遊技機
【課題】先読み予告を行う場合に、先読み対象の始動記憶以外の始動記憶を関連させることで、斬新な先読み予告を行うことが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】遊技機において、始動入賞記憶手段に始動記憶として記憶されている乱数から、始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行情報を始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるよりも前に判定する事前判定手段と、所定始動記憶に対する事前判定手段の判定結果に応じて、所定始動記憶に基づいて実行される変動表示ゲームの実行情報を事前報知する事前報知手段と、所定始動記憶に対応する事前報知が実行されているときに、所定始動記憶の後に後続始動記憶が発生した場合に、所定始動記憶に対する事前判定手段の判定結果と後続始動記憶に対する事前判定手段の判定結果とを比較し、比較結果に基づき、事前報知の対象を、所定始動記憶から後続始動記憶に切り替えて実行可能な事前報知制御手段と、を備える。
【解決手段】遊技機において、始動入賞記憶手段に始動記憶として記憶されている乱数から、始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行情報を始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるよりも前に判定する事前判定手段と、所定始動記憶に対する事前判定手段の判定結果に応じて、所定始動記憶に基づいて実行される変動表示ゲームの実行情報を事前報知する事前報知手段と、所定始動記憶に対応する事前報知が実行されているときに、所定始動記憶の後に後続始動記憶が発生した場合に、所定始動記憶に対する事前判定手段の判定結果と後続始動記憶に対する事前判定手段の判定結果とを比較し、比較結果に基づき、事前報知の対象を、所定始動記憶から後続始動記憶に切り替えて実行可能な事前報知制御手段と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、始動口に遊技球が入賞することによって変動表示ゲームを実行する遊技機に関し、特に、未実行の変動表示ゲームの期待度を報知する機能を有する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の代表例としてパチンコ機がある。このパチンコ機には、遊技領域に設けられた始動口に遊技球が入賞すること(始動入賞)に基づいて、変動表示装置に表示される複数の識別情報(図柄、記号など)が変動する変動表示ゲームを実行し、所定時間経過後に停止した複数の識別情報の態様が予め定められた特別結果態様であった場合には、遊技者に多くの賞球を払い出す特別遊技状態(大当り状態)となり、遊技者が多くの利益を獲得可能にするものがある。
【0003】
この種のパチンコ機では、始動入賞に基づき、変動表示ゲームの実行結果を決定するための乱数を抽出し、当該乱数を始動記憶として記憶するものが一般的である。
【0004】
また、この始動記憶として記憶されている乱数に対して、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に、特別結果態様を導出するものであるか否かの事前判定を行い、事前判定の結果を遊技者に報知する、いわゆる先読み予告を実行するものも一般的である。
【0005】
特許文献1には、先読み予告として、始動記憶表示の表示態様を異ならせることで、未実行の変動表示ゲームの期待度を報知するパチンコ機が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−154106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、先読み予告を行う場合、特許文献1のように、単に先読み対象の始動記憶表示の表示態様を異ならせるものが一般的で、先読み対象の始動記憶以外の始動記憶、特に後続の始動記憶なども含めた演出などを行うものがなかった。
【0008】
そこで、本発明は上記した問題点に鑑みてなされたものであり、先読み予告を行う場合に、先読み対象の始動記憶以外の始動記憶を関連させることで、斬新な先読み予告を行うことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の遊技機は、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき、識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行可能な変動表示装置を備え、前記変動表示ゲームの停止結果が予め定めた特別結果態様となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、前記始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき、前記変動表示ゲームの実行に関連する乱数を抽出し該変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動入賞記憶手段と、前記始動入賞記憶手段に始動記憶として記憶されている乱数から、該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行情報を当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるよりも前に判定する事前判定手段と、所定始動記憶に対する前記事前判定手段の判定結果に応じて、該所定始動記憶に基づいて実行される変動表示ゲームの実行情報を事前報知する事前報知手段と、前記所定始動記憶に対応する前記事前報知が実行されているときに、前記所定始動記憶の後に後続始動記憶が発生した場合に、前記所定始動記憶に対する前記事前判定手段の判定結果と前記後続始動記憶に対する前記事前判定手段の判定結果とを比較し、該比較結果に基づき、前記事前報知の対象を、前記所定始動記憶から前記後続始動記憶に切り替えて実行可能な事前報知制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、先読み予告を行う場合に、先読み対象の始動記憶以外の始動記憶を関連させることで、斬新な先読み予告を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施の形態の遊技機の斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の遊技機に備えられる遊技盤の正面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態の演出制御装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置によって実行されるメイン処理の前半部のフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置によって実行されるメイン処理の後半部のフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第1の実施の形態の始動口スイッチ監視処理のフローチャートである。
【図10】本発明の第1の実施の形態の特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第1の実施の形態の特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第1の実施の形態の特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
【図13A】本発明の第1の実施の形態の変動パターン選択テーブルである。
【図13B】本発明の第1の実施形態の始動入賞時の遊技制御装置の処理概要を説明する図である。
【図14】本発明の第1の実施の形態の演出制御装置の主制御用マイコンによって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第1の実施の形態の1stシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第1の実施の形態の先読み予告設定処理の手順を示すフローチャートである。
【図17】本発明の第1の実施の形態の先読み予告重複時処理の手順を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第1の実施の形態の先読み予告設定処理を説明するための図である。
【図19】本発明の第1の実施の形態の先読み予告重複時処理を説明するための図である。
【図20】本発明の第1の実施の形態の先読み予告重複時処理の画面遷移の第1例を示す図である。
【図21】本発明の第1の実施の形態の先読み予告重複時処理の画面遷移の第2例を示す図である。
【図22】本発明の第1の実施の形態の先読み予告重複時処理の画面遷移の第3例を示す図である。
【図23】本発明の第1の実施の形態の第1変形例における先読み予告重複時処理を説明するための図である。
【図24】本発明の第1の実施の形態の第1変形例における先読み予告重複時処理を示すフローチャートである。
【図25】本発明の第1の実施の形態の第1変形例における先読み予告重複時処理の画面遷移例を示す図である。
【図26】本発明の第1の実施の形態の第2変形例における先読み情報比較テーブルを示す図である。
【図27】本発明の第1の実施の形態の第2変形例における先読み予告重複時処理を示すフローチャートである。
【図28A】本発明の第1の実施の形態の第2変形例における変更抽選処理の手順を示すフローチャートである。
【図28B】本発明の第1の実施の形態の第2変形例における変更抽選処理で使用される変更抽選テーブルである。
【図29】本発明の第1の実施の形態の第2変形例における変動中処理の手順を示すフローチャートである。
【図30】本発明の第1の実施の形態の第2変形例における先読み予告重複時処理の画面遷移例を示す図である。
【図31】本発明の第2の実施の形態の変動パターンの選択態様を説明する図である。
【図32】本発明の第2の実施形態の事前判定コマンドを示す図である。
【図33】本発明の第2の実施の形態の1stシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図34】本発明の第2の実施の形態の先読み予告設定処理の手順を示すフローチャートである。
【図35】本発明の第2の実施の形態の先読み予告調整処理の手順を示すフローチャートである。
【図36】本発明の第2の実施の形態の先読み予告調整処理の画面遷移の第1例を示す図である。
【図37】本発明の第2の実施の形態の先読み予告調整処理の画面遷移の第2例を示す図である。
【図38】本発明の第2の実施の形態の先読み予告調整処理の画面遷移の第3例を示す図である。
【図39】本発明の第2の実施の形態の第1変形例における変動中処理の手順を示すフローチャートである。
【図40】本発明の第2の実施の形態の第1変形例における先読み予告調整処理の画面遷移の例を示す図である。
【図41】本発明の第2の実施の形態の第2変形例の変動パターン選択テーブルである。
【図42】本発明の第2の実施の形態の第2変形例の保留数コマンド受信処理の手順を示すフローチャートである。
【図43】本発明の第2の実施の形態の第2変形例における画面表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の斜視図である。
【0013】
遊技機1は、島設備に固定される本体枠(外枠)2にヒンジ4を介して一側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠(遊技枠)3及びガラス枠(前枠)18によって構成される。
【0014】
前面枠3には、遊技領域10aを有する遊技盤10(図2参照)が、裏面に取り付けられた収納フレーム(図示省略)に収装される。また、前面枠3には、遊技盤10の前面を覆うカバーガラス(透明部材)18aを備えたガラス枠18が取り付けられる。前面枠3及びガラス枠18は、それぞれ個別に開放することが可能であり、例えば、ガラス枠18のみを開放して遊技盤10の遊技領域10a(図2参照)にアクセスすることができる。また、前面枠3をガラス枠18が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤10の裏側に配置された遊技制御装置500(図3参照)などにアクセスすることができる。
【0015】
ガラス枠18のカバーガラス18aの周囲には、装飾光を発光する装飾部材9が備えられている。装飾部材9の内部にはランプやLED等によって構成された枠装飾装置18d(図4参照)が備えられている。枠装飾装置18dを所定の発光態様によって発光させることによって、装飾部材9が所定の発光態様によって発光する。
【0016】
ガラス枠18の上方中央部には、照明ユニット11が備えられる。照明ユニット11の内部には、LEDやランプなどの発光部材が備えられる。
【0017】
照明ユニット11の左側には第1可動式照明13が、右側には第2可動式照明14が備えられる。第1可動式照明13及び第2可動式照明14は、上スピーカー30aの上方に配置されている。第1可動式照明13及び第2可動式照明14には、LEDなどの照明部材の他に、照明駆動モータ(枠演出装置18f(図4参照))がそれぞれ備えられており、演出内容に応じて動作(例えば、回転)するように制御される。
【0018】
また、遊技機1には、音響(効果音、警報音、報知音等)を発するスピーカー30が備えられる。スピーカー30には、上スピーカー30a及び下スピーカー30bが含まれる。上スピーカー30aはガラス枠18の上方に配置され、下スピーカー30bは後述する上皿21の下方に配置される。
【0019】
第1可動式照明13の右側には、遊技機1において異常が発生したことなどを報知するための遊技状態LED29が備えられている。遊技機1において異常が発生した場合には、さらに、スピーカー30から異常を報知するための報知音が出力される。
【0020】
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施などが含まれる。不正行為は、例えば、磁石によって発射された遊技球の軌道を不正に操作する行為や、遊技機1を振動させる行為などである。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ(SW)39a(図3参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチ(SW)39b(図3参照)によって振動を検出したりすることによって検知される。また、不正に開閉枠を開放する行為も不正行為に含まれる。このとき、枠開放センサスイッチ(前面枠開放検出スイッチ3b、ガラス枠開放検出スイッチ18b、図3参照)によって営業時間中に前面枠3やガラス枠18の開閉枠が開放されたことが検出される。以上のような不正行為が検出されると、遊技状態LED29やスピーカー30などによって異常が報知されるようになっている。
【0021】
ガラス枠18のカバーガラス18aの下方には、上皿21などを含む上皿ユニットが備えられる。上皿21は、図示しない打球発射装置に遊技球(遊技媒体)を供給する。上皿ユニットには、演出ボタン31を備えた上皿カバーユニット20が含まれている。
【0022】
さらに、ガラス枠18の下方位置であって前面枠3に固定される固定パネル22には、下皿23及び打球発射装置の操作部24等が備えられる。遊技者が操作部24を回動操作することによって、打球発射装置は、上皿21から供給される遊技球を遊技盤10の遊技領域10a(図2参照)に発射する。
【0023】
下皿23には、下皿23に貯まった遊技球を排出するための下皿球抜き機構16が備えられる。前面枠3の下部右側には、ガラス枠18を施錠するための鍵25が備えられている。
【0024】
また、上皿ユニットのうち上皿21の手前側には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ(SW)31a(図4参照)を内蔵する演出ボタン31(操作手段)が備えられている。遊技者は、演出ボタン31を操作することによって、表示装置48(図2参照)における変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことが可能となる。例えば、演出内容を選択させることができる。なお、変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームが含まれ、本明細書では、単に変動表示ゲームとした場合には、特図変動表示ゲームを指すものとする。
【0025】
また、遊技状態に関わらず、遊技者が演出ボタン31を操作することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。なお、遊技状態には、通常遊技状態(通常状態)と特別な遊技状態とがある。通常遊技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別な遊技状態とは、例えば、後述する特定遊技状態(普電サポート状態または時短状態)や変動表示ゲームにおいて特別結果(大当り)の発生確率が高い状態(確変状態)や大当り状態(特別遊技状態)である。
【0026】
また、変動表示ゲームが開始された後、演出ボタン31の操作を促進するための操作促進演出が実行され、操作促進演出が実行されている間に演出ボタン31を操作することによって、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する事前演出などを実行することができる。
【0027】
上皿21の右上部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン26、及び、図示しないカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作される排出ボタン27が設けられている。
【0028】
図2は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1に備えられる遊技盤10の正面図である。
【0029】
遊技盤10は、各種部材の取り付けベースとなる平板状の遊技盤本体10b(木製又は合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体10bの前面にガイドレール35で囲まれた遊技領域10aを有している。また、遊技盤本体10bの前面であってガイドレール35の外側には、前面構成部材(サイドケース)33が取り付けられている。さらに、遊技領域10aの右下側の前面構成部材33は、前面の中央部が黒色透明の証紙プレート36で覆われている。そして、このガイドレール35で囲まれた遊技領域10a内に打球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようになっている。遊技領域10aには、打球方向変換部材としての風車45や多数の障害釘(図示略)などが配設されており、発射された遊技球はこれらの打球方向変換部材により転動方向を変えながら遊技領域10aを流下する。
【0030】
遊技領域10aの略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース46が取り付けられている。センターケース46に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する変動表示ゲームの演出を実行可能な演出表示装置としての表示装置48が配置されている。表示装置48は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース46の窓部を介して遊技盤10の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置48は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
【0031】
表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
【0032】
また、センターケース46の窓部下方には、ステージ部46aが設けられる。センターケース46のステージ部46aには、遊技領域10aを流下する遊技球を受け入れられるように遊技領域10aに向けて開口し、センターケース46の内部に配置されたワープ通路(図示省略)を通過した遊技球が排出される。センターケース46のステージ部46aは、第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38の上方に配置されているため、ステージ部46a上で転動した遊技球が第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38上に流下しやすいように構成されている。第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38についての詳細は後述する。
【0033】
遊技領域10aのセンターケース46の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)34a(図3参照)が設けられている。そして、遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
【0034】
さらに、センターケース46の左下側には、三つの一般入賞口44が配置され、センターケース46の右下側には、一つの一般入賞口44が配置されている。また、一般入賞口44への遊技球の入賞は、一般入賞口44に備えられた入賞口スイッチ(SW)44a〜44n(図3参照)によって検出される。
【0035】
また、センターケース46の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える第1始動入賞口(第1始動入賞領域)37が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材38aを備えるとともに内部に第2始動入賞口(第2始動入賞領域)38が配設されている。そして、遊技球が第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。
【0036】
第2始動入賞口38の一対の可動部材38aは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、第2始動入賞口38の上方には、第1始動入賞口37が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないように構成されている。
【0037】
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド38b(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて第2始動入賞口38に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態、入賞容易状態)に変化させられるように構成されている。
【0038】
なお、可動部材38aは、後述する遊技制御装置によって制御される。遊技制御装置は、入賞容易状態の発生頻度を高めたり、入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、前述の特定遊技状態(普電サポート状態、時短状態)を発生させる。
【0039】
さらに遊技領域10aの第2始動入賞口38の下方には、大入賞口ソレノイド42b(図3参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉42aを有する大入賞口を備えた特別変動入賞装置42が設けられている。特別変動入賞装置42は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態、特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ42d(図3参照)が配設されている。
【0040】
一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、及び特別変動入賞装置42の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置580(図3参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から前面枠3の上皿21又は下皿23に排出するように制御する。また、特別変動入賞装置42の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口43が設けられている。
【0041】
また、遊技領域10aの外側(例えば、遊技盤10の右下部)には、表示装置48における特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲーム)、及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。さらに、一括表示装置50には、現在の遊技状態などの情報を表示する表示部が設けられている。
【0042】
ここで、一括表示装置50について説明する。一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)を備える。
【0043】
また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)60、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示器58、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置42の開閉回数)を表示するラウンド表示部59が設けられている。
【0044】
特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置48において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、7セグメント型の表示器のセグメントを点滅させることによって、特別識別情報(特図、特別図柄)を所定時間ごとに切り替える変動表示を行う。
【0045】
そして、特別識別情報の変動表示の開始時点で決定されている変動時間が経過すると、変動表示ゲームの結果に対応する特別識別情報で変動表示を停止して、特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームを終了する。
【0046】
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
【0047】
特図1保留表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる第1始動入賞口37への入賞によって発生した始動記憶のうち未消化の始動記憶数(=保留数)を表示する。具体的には、LEDランプが4つ設けられ、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
【0048】
特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口38への入賞によって発生した始動記憶のうち未消化の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器54と同様にして表示する。
【0049】
普図保留表示器56は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動記憶数(=普図保留数)を表示する。例えばLEDランプが2つ設けられる場合は、普図保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、普図保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、普図保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、普図保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、普図保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
【0050】
第1遊技状態表示器57は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器60は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
【0051】
エラー表示器58は、例えば遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
【0052】
ラウンド表示部59は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部59は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
【0053】
ここで、本発明の第1の実施の形態の遊技機1における遊技の流れ、及び変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム)の詳細について説明する。
【0054】
前述のように、本発明の第1の実施の形態の遊技機1では、図示しない打球発射装置から遊技領域10aに向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域10a内の各所に配置された障害釘や風車45等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域10aを流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38又は特別変動入賞装置42に入賞するか、遊技領域10aの最下部に設けられたアウト口43へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38又は特別変動入賞装置42に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置580によって制御される払出ユニットから、前面枠3の上皿21又は下皿23に排出される。
【0055】
前述のように、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられている。普図始動ゲート34は、例えば、非接触型のスイッチである。遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aによって検出され、普図変動表示ゲームが実行される。
【0056】
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口38が開放状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。普図始動記憶の数は、一括表示装置50の普図保留表示器56に表示される。
【0057】
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
【0058】
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
【0059】
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成してもよい。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、第2始動入賞口38の一対の開閉部材38aが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開放状態となる。これにより、第2始動入賞口38に遊技球が入賞し易くなり、特図2変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
【0060】
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、第2始動入賞口38は、内蔵されている普電ソレノイド38b(図3参照)が駆動されることにより、開閉部材38aが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、第2始動入賞口38への遊技球の入賞が許容される。
【0061】
第1始動入賞口37への入賞球及び第2始動入賞口38への入賞球は、それぞれ内部に設けられた始動口1スイッチ37d(図3参照)と始動口2スイッチ38d(図3参照)によって検出される。第1始動入賞口37に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口38に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶される。
【0062】
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置500(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数分(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55)に表示されるとともに、センターケース46の表示装置48においても表示される。
【0063】
遊技制御装置500は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞、若しくは各始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置、特図1表示器51又は特図2表示器52)で特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームを行う。
【0064】
特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置48にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
【0065】
表示装置48における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置48では、特図入賞記憶の記憶数に対応する飾り特別図柄による飾り特図変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
【0066】
さらに、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の当り乱数値が当り値であるとき)には特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出されて、大当り状態(特別遊技状態)となる。また、これに対応して表示装置48の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字のいずれか)となる。
【0067】
このとき、特別変動入賞装置42は、大入賞口ソレノイド42b(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、特別変動入賞装置42に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
【0068】
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でもよいし同一の表示器でもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。また、表示装置48における飾り特図変動表示ゲームについても、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。
【0069】
また、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、かつ、始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶される。このとき、始動記憶数が1加算されるとともに、直ちに始動記憶に基づいて、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
【0070】
一方、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶される。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始される。
【0071】
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
【0072】
なお、特に限定されるわけではないが、前述した第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。前面枠3に前面枠開放検出スイッチ3bやガラス枠18に設けられたガラス枠開放検出スイッチ18bには、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
【0073】
また、特に限定されるわけではないが、本発明の第1の実施の形態では、特図1変動表示ゲームの実行と、特図2変動表示ゲームの実行との間で優先度を考慮しない。すなわち、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームそれぞれの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は、先に記憶された始動記憶に対応する特図変動表示ゲームが実行される(始動記憶の発生順に消化する)。
【0074】
また、第2始動入賞口38を、第1始動入賞口37と同様に、通常に入賞可能な位置(例えばステージ部46a)に設けることによって、第2始動入賞口38への入賞の機会を増やしてもよい。また、前述の普図変動表示ゲームの当りの確率を高くしたり、普図変動表示ゲームが当りになった場合の開閉部材38aの開放時間を長くしたりすることによって、第2始動入賞口38への入賞の機会を増やしてもよい。
【0075】
図3は、本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置500の構成を示すブロック図である。
【0076】
遊技機1は遊技制御装置500を備え、遊技制御装置500は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)511を有するCPU部510と、入力ポートを有する入力部520と、出力ポートやドライバなどを有する出力部530、CPU部510と入力部520と出力部530との間を接続するデータバス540などからなる。
【0077】
CPU部510は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン511と、入力部520内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)521からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン511に入力させるインバータなどからなる反転回路512と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)513などを有する。遊技制御装置500及び該遊技制御装置500によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置300で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能に構成される。
【0078】
電源装置300は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部310と、遊技用マイコン511の内部のRAM511cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部320と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置500に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部330などを備える。
【0079】
この実施の形態では、電源装置300は、遊技制御装置500と別個に構成されているが、バックアップ電源部320及び制御信号生成部330は、別個の基板上あるいは遊技制御装置500と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤10及び遊技制御装置500は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置300若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部320及び制御信号生成部330を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
【0080】
バックアップ電源部320は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置500の遊技用マイコン511(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAM511cに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部330は、例えば通常電源部310で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。遊技制御装置500は、停電復旧後、RAM511cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。なお、バックアップ電源部320は、遊技データを2〜3日以上保持させることが可能となっている。
【0081】
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン511内のRAM511c及び払出制御装置580内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン511が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
【0082】
遊技用マイコン511は、CPU(中央処理ユニット、マイクロプロセッサ)511a、データを書き換え不能に記憶する(読出し専用の)ROM(リードオンリメモリ、不揮発性記憶手段)511b及びデータを書き換え可能に記憶する(随時読出し書込み可能な)RAM(ランダムアクセスメモリ、揮発性記憶手段)511cを備える。
【0083】
ROM511bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に(書き換え不能に)記憶し、RAM511cは、遊技制御時にCPU511aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM511b又はRAM511cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
【0084】
また、ROM511bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターン振り分け情報を記憶している。
【0085】
変動パターン振り分け情報とは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU511aが参照して変動パターンを決定するための振り分け情報である。また、変動パターン振り分け情報には、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターン振り分け情報、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターン振り分け情報等が含まれる。例えば、特図変動表示ゲームがリーチなしの変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてノーマル(N)リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)1リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)2リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、大当りとなる特図変動表示ゲームにてプレミアムリーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報等がある。
【0086】
さらに、これらのパターン振り分け情報には、後半変動パターン振り分け情報、前半変動パターン振り分け情報が含まれている。
【0087】
ここで、ROM511bは、特図変動表示ゲームにおける実行時間の設定に係る変動振り分け情報を複数記憶した変動振り分け情報記憶手段を構成している。
【0088】
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機1において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態(例えば、最後に停止する識別情報を除く複数の識別情報が特別遊技状態となる特別結果を発生可能な識別情報で停止し、最後に停止する識別情報が変動表示している状態)をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
【0089】
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置48における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
【0090】
また、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチの順に高くなるようになっている(リーチ演出によって特別結果態様が導出される確率が異なる)。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定される場合(はずれとなる場合)における変動表示態様が含まれることもある。
【0091】
ここで、信頼度(期待度、期待感)の高低は、特別結果態様が導出されるときの演出選択及び特別結果態様が導出されないときの演出選択の割合によって算出することができる。
【0092】
例えば、特別結果態様が導出される変動表示ゲームでは、上記SP1リーチは10%の割合で選択され、上記SP3リーチは40%の割合で選択されるとする。一方、特別結果態様が導出されない変動表示ゲームでは、上記SP1リーチは5%の割合で選択され、上記SP3リーチは1%の割合で選択されるとする。このような選択割合が設定されていることで、SP1リーチの信頼度はSP3リーチの信頼度よりも低いということが言える。
【0093】
本願発明においても、このようなリーチ演出(もしくは特定の演出)に対して選択割合を異ならせているため、上記のような、信頼度の高い演出、信頼度の低い演出の比較が可能となっている。
【0094】
CPU511aは、ROM511b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置580や演出制御装置550に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力したりして遊技機1全体の制御を行う。
【0095】
また、図示しないが、遊技用マイコン511は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路を備えている。さらに、水晶発振器513からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU511aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
【0096】
また、CPU511aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(S801)や特図普段処理(S809)にて、ROM511bに記憶されている複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を取得する。具体的には、CPU511aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り又ははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態又は高確率状態)、現在の遊技状態としての第2始動入賞口38の動作状態(通常動作状態又は時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を選択して取得する。
【0097】
払出制御装置580は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置500からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置580は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置580が遊技球の発射許可信号を出すことで、発射制御装置581が発射可能状態になる。
【0098】
遊技制御装置500の入力部520には、第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)521が設けられている。近接I/F521は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常が検知された場合には異常検知信号を出力するように構成されている。このとき、異常検知信号は、入力ポート523に入力される。
【0099】
近接I/F521に入力された信号の出力はすべて入力ポート522に供給され、データバス540を介して遊技用マイコン511に読み込まれるとともに、遊技制御装置(主基板)500から中継基板591を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F521の出力のうち始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dの検出信号は、入力ポート522の他、反転回路512を介して遊技用マイコン511へ入力されるように構成されている。反転回路512を設けているのは、遊技用マイコン511の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、すなわち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
【0100】
したがって、始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路512を設けずに遊技用マイコン511に検出信号を直接入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dからの負論理の信号を遊技用マイコン511に直接入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。前述のように近接I/F521は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F521には、電源装置300から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
【0101】
また、入力部520には、遊技機1の前面枠3等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ39a及び振動センサスイッチ39bからの信号及び近接I/F521により変換された第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dからの信号を取り込んでデータバス540を介して遊技用マイコン511に供給する入力ポート522が設けられている。入力ポート522が保持しているデータは、遊技用マイコン511が入力ポート522に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することによって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
【0102】
さらに、入力部520には、遊技機1の前面枠3に設けられた前面枠開放検出スイッチ3b及びガラス枠18に設けられたガラス枠開放検出スイッチ18bからの信号、及び払出制御装置580からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス540を介して遊技用マイコン511に供給する入力ポート523が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
【0103】
また、入力部520には、電源装置300からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン511等に入力するためのシュミットトリガ回路524が設けられており、シュミットトリガ回路524はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置300からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦、入力ポート523に入力され、データバス540を介して遊技用マイコン511に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン511に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
【0104】
一方、シュミットトリガ回路524によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン511に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部530の各出力ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部530を介さずに中継基板591に直接出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板591のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板591を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部520の各入力ポート(522,523)には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン511によって出力部530の各出力ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部520の各入力ポート(522,523)から遊技用マイコン511が読み込んだデータは、遊技用マイコン511のリセットによって廃棄されるためである。
【0105】
