遊技機
【課題】特殊変動演出に対する遊技者の興趣が低下することを抑制できる遊技機を提供すること。
【解決手段】1回の図柄変動ゲームにおいて1回又は複数回の変動サイクルを表示するパチンコ遊技機において、1回の図柄変動ゲームに含まれる変動サイクル毎にロゴ演出(ロゴ予兆)、又は抜刀演出(抜刀予兆)を実行するようになっており、1回の図柄変動ゲームに含まれる変動サイクルの回数が多い場合には、少ない場合よりも大当り期待度が高くなる一方で、変動サイクルにおいて抜刀演出(抜刀予兆)が実行された場合には、ロゴ演出(ロゴ予兆)が実行された場合と比較して、大当りの場合に確変大当りとなる可能性が高くなる。
【解決手段】1回の図柄変動ゲームにおいて1回又は複数回の変動サイクルを表示するパチンコ遊技機において、1回の図柄変動ゲームに含まれる変動サイクル毎にロゴ演出(ロゴ予兆)、又は抜刀演出(抜刀予兆)を実行するようになっており、1回の図柄変動ゲームに含まれる変動サイクルの回数が多い場合には、少ない場合よりも大当り期待度が高くなる一方で、変動サイクルにおいて抜刀演出(抜刀予兆)が実行された場合には、ロゴ演出(ロゴ予兆)が実行された場合と比較して、大当りの場合に確変大当りとなる可能性が高くなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、図柄の変動開始から変動停止迄を1回とする単位変動を1回、又は複数回にわたって演出表示手段に表示する特殊変動演出を実行する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、遊技機の一種であるパチンコ遊技機では、図柄を変動させる図柄変動ゲームを演出表示手段にて行い、該図柄変動ゲームで大当り表示結果(例えば[777]の図柄組み合わせなど)を導出した後に大当り遊技状態を付与することが行われている。そして、パチンコ遊技機では、図柄変動ゲームにおける興趣向上を目的として、大当り表示結果が導出される可能性のあることを遊技者に予告する大当り予告演出を行っている。このような、大当り予告演出の1つとして、1回の図柄変動ゲームにおいて、恰も複数回の図柄変動ゲームが実行されたかのように画像表示する特殊変動演出を実行可能なパチンコ遊技機が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1のパチンコ遊技機では、はずれ変動の図柄変動ゲームにおいて、図柄の変動開始から変動停止迄を1回とする変動サイクルを1回、表示する一方で、大当り変動の図柄変動ゲームにおいて、前記変動サイクルを複数回にわたって表示し、大当り表示結果が導出されることに期待する遊技者の興趣を高めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−261711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
また、上記特殊変動演出の別の実行態様として、1回、又は連続して実行される複数回の図柄変動ゲーム毎に特定演出を実行し、複数回の図柄変動ゲームを跨いだ遊技演出(所謂「連続予告演出」)を行うパチンコ遊技機が知られている。以下、特殊変動演出を構成する変動サイクル、及び図柄変動ゲームを単に「単位変動」と示す。特殊変動演出を実行可能なパチンコ遊技機では、特殊変動演出を構成する単位変動の回数を変化させるとともに、当該単位変動の回数が増加するほど大当り期待度を高く設定している。しかしながら、このような従来のパチンコ遊技機では、特殊変動演出を構成する単位変動の回数が少ない状況から、遊技者が大当りとなる可能性の低いことを認識できてしまい、特殊変動演出に対する遊技者の興趣が低下してしまう虞があった。
【0006】
本発明は、上記従来技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、特殊変動演出に対する遊技者の興趣が低下することを抑制できる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、図柄の変動開始から変動停止迄を1回とする単位変動を1回、又は複数回にわたって演出表示手段に表示する特殊変動演出を実行する遊技機において、始動条件の成立を契機に当りか否かを判定する当り判定手段と、前記当り判定手段の判定結果が肯定の場合に当りの種類を判定する当り種判定手段と、前記当り判定手段の判定結果に基づき前記演出表示手段を制御して前記特殊変動演出を実行させる変動制御手段と、前記当り種判定手段の判定結果に基づき特定演出実行手段を制御して、前記特殊変動演出を構成する単位変動毎に特定演出を実行させる特定演出制御手段と、を備え、前記変動制御手段は、第1回数の単位変動から構成される特殊変動演出と比較して、第1回数より多い第2回数の単位変動から構成される特殊変動演出のほうが、前記当り判定手段が肯定判定した場合に実行させる割合、及び前記当り判定手段が否定判定した場合に実行させる割合を合算した合算割合に占める前記当り判定手段が肯定判定した場合に実行させる割合が高くなるように構成される一方で、前記特定演出制御手段は、前記当り種判定手段が第1当りと判定した場合に、前記当り種判定手段が前記第1当りより低い利益を付与する第2当りと判定した場合と比較して、特定内容による前記特定演出を実行させ易く構成されたことを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記演出表示手段では、前記当り判定の判定結果に基づき図柄の変動開始から確定停止表示迄を1回とする図柄変動ゲームが表示されるようになっており、前記単位変動は、前記1回の図柄変動ゲームにおいて図柄の変動開始から一旦停止表示迄を1回として表示される変動サイクルであることを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記単位変動は、図柄の変動開始から確定停止表示迄を1回として前記演出表示手段に表示される図柄変動ゲームであることを要旨とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の遊技機において、前記第1回数の単位変動から構成される特殊変動演出が前記特定内容による特定演出を伴って実行された場合には、前記第2回数の単位変動から構成される特殊変動演出が前記特定内容とは異なる通常内容による特定演出を伴って実行された場合と比較して、当りとなる可能性が低く、且つ当りとなる場合には前記第1当りとなる可能性の高いことが報知されることを要旨とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、特殊変動演出に対する遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】パチンコ遊技機の遊技盤を示す正面図。
【図2】(a)及び(b)は、連続演出の予兆演出を示す模式図。
【図3】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
【図4】変動パターンを示す説明図。
【図5】(a)は、はずれ通常変動における各列の図柄の一旦停止タイミングを示すタイミングチャート、(b)は、はずれ短縮変動における各列の図柄の一旦停止タイミングを示すタイミングチャート。
【図6】特別図柄入力処理を示すフローチャート。
【図7】第1予兆演出振分テーブルを示す説明図。
【図8】連続演出振分テーブルを示す説明図。
【図9】第2予兆演出振分テーブルを示す説明図。
【図10】(a)〜(h)は、予兆演出を伴う図柄変動ゲームの実行態様を示す説明図。
【図11】(a)〜(c)は、予兆演出、及び連続演出(開始報知演出)を伴う図柄変動ゲームの実行態様を示す説明図。
【図12】第2の実施形態における先読みコマンド設定処理を示すフローチャート。
【図13】第2の実施形態における実行可否判定テーブルを示す説明図。
【図14】第2の実施形態における連続演出振分テーブルを示す説明図。
【図15】第2の実施形態における第3予兆演出振分テーブルを示す説明図。
【図16】第2の実施形態における第4予兆演出振分テーブルを示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1の実施形態)
以下、本発明をパチンコ遊技機に具体化した第1の実施形態を図1〜図11にしたがって説明する。
【0014】
図1に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する演出表示手段としての演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示される。本実施形態において演出表示装置11の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置11の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄)を用いて行われる。また、演出表示装置11の右下には、7セグメント型の特別図柄表示装置12が配設されている。特別図柄表示装置12では、複数種類の特別図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特別図柄は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。本実施形態において、図柄変動ゲームは、各表示装置11,12において、図柄の変動開始から図柄が確定停止表示される迄を1回として実行される。
【0015】
そして、演出表示装置11には、特別図柄表示装置12の表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特別図柄表示装置12に大当りを認識し得る大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にも大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。また、特別図柄表示装置12にはずれを認識し得るはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。なお、演出表示装置11に確定停止表示される大当り図柄は、全列の飾り図柄が同一図柄となる図柄組み合わせによって構成される。また、演出表示装置11に確定停止表示されるはずれ図柄は、全列の飾り図柄が異なる飾り図柄となる図柄組み合わせや、1列の飾り図柄が他の2列の飾り図柄とは異なる飾り図柄となる図柄組み合わせによって構成される。また、演出表示装置11では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に図柄列の変動が停止するようになっており、特定の2列(本実施形態では左右の2列)に同一の飾り図柄が一旦停止表示された場合、リーチが形成される。ここで、一旦停止表示とは、画像表示部GHにおいてゆれ変動状態で表示されている状態であり、画像表示部GHにおいて図柄が確定停止している確定停止表示とは区別される。なお、本実施形態では、一旦停止表示、及び確定停止表示が図柄の停止表示となる。本実施形態では、複数列の図柄列のうち左列が第1停止列、右列が第2停止列(直前停止列)、中列が第3停止列(最終停止列)となり、左列及び右列がリーチを形成するリーチ形成列となる。
【0016】
特別図柄表示装置12の左下方には、複数個(本実施形態では2個)の特別図柄保留発光部を備えた特別図柄保留記憶表示装置13が配設されている。特別図柄保留記憶表示装置13は、機内部で記憶した特別図柄用の始動保留球の記憶数(以下「保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。保留記憶数は、遊技盤10に配設した後述の始動入賞口に遊技球が入球することで1加算される一方で、図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口へ遊技球が入球すると、保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積される。保留記憶数は、実行保留中の図柄変動ゲームの実行回数となる。また、演出表示装置11において、前記複数列の図柄列(飾り図柄)が画像表示される図柄表示領域R1の下方には、機内部で記憶した保留記憶数を報知する保留球画像Gを画像表示するための保留表示領域R2が設定されている。本実施形態において、保留表示領域R2には、機内部で記憶した保留記憶数と等しい個数の保留球画像Gが画像表示され、遊技者に対し保留記憶数を報知する。
【0017】
特別図柄表示装置12の右上方には、普通図柄表示装置14が配設されている。普通図柄表示装置14では、複数種類の普通図柄を変動させて1つの普通図柄を導出する普通図柄変動ゲーム(以下「普図ゲーム」と示す)が行われる。本実施形態の普通図柄表示装置14は、図示しない発光体(LEDやランプなど)をレンズカバーで覆って構成した複数個(本実施形態では2個)の普通図柄表示部から構成されている。普通図柄表示装置14では、大当りか否かの大当り抽選とは別に行う普図当りか否かの内部抽選(後述する普図当り抽選)の抽選結果を表示する。すなわち、普図当り抽選に当選した場合には、普図ゲームで普通図柄の当り図柄が確定停止表示(導出)される一方、普図当り抽選に当選しない場合(はずれの場合)には、普通図柄のはずれ図柄が確定停止表示(導出)される。
【0018】
演出表示装置11の下方には、遊技球の入球口15aを有する始動入賞口15が配設されている。始動入賞口15は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根16を備えている。始動入賞口15は、開閉羽根16の開動作により入口が拡大されて遊技球が入球(入賞)し易い開状態とされる一方で、開閉羽根16の閉動作により入口が拡大されずに遊技球が入球(入賞)し難い閉状態とされる。そして、始動入賞口15の奥方には入球した遊技球を検知する始動口スイッチSW1(図3に示す)が配設されている。始動入賞口15は、入球した遊技球を始動口スイッチSW1で検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
【0019】
また、始動入賞口15の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉17を備えた大入賞口(特別電動役物)18が配設されている。大入賞口18の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW2(図3に示す)が配設されている。大入賞口18は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数(例えば10個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口18は、大当り遊技中に大入賞口扉17の開動作によって開放されることで遊技球の入球が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。なお、大当り遊技の内容については後述する。
【0020】
また、演出表示装置11の左方には、普通図柄作動ゲート(以下「ゲート」と示す)19が配設されている。ゲート19の奥方には、入球し通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW3(図3に示す)が配設されている。ゲート19は、遊技球の通過を契機に、普図ゲームの始動条件(普図当り抽選の抽選契機)のみを付与し得る。
【0021】
また、遊技盤10には、演出表示装置11の画像表示部GHを全周にわたって囲うように装飾枠20が組み付けられている。装飾枠20の右方には、日本刀を模した演出用可動体としての刀可動体KKが配設されている。刀可動体KKは、装飾枠20において、遊技者から見て画像表示部GHの前面側に重なる位置に配設されている。刀可動体KKは、柄を模した柄部KKa、刃を模した刀部KKb、及び鞘を模した鞘部KKcとから構成されており、刀部KKbは、常には鞘部KKcに収納された状態とされている。刀可動体KKの鞘部KKcには、図示しないアクチュエータ(ソレノイドやモータなど)が接続されているとともに、鞘部KKcは、アクチュエータの動作によって下方へ移動することにより、日本刀が鞘から抜かれた様子を示す可動体演出としての抜刀演出を実行可能に構成されている。本実施形態では、抜刀演出に要する演出時間として1秒が設定されている。
【0022】
また、装飾枠20の右下方には、所定のロゴ(文字)を模した演出用可動体としてのロゴ可動体RKが配設されている。ロゴ可動体RKは、常には装飾枠20に設けられた初期位置(実線で示す)に位置しているとともに、この初期位置は、遊技者から見て画像表示部GHの前面側に重なる位置に設定されている。ロゴ可動体RKには、図示しないアクチュエータ(ソレノイドやモータなど)が接続されており、このアクチュエータの動作によって左上方へ移動する可動体演出としてのロゴ演出を実行可能に構成されている。ロゴ可動体RKは、ロゴ演出の実行に伴って、前記初期位置よりも画像表示部GHの中央よりに設定された動作位置(二点鎖線で示す)に移動する。本実施形態では、ロゴ演出に要する演出時間として1.5秒が設定されている。
【0023】
本実施形態のパチンコ遊技機では、演出表示装置11で飾り図柄を用いて実行される1回の図柄変動ゲームにおいて、図柄が変動開始されてから一旦停止表示される迄を1回とする変動サイクルを複数回にわたって画像表示させる連続演出を実行可能に構成されている。本実施形態において、連続演出は、1回の変動サイクルを恰も1回の図柄変動ゲームとして遊技者に認識させ、1球の始動保留球に基づく1回の図柄変動ゲームにおいて、複数回の図柄変動ゲームが連続して実行されたかのように擬似的に演出表現して行われる遊技演出である。
【0024】
この連続演出では、1回の図柄変動ゲームで実行される変動サイクルの回数に応じて、図柄変動ゲームで大当り図柄が確定停止表示される可能性の高低を示す大当り期待度が変化する。本実施形態のパチンコ遊技機では、2回、3回、及び4回の変動サイクルから構成される連続演出を実行可能に構成されるとともに、同一のリーチ演出の変動内容であることを前提に、2回<3回<4回の順に1回の図柄変動ゲームに含まれる変動サイクルの回数が増加するのに伴って大当り期待度が高くなる。したがって、本実施形態の連続演出では、大当り遊技が付与されることに期待する遊技者に対し、より多くの変動サイクルが実行されることに期待感を抱かせ得る。本実施形態では、1回の変動サイクルが単位変動となるとともに、1回の変動サイクルから構成される図柄変動ゲーム(すなわち連続演出なし)、及び連続演出を含む図柄変動ゲームによって特殊変動演出が構成される。
【0025】
また、本実施形態の連続演出では、新たな変動サイクルの開始を報知する開始報知演出が実行される。換言すれば、開始報知演出は、連続演出が継続することを遊技者に報知する遊技演出として把握することもできる。本実施形態のパチンコ遊技機では、前記抜刀演出、及び前記ロゴ演出が開始報知演出として実行される。本実施形態では、抜刀演出、及びロゴ演出が特定演出、及び報知演出となるとともに、各可動体KK,RKが特定演出実行手段として機能する。なお、本実施形態のパチンコ遊技機において、開始報知演出は、今回の図柄変動ゲームが2回以上(複数回)の変動サイクル(単位変動)を含んで実行されることを確定的に報知する遊技演出として位置付けられる。以下の説明では、開始報知演出として抜刀演出を実行する連続演出を抜刀連続演出と示し、開始報知演出としてロゴ演出を実行する連続演出をロゴ連続演出と示す。
【0026】
また、本実施形態の連続演出では、各変動サイクルの開始に伴って、連続演出が実行される可能性のあることを非確定的に報知し、且つ実行される可能性のある連続演出の種類(開始報知演出の種類)を遊技者に報知する予兆演出が行われる。この予兆演出には、抜刀連続演出が実行される可能性のあることを報知する抜刀予兆演出と、ロゴ連続演出が実行される可能性のあることを報知するロゴ予兆演出とがある。本実施形態では、抜刀予兆演出、及びロゴ予兆演出が特定演出、及び報知演出となる。また、本実施形態では、抜刀予兆演出が特定内容の特定演出となり、ロゴ予兆演出が通常内容の特定演出となる。以下の説明では、抜刀予兆演出を抜刀予兆、ロゴ予兆演出をロゴ予兆と略して示す場合がある。
【0027】
図2(a)に示すように、抜刀予兆は、演出表示装置11の画像表示部GHにおいて所定色の発光を模した効果(発光エフェクト)画像KEを画像表示することで、恰も刀可動体KKが発光する様子を演出表現して行われる。本実施形態では、抜刀予兆の演出時間として2.5秒が設定されている。また、図2(b)に示すように、ロゴ予兆は、画像表示部GHにおいて所定色の発光を模した効果(発光エフェクト)画像REを画像表示することで、恰もロゴ可動体RKが発光する様子を演出表現して行われる。本実施形態では、ロゴ予兆の演出時間として2.5秒が設定されている。また、本実施形態のパチンコ遊技機では、1回の変動サイクル中にロゴ予兆が実行された後、続けて抜刀予兆が複合して実行される場合がある。以下の説明では、1回の変動サイクルにおいてロゴ予兆に続けて抜刀予兆が複合して実行される予兆演出を、単に「格上げ予兆(複合予兆)」と示す場合がある。格上げ予兆は、抜刀予兆と同様に抜刀連続演出が実行される可能性のあることを報知する予兆演出となる。
【0028】
また、本実施形態のパチンコ遊技機は、大当り遊技終了後に大当り抽選の当選確率(抽選確率)を低確率から高確率に変動(向上)させる確率変動(以下「確変」と示す)状態を付与可能に構成されている。本実施形態において確変状態は、次回の大当り遊技が生起される迄の間、付与される。確変状態は、大当り抽選の当選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、遊技者にとって有利な状態となる。
【0029】
また、確変状態では、変動時間短縮(以下「変短」と示す)状態があわせて付与される。変短状態では、普図ゲームの変動時間が短縮されるとともに、ゲート19の通過に基づく普図当り抽選の当選確率(抽選確率)が通常状態(低確率、例えば251分の13)から高確率(例えば251分の250)に向上(変動)される。また、変短状態において始動入賞口15の開閉羽根16は、普図当り抽選で当選した際に、変短状態が付与されていない非変短状態とは異なる動作パターンで開閉動作する。具体的に言えば、非変短状態において、開閉羽根16は、普図当り抽選で当選した場合(普図ゲームで普図の当り図柄が導出された場合)、予め定めた第1回数(例えば1回)分開放し、開放してから第1開放時間(例えば0.3秒)が経過するまで開放状態を維持する。その一方で、変短状態において、開閉羽根16は、普図当り抽選で当選した場合、第1回数より多い第2回数(例えば3回)分開放し、1回の開放において開放してから第1開放時間より長い第2開放時間(例えば1.58秒)が経過するまで開放状態を維持する。このように、変短状態は、開閉羽根16が遊技者にとって有利に動作し、単位時間当りの始動入賞口15への入球率が向上するため、遊技者にとって有利な状態となり得る。なお、変短状態は、開閉羽根16の単位時間当りの開放時間の増加を伴う開放時間増加状態であって、開放時間の増加によって入球率が向上する入球率向上状態でもある。
【0030】
また、本実施形態のパチンコ遊技機は、大当り遊技終了後に確変状態を付与せずに変短状態を付与する時間短縮(以下「時短」と示す)状態を付与可能に構成されている。本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態を付与する大当りが確変大当りとなり、大当り遊技終了後に時短状態を付与する(非確変状態を付与する)大当りが非確変大当りとなる。したがって、本実施形態では、確変大当りが利益の高い第1当りとなり、非確変大当りが第1当りよりも利益の低い第2当りとなる。
【0031】
次に、パチンコ遊技機の制御構成を図3にしたがって説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機の機裏側には、パチンコ遊技機全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御指令(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、演出制御基板31が装着されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御指令に基づき、各種の演出装置の動作を制御する。
【0032】
以下、主制御基板30及び演出制御基板31の具体的構成を説明する。
主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aの制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1〜SW3が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU30aには、特別図柄表示装置12、特別図柄保留記憶表示装置13、及び普通図柄表示装置14が接続されている。
【0033】
また、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数、及びリーチ判定用乱数、及び特別図柄振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。大当り判定用乱数は、大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選で大当りに当選しなかった場合、すなわちはずれの場合にリーチを形成するか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。特別図柄振分用乱数は、大当り抽選で当選した場合に特別図柄の大当り図柄を決定する際に用いられる乱数であり、0〜99の全100通りの整数値に定められている。本実施形態のパチンコ遊技機では、特別図柄の大当り図柄として全100通りの特別図柄が設定されているとともに、この100種類の特別図柄の大当り図柄に対して100通りの特別図柄振分用乱数の値が1個ずつ各別に対応付けられている。本実施形態では、全100種類の特別図柄の大当り図柄のうち50種類が特別図柄ZAに、残る50種類が特別図柄ZBに分類されている。本実施形態では、特別図柄ZAに分類される50種類の特別図柄が確変大当りとなる特別図柄(特定図柄)として設定されている一方で、特別図柄ZBに分類される50種類の特別図柄が非確変大当りとなる特別図柄(非特定図柄)として設定されている。本実施形態では、特別図柄の種類が当りの種類となる。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
【0034】
主制御用ROM30bには、メイン制御プログラム、各種の判定値(大当り判定値、及びリーチ判定値など)が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値(0〜599までの全600通りの整数)の中から定められている。そして、大当り判定値は非確変状態時の大当り抽選で用いる非確変用判定値(低確率時大当り判定値)と、確変状態時の大当り抽選で用いる確変用判定値(高確率時大当り判定値)とがある。確変用判定値の設定数(本実施形態では20個)は、非確変用判定値の設定数(本実施形態では2個)よりも多く設定されている。このような設定によれば、非確変状態において大当り抽選で当選する確率は600分の2となる一方で、確変状態において大当り抽選に当選する確率は600分の20となる。
【0035】
本実施形態の非確変用判定値は、「17、125」の2個に設定されている。一方、本実施形態の確変用判定値は、上記「17、125」の2個の値に、「37、83、185…(以下省略)」などの18個の値を加えた合計20個に設定されている。そして、非確変用判定値と確変用判定値は、その総数は異なるが、設定値については一部の値(本実施形態では「17、125」)が共通値とされている。この共通値(「17、125」)は、非確変状態時及び確変状態時の何れの状態においても大当り判定用乱数の値と一致する値とされている。一方、確変用判定値において、前記共通値(「17、125」)を除く、他の値(18個)は、非確変用判定値(共通値)とは異なる非共通値とされている。この非共通値は、大当り抽選時の遊技状態に応じて、大当り判定値と一致する場合と一致しない場合とがある。具体的に言えば、非共通値は、非確変状態時の大当り抽選において、大当り判定用乱数の値とは一致しない。その一方で、非共通値は、確変状態時の大当り抽選において、大当り判定用乱数の値と一致する。また、リーチ判定値は、はずれを決定する場合にリーチを形成するか否かの内部抽選(リーチ判定)で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値(0〜240までの全241通りの整数)の中から定められている。本実施形態では、リーチ判定値として2個の値が設定されており、このような設定によればリーチ判定で肯定判定される確率は241分の2となる。
【0036】
また、主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄変動ゲームが開始してから図柄変動ゲームが終了するまでの間の演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンであって、図柄変動ゲームの変動内容(演出内容)及び変動時間(演出時間)を特定し得る。本実施形態において、複数種類の変動パターンは、大当り変動用の変動パターン、はずれリーチ変動用の変動パターン、及びはずれ変動用の変動パターンに分類できる。大当り変動は、リーチ演出を経て、図柄変動ゲームが最終的に大当り図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。はずれリーチ変動は、リーチ演出を経て、図柄変動ゲームが最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。はずれ変動は、リーチ演出を経ないで、図柄変動ゲームが最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。リーチ演出は、演出表示装置11の飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチが形成されてから、最終的に図柄組み合わせ(大当り図柄又ははずれ図柄)が導出される迄の間に、例えば所定のキャラクタを登場させるなどして行われる演出である。なお、特別図柄表示装置12では、図柄変動ゲームが開始されると、リーチ演出を行うことなく、変動時間の経過時まで図柄の変動が継続される。
【0037】
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機に用意された変動パターンについて、図4にしたがって説明する。なお、図4では、本実施形態のパチンコ遊技機に用意された変動パターンのうち一部の変動パターンを示しているとともに、各変動パターンに設定された図柄変動ゲームの変動時間が示されている。
【0038】
本実施形態では、はずれ変動用の変動パターンとして、変動パターンP1,P2が設定されているとともに、はずれリーチ変動用の変動パターンとして変動パターンP3A,P4A,P5Aが設定されている。また、本実施形態では、大当り変動用の変動パターンとして、変動パターンP3B,P4B,P5B,P6が設定されている。
【0039】
本実施形態のパチンコ遊技機において、変動パターンP1,P2は、1回の変動サイクルから構成される図柄変動ゲームの変動内容を特定している。変動パターンP1は、変動時間として12秒が設定された「はずれ通常変動」の変動内容が設定されている。図5(a)に示すように、はずれ通常変動は、演出表示装置11において、図柄の変動開始から時間TL1の経過時に左列が一旦停止表示され、変動開始から時間TR1の経過時に右列が一旦停止表示され、変動開始から時間TC1の経過時に中列が一旦停止表示される変動内容とされている(但し、時間TL1<時間TR1<時間TC1)。本実施形態のはずれ通常変動では、時間TL1として8秒が設定されており、図柄変動ゲームの開始から8秒で左列に図柄が一旦停止表示される。なお、本実施形態のはずれ通常変動では、時間TR1として11秒が、時間TC1として12秒が設定されている。
【0040】
また、変動パターンP2は、変動時間として6秒が設定された「はずれ短縮変動」の変動内容が設定されている。図5(b)に示すように、はずれ短縮変動は、演出表示装置11において、図柄の変動開始から時間TL2の経過時に左列が一旦停止表示され、変動開始から時間TR2の経過時に右列が一旦停止表示され、変動開始から時間TC2の経過時に中列が一旦停止表示される変動内容とされている(但し、時間TL2<時間TR2<時間TC2)。本実施形態のはずれ短縮変動では、時間TL2として4秒が設定されており、図柄変動ゲームの開始から4秒で左列に図柄が一旦停止表示される。また、本実施形態のはずれ短縮変動では、時間TR2として5秒が、時間TC2として6秒が設定されている。
【0041】
図4に示すように、変動パターンP3A,P3B(以下、まとめて「変動パターンP3」と示す場合がある)は、1回の変動サイクルから構成され且つリーチ演出を含む変動内容を特定する。変動パターンP3に基づく図柄変動ゲームでは、演出表示装置11において、図5(a)に示すはずれ通常変動と同様に、変動開始から時間TL1の経過時に左列を一旦停止表示するとともに、変動開始から時間TR1の経過時に右列を一旦停止表示してリーチを形成する。その後、変動パターンP3に基づく図柄変動ゲームでは、変動開始から時間TC1の経過後、中列を一旦停止表示させることなくリーチ演出を実行し、最終的に中列を一旦停止表示させて大当り図柄又ははずれ図柄を導出する。
【0042】
また、変動パターンP4A,P4B(以下、まとめて「変動パターンP4」と示す場合がある)は、2回の変動サイクル(連続演出)から構成され且つ最終回の変動サイクルにリーチ演出を含む変動内容を特定する。また、変動パターンP5A,P5B(以下、まとめて「変動パターンP5」と示す場合がある)は、3回の変動サイクル(連続演出)から構成され且つ最終回の変動サイクルにリーチ演出を含む変動内容を特定する。また、変動パターンP6は、4回の変動サイクル(連続演出)から構成され且つ最終回の変動サイクルにリーチ演出を含む変動内容を特定する。なお、以下の説明において、「変動サイクル×○回(「○」は数字を示す)」は、図柄変動ゲームを構成する変動サイクルの回数を示すものとする。
【0043】
変動パターンP4(変動サイクル×2回)には、変動パターンP3(変動サイクル×1回)に設定された変動時間に対し、はずれ通常変動の変動時間に相当する12秒を加算した変動時間が設定されている。変動パターンP5(変動サイクル×3回)には、変動パターンP4(変動サイクル×2回)に設定された変動時間に対し、さらにはずれ短縮変動に相当する6秒を加算した変動時間が設定されている。変動パターンP6(変動サイクル×4回)には、変動パターンP5(変動サイクル×3回)に設定された変動時間に対し、さらに6秒を加算した変動時間が設定されている。
【0044】
変動パターンP4〜P6に基づく図柄変動ゲームにおいて、最終回の変動サイクルでは、変動パターンP3に基づく図柄変動ゲームと同一タイミングで飾り図柄が一旦停止表示されるとともに、リーチ演出が実行される。具体的に言えば、最終回の変動サイクルでは、この最終回の変動サイクルの開始から時間TL1の経過時に左列を、時間TR1の経過時に右列を一旦停止表示してリーチを形成する。その後、最終回の変動サイクルでは、最終回の変動サイクルの開始から時間TC1(12秒)の経過後、中列を一旦停止表示させることなくリーチ演出を実行し、最終的に中列を一旦停止表示させて大当り図柄又ははずれ図柄を導出する。
【0045】
また、変動パターンP4〜P6に基づく図柄変動ゲームにおいて、初回の変動サイクルでは、変動パターンP1に基づくはずれ通常変動と同一タイミングで飾り図柄が一旦停止表示される。具体的に言えば、初回の変動サイクルでは、初回の変動サイクル(図柄変動ゲーム)の開始から時間TL1の経過時に左列を、時間TR1の経過時に右列を、時間TC1(12秒)の経過時に中列を一旦停止表示してはずれ図柄を導出する。
【0046】
また、変動パターンP5,P6に基づく図柄変動ゲームにおいて、初回及び最終回を除く他の変動サイクルでは、変動パターンP2に基づくはずれ短縮変動と同一タイミングで飾り図柄が一旦停止表示される。具体的に言えば、前記他の変動サイクルでは、今回の変動サイクルの開始から時間TL2の経過時に左列を、時間TR2の経過時に右列を、時間TC2(6秒)の経過時に中列を一旦停止表示してはずれ図柄を導出する。なお、変動パターンP4〜P6に基づく図柄変動ゲームにおいて、最終回以外の変動サイクルでは、飾り図柄が確定停止表示されない。
【0047】
