説明

遊技機

【課題】遊技者の興味を引くことができ、遊技に対する興趣を向上させることができる可動演出装置を備えた遊技機を提供する。
【解決手段】遊技機10において、外側用回転軸210と直交する断面が多角形状となる外側外周面220を有し、当該外周面が、絵柄223が描画された複数の透明な面221と、複数の不透明な面222とで構成された外側回転体200と、外側用回転軸と同方向に設けられた内側用回転軸310と直交する断面が多角形状となる内側外周面320を有し、当該外周面が、外側外周面の内部に重なる位置に配置されると共にテーパ状の鏡面321に形成されて、外側外周面の透明な面に描画された絵柄が映るように構成され、外側回転体と逆方向に回転する内側回転体300と、内側用回転軸と同方向に光を照射し、当該光が、内側外周面で外側外周面側に反射されるように構成された光源400と、を有する可動演出装置100を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技機に関し、特に、可動演出装置を有する遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技盤の表面側に形成された遊技領域に可動演出用の装飾体を備えているものがある。また、そのような装飾体の中には、回転可動するように構成され、回転させて遊技演出を行うものもある(例えば、特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−050659号公報
【特許文献2】特開2011−030845号公報
【特許文献3】特開2010−253190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、遊技者は、前記した特許文献1〜3に示すような遊技機よりも、さらに存在感のある動作が行われて、遊技の興趣を向上させる可動演出装置を求めている、という現状があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、回転動作によるめまぐるしい動きを演出する可動演出装置を備えることで、より遊技者の興味を引くことができ、遊技に対する興趣をさらに向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の発明は、外側用回転軸と直交する断面が多角形状となる外側外周面を有し、当該外側外周面が、絵柄が描画された複数の透明な面と、複数の不透明な面とで構成された外側回転体と、前記外側回転体の外側用回転軸と同方向に設けられた内側用回転軸と直交する断面が多角形状となる内側外周面を有し、当該内側外周面が、前記外側回転体の外側外周面の内部に重なる位置に配置されると共にテーパ状の鏡面に形成されて、前記外側回転体の外側外周面の透明な面に描画された前記絵柄が映るように構成され、前記外側回転体と逆方向に回転する内側回転体と、前記内側回転体の内側用回転軸と同方向に光を照射し、当該光が、前記内側回転体におけるテーパ状の鏡面に形成された前記内側外周面で前記外側回転体の外側外周面側に反射されるように構成された光源と、を有する可動演出装置を備えた遊技機としたことを特徴とする。
【0007】
請求項1に係る発明によれば、回転動作によるめまぐるしい動きを演出する可動演出装置を備えることで、より遊技者の興味を引くことができ、遊技に対する興趣をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機を表面側からみた斜視図である。
【図2】同パチンコ遊技機を背面側からみた斜視図である。
【図3】同パチンコ遊技機の遊技盤の正面図である。
【図4】同パチンコ遊技機の可動演出装置の斜視図である。
【図5】同パチンコ遊技機の可動演出装置の断面図である。
【図6】同パチンコ遊技機の可動演出装置の背面図である。
【図7】同パチンコ遊技機の可動演出装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態における遊技機について図面を参照しながら説明する。なお、本発明の実施の形態では、遊技機としてパチンコ遊技機を例に説明している。図1は、本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機を表面側からみた斜視図であり、図2は、同パチンコ遊技機を背面側からみた斜視図である。
【0010】
本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機10は、図1に示すように、外枠11、前枠12、窓枠13及び当該窓枠13に覆われた遊技盤30(後述)などを備えている。また、パチンコ遊技機10の背面には、図2に示すように、液晶ディスプレイ型の演出表示装置37(後述)などの表示制御や、可動役物41(後述)及びLEDなどによる遊技演出の制御を行う表示演出サブ基板21、各種遊技音の出力制御を行う音サブ基板22、入賞時におけるパチンコ遊技機10の動作等を含むパチンコ遊技機10の主要な動作を制御する主基板23、パチンコ球(遊技球)の払い出し動作を制御する払出基板24、各基板等に電源を供給する電源基板25等の各種基板が例えば透明ケースに収納された状態で取り付けられている。
