説明

遊技機

【課題】遊技の興趣が向上することができる遊技機を提供する。
【解決手段】大当たり当選を契機に、所定期間、可変の第2始動口7への入賞容易性が相互に異なる複数の時短状態の中からいずれか一つに設定する入賞容易性状態設定手段が設けられている。所定の時短状態に設定されることを契機に、特別図柄の変動時間の期待値が相互に異なる複数の変動時間決定条件の中からいずれか一つに切り換えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の遊技条件が変動する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機では、遊技球の始動口への有効な入賞を契機に大当たり抽選が実行され、大当たり抽選の結果が判定されると、大当たりの当否、大当たりの種類等が決定される。この抽選結果は、図柄表示装置に表示される図柄の停止表示によって遊技者に報知(発表)される。図柄の停止表示に至るまでは、同じく図柄表示装置において図柄の変動表示が所定時間行われる。つまり、遊技球が始動口へ有効に入賞して大当たり抽選が行われると、図柄表示装置において図柄の変動表示が開始され、所定時間経過した後に当該図柄の変動表示が終了すると共に図柄の停止表示が行われる(以下、変動表示のあとに停止表示されることをまとめて図柄表示という)。
【0003】
大当たり抽選の抽選結果、「大当たり」に当選した場合、当該「大当たり」の当選に基づく図柄表示が終了すると、例えば通常は遊技球の入賞が不可能な状態に維持されている大入賞口が遊技球の入賞が可能な状態になる大当たり遊技が行われる。
【0004】
この大当たり遊技中に、新たな図柄の可変表示が行われることはなく、大当たり遊技が終了すると、新たな図柄の変動表示が開始可能になる。そして、大当たり遊技終了後から図柄の表示、すなわち大当たり抽選の抽選発表が再開されこととなるが、当該大当たり遊技終了後から所定期間、所定の遊技条件が変動する(特許文献1参照)。
【0005】
所定の遊技条件としては、例えば、大当たりの当選確率がある。基本的に、大当たり抽選は予め設定された通常の大当たりの当選確率(以下、低大当たり当選確率という)で行われるが、「大当たり」の当選によって、低大当たり当選確率より高い当選確率(以下、高大当たり当選確率という)に切り替わることがある。すなわち、大当たりの当選確率が相対的に低く設定された低確率遊技状態又は高く設定された高確率遊技状態にて遊技が進行する。
【0006】
また、その他の所定の遊技条件としては、始動口への入賞容易性がある。この始動口への入賞容易性について説明する。上述したように、始動口への有効な入賞を契機に大当たり抽選が行われるが、始動口として、常時入賞可能な状態に維持されている不変始動口と、入賞可能な状態と不可能な状態とに切り替えられる可変始動口とが設けられていることがある。この場合、可変始動口の入賞に関わる状態は、始動口制御装置によって制御されており、基本的には始動口制御装置が未作動状態に保持されることで、可変始動口が遊技球の入賞が不可能な状態にされている。始動口制御装置は、遊技球の入賞ゲートへの有効な入賞を契機に行われる抽選において当たりに当選すると作動する。この時に可変始動口が入賞可能な状態になり、入賞可能な始動口が2つになるので、始動口への入賞が相対的に容易になる。なお、相対的とは、始動口制御装置が作動していない場合に比してという意味である。
【0007】
このように、始動口制御装置の作動によって始動口への入賞容易性が向上するということによって、始動口への入賞頻度が多くなり、大当たり抽選の回数が増える。そして、大当たり抽選の回数が増えれば単位時間当たりの「大当たり」の当選回数(「大当たり」の当選回数に対する期待値)も増える。始動口制御装置の作動による始動口への入賞容易性は、始動口制御装置の作動時間、言い換えれば、可変始動口が入賞可能になる時間、抽選に要する時間(普図変動時間ともいう)及び抽選の当選確率等で構成されている。したがって、始動口への入賞容易性が向上するとは、始動口制御装置の作動時間の延長、抽選に要する時間の短縮、抽選の当選確率の向上等のことであるが、いずれの構成要素が変更されるかは設定事項であるので機種や仕様によって適宜に設定される。いずれにしても、「大当たり」の当選によって、大当たり遊技後から所定期間、始動口への入賞容易性が向上する。すなわち、始動口への入賞容易性が相対的に低く設定された非時短遊技状態又は高く設定された時短遊技状態にて遊技が進行する。
【0008】
大当たりの当選確率と始動口への入賞容易性とは独立しているので、これらの組合せが、全体的な遊技条件となる。そして、「大当たり」に当選することで、大当たりの当選確率及び始動口への入賞容易性の双方、又は、大当たりの当選確率若しくは入賞容易性のいずれか一方が向上する。すなわち、低確率遊技状態又は高確率遊技状態、且つ、非時短遊技状態又は時短遊技状態にて遊技が進行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−295599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このように、低確率遊技状態又は高確率遊技状態、且つ、非時短遊技状態又は時短遊技状態にて遊技が進行し、様々な遊技状態へと移行することによって、遊技性が複雑になるので、遊技の興趣を高めると共に、遊技の単調化を抑えることができる。しかしながら、近年においては、このような低確率遊技状態又は高確率遊技状態と非時短遊技状態又は時短遊技状態との組み合わせによる遊技状態の移行という遊技性の新鮮味が薄れ、遊技の興趣が低下している。
【0011】
本発明の目的は、上記の背景を鑑みて、遊技の興趣の低下を軽減することができる遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の遊技機は、遊技領域(遊技領域2A)に設けられた特別始動領域(始動口6、7)に遊技球が入賞すると、遊技者に有利な特別遊技状態へ移行させるか否かの特別遊技判定を行う特別遊技判定手段(ステップS235又はステップS245、ステップS311及びステップS312を行うメインCPU101a)を有し、前記特別始動領域として、第1特別始動領域(第1始動口6)、及び、基本態様から前記基本態様より入賞が容易な特別態様へと切換可能な第2特別始動領域(第2始動口7)を備え、前記特別遊技判定手段は、前記第1特別始動領域への入賞に基づいて第1特別遊技判定を行う第1特別遊技判定部(ステップS235、ステップS311及びステップS312を行うメインCPU101a)と、前記第2特別始動領域への入賞に基づいて、第2特別遊技判定を行う第2特別遊技判定部(ステップS245、ステップS311及びステップS312を行うメインCPU101a)とを備え、前記第2特別遊技判定部による前記第2特別遊技判定を優先させ、前記第2特別遊技判定部の方が前記第1特別遊技判定部より遊技者に有利な前記特別遊技状態へ移行させ易い遊技機において、前記遊技領域に設けられた補助始動領域に遊技球が入賞すると、前記第2特別始動領域が前記特別態様に切り換えられる補助遊技を実行するか否かの補助遊技判定を行う補助遊技判定手段(ステップS254、ステップS410−5及びステップS410−6を行うメインCPU101a)と、図柄を変動表示し、その後に前記特別遊技判定の結果を示す図柄を停止表示する図柄表示手段(特別図柄表示装置19、20)と、前記図柄表示手段が前記図柄を変動表示する時間である図柄変動時間を複数記憶する図柄変動時間記憶手段(特図変動パターン判定テーブルを記憶するメインROM101b)と、前記複数の図柄変動時間の中から一つの図柄変動時間に決定する図柄変動時間決定手段(ステップS313を行うメインCPU101a)と、前記図柄変動時間決定手段が、前記図柄変動時間を決定するための条件である変動時間決定条件を切り換える条件切換手段(ステップS360−6を行うメインCPU101a)と、前記特別遊技判定の結果が前記特別遊技状態への移行であることを契機に、前記第2特別始動領域への入賞容易性に係る遊技状態を、所定期間、前記第2特別始動領域への入賞容易性が相互に異なる複数の入賞容易性状態の中からいずれか一つに設定する入賞容易性状態設定手段(ステップS360−3を行うメインCPU101a)と、を有し、前記条件切換手段は、所定の入賞容易性状態に設定されることを契機に、前記図柄変動時間の期待値が相互に異なる複数の変動時間決定条件の中からいずれか一つに切り換えることを特徴とする。
本発明によれば、所定の入賞容易性状態に設定されることを契機に、図柄変動時間の期待値が相互に異なる複数の変動時間決定条件の中からいずれか一つに切り換える。図柄変動時間の期待値が異なるということは、変動時間決定条件に応じて、図柄表示手段における図柄の変動表示の傾向が異なる。具体的には、変動時間の期待値が低くなるにつれて、単位時間当たりにおいて実行される図柄表示の回数が多くなり、特別遊技判定の消化が速くなる。ここで、第2特別遊技判定は優先的に行われる。よって、入賞容易性状態が高くなるにつれて、第2特別遊技判定が実行され易くなる。しかしながら、特別遊技判定の消化速度が、第2特別遊技判定を実行する権利を獲得する速度より場合、非優先的な第1特別遊技判定が実行される。つまり、変動時間の期待値に応じて、第1特別遊技判定の割合が変動する。ここで、第1特別遊技判定より第2特別遊技判定の方が遊技者に有利な特別遊技状態へ移行させ易いことから、所定の入賞容易性状態であっても変動時間決定条件に応じて遊技者が享受することができる遊技利益が変動する。このように、所定の入賞容易性特定状態において、変動時間決定条件に応じて特別遊技判定の消化速度が異なり、遊技者が享受することができる遊技利益が変動するという遊技性により、遊技の興趣が向上する。
【0013】
また、本発明の遊技機は、前記第1特別始動領域に適した遊技球の発射強度と、前記第2特別始動領域に適した遊技球の発射強度とは同一又は近似し、前記入賞容易性状態設定手段が設定する入賞容易性状態には、少なくとも、前記第2特別始動領域への入賞容易性が通常の入賞容易性通常状態より高い第1入賞容易性特定状態(第1の時短状態)、及び、前記第2特別始動領域への入賞容易性が前記入賞容易性通常状態より高く、且つ、前記第1入賞容易性特定状態より前記入賞容易性通常状態に近い第2入賞容易性特定状態(第2の時短状態及び第3の時短状態)が含まれていることを特徴とする。第2特別始動領域に適した遊技球の発射強度と、第1特別始動領域に適した遊技球の発射強度とが同一又は近似であるので、可変始動領域へ向けて遊技球を発射させていても、第1特別始動領域に遊技球が入賞することがある。ここで、第2入賞容易性特定状態の入賞容易性は第1入賞容易性特定状態より入賞容易性通常状態に近いことから、第2入賞容易性特定状態においては、第1特別遊技抽選と第2特別遊技抽選とが混在し、いずれの抽選で特別遊技の実行となるのかを予測することが困難である。また、第1特別遊技抽選より第2特別遊技抽選に基づいての方が、第2特別始動領域への入賞容易性が最も高い入賞容易性状態に設定され易いということは、第1特別遊技抽選で特別遊技の実行となるか第2特別遊技抽選で特別遊技の実行となるかで、遊技者が享受する遊技利益の度合いが異なる。このように、第2入賞容易性特定状態という、遊技者が享受する遊技利益の度合いを予測することが困難な遊技状態が設けられていることにより、遊技の興趣が向上する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の遊技機によれば、特別遊技判定の結果が特別遊技状態への移行であることを契機に、第2特別始動領域への入賞容易性に係る遊技状態を、所定期間、第2特別始動領域への入賞容易性が相互に異なる複数の入賞容易性状態の中からいずれか一つに設定する入賞容易性状態設定手段が設けられている。そして、所定の入賞容易性状態に設定されることを契機に、条件切換手段によって、図柄変動時間の期待値が相互に異なる複数の変動時間決定条件の中からいずれか一つに切り換えられるので、遊技の興趣を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】遊技機の正面図である。
【図2】制御手段のブロック図である。
【図3】(a−1)は第1特別図柄用の大当たり判定テーブルを表す図、(a−2)は第2特別図柄用の大当たり判定テーブルを表す図、(b)はリーチ判定テーブルを表す図である。
【図4】(a)は大当たり当選用の特別図柄判定テーブルを表す図、(b)はリーチ有りハズレ用の特別図柄判定テーブルを表す図、(c)はリーチなしハズレ用の特別図柄判定テーブルを表す図である。
【図5】(a)は大当たり遊技用大入賞口開閉制御テーブルを表す図、(b)は大当たり遊技制御テーブルを表す図である。
【図6】(a)は参照データ判定テーブルを表す図、(b)は始動口入賞容易性状態判定テーブルを表す図、(c)は大当たり当選確率状態判定テーブルを表す図、(d)期間判定テーブルを表す図である。
【図7】通常期間及びセット期間4における特別図柄の変動パターン判定テーブルを表す図である。
【図8】セット期間1及びチャンス期間1における特別図柄の変動パターン判定テーブルを表す図である。
【図9】セット期間2及びチャンス期間2における特別図柄の変動パターン判定テーブルを表す図である。
【図10】セット期間3及びチャンス期間3における特別図柄の変動パターン判定テーブルを表す図である。
【図11】(a)は普通図柄用の当たり判定テーブルを表す図、(b)は普通図柄判定テーブルを表す図、(c)は普図変動パターン判定テーブルを表す図、(d)は補助遊技参照データ判定テーブルを表す図、(e)は補助遊技制御テーブルを表す図、(f)は第2始動口開閉制御テーブルを表す図である。
【図12】主制御基板におけるメイン処理を示すフローチャートである。
【図13】主制御基板におけるタイマー割込処理を示すフローチャートである。
【図14】主制御基板における入力制御処理を示すフローチャートである。
【図15】主制御基板における第1始動口検出センサ入力処理を示すフローチャートである。
【図16】主制御基板における第2始動口検出センサ入力処理を示すフローチャートである。
【図17】主制御基板における入賞ゲート検出センサ入力処理を示すフローチャートである。
【図18】主制御基板における特図特電制御処理を示すフローチャートである。
【図19】主制御基板における特別図柄記憶判定処理を示すフローチャートである。
【図20】主制御基板における大当たり判定処理を示すフローチャートである。
【図21】主制御基板における特別図柄判定処理を示すフローチャートである。
【図22】主制御基板における特図変動パターン決定処理を示すフローチャートである。
【図23】主制御基板における特別図柄変動処理を示すフローチャートである。
【図24】主制御基板における特別図柄停止処理を示すフローチャートである。
【図25】主制御基板における大当たり遊技処理を示すフローチャートである。
【図26】主制御基板における特別遊技終了処理を示すフローチャートである。
【図27】主制御基板における普図普電制御処理を示すフローチャートである。
【図28】主制御基板における普通図柄記憶判定処理を示すフローチャートである。
【図29】主制御基板における普通図柄変動処理を示すフローチャートである。
【図30】主制御基板における普通図柄停止処理を示すフローチャートである。
【図31】主制御基板における補助遊技処理を示すフローチャートである。
【図32】(a)は第1の時短状態に係るセット期間1における第2始動口の開閉態様と特別図柄の表示態様との関係を表すタイムチャート、(b)は第2の時短状態に係るセット期間2における第2始動口の開閉態様と特別図柄の表示態様との関係を表すタイムチャート、(c)は第2の時短状態に係るセット期間3における第2始動口の開閉態様と特別図柄の表示態様との関係を表すタイムチャートである。
【図33】(a)は大当たりの種類と特別図柄抽選の種類との関係を表す図、(b)はセット期間における遊技状態の推移を表す図である。
【図34】遊技の流れを表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
【0017】
(実施の形態1)
図1に示すように、遊技機1は、遊技店の島設備に取り付けられる基枠1Aと、その基枠1Aに取り付けられたガラス枠1Bとを備えている。基枠1Aには、遊技球が流下する遊技領域2Aが形成された遊技盤2が設けられている。一方、ガラス枠1Bには、遊技盤2の前方(遊技者側)において遊技領域2Aを視認可能に覆うガラス板が設けられている。なお、ガラス板は、ガラス枠1Bに対して着脱可能に固定されている。
【0018】
ガラス枠1Bは、水平方向の一端側においてヒンジ機構部1Cを介して基枠1Aに連結されており、ヒンジ機構部1Cを支点として回動可能に支持されている。よって、ガラス板とともに遊技盤2を覆っているガラス枠1Bを、ヒンジ機構部1Cを支点として扉のように回動することによって、遊技盤2を含む基枠1Aの内側部分を開閉することができる。また、ガラス枠1Bの他端側には、ガラス枠1Bの他端側を基枠1Aに固定するロック機構(図示なし)が設けられている。ロック機構による固定は、専用の鍵によって解除することが可能とされている。さらに、ガラス枠1Bには、ガラス枠1Bが基枠1Aから開放されているか否かを検出する扉開放スイッチ(図示なし)も設けられている。
【0019】
また、ガラス枠1Bには、回動操作されることにより遊技領域2Aに向けて遊技球を発射させるための遊技球発射装置3、スピーカーからなる音声出力装置14、複数のランプを有する演出用照明装置15、及び、複数の遊技球を貯留する受け皿50が設けられている。
【0020】
遊技領域2Aは、遊技盤2の表面から突出した状態で取り付けられた区画部材4とによって区画されている。区画部材4は、枠状の飾り枠41、湾曲形状を呈した外側レール部材42及び内側レール部材43で構成されている。飾り枠41の内側には、液晶表示装置からなる画像出力装置13が嵌め込まれており、これらが一体化されたセンター役物が遊技盤2の中央部に設けられている。また、飾り枠41の外側には内側レール部材43が配置され、内側レール部材43のさらに外側には外側レール部材42が配置されている。
【0021】
遊技球発射装置3は、受け皿50に回動可能に設けられている発射ハンドル3b、発射ハンドル3b内に取り付けられているタッチセンサ3a、発射ハンドル3bに連動して回動する発射ボリュームのつまみ3d、及び、発射用ソレノイド3cを有している。遊技者が発射ハンドル3bに触れると、タッチセンサ3aが発射ハンドル3bに人間が接触したことを検知し、発射制御基板106(図3参照)に発射ハンドル検出信号を送信する。
【0022】
発射制御基板106は、タッチセンサ3aから発射ハンドル検出信号を受信すると、発射用ソレノイド3cの通電を許可する。そして、発射ハンドル3bの回転角度が変化すると、発射ハンドル3bに連結されているギアが回転すると共に、ギアに連結した発射ボリュームのつまみ3dが回転する。この発射ボリュームのつまみ3dの検出角度に応じた電圧が、発射用ソレノイド3cに印加される。
【0023】
そして、発射用ソレノイド3cに電圧が印加されると、発射用ソレノイド3cが印加電圧に応じて作動し、発射ハンドル3bの回動角度(発射ボリュームのつまみ3dの回転角度)に応じた強さ(以下、「遊技球発射強度」という)で、遊技球が発射される。有効に(所定の遊技球発射強度で正常に)発射された遊技球は、外側レール部材42と内側レール部材43との間を上昇して遊技領域2A内を落下(流下)する。このとき、遊技球は遊技領域2Aに設けられた複数の釘や風車との衝突によって、予測不能に落下する。
