説明

遊技機

【課題】簡単且つ安価な構成で前面部分を上下に容易に開閉可能であると共に視覚的効果
に優れた立体的装飾を形成可能な遊技機を提供する。
【解決手段】遊技領域14を有する本体枠3と、本体枠3の前面側に設けられ且つ遊技領
域14を臨む窓部41にガラス板42を装着してなるガラス扉枠4を備えた遊技機1は、
ガラス扉枠4前面の少なくとも一部を覆うと共に本体枠3に対して上下に開閉自在に取り
付けられた装飾枠60を備えているので、ガラス扉枠4と装飾枠60とが前後に重層する
構造を形成することにより、強度の向上を図り、不正行為を防止すると共に、視覚的効果
に優れた立体的装飾の形成が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機、スロットマシン、パチロット遊技機等の各種の遊技機に関
するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、パチンコ遊技機等の遊技機は、遊技領域を有する遊技盤が内部に組み付けられ
た本体枠が、矩形状の外枠に着脱自在に取り付けられて構成されている。そして、本体枠
には、遊技盤に対して遊技球を発射操作可能な発射ハンドル、余剰球を受ける下皿等が前
側(即ち遊技者側)に設けられると共に、遊技盤を透視可能なガラス板を装着した窓枠が
開閉自在に取り付けられている。
【0003】
従来、窓枠には、その表面を覆う成形樹脂が一体的に形成されており、その成形樹脂の
表面に所望の色及び形状を施して装飾的効果を奏していた。即ち、成形樹脂は、本体枠
に取り付けられた窓枠表面や本体枠が有する下皿等の各種部品の前側をカバーすべく、遊
技機前側の略全面を覆って配設されており、意匠性を向上させていた。
【0004】
しかしながら、上記従来の遊技機においては、成形樹脂が窓枠と一体的に配設されてい
たため、遊技機表面における色や形状のみを変更する際には、窓枠全体を交換しなければ
ならず、コストが悪化してしまうという問題があった。即ち、遊技盤やその他の構成部品
はそのままで、窓枠の意匠のみを変更し、遊技者に対し常に新鮮な視覚効果を与えようと
した場合、窓枠全体の交換を必要とし、材料費や輸送費等におけるコストが嵩んでしまう
のである。
【0005】
このような問題に鑑みて、上皿及び下皿のうち少なくとも一方を覆うとともに窓枠及び
本体枠とは別体の装飾カバーを備えたパチンコ遊技機が提案されている(例えば、特許文
献1参照。)。このパチンコ遊技機では、装飾カバーの左端側にヒンジが上下一対に取り
付けられており、窓枠が取り付けられる本体枠に対して当該装飾カバーを垂直軸心回りに
開閉自在に枢着する構成となっている。
【0006】
一方、遊技盤を覆うガラス扉枠を開閉駆動するための開閉駆動装置を設け、上部を支点
としてガラス扉枠を上下に自動で開閉可能とした遊技機が提案されている(例えば、特許
文献2参照。)。かかる遊技機によれば、ガラス扉枠の装飾によって重量が増した場合に
も、開閉駆動装置によってガラス扉枠を容易に開閉することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−52983号公報
【特許文献2】特開平9−47557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の従来のパチンコ遊技機は、装飾カバーによ
って窓枠全体を覆う構成を採用することにより、デザイン変更等に伴って発生するコスト
の低減を図るものであり、従来よりも視覚的効果に優れた意匠性を提供するものではなか
った。また、装飾カバーに立体的な装飾を設けた場合には、装飾カバーが本体枠に対して
左端で垂直軸心回りに開閉される構造であるため、装飾カバー開放時に当該遊技機の左側
に大きく出っ張って隣席の遊技者の邪魔になるという問題がある。
【0009】
一方、特許文献2に記載の従来の遊技機では、ガラス扉枠を上下に開閉させるための開
閉駆動装置を設けることによって、従来よりもコストが大幅に増大するという問題がある
。また、開閉駆動装置が故障により使用できない場合があり得るだけでなく、故障発生を
防止するためにメンテナンスを定期的に行う必要があり、遊技機のメンテナンスに伴う労
力やコストも増大するという問題がある。さらに、ガラス板が装着されたガラス扉枠を上
方へ開放させる構造では、遊技領域のメンテナンス作業等の際に作業者がガラス板に頭を
ぶつけて怪我をする危険性がある。すなわち、遊技機は遊技ホールにおいて遊技島に設置
されるが、この時、遊技機の最上部は床から140cm程度の高さとなる。このため、ガ
ラス扉枠を上方へ開放して略水平に保持した場合、ガラス板が大人の身長よりも低い14
0cm程度の高さで保持されることになる。従って、作業者が頭を下げて遊技領域のメン
テナンス作業等を行っている際、身長よりも低い位置で略水平に保持されたガラス扉枠の
真下で作業者が急に頭を持ち上げると、頭がガラス板にぶつかって最悪の場合にはガラス
板が割れて大けがをする危険性がある。
【0010】
解決しようとする課題は、簡単且つ安価な構成で前面部分を上下に容易に開閉可能であ
ると共に視覚的効果に優れた立体的装飾を形成可能な遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(請求項1)遊技領域を有する本体枠と、その本体枠の前面側に設けられ且つ前記遊技
領域を臨む窓部に透明板を装着してなる窓枠とを備えた遊技機であって、
前記窓枠の前面の少なくとも一部を覆うと共に前記本体枠に対して上下に開閉自在に取
り付けられた装飾枠を備えたことを特徴とする遊技機。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、装飾枠により窓枠の前面の少なくとも一部を覆って窓枠と装飾枠とが
前後に重層する構造を形成することにより、強度の向上を図り、不正行為を防止すると共
に、視覚的効果に優れた立体的装飾の形成が可能となる。また、窓枠と装飾枠とで重量が
分担されるので、それぞれの強度を高く設定することは必要とされない。また、装飾枠は
重量の大きいガラス板等の透明板を有しないため相対的に軽量であり、小さな力で装飾枠
を上下に軽く開閉することができる。よって、電動で装飾枠を開閉するための開閉駆動装
置等を設ける必要がなく、遊技機全体の構成が複雑化せず且つコストを低く抑えることが
できる。また、ガラス板等が装着された窓枠が上方に開放される従来構成では、作業者が
ガラス板に頭をぶつける危険性があるが、本発明によればそのような危険性はなく、安全
性が高い。さらに、装飾枠が本体枠に対して上方又は下方に開放されるので、装飾枠に大
型の立体的装飾が施された場合でも、隣の遊技者の邪魔にならずに装飾枠を大きく開放す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第一の実施形態としてのパチンコ機の正面図である。
【図2】(a)はパチンコ機の側面図であり、(b)は装飾枠及びガラス扉枠の上部を側面視して示す断面図である。
【図3】パチンコ機の上面図である。
【図4】パチンコ機の背面側における斜視図である。
【図5】装飾枠及びガラス扉枠を開放した状態における本体枠、遊技盤等を示す正面図である。
【図6】(a)はガラス扉枠を示す正面図であり、(b)は図柄変動表示装置における表示例を示す図である。
【図7】ガラス扉枠を示す背面図である。
【図8】(a)は上皿付近の上面図であり、(b)はA−A線断面図である。
【図9】上皿における遊技球の流れを示す上面図である。
【図10】(a)は装飾枠全体を示す正面図であり、(b)は装飾枠上部の張出し部を透視して示す正面図である。
【図11】装飾枠を上方へ開放した状態を示す側面図である。
【図12】(a)装飾枠が開放位置に保持された状態を示す側面図であり、(b)は装飾枠とガラス扉枠との係合状態を示す拡大断面図である。
【図13】第二の実施形態としてのパチロット機の正面側における斜視図である。
【図14】パチロット機の装飾パネル付近を示す正面図である。
【図15】図14におけるC−C線断面及び装飾パネルと遊技者との位置関係を示す側面図である。
【図16】パチロット機の装飾パネルを上方へ開放した状態を示す側面図である。
【図17】第三の実施形態としてのスロットマシンの正面図である。
【図18】スロットマシンの側面図である。
【図19】スロットマシンの装飾パネルを上方へ開放した状態を示す側面図である。
【図20】パチロット機(又はスロットマシン)を用いた情報提供システムの全体構成を示すシステム構成図である。
【図21】情報表示部において新台入れ替え情報を表示した例を示す図である。
【図22】第一の実施形態の変形例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の遊技機を具体化した各実施形態について説明する。最初に、第一の実施