遊技制御装置500の出力部530は、データバス540に接続され払出制御装置580へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置550へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート531aと、演出制御装置550へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート531bとを備える。遊技制御装置500から払出制御装置580及び演出制御装置550へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部530には、演出制御装置550の側から遊技制御装置500へ信号を入力できないようにするため、すなわち、片方向通信を担保するために第1出力ポート531aからのデータストローブ信号SSTB及び第2出力ポート531bからの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ532aが設けられている。なお、第1出力ポート531aから払出制御装置580へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
【0106】
さらに、出力部530には、データバス540に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板591を介して出力するバッファ532bが実装可能に構成されている。このバッファ532bは遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F521から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ532bを通さずに中継基板591を介して試射試験装置へ供給される。
【0107】
一方、磁気センサスイッチ39aや振動センサスイッチ39bのようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン511に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工される。例えば、遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス540からバッファ532b、中継基板591を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板591には、バッファ532bから出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板591上のポートには、遊技用マイコン511から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
【0108】
また、出力部530には、データバス540に接続され特別変動入賞装置42を開閉させるソレノイド(大入賞口ソレノイド42b)や第2始動入賞口38の可動部材38aを開閉させるソレノイド(普電ソレノイド38b)の開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート531c、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート531d、大当り情報など遊技機1に関する情報を外部情報端子508へ出力するための第5出力ポート531eが設けられている。外部情報端子508から出力された遊技機1に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
【0109】
さらに、出力部530には、第1ドライバ(駆動回路)533a、第2ドライバ533b、第3ドライバ533c、及び第4ドライバ533dが設けられている。第1ドライバ533aは、第3出力ポート531cから出力される大入賞口ソレノイド42bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する。第2ドライバ533bは、第3出力ポート531cから出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する。第3ドライバ533cは、第4出力ポート531dから出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する。第4ドライバ533dは、第5出力ポート531eから管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子508へ出力する。
【0110】
第1ドライバ533aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置300から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ533cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ533bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ533cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ533bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子508へ出力する第4ドライバ533dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ532bや第3出力ポート531c、第1ドライバ533a等は、遊技制御装置500の出力部530、すなわち、主基板ではなく、中継基板591側に設けるようにしてもよい。
【0111】
さらに、出力部530には、外部の検査装置592へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ534が設けられている。フォトカプラ534は、遊技用マイコン511が検査装置592との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン511が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート522のようなポートは設けられていない。
【0112】
次に、図4を用いて、演出制御装置550の構成について説明する。図4は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550の構成を示すブロック図である。
【0113】
演出制御装置550は、遊技用マイコン511と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)551と、該主制御用マイコン551の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)554と、該映像制御用マイコン554からのコマンドやデータに従って表示装置48への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)558と、各種のメロディや効果音などをスピーカー30(30a,30b)から再生させるため音の出力を制御する音源LSI560を備えている。
【0114】
主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM553、555がそれぞれ接続され、VDP558にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM557が接続され、音源LSI560には音声データが記憶された音声ROM561が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技用マイコン511からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン554へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI560への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554の作業領域を提供するRAM551a、554aは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAM551a、554aはチップの外部に設けるようにしてもよい。
【0115】
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554との間、主制御用マイコン(1stCPU)551と音源LSI560との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。また、主制御用マイコン(1stCPU)551とVDP558との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP558には、画像ROM557から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)558aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ558b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置48へ送信する映像信号を生成する信号変換回路558cなどが設けられている。
【0116】
VDP558から主制御用マイコン551へは表示装置48の映像と前面枠3や遊技盤10に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP558から映像制御用マイコン554へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン554からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン554から主制御用マイコン551へは、映像制御用マイコン554が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン551と音源LSI560との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
【0117】
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)554には、主制御用マイコン(1stCPU)551よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)551とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)554を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)551のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置48に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)554と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
【0118】
また、演出制御装置550には、遊技制御装置500から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)552が設けられている。このコマンドI/F552を介して、遊技制御装置500から演出制御装置550へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置500の遊技用マイコン511はDC5Vで動作し、演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F552には信号のレベル変換の機能が設けられている。
【0119】
また、演出制御装置550には、遊技盤10(センターケース46を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置10dを制御する盤装飾LED制御回路10c、前面枠3に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置18dを制御する枠装飾LED制御回路18c、遊技盤10(センターケース46を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置48における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)10fを駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路10e、前面枠3に設けられている枠演出装置(例えば前記前述した第1可動式照明13、第2可動式照明14を動作させるモータ等)18fを駆動制御する枠演出モータ制御回路18eが設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路(10c、18c、10e、18e)は、アドレス/データバス559を介して主制御用マイコン(1stCPU)551と接続されている。
【0120】
さらに、演出制御装置550には、遊技機1の前面に設けられた演出ボタン31に内蔵されているスイッチ31aや盤演出装置10f内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)551へ検出信号を入力するスイッチ入力回路570、前面枠3に設けられた上スピーカー30aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路562a、前面枠3に設けられた下スピーカー30bを駆動するアンプ回路562bが設けられている。
【0121】
電源装置300の通常電源部310は、前述のような構成を有する演出制御装置550やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置48を駆動するためのDC12V、コマンドI/F552の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカーを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551や映像制御用マイコン(2ndCPU)554として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置550に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部310に設けるようにしてもよい。
【0122】
電源装置300の制御信号生成部330により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン551、映像制御用マイコン554、VDP558、音源LSI560、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路(10c〜18e)、スピーカーを駆動するアンプ回路562a、562bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン554の有する汎用のポートを利用して、VDP558に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン554とVDP558の動作の連携性を向上させることができる。
【0123】
以上が、本発明の第1の実施の形態における遊技機1の構成である。次に、これらの制御回路によって行われる遊技制御について説明する。
【0124】
遊技制御装置500のCPU511aは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aを通過した遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する。そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド38bを動作させ、第2始動入賞口38の可動部材38aを所定時間開放する制御を行う。
【0125】
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、CPU511aは、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0126】
また、遊技制御装置500のCPU511aは、第1始動入賞口37に備えられた始動口1スイッチ37dからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、特図1変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの当り外れを判定する。
【0127】
また、遊技制御装置500のCPU511aは、第2始動入賞口38に備えられた始動口2スイッチ38dからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、特図2変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
【0128】
そして、遊技制御装置500のCPU511aは、上記の特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置550に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
【0129】
また、演出制御装置550は、遊技制御装置500からの制御信号に基づき、表示装置48で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
【0130】
さらに、演出制御装置550は、遊技制御装置500からの制御信号に基づき、スピーカー30(30a,30b)からの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
【0131】
そして、遊技制御装置500のCPU511aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
【0132】
特別遊技状態を発生させる処理においては、遊技制御装置500のCPU511aは、例えば、大入賞口ソレノイド42bにより特別変動入賞装置42の開閉扉42aを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
【0133】
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
【0134】
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0135】
以下、遊技制御装置500による制御について具体的な処理を説明する。
【0136】
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図5は、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の前半部のフローチャートである。図6は、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の後半部のフローチャートである。
【0137】
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機1の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
【0138】
遊技制御装置500は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込み禁止する(S501)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(S502)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(S503)。さらに、割込み処理のモードを設定する(S504)。
【0139】
次に、遊技制御装置500は、払出制御装置(払出基板)580のプログラムが正常に起動するまで待機する(S505)。例えば、4ミリ秒間待機する。このように制御することによって、電源投入の際に、遊技制御装置500が先に起動してしまい、払出制御装置580の起動が完了する前に、コマンドを当該払出制御装置580に送信してしまい、払出制御装置580が送信されたコマンドを取りこぼすのを回避することができる。
【0140】
その後、遊技制御装置500は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(S506)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(S507)。また、遊技用マイコン511に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(S508)。本実施形態では、払出制御装置580や演出制御装置550とパラレル通信を行っているため、シリアルポートを使用しないためである。
【0141】
続いて、遊技制御装置500は、電源装置300内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(S509)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。例えば、閉店時などに正常に電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
【0142】
遊技制御装置500は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(S509の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(S510〜S513)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。S510及びS511の処理では停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かをチェックする。同様に、S512及びS513の処理では停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かをチェックする。
【0143】
遊技制御装置500は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定された場合には(S513の結果が「Y」)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(S514)。
【0144】
そして、遊技制御装置500は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し(S515)、これらの値が一致するか否かを判定する(S516)。
【0145】
一方、遊技制御装置500は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(S509の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(S511又はS513の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とS514の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(S516の結果が「N」)、図6のS631〜S635の初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
【0146】
遊技制御装置500は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(S516の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、停電前の状態に復旧させるための処理を実行する(図6のS601〜S607)。まず、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域をクリア(初期化)する。具体的には、すべての停電検査領域をクリアし(S601)、チェックサムが記憶されていた領域をクリアする(S602)。さらに、エラー関連の情報、及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域をリセットする(S603)。
【0147】
次に、遊技制御装置500は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(S604)。高確率でないと判定された場合には(S604の結果が「N」)、S607以降の処理を実行する。
【0148】
また、遊技制御装置500は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(S604の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(S605)。続いて、一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(第3遊技状態表示器58)をオン(点灯)に設定する(S606)。
【0149】
さらに、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置550に送信する(S607)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置550に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。
【0150】
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
【0151】
遊技制御装置500は、初期化処理において、まず、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアする(S631)。さらに、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアする(S632)。そして、初期化すべき領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(S633)。
【0152】
続いて、遊技制御装置500は、RWMクリアに関する外部情報(セキュリティ信号)を出力する出力タイマ初期値をセキュリティ信号制御タイマ領域にセーブする(S634)。そして、初期化処理の最後に電源投入時のコマンドを演出制御装置550に送信し(S635)、S608以降の処理を実行する。
【0153】
遊技制御装置500は、S607又はS635の処理が終了すると、遊技用マイコン511(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(S608)。
【0154】
なお、CTC回路は、遊技用マイコン511内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器513からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU511aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
【0155】
遊技制御装置500は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(S609)。具体的には、CPU511aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。さらに、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(S610)。その後、遊技制御装置500は、割込みを許可する(S611)。
【0156】
なお、本実施形態のCPU511a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
【0157】
続いて、遊技制御装置500は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(S612)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
【0158】
さらに、初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置500は、電源装置300から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする回数を設定する(S613)。チェック回数には、通常、2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することができる。遊技制御装置500は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S614)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(S614の結果が「N」)、S612の初期値乱数更新処理を再び実行し、S612からS614までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
【0159】
また、初期値乱数更新処理(S612)の前に割り込みを許可(S611)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
【0160】
なお、初期値乱数更新処理(S612)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。
【0161】
一方、遊技制御装置500は、停電監視信号がオンに設定されている場合には(S614の結果が「Y」)、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がS613の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(S615)。停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合には(S615の結果が「N」)、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S614)。すなわち、停電監視信号がオンである場合にはチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
【0162】
遊技制御装置500は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合には(S615の結果が「Y」)、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(S616〜S622)。
【0163】
遊技制御装置500は、割込みを禁止し(S616)、全出力ポートをオフに設定する(S617)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(S618)、さらに、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(S619)。
【0164】
さらに、遊技制御装置500は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(S620)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(S621)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(S622)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
【0165】
〔タイマ割込み処理(遊技制御装置)〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図7は、本発明の第1の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
【0166】
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込み信号がCPU511aに入力されることによって開始される。
【0167】
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(S701)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでS701の処理を実装することが可能である。
【0168】
次に、遊技制御装置500は、入力部520を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(S702)。各種センサには、始動口1スイッチ37d、始動口2スイッチ38d、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ42dなどが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
【0169】
さらに、遊技制御装置500は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置550及び払出制御装置580に送信するための出力処理を実行する(S703)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、大入賞口ソレノイド(SOL)42b、普電ソレノイド(SOL)38bが含まれる。また、出力処理では、遊技機における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力する処理も含まれる。
【0170】
次に、遊技制御装置500は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置550や払出制御装置580等に送信(出力)するコマンド送信処理を実行する(S704)。具体的には、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、及び停電から復旧した場合に演出制御装置550に停電復旧処理を実行させる停電復旧コマンドを演出制御装置550に送信したり、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを払出制御装置580に送信したりする。
【0171】
さらに、遊技制御装置500は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(S705)、続いて特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(S706)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
【0172】
その後、遊技制御装置500は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理が実行される(S707)。各種入賞口スイッチには、例えば、始動口1スイッチ37d、始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dが含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。エラーの監視としては、前面枠3やガラス枠18が不正に開放されていないかなどを対象としている。
【0173】
さらに、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(S708)。なお、特図ゲーム処理の詳細については、図8にて後述する。続いて、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(S709)。
【0174】
次に、遊技制御装置500は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(S710)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置50)に出力するためのパラメータを編集する。
【0175】
遊技制御装置500は、磁気センサスイッチ39aや振動センサスイッチ39bからの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁気エラー監視処理を実行する(S711)。異常の発生を検出した場合には、スピーカー30から報知音を出力したり、遊技状態LED29を点灯させたりするなどして外部に報知する。
【0176】
次に、遊技制御装置500は、外部情報端子508から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行する(S712)。
【0177】
そして、遊技制御装置500は、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(S713)。その後、S701の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(S714)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(S715)、タイマ割込み処理を終了し、メイン処理に復帰する。
【0178】
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(S708)の詳細について説明する。図8は、本発明の第1の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
【0179】
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dによる入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄、識別情報)の表示の設定を行う。
【0180】
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dの入賞を監視する始動スイッチ監視処理を実行する(S801)。
【0181】
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については、図9にて後述する。
【0182】
次に、遊技制御装置500は、カウントスイッチ監視処理を実行する(S802)。カウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置42内に設けられたカウントスイッチ42dによって当該特別変動入賞装置42に入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
【0183】
次に、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか、又は、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した結果、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(S803)。なお、特図ゲーム処理タイマは、後述する特図ゲーム処理番号に応じて分岐させる各処理(S809〜S815)を実行するときに初期値がセットされ、S803の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。この初期値としてセットされる値は、当該特図ゲーム処理番号に応じた処理を終了させるまでの時間値であり、例えば、特図普段処理(S809;特図ゲーム処理番号「0」)においてセットされる値は、特図変動表示ゲームにおいて特別図柄が変動表示されている時間値がセットされる。そして、特図ゲーム処理タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。
【0184】
遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(S804の結果が「N」)、S816以降の処理を実行する。
【0185】
一方、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(S804の結果が「Y」)、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(S805)。さらに、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(S806)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(S807)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(S808)。
【0186】
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「0」の場合には(S808の結果が「0」)、特図普段処理を実行する(S809)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。なお、特図普段処理の詳細については、図12にて後述する。
【0187】
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「1」の場合には(S808の結果が「1」)、特図変動中処理を実行する(S810)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
【0188】
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「2」の場合には(S808の結果が「2」)、特図表示中処理を実行する(S811)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
【0189】
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「3」の場合には(S808の結果が「3」)、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(S812)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
【0190】
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「4」の場合には(S808の結果が「4」)、大入賞口開放中処理を実行する(S813)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
【0191】
また、大入賞口開放中処理は、特図変動表示ゲームの結果が特別結果になった場合に大入賞口の開放時間に基づいて特別変動入賞装置42の開閉扉42aを開放して遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生させるものであるため、遊技制御装置500が特別遊技状態制御手段をなす。
【0192】
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「5」の場合には(S808の結果が「5」)、大入賞口残存球処理を実行する(S814)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
【0193】
大入賞口残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に開閉扉42aを閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を6に設定する。
【0194】
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「6」の場合には(S808の結果が「6」)、大当り終了処理を実行する(S815)。大当り終了処理は、S809の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
【0195】
その後、遊技制御装置500は、特図1表示器51における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S816)。続いて、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行する(S817)。
【0196】
さらに、遊技制御装置500は、特図2表示器52における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S818)。続いて、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行する(S819)。
【0197】
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図8)における始動口スイッチ監視処理(S801)の詳細について説明する。図9は、本発明の第1の実施の形態の始動口スイッチ監視処理のフローチャートである。
【0198】
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(S901)。
【0199】
続いて、遊技制御装置500は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S902)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、図10にて後述する。
【0200】
次に、遊技制御装置500は、普通電動役物(第2始動入賞口38の可動部材38a)が作動中である、すなわち、第2始動入賞口38の可動部材38aが遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックする(S903)。普通電動役物が作動中である場合には(S903の結果が「Y」)、S906以降の処理を実行する。
【0201】
一方、普通電動役物が作動中でない場合には(S903の結果が「N」)、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックし(S904)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する(S905)。
【0202】
不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口38は、可動部材38aが閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。そして、S904及びS905の処理において、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかを判定する。
【0203】
不正入賞数が不正判定個数以上の場合には(S905の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38への遊技球の入賞と無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、始動口スイッチ監視処理を終了する。
【0204】
一方、不正入賞数が不正判定個数未満の場合には(S905の結果が「N」)、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38による保留の情報を設定するテーブルを準備し(S906)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S907)。その後、始動口スイッチ監視処理を終了する。
【0205】
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述した始動口スイッチ監視処理(図9)における特図始動口スイッチ共通処理(S902、S907)の詳細について説明する。図10は、本発明の第1の実施の形態の特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
【0206】
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口37や第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによって始動口1スイッチ37dや始動口2スイッチ38dから信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
【0207】
遊技制御装置500は、まず、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ37d)から信号が入力されたか否かをチェックする(S1001、S1002)。監視対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合には(S1002の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
【0208】
一方、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(S1002の結果が「Y」)、当該監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(S1003)。
【0209】
続いて、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報を、すなわち、遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(S1004)。そして、ロードした値に1加算して更新し、始動口信号出力回数がオーバーフローするか否かをチェックする(S1005、S1006)。
【0210】
そして、遊技制御装置500は、始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合には(S1006の結果が「N」)、更新後の始動口信号出力回数の値を、RWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(S1007)。
【0211】
遊技制御装置500は、S1007の処理が終了した後、又は、始動口信号出力回数がオーバーフローする場合には(S1006の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックする(S1008、S1009)。
【0212】
遊技制御装置500は、特図保留数が上限値未満の場合には(S1009の結果が「Y」)、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、まず、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数)に1加算して更新する(S1010)。
【0213】
続いて、遊技制御装置500は、飾り特図保留数コマンドを準備する。飾り特図保留数コマンドは、MODE部とACTION部によって構成される。具体的に説明すると、遊技制御装置500は、まず、監視対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(S1011)、さらに、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備する(S1012)。そして、準備された飾り特図保留数コマンドを設定するためのコマンド設定処理を実行する(S1013)。
【0214】
続いて、遊技制御装置500は、S1010で更新された特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する(S1014)。
【0215】
続いて、遊技制御装置500は、当該監視対象の始動口スイッチの大当り乱数を抽出(ロード)し、以降の処理で使用するための準備を行う(S1015)。
【0216】
続いて、遊技制御装置500は、大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブし(S1016)、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出(ロード)して準備する(S1017)。そして、対応する大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(S1018)。
【0217】
続いて、遊技制御装置500は、対応する変動パターン乱数1を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数1セーブ領域にセーブする(S1019)。同様に、対応する変動パターン乱数2を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数2セーブ領域にセーブする(S1020)。さらに、対応する変動パターン乱数3を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数3セーブ領域にセーブする(S1021)。
【0218】
変動パターン乱数1〜3は、例えば、前半と後半の変動パターンを個別に設定したり、特定の演出を実行したりするために用いられる。ここで、変動パターン乱数1は後半の変動のリーチ系統を選択するための乱数で、変動パターン乱数2はリーチ系統の中から詳細な演出の振分けを行うための乱数で、変動パターン乱数3は前半の変動を選択するための乱数である。
【0219】
また、特図変動表示ゲーム(特図1又は特図2)における変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動パターン1〜3)は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
【0220】
そして、遊技制御装置500は、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である特図保留情報判定処理を実行する(S1022)。なお、特図保留情報判定処理の詳細については、図11にて後述する。
【0221】
また、遊技制御装置500は、変動順序フラグとして、前述のS1003でRWMにセーブされた対象の始動口入賞フラグをロードする(S1023)。そして、特図保留数の合計に対応する変動順序フラグセーブ領域のアドレスを算出し(S1024)、変動順序フラグ(ロードした対象の始動口入賞フラグ)を変動順序フラグセーブ領域にセーブする(S1025)。その後、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
【0222】
一方、遊技制御装置500は、特図保留数が上限値未満でない場合には(S1009の結果が「N」)、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(S1031)、コマンド設定処理を実行して(S1032)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
【0223】
以上に示す処理により、遊技制御装置500は、第1始動入賞口37や第2始動入賞口38への遊技球の入賞に基づき、変動表示ゲームの実行に関連する乱数(大当り乱数、大当り図柄乱数、変動パターン乱数1〜3等を含む)を抽出し、変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として上限値以下の範囲で記憶する始動入賞記憶手段として機能する。