【0024】
遊技領域2Aには、複数(本実施の形態では4つ)の一般入賞口11が設けられている。各一般入賞口11には、一般入賞口検出センサ11aが設けられており、この一般入賞口検出センサ11aが遊技球の入賞を検出すると、所定の賞球(例えば10個の遊技球)が払い出される。
【0025】
また、遊技領域2Aには、遊技球の通過が可能な入賞ゲート10が設けられている。入賞ゲート10には、遊技球を検出する入賞ゲート検出センサ10aが設けられている。この入賞ゲート検出センサ10aが遊技球を検出することを条件に、普通図柄の抽選が行われる。
【0026】
遊技領域2Aの下部で、入賞ゲート10の下流側には、不変であり、且つ、常時入球可能である第1始動口6が設けられている。入賞ゲート10から第1始動口6の間には、釘や風車等によって遊技球を第1始動口6へ誘導する一連の遊技球経路が形成されている。第1始動口6には、遊技球を検出する第1始動口検出センサ6aが設けられており、この検出センサ6aが遊技球を検出することを条件に、第1特別図柄の抽選が行われる。また、第1始動口検出センサ6aが遊技球を検出すると、所定個数(例えば、3個)の賞球が払い出される。
【0027】
第1始動口6の直下には、可変の第2始動口7が設けられている。入賞ゲート10から第2始動口7の間には、釘や風車等によって遊技球を第2始動口7へ誘導する一連の遊技球経路が形成されている。第1始動口6及び第2始動口7のいずれにも入賞ゲート10から遊技球経路が形成されていることから、所定の遊技球発射強度で(入賞ゲート10に向けて)発射された遊技球は、第1始動口6及び第2始動口7のいずれにも入賞し得る。
【0028】
第2始動口7は、第2始動口制御装置70によって入賞不可能な第2の基本態様又は入賞可能な第2の特別態様のいずれかに制御される。第2始動口7にも、遊技球を検出する第2始動口検出センサ7aが設けられており、この検出センサ7aが遊技球を検出することを条件に、第2特別図柄の抽選が行われる。また、第2始動口検出センサ7aが遊技球を検出すると、所定個数(例えば、3個)の賞球が払い出される。
【0029】
第2始動口7は、基本的には第2の基本態様に制御されているが、所定条件が成立する場合にのみ第2の特別態様に制御される。第2始動口制御装置70は、回動可能な普通可動片70bを具備しており、通常は(所定条件が成立する以外は)停止している。この停止状態の(未作動の)普通可動片70bによって、第2始動口7の入口が封鎖されることで、第2始動口7が入賞不可能な第2の基本態様に制御されている。所定条件が成立すると、普通可動片70bが、その下辺部分に設けられた回転軸を中心に前方側に回動して第2始動口7の入口が開放されることで、第2始動口7が入賞可能な第2の特別態様に制御される。このとき、普通可動片70bが遊技領域2Aに直交した状態で所定時間支持されることによって、流下する遊技球を受けて第2始動口7へ誘導することが可能となる。なお、ここでの所定条件とは、上述した普通図柄の抽選において、当たりに当選することである。
【0030】
また、図1に示すように、第1始動口6への入口は、第1始動口6の直上に設けられている2本の釘で形成されており、第2始動口7への入り口は、普通可動片70bの両側方に設けられている2つの誘導部材の両先端で形成されている。そして、本実施の形態では、第2始動口7への入口の方が広く形成されている。すなわち、第2始動口7が第2の特別態様に制御されているとき、第2始動口7への方が入賞し易い。
【0031】
図1に示すように、第1始動口6及び第2始動口7の右方には、可変の大入賞口8が設けられている。大入賞口8は、大入賞口制御装置80によって入賞不可能な第1の基本態様又は入賞可能な第1の特別態様のいずれかに制御される。大入賞口8には、遊技球を検出する大入賞口検出センサ8aが設けられており、この検出センサ8aが遊技球を検出すると、所定個数(例えば、15個)の賞球が払い出される。
【0032】
図1に示すように、第1始動口6及び第2始動口7の右方には、可変の大入賞口8が設けられている。大入賞口8は、大入賞口制御装置80によって入賞不可能な第1の基本態様又は入賞可能な第1の特別態様のいずれかに制御される。大入賞口8には、遊技球を検出する大入賞口検出センサ8aが設けられており、この検出センサ8aが遊技球を検出すると、所定個数(例えば、15個)の賞球が払い出される。
【0033】
大入賞口制御装置80は特別可動片80bを具備しており、特別可動片80bは所定条件が成立する場合にのみ作動する。すなわち、通常は(所定条件が成立する以外は)、遊技領域2Aから突出した状態で停止している(未作動の)特別可動片80bが大入賞口8の入口を封鎖することで、大入賞口8は入賞不可能な第1の基本態様に制御されている。遊技領域2Aから突出した状態で停止している(未作動の)特別可動片80bの下方には、遊技領域2Aの背面側に連通する孔へ遊技球を誘導する斜面80dが遊技盤2の表面から突出して形成されている。
【0034】
所定条件が成立すると、大入賞口制御装置80が作動して特別可動片80bが後退して遊技領域2Aより背面側に隠没し、大入賞口8の入口が開放されることで、大入賞口8は入賞可能な第1の特別態様に制御される。ここでの所定条件とは、上述した第1特別図柄の抽選及び第2特別図柄の抽選(以下において、第1特別図柄の抽選及び第2特別図柄の抽選の双方を指す場合、総称して「特別図柄抽選」という)において、大当たりに当選することである。
【0035】
上記遊技盤2には、さまざまな演出を実行する演出装置が設けられている。本実施の形態では、演出装置は、画像出力装置13、音声出力装置14、演出用照明装置15、及び、演出用役物装置16で構成されている。
【0036】
画像出力装置13は、様々な静止画や動画を表示することで画像による演出を行う。なお、本実施形態においては、画像出力装置13として液晶表示装置が用いられているが、プラズマディスプレイ、プロジェクター、円環状の構造物からなるリール、いわゆる7セグメントLED、ドットマトリクス等の表示装置等を用いこともできる。
【0037】
上記演出用役物装置16は、可動部16aを具備し、可動部16aを作動させることで、動作による演出を行う。本実施の形態では、可動部16aは、画像出力装置13の正面視右端部の前方に配置されており、団子を持つ手を模擬し、揺動する。
【0038】
また、音声出力装置14は、BGM(バックグランドミュージック)、SE(サウンドエフェクト)等を出力することでサウンドによる演出を行い、演出用照明装置15は、各ランプの光の照射方向や発光色を変更することで照明による演出を行う。
【0039】
また、受け皿50には、演出に係る入力装置として、演出ボタン装置17及び選択ボタン装置18が設けられている。演出ボタン装置17は、操作可能な演出ボタン17b及び演出ボタン17bに接続されて、演出ボタン検出スイッチ17aの被操作を検出する演出ボタン検出スイッチ17aを具備する。演出ボタン17bは、受け皿50から押圧可能に突出した状態で設けられている。演出ボタン検出スイッチ17aは、演出ボタン17bの被操作を検出すると、演出制御基板102に演出ボタン検出信号を出力する。
【0040】
選択ボタン装置18は、操作可能な選択ボタン18b及び選択ボタン18bに接続されて、選択ボタン18bの被操作を検出する選択ボタン検出スイッチ18aを具備する。選択ボタン18bは、上ボタン181b、左ボタン182b、下ボタン183b、右ボタン184b及びEnterボタン185bからなる。各ボタン181b〜185bは、受け皿50から押圧可能に突出した状態で設けられている。そして、選択ボタン検出スイッチ18aは、上ボタン181bに接続されて上ボタン181bの被操作を検出する上ボタン検出スイッチ181a、左ボタン182bに接続されて左ボタン182bの被操作を検出する左ボタン検出スイッチ182a、下ボタン183bに接続されて下ボタン183bの被操作を検出する下ボタン検出スイッチ183a、右ボタン184bに接続されて右ボタン184bの被操作を検出する右ボタン検出スイッチ184a、及び、Enterボタン185bに接続されてEnterボタン185bの被操作を検出するEnterボタン検出スイッチ185aからなる(図2参照)。各ボタン検出スイッチ181a、182a、183a、184a及び185aは、対応するボタンの被操作を検出すると、検出信号を出力する。具体的には、上ボタン検出スイッチ181aは上ボタン検出信号を出力し、左ボタン検出スイッチ182aは左ボタン検出信号を出力し、下ボタン検出スイッチ183aは下ボタン検出信号を出力し、右ボタン検出スイッチ184aは右ボタン検出信号を出力し、及び、Enterボタン検出スイッチ185aはEnterボタン検出信号を出力する。なお、上ボタン検出信号、左ボタン検出信号を出力し、下ボタン検出信号、右ボタン検出信号、及び、Enterボタン検出信号を総称して「選択ボタン検出信号」という。
【0041】
演出装置は、遊技の進行(状態)に応じて様々な演出を実行する。遊技中に高い頻度で行われる演出は、遊技球の第1始動口6または第2始動口7への有効な入賞に基づく特別図柄の抽選に対応して行われる抽選演出である。画像出力装置13による抽選演出では、基本的には、まず演出図柄が所定の態様で所定時間変動する演出図柄の変動表示が行われ、次いで、演出図柄が停止し、当該抽選演出が終了することを意味する演出図柄の停止表示が行われる。
【0042】
演出図柄が複数の装飾図柄で構成される場合、全ての装飾図柄が停止表示されることをもって演出図柄の停止表示という。例えば、画像出力装置13等の画面の左側領域、中央領域及び右側領域において、装飾図柄の変動表示及び装飾図柄の停止表示が行われる。この場合、全ての装飾図柄の停止表示が終了した際の所定の有効ライン上に配置された装飾図柄の配列が当該特別図柄の抽選の結果に対応し得る。ただし、抽選演出は特別図柄の抽選に対応して行われるが、あくまで特別図柄の抽選に対する「演出」であるので、演出図柄が停止表示されたときの有効ライン上の装飾図柄の配列が、必ずしも当該特別図柄の抽選の結果(停止表示された特別図柄)を表しているとは限らない。このように装飾図柄が左側領域、中央領域、及び、右側領域で表示される場合、左側領域に表示される装飾図柄を左図柄、右側領域に表示される装飾図柄を右図柄、中央領域に表示される装飾図柄を中図柄という。
【0043】
各装飾図柄の変動表示では、当該変動表示が開始されてから停止表示が行われるまでの所定時間、複数の装飾図柄が次から次に規則的に縦方向(例えば、上から下)に移動(スクロール)する。このスクロール表示によって、あたかも現在抽選が行われているような印象を遊技者に与える。
【0044】
演出図柄の変動表示態様は様々であるが、例えば、装飾図柄が最初は高速で移動し、最後に徐々に減速しながら停止する場合や、減速せずに急に停止する場合がある。また、例えば、左図柄、右図柄、中図柄の順番で停止する態様、左図柄と右図柄とが同時に停止し、最後に中図柄が停止する態様、3つの演出図柄が同時に停止する態様がある。なお、特別図柄の抽選が所定期間行われない内部的な待機状態(所謂、客待ち状態)になると、デモ演出が行われる。
【0045】
また、遊技領域2Aの下方には、第1特別図柄表示装置19並びに第2特別図柄表示装置20、普通図柄表示装置21からなる図柄表示装置、第1特別図柄保留表示装置22、第2特別図柄保留表示装置23並びに普通図柄保留表示装置24からなる保留表示装置が設けられている。
【0046】
第1特別図柄表示装置19は、第1始動口6に遊技球が入賞することを条件に行われる第1特別図柄の抽選の結果を表示する可変表示装置、第2特別図柄表示装置20は、第2始動口7に遊技球が入賞することを条件に行われる第2特別図柄の抽選の結果を表示する可変表示装置である。各特別図柄の抽選の結果には1又は複数の特別図柄が予め設定されており、特別図柄の抽選が行われると、当該抽選の結果に応じた特別図柄が特別図柄表示装置19、20に停止状態で表示される。つまり、特別図柄表示装置19、20における特別図柄の停止表示は、当該特別図柄抽選の結果の報知となる。
【0047】
特別図柄表示装置19、20は、例えばそれぞれ複数のLEDを具備しており、大当たりに当選した場合には大当たりに対応する特定のLEDが点灯し、ハズレであった場合にはハズレに対応する特定のLEDが点灯する。このようにして特別図柄表示装置19、20が具備するLEDが点灯することによって現される文字、図形及び模様等の外観形象が特別図柄を構成する。このように、特別図柄が停止する前には必ず所定時間変動する。すなわち、1回の特別図柄の抽選に対して、特別図柄表示が行われ、1回の特別図柄表示においては、特別図柄の変動表示及び特別図柄の停止表示が行われる。
【0048】
普通図柄表示装置21は、遊技球が入賞ゲート10を通過することを条件に行われる普通図柄抽選の結果を表示する可変表示装置である。普通図柄抽選の結果には普通図柄が設定されており、普通図柄の抽選が行われると、当該抽選の結果に応じた普通図柄が普通図柄表示装置21に停止状態で表示される。つまり、普通図柄表示装置21における普通図柄の停止表示は、当該普通図柄の抽選の結果の報知となる。
【0049】
普通図柄表示装置21は、例えば複数のLEDを具備しており、当たりに当選した場合には当たりに対応する特定のLEDが点灯し、ハズレであった場合にはハズレに対応する特定のLEDが点灯する。このようにして普通図柄表示装置21が具備するLEDが点灯することによって現される文字、図形及び模様等の外観形象が普通図柄を構成するが、この普通図柄が停止する前には必ず所定時間変動する。すなわち、1回の普通図柄の抽選に対して、普通図柄表示が行われ、1回の普通図柄表示においては、普通図柄の変動表示及び普通図柄の停止表示が行われる。
【0050】
ところで、特別図柄の変動表示中や大入賞口制御装置80が作動する特別遊技中に、始動口6、7に遊技球が入賞しても、即座に特別図柄の変動表示が行われて特別図柄の抽選の結果が報知されない訳ではない。この場合、一定条件下で特別図柄の変動表示(特別図柄の抽選の結果の確定的な報知)が保留される。一定条件として、特別図柄の変動表示を保留できる個数に上限値が設けられている。本実施の形態では、その上限値は各始動口6、7に対して「4」に設定されている。すなわち、各始動口6、7に対して特別図柄の変動表示、すなわち、特別図柄の抽選の権利を4個まで保留することができる。そして、第1特別図柄保留表示装置22は第1始動口6に対応し、第2特別図柄保留表示装置23は第2始動口7に対応しており、それぞれの表示装置22、23には現時点の保留数(U1、U2)が所定の態様で表示される。普通図柄の変動表示についても同様に、上限保留数が4個に設定されており、その保留数が、普通図柄保留表示装置24において表示される。
【0051】
遊技機1の裏面には、主制御基板101、演出制御基板102、払出制御基板103、電源基板107、遊技情報出力端子板108などが設けられている。また、電源基板107には遊技機1に電力を給電するための電源プラグや、図示しない電源スイッチが設けられている。
【0052】
(制御手段の内部構成)
次に、図2を用いて、遊技の進行を制御する制御手段100について説明する。
【0053】
電源基板107は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機1に電源電圧を供給するとともに、遊技機1に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板101に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU101aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU101aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
【0054】
主制御基板101は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板101は、メインCPU101a、メインROM101b、及び、メインRAM101cを備えている。メインCPU101aは、各検出センサやタイマー等からの入力信号に基づいて、メインROM101bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示装置を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板に所定のコマンドを送信したりする。メインRAM101cは、メインCPU101aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0055】
上記主制御基板101の入力側には、第1始動口検出センサ6a、第2始動口検出センサ7a、大入賞口検出センサ8a、入賞ゲート検出センサ10a、及び、一般入賞口検出センサ11aが接続されており、入力ポート(図示せず)を介して各センサに対応した検出信号が主制御基板101に入力する。
【0056】
主制御基板101の出力側には、第2始動口制御装置70の普通可動片70bを作動させる第2始動口開閉ソレノイド70c、及び、大入賞口制御装置80の特別可動片80bを作動させる大入賞口開閉ソレノイド80cが接続されており、出力ポート(図示せず)を介して各ソレノイドを制御する信号が出力される。また、主制御基板101の出力側には、第1特別図柄表示装置19、第2特別図柄表示装置20、普通図柄表示装置21、第1特別図柄保留表示装置22、第2特別図柄保留表示装置23及び普通図柄保留表示装置24が接続されており、出力ポート(図示せず)を介して各表示装置を制御する信号が出力される。
【0057】
さらに、主制御基板101の出力側には遊技情報出力端子板108が接続されており、出力ポート(図示せず)を介して、所定の遊技に関する情報(以下、遊技情報という)が変換された外部信号として出力される。遊技情報出力端子板108には遊技情報表示装置700及び遊技店のホールコンピュータが接続されており、上記の所定の遊技情報(外部信号)が遊技情報出力端子板108から遊技情報表示装置700及びホールコンピュータに送信される。所定の遊技情報が遊技情報表示装置700で出力(表示)されることで、遊技者は遊技店に設置された遊技機(台)選びの判断材料が提供されることになる。一方、所定の遊技情報がホールコンピュータに接続された表示装置やプリンターで出力(表示・印刷)されることで、遊技店は各遊技機の稼働状況を把握することができる。
【0058】
なお、本実施の形態では、遊技情報出力端子板108と遊技情報表示装置700とが接続され、遊技情報表示装置700とホールコンピュータとが接続されているが、接続態様はこれに限られるものでなく、遊技情報出力端子板108とホールコンピュータとが接続され、ホールコンピュータと遊技情報表示装置700とが接続される態様でも、遊技情報出力端子板108から遊技情報表示装置700及びホールコンピュータの双方に直接接続される態様でもよい。
【0059】