形態であるパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」と称する)1について説明する。
パチンコ機1は、内部の遊技球払い出し機構を利用して遊技球の貸し出しを行うCR機と
称されるタイプのパチンコ機であり、図1に示すように、カードユニット20が隣接配置
され且つ電気的に接続されている。カードユニット20は、予め金額情報が記録された価
値媒体としての図示しないプリペイドカードを投入可能なカード投入口21を有し、プリ
ペイドカードから金額情報の読み出し及び書き込みが可能となっている。
【0015】
パチンコ機1は、図1乃至図4に示すように、外枠2と、その外枠2の前部に設けられ
外枠2の一側部にて開閉可能に支持され且つ遊技領域14を有する本体枠3とを備えてい
る。外枠2は、パチンコ機1のベースとなる枠であり、板材により全体として矩形状に構
成されている。尚、本実施の形態では、外枠2は木製であって、上下方向の長さは808
mm、左右方向の長さは520mmとなっている。
【0016】
本体枠3は、合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン
)樹脂により構成されている。本体枠3の開閉軸線はパチンコ機1の正面から見て左側に
上下に延びるように設定されている。尚、外枠2は樹脂により構成されていてもよく、あ
たかも外枠2及び本体枠3が一体物に見えるように構成されていてもよい。
【0017】
本体枠3には、後述する下皿ユニット51を除く本体枠3の前面側を覆うように、ガラ
ス扉枠4が本体枠3左端の垂直軸心回りに開閉自在に設けられている。さらに、本体枠3
には、装飾枠60が本体枠3上端の水平軸心回りに開閉自在に設けられている。尚、ガラ
ス扉枠4が本発明の窓枠を構成するものである。
【0018】
本体枠3の後側(ガラス扉枠4の奥、外枠2の内側)には、図5に示すように、遊技盤
5が着脱可能に装着されている。なお、遊技盤5は、その周縁部が本体枠3の裏側に当接
した状態で取り付けられており、図5では、遊技盤5の前面部の略中央部分だけが本体枠
3の前面側に露出した状態となっている。この遊技盤5の上下方向の長さは476mm、
左右方向の長さは451mmとなっている。また、遊技盤5には、ルータ加工が施される
ことによって複数の開口部が形成されており、各開口部には、普通入賞チャッカー6、可
変入賞装置7、作動チャッカー8、スルーチャッカー10等が配設されている。
【0019】
尚、後述する図柄変動表示装置57の制御を行う表示制御基板や、スピーカ59におけ
る音声出力の制御を行う音声制御基板を含む各種の制御基板は、図4に示すように、遊技
盤5の背面側に設けた透明樹脂製の裏パック5aによって覆われている。また、パチンコ
機1の主制御を行うメイン基板はメイン基板ボックス5bに、入賞による遊技球の払い出
しやカードユニット20からの貸し出し要求に基づいて遊技球の払い出しを行う払出ユニ
ット5d及び遊技球の発射を行う発射装置31の制御を行う払出発射制御基板は払出発射
制御基板ボックス5cにそれぞれ収納されている。
【0020】
また、可変入賞装置7は、通常、遊技球Bが入賞できない状態又は入賞し難い状態にな
っている。より詳しくは、作動チャッカー8に対し遊技球Bが入賞することに基づいて、
図柄変動表示装置57の液晶表示部の図柄が可変表示される。そして、確定された図柄の
組合わせが予め設定した特定の図柄の組合わせとなったこと、ここでは停止した図柄が特
定の組み合わせであることを必要条件に特別遊技状態が発生し、可変入賞装置7の大入賞
口が所定の開放状態となり(具体的には所定時間、所定回数だけ開く)、遊技球Bが入賞
しやすい状態(大当り遊技状態)になるよう構成されている。尚、図柄変動表示装置57
において変動表示される複数の図柄列のうち、1つを除く他の図柄列の停止時の組合せが
大当り図柄の組合せであるリーチ遊技状態となったときに、図柄変動表示装置57におい
てリーチ演出画面が表示されると共に、リーチ遊技状態の発生がスピーカ59から出力さ
れる効果音によって報知される。
【0021】
また、周知のとおり、前記一般入賞口6、可変入賞装置7、作動チャッカー8に遊技球
Bが入賞することに基づいて、後述する上皿54(場合によっては下皿53)に対し所定
数の遊技球が景品球として払い出されるようになっている。また、遊技盤5には、遊技球
Bの落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車9
等の各種部材(役物)が配設されている。
【0022】
さて、本体枠3は、外形が前記外枠2とほぼ同一形状をなす樹脂ベース11と、この樹
脂ベース11の最内周側に位置し略円弧状をなすよう一体形成された内レール12と、主
として図の左側の内レール12に対し所定間隔を隔てて前記樹脂ベース11に一体形成さ
れた外レール13とを備えている。これら内レール12及び外レール13は遊技球発射ハ
ンドル52の回動操作に基づき発射装置31から発射された遊技球Bを遊技盤5上部へ案
内する発射路としての役割を主として果たすものである。従って、内レール12と外レー
ル13とが並行する部分(向かって左側の部分)によって、誘導レールが構成されること
となる。
【0023】
前記内レール12の下端部付近において、遊技盤5には遊技球Bを導出するアウト口2
5が形成されている。そして、遊技盤5の下部に落下した遊技球の多くは、このアウト口
25を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。このような構成
の下、本体枠3の内周側の窓孔によって主として遊技領域の外延が確定されており、本体
枠3に対し遊技盤5が装着された状態にあっては、内レール12及び外レール13が遊技
盤5に当接又は近接した状態となる。そして、発射装置31により発射された遊技球Bは
、主として外レール13によって遊技盤5の上部へと案内される。また、遊技盤5には、
遊技球の払い出しを行う払出口32が設けられ、この払出口32に連通するようにガラス
扉枠4側に払出口45が設けられている(図7参照)。
【0024】
次に、遊技領域14について説明する。本実施の形態では、遊技領域14を、パチンコ
機1の正面から見て、内レール12及び外レール13によって囲まれる領域のうち、内外
レール12,13の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。また、パ
チンコ機1において、外レール13の最上部地点から遊技盤5下部までの間の距離は46
2mm、外レール13の極左位置から内レール12の極右位置までの間の距離は449m
mとなっている。また、内レール12の極左位置から内レール12の極右位置までの間の
距離は432mmとなっている。
【0025】
併せて、図1及び図6に示すように、ガラス扉枠4の存在していない本体枠3下部は、
例えばABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂よりなる下皿ユニット5
1となっている。下皿ユニット51の右下部からは、遊技球発射用ハンドル52が手前側
に延設されている。また、下皿ユニット51のほぼ中央部には球受け皿としての景品球払
出用の下皿53が設けられている。さらに、下皿ユニット51には下皿53の左側に隣接
して灰皿56が設けられている。
【0026】
次に、ガラス扉枠4について、図6及び図7を参照しつつ説明する。ガラス扉枠4には
、前記遊技領域14の殆どを外部から視認することができるように略楕円形状の窓部41
が形成されている。具体的には、前記窓部41は、その左右側の略中央部が、上下側に比
べて比較的緩やかに湾曲した形状となっている。なお、前記略中央部が直線状になるよう
にしてもよい。本実施の形態において、前記窓部41の上端(外レール13の最上部、遊
技領域の上端)と、ガラス扉枠4の上端との間の距離(いわゆる上部フレーム部分の上下
幅)は50mmとなっており、85mm〜95mm程度上部フレーム幅がある従来技術に
比べ、著しく短くなっている。なお、上記距離は、80mm以下であることが望ましく、
より望ましくは70mm以下であり、さらに望ましくは60mm以下である。勿論、所定
の強度が確保できるのであれば、50mm以下であっても差し支えない。
【0027】
また、窓部41の左端と、ガラス扉枠4の左端との間の最短距離(いわゆる左側部フレ
ーム部分の左右幅)は、ガラス扉枠4自体の強度及び支持強度を高めるために比較的大き
く設定されている。より詳しくは、図1及び図7を相互に比較すると明らかなように、ガ
ラス扉枠4が閉じられた状態において、外レール13の左側部は勿論、内レール12の左
