遊技機
【課題】 遊技者に不快感を与えることのない表示制御を行なうことができる遊技機を提供する。
【解決手段】 遊技を統括的に制御する遊技制御手段と、遊技制御手段から送信される制御指令データに対応して、識別情報を変動表示する変動表示ゲームと変動表示ゲームの未処理数である保留表示の表示制御を行なう従属制御手段と、を備えた遊技機において、前記従属制御手段は、前記遊技制御手段から送信される前記制御指令データに基づいて表示態様を決定し、所定の更新タイミングで表示態様の更新を行なう表示制御手段を備え、前記所定の更新タイミングに前記保留表示の表示態様に関する制御指令データを重複して受信している場合は、後に受信した制御指令データに対応する保留表示は表示する一方で、先に受信した制御指令データに対応する保留表示は表示しないようにした。
【解決手段】 遊技を統括的に制御する遊技制御手段と、遊技制御手段から送信される制御指令データに対応して、識別情報を変動表示する変動表示ゲームと変動表示ゲームの未処理数である保留表示の表示制御を行なう従属制御手段と、を備えた遊技機において、前記従属制御手段は、前記遊技制御手段から送信される前記制御指令データに基づいて表示態様を決定し、所定の更新タイミングで表示態様の更新を行なう表示制御手段を備え、前記所定の更新タイミングに前記保留表示の表示態様に関する制御指令データを重複して受信している場合は、後に受信した制御指令データに対応する保留表示は表示する一方で、先に受信した制御指令データに対応する保留表示は表示しないようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技を統括的に制御する遊技制御手段から従属制御手段に制御指令データを送信し、この制御指令データに基づいて従属制御手段が表示を制御する、例えば、パチンコ機などの遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示装置において変動表示ゲームを行わせ、その変動表示ゲームの停止表示態様に関連して、特典遊技を発生する等の特定の遊技価値を付与するようにした遊技機(例えば、パチンコ機)がある。
このような遊技機では、遊技制御装置(主制御装置)から従属制御装置(表示制御装置、装飾制御装置、音制御装置等の演出制御装置)に制御指令データ(コマンド)を送信し、この制御指令データに基づいて従属制御装置が演出装置(表示装置、スピーカ、装飾用LED等)を制御することにより演出が行われるようになっている。この遊技制御装置から従属制御装置への制御指令データの送信は、パラレル通信により行われる(例えば、特許文献1)。
【0003】
遊技制御装置では、例えば、遊技を統括的に制御するメイン処理が実行されるとともに、所定の時間間隔(例えば、2ms間隔)でタイマ割り込み処理が実行される。このタイマ割り込み処理において、遊技の進行状態に応じて演出に関する制御指令データ(例えば、2バイト)が生成され、従属制御装置に送信される。
具体的には、タイマ割り込み処理において生成された制御指令データは、一旦、遊技制御装置内のメモリに格納される。そして、次回のタイマ割り込み処理において、メモリに格納されている制御指令データのうちの一つが出力I/Fに転送されて従属制御装置に送信される。したがって、1回のタイマ割り込み処理において複数の制御指令データが生成されても、次回以降のタイマ割り込み処理が実行される毎に一つずつ送信されることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−113009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、制御指令データは、遊技の進行に応じて発生するものであり、特に規則性があるわけではないため、1回のタイマ割り込み処理で、保留表示を1加算する制御指令データと保留表示を1減算する制御指令データのように複数の制御指令データが生成されることがある。
このような場合、従来の遊技機では受信した制御指令データを全て反映してしまうため、保留表示が一瞬だけ表示された後にすぐに消失する表示が行なわれ、遊技者に不快感を与えてしまう虞があった。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、遊技者に不快感を与えることのない表示制御を行なうことができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、
遊技を統括的に制御する遊技制御手段と、
前記遊技制御手段から送信される制御指令データに対応して、識別情報を変動表示する変動表示ゲームと該変動表示ゲームの未処理数である保留表示の表示制御を行なう従属制御手段と、
を備えた遊技機において、
前記従属制御手段は、
前記遊技制御手段から送信される前記制御指令データに基づいて表示態様を決定し、所定の更新タイミングで表示態様の更新を行なう表示制御手段を備え、
前記所定の更新タイミングに前記保留表示の表示態様に関する制御指令データを重複して受信している場合は、
後に受信した制御指令データに対応する保留表示は表示する一方で、先に受信した制御指令データに対応する保留表示は表示しないようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、遊技機において遊技者に不快感を与えることのない表示制御を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明を適用した遊技機の全体構成を示す正面図である。
【図2】遊技機100の制御系統全体のブロック図である。
【図3】遊技制御装置30におけるシリアル通信回路35の送信部の構成例を示すブロック図である。
【図4】送信シリアルチャンネル設定レジスタ351の構成例を示す説明図である。
【図5】送信制御レジスタ352の構成例を示す説明図である。
【図6】送信データステータスレジスタ353の構成例を示す説明図である。
【図7】送信データレジスタ354(1段分)の構成例を示す説明図である。
【図8】表示制御装置40におけるシリアル通信回路45の受信部の構成例を示すブロック図である。
【図9】受信シリアルチャンネル設定レジスタ451の構成例を示す説明図である。
【図10】受信制御レジスタ452の構成例を示す説明図である。
【図11】受信データステータスレジスタ453の構成例を示す説明図である。
【図12】受信データレジスタ454(1段分)の構成例を示す説明図である。
【図13】遊技制御装置30から表示制御装置40に送信される送信データの構成を示す説明図である。
【図14】割り込み優先順位レジスタの構成例を示す説明図である。
【図15】割り込みマスクレジスタの構成例を示す説明図である。
【図16】メイン処理の一例を示すフローチャートである。
【図17】メイン処理の一例を示すフローチャートである。
【図18】タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。
【図19】表示制御装置40での受信データの一例について示す説明図である。
【図20】表示制御装置40での受信データに異常データが含まれる場合の一例について示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、本発明に係る遊技機の適例としてのパチンコ遊技機について説明を行う。
図1は、本発明を適用した遊技機の全体構成を示す正面図である。
図1に示すように、本実施形態の遊技機100は、矩形枠状に構成された機枠110を備え、機枠110の前面側には、該機枠110に対して前方向へ扉状に回動可能に矩形枠状の前面枠120が軸着されている。
【0011】
前面枠120は、当該前面枠120に備えられる各種部材等の取付用のベースとなる前面枠本体130と、当該前面枠本体130に対して、その前面側に回動可能に軸支されたクリア部材保持枠140と、クリア部材保持枠140の下側に取り付けられた発射操作ユニット150と、を有する。
【0012】
前面枠本体130は、矩形枠状の機枠110の前面側をちょうど覆うような概略矩形板状に構成されるとともに、その中央から上端部に渡る部分に、遊技盤1を嵌め込んで収容するための方形状の開口部が形成されている。そして、前面枠本体130に収容された遊技盤1の前面が前面枠本体130の開口部から前側に臨むようになっている。すなわち、遊技盤1は、前面枠本体130に嵌め込まれることで前面枠120に取り付けられている。
【0013】
前面枠本体130の開口部、すなわち、前面枠本体130の中央より少し下側から上端部にわたる部分には、前面枠本体130の前側を覆うようにクリア部材保持枠140が配置されており、遊技盤1の前面とクリア部材保持枠140に嵌め込まれたクリア部材としてのガラス板との間で、遊技盤1の前面に設けられたガイドレール2に囲まれた部分が、遊技球が発射されて流下する遊技領域1aとされている。
【0014】
クリア部材保持枠140の一方の側部(遊技機100の前面側から見て左側の側部)は、前面枠本体130の一方の側部に回動可能に軸支されて、扉状に開閉自在とされ、クリア部材保持枠140を開くことにより、遊技盤1の前面側の遊技領域1aの前側を開放可能となっている。
クリア部材保持枠140には、前面枠本体130の開口部をほぼ閉塞するように、該開口部に嵌め込まれた遊技盤1との間に遊技球が流下可能な遊技領域1aとなる間隔を開けて二重のガラス板が固定されている。そして、クリア部材保持枠140において、遊技機100の前側からガラス板を介して遊技盤1の前面側の少なくとも遊技領域1aの部分が視認可能となっている。また、クリア部材保持枠140の前面であって、ガラス板が固定されて遊技領域1aを視認可能とする部分の周囲には、ランプやLED、音声を出力するスピーカ145、145などが設けられている。
【0015】
前面枠本体130に軸着されたクリア部材保持枠140の開放端側となる前面側から見て右側の端部の前面には、施錠装置の一部をなす鍵穴143が形成されている。この鍵穴143は、前面枠本体130の施錠装置の一部を構成するとともに、クリア部材保持枠140の施錠装置の一部を構成する。鍵穴143に鍵を入れて一方(例えば、左回り)に回すと前面枠本体130の施錠が解除され、他方(例えば、右回り)に回すとクリア部材保持枠140の施錠が解除されるようになっている。
【0016】
発射操作ユニット150は、左右側部のうちの一側部となる左側部を前面枠本体130に軸着されて、左右方向に回動して開閉自在な開閉パネル151とその下の下部パネル152とからなる。
開閉パネル151は、排出された遊技球を貯留するとともに、遊技球を発射する発射装置(図示略)に遊技球を送る上皿153を有している。この上皿153の周囲には、遊技者が操作可能な演出用ボタン(図示略)が設けられている。
下部パネル152には、上皿153に収容しきれない遊技球を収容する下皿154及び灰皿155と、遊技領域1aに向けての遊技球の発射操作を行うとともに、該遊技領域1aに遊技球を発射する際の発射勢を調節するための操作ハンドル156、音声を出力するスピーカ157などが設けられている。
【0017】
遊技盤1は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体(木製若しくは合成樹脂製)1bを備え、前面にはガイドレール2で囲まれた遊技領域1aを有する。また、遊技盤本体1bの前面であってガイドレール2の外側には、前面構成部材3、3、・・が取り付けられている。この遊技領域1a内に発射装置(図示略)から遊技球を発射して遊技を行う。
【0018】
遊技領域1a内には、普図始動ゲート4、第1始動口13、第2始動口(普通変動入賞装置)7が設けられている。普通変動入賞装置7は、第1始動口13の下部に配設され、左右一対の開閉部材7a、7aを具備している。この開閉部材7a、7aは、通常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持する。一方、普図変動表示ゲームの結果が特別の結果態様となった場合には、駆動装置としてのソレノイド(普電SOL7b、図2参照)によって逆ハ字状に開いて普通変動入賞装置7に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態、開放状態)に変化する。
また、遊技領域1a内には、LEDランプ及びセグメントLEDからなる表示器17が設けられている。この表示器17は、普図変動表示ゲームを表示する普図表示器5、普図変動表示ゲームの未処理回数を表示する普図記憶表示器6、特図変動表示ゲームを表示する特図表示器8、補助ゲームとしての特図変動表示ゲームの未処理回数を表示する特図記憶表示器9、遊技状態を表す遊技状態表示器15(何れも図2参照)として機能する。
なお、本実施形態では、特図変動表示ゲームの未処理回数は、表示装置27においても飾り特図保留数として表示されるようになっている。
【0019】
また、遊技領域1aには、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉10aを有し、補助ゲームとしての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する特別変動入賞装置10が設けられている。なお、開閉扉10aは、例えば、駆動装置としてのソレノイド(大入賞口SOL10b、図2に図示)により駆動される。また、大入賞口の内部(入賞領域)には、該大入賞口に入った遊技球を検出する入賞球検出手段としてのカウントSW10c(図2に図示)が配設されている。
この他、遊技領域1aには、一般入賞口12L、12R、打球方向変換部材としての風車14、多数の障害釘(図示略)、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト穴11などが設けられている。
【0020】
さらに、遊技領域1aの略中央には、特図変動表示ゲームの表示領域となる窓部22を形成するセンターケース20が取り付けられている。このセンターケース20に形成された窓部22の後方には、表示装置27が配される。
この表示装置27は、例えば、液晶ディスプレイを備え、表示内容が変化可能な表示部42がセンターケース20の窓部22を介して遊技盤1の前面側から視認可能となるように配されている。なお、表示装置27は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL(Electroluminescence)、CRT等のディスプレイを備えるものであっても良い。
【0021】
第1始動口13と普通変動入賞装置7の内部には、第1始動口又は普通変動入賞装置7に入賞した遊技球を検出する始動口SW7d(図2参照)が設けられている。遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が第1始動口13又は普通変動入賞装置7に入賞し、始動口SW7dで遊技球の入賞が検出されると、特図変動表示ゲームを開始する始動権利が発生し、所定の上限数(例えば、4個)の範囲内で特図始動記憶数が1加算される。このとき、遊技球の入賞に伴い所定数の賞球が排出装置(図示略)によって排出される。
【0022】
従って、特図変動表示ゲームが開始可能な状態で、且つ、特図始動記憶数が0の状態で、普通変動入賞装置7又は第1始動口13に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って特図始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが開始され、この際に特図始動記憶数が1減算される。
一方、特図変動表示ゲームが直ちに開始できない状態、例えば、既に特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合には、普通変動入賞装置7又は第1始動口13に遊技球が入賞すると、特図始動記憶数が上限数未満ならば、特図始動記憶数が1加算されることになる。そして、特図始動記憶数が1以上となった状態で、特図変動表示ゲームが開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了もしくは特別遊技状態の終了)となると、記憶された特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが開始されるとともに、特図始動記憶数が1減算される。
ここで、特図始動記憶は、表示器17(特図記憶表示器9)にて表示されるようになっており、特図始動記憶が1つ記憶されるのに対応してLEDを1つ点灯し、特図始動記憶が1つ減算されるのに対応してLEDを1つ消灯する。
【0023】
補助ゲームとしての特図変動表示ゲームは、表示器17(特図表示器8)で実行されるようになっており、例えば、複数の識別情報を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。
また、表示装置27では、上述した特図変動表示ゲームに対応して、複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行される。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図表示器8の表示態様が特別結果態様(たとえば「7」)となった場合には、大当たりとなって特別遊技状態(いわゆる、大当たり状態)となる。また、これに対応して表示装置27の表示態様も特別結果態様(例えば、「7、7、7」等のゾロ目数字の何れか)となる。
特別遊技状態となると、特別変動入賞装置10の開閉部材10aが、所定回数(例えば、遊技球の入賞10個を1ラウンドの上限として15ラウンド又は2ラウンド)開放され、遊技球の入賞に伴い所定数の賞球が排出装置(図示略)によって排出される。これにより、特別変動入賞装置10に遊技球が入賞しやすくなり、遊技者は大量の遊技球を獲得できる。
なお、遊技機100に特図表示器8を備えずに、表示装置27のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
【0024】
普図始動ゲート4内には、該普図始動ゲート4を通過した遊技球を検出するためのゲートSW4a(図2参照)が設けられている。遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート4を通過し、ゲートSW4aで遊技球の通過が検出されると、記憶可能な範囲(例えば、4個)内で普図始動記憶数が1加算される。
そして、普図始動記憶に基づく普図変動表示ゲームが開始され、この際に普図始動記憶数が1減算される。ここで、普図始動記憶は、表示器17(普図記憶表示器6)にて表示されるようになっており、普図始動記憶が1つ記憶されるのに対応してLEDを1つ点灯し、普図始動記憶が1つ減算されるのに対応してLEDを1つ消灯する。
【0025】
普図変動表示ゲームは、例えば、表示器17(普図表示器5)で実行される。そして、この普図変動表示ゲームの停止表示が特別の結果態様となれば、普図の当たりとなって、普通変動入賞装置7の開閉部材7a、7aが所定時間(例えば、0.5秒間)開放される。これにより、普通変動入賞装置7に遊技球が入賞しやすくなり、特図の変動表示ゲームの始動が容易となる。
なお、表示装置27の表示領域の一部で普図変動表示ゲームを表示するようにしても良く、この場合は識別図柄として、例えば、数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うようにする。
【0026】
遊技領域1aに設けられた各一般入賞口12L、12Rの内部には、入賞した遊技球を検出するための入賞口センサ12La、12Ra(図2参照)が配設されている。そして、遊技を開始することにより遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、一般入賞口12L、12Rに入賞すると、所定数の賞球が排出装置(図示略)によって排出される。
【0027】
本実施形態では、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、遊技状態として時短遊技状態を発生可能となっている。この時短遊技状態においては、普図変動表示ゲームの実行時間が通常遊技状態のときよりも短くなるように制御される(例えば、10秒が1秒)。これにより、単位時間当たりの普通変動入賞装置7の開放回数が実質的に多くなる。
また、時短遊技状態においては、普図変動表示ゲームの結果が当たりとなって普通変動入賞装置7が開放される場合に、開放時間が通常遊技状態のときより長くなるように制御される(例えば、0.3秒が1.8秒)。
また、時短遊技状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当たり結果に対して、普通変動入賞装置7が1回ではなく、複数回(例えば、2回)開放される。さらに、時短遊技状態においては普図変動表示ゲームの当たり結果となる確率が通常遊技状態より高くなるように制御される。すなわち、通常遊技状態よりも普通変動入賞装置7の開放回数が増加される。
【0028】
また、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、遊技状態として確変遊技状態を発生可能となっている。この確変遊技状態においては、上述の時短遊技状態に加え、特図変動表示ゲームの当たり結果となる確率が通常遊技状態より高くなるように制御される。
【0029】
図2は、遊技機100の制御系統全体のブロック図である。
図2に示すように、遊技機100は、遊技を統括的に制御する遊技制御装置30と、この遊技制御装置30からの制御指令に基づいて演出装置(表示装置27、スピーカ145、157、装飾発光装置28等の各種電気的装置)を制御する従属制御装置(表示制御装置40、音制御装置60、装飾制御装置70)と、を備えている。
【0030】
遊技制御装置30は、CPU31、ROM32、RAM33、割り込みコントローラ34、シリアル通信回路35、入出力I/F36等を備える遊技用ワンチップマイコンにより構成される。
CPU31は、制御部、演算部を備え、演算制御を行う他、特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値などの各種乱数値などを生成する。例えば、ROM32に記憶されている制御プログラムを実行することにより、後述するメイン処理やタイマ割り込み処理を行う。
ROM32には、遊技上の制御プログラムや制御データが書き込まれている他、上述の各種乱数値に対応して、特図変動表示ゲームの大当たり発生を判定するための特図変動表示ゲームの大当たり判定値、変動パターン(リーチアクションの種類などの実行態様)の判定値などが記憶されている。
RAM33は、普通変動入賞装置7に設けられた始動口SW7dのオン信号などを記憶する記憶領域や、前記各種乱数値の記憶領域、並びに、CPU31の作業領域等を備えている。
【0031】
割り込みコントローラ34は、割り込み要求レジスタ、割り込みマスクレジスタ、割り込み優先順位レジスタ、割り込みサービスレジスタ、割り込みベクタレジスタ等を含んで構成され、CPU31で実行されるメイン処理への割り込み(例えば、タイマ割り込み処理等)を制御する。本実施形態では、例えば、タイマ割り込み信号、送信割り込み信号等が割り込み要因となる。
割り込みコントローラ34に、例えば、割り込みタイマ(CTC:Counter/Timer Circuit)からのタイマ割り込み要求信号が入力されると、この割込要求信号は割り込み要求レジスタにラッチされる。ラッチされた割り込み要求信号のうち、割り込みマスクされていない割り込み要求について優先順位が比較され、最も高い優先順位を持つ割り込み要求が割り込みサービスレジスタからCPU31に出力される。