【0224】
なお、前述のように、本発明の第1の実施の形態では、特図変動表示ゲームの実行にあたり、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの実行に優先度を考慮しない。そのため、前述のS1023〜S1025の処理を実行することにより、後述する特図普段処理(図12)において、特図始動口スイッチによって検出された順に特図変動表示ゲームが実行される。
【0225】
〔特図保留情報判定処理〕
次に、前述した特図始動口スイッチ共通処理(図10)における特図保留情報判定処理(S1022)の詳細について説明する。図11は、本発明の第1の実施の形態の特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
【0226】
特図保留情報判定処理は、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である。
【0227】
遊技制御装置500は、まず、先読み演出を実行してよい条件を満たしているかをチェックする処理を行う(S1101、S1102)。先読み演出を実行してよい条件とは、 特図始動口スイッチ共通処理における監視対象の始動口スイッチが始動口2スイッチ38dであること、又は、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ37dである場合には普電サポート中又は大当り中でないこと等である。
【0228】
遊技制御装置500は、先読み演出を実行してよい条件を満たしていない場合には(S1102の結果が「N」)、特図保留情報判定処理を終了する。すなわち、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ37dであって、かつ、普電サポート中又は大当り中の場合には、当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定する先読み処理を実行しないように構成される。
【0229】
一方、遊技制御装置500は、先読み演出を実行してよい条件を満たしている場合には(S1102の結果が「Y」)、保留中の始動記憶が大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(S1103)。大当り判定処理は、保留中の始動記憶に含まれる大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かを判定することによって、当該始動記憶にかかる変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する。
【0230】
そして、遊技制御装置500は、大当り判定処理の判定結果が大当りの場合には(S1104の結果が「Y」)、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定する(S1105)。大当り図柄乱数チェックテーブルには、大当り時の識別図柄を特定する図柄情報や始動口入賞演出図柄コマンドが定義されている情報テーブルのアドレスや大当り乱数の判定値に応じた大当り種類の振り分け率が定義されている。
【0231】
次に、遊技制御装置500は、大当り図柄乱数をチェックし、対応する大当り情報テーブルを取得し、演出内容を選択するためのテーブルとして設定する(S1106)。
【0232】
一方、遊技制御装置500は、大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合には(S1104の結果が「N」)、演出内容を選択するためのテーブルとしてはずれ情報テーブルを設定する(S1107)。
【0233】
続いて、遊技制御装置500は、前述のS1106又はS1107の処理で設定した情報テーブルから図柄情報を取得し、RWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(S1108)。さらに、設定した情報テーブルから始動入賞演出図柄コマンドを取得し、RWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(S1109)。
【0234】
次に、遊技制御装置500は、対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグを準備した後(S1110)、対象の始動口入賞演出コマンド設定テーブルを準備する(S1111)。
【0235】
続いて、遊技制御装置500は、対象の始動口に関して設定された特図情報を設定するための特図情報設定処理を実行する(S1112)。そして、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターン設定処理を実行した後(S1113)、特図変動表示ゲームの前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(S1114)。
【0236】
そして、遊技制御装置500は、前述の変動パターン設定処理(S1114)で準備された前半変動番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE)を算出し、準備する(S1115)。また、前述の後半変動パターン設定処理(S1113)で後半変動番号領域にセーブされた後半変動番号の値を始動口入賞演出コマンド(ACTION)として準備する(S1116)。S1115及びS1116の処理で変動パターンに対応する始動入賞演出コマンドを準備し、コマンド設定処理を実行する(S1117)。
【0237】
続いて、遊技制御装置500は、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(S1118)、コマンド設定処理を実行する(S1119)。その後、特図保留情報判定処理を終了する。
【0238】
すなわち、S1115及びS1116の処理で始動口入賞演出コマンドを準備し、さらにS1118の処理で始動口入賞演出図柄コマンドを準備して、始動記憶に対応する判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始のタイミングより前に演出制御装置550に対して通知することが可能になっている。演出制御装置550は、表示装置48に表示されている保留表示の表示態様を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に特図変動表示ゲームの結果を報知する。
【0239】
以上に示す処理により、遊技制御装置500は、始動記憶として記憶されている乱数(前述の大当り乱数、大当り図柄乱数、変動パターン乱数1〜3等)から、始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行情報を、始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるよりも前に判定する事前判定手段として機能する。なお、変動表示ゲームの実行情報とは、変動表示ゲームの停止結果(大当りかはずれか)、変動表示ゲームの停止結果態様(図柄の種類)、変動表示ゲームの実行態様(変動パターン)、変動表示ゲームで設定される表示モード等の情報を示す。
【0240】
また、本発明の第1の実施の形態では、特図変動表示ゲームの実行にあたり、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの実行に優先度を考慮していない。そのため、特図1保留数と特図2保留数の合計値の最大値である8個の始動記憶に対して事前判定処理(先読み処理)を実行することができ、先読みの自由度が高い。ただし、優先度を考慮してもよく、その場合にも基本的には、特図1保留数と特図2保留数の合計値の最大値である8個の始動記憶に対して事前判定処理を実行することができるが、前述の普電サポート状態が発生している場合には、例えば特図2保留数の最大値の4個の始動記憶に対して事前判定処理を実行するようにしてもよい。
【0241】
〔特図普段処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図8)における特図普段処理(S809)の詳細について説明する。図12は、本発明の第1の実施の形態の特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
【0242】
遊技制御装置500は、まず、特図1保留数(第1始動記憶数)と特図2保留数(第2始動記憶数)がともに0であるか否かをチェックする(S1201、S1202)。
【0243】
遊技制御装置500は、保留数が0の場合には(S1202の結果が「Y」)、すでに客待ちデモが開始されているか否かをチェックする(S1203、S1204)。客待ちデモを開始していない、すなわち、開始済みでない場合には(S1204の結果が「N」)、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセーブする(S1205)。続いて、客待ちデモコマンドを準備し(S1206)、コマンド設定処理を実行する(S1207)。その後、特図普段処理を終了する。
【0244】
一方、遊技制御装置500は、既に客待ちデモが開始されている場合には(S1204の結果が「N」)、既に客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグが設定済みであり、客待ちデモコマンドが演出制御装置550に送信済みであり、特図普段処理を終了する。
【0245】
遊技制御装置500は、保留数が0でない場合には(S1202の結果が「N」)、すなわち、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによる特図変動表示ゲームが実行される場合には、前述のS1025の処理でRWMの変動順序フラグセーブ領域にセーブした変動順序フラグをロードして(S1208)、変動順序フラグが特図1の変動開始を示すフラグか否かをチェックする(S1209、S1210)。
【0246】
そして、遊技制御装置500は、変動順序フラグが特図1の変動開始を示している場合には(S1210の結果が「Y」)、特図1変動表示ゲームの変動開始のための特図1変動開始処理1を実行する(S1211)。その後、特図普段処理を終了する。
【0247】
一方、遊技制御装置500は、変動順序フラグが特図1の変動開始を示してない場合には(S1210の結果が「N」)、すなわち、特図2の変動開始を示している場合には、特図2変動表示ゲームの変動開始のための特図2変動開始処理1を実行する(S1212)。その後、特図普段処理を終了する。
【0248】
図13Aは、本発明の第1の実施の形態の変動パターン選択テーブルである。図13A(a)は、大当り時の変動パターン選択テーブルで、図13A(b)は、はずれ時の変動パターン選択テーブルである。
【0249】
図13Aは、後半の変動のリーチ系統を選択するための変動パターン乱数1と、乱数値に対応するリーチ系統及び変動時間とが設定されている。
【0250】
図13A(a)では、変動パターン乱数1によってノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ及びスペシャル3リーチの4つの変動パターンが設定される。リーチ演出は信頼度が高いほど変動時間が長い。また、図11A(a)は大当り時の変動パターン選択テーブルなので、全乱数に対して信頼度が高いリーチ演出ほど対応する乱数値が多くなる。
【0251】
図13A(b)では、変動パターン乱数1によってリーチなし、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ及びスペシャル3リーチの5つの変動パターンが設定される。リーチ演出は信頼度が高いほど変動時間が長い。また、図13A(b)ははずれ時の変動パターン選択テーブルなので、リーチなし演出となる乱数がほとんどであり、信頼度が高いリーチ演出ほど対応する乱数値が少なくなる。
【0252】
なお、変動パターン選択テーブルは、遊技状態や保留されている始動記憶数などを考慮して、遊技状態毎、始動記憶数毎に複数用意してもよい。また、図13A(b)では、リーチなしの変動パターンを複数に分けて、それぞれの変動パターンの変動時間を異ならせてもよい。
【0253】
図13Bは、本発明の第1の実施形態の始動入賞時の遊技制御装置500の処理概要を説明する図である。図13B(a)は、始動入賞時のタイムチャートで、図13B(b)は、始動入賞時に送信される各種コマンドである。
【0254】
図13B(a)に示すように、始動入賞(第1始動入賞口37や第2始動入賞口38への遊技球の入賞)すると、遊技制御装置500は、飾り特図保留数コマンド、始動口入賞演出コマンド、始動口入賞演出図柄コマンドの順に、コマンドを演出制御装置550に送信する。なお、始動口入賞演出コマンドと始動口入賞演出図柄コマンドとを総称して、事前判定コマンドという。
【0255】
図13B(b)に示すように、始動口入賞演出図柄コマンドとしては、当たりの場合の演出図柄、はずれの場合の演出図柄を指示するための複数の始動口入賞演出図柄コマンド1〜3が例示される。また、始動口入賞演出コマンドとしては、はずれの場合又は大当りの場合のリーチの種別を指示するための複数の始動口入賞演出コマンド1〜10が例示される。なお、これら始動口入賞演出図柄コマンド及び始動口入賞演出コマンドは、その他全遊技結果、全変動パターンの組み合わせ毎に用意してもよい。
【0256】
以下、演出制御装置550による制御について具体的な処理を説明する。
【0257】
〔1stCPUメイン処理(演出制御装置)〕
次に、演出制御装置550によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図14は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
【0258】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(S1401)。次に作業領域であるRAM551aを0クリアする(S1402)。そしてCPU初期化処理を実行する(S1403)。その後、各種処理の実行に必要な初期値をRAM551aに設定し(S1404)、乱数初期化処理を実行する(S1405)。続いて所定のタイミング(例えば、1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させる(S1406)。そして割込みを許可する(S1407)。
【0259】
ここで、主制御用マイコン(1stCPU)551は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(S1408)。WDTは、上述したCPU初期化処理(S1403)で起動され、CPUが正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
【0260】
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技者による演出ボタン31の操作信号を検出し、検出した信号に応じた処理を行う演出ボタン入力処理を実行する(S1409)。また遊技制御装置500から受信した遊技制御コマンドを特定する遊技制御コマンド解析処理を実行する(S1410)。遊技制御コマンド解析処理は、割込みで遊技制御装置500のバッファ532aにセットされた情報を正しく受信できたか否かを判断し、受信できた場合に後のシーン制御処理のためのコマンド区分けなどを行う。
【0261】
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、テストモード処理を実行する(S1411)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信して表示や役物の動作等を検査する。そして、表示や音、LEDの点灯等が必要な場合は後述するS1415〜S1417の処理において制御され、検査が終了して電源が落とされると処理が終了する。テストモード処理は、工場出荷時にCPUを検査するときに実行される。
【0262】
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技制御コマンド解析処理(S1410)において解析された制御コマンドに基づき、表示装置48に表示させるシーン(表示内容)を制御する1stシーン制御処理を実行する(S1412)。なお、1stシーン制御処理についての詳細は、図15を参照して後述する。
【0263】
さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技機1における異常の発生を監視する遊技機エラー監視処理を実行する(S1413)。演出制御装置550に関わる異常の他に、遊技制御装置500からエラー報知を指示するコマンドを受信した場合などに、警報音の報知を行う情報の設定など所定の処理を実行する。ここで、実際に遊技状態LED29を点灯したり、スピーカー30から警報音を発する制御は、後述するS1415〜S1417の処理において行われる。
【0264】
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、映像制御用マイコン(2ndCPU)554に送信するコマンドを編集する演出コマンド編集処理を実行する(S1414)。演出コマンド編集処理においてレジスタに書き込まれたコマンドは、映像制御用マイコン(2ndCPU)554に出力される。
【0265】
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、スピーカー30から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(S1415)。また、LED等の装飾装置(盤装飾装置10d、枠装飾装置18d)を制御する装飾制御処理を実行し(S1416)、さらにモータ及びソレノイドで駆動される電動役物や可動式照明などの演出装置(盤演出装置10f、枠演出装置18f)を制御するモータ/SOL制御処理を実行する(S1417)。
【0266】
最後に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、乱数を更新するための乱数更新処理を実行して(S1418)、S1408の処理に戻る。以降、S1408からS1418までの処理を繰り返す。
【0267】
〔1stシーン制御処理(1stCPU)〕
次に、前述したメイン処理(図14)における1stシーン制御処理(S1412)の詳細について説明する。図15は、本発明の第1の実施の形態の1stシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。
【0268】
演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、テストモード中であるか否かを判定する(S1501)。テストモードは、工場出荷時などCPUを検査するときに実行されるモードである。
【0269】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、テストモード中である場合には(S1501の結果が「Y」)、1stシーン制御処理を終了する。
【0270】
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、テストモード中でない場合には(S1501の結果が「N」)、表示装置48に表示させるシーン(表示内容全て)を変更するシーン変更コマンドを受信したか否かを判定し(S1502)、シーン変更コマンドを受信していない場合には(S1502の結果が「N」)、S1503〜S1506の処理を実行せずにS1507の処理に移行する。シーン変更コマンドとは、後述するS1508〜S1516の処理実行に対応するコマンドのことであり、例えば、電源投入コマンド、停電復旧コマンド等を示す。
【0271】
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、シーン変更コマンドを受信した場合には(S1502の結果が「Y」)、更新する遊技状態、すなわち、現在の遊技状態を取得する(S1503)。そして、受信したシーン変更コマンドが、遊技制御装置500から送信され、前述した遊技制御コマンド解析処理(S1410)において解析された現在の遊技状態に対応した有効なコマンドであるか否かを判定する(S1504)。
【0272】
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信したシーン変更コマンドが有効である場合には(S1504の結果が「Y」)、作業領域であるRAM551aに受信したシーン変更コマンドをセーブする(S1505)。そして、シーン(表示内容)を変更するタイミングであることを示す演出リクエストフラグをセットする(S1506)。
【0273】
なお、主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信したシーン変更コマンドが有効でない場合には(S1504の結果が「N」)、S1505及びS1506の処理を実行せずにS1507の処理に移行する。
【0274】
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、前述した遊技制御コマンド解析処理(S1410)において解析されたコマンド識別子に対応する処理に分岐する(S1507)。
【0275】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「電源投入コマンド」に設定されている場合には、電源投入処理を実行する(S1508)。
【0276】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「停電復旧コマンド」に設定されている場合には、後述する客待ち処理以外の停電復旧処理を実行する(S1509)。
【0277】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「客待ちデモコマンド」に設定されている場合には、客待ち処理を実行する(S1510)。
【0278】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「変動パターンコマンド」に設定されている場合には、変動中処理を実行する(S1511)。本発明の第1の実施の形態では、演出制御装置550は、変動中処理として、例えば変動表示ゲームの停止結果が導出される前に、停止結果を示唆する予告演出を実行することによって予告演出手段として機能する。予告演出とは、ノーマルリーチ演出、スペシャル1リーチ演出、スペシャル2リーチ演出、スペシャル3リーチ演出等である。また、これら期待度(信頼度)の異なる複数の予告演出のうち、一つの予告演出を選択して実行する予告演出制御手段として機能する。なお、変動中処理の詳細については、図29にて後述する。
【0279】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「図柄停止コマンド」に設定されている場合には、図柄停止処理を実行する(S1512)。
【0280】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「ファンファーレコマンド」に設定されている場合には、ファンファーレ処理を実行する(S1513)。
【0281】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「大入開放n回目コマンド」に設定されている場合には、ラウンド中処理を実行する(S1514)。ラウンド中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定するために必要な情報を設定したりする。
【0282】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「インターバルコマンド」に設定されている場合には、インターバル処理を実行する(S1515)。
【0283】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「エンディングコマンド」に設定されている場合には、エンディング処理を実行する(S1516)。
【0284】
その後、主制御用マイコン(1stCPU)551は、図柄コマンド受信処理(S1517)、及び、始動入賞時及び変動開始時に遊技制御装置500から送信される飾り特図保留数コマンドを受信して、当該飾り特図保留数コマンドにより始動記憶の保留数の更新を行う保留数(飾り特図保留数)コマンド受信処理を実行する(S1518)。さらに、遊技制御装置500から送信される事前判定コマンドを受信して、当該事前判定コマンドにより先読み予告に関する設定を実行する先読み予告設定処理(S1519)、及び、受信した確率情報コマンドに応じた値を内部設定するとともに背景コマンドを2ndCPUに送信する確率情報コマンド受信処理(S1520)を順に実行して、1stシーン制御処理を終了する。なお、先読み予告設定処理についての詳細は、図16を参照して後述する。
【0285】
〔先読み予告設定処理〕
次に、前述した1stシーン制御処理(図15)における先読み予告設定処理(S1519)の詳細について説明する。図16は、本発明の第1の実施の形態の先読み予告設定処理の手順を示すフローチャートである。
【0286】
演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、前述した飾り特図保留数コマンド受信処理(S1518)で受信した飾り特図保留数コマンドに対応する事前判定コマンド(図13B参照)を受信待ちの始動記憶があるか否かを確認する(S1601、S1602)。
【0287】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、該当する始動記憶がない場合には(S1601の結果が「N」)、先読み予告設定処理を終了する。なお、先読み演出を実行してよい条件(前述のS1101)を満たしていないときに発生した保留は、事前判定コマンドを受信待ちの始動記憶に該当しないものとする。
【0288】
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、該当する始動記憶がある場合には(S1601の結果が「Y」)、事前判定コマンドを受信したか否かを判定し(S1603)、事前判定コマンドを受信していない場合には(S1603の結果が「N」)、先読み予告設定処理を終了する。
【0289】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、事前判定コマンドを受信した場合には(S1603の結果が「Y」)、受信した事前判定コマンドの内容を、対応するRAM551a上の始動記憶領域にセーブする(S1604)。そして、他の始動記憶に対する先読み予告(他の始動記憶に対応する事前報知)が実行中であるか否かを判定する(S1605)。ここでいう他の始動記憶とは、S1602で存在すると判定された始動記憶に先行して発生した始動記憶、すなわち先行始動記憶である。一方、S1602で存在すると判定された始動記憶は、この先行始動記憶よりも後に発生した始動記憶、すなわち後続始動記憶である。
【0290】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、他の始動記憶に対する先読み予告が実行中でない場合には(S1605の結果が「N」)、S1604でセーブされた事前判定コマンドに含まれる始動口入賞演出図柄コマンドから、当該始動記憶の図柄情報を取得し(S1606)、取得された図柄情報に基づいて、はずれであるか否かを判定する(S1607)。
【0291】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、はずれである場合には(S1607の結果が「Y」)、はずれ用の先読み予告を設定するためのテーブルとして、先読み予告振分テーブル1をセットし(S1608)、はずれでない(当りである)場合には(S1607の結果が「N」)、大当り用の先読み予告を設定するためのテーブルとして、先読み予告振分テーブル2をセットする(S1609)。先読み予告振分テーブル1及び先読み予告振分テーブル2についての詳細は、図18(b)及び図18(c)を参照して後述する。
【0292】
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、S1604でセーブされた事前判定コマンドに含まれる始動口入賞演出コマンドから、当該始動記憶のリーチ系統情報を取得する(S1610)。その後、S1608又はS1609で設定したテーブル、及び、S1610で取得されたリーチ系統情報から、先読み予告態様を選択する(S1611)。
【0293】
その後、主制御用マイコン(1stCPU)551は、対象となる始動記憶表示に、S1611で選択された先読み予告態様を設定する(S1612)。また、先読み予告態様を設定した始動記憶表示を、表示装置48に表示させる始動記憶表示処理を実行する。その後、先読み予告設定処理を終了する。なお、S1612では、S1611で先読み予告態様が選択されない場合は何も設定しなくてもよい。
【0294】
なお、主制御用マイコン(1stCPU)551は、S1605において、先読み予告を実行中である場合、すなわち先行始動記憶に対応する事前報知が実行されているときに、後続始動記憶が発生した場合には(S1605の結果が「Y」)、先読み予告重複時処理を実行する(S1613)。その後、先読み予告設定処理を終了する。なお、先読み予告重複時処理についての詳細は、図17を参照して後述する。
【0295】
以上に示す処理により、演出制御装置550は、始動記憶に対する事前判定結果に応じて先読み予告態様を選択し、選択された先読み予告態様を、対象となる始動記憶表示に設定することにより、始動記憶に基づいて実行される変動表示ゲームの実行情報を事前報知する処理を実行する。
【0296】
また、演出制御装置550は、始動記憶に対応する始動記憶表示の表示態様を、当該始動記憶に対する事前判定の判定結果に応じて、通常態様(遊技者に特別な期待感を持たせない態様)とは異なる特定表示態様(通常表示態様と異なり、遊技者に特別な期待感を持たせるものであり、色を変更した態様、大きさを変更した態様、形状を変更した態様、点滅態様等の態様)に制御(切り替える)可能な表示態様変更手段として機能する。
【0297】
〔先読み予告重複時処理〕
次に、前述した先読み予告設定処理(図16)における先読み予告重複時処理(S1613)の詳細について説明する。図17は、本発明の第1の実施の形態の先読み予告重複時処理の手順を示すフローチャートである。
【0298】
先読み予告重複時処理では、先行始動記憶に対して既に実行中の先読み予告と、今回受信した後続始動記憶に対して設定すべき先読み予告とで、先読み予告が重複した場合の処理を実行する。
【0299】
演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、先読み予告実行中の先行始動記憶に対応する始動口入賞演出図柄コマンドと始動口入賞演出コマンドを確認する(S1701)。次に、今回受信した後続始動記憶に対応する始動口入賞演出図柄コマンドと始動口入賞演出コマンドを確認する(S1702)。
【0300】
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、先読み情報比較テーブルにより、先読み予告対象を変更すべきか否か(切り替えるべきか否か)を確認する(S1703、S1704)。具体的には、先行始動記憶に対する事前判定の判定結果と、後続始動記憶に対する事前判定の判定結果とを比較し、比較結果に基づき、先読み予告対象を、先行始動記憶から後続始動記憶に切り替えるべきか否かを確認する先読み予告制御(事前報知制御)を実行する。先読み情報比較テーブルについての詳細は、図19(a)を参照して後述する。
【0301】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、先読み予告対象を変更すべきでない場合には(S1704の結果が「N」)、先読み予告重複時処理を終了する。一方、先読み予告対象を変更すべきである場合には(S1704の結果が「Y」)、今回受信した後続始動記憶に対応する始動口入賞演出図柄コマンドから、当該後続始動記憶の図柄情報を取得し(S1705)、取得された図柄情報に基づいて、はずれであるか否かを判定する(S1706)。
【0302】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、はずれである場合には(S1706の結果が「Y」)、先読み予告対象を変更するために用いるテーブルとして、先読み予告対象変更テーブル1をセットし(S1707)、はずれでない(当りである)場合には(S1706の結果が「N」)、先読み予告対象を変更するために用いるテーブルとして、先読み予告対象変更テーブル2をセットする(S1708)。先読み予告対象変更テーブル1及び先読み予告対象変更テーブル2についての詳細は、図19(b)及び図19(c)を参照して後述する。
【0303】
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、S1707又はS1708でセットされた先読み予告対象変更テーブルにより、先読み予告態様を選択する(S1709)。
【0304】
その後、主制御用マイコン(1stCPU)551は、対象となる始動記憶表示に、S1709で選択された先読み予告態様を設定する(S1710)。また、先読み予告態様を設定した始動記憶表示を、表示装置48に表示させる始動記憶表示処理を実行する。先行の始動記憶表示に設定されている先読み予告を解除する(S1711)。その後、先読み予告重複時処理を終了する。
【0305】
以上に示す処理により、演出制御装置550は、先行始動記憶に対応する先読み予告(事前報知)が実行されているときに、先行始動記憶の後に後続始動記憶が発生した場合に、先行始動記憶に対する事前判定の判定結果と、後続始動記憶に対する事前判定の判定結果とを比較し、比較結果に基づいて、先読み予告の対象(事前報知の対象)を、先行始動記憶から後続始動記憶に切り替えて(変更して)実行可能にする事前報知制御手段として機能する。
【0306】
なお、ここでいう「事前報知の対象」とは、例えば先読み予告態様を設定する対象であるが、始動記憶の表示による報知に限定されるものではない。例えばスピーカー30による報知や、始動記憶以外のキャラクタ等の表示による報知や、振動による報知であってもよい。また、「切り替えて実行」とは、先行始動記憶に対応する先読み予告が、後続始動記憶へそのまま引き継がれること、先行始動記憶に対応する先読み予告が変化して後続始動記憶へ引き継がれること、先行始動記憶に対応する先読み予告が完全に終了すること、先行始動記憶に対応する先読み予告が終了しても先読み予告が実行されていたことを認識可能な表示を残すこと等であってもよい。
【0307】
これにより、単に先読み予告が実行されるのではなく、一旦は先読み予告(特定表示態様に制御)された場合でも、後続始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行情報に関連して、先読み予告が終了するので、後続始動記憶の発生を注視する必要があり、緊張感が維持される。また、このような事前報知制御は、後続始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行情報に基づいて行うので、例えば後続始動記憶に基づく変動表示ゲームが特別な変動表示ゲームとなる場合に行うようにすることもでき、遊技者の期待感に沿った予告とすることも可能になる。
【0308】
また、演出制御装置550は、先行始動記憶に対する事前判定の判定結果と、後続始動記憶に対する事前判定の判定結果との比較結果に基づいて、先行始動記憶に対応する始動記憶表示の特定表示態様を終了(解除)させ、後続始動記憶に対応する始動記憶表示を特定表示態様に制御(設定)する表示態様制御手段として機能する。
【0309】
これにより、現に実行されている先読み予告としての特定表示態様は終了するが、後続始動記憶が特定表示態様に制御されるので、先読み予告が全くなくなるわけではない。そのため、遊技者の期待感を損ねることがない。特に、先読み予告の対象が移動したように感じるので、後続始動記憶に基づく変動表示ゲームの期待感が高まる。
【0310】
また、S1710及びS1711では、先行始動記憶と後続始動記憶の両方が大当りの場合には、両方の始動記憶表示に先読み予告態様を設定してもよい。また、詳細には後述するが、S1710〜S1711の動作のタイミングに時間差を設ける等のように各種パターンが考えられる。
【0311】
図18は、本発明の第1の実施の形態の先読み予告設定処理を説明するための図である。図18(a)は、先読み予告態様の種類で、図18(b)は、はずれ用の先読み予告振分テーブル1で、図18(c)は、大当り用の先読み予告振分テーブル2である。
【0312】
図18(a)に示すように、対象保留(対象始動記憶)の変動表示ゲームの停止結果が特別結果態様となる期待度(信頼度)に応じて、複数種類の先読み予告態様(特定表示態様)が用意される。例えば期待度が低い場合の先読み予告態様では、対象保留の表示態様を青色にする。例えば期待度が中程度である場合の先読み予告態様では、対象保留の表示態様を黄色にする。例えばスペシャル2リーチやスペシャル3リーチのように期待度が高い場合の先読み予告態様では、対象保留の表示態様を赤色にする。なお、例えばプレミアムリーチのように期待度がスペシャル2リーチやスペシャル3リーチよりも高い場合の先読み予告態様として、対象保留の表示態様を虹色にしてもよい。
【0313】
なお、前述のS1611又はS1709は、図18(a)に示す複数の先読み予告態様(特定表示態様)のうち、一つの先読み予告態様を選択する特定表示態様制御手段を構成する。
【0314】
図18(b)に示すように、はずれ用の先読み予告振分テーブル1では、リーチ系統情報(リーチの種別)毎に、先読み予告態様の選択率が設定される。例えばはずれ時のノーマルリーチの場合には、99%の確率で始動記憶表示は変化せず、1%の確率で始動記憶表示は青色に変化することを示している。
【0315】
図18(c)に示すように、大当り用の先読み予告振分テーブル2では、リーチ系統情報(リーチの種別)毎に、先読み予告態様の選択率が設定される。例えば大当り時のスペシャル3リーチの場合には、40%の確率で始動記憶表示は赤色に変化し、これははずれ時のスペシャル3リーチの赤色に変化する確率(20%)よりも高いことを示している。
【0316】
図19は、本発明の第1の実施の形態の先読み予告重複時処理を説明するための図である。図19(a)は、S1703で用いられる先読み情報比較テーブルで、図19(b)は、S1707で用いられるはずれ用の先読み予告対象変更テーブル1で、図19(c)は、S1708で用いられる大当り用の先読み予告対象変更テーブル2である。
【0317】
図19(a)に示すように、先読み情報比較テーブルでは、先行保留(先行始動記憶)の変動パターンと後続保留(後続始動記憶)の変動パターンとの組み合わせ毎に、先読み予告対象を変更すべきか否かが設定されている。本発明の第1の実施の形態では、後続保留の変動パターンの期待度が先行保留の変動パターンの期待度と同じ又は先行保留の変動パターンの期待度よりも低い場合には、「変更なし」が設定されている。一方、後続保留の変動パターンの期待度が先行保留の変動パターンの期待度よりも高い場合には、「変更あり」が設定されている。
【0318】
前述のS1703〜S1711では、この先読み情報比較テーブルにより、後続保留の変動パターン(後続保留に基づく変動表示ゲームにおいて実行されることとなる予告演出)が、先行保留の変動パターン(先行保留に基づく変動表示ゲームにおいて実行されることとなる予告演出)よりも信頼度が高い場合に、先行保留に対応する始動記憶表示の特定表示態様を終了させ、後続始動記憶に対応する始動記憶表示を特定表示態様に制御する。これにより、確実に遊技者の期待感に沿った予告を実行することができる。
【0319】
なお、この先読み情報比較テーブルでは、変動パターンのみを比較しているので、例えば先行保留の変動パターンが「大当り時のスペシャル1リーチ」で、後続保留の変動パターンが「はずれ時のスペシャル2リーチ」の場合には、スペシャル2リーチの方の期待度が高いため、先読み予告対象は後続保留に変更される。しかしながら、先行保留で「大当り」となるため、遊技者に対するサプライズ演出を実現することもできる。
【0320】
また、先行保留の変動パターンと後続保留の変動パターンとがいずれも「リーチなしのはずれ」である場合には、より変動時間の長い方の保留の期待度が高いと判断し、期待度が高い保留に先読み予告対象を変更してもよい。
【0321】
図19(b)に示すように、先読み予告対象変更テーブル1では、先行保留に対する先読み予告態様毎に、当該保留(後続保留)の先読み予告態様の選択率が設定される。例えば先行保留の先読み予告態様が青色である場合には、後続保留の先読み予告態様は、70%の確率で青色に変更され、20%の確率で黄色に変更され、10%の確率で赤色に変更されることを示している。
【0322】
図19(c)に示すように、先読み予告対象変更テーブル2では、先行保留に対する先読み予告態様毎に、当該保留の先読み予告態様の選択率が設定される。例えば先行保留の先読み予告態様が青色である場合には、後続保留の先読み予告態様は、40%の確率で赤色に変更され、これははずれ時の確率(10%)よりも高いことを示している。
【0323】
図20は、本発明の第1の実施の形態の先読み予告重複時処理の画面遷移の第1例を示す図である。図20(a)は、遷移前の画面表示例で、図20(b)は、後続保留の期待度が先行保留の期待度よりも低い場合の遷移後の画面表示例で、図20(c)は、後続保留の期待度が先行保留の期待度よりも高い場合の遷移後の画面表示例である。
【0324】
図20(a)〜(c)に示すように、表示装置48における左、中、右の変動表示領域の下部には、特図1用保留表示領域(左側)と、特図2用保留表示領域(右側)とからなる特図保留表示領域が設けられている。特図1用保留表示領域、特図2用保留表示領域には、それぞれ最大4個の保留が表示される。消化順序とは、保留が消化される順番を示している。すなわち、保留表示(始動記憶表示)を複数表示する場合に、各保留表示を特図1用保留と特図2用保留に分けて、発生順に隣り合わせて表示している。図20(a)では、3番目に消化される特図1用保留に先読み予告態様が設定され、通常表示態様の他の保留と異なる特定表示態様である。
【0325】
ここで、5番目に消化される特図2用保留が発生した場合、すなわち新たに第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合を考える。この場合には、先読み予告対象の先行保留(3番目に消化される特図1用保留)の変動パターンと、後続保留(新たに発生した5番目に消化される特図2用保留)の変動パターンとが比較される。
【0326】
比較の結果、後続保留の期待度が先行保留の期待度よりも低い場合には、図20(b)に示すように、先読み予告対象は変更されない。すなわち、先行保留に先読み予告態様が設定された状態を維持する。
【0327】
一方、後続保留の期待度が先行保留の期待度よりも高い場合には、図20(c)に示すように、先読み予告対象は変更される。すなわち、後続保留に先読み予告態様が設定され、先行保留に設定されていた先読み予告態様は解除される。
【0328】
図21は、本発明の第1の実施の形態の先読み予告重複時処理の画面遷移の第2例を示す図である。図21(a)は、遷移前の画面表示例で、図21(b)は、遷移後の画面表示例である。図21(c)は、画面遷移に係るタイムチャートである。
【0329】
図21(a)では、前述の図20(a)と同様に、特図1用保留表示領域(左側)と、特図2用保留表示領域(右側)とからなる特図保留表示領域が設けられている。図21(a)では、1番目に消化される保留(先行保留)に先読み予告態様が設定されている。なお、3番目に消化される特図2用保留(後続保留)が新たに発生し、その期待度が先行保留の期待度よりも高い場合を考える。
【0330】
この場合に、画面遷移の第2例では、図21(b)、(c)に示すように、1番目の先行保留が消化された時点で、先読み予告態様が画面上を先行保留から後続保留へと移動する。そして、後続保留に先読み予告態様が設定される。
【0331】
前述のS1710及びS1711は、始動記憶表示の表示態様を制御する際に、図21(b)に示すように、画面上での先読み予告態様の移動により、表示態様制御が実行されていることを遊技者が認識可能に報知する報知手段を構成する。これにより、表示態様制御が実行されることを遊技者に確実に認識させることができ、後続始動記憶への期待感を高めることができる。
【0332】
図22は、本発明の第1の実施の形態の先読み予告重複時処理の画面遷移の第3例を示す図である。図22(a)は、遷移中の画面表示例(その1)である。図22(b)は、遷移中の画面表示例(その2)である。図22(c)は、画面遷移に係るタイムチャートである。
【0333】
画面遷移の第3例では、図22(a)に示すように、先行保留が消化された時点で、先読み予告態様が画面上を先行保留から次に消化される保留(番号1の保留)へと移動する。そして、当該次に消化される保留に先読み予告態様が設定される。その後、図22(b)に示すように、番号1の保留が消化された時点で、先読み予告態様がさらに次の保留(図22(a)では番号2の保留)へと移動する。すなわち、前述の画面遷移の第2例と異なり、図22(a)〜(c)に示すように、消化される順番に1つずつ次の保留に移動する。なお、移動する先読み予告態様は同じ態様に限定せず、移動に応じて先読み予告態様を異ならせてもよい。例えば、移動の態様に応じて大当り確定、期待度大となるように制御してもよい。
【0334】
前述のS1710及びS1711において、始動記憶表示の表示態様を制御する際に、図22(a)、(b)に示すように、先行始動記憶に対応する始動記憶表示と後続始動記憶に対応する始動記憶表示との間に先読み予告対象ではない他の始動記憶、すなわち先行始動記憶の発生後、後続始動記憶が発生するまでに発生した中間始動記憶が表示されている場合に、先行始動記憶に対応する始動記憶表示の先読み予告態様を終了させ、中間始動記憶に対応する始動記憶表示を、例えば中間始動記憶の発生順に先読み予告態様に制御した後に、後続始動記憶に対応する始動記憶表示を先読み予告態様に制御する。これにより、先読み予告態様の移動が徐々に行われているような印象を遊技者に与え、期待感を徐々に高めることができる。
【0335】
また、前述のS1710及びS1711において、先行始動記憶に基づく変動表示ゲームが開始され、先行始動記憶に対応する始動記憶表示が消えるときに、図22(a)、(b)に示すような移動制御を実行する。これにより、先読み予告態様が順次受け継がれるような印象を遊技者に与え、期待感を徐々に高めることができる。
【0336】
図23は、本発明の第1の実施の形態の第1変形例における先読み予告重複時処理を説明するための図である。図23(a)は、先読み予告態様の種類で、図23(b)は、はずれ用の先読み予告対象変更テーブル1で、図23(c)は、大当り用の先読み予告対象変更テーブル2である。
【0337】
図23(a)に示すように、前述の図18(a)と同様に、対象保留(対象始動記憶)の変動表示ゲームの停止結果が特別結果態様となる期待度(信頼度)に応じて、複数種類の先読み予告態様(特定表示態様)が用意される。期待度が低い場合(ガセありを含む)の先読み予告態様では、対象保留の表示態様を青色にする。ガセありとは、リーチが発生するか否かを明確には報知せず、リーチになる場合もあれば、リーチにならない場合もあることを示す。リーチ確定で期待度が中程度である場合の先読み予告態様では、対象保留の表示態様を黄色にする。リーチ確定で期待度が高い場合の先読み予告態様では、対象保留の表示態様を赤色にする。
【0338】
なお、前述のS1611又はS1709では、図23(a)に示す複数の先読み予告態様(特定表示態様)のうち、一つの先読み予告態様が選択される。
【0339】
図23(b)に示すように、先読み予告対象変更テーブル1では、先行保留に対する先読み予告態様毎に、当該保留(後続保留)の先読み予告態様の選択率が設定される。例えば先行保留の先読み予告態様が青色である場合には、後続保留の先読み予告態様は、70%の確率で黄色に変更され、30%の確率で赤色に変更されることを示している。
【0340】
すなわち、後続保留の変動パターンの期待度が先行保留の変動パターンの期待度よりも高い場合に、先読み予告態様を必ずランクアップさせている。なお、先読み予告態様が赤色の場合であっても、スペシャルリーチ確定とは限らない。また、後続保留の変動パターンの期待度が先行保留の変動パターンの期待度よりも高い場合とは、基本的に、後続保留の変動パターンがリーチのケースである。但し、後続保留の変動パターンが「リーチなしのはずれ」及び変動時間が10秒、先行保留の変動パターンが「リーチなしのはずれ」及び変動時間が3秒のように、両保留の変動パターンが「リーチなし」で変動時間が異なる場合は除外される(後述の図24のS2401)。
【0341】
図23(c)に示すように、先読み予告対象変更テーブル2では、先行保留に対する先読み予告態様毎に、当該保留の先読み予告態様の選択率が設定される。例えば先行保留の先読み予告態様が赤色である場合には、後続保留の先読み予告態様は、50%の確率で赤色に変更され、50%の確率で虹色に変更されることを示している。
【0342】
前述のS1710及びS1711では、図23(b)、(c)に示す先読み予告対象変更テーブル1又は先読み予告対象変更テーブル2を用いることにより、先行始動記憶に対応する始動記憶表示が第1先読み予告態様(例えば青色)に制御されている場合に、この第1先読み予告態様を終了させ、後続始動記憶に対応する始動記憶表示をランクアップした第2先読み予告態様(例えば黄色)に変更する制御を実行することが可能である。
【0343】
これにより、先読み予告の対象が移動するような演出を行う場合に、先読み予告態様を、期待度の高い先読み予告態様に制御するので、後続始動記憶に基づく変動表示ゲームの期待感が確実に高まる。
【0344】
〔第1の実施の形態の第1変形例〕
次に、第1の実施の形態の第1変形例について説明する。まず、本第1変形例における先読み予告重複時処理について説明する。図24は、本発明の第1の実施の形態の第1変形例における先読み予告重複時処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下では前述の先読み予告重複時処理の手順(図17)と同様の構成要素には同一の符号を付して重複する説明を適宜省略する。
【0345】
本第1変形例では、図17のS1704とS1705との間に、S2401、S2402が設けられており、これらS2401、S2402について説明する。
【0346】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、先読み予告対象を変更すべきである場合には(S1704の結果が「Y」)、始動口入賞演出図柄コマンドから、両始動記憶(先行始動記憶と後続始動記憶)の変動パターンを確認し(S1801)、リーチなしからリーチなしか否かを判定する(S1802)。具体的には、先行始動記憶の変動パターンが「リーチなし」で、且つ、後続始動記憶の変動パターンが「リーチなし」であるか否かを判定する。
【0347】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、リーチなしからリーチなしである場合には(S1802の結果が「Y」)、先読み予告重複時処理を終了する。これにより、両始動記憶の変動パターンが「リーチなし」で変動時間が異なるような場合に、先読み予告態様が変更したにも関わらず、リーチが発生しないという矛盾の発生を防止することができる。一方、リーチなしからリーチなしでない場合には(S1802の結果が「N」)、S1705以降の処理を実行する。
【0348】
図25は、本発明の第1の実施の形態の第1変形例における先読み予告重複時処理の画面遷移例を示す図である。図25(a)は、遷移前の画面表示例で、図25(b)は、遷移直前の画面表示例である。図25(c)は、遷移中の画面表示例である。
【0349】
図25(a)では、前述の図21(a)と同様に、特図1用保留表示領域(左側)と、特図2用保留表示領域(右側)とからなる特図保留表示領域が設けられている。図25(a)では、3番目に消化される保留(先行保留)に先読み予告態様が設定されている。なお、5番目に消化される特図2用保留(後続保留)が新たに発生し、その期待度が先行保留の期待度よりも高い場合を考える。
【0350】
ここで先行保留の前の保留が消化された場合に、図25(b)に示すような画面表示となる。図25(b)では、1番目(当初の3番目)の先行保留に先読み予告態様が設定されている。また、3番目(当初の5番目)の後続保留には、先読み予告態様は設定されていない。
【0351】
図25(c)では、図25(b)に示す1番目の保留が消化される時点(遊技が開始する時点)での画面表示を示している。図25(c)に示すように、1番目(当初の3番目)の保留が消化された時点で、先読み予行態様が画面上を3番目(当初の5番目)の保留へと移動する。そして、3番目の保留に、ランクアップした先読み予告態様が設定される。なお、ランクアップした先読み予告態様の設定は、遊技者が演出ボタン31等のボタンを操作した場合に限定してもよい。
【0352】
〔第1の実施の形態の第2変形例〕
次に、第1の実施形態の第2変形例について説明する。図26は、本発明の第1の実施の形態の第2変形例における先読み情報比較テーブルを示す図である。図26は、本第2変形例における先読み予告重複時処理で用いられる先読み情報比較テーブルである。
【0353】
図26に示すように、本第2変形例の先読み情報比較テーブルでは、先行保留(先行始動記憶)の変動パターンと後続保留(後続始動記憶)の変動パターンとの組み合わせ毎に、先読み予告対象を変更すべきか否かが設定される。なお、本変形例の先読み情報比較テーブルでは、当り又ははずれの情報も考慮されている。
【0354】
先行保留がはずれで、且つ、後続保留がはずれの場合には、前述の図19(a)と同様に、後続保留の変動パターンの期待度が先行保留の変動パターンの期待度と同じ又は先行保留の変動パターンの期待度よりも低い場合には、「変更なし」が設定されている。一方、後続保留の変動パターンの期待度が先行保留の変動パターンの期待度よりも高い場合には、「変更する」が設定されている。
【0355】
一方、先行保留が大当りで、且つ、後続保留が大当りの場合には、「変更なし」が設定される。なお、両保留に対して先読み予告対象を設定してもよい。また、先読み予告対象を変更してもよいが、先読み予告対象を変更しても、先行保留が大当りであるために、後続保留も大当りであることが見抜かれるプレミアム的演出としてもよい。また、先行保留が大当りである場合には、後続保留は大当り後の状態(確変や時短)で消化されるので、特殊変動パターンなどとなる場合もある。
【0356】
また、先行保留がはずれで、且つ、後続保留が大当りの場合には、先行保留の変動パターンがリーチなし又はノーマルリーチの場合には、「変更あり」が設定される。一方、先行保留の変動パターンがスペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ又はスペシャル3リーチの場合には、先読み予告対象を変更すべきか否かの抽選が実行される。抽選結果が「変更する」である場合には、先読み予告対象を変更するための演出が実行される。
【0357】
すなわち、前述のS1703〜S1711において、後続保留(後続始動記憶)に基づく変動表示ゲームにおいて特別結果態様が導出されると事前判定され、先行保留(先行始動記憶)に基づく変動表示ゲームにおいて特別結果態様が導出されないと事前判定された場合に、先行保留に対応する始動記憶表示の特定表示態様を終了させ、後続保留に対応する始動記憶表示を特定表示態様に制御する。これにより、確実に遊技者の期待感に沿った予告を実行することが可能になる。
