けられている。各レール119の溝は、略コの字状をなしており、互いに向き合うように形成されている。各レール119の溝は、レール119が延びる方向の内側を向いている。すなわち、各レール119は、当該レール119が向かい合う方向に開放されている。また、レール119の延びる方向にみて基板ボックス102の回動中心側が開放されている。
【0063】
レール119に対応させて表側構成体111の上下の各長辺部には、レール差込部120が形成されている。レール差込部120は、表側周縁部113の長辺に沿うように、各長辺のそれぞれに設けられている。各レール差込部120は、表側周縁部113から当該各レール差込部120が互いに遠ざかる方向に突出した突条である。
【0064】
図10に示すように、各レール差込部120が、向き合うレール119における上記回動中心側の開放された側からそれぞれ差し込まれる。この場合、レール差込部120がレール119に沿って移動することにより、裏側構成体112に対して表側構成体111をスライド移動させることが可能となる。
【0065】
スライド方向と異なる方向におけるレール119とレール差込部120との間には、隙間がない又はほとんどないように設定されている。これにより、表側構成体111と裏側構成体112とは、組み合わされた状態にて前後方向及び上下方向に移動しない又はほとんど移動しないように設定されている。つまり、レール119及びレール差込部120は、スライド方向と直交する方向に各構成体111,112が移動することを規制している。これにより、裏側構成体112に対して表側構成体111が差し込まれた状態にて、表側構成体111と裏側構成体112とがスライド方向と異なる方向に移動することを防止できる。
【0066】
表側構成体111を差し込むスライド方向の手前側の短辺及び裏側構成体112のスライド方向の手前側の短辺には、それぞれレール差込部120の差込量を規定するための位置決め部が設けられている。
【0067】
図7に示すように、裏側構成体112の位置決め部として、裏側構成体112の短辺には、スライド方向に向けて貫通した貫通孔121が設けられている。貫通孔121は、裏側構成体112の短辺に沿って複数分散して設けられている。具体的には、貫通孔121は、裏側構成体112における筒部110を形成する部材が設けられている位置を避けて設けられている。
【0068】
図8に示すように、表側構成体111の位置決め部として、表側構成体111の短辺には、貫通孔121に対応して位置決め凸部122が設けられている。つまり、位置決め凸部122は、表側構成体111における筒部110を形成する部材が設けられている位置を避けて、表側構成体111の短辺に沿って複数分散して設けられている。位置決め凸部122は、表側構成体111のスライド方向の手前側の短辺を規定する表側周縁部113から立ち上がって設けられているとともに、立ち上がった先端部からスライド方向に向けて折れ曲がって延びている。つまり、位置決め凸部122は、L字状に延びている。
【0069】
レール119に沿ってレール差込部120が差し込まれた場合、L字状に形成された位置決め凸部122の一辺(スライド方向に向けて折れ曲がって延びる部位)が貫通孔121に差し込まれるとともに、他辺(表側周縁部113から立ち上がった部位)が裏側構成体112の裏側周縁部117に当接する。位置決め凸部122の一辺が貫通孔121に差し込まれることにより、表側構成体111及び裏側構成体112のそれぞれが離間することを防止している。つまり、貫通孔121及び位置決め凸部122によって、裏側構成体112から表側構成体111が浮き上がることが防止されている。
【0070】
なお、本実施の形態では貫通孔121及び位置決め凸部122のそれぞれは、各構成体111,112におけるスライド方向の手前側の短辺に沿って、それぞれ4箇所ずつ設けられているが、貫通孔121及び位置決め凸部122が設けられている数を変更してもよく、貫通孔121及び位置決め凸部122が少なくとも1箇所ずつに設けられていればよい。
【0071】
基板ボックス102には、表側構成体111と裏側構成体112とがずれることがないように位置決めをする上で特徴的な構成がさらに設けられている。以下、かかる構成について図9に加え図11を用いて説明する。図11は、表側構成体111と裏側構成体112とが組み合わされた状態の部分断面図である。
【0072】
裏側構成体112における表側構成体111のスライド方向の奥側には、表側構成体111の一部を収容する収容部123が設けられている。収容部123は、向かい合うレール119に挟まれて、裏側壁部116に設けられている。そして、表側構成体111がスライド移動され、レール119とレール差込部120とが結合された場合、表側構成体111の一部が収容部123に収容される。
【0073】
収容部123は、裏側壁部116の各短辺における端部において立ち上がった(厚み方向に立ち上がった)側壁部125と、その側壁部125の立ち上がった先端部で各側壁部125間を繋ぐようにして延びる覆壁部127と、を備えている。つまり、覆壁部127は、裏側壁部116と対向して、すなわち裏側壁部116を覆うようにして設けられている。収容部123は、側壁部125及び覆壁部127によって囲まれた領域をスライド方向の奥側から閉鎖する閉鎖壁部130を備えている。これにより、収容部123は、スライド方向の手前側が開放された略箱状(略直方体状)をなしている。
【0074】
表側構成体111のスライド方向の奥側には、収容部123に差し込まれた状態にて、収容部123と対向する対向部133が形成されている。対向部133には、対向側延出壁部134と対向側閉鎖壁部135とが設けられている。対向側延出壁部134は、表側構成体111の表側周縁部113及び表側壁部114に沿うようにして、スライド方向の奥側に向かって延びている。対向側閉鎖壁部135は、スライド方向の奥側を閉鎖するようにして対向側延出壁部134から連続して延びている。以下、対向側延出壁部134における表側構成体111の厚み方向を向いた部位を、前後対向壁部136ともいう。
【0075】
前後対向壁部136は、表側周縁部113と段差を形成するようにして延びている。具体的には、表側周縁部113の反裏側壁部116側の端部よりも裏側構成体112側から延びている。これにより、表側周縁部113と前後対向壁部136とによって表側周縁部113に段差面113aが形成されている。
【0076】
収容部123に対向部133が差し込まれることにより、裏側構成体112が外側に位置するように、かつ、表側構成体111が内側に位置するように、各構成体111,112が重なり合って対向する。表側構成体111が裏側構成体112に差し込まれた状態、つまり収容部123に対向部133が差し込まれた状態では、表側周縁部113及び収容部123の正面側の端面が面一となっている。
【0077】
詳細には、図11に示すように、収容部123における覆壁部127は、対向部133の対向側延出壁部134における前後対向壁部136と重なり合っている。収容部123における閉鎖壁部130は、対向部133における対向側閉鎖壁部135と重なり合っている。具体的には、図9に示す領域Sの範囲において収容部123の内部に対向部133が収容されるように、覆壁部127及び前後対向壁部136と、閉鎖壁部130及び対向側閉鎖壁部135と、がそれぞれ重なり合っている。覆壁部127と前後対向壁部136とが対向することにより、各構成体111,112が厚み方向に位置ずれすることを抑制し、裏側構成体112から表側構成体111が浮き上がることを防止している。
【0078】
以上の結果、収容部123と対向部133とが対向している箇所においては、表側構成体111と裏側構成体112とが上下方向及び厚み方向(前後方向)にずれることが防止される。
【0079】
収容部123に対向部133が差し込まれた状態では、覆壁部127のスライド方向とは反対側の端面が、段差面113aと当接している。ここで、表側周縁部113と収容部123との隙間から不正具を基板ボックス102の内部に侵入させようとする不正行為が想定される。本実施の形態では、当該隙間から不正具が侵入された場合、その不正具が前後対向壁部136に到達する。この場合、前後対向壁部136が返し部として機能し、不正具をそれ以上内部に侵入されることを防止できる。
【0080】
表側周縁部113と、収容部123の外周と、の境界部が面一となる構成とした。これにより、表側構成体111における収容部123に覆われる部位と、覆われない部位との境界部にて収容部123が変形されにくくなる効果が期待される。つまり、収容部123を変形させようとして収容部123に外力を加えたとしても、その外力が収容部123を変形させる方向に伝わりにくくすることができる。
【0081】
なお、覆壁部127及び前後対向壁部136と、閉鎖壁部130及び対向側閉鎖壁部135と、がそれぞれ当接した状態にて重なるようにしてもよい。この場合、重なり合った状態にて隙間が形成されることを抑制し、基板ボックス102内部にアクセスされることを抑制する効果を高めることができる。
【0082】
以下、表側構成体111と裏側構成体112との固定手段について説明する。図6に示すように、固定手段として、第1固定部150と第2固定部155とが設けられている。第1固定部150及び第2固定部155のうちの一方は、基板ボックス102における一の短辺部に設けられているとともに、他方は前記一の短辺部と対向する短辺部に設けられている。詳細には、第1固定部150は各構成体を差し込む場合にスライド移動させるスライド方向の奥側に設けられているとともに、第2固定部155は上記スライド方向の手前側に設けられている。
【0083】
第1固定部150は、表側構成体111に一体形成された第1表側固定領域158と、裏側構成体112に一体形成された第1裏側固定領域159と、を備えている。第1表側固定領域158には、対向側閉鎖壁部135からスライド方向の奥側に向けて板状に延びる固定板部160が設けられている。収容部123における閉鎖壁部130には、スライド方向に貫通した収容側貫通孔163が設けられている。固定板部160は、収容側貫通孔163を貫通することにより、収容部123よりもスライド方向の奥側に、すなわち、対向側閉鎖壁部135から基板ボックス102外側に向かって延びている。
【0084】
収容部123における収容側貫通孔163よりも主側取付台105側には、固定板部160に対応した受け板部165が設けられている。受け板部165は、表側構成体111と裏側構成体112とが組み合わされた状態にて固定板部160と厚み方向に重なり合うように閉鎖壁部130から延びている。
【0085】
固定板部160と受け板部165とには、重なり合った状態にて基板ボックス102の厚み方向に連通した連通孔を形成するように、それぞれ固定側連通孔167a、受け板側連通孔167bが設けられている。各連通孔167a,167bが連通された状態にてネジ部材が通され、ネジ部材と受け板側連通孔167bとがネジ結合される。これにより、第1固定部150にて表側構成体111と裏側構成体112とが固定される。また、各連通孔167a,167bは、それぞれ短辺が延びる方向にみて両端側に1箇所ずつ設けられている。つまり、第1固定部150では、表側構成体111と裏側構成体112とが2箇所にて固定されている。なお、第1固定部150にて固定される箇所は2箇所に限定されるものではなく、第1固定部150において表側構成体111と裏側構成体112とが1箇所にて固定されていてもよいし、3箇所以上にて固定されていてもよい。
【0086】
次に、第2固定部155について説明する。第2固定部155には、表側構成体111に一体形成された第2表側固定領域170と、裏側構成体112に一体形成された第2裏側固定領域171と、が設けられている。第2表側固定領域170には、短辺部の両端側に複数(具体的には、2個)の表側結合部173が並設されているとともに、第2裏側固定領域171には、それら表側結合部173に1対1で対応させて裏側結合部174が並設されている。
【0087】
表側結合部173には、基板ボックス102の厚み方向に貫通する表側貫通孔175が形成されている。裏側結合部174には、裏側連通孔177が形成されている。裏側連通孔177にはネジ溝が形成されており、表側貫通孔175及び裏側連通孔177に破断ネジ180が通され、裏側連通孔177と破断ネジ180とがネジ結合されている。破断ネジ180とは、装着作業と取り外し作業とを比較した場合、後者の方が困難となるものであり、一旦装着された後には、固定対象及び自身の少なくともいずれかの破壊を伴うことなくその取り外しが不可とされるものである。裏側連通孔177と破断ネジ180とがネジ結合されることにより、表側結合部173が破断ネジ180と裏側結合部とによって締結される。破断ネジ180を用いたことにより、表側構成体111と裏側構成体112とが離脱困難な状態で連結される。
【0088】
破断ネジ180は、複数設けられた表,裏側結合部173,174の組み合わせのうち一部(具体的には1組)のものに差し込まれており、残りの表,裏側結合部173,174の組み合わせには破断ネジ180が差し込まれていない。破断ネジ180が差し込まれていない表,裏側結合部173,174は、基板ボックス102を開放した後に再び固定する場合に用いるものである。
【0089】
本実施の形態では、破断ネジ180及び表側結合部173に特徴的な構成を有しており、破断ネジ180の一部が破断することにより、破断ネジ180の取り外し作業が困難なものとなる。以下、破断ネジ180の構成について説明する。図12(a)は破断ネジ180の側面図であり、図12(b)は破断ネジ180の斜視図である。
【0090】
破断ネジ180は、金属材料によって形成されており、ドライバなどの工具の先端を差込可能な頭部190を有する領域と、ネジ溝が形成された軸部193を有する領域と、を備えている。破断ネジ180は、これら両領域が破断部195によって連結されてなる。なお、破断ネジ180を合成樹脂材料によって形成することも可能である。
【0091】
頭部190は、円柱形状を有しており、第1頭部形成部190aと第2頭部形成部190bとからなる。第1頭部形成部190aは、その頂部にドライバ等の工具が差し込まれる操作溝が設けられているとともに、平坦状に延びている。操作溝は、頭部190において軸部193とは反対側の面に設けられている。操作溝にドライバ等が差し込まれた状態にてそのドライバ等を回転させることにより、軸部193をその軸線を中心として回転させることができる。第2頭部形成部190bは、第1頭部形成部190aから連続して軸部193側に延びているとともに、第1頭部形成部190aよりも縮径されている。なお、頭部190は工具の先端が差し込まれその工具が操作されることにより破断ネジ180による螺着が行われるため、頭部190を「操作部190」と称することも可能である。
【0092】
軸部193には、上記のとおりネジ溝が形成されており、頭部190に対するドライバによる操作に伴って回転することで、締結対象に形成されたネジ孔内に入り込む。軸部193には、当該ネジ溝の一部を形成するようにして図示しない突起が形成されているとともに、当該突起は一連のネジ溝に沿って断続的に多数形成されている。かかる突起が締結対象のネジ孔に食い込むことにより、高いゆるみ止め効果が得られる。
【0093】
破断部195はその強度が他の部位よりも低く設定されたものであり、それ以上締めることができない位置において頭部190に対して上記工具によりさらに所定以上の力(トルク)を加えることにより、上記破断部195が切断され、頭部190側の領域と軸部193側の領域とが分離されるものである。つまり、破断ネジ180は、螺着後(切断後)において、上記工具を用いて緩める方向へ回転させることを不可とするものである。
【0094】
詳細には、頭部190側には、頭部190(第2頭部形成部190b)を一端として軸部193側に延びるとともに、頭部190側から軸部193側に延びるにつれその径方向の大きさが縮小される頭部側絞部198aが設けられている。破断部195の軸部193側には、軸部193側を一端として頭部190側に延びるとともに、軸部193側から頭部190側に延びるにつれその径方向の大きさが縮小される軸部側絞部198bが設けられている。
【0095】
なお、軸部側絞部198bは、軸部193との境界から頭部190側になるにつれ頭部側絞部198aの最大径と同一の径となるまで拡径されており、さらに、頭部側絞部198aと同径となった部位から破断部195に向けて縮径されている。
【0096】
各絞部198a,198bの縮小された側となる互いに向き合う端部は連続しており、その連続箇所が破断部195となっている。すなわち、破断部195は、他の部位よりも径が小さく形成されていることにより、その強度が他の部位よりも低くなっている。このように破断部195を設けることにより、それ以上締めることができない位置において頭部190に対して上記工具によりさらに所定以上の力を加えた場合に、破断部195が切断され易くなっている。
