遊技機
【課題】リーチ形成列の図柄が導出された段階でリーチ状態が形成されていなくても、リーチ状態が形成されることに期待を持たせること。
【解決手段】リーチ形成列のうちいずれか1列に、1つの飾り図柄に複数種類の数字が対応付けられたグループ図柄を停止表示させるとともに、リーチ形成列としての他列にグループ図柄を構成する数字の合算値を含む図柄を停止表示させて行う合算リーチ演出を設定した。そして、合算リーチ演出が行われる図柄変動ゲームでは、グループ図柄を、グループ図柄を構成する複数の数字の合算値を含む図柄に変更表示させることによって、リーチ状態を形成させるようにした。これにより、リーチ形成列の図柄が導出された段階でリーチ状態が形成されていなくても、グループ図柄を構成する数値同士を加算して異なる数値を有する図柄に変更表示させることで、はずれから一転してリーチ状態が形成されることに期待を持たせることができる。
【解決手段】リーチ形成列のうちいずれか1列に、1つの飾り図柄に複数種類の数字が対応付けられたグループ図柄を停止表示させるとともに、リーチ形成列としての他列にグループ図柄を構成する数字の合算値を含む図柄を停止表示させて行う合算リーチ演出を設定した。そして、合算リーチ演出が行われる図柄変動ゲームでは、グループ図柄を、グループ図柄を構成する複数の数字の合算値を含む図柄に変更表示させることによって、リーチ状態を形成させるようにした。これにより、リーチ形成列の図柄が導出された段階でリーチ状態が形成されていなくても、グループ図柄を構成する数値同士を加算して異なる数値を有する図柄に変更表示させることで、はずれから一転してリーチ状態が形成されることに期待を持たせることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のリーチ状態を形成する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、遊技機の一種であるパチンコ遊技機は、複数種類の図柄を変動させ、図柄組み合わせを導出する図柄組み合わせゲームを表示する表示装置を備えている。そして、表示装置に導出された図柄の組み合わせによって大当りか否かの大当り抽選の抽選結果を認識できるようになっている。例えば、表示装置において特定の2列に同一の図柄が表示された場合には、その図柄組み合わせの態様からリーチ状態を認識することができる。さらに、表示装置に3列の図柄が同一の図柄となって表示された場合には、その図柄の組み合わせの態様から大当り状態を認識することができる(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−52942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、大当りの図柄組み合わせは、リーチ状態が形成された後に表示されるようになっているので、遊技者は、図柄の変動が開始すると、まずはリーチ状態が形成されることに対して期待を持つことになる。ところが、第1停止列と第2停止列に異なる図柄組み合わせが表示されると、リーチ状態が形成されていないことになるので、遊技者は、この時点で大当りとなることに対して期待を持つことができないことを認識してしまい、その後の図柄変動ゲームの展開に対して興味を持つことができなかった。
【0005】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、リーチ形成列に図柄が導出された段階でリーチ状態が形成されていなくても、リーチ状態が形成されることに期待を持たせることができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、数値要素を有する図柄を複数列で変動させて行う図柄変動ゲームを表示する表示装置を備え、リーチ抽選に当選した場合には、前記複数列のうち、予め定めた複数のリーチ形成列に同一数値要素を有する図柄を停止表示させることにより、単数又は複数のリーチ状態を形成させる遊技機において、前記表示装置における前記図柄変動ゲームの表示内容を制御する制御手段を備え、前記図柄には、単数の数値要素で構成される単数要素図柄及び複数の数値要素で構成される複数要素図柄を含み、前記制御手段は、前記リーチ抽選に当選した場合、少なくとも1つのリーチ形成列に、前記複数要素図柄を停止表示させることによって前記リーチ状態を形成するリーチ形成演出を実行させ、前記リーチ形成演出の演出内容として、前記複数のリーチ形成列のうち1列に前記複数要素図柄を停止表示させるとともに、他列に前記複数要素図柄を構成する複数の数値要素のうち1つの数値要素と同一数値要素を有する単数要素図柄又は複数要素図柄を停止表示させることによって単数リーチ状態を形成する第1演出内容と、各リーチ形成列に2つ以上の同一数値要素を有する複数要素図柄を停止表示させることによって複数リーチ状態を形成する第2演出内容と、前記複数のリーチ形成列のうち1列に前記複数要素図柄を停止表示させるとともに、他列に前記複数要素図柄を構成する数値要素の一部又は全部の合算値を数値要素に含む単数要素図柄又は複数要素図柄を停止表示させ、前記1列に停止表示させた前記複数要素図柄を、前記合算値を数値要素に含む単数要素図柄又は複数要素図柄に変更表示させることによって単数リーチ状態又は複数リーチ状態を形成する第3演出内容と、を設定したことを要旨とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記複数要素図柄は、当該複数要素図柄を構成する数値要素の合算値が、前記単数要素図柄のうち最も大きい数値要素を越えないように形成されていることを要旨とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の遊技機において、大当りか否かの大当り抽選への当選回数が予め定めた規定回数に到達する迄、大当り遊技終了後に前記大当り抽選の抽選確率を高確率とする確変状態を付与する一方で、前記大当り抽選への当選回数が前記規定回数に到達した時点で、前記大当り遊技終了後の前記大当り抽選の抽選確率を低確率とする状態制御手段と、前記大当り抽選に当選する度に当選回数が前記規定回数に到達したか否かを判定する判定手段と、を備え、前記数値要素には、大当りとなる場合に、大当り遊技終了後、前記確変状態が付与されることを確定的に認識し得る特別数値要素を含み、前記リーチ形成演出の演出内容が前記第3演出内容となる場合において前記大当り抽選の当選回数が前記規定回数に到達していないとき、前記複数要素図柄は、前記合算値が前記規定回数に到達するまでの残り回数となる前記特別数値要素と同一値となるように形成されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、リーチ形成列に図柄が導出された段階でリーチ状態が形成されていなくても、リーチ状態が形成されることに期待を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】パチンコ遊技機の遊技盤を示す正面図。
【図2】グループ図柄の導出タイミングを示すタイミングチャート。
【図3】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
【図4】変動パターンの種類を説明する説明図。
【図5】グループ図柄の組み合わせを説明する説明図。
【図6】(a)は、グループ図柄を用いたシングルリーチの態様を示す模式図、(b)は、グループ図柄を用いたダブルリーチの態様を示す模式図、(c)〜(e)は、合算シングルリーチの態様を示す模式図。
【図7】(a),(b)は、第2の実施形態における大当りの種類を説明する説明図。
【図8】第2の実施形態における演出モードの移行態様を示す模式図。
【図9】第2の実施形態におけるリミッタ作動処理の流れを示すフローチャート。
【図10】(a)〜(h)は、第2の実施形態において確変上限回数の残り回数が報知される流れを示す模式図。
【図11】(a)〜(g)は、第2の実施形態において確変上限回数の残り回数が報知される流れを示す模式図。
【図12】合算シングルリーチの態様を示す変更例としての模式図。
【図13】(a)〜(c)は、合算後の数値が同一となるグループ図柄による合算シングルリーチの態様を示す変更例としての模式図。
【図14】(a)〜(d)は、3つの数字のうち2つの数字を合算した合算シングルリーチの態様を示す変更例としての模式図。
【図15】(a)〜(d)は、3つの数字のうち全ての数字を合算した合算シングルリーチの態様を示す変更例としての模式図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1の実施形態)
以下、本発明をパチンコ遊技機に具体化した第1の実施形態を図1〜図6にしたがって説明する。
【0012】
パチンコ遊技機の遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示装置としての演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示される。本実施形態において演出表示装置11の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置11の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄)を用いて行われる。
【0013】
以下、本実施形態における飾り図柄の構成について説明する。
本実施形態における飾り図柄は、四角形S中にその表示情報から数値を連想できる数値要素としての数字を単数又は複数付した構成とされている(例えば、図6参照)。そして、演出表示装置11における各図柄列では、図柄変動ゲームが開始すると、「0」〜「9」までの数字が単数又は複数付された複数の図柄が、予め定めた変動方向(本実施形態では、縦スクロール方向)に沿って、かつ予め定めた表示順序で変動表示されるようになっている。
【0014】
また、演出表示装置11の右下には、7セグメント型の第1特別図柄表示装置12a及び第2特別図柄表示装置12bが配設されている。第1特別図柄表示装置12a及び第2特別図柄表示装置12bでは、複数種類の特別図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特別図柄は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。以下、第1特別図柄表示装置12aで特別図柄を用いて行われる図柄変動ゲームを「第1の変動ゲーム」と示す一方で、第2特別図柄表示装置12bで特別図柄を用いて行われる図柄変動ゲームを「第2の変動ゲーム」と示す場合がある。また、以下の説明では、第1特別図柄表示装置12a及び第2特別図柄表示装置12bを纏めて、特別図柄表示装置12a,12bと示す場合がある。
【0015】
そして、第1特別図柄表示装置12aと演出表示装置11では、同時に第1の変動ゲームと該第1の変動ゲームに係わる表示演出(飾り図柄変動ゲーム)が開始され、同時に終了する(即ち、同時に特別図柄と飾り図柄が確定停止表示される)。同様に、第2特別図柄表示装置12bと演出表示装置11では、同時に第2の変動ゲームと該第2の変動ゲームに係わる表示演出(飾り図柄変動ゲーム)が開始され、同時に終了する(即ち、同時に特別図柄と飾り図柄が確定停止表示される)。その一方、第1特別図柄表示装置12aと、第2特別図柄表示装置12bでは、並行して図柄変動ゲームが行われることがない。即ち、第1の変動ゲームと第2の変動ゲームのうち、どちらか一方のみが実行されるようになっている。
【0016】
そして、演出表示装置11には、特別図柄表示装置12a,12bの表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特別図柄表示装置12a,12bに大当りを認識し得る大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にも大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。また、特別図柄表示装置12a,12bにはずれを認識し得るはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。なお、本実施形態において、第1特別図柄表示装置12aに表示される特別図柄を、特別図柄1と示し、第2特別図柄表示装置12bに表示される特別図柄を、特別図柄2と示して区別する場合がある。
【0017】
なお、演出表示装置11に確定停止表示される大当り図柄は、全列の飾り図柄が同一図柄(全列の飾り図柄が同一の数字を付した図柄)となる図柄組み合わせによって構成される。また、演出表示装置11に確定停止表示されるはずれ図柄は、全列の飾り図柄が異なる飾り図柄となる図柄組み合わせや、1列の飾り図柄が他の2列の飾り図柄とは異なる飾り図柄となる図柄組み合わせによって構成される。また、演出表示装置11では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に図柄列の変動が停止するようになっており、特定の2列(本実施形態では左右の2列)に同一の飾り図柄が一旦停止表示(ゆれ変動表示)された場合、リーチ状態が形成される(リーチ形成演出)。そして、演出表示装置11では、リーチ状態の形成後、リーチ演出が実行され、所定時間の経過後に中列の変動が停止することにより中列の図柄が導出される。また、本実施形態では、図2に示すように、各図柄列の変動開始時には、遊技者が変動中の図柄を識別できない速さ(高速変動)で図柄が変動表示され、その後、後に詳述する変動パターンに予め定められたタイミングで変動速度が高速変動から遊技者が変動中の図柄を認識し得る速さ(低速変動)に切り換えられる。その後、変動パターンに定められた各図柄列の停止タイミングに到達すると図柄が一旦停止表示されるようになっている。
【0018】
また、本実施形態では、図柄列毎に1つの図柄表示位置が定められており、リーチ形成列となる図柄列に定められた図柄表示位置で表示された図柄によってリーチ状態が形成される。したがって、本実施形態のパチンコ遊技機は、これらの図柄表示位置によって図柄組み合わせが有効となる有効ラインが1本形成される演出表示装置11を備えた1ライン機として構成されている。これにより、本実施形態では、通常、1つのリーチ状態が形成されるが、左列及び右列に停止する図柄の種類によっては、複数のリーチ状態が形成され得る。
【0019】
また、遊技盤10において第2特別図柄表示装置12bの右方には、普通図柄表示装置13が配設されている。普通図柄表示装置13では、複数種類の普通図柄を変動させて1つの普通図柄を導出する普通図柄変動ゲーム(以下、単に「普図ゲーム」と示す)が行われる。本実施形態の普通図柄表示装置13は、図示しない発光体(LEDやランプなど)をレンズカバー(図1では表面に「○(丸)」と「×(ばつ)」を装飾したもの)で覆って構成した複数個(本実施形態では2個)の普通図柄表示部から構成されている。普通図柄表示装置13では、当りか否かの当り抽選とは別に行う普図当りか否かの内部抽選(後述する普図当り抽選)の抽選結果を表示する。
【0020】
また、第1特別図柄表示装置12aの左下方には、複数個(本実施形態では4個)の特別図柄保留発光部を備えた第1特別図柄保留記憶表示装置Raが配設されている。第1特別図柄保留記憶表示装置Raは、機内部で記憶した特別図柄1用の始動保留球(第1始動保留球)の記憶数(以下、「第1保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。第1保留記憶数は、遊技盤10に配設した第1始動入賞口14に遊技球が入球することで1加算される一方で、第1の変動ゲームの開始により1減算される。したがって、第1の変動ゲーム又は第2の変動ゲーム中に第1始動入賞口14へ遊技球が入球すると、第1保留記憶数はさらに加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積される。
【0021】
また、第1特別図柄表示装置12aの右方には、複数個(本実施形態では4個)の特別図柄保留発光部を備えた第2特別図柄保留記憶表示装置Rbが配設されている。第2特別図柄保留記憶表示装置Rbは、機内部で記憶した特別図柄2用の始動保留球(第2始動保留球)の記憶数(以下、「第2保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。第2保留記憶数は、遊技盤10に配設した第2始動入賞口15に遊技球が入球することで1加算される一方で、第2の変動ゲームの開始により1減算される。したがって、第1の変動ゲーム又は第2の変動ゲーム中に第2始動入賞口15へ遊技球が入球すると、第2保留記憶数はさらに加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積される。
【0022】
また、演出表示装置11の下方には、遊技球の入球口14aを有する第1始動入賞口14と遊技球の入球口15aを有する第2始動入賞口15が上下方向に並ぶように配置されている。第1始動入賞口14は、常時遊技球の入球を許容し得るように入球口14aを常時開放させた構成とされている。一方で、第2始動入賞口15は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根16を備えており、開閉羽根16が開動作することにより遊技球の入球を許容し得るように入球口15aを開放させる構成とされている。
【0023】
第1始動入賞口14と第2始動入賞口15の各奥方には、入球した遊技球を検知する始動口スイッチSW1(図3に示す)及び始動口スイッチSW2(図3に示す)が配設されている。第1始動入賞口14と第2始動入賞口15は、入球した遊技球を検知することにより、各特別図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
【0024】
第2始動入賞口15の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉17を備えた大入賞口(特別電動役物)18が配設されている。大入賞口18の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3(図3に示す)が配設されている。大入賞口18は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口18は、大当り遊技中に大入賞口扉17の開動作によって開放されることで遊技球の入球が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。
【0025】
大当り遊技は、内部抽選で大当りを決定し、図柄変動ゲームにて大当り図柄が確定停止表示されることを契機に付与される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口扉17の開動作により大入賞口18が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、ラウンド遊技が開始してから予め定めたラウンド遊技時間が経過すること、又は予め定めた入球上限個数の遊技球が入球することの何れか早く成立した方の条件を満たすことにより終了する。そして、大当り遊技は、規定ラウンド数のラウンド遊技の終了後に大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われて終了する。
【0026】
また、演出表示装置11の左方には、普通図柄作動ゲート19が配設されている。普通図柄作動ゲート19の奥方には、該普通図柄作動ゲート19へ入球し通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW4(図3に示す)が設けられている。普通図柄作動ゲート19は、遊技球の通過を契機に、普図ゲームの始動条件のみを付与し得る。本実施形態のパチンコ遊技機では、遊技球が普通図柄作動ゲート19を通過(普通図柄変動スイッチSW4が遊技球を検知)したことを抽選条件とし、この抽選条件の成立を契機として、第2始動入賞口15を開閉する開閉羽根16を閉状態から開状態へ動作させるか否かの開放抽選としての普図当り抽選が内部的に行われる。
【0027】
また、本実施形態のパチンコ遊技機は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、確変大当りに当選したことを条件として、大当り遊技終了後に大当り抽選の抽選確率状態を高確率状態(高確率抽選状態)とする確変状態(特定遊技状態)を付与する機能である。確変状態は、大当り抽選の当選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、遊技者にとって有利な状態となり得る。
【0028】
また、本実施形態のパチンコ遊技機は、変動時間短縮(以下、「変短」と示す)機能を備えている。変短機能は、普図ゲームの変動時間が短縮されるとともに、普通図柄作動ゲート19の通過に基づく普図当り抽選の当選確率(抽選確率)を低確率から高確率に変動させる変短状態を付与する機能である。また、変短状態中は、1回の普図当り抽選に当選したことに基づく開閉羽根16の合計開放時間が、非変短状態中に比して長くなる。
【0029】
次に、パチンコ遊技機の制御構成を図3に従って説明する。
機裏側には、パチンコ遊技機全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、演出制御基板31が装着されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御指令に基づき、各種の演出装置の動作を制御する。
【0030】
以下、主制御基板30及び演出制御基板31の具体的構成を説明する。
主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aの制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1〜SW4、第1特別図柄表示装置12a、第2特別図柄表示装置12b、普通図柄表示装置13、第1特別図柄保留記憶表示装置Ra及び第2特別図柄保留記憶表示装置Rbが接続されている。
【0031】
また、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、特図振分用乱数、普図当り判定用乱数、及び変動パターン振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。大当り判定用乱数は、大当り抽選で用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選に当選しなかった場合、すなわちはずれの場合にリーチを形成するか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。特図振分用乱数は、大当り図柄を決定する際に用いる乱数である。普図当り判定用乱数は、普図当りか否かの普図当り抽選で用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、変動パターンを選択する際に用いる乱数である。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
【0032】
主制御用ROM30bには、メイン制御プログラムや複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄変動ゲームが開始してから図柄変動ゲームが終了する迄の間の演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンであって、図柄変動ゲームの演出内容及び変動時間(演出時間)を特定し得る。そして、変動パターンは、大当り変動用、はずれリーチ変動用及びはずれ変動用からなる変動内容毎に分類されている。
【0033】
大当り変動は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て最終的に大当り図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。また、はずれリーチ変動は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。また、はずれ変動は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。リーチ演出は、演出表示装置11の飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチが形成されてから最終的に図柄組み合わせ(大当り図柄又ははずれ図柄)が導出される迄の間に行われる演出である。なお、特別図柄表示装置12a,12bでは、図柄変動ゲームが開始されると、リーチ演出を行うことなく変動時間の経過時迄図柄の変動が継続される。
【0034】
また、主制御用ROM30bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値(0〜1422までの全1423通りの整数)の中から定められている。そして、大当り判定値は、非確変状態時の大当り抽選で用いる低確率用の大当り判定値(低確判定値)と、確変状態時の大当り抽選で用いる高確率用の大当り判定値(高確判定値)とがある。高確率用の大当り判定値の設定数(本実施形態では40個)は、低確率用の大当り判定値の設定数(本実施形態では4個)よりも多く設定されている。このような設定によれば、非確変状態時の大当り抽選で当選する確率は1423分の4となる一方で、確変状態時の大当り抽選で当選する確率は1423分の40となる。本実施形態において大当り判定値は、特別図柄1及び特別図柄2の変動に係る処理において共通使用(共用)されている。
【0035】
また、主制御用ROM30bには、リーチ判定値が記憶されている。リーチ判定値は、リーチ抽選で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値(0〜240迄の全241通りの整数)の中から定められている。また、主制御用ROM30bには、普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、普図当りか否かの内部抽選(普図当り抽選)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る数値(0〜250迄の全251通りの整数)の中から定められている。さらに、普図当り判定値は、非変短状態時の普図当り抽選で用いる低確率用の普図当り判定値(本実施形態では、13個)と、変短状態時の普図当り抽選で用いる高確率用の普図当り判定値(本実施形態では、250個)とがある。
【0036】
ここで、本実施形態に設定される変動パターンについて図4に従って説明する。
本実施形態に設定される変動パターンは、4種類に大別することができる。1つ目は、リーチを形成しないはずれ変動用の変動パターンである。2つ目は、1つの数字を付した1つの飾り図柄によって1つのリーチ状態(単数リーチ状態)を形成させる「シングルリーチ(SR)」系の変動パターンP2である。3つ目は、複数種類(本実施形態では2種類)の数字を付した1つの飾り図柄(グループ(GP)図柄)によって2つのリーチ状態(複数リーチ状態)を形成させる「ダブルリーチ(WR)」系の変動パターンP3である。4つ目は、1つの飾り図柄を構成する複数種類(本実施形態では2種類)の数字同士を合算し、その合算後の数字を付した図柄によって1つのリーチ状態を形成させる「合算シングルリーチ(SR)」系の変動パターンP4である。本実施形態においてSR系の変動パターンP2には、はずれリーチ変動用の変動パターンP2−1と大当り変動用の変動パターンP2−2が含まれる。また、WR系の変動パターンP3には、はずれリーチ変動用の変動パターンP3−1と大当り変動用の変動パターンP3−2が含まれる。また、合算SR系の変動パターンP4には、はずれリーチ変動用の変動パターンP4−1と大当り変動用の変動パターンP4−2が含まれる。本実施形態では、SR系の変動パターンP2に基づくリーチ演出が、第1演出内容となる一方で、WR系の変動パターンP3に基づくリーチ演出が、第2演出内容となる。さらに、合算SR系の変動パターンP4に基づくリーチ演出(合算リーチ演出)が、第3演出内容となる。
【0037】
