説明

遊技機

【目的】 図柄及び演出情報の変動表示において紛らわしさを解消することができ、且つ演出情報の変動表示のみに遊技者を注視させることなく図柄の変動表示を行うことができる遊技機を提供する。
【構成】 特別図柄を変動表示する特別図柄表示器41と演出情報を変動表示する液晶表示器42とを個別に設けると共に、特別図柄表示器41と液晶表示器42との間には、特別図柄及び演出情報の変動表示タイミングに合わせて補助的に発光する演出ランプ44を設ける。これにより、特別図柄及び演出情報の変動表示において紛らわしさを解消することができ、然も演出情報の変動表示のみに遊技者を注視させることなく特別図柄の変動表示を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、図柄始動条件が成立すると図柄表示装置に図柄が変動表示され、その後に停止表示される図柄の表示結果によって遊技者に特典付与の可否を認識させる遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一般に、図柄表示装置を備えた遊技機の一例としてのパチンコ機は、図柄表示装置で特別図柄(図柄)を変動表示し、特別図柄の表示結果が大当り図柄となったときに大当り遊技状態を発生するようになっていた。また、このようなパチンコ機には、特別図柄の変動表示に合わせて演出情報表示手段で飾り図柄(演出情報)を変動表示することにより、特別図柄の変動表示を盛り上げる演出を行うものが提案されている。演出情報表示手段の構成としては、図柄表示装置に演出情報を表示する機能を併合したもの(例えば、特許文献1参照)や、図柄表示装置とは別体で演出情報表示手段を設けたもの(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−285609号公報(図4)
【特許文献2】特開平9−271563号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記特許文献1の構成では、同一の表示装置で特別図柄と飾り図柄とを同時に変動表示する構成となっていたので、それぞれに紛らわしい変動表示となってしまい、さらには飾り図柄の表示領域が特別図柄の表示領域よりも遥かに大きく設けられていたため、飾り図柄の変動表示のみを注視する傾向にあった。これに対して、特許文献2の構成では、図柄表示装置と演出情報表示手段とを個別に構成して、それぞれを遊技盤面上(遊技領域)の離れた位置に配置するようになっているため、各図柄の変動表示において紛らわしさを解消することができる。しかしながら、特許文献2の構成においては、特別図柄の変動表示に合わせて飾り図柄を変動表示する構成であるにも拘わらず、それぞれの図柄が離れた位置で変動表示を行い、然も演出情報表示手段が遊技領域の中央位置に配置されていたため、特許文献1の構成と同様に、遊技者は、飾り図柄の変動表示のみを注視する傾向にあった。本発明は、上記した事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、図柄及び演出情報の変動表示において紛らわしさを解消することができ、且つ演出情報の変動表示のみに遊技者を注視させることなく図柄の変動表示を行うことができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明においては、図柄始動条件が成立すると図柄表示装置(特別図柄表示器41)に図柄(特別図柄)が変動表示され、その後に停止表示される図柄の表示結果によって遊技者に特典付与の可否を認識させる遊技機(パチンコ機1)であって、前記図柄表示装置とは別に構成されると共に、前記図柄表示装置による図柄の変動表示に合わせて前記図柄とは異なる演出情報(キャラクタ81等)を変動表示する演出情報表示手段(液晶表示器42)と、該演出情報表示手段と前記図柄表示装置との間に配置されて装飾的な発光を行う光装飾手段(演出ランプ44)と、該光装飾手段による発光を制御する発光制御手段(周辺基板110)と、を備え、前記発光制御手段は、前記図柄及び前記演出情報の変動表示タイミングに合わせて補助的に前記光装飾手段を発光制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1に係る発明においては、図柄表示装置と演出情報表示手段とを個別に構成することで、図柄及び演出情報の変動表示において紛らわしさを解消することができ、然も、図柄表示装置と演出情報表示手段との間には、図柄及び演出情報の変動表示タイミングに合わせて補助的に発光する光装飾手段を設けることで、演出情報の変動表示のみに遊技者を注視させることなく図柄の変動表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】パチンコ機を示す正面図である。
【図2】本体枠及び前面枠を開放した状態のパチンコ機を示す斜視図である。
【図3】遊技盤を示す正面図である。
【図4】主基板及び周辺基板を示すブロック図である。
【図5】主制御基板で実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。
【図6】主制御基板で実行される特別図柄処理を示すフローチャートである。
【図7】特別図柄変動処理のサブルーチンとなる特別図柄変動開始処理を示すフローチャートである。
【図8】特別図柄変動開始処理のサブルーチンとなる特別図柄当り変動タイマ設定処理を示すフローチャートである。
【図9】特別図柄変動開始処理のサブルーチンとなる特別図柄特殊ハズレ変動タイマ設定処理を示すフローチャートである。
【図10】変動時間化変テーブルを示す一覧表図である。
【図11】特別図柄変動処理のサブルーチンとなる特別図柄変動停止処理を示すフローチャートである。
【図12】特別図柄処理のサブルーチンとなる情報出力処理を示すフローチャートである。
【図13】サブ統合基板で実行される液晶表示制御処理を示すフローチャートである。
【図14】特別図柄の変動表示に伴う液晶表示器及び演出ランプの演出動作を示すタイムチャートである。
【図15】液晶表示器及び演出ランプによる演出例を示す説明図である。
【図16】液晶表示器及び演出ランプによる演出例を示す説明図である。
【図17】液晶表示器及び演出ランプによる演出例を示す説明図である。
【図18】液晶表示器及び演出ランプによる演出例を示す説明図である。
【図19】液晶表示器及び演出ランプによる演出例を示す説明図である。
【図20】液晶表示器及び演出ランプによる演出例を示す説明図である。
【図21】液晶表示器及び演出ランプによる演出例を示す説明図である。
【図22】液晶表示器及び演出ランプによる演出例を示す説明図である。
【図23】液晶表示器及び演出ランプによる演出例を示す説明図である。
【図24】液晶表示器及び演出ランプによる演出例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。先ず、図1及び図2を参照して実施形態に係るパチンコ機の全体構成について説明する。図1は、パチンコ機を示す正面図である。図2は、本体枠及び前面枠を開放した状態のパチンコ機を示す斜視図である。
