遊技機
【課題】遊技者に期待を持たせる。
【解決手段】低確低ベース状態や高確低ベース状態(低ベース状態)に制御されているときには、大当り図柄が導出されて大当り遊技状態に制御されても、大当り遊技状態の終了後に高確低ベース状態や高確高ベース状態(高確状態)に制御される確率が低くなるように制限される。これに対して、遊技状態に関わらず、特定領域を遊技球が通過(V入賞)して大当り遊技状態に制御されれば、大当り遊技状態の終了後に高確高ベース状態に制御されるので、特定領域を遊技球が通過(V入賞)することに対して遊技者に期待を持たせることができる。
【解決手段】低確低ベース状態や高確低ベース状態(低ベース状態)に制御されているときには、大当り図柄が導出されて大当り遊技状態に制御されても、大当り遊技状態の終了後に高確低ベース状態や高確高ベース状態(高確状態)に制御される確率が低くなるように制限される。これに対して、遊技状態に関わらず、特定領域を遊技球が通過(V入賞)して大当り遊技状態に制御されれば、大当り遊技状態の終了後に高確高ベース状態に制御されるので、特定領域を遊技球が通過(V入賞)することに対して遊技者に期待を持たせることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に係り、詳しくは、遊技領域に遊技媒体を発射することにより所定の遊技を行うとともに、該遊技の結果に応じて遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技媒体が入賞すると、所定個の賞球といった景品遊技媒体が遊技者に払い出されるものがある。さらに、所定の入賞領域に遊技媒体が入賞する(始動条件が成立する)と識別情報を可変表示(「変動」ともいう)可能な可変表示装置が設けられ、可変表示装置において識別情報の可変表示の表示結果が特定表示結果(大当り図柄)となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御可能になるように構成されたものがある。
【0003】
このような遊技機としては、再チャンスパターンLでの変動表示を開始してから一定期間後、左の特別図柄として「ドラム図柄」が仮停止されると共に、遊技盤の左側にある特定入賞口が一定期間だけ開放状態となり、開放状態となっている特定入賞口から入賞した遊技球は、V、S、R、T、Fのいずれかの入賞穴を通過し、通過した入賞穴の種類によっては、変動表示パターンや確定図柄を変更することが決定されるものがある(例えば、特許文献1参照)。この場合、始動入賞時に決定したものではなく、変更後の変動表示パターンで特別図柄を変動表示させ、変更後の確定図柄を特図ゲームの表示結果として導出表示させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−147746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の遊技機では、特定遊技状態に制御されるまでの過程が、特定遊技状態に制御されることにより得られる価値に関係がなく、遊技者に期待を持たせることができなかった。
【0006】
この発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、遊技者に期待を持たせることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記目的を達成するため、本願の第1の観点に係る遊技機は、
遊技領域に遊技媒体(例えば遊技球など)を発射することにより所定の遊技を行うとともに、該遊技の結果に応じて遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態など)に制御する遊技機(例えばパチンコ遊技機1など)であって、
各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄など)の可変表示を行い表示結果を導出する可変表示手段(例えば第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bなど)と、
前記識別情報の表示結果として特定表示結果が導出されたとき、又は前記遊技領域に設けられた特定領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、前記特定遊技状態に制御する特定遊技状態制御手段(例えばステップS114〜S116の処理を実行するCPU103など)と、
通常遊技状態(例えば低確低ベース状態や低確高ベース状態など)よりも前記特定表示結果が導出され易い特別遊技状態に制御可能な特別遊技状態制御手段(例えばステップS117の処理を実行するCPU103など)と、
を備え、
前記特別遊技状態制御手段は、
前記通常遊技状態に制御されているときに、前記特定領域を遊技媒体が通過して前記特定遊技状態に制御された場合、該特定遊技状態の終了後に前記特別遊技状態に制御する一方で、前記特定表示結果が導出されて前記特定遊技状態に制御された場合、該特定遊技状態の終了後に前記特別遊技状態に制御することを制限する通常時特別遊技状態制御手段(例えばステップS195、S244の処理を実行するCPU103など)と、
前記特別遊技状態に制御されているときに、前記特定表示結果が導出されて前記特定遊技状態に制御されたか、前記特定領域を遊技媒体が通過して前記特定遊技状態に制御されたかに関わらず、前記特別遊技状態に制御する特別時特別遊技状態制御手段(例えばステップS224の処理を実行するCPU103など)と、
を含む、
ことを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、通常遊技状態に制御されているときには、特定表示結果が導出されて特定遊技状態に制御されても、特定遊技状態の終了後に特別遊技状態に制御されることが制限されるが、特定領域を遊技媒体が通過して特定遊技状態に制御されれば、特定遊技状態の終了後に特別遊技状態に制御されるので、特定領域を遊技媒体が通過することに対して遊技者に期待を持たせることができる。
【0009】
(2)上記目的を達成するため、本願の第2の観点に係る遊技機は、
遊技領域に遊技媒体(例えば遊技球など)を発射することにより所定の遊技を行うとともに、該遊技の結果に応じて遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態など)に制御する遊技機(例えばパチンコ遊技機1など)であって、
各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄など)の可変表示を行い表示結果を導出する可変表示手段(例えば第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bなど)と、
前記識別情報の表示結果として特定表示結果が導出されたとき、又は前記遊技領域に設けられた特定領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、前記特定遊技状態に制御する特定遊技状態制御手段(例えばステップS114〜S116の処理を実行するCPU103など)と、
通常遊技状態よりも前記特定領域を遊技媒体が通過し易い特別遊技状態(例えばチャンス状態など)に所定期間の間(例えば3個の遊技球が一発入賞口51を通過するまでなど)制御可能な特別遊技状態制御手段(例えばステップS117の処理を実行するCPU103など)と、
を備え、
前記特別遊技状態制御手段は、
前記通常遊技状態に制御されているときに、前記特定遊技状態の終了後に所定の割合で前記特別遊技状態に制御する通常時特別遊技状態制御手段(例えばステップS117の処理を実行するCPU103など)と、
前記特別遊技状態に制御されているときに、前記特定遊技状態の終了後に前記所定の割合よりも高い割合で前記特別遊技状態に制御する特別時特別遊技状態制御手段(例えばステップS117の処理を実行するCPU103など)と、
を含む、
ことを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、通常遊技状態に制御されているときにも、特別遊技状態に制御されているときよりは低いが所定の割合で、特定遊技状態の終了後に特別遊技状態に制御される。このため、通常遊技状態に制御されているときにおいても、特別遊技状態に制御されることに対して遊技者に期待を持たせることができる。
【0011】
(3)上記(2)の遊技機において、
前記特別時特別遊技状態制御手段は、前記通常遊技状態に制御されているときに前記特定領域を遊技媒体が通過して前記特定遊技状態に制御された場合、該特定遊技状態の終了後に前記特別遊技状態に制御する、
ようにしてもよい。
【0012】
このような構成によれば、通常遊技状態に制御されているときに特定領域を遊技媒体が通過して特定遊技状態に制御された場合、特定遊技状態の終了後に特別遊技状態に制御されるので、特定領域を遊技媒体が通過することに対して遊技者に期待を持たせることができる。
【0013】
(4)上記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、
遊技媒体を前記特定領域と該特定領域以外の領域とのいずれかに振り分けて、該特定領域以外の領域に振り分けられた遊技媒体を前記始動領域に誘導可能な振分装置(例えば振分部52など)をさらに備える、
ようにしてもよい。
【0014】
このような構成によれば、遊技媒体が特定領域以外の領域に振り分けられたときでも、始動領域を通過することに対して遊技者に期待感を持たせることができる。
【0015】
(5)上記(4)の遊技機において、
前記始動領域は、前記振分装置の誘導によって遊技媒体が通過可能な第1始動領域と、前記振分装置の誘導によらず遊技媒体が通過可能で、前記第1始動領域とは有利度が異なる第2始動領域(例えば第1始動入賞口など)と、を含む、
ようにしてもよい。
【0016】
このような構成によれば、各々有利度が異なる第1始動領域と第2始動領域とのうちのいずれを遊技媒体が通過するかについて、遊技者に期待を持たせることができる。
【0017】
(6)上記(1)から(5)のいずれかの遊技機において、
前記遊技領域には、遊技媒体を前記特定領域に誘導可能な第1経路(例えば右経路など)と第2経路(例えば左経路など)とが設けられ、
前記第1経路と前記第2経路とは、遊技媒体がいずれの経路を経由して前記特定領域を通過したかに応じて、有利度が異なる、
ようにしてもよい。
【0018】
このような構成によれば、各々有利度が異なる第1経路と第2経路とのうちのいずれを経由したかについて、遊技者に期待を持たせることができる。
【0019】
(7)上記(1)から(6)のいずれかの遊技機において、
前記可変表示手段は、前記識別情報の可変表示中に遊技媒体が前記特定領域を通過して前記特定遊技状態に制御された場合、該識別情報の可変表示を中断する(例えばCPU103はステップS193の処理などを実行する)、
ようにしてもよい。
【0020】
このような構成によれば、遊技媒体が特定領域を通過して特定遊技状態に制御されれば、識別情報の可変表示は、実行中であっても中断されるので、特定遊技状態に制御されているにも関わらず、識別情報の可変表示が実行されるといった複雑な制御が行われることを防止することができる。
【0021】
(8)上記(1)から(7)のいずれかの遊技機において、
前記特定領域を遊技媒体が通過したときに、その旨を示す特定領域通過信号を外部出力する外部出力手段(例えばステップS194の処理などを実行する)をさらに備える、
ようにしてもよい。
【0022】
このような構成によれば、特定領域を遊技媒体が通過したときに、その旨を示す特定領域通過信号が外部出力されるので、外部で不正を判別ができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】右経路に振り分けられた遊技球の流れを示す説明図である。
【図3】左経路に振り分けられた遊技球の流れを示す説明図である。
【図4】パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。
【図5】遊技制御用タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】V入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】特図表示結果決定テーブルの構成例を示す図である。
【図11】大当り種別決定テーブルの構成例を示す図である。
【図12】変形例におけるパチンコ遊技機の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
【0025】
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、特殊入賞装置50が設けられている。特殊入賞装置50のカマボコ状の上面部の頂点付近には、一発入賞口51が設けられている。遊技球が一発入賞口51に向けて発射されると、一発入賞口51には、約1/200の確率で進入する。一発入賞口51に進入した遊技球は、振分部52にて1/2の確率で左流路と右流路とのいずれかに振り分けされる。
【0026】
右流路に振り分けられた遊技球は、図2に示すように、第1排出口53から排出され、回転体55の側面に導かれる。回転体55の側面には、6つの凹部が設けられ、そのうちの1つが特定領域(V入賞口)となっている。
【0027】
これに対して、左流路に振り分けられた遊技球は、図3に示すように、第2排出口54から排出され、回転体55の上面に導かれる。回転体55の上面には、2つの穴部が設けられ、そのうちの1つが特定領域(V入賞口)と連通している。
【0028】
すなわち、右流路に振り分けられた遊技球は1/6の確率で、左流路に振り分けられた遊技球は1/2の確率で、特定領域(V入賞口)に進入する。特定領域に進入した遊技球は、特定領域スイッチ24によって検出される。特定領域に進入した遊技球が特定領域スイッチ24によって検出されたことに対応して、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
【0029】
このため、遊技者が遊技球を一発入賞口51に向けて発射した場合に大当り遊技状態に制御される確率は、約1/600(=1/200×1/2×1/6+1/200×1/2×1/2)となる。そして、遊技球が特定領域に進入して特定領域スイッチ24によって検出された後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
【0030】
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
【0031】
大当り遊技状態の終了後には、時間短縮制御(時短制御)とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
【0032】
確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に可変表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。なお、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
【0033】
なお、大当り遊技状態に制御されているときには、遊技球が特定領域に進入しないように、一発入賞口51に進入した遊技球を特殊入賞装置50から排出する制御が行われる。具体的には、一発入賞口51から回転体55に至るまでの経路に、図示しない振分弁を設け、大当り遊技状態に制御されているときには、一発入賞口51に進入した遊技球が、回転体55に到達する以前に特殊入賞装置50から排出されるように、振分弁を制御すればよい。また、回転体55の動作を特定位置で停止することにより、必ず特定領域に進入(V入賞)しないようにしてもよい。なお、大当り遊技状態に制御されているにも関わらず、特定領域スイッチ24からの検出信号がオンとなったときには、異常なV入賞があったとして、その旨を報知するようにすればよい。
【0034】
特殊入賞装置50の入賞空間内において、例えば図1に示すように、特殊入賞装置50の中央背面(奥面)部分などには、画像表示装置5が配置されている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4A(図4)による第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4B(図4)による第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
【0035】
特殊入賞装置50の下方には、普通入賞球装置6Aが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図4に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。
【0036】
特殊入賞装置50の右側の遊技領域には、通過ゲート41が設けられ、その下方には、普通可変入賞球装置6Bが設けられている。普通可変入賞球装置6Bは、図4に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
【0037】
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
【0038】
普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図4に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
【0039】