前述したように、本実施形態のパチンコ遊技機は、図柄列毎に定められた図柄表示位置によって有効ラインが1本形成される演出表示装置11を備えた1ライン機として構成されている。これにより、本実施形態では、通常、1つのリーチ状態が形成される(例えば、図6(e))。その一方で、リーチ形成列のうち少なくとも一方に複数種類の数字を付した1つの飾り図柄が停止表示された場合、その他のリーチ形成列に停止表示された図柄に応じて、複数のリーチラインが形成される場合がある(例えば、図6(b))。
【0038】
はずれ変動用の変動パターンP1には、変動内容として「通常変動」が定められている。通常変動では、図柄変動ゲームの開始後、所定時間の経過毎に図柄列の変動が順次停止し、はずれ図柄が導出される。
【0039】
一方、変動パターンP2には、複数種類(本実施形態では2種類)の変動内容が対応付けられている。具体的には、リーチ形成列(本実施形態では、左列及び右列)に1つの数字を付した同一の飾り図柄を導出することによって1つのリーチ状態を形成させる「通常内容」が含まれる(例えば、図6(e))。また、リーチ形成列に2種類の数字を付した1つの飾り図柄(以下、グループ図柄と示す)を導出させる「GP図柄内容」が含まれる。変動パターンP2における「GP図柄内容」では、リーチ形成列のうちいずれか一方(本実施形態では、左列)に、グループ図柄を導出させる一方で、残りのリーチ形成列(本実施形態では、右列)に1つの数字を付した飾り図柄を導出することによって1つのリーチ状態が形成される(例えば、図6(a))。そして、これらの変動内容のうちどちらの変動内容にするかは、演出制御基板31によって決定されるようになっている。
【0040】
以下、グループ図柄について説明する。
本実施形態におけるグループ図柄は、1つの四角形Sに数値の異なる2つの数字を付した構成とされ、同一の数字によって構成されない(例えば、2と2)。また、本実施形態におけるグループ図柄を構成する数字は、図柄列に定められた表示順序の組み合わせ(例えば、5と6)に限られないので、「1」と「6」などの組み合わせも存在する。そして、グループ図柄を構成する数字の組み合わせは、演出制御基板31で決定されるようになっている。
【0041】
これにより、変動パターンP2が選択された際に変動内容として「GP図柄内容」が決定された場合、左列には、右列に導出される飾り図柄に付された数字と同一の数字を含むグループ図柄が導出され、1つのリーチ状態が形成される。したがって、リーチ形成列にグループ図柄が停止される場合、グループ図柄は複数の数字によって形成されるが、図柄表示位置にグループ図柄が停止表示されることが「図柄の導出」となる。ちなみに、本実施形態では、中列にグループ図柄が導出されることがない。
【0042】
また、変動パターンP3には、「GP図柄内容」のみが対応付けられている。変動パターンP3における「GP図柄内容」では、リーチ形成列にグループ図柄を導出させることによって2つのリーチ状態が形成される(例えば、図6(b))。
【0043】
また、変動パターンP4には、「GP図柄内容」のみが対応付けられている。変動パターンP4における「GP図柄内容」では、リーチ形成列のうちいずれか一方(本実施形態では、左列)に、グループ図柄を導出させる一方で、残りのリーチ形成列(本実施形態では、右列)に1つの数字を付した飾り図柄を導出させる。ちなみに、左列に導出されるグループ図柄を構成する2つの数字は、合算値が右列に導出される飾り図柄を構成する1つの数字と同一値となる組み合わせとなっている。そして、変動パターンP4に基づく図柄変動ゲームでは、グループ図柄を構成する数字同士が合体され、右列に導出された飾り図柄を構成する数字と同一の数字となり、1つのリーチ状態が形成される(例えば、図6(e))。また、本実施形態では、変動パターンP2よりも変動パターンP3の変動時間が長く、変動パターンP3よりも変動パターンP4の変動時間が長く設定されている。本実施形態では、単数の数字によって構成される1つの図柄が「単数要素図柄」となる一方で、複数の数字によって構成される1つの図柄(グループ図柄)が「複数要素図柄」となる。
【0044】
次に、演出制御基板31について説明する。
演出制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する演出制御用CPU31aと、演出制御用CPU31aの制御プログラムを格納する演出制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM31cが設けられている。また、演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。また、演出制御用CPU31aには、演出表示装置11が接続されている。また、演出制御用ROM31bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。
【0045】
以下、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。なお、特別図柄入力処理は始動入賞口への入球を契機に実行する処理である一方で、特別図柄開始処理は図柄変動ゲームの開始を契機に実行する処理である。
【0046】
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
主制御用CPU30aは、第1始動入賞口14へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した始動口スイッチSW1が出力する検知信号を入力すると、大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、特図振分用乱数、及び変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM30cから取得する。そして、主制御用CPU30aは、これらの値を主制御用RAM30cに記憶されている第1保留記憶数に対応付けて主制御用RAM30cに一時的に記憶する。なお、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数が上限数(本実施形態では4)に達していない場合、第1保留記憶数を1加算して第1保留記憶数を書き換える一方で、第1保留記憶数が上限数に達している場合、上限数を超える第1保留記憶数の書き換えを行わないとともに、前述した各種乱数の値も取得しない。そして、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数を書き換えた場合、第1特別図柄保留記憶表示装置Raの表示内容(点灯態様)を変更する。
【0047】
一方、第2始動入賞口15へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した始動口スイッチSW2が出力する検知信号を入力すると、主制御用CPU30aは、第1始動入賞口14への入球時と同じく各種乱数の値を主制御用RAM30cから取得する。そして、主制御用CPU30aは、これらの値を主制御用RAM30cに記憶されている第2保留記憶数に対応付けて主制御用RAM30cに一時的に記憶する。なお、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数が上限数(本実施形態では4)に達していない場合、第2保留記憶数を1加算して第2保留記憶数を書き換える一方で、第2保留記憶数が上限数に達している場合、上限数を超える第2保留記憶数の書き換えを行わないとともに、前述した各種乱数の値も取得しない。そして、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数を書き換えた場合、第2特別図柄保留記憶表示装置Rbの表示内容(点灯態様)を変更する。
【0048】
次に、特別図柄開始処理について説明する。
主制御用CPU30aは、図柄(特別図柄及び飾り図柄)が変動表示中ではなく、大当り遊技中ではないときに、主制御用RAM30cに記憶されている第2保留記憶数を読み出す。続いて、主制御用CPU30aは、読み出した第2保留記憶数が「0(零)」よりも大きいか否か(保留中の第2の変動ゲームが存在するか否か)を判定する。この判定結果が肯定の場合、保留中の第2の変動ゲームが存在することになるので、第2保留記憶数を−1(1減算)する。また、主制御用CPU30aは、1減算後の第2保留記憶数を表すように第2特別図柄保留記憶表示装置Rbの表示内容(点灯態様)を変更する。その後、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cに記憶した大当り判定用乱数の値を読み出す乱数読出処理に移行する。
【0049】
一方、保留中の第2の変動ゲームが存在しない場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている第1保留記憶数を読み出す。続いて、主制御用CPU30aは、読み出した第1保留記憶数が「0(零)」よりも大きいか否か(保留中の第1の変動ゲームが存在するか否か)を判定する。この判定結果が否定の場合、保留中の第1の変動ゲームが存在しないため、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、保留中の第1の変動ゲームが存在する場合、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数を−1(1減算)する。また、主制御用CPU30aは、1減算後の第1保留記憶数を表すように第1特別図柄保留記憶表示装置Raの表示内容(点灯態様)を変更する。その後、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cに記憶した大当り判定用乱数の値を読み出す乱数読出処理に移行する。
【0050】
乱数読出処理に移行した主制御用CPU30aは、特図始動保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cに記憶した大当り判定用乱数の値を読み出す。このとき、主制御用CPU30aは、第1の変動ゲームを実行させる場合、主制御用RAM30cに記憶されている第1始動保留球のうち、最も早く記憶した第1始動保留球に対応する大当り判定用乱数の値を読み出す。その一方で、主制御用CPU30aは、第2の変動ゲームを実行させる場合、主制御用RAM30cに記憶されている第2始動保留球のうち、最も早く記憶した第2始動保留球に対応する大当り判定用乱数の値を読み出す。
【0051】
そして、主制御用CPU30aは、読み出した大当り判定用乱数の値と大当り判定値とを比較し、大当りか否かの大当り判定(大当り抽選)を行う。なお、大当り判定において主制御用CPU30aは、遊技状態が非確変状態である場合には、低確率用の大当り判定値と大当り判定用乱数の値を比較する一方で、遊技状態が確変状態である場合には、高確率用の大当り判定値と大当り判定用乱数の値を比較する。大当り判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、大当り変動となる図柄変動ゲームを実行させるための大当り変動処理を実行する。大当り変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄1の場合、第1特別図柄表示装置12aに確定停止表示させる特別図柄1として大当り図柄を決定する。また、特別図柄2の場合、第2特別図柄表示装置12bに確定停止表示させる特別図柄2として大当り図柄を決定する。また、主制御用CPU30aは、変動パターン振分用乱数の値に基づき、大当り変動用の変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0052】
また、主制御用CPU30aは、大当り判定の判定結果が否定の場合、読み出したリーチ判定用乱数の値とリーチ判定値を比較し、両値が一致するか否かのリーチ抽選(リーチ判定)を行う。そして、リーチ判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ抽選に当選したことから、はずれリーチ変動となる図柄変動ゲームを実行させるためのリーチ変動処理を実行する。リーチ変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄1の場合、第1特別図柄表示装置12aに確定停止表示させる特別図柄1としてはずれ図柄を決定する。また、特別図柄2の場合、第2特別図柄表示装置12bに確定停止表示させる特別図柄2としてはずれ図柄を決定する。また、主制御用CPU30aは、変動パターン振分用乱数の値に基づき、はずれリーチ変動用の変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0053】
また、リーチ判定の判定結果が否定の場合、リーチなしのはずれ変動となる図柄変動ゲームを実行させるためのはずれ変動処理を実行する。はずれ変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄1の場合、第1特別図柄表示装置12aに確定停止表示させる特別図柄1としてはずれ図柄を決定する。また、特別図柄2の場合、第2特別図柄表示装置12bに確定停止表示させる特別図柄2としてはずれ図柄を決定する。また、主制御用CPU30aは、変動パターン振分用乱数の値に基づき、はずれ変動用の変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0054】
そして、特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、決定事項にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで演出制御用CPU31aに出力する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。ちなみに、変動パターン指定コマンドは、特別図柄1用の変動パターン指定コマンドと、特別図柄2用の変動パターン指定コマンドに分類されている。また、主制御用CPU30aは、特別図柄を指示する特別図柄用の停止図柄指定コマンドを変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。なお、特別図柄用の停止図柄指定コマンドも、特別図柄1用の停止図柄指定コマンドと、特別図柄2用の停止図柄指定コマンドに分類されている。そして、主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する全停止コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力する。ちなみに、全停止コマンドは、特別図柄1用の全停止コマンドと、特別図柄2用の全停止コマンドに分類されている。
【0055】
このように、本実施形態のパチンコ遊技機は、特別図柄開始処理において、第2保留記憶数を先に判定し、その判定結果が肯定の場合には第2の変動ゲームに係る処理を実行し、前記判定結果が否定の場合には第1保留記憶数を判定する。すなわち、本実施形態では、第1保留記憶数と第2特保留記憶数とが何れも記憶されているとき(何れも0(零)ではないとき)、主制御用CPU30aは、第2の変動ゲームを優先的に実行することになる。また、主制御用CPU30aは、大当り抽選に当選した場合、大当り変動用の変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了後、大当り遊技の制御を開始する。
【0056】
具体的には、主制御用CPU30aは、大当り遊技の開始時にオープニングコマンドを出力するとともに、各ラウンド遊技の開始時にラウンドコマンドを出力し、さらに終了時にエンディングコマンドを出力する。オープニングコマンドはオープニングの開始を指示し、ラウンドコマンドはラウンド遊技の開始を指示し、エンディングコマンドはエンディングの開始を指示する。
【0057】
次に、普通図柄に関して主制御用CPU30aが実行する制御内容を説明する。
主制御用CPU30aは、普通図柄作動ゲート19へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した普通図柄変動スイッチSW4が出力する検知信号を入力すると、普図当り判定用乱数の値を主制御用RAM30cから取得し、その値を普通図柄用の始動保留球の記憶数(以下、普図始動保留記憶数と示す)に対応付けて主制御用RAM30cに一時的に記憶する。なお、主制御用CPU30aは、普図始動保留記憶数が上限数(本実施形態では4)に達していない場合、保留記憶数を1加算して保留記憶数を書き換える一方で、普図始動保留記憶数が上限数に達している場合、上限数を超える保留記憶数の書き換えを行わないとともに、普図当り判定用乱数の値も取得しない。
【0058】
そして、主制御用CPU30aは、普通図柄が変動表示中ではなく、普図当り遊技中ではないときに、普通図柄の保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cに記憶した普図当り判定用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU30aは、該値と普図当り判定値とを比較し、普図当りか否かの普図当り判定(普図当り抽選)を行う。なお、普図当り判定において主制御用CPU30aは、遊技状態が非変短状態である場合には、低確率用の普図当り判定値と普図当り判定用乱数の値を比較する一方で、遊技状態が変短状態である場合には、高確率用の普図当り判定値と普図当り判定用乱数の値を比較する。
【0059】
そして、主制御用CPU30aは、普図ゲームの開始に伴って普通図柄表示装置13の表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、普図ゲームの開始により普通図柄の変動を開始させ、予め定めた変動時間の経過時に決定した普通図柄(当り図柄又ははずれ図柄)を確定停止表示させる。なお、主制御用CPU30aは、普図ゲームの開始時の遊技状態に応じて、普図ゲームの変動時間として異なる変動時間を設定し、普通図柄を確定停止表示させる。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、非変短状態の場合には変動時間として「10(秒)」を設定し、変短状態の場合には変動時間として非変短状態よりも短い時間となる「1.1(秒)」を設定する。これにより、変短状態時に行われる普図ゲームの変動時間は、非変短状態時に行われる普図ゲームの変動時間よりも短縮される。
【0060】
また、主制御用CPU30aは、普図当りとなる普図ゲームの終了後、普図当り時の遊技状態に応じて、開閉羽根16の開放態様を制御する。具体的に言えば、非変短状態において主制御用CPU30aは、開閉羽根16を第1開放時間(例えば、0.3(秒))で第1回数(例えば、1(回))分、開放させるように制御する。また、変短状態において主制御用CPU30aは、開閉羽根16を第2開放時間(例えば、1.4(秒))で第2回数(例えば、3(回))分、開放させるように制御する。
【0061】
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容(変動内容)をもとに、画像表示用データを選択する。また、演出制御用CPU31aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンド(特別図柄1又は特別図柄2用の停止図柄指定コマンド)を入力すると、当該コマンドにしたがって演出表示装置11に確定停止表示させる飾り図柄を決定する。具体的に言えば、特別図柄として大当り図柄が指示されている場合、演出制御用CPU31aは、飾り図柄として大当りの図柄組み合わせを決定する。
【0062】
その一方で、演出制御用CPU31aは、特別図柄としてはずれ図柄が指示されている場合、飾り図柄としてはずれの図柄組み合わせを決定する。このとき、演出制御用CPU31aは、はずれリーチ変動用の変動パターンが指示されている場合、飾り図柄としてリーチ図柄を含むはずれの図柄組み合わせを決定する。また、演出制御用CPU31aは、はずれ変動用の変動パターンが指示されている場合、飾り図柄として、リーチ図柄を含まないはずれの図柄組み合わせを決定する。
【0063】
そして、演出制御用CPU31aは、画像表示用データをもとに図柄変動ゲームを画像表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。また、図柄変動ゲーム中に全停止コマンド(特別図柄1又は特別図柄2用の全停止コマンド)を入力すると、演出制御用CPU31aは、決定した飾り図柄を演出表示装置11に確定停止表示させて図柄変動ゲームを終了させる。本実施形態では、図柄変動ゲームの表示内容を制御する演出制御用CPU31aが制御手段として機能する。
【0064】
以下、変動パターンP2〜P4が指示された場合に演出制御用CPU31aが実行する図柄決定処理の詳細について図5及び図6に従って説明する。
最初にSR系の変動パターンP2が指示された場合について説明する。
【0065】
この場合、演出制御用CPU31aは、変動内容としてグループ図柄を用いない「通常内容」又はグループ図柄を用いる「GP図柄内容」決定する。なお、本実施形態では、「通常内容」又は「GP図柄内容」が略同一の割合で選択されるように選択用の値が対応付けられている。
【0066】
そして、「通常内容」を決定した場合、演出制御用CPU31aは、はずれリーチ変動用の変動パターンP2−1が指示されているのであれば、1つの数字を付した飾り図柄によって構成される図柄組み合わせを決定する。一方、大当り変動用の変動パターンP2−2が指示されているのであれば、1つの数字を付した飾り図柄によって構成される大当りの図柄組み合わせを決定する。
【0067】
一方、「GP図柄内容」を決定した場合、はずれリーチ変動用の変動パターンP2−1が指示されているのであれば、演出制御用CPU31aは、指示された変動パターンに基づいて最終的に導出するリーチ図柄を含むはずれの図柄組み合わせを決定する。一方、大当り変動用の変動パターンが指示されているのであれば、演出制御用CPU31aは、最終的に導出する大当りの図柄組み合わせを決定する。また、本実施形態におけるグループ図柄の形成タイミングは、図柄の低速変動中となっており、変動中の1つの数字から異なる数字が分岐生成されたかのような態様でグループ図柄が形成されるようになっている(図示せず)。また、以下の説明では、グループ図柄を構成する分岐元の数字を「親数字X」と示す一方で、分岐によって生成された数字を「子数字Y」と示す。また、分岐後の親数字Xは四角形Sの左上部に配置される一方で、分岐後の子数字Yは四角形Sの右下部に配置される(例えば、図6(a))。
【0068】
これにより、例えば、最終的に導出する図柄組み合わせとして「565」を決定したとすると、演出制御用CPU31aは、グループ図柄の組み合わせとして、親数字X又は子数字Yのどちらかに「5」を含む組み合わせを決定する。なお、この場合に決定可能な他方の数字は、「0」、「5」、及び合算値が「10」以上とならない値である。ちなみに、本実施形態におけるグループ図柄には、「0」を含む組み合わせ、同一の数字による組み合わせ、及び合算値が「10」以上となる組み合わせ(図柄列で変動表示される図柄のうち最も数値の大きい「9」を超える組み合わせ)は設定されていない。なお、図5では、グループ図柄として決定可能な数字の組み合わせに網掛けを施し、その他の組み合わせと差別化を図っている。
【0069】
そして、親数字Xとして「1」を決定するとともに子数字Yとして「5」を決定したとすると、演出制御用CPU31aは、図6(a)に示すように、左列の低速変動中に「1」から「5」を分岐生成させ、右列の停止タイミングに到達すると「5」を付した図柄を一旦停止表示させる。このとき、左列のグループ図柄を構成する数字には右列に導出された図柄に付された数字「5」と同一の数字が含まれているので、1つのリーチ状態が形成される。なお、大当り変動用の変動パターンP2−2が指示された場合も、同様の手順でリーチ状態が形成される。
【0070】
次に、WR系の変動パターンP3が指示された場合について説明する。
WR系の変動パターンP3には、変動内容として「GP図柄内容」が定められているため、演出制御用CPU31aは、指示された変動パターンに基づいて最終的に導出する図柄組み合わせを決定する。その後、演出制御用CPU31aは、SR系の変動パターンP2の選択時に「GP図柄内容」を決定した場合と同様、グループ図柄の組み合わせとして、親数字X又は子数字Yのどちらかに、最終的に導出する図柄組み合わせを構成する図柄に付された数字を含む組み合わせを決定する。ちなみに、演出制御用CPU31aは、WR系の変動パターンP3が選択された場合、右列にもグループ図柄を導出することになるが、左列に導出させるグループ図柄を構成する数字と同一の組み合わせであれば、その数字が親数字Xとなるか子数字Yとなるか迄は問わない。
【0071】
例えば、演出制御用CPU31aは、最終的に導出する図柄組み合わせとして「232」を決定し、かつ左列及び右列において親数字Xとして「2」を決定するとともに子数字Yとして「5」を決定したとする。この場合、演出制御用CPU31aは、図6(b)に示すように、左列及び右列の低速変動中に「2」から「5」をそれぞれ分岐生成させ、「2」及び「5」によって2つのリーチ状態を形成させる。なお、大当り変動用の変動パターンP3−2が指示された場合も、同様の手順でリーチ状態が形成される。
【0072】
次に、合体SR系の変動パターンP4が指示された場合について説明する。
合体SR系の変動パターンP4には、変動内容として「GP図柄内容」が定められているため、演出制御用CPU31aは、指示された変動パターンに基づいて最終的に導出する図柄組み合わせを決定する。その後、演出制御用CPU31aは、決定した図柄組み合わせを構成する図柄に付された数字を確認し、合算値が確認した数字と同一値となるグループ図柄を決定する。
【0073】
例えば、最終的に導出する図柄組み合わせとして「565」を決定したとすると、演出制御用CPU31aは、左列に導出させるグループ図柄として、「1」と「4」の組み合わせ又は「2」と「3」の組み合わせを決定する。そして、親数字Xとして「2」を決定するとともに子数字Yとして「3」を決定したとすると、演出制御用CPU31aは、図6(c)に示すように、左列の低速変動中に「2」から「3」を分岐生成させ、右列の停止タイミングに到達すると「5」を付した図柄を一旦停止表示させる。この時点では、左列に導出されたグループ図柄を構成する数字には右列に導出された図柄に付された数字「5」と同一の数字が含まれていないので、リーチが形成されない。その後、演出制御用CPU31aは、所定時間の経過時に、グループ図柄を構成する親数字X「2」と子数字Y「3」を、四角形Sの中央で互いに重複するような態様で表示させ(図6(d))、2つの数字の合算値である「5」に変換させる(図6(e))。これにより、演出表示装置11では、左列の図柄を構成する数字「5」と右列に導出された図柄に付された数字「5」が一致するため、1つのリーチ状態が形成される。したがって、右列に図柄が一旦停止表示された時点では、左列と右列の図柄が異なっていることにより、リーチ状態が形成されないことになるが、その後、左列の図柄を構成する数字同士が合体して右列に導出された図柄に付された数字と同一値となるので、リーチ状態が形成される。なお、大当り変動用の変動パターンP4−2が指示された場合も、同様の手順でリーチ状態が形成される。
【0074】
したがって、本実施形態よれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)合算SR系の変動パターンに基づくリーチ演出(第3演出内容)では、リーチ形成列のうち1列にグループ図柄(複数要素図柄)が停止表示されるとともに、他列にグループ図柄を構成する数字(数値要素)の合算値を含む図柄が停止表示される。その後、グループ図柄を、グループ図柄を構成する複数の数字の合算値を含む図柄に変更表示させることによって、リーチ状態を形成させるようにした。これにより、リーチ形成列の図柄が導出された段階でリーチ状態が形成されていなくても、グループ図柄を構成する数値同士を加算して異なる数値を付した図柄に変更表示させることで、はずれから一転してリーチ状態が形成されることに期待を持たせることができる。