【0097】
破断ネジ180における軸部193よりも反頭部190側には、ネジ溝が形成されていない先端部200が形成されている。つまり、軸部193は、破断部195と先端部200とに挟まれて設けられている。
【0098】
次に、破断ネジ180が差し込まれる表側結合部173及び裏側結合部174について図12(c)〜(e)を用いて説明する。図12(c)は表側結合部173の平面図であり、図12(d)、(e)は表側結合部173及び裏側結合部174を組み合わせた状態における部分断面図であり、図12(d)は破断部195が破断する前の状態を示しており、図12(e)は破断部195が破断した後の状態を示している。
【0099】
上述したように表側結合部173には表側貫通孔175が形成されており、表側結合部173は円筒状となっている。表側貫通孔175には軸線方向に複数の突出部が形成されており、これら突出部によって表側貫通孔175内において頭部190の位置が規定されている。ちなみに表側貫通孔175の孔径は、破断ネジ180の第1頭部形成部190aの外径よりも大径となるように形成されている。
【0100】
表側貫通孔175内における突出部として、破断ネジ180の差込側に設けられた差込側突出部202と、差込側突出部202よりも破断ネジ180の差込方向の下流側に位置する下流側突出部204と、が設けられている。各突出部202,204は、表側貫通孔175を規定する表側結合部173の内周面から表側貫通孔175の中央に向かって延びている。なお、図12(d)、(e)における差込側突出部202については、手前側の端面のみを記載している。
【0101】
下流側突出部204は、表側結合部173の内周面に等間隔に位置するように複数箇所に設けられている。具体的には、下流側突出部204は、4箇所に設けられており、1の下流側突出部204が設けられている位置の反対側に、その他の1の下流側突出部204が対向するようにして設けられている。その複数の下流側突出部204に保持されるようにして、表側貫通孔175には破断ネジ180における軸部193が通される通し部206が設けられている。
【0102】
通し部206には、軸部193が通されるように貫通した通し孔208が形成されている。通し部206の径は、軸部側絞部198bにおける軸部193側の端部とほぼ同じ径となっている。軸部側絞部198bの軸部193側の端面と、通し部206の頭部190側の端面と、が当接するまで軸部193が通し孔208に差し込まれる。
【0103】
下流側突出部204よりも破断ネジ180の差込側には、下流側突出部204及び表側結合部173の内周面から連続した連続突出部211が設けられている。連続突出部211は、差込側突出部202に向かって延びている。連続突出部211は、表側結合部173の内部にて等間隔に4箇所に設けられており、1の連続突出部211とその他の1の連続突出部211とが対向するようにして設けられている。
【0104】
連続突出部211が対向することにより形成される隙間に、破断ネジ180における軸部側絞部198bから第2頭部形成部190bの一部までの領域が入り込む。ここで、軸部193の軸線方向と直交する方向への連続突出部211の突出している突出量が、連続突出部211が対向している領域に第1頭部形成部190aが入り込むことがないよう設定されている。つまり、連続突出部211が対向することにより形成される隙間は第1頭部形成部190aの径よりも小さく、連続突出部211が形成されている領域よりも下流側突出部204側に第1頭部形成部190aが入り込むことを防止している。
【0105】
差込側突出部202は、連続突出部211よりも表側結合部173の内側への突出量が小さく(若干小さく)なるように設けられている。差込側突出部202は、表側結合部173の内部に等間隔に位置するように複数箇所に設けられている。具体的には、差込側突出部202は、4箇所に設けられており、1の差込側突出部202が設けられている位置の反対側に、その他の1の差込側突出部202が対向するようにして設けられている。差込側突出部202と下流側突出部204及び連続突出部211とは、軸部193の軸線方向に対向することがないように表側結合部173の周方向に位置ずれしている。
【0106】
本構成であることにより、通し部206の軸線方向と直交する方向にて、差込側突出部202及び下流側突出部204が設けられていない箇所には、軸線方向に貫通した隙間が形成される。つまり、各突出部202,204が表側結合部173の内周面に分散されて突出していることにより、表側貫通孔175が軸線方向に貫通している。
【0107】
差込側突出部202は、下流側突出部204側になるにつれ、軸部193の軸線方向と直交する方向への突出量が大きくなっている。つまり、差込側突出部202の反連続突出部211側の面には、なだらかに通し部206の軸線中心に向かう傾斜が形成される。差込側突出部202の突出量が変化することにより、差込側突出部202の先端部には軸線方向に肉薄となった部位が形成されている。
【0108】
差込側突出部202の突出量は、差込側突出部202が対向することにより形成される隙間が第1頭部形成部190aの径よりも小さくなるように設定されている。ここで、破断ネジ180を通し孔208に差し込む場合について説明する。破断ネジ180を差し込む場合、上記隙間が第1頭部形成部190aよりも小さいことにより、差込側突出部202の反連続突出部211側の面に第1頭部形成部190aが当接する。当該面に第1頭部形成部190aが当接した場合、差込側突出部202は、第1頭部形成部190aに押圧されることにより、連続突出部211側に向かって弾性変形する。具体的には、差込側突出部202の突出量が変化することにより形成される肉薄となった部位が弾性変形する。このため、上記隙間が第1頭部形成部190aの径よりも小さいとしても、差込側突出部202よりも連続突出部211側に第1頭部形成部190aを差し込むことができる。
【0109】
第1頭部形成部190aが差込側突出部202よりも連続突出部211側に移動した場合には、差込側突出部202に加えられていた押圧が解除され、差込側突出部202の復元力によって差込側突出部202が弾性変形していない状態に戻る。差込側突出部202の弾性変形が解除された場合、頭部190が差込側突出部202よりも表側結合部173の外部に移動しようとしても、頭部190の反軸部193側の周縁部が差込側突出部202の軸部193側の面にて係合されることにより、頭部190が差込側突出部202よりも反軸部193側に移動することが規制される。
【0110】
本パチンコ機10では、差込側突出部202の軸部193側の面は、頭部190の反軸部193側の面と略並行に延びる平面状をなしている。つまり、頭部190の反軸部193側の面と、差込側突出部202の軸部193側の面と、が軸部193の軸線方向と略直交する方向にて略平行に形成されている。本構成であることにより、頭部190と差込側突出部202との軸部193の軸線方向への係合をより強固なものとしている。
【0111】
上記構成であることにより、破断ネジ180を通し孔208に差し込んだ場合には、第1頭部形成部190aが差込側突出部202と連続突出部211とに挟まれて位置することとなる。
【0112】
上記のとおり破断ネジ180は、破断部195を備えており、頭部190側と軸部193側とに分離可能となっている。ここで本パチンコ機10における表側結合部173には、破断部195の破断後において頭部190をその表側結合部173内から取り外そうとしても、それを不可とする構成が設けられている。以下にかかる構成について図12(e)を用いて説明する。
【0113】
上述したように、破断部195が破断した場合、頭部190側の領域と軸部193側の領域とが分離される。軸部193側の領域は、軸部193が裏側連通孔177とネジ結合されることにより、固定された状態となっている。一方、頭部190側の領域は、固定される箇所がなく、移動可能となっている。
【0114】
頭部190側の領域は、差込側突出部202と連続突出部211とに挟まれて第1頭部形成部190aが位置していることにより、当該軸線方向にみて差込側突出部202から連続突出部211までの領域にて軸部193の軸線方向に移動可能となる。すなわち、図12(e)に示す長さL1の範囲において移動可能となる。
【0115】
頭部190側の領域は、軸部193の軸線方向と直交する方向にみた場合、表側貫通孔175内において移動可能となる。すなわち、図12(e)に示す長さL2の範囲において移動可能となり、表側結合部173の内周面に当接するまでの範囲にて移動可能となる。
【0116】
頭部190側の領域が傾倒する場合、第1頭部形成部190aの反軸部193側の端面が差込側突出部202の軸部193側の端面に接するまでの範囲にて傾倒可能となっている。第1頭部形成部190aの傾倒範囲は、第1頭部形成部190aの軸線と、軸部193の軸線とが極端にずれることがないように設定されている。つまり、長さL2の範囲が、第1頭部形成部190aが傾倒した状態にて各軸線がさほどずれないように設定されている。
【0117】
ここで、分離した頭部190がいずれの位置に移動したとしても、当該頭部190が軸部193の軸線中心を反軸部193側から覆うように設定されている。これは、分離した頭部190における第1頭部形成部190aを表側結合部173の内周面に当接させた状態にて、直接軸部193側の軸線に直接アクセスされることを防止するための工夫である。
【0118】
頭部190側の領域がいずれかの方向に傾倒したとしても、第1頭部形成部190aが表側結合部173の内周面に当接した場合、第1頭部形成部190aの少なくとも一部が4箇所の差込側突出部202のそれぞれに反軸部193側から遮蔽される。これにより、破断部195が破断された場合、頭部190側の領域を表側結合部173の内部に保持することが可能となる。つまり、第2頭部形成部190bが傾倒した状態にていずれの位置に移動したとしても、第1頭部形成部190aが差込側突出部202よりも反軸部193側に移動することがないように差込側突出部202の突出量が設定されている。
【0119】
頭部190側の領域がいずれかの方向に傾倒したとしても、第1頭部形成部190aが表側結合部173の内周面に当接した場合、第1頭部形成部190aに4箇所の連続突出部211のそれぞれが反軸部193側から遮蔽される。つまり、頭部190の位置に関らず、連続突出部211が断続的に設けられていることにより形成される隙間の少なくとも一部を頭部190が反軸部193側から覆うように設定されている。これは、当該隙間から軸部193側の領域にアクセスされることを防止するための工夫である。
【0120】
裏側結合部174について説明する。裏側結合部174は、円筒状に形成されている。裏側結合部174は、表側結合部173と厚み方向に重なるようにして設けられている。裏側結合部174には、当該裏側結合部174の内周面から突出する裏側突出部209が設けられている。裏側突出部209は、下流側突出部204と軸線方向に重なるようにして、軸部193の軸線方向と直交する方向に突出している。つまり、裏側結合部174には、軸線方向に延びる隙間が形成されている。その隙間は、表側結合部173における軸線方向に貫通した隙間と連続している。
【0121】
裏側結合部174には、上記裏側連通孔177が形成された連通孔形成部210が設けられている。具体的には、連通孔形成部210は、裏側突出部209の先端箇所から連続して設けられている。連通孔形成部210は、通し部206と重なるようにして、裏側結合部174の軸線中心に位置している。各結合部173,174が当接した場合には、通し孔208と裏側連通孔177とが連通される。各孔177,208に破断ネジ180における軸部193が通されることにより、各結合部173,174が連結される。
【0122】
次に、主側取付台105における差込軸部109が主制御基板101における筒部110に差し込まれる場合について説明する。本パチンコ機10は、差込軸部109が筒部110に差し込まれた状態にて基板ボックス102が開放されることを規制する開放規制手段と、主制御基板101を回動可能に主側取付台105に固定する回動手段と、を有している。先ず、開放規制手段について説明した後に回動手段について説明する。
【0123】
本パチンコ機10では、開放規制手段として、表側構成体111と裏側構成体112とが組み合わされることによって筒部110が形成されている。以下、かかる構成について図13及び図14を用いて説明する。図13(a)は表側構成体111の裏面図であり、図13(b)は表側構成体111の底面図であり、図13(c)は裏側構成体112の正面図である。図14(a)は基板ボックス102を分解した状態の底面図であり、図14(b)、(c)は筒部110周辺を拡大した拡大図である。
【0124】
図13に示すように、表側構成体111には、筒部110の一部を形成する表側筒形成部230が設けられている。裏側構成体112には、筒部110の一部を形成する裏側筒形成部233が設けられている。各筒形成部230,233は、それぞれ各構成体111,112の長辺が延びる方向に短辺から張り出して設けられている。各筒形成部230,233は、各構成体111,112にそれぞれ一体形成されている。
【0125】
表側筒形成部230には、底側からみた場合に半円状をなす表側円形溝部235が設けられている。表側円形溝部235は、表側筒形成部230の底面から天井面に向かって延びている。つまり、表側円形溝部235が設けられている部位においては、表側筒形成部230が裏側構成体112に向けて開放されているとともに、その下方が開放されている。表側円形溝部235よりも表側筒形成部230の天井側の部位には、天井側溝部238が設けられている。天井側溝部238は、表側筒形成部230の反裏側構成体112の方向に表側円形溝部235よりも大きく凹んでいる。天井側溝部238の基板ボックス102の長辺が延びる方向に開放された範囲は、表側円形溝部235と開放されている範囲がほぼ同一となっている(詳細には、天井側溝部238の方が、長辺が延びる方向に若干大きく開放されている)。
【0126】
裏側筒形成部233には、図14に示すように底側からみた場合に半円状をなす裏側円形溝部240が設けられている。裏側円形溝部240は、表側筒形成部230の各溝部235,238に対向するようにして延びている。つまり、裏側円形溝部240が設けられている部位においては、裏側筒形成部233が表側構成体111に向けて開放されているとともに、その下方が開放されている。
【0127】
裏側円形溝部240の設けられた範囲は、各構成体111,112が組み合わされた状態にて、表側筒形成部230における表側円形溝部235と天井側溝部238とが設けられた範囲と重なっている。そして、各構成体111,112が組み合わされた場合、その内部に空洞が形成されるとともに、基板ボックス102を底側からみた場合、円形の開口243を有した状態にて筒部110が形成される。筒部110は、その上方が閉鎖されているとともに、各筒形成部230,233にそれぞれ下方に開放された円形溝部235,240が設けられていることにより、その下方が開放されている。
【0128】
図15に示すように、各構成体111,112が組み合わされ基板ボックス102が形成されている状態にて、差込軸部109の先端側から基端側に向かって筒部110が差し込まれる。差込軸部109が延びる方向と直交する方向から筒部110が差込軸部109を覆うことにより、差込軸部109と筒部110とが回動可能に係合された状態となる。ここで、上記開口243の径は、差込軸部109の径と略同一(詳細には開口243の径が若干大きい)に設定されている。この結果、差込軸部109が筒部110と係合された状態にて、差込軸部109が延びる方向と直交する方向に基板ボックス102が移動しない又はほとんど移動しないものとできる。
【0129】
表側構成体111と裏側構成体112とによって筒部110が形成された場合、筒部110における表側構成体111と裏側構成体112との境界部は、差込軸部109の左右方向に位置している。つまり、差込軸部109は、上記境界部に跨るようにして差し込まれている。具体的には、筒部110における境界部と、差込軸部109と、が上記スライド移動させる方向において同一直線上に位置している。これにより、差込軸部109と筒部110とが係合された状態では、各構成体111,112をスライド移動させ、基板ボックス102を開放しようとしても、差込軸部109によって各構成体111,112の一方がスライド移動されることを防止できる。つまり、筒部110と差込軸部109とが係合されることにより、各構成体111,112の一方がスライド移動されることを抑制する効果を高めている。
【0130】