したがって、変動パターンP4〜P6に基づく図柄変動ゲームにおける初回の変動サイクルには、図柄の変動開始から一旦停止表示迄のサイクル時間として12秒が設定される。同様に、変動パターンP5,P6に基づく図柄変動ゲームにおいて、初回及び最終回を除く他の変動サイクルには、サイクル時間として6秒が設定される。ここで、変動パターンP4〜P6に基づく図柄変動ゲームにおいて、最終回の変動サイクルでは、中図柄が一旦停止表示されないでリーチ演出が実行される点で初回の変動サイクルと異なる。しかしながら、最終回の変動サイクルでは、該最終回の変動サイクルの開始からリーチ演出が開始される迄を仮想的な1回の変動サイクルと把握し、最終回の変動サイクルにおけるサイクル時間を12秒として把握することも可能である。以下の説明では、サイクル時間として12秒を設定したはずれ通常変動による変動サイクルを単に「通常変動」と示し、サイクル時間として6秒を設定したはずれ短縮変動による変動サイクルを単に「短縮変動」と示す場合がある。
【0048】
そして、本実施形態の変動パターンP3〜P6では、変動パターンP3(変動サイクル×1回)<P4(変動サイクル×2回)<P5(変動サイクル×3回)<P6(変動サイクル×4回)の順に、各変動パターンが大当りの場合に選択される割合、及びはずれの場合に選択される割合を合算した合算割合(選択率)の全体に占める大当りの場合の割合が高く設定されている。このため、本実施形態では、図柄変動ゲームの変動内容に含まれる変動サイクルの回数が多くなる程、該図柄変動ゲームで大当り図柄が導出される可能性(大当り期待度)が高くなる。したがって、遊技者は、図柄変動ゲームの変動内容に含まれる変動サイクルの回数によって大当りに対する期待感を変化し得る。なお、本実施形態の変動パターンP6は、大当りの場合にのみ選択可能な変動パターンとされており、4回の変動サイクルから構成される連続演出は、大当り確定の確定演出として位置付けられる。本実施形態では、変動サイクルの回数として1回〜3回が第1回数となり、4回が第2回数となる。
【0049】
次に、演出制御基板31について説明する。
演出制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する演出制御用CPU31aと、演出制御用CPU31aの制御プログラムを格納する演出制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM31cが設けられている。演出制御用CPU31aは、第1演出振分用乱数、及び第2演出振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。第1演出振分用乱数は、予兆演出の実行可否の決定、及び予兆演出の演出内容を選択する場合などに用いられる乱数である。また、第2演出振分用乱数の値は、連続演出の種類を決定する際に用いられる乱数である。演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
【0050】
また、演出制御用CPU31aには、演出表示装置11、刀可動体KK、及びロゴ可動体RKが接続されている。演出制御用ROM31bには、各種の画像表示用データ(予兆演出用の各効果画像データや、図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)、及び各可動体KK,RKの動作パターンを定めた可動体演出用データが記憶されている。また、演出制御用ROM31bには、各種の判定値が記憶されている。
【0051】
以下、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。また、特別図柄開始処理は、特別図柄入力処理の終了後に実行される。
【0052】
最初に、特別図柄入力処理について、図6にしたがって説明する。
まず、主制御用CPU30aは、始動口スイッチSW1から検知信号を入力しているか否かに基づき、始動入賞口15に遊技球が入球したか否かを判定する(ステップSA1)。ステップSA1の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。ステップSA1の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている始動保留球の記憶数(以下「保留記憶数」と示す)が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップSA2)。ステップSA2の判定結果が否定(保留記憶数が4未満でない)場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、保留記憶数が4未満である場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数を+1(1加算)する(ステップSA3)。保留記憶数を更新(1加算)した主制御用CPU30aは、更新後(加算後)の保留記憶数を表示するように特別図柄保留記憶表示装置13の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、更新後(加算後)の保留記憶数を指示する保留記憶数コマンドを生成するとともに、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する。次に、主制御用CPU30aは、各種乱数の値(本実施形態では大当り判定用乱数の値、リーチ判定用乱数の値、及び特別図柄振分用乱数の値)を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を保留記憶数に対応する主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する(ステップSA4)。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
【0053】
次に、特別図柄開始処理について説明する。
まず、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの実行中、又は大当り遊技中か否かの実行条件判定を実行する。この実行条件判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0054】
一方、実行条件判定の判定結果が否定(図柄変動ゲーム中ではなく、かつ大当り遊技中ではない)の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数が「0(零)」よりも大きいか否かを判定する。保留記憶数が「0(零)」の場合、主制御用CPU30aは、保留中の図柄変動ゲームが存在しないので、特別図柄開始処理を終了する。一方、保留記憶数が1以上の場合、主制御用CPU30aは、保留中の図柄変動ゲームが存在するので、保留記憶数を−1(1減算)する。また、保留記憶数を更新(1減算)した主制御用CPU30aは、更新後(減算後)の保留記憶数を表示するように特別図柄保留記憶表示装置13の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、更新後(減算後)の保留記憶数を指示する保留記憶数コマンドを生成するとともに、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する。そして、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数の値を読み出す。
【0055】
続いて、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値と大当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの『大当り判定』をする。このとき、主制御用CPU30aは、現在の遊技状態が非確変状態の場合、非確変用判定値を用いて大当り判定を行う一方で、現在の遊技状態が確変状態の場合、確変用判定値を用いて大当り判定を行う。なお、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに設定された制御フラグ(後述する確変フラグ)に基づき現在の遊技状態が確変状態か否かを把握できる。上記『大当り判定』の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、大当り変動となる図柄変動ゲームを実行させるための大当り変動処理を実行する。大当り変動処理において主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている特別図柄振分用乱数の値を読み出す。
【0056】
そして、主制御用CPU30aは、該特別図柄振分用乱数の値をもとに特別図柄の大当り図柄を特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄として決定する。主制御用CPU30aは、100分の50の確率で特別図柄ZAに属する特別図柄を、100分の50の確率で特別図柄ZBに属する特別図柄を決定する。また、特別図柄の大当り図柄を決定した主制御用CPU30aは、大当り変動用の変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0057】
一方、上記大当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値が大当りとなる値ではないことからはずれを認識する。このため、主制御用CPU30aは、リーチ判定用乱数の値を読み出すとともに、リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値を比較し、両値が一致するか否かの『リーチ判定』を行う。この『リーチ判定』の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ抽選でリーチに当選したことから、はずれリーチ変動となる図柄変動ゲームを実行させるためのリーチ変動処理を実行する。リーチ変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定するとともに、はずれリーチ変動用の変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0058】
一方、『リーチ判定』の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ抽選でリーチに当選しなかったことから、はずれ変動となる図柄変動ゲームを実行させるためのはずれ変動処理を実行する。はずれ変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定するとともに、はずれ変動用の変動パターンを選択し、決定する。このとき、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶された保留記憶数を参照するとともに、保留記憶数が2以下の場合には変動パターンP1を選択し、決定する一方で、保留記憶数が3の場合には変動パターンP2を選択し、決定する。なお、ここで主制御用CPU30aが参照する保留記憶数は、特別図柄開始処理における大当り判定の実行に伴って、1減算された後の保留記憶数となる。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。本実施形態では、特別図柄開始処理を行う主制御用CPU30aが当り判定手段、及び当り種判定手段として機能する。
【0059】
そして、特別図柄開始処理において特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、決定事項にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、主制御用CPU30aは、特別図柄を指示する特別図柄用の停止図柄指定コマンドを変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。そして、主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する図柄停止コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力する。
【0060】
次に、大当り遊技に関して主制御用CPU30aが実行する処理について説明する。
大当り遊技は、図柄変動ゲームで大当り表示結果が確定停止表示された後に開始される。大当り遊技では、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われるとともに、このオープニング演出の終了後、大入賞口18を開放するラウンド遊技が予め定めたラウンド規定回数(本実施形態では15回)を上限に行われる。各ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技では、ラウンド遊技のうち最後のラウンド遊技の終了後、エンディング演出が行われて終了される。
【0061】
主制御用CPU30aは、最初にオープニング演出の開始を指示するオープニングコマンドを演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する。次に、主制御用CPU30aは、各ラウンド遊技を開始する毎に、ラウンド演出の開始を指示するラウンドコマンドを演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する。また、主制御用CPU30aは、最後のラウンド遊技の終了後、エンディング演出の開始を指示するエンディングコマンドを演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する。
【0062】
次に、大当り遊技終了後の遊技状態に関して主制御用CPU30aが実行する制御を説明する。
主制御用CPU30aは、特別図柄ZAに基づく大当り遊技の終了後、主制御用RAM30cに記憶される確変フラグに「1」を設定する。確変フラグは、その値として「1」が設定されている場合、現在の遊技状態が確変状態であることを示す一方で、「0」が設定されている場合、現在の遊技状態が非確変状態であることを示す。一方、主制御用CPU30aは、特別図柄ZBに基づく大当り遊技の終了後、確変フラグに「0」を設定する。そして、主制御用CPU30aは、確変フラグに「1」を設定した場合、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に確変状態であることを示す確変コマンドを出力する一方で、確変フラグに「0」を設定した場合、非確変状態であることを示す非確変コマンドを出力する。
【0063】
また、主制御用CPU30aは、特別図柄ZA,ZBに基づく大当り遊技の終了後、主制御用RAM30cに記憶される作動フラグに「1」を設定する。作動フラグは、その値として「1」が設定されている場合、現在の遊技状態が変短状態であることを示す一方で、「0」が設定されている場合、現在の遊技状態が非変短状態であることを示す。主制御用CPU30aは、作動フラグに「1」を設定すると、変短状態であることを示す作動コマンドを演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する。
【0064】
また、主制御用CPU30aは、特別図柄ZBに基づく大当り遊技の終了後、変短状態が付与される残りの図柄変動ゲームの回数を示す作動回数として所定回数(本実施形態では100回)を主制御用RAM30cに設定する。主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの実行(変動パターン指定コマンドの出力)毎に、主制御用RAM30cに記憶されている作動回数を−1(1減算)する。主制御用CPU30aは、作動回数が「0」に到達すると、図柄変動ゲームの終了後、作動フラグに「0」を設定するとともに、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に、非変短状態であることを示す非作動コマンドを出力する。
【0065】
以上のように、本実施形態のパチンコ遊技機では、特別図柄ZAに基づく大当り遊技の終了後、次回の大当りが生起される迄の間、確変状態が付与される。また、本実施形態では、特別図柄ZBに基づく大当り遊技の終了後、100回の図柄変動ゲームが終了する迄の間、時短状態が付与される。
【0066】
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが演出制御プログラムに基づき実行する各種の処理について説明する。
演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから保留記憶数コマンドを入力すると、該コマンドで指定された保留記憶数と等しい個数の保留球画像Gが画像表示されるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0067】
また、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドに指示される変動パターンに対応する変動内容(演出内容)をもとに、画像表示用データを選択する。演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドの入力を契機に予兆演出の実行可を決定した場合、選択した予兆演出の演出内容に対応する効果画像の画像表示用データを選択する。演出制御用CPU31aは、変動パターンP4〜P6(変動サイクル×複数回)を指定された場合、実行させる連続演出の種類を決定するとともに、対応する可動体演出用データを選択する。なお、予兆演出の演出内容の選択や、連続演出の種類の決定については後に説明する。
【0068】
また、演出制御用CPU31aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力すると、該コマンドにしたがって演出表示装置11に確定停止表示させる飾り図柄を生成する。以下、具体的に説明する。
【0069】
まず、変動パターンP1〜P3(変動サイクル×1回)を指定された場合について説明する。演出制御用CPU31aは、特別図柄として大当り図柄が指示されている場合、飾り図柄として大当り図柄を生成する一方で、特別図柄としてはずれ図柄が指示されている場合、飾り図柄としてはずれ図柄を生成する。このとき、演出制御用CPU31aは、はずれリーチ変動用の変動パターンP3Aが指示されている場合、図柄変動ゲームで確定停止表示させる飾り図柄としてリーチ図柄を含むはずれ図柄を生成する。
【0070】
続けて、はずれリーチ変動用の変動パターンP4A,P5A(変動サイクル×複数回)を指定された場合について説明する。演出制御用CPU31aは、特別図柄としてはずれ図柄が指示されているため、最終回の変動サイクルで確定停止表示させる飾り図柄としてリーチを含むはずれ図柄を生成するとともに、最終回以外の変動サイクルで一旦停止表示させる飾り図柄としてリーチを含まないはずれ図柄を生成する。次に、大当り変動用の変動パターンP4B,P5B,P6(変動サイクル×複数回)を指定された場合について説明する。演出制御用CPU31aは、特別図柄として大当り図柄が指示されているため、最終回の変動サイクルで確定停止表示させる飾り図柄として大当り図柄を生成するとともに、最終回以外の変動サイクルで一旦停止表示させる飾り図柄としてリーチを含まないはずれ図柄を生成する。なお、演出制御用CPU31aは、大当り図柄(特別図柄)として特別図柄ZAを指定されている場合、飾り図柄の大当り図柄として確変大当りであることを認識できる大当りの図柄組み合わせ(例えば[777]など)を決定する。また、演出制御用CPU31aは、大当り図柄として特別図柄ZBを指定されている場合、飾り図柄の大当り図柄として非確変大当りであることを認識できる大当りの図柄組み合わせ(例えば[222]など)を決定する。
【0071】
そして、演出制御用CPU31aは、タイマを起動して図柄変動ゲームの開始からの経過時間を計測するとともに、計測した経過時間と選択した画像表示用データをもとに演出表示装置11の表示内容を切替制御して図柄変動ゲームを画像表示させる。具体的に言えば、演出制御用CPU31aは、変動パターンP1〜P3を指定されている場合、各変動パターンに示される変動時間の終了時に、生成した大当り図柄又ははずれ図柄を一旦停止表示させるとともに、図柄停止コマンドの入力を契機として確定停止表示させる。また、演出制御用CPU31aは、変動パターンP4〜P6が指定されている場合、計測した経過時間が各サイクル時間に達する毎に、最終回以外の変動サイクルで一旦停止表示させる飾り図柄として生成したはずれ図柄を一旦停止表示させる。また、演出制御用CPU31aは、各変動パターンに示される変動時間の終了時に、生成した大当り図柄又ははずれ図柄を一旦停止表示させるとともに、図柄停止コマンドの入力を契機として確定停止表示させる。
【0072】
また、演出制御用CPU31aは、計測した経過時間、及び予兆演出用の画像表示用データをもとに演出表示装置11を制御し、図柄変動ゲームの実行中に各予兆演出(ロゴ予兆及び抜刀予兆)を実行させる。また、演出制御用CPU31aは、計測した経過時間、及び可動体演出用データをもとに各可動体KK,RKの動作を制御し、図柄変動ゲームの実行中に開始報知演出(ロゴ演出及び抜刀演出)を実行させる。したがって、本実施形態では、演出制御用CPU31aが変動制御手段、及び特定演出制御手段として機能する。また、演出表示装置11が、特定演出実行手段として機能する。
【0073】
以下、予兆演出、及び連続演出を含む図柄変動ゲームを実行させるために、演出制御用CPU31aが実行する制御内容について、図7〜図9にしたがって詳細に説明する。
最初に、演出制御用CPU31aが変動パターン指定コマンドで変動パターンP1〜P3(変動サイクル×1回)を指定された場合について説明する。
【0074】
変動パターンP1〜P3を指定された場合、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cから第1演出振分用乱数の値を読み出すとともに、読み出した第1演出振分用乱数の値をもとに図7に示す第1予兆演出振分テーブルTAを参照して予兆演出の実行可否、及び演出内容を決定する。このとき、演出制御用CPU31aは、はずれ変動用の変動パターンP1,P2、及びはずれリーチ変動用の変動パターンP3Aを指定された場合、読み出した第1演出振分用乱数の値、及び指定された変動パターンをもとに第1予兆演出振分テーブルTAを参照して予兆演出の実行可否、及び演出内容を決定する。また、演出制御用CPU31aは、大当り変動用の変動パターンP3Bを指定された場合、読み出した第1演出振分用乱数の値、及び指定された変動パターンに加えて、さらに停止図柄指定コマンドで指定された大当り図柄(特別図柄)をもとに第1予兆演出振分テーブルTAを参照して、予兆演出の実行可否、及び演出内容を決定する。
【0075】
第1予兆演出振分テーブルTAは、演出制御用ROM31bに記憶されている。図7に示すように、第1予兆演出振分テーブルTAでは、はずれ、特別図柄ZA(確変大当り)、及び特別図柄ZB(非確変大当り)に区分して、変動パターン毎に予兆演出の演出内容が対応付けられている。そして、第1予兆演出振分テーブルTAでは、各演出内容に対して第1演出振分用乱数の値が、この第1演出振分用乱数の値の取り得る数値(0〜1000の全1001通りの整数値)の中から所定個数ずつ振り分けられている。なお、以下の説明において、予兆演出の演出内容としての「なし」は、予兆演出の非実行を示すとともに、「ロゴ予兆」及び「抜刀予兆」は対応する予兆演出の実行を示す。また、予兆演出の演出内容としての「格上げ予兆」は、初回の変動サイクルにおいてロゴ予兆を実行した後、続けて抜刀予兆を実行することを示す。
【0076】
第1予兆演出振分テーブルTAによれば、例えば、変動パターンP2が指定されている場合には、1001分の941の確率で「なし」が、1001分の30の確率で「ロゴ予兆」が、1001分の30の確率で「抜刀予兆」が選択され得る。同様に、第1予兆演出振分テーブルTAによれば、例えば、変動パターンP3Bが指定された場合であって、特別図柄ZAを指定された場合には、1001分の301の確率で「なし」が、1001分の100の確率で「ロゴ予兆」が、1001分の300の確率で「格上げ予兆」が、1001分の300の確率で「抜刀予兆」が選択され得る。したがって、第1予兆演出振分テーブルTAにおける第1演出振分用乱数の値の振り分け態様によれば、変動パターンP1,P2,P3Aが指定された場合には、予兆演出の演出内容として「ロゴ予兆」が選択される割合と、「格上げ予兆」及び「抜刀予兆」の何れかが選択される割合が同一割合(何れも1001分の30)となる。また、第1予兆演出振分テーブルTAによれば、大当り変動の変動パターンP3Bが指定された場合、特別図柄ZAが指定されたときにはロゴ予兆よりも格上げ予兆又は抜刀予兆を選択し易く、特別図柄ZBが指定されたときには格上げ予兆又は抜刀予兆よりもロゴ予兆を選択し易い。また、第1予兆演出振分テーブルTAによれば、はずれ短縮変動を指定する変動パターンP2が指定された場合には、予兆演出の演出内容として格上げ予兆を選択し得ない。
【0077】
次に、演出制御用CPU31aが変動パターン指定コマンドで変動パターンP4〜P6(変動サイクル×複数回)を指定された場合について説明する。
変動パターンP4〜P6を指定された場合、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cから第2演出振分用乱数の値を読み出すとともに、読み出した第2演出振分用乱数の値をもとに図8に示す連続演出振分テーブルTBを参照して連続演出の種類を決定する。このとき、演出制御用CPU31aは、はずれリーチ変動用の変動パターンP4A,P5Aを指定された場合、読み出した第2演出振分用乱数の値、及び指定された変動パターンをもとに連続演出振分テーブルTBを参照して連続演出の種類を決定する。また、演出制御用CPU31aは、大当り変動用の変動パターンP4B,P5B,P6を指定された場合、読み出した第2演出振分用乱数の値、及び指定された変動パターンに加えて、さらに停止図柄指定コマンドで指定された大当り図柄(特別図柄)をもとに連続演出振分テーブルTBを参照して連続演出の種類を決定する。
【0078】
連続演出振分テーブルTBは、演出制御用ROM31bに記憶されている。図8に示すように、連続演出振分テーブルTBでは、はずれ、特別図柄ZA(確変大当り)、及び特別図柄ZB(非確変大当り)に区分して、変動パターン毎に連続演出の種類としてロゴ連続演出、及び抜刀連続演出が対応付けられている。そして、連続演出振分テーブルTBでは、各連続演出に対して第2演出振分用乱数の値が、この第2演出振分用乱数の取り得る数値(0〜899までの全900通りの整数値)の中から所定個数ずつ振り分けられている。連続演出振分テーブルTBによれば、例えば、変動パターンP4Aが指定されている場合には、900分の450の確率で「ロゴ連続演出」が、900分の450の確率で「抜刀連続演出」が決定され得る。同様に、連続演出振分テーブルTBによれば、例えば、変動パターンP4Bが指定されている場合であって、特別図柄ZAを指定された場合には、900分の100の確率で「ロゴ連続演出」が、900分の800の確率で「抜刀連続演出」が決定され得る。
【0079】
連続演出振分テーブルTBにおける第2演出振分用乱数の値の振り分け態様によれば、はずれリーチ変動の変動パターンP4A,P5Aが指定された場合、ロゴ連続演出、及び抜刀連続演出が同一確率で決定される。また、連続演出振分テーブルTBによれば、大当り変動の変動パターンP4B,P5B,P6が指定された場合であって、特別図柄ZAが指定された場合には、ロゴ連続演出よりも抜刀連続演出のほうが決定され易い。また、連続演出振分テーブルTBによれば、大当り変動の変動パターンP4B,P5B,P6が指定された場合であって、特別図柄ZBが指定された場合には、抜刀連続演出よりもロゴ連続演出のほうが決定され易い。その一方で、大当り変動の変動パターンP4B,P5B,P6が指定された場合には、同一種類の特別図柄ZA,ZBが指定されていることを条件として、変動パターンの種類(変動サイクルの回数)に係わらず各連続演出の決定される割合が同一となる。
【0080】
このような構成から、本実施形態では、1回の図柄変動ゲームに含まれる変動サイクルの回数に応じて大当り期待度が変化する一方で、変動サイクルの回数が同一である場合、抜刀連続演出及びロゴ連続演出の間で大当り期待度が同一となる。また、本実施形態では、大当り図柄(特別図柄)の種類が確変大当りとなる特別図柄ZAの場合、ロゴ連続演出よりも抜刀連続演出が決定され易い。このため、本実施形態において、抜刀連続演出は、ロゴ連続演出と比較して、今回の図柄変動ゲームにおいて大当りとなった場合に、確変大当り(特別図柄ZA)となる可能性の高いことを示す連続演出として位置づけられる。その一方で、本実施形態において、ロゴ連続演出は、抜刀連続演出と比較して、今回の図柄変動ゲームにおいて大当りとなった場合に、確変大当り(特別図柄ZA)となる可能性の低いことを示す連続演出として位置付けられる。
【0081】
連続演出の種類を決定した場合、演出制御用CPU31aは、続けて予兆演出の実行可否の決定、及び実行可の場合の予兆演出の演出内容の選択を実行する。具体的に言えば、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cから第1演出振分用乱数の値を読み出すとともに、読み出した第1演出振分用乱数の値、指定された変動パターン、及び決定した連続演出の種類をもとに図9に示す第2予兆演出振分テーブルTCを参照して予兆演出の実行可否、及び実行可の場合の予兆演出の演出内容を選択する。この第2予兆演出振分テーブルTCは、演出制御用ROM31bに記憶されている。図9に示すように、第2予兆演出振分テーブルTCでは、連続演出の種類に区分して、変動パターン毎に予兆演出の演出内容を対応付けるとともに、各演出内容に対して第1演出振分用乱数の値が、この第1演出振分用乱数の値の取り得る数値(0〜1000の全1001通りの整数値)の中から所定個数ずつ振り分けられている。第2予兆演出振分テーブルTCによれば、例えば、変動パターンP4Bが指定されている場合であって、ロゴ連続演出を決定した場合には、1001分の51の確率で「なし」が、1001分の950の確率で「ロゴ予兆」が選択され得る。同様に、変動パターンP4Bが指定されている場合であって、抜刀連続演出を決定した場合には、1001分の51の確率で「なし」が、1001分の450の確率で「格上げ予兆」が、1001分の500の確率で「抜刀予兆」が選択され得る。
【0082】
第2予兆演出振分テーブルTCにおける第1演出振分用乱数の値の振り分け態様から、ロゴ連続演出の実行が決定されている場合には、「なし」、及び「ロゴ予兆」の何れかが選択され得る一方で、抜刀予兆、及び格上げ予兆が選択され得ない。また、第2予兆演出振分テーブルTCでは、抜刀連続演出の実行が決定されている場合、「なし」、「格上げ予兆」、及び「抜刀予兆」の何れかが選択され得る一方で、「ロゴ予兆」が選択され得ない。
【0083】
前述のように、ロゴ予兆は、ロゴ連続演出に対応する予兆演出であり、抜刀予兆、及び格上げ予兆は、抜刀連続演出に対応する予兆演出である。このため、本実施形態において、抜刀予兆及び格上げ予兆は、ロゴ予兆と比較して今回の図柄変動ゲームにおいて大当りとなった場合に、確変大当り(特別図柄ZA)となる可能性の高いことを示す予兆演出として位置付けられる。その一方で、本実施形態において、ロゴ予兆は、抜刀予兆及び格上げ予兆と比較して、今回の図柄変動ゲームにおいて大当りとなった場合に、確変大当り(特別図柄ZA)となる可能性の低いことを示す予兆演出として位置付けられる。また、本実施形態では、指定された変動パターン、及び決定した連続演出の種類に係わらず、決定した連続演出に対応する予兆演出の実行の決定される割合が同一となる。このため、本実施形態では、抜刀予兆及び格上げ予兆と、ロゴ予兆とで対応する連続演出が実行される可能性の高さが同一となる。
【0084】
そして、演出制御用CPU31aは、各変動パターンの入力を契機として、連続演出の種類、予兆演出の実行可否、予兆演出を実行可の場合の演出内容を決定すると、決定内容にしたがって演出表示装置11の表示内容、及び各可動体KK,RKの動作を制御して図柄変動ゲームを実行させる。したがって、本実施形態では、演出制御用CPU31aが特定演出制御手段として機能する。以下、図10及び図11にしたがって詳細に説明する。
【0085】
図10(a)に示すように、演出制御用CPU31aは、変動パターンP2の指定に基づきロゴ予兆の実行を決定した場合、図柄変動ゲーム(1回目の変動サイクル)が開始してから2.5秒間、ロゴ予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。また、図10(b)に示すように、演出制御用CPU31aは、変動パターンP2の指定に基づき抜刀予兆の実行を決定した場合、図柄変動ゲーム(1回目の変動サイクル)が開始してから2.5秒が経過する迄の間、抜刀予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。そして、図10(a),(b)に示すように、変動パターンP2を指定された演出制御用CPU31aは、はずれ短縮変動の変動内容で各列の図柄を順に一旦停止表示させてリーチを含まないはずれ図柄を導出させるとともに、図柄停止コマンドの入力を契機として全列の図柄を確定停止表示させて図柄変動ゲームを終了させる。
【0086】
図10(c)に示すように、演出制御用CPU31aは、変動パターンP1の指定に基づきロゴ予兆の実行を決定した場合、図柄変動ゲーム(1回目の変動サイクル)が開始してから2.5秒が経過する迄の間、ロゴ予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。図10(d)に示すように、演出制御用CPU31aは、変動パターンP1の指定に基づき抜刀予兆の実行を決定した場合、図柄変動ゲーム(1回目の変動サイクル)が開始してから2.5秒が経過する迄の間、抜刀予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。図10(e)に示すように、演出制御用CPU31aは、変動パターンP1の指定に基づき格上げ予兆の実行を決定した場合、図柄変動ゲームが開始してから2.5秒の間にかけてロゴ予兆が、図柄変動ゲームの開始から2.5秒の経過後、2.5秒の間にかけて抜刀予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。
【0087】
そして、図10(c)〜(e)に示すように、変動パターンP1を指定された演出制御用CPU31aは、はずれ通常変動の変動内容で各列の図柄を順に一旦停止表示させてリーチを含まないはずれ図柄を導出させるとともに、図柄停止コマンドの入力を契機として全列の図柄を確定停止表示させて図柄変動ゲームを終了させる。
【0088】
図10(f)に示すように、演出制御用CPU31aは、変動パターンP3の指定に基づき「ロゴ予兆」の実行を決定した場合、図柄変動ゲーム(1回目の変動サイクル)が開始してから2.5秒が経過する迄の間、ロゴ予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。図10(g)に示すように、演出制御用CPU31aは、変動パターンP3の指定に基づき格上げ予兆の実行を決定した場合、図柄変動ゲームが開始してから2.5秒の間にかけてロゴ予兆が、図柄変動ゲームの開始から2.5秒の経過後、2.5秒の間にかけて抜刀予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。図10(h)に示すように、演出制御用CPU31aは、変動パターンP3の指定に基づき抜刀予兆の実行を決定した場合、図柄変動ゲーム(1回目の変動サイクル)が開始してから2.5秒が経過する迄の間、抜刀予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。
【0089】
そして、図10(f)〜(h)に示すように、演出制御用CPU31aは、図柄変動ゲームの開始から8秒の経過後に左列(第1停止列)に、11秒の経過後に右列(第2停止列)に同一図柄を一旦停止表示させてリーチを形成するとともに、図柄変動ゲームの開始から12秒の経過後、中列の図柄を変動表示させたままリーチ演出を実行する。その後、変動パターンP3で特定される変動時間の終了時に中列に図柄を一旦停止表示させて、大当り図柄又ははずれ図柄を導出させるとともに、図柄停止コマンドの入力を契機として全列の図柄を確定停止表示させて図柄変動ゲームを終了させる。このため、変動パターンP1、及び変動パターンP3に基づく図柄変動ゲームでは、図柄変動ゲームの開始から右列(第2停止列)に図柄が一旦停止表示される迄の間における、各予兆演出の実行タイミング、及び図柄を一旦停止表示させるタイミングが同一タイミングとされる。
【0090】
続けて、図11(a)に示すように、演出制御用CPU31aは、変動パターンP5の指定に基づきロゴ連続演出の実行を決定した場合、各回の変動サイクルにおいて、該変動サイクルが開始してから2.5秒が経過する迄の間、ロゴ予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。また、演出制御用CPU31aは、ロゴ連続演出(変動サイクル×3回)の実行を決定しているため、各回の変動サイクルにおいて、各変動サイクルの開始から2.5秒の経過後、1.5秒の間にかけてロゴ演出が実行されるようにロゴ可動体RKの動作を制御する。
【0091】