【0011】
具体的に、外枠11は、パチンコホールの台島に設置されており、図1に示すように、前後面が開口するように四角筒状に形成されている。前枠12は、外枠11の前端面に左側辺部の垂直な軸を中心に回動可能に装着されている。また、この前枠12の前面下部には、上面が開口する下皿14と、上面が開口する上皿15とが固定されている。
【0012】
下皿14の右端周辺にはハンドル台16が固定されており、ハンドル台16には発射ハンドル19が回動自在に装着されている。この発射ハンドル19の後方には発射モータが固定されており、発射モータの回転軸には打球槌が連結されている。この発射モータは打球槌の駆動源に相当するものであり、発射ハンドル19が回動操作されたときには発射モータに駆動電源が供給される。その結果、打球槌が駆動して上皿15内のパチンコ球が弾き出される。
【0013】
窓枠13は前枠12の前面に装着されている。この窓枠13は前枠12と一体となって、前記した軸を中心に回動可能となっている。また、この窓枠13には円形孔状の窓部17が形成されており、窓部17の内周面には透明なガラスやアクリル等からなる透明板17aが固定されている。この窓枠13の左上隅部及び右上隅部の裏面には、遊技音を出力するスピーカ18が固定されている。また、窓枠13には複数の装飾LEDが固定されている。
【0014】
上述の遊技盤30は、前枠12の後面に装着されている。以下、この遊技盤30及び遊技盤30に備えられる各構成部材について図3〜図7を参照して詳細に説明する。図3は、本発明の実施の形態における遊技盤30の正面図であり、図4は、同パチンコ遊技機の可動演出装置の斜視図であり、図5は、同パチンコ遊技機の可動演出装置の断面図であり、図6は、同パチンコ遊技機の可動演出装置の背面図であり、図7は、同パチンコ遊技機の可動演出装置の模式図である。この遊技盤30は、上述のように前枠12の後面に装着されており、窓枠13の透明板17aに前方から覆われている。
【0015】
遊技盤30は、その盤面等に各構成部材を固定する板状の部材であり、木製又は樹脂製のものである。ガイドレール32は、この遊技盤30の前記透明板17aと対向する表面側の盤面に固定されて、この遊技盤30上に、パチンコ球の発射通路31aと、発射されたパチンコ球が転動しながら流下する遊技領域31bとを区画形成する。遊技盤30における遊技領域31bのほぼ中央部には、当該遊技盤30に貫設された開口部38が形成されている。この開口部38の周縁には、センター装飾部材40が付設されている。また、センター装飾部材40には、開口部38の下部を覆うように、ステージ50が形成されている。
【0016】
また、遊技領域31bにおいては、遊技盤30に形成された開口部38の周囲の少なくとも一部に、パチンコ球が転動しながら流下するようになっている。本実施の形態では、ガイドレール32と開口部38との間の領域で、開口部38の上方から左方及び右下方までの領域にパチンコ球が流下するようになっている。
【0017】
また、遊技領域31bにおける遊技盤30の盤面上には、パチンコ球の流下方向を変化させる複数の遊技釘(障害部材)39が打ち込まれている。上述の打球槌が弾いたパチンコ球は、発射通路31aを通して遊技領域31b内に放出される。そして、遊技領域31bに放出されたパチンコ球は、遊技釘39に当たって転動しながら遊技領域31bを流下し、最終的に何れかの入賞口又は遊技領域31bの最下方に位置するアウト口36に入るようになっている。
【0018】
また、遊技盤30に貫設された開口部38の後方には、カラー液晶ディスプレイ等を用いた演出表示装置37が設けられている。この演出表示装置37は、大当り遊技状態を発生させるか否かの判定結果に基づき変動演出表示を行う広い面積の表示画面37aを有しており、当該表示画面37aが開口部38からパチンコ遊技機10の前方に向けて臨むようになっている。
【0019】
また、遊技領域31b内において、演出表示装置37の下方には、始動入賞口33が配置されている。この始動入賞口33は、パチンコ球が入賞することによって、遊技者に有利な大当り遊技状態を発生させるか否かの判定を行う起点となるものであり、上方に開口するポケット状に形成されている。
【0020】
また、始動入賞口33の下方には、大入賞口34が配置されている。この大入賞口34は図示しないアクチュエータの作動により開閉する開閉扉34aを備えており、この開閉扉34aは、遊技状態が大当り遊技状態になると開口し、その際には大入賞口34が上方に向かってポケット状に幅広く開口し、多数のパチンコ球が同時かつ連続的に大入賞口34に入賞可能となる。
【0021】