普通入賞球装置6Aの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図4に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
【0040】
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
【0041】
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図4に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
【0042】
特別可変入賞球装置7の左側には、一般入賞口42Lが、右側には、一般入賞口42Rがそれぞれ設けられている。一般入賞口42L、42Rはそれぞれ、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる。一般入賞口42Lに進入した遊技球は、例えば図4に示す一般入賞球スイッチ27L、27Rのうち、第1一般入賞球スイッチ27Lによって検出される。一般入賞口42Rに進入した遊技球は、例えば図4に示す一般入賞球スイッチ27L、27Rのうち、第2一般入賞球スイッチ27Rによって検出される。一般入賞球スイッチ27L、27Rのいずれかによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0043】
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
【0044】
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
【0045】
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
【0046】
パチンコ遊技機1には、例えば図4に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
【0047】
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
【0048】
主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
【0049】
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、図1に示す遊技盤2の所定位置に設けられ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
【0050】
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
【0051】
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
【0052】
普通図柄表示器20は、図1に示す遊技盤2の所定位置に設けられ、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
【0053】
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
【0054】
スイッチ回路110には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、特定領域スイッチ24、第1一般入賞球スイッチ27L、第2一般入賞球スイッチ27Rからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、特定領域スイッチ24、第1一般入賞球スイッチ27L、第2一般入賞球スイッチ27Rは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。
【0055】
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
【0056】
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
【0057】
乱数回路104は、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えばRAM102に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを定期的あるいは不定期に更新することで、各種の乱数値の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
【0058】
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
【0059】
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域が設けられている。
【0060】
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
【0061】
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
【0062】
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
【0063】
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
【0064】
次に、図1に示すパチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
【0065】
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図4に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
【0066】
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
【0067】
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図4に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図4に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
【0068】
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となる。また、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
【0069】
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
【0070】
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「1」、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
【0071】
大当り図柄となる「1」、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄は15ラウンド大当り図柄となり、「1」、「5」の数字を示す特別図柄は8ラウンド大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として15ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される多ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(15ラウンド大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。15ラウンド大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第1ラウンド数(例えば「15」)となる。ラウンドの実行回数が「15」となる15ラウンド大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。このような15ラウンド大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞するたびに15個の出玉(賞球)が得られる。なお、15ラウンド大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
【0072】
特図ゲームにおける確定特別図柄として8ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される少ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(8ラウンド大当り状態)では、ラウンドの実行回数が、15ラウンド大当り状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数(例えば「8」)となる。8ラウンド大当り状態では、ラウンドの実行回数が第2ラウンド数となるように制御され、それ以外の制御は15ラウンド大当り状態と同様に行われる。ラウンドの実行回数が「8」となる8ラウンド大当り状態における遊技は、8回開放遊技とも称される。このような8ラウンド大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞するたびに15個の出玉(賞球)が得られる。なお、8ラウンド大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。
【0073】
また、15ラウンド大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき15ラウンド大当り状態が終了した後や、8ラウンド大当り図柄となる「1」、「5」の数字を示す特別図柄のうち、「1」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき8ラウンド大当り状態が終了した後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
【0074】
15ラウンド大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき15ラウンド大当り状態が終了した後や、8ラウンド大当り図柄となる「1」、「5」の数字を示す特別図柄のうち、「1」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき15ラウンド大当り状態が終了した後には、確率変動制御(確変制御)が行われる。確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に可変表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。なお、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
【0075】
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
【0076】
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
【0077】
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。なお、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
【0078】
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
【0079】
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
【0080】
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
【0081】
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
【0082】
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
【0083】
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
【0084】
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
【0085】
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
【0086】
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図5に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、特定領域スイッチ24、第1一般入賞球スイッチ27L、第2一般入賞球スイッチ27Rといった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
【0087】
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
【0088】
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
【0089】
図6は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、V入賞判定処理を実行する(ステップS100)。図7は、V入賞判定処理として、図6のステップS100にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【0090】
図7に示すV入賞判定処理において、CPU103は、まず、特定領域にもうけらられた特定領域スイッチ24からの検出信号に基づき、特定領域スイッチ24がオンであるか否かを判定する(ステップS191)。このとき、特定領域スイッチ24がオフであれば(ステップS191;No)、そのままV入賞判定処理を終了する。
【0091】
ステップS191にて特定領域スイッチ24がオンであるときには(ステップS191;Yes)、特図プロセスフラグの値が特別図柄変動処理に対応した値である“2”であるか否かを判定することにより、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動が実行されているか否かを判定する(ステップS192)。このとき、特別図柄の変動が実行されていれば(ステップS192;Yes)、特別図柄の変動を中断するための設定を行う(ステップS193)。
【0092】
このような設定を行うことにより、遊技球が特定領域を通過して大当り遊技状態に制御されれば、特別図柄の変動は、実行中であっても中断されるので、大当り遊技状態に制御されているにも関わらず、特別図柄の変動が実行されるといった複雑な制御が行われることを防止することができる。なお、中断された特別図柄の変動は、大当り遊技状態の終了後、残りの変動時間から再開され、再開される特別図柄の変動は、必ず特図表示結果が「ハズレ」となるように置き換えられればよい。これにより、遊技球が特定領域を通過して開始された大当り遊技状態の終了後、高確高ベース状態に制御されたにも関わらず、第1特図を用いた特図ゲームにおいて特図表示結果が「大当り」となり、高い確率で高確高ベース状態が即終了してしまうといった不利益を防止することができる。なお、中断された特別図柄の変動が、第1特図を用いた特図ゲーム、第2特図を用いた特図ゲームのいずれにおいて行われたものであるかに関係なく、再開後の特別図柄の変動については、変動特図が第2特図である場合と同様に、「15ラウンド非確変」や「15ラウンド確変」といった有利な大当り種別のいずれかとなるように、抽選し直してもよい。この場合、特図表示結果が「大当り」であるときのみ、大当り種別を再度抽選し直すようにし、特図表示結果が「ハズレ」であるときには、そのまま特別図柄の変動を再開するようにすればよい。また、中断された特別図柄の変動を再開させる際には、再開後の変動時間も再度決定するようにしてもよい。
【0093】
ステップS192にて特別図柄の変動が実行されていないときや(ステップS192;No)、ステップS193の処理を実行した後には、遊技球が特定領域に進入して特定領域スイッチ24によって検出されたことを示すV入賞情報を出力するための設定を行う(ステップS194)。こうして設定されたV入賞情報は、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、ステップS13の情報出力処理が実行されることなどにより、主基板11からパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに出力される。
【0094】
ステップS194の処理を実行した後には、大当り種別を15ラウンド確変大当りに決定する(ステップS195)。その後、CPU103は、大当り状態開始待ち時間を設定する(ステップS196)。例えば、ステップS196の処理では、大当り状態開始待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。その後、例えばRAM102などに設けられた大当り状態開始前フラグを、オン状態にセットする(ステップS197)。
【0095】
ステップS197の処理に続いて、特図プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS198)、特別図柄停止処理を終了する。
【0096】