【0075】
(2)合算SR系の変動パターンに基づくリーチ演出では、グループ図柄を構成する数字の合算値が、グループ図柄を用いない通常内容で行われる図柄変動ゲームにおいて図柄列で変動表示される図柄(単数要素図柄)を構成する数字のうち最も大きい数字(実施形態では、「9」)を越えないようにした。すなわち、折角、グループ図柄を構成する数字同士が合算されて別の数値を付した図柄に変換されたとしても、その数字が図柄列で変動表示される図柄を構成する数字として設定されていないのであれば(例えば、9+7=16)、加算した意味がなくなり、数字の合算が行われてもリーチ状態が形成されることに期待を持つことができない。したがって、グループ図柄を構成する数字の合算値が、図柄列で変動表示される図柄を構成する数字を超えない値とすることで、数字の合算が行われた際にリーチが形成されることに期待を持たせることができる。
【0076】
(3)1ライン機である本実施形態のパチンコ遊技機において、WR系の変動パターンP3が選択された場合、リーチラインが2本形成される。これにより、リーチ演出の実行確率が向上し、見た目上、大当りとなる確率が2倍に増えたかのように思わせることができる。
【0077】
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した第2の実施形態を図7〜図11に従って説明する。なお、以下に説明する実施形態では、既に説明した実施形態と同一構成に同一符号を付すなどして、その重複する説明を省略又は簡略する。
【0078】
本実施形態では、合体SR系の変動パターンが選択された場合、確変大当りとなる残り回数を大当りの図柄組み合わせに対応させて報知している点が、第1の実施形態と異なっている。なお、本実施形態では、大当りの図柄組み合わせによって今回の大当りを含めた確変上限回数の残り回数が報知されるようになっている。
【0079】
まず、本実施形態に設定された当りの種類について図7(a),(b)に従って説明する。また、以下の説明では、パチンコ遊技機の遊技状態として、非確変状態、かつ非変短状態を「低確+変短なし」と示すとともに、非確変状態、かつ変短状態を「低確+変短あり」と示す。また、確変状態、かつ非変短状態を「高確+変短なし」と示すとともに、確変状態、かつ変短状態を「高確+変短あり」と示す。
【0080】
特別図柄Aに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数を「15回」とする一方で、特別図柄B,C,D,E,Fに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数を「2回」としている。また、特別図柄A〜Fに基づく大当り遊技では、原則として、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、次回大当り抽選に当選するまで確変状態が必ず付与されるようになっている。ただし、本実施形態のパチンコ遊技機には、確変状態の付与期間に係るリミッタ機能が搭載されており、確変上限回数(本実施形態では、9回)が定められている。すなわち、初回の大当り抽選への当選を含めて大当り抽選に「9回」当選すると、9回目の大当り抽選で大当りに当選しても確変状態が付与されないようになっている。ただし、リミッタ機能の作動によって確変状態が付与されなかったとしても、次回大当り当選時にはリミッタ機能が作動しないので、再度、大当り抽選に当選した場合には確変状態が付与されることになる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機では、通常状態時(「低確+変短なし」)の大当りを1回目(最初)の大当りとする。
【0081】
また、特別図柄A〜Fに基づく大当り遊技では、リミッタ機能の未作動時における変短状態の付与回数が、大当りの種類及び大当り抽選の当選時における遊技状態に応じて夫々異なっている。具体的には、特別図柄A及び特別図柄Fに基づく大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、予め定めた第1回数(本実施形態では、10000回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、変短状態が付与される。その一方で、特別図柄B,C,D,Eに基づく大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態によって、変短状態が付与される回数に差を持たせている。
【0082】
特別図柄Bに基づく大当り遊技では、大当り抽選の当選時において変短状態が付与されていなければ、変短状態は付与されない。その一方で、大当り抽選の当選時において変短状態が付与されている場合、第1回数(10000回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、変短状態が付与される。
【0083】
一方、特別図柄Cに基づく大当り遊技では、大当り抽選の当選時において変短状態が付与されていない場合、前記第1回数よりも少ない第2回数(本実施形態では、50回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、変短状態が付与される。その一方で、大当り抽選の当選時において変短状態が付与されている場合、第1回数(10000回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、変短状態が付与される。
【0084】
また、特別図柄Dに基づく大当り遊技では、大当り抽選の当選時において変短状態が付与されていない場合、前記第1回数よりも少なく、かつ前記第2回数よりも多い第3回数(本実施形態では、100回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、変短状態が付与される。その一方で、大当り抽選の当選時において変短状態が付与されている場合、第1回数(10000回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、変短状態が付与される。
【0085】
また、特別図柄Eに基づく大当り遊技では、大当り抽選の当選時の遊技状態が「低確+変短なし」の場合、第3回数(100回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、変短状態が付与される。また、大当り抽選の当選時の遊技状態が「高確+変短なし」の場合、変短状態が付与されない。その一方で、大当り抽選の当選時において変短状態が付与されている場合、第1回数(10000回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、変短状態が付与される。
【0086】
その一方で、リミッタ機能が作動した(確変上限回数に到達した)場合、どの大当り遊技に当選した場合であっても、大当り抽選の当選時の遊技状態にかかわらず、第3回数(100回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、変短状態が付与される。
【0087】
また、本実施形態では、特別図柄Aに基づく大当り遊技(15R大当り遊技)のラウンド遊技時間が「25秒」に定められている一方で、特別図柄B〜Fに基づく大当り遊技(2R大当り遊技)のラウンド遊技時間が「0.032秒」に定められている。これにより、本実施形態では、2R大当り遊技よりも15R大当り遊技の方が、大当り遊技の終了時点で多数の賞球を獲得することができる。
【0088】
また、本実施形態では、小当り図柄が設定されている。小当り図柄は、大当り抽選に当選しなかった場合に小当りか否かの小当り抽選に当選した際に決定される。そして、小当り抽選に当選した場合に付与される小当り遊技は、規定ラウンド数を「1回」とし、1回のラウンド遊技中に大入賞口18を「2回」開放させるようになっている。また、小当り遊技では、オープニング時間、1回あたりの大入賞口18の開放時間、及びエンディング時間が、2R大当り遊技と同一に設定されている。これにより、大当り図柄として特別図柄B〜Fが決定された場合、又は小当り図柄が決定された場合、その決定に伴って開始される図柄変動ゲームの変動停止から、当り遊技を経て次の図柄変動ゲームが開始するまでの時間が同一時間となる。したがって、本実施形態における2R大当り遊技及び小当り遊技は、大入賞口18の開閉動作態様や時間からその差異を遊技者が判別不能となっている。
【0089】
また、小当り抽選に当選した場合、小当り遊技の終了後における遊技状態を、小当り抽選の当選時における遊技状態で継続させるようになっている。すなわち、小当り抽選の当選時の遊技状態が確変状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を確変状態に継続させるとともに、小当り抽選の当選時の遊技状態が変短状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を変短状態に継続させる。また、小当り抽選の当選時の遊技状態が非確変状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を非確変状態に継続させるとともに、小当り抽選の当選時の遊技状態が非変短状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を非変短状態に継続させる。
【0090】
また、本実施形態では、特別図柄1の大当り抽選で大当りに当選した時と、特別図柄2の大当り抽選で大当りに当選した時で選択可能な大当り図柄の種類及びその選択率も異なっている。具体的に説明すると、特別図柄1で選択可能な大当り図柄は、特別図柄A〜Fからなる6つのグループに属する図柄とされている一方で、特別図柄2で選択可能な大当り図柄は、特別図柄Aからなる1つのグループに属する図柄とされている。そして、これらの特別図柄A〜Fからなるグループに複数種類の大当り図柄がそれぞれ属している。また、特別図柄A〜Fからなるグループに属する各特別図柄1に対して、特図振分用乱数の取り得る数値(本実施形態では0〜99までの全100通りの整数値)が、所定個数ずつ振分けられている。同様に、特別図柄Aからなるグループに属する特別図柄2に対しても、特図振分用乱数の取り得る数値(本実施形態では0〜99までの全100通りの整数値)が、所定個数ずつ振分けられている。
【0091】
具体的に言えば、特別図柄1において、特別図柄Aに属する大当り図柄には2個の乱数値が、特別図柄Bに属する大当り図柄には38個の乱数値が、特別図柄Cに属する大当り図柄には40個の乱数値が、それぞれ振分けられている。また、特別図柄Dに属する大当り図柄には13個の乱数値が、特別図柄Eに属する大当り図柄には5個の乱数値が、特別図柄Fに属する大当り図柄には2個の乱数値が、それぞれ振分けられている。また、特別図柄1では、小当り図柄に小当り用の特図振分用乱数の取り得る数値を振分けている一方で、特別図柄2では、小当り図柄に小当り用の特図振分用乱数の取り得る値を振分けていない。
【0092】
上記構成によれば、特別図柄1における特別図柄Aの割合が2%(2/100)に設定されているのに対し、特別図柄2における特別図柄Aの割合が100%(100/100)に設定されているので、大当り抽選に当選した場合、第1の変動ゲームよりも第2の変動ゲームにおいて特別図柄Aに基づく大当り遊技が付与され易い。また、本実施形態では、第1及び第2の変動ゲームにおいて大当り遊技終了後に確変状態が付与される確率は、確変上限回数に到達していなければ100%となっている。
【0093】
また、図8に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機は、変短状態の付与回数に応じて異なる複数(本実施形態では3つ)の演出モードを備えている。そして、本実施形態では、予め定めた移行条件が成立することによって演出モードを他の演出モードへ移行させるようになっている。本実施形態における演出モードには、通常モードと、確定モードと、チャンスモードと、が設定されている。
【0094】
「通常モード」は、「高確+変短なし」又は「低確+変短なし」の状態時に滞在可能な演出モードとされている。「確定モード」は、「高確+変短あり」の状態時、かつ変短状態の上限値(変短上限回数又は作動回数)として第1回数(10000回)が決定された場合に滞在可能な演出モードとされている。また、「チャンスモード」は、「高確+変短あり」の状態時、かつ変短上限回数として第2回数(50回)又は第3回数(100回)が決定された場合に滞在可能な演出モードとされている。なお、チャンスモードは、「低確+変短あり」の状態時に滞在可能な演出モードでもある。そして、これらの演出モードは、後述する制御によって互いに移行可能となっている。
【0095】
また、各演出モードの滞在中は、その滞在中の演出モードに対応するモード報知画像が演出表示装置11(画像表示部GH)に画像表示されるようになっている。本実施形態におけるモード報知画像は、図柄の背面に映し出される背景画像となっており、各演出モードに対応する背景画像は、図8に示すように、演出モード毎に画像内容が異なるように個別設定されている。このような演出モードに応じた背景画像を画像表示させることにより、遊技者は、背景画像の種類から滞在中の演出モードを認識し得るようになっている。
【0096】
以下、本実施形態における主制御用CPU30aの制御内容について説明する。
本実施形態では小当り図柄を設定しているため、主制御用CPU30aは、特別図柄1に基づく大当り判定の判定結果が否定の場合、小当り判定(小当り抽選)を実行する。このとき、主制御用CPU30aは、読み出した大当り判定用乱数の値と小当り判定値を比較することによって小当り判定を実行する。小当り判定値は、小当り判定(小当り抽選)で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。小当り判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、小当りを決定する。小当りを決定した主制御用CPU30aは、第1特別図柄表示装置12aで行われる第1の変動ゲームで確定停止表示させる特別図柄として小当り図柄を決定する。また、小当りを決定した主制御用CPU30aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいて、小当り当選時に選択可能な変動パターンを選択し、決定する。
【0097】
なお、本実施形態では、2R大当り遊技の当選時と小当り遊技の当選時に選択可能な専用の同一変動パターンを別途設定している。これにより、本実施形態では、2R大当り遊技の当選時及び小当り遊技の当選時にそれぞれ行われる図柄変動ゲームの変動内容から、何れの遊技が付与されるのかが区別し得ないようになっている。また、主制御用CPU30aは、小当り判定の判定結果が否定の場合、リーチ判定を実行する。
【0098】
次に、主制御用CPU30aが、大当り抽選に当選した場合に、確変状態を付与するか否かを決定するとともにその結果に応じて変短上限回数を決定するために実行するリミッタ作動処理について図9に従って説明する。なお、図9に示すリミッタ作動処理は、大当り遊技終了後、図柄変動ゲームが開始する前に実行されるようになっている(例えば、エンディング演出の終了時)。したがって、大当り抽選に当選していない場合、主制御用CPU30aは、リミッタ作動処理を実行しない(小当り抽選に当選している場合も含む)。本実施形態では、リミッタ作動処理を実行する主制御用CPU30aが、状態制御手段及び判定手段として機能する。
【0099】
まず、主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了時に、今回の大当りが初回の大当りであったか否かを確認する(ステップS11)。ステップS11において主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに設定される確変上限回数のカウントが開始されたことを指示するカウント開始フラグに「1」が設定されているか否かを判定することによって初回の大当りであったか否かを判定する。ステップS11の判定結果が肯定の場合、今回の大当りが確変状態を付与する初回の大当りとなるため、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに確変上限回数として「8」をセットする(ステップS12)。その後、主制御用CPU30aは、取得した特図振分用乱数の値によって特定される大当りの種類及び大当り抽選の当選時における遊技状態に基づいて、変短上限回数を決定する。主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に変短状態を付与する場合、主制御用RAM30cに記憶される遊技状態フラグとしての作動フラグに「1」をセットするとともに決定した回数を、変短状態が付与される残り図柄変動ゲーム数を示す作動回数としてセットする(ステップS13)。それとともに、主制御用CPU30aは、演出制御用CPU31aに変短状態であることを示す作動コマンドを出力する。その後、主制御用CPU30aは、リミッタ作動処理を終了する。
【0100】
作動回数は、図柄変動ゲームを実行させる毎に−1(1減算)される。そして、主制御用CPU30aは、作動回数が「0」に到達すると、図柄変動ゲームの終了後、作動フラグに「0」を設定するとともに、演出制御用CPU31aに非変短状態であることを示す非作動コマンドを出力する。なお、主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後、非変短状態とする場合、作動フラグに「0」を設定するとともに、作動回数を「0」とする。
【0101】
また、主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に確変状態を付与する場合、主制御用RAM30cに記憶される遊技状態フラグとしての確変フラグに「1」を設定するとともに、演出制御用CPU31aに確変状態であることを示す確変コマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、大当り遊技の開始時に確変フラグ、作動フラグ、及び作動回数を「0」に設定する。これにより、大当り遊技中は、「低確+変短なし」とされる。
【0102】
一方、ステップS11の判定結果が否定の場合、今回の大当りが確変状態を付与する2回目以降の大当りとなるため、主制御用CPU30aは、確変上限回数から1減算してその値を更新する(ステップS14)。また、確変上限回数を更新した場合、主制御用CPU30aは、その回数を示す回数指定コマンドを演出制御用CPU31aに出力する。これにより、演出制御用CPU31aも確変上限回数の残り回数を把握することができる。次に、主制御用CPU30aは、1減算後の確変上限回数が「0(零)」であるか否かを判定する(ステップS15)。ステップS15の判定結果が否定の場合、今回の大当りでは確変上限回数に到達していないため、ステップS13に移行する。
【0103】
一方、ステップS15の判定結果が肯定(確変上限回数=0)の場合、今回の大当りで確変上限回数に到達したため、主制御用CPU30aは、リミッタ機能を作動させる(ステップS16)。ステップS16において主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了後に確変フラグに「0」を設定するとともに非確変コマンドを演出制御用CPU31aに出力することによって、非確変状態を付与することになる。その後、主制御用CPU30aは、大当りの種類及び大当り抽選の当選時における遊技状態にかかわらず、作動フラグに「1」をセットするとともに、作動回数に「100」をセットし(ステップS17)、リミッタ作動処理を終了する。また、主制御用CPU30aは、確変状態を終了させる場合、確変フラグに「0」を設定するとともに、演出制御用CPU31aに非確変状態であることを示す非確変コマンドを出力する。なお、主制御用CPU30aは、リミッタを作動させた後に大当り抽選に当選した場合、再度、確変状態を付与するために、確変上限回数の計数値をリセットするとともに、カウント開始フラグに「0」をセットする。
【0104】
本実施形態のパチンコ遊技機にはリミッタ機能が搭載されているため、リミッタ機能が作動する迄により多くの賞球を獲得するためには、変短状態中に第2の変動ゲームで大当り抽選に当選することが望ましい。すなわち、変短状態中は、非変短状態中に比して第2始動入賞口15への入球率が向上しているため、第2始動入賞口15への入球に基づく第2の変動ゲームで大当り抽選に当選したときには、必ず15R大当り遊技が付与される。そして、15R大当り遊技終了後には、必ず変短状態が10000回付与されるので、再度、第2始動入賞口15へ遊技球が入球し易くなる。また、本実施形態では、変短上限回数に到達したことを契機にリミッタが作動するのではなく、大当り抽選の当選回数が9回に到達したことを契機にリミッタが作動する(ステップS15が肯定判定)。したがって、より多くの賞球を獲得するためには、確変上限回数に占める特別図柄Aに基づく大当り遊技の割合が高くなることが好ましく、特別図柄Aに基づく大当り遊技に当選するためには、通常状態中に変短上限回数が多く設定された大当りに当選し、変短状態中に第2の変動ゲームで大当りに当選することが望ましい。
【0105】
したがって、本実施形態において最も賞球を獲得し得るルートは、通常状態中に特別図柄Aに基づく大当り遊技に当選し(1回目)、変短状態が付与されている間に第2の変動ゲームで大当りに当選することである(2回目)。これにより、確変上限回数に占める特別図柄Aに基づく大当り遊技の割合が高くなるため、最も賞球を獲得し得る。
【0106】
その一方で、例えば、通常状態中の第1の変動ゲームで特別図柄Bに基づく大当り遊技に当選したとする(1回目の大当り)。この場合、大当り遊技終了後には「高確+変短なし」の状態で図柄変動ゲームが実行されるので、第2の変動ゲームの実行確率は変化しない。そして、「高確+変短なし」の状態で行われる第1の変動ゲームで特別図柄Cに基づく大当り遊技に当選したとする(2回目の大当り)。この場合、大当り抽選の当選時の遊技状態が「高確+変短なし」の状態であることにより、大当り遊技終了後には、確変状態と50回の図柄変動ゲームが行われる迄の間、変短状態が付与されることになる。ただし、変短状態が50回の図柄変動ゲームが実行される迄の間付与されたとしても、変短状態中に大当り抽選に当選しなかった場合には、大当り遊技終了後、51回目の図柄変動ゲームから変短状態が付与されない。そして、非変短状態中の第1の変動ゲームで特別図柄Aに基づく大当り遊技に当選したとする(3回目の大当り)。この場合、大当り抽選の当選時の遊技状態にかかわらず、大当り遊技終了後の遊技状態が「高確+変短あり」となる。そして、変短状態中に第2の変動ゲームにおいて大当り抽選に当選したとすると、特別図柄Aに基づく大当りが決定されることになる(4回目の大当り)。
【0107】
このような流れで図柄変動ゲームが実行された場合、初回の大当りで特別図柄Aが決定された場合に比して確変上限回数に占める特別図柄Aに基づく大当り遊技の割合が低いため、賞球獲得数が少なくなる。すなわち、本実施形態のパチンコ遊技機では、変短状態の付与回数や確変上限回数に占める2R大当り遊技の種類及び割合によって賞球獲得数に差異が生じる構成となっている。
【0108】
なお、本実施形態では、選択される変動パターンの種類が、確変上限回数に応じて設定されている。詳しくは、確変上限回数の残り回数が「9回」〜「3回」の場合、大当り変動用の変動パターンP2−2,P3−2,P4−2が選択可能とされている。一方、確変上限回数の残り回数が「2回」〜「0回」の場合、大当り変動用の変動パターンP2−2及びP3−2が選択可能とされている。ちなみに、特別図柄B〜Fへの当選時には、専用の変動パターンが選択される。
【0109】
次に、本実施形態において演出制御用CPU31aが実行する制御内容について説明する。
特別図柄用の停止図柄指定コマンド(特別図柄1又は特別図柄2用の停止図柄指定コマンド)で指定された停止図柄が、2R大当り遊技に対応する大当り図柄又は小当り図柄であったとする。この場合、演出制御用CPU31aは、飾り図柄の図柄組み合わせとして、はずれを認識し得る図柄組み合わせのうち、予め定めた特定の図柄組み合わせ(チャンス目)を決定する。特定の図柄組み合わせは、リーチを形成しないはずれの図柄組み合わせからなる。
【0110】
次に、演出制御用CPU31aが実行する演出モードに係る制御内容を説明する。
演出制御用CPU31aは、大当り抽選への当選を契機に演出モードを移行させる場合、特別図柄用の停止図柄指定コマンド(特別図柄1又は特別図柄2用の停止図柄指定コマンド)で指示された大当り図柄の種類と、遊技状態を指示する各コマンド(確変コマンド、非確変コマンド、作動コマンド及び非作動コマンド)と、演出モードフラグの設定値をもとに、モード報知画像を画像表示させる。演出モードフラグは、現在滞在している演出モードを識別可能な情報で構成されており、演出制御用RAM31cに設定されている。
【0111】
まず、通常モード滞在中かつ確変上限回数に到達していない場合におけるモード移行態様について説明する。なお、本実施形態において演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから出力される回数指定コマンドによって確変上限回数の残り回数を把握するようになっている。
【0112】
「低確+変短なし」又は「高確+変短なし」の通常モード滞在中に特別図柄A又は特別図柄Fに基づく大当り遊技に当選した場合、演出制御用CPU31aは、大当り遊技を経て「高確+変短あり」の確定モードに移行させる。一方、「低確+変短なし」又は「高確+変短なし」の通常モード滞在中に特別図柄Bに基づく大当り遊技に当選した場合、演出制御用CPU31aは、大当り遊技を経て「高確+変短なし」の通常モードに再度移行させる。また、「低確+変短なし」又は「高確+変短なし」の通常モード滞在中に小当り遊技に当選した場合、演出制御用CPU31aは、小当り遊技を経て小当り抽選の当選時の遊技状態と同一の通常モードに再度移行させる。また、「高確+変短なし」の通常モード滞在中に特別図柄Eに基づく大当り遊技に当選した場合、演出制御用CPU31aは、大当り遊技を経て「高確+変短なし」の通常モードに再度移行させる。
【0113】
一方、「低確+変短なし」又は「高確+変短なし」の通常モード滞在中に特別図柄C又は特別図柄Dに基づく大当り遊技に当選した場合、演出制御用CPU31aは、大当り遊技を経て「高確+変短あり」のチャンスモードに移行させる。また、「低確+変短なし」の通常モード滞在中に特別図柄Eに基づく大当り遊技に当選した場合、演出制御用CPU31aは、大当り遊技を経て「高確+変短あり」のチャンスモードに再度移行させる。一方、「低確+変短なし」又は「高確+変短なし」の通常モード滞在中に大当り遊技に当選したが、確変上限回数に到達したことによりリミッタ機能が作動した場合には、当選した大当り遊技の種類にかかわらず、「低確+変短あり」のチャンスモードに再度移行させる。
【0114】
次に、チャンスモード滞在中かつ確変上限回数に到達していない場合におけるモード移行態様について説明する。
「高確+変短あり」のチャンスモード滞在中に大当り抽選に当選した場合、演出制御用CPU31aは、大当り遊技を経て「高確+変短あり」の確定モードに移行させる。一方、「低確+変短あり」又は「高確+変短あり」のチャンスモード滞在中に小当り遊技に当選した場合、演出制御用CPU31aは、小当り遊技を経て小当り抽選の当選時の遊技状態と同一のチャンスモードに移行させる。一方、「低確+変短あり」又は「高確+変短あり」のチャンスモード滞在中に変短上限回数の図柄変動ゲームが実行された場合、演出制御用CPU31aは、大当り抽選の抽選状態を維持したまま通常モードに移行させる。また、演出制御用CPU31aは、「高確+変短あり」のチャンスモード滞在中に大当り遊技に当選したが、確変上限回数に到達したことによりリミッタ機能が作動した場合には、当選した大当り遊技の種類にかかわらず、「低確+変短あり」のチャンスモードに移行させる。
【0115】
次に、確定モード滞在中かつ確変上限回数に到達していない場合におけるモード移行態様について説明する。
