説明

遊技機

【課題】大当り終了後の状態が連続して所定回数、高確率状態になると、強制的に低確率状態となる遊技機において、電源復帰後の遊技状態を詳細に知ることができるようにする。
【解決手段】遊技機の電源投入時に遊技状態の復旧が行なわれ、確変中であると(S1050:yes)、確変リミッタを参照する(S1055)。確変リミッタは、あと何回大当りになると確変状態が終了するかを示す値である。その確変リミッタに基づいて、点灯パターン選択処理(S1060)を実行し、確変状態表示(S1065)を行なう。つまり、電源投入時に確率変動状態であった場合には、確率変動である旨だけでなく、確変リミッタも報知される。従って、電源復旧時の遊技状態を詳細に知ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものであり、特に、大当り終了後の状態が連続して所定回数、高確率状態になると、強制的に低確率状態となる遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、一度の当りで、後に続く複数回の当りがほぼ確約された状態で遊技できるワンセット機がある(文献1)。例えば、5回ワンセットの遊技機においては、通常状態から大当りした場合、大当り終了後の状態は必ず高確率状態となり、更に3回大当りするまで同じことが繰り返される。そして初回を含め5回目の大当りが発生すると、一転して大当り終了後の状態は必ず低確率状態(通常状態)となる。つまり1回の大当りで5回の大当りが保証され、その後は通常状態に戻るので6回目の大当りは自力で得る必要がある。このタイプは、多量の遊技球を得やすく、持玉での遊技が持続し易い、安定した遊技進行となる特徴がある。なお、これに近いタイプとして、大当り後の状態が100%、高確率状態になるわけではないが、連続して何度か高確率状態になると、強制的に低確率状態になるものもある。
一方、演出のために小当りを設けて、大当りに小当り遊技と同じ開放パターンを備えることにより潜伏演出を行うものがある(文献2)。遊技者は見た目上、小当りか大当りか分らず、大当りが発生すると確率変動が付与されるものならば、小当りに当選したときも確率変動が作動したかもしれないという期待感を抱きながら遊技機を行うことが可能となる。
【0003】
更に近年、これら両者を組合せ、潜伏演出をワンセット機に搭載したものがある。こうすることで、小当りと大当りを区別できない大当りによりワンセット機なのに残り回数が分り難くすることができる。また小当りと同じ開放パターンでは賞球を得ることがほぼできないため、同じ大当り回数でも獲得できる遊技球数に大幅な差を生じさせることができ、非常に波の荒い遊技性を奏することができる。
【0004】
上記に挙げた遊技機以外にも、近年は多様な遊技状態を駆使した遊技機が多くなっていることから、正確な遊技状態を把握し易くするための遊技状態を報知する装置を備えるものもある(文献3)。
潜伏演出を搭載した遊技機は、前述のように遊技者の期待感をあおることができる反面、遊技機の電源を遮断し、再投入した場合には、ホール関係者も遊技状態を把握し辛いという欠点がある。そこで、バックアップ機能を生かした状態で電源復帰すると、高確率状態か否かを報知する技術がある(文献4)。普段は潜伏演出を生かすために遊技状態は報知しないが、電源立ち上げ時は正確に報知することにより、遊技店側が遊技機の状態を正確に把握できる。また、モーニング等の不正を防止する効果もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−252483号公報
【特許文献2】特開2009−089832号公報
【特許文献3】特開2006−180908号公報
【特許文献4】特開2008−220841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述のようなワンセット機では、電源立ち上げ時に高確率状態か否かを報知するだけでは不十分である。仮に5回ワンセットの遊技機の場合、低確率になるまであと4回当てることができるか1回大当りをしただけで低確率になってしまうかでは遊技状態がかなり異なることになる。これらを一律に「高確率状態」として報知するのは正確に遊技状態を報知しているとは言いがたい。
本発明は係る課題に鑑みなされたものであり、電源立ち上げ時に詳細な遊技情報を報知可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の本発明は、遊技状態を記憶し、当該遊技機の電源を投入すると、前記記憶された遊技状態に基づいて電源遮断直前の遊技状態から遊技を再開する遊技状態復旧手段と、遊技領域に設けられた始動口への入球に起因して抽出される乱数値に基づいて、大入賞口を開放する大入賞口開放遊技を実行するか否かを抽選する大入賞口開放遊技抽選手段と、前記大入賞口開放遊技の終了後の状態を、前記抽選の当選確率を通常の確率で行なう通常確率状態にするか前記通常の確率よりも高い確率で行なう高確率状態にするかを抽選する確率抽選手段と、前記確率抽選手段により、予め定められた回数、連続して高確率状態が選択された場合には、その後に大入賞口開放遊技抽選手段によって実行された前記大入賞口開放遊技の終了後の状態を前記通常確率状態にする確率低下手段と、を備えた遊技機において、電源が投入され、前記遊技状態復旧手段により再現された遊技状態が高確率状態であった場合に、前記確率低下手段により前記通常確率状態にされるまでに連続して発生させることが可能な前記高確率状態の回数を報知する回数報知動作を行なう高確率状態回数報知手段を備えたことを特徴とする。
【0008】
なお、確率抽選手段が行なう抽選には、必ず高確率状態にするものも含まれる(例えば請求項2の態様)。つまりこの場合、大入賞口開放遊技が発生すると、その終了後に必ず高確率状態になることになる。ただし、確率低下手段は、連続して予め定められた回数(リミッタともいう)、高確率状態になると、通常確率状態にするので、リミッタに到達した場合には、高確率状態にはならない。また始動口や大入賞口は複数存在しても構わない。
【0009】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記大入賞口開放遊技には、大入賞口が開放するパターンである開放パターンが異なるものが複数通りあり、前記確率抽選手段が、前記大入賞口開放遊技の終了後の状態を、前記高確率状態にするものであり、前記確率低下手段は、予め定められた回数、連続して高確率状態が選択された場合には、前記確率抽選手段の選択結果に関わらず前記大入賞口開放遊技の終了後の状態を前記通常確率状態にするものであり、前記始動口への入球に起因して抽出される乱数値に基づいて、前記大入賞口開放遊技の内の一部と同じ開放パターンで大入賞口を開放する小当り遊技を実行するか否かを抽選する小当り遊技抽選手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の本発明は、請求項2に記載の遊技機において、前記始動口が、開閉可能な翼片を備え、該翼片が開放されることにより、翼片が閉鎖された状態よりも該始動口への入球が容易な状態になるものであり、遊技領域に設けられた入球口と、該入球口への入球に起因して抽出される乱数値に基づいて、前記翼片を開放するか否かを抽選する始動口開放遊技抽選手段と、該始動口開放遊技抽選手段によって前記翼片が開放される頻度が通常の状態にするか、該開放される頻度を通常の状態よりも高い開放延長状態にするかを選択する開放延長状態選択手段と、を備え、該開放延長状態選択手段は、前記小当り遊技抽選手段により小当り遊技が実行された直後には、前記開放延長状態にするか否かの抽選を行なわず、該小当り遊技の同じ開放パターンの前記大入賞口開放遊技が行なわれ且つ該大入賞口開放遊技の終了後に高確率状態となる場合には、前記開放延長状態にするか否かの選択を行なうものであり、前記小当り遊技抽選手段は、始動口への入球に起因して抽出される乱数値に基づいて、前記大入賞口開放遊技の内の一部と同じ開放パターンで大入賞口を開放する小当り遊技を実行するか否かを抽選するものであり、前記高確率状態回数報知手段は、前記遊技状態復旧手段により再現された遊技状態が高確率状態であって且つ前記開放延長状態ではない場合に、前記確率低下手段により前記通常確率状態にされるまでに連続して発生させることが可能な前記高確率状態の回数を報知するものであることを特徴とする。
【0011】
つまり、大入賞口開放遊技の中には、開放パターンが小当り遊技と同じものが存在し、しかも開放延長状態選択手段が、その大入賞口開放遊技のあとで開放延長状態を選択しなかった場合には、小当り遊技との判別が困難になる。なお、開放延長状態選択手段が開放延長状態にするか否かを選択するのは、大入賞口開放遊技の終了時でなくとも良い。例えば、その大入賞口開放遊技を発生させることとなった大入賞口開放遊技抽選手段の抽選時に行なってもよいし、該大入賞口開放遊技抽選手段の抽選や、確率抽選手段による抽選が、開放延長状態選択手段による選択を兼ねていてもよい。
【0012】