図6に示すV入賞判定処理に続いて、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図8は、始動入賞判定処理として、図6のステップS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【0097】
図8に示す始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えばRAM102に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えばRAM102に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
【0098】
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。CPU103は、例えばRAM102に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、例えばRAM102に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
【0099】
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(ステップS208)。例えば、RAM102に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
【0100】
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104やRAM102のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、抽出する(ステップS209)。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。CPU103は、ステップS209の処理を実行することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果や可変表示時間を含む可変表示態様の決定に用いられる乱数値のうち、一部または全部を示す数値データを抽出する。
【0101】
こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、所定の第1特図保留記憶部に乱数値MR1、MR2を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、所定の第2特図保留記憶部に乱数値MR1、MR2を示す数値データがセットされる。
【0102】
第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
【0103】
第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
【0104】
なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
【0105】
図8に示すステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、ステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
【0106】
その後、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンド、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドのいずれかを送信するための設定を行う(ステップS212)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、ステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。なお、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
【0107】
ステップS212の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS213)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS213;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS213;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
【0108】
図6のステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
【0109】
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
【0110】
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、所定の変動パターン決定用の乱数値を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の可変表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
【0111】
ステップS110の特別図柄通常処理やステップS111の変動パターン設定処理により、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、所定の変動パターン決定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や飾り図柄の可変表示態様を決定する処理を含んでいる。
【0112】
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、RAM102に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
【0113】
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM102に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、小当りフラグがオンである場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、大当りフラグと小当りフラグがともにオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
【0114】
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「8ラウンド非確変」、「8ラウンド確変」、「15ラウンド非確変」、「15ラウンド確変」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「8ラウンド非確変」または「8ラウンド確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「8回」に設定することにより、8ラウンド大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「15ラウンド非確変」または「15ラウンド確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、15ラウンド大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
【0115】
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
【0116】
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
【0117】
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
【0118】
図9は、特別図柄通常処理として、図6のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図9に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS231の処理では、RAM102に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
【0119】
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
【0120】
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、RAM102にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
【0121】
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理では、RAM102にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
【0122】
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかが決定できればよい。
【0123】
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
【0124】
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1、MR2示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、RAM102にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
【0125】
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、変動特図指定バッファ値に対応する特図表示結果決定テーブルを選択してセットする(ステップS239)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合には、図10(A)に示す第1特図表示結果決定テーブル130Aを使用テーブルにセットする。一方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合には、図10(B)に示す第2特図表示結果決定テーブル130Bを使用テーブルにセットする。また、CPU103は、現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータを選択すればよい。
【0126】
第1特図表示結果決定テーブル130Aは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。第2特図表示結果決定テーブル130Bは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
【0127】
第1特図表示結果決定テーブル130Aでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される決定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる決定用データとなっている。
【0128】
図9に示すステップS239の処理に続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS240)。
【0129】
ステップS239では現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータが選択されていることから、ステップS240の処理では、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、異なる決定用データを用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが決定される。例えば、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が通常状態又は時短状態であるときには、第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて遊技状態が通常状態又は時短状態の場合に対応するテーブルデータが、通常決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。これに対して、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるときには、第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて遊技状態が確変状態の場合に対応するテーブルデータが、特別決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。
【0130】
ここで、図10に示す第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのそれぞれでは、遊技状態が高確低ベース状態または高確高ベース状態(高確状態)であるときに、低確低ベース状態または低確高ベース状態(低確状態)であるときよりも多くの決定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる高確低ベース状態または高確高ベース状態(高確状態)では、低確低ベース状態または低確高ベース状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。具体的に図10に示す例では、遊技状態が低確低ベース状態または低確高ベース状態(低確状態)である場合、1/200の確率で特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されるのに対し、遊技状態が高確低ベース状態または高確高ベース状態(高確状態)である場合、1/40の確率で特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される。すなわち、第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのそれぞれでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が高確低ベース状態または高確高ベース状態(高確状態)であるときに、低確低ベース状態や低確高ベース状態(低確状態)であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、決定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
【0131】
ステップS240にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。そして、「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;Yes)、RAM102に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図11に示す大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。
【0132】
大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、特図ゲームにおいて可変表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「8ラウンド非確変」や「8ラウンド確変」、「15ラウンド非確変」、「15ラウンド確変」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
【0133】
図9に示すステップS243にてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、「8ラウンド非確変」や「8ラウンド確変」、「15ラウンド非確変」、「15ラウンド確変」の各大当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(ステップS244)。
【0134】
ステップS244の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、低確低ベース状態と、高確低ベース状態と、低確高ベース状態と、高確高ベース状態とのうち、いずれの遊技状態に制御するかが、可変表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。この実施の形態では、「8ラウンド非確変」の大当り種別に決定された場合には、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、低確低ベース状態に制御すると決定され、「8ラウンド確変」の大当り種別に決定された場合には、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、高確低ベース状態に制御すると決定される。また、「15ラウンド非確変」の大当り種別に決定された場合には、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、低確高ベース状態に制御すると決定され、「15ラウンド確変」の大当り種別に決定された場合には、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、高確高ベース状態に制御すると決定される。