演出制御基板102は、主に遊技状況に応じた遊技演出や客待ち状態に応じたデモ演出等の各種演出を制御する。すなわち、演出を実行する画像出力装置13、音声出力装置14、演出用照明装置15及び演出用役物装置16に演出を実行させる。この演出制御基板102は、サブCPU102a、サブROM102b、及び、サブRAM102cを備えており、主制御基板101に、当該主制御基板101から演出制御基板102への一方向に通信可能に接続されている。また、演出制御基板102の入力側には、演出ボタン検出スイッチ17a及び選択ボタン検出スイッチ18aが接続されており、演出ボタン17bの操作が行われたことを示す演出ボタン検出信号及び選択ボタン18bの操作が行われたことを示す選択ボタン検出信号が演出制御基板102に入力する。
【0060】
サブCPU102aは、主制御基板101から出力されたコマンド、演出ボタン装置17から出力された演出ボタン検出信号、選択ボタン装置18から出力された選択ボタン検出信号、タイマー(水晶振動子)からの入力信号に基づいて、サブROM102bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、ランプ制御基板104及び画像制御基板105に演出制御コマンドを送信する。サブRAM102cは、サブCPU102aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0061】
払出制御基板103は、遊技球の発射制御と遊技球の払い出し制御とを行う。この払出制御基板103は、払出CPU103a、払出ROM103b、払出RAM103cを備えており、主制御基板101及び発射制御基板106に対して、双方向に通信可能に接続されている。
【0062】
払出CPU103aの入力側には、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計数スイッチ31aが接続されており、これらからの払出球検知信号とタイマーからの入力信号とに基づいて、払出ROM103bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板101に送信する。
【0063】
払出制御基板103の出力側には、貯留タンク30から所定数の遊技球を遊技者に払い出すための払出装置31の払出駆動部31bが接続されている。払出CPU103aは、主制御基板101から送信された賞球要求信号に基づいて、払出ROM103bから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、払出装置31を制御して所定の遊技球を遊技者に払い出す。このとき、払出RAM103cは、払出CPU103aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0064】
発射制御基板106は、タッチセンサ3aからの発射ハンドル検出信号及び発射ボリュームのつまみ3dからの入力信号が有する情報に基づいて、発射用ソレノイド3cを通電制御し、遊技球を発射させる。本実施の形態では、発射用ソレノイド3cの往復速度は、発射制御基板106に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。発射用ソレノイド3cが1往復する毎に1個の遊技球が発射されるため、1分間における発射される遊技球の個数は、約99.9(個/分)となる。
【0065】
ランプ制御基板104は、上記各基板と同様に、ランプCPU104a、ランプROM104b、ランプRAM104cを備えており、遊技盤2に設けられた演出用照明装置15を点灯制御したり、演出用照明装置15の光の照射方向を変更するためのモータに対する駆動制御をしたりする。また、演出用役物装置16を作動させるソレノイドやモータ等の駆動源を通電制御する。このランプ制御基板104は、演出制御基板102に接続されており、演出制御基板102から送信されるコマンドに基づいて、上記の各制御を行うこととなる。
【0066】
画像制御基板105は、少なくとも画像出力装置13に表示させる動画や静止画等の画像に係る映像信号を画像出力装置13の駆動回路に出力する画像生成部105Bと、音声出力装置14に出力させる音声に係る音声信号を音声出力装置14の駆動回路に出力する音声生成部105Cと、画像生成部105B及び音声生成部105Cを統括して制御する統括部105Aとを有する。
【0067】
統括CPU105Aaは、制御プログラム等が記憶されている統括ROM105Abに接続されており、統括CPU105Aaの動作に必要な制御プログラムが読み出されるようになっている。統括CPU105Aaは、演出制御基板102から送信される演出制御コマンドを受信すると、演出制御コマンドに基づいて画像生成部105Bに画像出力装置13に表示させる画像の指示を出すと共に、音声生成部105Cに音声出力装置14から出力させる音の指示を出す。
【0068】
画像生成部105Bは、画像プロセッサであるVDP(Video Display Processor)105Baと、画像データが格納されたCGROM105Bb、及び、画像データから生成された描画データを一時的に記憶するフレームバッファを有するVRAM105Bcを備えている。
【0069】
VDP105Baは、画像データが記憶されているCGROM105Bbに接続されており、統括CPU105Aaからの指示に基づいて、画像データに基づいて映像信号(RGB信号等)の元となる描画データを生成する。画像データは、画像出力装置13に表示させる画像(フレーム)、例えば、装飾図柄画像や装飾図柄の背景を構成する、景色、キャラクター、及びアイテム等の背景画像等の個々の画像を表す素材的なデータである。一方、描画データは個々の画像が複合して構成されるフレーム全体の画像を表す合成的なデータである。
【0070】
音声生成部105Cは、音声プロセッサ105Caと、音声データが多数格納されている音声ROM105Cbとを具備しており、演出制御基板102から送信された演出制御コマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、音声出力装置14による音声出力を制御する。
【0071】
次に、図3〜図11を参照して、メインROM110bに記憶されている各種テーブルの詳細について説明する。
【0072】
図3(a−1)(a−2)は、大当たり判定テーブルの一例を示す図である。大当たり判定とは、始動口6、7への入賞に基づき取得した大当たり判定用乱数に基づいて、少なくとも特別遊技を実行する権利獲得の成否(特賞の当否)を決定することである。図3(a−1)は、第1始動口6への入賞を契機に行われる第1特別図柄の抽選における大当たり判定において参照されるテーブル(以下、「第1特別図柄用の大当たり判定テーブル」という)である。一方、図3(a−2)は、第2始動口7への入賞を契機に行われる第2特別図柄の抽選における大当たり判定において参照されるテーブル(以下、「第2特別図柄用の大当たり判定テーブル」という)である。
【0073】
いずれの大当たり判定テーブルも、後述する大当たりの当選確率が、相対的に低い(標準値に設定された)状態のときに参照される大当たり判定テーブル(以下、「低確率用大当たり判定テーブル」という)と、相対的に高い(通常値より高く設定された)状態のときに参照される大当たり判定テーブル(以下、「高確率用大当たり判定テーブル」という)とで構成されている。取得された大当たり判定用乱数を大当たり判定テーブルに照合することで、「大当たり」又は「ハズレ」のいずれかが決定される。
【0074】
各大当たり判定テーブルには、大当たり判定値と判定結果とが一義的に対応付けられて格納されている。すなわち、取得された大当たり判定用乱数を大当たり判定テーブルに照合することで、「大当たり」又は「ハズレ」のいずれかが決定される。「大当たり」に当選すると、大入賞口8が開放する大当たり遊技が実行される。
【0075】
大当たり判定の結果が「ハズレ」である場合は、さらに、図3(b)のリーチ判定テーブルに基づいてリーチ判定が行われる。リーチ判定テーブルには、リーチ判定値とリーチ演出の有無とが一義的に対応付けられて格納されている。取得されたリーチ判定用乱数をリーチ判定テーブルに照合することで、リーチ演出の当否が判定される。リーチ判定の結果、リーチに当選する(リーチ演出有りと判定される)と、当該抽選演出中に遊技者の大当たり当選への期待感を高めるためのリーチ演出が行われる。
【0076】
リーチ演出の態様としては、例えば、演出図柄の変動表示中に画像出力装置13の左側領域、中央領域、及び、右側領域のうちの2つの領域で装飾図柄が停止し、残り1つの領域における所定の有効ライン上で所定の装飾図柄が停止すれば大当たりの当選を表す装飾図柄の配列となる状態(所謂「リーチ状態」)が発生する態様がある。大当たり判定の結果が「ハズレ」であれば、このリーチ状態という演出的な特定状態になっても、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることに変わりはない。しかし、遊技中に画像出力装置13等で頻繁に行われる主要な抽選演出において、大当たり当選を表す3つの装飾図柄の配列のうち2つの装飾図柄が揃い、途中まで「大当たり」当選と同一の状況を創出することで遊技者の大当たり当選に対する期待感を煽ることができる。
【0077】
なお、リーチ状態が発生するリーチ演出では、このようなリーチ状態の成立後に、他に特別な演出が行われることなく、最後の演出図柄として大当たりを示さない装飾図柄が有効ライン上で停止して、当該抽選演出が終了する場合や、リーチ状態成立後に発展演出(所謂「スーパーリーチ演出」)に展開していく場合がある。また、リーチ演出において、必ずリーチ状態が発生するとは限らない。すなわち、リーチ状態が発生しなくても、遊技者の大当たり当選への期待感を煽ることができるリーチ演出もある。
【0078】
図4(a)〜(c)は、特別図柄判定テーブルの一例を示す図である。特別図柄判定とは、取得した特別図柄判定用乱数に基づいて特別図柄表示装置19、20において停止表示される特別図柄の態様(特別図柄の種類:特図停止図柄データ・特別演出図柄指定コマンド)を決定することである。
【0079】
特別図柄判定用テーブルは、大当たり判定の結果(大当たり及びハズレ)によって大きく分類されている。すなわち、図4(a)は、当該大当たり判定の結果が「大当たり」である場合の特別図柄判定において参照されるテーブル、図5(b)は、当該大当たり判定の結果が「ハズレ」であり、当該リーチ判定の結果が「リーチ有り」である場合の特別図柄判定において参照されるテーブル、図5(c)は、当該大当たり判定の結果が「ハズレ」であり、当該リーチ判定の結果が「リーチ無し」である場合の特別図柄判定において参照されるテーブルである。これらの各テーブルは当該特別図柄の抽選の契機となる始動口の種類によっても分類されている。
【0080】
各特別図柄判定テーブルには、特別図柄用判定値と、特別図柄の種類とが一義的に対応付けられて格納されている。特別図柄の種類の識別情報として、特図停止図柄データ及び特別演出図柄指定コマンドが設定されている。すなわち、特図停止図柄データは、主制御基板101における処理において用いられ、特別演出図柄指定コマンドは演出制御基板102に送信され、演出制御基板102における処理で用いられる。
【0081】
図5(a)は、特別遊技を構成する大当たり遊技用の大入賞口開閉制御テーブルの一例を示す図である。このテーブルは、大当たりの種類、すなわち、特別図柄の種類(特図停止図柄データ)に関連付けられている。すなわち、大当たり遊技の際に、いずれのテーブルを用いるかは特別図柄の種類に基づいて選択される。各テーブルには、大当たり遊技時の大入賞口8の開閉を制御するための条件が格納されている。大入賞口8の開閉を制御するための条件として、ラウンド遊技の番号であるラウンド番号(R)、各ラウンド遊技における大入賞口制御装置の作動(大入賞口8の開放)番号である特電作動番号(K)、及び、開放時間・閉鎖時間(作動時間・未作動時間)が設定されている。
【0082】
図5(b)は、大当たり遊技制御テーブルの一例を示す図である。このテーブルも、大入賞口開閉制御テーブルと同様に、特別図柄の種類に関連付けられている。各テーブルには、大当たり遊技を制御するための条件が格納されている。大当たり遊技を制御するための条件として、大当たり遊技が開始してから、大入賞口8の最初の開放が行われるまでの期間であるオープニングの時間と、大入賞口8の最後の開放が終了してから、大当たり遊技が終了するまでの期間であるエンディングの時間とが設定されている。
【0083】
図6(a)は、大当たり遊技が終了する際に(後述する大当たり遊技終了処理の際に)、後述する始動口入賞容易性に係る状態、大当たりの当選確率に係る状態及び期間を新たに設定するために参照するデータ(以下、「参照データ」という)を決定するためのテーブル(以下、「参照データ決定テーブル」という)の一例を示す図である。
【0084】
参照データ決定テーブルでは、当該特別図柄抽選の際の大当たりの当選確率の状態、及び、特図停止図柄データ(当該特別図柄抽選の結果)と、参照データとが対応付けられている。すなわち、このテーブルに基づいて、当該特別図柄抽選の際の大当たりの当選確率の状態、及び、特図停止図柄データにより、参照データが決定される。
【0085】
図6(b)は、大当たり当選を契機に、当該大当たり遊技後に新たに始動口入賞容易性に係る状態(以下、「始動口入賞容易性状態」という)を設定するためのテーブル(以下、「始動口入賞容易性状態判定テーブル」という)の一例を表す図である。当該テーブルでは、参照データ及び大当たり当選カウンタのカウンタ値と、新たに設定される始動口入賞容易性状態を示すフラグのON/OFF並びにその種類及びその状態によって実行可能な特別図柄抽選(特別図柄の変動表示)の回数(Ja)とが対応付けられている。すなわち、このテーブルに基づいて、参照データと大当たり当選カウンタのカウンタ値により、新たに設定される始動口入賞容易性状態の種類と実行可能回数(Ja)とが決定される。
【0086】
大当たり当選カウンタは、大当たりに当選すると「1」加算する機能を有しており、大当たり当選カウンタのカウンタ値が所定値に達することを条件としてリセットされる。
【0087】
本実施の形態では、入賞容易性状態として、通常の非時短状態と、非時短状態より始動口入賞容易性が高い時短状態とが設けられており、時短状態はさらに入賞容易性が高い第1の時短状態と、第2の時短状態とが設けられている。詳細は、後述する。
【0088】
図6(c)は、大当たり当選を契機に、当該大当たり遊技後に新たに大当たりの当選確率に係る状態(以下、「大当たり当選確率状態」という)を設定するためのテーブル(以下、「大当たり当選確率状態判定テーブル」という)の一例を表す図である。当該テーブルでは、参照データ及び後述する大当たり当選カウンタのカウンタ値と、新たに設定される大当たりの当選確率状態を示すフラグのON/OFF及びその状態によって実行可能な特別図柄抽選(特別図柄の変動表示)の実行回数(Xa)とが対応付けられている。すなわち、このテーブルに基づいて、参照データと大当たり当選カウンタのカウンタ値により、新たに設定される大当たりの当選確率状態の種類と実行可能回数(Xa)とが決定される。
【0089】
本実施の形態では、大当たり当選確率状態として、通常の低確率状態と、低確率状態より大当たり当選確率が高い高確率状態とが設けられている。詳細は、後述する。
【0090】
図6(d)は、期間特定フラグを決定するためのテーブル(以下、「期間判定テーブル」という)の一例を示す図である。期間特定フラグとは、大当たり当選を契機に当該大当たり遊技後から所定期間設定される特定期間を表す識別情報である。期間判定テーブルでは、特図停止図柄データ及び大当たり当選カウンタのカウンタ値と、期間特定フラグの種類及び期間の長さであるその期間によって実行可能な特別図柄抽選(特別図柄の変動表示)の回数(Ta)とが対応付けられている。すなわち、このテーブルに基づいて、特図停止図柄データ及び大当たり当選カウンタのカウンタ値により、新たに設定される期間の種類と実行可能回数(Ta)が決定される。
【0091】
本実施の形態では、期間として、通常の通常期間と、大当たり当選カウンタが所定値未満のときに大当たり1に当選することにより発生するセット期間1、大当たり当選カウンタが所定値未満のときに大当たり2に当選することにより発生するセット期間2、大当たり当選カウンタが所定値未満のときに大当たり3に当選することにより発生するセット期間3、大当たり当選カウンタが所定値未満のときに大当たり4に当選することにより発生するセット期間4が設けられている。さらに、大当たり当選カウンタが所定値のときに大当たり1に当選することにより発生するチャンス期間1、大当たり当選カウンタが所定値のときに大当たり3に当選することにより発生するセット期間3、大当たり当選カウンタが所定値のときに大当たり3に当選することにより発生するチャンス期間3が設けられている。
【0092】
(特別図柄の変動パターン判定テーブル)
図7〜図10は、後述するように特別図柄の変動表示の態様(以下、「特別図柄の変動パターン」という)を決定する特別図柄の変動パターン判定テーブル(以下、「特図変動パターン判定テーブル」という)の一例を示す図である。
【0093】
図7〜図10に示すような特図変動パターン判定テーブルは、期間の種類、特別図柄表示において作動する特別図柄表示装置(当該特別図柄表示に係る始動口)の種別、大当たり判定の結果やリーチ判定の結果が反映された特図停止図柄データ、特別図柄保留数(U1またはU2)によって分けられており、これらの各要素に基づいて決定される。
【0094】
図7は、通常遊技状態に対応する通常期間及びセット期間4において用いられる特図変動パターン判定テーブル(以下、「特図変動パターン判定テーブル1」という)、図8はセット期間1及びチャンス期間1において用いられる特図変動パターン判定テーブル(以下、「特図変動パターン判定テーブル2」という)、図9はセット期間2及びチャンス期間2において用いられる特図変動パターン判定テーブル(以下、「特図変動パターン判定テーブル3」という)、図10はセット期間3及びチャンス期間3において用いられる特別図柄の変動パターン判定テーブル(以下、「特図変動パターン判定テーブル4」という)を表す。
【0095】
各要素によって分けられた特図変動パターン判定テーブルには特別図柄の変動パターンと、特別図柄の変動パターンを決定するための乱数である特図変動パターン判定用乱数の判定値とが対応付けられて格納されている。特別図柄の変動パターンには、特別図柄の変動表示に要する時間(以下、「特図変動時間」という)、特別図柄の識別情報となる特別図柄の変動パターン指定コマンド、及び、変動演出の内容が対応付けられている。
【0096】
特別図柄の変動パターン指定コマンドは、コマンドの分類を識別するための1バイトのMODEデータと、コマンドの内容(機能)を示すための1バイトのDATAデータとから構成されている。そして、MODEデータが「E6H」であるときには第1始動口6に遊技球が入賞したことに対応する(第1特別図柄表示装置19の)特別図柄の変動パターン指定コマンドを示し、MODEデータが「E7H」であるときには、第2始動口7に遊技球が入賞したことに対応する(第2特別図柄表示装置20の)特別図柄の変動パターン指定コマンドを示している。
【0097】