また、始動口が複数存在する場合には、その内の少なくとも一つが翼片を備えた始動口であればよい。なお、翼片が閉鎖された状態では、翼片を備えた始動口への入球が不可能になっても構わない。また、翼片が開放される頻度が高い状態とは、始動口開放遊技抽選手段による抽選が1回当るごとに、翼片が開放される時間が延長されたり、開放される回数が増加されたりする態様を挙げることができる。また、始動口開放遊技抽選手段による抽選に当選する確率が上昇してもよいし、これらの内の幾つか(全てを含む)が同時に発生しても良い。なお、この翼片開放の契機となる入球口への入球とは、入球した遊技球を遊技領域の裏側へと誘導することでもよいし、入球した遊技球をそのまま遊技領域に戻す(つまりこの場合、遊技球は入球口を通過するだけとなる)ことでもよい。
【0013】
請求項4に記載の本発明は、請求項3に記載の遊技機において、前記開放延長状態選択手段は、前記開放延長状態を発生させる場合には、予め定められた回数、前記大入賞口開放遊技抽選手段による抽選が行なわれるまで該開放延長状態を継続するか、或いは前記大入賞口開放遊技が実行されるまで前記開放延長状態を継続するかを選択するものであり、電源が投入され、前記遊技状態復旧手段により再現された遊技状態が前記開放延長状態であった場合に、該開放延長状態の継続が終了する条件を報知する開放延長状態報知手段を備えたことを特徴とする。
なお、本請求項における「予め定められた回数」は、前記確率低下手段に係る「予め定められた回数」とは無関係である。
【0014】
請求項5に記載の本発明は、請求項2から4のいずれか1項に記載の遊技機において、前記高確率状態回数報知手段は、前記確率低下手段により前記通常確率状態にされるまで、前記回数報知動作を行なうものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の遊技機は、大当り後に高確率状態になるか通常確率状態になるかが抽選され、連続して高確率になった回数が、前記リミッタに到達すると、確率低下手段により強制的に低確率になる。そして、電源投入時に復旧された遊技状態が高確率状態であれば、あと連続して何回、高確率状態にすることができるかが報知されるので、より詳細な遊技状態の報知を受けることができる。
【0016】
請求項2に記載の遊技機においては、大入賞口開放遊技が発生すると、その終了後に確率抽選手段によって必ず高確率状態となる。ただし大入賞口開放遊技の発生回数がリミッタに到達すると、確率低下手段により通常確率状態になる。従って、大入賞口開放遊技の発生回数をカウントしていれば、リミッタまでの回数が判明する。ただし、本遊技機においては、大入賞口開放遊技とは別に小当り遊技が存在し、且つ大入賞口開放遊技の中には小当り遊技と同じ開放パターン(共通パターンという)となっているものが存在する。従ってこうした遊技機においては、開放パターンだけを見ていると、リミッタまでの回数が分かりにくくなる。本発明によれば、このような遊技機においても、電源投入時に復旧された遊技状態が高確率状態であれば、リミッタまでの回数が報知されるので、適切に遊技状態の報知を受けることができる。
【0017】
請求項3に記載の遊技機においては、大入賞口が共通パターンで開放され、その後に開放延長状態にならなかった場合には、それが大入賞口開放遊技だったのか小当り遊技だったのかが非常に分かりにくい。
高確率状態回数報知手段は、電源復旧時の遊技状態が高確率状態であって且つ開放延長状態ではない場合に、リミッタの回数を報知するので、報知内容が極めて重要度の高いものとなる。
【0018】
請求項4に記載の遊技機においては、電源復旧時の遊技状態が開放延長状態であれば、開放延長状態報知手段が、その開放延長状態が所定回数、大入賞口開放遊技抽選手段による抽選が行なわれるまで継続されるか、次回の大当りまで開放延長状態が継続されるかを報知するので、より詳細な遊技状態の報知を受けることができる。
【0019】
請求項5に記載の遊技機においては、高確率状態回数報知手段が、確率低下手段により通常確率状態にされるまで、回数報知動作を継続する。所定回数、大入賞口開放遊技が発生することが保証される遊技機においては、この所定回数分の大入賞口開放遊技を1つの特別遊技状態として捉えることができるので、それに合わせた報知内容となっている。これにより遊技性に沿った演出を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施例のパチンコ機の遊技盤10の正面図
【図2】パチンコ機が備える状態報知装置15の拡大図
【図3】パチンコ機の電気構成図
【図4】パチンコ機の主制御装置80で実行される起動処理の概要を示すフローチャート
【図5】パチンコ機の主制御装置80で実行されるメインルーチンの概要を示すフローチャート
【図6】主制御装置80が実行する当否判定処理のフローチャート1
【図7】主制御装置80が実行する当否判定処理のフローチャート2
【図8】主制御装置80が実行する当否判定処理のフローチャート3
【図9】主制御装置80が実行する当否判定処理のフローチャート4
【図10】主制御装置80が実行する当否判定処理のフローチャート5
【図11】主制御装置80が実行する通常状態報知表示処理のフローチャート
【図12】主制御装置80が実行する状態告知表示処理のフローチャート
【図13】主制御装置80が実行する特別遊技処理のフローチャート1
【図14】主制御装置80が実行する特別遊技処理のフローチャート2
【図15】主制御装置80が実行する特別遊技処理のフローチャート3
【図16】主制御装置80が実行する小当り遊技処理のフローチャート
【図17】主制御装置80が実行する状態報知装置点灯処理1のフローチャート
【図18】主制御装置80が実行する点灯パターン選択処理のフローチャート
【図19】点灯パターン選択処理により行なわれる報知動作の態様を示す説明図
【図20】第2実施例のパチンコ機が備える状態報知装置15の拡大図
【図21】第2実施例のパチンコ機の電気構成図
【図22】第2実施例の主制御装置80が実行する状態報知装置点灯処理2のフローチャート
【図23】第3実施例のパチンコ機が備える状態報知装置15の拡大図
【図24】第3実施例のパチンコ機の電気構成図
【図25】第3実施例の主制御装置80が実行する状態報知装置点灯処理3のフローチャート
【図26】第3実施例の時短状態A報知装置および時短状態B報知装置にて行なわれる報知動作の態様を示す説明図
【図27】他の実施例のパチンコ機が備える状態報知装置15の拡大図
【図28】他の実施例のパチンコ機が備える演出図柄表示装置6にて報知動作を行なう例の説明図
【図29】他の実施例の主制御装置80が実行する状態報知装置点灯処理4のフローチャート
【図30】他の実施例の主制御装置80が実行する当否判定処理の一部を示すフローチャート
【図31】他の実施例の主制御装置80が実行する状態報知装置点灯処理5のフローチャート
【図32】他の実施例のパチンコ機が備える状態報知装置15の拡大図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
[実施例1]
図1は、本実施例のパチンコ機の遊技盤1の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に従っているので図示及び説明は省略する。図1に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられている。この遊技領域3には多数の遊技釘が打ち付けられている。
【0022】
遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり擬似図柄を表示する。)の画面を臨ませる窓等を備えている。
センターケース5の左方やや下には、複数個の7セグメント表示装置や複数個のLEDを備えた状態報知装置15が設置されている。センターケース5の左方にはゲート17が配置され、センターケース5の下には、第1始動口11と第2始動口12とがユニット化された複合入賞装置13が配置されている。第2始動口12は開閉可能な翼片を供えた普通電動役物を備えており、この翼片が開放しないと遊技球は第2始動口12に入球できない構成となっている。
【0023】
状態報知装置15の拡大図を図2に示す。状態報知装置15は、普通図柄表示装置7と、普通図柄保留数表示装置8と、第1特別図柄表示装置9・第2特別図柄表示装置10と、第1特別図柄保留数表示装置18・第2特別図柄保留数表示装置19と、特別電動役物作動中表示装置41と、確率変動状態報知表示装置43と、時短状態報知表示装置45とを備えている。普通図柄表示装置7は2個のLEDからなり、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、普通図柄保留数表示装置8、および確率変動状態報知表示装置43はそれぞれ4個のLEDからなる。また第1特別図柄表示装置9および第2特別図柄表示装置10は、それぞれ1桁の7セグメント表示装置からなり、特別電動役物作動中表示装置41および時短状態報知表示装置45は1個のLEDからなる。なお、第1特別図柄とは第1始動入賞口11に入球したことに起因して第1特別図柄表示装置9において変動表示され確定表示される特別図柄であり、第2特別図柄とは第2始動入賞口12に入球したことに起因して第2特別図柄表示装置10において変動表示され確定表示される特別図柄である。第1始動口11への入球が発生した際に、第1特別図柄が変動中などの理由により、新たに第1特別図柄の変動表示を開始できない場合には、その入球に伴って発生される乱数を記憶するのが第1特別図柄の保留であり、保留数が第1特別図柄保留数表示装置18に表示される。第2特別図柄に関しても同様に保留および保留数の表示が行なわれる。普通図柄とは、ゲート17を遊技球が通過したことに起因して普通図柄表示装置7において変動表示され確定表示されるものであり、ゲート17を遊技球が通過した際に、普通図柄が変動中などの理由により、新たに普通図柄の変動表示を開始できない場合には、その通過に伴って発生される乱数を記憶するのが普通図柄の保留であり、保留数が普通図柄保留数表示装置8に表示される。