【0135】
ここで、図11に示す大当り種別決定テーブル131の設定例では、変動特図が第1特図である場合、「8ラウンド非確変」や「8ラウンド確変」、「15ラウンド確変」の大当り種別に対して決定値が割り当てらている一方で、変動特図が第2特図である場合、「15ラウンド非確変」や「15ラウンド確変」の大当り種別に対して決定値が割り当てらている。そして、変動特図が第1特図である場合には、決定値のうち「0」〜「89」の範囲の値が「8ラウンド非確変」の大当り種別に対して割り当てられている一方で、「90」〜「99」の範囲の値が「8ラウンド確変」、「15ラウンド確変」のいずれかの大当り種別に対して割り当てられている。このため、変動特図が第1特図である場合には、大当り遊技状態の終了後、9/10の割合で低確低ベース状態(低確状態)に移行制御され、1/10の割合で高確低ベース状態や高確高ベース状態(高確状態)に移行制御される。これに対して、変動特図が第2特図である場合には、決定値のうち「0」〜「9」の範囲の値が「15ラウンド非確変」の大当り種別に対して割り当てられている一方で、「10」〜「99」の範囲の値が「15ラウンド確変」の大当り種別に対して割り当てられている。このため、変動特図が第2特図である場合には、大当り遊技状態の終了後、1/10の割合で低確高ベース状態(低確状態)に移行制御され、9/10の割合で高確高ベース状態(高確状態)に移行制御される。これにより、例えば時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい高ベース状態において、第2特図を用いた特図ゲームにおける特図表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態に制御されたときには、大当り遊技状態の終了後、高確高ベース状態に高い割合で制御される。この結果、高確高ベース状態に制御されているときには、高確高ベース状態が9/10の確率でループし、大きな賞球を得ることができる。
【0136】
こうして決定された大当り種別に対応して、例えばRAM102に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「8ラウンド非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「8ラウンド確変」であれば「1」とし、「15ラウンド非確変」であれば「2」とし、「15ラウンド確変」であれば「2」とすればよい。
【0137】
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合や(ステップS241;No)、ステップS245の処理を実行した後には、大当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS248)。一例として、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「8ラウンド非確変」とする決定結果に応じて、8ラウンド大当り図柄のうち非確変大当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「8ラウンド確変」とする決定結果に応じて、8ラウンド大当り図柄のうち確変大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「15ラウンド非確変」とする決定結果に応じて、15ラウンド大当り図柄のうち非確変大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「15ラウンド確変」とする決定結果に応じて、15ラウンド大当り図柄のうち確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
【0138】
ステップS248にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS249)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS250)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
【0139】
以上説明したように、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1によれば、以下の効果を奏することができる。
【0140】
低確低ベース状態や高確低ベース状態(低ベース状態)に制御されているときには、大当り図柄が導出されて大当り遊技状態に制御されても、大当り遊技状態の終了後に高確低ベース状態や高確高ベース状態(高確状態)に制御される確率が低くなるように制限される。これに対して、遊技状態に関わらず、特定領域を遊技球が通過(V入賞)して大当り遊技状態に制御されれば、大当り遊技状態の終了後に高確高ベース状態に制御されるので、特定領域を遊技球が通過(V入賞)することに対して遊技者に期待を持たせることができる。
【0141】
また、特別図柄の変動中に、遊技球が特定領域を通過して大当り遊技状態に制御された場合には、特別図柄の変動が中断される。これにより、大当り遊技状態に制御されているにも関わらず、特別図柄が変動されるといった複雑な制御を防止することができる。
【0142】
さらに、遊技球が特定領域に進入して特定領域スイッチ24によって検出されたときには、その旨を示すV入賞情報が、主基板11からパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに出力されるので、外部で不正を判別ができるようになる。
【0143】
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1では、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
【0144】
上記実施の形態では、一発入賞口51に進入した遊技球のうち、回転体55によって特定領域以外の領域に振り分けられた遊技球はそのまま排出されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、特定領域以外の領域に振り分けられた遊技球は、所定の始動入賞口に誘導されてもよい。そして、この始動入賞口を通過(進入)した遊技球が、所定の始動口スイッチによって検出された後に、第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始されればよい。このように、遊技球が特定領域以外の領域に振り分けられた場合でも、始動入賞口に進入して第1特図よりも有利な第2特図を用いた特図ゲームが実行され得るので、特定領域以外の領域に振り分けられた遊技球が、始動入賞口に進入することに対して、遊技者に期待感を持たせることができる。
【0145】
また、回転体55の誘導によって遊技球が通過可能な始動入賞口と、回転体55の誘導によらずに遊技球が通過可能な第1始動入賞口と、では、第1特図と第2特図とのいずれを用いる特図ゲームが実行されるかに応じて、遊技球が通過したときの有利度、具体的には大当り遊技状態におけるラウンド数や、大当り遊技状態の終了後に高確状態に制御される確率が異なっている。このため、各々有利度が異なる始動入賞口のうちのいずれかを遊技球が通過するかについて、遊技者に期待を持たせることができる。
【0146】
上記実施の形態では、遊技球が左経路を経由して特定領域に進入した場合も、右経路を経由して特定領域に進入した場合も、有利度は同一なものとして説明したが、この発明はこれに限定されるものではなく、有利度を異ならせてもよい。例えば遊技球が左経路と右経路とのいずれかを経由して特定領域に進入したかに応じて、大当り遊技状態における演出の種類や、大当り遊技状態の価値を異ならせてもよい。これにより、各々有利度が異なる左経路と右経路とのうちのいずれを経由して特定領域を通過したかについて、遊技者に期待を持たせることができる。
【0147】
上記実施の形態では、特殊入賞装置50の右側の遊技領域に、普通可変入賞球装置6Bが設けられるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、図12に示すように、普通可変入賞球装置6Bが設けられていなくてもよい。図12に示す例において、遊技球が一発入賞口51に向けて発射されると、一発入賞口51には、約1/50の確率で進入する。上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1と進入確率が異なるのは、盤面における、遊技球を誘導する釘の打ち方が異なっているからである。
【0148】
チャンス状態でないときに一発入賞口51に進入した遊技球は、振分部52にて必ず右流路に振り分けられ、チャンス状態中に一発入賞口51に進入した遊技球は、振分部52にて必ず左流路に振り分けられる。このチャンス状態には、遊技球が特定領域に進入したことに基づいて開始された大当り遊技状態の終了後、或いは第1特図を用いた特図ゲームにおける特図表示結果が「大当り」となったことに基づいて開始された大当り遊技状態の終了後、一発入賞口51に遊技球が3個進入するまで制御される。
【0149】
右流路に振り分けられた遊技球は、図2に示すように、第1排出口53から排出され、回転体55の側面に導かれる。回転体55の側面には、6つの凹部が設けられ、そのうちの1つが特定領域(V入賞口)となっている。
【0150】
これに対して、左流路に振り分けられた遊技球は、図3に示すように、第2排出口54から排出され、回転体55の上面に導かれる。回転体55の上面には、2つの穴部が設けられ、そのうちの1つが特定領域(V入賞口)と連通している。
【0151】
すなわち、右流路に振り分けられた遊技球は1/6の確率で、左流路に振り分けられた遊技球は1/2の確率で、特定領域(V入賞口)に進入する。特定領域に進入した遊技球は、特定領域スイッチ24によって検出される。特定領域に進入した遊技球が特定領域スイッチ24によって検出されたことに対応して、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
【0152】
このため、チャンス状態でないときにおいて、遊技者が遊技球を一発入賞口51に向けて発射した場合に大当り遊技状態に制御される確率は、約1/300(1/50×1/6)となる。これに対して、チャンス状態において、遊技者が遊技球を一発入賞口51に向けて発射した場合に大当り遊技状態に制御される確率は、約1/100(1/50×1/2)となる。これにより、チャンス状態においては、遊技球を減らすことなく、遊技を進めていくことができる。そして、遊技球が特定領域に進入して特定領域スイッチ24によって検出された後、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが、その実行回数が所定の上限回数(例えば「5」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。
【0153】
これにより、大当り遊技状態の終了後にチャンス状態が開始されてから、一発入賞口51に遊技球が3個進入してチャンス状態が終了するまでに、一発入賞口51に進入した3個の遊技球のうち、少なくともいずれか1個の遊技球が、特定領域を通過する確率は、87.5%(=1−(1/2)×(1/2)×(1/2))となる。すなわち、大当り遊技状態の終了後には、87.5%の確率で再度大当り遊技状態に制御される。
【0154】
これに対して、第1始動入賞口に遊技球が進入した後に第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特図を用いた特図ゲームが実行される。この第1特図を用いた特図ゲームでは、1/300の確率で大当り遊技状態に制御するか否かの抽選が行われ、当選しているときには、特図表示結果が「大当り」となる。
【0155】
なお、遊技球が特定領域を通過して大当り遊技状態に制御されれば、特別図柄の変動は中断される。そして、中断された特別図柄の変動は、大当り遊技状態の終了後、残りの変動時間から再開され、特図表示結果が「ハズレ」に置き換えたり、大当り種別が抽選し直されたりすることはない。これは、本変形例が、上記実施の形態とは異なり、遊技状態と関係ないからである。
【0156】
以上説明したように、本変形例におけるパチンコ遊技機1によれば、チャンス状態に制御されていないときにも、チャンス状態に制御されているときよりかは低いが所定の割合で、大当り遊技状態の終了後にチャンス状態に制御される。このため、チャンス状態に制御されていないときにおいても、チャンス状態に制御されることに対して遊技者に期待を持たせることができる。
【0157】
また、チャンス状態に制御されていないときに特定領域を遊技球が通過して大当り遊技状態に制御された場合、大当り遊技状態の終了後にチャンス状態に制御されるので、特定領域を遊技球が通過することに対して遊技者に期待を持たせることができる。
【0158】
上記実施の形態では、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第1特図を用いた特図ゲームが実行され、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第2特図を用いた特図ゲームが実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかにかかわらず共通の特別図柄を用いた特図ゲームが実行されるものであってもよい。
【0159】
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機、さらには遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、可変表示装置で導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用することができる。
【0160】
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
【0161】
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
【符号の説明】
【0162】
1 … パチンコ遊技機
2 … 遊技盤
3 … 遊技機用枠
4A、4B … 特別図柄表示装置
5 … 画像表示装置
6A … 普通入賞球装置
6B … 普通可変入賞球装置
7 … 特別可変入賞球装置
8L、8R … スピーカ
9 … 遊技効果ランプ
11 … 主基板
12 … 演出制御基板
13 … 音声制御基板
14 … ランプ制御基板
15 … 中継基板
20 … 普通図柄表示器
21 … ゲートスイッチ
22A、22B … 始動口スイッチ
23 … カウントスイッチ
24 … 特定領域スイッチ
27L、27R … 一般入賞口スイッチ
50 … 特殊入賞装置
51 … 一発入賞口
52 … 振分部
53 … 第1排出口
54 … 第2排出口
55 … 回転体
100 … 遊技制御用マイクロコンピュータ
101 … ROM
102 … RAM
103 … CPU
104 … 乱数回路
105 … I/O
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に係り、詳しくは、遊技領域に遊技媒体を発射することにより所定の遊技を行うとともに、該遊技の結果に応じて遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技媒体が入賞すると、所定個の賞球といった景品遊技媒体が遊技者に払い出されるものがある。さらに、所定の入賞領域に遊技媒体が入賞する(始動条件が成立する)と識別情報を可変表示(「変動」ともいう)可能な可変表示装置が設けられ、可変表示装置において識別情報の可変表示の表示結果が特定表示結果(大当り図柄)となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御可能になるように構成されたものがある。
【0003】
このような遊技機としては、再チャンスパターンLでの変動表示を開始してから一定期間後、左の特別図柄として「ドラム図柄」が仮停止されると共に、遊技盤の左側にある特定入賞口が一定期間だけ開放状態となり、開放状態となっている特定入賞口から入賞した遊技球は、V、S、R、T、Fのいずれかの入賞穴を通過し、通過した入賞穴の種類によっては、変動表示パターンや確定図柄を変更することが決定されるものがある(例えば、特許文献1参照)。この場合、始動入賞時に決定したものではなく、変更後の変動表示パターンで特別図柄を変動表示させ、変更後の確定図柄を特図ゲームの表示結果として導出表示させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−147746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の遊技機では、特定遊技状態に制御されるまでの過程が、特定遊技状態に制御されることにより得られる価値に関係がなく、遊技者に期待を持たせることができなかった。
【0006】
この発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、遊技者に期待を持たせることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記目的を達成するため、本願の第1の観点に係る遊技機は、
遊技領域に遊技媒体(例えば遊技球など)を発射することにより所定の遊技を行うとともに、該遊技の結果に応じて遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態など)に制御する遊技機(例えばパチンコ遊技機1など)であって、