【0009】
図1及び図2に示すように、パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、遊技盤4、前面枠5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の前面一側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉可能に装着されている。また、本体枠3は、前枠体8、遊技盤装着枠9、及び機構装着枠10を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前側に形成された前枠体8は、外枠2前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。
【0010】
前枠体8の後部に一体的に形成された遊技盤装着枠9には、遊技盤4が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。遊技盤4の盤面(前面)には、外レールと内レールとを備えた案内レール11が設けられ、該案内レール11の内側には、遊技領域12が区画形成されている。遊技盤装着枠9よりも下方に位置する前枠体8の前側下部の一側寄りには、スピーカ装着板13を介して低音用スピーカ14が装着されている。また、前枠体8前面の下部領域内の上側部分には、遊技盤4の発射通路に向けて遊技球を導く発射レール15が傾斜状に装着されている。一方、前枠体8前面の下部領域内の下側部分には、下前面部材16が装着されている。下前面部材16前面のほぼ中央には、下皿17が設けられ、片側寄りには操作ハンドル18が設けられている。
【0011】
本体枠3(前枠体8)のヒンジ機構7が設けられる側とは反対側となる開放側の後面には、外枠2に対して本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対して前面枠5を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置19が装着されている。施錠装置19は、外枠2に設けられた閉止具20に係脱可能に係合して本体枠3を閉鎖状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック21と、前面枠5の開放側の後面に設けられた閉止具22に係脱可能に係合して前面枠5を閉鎖状態に施錠する上下複数の扉施錠フック23とを備えている。そして、シリンダー錠24の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで、本体枠施錠フック21と外枠2の閉止具20との係合が解除されて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に鍵が回動操作されることで、扉施錠フック23と前面枠5の閉止具22との係合が解除されて前面枠5が解錠されるようになっている。なお、シリンダー錠24の前端部は、パチンコ機1の前方から鍵を挿入して解錠操作が行えるように、前枠体8及び下前面部材16を貫通して下前面部材16の前面に露出して配置されている。
【0012】
本体枠3前面の一側には、ヒンジ機構25によって前面枠5が前方に開閉可能に装着されている。前面枠5は、扉本体フレーム26、サイド装飾装置27、上皿28、音響電飾装置29を備えて構成されている。扉本体フレーム26は、プレス加工された金属製フレーム部材によって構成され、前枠体8の上端から下前面部材16の上縁に亘る部分を覆う大きさに形成されている。扉本体フレーム26のほぼ中央には、遊技盤4の遊技領域12を前方から透視可能なほぼ円形状の開口窓30が形成されている。また、扉本体フレーム26の後側には、開口窓30よりも大きい矩形枠状をなす窓枠31が設けられ、該窓枠3
1には、透明板32が装着されている。
【0013】
扉本体フレーム26の前側には、開口窓30の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置27が、下部に上皿28が、上部に音響電飾装置29が装着されている。サイド装飾装置27は、ランプ基板が内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体33を主体として構成されている。サイド装飾体33には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、該開口孔には、ランプ基板に配置された光源に対応するレンズ34が組み込まれている。音響電飾装置29は、透明カバー体35、スピーカ36、スピーカカバー37、及びリフレクタ体(図示しない)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。
【0014】
次に、遊技盤4に区画形成された遊技領域12内に設けられる各種構成部材について図3を参照して説明する。図3は、遊技盤4を示す正面図である。
【0015】
遊技領域12の中央部分から右上部分に亘る領域には、演出装置40が配設されている。演出装置40は、左・中・右の特別図柄を個々に変動表示する特別図柄表示器41と、演出表示を行う液晶表示器42と、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器50と、特別図柄表示器41、液晶表示器42、及び普通図柄表示器50を遊技盤4の表面(遊技領域12)に取り付けるための前面装飾板43とを備えている。液晶表示器42は、遊技領域12の中央部分に配置され、特別図柄表示器41は、遊技領域12の右上部分に配置されている。但し、特別図柄表示器41の配置位置は、これに限定するものではなく、遊技者が視認可能な位置であれば、遊技盤4のいずれの部分に取り付けてもよい。例えば、遊技領域12内の上端部分に案内リール11に沿って取り付けたり、視認可能であれば遊技領域12外の遊技盤4表面に取り付けてもよい。また、液晶表示器42を遊技領域12の中央部分に配置した場合には、液晶表示器42の下方に後述の大入賞口装置60を配置することを考慮して、液晶表示器42よりも上方に特別図柄表示器41を配置することが望ましい。また、前面装飾板43における液晶表示器42と特別図柄表示器41との間には、複数の演出ランプ44が取り付けられている。複数の演出ランプ44は、それぞれ崖の岩を模したデザインが施されている。また、複数の演出ランプ44のうち演出ランプ44a〜44fは、液晶表示器42と特別図柄表示器41とをつなぐひとつながりの位置に配置され、後述する液晶表示器42による演出表示に合わせた点灯移動を行うようになっている。なお、演出ランプ44fは、特別図柄表示器41の外周部分を点灯する位置に配置されている。
【0016】