差込軸部109及び筒部110と、レール119及びレール差込部120と、の相対関係について説明する。上述したように、筒部110は基板ボックス102における短辺から延びており、レール119及びレール差込部120は基板ボックス102における長辺に沿って設けられている。差込軸部109が延びる方向は、各構成体111,112を結合させる場合の上記スライド方向とは異なっている。具体的には、上記スライド方向と略直交した方向に延びている。つまり、筒部110に差込軸部109が差し込まれる方向(上下方向)と、上記スライド移動させる方向(左右方向)とが略直交している。
【0131】
なお、筒部110は、差込軸部109と筒部110とが係合された状態にて、下張出部107bに載っている。これは、差込軸部109及び筒部110の内周面に、基板ボックス102の重量による負荷の全てがかかり、差込軸部109や筒部110が変形することを防止するための工夫である。
【0132】
本パチンコ機10では、基板ボックス102が、上述した破断ネジ180を用いて主側取付台105に対して離脱困難な状態で取り付けられる。以下、かかる構成について説明する。
【0133】
先ず、筒部110に破断ネジ180が差し込まれる状態について説明する。図16(a)は図15におけるA−A線部分断面図であり、図16(b)は基板ボックス102における筒部110を底面から視認した場合の説明図である。図17(a)は主側取付台105を各張出部107a,107bの張出方向側からみた側面図であり、図17(b)は主側取付台105の正面図である。なお、図16(a)では裏側構成体112の図示を省略している。
【0134】
筒部110には、基板ボックス102の厚み方向に延びるようにして、筒側結合部283が2箇所に設けられている。筒側結合部283における一部の部位は、上述した表側結合部173と同形状をなしている。具体的には、筒側結合部283は円筒状をなしており、基板ボックス102の厚み方向に貫通した筒側貫通孔283aが形成されている。そして、筒側貫通孔283a内において、表側結合部173における差込側突出部202、下流側突出部204及び連続突出部211と同様に筒差込側突出部285a、筒下流側突出部285b及び筒連続突出部285cがそれぞれ設けられている。さらには、通し部206に代えて、破断ネジ180が差し込まれる筒側通し部286が設けられている。筒側通し部286には、破断ネジ180の軸部193が通されるとともに、ネジ溝が形成されている溝形成孔287が形成されている。これにより、破断ネジ180の軸部193と筒側結合部283とがネジ結合されている。
【0135】
なお、筒差込側突出部285a、筒下流側突出部285b、筒連続突出部285c及び筒側通し部286の位置関係は、差込側突出部202、下流側突出部204、連続突出部211及び通し部206のものと同様となっているため、説明を省略する。つまり、破断ネジ180が筒側結合部283に差し込まれた場合には、破断ネジ180における頭部190側の領域の取り外しが不可となる。
【0136】
本実施の形態では、破断ネジ180により、基板ボックス102の回動が阻害されないようになっている。具体的には、差込軸部109には破断ネジ180における先端部200が差し込み可能なネジ差込部288が設けられている。また、破断ネジ180が設置された状態では、図16(a)に示すように、表側円形溝部235が設けられていることにより開放された部位に、当該破断ネジ180の先端部200が入り込んでいる。このため、図16(b)に示すように、破断ネジ180の先端部200が筒部110の開口243に突出している。その突出した破断ネジ180の先端部200がネジ差込部288に差し込まれるようになっている。
【0137】
次に、回動手段としての差込軸部109について図16及び図17に加え、図18及び図19を用いて説明する。図18(a)は図17(a)において筒部110が差し込まれた場合を示す断面図であり、図18(b)〜(d)は、差込軸部109及び筒部110を上方から視認したものであり、基板ボックス102が回動する場合を示す説明図である。また、図19は、主制御装置92が回動する場合の説明図である。なお、図18(b)〜(d)では、差込軸部109、筒部110及び破断ネジ180の断面図を示しており、それ以外の部材については図示を省略している。
【0138】
ネジ差込部288は差込軸部109に上下2箇所に設けられている。2箇所のネジ差込部288のうち、一方のもの(上側のもの)に破断ネジ180が差し込まれている。ネジ差込部288は、差込軸部109が当該差込軸部109の軸線方向と直交する方向にて弧を描くように凹んで形成されている。具体的には、ネジ差込部288には、差込軸部109の軸線が通過する部位を残しつつ、差込軸部109の側方に向かって約200度の弧を描くように凹んだ部位が設けられている。つまり、差込軸部109には、周方向に延びるとともに、差込軸部109の外周に向けて開放された凹部289が設けられている。ネジ差込部288が差込軸部109の軸線が通過する部位を残して形成されているので、差込軸部109には当該差込軸部よりも縮径された小径部290が形成されている。つまり、小径部290は、差込軸部109とその軸線が同一線上に位置している。小径部290は、凹部289が弧を描くように凹んでいることにより、その外周が円形を有している。
【0139】
凹部289が設けられていることにより、差込軸部109が延びる方向にて対向する天井面292と底面293とがネジ差込部288に形成される。ネジ差込部288に凹部289が弧状に設けられていることにより、ネジ差込部288には、差込軸部109の軸線方向と平行に延びる起立面291が形成されている。ネジ差込部288が差込軸部109が凹むようにして形成されていることにより、小径部290と、天井面292及び底面293を形成する部位とが一体形成されていることとなる。
【0140】
筒部110に差込軸部109を差し込んだ状態にて、破断ネジ180を筒側結合部283にネジ込んだ場合、図18(a)に示すように、差込軸部109の延びる方向に破断ネジ180が係合された状態となる。つまり、破断ネジ180が、天井面292と底面293とに挟まれて位置している。具体的には、破断ネジ180の先端部200が、差込軸部109の延びる方向と直交する方向からネジ差込部288に入り込んでいる。より詳細には、破断ネジ180における先端部200が、ネジ差込部288の天井面292と底面293とに挟まれている。つまり、破断ネジ180の先端部200とネジ差込部288とが、差込軸部109の延びる方向にて係合されている。
【0141】
上記構成であることにより、差込軸部109の延びる方向においては、ネジ差込部288の天井面292と底面293とに挟まれた領域内において先端部200が移動できる範囲(つまり、各面292,293と先端部200とによって形成される隙間の範囲)以上に筒部110を移動させることができない。この結果、筒部110と差込軸部109とが上下方向に係合された状態となり、破断ネジ180が設置された状態にて筒部110が差込軸部109から引き抜かれることを防止できる。
【0142】
2箇所のネジ差込部288のうち、破断ネジ180が差し込まれていないもの(下側のもの)は、メンテナンス等のために基板ボックス102を開放した後に再び基板ボックス102を固定する場合に破断ネジ180を設置するために使用される。
【0143】
ここで、筒部110と差込軸部109とが固定された状態にて、基板ボックス102を回動させる場合について説明する。基板ボックス102が主側取付台105における搭載領域106に沿って位置している場合、図18(b)に示すように、破断ネジ180の軸部193と、ネジ差込部288における起立面291の延びる方向とが略平行となっている。
【0144】
基板ボックス102をパチンコ機10の後方側に向かって回動させようとした場合、図18(c)に示すように、破断ネジ180における先端部200が、小径部290(差込軸部109)の軸線を中心として凹部289内にて周方向に移動する。これにより、小径部290の軸線を中心として、基板ボックス102を回動させることが可能となる。つまり、基板ボックス102が主側取付台105に対して回動する場合に、破断ネジ180がその回動を阻害することを防止できる。
【0145】
上述したように小径部290の外周が円形を有している。これは、破断ネジ180の先端部200が小径部290の外周面に引っ掛かることを抑制するための工夫である。これにより、基板ボックス102が回動する場合に破断ネジ180がその回動を阻害することを防止する効果を高めている。
【0146】
小径部290の軸線が差込軸部109の軸線と同一線上となる構成とした。これにより、差込軸部109の強度を高めることが可能となる。この結果、基板ボックス102が回動される場合に差込軸部109が破損することを防止できる。また、小径部290と、天井面292及び底面293を形成する部位と、が一体形成されている構成とした。これにより、小径部290の強度を高めることが可能となり、上記差込軸部109の強度を高める効果を顕著なものとできる。
【0147】
筒部110をさらに回転させた場合、図18(d)に示すように、先端部200が再び起立面291の延びる方向と略平行となる。先端部200が起立面291に当接した場合には、それ以上筒部110を回転させることができない。これにより、当該起立面291によって、筒部110を回転させることが可能な範囲が規定されている(本実施の形態では、約180度に規定されている)。以下、基板ボックス102が搭載領域106に搭載されている状態にて先端部200と対向している起立面291を回動始点面296という。回動始点面296からみて先端部200と対向することにより基板ボックス102をそれ以上回動させることができなくする起立面291を回動終点面297という。
【0148】
上記構成であることにより、破断ネジ180により差込軸部109と筒部110とを上下方向に係合した状態にて、差込軸部109に対して筒部110、ひいては基板ボックス102を図19に示すように回動させることが可能となる。具体的には、回動始点面296に先端部200が当接した状態から上記回動が開始され、回動終点面297に先端部200が当接するまで回動可能となる。つまり、回動始点面296及び回動終点面297によって、基板ボックス102の回動可能な範囲が規定されている。本パチンコ機10では、回動始点面296と回動終点面297とはそれぞれ略平行に延びており、基板ボックス102の回動可能な範囲を約180度に規定している。
【0149】
本パチンコ機10では、差込軸部109と破断ネジ180の軸部193とうち、それらの差込方向と直交する方向の断面積が、差込軸部109の方が大きい。基板ボックス102を回動させる場合、差込軸部109に負荷がかかり易く、主側取付台105と基板ボックス102との係合箇所には十分な強度を与えることが望ましい。筒部110に差込軸部109を差し込む構成にしたことは、差込軸部109の径を十分な大きさに設定し、基板ボックス102を回動させた場合に、差込軸部109が破損することを抑制するための工夫である。
【0150】
ここで、基板ボックス102を開放する場合について説明する。パチンコ機10のメンテナンスを行う場合等、基板ボックス102の開放を要することがある。この場合、破断ネジ180とネジ結合している部位(裏側結合部174、筒側結合部283)については、破断ネジ180がネジ結合されている部位の周辺を切断し、破断ネジ180を取り外す。これにより、差込軸部109と筒部110との取り外しと、表側構成体111と裏側構成体112との分離と、がそれぞれ可能となる。
【0151】
図13(a)に示すように、筒部110には、基板ボックス102の短辺と連結するようにして、予備の破断ネジ180を収容する破断ネジ備蓄部300が設けられている。破断ネジ備蓄部300は、各構成体111,112にそれぞれ設けられており、各構成体111,112が相互に対向する側に開放されるようにして設けられている。詳細な説明は省略するが、表側構成体111側の破断ネジ備蓄部300には、予備の破断ネジ180を位置決めするための突起が設けられている。予備の破断ネジ180は、その突起に係合されることにより、破断ネジ備蓄部300に収容されている。
【0152】
ここで、2回目の取付処理を行う場合の作業の流れを説明する。2回目の取付処理では、複数の第2固定部155及び筒側結合部283のうち、最初の固定の際に使用していない第2固定部155及び筒側結合部283を使用する。そして、表側構成体111と裏側構成体112とを取付状態とするとともに、主側取付台105に対して離脱不可又は離脱困難な状態で基板ボックス102を取り付ける。以下、かかる処理について説明する。
【0153】
先ず、表側構成体111に裏側構成体112を取り付ける。具体的には、当初使用していない第2固定部155を用いる。その第2固定部155における裏側連通孔177及び通し孔208に一般的なネジ部材を通し、表側構成体111に裏側構成体112を取り付ける。つまり、一般的なネジ部材を用いて、表側構成体111に裏側構成体112を着脱可能な状態にて取り付ける。
【0154】
次に、最初の固定の際に使用していない筒側結合部283に破断ネジ180を差し込み、表側筒形成部230に裏側筒形成部233を取り付ける。この場合、破断ネジ備蓄部300に収容されていた破断ネジ180を用いて、筒部110に差込軸部109が差し込まれた状態にて筒側結合部283と破断ネジ180の軸部193とがネジ結合される。これにより、差込軸部109と筒部110とが回動可能に、且つ、主側取付台105から離脱不可又は離脱困難な状態となる。
【0155】
上述したように、筒部110が表側構成体111と裏側構成体112とが組み合わされて形成されており、各構成体111,112が差込軸部109に係合された状態となる。このため、破断ネジ180による固定を解除しない限り、表側構成体111と裏側構成体112とを分離させることができない。つまり、表側構成体111に裏側構成体112が一般的なネジ部材により取り付けられているとしても、各構成体111,112を分離させることができない。
【0156】
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図20のブロック図に基づいて説明する。図20では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
【0157】
主制御装置92に設けられた主制御基板101には、主制御回路304と停電監視回路310とが内蔵されている。主制御回路304には、CPUチップ311が搭載されている。CPUチップ311には、当該CPUチップ311により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM306と、そのROM306内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM307と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
【0158】
CPUチップ311には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。CPUチップ311の入力側には、主制御基板101に設けられた停電監視回路310、払出装置78を制御する払出制御装置82の払出制御基板312及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路310には電源・発射制御装置83に設けられた電源・発射制御基板313が接続されており、CPUチップ311には停電監視回路310を介して電力が供給される。
【0159】
一方、CPUチップ311の出力側には、停電監視回路310、払出制御基板312及び中継端子板315が接続されている。払出制御基板312には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板315を介して主制御回路304から音声ランプ制御装置66に設けられた音声ランプ制御基板320に対して各種コマンドなどが出力される。
【0160】
停電監視回路310は、主制御回路304と電源・発射制御基板313とを中継し、また電源・発射制御基板313から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。
【0161】
払出制御基板312は、払出装置78により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPUチップ314は、そのCPUチップ314により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM323と、ワークメモリ等として使用されるRAM325とを備えている。
【0162】
払出制御基板312のCPUチップ314には、入出力ポートが設けられている。CPUチップ314の入力側には、主制御回路304、電源・発射制御基板313、及び裏パック基板が接続されている。また、CPUチップ314の出力側には、主制御回路304及び裏パック基板が接続されている。
【0163】