各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄など)の可変表示を行い表示結果を導出する可変表示手段(例えば第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bなど)と、
前記識別情報の表示結果として特定表示結果が導出されたとき、又は前記遊技領域に設けられた特定領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、前記特定遊技状態に制御する特定遊技状態制御手段(例えばステップS114〜S116の処理を実行するCPU103など)と、
通常遊技状態(例えば低確低ベース状態や低確高ベース状態など)よりも前記特定表示結果が導出され易い特別遊技状態に制御可能な特別遊技状態制御手段(例えばステップS117の処理を実行するCPU103など)と、
を備え、
前記特別遊技状態制御手段は、
前記通常遊技状態に制御されているときに、前記特定領域を遊技媒体が通過して前記特定遊技状態に制御された場合、該特定遊技状態の終了後に前記特別遊技状態に制御する一方で、前記特定表示結果が導出されて前記特定遊技状態に制御された場合、該特定遊技状態の終了後に前記特別遊技状態に制御することを制限する通常時特別遊技状態制御手段(例えばステップS195、S244の処理を実行するCPU103など)と、
前記特別遊技状態に制御されているときに、前記特定表示結果が導出されて前記特定遊技状態に制御されたか、前記特定領域を遊技媒体が通過して前記特定遊技状態に制御されたかに関わらず、前記特別遊技状態に制御する特別時特別遊技状態制御手段(例えばステップS224の処理を実行するCPU103など)と、
を含む、
ことを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、通常遊技状態に制御されているときには、特定表示結果が導出されて特定遊技状態に制御されても、特定遊技状態の終了後に特別遊技状態に制御されることが制限されるが、特定領域を遊技媒体が通過して特定遊技状態に制御されれば、特定遊技状態の終了後に特別遊技状態に制御されるので、特定領域を遊技媒体が通過することに対して遊技者に期待を持たせることができる。
【0009】
(2)上記目的を達成するため、本願の第2の観点に係る遊技機は、
遊技領域に遊技媒体(例えば遊技球など)を発射することにより所定の遊技を行うとともに、該遊技の結果に応じて遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態など)に制御する遊技機(例えばパチンコ遊技機1など)であって、
各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄など)の可変表示を行い表示結果を導出する可変表示手段(例えば第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bなど)と、
前記識別情報の表示結果として特定表示結果が導出されたとき、又は前記遊技領域に設けられた特定領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、前記特定遊技状態に制御する特定遊技状態制御手段(例えばステップS114〜S116の処理を実行するCPU103など)と、
通常遊技状態よりも前記特定領域を遊技媒体が通過し易い特別遊技状態(例えばチャンス状態など)に所定期間の間(例えば3個の遊技球が一発入賞口51を通過するまでなど)制御可能な特別遊技状態制御手段(例えばステップS117の処理を実行するCPU103など)と、
を備え、
前記特別遊技状態制御手段は、
前記通常遊技状態に制御されているときに、前記特定遊技状態の終了後に所定の割合で前記特別遊技状態に制御する通常時特別遊技状態制御手段(例えばステップS117の処理を実行するCPU103など)と、
前記特別遊技状態に制御されているときに、前記特定遊技状態の終了後に前記所定の割合よりも高い割合で前記特別遊技状態に制御する特別時特別遊技状態制御手段(例えばステップS117の処理を実行するCPU103など)と、
を含む、
ことを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、通常遊技状態に制御されているときにも、特別遊技状態に制御されているときよりは低いが所定の割合で、特定遊技状態の終了後に特別遊技状態に制御される。このため、通常遊技状態に制御されているときにおいても、特別遊技状態に制御されることに対して遊技者に期待を持たせることができる。
【0011】
(3)上記(2)の遊技機において、
前記特別時特別遊技状態制御手段は、前記通常遊技状態に制御されているときに前記特定領域を遊技媒体が通過して前記特定遊技状態に制御された場合、該特定遊技状態の終了後に前記特別遊技状態に制御する、
ようにしてもよい。
【0012】
このような構成によれば、通常遊技状態に制御されているときに特定領域を遊技媒体が通過して特定遊技状態に制御された場合、特定遊技状態の終了後に特別遊技状態に制御されるので、特定領域を遊技媒体が通過することに対して遊技者に期待を持たせることができる。
【0013】
(4)上記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、
遊技媒体を前記特定領域と該特定領域以外の領域とのいずれかに振り分けて、該特定領域以外の領域に振り分けられた遊技媒体を前記始動領域に誘導可能な振分装置(例えば振分部52など)をさらに備える、
ようにしてもよい。
【0014】
このような構成によれば、遊技媒体が特定領域以外の領域に振り分けられたときでも、始動領域を通過することに対して遊技者に期待感を持たせることができる。
【0015】
(5)上記(4)の遊技機において、
前記始動領域は、前記振分装置の誘導によって遊技媒体が通過可能な第1始動領域と、前記振分装置の誘導によらず遊技媒体が通過可能で、前記第1始動領域とは有利度が異なる第2始動領域(例えば第1始動入賞口など)と、を含む、
ようにしてもよい。
【0016】
このような構成によれば、各々有利度が異なる第1始動領域と第2始動領域とのうちのいずれを遊技媒体が通過するかについて、遊技者に期待を持たせることができる。
【0017】
(6)上記(1)から(5)のいずれかの遊技機において、
前記遊技領域には、遊技媒体を前記特定領域に誘導可能な第1経路(例えば右経路など)と第2経路(例えば左経路など)とが設けられ、
前記第1経路と前記第2経路とは、遊技媒体がいずれの経路を経由して前記特定領域を通過したかに応じて、有利度が異なる、
ようにしてもよい。
【0018】
このような構成によれば、各々有利度が異なる第1経路と第2経路とのうちのいずれを経由したかについて、遊技者に期待を持たせることができる。
【0019】
(7)上記(1)から(6)のいずれかの遊技機において、
前記可変表示手段は、前記識別情報の可変表示中に遊技媒体が前記特定領域を通過して前記特定遊技状態に制御された場合、該識別情報の可変表示を中断する(例えばCPU103はステップS193の処理などを実行する)、
ようにしてもよい。
【0020】
このような構成によれば、遊技媒体が特定領域を通過して特定遊技状態に制御されれば、識別情報の可変表示は、実行中であっても中断されるので、特定遊技状態に制御されているにも関わらず、識別情報の可変表示が実行されるといった複雑な制御が行われることを防止することができる。
【0021】
(8)上記(1)から(7)のいずれかの遊技機において、
前記特定領域を遊技媒体が通過したときに、その旨を示す特定領域通過信号を外部出力する外部出力手段(例えばステップS194の処理などを実行する)をさらに備える、
ようにしてもよい。
【0022】
このような構成によれば、特定領域を遊技媒体が通過したときに、その旨を示す特定領域通過信号が外部出力されるので、外部で不正を判別ができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】右経路に振り分けられた遊技球の流れを示す説明図である。
【図3】左経路に振り分けられた遊技球の流れを示す説明図である。
【図4】パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。
【図5】遊技制御用タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】V入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】特図表示結果決定テーブルの構成例を示す図である。
【図11】大当り種別決定テーブルの構成例を示す図である。
【図12】変形例におけるパチンコ遊技機の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
【0025】
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、特殊入賞装置50が設けられている。特殊入賞装置50のカマボコ状の上面部の頂点付近には、一発入賞口51が設けられている。遊技球が一発入賞口51に向けて発射されると、一発入賞口51には、約1/200の確率で進入する。一発入賞口51に進入した遊技球は、振分部52にて1/2の確率で左流路と右流路とのいずれかに振り分けされる。
【0026】
右流路に振り分けられた遊技球は、図2に示すように、第1排出口53から排出され、回転体55の側面に導かれる。回転体55の側面には、6つの凹部が設けられ、そのうちの1つが特定領域(V入賞口)となっている。
【0027】
これに対して、左流路に振り分けられた遊技球は、図3に示すように、第2排出口54から排出され、回転体55の上面に導かれる。回転体55の上面には、2つの穴部が設けられ、そのうちの1つが特定領域(V入賞口)と連通している。
【0028】
すなわち、右流路に振り分けられた遊技球は1/6の確率で、左流路に振り分けられた遊技球は1/2の確率で、特定領域(V入賞口)に進入する。特定領域に進入した遊技球は、特定領域スイッチ24によって検出される。特定領域に進入した遊技球が特定領域スイッチ24によって検出されたことに対応して、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
【0029】
このため、遊技者が遊技球を一発入賞口51に向けて発射した場合に大当り遊技状態に制御される確率は、約1/600(=1/200×1/2×1/6+1/200×1/2×1/2)となる。そして、遊技球が特定領域に進入して特定領域スイッチ24によって検出された後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
【0030】
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
【0031】
大当り遊技状態の終了後には、時間短縮制御(時短制御)とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
【0032】
確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に可変表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。なお、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
【0033】
なお、大当り遊技状態に制御されているときには、遊技球が特定領域に進入しないように、一発入賞口51に進入した遊技球を特殊入賞装置50から排出する制御が行われる。具体的には、一発入賞口51から回転体55に至るまでの経路に、図示しない振分弁を設け、大当り遊技状態に制御されているときには、一発入賞口51に進入した遊技球が、回転体55に到達する以前に特殊入賞装置50から排出されるように、振分弁を制御すればよい。また、回転体55の動作を特定位置で停止することにより、必ず特定領域に進入(V入賞)しないようにしてもよい。なお、大当り遊技状態に制御されているにも関わらず、特定領域スイッチ24からの検出信号がオンとなったときには、異常なV入賞があったとして、その旨を報知するようにすればよい。
【0034】
特殊入賞装置50の入賞空間内において、例えば図1に示すように、特殊入賞装置50の中央背面(奥面)部分などには、画像表示装置5が配置されている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4A(図4)による第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4B(図4)による第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
【0035】
特殊入賞装置50の下方には、普通入賞球装置6Aが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図4に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。
【0036】
特殊入賞装置50の右側の遊技領域には、通過ゲート41が設けられ、その下方には、普通可変入賞球装置6Bが設けられている。普通可変入賞球装置6Bは、図4に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
【0037】
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
【0038】
普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図4に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
【0039】
普通入賞球装置6Aの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図4に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
【0040】
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
【0041】
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図4に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
【0042】
特別可変入賞球装置7の左側には、一般入賞口42Lが、右側には、一般入賞口42Rがそれぞれ設けられている。一般入賞口42L、42Rはそれぞれ、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる。一般入賞口42Lに進入した遊技球は、例えば図4に示す一般入賞球スイッチ27L、27Rのうち、第1一般入賞球スイッチ27Lによって検出される。一般入賞口42Rに進入した遊技球は、例えば図4に示す一般入賞球スイッチ27L、27Rのうち、第2一般入賞球スイッチ27Rによって検出される。一般入賞球スイッチ27L、27Rのいずれかによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0043】
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
【0044】
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
【0045】
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
【0046】
パチンコ遊技機1には、例えば図4に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
【0047】
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
【0048】
主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
【0049】
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、図1に示す遊技盤2の所定位置に設けられ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
【0050】
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
【0051】
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
【0052】
普通図柄表示器20は、図1に示す遊技盤2の所定位置に設けられ、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
【0053】
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
【0054】
スイッチ回路110には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、特定領域スイッチ24、第1一般入賞球スイッチ27L、第2一般入賞球スイッチ27Rからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、特定領域スイッチ24、第1一般入賞球スイッチ27L、第2一般入賞球スイッチ27Rは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。
【0055】