演出装置40の下方には、一対の開閉翼47を有する電動始動入賞口46が配設されている。電動始動入賞口46は、普通図柄表示器50の表示結果が「当り」となったときに、開閉翼47が所定時間(例えば、通常時0.5秒又は確率変動時3秒)開放されるように制御される。また、電動始動入賞口46に入賞した遊技球は、始動口センサ55(図4参照)によって検出され、この検出に基づいて特別図柄表示器41で特別図柄の変動表示が許可される。
【0017】
電動始動入賞口46の下方には、横長長方形状の大入賞口61を開閉する開閉板62を有する大入賞口装置60が配設されている。大入賞口装置60は、大入賞口61(開閉板62)の開閉用駆動源となるソレノイド63、カウントセンサ64、及びV入賞センサ65(共に図4参照)を備えている。大入賞口装置60の下方となる遊技領域12の最下部には、遊技領域12を流下していずれの入賞口や入賞装置にも入賞しなかった遊技球が取り込まれるアウト口48が設けられている。電動始動入賞口46及び大入賞口装置60の左右側方には、入賞口66a〜66dが設けられている。また、遊技領域12には、遊技状態に応じて点灯点滅が制御される電飾用の装飾ランプ49(図4に符号のみ記載)が取り付けられている。
【0018】
演出装置40の左側方には、普通図柄表示器50で普通図柄の変動表示を許可するゲートセンサ53が設けられている。なお、普通図柄の変動中にゲートセンサ53を通過した遊技球は、所定個数(例えば、4個)まで記憶可能であり、その記憶数は、複数個の発光体(例えば、4個のLED)からなる普通記憶ランプ(図示しない)の点灯によって表示される。また、ゲートセンサ53の下方には、球誘導装置70が設けられている。球誘導装置70は、1個の遊技球を停留可能な停留部材71と、該停留部材71の下方に配置された回転体72とから構成されている。そして、球誘導装置70は、後述する大当り遊技状態の発生に伴って停留部材71による遊技球の停留を解除し、その遊技球を回転体72の凹部73で受け、回転体72の回転によって凹部73の遊技球を誘導釘74を介して入賞口66bに誘導するようになっている。これにより、大当り遊技状態の発生時に、遊技領域12に打ち込む遊技球がなくなってしまうような場合でも、入賞口66bへの入賞に伴う賞球の払い出しによって遊技者に打ち込む遊技球を与えることができ、打ち込む遊技球がないことで大当り遊技状態が終了してしまうこと(これを俗にパンクという)を回避できる。
【0019】
遊技盤4に設けられる各種の入賞装置等によって実現される遊技について説明すると、パチンコ機1の裏面側に設けられる発射装置(図示しない)によって打ち出されて発射レール15及び案内レール11を通って遊技領域12に放出された遊技球は、遊技領域12を障害釘等に衝突しながらアウト口48に向かって流下する。遊技領域12を流下する遊技球がゲートセンサ53によって検出されると、普通図柄表示器50で普通図柄が変動表示され、その表示結果が「当り」であるときに電動始動入賞口46の開閉翼47が所定時間(例えば、0.5秒)開放される。もちろん、普通図柄表示器50の表示結果が「ハズレ」の場合、開閉翼47が開放されることはないが、開閉翼47が開放しなくても遊技球は、電動始動入賞口46に入賞し得るようになっている。
【0020】
そして、電動始動入賞口46に遊技球が入賞すると、特別図柄表示器41で特別図柄が変動を開始して、所定時間経過した後に停止する。その停止した時の複数の図柄が特定の表示態様(組み合せ)になると、「大当り遊技状態」となって、大入賞口装置60の開閉板62が手前側に倒れて大入賞口61を開放し、所定時間(例えば、30秒)、あるいは所定個数(例えば、10個)の入賞があるまで大入賞口61を開放した状態に維持する。その後、開閉板62の起立により大入賞口61が閉じられた後においても、大入賞口61を通って受け止められた遊技球(入賞球)が、内部のV入賞領域(V入賞センサ65)を通過すると、再度、開閉板62が手前側に倒れることにより、大入賞口61が開放される開閉サイクルを最高15回繰り返すようになっている。なお、特別図柄の変動中に電動始動入賞口46に入賞した遊技球は、所定個数(例えば、4個)まで記憶可能であり、その記憶数(始動記憶数)は、複数個の発光体(例えば、4個のLED)からなる保留球ランプ54(図4に符号のみ記載)の点灯によって表示される。
【0021】
次に、パチンコ機1の裏面側に設けられる主基板100及び周辺基板110について図4を参照して説明する。図4は、主基板100及び周辺基板110を示すブロック図である。
【0022】
図4に示すように、主基板100は、主制御基板101と払出制御基板102とから構成されている。主制御基板101は、中央演算装置としてのCPU101a、読み出し専用メモリとしてのROM101b、読み書き可能メモリとしてのRAM101cを備えている。CPU101aは、ROM101bに格納されている制御プログラムを実行することによりパチンコ機1で行われる各種遊技を制御したり、周辺基板110や払出制御基板102に出力するコマンド信号を作成したりする。RAM101cには、主制御基板101で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に
記憶される。主制御基板101には、ゲートセンサ53、始動口センサ55、カウントセンサ64、V入賞センサ65等からの検出信号が入力される。一方、主制御基板101は、ソレノイド63、特別図柄表示器41、普通図柄表示器50等へ駆動信号を出力する。また、払出制御基板102は、中央演算装置としてのCPU102a、読み出し専用メモリとしてのROM102b、読み書き可能メモリとしてのRAM102cを備えている。そして、払出制御基板102は、主制御基板101から入力したコマンド信号を処理し、払出装置103(払出モータ)に駆動信号を出力する。これにより、払出装置103は、駆動信号に従って遊技球を払い出す。
【0023】
周辺基板110は、サブ統合基板111と第1電飾制御基板112(図4中には電飾制御基板1と記載)と第2電飾制御基板113(図4中には電飾制御基板2と記載)と波形制御基板114とから構成されている。サブ統合基板111は、CPU111a、ROM111b、RAM111cを備えている。CPU111aは、ROM111bに格納されている制御プログラムに従ってコマンド信号を処理する。RAM111cには、サブ統合基板111で実行される種々の処理において生成される各種データや入出力信号等の情報が一時的に記憶される。そして、サブ統合基板111は、主制御基板101から入力したコマンド信号を処理し、第1電飾制御基板112、第2電飾制御基板113、及び波形制御基板114にコマンド信号を出力する。
【0024】
第1電飾制御基板112、第2電飾制御基板113、及び波形制御基板114は、それぞれ中央演算装置としてのCPU112a,113a,114a、読み出し専用メモリとしてのROM112b,113b,114b、読み書き可能メモリとしてのRAMROM112c,113c,114cを備えている。そして、第1電飾制御基板112は、サブ統合基板111からのコマンド信号に基づいて保留球ランプ54と演出ランプ44とを制御する。電飾用電飾基板113は、サブ統合基板111からのコマンド信号に基づいて液晶表示器42と装飾ランプ49とを制御する。波形制御基板114は、サブ統合基板111からのコマンド信号に基づいてスピーカ36と超音波送受信装置115とを制御する。