図11(b)に示すように、演出制御用CPU31aは、変動パターンP5の指定に基づき抜刀連続演出の実行を決定するとともに、「抜刀予兆」の実行を決定した場合、各回の変動サイクルにおいて、該変動サイクルが開始してから2.5秒が経過する迄の間、抜刀予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。また、演出制御用CPU31aは、抜刀連続演出(変動サイクル×3回)の実行を決定しているため、1回目(初回)及び3回目(最終回)の変動サイクルにおいて、変動サイクルが開始してから10秒の経過後、1秒が経過する迄の間、抜刀演出が実行されるように刀可動体KKの動作を制御する。また、演出制御用CPU31aは、2回目の変動サイクルにおいて、変動サイクルが開始してから4秒が経過してから1秒が経過する迄の間、抜刀演出が実行されるように刀可動体KKの動作を制御する。
【0092】
図11(c)に示すように、演出制御用CPU31aは、変動パターンP5の指定に基づき抜刀連続演出の実行を決定するとともに、格上げ予兆の実行を決定した場合、初回の変動サイクルにおいて、該変動サイクルが開始してから2.5秒の間にかけてロゴ予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。続けて、演出制御用CPU31aは、初回の変動サイクルの開始から2.5秒の経過後、2.5秒の間にかけて抜刀予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。演出制御用CPU31aは、2回目、及び3回目の変動サイクルにおいて、各変動サイクルが開始してから2.5秒が経過する迄の間、抜刀予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。また、演出制御用CPU31aは、抜刀連続演出(変動サイクル×3回)の実行を決定しているため、1回目(初回)及び3回目(最終回)の変動サイクルにおいて、変動サイクルが開始してから10秒の経過後、1秒が経過する迄の間、抜刀演出が実行されるように刀可動体KKの動作を制御する。また、演出制御用CPU31aは、2回目の変動サイクルにおいて、変動サイクルが開始してから4秒が経過してから1秒が経過する迄の間、抜刀演出が実行されるように刀可動体KKの動作を制御する。
【0093】
そして、図11(a)〜(c)に示すように、演出制御用CPU31aは、初回の変動サイクルにおいて通常変動の変動内容で各列の図柄を順に一旦停止表示させ、図柄変動ゲームの開始から12秒後にリーチを含まないはずれ図柄を導出して変動サイクルを終了させる。演出制御用CPU31aは、図柄変動ゲームの開始から12秒の経過に伴って、再び全列の図柄を変動開始させて2回目の変動サイクルを開始させる。演出制御用CPU31aは、2回目の変動サイクルにおいて短縮変動の変動内容で各列の図柄を順に一旦停止表示させ、2回目の変動サイクルの開始から6秒(経過時間=18秒)後にリーチを含まないはずれ図柄を導出して変動サイクルを終了させる。演出制御用CPU31aは、2回目の変動サイクルの開始から6秒(経過時間=18秒)の経過に伴って再び全列の図柄の変動を開始させて最終回(3回目)の変動サイクルを開始させる。そして、演出制御用CPU31aは、最終回の変動サイクルにおいて、該最終回の変動サイクルの開始から8秒(経過時間=26秒)の経過後に左列(第1停止列)に、11秒(経過時間=29秒)の経過後に右列(第2停止列)に同一図柄を一旦停止表示させてリーチを形成する。そして、演出制御用CPU31aは、最終回の変動サイクルの開始から12秒(経過時間=30秒)の経過後、中図柄を変動表示させたままリーチ演出を実行する。その後、演出制御用CPU31aは、変動パターンP5で特定される変動時間の終了時に中列に図柄を一旦停止表示させて、大当り図柄又ははずれ図柄を導出させるとともに、図柄停止コマンドの入力を契機として全列の図柄を確定停止表示させて図柄変動ゲームを終了させる。
【0094】
なお、演出制御用CPU31aは、変動パターンP4(変動サイクル×2回)、又は変動パターンP6(変動サイクル×4回)を指定された場合、初回(1回目)の変動サイクルについて、変動パターンP5を指定された場合における初回の変動サイクルと同様に演出表示装置11、及び各可動体KK,RKを制御する。また、演出制御用CPU31aは、変動パターンP4、又は変動パターンP6を指定された場合、最終回の変動サイクルについて、変動パターンP5を指定された場合における最終回(3回目)の変動サイクルと同様に演出表示装置11及び各可動体KK,RKを制御する。また、演出制御用CPU31aは、変動パターンP6を指定された場合、2回目及び3回目の変動サイクルについて、変動パターンP5を指定された場合における2回目の変動サイクルと同様に演出表示装置11及び各可動体KK,RKを制御する。
【0095】
このため、変動パターンP4〜P6(変動サイクル×複数回)に基づく図柄変動ゲームにおいて、初回、及び最終回の変動サイクルでは、各予兆演出の実行タイミング、及び各列の図柄が一旦停止表示されるタイミングが変動パターンP1に基づくはずれ通常変動の図柄変動ゲームと同一になる。また、変動パターンP5,P6に基づく図柄変動ゲームにおいて、初回及び最終回を除く他の変動サイクルでは、各予兆演出の実行タイミング、及び各列の図柄が一旦停止表示されるタイミングが変動パターンP2に基づくはずれ短縮変動の図柄変動ゲームと同一になる。
【0096】
本実施形態のパチンコ遊技機では、各変動サイクルで実行される予兆演出の演出内容や、連続演出の種類によって今回の図柄変動ゲームの展開を報知することができる。以下、具体的に説明する。
【0097】
本実施形態では、初回の変動サイクルにおいてロゴ予兆が実行された状況から、今回の図柄変動ゲームにおいて、ロゴ予兆に対応するロゴ連続演出が実行される可能性のあることを認識させ得る。また、初回の変動サイクルにおいてロゴ予兆が実行された後、続けて抜刀予兆が実行される可能性があることを認識させ得る。
【0098】
また、ロゴ予兆が実行された場合には、今回の図柄変動ゲームで大当りとなった場合、抜刀予兆又は格上げ予兆が実行された場合と比較して、確変大当りとなる可能性が低いことを認識させ得る。また、本実施形態では、ロゴ連続演出が実行された状況(変動サイクル×複数回)から、ロゴ予兆のみが実行された場合(変動サイクル×1回)と比較して、大当り期待度が高いことを認識できるとともに、ロゴ連続演出を構成する変動サイクルの回数の増加に伴って大当り期待度が高くなることを認識できる。また、本実施形態では、ロゴ連続演出が実行された状況から、今回の図柄変動ゲームで大当りとなった場合、抜刀連続演出が実行された場合と比較して、確変大当りとなる可能性が低いことを認識させ得る。
【0099】
また、本実施形態では、初回の変動サイクルにおいて抜刀予兆又は格上げ予兆が実行された状況から、今回の図柄変動ゲームにおいて、抜刀予兆及び格上げ予兆に対応する抜刀連続演出が実行される可能性のあることを認識させ得る。また、抜刀予兆又は格上げ予兆が実行された場合には、今回の図柄変動ゲームで大当りとなった場合に、ロゴ予兆が実行された場合と比較して、確変大当りとなる可能性の高いことを認識させ得る。また、本実施形態では、抜刀連続演出が実行された状況(変動サイクル×複数回)から、抜刀予兆又は格上げ予兆のみが実行された場合(変動サイクル×1回)と比較して、大当り期待度が高いことを認識できるとともに、抜刀連続演出を構成する変動サイクルの回数の増加に伴って大当り期待度が高くなることを認識できる。また、本実施形態では、抜刀連続演出が実行された状況から、今回の図柄変動ゲームで大当りとなった場合、ロゴ連続演出が実行された場合と比較して、確変大当りとなる可能性が高いことを認識させ得る。
【0100】
このため、本実施形態のパチンコ遊技機では、少ない回数の変動サイクルからなる図柄変動ゲームが実行された場合であっても、抜刀連続演出や、抜刀連続演出に対応する予兆演出(抜刀予兆又は格上げ予兆)が実行されることで、確変大当りとなることに期待させることができる。また、本実施形態のパチンコ遊技機では、確変大当りとなる可能性の低いロゴ連続演出や、ロゴ連続演出に対応するロゴ予兆が実行された場合であっても、多い回数の変動サイクルからなる図柄変動ゲームが実行された場合には、今回の図柄変動ゲームで大当りとなることに期待させることができる。また、抜刀連続演出、及び抜刀連続演出に対応する予兆演出を伴って、多い回数の変動サイクルからなる図柄変動ゲームが実行された状況から、今回の図柄変動ゲームにおいて大当りとなり、かつ確変大当りとなる可能性の高いことを認識させ得る。
【0101】
上記第1の実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、予兆演出、及び開始報知演出を伴う単位変動(変動サイクル)の回数によって大当り期待度を報知する一方で、各単位変動にて実行される予兆演出や、開始報知演出(抜刀演出及びロゴ演出)によって、確変大当りとなるか否か(大当りの種類)を遊技者に報知できる。すなわち、例えば、単位変動(変動サイクル)の回数が少なくても抜刀連続演出に対応する予兆演出(抜刀予兆又は格上げ予兆)や、抜刀連続演出が実行された状況から、大当りとなる可能性が低くても、大当りとなれば確変大当りとなる可能性の高いことを遊技者に認識させ得る。このため、本実施形態では、単位変動(変動サイクル)の回数が少なくても確変大当りとなることに期待させ、遊技者の興趣を向上させることができる。
【0102】
(2)特に、本実施形態では、1回の図柄変動ゲームに含まれる変動サイクルの回数で大当り期待度を報知するようにしている。このため、1回の図柄変動ゲームに含まれる変動サイクルの回数に応じて大当りとなることに期待感を抱かせるとともに、変動サイクルの回数が少なくても確変大当りとなることに期待感を抱かせ、遊技者の興趣を向上させることができる。
【0103】
(3)所定回数の変動サイクルを含む図柄変動ゲームが抜刀連続演出や、抜刀連続演出に対応する予兆演出を伴って実行された場合には、より多い回数の変動サイクルを含む図柄変動ゲームがロゴ予兆や、ロゴ演出を伴って実行された場合と比較して、大当り期待度が低く、且つ大当りとなる場合には確変大当りとなる可能性が高いことが報知される。
【0104】
(4)本実施形態では、大当りとなる場合に確変大当りとなる可能性が高いか否かを、連続演出を構成する開始報知演出(ロゴ演出又は抜刀演出)や、予兆演出により報知している。したがって、遊技者により理解しやすい遊技演出を提供できるとともに、連続演出に対する期待感をより向上させることができる。
【0105】
(5)本実施形態では、ロゴ予兆が実行された場合であっても続けて抜刀予兆(すなわち格上げ予兆)が実行される可能性がある。したがって、最初の単位変動(変動サイクル)においてロゴ予兆が実行されたとしても、遊技者が抱く期待感を維持させることができる。
【0106】
(6)本実施形態では、2回以上の変動サイクルから構成される図柄変動ゲームを特定する変動パターンP4〜P6では、リーチ演出が行われる変動内容が特定されている。したがって、図柄変動ゲームにおいて予兆演出が実行された後、予兆演出に対応する開始報知演出が実行された状況から、今回の図柄変動ゲームが複数回の変動サイクルを含んでいること、及びリーチ演出が行われることを確定的に認識させることができる。
【0107】
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した第2の実施形態を図12〜図16にしたがって説明する。なお、以下の説明では、既に説明した実施形態と同一構成及び同一制御内容について同一符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略する。
【0108】
第1の実施形態では、1回の図柄変動ゲーム中に行われる変動サイクルを1回の単位変動とし、1回、又は複数回の変動サイクルから構成される図柄変動ゲームによって特殊変動演出を構成した。これに代えて、第2の実施形態では、1回の図柄変動ゲームを単位変動とし、1回、又は複数回の図柄変動ゲームによって特殊変動演出を構成した点で第1の実施形態と相違している。本実施形態の連続演出では、複数回の図柄変動ゲームを対象として図柄変動ゲーム毎に予兆演出、及び開始報知演出(ロゴ演出、又は抜刀演出)を表示することにより実行される。また、本実施形態では、開始報知演出を伴わないで単発の予兆演出が行われる図柄変動ゲームが1回の図柄変動ゲームから構成される特殊変動演出となる。なお、本実施形態では、説明を簡略化するため、第1の実施形態に用意された変動パターンのうち、複数回の変動サイクルを含む変動パターンP4〜P6を省略した構成として説明する。
【0109】
最初に、主制御用CPU30aが実行する特別図柄入力処理について、図12にしたがって説明する。本実施形態の特別図柄入力処理は、第1の実施形態の特別図柄入力処理と同様のステップSA1〜SA4の処理が行われる一方で、ステップSA4の処理に続けて先読みコマンド設定処理が行われる点でのみ異なっている。以下、先読みコマンド設定処理を中心に説明する。
【0110】
ステップSA4の処理において、主制御用CPU30aは、第1の実施形態と同様に、各種乱数の値(本実施形態では大当り判定用乱数の値、リーチ判定用乱数の値、及び特別図柄振分用乱数の値)を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を保留記憶数に対応する主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。ステップSA4の処理を終えた主制御用CPU30aは、続けて先読みコマンド設定処理を実行する。
【0111】
図12に示すように、先読みコマンド設定処理において、主制御用CPU30aは、ステップSA4で取得した大当り判定用乱数の値と、前述した大当り判定値のうち共通値とを比較し、両値が一致するか否かを事前判定する。すなわち、ステップSB1において、主制御用CPU30aは、ステップSA4で主制御用RAM30cに記憶させた始動保留球に基づく図柄変動ゲームが、大当り抽選時における遊技状態が確変状態及び非確変状態の何れであっても大当りとなるか否かを判定している。ステップSB1の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、ステップSA4で取得した特別図柄振分用乱数の値に対応する大当り図柄(特別図柄)が、確変大当りの特別図柄ZAであるか否かを判定する(ステップSB2)。
【0112】
ステップSB2の判定結果が肯定の場合(特別図柄ZAの場合)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数を確認するとともに、確認した保留記憶数に対応する先読みコマンド「E1HxxH」を演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する(ステップSB3)。なお、各先読みコマンドの下位バイトに示す「xxH」には、保留記憶数を示す値が設定される。例えば、下位バイトとして「01H」が設定された場合には、保留記憶数が1個であることを示し、下位バイトとして「03H」が設定された場合には、保留記憶数が3個であることを示す。したがって、先読みコマンド「E1HxxH」は、確変状態か否かを問わずに確変大当りとなること、及び大当りか否かの事前判定の時点における保留記憶数を特定可能な制御コマンドとなる。なお、ステップSB3の処理で主制御用CPU30aが確認する保留記憶数は、ステップSA3で1加算された更新後の保留記憶数である。その後、主制御用CPU30aは、先読みコマンド設定処理を終了する。
【0113】
また、ステップSB2の判定結果が否定の場合(特別図柄ZBの場合)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数を確認するとともに、確認した保留記憶数に対応する先読みコマンド「E2HxxH」を演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する(ステップSB4)。したがって、先読みコマンド「E2HxxH」は、確変状態か否かを問わずに非確変大当りとなること、及び大当りか否かの事前判定の時点における保留記憶数を特定可能な制御コマンドとなる。その後、主制御用CPU30aは、先読みコマンド設定処理を終了する。
【0114】
また、ステップSB1の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、ステップSA4で取得した大当り判定用乱数の値と、前述した大当り判定値のうち非共通値とを比較し、両値が一致するか否かを判定する(ステップSB5)。すなわち、ステップSB5において、主制御用CPU30aは、ステップSA4で主制御用RAM30cに記憶させた始動保留球に基づく図柄変動ゲームが、大当り抽選時における遊技状態が確変状態の場合にのみ大当りとなるか否かを事前判定している。ステップSB5の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、ステップSA4で取得した特別図柄振分用乱数の値に対応する大当り図柄(特別図柄)が、確変大当りの特別図柄ZAであるか否かを判定する(ステップSB6)。
【0115】
ステップSB6の判定結果が肯定の場合(特別図柄ZAの場合)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数を確認するとともに、確認した保留記憶数に対応する先読みコマンド「E3HxxH」を演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する(ステップSB7)。したがって、先読みコマンド「E3HxxH」は、確変状態の場合にのみ確変大当りとなること、及び大当りか否かの事前判定の時点における保留記憶数を特定可能な制御コマンドとなる。その後、主制御用CPU30aは、先読みコマンド設定処理を終了する。
【0116】
一方、ステップSB6の判定結果が否定の場合(特別図柄ZBの場合)、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数を確認するとともに、確認した保留記憶数に対応する先読みコマンド「E4HxxH」を演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する(ステップSB8)。したがって、先読みコマンド「E4HxxH」は、確変状態の場合にのみ非確変大当りとなること、及び大当りか否かの事前判定の時点における保留記憶数を特定可能な制御コマンドとなる。その後、主制御用CPU30aは、先読みコマンド設定処理を終了する。
【0117】
また、ステップSB5の判定結果が否定の場合(はずれの場合)、主制御用CPU30aは、ステップSA4で取得したリーチ判定用乱数の値と、リーチ判定値とを比較し、両値が一致するか否かを判定する(ステップSB9)。すなわち、ステップSB9において、主制御用CPU30aは、ステップSA4で主制御用RAM30cに記憶させた始動保留球に基づく図柄変動ゲームが、はずれリーチ変動となるか否かを事前判定している。ステップSB9の判定結果が肯定の場合(はずれリーチ変動の場合)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数を確認するとともに、確認した保留記憶数に対応する先読みコマンド「E5HxxH」を演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する(ステップSB10)。したがって、先読みコマンド「E5HxxH」は、はずれリーチとなること、及びリーチか否かの事前判定の時点における保留記憶数を特定可能な制御コマンドとなる。その後、主制御用CPU30aは、先読みコマンド設定処理を終了する。
【0118】
また、ステップSB9の判定結果が否定の場合(はずれの場合)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数を確認するとともに、確認した保留記憶数に対応する先読みコマンド「E6HxxH」を演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する(ステップSB11)。したがって、先読みコマンド「E6HxxH」は、はずれ変動となること、及び大当り(リーチ)か否かの事前判定の時点における保留記憶数を特定可能な制御コマンドとなる。その後、主制御用CPU30aは、先読みコマンド設定処理を終了する。本実施形態では、先読みコマンド設定処理を実行する主制御用CPU30aが、当り判定手段、及び当り種判定手段として機能する。
【0119】
次に、演出制御用CPU31aが主制御基板30(主制御用CPU30a)から先読みコマンドを入力した際に実行する演出設定処理について説明する。
演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから各先読みコマンドを入力すると、入力した先読みコマンド(制御コマンドの値)を、該コマンドで指定された保留記憶数に対応付けられた演出制御用RAM31cの記憶領域に記憶させる(設定する)。本実施形態の演出制御用RAM31cには、保留記憶数1〜4にそれぞれ対応付けた4つの記憶領域が設定されている。例えば、演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから先読みコマンド「E1H03H」を入力すると、先読みコマンド「E1H03H」を演出制御用RAM31cにおいて保留記憶数3に対応付けた記憶領域に記憶させる。同様に、演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから先読みコマンド「E6H01H」(はずれ変動)を入力すると、先読みコマンド「E6H01H」を演出制御用RAM31cにおいて保留記憶数1に対応付けられた領域に記憶させる。
【0120】
なお、演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから図柄変動ゲームの終了を指示される(図柄停止コマンドを入力する)毎に、現在の保留記憶数から−1(1減算)した保留記憶数に新たに対応付けて先読みコマンドを演出制御用RAM31cに記憶する更新記憶処理(所謂シフト処理)を実行する。具体的に言えば、演出制御用CPU31aは、保留記憶数n(n=2〜4)に対応する記憶領域に記憶されている先読みコマンドを、保留記憶数n−1(1〜3)に対応付けた記憶領域に記憶させる。なお、保留記憶数1に対応付けた記憶領域に記憶されている先読みコマンドは、更新記憶処理の実行に伴って保留記憶数2に記憶されていた先読みコマンドに上書きされる(すなわち消去される)。
【0121】
例えば、保留記憶数3に対応付けた記憶領域に先読みコマンド「E1H03H」が記憶されている場合に、図柄停止コマンドが入力されると、該先読みコマンド「E1H03H」は、保留記憶数2に対応付けた記憶領域に記憶される。また、保留記憶数1に対応付けた記憶領域に先読みコマンド「E6H01H」が記憶されている場合に、図柄停止コマンドが入力されると、該先読みコマンド「E6H01H」は、保留記憶数2に対応付けた記憶領域に記憶されていた先読みコマンドの値によって上書きされる。このような構成によれば、始動入賞口15で入賞検知されたことを契機として主制御用RAM30cに記憶された始動保留球に対応する先読みコマンドは、該対応する始動保留球に基づく図柄変動ゲームが終了する迄の間、演出制御用RAM31cに記憶保持されることになる。
【0122】
演出設定処理の説明に戻り、先読みコマンドを記憶させた演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから入力した先読みコマンド、及び演出制御用RAM31cにおける先読みコマンドの記憶状態をもとに、連続演出の実行可否を決定する。なお、本実施形態において、演出制御用CPU31aは、先読みコマンドで指定される保留記憶数分の図柄変動ゲーム(保留中の図柄変動ゲーム)を対象とした連続演出を実行するか否かを判定する。
【0123】
先読みコマンドを記憶させた演出制御用CPU31aは、入力した先読みコマンドが「E3HxxH」及び「E4HxxH」の何れかである場合、連続演出の非実行を一義的に決定して演出設定処理を終了する。すなわち、遊技状態が確変状態である場合にのみ大当りとなると事前判定された場合には、連続演出を実行させない。また、演出制御用CPU31aは、入力した先読みコマンドが「E1HxxH」、「E2HxxH」、「E5HxxH」、及び「E6HxxH」の何れかである場合、入力した先読みコマンドに指定される保留記憶数が2個以上(複数個)であるか否かを判定する。すなわち、演出制御用CPU31aは、複数回の図柄変動ゲームの実行が保留されているか否かを判定する。この判定結果が否定の場合(保留記憶数が1個以下の場合)、連続演出の非実行を一義的に決定して演出設定処理を終了する。一方、先読みコマンドに指定される保留記憶数が2個以上の場合、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cにおいて保留記憶数1〜4に対応付けられた記憶領域に、先読みコマンド「E1HxxH」〜「E5HxxH」の何れかが記憶されているか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、連続演出の非実行を一義的に決定して演出設定処理を終了する。したがって、本実施形態では、既に保留中の図柄変動ゲームに、大当り変動の図柄変動ゲーム、又ははずれリーチ変動の図柄変動ゲームが含まれている場合、新たな先読みコマンドの入力に基づき連続演出の非実行を決定する。
【0124】
その一方で、先読みコマンド「E1HxxH」〜「E5HxxH」の何れかが記憶されているか否かの前記判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cから第1演出振分用乱数の値を取得する。そして、演出制御用CPU31aは、取得した第1演出振分用乱数の値、及び入力した先読みコマンドをもとに図13に示す実行可否判定テーブルTDを参照して連続演出の実行可否を決定する。実行可否判定テーブルTDは、演出制御用ROM31bに記憶されている。図13に示すように、実行可否判定テーブルTDでは、先読みコマンドで特定可能な図柄変動ゲームの変動内容、及び保留記憶数(2〜4)との組み合わせ毎に第1演出振分用乱数の値が、この第1演出振分用乱数の値の取り得る数値(0〜1000の全1001通りの整数値)の中から所定個数ずつ振り分けられている。例えば、実行可否判定テーブルTDによれば、演出制御用CPU31aは、保留記憶数が3個の場合であって、先読みコマンドで「はずれ」が指定された場合には1001分の0の確率で、「はずれリーチ」が指定された場合には1001分の100の確率で連続演出の実行可を決定する。また、実行可否判定テーブルTDによれば、演出制御用CPU31aは、保留記憶数が3個の場合であって、先読みコマンドで「確変大当り」が指定された場合には1001分の500の確率で、「非確変大当り」が指定された場合には1001分の500の確率で連続演出の実行可を決定する。
【0125】
本実施形態では、実行可否判定テーブルTDにおける第1演出振分用乱数の値の振り分け態様によれば、先読みコマンドで「はずれ」が指定された場合であって、先読みコマンドで指定された保留記憶数が2個のときに連続演出の実行可を決定し得る一方で、保留記憶数が3個又は4個のときには連続演出の実行可を決定し得ない。また、本実施形態では、先読みコマンドで「はずれリーチ」が指定された場合であって、先読みコマンドで指定される保留記憶数が2個又は3個のときには連続演出の実行可を決定し得る一方で、保留記憶数が4個のときには連続演出の実行可を決定し得ない。また、本実施形態では、先読みコマンドで「確変大当り」又は「非確変大当り」が指定された場合、先読みコマンドで指定された保留記憶数が2〜4個の何れの場合であっても、連続演出の実行可を決定し得る。
【0126】
このため、本実施形態の連続演出は、3回以上の図柄変動ゲームを対象として実行された場合、連続演出の対象とされた図柄変動ゲームのうち、最終回の図柄変動ゲームにおいてはずれリーチ、又は大当りとなることを認識できるリーチ確定演出として位置付けられる。また、本実施形態の連続演出は、4回の図柄変動ゲームを対象として実行された場合、連続演出の対象とされた図柄変動ゲームのうち、最終回の図柄変動ゲームが大当りとなることを確定的に認識できる大当り確定演出として位置付けられる。そして、本実施形態では、特殊変動演出を構成する図柄変動ゲームの回数が1回、2回、3回、及び4回の順に増加する程、特殊変動演出を構成する図柄変動ゲームのうち最終回の図柄変動ゲームが大当りとなる大当り期待度が高くなる。すなわち、本実施形態では、特殊変動演出を構成する図柄変動ゲームの回数が1回、2回、3回、及び4回の順に増加する程、大当りとはずれの場合に選択される割合の合算割合に占める大当りの場合に選択される割合が高くなる。なお、1回の図柄変動ゲームから構成される特殊変動演出(単発の予兆演出)の実行に係る制御については後述する。以下の説明では、連続演出の対象とされた図柄変動ゲームのうち、最終回の図柄変動ゲームを単に「最終回の図柄変動ゲーム」と示す場合がある。本実施形態では、図柄変動ゲームの回数として1回〜3回が第1回数となり、4回が第2回数となる。
【0127】
連続演出の実行可を決定した場合、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cから第2演出振分用乱数の値を読み出すとともに、読み出した第2演出振分用乱数の値、及び先読みコマンドに指定された変動内容をもとに図14に示す連続演出振分テーブルTEを参照して連続演出の種類を決定する。連続演出振分テーブルTEは、演出制御用ROM31bに記憶されている。図14に示すように、連続演出振分テーブルTEでは、先読みコマンドに指定される変動内容としてはずれ、はずれリーチ、特別図柄ZA(確変大当り)、及び特別図柄ZB(非確変大当り)に区分して、変動内容毎に連続演出の種類としてロゴ連続演出、及び抜刀連続演出が対応付けられている。そして、連続演出振分テーブルTEでは、各連続演出に対して第2演出振分用乱数の値が、この第2演出振分用乱数の取り得る数値(0〜899までの全900通りの整数値)の中から所定個数ずつ振り分けられている。連続演出振分テーブルTEによれば、例えば、先読みコマンドではずれリーチが指定されている場合には、900分の450の確率で「ロゴ連続演出」が、900分の450の確率で「抜刀連続演出」が決定され得る。
【0128】
本実施形態では、連続演出振分テーブルTEにおける第2演出振分用乱数の値の振り分け態様によれば、先読みコマンドで変動内容としてはずれ又ははずれリーチが指定されている場合、ロゴ連続演出及び抜刀連続演出が同じ割合で決定され得る。また、連続演出振分テーブルTEによれば、先読みコマンドで変動内容として確変大当り(特別図柄ZA)が指定されている場合には、抜刀連続演出のほうがロゴ連続演出と比較して選択され易い。一方、連続演出振分テーブルTEによれば、先読みコマンドで変動内容として非確変大当り(特別図柄ZB)が指定されている場合には、ロゴ連続演出のほうが抜刀連続演出と比較して選択され易い。
【0129】
このような構成から、本実施形態では、連続演出の対象とされる図柄変動ゲームの回数が増加することに伴って大当り期待度が高くなる一方で、連続演出の対象とされる図柄変動ゲームの回数が同一である場合、抜刀連続演出及びロゴ連続演出の間で大当り期待度が同一となる。また、本実施形態では、先読みコマンドで変動内容として確変大当り(特別図柄ZA)が指定されている場合、ロゴ連続演出よりも抜刀連続演出のほうが決定され易い。このため、本実施形態において抜刀連続演出は、ロゴ連続演出と比較して、最終回の図柄変動ゲームが大当りとなった場合に、確変大当り(特別図柄ZA)となる可能性の高いことを示す連続演出として位置付けられる。その一方で、本実施形態においてロゴ連続演出は、抜刀連続演出と比較して、最終回の図柄変動ゲームが大当りとなった場合に、確変大当り(特別図柄ZA)となる可能性の低いことを示す連続演出として位置付けられる。
【0130】
連続演出の種類を決定すると、演出制御用CPU31aは、当該決定内容にしたがって、演出制御用RAM31cに記憶される連続演出フラグの値を設定する。連続演出フラグには、ロゴ連続演出を実行させることを示すロゴ連続演出フラグと、抜刀連続演出を実行させることを示す抜刀連続演出フラグとがある。また、各連続演出フラグの値は、対応する連続演出を実行する図柄変動ゲームの残り回数を示す。例えば、ロゴ連続演出フラグの値が「3」の場合、3回の図柄変動ゲームを対象としてロゴ連続演出を実行させることを示す。
【0131】
また、演出制御用CPU31aは、ロゴ連続演出の実行を決定した場合、入力した先読みコマンドで指定された保留記憶数をロゴ連続演出フラグに設定する。また、演出制御用CPU31aは、抜刀連続演出の実行を決定した場合、入力した先読みコマンドで指定された保留記憶数を抜刀連続演出フラグに設定する。例えば、演出制御用CPU31aは、先読みコマンド「E1H03H」を入力している場合であって、ロゴ連続演出の実行を決定した場合には、ロゴ連続演出フラグに「3」を設定する一方で、抜刀連続演出の実行を決定した場合には、抜刀連続演出フラグに「3」を設定する。
【0132】
連続演出の種類を決定した場合、演出制御用CPU31aは、続けて、連続演出の対象となる図柄変動ゲームにおける予兆演出の実行可否の決定、及び実行可の場合の予兆演出の演出内容の選択を実行する。具体的に言えば、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cから第1演出振分用乱数の値を読み出すとともに、該読み出した乱数の値、先読みコマンドで指定される変動内容、及び連続演出の種類をもとに図15に示す第3予兆演出振分テーブルTFを参照して予兆演出の実行可否、及び実行可の場合の予兆演出の演出内容を選択する。この第3予兆演出振分テーブルTFは、演出制御用ROM31bに記憶されている。図15に示すように、第3予兆演出振分テーブルTFでは、連続演出の種類に区分して、先読みコマンドで指定される変動内容毎に予兆演出の演出内容を対応付けるとともに、各演出内容に対して第1演出振分用乱数の値が該第1演出振分用乱数の値の取り得る数値(0〜1000の全1001通りの整数値)の中から所定個数ずつ振り分けられている。
【0133】
第3予兆演出振分テーブルTFによれば、例えば、先読みコマンドで変動内容として確変大当り(特別図柄ZA)が指定された場合であって、ロゴ連続演出を決定した場合には、1001分の51の確率で「なし」が、1001分の950の確率で「ロゴ予兆」が選択され得る。同様に、先読みコマンドで変動内容として確変大当り(特別図柄ZA)が指定された場合であって、抜刀連続演出を決定した場合には、1001分の51の確率で「なし」が、1001分の450の確率で「格上げ予兆」が、1001分の500の確率で「抜刀予兆」が選択され得る。
【0134】
本実施形態では、第3予兆演出振分テーブルTFにおける第1演出振分用乱数の値の振り分け態様から、ロゴ連続演出の実行が決定されている場合には、「なし」、及び「ロゴ予兆」の何れかが選択され得る一方で、抜刀予兆、及び格上げ予兆が選択され得ない。また、第3予兆演出振分テーブルTFでは、抜刀連続演出の実行が決定されている場合、「なし」、「格上げ予兆」、及び「抜刀予兆」の何れかが選択され得る一方で、「ロゴ予兆」が選択され得ない。
【0135】
本実施形態においてロゴ予兆は、ロゴ連続演出に対応する予兆演出であり、抜刀予兆、及び格上げ予兆は、抜刀連続演出に対応する予兆演出である。このため、本実施形態において、抜刀予兆及び格上げ予兆は、ロゴ予兆と比較して最終回の図柄変動ゲームが大当りとなった場合に、確変大当り(特別図柄ZA)となる可能性の高いことを示す予兆演出として位置付けられる、その一方で、本実施形態において、ロゴ予兆は、抜刀予兆及び格上げ予兆と比較して、最終回の図柄変動ゲームが大当りとなった場合に、確変大当り(特別図柄ZA)となる可能性の低いことを示す予兆演出として位置付けられる。また、本実施形態では、各連続演出を実行する対象の図柄変動ゲームの回数に係わらず、決定された連続演出に対応する予兆演出の実行が同一の割合で決定される。このため、本実施形態では、抜刀予兆及び格上げ予兆と、ロゴ予兆とで対応する連続演出が実行される可能性の高さが同一となる。
【0136】
予兆演出の演出内容を決定すると、演出制御用CPU31aは、決定した予兆演出の演出内容に対応する値を、演出制御用RAM31cに記憶される予兆演出フラグに設定する。予兆演出フラグは、その値として「0」が設定されている場合には予兆演出の非実行を示し、「1」が設定されている場合にはロゴ予兆の実行を示し、「2」が設定されている場合には格上げ予兆の実行を示し、「3」が設定されている場合には抜刀予兆の実行を示す。
【0137】
次に、演出制御用CPU31aが変動パターン指定コマンドを入力した際に実行する連続演出実行処理について説明する。
まず、連続演出実行処理において、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、演出制御用RAM31cにロゴ連続演出フラグ、又は抜刀連続演出フラグが設定されているか否か(1以上であるか否か)を判定する。
【0138】