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
【0056】
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
【0057】
乱数回路104は、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えばRAM102に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを定期的あるいは不定期に更新することで、各種の乱数値の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
【0058】
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
【0059】
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域が設けられている。
【0060】
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
【0061】
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
【0062】
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
【0063】
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
【0064】
次に、図1に示すパチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
【0065】
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図4に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
【0066】
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
【0067】
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図4に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図4に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
【0068】
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となる。また、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
【0069】
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
【0070】
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「1」、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
【0071】
大当り図柄となる「1」、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄は15ラウンド大当り図柄となり、「1」、「5」の数字を示す特別図柄は8ラウンド大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として15ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される多ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(15ラウンド大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。15ラウンド大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第1ラウンド数(例えば「15」)となる。ラウンドの実行回数が「15」となる15ラウンド大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。このような15ラウンド大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞するたびに15個の出玉(賞球)が得られる。なお、15ラウンド大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
【0072】
特図ゲームにおける確定特別図柄として8ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される少ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(8ラウンド大当り状態)では、ラウンドの実行回数が、15ラウンド大当り状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数(例えば「8」)となる。8ラウンド大当り状態では、ラウンドの実行回数が第2ラウンド数となるように制御され、それ以外の制御は15ラウンド大当り状態と同様に行われる。ラウンドの実行回数が「8」となる8ラウンド大当り状態における遊技は、8回開放遊技とも称される。このような8ラウンド大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞するたびに15個の出玉(賞球)が得られる。なお、8ラウンド大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。
【0073】
また、15ラウンド大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき15ラウンド大当り状態が終了した後や、8ラウンド大当り図柄となる「1」、「5」の数字を示す特別図柄のうち、「1」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき8ラウンド大当り状態が終了した後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
【0074】
15ラウンド大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき15ラウンド大当り状態が終了した後や、8ラウンド大当り図柄となる「1」、「5」の数字を示す特別図柄のうち、「1」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき15ラウンド大当り状態が終了した後には、確率変動制御(確変制御)が行われる。確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に可変表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。なお、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
【0075】
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
【0076】
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
【0077】
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。なお、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
【0078】
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
【0079】
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
【0080】
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
【0081】
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
【0082】
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
【0083】
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
【0084】
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
【0085】
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
【0086】
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図5に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、特定領域スイッチ24、第1一般入賞球スイッチ27L、第2一般入賞球スイッチ27Rといった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
【0087】
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
【0088】
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
【0089】
図6は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、V入賞判定処理を実行する(ステップS100)。図7は、V入賞判定処理として、図6のステップS100にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【0090】
図7に示すV入賞判定処理において、CPU103は、まず、特定領域にもうけらられた特定領域スイッチ24からの検出信号に基づき、特定領域スイッチ24がオンであるか否かを判定する(ステップS191)。このとき、特定領域スイッチ24がオフであれば(ステップS191;No)、そのままV入賞判定処理を終了する。
【0091】
ステップS191にて特定領域スイッチ24がオンであるときには(ステップS191;Yes)、特図プロセスフラグの値が特別図柄変動処理に対応した値である“2”であるか否かを判定することにより、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動が実行されているか否かを判定する(ステップS192)。このとき、特別図柄の変動が実行されていれば(ステップS192;Yes)、特別図柄の変動を中断するための設定を行う(ステップS193)。
【0092】
このような設定を行うことにより、遊技球が特定領域を通過して大当り遊技状態に制御されれば、特別図柄の変動は、実行中であっても中断されるので、大当り遊技状態に制御されているにも関わらず、特別図柄の変動が実行されるといった複雑な制御が行われることを防止することができる。なお、中断された特別図柄の変動は、大当り遊技状態の終了後、残りの変動時間から再開され、再開される特別図柄の変動は、必ず特図表示結果が「ハズレ」となるように置き換えられればよい。これにより、遊技球が特定領域を通過して開始された大当り遊技状態の終了後、高確高ベース状態に制御されたにも関わらず、第1特図を用いた特図ゲームにおいて特図表示結果が「大当り」となり、高い確率で高確高ベース状態が即終了してしまうといった不利益を防止することができる。なお、中断された特別図柄の変動が、第1特図を用いた特図ゲーム、第2特図を用いた特図ゲームのいずれにおいて行われたものであるかに関係なく、再開後の特別図柄の変動については、変動特図が第2特図である場合と同様に、「15ラウンド非確変」や「15ラウンド確変」といった有利な大当り種別のいずれかとなるように、抽選し直してもよい。この場合、特図表示結果が「大当り」であるときのみ、大当り種別を再度抽選し直すようにし、特図表示結果が「ハズレ」であるときには、そのまま特別図柄の変動を再開するようにすればよい。また、中断された特別図柄の変動を再開させる際には、再開後の変動時間も再度決定するようにしてもよい。
【0093】
ステップS192にて特別図柄の変動が実行されていないときや(ステップS192;No)、ステップS193の処理を実行した後には、遊技球が特定領域に進入して特定領域スイッチ24によって検出されたことを示すV入賞情報を出力するための設定を行う(ステップS194)。こうして設定されたV入賞情報は、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、ステップS13の情報出力処理が実行されることなどにより、主基板11からパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに出力される。
【0094】
ステップS194の処理を実行した後には、大当り種別を15ラウンド確変大当りに決定する(ステップS195)。その後、CPU103は、大当り状態開始待ち時間を設定する(ステップS196)。例えば、ステップS196の処理では、大当り状態開始待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。その後、例えばRAM102などに設けられた大当り状態開始前フラグを、オン状態にセットする(ステップS197)。
【0095】
ステップS197の処理に続いて、特図プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS198)、特別図柄停止処理を終了する。
【0096】
図6に示すV入賞判定処理に続いて、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図8は、始動入賞判定処理として、図6のステップS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【0097】
図8に示す始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えばRAM102に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えばRAM102に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
【0098】
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。CPU103は、例えばRAM102に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、例えばRAM102に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
【0099】
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(ステップS208)。例えば、RAM102に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
【0100】
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104やRAM102のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、抽出する(ステップS209)。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。CPU103は、ステップS209の処理を実行することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果や可変表示時間を含む可変表示態様の決定に用いられる乱数値のうち、一部または全部を示す数値データを抽出する。
【0101】
こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、所定の第1特図保留記憶部に乱数値MR1、MR2を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、所定の第2特図保留記憶部に乱数値MR1、MR2を示す数値データがセットされる。
【0102】
第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
【0103】
第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
【0104】
なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
【0105】
図8に示すステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、ステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
【0106】
その後、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンド、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドのいずれかを送信するための設定を行う(ステップS212)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、ステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。なお、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