【0025】
次に、パチンコ機1の遊技進行に応じて実行される種々の制御処理について図5乃至図13を参照して説明する。図5は、主制御基板101で実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。図6は、主制御基板101で実行される特別図柄処理を示すフローチャートである。図7は、特別図柄変動処理のサブルーチンとなる特別図柄変動開始処理を示すフローチャートである。図8は、特別図柄変動開始処理のサブルーチンとなる特別図柄当り変動タイマ設定処理を示すフローチャートである。図9は、特別図柄変動開始処理のサブルーチンとなる特別図柄特殊ハズレ変動タイマ設定処理を示すフローチャートである。図10は、変動時間化変テーブルを示す一覧表図である。図11は、特別図柄変動処理のサブルーチンとなる特別図柄変動停止処理を示すフローチャートである。図12は、特別図柄処理のサブルーチンとなる情報出力処理を示すフローチャートである。図13は、第2電飾制御基板113で実行される液晶表示制御処理を示すフローチャートである。なお、始動入賞処理は、主制御基板101においてROM102に格納されている遊技制御プログラムをCPU101aが適当なタイミングで実行することによって実現される。液晶表示制御処理は、第2電飾制御基板113においてROM113bに格納されている液晶表示制御プログラムをCPU113aが適当なタイミングで実行することによって実現される。
【0026】
先ず、図5に示す始動入賞処理では、電動始動入賞口46に対する遊技球の入賞処理を行う。即ち、電動始動入賞口46に遊技球が入賞したか否かを判別する(ステップS1)。具体的には、始動口センサ55から検出信号が出力された場合には入賞した(YES)と判別し、検出信号が出力されなければ入賞しない(NO)と判別する。そして、電動始動入賞口46に遊技球が入賞したときには、RAM101cに設けられている保留球数カ
ウンタの値が上限値となる4よりも小さいか否かを判別する(ステップS2)。保留球数カウンタが上限値よりも小さければ(YES)、保留記憶格納処理を実行する(ステップS3)。保留記憶格納処理では、保留球数カウンタに「1」を加算する処理と、保留球数カウンタの加算に伴ってサブ統合基板111に表示データを出力して保留球ランプ54で点灯するランプの個数を変える処理と、各種乱数の取得処理とを行う。
【0027】
ここで、各種乱数には、大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、変動表示パターン乱数がある。大当り判定用乱数は、大当りか否かを判別するための乱数である。大当り図柄用乱数は、大当り判定用乱数によって大当りと判別された場合において、特別図柄表示器41に停止して表示する特別図柄を特定するための乱数である。変動表示パターン乱数は、特別図柄表示器41に表示されている特別図柄の変動表示パターンを特定するための乱数である。なお、ステップS1において電動始動入賞口46に遊技球が入賞していない場合や、ステップS2において保留球数が上限値以上の場合には、何もせずにそのまま始動入賞処理を終了する。
【0028】
次に、図6に示す特別図柄処理では、先ず、保留球数カウンタの値が0であるか否かを判別する(ステップS11)。保留球数カウンタの値が0のときは、そのまま後述のステップS15へ移行する。一方、保留球数カウンタの値が0でないときは、特別図柄の変動表示が可能か否か、即ち特別図柄の変動表示中でないか否かを判別する(ステップS12)。特別図柄の変動表示中のときは、そのままステップS15へ移行する。特別図柄の変動表示中でないときは、保留記憶移行処理を実行する(ステップS13)。保留記憶移行処理では、保留球数カウンタから1を減算する処理と、RAM101cに設けられた始動入賞記憶の保存領域の内容をシフトする処理とを行う。
【0029】
その後は、特別図柄変動処理(ステップS14)と情報出力処理(ステップS15)と大当り判定処理(ステップS16)とを順次実行する。特別図柄変動処理では、後述する特別図柄変動開始処理及び特別図柄変動停止処理を行うと共に、取得された大当り図柄用乱数や変動表示パターン乱数等に基づいて停止図柄や変動表示パターンに係る情報を決定する処理を行う。情報出力処理では、特別図柄変動処理で決定される特別図柄の変動表示に係る各種情報をサブ統合基板111に出力する処理を行う。大当り判定処理では、後述する当りフラグがON状態であるか否かを判別して、ON状態であれば、当りの種類に応じた態様で大入賞口61を開放する制御を行う。
【0030】
特別図柄変動開始処理では、図7に示すように、先ず、左・中・右の特別図柄の高速変動での制御を開始し(ステップS31)、RAM101cに設けられている左・中・右の各図柄状態フラグに1をセットする(ステップS32)。次に、始動入賞処理のステップS3で取得された大当り判定用乱数が当り値であるか否かに基づいて当りであるか否かを判別する(ステップS33)。当りでないときは、後述のステップS35へ移行する一方、当りのときは、特別図柄当り変動タイマ設定処理(ステップS34)を実行する。特別図柄当り変動タイマ設定処理では、図8に示すように、右図柄変動タイマに変動時間化変テーブルを参照した当り時の値をセットし、同様に、中図柄変動タイマに当り時の値−300をセットすると共に、左図柄変動タイマに当り時の値−600をセットする(ステップS51)。その後、RAM101cに設けられている当りフラグに1をセットして(ステップS52)、特別図柄変動開始処理のメインフローに復帰する。なお、当りフラグのON/OFF状態は、RAM101cに記憶される。また、当りフラグのOFF状態では、「0」の値がセットされ、当りフラグのON状態では、通常大当り、確変大当り、時短大当り、小当り1、小当り2のうちいずれの当りであるかを判別可能に「1〜5」のいずれかの値がセットされる。
【0031】
変動時間化変テーブルは、図10に示すように、RAM101cに設けられている変動
時間化変カウンタの値に応じて当り・特殊ハズレ毎に変動時間を決定する。なお、特殊ハズレとは、特別図柄の変動表示に合わせて液晶表示器42で演出表示(キャラクタ81等の演出情報の変動表示)を行い、最終的に特別図柄の表示結果がハズレとなるものであり、特殊ハズレ以外のハズレとは、液晶表示器42で演出表示を行うことなく特別図柄の表示結果がハズレとなるものである。変動時間化変カウンタは、「0〜65535」の乱数からなり、特別図柄変動処理(ステップS14)の中でいずれかの値が抽出される。変動時間化変テーブルによって決定される変動時間は、変動パターン1〜8の8種類であり、変動パターン1は60000ms、変動パターン2は30000ms、変動パターン3は25000ms、変動パターン4は20000ms、変動パターン5は17000ms、変動パターン6は15000ms、変動パターン7は12000ms、変動パターン8は5000msとなっている。