「高確+変短あり」の確定モード滞在中に大当り抽選に当選した場合、演出制御用CPU31aは、大当り遊技を経て「高確+変短あり」の確定モードに再度移行させる。また、「高確+変短あり」の確定モード滞在中に小当り遊技に当選した場合、演出制御用CPU31aは、小当り遊技を経て確定モードに再度移行させる。一方、「高確+変短あり」の確定モード滞在中に、確変上限回数に到達したことによりリミッタ機能が作動した場合、演出制御用CPU31aは、当選した大当り遊技の種類にかかわらず、「低確+変短あり」のチャンスモードに移行させる。
【0116】
以下、本実施形態において演出制御用CPU31aが実行する図柄決定処理の詳細について説明する。
本実施形態において演出制御用CPU31aは、特別図柄Aに基づく大当り遊技に当選した場合、確変上限回数の残り回数に基づいて最終的に導出する大当りの図柄組み合わせを決定する。なお、演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aと同じく、演出制御用RAM31cに確変上限回数を設定し、大当り抽選に当選する度に1減算することで計数している。なお、演出制御用RAM31cで管理する確変上限回数としては、回数指定コマンドで指定される値がセットされるようになっている。
【0117】
本実施形態における回数指定コマンドは、大当り遊技の終了後に出力されるので(リミッタ作動処理の実行後)、演出制御用CPU31aは、今回当選した大当りを含んだ確変上限回数の残り回数を報知するために、回数指定コマンドで指定される回数に基づいて、大当りの図柄組み合わせを構成する図柄を決定する。このとき、演出制御用CPU31aは、特別図柄Aに基づく大当り遊技に当選しているとともに、大当り変動用の変動パターンP2−2又はP3−2が選択されている場合、確変上限回数の残り回数を参照する。そして、演出制御用CPU31aは、その回数と一致する数字以下の数字が付された図柄による大当りの図柄組み合わせを決定する。例えば、確変上限回数の残り回数が「4回」の場合、演出制御用CPU31aは、大当りの図柄組み合わせとして「111」、「222」、「333」、及び「444」のうちいずれかを決定する。そして、演出制御用CPU31aは、決定した図柄組み合わせを構成する図柄に付された数字と一致する数字を含むグループ図柄を決定する。なお、本実施形態において選択禁止とされる数字の組み合わせは、第1の実施形態と同一である。
【0118】
一方、特別図柄Aに基づく大当り遊技に当選しているとともに、大当り変動用の変動パターンP4−2が選択されている場合、演出制御用CPU31aは、確変上限回数の残り回数を参照する。そして、演出制御用CPU31aは、その回数と一致する数字が付された図柄によって構成される大当りの図柄組み合わせを決定する。そして、演出制御用CPU31aは、合算値が、決定した図柄組み合わせを構成する図柄に付された数字と一致する数字の組み合わせとなるグループ図柄を決定する。例えば、確変上限回数として「5回」が指示された場合、演出制御用CPU31aは、最終的に導出する大当りの図柄組み合わせとして「555」を決定することになる。つまり、本実施形態において合算リーチ演出を経て導出された大当りの図柄組み合わせによって、今回の大当りを含んだ残り回数が報知されることになる。そして、演出制御用CPU31aは、左列に導出させる図柄として、「1」と「4」の組み合わせ、又は「2」と「3」の組み合わせを決定する。
【0119】
これにより、演出表示装置11では、合算後の数字「5」と右列に導出された図柄に付された数字「5」が一致することになり、1つのリーチ状態が形成される。したがって、右列に図柄が一旦停止表示された時点では、左列と右列の図柄が異なっていることにより、リーチ状態が形成されないことになるが、その後、左列の図柄を構成する数字同士が合体して右列に導出された図柄に付された数字と同一値となるので、リーチ状態が形成される。
【0120】
ちなみに、演出制御用CPU31aは、初回の大当りで特別図柄Aに対応する大当り遊技に当選するとともに、変動パターンP2−2又はP3−2が選択された場合、大当りの図柄組み合わせとして「111」〜「999」までのうちいずれか1つの図柄組み合わせを決定する。一方、演出制御用CPU31aは、初回の大当りで特別図柄Aに対応する大当り遊技に当選するとともに、変動パターンP4−2が選択された場合、大当りの図柄組み合わせとして「999」を決定する。なお、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cで計数する確変上限回数の値が「0回」となっている場合に初回の大当りであることを認識する。
【0121】
ちなみに、本実施形態では、選択禁止とする数字の組み合わせとして、親数字Xと子数字Yが同一の数字となる組み合わせと、親数字X又は子数字Yに「0(零)」を含む組み合わせを設定している。したがって、確変上限回数の残り回数が「2回」の場合、合算値が「2」となる親数字Xと子数字Yの組み合わせは「1+1」又は「2+0」となるとともに、確変上限回数の残り回数が「1回」の場合、合算値が「1」となる親数字Xと子数字Yの組み合わせは「1+0」となる。これらの組み合わせは、本実施形態において選択禁止とする組み合わせとして定められているので、確変上限回数の残り回数が「2回」又は「1回」の場合、大当り変動用の変動パターンP2−2又はP3−2が選択されることになり、演出制御用CPU31aは、確変上限回数の残り回数を参照して大当りの図柄組み合わせを決定する。そして、演出制御用CPU31aは、決定した大当りの図柄組み合わせを構成する図柄に付された数字と一致する数字を含むグループ図柄を決定する。
【0122】
したがって、本実施形態では、グループ図柄を構成する数字図柄同士が合体した際には、特別図柄Aに基づく大当り遊技が付与されることに期待を持たせることができる。さらに、本実施形態では、2R大当り遊技や小当り遊技に当選した場合、どちらの当りに当選しているのかを分かり難くするために、演出内容を統一したり、チャンス目を導出させるようにしている。これにより、合算リーチ演出を経て導出された大当りの図柄組み合わせを構成する図柄に付された数字によって、今回の大当りを含めた確変状態の残り回数を分かりやすく報知することができる。また、本実施形態において演出制御用CPU31aは、合算SR系の変動パターンが選択された際には、確変上限回数の残り回数と一致する数字が付された大当りの図柄組み合わせを決定するが、SR系又はWR系の変動パターンが選択された際には、確変上限回数の残り回数と一致する数字以下の数字が付された大当りの図柄組み合わせを決定する。これにより、SR系又はWR系の変動パターンに基づいて導出された大当りの図柄組み合わせからは、必ずしも正確な残り回数が報知されるわけではないが、合算SR系の変動パターンに基づいて導出された大当りの図柄組み合わせからは、正確な残り回数が報知される。本実施形態では、特別図柄Aに基づく大当り遊技が決定された際に、確変上限回数の残り回数に応じて決定される図柄を構成する数字が、特別数値要素となる。
【0123】
以下、合算リーチ演出によって確変上限回数の残り回数が報知される迄の演出の流れを図10に従って説明する。なお、図10に示す「確変上限回数」は、今回の大当りを含んだ確変状態が付与される大当りの残り回数を示している。
【0124】
まず、通常状態時において初回の大当りとして特別図柄Dに基づく大当り遊技に当選したとすると、演出表示装置11では、例えば「123」で示すチャンス目が確定停止表示された後、大当り遊技が開始される(図10(a))。そして、大当り遊技の終了時には、確変上限回数の残り回数として「8」がセットされるとともに、大当り遊技終了後の遊技状態が「高確+変短あり」となる(図7参照)。その後、「高確+変短あり」の状態中に第2の変動ゲームにおいて特別図柄Aに基づく大当り遊技に当選するとともに(2回目の大当り)、合算SR系の変動パターンP4−2が選択されたとする。
【0125】
これにより、演出制御用CPU31aは、確変上限回数の残り回数と同一値となる数字が付された図柄によって形成される大当りの図柄組み合わせを決定することになる。このとき、演出制御用CPU31aが、左列に導出するグループ図柄を構成する数字の組み合わせとして、親数字Xとして「2」を決定するとともに子数字Yとして「6」を決定したとする。この場合、演出表示装置11では、左列の低速変動中に「2」から「6」が分岐生成され(図10(c))、左列において親数字X「2」及び子数字Y「6」からなるグループ図柄が導出される(図10(d))。その後、右列の停止タイミングに到達すると「8」を付した図柄が一旦停止表示される(図10(e))。この時点では、左列に導出されたグループ図柄を構成する数字として右列に導出された図柄に付された数字「8」と同一の数字が含まれていないので、リーチ状態が形成されない。
【0126】
その後、所定時間の経過時に、グループ図柄を構成する親数字X「2」と子数字Y「6」が四角形Sの中央で互いに重複するような態様で表示され(図10(f))、数字が2つの数字の合算値である「8」に変換される(図10(g))。これにより、演出表示装置11では、数字「8」と右列に導出された図柄に付された数字「8」が一致するため、1つのリーチ状態が形成される(図10(g))。このように、右列に図柄が一旦停止表示された時点では、左列と右列の図柄が異なっていることにより、リーチ状態が形成されないことになるが、その後、左列の図柄を構成する数字同士が合体して右列に導出された図柄に付された数字と同一値となるので、リーチ状態が形成される。そして、リーチ演出が開始してから所定時間の経過後に中列に「8」が導出され、大当りの図柄組み合わせ「888」が形成される(図10(h))。そして、前述したように、「888」で示す図柄組み合わせによって確変上限回数の残り回数が今回の大当りを含めて8回であることが報知される。そして、主制御用CPU30aは、今回の大当り抽選への当選に基づく大当り遊技の終了時に確変上限回数の残り回数を「7回」とする。
【0127】
次に、本実施形態において合算リーチ演出によって確変上限回数の残り回数が報知される迄の演出の別の流れを図11に従って説明する。
図10(a),(b)の流れで図柄変動ゲームが実行された後、変短状態中の第2の変動ゲームにおいて特別図柄Aに基づく大当り遊技に当選したとする(2回目の大当り)。また、このとき、大当り変動用の変動パターンP2−2が選択されるとともに、グループ図柄を用いない「通常内容」を決定したとすると、演出制御用CPU31aは、確変上限回数の残り回数を参照し、その値以下の数字が付された図柄によって構成される大当りの図柄組み合わせを決定する。例えば、演出制御用CPU31aが、大当りの図柄組み合わせとして「333」を決定したとすると、演出表示装置11では、「3↓3」で示すリーチ状態が形成される(図11(a))。そして、リーチ演出が開始してから所定時間の経過後に中列に「3」が導出され、大当りの図柄組み合わせ「333」が形成され、この図柄組み合わせによって、確変上限回数の残り回数が今回の大当りを含めて3回以上であることが報知される(図11(b))。
【0128】
その後、特別図柄Aに基づく大当り遊技に当選したことによって、大当り遊技終了後の遊技状態が「高確+変短あり」となる。また、主制御用CPU30aは、今回の大当り抽選への当選に基づく大当り遊技の終了時に確変上限回数の残り回数を「7回」とする。そして、「高確+変短あり」の状態で実行される第2の変動ゲームにおいて特別図柄Aに基づく大当り遊技に当選したとする(3回目の大当り)。また、このとき、大当り変動用の変動パターンとして合算SR系の変動パターンP4−2が選択されたとすると、演出制御用CPU31aは、確変上限回数の残り回数を参照し、その値と同一の数字が付された図柄によって大当りの図柄組み合わせを決定する。例えば、演出制御用CPU31aが、大当りの図柄組み合わせとして「777」を決定し、左列に導出するグループ図柄を構成する数字の組み合わせとして、親数字Xとして「5」を決定するとともに子数字Yとして「2」を決定したとする。この場合、演出表示装置11では、左列の低速変動中に「5」から「2」が分岐生成され(図11(c))、左列において親数字X「5」及び子数字Y「2」からなるグループ図柄が導出され、右列の停止タイミングに到達すると「7」を付した図柄が一旦停止表示される(図11(d))。
【0129】
その後、所定時間の経過時に、グループ図柄を構成する親数字X「5」と子数字Y「2」が四角形Sの中央で互いに重複するような態様で表示され(図11(e))、数字が2つの数字の合算値である「7」に変換される(図11(f))。これにより、演出表示装置11では、左列の図柄を構成する数字「7」と右列に導出された図柄に付された数字「7」が一致するため、1つのリーチ状態が形成される。そして、リーチ演出が開始してから所定時間の経過後に中列に「7」が導出され、大当りの図柄組み合わせ「777」が形成される(図11(g))。そして、前述したように、「777」で示す図柄組み合わせによって、確変上限回数の残り回数が今回の大当りを含めて7回であることが報知される。また、主制御用CPU30aは、今回の大当り抽選への当選に基づく大当り遊技の終了時に確変上限回数の残り回数を「6回」とする。
【0130】
本実施形態では、このような態様で図柄変動ゲームが実行されることにより、図11(b)に示す時点において実際の確変上限回数よりも少ない数字による図柄組み合わせ「333」が導出されたことによって、確変上限回数の残り回数が「3回」であるかのように報知される。これにより、遊技者は、確変上限回数の残り回数が「3回」であると認識することになる。ところが、その後、次の大当り抽選への当選時に、合算リーチ演出によって実際の確変上限回数と一致する数字による図柄組み合わせ「777」が導出されたことにより、確変上限回数の残り回数が加算されたかのような印象を遊技者に与えることができる。
【0131】
したがって、本実施形態によれば、前述の効果(1)〜(3)に加えて、以下に示す効果を得ることができる。
(4)合算リーチ演出におけるグループ図柄を構成する数字の組み合わせとして、合算値が確変上限回数の残り回数と一致する数値(特別数値要素)と同一値になるように形成した。これにより、リーチ形成列の図柄が導出された段階でリーチ状態が形成されていなくても、合算後の数字に基づくリーチ状態が形成されることに期待を持たせることができるとともに、リーチとなった場合には、確変状態(特定遊技状態)が付与されることに期待を持たせることができる。
【0132】
(5)15R大当り遊技に当選している場合のみ合算リーチ演出によって確変上限回数の残り回数を報知可能とする一方で、2R大当り遊技に当選している場合は合算SR系の変動パターンを選択対象外とした。これにより、遊技者にとって最も有利度の高い大当りに当選している場合のみ、合算後の数値によって確変上限回数の残り回数が報知されることになる。すなわち、本実施形態では、変短状態の付与回数や確変上限回数に占める2R大当り遊技の種類及び割合によって賞球獲得数に差異が生じる構成となっている。さらに、見かけ上の遊技状態が小当り遊技と同一となるように設定しているため、2R大当り遊技に当選している際には、その種類や確変上限回数の残り回数を遊技者に分かり難くする態様が好ましい。したがって、15R大当り遊技に当選している場合のみ合算リーチ演出によって確変上限回数の残り回数を報知することで、確変上限回数の残り回数を分かり易く報知することができるとともに、その演出によって15R大当り遊技に当選したことによる優越感を与えることができる。
【0133】
(6)また、合算リーチ演出の実行後に大当りの図柄組み合わせが形成されるということは、合算リーチ演出が行われるほど、9回のうち特別図柄Aに基づく大当り遊技の占める割合が多いことになる。
【0134】
(7)はずれリーチ変動用の合算SR系の変動パターンを設定しているため、はずれとなる場合であってもグループ図柄を構成する数字の合体が起こった際には大当りとなることに期待を持たせることができる。
【0135】
(8)実際の確変上限回数よりも少ない数字による図柄組み合わせを導出させた後、次の大当り抽選への当選時に合算リーチ演出によって実際の確変上限回数と一致する数字による図柄組み合わせを導出させることにより、確変上限回数の残り回数が加算されたかのような印象を遊技者に与えることができる。
【0136】
なお、上記各実施形態は以下のように変更しても良い。
・ 各実施形態において、リーチとならないはずれ変動用の合算SR系の変動パターンを設定しても良い。
【0137】
・ 各実施形態において、SR系の変動パターンP2に基づく変動態様は、図12のような態様であっても良い。すなわち、左右列に導出されたグループ図柄を構成する数字の組み合わせが異なる場合であっても、その組み合わせの中に同一の数字が含まれる場合には(図12では「4」)、1つのリーチ状態が形成されることになる。
【0138】
・ 各実施形態における合算リーチ演出では、左右列に導出されたグループ図柄を構成する数字の合算値が同一となる場合、1つのリーチ状態を形成させるようにしても良い。例えば、図13では、左列に親数字X「1」と子数字Y「4」からなるグループ図柄が導出される一方で、右列に親数字X「2」と子数字Y「3」からなるグループ図柄が導出されている。この場合、左右列に導出された各グループ図柄を構成する数字の合算値が同一値となるため(この例では「5」)、1つのリーチ状態が形成されることになる。
【0139】
・ 各実施形態では、グループ図柄を構成する数字が3つ以上であっても良い(図14(a),(c))。この場合、3つの数字のうちいずれか2つの数字を合算させて新たなグループ図柄としても良い(図14(b)では、「2」と「3」)。そして、合算後のグループ図柄を構成する数字(図14(b)では、「5」)と右列に導出されたグループ図柄を構成する数字のうちいずれかの数字と一致する数字(図14(b)では、「5」)によって1つのリーチ状態を形成させるようにしても良い(図14(a),(b))。また、3つの数字のうちいずれか2つの数字を合算させて新たなグループ図柄とし、合算後のグループ図柄を構成する数字と右列に導出された1つの数字が付された飾り図柄とによって1つのリーチ状態を形成させるようにしても良い(図14(c),(d))。
【0140】
・ 各実施形態では、グループ図柄を構成する数字が3つ以上であっても良い(図15(a),(c))。この場合、3つの数字のうち3つの数字を合算させて1つの数字が付された新たな飾り図柄とし、合算後の数字(図15(a)では、「6」)と右列に導出されたグループ図柄を構成する数字のうちいずれかの数字と一致する数字(図15(b)では、「6」)によって1つのリーチ状態を形成させるようにしても良い(図15(a),(b))。また、3つの数字のうち3つの数字を合算させて1つの数字が付された新たな飾り図柄とし、合算後の数字(図15(c)では、「6」)右列に導出された1つの数字が付された飾り図柄とによって1つのリーチ状態を形成させるようにしても良い(図15(c),(d))。
【0141】
・ 各実施形態は、リミッタ機能を搭載していないパチンコ遊技機に採用しても良い。すなわち、確変状態を付与する確変大当りに当選している場合には、合算リーチ演出を実行させ、合算後のリーチ図柄によって確変大当りを確定的に認識し得る図柄組み合わせを導出させるようにしても良い。この場合、合算リーチ演出によって導出される確変大当りの図柄組み合わせを構成する図柄に付された数字が、特別数値要素となる。その一方で、非確変状態を付与する非確変大当りに当選している場合には、合算リーチ演出を実行させないようにしても良い。すなわち、合算リーチ演出によって確変大当りに当選していることに期待を持たせるようにしても良い。
【0142】
・ 各実施形態は、第2始動入賞口15を第1始動入賞口14と異なる位置に設置しても良い。例えば、第2始動入賞口15を演出表示装置11の右方に設置した場合、初回の大当りへの当選によって変短状態が付与されたのであれば、第2始動入賞口15に向かって遊技球を発射させた際に第1始動入賞口14に遊技球が入り難くなる。これにより、変短状態中に第1の変動ゲームが行われ難くなり、15R大当り遊技の当選機会が減少することを抑制できる。
【0143】
・ 各実施形態では、「低確+変短なし」又は「高確+変短なし」の遊技状態中に滞在可能な変短なし時のチャンスモードを設定しても良い。この演出モードには、「低確+変短なし」又は「高確+変短なし」の通常モード滞在中に小当り遊技に当選した場合に移行する。また、「高確+変短なし」の通常モード滞在中に特別図柄Eに基づく大当り遊技に当選した場合に移行する。
【0144】
・ 第2の実施形態において、15R大当り遊技に当選した1回目の大当りのみ、合算リーチ演出によって確変上限回数の残り回数を報知させるようにしても良い。このような場合、主制御用CPU30aは、回数指定コマンドに対応付けて大当りの種類も演出制御用CPU31aに指示するとともに、演出制御用CPU31aは、リミッタ機能が作動するまでの間、決定された大当りの種類を記憶しておく。そして、演出制御用CPU31aは、15R大当り遊技が指示された際に記憶した過去の大当りの種類を確認し、その中に15R大当り遊技が含まれていなければ、確変上限回数の残り回数に基づいて大当りの図柄組み合わせを決定する。その一方で、過去の大当りの中に15R大当り遊技が含まれていた場合、演出制御用CPU31aは、確変上限回数の残り回数を参照することなく大当りの図柄組み合わせを決定する。
【0145】
・ 各実施形態において、親数字Xからの子数字Yの分岐タイミングは、中列における図柄の低速変動中としても良い。これにより、リーチ形成列に図柄が停止表示された時点ではリーチ状態が形成されず、中列の図柄が停止する直前に親数字Xから子数字Yが分岐され、これらの数字の合算値によって新たな飾り図柄に変換されてリーチ状態が形成されることになる。したがって、遊技者により一層、リーチ形成列に図柄が停止表示された時点でリーチが形成されていない場合であっても、停止中の図柄がグループ図柄となり、新たな数字が付された飾り図柄になることに期待を持たせることができる。
【0146】
・ 各実施形態における特定遊技状態は、変短状態の付与回数等であっても良い。
・ 第2の実施形態では、SR系の変動内容と合算SR系の変動内容を1つの変動パターンに対応付け、演出制御用CPU31aによって、確変上限回数の残り回数に応じてどちらの内容にするかが決定されるようにしても良い。すなわち、確変上限回数の残り回数が「3回」〜「9回」の場合には、SR系の変動内容と合算SR系の変動内容のどちらも選択可能とし、「0回」〜「2回」は、SR系の変動内容のみ選択させるように設定しても良い。
【0147】
・ 各実施形態では、確定停止表示される図柄組み合わせを構成する図柄を本物図柄とし、その本物図柄と仮図柄によってグループ図柄を構成しても良い。すなわち、SR系の変動パターンP2又はWR系の変動パターンP3が選択された場合、必ず本物図柄によってリーチが形成されるとともに、そのリーチを形成している図柄を含む図柄組み合わせが確定停止表示されることになる。
【0148】
・ 各実施形態では、グループ図柄を構成する数字の組み合わせを予め定めた組み合わせパターンとして記憶しても良い。
・ 各実施形態では、その情報から数値を連想できる数値要素として「数字」を設定したが、数値を連想できる情報であれば、数値要素はどのような情報であっても良い。例えば、「3個」のりんごが付された図柄であれば、数値「3」が連想できる。
【0149】
・ 各実施形態は、再抽選演出を行うパチンコ遊技機に採用しても良い。なお、再抽選演出とは、図柄変動ゲーム中に仮の大当り図柄(飾り図柄による図柄組み合わせ)を一旦停止表示させた後、最終的に確定停止表示される大当り図柄(飾り図柄による図柄組み合わせ)を導出する演出態様で行われる。この場合、演出制御用CPU31aは、合算値が仮の大当り図柄を構成する図柄に付された数字と一致するグループ図柄を決定することになる。
【0150】
・ 各実施形態において、演出制御基板31を、演出表示装置11を制御する演出表示制御基板と、演出表示制御基板を制御するサブ統括制御基板とに分けても良い。
・ 各実施形態において、特別図柄と飾り図柄を用いるパチンコ遊技機に具体化したが、特別図柄のみを用いるパチンコ遊技機に具体化しても良い。
【符号の説明】
【0151】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記数値要素には、大当りとなる場合に、大当り遊技終了後、遊技者に有利な特定遊技状態が付与されることを確定的に認識し得る特別数値要素を含み、前記リーチ形成演出の演出内容が前記第3演出内容となる場合の前記複数要素図柄は、前記合算値が前記特別数値要素と同一値になるように形成されている請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【0152】
(ロ)前記特定遊技状態は、大当り遊技終了後に大当り抽選の抽選確率を高確率とする確変状態であって、前記大当り抽選への当選によって前記確変状態が付与される場合に前記第3演出内容で前記リーチ演出が実行されるとき、前記複数要素図柄は、前記合算値が前記特別数値要素と同一値になるように形成されていることを特徴とする技術的思想(イ)に記載の遊技機。
【0153】
(ハ)前記大当り抽選への当選回数が前記規定回数に到達したことによって前記大当り遊技終了後の前記大当り抽選の抽選確率が低確率と設定された後に、前記当選回数の計数値がリセットされることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【0154】
GH…画像表示部、SW1,SW2…始動口スイッチ、10…遊技盤、11…演出表示装置、12a,12b…特別図柄表示装置、13…普通図柄表示装置、14,15…始動入賞口、16…開閉羽根、17…大入賞口扉、18…大入賞口、30…主制御基板、30a…主制御用CPU、30b…主制御用ROM、30c…主制御用RAM、31…演出制御基板、31a…演出制御用CPU、31c…演出制御用RAM。
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のリーチ状態を形成する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、遊技機の一種であるパチンコ遊技機は、複数種類の図柄を変動させ、図柄組み合わせを導出する図柄組み合わせゲームを表示する表示装置を備えている。そして、表示装置に導出された図柄の組み合わせによって大当りか否かの大当り抽選の抽選結果を認識できるようになっている。例えば、表示装置において特定の2列に同一の図柄が表示された場合には、その図柄組み合わせの態様からリーチ状態を認識することができる。さらに、表示装置に3列の図柄が同一の図柄となって表示された場合には、その図柄の組み合わせの態様から大当り状態を認識することができる(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−52942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、大当りの図柄組み合わせは、リーチ状態が形成された後に表示されるようになっているので、遊技者は、図柄の変動が開始すると、まずはリーチ状態が形成されることに対して期待を持つことになる。ところが、第1停止列と第2停止列に異なる図柄組み合わせが表示されると、リーチ状態が形成されていないことになるので、遊技者は、この時点で大当りとなることに対して期待を持つことができないことを認識してしまい、その後の図柄変動ゲームの展開に対して興味を持つことができなかった。