【0107】
ステップS212の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS213)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS213;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS213;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
【0108】
図6のステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
【0109】
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
【0110】
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、所定の変動パターン決定用の乱数値を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の可変表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
【0111】
ステップS110の特別図柄通常処理やステップS111の変動パターン設定処理により、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、所定の変動パターン決定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や飾り図柄の可変表示態様を決定する処理を含んでいる。
【0112】
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、RAM102に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
【0113】
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM102に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、小当りフラグがオンである場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、大当りフラグと小当りフラグがともにオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
【0114】
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「8ラウンド非確変」、「8ラウンド確変」、「15ラウンド非確変」、「15ラウンド確変」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「8ラウンド非確変」または「8ラウンド確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「8回」に設定することにより、8ラウンド大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「15ラウンド非確変」または「15ラウンド確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、15ラウンド大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
【0115】
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
【0116】
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
【0117】
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
【0118】
図9は、特別図柄通常処理として、図6のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図9に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS231の処理では、RAM102に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
【0119】
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
【0120】
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、RAM102にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
【0121】
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理では、RAM102にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
【0122】
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかが決定できればよい。
【0123】
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
【0124】
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1、MR2示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、RAM102にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
【0125】
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、変動特図指定バッファ値に対応する特図表示結果決定テーブルを選択してセットする(ステップS239)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合には、図10(A)に示す第1特図表示結果決定テーブル130Aを使用テーブルにセットする。一方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合には、図10(B)に示す第2特図表示結果決定テーブル130Bを使用テーブルにセットする。また、CPU103は、現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータを選択すればよい。
【0126】
第1特図表示結果決定テーブル130Aは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。第2特図表示結果決定テーブル130Bは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
【0127】
第1特図表示結果決定テーブル130Aでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される決定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる決定用データとなっている。
【0128】
図9に示すステップS239の処理に続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS240)。
【0129】
ステップS239では現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータが選択されていることから、ステップS240の処理では、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、異なる決定用データを用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが決定される。例えば、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が通常状態又は時短状態であるときには、第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて遊技状態が通常状態又は時短状態の場合に対応するテーブルデータが、通常決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。これに対して、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるときには、第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて遊技状態が確変状態の場合に対応するテーブルデータが、特別決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。
【0130】
ここで、図10に示す第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのそれぞれでは、遊技状態が高確低ベース状態または高確高ベース状態(高確状態)であるときに、低確低ベース状態または低確高ベース状態(低確状態)であるときよりも多くの決定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる高確低ベース状態または高確高ベース状態(高確状態)では、低確低ベース状態または低確高ベース状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。具体的に図10に示す例では、遊技状態が低確低ベース状態または低確高ベース状態(低確状態)である場合、1/200の確率で特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されるのに対し、遊技状態が高確低ベース状態または高確高ベース状態(高確状態)である場合、1/40の確率で特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される。すなわち、第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのそれぞれでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が高確低ベース状態または高確高ベース状態(高確状態)であるときに、低確低ベース状態や低確高ベース状態(低確状態)であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、決定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
【0131】
ステップS240にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。そして、「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;Yes)、RAM102に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図11に示す大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。
【0132】
大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、特図ゲームにおいて可変表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「8ラウンド非確変」や「8ラウンド確変」、「15ラウンド非確変」、「15ラウンド確変」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
【0133】
図9に示すステップS243にてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、「8ラウンド非確変」や「8ラウンド確変」、「15ラウンド非確変」、「15ラウンド確変」の各大当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(ステップS244)。
【0134】
ステップS244の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、低確低ベース状態と、高確低ベース状態と、低確高ベース状態と、高確高ベース状態とのうち、いずれの遊技状態に制御するかが、可変表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。この実施の形態では、「8ラウンド非確変」の大当り種別に決定された場合には、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、低確低ベース状態に制御すると決定され、「8ラウンド確変」の大当り種別に決定された場合には、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、高確低ベース状態に制御すると決定される。また、「15ラウンド非確変」の大当り種別に決定された場合には、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、低確高ベース状態に制御すると決定され、「15ラウンド確変」の大当り種別に決定された場合には、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、高確高ベース状態に制御すると決定される。
【0135】
ここで、図11に示す大当り種別決定テーブル131の設定例では、変動特図が第1特図である場合、「8ラウンド非確変」や「8ラウンド確変」、「15ラウンド確変」の大当り種別に対して決定値が割り当てらている一方で、変動特図が第2特図である場合、「15ラウンド非確変」や「15ラウンド確変」の大当り種別に対して決定値が割り当てらている。そして、変動特図が第1特図である場合には、決定値のうち「0」〜「89」の範囲の値が「8ラウンド非確変」の大当り種別に対して割り当てられている一方で、「90」〜「99」の範囲の値が「8ラウンド確変」、「15ラウンド確変」のいずれかの大当り種別に対して割り当てられている。このため、変動特図が第1特図である場合には、大当り遊技状態の終了後、9/10の割合で低確低ベース状態(低確状態)に移行制御され、1/10の割合で高確低ベース状態や高確高ベース状態(高確状態)に移行制御される。これに対して、変動特図が第2特図である場合には、決定値のうち「0」〜「9」の範囲の値が「15ラウンド非確変」の大当り種別に対して割り当てられている一方で、「10」〜「99」の範囲の値が「15ラウンド確変」の大当り種別に対して割り当てられている。このため、変動特図が第2特図である場合には、大当り遊技状態の終了後、1/10の割合で低確高ベース状態(低確状態)に移行制御され、9/10の割合で高確高ベース状態(高確状態)に移行制御される。これにより、例えば時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい高ベース状態において、第2特図を用いた特図ゲームにおける特図表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態に制御されたときには、大当り遊技状態の終了後、高確高ベース状態に高い割合で制御される。この結果、高確高ベース状態に制御されているときには、高確高ベース状態が9/10の確率でループし、大きな賞球を得ることができる。
【0136】
こうして決定された大当り種別に対応して、例えばRAM102に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「8ラウンド非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「8ラウンド確変」であれば「1」とし、「15ラウンド非確変」であれば「2」とし、「15ラウンド確変」であれば「2」とすればよい。
【0137】
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合や(ステップS241;No)、ステップS245の処理を実行した後には、大当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS248)。一例として、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「8ラウンド非確変」とする決定結果に応じて、8ラウンド大当り図柄のうち非確変大当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「8ラウンド確変」とする決定結果に応じて、8ラウンド大当り図柄のうち確変大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「15ラウンド非確変」とする決定結果に応じて、15ラウンド大当り図柄のうち非確変大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「15ラウンド確変」とする決定結果に応じて、15ラウンド大当り図柄のうち確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