【0032】
そして、特殊ハズレ時では、抽出値が「0〜255」のいずれかのときに変動パターン1を決定し、抽出値が「256〜511」のいずれかのときに変動パターン2を決定し、抽出値が「512〜1023」のいずれかのときに変動パターン3を決定し、抽出値が「1024〜3583」のいずれかのときに変動パターン4を決定し、抽出値が「3584〜5375」のいずれかのときに変動パターン5を決定し、抽出値が「5376〜6399」のいずれかのときに変動パターン6を決定し、抽出値が「6400〜6655」のいずれかのときに変動パターン7を決定し、抽出値が「6656〜6911」のいずれかのときに変動パターン8を決定する。なお、抽出値が「6912〜65535」のいずれかのときは、特別図柄変動開始処理の後述するステップS37〜S41の処理に基づいた変動時間が決定される。
【0033】
一方、当り時では、抽出値が「0〜255」のいずれかのときに変動パターン1を決定し、抽出値が「256〜16639」のいずれかのときに変動パターン2を決定し、抽出値が「16640〜33023」のいずれかのときに変動パターン3を決定し、抽出値が「33024〜49407」のいずれかのときに変動パターン4を決定し、抽出値が「49408〜61503」のいずれかのときに変動パターン5を決定し、抽出値が「61504〜64527」のいずれかのときに変動パターン6を決定し、抽出値が「64528〜65283」のいずれかのときに変動パターン7を決定し、抽出値が「65284〜65535」のいずれかのときに変動パターン8を決定する。
【0034】
ステップS35では、前記変動時間化変カウンタの抽出値が6912よりも小さいか否かを判別することで、特殊ハズレであるか否かを判別する。抽出値が6912よりも小さく特殊ハズレとなる場合は、特別図柄特殊ハズレ変動タイマ設定処理(ステップS36)を実行する。特別図柄特殊ハズレ変動タイマ設定処理では、図9に示すように、右図柄変動タイマに変動時間化変テーブルを参照したハズレ時の値をセットし、同様に、中図柄変動タイマにハズレ時の値−300をセットすると共に、左図柄変動タイマにハズレ時の値−600をセットする(ステップS61)。
【0035】
一方、ステップS35の判別において抽出値が6912以上であり特殊ハズレ以外のハズレとなる場合は、保留球数カウンタの値が0であるか否かを判別する(ステップS37)。保留球数カウンタの値が0のときは、左図柄変動タイマに14400をセットし、中図柄変動タイマに14700をセットし、右図柄変動タイマに15000をセットする(ステップS38)。保留球数カウンタの値が0でないときは、保留球数カウンタの値が1であるか否かを判別する(ステップS39)。保留球数カウンタの値が1のときは、左図柄変動タイマに9400をセットし、中図柄変動タイマに9700をセットし、右図柄変動タイマに10000をセットする(ステップS40)。保留球数カウンタの値が1でないとき、即ち保留球数カウンタの値が2又は3のときは、左図柄変動タイマに4400をセットし、中図柄変動タイマに4700をセットし、右図柄変動タイマに5000をセッ
トする(ステップS41)。
【0036】
特別図柄変動停止処理では、図11に示すように、先ず、左図柄状態フラグに2がセットされているか否かを判別する(ステップS71)。なお、左図柄状態フラグに2がセットされるのは、中・右の各図柄状態フラグに2がセットされるのと同様に後述する情報出力処理のステップS96で行われる。左図柄状態フラグに2がセットされていなければ、そのまま後述のステップS75へ移行する。左図柄状態フラグに2がセットされていれば、左図柄変動タイマがタイムアップしたか否かを判別する(ステップS72)。左図柄変動タイマがタイムアップしていなければ、そのままステップS75へ移行する。一方、左図柄変動タイマがタイムアップしていれば、停止表示用に決定された該当図柄に差し替えて左図柄を停止すると共に(ステップS73)、左図柄の停止確定として左図柄状態フラグに8をセットして(ステップS74)、ステップS75へ移行する。
【0037】
ステップS75では、中図柄状態フラグに2がセットされているか否かを判別する。中図柄状態フラグに2がセットされていなければ、そのまま後述のステップS79へ移行する。中図柄状態フラグに2がセットされていれば、中図柄変動タイマがタイムアップしたか否かを判別する(ステップS76)。中図柄変動タイマがタイムアップしていなければ、そのままステップS79へ移行する。一方、中図柄変動タイマがタイムアップしていれば、停止表示用に決定された該当図柄に差し替えて中図柄を停止すると共に(ステップS77)、中図柄の停止確定として中図柄状態フラグに8をセットして(ステップS78)、ステップS79へ移行する。
【0038】
ステップS79では、右図柄状態フラグに2がセットされているか否かを判別する。右図柄状態フラグに2がセットされていなければ、そのまま後述のステップS83へ移行する。右図柄状態フラグに2がセットされていれば、右図柄変動タイマがタイムアップしたか否かを判別する(ステップS80)。右図柄変動タイマがタイムアップしていなければ、そのままステップS83へ移行する。一方、右図柄変動タイマがタイムアップしていれば、停止表示用に決定された該当図柄に差し替えて右図柄を停止すると共に(ステップS81)、右図柄の停止確定として右図柄状態フラグに8をセットして(ステップS82)、ステップS83へ移行する。ステップS83では、左・中・右の図柄状態フラグにそれぞれ8がセットされているか否かを判別する。左・中・右の図柄状態フラグにそれぞれ8がセットされていれば、左・中・右の全図柄の停止確定として左・中・右の図柄状態フラグにそれぞれ9をセットした後に(ステップS84)、また、左・中・右の図柄状態フラグのそれぞれに8がセットされていなければ、そのままメインフローに復帰する。
【0039】
情報出力処理では、図12に示すように、先ず、右図柄状態フラグに9がセットされているか否かを判別する(ステップS91)。右図柄状態フラグに9がセットされていなければ、そのまま後述のステップS94へ移行する。右図柄状態フラグに9がセットされていれば、特別図柄の停止時における当りハズレ確定用の情報(以下、これを判定結果情報ともいう)を周辺基板110(サブ統合基板111)に出力するための処理を行った後に(ステップS92)、左・中・右の図柄状態フラグにそれぞれ0をセットして(ステップS93)、ステップS94へ移行する。ステップS94では、左図柄状態フラグに1がセットされているか否かを判別する。左図柄状態フラグに1がセットされていなければ、そのままメインフローに復帰する。一方、左図柄状態フラグに1がセットされていれば、特別図柄の変動開始時における変動時間の情報(具体的には、左・中・右図柄のうち最長時間となる右図柄の変動時間の情報のみであり、以下、これをタイム情報ともいう)を周辺基板110(サブ統合基板111)に出力するための処理を行った後に(ステップS95)、左・中・右の図柄状態フラグにそれぞれ2をセットして(ステップS96)、メインフローに復帰する。