また、遊技領域31bの所定位置(本実施の形態では、開口部38の周縁に装着されたセンター装飾部材40の左側方)にはワープ通路90が設けられており、遊技領域31bにおけるパチンコ球が流下する途中(本実施の形態では、開口部38の周縁に装着されたセンター装飾部材40の左側方の上部)にワープ通路90の球入口91が形成されており、また、遊技領域31bにおけるステージ50付近(本実施の形態では、開口部38の周縁に装着されたセンター装飾部材40の左側方の下部でステージ50に繋がる位置)にワープ通路90の球出口92が形成されている。そして、本実施の形態では、遊技領域31bに転動するパチンコ球が、球入口91からワープ通路90に入り、当該ワープ通路90内を通って、球出口92から放出されることで、パチンコ球がステージ50に誘導されるようになっている。
【0022】
また、遊技領域31b内の所定位置には、パチンコ球が入賞可能な一般入賞口35が上方に開口するポケット状に形成されている(本実施の形態では、遊技領域31bの左下部に複数の一般入賞口35が形成されている)。
【0023】
また、演出表示装置37の右下部前方には、可動演出装置100が配置されている。この可動演出装置100は、演出表示装置37とステージ50の間に設けられる収容空間に収容されている。以下、本実施の形態における可動演出装置100について、図4〜図7を参照して詳細に説明する。なお、図4〜図6には、便宜上、後述する光源400が記載されていない。本実施の形態における可動演出装置100は、第1回転体機構110と第2回転体機構120の2つの回転体機構が並設されており、当該第1回転体機構110と第2回転体機構120が同じ中心軸で回転駆動するように構成されている。
【0024】
まず、第1回転体機構110について説明する。この第1回転体機構110は、第1外側回転体200,第1内側回転体300及び光源400を備えている。
【0025】
第1外側回転体200は、第1外側用回転軸210に固定されて回転する回転体であり、当該第1外側用回転軸210と直交する方向の断面が多角形状となるように第1外側外周面220が形成されている。なお、第1外側外周面220で構成される多角形としては、種々の条件に応じた適宜の多角形で良く、正多角形でも正多角形以外の多角形であっても良い。本実施の形態の第1外側回転体200は、第1外側外周面220で正九角形を構成するようになっている。
【0026】
また、この断面視多角形状の第1外側外周面220のそれぞれの面は、透明な部材で構成された第1透明面221と、不透明な部材で構成された第1不透明面222を、それそれ複数有する構成となっている。このうち、第1透明面221には、第1絵柄223が描画されており、本実施の形態では、第1絵柄223として、「一萬」,「二萬」等の麻雀牌の絵柄が描画されている。なお、第1透明面221と第1不透明面222は、1対1で交互に配置されるようになっていても良いし、一方がいくつか続けて配置されるようになっていても良い。
【0027】
第1内側回転体300は、第1内側用回転軸310に固定されて回転する回転体である。また、第1内側用回転軸310は、第1外側回転体200の第1外側用回転軸210と同方向に延びるように設けられており、本実施の形態では、第1外側回転体200の中心軸,第1外側用回転軸210の中心,第1内側回転体300の中心軸,第1内側用回転軸310の中心が同じとなるように構成されている。また、第1内側回転体300においては、第1内側用回転軸310と直交する方向の断面が多角形状となるように第1内側外周面320が形成されている。なお、第1内側外周面320で構成される多角形としては、種々の条件に応じた適宜の多角形で良いが、後述する第1絵柄223の映り込みの効果をより明確に引き出すため、正多角形以外の多角形が好ましい。本実施の形態の第1内側回転体300は、第1内側外周面320で正九角形でない九角形を構成するようになっている。
【0028】
また、第1内側外周面320が、第1外側回転体200の第1外側外周面220の内部に重なる位置に配置されており、当該第1内側外周面320は、光源400側に傾いたテーパ状の第1鏡面321を複数(ここでは、9面)有する構成となっている。このように、第1内側外周面320が第1外側外周面220の内部に重なり、かつ、複数の第1鏡面321を有する構成となっていることで、第1外側外周面220の透明な第1透明面221に描画された第1絵柄223が、第1鏡面321に映り込むようになっており、この映り込んだ絵柄を、第1透明面221を介して外部からみることができるようになっている。また、第1外側外周面220が正九角形に形成され、第1内側外周面320が正九角形でない九角形に形成されており、重なっている状態で双方の位置や角度がずれるため、第1外側外周面220の第1絵柄223が第1内側外周面320の第1鏡面321に映り込んだときに、双方の絵柄が外部から見て完全に重ならずに微妙にずれることになり、絵柄が実際よりも多く存在しているように見えるようになっている。
【0029】