【0358】
ただし、先行保留がスペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ又はスペシャル3リーチに発展するにも関わらず、先読み予告対象を変更した場合には、先行保留に対応するゲームが冗長になってしまうが、このように抽選を実行することにより、必ずしも先行保留も基づく各スペシャルリーチがはずれであると見抜かれず、先読み予告対象が変更した場合であっても、先行保留が大当りするという期待感を持たせることができる。
【0359】
次に、本第2変形例における先読み予告重複時処理について説明する。図27は、本発明の第1の実施の形態の第2変形例における先読み予告重複時処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下では前述の先読み予告重複時処理(図17)及びその第1変形例(図24)と同様の構成要素には同一の符号を付して重複する説明を適宜省略する。
【0360】
本第2変形例では、図17のS1704の結果が「N」の場合に、S2701、S2702が設けられており、これらS2701、S2702について説明する。
【0361】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、先読み予告対象が変更すべきでない場合には(S1704の結果が「N」)、先読み情報比較テーブル(図26)により、変更抽選をすべきか否かを判定し(S2701)、変更抽選をすべきでない場合には(S2701の結果が「N」)、先読み予告重複時処理を終了する。
【0362】
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、変更抽選をすべきである場合には(S2701の結果が「Y」)、変更抽選処理を実行し(S2702)、先読み予告重複時処理を終了する。なお、変更抽選処理についての詳細は、図28Aを参照して後述する。
【0363】
〔変更抽選処理〕
次に、本第2変形例の先読み予告重複時処理(図27)における変更抽選処理(S2702)の詳細について説明する。図28Aは、変更抽選処理の手順を示すフローチャートである。
【0364】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、変更抽選テーブルにより、先読み予告対象を変更すべきか否かを確認する(S2801、S2802)。変更抽選テーブルについての詳細は、図28Bを参照して後述する。
【0365】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、先読み予告対象を変更すべきである場合には(S2802の結果が「Y」)、先行保留の変動内容に応じた変更演出の成功パターンを設定し(S2803)、変更演出を実行するための変更演出実行フラグを設定する(S2806)。その後、変更抽選処理を終了する。
【0366】
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、先読み予告対象を変更すべきでない場合には(S2802の結果が「N」)、変更演出をすべきか否かを判定し(S2804)、変更演出をすべきでない場合には(S2805の結果が「N」)、変更抽選処理を終了する。一方、変更演出をすべきである場合には(S2805の結果が「Y」)、先行保留の変動内容に応じた変更演出の失敗パターンを設定し(S2805)、変更演出を実行するための変更演出実行フラグを設定する(S2806)。その後、変更抽選処理を終了する。
【0367】
図28Bは、本発明の第1の実施の形態の第2変形例における変更抽選処理で使用される変更抽選テーブルである。
【0368】
図28Bに示すように、変更抽選テーブルでは、先行保留の変動パターン(スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ又はスペシャル3リーチ)毎に、先読み予告対象の変更ありか否か(変更すべきか否か)及びその確率、及び、変更演出がありか否か(変更演出をすべきか否か)の情報が設定される。
【0369】
例えば先行保留の変動パターンがスペシャル1リーチで、先読み予告対象が変更あり(30%の確率)の場合には、変更演出はありである(図28AのS2803の成功パターンに対応)。また先行保留の変動パターンがスペシャル1リーチで、先読み予告対象が変更なしの場合には、10%の確率で変更演出はありである(図28AのS2805の失敗パターンに対応)。また、60%の確率で変更演出はなしである。
【0370】
なお、図28Bに示す変更抽選テーブルでは、先行保留の先読み予告対象が「変更あり」である場合に、変更演出は一律「あり」で設定されているが、変更演出がない場合を設定してもよい。なお、設定された変更演出は、先行保留のリーチ演出の中で実行される。
【0371】
〔変動中処理〕
次に、本第2変形例の1stシーン制御処理(図15)における変動中処理(S1511)の詳細について説明する。図29は、本第2変形例における変動中処理の手順を示すフローチャートである。
【0372】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(S2901)。演出リクエストフラグは、前述したように、1stシーン制御処理のS1506で、主制御用マイコン(1stCPU)551が受信したシーン変更コマンドが有効なコマンドである場合にセットされる。したがって、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出リクエストフラグがない場合には(S2901の結果が「N」)、表示装置48に表示される表示内容は一連の表示演出の一部であるので、更新タイマが0か否かに応じて表示内容を変更するか判定する(S2902)。
【0373】
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、更新タイマが0の場合には(S2902の結果が「Y」)、次のシーンに移行するためにシーケンステーブルに設定された次のシーンのデータを設定し(S2903)、変動中処理を終了する。
【0374】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、更新タイマが0でない場合には(S2902の結果が「N」)、変動中処理を終了する。
【0375】
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出リクエストフラグがある場合には(S2901の結果が「Y」)、表示装置48に表示される表示内容全体を切り替えるタイミングなので、受信したシーン変更コマンドに応じて各種処理を実行する。
【0376】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、変動表示ゲームの終了間際などに遊技者によって押された演出ボタン31などプッシュボタン(PB)情報(履歴)をクリアする(S2904)。これにより、前回の変動表示ゲームにおける操作が今回の変動表示ゲームに影響しない。そして、可動体(役物)の作動リクエストをセットして初期化する(S2905)。
【0377】
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、変更演出実行フラグがあるか否か判定する(S2906、S2907)。変更演出実行フラグは、前述したように、変動抽選処理のS2806で、主制御用マイコン(1stCPU)551が成功パターン又は失敗パターンの変更演出を実行する場合にセットされる。したがって、主制御用マイコン(1stCPU)551は、変更演出実行フラグがある場合には(S2907の結果が「Y」)、S2803又はS2805で設定された変更演出パターンを反映した変動パターンを選択する(S2908)。その後、変更演出実行フラグをクリアする(S2909)。
【0378】
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、変更演出実行フラグがない場合には(S2907の結果が「N」)、遊技制御装置500から送信される変動パターン情報、遊技状態、及び、演出制御装置550の演出情報に基づいてシーン変更コマンドに対応する変動パターンを決定し、当該変動パターンの情報を設定する変動パターン情報設定処理を実行する(S2910)。
【0379】
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出のかたよりが生じないように演出情報を決定する乱数の種値を初期化する乱数シード初期化処理を実行する(S2911)。
【0380】
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、S2908で選択された又はS2910で設定された変動パターンに対応して、表示装置48で実行される飾り特図変動表示ゲームにおける変動表示の開始や停止、演出用キャラクタの表示等の各種表示の実行タイミングや表示時間を管理するシーンシーケンステーブルを設定する(S2912)。飾り特図変動表示ゲームは、設定されたシーンシーケンステーブルに従って実行される。
【0381】
さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551は、時間短縮変動回数などを管理するために変動回数管理処理を実行し(S2913)、シーンの更新タイマの更新タイミングを判断するために変動時間を設定する変動時間設定処理を実行する(S2914)。
【0382】
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、シーン変更コマンドに対応した設定が終了したので演出リクエストフラグをクリアし(S2915)、変動中処理を終了する。
【0383】
図30は、本第2変形例における先読み予告重複時処理の画面遷移例を示す図である。図30(a)は、遷移前の画面表示例で、図30(b)は、先行保留の変動表示ゲームを実行中の画面表示例で、図30(c)は、変更演出を実行中の画面表示例で、図30(d)は、遷移後の画面表示例で、図30(e)は、画面遷移に係るタイムチャートである。
【0384】
図30(a)では、前述の図20(a)と同様に、特図1用保留表示領域(左側)と、特図2用保留表示領域(右側)とからなる特図保留表示領域が設けられている。3番目に消化される保留(先行保留)の変動パターンがスペシャルリーチ(例えばスペシャル3リーチ)であり、先読み予告態様が設定されている。なお、5番目に消化される特図2用保留(後続保留)が新たに発生し、その期待度が先行保留の期待度よりも高い場合を考える。
【0385】
なお、図30(a)では、特図1用保留表示領域(左側)の上に、現に消化されている保留の種別を示す保留消化領域が設けられている。なお、保留消化領域が設けられる位置は、特図1用保留表示領域(左側)の上に限定されるものではない。
【0386】
図30(b)では、先行保留が消化される際の画面表示を示している。保留消化領域内の先行保留には先読み予告態様が設定されているので、先行保留に対応する変動表示ゲーム(例えばスペシャル3リーチの変動表示ゲーム)が実行されている。また、2番目(当初の5番目)の後続保留には、先読み予告態様は設定されていない。
【0387】
図30(c)では、図30(b)で開始した変動表示ゲームが一旦はずれであった場合に、変動表示ゲームが仮停止(揺れ変動)するとともに、遊技者に演出ボタン31の操作を促す画面表示を示している。遊技者は演出ボタン31等の操作ボタンを操作することによって、例えば変動表示領域内のキャラのオーラが青色→黄色→赤色と変更することができる。例えばキャラのオーラが赤色に変更した場合に、先読み予告対象の変更が確定するものとしてもよい。また、赤色からさらに虹色に変更することで、新たに先読み予告態様となる保留に基づく変動表示ゲームが大当りとなることを予告してもよい。
【0388】
先読み予告対象の変更が確定した場合には、図30A(d)に示すように、保留消化領域内の保留に設定されている先読み予告態様が画面上を2番目(当初の5番目)の後続保留へと移動する。そして、後続保留に、ランクアップした先読み予告態様が設定される。なお、ランクアップした先読み予告態様の設定は、遊技者が演出ボタン31等の操作ボタンを操作した場合に限定しなくてもよい。このように、先行保留がリーチはずれだった場合に、先読み予告態様の変更演出(特殊演出)を実現することができる。
【0389】
前述のS1710及びS1711において、遊技者が演出ボタン31等の操作ボタンを操作し、この操作が検出された場合に、始動記憶表示の表示態様を制御する(切り替える)。これにより、期待感を高める演出に遊技者が参加できるので、遊技者が自分で期待感を高めたように感じ、遊技の興趣を高めることができる。
【0390】
(第2の実施の形態)
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、前述の第1の実施の形態と同様の構成及び処理については、適宜説明を省略する。
【0391】
図31は、本発明の第2の実施の形態の変動パターンの選択態様を説明する図である。図31(a)は、始動記憶数(保留数)によって異なる変動パターン選択態様の第1例で、図31(b)は、始動記憶数(保留数)によって異なる変動パターン選択態様の第2例である。
【0392】
図31(a)、(b)は、後半の変動のリーチ系統を選択するための変動パターン乱数1と、乱数値に対応する始動記憶数毎のリーチ系統とが設定されている。
【0393】
図31(a)では、変動パターン乱数1によってリーチなし、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ及びスペシャル3リーチの5つの変動パターンが設定される。なお、始動記憶数に応じて、各変動パターンの出現割合が異なる。例えば始動記憶数が少ないほど、全ての始動記憶が消化されることによるゲームの途切れを回避するために、期待度が高いリーチの出現割合が高くなる。一方、始動記憶数が多いほど、始動記憶の消化を速くするために、期待度が低いリーチの出現割合が高くなる。
【0394】
なお、図31(a)では、始動記憶数によって変動パターンが異なるものとなる変動パターン乱数1の範囲を、網掛け部で示している(図31(b)も同様)。一方、網掛け部として示していないのは、始動記憶数によらず変動パターンが同じものとなる変動パターン乱数1の範囲である。
【0395】
図31(b)では、変動パターン乱数1によってリーチなし、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ及びスペシャル3リーチの5つの変動パターンが設定される。なお、始動記憶数に応じて、各変動パターンの出現割合が異なる。例えば始動記憶数が少ないほど、期待度が低いリーチの出現割合が高くなる。一方、始動記憶数が多いほど、期待度が高いリーチの出現割合が高くなる。
【0396】
なお、図31(a)、(b)は共に、はずれ時の変動パターンを示しており、一般的に、大当り時の変動パターンの出現割合は、始動記憶数によって変化しない。しかしながら、先読み予告態様が変更した場合に、先行保留がはずれであることを遊技者に認識されないようにするために、大当り時の変動パターンの出現割合についても、図31(a)、(b)に示すように、始動記憶数に応じて異ならせてもよい。また、大当り時の変動パターンは、始動記憶数毎に1つ定められてもよい。この場合には、変動パターン乱数1の乱数値によらず、始動記憶数に応じて変動パターンが決定される。
【0397】
図32は、本発明の第2の実施形態の事前判定コマンドを示す図である。図32に示す始動口入賞演出図柄コマンド及び始動口入賞演出コマンドは、図13B(a)に示すタイムチャートにおいて、始動入賞時に遊技制御装置500から演出制御装置550に送信される事前判定コマンドである。
【0398】
図32に示すように、始動口入賞演出図柄コマンドとしては、当たりの場合の演出図柄、はずれの場合の演出図柄を指示するための複数の始動口入賞演出図柄コマンド1〜3が例示される。また、始動口入賞演出コマンドとしては、はずれの場合又は大当りの場合のリーチの種別を指示するための複数の始動口入賞演出コマンド1〜10が例示される。
【0399】
本発明の第2の実施の形態では、さらに、始動口入賞演出コマンドとして、「変化可能性あり」、すなわちリーチの種別が変化する可能性があることを指示するための複数の始動口入賞演出コマンド41〜44が例示される。例えば、始動入賞時に抽出される変動パターン乱数1の値が図31の網掛け部に該当する場合で、その後の保留数(始動記憶数)の増減によって、異なるリーチ演出に変更する可能性があることを示す。なお、説明の便宜上、これら始動口入賞演出コマンド41〜44は、コマンド送信時の特図1用保留と特図2用保留の合計保留数が4個以上の場合に限定して送信されるものとするが、この場合には限定されるものではない。
【0400】
また、上記コマンドは、コマンド送信時の保留数が変化しない前提で送信されるが、新たな始動記憶が発生し保留数が増加しないと、実際に先読み予告対象の保留が消化される場合には、保留数が1(先読み予告対象の保留のみ)で消化されることになる。そのため、その後の、保留数の増加があるか否かによって、異なるリーチ演出に変化する可能性がある。
【0401】
なお、遊技制御装置500は、始動口入賞演出コマンド41〜44に代えて、変動パターン乱数1の実測値を演出制御装置550に送信し、演出制御装置550が、受信した変動パターン乱数1の実測値に応じて、変動パターンの変化可能性を判定してもよい。
【0402】
また、これら始動口入賞演出図柄コマンド及び始動口入賞演出コマンドは、その他全遊技結果、全変動パターンの組み合わせ毎に用意してもよい。
【0403】
〔1stシーン制御処理(1stCPU)〕
次に、前述したメイン処理(図14)における1stシーン制御処理(S1412)の詳細について説明する。図33は、本発明の第2の実施の形態の1stシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下では図15と同様の構成要素には同一の符号を付して重複する説明を適宜省略する。
【0404】
第2の実施の形態では、S1518の処理の後に、S3301、S3302が設けられており、これらS3301、S3302について説明する。
【0405】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、先読み予告調整処理(S3301)、及び、遊技制御装置500から送信される事前判定コマンドを受信して、当該事前判定コマンドにより先読み予告に関する設定を実行する先読み予告設定処理(S3302)を実行する。なお、先読み予告設定処理についての詳細は、図34を参照して後述する。また、先読み予告調整処理についての詳細は、図35を参照して後述する。
【0406】
〔先読み予告設定処理〕
次に、前述した1stシーン制御処理(図33)における先読み予告設定処理(S3302)の詳細について説明する。図34は、本発明の第2の実施の形態の先読み予告設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下では第1の実施の形態の先読み予告設定処理(図16)と同様の構成要素には同一の符号を付して重複する説明を適宜省略する。
【0407】
第2の実施の形態では、S1605の処理の後にS3401、S3402が設けられており、S1611の処理の後にS3403〜S3406が設けられているので、これらS3401〜S3406について説明する。
【0408】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、他の始動記憶に対する先読み予告が実行中でない場合には(S1605の結果が「N」)、S1606の処理の前に、先読み予告実行条件が成立したか否かを判定する(S3401)。先読み予告実行条件とは、先読み予告を実行するための条件であって、例えば特図1及び特図2の合計始動記憶数が3個又は5個等の特定数以上に到達したことである。このように、始動記憶数が特定数(例えば5個)以上である場合に限定して以降の処理を実行することによって、制御対象の始動記憶が一定数確保され、全ての始動記憶に対応する特定表示態様の制御を行う場合のインパクトが強くなる。
【0409】
なお、先読み予告実行条件は、当該始動記憶に基づいて実行される変動表示ゲームの実行情報(例えばリーチ演出)の停止結果が特別結果態様となる信頼度が高いほど、当該条件が成立する確率が高くなるように設定してもよい。これにより、大当りする信頼度が高い実行情報であるときに、以降の処理を実行する確率が高いので、演出への期待感を高めることができる。
【0410】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、先読み予告実行条件が成立した場合には(S3401の結果が「Y」)、全ての始動記憶の事前判定コマンドに含まれる始動口入賞演出図柄コマンドに基づいて、先読み予告対象となる始動記憶の図柄情報を取得する(S3402)。ここでは、全ての始動記憶に対応する始動口入賞演出図柄コマンドに基づいて、先読み予告対象となる始動記憶、すなわち変動表示ゲームの停止結果が特別結果態様となる期待度や、変動表示ゲームにおいて実行されることとなる予告演出の期待度が高い始動記憶(スペシャルリーチが導出される、大当りになる始動記憶等)を選択し、選択された始動記憶の図柄情報を取得する。一方、先予告実行条件が成立していない場合には(S3401の結果が「N」)、先読み予告設定処理を終了する。
【0411】
S3403では、主制御用マイコン(1stCPU)551は、全ての始動記憶表示に、S1611で選択された先読み予告態様を設定する(S3403)。また、先読み予告態様を設定した全ての始動記憶表示を、表示装置48に表示させる。なお、S1611では、図18(a)に示す複数の先読み予告態様(特定表示態様)のうち、一つの先読み予告態様が選択されている。
【0412】
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、当該始動記憶の事前判定コマンドに含まれる始動口入賞演出コマンドから、当該始動記憶のリーチ系統が変化する可能性があるか否かを確認する(S3404、S3405)。具体的には、始動口入賞演出コマンドに前述の「変化可能性あり」があるか否かを確認する。変化可能性がある場合には(S3405の結果が「Y」)、変化を確認するための変化確認フラグを設定し(S3406)、先読み予告設定処理を終了する。一方、変化可能性がない場合には(S3405の結果が「N」)、何も実行せずに先読み予告設定処理を終了する。
【0413】
以上に示す処理により、演出制御装置550は、始動記憶に対する事前判定の判定結果に応じて、複数の先読み予告態様(事前報知態様)のうちの一つの先読み予告態様を選択し、選択された先読み予告態様を、全ての始動記憶表示(先読み予告対象の始動記憶及び先読み予告対象でない始動記憶を含む)に設定することにより、始動記憶に基づいて実行される変動表示ゲームの実行情報を事前報知する事前報知手段として機能する。なお、事前報知態様の設定は、先読み予告態様の表示に限定されるものではない。
【0414】
なお、前述の第1の実施の形態に示した先読み予告重複時処理(図17等)と本実施形態の処理を選択的に、又は、同時に実行可能にしてもよい。
【0415】
〔先読み予告調整処理〕
次に、前述した1stシーン制御処理(図33)における先読み予告調整処理(S3301)の詳細について説明する。図35は、本発明の第2の実施の形態の先読み予告調整処理の手順を示すフローチャートである。
【0416】
先読み予告調整時処理では、変動表示ゲームの予告演出等の先読み予告の内容が、その後の保留数(始動記憶数)の増減によって、異なる先読み予告の内容に変更する可能性がある場合の処理を実行する。
【0417】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、前述のS3406で設定される変化確認フラグがあるか否か(S3501)、及び、変化確認フラグが設定されている場合には(S3501の結果が「Y」)、保留数が変化したか否か(S3502)を判定する。変化確認フラグが設定されていない場合(S3501の結果が「N」)、又は、保留数が変化していない場合には(S3502の結果が「N」)、先読み予告調整処理を終了する。
【0418】
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、保留数が変化した場合には(S3502の結果が「Y」)、保留数が変化したことによって、先読み予告内容に変更があるか否かを判定(確認)する(S3503、S3504)。なお、S3503及びS3504では、前述のS1603で事前判定コマンドを受信するときに併せて変動パターン乱数1の値を受信し、受信した変動パターン乱数1の値を用いて判定してもよい。また、遊技制御装置500が、保留数が変化する度に、変化後の保留数や保留数の変化量等の保留数の変化に関する情報を演出制御装置550に送信するように構成し、演出制御装置550は、受信した保留数の変化に関する情報を用いて判定してもよい。また、演出制御装置550が、保留数変化と先読み予告内容の変化との対応付けをテーブルとして保持するように構成し、このテーブルを用いて判定してもよい。なお、本処理を実行時の保留数によって、先読み予告内容に変更があるか否かを判定してもよい。
【0419】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、先読み予告内容に変更がある場合には(S3504の結果が「Y」)、変更内容に応じた先読み予告態様を、全始動記憶表示に設定する(S3505)。また、先読み予告態様を設定した始動記憶表示を、表示装置48に表示させる始動記憶表示処理を実行する。なお、S3505では、変更内容に応じた先読み予告態様として、図18(a)に示す複数の先読み予告態様(特定表示態様)のうち、一つの先読み予告態様が選択されている。ここでいう先読み予告態様とは、変動表示ゲームの変動態様を示唆する態様であるが、このS3505により、先読み予告態様が変更されるので、変動態様の種類を推察しながら、特定表示態様の変更に対して期待感を持って楽しむことができる。その後、先読み予告調整処理を終了する。
【0420】
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、先読み予告内容に変更がない場合には(S3504の結果が「N」)、先読み予告内容に変更がないにも関わらず、先読み予告内容に変更があるように見せかける抽選を実行する先読み予告内容抽選処理(ガセ)を実行し(S3506)、抽選が当選であるか否かを判定する(S3507)。抽選が当選でない(はずれである)場合には(S3507の結果が「N」)、先読み予告調整処理を終了する。
【0421】
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、抽選が当選である場合には(S3507の結果が「Y」)、変更内容に応じた先読み予告態様(先読み予告内容に変更がないにもかかわらず、先読み予告内容に変更があるように見せかける、いわゆるガセとして設定された先読み予告態様)を、全始動記憶表示に設定する(S3505)。また、先読み予告態様を設定した始動記憶表示を、表示装置48に表示させる始動記憶表示処理を実行する。その後、先読み予告調整処理を終了する。なお、S3507の結果が「Y」となる確率は低めが好ましい。
【0422】
以上に示す処理により、演出制御装置550は、前述の先読み予告実行条件(S3401)が成立した後に、保留数(始動記憶数)の変化に応じて、変動表示ゲームの実行情報が変化したか否かを判定し、変動表示ゲームの実行情報が変化した場合に、変更内容に応じた先読み予告態様を設定する。具体的には、保留数が増加し、変動表示ゲームの実行情報が変化(ランクアップ又はランクダウン)した場合に、ランクアップ又はランクダウンした先読み予告態様を設定する。このように、保留数の増減によって期待度が変化するので、遊技者は演出を持続的に楽しめる。
【0423】
図36は、本発明の第2の実施の形態の先読み予告調整処理の画面遷移の第1例を示す図である。図36(a)は、遷移前の画面表示例で、図36(b)は、新たに発生した3つ目の保留による遷移後の画面表示例で、図36(c)は、新たに発生した4つ目の保留による遷移後の画面表示例である。
【0424】
図36(a)〜(c)に示すように、本発明の第2の実施の形態では、表示装置48における左、中、右の変動表示領域の下部に、一つの特図保留表示領域が設けられている。この特図保留表示領域には、特図1用の保留は丸で、特図2用の保留は三角で示される。表示された保留は左から順に消化される。すなわち、保留表示(始動記憶表示)を複数表示する場合に、各保留表示を、発生順に隣り合わせて表示している。図36(a)では、2番目に消化される保留が先読み予告対象であるが、前述の先読み予告実行条件(S3401)を満たさないので、全ての保留が通常表示態様であるとする。
【0425】
ここで、前述の先読み予告実行条件(S3401)を満たす3つ目の特図1用保留が発生した場合を考える。この場合には、図36(b)に示すように、全ての保留の表示が青色に変更される。
【0426】
また、前述の先読み予告内容が変更ありとなる条件(S3504の結果が「Y」)を満たす4つ目の特図1用保留が発生した場合を考える。この場合には、図36(c)に示すように、全ての保留の表示が黄色に変更されるとともに、先読み予告対象である2番目の保留の変動パターンがスペシャル1リーチからスペシャル2リーチにランクアップする。
【0427】
なお、前述のS3403により、演出制御装置550は、先読み予告実行条件(報知実行条件)が成立した場合に、図36(b)に示すように、対象始動記憶に基づいて実行される変動表示ゲームの実行情報に関連して、全ての始動記憶(対象始動記憶及び対象始動記憶以外の始動記憶を含むものであれば、全ての始動記憶ではなくてもよい)にそれぞれ対応する事前報知(先読み予告)を、一の事前報知態様(先読み予告態様)で実行する事前報知統括実行手段として機能する。具体的には、事前報知として、対象始動記憶に対する事前判定結果に応じて、全ての始動記憶にそれぞれ対応する始動記憶表示の表示態様を、通常表示態様とは異なる一の特定表示態様に制御している。
【0428】
これにより、全ての(又は、複数の)始動記憶が同一の事前報知態様に制御されるので、どの始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行情報に関連した事前報知なのか特定できなくなるので、全ての(又は、複数の)始動記憶に期待感を持つことができる。
【0429】
なお、変動表示ゲームの実行情報とは、変動表示ゲームの停止結果(大当りかはずれか)、変動表示ゲームの停止結果態様(図柄の種類)、変動表示ゲームの実行態様(変動パターン)、変動表示ゲームで設定される表示モード等の情報を含む。
【0430】
また、前述のS3505により、演出制御装置550は、先読み予告内容変更条件が成立した場合に、図36(c)に示すように、全て(又は、複数)の始動記憶にそれぞれ対応する事前報知を、一の事前報知態様から、他の事前報知態様に変更する事前報知統括制御手段として機能する。具体的には、一の特定表示態様(青色の先読み予告態様)に設定された始動記憶表示を、他の特定表示態様(黄色の先読み予告態様)に変更している。
【0431】
これにより、一度事前報知が実行された後に事前報知態様が変化する可能性があり、また変化する場合に全て(又は、複数)の始動記憶に対応する事前報知が変化するので、インパクトのある予告となる。特に、始動記憶表示は、次回以降の変動表示ゲームの実行権利を示すものであるので、次回以降の変動表示ゲームへの期待感を認識しやすい利点がある。
【0432】
図37は、本発明の第2の実施の形態の先読み予告調整処理の画面遷移の第2例を示す図である。図37(a)は、遷移前の画面表示例で、図37(b)は、新たに発生した5つ目の保留による遷移後の画面表示例で、図37(c)は、新たに発生した6つ目の保留による遷移後の画面表示例である。
【0433】
図37(a)〜(c)に示すように、前述の図36と同様に、表示装置48における変動表示領域の下部には、一つの特図保留表示領域が設けられている。図37(a)では、3番目に消化される保留が先読み予告対象であるが、前述の先読み予告実行条件(S3401)を満たさないので、全ての保留が通常表示態様であるとする。
【0434】
ここで、前述の先読み予告実行条件(S3401)を満たす5つ目の特図2用保留が発生した場合を考える。この場合には、図37(b)に示すように、全ての保留の表示が、リーチ中に出現するキャラクタ等に変更される。
【0435】
また、前述の先読み予告内容が変更ありとなる条件(S3504の結果が「Y」)を満たす6つ目の特図1用保留が発生した場合を考える。この場合には、図37(c)に示すように、全ての保留の表示のうち、所定のキャラクタ(ここでは2番目、4番目のキャラクタ)が変更されるとともに、先読み予告対象である3番目の保留の変動パターンがスペシャル1リーチからスペシャル2リーチにランクアップする。
【0436】
図38は、本発明の第2の実施の形態の先読み予告調整処理の画面遷移の第3例を示す図である。図38(a)は、遷移前の画面表示例で、図38(b)は、新たに発生した5つ目の保留による遷移後の画面表示例で、図38(c)は、1つ目及び2つ目の保留が消化された場合の画面表示例である。
【0437】
図38(a)〜(c)に示すように、前述の図36と同様に、表示装置48における変動表示領域の下部には、一つの特図保留表示領域が設けられている。図38(a)では、3番目に消化される特図1用の保留が先読み予告対象であるが、前述の先読み予告実行条件(S3401)を満たさないので、全ての保留が通常表示態様であるとする。
【0438】
ここで、前述の先読み予告実行条件(S3401)を満たす5つ目の特図2用保留が発生した場合を考える。この場合には、図38(b)に示すように、全ての保留の表示のうち、一部の保留の表示が変更される。具体的には、先読み予告態様の保留数(3個)が通常表示態様の保留数(2個)よりも多くなるように、各保留の表示が変更される多数決態様となる。遊技者は、先読み予告態様の保留数と通常表示態様の保留数とを比較することによって、先読み予告態様の保留数の方が多い場合に信頼度の高い演出が実行される可能性が高いと認識することができ、遊技の興趣を高めることができる。なお、各保留の表示は、保留数が変化する毎に変更してもよい。また、各保留の表示は、青色、黄色、赤色等の複数の先読み予告態様を混在させて表示してもよい。
【0439】
その後、1つ目及び2つ目の保留が消化され、且つ、新たに特図1用保留及び特図2用保留が発生した場合を考える。この場合には、図38(c)に示すように各保留は表示される。なお、先読み予告対象の保留(1番目の保留)が消化されると、先読み予告対象がなくなるとともに、後続の2個の保留では、先読み予告態様の保留が1個と、通常表示態様の保留が1個となって可能性が低くなる。
【0440】
このとき、図38(a)〜(c)に示すように、先読み予告(事前報知)が開始されたときの始動記憶に対応する始動記憶表示(図38(b))と、先読み予告が開始された後の始動記憶に対応する始動記憶表示(図38(c))と、を遊技者が認識可能(識別可能、区別可能)に表示する。これにより、遊技者は、先読み予告の対象がどの範囲かを容易に認識し、当該先読み予告による期待感を適正な範囲で感じることができる。
【0441】
〔変動中処理〕
次に、第2の実施の形態の第1変形例について説明する。まず、本第1変形例の1stシーン制御処理(図33)における変動中処理(S1511)の詳細について説明する。図39は、本第1変形例における変動中処理の手順を示すフローチャートである。
【0442】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(S3901)。演出リクエストフラグは、前述したように、1stシーン制御処理のS1506で、主制御用マイコン(1stCPU)551が受信したシーン変更コマンドが有効なコマンドである場合にセットされる。したがって、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出リクエストフラグがない場合には(S3901の結果が「N」)、表示装置48に表示される表示内容は一連の表示演出の一部であるので、更新タイマが0か否かに応じて表示内容を変更するか判定する(S3902)。
【0443】
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、更新タイマが0の場合には(S3902の結果が「Y」)、次のシーンに移行するためにシーケンステーブルに設定された次のシーンのデータを設定し(S3903)、S3912以降の処理を実行する。
【0444】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、更新タイマが0でない場合には(S3902の結果が「N」)、S3912以降の処理を実行する。
【0445】
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出リクエストフラグがある場合には(S3901の結果が「Y」)、表示装置48に表示される表示内容全体を切り替えるタイミングなので、受信したシーン変更コマンドに応じて各種処理を実行する。
【0446】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、変動表示ゲームの終了間際などに遊技者によって押された演出ボタン31などプッシュボタン(PB)情報(履歴)をクリアする(S3904)。これにより、前回の変動表示ゲームにおける操作が今回の変動表示ゲームに影響しない。そして、可動体(役物)の作動リクエストをセットして初期化する(S3905)。
【0447】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技制御装置500から送信される変動パターン情報、遊技状態、及び、演出制御装置550の演出情報に基づいてシーン変更コマンドに対応する変動パターンを決定し、当該変動パターンの情報を設定する変動パターン情報設定処理を実行する(S3906)。
【0448】
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出のかたよりが生じないように演出情報を決定する乱数の種値を初期化する乱数シード初期化処理を実行する(S3907)。
【0449】
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、S3906で設定された変動パターンに対応して、表示装置48で実行される飾り特図変動表示ゲームにおける変動表示の開始や停止、演出用キャラクタの表示等の各種表示の実行タイミングや表示時間を管理するシーンシーケンステーブルを設定する(S3908)。飾り特図変動表示ゲームは、設定されたシーンシーケンステーブルに従って実行される。
【0450】
さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551は、時間短縮変動回数などを管理するために変動回数管理処理を実行し(S3909)、シーンの更新タイマの更新タイミングを判断するために変動時間を設定する変動時間設定処理を実行する(S3910)。
【0451】
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、シーン変更コマンドに対応した設定が終了したので演出リクエストフラグをクリアする(S3911)。
【0452】
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、次に消化される保留(次保留)は先読み予告を実行中であるか否かを判定する(S3912)。すなわち、次保留が先読み予告の対象であるか否かを判定する。次保留が先読み予告を実行中でない場合には(S3912の結果が「N」)、変動中処理を終了する。
【0453】
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、次保留が先読み予告を実行中である場合には(S3912の結果が「Y」)、変動パターン乱数を確認し(S3913)、保留数が増加したことによって、先読み予告の内容が変化したか否かを判定する(S3914)。
【0454】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、先読み予告の内容が変化していない場合には(S3914の結果が「N」)、変動中処理を終了する。一方、先読み予告の内容が変化した場合には(S3914の結果が「Y」)、保留発生を促す報知を設定し(S3915)、変動中処理を終了する。
【0455】
なお、S3915では、保留数の増加によって先読み予告の内容が変更していない場合(S3914の結果が「N」)や、次保留が先読み予告を実行中でない場合(S3912の結果が「N」)であっても、既に先読み予告が発生している場合には、例えば保留数の増加によって先読み予告の内容が変更された可能性がある旨を、ガセで報知してもよい。
【0456】
また、変動表示ゲームの実行状況を監視し、不適切なタイミング(例えばスペシャルリーチ中、変動表示ゲームの終了間際等)の場合には、S3915の報知を実行しなくてもよい。また、変動中処理は、S3915の報知を実行するか否かの抽選処理をさらに含んでもよい。
【0457】
図40は、本第1変形例における先読み予告調整処理の画面遷移の例を示す図である。図40(a)は、遷移前の画面表示例で、図40(b)は、新たに発生した5つ目の保留による遷移後の画面表示例で、図40(c)は、1つ目及び2つ目の保留が消化された場合の画面表示例である。
【0458】
図40(a)に示すように、画面遷移の第4例の表示装置48における左、中、右の変動表示領域の下部には、特図1用保留表示領域(左側)と、特図2用保留表示領域(右側)とからなる特図保留表示領域が設けられている。特図1用保留表示領域、特図2用保留表示領域には、それぞれ最大4個の保留が表示される。図40(a)では、特図1用保留表示領域に表示された3番目の保留が先読み予告対象であるが、前述の先読み予告条件(S3401)を満たさないので、全ての保留が通常表示態様であるとする。
【0459】
ここで、前述の先読み予告実行条件(S3401)を満たす5番目の特図2用保留が発生した場合を考える。この場合には、図40(b)に示すように、全ての保留の表示が青色に変更される。
【0460】
その後、1つ目及び2つ目の保留が消化され、先読み予告対象の保留が次に消化される保留になった場合を考える。この場合には、保留数の増加によって先読み予告の内容が変更することが判定されると(前述のS3914の結果が「N」)、図40(c)に示すように、保留発生を促す報知「保留が増えれば先読みランクアップ?」がなされる。なお、保留発生を促す報知の内容及び報知される領域は、図40(c)に示す場合に限定されるものではない。
【0461】
図41は、本発明の第2の実施の形態の第2変形例の変動パターン選択テーブルである。図41(a)は、特殊1変動パターン選択テーブルで、図41(b)は、特殊2変動パターン選択テーブルである。特殊1変動パターン選択テーブル及び特殊2変動パターン選択テーブルは共に、大当り時とはずれ時とで共通の変動パターンテーブルである。
【0462】
各特殊変動パターン選択テーブルでは、保留数毎に、後半の変動のリーチ系統を選択するための変動パターン乱数1と、乱数値に対応するリーチ系統及び変動時間とが設定されている。
【0463】
図41(a)では、保留数が1の場合には、変動時間が20秒のノーマルリーチが設定される。保留数が2の場合には、変動時間が50秒のスペシャル1リーチが設定される。保留数が3の場合には、変動時間が100秒のスペシャル2リーチが設定される。保留数が4〜8の場合には、変動時間が150秒のスペシャル3リーチが設定される。
【0464】
図41(b)では、保留数が1の場合には、変動時間が20秒のノーマルリーチが設定される。保留数が2の場合には、変動時間が100秒のスペシャル2リーチが設定される。保留数が3の場合には、変動時間が50秒のスペシャル1リーチが設定される。保留数が4〜8の場合には、変動時間が150秒のスペシャル3リーチが設定される。
【0465】
遊技制御装置500は、大当り終了後、大当り図柄毎に定められた所定ゲーム数(例えば100ゲーム)経過した場合に、変動パターン選択テーブルを、上記特殊変動パターン選択テーブル(特殊1変動パターン選択テーブル、特殊2変動パターン選択テーブルのいずれか)に切り替える。これによって、未発生の保留(始動記憶として記憶される前の乱数)に対して、疑似的な先読み予告(疑似先読み予告)を実行することができる。疑似先読み予告については、詳細に後述する。
【0466】
なお、このような特殊変動パターン選択テーブルの種類を多く設けることによって、遊技中の遊技者による変動パターン選択テーブルの特定を防ぐことができる。
【0467】
〔保留数コマンド受信処理〕
次に、本第2変形例の1stシーン制御処理(図33)における保留数コマンド受信処理(S1518)の詳細について説明する。図42は、本第2変形例の保留数コマンド受信処理の手順を示すフローチャートである。
【0468】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、特図保留数(飾り特図保留数)コマンドを受信したか否か(S4201、S4202)、及び、特図保留数コマンドを受信した場合には(S4202の結果が「Y」)、オーバーフローコマンドであるか否か(S4203)を確認する。特図保留数コマンドを受信していない場合(S4202の結果が「N」)、又は、オーバーフローコマンドである場合には(S4203の結果が「Y」)、保留数コマンド受信処理を終了する。
【0469】
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、オーバーフローコマンドでない場合には(S4203の結果が「N」)、受信した特図保留数コマンドの対象は、特図1用保留であるか否かを確認する(S4204)。
【0470】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、対象が特図1である場合には(S4204の結果が「Y」)、現状の特図1保留数記憶領域の値を取得し(S4205)、今回受信した特図保留数コマンドに基づく値を取得する(S4206)。続いて、差分を算出し、特図1保留数記憶領域の値を更新し(S4207)、更新内容に基づき特図1保留数表示データを設定する(S4208)。
【0471】
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、対象が特図1でない、すなわち対象が特図2である場合には(S4204の結果が「N」)、現状の特図2保留数記憶領域の値を取得し(S4209)、今回受信した特図保留数コマンドに基づく値を取得する(S4210)。続いて、差分を算出し、特図2保留数記憶領域の値を更新し(S4211)、更新内容に基づき特図2保留数表示データを設定する(S4212)。
【0472】
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、特殊演出情報を確認する(S4213)。なお、大当り終了後に、遊技制御装置500に大当り図柄毎に定められた所定ゲーム数(例えば100ゲーム)の情報を送信させておく。
【0473】
そして、次保留の発生が、変動パターン選択テーブル変更のタイミングであるか否かを確認する(S4214、S4215)。変更のタイミングでない場合には(S4215の結果が「N」)、保留数コマンド受信処理を終了する。
【0474】
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、変更のタイミングである場合には(S4215の結果が「Y」)、変更される変動パターン選択テーブルの内容と保留数を確認し、疑似先読み予告を設定する(S4216)。疑似先読み予告とは、未発生の保留に対して実行される先読み予告である。具体的には、例えば後述の図43(b)、(c)に示すように、未発生の保留を発生済の保留と区別できる態様(例えば点線等)で表示するとともに、当該未発生の保留を含む全ての保留を先読み予告態様で表示する。その後、変化を確認するための変化確認フラグを設定し(S4217)、保留数コマンド受信処理を終了する。
【0475】
図43は、本第2変形例における画面表示例を示す図である。図43(a)は、遷移前の画面表示例で、図43(b)は、未発生の保留による疑似先読み予告後の画面表示例で、図43(c)は、未発生の保留による疑似先読み予告後の画面表示例である。
【0476】
図43(a)〜(c)に示すように、本第2変形例では、表示装置48における左、中、右の変動表示領域の下部に、一つの特図保留表示領域が設けられている。この特図保留表示領域には、特図1用の保留は丸で、特図2用の保留は三角で示される。表示された保留は左から順に消化される。すなわち、保留表示(始動記憶表示)を複数表示する場合に、各保留表示を、発生順に隣り合わせて表示している。
【0477】
図43(a)では、5番目に消化される保留が発生し、次保留の発生が変動パターン選択テーブル変更のタイミングであると判定された場合(S4215の結果が「Y」)における遷移前の画面表示を示している。図43(a)では、遷移前であるので、全ての保留が通常表示態様である。
【0478】
図43(b)、(c)では、次保留の発生によって、それぞれスペシャル1リーチ、スペシャルリーチ2の先読み予告が設定されると判定された場合の画面表示を示している。この図43(b)、(c)に示すように、未発生の保留は点線表示され、この未発生の保留を含む全ての保留が先読み予告態様で表示されている。
【0479】
なお、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0480】
1 遊技機
9 装飾部材
31 演出ボタン
37 第1始動入賞口
38 第2始動入賞口
48 表示装置
500 遊技制御装置(主基板)
550 演出制御装置
551 主制御用マイコン(1stCPU)
【技術分野】
【0001】
本発明は、始動口に遊技球が入賞することによって変動表示ゲームを実行する遊技機に関し、特に、未実行の変動表示ゲームの期待度を報知する機能を有する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の代表例としてパチンコ機がある。このパチンコ機には、遊技領域に設けられた始動口に遊技球が入賞すること(始動入賞)に基づいて、変動表示装置に表示される複数の識別情報(図柄、記号など)が変動する変動表示ゲームを実行し、所定時間経過後に停止した複数の識別情報の態様が予め定められた特別結果態様であった場合には、遊技者に多くの賞球を払い出す特別遊技状態(大当り状態)となり、遊技者が多くの利益を獲得可能にするものがある。
【0003】
この種のパチンコ機では、始動入賞に基づき、変動表示ゲームの実行結果を決定するための乱数を抽出し、当該乱数を始動記憶として記憶するものが一般的である。
【0004】
また、この始動記憶として記憶されている乱数に対して、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に、特別結果態様を導出するものであるか否かの事前判定を行い、事前判定の結果を遊技者に報知する、いわゆる先読み予告を実行するものも一般的である。
【0005】
特許文献1には、先読み予告として、始動記憶表示の表示態様を異ならせることで、未実行の変動表示ゲームの期待度を報知するパチンコ機が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−154106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、先読み予告を行う場合、特許文献1のように、単に先読み対象の始動記憶表示の表示態様を異ならせるものが一般的で、先読み対象の始動記憶以外の始動記憶、特に後続の始動記憶なども含めた演出などを行うものがなかった。
【0008】
そこで、本発明は上記した問題点に鑑みてなされたものであり、先読み予告を行う場合に、先読み対象の始動記憶以外の始動記憶を関連させることで、斬新な先読み予告を行うことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の遊技機は、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき、識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行可能な変動表示装置を備え、前記変動表示ゲームの停止結果が予め定めた特別結果態様となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、前記始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき、前記変動表示ゲームの実行に関連する乱数を抽出し該変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動入賞記憶手段と、前記始動入賞記憶手段に始動記憶として記憶されている乱数から、該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行情報を当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるよりも前に判定する事前判定手段と、所定始動記憶に対する前記事前判定手段の判定結果に応じて、該所定始動記憶に基づいて実行される変動表示ゲームの実行情報を事前報知する事前報知手段と、前記所定始動記憶に対応する前記事前報知が実行されているときに、前記所定始動記憶の後に後続始動記憶が発生した場合に、前記所定始動記憶に対する前記事前判定手段の判定結果と前記後続始動記憶に対する前記事前判定手段の判定結果とを比較し、該比較結果に基づき、前記事前報知の対象を、前記所定始動記憶から前記後続始動記憶に切り替えて実行可能な事前報知制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、先読み予告を行う場合に、先読み対象の始動記憶以外の始動記憶を関連させることで、斬新な先読み予告を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施の形態の遊技機の斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の遊技機に備えられる遊技盤の正面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態の演出制御装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置によって実行されるメイン処理の前半部のフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置によって実行されるメイン処理の後半部のフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第1の実施の形態の始動口スイッチ監視処理のフローチャートである。
【図10】本発明の第1の実施の形態の特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第1の実施の形態の特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第1の実施の形態の特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
【図13A】本発明の第1の実施の形態の変動パターン選択テーブルである。
