説明

遊技機

【課題】1つの装置で、「電波ゴト」と呼ばれる不正行為と「どつき」と呼ばれる不正行為との両方を検出できる技術を提供する。
【解決手段】遊技盤に設けられ遊技球の通過を検出する球通過検出部を備え、球通過検出部による遊技球の検出に基づいて動作する遊技機であって、球通過検出部により検出され得る金属体632と、予め定められた検出位置にて金属体632を検出する球通過検出スイッチ610および球通過検出回路620と、遊技盤が静止しているときには検出位置に金属体632が位置し、遊技盤が揺れたときには金属体632が検出位置から離れるように金属体632を配置させる包囲部631とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技機の一つであるパチンコ遊技機は、遊技盤に各種の入賞装置が配置されているとともに、それらの各入賞装置には、各入賞装置への遊技球の入賞を検出するための検出スイッチが配置されている。そして、この検出スイッチを誤作動させて不正な払い出しを受けるなどの目的で行われる、いわゆる「電波ゴト」と呼ばれる不正行為や、入賞装置への入賞タイミングを変えるなどの目的で行われる、いわゆる「どつき」と呼ばれる不正行為を防止する技術が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には以下のような技術が記載されている。すなわち、特許文献1に記載の弾球遊技機用の遊技球検出器は、遊技球が通過した時に電気的物理量の変化により遊技球の通過を検出する球検出部と、電磁波又は磁場に感応した時の電気的物理量の変化により不正を検出する不正検出部と、この不正検出部が不正を検出した時に球検出部からの検出信号の出力を阻止する出力阻止部とを備えている。
【0004】
また、特許文献2には、以下のような技術が記載されている。すなわち、特許文献2に記載のパチンコ機の防犯システムは、パチンコ機に振動検出装置を取付け、この振動検出装置と警報音を発生する警報音発生装置及び警報表示を行なう警報表示装置とを接続し、振動装置から出力される検出信号に基づいて警報音発生装置及び警報表示装置の内、少なくともいずれか一つを作動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−286344号公報
【0006】
【特許文献2】実開平6−7787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
いわゆる「電波ゴト」と呼ばれる不正行為や、「どつき」と呼ばれる不正行為を抑制するためには遊技機にこれらの行為を検出する装置を備えていることが望ましい。そして、部品点数の増加を抑制するためには、1つの装置で、「電波ゴト」と呼ばれる不正行為と「どつき」と呼ばれる不正行為との両方を検出できることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的のもと、本発明は、遊技盤110と当該遊技盤110に設けられ遊技球の通過を検出する球通過検出部500とを備え、当該球通過検出部500による当該遊技球の検出に基づいて動作する遊技機100であって、前記球通過検出部500により検出され得る被検出体(632または732)と、予め定められた検出位置にて前記被検出体(632または732)を検出する検出部(610と620、または710と720)と、前記遊技盤110が静止しているときには前記検出位置に前記被検出体(632または732)が位置し、当該遊技盤110が揺れたときには当該被検出体(632または732)が当該検出位置から離れるように当該被検出体(632または732)を配置させる被検出体配置部(631、または733と734)とを有する遊技機100である。
【0009】
ここで、前記検出部(610と620、または710と720)は、前記球通過検出部500と同一の構成および機能を有するとよい。
また、前記検出部(610と620、または710と720)は、高周波磁界を発生させるコイル(612または712)を有し、前記被検出体(632または732)は、前記コイル(612または712)が発生させる高周波磁界の磁気損失を生じさせる物体であるとよい。
また、前記被検出体(632または732)は、前記遊技球であるとよい。
【0010】
また、前記検出部(610と620)には、周囲に高周波磁界を発生させるコイル612が配置され、前記被検出体632が通過可能な通過孔611aが形成されており、前記被検出体配置部631は、内側に前記被検出体632を収納することが可能な空間を形成するとともに当該空間から外部に当該被検出体632が出るのを抑制するように前記検出部(610と620)の前記通過孔611aを塞ぐとよい。
【0011】
また、前記検出部(710と720)には、周囲に高周波磁界を発生させるコイル712が配置され、前記被検出体732が通過可能な通過孔711aが形成されており、前記被検出体配置部(733と734)は、前記遊技盤110が静止しているときには前記被検出体732を前記コイル712が発生させる高周波磁界の磁気損失を生じさせる位置に保持する保持部733と、当該保持部733を回転可能に支持する支持軸734とを有するとよい。
【0012】
なお、本欄における上記符号は、本発明の説明に際して例示的に付したものであり、この符号により本発明が減縮されるものではない。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、1つの装置で、「電波ゴト」と呼ばれる不正行為と「どつき」と呼ばれる不正行為との両方を検出でき、部品点数の増加を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施の形態に係るパチンコ遊技機の概略正面図である。
【図2】本実施の形態に係るパチンコ遊技機を説明する図であり、(a)は、遊技盤の右下に配設された表示器の一例を示す拡大図であり、(b)は、パチンコ遊技機の部分平面図である。
【図3】制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。
【図4】遊技制御部の機能構成を示すブロック図である。
【図5】球通過検出部の概略構成を示す図面であり、(a)は、球通過検出スイッチを遊技球が通過する方向に見た図と球通過検出回路とを示しており、(b)は、(a)における球通過検出スイッチのVB−VB部の拡大断面図である。
【図6】接続線上における信号の状態と、CPUの入力ポートに供給される信号の状態を示す図である。
【図7】不正行為を受けた場合の接続線上における信号の状態と、CPUの入力ポートに供給される信号の状態を示す図である。
【図8】(a)は、第1の実施形態に係る不正行為検出装置の概略構成図であり、(b)は、(a)におけるVIIIB−VIIIB部の断面図である。
【図9】(a)は、第2の実施形態に係る不正行為検出装置の概略構成図であり、(b)は、(a)におけるIXB−IXB部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔遊技機の基本構成〕
図1は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100の概略正面図である。