【0005】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、リーチ形成列に図柄が導出された段階でリーチ状態が形成されていなくても、リーチ状態が形成されることに期待を持たせることができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、数値要素を有する図柄を複数列で変動させて行う図柄変動ゲームを表示する表示装置を備え、リーチ抽選に当選した場合には、前記複数列のうち、予め定めた複数のリーチ形成列に同一数値要素を有する図柄を停止表示させることにより、単数又は複数のリーチ状態を形成させる遊技機において、前記表示装置における前記図柄変動ゲームの表示内容を制御する制御手段を備え、前記図柄には、単数の数値要素で構成される単数要素図柄及び複数の数値要素で構成される複数要素図柄を含み、前記制御手段は、前記リーチ抽選に当選した場合、少なくとも1つのリーチ形成列に、前記複数要素図柄を停止表示させることによって前記リーチ状態を形成するリーチ形成演出を実行させ、前記リーチ形成演出の演出内容として、前記複数のリーチ形成列のうち1列に前記複数要素図柄を停止表示させるとともに、他列に前記複数要素図柄を構成する複数の数値要素のうち1つの数値要素と同一数値要素を有する単数要素図柄又は複数要素図柄を停止表示させることによって単数リーチ状態を形成する第1演出内容と、各リーチ形成列に2つ以上の同一数値要素を有する複数要素図柄を停止表示させることによって複数リーチ状態を形成する第2演出内容と、前記複数のリーチ形成列のうち1列に前記複数要素図柄を停止表示させるとともに、他列に前記複数要素図柄を構成する数値要素の一部又は全部の合算値を数値要素に含む単数要素図柄又は複数要素図柄を停止表示させ、前記1列に停止表示させた前記複数要素図柄を、前記合算値を数値要素に含む単数要素図柄又は複数要素図柄に変更表示させることによって単数リーチ状態又は複数リーチ状態を形成する第3演出内容と、を設定したことを要旨とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記複数要素図柄は、当該複数要素図柄を構成する数値要素の合算値が、前記単数要素図柄のうち最も大きい数値要素を越えないように形成されていることを要旨とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の遊技機において、大当りか否かの大当り抽選への当選回数が予め定めた規定回数に到達する迄、大当り遊技終了後に前記大当り抽選の抽選確率を高確率とする確変状態を付与する一方で、前記大当り抽選への当選回数が前記規定回数に到達した時点で、前記大当り遊技終了後の前記大当り抽選の抽選確率を低確率とする状態制御手段と、前記大当り抽選に当選する度に当選回数が前記規定回数に到達したか否かを判定する判定手段と、を備え、前記数値要素には、大当りとなる場合に、大当り遊技終了後、前記確変状態が付与されることを確定的に認識し得る特別数値要素を含み、前記リーチ形成演出の演出内容が前記第3演出内容となる場合において前記大当り抽選の当選回数が前記規定回数に到達していないとき、前記複数要素図柄は、前記合算値が前記規定回数に到達するまでの残り回数となる前記特別数値要素と同一値となるように形成されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、リーチ形成列に図柄が導出された段階でリーチ状態が形成されていなくても、リーチ状態が形成されることに期待を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】パチンコ遊技機の遊技盤を示す正面図。
【図2】グループ図柄の導出タイミングを示すタイミングチャート。
【図3】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
【図4】変動パターンの種類を説明する説明図。
【図5】グループ図柄の組み合わせを説明する説明図。
【図6】(a)は、グループ図柄を用いたシングルリーチの態様を示す模式図、(b)は、グループ図柄を用いたダブルリーチの態様を示す模式図、(c)〜(e)は、合算シングルリーチの態様を示す模式図。
【図7】(a),(b)は、第2の実施形態における大当りの種類を説明する説明図。
【図8】第2の実施形態における演出モードの移行態様を示す模式図。
【図9】第2の実施形態におけるリミッタ作動処理の流れを示すフローチャート。
【図10】(a)〜(h)は、第2の実施形態において確変上限回数の残り回数が報知される流れを示す模式図。
【図11】(a)〜(g)は、第2の実施形態において確変上限回数の残り回数が報知される流れを示す模式図。
【図12】合算シングルリーチの態様を示す変更例としての模式図。
【図13】(a)〜(c)は、合算後の数値が同一となるグループ図柄による合算シングルリーチの態様を示す変更例としての模式図。
【図14】(a)〜(d)は、3つの数字のうち2つの数字を合算した合算シングルリーチの態様を示す変更例としての模式図。
【図15】(a)〜(d)は、3つの数字のうち全ての数字を合算した合算シングルリーチの態様を示す変更例としての模式図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1の実施形態)
以下、本発明をパチンコ遊技機に具体化した第1の実施形態を図1〜図6にしたがって説明する。
【0012】
パチンコ遊技機の遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示装置としての演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示される。本実施形態において演出表示装置11の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置11の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄)を用いて行われる。
【0013】
以下、本実施形態における飾り図柄の構成について説明する。
本実施形態における飾り図柄は、四角形S中にその表示情報から数値を連想できる数値要素としての数字を単数又は複数付した構成とされている(例えば、図6参照)。そして、演出表示装置11における各図柄列では、図柄変動ゲームが開始すると、「0」〜「9」までの数字が単数又は複数付された複数の図柄が、予め定めた変動方向(本実施形態では、縦スクロール方向)に沿って、かつ予め定めた表示順序で変動表示されるようになっている。
【0014】
また、演出表示装置11の右下には、7セグメント型の第1特別図柄表示装置12a及び第2特別図柄表示装置12bが配設されている。第1特別図柄表示装置12a及び第2特別図柄表示装置12bでは、複数種類の特別図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特別図柄は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。以下、第1特別図柄表示装置12aで特別図柄を用いて行われる図柄変動ゲームを「第1の変動ゲーム」と示す一方で、第2特別図柄表示装置12bで特別図柄を用いて行われる図柄変動ゲームを「第2の変動ゲーム」と示す場合がある。また、以下の説明では、第1特別図柄表示装置12a及び第2特別図柄表示装置12bを纏めて、特別図柄表示装置12a,12bと示す場合がある。
【0015】
そして、第1特別図柄表示装置12aと演出表示装置11では、同時に第1の変動ゲームと該第1の変動ゲームに係わる表示演出(飾り図柄変動ゲーム)が開始され、同時に終了する(即ち、同時に特別図柄と飾り図柄が確定停止表示される)。同様に、第2特別図柄表示装置12bと演出表示装置11では、同時に第2の変動ゲームと該第2の変動ゲームに係わる表示演出(飾り図柄変動ゲーム)が開始され、同時に終了する(即ち、同時に特別図柄と飾り図柄が確定停止表示される)。その一方、第1特別図柄表示装置12aと、第2特別図柄表示装置12bでは、並行して図柄変動ゲームが行われることがない。即ち、第1の変動ゲームと第2の変動ゲームのうち、どちらか一方のみが実行されるようになっている。
【0016】
そして、演出表示装置11には、特別図柄表示装置12a,12bの表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特別図柄表示装置12a,12bに大当りを認識し得る大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にも大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。また、特別図柄表示装置12a,12bにはずれを認識し得るはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。なお、本実施形態において、第1特別図柄表示装置12aに表示される特別図柄を、特別図柄1と示し、第2特別図柄表示装置12bに表示される特別図柄を、特別図柄2と示して区別する場合がある。
【0017】
なお、演出表示装置11に確定停止表示される大当り図柄は、全列の飾り図柄が同一図柄(全列の飾り図柄が同一の数字を付した図柄)となる図柄組み合わせによって構成される。また、演出表示装置11に確定停止表示されるはずれ図柄は、全列の飾り図柄が異なる飾り図柄となる図柄組み合わせや、1列の飾り図柄が他の2列の飾り図柄とは異なる飾り図柄となる図柄組み合わせによって構成される。また、演出表示装置11では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に図柄列の変動が停止するようになっており、特定の2列(本実施形態では左右の2列)に同一の飾り図柄が一旦停止表示(ゆれ変動表示)された場合、リーチ状態が形成される(リーチ形成演出)。そして、演出表示装置11では、リーチ状態の形成後、リーチ演出が実行され、所定時間の経過後に中列の変動が停止することにより中列の図柄が導出される。また、本実施形態では、図2に示すように、各図柄列の変動開始時には、遊技者が変動中の図柄を識別できない速さ(高速変動)で図柄が変動表示され、その後、後に詳述する変動パターンに予め定められたタイミングで変動速度が高速変動から遊技者が変動中の図柄を認識し得る速さ(低速変動)に切り換えられる。その後、変動パターンに定められた各図柄列の停止タイミングに到達すると図柄が一旦停止表示されるようになっている。
【0018】
また、本実施形態では、図柄列毎に1つの図柄表示位置が定められており、リーチ形成列となる図柄列に定められた図柄表示位置で表示された図柄によってリーチ状態が形成される。したがって、本実施形態のパチンコ遊技機は、これらの図柄表示位置によって図柄組み合わせが有効となる有効ラインが1本形成される演出表示装置11を備えた1ライン機として構成されている。これにより、本実施形態では、通常、1つのリーチ状態が形成されるが、左列及び右列に停止する図柄の種類によっては、複数のリーチ状態が形成され得る。
【0019】
また、遊技盤10において第2特別図柄表示装置12bの右方には、普通図柄表示装置13が配設されている。普通図柄表示装置13では、複数種類の普通図柄を変動させて1つの普通図柄を導出する普通図柄変動ゲーム(以下、単に「普図ゲーム」と示す)が行われる。本実施形態の普通図柄表示装置13は、図示しない発光体(LEDやランプなど)をレンズカバー(図1では表面に「○(丸)」と「×(ばつ)」を装飾したもの)で覆って構成した複数個(本実施形態では2個)の普通図柄表示部から構成されている。普通図柄表示装置13では、当りか否かの当り抽選とは別に行う普図当りか否かの内部抽選(後述する普図当り抽選)の抽選結果を表示する。
【0020】
また、第1特別図柄表示装置12aの左下方には、複数個(本実施形態では4個)の特別図柄保留発光部を備えた第1特別図柄保留記憶表示装置Raが配設されている。第1特別図柄保留記憶表示装置Raは、機内部で記憶した特別図柄1用の始動保留球(第1始動保留球)の記憶数(以下、「第1保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。第1保留記憶数は、遊技盤10に配設した第1始動入賞口14に遊技球が入球することで1加算される一方で、第1の変動ゲームの開始により1減算される。したがって、第1の変動ゲーム又は第2の変動ゲーム中に第1始動入賞口14へ遊技球が入球すると、第1保留記憶数はさらに加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積される。
【0021】
また、第1特別図柄表示装置12aの右方には、複数個(本実施形態では4個)の特別図柄保留発光部を備えた第2特別図柄保留記憶表示装置Rbが配設されている。第2特別図柄保留記憶表示装置Rbは、機内部で記憶した特別図柄2用の始動保留球(第2始動保留球)の記憶数(以下、「第2保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。第2保留記憶数は、遊技盤10に配設した第2始動入賞口15に遊技球が入球することで1加算される一方で、第2の変動ゲームの開始により1減算される。したがって、第1の変動ゲーム又は第2の変動ゲーム中に第2始動入賞口15へ遊技球が入球すると、第2保留記憶数はさらに加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積される。
【0022】
また、演出表示装置11の下方には、遊技球の入球口14aを有する第1始動入賞口14と遊技球の入球口15aを有する第2始動入賞口15が上下方向に並ぶように配置されている。第1始動入賞口14は、常時遊技球の入球を許容し得るように入球口14aを常時開放させた構成とされている。一方で、第2始動入賞口15は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根16を備えており、開閉羽根16が開動作することにより遊技球の入球を許容し得るように入球口15aを開放させる構成とされている。
【0023】
第1始動入賞口14と第2始動入賞口15の各奥方には、入球した遊技球を検知する始動口スイッチSW1(図3に示す)及び始動口スイッチSW2(図3に示す)が配設されている。第1始動入賞口14と第2始動入賞口15は、入球した遊技球を検知することにより、各特別図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
【0024】
第2始動入賞口15の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉17を備えた大入賞口(特別電動役物)18が配設されている。大入賞口18の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3(図3に示す)が配設されている。大入賞口18は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口18は、大当り遊技中に大入賞口扉17の開動作によって開放されることで遊技球の入球が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。
【0025】
大当り遊技は、内部抽選で大当りを決定し、図柄変動ゲームにて大当り図柄が確定停止表示されることを契機に付与される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口扉17の開動作により大入賞口18が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、ラウンド遊技が開始してから予め定めたラウンド遊技時間が経過すること、又は予め定めた入球上限個数の遊技球が入球することの何れか早く成立した方の条件を満たすことにより終了する。そして、大当り遊技は、規定ラウンド数のラウンド遊技の終了後に大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われて終了する。
【0026】
また、演出表示装置11の左方には、普通図柄作動ゲート19が配設されている。普通図柄作動ゲート19の奥方には、該普通図柄作動ゲート19へ入球し通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW4(図3に示す)が設けられている。普通図柄作動ゲート19は、遊技球の通過を契機に、普図ゲームの始動条件のみを付与し得る。本実施形態のパチンコ遊技機では、遊技球が普通図柄作動ゲート19を通過(普通図柄変動スイッチSW4が遊技球を検知)したことを抽選条件とし、この抽選条件の成立を契機として、第2始動入賞口15を開閉する開閉羽根16を閉状態から開状態へ動作させるか否かの開放抽選としての普図当り抽選が内部的に行われる。
【0027】
また、本実施形態のパチンコ遊技機は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、確変大当りに当選したことを条件として、大当り遊技終了後に大当り抽選の抽選確率状態を高確率状態(高確率抽選状態)とする確変状態(特定遊技状態)を付与する機能である。確変状態は、大当り抽選の当選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、遊技者にとって有利な状態となり得る。
【0028】
また、本実施形態のパチンコ遊技機は、変動時間短縮(以下、「変短」と示す)機能を備えている。変短機能は、普図ゲームの変動時間が短縮されるとともに、普通図柄作動ゲート19の通過に基づく普図当り抽選の当選確率(抽選確率)を低確率から高確率に変動させる変短状態を付与する機能である。また、変短状態中は、1回の普図当り抽選に当選したことに基づく開閉羽根16の合計開放時間が、非変短状態中に比して長くなる。
【0029】
次に、パチンコ遊技機の制御構成を図3に従って説明する。
機裏側には、パチンコ遊技機全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、演出制御基板31が装着されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御指令に基づき、各種の演出装置の動作を制御する。
【0030】
以下、主制御基板30及び演出制御基板31の具体的構成を説明する。
主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aの制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1〜SW4、第1特別図柄表示装置12a、第2特別図柄表示装置12b、普通図柄表示装置13、第1特別図柄保留記憶表示装置Ra及び第2特別図柄保留記憶表示装置Rbが接続されている。
【0031】
また、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、特図振分用乱数、普図当り判定用乱数、及び変動パターン振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。大当り判定用乱数は、大当り抽選で用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選に当選しなかった場合、すなわちはずれの場合にリーチを形成するか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。特図振分用乱数は、大当り図柄を決定する際に用いる乱数である。普図当り判定用乱数は、普図当りか否かの普図当り抽選で用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、変動パターンを選択する際に用いる乱数である。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
【0032】
主制御用ROM30bには、メイン制御プログラムや複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄変動ゲームが開始してから図柄変動ゲームが終了する迄の間の演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンであって、図柄変動ゲームの演出内容及び変動時間(演出時間)を特定し得る。そして、変動パターンは、大当り変動用、はずれリーチ変動用及びはずれ変動用からなる変動内容毎に分類されている。
【0033】
大当り変動は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て最終的に大当り図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。また、はずれリーチ変動は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。また、はずれ変動は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。リーチ演出は、演出表示装置11の飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチが形成されてから最終的に図柄組み合わせ(大当り図柄又ははずれ図柄)が導出される迄の間に行われる演出である。なお、特別図柄表示装置12a,12bでは、図柄変動ゲームが開始されると、リーチ演出を行うことなく変動時間の経過時迄図柄の変動が継続される。
【0034】
また、主制御用ROM30bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値(0〜1422までの全1423通りの整数)の中から定められている。そして、大当り判定値は、非確変状態時の大当り抽選で用いる低確率用の大当り判定値(低確判定値)と、確変状態時の大当り抽選で用いる高確率用の大当り判定値(高確判定値)とがある。高確率用の大当り判定値の設定数(本実施形態では40個)は、低確率用の大当り判定値の設定数(本実施形態では4個)よりも多く設定されている。このような設定によれば、非確変状態時の大当り抽選で当選する確率は1423分の4となる一方で、確変状態時の大当り抽選で当選する確率は1423分の40となる。本実施形態において大当り判定値は、特別図柄1及び特別図柄2の変動に係る処理において共通使用(共用)されている。
【0035】
また、主制御用ROM30bには、リーチ判定値が記憶されている。リーチ判定値は、リーチ抽選で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値(0〜240迄の全241通りの整数)の中から定められている。また、主制御用ROM30bには、普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、普図当りか否かの内部抽選(普図当り抽選)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る数値(0〜250迄の全251通りの整数)の中から定められている。さらに、普図当り判定値は、非変短状態時の普図当り抽選で用いる低確率用の普図当り判定値(本実施形態では、13個)と、変短状態時の普図当り抽選で用いる高確率用の普図当り判定値(本実施形態では、250個)とがある。
【0036】
ここで、本実施形態に設定される変動パターンについて図4に従って説明する。
本実施形態に設定される変動パターンは、4種類に大別することができる。1つ目は、リーチを形成しないはずれ変動用の変動パターンである。2つ目は、1つの数字を付した1つの飾り図柄によって1つのリーチ状態(単数リーチ状態)を形成させる「シングルリーチ(SR)」系の変動パターンP2である。3つ目は、複数種類(本実施形態では2種類)の数字を付した1つの飾り図柄(グループ(GP)図柄)によって2つのリーチ状態(複数リーチ状態)を形成させる「ダブルリーチ(WR)」系の変動パターンP3である。4つ目は、1つの飾り図柄を構成する複数種類(本実施形態では2種類)の数字同士を合算し、その合算後の数字を付した図柄によって1つのリーチ状態を形成させる「合算シングルリーチ(SR)」系の変動パターンP4である。本実施形態においてSR系の変動パターンP2には、はずれリーチ変動用の変動パターンP2−1と大当り変動用の変動パターンP2−2が含まれる。また、WR系の変動パターンP3には、はずれリーチ変動用の変動パターンP3−1と大当り変動用の変動パターンP3−2が含まれる。また、合算SR系の変動パターンP4には、はずれリーチ変動用の変動パターンP4−1と大当り変動用の変動パターンP4−2が含まれる。本実施形態では、SR系の変動パターンP2に基づくリーチ演出が、第1演出内容となる一方で、WR系の変動パターンP3に基づくリーチ演出が、第2演出内容となる。さらに、合算SR系の変動パターンP4に基づくリーチ演出(合算リーチ演出)が、第3演出内容となる。
【0037】
前述したように、本実施形態のパチンコ遊技機は、図柄列毎に定められた図柄表示位置によって有効ラインが1本形成される演出表示装置11を備えた1ライン機として構成されている。これにより、本実施形態では、通常、1つのリーチ状態が形成される(例えば、図6(e))。その一方で、リーチ形成列のうち少なくとも一方に複数種類の数字を付した1つの飾り図柄が停止表示された場合、その他のリーチ形成列に停止表示された図柄に応じて、複数のリーチラインが形成される場合がある(例えば、図6(b))。
【0038】
はずれ変動用の変動パターンP1には、変動内容として「通常変動」が定められている。通常変動では、図柄変動ゲームの開始後、所定時間の経過毎に図柄列の変動が順次停止し、はずれ図柄が導出される。
【0039】
一方、変動パターンP2には、複数種類(本実施形態では2種類)の変動内容が対応付けられている。具体的には、リーチ形成列(本実施形態では、左列及び右列)に1つの数字を付した同一の飾り図柄を導出することによって1つのリーチ状態を形成させる「通常内容」が含まれる(例えば、図6(e))。また、リーチ形成列に2種類の数字を付した1つの飾り図柄(以下、グループ図柄と示す)を導出させる「GP図柄内容」が含まれる。変動パターンP2における「GP図柄内容」では、リーチ形成列のうちいずれか一方(本実施形態では、左列)に、グループ図柄を導出させる一方で、残りのリーチ形成列(本実施形態では、右列)に1つの数字を付した飾り図柄を導出することによって1つのリーチ状態が形成される(例えば、図6(a))。そして、これらの変動内容のうちどちらの変動内容にするかは、演出制御基板31によって決定されるようになっている。
【0040】
以下、グループ図柄について説明する。
本実施形態におけるグループ図柄は、1つの四角形Sに数値の異なる2つの数字を付した構成とされ、同一の数字によって構成されない(例えば、2と2)。また、本実施形態におけるグループ図柄を構成する数字は、図柄列に定められた表示順序の組み合わせ(例えば、5と6)に限られないので、「1」と「6」などの組み合わせも存在する。そして、グループ図柄を構成する数字の組み合わせは、演出制御基板31で決定されるようになっている。
【0041】
これにより、変動パターンP2が選択された際に変動内容として「GP図柄内容」が決定された場合、左列には、右列に導出される飾り図柄に付された数字と同一の数字を含むグループ図柄が導出され、1つのリーチ状態が形成される。したがって、リーチ形成列にグループ図柄が停止される場合、グループ図柄は複数の数字によって形成されるが、図柄表示位置にグループ図柄が停止表示されることが「図柄の導出」となる。ちなみに、本実施形態では、中列にグループ図柄が導出されることがない。
【0042】
また、変動パターンP3には、「GP図柄内容」のみが対応付けられている。変動パターンP3における「GP図柄内容」では、リーチ形成列にグループ図柄を導出させることによって2つのリーチ状態が形成される(例えば、図6(b))。
【0043】
また、変動パターンP4には、「GP図柄内容」のみが対応付けられている。変動パターンP4における「GP図柄内容」では、リーチ形成列のうちいずれか一方(本実施形態では、左列)に、グループ図柄を導出させる一方で、残りのリーチ形成列(本実施形態では、右列)に1つの数字を付した飾り図柄を導出させる。ちなみに、左列に導出されるグループ図柄を構成する2つの数字は、合算値が右列に導出される飾り図柄を構成する1つの数字と同一値となる組み合わせとなっている。そして、変動パターンP4に基づく図柄変動ゲームでは、グループ図柄を構成する数字同士が合体され、右列に導出された飾り図柄を構成する数字と同一の数字となり、1つのリーチ状態が形成される(例えば、図6(e))。また、本実施形態では、変動パターンP2よりも変動パターンP3の変動時間が長く、変動パターンP3よりも変動パターンP4の変動時間が長く設定されている。本実施形態では、単数の数字によって構成される1つの図柄が「単数要素図柄」となる一方で、複数の数字によって構成される1つの図柄(グループ図柄)が「複数要素図柄」となる。
【0044】
次に、演出制御基板31について説明する。