図7〜図10に示す様に、本実施の形態では、各特図変動パターン判定テーブルにおける特図停止図柄データ「10〜13、19、20〜21、29」の部分が共通し、特図停止図柄データ「1A及び2A」の部分が相違している。すなわち、特別図柄抽選の結果がリーチ無しハズレの場合、期間に応じて特図変動パターンが異なる。具体的に、図7に示す特図変動パターン判定テーブル1、図8に示す特図変動パターン判定テーブル2では、その時の特図保留数が0〜2のときの変動パターンの割り振りと、特図保留数が3のときの変動パターンの割り振りと、特図保留数が4のときの変動パターンの割り振りとが相違する。具体的に、例えば、特図変動パターン判定テーブル2については、特図保留数が4のときの変動時間の期待値(2×0.5+6×0.29+9×0.21=4.63(s))が最も短く、特図保留数が0〜2のときの変動時間の期待値(2×0.1+6×0.19+9×0.71=7.73(s))が最も長い。これにより、セット期間1又はチャンス期間1においては、特図保留数が0〜2のときより特図保留数が4のときの方が、特別図柄の変動表示の平均的な周期が短い。
【0098】
一方、図9に示す特図変動パターン判定テーブル3、図10に示す特図変動パターン判定テーブル4では、特図保留数に関わらず、変動パターンの割り振りが一定である。しかしながら、図9に示す特図変動パターン判定テーブル3における変動パターンの割り振りは、図8に示す特図変動パターン判定テーブル2の特図保留数が0〜2のときの変動パターンの割り振りと同一であり、図10に示す特図変動パターン判定テーブル4の変動パターンの割り振りは、図8に示す特図変動パターン判定テーブルの特図保留数が4のときの変動パターンの割り振りと同一である。これにより、その期間における特別図柄の変動時間の期待値は、セット期間3又はチャンス期間3、セット期間1又はチャンス期間1、セット期間2又はチャンス期間2の順で短くなる。
【0099】
図11(a)〜図11(f)は、入賞ゲート10への入賞に基づく普通図柄系遊技を制御する際に用いられるテーブルの一例を示す。
【0100】
図11(a)は、普通図柄抽選用の当たり判定テーブルの一例を示す図である。当たり判定とは、入賞ゲート10への入賞に基づき取得した当たり判定用乱数に基づいて、少なくとも補助遊技を実行する権利獲得の成否(当たりの当否)を決定することである。
【0101】
当たり判定テーブルは、後述する始動口入賞容易性の状態によって分けられている。具体的には、当たり判定テーブルは、後述する時短状態、詳細には、第1の時短状態又は第2の時短状態のときに参照される当たり判定テーブルと、非時短状態のときに参照される当たり判定テーブルとで分けられており、メインROM101bに格納されている。
【0102】
取得された当たり判定用乱数を当たり判定テーブルに照合することで、「当たり」又は「ハズレ」のいずれかが決定される。すなわち、各当たり判定テーブルには、当たり判定値と判定結果とが一義的に対応付けられて格納されており、取得された当たり判定用乱数を当たり判定テーブルに照合することで、「当たり」又は「ハズレ」のいずれかが決定される。「当たり」に当選すると、第2始動口7が開放する補助遊技が実行される。
【0103】
図11(b)は、普通図柄判定テーブルの一例を示す図である。普通図柄判定とは、入賞ゲート10への入賞に基づいて取得された普通図柄判定用乱数に基づいて普通図柄表示装置21において停止表示される普通図柄の態様(普通図柄の種類:普図停止図柄データ・普通演出図柄指定データ)を決定することである。普通図柄判定用テーブルは、当たり判定の結果(当たり及びハズレ)によって分けられており、いずれもメインROM101bに格納されている。
【0104】
図11(c)は、普通図柄の変動表示に要する時間(以下、「普図変動時間」という)に対応付けられた普通図柄の変動パターン(以下、「普図変動パターン」という)を判定するための普図変動パターン判定テーブルを示す図である。普図変動パターン判定テーブルは、第1の時短状態のときに参照される普図変動パターン判定テーブルと、第2の時短状態又は非時短状態のときに参照される普図変動パターン判定テーブル)とで構成されている。いずれのテーブルもメインROM101bに格納されている。
【0105】
取得された普図変動パターン判定用乱数を普図変動パターン判定テーブルに照合することで、普図変動パターンが決定される。本実施の形態では、各テーブルにおいて1つの普図変動パターンのみが設定されている。すなわち、第1の時短状態ときに参照される普図変動パターン判定テーブルにおける普図変動時間の期待値は3.0秒、一方、第2の時短状態又は非時短状態のときに参照される普図変動パターン判定テーブルにおける普図変動時間の期待値は15.0秒となっている。
【0106】
図11(d)は、補助遊技参照データ判定テーブルの一例を示す図である。このテーブルには、補助遊技を行う際に参照されるデータ(補助遊技参照データ)が格納されている。図11(d)に示す様に、補助遊技参照データ判定テーブルには、現在の第2始動口7への入賞容易性状態と普図停止図柄データとの組み合わせと、補助遊技参照データとが対応付けられている。すなわち、補助遊技参照データは、当該普通図柄抽選が行われた際の始動口入賞容易性状態及び当該普通図柄抽選の結果に関する情報を有する。
【0107】
図11(e)は、補助遊技制御テーブルの一例を示す図である。このテーブルには、補助遊技を制御するための条件が格納されている。補助遊技を制御するための条件として、補助遊技が開始してから、第2始動口7の最初の開放が行われるまでの期間であるオープニングの時間と、第2始動口7の最後の開放が終了してから、補助遊技が終了するまでの期間であるエンディングの時間とが設定されている。なお、補助遊技制御テーブルもメインROM101bに格納されている。
【0108】
図11(f)は、当たり用の第2始動口開閉制御テーブルの一例を示す図である。このテーブルは、始動口入賞容易性が非時短状態のときに参照される第2始動口開閉制御テーブル(非時短用第2始動口開閉制御テーブル)と、時短状態(第1の時短状態・第2の時短状態)のときに参照される第2始動口開閉制御テーブル(時短用第2始動口開閉制御テーブル)とで構成されている。いずれのテーブルもメインROM101bに格納されている。
【0109】
各テーブルには、補助遊技時の第2始動口7の開閉を制御するための条件が格納されている。第2始動口7の開閉を制御するための条件として、第2始動口制御装置の作動(第2始動口7の開放)順番である普電作動番号(D)、及び、各開放時間・閉鎖時間(作動時間・未作動時間)が設定されている。本実施の形態では、各テーブルにおいて1種類の条件パターンのみが設定されている。すなわち、時短用第2始動口開閉制御テーブルにおける開放時間の期待値は5.0秒、一方、非時短用第2始動口開閉制御テーブルにおける開放時間の期待値は0.2秒となっている。
【0110】
(特別遊技の種類の説明)
特別遊技について説明する。本実施の形態においては、大入賞口制御装置80が作動する(大入賞口8が開放する)特別遊技は、「大当たり」に当選した際に実行され、大入賞口8が開閉する「大当たり遊技」で構成されている。
【0111】
大当たり遊技では、大入賞口が1回以上は開放するラウンド遊技が所定回数実行される。各ラウンド遊技において、開放し得る回数(以下、最大開放回数という)と、開放し得る時間の合計(以下、最大開放時間という)とが予め設定されている。「開放し得る」となっているのは、1回のラウンド遊技中に大入賞口8に入賞できる遊技球の個数が制限されているからである(例えば9個)。したがって、大入賞口8が最大開放回数開放していなくても大入賞口8が閉鎖し、そのラウンド遊技が終了することがある。また、最大開放時間が経過していなくても大入賞口8が閉鎖し、そのラウンド遊技が終了することもある。なお、各ラウンド遊技における大入賞口8の最大開放回数及び最大開放時間は、各大当たり遊技で統一されていても統一されていなくてもよい。
【0112】
(遊技条件の説明)
次に、遊技が進行する際の条件となる遊技条件について説明する。本実施形態において、大当たりの当選確率については「低確率」状態又は「高確率」状態のもとで遊技が進行し、遊技球の始動口への入賞容易性については「時短」状態又は「非時短」状態のもとで遊技が進行する。初期(電源投入時)の遊技条件は、「低確率」状態且つ「非時短」状態に設定されており、この「低確率」状態且つ「非時短」状態を基準として「通常遊技状態」と称する。
【0113】
本実施形態において大当たりの当選確率についての「低確率」状態とは、遊技球が第1始動口6または第2始動口7に入賞したことを条件として行われる特別図柄抽選の大当たり判定における大当たりの当選確率が、1/30と相対的に遊技者に不利に設定されていることをいう。ここでいう「大当たり」の当選とは、特別図柄抽選において「長当たり遊技」または「短当たり遊技」を実行する権利を獲得することである。これに対して「高確率」状態とは、大当たりの当選確率が「低確率」状態より高く、すなわち、相対的に遊技者に有利な1/29に設定されていることである。したがって、大当たりの当選確率が「高確率」状態のときは、「低確率」状態のときよりも大当たりの当選が容易となり、単位時間当たりの大当たりの当選可能回数が相対的に多くなるので、遊技者に有利な状態と言える。
【0114】
「非時短」状態とは、第2始動口7への入賞容易性が通常の状態である。具体的には、「非時短」状態では、遊技球が入賞ゲート10に入賞したことを条件として行われる普通図柄の抽選に対応する普通図柄の変動表示に要する時間(以下、普図変動時間という)が、10秒に設定され、普通図柄の抽選において「当たり」に当選したときに作動する第2始動口制御装置70の作動時間(第2始動口7の開放時間)の合計が0.2秒に設定され、普通図柄用の当たり判定において当たりに当選する確率が1/50に設定されていることをいう。なお、「開放時間の合計」となっているのは、1回の当たりに対して第2始動口7が複数回開放することがあり、又、1回の当たりに対して遊技球が入賞できる個数が制限されており、遊技球がその個数入賞すると当該開放時間の経過を待たず閉鎖するからである。
【0115】
これに対して「時短」状態とは、「非時短」状態に比べて、単位時間当たりにおける第2始動口制御装置70の作動時間(第2始動口7の開放時間)が長く、第2始動口7への入賞容易性が「非時短」状態に比べて高い状態、すなわち、「非時短」状態に比べて第2始動口7へ入賞させ易い状態のことをいう。第2始動口7への入賞容易性が相対的に高いことによって、単位時間当たりにおける第2特別図柄抽選の実行可能回数が多くなる。同一の大当たりの当選確率のもとでは、単位時間当たりにおける第2特別図柄抽選の実行回数が多い方が、必然的に単位時間当たりにおける大当たりの当選回数も多くなることから、「時短」状態は「非時短」状態に比して遊技者に有利な状態といえる。
【0116】
上述したように、本実施の形態では、「時短」状態は、第1の時短状態と第2の時短状態とからなる。第1の時短状態は、普図変動時間が3.0秒に設定され、第2始動口7の開放時間の合計が5.0秒に設定され、当たりに当選する確率が1/5に設定される状態である。すなわち、第2始動口7への入賞容易性の構成要素全てについて「非時短」状態より遊技者に有利に設定されている。第2の時短状態は、普図変動時間が15.0秒に設定され、第2始動口7の開放時間の合計が5.0秒に設定され、当たりに当選する確率が1/5に設定される状態である。すなわち、第2始動口7の開放時間及び当たりに当選する確率について「非時短」状態より遊技者に有利に設定されている。このように、本実施の形態では、「時短」状態では、第2始動口7への入賞容易性の構成要素のいずれかが「非時短」状態に比べて遊技者に有利に設定されている。
【0117】
なお、本実施の形態では、始動口6、7に遊技球が入賞すると、3球の賞球を得ることができるものの、遊技者が適切な発射ハンドル3bの操作で遊技球の発射を行っても、遊技者が所持する遊技球の個数が減少し易い。しかしながら、「時短」状態のときは、「非時短」状態に比して第2始動口7への入賞が容易になるので、遊技者が所持する遊技球の個数の減少を抑えることができる。つまり、遊技者が所持する遊技球の個数の観点からも「時短」状態は「非時短」状態に比べて遊技者に有利に設定されている。
【0118】
このように、大当たりの当選によって、大当たり遊技後に新たに設定される遊技条件の状態(低確率状態/高確率状態、及び、非時短状態/第1の時短状態・第2の時短状態)が決定される。このことを鑑みると、実質的な大当たりの種類(遊技者が享受する利益度に基づく大当たりの種類)は、当該大当たり遊技終了後に新たに設定される遊技条件の状態の組合せと言える。そこで、以下、特図停止図柄データに基づく大当たりの種類とは別に、大当たりによって導かれた大当たり遊技の種類と大当たり遊技後の遊技条件との組合せ、すなわち、遊技者が享受する利益の種類に基づいて、大当たりの種類を分類することができる。具体的には、当選に基づいて遊技条件の状態を「高確率」状態且つ「第1の時短」状態に設定させる大当たりを「高確率時短1大当たり」、当選に基づいて遊技条件の状態が「高確率」状態且つ「第2の時短」状態を設定させる大当たりを「高確率時短2大当たり」、当選に基づいて遊技条件の状態を「高確率」状態且つ「非時短」状態に設定させる大当たりを「高確率非時短大当たり」と称する。
【0119】
なお、大当たり当選すると、当該大当たり遊技前の状態に関わらず当該大当たり遊技が開始する際に通常状態に設定される。すなわち、大当たりの当選確率は低確率状態になり、始動口の入賞容易性は大当たり遊技中には必ず非時短状態になる。
【0120】
(主制御基板のメイン処理)
図12を用いて、主制御基板101のメイン処理を説明する。
【0121】
電源基板107からメインCPU101aに電力が供給されると、メインCPU101aにシステムリセットが発生し、メインCPU101aは、以下のメイン処理を行う。
【0122】
まず、ステップS10において、メインCPU101aは、初期化処理を行う。この処理において、メインCPU101aは、電源投入に応じて、メインROM101bから起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM101cの各記憶領域を初期化する処理を行う。
【0123】
ステップS20において、メインCPU101aは、リーチ判定用乱数値、特図変動パターン判定用乱数値等で構成される特別図柄の変動表示における特図変動パターンを決定するための乱数の更新を行う。
【0124】
ステップS30において、メインCPU101aは、大当たり判定用初期値乱数、特別図柄判定用初期値乱数、当たり判定用初期値乱数等で構成される初期値乱数の更新を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップS20とステップS30との処理を繰り返し行う。
【0125】
(主制御基板のタイマー割込処理)
図13を用いて、主制御基板101のタイマー割込処理を説明する。
主制御基板101に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、以下のタイマー割込処理が実行される。
【0126】
まず、ステップS100において、メインCPU101aは、メインCPU101aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
【0127】
ステップS110において、メインCPU101aは、特別図柄の変動時間の更新処理、特別図柄の停止時間の更新処理、オープニング時間の更新処理、大入賞口8の開閉時間の更新処理等を行う特別遊技タイマカウンタ、及び、普通図柄の変動時間の更新処理、普通図柄の停止時間の更新処理、並びに、第2始動口7の開閉時間の更新処理等を行う補助遊技タイマカウンタを更新する時間制御処理を行う。
【0128】
ステップS120において、メインCPU101aは、大当たり判定用乱数値、特別図柄判定用乱数値、当たり判定用乱数値の乱数更新処理を行う。具体的には、それぞれの乱数カウンタを+1加算して、乱数カウンタを更新する。なお、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを0に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の初期値乱数の値から乱数を更新する。
【0129】
ステップS130において、メインCPU101aは、大当たり判定用初期値乱数カウンタ、特別図柄用初期値乱数カウンタ、当たり判定用初期値乱数カウンタを+1加算して乱数カウンタを更新する初期値乱数更新処理を行う。
【0130】
ステップS200において、メインCPU101aは、入力制御処理を行う。この処理において、メインCPU101aは、所定の検出センサから新たに有効な信号が送信されたか否か判定する入力制御処理を行う。詳しくは、図14〜図17を用いて後述する。
【0131】
ステップS300において、メインCPU101aは、第1特別図柄表示装置19、第2特別図柄表示装置20、第1特別図柄保留表示装置22、第2特別図柄保留表示装置23、及び、大入賞口制御装置80の制御(特別図柄系装置の制御)を行うための特図特電制御処理(特別図柄係処理)を行う。詳しくは、図18〜図27を用いて後述する。
【0132】
ステップS400において、メインCPU101aは、普通図柄表示装置21、普通図柄保留表示装置24、第2始動口制御装置70の制御(普通図柄系装置の制御)を行うための普図普電制御処理(普通図柄系処理)を行う。詳しくは、図28〜図31を用いて後述する。
【0133】
ステップS500において、メインCPU101aは、払出制御処理を行う。この処理において、メインCPU101aは、始動口(第1始動口6、第2始動口7)、大入賞口8、及び、一般入賞口11に対応する賞球カウンタが「0」を超えているか否かのチェックを行い、「0」を超えている場合、それぞれの入賞口に対応する賞球個数を示す賞球要求信号を払出制御基板103に送信する。そして賞球信号を送信するとき、その信号に係る賞球カウンタを「1」減算する更新処理を行う。
【0134】
ステップS600において、メインCPU101aは、遊技に関する情報を外部信号として遊技情報表示装置700等の外部装置に出力するための外部信号出力制御データ、第2始動口開閉ソレノイド70c及び大入賞口開閉ソレノイド80cを駆動させるための駆動制御データ(始動口開閉ソレノイド駆動データ及び大入賞口開閉ソレノイド駆動データ)、及び、図柄表示装置19、20、21や保留表示装置22、23、24に所定の図柄を表示させるための表示制御データ(特別図柄表示データ、普通図柄表示データ、特別図柄保留表示データ、普通図柄保留表示データ)のデータ作成処理を行う。
【0135】
ステップS700において、メインCPU101aは、出力制御処理を行う。この処理において、まず上記S600で作成した外部信号出力制御データ、駆動制御データに基づいて信号を出力させるポート出力処理が行われる。次いで、図柄表示装置19、20、21及び保留表示装置22、23、24の各LEDを点灯させるために、上記ステップS600で作成した表示制御データに基づいて信号を出力させる表示装置出力処理を行う。最後に、メインRAM101cの送信バッファにセットされているコマンドを他の基板に送信するコマンド送信処理も行う。
【0136】
ステップS800において、メインCPU101aは、ステップS100で退避した情報をメインCPU101aのレジスタに復帰させる。
【0137】