【0024】
図1に戻る。複合入賞装置の下方にはアタッカー式の大入賞口14が配置されている。また、複合入賞装置13の左方には、第1左入賞口31、第2左入賞口32、及び第3左入賞口33が設けられ、複合入賞装置13の右側には右入賞口34が設けられている。なお、この第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、右入賞口34が、常時、入球率が変化しない普通入賞口である。
【0025】
このパチンコ機の電気的構成は、図3のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0026】
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させるゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33に入球した遊技球を検出する左入賞口スイッチ31a、右入賞口34に入球した遊技球を検出する右入賞口スイッチ34a等の検出信号が入力される。
【0027】
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。
また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている普通図柄表示装置7、普通図柄保留数表示装置8、第1特別図柄表示装置9・第2特別図柄表示装置10、第1特別図柄保留数表示装置18・第2特別図柄保留数表示装置19、特別電動役物作動中表示装置41、確率変動状態報知表示装置43、時短状態報知表示装置45を制御する。
【0028】
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド(図3では普電役物ソレノイドと表記)12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。
【0029】
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールメインコンピュータに送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
【0030】
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
【0031】
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
【0032】
また、払出制御装置81は払出中継端子板76を介して払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示装置25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸スイッチ57、精算を要求するための精算スイッチ58、残高表示器が接続されている。
【0033】
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータ87に送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
なお本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
【0034】
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルを触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射できないようになっている。
【0035】
サブ統合制御装置83はサブ制御装置に該当し、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカからの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。 また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67が接続されており、遊技者が演出ボタン67を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
【0036】
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、擬似図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面6aに表示させる。
【0037】
パチンコ機の電源が投入された際に実行される起動処理を図4に従って説明する。本処理が起動されると、図示しないセキュリティーチェックが終了した後に、主制御CPUは先ず電源投入時処理を実行する。
ここでは、RAM初期設定処理(S10)を行ってから、RAMクリア信号が入力されたか否か、すなわちRAM消去か否かを判断(S20)して、肯定判断ならば(S20:yes)RAM消去(S70)を行い、サブ統合制御装置83へ初期画面指定コマンドを送信(S80)する。
【0038】
否定判断(S20:no)のときは、RAM保証値が1か否かを判断する(S30)。RAM保証値が1でなければ(S30:no)RAM消去(S70)、初期画面指定コマンド送信(S80)を行い、RAM保証値が1なら(S30:yes)、SUM値作成処理(S40)を行い、SUM値が0か否かを判断する(S50)。SUM値が0でなければ(S50:no)RAM消去(S70)、初期画面指定コマンド送信(S80)を行い、SUM値が0なら(S50:yes)、電源復帰処理(S60)を実行し、状態報知装置点灯処理(S65)を行なう。
本実施例ではS65またはS80の実行で電源投入時処理が終了し、残余処理が始まる。
【0039】
続いて残余処理の説明を開始する。ここでは、通常割込信号(INT信号)の受信を禁止し(S90)、強制割込信号(NMI信号)が入力されたか否かを示すNMIフラグが0か否かを判断する(S100)。NMIフラグが0なら(S100:yes)、初期値乱数更新処理1(S110)、初期値乱数更新処理2(S120)、初期値乱数更新処理3(S130)を実行して、割り込み禁止を解除し(S140)、S90に戻る。なお、本実施例の初期値乱数更新処理は、当りとなるか否かの判定に使用する乱数カウンタの周期性を排除するために、乱数カウンタの初期値を更新する処理である。
この残余処理中にINT割り込みがあると、割り込み禁止が解除(S140)された後に割り込み(INT)処理にジャンプする。
【0040】
S90〜S140の処理を繰り返す内に、NMIフラグが1になると(S100:no)、バックアップ処理に移行して、SUM値を作成し(S150)、RAM保証値を1にして(S160)、RAMライトプロテクト処理(S170)によりRAMの書き込みを禁止する。
【0041】
メインルーチンを図5に従って説明する。メインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施形態では、S200〜S260までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS265の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
【0042】
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S200)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
【0043】
正常割り込みでないと判断されると(S200:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S205)、残余処理(S265)に移行する。
【0044】
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S200:yes)、初期値乱数更新処理が実行される(S210)。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「299」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「299」までの300個の整数を繰り返し昇順に作成する。
【0045】
続く大当り決定用乱数更新処理(S215)は、初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、最大値である「299」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「299」までの300個の整数を繰り返し昇順に作成する。なお、大当り決定用乱数の最初の値は、初期値乱数設定処理で設定された値となる。この値が250であったとすると、大当り決定用乱数は「250」「251」「252」・・・「299」「0」「1」・・・と更新されていく。