そして、CPU31が割り込み受付可能な状態になると、割り込みベクタレジスタに設定されたベクタがCPU31に出力され、割込処理が実行される。
ここで、割り込み要求についての優先順位は割り込み優先順位レジスタに、割り込みマスクについては割り込みマスクレジスタに予め設定されている(図14、15参照)。
【0032】
シリアル通信回路35は、例えば、シリアル通信を実現する非同期シリアル通信機能(UART機能)を有し、従属制御装置としての表示制御装置40に、遊技制御装置30で生成された制御指令データを送信する。
すなわち、遊技制御装置30は、従属制御装置(表示制御装置40)への制御指令データの送信を実行する制御指令送信手段(シリアル通信回路35)を含んで構成されている。このシリアル通信回路35の詳細については後述する。
【0033】
入出力I/F36は、ローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、始動口SW7d、カウントSW10c、ゲートSW4a、入賞口SW12La、12Raなどから入力された各種信号を、CPU31に対して出力する。
また、入出力I/F36は、CPU31から出力された各種の制御信号を、特図表示器8、特図記憶表示器9、普図表示器5、普図記憶表示器6、遊技状態表示器15、普電SOL7b、大入賞口SOL10b、排出制御装置50、遊技機外部の管理装置などと接続する盤用外部情報端子16に出力する。
【0034】
表示制御装置40は、CPU41、ROM42、RAM43、グラフィックプロセッサ(GDP:Graphic Display Processor)44、シリアル通信回路45、入出力I/F46、画像ROM47等を備えて構成される。
CPU41は、遊技制御装置30から送信された制御指令データに基づいて、表示装置27における演出等を制御する。例えば、CPU41は、シリアル通信回路45で受信した制御指令データを解析し、制御指令データが特図の変動表示に関するものであれば、それに含まれる結果態様や変動時間の情報に基づいて、変動表示の内容を決定する。そして、その変動表示を実現する表示データ(表示する図柄のコードや表示位置データやスクロールなどのコマンド等からなるデータ)を生成する。生成された表示データは、RAM43に格納される。
ROM42には、制御用プログラムや固定データが記憶されている。
RAM43は、遊技制御装置30から送信された制御指令データの記憶領域、CPU41により生成された表示データの記憶領域、並びにCPU41の作業領域等を備えている。
【0035】
画像ROM47には、表示装置27における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)に用いる識別情報などの各図柄、背景、キャラクタ等の画像データや、フォントデータ等が記憶されている。
GDP44は、CPU41によって生成された表示データに基づいて、表示する飾り特図や演出図柄、キャラクタコードに対応するデータを画像ROM47から読み出し、表示位置データ等に従って表示すべき画像データ(背景画像を含む)を生成し、表示装置27に表示させる。
【0036】
シリアル通信回路45は、例えば、シリアル通信を実現する非同期シリアル通信機能(UART機能)を有し、遊技制御装置30から送信された制御指令データを受信する。
すなわち、従属制御装置としての表示制御装置40は、遊技制御装置30から送信された制御指令データの受信を実行する制御指令受信手段(シリアル通信回路45)を含んで構成されている。このシリアル通信回路45の詳細については後述する。
【0037】
入出力I/F46は、音制御装置60、装飾制御装置70、操作スイッチ25から入力された各種信号を、CPU41に対して出力する。操作スイッチ25は、遊技者の演出選択操作(表示装置27における演出態様を変更するための操作)を受け付ける操作手段であり、例えば、下皿154の近傍に設けられるプッシュボタンである。
また、入出力I/F46は、CPU41から出力された制御信号を表示装置27に出力する。
また、入出力I/F46は、遊技制御装置30から送信された制御指令データのうち、効果音に関する制御指令データを音制御装置60に転送し、装飾発光に関する制御指令データを装飾制御装置70に転送する。
【0038】
遊技制御装置30や表示制御装置40には、電源供給装置(図示略)から電力が供給されており、その他の装置にも電源供給装置から電力が供給される。さらに、電源供給装置には、停電時等の外部からの電力の供給が途絶えた場合でも電力を供給可能とするためのバックアップ電源が備えられ、停電時等に各制御装置の揮発性メモリ(RAM33、43)に保存されたデータの消失を防止するようになっている。
【0039】
上述した構成を備えた遊技機100において、遊技制御装置30のCPU31は、各種入賞口に設けられたセンサ(始動口SW7d、カウントSW10c、入賞口SW12La,Ra)から入力される遊技球の検出信号に基づき、排出制御装置50に制御指令データを出力する(パラレル通信)。排出制御装置50は、制御指令データに基づいて、所定数の遊技球が排出装置から払い出されるように制御する。
【0040】
また、普図始動ゲート4に備えられたゲートSW4aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当たり判定用乱数値を抽出してROM32に記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当たり外れを判定する。
そして、普図表示器5において普図変動表示ゲームを表示させ、普図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、普図表示器5に特別の結果態様を表示するとともに、普電SOL7bを動作させ、普通変動入賞装置7の開閉部材7a、7aを所定時間(例えば、0.5秒間)開放する。一方、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器5にはずれの結果態様を表示させる。
【0041】
また、CPU31は、普通変動入賞装置7又は第1始動口13に入賞した遊技球を検出する始動口SW7dからの検出信号の入力に基づき、特図の大当たり判定用乱数値を抽出してROM32に記憶されている判定値と比較し、補助ゲームとしての特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する。
そして、特図表示器8において特図変動表示ゲームを表示させ、特図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、特図表示器8に特別の結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる。一方、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図表示器8にはずれの結果態様を表示させる。
特別遊技状態では、例えば、大入賞口SOL10bにより特別変動入賞装置10の開閉扉10aを開放し、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば25秒または1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回または2回)継続する制御を行う。
【0042】
また、CPU31は、特図変動表示ゲームの判定とともに、表示装置27における飾り特図変動表示ゲームの変動パターンの判定を行い、これらの結果(飾り図柄+変動パターン)を含む制御指令データ(演出コマンド)を、表示制御装置40に出力する。
【0043】
上述したCPU31による各種処理は、所定の間隔で実行されるタイマ割り込み処理において行われる。また、タイマ割り込み処理では、従属制御装置(表示制御装置40、音制御装置60、装飾制御装置70)に対する1又は複数の制御指令データが生成される。そして、生成された制御指令データは、シリアル通信回路35によってシリアル通信で表示制御装置40に送信される。なお、遊技制御装置30と表示制御装置40との間の通信は、遊技制御装置30から表示制御装置40へのみデータを送信可能な単方向通信とされる。
【0044】
一方、表示制御装置40では、シリアル通信回路45において、遊技制御装置30からシリアル通信で送信された制御指令データが受信され、これに基づいて演出制御が行われる。
例えば、CPU41は、GDP44と協働して、表示装置27における飾り特図変動表示ゲーム等の表示制御を行う。
また、音制御装置60を介してスピーカ145、157を制御して所定の音響効果やBGMによる演出を実現する。具体的には、音制御装置60が、表示制御装置40から転送された制御指令データに基づいて、スピーカ145、157からの効果音出力を制御する。
また、装飾制御装置70を介して装飾LEDや装飾用ランプ等の装飾発光装置28の点灯態様を制御する。具体的には、装飾制御装置70が、表示制御装置40から転送された制御指令データに基づいて装飾発光装置28を制御する。
【0045】
図3は、遊技制御装置30におけるシリアル通信回路35の送信部の構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、シリアル通信回路35は、送信シリアルチャンネル設定レジスタ351、送信データステータスレジスタ353、送信制御レジスタ352、送信データレジスタ354(送信データバッファレジスタ354a、送信データシフトレジスタ354b)、ボーレート生成回路355を含んで構成される。
【0046】
送信シリアルチャンネル設定レジスタ351は、データ送信時の通信速度及び通信フォーマットを指定するレジスタである。送信シリアルチャンネル設定レジスタ351には、後述するメイン処理におけるシリアル通信設定処理(図16のステップ105)によって各値が設定される。
図4に、送信シリアルチャンネル設定レジスタ351の構成例を示す。図4に示すように、送信シリアルチャンネル設定レジスタ351は、例えば16ビットで構成され、ビット0〜15はすべて書き込み/読み出し可能とされる。
【0047】
送信シリアルチャンネル設定レジスタ351において、ビット0〜12には、送信ボーレート(通信速度)を算出するためのボーレート設定値(例えば、分周比)が設定される。ビット13には、送信データ長を8ビットとする場合に“0”が設定され、9ビットとする場合に“1”が設定される。ビット14には、送信データにパリティを付加しない場合に“0”が設定され、パリティを付加する場合に“1”が設定される。ビット15には、送信データに付加するパリティを偶数パリティとする場合に“0”が設定され、奇数パリティとする場合に“1”が設定される(ビット14に“1”(パリティ有り)が設定されているとき)。
【0048】
図3において、送信制御レジスタ352は、シリアル通信回路35の動作を制御するためのレジスタである。
図5に、送信制御レジスタ352の構成例を示す。図5に示すように、送信制御レジスタ352は、例えば8ビットで構成され、ビット6は読み出し専用とされ、他のビット0、4、5、7は書き込み/読み出し可能とされる。なお、本実施形態では送信制御レジスタ352のビット1〜3は未使用としているため、図5では省略している。
【0049】
送信制御レジスタ352において、ビット0には、送信回路(シリアル通信回路35)を初期化する場合に“1”が設定される。送信回路が初期化されると送信データレジスタ354のデータも含めて全てのレジスタが初期値とされる。ビット4には、送信データレジスタ354(送信データシフトレジスタ354a)からのデータ送信を禁止する場合に“0”が設定され、データ送信を許可する場合に“1”が設定される。ビット5には、送信データレジスタ354が空になったときに送信割り込みを要求しない場合に“0”が設定され、送信割り込みを要求する場合に“1”が設定される。ビット6には、送信割り込み要求が発生しているか否か(送信割り込み状態)を示す値が設定される。ビット6に“0”が設定されていると送信割り込みを要求していない状態であることを示し、“1”が設定されていると送信割り込みを要求している状態であることを示す。ビット7には、送信データレジスタのビット8の値(データ長が9ビットの場合)が設定される。
【0050】
図3において、送信データステータスレジスタ353は、送信データレジスタ354の状態を示すレジスタである。CPU31は、送信データステータスレジスタ353の設定値によって、送信データレジスタ354の状態を確認することができる。
図6に、送信データステータスレジスタ353の構成例を示す。図6に示すように、送信データステータスレジスタ353は、例えば8ビットで構成され、ビット0〜5、7はすべて読み出し専用とされる。なお、本実施形態では送信データステータスレジスタ353のビット6は未使用としているため、図6では省略している。
【0051】
送信データステータスレジスタ353において、ビット0〜5には、送信データの残量を示す値が設定される。例えば、ビット0〜5に“00h”(16進数の“0”)が設定されていると送信データがないことを示し、“01h”が設定されていると送信データが1バイト残っていることを示し、“20h”が設定されていると送信データが32バイト残っていることを示す。ビット7には、送信データレジスタ354におけるデータの送信状態を示す値が設定される。ビット7に“1”が設定されているとデータを送信していない状態であることを示し、“0”が設定されているとデータを送信している状態であることを示す。
【0052】
図3において、送信データレジスタ354は、シリアル通信回路35が送信するデータを格納するレジスタである。送信データレジスタ354は、例えば、1段の送信データシフトレジスタ354aと、31段の送信データバッファレジスタ354bで構成される。
図7に、送信データレジスタ354(1段分)の構成例を示す。図7に示すように、1段の送信データレジスタ354は、例えば8ビットで構成され、ビット0〜7はすべて書き込み専用とされる。
【0053】
この送信データレジスタ354には、タイマ割り込み処理で生成される制御指令データが格納され、送信制御レジスタのビット4に“1”(送信許可)が設定されていれば、格納された制御指令データは自動的に表示制御装置40に送信される。
制御指令データは、例えば、1バイトのモードデータと1バイトのアクションデータの2バイトで構成されるので、2段の送信データレジスタ354に1つの制御指令データが格納されることとなる。そして、本実施形態では、送信データレジスタ354を32段で構成しているので、1回のタイマ割り込み処理で最大16の制御指令データが生成される場合、これをすべて送信データレジスタ354に格納することができる。
【0054】
図3において、ボーレート生成回路355は、図示しないクロック回路から出力されるクロック信号及び送信シリアルチャンネル設定レジスタ351に設定されている設定値(ボーレート設定値)に基づいて、シリアル通信回路35が用いる送信ボーレートを生成する。このとき、ボーレート生成回路355は、クロック信号及びボーレート設定値に基づいて、所定の計算式を用いて送信ボーレートを求める。
【0055】
シリアル通信回路35では、送信許可の設定(送信制御レジスタ352のビット4を“1”)がなされた後、送信するデータを送信データレジスタ354(送信データバッファレジスタ354b)に書き込むことにより自動的に送信が開始される。送信が開始されると、送信データバッファレジスタ354bのデータが送信データシフトレジスタ354aに転送され、送信データシフトレジスタ354aからシリアル変換されて、最下位ビット(ビット0)から1ビットずつ順次出力される。そして、データの送信が完了すると送信データシフトレジスタ354aは空になるので、送信データバッファレジスタ354bに書き込まれている次のデータが送信データシフトレジスタ354aに転送され、出力される。
したがって、シリアル通信回路35では、送信データレジスタ354(送信データシフトレジスタ354a、送信データバッファレジスタ354b)に書き込まれたデータ(制御指令データ)が、表示制御装置40に1ビットずつ順次送信されることとなる。
【0056】
このように、シリアル通信回路(制御指令送信手段)35は、送信データ(例えば、制御指令データ、後述する送信開始特定データ及び送信終了特定データ)を格納する送信データレジスタ354を備え、送信データレジスタ354に送信データが格納されると、遊技制御装置30から表示制御装置40へ向かう方向に、格納された送信データを1ビットずつ順次送信する(いわゆるシリアル通信)ように構成されている。
具体的には、送信データレジスタ354は、格納されたデータをすぐに送信する送信データシフトレジスタ354aと、格納されたデータを保持するとともに、送信データシフトレジスタ354aがデータを格納可能な状態(データの送信が完了した状態)となったときに、保持しているデータを送信データシフトレジスタ354aに転送する送信データバッファレジスタ354bと、で構成される。
【0057】
これにより、タイマ割り込み処理のバックグラウンドで制御指令データの送信処理が実行されることとなり、従来のパラレル通信では必須とされていたタイマ割り込み処理における制御指令データの送信処理を省略できるので、CPU31の負担を軽減することができる。
また、シリアル通信とすることで、制御指令データを送信するための配線本数を比較的少なくすることができる。
また、遊技制御装置30と表示制御装置40との間の通信は、遊技制御装置30から表示制御装置40へのみデータを送信可能な単方向通信とされ、遊技制御装置30にデータは入力されないので、不正が行われるのを防止できる。
【0058】
また、送信データレジスタ(送信データ格納手段)354は、1回のタイマ割り込み処理において生成される一連の制御指令データをすべて格納可能に構成され、遊技制御装置30は、タイマ割り込み処理において制御指令データを生成するとすぐに、生成された制御指令データを送信データレジスタ354に格納する。
これにより、タイマ割り込み毎に生成される制御指令データを、一旦RAM33に保持することなく確実に送信することができる。
【0059】
図8は、表示制御装置40におけるシリアル通信回路45の受信部の構成例を示すブロック図である。
図8に示すように、シリアル通信回路45は、受信シリアルチャンネル設定レジスタ451、受信制御レジスタ452、受信データステータスレジスタ453、受信データレジスタ454(受信データシフトレジスタ454a、受信データバッファレジスタ454b)、ボーレート生成回路455を含んで構成される。
【0060】
受信シリアルチャンネル設定レジスタ451は、データ受信時の通信速度及び通信フォーマットを指定するレジスタである。
図9に、受信シリアルチャンネル設定レジスタ451の構成例を示す。図9に示すように、受信シリアルチャンネル設定レジスタ451は、例えば16ビットで構成され、ビット0〜15はすべて書き込み/読み出し可能とされる。
【0061】
受信シリアルチャンネル設定レジスタ451において、ビット0〜12には、受信ボーレート(通信速度)を算出するためのボーレート設定値(例えば、分周比)が設定される。ビット13には、受信データ長を8ビットとする場合に“0”が設定され、9ビットとする場合に“1”が設定される。ビット14には、受信データにパリティが付加されていないものとして扱う場合に“0”が設定され、パリティが付加されているものとして扱う場合に“1”が設定される。ビット15には、受信データに付加されたパリティが偶数パリティであるとする場合に“0”が設定され、奇数パリティであるとする場合に“1”が設定される。
【0062】
図8において、受信制御レジスタ452は、シリアル通信回路45の動作を制御するためのレジスタである。
図10に、受信制御レジスタ452の構成例を示す。図10に示すように、受信制御レジスタ452は、例えば8ビットで構成され、ビット0〜5、7は書き込み/読み出し可能とされる。なお、本実施形態では受信制御レジスタ452のビット6は未使用としているため、図10では省略している。
【0063】
受信制御レジスタ452において、ビット0〜5には、CPU41に対して割り込みを要求するときの条件が設定される。例えば、ビット0〜5には、1バイトのデータを受信したときに受信割り込み要求を発生する場合に“01h”が設定され、2バイトのデータを受信したときに受信割り込み要求を発生する場合に“02h”が設定され、32バイトのデータを受信したときに受信割り込み要求を発生する場合に“20h”が設定される。また、割り込み要求を発生しない場合は、ビット0〜5には“00h”又は“21h〜2fh”が設定される。ビット7には、受信データレジスタ454(受信データシフトレジスタ454a)におけるデータ受信を禁止する場合に“0”が設定され、データ受信を許可する場合に“1”が設定される。
【0064】
図8において、受信データステータスレジスタ453は、受信データレジスタ454の状態を示すレジスタである。CPU41は、受信データステータスレジスタ453の設定値によって、受信データレジスタ454の状態を確認することができる。
図11に、受信データステータスレジスタ453の構成例を示す。図11に示すように、受信データステータスレジスタ453は、例えば8ビットで構成され、ビット0〜5はすべて読み出し専用とされる。なお、本実施形態では受信データステータスレジスタ453のビット6、7は未使用としているため、図11では省略している。
【0065】
受信データステータスレジスタ453において、ビット0〜5には、受信データレジスタ454におけるデータの受信量を示す値が設定される。例えば、ビット0〜5に“00h”が設定されていると受信データがないことを示し、“01h”が設定されていると受信データが1バイトあることを示し、“20h”が設定されていると受信データが32バイトあることを示す。
【0066】
図8において、受信データレジスタ454は、シリアル通信回路45で受信したデータを格納するレジスタである。受信データレジスタ454は、例えば、1段の受信データシフトレジスタ454aと、31段の受信データバッファレジスタ454bを備える。
図12に、受信データレジスタ454(1段分)の構成例を示す。図12に示すように、1段の受信データスレジスタ454は、例えば8ビットで構成され、ビット0〜7はすべて読み出し専用とされる。この受信データレジスタ454には、遊技制御装置30から送信された制御指令データが格納される。
【0067】
ボーレート生成回路455は、図示しないクロック回路から出力されるクロック信号及び受信シリアルチャンネル設定レジスタ451に設定されている設定値(ボーレート設定
値)に基づいて、シリアル通信回路45が用いるボーレートを生成する。このとき、ボーレート生成回路455は、クロック信号及びボーレート設定値に基づいて、所定の計算式を用いて受信ボーレートを求める。
【0068】
シリアル通信回路45では、受信許可の設定(受信制御レジスタ452のビット7を“1”)がなされ、受信データに含まれるスタートビットが検出されると自動的に受信が開始される。受信データは、受信データシフトレジスタ454aに1ビットずつ順次格納され、ストップビットが検出されると受信データシフトレジスタ454aから受信データバッファレジスタ454bに転送される。そして、受信データバッファレジスタ454bに格納された受信データは、RAM43に順次転送される。