側部も前記左側部フレーム部分によって覆い隠される。すなわち、誘導レールの一部が覆
い隠される。このように遊技球Bが一時的に視認困難となったとしても、それは、遊技球
Bが遊技領域14に案内される通過点に過ぎず、遊技者が主として遊技を楽しむ遊技領域
において遊技球Bが視認困難となるわけではない。そのため、実際の遊技に際しては何ら
支障が生じない。また、このような支障が生じない一方で、ガラス扉枠4の十分な強度及
び支持強度が確保可能となっている。ちなみに、外レール13の左端位置と外枠2の左端
位置との左右方向の距離は21mm、遊技領域の右端位置(内レール12の右端位置)と
外枠2右端位置との左右方向の距離は44mmとなっている。また、ガラス扉枠4には、
図7に示すように、その左右フレーム部分の裏側において、そのガラス扉枠4を補強する
ための例えば金属製の補強部材43,44が取り付けられている。
【0028】
また、ガラス扉枠4の開閉軸線(軸支部)もパチンコ機1の正面から見て左側に上下に
延びるように設定されている。詳しくは、ガラス扉枠4の背面図である図7に示すように
、ガラス扉枠4の裏側から見て右側の上端部付近に回動軸91が設けられ、図7に示すよ
うに本体枠3の正面から見て左側の上端部付近には回動軸91が嵌め込まれる軸受部92
が設けられている。また、軸受部92の下方には、上方に突出する突回動軸93が設けら
れ、ガラス扉枠4の下側面には、前記回動軸91の下方位置において、前記突回動軸93
を嵌め込むための図示しない軸受凹部が設けられている。そして、突回動軸93を前記軸
受凹部に嵌め込み、回動軸91を軸受部92に嵌め込むことによって、ガラス扉枠4が軸
支され開閉可能となる。このように本実施の形態では、回動軸91と突回動軸93を結ぶ
線がガラス扉枠4の開閉軸線として設定されている。
【0029】
また、ガラス扉枠4には、裏側から一対のガラス板42が並行して取り付けられている
。ガラス扉枠4の左右方向の長さは、本体枠3とほぼ同等であり、そのガラス扉枠4によ
って本体枠3下部に設けられた下皿ユニット51を除く殆どの部分が覆われるようになっ
ている。
【0030】
また、ガラス扉枠4には、図6(a)に示すように、窓部41上端に図柄変動表示装置
57が配設されている。図柄変動表示装置57は、液晶ディスプレイを備え、例えば、図
6(b)に示すように、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の3つの表示列が画面表示され
る。各図柄列は複数の図柄によって構成されており、これら図柄が各図柄列毎にスクロー
ルされるように表示画面に可変表示されるようになっている。尚、図柄変動表示装置57
は、液晶ディスプレイからなるので、高精細で見易い画面表示を行うことができる。
【0031】
ガラス扉枠4における窓部41下方の下部フレームには、上皿54が一体的に設けられ
ている。上皿54は、合成樹脂を成形することによって製造され、ガラス扉枠4の払出し
口45より払い出された遊技球及び遊技者により投入された遊技球を貯留する貯留部54
a、払出し口45より払い出された遊技球を貯留部54aへ流入させる流入口54l、及
び貯留部54aに貯留された遊技球をガラス扉枠4の供給穴49を通して発射装置31側
へ供給する供給口54rを有し、流入口54l及び供給口54rの後端面においてガラス
扉枠4にビス等を用いて取り付け固定されている。
【0032】
上皿54の貯留部54aは、流入口54l及び供給口54rに連続する底面部54bと
、底面部54bの周囲を取り囲むように立設された前壁部54cと、底面部54bを挟ん
で前壁部54cと対向するように流入口54lと供給口54rとの間に立設され且つ前壁
部54c側へ凸状となるように湾曲形成された後壁部54dとを有している。底面部54
bは、左右方向に細長く且つガラス扉枠4から前方へ張り出すように形成されている。ま
た、底面部54b後部の流入口54lと供給口54rとの間には前方側へ凹状をなす凹状
輪郭部54uが形成され、上述した後壁部54dは凹状輪郭部54uに沿って立設されて
いる。後壁部54dは、左右方向中央部でガラス扉枠4より数十mm程度(例えば、30
〜50mm)前方側へ離間しており、後壁部54d背面とガラス扉枠4前面との間に空間
部54hが形成される構造となっている。尚、図8(a)は上皿54の平面図、(b)は
(a)の上皿54のA−A線断面図である。
【0033】
貯留部54aの底面部54b上には、後壁部54dの右側に、遊技球を一列に整列させ
て供給口54rより供給穴49を通して発射装置31側へ流下させる整流部54eが設け
られている。整流部54eには、遊技球を後述する直線部54fへ誘導するための傾斜壁
54kが、直線部54fを挟んで前壁部54c側及び後壁部54d側に形成されており、
遊技球の流路が徐々に狭まる構造となっている。また、整流部54eには、底面部54b
上で前後方向に延設され且つ前方側から供給穴49の位置する後方側に向かって下り傾斜
する直線部54fが設けられ、この直線部54fの底面に細長い長方形状の金属板54m
が装着されている。金属板54mは、遊技球の流れをスムーズにする機能、底面を補強し
て摩擦による削れを防止する機能、ノイズを防止する機能等を有している。また、金属板
54mの下流端側には球抜き穴54jが形成されている。この球抜き穴54jは、通常の
状態において直線部54fの底面裏側をスライド自在に設けられる開閉弁54iによって
閉塞されており、開閉弁54iが前壁部54cに設けられる球抜きレバー54gの操作に
より移動されたときに、球抜き穴54jが開放されて貯留部54a内に貯留されていた遊
技球を図示しない球抜き通路を介して下皿53に移動せしめるものである。
【0034】
ここで、上皿54の貯留部54aにおける遊技球Bの流れについて、図9を参照しつつ
説明する。遊技球Bは、払出口45より払い出されると流入口54lより貯留部54a内
に流入し、緩やかに右下がりに傾斜する底面部54bと、前壁部54c及び後壁部54d
とに案内されて貯留部54a右側の供給口54rへ向かって転動して整流部54eに到達
する。また、遊技者によって遊技球Bが貯留部54a内へ投入された場合も、同様に、底
面部54b等に案内されて転動して整流部54eへ到達する。そして、遊技球Bは整流部
54eの直線部54fを挟んで両側に設けられた傾斜壁54kによって誘導されて一列に
整列されると共に、直線部54f上を下り傾斜する後方側(ガラス扉枠4側)へ転動して
金属板54mの下流端より供給穴49へ流下する。供給穴49から球送り装置48へ供給
された遊技球は、1個ずつ発射レール33に導かれ、発射装置31によって発射される。
【0035】
ガラス扉枠4の窓部41下方には、遊技球の貸し出しに関する操作を行うための貸球操
作部46が設けられている。貸球操作部46は、図1及び図6(a)に示すように、遊技
球の貸し出し可能状態をランプによって示す貸出ボタンランプ46a、遊技球の貸し出し
を行うための貸出ボタン46b、プリペイドカードの返却を行うための返却ボタン46c
、プリペイドカードの残り度数を表示する度数表示LED46dとを備えている。貸球操
作部46は、装飾枠60の操作部用開口部60cから前面に露出し、貸球操作部46各部
の視認及び貸出ボタン46bや返却ボタン46cの操作が可能となっている(図1参照)

【0036】
次に、装飾枠60について、図10乃至図12を参照しつつ説明する。装飾枠60は、
合成樹脂の成形品から成るものであり、図柄変動表示装置57、ガラス扉枠4の窓部41
、及び貸球操作部46の隠蔽又は干渉を回避しつつ、ガラス扉枠4の前側表面の略全域を
覆うよう構成されている。尚、装飾枠60は、樹脂に金属等をインサートして(即ち、一
部を金属とする)装飾性を向上させたり、或いは全体を金属等樹脂以外の材料で形成する
ようにしてもよい。
【0037】
装飾枠60上部中央には、図10に示すように、逆台形状の表示用開口部60aが形成
され、ガラス扉枠4に配設された図柄変動表示装置57が表示用開口部60aにおいて前
面側に露出し、遊技者より視認可能とされる。尚、図10(a)は、装飾枠60の正面図
であり、(b)は装飾枠60上部の張出し部61を透視して示す正面図である。装飾枠6
0前面上部には、前方へ張り出し状に形成され且つガラス扉枠4との間に空間部61hを
有する張出し部61が設けられている。張出し部61は、装飾枠60の左右両端を跨ぐア
ーチ状の外観を呈しており、中央では前方に数cm〜十数cm程度張り出している(図2
(b),図3参照)。装飾枠60の略中央には、略円形状の窓部用開口部60bが形成さ
れ、ガラス扉枠4の窓部41に装着されたガラス板42を介して遊技領域14を視認可能
となっている。
【0038】
窓部用開口部60bの周囲には、各種ランプ、LED等の発光手段を備えた電飾部材6