演出制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する演出制御用CPU31aと、演出制御用CPU31aの制御プログラムを格納する演出制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM31cが設けられている。また、演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。また、演出制御用CPU31aには、演出表示装置11が接続されている。また、演出制御用ROM31bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。
【0045】
以下、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。なお、特別図柄入力処理は始動入賞口への入球を契機に実行する処理である一方で、特別図柄開始処理は図柄変動ゲームの開始を契機に実行する処理である。
【0046】
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
主制御用CPU30aは、第1始動入賞口14へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した始動口スイッチSW1が出力する検知信号を入力すると、大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、特図振分用乱数、及び変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM30cから取得する。そして、主制御用CPU30aは、これらの値を主制御用RAM30cに記憶されている第1保留記憶数に対応付けて主制御用RAM30cに一時的に記憶する。なお、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数が上限数(本実施形態では4)に達していない場合、第1保留記憶数を1加算して第1保留記憶数を書き換える一方で、第1保留記憶数が上限数に達している場合、上限数を超える第1保留記憶数の書き換えを行わないとともに、前述した各種乱数の値も取得しない。そして、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数を書き換えた場合、第1特別図柄保留記憶表示装置Raの表示内容(点灯態様)を変更する。
【0047】
一方、第2始動入賞口15へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した始動口スイッチSW2が出力する検知信号を入力すると、主制御用CPU30aは、第1始動入賞口14への入球時と同じく各種乱数の値を主制御用RAM30cから取得する。そして、主制御用CPU30aは、これらの値を主制御用RAM30cに記憶されている第2保留記憶数に対応付けて主制御用RAM30cに一時的に記憶する。なお、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数が上限数(本実施形態では4)に達していない場合、第2保留記憶数を1加算して第2保留記憶数を書き換える一方で、第2保留記憶数が上限数に達している場合、上限数を超える第2保留記憶数の書き換えを行わないとともに、前述した各種乱数の値も取得しない。そして、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数を書き換えた場合、第2特別図柄保留記憶表示装置Rbの表示内容(点灯態様)を変更する。
【0048】
次に、特別図柄開始処理について説明する。
主制御用CPU30aは、図柄(特別図柄及び飾り図柄)が変動表示中ではなく、大当り遊技中ではないときに、主制御用RAM30cに記憶されている第2保留記憶数を読み出す。続いて、主制御用CPU30aは、読み出した第2保留記憶数が「0(零)」よりも大きいか否か(保留中の第2の変動ゲームが存在するか否か)を判定する。この判定結果が肯定の場合、保留中の第2の変動ゲームが存在することになるので、第2保留記憶数を−1(1減算)する。また、主制御用CPU30aは、1減算後の第2保留記憶数を表すように第2特別図柄保留記憶表示装置Rbの表示内容(点灯態様)を変更する。その後、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cに記憶した大当り判定用乱数の値を読み出す乱数読出処理に移行する。
【0049】
一方、保留中の第2の変動ゲームが存在しない場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている第1保留記憶数を読み出す。続いて、主制御用CPU30aは、読み出した第1保留記憶数が「0(零)」よりも大きいか否か(保留中の第1の変動ゲームが存在するか否か)を判定する。この判定結果が否定の場合、保留中の第1の変動ゲームが存在しないため、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、保留中の第1の変動ゲームが存在する場合、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数を−1(1減算)する。また、主制御用CPU30aは、1減算後の第1保留記憶数を表すように第1特別図柄保留記憶表示装置Raの表示内容(点灯態様)を変更する。その後、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cに記憶した大当り判定用乱数の値を読み出す乱数読出処理に移行する。
【0050】
乱数読出処理に移行した主制御用CPU30aは、特図始動保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cに記憶した大当り判定用乱数の値を読み出す。このとき、主制御用CPU30aは、第1の変動ゲームを実行させる場合、主制御用RAM30cに記憶されている第1始動保留球のうち、最も早く記憶した第1始動保留球に対応する大当り判定用乱数の値を読み出す。その一方で、主制御用CPU30aは、第2の変動ゲームを実行させる場合、主制御用RAM30cに記憶されている第2始動保留球のうち、最も早く記憶した第2始動保留球に対応する大当り判定用乱数の値を読み出す。
【0051】
そして、主制御用CPU30aは、読み出した大当り判定用乱数の値と大当り判定値とを比較し、大当りか否かの大当り判定(大当り抽選)を行う。なお、大当り判定において主制御用CPU30aは、遊技状態が非確変状態である場合には、低確率用の大当り判定値と大当り判定用乱数の値を比較する一方で、遊技状態が確変状態である場合には、高確率用の大当り判定値と大当り判定用乱数の値を比較する。大当り判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、大当り変動となる図柄変動ゲームを実行させるための大当り変動処理を実行する。大当り変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄1の場合、第1特別図柄表示装置12aに確定停止表示させる特別図柄1として大当り図柄を決定する。また、特別図柄2の場合、第2特別図柄表示装置12bに確定停止表示させる特別図柄2として大当り図柄を決定する。また、主制御用CPU30aは、変動パターン振分用乱数の値に基づき、大当り変動用の変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0052】
また、主制御用CPU30aは、大当り判定の判定結果が否定の場合、読み出したリーチ判定用乱数の値とリーチ判定値を比較し、両値が一致するか否かのリーチ抽選(リーチ判定)を行う。そして、リーチ判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ抽選に当選したことから、はずれリーチ変動となる図柄変動ゲームを実行させるためのリーチ変動処理を実行する。リーチ変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄1の場合、第1特別図柄表示装置12aに確定停止表示させる特別図柄1としてはずれ図柄を決定する。また、特別図柄2の場合、第2特別図柄表示装置12bに確定停止表示させる特別図柄2としてはずれ図柄を決定する。また、主制御用CPU30aは、変動パターン振分用乱数の値に基づき、はずれリーチ変動用の変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0053】
また、リーチ判定の判定結果が否定の場合、リーチなしのはずれ変動となる図柄変動ゲームを実行させるためのはずれ変動処理を実行する。はずれ変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄1の場合、第1特別図柄表示装置12aに確定停止表示させる特別図柄1としてはずれ図柄を決定する。また、特別図柄2の場合、第2特別図柄表示装置12bに確定停止表示させる特別図柄2としてはずれ図柄を決定する。また、主制御用CPU30aは、変動パターン振分用乱数の値に基づき、はずれ変動用の変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0054】
そして、特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、決定事項にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで演出制御用CPU31aに出力する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。ちなみに、変動パターン指定コマンドは、特別図柄1用の変動パターン指定コマンドと、特別図柄2用の変動パターン指定コマンドに分類されている。また、主制御用CPU30aは、特別図柄を指示する特別図柄用の停止図柄指定コマンドを変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。なお、特別図柄用の停止図柄指定コマンドも、特別図柄1用の停止図柄指定コマンドと、特別図柄2用の停止図柄指定コマンドに分類されている。そして、主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する全停止コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力する。ちなみに、全停止コマンドは、特別図柄1用の全停止コマンドと、特別図柄2用の全停止コマンドに分類されている。
【0055】
このように、本実施形態のパチンコ遊技機は、特別図柄開始処理において、第2保留記憶数を先に判定し、その判定結果が肯定の場合には第2の変動ゲームに係る処理を実行し、前記判定結果が否定の場合には第1保留記憶数を判定する。すなわち、本実施形態では、第1保留記憶数と第2特保留記憶数とが何れも記憶されているとき(何れも0(零)ではないとき)、主制御用CPU30aは、第2の変動ゲームを優先的に実行することになる。また、主制御用CPU30aは、大当り抽選に当選した場合、大当り変動用の変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了後、大当り遊技の制御を開始する。
【0056】
具体的には、主制御用CPU30aは、大当り遊技の開始時にオープニングコマンドを出力するとともに、各ラウンド遊技の開始時にラウンドコマンドを出力し、さらに終了時にエンディングコマンドを出力する。オープニングコマンドはオープニングの開始を指示し、ラウンドコマンドはラウンド遊技の開始を指示し、エンディングコマンドはエンディングの開始を指示する。
【0057】
次に、普通図柄に関して主制御用CPU30aが実行する制御内容を説明する。
主制御用CPU30aは、普通図柄作動ゲート19へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した普通図柄変動スイッチSW4が出力する検知信号を入力すると、普図当り判定用乱数の値を主制御用RAM30cから取得し、その値を普通図柄用の始動保留球の記憶数(以下、普図始動保留記憶数と示す)に対応付けて主制御用RAM30cに一時的に記憶する。なお、主制御用CPU30aは、普図始動保留記憶数が上限数(本実施形態では4)に達していない場合、保留記憶数を1加算して保留記憶数を書き換える一方で、普図始動保留記憶数が上限数に達している場合、上限数を超える保留記憶数の書き換えを行わないとともに、普図当り判定用乱数の値も取得しない。
【0058】
そして、主制御用CPU30aは、普通図柄が変動表示中ではなく、普図当り遊技中ではないときに、普通図柄の保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cに記憶した普図当り判定用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU30aは、該値と普図当り判定値とを比較し、普図当りか否かの普図当り判定(普図当り抽選)を行う。なお、普図当り判定において主制御用CPU30aは、遊技状態が非変短状態である場合には、低確率用の普図当り判定値と普図当り判定用乱数の値を比較する一方で、遊技状態が変短状態である場合には、高確率用の普図当り判定値と普図当り判定用乱数の値を比較する。
【0059】
そして、主制御用CPU30aは、普図ゲームの開始に伴って普通図柄表示装置13の表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、普図ゲームの開始により普通図柄の変動を開始させ、予め定めた変動時間の経過時に決定した普通図柄(当り図柄又ははずれ図柄)を確定停止表示させる。なお、主制御用CPU30aは、普図ゲームの開始時の遊技状態に応じて、普図ゲームの変動時間として異なる変動時間を設定し、普通図柄を確定停止表示させる。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、非変短状態の場合には変動時間として「10(秒)」を設定し、変短状態の場合には変動時間として非変短状態よりも短い時間となる「1.1(秒)」を設定する。これにより、変短状態時に行われる普図ゲームの変動時間は、非変短状態時に行われる普図ゲームの変動時間よりも短縮される。
【0060】
また、主制御用CPU30aは、普図当りとなる普図ゲームの終了後、普図当り時の遊技状態に応じて、開閉羽根16の開放態様を制御する。具体的に言えば、非変短状態において主制御用CPU30aは、開閉羽根16を第1開放時間(例えば、0.3(秒))で第1回数(例えば、1(回))分、開放させるように制御する。また、変短状態において主制御用CPU30aは、開閉羽根16を第2開放時間(例えば、1.4(秒))で第2回数(例えば、3(回))分、開放させるように制御する。
【0061】
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容(変動内容)をもとに、画像表示用データを選択する。また、演出制御用CPU31aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンド(特別図柄1又は特別図柄2用の停止図柄指定コマンド)を入力すると、当該コマンドにしたがって演出表示装置11に確定停止表示させる飾り図柄を決定する。具体的に言えば、特別図柄として大当り図柄が指示されている場合、演出制御用CPU31aは、飾り図柄として大当りの図柄組み合わせを決定する。
【0062】
その一方で、演出制御用CPU31aは、特別図柄としてはずれ図柄が指示されている場合、飾り図柄としてはずれの図柄組み合わせを決定する。このとき、演出制御用CPU31aは、はずれリーチ変動用の変動パターンが指示されている場合、飾り図柄としてリーチ図柄を含むはずれの図柄組み合わせを決定する。また、演出制御用CPU31aは、はずれ変動用の変動パターンが指示されている場合、飾り図柄として、リーチ図柄を含まないはずれの図柄組み合わせを決定する。
【0063】
そして、演出制御用CPU31aは、画像表示用データをもとに図柄変動ゲームを画像表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。また、図柄変動ゲーム中に全停止コマンド(特別図柄1又は特別図柄2用の全停止コマンド)を入力すると、演出制御用CPU31aは、決定した飾り図柄を演出表示装置11に確定停止表示させて図柄変動ゲームを終了させる。本実施形態では、図柄変動ゲームの表示内容を制御する演出制御用CPU31aが制御手段として機能する。
【0064】
以下、変動パターンP2〜P4が指示された場合に演出制御用CPU31aが実行する図柄決定処理の詳細について図5及び図6に従って説明する。
最初にSR系の変動パターンP2が指示された場合について説明する。
【0065】
この場合、演出制御用CPU31aは、変動内容としてグループ図柄を用いない「通常内容」又はグループ図柄を用いる「GP図柄内容」決定する。なお、本実施形態では、「通常内容」又は「GP図柄内容」が略同一の割合で選択されるように選択用の値が対応付けられている。
【0066】
そして、「通常内容」を決定した場合、演出制御用CPU31aは、はずれリーチ変動用の変動パターンP2−1が指示されているのであれば、1つの数字を付した飾り図柄によって構成される図柄組み合わせを決定する。一方、大当り変動用の変動パターンP2−2が指示されているのであれば、1つの数字を付した飾り図柄によって構成される大当りの図柄組み合わせを決定する。
【0067】
一方、「GP図柄内容」を決定した場合、はずれリーチ変動用の変動パターンP2−1が指示されているのであれば、演出制御用CPU31aは、指示された変動パターンに基づいて最終的に導出するリーチ図柄を含むはずれの図柄組み合わせを決定する。一方、大当り変動用の変動パターンが指示されているのであれば、演出制御用CPU31aは、最終的に導出する大当りの図柄組み合わせを決定する。また、本実施形態におけるグループ図柄の形成タイミングは、図柄の低速変動中となっており、変動中の1つの数字から異なる数字が分岐生成されたかのような態様でグループ図柄が形成されるようになっている(図示せず)。また、以下の説明では、グループ図柄を構成する分岐元の数字を「親数字X」と示す一方で、分岐によって生成された数字を「子数字Y」と示す。また、分岐後の親数字Xは四角形Sの左上部に配置される一方で、分岐後の子数字Yは四角形Sの右下部に配置される(例えば、図6(a))。
【0068】
これにより、例えば、最終的に導出する図柄組み合わせとして「565」を決定したとすると、演出制御用CPU31aは、グループ図柄の組み合わせとして、親数字X又は子数字Yのどちらかに「5」を含む組み合わせを決定する。なお、この場合に決定可能な他方の数字は、「0」、「5」、及び合算値が「10」以上とならない値である。ちなみに、本実施形態におけるグループ図柄には、「0」を含む組み合わせ、同一の数字による組み合わせ、及び合算値が「10」以上となる組み合わせ(図柄列で変動表示される図柄のうち最も数値の大きい「9」を超える組み合わせ)は設定されていない。なお、図5では、グループ図柄として決定可能な数字の組み合わせに網掛けを施し、その他の組み合わせと差別化を図っている。
【0069】
そして、親数字Xとして「1」を決定するとともに子数字Yとして「5」を決定したとすると、演出制御用CPU31aは、図6(a)に示すように、左列の低速変動中に「1」から「5」を分岐生成させ、右列の停止タイミングに到達すると「5」を付した図柄を一旦停止表示させる。このとき、左列のグループ図柄を構成する数字には右列に導出された図柄に付された数字「5」と同一の数字が含まれているので、1つのリーチ状態が形成される。なお、大当り変動用の変動パターンP2−2が指示された場合も、同様の手順でリーチ状態が形成される。
【0070】
次に、WR系の変動パターンP3が指示された場合について説明する。
WR系の変動パターンP3には、変動内容として「GP図柄内容」が定められているため、演出制御用CPU31aは、指示された変動パターンに基づいて最終的に導出する図柄組み合わせを決定する。その後、演出制御用CPU31aは、SR系の変動パターンP2の選択時に「GP図柄内容」を決定した場合と同様、グループ図柄の組み合わせとして、親数字X又は子数字Yのどちらかに、最終的に導出する図柄組み合わせを構成する図柄に付された数字を含む組み合わせを決定する。ちなみに、演出制御用CPU31aは、WR系の変動パターンP3が選択された場合、右列にもグループ図柄を導出することになるが、左列に導出させるグループ図柄を構成する数字と同一の組み合わせであれば、その数字が親数字Xとなるか子数字Yとなるか迄は問わない。
【0071】
例えば、演出制御用CPU31aは、最終的に導出する図柄組み合わせとして「232」を決定し、かつ左列及び右列において親数字Xとして「2」を決定するとともに子数字Yとして「5」を決定したとする。この場合、演出制御用CPU31aは、図6(b)に示すように、左列及び右列の低速変動中に「2」から「5」をそれぞれ分岐生成させ、「2」及び「5」によって2つのリーチ状態を形成させる。なお、大当り変動用の変動パターンP3−2が指示された場合も、同様の手順でリーチ状態が形成される。
【0072】
次に、合体SR系の変動パターンP4が指示された場合について説明する。
合体SR系の変動パターンP4には、変動内容として「GP図柄内容」が定められているため、演出制御用CPU31aは、指示された変動パターンに基づいて最終的に導出する図柄組み合わせを決定する。その後、演出制御用CPU31aは、決定した図柄組み合わせを構成する図柄に付された数字を確認し、合算値が確認した数字と同一値となるグループ図柄を決定する。
【0073】
例えば、最終的に導出する図柄組み合わせとして「565」を決定したとすると、演出制御用CPU31aは、左列に導出させるグループ図柄として、「1」と「4」の組み合わせ又は「2」と「3」の組み合わせを決定する。そして、親数字Xとして「2」を決定するとともに子数字Yとして「3」を決定したとすると、演出制御用CPU31aは、図6(c)に示すように、左列の低速変動中に「2」から「3」を分岐生成させ、右列の停止タイミングに到達すると「5」を付した図柄を一旦停止表示させる。この時点では、左列に導出されたグループ図柄を構成する数字には右列に導出された図柄に付された数字「5」と同一の数字が含まれていないので、リーチが形成されない。その後、演出制御用CPU31aは、所定時間の経過時に、グループ図柄を構成する親数字X「2」と子数字Y「3」を、四角形Sの中央で互いに重複するような態様で表示させ(図6(d))、2つの数字の合算値である「5」に変換させる(図6(e))。これにより、演出表示装置11では、左列の図柄を構成する数字「5」と右列に導出された図柄に付された数字「5」が一致するため、1つのリーチ状態が形成される。したがって、右列に図柄が一旦停止表示された時点では、左列と右列の図柄が異なっていることにより、リーチ状態が形成されないことになるが、その後、左列の図柄を構成する数字同士が合体して右列に導出された図柄に付された数字と同一値となるので、リーチ状態が形成される。なお、大当り変動用の変動パターンP4−2が指示された場合も、同様の手順でリーチ状態が形成される。
【0074】
したがって、本実施形態よれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)合算SR系の変動パターンに基づくリーチ演出(第3演出内容)では、リーチ形成列のうち1列にグループ図柄(複数要素図柄)が停止表示されるとともに、他列にグループ図柄を構成する数字(数値要素)の合算値を含む図柄が停止表示される。その後、グループ図柄を、グループ図柄を構成する複数の数字の合算値を含む図柄に変更表示させることによって、リーチ状態を形成させるようにした。これにより、リーチ形成列の図柄が導出された段階でリーチ状態が形成されていなくても、グループ図柄を構成する数値同士を加算して異なる数値を付した図柄に変更表示させることで、はずれから一転してリーチ状態が形成されることに期待を持たせることができる。
【0075】
(2)合算SR系の変動パターンに基づくリーチ演出では、グループ図柄を構成する数字の合算値が、グループ図柄を用いない通常内容で行われる図柄変動ゲームにおいて図柄列で変動表示される図柄(単数要素図柄)を構成する数字のうち最も大きい数字(実施形態では、「9」)を越えないようにした。すなわち、折角、グループ図柄を構成する数字同士が合算されて別の数値を付した図柄に変換されたとしても、その数字が図柄列で変動表示される図柄を構成する数字として設定されていないのであれば(例えば、9+7=16)、加算した意味がなくなり、数字の合算が行われてもリーチ状態が形成されることに期待を持つことができない。したがって、グループ図柄を構成する数字の合算値が、図柄列で変動表示される図柄を構成する数字を超えない値とすることで、数字の合算が行われた際にリーチが形成されることに期待を持たせることができる。
【0076】
(3)1ライン機である本実施形態のパチンコ遊技機において、WR系の変動パターンP3が選択された場合、リーチラインが2本形成される。これにより、リーチ演出の実行確率が向上し、見た目上、大当りとなる確率が2倍に増えたかのように思わせることができる。
【0077】
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した第2の実施形態を図7〜図11に従って説明する。なお、以下に説明する実施形態では、既に説明した実施形態と同一構成に同一符号を付すなどして、その重複する説明を省略又は簡略する。
【0078】
本実施形態では、合体SR系の変動パターンが選択された場合、確変大当りとなる残り回数を大当りの図柄組み合わせに対応させて報知している点が、第1の実施形態と異なっている。なお、本実施形態では、大当りの図柄組み合わせによって今回の大当りを含めた確変上限回数の残り回数が報知されるようになっている。
【0079】
まず、本実施形態に設定された当りの種類について図7(a),(b)に従って説明する。また、以下の説明では、パチンコ遊技機の遊技状態として、非確変状態、かつ非変短状態を「低確+変短なし」と示すとともに、非確変状態、かつ変短状態を「低確+変短あり」と示す。また、確変状態、かつ非変短状態を「高確+変短なし」と示すとともに、確変状態、かつ変短状態を「高確+変短あり」と示す。
【0080】
特別図柄Aに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数を「15回」とする一方で、特別図柄B,C,D,E,Fに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数を「2回」としている。また、特別図柄A〜Fに基づく大当り遊技では、原則として、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、次回大当り抽選に当選するまで確変状態が必ず付与されるようになっている。ただし、本実施形態のパチンコ遊技機には、確変状態の付与期間に係るリミッタ機能が搭載されており、確変上限回数(本実施形態では、9回)が定められている。すなわち、初回の大当り抽選への当選を含めて大当り抽選に「9回」当選すると、9回目の大当り抽選で大当りに当選しても確変状態が付与されないようになっている。ただし、リミッタ機能の作動によって確変状態が付与されなかったとしても、次回大当り当選時にはリミッタ機能が作動しないので、再度、大当り抽選に当選した場合には確変状態が付与されることになる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機では、通常状態時(「低確+変短なし」)の大当りを1回目(最初)の大当りとする。
【0081】
また、特別図柄A〜Fに基づく大当り遊技では、リミッタ機能の未作動時における変短状態の付与回数が、大当りの種類及び大当り抽選の当選時における遊技状態に応じて夫々異なっている。具体的には、特別図柄A及び特別図柄Fに基づく大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、予め定めた第1回数(本実施形態では、10000回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、変短状態が付与される。その一方で、特別図柄B,C,D,Eに基づく大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態によって、変短状態が付与される回数に差を持たせている。