ロゴ連続演出フラグが設定されている場合、演出制御用CPU31aは、ロゴ演出に対応する可動体演出用データを選択する。また、演出制御用CPU31aは、予兆演出フラグの値を参照するとともに、予兆演出フラグに「1」が設定されている場合に、ロゴ予兆に対応する効果画像の画像表示用データを選択する。なお、演出制御用CPU31aは、予兆演出フラグが設定されていない場合(「0」が設定されている場合)、効果画像の画像表示用データを選択せず、予兆演出を実行させない。
【0139】
また、抜刀連続演出フラグが設定されている場合、演出制御用CPU31aは、予兆演出フラグの値を参照する。演出制御用CPU31aは、予兆演出フラグに「3(抜刀演出)」が設定されている場合、抜刀予兆に対応する効果画像の画像表示用データ、及び抜刀演出に対応する可動体演出用データを選択する。また、演出制御用CPU31aは、予兆演出フラグが設定されていない場合(「0」が設定されている場合)、効果画像の画像表示用データを選択せず、予兆演出を実行させないとともに、抜刀演出に対応する可動体演出用データを選択する。
【0140】
また、演出制御用CPU31aは、予兆演出フラグに「2(格上げ予兆)」が設定されている場合、演出制御用RAM31cに記憶される実行済みフラグが設定されているか否かを判定する。実行済みフラグは、その値として「1」が設定されている場合には、格上げ予兆を実行済みであることを示す一方で、その値として「0」が設定されている場合には、格上げ予兆を実行済みではないことを示す。演出制御用CPU31aは、実行済みフラグが設定されている場合(「1」の場合)、抜刀予兆に対応する効果画像の画像表示用データ、及び抜刀演出に対応する可動体演出用データを選択する。
【0141】
また、演出制御用CPU31aは、実行済みフラグが設定されていない場合(「0」の場合)、さらに変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンが変動パターンP1(はずれ通常変動)、変動パターンP3A(はずれリーチ)、及び変動パターンP3B(大当り変動)の何れかであるか否かを判定する。変動パターンP1,P3の何れかが指定されている場合、演出制御用CPU31aは、今回の図柄変動ゲームで格上げ予兆を実行させるため、ロゴ予兆に対応する効果画像の画像表示用データ、及び抜刀予兆に対応する効果画像の画像表示用データを選択する。このとき、演出制御用CPU31aは、抜刀演出に対応する可動体演出用データも併せて選択する。そして、演出制御用CPU31aは、実行済みフラグに「1」を設定する。
【0142】
一方、演出制御用CPU31aは、変動パターンP2(はずれ短縮変動)を指定されている場合、今回の図柄変動ゲームで格上げ予兆を実行させないでロゴ予兆を実行させるため、ロゴ予兆に対応する効果画像の画像表示用データ、及びロゴ演出に対応する可動体演出用データを選択する。また、実行済みフラグが設定されている場合(「1」の場合)、演出制御用CPU31aは、今回の図柄変動ゲームで抜刀予兆を実行させるため、抜刀予兆に対応する効果画像の画像表示用データ、及び抜刀演出に対応する可動体演出用データを選択する。
【0143】
また、各連続演出フラグが何れも設定されていない場合、演出制御用CPU31aは、続けて今回の図柄変動ゲームにおいて単発の予兆演出(1回の図柄変動ゲームからなる特殊変動演出)を実行するか否かを判定する。具体的に言えば、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cから第1演出振分用乱数の値を取得するとともに、取得した乱数の値と、変動パターン指定コマンド及び停止図柄指定コマンドで特定できる今回の図柄変動ゲームの変動内容とをもとに、図16に示す第4予兆演出振分テーブルTGを参照して予兆演出の演出内容を選択する。なお、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンに基づき、図柄変動ゲームの変動内容としてはずれ通常変動、はずれ短縮変動、はずれリーチ変動、及び大当り変動の何れであるかを認識する。また、変動パターン指定コマンドで大当り変動の変動パターンP3Bが指定された場合、演出制御用CPU31aは、停止図柄指定コマンドで指定される大当り図柄(特別図柄)に基づき、確変大当り(大当り図柄ZA)、及び非確変大当り(特別図柄ZB)の何れであるかを認識する。
【0144】
第4予兆演出振分テーブルTGは、演出制御用ROM31bに記憶されている。第4予兆演出振分テーブルTGでは、今回の図柄変動ゲームの変動内容毎に予兆演出の演出内容が対応付けられているとともに、予兆演出の演出内容毎に第1演出振分用乱数の値が、この第1演出振分用乱数の値の取り得る数値(0〜1000の全1001通りの整数値)の中から所定個数ずつ振り分けられている。例えば、今回の図柄変動ゲームの変動内容がはずれリーチである場合、演出制御用CPU31aは、1001分の941の確率で「なし」を、1001分の30の確率で「ロゴ予兆」を、1001分の15の確率で「格上げ予兆」を、1001分の15の確率で「抜刀予兆」を選択し得る。同様に、例えば、今回の図柄変動ゲームが確変大当り(特別図柄ZA)の大当り変動である場合、演出制御用CPU31aは、1001分の301の確率で「なし」を、1001分の100の確率で「ロゴ予兆」を、1001分の300の確率で「格上げ予兆」を、1001分の300の確率で「抜刀予兆」を選択し得る。
【0145】
本実施形態では、第4予兆演出振分テーブルTGにおける第1演出振分用乱数の値の振り分け態様によれば、はずれの変動パターンP1,P2,P3Aが指定された場合には、予兆演出の演出内容として「ロゴ予兆」が選択される割合と、「格上げ予兆」及び「抜刀予兆」の何れかが選択される割合が同一割合(何れも1001分の30)となる。また、第4予兆演出振分テーブルTGにおける第1演出振分用乱数の値の振り分け態様によれば、はずれ短縮変動の変動パターンP2が指定された場合には、予兆演出の演出内容として「格上げ予兆」が選択され得ない。
【0146】
そして、演出制御用CPU31aは、予兆演出の演出内容として「なし」を選択した場合、効果画像の画像表示用データを選択せず、予兆演出を実行させない。また、演出制御用CPU31aは、予兆演出の演出内容として「ロゴ予兆」を選択した場合、ロゴ予兆に対応する効果画像の画像表示用データを選択する。演出制御用CPU31aは、予兆演出の演出内容として「抜刀予兆」を選択した場合、抜刀予兆に対応する効果画像の画像表示用データを選択する。演出制御用CPU31aは、予兆演出の演出内容として「格上げ予兆」を選択した場合、ロゴ予兆、及び抜刀予兆に対応する効果画像の画像表示用データを選択する。
【0147】
その後、演出制御用CPU31aは、計測した経過時間、及び予兆演出用の画像表示用データをもとに演出表示装置11を制御し、図柄変動ゲームの実行中に各予兆演出(ロゴ予兆及び抜刀予兆)を実行させる。また、演出制御用CPU31aは、計測した経過時間、及び可動体演出用データをもとに各可動体KK,RKの動作を制御し、図柄変動ゲームの実行中に開始報知演出(ロゴ演出及び抜刀演出)を実行させる。
【0148】
また、演出制御用CPU31aは、ロゴ連続演出フラグ、又は抜刀連続演出フラグが設定されている場合、図柄変動ゲームが終了する毎(図柄停止コマンドを入力する毎)に連続演出フラグの値を−1(1減算)する。また、演出制御用CPU31aは、連続演出フラグの値を−1(1減算)したことに伴って、連続演出フラグの値が0(零)となった場合、設定されている予兆演出フラグ、及び実行済みフラグの値をリセット(クリア)する。
【0149】
以下、本実施形態の演出制御用CPU31aが演出表示装置11に予兆演出を実行させる際の制御内容、及び各可動体KK,RKに開始報知演出を実行させる際の制御内容について、図10、及び図11にしたがって説明する。なお、図10、及び図11に示す「1回目」、「2回目」、及び「3回目」は、第1の実施形態では変動サイクルの回数を示したが、本実施形態では図柄変動ゲームの回数として読み替えるものとする。
【0150】
図10(a)〜(h)に示すように、連続演出フラグが設定されていないことに基づき、演出制御用CPU31aが各予兆演出の実行を決定した場合に関して、演出制御用CPU31aが実行する制御内容は、第1の実施形態において変動パターンP1〜P3が指定された場合の制御内容と同一であるので、その説明を省略する。
【0151】
図11(a)は、先読みコマンド「E5H03H」の入力を契機として、ロゴ連続演出、及びロゴ予兆の実行を決定した状況を示す。また、図11(a)では、1回目の図柄変動ゲームにおいて始動入賞口15に遊技球が入球し、2回目の図柄変動ゲームの開始直前の保留記憶数が4個となることにより、1回目の図柄変動ゲームが変動パターンP1にて、2回目の図柄変動ゲームが変動パターンP2にて実行された状況を示す。この場合、演出制御用CPU31aは、1回目〜3回目の図柄変動ゲームが開始してから2.5秒の間にかけてロゴ予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。また、演出制御用CPU31aは、各図柄変動ゲームにおいて、各図柄変動ゲームの開始から2.5秒の経過後、1.5秒の間にかけてロゴ演出が実行されるようにロゴ可動体RKの動作を制御する。なお、先読みコマンド「E1HxxH」、「E2HxxH」、及び「E6HxxH」の入力を契機に、ロゴ連続演出、及びロゴ予兆の実行を決定した場合における演出制御用CPU31aの制御内容は同様であるのでその詳細な説明を省略する。
【0152】
図11(b)は、先読みコマンド「E5H03H」の入力を契機として、抜刀連続演出、及び抜刀予兆の実行を決定した状況を示す。また、図11(b)では、1回目の図柄変動ゲームにおいて始動入賞口15に遊技球が入球し、2回目の図柄変動ゲームの開始直前の保留記憶数が4個となることにより、1回目の図柄変動ゲームが変動パターンP1にて、2回目の図柄変動ゲームが変動パターンP2にて実行された状況を示す。この場合、演出制御用CPU31aは、1回目〜3回目の図柄変動ゲームが開始してから2.5秒の間にかけて抜刀予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。また、演出制御用CPU31aは、1回目及び3回目(最終回)の図柄変動ゲームにおいて、各図柄変動ゲームが開始してから10秒の経過後、1秒が経過する迄の間、抜刀演出が実行されるように刀可動体KKの動作を制御する。また、演出制御用CPU31aは、2回目の図柄変動ゲームにおいて、図柄変動ゲームが開始してから4秒の経過後、1秒が経過する迄の間、抜刀演出が実行されるように刀可動体KKの動作を制御する。なお、先読みコマンド「E1HxxH」、「E2HxxH」、及び「E6HxxH」の入力を契機に、抜刀連続演出、及び抜刀予兆の実行を決定した場合における演出制御用CPU31aの制御内容は同様であるのでその詳細な説明を省略する。
【0153】
図11(c)は、先読みコマンド「E5H03H」の入力を契機として、抜刀連続演出、及び格上げ予兆の実行を決定した状況を示す。また、図11(c)では、1回目の図柄変動ゲームにおいて始動入賞口15に遊技球が入球し、2回目の図柄変動ゲームの開始直前の保留記憶数が4個となることにより、1回目の図柄変動ゲームが変動パターンP1にて、2回目の図柄変動ゲームが変動パターンP2にて実行された状況を示す。この場合、演出制御用CPU31aは、1回目の図柄変動ゲームにおいて、該図柄変動ゲームが開始してから2.5秒の間にかけてロゴ予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。続けて、演出制御用CPU31aは、1回目の図柄変動ゲームの開始から2.5秒の経過後、2.5秒の間にかけて抜刀予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。演出制御用CPU31aは、2回目及び3回目の図柄変動ゲームが開始してから2.5秒の間にかけて抜刀予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。また、演出制御用CPU31aは、1回目及び3回目(最終回)の図柄変動ゲームにおいて、各図柄変動ゲームが開始してから10秒の経過後、1秒が経過する迄の間、抜刀演出が実行されるように刀可動体KKの動作を制御する。また、演出制御用CPU31aは、2回目の図柄変動ゲームにおいて、図柄変動ゲームが開始してから4秒の経過後、1秒が経過する迄の間、抜刀演出が実行されるように刀可動体KKの動作を制御する。
【0154】
また、先読みコマンド「E5H03H」の入力を契機として、抜刀連続演出、及び格上げ予兆の実行を決定するとともに、1回目及び2回目の図柄変動ゲームの開始直前の保留記憶数が4個となることにより、1回目及び2回目の図柄変動ゲームが変動パターンP2にて実行された場合について説明する。この場合、演出制御用CPU31aは、1回目及び2回目の図柄変動ゲームにおいて、各図柄変動ゲームが開始してから2.5秒の間にかけてロゴ予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。また、演出制御用CPU31aは、1回目、及び2回目の図柄変動ゲームにおいて、各図柄変動ゲームの開始から2.5秒の経過後、1.5秒の間にかけてロゴ演出が実行されるようにロゴ可動体RKの動作を制御する。演出制御用CPU31aは、3回目の図柄変動ゲームにおいて、該図柄変動ゲームが開始してから2.5秒の間にかけてロゴ予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。続けて、演出制御用CPU31aは、3回目の図柄変動ゲームの開始から2.5秒の経過後、2.5秒の間にかけて抜刀予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。また、演出制御用CPU31aは、3回目の図柄変動ゲームにおいて、図柄変動ゲームが開始してから10秒の経過後、1秒が経過する迄の間、抜刀演出が実行されるように刀可動体KKの動作を制御する。
【0155】
また、先読みコマンド「E5H03H」の入力を契機として、抜刀連続演出、及び格上げ予兆の実行を決定するとともに、1回目の図柄変動ゲームの開始直前の保留記憶数が4個となることにより、1回目の図柄変動ゲームが変動パターンP2にて、2回目の図柄変動ゲームが変動パターンP1にて実行された場合について説明する。すなわち、4回の図柄変動ゲームが保留中であり、そのうち1回目〜3回目の図柄変動ゲームを対象として連続演出が実行される場合について説明する。この場合、演出制御用CPU31aは、1回目及び2回目の図柄変動ゲームにおいて、1回目及び2回目の図柄変動ゲームが開始してから2.5秒の間にかけてロゴ予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。また、演出制御用CPU31aは、2回目の図柄変動ゲームにおいて、該図柄変動ゲームの開始から2.5秒の経過後、2.5秒の間にかけて抜刀予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。演出制御用CPU31aは、3回目の図柄変動ゲームが開始してから2.5秒の間にかけて抜刀予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。演出制御用CPU31aは、1回目の図柄変動ゲームにおいて、図柄変動ゲームの開始から2.5秒の経過後、1.5秒の間にかけてロゴ演出が実行されるようにロゴ可動体RKの動作を制御する。また、演出制御用CPU31aは、2回目、及び3回目(最終回)の図柄変動ゲームにおいて、図柄変動ゲームが開始してから10秒の経過後、1秒が経過する迄の間、抜刀演出が実行されるように刀可動体KKの動作を制御する。
【0156】
なお、先読みコマンド「E1HxxH」、「E2HxxH」、及び「E6HxxH」の入力を契機に、抜刀連続演出、及び格上げ予兆の実行を決定した場合における演出制御用CPU31aの制御内容は同様であるのでその詳細な説明を省略する。すなわち、演出制御用CPU31aは、格上げ予兆の実行を決定した場合、連続演出の対象とされた図柄変動ゲームのうち、変動パターンP1,P3の何れかで実行される最初の図柄変動ゲームで格上げ予兆を実行させる。また、演出制御用CPU31aは、格上げ予兆の実行を決定した場合であって、最終回の図柄変動ゲームが終了する迄の間に変動パターンP1,P3の何れかに基づく図柄変動ゲームが実行されない場合、格上げ予兆を実行させない。
【0157】
上記構成により、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、各図柄変動ゲームで実行される予兆演出の演出内容、及び連続演出の種類によって連続演出の対象とされた図柄変動ゲームの展開を報知することができる。以下、具体的に説明する。
【0158】
すなわち、本実施形態では、図柄変動ゲームにおいてロゴ予兆が実行された状況から、今回の図柄変動ゲームを1回目として、ロゴ予兆に対応するロゴ連続演出が実行される可能性のあることを認識させ得る。また、連続演出の対象とされた図柄変動ゲームのうち、何れかの図柄変動ゲームの実行中に格上げ予兆が実行される可能性のあることを認識させ得る。
【0159】
また、ロゴ予兆が実行された場合には、最終回の図柄変動ゲームが大当りとなった場合、抜刀予兆又は格上げ予兆が実行された場合と比較して、確変大当りとなる可能性が低いことを認識させ得る。また、本実施形態では、ロゴ連続演出が実行された状況から、単発のロゴ予兆のみが実行された場合と比較して、大当り期待度が高いことを認識できるとともに、ロゴ連続演出の対象となる図柄変動ゲームの回数の増加に伴って大当り期待度が高くなることを認識できる。また、本実施形態では、ロゴ連続演出が実行された状況から、最終回の図柄変動ゲームが大当りとなった場合、抜刀連続演出が実行された場合と比較して、確変大当りとなる可能性が低いことを認識させ得る。
【0160】
また、本実施形態では、図柄変動ゲームにおいて抜刀予兆又は格上げ予兆が実行された状況から、今回の図柄変動ゲームを1回目として、抜刀予兆及び格上げ予兆に対応する抜刀連続演出が実行される可能性のあることを認識させ得る。また、抜刀予兆又は格上げ予兆が実行された場合には、最終回の図柄変動ゲームが大当りとなった場合に、ロゴ予兆が実行された場合と比較して、確変大当りとなる可能性が高いことを認識させ得る。また、本実施形態では、抜刀連続演出が実行された状況から、単発の抜刀予兆又は格上げ予兆のみが実行された場合と比較して、大当り期待度が高いことを認識できるとともに、抜刀連続演出の対象となる図柄変動ゲームの回数の増加に伴って大当り期待度が高くなることを認識できる。また、本実施形態では、抜刀連続演出が実行された状況から、最終回の図柄変動ゲームが大当りとなった場合、ロゴ連続演出が実行された場合と比較して、確変大当りとなる可能性が高いことを認識させ得る。
【0161】
このため、本実施形態のパチンコ遊技機では、少ない回数の図柄変動ゲームを対象に連続演出が実行された場合であっても、抜刀連続演出や、抜刀連続演出に対応する予兆演出(抜刀予兆又は格上げ予兆)が実行されることで、確変大当りとなることに期待させることができる。また、本実施形態のパチンコ遊技機では、確変大当りとなる可能性の低いロゴ連続演出や、ロゴ連続演出に対応するロゴ予兆が実行された場合であっても、多い回数の図柄変動ゲームを対象に連続演出が実行された場合には、最終回の図柄変動ゲームが大当りとなることに期待させることができる。そして、抜刀連続演出、及び抜刀連続演出に対応する予兆演出を伴って、多い回数の図柄変動ゲームを対象に連続演出が実行された状況から、最終回の図柄変動ゲームが大当りとなり、かつ確変大当りとなる可能性の高いことを認識させ得る。
【0162】
上記第2の実施形態によれば、1回の図柄変動ゲームを1の単位変動として扱うことにより、第1の実施形態の作用効果(1)、(4)、及び(5)に加えて以下の効果を得ることができる。
【0163】
(7)本実施形態では、予兆演出や開始報知演出を伴う図柄変動ゲームの回数で大当り期待度を報知している。このため、本実施形態では、予兆演出、及び開始報知演出を伴う図柄変動ゲームの実行回数に応じて大当りとなることに期待感を抱かせるとともに、図柄変動ゲームの回数が少なくても確変大当りとなることに期待感を抱かせ、遊技者の興趣を向上させることができる。
【0164】
(8)少ない回数の図柄変動ゲームが抜刀連続演出に対応する予兆演出や、抜刀演出を伴って実行された場合には、より多い回数の図柄変動ゲームがロゴ予兆や、ロゴ演出を伴って実行された場合と比較して、大当り期待度が低く且つ大当りとなる場合には確変大当りとなる可能性が高いことが報知される。
【0165】
(9)本実施形態では、保留記憶数が2以上(複数個)の場合に連続演出の実行可が決定され、開始報知演出が実行される。したがって、図柄変動ゲームにおいて予兆演出が実行された後、予兆演出に対応する開始報知演出が実行された状況から、開始報知演出が複数回の図柄変動ゲームを対象として実行されること(連続演出が実行されること)を確定的に認識させることができる。
【0166】
(10)本実施形態では、ロゴ予兆、及び抜刀予兆の演出時間としてそれぞれ2.5秒が設定されているため、格上げ予兆の実行には2.5秒+2.5秒=5秒の演出時間を要する。これに対して、はずれ短縮変動の図柄変動ゲームにおいて、図柄変動ゲームの開始から左列(第1停止列)に図柄が一旦停止表示される迄の時間として4秒が設定されている。このため、格上げ予兆は、はずれ短縮変動の図柄変動ゲームにおいて左列に図柄が一旦停止表示される迄の間に完結せず、さらに右列(第2停止列)に図柄が一旦停止表示される1秒前から実行すべき抜刀演出の開始前に完結しない。したがって、格上げ予兆は、はずれ短縮変動の図柄変動ゲームで実行できず、はずれ通常変動、はずれリーチ変動、又は大当り変動の図柄変動ゲームでのみ実行可能な遊技演出として位置付けられる。前述のように、本実施形態では、はずれが決定された場合、大当り抽選の時点における保留記憶数に応じてはずれ通常変動の変動パターンP1、及びはずれ短縮変動の変動パターンP2の何れかが決定されるため、格上げ演出を実行可能なはずれ変動の図柄変動ゲームを事前に特定することができない。例えば、保留中の図柄変動ゲームのうち、はずれリーチ変動や、大当り変動の図柄変動ゲームを特定し、当該はずれリーチ変動や、大当り変動の図柄変動ゲーム中に格上げ演出を実行させることも考えられる。しかしながら、はずれリーチ変動や、大当り変動の出現率が一般に低いことを考え合わせると、格上げ演出の出現率そのものが低下し、格上げ演出によって遊技者の興趣を十分に向上させることができない虞がある。これに対して、本実施形態では、格上げ予兆の実行が決定された場合、はずれ通常変動の図柄変動ゲームが実行された場合に、当該はずれ通常変動の図柄変動ゲームで格上げ演出を実行可能とし、このような問題を好適に解決している。
【0167】
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 第1の実施形態において、格上げ予兆を最終回の通常変動の変動サイクルで実行してもよい。また、格上げ予兆を実行する変動サイクルを、初回及び最終回の変動サイクルのうちから抽選により選択してもよい。
【0168】
・ 第1の実施形態において、短縮変動の変動サイクルのみから構成される連続演出を変動内容として特定する変動パターンを設けてもよい。このように構成すれば、初回の変動サイクルが短縮変動であった場合に、格上げ予兆を実行可能な通常変動の変動サイクルが実行される場合と、実行されない場合を作り出すことができる。したがって、格上げ予兆の実行を期待する遊技者の興趣をより向上させることができる。
【0169】
・ 第1の実施形態において、各変動パターンP4〜P6に特定される回数分の変動サイクルにおいて、通常変動と短縮変動の実行順序を変更可能に構成してもよい。具体的に言えば、まず、演出制御用ROM31bに、各変動パターンP4〜P6に特定される複数回の変動サイクルとして、通常変動及び短縮変動を含んで構成されるとともに、最終回の変動サイクルとして短縮変動を定めた第1のサイクルパターンと、通常変動及び短縮変動を含んで構成されるとともに、最終回の変動サイクルとして通常変動を定めた第2のサイクルパターンを記憶させる。そして、演出制御用CPU31aは、変動パターンP4〜P6が指定された場合に、第1,第2のサイクルパターンのうちから1つのサイクルパターンを決定するとともに、決定したサイクルパターンに基づき演出表示装置11の表示内容を制御してもよい。このように構成することで、変動サイクルの経過状況から、今回の変動サイクルが最終回の変動サイクルであるか否かを遊技者に認識させ難くすることができる。この場合、演出制御用CPU31aは、格上げ予兆の実行を決定した場合、通常変動の変動サイクルにおいて格上げ予兆を一義的に実行させるとともに、格上げ予兆を実行させる通常変動の変動サイクルより前の変動サイクルでロゴ予兆を実行させる一方、格上げ予兆を実行させる通常変動の変動サイクルより後の変動サイクルで抜刀予兆を実行させる。このため、本別例(変形例)では、通常変動の変動サイクルが最終回の変動サイクルでなかったとしても、遊技者の期待感を高め、連続演出の興趣をより向上させることができる。また、格上げ予兆を実行する変動サイクルを別途、決定する構成と比較して、制御構成を簡略化できる。また、本別例では、複数回の通常変動の変動サイクルを含むようにサイクルパターンを設けてもよい。この場合、格上げ予兆を実行する変動サイクルとして、複数回の通常変動の変動サイクルのうち、何れか1回の変動サイクルを抽選で選択してもよく、最も先の変動サイクル又は最も後の変動サイクルを一義的に選択してもよい。
【0170】
・ 第1の実施形態において、開始報知演出は2回目以降の変動サイクルから実行してもよい。同様に、第2の実施形態において、開始報知演出は、連続演出の対象となる図柄変動ゲームのうち2回目以降の図柄変動ゲームから実行してもよい。前述のように、各実施形態では、ロゴ予兆がロゴ連続演出に対応付けられ、且つ抜刀予兆及び格上げ予兆が抜刀連続演出に対応付けられていることから、連続演出は各予兆演出が実行される初回の単位変動(変動サイクル又は図柄変動ゲーム)を含めて構成されていると把握できる。
【0171】
・ 第1の実施形態において、変動パターンP3〜P6の図柄変動ゲームに含まれる最終回の変動サイクルでは、リーチ演出を実行する際に中列に図柄を一旦停止表示させるとともに、該一旦停止表示させた中列を再変動させてからリーチ演出を実行してもよい。このように構成することで、最終回の変動サイクルにおけるサイクル時間をより明確に遊技者に認識させることができる。
【0172】
・ 第1の実施形態において、複数回の変動サイクルから構成され且つリーチ演出を含まない変動内容を特定するはずれ変動用の変動パターンを設けるとともに、変動パターンP4が決定された場合と同様に連続演出の種類の決定、予兆演出の実行可否の決定、及び予兆演出を実行可の場合の演出内容の選択を実行してもよい。この場合、予兆演出や、開始報知演出が出現した場合であっても、複数回の変動サイクルから構成される連続演出を経て、最終的にリーチ演出が実行されない状況(所謂ガセの連続演出)を作り出すことができる。
【0173】
・ 第2の実施形態において、保留記憶数に応じて変動パターンP1,P2を選択しないようにしてもよい。この場合、全てのはずれ変動として、変動パターンP1を選択する。このように構成すれば、連続演出の対象となる図柄変動ゲームの全てで格上げ演出を実行できる。
【0174】
・ 第2の実施形態において、先読みコマンド「E6HxxH」で保留記憶数として3個以上が指定された場合や、先読みコマンド「E5HxxH」で保留記憶数として4個が指定された場合にも、連続演出の実行可を決定するようにしてもよい。
【0175】
・ 第2の実施形態において、先読みコマンドで2個以上の保留記憶数が指定されていることを条件に格上げ予兆を決定するようにしてもよい。
・ 第2の実施形態において、遊技状態が確変状態である場合に、先読みコマンド「E3HxxH」、及び「E4HxxH」の入力に基づき連続演出を実行するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU31aは、主制御基板30(主制御用CPU30a)から確変コマンドを入力している場合に確変状態と判定する一方で、非確変コマンドを入力している場合に非確変状態と判定するようにする。そして、演出制御用CPU31aは、確変状態において先読みコマンド「E3HxxH」、又は「E4HxxH」を入力した場合、先読みコマンド「E1HxxH」、及び「E2HxxH」を入力した場合と同様に連続演出の実行可否、連続演出の種類の決定、及び予兆演出の演出内容の決定をすればよい。
【0176】
・ 各実施形態において、開始報知演出は、2回以上(複数回)の単位変動(変動サイクル、又は図柄変動ゲーム)からなる特殊変動演出が実行されることを確定的に報知する遊技演出として位置付けなくてもよい。この場合、第1の実施形態では、図7に示す第1予兆演出振分テーブルTAを参照して予兆演出の実行を決定した場合、対応する連続演出の開始報知演出を実行させればよい。また、第2の実施形態では、図16に示す第4予兆演出振分テーブルTGを参照して予兆演出の実行を決定した場合、対応する連続演出の開始報知演出を実行させればよい。このように構成しても、予兆演出、及び連続演出(開始報知演出)によって大当りの種類を報知できる。
【0177】
・ 各実施形態において、各予兆演出により異なる図柄変動ゲームの展開を報知するようにしてもよい。例えば、効果画像REとは異なる効果画像を用いた特別ロゴ予兆を実行可能とするとともに、特別ロゴ予兆が実行された場合には、特別ロゴ予兆が実行された単位変動(変動サイクル、又は図柄変動ゲーム)においてリーチが形成、又は開始報知演出が実行されることを認識できるようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU31aは、はずれリーチ変動、又は大当り変動の何れかが指定されていることを条件として、単発の特別ロゴ予兆の実行を決定するようにすればよい。同様にして、効果画像KEとは異なる効果画像を用いた特別抜刀予兆を実行可能とするとともに、特別抜刀予兆が実行された場合には、特別抜刀予兆が実行された単位変動(変動サイクル、又は図柄変動ゲーム)においてリーチが形成、又は開始報知演出が実行されることを認識できるようにしてもよい。
【0178】
・ 各実施形態において、各予兆演出、及び開始報知演出(連続演出)によって確変大当りか否かを遊技者に報知するようにしたが、その他の大当りの種類を報知するようにしてもよい。例えば、ラウンド規定回数として15回を定めた大当り遊技(第1当り)を付与する特別図柄ZA,ZBに加えて、ラウンド規定回数として7回を定めた大当り遊技(第2当り)を付与する特別図柄ZCを設ける。そして、演出制御用CPU31aは、特別図柄ZA,ZBである場合に、抜刀連続演出、及び抜刀連続演出に対応する予兆演出の実行を決定し易く構成する。このように構成することで、抜刀連続演出、及び抜刀連続演出に対応する予兆演出が実行された状況から、図柄変動ゲームが大当り変動となった場合に、ラウンド規定回数が15回の大当り遊技が付与される可能性の高いことを認識させることができる。
【0179】
・ 第2の実施形態は、第1の実施形態と組み合わせてもよい。
・ 各実施形態において、格上げ予兆の実行を決定した場合に、抜刀予兆の実行タイミングを変更してもよい。すなわち、第1の実施形態では、ロゴ予兆を図柄変動ゲームの開始時に実行させてから、今回の図柄変動ゲームに含まれる変動サイクルのうち最後の変動サイクルにおいてリーチ形成列に図柄が一旦停止表示される迄の間に、抜刀予兆を少なくとも1回、実行させればよい。同様に、第2の実施形態では、ロゴ予兆を1回目の図柄変動ゲームの開始時に実行させてから、最終回の図柄変動ゲームにおいてリーチ形成列に図柄が一旦停止表示される迄の間に、抜刀予兆を少なくとも1回、実行させればよい。
【0180】
・ 各実施形態において、ロゴ予兆及び抜刀予兆の演出態様を変更してもよい。例えば、ロゴ予兆は、演出表示装置11に効果画像を画像表示することに代えて、又は加えてロゴ可動体RKを振動動作や、所定色に発光させて行ってもよい。同様に、抜刀予兆は、演出表示装置11に効果画像を画像表示することに代えて、又は加えて刀可動体KKの振動動作や、所定色に発光させることで行ってもよい。また、各予兆演出は、スピーカによる音声演出や、発光ランプによる発光演出により実行してもよい。
【0181】
・ 各実施形態において、ロゴ予兆及び抜刀予兆の演出時間を変更してもよい。例えば、ロゴ予兆及び抜刀予兆の演出時間として1秒を設定してもよい。この場合、短縮変動の変動サイクルでも格上げ予兆の予兆演出を実行可能としてもよい。
【0182】
・ 各実施形態において、開始報知演出(ロゴ演出、及び抜刀演出)の態様を変更してもよい。例えば、スピーカによる音声演出や、発光ランプによる発光演出により実行してもよい。また、抜刀演出に代えて、右列(第2停止列)の変動表示の態様を変化させる表示演出として実行してもよい。具体的に言えば、図柄の変動速度を一旦低速にしたのち再び高速に変動させるスベリ変動演出を実行し、該スベリ変動演出により右列に図柄を一旦停止表示させることで開始報知演出を実行してもよい。また、各開始報知演出の開始タイミングを適宜変更してもよい。
【0183】
・ 各実施形態において、演出表示装置11を制御する表示制御基板、スピーカを制御する音声制御基板などのサブ制御基板を設けるとともに、各サブ制御基板を統括的に制御するサブ統括制御基板を備えたパチンコ遊技機や、主制御基板30及び演出制御基板31の機能を一体に備えた単一の制御基板を備えたパチンコ遊技機に具体化してもよい。
【0184】
・ 各実施形態において、特別図柄のみを用いるパチンコ遊技機に具体化してもよいし、第1の特別図柄と第2の特別図柄からなる2つの特別図柄を用いたパチンコ遊技機に具体化してもよい。
【0185】
次に、上記実施形態及び別例(変形例)から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記特定演出は、前記特定演出を伴う新たな単位変動が表示される可能性のあることを報知する報知演出である請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の遊技機。
【0186】
(ロ) 前記特定演出制御手段は、前記特殊変動演出を構成する単位変動のうち最初の単位変動の開始に伴って前記特定内容とは異なる通常内容の特定演出を実行させるとともに、前記通常内容による特定演出を実行させてから最後の単位変動においてリーチ形成列に図柄が一旦停止表示される迄の間において、前記特定内容の特定演出を実行させる請求項1〜請求項4、及び技術的思想イのうち何れか一項に記載の遊技機。
【符号の説明】
【0187】
11…演出表示装置(演出表示手段、特定演出実行手段)、30…主制御基板、30a…主制御用CPU(当り判定手段、当り種判定手段)、31…演出制御基板、31a…演出制御用CPU(変動制御手段、特定演出制御手段)、KK…刀可動体(特定演出実行手段)、RK…ロゴ可動体(特定演出実行手段)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、図柄の変動開始から変動停止迄を1回とする単位変動を1回、又は複数回にわたって演出表示手段に表示する特殊変動演出を実行する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、遊技機の一種であるパチンコ遊技機では、図柄を変動させる図柄変動ゲームを演出表示手段にて行い、該図柄変動ゲームで大当り表示結果(例えば[777]の図柄組み合わせなど)を導出した後に大当り遊技状態を付与することが行われている。そして、パチンコ遊技機では、図柄変動ゲームにおける興趣向上を目的として、大当り表示結果が導出される可能性のあることを遊技者に予告する大当り予告演出を行っている。このような、大当り予告演出の1つとして、1回の図柄変動ゲームにおいて、恰も複数回の図柄変動ゲームが実行されたかのように画像表示する特殊変動演出を実行可能なパチンコ遊技機が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1のパチンコ遊技機では、はずれ変動の図柄変動ゲームにおいて、図柄の変動開始から変動停止迄を1回とする変動サイクルを1回、表示する一方で、大当り変動の図柄変動ゲームにおいて、前記変動サイクルを複数回にわたって表示し、大当り表示結果が導出されることに期待する遊技者の興趣を高めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−261711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
また、上記特殊変動演出の別の実行態様として、1回、又は連続して実行される複数回の図柄変動ゲーム毎に特定演出を実行し、複数回の図柄変動ゲームを跨いだ遊技演出(所謂「連続予告演出」)を行うパチンコ遊技機が知られている。以下、特殊変動演出を構成する変動サイクル、及び図柄変動ゲームを単に「単位変動」と示す。特殊変動演出を実行可能なパチンコ遊技機では、特殊変動演出を構成する単位変動の回数を変化させるとともに、当該単位変動の回数が増加するほど大当り期待度を高く設定している。しかしながら、このような従来のパチンコ遊技機では、特殊変動演出を構成する単位変動の回数が少ない状況から、遊技者が大当りとなる可能性の低いことを認識できてしまい、特殊変動演出に対する遊技者の興趣が低下してしまう虞があった。