図14を用いて、入力制御処理を説明する。まず、ステップS210において、メインCPU101aは、一般入賞口検出センサ11aから検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が一般入賞口11に入賞したか否かを判定する。メインCPU101aは、一般入賞口検出センサ11aから検出信号を入力した場合には、賞球のために用いる一般入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する。
【0138】
ステップS220において、メインCPU101aは、大入賞口検出センサ8aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が大入賞口8に入賞したか否かを判定する。メインCPU101aは、大入賞口検出センサ8aから検出信号を入力した場合には、賞球のために用いる大入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新するとともに、大入賞口8に入賞した遊技球を計数するためのラウンド入賞カウンタ(C)のカウンタ値を加算して更新する。
【0139】
ステップS230において、メインCPU101aは、第1始動口検出センサ6aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第1始動口6に入賞したか否かを判定する。詳細は、図15を用いて後述する。
【0140】
ステップS240において、メインCPU101aは、第2始動口検出センサ7aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第2始動口7に入賞したか否かを判定する。詳細は、図16を用いて後述する。
【0141】
ステップS250において、メインCPU101aは、入賞ゲート検出センサ10aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が入賞ゲート10に入賞したか否かを判定する。詳細は、図17を用いて後述する。
【0142】
次に、図15を用いて第1始動口検出センサ入力処理について説明する。ステップS231において、メインCPU101aは、第1始動口検出センサ6aから有効な検出信号かあったか否か、すなわち、遊技球が第1始動口6に入賞したか否かを判定する。有効な検出信号がなければ当該処理を終了し、有効な検出信号があれば、ステップS232において、始動口賞球カウンタを「1」加算して更新すると共に、メインRAM101cの第1始動口入賞フラグ記憶領域に第1始動口入賞フラグをONする。
【0143】
メインCPU101aは、ステップS233において、第1特別図柄保留数カウンタのカウンタ値(U1、「第1特図保留数」ともいう)が4(上限値)より小さいか否かを判定する。カウンタ値(U1)が4であれば当該処理を終了し、第1特図保留数(U1)が4より小さければ、特別図柄の変動表示を実行する権利が得られることを意味するので、メインCPU101aは、ステップS234において第1特別図柄保留数カウンタのカウンタ値(U1)を「1」加算して更新する。
【0144】
メインCPU101aは、大当たり判定用乱数、特別図柄判定用乱数、リーチ判定用乱数及び特図変動パターン判定用乱数からなる遊技媒介情報をステップS235において取得し、ステップS236において第1特別図柄保留記憶領域に記憶する。
【0145】
そして、メインCPU101aは、ステップS237において第1始動口6への入賞に基づく第1事前判定処理を行い、ステップS238において、第1始動口入賞指定コマンドをメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域(送信バッファ)にセットする。このとき、第1特別図柄保留表示装置22に表示される第1特図保留数(U1)を更新するために、その保留数を示す特別図柄保留表示データをメインRAM101cの所定領域にセットする。
【0146】
第1事前判定処理について説明する。第1事前判定処理は、ステップS300の特図特電制御処理において決定される所定事項を、当該第1始動口6への入賞に基づく確定的な特別図柄の変動表示(特別図柄の抽選の結果の報知)の前に暫定的に決定する処理である。
【0147】
具体的には、ステップS236で記憶した特別図柄抽選に係る遊技媒介情報(大当たり判定用乱数、特別図柄判定用乱数、リーチ判定用乱数、及び、特図変動パターン判定用乱数)に基づいて、大当たり判定、特別図柄判定、リーチ判定及び特図変動パターン判定を行う。すなわち、メインCPU101aは、第1事前判定において、大当たり判定処理、特別図柄判定処理、及び、特図変動パターン判定処理を暫定的に行う。
【0148】
なお、ステップS238においてセットされる第1始動口入賞指定コマンドには当該判定結果が反映されている。すなわち、第1始動口入賞指定コマンドは、図7〜図10に示す変動パターン指定コマンドの上位バイト「E6H」が「E4H」に置き換わったものである。この上位バイト「E4H」によって第1始動口6への入賞による始動口入賞指定コマンドであることが識別され、下位バイトによって当該事前判定の結果が反映される。
【0149】
次いで、図16を用いて、第2始動口検出センサ入力処理について説明する。ステップS241において、メインCPU101aは、第2始動口検出センサ7aから有効な検出信号かあったか否か、すなわち、遊技球が第2始動口7に入賞したか否かを判定する。有効な検出信号がなければ当該処理を終了し、有効な検出信号があれば、ステップS242において、始動口賞球カウンタを「1」加算して更新し、第2始動口入賞規定カウンタを「1」加算して更新すると共に、メインRAM101cの第2始動口入賞フラグ記憶領域に第2始動口入賞フラグをONする。第2始動口入賞規定カウンタとは、1回の補助遊技における第2始動口7への入賞個数を計数する装置である。これは、本実施の形態では、1回の補助遊技に対する第2始動口7への入賞個数が制限されているからである。
【0150】
メインCPU101aは、ステップS243において、第2特別図柄保留数カウンタのカウンタ値(U2)が4(上限値)より小さいか否かを判定する。カウンタ値(U2)が4以上であれば当該処理を終了し、カウンタ値(U2)が4より小さければ、特別図柄の変動表示を実行する権利が得られるので、ステップS244において第2特別図柄保留数カウンタのカウンタ値(U2)を「1」加算して更新する。
【0151】
そして、メインCPU101aは、大当たり判定用乱数、特別図柄判定用乱数、リーチ判定用乱数、及び、特図変動パターン判定用乱数からなる遊技媒介情報をステップS245において取得し、ステップS246において第2特別図柄保留記憶手段に記憶する。
【0152】
そして、メインCPU101aは、ステップS247において第2始動口7への入賞に基づく第2事前判定処理を行い、ステップS248において、第2始動口入賞指定コマンドをメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットする。このとき、第2特別図柄保留表示装置23に表示される第2特図保留数(U2)を更新するために、その保留数を示す特別図柄保留表示データをメインRAM101cの所定領域にセットする。
【0153】
第2事前判定処理について説明する。第2事前判定処理は、ステップS300の特図特電制御処理において決定される所定事項を、当該第2始動口7への入賞に基づく確定的な特別図柄の変動表示(特別図柄の抽選の結果の報知)の前に暫定的に決定する処理である。
【0154】
具体的には、ステップS246で記憶した特別図柄抽選に係る遊技媒介情報(大当たり判定用乱数、特別図柄判定用乱数、リーチ判定用乱数、及び、特図変動パターン判定用乱数)に基づいて、大当たり判定、特別図柄判定、リーチ判定及び特図変動パターン判定を行う。すなわち、メインCPU101aは、第2事前判定において、大当たり判定処理、特別図柄判定処理、及び、特図変動パターン判定処理を暫定的に行う。
【0155】
なお、ステップS248においてセットされる第2始動口入賞指定コマンドには当該判定結果が反映されている。すなわち、第2始動口入賞指定コマンドは、図7〜図10に示す変動パターン指定コマンドの上位バイト「E7H」が「E5H」に置き換わったものである。この上位バイト「E5H」によって第2始動口7への入賞による始動口入賞指定コマンドであることが識別され、下位バイトによって当該事前判定の結果が反映される。
【0156】
次に、図17を用いて入賞ゲート検出センサ入力処理について説明する。ステップS251において、入賞ゲート検出センサ10aから有効な検出信号かあったか否か、すなわち、遊技球が入賞ゲート10に入賞したか否かを判定する。有効な検出信号がなければ当該処理を終了し、有効な検出信号があれば、ステップS252において、普通図柄保留数カウンタのカウンタ値(G、「普図保留数」ともいう)が4(上限値)より小さいか否かを判定する。カウンタ値(G)が4であれば当該処理を終了し、普図保留数(G)が4より小さければ、普通図柄の変動表示を実行する権利が得られることを意味するので、メインCPU101aは、ステップS253において普通図柄保留数カウンタのカウンタ値(G)を「1」加算して更新する。
【0157】
メインCPU101aは、当たり判定用乱数、普通図柄判定用乱数等からなる遊技媒介情報をステップS254において取得し、ステップS255において普通図柄保留記憶領域に記憶し、当該入賞ゲート検出センサ入力処理を終了する。なお、メインCPU101aは、ステップS254において、普通図柄保留表示装置24に表示される普図保留数(G)を更新するために、その保留数を示す普通図柄保留表示データをメインRAM101cの所定領域にセットする。
【0158】
図18を用いて、特図特電制御処理を説明する。ステップS301において特図特電処理データの値をロードし、ステップS302においてロードした特図特電処理データから分岐アドレスを参照し、特図特電処理データ=0であれば特別図柄記憶判定処理(ステップS310)に処理を移し、特図特電処理データ=1であれば特別図柄変動処理(ステップS320)に処理を移し、特図特電処理データ=2であれば特別図柄停止処理(ステップS330)に処理を移し、特図特電処理データ=3であれば大当たり遊技処理(ステップS340)に処理を移し、特図特電処理データ=5であれば大当たり遊技終了処理(ステップS360)に処理を移す。詳しくは、図19〜図26を用いて後述する。
【0159】
図19を用いて、特別図柄記憶判定処理を説明する。まず、ステップS310−1において、メインCPU101aは、特別図柄の変動表示中であるか否かを判断する。ここで、特別図柄の変動表示中であれば、当該処理を終了し、特別図柄の変動表示中でなければ、ステップ310−2に処理を移す。
【0160】
ステップS310−2において、メインCPU101aは、第2特図保留数(U2)が1以上であるか否かを判断する。第2特図保留数(U2)が1以上でない場合には、ステップS310−4に処理を移し、第2特図保留数(U2)が1以上であると判断した場合にはステップS310−3に処理を移す。
【0161】
メインCPU101aは、ステップS310−3において、第2特別図柄保留数カウンタのカウンタ値を「1」減算して更新し、ステップS310−6において、第2特別図柄保留記憶領域に記憶されたデータのシフト処理を行い、第1記憶部〜第4記憶部に記憶された各データを1つ前の記憶部にシフトさせる。
【0162】
例えば、また、第2特別図柄保留記憶領域の第4記憶部に記憶されているデータは、第2特別図柄保留記憶領域の第3記憶部にシフトされる。また、第2特別図柄保留記憶領域の第1記憶部に記憶されているデータは、第1特別図柄及び第2特別図柄に共通の当該変動用記憶部(第0記憶部)にシフトされ、第0記憶部に記憶されていたデータは、消去される。これにより、前回の遊技で用いられた大当たり判定用乱数値、特別図柄判定用乱数値、リーチ判定用乱数、及び、特図変動パターン判定用乱数が消去される。さらに、前回の遊技で用いた停止図柄データ、遊技条件データ及び期間特定フラグも各々に対応する記憶領域から消去される。
【0163】
一方、ステップS310−4において、メインCPU101aは、第1特図保留数(U1)が1以上であるか否かを判断する。メインCPU101aは、ステップS310−4において、第1特図保留数(U1)が1以上であると判断した場合にはステップS310−5において第1特別図柄保留数カウンタのカウンタ値を「1」減算して更新し、ステップS310−6において、第1特別図柄保留記憶領域に記憶されたデータのシフト処理を行う。
【0164】
例えば、また、第1特別図柄保留記憶領域の第4記憶部に記憶されているデータは、第1特別図柄保留記憶領域の第3記憶部にシフトされる。また、第1特別図柄保留記憶領域の第1記憶部に記憶されているデータは、当該変動用記憶部(第0記憶部)にシフトされ、第0記憶部に記憶されていたデータは、消去される。これにより、前回の遊技で用いた大当たり判定用乱数値、特別図柄判定用乱数値、リーチ判定用乱数、及び、特図変動パターン判定用乱数が消去される。さらに、前回の遊技で用いた停止図柄データ、遊技条件データ及び期間特定フラグも各々に対応する記憶領域から消去される。
【0165】
なお、ステップS310−6におけるデータのシフト処理(当該保留の消化処理)にともなって、第1特図保留数(U1)又は第2特図保留数(U2)を更新するために、具体的には、そのデータに係る始動口の種類に対応する特別図柄保留表示装置22、23の表示内容を変更するために、第1、第2特別図柄保留表示データをメインRAM101cの所定領域にセットする。この保留表示データには、特別図柄保留表示装置の種類に関する情報及び特別図柄保留数(U1又はU2)に関する情報が含まれている。
【0166】
また、本実施形態では、ステップS310−2〜S310−6において第2特別図柄記憶領域を第1特別図柄記憶領域よりも優先させてシフトさせることとしたが、始動口に入賞した順序で、第1特別図柄記憶領域または第2特別図柄記憶領域をシフトさせてもよいし、第1特別図柄記憶領域を第2特別図柄記憶領域よりも優先させてシフトさせてもよい。
【0167】
ステップS310−4において、第1特別図柄保留数(U1)が1以上でないと判定された場合には、ステップS319−1〜ステップS319−3の客待ち状態設定処理に処理を移す。メインCPU101aは、最初に、ステップS319−1において、デモ判定フラグ記憶領域にデモ判定フラグ「01H」がセットされているか否かを判定する。デモ判定フラグ記憶領域にデモ判定フラグ「01H」がセットされている場合には当該特別図柄記憶判定処理を終了し、デモ判定フラグ記憶領域にデモ判定フラグ「01H」がセットされていない場合にはステップS319−2に処理を移す。
【0168】
ステップS319−2において、メインCPU101aは、後述するステップS319−3でデモ指定コマンドを何度もセットすることがないように、デモ判定フラグ記憶領域にデモ判定フラグ「01H」をセットする。
【0169】
ステップS319−3において、メインCPU101aは、デモ指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットし、特別図柄記憶判定処理を終了する。
【0170】
ステップS311において、メインCPU101aは、上記ステップS310−6においてシフトされて新しく第0記憶部に記憶されたデータに基づいて、大当たり判定処理を実行する。
【0171】
ここで、図20を用いて、大当たり判定処理を説明する。まず、メインCPU101aは、ステップS311−1において、当該大当たり判定処理がいずれの始動口への入賞によるものであるかを判定する。具体的には、当該大当たり判定に係る大当たり判定用乱数(遊技媒介情報)が第1始動口6への入賞によって取得されたものであるか否かを判定する。
【0172】
メインCPU101a、ステップS311−1において第1始動口6と判断した場合、ステップS311−2において、第1特別図柄用の大当たり判定テーブルを選択する。一方、ステップS311−1において第1始動口6ではない(第2始動口7である)と判断した場合、ステップS311−3において、メインCPU101aは、第2特別図柄用の大当たり判定テーブルを選択する。
【0173】
次に、ステップS311−4において、メインCPU101aは、高確率フラグ記憶領域にフラグがONされているか否かを判断する。ここで、高確率フラグ記憶領域にフラグがONされているということは、現在の大当たりの当選確率が高確率であるということである。
【0174】
ステップS311−4において、高確率フラグ記憶領域にフラグがONされていると判断した場合には、ステップS311−5において、メインCPU101aは、ステップS311−2又はステップS311−3で選択したテーブルの中からさらに「第1高確率用大当たり判定テーブル」又は「第2高確率用大当たり判定テーブル」を選択する。一方、高確率遊技フラグ記憶領域にフラグがONされていないと判断した場合には、ステップS311−6において、メインCPU101aは、ステップS311−2又はステップS311−3で選択したテーブルの中からさらに「第1低確率用大当たり判定テーブル」又は「第2低確率用大当たり判定テーブル」を選択する。
【0175】
ステップS311−7において、メインCPU101aは、上記ステップS310−6においてシフトされて第0記憶部にある大当たり判定用乱数値を、上記ステップS311−5またはステップS311−6で選択された「高確率大当たり判定テーブル」または「低確率大当たり判定テーブル」に基づいて判定し、当該大当たり判定処理を終了する。
【0176】
大当たり判定処理が終了したら、メインCPU101aは、図19に示す特別図柄記憶判定処理に戻り、ステップS312において、特別図柄判定処理を行う。特別図柄判定処理では、大当たり判定処理の結果に基づいて、特別図柄表示装置19、20において停止表示される特別図柄の態様が決定される。ここで、図21を用いて特別図柄判定処理を説明する。
【0177】
まず、メインCPU101aは、ステップS312−1において、当該大当たり判定の結果が「大当たり」であるか否かを判定する。ここで「大当たり」と判定された場合には、メインCPU101aは、ステップS312−4において、大当たり当選用の特別図柄判定テーブルを選択し、「大当たり」と判定されなかった場合には、ステップS312−2に処理を移す。
【0178】
メインCPU101aは、ステップS312−2において、リーチ判定を行う。具体的に、上記ステップS312−3におけるリーチ判定の結果が「リーチ有り」であるか否かを判定する。「リーチ有り」である場合に、ステップS312−5に処理を移し、リーチ有りハズレ用の特別図柄判定テーブルを選択する。一方、「リーチ有り」ではない、すなわち、「リーチなし」である場合に、ステップS312−6に処理を移し、リーチ無しハズレ用の特別図柄判定テーブルを選択する。
【0179】
メインCPU101aは、ステップS312−7において、始動口入賞フラグ記憶領域にONされているフラグに基づいて当該処理に係る始動口を確認し(第1始動口6 or 第2始動口7)、ステップS312−8において始動口の種類に基づいて、第1始動口用の特別図柄判定テーブル、又は、第2始動口用の特別図柄判定テーブルのいずれか一方を選択する。
【0180】
ステップS312−9において、メインCPU101aは、上記ステップS310−6においてシフトされて第0記憶部にある特別図柄判定用乱数値を、選択された特別図柄判定テーブルに照合する特別図柄判定を行う。そして、ステップS312−10において、ステップS312−9の特別図柄判定の結果に基づいて演出図柄指定コマンドを決定し、決定した演出図柄指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0181】