このように、シリアル通信回路45では、遊技制御装置30から送信されたデータ(制御指令データ)が1ビットずつ順次受信され、受信データはRAM43に格納されることとなる。
【0069】
図13は、遊技制御装置30から表示制御装置40に送信される送信データの構成を示す説明図である。図13(a)は送信データの概略構成を示し、図13(b)は送信データの詳細構成を示している。
図13(a)に示すように、1つの制御指令データDCは、コマンドの分類を識別するためのモードデータDCmと、実行されるコマンドの内容(機能)を示すアクションデータDCaで構成される。
また、図13(b)に示すように、制御指令データDCを構成するモードデータDCm及びアクションデータDCaは、8ビットのコマンドデータに、1フレームの開始であることを示すスタートビット、1ビットのパリティデータ、1フレームの終わりであることを示すストップビットが付加され、1フレームを処理単位として送信される。
すなわち、本実施形態では、非同期方式(調歩同期式)によるシリアル通信を利用して制御指令データを送信する。
表示制御装置40は、受信した制御指令データ(モードデータDCm+アクションデータDCa)を解析し、表示装置27、音制御装置60、装飾制御装置70等を制御するための制御データを生成する。
【0070】
本実施形態では、1回の割り込み処理で生成された一連の制御指令データを送信するときに、この一連の制御指令データの送信開始を特定可能な送信開始特定データ(送信開始コマンド)DSと、一連の制御指令データの送信終了を特定可能な送信終了特定データ(送信終了コマンド)DEを付加して、表示制御装置40に送信する。
すなわち、シリアル通信回路35は、1回のタイマ割り込み処理で生成された一連の制御指令データの送信開始を特定可能な送信開始特定データを当該一連の制御指令データの送信前に送信するとともに、送信終了を特定可能な送信終了特定データを当該一連の制御指令データの送信後に送信する。
なお、送信開始特定データDS及び送信終了特定データDEも、制御指令データDCと同様に、モードデータDSm、DEmとアクションデータDSm、DEmで構成される。
【0071】
従属制御装置としての表示制御装置40は、受信データを解析することで、送信開始特定データDS及び送信終了特定データDEにより、一連の制御指令データの送信開始と送信終了を認識する。そして、この一連の制御指令データを処理単位として演出装置(例えば、表示装置27等)を制御する。
これにより、表示制御装置40は、タイマ割り込み処理毎に生成された一連の制御指令データを特定でき、1回のタイマ割り込み処理で生成された一連の制御指令データを処理単位として演出装置を制御するので、一連の制御指令データに基づく演出を連続して(タイムラグなく)実行することができる。
【0072】
図14は、割込コントローラ34が備える割り込み優先順位レジスタの構成例を示す説明図である。
割り込み優先順位レジスタは、例えば16ビットで構成され、ビット0〜15はすべて書き込み/読み出し可能とされる。割り込み優先順位レジスタでは、割り込み要因となる各割り込み信号ごとに2ビットで優先度が設定される。
優先順位は、例えば4レベル有り、2ビットデータ“00”に対応するレベル0が最上位、“11”に対応するレベル3が最下位とされる。
図4では、ビット0、1にタイマ割り込みの優先順位が設定され、ビット12、13に送信割り込みの優先順位が設定される場合について示している。なお、ビット2〜11、14、15には、その他の割り込みについて優先順位が設定されるが、未使用としてもよい。
【0073】
何れかの割り込み要求による割込処理の実行中に、新たな他の割り込み要求があった場合、割込コントローラ34は、実行中の割り込み要求より優先順位が高い割り込み要求であれば、CPU31に対して割り込み要求信号を出力する。このように、各割り込み信号毎に優先順位を設定することで、多重割り込み(例えば、送信割り込みとタイマ割り込み)を安全に制御できるようにしている。例えば、図14において、ビット0、1に設定されるタイマ割り込みの優先順位を、ビット12、13に設定される送信割り込みの優先順位よりも高くすれば、タイマ割り込み処理中に、送信割り込み処理は実行されなくなる。
【0074】
図15は、割込コントローラ34が備える割り込みマスクレジスタの構成例を示す説明図である。
図15に示すように、割り込みマスクレジスタは8ビットで構成され、ビット0〜7はすべて書き込み/読み出し可能とされる。割り込みマスクレジスタでは、割り込み信号毎にマスクの設定が行われる。割り込みを許可する場合はビットに“0”が設定され、割り込みを許可しない場合(マスク)はビットに“1”が設定される。
図15では、ビット0にタイマ割り込みのマスク設定がなされ、ビット6に送信割り込みのマスク設定がなされる場合について示している。なお、ビット2〜5、7には、その他の割り込みについてのマスク設定がなされるが、未使用としてもよい。
【0075】
なお、本実施形態では、タイマ割り込み処理において生成された制御指令データはすぐに送信データレジスタ354に格納されるようにしているので、送信データレジスタ354が空になっているときに送信可能な制御指令データはないことになる。したがって、送信割り込み要求は意味がないので、マスクを設定(割り込みマスクレジスタのビット6に“1”)する。
【0076】
次に、遊技制御装置30における遊技制御について説明する。この遊技制御は、主にメイン処理と、所定時間ごと(例えば、2msecごと)に行われるタイマ割り込み処理とからなる。
図16、17は、遊技制御装置30におけるメイン処理の一例を示すフローチャートである。このメイン処理は、遊技制御装置30のCPU31が、起動直後に、ROM32に記憶されているメイン処理プログラムを読み出して実行することにより実現される。
図16に示すように、メイン処理では、初期設定処理(ステップS101〜S107)、停電発生時の状態へ復帰するための処理(ステップS108〜S115)、電源投入時(異常電源遮断時を含む)の処理(ステップS116〜S119)、メインループの処理(ステップS120〜S124)、停電発生時の処理(ステップS125〜S130)が行われる。
【0077】
ステップS101では、割り込みを禁止する。プログラムでDI命令を実行することにより、割り込み要求信号はCPU31に出力されない。プログラム開始時の処理(初期設
定)が完了する前は、たとえ割り込み要求が発生しても割り込み処理を適切に実行することができないので、プログラム開始時の処理が完了するまでは割り込み要求を受け付けないように設定する。
ステップS102では、割り込み要因(例えば、タイマ割り込み要求)が発生した時に、その処理プログラムが格納されているアドレスを設定する(割り込みベクタレジスタのセット)。
【0078】
ステップS103では、メイン処理を中断して割り込み処理を実施するときに、処理中のデータを一時的に待避するためのメモリ領域を指示するスタックポインタをセットする。遊技制御が開始された後、割り込みが発生して処理が中断されると、そのときに中断した処理を再開するための各種データはセットされたスタックポインタで指示されるメモリ領域に格納される。
【0079】
ステップS104では、割込コントローラ34によって行われる割り込み処理の割り込みモードを設定する。
ステップS105では、シリアル通信回路35に表示制御装置40とシリアル通信させるための通信設定を行う。例えば、送信シリアルチャンネル設定レジスタ351の各ビットに値を設定することによって、送信データのデータ長、パリティ機能の仕様の有無を設定する。
また、タイマ割り込み処理で生成された制御指令データが、送信データレジスタ354に格納できる、すなわち、タイマ割り込み処理で生成される制御指令データを遅滞なく連続して送信できるようにボーレート設定値を設定する。すなわち、1回のタイマ割り込み処理において最大16の制御指令データが生成される場合、この16の制御指令データの送信処理が、次回のタイマ割り込み処理が開始されるまでに完了するようにボーレート設定値を設定する。
なお、この処理において通信設定がなされた後、送信制御レジスタ352のビット4に“1”を設定し、シリアル通信の送信を許可状態としてもよい。
【0080】
このように、シリアル通信回路(制御指令送信手段)35は、タイマ割り込み処理において生成された制御指令データが、送信データレジスタ(送信データ格納手段)354に格納できるように、表示制御装置(従属制御装置)40への送信処理を制御する。
これにより、タイマ割り込み処理において生成された制御指令データをそのまま確実に送信データレジスタ354に格納できるので、RAM33に一旦保持する必要はなく、処理を簡略化できる。
【0081】
ステップS106ではRAM33をアクセス許可状態に設定し、ステップS107では入出力I/F36の全出力ポートをOFF状態に設定にする。
【0082】
ステップS108では、RAM33にバックアップされている記憶内容を消去するバックアップクリアスイッチがオンであるか否かを判定する。RAM33には、電源供給装置のバックアップ電源によって、その記憶内容が保持される。遊技店の店員による電源投入時(正常な電源投入時)にはRAM33の記憶内容はクリアされるので、プログラム開始時にバックアップクリアスイッチがオンになっていれば、正常に電源を投入されたものと判断できる。一方、バックアップクリアスイッチがオフとなっていれば、停電などの理由で電源が切断され、RAM33の記憶内容が保持されたまま、その後電源供給が復旧したものと判断できる。
ステップS108において、電源投入時にバックアップクリアスイッチがオンである(正規の電源投入)と判定した場合はステップS116に移行し電源投入時の処理を行う。一方、バックアップクリアスイッチがオフである(停電復旧の可能性有り)と判定した場合はステップS109に移行する。
【0083】
ステップS109では、停電復旧検査領域をチェックする。この停電復旧検査領域には、後述するステップS128において、停電により遊技機100の電源が遮断された場合にチェックデータが設定され、正常な電源遮断時にはチェックデータは設定されない。よって、この停電復旧検査領域のチェックデータの有無を参照することで、停電復旧であるか否かを判定することができる。
ステップS110では、停電復旧検査領域のチェックデータの有無に基づいて、停電復旧であるか否かを判定する。そして、停電復旧であると判定した場合はステップS111に移行し、停電復旧でないと判定した場合はステップS116に移行し電源投入時の処理を行う。
【0084】
ステップS111では、チェックサムは正常であるか否かを判定する。具体的には、RAM33に保持されているデータに基づいて算出されたチェックサムと、後述するS129において算出された停電による電源遮断前のチェックサムを比較する。そして、両者が一致すれば正常と判定し、一致しなければ異常と判定する。これにより、RAM33に記憶されていたデータが正しくバックアップされたものかを判断することができる。
【0085】
なお、RAM33に記憶されたデータのチェックサムと、電源遮断前に算出されたチェックサムが一致しない場合としては、例えば、落雷の異常電流等によってデータが破壊された場合の他、遊技機100をはじめて設置した場合や、電源の遮断時間がバックアップ電源によるバックアップ可能な時間を超過した場合が考えられる。また、何らかの理由で電源供給装置と遊技制御装置30との接続が遮断され、バックアップ電源が供給されなくなったためRAM33が初期化された場合が考えられる。さらに不正な遊技制御装置30は、RAM33にバックアップを行わないことが多いので、不正な遊技制御装置30が取り付けられたことも考えられる。
ステップS111において、チェックサムが正常であると判定した場合はステップS112に移行し停電復旧時の処理を行い、チェックサムが正常でないと判定した場合はステップS116に移行し電源投入時(異常電源遮断時を含む)の処理を行う。
【0086】
停電復旧時の処理では、まず、RAM33に停電復旧時の初期値を設定する処理(ステップS112)を行う。次いで、遊技枠(前面枠120、クリア部材保持枠140)の状態に係る領域をクリアする処理(ステップS113)、遊技状態表示LED1、2をクリアする処理(ステップS114)を行った後、停電復旧コマンドを送信する処理(ステップS115)を行う。ここで、遊技状態表示LED1、2は、表示器17の一部を構成するものであり、前面枠120やクリア部材保持枠140の開放状態を報知するものである。なお、ステップS115で生成された停電復旧コマンド(制御指令データ)は、送信データレジスタ354に格納され、順次、表示制御装置40に送信される。
【0087】
一方、電源投入時の処理では、まず、使用するRAM33をクリアする処理(ステップS116)を行い、RAM33に電源投入時の初期値をセーブする処理(ステップS117)を行う。次いで、機種指定コマンドを送信する処理(ステップS118)、電源投入コマンドを送信する処理(ステップS119)を行う。なお、ステップS118で生成された機種指定コマンド(制御指令データ)、ステップS119で生成された電源投入コマンド(制御指令データ)は、送信データレジスタ354に格納され、順次、表示制御装置40に送信される。
【0088】
停電復旧時の処理又は電源投入時の処理が終了すると、図17のステップS120に移行し、メインループ処理を行う。
ステップS120では、所定時間間隔(例えば、2ms)でタイマ割り込み要求がなされるように割り込みタイマ(CTC:Counter/Timer Circuit)を設定し、起動する。割り込みタイマが起動されると、例えば2msごとにタイマ割り込み要求が出力される。
また、この処理において、図14に示す割り込み優先順位レジスタに優先順位が設定される。例えば、タイマ割り込み要求の優先順位を最上位に設定することで、タイマ割り込み処理中に他の割り込み要求を受け付けなくすることができる。また、他の割り込み処理が実行されているときにタイマ割り込み要求が発生すると、他の割り込み処理は強制的に中断される。
ステップS121では、プログラムでDI命令を実行することにより割り込みを禁止する。
ステップS122では、乱数の時間的な規則性を崩すために初期値乱数を更新する初期値乱数更新処理を行う。
ステップS123では、プログラムでEI命令を実行することで、所要の割り込み要求(例えば、タイマ割り込み要求)を受け付け可能な状態とする(割り込み許可)。
【0089】
ステップS124では、例えば、電源供給装置から供給されている電圧値に基づいて、停電が発生したか否かを判定する。そして、停電が発生していないと判定した場合はステップS121に移行し、電源が遮断されるまでステップS121からステップS124を繰り返す。
一方、ステップS124において停電が発生したと判定した場合は、停電発生時の処理を行う。なお、停電発生の直後は、バックアップ電源により以下の停電発生時の処理を実行可能な電力が供給される。
【0090】
停電発生時の処理では、まず、割り込みを禁止する処理(ステップS125)を行う。そして、入出力I/F36の全出力ポートをOFF状態に設定にする処理(ステップS126)を行い、停電復旧検査領域をクリアする処理(ステップS127)を行う。次いで、停電復旧検査領域にチェックデータを設定する処理(ステップS128)、電源遮断時のRAM33の記憶内容に基づいてチェックサムを算出し記憶する処理(ステップS129)を行った後、RAM33をアクセス禁止状態に設定する処理(ステップS129)を行う。
遊技制御装置30におけるメイン処理は以上のようにして行われる。なお、上述したように、通常の遊技状態においては、ステップS121〜S124のメインループ処理が実行されている。
【0091】
図18は、遊技制御装置30におけるタイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。
タイマ割り込み処理は、メイン処理の実行中、具体的には図17のステップS121〜124のメインループ処理において割り込みが許可されているときに、割り込みタイマ(CTC)により発生するタイマ割り込み要求に基づいて実行される。
【0092】
ステップS201では、タイマ割り込み要求が発生したときにレジスタに格納されているデータをRAM33に待避する。
ステップS202では、シリアル通信回路35の送信データレジスタ354(送信データバッファレジスタ354b)に送信開始特定データ(コマンド)を設定する。送信制御レジスタ352において、ビット4に“1”が設定(送信許可状態)されていれば、送信データレジスタ354から自動的にデータは出力され、表示制御装置40に送信される。つまり、シリアル通信回路35におけるデータの送信処理は、タイマ割り込み処理のバックグラウンドで実行される。
【0093】
ステップS203では、各種センサ(始動口SW7d、カウントSW10c、ゲートSW4a、入賞口センサ12La、12Raなど)からの検出信号を、入出力I/F36を介して入力する。
図示を省略するが、遊技機100に十分な遊技球が補充されていないことを検出する球切れ検出スイッチ、賞球カウンタに応じた遊技球の払出が行われていないことを検出する払出球検出スイッチ、下皿154が遊技球で満杯となっている状態を検出するオーバーフロースイッチ、前面枠120の開放状態を検出する枠開放スイッチ等からの検出信号も入力される。
【0094】
ステップS204では、前回のタイマ割り込み処理において後述する各種処理で更新された出力データを、特図表示器8、特図記憶表示器9、普図表示器5、普図記憶表示器6、遊技状態表示器15、普電SOL7b、大入賞口SOL10b、排出制御装置50、盤用外部情報端子16等に、入出力I/F36を介して出力する。
【0095】
ステップS205では、補助ゲームとしての特図変動表示ゲームに関する乱数を更新する処理を行う。例えば、特図変動表示ゲームの当たりはずれを判定するための大当たり乱数、特図変動表示ゲームの大当たり図柄を判定するための大当たり図柄乱数、普図変動表示ゲームの当たりはずれを判定するための当たり乱数を更新する乱数更新処理を行う。また、特図変動表示ゲームに関連した飾り特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定する変動パターン乱数を更新する。
ステップS206では、大当たり乱数、大当たり図柄乱数、当たり乱数の時間的な規則性を崩すために、初期値を更新する初期値乱数更新処理を行う。
【0096】
ステップS207では、始動口SW7d、カウントSW10c、ゲートSW4a、入賞口センサ12La、12Raからの検出信号に基づいて、各スイッチの状態を監視する処理(入賞口スイッチ監視処理)を行う。この入賞口スイッチ監視処理では、各スイッチの状態(オンまたはオフ)を検出するとともに、その状態の変化を検出し、RAM33に記憶する。
また、始動口SW7d、入賞口SW12La、12Raからの検出信号を監視し、検出信号が入力された場合には各入賞に対応して賞球カウンタを加算する。排出制御装置50は、この賞球カウンタのデータに従って遊技球の払出を制御する。
【0097】
ステップS208では、各入賞口に対応して設けられたスイッチ、球切れスイッチ、払出球検出スイッチ、オーバーフロースイッチ、枠開放検出スイッチからの検出信号に基づいて、異常状態が発生していないかを監視する処理(エラー監視処理)を行う。例えば、各スイッチからの検出信号が一定時間継続して入力されていた場合にエラーが発生していると判断する。
【0098】
このエラー監視処理において、エラーの発生が検出された場合には、演出装置(表示装置27、スピーカ145、157、装飾発光装置28)によりエラーが発生していることを報知するための制御指令データを生成する。そして、生成された制御指令データを、シリアル通信回路35の送信データレジスタ354(送信データバッファレジスタ354b)に設定する。この制御指令データは、ステップS202で設定された送信開始コマンドに続いて、表示制御装置40に送信される。
【0099】
ステップS209では、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームに関する処理(特図/普図ゲーム処理)を行う。
特図ゲーム処理では、始動口SW7dからの検出信号の入力に基づいて、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。具体的には、始動入賞に基づいて大当たり乱数を取得し、該大当たり乱数の当たりはずれを判定するとともに、特図表示器8に表示する特図変動表示ゲーム、該特図変動表示ゲームに対応して表示装置27に表示する飾り特図変動表示ゲームの内容を決定する処理を行う。また、特図変動表示ゲームの結果が当たりである場合には、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
【0100】
上述した特図ゲーム処理により、特図変動ゲームに応じて演出装置(例えば、表示装置27等)を制御するための制御指令データが生成される。
例えば、始動口SW7からの検出信号の入力、又は、特図変動表示ゲームの開始に基づいて、特図変動表示ゲームの未処理回数を示す飾り特図保留数を表示装置27に表示するための制御指令データ(保留数コマンド)を生成する。
また、表示装置27において飾り特図変動表示ゲームを開始するための制御指令データ(変動開始コマンド)、飾り特図変動表示ゲームの内容を示す制御指令データ(飾り特図コマンド)を生成する。
また、特図変動表示ゲームに対応して、スピーカ145、157から効果音を出力させたり、装飾発光装置28を発光させたりするための制御指令データ(効果音コマンド、発光コマンド)を生成する。
そして、生成された制御指令データを、シリアル通信回路35の送信データレジスタ354(送信データバッファレジスタ354b)に設定する。この制御指令データは、ステップS202で設定された送信開始コマンド、又は、ステップS208で設定されたエラーを報知するための制御指令データに続いて、表示制御装置40に送信される。
【0101】
なお、上述した制御指令データは一例であり、特図ゲーム処理においては、その他、演出装置を制御するための各種制御指令データが生成される。例えば、特図変動表示ゲームの状態(特図変動停止時、特図変動時、変動開始から所定時間経過時)に応じて様々な種類の制御指令データが用意されている。
【0102】
ステップS209において、普図ゲーム処理では、ゲートSW4aからの検出信号の入力に基づいて、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図の表示の設定を行う。具体的には、ゲートSW4aからの入力に基づいて当たり乱数を取得し、該当たり乱数の当たりはずれを判定するとともに、普図表示器5に普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、普図変動表示ゲームの結果が当たりである場合には、開閉部材7a、7aを開閉する処理を行う。
【0103】
ステップS210では、遊技に関する各種情報を表示する表示器(セグメントLED)17に関する処理(セグメントLED編集処理)を行う。
ステップS211では、外部の管理装置に出力する信号を出力バッファにセットする処理(外部情報編集処理)を行う。
【0104】