同図に示す遊技機の一例としてのパチンコ遊技機100は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたものである。このパチンコ遊技機100は、遊技球が打ち出される遊技盤110と、遊技盤110を囲む枠部材150と、を備えている。遊技盤110は、枠部材150に着脱自在に取り付けられている。
【0016】
遊技盤110には、前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域111が形成されている。また、遊技盤110には、下方から発射された遊技球が上昇して遊技領域111の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材112が取り付けられている。また、遊技盤110には、遊技者により視認され易い遊技領域111の位置に、演出のための各種の画像を表示する画像表示部114が配設されている。
また、遊技盤110の前面に、各種の演出に用いられる可動役物115および盤ランプ116が取り付けられている。可動役物115は、遊技盤110に対して可動に構成され、可動による各種の演出を行い、また、盤ランプ116は、発光することで光による各種の演出を行う。
【0017】
遊技領域111には、遊技球が落下する方向に変化を与えるための遊技くぎ(不図示)および風車(不図示)等が配設されている。また、遊技領域111には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。また、遊技領域111には、遊技領域111に打ち出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかったものを遊技領域111の外に排出する排出口117が配設されている。
【0018】
入賞や抽選に関する種々の役物としては、遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する第1始動口121と、遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選が始動する第2始動口122と、遊技球が通過すると普通図柄抽選(開閉抽選)が始動するゲート124と、が遊技盤110に配設されている。
第2始動口122は、チューリップの花の形をした一対の羽根が電動ソレノイドにより開閉すると共に点灯する普通電動役物としての電動チューリップ123を備えている。電動チューリップ123は、羽根が閉じていると、遊技球は第2始動口122へ入り難い一方で、羽根が開くと第2始動口122の入口が拡大して遊技球が第2始動口122へ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ123は、普通図柄抽選に当選すると、点灯ないし点滅しながら羽根が規定時間(例えば6秒間)および規定回数(例えば3回)だけ開く。
【0019】
入賞や抽選に関する種々の役物としては、特別図柄抽選の結果に応じて開放する大入賞口125と、遊技球が入賞しても抽選が始動しない普通入賞口126と、が遊技盤110に配設されている。この大入賞口125は、通常は閉状態であるが特別図柄抽選の結果により所定条件(例えば30秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで突出傾斜して開状態が維持されるラウンドを所定回数(例えば15回または2回)だけ繰り返す。
また、遊技盤110の右下の位置には、抽選結果や保留数に関する表示を行う表示器130が配設されている。この表示器130の詳細は後述する。
【0020】
賞球の払い出しについて説明する。第1始動口121、第2始動口122、大入賞口125および普通入賞口126に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて、1つの遊技球当たり規定個数の賞球が払い出される。その一例を示すと、第1始動口121に遊技球が入賞すると3個の賞球、第2始動口122に遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口125に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口126に遊技球が入賞すると10個の賞球がそれぞれ払い出される。なお、ゲート124を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは無い。
【0021】
なお、遊技盤110の後面には、図示しない各種の基板等が取り付けられる。この各種の基板等について付言すると、遊技盤110の後面には、メイン基板およびサブ基板が配設されている。すなわち、遊技盤110の後面には、メイン基板として、内部抽選および当選の判定等を行う後述の遊技制御部200が構成された遊技制御基板が配設されている。この遊技制御基板は、開封することにより痕跡が残るように透明部材で構成されたメイン基板ケースに密封されている。
また、サブ基板として、演出を統括的に制御する後述の演出制御部300が構成された演出制御基板、画像および音による演出を制御する後述の画像/音響制御部310が構成された画像制御基板、および、各種のランプおよび可動役物115による演出を制御する後述のランプ制御部320が構成されたランプ制御基板等が配設されている。また、遊技盤110の後面には、供給された24VのAC電源をDC電源に変換して各種の基板等に出力するスイッチング電源(不図示)が配設されている。
付言すると、払出球の払い出し制御を行う後述の払出制御部400が構成された払出制御基板と、払出制御基板により制御され、外部から補給された補給球を一時的に溜めておき、賞球の払い出しや貸し球の払い出しを行う払い出しユニット(不図示)と、が枠部材150に配設されている。
【0022】
枠部材150は、遊技者が回転操作を行うハンドルレバー152が回転可能に取り付けられたハンドル151と、ハンドルレバー152の時計回転方向の回転操作の操作角度(操作量)に応じた発射強度にて遊技球を打ち出す発射機構部(不図示)とを有する発射装置158を備えている。発射装置158は、遊技者がハンドル151に触れてハンドルレバー152を時計回転方向に回転させる操作を行うと遊技球を所定の時間間隔(例えば1分間に100個)で発射する。また、枠部材150は、遊技者のハンドルレバー152による操作と連動したタイミングで発射装置158に遊技球を1つずつ順に供給する供給装置(不図示)と、供給装置が発射装置158に供給する遊技球を一時的に溜めておく皿153(図2参照)と、を備えている。この皿153には、例えば払い出しユニットによる払出球が払い出される。
【0023】
また、枠部材150は、発射装置158のハンドル151に遊技者が触れている状態であっても遊技球の発射を一時的に停止させるための停止ボタン154と、皿153に溜まっている遊技球を箱(不図示)に落下させて取り出すための取り出しボタン155と、を備えている。
また、枠部材150は、パチンコ遊技機100の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりするスピーカ156および枠ランプ157を備えている。スピーカ156は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行い、また、枠ランプ157は、点灯点滅によるパターンや発光色の違い等で光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ157については、光の照射方向を変更する演出を行うことを可能にする構成例が考えられる。