【0006】
本発明は、上記従来技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、特殊変動演出に対する遊技者の興趣が低下することを抑制できる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、図柄の変動開始から変動停止迄を1回とする単位変動を1回、又は複数回にわたって演出表示手段に表示する特殊変動演出を実行する遊技機において、始動条件の成立を契機に当りか否かを判定する当り判定手段と、前記当り判定手段の判定結果が肯定の場合に当りの種類を判定する当り種判定手段と、前記当り判定手段の判定結果に基づき前記演出表示手段を制御して前記特殊変動演出を実行させる変動制御手段と、前記当り種判定手段の判定結果に基づき特定演出実行手段を制御して、前記特殊変動演出を構成する単位変動毎に特定演出を実行させる特定演出制御手段と、を備え、前記変動制御手段は、第1回数の単位変動から構成される特殊変動演出と比較して、第1回数より多い第2回数の単位変動から構成される特殊変動演出のほうが、前記当り判定手段が肯定判定した場合に実行させる割合、及び前記当り判定手段が否定判定した場合に実行させる割合を合算した合算割合に占める前記当り判定手段が肯定判定した場合に実行させる割合が高くなるように構成される一方で、前記特定演出制御手段は、前記当り種判定手段が第1当りと判定した場合に、前記当り種判定手段が前記第1当りより低い利益を付与する第2当りと判定した場合と比較して、特定内容による前記特定演出を実行させ易く構成されたことを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記演出表示手段では、前記当り判定の判定結果に基づき図柄の変動開始から確定停止表示迄を1回とする図柄変動ゲームが表示されるようになっており、前記単位変動は、前記1回の図柄変動ゲームにおいて図柄の変動開始から一旦停止表示迄を1回として表示される変動サイクルであることを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記単位変動は、図柄の変動開始から確定停止表示迄を1回として前記演出表示手段に表示される図柄変動ゲームであることを要旨とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の遊技機において、前記第1回数の単位変動から構成される特殊変動演出が前記特定内容による特定演出を伴って実行された場合には、前記第2回数の単位変動から構成される特殊変動演出が前記特定内容とは異なる通常内容による特定演出を伴って実行された場合と比較して、当りとなる可能性が低く、且つ当りとなる場合には前記第1当りとなる可能性の高いことが報知されることを要旨とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、特殊変動演出に対する遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】パチンコ遊技機の遊技盤を示す正面図。
【図2】(a)及び(b)は、連続演出の予兆演出を示す模式図。
【図3】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
【図4】変動パターンを示す説明図。
【図5】(a)は、はずれ通常変動における各列の図柄の一旦停止タイミングを示すタイミングチャート、(b)は、はずれ短縮変動における各列の図柄の一旦停止タイミングを示すタイミングチャート。
【図6】特別図柄入力処理を示すフローチャート。
【図7】第1予兆演出振分テーブルを示す説明図。
【図8】連続演出振分テーブルを示す説明図。
【図9】第2予兆演出振分テーブルを示す説明図。
【図10】(a)〜(h)は、予兆演出を伴う図柄変動ゲームの実行態様を示す説明図。
【図11】(a)〜(c)は、予兆演出、及び連続演出(開始報知演出)を伴う図柄変動ゲームの実行態様を示す説明図。
【図12】第2の実施形態における先読みコマンド設定処理を示すフローチャート。
【図13】第2の実施形態における実行可否判定テーブルを示す説明図。
【図14】第2の実施形態における連続演出振分テーブルを示す説明図。
【図15】第2の実施形態における第3予兆演出振分テーブルを示す説明図。
【図16】第2の実施形態における第4予兆演出振分テーブルを示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1の実施形態)
以下、本発明をパチンコ遊技機に具体化した第1の実施形態を図1〜図11にしたがって説明する。
【0014】
図1に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する演出表示手段としての演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示される。本実施形態において演出表示装置11の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置11の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄)を用いて行われる。また、演出表示装置11の右下には、7セグメント型の特別図柄表示装置12が配設されている。特別図柄表示装置12では、複数種類の特別図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特別図柄は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。本実施形態において、図柄変動ゲームは、各表示装置11,12において、図柄の変動開始から図柄が確定停止表示される迄を1回として実行される。
【0015】
そして、演出表示装置11には、特別図柄表示装置12の表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特別図柄表示装置12に大当りを認識し得る大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にも大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。また、特別図柄表示装置12にはずれを認識し得るはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。なお、演出表示装置11に確定停止表示される大当り図柄は、全列の飾り図柄が同一図柄となる図柄組み合わせによって構成される。また、演出表示装置11に確定停止表示されるはずれ図柄は、全列の飾り図柄が異なる飾り図柄となる図柄組み合わせや、1列の飾り図柄が他の2列の飾り図柄とは異なる飾り図柄となる図柄組み合わせによって構成される。また、演出表示装置11では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に図柄列の変動が停止するようになっており、特定の2列(本実施形態では左右の2列)に同一の飾り図柄が一旦停止表示された場合、リーチが形成される。ここで、一旦停止表示とは、画像表示部GHにおいてゆれ変動状態で表示されている状態であり、画像表示部GHにおいて図柄が確定停止している確定停止表示とは区別される。なお、本実施形態では、一旦停止表示、及び確定停止表示が図柄の停止表示となる。本実施形態では、複数列の図柄列のうち左列が第1停止列、右列が第2停止列(直前停止列)、中列が第3停止列(最終停止列)となり、左列及び右列がリーチを形成するリーチ形成列となる。
【0016】
特別図柄表示装置12の左下方には、複数個(本実施形態では2個)の特別図柄保留発光部を備えた特別図柄保留記憶表示装置13が配設されている。特別図柄保留記憶表示装置13は、機内部で記憶した特別図柄用の始動保留球の記憶数(以下「保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。保留記憶数は、遊技盤10に配設した後述の始動入賞口に遊技球が入球することで1加算される一方で、図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口へ遊技球が入球すると、保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積される。保留記憶数は、実行保留中の図柄変動ゲームの実行回数となる。また、演出表示装置11において、前記複数列の図柄列(飾り図柄)が画像表示される図柄表示領域R1の下方には、機内部で記憶した保留記憶数を報知する保留球画像Gを画像表示するための保留表示領域R2が設定されている。本実施形態において、保留表示領域R2には、機内部で記憶した保留記憶数と等しい個数の保留球画像Gが画像表示され、遊技者に対し保留記憶数を報知する。
【0017】
特別図柄表示装置12の右上方には、普通図柄表示装置14が配設されている。普通図柄表示装置14では、複数種類の普通図柄を変動させて1つの普通図柄を導出する普通図柄変動ゲーム(以下「普図ゲーム」と示す)が行われる。本実施形態の普通図柄表示装置14は、図示しない発光体(LEDやランプなど)をレンズカバーで覆って構成した複数個(本実施形態では2個)の普通図柄表示部から構成されている。普通図柄表示装置14では、大当りか否かの大当り抽選とは別に行う普図当りか否かの内部抽選(後述する普図当り抽選)の抽選結果を表示する。すなわち、普図当り抽選に当選した場合には、普図ゲームで普通図柄の当り図柄が確定停止表示(導出)される一方、普図当り抽選に当選しない場合(はずれの場合)には、普通図柄のはずれ図柄が確定停止表示(導出)される。
【0018】
演出表示装置11の下方には、遊技球の入球口15aを有する始動入賞口15が配設されている。始動入賞口15は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根16を備えている。始動入賞口15は、開閉羽根16の開動作により入口が拡大されて遊技球が入球(入賞)し易い開状態とされる一方で、開閉羽根16の閉動作により入口が拡大されずに遊技球が入球(入賞)し難い閉状態とされる。そして、始動入賞口15の奥方には入球した遊技球を検知する始動口スイッチSW1(図3に示す)が配設されている。始動入賞口15は、入球した遊技球を始動口スイッチSW1で検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
【0019】
また、始動入賞口15の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉17を備えた大入賞口(特別電動役物)18が配設されている。大入賞口18の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW2(図3に示す)が配設されている。大入賞口18は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数(例えば10個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口18は、大当り遊技中に大入賞口扉17の開動作によって開放されることで遊技球の入球が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。なお、大当り遊技の内容については後述する。
【0020】
また、演出表示装置11の左方には、普通図柄作動ゲート(以下「ゲート」と示す)19が配設されている。ゲート19の奥方には、入球し通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW3(図3に示す)が配設されている。ゲート19は、遊技球の通過を契機に、普図ゲームの始動条件(普図当り抽選の抽選契機)のみを付与し得る。
【0021】
また、遊技盤10には、演出表示装置11の画像表示部GHを全周にわたって囲うように装飾枠20が組み付けられている。装飾枠20の右方には、日本刀を模した演出用可動体としての刀可動体KKが配設されている。刀可動体KKは、装飾枠20において、遊技者から見て画像表示部GHの前面側に重なる位置に配設されている。刀可動体KKは、柄を模した柄部KKa、刃を模した刀部KKb、及び鞘を模した鞘部KKcとから構成されており、刀部KKbは、常には鞘部KKcに収納された状態とされている。刀可動体KKの鞘部KKcには、図示しないアクチュエータ(ソレノイドやモータなど)が接続されているとともに、鞘部KKcは、アクチュエータの動作によって下方へ移動することにより、日本刀が鞘から抜かれた様子を示す可動体演出としての抜刀演出を実行可能に構成されている。本実施形態では、抜刀演出に要する演出時間として1秒が設定されている。
【0022】
また、装飾枠20の右下方には、所定のロゴ(文字)を模した演出用可動体としてのロゴ可動体RKが配設されている。ロゴ可動体RKは、常には装飾枠20に設けられた初期位置(実線で示す)に位置しているとともに、この初期位置は、遊技者から見て画像表示部GHの前面側に重なる位置に設定されている。ロゴ可動体RKには、図示しないアクチュエータ(ソレノイドやモータなど)が接続されており、このアクチュエータの動作によって左上方へ移動する可動体演出としてのロゴ演出を実行可能に構成されている。ロゴ可動体RKは、ロゴ演出の実行に伴って、前記初期位置よりも画像表示部GHの中央よりに設定された動作位置(二点鎖線で示す)に移動する。本実施形態では、ロゴ演出に要する演出時間として1.5秒が設定されている。
【0023】
本実施形態のパチンコ遊技機では、演出表示装置11で飾り図柄を用いて実行される1回の図柄変動ゲームにおいて、図柄が変動開始されてから一旦停止表示される迄を1回とする変動サイクルを複数回にわたって画像表示させる連続演出を実行可能に構成されている。本実施形態において、連続演出は、1回の変動サイクルを恰も1回の図柄変動ゲームとして遊技者に認識させ、1球の始動保留球に基づく1回の図柄変動ゲームにおいて、複数回の図柄変動ゲームが連続して実行されたかのように擬似的に演出表現して行われる遊技演出である。
【0024】
この連続演出では、1回の図柄変動ゲームで実行される変動サイクルの回数に応じて、図柄変動ゲームで大当り図柄が確定停止表示される可能性の高低を示す大当り期待度が変化する。本実施形態のパチンコ遊技機では、2回、3回、及び4回の変動サイクルから構成される連続演出を実行可能に構成されるとともに、同一のリーチ演出の変動内容であることを前提に、2回<3回<4回の順に1回の図柄変動ゲームに含まれる変動サイクルの回数が増加するのに伴って大当り期待度が高くなる。したがって、本実施形態の連続演出では、大当り遊技が付与されることに期待する遊技者に対し、より多くの変動サイクルが実行されることに期待感を抱かせ得る。本実施形態では、1回の変動サイクルが単位変動となるとともに、1回の変動サイクルから構成される図柄変動ゲーム(すなわち連続演出なし)、及び連続演出を含む図柄変動ゲームによって特殊変動演出が構成される。
【0025】
また、本実施形態の連続演出では、新たな変動サイクルの開始を報知する開始報知演出が実行される。換言すれば、開始報知演出は、連続演出が継続することを遊技者に報知する遊技演出として把握することもできる。本実施形態のパチンコ遊技機では、前記抜刀演出、及び前記ロゴ演出が開始報知演出として実行される。本実施形態では、抜刀演出、及びロゴ演出が特定演出、及び報知演出となるとともに、各可動体KK,RKが特定演出実行手段として機能する。なお、本実施形態のパチンコ遊技機において、開始報知演出は、今回の図柄変動ゲームが2回以上(複数回)の変動サイクル(単位変動)を含んで実行されることを確定的に報知する遊技演出として位置付けられる。以下の説明では、開始報知演出として抜刀演出を実行する連続演出を抜刀連続演出と示し、開始報知演出としてロゴ演出を実行する連続演出をロゴ連続演出と示す。
【0026】
また、本実施形態の連続演出では、各変動サイクルの開始に伴って、連続演出が実行される可能性のあることを非確定的に報知し、且つ実行される可能性のある連続演出の種類(開始報知演出の種類)を遊技者に報知する予兆演出が行われる。この予兆演出には、抜刀連続演出が実行される可能性のあることを報知する抜刀予兆演出と、ロゴ連続演出が実行される可能性のあることを報知するロゴ予兆演出とがある。本実施形態では、抜刀予兆演出、及びロゴ予兆演出が特定演出、及び報知演出となる。また、本実施形態では、抜刀予兆演出が特定内容の特定演出となり、ロゴ予兆演出が通常内容の特定演出となる。以下の説明では、抜刀予兆演出を抜刀予兆、ロゴ予兆演出をロゴ予兆と略して示す場合がある。
【0027】
図2(a)に示すように、抜刀予兆は、演出表示装置11の画像表示部GHにおいて所定色の発光を模した効果(発光エフェクト)画像KEを画像表示することで、恰も刀可動体KKが発光する様子を演出表現して行われる。本実施形態では、抜刀予兆の演出時間として2.5秒が設定されている。また、図2(b)に示すように、ロゴ予兆は、画像表示部GHにおいて所定色の発光を模した効果(発光エフェクト)画像REを画像表示することで、恰もロゴ可動体RKが発光する様子を演出表現して行われる。本実施形態では、ロゴ予兆の演出時間として2.5秒が設定されている。また、本実施形態のパチンコ遊技機では、1回の変動サイクル中にロゴ予兆が実行された後、続けて抜刀予兆が複合して実行される場合がある。以下の説明では、1回の変動サイクルにおいてロゴ予兆に続けて抜刀予兆が複合して実行される予兆演出を、単に「格上げ予兆(複合予兆)」と示す場合がある。格上げ予兆は、抜刀予兆と同様に抜刀連続演出が実行される可能性のあることを報知する予兆演出となる。
【0028】
また、本実施形態のパチンコ遊技機は、大当り遊技終了後に大当り抽選の当選確率(抽選確率)を低確率から高確率に変動(向上)させる確率変動(以下「確変」と示す)状態を付与可能に構成されている。本実施形態において確変状態は、次回の大当り遊技が生起される迄の間、付与される。確変状態は、大当り抽選の当選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、遊技者にとって有利な状態となる。
【0029】
また、確変状態では、変動時間短縮(以下「変短」と示す)状態があわせて付与される。変短状態では、普図ゲームの変動時間が短縮されるとともに、ゲート19の通過に基づく普図当り抽選の当選確率(抽選確率)が通常状態(低確率、例えば251分の13)から高確率(例えば251分の250)に向上(変動)される。また、変短状態において始動入賞口15の開閉羽根16は、普図当り抽選で当選した際に、変短状態が付与されていない非変短状態とは異なる動作パターンで開閉動作する。具体的に言えば、非変短状態において、開閉羽根16は、普図当り抽選で当選した場合(普図ゲームで普図の当り図柄が導出された場合)、予め定めた第1回数(例えば1回)分開放し、開放してから第1開放時間(例えば0.3秒)が経過するまで開放状態を維持する。その一方で、変短状態において、開閉羽根16は、普図当り抽選で当選した場合、第1回数より多い第2回数(例えば3回)分開放し、1回の開放において開放してから第1開放時間より長い第2開放時間(例えば1.58秒)が経過するまで開放状態を維持する。このように、変短状態は、開閉羽根16が遊技者にとって有利に動作し、単位時間当りの始動入賞口15への入球率が向上するため、遊技者にとって有利な状態となり得る。なお、変短状態は、開閉羽根16の単位時間当りの開放時間の増加を伴う開放時間増加状態であって、開放時間の増加によって入球率が向上する入球率向上状態でもある。
【0030】
また、本実施形態のパチンコ遊技機は、大当り遊技終了後に確変状態を付与せずに変短状態を付与する時間短縮(以下「時短」と示す)状態を付与可能に構成されている。本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態を付与する大当りが確変大当りとなり、大当り遊技終了後に時短状態を付与する(非確変状態を付与する)大当りが非確変大当りとなる。したがって、本実施形態では、確変大当りが利益の高い第1当りとなり、非確変大当りが第1当りよりも利益の低い第2当りとなる。
【0031】
次に、パチンコ遊技機の制御構成を図3にしたがって説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機の機裏側には、パチンコ遊技機全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御指令(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、演出制御基板31が装着されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御指令に基づき、各種の演出装置の動作を制御する。
【0032】
以下、主制御基板30及び演出制御基板31の具体的構成を説明する。
主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aの制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1〜SW3が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU30aには、特別図柄表示装置12、特別図柄保留記憶表示装置13、及び普通図柄表示装置14が接続されている。
【0033】
また、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数、及びリーチ判定用乱数、及び特別図柄振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。大当り判定用乱数は、大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選で大当りに当選しなかった場合、すなわちはずれの場合にリーチを形成するか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。特別図柄振分用乱数は、大当り抽選で当選した場合に特別図柄の大当り図柄を決定する際に用いられる乱数であり、0〜99の全100通りの整数値に定められている。本実施形態のパチンコ遊技機では、特別図柄の大当り図柄として全100通りの特別図柄が設定されているとともに、この100種類の特別図柄の大当り図柄に対して100通りの特別図柄振分用乱数の値が1個ずつ各別に対応付けられている。本実施形態では、全100種類の特別図柄の大当り図柄のうち50種類が特別図柄ZAに、残る50種類が特別図柄ZBに分類されている。本実施形態では、特別図柄ZAに分類される50種類の特別図柄が確変大当りとなる特別図柄(特定図柄)として設定されている一方で、特別図柄ZBに分類される50種類の特別図柄が非確変大当りとなる特別図柄(非特定図柄)として設定されている。本実施形態では、特別図柄の種類が当りの種類となる。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
【0034】
主制御用ROM30bには、メイン制御プログラム、各種の判定値(大当り判定値、及びリーチ判定値など)が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値(0〜599までの全600通りの整数)の中から定められている。そして、大当り判定値は非確変状態時の大当り抽選で用いる非確変用判定値(低確率時大当り判定値)と、確変状態時の大当り抽選で用いる確変用判定値(高確率時大当り判定値)とがある。確変用判定値の設定数(本実施形態では20個)は、非確変用判定値の設定数(本実施形態では2個)よりも多く設定されている。このような設定によれば、非確変状態において大当り抽選で当選する確率は600分の2となる一方で、確変状態において大当り抽選に当選する確率は600分の20となる。
【0035】
本実施形態の非確変用判定値は、「17、125」の2個に設定されている。一方、本実施形態の確変用判定値は、上記「17、125」の2個の値に、「37、83、185…(以下省略)」などの18個の値を加えた合計20個に設定されている。そして、非確変用判定値と確変用判定値は、その総数は異なるが、設定値については一部の値(本実施形態では「17、125」)が共通値とされている。この共通値(「17、125」)は、非確変状態時及び確変状態時の何れの状態においても大当り判定用乱数の値と一致する値とされている。一方、確変用判定値において、前記共通値(「17、125」)を除く、他の値(18個)は、非確変用判定値(共通値)とは異なる非共通値とされている。この非共通値は、大当り抽選時の遊技状態に応じて、大当り判定値と一致する場合と一致しない場合とがある。具体的に言えば、非共通値は、非確変状態時の大当り抽選において、大当り判定用乱数の値とは一致しない。その一方で、非共通値は、確変状態時の大当り抽選において、大当り判定用乱数の値と一致する。また、リーチ判定値は、はずれを決定する場合にリーチを形成するか否かの内部抽選(リーチ判定)で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値(0〜240までの全241通りの整数)の中から定められている。本実施形態では、リーチ判定値として2個の値が設定されており、このような設定によればリーチ判定で肯定判定される確率は241分の2となる。
【0036】
また、主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄変動ゲームが開始してから図柄変動ゲームが終了するまでの間の演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンであって、図柄変動ゲームの変動内容(演出内容)及び変動時間(演出時間)を特定し得る。本実施形態において、複数種類の変動パターンは、大当り変動用の変動パターン、はずれリーチ変動用の変動パターン、及びはずれ変動用の変動パターンに分類できる。大当り変動は、リーチ演出を経て、図柄変動ゲームが最終的に大当り図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。はずれリーチ変動は、リーチ演出を経て、図柄変動ゲームが最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。はずれ変動は、リーチ演出を経ないで、図柄変動ゲームが最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。リーチ演出は、演出表示装置11の飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチが形成されてから、最終的に図柄組み合わせ(大当り図柄又ははずれ図柄)が導出される迄の間に、例えば所定のキャラクタを登場させるなどして行われる演出である。なお、特別図柄表示装置12では、図柄変動ゲームが開始されると、リーチ演出を行うことなく、変動時間の経過時まで図柄の変動が継続される。
【0037】
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機に用意された変動パターンについて、図4にしたがって説明する。なお、図4では、本実施形態のパチンコ遊技機に用意された変動パターンのうち一部の変動パターンを示しているとともに、各変動パターンに設定された図柄変動ゲームの変動時間が示されている。
【0038】
本実施形態では、はずれ変動用の変動パターンとして、変動パターンP1,P2が設定されているとともに、はずれリーチ変動用の変動パターンとして変動パターンP3A,P4A,P5Aが設定されている。また、本実施形態では、大当り変動用の変動パターンとして、変動パターンP3B,P4B,P5B,P6が設定されている。
【0039】
本実施形態のパチンコ遊技機において、変動パターンP1,P2は、1回の変動サイクルから構成される図柄変動ゲームの変動内容を特定している。変動パターンP1は、変動時間として12秒が設定された「はずれ通常変動」の変動内容が設定されている。図5(a)に示すように、はずれ通常変動は、演出表示装置11において、図柄の変動開始から時間TL1の経過時に左列が一旦停止表示され、変動開始から時間TR1の経過時に右列が一旦停止表示され、変動開始から時間TC1の経過時に中列が一旦停止表示される変動内容とされている(但し、時間TL1<時間TR1<時間TC1)。本実施形態のはずれ通常変動では、時間TL1として8秒が設定されており、図柄変動ゲームの開始から8秒で左列に図柄が一旦停止表示される。なお、本実施形態のはずれ通常変動では、時間TR1として11秒が、時間TC1として12秒が設定されている。
【0040】
また、変動パターンP2は、変動時間として6秒が設定された「はずれ短縮変動」の変動内容が設定されている。図5(b)に示すように、はずれ短縮変動は、演出表示装置11において、図柄の変動開始から時間TL2の経過時に左列が一旦停止表示され、変動開始から時間TR2の経過時に右列が一旦停止表示され、変動開始から時間TC2の経過時に中列が一旦停止表示される変動内容とされている(但し、時間TL2<時間TR2<時間TC2)。本実施形態のはずれ短縮変動では、時間TL2として4秒が設定されており、図柄変動ゲームの開始から4秒で左列に図柄が一旦停止表示される。また、本実施形態のはずれ短縮変動では、時間TR2として5秒が、時間TC2として6秒が設定されている。
【0041】
図4に示すように、変動パターンP3A,P3B(以下、まとめて「変動パターンP3」と示す場合がある)は、1回の変動サイクルから構成され且つリーチ演出を含む変動内容を特定する。変動パターンP3に基づく図柄変動ゲームでは、演出表示装置11において、図5(a)に示すはずれ通常変動と同様に、変動開始から時間TL1の経過時に左列を一旦停止表示するとともに、変動開始から時間TR1の経過時に右列を一旦停止表示してリーチを形成する。その後、変動パターンP3に基づく図柄変動ゲームでは、変動開始から時間TC1の経過後、中列を一旦停止表示させることなくリーチ演出を実行し、最終的に中列を一旦停止表示させて大当り図柄又ははずれ図柄を導出する。
【0042】
また、変動パターンP4A,P4B(以下、まとめて「変動パターンP4」と示す場合がある)は、2回の変動サイクル(連続演出)から構成され且つ最終回の変動サイクルにリーチ演出を含む変動内容を特定する。また、変動パターンP5A,P5B(以下、まとめて「変動パターンP5」と示す場合がある)は、3回の変動サイクル(連続演出)から構成され且つ最終回の変動サイクルにリーチ演出を含む変動内容を特定する。また、変動パターンP6は、4回の変動サイクル(連続演出)から構成され且つ最終回の変動サイクルにリーチ演出を含む変動内容を特定する。なお、以下の説明において、「変動サイクル×○回(「○」は数字を示す)」は、図柄変動ゲームを構成する変動サイクルの回数を示すものとする。
【0043】
変動パターンP4(変動サイクル×2回)には、変動パターンP3(変動サイクル×1回)に設定された変動時間に対し、はずれ通常変動の変動時間に相当する12秒を加算した変動時間が設定されている。変動パターンP5(変動サイクル×3回)には、変動パターンP4(変動サイクル×2回)に設定された変動時間に対し、さらにはずれ短縮変動に相当する6秒を加算した変動時間が設定されている。変動パターンP6(変動サイクル×4回)には、変動パターンP5(変動サイクル×3回)に設定された変動時間に対し、さらに6秒を加算した変動時間が設定されている。
【0044】
変動パターンP4〜P6に基づく図柄変動ゲームにおいて、最終回の変動サイクルでは、変動パターンP3に基づく図柄変動ゲームと同一タイミングで飾り図柄が一旦停止表示されるとともに、リーチ演出が実行される。具体的に言えば、最終回の変動サイクルでは、この最終回の変動サイクルの開始から時間TL1の経過時に左列を、時間TR1の経過時に右列を一旦停止表示してリーチを形成する。その後、最終回の変動サイクルでは、最終回の変動サイクルの開始から時間TC1(12秒)の経過後、中列を一旦停止表示させることなくリーチ演出を実行し、最終的に中列を一旦停止表示させて大当り図柄又ははずれ図柄を導出する。
【0045】
また、変動パターンP4〜P6に基づく図柄変動ゲームにおいて、初回の変動サイクルでは、変動パターンP1に基づくはずれ通常変動と同一タイミングで飾り図柄が一旦停止表示される。具体的に言えば、初回の変動サイクルでは、初回の変動サイクル(図柄変動ゲーム)の開始から時間TL1の経過時に左列を、時間TR1の経過時に右列を、時間TC1(12秒)の経過時に中列を一旦停止表示してはずれ図柄を導出する。
【0046】
また、変動パターンP5,P6に基づく図柄変動ゲームにおいて、初回及び最終回を除く他の変動サイクルでは、変動パターンP2に基づくはずれ短縮変動と同一タイミングで飾り図柄が一旦停止表示される。具体的に言えば、前記他の変動サイクルでは、今回の変動サイクルの開始から時間TL2の経過時に左列を、時間TR2の経過時に右列を、時間TC2(6秒)の経過時に中列を一旦停止表示してはずれ図柄を導出する。なお、変動パターンP4〜P6に基づく図柄変動ゲームにおいて、最終回以外の変動サイクルでは、飾り図柄が確定停止表示されない。
【0047】
したがって、変動パターンP4〜P6に基づく図柄変動ゲームにおける初回の変動サイクルには、図柄の変動開始から一旦停止表示迄のサイクル時間として12秒が設定される。同様に、変動パターンP5,P6に基づく図柄変動ゲームにおいて、初回及び最終回を除く他の変動サイクルには、サイクル時間として6秒が設定される。ここで、変動パターンP4〜P6に基づく図柄変動ゲームにおいて、最終回の変動サイクルでは、中図柄が一旦停止表示されないでリーチ演出が実行される点で初回の変動サイクルと異なる。しかしながら、最終回の変動サイクルでは、該最終回の変動サイクルの開始からリーチ演出が開始される迄を仮想的な1回の変動サイクルと把握し、最終回の変動サイクルにおけるサイクル時間を12秒として把握することも可能である。以下の説明では、サイクル時間として12秒を設定したはずれ通常変動による変動サイクルを単に「通常変動」と示し、サイクル時間として6秒を設定したはずれ短縮変動による変動サイクルを単に「短縮変動」と示す場合がある。
【0048】
そして、本実施形態の変動パターンP3〜P6では、変動パターンP3(変動サイクル×1回)<P4(変動サイクル×2回)<P5(変動サイクル×3回)<P6(変動サイクル×4回)の順に、各変動パターンが大当りの場合に選択される割合、及びはずれの場合に選択される割合を合算した合算割合(選択率)の全体に占める大当りの場合の割合が高く設定されている。このため、本実施形態では、図柄変動ゲームの変動内容に含まれる変動サイクルの回数が多くなる程、該図柄変動ゲームで大当り図柄が導出される可能性(大当り期待度)が高くなる。したがって、遊技者は、図柄変動ゲームの変動内容に含まれる変動サイクルの回数によって大当りに対する期待感を変化し得る。なお、本実施形態の変動パターンP6は、大当りの場合にのみ選択可能な変動パターンとされており、4回の変動サイクルから構成される連続演出は、大当り確定の確定演出として位置付けられる。本実施形態では、変動サイクルの回数として1回〜3回が第1回数となり、4回が第2回数となる。
【0049】
次に、演出制御基板31について説明する。
演出制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する演出制御用CPU31aと、演出制御用CPU31aの制御プログラムを格納する演出制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM31cが設けられている。演出制御用CPU31aは、第1演出振分用乱数、及び第2演出振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。第1演出振分用乱数は、予兆演出の実行可否の決定、及び予兆演出の演出内容を選択する場合などに用いられる乱数である。また、第2演出振分用乱数の値は、連続演出の種類を決定する際に用いられる乱数である。演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
【0050】
また、演出制御用CPU31aには、演出表示装置11、刀可動体KK、及びロゴ可動体RKが接続されている。演出制御用ROM31bには、各種の画像表示用データ(予兆演出用の各効果画像データや、図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)、及び各可動体KK,RKの動作パターンを定めた可動体演出用データが記憶されている。また、演出制御用ROM31bには、各種の判定値が記憶されている。
【0051】
以下、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。また、特別図柄開始処理は、特別図柄入力処理の終了後に実行される。
【0052】
最初に、特別図柄入力処理について、図6にしたがって説明する。