電源・発射制御基板313は、電源部330と発射制御部333とを備えている。電源部330は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御回路304や払出制御基板312等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて主制御回路304や払出制御基板312等に対して供給する。発射制御部333は、遊技球発射機構50の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構50は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
【0164】
音声ランプ制御基板320は、表示制御装置335を制御するものである。演算装置であるCPUチップ338は、そのCPUチップ338により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM340と、ワークメモリ等として使用されるRAM343とを備えている。
【0165】
音声ランプ制御基板320のCPUチップ338には入出力ポートが設けられている。CPUチップ338の入力側には中継端子板315に中継されて主制御回路304が接続されており、主制御回路304から出力される各種コマンドに基づいて、表示制御装置335を制御する。表示制御装置335は、音声ランプ制御基板320から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置41を制御する。
【0166】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0167】
破断ネジ180により基板ボックス102を取り付けた場合、破断ネジ180における頭部190が保持される構成とした。これにより、頭部190は所定位置又は所定範囲に留まることとなる。よって、パチンコ機10を組み立てる場合に、頭部190の回収を要しないため、その組み立て作業効率を向上できる。
【0168】
ここで、頭部190が分離された後に、破断部195よりも軸部193側の領域に直接アクセスし、破断ネジ180を緩める方向に回転させる不正行為が考えられる。例えば、軸部193に接着剤を塗布し、軸部193と工具とを一体化させた後にその工具を操作することにより、軸部193を緩める方向に回転させるものが考えられる。これに対して本実施の形態によれば、表側結合部173によって、分離された頭部190が軸部193の軸線方向と略直交する方向に移動することが規制される。これにより、軸線方向と略直交する方向にみて、分離された頭部190が所定位置又は所定範囲に留まることとなる。この結果、軸部193の軸線が通過する部位を反軸部193側にて隠す位置から、分離された頭部190が移動することを防止できる。軸部193を回転させるためには、軸部193の軸線中心を操作する必要があるが、分離された頭部190により軸線中心が隠されていることにより、軸部193の軸線中心にアクセスされることを抑制できる。よって、破断ネジ180を緩める方向に回転させる不正行為が行われることを抑制できる。
【0169】
破断ネジ180を当該破断ネジ180の軸線と直交する方向から表側結合部173が覆うことにより、破断ネジ180の軸線方向と略直交する方向から頭部190や軸部193にアクセスされることを抑制することができる。
【0170】
差込側突出部202及び下流側突出部204によって、分離された頭部190が傾倒する範囲を規定する構成とした。ここで、頭部190が表側結合部173内にて大きく傾倒する場合、その傾倒により軸線方向と直交する方向の隙間が大きくなることが考えられる。つまり、頭部190を傾倒させることにより、軸部193の軸線方向と直交する方向の隙間が1箇所にまとめられ、軸部193にアクセスするための通路が確保されることが考えられる。この場合、その通路から頭部190を迂回して軸部193側にアクセスされることが考えられる。本実施の形態では、頭部190が傾倒する範囲を規制したことにより、上記隙間が過度に大きくなることを抑制し、その隙間から軸部193側の領域にアクセスされることを防止できる。
【0171】
破断ネジ180を設置する場合、差込側突出部202が弾性変形する構成とした。これにより、弾性変形していない状態では破断ネジ180が通過できないように差込側突出部202の突出量が設定されているとしても、差込側突出部202が突出した領域よりも奥側に破断ネジ180を差し込むことが可能となる。また、破断ネジ180を設置した場合には、差込側突出部202の復元力によって押圧されていない状態に戻り、頭部190が差込側突出部202よりも反軸部193側に移動することを防止できる。
【0172】
特に、頭部190が設置された場合、頭部190の反軸部193側の周縁部が差込側突出部202により規制される。頭部190の反軸部193側の端部は平面状を有しているため、その端部が差込側突出部202により規制されることにより、当該頭部190が軸部193側に移動することが規制される。つまり、頭部190及び差込側突出部202の形状によって、破断ネジ180の設置を可能としつつ、頭部190の抜けが防止される。
【0173】
また、差込側突出部202の先端部は、当該差込側突出部202のその他の部分よりも肉薄となった部分が設けられている。これにより、破断ネジ180により差込側突出部202が押圧された場合に、その肉薄部分を弾性変形させることができる。つまり、差込側突出部202を弾性変形させるために、新たな機構を設けたり、差込側突出部202の一部分を別材料にて形成したりする必要がなくなる。
【0174】
差込側突出部202が表側結合部173の内周面から等間隔にて複数箇所から突出している構成とした。仮に、表側結合部173の内周面の全てから差込側突出部202が突出している場合、小さい力にて差込側突出部202を弾性変形させることができなくなることが考えられる。この場合、破断ネジ180を設置する設置作業中に破断部195に意図せず大きな力が加わり、破断ネジ180による連結作業が終了する前に破断部195が破断してしまうおそれがある。これに対して差込側突出部202を断続的に設けたことにより、破断ネジ180の設置作業において破断部195に意図せず大きな力が加わり、連結作業が終了する前に破断部195が破断することを抑制できる。
【0175】
ここで、差込側突出部202が表側結合部173の内周面から等間隔にて複数箇所から突出しているため、個々の差込側突出部202の強度が弱くなり、頭部190が移動しようとした場合に差込側突出部202が破損することが考えられる。これに対して本実施の形態では、差込側突出部202の軸部193側の端面と、頭部190の反軸部193側の端面とがそれぞれ軸部193の軸線と略直交する方向に延びる構成とした。これにより、軸部193の軸線方向と同方向にて頭部190と差込側突出部202とが係合される。この結果、頭部190と差込側突出部202とが係合された場合の強度を高めることが可能となり、破断ネジ180が設置された後に頭部190が引き抜かれることを抑制する効果を高めることが可能となる。
【0176】
頭部190の反軸部193側の面は平面状を有している。これにより、差込側突出部202の軸部193側の端部よりも反軸部193側に頭部190が移動することが規制される。頭部190が当該端部より反軸部193側へと突出する場合、その突出した頭部190が摘ままれ引き抜かれることが考えられる。これに対して、頭部190が差込側突出部202の反軸部193側の端部から突出しないため、上記突出した頭部190が摘ままれ、引き抜かれる不正行為が行われることを抑制できる。
【0177】
連続突出部211は差込側突出部202よりも突出量が大きい構成とした。差込側突出部202を弾性変形させるために当該差込側突出部202の突出量を必要最低限なものとするのが望ましいのに対して、連続突出部211は十分な強度を得るために突出量を大きくすることが望ましい。仮に、連続突出部211の突出量が十分に確保されていない場合、破断ネジ180による連結作業中に連続突出部211が破損することが考えられる。本実施の形態では、連続突出部211の突出量を大きくしたことにより、連続突出部211の強度を十分に確保することが可能となる。
【0178】
差込側突出部202と、下流側突出部204(連続突出部211)とが、軸部193の軸線方向に対向しない構成とした。仮に、各突出部202,204を軸部193の軸線方向にて対向させようとすると、表側結合部173を製造する場合に、各突出部202,204を形成するための型を設置することができず、各突出部202,204の成形が困難となることが考えられる。これに対して本実施の形態によれば、各突出部202,204が軸部193の軸線方向に重なることがないように設けられていることにより、各突出部202,204が軸線方向に重なっている構成に比べ、各突出部202,204を形成する型を設置し易く、各突出部202,204を良好に形成することが可能となる。
【0179】
破断ネジ180の第1頭部形成部190aが連続突出部211よりも軸部193側に移動することができないように第1頭部形成部190aの径を設定した。つまり、差込側突出部202と連続突出部211との間に第1頭部形成部190aが挟まれて保持される構成を実現する場合に第1頭部形成部190aの径を決定すればよく、挟まれた頭部190の位置決めを容易なものとできる。
【0180】
差込側突出部202が間隔をおいて複数箇所に設けられていることにより、表側貫通孔175が軸線方向に貫通する構成とした。ここで、頭部190と軸部193とが分離されているとしても、樹脂や接着剤等を流し込み、頭部190と軸部193とを一体化させる不正行為が考えられる。これに対して本実施の形態によれば、表側貫通孔175が設けられていることにより、頭部190と軸部193を一体化させようとして樹脂や接着剤等が流し込まれたとしても、その表側貫通孔175からその樹脂や接着剤を流れ出させることが可能となる。この結果、樹脂や接着剤等によって頭部190と軸部193とが一体化されることを抑制できる。
【0181】
上記樹脂や接着剤等による不正行為を行う場合、軸部193の軸線が通過する部位を頭部190が隠しているため、頭部190や頭部190周辺の部位を樹脂や接着剤等がつたうようにして、その樹脂や接着剤等を軸部193に到達させようとする不正行為が想定される。この場合、樹脂や接着剤等をつたわせるために、その樹脂や接着剤は、遅乾性のものが用いられることが考えられる。これに対して本実施の形態によれば、遅乾性の樹脂や接着剤等が使用された場合、その樹脂や接着剤等が固着する前に、上記貫通孔からその樹脂や接着剤等を流れ出させることが可能となる。つまり、遅乾性の樹脂や接着剤に対して特に顕著な効果を得ることが可能となる。
【0182】
基板ボックス102を回動可能に取り付ける構成とした。これにより、基板ボックス102の周辺や基板ボックス102の隙間等に不正具が取り付けられていないかを、基板ボックス102を回動させ管理者が監視することが可能となる。この結果、上記隙間等に不正具が設置されたとしてもその事実を発見することが可能となる。よって、不正具が取り付けられ、遊技の内容が変更されたり、遊技球が遊技者に過度に付与されパチンコ機10を設置する遊技ホール等に不利益が発生したりすることを防止できる。
【0183】
筒部110が回転することにより、差込軸部109を中心として基板ボックス102を回動させることが可能な構成とした。これにより、筒部110に差込軸部109を差し込む作業を行うことで、主側取付台105に対して基板ボックス102を回動可能に取り付けることが可能となる。
【0184】
基板ボックス102が回動する場合、破断ネジ180における先端部200が凹部289に沿って移動する構成とした。これにより、差込軸部109に破断ネジ180が差し込まれているとしても、その破断ネジ180によって基板ボックス102の回動が阻害されることを抑制できる。
【0185】
破断ネジ180における先端部200にはネジ溝を設けない構成とした。凹部289に入り込む位置にネジ溝が形成されていると、凹部289に挿し込まれた場合に凹部289の内周面とネジ溝とが接触ことで、凹部289が変形したり、上記回動が阻害されたりする可能性がある。この点、本実施の形態ではネジ溝と凹部289とが接触しにくい。このため、上記回動が阻害されることを抑制できる。
【0186】
表側構成体111の表側筒形成部230と裏側構成体112の裏側筒形成部233とによって、筒部110を形成した。また、各筒形成部230,233の境界部と、差込軸部109と、がスライド方向にて一直線上に位置する構成とした。つまり、スライド方向に対して差込軸部109が上記境界部を隠している。これにより、差込軸部109と筒部110とが係合された状態では、表側構成体111と裏側構成体112の一方のみをずらすことができず、差込軸部109が筒部110に差し込まれた状態にて基板ボックス102が開放されることを防止できる。この結果、基板ボックス102が主側取付台105に固定された状態のまま上記CPUチップ311を取り替える不正行為が行われることを防止できる。
【0187】
表側筒形成部230と、裏側筒形成部233とを、それぞれ各構成体111,112に一体形成するものとした。これにより、筒部110が基板ボックス102から切断された場合にその痕跡が残り易く、基板ボックス102が主側取付台105から不正に取り外されたことを発見することが可能となる。つまり、筒部110を切断した場合には筒部110周辺につなぎ目が生じ、そのつなぎ目を発見することにより、不正行為が行われたことを発見することができる。
【0188】
基板ボックス102を開放させる場合、表側構成体111及び裏側構成体112のうち一方のものを長辺方向にスライド移動させる構成とした。これにより、短辺方向にスライド移動させ、基板ボックス102を開放する構成に比べ、基板ボックス102を開放させるために、各構成体111,112をスライド移動させる移動量を大きくすることが可能となる。
【0189】
筒部110を基板ボックス102の短辺と連続するようにして設ける構成とした。これにより、筒部110を形成するために、基板ボックス102を開放させるための各構成体111,112のスライド量が小さくなることを抑制できる。
【0190】
基板ボックス102が表側構成体111と裏側構成体112とによって構成されていることにより、一方の構成体を浮き上がらせる等、各構成体111,112の間に隙間を形成し、その隙間から基板ボックス102内部にアクセスされる可能性がある。この点、本実施の形態では、レール119及びレール差込部120がスライド方向の長辺に設けられており、スライド方向の奥側に収容部123が設けられており、さらに、収容部123の反対側がネジ固定されている。このため、基板ボックス102のほぼ全周にて各構成体111,112の移動を規制することができる。以上の結果、各構成体111,112が浮き上がらされて、隙間が形成されることを抑制できる。
【0191】
ここで、各構成体111,112が歪まされ、表側構成体111が若干スライド移動されることが考えられる。この場合、表側構成体111を若干スライド移動させ各構成体111,112を分離させようとする不正行為が考えられる。この点、収容部123が表側構成体111を覆うことにより、各構成体111,112が歪まされたとしても、収容部123が覆っている範囲以上に表側構成体111がスライド移動されない限り、各構成体111,112が分離されることを抑制できる。つまり、各構成体111,112が歪まされる不正行為に対する抑制効果を得ることが可能となる。
【0192】
スライド方向の奥側に収容部123が設けられていることにより、表側構成体111をスライド移動させれば、そのまま収容部123に収容される。つまり、各構成体111,112を組み付ける作業と、各構成体111,112の移動を規制する作業と、を一連の流れとして行うことが可能となる。これにより、各構成体111,112の浮き上がりを抑制する上で、基板ボックス102の組み付け作業が複雑化することを抑制できる。また、レール119、レール差込部120及び収容部123により各構成体111,112の移動を規制することにより、各構成体111,112の移動を規制する上でネジ等の使用数を少なくすることも可能となる。
【0193】
収容部123が設けられている側とは反対側にて破断ネジ180により各構成体111,112が分離することがないように取り付けられている。これにより、スライド方向の手前側と奥側との両端部にて各構成体111,112の浮き上がりを抑制できる。基板ボックス102の内部にアクセスする場合、基板ボックス102の端部からアクセスされる可能性がある。この点、本実施の形態では基板ボックス102の端部にて各構成体111,112の浮き上がりを規制することにより、基板ボックス102の端部から基板ボックス102内部にアクセスされる不正行為を抑制できる。
【0194】