また、枠部材150は、遊技盤110を遊技者と隔てるための透明板(不図示)を備えている。
【0024】
図2は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100を説明する図であり、(a)は、遊技盤110の右下に配設された表示器130の一例を示す拡大図であり、(b)は、パチンコ遊技機100の部分平面図である。
パチンコ遊技機100の表示器130は、図2の(a)に示すように、第1始動口121の入賞に対応して作動する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122の入賞に対応して作動する第2特別図柄表示器222と、ゲート124の通過に対応して作動する普通図柄表示器223と、を備えている。第1特別図柄表示器221は、第1始動口121の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第2特別図柄表示器222は、第2始動口122の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。普通図柄表示器223は、遊技球がゲート124を通過することにより普通図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。なお、本実施の形態では、第1特別図柄表示器221および第2特別図柄表示器222は、7セグ表示装置で構成され、また、普通図柄表示器223は、LED表示装置で構成されている。
【0025】
また、表示器130は、第1特別図柄表示器221での保留に対応して作動する第1特別図柄保留表示器218と、第2特別図柄表示器222での保留に対応して作動する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄表示器223での保留に対応して作動する普通図柄保留表示器220と、を備えている。この保留について説明する。変動表示動作中(入賞1回分の変動表示が行なわれている間)にさらに他の遊技球による入賞があると、その入賞した遊技球に対する図柄の変動表示動作は、先に入賞した遊技球に対する変動表示動作が終了するまで、規定個数(例えば4個)を限度に保留される。このような保留がなされていることおよびその保留の数(未抽選数)が、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220に表示される。なお、本実施の形態では、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220の各々は、一列に配設したLED表示装置で構成され、その点灯態様によって保留数が表示される。
【0026】
パチンコ遊技機100の枠部材150は、遊技者が演出に対する入力を行うための入力装置を備えている。図2の(b)に示すように、本実施の形態では、入力装置の一例として、演出ボタン161と、演出ボタン161に隣接し、略十字に配列された複数のキーからなる演出キー162と、が枠部材150に配設されている。演出キー162は、その中央に1つの中央キーを配置し、また、中央キーの周囲に略同一形状の4つの周囲キーを配置して構成されている。遊技者は、4つの周囲キーを操作することにより、画像表示部114に表示されている複数の画像のいずれかを指示することが可能であり、また、中央キーを操作することにより、指示した画像を選択することが可能である。
【0027】
〔制御ユニットの構成〕
次に、パチンコ遊技機100での動作制御や信号処理を行う制御ユニットについて説明する。
図3は、制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、制御ユニットは、メイン制御手段として、内部抽選および当選の判定等といった払い出す賞球数に関する各種制御を行う遊技制御部200を備えている。また、サブ制御手段として、演出を統括的に制御する演出制御部300と、画像および音響を用いた演出を制御する画像/音響制御部310と、各種のランプおよび可動役物115を用いた演出を制御するランプ制御部320と、払出球の払い出し制御を行う払出制御部400と、を備えている。前述したように、遊技制御部200、演出制御部300、画像/音響制御部310、ランプ制御部320、および払出制御部400各々は、遊技盤110の後面に配設されたメイン基板としての遊技制御基板、さらにはサブ基板としての演出制御基板、画像制御基板、ランプ制御基板、および払出制御基板において個別に構成されている。
【0028】
〔遊技制御部の構成・機能〕
遊技制御部200は、内部抽選および当選の判定等といった払い出し賞球数に関連する各種制御を行う際の演算処理を行うCPU201と、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM202と、CPU201の作業用メモリ等として用いられるRAM203と、を備えている。
遊技制御部200は、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を行い、特別図柄抽選での当選か否かの判定結果を演出制御部300に送る。また、特別図柄抽選時の当選確率の変動設定(例えば300分の1から30分の1への変動設定)、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間の短縮設定、および普通図柄抽選時の普通図柄変動時間の短縮設定を行い、設定内容を演出制御部300に送る。
さらに、遊技制御部200は、電動チューリップ123の羽根の開時間の延長、および電動チューリップ123の羽根が開く回数の設定、さらには羽根が開く際の開閉動作間隔の設定を制御する。また、遊技球が連続的に第1始動口121または第2始動口122へ入賞したときの未抽選分の限度個数(例えば4個)までの保留や、遊技球が連続的にゲート124を通過したときの未抽選分の限度個数(例えば4個)までの保留を設定する。
また、遊技制御部200は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口125が所定条件(例えば30秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで突出傾斜して開状態を維持するラウンドを所定回数(例えば15回または2回)だけ繰り返すように制御する。さらには、大入賞口125が開く際の開閉動作間隔を制御する。
【0029】
さらに、遊技制御部200は、第1始動口121、第2始動口122、大入賞口125および普通入賞口126に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように、払出制御部400に対する指示を行う。例えば、第1始動口121に遊技球が入賞すると3個の賞球、第2始動口122に遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口125に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口126に遊技球が入賞すると10個の賞球をそれぞれ払い出すように、払出制御部400に指示命令(コマンド)を送る。なお、ゲート124を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは払出制御部400に指示しない。