2が設けられている。これら電飾部材62は、大当り時や所定のリーチ時等の遊技状態の
変化に応じて点灯、点滅のように発光手段の発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を
高める役割を果たすようになっている。勿論、これら電飾部材62を、ガラス扉枠4に設
ける構成や遊技盤5に設ける構成(コーナー飾りと称される電飾部材62を遊技盤5のコ
ーナー部等に配設する)としてもよいし、場合によっては本体枠3に設ける構成としても
よい。更には、前後一対のガラス42間に配設する構成としてもよい。
【0039】
窓部用開口部60bの下方には、逆台形状の操作部用開口部60cが形成され、ガラス
扉枠4に配設された貸球操作部46が操作部用開口部60cにおいて前面側に露出し、遊
技者より視認及び操作可能とされる。操作部用開口部60cよりもさらに下方には、上皿
54前面を覆うように前方へ膨出形成された膨出部63が設けられている。膨出部63は
、図9に示すように、装飾枠60がガラス扉枠4に対して閉じた際に上皿54を収容可能
な空間が内部に形成されつつ、所望形状で前側(遊技者側)に膨出形成されたものであり
、上皿54上面を開口させる上皿用開口部63aが形成されている。この上皿用開口部6
3aにより、上皿54に貯留された遊技球を取り出したり、或いは上皿54の貯留部に遊
技球を補充したりすることができる。また、膨出部63の前面右寄りにレバー用開口部6
3bが形成されている。上皿54前面に配設された球抜きレバー54gは、レバー用開口
部63bより前面側に露出し、遊技者によって左右にスライド操作可能とされる。また、
装飾枠60下部の左右に、側面視L字形を呈する一対の脚部64,64が下方へ延設され
ている。装飾枠60を本体枠3に対して閉じた際に、脚部64,64が外枠2下部に設け
られた突出片2a、2a上面にそれぞれ当接して支持されるので装飾枠60が安定する。
【0040】
また、本体枠3が外枠2に対し閉じられると自動的にロックがかかるようになっており
、所定のキー操作が行われることによりロックが解除されるようになっている。同様に、
ガラス扉枠4が本体枠3に対し閉じられると自動的にロックがかかり、別途のキー操作が
行われることによりロックが解除されるようになっている。さらに同様に、装飾枠60が
本体枠3に対し閉じられると自動的にロックがかかり、別途のキー操作が行われることに
よりロックが解除されるようになっている。このようにロック及びロック解除を行うため
のロック機構が本体枠3の右下部、つまり下皿ユニット51の右端部に設けられている。
ロック機構には、鍵穴を有するキーシリンダ(解除キー)55、本体枠3及び外枠2間で
のロック及び解除を行うための第2ロック機構が含まれる。本実施の形態では、最も幅狭
で、遊技領域の拡張を阻害する本体枠の右中央部ではなく、比較的にスペースにゆとりの
ある本体枠3の右下部に、キーシリンダ55をはじめとする上記ロック機構(特にキーシ
リンダ55)が配設されている。換言すれば、キーシリンダ55は、遊技領域の最大幅と
なる位置を避けて配置されている。このような構成により、遊技領域の拡張をより容易且
つ確実に図ることができる。
【0041】
勿論、最も幅狭な部分以外であれば、上記以外の部位に設けてもよく、例えば、本体枠
3の右上部に設けるような構成としてもよい。また、上記例では、第1ロック機構及び第
2ロック機構をキーシリンダ55でともにロック状態を解除可能としたが、それぞれの解
除のためのキーシリンダを別体で設けることとしてもよい。
【0042】
装飾枠60上端には、折り曲げ板形状のヒンジ65が左右一対に取り付けられており、
装飾枠60はヒンジ65を介して本体枠3に対して水平軸心回りに(すなわち、上下に)
開閉自在に枢着されている。尚、ヒンジ65は装飾枠60の上端に配設されているが、こ
れに代えて上部の左右両側面に配設してもよい。ここで、図11は、装飾枠60が上方へ
開放されて水平姿勢となった状態を示している。また、図12(a)は、装飾枠60を上
方に開放すると共にガラス扉枠4を左側へ開放し、この状態で装飾枠60をガラス扉枠4
の上端で支持させることにより、装飾枠60を開放位置に保持した様子を示す図である。
具体的には、図12(b)に示すように、装飾枠60背面に係合突起60dが、ガラス扉
枠4上端に係合突起60dに整合する係合凹部4aがそれぞれ形成され、係合突起60d
と係合凹部4aとが係合することにより、上方に開放された装飾枠60がガラス扉枠4上
端に載置された状態が保持される。
【0043】
以上詳述したことから明らかなように、本実施形態によれば、装飾枠60によりガラス
扉枠4前面の一部を覆ってガラス扉枠4と装飾枠60とが前後に重層する構造を形成する
ことにより、強度の向上を図り、不正行為を防止すると共に、視覚的効果に優れた立体的
装飾の形成が可能となる。また、ガラス扉枠4と装飾枠60とで重量が分担されるので、
それぞれの強度を高く設定することは必要とされない。また、装飾枠60は重量の大きい
ガラス板を有しないため相対的に軽量であり、小さな力で装飾枠60を上下に軽く開閉す
ることができる。よって、電動で装飾枠60を開閉するための開閉駆動装置等を設ける必
要がなく、遊技機1全体の構成が複雑化せず且つコストを低く抑えることができる。また
、ガラス板が装着された窓枠が上方に開放される従来構成では、作業者がガラス板に頭を
ぶつける危険性があるが、本実施形態によればそのような危険性はなく、安全性が高い。
さらに、装飾枠60が本体枠3に対して上方に開放されるので、装飾枠60に大型の立体
的装飾が施された場合でも、隣の遊技者の邪魔にならずに装飾枠60を大きく開放するこ
とができる。
【0044】
また、装飾枠60は、その上端がヒンジ65を介して本体枠3上部に取り付けられ、本
体枠3に対して水平軸心回りに開閉自在に枢着されているので、簡単且つ安価な構成で装
飾枠60を本体枠3に対して上下に開閉自在とすることができる。また、装飾枠60が本
体枠3側へ閉じた状態でロック機構によりロックされるので、装飾枠60が不正に又は誤
って開放されることを確実に防止することができる。
【0045】
また、ガラス扉枠4は、本体枠3に対して左右に開閉自在に取り付けられ、上方に開放
された装飾枠60が、左側に開放されたガラス扉枠4の上端にて係合突起60dと係合凹
部4aとの係合によって固定支持されるので、固定保持用の棒状部材等を別途設けること
なく、ガラス扉枠4を利用して装飾枠60を開放位置に保持することができ、遊技盤5の
遊技領域14等のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0046】
また、ガラス扉枠4における窓部41より上方部分及び下方部分が、装飾枠60の上辺
部をなす張出し部61及び下辺部をなす膨出部63によってそれぞれ覆われるので、ガラ
ス扉枠4において窓部41を挟んで対向する上方部分及び下方部分に大型の立体的装飾を
形成することができる。また、装飾枠60の上辺部と下辺部とが連結されて全体が一体化
されることにより装飾枠60の強度が向上される。
【0047】
また、貯留された遊技球によって大きな重量がかかる上皿54が、装飾枠60側ではな
くガラス扉枠4側に設けられているので、装飾枠60の強度をあまり高く設定する必要が
ない。また、上方に開放される装飾枠60には上皿54が設けられていないので、上皿5
4内に貯留された遊技球が装飾枠60開放時にこぼれ落ちる事態は発生しない。また、ガ
ラス扉枠4に設けられた上皿4の前面が、装飾枠60に形成された膨出部63によって覆
われるので、上皿54を補強しつつ立体的装飾を形成することができる。
【0048】
また、ガラス扉枠4の窓部41に装着されたガラス板42が、装飾枠60の開口より外
部に露出するので、遊技者はガラス板42を介して遊技領域14を確実に視認することが
できる。また、ガラス扉枠4に設けられた貸し球操作部が装飾枠60の開口より外部に露
出するので、遊技者は貸し球操作部を確実に操作することができる。
【0049】
また、装飾枠60は、前方へ張り出し且つガラス扉枠4との間に空間部61hを有する
張出し部61を備えているので、ガラス扉枠4と装飾枠60の張出し部61とが前後に重
層した視覚的効果に優れた立体的装飾を形成することができる。特に、ガラス扉枠4と装
飾枠60の両方に装飾部材(図柄変動表示装置57又は電飾部材62)を設けたので、発
光及び画面表示を伴う視覚的効果に優れた立体的装飾を形成することができる。
【0050】
また、張出し部61によって立体的構造が形成されることにより、各種部材の配設スペ
ースを拡大することができる。すなわち、装飾枠60の張出し部61とガラス扉枠4との
間に形成される空間部61h内を、遊技領域14を臨む窓部41の一部や各種部材の配設