【0040】
次に、図13に示す液晶表示制御処理では、主制御基板101から表示用信号(表示用コマンドを含む)を受信したか否かを判別する(ステップS101)。コマンドを受信したときは、そのコマンドがタイマ情報のコマンドであるか否かを判別する(ステップS102)。タイマ情報のコマンドでないときは、そのまま後述のステップS104へ移行する。タイマ情報のコマンドであれば、表示処理を実行する(ステップS103)。この表示処理では、受信したタイマ情報のコマンドに基づいて演出画像を決定して、その決定した演出画像を液晶表示器42に表示制御する。その後、受信したコマンドが判定情報のコマンドであるか否かを判別する(ステップS104)。判定情報のコマンドであれば、判定結果表示処理を実行する(ステップS105)。この判定結果表示処理では、受信した判定結果表示情報のコマンドに基づいて演出画像を決定して、その決定した演出画像を液晶表示器42に表示制御する。なお、図13に示す液晶表示制御処理は、コマンド信号の判定をタイマ情報のコマンドと判定情報のコマンドのみに限定して記載したものであり、実際にはその他のコマンド信号の判定処理及びこれに伴ったコマンド処理が行われるものである。
【0041】
次に、特別図柄の変動表示に伴う液晶表示器42及び演出ランプ44a〜44fの演出動作について図14乃至図24を参照して説明する。図14は、特別図柄の変動表示に伴う液晶表示器42及び演出ランプ44a〜44fの演出動作を示すタイムチャートである。図15乃至図24は、液晶表示器42及び演出ランプ44a〜44fによる演出例を示す説明図である。
【0042】
先ず、図14に示すように、特別図柄表示器41で特別図柄の変動表示が開始されると、その変動開始から期間T1が経過した時点で演出ランプ44a〜44fの点灯制御が開始される。その後、演出ランプ44a〜44fの点灯制御が期間T2行われた後に終了すると、液晶表示器42による画像表示と装飾ランプ49の点灯制御が開始される。そして、液晶表示器42による画像表示が期間T3で行われ、その画像表示が終了すると、再度、演出ランプ44a〜44fの点灯制御が開始される。その後、液晶表示器42による期間T3での画像表示が終了してから期間T4が経過すると、特別図柄の変動表示が終了して表示結果が停止表示される。また、これと同時に、再度、液晶表示器42による画像表示が開始され、期間T6後に終了する。2回目の演出ランプ44a〜44fの点灯制御は、特別図柄の変動表示が終了してから期間T5が経過した時点で終了する。また、次の始動記憶がある場合は、表示結果の確定停止及びウェイトの期間となるインターバルの期間T7を置いて特別図柄表示器41で次の変動表示が開始される。
【0043】
なお、上記した液晶表示器42及び演出ランプ44a〜44fの演出動作に合わせてスピーカ36からは効果音が発せられるようになっており、これによって演出を盛り上げるようになっている。また、液晶表示器42による画像表示の期間T3と演出ランプ44a〜44fの点灯期間T4+T5は、前述した特別図柄変動開始処理で決定される特別図柄の変動時間と対応した値となる。言い換えれば、長めの変動時間が決定された場合には、これに合わせて液晶表示器42による画像表示と演出ランプ44a〜44fの点灯制御が長めに設定され、短めの変動時間が決定された場合には、これに合わせて液晶表示器42による画像表示と演出ランプ44a〜44fの点灯制御が短めに設定される。また、図14に示す演出表示器42による画像表示とは、キャラクタ表示に伴う動画像による演出表示のことであり、画像表示を行わない期間では、キャラクタ表示以外の画像(以下、これを通常画像という)を表示するものである。このように、特別図柄の変動表示の開始時と停止時には、液晶表示器42での演出表示を行わないことで、特別図柄の変動表示に対して液晶表示器42での紛らわしい表示を行うことがない。
【0044】
次に、液晶表示器42及び演出ランプ44a〜44fによる具体的な演出例について説明する。先ず、特別図柄の変動表示の開始時における演出例、言い換えれば演出ランプ4
4a〜44fによる期間T2での点灯制御及び液晶表示器42による期間T3での演出表示について図15乃至図22を参照して説明する。
【0045】
先ず、図15及び図16を参照して演出例1について説明する。図15(A)に示すように、特別図柄表示器41で特別図柄の変動表示が開始される。その後、演出ランプ44fから演出ランプ44aに向って点灯移動が行われることで、あたかも液晶表示器42の表示画面に向って岩が落下するような演出が行われる。なお、このとき、液晶表示器42には、通常画像として崖80aと太陽80bのみが表示されている。その後、演出ランプ44a〜44fの点灯移動が終了すると、これと同時に、液晶表示器42による演出表示が開始される。具体的には、図15(B)(C)に示すように、崖80aをよじ登るキャラクタ81と、崖80aの上方から落下する岩82が表示され、次いで、図15(D)及び図16(A)に示すように、落下する岩82をキャラクタ81が見送る演出画像が表示される。その後、図16(B)に示すように、キャラクタ81が液晶表示器42の右側上部、言い換えれば演出ランプ44a側に向って登っていく演出画像が表示され、キャラクタ81と岩82が表示画面から消えた段階で演出表示が終了して通常画像に戻る(図16(C)参照)。
【0046】
次に、図17及び図18を参照して演出例2について説明する。なお、演出例2についても前記演出例1と同様に、特別図柄の変動表示が開始された後、演出ランプ44a〜44fの点灯移動を行い、その後、岩82が落下する中でキャラクタ81が崖80aをよじ登る演出表示を行う(図15(A)〜(C)参照)。その後、図17(A)(B)に示すように、キャラクタ81が崖80aを登っていると、崖80aの右側から大トカゲ83が出現する。その後は、図17(C)(D)に示すように、大トカゲ83から逃げるようにしてキャラクタ81が液晶表示器42の右側上部に向って登っていく演出画像が表示され、最終的には、キャラクタ81と大トカゲ83が表示画面から消えた段階で演出表示が終了して通常画像に戻る。また、演出例2の変形例としては、図18(A)(B)に示すように、特別図柄の表示結果とは関係なく、キャラクタ81が大トカゲ83と戦って勝つ演出画像を表示したり、あるいはキャラクタ81が大トカゲ83と戦って負ける演出画像を表示し(図示しない)、その後、キャラクタ81と大トカゲ83を表示画面から消して通常画像に戻る。なお、キャラクタ81が大トカゲ83に勝った演出画像を表示した後は、キャラクタ81が大トカゲ83に乗って表示画面から消えていく演出画像を表示する。ところで、以上説明した演出例2及び後述する演出例3,4は、それぞれ長めの変動時間(例えば、20000〜60000ms)となる変動表示パターンで選択されるものであり、長めの演出表示を行うことで大当りに対する遊技者の期待感を向上させることができる。但し、この構成に限定するものではなく、途中の演出表示をカットする等で時間調整することで、演出例2〜4を短めの変動時間(例えば5000〜17000ms)となる変動表示パターンで選択可能としてもよい。