【0046】
なお、大当り決定用乱数が1巡(300回、更新されること)すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にし、大当り決定用乱数は、その初期値から+1するインクリメント処理を行う。そして、再び大当り決定用乱数が1巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前述の例では大当り決定用乱数が「249」になると1巡であるから、「249」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「87」だったとすると、「249」「87」「88」・・・「299」「0」「1」・・・「86」と変化していき、「86」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。
大当り図柄決定用乱数1更新処理(S220)は「0」〜「9」の10個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。大当り図柄決定用乱数2更新処理(S225)も同様の処理であり、「0」〜「9」の10個の整数を繰り返し作成し、本処理毎に+1され最大値を超えると「0」に戻る。
【0047】
S225に続く当り決定用乱数更新処理(S230)は、「0」〜「82」の83個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、当り決定用乱数更新処理は普通図柄の抽選に使用し、当選すると翼片が開放する。当選することとなる値の数は通常時は1、時短時は83である。つまり非時短時は1/83の確率で普通図柄が当選し、時短時は100%当選する。この抽選を行なう処理が本発明の「始動口開放遊技抽選手段」に相当し、時短状態にするか非時短状態にするかを選択する処理が「開放延長状態選択手段」に相当する。時短・非時短のいずれの状態になるかは、当った特別図柄の種類やリミッタが作動したか否かに応じて決定される。なお、その他の初期値乱数、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は特別図柄の抽選に使用する。
【0048】
リーチ判定用乱数更新処理(S235)は、「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。変動パターン決定用乱数更新処理(S240)は、「0」〜「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0049】
続く入賞確認処理(S245)では、第1始動口11、第2始動口12の入賞の確認及びパチンコ機50に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。
本実施例では、遊技球が第1始動口11、第2始動口12に入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数を取得されるのだが、保留記憶できる数を第1始動口11と第2始動口12をあわせて4個までとしており、保留記憶が満タンである4個のときに遊技球が第1始動口11又は第2始動口12に入賞しても賞球が払出されるだけで、前記複数の乱数は保留記憶されない構成になっている。
【0050】
続いて、大当りか否かを判定する条件成立判定手段としての当否判定処理(S250)を行う。この当否判定処理が終了すると、続いて画像出力処理等の各出力処理(S255)が実行される。各出力処理では、遊技の進行に応じて主制御装置80は演出図柄制御装置82、払出制御装置81、発射制御装置84、サブ統合制御装置83、大入賞口ソレノイド14b等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S245)により遊技盤1上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置81に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置83に出力する処理を、パチンコ機50に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置82にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
【0051】
続く不正監視処理(S260)は、普通入賞口(第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、右入賞口34)に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。つまり、不正判断手段は、主制御装置80に設けている。
【0052】
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数更新処理(S265)から構成されるが、前述したS210と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS200〜S260までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。大当り決定用乱数が1巡したときの、初期値乱数の値(0〜299の300通り)が、同程度に発生するとすれば、同期する確率はわずか1/300である。また、前述した当り決定用乱数更新処理(S35)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
【0053】
S250の当否判定処理は図6〜10に示すようなもので、主制御装置80は、条件装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S300)。S300の判定が否定判断で、特別図柄が変動中でなく(S305:no)、確定図柄の表示中でもなく(S310:no)、保留記憶が0でなければ(S315:no)、保留記憶の中で最も古いものを読み込んで(その保留記憶は消去する)、確変フラグがセットされている(すなわち1)か否かを判定する(S320)。ここで確変フラグが1とは、現在のパチンコ機が高確率遊技状態であることを意味する。肯定判断であれば(S320:yes)、読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当り値と照合する(S325)。
否定判断であれば(S320:no)、読み込んだ大当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合する(S330)。本実施例の場合、通常確率状態時には1/300の確率で当選し、高確率遊技状態には1/30の確率で当選する。
【0054】
S325またはS330の判定に基づき、大当りか否かを判定し(S335)、否定判定された場合は、小当りか否かを判定し(S340)、肯定判断であれば、S345にて変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定し、否定判断であればS350にて変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定する。こうしてS345またはS350にて変動パターンが決定されると、変動コマンドをサブ統合制御装置83に送信(S355)し、特別遊技処理を行なう。
【0055】
S335において肯定判定、すなわち大当りと判定されると(S335:yes)、図7のS400に移行し、大当り図柄決定用乱数に基づき大当り図柄を決定する。なお、第1特別図柄の大当り図柄の振分は、大当り図柄1は25%(10ラウンド、開放パターンA、大当り後の状態は高確率で時短あり)、大当り図柄2は25%(10ラウンド、開放パターンB、大当り後の状態は高確率で時短あり)、大当り図柄3は50%(10ラウンド、開放パターンB、大当り後の状態は高確率で時短なし)となっている。また、第2特別図柄は大当り図柄1〜3のいずれであっても10ラウンド、開放パターンA、大当り後の状態は高確率で時短ありとなっている。ここで開放パターンAとは大入賞口14を10回開放させ、1回の開放(1ラウンド)は、遊技球が10個入賞するか28秒経過することにより終了するものとなっている。開放パターンBは、大入賞口14を10回開放させ、1回の開放(1ラウンド)は、遊技球が10個入賞するか0.06秒経過することにより終了する。
【0056】
S405にてリミッタフラグが1か否かを判定する。リミッタフラグとは、あと1回大当りになると、リミッタが作動して低確率状態になる場合に1になり、それ以外の場合は0になるものである。本実施例のパチンコ機は低確率状態で大当りになると、その大当り遊技の終了後に必ず高確率状態となり、その状態が初回を含め5回大当りが発生するまで続く。5回大当りが発生すると、低確率状態に戻る。つまり低確率状態から4回大当りが発生するとリミッタフラグがゼロになる。なお、低確率状態に戻る際に表示される特別図柄の振分は、第1特別図柄、第2特別図柄とも大当り図柄1は25%(10ラウンド、開放パターンA、大当り後の状態は特別図柄が100回変動されるまで時短あり)、大当り図柄2は25%(10ラウンド、開放パターンB、大当り後の状態は特別図柄が50回変動されるまで時短あり)、大当り図柄3は50%(10ラウンド、開放パターンB、大当り後の状態は時短なし)となっている。否定判定(S405:no)ならばリミットカウンタを+1し(S410)、リミッタカウンタが4であるか否かを判定する(S415)。ここでリミッタカウンタとは、直前の低確率状態から大当りが発生した回数を示すものである。リミッタカウンタが4であれば(S415:yes)、リミッタカウンタをクリアし(ゼロにし)(S420)、リミッタフラグに1をセットし(S425)、遊技状態設定記憶処理を実行する(S430)。遊技状態設定記憶処理では、大当り後に付与される遊技状態(確率変動状態、時短状態の有無)を設定する。S415で否定判定された場合は、S430に直行する。