ステップS212では、シリアル通信回路35の送信データレジスタ354(送信データバッファレジスタ354b)に送信終了特定データ(送信終了コマンド)を設定する。この送信終了コマンドは、ステップS209で設定された特図変動ゲームに関する制御指令データに続いて、表示制御装置40に送信される。
表示制御装置40では、この送信終了コマンドを検出することにより、ステップS202で設定された送信開始コマンドを受信してから送信終了コマンドを受信するまでの間に受信した一連の制御指令データが、1回のタイマ割り込み処理で生成された制御指令データであることを認識する。そして、これを処理単位として演出装置を制御することとなる。
【0105】
ステップS213では、タイマ割り込み処理が終了したことを宣言する処理を行う。
ステップS214では、ステップS201でRAM33に待避しておいたレジスタのデータを復帰する処理を行う。
ステップS215では、タイマ割り込み処理が完了し、割り込み要求を受け付け可能な状態となったことを設定する処理(割り込み要求の許可)を行う。
【0106】
以上の処理によりタイマ割り込み処理が終了すると、タイマ割り込み処理の実行直前に実行されていたメインループ処理(図17)に戻ってメイン処理が続行される。そして、割り込みタイマ(CTC)に設定されている時間の経過後であって、且つ、割り込み許可状態となった場合に、次のタイマ割り込み処理が実行される。
また、上述したように、演出装置(例えば、表示装置27等)を制御するための制御指令データは、主に、エラー監視処理(ステップS208)、特図ゲーム処理(ステップS209)で生成される。
【0107】
このように、遊技制御装置30は、所定の制御処理を実現するために所定の間隔でタイマ割り込み処理を繰り返し実行し、該繰り返し実行されるタイマ割り込み処理において表示制御装置(従属制御装置)40に対する1又は複数の制御指令データを生成する。
そして、シリアル通信回路(制御指令送信手段)35により1又は複数の制御指令データを表示制御装置40に送信するときに、1回のタイマ割り込み処理で生成された一連の制御指令データの送信開始を特定可能な送信開始特定データを当該一連の制御指令データの送信前に送信するとともに、送信終了を特定可能な送信終了特定データを当該一連の制御指令データの送信後に送信する。
一方、表示制御装置40は、送信開始特定データを受信してから送信終了特定データを受信するまでの間に受信した一連の制御指令データを処理単位として演出装置を制御する。
【0108】
これにより、表示制御装置(従属制御装置)40は、割り込み処理毎に生成された一連の制御指令データを特定でき、特定した一連の制御指令データを処理単位として演出制御を行うので、一連の制御指令データに基づく演出が連続して(タイムラグなく)実行されることとなる。
すなわち、遊技制御装置30による遊技制御に対して表示制御装置40による演出制御が遅れて実行されないので、遊技を適正に進行させることができる。
また、従来の遊技機において適正な演出を実行するには、どこまでが一連の制御指令データなのかを従属制御装置側で判別する必要があったが、本実施形態の遊技機100では一連の制御指令データを容易に特定できるので、表示制御装置40(CPU41)の負担を軽減できる。
【0109】
図19は、表示制御装置40での受信データの一例について示す説明図である。図19には、特図変動表示ゲームを開始するための特図始動記憶数が0で、特図変動表示ゲームが実行されていない状態において、第1始動口13又は第2始動口7に遊技球が入賞した場合について示している。この場合、始動口入賞と変動開始のタイミングが重なるので、1回のタイマ割り込み処理において、図19に示すような制御指令データが生成される。
すなわち、遊技制御装置30は、タイマ割り込み処理の特図ゲーム処理(ステップS209)において、始動口入賞に伴い表示装置27の飾り特図保留数を1にする制御指令データ(保留1コマンド)DC1、表示装置27において飾り特図変動表示ゲームを開始させる制御指令データ(変動開始コマンド)DC2、飾り特図変動表示ゲームの内容を示す制御指令データ(飾り特図コマンド)DC3、飾り特図変動表示ゲームの開始に伴い表示装置27の飾り特図保留数を0にする制御指令データ(保留0コマンド)DC4を生成する。
【0110】
そして、生成された一連の制御指令データDC1〜DC4を表示制御装置40に送信するとき、当該一連の制御指令データDC1〜DC4を送信する前に、一連の制御指令データDC1〜DC4の送信開始を特定可能な送信開始特定データDSを送信し、当該一連の制御指令データDC1〜DC4を送信した後に、一連の制御指令データDC1〜DC4の送信終了を特定可能な送信終了特定データDEを送信する。この制御指令データの送信処理は、シリアル通信回路35によって実行される。
【0111】
一方、表示制御装置40は、送信開始特定データDSを受信してから送信終了特定データDEを受信するまでの間に受信した一連の制御指令データDC1〜DC4を処理単位として演出装置(例えば、表示装置27等)を制御する。
このとき、表示制御装置40は、処理単位となる一連の制御指令データに基づいて表示装置27における表示態様を決定する。すなわち、制御指令データに純粋に従うと、保留1コマンドDC1により飾り特図保留数1が表示された後、保留0コマンドDC4により飾り特図保留数は表示されなくなるが、飾り特図保留数の表示として最終的な表示態様を採用し、これに基づいて表示装置27を制御する。したがって、図19に示す制御指令データが送信された場合、表示装置27では、飾り特図保留数が表示された後にすぐに消失するという演出は行われず、飾り特図保留数が表示されないまま飾り特図変動表示ゲームが開始されることとなる。
【0112】
このように、受信した制御指令データに基づいて表示装置27を制御する表示制御装置40は、送信終了特定データDEを受信した後に、処理単位となる一連の制御指令データDC1〜DC4に基づいて、表示装置27における表示態様を決定し、これに基づいて表示装置27を制御する。すなわち、一連の制御指令データ内で相殺される制御指令データ(例えば、保留1コマンドと保留0コマンド)については、最終的な制御指令データに従う演出だけを反映させるようにしている。
これにより、例えば、表示装置27において飾り特図保留数が一瞬だけ表示されることによって、遊技者に不快感を与えるのを防止できる。また、表示装置27の駆動処理を簡略化できるので、GDP44の負担を軽減できる。
【0113】
つまり、従来の遊技機では、制御指令データを受信する毎にこれを実行して反映していたので、1回のタイマ割り込み処理で図19に示すような制御指令データが生成されると、飾り特図保留数が一瞬だけ表示されていたが、本実施形態の遊技機100では、1回のタイマ割り込み処理で生成された一連の制御指令データは明確に認識でき、この一連の制御指令データを全て受信してから表示を制御できるので、従来の遊技機で生じていた不具合を解消できる。
【0114】
さらに、表示制御装置40は、送信開始特定データDSを受信してから送信終了特定データDEを受信するまでの間に受信した一連の制御指令データを処理単位として演出装置(例えば、表示装置27等)を制御することで、不正などにより送信された異常な制御指令データを容易に検出することができる。
【0115】
図20は、表示制御装置40での受信データに異常データが含まれる場合の一例について示す説明図である。図20には、特図変動表示ゲームを開始するための特図始動記憶数が1となっている状態で、特図変動表示ゲームが終了して次の特図変動表示ゲームを開始する場合について示している。
この場合、遊技制御装置30は、タイマ割り込み処理の特図ゲーム処理(ステップS209)において、表示装置27において飾り特図変動表示ゲームを開始させる制御指令データ(変動開始コマンド)DC2、飾り特図変動表示ゲームの内容を示す制御指令データ(飾り特図コマンド)DC3、飾り特図変動表示ゲームの開始に伴い表示装置27の飾り特図保留数を0にする制御指令データ(保留0コマンド)DC4を生成する。
【0116】
そして、生成された一連の制御指令データDC2〜DC4を表示制御装置40に送信するとき、当該一連の制御指令データDC2〜DC4を送信する前に、一連の制御指令データDC2〜DC4の送信開始を特定可能な送信開始特定データDSを送信し、当該一連の制御指令データDC2〜DC4を送信した後に、一連の制御指令データDC2〜DC4の送信終了を特定可能な送信終了特定データDEを送信する。
さらに、図20においては、送信終了特定データDEの後に、次の送信開始特定データDSが送信されることなく、スピーカ145、157を制御するための制御指令データ(ファンファーレコマンド)D5、飾り特図保留数を2にする制御指令データ(保留2コマンド)D6が送信されている。
例えば、不正配線による制御指令データの割り込み(いわゆるぶら下がり)がなされると、図20の制御指令データDC5、DC6のように、当該制御指令データを送信する前後に送信開始特定データDSと送信終了特定データDEが付加されない現象が生じる。なお、制御指令データDC5、DC6は実際に異常なデータであるかは不確定であるが、少なからず不正により入力された異常データを含んでいるといえる。
【0117】
そこで、表示制御装置40では、送信開始特定データDSを受信してから送信終了特定データDEを受信するまでの間に受信した一連の制御指令データDC2〜DC4については、正常データと判断できるので、これを処理単位として演出装置(例えば、表示装置27等)を制御する。一方、制御指令データDC5、DC6については、異常データと判断できるので、これを破棄して演出に反映しない。すなわち、表示制御装置40のCPU41が受信データの構成を解析し、受信した制御指令データが異常データであるか否かを判断するようにしている。
【0118】
また、図20に示すように、送信終了特定データDEを受信してから次の送信開始特定データDSが受信される前に制御指令データを受信する場合の他、送信開始特定データDS、制御指令データDCを順に受信した後、送信終了特定データDEを受信する前に次の送信開始特定データDSが受信された場合も、2つの送信開始特定データDS間に受信された制御指令データには異常データが含まれていると判断できる。
【0119】
このように、表示制御装置(従属制御装置)40は、受信した制御指令データが異常データか否かを判定するCPU(異常判定手段)41を備え、CPU41により異常データであると判定された制御指令データを破棄するように構成されている。
具体的には、CPU(異常判定手段)41は、送信終了特定データDEを受信した後、送信開始特定データDSを受信することなく制御指令データDCを受信した場合には、当該制御指令データ(図20のDC5、DC6)を異常データと判定する。また、送信開始特定データDS1を受信した後、送信終了特定データDEを受信することなく送信開始特定データDS2を受信した場合には、先の送信開始特定データDS1を受信してから後の送信開始特定データDS2を受信するまでの間に受信した制御指令データDCを異常データと判定する。
これにより、従属制御装置40は、受信データに含まれる不正データを容易に判断できるので、ぶら下がり等による不正を防止することができる。
【0120】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記実施形態では、タイマ割り込み処理で生成された制御指令データはすぐに送信データレジスタ354に格納され、表示制御装置40に送信されるようにしているが、生成された制御指令データを一旦RAM33に格納しておき、シリアル通信回路35からの送信割り込み要求に応じてRAM33から送信データレジスタ354に制御指令データを転送し、表示制御装置40に送信させる構成としてもよい。
この場合、図14に示す割り込み優先順位レジスタにおいて、送信割り込み要求の優先順位をタイマ割り込み要求よりも高く設定し、送信割り込み要求を許可(割り込みマスクレジスタのビット6に“0”を設定)しておけば、送信データレジスタ354が空になると送信割り込み要求が発生し、RAM33から送信データレジスタ354に制御指令データが転送されるので、生成された制御指令データは遅滞なく表示制御装置40に送信されることとなる。
【0121】
すなわち、シリアル通信回路35と、停電が発生した場合に制御指令データを保持可能なRAM(データ記憶手段)33とで、制御指令送信手段を構成する。
また、遊技制御装置30の割り込みコントローラ34において、送信データレジスタ(送信データ格納手段)354がデータを格納可能な状態となったときに、当該送信データレジスタ354にRAM33から制御指令データを転送させるための送信割り込み要求が発生するように設定される。
そして、タイマ割り込み処理で制御指令データが生成されると、これをRAM33に格納し、送信割り込み要求に基づいて実行される送信割り込み処理により、RAM33に格納されている制御指令データを送信データレジスタ354に転送する。
これにより、停電時にRAM33に記憶されている制御指令データは保持されることとなり、停電時に消失してしまう制御指令データを最小限に抑えることができるので、遊技者が停電等で不測の不利益を受けてしまう可能性は低くなる。
【0122】
上記実施形態では、遊技制御装置30から表示制御装置40にシリアル通信により制御指令データを送信する構成とし、音制御装置60及び装飾制御装置70には表示制御装置40を介して制御指令データが送信されるようにしているが、遊技制御装置30から音制御装置60又は装飾制御装置70にシリアル通信により制御指令データを送信する構成としてもよい。
すなわち、表示制御装置40、音制御装置60、装飾制御装置70等、複数の演出制御装置が本発明における従属制御装置を構成しうる。
【0123】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0124】
ここで、上記実施形態に含まれる他の発明について説明する。
従来の遊技機においては、制御指令データは、遊技の進行に応じて発生するものであり、特に規則性があるわけではないので、1回のタイマ割り込み処理で複数の制御指令データが生成されることもある。
例えば、1回のタイマ割り込み処理において、始動口入賞と変動開始のタイミングが重なった場合には、始動口入賞に伴い表示装置の保留表示を1加算する制御指令データ、表示装置において変動表示ゲームを開始させる制御指令データ、変動表示ゲームにおいて導出する図柄を指定する制御指令データ、変動表示ゲームの開始に伴い表示装置の保留表示を1減算する制御指令データ等が生成される。
【0125】
このような場合でも、従属制御装置では一つの制御指令データを受信する毎に演出制御が実行されるため、遊技制御装置において1回のタイマ割り込み処理で生成されたにも拘わらず、従属制御装置における演出制御は遅れて実行される(タイムラグが生じる)こととなる。つまり、1回のタイマ割り込み処理で、例えば4つの制御指令データが生成されると、これらの制御指令データが全て従属制御装置に送信されて実行されるまでには、ほぼ4回分のタイマ割り込み処理に相当する時間を要することとなる。
【0126】
このように、遊技制御装置による遊技制御に対して従属制御装置による演出制御が遅れて実行されるのは、遊技を適正に進行させる上で望ましくない。
本出願の他の発明は、遊技を統括的に制御する遊技制御装置から従属制御装置に制御指令データを送信し、この制御指令データに基づいて従属制御装置が演出装置を制御する遊技機であって、制御指令データの送信処理を合理的に行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
【0127】
上記目的を達成するため、本出願の他の発明は、
始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき識別情報を変動表示する変動表示ゲームと変動表示ゲームの未処理数である保留表示を表示可能な表示装置と、遊技に関する演出を行う装飾装置を制御する従属制御装置と、
遊技を統括的に制御するとともに、制御指令送信手段により制御指令データを前記従属制御装置に送信する遊技制御装置と、を備えた遊技機において、
前記遊技制御装置は、
前記従属制御装置への制御指令データの送信を実行する制御指令送信手段と、
所定の制御処理を実現するために所定の間隔で繰り返し割り込み処理を実行する割り込み処理手段と、を有し、
1回の割り込み処理の実行中に前記始動入賞領域への遊技球入賞と変動表示ゲームの開始が重複して発生した場合には、前記始動入賞領域への遊技球入賞に伴い増加した変動表示ゲームの未処理回数に対応する前記保留表示を行う制御指令データと、変動表示ゲームの開始と変動表示ゲームの内容を指示する制御指令データと、変動表示ゲームの開始に伴い減少した未処理回数に対応する前記保留表示を行う制御指令データを連続して送信し、
前記従属制御装置は、
前記遊技制御装置から送信される前記制御指令データに基づいて前記表示装置における表示態様を決定し、これに基づいて前記表示装置を制御する表示制御手段を含み、
前記始動入賞領域への遊技球入賞に伴い増加した変動表示ゲームの未処理回数に対応する前記保留表示を行う制御指令データと、変動表示ゲームの開始と変動表示ゲームの内容を指示する制御指令データと、変動表示ゲームの開始に伴い減少した未処理回数に対応する前記保留表示を行う制御指令データを連続して受信した場合には、前記表示装置に変動表示ゲームの開始に伴い減少した未処理回数に対応する前記保留表示を反映する一方、前記始動入賞領域への遊技球入賞に伴い増加した変動表示ゲーム未処理回数の増加に対応する前記保留表示は反映しないようにするものである。
【0128】
本出願のさらに他の発明は、
遊技を統括的に制御する遊技制御装置と、
この遊技制御装置からの制御指令に基づいて演出装置(各種電気的装置)を制御する従属制御装置と、を備えた遊技機において、
前記遊技制御装置は、
前記従属制御装置への制御指令データの送信を実行する制御指令送信手段、を含んで構成され、
所定の制御処理を実現するために所定の間隔で割り込み処理を繰り返し実行し、該繰り返し実行される割り込み処理において前記従属制御装置に対する1又は複数の制御指令データを生成し、
前記制御指令送信手段により前記1又は複数の制御指令データを前記従属制御装置に送信するときに、1回の割り込み処理で生成された一連の制御指令データの送信開始を特定可能な送信開始特定データ(送信開始コマンド)を当該一連の制御指令データの送信前に送信するとともに、送信終了を特定可能な送信終了特定データ(送信終了コマンド)を当該一連の制御指令データの送信後に送信し、
前記従属制御装置は、
前記送信開始特定データを受信してから前記送信終了特定データを受信するまでの間に受信した一連の制御指令データを処理単位として演出装置を制御するようにするものである。
【0129】
また、本出願にかかる他の発明は、上記遊技機において、
前記従属制御装置は、受信した制御指令データに基づいて表示装置を制御する表示制御装置、を有し、
前記表示制御装置は、前記送信終了特定データを受信した後に、処理単位となる一連の制御指令データに基づいて、前記表示装置における表示態様を決定し、これに基づいて前記表示装置を制御するようにするものである。
【0130】
また、本出願にかかる他の発明は、上記遊技機において、
前記従属制御装置は、受信した制御指令データが異常データか否かを判定する異常判定手段を備え、前記異常判定手段により異常データであると判定された制御指令データを破棄するように構成され、
前記異常判定手段は、前記送信終了特定データを受信した後、前記送信開始特定データを受信することなく制御指令データを受信した場合には、当該制御指令データを異常データと判定し、前記送信開始特定データを受信した後、前記送信終了特定データを受信することなく前記送信開始特定データを受信した場合には、前記先の送信開始特定データを受信してから前記後の送信開始特定データを受信するまでの間に受信した制御指令データを異常データと判定するようにするものである。
【0131】
また、本出願にかかる他の発明は、上記遊技機において、
前記制御指令送信手段は、前記送信開始特定データ、前記制御指令データ、及び前記送信終了特定データを格納する送信データ格納手段(送信データレジスタ)を備え、
前記送信データ格納手段に送信データが格納されると、前記遊技制御装置から前記従属制御装置へ向かう方向に、前記格納された送信データを1ビットずつ順次送信する(すなわち、シリアル通信)ように構成するものである。
具体的には、送信データ格納手段(送信データレジスタ)は、格納されたデータをすぐに送信する送信データシフトレジスタと、格納されたデータを保持するとともに、前記送信データシフトレジスタがデータを格納可能な状態となったときに、保持しているデータを前記送信データシフトレジスタに転送する送信データバッファレジスタと、で構成する。
【0132】
また、本出願にかかる他の発明は、上記遊技機において、
前記送信データ格納手段は、1回の割り込み処理において生成される一連の制御指令データを全て格納可能に構成され、
前記遊技制御手段は、前記割り込み処理において制御指令データを生成するとすぐに、生成された制御指令データを前記送信データ格納手段に格納するものである。
例えば、1つの制御指令データが、1バイトのモードデータと1バイトのアクションデータで構成され、1回の割り込み処理で最大16の制御指令データが生成される場合、送信データ格納手段は32バイト(例えば、1バイト×32段(送信データシフト手段×1段+送信データバッファ手段×31段))で構成されるようにする。
【0133】
また、本出願にかかる他の発明は、上記遊技機において、
前記制御指令送信手段は、停電が発生した場合に前記制御指令データを保持可能なデータ記憶手段を備え、
前記送信データ格納手段がデータを格納可能な状態となったときに、当該送信データ格納手段に前記データ記憶手段から制御指令データを転送させるための送信割り込み要求が発生するように設定され、
前記割り込み処理で前記制御指令データが生成されると、これを前記データ記憶手段に格納し、
前記送信割り込み要求に基づいて実行される送信割り込み処理により、前記データ記憶手段に格納されている制御指令データを前記送信データ格納手段に転送するようにするものである。
【0134】
上記のような発明によれば、制御指令データの送信処理を合理的に行うことにより、遊技制御装置による遊技制御に対して従属制御装置による演出制御が遅れて実行されるのを回避できるので、遊技を適正に進行させることができる。
【符号の説明】
【0135】
27 表示装置(演出装置)
28 装飾発光装置(演出装置)
30 遊技制御装置
31 CPU
32 ROM
33 RAM
34 割り込みコントローラ
35 シリアル通信回路(制御指令送信手段)
36 入出力I/F
40 表示制御装置(従属制御装置)
50 音制御装置(従属制御装置)
60 装飾制御装置(従属制御装置)
100 遊技機
145、157 スピーカ(演出装置)
DS 送信開始特定データ
DE 送信終了特定データ
DC 制御指令データ
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技を統括的に制御する遊技制御手段から従属制御手段に制御指令データを送信し、この制御指令データに基づいて従属制御手段が表示を制御する、例えば、パチンコ機などの遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示装置において変動表示ゲームを行わせ、その変動表示ゲームの停止表示態様に関連して、特典遊技を発生する等の特定の遊技価値を付与するようにした遊技機(例えば、パチンコ機)がある。