【0082】
特別図柄Bに基づく大当り遊技では、大当り抽選の当選時において変短状態が付与されていなければ、変短状態は付与されない。その一方で、大当り抽選の当選時において変短状態が付与されている場合、第1回数(10000回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、変短状態が付与される。
【0083】
一方、特別図柄Cに基づく大当り遊技では、大当り抽選の当選時において変短状態が付与されていない場合、前記第1回数よりも少ない第2回数(本実施形態では、50回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、変短状態が付与される。その一方で、大当り抽選の当選時において変短状態が付与されている場合、第1回数(10000回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、変短状態が付与される。
【0084】
また、特別図柄Dに基づく大当り遊技では、大当り抽選の当選時において変短状態が付与されていない場合、前記第1回数よりも少なく、かつ前記第2回数よりも多い第3回数(本実施形態では、100回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、変短状態が付与される。その一方で、大当り抽選の当選時において変短状態が付与されている場合、第1回数(10000回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、変短状態が付与される。
【0085】
また、特別図柄Eに基づく大当り遊技では、大当り抽選の当選時の遊技状態が「低確+変短なし」の場合、第3回数(100回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、変短状態が付与される。また、大当り抽選の当選時の遊技状態が「高確+変短なし」の場合、変短状態が付与されない。その一方で、大当り抽選の当選時において変短状態が付与されている場合、第1回数(10000回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、変短状態が付与される。
【0086】
その一方で、リミッタ機能が作動した(確変上限回数に到達した)場合、どの大当り遊技に当選した場合であっても、大当り抽選の当選時の遊技状態にかかわらず、第3回数(100回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、変短状態が付与される。
【0087】
また、本実施形態では、特別図柄Aに基づく大当り遊技(15R大当り遊技)のラウンド遊技時間が「25秒」に定められている一方で、特別図柄B〜Fに基づく大当り遊技(2R大当り遊技)のラウンド遊技時間が「0.032秒」に定められている。これにより、本実施形態では、2R大当り遊技よりも15R大当り遊技の方が、大当り遊技の終了時点で多数の賞球を獲得することができる。
【0088】
また、本実施形態では、小当り図柄が設定されている。小当り図柄は、大当り抽選に当選しなかった場合に小当りか否かの小当り抽選に当選した際に決定される。そして、小当り抽選に当選した場合に付与される小当り遊技は、規定ラウンド数を「1回」とし、1回のラウンド遊技中に大入賞口18を「2回」開放させるようになっている。また、小当り遊技では、オープニング時間、1回あたりの大入賞口18の開放時間、及びエンディング時間が、2R大当り遊技と同一に設定されている。これにより、大当り図柄として特別図柄B〜Fが決定された場合、又は小当り図柄が決定された場合、その決定に伴って開始される図柄変動ゲームの変動停止から、当り遊技を経て次の図柄変動ゲームが開始するまでの時間が同一時間となる。したがって、本実施形態における2R大当り遊技及び小当り遊技は、大入賞口18の開閉動作態様や時間からその差異を遊技者が判別不能となっている。
【0089】
また、小当り抽選に当選した場合、小当り遊技の終了後における遊技状態を、小当り抽選の当選時における遊技状態で継続させるようになっている。すなわち、小当り抽選の当選時の遊技状態が確変状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を確変状態に継続させるとともに、小当り抽選の当選時の遊技状態が変短状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を変短状態に継続させる。また、小当り抽選の当選時の遊技状態が非確変状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を非確変状態に継続させるとともに、小当り抽選の当選時の遊技状態が非変短状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を非変短状態に継続させる。
【0090】
また、本実施形態では、特別図柄1の大当り抽選で大当りに当選した時と、特別図柄2の大当り抽選で大当りに当選した時で選択可能な大当り図柄の種類及びその選択率も異なっている。具体的に説明すると、特別図柄1で選択可能な大当り図柄は、特別図柄A〜Fからなる6つのグループに属する図柄とされている一方で、特別図柄2で選択可能な大当り図柄は、特別図柄Aからなる1つのグループに属する図柄とされている。そして、これらの特別図柄A〜Fからなるグループに複数種類の大当り図柄がそれぞれ属している。また、特別図柄A〜Fからなるグループに属する各特別図柄1に対して、特図振分用乱数の取り得る数値(本実施形態では0〜99までの全100通りの整数値)が、所定個数ずつ振分けられている。同様に、特別図柄Aからなるグループに属する特別図柄2に対しても、特図振分用乱数の取り得る数値(本実施形態では0〜99までの全100通りの整数値)が、所定個数ずつ振分けられている。
【0091】
具体的に言えば、特別図柄1において、特別図柄Aに属する大当り図柄には2個の乱数値が、特別図柄Bに属する大当り図柄には38個の乱数値が、特別図柄Cに属する大当り図柄には40個の乱数値が、それぞれ振分けられている。また、特別図柄Dに属する大当り図柄には13個の乱数値が、特別図柄Eに属する大当り図柄には5個の乱数値が、特別図柄Fに属する大当り図柄には2個の乱数値が、それぞれ振分けられている。また、特別図柄1では、小当り図柄に小当り用の特図振分用乱数の取り得る数値を振分けている一方で、特別図柄2では、小当り図柄に小当り用の特図振分用乱数の取り得る値を振分けていない。
【0092】
上記構成によれば、特別図柄1における特別図柄Aの割合が2%(2/100)に設定されているのに対し、特別図柄2における特別図柄Aの割合が100%(100/100)に設定されているので、大当り抽選に当選した場合、第1の変動ゲームよりも第2の変動ゲームにおいて特別図柄Aに基づく大当り遊技が付与され易い。また、本実施形態では、第1及び第2の変動ゲームにおいて大当り遊技終了後に確変状態が付与される確率は、確変上限回数に到達していなければ100%となっている。
【0093】
また、図8に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機は、変短状態の付与回数に応じて異なる複数(本実施形態では3つ)の演出モードを備えている。そして、本実施形態では、予め定めた移行条件が成立することによって演出モードを他の演出モードへ移行させるようになっている。本実施形態における演出モードには、通常モードと、確定モードと、チャンスモードと、が設定されている。
【0094】
「通常モード」は、「高確+変短なし」又は「低確+変短なし」の状態時に滞在可能な演出モードとされている。「確定モード」は、「高確+変短あり」の状態時、かつ変短状態の上限値(変短上限回数又は作動回数)として第1回数(10000回)が決定された場合に滞在可能な演出モードとされている。また、「チャンスモード」は、「高確+変短あり」の状態時、かつ変短上限回数として第2回数(50回)又は第3回数(100回)が決定された場合に滞在可能な演出モードとされている。なお、チャンスモードは、「低確+変短あり」の状態時に滞在可能な演出モードでもある。そして、これらの演出モードは、後述する制御によって互いに移行可能となっている。
【0095】
また、各演出モードの滞在中は、その滞在中の演出モードに対応するモード報知画像が演出表示装置11(画像表示部GH)に画像表示されるようになっている。本実施形態におけるモード報知画像は、図柄の背面に映し出される背景画像となっており、各演出モードに対応する背景画像は、図8に示すように、演出モード毎に画像内容が異なるように個別設定されている。このような演出モードに応じた背景画像を画像表示させることにより、遊技者は、背景画像の種類から滞在中の演出モードを認識し得るようになっている。
【0096】
以下、本実施形態における主制御用CPU30aの制御内容について説明する。
本実施形態では小当り図柄を設定しているため、主制御用CPU30aは、特別図柄1に基づく大当り判定の判定結果が否定の場合、小当り判定(小当り抽選)を実行する。このとき、主制御用CPU30aは、読み出した大当り判定用乱数の値と小当り判定値を比較することによって小当り判定を実行する。小当り判定値は、小当り判定(小当り抽選)で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。小当り判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、小当りを決定する。小当りを決定した主制御用CPU30aは、第1特別図柄表示装置12aで行われる第1の変動ゲームで確定停止表示させる特別図柄として小当り図柄を決定する。また、小当りを決定した主制御用CPU30aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいて、小当り当選時に選択可能な変動パターンを選択し、決定する。
【0097】
なお、本実施形態では、2R大当り遊技の当選時と小当り遊技の当選時に選択可能な専用の同一変動パターンを別途設定している。これにより、本実施形態では、2R大当り遊技の当選時及び小当り遊技の当選時にそれぞれ行われる図柄変動ゲームの変動内容から、何れの遊技が付与されるのかが区別し得ないようになっている。また、主制御用CPU30aは、小当り判定の判定結果が否定の場合、リーチ判定を実行する。
【0098】
次に、主制御用CPU30aが、大当り抽選に当選した場合に、確変状態を付与するか否かを決定するとともにその結果に応じて変短上限回数を決定するために実行するリミッタ作動処理について図9に従って説明する。なお、図9に示すリミッタ作動処理は、大当り遊技終了後、図柄変動ゲームが開始する前に実行されるようになっている(例えば、エンディング演出の終了時)。したがって、大当り抽選に当選していない場合、主制御用CPU30aは、リミッタ作動処理を実行しない(小当り抽選に当選している場合も含む)。本実施形態では、リミッタ作動処理を実行する主制御用CPU30aが、状態制御手段及び判定手段として機能する。
【0099】
まず、主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了時に、今回の大当りが初回の大当りであったか否かを確認する(ステップS11)。ステップS11において主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに設定される確変上限回数のカウントが開始されたことを指示するカウント開始フラグに「1」が設定されているか否かを判定することによって初回の大当りであったか否かを判定する。ステップS11の判定結果が肯定の場合、今回の大当りが確変状態を付与する初回の大当りとなるため、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに確変上限回数として「8」をセットする(ステップS12)。その後、主制御用CPU30aは、取得した特図振分用乱数の値によって特定される大当りの種類及び大当り抽選の当選時における遊技状態に基づいて、変短上限回数を決定する。主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に変短状態を付与する場合、主制御用RAM30cに記憶される遊技状態フラグとしての作動フラグに「1」をセットするとともに決定した回数を、変短状態が付与される残り図柄変動ゲーム数を示す作動回数としてセットする(ステップS13)。それとともに、主制御用CPU30aは、演出制御用CPU31aに変短状態であることを示す作動コマンドを出力する。その後、主制御用CPU30aは、リミッタ作動処理を終了する。
【0100】
作動回数は、図柄変動ゲームを実行させる毎に−1(1減算)される。そして、主制御用CPU30aは、作動回数が「0」に到達すると、図柄変動ゲームの終了後、作動フラグに「0」を設定するとともに、演出制御用CPU31aに非変短状態であることを示す非作動コマンドを出力する。なお、主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後、非変短状態とする場合、作動フラグに「0」を設定するとともに、作動回数を「0」とする。
【0101】
また、主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に確変状態を付与する場合、主制御用RAM30cに記憶される遊技状態フラグとしての確変フラグに「1」を設定するとともに、演出制御用CPU31aに確変状態であることを示す確変コマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、大当り遊技の開始時に確変フラグ、作動フラグ、及び作動回数を「0」に設定する。これにより、大当り遊技中は、「低確+変短なし」とされる。
【0102】
一方、ステップS11の判定結果が否定の場合、今回の大当りが確変状態を付与する2回目以降の大当りとなるため、主制御用CPU30aは、確変上限回数から1減算してその値を更新する(ステップS14)。また、確変上限回数を更新した場合、主制御用CPU30aは、その回数を示す回数指定コマンドを演出制御用CPU31aに出力する。これにより、演出制御用CPU31aも確変上限回数の残り回数を把握することができる。次に、主制御用CPU30aは、1減算後の確変上限回数が「0(零)」であるか否かを判定する(ステップS15)。ステップS15の判定結果が否定の場合、今回の大当りでは確変上限回数に到達していないため、ステップS13に移行する。
【0103】
一方、ステップS15の判定結果が肯定(確変上限回数=0)の場合、今回の大当りで確変上限回数に到達したため、主制御用CPU30aは、リミッタ機能を作動させる(ステップS16)。ステップS16において主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了後に確変フラグに「0」を設定するとともに非確変コマンドを演出制御用CPU31aに出力することによって、非確変状態を付与することになる。その後、主制御用CPU30aは、大当りの種類及び大当り抽選の当選時における遊技状態にかかわらず、作動フラグに「1」をセットするとともに、作動回数に「100」をセットし(ステップS17)、リミッタ作動処理を終了する。また、主制御用CPU30aは、確変状態を終了させる場合、確変フラグに「0」を設定するとともに、演出制御用CPU31aに非確変状態であることを示す非確変コマンドを出力する。なお、主制御用CPU30aは、リミッタを作動させた後に大当り抽選に当選した場合、再度、確変状態を付与するために、確変上限回数の計数値をリセットするとともに、カウント開始フラグに「0」をセットする。
【0104】
本実施形態のパチンコ遊技機にはリミッタ機能が搭載されているため、リミッタ機能が作動する迄により多くの賞球を獲得するためには、変短状態中に第2の変動ゲームで大当り抽選に当選することが望ましい。すなわち、変短状態中は、非変短状態中に比して第2始動入賞口15への入球率が向上しているため、第2始動入賞口15への入球に基づく第2の変動ゲームで大当り抽選に当選したときには、必ず15R大当り遊技が付与される。そして、15R大当り遊技終了後には、必ず変短状態が10000回付与されるので、再度、第2始動入賞口15へ遊技球が入球し易くなる。また、本実施形態では、変短上限回数に到達したことを契機にリミッタが作動するのではなく、大当り抽選の当選回数が9回に到達したことを契機にリミッタが作動する(ステップS15が肯定判定)。したがって、より多くの賞球を獲得するためには、確変上限回数に占める特別図柄Aに基づく大当り遊技の割合が高くなることが好ましく、特別図柄Aに基づく大当り遊技に当選するためには、通常状態中に変短上限回数が多く設定された大当りに当選し、変短状態中に第2の変動ゲームで大当りに当選することが望ましい。
【0105】
したがって、本実施形態において最も賞球を獲得し得るルートは、通常状態中に特別図柄Aに基づく大当り遊技に当選し(1回目)、変短状態が付与されている間に第2の変動ゲームで大当りに当選することである(2回目)。これにより、確変上限回数に占める特別図柄Aに基づく大当り遊技の割合が高くなるため、最も賞球を獲得し得る。
【0106】
その一方で、例えば、通常状態中の第1の変動ゲームで特別図柄Bに基づく大当り遊技に当選したとする(1回目の大当り)。この場合、大当り遊技終了後には「高確+変短なし」の状態で図柄変動ゲームが実行されるので、第2の変動ゲームの実行確率は変化しない。そして、「高確+変短なし」の状態で行われる第1の変動ゲームで特別図柄Cに基づく大当り遊技に当選したとする(2回目の大当り)。この場合、大当り抽選の当選時の遊技状態が「高確+変短なし」の状態であることにより、大当り遊技終了後には、確変状態と50回の図柄変動ゲームが行われる迄の間、変短状態が付与されることになる。ただし、変短状態が50回の図柄変動ゲームが実行される迄の間付与されたとしても、変短状態中に大当り抽選に当選しなかった場合には、大当り遊技終了後、51回目の図柄変動ゲームから変短状態が付与されない。そして、非変短状態中の第1の変動ゲームで特別図柄Aに基づく大当り遊技に当選したとする(3回目の大当り)。この場合、大当り抽選の当選時の遊技状態にかかわらず、大当り遊技終了後の遊技状態が「高確+変短あり」となる。そして、変短状態中に第2の変動ゲームにおいて大当り抽選に当選したとすると、特別図柄Aに基づく大当りが決定されることになる(4回目の大当り)。
【0107】
このような流れで図柄変動ゲームが実行された場合、初回の大当りで特別図柄Aが決定された場合に比して確変上限回数に占める特別図柄Aに基づく大当り遊技の割合が低いため、賞球獲得数が少なくなる。すなわち、本実施形態のパチンコ遊技機では、変短状態の付与回数や確変上限回数に占める2R大当り遊技の種類及び割合によって賞球獲得数に差異が生じる構成となっている。
【0108】
なお、本実施形態では、選択される変動パターンの種類が、確変上限回数に応じて設定されている。詳しくは、確変上限回数の残り回数が「9回」〜「3回」の場合、大当り変動用の変動パターンP2−2,P3−2,P4−2が選択可能とされている。一方、確変上限回数の残り回数が「2回」〜「0回」の場合、大当り変動用の変動パターンP2−2及びP3−2が選択可能とされている。ちなみに、特別図柄B〜Fへの当選時には、専用の変動パターンが選択される。
【0109】
次に、本実施形態において演出制御用CPU31aが実行する制御内容について説明する。
特別図柄用の停止図柄指定コマンド(特別図柄1又は特別図柄2用の停止図柄指定コマンド)で指定された停止図柄が、2R大当り遊技に対応する大当り図柄又は小当り図柄であったとする。この場合、演出制御用CPU31aは、飾り図柄の図柄組み合わせとして、はずれを認識し得る図柄組み合わせのうち、予め定めた特定の図柄組み合わせ(チャンス目)を決定する。特定の図柄組み合わせは、リーチを形成しないはずれの図柄組み合わせからなる。
【0110】
次に、演出制御用CPU31aが実行する演出モードに係る制御内容を説明する。
演出制御用CPU31aは、大当り抽選への当選を契機に演出モードを移行させる場合、特別図柄用の停止図柄指定コマンド(特別図柄1又は特別図柄2用の停止図柄指定コマンド)で指示された大当り図柄の種類と、遊技状態を指示する各コマンド(確変コマンド、非確変コマンド、作動コマンド及び非作動コマンド)と、演出モードフラグの設定値をもとに、モード報知画像を画像表示させる。演出モードフラグは、現在滞在している演出モードを識別可能な情報で構成されており、演出制御用RAM31cに設定されている。
【0111】
まず、通常モード滞在中かつ確変上限回数に到達していない場合におけるモード移行態様について説明する。なお、本実施形態において演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから出力される回数指定コマンドによって確変上限回数の残り回数を把握するようになっている。
【0112】
「低確+変短なし」又は「高確+変短なし」の通常モード滞在中に特別図柄A又は特別図柄Fに基づく大当り遊技に当選した場合、演出制御用CPU31aは、大当り遊技を経て「高確+変短あり」の確定モードに移行させる。一方、「低確+変短なし」又は「高確+変短なし」の通常モード滞在中に特別図柄Bに基づく大当り遊技に当選した場合、演出制御用CPU31aは、大当り遊技を経て「高確+変短なし」の通常モードに再度移行させる。また、「低確+変短なし」又は「高確+変短なし」の通常モード滞在中に小当り遊技に当選した場合、演出制御用CPU31aは、小当り遊技を経て小当り抽選の当選時の遊技状態と同一の通常モードに再度移行させる。また、「高確+変短なし」の通常モード滞在中に特別図柄Eに基づく大当り遊技に当選した場合、演出制御用CPU31aは、大当り遊技を経て「高確+変短なし」の通常モードに再度移行させる。
【0113】
一方、「低確+変短なし」又は「高確+変短なし」の通常モード滞在中に特別図柄C又は特別図柄Dに基づく大当り遊技に当選した場合、演出制御用CPU31aは、大当り遊技を経て「高確+変短あり」のチャンスモードに移行させる。また、「低確+変短なし」の通常モード滞在中に特別図柄Eに基づく大当り遊技に当選した場合、演出制御用CPU31aは、大当り遊技を経て「高確+変短あり」のチャンスモードに再度移行させる。一方、「低確+変短なし」又は「高確+変短なし」の通常モード滞在中に大当り遊技に当選したが、確変上限回数に到達したことによりリミッタ機能が作動した場合には、当選した大当り遊技の種類にかかわらず、「低確+変短あり」のチャンスモードに再度移行させる。
【0114】
次に、チャンスモード滞在中かつ確変上限回数に到達していない場合におけるモード移行態様について説明する。
「高確+変短あり」のチャンスモード滞在中に大当り抽選に当選した場合、演出制御用CPU31aは、大当り遊技を経て「高確+変短あり」の確定モードに移行させる。一方、「低確+変短あり」又は「高確+変短あり」のチャンスモード滞在中に小当り遊技に当選した場合、演出制御用CPU31aは、小当り遊技を経て小当り抽選の当選時の遊技状態と同一のチャンスモードに移行させる。一方、「低確+変短あり」又は「高確+変短あり」のチャンスモード滞在中に変短上限回数の図柄変動ゲームが実行された場合、演出制御用CPU31aは、大当り抽選の抽選状態を維持したまま通常モードに移行させる。また、演出制御用CPU31aは、「高確+変短あり」のチャンスモード滞在中に大当り遊技に当選したが、確変上限回数に到達したことによりリミッタ機能が作動した場合には、当選した大当り遊技の種類にかかわらず、「低確+変短あり」のチャンスモードに移行させる。
【0115】
次に、確定モード滞在中かつ確変上限回数に到達していない場合におけるモード移行態様について説明する。
「高確+変短あり」の確定モード滞在中に大当り抽選に当選した場合、演出制御用CPU31aは、大当り遊技を経て「高確+変短あり」の確定モードに再度移行させる。また、「高確+変短あり」の確定モード滞在中に小当り遊技に当選した場合、演出制御用CPU31aは、小当り遊技を経て確定モードに再度移行させる。一方、「高確+変短あり」の確定モード滞在中に、確変上限回数に到達したことによりリミッタ機能が作動した場合、演出制御用CPU31aは、当選した大当り遊技の種類にかかわらず、「低確+変短あり」のチャンスモードに移行させる。
【0116】
以下、本実施形態において演出制御用CPU31aが実行する図柄決定処理の詳細について説明する。
本実施形態において演出制御用CPU31aは、特別図柄Aに基づく大当り遊技に当選した場合、確変上限回数の残り回数に基づいて最終的に導出する大当りの図柄組み合わせを決定する。なお、演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aと同じく、演出制御用RAM31cに確変上限回数を設定し、大当り抽選に当選する度に1減算することで計数している。なお、演出制御用RAM31cで管理する確変上限回数としては、回数指定コマンドで指定される値がセットされるようになっている。
【0117】
本実施形態における回数指定コマンドは、大当り遊技の終了後に出力されるので(リミッタ作動処理の実行後)、演出制御用CPU31aは、今回当選した大当りを含んだ確変上限回数の残り回数を報知するために、回数指定コマンドで指定される回数に基づいて、大当りの図柄組み合わせを構成する図柄を決定する。このとき、演出制御用CPU31aは、特別図柄Aに基づく大当り遊技に当選しているとともに、大当り変動用の変動パターンP2−2又はP3−2が選択されている場合、確変上限回数の残り回数を参照する。そして、演出制御用CPU31aは、その回数と一致する数字以下の数字が付された図柄による大当りの図柄組み合わせを決定する。例えば、確変上限回数の残り回数が「4回」の場合、演出制御用CPU31aは、大当りの図柄組み合わせとして「111」、「222」、「333」、及び「444」のうちいずれかを決定する。そして、演出制御用CPU31aは、決定した図柄組み合わせを構成する図柄に付された数字と一致する数字を含むグループ図柄を決定する。なお、本実施形態において選択禁止とされる数字の組み合わせは、第1の実施形態と同一である。
【0118】
一方、特別図柄Aに基づく大当り遊技に当選しているとともに、大当り変動用の変動パターンP4−2が選択されている場合、演出制御用CPU31aは、確変上限回数の残り回数を参照する。そして、演出制御用CPU31aは、その回数と一致する数字が付された図柄によって構成される大当りの図柄組み合わせを決定する。そして、演出制御用CPU31aは、合算値が、決定した図柄組み合わせを構成する図柄に付された数字と一致する数字の組み合わせとなるグループ図柄を決定する。例えば、確変上限回数として「5回」が指示された場合、演出制御用CPU31aは、最終的に導出する大当りの図柄組み合わせとして「555」を決定することになる。つまり、本実施形態において合算リーチ演出を経て導出された大当りの図柄組み合わせによって、今回の大当りを含んだ残り回数が報知されることになる。そして、演出制御用CPU31aは、左列に導出させる図柄として、「1」と「4」の組み合わせ、又は「2」と「3」の組み合わせを決定する。
【0119】
これにより、演出表示装置11では、合算後の数字「5」と右列に導出された図柄に付された数字「5」が一致することになり、1つのリーチ状態が形成される。したがって、右列に図柄が一旦停止表示された時点では、左列と右列の図柄が異なっていることにより、リーチ状態が形成されないことになるが、その後、左列の図柄を構成する数字同士が合体して右列に導出された図柄に付された数字と同一値となるので、リーチ状態が形成される。
【0120】