【0057】
S405で肯定判定された場合は、S440にて状態告知フラグが1か否かを判定する。状態告知フラグについては後述する。肯定判断なら状態告知フラグを0にし(S445)、リミッタ作動処理を実行し(S450)、S430に移行する。リミッタ作動処理では大当り後の状態を低確率に設定し、時短回数を設定し、リミッタフラグをゼロにする。なお、S440が否定判定された場合にはS450に直行する。
遊技状態設定記憶処理(S430)が終了すると、変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定し(S435)、変動コマンドをサブ統合制御装置83に送信する(図6のS355)。
【0058】
図6のS305で肯定判定、すなわち特別図柄が変動中と判定された場合は、図8のS500に移行し、図柄変動時間が経過したか否かを判定する。否定判定された場合(S500:no)には、特別遊技処理に移行し、肯定判定された場合(S500:yes)は図柄停止コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S505)、大当りになる組み合わせか否かを判定する(S510)。肯定判定された場合(S510:yes)には、図柄変動の終了時に大当り図柄を確定表示させるための表示設定を行い(S515)、条件装置の作動を開始する(S520)。そして確変フラグが1か否かを判定する(S525)。肯定判定なら確変フラグを0にして(S530)、特別遊技処理を行い、否定判定なら(S525:no)、時短フラグが1か否かを判定する(S535)。時短フラグが1とは、パチンコ機が時短状態にあることを示し、時短状態においては、特別図柄の変動時間および普通図柄の変動時間が短縮され、更に第2始動口12の翼片の開放時間が延長される。時短フラグが1であれば(S535:yes)、時短フラグをゼロにし(S540)、特別遊技処理を行い、否定判定なら(S535:no)、そのまま特別遊技処理に移行する。
【0059】
S510が否定判定され場合は、図9のS550に移行し、小当りになる組み合わせか否かを判定する。小当りとは、大入賞口14を0.06秒だけ10回開放するもので、見かけ上は前述の開放パターンBと区別が付かない。小当りの終了後の遊技状態は、小当りの発生前と同じであり、確変状態で小当りが発生すれば、小当り終了後も確変状態であり、時短状態で小当りが発生すれば、小当り終了後も時短状態となる。なお、小当りになるか否かは大当り決定用乱数を用いて判定され、小当りとなる確率は1/100となっている。また、小当りにおいて開放された大入賞口14は、遊技球が10個はいると閉鎖されるよう構成されているが、この場合の大入賞口14は1回の開放あたり0.06秒しか開放しないので、球を10個入れるのは非常に困難である。S550が肯定判定された場合には、図柄変動の終了時に小当り図柄を確定表示させるための表示設定を行い(S515)、図柄変動の終了時に小当り図柄を確定表示させるための表示設定を行う(S555)。否定判定された場合(すなわちハズレの場合)には、ハズレ図柄を確定表示させるための表示設定を行う(S560)。
【0060】
こうしてS555またはS560にて確定図柄を表示するための設定が完了すると、時短フラグが1か否かを判定する(S565)。肯定判定の場合は開放延長回数を1減らし(S570)、開放延長回数がゼロになったか否かを判定する(S575)。肯定判定なら時短フラグをゼロにし、特別遊技処理に移行する。開放延長回数がゼロではない場合(S575:no)または時短フラグが1ではない場合(S565:no)は、そのまま特別遊技処理に移行する。
【0061】
図6のS310で肯定判定、すなわち確定図柄を表示中と判定された場合は、図10のS600に移行し、確定図柄の表示時間が終了したか否かを判定する。否定判定された場合(S600:no)には、そのまま特別遊技処理に移行する。肯定判定された場合(S600:yes)には、確定図柄表示終了処理(S605)を行い、状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信する(S610)。そして状態告知フラグが1か否かを判定し(S615)、肯定判定なら状態告知表示処理(S620)を実行し、特別遊技処理に移行する。否定判定(S615:no)なら通常状態告知表示処理(S625)を実行し、特別遊技処理に移行する。
【0062】
通常状態報知表示処理(S625)は図11(a)に示すようなもので、当処理が起動されると、S650にて時短中か否かを判定し、肯定判定ならば時短状態表示を行ない、リターン(終了)する。否定判定ならばそのまま当処理を終了する。時短状態表示とは、時短状態報知表示装置45(図2参照)を点灯(または消灯)させるもので、時短状態なら点灯させ、非時短状態なら消灯させる。
【0063】
状態報知表示処理(S620)は図12に示すような処理で、当処理が起動されると、S700にて時短中か否かを判定し、肯定判定ならば時短状態表示(S705)を行なってS710に移行し、否定判定ならばそのままS710に移行する。S710では現在が確変中か否かを判定し、否定判定ならばリターン(終了)する。肯定判定ならば(S710:yes)、確変リミッタを参照する(S715)。確変リミッタとは、5回連続の大当りの内、あと何回残っているかを示す数である。この確変リミッタは、主制御装置80のRAMに記憶されている。こうして参照した確変リミッタに基づいて、点灯パターン選択処理(S720)を実行する。
【0064】
点灯パターン選択処理の概要を図13に示す。当処理が起動されると、S1100にてカウンタ(現在の確変状態において大当りが発生した回数)が1か否かを判定する。肯定判定なら、S1105〜S1120の処理にて、確率変動状態報知表示装置43の確変表示1〜4をそれぞれ点灯させてリターン(終了)する。前述のように確率変動状態報知表示装置43は4個のLEDからなっており、遊技者から見て各LEDを左から確変表示1、確変表示2、確変表示3、確変表示4と呼ぶ(図14(a)も参照)。つまり、カウンタが1の場合は、確率変動状態報知表示装置43をなす4個のLEDを全て点灯させる。
【0065】
S1100が否定判定された場合には、S1130にてカウンタが2か否かを判定する。肯定判定なら、S1135〜S1145の処理にて、確率変動状態報知表示装置43の確変表示1〜3をそれぞれ点灯させてリターンする。つまり、カウンタが2の場合は、確変表示1〜3の3個のみを点灯させる。
S1130が否定判定された場合には、S1150にてカウンタが3か否かを判定する。肯定判定なら、S1155およびS1160の処理にて、確率変動状態報知表示装置43の確変表示1、2をそれぞれ点灯させてリターンする。つまり、カウンタが3の場合は、確変表示1、2の2個のみを点灯させる。
【0066】
S1150が否定判定された場合には、S1170の処理にて、確率変動状態報知表示装置43の確変表示1を点灯させてリターンする。つまり、カウンタが4の場合は、確変表示1のみを点灯させる。なお、当処理は確変状態において起動される処理であるため、起動された時点で最低1回は大当りが発生していることになる。そして5回当ると低確率状態となるので、カウンタの値は1〜4のいずれかとなる。つまりS1150が否定判定されたことは、カウンタの値が4であることを意味し、確変リミッタが1であることになる。
【0067】
図12に戻る。こうして点灯パターン選択処理(S720)が実行されると、確変状態表示(S725)を行なって状態告知表示処理を終了する。確変状態表示とは、点灯パターン選択処理により選択された点灯パターンに従って確率変動状態報知表示装置43を点灯させる処理である。この結果、状態報知装置15にて行なわれる確率変動状態報知表示装置43の点灯の態様をまとめると図14(a)のようになる。
この表示態様は、高確率状態(図18の説明で後述)で特別図柄が確定表示される都度、表示されるので、確変状態において状態告知表示処理が実行されると、確変リミッタの残数を確率変動状態報知表示装置43の点灯数により知ることができる。一方、低確率状態においては通常状態報知表示処理(S625)が実行されるので、時短状態であるか否かのみが表示される。
【0068】