光源400は、第1外側回転体200及び第1内側回転体300の外側(本実施の形態では、図5及び図7の右側)に配置されており、複数のLED410が配置されたLED基板となっている。本実施の形態の光源400は、略円形にLED410が配置されたものとなっている。また、光源400は、第1内側回転体300の第1内側用回転軸310と同方向に光を照射するようになっており、図7の矢印で示すように、当該光が、第1内側回転体300における第1内側外周面320のテーパ状の第1鏡面321で反射して、第1外側回転体200の第1外側外周面220側に向かうように構成されている。これにより、光源400の光が、第1外側外周面220の第1透明面221から放射されるようになっている。
【0030】
また、第1外側回転体200と第1内側回転体300は、後述するギア構造によって、それぞれ逆方向に回転するようになっている。すなわち、例えば第1外側回転体200が時計回りに回転するとき、同時に第1内側回転体300が半時計回りに回転するように構成されている。これにより、第1外側外周面220の第1透明面221に描画された第1絵柄321と、第1内側外周面320の第1鏡面321にずれて映り込んだ絵柄が、めまぐるしく動き、より多くの図柄が変動しているように見えるものである。
【0031】
次に、第2回転体機構120について説明する。この第2回転体機構120は、第2外側回転体500,第2内側回転体600及び光源400を備えている。なお、第2外側回転体500は第1外側回転体200とほぼ同様の構成を有しており、第2内側回転体600は第1内側回転体300とほぼ同様の構成を有している。また、光源400は、第1回転体機構110と同じものを共用するように構成されている。
【0032】
第2外側回転体500は、第2外側用回転軸510に固定されて回転する回転体であり、当該第2外側用回転軸510と直交する方向の断面が多角形状となるように第2外側外周面520が形成されている。なお、第2外側外周面520で構成される多角形としては、種々の条件に応じた適宜の多角形で良く、正多角形でも正多角形以外の多角形であっても良い。本実施の形態の第2外側回転体500は、第2外側外周面520で正九角形を構成するようになっている。
【0033】
また、この断面視多角形状の第2外側外周面520のそれぞれの面は、透明な部材で構成された第2透明面521と、不透明な部材で構成された第2不透明面522を、それそれ複数有する構成となっている。このうち、第2透明面521には、第2絵柄523が描画されており、本実施の形態では、第2絵柄523として、「一萬」,「二萬」等の麻雀牌の絵柄が描画されている。なお、第2透明面521と第2不透明面522は、1対1で交互に配置されるようになっていても良いし、一方がいくつか続けて配置されるようになっていても良い。
【0034】
第2内側回転体600は、第2内側用回転軸610に固定されて回転する回転体である。また、第2内側用回転軸610は、第2外側回転体500の第2外側用回転軸510と同方向に延びるように設けられており、本実施の形態では、第2外側回転体500の中心軸,第2外側用回転軸510の中心,第2内側回転体600の中心軸,第2内側用回転軸610の中心が同じとなるように構成されている。また、第2内側回転体600においては、第2内側用回転軸610と直交する方向の断面が多角形状となるように第2内側外周面620が形成されている。なお、第2内側外周面620で構成される多角形としては、種々の条件に応じた適宜の多角形で良いが、第2絵柄523の映り込みの効果をより明確に引き出すため、正多角形以外の多角形が好ましい。本実施の形態の第2内側回転体600は、第2内側外周面620で正九角形でない九角形を構成するようになっている。
【0035】
また、第2内側外周面620が、第2外側回転体500の第2外側外周面520の内部に重なる位置に配置されており、当該第2内側外周面620は、光源400側に傾いたテーパ状の第2鏡面621を複数(ここでは、9面)有する構成となっている。このように、第2内側外周面620が第2外側外周面520の内部に重なり、かつ、複数の第2鏡面621を有する構成となっていることで、第2外側外周面520の透明な第2透明面521に描画された第2絵柄523が、第2鏡面621に映り込むようになっており、この映り込んだ絵柄を、第2透明面521を介して外部からみることができるようになっている。また、第2外側外周面520が正九角形に形成され、第2内側外周面620が正九角形でない九角形に形成されており、重なっている状態で双方の位置や角度がずれるため、第2外側外周面520の第2絵柄523が第2内側外周面620の第2鏡面621に映り込んだときに、双方の絵柄が外部から見て完全に重ならずに微妙にずれることになり、絵柄が実際よりも多く存在しているように見えるようになっている。
【0036】