【図13B】本発明の第1の実施形態の始動入賞時の遊技制御装置の処理概要を説明する図である。
【図14】本発明の第1の実施の形態の演出制御装置の主制御用マイコンによって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第1の実施の形態の1stシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第1の実施の形態の先読み予告設定処理の手順を示すフローチャートである。
【図17】本発明の第1の実施の形態の先読み予告重複時処理の手順を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第1の実施の形態の先読み予告設定処理を説明するための図である。
【図19】本発明の第1の実施の形態の先読み予告重複時処理を説明するための図である。
【図20】本発明の第1の実施の形態の先読み予告重複時処理の画面遷移の第1例を示す図である。
【図21】本発明の第1の実施の形態の先読み予告重複時処理の画面遷移の第2例を示す図である。
【図22】本発明の第1の実施の形態の先読み予告重複時処理の画面遷移の第3例を示す図である。
【図23】本発明の第1の実施の形態の第1変形例における先読み予告重複時処理を説明するための図である。
【図24】本発明の第1の実施の形態の第1変形例における先読み予告重複時処理を示すフローチャートである。
【図25】本発明の第1の実施の形態の第1変形例における先読み予告重複時処理の画面遷移例を示す図である。
【図26】本発明の第1の実施の形態の第2変形例における先読み情報比較テーブルを示す図である。
【図27】本発明の第1の実施の形態の第2変形例における先読み予告重複時処理を示すフローチャートである。
【図28A】本発明の第1の実施の形態の第2変形例における変更抽選処理の手順を示すフローチャートである。
【図28B】本発明の第1の実施の形態の第2変形例における変更抽選処理で使用される変更抽選テーブルである。
【図29】本発明の第1の実施の形態の第2変形例における変動中処理の手順を示すフローチャートである。
【図30】本発明の第1の実施の形態の第2変形例における先読み予告重複時処理の画面遷移例を示す図である。
【図31】本発明の第2の実施の形態の変動パターンの選択態様を説明する図である。
【図32】本発明の第2の実施形態の事前判定コマンドを示す図である。
【図33】本発明の第2の実施の形態の1stシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図34】本発明の第2の実施の形態の先読み予告設定処理の手順を示すフローチャートである。
【図35】本発明の第2の実施の形態の先読み予告調整処理の手順を示すフローチャートである。
【図36】本発明の第2の実施の形態の先読み予告調整処理の画面遷移の第1例を示す図である。
【図37】本発明の第2の実施の形態の先読み予告調整処理の画面遷移の第2例を示す図である。
【図38】本発明の第2の実施の形態の先読み予告調整処理の画面遷移の第3例を示す図である。
【図39】本発明の第2の実施の形態の第1変形例における変動中処理の手順を示すフローチャートである。
【図40】本発明の第2の実施の形態の第1変形例における先読み予告調整処理の画面遷移の例を示す図である。
【図41】本発明の第2の実施の形態の第2変形例の変動パターン選択テーブルである。
【図42】本発明の第2の実施の形態の第2変形例の保留数コマンド受信処理の手順を示すフローチャートである。
【図43】本発明の第2の実施の形態の第2変形例における画面表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の斜視図である。
【0013】
遊技機1は、島設備に固定される本体枠(外枠)2にヒンジ4を介して一側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠(遊技枠)3及びガラス枠(前枠)18によって構成される。
【0014】
前面枠3には、遊技領域10aを有する遊技盤10(図2参照)が、裏面に取り付けられた収納フレーム(図示省略)に収装される。また、前面枠3には、遊技盤10の前面を覆うカバーガラス(透明部材)18aを備えたガラス枠18が取り付けられる。前面枠3及びガラス枠18は、それぞれ個別に開放することが可能であり、例えば、ガラス枠18のみを開放して遊技盤10の遊技領域10a(図2参照)にアクセスすることができる。また、前面枠3をガラス枠18が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤10の裏側に配置された遊技制御装置500(図3参照)などにアクセスすることができる。
【0015】
ガラス枠18のカバーガラス18aの周囲には、装飾光を発光する装飾部材9が備えられている。装飾部材9の内部にはランプやLED等によって構成された枠装飾装置18d(図4参照)が備えられている。枠装飾装置18dを所定の発光態様によって発光させることによって、装飾部材9が所定の発光態様によって発光する。
【0016】
ガラス枠18の上方中央部には、照明ユニット11が備えられる。照明ユニット11の内部には、LEDやランプなどの発光部材が備えられる。
【0017】
照明ユニット11の左側には第1可動式照明13が、右側には第2可動式照明14が備えられる。第1可動式照明13及び第2可動式照明14は、上スピーカー30aの上方に配置されている。第1可動式照明13及び第2可動式照明14には、LEDなどの照明部材の他に、照明駆動モータ(枠演出装置18f(図4参照))がそれぞれ備えられており、演出内容に応じて動作(例えば、回転)するように制御される。
【0018】
また、遊技機1には、音響(効果音、警報音、報知音等)を発するスピーカー30が備えられる。スピーカー30には、上スピーカー30a及び下スピーカー30bが含まれる。上スピーカー30aはガラス枠18の上方に配置され、下スピーカー30bは後述する上皿21の下方に配置される。
【0019】
第1可動式照明13の右側には、遊技機1において異常が発生したことなどを報知するための遊技状態LED29が備えられている。遊技機1において異常が発生した場合には、さらに、スピーカー30から異常を報知するための報知音が出力される。
【0020】
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施などが含まれる。不正行為は、例えば、磁石によって発射された遊技球の軌道を不正に操作する行為や、遊技機1を振動させる行為などである。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ(SW)39a(図3参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチ(SW)39b(図3参照)によって振動を検出したりすることによって検知される。また、不正に開閉枠を開放する行為も不正行為に含まれる。このとき、枠開放センサスイッチ(前面枠開放検出スイッチ3b、ガラス枠開放検出スイッチ18b、図3参照)によって営業時間中に前面枠3やガラス枠18の開閉枠が開放されたことが検出される。以上のような不正行為が検出されると、遊技状態LED29やスピーカー30などによって異常が報知されるようになっている。
【0021】
ガラス枠18のカバーガラス18aの下方には、上皿21などを含む上皿ユニットが備えられる。上皿21は、図示しない打球発射装置に遊技球(遊技媒体)を供給する。上皿ユニットには、演出ボタン31を備えた上皿カバーユニット20が含まれている。
【0022】
さらに、ガラス枠18の下方位置であって前面枠3に固定される固定パネル22には、下皿23及び打球発射装置の操作部24等が備えられる。遊技者が操作部24を回動操作することによって、打球発射装置は、上皿21から供給される遊技球を遊技盤10の遊技領域10a(図2参照)に発射する。
【0023】
下皿23には、下皿23に貯まった遊技球を排出するための下皿球抜き機構16が備えられる。前面枠3の下部右側には、ガラス枠18を施錠するための鍵25が備えられている。
【0024】
また、上皿ユニットのうち上皿21の手前側には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ(SW)31a(図4参照)を内蔵する演出ボタン31(操作手段)が備えられている。遊技者は、演出ボタン31を操作することによって、表示装置48(図2参照)における変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことが可能となる。例えば、演出内容を選択させることができる。なお、変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームが含まれ、本明細書では、単に変動表示ゲームとした場合には、特図変動表示ゲームを指すものとする。
【0025】
また、遊技状態に関わらず、遊技者が演出ボタン31を操作することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。なお、遊技状態には、通常遊技状態(通常状態)と特別な遊技状態とがある。通常遊技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別な遊技状態とは、例えば、後述する特定遊技状態(普電サポート状態または時短状態)や変動表示ゲームにおいて特別結果(大当り)の発生確率が高い状態(確変状態)や大当り状態(特別遊技状態)である。
【0026】
また、変動表示ゲームが開始された後、演出ボタン31の操作を促進するための操作促進演出が実行され、操作促進演出が実行されている間に演出ボタン31を操作することによって、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する事前演出などを実行することができる。
【0027】
上皿21の右上部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン26、及び、図示しないカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作される排出ボタン27が設けられている。
【0028】
図2は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1に備えられる遊技盤10の正面図である。
【0029】
遊技盤10は、各種部材の取り付けベースとなる平板状の遊技盤本体10b(木製又は合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体10bの前面にガイドレール35で囲まれた遊技領域10aを有している。また、遊技盤本体10bの前面であってガイドレール35の外側には、前面構成部材(サイドケース)33が取り付けられている。さらに、遊技領域10aの右下側の前面構成部材33は、前面の中央部が黒色透明の証紙プレート36で覆われている。そして、このガイドレール35で囲まれた遊技領域10a内に打球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようになっている。遊技領域10aには、打球方向変換部材としての風車45や多数の障害釘(図示略)などが配設されており、発射された遊技球はこれらの打球方向変換部材により転動方向を変えながら遊技領域10aを流下する。
【0030】
遊技領域10aの略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース46が取り付けられている。センターケース46に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する変動表示ゲームの演出を実行可能な演出表示装置としての表示装置48が配置されている。表示装置48は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース46の窓部を介して遊技盤10の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置48は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
【0031】
表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
【0032】
また、センターケース46の窓部下方には、ステージ部46aが設けられる。センターケース46のステージ部46aには、遊技領域10aを流下する遊技球を受け入れられるように遊技領域10aに向けて開口し、センターケース46の内部に配置されたワープ通路(図示省略)を通過した遊技球が排出される。センターケース46のステージ部46aは、第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38の上方に配置されているため、ステージ部46a上で転動した遊技球が第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38上に流下しやすいように構成されている。第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38についての詳細は後述する。
【0033】
遊技領域10aのセンターケース46の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)34a(図3参照)が設けられている。そして、遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
【0034】
さらに、センターケース46の左下側には、三つの一般入賞口44が配置され、センターケース46の右下側には、一つの一般入賞口44が配置されている。また、一般入賞口44への遊技球の入賞は、一般入賞口44に備えられた入賞口スイッチ(SW)44a〜44n(図3参照)によって検出される。
【0035】
また、センターケース46の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える第1始動入賞口(第1始動入賞領域)37が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材38aを備えるとともに内部に第2始動入賞口(第2始動入賞領域)38が配設されている。そして、遊技球が第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。
【0036】
第2始動入賞口38の一対の可動部材38aは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、第2始動入賞口38の上方には、第1始動入賞口37が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないように構成されている。
【0037】
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド38b(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて第2始動入賞口38に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態、入賞容易状態)に変化させられるように構成されている。
【0038】
なお、可動部材38aは、後述する遊技制御装置によって制御される。遊技制御装置は、入賞容易状態の発生頻度を高めたり、入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、前述の特定遊技状態(普電サポート状態、時短状態)を発生させる。
【0039】
さらに遊技領域10aの第2始動入賞口38の下方には、大入賞口ソレノイド42b(図3参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉42aを有する大入賞口を備えた特別変動入賞装置42が設けられている。特別変動入賞装置42は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態、特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ42d(図3参照)が配設されている。
【0040】
一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、及び特別変動入賞装置42の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置580(図3参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から前面枠3の上皿21又は下皿23に排出するように制御する。また、特別変動入賞装置42の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口43が設けられている。
【0041】
また、遊技領域10aの外側(例えば、遊技盤10の右下部)には、表示装置48における特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲーム)、及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。さらに、一括表示装置50には、現在の遊技状態などの情報を表示する表示部が設けられている。
【0042】
ここで、一括表示装置50について説明する。一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)を備える。
【0043】
また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)60、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示器58、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置42の開閉回数)を表示するラウンド表示部59が設けられている。
【0044】
特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置48において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、7セグメント型の表示器のセグメントを点滅させることによって、特別識別情報(特図、特別図柄)を所定時間ごとに切り替える変動表示を行う。
【0045】
そして、特別識別情報の変動表示の開始時点で決定されている変動時間が経過すると、変動表示ゲームの結果に対応する特別識別情報で変動表示を停止して、特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームを終了する。
【0046】
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
【0047】
特図1保留表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる第1始動入賞口37への入賞によって発生した始動記憶のうち未消化の始動記憶数(=保留数)を表示する。具体的には、LEDランプが4つ設けられ、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
【0048】
特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口38への入賞によって発生した始動記憶のうち未消化の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器54と同様にして表示する。
【0049】
普図保留表示器56は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動記憶数(=普図保留数)を表示する。例えばLEDランプが2つ設けられる場合は、普図保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、普図保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、普図保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、普図保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、普図保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
【0050】
第1遊技状態表示器57は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器60は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
【0051】
エラー表示器58は、例えば遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
【0052】
ラウンド表示部59は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部59は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
【0053】
ここで、本発明の第1の実施の形態の遊技機1における遊技の流れ、及び変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム)の詳細について説明する。
【0054】
前述のように、本発明の第1の実施の形態の遊技機1では、図示しない打球発射装置から遊技領域10aに向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域10a内の各所に配置された障害釘や風車45等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域10aを流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38又は特別変動入賞装置42に入賞するか、遊技領域10aの最下部に設けられたアウト口43へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38又は特別変動入賞装置42に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置580によって制御される払出ユニットから、前面枠3の上皿21又は下皿23に排出される。
【0055】
前述のように、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられている。普図始動ゲート34は、例えば、非接触型のスイッチである。遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aによって検出され、普図変動表示ゲームが実行される。
【0056】
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口38が開放状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。普図始動記憶の数は、一括表示装置50の普図保留表示器56に表示される。
【0057】
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
【0058】
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
【0059】
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成してもよい。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、第2始動入賞口38の一対の開閉部材38aが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開放状態となる。これにより、第2始動入賞口38に遊技球が入賞し易くなり、特図2変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
【0060】
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、第2始動入賞口38は、内蔵されている普電ソレノイド38b(図3参照)が駆動されることにより、開閉部材38aが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、第2始動入賞口38への遊技球の入賞が許容される。
【0061】
第1始動入賞口37への入賞球及び第2始動入賞口38への入賞球は、それぞれ内部に設けられた始動口1スイッチ37d(図3参照)と始動口2スイッチ38d(図3参照)によって検出される。第1始動入賞口37に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口38に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶される。
【0062】
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置500(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数分(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55)に表示されるとともに、センターケース46の表示装置48においても表示される。
【0063】
遊技制御装置500は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞、若しくは各始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置、特図1表示器51又は特図2表示器52)で特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームを行う。
【0064】
特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置48にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
【0065】
表示装置48における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置48では、特図入賞記憶の記憶数に対応する飾り特別図柄による飾り特図変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
【0066】
さらに、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の当り乱数値が当り値であるとき)には特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出されて、大当り状態(特別遊技状態)となる。また、これに対応して表示装置48の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字のいずれか)となる。
【0067】
このとき、特別変動入賞装置42は、大入賞口ソレノイド42b(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、特別変動入賞装置42に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
【0068】
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でもよいし同一の表示器でもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。また、表示装置48における飾り特図変動表示ゲームについても、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。
【0069】
また、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、かつ、始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶される。このとき、始動記憶数が1加算されるとともに、直ちに始動記憶に基づいて、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
【0070】
一方、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶される。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始される。
【0071】
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
【0072】
なお、特に限定されるわけではないが、前述した第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。前面枠3に前面枠開放検出スイッチ3bやガラス枠18に設けられたガラス枠開放検出スイッチ18bには、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
【0073】
また、特に限定されるわけではないが、本発明の第1の実施の形態では、特図1変動表示ゲームの実行と、特図2変動表示ゲームの実行との間で優先度を考慮しない。すなわち、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームそれぞれの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は、先に記憶された始動記憶に対応する特図変動表示ゲームが実行される(始動記憶の発生順に消化する)。
【0074】
また、第2始動入賞口38を、第1始動入賞口37と同様に、通常に入賞可能な位置(例えばステージ部46a)に設けることによって、第2始動入賞口38への入賞の機会を増やしてもよい。また、前述の普図変動表示ゲームの当りの確率を高くしたり、普図変動表示ゲームが当りになった場合の開閉部材38aの開放時間を長くしたりすることによって、第2始動入賞口38への入賞の機会を増やしてもよい。
【0075】
図3は、本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置500の構成を示すブロック図である。
【0076】
遊技機1は遊技制御装置500を備え、遊技制御装置500は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)511を有するCPU部510と、入力ポートを有する入力部520と、出力ポートやドライバなどを有する出力部530、CPU部510と入力部520と出力部530との間を接続するデータバス540などからなる。
【0077】
CPU部510は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン511と、入力部520内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)521からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン511に入力させるインバータなどからなる反転回路512と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)513などを有する。遊技制御装置500及び該遊技制御装置500によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置300で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能に構成される。
【0078】
電源装置300は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部310と、遊技用マイコン511の内部のRAM511cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部320と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置500に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部330などを備える。
【0079】
この実施の形態では、電源装置300は、遊技制御装置500と別個に構成されているが、バックアップ電源部320及び制御信号生成部330は、別個の基板上あるいは遊技制御装置500と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤10及び遊技制御装置500は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置300若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部320及び制御信号生成部330を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
【0080】
バックアップ電源部320は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置500の遊技用マイコン511(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAM511cに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部330は、例えば通常電源部310で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。遊技制御装置500は、停電復旧後、RAM511cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。なお、バックアップ電源部320は、遊技データを2〜3日以上保持させることが可能となっている。
【0081】
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン511内のRAM511c及び払出制御装置580内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン511が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
【0082】
遊技用マイコン511は、CPU(中央処理ユニット、マイクロプロセッサ)511a、データを書き換え不能に記憶する(読出し専用の)ROM(リードオンリメモリ、不揮発性記憶手段)511b及びデータを書き換え可能に記憶する(随時読出し書込み可能な)RAM(ランダムアクセスメモリ、揮発性記憶手段)511cを備える。
【0083】
ROM511bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に(書き換え不能に)記憶し、RAM511cは、遊技制御時にCPU511aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM511b又はRAM511cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
【0084】
また、ROM511bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターン振り分け情報を記憶している。
【0085】
変動パターン振り分け情報とは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU511aが参照して変動パターンを決定するための振り分け情報である。また、変動パターン振り分け情報には、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターン振り分け情報、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターン振り分け情報等が含まれる。例えば、特図変動表示ゲームがリーチなしの変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてノーマル(N)リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)1リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)2リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、大当りとなる特図変動表示ゲームにてプレミアムリーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報等がある。
【0086】
さらに、これらのパターン振り分け情報には、後半変動パターン振り分け情報、前半変動パターン振り分け情報が含まれている。
【0087】
ここで、ROM511bは、特図変動表示ゲームにおける実行時間の設定に係る変動振り分け情報を複数記憶した変動振り分け情報記憶手段を構成している。
【0088】
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機1において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態(例えば、最後に停止する識別情報を除く複数の識別情報が特別遊技状態となる特別結果を発生可能な識別情報で停止し、最後に停止する識別情報が変動表示している状態)をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
【0089】
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置48における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
【0090】
また、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチの順に高くなるようになっている(リーチ演出によって特別結果態様が導出される確率が異なる)。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定される場合(はずれとなる場合)における変動表示態様が含まれることもある。
【0091】
ここで、信頼度(期待度、期待感)の高低は、特別結果態様が導出されるときの演出選択及び特別結果態様が導出されないときの演出選択の割合によって算出することができる。
【0092】
例えば、特別結果態様が導出される変動表示ゲームでは、上記SP1リーチは10%の割合で選択され、上記SP3リーチは40%の割合で選択されるとする。一方、特別結果態様が導出されない変動表示ゲームでは、上記SP1リーチは5%の割合で選択され、上記SP3リーチは1%の割合で選択されるとする。このような選択割合が設定されていることで、SP1リーチの信頼度はSP3リーチの信頼度よりも低いということが言える。
【0093】
本願発明においても、このようなリーチ演出(もしくは特定の演出)に対して選択割合を異ならせているため、上記のような、信頼度の高い演出、信頼度の低い演出の比較が可能となっている。
【0094】
CPU511aは、ROM511b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置580や演出制御装置550に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力したりして遊技機1全体の制御を行う。
【0095】
また、図示しないが、遊技用マイコン511は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路を備えている。さらに、水晶発振器513からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU511aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
【0096】
また、CPU511aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(S801)や特図普段処理(S809)にて、ROM511bに記憶されている複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を取得する。具体的には、CPU511aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り又ははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態又は高確率状態)、現在の遊技状態としての第2始動入賞口38の動作状態(通常動作状態又は時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を選択して取得する。
【0097】
払出制御装置580は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置500からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置580は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置580が遊技球の発射許可信号を出すことで、発射制御装置581が発射可能状態になる。
【0098】
遊技制御装置500の入力部520には、第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)521が設けられている。近接I/F521は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常が検知された場合には異常検知信号を出力するように構成されている。このとき、異常検知信号は、入力ポート523に入力される。
【0099】
近接I/F521に入力された信号の出力はすべて入力ポート522に供給され、データバス540を介して遊技用マイコン511に読み込まれるとともに、遊技制御装置(主基板)500から中継基板591を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F521の出力のうち始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dの検出信号は、入力ポート522の他、反転回路512を介して遊技用マイコン511へ入力されるように構成されている。反転回路512を設けているのは、遊技用マイコン511の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、すなわち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
【0100】
したがって、始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路512を設けずに遊技用マイコン511に検出信号を直接入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dからの負論理の信号を遊技用マイコン511に直接入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。前述のように近接I/F521は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F521には、電源装置300から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
【0101】
また、入力部520には、遊技機1の前面枠3等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ39a及び振動センサスイッチ39bからの信号及び近接I/F521により変換された第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dからの信号を取り込んでデータバス540を介して遊技用マイコン511に供給する入力ポート522が設けられている。入力ポート522が保持しているデータは、遊技用マイコン511が入力ポート522に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することによって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
【0102】
さらに、入力部520には、遊技機1の前面枠3に設けられた前面枠開放検出スイッチ3b及びガラス枠18に設けられたガラス枠開放検出スイッチ18bからの信号、及び払出制御装置580からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス540を介して遊技用マイコン511に供給する入力ポート523が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
【0103】
また、入力部520には、電源装置300からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン511等に入力するためのシュミットトリガ回路524が設けられており、シュミットトリガ回路524はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置300からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦、入力ポート523に入力され、データバス540を介して遊技用マイコン511に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン511に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
【0104】
一方、シュミットトリガ回路524によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン511に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部530の各出力ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部530を介さずに中継基板591に直接出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板591のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板591を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部520の各入力ポート(522,523)には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン511によって出力部530の各出力ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部520の各入力ポート(522,523)から遊技用マイコン511が読み込んだデータは、遊技用マイコン511のリセットによって廃棄されるためである。
【0105】
遊技制御装置500の出力部530は、データバス540に接続され払出制御装置580へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置550へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート531aと、演出制御装置550へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート531bとを備える。遊技制御装置500から払出制御装置580及び演出制御装置550へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部530には、演出制御装置550の側から遊技制御装置500へ信号を入力できないようにするため、すなわち、片方向通信を担保するために第1出力ポート531aからのデータストローブ信号SSTB及び第2出力ポート531bからの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ532aが設けられている。なお、第1出力ポート531aから払出制御装置580へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
【0106】
さらに、出力部530には、データバス540に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板591を介して出力するバッファ532bが実装可能に構成されている。このバッファ532bは遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F521から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ532bを通さずに中継基板591を介して試射試験装置へ供給される。
【0107】
一方、磁気センサスイッチ39aや振動センサスイッチ39bのようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン511に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工される。例えば、遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス540からバッファ532b、中継基板591を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板591には、バッファ532bから出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板591上のポートには、遊技用マイコン511から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
【0108】
また、出力部530には、データバス540に接続され特別変動入賞装置42を開閉させるソレノイド(大入賞口ソレノイド42b)や第2始動入賞口38の可動部材38aを開閉させるソレノイド(普電ソレノイド38b)の開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート531c、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート531d、大当り情報など遊技機1に関する情報を外部情報端子508へ出力するための第5出力ポート531eが設けられている。外部情報端子508から出力された遊技機1に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
【0109】
さらに、出力部530には、第1ドライバ(駆動回路)533a、第2ドライバ533b、第3ドライバ533c、及び第4ドライバ533dが設けられている。第1ドライバ533aは、第3出力ポート531cから出力される大入賞口ソレノイド42bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する。第2ドライバ533bは、第3出力ポート531cから出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する。第3ドライバ533cは、第4出力ポート531dから出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する。第4ドライバ533dは、第5出力ポート531eから管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子508へ出力する。
【0110】
第1ドライバ533aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置300から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ533cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ533bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ533cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ533bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子508へ出力する第4ドライバ533dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ532bや第3出力ポート531c、第1ドライバ533a等は、遊技制御装置500の出力部530、すなわち、主基板ではなく、中継基板591側に設けるようにしてもよい。
【0111】
さらに、出力部530には、外部の検査装置592へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ534が設けられている。フォトカプラ534は、遊技用マイコン511が検査装置592との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン511が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート522のようなポートは設けられていない。
【0112】
次に、図4を用いて、演出制御装置550の構成について説明する。図4は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550の構成を示すブロック図である。
【0113】
演出制御装置550は、遊技用マイコン511と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)551と、該主制御用マイコン551の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)554と、該映像制御用マイコン554からのコマンドやデータに従って表示装置48への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)558と、各種のメロディや効果音などをスピーカー30(30a,30b)から再生させるため音の出力を制御する音源LSI560を備えている。
【0114】
主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM553、555がそれぞれ接続され、VDP558にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM557が接続され、音源LSI560には音声データが記憶された音声ROM561が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技用マイコン511からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン554へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI560への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554の作業領域を提供するRAM551a、554aは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAM551a、554aはチップの外部に設けるようにしてもよい。