まず、主制御用CPU30aは、始動口スイッチSW1から検知信号を入力しているか否かに基づき、始動入賞口15に遊技球が入球したか否かを判定する(ステップSA1)。ステップSA1の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。ステップSA1の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている始動保留球の記憶数(以下「保留記憶数」と示す)が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップSA2)。ステップSA2の判定結果が否定(保留記憶数が4未満でない)場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、保留記憶数が4未満である場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数を+1(1加算)する(ステップSA3)。保留記憶数を更新(1加算)した主制御用CPU30aは、更新後(加算後)の保留記憶数を表示するように特別図柄保留記憶表示装置13の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、更新後(加算後)の保留記憶数を指示する保留記憶数コマンドを生成するとともに、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する。次に、主制御用CPU30aは、各種乱数の値(本実施形態では大当り判定用乱数の値、リーチ判定用乱数の値、及び特別図柄振分用乱数の値)を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を保留記憶数に対応する主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する(ステップSA4)。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
【0053】
次に、特別図柄開始処理について説明する。
まず、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの実行中、又は大当り遊技中か否かの実行条件判定を実行する。この実行条件判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0054】
一方、実行条件判定の判定結果が否定(図柄変動ゲーム中ではなく、かつ大当り遊技中ではない)の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数が「0(零)」よりも大きいか否かを判定する。保留記憶数が「0(零)」の場合、主制御用CPU30aは、保留中の図柄変動ゲームが存在しないので、特別図柄開始処理を終了する。一方、保留記憶数が1以上の場合、主制御用CPU30aは、保留中の図柄変動ゲームが存在するので、保留記憶数を−1(1減算)する。また、保留記憶数を更新(1減算)した主制御用CPU30aは、更新後(減算後)の保留記憶数を表示するように特別図柄保留記憶表示装置13の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、更新後(減算後)の保留記憶数を指示する保留記憶数コマンドを生成するとともに、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する。そして、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数の値を読み出す。
【0055】
続いて、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値と大当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの『大当り判定』をする。このとき、主制御用CPU30aは、現在の遊技状態が非確変状態の場合、非確変用判定値を用いて大当り判定を行う一方で、現在の遊技状態が確変状態の場合、確変用判定値を用いて大当り判定を行う。なお、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに設定された制御フラグ(後述する確変フラグ)に基づき現在の遊技状態が確変状態か否かを把握できる。上記『大当り判定』の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、大当り変動となる図柄変動ゲームを実行させるための大当り変動処理を実行する。大当り変動処理において主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている特別図柄振分用乱数の値を読み出す。
【0056】
そして、主制御用CPU30aは、該特別図柄振分用乱数の値をもとに特別図柄の大当り図柄を特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄として決定する。主制御用CPU30aは、100分の50の確率で特別図柄ZAに属する特別図柄を、100分の50の確率で特別図柄ZBに属する特別図柄を決定する。また、特別図柄の大当り図柄を決定した主制御用CPU30aは、大当り変動用の変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0057】
一方、上記大当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値が大当りとなる値ではないことからはずれを認識する。このため、主制御用CPU30aは、リーチ判定用乱数の値を読み出すとともに、リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値を比較し、両値が一致するか否かの『リーチ判定』を行う。この『リーチ判定』の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ抽選でリーチに当選したことから、はずれリーチ変動となる図柄変動ゲームを実行させるためのリーチ変動処理を実行する。リーチ変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定するとともに、はずれリーチ変動用の変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0058】
一方、『リーチ判定』の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ抽選でリーチに当選しなかったことから、はずれ変動となる図柄変動ゲームを実行させるためのはずれ変動処理を実行する。はずれ変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定するとともに、はずれ変動用の変動パターンを選択し、決定する。このとき、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶された保留記憶数を参照するとともに、保留記憶数が2以下の場合には変動パターンP1を選択し、決定する一方で、保留記憶数が3の場合には変動パターンP2を選択し、決定する。なお、ここで主制御用CPU30aが参照する保留記憶数は、特別図柄開始処理における大当り判定の実行に伴って、1減算された後の保留記憶数となる。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。本実施形態では、特別図柄開始処理を行う主制御用CPU30aが当り判定手段、及び当り種判定手段として機能する。
【0059】
そして、特別図柄開始処理において特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、決定事項にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、主制御用CPU30aは、特別図柄を指示する特別図柄用の停止図柄指定コマンドを変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。そして、主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する図柄停止コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力する。
【0060】
次に、大当り遊技に関して主制御用CPU30aが実行する処理について説明する。
大当り遊技は、図柄変動ゲームで大当り表示結果が確定停止表示された後に開始される。大当り遊技では、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われるとともに、このオープニング演出の終了後、大入賞口18を開放するラウンド遊技が予め定めたラウンド規定回数(本実施形態では15回)を上限に行われる。各ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技では、ラウンド遊技のうち最後のラウンド遊技の終了後、エンディング演出が行われて終了される。
【0061】
主制御用CPU30aは、最初にオープニング演出の開始を指示するオープニングコマンドを演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する。次に、主制御用CPU30aは、各ラウンド遊技を開始する毎に、ラウンド演出の開始を指示するラウンドコマンドを演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する。また、主制御用CPU30aは、最後のラウンド遊技の終了後、エンディング演出の開始を指示するエンディングコマンドを演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する。
【0062】
次に、大当り遊技終了後の遊技状態に関して主制御用CPU30aが実行する制御を説明する。
主制御用CPU30aは、特別図柄ZAに基づく大当り遊技の終了後、主制御用RAM30cに記憶される確変フラグに「1」を設定する。確変フラグは、その値として「1」が設定されている場合、現在の遊技状態が確変状態であることを示す一方で、「0」が設定されている場合、現在の遊技状態が非確変状態であることを示す。一方、主制御用CPU30aは、特別図柄ZBに基づく大当り遊技の終了後、確変フラグに「0」を設定する。そして、主制御用CPU30aは、確変フラグに「1」を設定した場合、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に確変状態であることを示す確変コマンドを出力する一方で、確変フラグに「0」を設定した場合、非確変状態であることを示す非確変コマンドを出力する。
【0063】
また、主制御用CPU30aは、特別図柄ZA,ZBに基づく大当り遊技の終了後、主制御用RAM30cに記憶される作動フラグに「1」を設定する。作動フラグは、その値として「1」が設定されている場合、現在の遊技状態が変短状態であることを示す一方で、「0」が設定されている場合、現在の遊技状態が非変短状態であることを示す。主制御用CPU30aは、作動フラグに「1」を設定すると、変短状態であることを示す作動コマンドを演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する。
【0064】
また、主制御用CPU30aは、特別図柄ZBに基づく大当り遊技の終了後、変短状態が付与される残りの図柄変動ゲームの回数を示す作動回数として所定回数(本実施形態では100回)を主制御用RAM30cに設定する。主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの実行(変動パターン指定コマンドの出力)毎に、主制御用RAM30cに記憶されている作動回数を−1(1減算)する。主制御用CPU30aは、作動回数が「0」に到達すると、図柄変動ゲームの終了後、作動フラグに「0」を設定するとともに、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に、非変短状態であることを示す非作動コマンドを出力する。
【0065】
以上のように、本実施形態のパチンコ遊技機では、特別図柄ZAに基づく大当り遊技の終了後、次回の大当りが生起される迄の間、確変状態が付与される。また、本実施形態では、特別図柄ZBに基づく大当り遊技の終了後、100回の図柄変動ゲームが終了する迄の間、時短状態が付与される。
【0066】
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが演出制御プログラムに基づき実行する各種の処理について説明する。
演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから保留記憶数コマンドを入力すると、該コマンドで指定された保留記憶数と等しい個数の保留球画像Gが画像表示されるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0067】
また、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドに指示される変動パターンに対応する変動内容(演出内容)をもとに、画像表示用データを選択する。演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドの入力を契機に予兆演出の実行可を決定した場合、選択した予兆演出の演出内容に対応する効果画像の画像表示用データを選択する。演出制御用CPU31aは、変動パターンP4〜P6(変動サイクル×複数回)を指定された場合、実行させる連続演出の種類を決定するとともに、対応する可動体演出用データを選択する。なお、予兆演出の演出内容の選択や、連続演出の種類の決定については後に説明する。
【0068】
また、演出制御用CPU31aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力すると、該コマンドにしたがって演出表示装置11に確定停止表示させる飾り図柄を生成する。以下、具体的に説明する。
【0069】
まず、変動パターンP1〜P3(変動サイクル×1回)を指定された場合について説明する。演出制御用CPU31aは、特別図柄として大当り図柄が指示されている場合、飾り図柄として大当り図柄を生成する一方で、特別図柄としてはずれ図柄が指示されている場合、飾り図柄としてはずれ図柄を生成する。このとき、演出制御用CPU31aは、はずれリーチ変動用の変動パターンP3Aが指示されている場合、図柄変動ゲームで確定停止表示させる飾り図柄としてリーチ図柄を含むはずれ図柄を生成する。
【0070】
続けて、はずれリーチ変動用の変動パターンP4A,P5A(変動サイクル×複数回)を指定された場合について説明する。演出制御用CPU31aは、特別図柄としてはずれ図柄が指示されているため、最終回の変動サイクルで確定停止表示させる飾り図柄としてリーチを含むはずれ図柄を生成するとともに、最終回以外の変動サイクルで一旦停止表示させる飾り図柄としてリーチを含まないはずれ図柄を生成する。次に、大当り変動用の変動パターンP4B,P5B,P6(変動サイクル×複数回)を指定された場合について説明する。演出制御用CPU31aは、特別図柄として大当り図柄が指示されているため、最終回の変動サイクルで確定停止表示させる飾り図柄として大当り図柄を生成するとともに、最終回以外の変動サイクルで一旦停止表示させる飾り図柄としてリーチを含まないはずれ図柄を生成する。なお、演出制御用CPU31aは、大当り図柄(特別図柄)として特別図柄ZAを指定されている場合、飾り図柄の大当り図柄として確変大当りであることを認識できる大当りの図柄組み合わせ(例えば[777]など)を決定する。また、演出制御用CPU31aは、大当り図柄として特別図柄ZBを指定されている場合、飾り図柄の大当り図柄として非確変大当りであることを認識できる大当りの図柄組み合わせ(例えば[222]など)を決定する。
【0071】
そして、演出制御用CPU31aは、タイマを起動して図柄変動ゲームの開始からの経過時間を計測するとともに、計測した経過時間と選択した画像表示用データをもとに演出表示装置11の表示内容を切替制御して図柄変動ゲームを画像表示させる。具体的に言えば、演出制御用CPU31aは、変動パターンP1〜P3を指定されている場合、各変動パターンに示される変動時間の終了時に、生成した大当り図柄又ははずれ図柄を一旦停止表示させるとともに、図柄停止コマンドの入力を契機として確定停止表示させる。また、演出制御用CPU31aは、変動パターンP4〜P6が指定されている場合、計測した経過時間が各サイクル時間に達する毎に、最終回以外の変動サイクルで一旦停止表示させる飾り図柄として生成したはずれ図柄を一旦停止表示させる。また、演出制御用CPU31aは、各変動パターンに示される変動時間の終了時に、生成した大当り図柄又ははずれ図柄を一旦停止表示させるとともに、図柄停止コマンドの入力を契機として確定停止表示させる。
【0072】
また、演出制御用CPU31aは、計測した経過時間、及び予兆演出用の画像表示用データをもとに演出表示装置11を制御し、図柄変動ゲームの実行中に各予兆演出(ロゴ予兆及び抜刀予兆)を実行させる。また、演出制御用CPU31aは、計測した経過時間、及び可動体演出用データをもとに各可動体KK,RKの動作を制御し、図柄変動ゲームの実行中に開始報知演出(ロゴ演出及び抜刀演出)を実行させる。したがって、本実施形態では、演出制御用CPU31aが変動制御手段、及び特定演出制御手段として機能する。また、演出表示装置11が、特定演出実行手段として機能する。
【0073】
以下、予兆演出、及び連続演出を含む図柄変動ゲームを実行させるために、演出制御用CPU31aが実行する制御内容について、図7〜図9にしたがって詳細に説明する。
最初に、演出制御用CPU31aが変動パターン指定コマンドで変動パターンP1〜P3(変動サイクル×1回)を指定された場合について説明する。
【0074】
変動パターンP1〜P3を指定された場合、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cから第1演出振分用乱数の値を読み出すとともに、読み出した第1演出振分用乱数の値をもとに図7に示す第1予兆演出振分テーブルTAを参照して予兆演出の実行可否、及び演出内容を決定する。このとき、演出制御用CPU31aは、はずれ変動用の変動パターンP1,P2、及びはずれリーチ変動用の変動パターンP3Aを指定された場合、読み出した第1演出振分用乱数の値、及び指定された変動パターンをもとに第1予兆演出振分テーブルTAを参照して予兆演出の実行可否、及び演出内容を決定する。また、演出制御用CPU31aは、大当り変動用の変動パターンP3Bを指定された場合、読み出した第1演出振分用乱数の値、及び指定された変動パターンに加えて、さらに停止図柄指定コマンドで指定された大当り図柄(特別図柄)をもとに第1予兆演出振分テーブルTAを参照して、予兆演出の実行可否、及び演出内容を決定する。
【0075】
第1予兆演出振分テーブルTAは、演出制御用ROM31bに記憶されている。図7に示すように、第1予兆演出振分テーブルTAでは、はずれ、特別図柄ZA(確変大当り)、及び特別図柄ZB(非確変大当り)に区分して、変動パターン毎に予兆演出の演出内容が対応付けられている。そして、第1予兆演出振分テーブルTAでは、各演出内容に対して第1演出振分用乱数の値が、この第1演出振分用乱数の値の取り得る数値(0〜1000の全1001通りの整数値)の中から所定個数ずつ振り分けられている。なお、以下の説明において、予兆演出の演出内容としての「なし」は、予兆演出の非実行を示すとともに、「ロゴ予兆」及び「抜刀予兆」は対応する予兆演出の実行を示す。また、予兆演出の演出内容としての「格上げ予兆」は、初回の変動サイクルにおいてロゴ予兆を実行した後、続けて抜刀予兆を実行することを示す。
【0076】
第1予兆演出振分テーブルTAによれば、例えば、変動パターンP2が指定されている場合には、1001分の941の確率で「なし」が、1001分の30の確率で「ロゴ予兆」が、1001分の30の確率で「抜刀予兆」が選択され得る。同様に、第1予兆演出振分テーブルTAによれば、例えば、変動パターンP3Bが指定された場合であって、特別図柄ZAを指定された場合には、1001分の301の確率で「なし」が、1001分の100の確率で「ロゴ予兆」が、1001分の300の確率で「格上げ予兆」が、1001分の300の確率で「抜刀予兆」が選択され得る。したがって、第1予兆演出振分テーブルTAにおける第1演出振分用乱数の値の振り分け態様によれば、変動パターンP1,P2,P3Aが指定された場合には、予兆演出の演出内容として「ロゴ予兆」が選択される割合と、「格上げ予兆」及び「抜刀予兆」の何れかが選択される割合が同一割合(何れも1001分の30)となる。また、第1予兆演出振分テーブルTAによれば、大当り変動の変動パターンP3Bが指定された場合、特別図柄ZAが指定されたときにはロゴ予兆よりも格上げ予兆又は抜刀予兆を選択し易く、特別図柄ZBが指定されたときには格上げ予兆又は抜刀予兆よりもロゴ予兆を選択し易い。また、第1予兆演出振分テーブルTAによれば、はずれ短縮変動を指定する変動パターンP2が指定された場合には、予兆演出の演出内容として格上げ予兆を選択し得ない。
【0077】
次に、演出制御用CPU31aが変動パターン指定コマンドで変動パターンP4〜P6(変動サイクル×複数回)を指定された場合について説明する。
変動パターンP4〜P6を指定された場合、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cから第2演出振分用乱数の値を読み出すとともに、読み出した第2演出振分用乱数の値をもとに図8に示す連続演出振分テーブルTBを参照して連続演出の種類を決定する。このとき、演出制御用CPU31aは、はずれリーチ変動用の変動パターンP4A,P5Aを指定された場合、読み出した第2演出振分用乱数の値、及び指定された変動パターンをもとに連続演出振分テーブルTBを参照して連続演出の種類を決定する。また、演出制御用CPU31aは、大当り変動用の変動パターンP4B,P5B,P6を指定された場合、読み出した第2演出振分用乱数の値、及び指定された変動パターンに加えて、さらに停止図柄指定コマンドで指定された大当り図柄(特別図柄)をもとに連続演出振分テーブルTBを参照して連続演出の種類を決定する。
【0078】
連続演出振分テーブルTBは、演出制御用ROM31bに記憶されている。図8に示すように、連続演出振分テーブルTBでは、はずれ、特別図柄ZA(確変大当り)、及び特別図柄ZB(非確変大当り)に区分して、変動パターン毎に連続演出の種類としてロゴ連続演出、及び抜刀連続演出が対応付けられている。そして、連続演出振分テーブルTBでは、各連続演出に対して第2演出振分用乱数の値が、この第2演出振分用乱数の取り得る数値(0〜899までの全900通りの整数値)の中から所定個数ずつ振り分けられている。連続演出振分テーブルTBによれば、例えば、変動パターンP4Aが指定されている場合には、900分の450の確率で「ロゴ連続演出」が、900分の450の確率で「抜刀連続演出」が決定され得る。同様に、連続演出振分テーブルTBによれば、例えば、変動パターンP4Bが指定されている場合であって、特別図柄ZAを指定された場合には、900分の100の確率で「ロゴ連続演出」が、900分の800の確率で「抜刀連続演出」が決定され得る。
【0079】
連続演出振分テーブルTBにおける第2演出振分用乱数の値の振り分け態様によれば、はずれリーチ変動の変動パターンP4A,P5Aが指定された場合、ロゴ連続演出、及び抜刀連続演出が同一確率で決定される。また、連続演出振分テーブルTBによれば、大当り変動の変動パターンP4B,P5B,P6が指定された場合であって、特別図柄ZAが指定された場合には、ロゴ連続演出よりも抜刀連続演出のほうが決定され易い。また、連続演出振分テーブルTBによれば、大当り変動の変動パターンP4B,P5B,P6が指定された場合であって、特別図柄ZBが指定された場合には、抜刀連続演出よりもロゴ連続演出のほうが決定され易い。その一方で、大当り変動の変動パターンP4B,P5B,P6が指定された場合には、同一種類の特別図柄ZA,ZBが指定されていることを条件として、変動パターンの種類(変動サイクルの回数)に係わらず各連続演出の決定される割合が同一となる。
【0080】
このような構成から、本実施形態では、1回の図柄変動ゲームに含まれる変動サイクルの回数に応じて大当り期待度が変化する一方で、変動サイクルの回数が同一である場合、抜刀連続演出及びロゴ連続演出の間で大当り期待度が同一となる。また、本実施形態では、大当り図柄(特別図柄)の種類が確変大当りとなる特別図柄ZAの場合、ロゴ連続演出よりも抜刀連続演出が決定され易い。このため、本実施形態において、抜刀連続演出は、ロゴ連続演出と比較して、今回の図柄変動ゲームにおいて大当りとなった場合に、確変大当り(特別図柄ZA)となる可能性の高いことを示す連続演出として位置づけられる。その一方で、本実施形態において、ロゴ連続演出は、抜刀連続演出と比較して、今回の図柄変動ゲームにおいて大当りとなった場合に、確変大当り(特別図柄ZA)となる可能性の低いことを示す連続演出として位置付けられる。
【0081】
連続演出の種類を決定した場合、演出制御用CPU31aは、続けて予兆演出の実行可否の決定、及び実行可の場合の予兆演出の演出内容の選択を実行する。具体的に言えば、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cから第1演出振分用乱数の値を読み出すとともに、読み出した第1演出振分用乱数の値、指定された変動パターン、及び決定した連続演出の種類をもとに図9に示す第2予兆演出振分テーブルTCを参照して予兆演出の実行可否、及び実行可の場合の予兆演出の演出内容を選択する。この第2予兆演出振分テーブルTCは、演出制御用ROM31bに記憶されている。図9に示すように、第2予兆演出振分テーブルTCでは、連続演出の種類に区分して、変動パターン毎に予兆演出の演出内容を対応付けるとともに、各演出内容に対して第1演出振分用乱数の値が、この第1演出振分用乱数の値の取り得る数値(0〜1000の全1001通りの整数値)の中から所定個数ずつ振り分けられている。第2予兆演出振分テーブルTCによれば、例えば、変動パターンP4Bが指定されている場合であって、ロゴ連続演出を決定した場合には、1001分の51の確率で「なし」が、1001分の950の確率で「ロゴ予兆」が選択され得る。同様に、変動パターンP4Bが指定されている場合であって、抜刀連続演出を決定した場合には、1001分の51の確率で「なし」が、1001分の450の確率で「格上げ予兆」が、1001分の500の確率で「抜刀予兆」が選択され得る。
【0082】
第2予兆演出振分テーブルTCにおける第1演出振分用乱数の値の振り分け態様から、ロゴ連続演出の実行が決定されている場合には、「なし」、及び「ロゴ予兆」の何れかが選択され得る一方で、抜刀予兆、及び格上げ予兆が選択され得ない。また、第2予兆演出振分テーブルTCでは、抜刀連続演出の実行が決定されている場合、「なし」、「格上げ予兆」、及び「抜刀予兆」の何れかが選択され得る一方で、「ロゴ予兆」が選択され得ない。
【0083】
前述のように、ロゴ予兆は、ロゴ連続演出に対応する予兆演出であり、抜刀予兆、及び格上げ予兆は、抜刀連続演出に対応する予兆演出である。このため、本実施形態において、抜刀予兆及び格上げ予兆は、ロゴ予兆と比較して今回の図柄変動ゲームにおいて大当りとなった場合に、確変大当り(特別図柄ZA)となる可能性の高いことを示す予兆演出として位置付けられる。その一方で、本実施形態において、ロゴ予兆は、抜刀予兆及び格上げ予兆と比較して、今回の図柄変動ゲームにおいて大当りとなった場合に、確変大当り(特別図柄ZA)となる可能性の低いことを示す予兆演出として位置付けられる。また、本実施形態では、指定された変動パターン、及び決定した連続演出の種類に係わらず、決定した連続演出に対応する予兆演出の実行の決定される割合が同一となる。このため、本実施形態では、抜刀予兆及び格上げ予兆と、ロゴ予兆とで対応する連続演出が実行される可能性の高さが同一となる。
【0084】
そして、演出制御用CPU31aは、各変動パターンの入力を契機として、連続演出の種類、予兆演出の実行可否、予兆演出を実行可の場合の演出内容を決定すると、決定内容にしたがって演出表示装置11の表示内容、及び各可動体KK,RKの動作を制御して図柄変動ゲームを実行させる。したがって、本実施形態では、演出制御用CPU31aが特定演出制御手段として機能する。以下、図10及び図11にしたがって詳細に説明する。
【0085】
図10(a)に示すように、演出制御用CPU31aは、変動パターンP2の指定に基づきロゴ予兆の実行を決定した場合、図柄変動ゲーム(1回目の変動サイクル)が開始してから2.5秒間、ロゴ予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。また、図10(b)に示すように、演出制御用CPU31aは、変動パターンP2の指定に基づき抜刀予兆の実行を決定した場合、図柄変動ゲーム(1回目の変動サイクル)が開始してから2.5秒が経過する迄の間、抜刀予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。そして、図10(a),(b)に示すように、変動パターンP2を指定された演出制御用CPU31aは、はずれ短縮変動の変動内容で各列の図柄を順に一旦停止表示させてリーチを含まないはずれ図柄を導出させるとともに、図柄停止コマンドの入力を契機として全列の図柄を確定停止表示させて図柄変動ゲームを終了させる。
【0086】
図10(c)に示すように、演出制御用CPU31aは、変動パターンP1の指定に基づきロゴ予兆の実行を決定した場合、図柄変動ゲーム(1回目の変動サイクル)が開始してから2.5秒が経過する迄の間、ロゴ予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。図10(d)に示すように、演出制御用CPU31aは、変動パターンP1の指定に基づき抜刀予兆の実行を決定した場合、図柄変動ゲーム(1回目の変動サイクル)が開始してから2.5秒が経過する迄の間、抜刀予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。図10(e)に示すように、演出制御用CPU31aは、変動パターンP1の指定に基づき格上げ予兆の実行を決定した場合、図柄変動ゲームが開始してから2.5秒の間にかけてロゴ予兆が、図柄変動ゲームの開始から2.5秒の経過後、2.5秒の間にかけて抜刀予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。
【0087】
そして、図10(c)〜(e)に示すように、変動パターンP1を指定された演出制御用CPU31aは、はずれ通常変動の変動内容で各列の図柄を順に一旦停止表示させてリーチを含まないはずれ図柄を導出させるとともに、図柄停止コマンドの入力を契機として全列の図柄を確定停止表示させて図柄変動ゲームを終了させる。
【0088】
図10(f)に示すように、演出制御用CPU31aは、変動パターンP3の指定に基づき「ロゴ予兆」の実行を決定した場合、図柄変動ゲーム(1回目の変動サイクル)が開始してから2.5秒が経過する迄の間、ロゴ予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。図10(g)に示すように、演出制御用CPU31aは、変動パターンP3の指定に基づき格上げ予兆の実行を決定した場合、図柄変動ゲームが開始してから2.5秒の間にかけてロゴ予兆が、図柄変動ゲームの開始から2.5秒の経過後、2.5秒の間にかけて抜刀予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。図10(h)に示すように、演出制御用CPU31aは、変動パターンP3の指定に基づき抜刀予兆の実行を決定した場合、図柄変動ゲーム(1回目の変動サイクル)が開始してから2.5秒が経過する迄の間、抜刀予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。
【0089】
そして、図10(f)〜(h)に示すように、演出制御用CPU31aは、図柄変動ゲームの開始から8秒の経過後に左列(第1停止列)に、11秒の経過後に右列(第2停止列)に同一図柄を一旦停止表示させてリーチを形成するとともに、図柄変動ゲームの開始から12秒の経過後、中列の図柄を変動表示させたままリーチ演出を実行する。その後、変動パターンP3で特定される変動時間の終了時に中列に図柄を一旦停止表示させて、大当り図柄又ははずれ図柄を導出させるとともに、図柄停止コマンドの入力を契機として全列の図柄を確定停止表示させて図柄変動ゲームを終了させる。このため、変動パターンP1、及び変動パターンP3に基づく図柄変動ゲームでは、図柄変動ゲームの開始から右列(第2停止列)に図柄が一旦停止表示される迄の間における、各予兆演出の実行タイミング、及び図柄を一旦停止表示させるタイミングが同一タイミングとされる。
【0090】
続けて、図11(a)に示すように、演出制御用CPU31aは、変動パターンP5の指定に基づきロゴ連続演出の実行を決定した場合、各回の変動サイクルにおいて、該変動サイクルが開始してから2.5秒が経過する迄の間、ロゴ予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。また、演出制御用CPU31aは、ロゴ連続演出(変動サイクル×3回)の実行を決定しているため、各回の変動サイクルにおいて、各変動サイクルの開始から2.5秒の経過後、1.5秒の間にかけてロゴ演出が実行されるようにロゴ可動体RKの動作を制御する。
【0091】
図11(b)に示すように、演出制御用CPU31aは、変動パターンP5の指定に基づき抜刀連続演出の実行を決定するとともに、「抜刀予兆」の実行を決定した場合、各回の変動サイクルにおいて、該変動サイクルが開始してから2.5秒が経過する迄の間、抜刀予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。また、演出制御用CPU31aは、抜刀連続演出(変動サイクル×3回)の実行を決定しているため、1回目(初回)及び3回目(最終回)の変動サイクルにおいて、変動サイクルが開始してから10秒の経過後、1秒が経過する迄の間、抜刀演出が実行されるように刀可動体KKの動作を制御する。また、演出制御用CPU31aは、2回目の変動サイクルにおいて、変動サイクルが開始してから4秒が経過してから1秒が経過する迄の間、抜刀演出が実行されるように刀可動体KKの動作を制御する。
【0092】
図11(c)に示すように、演出制御用CPU31aは、変動パターンP5の指定に基づき抜刀連続演出の実行を決定するとともに、格上げ予兆の実行を決定した場合、初回の変動サイクルにおいて、該変動サイクルが開始してから2.5秒の間にかけてロゴ予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。続けて、演出制御用CPU31aは、初回の変動サイクルの開始から2.5秒の経過後、2.5秒の間にかけて抜刀予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。演出制御用CPU31aは、2回目、及び3回目の変動サイクルにおいて、各変動サイクルが開始してから2.5秒が経過する迄の間、抜刀予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。また、演出制御用CPU31aは、抜刀連続演出(変動サイクル×3回)の実行を決定しているため、1回目(初回)及び3回目(最終回)の変動サイクルにおいて、変動サイクルが開始してから10秒の経過後、1秒が経過する迄の間、抜刀演出が実行されるように刀可動体KKの動作を制御する。また、演出制御用CPU31aは、2回目の変動サイクルにおいて、変動サイクルが開始してから4秒が経過してから1秒が経過する迄の間、抜刀演出が実行されるように刀可動体KKの動作を制御する。
【0093】
そして、図11(a)〜(c)に示すように、演出制御用CPU31aは、初回の変動サイクルにおいて通常変動の変動内容で各列の図柄を順に一旦停止表示させ、図柄変動ゲームの開始から12秒後にリーチを含まないはずれ図柄を導出して変動サイクルを終了させる。演出制御用CPU31aは、図柄変動ゲームの開始から12秒の経過に伴って、再び全列の図柄を変動開始させて2回目の変動サイクルを開始させる。演出制御用CPU31aは、2回目の変動サイクルにおいて短縮変動の変動内容で各列の図柄を順に一旦停止表示させ、2回目の変動サイクルの開始から6秒(経過時間=18秒)後にリーチを含まないはずれ図柄を導出して変動サイクルを終了させる。演出制御用CPU31aは、2回目の変動サイクルの開始から6秒(経過時間=18秒)の経過に伴って再び全列の図柄の変動を開始させて最終回(3回目)の変動サイクルを開始させる。そして、演出制御用CPU31aは、最終回の変動サイクルにおいて、該最終回の変動サイクルの開始から8秒(経過時間=26秒)の経過後に左列(第1停止列)に、11秒(経過時間=29秒)の経過後に右列(第2停止列)に同一図柄を一旦停止表示させてリーチを形成する。そして、演出制御用CPU31aは、最終回の変動サイクルの開始から12秒(経過時間=30秒)の経過後、中図柄を変動表示させたままリーチ演出を実行する。その後、演出制御用CPU31aは、変動パターンP5で特定される変動時間の終了時に中列に図柄を一旦停止表示させて、大当り図柄又ははずれ図柄を導出させるとともに、図柄停止コマンドの入力を契機として全列の図柄を確定停止表示させて図柄変動ゲームを終了させる。