メインCPU101aは、ステップS312−11において、ステップS312−9にの特別図柄判定の結果に基づいて特別図柄に係る停止図柄データ(以下、「特図停止図柄データ」という)、すなわち、特別図柄の種類を決定し、決定した特図停止図柄データをメインRAM101cの所定領域にセットする。
【0182】
決定された特図停止図柄データは、後述するように図22の特図変動パターン決定処理において特図変動パターンを決定する際、図24の特別図柄停止処理において「大当たり特別図柄」を判断する際、図25の大当たり遊技処理において大入賞口8の開閉態様を決定する際にも用いられる。
【0183】
ステップS312−14において、メインCPU101aは、参照データ判定テーブルに特図停止図柄データを照合して参照データをセットし、当該特別図柄判定処理を終了する。具体的には、メインCPU101aは、高確率フラグ記憶領域を確認して、現在の大当たりの当選確率の状態に応じた参照データ判定テーブルを選択する。次いで、選択された参照データ判定テーブルに特図停止図柄データを照合して参照データを決定し、メインRAM101cの参照データ記憶領域にセットする。
【0184】
上記のようにして特別図柄判定処理が終了したら、メインCPU101aは、図19に示す特別図柄記憶判定処理に戻り、ステップS313において、特図変動パターン判定処理を行う。特図変動パターン判定処理では、大当たり判定の結果、特別図柄判定の結果及びリーチ判定の結果に基づいて、当該(これから行う)特別図柄の変動表示に要する時間(以下、特図変動時間という)等に関する情報が含まれる特図変動パターンを決定する。
【0185】
図22を用いて、特図変動パターン判定処理を説明する。まず、メインCPU101aは、ステップS313−1において、期間特定フラグ記憶領域に記憶されている期間特定フラグを参照して現在の期間の種類を確認し、それに基づいて特図変動パターン判定テーブルを選択する。期間特定フラグとは、大当たり遊技が実行された後の所定期間中であることを示すものであり、期間特定フラグ記憶領域に記憶される。期間特定フラグ記憶領域に記憶されるデータには、特定期間の種類が対応付けられている。特別遊技後の所定期間からなる特定期間は、特定期間の原因となる特賞の種類(特図停止図柄データ)、その特賞を発生させた特別図柄抽選が行われたときの大当たりの当選確率に係る状態、大当たり当選カウンタのカウンタ値に関連付けられている(図6(d)参照)。
【0186】
また、これらの特定期間の長さは、特別図柄の変動表示の実行可能回数(Ta)をもって設定されており、その特定期間になってから大当たりに当選しないまま、実行可能回数(Ta)の特別図柄の変動表示(特賞抽選の結果の発表)が行われると、その特定期間が終了する。なお、電源投入(復旧)後や、特定期間ではない通常期間には期間特定フラグ記憶領域にいずれのフラグも記憶されない。
【0187】
メインCPU101aは、ステップS313−2において、始動口入賞フラグに基づいて、当該処理に係る始動口の種類を確認し、特図変動パターン判定テーブルを選択する。
【0188】
メインCPU101aは、ステップS313−3において、特図停止図柄データに基づいて当該大当たり判定の結果がハズレであったか否かを判定する。メインCPU101aは、ハズレであると判定すれば、ステップS313−4において、当該リーチ判定の結果がリーチ有りか否かを判定する。ここで、メインCPU101aは、リーチ有りと判定すると、ステップS313−6においてリーチ有りハズレ用の特図変動パターン判定テーブルに決定し、リーチ無しと判定すれば、ステップS313−5において、ステップS313−1で確認した始動口の種類に係る特図保留数(U1orU2)を確認し、ステップS313−7において、その確認した保留数に基づいてリーチ無しハズレ用の特図変動パターン判定テーブルに決定する。一方、メインCPU101aは、ステップS313−3において、ハズレではないと判定すれば、ステップS313−8において、期間特定フラグ(特賞の種類)に基づいた特図変動パターン判定テーブルを決定する。
【0189】
このようにして、特図変動パターン判定テーブルが決定されれば、メインCPU101aは、ステップS313−9において、特図変動パターンを判定する。具体的には、決定した特図変動パターン判定テーブルに特図変動パターン判定用乱数を照合する。
【0190】
メインCPU101aは、特図変動パターンが決定すると、図19に示す特別図柄記憶判定処理に戻り、ステップS310−7において、特図変動パターンに関する情報を有する特図変動パターン指定コマンドをメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットする。特図変動パターン指定コマンドとは、特図変動パターンに対応したコマンドであり、演出制御基板102は、このコマンドを受信することによって、特別図柄の変動表示が開始することを認識し、最終的には特図変動パターン指定コマンドに基づいて変動演出の内容に関連付けられた変動演出パターンを決定する。特図変動パターン指定コマンドは、特図変動時間の他に、大当たりの種類の種類、及び、リーチ演出の有無等の識別情報となっている。
【0191】
メインCPU101aは、ステップS310−8において、当該特別図柄の変動表示開始時のおける遊技条件の状態を確認し、その状態が反映された遊技状態指定コマンドをメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0192】
そして、メインCPU101aは、ステップS310−9において、当該特図変動パターン基づく特図変動時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。なお、特別遊技タイマカウンタは上記ステップS110において4ms毎に減算処理されていく。
【0193】
メインCPU101aは、ステップS310−10において、第1特別図柄表示装置19または第2特別図柄表示装置20で特別図柄の変動表示を行うために特別図柄変動表示用データをセットし、一旦当該特別図柄変動処理を終了する。特別図柄変動表示用データには、作動させる特別図柄表示装置の種類、変動表示の態様、変動時間等の情報が含まれる。
【0194】
メインCPU101aは、ステップS310−11において、デモ判定フラグ記憶領域にフラグ「00H」をセットする、すなわち、デモ判定フラグ記憶領域をクリアし、ステップS310−12において、特図特電処理データ=1をセットし、当該特別図柄記憶判定処理を終了する。
【0195】
次に、図23を用いて、特別図柄変動処理を説明する。メインCPU101aは、最初に、ステップS320−1において、ステップS310−9においてセットされた特図変動時間が経過したか否か(特別遊技タイマカウンタ=0か?)を判断する。その結果、セットされた時間を経過していないと判断した場合には、特別図柄変動処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
【0196】
メインCPU101aは、セットされた特図変動時間が経過したと判断した場合には、ステップS320−2において、演出制御基板102に特別図柄の変動表示が終了することを伝えるために演出図柄停止指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0197】
メインCPU101aは、ステップS320−3において、特別図柄表示装置19,20に特別図柄を停止表示するために、上記ステップS312−11でセットされた特図停止図柄データに基づいて特図停止表示用データをセットする。これにより、遊技者に当該特別図柄抽選の結果が報知される。ステップS320−4において、メインCPU101aは、特別図柄の停止表示に要する時間(以下、「特図停止時間」という。例えば、0.8秒)を特別遊技タイマカウンタにセットする。なお、特別遊技タイマカウンタは、ステップS110において、4ms毎に減算処理されていく。
【0198】
そして、メインCPU101aは、ステップS320−5において、特図特電処理データに2をセットし、ステップS320−6において第1始動口入賞フラグ又は第2始動口入賞フラグをOFFし、当該特別図柄変動処理を終了する。
【0199】
図24をいて、特別図柄停止処理を説明する。メインCPU101aは、まず、最初に、ステップS330−1において、ステップS320−4において特別遊技タイマカウンタにセットされた特図停止時間が経過したか否か(特別遊技タイマカウンタ=0?)を判定する。その結果、特図停止時間が経過していないと判定した場合には、当該特別図柄停止処理を終了し、特図停止時間が経過したと判定した場合には、ステップS330−2に処理を移す。
【0200】
メインCPU101aは、ステップS320−4においてセットされた時間が経過したと判定した場合には、ステップS330−2において、時短フラグ記憶領域にフラグ(第1の時短フラグ(01H)、又は、第2の時短フラグ(02H))がONされているか否かを判断する。時短フラグ記憶領域にフラグがONされているということは、現在、時短状態であることを意味する。時短フラグ記憶領域にフラグがONされている場合には、ステップS330−3に処理を移し、時短フラグ記憶領域にフラグがOFFされている場合には、ステップS330−6に処理を移す。
【0201】
ステップS330−3において、メインCPU101aは、時短状態による特別図柄の変動表示の残り回数(J:以下「時短状態残り回数」という)を示す時短状態の残り変動回数カウンタのカウンタ値から「1」を減算した演算値(J−1)を、時短状態残り回数(J)として記憶する。
【0202】
ステップS330−4において、メインCPU101aは、時短状態残り回数(J)=0か否かを判定する。時短状態残り回数(J)=0であれば、ステップS330−5に処理を移し、時短状態残り回数(J)=0でなければ、ステップS330−6に処理を移す。
【0203】
ステップS330−5において、メインCPU101aは、時短フラグ記憶領域に記憶されているフラグをOFFする。なお、上記時短状態残り回数(J)が「0」になるということは、時短状態における特別図柄の変動表示が実行可能回数(Ja)行われ、「時短」状態による特別図柄の変動表示が終了することを意味する。
【0204】
ステップS330−6において、メインCPU101aは、高確率フラグ記憶領域にフラグがONされているか否かを判断する。高確率フラグ記憶領域にフラグがONされているということは、現在、高確率状態であることを意味する。高確率フラグ記憶領域にフラグがONされている場合には、ステップS330−7に処理を移し、高確率フラグ記憶領域にフラグがOFFされている場合には、ステップS330−10に処理を移す。
【0205】
ステップS330−7において、メインCPU101aは、高確率状態による特別図柄の変動表示の残り回数(X:以下、「高確率状態残り回数」という)を示す高確率状態の残り変動回数カウンタのカウンタ値から「1」を減算した演算値(X−1)を、新たな高確率状態残り回数(X)として記憶する。
【0206】
ステップS330−8において、メインCPU101aは、高確率状態残り回数(X)=0か否かを判定する。高確率状態残り回数(X)=0であれば、ステップS330−9に処理を移し、高確率状態残り回数(X)=0でなければ、ステップS330−10に処理を移す。
【0207】
ステップS330−9において、メインCPU101aは、高確率フラグ記憶領域に記憶されているフラグをOFFする。なお、上記高確率状態残り回数(X)が「0」になるということは、高確率状態における特別図柄の変動表示が実行可能回数(Xa)行われ、「高確率」状態による特別図柄の変動表示が終了することを意味する。
【0208】
ステップS330−10において、メインCPU101aは、期間特定フラグ記憶領域に期間特定フラグ(図6(d)参照)が記憶されているか否かを判断する。期間特定フラグ記憶領域にデータが記憶されている場合には、ステップS330−11に処理を移し、期間特定フラグ記憶領域にデータが記憶されていない場合には、ステップS330−14に処理を移す。
【0209】
ステップS330−11において、メインCPU101aは、特定期間による特別図柄の変動表示の残り回数(T:以下、「特定期間残り回数」という)を示す特定期間の残り変動回数カウンタのカウンタ値から「1」を減算した演算値(T−1)を、新たな特定期間残り回数(T)として記憶する。
【0210】
ステップS330−12において、メインCPU101aは、特定期間の残り変動回数(T)=0であるか否かを判定する。特定期間残り回数(T)=0であると判定された場合には、ステップS320−13に処理を移し、特定期間残り回数(T)=0でないと判定された場合には、ステップS330−14に処理を移す。
【0211】
ステップS330−13において、メインCPU101aは、期間特定フラグ記憶領域に記憶されているデータをクリアする。
【0212】
ステップS330−14において、メインCPU101aは、現在の遊技条件の状態を確認し、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0213】
ステップS330−15において、メインCPU101aは、当該特別図柄停止処理に係る大当たり判定の判定結果が「大当たり」であるか否かを判定する。具体的には特図停止図柄データ記憶領域に記憶されている特図停止図柄データが大当たり特別図柄(停止図柄データ=10〜13、20〜21)に係るものであるか否かを判定する。ここで、大当たり特別図柄と判定された場合には、ステップS330−17に処理を移し、大当たり特別図柄と判定されなかった場合には、ステップS330−16に処理を移す。
【0214】
ステップS330−16において、メインCPU101aは、特図特電処理データに0をセットし、図19に示す特別図柄記憶判定処理に処理を移す。
【0215】
メインCPU101aは、ステップS330−17において、特図特電処理データに3をセットし、ステップS330−18において、遊技条件フラグ記憶領域(時短フラグ記憶領域及び高確率フラグ記憶領域)、高確率状態の残り変動回数カウンタ、及び、時短状態の残り変動回数カウンタをリセットする。
【0216】
メインCPU101aは、ステップS330−19において、特図停止図柄データに応じて、特賞の種類に応じたオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。次いで、メインCPU101a、特図停止図柄データに応じて、特賞の種類に応じたオープニング時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。なお、特別遊技タイマカウンタは、上記ステップS110において、4ms毎に減算処理される。本処理が終了されることで、特別図柄停止処理を終了する。
【0217】
図25を用いて、大当たり遊技処理を説明する。まず、メインCPU101aは、ステップS340−1において、現在オープニング中であるか否かを判断する。ここでいうオープニングとは、大当たり遊技が開始されてから第1ラウンド遊技(大入賞口8の最初の開放)が開始するまでの期間のことをいう。現在オープニング中であると判断した場合には、ステップS340−2に処理を移し、現在オープニング中でないと判断した場合には、S340−6に処理を移す。
【0218】
ステップS340−20において、メインCPU101aは、予め設定されたオープニング時間を経過したか否かを判断する。すなわち、特別遊技タイマカウンタ=0であるか否かを判断し、特別遊技タイマカウンタ=0となったら、オープニング時間を経過したと判断する。その結果、設定されたオープニング時間を経過していない場合には、当該大当たり遊技処理を終了し、次のサブルーチンを実行し、オープニング時間を経過している場合にはステップS340−3に処理を移す。
【0219】
メインCPU101aは、ステップS340−3において、妻子に、特図停止図柄データに応じて、いずれの大当たりであるかを確認し、大当たりの種類に応じた大入賞口開閉制御テーブルを選択すると共に、メインRAM101cの所定領域にセットする。次に、メインCPU101aは、ラウンド遊技回数記憶領域に記憶されている値(ラウンド番号(R))に「1」を加算して記憶する。なお、ステップS340−3の時点ではラウンド遊技が1回も実行されていないので、メインCPU101aは、ラウンド遊技回数記憶領域には「1」を記憶することとなる。
【0220】
ステップS340−4において、メインCPU101aは、特図作動番号記憶領域に記憶されている値(特電作動番号(K))に「1」を加算して記憶する。そして、メインCPU101aは、大入賞口開閉ソレノイド80cを通電して、大入賞口8を開放するために、大入賞口開閉ソレノイド通電開始データをメインRAM101cの所定領域にセットする。ここで、メインCPU101aは、ステップ340−3において決定された大入賞口開閉制御テーブルを参照して、ラウンド番号(R)及び特電作動番号(K)に基づいて、大入賞口8の開放時間(大入賞口制御装置80の作動時間)を特別遊技タイマカウンタにセットする。なお、特別遊技タイマカウンタは、上記ステップS110において、4ms毎に減算処理される。
【0221】
ステップS340−5において、メインCPU101aは、K=1であるか否かを判定し、K=1であった場合には、ラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。これは、ラウンド遊技が開始する旨の情報を演出制御基板102に送信するためである。例えば、1回目のラウンド遊技の1回目の開放時においては、ラウンド遊技回数記憶領域に「1」がセットされ、特図作動番号記憶領域に「1」がセットされているので、第1ラウンドを示すラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。一方、特図作動番号記憶領域に「1」がセットされていない場合には、ラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットせずに、当該大当たり遊技処理を終了する。すなわち、K=1である場合というのはラウンドの開始を意味するので、メインCPU101aは、ラウンドの開始時にのみ、ラウンド指定コマンドを送信する。
【0222】
ステップS340−6において、メインCPU101aは、現在エンディング中であるか否かを判断する。ここでいうエンディングとは、予め設定されたラウンド遊技を全て終了した後(大入賞口8の最後の開放が終了して)から当該大当たり遊技が終了するまでの期間のことをいう。したがって、現在エンディング中であると判断した場合には、ステップS340−17に処理を移し、エンディング時間を経過したか否かが判断され、現在エンディング中でないと判断した場合には、ステップS340−7に処理を移す。
【0223】