払出制御部400が遊技制御部200の指示に従って賞球の払い出しを行った場合には、遊技制御部200は、払い出した賞球の個数に関する情報を払出制御部400から取得する。それにより、払い出した賞球の個数を管理する。
【0030】
遊技制御部200には、図3に示すように、第1始動口121への遊技球の入賞を検出する第1始動口検出部が有する第1始動口スイッチ(SW)211と、第2始動口122への遊技球の入賞を検出する第2始動口検出部が有する第2始動口スイッチ(SW)212と、電動チューリップ123を開閉する電動チューリップ開閉部213と、ゲート124への遊技球の通過を検出するゲート検出部が有するゲートスイッチ(SW)214と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、大入賞口125への遊技球の入賞を検出する大入賞口検出部が有する大入賞口スイッチ(SW)215と、大入賞口125を閉状態と突出傾斜した開状態とに設定する大入賞口開閉部216と、普通入賞口126への遊技球の入賞を検出する普通入賞口検出部が有する普通入賞口スイッチ(SW)217と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、後述する不正行為検出装置600が有する球通過検出スイッチ610と、不正行為検出装置700が有する球通過検出スイッチ710と、が接続されている。
【0031】
また、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(大当たり抽選)の未抽選分の保留個数を限度個数内(例えば4個)で表示する第1特別図柄保留表示器218と、第2始動口122への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の未抽選分の保留個数を限度個数内で表示する第2特別図柄保留表示器219と、ゲート124への遊技球の通過により始動した普通図柄抽選(開閉抽選)が始動する未抽選分の保留個数を限度個数内で表示する普通図柄保留表示器220と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の結果を表示する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の結果を表示する第2特別図柄表示器222、普通図柄抽選の結果を表示する普通図柄表示器223と、が接続されている。
【0032】
そして、第1始動口スイッチ211、第2始動口スイッチ212、ゲートスイッチ214、大入賞口スイッチ215および普通入賞口スイッチ217にて検出された検出信号が、遊技制御部200に送られる。また、遊技制御部200からの制御信号が、電動チューリップ開閉部213、大入賞口開閉部216、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219、普通図柄保留表示器220、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222および普通図柄表示器223に送られる。それにより、遊技制御部200は、上記した払い出し賞球数に関連する各種制御を行う。
【0033】
さらに、遊技制御部200には、ホールに設置されたホストコンピュータ(不図示)に対して各種の情報を送信する盤用外部情報端子基板250が接続されている。そして、遊技制御部200は、払出制御部400から取得した払い出した賞球数に関する情報や遊技制御部200の状態等を示す情報、後述する不正行為検出装置600,700から取得した不正行為が行われたとの情報を、盤用外部情報端子基板250を介してホストコンピュータに送信する。
【0034】
〔演出制御部の構成・機能〕
次に、演出制御部300は、演出を制御する際の演算処理を行うCPU301と、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM302と、CPU301の作業用メモリ等として用いられるRAM303と、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)304と、を備えている。
演出制御部300は、例えば遊技制御部200から送られる特別図柄抽選での当選か否かの判定結果に基づいて、演出内容を設定する。その際に、演出ボタン161または演出キー162を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。
また、演出制御部300は、遊技が所定期間中断された場合には、演出の一つとして客待ち用の画面表示の設定を指示する。
さらには、遊技制御部200が特別図柄抽選時の当選確率を変動させた場合、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間を短縮させた場合、および普通図柄抽選時の普通図柄変動時間を短縮させた場合には、演出制御部300は設定された内容に対応させて演出内容を設定する。
また、演出制御部300は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送る。
【0035】
〔画像/音響制御部の構成・機能〕
画像/音響制御部310は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行うCPU311と、CPU311にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM312と、CPU311の作業用メモリ等として用いられるRAM313と、を備えている。
そして、画像/音響制御部310は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、画像表示部114に表示する画像およびスピーカ156から出力する音響を制御する。
具体的には、画像/音響制御部310のROM312には、画像表示部114において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。さらには、画像データと同期させて、または画像データとは独立にスピーカ156から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等といった各種音響データが記憶されている。CPU311は、ROM312に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。さらには、読み出した画像データを用いて背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理と、読み出した音響データを用いた音声処理とを行う。
そして、画像/音響制御部310は、画像処理された画像データにより画像表示部114での画面表示を制御する。また、音声処理された音響データによりスピーカ156から出力される音響を制御する。
【0036】
〔ランプ制御部の構成・機能〕
ランプ制御部320は、盤ランプ116や枠ランプ157の発光、および可動役物115の動作を制御する際の演算処理を行うCPU321と、CPU321にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM322と、CPU321の作業用メモリ等として用いられるRAM323と、を備えている。