【0094】
なお、演出制御用CPU31aは、変動パターンP4(変動サイクル×2回)、又は変動パターンP6(変動サイクル×4回)を指定された場合、初回(1回目)の変動サイクルについて、変動パターンP5を指定された場合における初回の変動サイクルと同様に演出表示装置11、及び各可動体KK,RKを制御する。また、演出制御用CPU31aは、変動パターンP4、又は変動パターンP6を指定された場合、最終回の変動サイクルについて、変動パターンP5を指定された場合における最終回(3回目)の変動サイクルと同様に演出表示装置11及び各可動体KK,RKを制御する。また、演出制御用CPU31aは、変動パターンP6を指定された場合、2回目及び3回目の変動サイクルについて、変動パターンP5を指定された場合における2回目の変動サイクルと同様に演出表示装置11及び各可動体KK,RKを制御する。
【0095】
このため、変動パターンP4〜P6(変動サイクル×複数回)に基づく図柄変動ゲームにおいて、初回、及び最終回の変動サイクルでは、各予兆演出の実行タイミング、及び各列の図柄が一旦停止表示されるタイミングが変動パターンP1に基づくはずれ通常変動の図柄変動ゲームと同一になる。また、変動パターンP5,P6に基づく図柄変動ゲームにおいて、初回及び最終回を除く他の変動サイクルでは、各予兆演出の実行タイミング、及び各列の図柄が一旦停止表示されるタイミングが変動パターンP2に基づくはずれ短縮変動の図柄変動ゲームと同一になる。
【0096】
本実施形態のパチンコ遊技機では、各変動サイクルで実行される予兆演出の演出内容や、連続演出の種類によって今回の図柄変動ゲームの展開を報知することができる。以下、具体的に説明する。
【0097】
本実施形態では、初回の変動サイクルにおいてロゴ予兆が実行された状況から、今回の図柄変動ゲームにおいて、ロゴ予兆に対応するロゴ連続演出が実行される可能性のあることを認識させ得る。また、初回の変動サイクルにおいてロゴ予兆が実行された後、続けて抜刀予兆が実行される可能性があることを認識させ得る。
【0098】
また、ロゴ予兆が実行された場合には、今回の図柄変動ゲームで大当りとなった場合、抜刀予兆又は格上げ予兆が実行された場合と比較して、確変大当りとなる可能性が低いことを認識させ得る。また、本実施形態では、ロゴ連続演出が実行された状況(変動サイクル×複数回)から、ロゴ予兆のみが実行された場合(変動サイクル×1回)と比較して、大当り期待度が高いことを認識できるとともに、ロゴ連続演出を構成する変動サイクルの回数の増加に伴って大当り期待度が高くなることを認識できる。また、本実施形態では、ロゴ連続演出が実行された状況から、今回の図柄変動ゲームで大当りとなった場合、抜刀連続演出が実行された場合と比較して、確変大当りとなる可能性が低いことを認識させ得る。
【0099】
また、本実施形態では、初回の変動サイクルにおいて抜刀予兆又は格上げ予兆が実行された状況から、今回の図柄変動ゲームにおいて、抜刀予兆及び格上げ予兆に対応する抜刀連続演出が実行される可能性のあることを認識させ得る。また、抜刀予兆又は格上げ予兆が実行された場合には、今回の図柄変動ゲームで大当りとなった場合に、ロゴ予兆が実行された場合と比較して、確変大当りとなる可能性の高いことを認識させ得る。また、本実施形態では、抜刀連続演出が実行された状況(変動サイクル×複数回)から、抜刀予兆又は格上げ予兆のみが実行された場合(変動サイクル×1回)と比較して、大当り期待度が高いことを認識できるとともに、抜刀連続演出を構成する変動サイクルの回数の増加に伴って大当り期待度が高くなることを認識できる。また、本実施形態では、抜刀連続演出が実行された状況から、今回の図柄変動ゲームで大当りとなった場合、ロゴ連続演出が実行された場合と比較して、確変大当りとなる可能性が高いことを認識させ得る。
【0100】
このため、本実施形態のパチンコ遊技機では、少ない回数の変動サイクルからなる図柄変動ゲームが実行された場合であっても、抜刀連続演出や、抜刀連続演出に対応する予兆演出(抜刀予兆又は格上げ予兆)が実行されることで、確変大当りとなることに期待させることができる。また、本実施形態のパチンコ遊技機では、確変大当りとなる可能性の低いロゴ連続演出や、ロゴ連続演出に対応するロゴ予兆が実行された場合であっても、多い回数の変動サイクルからなる図柄変動ゲームが実行された場合には、今回の図柄変動ゲームで大当りとなることに期待させることができる。また、抜刀連続演出、及び抜刀連続演出に対応する予兆演出を伴って、多い回数の変動サイクルからなる図柄変動ゲームが実行された状況から、今回の図柄変動ゲームにおいて大当りとなり、かつ確変大当りとなる可能性の高いことを認識させ得る。
【0101】
上記第1の実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、予兆演出、及び開始報知演出を伴う単位変動(変動サイクル)の回数によって大当り期待度を報知する一方で、各単位変動にて実行される予兆演出や、開始報知演出(抜刀演出及びロゴ演出)によって、確変大当りとなるか否か(大当りの種類)を遊技者に報知できる。すなわち、例えば、単位変動(変動サイクル)の回数が少なくても抜刀連続演出に対応する予兆演出(抜刀予兆又は格上げ予兆)や、抜刀連続演出が実行された状況から、大当りとなる可能性が低くても、大当りとなれば確変大当りとなる可能性の高いことを遊技者に認識させ得る。このため、本実施形態では、単位変動(変動サイクル)の回数が少なくても確変大当りとなることに期待させ、遊技者の興趣を向上させることができる。
【0102】
(2)特に、本実施形態では、1回の図柄変動ゲームに含まれる変動サイクルの回数で大当り期待度を報知するようにしている。このため、1回の図柄変動ゲームに含まれる変動サイクルの回数に応じて大当りとなることに期待感を抱かせるとともに、変動サイクルの回数が少なくても確変大当りとなることに期待感を抱かせ、遊技者の興趣を向上させることができる。
【0103】
(3)所定回数の変動サイクルを含む図柄変動ゲームが抜刀連続演出や、抜刀連続演出に対応する予兆演出を伴って実行された場合には、より多い回数の変動サイクルを含む図柄変動ゲームがロゴ予兆や、ロゴ演出を伴って実行された場合と比較して、大当り期待度が低く、且つ大当りとなる場合には確変大当りとなる可能性が高いことが報知される。
【0104】
(4)本実施形態では、大当りとなる場合に確変大当りとなる可能性が高いか否かを、連続演出を構成する開始報知演出(ロゴ演出又は抜刀演出)や、予兆演出により報知している。したがって、遊技者により理解しやすい遊技演出を提供できるとともに、連続演出に対する期待感をより向上させることができる。
【0105】
(5)本実施形態では、ロゴ予兆が実行された場合であっても続けて抜刀予兆(すなわち格上げ予兆)が実行される可能性がある。したがって、最初の単位変動(変動サイクル)においてロゴ予兆が実行されたとしても、遊技者が抱く期待感を維持させることができる。
【0106】
(6)本実施形態では、2回以上の変動サイクルから構成される図柄変動ゲームを特定する変動パターンP4〜P6では、リーチ演出が行われる変動内容が特定されている。したがって、図柄変動ゲームにおいて予兆演出が実行された後、予兆演出に対応する開始報知演出が実行された状況から、今回の図柄変動ゲームが複数回の変動サイクルを含んでいること、及びリーチ演出が行われることを確定的に認識させることができる。
【0107】
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した第2の実施形態を図12〜図16にしたがって説明する。なお、以下の説明では、既に説明した実施形態と同一構成及び同一制御内容について同一符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略する。
【0108】
第1の実施形態では、1回の図柄変動ゲーム中に行われる変動サイクルを1回の単位変動とし、1回、又は複数回の変動サイクルから構成される図柄変動ゲームによって特殊変動演出を構成した。これに代えて、第2の実施形態では、1回の図柄変動ゲームを単位変動とし、1回、又は複数回の図柄変動ゲームによって特殊変動演出を構成した点で第1の実施形態と相違している。本実施形態の連続演出では、複数回の図柄変動ゲームを対象として図柄変動ゲーム毎に予兆演出、及び開始報知演出(ロゴ演出、又は抜刀演出)を表示することにより実行される。また、本実施形態では、開始報知演出を伴わないで単発の予兆演出が行われる図柄変動ゲームが1回の図柄変動ゲームから構成される特殊変動演出となる。なお、本実施形態では、説明を簡略化するため、第1の実施形態に用意された変動パターンのうち、複数回の変動サイクルを含む変動パターンP4〜P6を省略した構成として説明する。
【0109】
最初に、主制御用CPU30aが実行する特別図柄入力処理について、図12にしたがって説明する。本実施形態の特別図柄入力処理は、第1の実施形態の特別図柄入力処理と同様のステップSA1〜SA4の処理が行われる一方で、ステップSA4の処理に続けて先読みコマンド設定処理が行われる点でのみ異なっている。以下、先読みコマンド設定処理を中心に説明する。
【0110】
ステップSA4の処理において、主制御用CPU30aは、第1の実施形態と同様に、各種乱数の値(本実施形態では大当り判定用乱数の値、リーチ判定用乱数の値、及び特別図柄振分用乱数の値)を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を保留記憶数に対応する主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。ステップSA4の処理を終えた主制御用CPU30aは、続けて先読みコマンド設定処理を実行する。
【0111】
図12に示すように、先読みコマンド設定処理において、主制御用CPU30aは、ステップSA4で取得した大当り判定用乱数の値と、前述した大当り判定値のうち共通値とを比較し、両値が一致するか否かを事前判定する。すなわち、ステップSB1において、主制御用CPU30aは、ステップSA4で主制御用RAM30cに記憶させた始動保留球に基づく図柄変動ゲームが、大当り抽選時における遊技状態が確変状態及び非確変状態の何れであっても大当りとなるか否かを判定している。ステップSB1の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、ステップSA4で取得した特別図柄振分用乱数の値に対応する大当り図柄(特別図柄)が、確変大当りの特別図柄ZAであるか否かを判定する(ステップSB2)。
【0112】
ステップSB2の判定結果が肯定の場合(特別図柄ZAの場合)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数を確認するとともに、確認した保留記憶数に対応する先読みコマンド「E1HxxH」を演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する(ステップSB3)。なお、各先読みコマンドの下位バイトに示す「xxH」には、保留記憶数を示す値が設定される。例えば、下位バイトとして「01H」が設定された場合には、保留記憶数が1個であることを示し、下位バイトとして「03H」が設定された場合には、保留記憶数が3個であることを示す。したがって、先読みコマンド「E1HxxH」は、確変状態か否かを問わずに確変大当りとなること、及び大当りか否かの事前判定の時点における保留記憶数を特定可能な制御コマンドとなる。なお、ステップSB3の処理で主制御用CPU30aが確認する保留記憶数は、ステップSA3で1加算された更新後の保留記憶数である。その後、主制御用CPU30aは、先読みコマンド設定処理を終了する。
【0113】
また、ステップSB2の判定結果が否定の場合(特別図柄ZBの場合)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数を確認するとともに、確認した保留記憶数に対応する先読みコマンド「E2HxxH」を演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する(ステップSB4)。したがって、先読みコマンド「E2HxxH」は、確変状態か否かを問わずに非確変大当りとなること、及び大当りか否かの事前判定の時点における保留記憶数を特定可能な制御コマンドとなる。その後、主制御用CPU30aは、先読みコマンド設定処理を終了する。
【0114】
また、ステップSB1の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、ステップSA4で取得した大当り判定用乱数の値と、前述した大当り判定値のうち非共通値とを比較し、両値が一致するか否かを判定する(ステップSB5)。すなわち、ステップSB5において、主制御用CPU30aは、ステップSA4で主制御用RAM30cに記憶させた始動保留球に基づく図柄変動ゲームが、大当り抽選時における遊技状態が確変状態の場合にのみ大当りとなるか否かを事前判定している。ステップSB5の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、ステップSA4で取得した特別図柄振分用乱数の値に対応する大当り図柄(特別図柄)が、確変大当りの特別図柄ZAであるか否かを判定する(ステップSB6)。
【0115】
ステップSB6の判定結果が肯定の場合(特別図柄ZAの場合)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数を確認するとともに、確認した保留記憶数に対応する先読みコマンド「E3HxxH」を演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する(ステップSB7)。したがって、先読みコマンド「E3HxxH」は、確変状態の場合にのみ確変大当りとなること、及び大当りか否かの事前判定の時点における保留記憶数を特定可能な制御コマンドとなる。その後、主制御用CPU30aは、先読みコマンド設定処理を終了する。
【0116】
一方、ステップSB6の判定結果が否定の場合(特別図柄ZBの場合)、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数を確認するとともに、確認した保留記憶数に対応する先読みコマンド「E4HxxH」を演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する(ステップSB8)。したがって、先読みコマンド「E4HxxH」は、確変状態の場合にのみ非確変大当りとなること、及び大当りか否かの事前判定の時点における保留記憶数を特定可能な制御コマンドとなる。その後、主制御用CPU30aは、先読みコマンド設定処理を終了する。
【0117】
また、ステップSB5の判定結果が否定の場合(はずれの場合)、主制御用CPU30aは、ステップSA4で取得したリーチ判定用乱数の値と、リーチ判定値とを比較し、両値が一致するか否かを判定する(ステップSB9)。すなわち、ステップSB9において、主制御用CPU30aは、ステップSA4で主制御用RAM30cに記憶させた始動保留球に基づく図柄変動ゲームが、はずれリーチ変動となるか否かを事前判定している。ステップSB9の判定結果が肯定の場合(はずれリーチ変動の場合)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数を確認するとともに、確認した保留記憶数に対応する先読みコマンド「E5HxxH」を演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する(ステップSB10)。したがって、先読みコマンド「E5HxxH」は、はずれリーチとなること、及びリーチか否かの事前判定の時点における保留記憶数を特定可能な制御コマンドとなる。その後、主制御用CPU30aは、先読みコマンド設定処理を終了する。
【0118】
また、ステップSB9の判定結果が否定の場合(はずれの場合)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数を確認するとともに、確認した保留記憶数に対応する先読みコマンド「E6HxxH」を演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する(ステップSB11)。したがって、先読みコマンド「E6HxxH」は、はずれ変動となること、及び大当り(リーチ)か否かの事前判定の時点における保留記憶数を特定可能な制御コマンドとなる。その後、主制御用CPU30aは、先読みコマンド設定処理を終了する。本実施形態では、先読みコマンド設定処理を実行する主制御用CPU30aが、当り判定手段、及び当り種判定手段として機能する。
【0119】
次に、演出制御用CPU31aが主制御基板30(主制御用CPU30a)から先読みコマンドを入力した際に実行する演出設定処理について説明する。
演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから各先読みコマンドを入力すると、入力した先読みコマンド(制御コマンドの値)を、該コマンドで指定された保留記憶数に対応付けられた演出制御用RAM31cの記憶領域に記憶させる(設定する)。本実施形態の演出制御用RAM31cには、保留記憶数1〜4にそれぞれ対応付けた4つの記憶領域が設定されている。例えば、演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから先読みコマンド「E1H03H」を入力すると、先読みコマンド「E1H03H」を演出制御用RAM31cにおいて保留記憶数3に対応付けた記憶領域に記憶させる。同様に、演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから先読みコマンド「E6H01H」(はずれ変動)を入力すると、先読みコマンド「E6H01H」を演出制御用RAM31cにおいて保留記憶数1に対応付けられた領域に記憶させる。
【0120】
なお、演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから図柄変動ゲームの終了を指示される(図柄停止コマンドを入力する)毎に、現在の保留記憶数から−1(1減算)した保留記憶数に新たに対応付けて先読みコマンドを演出制御用RAM31cに記憶する更新記憶処理(所謂シフト処理)を実行する。具体的に言えば、演出制御用CPU31aは、保留記憶数n(n=2〜4)に対応する記憶領域に記憶されている先読みコマンドを、保留記憶数n−1(1〜3)に対応付けた記憶領域に記憶させる。なお、保留記憶数1に対応付けた記憶領域に記憶されている先読みコマンドは、更新記憶処理の実行に伴って保留記憶数2に記憶されていた先読みコマンドに上書きされる(すなわち消去される)。
【0121】
例えば、保留記憶数3に対応付けた記憶領域に先読みコマンド「E1H03H」が記憶されている場合に、図柄停止コマンドが入力されると、該先読みコマンド「E1H03H」は、保留記憶数2に対応付けた記憶領域に記憶される。また、保留記憶数1に対応付けた記憶領域に先読みコマンド「E6H01H」が記憶されている場合に、図柄停止コマンドが入力されると、該先読みコマンド「E6H01H」は、保留記憶数2に対応付けた記憶領域に記憶されていた先読みコマンドの値によって上書きされる。このような構成によれば、始動入賞口15で入賞検知されたことを契機として主制御用RAM30cに記憶された始動保留球に対応する先読みコマンドは、該対応する始動保留球に基づく図柄変動ゲームが終了する迄の間、演出制御用RAM31cに記憶保持されることになる。
【0122】
演出設定処理の説明に戻り、先読みコマンドを記憶させた演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから入力した先読みコマンド、及び演出制御用RAM31cにおける先読みコマンドの記憶状態をもとに、連続演出の実行可否を決定する。なお、本実施形態において、演出制御用CPU31aは、先読みコマンドで指定される保留記憶数分の図柄変動ゲーム(保留中の図柄変動ゲーム)を対象とした連続演出を実行するか否かを判定する。
【0123】
先読みコマンドを記憶させた演出制御用CPU31aは、入力した先読みコマンドが「E3HxxH」及び「E4HxxH」の何れかである場合、連続演出の非実行を一義的に決定して演出設定処理を終了する。すなわち、遊技状態が確変状態である場合にのみ大当りとなると事前判定された場合には、連続演出を実行させない。また、演出制御用CPU31aは、入力した先読みコマンドが「E1HxxH」、「E2HxxH」、「E5HxxH」、及び「E6HxxH」の何れかである場合、入力した先読みコマンドに指定される保留記憶数が2個以上(複数個)であるか否かを判定する。すなわち、演出制御用CPU31aは、複数回の図柄変動ゲームの実行が保留されているか否かを判定する。この判定結果が否定の場合(保留記憶数が1個以下の場合)、連続演出の非実行を一義的に決定して演出設定処理を終了する。一方、先読みコマンドに指定される保留記憶数が2個以上の場合、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cにおいて保留記憶数1〜4に対応付けられた記憶領域に、先読みコマンド「E1HxxH」〜「E5HxxH」の何れかが記憶されているか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、連続演出の非実行を一義的に決定して演出設定処理を終了する。したがって、本実施形態では、既に保留中の図柄変動ゲームに、大当り変動の図柄変動ゲーム、又ははずれリーチ変動の図柄変動ゲームが含まれている場合、新たな先読みコマンドの入力に基づき連続演出の非実行を決定する。
【0124】
その一方で、先読みコマンド「E1HxxH」〜「E5HxxH」の何れかが記憶されているか否かの前記判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cから第1演出振分用乱数の値を取得する。そして、演出制御用CPU31aは、取得した第1演出振分用乱数の値、及び入力した先読みコマンドをもとに図13に示す実行可否判定テーブルTDを参照して連続演出の実行可否を決定する。実行可否判定テーブルTDは、演出制御用ROM31bに記憶されている。図13に示すように、実行可否判定テーブルTDでは、先読みコマンドで特定可能な図柄変動ゲームの変動内容、及び保留記憶数(2〜4)との組み合わせ毎に第1演出振分用乱数の値が、この第1演出振分用乱数の値の取り得る数値(0〜1000の全1001通りの整数値)の中から所定個数ずつ振り分けられている。例えば、実行可否判定テーブルTDによれば、演出制御用CPU31aは、保留記憶数が3個の場合であって、先読みコマンドで「はずれ」が指定された場合には1001分の0の確率で、「はずれリーチ」が指定された場合には1001分の100の確率で連続演出の実行可を決定する。また、実行可否判定テーブルTDによれば、演出制御用CPU31aは、保留記憶数が3個の場合であって、先読みコマンドで「確変大当り」が指定された場合には1001分の500の確率で、「非確変大当り」が指定された場合には1001分の500の確率で連続演出の実行可を決定する。
【0125】
本実施形態では、実行可否判定テーブルTDにおける第1演出振分用乱数の値の振り分け態様によれば、先読みコマンドで「はずれ」が指定された場合であって、先読みコマンドで指定された保留記憶数が2個のときに連続演出の実行可を決定し得る一方で、保留記憶数が3個又は4個のときには連続演出の実行可を決定し得ない。また、本実施形態では、先読みコマンドで「はずれリーチ」が指定された場合であって、先読みコマンドで指定される保留記憶数が2個又は3個のときには連続演出の実行可を決定し得る一方で、保留記憶数が4個のときには連続演出の実行可を決定し得ない。また、本実施形態では、先読みコマンドで「確変大当り」又は「非確変大当り」が指定された場合、先読みコマンドで指定された保留記憶数が2〜4個の何れの場合であっても、連続演出の実行可を決定し得る。
【0126】
このため、本実施形態の連続演出は、3回以上の図柄変動ゲームを対象として実行された場合、連続演出の対象とされた図柄変動ゲームのうち、最終回の図柄変動ゲームにおいてはずれリーチ、又は大当りとなることを認識できるリーチ確定演出として位置付けられる。また、本実施形態の連続演出は、4回の図柄変動ゲームを対象として実行された場合、連続演出の対象とされた図柄変動ゲームのうち、最終回の図柄変動ゲームが大当りとなることを確定的に認識できる大当り確定演出として位置付けられる。そして、本実施形態では、特殊変動演出を構成する図柄変動ゲームの回数が1回、2回、3回、及び4回の順に増加する程、特殊変動演出を構成する図柄変動ゲームのうち最終回の図柄変動ゲームが大当りとなる大当り期待度が高くなる。すなわち、本実施形態では、特殊変動演出を構成する図柄変動ゲームの回数が1回、2回、3回、及び4回の順に増加する程、大当りとはずれの場合に選択される割合の合算割合に占める大当りの場合に選択される割合が高くなる。なお、1回の図柄変動ゲームから構成される特殊変動演出(単発の予兆演出)の実行に係る制御については後述する。以下の説明では、連続演出の対象とされた図柄変動ゲームのうち、最終回の図柄変動ゲームを単に「最終回の図柄変動ゲーム」と示す場合がある。本実施形態では、図柄変動ゲームの回数として1回〜3回が第1回数となり、4回が第2回数となる。
【0127】
連続演出の実行可を決定した場合、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cから第2演出振分用乱数の値を読み出すとともに、読み出した第2演出振分用乱数の値、及び先読みコマンドに指定された変動内容をもとに図14に示す連続演出振分テーブルTEを参照して連続演出の種類を決定する。連続演出振分テーブルTEは、演出制御用ROM31bに記憶されている。図14に示すように、連続演出振分テーブルTEでは、先読みコマンドに指定される変動内容としてはずれ、はずれリーチ、特別図柄ZA(確変大当り)、及び特別図柄ZB(非確変大当り)に区分して、変動内容毎に連続演出の種類としてロゴ連続演出、及び抜刀連続演出が対応付けられている。そして、連続演出振分テーブルTEでは、各連続演出に対して第2演出振分用乱数の値が、この第2演出振分用乱数の取り得る数値(0〜899までの全900通りの整数値)の中から所定個数ずつ振り分けられている。連続演出振分テーブルTEによれば、例えば、先読みコマンドではずれリーチが指定されている場合には、900分の450の確率で「ロゴ連続演出」が、900分の450の確率で「抜刀連続演出」が決定され得る。
【0128】
本実施形態では、連続演出振分テーブルTEにおける第2演出振分用乱数の値の振り分け態様によれば、先読みコマンドで変動内容としてはずれ又ははずれリーチが指定されている場合、ロゴ連続演出及び抜刀連続演出が同じ割合で決定され得る。また、連続演出振分テーブルTEによれば、先読みコマンドで変動内容として確変大当り(特別図柄ZA)が指定されている場合には、抜刀連続演出のほうがロゴ連続演出と比較して選択され易い。一方、連続演出振分テーブルTEによれば、先読みコマンドで変動内容として非確変大当り(特別図柄ZB)が指定されている場合には、ロゴ連続演出のほうが抜刀連続演出と比較して選択され易い。
【0129】
このような構成から、本実施形態では、連続演出の対象とされる図柄変動ゲームの回数が増加することに伴って大当り期待度が高くなる一方で、連続演出の対象とされる図柄変動ゲームの回数が同一である場合、抜刀連続演出及びロゴ連続演出の間で大当り期待度が同一となる。また、本実施形態では、先読みコマンドで変動内容として確変大当り(特別図柄ZA)が指定されている場合、ロゴ連続演出よりも抜刀連続演出のほうが決定され易い。このため、本実施形態において抜刀連続演出は、ロゴ連続演出と比較して、最終回の図柄変動ゲームが大当りとなった場合に、確変大当り(特別図柄ZA)となる可能性の高いことを示す連続演出として位置付けられる。その一方で、本実施形態においてロゴ連続演出は、抜刀連続演出と比較して、最終回の図柄変動ゲームが大当りとなった場合に、確変大当り(特別図柄ZA)となる可能性の低いことを示す連続演出として位置付けられる。
【0130】
連続演出の種類を決定すると、演出制御用CPU31aは、当該決定内容にしたがって、演出制御用RAM31cに記憶される連続演出フラグの値を設定する。連続演出フラグには、ロゴ連続演出を実行させることを示すロゴ連続演出フラグと、抜刀連続演出を実行させることを示す抜刀連続演出フラグとがある。また、各連続演出フラグの値は、対応する連続演出を実行する図柄変動ゲームの残り回数を示す。例えば、ロゴ連続演出フラグの値が「3」の場合、3回の図柄変動ゲームを対象としてロゴ連続演出を実行させることを示す。
【0131】
また、演出制御用CPU31aは、ロゴ連続演出の実行を決定した場合、入力した先読みコマンドで指定された保留記憶数をロゴ連続演出フラグに設定する。また、演出制御用CPU31aは、抜刀連続演出の実行を決定した場合、入力した先読みコマンドで指定された保留記憶数を抜刀連続演出フラグに設定する。例えば、演出制御用CPU31aは、先読みコマンド「E1H03H」を入力している場合であって、ロゴ連続演出の実行を決定した場合には、ロゴ連続演出フラグに「3」を設定する一方で、抜刀連続演出の実行を決定した場合には、抜刀連続演出フラグに「3」を設定する。
【0132】
連続演出の種類を決定した場合、演出制御用CPU31aは、続けて、連続演出の対象となる図柄変動ゲームにおける予兆演出の実行可否の決定、及び実行可の場合の予兆演出の演出内容の選択を実行する。具体的に言えば、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cから第1演出振分用乱数の値を読み出すとともに、該読み出した乱数の値、先読みコマンドで指定される変動内容、及び連続演出の種類をもとに図15に示す第3予兆演出振分テーブルTFを参照して予兆演出の実行可否、及び実行可の場合の予兆演出の演出内容を選択する。この第3予兆演出振分テーブルTFは、演出制御用ROM31bに記憶されている。図15に示すように、第3予兆演出振分テーブルTFでは、連続演出の種類に区分して、先読みコマンドで指定される変動内容毎に予兆演出の演出内容を対応付けるとともに、各演出内容に対して第1演出振分用乱数の値が該第1演出振分用乱数の値の取り得る数値(0〜1000の全1001通りの整数値)の中から所定個数ずつ振り分けられている。
【0133】
第3予兆演出振分テーブルTFによれば、例えば、先読みコマンドで変動内容として確変大当り(特別図柄ZA)が指定された場合であって、ロゴ連続演出を決定した場合には、1001分の51の確率で「なし」が、1001分の950の確率で「ロゴ予兆」が選択され得る。同様に、先読みコマンドで変動内容として確変大当り(特別図柄ZA)が指定された場合であって、抜刀連続演出を決定した場合には、1001分の51の確率で「なし」が、1001分の450の確率で「格上げ予兆」が、1001分の500の確率で「抜刀予兆」が選択され得る。
【0134】
本実施形態では、第3予兆演出振分テーブルTFにおける第1演出振分用乱数の値の振り分け態様から、ロゴ連続演出の実行が決定されている場合には、「なし」、及び「ロゴ予兆」の何れかが選択され得る一方で、抜刀予兆、及び格上げ予兆が選択され得ない。また、第3予兆演出振分テーブルTFでは、抜刀連続演出の実行が決定されている場合、「なし」、「格上げ予兆」、及び「抜刀予兆」の何れかが選択され得る一方で、「ロゴ予兆」が選択され得ない。
【0135】
本実施形態においてロゴ予兆は、ロゴ連続演出に対応する予兆演出であり、抜刀予兆、及び格上げ予兆は、抜刀連続演出に対応する予兆演出である。このため、本実施形態において、抜刀予兆及び格上げ予兆は、ロゴ予兆と比較して最終回の図柄変動ゲームが大当りとなった場合に、確変大当り(特別図柄ZA)となる可能性の高いことを示す予兆演出として位置付けられる、その一方で、本実施形態において、ロゴ予兆は、抜刀予兆及び格上げ予兆と比較して、最終回の図柄変動ゲームが大当りとなった場合に、確変大当り(特別図柄ZA)となる可能性の低いことを示す予兆演出として位置付けられる。また、本実施形態では、各連続演出を実行する対象の図柄変動ゲームの回数に係わらず、決定された連続演出に対応する予兆演出の実行が同一の割合で決定される。このため、本実施形態では、抜刀予兆及び格上げ予兆と、ロゴ予兆とで対応する連続演出が実行される可能性の高さが同一となる。
【0136】
予兆演出の演出内容を決定すると、演出制御用CPU31aは、決定した予兆演出の演出内容に対応する値を、演出制御用RAM31cに記憶される予兆演出フラグに設定する。予兆演出フラグは、その値として「0」が設定されている場合には予兆演出の非実行を示し、「1」が設定されている場合にはロゴ予兆の実行を示し、「2」が設定されている場合には格上げ予兆の実行を示し、「3」が設定されている場合には抜刀予兆の実行を示す。
【0137】
次に、演出制御用CPU31aが変動パターン指定コマンドを入力した際に実行する連続演出実行処理について説明する。
まず、連続演出実行処理において、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、演出制御用RAM31cにロゴ連続演出フラグ、又は抜刀連続演出フラグが設定されているか否か(1以上であるか否か)を判定する。
【0138】
ロゴ連続演出フラグが設定されている場合、演出制御用CPU31aは、ロゴ演出に対応する可動体演出用データを選択する。また、演出制御用CPU31aは、予兆演出フラグの値を参照するとともに、予兆演出フラグに「1」が設定されている場合に、ロゴ予兆に対応する効果画像の画像表示用データを選択する。なお、演出制御用CPU31aは、予兆演出フラグが設定されていない場合(「0」が設定されている場合)、効果画像の画像表示用データを選択せず、予兆演出を実行させない。
【0139】
また、抜刀連続演出フラグが設定されている場合、演出制御用CPU31aは、予兆演出フラグの値を参照する。演出制御用CPU31aは、予兆演出フラグに「3(抜刀演出)」が設定されている場合、抜刀予兆に対応する効果画像の画像表示用データ、及び抜刀演出に対応する可動体演出用データを選択する。また、演出制御用CPU31aは、予兆演出フラグが設定されていない場合(「0」が設定されている場合)、効果画像の画像表示用データを選択せず、予兆演出を実行させないとともに、抜刀演出に対応する可動体演出用データを選択する。
【0140】
また、演出制御用CPU31aは、予兆演出フラグに「2(格上げ予兆)」が設定されている場合、演出制御用RAM31cに記憶される実行済みフラグが設定されているか否かを判定する。実行済みフラグは、その値として「1」が設定されている場合には、格上げ予兆を実行済みであることを示す一方で、その値として「0」が設定されている場合には、格上げ予兆を実行済みではないことを示す。演出制御用CPU31aは、実行済みフラグが設定されている場合(「1」の場合)、抜刀予兆に対応する効果画像の画像表示用データ、及び抜刀演出に対応する可動体演出用データを選択する。
【0141】
また、演出制御用CPU31aは、実行済みフラグが設定されていない場合(「0」の場合)、さらに変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンが変動パターンP1(はずれ通常変動)、変動パターンP3A(はずれリーチ)、及び変動パターンP3B(大当り変動)の何れかであるか否かを判定する。変動パターンP1,P3の何れかが指定されている場合、演出制御用CPU31aは、今回の図柄変動ゲームで格上げ予兆を実行させるため、ロゴ予兆に対応する効果画像の画像表示用データ、及び抜刀予兆に対応する効果画像の画像表示用データを選択する。このとき、演出制御用CPU31aは、抜刀演出に対応する可動体演出用データも併せて選択する。そして、演出制御用CPU31aは、実行済みフラグに「1」を設定する。
【0142】
一方、演出制御用CPU31aは、変動パターンP2(はずれ短縮変動)を指定されている場合、今回の図柄変動ゲームで格上げ予兆を実行させないでロゴ予兆を実行させるため、ロゴ予兆に対応する効果画像の画像表示用データ、及びロゴ演出に対応する可動体演出用データを選択する。また、実行済みフラグが設定されている場合(「1」の場合)、演出制御用CPU31aは、今回の図柄変動ゲームで抜刀予兆を実行させるため、抜刀予兆に対応する効果画像の画像表示用データ、及び抜刀演出に対応する可動体演出用データを選択する。
【0143】