スペースとして活用しつつ、前方へ立体的に設けられた張出し部61に表示部や音声出力
部等の各種部材を配設することができるので、遊技機前面における各種部材の配設スペー
スを確実に拡大することができる。また、張出し部61の空間部61hを通して下方に光
が取り込まれるので、張出し部61の下方が暗くなって遊技に支障を来たすことが防止さ
れる。また、張出し部61が装飾枠60の左右両端に跨って設けられるアーチ状に形成さ
れているので、大型の立体的装飾を形成することができると共に、各種部材の配設スペー
スを大幅に拡大することができる。
【0051】
また、装飾枠60の下端部をなす脚部64,64が外枠2下部に設けられた突出片2a
、2a上面にそれぞれ当接して支持されるので、装飾枠60を本体側へ閉じた状態におけ
る安定性が確保される。
【0052】
次に、本発明の第二の実施形態について、図13乃至図16を参照しつつ説明する。第
二の実施形態は、複数種類の図柄が表示された複数の回転リールを有し、各回転リールの
回転停止時の図柄の組合わせに基づく入賞態様に応じて遊技球が払い出されるパチロット
遊技機(以下、単に「パチロット機」と称する)である。本実施形態のパチロット機10
1は、図13に示すように、正面側に開口すると共に、複数種類の図柄が表示された図示
しない複数(3個)の回転リールが収容される本体枠120と、本体枠120の前面を覆
うように左右に開閉可能に取り付けられ、ガラス板143aが装着されて各回転リールの
図柄を視認可能とされた表示窓143を有する合成樹脂製のフロントパネル140と、フ
ロントパネル140上部を覆うように上下に開閉自在に設けられる装飾パネル160とを
備えている。尚、フロントパネル140が本発明の窓枠を、装飾パネル160が装飾枠を
それぞれ構成するものである。また、本実施形態では、3個の回転リールにおいて表示窓
143から視認される領域が遊技領域114である。
【0053】
また、フロントパネル140の前面には、上部の左右に音声出力部159,159、装
飾ランプ142、前方へ突出する台状に形成された上皿144、払い出された遊技球又は
上皿144より誘導された遊技球を受けて貯留する下皿170等が設けられている。音声
出力部159には、図示しない接続コードを介して音声制御基板と電気的に接続されたス
ピーカ本体159aが収納されている。また、音声出力部159においてスピーカ本体1
59aの前面を覆うカバー159bには多数の小孔159cが形成されており、スピーカ
本体159aから出力される音声が遊技者から聞こえやすくなっている。上皿144の上
面には、各回転リールの回転停止時の図柄の組合わせに基づく入賞態様に応じてフロント
パネル140の払出し口145より払い出された遊技球及び遊技者により投入された遊技
球を貯留する貯留部144a、払出し口145より払い出された遊技球を貯留部144a
へ流入させる流入口144l、及び貯留部144aに貯留された遊技球をフロントパネル
140の供給穴149を通して本体側へ供給する供給口144rが設けられている。
【0054】
また、前壁部144cの上面には、クレジットされている遊技球を投入するためのベッ
トスイッチ146aや、クレジットされている遊技球を払い出すためのキャンセルスイッ
チ146bが設けられている。また、前壁部144cの前面は操作部147となっており
、回転リールの回転起動操作を行うスタートレバー147a、及び左・中・右の回転リー
ルにそれぞれ対応して設けられたストップスイッチ147bが設けられている。
【0055】
装飾パネル160は、前方へ張り出し状に形成され且つフロントパネル140との間に
空間部161hを有してフロントパネル140の前面上部を覆う張出し部161と、張出
し部161より後方へ延設された左右一対の取り付け片162とからなる合成樹脂製部材
である。張出し部161は、音声出力部159,159を左右方向に跨ぐアーチ状の外観
を呈しており、中央では前方に数cm〜十数cm程度張り出している。一対の取り付け片
161には、折り曲げ板形状のヒンジ165がそれぞれ取り付けられており、装飾パネル
160はヒンジ165を介して本体枠120に対して水平軸心回りに(すなわち、上下に
)開閉自在に枢着されている。ここで、図16は、装飾パネル160を上方へ開放して水
平姿勢とされた状態を示している。
【0056】
張出し部161前面の中央には情報表示部157が配設されている。尚、図14は、装
飾パネル160付近を示す正面図であり、図15は、図14におけるC−C線断面及び装
飾パネル160と遊技者との位置関係を示す側面図である。情報表示部157は、横長の
長方形状を呈する液晶ディスプレイからなり、通信回線305を介してホールサーバ30
4から受信した表示用データに基づいて画面表示を行う。また、空間部161h内で音声
出力部159,159から音声が出力されて、音声が必要以上に周囲に広がらないので、
当該遊技者には音声が明瞭に聴取され且つ周囲の遊技者には聴取されにくい。
【0057】
次に、上述したパチロット機101を用いた情報提供システム301のシステム構成に
ついて、図20を参照しつつ説明する。情報提供システム301は、図20に示すように
、遊技ホール外の情報提供センタ等に設けられる情報サーバ302と、情報サーバ302
が接続されたインターネット網303と、遊技ホール側に設けられてインターネット網3
03に接続されたホールサーバ304と、遊技ホール内に設けられた通信線305と、遊
技ホール内に設置されて通信線305を介してホールサーバ304と接続された複数のパ
チロット機101,・・101とから構成される。
【0058】
情報サーバ302には、各種情報の表示用データが記憶されており、当該記憶された表
示用データを、インターネット網303を介して各遊技ホールのホールサーバ304に対
して定期的に配信する。情報サーバ302によって配信される表示用データは、地域の飲
食店情報等の広告情報、ニュース、天気予報等である。ホールサーバ304は、インター
ネット網303を介して表示用データを受信して内部の記憶装置に記憶する。また、ホー
ルサーバ304は、遊技ホールにおいて入力された表示用データをも記憶装置に記憶する
。尚、遊技ホールにおいて入力される表示用データは、新台入れ替え情報、遊技機の新機
種情報、景品情報、遊技ホールからのお知らせ等である。そして、ホールサーバ304は
、記憶した表示用データを通信回線305を介して所定のタイミングで各パチロット機1
01へ送信する。各パチロット機101において、情報表示部157が受信した表示用デ
ータに基づいて画面表示を行う。図21は、情報表示部157において、新台入れ替え情
報を表示した例を示している。
【0059】
以上詳述したことから明らかなように、本実施形態によれば、装飾パネル160により
フロントパネル140前面の上部を覆ってフロントパネル140と装飾パネル160とが
前後に重層する構造を形成することにより、強度の向上を図り、不正行為を防止すると共
に、視覚的効果に優れた立体的装飾の形成が可能となる。また、フロントパネル140と
装飾パネル160とで重量が分担されるので、それぞれの強度を高く設定することは必要
とされない。さらに、装飾パネル60が本体枠120に対して上方に開放されるので、装
飾パネル160に大型の立体的装飾が施された場合でも、隣の遊技者の邪魔にならずに装
飾パネル160を開放することができる。
【0060】
また、フロントパネル140の前面にて前方へ張り出し且つフロントパネル140との
間に空間部161hを有する張出し部161を備えた装飾パネル160を設けることによ
り、フロントパネル140前面に立体的構造を形成して各種部材の配設スペースを拡大す
ることができる。また、情報表示部157がフロントパネル140の前面にて前方へ張り
出す装飾パネル160の張出し部161に配設されているので、より遊技者に近い位置で
見易い画面表示を行うことができる。特に、情報表示部157は、情報サーバ302から
インターネット網303を介して配信された表示用データや遊技ホールにおいて入力され
た広告宣伝情報、ニュース、お知らせ等に関する表示用データをホールサーバ304より
受信して画面表示することができる。
【0061】
次に、本発明の第三の実施形態について、図17乃至図19を参照しつつ説明する。尚
、第二の実施形態で説明した図20に示す情報提供システム301は、第三の実施形態に
おいても共通に用いられるものとする。第三の実施形態の遊技機であるスロットマシン2
01は、図17及び図18に示すように、正面側に開口すると共に、複数種類の図柄が表
示された複数(3個)の回転リール221が収容される本体キャビネット220と、本体
キャビネット220の前面を覆うように左右に開閉可能に取り付けられ、各回転リール2
21の図柄を視認可能な表示窓243を設けたフロントパネル240と、フロントパネル