そして、ランプ制御部320は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ116や枠ランプ157の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、可動役物115の動作を制御する。
具体的には、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた盤ランプ116や枠ランプ157での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU321は、ROM322に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、ランプ制御部320は、読み出した発光パターンデータにより盤ランプ116や枠ランプ157での発光を制御する。
また、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた可動役物115の動作パターンデータが記憶されている。CPU321は、可動役物115に対しては、読み出した動作パターンデータによりその動作を制御する。
【0037】
〔払出制御部の構成・機能〕
払出制御部400は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行うCPU401と、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM402と、CPU401の作業用メモリ等として用いられるRAM403と、を備えている。
そして、払出制御部400は、遊技制御部200から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御部400は、遊技制御部200から、遊技球が入賞した場所(第1始動口121等)に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部411を制御する。ここでの払出駆動部411は、遊技球の貯留部から遊技球を送り出す駆動モータで構成される。
【0038】
また、払出制御部400には、払出駆動部411により遊技球の貯留部から実際に払い出された賞球の数を検出する払出球検出部412と、貯留部(不図示)での遊技球の貯留の有無を検出する球有り検出部413と、遊技者が遊技する際に使用する遊技球や払い出された賞球が保持される皿153が満タン状態に有るか否かを検出する満タン検出部414と、が接続されている。そして、払出制御部400は、払出球検出部412、球有り検出部413および満タン検出部414にて検出された検出信号を受け取り、これらの検出信号に応じた所定の処理を行う。
さらに、払出制御部400には、ホールに設置されたホストコンピュータに対して各種の情報を送信する枠用外部情報端子基板450が接続されている。そして、払出制御部400は、例えば払出駆動部411に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報や払出球検出部412にて検出された実際に払い出された賞球数に関する情報等を枠用外部情報端子基板450を介してホストコンピュータに送信する。また、遊技制御部200に対しても、同様の情報を送信する。
【0039】
〔遊技制御部の機能構成〕
続いて、遊技制御部200の機能構成を説明する。
図4は、遊技制御部200の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、遊技制御部200は、各種抽選処理を実行する機能部として、特別図柄抽選部231と、普通図柄抽選部232と、特別図柄変動制御部233と、特別図柄抽選結果判定部234と、普通図柄制御部237と、を備えている。
また、遊技制御部200は、特別図柄変動に伴う処理を実行する機能部として、変動パターン選択部235と、遊技進行制御部236と、を備えている。
さらに、遊技制御部200は、各種役物の動作制御や賞球等に関するデータ処理を実行する機能部として、大入賞口動作制御部238と、電動チューリップ動作制御部239と、賞球処理部240と、出力制御部241と、乱数制御部242と、を備えている。
【0040】
特別図柄抽選部231は、第1始動口121や第2始動口122に遊技球が入賞した場合に、特別図柄の抽選を行う。つまり、特別図柄抽選部231は、第1始動口検出部または第2始動口検出部から、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞したとの信号を取得した場合に、特別図柄の抽選を行う。
普通図柄抽選部232は、ゲート124を遊技球が通過した場合に、普通図柄抽選を行う。つまり、普通図柄抽選部232は、ゲート検出部から、ゲート124を遊技球が通過したとの信号を取得した場合に、普通図柄の抽選を行う。
特別図柄変動制御部233は、特別図柄の抽選が行われた場合に、その抽選結果に応じて特別図柄の変動を制御する。
【0041】
特別図柄抽選結果判定部234は、特別図柄の抽選が行われた場合に、その抽選結果が「大当たりか否か」、「大当たりに当選した場合の大当たりの種類」、「大当たりに当選していない場合での小当たりかはずれか」を判定する。
ここで、「大当たり」の種類には、大当たり遊技の時間が長く多量の遊技球の払い出しが期待できる「長当たり」と、大当たり遊技の時間が短い「短当たり」とがある。例えば、「長当たり」では、大入賞口125の開状態が所定条件(例えば30秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで維持されるラウンドが例えば15回繰り返される。また、「短当たり」では、大入賞口125でのラウンドが例えば2回繰り返される。
【0042】
さらに、「長当たり」には、大当たり遊技の終了後に確率変動(確変)遊技状態および時間短縮(時短)遊技状態の両方を発生させる「15ラウンド確変当たり」とも呼ばれる大当たり(後段の「特定図柄A」での大当たり)と、大当たり遊技の終了後に時短遊技状態のみを発生させ確変遊技状態は発生させない「通常大当たり」とも呼ばれる大当たり(後段の「通常図柄」での大当たり)とがある。また、「短当たり」は、大当たり遊技の終了後に確変遊技状態を発生させ時短遊技状態を発生させない所謂「2ラウンド確変当たり」と呼ばれる大当たり(後段の「特定図柄B」での大当たり)である。
【0043】
また、大当たりに当選していない場合の「小当たり」は、例えば大入賞口125の開閉が2回行われる小当たり遊技が行われ、終了した後においても小当たり当選時の遊技状態を継続する当たり(後段の「小当たり図柄」での当たり)である。すなわち、小当たり当選時の遊技状態が確変遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても確変遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。同様に、小当たりの当選時の遊技状態が確率変動も時間短縮もしていない通常の遊技状態(通常遊技状態)である場合には、小当たり遊技の終了後においても通常遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。
また、「はずれ」では、「大当たり」でも「小当たり」でもなく、遊技者に有利となる上記の遊技状態の何れも設定されない(後段の「はずれ図柄」の設定)。