【0115】
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554との間、主制御用マイコン(1stCPU)551と音源LSI560との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。また、主制御用マイコン(1stCPU)551とVDP558との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP558には、画像ROM557から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)558aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ558b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置48へ送信する映像信号を生成する信号変換回路558cなどが設けられている。
【0116】
VDP558から主制御用マイコン551へは表示装置48の映像と前面枠3や遊技盤10に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP558から映像制御用マイコン554へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン554からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン554から主制御用マイコン551へは、映像制御用マイコン554が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン551と音源LSI560との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
【0117】
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)554には、主制御用マイコン(1stCPU)551よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)551とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)554を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)551のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置48に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)554と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
【0118】
また、演出制御装置550には、遊技制御装置500から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)552が設けられている。このコマンドI/F552を介して、遊技制御装置500から演出制御装置550へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置500の遊技用マイコン511はDC5Vで動作し、演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F552には信号のレベル変換の機能が設けられている。
【0119】
また、演出制御装置550には、遊技盤10(センターケース46を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置10dを制御する盤装飾LED制御回路10c、前面枠3に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置18dを制御する枠装飾LED制御回路18c、遊技盤10(センターケース46を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置48における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)10fを駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路10e、前面枠3に設けられている枠演出装置(例えば前記前述した第1可動式照明13、第2可動式照明14を動作させるモータ等)18fを駆動制御する枠演出モータ制御回路18eが設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路(10c、18c、10e、18e)は、アドレス/データバス559を介して主制御用マイコン(1stCPU)551と接続されている。
【0120】
さらに、演出制御装置550には、遊技機1の前面に設けられた演出ボタン31に内蔵されているスイッチ31aや盤演出装置10f内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)551へ検出信号を入力するスイッチ入力回路570、前面枠3に設けられた上スピーカー30aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路562a、前面枠3に設けられた下スピーカー30bを駆動するアンプ回路562bが設けられている。
【0121】
電源装置300の通常電源部310は、前述のような構成を有する演出制御装置550やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置48を駆動するためのDC12V、コマンドI/F552の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカーを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551や映像制御用マイコン(2ndCPU)554として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置550に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部310に設けるようにしてもよい。
【0122】
電源装置300の制御信号生成部330により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン551、映像制御用マイコン554、VDP558、音源LSI560、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路(10c〜18e)、スピーカーを駆動するアンプ回路562a、562bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン554の有する汎用のポートを利用して、VDP558に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン554とVDP558の動作の連携性を向上させることができる。
【0123】
以上が、本発明の第1の実施の形態における遊技機1の構成である。次に、これらの制御回路によって行われる遊技制御について説明する。
【0124】
遊技制御装置500のCPU511aは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aを通過した遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する。そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド38bを動作させ、第2始動入賞口38の可動部材38aを所定時間開放する制御を行う。
【0125】
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、CPU511aは、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0126】
また、遊技制御装置500のCPU511aは、第1始動入賞口37に備えられた始動口1スイッチ37dからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、特図1変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの当り外れを判定する。
【0127】
また、遊技制御装置500のCPU511aは、第2始動入賞口38に備えられた始動口2スイッチ38dからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、特図2変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
【0128】
そして、遊技制御装置500のCPU511aは、上記の特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置550に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
【0129】
また、演出制御装置550は、遊技制御装置500からの制御信号に基づき、表示装置48で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
【0130】
さらに、演出制御装置550は、遊技制御装置500からの制御信号に基づき、スピーカー30(30a,30b)からの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
【0131】
そして、遊技制御装置500のCPU511aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
【0132】
特別遊技状態を発生させる処理においては、遊技制御装置500のCPU511aは、例えば、大入賞口ソレノイド42bにより特別変動入賞装置42の開閉扉42aを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
【0133】
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
【0134】
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0135】
以下、遊技制御装置500による制御について具体的な処理を説明する。
【0136】
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図5は、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の前半部のフローチャートである。図6は、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の後半部のフローチャートである。
【0137】
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機1の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
【0138】
遊技制御装置500は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込み禁止する(S501)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(S502)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(S503)。さらに、割込み処理のモードを設定する(S504)。
【0139】
次に、遊技制御装置500は、払出制御装置(払出基板)580のプログラムが正常に起動するまで待機する(S505)。例えば、4ミリ秒間待機する。このように制御することによって、電源投入の際に、遊技制御装置500が先に起動してしまい、払出制御装置580の起動が完了する前に、コマンドを当該払出制御装置580に送信してしまい、払出制御装置580が送信されたコマンドを取りこぼすのを回避することができる。
【0140】
その後、遊技制御装置500は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(S506)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(S507)。また、遊技用マイコン511に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(S508)。本実施形態では、払出制御装置580や演出制御装置550とパラレル通信を行っているため、シリアルポートを使用しないためである。
【0141】
続いて、遊技制御装置500は、電源装置300内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(S509)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。例えば、閉店時などに正常に電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
【0142】
遊技制御装置500は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(S509の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(S510〜S513)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。S510及びS511の処理では停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かをチェックする。同様に、S512及びS513の処理では停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かをチェックする。
【0143】
遊技制御装置500は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定された場合には(S513の結果が「Y」)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(S514)。
【0144】
そして、遊技制御装置500は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し(S515)、これらの値が一致するか否かを判定する(S516)。
【0145】
一方、遊技制御装置500は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(S509の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(S511又はS513の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とS514の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(S516の結果が「N」)、図6のS631〜S635の初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
【0146】
遊技制御装置500は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(S516の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、停電前の状態に復旧させるための処理を実行する(図6のS601〜S607)。まず、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域をクリア(初期化)する。具体的には、すべての停電検査領域をクリアし(S601)、チェックサムが記憶されていた領域をクリアする(S602)。さらに、エラー関連の情報、及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域をリセットする(S603)。
【0147】
次に、遊技制御装置500は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(S604)。高確率でないと判定された場合には(S604の結果が「N」)、S607以降の処理を実行する。
【0148】
また、遊技制御装置500は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(S604の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(S605)。続いて、一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(第3遊技状態表示器58)をオン(点灯)に設定する(S606)。
【0149】
さらに、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置550に送信する(S607)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置550に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。
【0150】
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
【0151】
遊技制御装置500は、初期化処理において、まず、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアする(S631)。さらに、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアする(S632)。そして、初期化すべき領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(S633)。
【0152】
続いて、遊技制御装置500は、RWMクリアに関する外部情報(セキュリティ信号)を出力する出力タイマ初期値をセキュリティ信号制御タイマ領域にセーブする(S634)。そして、初期化処理の最後に電源投入時のコマンドを演出制御装置550に送信し(S635)、S608以降の処理を実行する。
【0153】
遊技制御装置500は、S607又はS635の処理が終了すると、遊技用マイコン511(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(S608)。
【0154】
なお、CTC回路は、遊技用マイコン511内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器513からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU511aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
【0155】
遊技制御装置500は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(S609)。具体的には、CPU511aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。さらに、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(S610)。その後、遊技制御装置500は、割込みを許可する(S611)。
【0156】
なお、本実施形態のCPU511a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
【0157】
続いて、遊技制御装置500は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(S612)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
【0158】
さらに、初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置500は、電源装置300から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする回数を設定する(S613)。チェック回数には、通常、2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することができる。遊技制御装置500は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S614)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(S614の結果が「N」)、S612の初期値乱数更新処理を再び実行し、S612からS614までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
【0159】
また、初期値乱数更新処理(S612)の前に割り込みを許可(S611)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
【0160】
なお、初期値乱数更新処理(S612)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。
【0161】
一方、遊技制御装置500は、停電監視信号がオンに設定されている場合には(S614の結果が「Y」)、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がS613の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(S615)。停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合には(S615の結果が「N」)、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S614)。すなわち、停電監視信号がオンである場合にはチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
【0162】
遊技制御装置500は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合には(S615の結果が「Y」)、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(S616〜S622)。
【0163】
遊技制御装置500は、割込みを禁止し(S616)、全出力ポートをオフに設定する(S617)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(S618)、さらに、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(S619)。
【0164】
さらに、遊技制御装置500は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(S620)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(S621)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(S622)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
【0165】
〔タイマ割込み処理(遊技制御装置)〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図7は、本発明の第1の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
【0166】
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込み信号がCPU511aに入力されることによって開始される。
【0167】
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(S701)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでS701の処理を実装することが可能である。
【0168】
次に、遊技制御装置500は、入力部520を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(S702)。各種センサには、始動口1スイッチ37d、始動口2スイッチ38d、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ42dなどが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
【0169】
さらに、遊技制御装置500は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置550及び払出制御装置580に送信するための出力処理を実行する(S703)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、大入賞口ソレノイド(SOL)42b、普電ソレノイド(SOL)38bが含まれる。また、出力処理では、遊技機における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力する処理も含まれる。
【0170】
次に、遊技制御装置500は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置550や払出制御装置580等に送信(出力)するコマンド送信処理を実行する(S704)。具体的には、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、及び停電から復旧した場合に演出制御装置550に停電復旧処理を実行させる停電復旧コマンドを演出制御装置550に送信したり、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを払出制御装置580に送信したりする。
【0171】
さらに、遊技制御装置500は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(S705)、続いて特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(S706)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
【0172】
その後、遊技制御装置500は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理が実行される(S707)。各種入賞口スイッチには、例えば、始動口1スイッチ37d、始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dが含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。エラーの監視としては、前面枠3やガラス枠18が不正に開放されていないかなどを対象としている。
【0173】
さらに、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(S708)。なお、特図ゲーム処理の詳細については、図8にて後述する。続いて、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(S709)。
【0174】
次に、遊技制御装置500は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(S710)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置50)に出力するためのパラメータを編集する。
【0175】
遊技制御装置500は、磁気センサスイッチ39aや振動センサスイッチ39bからの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁気エラー監視処理を実行する(S711)。異常の発生を検出した場合には、スピーカー30から報知音を出力したり、遊技状態LED29を点灯させたりするなどして外部に報知する。
【0176】
次に、遊技制御装置500は、外部情報端子508から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行する(S712)。
【0177】
そして、遊技制御装置500は、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(S713)。その後、S701の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(S714)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(S715)、タイマ割込み処理を終了し、メイン処理に復帰する。
【0178】
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(S708)の詳細について説明する。図8は、本発明の第1の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
【0179】
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dによる入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄、識別情報)の表示の設定を行う。
【0180】
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dの入賞を監視する始動スイッチ監視処理を実行する(S801)。
【0181】
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については、図9にて後述する。
【0182】
次に、遊技制御装置500は、カウントスイッチ監視処理を実行する(S802)。カウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置42内に設けられたカウントスイッチ42dによって当該特別変動入賞装置42に入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
【0183】
次に、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか、又は、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した結果、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(S803)。なお、特図ゲーム処理タイマは、後述する特図ゲーム処理番号に応じて分岐させる各処理(S809〜S815)を実行するときに初期値がセットされ、S803の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。この初期値としてセットされる値は、当該特図ゲーム処理番号に応じた処理を終了させるまでの時間値であり、例えば、特図普段処理(S809;特図ゲーム処理番号「0」)においてセットされる値は、特図変動表示ゲームにおいて特別図柄が変動表示されている時間値がセットされる。そして、特図ゲーム処理タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。
【0184】
遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(S804の結果が「N」)、S816以降の処理を実行する。
【0185】
一方、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(S804の結果が「Y」)、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(S805)。さらに、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(S806)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(S807)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(S808)。
【0186】
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「0」の場合には(S808の結果が「0」)、特図普段処理を実行する(S809)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。なお、特図普段処理の詳細については、図12にて後述する。
【0187】
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「1」の場合には(S808の結果が「1」)、特図変動中処理を実行する(S810)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
【0188】
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「2」の場合には(S808の結果が「2」)、特図表示中処理を実行する(S811)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
【0189】
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「3」の場合には(S808の結果が「3」)、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(S812)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
【0190】
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「4」の場合には(S808の結果が「4」)、大入賞口開放中処理を実行する(S813)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
【0191】
また、大入賞口開放中処理は、特図変動表示ゲームの結果が特別結果になった場合に大入賞口の開放時間に基づいて特別変動入賞装置42の開閉扉42aを開放して遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生させるものであるため、遊技制御装置500が特別遊技状態制御手段をなす。
【0192】
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「5」の場合には(S808の結果が「5」)、大入賞口残存球処理を実行する(S814)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
【0193】
大入賞口残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に開閉扉42aを閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を6に設定する。
【0194】
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「6」の場合には(S808の結果が「6」)、大当り終了処理を実行する(S815)。大当り終了処理は、S809の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
【0195】
その後、遊技制御装置500は、特図1表示器51における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S816)。続いて、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行する(S817)。
【0196】
さらに、遊技制御装置500は、特図2表示器52における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S818)。続いて、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行する(S819)。
【0197】
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図8)における始動口スイッチ監視処理(S801)の詳細について説明する。図9は、本発明の第1の実施の形態の始動口スイッチ監視処理のフローチャートである。
【0198】
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(S901)。
【0199】
続いて、遊技制御装置500は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S902)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、図10にて後述する。
【0200】
次に、遊技制御装置500は、普通電動役物(第2始動入賞口38の可動部材38a)が作動中である、すなわち、第2始動入賞口38の可動部材38aが遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックする(S903)。普通電動役物が作動中である場合には(S903の結果が「Y」)、S906以降の処理を実行する。
【0201】
一方、普通電動役物が作動中でない場合には(S903の結果が「N」)、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックし(S904)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する(S905)。
【0202】
不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口38は、可動部材38aが閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。そして、S904及びS905の処理において、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかを判定する。
【0203】
不正入賞数が不正判定個数以上の場合には(S905の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38への遊技球の入賞と無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、始動口スイッチ監視処理を終了する。
【0204】
一方、不正入賞数が不正判定個数未満の場合には(S905の結果が「N」)、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38による保留の情報を設定するテーブルを準備し(S906)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S907)。その後、始動口スイッチ監視処理を終了する。
【0205】
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述した始動口スイッチ監視処理(図9)における特図始動口スイッチ共通処理(S902、S907)の詳細について説明する。図10は、本発明の第1の実施の形態の特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
【0206】
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口37や第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによって始動口1スイッチ37dや始動口2スイッチ38dから信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
【0207】
遊技制御装置500は、まず、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ37d)から信号が入力されたか否かをチェックする(S1001、S1002)。監視対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合には(S1002の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
【0208】
一方、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(S1002の結果が「Y」)、当該監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(S1003)。
【0209】
続いて、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報を、すなわち、遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(S1004)。そして、ロードした値に1加算して更新し、始動口信号出力回数がオーバーフローするか否かをチェックする(S1005、S1006)。
【0210】
そして、遊技制御装置500は、始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合には(S1006の結果が「N」)、更新後の始動口信号出力回数の値を、RWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(S1007)。
【0211】
遊技制御装置500は、S1007の処理が終了した後、又は、始動口信号出力回数がオーバーフローする場合には(S1006の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックする(S1008、S1009)。
【0212】
遊技制御装置500は、特図保留数が上限値未満の場合には(S1009の結果が「Y」)、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、まず、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数)に1加算して更新する(S1010)。
【0213】
続いて、遊技制御装置500は、飾り特図保留数コマンドを準備する。飾り特図保留数コマンドは、MODE部とACTION部によって構成される。具体的に説明すると、遊技制御装置500は、まず、監視対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(S1011)、さらに、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備する(S1012)。そして、準備された飾り特図保留数コマンドを設定するためのコマンド設定処理を実行する(S1013)。
【0214】
続いて、遊技制御装置500は、S1010で更新された特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する(S1014)。
【0215】
続いて、遊技制御装置500は、当該監視対象の始動口スイッチの大当り乱数を抽出(ロード)し、以降の処理で使用するための準備を行う(S1015)。
【0216】
続いて、遊技制御装置500は、大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブし(S1016)、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出(ロード)して準備する(S1017)。そして、対応する大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(S1018)。
【0217】
続いて、遊技制御装置500は、対応する変動パターン乱数1を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数1セーブ領域にセーブする(S1019)。同様に、対応する変動パターン乱数2を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数2セーブ領域にセーブする(S1020)。さらに、対応する変動パターン乱数3を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数3セーブ領域にセーブする(S1021)。
【0218】
変動パターン乱数1〜3は、例えば、前半と後半の変動パターンを個別に設定したり、特定の演出を実行したりするために用いられる。ここで、変動パターン乱数1は後半の変動のリーチ系統を選択するための乱数で、変動パターン乱数2はリーチ系統の中から詳細な演出の振分けを行うための乱数で、変動パターン乱数3は前半の変動を選択するための乱数である。
【0219】
また、特図変動表示ゲーム(特図1又は特図2)における変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動パターン1〜3)は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
【0220】
そして、遊技制御装置500は、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である特図保留情報判定処理を実行する(S1022)。なお、特図保留情報判定処理の詳細については、図11にて後述する。
【0221】
また、遊技制御装置500は、変動順序フラグとして、前述のS1003でRWMにセーブされた対象の始動口入賞フラグをロードする(S1023)。そして、特図保留数の合計に対応する変動順序フラグセーブ領域のアドレスを算出し(S1024)、変動順序フラグ(ロードした対象の始動口入賞フラグ)を変動順序フラグセーブ領域にセーブする(S1025)。その後、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
【0222】
一方、遊技制御装置500は、特図保留数が上限値未満でない場合には(S1009の結果が「N」)、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(S1031)、コマンド設定処理を実行して(S1032)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
【0223】
以上に示す処理により、遊技制御装置500は、第1始動入賞口37や第2始動入賞口38への遊技球の入賞に基づき、変動表示ゲームの実行に関連する乱数(大当り乱数、大当り図柄乱数、変動パターン乱数1〜3等を含む)を抽出し、変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として上限値以下の範囲で記憶する始動入賞記憶手段として機能する。
【0224】
なお、前述のように、本発明の第1の実施の形態では、特図変動表示ゲームの実行にあたり、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの実行に優先度を考慮しない。そのため、前述のS1023〜S1025の処理を実行することにより、後述する特図普段処理(図12)において、特図始動口スイッチによって検出された順に特図変動表示ゲームが実行される。
【0225】
〔特図保留情報判定処理〕
次に、前述した特図始動口スイッチ共通処理(図10)における特図保留情報判定処理(S1022)の詳細について説明する。図11は、本発明の第1の実施の形態の特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
【0226】
特図保留情報判定処理は、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である。
【0227】
遊技制御装置500は、まず、先読み演出を実行してよい条件を満たしているかをチェックする処理を行う(S1101、S1102)。先読み演出を実行してよい条件とは、 特図始動口スイッチ共通処理における監視対象の始動口スイッチが始動口2スイッチ38dであること、又は、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ37dである場合には普電サポート中又は大当り中でないこと等である。
【0228】
遊技制御装置500は、先読み演出を実行してよい条件を満たしていない場合には(S1102の結果が「N」)、特図保留情報判定処理を終了する。すなわち、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ37dであって、かつ、普電サポート中又は大当り中の場合には、当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定する先読み処理を実行しないように構成される。
【0229】
一方、遊技制御装置500は、先読み演出を実行してよい条件を満たしている場合には(S1102の結果が「Y」)、保留中の始動記憶が大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(S1103)。大当り判定処理は、保留中の始動記憶に含まれる大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かを判定することによって、当該始動記憶にかかる変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する。
【0230】
そして、遊技制御装置500は、大当り判定処理の判定結果が大当りの場合には(S1104の結果が「Y」)、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定する(S1105)。大当り図柄乱数チェックテーブルには、大当り時の識別図柄を特定する図柄情報や始動口入賞演出図柄コマンドが定義されている情報テーブルのアドレスや大当り乱数の判定値に応じた大当り種類の振り分け率が定義されている。
【0231】
次に、遊技制御装置500は、大当り図柄乱数をチェックし、対応する大当り情報テーブルを取得し、演出内容を選択するためのテーブルとして設定する(S1106)。
【0232】
一方、遊技制御装置500は、大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合には(S1104の結果が「N」)、演出内容を選択するためのテーブルとしてはずれ情報テーブルを設定する(S1107)。
【0233】
続いて、遊技制御装置500は、前述のS1106又はS1107の処理で設定した情報テーブルから図柄情報を取得し、RWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(S1108)。さらに、設定した情報テーブルから始動入賞演出図柄コマンドを取得し、RWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(S1109)。
【0234】
次に、遊技制御装置500は、対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグを準備した後(S1110)、対象の始動口入賞演出コマンド設定テーブルを準備する(S1111)。
【0235】
続いて、遊技制御装置500は、対象の始動口に関して設定された特図情報を設定するための特図情報設定処理を実行する(S1112)。そして、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターン設定処理を実行した後(S1113)、特図変動表示ゲームの前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(S1114)。
【0236】
そして、遊技制御装置500は、前述の変動パターン設定処理(S1114)で準備された前半変動番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE)を算出し、準備する(S1115)。また、前述の後半変動パターン設定処理(S1113)で後半変動番号領域にセーブされた後半変動番号の値を始動口入賞演出コマンド(ACTION)として準備する(S1116)。S1115及びS1116の処理で変動パターンに対応する始動入賞演出コマンドを準備し、コマンド設定処理を実行する(S1117)。
【0237】
続いて、遊技制御装置500は、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(S1118)、コマンド設定処理を実行する(S1119)。その後、特図保留情報判定処理を終了する。
【0238】
すなわち、S1115及びS1116の処理で始動口入賞演出コマンドを準備し、さらにS1118の処理で始動口入賞演出図柄コマンドを準備して、始動記憶に対応する判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始のタイミングより前に演出制御装置550に対して通知することが可能になっている。演出制御装置550は、表示装置48に表示されている保留表示の表示態様を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に特図変動表示ゲームの結果を報知する。
【0239】
以上に示す処理により、遊技制御装置500は、始動記憶として記憶されている乱数(前述の大当り乱数、大当り図柄乱数、変動パターン乱数1〜3等)から、始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行情報を、始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるよりも前に判定する事前判定手段として機能する。なお、変動表示ゲームの実行情報とは、変動表示ゲームの停止結果(大当りかはずれか)、変動表示ゲームの停止結果態様(図柄の種類)、変動表示ゲームの実行態様(変動パターン)、変動表示ゲームで設定される表示モード等の情報を示す。
【0240】
また、本発明の第1の実施の形態では、特図変動表示ゲームの実行にあたり、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの実行に優先度を考慮していない。そのため、特図1保留数と特図2保留数の合計値の最大値である8個の始動記憶に対して事前判定処理(先読み処理)を実行することができ、先読みの自由度が高い。ただし、優先度を考慮してもよく、その場合にも基本的には、特図1保留数と特図2保留数の合計値の最大値である8個の始動記憶に対して事前判定処理を実行することができるが、前述の普電サポート状態が発生している場合には、例えば特図2保留数の最大値の4個の始動記憶に対して事前判定処理を実行するようにしてもよい。