表側構成体111における対向側閉鎖壁部135と裏側構成体112における閉鎖壁部130とがスライド方向奥側にて当接している。各壁部130,135が当接することにより、その当接した箇所にて各構成体111,112を移動させにくくできる。また、基板ボックス102を組み立てる場合、対向側閉鎖壁部135に当接するまで表側構成体111をスライド移動させればよく、各構成体111,112の移動を規制しつつ、基板ボックス102の組み立て作業を簡易化できる。
【0195】
収容部123における側壁部125及び覆壁部127により、表側構成体111が周方向から覆われている。この結果、収容部123に表側構成体111が収容された状態にて、表側構成体111が当該表側構成体111の周方向に移動することを抑制できる。
【0196】
側壁部125、覆壁部127及び閉鎖壁部130が一体形成されている。つまり、収容部123が箱状に形成されており、収容部123が歪まされることを抑制できる。
【0197】
収容部123と表側構成体111との境界部から基板ボックス102内に不正具を侵入させようとする不正行為が考えられる。この点、本実施の形態ではその境界部から不正具が侵入された場合、対向側延出壁部134にその不正具が到達する。不正具が対向側延出壁部134に到達した場合、その対向側延出壁部134が不正具の侵入を抑制する返し部として機能することが期待される。これにより、それ以上内部に不正具が侵入されにくくことができる。この結果、上記境界部から基板ボックス102内部にアクセスされることを抑制できる。
【0198】
<他の実施の形態>
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記実施の形態に対して適用してもよい。
【0199】
(1)破断ネジ180が固定する固定対象(部材)を変更してもよい。例えば、裏パックユニット15を取り付ける場合に破断ネジ180を用いてもよい。すなわち、取り外し操作の防止が必要な他の部位を上記破断ネジ180にて固定してもよい。
【0200】
破断ネジ180における破断部195を分離させる場合の操作を変更してもよい。例えば、頭部190側から軸部193側に向けて圧力が加えられる場合(押圧された場合)に破断部195が切断されるものが考えられる。つまり、破断部195は、予め定められた分離操作が行われた場合に分離するものであればよい。
【0201】
(2)基板ボックス102の取付に用いる破断ネジ180の数を変更してもよく、1本の破断ネジ180によって取り付けられていてもよいし、2本、3本又はそれ以上の本数の破断ネジ180によって基板ボックス102が取り付けられていてもよい。
【0202】
(3)分離された頭部190が表側結合部173(筒側結合部283)内にて傾く範囲を変更してもよい。例えば、頭部190が所定角度以上に傾倒した場合、軸部193が差込側突出部202側に露出するようにしてもよい。
【0203】
(4)頭部190は円形状をなしているものであったが、円錐状や角形状をなしていてもよい。また、表側結合部173(筒側結合部283)が角筒状をなしていてもよい。
【0204】
(5)頭部190は、分離後及び分離前において常に差込側突出部202(筒差込側突出部285a)よりも下流側突出部204(筒下流側突出部285b)側に位置するものとしたが、かかる構成に限定されない。例えば、頭部190が傾倒した場合や差込側突出部202側に移動した場合に、頭部190の一部が差込側突出部202の軸部193側の端面よりも反軸部193側に移動するようにしてもよい。
【0205】
(6)差込側突出部202(筒差込側突出部285a)は、表側結合部173(筒側結合部283)の内部にて4箇所から突出するものとしたが、差込側突出部202が設けられている数を変更してもよい。例えば、差込側突出部202が1箇所のみ設けられているものが考えられるし、2箇所、3箇所、5箇所以上設けられているものが考えられる。
【0206】
(7)表側結合部173(筒側結合部283)の内部にて複数の差込側突出部202(筒差込側突出部285a)が対をなすように対向して設けられているものとしたが、差込側突出部202が対向していなくともよい。この場合、差込側突出部202と表側結合部173(又は筒側結合部283)の内周面との隙間を頭部190が通過できない大きさとすればよい。
【0207】
(8)差込側突出部202(筒差込側突出部285a)の突出量を変更してもよい。例えば、対向する差込側突出部202が接するように、差込側突出部202の突出量を大きくしてもよい。この場合、差込側突出部202の弾性変形に伴い、破断ネジ180を通過させる隙間領域が形成されるとともに、差込側突出部202の弾性変形が解除された場合には、その隙間領域がなくなる。弾性変形が解除された場合にその隙間領域がなくなることにより、分離された頭部190が差込側突出部202よりも反軸部193側に移動することを確実に防止できる。また、本構成においては、差込側突出部202によって軸部193の軸線が通過する部位を反軸部193側から隠すことが可能となる。
【0208】
(9)差込側突出部202(筒差込側突出部285a)は、肉薄部分が設けられていることにより弾性変形するものとしたが、破断ネジ180に押圧された場合に差込側突出部202が変位できれば、かかる構成に限定されない。例えば、差込側突出部202に板バネ等の付勢手段を設置し、差込側突出部202の基端側が回動可能に設けられているものが考えられる。具体的には、破断ネジ180の差込方向に押圧されていない状態では、表側結合部173(筒側結合部283)の開口を塞ぐ方向に付勢しておく。そして、差込側突出部202を、表側結合部173の開口を塞いだ状態から表側結合部173の内側に回動可能にしておく。本構成によれば、破断ネジ180によって差込側突出部202が押圧された場合には、差込側突出部202が回動し破断ネジ180を設置できるとともに、その押圧が解除された場合には付勢手段によって表側結合部173の開口を塞ぐ位置に差込側突出部202を戻すことが可能となる。
【0209】
(10)頭部190の反軸部193側の端面と、差込側突出部202(筒差込側突出部285a)の軸部193側の端面とのそれぞれが、軸部193の軸線方向と略直交する方向に延びるものとしたが、かかる構成に限定されない。例えば、差込側突出部202の軸部193側の端面から頭部190に向けて、頭部190が反軸部193側に移動することを規制する規制突部が延びるものが考えられる。本構成においては、規制突部によって頭部190の位置決めを行うため、頭部190の反軸部193側の面形状や、差込側突出部202の軸部193側の面形状を比較的自由に設定することが可能となる。
【0210】
(11)破断部195が破断した状態において、頭部190側の領域の軸部193の軸線方向と直交する方向への移動可能な範囲を、表側結合部173(筒側結合部283)の内周面にて規定するものとしたが、かかる構成に限定されない。頭部190側の領域の軸線方向と直交する方向への移動範囲を、連続突出部211によって規定するようにしてもよい。この場合、連続突出部211の突出量を大きくするか、第2頭部形成部190bを拡径すればよい。
【0211】
(12)基板ボックス102を回動可能に主側取付台105に取り付ける構成とすることで、基板ボックス102と主側取付台105等との隙間への不正具の設置を発見することができるという顕著な効果に着目した場合、当該構成を必須とすればよく、表側構成体111及び裏側構成体112のうち一方が主側取付台105に回動可能に取り付けられていればよい。つまり、筒部110における各構成体111,112の境界部に跨るようにして差込軸部109が差し込まれていなくともよい。
【0212】
また、各構成体111,112を主側取付台105に取り付ける場合、破断ネジ180に代えてワンウェイネジやワンウェイクラッチ等を用いることも可能である。
【0213】
(13)差込軸部109にその周方向に延びる凹部289が設けられており、破断ネジ180の先端部200が凹部289に沿って移動することにより、基板ボックス102を回動可能とするものとしたが、かかる構成に限定されない。例えば、筒部110に周方向に延びる凹部又は孔部が設けられているものが考えられる。具体的には、差込軸部109を破断ネジ180が貫通するようにして差し込まれるようになっており、破断ネジ180の先端部200が筒部110に到達するようにすればよい。そして、筒部110において、筒側結合部283の反対側の位置に周方向に延びる凹部又は孔部を形成しておく。本構成においては、筒側結合部283側から差し込まれた破断ネジ180が、差込軸部109を貫通し、かつ、表側結合部173の反対側に位置する凹部又は孔部に到達する。
【0214】
また、破断ネジ180における軸部193が凹部289に入り込むようにしてもよい。この場合、先端部200が設けられておらず、軸部193が破断ネジ180の先端まで延びていてもよい。
【0215】
(14)回動始点面296及び回動終点面297によって規定される基板ボックス102の回動可能な範囲を変更してもよい。例えば、基板ボックス102が約90度の範囲において回動可能なものが考えられる。この場合、回動終点面297の設けられている位置を変更するように凹部289が凹んでいる範囲を変更すればよい。
【0216】
(15)表側構成体111のレール差込部120を裏側構成体112のレール119に差し込む場合のスライド方向と、差込軸部109に筒部110を差し込む差込方向と、を略直交させるものとしたが、かかる構成に限定されない。つまり、各方向を変更してもよく、各方向が同方向となっているものや、各方向が反対方向となっているものが考えられる。
【0217】
(16)レール119とレール差込部120とのそれぞれは、表側構成体111及び裏側構成体112の長辺に沿うようにして設けられているものとしたが、かかる構成に限定されない。レール119とレール差込部120とのそれぞれが表側構成体111及び裏側構成体112の短辺方向に沿うようにして設けられていてもよい。本構成においては、筒部110(表側筒形成部230、裏側筒形成部233)を表側構成体111及び裏側構成体112の長辺方向に沿うようにして設けるとよい。この場合においても、レール119及びレール差込部120と、表側筒形成部230及び裏側筒形成部233と、が設けられている辺が異なることにより、基板ボックス102を製造する場合に、レール119及びレール差込部120と、表側筒形成部230及び裏側筒形成部233とのうち、一方のものを形成するために他方のものが形成しにくくなることを抑制できる。
【0218】
(17)主側取付台105側に差込軸部109が形成されているものであり、基板ボックス102側に筒部110が形成されているものとしたが、主側取付台105に筒部110が設けられており、基板ボックス102側に差込軸部が設けられているようにしてもよい。つまり、主側取付台105に筒部が一体形成されており、表側筒形成部230及び裏側筒形成部233に代えて、基板ボックス102に表側軸形成部及び裏側軸形成部が形成されていてもよい。本構成においては、表側構成体111と裏側構成体112とが組み合わされることにより、差込軸部が形成される。表側構成体111と裏側構成体112との境界部が差込軸部に生じることとなり、その境界部が筒部によって覆われることとなる。境界部を筒部によって覆うことにより、表側構成体111と裏側構成体112との境界部から基板ボックス102の内部にアクセスする不正行為が行われることを抑制する効果を高めることが可能となる。
【0219】
(18)表側構成体111にレール差込部120が設けられており、裏側構成体112にレール119が設けられているものとしたが、表側構成体111にレール119が設けられており、裏側構成体112にレール差込部120が設けられているようにしてもよい。
【0220】
(19)表側構成体111に対向部133が設けられており、裏側構成体112に収容部123が設けられているものとしたが、表側構成体111に収容部123が設けられており、裏側構成体112に対向部133が設けられているようにしてもよい。
【0221】
(20)表側周縁部113と前後対向壁部136とによって表側周縁部113に段差面113aが形成されていなくともよい。つまり、表側周縁部113における反裏側壁部116側の端部から前後対向壁部136が延びていてもよい。
【0222】
また、収容部123に表側構成体111が収容された状態にて表側周縁部113及び収容部123の正面側の端面が面一となっておらず、段差が形成されていてもよい。
【0223】
(21)収容部123は角部を有した箱状をなしていたが、収容部123の形状を変更してもよい。例えば、収容部123が球状をなしているものが考えられる。つまり、収容部123の形状は任意である。収容部123の形状を変更する場合、収容部123に収容された場合に隙間がない又はほとんどないように対向部133の形状を変更すればよい。
【0224】
(22)対向部133に対向側閉鎖壁部135が設けられていなくともよい。本構成においても、収容部123及び対向部133が設けられている部位においては、表側構成体111及び裏側構成体112が歪まされることを抑制できる。つまり、対向部133は、少なくとも一方向において収容部123と対向していればよい。
【0225】
(23)基板ボックス102が主側取付台105に取り付けられた状態にて表側構成体111と裏側構成体112とを分離不能にするという顕著な効果に着目した場合、当該構成を必須とすればよく、主側取付台105に対して基板ボックス102が回動可能となっていなくともよい。
【0226】
(24)差込軸部109、筒部110、破断ネジ180及び筒側結合部283によって、基板ボックス102が、回動可能にかつ離脱困難な状態にて取り付けられる構成をその他の部位に適用してもよい。例えば、音声ランプ制御装置66、払出制御装置82及び表示制御装置335のうち、少なくとも一の制御装置に本構成を適用してもよい。
【0227】
また、表側構成体111が裏側構成体112に差し込まれることにより、表側構成体111の少なくとも一部が裏側構成体112に収容される構成をその他の部位に適用してもよい。例えば、音声ランプ制御装置66、払出制御装置82及び表示制御装置335のうち、少なくとも一の制御装置に本構成を適用してもよい。
【0228】
また、表側構成体111と裏側構成体112とが組み合わされることにより筒部110が形成され、その筒部110が差込軸部109に差し込まれる構成をその他の部位に適用してもよい。例えば、音声ランプ制御装置66、払出制御装置82及び表示制御装置335のうち、少なくとも一の制御装置に本構成を適用してもよい。
【0229】
上記構成のいずれかをその他の制御装置に適用することにより、その他の制御装置に対する不正行為を抑制することができる。つまり、本明細書において記載した不正行為を抑制する特徴的な構成をいずれの箇所に適用してもよい。
【0230】
(25)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
【0231】
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過する等の所定条件が成立することでリールが停止した後に、表示部から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
【0232】
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
【0233】
つまり、制御装置を備え、当該制御装置による制御が実行される遊技機に本発明を適用できる。
【0234】
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0235】
特徴A1.遊技機構成部材である第1部材(表側構成体111)と第2部材(裏側構成体112)とがネジ部材により連結されてなる遊技機であって、
前記ネジ部材は、
前記第1部材又は第2部材の少なくとも一方に対してネジ結合されるネジ溝を含む軸部(軸部193)と、
その軸部を回転操作する工具が係合される工具係合部を含む頭部(頭部190)と、
これら軸部及び頭部を連結するとともに、予め定められた分離操作が行われることにより前記軸部から前記頭部を分離させる分離部(破断部195)と、
を備えており、
前記分離部によって前記軸部から前記頭部が分離された場合、当該頭部が反軸部側へ移動することを規制する第1規制部(差込側突出部202)と、
前記分離部によって前記軸部から前記頭部が分離された場合、当該頭部が前記軸部側へ移動することを規制する第2規制部(連続突出部211)と、
前記軸部の軸線中心が通過する部位を前記分離部よりも反軸部側から隠すように、分離された前記頭部が前記軸部の軸線方向と略直交する方向に移動することを規制する第3規制部(表側結合部173)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0236】