【0044】
なお、特別図柄抽選結果判定部234での判定では、第2始動口122への入賞に基づく特別図柄の抽選結果が15ラウンド確変当たりとなる確率が、第1始動口121への入賞に基づく特別図柄の抽選結果が15ラウンド確変当たりとなる確率と比べて高くなるように判定される。
【0045】
変動パターン選択部235は、特別図柄の抽選結果が「大当たり」であった場合に、第1特別図柄表示器221や第2特別図柄表示器222にて表示する特別図柄の変動パターンを選択する。また、「リーチ演出を行うか否か」を判定する。ここでの「リーチ演出」とは、遊技者に大当たりを期待させるための画像表示部114等にて行われる演出である。
遊技進行制御部236は、各遊技状態において遊技の進行を制御する。
【0046】
普通図柄制御部237は、普通図柄の抽選が行われた場合に、普通図柄の抽選結果が「当選かはずれであるか」を判定する。そして、「当選」と判定された場合には、電動チューリップ123を規定時間(例えば6秒間)および規定回数(例えば3回)だけ開放し、第2始動口122への遊技球の入賞確率が高まる状態を発生させる。また、「はずれ」と判定された場合には、電動チューリップ123のこのような開放状態は発生されない。なお、普通図柄の抽選結果が当選となる確率は9/10に設定されている。
また、普通図柄制御部237は、現在のパチンコ遊技機100の動作状態が確変遊技状態または時短遊技状態のいずれにも該当しない場合には、普通図柄変動の変動時間を長時間、例えば29秒に設定する。これに対し、パチンコ遊技機100の現在の動作状態が確変遊技状態または時短遊技状態のいずれかに該当する場合には、普通図柄変動の変動時間を短時間、例えば3秒に設定する。
【0047】
大入賞口動作制御部238は、大入賞口125の開放動作を制御する。
電動チューリップ動作制御部239は、電動チューリップ123の開放動作を制御する。
賞球処理部240は、入賞や抽選に関する種々の役物への入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しを制御する。
出力制御部241は、遊技制御部200から演出制御部300および払出制御部400へ制御用コマンドの出力を制御する。
乱数制御部242は、メイン制御手段やサブ制御手段による処理で用いられる各種の乱数値の更新を制御する。
【0048】
次に、上述した第1始動口検出部、第2始動口検出部、ゲート検出部、大入賞口検出部および普通入賞口検出部について詳述する。これら検出部は、遊技球の通過を検出する球通過検出部であり、それぞれ、遊技球の通過に応じた信号を出力するスイッチ(第1始動口スイッチ211、第2始動口スイッチ212、ゲートスイッチ214、大入賞口スイッチ215、普通入賞口スイッチ217)と、このスイッチに接続されるように遊技制御部200内に設けられた検出回路とから構成される。以下では、これらの球通過検出部を「球通過検出部500」、これらのスイッチを「球通過検出スイッチ510」、これらの検出回路を「球通過検出回路520」と称す。
【0049】
図5は、球通過検出部500の概略構成を示す図面であり、(a)は、球通過検出スイッチ510を遊技球が通過する方向に見た図と球通過検出回路520とを示しており、(b)は、(a)における球通過検出スイッチ510のVB−VB部の拡大断面図である。
球通過検出スイッチ510は、図5に示すように、遊技球が通過する通過孔511aが形成されたスイッチ筐体511と、このスイッチ筐体511内部の通過孔511aの回りに配置され、不図示の高周波発振回路に接続された検出コイル512とを備える、貫通型近接スイッチである。また、球通過検出スイッチ510は、駆動電圧(例えば、12V)が供給される入力線513と、後述する接続線522を介して遊技制御部200に接続される出力線514とを有している。そして、球通過検出スイッチ510は、入力線513に供給される駆動電圧により検出コイル512から高周波磁界を発生する。
球通過検出回路520は、NPN型のトランジスタ521を有しており、そのベースには出力線514に接続された接続線522を介して5Vが供給され、トランジスタ521のコレクタは+5Vが印加された状態で遊技制御部200のCPU201の入力ポート201aに接続されている。
【0050】
図6は、接続線522上における信号の状態と、CPU201の入力ポート201aに供給される信号の状態を示す図である。
以上のように構成された球通過検出部500においては、遊技球が球通過検出スイッチ510の通過孔511aを通過していないときには、検出コイル512から発生された高周波磁界の磁気損失が生じないが、金属体である遊技球が通過孔511aを通過しているときには、遊技球内を誘導電流が流れて磁気損失が発生する。それゆえ、球通過検出スイッチ510は、図6(a)に示すように、遊技球が通過孔511aを通過していないときには、出力線514を介して「H」レベルの信号を出力し、他方、遊技球が通過孔511aを通過しているときには、検出コイル512のインピーダンスが変化し、出力線514を介して「L」レベルの信号を出力する。
【0051】
そして、球通過検出回路520においては、図6(b)に示すように、遊技球が通過孔511aを通過しない通常時においては、出力線514からの「H」レベルの信号でトランジスタ521が導通するため、CPU201の入力ポート201aには「L」レベルの信号が供給される。他方、遊技球が通過孔511aを通過しているときには、出力線514からの「L」レベルの信号によりトランジスタ521が導通せず、入力ポート201aには「H」レベルの信号が供給される。そして、遊技球が通過完了したとき以降においては、トランジスタ521が導通するため、入力ポート201aには「L」レベルの信号が供給される。
遊技制御部200は、球通過検出回路520から「H」レベルの信号を受信することにより球通過検出部500に遊技球が通過したことを認識する。
【0052】
このように、以上のように構成された球通過検出部500においては、遊技盤110に電源が供給されている期間中、常に球通過検出スイッチ510の検出コイル512に予め定められた電圧が印加されて、電波ゴトやノイズ等による悪影響を抑制している。
しかしながら、遊技者の中には、球通過検出スイッチ510の通過孔511aに遊技球が通過しているタイミングを狙って、言い換えればCPU201の入力ポート201aに「H」レベルの信号が供給されるタイミングを狙って、電磁波を発生する機器を使用して不正な電磁波を発生し、不正に球通過検出部500を誤作動させて不正な遊技球の払い出しや抽選を受ける不正行為を行うもの者がいる。
【0053】
図7は、不正行為を受けた場合の接続線522上における信号の状態と、CPU201の入力ポート201aに供給される信号の状態を示す図である。
外部から不正な電磁波が発生された場合、接続線522上においては、球通過検出スイッチ510がその電磁波の影響を受けるため、図7(a)に示すように、遊技球が通過孔511aを通過する球通過時間よりも短い周期の信号波形で、「H」レベルに切り換わる。そのため、遊技制御部200の球通過検出回路520に、遊技球が正常に通過孔511aを通過したときよりも短い周期の「L」レベルの信号が球通過検出回路520に供給される。そして、遊技制御部200のCPU201は、不正行為が行われることに起因して、球通過検出回路520から、図7(b)に示すような短い周期の「H」レベルの信号を受信し、球通過検出スイッチ510が「H」レベルへの切り換わりに応じた数の遊技球の通過を検出したものと認識する。その結果、不正な払い出し遊技球の増加や不正な抽選の増加などが生じてしまう。