このような遊技機では、遊技制御装置(主制御装置)から従属制御装置(表示制御装置、装飾制御装置、音制御装置等の演出制御装置)に制御指令データ(コマンド)を送信し、この制御指令データに基づいて従属制御装置が演出装置(表示装置、スピーカ、装飾用LED等)を制御することにより演出が行われるようになっている。この遊技制御装置から従属制御装置への制御指令データの送信は、パラレル通信により行われる(例えば、特許文献1)。
【0003】
遊技制御装置では、例えば、遊技を統括的に制御するメイン処理が実行されるとともに、所定の時間間隔(例えば、2ms間隔)でタイマ割り込み処理が実行される。このタイマ割り込み処理において、遊技の進行状態に応じて演出に関する制御指令データ(例えば、2バイト)が生成され、従属制御装置に送信される。
具体的には、タイマ割り込み処理において生成された制御指令データは、一旦、遊技制御装置内のメモリに格納される。そして、次回のタイマ割り込み処理において、メモリに格納されている制御指令データのうちの一つが出力I/Fに転送されて従属制御装置に送信される。したがって、1回のタイマ割り込み処理において複数の制御指令データが生成されても、次回以降のタイマ割り込み処理が実行される毎に一つずつ送信されることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−113009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、制御指令データは、遊技の進行に応じて発生するものであり、特に規則性があるわけではないため、1回のタイマ割り込み処理で、保留表示を1加算する制御指令データと保留表示を1減算する制御指令データのように複数の制御指令データが生成されることがある。
このような場合、従来の遊技機では受信した制御指令データを全て反映してしまうため、保留表示が一瞬だけ表示された後にすぐに消失する表示が行なわれ、遊技者に不快感を与えてしまう虞があった。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、遊技者に不快感を与えることのない表示制御を行なうことができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、
遊技を統括的に制御する遊技制御手段と、
前記遊技制御手段から送信される制御指令データに対応して、識別情報を変動表示する変動表示ゲームと該変動表示ゲームの未処理数である保留表示の表示制御を行なう従属制御手段と、
を備えた遊技機において、
前記従属制御手段は、
前記遊技制御手段から送信される前記制御指令データに基づいて表示態様を決定し、所定の更新タイミングで表示態様の更新を行なう表示制御手段を備え、
前記所定の更新タイミングに前記保留表示の表示態様に関する制御指令データを重複して受信している場合は、
後に受信した制御指令データに対応する保留表示は表示する一方で、先に受信した制御指令データに対応する保留表示は表示しないようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、遊技機において遊技者に不快感を与えることのない表示制御を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明を適用した遊技機の全体構成を示す正面図である。
【図2】遊技機100の制御系統全体のブロック図である。
【図3】遊技制御装置30におけるシリアル通信回路35の送信部の構成例を示すブロック図である。
【図4】送信シリアルチャンネル設定レジスタ351の構成例を示す説明図である。
【図5】送信制御レジスタ352の構成例を示す説明図である。
【図6】送信データステータスレジスタ353の構成例を示す説明図である。
【図7】送信データレジスタ354(1段分)の構成例を示す説明図である。
【図8】表示制御装置40におけるシリアル通信回路45の受信部の構成例を示すブロック図である。
【図9】受信シリアルチャンネル設定レジスタ451の構成例を示す説明図である。
【図10】受信制御レジスタ452の構成例を示す説明図である。
【図11】受信データステータスレジスタ453の構成例を示す説明図である。
【図12】受信データレジスタ454(1段分)の構成例を示す説明図である。
【図13】遊技制御装置30から表示制御装置40に送信される送信データの構成を示す説明図である。
【図14】割り込み優先順位レジスタの構成例を示す説明図である。
【図15】割り込みマスクレジスタの構成例を示す説明図である。
【図16】メイン処理の一例を示すフローチャートである。
【図17】メイン処理の一例を示すフローチャートである。
【図18】タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。
【図19】表示制御装置40での受信データの一例について示す説明図である。
【図20】表示制御装置40での受信データに異常データが含まれる場合の一例について示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、本発明に係る遊技機の適例としてのパチンコ遊技機について説明を行う。
図1は、本発明を適用した遊技機の全体構成を示す正面図である。
図1に示すように、本実施形態の遊技機100は、矩形枠状に構成された機枠110を備え、機枠110の前面側には、該機枠110に対して前方向へ扉状に回動可能に矩形枠状の前面枠120が軸着されている。
【0011】
前面枠120は、当該前面枠120に備えられる各種部材等の取付用のベースとなる前面枠本体130と、当該前面枠本体130に対して、その前面側に回動可能に軸支されたクリア部材保持枠140と、クリア部材保持枠140の下側に取り付けられた発射操作ユニット150と、を有する。
【0012】
前面枠本体130は、矩形枠状の機枠110の前面側をちょうど覆うような概略矩形板状に構成されるとともに、その中央から上端部に渡る部分に、遊技盤1を嵌め込んで収容するための方形状の開口部が形成されている。そして、前面枠本体130に収容された遊技盤1の前面が前面枠本体130の開口部から前側に臨むようになっている。すなわち、遊技盤1は、前面枠本体130に嵌め込まれることで前面枠120に取り付けられている。
【0013】
前面枠本体130の開口部、すなわち、前面枠本体130の中央より少し下側から上端部にわたる部分には、前面枠本体130の前側を覆うようにクリア部材保持枠140が配置されており、遊技盤1の前面とクリア部材保持枠140に嵌め込まれたクリア部材としてのガラス板との間で、遊技盤1の前面に設けられたガイドレール2に囲まれた部分が、遊技球が発射されて流下する遊技領域1aとされている。
【0014】
クリア部材保持枠140の一方の側部(遊技機100の前面側から見て左側の側部)は、前面枠本体130の一方の側部に回動可能に軸支されて、扉状に開閉自在とされ、クリア部材保持枠140を開くことにより、遊技盤1の前面側の遊技領域1aの前側を開放可能となっている。
クリア部材保持枠140には、前面枠本体130の開口部をほぼ閉塞するように、該開口部に嵌め込まれた遊技盤1との間に遊技球が流下可能な遊技領域1aとなる間隔を開けて二重のガラス板が固定されている。そして、クリア部材保持枠140において、遊技機100の前側からガラス板を介して遊技盤1の前面側の少なくとも遊技領域1aの部分が視認可能となっている。また、クリア部材保持枠140の前面であって、ガラス板が固定されて遊技領域1aを視認可能とする部分の周囲には、ランプやLED、音声を出力するスピーカ145、145などが設けられている。
【0015】
前面枠本体130に軸着されたクリア部材保持枠140の開放端側となる前面側から見て右側の端部の前面には、施錠装置の一部をなす鍵穴143が形成されている。この鍵穴143は、前面枠本体130の施錠装置の一部を構成するとともに、クリア部材保持枠140の施錠装置の一部を構成する。鍵穴143に鍵を入れて一方(例えば、左回り)に回すと前面枠本体130の施錠が解除され、他方(例えば、右回り)に回すとクリア部材保持枠140の施錠が解除されるようになっている。
【0016】
発射操作ユニット150は、左右側部のうちの一側部となる左側部を前面枠本体130に軸着されて、左右方向に回動して開閉自在な開閉パネル151とその下の下部パネル152とからなる。
開閉パネル151は、排出された遊技球を貯留するとともに、遊技球を発射する発射装置(図示略)に遊技球を送る上皿153を有している。この上皿153の周囲には、遊技者が操作可能な演出用ボタン(図示略)が設けられている。
下部パネル152には、上皿153に収容しきれない遊技球を収容する下皿154及び灰皿155と、遊技領域1aに向けての遊技球の発射操作を行うとともに、該遊技領域1aに遊技球を発射する際の発射勢を調節するための操作ハンドル156、音声を出力するスピーカ157などが設けられている。
【0017】
遊技盤1は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体(木製若しくは合成樹脂製)1bを備え、前面にはガイドレール2で囲まれた遊技領域1aを有する。また、遊技盤本体1bの前面であってガイドレール2の外側には、前面構成部材3、3、・・が取り付けられている。この遊技領域1a内に発射装置(図示略)から遊技球を発射して遊技を行う。
【0018】
遊技領域1a内には、普図始動ゲート4、第1始動口13、第2始動口(普通変動入賞装置)7が設けられている。普通変動入賞装置7は、第1始動口13の下部に配設され、左右一対の開閉部材7a、7aを具備している。この開閉部材7a、7aは、通常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持する。一方、普図変動表示ゲームの結果が特別の結果態様となった場合には、駆動装置としてのソレノイド(普電SOL7b、図2参照)によって逆ハ字状に開いて普通変動入賞装置7に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態、開放状態)に変化する。
また、遊技領域1a内には、LEDランプ及びセグメントLEDからなる表示器17が設けられている。この表示器17は、普図変動表示ゲームを表示する普図表示器5、普図変動表示ゲームの未処理回数を表示する普図記憶表示器6、特図変動表示ゲームを表示する特図表示器8、補助ゲームとしての特図変動表示ゲームの未処理回数を表示する特図記憶表示器9、遊技状態を表す遊技状態表示器15(何れも図2参照)として機能する。
なお、本実施形態では、特図変動表示ゲームの未処理回数は、表示装置27においても飾り特図保留数として表示されるようになっている。
【0019】
また、遊技領域1aには、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉10aを有し、補助ゲームとしての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する特別変動入賞装置10が設けられている。なお、開閉扉10aは、例えば、駆動装置としてのソレノイド(大入賞口SOL10b、図2に図示)により駆動される。また、大入賞口の内部(入賞領域)には、該大入賞口に入った遊技球を検出する入賞球検出手段としてのカウントSW10c(図2に図示)が配設されている。
この他、遊技領域1aには、一般入賞口12L、12R、打球方向変換部材としての風車14、多数の障害釘(図示略)、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト穴11などが設けられている。
【0020】
さらに、遊技領域1aの略中央には、特図変動表示ゲームの表示領域となる窓部22を形成するセンターケース20が取り付けられている。このセンターケース20に形成された窓部22の後方には、表示装置27が配される。
この表示装置27は、例えば、液晶ディスプレイを備え、表示内容が変化可能な表示部42がセンターケース20の窓部22を介して遊技盤1の前面側から視認可能となるように配されている。なお、表示装置27は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL(Electroluminescence)、CRT等のディスプレイを備えるものであっても良い。
【0021】
第1始動口13と普通変動入賞装置7の内部には、第1始動口又は普通変動入賞装置7に入賞した遊技球を検出する始動口SW7d(図2参照)が設けられている。遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が第1始動口13又は普通変動入賞装置7に入賞し、始動口SW7dで遊技球の入賞が検出されると、特図変動表示ゲームを開始する始動権利が発生し、所定の上限数(例えば、4個)の範囲内で特図始動記憶数が1加算される。このとき、遊技球の入賞に伴い所定数の賞球が排出装置(図示略)によって排出される。
【0022】
従って、特図変動表示ゲームが開始可能な状態で、且つ、特図始動記憶数が0の状態で、普通変動入賞装置7又は第1始動口13に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って特図始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが開始され、この際に特図始動記憶数が1減算される。
一方、特図変動表示ゲームが直ちに開始できない状態、例えば、既に特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合には、普通変動入賞装置7又は第1始動口13に遊技球が入賞すると、特図始動記憶数が上限数未満ならば、特図始動記憶数が1加算されることになる。そして、特図始動記憶数が1以上となった状態で、特図変動表示ゲームが開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了もしくは特別遊技状態の終了)となると、記憶された特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが開始されるとともに、特図始動記憶数が1減算される。
ここで、特図始動記憶は、表示器17(特図記憶表示器9)にて表示されるようになっており、特図始動記憶が1つ記憶されるのに対応してLEDを1つ点灯し、特図始動記憶が1つ減算されるのに対応してLEDを1つ消灯する。
【0023】
補助ゲームとしての特図変動表示ゲームは、表示器17(特図表示器8)で実行されるようになっており、例えば、複数の識別情報を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。
また、表示装置27では、上述した特図変動表示ゲームに対応して、複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行される。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図表示器8の表示態様が特別結果態様(たとえば「7」)となった場合には、大当たりとなって特別遊技状態(いわゆる、大当たり状態)となる。また、これに対応して表示装置27の表示態様も特別結果態様(例えば、「7、7、7」等のゾロ目数字の何れか)となる。
特別遊技状態となると、特別変動入賞装置10の開閉部材10aが、所定回数(例えば、遊技球の入賞10個を1ラウンドの上限として15ラウンド又は2ラウンド)開放され、遊技球の入賞に伴い所定数の賞球が排出装置(図示略)によって排出される。これにより、特別変動入賞装置10に遊技球が入賞しやすくなり、遊技者は大量の遊技球を獲得できる。
なお、遊技機100に特図表示器8を備えずに、表示装置27のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
【0024】
普図始動ゲート4内には、該普図始動ゲート4を通過した遊技球を検出するためのゲートSW4a(図2参照)が設けられている。遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート4を通過し、ゲートSW4aで遊技球の通過が検出されると、記憶可能な範囲(例えば、4個)内で普図始動記憶数が1加算される。
そして、普図始動記憶に基づく普図変動表示ゲームが開始され、この際に普図始動記憶数が1減算される。ここで、普図始動記憶は、表示器17(普図記憶表示器6)にて表示されるようになっており、普図始動記憶が1つ記憶されるのに対応してLEDを1つ点灯し、普図始動記憶が1つ減算されるのに対応してLEDを1つ消灯する。
【0025】
普図変動表示ゲームは、例えば、表示器17(普図表示器5)で実行される。そして、この普図変動表示ゲームの停止表示が特別の結果態様となれば、普図の当たりとなって、普通変動入賞装置7の開閉部材7a、7aが所定時間(例えば、0.5秒間)開放される。これにより、普通変動入賞装置7に遊技球が入賞しやすくなり、特図の変動表示ゲームの始動が容易となる。
なお、表示装置27の表示領域の一部で普図変動表示ゲームを表示するようにしても良く、この場合は識別図柄として、例えば、数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うようにする。
【0026】
遊技領域1aに設けられた各一般入賞口12L、12Rの内部には、入賞した遊技球を検出するための入賞口センサ12La、12Ra(図2参照)が配設されている。そして、遊技を開始することにより遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、一般入賞口12L、12Rに入賞すると、所定数の賞球が排出装置(図示略)によって排出される。
【0027】
本実施形態では、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、遊技状態として時短遊技状態を発生可能となっている。この時短遊技状態においては、普図変動表示ゲームの実行時間が通常遊技状態のときよりも短くなるように制御される(例えば、10秒が1秒)。これにより、単位時間当たりの普通変動入賞装置7の開放回数が実質的に多くなる。
また、時短遊技状態においては、普図変動表示ゲームの結果が当たりとなって普通変動入賞装置7が開放される場合に、開放時間が通常遊技状態のときより長くなるように制御される(例えば、0.3秒が1.8秒)。
また、時短遊技状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当たり結果に対して、普通変動入賞装置7が1回ではなく、複数回(例えば、2回)開放される。さらに、時短遊技状態においては普図変動表示ゲームの当たり結果となる確率が通常遊技状態より高くなるように制御される。すなわち、通常遊技状態よりも普通変動入賞装置7の開放回数が増加される。
【0028】
また、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、遊技状態として確変遊技状態を発生可能となっている。この確変遊技状態においては、上述の時短遊技状態に加え、特図変動表示ゲームの当たり結果となる確率が通常遊技状態より高くなるように制御される。
【0029】
図2は、遊技機100の制御系統全体のブロック図である。
図2に示すように、遊技機100は、遊技を統括的に制御する遊技制御装置30と、この遊技制御装置30からの制御指令に基づいて演出装置(表示装置27、スピーカ145、157、装飾発光装置28等の各種電気的装置)を制御する従属制御装置(表示制御装置40、音制御装置60、装飾制御装置70)と、を備えている。
【0030】
遊技制御装置30は、CPU31、ROM32、RAM33、割り込みコントローラ34、シリアル通信回路35、入出力I/F36等を備える遊技用ワンチップマイコンにより構成される。
CPU31は、制御部、演算部を備え、演算制御を行う他、特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値などの各種乱数値などを生成する。例えば、ROM32に記憶されている制御プログラムを実行することにより、後述するメイン処理やタイマ割り込み処理を行う。
ROM32には、遊技上の制御プログラムや制御データが書き込まれている他、上述の各種乱数値に対応して、特図変動表示ゲームの大当たり発生を判定するための特図変動表示ゲームの大当たり判定値、変動パターン(リーチアクションの種類などの実行態様)の判定値などが記憶されている。
RAM33は、普通変動入賞装置7に設けられた始動口SW7dのオン信号などを記憶する記憶領域や、前記各種乱数値の記憶領域、並びに、CPU31の作業領域等を備えている。
【0031】
割り込みコントローラ34は、割り込み要求レジスタ、割り込みマスクレジスタ、割り込み優先順位レジスタ、割り込みサービスレジスタ、割り込みベクタレジスタ等を含んで構成され、CPU31で実行されるメイン処理への割り込み(例えば、タイマ割り込み処理等)を制御する。本実施形態では、例えば、タイマ割り込み信号、送信割り込み信号等が割り込み要因となる。
割り込みコントローラ34に、例えば、割り込みタイマ(CTC:Counter/Timer Circuit)からのタイマ割り込み要求信号が入力されると、この割込要求信号は割り込み要求レジスタにラッチされる。ラッチされた割り込み要求信号のうち、割り込みマスクされていない割り込み要求について優先順位が比較され、最も高い優先順位を持つ割り込み要求が割り込みサービスレジスタからCPU31に出力される。
そして、CPU31が割り込み受付可能な状態になると、割り込みベクタレジスタに設定されたベクタがCPU31に出力され、割込処理が実行される。
ここで、割り込み要求についての優先順位は割り込み優先順位レジスタに、割り込みマスクについては割り込みマスクレジスタに予め設定されている(図14、15参照)。
【0032】
シリアル通信回路35は、例えば、シリアル通信を実現する非同期シリアル通信機能(UART機能)を有し、従属制御装置としての表示制御装置40に、遊技制御装置30で生成された制御指令データを送信する。
すなわち、遊技制御装置30は、従属制御装置(表示制御装置40)への制御指令データの送信を実行する制御指令送信手段(シリアル通信回路35)を含んで構成されている。このシリアル通信回路35の詳細については後述する。
【0033】
入出力I/F36は、ローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、始動口SW7d、カウントSW10c、ゲートSW4a、入賞口SW12La、12Raなどから入力された各種信号を、CPU31に対して出力する。
また、入出力I/F36は、CPU31から出力された各種の制御信号を、特図表示器8、特図記憶表示器9、普図表示器5、普図記憶表示器6、遊技状態表示器15、普電SOL7b、大入賞口SOL10b、排出制御装置50、遊技機外部の管理装置などと接続する盤用外部情報端子16に出力する。
【0034】
表示制御装置40は、CPU41、ROM42、RAM43、グラフィックプロセッサ(GDP:Graphic Display Processor)44、シリアル通信回路45、入出力I/F46、画像ROM47等を備えて構成される。