特徴A1によれば、ネジ部材における軸部にて第1部材及び第2部材を連結することができる。第1及び第2部材を連結させた後には、分離操作を行うことにより、軸部と頭部とを分離させることができる。頭部と軸部とが分離することにより、頭部を介して軸部を回転させることが困難となり、第1及び第2部材の連結が不正に解除されることを抑制できる。
【0237】
また、分離された頭部が保持される。仮に、分離された頭部が保持されない遊技機においては、頭部と軸部とを分離させた場合、頭部を回収する必要性が考えられる。この場合、ネジ部材をネジ込んだ後に分離した頭部の回収作業が煩雑となって組み立て作業効率が低下するおそれがある。分離された頭部を回収しきれなかった場合、その頭部が遊技球等の遊技媒体の通路に残存して円滑な遊技媒体の流通を阻害したり、頭部が電気部品に干渉してショートしたりする等、不具合や故障の要因ともなり得ると考えられる。これに対して本特徴によれば、ネジ部材における頭部が分離した場合には、その頭部が保持される。これにより、頭部は所定位置又は所定範囲に留まることとなり、上記不都合が発生することを抑制できる。よって、頭部が分離されるネジ部材を用いた遊技機を組み立てる場合に、頭部の回収を要しないため、その組み立て作業効率を向上し得るとともに、分離された頭部による不具合を低減させることができる。
【0238】
また、頭部が分離した後に、分離部より軸部側の領域に直接アクセスし、ネジ部材を緩める方向に回転させる不正行為が考えられる。例えば、軸部に接着剤を塗布し、軸部と工具とを一体化させた後にその工具を操作することにより、軸部を緩める方向に回転させるものが考えられる。これに対して本特徴によれば、第3規制部によって、分離された頭部が軸線方向と略直交する方向に移動することが規制される。これにより、軸線方向と略直交する方向にみて、分離された頭部が所定位置又は所定範囲に留まることとなる。この結果、軸部の軸線が通過する部位を反軸部側にて隠す位置から分離された頭部が移動してしまうことを抑制できる。軸部を回転させるためには、軸部の軸線中心を操作する必要があるが、分離された頭部により軸線中心が隠されていることにより、軸部の軸線中心にアクセスされることを抑制できる。よって、上記ネジ部材を緩める方向に回転させる不正行為が行われることを抑制できる。
【0239】
なお、「予め定められた分離操作」として、例えば工具係合部に所定トルク以上の回転力を加えるものが考えられる。この場合、第1部材及び第2部材の連結作業と、頭部及び軸部の分離作業と、を一連の流れとして行うことが可能となる。
【0240】
特徴A2.前記頭部は、分離された場合に当該頭部と前記軸部とが同一軸線上に位置するように保持されていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
【0241】
特徴A2によれば、分離された頭部と軸部とが同一軸線上に位置する。頭部は軸部よりも大径のものが一般的であり、分離された頭部と軸部とが同一軸線上に位置することにより、分離された頭部にて軸部全体を反軸部側から遮蔽することが可能となる。
【0242】
特徴A3.前記第3規制部は、前記頭部の前記軸線方向に沿った外周側を覆うものであり、
前記軸線方向と略直交する方向における前記第3規制部の内周側と前記頭部の外周側とによって形成される隙間が、当該隙間内にて分離された前記頭部がいずれの方向に移動したとしても、前記軸部側の軸線中心が通過する部分を前記分離部の反軸部側から隠すように設けられていることを特徴とする特徴A1又はA2に記載の遊技機。
【0243】
特徴A3によれば、第3規制部の内周側と頭部の外周側との隙間の大きさを設定することにより、分離された頭部がどのように移動したとしても、軸部の軸線中心が通過する部位を分離部の反軸部側から隠す具体的構成を得ることができる。特に、分離された頭部の位置を隙間によって規定したため、分離部が分離した場合に分離された頭部の位置を規定する機構を別途設ける必要がなくなる。
【0244】
特徴A4.前記第3規制部は、前記頭部の前記軸線方向に沿った外周側を覆うものであり、
前記第1規制部は、分離された前記頭部が前記第3規制部によって覆われた領域の内部から外部へと移動することを規制するものであり、
分離された前記頭部が、前記軸線に対して所定角度以上傾くことがないように、前記第1規制部と第2規制部との間隔が設定されていることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
【0245】
特徴A4によれば、第3規制部が頭部の外周側を覆うことにより、軸線方向と略直交する方向から頭部や軸部にアクセスされることを抑制することができる。また、第1規制部によって第3規制部に覆われた領域に頭部を留めることが可能となる。しかしながら、その領域内にて頭部が傾倒する場合、その傾倒により軸線方向と直交する方向の頭部と第3規制部との隙間が大きくなることが考えられる。つまり、頭部を傾倒させることにより、軸部の軸線方向と直交する方向の隙間が1箇所にまとめられ、軸部にアクセスするための通路が確保されることが考えられる。この場合、その通路から頭部を迂回して軸部側にアクセスされることが考えられる。これに対して本特徴によれば、第1規制部と第2規制部との間隔によって頭部が所定角度以上傾くことが抑制される。これにより、上記隙間が過度に大きくなることを抑制し、その隙間から軸部側の領域にアクセスされることを抑制することが可能となる。
【0246】
特徴A5.前記第3規制部は、前記頭部の前記軸線方向に沿った外周側を覆う筒部であり、
前記第1規制部及び前記第2規制部は、前記筒部内の内周面から前記軸線中心に向かって突出する突出部であることを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
【0247】
特徴A5によれば、第3規制部が頭部の外周側を覆うことにより、軸線方向と略直交する方向から頭部や軸部にアクセスされることを抑制することができる。また、第1規制部及び第2規制部は、筒部内に設けられた突出部である。これにより、分離された頭部の位置を規制する構成を得る上で、新たな機構を別途設ける必要がなくなり、遊技機の部品点数が増加することを抑制できる。
【0248】
特徴A6.前記第1規制部は、内周側の端部が自由端となるように突出しており、前記ネジ部材が差し込まれる場合、前記頭部に押圧され弾性変形することを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
【0249】
特徴A6によれば、第1規制部により頭部が反軸部側に移動することを規制するため、第1規制部はネジ部材が通過できないように突出する必要性が考えられる。しかしながら、第1規制部が設けられていることによりネジ部材を通過させることができず、ネジ部材を良好に設置できなくなることが考えられる。これに対して本特徴によれば、第1規制部の内周側の端部が自由端となっており、第1規制部が弾性変形可能となっている。これにより、頭部によって押圧することにより第1規制部を弾性変形させ、ネジ部材を設置することができる。また、ネジ部材を設置した場合には、第1規制部の復元力によって第1規制部が押圧されていない状態に戻り、頭部が第1規制部よりも反軸部側に移動することができないようにすることが可能となる。
【0250】
特徴A7.前記第1規制部は、前記筒部の内周面に断続的に設けられていることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
【0251】
特徴A7によれば、第1規制部が筒部の内周面に断続的に設けられている。仮に、筒部の内周面の全てに第1規制部が設けられている場合、小さい力にて第1規制部を弾性変形させることができなくなることが考えられる。この場合、ネジ部材を設置する設置作業中に分離部に意図せず大きな力が加わり、ネジ部材による連結作業が終了する前に分離部が分離してしまうおそれがある。これに対して本特徴によれば、ネジ部材の設置作業において分離部に意図せず大きな力が加わり、連結作業が終了する前に分離部が分離することを抑制できる。
【0252】
特徴A8.前記第1規制部は、前記軸部の軸線方向にみて、当該第1規制部のその他の部分よりも肉薄となった部分が設けられていることを特徴とする特徴A6又はA7に記載の遊技機。
【0253】
特徴A8によれば、第1規制部には軸部の軸線方向にみて、当該第1規制部のその他の部分よりも肉薄となった部分が設けられている。これにより、ネジ部材を設置するために、ネジ部材により第1規制部が押圧された場合に、その肉薄部分が弾性変形することにより、ネジ部材を設置することが可能となる。本特徴によれば、第1規制部を弾性変形させるために、新たな機構を設けたり、第1規制部の一部分を別材料にて形成したりする必要がなくなる。この結果、第1規制部を弾性変形させるために、遊技機を組み立てる際の部品点数が増加することを抑制できる。
【0254】
特徴A9.前記第2規制部は、前記第1規制部よりも前記軸部側に設けられており、
前記第2規制部は、前記第1規制部よりも内周側への突出量が大きいことを特徴とする特徴A6乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
【0255】
特徴A9によれば、第2規制部は第1規制部よりも突出量が大きい。第1規制部は弾性変形させるために突出量を必要最低限なものとするのが望ましいのに対して、第2規制部は十分な強度を得るために突出量を十分確保することが望ましい。仮に、第2規制部の突出量が十分に確保されていない場合、第1部材と第2部材との連結作業中に第2規制部が破損することが考えられる。これに対して本特徴によれば、第2規制部の突出量を大きくしたことにより、第2規制部の強度を十分に確保することが可能となる。
【0256】
特徴A10.前記第1規制部及び前記第2規制部のそれぞれは、前記軸部の軸線方向にて対向することがないように前記筒部の内周に断続的に設けられていることを特徴とする特徴A5乃至A9のいずれか1に記載の遊技機。
【0257】
特徴A10によれば、第1規制部と第2規制部とが軸部の軸線方向にて対向していない。仮に、筒部の軸線方向に各規制部が重なっていると、各規制部を製造する場合に、各規制部を型整形させるための型(治具等)を設置することができず、各規制部の成形が困難なものとなる不都合が発生することが考えられる。これに対して本特徴によれば、各規制部が軸線方向に重なることがないように断続的に設けられていることにより、各規制部が軸線方向に重なっている構成に比べ、上記不都合が発生することを抑制し、各規制部を良好に製造することが可能となる。つまり、各規制部を含む筒部を製造するに際して、型整形による型抜きが可能となって、型による樹脂一体成形が可能となる。
【0258】
特徴A11.前記頭部の少なくとも一部には前記ネジ部材のその他の部位よりも大径に形成された大径部が設けられており、
前記第2規制部の内周部は、前記ネジ部材の前記大径部よりも軸部側を挿通可能な大きさ、かつ前記大径部を挿通不可能な大きさに形成されていることを特徴とする特徴A5乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
【0259】
特徴A11によれば、ネジ部材の大径部が通過不可能に、かつネジ部材の大径部よりも軸部側が通過可能に、第2規制部の内周部が設けられている。第2規制部の内周部がネジ部材の大径部よりも軸部側を挿通可能であることから、第1規制部及び第2規制部より軸線方向に挟み込む部分を頭部の大径部のみとすることができ、挟み込みによる頭部の位置決めが容易となる。
【0260】
特徴A12.前記筒部の内部に少なくとも一部が位置するとともに、前記軸部が差し込まれる差込孔を有した差込部(通し部206)を有し、
前記差込部の外周面と前記筒部の内周面との間に隙間が形成されていることを特徴とする特徴A5乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
【0261】
例えば、頭部と軸部とが分離されているとしても、樹脂や接着剤等を流し込み頭部と軸部とを一体化させる不正行為が考えられる。これに対して本特徴によれば、筒部の内部に軸部が差し込まれる差込部が形成されている。そして、筒部の内周面と差込部の外周面との間に隙間が設けられている。これにより、頭部と軸部を一体化させようとして樹脂や接着剤等が流し込まれたとしても、差込部と筒部との間の隙間からその樹脂や接着剤を流れ出させることが可能となる。この結果、樹脂や接着剤等によって頭部と軸部とが一体化されることを抑制できる。
【0262】
また、上記樹脂や接着剤等による不正行為を行う場合、軸部の軸線が通過する部位を頭部が隠しているため、頭部や頭部周辺の部位を樹脂や接着剤等がつたうようにして、その樹脂や接着剤等を軸部に到達させようとする不正行為が想定される。この場合、樹脂や接着剤等をつたわせるために、その樹脂や接着剤は、遅乾性のものが用いられることが考えられる。これに対して本特徴によれば、遅乾性の樹脂や接着剤等が使用された場合、その樹脂や接着剤等が固着する前に、筒部と差込部との隙間からその樹脂や接着剤等を流れ出させることが可能となる。つまり、本特徴を適用した場合、遅乾性の樹脂や接着剤に対して特に顕著な効果を得ることが可能となる。
【0263】
特徴A13.前記第2規制部は、前記筒部の内周面から断続して突出しているものであり、その少なくとも一部が前記差込部の前記頭部側の端部よりもさらに前記頭部側に位置しているとともに、前記筒部と差込部とを連結していることを特徴とする特徴A12に記載の遊技機。
【0264】
特徴A13によれば、第2規制部が差込部の頭部側の端部よりも、さらに頭部側に少なくとも一部が位置しており、それ以上差込部側に分離された頭部が移動することを規制できる。さらに、第2規制部が断続的に突出しており、筒部と差込部とを連結している。これにより、筒部と差込部との間に隙間が形成されるように、筒部の内部に差込部を設けることが可能となる。つまり、本特徴によれば、第2規制部の形状によって、分離された頭部の移動(軸部側への移動)を規制する効果と、上記樹脂や接着剤等による不正行為を抑制する効果と、を得ることが可能となる。
【0265】
特徴A14.前記頭部の反軸部側の端部は、平面状に形成されており、
前記第1規制部は、その端部の周縁部を規制するものであることを特徴とする特徴A1乃至A13のいずれか1に記載の遊技機。
【0266】
特徴A14によれば、頭部の反軸部側の周縁部が第1規制部により規制される。また、頭部の反軸部側の端部は平面状を有しているため、その端部が第1規制部により規制されることにより、当該頭部が第1規制部の反軸部側の端部よりも反軸部側に突出することが規制される。頭部が当該端部より反軸部側へと突出する場合、その突出した頭部が摘ままれ引き抜かれることが考えられる。これに対して本特徴によれば、頭部が第1規制部の反軸部側の端部から突出しないため、上記突出した頭部が摘ままれ、引き抜かれる不正行為が行われることを抑制できる。
【0267】
また、特徴A7や特徴A10のように第1規制部が断続的に設けられた構成においては、第1規制部の強度が他の部位に比べ低くなり、分離された頭部が引き抜かれることが考えられる。これに対して本特徴を適用すれば、第1規制部が頭部の周縁部を規制することにより、第1規制部の強度が他の部位に比べ低くなった構成において、第1規制部によって分離された頭部の位置を良好に規制することができる。
【0268】
特徴A15.前記第1規制部の軸部側の端部は、前記頭部の前記第1規制部側の端部と略平行に延びていることを特徴とする特徴A14に記載の遊技機。
【0269】
特徴A15によれば、第1規制部の軸部側の端部が、頭部の第1規制部側の端部と略平行に延びている。これにより、軸部の軸線方向と同方向にて頭部と第1規制部とが係合される。この結果、頭部と第1規制部とが係合された場合の強度を高めることが可能となり、ネジ部材が設置された後に頭部が引き抜かれることを抑制する効果を高めることが可能となる。
【0270】
上記特徴A群の各発明は、以下の課題に対して効果的である。
【0271】
遊技機としては、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機は、CPU(中央演算装置)や遊技に関わる制御プログラムが記憶されたROM等の電子部品が実装された制御基板を備えており、その制御基板によって一連の遊技が制御されている。なお、近年においては、CPUやROMが1チップ化されて制御基板に実装されたものもある。
【0272】
この種の遊技機においては、不正な利益を得ることを目的として、例えば、制御基板を不正に取り外して当該基板内のROM(CPUやROMが1チップ化されている場合は当該チップ)を交換して遊技内容を変更したり、リード線等により外部から不正な電気信号を制御基板に入力させたりする等の不正行為が数多く報告されている。
【0273】