【0241】
〔特図普段処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図8)における特図普段処理(S809)の詳細について説明する。図12は、本発明の第1の実施の形態の特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
【0242】
遊技制御装置500は、まず、特図1保留数(第1始動記憶数)と特図2保留数(第2始動記憶数)がともに0であるか否かをチェックする(S1201、S1202)。
【0243】
遊技制御装置500は、保留数が0の場合には(S1202の結果が「Y」)、すでに客待ちデモが開始されているか否かをチェックする(S1203、S1204)。客待ちデモを開始していない、すなわち、開始済みでない場合には(S1204の結果が「N」)、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセーブする(S1205)。続いて、客待ちデモコマンドを準備し(S1206)、コマンド設定処理を実行する(S1207)。その後、特図普段処理を終了する。
【0244】
一方、遊技制御装置500は、既に客待ちデモが開始されている場合には(S1204の結果が「N」)、既に客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグが設定済みであり、客待ちデモコマンドが演出制御装置550に送信済みであり、特図普段処理を終了する。
【0245】
遊技制御装置500は、保留数が0でない場合には(S1202の結果が「N」)、すなわち、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによる特図変動表示ゲームが実行される場合には、前述のS1025の処理でRWMの変動順序フラグセーブ領域にセーブした変動順序フラグをロードして(S1208)、変動順序フラグが特図1の変動開始を示すフラグか否かをチェックする(S1209、S1210)。
【0246】
そして、遊技制御装置500は、変動順序フラグが特図1の変動開始を示している場合には(S1210の結果が「Y」)、特図1変動表示ゲームの変動開始のための特図1変動開始処理1を実行する(S1211)。その後、特図普段処理を終了する。
【0247】
一方、遊技制御装置500は、変動順序フラグが特図1の変動開始を示してない場合には(S1210の結果が「N」)、すなわち、特図2の変動開始を示している場合には、特図2変動表示ゲームの変動開始のための特図2変動開始処理1を実行する(S1212)。その後、特図普段処理を終了する。
【0248】
図13Aは、本発明の第1の実施の形態の変動パターン選択テーブルである。図13A(a)は、大当り時の変動パターン選択テーブルで、図13A(b)は、はずれ時の変動パターン選択テーブルである。
【0249】
図13Aは、後半の変動のリーチ系統を選択するための変動パターン乱数1と、乱数値に対応するリーチ系統及び変動時間とが設定されている。
【0250】
図13A(a)では、変動パターン乱数1によってノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ及びスペシャル3リーチの4つの変動パターンが設定される。リーチ演出は信頼度が高いほど変動時間が長い。また、図11A(a)は大当り時の変動パターン選択テーブルなので、全乱数に対して信頼度が高いリーチ演出ほど対応する乱数値が多くなる。
【0251】
図13A(b)では、変動パターン乱数1によってリーチなし、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ及びスペシャル3リーチの5つの変動パターンが設定される。リーチ演出は信頼度が高いほど変動時間が長い。また、図13A(b)ははずれ時の変動パターン選択テーブルなので、リーチなし演出となる乱数がほとんどであり、信頼度が高いリーチ演出ほど対応する乱数値が少なくなる。
【0252】
なお、変動パターン選択テーブルは、遊技状態や保留されている始動記憶数などを考慮して、遊技状態毎、始動記憶数毎に複数用意してもよい。また、図13A(b)では、リーチなしの変動パターンを複数に分けて、それぞれの変動パターンの変動時間を異ならせてもよい。
【0253】
図13Bは、本発明の第1の実施形態の始動入賞時の遊技制御装置500の処理概要を説明する図である。図13B(a)は、始動入賞時のタイムチャートで、図13B(b)は、始動入賞時に送信される各種コマンドである。
【0254】
図13B(a)に示すように、始動入賞(第1始動入賞口37や第2始動入賞口38への遊技球の入賞)すると、遊技制御装置500は、飾り特図保留数コマンド、始動口入賞演出コマンド、始動口入賞演出図柄コマンドの順に、コマンドを演出制御装置550に送信する。なお、始動口入賞演出コマンドと始動口入賞演出図柄コマンドとを総称して、事前判定コマンドという。
【0255】
図13B(b)に示すように、始動口入賞演出図柄コマンドとしては、当たりの場合の演出図柄、はずれの場合の演出図柄を指示するための複数の始動口入賞演出図柄コマンド1〜3が例示される。また、始動口入賞演出コマンドとしては、はずれの場合又は大当りの場合のリーチの種別を指示するための複数の始動口入賞演出コマンド1〜10が例示される。なお、これら始動口入賞演出図柄コマンド及び始動口入賞演出コマンドは、その他全遊技結果、全変動パターンの組み合わせ毎に用意してもよい。
【0256】
以下、演出制御装置550による制御について具体的な処理を説明する。
【0257】
〔1stCPUメイン処理(演出制御装置)〕
次に、演出制御装置550によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図14は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
【0258】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(S1401)。次に作業領域であるRAM551aを0クリアする(S1402)。そしてCPU初期化処理を実行する(S1403)。その後、各種処理の実行に必要な初期値をRAM551aに設定し(S1404)、乱数初期化処理を実行する(S1405)。続いて所定のタイミング(例えば、1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させる(S1406)。そして割込みを許可する(S1407)。
【0259】
ここで、主制御用マイコン(1stCPU)551は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(S1408)。WDTは、上述したCPU初期化処理(S1403)で起動され、CPUが正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
【0260】
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技者による演出ボタン31の操作信号を検出し、検出した信号に応じた処理を行う演出ボタン入力処理を実行する(S1409)。また遊技制御装置500から受信した遊技制御コマンドを特定する遊技制御コマンド解析処理を実行する(S1410)。遊技制御コマンド解析処理は、割込みで遊技制御装置500のバッファ532aにセットされた情報を正しく受信できたか否かを判断し、受信できた場合に後のシーン制御処理のためのコマンド区分けなどを行う。
【0261】
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、テストモード処理を実行する(S1411)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信して表示や役物の動作等を検査する。そして、表示や音、LEDの点灯等が必要な場合は後述するS1415〜S1417の処理において制御され、検査が終了して電源が落とされると処理が終了する。テストモード処理は、工場出荷時にCPUを検査するときに実行される。
【0262】
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技制御コマンド解析処理(S1410)において解析された制御コマンドに基づき、表示装置48に表示させるシーン(表示内容)を制御する1stシーン制御処理を実行する(S1412)。なお、1stシーン制御処理についての詳細は、図15を参照して後述する。
【0263】
さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技機1における異常の発生を監視する遊技機エラー監視処理を実行する(S1413)。演出制御装置550に関わる異常の他に、遊技制御装置500からエラー報知を指示するコマンドを受信した場合などに、警報音の報知を行う情報の設定など所定の処理を実行する。ここで、実際に遊技状態LED29を点灯したり、スピーカー30から警報音を発する制御は、後述するS1415〜S1417の処理において行われる。
【0264】
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、映像制御用マイコン(2ndCPU)554に送信するコマンドを編集する演出コマンド編集処理を実行する(S1414)。演出コマンド編集処理においてレジスタに書き込まれたコマンドは、映像制御用マイコン(2ndCPU)554に出力される。
【0265】
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、スピーカー30から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(S1415)。また、LED等の装飾装置(盤装飾装置10d、枠装飾装置18d)を制御する装飾制御処理を実行し(S1416)、さらにモータ及びソレノイドで駆動される電動役物や可動式照明などの演出装置(盤演出装置10f、枠演出装置18f)を制御するモータ/SOL制御処理を実行する(S1417)。
【0266】
最後に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、乱数を更新するための乱数更新処理を実行して(S1418)、S1408の処理に戻る。以降、S1408からS1418までの処理を繰り返す。
【0267】
〔1stシーン制御処理(1stCPU)〕
次に、前述したメイン処理(図14)における1stシーン制御処理(S1412)の詳細について説明する。図15は、本発明の第1の実施の形態の1stシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。
【0268】
演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、テストモード中であるか否かを判定する(S1501)。テストモードは、工場出荷時などCPUを検査するときに実行されるモードである。
【0269】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、テストモード中である場合には(S1501の結果が「Y」)、1stシーン制御処理を終了する。
【0270】
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、テストモード中でない場合には(S1501の結果が「N」)、表示装置48に表示させるシーン(表示内容全て)を変更するシーン変更コマンドを受信したか否かを判定し(S1502)、シーン変更コマンドを受信していない場合には(S1502の結果が「N」)、S1503〜S1506の処理を実行せずにS1507の処理に移行する。シーン変更コマンドとは、後述するS1508〜S1516の処理実行に対応するコマンドのことであり、例えば、電源投入コマンド、停電復旧コマンド等を示す。
【0271】
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、シーン変更コマンドを受信した場合には(S1502の結果が「Y」)、更新する遊技状態、すなわち、現在の遊技状態を取得する(S1503)。そして、受信したシーン変更コマンドが、遊技制御装置500から送信され、前述した遊技制御コマンド解析処理(S1410)において解析された現在の遊技状態に対応した有効なコマンドであるか否かを判定する(S1504)。
【0272】
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信したシーン変更コマンドが有効である場合には(S1504の結果が「Y」)、作業領域であるRAM551aに受信したシーン変更コマンドをセーブする(S1505)。そして、シーン(表示内容)を変更するタイミングであることを示す演出リクエストフラグをセットする(S1506)。
【0273】
なお、主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信したシーン変更コマンドが有効でない場合には(S1504の結果が「N」)、S1505及びS1506の処理を実行せずにS1507の処理に移行する。
【0274】
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、前述した遊技制御コマンド解析処理(S1410)において解析されたコマンド識別子に対応する処理に分岐する(S1507)。
【0275】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「電源投入コマンド」に設定されている場合には、電源投入処理を実行する(S1508)。
【0276】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「停電復旧コマンド」に設定されている場合には、後述する客待ち処理以外の停電復旧処理を実行する(S1509)。
【0277】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「客待ちデモコマンド」に設定されている場合には、客待ち処理を実行する(S1510)。
【0278】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「変動パターンコマンド」に設定されている場合には、変動中処理を実行する(S1511)。本発明の第1の実施の形態では、演出制御装置550は、変動中処理として、例えば変動表示ゲームの停止結果が導出される前に、停止結果を示唆する予告演出を実行することによって予告演出手段として機能する。予告演出とは、ノーマルリーチ演出、スペシャル1リーチ演出、スペシャル2リーチ演出、スペシャル3リーチ演出等である。また、これら期待度(信頼度)の異なる複数の予告演出のうち、一つの予告演出を選択して実行する予告演出制御手段として機能する。なお、変動中処理の詳細については、図29にて後述する。
【0279】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「図柄停止コマンド」に設定されている場合には、図柄停止処理を実行する(S1512)。
【0280】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「ファンファーレコマンド」に設定されている場合には、ファンファーレ処理を実行する(S1513)。
【0281】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「大入開放n回目コマンド」に設定されている場合には、ラウンド中処理を実行する(S1514)。ラウンド中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定するために必要な情報を設定したりする。
【0282】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「インターバルコマンド」に設定されている場合には、インターバル処理を実行する(S1515)。
【0283】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「エンディングコマンド」に設定されている場合には、エンディング処理を実行する(S1516)。
【0284】
その後、主制御用マイコン(1stCPU)551は、図柄コマンド受信処理(S1517)、及び、始動入賞時及び変動開始時に遊技制御装置500から送信される飾り特図保留数コマンドを受信して、当該飾り特図保留数コマンドにより始動記憶の保留数の更新を行う保留数(飾り特図保留数)コマンド受信処理を実行する(S1518)。さらに、遊技制御装置500から送信される事前判定コマンドを受信して、当該事前判定コマンドにより先読み予告に関する設定を実行する先読み予告設定処理(S1519)、及び、受信した確率情報コマンドに応じた値を内部設定するとともに背景コマンドを2ndCPUに送信する確率情報コマンド受信処理(S1520)を順に実行して、1stシーン制御処理を終了する。なお、先読み予告設定処理についての詳細は、図16を参照して後述する。
【0285】
〔先読み予告設定処理〕
次に、前述した1stシーン制御処理(図15)における先読み予告設定処理(S1519)の詳細について説明する。図16は、本発明の第1の実施の形態の先読み予告設定処理の手順を示すフローチャートである。
【0286】
演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、前述した飾り特図保留数コマンド受信処理(S1518)で受信した飾り特図保留数コマンドに対応する事前判定コマンド(図13B参照)を受信待ちの始動記憶があるか否かを確認する(S1601、S1602)。
【0287】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、該当する始動記憶がない場合には(S1601の結果が「N」)、先読み予告設定処理を終了する。なお、先読み演出を実行してよい条件(前述のS1101)を満たしていないときに発生した保留は、事前判定コマンドを受信待ちの始動記憶に該当しないものとする。
【0288】
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、該当する始動記憶がある場合には(S1601の結果が「Y」)、事前判定コマンドを受信したか否かを判定し(S1603)、事前判定コマンドを受信していない場合には(S1603の結果が「N」)、先読み予告設定処理を終了する。
【0289】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、事前判定コマンドを受信した場合には(S1603の結果が「Y」)、受信した事前判定コマンドの内容を、対応するRAM551a上の始動記憶領域にセーブする(S1604)。そして、他の始動記憶に対する先読み予告(他の始動記憶に対応する事前報知)が実行中であるか否かを判定する(S1605)。ここでいう他の始動記憶とは、S1602で存在すると判定された始動記憶に先行して発生した始動記憶、すなわち先行始動記憶である。一方、S1602で存在すると判定された始動記憶は、この先行始動記憶よりも後に発生した始動記憶、すなわち後続始動記憶である。
【0290】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、他の始動記憶に対する先読み予告が実行中でない場合には(S1605の結果が「N」)、S1604でセーブされた事前判定コマンドに含まれる始動口入賞演出図柄コマンドから、当該始動記憶の図柄情報を取得し(S1606)、取得された図柄情報に基づいて、はずれであるか否かを判定する(S1607)。
【0291】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、はずれである場合には(S1607の結果が「Y」)、はずれ用の先読み予告を設定するためのテーブルとして、先読み予告振分テーブル1をセットし(S1608)、はずれでない(当りである)場合には(S1607の結果が「N」)、大当り用の先読み予告を設定するためのテーブルとして、先読み予告振分テーブル2をセットする(S1609)。先読み予告振分テーブル1及び先読み予告振分テーブル2についての詳細は、図18(b)及び図18(c)を参照して後述する。
【0292】
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、S1604でセーブされた事前判定コマンドに含まれる始動口入賞演出コマンドから、当該始動記憶のリーチ系統情報を取得する(S1610)。その後、S1608又はS1609で設定したテーブル、及び、S1610で取得されたリーチ系統情報から、先読み予告態様を選択する(S1611)。
【0293】
その後、主制御用マイコン(1stCPU)551は、対象となる始動記憶表示に、S1611で選択された先読み予告態様を設定する(S1612)。また、先読み予告態様を設定した始動記憶表示を、表示装置48に表示させる始動記憶表示処理を実行する。その後、先読み予告設定処理を終了する。なお、S1612では、S1611で先読み予告態様が選択されない場合は何も設定しなくてもよい。
【0294】
なお、主制御用マイコン(1stCPU)551は、S1605において、先読み予告を実行中である場合、すなわち先行始動記憶に対応する事前報知が実行されているときに、後続始動記憶が発生した場合には(S1605の結果が「Y」)、先読み予告重複時処理を実行する(S1613)。その後、先読み予告設定処理を終了する。なお、先読み予告重複時処理についての詳細は、図17を参照して後述する。
【0295】
以上に示す処理により、演出制御装置550は、始動記憶に対する事前判定結果に応じて先読み予告態様を選択し、選択された先読み予告態様を、対象となる始動記憶表示に設定することにより、始動記憶に基づいて実行される変動表示ゲームの実行情報を事前報知する処理を実行する。
【0296】
また、演出制御装置550は、始動記憶に対応する始動記憶表示の表示態様を、当該始動記憶に対する事前判定の判定結果に応じて、通常態様(遊技者に特別な期待感を持たせない態様)とは異なる特定表示態様(通常表示態様と異なり、遊技者に特別な期待感を持たせるものであり、色を変更した態様、大きさを変更した態様、形状を変更した態様、点滅態様等の態様)に制御(切り替える)可能な表示態様変更手段として機能する。
【0297】
〔先読み予告重複時処理〕
次に、前述した先読み予告設定処理(図16)における先読み予告重複時処理(S1613)の詳細について説明する。図17は、本発明の第1の実施の形態の先読み予告重複時処理の手順を示すフローチャートである。
【0298】
先読み予告重複時処理では、先行始動記憶に対して既に実行中の先読み予告と、今回受信した後続始動記憶に対して設定すべき先読み予告とで、先読み予告が重複した場合の処理を実行する。
【0299】
演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、先読み予告実行中の先行始動記憶に対応する始動口入賞演出図柄コマンドと始動口入賞演出コマンドを確認する(S1701)。次に、今回受信した後続始動記憶に対応する始動口入賞演出図柄コマンドと始動口入賞演出コマンドを確認する(S1702)。
【0300】
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、先読み情報比較テーブルにより、先読み予告対象を変更すべきか否か(切り替えるべきか否か)を確認する(S1703、S1704)。具体的には、先行始動記憶に対する事前判定の判定結果と、後続始動記憶に対する事前判定の判定結果とを比較し、比較結果に基づき、先読み予告対象を、先行始動記憶から後続始動記憶に切り替えるべきか否かを確認する先読み予告制御(事前報知制御)を実行する。先読み情報比較テーブルについての詳細は、図19(a)を参照して後述する。
【0301】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、先読み予告対象を変更すべきでない場合には(S1704の結果が「N」)、先読み予告重複時処理を終了する。一方、先読み予告対象を変更すべきである場合には(S1704の結果が「Y」)、今回受信した後続始動記憶に対応する始動口入賞演出図柄コマンドから、当該後続始動記憶の図柄情報を取得し(S1705)、取得された図柄情報に基づいて、はずれであるか否かを判定する(S1706)。
【0302】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、はずれである場合には(S1706の結果が「Y」)、先読み予告対象を変更するために用いるテーブルとして、先読み予告対象変更テーブル1をセットし(S1707)、はずれでない(当りである)場合には(S1706の結果が「N」)、先読み予告対象を変更するために用いるテーブルとして、先読み予告対象変更テーブル2をセットする(S1708)。先読み予告対象変更テーブル1及び先読み予告対象変更テーブル2についての詳細は、図19(b)及び図19(c)を参照して後述する。
【0303】
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、S1707又はS1708でセットされた先読み予告対象変更テーブルにより、先読み予告態様を選択する(S1709)。
【0304】
その後、主制御用マイコン(1stCPU)551は、対象となる始動記憶表示に、S1709で選択された先読み予告態様を設定する(S1710)。また、先読み予告態様を設定した始動記憶表示を、表示装置48に表示させる始動記憶表示処理を実行する。先行の始動記憶表示に設定されている先読み予告を解除する(S1711)。その後、先読み予告重複時処理を終了する。
【0305】
以上に示す処理により、演出制御装置550は、先行始動記憶に対応する先読み予告(事前報知)が実行されているときに、先行始動記憶の後に後続始動記憶が発生した場合に、先行始動記憶に対する事前判定の判定結果と、後続始動記憶に対する事前判定の判定結果とを比較し、比較結果に基づいて、先読み予告の対象(事前報知の対象)を、先行始動記憶から後続始動記憶に切り替えて(変更して)実行可能にする事前報知制御手段として機能する。
【0306】
なお、ここでいう「事前報知の対象」とは、例えば先読み予告態様を設定する対象であるが、始動記憶の表示による報知に限定されるものではない。例えばスピーカー30による報知や、始動記憶以外のキャラクタ等の表示による報知や、振動による報知であってもよい。また、「切り替えて実行」とは、先行始動記憶に対応する先読み予告が、後続始動記憶へそのまま引き継がれること、先行始動記憶に対応する先読み予告が変化して後続始動記憶へ引き継がれること、先行始動記憶に対応する先読み予告が完全に終了すること、先行始動記憶に対応する先読み予告が終了しても先読み予告が実行されていたことを認識可能な表示を残すこと等であってもよい。
【0307】
これにより、単に先読み予告が実行されるのではなく、一旦は先読み予告(特定表示態様に制御)された場合でも、後続始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行情報に関連して、先読み予告が終了するので、後続始動記憶の発生を注視する必要があり、緊張感が維持される。また、このような事前報知制御は、後続始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行情報に基づいて行うので、例えば後続始動記憶に基づく変動表示ゲームが特別な変動表示ゲームとなる場合に行うようにすることもでき、遊技者の期待感に沿った予告とすることも可能になる。
【0308】
また、演出制御装置550は、先行始動記憶に対する事前判定の判定結果と、後続始動記憶に対する事前判定の判定結果との比較結果に基づいて、先行始動記憶に対応する始動記憶表示の特定表示態様を終了(解除)させ、後続始動記憶に対応する始動記憶表示を特定表示態様に制御(設定)する表示態様制御手段として機能する。
【0309】
これにより、現に実行されている先読み予告としての特定表示態様は終了するが、後続始動記憶が特定表示態様に制御されるので、先読み予告が全くなくなるわけではない。そのため、遊技者の期待感を損ねることがない。特に、先読み予告の対象が移動したように感じるので、後続始動記憶に基づく変動表示ゲームの期待感が高まる。
【0310】
また、S1710及びS1711では、先行始動記憶と後続始動記憶の両方が大当りの場合には、両方の始動記憶表示に先読み予告態様を設定してもよい。また、詳細には後述するが、S1710〜S1711の動作のタイミングに時間差を設ける等のように各種パターンが考えられる。
【0311】
図18は、本発明の第1の実施の形態の先読み予告設定処理を説明するための図である。図18(a)は、先読み予告態様の種類で、図18(b)は、はずれ用の先読み予告振分テーブル1で、図18(c)は、大当り用の先読み予告振分テーブル2である。
【0312】
図18(a)に示すように、対象保留(対象始動記憶)の変動表示ゲームの停止結果が特別結果態様となる期待度(信頼度)に応じて、複数種類の先読み予告態様(特定表示態様)が用意される。例えば期待度が低い場合の先読み予告態様では、対象保留の表示態様を青色にする。例えば期待度が中程度である場合の先読み予告態様では、対象保留の表示態様を黄色にする。例えばスペシャル2リーチやスペシャル3リーチのように期待度が高い場合の先読み予告態様では、対象保留の表示態様を赤色にする。なお、例えばプレミアムリーチのように期待度がスペシャル2リーチやスペシャル3リーチよりも高い場合の先読み予告態様として、対象保留の表示態様を虹色にしてもよい。
【0313】
なお、前述のS1611又はS1709は、図18(a)に示す複数の先読み予告態様(特定表示態様)のうち、一つの先読み予告態様を選択する特定表示態様制御手段を構成する。
【0314】
図18(b)に示すように、はずれ用の先読み予告振分テーブル1では、リーチ系統情報(リーチの種別)毎に、先読み予告態様の選択率が設定される。例えばはずれ時のノーマルリーチの場合には、99%の確率で始動記憶表示は変化せず、1%の確率で始動記憶表示は青色に変化することを示している。
【0315】
図18(c)に示すように、大当り用の先読み予告振分テーブル2では、リーチ系統情報(リーチの種別)毎に、先読み予告態様の選択率が設定される。例えば大当り時のスペシャル3リーチの場合には、40%の確率で始動記憶表示は赤色に変化し、これははずれ時のスペシャル3リーチの赤色に変化する確率(20%)よりも高いことを示している。
【0316】
図19は、本発明の第1の実施の形態の先読み予告重複時処理を説明するための図である。図19(a)は、S1703で用いられる先読み情報比較テーブルで、図19(b)は、S1707で用いられるはずれ用の先読み予告対象変更テーブル1で、図19(c)は、S1708で用いられる大当り用の先読み予告対象変更テーブル2である。
【0317】
図19(a)に示すように、先読み情報比較テーブルでは、先行保留(先行始動記憶)の変動パターンと後続保留(後続始動記憶)の変動パターンとの組み合わせ毎に、先読み予告対象を変更すべきか否かが設定されている。本発明の第1の実施の形態では、後続保留の変動パターンの期待度が先行保留の変動パターンの期待度と同じ又は先行保留の変動パターンの期待度よりも低い場合には、「変更なし」が設定されている。一方、後続保留の変動パターンの期待度が先行保留の変動パターンの期待度よりも高い場合には、「変更あり」が設定されている。
【0318】
前述のS1703〜S1711では、この先読み情報比較テーブルにより、後続保留の変動パターン(後続保留に基づく変動表示ゲームにおいて実行されることとなる予告演出)が、先行保留の変動パターン(先行保留に基づく変動表示ゲームにおいて実行されることとなる予告演出)よりも信頼度が高い場合に、先行保留に対応する始動記憶表示の特定表示態様を終了させ、後続始動記憶に対応する始動記憶表示を特定表示態様に制御する。これにより、確実に遊技者の期待感に沿った予告を実行することができる。
【0319】
なお、この先読み情報比較テーブルでは、変動パターンのみを比較しているので、例えば先行保留の変動パターンが「大当り時のスペシャル1リーチ」で、後続保留の変動パターンが「はずれ時のスペシャル2リーチ」の場合には、スペシャル2リーチの方の期待度が高いため、先読み予告対象は後続保留に変更される。しかしながら、先行保留で「大当り」となるため、遊技者に対するサプライズ演出を実現することもできる。
【0320】
また、先行保留の変動パターンと後続保留の変動パターンとがいずれも「リーチなしのはずれ」である場合には、より変動時間の長い方の保留の期待度が高いと判断し、期待度が高い保留に先読み予告対象を変更してもよい。
【0321】
図19(b)に示すように、先読み予告対象変更テーブル1では、先行保留に対する先読み予告態様毎に、当該保留(後続保留)の先読み予告態様の選択率が設定される。例えば先行保留の先読み予告態様が青色である場合には、後続保留の先読み予告態様は、70%の確率で青色に変更され、20%の確率で黄色に変更され、10%の確率で赤色に変更されることを示している。
【0322】
図19(c)に示すように、先読み予告対象変更テーブル2では、先行保留に対する先読み予告態様毎に、当該保留の先読み予告態様の選択率が設定される。例えば先行保留の先読み予告態様が青色である場合には、後続保留の先読み予告態様は、40%の確率で赤色に変更され、これははずれ時の確率(10%)よりも高いことを示している。
【0323】
図20は、本発明の第1の実施の形態の先読み予告重複時処理の画面遷移の第1例を示す図である。図20(a)は、遷移前の画面表示例で、図20(b)は、後続保留の期待度が先行保留の期待度よりも低い場合の遷移後の画面表示例で、図20(c)は、後続保留の期待度が先行保留の期待度よりも高い場合の遷移後の画面表示例である。
【0324】
図20(a)〜(c)に示すように、表示装置48における左、中、右の変動表示領域の下部には、特図1用保留表示領域(左側)と、特図2用保留表示領域(右側)とからなる特図保留表示領域が設けられている。特図1用保留表示領域、特図2用保留表示領域には、それぞれ最大4個の保留が表示される。消化順序とは、保留が消化される順番を示している。すなわち、保留表示(始動記憶表示)を複数表示する場合に、各保留表示を特図1用保留と特図2用保留に分けて、発生順に隣り合わせて表示している。図20(a)では、3番目に消化される特図1用保留に先読み予告態様が設定され、通常表示態様の他の保留と異なる特定表示態様である。
【0325】
ここで、5番目に消化される特図2用保留が発生した場合、すなわち新たに第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合を考える。この場合には、先読み予告対象の先行保留(3番目に消化される特図1用保留)の変動パターンと、後続保留(新たに発生した5番目に消化される特図2用保留)の変動パターンとが比較される。
【0326】
比較の結果、後続保留の期待度が先行保留の期待度よりも低い場合には、図20(b)に示すように、先読み予告対象は変更されない。すなわち、先行保留に先読み予告態様が設定された状態を維持する。
【0327】
一方、後続保留の期待度が先行保留の期待度よりも高い場合には、図20(c)に示すように、先読み予告対象は変更される。すなわち、後続保留に先読み予告態様が設定され、先行保留に設定されていた先読み予告態様は解除される。
【0328】
図21は、本発明の第1の実施の形態の先読み予告重複時処理の画面遷移の第2例を示す図である。図21(a)は、遷移前の画面表示例で、図21(b)は、遷移後の画面表示例である。図21(c)は、画面遷移に係るタイムチャートである。
【0329】
図21(a)では、前述の図20(a)と同様に、特図1用保留表示領域(左側)と、特図2用保留表示領域(右側)とからなる特図保留表示領域が設けられている。図21(a)では、1番目に消化される保留(先行保留)に先読み予告態様が設定されている。なお、3番目に消化される特図2用保留(後続保留)が新たに発生し、その期待度が先行保留の期待度よりも高い場合を考える。
【0330】
この場合に、画面遷移の第2例では、図21(b)、(c)に示すように、1番目の先行保留が消化された時点で、先読み予告態様が画面上を先行保留から後続保留へと移動する。そして、後続保留に先読み予告態様が設定される。
【0331】
前述のS1710及びS1711は、始動記憶表示の表示態様を制御する際に、図21(b)に示すように、画面上での先読み予告態様の移動により、表示態様制御が実行されていることを遊技者が認識可能に報知する報知手段を構成する。これにより、表示態様制御が実行されることを遊技者に確実に認識させることができ、後続始動記憶への期待感を高めることができる。
【0332】
図22は、本発明の第1の実施の形態の先読み予告重複時処理の画面遷移の第3例を示す図である。図22(a)は、遷移中の画面表示例(その1)である。図22(b)は、遷移中の画面表示例(その2)である。図22(c)は、画面遷移に係るタイムチャートである。
【0333】
画面遷移の第3例では、図22(a)に示すように、先行保留が消化された時点で、先読み予告態様が画面上を先行保留から次に消化される保留(番号1の保留)へと移動する。そして、当該次に消化される保留に先読み予告態様が設定される。その後、図22(b)に示すように、番号1の保留が消化された時点で、先読み予告態様がさらに次の保留(図22(a)では番号2の保留)へと移動する。すなわち、前述の画面遷移の第2例と異なり、図22(a)〜(c)に示すように、消化される順番に1つずつ次の保留に移動する。なお、移動する先読み予告態様は同じ態様に限定せず、移動に応じて先読み予告態様を異ならせてもよい。例えば、移動の態様に応じて大当り確定、期待度大となるように制御してもよい。
【0334】
前述のS1710及びS1711において、始動記憶表示の表示態様を制御する際に、図22(a)、(b)に示すように、先行始動記憶に対応する始動記憶表示と後続始動記憶に対応する始動記憶表示との間に先読み予告対象ではない他の始動記憶、すなわち先行始動記憶の発生後、後続始動記憶が発生するまでに発生した中間始動記憶が表示されている場合に、先行始動記憶に対応する始動記憶表示の先読み予告態様を終了させ、中間始動記憶に対応する始動記憶表示を、例えば中間始動記憶の発生順に先読み予告態様に制御した後に、後続始動記憶に対応する始動記憶表示を先読み予告態様に制御する。これにより、先読み予告態様の移動が徐々に行われているような印象を遊技者に与え、期待感を徐々に高めることができる。
【0335】
また、前述のS1710及びS1711において、先行始動記憶に基づく変動表示ゲームが開始され、先行始動記憶に対応する始動記憶表示が消えるときに、図22(a)、(b)に示すような移動制御を実行する。これにより、先読み予告態様が順次受け継がれるような印象を遊技者に与え、期待感を徐々に高めることができる。
【0336】
図23は、本発明の第1の実施の形態の第1変形例における先読み予告重複時処理を説明するための図である。図23(a)は、先読み予告態様の種類で、図23(b)は、はずれ用の先読み予告対象変更テーブル1で、図23(c)は、大当り用の先読み予告対象変更テーブル2である。
【0337】
図23(a)に示すように、前述の図18(a)と同様に、対象保留(対象始動記憶)の変動表示ゲームの停止結果が特別結果態様となる期待度(信頼度)に応じて、複数種類の先読み予告態様(特定表示態様)が用意される。期待度が低い場合(ガセありを含む)の先読み予告態様では、対象保留の表示態様を青色にする。ガセありとは、リーチが発生するか否かを明確には報知せず、リーチになる場合もあれば、リーチにならない場合もあることを示す。リーチ確定で期待度が中程度である場合の先読み予告態様では、対象保留の表示態様を黄色にする。リーチ確定で期待度が高い場合の先読み予告態様では、対象保留の表示態様を赤色にする。
【0338】
なお、前述のS1611又はS1709では、図23(a)に示す複数の先読み予告態様(特定表示態様)のうち、一つの先読み予告態様が選択される。
【0339】
図23(b)に示すように、先読み予告対象変更テーブル1では、先行保留に対する先読み予告態様毎に、当該保留(後続保留)の先読み予告態様の選択率が設定される。例えば先行保留の先読み予告態様が青色である場合には、後続保留の先読み予告態様は、70%の確率で黄色に変更され、30%の確率で赤色に変更されることを示している。
【0340】
すなわち、後続保留の変動パターンの期待度が先行保留の変動パターンの期待度よりも高い場合に、先読み予告態様を必ずランクアップさせている。なお、先読み予告態様が赤色の場合であっても、スペシャルリーチ確定とは限らない。また、後続保留の変動パターンの期待度が先行保留の変動パターンの期待度よりも高い場合とは、基本的に、後続保留の変動パターンがリーチのケースである。但し、後続保留の変動パターンが「リーチなしのはずれ」及び変動時間が10秒、先行保留の変動パターンが「リーチなしのはずれ」及び変動時間が3秒のように、両保留の変動パターンが「リーチなし」で変動時間が異なる場合は除外される(後述の図24のS2401)。
【0341】
図23(c)に示すように、先読み予告対象変更テーブル2では、先行保留に対する先読み予告態様毎に、当該保留の先読み予告態様の選択率が設定される。例えば先行保留の先読み予告態様が赤色である場合には、後続保留の先読み予告態様は、50%の確率で赤色に変更され、50%の確率で虹色に変更されることを示している。
【0342】
前述のS1710及びS1711では、図23(b)、(c)に示す先読み予告対象変更テーブル1又は先読み予告対象変更テーブル2を用いることにより、先行始動記憶に対応する始動記憶表示が第1先読み予告態様(例えば青色)に制御されている場合に、この第1先読み予告態様を終了させ、後続始動記憶に対応する始動記憶表示をランクアップした第2先読み予告態様(例えば黄色)に変更する制御を実行することが可能である。
【0343】
これにより、先読み予告の対象が移動するような演出を行う場合に、先読み予告態様を、期待度の高い先読み予告態様に制御するので、後続始動記憶に基づく変動表示ゲームの期待感が確実に高まる。
【0344】
〔第1の実施の形態の第1変形例〕
次に、第1の実施の形態の第1変形例について説明する。まず、本第1変形例における先読み予告重複時処理について説明する。図24は、本発明の第1の実施の形態の第1変形例における先読み予告重複時処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下では前述の先読み予告重複時処理の手順(図17)と同様の構成要素には同一の符号を付して重複する説明を適宜省略する。
【0345】
本第1変形例では、図17のS1704とS1705との間に、S2401、S2402が設けられており、これらS2401、S2402について説明する。
【0346】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、先読み予告対象を変更すべきである場合には(S1704の結果が「Y」)、始動口入賞演出図柄コマンドから、両始動記憶(先行始動記憶と後続始動記憶)の変動パターンを確認し(S1801)、リーチなしからリーチなしか否かを判定する(S1802)。具体的には、先行始動記憶の変動パターンが「リーチなし」で、且つ、後続始動記憶の変動パターンが「リーチなし」であるか否かを判定する。
【0347】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、リーチなしからリーチなしである場合には(S1802の結果が「Y」)、先読み予告重複時処理を終了する。これにより、両始動記憶の変動パターンが「リーチなし」で変動時間が異なるような場合に、先読み予告態様が変更したにも関わらず、リーチが発生しないという矛盾の発生を防止することができる。一方、リーチなしからリーチなしでない場合には(S1802の結果が「N」)、S1705以降の処理を実行する。
【0348】
図25は、本発明の第1の実施の形態の第1変形例における先読み予告重複時処理の画面遷移例を示す図である。図25(a)は、遷移前の画面表示例で、図25(b)は、遷移直前の画面表示例である。図25(c)は、遷移中の画面表示例である。
【0349】
図25(a)では、前述の図21(a)と同様に、特図1用保留表示領域(左側)と、特図2用保留表示領域(右側)とからなる特図保留表示領域が設けられている。図25(a)では、3番目に消化される保留(先行保留)に先読み予告態様が設定されている。なお、5番目に消化される特図2用保留(後続保留)が新たに発生し、その期待度が先行保留の期待度よりも高い場合を考える。
【0350】
ここで先行保留の前の保留が消化された場合に、図25(b)に示すような画面表示となる。図25(b)では、1番目(当初の3番目)の先行保留に先読み予告態様が設定されている。また、3番目(当初の5番目)の後続保留には、先読み予告態様は設定されていない。
【0351】
図25(c)では、図25(b)に示す1番目の保留が消化される時点(遊技が開始する時点)での画面表示を示している。図25(c)に示すように、1番目(当初の3番目)の保留が消化された時点で、先読み予行態様が画面上を3番目(当初の5番目)の保留へと移動する。そして、3番目の保留に、ランクアップした先読み予告態様が設定される。なお、ランクアップした先読み予告態様の設定は、遊技者が演出ボタン31等のボタンを操作した場合に限定してもよい。
【0352】
〔第1の実施の形態の第2変形例〕
次に、第1の実施形態の第2変形例について説明する。図26は、本発明の第1の実施の形態の第2変形例における先読み情報比較テーブルを示す図である。図26は、本第2変形例における先読み予告重複時処理で用いられる先読み情報比較テーブルである。
【0353】
図26に示すように、本第2変形例の先読み情報比較テーブルでは、先行保留(先行始動記憶)の変動パターンと後続保留(後続始動記憶)の変動パターンとの組み合わせ毎に、先読み予告対象を変更すべきか否かが設定される。なお、本変形例の先読み情報比較テーブルでは、当り又ははずれの情報も考慮されている。
【0354】
先行保留がはずれで、且つ、後続保留がはずれの場合には、前述の図19(a)と同様に、後続保留の変動パターンの期待度が先行保留の変動パターンの期待度と同じ又は先行保留の変動パターンの期待度よりも低い場合には、「変更なし」が設定されている。一方、後続保留の変動パターンの期待度が先行保留の変動パターンの期待度よりも高い場合には、「変更する」が設定されている。
【0355】
一方、先行保留が大当りで、且つ、後続保留が大当りの場合には、「変更なし」が設定される。なお、両保留に対して先読み予告対象を設定してもよい。また、先読み予告対象を変更してもよいが、先読み予告対象を変更しても、先行保留が大当りであるために、後続保留も大当りであることが見抜かれるプレミアム的演出としてもよい。また、先行保留が大当りである場合には、後続保留は大当り後の状態(確変や時短)で消化されるので、特殊変動パターンなどとなる場合もある。
【0356】
また、先行保留がはずれで、且つ、後続保留が大当りの場合には、先行保留の変動パターンがリーチなし又はノーマルリーチの場合には、「変更あり」が設定される。一方、先行保留の変動パターンがスペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ又はスペシャル3リーチの場合には、先読み予告対象を変更すべきか否かの抽選が実行される。抽選結果が「変更する」である場合には、先読み予告対象を変更するための演出が実行される。
【0357】
すなわち、前述のS1703〜S1711において、後続保留(後続始動記憶)に基づく変動表示ゲームにおいて特別結果態様が導出されると事前判定され、先行保留(先行始動記憶)に基づく変動表示ゲームにおいて特別結果態様が導出されないと事前判定された場合に、先行保留に対応する始動記憶表示の特定表示態様を終了させ、後続保留に対応する始動記憶表示を特定表示態様に制御する。これにより、確実に遊技者の期待感に沿った予告を実行することが可能になる。
【0358】
ただし、先行保留がスペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ又はスペシャル3リーチに発展するにも関わらず、先読み予告対象を変更した場合には、先行保留に対応するゲームが冗長になってしまうが、このように抽選を実行することにより、必ずしも先行保留も基づく各スペシャルリーチがはずれであると見抜かれず、先読み予告対象が変更した場合であっても、先行保留が大当りするという期待感を持たせることができる。
【0359】
次に、本第2変形例における先読み予告重複時処理について説明する。図27は、本発明の第1の実施の形態の第2変形例における先読み予告重複時処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下では前述の先読み予告重複時処理(図17)及びその第1変形例(図24)と同様の構成要素には同一の符号を付して重複する説明を適宜省略する。
【0360】
本第2変形例では、図17のS1704の結果が「N」の場合に、S2701、S2702が設けられており、これらS2701、S2702について説明する。
【0361】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、先読み予告対象が変更すべきでない場合には(S1704の結果が「N」)、先読み情報比較テーブル(図26)により、変更抽選をすべきか否かを判定し(S2701)、変更抽選をすべきでない場合には(S2701の結果が「N」)、先読み予告重複時処理を終了する。
【0362】
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、変更抽選をすべきである場合には(S2701の結果が「Y」)、変更抽選処理を実行し(S2702)、先読み予告重複時処理を終了する。なお、変更抽選処理についての詳細は、図28Aを参照して後述する。
【0363】
〔変更抽選処理〕
次に、本第2変形例の先読み予告重複時処理(図27)における変更抽選処理(S2702)の詳細について説明する。図28Aは、変更抽選処理の手順を示すフローチャートである。
【0364】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、変更抽選テーブルにより、先読み予告対象を変更すべきか否かを確認する(S2801、S2802)。変更抽選テーブルについての詳細は、図28Bを参照して後述する。
【0365】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、先読み予告対象を変更すべきである場合には(S2802の結果が「Y」)、先行保留の変動内容に応じた変更演出の成功パターンを設定し(S2803)、変更演出を実行するための変更演出実行フラグを設定する(S2806)。その後、変更抽選処理を終了する。
【0366】
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、先読み予告対象を変更すべきでない場合には(S2802の結果が「N」)、変更演出をすべきか否かを判定し(S2804)、変更演出をすべきでない場合には(S2805の結果が「N」)、変更抽選処理を終了する。一方、変更演出をすべきである場合には(S2805の結果が「Y」)、先行保留の変動内容に応じた変更演出の失敗パターンを設定し(S2805)、変更演出を実行するための変更演出実行フラグを設定する(S2806)。その後、変更抽選処理を終了する。
【0367】
図28Bは、本発明の第1の実施の形態の第2変形例における変更抽選処理で使用される変更抽選テーブルである。
【0368】
図28Bに示すように、変更抽選テーブルでは、先行保留の変動パターン(スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ又はスペシャル3リーチ)毎に、先読み予告対象の変更ありか否か(変更すべきか否か)及びその確率、及び、変更演出がありか否か(変更演出をすべきか否か)の情報が設定される。
【0369】
例えば先行保留の変動パターンがスペシャル1リーチで、先読み予告対象が変更あり(30%の確率)の場合には、変更演出はありである(図28AのS2803の成功パターンに対応)。また先行保留の変動パターンがスペシャル1リーチで、先読み予告対象が変更なしの場合には、10%の確率で変更演出はありである(図28AのS2805の失敗パターンに対応)。また、60%の確率で変更演出はなしである。
【0370】
なお、図28Bに示す変更抽選テーブルでは、先行保留の先読み予告対象が「変更あり」である場合に、変更演出は一律「あり」で設定されているが、変更演出がない場合を設定してもよい。なお、設定された変更演出は、先行保留のリーチ演出の中で実行される。
【0371】
〔変動中処理〕
次に、本第2変形例の1stシーン制御処理(図15)における変動中処理(S1511)の詳細について説明する。図29は、本第2変形例における変動中処理の手順を示すフローチャートである。
【0372】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(S2901)。演出リクエストフラグは、前述したように、1stシーン制御処理のS1506で、主制御用マイコン(1stCPU)551が受信したシーン変更コマンドが有効なコマンドである場合にセットされる。したがって、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出リクエストフラグがない場合には(S2901の結果が「N」)、表示装置48に表示される表示内容は一連の表示演出の一部であるので、更新タイマが0か否かに応じて表示内容を変更するか判定する(S2902)。
【0373】
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、更新タイマが0の場合には(S2902の結果が「Y」)、次のシーンに移行するためにシーケンステーブルに設定された次のシーンのデータを設定し(S2903)、変動中処理を終了する。
【0374】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、更新タイマが0でない場合には(S2902の結果が「N」)、変動中処理を終了する。
【0375】
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出リクエストフラグがある場合には(S2901の結果が「Y」)、表示装置48に表示される表示内容全体を切り替えるタイミングなので、受信したシーン変更コマンドに応じて各種処理を実行する。
【0376】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、変動表示ゲームの終了間際などに遊技者によって押された演出ボタン31などプッシュボタン(PB)情報(履歴)をクリアする(S2904)。これにより、前回の変動表示ゲームにおける操作が今回の変動表示ゲームに影響しない。そして、可動体(役物)の作動リクエストをセットして初期化する(S2905)。
【0377】
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、変更演出実行フラグがあるか否か判定する(S2906、S2907)。変更演出実行フラグは、前述したように、変動抽選処理のS2806で、主制御用マイコン(1stCPU)551が成功パターン又は失敗パターンの変更演出を実行する場合にセットされる。したがって、主制御用マイコン(1stCPU)551は、変更演出実行フラグがある場合には(S2907の結果が「Y」)、S2803又はS2805で設定された変更演出パターンを反映した変動パターンを選択する(S2908)。その後、変更演出実行フラグをクリアする(S2909)。