【0054】
<第1の実施形態>
次に、第1の実施形態に係る不正行為検出装置600について説明する。
第1の実施形態に係る不正行為検出装置600は、上述した、球通過検出スイッチ510の通過孔511aに遊技球が通過しているタイミングを狙って不正な電磁波を発生させる、いわゆる「電波ゴト」と呼ばれる不正行為と、パチンコ遊技機100を叩く、いわゆる「どつき」と呼ばれる不正行為との両方を検出する装置である。
【0055】
図8(a)は、第1の実施形態に係る不正行為検出装置600の概略構成図であり、(b)は、(a)におけるVIIIB−VIIIB部の断面図である。
不正行為検出装置600は、上述した球通過検出部500と同様の構成および機能の装置を一部に有している。つまり、不正行為検出装置600は、球通過検出スイッチ510と同様の構成および機能の球通過検出スイッチ610を有するとともに、球通過検出回路520と同様の構成および機能の球通過検出回路620を有している。球通過検出スイッチ610は、遊技盤110の盤面110aの裏側に設置されており、球通過検出回路620は、遊技制御部200内に構成されている。なお、球通過検出スイッチ610および球通過検出回路620が、後述する金属体632を検出する検出部の一例である。
【0056】
また、不正行為検出装置600は、球通過検出スイッチ610の通過孔611aの、遊技球が通過する方向の両側それぞれに、遊技球を通過させるための開口部を塞ぐとともに内側に遊技球を収納することが可能な空間を形成する被検出体配置部の一例としての包囲部631が取り付けられている。そして、通過孔611aの両側の包囲部631の内側および通過孔611aなどにて形成された空間には金属の物体である被検出体の一例としての金属体632が収納されている。この金属体632は、球通過検出スイッチ610の検出コイル612から発生された高周波磁界の磁気損失を生じさせる物体であるとともに包囲部631の内側および通過孔611aなどにて形成された空間を円滑に移動することが可能な物体であり、例えば、実際に遊技に使用される遊技球そのものであることを例示することができる。
【0057】
また、不正行為検出装置600は、金属体632が通過孔611aを通過する方向が水平方向となるようにパチンコ遊技機100に配置される。つまり、図8に示した方向が上下方向となるように配置される。そして、通過孔611aの両側の包囲部631は、この不正行為検出装置600が配置されたパチンコ遊技機100が静止した状態のときに、図8(b)に示すように、外側から通過孔611aの開口部側へ向けて、開口部側が低い位置となるように傾斜している。これにより、パチンコ遊技機100が静止した状態のときには、金属体632の重心が、通過孔611a内に留まり、検出コイル612から発生された高周波磁界の磁気損失を生じさせる。言い換えれば、パチンコ遊技機100が静止した状態のときに、検出コイル612から発生された高周波磁界の磁気損失を生じさせる位置に金属体632が留まるように、包囲部631が成形されている。他方、パチンコ遊技機100が外部から衝撃を受けて揺れたときには、金属体632が、円滑に通過孔611aの開口部から外側に移動し、再度元の位置に戻ることが可能なように包囲部631は成形されている。言い換えれば、金属体632が、通過孔611aと包囲部631との間を円滑に移動可能なように、両者の間に、金属体632の移動を妨げる段差がないように構成されている。
【0058】
以上のように構成された本実施の形態に係る不正行為検出装置600においては、パチンコ遊技機100が静止している状態のときには金属体632が検出コイル612から発生された高周波磁界の磁気損失を生じさせる位置に留まるため、球通過検出スイッチ610が「L」レベルの信号を出力する。これにより、CPU201の入力ポート201aには、球通過検出回路620を介して、「H」レベルの信号が供給される。
【0059】
これに対して、遊技者が遊技球の進路を変える、入賞タイミングを変えるなどの目的でパチンコ遊技機100を叩く、いわゆる「どつき」と呼ばれる不正行為が行われた場合には、金属体632が、検出コイル612から発生された高周波磁界の磁気損失を生じさせる位置から、通過孔611aから遠ざかる方向へ移動する。すると、金属体632が、検出コイル612から発生された高周波磁界の磁気損失を生じさせなくなり、球通過検出スイッチ610が「H」レベルの信号を出力する。そして、球通過検出回路620を介して、「L」レベルの信号がCPU201の入力ポート201aに供給される。
【0060】
また、球通過検出スイッチ510の通過孔511aに遊技球が通過しているタイミングを狙って不正な電磁波を発生させる、いわゆる「電波ゴト」と呼ばれる不正行為が行われた場合には、球通過検出スイッチ610がその電磁波の影響を受け、「H」レベルの信号を出力する。そして、球通過検出回路620を介して、「L」レベルの信号がCPU201の入力ポート201aに供給される。
【0061】
そして、遊技制御部200のCPU201は、球通過検出回路620を介して「L」レベルの信号を受信した場合には、いわゆる「どつき」と呼ばれる不正行為、あるいはいわゆる「電波ゴト」と呼ばれる不正行為が行われたことを認識する。そして、遊技制御部200は、不正行為が行われたことを認識した場合には、不正行為が行われたとの情報を、盤用外部情報端子基板250を介してホストコンピュータに送信する。
【0062】
このように、不正行為検出装置600は、いわゆる「電波ゴト」と呼ばれる不正行為と、いわゆる「どつき」と呼ばれる不正行為との両方を検出することができる。そのため、いわゆる「電波ゴト」と呼ばれる不正行為を検出する専用の装置と、いわゆる「どつき」と呼ばれる不正行為を検出する専用の装置とを、それぞれ備える場合と比べて、部品点数を削減することができる。また、不正行為検出装置600の一部を構成する球通過検出スイッチ610および球通過検出回路620は、汎用的に用いられて信頼性が確立されている球通過検出部500と同様の構成および機能であるので、信頼性も高い。また、球通過検出スイッチ610および球通過検出回路620として、既存の装置である球通過検出部500を用いることで、新規に設計するより簡易に設計することができる。さらに、金属体632として、遊技に用いられる遊技球そのものを使用することで、部品の種類の増加を抑制することができるとともに簡易かつ早期に設計することができる。
【0063】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態に係る不正行為検出装置700について説明する。
第2の実施形態に係る不正行為検出装置700も、第1の実施形態に係る不正行為検出装置600と同様に、いわゆる「電波ゴト」と呼ばれる不正行為と、いわゆる「どつき」と呼ばれる不正行為との両方を検出する装置である。
図9(a)は、第2の実施形態に係る不正行為検出装置700の概略構成図であり、(b)は、(a)におけるIXB−IXB部の断面図である。
【0064】
不正行為検出装置700は、上述した球通過検出部500と同様の構成および機能の装置を一部に有している。つまり、不正行為検出装置700は、球通過検出スイッチ510と同様の構成および機能の球通過検出スイッチ710を有するとともに、球通過検出回路520と同様の構成および機能の球通過検出回路720を有している。なお、球通過検出スイッチ710および球通過検出回路720が、後述する金属体732を検出する検出部の一例である。