CPU41は、遊技制御装置30から送信された制御指令データに基づいて、表示装置27における演出等を制御する。例えば、CPU41は、シリアル通信回路45で受信した制御指令データを解析し、制御指令データが特図の変動表示に関するものであれば、それに含まれる結果態様や変動時間の情報に基づいて、変動表示の内容を決定する。そして、その変動表示を実現する表示データ(表示する図柄のコードや表示位置データやスクロールなどのコマンド等からなるデータ)を生成する。生成された表示データは、RAM43に格納される。
ROM42には、制御用プログラムや固定データが記憶されている。
RAM43は、遊技制御装置30から送信された制御指令データの記憶領域、CPU41により生成された表示データの記憶領域、並びにCPU41の作業領域等を備えている。
【0035】
画像ROM47には、表示装置27における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)に用いる識別情報などの各図柄、背景、キャラクタ等の画像データや、フォントデータ等が記憶されている。
GDP44は、CPU41によって生成された表示データに基づいて、表示する飾り特図や演出図柄、キャラクタコードに対応するデータを画像ROM47から読み出し、表示位置データ等に従って表示すべき画像データ(背景画像を含む)を生成し、表示装置27に表示させる。
【0036】
シリアル通信回路45は、例えば、シリアル通信を実現する非同期シリアル通信機能(UART機能)を有し、遊技制御装置30から送信された制御指令データを受信する。
すなわち、従属制御装置としての表示制御装置40は、遊技制御装置30から送信された制御指令データの受信を実行する制御指令受信手段(シリアル通信回路45)を含んで構成されている。このシリアル通信回路45の詳細については後述する。
【0037】
入出力I/F46は、音制御装置60、装飾制御装置70、操作スイッチ25から入力された各種信号を、CPU41に対して出力する。操作スイッチ25は、遊技者の演出選択操作(表示装置27における演出態様を変更するための操作)を受け付ける操作手段であり、例えば、下皿154の近傍に設けられるプッシュボタンである。
また、入出力I/F46は、CPU41から出力された制御信号を表示装置27に出力する。
また、入出力I/F46は、遊技制御装置30から送信された制御指令データのうち、効果音に関する制御指令データを音制御装置60に転送し、装飾発光に関する制御指令データを装飾制御装置70に転送する。
【0038】
遊技制御装置30や表示制御装置40には、電源供給装置(図示略)から電力が供給されており、その他の装置にも電源供給装置から電力が供給される。さらに、電源供給装置には、停電時等の外部からの電力の供給が途絶えた場合でも電力を供給可能とするためのバックアップ電源が備えられ、停電時等に各制御装置の揮発性メモリ(RAM33、43)に保存されたデータの消失を防止するようになっている。
【0039】
上述した構成を備えた遊技機100において、遊技制御装置30のCPU31は、各種入賞口に設けられたセンサ(始動口SW7d、カウントSW10c、入賞口SW12La,Ra)から入力される遊技球の検出信号に基づき、排出制御装置50に制御指令データを出力する(パラレル通信)。排出制御装置50は、制御指令データに基づいて、所定数の遊技球が排出装置から払い出されるように制御する。
【0040】
また、普図始動ゲート4に備えられたゲートSW4aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当たり判定用乱数値を抽出してROM32に記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当たり外れを判定する。
そして、普図表示器5において普図変動表示ゲームを表示させ、普図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、普図表示器5に特別の結果態様を表示するとともに、普電SOL7bを動作させ、普通変動入賞装置7の開閉部材7a、7aを所定時間(例えば、0.5秒間)開放する。一方、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器5にはずれの結果態様を表示させる。
【0041】
また、CPU31は、普通変動入賞装置7又は第1始動口13に入賞した遊技球を検出する始動口SW7dからの検出信号の入力に基づき、特図の大当たり判定用乱数値を抽出してROM32に記憶されている判定値と比較し、補助ゲームとしての特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する。
そして、特図表示器8において特図変動表示ゲームを表示させ、特図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、特図表示器8に特別の結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる。一方、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図表示器8にはずれの結果態様を表示させる。
特別遊技状態では、例えば、大入賞口SOL10bにより特別変動入賞装置10の開閉扉10aを開放し、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば25秒または1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回または2回)継続する制御を行う。
【0042】
また、CPU31は、特図変動表示ゲームの判定とともに、表示装置27における飾り特図変動表示ゲームの変動パターンの判定を行い、これらの結果(飾り図柄+変動パターン)を含む制御指令データ(演出コマンド)を、表示制御装置40に出力する。
【0043】
上述したCPU31による各種処理は、所定の間隔で実行されるタイマ割り込み処理において行われる。また、タイマ割り込み処理では、従属制御装置(表示制御装置40、音制御装置60、装飾制御装置70)に対する1又は複数の制御指令データが生成される。そして、生成された制御指令データは、シリアル通信回路35によってシリアル通信で表示制御装置40に送信される。なお、遊技制御装置30と表示制御装置40との間の通信は、遊技制御装置30から表示制御装置40へのみデータを送信可能な単方向通信とされる。
【0044】
一方、表示制御装置40では、シリアル通信回路45において、遊技制御装置30からシリアル通信で送信された制御指令データが受信され、これに基づいて演出制御が行われる。
例えば、CPU41は、GDP44と協働して、表示装置27における飾り特図変動表示ゲーム等の表示制御を行う。
また、音制御装置60を介してスピーカ145、157を制御して所定の音響効果やBGMによる演出を実現する。具体的には、音制御装置60が、表示制御装置40から転送された制御指令データに基づいて、スピーカ145、157からの効果音出力を制御する。
また、装飾制御装置70を介して装飾LEDや装飾用ランプ等の装飾発光装置28の点灯態様を制御する。具体的には、装飾制御装置70が、表示制御装置40から転送された制御指令データに基づいて装飾発光装置28を制御する。
【0045】
図3は、遊技制御装置30におけるシリアル通信回路35の送信部の構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、シリアル通信回路35は、送信シリアルチャンネル設定レジスタ351、送信データステータスレジスタ353、送信制御レジスタ352、送信データレジスタ354(送信データバッファレジスタ354a、送信データシフトレジスタ354b)、ボーレート生成回路355を含んで構成される。
【0046】
送信シリアルチャンネル設定レジスタ351は、データ送信時の通信速度及び通信フォーマットを指定するレジスタである。送信シリアルチャンネル設定レジスタ351には、後述するメイン処理におけるシリアル通信設定処理(図16のステップ105)によって各値が設定される。
図4に、送信シリアルチャンネル設定レジスタ351の構成例を示す。図4に示すように、送信シリアルチャンネル設定レジスタ351は、例えば16ビットで構成され、ビット0〜15はすべて書き込み/読み出し可能とされる。
【0047】
送信シリアルチャンネル設定レジスタ351において、ビット0〜12には、送信ボーレート(通信速度)を算出するためのボーレート設定値(例えば、分周比)が設定される。ビット13には、送信データ長を8ビットとする場合に“0”が設定され、9ビットとする場合に“1”が設定される。ビット14には、送信データにパリティを付加しない場合に“0”が設定され、パリティを付加する場合に“1”が設定される。ビット15には、送信データに付加するパリティを偶数パリティとする場合に“0”が設定され、奇数パリティとする場合に“1”が設定される(ビット14に“1”(パリティ有り)が設定されているとき)。
【0048】
図3において、送信制御レジスタ352は、シリアル通信回路35の動作を制御するためのレジスタである。
図5に、送信制御レジスタ352の構成例を示す。図5に示すように、送信制御レジスタ352は、例えば8ビットで構成され、ビット6は読み出し専用とされ、他のビット0、4、5、7は書き込み/読み出し可能とされる。なお、本実施形態では送信制御レジスタ352のビット1〜3は未使用としているため、図5では省略している。
【0049】
送信制御レジスタ352において、ビット0には、送信回路(シリアル通信回路35)を初期化する場合に“1”が設定される。送信回路が初期化されると送信データレジスタ354のデータも含めて全てのレジスタが初期値とされる。ビット4には、送信データレジスタ354(送信データシフトレジスタ354a)からのデータ送信を禁止する場合に“0”が設定され、データ送信を許可する場合に“1”が設定される。ビット5には、送信データレジスタ354が空になったときに送信割り込みを要求しない場合に“0”が設定され、送信割り込みを要求する場合に“1”が設定される。ビット6には、送信割り込み要求が発生しているか否か(送信割り込み状態)を示す値が設定される。ビット6に“0”が設定されていると送信割り込みを要求していない状態であることを示し、“1”が設定されていると送信割り込みを要求している状態であることを示す。ビット7には、送信データレジスタのビット8の値(データ長が9ビットの場合)が設定される。
【0050】
図3において、送信データステータスレジスタ353は、送信データレジスタ354の状態を示すレジスタである。CPU31は、送信データステータスレジスタ353の設定値によって、送信データレジスタ354の状態を確認することができる。
図6に、送信データステータスレジスタ353の構成例を示す。図6に示すように、送信データステータスレジスタ353は、例えば8ビットで構成され、ビット0〜5、7はすべて読み出し専用とされる。なお、本実施形態では送信データステータスレジスタ353のビット6は未使用としているため、図6では省略している。
【0051】
送信データステータスレジスタ353において、ビット0〜5には、送信データの残量を示す値が設定される。例えば、ビット0〜5に“00h”(16進数の“0”)が設定されていると送信データがないことを示し、“01h”が設定されていると送信データが1バイト残っていることを示し、“20h”が設定されていると送信データが32バイト残っていることを示す。ビット7には、送信データレジスタ354におけるデータの送信状態を示す値が設定される。ビット7に“1”が設定されているとデータを送信していない状態であることを示し、“0”が設定されているとデータを送信している状態であることを示す。
【0052】
図3において、送信データレジスタ354は、シリアル通信回路35が送信するデータを格納するレジスタである。送信データレジスタ354は、例えば、1段の送信データシフトレジスタ354aと、31段の送信データバッファレジスタ354bで構成される。
図7に、送信データレジスタ354(1段分)の構成例を示す。図7に示すように、1段の送信データレジスタ354は、例えば8ビットで構成され、ビット0〜7はすべて書き込み専用とされる。
【0053】
この送信データレジスタ354には、タイマ割り込み処理で生成される制御指令データが格納され、送信制御レジスタのビット4に“1”(送信許可)が設定されていれば、格納された制御指令データは自動的に表示制御装置40に送信される。
制御指令データは、例えば、1バイトのモードデータと1バイトのアクションデータの2バイトで構成されるので、2段の送信データレジスタ354に1つの制御指令データが格納されることとなる。そして、本実施形態では、送信データレジスタ354を32段で構成しているので、1回のタイマ割り込み処理で最大16の制御指令データが生成される場合、これをすべて送信データレジスタ354に格納することができる。
【0054】
図3において、ボーレート生成回路355は、図示しないクロック回路から出力されるクロック信号及び送信シリアルチャンネル設定レジスタ351に設定されている設定値(ボーレート設定値)に基づいて、シリアル通信回路35が用いる送信ボーレートを生成する。このとき、ボーレート生成回路355は、クロック信号及びボーレート設定値に基づいて、所定の計算式を用いて送信ボーレートを求める。
【0055】
シリアル通信回路35では、送信許可の設定(送信制御レジスタ352のビット4を“1”)がなされた後、送信するデータを送信データレジスタ354(送信データバッファレジスタ354b)に書き込むことにより自動的に送信が開始される。送信が開始されると、送信データバッファレジスタ354bのデータが送信データシフトレジスタ354aに転送され、送信データシフトレジスタ354aからシリアル変換されて、最下位ビット(ビット0)から1ビットずつ順次出力される。そして、データの送信が完了すると送信データシフトレジスタ354aは空になるので、送信データバッファレジスタ354bに書き込まれている次のデータが送信データシフトレジスタ354aに転送され、出力される。
したがって、シリアル通信回路35では、送信データレジスタ354(送信データシフトレジスタ354a、送信データバッファレジスタ354b)に書き込まれたデータ(制御指令データ)が、表示制御装置40に1ビットずつ順次送信されることとなる。
【0056】
このように、シリアル通信回路(制御指令送信手段)35は、送信データ(例えば、制御指令データ、後述する送信開始特定データ及び送信終了特定データ)を格納する送信データレジスタ354を備え、送信データレジスタ354に送信データが格納されると、遊技制御装置30から表示制御装置40へ向かう方向に、格納された送信データを1ビットずつ順次送信する(いわゆるシリアル通信)ように構成されている。
具体的には、送信データレジスタ354は、格納されたデータをすぐに送信する送信データシフトレジスタ354aと、格納されたデータを保持するとともに、送信データシフトレジスタ354aがデータを格納可能な状態(データの送信が完了した状態)となったときに、保持しているデータを送信データシフトレジスタ354aに転送する送信データバッファレジスタ354bと、で構成される。
【0057】
これにより、タイマ割り込み処理のバックグラウンドで制御指令データの送信処理が実行されることとなり、従来のパラレル通信では必須とされていたタイマ割り込み処理における制御指令データの送信処理を省略できるので、CPU31の負担を軽減することができる。
また、シリアル通信とすることで、制御指令データを送信するための配線本数を比較的少なくすることができる。
また、遊技制御装置30と表示制御装置40との間の通信は、遊技制御装置30から表示制御装置40へのみデータを送信可能な単方向通信とされ、遊技制御装置30にデータは入力されないので、不正が行われるのを防止できる。
【0058】
また、送信データレジスタ(送信データ格納手段)354は、1回のタイマ割り込み処理において生成される一連の制御指令データをすべて格納可能に構成され、遊技制御装置30は、タイマ割り込み処理において制御指令データを生成するとすぐに、生成された制御指令データを送信データレジスタ354に格納する。
これにより、タイマ割り込み毎に生成される制御指令データを、一旦RAM33に保持することなく確実に送信することができる。
【0059】
図8は、表示制御装置40におけるシリアル通信回路45の受信部の構成例を示すブロック図である。
図8に示すように、シリアル通信回路45は、受信シリアルチャンネル設定レジスタ451、受信制御レジスタ452、受信データステータスレジスタ453、受信データレジスタ454(受信データシフトレジスタ454a、受信データバッファレジスタ454b)、ボーレート生成回路455を含んで構成される。
【0060】
受信シリアルチャンネル設定レジスタ451は、データ受信時の通信速度及び通信フォーマットを指定するレジスタである。
図9に、受信シリアルチャンネル設定レジスタ451の構成例を示す。図9に示すように、受信シリアルチャンネル設定レジスタ451は、例えば16ビットで構成され、ビット0〜15はすべて書き込み/読み出し可能とされる。
【0061】
受信シリアルチャンネル設定レジスタ451において、ビット0〜12には、受信ボーレート(通信速度)を算出するためのボーレート設定値(例えば、分周比)が設定される。ビット13には、受信データ長を8ビットとする場合に“0”が設定され、9ビットとする場合に“1”が設定される。ビット14には、受信データにパリティが付加されていないものとして扱う場合に“0”が設定され、パリティが付加されているものとして扱う場合に“1”が設定される。ビット15には、受信データに付加されたパリティが偶数パリティであるとする場合に“0”が設定され、奇数パリティであるとする場合に“1”が設定される。
【0062】
図8において、受信制御レジスタ452は、シリアル通信回路45の動作を制御するためのレジスタである。
図10に、受信制御レジスタ452の構成例を示す。図10に示すように、受信制御レジスタ452は、例えば8ビットで構成され、ビット0〜5、7は書き込み/読み出し可能とされる。なお、本実施形態では受信制御レジスタ452のビット6は未使用としているため、図10では省略している。
【0063】
受信制御レジスタ452において、ビット0〜5には、CPU41に対して割り込みを要求するときの条件が設定される。例えば、ビット0〜5には、1バイトのデータを受信したときに受信割り込み要求を発生する場合に“01h”が設定され、2バイトのデータを受信したときに受信割り込み要求を発生する場合に“02h”が設定され、32バイトのデータを受信したときに受信割り込み要求を発生する場合に“20h”が設定される。また、割り込み要求を発生しない場合は、ビット0〜5には“00h”又は“21h〜2fh”が設定される。ビット7には、受信データレジスタ454(受信データシフトレジスタ454a)におけるデータ受信を禁止する場合に“0”が設定され、データ受信を許可する場合に“1”が設定される。
【0064】
図8において、受信データステータスレジスタ453は、受信データレジスタ454の状態を示すレジスタである。CPU41は、受信データステータスレジスタ453の設定値によって、受信データレジスタ454の状態を確認することができる。
図11に、受信データステータスレジスタ453の構成例を示す。図11に示すように、受信データステータスレジスタ453は、例えば8ビットで構成され、ビット0〜5はすべて読み出し専用とされる。なお、本実施形態では受信データステータスレジスタ453のビット6、7は未使用としているため、図11では省略している。
【0065】
受信データステータスレジスタ453において、ビット0〜5には、受信データレジスタ454におけるデータの受信量を示す値が設定される。例えば、ビット0〜5に“00h”が設定されていると受信データがないことを示し、“01h”が設定されていると受信データが1バイトあることを示し、“20h”が設定されていると受信データが32バイトあることを示す。
【0066】
図8において、受信データレジスタ454は、シリアル通信回路45で受信したデータを格納するレジスタである。受信データレジスタ454は、例えば、1段の受信データシフトレジスタ454aと、31段の受信データバッファレジスタ454bを備える。
図12に、受信データレジスタ454(1段分)の構成例を示す。図12に示すように、1段の受信データスレジスタ454は、例えば8ビットで構成され、ビット0〜7はすべて読み出し専用とされる。この受信データレジスタ454には、遊技制御装置30から送信された制御指令データが格納される。
【0067】
ボーレート生成回路455は、図示しないクロック回路から出力されるクロック信号及び受信シリアルチャンネル設定レジスタ451に設定されている設定値(ボーレート設定
値)に基づいて、シリアル通信回路45が用いるボーレートを生成する。このとき、ボーレート生成回路455は、クロック信号及びボーレート設定値に基づいて、所定の計算式を用いて受信ボーレートを求める。
【0068】
シリアル通信回路45では、受信許可の設定(受信制御レジスタ452のビット7を“1”)がなされ、受信データに含まれるスタートビットが検出されると自動的に受信が開始される。受信データは、受信データシフトレジスタ454aに1ビットずつ順次格納され、ストップビットが検出されると受信データシフトレジスタ454aから受信データバッファレジスタ454bに転送される。そして、受信データバッファレジスタ454bに格納された受信データは、RAM43に順次転送される。
このように、シリアル通信回路45では、遊技制御装置30から送信されたデータ(制御指令データ)が1ビットずつ順次受信され、受信データはRAM43に格納されることとなる。
【0069】
図13は、遊技制御装置30から表示制御装置40に送信される送信データの構成を示す説明図である。図13(a)は送信データの概略構成を示し、図13(b)は送信データの詳細構成を示している。
図13(a)に示すように、1つの制御指令データDCは、コマンドの分類を識別するためのモードデータDCmと、実行されるコマンドの内容(機能)を示すアクションデータDCaで構成される。
また、図13(b)に示すように、制御指令データDCを構成するモードデータDCm及びアクションデータDCaは、8ビットのコマンドデータに、1フレームの開始であることを示すスタートビット、1ビットのパリティデータ、1フレームの終わりであることを示すストップビットが付加され、1フレームを処理単位として送信される。
すなわち、本実施形態では、非同期方式(調歩同期式)によるシリアル通信を利用して制御指令データを送信する。
表示制御装置40は、受信した制御指令データ(モードデータDCm+アクションデータDCa)を解析し、表示装置27、音制御装置60、装飾制御装置70等を制御するための制御データを生成する。
【0070】
本実施形態では、1回の割り込み処理で生成された一連の制御指令データを送信するときに、この一連の制御指令データの送信開始を特定可能な送信開始特定データ(送信開始コマンド)DSと、一連の制御指令データの送信終了を特定可能な送信終了特定データ(送信終了コマンド)DEを付加して、表示制御装置40に送信する。
すなわち、シリアル通信回路35は、1回のタイマ割り込み処理で生成された一連の制御指令データの送信開始を特定可能な送信開始特定データを当該一連の制御指令データの送信前に送信するとともに、送信終了を特定可能な送信終了特定データを当該一連の制御指令データの送信後に送信する。