240上部を覆うように上下に開閉自在に設けられる装飾パネル260とを備えている。
また、本体キャビネット220が本発明の本体枠を、フロントパネル240が窓枠を、装
飾パネル260が装飾枠をそれぞれ構成するものである。また、本実施形態では、3個の
回転リール221において表示窓243から視認される領域が遊技領域214である。
【0062】
本体キャビネット220は、天板、左右の側板、底板、裏板などから構成され、例えば
、薄板板金素材を切断、孔あけ、曲げ加工等して所定のパネル形状に加工した後、これ等
の部材を溶接して図示する正面側に開口する箱状に形成される。
【0063】
フロントパネル240は、合成樹脂の成型加工によって、本体キャビネット220の開
口部分を覆う扉状に形成される。フロントパネル240には、本体キャビネット220に
収容された左・中・右の回転リール221の前面側に対向する位置に、ガラス板243a
が嵌め込まれた表示窓243が設けられ、各回転リール221に表示された図柄が視認可
能となっている。フロントパネル240上部には、情報表示部257が配設されている。
情報表示部257は、横長の長方形状を呈する大型の液晶ディスプレイからなり、通信回
線305を介してホールサーバ304から受信した表示用データに基づいて画面表示を行
う(図20、21参照)。
【0064】
表示窓243の下方には、前方に突出する台状の操作部244が設けられている。この
操作部244の上面には、クレジットされている遊技メダルを投入するためのベットスイ
ッチや、クレジットされているメダルを払い出すためのキャンセルスイッチ等を含む各種
スイッチ245、及び遊技メダルを投入するためのメダル投入口246が設けられている
。また、操作部244の前面には、回転リール221の回転起動操作を行うスタートレバ
ー247、及び左・中・右の回転リール221にそれぞれ対応して設けられたストップス
イッチ248が設けられている。また、フロントパネル240上下方向中央に設けられた
操作部244の下方の領域には、機種名称等が描かれた化粧パネル272が取り付けられ
ている。
【0065】
フロントパネル240の下部には、各回転リール221の回転停止時の図柄の組合わせ
に基づく入賞態様に応じて払い出された遊技メダルを受けて貯留するメダル受皿270が
設けられている。メダル受皿270は、合成樹脂の成型加工により上面が開口する箱状に
形成されている。
【0066】
装飾パネル260は、前方へ張り出し状に形成され且つフロントパネル240との間に
空間部261hを有してフロントパネル240の前面上部を覆う張出し部261と、張出
し部261より後方へ延設された左右一対の取り付け片262とからなる合成樹脂製部材
である。張出し部261は、情報表示部257の上部を左右方向に跨ぐアーチ状の外観を
呈しており、中央では前方に数cm〜十数cm程度張り出している。一対の取り付け片2
62には、折り曲げ板形状のヒンジ265がそれぞれ取り付けられており、装飾パネル2
60はヒンジ265を介して本体キャビネット220に対して水平軸心回りに(すなわち
、上下に)開閉自在に枢着されている。ここで、図19は、装飾パネル260を上方へ開
放して水平姿勢とされた状態を示している。装飾パネル260前面には、複数の発光ダイ
オード(LED)263aを左右方向に整列させて配設した電飾部263が全体に亘って
形成されている。尚、LEDに代えて、多数の電球を配設することにより電飾部242を
構成してもよい。
【0067】
以上詳述したことから明らかなように、本実施形態によれば、装飾パネル260により
フロントパネル240前面上部を覆ってフロントパネル240と装飾パネル260とが前
後に重層する構造を形成することにより、強度の向上を図り、不正行為を防止すると共に
、視覚的効果に優れた立体的装飾の形成が可能となる。また、フロントパネル240と装
飾パネル260とで重量が分担されるので、それぞれの強度を高く設定することは必要と
されない。さらに、装飾パネル260が本体キャビネット220に対して上方に開放され
るので、装飾パネル260に大型の立体的装飾が施された場合でも、隣の遊技者の邪魔に
ならずに装飾パネル260を開放することができる。
【0068】
また、フロントパネル240の前面にて前方へ張り出し且つフロントパネル240との
間に空間部261hを有する装飾パネル260を備えることにより、大型の情報表示部2
57をフロントパネル240前面上部に配設する構成を採用しつつ、フロントパネル24
0前面に立体的構造を形成して各種部材の配設スペースを拡大することができる。また、
遊技者の目に付きやすく且つ立体的構造を有する装飾パネル260に複数のLED263
aを有する電飾部263が形成されているので、光による効果的な演出を行うことにより
遊技の興趣を増大させることができる。また、フロントパネル240前面のスペースが小
さい場合でも、装飾パネル260上に大型の電飾部263を構成することができる。
【0069】
尚、本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱し
ない範囲で種々の変更を施すことが可能である。例えば、前記第一の実施形態では、図柄
変動表示装置57を液晶ディスプレイにより構成したが、図柄変動表示装置57をELデ
ィスプレイ(ELは、エレクトロルミネッセントの略)により構成してもよい。本変形例
によれば、図柄変動表示装置57が高輝度で見易い画面表示を行うことができる。尚、図
柄変動表示装置57を可撓性を有する材質からなるELディスプレイにより構成する場合
、ELディスプレイを曲面状に配設する構成としてよい。本変形例によれば、外部からの
光の写り込みが防止されて図柄変動表示装置57における画面表示の視認がより一層容易
となる。
【0070】
或いは、図柄変動表示装置57をLEDディスプレイにより構成してもよい。本変形例
によれば、図柄変動表示装置57が安価な構成で見易い画面表示を行うことができる。さ
らに、第二の実施形態において、情報表示部157をタッチパネル式ディスプレイにより
構成してもよい。本変形例によれば、遊技者が指で情報表示部157の表面に触れること
によって容易に各種の入力操作を行うことができる。入力操作としては、表示したい情報
の選択入力を行えるようにしてもよいし、タッチパネル式ディスプレイ上に球貸しボタン
等を設けて貸し球操作部を構成するようにしてもよい。さらに、情報表示部157の両端
を回転自在に支持して、情報表示部157が所定の傾斜角となるように上下に回動可能に
配設してもよい。本変形例によれば、情報表示部157が遊技者の視線方向となるように
傾斜角を調整可能であるので、遊技者は、より一層容易に画面表示を視認することができ
る。
【0071】
また、前記第一の実施形態において、図22に示す変形例のように、装飾枠60の上辺
部から下辺部まで連続的に電飾部材としての多数個の発光ダイオード62’を配設する構
成としてもよい。本変形例によれば、遊技機1前面に連続的で視覚的効果に優れた立体的
装飾を形成することができる。
【0072】
また、前記第一の実施形態では、上皿54の上面を開放して遊技球を投入可能に構成さ
れたパチンコ遊技機に本発明を適用した例を示したが、上皿54の上面がカバー部材で封
鎖された構造或いは上皿を設けることなく発射装置へ遊技球が供給される構造を有し且つ
獲得された賞球数がポイントカードに書き込まれるように構成された封入式と称されるパ
チンコ遊技機に本発明を適用してもよい。
【0073】
また、前記第一の実施形態では、上皿54がガラス扉枠4に一体的に設けられる構成と
したが、上皿54が本体枠3側に設けられる構成としてもよい。本変形例によれば、貯留
された遊技球によって大きな重量がかかる上皿54が、装飾枠60側ではなく本体枠3側
に設けられているので、装飾枠60の強度をあまり高く設定する必要がない。また、上方
に開放される装飾枠60には上皿54が設けられていないので、上皿54内に貯留された
遊技球が装飾枠60開放時にこぼれ落ちる事態は発生しない。
【0074】
また、前記第一の実施形態において、窓部41より上方部分を覆う上辺部と、窓部41
より下方部分を覆う下辺部とを別体とし、上辺部が本体枠3に対して上方へ開放され且つ
下辺部が本体枠3に対して下方へ開放されるように構成してもよい。本変形例によれば、
本体枠3の遊技領域14等に対するメンテナンスの際には、上辺部のみを本体枠3に対し
て上方へ開放した状態で作業を行うことができ、上皿54等のメンテナンス作業の際には
、下辺部のみを本体枠3に対して下方へ開放した状態で作業を行うことができる。
【0075】
(付記)
上述した実施形態から、以下に示す本発明の各手段を抽出することができる。以下、各
手段につき、必要に応じて作用効果等を付記しつつ説明する。