図6に戻る。当処理において条件装置が作動中だった場合(S300:yes)、保留記憶数がゼロであった場合(S315:yes)にも特別遊技処理が実行される。特別遊技処理では図15に示すように、まず条件装置が作動中か否かを判定し、否定判定なら小当り遊技処理に移行する。肯定判定(S800:yes)なら大入賞口14を開放中ではなく(S805:no)、大当り開始演出中ではなく(S810:no)、大当りのインターバル中でもなく(S815:no)、大当り終了演出中でもない場合(S820:no)には、大当り図柄記憶処理(S825)を実行する。そして大当り開始演出処理(S830)を行い、小当り遊技処理に移行する。なお、大当り開始演出中(S810:yes)、大当りのインターバル中(S815:yes)、大当り終了演出中(S820:yes)のいずれかが成立している場合には、そのまま小当り遊技処理に移行する。また、大入賞口14を開放中の場合(S805:yes)は、大入賞口14に10個入賞したか否かを判定し(S835)、否定判定なら大入賞口14の開放時間(28秒)が経過したか否かを判定し(S840)、否定判定ならS835に戻る。大入賞口14に遊技球が10個入賞(S835:yes)するか、または大入賞口14の開放時間が終了(S840:yes)すると、大入賞口14を閉鎖する処理(S845)を実行し、最終ラウンドか否かを判定する(S850)。否定判定なら大当りインターバル処理(S855)を行い、小当り遊技処理に移行する。肯定判断(S850:yes)なら図16のS860に移行し、大当り終了演出処理を実行する。続いて条件装置停止処理(S865)を実行し、大当り前に記憶した遊技状態を参照する(S870)。そして大当り前の確変フラグが1であれば(S875:yes)、確変フラグを1にし(S880)、大当り前の時短フラグが1であれば(S885:yes)、時短フラグを1にする(S890)。そして大当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S895)、状態告知フラグが1か否かを判定する(S900)。肯定判定なら状態告知表示処理(S910)を実行し、小当り遊技処理に移行する。否定判定(S900:no)なら通常状態告知表示処理(S920)を実行し、小当り遊技処理に移行する。
【0069】
小当り遊技処理は、図17に示すように、大入賞口14を開放中ではなく(S950:no)、小当り開始演出中ではなく(S953:no)、小当りのインターバル中でもなく(S956:no)、小当り終了演出中でもない場合(S960:no)には、小当り図柄記憶処理(S963)を実行する。そして小当り開始演出処理(S966)を行い、リターン(終了)する。なお、小当り開始演出中(S953:yes)、小当りのインターバル中(S956:yes)、小当り終了演出中(S960:yes)のいずれかが成立している場合には、そのままリターンする。また、大入賞口14を開放中の場合(S950:yes)は、大入賞口14に10個入賞したか否かを判定し(S970)、否定判定なら大入賞口14の開放時間(0.06秒)が経過したか否かを判定し、否定判定ならリターンする。大入賞口14に遊技球が10個入賞(S970:yes)するか、または大入賞口14の開放時間が終了(S973:yes)すると、大入賞口14を閉鎖する処理(S976)を実行し、小当り遊技を終了させるか否かを判定する(S980)。否定判定なら小当りインターバル処理(S983)を行い、リターンする。肯定判断(S980:yes)なら、小当り終了演出処理(S986)を実行し、小当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S990)、状態告知フラグが1か否かを判定する(S993)。肯定判定なら状態告知表示処理(S996)を実行し、小当り遊技処理に移行する。否定判定(S993:no)なら通常状態告知表示処理(S998)を実行し、リターンする。
【0070】
以上のように遊技に関わる処理が行なわれるパチンコ機において、電源がオフにされ、再び電源が投入されると前述の起動処理(図4)が実行される。そしてRAM消去が行なわれない場合(S20:no)には状態報知装置点灯処理(S65)が行われる。図18に状態報知装置点灯処理(図18では状態報知装置点灯処理1)の概要を示す。当処理が起動されるとまず第1特別図柄(図18では「特1」と記載)の確定図柄を第1特別図柄表示装置9に表示する(S1000)。なお、第1特別図柄の変動表示中に電源が遮断され、電源が再投入された場合には、第1特別図柄は変動表示された状態となる。その際には、その変動表示が終了するのを待って第1特別図柄を確定表示する(後述する第2特別図柄および普通図柄に関しても同様)。続くS1005にて第1特別図柄の保留記憶数(図18では「特1保留記憶」と記載)を第1特別図柄保留数表示装置18に表示する。そして第2特別図柄(図18では「特2」と記載)の確定図柄を第2特別図柄表示装置10に表示(S1010)し、S1015にて第2特別図柄の保留記憶数(図18では「特2保留記憶」と記載)を第2特別図柄保留数表示装置19に表示する。更に普通図柄の確定図柄を普通図柄表示装置7に表示(S1020)し、S1025にて普通図柄の保留記憶数を普通図柄保留数表示装置8に表示する。
【0071】
続いて特別電動役物が作動中か否かを判定し(S1030)、肯定判定ならばS1035にて、特別電動役物作動中表示装置41に特別電動役物が作動中である旨を表示し(具体的には特別電動役物作動中表示装置41をなす1個のLEDを点灯させる)、リターンする。否定判定(S1030:no)ならばS1040にて、時短フラグに基づいて、現在が時短中か否かを判定し、肯定判定ならばS1045にて、時短状態である旨を表示(具体的には、時短状態報知表示装置45をなす1個のLEDを点灯させる)し、S1050に移行する。否定判定(S1040:no)ならばそのままS1050に直行する。
【0072】
S1050では、確変フラグに基づいて、現在が確変中か否かを判定し、否定判定ならばリターンする。肯定判定ならば(S1050:yes)、確変リミッタを参照し(S1055)、その確変リミッタに基づいて、点灯パターン選択処理(S1060)を実行し、確変状態表示(S1065)を行なう。なお、S1055〜S1065の処理は、状態告知表示処理(図12)のS715〜S725の処理と同じである。従って、S1055で参照された確変リミッタが4であれば図19(a)に示すように確率変動状態報知表示装置43のLEDが1個点灯され、確変リミッタが1であれば図19(b)に示すように確率変動状態報知表示装置43のLEDが4個点灯される。こうして確変状態が表示されると、状態告知フラグを1に設定(S1070)し、リターンする。つまり、状態告知フラグは、電源復帰後の遊技状態が高確率状態である場合に1となる。そして電源復帰後の遊技状態が高確率状態である場合には、状態報知装置15により、確変リミッタの数が報知される。この報知は、特別図柄が確定表示される都度、更新され、より具体的には、大当りが発生することにより確変リミッタの数が変更されることにより点灯パターンが変化していく。そして直前の低確率状態から数えて5回目の大当りが発生すると、S445の処理(図7参照)により状態告知フラグがゼロとなり、S615が否定判定される状態となるので、確変リミッタの数が報知されなくなる。無論、大当りが発生しても確変リミッタの数が変更されない構成でもよい。その場合も状態告知フラグがゼロとなった時に確変リミッタの数の報知を終了すればよい。
【0073】
以上のように構成されたパチンコ機によれば、RAM消去を伴わない電源立ち上げを行なうと、状態報知装置点灯処理1が行なわれ、電源遮断時の遊技状態が高確率状態であれば、高確率であることだけでなく、リミッタ作動までの残り回数をも状態報知装置15にて報知するため、正確な遊技状態を把握することができる。また、電源復帰時に高確率状態であった場合(状態告知フラグが1となる)は、直前の低確率状態において最初に発生した大当りから通算して5回目の大当りが発生されるまでの間、この状態報知装置15を用いたリミッタ作動までの残り回数の報知が続行され、しかも大当たりの発生により減少する前記残り回数も、その確率変動状態報知表示装置43のLEDの点灯パターンが更新されていく。5回の大当りは、1つの特別遊技状態として捉えることが適当であるため、状態報知もそれに合わせることにより遊技性に沿った演出を行うことが可能となる。
【0074】
ここで本実施例の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。ゲート17が本発明の「入球口」に相当し、S60の電源復帰処理が本発明の「遊技状態復旧手段」に相当し、S320〜S330の処理が本発明の「大入賞口開放遊技抽選手段」に相当し、S450の処理が本発明の「確率低下手段」に相当し、S725,S1450の処理が本発明の「高確率状態回数報知手段」に相当し、S340の処理が本発明の「小当り遊技抽選手段」に相当する。なお、本実施例では確変リミッタに到達しない限り、大当りの後には必ず高確率状態になるのでS515の処理が本発明の「確率抽選手段」に相当する。
【0075】
また、図11(a)に示した通常状態告知表示処理を図11(b)のようにしてもよい。この処理では、確定図柄が表示された後、状態告知フラグが1でない場合に、時短の有無だけでなく確変の有無も報知する。すなわち、確変中であるか否かを判定し(S680)、否定判定ならそのまま当処理を終了(リターン)し、肯定判定(S680:yes)なら確変状態である旨を報知(S685)してからリターンする。この報知は、確変リミッタの値は報知せず、確変の有無が報知される。具体的には、図14(b)の「通常時」に示すように確率変動状態報知表示装置43の確変表示1のLEDのみを点灯させるとよい。確変リミッタが1の場合の点灯パターンと誤解するのを避けるならば、確変表示2〜4の何れかのLEDを点灯させることが考えられる。こうすると、確変中であれば、それが常に報知されることになる。