このため、各種の不正対策が検討されている。不正対策の一例を示すと、基板ボックスを構成する複数のボックス構成体を相互に固定する固定手段として、通常のネジ部材ではなく破断ネジと称される特殊なネジ部材を使用したものが知られている。
【0274】
この種のネジ部材は、ボックス構成体にねじ込まれるネジ溝を含む軸部と、その軸部を回転操作する工具が係合される工具係合部を含む頭部と、その工具係合部に所定トルク以上の回転力が加えられることにより頭部と軸部とを分離させる分離部と、を備えている。したがって、ボックス構成体を締結した後に所定トルク以上の回転力を工具係合部に付与することによって頭部が軸部から分離される。これにより軸部に緩める方向への回転力を伝達することができず、ボックス構成体相互の締結状態を維持されるようにし、以ってボックス構成体の不正開封を抑制する対策となっている。なお、このような特殊なネジ部材は、基板ボックスとその設置部品との間での締結など、ボックス構成体相互の締結以外にも適用し得る。
【0275】
しかしながら、頭部が分離されるネジ部材を用いたことに伴って、次のような問題の発生が懸念される。すなわち、遊技機製造工程において、ネジ部材をネジ込んだ後に分離した頭部の回収作業が煩雑となって組み立て作業効率が低下するおそれがある。また、分離された頭部を回収しきれなかった場合、その頭部が遊技球等の遊技媒体の通路に残存して円滑な遊技媒体の流通を阻害したり、頭部が電気部品に干渉してショートしたりする等、不具合や故障の要因ともなり得ると考えられる。
【0276】
なお、上記特徴A1〜A15のいずれか1の構成に対して、下記特徴B1〜B8、下記特徴C1〜C12及び下記特徴D1〜D8のいずれか1にて限定したものを適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
【0277】
特徴B1.遊技に関する制御を行う制御基板(主制御基板101)と、
内部空間が形成されており、その内部空間に前記制御基板が収容されている基板ボックス(基板ボックス102)と、
前記基板ボックスが取り付けられる取付部(主側取付台105)と、
を備え、
前記基板ボックスは、前記取付部から離脱不可又は離脱困難な状態でかつ前記取付部に対して回動可能に固定されていることを特徴とする遊技機。
【0278】
特徴B1によれば、取付部から離脱不可又は離脱困難な状態で基板ボックスが取付部に固定されている。これにより、基板ボックスを不正に取り外して制御基板を交換する等の不正行為が行われることを抑制できる。一方、単に基板ボックスを固定しただけでは、基板ボックスの裏側等、目視確認の困難な箇所に対する不正を見落とす可能性がある。この点、本特徴では基板ボックスを回動させることでそのような不正も発見し易い。
【0279】
以上の結果、基板ボックスの取り外しによる不正を抑制しつつ、基板ボックスの裏側等の通常では目視困難な箇所の不正発見を容易なものとすることができ、不正に対する耐性を格段に高めることができる。
【0280】
特徴B2.遊技に関する制御を行う制御基板(主制御基板101)と、
内部空間が形成されており、その内部空間に前記制御基板が収容されている基板ボックス(基板ボックス102)と、
前記基板ボックスが取り付けられる取付部(主側取付台105)と、
前記取付部に設けられた第1係合部(差込軸部109)と、
前記基板ボックスに設けられ、前記第1係合部に対して回動可能に係合される第2係合部(筒部110)と、
前記第1係合部と前記第2係合部との回動を許容しつつ、前記取付部から離脱不可又は離脱困難な状態となるように、前記基板ボックスを前記取付部に固定する固定手段(破断ネジ180、筒側結合部283、ネジ差込部288)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0281】
特徴B2によれば、取付部から離脱不可又は離脱困難な状態で基板ボックスが取付部に固定されている。これにより、基板ボックスを不正に取り外して制御基板を交換する等の不正行為が行われることを抑制できる。一方、単に基板ボックスを固定しただけでは、基板ボックスの裏側等、目視確認の困難な箇所に対する不正を見落とす可能性がある。この点、本特徴では第1係合部と第2係合部とが回動可能に係合されていることにより基板ボックスを回動させることができ、そのような不正も発見し易い。
【0282】
以上の結果、基板ボックスの取り外しによる不正を抑制しつつ、基板ボックスの裏側等の通常では目視困難な箇所の不正発見を容易なものとすることができ、不正に対する耐性を格段に高めることができる。
【0283】
特徴B3.前記第1係合部及び前記第2係合部のうち、一方は軸部であり、他方は前記軸部が差し込まれる被差込部であり、
前記軸部と前記被差込部とは、相対的に回動可能であることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
【0284】
特徴B3によれば、軸部が被差込部に差し込まれる。これにより、取付部に対して基板ボックスを回動可能に取り付ける場合に複雑な作業を要しない。
【0285】
特徴B4.前記固定手段は、
前記軸部に設けられ、当該軸部の周方向に延びる凹部(凹部289)と、
前記被差込部を貫通しつつ、その先端が前記軸部の外周側から前記凹部に差し込まれる連結部材(軸部193)と、
を備えていることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
【0286】
特徴B4によれば、連結部材が凹部に差し込まれた状態にて、当該連結部材により軸部と被差込部とが連結される。凹部が周方向に延びているため、連結部材が凹部内にて移動することができる。この結果、基板ボックスの回動を阻害しないようにしつつ、軸部が被差込部から引き抜かれ基板ボックスが取り外されることを抑制できる。
【0287】
特徴B5.前記軸部は、その差込方向と直交する方向の断面積が、前記連結部材の差込方向と直交する方向における当該連結部材の断面積よりも大きいことを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
【0288】
各係合部が回動可能に係合されているため、各係合部の強度が低いとすると、各係合部を回動させる場合に、各係合部が破損する不都合が発生することが考えられる。この点、本特徴では取付部に対して基板ボックスを回動可能とする部材と、軸部と被差込部との分離を規制する部材とが分けられている。これにより、軸部と被差込部との強度を担保しつつ、軸部と被差込部とを連結することが可能となる。つまり、軸部の強度を担保する上で、連結部材の断面積の設定の自由度が低下することを抑制できる。この結果、基板ボックスを回動可能とする部材の強度を担保しつつ、連結部材として一般的なビス等を使用することが可能となる。
【0289】
以上により、基板ボックスが取付部から離脱不可又は離脱困難な状態でかつ回動可能に固定する上で、上記各係合部が破損する不都合の発生を抑制できる。
【0290】
特徴B6.前記連結部材は、ネジ溝が形成されたネジ部材であって、前記被差込部とネジ結合されるものであり、
前記ネジ部材における前記凹部に入り込む位置よりも基端側に前記ネジ溝が形成されていることを特徴とする特徴B4又はB5に記載の遊技機。
【0291】
凹部に入り込む位置にネジ溝が形成されていると、凹部に挿し込まれた場合に凹部の内周面とネジ溝とが接触することで、凹部が変形したり、上記回動が阻害されたりする可能性がある。この点、本特徴ではネジ溝と凹部とが接触しにくい。このため、上記回動が阻害されることを抑制できる。
【0292】
特徴B7.前記連結部材は、
前記被差込部とネジ結合されるネジ溝が形成されたネジ溝部(軸部193)と、
前記ネジ溝部を回転操作する工具が係合される工具係合部を含む頭部(頭部190)と、
前記ネジ溝部と前記頭部とを連結するとともに、前記工具係合部に所定トルク以上の回転力が加えられることにより前記ネジ溝部から前記頭部を分離させる分離部(破断部195)と、
を備えているネジ部材であることを特徴とする特徴B4乃至B6のいずれか1に記載の遊技機。
【0293】
特徴B7によれば、固定手段におけるネジ溝部にて遊技機本体と基板ボックスとを連結することができる。そして、遊技機本体と基板ボックスとを連結させた後には、工具係合部に所定トルク以上の回転力を加えることにより、ネジ溝部と頭部とを分離させることができる。頭部とネジ溝部とが分離することにより、頭部を介して軸部を回転させることが困難となり、遊技機本体と基板ボックスとの連結が不正に解除されることを抑制できる。
【0294】
特徴B8.前記基板ボックスは、第1ボックス構成体(表側構成体111)と第2ボックス構成体(裏側構成体112)とを備え、
前記第2係合部は、前記第1ボックス構成体と前記第2ボックス構成体とが組み合わされることにより形成されており、
前記第1係合部は、前記第1係合部における前記第1ボックス構成体と前記第2ボックス構成体との境界部を跨ぐようにして設けられていることを特徴とする特徴B2乃至B7のいずれか1に記載の遊技機。
【0295】
特徴B8によれば、第2係合部に各ボックス構成体の境界部が生じており、その境界部に第1係合部が跨っている。これにより、基板ボックスを開放させる不正行為が行われることを抑制することも可能となる。
【0296】
特徴C1.遊技に関する制御を行う制御基板(主制御基板101)と、
内部空間が形成されており、その内部空間に前記制御基板が収容されている基板ボックス(基板ボックス102)と、
前記基板ボックスが取り付けられる取付部(主側取付台105)と、
前記基板ボックスに設けられた第1係合部(筒部110)と、
前記取付部に設けられ、前記第1係合部と係合される第2係合部(差込軸部109)と、
を備え、
前記基板ボックスは、第1ボックス構成体(表側構成体111)と第2ボックス構成体(裏側構成体112)とを有し、
前記第1係合部は、各係合部が係合されている状況において前記第1ボックス構成体と前記第2ボックス構成体との組み合わせ状態が解除されることがないように、前記第1ボックス構成体と前記第2ボックス構成体とが組み合わされることによって形成されていることを特徴とする遊技機。
【0297】
特徴C1によれば、基板ボックスの係合部と取付部の係合部とがそれぞれ係合されている。これにより、取付部から基板ボックスを取り外し基板ボックスごと制御基板を取り替えるといった不正行為が行われることを抑制できる。一方、各係合部が係合された状態にて、第1ボックス構成体と第2ボックス構成体とを分離させ、制御基板に不正にアクセスされることが考えられる。この点、本特徴では第1ボックス構成体と第2ボックス構成体とが組み合わされることによって第1係合部が形成されており、各係合部が係合された状態においては、各ボックス構成体の組み合わせが解除されることを抑制できる。
【0298】
特徴C2.前記第1係合部は、前記基板ボックスから張り出すようにして設けられていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
【0299】
特徴C2によれば、基板ボックスから張り出して第1係合部が設けられている。これにより、第1係合部を設けるために基板ボックスの内部空間が小さくなることを抑制できる。つまり、第1係合部を設けるために制御基板の収容スペースが小さくなることを抑制できる。
【0300】
特徴C3.前記第1ボックス構成体と前記第2ボックス構成体とは、相対的にスライド移動させることが可能となっており、
各係合部は、そのスライド移動を規制するように係合されていることを特徴とするC1又はC2に記載の遊技機。
【0301】
特徴C3によれば、各ボックス構成体のスライド移動が各係合部により規制されている。これにより、基板ボックスが取付部に取り付けられた状態にて各ボックス構成体がスライド移動されることを抑制できる。この結果、各ボックス構成体が分離されることを抑制できる。
【0302】
特徴C4.前記第2係合部は、前記第1係合部における前記第1ボックス構成体と前記第2ボックス構成体との境界部を跨ぐようにして設けられていることを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
【0303】
特徴C4によれば、第1係合部に各ボックス構成体の境界部が生じており、その境界部に第2係合部が跨っている。これにより、基板ボックスを開放させる不正行為を抑制することも可能となる。
【0304】
特徴C5.前記第1係合部における前記第1ボックス構成体と前記第2ボックス構成体との境界部が、前記第2係合部によりスライド移動させる方向に対して隠されていることを特徴とする特徴C4に記載の遊技機。
【0305】
特徴C5によれば、各ボックス構成体の境界部がスライド移動させる方向に対して第2係合部により隠されている。これにより、第1係合部と第2係合部とが係合している状態では、各ボックス構成体のうち、一のボックス構成体がスライド移動されることを抑制できる。この結果、基板ボックスを開放させる不正行為が行われることを抑制できる。
【0306】
特徴C6.前記第1係合部及び前記第2係合部のうち、一方は軸部(差込軸部109)であり、他方は前記軸部が差し込まれる被差込部(筒部110)であることを特徴とする特徴C1乃至C5のいずれか1に記載の遊技機。
【0307】
特徴C6によれば、被差込部に軸部を差し込むことにより、基板ボックスと取付部とが係合される。これにより、基板ボックスと取付部とを係合させる場合に複雑な作業を要しない。
【0308】
特徴C7.前記軸部及び前記被差込部を連結するよう当該軸部及び被差込部に差し込まれる連結部材(破断ネジ180)を備えていることを特徴とする特徴C6に記載の遊技機。
【0309】
特徴C7によれば、軸部及び被差込部を連結するように連結部材が差し込まれている。これにより、被差込部に軸部が差し込まれた後に、軸部が引き抜かれることを抑制できる。
【0310】
特徴C8.前記軸部は、その差込方向と直交する方向の断面積が、前記連結部材の差込方向と直交する方向における当該連結部材の断面積よりも大きいことを特徴とする特徴C7に記載の遊技機。
【0311】
特徴C8によれば、取付部と基板ボックスとを係合させる部材と、軸部と被差込部との分離を規制する部材とが分けられている。これにより、軸部と被差込部との強度を担保しつつ、軸部と被差込部とを連結することが可能となる。つまり、軸部の強度を担保する上で、連結部材の断面積の設定の自由度が低下することを抑制できる。この結果、軸部及び被差込部の強度を担保しつつ、連結部材として一般的なビス等を使用することも可能となる。
【0312】
特徴C9.前記軸部と前記被差込部とは、相対的に回動可能に係合されており、
前記連結部材は、前記第1係合部と前記第2係合部との回動を阻害することがないようにしながら前記軸部と前記被差込部とを連結するものであることを特徴とする特徴C7又はC8に記載の遊技機。
【0313】
単に基板ボックスを固定しただけでは、基板ボックスの裏側等、目視確認の困難な箇所に対する不正を見落とす可能性がある。この点、本特徴では基板ボックスを回動させることでそのような不正も発見し易い。この結果、基板ボックスの取り外しによる不正を抑制しつつ、基板ボックスの裏側等の通常では目視困難な箇所の不正発見を容易なものとすることができ、不正に対する耐性を格段に高めることができる。
【0314】
ここで、各係合部が回動可能に係合されているため、各係合部の強度が低いとすると、各係合部を回動させる場合に各係合部が破損する不都合が発生することが考えられる。これに対して特徴C8の構成を適用することにより、基板ボックスを回動可能とする部材の強度を担保しつつ、連結部材による連結を好適に行うことが可能となる。
【0315】
特徴C10.前記連結部材は、
前記被差込部とネジ結合されるネジ溝が形成されたネジ溝部(軸部193)と、
前記ネジ溝部を回転操作する工具が係合される工具係合部を含む頭部(頭部190)と、
前記ネジ溝部と前記頭部とを連結するとともに、前記工具係合部に所定トルク以上の回転力が加えられることにより前記ネジ溝部から前記頭部を分離させる分離部(破断部195)と、
を備えているネジ部材であることを特徴とする特徴C7乃至C9のいずれか1に記載の遊技機。
【0316】
特徴C10によれば、固定手段におけるネジ溝部にて遊技機本体と基板ボックスとを連結することができる。そして、遊技機本体と基板ボックスとを連結させた後には、工具係合部に所定トルク以上の回転力を加えることにより、ネジ溝部と頭部とを分離させることができる。頭部とネジ溝部とが分離することにより、頭部を介して軸部を回転させることが困難となり、遊技機本体と基板ボックスとの連結が不正に解除されることを抑制できる。
【0317】
特徴C11.前記第1ボックス構成体及び前記第2ボックス構成体のそれぞれは、前記第1係合部を形成する係合形成部(表側筒形成部230、裏側筒形成部233)を備え、
前記係合形成部は、各ボックス構成体に一体形成されていることを特徴とする特徴C1乃至C10のいずれか1に記載の遊技機。
【0318】