ステップS340−7において、メインCPU101aは、大入賞口8等が開放中であるか否か、すなわち、大入賞口制御装置80が作動中であるか否かを判定する。メインCPU101aは、大入賞口8が開放中であると判定した場合には、ステップS340−8において、大入賞口8の開放を終了させるための「開放終了条件」が成立したか否かを判定する。この「開放終了条件」として、ラウンド入賞カウンタのカウンタ値がラウンド遊技における規定個数(例えば9個)に達したこと、又は、最大開放時間が経過したこと(特別遊技タイマカウンタ=0となったこと)が採用されている。そして、「開放終了条件」が成立したと判定した場合にはステップS340−9に処理を移し、「開放終了条件」が成立しないと判定した場合には当該大当たり遊技処理を終了する。
【0224】
ステップS340−9において、メインCPU101aは、大入賞口閉鎖処理を行う。大入賞口閉鎖処理は、大入賞口8を閉鎖するために大入賞口開閉ソレノイド80cの通電停止データをサブRAM102cの所定領域にセットするとともに、上記ステップ340−3において決定された大入賞口開閉制御テーブルを参照して、現在のラウンド番号(R)および特電作動番号(K)に基づいて、大入賞口8の閉鎖時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。これにより、大入賞口8が閉鎖することになる。
【0225】
ステップS340−10において、メインCPU101aは、1回のラウンドが終了したか否かを判定する。具体的には、1回のラウンドは、特電作動番号(K)が当該ラウンド遊技において設定された開放回数となること、又は、ラウンド入賞カウンタのカウンタ値(C)が規定個数(例えば9個)に達したことを条件に終了するので、かかる条件が成立したか否かを判定する。そして、1回のラウンドが終了したと判定した場合にはステップS340−12に処理を移し、1回のラウンドが終了していないと判定した場合には、当該大当たり遊技処理を終了する。
【0226】
メインCPU101aは、ステップS340−7において、大入賞口8が開放中ではないと判定した場合には、ステップS340−11において、予め設定された閉鎖時間が経過したか否かを判断する。その結果、閉鎖時間が経過していない場合には、当該大当たり遊技処理を終了し、閉鎖時間が経過している場合にはステップS340−4に処理を移す。
【0227】
ステップS340−12において、メインCPU101aは、特図作動番号記憶領域をクリアすると共に、ラウンド入賞カウンタのカウンタ値をクリアし、「0」にする。
【0228】
ステップS340−13において、メインCPU101aは、ラウンド遊技回数記憶領域に記憶された値(ラウンド番号(R))が当該大当たり遊技で実行されるラウンド遊技回数であるか否かを判定する。メインCPU101aは「Yes」と判定する場合には、ステップS340−15に処理を移し、「No」と判定する場合には、ステップS340−14に処理を移す。
【0229】
ステップS340−14において、メインCPU101aは、ラウンド遊技回数記憶領域に記憶されている現在のラウンド番号(R)に「1」を加算して記憶する。
【0230】
ステップS340−15において、メインCPU101aは、ラウンド遊技回数記憶領域に記憶されたラウンド番号(R)をリセットする。
【0231】
ステップS340−16において、メインCPU101aは、特図停止図柄データに応じて、大当たりの種類を確認し、演出制御基板102に送信する大当たりの種類に対応付けられたエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。次に、メインCPU101aは、大当たりの種類に応じたエンディング時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。
【0232】
ステップS340−17において、メインCPU101aは、設定されたエンディング時間を経過したか否かを判定し、エンディング時間を経過したと判定した場合にはステップS340−18に処理を移し、エンディング時間を経過していないと判定した場合には、そのまま当該大当たり遊技処理を終了する。
【0233】
ステップS340−18において、メインCPU101aは、特図特電処理データに5をセットし、図26に示す大当たり遊技終了処理に処理を移す。
【0234】
図26を用いて、大当たり遊技終了処理を説明する。メインCPU101aは、ステップS360−1において、大当たり当選カウンタのカウンタ値を「1」加算して更新し、ステップS360−2において、参照データを確認する。大当たり当選カウンタとは、連続して大当たり当選がなされる回数を計数する機能を有し、メインRAM101cに設けられている。
【0235】
メインCPU101aは、ステップS360−3において、始動口入賞容易性状態判定テーブルに、参照データ及び大当たり当選カウンタのカウンタ値を照合して、当該大当たり遊技後の始動口入賞容易性状態を設定する。図6(b)に示すように、始動口入賞容易性状態判定テーブルは、まず参照データによって分けられており、さらに大当たり当選カウンタのカウンタ値が、所定値未満であるか所定値であるかによって分けられている。この処理において、メインCPU101aは、時短状態であること及び時短状態の種類を表す時短フラグを時短フラグ記憶領域にONし、実行可能回数(Ja)を時短状態の残り変動回数カウンタにセットする。
【0236】
メインCPU101aは、ステップS360−4において、大当たり当選確率状態判定テーブルに、参照データ及び大当たり当選カウンタのカウンタ値を照合して、当該大当たり遊技後の大当たり当選確率状態を設定する。図6(c)に示すように、大当たり当選確率状態判定テーブルは、まず参照データによって分けられており、さらに大当たり当選カウンタのカウンタ値が、後述する所定値未満であるか所定値であるかによって分けられている。この処理において、メインCPU101aは、高確率状態であることを表す高確率フラグを高確率フラグ記憶領域にONし、実行可能回数(Xa)を高確率状態の残り変動回数カウンタにセットする。
【0237】
メインCPU101aは、ステップS360−5において、期間判定テーブルに、特図停止図柄データ及び大当たり当選カウンタのカウンタ値を照合して、当該大当たり遊技後の期間を設定する。図6(d)に示すように、期間判定テーブルは、まず参照データによって分けられており、さらに大当たり当選カウンタのカウンタ値が、後述する所定値未満であるか所定値であるかによって分けられている。この処理において、メインCPU101aは、特定期間の種類を表す期間特定フラグを期間特定フラグ記憶領域にONし、実行可能回数(Ta)を特定期間の残り変動回数カウンタにセットする。
【0238】
メインCPU101aは、ステップS360−6において、現在の遊技条件の状態を確認し、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットし、ステップS360−7において高確率状態当選カウンタのカウンタ値が予め設定された所定値であるか否かを判定する。この「所定値」とは、連続して大当たりに当選することのできる規定回数(上限値)を意味する。
【0239】
メインCPU101aは、大当たり当選カウンタのカウンタ値が所定値であると判定すると、ステップS360−8において大当たり当選カウンタをリセットしてからステップS360−9に処理を移し、大当たり当選カウンタのカウンタ値が所定値ではないと判定すると、そのままステップS360−9に処理を移す。メインCPU101aは、ステップS360−9おいて、特図特電処理データに0をセットし、図19に示す特別図柄記憶判定処理に処理を移す。
【0240】
図27を用いて、普図普電制御処理を説明する。
【0241】
まず、ステップS401において普図普電処理データの値をロードし、ステップS402においてロードした普図普電処理データから分岐アドレスを参照し、普図普電処理データ=0であれば普通図柄記憶判定処理(ステップS410)に処理を移し、普図普電処理データ=1であれば普通図柄変動処理(ステップS420)に処理を移し、普図普電処理データ=2であれば普通図柄停止処理(ステップS430)に処理を移し、普図普電処理データ=3であれば補助遊技処理(ステップS440)に処理を移し詳しくは、図28〜図31を用いて後述する。
【0242】
図28を用いて、普通図柄記憶判定処理を説明する。まず、ステップS410−1において、メインCPU101aは、普通図柄の変動表示中であるか否かを判定し、変動表示中であると判定すれば当該普通図柄記憶判定処理を終了し、変動表示中ではないと判定すればステップS410−2に処理を移す。
【0243】
ステップS410−2において、メインCPU101aは、普通図柄保留数カウンタのカウンタ値(普通図柄の保留数(G)、以下「普図保留数(G)」という)が1以上であるかを判定する。普図保留数(G)が「0」の場合には普通図柄の変動表示は行われないため、普通図柄変動処理を終了する。
【0244】
メインCPU101aは、ステップS410−2において、普図保留数(G)が「1」以上であると判定した場合には、ステップS410−3において、普通図柄保留数記憶領域に記憶されている値(G)から「1」を減算して更新し、新たな普図保留数(G)を記憶する。
【0245】
ステップS410−4において、メインCPU101aは、普通図柄保留記憶領域に記憶されたデータのシフト処理を行う。具体的には、第0記憶部〜第4記憶部に記憶された各データを1つ前の番号の記憶部にシフトさせる。このとき、1つ前の記憶部に記憶されているデータは、所定の処理領域に書き込まれるとともに、普通図柄保留記憶領域からは消去されることとなる。ここで、データのシフト(当該保留の消化)にともなって普通図柄保留表示装置24の表示内容を変更するために、具体的には現時点の普図保留数(G)を表示するために普通図柄保留表示データをメインRAM101cの所定領域にセットする。
【0246】
ステップS410−5において、メインCPU101aは、当たり判定、すなわち、普通図柄保留記憶領域に記憶された当たり判定用乱数の判定を行う。具体的には、メインCPU101aは、上記ステップS410−4においてシフトされて第0記憶部にある当たり判定用乱数をメインROM101bに格納された普通図柄用の当たり判定テーブルに照合して当たりか否かの判定を行う。なお、本実施の形態では、当たり判定テーブルは、始動口入賞容易性の状態(非時短状態/第1の時短状態/第2の時短状態)に対応付けられているので(図11(a)参照)、時短フラグ記憶領域を確認して、現在の始動口入賞容易性の状態に係る普通図柄用の当たり判定テーブルを選択する。
【0247】
ステップS410−6において、メインCPU101aは、普通図柄判定を行う。具体的には、メインCPU101aは、上記ステップS410−4においてシフトされて第0記憶部にある普通図柄判定用乱数をメインROM101bに格納された普通図柄判定テーブルに照合して普通図柄の判定を行う。上述したようにこの普通図柄判定テーブルは、当たり判定の結果(当たり/ハズレ)に対応付けられているので、当該当たり判定の結果を確認して、当該当たり判定の結果に係る普通図柄判定テーブルを選択する。
【0248】
そして、メインCPU101aは、ステップS410−7において、普通図柄判定の結果に基づいて普通演出図柄指定コマンドを決定し、決定した普通演出図柄指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。メインCPU101aは、ステップS410−8において、普通図柄判定の結果に基づいて普通図柄に係る停止図柄データ(以下、「普図停止図柄データ」という)、すなわち、普通図柄の種類を決定し、決定した普図停止図柄データをメインRAM101cの所定領域にセットする。
【0249】
決定された普図停止図柄データは普図変動パターン決定処理において普図変動パターンを決定する際、補助遊技を行う際に参照する補助遊技参照データをセットする際、図30の普通図柄停止処理において、当たり普通図柄か否かを判断する際にも用いられる。
【0250】
ここでいう当たり普通図柄とは、上記普通図柄表示装置21を構成する第1のLED(図1において「○」が付されている方)による一定時間の点灯により表現される図柄のことであり、ハズレ普通図柄とは第2のLED(図1において「×」が付されている方)による一定時間の点灯により表現される図柄のことである。
【0251】
ステップS410−9において、メインCPU101aは、普図変動パターン判定処理を行う。具体的には、普図変動パターン判定テーブルは、始動口入賞容易性の状態によって分類されているので、メインCPU101aは、まず、時短フラグ記憶領域を確認して、現在の始動口入賞容易性の状態に係る普図変動パターン判定テーブルを選択する。そして、メインCPU101aは、上記ステップS410−4でシフトされて第0記憶部にある普図変動パターン判定用乱数を、選択された普図変動パターン判定テーブルに照合して普図変動パターン(普図変動時間)を決定する。
【0252】
メインCPU101aは、ステップS410−10おいて、普図変動パターン判定処理において決定された普図変動時間を補助遊技タイマカウンタにセットする。このステップの処理によって、普通図柄の変動表示の時間が決定されることとなる。なお、補助遊技タイマカウンタは、上記ステップS110において、4ms毎に減算処理される。
【0253】
メインCPU101aは、ステップS410−11において、普通図柄表示装置21において普通図柄の変動表示を行うために普通図柄変動表示用データをセットする。普通図柄変動表示用データには、作動させる普通図柄表示装置21の種類、変動表示の態様、変動時間等の情報が含まれる。
【0254】
ステップS410−12において、メインCPU101aは、補助遊技参照データをセットする。具体的には、図11(d)に示す補助遊技参照データ判定テーブルに、現在の入賞容易性状態及び普図停止図柄データを照合して、補助遊技参照データを決定し、その補助遊技参照データをメインRAM101cの補助遊技参照データ記憶領域にセットする。
【0255】
メインCPU101aは、ステップS410−13において、普図普電処理データに「1」をセットし、当該普通図柄変動処理を終了する。
【0256】
次に、図29を用いて、普通図柄変動処理を説明する。メインCPU101aは、最初に、ステップS420−1において、ステップS410−10でセットされた普図変動時間が経過したか否か(補助遊技タイマカウンタ=0か?)を判定する。その結果、セットされた時間を経過していないと判断した場合には、普通図柄変動処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
【0257】
メインCPU101aは、ステップS420−2において、普図変動終了コマンドをセットし、ステップS420−3において上記ステップS410−8でセットされた普図停止図柄データに基づき普通図柄表示装置21に停止表示するための普図停止表示用データをセットする。これにより、遊技者に当該普通図柄の抽選の結果が報知されることになる。ステップS420−4において、メインCPU101aは、補助遊技カウンタに普通図柄停止時間(例えば、0.8秒)をセットする。なお、補助遊技タイマカウンタは、ステップS110において、4ms毎に減算処理されていく。
【0258】
そして、メインCPU101aは、ステップS420−5において、普図普電処理データに2をセットし、当該普通図柄変動処理を終了する。
【0259】
次に、図30を用いて普通図柄停止処理を説明する。メインCPU101aは、最初に、ステップS430−1において、ステップS420−4で普通図柄時間カウンタにセットされた普通図柄停止時間が経過したか否か(補助遊技タイマカウンタ=0?)を判定する。その結果、普通図柄停止時間が経過していないと判定した場合には、当該普通図柄停止処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
【0260】
メインCPU101aは、ステップS420−3においてセットされた時間が経過したと判定した場合には、ステップS430−2において、当該普通図柄停止処理に係る当たり判定の判果が「当たり」であるか否かを判定する。具体的には、普図停止図柄データ記憶領域に記憶されている普図停止図柄データが当たり普通別図柄に係るものであるか否かを判定する。ここで、当たり普通図柄と判定された場合には、ステップS430−4に処理を移し、当たり普通図柄と判定されなかった場合には、ステップS430−3に処理を移す。
【0261】
メインCPU101aは、ステップS430−4において、普図特電処理データに3をセットする。そして、メインCPU101aは、ステップS430−5において、補助遊技参照データに応じたオープニングコマンドをメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットし、補助遊技制御テーブルに基づいてオープニング時間を補助遊技タイマカウンタにセットする。なお、補助遊技タイマカウンタは、上記ステップS110において、4ms毎に減算処理される。本処理が終了されることで、普通図柄停止処理を終了する。
【0262】
メインCPU101aは、ステップS430−3において、普図普電処理データに0をセットし、当該普通図柄停止処理を終了する。
【0263】
図31を用いて、補助遊技処理を説明する。メインCPU101a、まず、ステップS450−1において、現在オープニング中であるか否かを判断する。現在オープニング中であると判断した場合には、ステップS450−2に処理を移し、現在オープニング中でないと判断した場合には、S450−5に処理を移す。
【0264】
ステップS450−2において、メインCPU101aは、予め設定されたオープニング時間を経過したか否かを判定する。すなわち、補助遊技タイマカウンタ=0であるか否かを判定し、補助遊技タイマカウンタ=0となったら、オープニング時間を経過したと判定する。その結果、オープニング時間を経過していない場合には、当該補助遊技処理を終了し、オープニング時間を経過している場合にはステップS450−3に処理を移す。
【0265】
ステップS450−3において、メインCPU101aは、補助遊技開始処理を行う。補助遊技開始処理では、メインCPU101aは、まず、セットされている補助遊技参照データに基づいて第2始動口開閉制御テーブルを選択し、メインRAM101cの所定領域にセットする。
【0266】
ステップS450−4において、メインCPU101aは、第2始動口開放処理を行う。第2始動口開放処理では、まず普電開放番号記憶領域に記憶されている値(普電作動番号(D))に「1」を加算して記憶する。そして、普通可動片70bを作動させるために第2始動口開閉ソレノイド70cの通電開始データをセットするとともに、上記ステップ450−3においてセットされた第2始動口開閉制御テーブルを参照して、現在の普電作動番号(D)に基づいた第2始動口7の開放時間を補助遊技タイマカウンタにセットする。
【0267】
ステップS450−5において、メインCPU101aは、現在エンディング中であるか否かを判定する。ここでいうエンディングとは、第2始動口7の最後の開放が終了してから補助遊技が終了するまでの期間のこという。したがって、メインCPU101aは、現在エンディング中であると判定した場合には、ステップS450−12に処理を移し、現在エンディング中でないと判定した場合には、ステップS450−6に処理が移す。
【0268】