ちなみに、演出制御用CPU31aは、初回の大当りで特別図柄Aに対応する大当り遊技に当選するとともに、変動パターンP2−2又はP3−2が選択された場合、大当りの図柄組み合わせとして「111」〜「999」までのうちいずれか1つの図柄組み合わせを決定する。一方、演出制御用CPU31aは、初回の大当りで特別図柄Aに対応する大当り遊技に当選するとともに、変動パターンP4−2が選択された場合、大当りの図柄組み合わせとして「999」を決定する。なお、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cで計数する確変上限回数の値が「0回」となっている場合に初回の大当りであることを認識する。
【0121】
ちなみに、本実施形態では、選択禁止とする数字の組み合わせとして、親数字Xと子数字Yが同一の数字となる組み合わせと、親数字X又は子数字Yに「0(零)」を含む組み合わせを設定している。したがって、確変上限回数の残り回数が「2回」の場合、合算値が「2」となる親数字Xと子数字Yの組み合わせは「1+1」又は「2+0」となるとともに、確変上限回数の残り回数が「1回」の場合、合算値が「1」となる親数字Xと子数字Yの組み合わせは「1+0」となる。これらの組み合わせは、本実施形態において選択禁止とする組み合わせとして定められているので、確変上限回数の残り回数が「2回」又は「1回」の場合、大当り変動用の変動パターンP2−2又はP3−2が選択されることになり、演出制御用CPU31aは、確変上限回数の残り回数を参照して大当りの図柄組み合わせを決定する。そして、演出制御用CPU31aは、決定した大当りの図柄組み合わせを構成する図柄に付された数字と一致する数字を含むグループ図柄を決定する。
【0122】
したがって、本実施形態では、グループ図柄を構成する数字図柄同士が合体した際には、特別図柄Aに基づく大当り遊技が付与されることに期待を持たせることができる。さらに、本実施形態では、2R大当り遊技や小当り遊技に当選した場合、どちらの当りに当選しているのかを分かり難くするために、演出内容を統一したり、チャンス目を導出させるようにしている。これにより、合算リーチ演出を経て導出された大当りの図柄組み合わせを構成する図柄に付された数字によって、今回の大当りを含めた確変状態の残り回数を分かりやすく報知することができる。また、本実施形態において演出制御用CPU31aは、合算SR系の変動パターンが選択された際には、確変上限回数の残り回数と一致する数字が付された大当りの図柄組み合わせを決定するが、SR系又はWR系の変動パターンが選択された際には、確変上限回数の残り回数と一致する数字以下の数字が付された大当りの図柄組み合わせを決定する。これにより、SR系又はWR系の変動パターンに基づいて導出された大当りの図柄組み合わせからは、必ずしも正確な残り回数が報知されるわけではないが、合算SR系の変動パターンに基づいて導出された大当りの図柄組み合わせからは、正確な残り回数が報知される。本実施形態では、特別図柄Aに基づく大当り遊技が決定された際に、確変上限回数の残り回数に応じて決定される図柄を構成する数字が、特別数値要素となる。
【0123】
以下、合算リーチ演出によって確変上限回数の残り回数が報知される迄の演出の流れを図10に従って説明する。なお、図10に示す「確変上限回数」は、今回の大当りを含んだ確変状態が付与される大当りの残り回数を示している。
【0124】
まず、通常状態時において初回の大当りとして特別図柄Dに基づく大当り遊技に当選したとすると、演出表示装置11では、例えば「123」で示すチャンス目が確定停止表示された後、大当り遊技が開始される(図10(a))。そして、大当り遊技の終了時には、確変上限回数の残り回数として「8」がセットされるとともに、大当り遊技終了後の遊技状態が「高確+変短あり」となる(図7参照)。その後、「高確+変短あり」の状態中に第2の変動ゲームにおいて特別図柄Aに基づく大当り遊技に当選するとともに(2回目の大当り)、合算SR系の変動パターンP4−2が選択されたとする。
【0125】
これにより、演出制御用CPU31aは、確変上限回数の残り回数と同一値となる数字が付された図柄によって形成される大当りの図柄組み合わせを決定することになる。このとき、演出制御用CPU31aが、左列に導出するグループ図柄を構成する数字の組み合わせとして、親数字Xとして「2」を決定するとともに子数字Yとして「6」を決定したとする。この場合、演出表示装置11では、左列の低速変動中に「2」から「6」が分岐生成され(図10(c))、左列において親数字X「2」及び子数字Y「6」からなるグループ図柄が導出される(図10(d))。その後、右列の停止タイミングに到達すると「8」を付した図柄が一旦停止表示される(図10(e))。この時点では、左列に導出されたグループ図柄を構成する数字として右列に導出された図柄に付された数字「8」と同一の数字が含まれていないので、リーチ状態が形成されない。
【0126】
その後、所定時間の経過時に、グループ図柄を構成する親数字X「2」と子数字Y「6」が四角形Sの中央で互いに重複するような態様で表示され(図10(f))、数字が2つの数字の合算値である「8」に変換される(図10(g))。これにより、演出表示装置11では、数字「8」と右列に導出された図柄に付された数字「8」が一致するため、1つのリーチ状態が形成される(図10(g))。このように、右列に図柄が一旦停止表示された時点では、左列と右列の図柄が異なっていることにより、リーチ状態が形成されないことになるが、その後、左列の図柄を構成する数字同士が合体して右列に導出された図柄に付された数字と同一値となるので、リーチ状態が形成される。そして、リーチ演出が開始してから所定時間の経過後に中列に「8」が導出され、大当りの図柄組み合わせ「888」が形成される(図10(h))。そして、前述したように、「888」で示す図柄組み合わせによって確変上限回数の残り回数が今回の大当りを含めて8回であることが報知される。そして、主制御用CPU30aは、今回の大当り抽選への当選に基づく大当り遊技の終了時に確変上限回数の残り回数を「7回」とする。
【0127】
次に、本実施形態において合算リーチ演出によって確変上限回数の残り回数が報知される迄の演出の別の流れを図11に従って説明する。
図10(a),(b)の流れで図柄変動ゲームが実行された後、変短状態中の第2の変動ゲームにおいて特別図柄Aに基づく大当り遊技に当選したとする(2回目の大当り)。また、このとき、大当り変動用の変動パターンP2−2が選択されるとともに、グループ図柄を用いない「通常内容」を決定したとすると、演出制御用CPU31aは、確変上限回数の残り回数を参照し、その値以下の数字が付された図柄によって構成される大当りの図柄組み合わせを決定する。例えば、演出制御用CPU31aが、大当りの図柄組み合わせとして「333」を決定したとすると、演出表示装置11では、「3↓3」で示すリーチ状態が形成される(図11(a))。そして、リーチ演出が開始してから所定時間の経過後に中列に「3」が導出され、大当りの図柄組み合わせ「333」が形成され、この図柄組み合わせによって、確変上限回数の残り回数が今回の大当りを含めて3回以上であることが報知される(図11(b))。
【0128】
その後、特別図柄Aに基づく大当り遊技に当選したことによって、大当り遊技終了後の遊技状態が「高確+変短あり」となる。また、主制御用CPU30aは、今回の大当り抽選への当選に基づく大当り遊技の終了時に確変上限回数の残り回数を「7回」とする。そして、「高確+変短あり」の状態で実行される第2の変動ゲームにおいて特別図柄Aに基づく大当り遊技に当選したとする(3回目の大当り)。また、このとき、大当り変動用の変動パターンとして合算SR系の変動パターンP4−2が選択されたとすると、演出制御用CPU31aは、確変上限回数の残り回数を参照し、その値と同一の数字が付された図柄によって大当りの図柄組み合わせを決定する。例えば、演出制御用CPU31aが、大当りの図柄組み合わせとして「777」を決定し、左列に導出するグループ図柄を構成する数字の組み合わせとして、親数字Xとして「5」を決定するとともに子数字Yとして「2」を決定したとする。この場合、演出表示装置11では、左列の低速変動中に「5」から「2」が分岐生成され(図11(c))、左列において親数字X「5」及び子数字Y「2」からなるグループ図柄が導出され、右列の停止タイミングに到達すると「7」を付した図柄が一旦停止表示される(図11(d))。
【0129】
その後、所定時間の経過時に、グループ図柄を構成する親数字X「5」と子数字Y「2」が四角形Sの中央で互いに重複するような態様で表示され(図11(e))、数字が2つの数字の合算値である「7」に変換される(図11(f))。これにより、演出表示装置11では、左列の図柄を構成する数字「7」と右列に導出された図柄に付された数字「7」が一致するため、1つのリーチ状態が形成される。そして、リーチ演出が開始してから所定時間の経過後に中列に「7」が導出され、大当りの図柄組み合わせ「777」が形成される(図11(g))。そして、前述したように、「777」で示す図柄組み合わせによって、確変上限回数の残り回数が今回の大当りを含めて7回であることが報知される。また、主制御用CPU30aは、今回の大当り抽選への当選に基づく大当り遊技の終了時に確変上限回数の残り回数を「6回」とする。
【0130】
本実施形態では、このような態様で図柄変動ゲームが実行されることにより、図11(b)に示す時点において実際の確変上限回数よりも少ない数字による図柄組み合わせ「333」が導出されたことによって、確変上限回数の残り回数が「3回」であるかのように報知される。これにより、遊技者は、確変上限回数の残り回数が「3回」であると認識することになる。ところが、その後、次の大当り抽選への当選時に、合算リーチ演出によって実際の確変上限回数と一致する数字による図柄組み合わせ「777」が導出されたことにより、確変上限回数の残り回数が加算されたかのような印象を遊技者に与えることができる。
【0131】
したがって、本実施形態によれば、前述の効果(1)〜(3)に加えて、以下に示す効果を得ることができる。
(4)合算リーチ演出におけるグループ図柄を構成する数字の組み合わせとして、合算値が確変上限回数の残り回数と一致する数値(特別数値要素)と同一値になるように形成した。これにより、リーチ形成列の図柄が導出された段階でリーチ状態が形成されていなくても、合算後の数字に基づくリーチ状態が形成されることに期待を持たせることができるとともに、リーチとなった場合には、確変状態(特定遊技状態)が付与されることに期待を持たせることができる。
【0132】
(5)15R大当り遊技に当選している場合のみ合算リーチ演出によって確変上限回数の残り回数を報知可能とする一方で、2R大当り遊技に当選している場合は合算SR系の変動パターンを選択対象外とした。これにより、遊技者にとって最も有利度の高い大当りに当選している場合のみ、合算後の数値によって確変上限回数の残り回数が報知されることになる。すなわち、本実施形態では、変短状態の付与回数や確変上限回数に占める2R大当り遊技の種類及び割合によって賞球獲得数に差異が生じる構成となっている。さらに、見かけ上の遊技状態が小当り遊技と同一となるように設定しているため、2R大当り遊技に当選している際には、その種類や確変上限回数の残り回数を遊技者に分かり難くする態様が好ましい。したがって、15R大当り遊技に当選している場合のみ合算リーチ演出によって確変上限回数の残り回数を報知することで、確変上限回数の残り回数を分かり易く報知することができるとともに、その演出によって15R大当り遊技に当選したことによる優越感を与えることができる。
【0133】
(6)また、合算リーチ演出の実行後に大当りの図柄組み合わせが形成されるということは、合算リーチ演出が行われるほど、9回のうち特別図柄Aに基づく大当り遊技の占める割合が多いことになる。
【0134】
(7)はずれリーチ変動用の合算SR系の変動パターンを設定しているため、はずれとなる場合であってもグループ図柄を構成する数字の合体が起こった際には大当りとなることに期待を持たせることができる。
【0135】
(8)実際の確変上限回数よりも少ない数字による図柄組み合わせを導出させた後、次の大当り抽選への当選時に合算リーチ演出によって実際の確変上限回数と一致する数字による図柄組み合わせを導出させることにより、確変上限回数の残り回数が加算されたかのような印象を遊技者に与えることができる。
【0136】
なお、上記各実施形態は以下のように変更しても良い。
・ 各実施形態において、リーチとならないはずれ変動用の合算SR系の変動パターンを設定しても良い。
【0137】
・ 各実施形態において、SR系の変動パターンP2に基づく変動態様は、図12のような態様であっても良い。すなわち、左右列に導出されたグループ図柄を構成する数字の組み合わせが異なる場合であっても、その組み合わせの中に同一の数字が含まれる場合には(図12では「4」)、1つのリーチ状態が形成されることになる。
【0138】
・ 各実施形態における合算リーチ演出では、左右列に導出されたグループ図柄を構成する数字の合算値が同一となる場合、1つのリーチ状態を形成させるようにしても良い。例えば、図13では、左列に親数字X「1」と子数字Y「4」からなるグループ図柄が導出される一方で、右列に親数字X「2」と子数字Y「3」からなるグループ図柄が導出されている。この場合、左右列に導出された各グループ図柄を構成する数字の合算値が同一値となるため(この例では「5」)、1つのリーチ状態が形成されることになる。
【0139】
・ 各実施形態では、グループ図柄を構成する数字が3つ以上であっても良い(図14(a),(c))。この場合、3つの数字のうちいずれか2つの数字を合算させて新たなグループ図柄としても良い(図14(b)では、「2」と「3」)。そして、合算後のグループ図柄を構成する数字(図14(b)では、「5」)と右列に導出されたグループ図柄を構成する数字のうちいずれかの数字と一致する数字(図14(b)では、「5」)によって1つのリーチ状態を形成させるようにしても良い(図14(a),(b))。また、3つの数字のうちいずれか2つの数字を合算させて新たなグループ図柄とし、合算後のグループ図柄を構成する数字と右列に導出された1つの数字が付された飾り図柄とによって1つのリーチ状態を形成させるようにしても良い(図14(c),(d))。
【0140】
・ 各実施形態では、グループ図柄を構成する数字が3つ以上であっても良い(図15(a),(c))。この場合、3つの数字のうち3つの数字を合算させて1つの数字が付された新たな飾り図柄とし、合算後の数字(図15(a)では、「6」)と右列に導出されたグループ図柄を構成する数字のうちいずれかの数字と一致する数字(図15(b)では、「6」)によって1つのリーチ状態を形成させるようにしても良い(図15(a),(b))。また、3つの数字のうち3つの数字を合算させて1つの数字が付された新たな飾り図柄とし、合算後の数字(図15(c)では、「6」)右列に導出された1つの数字が付された飾り図柄とによって1つのリーチ状態を形成させるようにしても良い(図15(c),(d))。
【0141】
・ 各実施形態は、リミッタ機能を搭載していないパチンコ遊技機に採用しても良い。すなわち、確変状態を付与する確変大当りに当選している場合には、合算リーチ演出を実行させ、合算後のリーチ図柄によって確変大当りを確定的に認識し得る図柄組み合わせを導出させるようにしても良い。この場合、合算リーチ演出によって導出される確変大当りの図柄組み合わせを構成する図柄に付された数字が、特別数値要素となる。その一方で、非確変状態を付与する非確変大当りに当選している場合には、合算リーチ演出を実行させないようにしても良い。すなわち、合算リーチ演出によって確変大当りに当選していることに期待を持たせるようにしても良い。
【0142】
・ 各実施形態は、第2始動入賞口15を第1始動入賞口14と異なる位置に設置しても良い。例えば、第2始動入賞口15を演出表示装置11の右方に設置した場合、初回の大当りへの当選によって変短状態が付与されたのであれば、第2始動入賞口15に向かって遊技球を発射させた際に第1始動入賞口14に遊技球が入り難くなる。これにより、変短状態中に第1の変動ゲームが行われ難くなり、15R大当り遊技の当選機会が減少することを抑制できる。
【0143】
・ 各実施形態では、「低確+変短なし」又は「高確+変短なし」の遊技状態中に滞在可能な変短なし時のチャンスモードを設定しても良い。この演出モードには、「低確+変短なし」又は「高確+変短なし」の通常モード滞在中に小当り遊技に当選した場合に移行する。また、「高確+変短なし」の通常モード滞在中に特別図柄Eに基づく大当り遊技に当選した場合に移行する。
【0144】
・ 第2の実施形態において、15R大当り遊技に当選した1回目の大当りのみ、合算リーチ演出によって確変上限回数の残り回数を報知させるようにしても良い。このような場合、主制御用CPU30aは、回数指定コマンドに対応付けて大当りの種類も演出制御用CPU31aに指示するとともに、演出制御用CPU31aは、リミッタ機能が作動するまでの間、決定された大当りの種類を記憶しておく。そして、演出制御用CPU31aは、15R大当り遊技が指示された際に記憶した過去の大当りの種類を確認し、その中に15R大当り遊技が含まれていなければ、確変上限回数の残り回数に基づいて大当りの図柄組み合わせを決定する。その一方で、過去の大当りの中に15R大当り遊技が含まれていた場合、演出制御用CPU31aは、確変上限回数の残り回数を参照することなく大当りの図柄組み合わせを決定する。
【0145】
・ 各実施形態において、親数字Xからの子数字Yの分岐タイミングは、中列における図柄の低速変動中としても良い。これにより、リーチ形成列に図柄が停止表示された時点ではリーチ状態が形成されず、中列の図柄が停止する直前に親数字Xから子数字Yが分岐され、これらの数字の合算値によって新たな飾り図柄に変換されてリーチ状態が形成されることになる。したがって、遊技者により一層、リーチ形成列に図柄が停止表示された時点でリーチが形成されていない場合であっても、停止中の図柄がグループ図柄となり、新たな数字が付された飾り図柄になることに期待を持たせることができる。
【0146】
・ 各実施形態における特定遊技状態は、変短状態の付与回数等であっても良い。
・ 第2の実施形態では、SR系の変動内容と合算SR系の変動内容を1つの変動パターンに対応付け、演出制御用CPU31aによって、確変上限回数の残り回数に応じてどちらの内容にするかが決定されるようにしても良い。すなわち、確変上限回数の残り回数が「3回」〜「9回」の場合には、SR系の変動内容と合算SR系の変動内容のどちらも選択可能とし、「0回」〜「2回」は、SR系の変動内容のみ選択させるように設定しても良い。
【0147】
・ 各実施形態では、確定停止表示される図柄組み合わせを構成する図柄を本物図柄とし、その本物図柄と仮図柄によってグループ図柄を構成しても良い。すなわち、SR系の変動パターンP2又はWR系の変動パターンP3が選択された場合、必ず本物図柄によってリーチが形成されるとともに、そのリーチを形成している図柄を含む図柄組み合わせが確定停止表示されることになる。
【0148】
・ 各実施形態では、グループ図柄を構成する数字の組み合わせを予め定めた組み合わせパターンとして記憶しても良い。
・ 各実施形態では、その情報から数値を連想できる数値要素として「数字」を設定したが、数値を連想できる情報であれば、数値要素はどのような情報であっても良い。例えば、「3個」のりんごが付された図柄であれば、数値「3」が連想できる。
【0149】
・ 各実施形態は、再抽選演出を行うパチンコ遊技機に採用しても良い。なお、再抽選演出とは、図柄変動ゲーム中に仮の大当り図柄(飾り図柄による図柄組み合わせ)を一旦停止表示させた後、最終的に確定停止表示される大当り図柄(飾り図柄による図柄組み合わせ)を導出する演出態様で行われる。この場合、演出制御用CPU31aは、合算値が仮の大当り図柄を構成する図柄に付された数字と一致するグループ図柄を決定することになる。
【0150】
・ 各実施形態において、演出制御基板31を、演出表示装置11を制御する演出表示制御基板と、演出表示制御基板を制御するサブ統括制御基板とに分けても良い。
・ 各実施形態において、特別図柄と飾り図柄を用いるパチンコ遊技機に具体化したが、特別図柄のみを用いるパチンコ遊技機に具体化しても良い。
【符号の説明】
【0151】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記数値要素には、大当りとなる場合に、大当り遊技終了後、遊技者に有利な特定遊技状態が付与されることを確定的に認識し得る特別数値要素を含み、前記リーチ形成演出の演出内容が前記第3演出内容となる場合の前記複数要素図柄は、前記合算値が前記特別数値要素と同一値になるように形成されている請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【0152】
(ロ)前記特定遊技状態は、大当り遊技終了後に大当り抽選の抽選確率を高確率とする確変状態であって、前記大当り抽選への当選によって前記確変状態が付与される場合に前記第3演出内容で前記リーチ演出が実行されるとき、前記複数要素図柄は、前記合算値が前記特別数値要素と同一値になるように形成されていることを特徴とする技術的思想(イ)に記載の遊技機。
【0153】
(ハ)前記大当り抽選への当選回数が前記規定回数に到達したことによって前記大当り遊技終了後の前記大当り抽選の抽選確率が低確率と設定された後に、前記当選回数の計数値がリセットされることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【0154】
GH…画像表示部、SW1,SW2…始動口スイッチ、10…遊技盤、11…演出表示装置、12a,12b…特別図柄表示装置、13…普通図柄表示装置、14,15…始動入賞口、16…開閉羽根、17…大入賞口扉、18…大入賞口、30…主制御基板、30a…主制御用CPU、30b…主制御用ROM、30c…主制御用RAM、31…演出制御基板、31a…演出制御用CPU、31c…演出制御用RAM。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
数値要素を有する図柄を複数列で変動させて行う図柄変動ゲームを表示する表示装置を備え、リーチ抽選に当選した場合には、前記複数列のうち、予め定めた複数のリーチ形成列に同一数値要素を有する図柄を停止表示させることにより、単数又は複数のリーチ状態を形成させる遊技機において、
前記表示装置における前記図柄変動ゲームの表示内容を制御する制御手段を備え、
前記図柄には、単数の数値要素で構成される単数要素図柄及び複数の数値要素で構成される複数要素図柄を含み、
前記制御手段は、前記リーチ抽選に当選した場合、少なくとも1つのリーチ形成列に、前記複数要素図柄を停止表示させることによって前記リーチ状態を形成するリーチ形成演出を実行させ、
前記リーチ形成演出の演出内容として、前記複数のリーチ形成列のうち1列に前記複数要素図柄を停止表示させるとともに、他列に前記複数要素図柄を構成する複数の数値要素のうち1つの数値要素と同一数値要素を有する単数要素図柄又は複数要素図柄を停止表示させることによって単数リーチ状態を形成する第1演出内容と、各リーチ形成列に2つ以上の同一数値要素を有する複数要素図柄を停止表示させることによって複数リーチ状態を形成する第2演出内容と、前記複数のリーチ形成列のうち1列に前記複数要素図柄を停止表示させるとともに、他列に前記複数要素図柄を構成する数値要素の一部又は全部の合算値を数値要素に含む単数要素図柄又は複数要素図柄を停止表示させ、前記1列に停止表示させた前記複数要素図柄を、前記合算値を数値要素に含む単数要素図柄又は複数要素図柄に変更表示させることによって単数リーチ状態又は複数リーチ状態を形成する第3演出内容と、を設定したことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記複数要素図柄は、当該複数要素図柄を構成する数値要素の合算値が、前記単数要素図柄のうち最も大きい数値要素を越えないように形成されている請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
大当りか否かの大当り抽選への当選回数が予め定めた規定回数に到達する迄、大当り遊技終了後に前記大当り抽選の抽選確率を高確率とする確変状態を付与する一方で、前記大当り抽選への当選回数が前記規定回数に到達した時点で、前記大当り遊技終了後の前記大当り抽選の抽選確率を低確率とする状態制御手段と、
前記大当り抽選に当選する度に当選回数が前記規定回数に到達したか否かを判定する判定手段と、を備え、
前記数値要素には、大当りとなる場合に、大当り遊技終了後、前記確変状態が付与されることを確定的に認識し得る特別数値要素を含み、
前記リーチ形成演出の演出内容が前記第3演出内容となる場合において前記大当り抽選の当選回数が前記規定回数に到達していないとき、前記複数要素図柄は、前記合算値が前記規定回数に到達するまでの残り回数となる前記特別数値要素と同一値となるように形成されている請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【請求項1】
数値要素を有する図柄を複数列で変動させて行う図柄変動ゲームを表示する表示装置を備え、リーチ抽選に当選した場合には、前記複数列のうち、予め定めた複数のリーチ形成列に同一数値要素を有する図柄を停止表示させることにより、単数又は複数のリーチ状態を形成させる遊技機において、
前記表示装置における前記図柄変動ゲームの表示内容を制御する制御手段を備え、
前記図柄には、単数の数値要素で構成される単数要素図柄及び複数の数値要素で構成される複数要素図柄を含み、
前記制御手段は、前記リーチ抽選に当選した場合、少なくとも1つのリーチ形成列に、前記複数要素図柄を停止表示させることによって前記リーチ状態を形成するリーチ形成演出を実行させ、
前記リーチ形成演出の演出内容として、前記複数のリーチ形成列のうち1列に前記複数要素図柄を停止表示させるとともに、他列に前記複数要素図柄を構成する複数の数値要素のうち1つの数値要素と同一数値要素を有する単数要素図柄又は複数要素図柄を停止表示させることによって単数リーチ状態を形成する第1演出内容と、各リーチ形成列に2つ以上の同一数値要素を有する複数要素図柄を停止表示させることによって複数リーチ状態を形成する第2演出内容と、前記複数のリーチ形成列のうち1列に前記複数要素図柄を停止表示させるとともに、他列に前記複数要素図柄を構成する数値要素の一部又は全部の合算値を数値要素に含む単数要素図柄又は複数要素図柄を停止表示させ、前記1列に停止表示させた前記複数要素図柄を、前記合算値を数値要素に含む単数要素図柄又は複数要素図柄に変更表示させることによって単数リーチ状態又は複数リーチ状態を形成する第3演出内容と、を設定したことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記複数要素図柄は、当該複数要素図柄を構成する数値要素の合算値が、前記単数要素図柄のうち最も大きい数値要素を越えないように形成されている請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
大当りか否かの大当り抽選への当選回数が予め定めた規定回数に到達する迄、大当り遊技終了後に前記大当り抽選の抽選確率を高確率とする確変状態を付与する一方で、前記大当り抽選への当選回数が前記規定回数に到達した時点で、前記大当り遊技終了後の前記大当り抽選の抽選確率を低確率とする状態制御手段と、
前記大当り抽選に当選する度に当選回数が前記規定回数に到達したか否かを判定する判定手段と、を備え、
前記数値要素には、大当りとなる場合に、大当り遊技終了後、前記確変状態が付与されることを確定的に認識し得る特別数値要素を含み、
前記リーチ形成演出の演出内容が前記第3演出内容となる場合において前記大当り抽選の当選回数が前記規定回数に到達していないとき、前記複数要素図柄は、前記合算値が前記規定回数に到達するまでの残り回数となる前記特別数値要素と同一値となるように形成されている請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−45308(P2012−45308A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−192479(P2010−192479)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】
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