なお、送信開始特定データDS及び送信終了特定データDEも、制御指令データDCと同様に、モードデータDSm、DEmとアクションデータDSm、DEmで構成される。
【0071】
従属制御装置としての表示制御装置40は、受信データを解析することで、送信開始特定データDS及び送信終了特定データDEにより、一連の制御指令データの送信開始と送信終了を認識する。そして、この一連の制御指令データを処理単位として演出装置(例えば、表示装置27等)を制御する。
これにより、表示制御装置40は、タイマ割り込み処理毎に生成された一連の制御指令データを特定でき、1回のタイマ割り込み処理で生成された一連の制御指令データを処理単位として演出装置を制御するので、一連の制御指令データに基づく演出を連続して(タイムラグなく)実行することができる。
【0072】
図14は、割込コントローラ34が備える割り込み優先順位レジスタの構成例を示す説明図である。
割り込み優先順位レジスタは、例えば16ビットで構成され、ビット0〜15はすべて書き込み/読み出し可能とされる。割り込み優先順位レジスタでは、割り込み要因となる各割り込み信号ごとに2ビットで優先度が設定される。
優先順位は、例えば4レベル有り、2ビットデータ“00”に対応するレベル0が最上位、“11”に対応するレベル3が最下位とされる。
図4では、ビット0、1にタイマ割り込みの優先順位が設定され、ビット12、13に送信割り込みの優先順位が設定される場合について示している。なお、ビット2〜11、14、15には、その他の割り込みについて優先順位が設定されるが、未使用としてもよい。
【0073】
何れかの割り込み要求による割込処理の実行中に、新たな他の割り込み要求があった場合、割込コントローラ34は、実行中の割り込み要求より優先順位が高い割り込み要求であれば、CPU31に対して割り込み要求信号を出力する。このように、各割り込み信号毎に優先順位を設定することで、多重割り込み(例えば、送信割り込みとタイマ割り込み)を安全に制御できるようにしている。例えば、図14において、ビット0、1に設定されるタイマ割り込みの優先順位を、ビット12、13に設定される送信割り込みの優先順位よりも高くすれば、タイマ割り込み処理中に、送信割り込み処理は実行されなくなる。
【0074】
図15は、割込コントローラ34が備える割り込みマスクレジスタの構成例を示す説明図である。
図15に示すように、割り込みマスクレジスタは8ビットで構成され、ビット0〜7はすべて書き込み/読み出し可能とされる。割り込みマスクレジスタでは、割り込み信号毎にマスクの設定が行われる。割り込みを許可する場合はビットに“0”が設定され、割り込みを許可しない場合(マスク)はビットに“1”が設定される。
図15では、ビット0にタイマ割り込みのマスク設定がなされ、ビット6に送信割り込みのマスク設定がなされる場合について示している。なお、ビット2〜5、7には、その他の割り込みについてのマスク設定がなされるが、未使用としてもよい。
【0075】
なお、本実施形態では、タイマ割り込み処理において生成された制御指令データはすぐに送信データレジスタ354に格納されるようにしているので、送信データレジスタ354が空になっているときに送信可能な制御指令データはないことになる。したがって、送信割り込み要求は意味がないので、マスクを設定(割り込みマスクレジスタのビット6に“1”)する。
【0076】
次に、遊技制御装置30における遊技制御について説明する。この遊技制御は、主にメイン処理と、所定時間ごと(例えば、2msecごと)に行われるタイマ割り込み処理とからなる。
図16、17は、遊技制御装置30におけるメイン処理の一例を示すフローチャートである。このメイン処理は、遊技制御装置30のCPU31が、起動直後に、ROM32に記憶されているメイン処理プログラムを読み出して実行することにより実現される。
図16に示すように、メイン処理では、初期設定処理(ステップS101〜S107)、停電発生時の状態へ復帰するための処理(ステップS108〜S115)、電源投入時(異常電源遮断時を含む)の処理(ステップS116〜S119)、メインループの処理(ステップS120〜S124)、停電発生時の処理(ステップS125〜S130)が行われる。
【0077】
ステップS101では、割り込みを禁止する。プログラムでDI命令を実行することにより、割り込み要求信号はCPU31に出力されない。プログラム開始時の処理(初期設
定)が完了する前は、たとえ割り込み要求が発生しても割り込み処理を適切に実行することができないので、プログラム開始時の処理が完了するまでは割り込み要求を受け付けないように設定する。
ステップS102では、割り込み要因(例えば、タイマ割り込み要求)が発生した時に、その処理プログラムが格納されているアドレスを設定する(割り込みベクタレジスタのセット)。
【0078】
ステップS103では、メイン処理を中断して割り込み処理を実施するときに、処理中のデータを一時的に待避するためのメモリ領域を指示するスタックポインタをセットする。遊技制御が開始された後、割り込みが発生して処理が中断されると、そのときに中断した処理を再開するための各種データはセットされたスタックポインタで指示されるメモリ領域に格納される。
【0079】
ステップS104では、割込コントローラ34によって行われる割り込み処理の割り込みモードを設定する。
ステップS105では、シリアル通信回路35に表示制御装置40とシリアル通信させるための通信設定を行う。例えば、送信シリアルチャンネル設定レジスタ351の各ビットに値を設定することによって、送信データのデータ長、パリティ機能の仕様の有無を設定する。
また、タイマ割り込み処理で生成された制御指令データが、送信データレジスタ354に格納できる、すなわち、タイマ割り込み処理で生成される制御指令データを遅滞なく連続して送信できるようにボーレート設定値を設定する。すなわち、1回のタイマ割り込み処理において最大16の制御指令データが生成される場合、この16の制御指令データの送信処理が、次回のタイマ割り込み処理が開始されるまでに完了するようにボーレート設定値を設定する。
なお、この処理において通信設定がなされた後、送信制御レジスタ352のビット4に“1”を設定し、シリアル通信の送信を許可状態としてもよい。
【0080】
このように、シリアル通信回路(制御指令送信手段)35は、タイマ割り込み処理において生成された制御指令データが、送信データレジスタ(送信データ格納手段)354に格納できるように、表示制御装置(従属制御装置)40への送信処理を制御する。
これにより、タイマ割り込み処理において生成された制御指令データをそのまま確実に送信データレジスタ354に格納できるので、RAM33に一旦保持する必要はなく、処理を簡略化できる。
【0081】
ステップS106ではRAM33をアクセス許可状態に設定し、ステップS107では入出力I/F36の全出力ポートをOFF状態に設定にする。
【0082】
ステップS108では、RAM33にバックアップされている記憶内容を消去するバックアップクリアスイッチがオンであるか否かを判定する。RAM33には、電源供給装置のバックアップ電源によって、その記憶内容が保持される。遊技店の店員による電源投入時(正常な電源投入時)にはRAM33の記憶内容はクリアされるので、プログラム開始時にバックアップクリアスイッチがオンになっていれば、正常に電源を投入されたものと判断できる。一方、バックアップクリアスイッチがオフとなっていれば、停電などの理由で電源が切断され、RAM33の記憶内容が保持されたまま、その後電源供給が復旧したものと判断できる。
ステップS108において、電源投入時にバックアップクリアスイッチがオンである(正規の電源投入)と判定した場合はステップS116に移行し電源投入時の処理を行う。一方、バックアップクリアスイッチがオフである(停電復旧の可能性有り)と判定した場合はステップS109に移行する。
【0083】
ステップS109では、停電復旧検査領域をチェックする。この停電復旧検査領域には、後述するステップS128において、停電により遊技機100の電源が遮断された場合にチェックデータが設定され、正常な電源遮断時にはチェックデータは設定されない。よって、この停電復旧検査領域のチェックデータの有無を参照することで、停電復旧であるか否かを判定することができる。
ステップS110では、停電復旧検査領域のチェックデータの有無に基づいて、停電復旧であるか否かを判定する。そして、停電復旧であると判定した場合はステップS111に移行し、停電復旧でないと判定した場合はステップS116に移行し電源投入時の処理を行う。
【0084】
ステップS111では、チェックサムは正常であるか否かを判定する。具体的には、RAM33に保持されているデータに基づいて算出されたチェックサムと、後述するS129において算出された停電による電源遮断前のチェックサムを比較する。そして、両者が一致すれば正常と判定し、一致しなければ異常と判定する。これにより、RAM33に記憶されていたデータが正しくバックアップされたものかを判断することができる。
【0085】
なお、RAM33に記憶されたデータのチェックサムと、電源遮断前に算出されたチェックサムが一致しない場合としては、例えば、落雷の異常電流等によってデータが破壊された場合の他、遊技機100をはじめて設置した場合や、電源の遮断時間がバックアップ電源によるバックアップ可能な時間を超過した場合が考えられる。また、何らかの理由で電源供給装置と遊技制御装置30との接続が遮断され、バックアップ電源が供給されなくなったためRAM33が初期化された場合が考えられる。さらに不正な遊技制御装置30は、RAM33にバックアップを行わないことが多いので、不正な遊技制御装置30が取り付けられたことも考えられる。
ステップS111において、チェックサムが正常であると判定した場合はステップS112に移行し停電復旧時の処理を行い、チェックサムが正常でないと判定した場合はステップS116に移行し電源投入時(異常電源遮断時を含む)の処理を行う。
【0086】
停電復旧時の処理では、まず、RAM33に停電復旧時の初期値を設定する処理(ステップS112)を行う。次いで、遊技枠(前面枠120、クリア部材保持枠140)の状態に係る領域をクリアする処理(ステップS113)、遊技状態表示LED1、2をクリアする処理(ステップS114)を行った後、停電復旧コマンドを送信する処理(ステップS115)を行う。ここで、遊技状態表示LED1、2は、表示器17の一部を構成するものであり、前面枠120やクリア部材保持枠140の開放状態を報知するものである。なお、ステップS115で生成された停電復旧コマンド(制御指令データ)は、送信データレジスタ354に格納され、順次、表示制御装置40に送信される。
【0087】
一方、電源投入時の処理では、まず、使用するRAM33をクリアする処理(ステップS116)を行い、RAM33に電源投入時の初期値をセーブする処理(ステップS117)を行う。次いで、機種指定コマンドを送信する処理(ステップS118)、電源投入コマンドを送信する処理(ステップS119)を行う。なお、ステップS118で生成された機種指定コマンド(制御指令データ)、ステップS119で生成された電源投入コマンド(制御指令データ)は、送信データレジスタ354に格納され、順次、表示制御装置40に送信される。
【0088】
停電復旧時の処理又は電源投入時の処理が終了すると、図17のステップS120に移行し、メインループ処理を行う。
ステップS120では、所定時間間隔(例えば、2ms)でタイマ割り込み要求がなされるように割り込みタイマ(CTC:Counter/Timer Circuit)を設定し、起動する。割り込みタイマが起動されると、例えば2msごとにタイマ割り込み要求が出力される。
また、この処理において、図14に示す割り込み優先順位レジスタに優先順位が設定される。例えば、タイマ割り込み要求の優先順位を最上位に設定することで、タイマ割り込み処理中に他の割り込み要求を受け付けなくすることができる。また、他の割り込み処理が実行されているときにタイマ割り込み要求が発生すると、他の割り込み処理は強制的に中断される。
ステップS121では、プログラムでDI命令を実行することにより割り込みを禁止する。
ステップS122では、乱数の時間的な規則性を崩すために初期値乱数を更新する初期値乱数更新処理を行う。
ステップS123では、プログラムでEI命令を実行することで、所要の割り込み要求(例えば、タイマ割り込み要求)を受け付け可能な状態とする(割り込み許可)。
【0089】
ステップS124では、例えば、電源供給装置から供給されている電圧値に基づいて、停電が発生したか否かを判定する。そして、停電が発生していないと判定した場合はステップS121に移行し、電源が遮断されるまでステップS121からステップS124を繰り返す。
一方、ステップS124において停電が発生したと判定した場合は、停電発生時の処理を行う。なお、停電発生の直後は、バックアップ電源により以下の停電発生時の処理を実行可能な電力が供給される。
【0090】
停電発生時の処理では、まず、割り込みを禁止する処理(ステップS125)を行う。そして、入出力I/F36の全出力ポートをOFF状態に設定にする処理(ステップS126)を行い、停電復旧検査領域をクリアする処理(ステップS127)を行う。次いで、停電復旧検査領域にチェックデータを設定する処理(ステップS128)、電源遮断時のRAM33の記憶内容に基づいてチェックサムを算出し記憶する処理(ステップS129)を行った後、RAM33をアクセス禁止状態に設定する処理(ステップS129)を行う。
遊技制御装置30におけるメイン処理は以上のようにして行われる。なお、上述したように、通常の遊技状態においては、ステップS121〜S124のメインループ処理が実行されている。
【0091】
図18は、遊技制御装置30におけるタイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。
タイマ割り込み処理は、メイン処理の実行中、具体的には図17のステップS121〜124のメインループ処理において割り込みが許可されているときに、割り込みタイマ(CTC)により発生するタイマ割り込み要求に基づいて実行される。
【0092】
ステップS201では、タイマ割り込み要求が発生したときにレジスタに格納されているデータをRAM33に待避する。
ステップS202では、シリアル通信回路35の送信データレジスタ354(送信データバッファレジスタ354b)に送信開始特定データ(コマンド)を設定する。送信制御レジスタ352において、ビット4に“1”が設定(送信許可状態)されていれば、送信データレジスタ354から自動的にデータは出力され、表示制御装置40に送信される。つまり、シリアル通信回路35におけるデータの送信処理は、タイマ割り込み処理のバックグラウンドで実行される。
【0093】
ステップS203では、各種センサ(始動口SW7d、カウントSW10c、ゲートSW4a、入賞口センサ12La、12Raなど)からの検出信号を、入出力I/F36を介して入力する。
図示を省略するが、遊技機100に十分な遊技球が補充されていないことを検出する球切れ検出スイッチ、賞球カウンタに応じた遊技球の払出が行われていないことを検出する払出球検出スイッチ、下皿154が遊技球で満杯となっている状態を検出するオーバーフロースイッチ、前面枠120の開放状態を検出する枠開放スイッチ等からの検出信号も入力される。
【0094】
ステップS204では、前回のタイマ割り込み処理において後述する各種処理で更新された出力データを、特図表示器8、特図記憶表示器9、普図表示器5、普図記憶表示器6、遊技状態表示器15、普電SOL7b、大入賞口SOL10b、排出制御装置50、盤用外部情報端子16等に、入出力I/F36を介して出力する。
【0095】
ステップS205では、補助ゲームとしての特図変動表示ゲームに関する乱数を更新する処理を行う。例えば、特図変動表示ゲームの当たりはずれを判定するための大当たり乱数、特図変動表示ゲームの大当たり図柄を判定するための大当たり図柄乱数、普図変動表示ゲームの当たりはずれを判定するための当たり乱数を更新する乱数更新処理を行う。また、特図変動表示ゲームに関連した飾り特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定する変動パターン乱数を更新する。
ステップS206では、大当たり乱数、大当たり図柄乱数、当たり乱数の時間的な規則性を崩すために、初期値を更新する初期値乱数更新処理を行う。
【0096】
ステップS207では、始動口SW7d、カウントSW10c、ゲートSW4a、入賞口センサ12La、12Raからの検出信号に基づいて、各スイッチの状態を監視する処理(入賞口スイッチ監視処理)を行う。この入賞口スイッチ監視処理では、各スイッチの状態(オンまたはオフ)を検出するとともに、その状態の変化を検出し、RAM33に記憶する。
また、始動口SW7d、入賞口SW12La、12Raからの検出信号を監視し、検出信号が入力された場合には各入賞に対応して賞球カウンタを加算する。排出制御装置50は、この賞球カウンタのデータに従って遊技球の払出を制御する。
【0097】
ステップS208では、各入賞口に対応して設けられたスイッチ、球切れスイッチ、払出球検出スイッチ、オーバーフロースイッチ、枠開放検出スイッチからの検出信号に基づいて、異常状態が発生していないかを監視する処理(エラー監視処理)を行う。例えば、各スイッチからの検出信号が一定時間継続して入力されていた場合にエラーが発生していると判断する。
【0098】
このエラー監視処理において、エラーの発生が検出された場合には、演出装置(表示装置27、スピーカ145、157、装飾発光装置28)によりエラーが発生していることを報知するための制御指令データを生成する。そして、生成された制御指令データを、シリアル通信回路35の送信データレジスタ354(送信データバッファレジスタ354b)に設定する。この制御指令データは、ステップS202で設定された送信開始コマンドに続いて、表示制御装置40に送信される。
【0099】
ステップS209では、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームに関する処理(特図/普図ゲーム処理)を行う。
特図ゲーム処理では、始動口SW7dからの検出信号の入力に基づいて、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。具体的には、始動入賞に基づいて大当たり乱数を取得し、該大当たり乱数の当たりはずれを判定するとともに、特図表示器8に表示する特図変動表示ゲーム、該特図変動表示ゲームに対応して表示装置27に表示する飾り特図変動表示ゲームの内容を決定する処理を行う。また、特図変動表示ゲームの結果が当たりである場合には、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
【0100】
上述した特図ゲーム処理により、特図変動ゲームに応じて演出装置(例えば、表示装置27等)を制御するための制御指令データが生成される。
例えば、始動口SW7からの検出信号の入力、又は、特図変動表示ゲームの開始に基づいて、特図変動表示ゲームの未処理回数を示す飾り特図保留数を表示装置27に表示するための制御指令データ(保留数コマンド)を生成する。
また、表示装置27において飾り特図変動表示ゲームを開始するための制御指令データ(変動開始コマンド)、飾り特図変動表示ゲームの内容を示す制御指令データ(飾り特図コマンド)を生成する。
また、特図変動表示ゲームに対応して、スピーカ145、157から効果音を出力させたり、装飾発光装置28を発光させたりするための制御指令データ(効果音コマンド、発光コマンド)を生成する。
そして、生成された制御指令データを、シリアル通信回路35の送信データレジスタ354(送信データバッファレジスタ354b)に設定する。この制御指令データは、ステップS202で設定された送信開始コマンド、又は、ステップS208で設定されたエラーを報知するための制御指令データに続いて、表示制御装置40に送信される。
【0101】
なお、上述した制御指令データは一例であり、特図ゲーム処理においては、その他、演出装置を制御するための各種制御指令データが生成される。例えば、特図変動表示ゲームの状態(特図変動停止時、特図変動時、変動開始から所定時間経過時)に応じて様々な種類の制御指令データが用意されている。
【0102】
ステップS209において、普図ゲーム処理では、ゲートSW4aからの検出信号の入力に基づいて、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図の表示の設定を行う。具体的には、ゲートSW4aからの入力に基づいて当たり乱数を取得し、該当たり乱数の当たりはずれを判定するとともに、普図表示器5に普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、普図変動表示ゲームの結果が当たりである場合には、開閉部材7a、7aを開閉する処理を行う。
【0103】
ステップS210では、遊技に関する各種情報を表示する表示器(セグメントLED)17に関する処理(セグメントLED編集処理)を行う。
ステップS211では、外部の管理装置に出力する信号を出力バッファにセットする処理(外部情報編集処理)を行う。
【0104】
ステップS212では、シリアル通信回路35の送信データレジスタ354(送信データバッファレジスタ354b)に送信終了特定データ(送信終了コマンド)を設定する。この送信終了コマンドは、ステップS209で設定された特図変動ゲームに関する制御指令データに続いて、表示制御装置40に送信される。
表示制御装置40では、この送信終了コマンドを検出することにより、ステップS202で設定された送信開始コマンドを受信してから送信終了コマンドを受信するまでの間に受信した一連の制御指令データが、1回のタイマ割り込み処理で生成された制御指令データであることを認識する。そして、これを処理単位として演出装置を制御することとなる。
【0105】
ステップS213では、タイマ割り込み処理が終了したことを宣言する処理を行う。
ステップS214では、ステップS201でRAM33に待避しておいたレジスタのデータを復帰する処理を行う。
ステップS215では、タイマ割り込み処理が完了し、割り込み要求を受け付け可能な状態となったことを設定する処理(割り込み要求の許可)を行う。
【0106】
以上の処理によりタイマ割り込み処理が終了すると、タイマ割り込み処理の実行直前に実行されていたメインループ処理(図17)に戻ってメイン処理が続行される。そして、割り込みタイマ(CTC)に設定されている時間の経過後であって、且つ、割り込み許可状態となった場合に、次のタイマ割り込み処理が実行される。
また、上述したように、演出装置(例えば、表示装置27等)を制御するための制御指令データは、主に、エラー監視処理(ステップS208)、特図ゲーム処理(ステップS209)で生成される。
【0107】
このように、遊技制御装置30は、所定の制御処理を実現するために所定の間隔でタイマ割り込み処理を繰り返し実行し、該繰り返し実行されるタイマ割り込み処理において表示制御装置(従属制御装置)40に対する1又は複数の制御指令データを生成する。
そして、シリアル通信回路(制御指令送信手段)35により1又は複数の制御指令データを表示制御装置40に送信するときに、1回のタイマ割り込み処理で生成された一連の制御指令データの送信開始を特定可能な送信開始特定データを当該一連の制御指令データの送信前に送信するとともに、送信終了を特定可能な送信終了特定データを当該一連の制御指令データの送信後に送信する。