[実施例2]
【0076】
本発明の第2実施例について図20〜22を用いて説明する。なお、本実施例は第1実施例と共通点が多いため、異なる点のみを重点的に説明する。第2実施例の状態報知装置15の拡大図を図20に示す。第1実施例の状態報知装置15との違いは、時短状態報知表示装置45を備えていない点である。パチンコ機の電気的構成は、図21のブロック図に示すとおりであり、時短状態報知表示装置45は状態報知装置15だけでなく、パチンコ機のどこにも存在せず、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている普通図柄表示装置7、普通図柄保留数表示装置8、第1特別図柄表示装置9・第2特別図柄表示装置10、第1特別図柄保留数表示装置18・第2特別図柄保留数表示装置19、特別電動役物作動中表示装置41、確率変動状態報知表示装置43を制御する。
【0077】
第2実施例の状態報知装置点灯処理は図22のようになる。特別電動役物が作動中か否かを判定(S1230)し、肯定判定ならば特別電動役物作動中表示装置41に特別電動役物が作動中である旨を表示する(S1280)までは、第1実施例の状態報知装置点灯処理1と同様である。否定判断の場合(S1230:no)は、現在が確変中か否かを判定し、否定判定(S1235)ならば当処理からリターンする。肯定判断ならば現在が時短中か否かを判定(S1250)し、肯定判断ならば当処理からリターンする。否定判断(S1250:no)ならばリミッタカウンタを参照し(S1255)、そのリミッタカウンタに基づいて、点灯パターン選択処理(S1260)を実行し、確変状態表示(S1265)を行なう。なお、S1255〜S1265の処理は、状態告知表示処理(図12)のS715〜S725の処理と同じである。従って、S1255で参照されたリミッタカウンタが4であれば確率変動状態報知表示装置43のLEDが1個点灯され、確変リミッタが1であれば確率変動状態報知表示装置43のLEDが4個点灯される。こうして確変状態が表示されると、状態告知フラグを1に設定(S1270)し、リターンする。
【0078】
第1実施例では、パチンコ機の電源立ち上げ時に確変中であれば、確率変動状態報知表示装置43にて確変リミッタ数が報知され、時短については確変であるか否かに関わらず時短状態報知表示装置45にて報知していた。これに対して、第2実施例のパチンコ機では、電源立ち上げ時に確変中であってかつ時短中でないときのみ、確率変動状態報知表示装置43にて確変リミッタ数を報知する。なお、時短であるか否かは遊技開始後ほどなく分かる(普電の動作態様により)ため、状態報知で報知を行わない。このように構成されたパチンコ機によれば、時短状態ではない高確率状態すなわち、通常状態(低確率かつ非時短状態)と見分けが付きにくい状態(いわゆる潜伏状態)においてのみ、確変リミッタの値を報知する。この報知が行なわれるのは、電源断前においても潜伏状態であったことを意味している。潜伏状態で電源が遮断された場合であっても、電源復帰時には正確な遊技状態を示してホールに正確な付与内容を示すことができる。
[実施例3]
【0079】
本発明の第3実施例について図23〜26を用いて説明する。本実施例も第1実施例、第2実施例と共通点が多いため、異なる点のみを重点的に説明する。第3実施例の状態報知装置15の拡大図を図23に示す。第1実施例の状態報知装置15との違いは、時短状態報知表示装置45に替えて時短状態A報知表示装置47aと時短状態B報知表示装置47bを備えている点である。時短状態A報知表示装置47a・時短状態B報知表示装置47bは何れも1個のLEDから構成されており、パチンコ機の電気的構成は、図24のブロック図に示すとおり、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている普通図柄表示装置7、普通図柄保留数表示装置8、第1特別図柄表示装置9・第2特別図柄表示装置10、第1特別図柄保留数表示装置18・第2特別図柄保留数表示装置19、特別電動役物作動中表示装置41、確率変動状態報知表示装置43、時短状態A報知表示装置47a・時短状態B報知表示装置47bを制御する。
【0080】
また、第3実施例のパチンコ機では、第1特別図柄の大当り図柄の振分が、大当り図柄1の場合は次回の大当りまで時短あり、大当り図柄2の場合は特別図柄が50回変動されるまで時短あり、大当り図柄3の場合は時短なしとなっている(確変突入率、ラウンド数、開放パターン、振分確率は第1実施例と同じ)。また、第2特別図柄の大当り図柄の振分は、大当り図柄1または大当り図柄3の場合は次回の大当りまで時短あり(振分比率75%)、大当り図柄2の場合は特別図柄が50回変動されるまで時短ありとなっている(ラウンド数、開放パターンは第1実施例と同じ)。
【0081】
第3実施例の状態報知装置点灯処理は図25のようになる。特別電動役物が作動中か否かを判定(S1330)し、肯定判定ならば特別電動役物作動中表示装置41に特別電動役物が作動中である旨を表示する(S1380)までは、第1実施例の状態報知装置点灯処理1と同様である。否定判断の場合(S1330:no)は、現在が確変中か否かを判定し、否定判定ならばS1340にて、現在が時短中か否かを判定し、否定判定ならばリターンする。肯定判定ならば(S1340:yes)、時短状態A報知表示装置47aにて報知動作を行ない(S1345)、リターンする。S1335が肯定判定された場合も、現在が時短中か否かを判定(S1350)し、肯定判定ならその時短が次回の大当りまで続くものか否かを判定(S1355)し、否定判定ならばS1345に移行し、肯定判定ならば(S1355:yes)時短状態B報知表示装置47bにて報知動作を行なって(S1360)リターンする。S1350が否定判定ならば、確変リミッタを参照し(S1365)、その確変リミッタに基づいて、点灯パターン選択処理(S1370)を実行し、確変状態表示(S1375)を行なう。なお、S1365〜S1375の処理は、状態告知表示処理(図12)のS715〜S725の処理と同じである。こうして確変状態が表示されると、リターンする。なお、本実施例の状態報知装置点灯処理3では状態告知フラグを設定しないので、図7の処理は大当り図柄を決定し(S400)、遊技状態設定記憶処理(S430)を実行し、変動パターンを決定する(S435)だけのものとなる。また、図10の処理は、S610で状態指定コマンドを送信して終了するものとなる。
【0082】
図25の状態報知装置点灯処理3によれば、時短状態の有無および時短の内容に応じて図26のように時短状態B報知表示装置47a、および時短状態B報知表示装置47bが点灯される。すなわち、電源復帰時に確変かつ次回大当りまでの時短であれば、時短状態B報知表示装置47bが点灯し、次回までではない時短であれば確変・通常に関わらず時短状態A報知表示装置47aが点灯する。なお、通常時(非電源復帰時)は、時短時に時短状態A報知表示装置47aが点灯するだけであり、その時短が次回までか否か・確変か通常かは無関係となる。このように構成された遊技機によれば、いま付与されている時短状態が次回の大当りまで継続するものであるか所定回数で終了するものであるかを報知することにより、より正確な遊技状態を把握することができる。ただしこの状態報知表示がなされるのは、状態告知フラグがないので、電源復帰時のみとなる。なお、第1実施例と同様、状態告知フラグを導入し、図7および図10を第1実施例と同じ処理にすることにより、電源復帰時に確変中であれば、確変リミッタが0になるまでの間、報知動作が行なわれるようになる。なお、S1645の処理が本発明の「開放延長状態報知手段」に相当する。
[他の実施例]
【0083】
第1〜3実施例の確変変動状態報知表示装置43は何れも4個のLEDからなり、それを点灯させる数により確変リミッタの値を報知するものであったが、これ以外の態様で確変リミッタの値を報知する構成としてもよい。その一例を図27に示す。この確変変動状態報知表示装置43は1桁の7セグメント表示装置から構成されており、確変リミッタが1の場合は「1」、確変リミッタが4の場合は「4」と表示される。なお、確変状態でない場合は「−」と表示される。また、図7の処理において、大当り図柄を決定した後にリミッタ回数を参照していたが、リミッタ回数を参照した後に大当り図柄を決定してもよい。
【0084】
また、確変リミッタの値を状態報知装置15以外の構成にて報知してもよい。その例を図28に示す。図28は演出図柄表示装置6にて特別図柄の疑似図柄が変動されている様子を示すもので、図28(a)は状態告知フラグがゼロの状態、図28(b)は状態告知フラグが1の状態を示す。状態告知フラグがゼロ、すなわち電源復帰時に確変状態でなかった場合は、「達吉チャンス中!」という文字とキャラクタ(熊の達吉)と前記疑似図柄と特別図柄の保留数(画面左下の○)が表示されるが、状態告知フラグが1の場合は、「(残り3回)」と確変リミッタの値が表示される。このように構成することで、遊技者が気付き易い報知態様とすることができる。