【0047】
次に、図19及び図20を参照して演出例3について説明する。なお、演出例3についても前記演出例1と同様に、特別図柄の変動表示が開始された後、演出ランプ44a〜44fの点灯移動を行い、その後、岩82が落下する中でキャラクタ81が崖80aをよじ登る演出表示を行う(図15(A)〜(C)参照)。その後、図18(A)(B)に示すように、キャラクタ81が崖80aを登っていると、崖80aの左側から大ワシ84が出現する。その後は、図18(C)(D)に示すように、大ワシ84から逃げるようにしてキャラクタ81が液晶表示器42の右側上部に向って登っていく演出画像が表示され、最終的には、キャラクタ81と大ワシ84が表示画面から消えた段階で演出表示が終了して通常画像に戻る。また、演出例3の変形例としては、図20(A)(B)に示すように、特別図柄の表示結果とは関係なく、キャラクタ81が大ワシ84と戦って勝つ演出画像を表示したり、あるいはキャラクタ81が大ワシ84と戦って負ける演出画像を表示し(図示しない)、その後、キャラクタ81と大ワシ84を表示画面から消して通常画像に戻る
。なお、キャラクタ81が大ワシ84に勝った演出画像を表示した後は、キャラクタ81が大ワシ84に乗って表示画面から消えていく演出画像を表示する。
【0048】
次に、図21及び図22を参照して演出例4について説明する。なお、演出例4についても前記演出例1と同様に、特別図柄の変動表示が開始された後、演出ランプ44a〜44fの点灯移動を行い、その後、岩82が落下する中でキャラクタ81が崖80aをよじ登る演出表示を行う(図15(A)〜(C)参照)。その後、図21(A)(B)に示すように、キャラクタ81が崖80aを登っていると、崖80aの向こう側からヘリコプター85が出現する。その後は、図18(C)(D)に示すように、ヘリコプター85がキャラクタ81に近づいてくるものの、ヘリコプター85はそのまま素通りしてしまい、キャラクタ81が液晶表示器42の右側上部に向って登っていく演出画像が表示され、最終的には、キャラクタ81とヘリコプター85が表示画面から消えた段階で演出表示が終了して通常画像に戻る。また、演出例4の変形例としては、図22(A)(B)に示すように、キャラクタ81が近づいてきたヘリコプター85に乗り込んで、そのまま表示画面から消えて通常画像に戻る。
【0049】
次に、特別図柄の表示結果の停止表示時における演出例、言い換えれば演出ランプ44a〜44fによる期間T4での点灯制御及び液晶表示器42による期間T6での演出表示について図23及び図24を参照して説明する。
【0050】
先ず、図23を参照して大当り時の演出例について説明する。前述した演出例1〜4のいずれかの演出が行われ、その後、液晶表示器42には、崖80aと太陽80bだけの通常画像が表示されると、図23(A)に示すように、演出ランプ44aから演出ランプ44fに向って点灯移動が行われることで、あたかも表示画面の右側上部に向って消えたキャラクタ81が特別図柄表示器41側に向って崖を登って行くような演出が行われる。なお、図23(A)中には、演出ランプ44cまで点灯移動が行われ、あたかもキャラクタ81が液晶表示器42と特別図柄表示器41との間の崖を中程まで登ったような演出を示している。その後、図23(B)に示すように、液晶表示器42では、キャラクタ81を追って画像が上方に移り変わるような演出表示が行われる。そして、その演出表示の途中で演出ランプ44fまで点灯移動が行われ、特別図柄表示器41に大当り図柄(同図中には、「7、7、7」の大当り図柄を例示)が停止表示される。その後は、図23(C)に示すように、特別図柄表示器41での大当り図柄の停止表示に合わせて、その外周部分を光装飾するように演出ランプ44fの点灯を継続し、液晶表示器42には、崖80aの頂上に建った山小屋86にキャラクタ81がたどり着いて旗87を振る演出画像が表示されると共に「やったね!」の文字88が表示される。
【0051】
次に、図24を参照して特殊ハズレ時の演出例について説明する。大当り時と同様に、演出例1〜4のいずれかの演出が行われた後に、液晶表示器42に通常画像が表示されると、図24(A)に示すように、演出ランプ44aから演出ランプ44fに向って点灯移動が行われる。その後、図24(B)に示すように、演出ランプ44fに向う点灯移動が途中で停止し(同図中には、演出ランプ44cで停止した場合を例示)、これと同時に特別図柄表示器41にハズレ図柄(同図中には、「7、6、7」のハズレ図柄を例示)が停止表示される。その後は、図24(C)に示すように、演出ランプ44aに向っての逆方向への点灯移動が行われることで(同図中には、演出ランプ44cから演出ランプ44aに向う点灯移動を例示)、あたかもキャラクタが逆戻りするかのような演出が行われ、その逆方向への点灯移動の終了と同時に、液晶表示器42には、崖80aを落下するキャラクタ81が表示される。そして、図24(D)に示すように、特別図柄表示器41では、ハズレ図柄の停止表示を継続し、液晶表示器42には、崖80aの下でへばり込んだキャラクタ81が表示されると共に「残念でした」の文字89が表示される。なお、演出ランプ44aから演出ランプ44fに向う点灯移動において、長めの変動時間となる変動表示
パターンが選択された場合には、これに合わせて演出ランプ44fに近い位置で点灯が停止するようになっており、これによって遊技者に大当りの期待感を持たせる演出を行うようになっている。
【0052】
また、以上説明した液晶表示器42及び演出ランプ44a〜44fによる演出時には、これに合わせてスピーカ36から効果音が発せられると共に、装飾ランプ49が点灯制御されて演出を盛り上げるようになっている。なお、このようなスピーカ36及び装飾ランプ49の制御は、液晶表示器42及び演出ランプ44a〜44fの制御と同様に、サブ側の基板となる周辺基板110によって行われ、主に演出情報の変動表示に合わせて制御されるようになっている。このため、スピーカ36及び装飾ランプ49による演出を確実に演出情報の変動表示と同期させて行わせることができるので、特別図柄の変動表示時においても、演出情報による演出が行われていることを遊技者に確実に認識させることができる。
【0053】
以上のように、本実施形態の構成によれば、特別図柄表示器41での特別図柄の変動表示と液晶表示器42での演出情報(キャラクタ81等)の変動表示とを同期して行うのではなく、特別図柄の変動表示が開始された後に演出情報の変動表示を開始し、当該演出情報の変動表示を特別図柄の表示結果が停止表示される前に終了するので、特別図柄の変動表示時に遊技者を惑わすことなく液晶表示器42による演出を行うことができる。また、このような液晶表示器42による演出は、特別図柄の変動表示の開始時と停止時には行われないので、特別図柄の変動表示に対して紛らわしい演出をすることなく、単調な特別図柄の変動表示中に演出を盛り上げることができる。