ステップS450−6において、メインCPU101aは、第2始動口7が開放中であるか否かを判定する。メインCPU101aは、第2始動口7が開放中であると判定した場合には、ステップS450−7において、第2始動口7の開放を終了させるための「開放終了条件」が成立したか否かを判定する。この「開放終了条件」として、始動口規定入賞カウンタのカウンタ値が規定(最大)個数(例えば10個)に達したこと、又は、第2始動口7の1回の開放時間が経過したこと(補助遊技タイマカウンタ=0となったこと)が採用される。そして、メインCPU101aは、「開放終了条件」が成立したと判定した場合にはステップS450−8に処理を移し、「開放終了条件」が成立しないと判定した場合には当該小当たり遊技処理を終了する。
【0269】
ステップS450−8において、メインCPU101aは、第2始動口閉鎖処理を行う。第2始動口閉鎖処理では、第2始動口7を閉鎖するために第2始動口開閉ソレノイド70cの通電停止データをセットするとともに、上記ステップ450−3においてセットされた第2始動口開閉制御テーブルを参照して、現在の普電作動番号(D)に基づいて、第2始動口7の閉鎖時間を補助遊技タイマカウンタにセットする。これにより、第2始動口7が閉鎖することになる。
【0270】
ステップS450−9において、メインCPU101aは、補助遊技終了条件が成立したか否かを判定する。補助遊技終了条件とは、普電作動番号(D)が予め設定された第2始動口7の開放回数になること、又は、始動口規定入賞カウンタのカウンタ値が最大個数(例えば10個)に達したことである。そして、メインCPU101aは、補助遊技終了条件が成立したと判定した場合にはステップS450−10に処理を移し、補助遊技終了条件が成立していないと判定した場合には当該補助遊技処理を終了する。
【0271】
ステップS450−10において、メインCPU101aは、普電作動番号記憶領域に「0」をセットするとともに、第2始動口入賞規定カウンタに「0」をセットする。すなわち、普電作動番号記憶領域および第2始動口規定入賞カウンタをクリアする。
【0272】
ステップS450−11において、メインCPU101aは、補助遊技参照データに応じたエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットすると共に、補助遊技制御テーブルに基づいて普図停止図柄データに応じたエンディング時間を補助遊技タイマカウンタにセットする。
【0273】
メインCPU101aは、ステップS450−6において第2始動口7が開放中ではないと判定した場合には、ステップS450−13において、ステップS450−8において設定された閉鎖時間が経過したか否かを判定する。なお、閉鎖時間も、オープニング時間と同様に補助遊技タイマカウンタ=0であるか否かで判定される。その結果、メインCPU101aは、閉鎖時間を経過していないと判定した場合には、当該補助遊技処理を終了し、閉鎖時間を経過したと判定した場合には、ステップS450−4に処理を移す。
【0274】
次に、メインCPU101aは、ステップS450−12において、設定されたエンディング時間を経過したか否かを判定し、エンディング時間を経過したと判定した場合には、ステップS450−14に処理を移し、エンディング時間を経過していないと判定した場合には、当該小当たり遊技処理を終了する。
【0275】
ステップS450−14において、メインCPU101aは、普図普電処理データ=0をセットし、当該普通電動役物制御処理を終了する。
【0276】
次に、演出制御基板102による演出制御ついて簡単に概略を説明する。演出制御基板102は、主制御基板101から送信されたコマンドを受信すると、演出制御基板102のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。
【0277】
そして、演出制御基板102におけるサブCPU102aは、4ms毎に行われる演出制御基板102のタイマー割込み処理にて、受信したコマンドを解析して各コマンドに対応する各種コマンドを生成し、ランプ制御基板104及び画像制御基板105へ送信する。
【0278】
例えば、演出制御基板102におけるサブCPU102aは、主制御基板101から変動パターン指定コマンドを受信すると、受信した変動パターン指定コマンドの内容を解析して、画像出力装置13、音声出力装置14、演出用照明装置15、演出用役物装置16に所定の演出を実行させるためのコマンドを生成し、かかるコマンドをランプ制御基板104及び画像制御基板105へ送信する。
【0279】
次に、ランプ制御基板104及び画像制御基板105について簡単に概略を説明する。
【0280】
ランプ制御基板104は、演出制御基板102から演出用のコマンドを受信すると、受信した演出用のコマンドに基づいて受信した演出用のコマンドに基づいて演出用照明装置制御プログラムを読み出して、演出用照明装置15を発光制御するとともに、演出用役物装置作動プログラムを読み出して、演出用役物装置16を作動制御する。
【0281】
画像制御基板105は、演出制御基板102から演出用のコマンドを受信すると、受信した演出用のコマンドに基づいて、統括CPU105Aaが統括ROM105Abからアニメーション制御プログラムを読み出して、画像出力装置13における画像の出力制御を行うともに、統括ROM105Abから音声出力装置制御プログラムを読み出して、音声出力装置14における音声の出力制御を行う。
【0282】
次に、図32を用いてセット期間1、セット期間2及びセット期間3における第2始動口の開閉態様と特別図柄の表示態様との関係について説明する。セット期間1は大当たり特別図柄10、大当たり特別図柄20、及び、大当たり特別図柄21(大当たり1)当選に基づいて発生し、大当たり1は第1の時短状態を導出する。すなわち、セット期間1において、始動口入賞容易性は第1の時短状態となっている。一方、セット期間2は大当たり特別図柄11(大当たり2)当選に基づいて発生し、大当たり2は第2の時短状態を導出する。また、セット期間3は大当たり特別図柄12(大当たり3)当選に基づいて発生し、大当たり3も第2の時短状態を導出する。
【0283】
上述したように、本実施の形態では、第1の時短状態が最も始動口入賞容易性が高い。第1の時短状態と第2の時短状態とは、補助遊技における第2始動口7の開放時間及び普通図柄抽選における当たりの当選確率について同一であるが、普図変動時間が相違する。第1の時短状態における普図変動時間が3.0秒、第2の時短状態における普図変動時間が15.0秒であり、当たりの当選確率は共に98%(=49/50)である。よって、第2始動口7は、第1の時短状態においては10秒間に約5.0秒開放している一方、第2の時短状態においては22.0秒間に5.0秒、すなわち、10秒間に約2.3秒開放していることとなる。つまり、第2の時短状態においての方が、所持する遊技球の個数を増加させることが困難であるだけでなく、遊技球の発射間隔が約0.6秒であり、賞球数が3個であることを鑑みると、第2の時短状態においては所持する遊技球の個数が減少し易い(図32(a)〜図32(c)参照)。なお、非時短状態において、普図変動時間が15.0秒であり、当たりの当選確率が0.02(=1/50)、第2始動口7の開放時間が0.2秒である。よって、非時短状態において第2始動口7は、10秒間に約2.7×10−3開放するので、第2の時短状態は第1の時短状態より非時短状態に近い遊技状態ということができる。
【0284】
このような第2の時短状態について、特別図柄の変動表示の期待値が相対的に低いセット期間2と、相対的に高いセット期間3とが設けられている。上述したように、セット期間2における特図変動時間の期待値が4.63秒であり、セット期間3における特図変動時間の期待値が7.73秒である。よって、セット期間2においては、1回の普通図柄表示と1回の補助遊技からなる一連の遊技のセットが行われる間に、約5回の特別図柄の変動表示が行われる。一方、セット期間3においては、同様に、約3回の特別図柄の変動表示が行われる。ここで、遊技球の発射間隔が約0.6秒であることから、第2の時短状態においては、第2始動口7が開放している間に約8個の遊技球が発射される。そして、第2始動口7への入賞率が例えば25%に設定されているとすると、1回の補助遊技において2.0個の遊技球が第2始動口7へ入賞することができる。つまり、1回の普通図柄表示と1回の補助遊技からなる一連の遊技のセットが行われる間に、第2特別図柄抽選(第2特別図柄の変動表示)の権利が2個獲得される。
【0285】
ここで、第2特別図柄の変動表示は優先的に実行されることから、第2始動口7への入賞率が25%であるという設定であれば、セット期間2では一連の遊技のセットが行われる間に、第2特別図柄の変動表示が2回行われ、第1特別図柄の変動表示が3回行われる。一方、セット期間3では一連の遊技のセットが行われる間に、第2特別図柄の変動表示が2回行われ、第1特別図柄の変動表示が1回行われる。このように、セット期間2では第1特別図柄の変動表示が実行される割合の方が高く、セット期間3では第2特別図柄の変動表示が実行される割合の方が高い。
【0286】
また、セット期間1においては第1の時短状態であるので、第2特別図柄の変動表示のみが行われ、セット期間4においては、非時短状態であり当たりの当選確率が2%で、補助遊技における第2始動口7の開放時間が0.2秒であるので、第1特別図柄の変動表示のみが行われる。
【0287】
さらに、図5(a)に示すように、第1特別図柄表示において、大当たり1に当選する確率は1%、大当たり2に当選する確率は39%、大当たり3に当選する確率は40%、大当たり4に当選する確率は20%である。一方、第2特別図柄表示において大当たり1に当選する確率は100%である。よって、図33(a)に示すように、大当たり1当選に当選すると第1の時短状態に移行してほとんど第2特別図柄表示が実行されるので、再度大当たり1に当選し易く、大当たり2、大当たり3及び大当たり4に当選し難い。一方、大当たり4当選に当選すると非時短状態に移行してほとんど第1特別図柄表示が実行されるので、大当たり2、大当たり3又は大当たり4に当選し易く、大当たり1に当選し難い。また、大当たり2又は大当たり3に当選すると第2の時短状態に移行して第1特別図柄表示及び第2特別図柄表示が実行されるので、第1の時短状態及び非時短状態ほど当選する大当たりの種類に偏りがなく、大当たり1〜大当たり4のいずれかに当選する。しかしながら、第2の時短状態であってもセット期間2であれば、第1特別図柄表示の割合が多いので、大当たり2〜4に当選する可能性の方が高い。一方、第2の時短状態であってもセット期間3であれば、第2特別図柄表示の割合が多いので、大当たり1に当選する可能性の方が高い。
【0288】
このセット期間、すなわち、大当たり当選カウンタのカウンタ値が1〜所定値(10)までの間における遊技状態の推移図は図33(b)のようになる。すなわち、大当たり1に当選し、一度第1の時短状態に移行すれば、第2特別図柄表示を実行し続けることができる。一方、大当たり2又は大当たり3に当選すると、第1特別図柄表示又は第2特別図柄表示が実行されるので、いずれの大当たりに当選し、いずれの遊技状態に移行するかわからない。また、大当たり4に当選すると、非時短状態に移行して第1特別図柄表示が中心となるので、基本的には、大当たり2又は大当たり3に当選して第2の時短状態に移行するか、大当たり4に当選して非時短状態が繰り返される。
【0289】
これを時系列で考えると、図34に示すように、遊技が進行する。例えば、一度大当たり1に当選すると、大当たり1、すなわち、遊技利益として最も遊技者に有利な高確率状態且つ第1の時短状態への移行が繰り返される。一方、大当たり4に当選して、遊技利益として最も遊技者に不利な高確率状態且つ非時短状態(セット期間4)へ移行してしまうと、第1特別図柄抽選において大当たり1に当選する確率は1%であるので、まずは大当たり2又は大当たり3、できれば大当たり2に当選させ、大当たり当選カウンタが所定値になる前のいかに早い段階で大当たり1に当選させることができるかが勝負の分かれ目(遊技機1の主要な遊技性)となる。
【0290】
本実施の形態では、大当たり当選カウンタによって大当たり当選回数が計数され、その回数が予め設定された所定値(10)に達するまでは大当たり遊技後の時短状態の実行可能回数(J)が10000回に設定され、所定値に達すると実行可能回数(J)が減少する。具体的には、連続して大当たりに当選する回数が所定値となると、その大当たりが大当たり1では実行可能回数(J)が50回に設定され、大当たり2では実行可能回数(J)が100回に設定され、大当たり3では実行可能回数(J)が150に設定される。大当たりに当選する回数が所定値に達することを契機に、時短状態の実行可能回数(J)が減少することによって、当該時短状態中の大当たり1当選が困難となる。これは、当該時短状態中に実行可能な第2特別図柄表示の回数が減少するからである。この結果、それ以前に大当たり1の当選が連続していても、大当たりに当選する回数が所定値に達することを契機に、大当たり1の当選が途切れ易くなる。
【0291】
また、本実施の形態では、大当たりに当選する回数が所定値に達したときの時短状態の実行可能回数(J)は、第2の時短状態に係る大当たり2、大当たり3より第1の時短状態に係る大当たり1に当選した場合の方が少ない。さらに、第2の時短状態に係る大当たり3より第2の時短状態に係る大当たり2に当選した場合の方が少ない。これは、大当たり2、大当たり3によって発生する第2の時短状態の方が、大当たり1によって発生する第1の時短状態、すなわち、チャンス期間1の方が第2始動口7への入賞容易性が高いからである。さらに、大当たり3によって発生するチャンス期間3より大当たり2のよって発生するチャンス期間2の方が、第2始動口7への入賞容易性が高いからである。この結果、連続して大当たりに当選する回数が所定値に達したあとに、第2特別図柄抽選で大当たり1に当選する可能性がチャンス期間の間で均等になる。
【0292】
上述したように、本実施の形態では、非時短状態より第2始動口7へ入賞させ易い第2の時短状態と、第2の時短状態より第2始動口7へ入賞させ易い第1の時短状態とが設けられており、所持する遊技球の個数の増減傾向が時短状態の種類に応じて変化するので、遊技の興趣が向上する。また、大当たりに当選する回数が所定値に達することを契機に、各時短状態が終了し易くなるので、遊技に減り張りが付く。さらに、大当たりに当選する回数が所定値に達するという所定条件を契機に各時短状態が終了し易くなり、時短状態の継続期間が規制されることによって遊技者に緊張感を持たせることができるので、遊技の興趣が一層向上する。
【0293】
また、所持する遊技の個数を維持させることが困難な第2の時短状態でも、特図変動時間の期待値が高いセット期間2と、特図変動時間の期待値が低いセット期間3とで分けられている。セット期間2では第2特別図柄表示が実行され易く、セット期間3では第1特別図柄表示が実行され易い。ここで、第2特別図柄抽選の方が遊技者に有利であることから、同一の遊技状態であっても、遊技者に有利な状況と遊技者に不利な状況とが創出される。これにより、遊技の興趣が向上する。また、同一の遊技状態において複数種類の特別図柄抽選が実行され、さらに、特別図柄抽選に応じて遊技利益の度合いが異なるので、各回の特別図柄抽選に対する意識が高まり、遊技者に緊張感を持たせることできる。
【0294】
(その他の実施の形態)
実施の形態1では、時短状態の種類が2種類設けられているが、時短状態の種類の数はこれに限られない。なお、第2始動口7への入賞容易性の構成要素の値は、実施の形態1に限られず、適宜に設定されればよい。時短状態の種類の数は2以上設定されていればよい。また、実施の形態1では、第2の時短状態がセット期間2及びセット期間3の2つに分けられているが、3つ以上に分けられていても良い。なお、セット期間2及びセット期間3における変動パターンの割り振りも実施の形態1に限られない。そのセット期間における変動時間の期待値がセット期間2とセット期間3とで異なればよい。さらに、大当たりの当選回数に係る所定値、及び、高確率状態の実行可能回数(Xa)、時短状態の実行可能回数(Ja)及び特定期間の実行可能回数(Ta)も実施の形態1に限られない。
【符号の説明】
【0295】
1 遊技機
6 第1始動口
7 第2始動口
13 画像出力装置
14 音声出力装置
15 演出用照明装置
16 演出用役物装置
19 第1特別図柄表示装置
20 第2特別図柄表示装置
101 主制御基板
101a メインCPU
101b メインROM
101c メインRAM
102 演出制御基板
102a サブCPU
102b サブROM
102c サブRAM


【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域に設けられた特別始動領域に遊技球が入賞すると、遊技者に有利な特別遊技状態へ移行させるか否かの特別遊技判定を行う特別遊技判定手段を有し、
前記特別始動領域として、第1特別始動領域、及び、基本態様から前記基本態様より入賞が容易な特別態様へと切換可能な第2特別始動領域を備え、
前記特別遊技判定手段は、前記第1特別始動領域への入賞に基づいて第1特別遊技判定を行う第1特別遊技判定部と、前記第2特別始動領域への入賞に基づいて第2特別遊技判定を行う第2特別遊技判定部とを備え、前記第2特別遊技判定部による前記第2特別遊技判定を優先させ、
前記第2特別遊技判定部の方が前記第1特別遊技判定部より遊技者に有利な前記特別遊技状態へ移行させ易い遊技機において、
前記遊技領域に設けられた補助始動領域に遊技球が入賞すると、前記第2特別始動領域が前記特別態様に切り換えられる補助遊技を実行するか否かの補助遊技判定を行う補助遊技判定手段と、
図柄を変動表示し、その後に前記特別遊技判定の結果を示す図柄を停止表示する図柄表示手段と、
前記図柄表示手段が前記図柄を変動表示する時間である図柄変動時間を複数記憶する図柄変動時間記憶手段と、
前記複数の図柄変動時間の中から一つの図柄変動時間に決定する図柄変動時間決定手段と、
前記図柄変動時間決定手段が前記図柄変動時間を決定するための条件である変動時間決定条件を切り換える条件切換手段と、
前記特別遊技判定の結果が前記特別遊技状態への移行であることを契機に、前記第2特別始動領域への入賞容易性に係る遊技状態を、所定期間、前記第2特別始動領域への入賞容易性が相互に異なる複数の入賞容易性状態の中からいずれか一つに設定する入賞容易性状態設定手段と、を有し、
前記条件切換手段は、所定の入賞容易性状態に設定されることを契機に、前記図柄変動時間の期待値が相互に異なる複数の変動時間決定条件の中からいずれか一つに切り換えることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記第1特別始動領域に適した遊技球の発射強度と、前記第2特別始動領域に適した遊技球の発射強度とは同一又は近似し、
前記入賞容易性状態設定手段が設定する入賞容易性状態には、少なくとも、前記第2特別始動領域への入賞容易性が通常の入賞容易性通常状態より高い第1入賞容易性特定状態、及び、前記第2特別始動領域への入賞容易性が前記入賞容易性通常状態より高く、且つ、前記第1入賞容易性特定状態より前記入賞容易性通常状態に近い第2入賞容易性特定状態が含まれ、
前記所定の入賞容易性状態は前記第2入賞容易性特定状態であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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