【0378】
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、変更演出実行フラグがない場合には(S2907の結果が「N」)、遊技制御装置500から送信される変動パターン情報、遊技状態、及び、演出制御装置550の演出情報に基づいてシーン変更コマンドに対応する変動パターンを決定し、当該変動パターンの情報を設定する変動パターン情報設定処理を実行する(S2910)。
【0379】
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出のかたよりが生じないように演出情報を決定する乱数の種値を初期化する乱数シード初期化処理を実行する(S2911)。
【0380】
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、S2908で選択された又はS2910で設定された変動パターンに対応して、表示装置48で実行される飾り特図変動表示ゲームにおける変動表示の開始や停止、演出用キャラクタの表示等の各種表示の実行タイミングや表示時間を管理するシーンシーケンステーブルを設定する(S2912)。飾り特図変動表示ゲームは、設定されたシーンシーケンステーブルに従って実行される。
【0381】
さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551は、時間短縮変動回数などを管理するために変動回数管理処理を実行し(S2913)、シーンの更新タイマの更新タイミングを判断するために変動時間を設定する変動時間設定処理を実行する(S2914)。
【0382】
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、シーン変更コマンドに対応した設定が終了したので演出リクエストフラグをクリアし(S2915)、変動中処理を終了する。
【0383】
図30は、本第2変形例における先読み予告重複時処理の画面遷移例を示す図である。図30(a)は、遷移前の画面表示例で、図30(b)は、先行保留の変動表示ゲームを実行中の画面表示例で、図30(c)は、変更演出を実行中の画面表示例で、図30(d)は、遷移後の画面表示例で、図30(e)は、画面遷移に係るタイムチャートである。
【0384】
図30(a)では、前述の図20(a)と同様に、特図1用保留表示領域(左側)と、特図2用保留表示領域(右側)とからなる特図保留表示領域が設けられている。3番目に消化される保留(先行保留)の変動パターンがスペシャルリーチ(例えばスペシャル3リーチ)であり、先読み予告態様が設定されている。なお、5番目に消化される特図2用保留(後続保留)が新たに発生し、その期待度が先行保留の期待度よりも高い場合を考える。
【0385】
なお、図30(a)では、特図1用保留表示領域(左側)の上に、現に消化されている保留の種別を示す保留消化領域が設けられている。なお、保留消化領域が設けられる位置は、特図1用保留表示領域(左側)の上に限定されるものではない。
【0386】
図30(b)では、先行保留が消化される際の画面表示を示している。保留消化領域内の先行保留には先読み予告態様が設定されているので、先行保留に対応する変動表示ゲーム(例えばスペシャル3リーチの変動表示ゲーム)が実行されている。また、2番目(当初の5番目)の後続保留には、先読み予告態様は設定されていない。
【0387】
図30(c)では、図30(b)で開始した変動表示ゲームが一旦はずれであった場合に、変動表示ゲームが仮停止(揺れ変動)するとともに、遊技者に演出ボタン31の操作を促す画面表示を示している。遊技者は演出ボタン31等の操作ボタンを操作することによって、例えば変動表示領域内のキャラのオーラが青色→黄色→赤色と変更することができる。例えばキャラのオーラが赤色に変更した場合に、先読み予告対象の変更が確定するものとしてもよい。また、赤色からさらに虹色に変更することで、新たに先読み予告態様となる保留に基づく変動表示ゲームが大当りとなることを予告してもよい。
【0388】
先読み予告対象の変更が確定した場合には、図30A(d)に示すように、保留消化領域内の保留に設定されている先読み予告態様が画面上を2番目(当初の5番目)の後続保留へと移動する。そして、後続保留に、ランクアップした先読み予告態様が設定される。なお、ランクアップした先読み予告態様の設定は、遊技者が演出ボタン31等の操作ボタンを操作した場合に限定しなくてもよい。このように、先行保留がリーチはずれだった場合に、先読み予告態様の変更演出(特殊演出)を実現することができる。
【0389】
前述のS1710及びS1711において、遊技者が演出ボタン31等の操作ボタンを操作し、この操作が検出された場合に、始動記憶表示の表示態様を制御する(切り替える)。これにより、期待感を高める演出に遊技者が参加できるので、遊技者が自分で期待感を高めたように感じ、遊技の興趣を高めることができる。
【0390】
(第2の実施の形態)
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、前述の第1の実施の形態と同様の構成及び処理については、適宜説明を省略する。
【0391】
図31は、本発明の第2の実施の形態の変動パターンの選択態様を説明する図である。図31(a)は、始動記憶数(保留数)によって異なる変動パターン選択態様の第1例で、図31(b)は、始動記憶数(保留数)によって異なる変動パターン選択態様の第2例である。
【0392】
図31(a)、(b)は、後半の変動のリーチ系統を選択するための変動パターン乱数1と、乱数値に対応する始動記憶数毎のリーチ系統とが設定されている。
【0393】
図31(a)では、変動パターン乱数1によってリーチなし、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ及びスペシャル3リーチの5つの変動パターンが設定される。なお、始動記憶数に応じて、各変動パターンの出現割合が異なる。例えば始動記憶数が少ないほど、全ての始動記憶が消化されることによるゲームの途切れを回避するために、期待度が高いリーチの出現割合が高くなる。一方、始動記憶数が多いほど、始動記憶の消化を速くするために、期待度が低いリーチの出現割合が高くなる。
【0394】
なお、図31(a)では、始動記憶数によって変動パターンが異なるものとなる変動パターン乱数1の範囲を、網掛け部で示している(図31(b)も同様)。一方、網掛け部として示していないのは、始動記憶数によらず変動パターンが同じものとなる変動パターン乱数1の範囲である。
【0395】
図31(b)では、変動パターン乱数1によってリーチなし、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ及びスペシャル3リーチの5つの変動パターンが設定される。なお、始動記憶数に応じて、各変動パターンの出現割合が異なる。例えば始動記憶数が少ないほど、期待度が低いリーチの出現割合が高くなる。一方、始動記憶数が多いほど、期待度が高いリーチの出現割合が高くなる。
【0396】
なお、図31(a)、(b)は共に、はずれ時の変動パターンを示しており、一般的に、大当り時の変動パターンの出現割合は、始動記憶数によって変化しない。しかしながら、先読み予告態様が変更した場合に、先行保留がはずれであることを遊技者に認識されないようにするために、大当り時の変動パターンの出現割合についても、図31(a)、(b)に示すように、始動記憶数に応じて異ならせてもよい。また、大当り時の変動パターンは、始動記憶数毎に1つ定められてもよい。この場合には、変動パターン乱数1の乱数値によらず、始動記憶数に応じて変動パターンが決定される。
【0397】
図32は、本発明の第2の実施形態の事前判定コマンドを示す図である。図32に示す始動口入賞演出図柄コマンド及び始動口入賞演出コマンドは、図13B(a)に示すタイムチャートにおいて、始動入賞時に遊技制御装置500から演出制御装置550に送信される事前判定コマンドである。
【0398】
図32に示すように、始動口入賞演出図柄コマンドとしては、当たりの場合の演出図柄、はずれの場合の演出図柄を指示するための複数の始動口入賞演出図柄コマンド1〜3が例示される。また、始動口入賞演出コマンドとしては、はずれの場合又は大当りの場合のリーチの種別を指示するための複数の始動口入賞演出コマンド1〜10が例示される。
【0399】
本発明の第2の実施の形態では、さらに、始動口入賞演出コマンドとして、「変化可能性あり」、すなわちリーチの種別が変化する可能性があることを指示するための複数の始動口入賞演出コマンド41〜44が例示される。例えば、始動入賞時に抽出される変動パターン乱数1の値が図31の網掛け部に該当する場合で、その後の保留数(始動記憶数)の増減によって、異なるリーチ演出に変更する可能性があることを示す。なお、説明の便宜上、これら始動口入賞演出コマンド41〜44は、コマンド送信時の特図1用保留と特図2用保留の合計保留数が4個以上の場合に限定して送信されるものとするが、この場合には限定されるものではない。
【0400】
また、上記コマンドは、コマンド送信時の保留数が変化しない前提で送信されるが、新たな始動記憶が発生し保留数が増加しないと、実際に先読み予告対象の保留が消化される場合には、保留数が1(先読み予告対象の保留のみ)で消化されることになる。そのため、その後の、保留数の増加があるか否かによって、異なるリーチ演出に変化する可能性がある。
【0401】
なお、遊技制御装置500は、始動口入賞演出コマンド41〜44に代えて、変動パターン乱数1の実測値を演出制御装置550に送信し、演出制御装置550が、受信した変動パターン乱数1の実測値に応じて、変動パターンの変化可能性を判定してもよい。
【0402】
また、これら始動口入賞演出図柄コマンド及び始動口入賞演出コマンドは、その他全遊技結果、全変動パターンの組み合わせ毎に用意してもよい。
【0403】
〔1stシーン制御処理(1stCPU)〕
次に、前述したメイン処理(図14)における1stシーン制御処理(S1412)の詳細について説明する。図33は、本発明の第2の実施の形態の1stシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下では図15と同様の構成要素には同一の符号を付して重複する説明を適宜省略する。
【0404】
第2の実施の形態では、S1518の処理の後に、S3301、S3302が設けられており、これらS3301、S3302について説明する。
【0405】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、先読み予告調整処理(S3301)、及び、遊技制御装置500から送信される事前判定コマンドを受信して、当該事前判定コマンドにより先読み予告に関する設定を実行する先読み予告設定処理(S3302)を実行する。なお、先読み予告設定処理についての詳細は、図34を参照して後述する。また、先読み予告調整処理についての詳細は、図35を参照して後述する。
【0406】
〔先読み予告設定処理〕
次に、前述した1stシーン制御処理(図33)における先読み予告設定処理(S3302)の詳細について説明する。図34は、本発明の第2の実施の形態の先読み予告設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下では第1の実施の形態の先読み予告設定処理(図16)と同様の構成要素には同一の符号を付して重複する説明を適宜省略する。
【0407】
第2の実施の形態では、S1605の処理の後にS3401、S3402が設けられており、S1611の処理の後にS3403〜S3406が設けられているので、これらS3401〜S3406について説明する。
【0408】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、他の始動記憶に対する先読み予告が実行中でない場合には(S1605の結果が「N」)、S1606の処理の前に、先読み予告実行条件が成立したか否かを判定する(S3401)。先読み予告実行条件とは、先読み予告を実行するための条件であって、例えば特図1及び特図2の合計始動記憶数が3個又は5個等の特定数以上に到達したことである。このように、始動記憶数が特定数(例えば5個)以上である場合に限定して以降の処理を実行することによって、制御対象の始動記憶が一定数確保され、全ての始動記憶に対応する特定表示態様の制御を行う場合のインパクトが強くなる。
【0409】
なお、先読み予告実行条件は、当該始動記憶に基づいて実行される変動表示ゲームの実行情報(例えばリーチ演出)の停止結果が特別結果態様となる信頼度が高いほど、当該条件が成立する確率が高くなるように設定してもよい。これにより、大当りする信頼度が高い実行情報であるときに、以降の処理を実行する確率が高いので、演出への期待感を高めることができる。
【0410】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、先読み予告実行条件が成立した場合には(S3401の結果が「Y」)、全ての始動記憶の事前判定コマンドに含まれる始動口入賞演出図柄コマンドに基づいて、先読み予告対象となる始動記憶の図柄情報を取得する(S3402)。ここでは、全ての始動記憶に対応する始動口入賞演出図柄コマンドに基づいて、先読み予告対象となる始動記憶、すなわち変動表示ゲームの停止結果が特別結果態様となる期待度や、変動表示ゲームにおいて実行されることとなる予告演出の期待度が高い始動記憶(スペシャルリーチが導出される、大当りになる始動記憶等)を選択し、選択された始動記憶の図柄情報を取得する。一方、先予告実行条件が成立していない場合には(S3401の結果が「N」)、先読み予告設定処理を終了する。
【0411】
S3403では、主制御用マイコン(1stCPU)551は、全ての始動記憶表示に、S1611で選択された先読み予告態様を設定する(S3403)。また、先読み予告態様を設定した全ての始動記憶表示を、表示装置48に表示させる。なお、S1611では、図18(a)に示す複数の先読み予告態様(特定表示態様)のうち、一つの先読み予告態様が選択されている。
【0412】
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、当該始動記憶の事前判定コマンドに含まれる始動口入賞演出コマンドから、当該始動記憶のリーチ系統が変化する可能性があるか否かを確認する(S3404、S3405)。具体的には、始動口入賞演出コマンドに前述の「変化可能性あり」があるか否かを確認する。変化可能性がある場合には(S3405の結果が「Y」)、変化を確認するための変化確認フラグを設定し(S3406)、先読み予告設定処理を終了する。一方、変化可能性がない場合には(S3405の結果が「N」)、何も実行せずに先読み予告設定処理を終了する。
【0413】
以上に示す処理により、演出制御装置550は、始動記憶に対する事前判定の判定結果に応じて、複数の先読み予告態様(事前報知態様)のうちの一つの先読み予告態様を選択し、選択された先読み予告態様を、全ての始動記憶表示(先読み予告対象の始動記憶及び先読み予告対象でない始動記憶を含む)に設定することにより、始動記憶に基づいて実行される変動表示ゲームの実行情報を事前報知する事前報知手段として機能する。なお、事前報知態様の設定は、先読み予告態様の表示に限定されるものではない。
【0414】
なお、前述の第1の実施の形態に示した先読み予告重複時処理(図17等)と本実施形態の処理を選択的に、又は、同時に実行可能にしてもよい。
【0415】
〔先読み予告調整処理〕
次に、前述した1stシーン制御処理(図33)における先読み予告調整処理(S3301)の詳細について説明する。図35は、本発明の第2の実施の形態の先読み予告調整処理の手順を示すフローチャートである。
【0416】
先読み予告調整時処理では、変動表示ゲームの予告演出等の先読み予告の内容が、その後の保留数(始動記憶数)の増減によって、異なる先読み予告の内容に変更する可能性がある場合の処理を実行する。
【0417】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、前述のS3406で設定される変化確認フラグがあるか否か(S3501)、及び、変化確認フラグが設定されている場合には(S3501の結果が「Y」)、保留数が変化したか否か(S3502)を判定する。変化確認フラグが設定されていない場合(S3501の結果が「N」)、又は、保留数が変化していない場合には(S3502の結果が「N」)、先読み予告調整処理を終了する。
【0418】
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、保留数が変化した場合には(S3502の結果が「Y」)、保留数が変化したことによって、先読み予告内容に変更があるか否かを判定(確認)する(S3503、S3504)。なお、S3503及びS3504では、前述のS1603で事前判定コマンドを受信するときに併せて変動パターン乱数1の値を受信し、受信した変動パターン乱数1の値を用いて判定してもよい。また、遊技制御装置500が、保留数が変化する度に、変化後の保留数や保留数の変化量等の保留数の変化に関する情報を演出制御装置550に送信するように構成し、演出制御装置550は、受信した保留数の変化に関する情報を用いて判定してもよい。また、演出制御装置550が、保留数変化と先読み予告内容の変化との対応付けをテーブルとして保持するように構成し、このテーブルを用いて判定してもよい。なお、本処理を実行時の保留数によって、先読み予告内容に変更があるか否かを判定してもよい。
【0419】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、先読み予告内容に変更がある場合には(S3504の結果が「Y」)、変更内容に応じた先読み予告態様を、全始動記憶表示に設定する(S3505)。また、先読み予告態様を設定した始動記憶表示を、表示装置48に表示させる始動記憶表示処理を実行する。なお、S3505では、変更内容に応じた先読み予告態様として、図18(a)に示す複数の先読み予告態様(特定表示態様)のうち、一つの先読み予告態様が選択されている。ここでいう先読み予告態様とは、変動表示ゲームの変動態様を示唆する態様であるが、このS3505により、先読み予告態様が変更されるので、変動態様の種類を推察しながら、特定表示態様の変更に対して期待感を持って楽しむことができる。その後、先読み予告調整処理を終了する。
【0420】
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、先読み予告内容に変更がない場合には(S3504の結果が「N」)、先読み予告内容に変更がないにも関わらず、先読み予告内容に変更があるように見せかける抽選を実行する先読み予告内容抽選処理(ガセ)を実行し(S3506)、抽選が当選であるか否かを判定する(S3507)。抽選が当選でない(はずれである)場合には(S3507の結果が「N」)、先読み予告調整処理を終了する。
【0421】
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、抽選が当選である場合には(S3507の結果が「Y」)、変更内容に応じた先読み予告態様(先読み予告内容に変更がないにもかかわらず、先読み予告内容に変更があるように見せかける、いわゆるガセとして設定された先読み予告態様)を、全始動記憶表示に設定する(S3505)。また、先読み予告態様を設定した始動記憶表示を、表示装置48に表示させる始動記憶表示処理を実行する。その後、先読み予告調整処理を終了する。なお、S3507の結果が「Y」となる確率は低めが好ましい。
【0422】
以上に示す処理により、演出制御装置550は、前述の先読み予告実行条件(S3401)が成立した後に、保留数(始動記憶数)の変化に応じて、変動表示ゲームの実行情報が変化したか否かを判定し、変動表示ゲームの実行情報が変化した場合に、変更内容に応じた先読み予告態様を設定する。具体的には、保留数が増加し、変動表示ゲームの実行情報が変化(ランクアップ又はランクダウン)した場合に、ランクアップ又はランクダウンした先読み予告態様を設定する。このように、保留数の増減によって期待度が変化するので、遊技者は演出を持続的に楽しめる。
【0423】
図36は、本発明の第2の実施の形態の先読み予告調整処理の画面遷移の第1例を示す図である。図36(a)は、遷移前の画面表示例で、図36(b)は、新たに発生した3つ目の保留による遷移後の画面表示例で、図36(c)は、新たに発生した4つ目の保留による遷移後の画面表示例である。
【0424】
図36(a)〜(c)に示すように、本発明の第2の実施の形態では、表示装置48における左、中、右の変動表示領域の下部に、一つの特図保留表示領域が設けられている。この特図保留表示領域には、特図1用の保留は丸で、特図2用の保留は三角で示される。表示された保留は左から順に消化される。すなわち、保留表示(始動記憶表示)を複数表示する場合に、各保留表示を、発生順に隣り合わせて表示している。図36(a)では、2番目に消化される保留が先読み予告対象であるが、前述の先読み予告実行条件(S3401)を満たさないので、全ての保留が通常表示態様であるとする。
【0425】
ここで、前述の先読み予告実行条件(S3401)を満たす3つ目の特図1用保留が発生した場合を考える。この場合には、図36(b)に示すように、全ての保留の表示が青色に変更される。
【0426】
また、前述の先読み予告内容が変更ありとなる条件(S3504の結果が「Y」)を満たす4つ目の特図1用保留が発生した場合を考える。この場合には、図36(c)に示すように、全ての保留の表示が黄色に変更されるとともに、先読み予告対象である2番目の保留の変動パターンがスペシャル1リーチからスペシャル2リーチにランクアップする。
【0427】
なお、前述のS3403により、演出制御装置550は、先読み予告実行条件(報知実行条件)が成立した場合に、図36(b)に示すように、対象始動記憶に基づいて実行される変動表示ゲームの実行情報に関連して、全ての始動記憶(対象始動記憶及び対象始動記憶以外の始動記憶を含むものであれば、全ての始動記憶ではなくてもよい)にそれぞれ対応する事前報知(先読み予告)を、一の事前報知態様(先読み予告態様)で実行する事前報知統括実行手段として機能する。具体的には、事前報知として、対象始動記憶に対する事前判定結果に応じて、全ての始動記憶にそれぞれ対応する始動記憶表示の表示態様を、通常表示態様とは異なる一の特定表示態様に制御している。
【0428】
これにより、全ての(又は、複数の)始動記憶が同一の事前報知態様に制御されるので、どの始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行情報に関連した事前報知なのか特定できなくなるので、全ての(又は、複数の)始動記憶に期待感を持つことができる。
【0429】
なお、変動表示ゲームの実行情報とは、変動表示ゲームの停止結果(大当りかはずれか)、変動表示ゲームの停止結果態様(図柄の種類)、変動表示ゲームの実行態様(変動パターン)、変動表示ゲームで設定される表示モード等の情報を含む。
【0430】
また、前述のS3505により、演出制御装置550は、先読み予告内容変更条件が成立した場合に、図36(c)に示すように、全て(又は、複数)の始動記憶にそれぞれ対応する事前報知を、一の事前報知態様から、他の事前報知態様に変更する事前報知統括制御手段として機能する。具体的には、一の特定表示態様(青色の先読み予告態様)に設定された始動記憶表示を、他の特定表示態様(黄色の先読み予告態様)に変更している。
【0431】
これにより、一度事前報知が実行された後に事前報知態様が変化する可能性があり、また変化する場合に全て(又は、複数)の始動記憶に対応する事前報知が変化するので、インパクトのある予告となる。特に、始動記憶表示は、次回以降の変動表示ゲームの実行権利を示すものであるので、次回以降の変動表示ゲームへの期待感を認識しやすい利点がある。
【0432】
図37は、本発明の第2の実施の形態の先読み予告調整処理の画面遷移の第2例を示す図である。図37(a)は、遷移前の画面表示例で、図37(b)は、新たに発生した5つ目の保留による遷移後の画面表示例で、図37(c)は、新たに発生した6つ目の保留による遷移後の画面表示例である。
【0433】
図37(a)〜(c)に示すように、前述の図36と同様に、表示装置48における変動表示領域の下部には、一つの特図保留表示領域が設けられている。図37(a)では、3番目に消化される保留が先読み予告対象であるが、前述の先読み予告実行条件(S3401)を満たさないので、全ての保留が通常表示態様であるとする。
【0434】
ここで、前述の先読み予告実行条件(S3401)を満たす5つ目の特図2用保留が発生した場合を考える。この場合には、図37(b)に示すように、全ての保留の表示が、リーチ中に出現するキャラクタ等に変更される。
【0435】
また、前述の先読み予告内容が変更ありとなる条件(S3504の結果が「Y」)を満たす6つ目の特図1用保留が発生した場合を考える。この場合には、図37(c)に示すように、全ての保留の表示のうち、所定のキャラクタ(ここでは2番目、4番目のキャラクタ)が変更されるとともに、先読み予告対象である3番目の保留の変動パターンがスペシャル1リーチからスペシャル2リーチにランクアップする。
【0436】
図38は、本発明の第2の実施の形態の先読み予告調整処理の画面遷移の第3例を示す図である。図38(a)は、遷移前の画面表示例で、図38(b)は、新たに発生した5つ目の保留による遷移後の画面表示例で、図38(c)は、1つ目及び2つ目の保留が消化された場合の画面表示例である。
【0437】
図38(a)〜(c)に示すように、前述の図36と同様に、表示装置48における変動表示領域の下部には、一つの特図保留表示領域が設けられている。図38(a)では、3番目に消化される特図1用の保留が先読み予告対象であるが、前述の先読み予告実行条件(S3401)を満たさないので、全ての保留が通常表示態様であるとする。
【0438】
ここで、前述の先読み予告実行条件(S3401)を満たす5つ目の特図2用保留が発生した場合を考える。この場合には、図38(b)に示すように、全ての保留の表示のうち、一部の保留の表示が変更される。具体的には、先読み予告態様の保留数(3個)が通常表示態様の保留数(2個)よりも多くなるように、各保留の表示が変更される多数決態様となる。遊技者は、先読み予告態様の保留数と通常表示態様の保留数とを比較することによって、先読み予告態様の保留数の方が多い場合に信頼度の高い演出が実行される可能性が高いと認識することができ、遊技の興趣を高めることができる。なお、各保留の表示は、保留数が変化する毎に変更してもよい。また、各保留の表示は、青色、黄色、赤色等の複数の先読み予告態様を混在させて表示してもよい。
【0439】
その後、1つ目及び2つ目の保留が消化され、且つ、新たに特図1用保留及び特図2用保留が発生した場合を考える。この場合には、図38(c)に示すように各保留は表示される。なお、先読み予告対象の保留(1番目の保留)が消化されると、先読み予告対象がなくなるとともに、後続の2個の保留では、先読み予告態様の保留が1個と、通常表示態様の保留が1個となって可能性が低くなる。
【0440】
このとき、図38(a)〜(c)に示すように、先読み予告(事前報知)が開始されたときの始動記憶に対応する始動記憶表示(図38(b))と、先読み予告が開始された後の始動記憶に対応する始動記憶表示(図38(c))と、を遊技者が認識可能(識別可能、区別可能)に表示する。これにより、遊技者は、先読み予告の対象がどの範囲かを容易に認識し、当該先読み予告による期待感を適正な範囲で感じることができる。
【0441】
〔変動中処理〕
次に、第2の実施の形態の第1変形例について説明する。まず、本第1変形例の1stシーン制御処理(図33)における変動中処理(S1511)の詳細について説明する。図39は、本第1変形例における変動中処理の手順を示すフローチャートである。
【0442】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(S3901)。演出リクエストフラグは、前述したように、1stシーン制御処理のS1506で、主制御用マイコン(1stCPU)551が受信したシーン変更コマンドが有効なコマンドである場合にセットされる。したがって、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出リクエストフラグがない場合には(S3901の結果が「N」)、表示装置48に表示される表示内容は一連の表示演出の一部であるので、更新タイマが0か否かに応じて表示内容を変更するか判定する(S3902)。
【0443】
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、更新タイマが0の場合には(S3902の結果が「Y」)、次のシーンに移行するためにシーケンステーブルに設定された次のシーンのデータを設定し(S3903)、S3912以降の処理を実行する。
【0444】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、更新タイマが0でない場合には(S3902の結果が「N」)、S3912以降の処理を実行する。
【0445】
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出リクエストフラグがある場合には(S3901の結果が「Y」)、表示装置48に表示される表示内容全体を切り替えるタイミングなので、受信したシーン変更コマンドに応じて各種処理を実行する。
【0446】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、変動表示ゲームの終了間際などに遊技者によって押された演出ボタン31などプッシュボタン(PB)情報(履歴)をクリアする(S3904)。これにより、前回の変動表示ゲームにおける操作が今回の変動表示ゲームに影響しない。そして、可動体(役物)の作動リクエストをセットして初期化する(S3905)。
【0447】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技制御装置500から送信される変動パターン情報、遊技状態、及び、演出制御装置550の演出情報に基づいてシーン変更コマンドに対応する変動パターンを決定し、当該変動パターンの情報を設定する変動パターン情報設定処理を実行する(S3906)。
【0448】
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出のかたよりが生じないように演出情報を決定する乱数の種値を初期化する乱数シード初期化処理を実行する(S3907)。
【0449】
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、S3906で設定された変動パターンに対応して、表示装置48で実行される飾り特図変動表示ゲームにおける変動表示の開始や停止、演出用キャラクタの表示等の各種表示の実行タイミングや表示時間を管理するシーンシーケンステーブルを設定する(S3908)。飾り特図変動表示ゲームは、設定されたシーンシーケンステーブルに従って実行される。
【0450】
さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551は、時間短縮変動回数などを管理するために変動回数管理処理を実行し(S3909)、シーンの更新タイマの更新タイミングを判断するために変動時間を設定する変動時間設定処理を実行する(S3910)。
【0451】
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、シーン変更コマンドに対応した設定が終了したので演出リクエストフラグをクリアする(S3911)。
【0452】
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、次に消化される保留(次保留)は先読み予告を実行中であるか否かを判定する(S3912)。すなわち、次保留が先読み予告の対象であるか否かを判定する。次保留が先読み予告を実行中でない場合には(S3912の結果が「N」)、変動中処理を終了する。
【0453】
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、次保留が先読み予告を実行中である場合には(S3912の結果が「Y」)、変動パターン乱数を確認し(S3913)、保留数が増加したことによって、先読み予告の内容が変化したか否かを判定する(S3914)。
【0454】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、先読み予告の内容が変化していない場合には(S3914の結果が「N」)、変動中処理を終了する。一方、先読み予告の内容が変化した場合には(S3914の結果が「Y」)、保留発生を促す報知を設定し(S3915)、変動中処理を終了する。
【0455】
なお、S3915では、保留数の増加によって先読み予告の内容が変更していない場合(S3914の結果が「N」)や、次保留が先読み予告を実行中でない場合(S3912の結果が「N」)であっても、既に先読み予告が発生している場合には、例えば保留数の増加によって先読み予告の内容が変更された可能性がある旨を、ガセで報知してもよい。
【0456】
また、変動表示ゲームの実行状況を監視し、不適切なタイミング(例えばスペシャルリーチ中、変動表示ゲームの終了間際等)の場合には、S3915の報知を実行しなくてもよい。また、変動中処理は、S3915の報知を実行するか否かの抽選処理をさらに含んでもよい。
【0457】
図40は、本第1変形例における先読み予告調整処理の画面遷移の例を示す図である。図40(a)は、遷移前の画面表示例で、図40(b)は、新たに発生した5つ目の保留による遷移後の画面表示例で、図40(c)は、1つ目及び2つ目の保留が消化された場合の画面表示例である。
【0458】
図40(a)に示すように、画面遷移の第4例の表示装置48における左、中、右の変動表示領域の下部には、特図1用保留表示領域(左側)と、特図2用保留表示領域(右側)とからなる特図保留表示領域が設けられている。特図1用保留表示領域、特図2用保留表示領域には、それぞれ最大4個の保留が表示される。図40(a)では、特図1用保留表示領域に表示された3番目の保留が先読み予告対象であるが、前述の先読み予告条件(S3401)を満たさないので、全ての保留が通常表示態様であるとする。
【0459】
ここで、前述の先読み予告実行条件(S3401)を満たす5番目の特図2用保留が発生した場合を考える。この場合には、図40(b)に示すように、全ての保留の表示が青色に変更される。
【0460】
その後、1つ目及び2つ目の保留が消化され、先読み予告対象の保留が次に消化される保留になった場合を考える。この場合には、保留数の増加によって先読み予告の内容が変更することが判定されると(前述のS3914の結果が「N」)、図40(c)に示すように、保留発生を促す報知「保留が増えれば先読みランクアップ?」がなされる。なお、保留発生を促す報知の内容及び報知される領域は、図40(c)に示す場合に限定されるものではない。
【0461】
図41は、本発明の第2の実施の形態の第2変形例の変動パターン選択テーブルである。図41(a)は、特殊1変動パターン選択テーブルで、図41(b)は、特殊2変動パターン選択テーブルである。特殊1変動パターン選択テーブル及び特殊2変動パターン選択テーブルは共に、大当り時とはずれ時とで共通の変動パターンテーブルである。
【0462】
各特殊変動パターン選択テーブルでは、保留数毎に、後半の変動のリーチ系統を選択するための変動パターン乱数1と、乱数値に対応するリーチ系統及び変動時間とが設定されている。
【0463】
図41(a)では、保留数が1の場合には、変動時間が20秒のノーマルリーチが設定される。保留数が2の場合には、変動時間が50秒のスペシャル1リーチが設定される。保留数が3の場合には、変動時間が100秒のスペシャル2リーチが設定される。保留数が4〜8の場合には、変動時間が150秒のスペシャル3リーチが設定される。
【0464】
図41(b)では、保留数が1の場合には、変動時間が20秒のノーマルリーチが設定される。保留数が2の場合には、変動時間が100秒のスペシャル2リーチが設定される。保留数が3の場合には、変動時間が50秒のスペシャル1リーチが設定される。保留数が4〜8の場合には、変動時間が150秒のスペシャル3リーチが設定される。
【0465】
遊技制御装置500は、大当り終了後、大当り図柄毎に定められた所定ゲーム数(例えば100ゲーム)経過した場合に、変動パターン選択テーブルを、上記特殊変動パターン選択テーブル(特殊1変動パターン選択テーブル、特殊2変動パターン選択テーブルのいずれか)に切り替える。これによって、未発生の保留(始動記憶として記憶される前の乱数)に対して、疑似的な先読み予告(疑似先読み予告)を実行することができる。疑似先読み予告については、詳細に後述する。
【0466】
なお、このような特殊変動パターン選択テーブルの種類を多く設けることによって、遊技中の遊技者による変動パターン選択テーブルの特定を防ぐことができる。
【0467】
〔保留数コマンド受信処理〕
次に、本第2変形例の1stシーン制御処理(図33)における保留数コマンド受信処理(S1518)の詳細について説明する。図42は、本第2変形例の保留数コマンド受信処理の手順を示すフローチャートである。
【0468】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、特図保留数(飾り特図保留数)コマンドを受信したか否か(S4201、S4202)、及び、特図保留数コマンドを受信した場合には(S4202の結果が「Y」)、オーバーフローコマンドであるか否か(S4203)を確認する。特図保留数コマンドを受信していない場合(S4202の結果が「N」)、又は、オーバーフローコマンドである場合には(S4203の結果が「Y」)、保留数コマンド受信処理を終了する。
【0469】
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、オーバーフローコマンドでない場合には(S4203の結果が「N」)、受信した特図保留数コマンドの対象は、特図1用保留であるか否かを確認する(S4204)。
【0470】
主制御用マイコン(1stCPU)551は、対象が特図1である場合には(S4204の結果が「Y」)、現状の特図1保留数記憶領域の値を取得し(S4205)、今回受信した特図保留数コマンドに基づく値を取得する(S4206)。続いて、差分を算出し、特図1保留数記憶領域の値を更新し(S4207)、更新内容に基づき特図1保留数表示データを設定する(S4208)。
【0471】
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、対象が特図1でない、すなわち対象が特図2である場合には(S4204の結果が「N」)、現状の特図2保留数記憶領域の値を取得し(S4209)、今回受信した特図保留数コマンドに基づく値を取得する(S4210)。続いて、差分を算出し、特図2保留数記憶領域の値を更新し(S4211)、更新内容に基づき特図2保留数表示データを設定する(S4212)。
【0472】
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、特殊演出情報を確認する(S4213)。なお、大当り終了後に、遊技制御装置500に大当り図柄毎に定められた所定ゲーム数(例えば100ゲーム)の情報を送信させておく。
【0473】
そして、次保留の発生が、変動パターン選択テーブル変更のタイミングであるか否かを確認する(S4214、S4215)。変更のタイミングでない場合には(S4215の結果が「N」)、保留数コマンド受信処理を終了する。
【0474】
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、変更のタイミングである場合には(S4215の結果が「Y」)、変更される変動パターン選択テーブルの内容と保留数を確認し、疑似先読み予告を設定する(S4216)。疑似先読み予告とは、未発生の保留に対して実行される先読み予告である。具体的には、例えば後述の図43(b)、(c)に示すように、未発生の保留を発生済の保留と区別できる態様(例えば点線等)で表示するとともに、当該未発生の保留を含む全ての保留を先読み予告態様で表示する。その後、変化を確認するための変化確認フラグを設定し(S4217)、保留数コマンド受信処理を終了する。
【0475】
図43は、本第2変形例における画面表示例を示す図である。図43(a)は、遷移前の画面表示例で、図43(b)は、未発生の保留による疑似先読み予告後の画面表示例で、図43(c)は、未発生の保留による疑似先読み予告後の画面表示例である。
【0476】
図43(a)〜(c)に示すように、本第2変形例では、表示装置48における左、中、右の変動表示領域の下部に、一つの特図保留表示領域が設けられている。この特図保留表示領域には、特図1用の保留は丸で、特図2用の保留は三角で示される。表示された保留は左から順に消化される。すなわち、保留表示(始動記憶表示)を複数表示する場合に、各保留表示を、発生順に隣り合わせて表示している。
【0477】
図43(a)では、5番目に消化される保留が発生し、次保留の発生が変動パターン選択テーブル変更のタイミングであると判定された場合(S4215の結果が「Y」)における遷移前の画面表示を示している。図43(a)では、遷移前であるので、全ての保留が通常表示態様である。
【0478】
図43(b)、(c)では、次保留の発生によって、それぞれスペシャル1リーチ、スペシャルリーチ2の先読み予告が設定されると判定された場合の画面表示を示している。この図43(b)、(c)に示すように、未発生の保留は点線表示され、この未発生の保留を含む全ての保留が先読み予告態様で表示されている。
【0479】
なお、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0480】
1 遊技機
9 装飾部材
31 演出ボタン
37 第1始動入賞口
38 第2始動入賞口
48 表示装置
500 遊技制御装置(主基板)
550 演出制御装置
551 主制御用マイコン(1stCPU)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき、識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行可能な変動表示装置を備え、
前記変動表示ゲームの停止結果が予め定めた特別結果態様となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、
前記始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき、前記変動表示ゲームの実行に関連する乱数を抽出し該変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動入賞記憶手段と、
前記始動入賞記憶手段に始動記憶として記憶されている乱数から、該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行情報を当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるよりも前に判定する事前判定手段と、
所定始動記憶に対する前記事前判定手段の判定結果に応じて、該所定始動記憶に基づいて実行される変動表示ゲームの実行情報を事前報知する事前報知手段と、
前記所定始動記憶に対応する前記事前報知が実行されているときに、前記所定始動記憶の後に後続始動記憶が発生した場合に、前記所定始動記憶に対する前記事前判定手段の判定結果と前記後続始動記憶に対する前記事前判定手段の判定結果とを比較し、該比較結果に基づき、前記事前報知の対象を、前記所定始動記憶から前記後続始動記憶に切り替えて実行可能な事前報知制御手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記始動入賞記憶手段に記憶されている始動記憶に対応する始動記憶表示を所定の表示部に表示する始動記憶表示手段を備え、
前記事前報知手段は、前記所定始動記憶に対応する始動記憶表示の表示態様を、該所定始動記憶に対する前記事前判定手段の判定結果に応じて、通常表示態様とは異なる特定表示態様に制御可能な表示態様変更手段を有し、
前記事前報知制御手段は、前記比較結果に基づき、前記所定始動記憶に対応する始動記憶表示の特定表示態様を終了させ、前記後続始動記憶に対応する始動記憶表示を前記特定表示態様に制御する表示態様制御を実行可能な表示態様制御手段を有することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記表示態様変更手段又は前記表示態様制御手段により制御される特定表示態様として、前記変動表示ゲームの停止結果が特別結果態様となる信頼度が異なる複数の前記特定表示態様から一の前記特定表示態様を選択して設定する特定表示態様制御手段を備え、
前記表示態様制御手段は、前記所定始動記憶に対応する始動記憶表示に制御されている第1特定表示態様を終了させ、前記後続始動記憶に対応する始動記憶表示を前記第1特定表示態様よりも前記特別結果態様となる信頼度が高い第2特定表示態様に制御可能なことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
遊技者が操作可能な操作手段と、該操作手段が操作されたことを検出する操作検出手段と、を備え、
前記表示態様制御手段は、前記操作検出手段による検出に基づき、前記表示態様制御を実行することを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記表示態様制御が実行されるときに、該表示態様制御が実行されることを遊技者が認識可能に報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
【請求項6】
前記所定始動記憶の発生後、前記後続始動記憶が発生するまでに発生した始動記憶を中間始動記憶とし、
前記表示態様制御手段は、前記表示態様制御を実行するときに、前記中間始動記憶に対応する始動記憶表示を前記特定表示態様に制御した後、前記後続始動記憶に対応する始動記憶表示を前記特定表示態様に制御可能なことを特徴とする請求項5に記載の遊技機。
【請求項7】
前記表示態様制御手段は、前記所定始動記憶に基づく変動表示ゲームが開始され、該所定始動記憶に対応する始動記憶表示が消えるときに、前記表示態様制御を実行することを特徴とする請求項6に記載の遊技機。
【請求項8】
前記事前判定手段は、前記変動表示ゲームの実行情報として、該変動表示ゲームの停止結果を判定し、
前記表示態様制御手段は、前記事前判定手段によって、前記後続始動記憶に基づく変動表示ゲームにおいて前記特別結果態様が導出されると判定され、前記所定始動記憶に基づく変動表示ゲームにおいて前記特別結果態様が導出されないと判定された場合に、前記表示態様制御を実行可能なことを特徴とする請求項7に記載の遊技機。
【請求項9】
前記変動表示ゲームの停止結果が導出される前に、該停止結果を示唆する予告演出を行う予告演出手段と、
前記変動表示ゲームの停止結果が特別結果態様となる信頼度が異なる複数の前記予告演出から一の前記予告演出を選択して実行する予告演出制御手段と、
を備え、
前記事前判定手段は、前記変動表示ゲームの実行情報として、該変動表示ゲームにおいて前記予告演出制御手段によって選択され実行されることとなる前記予告演出を判定し、
前記表示態様制御手段は、前記事前判定手段によって、前記後続始動記憶に基づく変動表示ゲームにおいて実行されると判定された前記予告演出が、前記所定始動記憶に基づく変動表示ゲームにおいて実行されると判定された前記予告演出よりも信頼度が高い場合に、前記表示態様制御を実行することを特徴とする請求項7に記載の遊技機。
【請求項1】
始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき、識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行可能な変動表示装置を備え、
前記変動表示ゲームの停止結果が予め定めた特別結果態様となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、
前記始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき、前記変動表示ゲームの実行に関連する乱数を抽出し該変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動入賞記憶手段と、
前記始動入賞記憶手段に始動記憶として記憶されている乱数から、該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行情報を当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるよりも前に判定する事前判定手段と、
所定始動記憶に対する前記事前判定手段の判定結果に応じて、該所定始動記憶に基づいて実行される変動表示ゲームの実行情報を事前報知する事前報知手段と、
前記所定始動記憶に対応する前記事前報知が実行されているときに、前記所定始動記憶の後に後続始動記憶が発生した場合に、前記所定始動記憶に対する前記事前判定手段の判定結果と前記後続始動記憶に対する前記事前判定手段の判定結果とを比較し、該比較結果に基づき、前記事前報知の対象を、前記所定始動記憶から前記後続始動記憶に切り替えて実行可能な事前報知制御手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記始動入賞記憶手段に記憶されている始動記憶に対応する始動記憶表示を所定の表示部に表示する始動記憶表示手段を備え、
前記事前報知手段は、前記所定始動記憶に対応する始動記憶表示の表示態様を、該所定始動記憶に対する前記事前判定手段の判定結果に応じて、通常表示態様とは異なる特定表示態様に制御可能な表示態様変更手段を有し、
前記事前報知制御手段は、前記比較結果に基づき、前記所定始動記憶に対応する始動記憶表示の特定表示態様を終了させ、前記後続始動記憶に対応する始動記憶表示を前記特定表示態様に制御する表示態様制御を実行可能な表示態様制御手段を有することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記表示態様変更手段又は前記表示態様制御手段により制御される特定表示態様として、前記変動表示ゲームの停止結果が特別結果態様となる信頼度が異なる複数の前記特定表示態様から一の前記特定表示態様を選択して設定する特定表示態様制御手段を備え、
前記表示態様制御手段は、前記所定始動記憶に対応する始動記憶表示に制御されている第1特定表示態様を終了させ、前記後続始動記憶に対応する始動記憶表示を前記第1特定表示態様よりも前記特別結果態様となる信頼度が高い第2特定表示態様に制御可能なことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
遊技者が操作可能な操作手段と、該操作手段が操作されたことを検出する操作検出手段と、を備え、
前記表示態様制御手段は、前記操作検出手段による検出に基づき、前記表示態様制御を実行することを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記表示態様制御が実行されるときに、該表示態様制御が実行されることを遊技者が認識可能に報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
【請求項6】
前記所定始動記憶の発生後、前記後続始動記憶が発生するまでに発生した始動記憶を中間始動記憶とし、
前記表示態様制御手段は、前記表示態様制御を実行するときに、前記中間始動記憶に対応する始動記憶表示を前記特定表示態様に制御した後、前記後続始動記憶に対応する始動記憶表示を前記特定表示態様に制御可能なことを特徴とする請求項5に記載の遊技機。
【請求項7】
前記表示態様制御手段は、前記所定始動記憶に基づく変動表示ゲームが開始され、該所定始動記憶に対応する始動記憶表示が消えるときに、前記表示態様制御を実行することを特徴とする請求項6に記載の遊技機。
【請求項8】
前記事前判定手段は、前記変動表示ゲームの実行情報として、該変動表示ゲームの停止結果を判定し、
前記表示態様制御手段は、前記事前判定手段によって、前記後続始動記憶に基づく変動表示ゲームにおいて前記特別結果態様が導出されると判定され、前記所定始動記憶に基づく変動表示ゲームにおいて前記特別結果態様が導出されないと判定された場合に、前記表示態様制御を実行可能なことを特徴とする請求項7に記載の遊技機。
【請求項9】
前記変動表示ゲームの停止結果が導出される前に、該停止結果を示唆する予告演出を行う予告演出手段と、
前記変動表示ゲームの停止結果が特別結果態様となる信頼度が異なる複数の前記予告演出から一の前記予告演出を選択して実行する予告演出制御手段と、
を備え、
前記事前判定手段は、前記変動表示ゲームの実行情報として、該変動表示ゲームにおいて前記予告演出制御手段によって選択され実行されることとなる前記予告演出を判定し、
前記表示態様制御手段は、前記事前判定手段によって、前記後続始動記憶に基づく変動表示ゲームにおいて実行されると判定された前記予告演出が、前記所定始動記憶に基づく変動表示ゲームにおいて実行されると判定された前記予告演出よりも信頼度が高い場合に、前記表示態様制御を実行することを特徴とする請求項7に記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図23】
【図24】
【図26】
【図27】
【図28A】
【図28B】
【図29】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図39】
【図41】
【図42】
【図20】
【図21】
【図22】
【図25】
【図30】
【図36】
【図37】
【図38】
【図40】
【図43】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図11】
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【図13A】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図23】
【図24】
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【図27】
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【図28B】
【図29】
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【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図39】
【図41】
【図42】
【図20】
【図21】
【図22】
【図25】
【図30】
【図36】
【図37】
【図38】
【図40】
【図43】
【公開番号】特開2012−217772(P2012−217772A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−89543(P2011−89543)
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(000132747)株式会社ソフイア (2,465)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(000132747)株式会社ソフイア (2,465)
【Fターム(参考)】
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