【0138】
ステップS248にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS249)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS250)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
【0139】
以上説明したように、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1によれば、以下の効果を奏することができる。
【0140】
低確低ベース状態や高確低ベース状態(低ベース状態)に制御されているときには、大当り図柄が導出されて大当り遊技状態に制御されても、大当り遊技状態の終了後に高確低ベース状態や高確高ベース状態(高確状態)に制御される確率が低くなるように制限される。これに対して、遊技状態に関わらず、特定領域を遊技球が通過(V入賞)して大当り遊技状態に制御されれば、大当り遊技状態の終了後に高確高ベース状態に制御されるので、特定領域を遊技球が通過(V入賞)することに対して遊技者に期待を持たせることができる。
【0141】
また、特別図柄の変動中に、遊技球が特定領域を通過して大当り遊技状態に制御された場合には、特別図柄の変動が中断される。これにより、大当り遊技状態に制御されているにも関わらず、特別図柄が変動されるといった複雑な制御を防止することができる。
【0142】
さらに、遊技球が特定領域に進入して特定領域スイッチ24によって検出されたときには、その旨を示すV入賞情報が、主基板11からパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに出力されるので、外部で不正を判別ができるようになる。
【0143】
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1では、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
【0144】
上記実施の形態では、一発入賞口51に進入した遊技球のうち、回転体55によって特定領域以外の領域に振り分けられた遊技球はそのまま排出されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、特定領域以外の領域に振り分けられた遊技球は、所定の始動入賞口に誘導されてもよい。そして、この始動入賞口を通過(進入)した遊技球が、所定の始動口スイッチによって検出された後に、第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始されればよい。このように、遊技球が特定領域以外の領域に振り分けられた場合でも、始動入賞口に進入して第1特図よりも有利な第2特図を用いた特図ゲームが実行され得るので、特定領域以外の領域に振り分けられた遊技球が、始動入賞口に進入することに対して、遊技者に期待感を持たせることができる。
【0145】
また、回転体55の誘導によって遊技球が通過可能な始動入賞口と、回転体55の誘導によらずに遊技球が通過可能な第1始動入賞口と、では、第1特図と第2特図とのいずれを用いる特図ゲームが実行されるかに応じて、遊技球が通過したときの有利度、具体的には大当り遊技状態におけるラウンド数や、大当り遊技状態の終了後に高確状態に制御される確率が異なっている。このため、各々有利度が異なる始動入賞口のうちのいずれかを遊技球が通過するかについて、遊技者に期待を持たせることができる。
【0146】
上記実施の形態では、遊技球が左経路を経由して特定領域に進入した場合も、右経路を経由して特定領域に進入した場合も、有利度は同一なものとして説明したが、この発明はこれに限定されるものではなく、有利度を異ならせてもよい。例えば遊技球が左経路と右経路とのいずれかを経由して特定領域に進入したかに応じて、大当り遊技状態における演出の種類や、大当り遊技状態の価値を異ならせてもよい。これにより、各々有利度が異なる左経路と右経路とのうちのいずれを経由して特定領域を通過したかについて、遊技者に期待を持たせることができる。
【0147】
上記実施の形態では、特殊入賞装置50の右側の遊技領域に、普通可変入賞球装置6Bが設けられるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、図12に示すように、普通可変入賞球装置6Bが設けられていなくてもよい。図12に示す例において、遊技球が一発入賞口51に向けて発射されると、一発入賞口51には、約1/50の確率で進入する。上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1と進入確率が異なるのは、盤面における、遊技球を誘導する釘の打ち方が異なっているからである。
【0148】
チャンス状態でないときに一発入賞口51に進入した遊技球は、振分部52にて必ず右流路に振り分けられ、チャンス状態中に一発入賞口51に進入した遊技球は、振分部52にて必ず左流路に振り分けられる。このチャンス状態には、遊技球が特定領域に進入したことに基づいて開始された大当り遊技状態の終了後、或いは第1特図を用いた特図ゲームにおける特図表示結果が「大当り」となったことに基づいて開始された大当り遊技状態の終了後、一発入賞口51に遊技球が3個進入するまで制御される。
【0149】
右流路に振り分けられた遊技球は、図2に示すように、第1排出口53から排出され、回転体55の側面に導かれる。回転体55の側面には、6つの凹部が設けられ、そのうちの1つが特定領域(V入賞口)となっている。
【0150】
これに対して、左流路に振り分けられた遊技球は、図3に示すように、第2排出口54から排出され、回転体55の上面に導かれる。回転体55の上面には、2つの穴部が設けられ、そのうちの1つが特定領域(V入賞口)と連通している。
【0151】
すなわち、右流路に振り分けられた遊技球は1/6の確率で、左流路に振り分けられた遊技球は1/2の確率で、特定領域(V入賞口)に進入する。特定領域に進入した遊技球は、特定領域スイッチ24によって検出される。特定領域に進入した遊技球が特定領域スイッチ24によって検出されたことに対応して、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
【0152】
このため、チャンス状態でないときにおいて、遊技者が遊技球を一発入賞口51に向けて発射した場合に大当り遊技状態に制御される確率は、約1/300(1/50×1/6)となる。これに対して、チャンス状態において、遊技者が遊技球を一発入賞口51に向けて発射した場合に大当り遊技状態に制御される確率は、約1/100(1/50×1/2)となる。これにより、チャンス状態においては、遊技球を減らすことなく、遊技を進めていくことができる。そして、遊技球が特定領域に進入して特定領域スイッチ24によって検出された後、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが、その実行回数が所定の上限回数(例えば「5」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。
【0153】
これにより、大当り遊技状態の終了後にチャンス状態が開始されてから、一発入賞口51に遊技球が3個進入してチャンス状態が終了するまでに、一発入賞口51に進入した3個の遊技球のうち、少なくともいずれか1個の遊技球が、特定領域を通過する確率は、87.5%(=1−(1/2)×(1/2)×(1/2))となる。すなわち、大当り遊技状態の終了後には、87.5%の確率で再度大当り遊技状態に制御される。
【0154】
これに対して、第1始動入賞口に遊技球が進入した後に第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特図を用いた特図ゲームが実行される。この第1特図を用いた特図ゲームでは、1/300の確率で大当り遊技状態に制御するか否かの抽選が行われ、当選しているときには、特図表示結果が「大当り」となる。
【0155】
なお、遊技球が特定領域を通過して大当り遊技状態に制御されれば、特別図柄の変動は中断される。そして、中断された特別図柄の変動は、大当り遊技状態の終了後、残りの変動時間から再開され、特図表示結果が「ハズレ」に置き換えたり、大当り種別が抽選し直されたりすることはない。これは、本変形例が、上記実施の形態とは異なり、遊技状態と関係ないからである。
【0156】
以上説明したように、本変形例におけるパチンコ遊技機1によれば、チャンス状態に制御されていないときにも、チャンス状態に制御されているときよりかは低いが所定の割合で、大当り遊技状態の終了後にチャンス状態に制御される。このため、チャンス状態に制御されていないときにおいても、チャンス状態に制御されることに対して遊技者に期待を持たせることができる。
【0157】
また、チャンス状態に制御されていないときに特定領域を遊技球が通過して大当り遊技状態に制御された場合、大当り遊技状態の終了後にチャンス状態に制御されるので、特定領域を遊技球が通過することに対して遊技者に期待を持たせることができる。
【0158】
上記実施の形態では、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第1特図を用いた特図ゲームが実行され、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第2特図を用いた特図ゲームが実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかにかかわらず共通の特別図柄を用いた特図ゲームが実行されるものであってもよい。
【0159】
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機、さらには遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、可変表示装置で導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用することができる。
【0160】
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
【0161】
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
【符号の説明】
【0162】
1 … パチンコ遊技機
2 … 遊技盤
3 … 遊技機用枠
4A、4B … 特別図柄表示装置
5 … 画像表示装置
6A … 普通入賞球装置
6B … 普通可変入賞球装置
7 … 特別可変入賞球装置
8L、8R … スピーカ
9 … 遊技効果ランプ
11 … 主基板
12 … 演出制御基板
13 … 音声制御基板
14 … ランプ制御基板
15 … 中継基板
20 … 普通図柄表示器
21 … ゲートスイッチ
22A、22B … 始動口スイッチ
23 … カウントスイッチ
24 … 特定領域スイッチ
27L、27R … 一般入賞口スイッチ
50 … 特殊入賞装置
51 … 一発入賞口
52 … 振分部
53 … 第1排出口
54 … 第2排出口
55 … 回転体
100 … 遊技制御用マイクロコンピュータ
101 … ROM
102 … RAM
103 … CPU
104 … 乱数回路
105 … I/O
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域に遊技媒体を発射することにより所定の遊技を行うとともに、該遊技の結果に応じて遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であって、
各々を識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出する可変表示手段と、
前記識別情報の表示結果として特定表示結果が導出されたとき、又は前記遊技領域に設けられた特定領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、前記特定遊技状態に制御する特定遊技状態制御手段と、
通常遊技状態よりも前記特定表示結果が導出され易い特別遊技状態に制御可能な特別遊技状態制御手段と、
を備え、
前記特別遊技状態制御手段は、
前記通常遊技状態に制御されているときに、前記特定領域を遊技媒体が通過して前記特定遊技状態に制御された場合、該特定遊技状態の終了後に前記特別遊技状態に制御する一方で、前記特定表示結果が導出されて前記特定遊技状態に制御された場合、該特定遊技状態の終了後に前記特別遊技状態に制御することを制限する通常時特別遊技状態制御手段と、
前記特別遊技状態に制御されているときに、前記特定表示結果が導出されて前記特定遊技状態に制御されたか、前記特定領域を遊技媒体が通過して前記特定遊技状態に制御されたかに関わらず、前記特別遊技状態に制御する特別時特別遊技状態制御手段と、
を含む、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技領域に遊技媒体を発射することにより所定の遊技を行うとともに、該遊技の結果に応じて遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であって、
各々を識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出する可変表示手段と、
前記識別情報の表示結果として特定表示結果が導出されたとき、又は前記遊技領域に設けられた特定領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、前記特定遊技状態に制御する特定遊技状態制御手段と、
通常遊技状態よりも前記特定領域を遊技媒体が通過し易い特別遊技状態に所定期間の間制御可能な特別遊技状態制御手段と、
を備え、
前記特別遊技状態制御手段は、
前記通常遊技状態に制御されているときに、前記特定遊技状態の終了後に所定の割合で前記特別遊技状態に制御する通常時特別遊技状態制御手段と、
前記特別遊技状態に制御されているときに、前記特定遊技状態の終了後に前記所定の割合よりも高い割合で前記特別遊技状態に制御する特別時特別遊技状態制御手段と、
を含む、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項1】
遊技領域に遊技媒体を発射することにより所定の遊技を行うとともに、該遊技の結果に応じて遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であって、
各々を識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出する可変表示手段と、
前記識別情報の表示結果として特定表示結果が導出されたとき、又は前記遊技領域に設けられた特定領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、前記特定遊技状態に制御する特定遊技状態制御手段と、
通常遊技状態よりも前記特定表示結果が導出され易い特別遊技状態に制御可能な特別遊技状態制御手段と、
を備え、
前記特別遊技状態制御手段は、
前記通常遊技状態に制御されているときに、前記特定領域を遊技媒体が通過して前記特定遊技状態に制御された場合、該特定遊技状態の終了後に前記特別遊技状態に制御する一方で、前記特定表示結果が導出されて前記特定遊技状態に制御された場合、該特定遊技状態の終了後に前記特別遊技状態に制御することを制限する通常時特別遊技状態制御手段と、
前記特別遊技状態に制御されているときに、前記特定表示結果が導出されて前記特定遊技状態に制御されたか、前記特定領域を遊技媒体が通過して前記特定遊技状態に制御されたかに関わらず、前記特別遊技状態に制御する特別時特別遊技状態制御手段と、
を含む、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技領域に遊技媒体を発射することにより所定の遊技を行うとともに、該遊技の結果に応じて遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であって、
各々を識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出する可変表示手段と、
前記識別情報の表示結果として特定表示結果が導出されたとき、又は前記遊技領域に設けられた特定領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、前記特定遊技状態に制御する特定遊技状態制御手段と、
通常遊技状態よりも前記特定領域を遊技媒体が通過し易い特別遊技状態に所定期間の間制御可能な特別遊技状態制御手段と、
を備え、
前記特別遊技状態制御手段は、
前記通常遊技状態に制御されているときに、前記特定遊技状態の終了後に所定の割合で前記特別遊技状態に制御する通常時特別遊技状態制御手段と、
前記特別遊技状態に制御されているときに、前記特定遊技状態の終了後に前記所定の割合よりも高い割合で前記特別遊技状態に制御する特別時特別遊技状態制御手段と、
を含む、
ことを特徴とする遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−59509(P2013−59509A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200037(P2011−200037)
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】
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