特徴C11によれば、各ボックス構成体には係合形成部がそれぞれ一体形成されている。一方、ボックス構成体に係合形成部が別体にて設けられている場合、つまり、ボックス構成体に第1係合部が別体にて取り付けられている場合、ボックス構成体と第1係合部とに境界部が生じ、その境界部を巧妙に破壊(切断)し、制御基板を取り替えた後に、その境界部を再び接着する不正行為が考えられる。この点本特徴によれば、係合形成部が各ボックス構成体に一体形成されていることで、ボックス構成体と第1係合部との間に境界部が生じることを抑制できる。この結果、境界部を巧妙に破壊される不正行為が行われることを抑制できる。
【0319】
特徴C12.前記第1係合部は軸部(差込軸部109)であり、前記第2係合部は前記軸部を覆う筒部(筒部110)であることを特徴とする特徴C1乃至C11のいずれか1に記載の遊技機。
【0320】
特徴C12によれば、筒部に軸部が覆われている。第1ボックス構成体と第2ボックス構成体とによって第1係合部を形成するため、第1係合部に各ボックス構成体の境界部が生じていることが考えられる。このため、その境界部から制御基板に不正にアクセスされることが考えられる。この点、第1係合部を軸部とし、その軸部を筒部にて覆うことにより、軸部における各ボックス構成体の境界部を筒部にて外部から遮蔽することが可能となる。これにより、軸部の境界部から制御基板にアクセスされることを抑制できる。
【0321】
特徴D1.遊技に関する制御を行う制御基板(主制御基板101)と、
内部空間が形成されており、その内部空間に前記制御基板が収容されている基板ボックス(基板ボックス102)と、
前記基板ボックスが取り付けられる取付部(主側取付台105)と、
を備えている遊技機において、
前記基板ボックスは、第1ボックス構成体(表側構成体111)と第2ボックス構成体(裏側構成体112)とを有し、前記第2ボックス構成体の端部から反対側の端部に向けて前記第1ボックス構成体をスライド移動可能となるようにガイドするガイド部(レール119、レール差込部120)を備え、
前記ガイド部は、前記スライド移動させるスライド方向の両側に設けられており、前記スライド方向と交差する方向への各ボックス構成体の移動を規制するものであり、
前記第2ボックス構成体は、前記スライド方向の奥側に設けられるとともに前記第1ボックス構成体の少なくとも一部を収容する収容部(収容部123)を備え、
前記収容部とは前記スライド方向にみて反対側に設けられ、前記第1ボックス構成体と前記第2ボックス構成体との分離を規制するように、各ボックス構成体を固定する固定手段(破断ネジ180、ネジ差込部288等)を備えていることを特徴とする遊技機。
【0322】
基板ボックスが第1ボックス構成体と第2ボックス構成体とによって構成されていることにより、ボックス構成体を浮き上がらせる等、各ボックス構成体の間に隙間を形成し、その隙間から基板ボックス内部にアクセスされる可能性がある。この点、本特徴ではガイド部がスライド方向の両側に設けられており、スライド方向の奥側に収容部が設けられており、さらに、収容部の反対側に固定手段が設けられている。このため、基板ボックスのほぼ全周にて各ボックス構成体の移動を規制することができる。以上の結果、各ボックス構成体が浮き上がらされて、隙間が形成されることを抑制できる。
【0323】
ここで、各ボックス構成体が歪まされ、ボックス構成体が若干スライド移動されることが考えられる。この場合、ボックス構成体を若干スライド移動させ各ボックス構成体を分離させようとする不正行為が考えられる。この点、本特徴では収容部が第1ボックス構成体を覆うことにより、各ボックス構成体が歪まされたとしても、収容部が覆っている範囲以上に第1ボックス構成体がスライド移動されない限り、各ボックス構成体が分離されることを抑制できる。つまり、各ボックス構成体が歪まされる不正行為に対する抑制効果を得ることが可能となる。
【0324】
また、スライド方向の奥側に収容部が設けられていることにより、第1ボックス構成体をスライド移動させ、その第1ボックス構成体をそのまま収容部に収容することも可能となる。つまり、各ボックス構成体を組み付ける作業と、各ボックス構成体の移動を規制する作業と、を一連の流れとして行うことが可能となる。これにより、各ボックス構成体の浮き上がりを抑制する上で、基板ボックスの組み付け作業が複雑化することを抑制できる。また、ガイド部及び収容部により各ボックス構成体の移動を規制することにより、各ボックス構成体の移動を規制する上でネジ等の使用数を少なくすることも可能となる。
【0325】
特徴D2.前記固定手段は、さらに、前記取付部から離脱不可又は離脱困難な状態で各ボックス構成体を固定することを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
【0326】
特徴D2によれば、基板ボックスの取付部からの分離と、各ボックス構成体の分離と、が固定手段により規制されている。これにより、基板ボックスの組立作業及び基板ボックスの取付部への取付作業を、固定手段の設置により行うことが可能となる。この結果、遊技機を組み立てる場合の作業性を向上させる効果や遊技機の部品点数を削減する効果が期待される。
【0327】
特徴D3.前記収容部は、前記基板ボックスの端部に沿って形成されており、
前記固定手段は、前記基板ボックスの前記収容部が設けられている端部の反対側の端部に設けられていることを特徴とする特徴D1又はD2に記載の遊技機。
【0328】
特徴D3によれば、各ボックス構成体の端部に固定手段が設けられており、固定手段が設けられた端部の反対側の端部に収容部が設けられている。これにより、スライド方向の手前側と奥側との両端部にて各ボックス構成体の浮き上がりを抑制できる。基板ボックスの内部にアクセスする場合、基板ボックスの端部からアクセスされる可能性がある。この点、本特徴では基板ボックスの端部にてボックス構成体の浮き上がりを規制することにより、基板ボックスの端部から基板ボックス内部にアクセスされる不正行為を抑制できる。
【0329】
特徴D4.前記収容部は、前記スライド方向の奥側で、前記第1ボックス構成体と当接するように対向した対向部(閉鎖壁部130)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D3のいずれか1に記載の遊技機。
【0330】
特徴D4によれば、第1ボックス構成体は、スライド方向奥側にて対向部と対向するように当該対向部に当接している。第1ボックス構成体と対向部とが当接した場合、その当接した箇所では各ボックス構成体を移動させにくくなる効果が期待される。
【0331】
基板ボックスを組み立てる場合、対向部に当接するまで第1ボックス構成体をスライド移動させればよく、各ボックス構成体の移動を規制しつつ、基板ボックスの組み立て作業を簡易化できる。
【0332】
特徴D5.前記収容部は、
前記スライド方向に沿った前記第1ボックス構成の両側部を外側から覆うように立ち上がる一対の立ち上がり部(側壁部125)と、
各立ち上がり部を連結し、前記第2ボックス構成体とで前記第1ボックス構成体を挟む位置に配置された連結部(覆壁部127)と、
を備え、
さらに、前記対向部は、前記立ち上がり部及び連結部に対して一体形成されていることを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
【0333】
特徴D5によれば、立ち上がり部及び連結部によって第1ボックス構成体の外周が覆われている。この結果、収容部に第1ボックス構成体が収容された状態にて、第1ボックス構成体が当該第1ボックス構成体の周方向に移動することを抑制できる。さらに、立ち上がり部及び連結部に対向部が一体形成されている。これにより、立ち上がり部及び連結部が歪まされることを抑制できる。この結果、各ボックス構成体が浮き上がらされて隙間が形成されることを抑制する効果を高めることができる。
【0334】
また、立ち上がり部、連結部及び対向部を収容部が備えていることにより、収容部が第1ボックス構成体を覆っているスペースを増やすことが可能となる。これにより、収容部の外側から内側にアクセスされることを抑制できる。
【0335】
例えば、収容部が、第1ボックス構成体に当接した状態にて当該第1ボックス構成体を覆う構成が考えられる。このような構成では、収容部と第1ボックス構成体との間の隙間から基板ボックス内部にアクセスされることを抑制する効果を高めることが可能となる。この場合、収容部により第1ボックス構成体が移動することを規制する効果も高めることができる。
【0336】
特徴D6.前記第1ボックス構成体は、前記第2ボックス構成体と対向する側が開口した箱状をなしていることを特徴とする特徴D1乃至D5のいずれか1に記載の遊技機。
【0337】
特徴D6によれば、第1ボックス構成体が開口を有した箱状をなしており、第2ボックス構成体によりその開口が塞がれて基板ボックスが形成される。収容部が箱状の第1ボックス構成体を収容することにより、箱状の第1ボックス構成体が当該第1ボックス構成体の厚み方向に移動することを規制できる。この結果、第1ボックス構成体が浮き上がって、各ボックス構成体の間に隙間が形成されることを抑制できる。
【0338】
特徴D7.前記第1ボックス構成体は、前記スライド方向の奥側に段差部(表側周縁部113及び前後対向壁部136により形成される段差)が形成されており、
前記段差部が前記収容部に覆われていることを特徴とする特徴D1乃至D6のいずれか1に記載の遊技機。
【0339】
収容部と第1ボックス構成体との境界部から基板ボックス内に不正具を侵入させようとする不正行為が考えられる。この点、本特徴ではその境界部から不正具が侵入された場合、第1ボックス構成体の段差部にその不正具が到達する。不正具が段差部に到達した場合、その段差部が不正具の侵入を抑制する返し部として機能することが期待される。これにより、それ以上内部に不正具が侵入されにくくことができる。この結果、上記境界部から基板ボックス内部にアクセスされることを抑制できる。
【0340】
特徴D8.前記収容部は、前記段差部を覆っている状態にて、前記第1ボックス構成体の外周と当該収容部の外周との境界部が面一となるように形成されていることを特徴とする特徴D7に記載の遊技機。
【0341】
特徴D8によれば、第1ボックス構成体の外周と、収容部の外周と、の境界部にて段差が生じない。これにより、第1ボックス構成体における収容部に覆われる部位と、覆われない部位との境界部にて収容部が変形されにくくなる効果が期待される。つまり、収容部を変形させようとして収容部に外力を加えたとしても、その外力が収容部を変形させる方向に伝わりにくくすることができる。
【0342】
上記特徴B群、C群及びD群の各発明は、以下の課題に対して効果的である。
【0343】
遊技機としては、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機は、CPU(中央演算装置)や遊技に関わる制御プログラムが記憶されたROM等の電子部品が実装された制御基板を備えており、その制御基板によって一連の遊技が制御されている。なお、近年においては、CPUやROMが1チップ化されて制御基板に実装されたものもある。
【0344】
この種の遊技機においては、不正な利益を得ることを目的として、例えば、制御基板を不正に取り外して当該基板内のROM(CPUやROMが1チップ化されている場合は当該チップ)を交換して遊技内容を変更したり、リード線等により外部から不正な電気信号を制御基板に入力させたりする等の不正行為が数多く報告されている。
【0345】
このため、各種の不正対策が検討されている。不正対策の一例を示すと、基板ボックスを構成する複数のボックス構成体を透明に構成して制御基板の状態を外部から容易に視認できるようにする、基板ボックスに封印構造を持たせて基板ボックスの開封時には破壊等による開封履歴を残すようにする、又は、ボックス構成体の接合部に再貼付不可能な封印シールを貼付する等の不正対策が採用されている。
【0346】
しかしながら、上記のような不正対策が施されていても、未だに不正行為が行われているのが実状であり、前記封印構造や封印シール等を採用した制御基板装置であっても、不正の形跡が残らないようにして巧妙に基板ボックスを開封し、内部の制御基板に対して不正を施すといったことが行われている。したがって、基板ボックスに対する不正行為を抑制する上で未だ改善の余地がある。
【0347】
なお、上記特徴B1〜B8のいずれか1の構成に対して、上記特徴A1〜A15、上記特徴C1〜C12及び上記特徴D1〜D8のいずれか1にて限定したものを適用してもよい。上記特徴C1〜C12のいずれか1の構成に対して、上記特徴A1〜A15、上記特徴B1〜B8及び上記特徴D1〜D8のいずれか1にて限定したものを適用してもよい。上記特徴D1〜D8のいずれか1の構成に対して、上記特徴A1〜A15、上記特徴B1〜B8及び上記特徴C1〜C12のいずれか1にて限定したものを適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
【0348】
以下に、以上の各特徴を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
【0349】
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
【0350】
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
【0351】
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
【符号の説明】
【0352】
10…パチンコ機、61…主制御装置ユニット、101…主制御基板、102…基板ボックス、105…主側取付台、107…ベース部、107a,107b…上,下張出部、107c,107d…上,下側支軸、109…筒部、110…差込軸部、113…表側周縁部、117…裏側周縁部、119…レール、120…レール差込部、123…収容部、125…側壁部、127…覆壁部、130…閉鎖壁部、133…対向部、134…対向側延出壁部、135…対向側閉鎖壁部、136…前後対向壁部、150…第1固定部、155…第2固定部、160…固定板部、163…収容側貫通孔、173…表側結合部、174…裏側結合部、175…表側貫通孔、177…裏側連通孔、180…破断ネジ、190…頭部、193…軸部、195…破断部、198a,198b…頭部側絞部,軸部側絞部、200…先端部、202…差込側突出部、204…下流側突出部、206…通し部、208…通し孔、211…連続突出部、230…表側筒形成部、233…裏側筒形成部、235…表側円形溝部、238…天井側溝部、240…裏側円形溝部、283…筒側結合部、288…ネジ差込部、289…凹部、291…起立面、292…天井面、293…底面、296…回動始点面、297…回動終点面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技に関する制御を行う制御基板と、
内部空間が形成されており、その内部空間に前記制御基板が収容されている基板ボックスと、
前記基板ボックスが取り付けられる取付部と、
前記基板ボックスに設けられた第1係合部と、
前記取付部に設けられ、前記第1係合部と係合される第2係合部と、
を備え、
前記基板ボックスは、第1ボックス構成体と第2ボックス構成体とを有し、
前記第1係合部は、各係合部が係合されている状況において前記第1ボックス構成体と前記第2ボックス構成体との組み合わせ状態が解除されることがないように、前記第1ボックス構成体と前記第2ボックス構成体とが組み合わされることによって形成されていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記第1ボックス構成体と前記第2ボックス構成体とは、相対的にスライド移動させることが可能となっており、
各係合部は、そのスライド移動を規制するように係合されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記第2係合部は、前記第1係合部における前記第1ボックス構成体と前記第2ボックス構成体との境界部を跨ぐようにして設けられていることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記第1係合部における前記第1ボックス構成体と前記第2ボックス構成体との境界部が、前記第2係合部によりスライド移動させる方向に対して隠されていることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2010−279566(P2010−279566A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−135561(P2009−135561)
【出願日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】