【0065】
また、不正行為検出装置700は、金属の物体である被検出体の一例としての金属体732と、この金属体732を保持する保持部材733と、この保持部材733を回転可能に支持する支持軸734とを備えている。金属体732、保持部材733および支持軸734は、図9(a)に示した方向が上下方向および前後方向となるように遊技盤110に配置されている。また、金属体732は、パチンコ遊技機100が静止しているときには、保持部材733により、検出コイル712から発生された高周波磁界の磁気損失を生じさせる位置、例えば球通過検出スイッチ710の通過孔711a内にその重心が位置するように配置されている。言い換えれば、パチンコ遊技機100が静止した状態のときに、検出コイル712から発生された高周波磁界の磁気損失を生じさせる位置に金属体732が留まるように、金属体732、保持部材733および支持軸734が構成されている。そして、例えば遊技者によりパチンコ遊技機100が前側から叩かれたり、どつかれたりした場合には、保持部材733が支持軸734回りに回転して、金属体732が図9(b)に示すように前後方向に揺れる。なお、金属体732としては、例えば、実際に遊技に使用される遊技球そのものであることを例示することができる。金属体732と保持部材733とを固定する態様としては、金属体732に孔を形成し、その孔に保持部材733の先端部を嵌合する態様、金属体732と保持部材733とを接着する態様などを例示することができる。なお、保持部材733および支持軸734が、被検出体配置部の一例である。
【0066】
以上のように構成された第2の実施形態に係る不正行為検出装置700においては、パチンコ遊技機100が静止している状態のときには金属体732が検出コイル712から発生された高周波磁界の磁気損失を生じさせる位置に留まるため、球通過検出スイッチ710が「L」レベルの信号を出力する。これにより、CPU201の入力ポート201aには、球通過検出回路720を介して、「H」レベルの信号が供給される。
【0067】
これに対して、遊技者によりパチンコ遊技機100が前後方向にどつかれるなど、いわゆる「どつき」と呼ばれる不正行為が行われた場合には、金属体732が、前後方向に揺れ、検出コイル712から発生された高周波磁界の磁気損失を生じさせる位置から通過孔711aから遠ざかる方向へ移動する。すると、金属体732が、検出コイル712から発生された高周波磁界の磁気損失を生じさせなくなり、球通過検出スイッチ710が「H」レベルの信号を出力する。そして、球通過検出回路720を介して、「L」レベルの信号がCPU201の入力ポート201aに供給される。
【0068】
また、球通過検出スイッチ710の通過孔711aに遊技球が通過しているタイミングを狙って不正な電磁波を発生させる、いわゆる「電波ゴト」と呼ばれる不正行為が行われた場合には、球通過検出スイッチ710がその電磁波の影響を受け、「H」レベルの信号を出力する。そして、球通過検出回路720を介して、「L」レベルの信号がCPU201の入力ポート201aに供給される。
【0069】
そして、遊技制御部200のCPU201は、球通過検出回路720を介して「L」レベルの信号を受信した場合には、いわゆる「どつき」と呼ばれる不正行為、あるいはいわゆる「電波ゴト」と呼ばれる不正行為が行われと認識する。そして、遊技制御部200は、不正行為が行われたことを認識した場合には、不正行為が行われたとの情報を、盤用外部情報端子基板250を介してホストコンピュータに送信する。
【0070】
このように、不正行為検出装置700は、いわゆる「電波ゴト」と呼ばれる不正行為と、いわゆる「どつき」と呼ばれる不正行為との両方を検出することができる。そのため、いわゆる「電波ゴト」と呼ばれる不正行為を検出する専用の装置と、いわゆる「どつき」と呼ばれる不正行為を検出する専用の装置とを、それぞれ備える場合と比べて、部品点数を削減することができる。また、不正行為検出装置700の一部を構成する球通過検出スイッチ710および球通過検出回路720は、汎用的に用いられて信頼性が確立されている球通過検出部500と同様の構成および機能であるので、信頼性も高い。また、球通過検出スイッチ710および球通過検出回路720として、既存の装置である球通過検出部500を用いることで、新規に設計するより簡易かつ早期に設計することができる。さらに、金属体732として、遊技に用いられる遊技球そのものを使用することで、部品の種類の増加を抑制することができるとともに簡易かつ早期に設計することができる。
【符号の説明】
【0071】
100…パチンコ遊技機、110…遊技盤、111…遊技領域、121…第1始動口、122…第2始動口、123…電動チューリップ、124…ゲート、125…大入賞口、200…遊技制御部、600,700…不正行為検出装置、610,710…球通過検出スイッチ、620,720…球通過検出回路、632,732…金属体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤と当該遊技盤に設けられ遊技球の通過を検出する球通過検出部とを備え、当該球通過検出部による当該遊技球の検出に基づいて動作する遊技機であって、
前記球通過検出部により検出され得る被検出体と、
予め定められた検出位置にて前記被検出体を検出する検出部と、
前記遊技盤が静止しているときには前記検出位置に前記被検出体が位置し、当該遊技盤が揺れたときには当該被検出体が当該検出位置から離れるように当該被検出体を配置させる被検出体配置部と
を有する遊技機。
【請求項2】
前記検出部は、前記球通過検出部と同一の構成および機能を有することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記検出部は、高周波磁界を発生させるコイルを有し、
前記被検出体は、前記コイルが発生させる高周波磁界の磁気損失を生じさせる物体であることを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記被検出体は、前記遊技球であることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記検出部には、周囲に高周波磁界を発生させるコイルが配置され、前記被検出体が通過可能な通過孔が形成されており、
前記被検出体配置部は、内側に前記被検出体を収納することが可能な空間を形成するとともに当該空間から外部に当該被検出体が出るのを抑制するように前記検出部の前記通過孔を塞ぐことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項6】
前記検出部には、周囲に高周波磁界を発生させるコイルが配置され、前記被検出体が通過可能な通過孔が形成されており、
前記被検出体配置部は、前記遊技盤が静止しているときには前記被検出体を前記コイルが発生させる高周波磁界の磁気損失を生じさせる位置に保持する保持部と、当該保持部を回転可能に支持する支持軸とを有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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