一方、表示制御装置40は、送信開始特定データを受信してから送信終了特定データを受信するまでの間に受信した一連の制御指令データを処理単位として演出装置を制御する。
【0108】
これにより、表示制御装置(従属制御装置)40は、割り込み処理毎に生成された一連の制御指令データを特定でき、特定した一連の制御指令データを処理単位として演出制御を行うので、一連の制御指令データに基づく演出が連続して(タイムラグなく)実行されることとなる。
すなわち、遊技制御装置30による遊技制御に対して表示制御装置40による演出制御が遅れて実行されないので、遊技を適正に進行させることができる。
また、従来の遊技機において適正な演出を実行するには、どこまでが一連の制御指令データなのかを従属制御装置側で判別する必要があったが、本実施形態の遊技機100では一連の制御指令データを容易に特定できるので、表示制御装置40(CPU41)の負担を軽減できる。
【0109】
図19は、表示制御装置40での受信データの一例について示す説明図である。図19には、特図変動表示ゲームを開始するための特図始動記憶数が0で、特図変動表示ゲームが実行されていない状態において、第1始動口13又は第2始動口7に遊技球が入賞した場合について示している。この場合、始動口入賞と変動開始のタイミングが重なるので、1回のタイマ割り込み処理において、図19に示すような制御指令データが生成される。
すなわち、遊技制御装置30は、タイマ割り込み処理の特図ゲーム処理(ステップS209)において、始動口入賞に伴い表示装置27の飾り特図保留数を1にする制御指令データ(保留1コマンド)DC1、表示装置27において飾り特図変動表示ゲームを開始させる制御指令データ(変動開始コマンド)DC2、飾り特図変動表示ゲームの内容を示す制御指令データ(飾り特図コマンド)DC3、飾り特図変動表示ゲームの開始に伴い表示装置27の飾り特図保留数を0にする制御指令データ(保留0コマンド)DC4を生成する。
【0110】
そして、生成された一連の制御指令データDC1〜DC4を表示制御装置40に送信するとき、当該一連の制御指令データDC1〜DC4を送信する前に、一連の制御指令データDC1〜DC4の送信開始を特定可能な送信開始特定データDSを送信し、当該一連の制御指令データDC1〜DC4を送信した後に、一連の制御指令データDC1〜DC4の送信終了を特定可能な送信終了特定データDEを送信する。この制御指令データの送信処理は、シリアル通信回路35によって実行される。
【0111】
一方、表示制御装置40は、送信開始特定データDSを受信してから送信終了特定データDEを受信するまでの間に受信した一連の制御指令データDC1〜DC4を処理単位として演出装置(例えば、表示装置27等)を制御する。
このとき、表示制御装置40は、処理単位となる一連の制御指令データに基づいて表示装置27における表示態様を決定する。すなわち、制御指令データに純粋に従うと、保留1コマンドDC1により飾り特図保留数1が表示された後、保留0コマンドDC4により飾り特図保留数は表示されなくなるが、飾り特図保留数の表示として最終的な表示態様を採用し、これに基づいて表示装置27を制御する。したがって、図19に示す制御指令データが送信された場合、表示装置27では、飾り特図保留数が表示された後にすぐに消失するという演出は行われず、飾り特図保留数が表示されないまま飾り特図変動表示ゲームが開始されることとなる。
【0112】
このように、受信した制御指令データに基づいて表示装置27を制御する表示制御装置40は、送信終了特定データDEを受信した後に、処理単位となる一連の制御指令データDC1〜DC4に基づいて、表示装置27における表示態様を決定し、これに基づいて表示装置27を制御する。すなわち、一連の制御指令データ内で相殺される制御指令データ(例えば、保留1コマンドと保留0コマンド)については、最終的な制御指令データに従う演出だけを反映させるようにしている。
これにより、例えば、表示装置27において飾り特図保留数が一瞬だけ表示されることによって、遊技者に不快感を与えるのを防止できる。また、表示装置27の駆動処理を簡略化できるので、GDP44の負担を軽減できる。
【0113】
つまり、従来の遊技機では、制御指令データを受信する毎にこれを実行して反映していたので、1回のタイマ割り込み処理で図19に示すような制御指令データが生成されると、飾り特図保留数が一瞬だけ表示されていたが、本実施形態の遊技機100では、1回のタイマ割り込み処理で生成された一連の制御指令データは明確に認識でき、この一連の制御指令データを全て受信してから表示を制御できるので、従来の遊技機で生じていた不具合を解消できる。
【0114】
さらに、表示制御装置40は、送信開始特定データDSを受信してから送信終了特定データDEを受信するまでの間に受信した一連の制御指令データを処理単位として演出装置(例えば、表示装置27等)を制御することで、不正などにより送信された異常な制御指令データを容易に検出することができる。
【0115】
図20は、表示制御装置40での受信データに異常データが含まれる場合の一例について示す説明図である。図20には、特図変動表示ゲームを開始するための特図始動記憶数が1となっている状態で、特図変動表示ゲームが終了して次の特図変動表示ゲームを開始する場合について示している。
この場合、遊技制御装置30は、タイマ割り込み処理の特図ゲーム処理(ステップS209)において、表示装置27において飾り特図変動表示ゲームを開始させる制御指令データ(変動開始コマンド)DC2、飾り特図変動表示ゲームの内容を示す制御指令データ(飾り特図コマンド)DC3、飾り特図変動表示ゲームの開始に伴い表示装置27の飾り特図保留数を0にする制御指令データ(保留0コマンド)DC4を生成する。
【0116】
そして、生成された一連の制御指令データDC2〜DC4を表示制御装置40に送信するとき、当該一連の制御指令データDC2〜DC4を送信する前に、一連の制御指令データDC2〜DC4の送信開始を特定可能な送信開始特定データDSを送信し、当該一連の制御指令データDC2〜DC4を送信した後に、一連の制御指令データDC2〜DC4の送信終了を特定可能な送信終了特定データDEを送信する。
さらに、図20においては、送信終了特定データDEの後に、次の送信開始特定データDSが送信されることなく、スピーカ145、157を制御するための制御指令データ(ファンファーレコマンド)D5、飾り特図保留数を2にする制御指令データ(保留2コマンド)D6が送信されている。
例えば、不正配線による制御指令データの割り込み(いわゆるぶら下がり)がなされると、図20の制御指令データDC5、DC6のように、当該制御指令データを送信する前後に送信開始特定データDSと送信終了特定データDEが付加されない現象が生じる。なお、制御指令データDC5、DC6は実際に異常なデータであるかは不確定であるが、少なからず不正により入力された異常データを含んでいるといえる。
【0117】
そこで、表示制御装置40では、送信開始特定データDSを受信してから送信終了特定データDEを受信するまでの間に受信した一連の制御指令データDC2〜DC4については、正常データと判断できるので、これを処理単位として演出装置(例えば、表示装置27等)を制御する。一方、制御指令データDC5、DC6については、異常データと判断できるので、これを破棄して演出に反映しない。すなわち、表示制御装置40のCPU41が受信データの構成を解析し、受信した制御指令データが異常データであるか否かを判断するようにしている。
【0118】
また、図20に示すように、送信終了特定データDEを受信してから次の送信開始特定データDSが受信される前に制御指令データを受信する場合の他、送信開始特定データDS、制御指令データDCを順に受信した後、送信終了特定データDEを受信する前に次の送信開始特定データDSが受信された場合も、2つの送信開始特定データDS間に受信された制御指令データには異常データが含まれていると判断できる。
【0119】
このように、表示制御装置(従属制御装置)40は、受信した制御指令データが異常データか否かを判定するCPU(異常判定手段)41を備え、CPU41により異常データであると判定された制御指令データを破棄するように構成されている。
具体的には、CPU(異常判定手段)41は、送信終了特定データDEを受信した後、送信開始特定データDSを受信することなく制御指令データDCを受信した場合には、当該制御指令データ(図20のDC5、DC6)を異常データと判定する。また、送信開始特定データDS1を受信した後、送信終了特定データDEを受信することなく送信開始特定データDS2を受信した場合には、先の送信開始特定データDS1を受信してから後の送信開始特定データDS2を受信するまでの間に受信した制御指令データDCを異常データと判定する。
これにより、従属制御装置40は、受信データに含まれる不正データを容易に判断できるので、ぶら下がり等による不正を防止することができる。
【0120】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記実施形態では、タイマ割り込み処理で生成された制御指令データはすぐに送信データレジスタ354に格納され、表示制御装置40に送信されるようにしているが、生成された制御指令データを一旦RAM33に格納しておき、シリアル通信回路35からの送信割り込み要求に応じてRAM33から送信データレジスタ354に制御指令データを転送し、表示制御装置40に送信させる構成としてもよい。
この場合、図14に示す割り込み優先順位レジスタにおいて、送信割り込み要求の優先順位をタイマ割り込み要求よりも高く設定し、送信割り込み要求を許可(割り込みマスクレジスタのビット6に“0”を設定)しておけば、送信データレジスタ354が空になると送信割り込み要求が発生し、RAM33から送信データレジスタ354に制御指令データが転送されるので、生成された制御指令データは遅滞なく表示制御装置40に送信されることとなる。
【0121】
すなわち、シリアル通信回路35と、停電が発生した場合に制御指令データを保持可能なRAM(データ記憶手段)33とで、制御指令送信手段を構成する。
また、遊技制御装置30の割り込みコントローラ34において、送信データレジスタ(送信データ格納手段)354がデータを格納可能な状態となったときに、当該送信データレジスタ354にRAM33から制御指令データを転送させるための送信割り込み要求が発生するように設定される。
そして、タイマ割り込み処理で制御指令データが生成されると、これをRAM33に格納し、送信割り込み要求に基づいて実行される送信割り込み処理により、RAM33に格納されている制御指令データを送信データレジスタ354に転送する。
これにより、停電時にRAM33に記憶されている制御指令データは保持されることとなり、停電時に消失してしまう制御指令データを最小限に抑えることができるので、遊技者が停電等で不測の不利益を受けてしまう可能性は低くなる。
【0122】
上記実施形態では、遊技制御装置30から表示制御装置40にシリアル通信により制御指令データを送信する構成とし、音制御装置60及び装飾制御装置70には表示制御装置40を介して制御指令データが送信されるようにしているが、遊技制御装置30から音制御装置60又は装飾制御装置70にシリアル通信により制御指令データを送信する構成としてもよい。
すなわち、表示制御装置40、音制御装置60、装飾制御装置70等、複数の演出制御装置が本発明における従属制御装置を構成しうる。
【0123】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0124】
ここで、上記実施形態に含まれる他の発明について説明する。
従来の遊技機においては、制御指令データは、遊技の進行に応じて発生するものであり、特に規則性があるわけではないので、1回のタイマ割り込み処理で複数の制御指令データが生成されることもある。
例えば、1回のタイマ割り込み処理において、始動口入賞と変動開始のタイミングが重なった場合には、始動口入賞に伴い表示装置の保留表示を1加算する制御指令データ、表示装置において変動表示ゲームを開始させる制御指令データ、変動表示ゲームにおいて導出する図柄を指定する制御指令データ、変動表示ゲームの開始に伴い表示装置の保留表示を1減算する制御指令データ等が生成される。
【0125】
このような場合でも、従属制御装置では一つの制御指令データを受信する毎に演出制御が実行されるため、遊技制御装置において1回のタイマ割り込み処理で生成されたにも拘わらず、従属制御装置における演出制御は遅れて実行される(タイムラグが生じる)こととなる。つまり、1回のタイマ割り込み処理で、例えば4つの制御指令データが生成されると、これらの制御指令データが全て従属制御装置に送信されて実行されるまでには、ほぼ4回分のタイマ割り込み処理に相当する時間を要することとなる。
【0126】
このように、遊技制御装置による遊技制御に対して従属制御装置による演出制御が遅れて実行されるのは、遊技を適正に進行させる上で望ましくない。
本出願の他の発明は、遊技を統括的に制御する遊技制御装置から従属制御装置に制御指令データを送信し、この制御指令データに基づいて従属制御装置が演出装置を制御する遊技機であって、制御指令データの送信処理を合理的に行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
【0127】
上記目的を達成するため、本出願の他の発明は、
始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき識別情報を変動表示する変動表示ゲームと変動表示ゲームの未処理数である保留表示を表示可能な表示装置と、遊技に関する演出を行う装飾装置を制御する従属制御装置と、
遊技を統括的に制御するとともに、制御指令送信手段により制御指令データを前記従属制御装置に送信する遊技制御装置と、を備えた遊技機において、
前記遊技制御装置は、
前記従属制御装置への制御指令データの送信を実行する制御指令送信手段と、
所定の制御処理を実現するために所定の間隔で繰り返し割り込み処理を実行する割り込み処理手段と、を有し、
1回の割り込み処理の実行中に前記始動入賞領域への遊技球入賞と変動表示ゲームの開始が重複して発生した場合には、前記始動入賞領域への遊技球入賞に伴い増加した変動表示ゲームの未処理回数に対応する前記保留表示を行う制御指令データと、変動表示ゲームの開始と変動表示ゲームの内容を指示する制御指令データと、変動表示ゲームの開始に伴い減少した未処理回数に対応する前記保留表示を行う制御指令データを連続して送信し、
前記従属制御装置は、
前記遊技制御装置から送信される前記制御指令データに基づいて前記表示装置における表示態様を決定し、これに基づいて前記表示装置を制御する表示制御手段を含み、
前記始動入賞領域への遊技球入賞に伴い増加した変動表示ゲームの未処理回数に対応する前記保留表示を行う制御指令データと、変動表示ゲームの開始と変動表示ゲームの内容を指示する制御指令データと、変動表示ゲームの開始に伴い減少した未処理回数に対応する前記保留表示を行う制御指令データを連続して受信した場合には、前記表示装置に変動表示ゲームの開始に伴い減少した未処理回数に対応する前記保留表示を反映する一方、前記始動入賞領域への遊技球入賞に伴い増加した変動表示ゲーム未処理回数の増加に対応する前記保留表示は反映しないようにするものである。
【0128】
本出願のさらに他の発明は、
遊技を統括的に制御する遊技制御装置と、
この遊技制御装置からの制御指令に基づいて演出装置(各種電気的装置)を制御する従属制御装置と、を備えた遊技機において、
前記遊技制御装置は、
前記従属制御装置への制御指令データの送信を実行する制御指令送信手段、を含んで構成され、
所定の制御処理を実現するために所定の間隔で割り込み処理を繰り返し実行し、該繰り返し実行される割り込み処理において前記従属制御装置に対する1又は複数の制御指令データを生成し、
前記制御指令送信手段により前記1又は複数の制御指令データを前記従属制御装置に送信するときに、1回の割り込み処理で生成された一連の制御指令データの送信開始を特定可能な送信開始特定データ(送信開始コマンド)を当該一連の制御指令データの送信前に送信するとともに、送信終了を特定可能な送信終了特定データ(送信終了コマンド)を当該一連の制御指令データの送信後に送信し、
前記従属制御装置は、
前記送信開始特定データを受信してから前記送信終了特定データを受信するまでの間に受信した一連の制御指令データを処理単位として演出装置を制御するようにするものである。
【0129】
また、本出願にかかる他の発明は、上記遊技機において、
前記従属制御装置は、受信した制御指令データに基づいて表示装置を制御する表示制御装置、を有し、
前記表示制御装置は、前記送信終了特定データを受信した後に、処理単位となる一連の制御指令データに基づいて、前記表示装置における表示態様を決定し、これに基づいて前記表示装置を制御するようにするものである。
【0130】
また、本出願にかかる他の発明は、上記遊技機において、
前記従属制御装置は、受信した制御指令データが異常データか否かを判定する異常判定手段を備え、前記異常判定手段により異常データであると判定された制御指令データを破棄するように構成され、
前記異常判定手段は、前記送信終了特定データを受信した後、前記送信開始特定データを受信することなく制御指令データを受信した場合には、当該制御指令データを異常データと判定し、前記送信開始特定データを受信した後、前記送信終了特定データを受信することなく前記送信開始特定データを受信した場合には、前記先の送信開始特定データを受信してから前記後の送信開始特定データを受信するまでの間に受信した制御指令データを異常データと判定するようにするものである。
【0131】
また、本出願にかかる他の発明は、上記遊技機において、
前記制御指令送信手段は、前記送信開始特定データ、前記制御指令データ、及び前記送信終了特定データを格納する送信データ格納手段(送信データレジスタ)を備え、
前記送信データ格納手段に送信データが格納されると、前記遊技制御装置から前記従属制御装置へ向かう方向に、前記格納された送信データを1ビットずつ順次送信する(すなわち、シリアル通信)ように構成するものである。
具体的には、送信データ格納手段(送信データレジスタ)は、格納されたデータをすぐに送信する送信データシフトレジスタと、格納されたデータを保持するとともに、前記送信データシフトレジスタがデータを格納可能な状態となったときに、保持しているデータを前記送信データシフトレジスタに転送する送信データバッファレジスタと、で構成する。
【0132】
また、本出願にかかる他の発明は、上記遊技機において、
前記送信データ格納手段は、1回の割り込み処理において生成される一連の制御指令データを全て格納可能に構成され、
前記遊技制御手段は、前記割り込み処理において制御指令データを生成するとすぐに、生成された制御指令データを前記送信データ格納手段に格納するものである。
例えば、1つの制御指令データが、1バイトのモードデータと1バイトのアクションデータで構成され、1回の割り込み処理で最大16の制御指令データが生成される場合、送信データ格納手段は32バイト(例えば、1バイト×32段(送信データシフト手段×1段+送信データバッファ手段×31段))で構成されるようにする。
【0133】
また、本出願にかかる他の発明は、上記遊技機において、
前記制御指令送信手段は、停電が発生した場合に前記制御指令データを保持可能なデータ記憶手段を備え、
前記送信データ格納手段がデータを格納可能な状態となったときに、当該送信データ格納手段に前記データ記憶手段から制御指令データを転送させるための送信割り込み要求が発生するように設定され、
前記割り込み処理で前記制御指令データが生成されると、これを前記データ記憶手段に格納し、
前記送信割り込み要求に基づいて実行される送信割り込み処理により、前記データ記憶手段に格納されている制御指令データを前記送信データ格納手段に転送するようにするものである。
【0134】
上記のような発明によれば、制御指令データの送信処理を合理的に行うことにより、遊技制御装置による遊技制御に対して従属制御装置による演出制御が遅れて実行されるのを回避できるので、遊技を適正に進行させることができる。
【符号の説明】
【0135】
27 表示装置(演出装置)
28 装飾発光装置(演出装置)
30 遊技制御装置
31 CPU
32 ROM
33 RAM
34 割り込みコントローラ
35 シリアル通信回路(制御指令送信手段)
36 入出力I/F
40 表示制御装置(従属制御装置)
50 音制御装置(従属制御装置)
60 装飾制御装置(従属制御装置)
100 遊技機
145、157 スピーカ(演出装置)
DS 送信開始特定データ
DE 送信終了特定データ
DC 制御指令データ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技を統括的に制御する遊技制御手段と、
前記遊技制御手段から送信される制御指令データに対応して、識別情報を変動表示する変動表示ゲームと該変動表示ゲームの未処理数である保留表示の表示制御を行なう従属制御手段と、
を備えた遊技機において、
前記従属制御手段は、
前記遊技制御手段から送信される前記制御指令データに基づいて表示態様を決定し、所定の更新タイミングで表示態様の更新を行なう表示制御手段を備え、
前記所定の更新タイミングに前記保留表示の表示態様に関する制御指令データを重複して受信している場合は、
後に受信した制御指令データに対応する保留表示は表示する一方で、先に受信した制御指令データに対応する保留表示は表示しないようにしたことを特徴とする遊技機。
【請求項1】
遊技を統括的に制御する遊技制御手段と、
前記遊技制御手段から送信される制御指令データに対応して、識別情報を変動表示する変動表示ゲームと該変動表示ゲームの未処理数である保留表示の表示制御を行なう従属制御手段と、
を備えた遊技機において、
前記従属制御手段は、
前記遊技制御手段から送信される前記制御指令データに基づいて表示態様を決定し、所定の更新タイミングで表示態様の更新を行なう表示制御手段を備え、
前記所定の更新タイミングに前記保留表示の表示態様に関する制御指令データを重複して受信している場合は、
後に受信した制御指令データに対応する保留表示は表示する一方で、先に受信した制御指令データに対応する保留表示は表示しないようにしたことを特徴とする遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2013−90938(P2013−90938A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−3093(P2013−3093)
【出願日】平成25年1月11日(2013.1.11)
【分割の表示】特願2012−213566(P2012−213566)の分割
【原出願日】平成20年2月19日(2008.2.19)
【出願人】(000132747)株式会社ソフイア (2,465)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成25年1月11日(2013.1.11)
【分割の表示】特願2012−213566(P2012−213566)の分割
【原出願日】平成20年2月19日(2008.2.19)
【出願人】(000132747)株式会社ソフイア (2,465)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]