なお、この場合の処理としては、図4の起動処理時の状態報知装置点灯処理(S65)に代わって、もしくは同時に確変状態と残りリミッタ回数を指定するリミッタ状態報知コマンドをサブ統合制御装置83へ送信し、演出図柄表示装置6で表示することが考えられる。
この場合、リミッタ回数の減算表示を行う場合は、サブ統合制御装置83が自分で管理して大当り遊技が行われる度に減算表示を行ってもよいし、主制御装置80がリミッタ状態報知コマンドを当否判定処理時、特別遊技処理時などで送信する構成でもよい。
【0085】
状態報知装置点灯処理を図29のようにしてもよい。この構成では、確変状態時には、わざわざ時短の有無までは報知しない点灯処理例である。
時短状態は遊技を開始すると、普電の開放態様により程なく把握できるため、時短状態表示はいわば通常確率状態を示すことになり、確変状態表示点灯か時短状態表示点灯どちらの状態で時短状態に入っているかで正確な状態を把握することができる。
【0086】
また、時短回数のリミッタをも報知するように構成してもよい。その場合の当否判定処理の図9の変更例を図30に示す。なお、この遊技機の仕様では、時短が終了した際には、確変リミッタがゼロになるのを待たずに確変状態が終了する仕様となっている。図30の処理では、S1505またはS1510にて確定図柄の表示設定が行なわれると、確変フラグが1か否かを判定する(S1515)。肯定判定の場合は時短フラグが1か否かを判定し(S1520)、肯定判定の場合は開放延長回数を1減らし(S1525)、開放延長回数がゼロになったか否かを判定する(S1530)。肯定判定なら確変フラグ、時短フラグを共にゼロにし(S1535,S1540)、特別遊技処理に移行する。開放延長回数がゼロではない場合(S1530:no)または時短フラグが1ではない場合(S1520:no)は、そのまま特別遊技処理に移行する。
【0087】
S1515で否定判定、すなわち確変フラグが1でないと判定された場合は、S1150に移行し、時短フラグが1か否かを判定する。肯定判定の場合は開放延長回数を1減らし(S1555)、開放延長回数がゼロになったか否かを判定する(S1560)。肯定判定なら時短フラグをゼロにし(S1570)、特別遊技処理に移行する。開放延長回数がゼロではない場合(S1560:no)または時短フラグが1ではない場合(S1550:no)は、そのまま特別遊技処理に移行する。
【0088】
図30の処理に対応する状態報知装置点灯処理は図31のようになる。特別電動役物が非作動中(S1630:no)であって、確変中(S1635:yes)かつ非時短中(S1665:no)の場合の処理は図22の状態報知装置点灯処理2と同様である(特別電動役物が作動中(S1630:yes)の処理も同じ)。異なる点は、時短中(S1640:yesまたはS1665:yes)に、時短カウンタ(開放延長回数)を参照し(S1640)、その時短カウンタに基づいて、点灯パターンを選択(S1650)し、時短状態を表示(S1655)を行なう点である。点灯パターンは、確変リミッタの報知と同様に、LEDの点灯・消灯により表示してもよいが、図32のように7セグで表示してもよい。
【0089】
図32は、時短カウンタを表示する場合の状態報知装置15および時短状態報知表示装置45の表示パターン(点灯パターン)を示したものである。この時短状態報知表示装置45は2桁の7セグメント表示装置からなり、時短カウンタを「01」〜「99」の数字で表す。なお、時短状態報知表示装置45の表示が「−−」のときは時短状態ではないことを示し、また時短状態報知表示装置45の表示が「99」のときは時短カウンタが99,100、または次回大当りまで時短が続くことを示す。時短カウンタが99または100の場合は特別図柄が変動されるごとに1ずつ数字が減っていき、「次回大当りまで」の場合は「99」のままとなる。
【0090】
このように構成された遊技機によれば、非時短状態においては確変リミッタを示し、時短状態においては、時短カウンタを示すので、電源復帰時に正確な遊技状態を示すことができる。もちろん、電源復帰時には確変リミッタ、時短カウンタの双方を状態報知装置15などにて報知するように構成してもよい。その際には、潜伏演出を破綻させないように、一定期間だけ報知動作が行なわれるようにするのが望ましい。
【符号の説明】
【0091】
1:遊技盤
6:演出図柄表示装置
7:普通図柄表示装置
8:普通図柄保留数表示装置
9:第1特別図柄表示装置
10:第2特別図柄表示装置
11:第1始動口
12:第2始動口
14:大入賞口
15:状態報知装置
18:第1特別図柄保留数表示装置
19:第2特別図柄保留数表示装置
41:特別電動役物作動中表示装置
43:確率変動状態報知表示装置
45:時短状態報知表示装置
47a:時短状態A報知表示装置
47b:時短状態B報知表示装置
80:主制御装置
83:サブ統合制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技状態を記憶し、当該遊技機の電源を投入すると、前記記憶された遊技状態に基づいて電源遮断直前の遊技状態から遊技を再開する遊技状態復旧手段と、
遊技領域に設けられた始動口への入球に起因して抽出される乱数値に基づいて、大入賞口を開放する大入賞口開放遊技を実行するか否かを抽選する大入賞口開放遊技抽選手段と、
前記大入賞口開放遊技の終了後の状態を、前記抽選の当選確率を通常の確率で行なう通常確率状態にするか前記通常の確率よりも高い確率で行なう高確率状態にするかを抽選する確率抽選手段と、
前記確率抽選手段により、予め定められた回数、連続して高確率状態が選択された場合には、その後に大入賞口開放遊技抽選手段によって実行された前記大入賞口開放遊技の終了後の状態を前記通常確率状態にする確率低下手段と、
を備えた遊技機において、
電源が投入され、前記遊技状態復旧手段により再現された遊技状態が高確率状態であった場合に、前記確率低下手段により前記通常確率状態にされるまでに連続して発生させることが可能な前記高確率状態の回数を報知する回数報知動作を行なう高確率状態回数報知手段
を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記大入賞口開放遊技には、大入賞口が開放するパターンである開放パターンが異なるものが複数通りあり、
前記確率抽選手段が、前記大入賞口開放遊技の終了後の状態を、前記高確率状態にするものであり、
前記確率低下手段は、予め定められた回数、連続して高確率状態が選択された場合には、前記確率抽選手段の選択結果に関わらず前記大入賞口開放遊技の終了後の状態を前記通常確率状態にするものであり、
前記始動口への入球に起因して抽出される乱数値に基づいて、前記大入賞口開放遊技の内の一部と同じ開放パターンで大入賞口を開放する小当り遊技を実行するか否かを抽選する小当り遊技抽選手段
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
請求項2に記載の遊技機において、
前記始動口が、開閉可能な翼片を備え、該翼片が開放されることにより、翼片が閉鎖された状態よりも該始動口への入球が容易な状態になるものであり、
遊技領域に設けられた入球口と、
該入球口への入球に起因して抽出される乱数値に基づいて、前記翼片を開放するか否かを抽選する始動口開放遊技抽選手段と、
該始動口開放遊技抽選手段によって前記翼片が開放される頻度が通常の状態にするか、該開放される頻度を通常の状態よりも高い開放延長状態にするかを選択する開放延長状態選択手段と、
を備え、
該開放延長状態選択手段は、前記小当り遊技抽選手段により小当り遊技が実行された直後には、前記開放延長状態にするか否かの抽選を行なわず、該小当り遊技の同じ開放パターンの前記大入賞口開放遊技が行なわれ且つ該大入賞口開放遊技の終了後に高確率状態となる場合には、前記開放延長状態にするか否かの選択を行なうものであり、
前記小当り遊技抽選手段は、始動口への入球に起因して抽出される乱数値に基づいて、前記大入賞口開放遊技の内の一部と同じ開放パターンで大入賞口を開放する小当り遊技を実行するか否かを抽選するものであり、
前記高確率状態回数報知手段は、前記遊技状態復旧手段により再現された遊技状態が高確率状態であって且つ前記開放延長状態ではない場合に、前記確率低下手段により前記通常確率状態にされるまでに連続して発生させることが可能な前記高確率状態の回数を報知するものである
ことを特徴とする遊技機。
【請求項4】
請求項3に記載の遊技機において、
前記開放延長状態選択手段は、前記開放延長状態を発生させる場合には、予め定められた回数、前記大入賞口開放遊技抽選手段による抽選が行なわれるまで該開放延長状態を継続するか、或いは前記大入賞口開放遊技が実行されるまで前記開放延長状態を継続するかを選択するものであり、
電源が投入され、前記遊技状態復旧手段により再現された遊技状態が前記開放延長状態であった場合に、該開放延長状態の継続が終了する条件を報知する開放延長状態報知手段
を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項5】
請求項2から4のいずれか1項に記載の遊技機において、
前記高確率状態回数報知手段は、前記確率低下手段により前記通常確率状態にされるまで、前記回数報知動作を行なうものであることを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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