【0054】
また、本実施形態の構成によれば、特別図柄表示器41と液晶表示器42とを個別に構成することで、特別図柄及び演出情報の変動表示において紛らわしさを解消することができ、然も、特別図柄表示器41と液晶表示器42との間には、特別図柄及び演出情報の変動表示タイミングに合わせて補助的に発光する演出ランプ44を設けることで、演出情報の変動表示のみに遊技者を注視させることなく図柄の変動表示を行うことができる。
【0055】
さらに、本実施形態の構成によれば、主基板100から受信するコマンド信号に基づいて液晶表示器42による演出情報の変動表示を制御する周辺基板110を設けることで、主基板100の制御負担を増加させることなく液晶表示器42による多彩な演出が可能となる。また、特別図柄の変動時間に関わるタイマ情報のコマンドに基づいた第1の演出変動制御と、特別図柄の表示結果に関わる判定情報のコマンドに基づいた第2の演出変動制御とによって演出情報の変動表示を制御するので、第1及び第2の演出変動制御の組合せによって、主基板100に設定するコマンド信号の種類を極力抑えた上で多彩な演出情報の変動表示を行うことができる。また、タイマ情報のコマンドと判定情報のコマンドとをまとめて特別図柄の変動表示の開始時に周辺基板110に送信する構成とした場合、このコマンドに基づいて忠実に周辺基板110が液晶表示器42の制御を行ってしまい、特別図柄の変動表示の途中で液晶表示器42の演出表示により当りハズレが分かってしまうが、タイマ情報のコマンドと判定情報のコマンドとを分けて周辺基板110に送信することで、特別図柄の変動表示の途中で液晶表示器42の演出表示により当りハズレが分かってしまうことを回避できる。
【0056】
また、上記した実施形態から把握できる発明として下記のような発明がある。
(1)前記光装飾手段は、前記演出情報表示手段と前記図柄表示装置との間に配列された複数の発光手段からなり、前記発光制御手段は、前記演出情報の変動表示が開始されるときに前記複数の発光手段が前記演出情報表示手段に向って点灯移動する制御を行うことを特徴とする遊技機。
【0057】
上記のように実施形態から把握できる発明においては、演出情報表示手段に向って複数の発光手段を点灯移動することで、演出情報の変動表示が開始される旨を遊技者に認識させ易くできるというメリットがある。
(2)前記光装飾手段は、前記演出情報表示手段と前記図柄表示装置との間に配列された複数の発光手段からなり、前記発光制御手段は、前記図柄の表示結果が停止表示されるときに前記複数の発光手段が前記図柄表示装置に向って点灯移動する制御を行うことを特徴とする遊技機。
【0058】
上記のように実施形態から把握できる発明においては、図柄表示装置に向って複数の発光手段を点灯移動することで、図柄の表示結果が停止表示される旨を遊技者に認識させ易くできるというメリットがある。
(3)前記図柄表示装置による図柄の変動表示を制御する図柄変動表示制御手段を含み、遊技機の主要な遊技制御を行うマイクロコンピュータを搭載した主基板と、該主基板とは別に構成されると共に前記演出情報表示手段による演出情報の変動表示を制御する演出変動制御手段を含み、前記主基板から受信するコマンド信号に基づいた制御を行うマイクロコンピュータを搭載した周辺基板と、を備えたことを特徴とする遊技機。
【0059】
上記のように実施形態から把握できる発明においては、主基板から受信するコマンド信号に基づいて演出情報表示手段による演出情報の変動表示を制御する周辺基板を設けることで、主基板の制御負担を増加させることなく演出情報表示手段による多彩な演出が可能となるというメリットがある。
(4)前記演出情報の変動表示タイミングに合わせて音を発生する音発生手段(スピーカ36)と、該音発生手段による音の発生を制御する音発生制御手段と、を備え、前記周辺基板は、前記主基板からのコマンド信号を受信するサブ統合基板と、前記発光制御手段を含むと共に前記サブ統合基板から受信するコマンド信号に基づいた制御を行うマイクロコンピュータを搭載した第1制御基板(第1電飾制御基板112)と、前記演出変動制御手段を含むと共に前記サブ統合基板から受信するコマンド信号に基づいた制御を行うマイクロコンピュータを搭載した第2制御基板(第2電飾制御基板113)と、前記音発生制御手段を含むと共に前記サブ統合基板から受信するコマンド信号に基づいた制御を行うマイクロコンピュータを搭載した波形制御基板(114)と、から構成されることを特徴とする遊技機。
【0060】
上記のように実施形態から把握できる発明においては、演出情報表示手段の制御と同様に、サブ側の基板となる周辺基板によって音発生手段及び光装飾手段の制御が行われる。このため、音発生手段及び光装飾手段による演出を確実に演出情報の変動表示と同期させて行わせることができるので、図柄の変動表示時においても、演出情報による演出が行われていることを遊技者に確実に認識させることができるというメリットがある。
【符号の説明】
【0061】
1 パチンコ機(遊技機)
40 演出装置
41 特別図柄表示器(図柄表示装置)
42 液晶表示器(演出情報表示手段)
44 演出ランプ(光装飾手段)
46 電動始動入賞口
49 装飾ランプ
55 始動口センサ
60 大入賞口装置
61 大入賞口
100 主基板
101 主制御基板
110 周辺基板(発光制御手段)
111 サブ統合基板


【特許請求の範囲】
【請求項1】
図柄始動条件が成立すると図柄表示装置に図柄が変動表示され、その後に停止表示される図柄の表示結果によって遊技者に特典付与の可否を認識させる遊技機であって、
前記図柄表示装置とは別に構成されると共に、前記図柄表示装置による図柄の変動表示に合わせて前記図柄とは異なる演出情報を変動表示する演出情報表示手段と、
該演出情報表示手段と前記図柄表示装置との間に配置されて装飾的な発光を行う光装飾手段と、
該光装飾手段による発光を制御する発光制御手段と、
を備え、
前記発光制御手段は、前記図柄及び前記演出情報の変動表示タイミングに合わせて補助的に前記光装飾手段を発光制御することを特徴とする遊技機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−254364(P2012−254364A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−219884(P2012−219884)
【出願日】平成24年10月1日(2012.10.1)
【分割の表示】特願2010−13687(P2010−13687)の分割
【原出願日】平成16年7月6日(2004.7.6)
【出願人】(000148922)株式会社大一商会 (3,262)
【Fターム(参考)】