また、各連続演出フラグが何れも設定されていない場合、演出制御用CPU31aは、続けて今回の図柄変動ゲームにおいて単発の予兆演出(1回の図柄変動ゲームからなる特殊変動演出)を実行するか否かを判定する。具体的に言えば、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cから第1演出振分用乱数の値を取得するとともに、取得した乱数の値と、変動パターン指定コマンド及び停止図柄指定コマンドで特定できる今回の図柄変動ゲームの変動内容とをもとに、図16に示す第4予兆演出振分テーブルTGを参照して予兆演出の演出内容を選択する。なお、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンに基づき、図柄変動ゲームの変動内容としてはずれ通常変動、はずれ短縮変動、はずれリーチ変動、及び大当り変動の何れであるかを認識する。また、変動パターン指定コマンドで大当り変動の変動パターンP3Bが指定された場合、演出制御用CPU31aは、停止図柄指定コマンドで指定される大当り図柄(特別図柄)に基づき、確変大当り(大当り図柄ZA)、及び非確変大当り(特別図柄ZB)の何れであるかを認識する。
【0144】
第4予兆演出振分テーブルTGは、演出制御用ROM31bに記憶されている。第4予兆演出振分テーブルTGでは、今回の図柄変動ゲームの変動内容毎に予兆演出の演出内容が対応付けられているとともに、予兆演出の演出内容毎に第1演出振分用乱数の値が、この第1演出振分用乱数の値の取り得る数値(0〜1000の全1001通りの整数値)の中から所定個数ずつ振り分けられている。例えば、今回の図柄変動ゲームの変動内容がはずれリーチである場合、演出制御用CPU31aは、1001分の941の確率で「なし」を、1001分の30の確率で「ロゴ予兆」を、1001分の15の確率で「格上げ予兆」を、1001分の15の確率で「抜刀予兆」を選択し得る。同様に、例えば、今回の図柄変動ゲームが確変大当り(特別図柄ZA)の大当り変動である場合、演出制御用CPU31aは、1001分の301の確率で「なし」を、1001分の100の確率で「ロゴ予兆」を、1001分の300の確率で「格上げ予兆」を、1001分の300の確率で「抜刀予兆」を選択し得る。
【0145】
本実施形態では、第4予兆演出振分テーブルTGにおける第1演出振分用乱数の値の振り分け態様によれば、はずれの変動パターンP1,P2,P3Aが指定された場合には、予兆演出の演出内容として「ロゴ予兆」が選択される割合と、「格上げ予兆」及び「抜刀予兆」の何れかが選択される割合が同一割合(何れも1001分の30)となる。また、第4予兆演出振分テーブルTGにおける第1演出振分用乱数の値の振り分け態様によれば、はずれ短縮変動の変動パターンP2が指定された場合には、予兆演出の演出内容として「格上げ予兆」が選択され得ない。
【0146】
そして、演出制御用CPU31aは、予兆演出の演出内容として「なし」を選択した場合、効果画像の画像表示用データを選択せず、予兆演出を実行させない。また、演出制御用CPU31aは、予兆演出の演出内容として「ロゴ予兆」を選択した場合、ロゴ予兆に対応する効果画像の画像表示用データを選択する。演出制御用CPU31aは、予兆演出の演出内容として「抜刀予兆」を選択した場合、抜刀予兆に対応する効果画像の画像表示用データを選択する。演出制御用CPU31aは、予兆演出の演出内容として「格上げ予兆」を選択した場合、ロゴ予兆、及び抜刀予兆に対応する効果画像の画像表示用データを選択する。
【0147】
その後、演出制御用CPU31aは、計測した経過時間、及び予兆演出用の画像表示用データをもとに演出表示装置11を制御し、図柄変動ゲームの実行中に各予兆演出(ロゴ予兆及び抜刀予兆)を実行させる。また、演出制御用CPU31aは、計測した経過時間、及び可動体演出用データをもとに各可動体KK,RKの動作を制御し、図柄変動ゲームの実行中に開始報知演出(ロゴ演出及び抜刀演出)を実行させる。
【0148】
また、演出制御用CPU31aは、ロゴ連続演出フラグ、又は抜刀連続演出フラグが設定されている場合、図柄変動ゲームが終了する毎(図柄停止コマンドを入力する毎)に連続演出フラグの値を−1(1減算)する。また、演出制御用CPU31aは、連続演出フラグの値を−1(1減算)したことに伴って、連続演出フラグの値が0(零)となった場合、設定されている予兆演出フラグ、及び実行済みフラグの値をリセット(クリア)する。
【0149】
以下、本実施形態の演出制御用CPU31aが演出表示装置11に予兆演出を実行させる際の制御内容、及び各可動体KK,RKに開始報知演出を実行させる際の制御内容について、図10、及び図11にしたがって説明する。なお、図10、及び図11に示す「1回目」、「2回目」、及び「3回目」は、第1の実施形態では変動サイクルの回数を示したが、本実施形態では図柄変動ゲームの回数として読み替えるものとする。
【0150】
図10(a)〜(h)に示すように、連続演出フラグが設定されていないことに基づき、演出制御用CPU31aが各予兆演出の実行を決定した場合に関して、演出制御用CPU31aが実行する制御内容は、第1の実施形態において変動パターンP1〜P3が指定された場合の制御内容と同一であるので、その説明を省略する。
【0151】
図11(a)は、先読みコマンド「E5H03H」の入力を契機として、ロゴ連続演出、及びロゴ予兆の実行を決定した状況を示す。また、図11(a)では、1回目の図柄変動ゲームにおいて始動入賞口15に遊技球が入球し、2回目の図柄変動ゲームの開始直前の保留記憶数が4個となることにより、1回目の図柄変動ゲームが変動パターンP1にて、2回目の図柄変動ゲームが変動パターンP2にて実行された状況を示す。この場合、演出制御用CPU31aは、1回目〜3回目の図柄変動ゲームが開始してから2.5秒の間にかけてロゴ予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。また、演出制御用CPU31aは、各図柄変動ゲームにおいて、各図柄変動ゲームの開始から2.5秒の経過後、1.5秒の間にかけてロゴ演出が実行されるようにロゴ可動体RKの動作を制御する。なお、先読みコマンド「E1HxxH」、「E2HxxH」、及び「E6HxxH」の入力を契機に、ロゴ連続演出、及びロゴ予兆の実行を決定した場合における演出制御用CPU31aの制御内容は同様であるのでその詳細な説明を省略する。
【0152】
図11(b)は、先読みコマンド「E5H03H」の入力を契機として、抜刀連続演出、及び抜刀予兆の実行を決定した状況を示す。また、図11(b)では、1回目の図柄変動ゲームにおいて始動入賞口15に遊技球が入球し、2回目の図柄変動ゲームの開始直前の保留記憶数が4個となることにより、1回目の図柄変動ゲームが変動パターンP1にて、2回目の図柄変動ゲームが変動パターンP2にて実行された状況を示す。この場合、演出制御用CPU31aは、1回目〜3回目の図柄変動ゲームが開始してから2.5秒の間にかけて抜刀予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。また、演出制御用CPU31aは、1回目及び3回目(最終回)の図柄変動ゲームにおいて、各図柄変動ゲームが開始してから10秒の経過後、1秒が経過する迄の間、抜刀演出が実行されるように刀可動体KKの動作を制御する。また、演出制御用CPU31aは、2回目の図柄変動ゲームにおいて、図柄変動ゲームが開始してから4秒の経過後、1秒が経過する迄の間、抜刀演出が実行されるように刀可動体KKの動作を制御する。なお、先読みコマンド「E1HxxH」、「E2HxxH」、及び「E6HxxH」の入力を契機に、抜刀連続演出、及び抜刀予兆の実行を決定した場合における演出制御用CPU31aの制御内容は同様であるのでその詳細な説明を省略する。
【0153】
図11(c)は、先読みコマンド「E5H03H」の入力を契機として、抜刀連続演出、及び格上げ予兆の実行を決定した状況を示す。また、図11(c)では、1回目の図柄変動ゲームにおいて始動入賞口15に遊技球が入球し、2回目の図柄変動ゲームの開始直前の保留記憶数が4個となることにより、1回目の図柄変動ゲームが変動パターンP1にて、2回目の図柄変動ゲームが変動パターンP2にて実行された状況を示す。この場合、演出制御用CPU31aは、1回目の図柄変動ゲームにおいて、該図柄変動ゲームが開始してから2.5秒の間にかけてロゴ予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。続けて、演出制御用CPU31aは、1回目の図柄変動ゲームの開始から2.5秒の経過後、2.5秒の間にかけて抜刀予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。演出制御用CPU31aは、2回目及び3回目の図柄変動ゲームが開始してから2.5秒の間にかけて抜刀予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。また、演出制御用CPU31aは、1回目及び3回目(最終回)の図柄変動ゲームにおいて、各図柄変動ゲームが開始してから10秒の経過後、1秒が経過する迄の間、抜刀演出が実行されるように刀可動体KKの動作を制御する。また、演出制御用CPU31aは、2回目の図柄変動ゲームにおいて、図柄変動ゲームが開始してから4秒の経過後、1秒が経過する迄の間、抜刀演出が実行されるように刀可動体KKの動作を制御する。
【0154】
また、先読みコマンド「E5H03H」の入力を契機として、抜刀連続演出、及び格上げ予兆の実行を決定するとともに、1回目及び2回目の図柄変動ゲームの開始直前の保留記憶数が4個となることにより、1回目及び2回目の図柄変動ゲームが変動パターンP2にて実行された場合について説明する。この場合、演出制御用CPU31aは、1回目及び2回目の図柄変動ゲームにおいて、各図柄変動ゲームが開始してから2.5秒の間にかけてロゴ予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。また、演出制御用CPU31aは、1回目、及び2回目の図柄変動ゲームにおいて、各図柄変動ゲームの開始から2.5秒の経過後、1.5秒の間にかけてロゴ演出が実行されるようにロゴ可動体RKの動作を制御する。演出制御用CPU31aは、3回目の図柄変動ゲームにおいて、該図柄変動ゲームが開始してから2.5秒の間にかけてロゴ予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。続けて、演出制御用CPU31aは、3回目の図柄変動ゲームの開始から2.5秒の経過後、2.5秒の間にかけて抜刀予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。また、演出制御用CPU31aは、3回目の図柄変動ゲームにおいて、図柄変動ゲームが開始してから10秒の経過後、1秒が経過する迄の間、抜刀演出が実行されるように刀可動体KKの動作を制御する。
【0155】
また、先読みコマンド「E5H03H」の入力を契機として、抜刀連続演出、及び格上げ予兆の実行を決定するとともに、1回目の図柄変動ゲームの開始直前の保留記憶数が4個となることにより、1回目の図柄変動ゲームが変動パターンP2にて、2回目の図柄変動ゲームが変動パターンP1にて実行された場合について説明する。すなわち、4回の図柄変動ゲームが保留中であり、そのうち1回目〜3回目の図柄変動ゲームを対象として連続演出が実行される場合について説明する。この場合、演出制御用CPU31aは、1回目及び2回目の図柄変動ゲームにおいて、1回目及び2回目の図柄変動ゲームが開始してから2.5秒の間にかけてロゴ予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。また、演出制御用CPU31aは、2回目の図柄変動ゲームにおいて、該図柄変動ゲームの開始から2.5秒の経過後、2.5秒の間にかけて抜刀予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。演出制御用CPU31aは、3回目の図柄変動ゲームが開始してから2.5秒の間にかけて抜刀予兆が画像表示されるように演出表示装置11を制御する。演出制御用CPU31aは、1回目の図柄変動ゲームにおいて、図柄変動ゲームの開始から2.5秒の経過後、1.5秒の間にかけてロゴ演出が実行されるようにロゴ可動体RKの動作を制御する。また、演出制御用CPU31aは、2回目、及び3回目(最終回)の図柄変動ゲームにおいて、図柄変動ゲームが開始してから10秒の経過後、1秒が経過する迄の間、抜刀演出が実行されるように刀可動体KKの動作を制御する。
【0156】
なお、先読みコマンド「E1HxxH」、「E2HxxH」、及び「E6HxxH」の入力を契機に、抜刀連続演出、及び格上げ予兆の実行を決定した場合における演出制御用CPU31aの制御内容は同様であるのでその詳細な説明を省略する。すなわち、演出制御用CPU31aは、格上げ予兆の実行を決定した場合、連続演出の対象とされた図柄変動ゲームのうち、変動パターンP1,P3の何れかで実行される最初の図柄変動ゲームで格上げ予兆を実行させる。また、演出制御用CPU31aは、格上げ予兆の実行を決定した場合であって、最終回の図柄変動ゲームが終了する迄の間に変動パターンP1,P3の何れかに基づく図柄変動ゲームが実行されない場合、格上げ予兆を実行させない。
【0157】
上記構成により、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、各図柄変動ゲームで実行される予兆演出の演出内容、及び連続演出の種類によって連続演出の対象とされた図柄変動ゲームの展開を報知することができる。以下、具体的に説明する。
【0158】
すなわち、本実施形態では、図柄変動ゲームにおいてロゴ予兆が実行された状況から、今回の図柄変動ゲームを1回目として、ロゴ予兆に対応するロゴ連続演出が実行される可能性のあることを認識させ得る。また、連続演出の対象とされた図柄変動ゲームのうち、何れかの図柄変動ゲームの実行中に格上げ予兆が実行される可能性のあることを認識させ得る。
【0159】
また、ロゴ予兆が実行された場合には、最終回の図柄変動ゲームが大当りとなった場合、抜刀予兆又は格上げ予兆が実行された場合と比較して、確変大当りとなる可能性が低いことを認識させ得る。また、本実施形態では、ロゴ連続演出が実行された状況から、単発のロゴ予兆のみが実行された場合と比較して、大当り期待度が高いことを認識できるとともに、ロゴ連続演出の対象となる図柄変動ゲームの回数の増加に伴って大当り期待度が高くなることを認識できる。また、本実施形態では、ロゴ連続演出が実行された状況から、最終回の図柄変動ゲームが大当りとなった場合、抜刀連続演出が実行された場合と比較して、確変大当りとなる可能性が低いことを認識させ得る。
【0160】
また、本実施形態では、図柄変動ゲームにおいて抜刀予兆又は格上げ予兆が実行された状況から、今回の図柄変動ゲームを1回目として、抜刀予兆及び格上げ予兆に対応する抜刀連続演出が実行される可能性のあることを認識させ得る。また、抜刀予兆又は格上げ予兆が実行された場合には、最終回の図柄変動ゲームが大当りとなった場合に、ロゴ予兆が実行された場合と比較して、確変大当りとなる可能性が高いことを認識させ得る。また、本実施形態では、抜刀連続演出が実行された状況から、単発の抜刀予兆又は格上げ予兆のみが実行された場合と比較して、大当り期待度が高いことを認識できるとともに、抜刀連続演出の対象となる図柄変動ゲームの回数の増加に伴って大当り期待度が高くなることを認識できる。また、本実施形態では、抜刀連続演出が実行された状況から、最終回の図柄変動ゲームが大当りとなった場合、ロゴ連続演出が実行された場合と比較して、確変大当りとなる可能性が高いことを認識させ得る。
【0161】
このため、本実施形態のパチンコ遊技機では、少ない回数の図柄変動ゲームを対象に連続演出が実行された場合であっても、抜刀連続演出や、抜刀連続演出に対応する予兆演出(抜刀予兆又は格上げ予兆)が実行されることで、確変大当りとなることに期待させることができる。また、本実施形態のパチンコ遊技機では、確変大当りとなる可能性の低いロゴ連続演出や、ロゴ連続演出に対応するロゴ予兆が実行された場合であっても、多い回数の図柄変動ゲームを対象に連続演出が実行された場合には、最終回の図柄変動ゲームが大当りとなることに期待させることができる。そして、抜刀連続演出、及び抜刀連続演出に対応する予兆演出を伴って、多い回数の図柄変動ゲームを対象に連続演出が実行された状況から、最終回の図柄変動ゲームが大当りとなり、かつ確変大当りとなる可能性の高いことを認識させ得る。
【0162】
上記第2の実施形態によれば、1回の図柄変動ゲームを1の単位変動として扱うことにより、第1の実施形態の作用効果(1)、(4)、及び(5)に加えて以下の効果を得ることができる。
【0163】
(7)本実施形態では、予兆演出や開始報知演出を伴う図柄変動ゲームの回数で大当り期待度を報知している。このため、本実施形態では、予兆演出、及び開始報知演出を伴う図柄変動ゲームの実行回数に応じて大当りとなることに期待感を抱かせるとともに、図柄変動ゲームの回数が少なくても確変大当りとなることに期待感を抱かせ、遊技者の興趣を向上させることができる。
【0164】
(8)少ない回数の図柄変動ゲームが抜刀連続演出に対応する予兆演出や、抜刀演出を伴って実行された場合には、より多い回数の図柄変動ゲームがロゴ予兆や、ロゴ演出を伴って実行された場合と比較して、大当り期待度が低く且つ大当りとなる場合には確変大当りとなる可能性が高いことが報知される。
【0165】
(9)本実施形態では、保留記憶数が2以上(複数個)の場合に連続演出の実行可が決定され、開始報知演出が実行される。したがって、図柄変動ゲームにおいて予兆演出が実行された後、予兆演出に対応する開始報知演出が実行された状況から、開始報知演出が複数回の図柄変動ゲームを対象として実行されること(連続演出が実行されること)を確定的に認識させることができる。
【0166】
(10)本実施形態では、ロゴ予兆、及び抜刀予兆の演出時間としてそれぞれ2.5秒が設定されているため、格上げ予兆の実行には2.5秒+2.5秒=5秒の演出時間を要する。これに対して、はずれ短縮変動の図柄変動ゲームにおいて、図柄変動ゲームの開始から左列(第1停止列)に図柄が一旦停止表示される迄の時間として4秒が設定されている。このため、格上げ予兆は、はずれ短縮変動の図柄変動ゲームにおいて左列に図柄が一旦停止表示される迄の間に完結せず、さらに右列(第2停止列)に図柄が一旦停止表示される1秒前から実行すべき抜刀演出の開始前に完結しない。したがって、格上げ予兆は、はずれ短縮変動の図柄変動ゲームで実行できず、はずれ通常変動、はずれリーチ変動、又は大当り変動の図柄変動ゲームでのみ実行可能な遊技演出として位置付けられる。前述のように、本実施形態では、はずれが決定された場合、大当り抽選の時点における保留記憶数に応じてはずれ通常変動の変動パターンP1、及びはずれ短縮変動の変動パターンP2の何れかが決定されるため、格上げ演出を実行可能なはずれ変動の図柄変動ゲームを事前に特定することができない。例えば、保留中の図柄変動ゲームのうち、はずれリーチ変動や、大当り変動の図柄変動ゲームを特定し、当該はずれリーチ変動や、大当り変動の図柄変動ゲーム中に格上げ演出を実行させることも考えられる。しかしながら、はずれリーチ変動や、大当り変動の出現率が一般に低いことを考え合わせると、格上げ演出の出現率そのものが低下し、格上げ演出によって遊技者の興趣を十分に向上させることができない虞がある。これに対して、本実施形態では、格上げ予兆の実行が決定された場合、はずれ通常変動の図柄変動ゲームが実行された場合に、当該はずれ通常変動の図柄変動ゲームで格上げ演出を実行可能とし、このような問題を好適に解決している。
【0167】
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 第1の実施形態において、格上げ予兆を最終回の通常変動の変動サイクルで実行してもよい。また、格上げ予兆を実行する変動サイクルを、初回及び最終回の変動サイクルのうちから抽選により選択してもよい。
【0168】
・ 第1の実施形態において、短縮変動の変動サイクルのみから構成される連続演出を変動内容として特定する変動パターンを設けてもよい。このように構成すれば、初回の変動サイクルが短縮変動であった場合に、格上げ予兆を実行可能な通常変動の変動サイクルが実行される場合と、実行されない場合を作り出すことができる。したがって、格上げ予兆の実行を期待する遊技者の興趣をより向上させることができる。
【0169】
・ 第1の実施形態において、各変動パターンP4〜P6に特定される回数分の変動サイクルにおいて、通常変動と短縮変動の実行順序を変更可能に構成してもよい。具体的に言えば、まず、演出制御用ROM31bに、各変動パターンP4〜P6に特定される複数回の変動サイクルとして、通常変動及び短縮変動を含んで構成されるとともに、最終回の変動サイクルとして短縮変動を定めた第1のサイクルパターンと、通常変動及び短縮変動を含んで構成されるとともに、最終回の変動サイクルとして通常変動を定めた第2のサイクルパターンを記憶させる。そして、演出制御用CPU31aは、変動パターンP4〜P6が指定された場合に、第1,第2のサイクルパターンのうちから1つのサイクルパターンを決定するとともに、決定したサイクルパターンに基づき演出表示装置11の表示内容を制御してもよい。このように構成することで、変動サイクルの経過状況から、今回の変動サイクルが最終回の変動サイクルであるか否かを遊技者に認識させ難くすることができる。この場合、演出制御用CPU31aは、格上げ予兆の実行を決定した場合、通常変動の変動サイクルにおいて格上げ予兆を一義的に実行させるとともに、格上げ予兆を実行させる通常変動の変動サイクルより前の変動サイクルでロゴ予兆を実行させる一方、格上げ予兆を実行させる通常変動の変動サイクルより後の変動サイクルで抜刀予兆を実行させる。このため、本別例(変形例)では、通常変動の変動サイクルが最終回の変動サイクルでなかったとしても、遊技者の期待感を高め、連続演出の興趣をより向上させることができる。また、格上げ予兆を実行する変動サイクルを別途、決定する構成と比較して、制御構成を簡略化できる。また、本別例では、複数回の通常変動の変動サイクルを含むようにサイクルパターンを設けてもよい。この場合、格上げ予兆を実行する変動サイクルとして、複数回の通常変動の変動サイクルのうち、何れか1回の変動サイクルを抽選で選択してもよく、最も先の変動サイクル又は最も後の変動サイクルを一義的に選択してもよい。
【0170】
・ 第1の実施形態において、開始報知演出は2回目以降の変動サイクルから実行してもよい。同様に、第2の実施形態において、開始報知演出は、連続演出の対象となる図柄変動ゲームのうち2回目以降の図柄変動ゲームから実行してもよい。前述のように、各実施形態では、ロゴ予兆がロゴ連続演出に対応付けられ、且つ抜刀予兆及び格上げ予兆が抜刀連続演出に対応付けられていることから、連続演出は各予兆演出が実行される初回の単位変動(変動サイクル又は図柄変動ゲーム)を含めて構成されていると把握できる。
【0171】
・ 第1の実施形態において、変動パターンP3〜P6の図柄変動ゲームに含まれる最終回の変動サイクルでは、リーチ演出を実行する際に中列に図柄を一旦停止表示させるとともに、該一旦停止表示させた中列を再変動させてからリーチ演出を実行してもよい。このように構成することで、最終回の変動サイクルにおけるサイクル時間をより明確に遊技者に認識させることができる。
【0172】
・ 第1の実施形態において、複数回の変動サイクルから構成され且つリーチ演出を含まない変動内容を特定するはずれ変動用の変動パターンを設けるとともに、変動パターンP4が決定された場合と同様に連続演出の種類の決定、予兆演出の実行可否の決定、及び予兆演出を実行可の場合の演出内容の選択を実行してもよい。この場合、予兆演出や、開始報知演出が出現した場合であっても、複数回の変動サイクルから構成される連続演出を経て、最終的にリーチ演出が実行されない状況(所謂ガセの連続演出)を作り出すことができる。
【0173】
・ 第2の実施形態において、保留記憶数に応じて変動パターンP1,P2を選択しないようにしてもよい。この場合、全てのはずれ変動として、変動パターンP1を選択する。このように構成すれば、連続演出の対象となる図柄変動ゲームの全てで格上げ演出を実行できる。
【0174】
・ 第2の実施形態において、先読みコマンド「E6HxxH」で保留記憶数として3個以上が指定された場合や、先読みコマンド「E5HxxH」で保留記憶数として4個が指定された場合にも、連続演出の実行可を決定するようにしてもよい。
【0175】
・ 第2の実施形態において、先読みコマンドで2個以上の保留記憶数が指定されていることを条件に格上げ予兆を決定するようにしてもよい。
・ 第2の実施形態において、遊技状態が確変状態である場合に、先読みコマンド「E3HxxH」、及び「E4HxxH」の入力に基づき連続演出を実行するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU31aは、主制御基板30(主制御用CPU30a)から確変コマンドを入力している場合に確変状態と判定する一方で、非確変コマンドを入力している場合に非確変状態と判定するようにする。そして、演出制御用CPU31aは、確変状態において先読みコマンド「E3HxxH」、又は「E4HxxH」を入力した場合、先読みコマンド「E1HxxH」、及び「E2HxxH」を入力した場合と同様に連続演出の実行可否、連続演出の種類の決定、及び予兆演出の演出内容の決定をすればよい。
【0176】
・ 各実施形態において、開始報知演出は、2回以上(複数回)の単位変動(変動サイクル、又は図柄変動ゲーム)からなる特殊変動演出が実行されることを確定的に報知する遊技演出として位置付けなくてもよい。この場合、第1の実施形態では、図7に示す第1予兆演出振分テーブルTAを参照して予兆演出の実行を決定した場合、対応する連続演出の開始報知演出を実行させればよい。また、第2の実施形態では、図16に示す第4予兆演出振分テーブルTGを参照して予兆演出の実行を決定した場合、対応する連続演出の開始報知演出を実行させればよい。このように構成しても、予兆演出、及び連続演出(開始報知演出)によって大当りの種類を報知できる。
【0177】
・ 各実施形態において、各予兆演出により異なる図柄変動ゲームの展開を報知するようにしてもよい。例えば、効果画像REとは異なる効果画像を用いた特別ロゴ予兆を実行可能とするとともに、特別ロゴ予兆が実行された場合には、特別ロゴ予兆が実行された単位変動(変動サイクル、又は図柄変動ゲーム)においてリーチが形成、又は開始報知演出が実行されることを認識できるようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU31aは、はずれリーチ変動、又は大当り変動の何れかが指定されていることを条件として、単発の特別ロゴ予兆の実行を決定するようにすればよい。同様にして、効果画像KEとは異なる効果画像を用いた特別抜刀予兆を実行可能とするとともに、特別抜刀予兆が実行された場合には、特別抜刀予兆が実行された単位変動(変動サイクル、又は図柄変動ゲーム)においてリーチが形成、又は開始報知演出が実行されることを認識できるようにしてもよい。
【0178】
・ 各実施形態において、各予兆演出、及び開始報知演出(連続演出)によって確変大当りか否かを遊技者に報知するようにしたが、その他の大当りの種類を報知するようにしてもよい。例えば、ラウンド規定回数として15回を定めた大当り遊技(第1当り)を付与する特別図柄ZA,ZBに加えて、ラウンド規定回数として7回を定めた大当り遊技(第2当り)を付与する特別図柄ZCを設ける。そして、演出制御用CPU31aは、特別図柄ZA,ZBである場合に、抜刀連続演出、及び抜刀連続演出に対応する予兆演出の実行を決定し易く構成する。このように構成することで、抜刀連続演出、及び抜刀連続演出に対応する予兆演出が実行された状況から、図柄変動ゲームが大当り変動となった場合に、ラウンド規定回数が15回の大当り遊技が付与される可能性の高いことを認識させることができる。
【0179】
・ 第2の実施形態は、第1の実施形態と組み合わせてもよい。
・ 各実施形態において、格上げ予兆の実行を決定した場合に、抜刀予兆の実行タイミングを変更してもよい。すなわち、第1の実施形態では、ロゴ予兆を図柄変動ゲームの開始時に実行させてから、今回の図柄変動ゲームに含まれる変動サイクルのうち最後の変動サイクルにおいてリーチ形成列に図柄が一旦停止表示される迄の間に、抜刀予兆を少なくとも1回、実行させればよい。同様に、第2の実施形態では、ロゴ予兆を1回目の図柄変動ゲームの開始時に実行させてから、最終回の図柄変動ゲームにおいてリーチ形成列に図柄が一旦停止表示される迄の間に、抜刀予兆を少なくとも1回、実行させればよい。
【0180】
・ 各実施形態において、ロゴ予兆及び抜刀予兆の演出態様を変更してもよい。例えば、ロゴ予兆は、演出表示装置11に効果画像を画像表示することに代えて、又は加えてロゴ可動体RKを振動動作や、所定色に発光させて行ってもよい。同様に、抜刀予兆は、演出表示装置11に効果画像を画像表示することに代えて、又は加えて刀可動体KKの振動動作や、所定色に発光させることで行ってもよい。また、各予兆演出は、スピーカによる音声演出や、発光ランプによる発光演出により実行してもよい。
【0181】
・ 各実施形態において、ロゴ予兆及び抜刀予兆の演出時間を変更してもよい。例えば、ロゴ予兆及び抜刀予兆の演出時間として1秒を設定してもよい。この場合、短縮変動の変動サイクルでも格上げ予兆の予兆演出を実行可能としてもよい。
【0182】
・ 各実施形態において、開始報知演出(ロゴ演出、及び抜刀演出)の態様を変更してもよい。例えば、スピーカによる音声演出や、発光ランプによる発光演出により実行してもよい。また、抜刀演出に代えて、右列(第2停止列)の変動表示の態様を変化させる表示演出として実行してもよい。具体的に言えば、図柄の変動速度を一旦低速にしたのち再び高速に変動させるスベリ変動演出を実行し、該スベリ変動演出により右列に図柄を一旦停止表示させることで開始報知演出を実行してもよい。また、各開始報知演出の開始タイミングを適宜変更してもよい。
【0183】
・ 各実施形態において、演出表示装置11を制御する表示制御基板、スピーカを制御する音声制御基板などのサブ制御基板を設けるとともに、各サブ制御基板を統括的に制御するサブ統括制御基板を備えたパチンコ遊技機や、主制御基板30及び演出制御基板31の機能を一体に備えた単一の制御基板を備えたパチンコ遊技機に具体化してもよい。
【0184】
・ 各実施形態において、特別図柄のみを用いるパチンコ遊技機に具体化してもよいし、第1の特別図柄と第2の特別図柄からなる2つの特別図柄を用いたパチンコ遊技機に具体化してもよい。
【0185】
次に、上記実施形態及び別例(変形例)から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記特定演出は、前記特定演出を伴う新たな単位変動が表示される可能性のあることを報知する報知演出である請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の遊技機。
【0186】
(ロ) 前記特定演出制御手段は、前記特殊変動演出を構成する単位変動のうち最初の単位変動の開始に伴って前記特定内容とは異なる通常内容の特定演出を実行させるとともに、前記通常内容による特定演出を実行させてから最後の単位変動においてリーチ形成列に図柄が一旦停止表示される迄の間において、前記特定内容の特定演出を実行させる請求項1〜請求項4、及び技術的思想イのうち何れか一項に記載の遊技機。
【符号の説明】
【0187】
11…演出表示装置(演出表示手段、特定演出実行手段)、30…主制御基板、30a…主制御用CPU(当り判定手段、当り種判定手段)、31…演出制御基板、31a…演出制御用CPU(変動制御手段、特定演出制御手段)、KK…刀可動体(特定演出実行手段)、RK…ロゴ可動体(特定演出実行手段)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
図柄の変動開始から変動停止迄を1回とする単位変動を1回、又は複数回にわたって演出表示手段に表示する特殊変動演出を実行する遊技機において、
始動条件の成立を契機に当りか否かを判定する当り判定手段と、
前記当り判定手段の判定結果が肯定の場合に当りの種類を判定する当り種判定手段と、
前記当り判定手段の判定結果に基づき前記演出表示手段を制御して前記特殊変動演出を実行させる変動制御手段と、
前記当り種判定手段の判定結果に基づき特定演出実行手段を制御して、前記特殊変動演出を構成する単位変動毎に特定演出を実行させる特定演出制御手段と、を備え、
前記変動制御手段は、第1回数の単位変動から構成される特殊変動演出と比較して、第1回数より多い第2回数の単位変動から構成される特殊変動演出のほうが、前記当り判定手段が肯定判定した場合に実行させる割合、及び前記当り判定手段が否定判定した場合に実行させる割合を合算した合算割合に占める前記当り判定手段が肯定判定した場合に実行させる割合が高くなるように構成される一方で、
前記特定演出制御手段は、前記当り種判定手段が第1当りと判定した場合に、前記当り種判定手段が前記第1当りより低い利益を付与する第2当りと判定した場合と比較して、特定内容による前記特定演出を実行させ易く構成された遊技機。
【請求項2】
前記演出表示手段では、前記当り判定の判定結果に基づき図柄の変動開始から確定停止表示迄を1回とする図柄変動ゲームが表示されるようになっており、
前記単位変動は、前記1回の図柄変動ゲームにおいて図柄の変動開始から一旦停止表示迄を1回として表示される変動サイクルである請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記単位変動は、図柄の変動開始から確定停止表示迄を1回として前記演出表示手段に表示される図柄変動ゲームである請求項1に記載の遊技機。
【請求項4】
前記第1回数の単位変動から構成される特殊変動演出が前記特定内容による特定演出を伴って実行された場合には、前記第2回数の単位変動から構成される特殊変動演出が前記特定内容とは異なる通常内容による特定演出を伴って実行された場合と比較して、当りとなる可能性が低く、且つ当りとなる場合には前記第1当りとなる可能性の高いことが報知される請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の遊技機。
【請求項1】
図柄の変動開始から変動停止迄を1回とする単位変動を1回、又は複数回にわたって演出表示手段に表示する特殊変動演出を実行する遊技機において、
始動条件の成立を契機に当りか否かを判定する当り判定手段と、
前記当り判定手段の判定結果が肯定の場合に当りの種類を判定する当り種判定手段と、
前記当り判定手段の判定結果に基づき前記演出表示手段を制御して前記特殊変動演出を実行させる変動制御手段と、
前記当り種判定手段の判定結果に基づき特定演出実行手段を制御して、前記特殊変動演出を構成する単位変動毎に特定演出を実行させる特定演出制御手段と、を備え、
前記変動制御手段は、第1回数の単位変動から構成される特殊変動演出と比較して、第1回数より多い第2回数の単位変動から構成される特殊変動演出のほうが、前記当り判定手段が肯定判定した場合に実行させる割合、及び前記当り判定手段が否定判定した場合に実行させる割合を合算した合算割合に占める前記当り判定手段が肯定判定した場合に実行させる割合が高くなるように構成される一方で、
前記特定演出制御手段は、前記当り種判定手段が第1当りと判定した場合に、前記当り種判定手段が前記第1当りより低い利益を付与する第2当りと判定した場合と比較して、特定内容による前記特定演出を実行させ易く構成された遊技機。
【請求項2】
前記演出表示手段では、前記当り判定の判定結果に基づき図柄の変動開始から確定停止表示迄を1回とする図柄変動ゲームが表示されるようになっており、
前記単位変動は、前記1回の図柄変動ゲームにおいて図柄の変動開始から一旦停止表示迄を1回として表示される変動サイクルである請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記単位変動は、図柄の変動開始から確定停止表示迄を1回として前記演出表示手段に表示される図柄変動ゲームである請求項1に記載の遊技機。
【請求項4】
前記第1回数の単位変動から構成される特殊変動演出が前記特定内容による特定演出を伴って実行された場合には、前記第2回数の単位変動から構成される特殊変動演出が前記特定内容とは異なる通常内容による特定演出を伴って実行された場合と比較して、当りとなる可能性が低く、且つ当りとなる場合には前記第1当りとなる可能性の高いことが報知される請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図6】
【図7】
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【図11】
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【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−45209(P2012−45209A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−190973(P2010−190973)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】
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