さらに、光源400を第1回転体機構110と共用しているため、第2内側外周面620の径は、第1内側外周面320の径より大きく形成されており、テーパ形状に傾いた第2鏡面621が、光源400からの光が第1鏡面321によって遮られない位置に配置されて、光源400の光が第2鏡面621にも届くようになっている。特に、本実施の形態では、第1鏡面321と第2鏡面621とが、ほぼ面一の略連続した傾斜となるように形成されている。
【0037】
光源400は、第2外側回転体500及び第2内側回転体600の外側(本実施の形態では、図5及び図7の第1外側回転体200の右側)に配置されており、複数のLED410が配置されたLED基板となっている。本実施の形態の光源400は、略円形にLED410が配置されたものとなっている。また、光源400は、第1内側回転体300の第1内側用回転軸310と同方向かつ第2内側回転体600の第2内側用回転軸610と同方向に光を照射するようになっており、図7の矢印で示すように、当該光が、第2内側回転体600における第2内側外周面620のテーパ状の第2鏡面621で反射して、第2外側回転体500の第2外側外周面520側に向かうように構成されている。これにより、光源400の光が、第1外側外周面220の第1透明面221から放射されると共に、第2外側外周面520の第2透明面521からも放射されるようになっている。
【0038】
また、第2外側回転体500と第2内側回転体600は、後述するギア構造によって、それぞれ逆方向に回転するようになっている。すなわち、例えば第2外側回転体500が時計回りに回転するとき、同時に第2内側回転体600が半時計回りに回転するように構成されている。これにより、第2外側外周面520の第2透明面521に描画された第2絵柄621と、第2内側外周面620の第2鏡面621にずれて映り込んだ絵柄が、めまぐるしく動き、より多くの図柄が変動しているように見えるものである。
【0039】
また、第1外側回転体200と第2外側回転体500、第1内側回転体300と第2内側回転体600は、それぞれ逆方向に回転するようになっている。すなわち、例えば第1外側回転体200が時計回りに回転するとき、第2外側回転体500と第1内側回転体300は反時計回りに回転し、第2内側回転体600は時計回りに回転するようになっている。
【0040】
次に、前記した第1外側回転体200,第1内側回転体300,第2外側回転体500,第2内側回転体600のそれぞれに繋がれているギア構造とその動きについて説明する。
【0041】
図4〜図6に示すように、本実施の形態の可動演出装置100には、図示しない駆動モータからの駆動力を伝達するギアとして、第1リングギア101,第2リングギア102,第3リングギア103,第4リングギア104,第5リングギア105,第6デフギア106,第7デフギア107,第8デフギア108,第9リングギア109等を有している。まず、駆動モータからの駆動力が時計回りの回転であるとき、第1リングギア101に伝えられ、これと歯合する第2リングギア102に固定された第2内側用回転軸310を介して、当該第2内側用回転軸310に固定された第2内側回転体600が反時計回りに回転する。また、第1リングギア101と同軸の第3リングギア103と歯合する第4リングギア104と一体に固定された第1外側用回転軸210,第5リングギア105及び第1外側回転体200が反時計回りに回転する。また、第5リングギア105と歯合する第6デフギア106、当該第6デフギア106と歯合する第7デフギア107、当該第7デフギア107と歯合する第8デフギア108、当該第8デフギア108と歯合する第9リングギア109を介して、当該第9リングギア109に固定された第1内側用回転軸310及び第2外側用回転軸510(双方は一体に固定されている)が時計回りに回転し、当該第1内側用回転軸310及び第2外側用回転軸510に固定された第1内側回転体300及び第2外側回転体500が時計回りに回転する。このようにして、第1外側回転体200,第1内側回転体300,第2外側回転体500,第2内側回転体600のそれぞれを、1つの駆動モータで異なる方向に回転させるものである。なお、図5においては、固定された部材同士に同じハッチングを付している。すなわち、第2リングギア102と第2内側用回転軸310と第2内側回転体600に同じハッチングを付し、第4リングギア104と第1外側用回転軸210と第5リングギア105と第1外側回転体200に同じハッチングを付し、第9リングギア109と第1内側用回転軸310と第2外側用回転軸510と第1内側回転体300と第2外側回転体500に同じハッチングを付している。
【0042】