1.遊技領域を有する本体枠と、その本体枠の前面側に設けられ且つ前記遊技領域を臨
む窓部に透明板を装着してなる窓枠とを備えた遊技機であって、
前記窓枠の前面の少なくとも一部を覆うと共に前記本体枠に対して上下に開閉自在に取り
付けられた装飾枠を備えたことを特徴とする遊技機。
手段1によれば、装飾枠により窓枠の前面の少なくとも一部を覆って窓枠と装飾枠とが
前後に重層する構造を形成することにより、強度の向上を図り、不正行為を防止すると共
に、視覚的効果に優れた立体的装飾の形成が可能となる。また、窓枠と装飾枠とで重量が
分担されるので、それぞれの強度を高く設定することは必要とされない。また、装飾枠は
重量の大きいガラス板等の透明板を有しないため相対的に軽量であり、小さな力で装飾枠
を上下に軽く且つ安全に開閉することができる。よって、電動で装飾枠を開閉するための
開閉駆動装置等を設ける必要がなく、遊技機全体の構成が複雑化せず且つコストを低く抑
えることができる。また、ガラス板等が装着された窓枠が上方に開放される従来構成では
、作業者がガラス板に頭をぶつける危険性があるが、手段1によればそのような危険性は
なく、安全性が高い。さらに、装飾枠が本体枠に対して上方又は下方に開放されるので、
装飾枠に大型の立体的装飾が施された場合でも、隣の遊技者の邪魔にならずに装飾枠を大
きく開放することができる。
【0076】
2.前記装飾枠が前記本体枠に対して上方へ開放されるように構成されたことを特徴と
する手段1に記載の遊技機。
手段2によれば、装飾枠が本体枠に対して上方へ開放されるように構成されているので
、隣の遊技者の邪魔にならずに装飾枠を大きく上方へ開放した状態で、本体枠の遊技領域
等に対するメンテナンス作業を行うことができる。
【0077】
3.前記装飾枠は、その上端がヒンジを介して前記本体枠上部に取り付けられ、前記本
体枠に対して水平軸心回りに開閉自在に枢着されたことを特徴とする手段2に記載の遊技
機。
手段3によれば、装飾枠は、その上端がヒンジを介して本体枠上部に取り付けられ、本
体枠に対して水平軸心回りに開閉自在に枢着されているので、簡単且つ安価な構成で装飾
枠を本体枠に対して上方へ開放することができる。
【0078】
4.前記装飾枠が前記本体枠に対して下方へ開放されるように構成されたことを特徴と
する手段1に記載の遊技機。
手段4によれば、装飾枠が本体枠に対して下方へ開放されるように構成されているので
、隣の遊技者の邪魔にならずに装飾枠を大きく下方へ開放した状態で、本体枠の遊技領域
等に対するメンテナンス作業を行うことができる。
【0079】
5.前記装飾枠は、その下端がヒンジを介して前記本体枠下部に取り付けられ、前記本
体枠に対して水平軸心回りに開閉自在に枢着されたことを特徴とする手段4に記載の遊技
機。
手段5によれば、装飾枠は、その下端がヒンジを介して本体枠下部に取り付けられ、本
体枠に対して水平軸心回りに開閉自在に枢着されているので、簡単且つ安価な構成で装飾
枠を本体枠に対して下方へ開放することができる。
【0080】
6.前記装飾枠を前記本体枠側へ閉じた状態でロックするロック手段を備えたことを特
徴とする手段1乃至5のいずれかに記載の遊技機。
手段6によれば、装飾枠が本体枠側へ閉じた状態でロック手段によりロックされるので
、装飾枠が不正に又は誤って開放されることを確実に防止することができる。
【0081】
7.前記装飾枠を開放位置に保持する開放位置保持手段を備えたことを特徴とする手段
1乃至6のいずれかに記載の遊技機。
手段7によれば、開放位置保持手段によって装飾枠が開放位置に保持された状態で窓枠
を開放して本体枠の遊技領域等のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0082】
8.前記窓枠は、前記本体枠に対して左右に開閉自在に取り付けられ、
前記開放位置保持手段は、上方に開放された前記装飾枠を、左側又は右側に開放された
前記窓枠の上端にて固定支持することを特徴とする手段7に記載の遊技機。
手段8によれば、開放位置保持手段は、上方に開放された装飾枠を、左側又は右側に開
放された窓枠の上端にて固定支持するので、固定保持用の棒状部材等を別途設けることな
く、窓枠を利用して装飾枠を開放位置に保持することができる。
【0083】
9.前記装飾枠は、前記窓枠における少なくとも前記窓部より上方部分を覆うことを特
徴とする手段1乃至8のいずれかに記載の遊技機。
手段9によれば、窓枠における少なくとも窓部より上方部分が装飾枠によって覆われる
ので、窓部より上方部分における強度の向上を図りつつ視覚的効果に優れた立体的装飾を
形成することができる。
【0084】
10.前記装飾枠において前記窓枠の前記窓部より上方部分を覆う上辺部が前記本体枠
に対して上方へ開放されるように構成されたことを特徴とする手段9に記載の遊技機。
手段10によれば、窓枠の窓部より上方部分を覆う上辺部を本体枠に対して上方へ開放
した状態で、本体枠の遊技領域等に対するメンテナンス作業を行うことができる。
【0085】
11.前記装飾枠は、前記窓枠における少なくとも前記窓部より下方部分を覆うことを
特徴とする手段1乃至10のいずれかに記載の遊技機。
手段11によれば、窓枠における少なくとも窓部より下方部分が装飾枠によって覆われ
るので、窓部より下方部分における強度の向上を図りつつ視覚的効果に優れた立体的装飾
を形成することができる。
【0086】
12.前記装飾枠において前記窓枠の前記窓部より下方部分を覆う下辺部が前記本体枠
に対して下方へ開放されるように構成されたことを特徴とする手段11に記載の遊技機。
手段12によれば、窓枠の窓部より下方部分を覆う下辺部を本体枠に対して下方へ開放
した状態で、上皿等に対するメンテナンス作業を行うことができる。
【0087】
13.前記装飾枠が、前記窓枠の下端部より下方へ延設されたことを特徴とする手段1
乃至12のいずれかに記載の遊技機。
手段13によれば、装飾枠が窓枠の下端部より下方へ延設されているので、窓枠より下
端に延設された大型の立体的装飾を形成することができる。
【0088】
14.前記装飾枠は、前記窓枠における前記窓部より上方部分を覆う上辺部と、前記窓
部より下方部分を覆う下辺部とを備え、前記上辺部と前記下辺部とが左右両側で上下に連
結されたことを特徴とする手段1乃至13のいずれかに記載の遊技機。
手段14によれば、窓枠における窓部より上方部分及び下方部分が、装飾枠の上辺部及
び下辺部によって覆われるので、窓枠において窓部を挟んで対向する上方部分及び下方部
分により大型の立体的装飾を形成することができる。また、装飾枠の上辺部と下辺部とが
連結されて全体が一体化されることにより装飾枠の強度が向上される。
【0089】
15.前記装飾枠は、前記上辺部から前記下辺部まで連続的に装飾が施されたことを特
徴とする手段14に記載の遊技機。
手段15によれば、装飾枠の上辺部から下辺部まで連続的に装飾が施されているので、
視覚的効果に優れた立体的装飾を形成することができる。尚、連続的な装飾は、例えば、
発光ダイオードや電球等の電飾部材を上辺部から下辺部まで多数個配置することにより形
成してもよい。
【0090】
16.前記装飾枠は、前記窓枠における前記窓部より上方部分を覆う上辺部と、前記窓
部より下方部分を覆う下辺部とを備え、前記上辺部が前記本体枠に対して上方へ開放され
且つ前記下辺部が前記本体枠に対して下方へ開放されるように構成されたことを特徴とす
る手段1乃至13のいずれかに記載の遊技機。
手段16によれば、窓枠における窓部より上方部分及び下方部分が、装飾枠の上辺部及
び下辺部によって覆われるので、窓枠において窓部を挟んで対向する上方部分及び下方部
分により大型の立体的装飾を形成することができる。また、本体枠の遊技領域等に対する
メンテナンスの際には、上辺部のみを本体枠に対して上方へ開放した状態で作業を行うこ
とができ、上皿等のメンテナンス作業の際には、下辺部のみを本体枠に対して下方へ開放
した状態で作業を行うことができる。
【0091】
17.前記本体枠より払い出された遊技球及び遊技者により投入された遊技球を貯留す
る上皿が前記窓枠に設けられたことを特徴とする手段1乃至16のいずれかに記載の遊技
機。
手段17によれば、貯留された遊技球によって大きな重量がかかる上皿が、装飾枠側で
はなく窓枠側に設けられているので、装飾枠の強度をあまり高く設定する必要がない。ま
た、上方又は下方に開放される装飾枠には上皿が設けられていないので、上皿内に貯留さ
れた遊技球が装飾枠開放時にこぼれ落ちる事態は発生しない。
【0092】
18.前記本体枠より払い出された遊技球及び遊技者により投入された遊技球を貯留す
る上皿が前記本体枠に設けられたことを特徴とする手段1乃至16のいずれかに記載の遊
技機。
手段18によれば、貯留された遊技球によって大きな重量がかかる上皿が、装飾枠側で