以上のように、本実施の形態のパチンコ遊技機(遊技機)10は、第1外側用回転軸210,第2外側用回転軸510と直交する断面が多角形状となる第1外側外周面220,第2外側外周面520を有し、当該第1外側外周面220,第2外側外周面520が、第1絵柄223,第2絵柄523が描画された複数の透明な第1透明面221,第2透明面521と、複数の不透明な第1不透明面222,第2不透明面522とで構成された第1外側回転体200,第2外側回転体500と、前記第1外側回転体200,第2外側回転体500の第1外側用回転軸210,第2外側用回転軸510と同方向に設けられた第1内側用回転軸310,第2内側用回転軸610と直交する断面が多角形状となる第1内側外周面320,第2内側外周面620を有し、当該第1内側外周面320,第2内側外周面620が、前記第1外側回転体200,第2外側回転体500の第1外側外周面220,第2外側外周面520の内部に重なる位置に配置されると共にテーパ状の第1鏡面321,第2鏡面621に形成されて、前記第1外側回転体200,第2外側回転体500の第1外側外周面220,第2外側外周面520の透明な第1透明面221,第2透明面521に描画された前記第1絵柄223,第2絵柄523が映るように構成され、前記第1外側回転体200,第2外側回転体500と逆方向に回転する第1内側回転体300,第2内側回転体600と、前記第1内側回転体300,第2内側回転体600の第1内側用回転軸310,第2内側用回転軸610と同方向に光を照射し、当該光が、前記第1内側回転体300,第2内側回転体600におけるテーパ状の第1鏡面321,第2鏡面621に形成された前記第1内側外周面320,第2内側外周面620で前記第1外側回転体200,第2外側回転体500の第1外側外周面220,第2外側外周面520側に反射されるように構成された光源400と、を有する可動演出装置100を備えたパチンコ遊技機(遊技機)10としたことを特徴とする。
【0043】
そして、本実施の形態のパチンコ遊技機(遊技機)10によれば、回転動作によるめまぐるしい動きを演出する可動演出装置100を備えることで、より遊技者の興味を引くことができ、遊技に対する興趣をさらに向上させることができる。
【0044】
なお、以上説明した実施の形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。
【0045】
例えば、前記した実施の形態では、遊技機としてパチンコ遊技機を挙げて説明したが、本発明はこれに限るものではなく、パチスロ遊技機やアレンジボール等の他の遊技機にも適用可能である。
【0046】
また、前記した実施の形態では、可動演出装置100に2つの回転体機構110,120を有する構成となっていたが、本発明はこれに限るものではなく、回転体機構は1つ又は3つ以上であっても良い。また、回転体機構が3つ以上の際には、同じ回転体機構の外側回転体と内側回転体が逆方向に回転し、隣り合う回転体機構の外側回転体同士、隣り合う内側回転体同士がそれぞれ逆方向に回転するように構成されているのが好ましい。
【符号の説明】
【0047】
10…パチンコ遊技機(遊技機)、100…可動演出装置、110…第1回転体機構、120…第2回転体機構、200…第1外側回転体(外側回転体)、210…第1外側用回転軸(外側用回転軸)、220…第1外側外周面(外側外周面)、221…第1透明面(透明な面)、222…第1不透明面(不透明な面)、223…第1絵柄(絵柄)、300…第1内側回転体(内側回転体)、310…第1内側用回転軸(内側用回転軸)、320…第1内側外周面(内側外周面)、321…第1鏡面(鏡面)、400…光源、500…第2外側回転体(外側回転体)、510…第2外側用回転軸(外側用回転軸)、520…第2外側外周面(外側外周面)、521…第2透明面(透明な面)、522…第2不透明面(不透明な面)、523…第2絵柄(絵柄)、600…第2内側回転体(内側回転体)、610…第2内側用回転軸(内側用回転軸)、620…第2内側外周面(内側外周面)、621…第2鏡面(鏡面)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側用回転軸と直交する断面が多角形状となる外側外周面を有し、当該外側外周面が、絵柄が描画された複数の透明な面と、複数の不透明な面とで構成された外側回転体と、
前記外側回転体の外側用回転軸と同方向に設けられた内側用回転軸と直交する断面が多角形状となる内側外周面を有し、当該内側外周面が、前記外側回転体の外側外周面の内部に重なる位置に配置されると共にテーパ状の鏡面に形成されて、前記外側回転体の外側外周面の透明な面に描画された前記絵柄が映るように構成され、前記外側回転体と逆方向に回転する内側回転体と、
前記内側回転体の内側用回転軸と同方向に光を照射し、当該光が、前記内側回転体におけるテーパ状の鏡面に形成された前記内側外周面で前記外側回転体の外側外周面側に反射されるように構成された光源と、
を有する可動演出装置を備えたことを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図4】
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【図5】
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