はなく本体枠側に設けられているので、装飾枠の強度をあまり高く設定する必要がない。
また、上方又は下方に開放される装飾枠には上皿が設けられていないので、上皿内に貯留
された遊技球が装飾枠開放時にこぼれ落ちる事態は発生しない。
【0093】
19.前記装飾枠に前記上皿の少なくとも一部を覆う膨出部が形成されたことを特徴と
する手段17又は18に記載の遊技機。
手段19によれば、窓枠又は本体枠に設けられた上皿の少なくとも一部が、装飾枠に形
成された膨出部によって覆われるので、上皿を補強しつつ立体的装飾を形成することがで
きる。
【0094】
20.前記装飾枠の少なくとも一部が透明材料によって構成されたことを特徴とする手
段1乃至19のいずれかに記載の遊技機。
手段20によれば、装飾枠の少なくとも一部を構成する透明材料を介して窓枠が視認さ
れるので、窓枠と装飾枠とが前後に重層する視覚的効果に優れた立体的装飾を形成するこ
とができる。
【0095】
21.前記装飾枠の少なくとも一部に開口又は切り欠きが形成されたことを特徴とする
手段1乃至20のいずれかに記載の遊技機。
手段21によれば、装飾枠の少なくとも一部に形成された開口又は切り欠きを介して窓
枠が視認されるので、窓枠と装飾枠とが前後に重層した視覚的効果に優れた立体的装飾を
形成することができる。
【0096】
22.前記装飾枠には、前記窓枠に設けられた前記窓部に対応する開口又は切り欠きが
形成されたことを特徴とする手段21に記載の遊技機。
手段22によれば、窓枠の窓部に装着された透明板が、装飾枠の開口又は切り欠きより
外部に露出するので、遊技者は透明板を介して遊技領域を確実に視認することができる。
【0097】
23.前記窓枠には、遊技者によって操作される操作部が設けられ、
前記装飾枠は、前記窓部に設けられた前記操作部に対応する開口又は切り欠きが形成さ
れたことを特徴とする手段21に記載の遊技機。
手段23によれば、窓枠に設けられた操作部が装飾枠の開口又は切り欠きより外部に露
出するので、遊技者は操作部を確実に操作することができる。例えば、貸し球に関する操
作を行うための貸し球操作部を窓枠に設け、その貸し球操作部に対応する開口又は切り欠
きを形成する構成としてもよい。
【0098】
24.前記装飾枠は、前方へ張り出し且つ前記窓枠との間に空間部を有する張出し部を
備えたことを特徴とする手段1乃至23のいずれかに記載の遊技機。
手段24によれば、窓枠と装飾枠の張出し部とが前後に重層した視覚的効果に優れた立
体的装飾を形成することができる。また、張出し部によって立体的構造が形成されること
により、各種部材の配設スペースを拡大することができる。すなわち、装飾枠の張出し部
と窓枠との間に形成される空間部内を、遊技領域を臨む窓部の一部や各種部材の配設スペ
ースとして活用しつつ、前方へ立体的に設けられた張出し部に表示部や音声出力部等の各
種部材を配設することができるので、遊技機前面における各種部材の配設スペースを確実
に拡大することができる。また、張出し部の空間部を通して下方に光が取り込まれるので
、張出し部の下方が暗くなって遊技に支障を来たすことが防止される。
【0099】
25.前記張出し部は、装飾枠の一端側から他端側へ跨って設けられるアーチ状に形成
されたことを特徴とする手段24に記載の遊技機。
手段25によれば、張出し部が装飾枠の一端側から他端側へ(例えば、左右方向に)跨
って設けられるアーチ状に形成されているので、大型の立体的装飾を形成することができ
ると共に、各種部材の配設スペースを大幅に拡大することができる。
【0100】
26.前記装飾枠の下端部が前記本体枠側で支持されるように構成されたことを特徴と
する手段1乃至25のいずれかに記載の遊技機。
手段26によれば、装飾枠の下端部が本体枠側で(本体枠又は本体枠が取り付けられる
外枠で)支持されるので、装飾枠を本体枠側へ閉じた状態での安定性が確保される。
【0101】
27.前記装飾枠に、電飾部材又は表示部材を配設したことを特徴とする手段1乃至2
6のいずれかに記載の遊技機。
手段27によれば、電飾部材又は表示部材が装飾枠に配設されることによって発光又は
画面表示を伴う視覚的効果に優れた立体的装飾が形成される。尚、電飾部材は、例えば、
発光ダイオードや電球を用いて構成してもよい。また、表示部材は、例えば、液晶ディス
プレイやELパネルを用いて構成してもよい。
【0102】
28.前記窓枠及び前記装飾枠の両方に電飾部材又は表示部材を設けたことを特徴とす
る手段27に記載の遊技機。
手段28によれば、前後に重層する窓枠及び装飾枠の両方に電飾部材又は表示部材を設
けることによって発光又は画面表示を伴う視覚的効果に優れた立体的装飾を形成すること
ができる。
【0103】
29.前記窓枠に電飾部材又は表示部材を設け、前記装飾枠の前記電飾部材又は表示部
材に対応する箇所に透明部材、開口又は切り欠きを設けたことを特徴とする手段1乃至2
8のいずれかに記載の遊技機。
手段29によれば、窓枠に設けられた電飾部材による光又は表示部材による画面表示が
、装飾枠に設けられた透明部材、開口又は切り欠きを介して視認されるので、発光又は画
面表示を伴う立体的な視覚効果の高い装飾を形成することができる。
【0104】
30.前記遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする手段1乃至29のいずれ
かに記載の遊技機。
手段30によれば、パチンコ遊技機において、装飾枠により窓枠の前面の少なくとも一
部を覆って窓枠と装飾枠とが前後に重層する構造を形成することにより、強度の向上を図
り、不正行為を防止すると共に、視覚的効果に優れた立体的装飾の形成が可能となる。
【0105】
31.前記遊技機は、複数種類の図柄が表示された複数の回転リールを有し、前記各回
転リールの回転停止時の図柄の組合わせに基づく入賞態様に応じて遊技球が払い出される
パチロット遊技機であることを特徴とする手段1乃至29のいずれかに記載の遊技機。
手段31によれば、パチロット遊技機において、装飾枠により窓枠の前面の少なくとも
一部を覆って窓枠と装飾枠とが前後に重層する構造を形成することにより、強度の向上を
図り、不正行為を防止すると共に、視覚的効果に優れた立体的装飾の形成が可能となる。
【0106】
32.前記遊技機は、スロットマシンであることを特徴とする手段1乃至29のいずれ
かに記載の遊技機。
手段32によれば、スロットマシンにおいて、装飾枠により窓枠の前面の少なくとも一
部を覆って窓枠と装飾枠とが前後に重層する構造を形成することにより、強度の向上を図
り、不正行為を防止すると共に、視覚的効果に優れた立体的装飾の形成が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明は、パチンコ遊技機、スロットマシン、パチロット遊技機等の各種の遊技機に適
用可能である。
【符号の説明】
【0108】
1 パチンコ遊技機(遊技機)
2 外枠
3 本体枠
4 ガラス扉枠(窓枠)
14 遊技領域
41 窓部
42 ガラス板(透明板)
60 装飾枠
61 張出し部
61h 空間部
62 電飾部
62’ 発光ダイオード
65 ヒンジ
101 パチロット遊技機(遊技機)
114 遊技領域
120 本体枠
140 フロントパネル(窓枠)
143 表示窓(窓部)
143a ガラス板(透明板)
160 装飾パネル(装飾枠)
161 張出し部
161h 空間部
165 ヒンジ
201 スロットマシン(遊技機)
214 遊技領域
220 本体キャビネット(本体枠)
240 フロントパネル(窓枠)
243 表示窓(窓部)
243a ガラス板(透明板)
260 装飾パネル(装飾枠)
261 張出し部
261h 空間部
265 ヒンジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域を有する本体枠と、その本体枠の前面側に設けられ且つ前記遊技領域を臨む窓
部に透明板を装着してなる窓枠とを備えた遊技機であって、
前記窓枠の前面の少なくとも一部を覆うと共に前記本体枠に対して上下に開閉自在に取
り付けられた装飾枠を備えたことを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−139524(P2012−139524A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−61353(P2012−61353)
【出願日】平成24年3月19日(2012.3.19)
【分割の表示】特願2010−190544(P2010−190544)の分割
【原出願日】平成16年8月20日(2004.8.20)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】